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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】接続装置および懸架アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/00 20060101AFI20240702BHJP
   F16B 1/00 20060101ALI20240702BHJP
   F16B 37/08 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
F16B7/00 Z
F16B1/00 B
F16B37/08 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580413
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 IB2022055873
(87)【国際公開番号】W WO2023275688
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】2109262.2
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2109264.8
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2209226.6
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2209230.8
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】サンダーランド、オリバー
【テーマコード(参考)】
3J039
【Fターム(参考)】
3J039AA06
3J039BB04
3J039GA02
(57)【要約】
接続装置は、支持部材(12)と、支持部材(12)を細長い部材(14)に固定するための締結装置(24)とを備える。締結装置(24)は、細長い部材(14)を保持するための保持構成要素(26)を備える。保持構成要素(26)は、保持構成要素(26)を通して細長い部材(14)を受け入れるための貫通孔(28)を画定する。貫通孔(28)は、保持領域(36)と解放領域(38)とを有する。保持構成要素(26)は、細長い部材(14)上の対応する構成物と共働するために、保持領域(36)に共働構造を有する。保持構成要素(26)は、保持位置と解放位置との間で支持部材(12)に対して移動可能である。保持位置では、細長い部材(14)は、保持領域(36)内に受け入れられることが可能であり、保持構成要素(26)の共働構造は、細長い部材(14)を保持構成要素(26)に締結するために、細長い部材(14)の対応する構成物と共働する。解放位置では、細長い部材(14)は、解放領域(38)内に受け入れられることが可能であり、それによって細長い部材(14)が保持構成要素(26)から解放されることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続装置であって、
支持部材と、
前記支持部材上に装着され、細長い懸架部材を前記接続装置に締結するための締結装置を備えるカートリッジと
を備える、接続装置。
【請求項2】
前記締結装置が、前記細長い部材を保持するための保持構成要素を備え、前記保持構成要素は、前記保持構成要素を通して前記細長い部材を受け入れるための貫通孔を画定し、前記貫通孔は、保持領域と解放領域とを有し、前記保持構成要素は、前記細長い部材上の対応する構成物と共働するために、前記保持領域に共働構造を有し、
前記保持構成要素が、保持位置と解放位置との間で前記支持部材に対して移動可能であり、
それによって、前記保持位置では、前記細長い部材は、前記保持領域内に受け入れられることが可能であり、前記保持構成要素の前記共働構造は、前記細長い部材を前記保持構成要素に締結するために前記細長い部材の対応する前記構成物と共働し、前記解放位置では、前記細長い部材は、前記解放領域内に受け入れられることが可能であり、それによって前記細長い部材が前記保持構成要素から解放されることを可能にする、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記保持構成要素が、前記保持位置と前記解放位置との間で前記支持部材に対して枢動的に移動可能である、請求項2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記締結装置が、前記保持構成要素を前記保持位置に付勢するための付勢部材をさらに含む、請求項2または3に記載の接続装置。
【請求項5】
前記保持領域にある前記保持構成要素の前記共働構造が、前記保持構成要素のねじ山の形態の共働構造と共働するためのねじ山である、請求項2、3または4に記載の接続装置。
【請求項6】
前記貫通孔の前記保持領域および前記解放領域が、互いに対して斜めに延び、前記保持領域は、前記保持構成要素が前記保持位置にあるときに前記細長い部材がそれに沿って延びる第1の主軸を有する、請求項2から5のいずれかに記載の接続装置。
【請求項7】
前記貫通孔が、さらなる保持領域を有し、前記解放領域は、前記保持領域と前記さらなる保持領域との間に配置され、前記保持領域の前記第1の主軸は、前記さらなる保持領域の主軸であり、前記保持構成要素は、前記さらなる保持領域に共働構造を備える、請求項6に記載の接続装置。
【請求項8】
前記さらなる保持領域にある前記保持構成要素の前記共働構造が、前記保持構成要素のねじ山である、請求項7に記載の接続装置。
【請求項9】
前記解放領域が、前記保持構成要素が前記解放位置にあるときに前記細長い部材がそれに沿って延びる第2の主軸を有し、前記第1の主軸および前記第2の主軸は、互いに対して斜めに延びる、請求項6、7または8に記載の接続装置。
【請求項10】
前記締結装置が、前記保持構成要素を前記保持位置または前記解放位置に位置決めするための位置決め装置をさらに備える、請求項2から9のいずれかに記載の接続装置。
【請求項11】
前記位置決め装置が、前記保持構成要素を前記保持位置と前記解放位置との間で傾斜させるための傾斜装置の形態である、請求項10に記載の接続装置。
【請求項12】
前記位置決め装置が、前記保持構成要素を前記保持位置と前記解放位置との間で搬送するために搬送構成要素を備え、前記付勢部材は、前記搬送構成要素と係合する、請求項10または11に記載の接続装置。
【請求項13】
前記搬送構成要素が、前記保持構成要素の傾斜をもたらすために、前記支持部材に沿って移動可能であり、前記搬送構成要素は、前記保持構成要素の傾斜をもたらすために、前記支持部材に沿って摺動可能である、請求項12に記載の接続装置。
【請求項14】
前記搬送構成要素が、前記保持構成要素を前記保持位置に受け入れるための第1の係合領域と、前記保持構成要素を前記解放位置に受け入れるための第2の係合領域とを備える、請求項12または13に記載の接続装置。
【請求項15】
前記搬送構成要素が、前記搬送構成要素の前記第1の係合領域が前記保持構成要素を受け入れる第1の位置と、前記搬送構成要素の前記第2の係合領域が前記保持構成要素を受け入れる第2の位置との間で移動可能である、請求項14に記載の接続装置。
【請求項16】
前記第1の係合領域および前記第2の係合領域が、互いに対して斜めに配置される、請求項14または15に記載の接続装置。
【請求項17】
前記第1の係合領域が、前記保持構成要素と係合するための第1の表面を有し、前記第2の係合領域が、前記保持構成要素と係合するための第2の表面を有する、請求項14、15または16に記載の接続装置。
【請求項18】
前記第1の係合領域が、前述の第1の表面のうちの2つを有し、前記第1の表面は、互いに離間され、前記第1の表面は、互いに対して実質的に平行に延び、前記第2の係合領域が、前述の第2の表面のうちの2つを有し、前記第2の表面は、互いに離間され、前記第2の表面は、互いに対して実質的に平行に延びる、請求項17に記載の接続装置。
【請求項19】
前記搬送構成要素および前記保持構成要素が、前記保持構成要素を前記解放位置まで案内するための共働案内構造を有する、請求項12から18のいずれかに記載の接続装置。
【請求項20】
前記保持構成要素の前記案内構造が、主要部の両側に配置される、請求項19に記載の接続装置。
【請求項21】
前記保持構成要素の前記案内構造が、主要部上にスロープ表面を備え、前記スロープ表面は、前記主要部によって画定された凹部内に設けられる、請求項19または20に記載の接続装置。
【請求項22】
前記搬送構成要素が、対向する第1の端部および第2の端部を有し、前記搬送構成要素の前記案内構造は、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延びる突出部材を備える、請求項19、20または21に記載の接続装置。
【請求項23】
前記保持構成要素および前記搬送構成要素の前記案内構造が、前記保持構成要素が前記解放位置まで移動するときに互いにわたって摺動する共働表面を備える、請求項19から22のいずれかに記載の接続装置。
【請求項24】
前記搬送構成要素が、前記付勢部材を前記第1の端部上に位置付けるために位置付け構成物を有する、請求項19から23のいずれかに記載の接続装置。
【請求項25】
前記位置付け構成物が、前記第1の端部上にラグを備える、請求項24に記載の接続装置。
【請求項26】
前記保持構成要素が、前記支持部材上に枢動的に装着され、前記保持構成要素は、前記貫通孔を画定する主要部を備え、前記保持構成要素は、前記主要部から延びる枢動部材を備え、前記枢動部材は、前記支持部材によって画定された枢動開口内に受け入れられる、請求項2から11のいずれかに記載の接続装置。
【請求項27】
請求項1から26のいずれかに記載の接続装置と、細長い部材とを備える、懸架アセンブリ。
【請求項28】
締結装置であって、
保持構成要素を備え、前記保持構成要素は、前記保持構成要素を通して細長い部材を受け入れるための貫通孔を画定し、前記貫通孔は、保持領域と解放領域とを有し、前記保持構成要素は、前記保持領域に共働構造を有し、
前記保持構成要素が、保持位置と解放位置との間で移動可能であり、
それによって、前記保持位置では、前記細長い部材は、前記保持領域内に受け入れられることが可能であり、前記保持構成要素の前記共働構造は、前記細長い部材を前記保持構成要素に締結するために前記細長い部材の対応する前記構成物と共働し、前記解放位置では、前記細長い部材は、前記解放領域内に受け入れられることが可能であり、それによって前記細長い部材が前記保持構成要素から解放されることを可能にする、締結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置に関する。本発明は、懸架アセンブリに関する。より詳細には、制限的ではないが、本発明は、懸架アセンブリに使用するための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ付きロッドに取り付けられたブラケットによって屋根または天井から管およびケーブルトレイを懸架することが、知られている。物品を支持するためのブラケットまたは支柱などの支持部材が、ねじ付きロッドに取り付けられる。ロッドへの支持部材の取り付けは、ロッド上にナットをねじ込むことを必要とする。これは、多大な時間を必要とし得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一般的な態様によれば、接続装置であって、
支持部材と、
支持部材上に装着され、細長い懸架部材を支持部材に接続するための締結装置を備えるカートリッジと
を備える、接続装置が提供される。
【0004】
カートリッジは、締結装置のためのハウジングを含んでもよい。
【0005】
本発明の1つの態様によれば、締結装置であって、
保持構成要素を備え、保持構成要素は、保持構成要素を通して細長い部材を受け入れるための貫通孔を画定し、貫通孔は、保持領域と解放領域とを有し、保持構成要素は、保持領域に共働構造を有し、
保持構成要素が、保持位置と解放位置との間で移動可能であり、
それによって、保持位置では、細長い部材は、保持領域内に受け入れられることが可能であり、保持構成要素の共働構造は、細長い部材を保持構成要素に締結するために細長い部材の共働構造と共働し、解放位置では、細長い部材は、解放領域内に受け入れられることが可能であり、それによって細長い部材が保持構成要素から解放されることを可能にする、締結装置が提供される。
【0006】
本発明の別の態様によれば、接続装置であって、
支持部材と、
支持部材を細長い部材に固定するための締結装置と
を備え、
締結装置が、保持構成要素を備え、保持構成要素は、保持構成要素を通して細長い部材を受け入れるための貫通孔を画定し、貫通孔は、保持領域と解放領域とを有し、保持構成要素は、保持領域に共働構造を有し、
保持構成要素が、保持位置と解放位置との間で支持部材に対して移動可能であり、
それによって、保持位置では、細長い部材は、保持領域内に受け入れられることが可能であり、保持構成要素の共働構造は、細長い部材を保持構成要素に締結するために、細長い部材の共働構造と共働し、解放位置では、細長い部材は、解放領域内に受け入れられることが可能であり、それによって細長い部材が保持構成要素から解放されることを可能にする、接続装置が提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、上記で説明されたような接続装置と細長い部材とを備える懸架アセンブリが、提供される。
【0008】
接続装置は、支持部材のそれぞれの端部領域内に各々が受け入れられる、締結装置の2つを備えてもよい。あるいは、接続装置は、懸架アセンブリを提供するために、さらなる支持部材内に受け入れ可能であってもよい。接続装置は、さらなる支持部材の1つの端部領域内に受け入れ可能であってもよい。さらなる接続装置が、さらなる支持部材の反対側の端部領域内に受け入れ可能であってもよい。
【0009】
本発明の別の態様によれば、懸架アセンブリであって、
細長い部材と、
物品を支持するための支持部材と、
支持部材を細長い部材に固定するための締結装置と
を備え、
締結装置が、保持構成要素を備え、保持構成要素は、保持構成要素を通して細長い部材を受け入れるための貫通孔を画定し、貫通孔は、保持領域と解放領域とを有し、保持構成要素は、細長い部材上の共働構造と共働するために、保持領域に共働構造を有し、
保持構成要素が、保持位置と解放位置との間で支持部材に対して移動可能であり、
それによって、保持位置では、細長い部材は、保持領域内に受け入れられることが可能であり、保持構成要素の共働構造は、細長い部材を保持構成要素に締結するために、細長い部材の共働構造と共働し、解放位置では、細長い部材は、解放領域内に受け入れられることが可能であり、それによって細長い部材が保持構成要素から解放されることを可能にする、懸架アセンブリが提供される。
【0010】
接続装置は、コネクタであってもよい。締結装置は、締結具であってもよい。支持部材は、支持体であってもよい。保持構成要素は、ホルダであってもよい。共働構造は、把持構造物であってもよい。
【0011】
接続装置は、カートリッジを含んでもよい。懸架アセンブリは、カートリッジを含んでもよい。カートリッジは、締結装置を備えてもよい。カートリッジは、クランプ配置が内部に収容されるハウジングを含んでもよい。
【0012】
保持構成要素は、保持位置と解放位置との間で支持部材に対して枢動的に移動可能であってもよい。保持構成要素は、保持状態と解放状態との間で支持部材に対して傾斜可能であってもよい。
【0013】
支持部材は、物品を支持するためであってもよい。懸架アセンブリは、支持部材のそれぞれの端部領域内に各々が受け入れられる、締結装置の2つを備えてもよい。
【0014】
締結装置は、保持構成要素を保持位置に付勢するための付勢部材をさらに含んでもよい。付勢部材は、弾性付勢部材を備えてもよい。付勢部材は、圧縮ばねなどのばねを備えてもよい。
【0015】
細長い部材は、細長いねじ付き物品であってもよい。ねじ付き物品は、ねじ付きロッドを備えてもよい。保持領域にある保持構成要素の共働構造は、保持構成要素のねじ山であってもよい。細長い部材の保持構成要素は、ねじ付き物品のねじ山であってもよい。あるいは、細長い部材は、滑らかなロッドまたはケーブル、ワイヤ、ワイヤロープなどであってもよい。
【0016】
貫通孔の保持領域および解放領域は、互いに対して斜めに延びてもよい。保持領域は、保持構成要素が保持位置にあるときに細長い部材がそれに沿って延び得る第1の主軸を有してもよい。
【0017】
貫通孔は、さらなる保持領域を有してもよい。解放領域は、保持領域とさらなる保持領域との間に配置されてもよい。保持領域の第1の主軸は、さらなる保持領域の主軸であってもよい。保持構成要素は、共働構造をさらなる保持領域に備えてもよい。さらなる保持領域にある保持構成要素の共働構造は、保持構成要素のねじ山であってもよい。
【0018】
解放領域は、保持構成要素が解放位置にあるときに細長い部材がそれに沿って延び得る第2の主軸を有してもよい。第1の主軸および第2の主軸は、互いに対して斜めに延びてもよい。
【0019】
第1の主軸および第2の主軸は、5°から25°の間、望ましくは10°から20°の間、より望ましくは約15°の互いに対する角度で延びてもよい。
【0020】
支持部材は、細長い支持部材であってもよい。支持部材は、細長い部材を受け入れるために開口部を有してもよい。開口部は、貫通孔と位置合わせされてもよい。
【0021】
支持部材は、細長い部材が貫通して延び得る開口部を画定してもよい。支持部材は、開口部を画定する上面を有してもよい。開口部は、保持構成要素によって画定された貫通孔と位置合わせされてもよい。
【0022】
支持部材は、互いに対向する2つの開口部を有してもよい。開口部は、支持部材の対向する上面および下面内に画定されてもよい。
【0023】
両方の開口部は、保持構成要素によって画定された貫通孔と位置合わせされてもよい。したがって、位置合わせされた開口部および貫通孔は、支持部材および保持構成要素を通して細長い部材を受け入れることを可能にする。
【0024】
締結装置は、保持構成要素を保持位置または解放位置に位置決めするための位置決め装置をさらに備えてもよい。細長い部材に対して保持構成要素を移動させることは、細長い部材に対して保持構成要素を傾斜させることを備えてもよい。
【0025】
位置決め装置は、保持構成要素を保持位置と解放位置との間で傾斜させるための傾斜装置の形態であってもよい。
【0026】
細長い部材に対して保持構成要素を移動させることは、細長い部材に対して保持構成要素を枢動させることを備えてもよい。細長い部材に対して保持構成要素を移動させることは、支持部材に対して保持構成要素を枢動させることを備えてもよい。
【0027】
保持構成要素は、支持部材上に枢動的に装着されてもよい。保持構成要素は、貫通孔を画定する主要部を備えてもよい。
【0028】
保持構成要素は、主要部から延びる枢動部材を備えてもよい。枢動部材は、支持部材によって画定された枢動開口内に受け入れられてもよい。
【0029】
保持構成要素は、枢動部材の2つを備えてもよい。枢動部材は、主要部から互いに対向して延びてもよい。枢動部材は、支持部材によって画定されたそれぞれの枢動開口内に受け入れられてもよい。
【0030】
位置決め装置は、保持構成要素を保持位置と解放位置との間で搬送し得る搬送構成要素を備えてもよい。付勢部材は、搬送構成要素と係合してもよい。搬送構成要素は、コンベヤであってもよい。
【0031】
搬送構成要素は、保持構成要素の傾斜をもたらすために、支持部材に沿って移動可能であってもよい。搬送構成要素は、保持構成要素の傾斜をもたらすために、支持部材に沿って摺動可能であってもよい。搬送構成要素は、キャリッジを備えてもよい。
【0032】
搬送構成要素は、保持構成要素を保持位置に受け入れるための第1の係合領域を備えてもよい。第1の係合領域は、保持位置において保持構成要素と係合してもよい。
【0033】
搬送構成要素は、保持構成要素を解放位置に受け入れるための第2の係合領域を備えてもよい。第2の係合領域は、解放位置において保持構成要素と係合してもよい。
【0034】
搬送構成要素は、移動可能な部材の第1の係合領域が保持構成要素を受け入れる第1の位置と、搬送構成要素の第2の係合領域が保持構成要素を受け入れる第2の位置との間で移動可能であってもよい。
【0035】
第1の係合領域および第2の係合領域は、互いに対して斜めに配置されてもよい。第1の係合領域および第2の係合領域は、互いに対して優角で配置されてもよい。その角度は、185°から205°の間、望ましくは190°から200°の間、より望ましくは約195°であってもよい。第1の係合領域は、第2の係合部材よりも付勢部材に近くてもよい。
【0036】
第1の係合領域は、保持構成要素と係合するための第1の表面を有してもよい。第2の係合領域は、保持構成要素と係合するための第2の表面を有してもよい。第1の表面および第2の表面は、前記優角に配置されてもよい。
【0037】
第1の係合領域は、前述の第1の表面のうちの2つを有してもよい。第1の表面は、互いに離間されてもよい。第1の表面は、実質的に互いに平行に延びてもよい。
【0038】
第2の係合領域は、前述の第2の表面のうちの2つを有してもよい。第2の表面は、互いに離間されてもよい。第2の表面は、実質的に互いに平行に延びてもよい。
【0039】
保持構成要素の保持位置では、搬送構成要素の第1の係合領域は、支持部材内のそのまたは各開口部と位置合わせされてもよい。保持構成要素の解放位置では、搬送構成要素の第2の係合領域は、支持部材内のそのまたは各開口部と位置合わせされてもよい。
【0040】
搬送構成要素および保持構成要素は、保持構成要素を解放位置まで案内するための共働案内構造を有してもよい。搬送構成要素は、案内構造の2つを有してもよい。保持構成要素は、案内構造の2つを有してもよい。
【0041】
保持構成要素の案内構造は、主要部の両側に配置されてもよい。保持構成要素の案内構造は、主要部上にスロープ表面を備えてもよい。スロープ表面は、主要部によって画定された凹部内に設けられてもよい。貫通孔は、保持構成要素の案内構造間に配置されてもよい。
【0042】
搬送構成要素は、対向する端部を有してもよい。第1の端部が、付勢部材と係合してもよい。搬送構成要素の案内構造は、第2の端部上に配置されてもよい。
【0043】
搬送構成要素の案内構造は、突出部材を備えてもよい。突出部材は、第2の端部から第1の端部に向かって突出してもよい。搬送構成要素の案内構造は、保持構成要素を解放位置まで案内するために、保持構成要素の案内構造と係合してもよい。
【0044】
保持構成要素および搬送構成要素の案内構造は、保持構成要素が解放位置に移動するときに互いにわたって摺動する共働表面を備えてもよい。
【0045】
付勢部材は、支持部材内の開口部と位置合わせするように第1の係合領域を付勢するために、搬送構成要素と係合してもよい。
【0046】
支持部材は、付勢部材によって係合された反応構成物を有してもよい。付勢部材は、保持構成要素と第1の端部との間を延びてもよい。付勢部材は、反応構成物と保持構成要素の第1の端部との間を延びてもよい。
【0047】
反応構成物は、支持部材の変形された領域を備えてもよい。変形された領域は、支持部材の内方向に延びてもよい。搬送構成要素は、付勢部材を第1の端部上に位置付けるために、位置付け構成物を有してもよい。
【0048】
位置付け構成物は、第1の端部上にあってもよい。位置付け構成物は、ラグを備えてもよい。ラグは、反応構成物に向かって延びてもよい。付勢部材の1つの端部は、位置付け構成物の周りに係合してもよい。ラグは、第1の端部上に設けられてもよい。位置付け構成物は、第1の端部から反応構成物に向かって延びてもよい。位置付け構成物は、実質的に円筒状であってもよい。付勢部材の1つの端部は、位置付け構成物の周りに係合してもよい。
【0049】
懸架アセンブリは、細長い部材の2つと、締結装置の2つと、単一の支持部材とを備えてもよい。
【0050】
次に、本発明の実施形態が、添付の図を参照しながら例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】懸架アセンブリの斜視図。
図2図1に示される懸架アセンブリの分解図。
図3図1にIIIでマークされた領域の図。
図4図1にIIIでマークされた領域の側部断面図。
図5】保持位置にある保持構成要素を示す、保持構成要素および支持部材の側部断面図。
図6】解放位置にある保持構成要素を示す、保持構成要素および支持部材の側部断面図。
図7】保持構成要素の斜視図。
図8】保持構成要素の断面斜視図。
図9】保持位置にある保持構成要素を示す、保持構成要素および細長い部材の側部断面図。
図10】搬送構成要素を含む、図9と同様の図。
図11】解放位置にある保持構成要素を示す、保持構成要素および細長い部材の側部断面図。
図12】搬送構成要素を含む、図11と同様の図。
図13】搬送構成要素の上方からの斜視図。
図14】搬送構成要素の側部斜視図。
図15】搬送構成要素の下方からの斜視図。
図16】支持部材と締結装置とを備える接続装置の斜視図。
図17】接続装置を組み込む懸架アセンブリの端部領域の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1および図2は、ケーブルトレイまたは配管などの物品を支持するための支持部材12を備える懸架アセンブリ10を示す。懸架アセンブリ10は、建物内の屋根ビームまたは天井などの上側支持体に取り付けられる。
【0053】
支持部材12は、細長く、図1、2、および3に示されるように、実質的に正方形の端部プロファイルを有する。支持部材12は、その対向する端部領域において、ねじ付きロッド14の形態の2つの細長い部材上に懸架される。
【0054】
各ねじ付きロッド14は、支持部材12の上面18内の上側開口部16を介して支持部材12を通り、支持部材12の下面22内の下側開口部20を通って延びる。懸架アセンブリ10は、ねじ付きロッド14が貫通して延びる2つの締結装置24をさらに含む。
【0055】
図4を参照すれば、締結装置24のそれぞれ1つが、支持部材12の各端部領域内に受け入れられる。支持部材12の両端25の各々は、その内部の締結装置24へのアクセスを可能にするために開いている。各締結装置24は、ねじ付きロッド14を貫通させて受け入れるための貫通孔28を画定する保持構成要素26を備える。
【0056】
支持部材12および2つの締結装置24は、接続装置を構成する。さらなる接続装置100が、図13および図14に示される。
【0057】
保持構成要素26は、貫通孔28を画定する主要部30と、主要部30から延びる対向する枢動部材32とを備える。支持部材12は、枢動部材32が内部に受け入れられる対向する枢動開口34を画定する。そのように受け入れられたとき、枢動部材32は、保持構成要素26を支持部材12に枢動的に取り付ける。
【0058】
保持構成要素26は、図5に示される保持位置と、図6に示される解放位置との間で支持部材12に対して傾斜され得る。保持構成要素26の傾斜は、枢動部材32の周りで保持構成要素26を枢動させることによってもたらされる。
【0059】
図5から図8を参照すれば、貫通孔28は、2つのねじ付き保持領域36と解放領域38とを有する。保持領域36は、互いに対向して配置され、第1の主軸X-Xに沿って延びる。解放領域38は、保持領域36間を延び、第2の主軸Y-Yを有する。
【0060】
保持領域36の第1の主軸X-Xは、約15°の角度で、解放領域38の第2の主軸Y-Yに対して斜めに配置される。したがって、解放領域38は、約15°の角度で保持領域36に対して角度付けられる。
【0061】
保持構成要素26が保持位置にあるとき、ねじ付きロッド14は、主軸X-Xに沿って保持領域36を通って延びる。この位置では、貫通孔28の保持領域36は、上側および下側開口部16、20と位置合わせされ、保持領域36のねじ山は、ねじ付きロッド14のねじ山と係合し、それによって保持構成要素26は、ねじ付きロッド14を保持する。
【0062】
保持構成要素26が解放位置にあるとき、ねじ付きロッド14は、主軸Y-Yに沿って解放領域38を通って延びる。この位置では、貫通孔28の解放領域38は、上側および下側開口部16、20と位置合わせされ、ねじ付きロッド14のねじ山は、保持構成要素26上のいかなるねじ山とも係合しない。その結果、ねじ付きロッド14は、保持構成要素26から解放され、それによって支持部材12をねじ付きロッド14に沿って移動させるか、またはねじ付きロッド14から取り出すことを可能にする。
【0063】
各締結装置24は、保持構成要素26が装着されるキャリッジの形態の搬送構成要素40を備える。搬送構成要素40は、支持部材12に沿って長手方向に摺動する。搬送構成要素40および保持構成要素26は、一緒になってカートリッジを提供する。
【0064】
搬送構成要素40は、図13から図15に示されており、保持構成要素26と係合するための第1の係合領域42および第2の係合領域44を備えるベース41を有する。第1の係合領域42は、実質的に平行に離間された2つの第1の表面46を備える。第2の係合領域44は、実質的に平行に離間された2つの第2の表面48を備える。
【0065】
搬送構成要素40の第1の係合領域42および第2の係合領域44は、互いに対して約195°の角度で配置される。支持部材12は、親軸Z-Zを有する。第1の係合領域42は、親軸Z-Zに平行に延びる。第2の係合領域44は、親軸Z-Zに対して約15°の角度で延びる。
【0066】
図10および図12を参照すれば、搬送構成要素40は、第1の位置と第2の位置との間で移動され得る。図10に示される第1の位置では、第1の係合領域42は、第1の表面46上に保持構成要素26を受け入れる。図12に示される第2の位置では、第2の係合領域44は、第2の表面48上に保持構成要素26を受け入れる。ねじ付きロッド14は、搬送構成要素40が第1の位置にあるときに第1の表面46間を、キャリッジが第2の位置にあるときに第2の表面48間を延びる。
【0067】
第1の位置では、第1の係合領域42は、支持部材12内の開口部と位置合わせされる。この位置では、保持構成要素26は、保持位置において搬送構成要素40の第1の表面46上に配設される。
【0068】
第2の位置では、第2の係合領域44は、支持部材12内の開口部と位置合わせされる。この位置では、保持構成要素26は、解放位置において搬送構成要素40の第2の表面48上に配設される。
【0069】
したがって、搬送構成要素40が図10に示される第1の位置と、図12に示される第2の位置との間で移動するとき、保持構成要素26は、第1の表面46および第2の表面48の角度の変化によって、保持位置と解放位置との間で傾斜される。
【0070】
締結装置24は、搬送構成要素40を第1の位置に付勢するために、圧縮ばねの形態の付勢部材50をさらに含む。搬送構成要素40は、対向する第1の端部52および第2の端部54を有する。付勢部材50は、第1の端部52から支持部材12上の反応構成物56まで延びる。
【0071】
ベース部材41は、開口59を画定する。ねじ付きロッド14が締結装置24を通って延びるとき、ねじ付きロッド14は、開口59を通過する。開口59は、2つの第1の表面46間および2つの第2の表面48間に画定される。
【0072】
円筒状ラグの形態の位置付け構成物60が、第1の端部52上に設けられ、そこから反応構成物56に向かって延びる。付勢部材50の1つの端部は、位置付け構成物60の周りに係合する。付勢部材50の反対側の端部は、反応構成物56と係合する。
【0073】
反応構成物56は、支持部材12の対向する切欠領域を備える。切欠領域は、支持部材12の内方向に変形される。反応構成物56は、搬送構成要素40にわたって延びる。
【0074】
搬送構成要素40の第2の端部54は、支持部材12の開放端にわたって延びる。第2の端部54は、付勢部材50によってかけられた力に反して搬送構成要素40を移動させるために、ユーザによって内方向に押さえられ得る。これは、搬送構成要素40を第1の位置から第2の位置に移動させ、保持構成要素26を第2の表面48上に摺動させ、それによって保持構成要素26を解放位置に傾斜させる。
【0075】
搬送構成要素40および保持構成要素26は、共働案内構造61、63をさらに含む。キャリッジの案内構造61は、搬送構成要素40が第1の位置から第2の位置に摺動するときに保持構成要素26を解放位置まで案内するように、保持構成要素26の案内構造63と共働する。
【0076】
搬送構成要素40の案内構造61は、第2の端部54から第1の端部52に向かって延びる2つの突出部62を備える。突出部62は、下側スロープ表面64を有する。
【0077】
図7および図8を参照すれば、保持構成要素26の案内構造は、主要部30の両側に画定された凹状領域70内に設けられたスロープ表面68を備える。貫通孔28は、保持構成要素26の案内構造間の主要部30内に画定される。
【0078】
搬送構成要素40が第1の位置から第2の位置に移動するとき、搬送構成要素40のスロープ表面は、保持構成要素26のスロープ表面にわたって摺動し、それによって保持構成要素26を解放位置まで案内する。
【0079】
図16および図17は、カートリッジの形態の接続装置100を示す。接続装置100は、図17に示されるように、さらなる支持部材112の1つの端部においてさらなる支持部材112内に受け入れ可能である。別の接続装置100が、さらなる支持部材112の反対側の端部内に受け入れられ、それによって全体的に110で示されるさらなる懸架アセンブリを提供する。ねじ付きロッド14は、さらなる支持部材112および両方の接続装置100を通って挿入される。
【0080】
接続装置100は、締結装置24と、全体的に114で示される支持部材とを備える。支持部材114は、これがさらなる支持部材112を支持するように意図され、また、支持部材114が締結装置24の1つだけを保持するという点において、支持部材12とは異なる。後者の相違は、さらなる懸架アセンブリ110を形成するためにさらなる支持部材112内で接続装置を使用することを可能にする。
【0081】
こうして、電気、HVAC、または管システムの適合のための支持を提供するために設置がすばやく容易である懸架アセンブリ10、110および接続装置100が、説明される。懸架アセンブリ10、110、および接続装置100は、ねじ付きロッド14にナットおよびワッシャを適合させる必要性を取り除くことによって、設置プロセスをかなり早める。
【0082】
枢動可能な保持構成要素26は、懸架アセンブリ10、110の迅速な設置、調整および任意選択の解放を可能にする。搬送構成要素40は、ねじ付きロッド14のプッシュボタン解放を可能にする。懸架アセンブリ10、110および接続装置100は、事前に組み立てられることが可能であり、それによって複数の構成要素(ナット、ワッシャなど)を現場に持ち込む必要性を回避する。
【0083】
本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな改変形態が加えられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】