(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】分子診断カートリッジ
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240702BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/04 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580545
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 KR2022009072
(87)【国際公開番号】W WO2023027314
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111344
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519122725
【氏名又は名称】オプトレーン テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OPTOLANE Technologies Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チョ,スン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウォン・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ,サン・フン
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC11
2G058CD23
2G058CF09
2G058GA01
(57)【要約】
本発明は、分子診断チップの挿入が容易になるように構成された分子診断カートリッジを開示する。分子診断チップを収容する分子診断カートリッジは、下部に配されるカートリッジボトム部材;カートリッジボトム部材の外郭に沿って配されるヒンジサブリング;カートリッジボトム部材に締結されるヒンジサブリングによって定義される空間に収容されるカートリッジアウトライン部材;分子診断チップを取り囲む形状を有して、カートリッジアウトライン部材上に配され、傾いた方向に挿入される分子診断チップを収容するチップ摺動部材;及びカートリッジアウトライン部材の内側壁から突出したシーソー軸類に締結され、オープンモード動作時に、カートリッジボトム部材に対してチップ摺動部材を傾斜して支持し、クローズモード動作時に、カートリッジボトム部材に対してチップ摺動部材を平行に支持するトーションバネ類;を含む。このような本発明によれば、分子診断チップが傾斜してチップ摺動部材に挿入されて分子診断チップの挿入の容易性を実現することができる。また、カートリッジカバーが加圧されることによって、分子診断チップを収容するチップ摺動部材は、シーソー軸を中心にシーソー運動してカートリッジボトム部材に向けて移動して、チップ摺動部材に配された分子診断チップは、分子診断カートリッジに載置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子診断チップを収容する分子診断カートリッジにおいて、
下部に配されるカートリッジボトム部材と、
前記カートリッジボトム部材の外郭に沿って配されるヒンジサブリングと、
前記カートリッジボトム部材に締結される前記ヒンジサブリングによって定義される空間に収容されるカートリッジアウトライン部材と、
前記分子診断チップを取り囲む形状を有して、前記カートリッジアウトライン部材上に配され、傾いた方向に挿入される分子診断チップを収容するチップ摺動部材と、
前記カートリッジアウトライン部材の内側壁から突出したシーソー軸類に締結され、オープンモード動作時に、前記カートリッジボトム部材に対して前記チップ摺動部材を傾斜して支持し、クローズモード動作時に、前記カートリッジボトム部材に対して前記チップ摺動部材を平行に支持するトーションバネ類と、を含むことを特徴とする、分子診断カートリッジ。
【請求項2】
前記トーションバネ類は、
前記カートリッジアウトライン部材の第1内側壁に突出した第1シーソー軸に締結される第1トーションバネと、
前記カートリッジアウトライン部材の第2内側壁に突出した第2シーソー軸に締結される第2トーションバネと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項3】
前記チップ摺動部材は、
ボトム部と、
前記ボトム部の一側エッジから上向きに折り曲げられた第1側壁部と、
前記第1側壁部から内側方向に折り曲げられ、第1摺動ホール及び第2摺動ホールが形成された第1エッジ部と、
前記ボトム部の他側エッジから上向きに折り曲げられた第2側壁部と、
前記第2側壁部から内側方向に折り曲げられた第2エッジ部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項4】
前記ボトム部、前記第1側壁部及び前記第1エッジ部によって定義される空間に配され、前記第1摺動ホールに対応して突出した第1摺動突起、及び前記第2摺動ホールに対応して突出した第2摺動突起を含み、挿入される分子診断チップを固定する第1チップ摺動クリップと、
前記第1側壁部と前記第1チップ摺動クリップとの間に配され、前記分子診断チップを固定する前記第1摺動クリップを摺動方式で引き込みまたは引き出すコイルバネと、
前記第1チップ摺動クリップに形成された谷に対応して配され、ガイドの役割を行う一端と操舵手の役割を行う他端とを含み、曲がりながら前記谷に沿って動くワイヤバネと、
前記第1側壁部を基準に前記第1チップ摺動クリップと対向するように前記第1側壁部の外側に締結される第1アップダウン摺動ボスと、をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項5】
前記ボトム部、前記第2側壁部及び前記第2エッジ部によって定義される空間に配され、挿入される分子診断チップを固定する第2チップ摺動クリップと、
前記第2側壁部を基準に前記第2チップ摺動クリップと対向するように前記第2側壁部の外側に締結される第2アップダウン摺動ボスと、をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項6】
前記ヒンジサブリングの第1ヒンジ突起及び第2ヒンジ突起を収容するように形成されたヒンジ溝を含み、前記ヒンジ溝に前記第1ヒンジ突起及び第2ヒンジ突起が挿入されることによって、前記ヒンジサブリングに部分的に締結されるカートリッジカバーをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項7】
胴体が前記ヒンジサブリングの内側壁の配され、前記胴体に形成されたフィンガー用突起が前記ヒンジサブリングの内側壁に形成されたホールを通じて外側に露出されるレバースイッチと、
一端が前記ヒンジサブリングの内側壁に締結され、他端が前記レバースイッチの一側に締結されるレバーバネと、をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジアウトライン部材と前記カートリッジボトム部材との間に配されるPCBと、
前記PCB上に搭載されたフォトセンサーチップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項9】
前記カートリッジアウトライン部材及び前記チップ摺動部材のそれぞれには、前記フォトセンサーチップが露出されるように通孔が形成されたことを特徴とする、請求項8に記載の分子診断カートリッジ。
【請求項10】
使用者の加圧によって、前記分子診断チップを加圧するように前記チップ摺動部材に挿入される分子診断チップ上に配され、前記カートリッジカバーに形成されたホールに露出されるウィンドウ部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の分子診断カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月24日付の大韓民国特許出願10-2021-0111344号に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたあらゆる内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、分子診断カートリッジに関し、より詳細には、分子診断チップの挿入が容易になるように構成された分子診断カートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
分子診断とは、対象物質の遺伝子(DNAまたはRNA)を直接分析して疾病の感染有無、塩基配列変異または突然変異を明らかにして、疾病の早期診断と効率的な治療とを可能にする診断方法である。特に、最近、疾病の感染確認、遺伝子検査、薬物遺伝学検査など多様な医学分野で分子診断法が使われている。
【0004】
分子診断法には、多様な検出方法が開発されたが、特に、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(realtime polymerasechain reaction)は、その方法の迅速性、利便性及び検出の敏感性などの側面で最近普遍的に広く活用される傾向である。リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応では、分析機器を用いて、このような蛍光物質の波長を分析することにより、対象遺伝子に対する定性的/定量的な分析が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、このような点に着眼したものであって、本発明の目的は、分子診断チップを収容するチップ摺動部材を傾斜してオープンされるように構成して、分子診断チップの挿入の容易性を実現するための分子診断カートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を実現するために、一実施形態によれば、分子診断チップを収容する分子診断カートリッジは、下部に配されるカートリッジボトム部材;前記カートリッジボトム部材の外郭に沿って配されるヒンジサブリング;前記カートリッジボトム部材に締結される前記ヒンジサブリングによって定義される空間に収容されるカートリッジアウトライン部材;前記分子診断チップを取り囲む形状を有して、前記カートリッジアウトライン部材上に配され、傾いた方向に挿入される分子診断チップを収容するチップ摺動部材;及び前記カートリッジアウトライン部材の内側壁から突出したシーソー軸類に締結され、オープンモード動作時に、前記カートリッジボトム部材に対して前記チップ摺動部材を傾斜して支持し、クローズモード動作時に、前記カートリッジボトム部材に対して前記チップ摺動部材を平行に支持するトーションバネ類;を含む。
【発明の効果】
【0007】
このような分子診断カートリッジによれば、分子診断チップが傾斜してチップ摺動部材に挿入されて分子診断チップの挿入の容易性を実現することができ、カートリッジカバーが加圧されることによって、前記分子診断チップを収容するチップ摺動部材は、シーソー軸を中心にシーソー運動してカートリッジボトム部材に向けて移動して、前記チップ摺動部材に配された分子診断チップは、分子診断カートリッジに載置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による分子診断カートリッジを説明する斜視図である。
【
図2】
図1に示された分子診断カートリッジを説明する分解斜視図である。
【
図3A】
図2に示された分子診断カートリッジに体外診断チップが挿入される初期過程を説明する斜視図である。
【
図3B】
図3Aにおける体外診断チップの締結構造を説明するために、一部の領域のみを抜粋した透視斜視図である。
【
図4A】
図2に示された第1チップ摺動クリップに締結されるワイヤバネを説明する第1斜視図である。
【
図4B】
図2に示された第1チップ摺動クリップに締結されるワイヤバネを説明する第2斜視図である。
【
図5】
図2に示されたトーションバネを説明する透視斜視図である。
【
図6A】
図2に示されたトーションバネの作動を説明する斜視図である。
【
図6B】
図2に示されたトーションバネの作動を説明する断面斜視図である。
【
図7A】
図2に示されたカートリッジカバーを加圧する前、分子診断カートリッジを示す斜視図である。
【
図7B】
図2に示されたカートリッジカバーを加圧する前、カートリッジカバー、レバースイッチ及びレバーバネを抜粋した斜視図である。
【
図8A】
図2に示されたヒンジサブリングとカートリッジカバーとを示す斜視図である。
【
図8B】
図2に示されたヒンジサブリングを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の目的を実現するために、一実施形態によれば、分子診断チップを収容する分子診断カートリッジは、下部に配されるカートリッジボトム部材;前記カートリッジボトム部材の外郭に沿って配されるヒンジサブリング;前記カートリッジボトム部材に締結される前記ヒンジサブリングによって定義される空間に収容されるカートリッジアウトライン部材;前記分子診断チップを取り囲む形状を有して、前記カートリッジアウトライン部材上に配され、傾いた方向に挿入される分子診断チップを収容するチップ摺動部材;及び前記カートリッジアウトライン部材の内側壁から突出したシーソー軸類に締結され、オープンモード動作時に、前記カートリッジボトム部材に対して前記チップ摺動部材を傾斜して支持し、クローズモード動作時に、前記カートリッジボトム部材に対して前記チップ摺動部材を平行に支持するトーションバネ類;を含む。
【0010】
一実施形態において、前記トーションバネ類は、前記カートリッジアウトライン部材の第1内側壁に突出した第1シーソー軸に締結される第1トーションバネ;及び前記カートリッジアウトライン部材の第2内側壁に突出した第2シーソー軸に締結される第2トーションバネ;を含みうる。
【0011】
一実施形態において、前記チップ摺動部材は、ボトム部;前記ボトム部の一側エッジから上向きに折り曲げられた第1側壁部;前記第1側壁部から内側方向に折り曲げられ、第1摺動ホール及び第2摺動ホールが形成された第1エッジ部;前記ボトム部の他側エッジから上向きに折り曲げられた第2側壁部;及び前記第2側壁部から内側方向に折り曲げられた第2エッジ部;を含みうる。
【0012】
一実施形態において、前記分子診断カートリッジは、前記ボトム部、前記第1側壁部及び前記第1エッジ部によって定義される空間に配され、前記第1摺動ホールに対応して突出した第1摺動突起、及び前記第2摺動ホールに対応して突出した第2摺動突起を含み、挿入される分子診断チップを固定する第1チップ摺動クリップ;前記第1側壁部と前記第1チップ摺動クリップとの間に配され、前記分子診断チップを固定する前記第1摺動クリップを摺動方式で引き込みまたは引き出すコイルバネ;前記第1チップ摺動クリップに形成された谷に対応して配され、ガイドの役割を行う一端と操舵手の役割を行う他端とを含み、曲がりながら前記谷に沿って動くワイヤバネ;及び前記第1側壁部を基準に前記第1チップ摺動クリップと対向するように前記第1側壁部の外側に締結される第1アップダウン摺動ボス;をさらに含みうる。
【0013】
一実施形態において、前記分子診断カートリッジは、前記ボトム部、前記第2側壁部及び前記第2エッジ部によって定義される空間に配され、挿入される分子診断チップを固定する第2チップ摺動クリップ;及び前記第2側壁部を基準に前記第2チップ摺動クリップと対向するように前記第2側壁部の外側に締結される第2アップダウン摺動ボス;をさらに含みうる。
【0014】
一実施形態において、前記分子診断カートリッジは、前記ヒンジサブリングの第1ヒンジ突起及び第2ヒンジ突起を収容するように形成されたヒンジ溝を含み、前記ヒンジ溝に前記第1ヒンジ突起及び第2ヒンジ突起が挿入されることによって、前記ヒンジサブリングに部分的に締結されるカートリッジカバーをさらに含みうる。
【0015】
一実施形態において、前記分子診断カートリッジは、胴体が前記ヒンジサブリングの内側壁の配され、前記胴体に形成されたフィンガー用突起が前記ヒンジサブリングの内側壁に形成されたホールを通じて外側に露出されるレバースイッチ;及び一端が前記ヒンジサブリングの内側壁に締結され、他端が前記レバースイッチの一側に締結されるレバーバネ;をさらに含みうる。
【0016】
一実施形態において、前記分子診断カートリッジは、前記カートリッジアウトライン部材と前記カートリッジボトム部材との間に配されるPCB;及び前記PCB上に搭載されたフォトセンサーチップ;をさらに含みうる。
【0017】
一実施形態において、前記カートリッジアウトライン部材及び前記チップ摺動部材のそれぞれには、前記フォトセンサーチップが露出されるように通孔が形成されうる。
【0018】
一実施形態において、前記分子診断カートリッジは、使用者の加圧によって、前記分子診断チップを加圧するように前記チップ摺動部材に挿入される分子診断チップ上に配され、前記カートリッジカバーに形成されたホールに露出されるウィンドウ部材をさらに含みうる。
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。本発明は、多様な変更を加え、さまざまな形態を有しうるので、特定実施形態を図面に例示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる、あらゆる変更、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。
【0020】
各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用した。添付図面において、構造物の寸法は、本発明の明確性を期するために実際よりも拡大して図示したものである。
【0021】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の権利範囲を外れずに、第1構成要素は、第2構成要素と名付けられ、同様に、第2構成要素も、第1構成要素と名付けられうる。単数の表現は、文脈上、取り立てて明示しない限り、複数の表現を含む。
【0022】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在、または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。
【0023】
また、特段の定義がない限り、技術的や科学的な用語を含み、ここで使われるあらゆる用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的であるか、過度に形式的な意味として解釈されない。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による分子診断カートリッジを説明する斜視図である。
図2は、
図1に示された分子診断カートリッジを説明する分解斜視図である。
図3Aは、
図2に示された分子診断カートリッジに体外診断チップが挿入される初期過程を説明する斜視図であり、
図3Bは、
図3Aにおける体外診断チップの締結構造を説明するために、一部の領域のみを抜粋した透視斜視図である。
【0025】
図1、
図2、
図3A及び
図3Bを参照すれば、本発明の一実施形態による分子診断カートリッジは、カートリッジボトム部材102、ヒンジサブリング104、カートリッジアウトライン部材106、チップ摺動部材108、トーションバネ類110、第1チップ摺動クリップ112、コイルバネ114、ワイヤバネ116、第1アップダウン摺動ボス118、第2チップ摺動クリップ120、第2アップダウン摺動ボス122、カートリッジカバー124、レバースイッチ126、レバーバネ128、PCB130、フォトセンサーチップ132及びウィンドウ部材134を含み、分子診断チップ200を傾斜して挿入されて分子診断チップ200の挿入の容易性を達成しながら分子診断チップ200を収容する。
【0026】
カートリッジボトム部材102は、下部に配される。本実施形態において、カートリッジボトム部材102は、円状であることを図示したが、四角状、五角状のように多様な形状を有しうる。
【0027】
ヒンジサブリング104は、カートリッジボトム部材102の外郭に沿って配されてカートリッジボトム部材102に締結される。ヒンジサブリング104の側壁には、レバースイッチ126の露出のためのホール(図面符号未付与)が形成される。また、ヒンジサブリング104の内側壁には、カートリッジアウトライン部材106の載置のための段差(図面符号未付与)が形成される。
【0028】
カートリッジアウトライン部材106は、カートリッジボトム部材102に締結されるヒンジサブリング104によって定義される空間に収容される。カートリッジアウトライン部材106は、フラットな中央部と前記中央部の両側のそれぞれから上向きに突出した隔壁部とを含む。前記中央部は、2個の長辺と円弧状の2個の弧によって定義される。前記隔壁部のそれぞれは、カートリッジアウトライン部材106を上面から観察する時、円の一部を切断した形状を有する。前記隔壁部のそれぞれは、ヒンジサブリング104に形成された段差に載置される。
【0029】
チップ摺動部材108は、分子診断チップ200を取り囲む形状を有して、カートリッジアウトライン部材106上に配され、傾いた方向に挿入される分子診断チップ200を収容する。具体的に、チップ摺動部材108は、ボトム部、第1側壁部、第1エッジ部、第2側壁部及び第2エッジ部を含む。前記ボトム部は、四角状を有する。前記第1側壁部は、前記ボトム部の一側エッジから上向きに折り曲げられる。前記第1エッジ部は、前記第1側壁部から内側方向に折り曲げられ、第1摺動ホール108a及び第2摺動ホール108bが形成される。前記第2側壁部は、前記ボトム部の他側エッジから上向きに折り曲げられる。前記第2エッジ部は、前記第2側壁部から内側方向に折り曲げられる。
【0030】
トーションバネ類110は、カートリッジアウトライン部材106の内側壁から突出したシーソー軸類に締結され、オープンモード動作時に、カートリッジボトム部材102に対してチップ摺動部材108を傾斜して支持し、クローズモード動作時に、カートリッジボトム部材102に対してチップ摺動部材108を平行に支持する。具体的に、トーションバネ類110は、第1トーションバネ110a及び第2トーションバネ110bを含む。第1トーションバネ110aは、カートリッジアウトライン部材106の第1内側壁に突出した第1シーソー軸106aに締結される。第2トーションバネ110bは、カートリッジアウトライン部材106の第2内側壁に突出した第2シーソー軸106bに締結される。
【0031】
これにより、分子診断チップ200が傾斜してチップ摺動部材108に挿入されて分子診断チップ200の挿入の容易性を実現することができる。また、カートリッジカバー124が加圧されることによって、分子診断チップ200を収容するチップ摺動部材108は、第1シーソー軸106a及び第2シーソー軸106bを中心にシーソー運動してカートリッジボトム部材102に向けて移動して、チップ摺動部材108に配された分子診断チップ200を分子診断カートリッジに載置させることができる。
【0032】
第1チップ摺動クリップ112は、ボトム部、第1側壁部及び第1エッジ部によって定義される空間に配され、第1摺動ホール108aに対応して突出した第1摺動突起112a、及び第2摺動ホール108bに対応して突出した第2摺動突起112bを含み、挿入される分子診断チップ200を固定する。
【0033】
コイルバネ114は、第1側壁部と第1チップ摺動クリップ112との間に配され、分子診断チップ200を固定する第1摺動クリップを摺動方式で引き込みまたは引き出す。
ワイヤバネ116は、第1チップ摺動クリップ112に形成された谷に対応して配され、ガイドの役割を行う一端と操舵手の役割を行う他端とを含み、曲がりながら前記谷に沿って動く。
【0034】
第1アップダウン摺動ボス118は、第1側壁部を基準に第1チップ摺動クリップ112と対向するように第1側壁部の外側に締結される。
【0035】
第2チップ摺動クリップ120は、ボトム部、第2側壁部及び第2エッジ部によって定義される空間に配され、挿入される分子診断チップ200を固定する。
【0036】
第2アップダウン摺動ボス122は、第2側壁部を基準に第2チップ摺動クリップ120と対向するように第2側壁部の外側に締結される。
【0037】
カートリッジカバー124は、ヒンジサブリング104の第1ヒンジ突起及び第2ヒンジ突起を収容するように形成されたヒンジ溝を含み、ヒンジ溝に第1ヒンジ突起及び第2ヒンジ突起が挿入されることによって、ヒンジサブリング104に部分的に締結される。
【0038】
レバースイッチ126は、胴体がヒンジサブリング104の内側壁の配され、前記胴体に形成されたフィンガー用突起がヒンジサブリング104の内側壁に形成されたホールを通じて外側に露出される。
【0039】
レバーバネ128は、一端がヒンジサブリング104の内側壁に締結され、他端がレバースイッチ126の一側に締結される。
【0040】
PCB130は、カートリッジアウトライン部材106とカートリッジボトム部材102との間に配される。
【0041】
フォトセンサーチップ132は、PCB130上に搭載される。ここで、カートリッジアウトライン部材106及びチップ摺動部材108のそれぞれには、フォトセンサーチップ132が露出されるように通孔が形成される。
【0042】
ウィンドウ部材134は、使用者の加圧によって分子診断チップ200を加圧するようにチップ摺動部材108に挿入される分子診断チップ200上に配され、カートリッジカバー124に形成されたホールに露出される。
【0043】
図4Aは、
図2に示された第1チップ摺動クリップ112に締結されるワイヤバネ116を説明する第1斜視図であり、
図4Bは、
図2に示された第1チップ摺動クリップ112に締結されるワイヤバネ116を説明する第2斜視図である。
【0044】
図4A及び
図4Bを参照すれば、ワイヤバネ116は、短辺の一部が除去された四角状を有して、ガイドの役割を行う一端と操舵手の役割を行う他端とを含む。
【0045】
第1チップ摺動クリップ112のエッジ一側面に形成された第1谷と第1チップ摺動クリップ112のエッジ他側面に形成された第2谷の形状は、互いに異なって形成される。前記第1谷には、ワイヤバネ116の一端が接するように配され、前記第2谷には、ワイヤバネ116の他端が接するように配される。
【0046】
すなわち、ワイヤバネ116は、第1チップ摺動クリップ112に形成された第1谷及び第2谷に対応して配される。これにより、第1チップ摺動クリップ112が、+X軸方向に、または-X軸方向に移動することによって、ワイヤバネ116は、捻れながら第1谷及び第2谷に沿って動く。
【0047】
図5は、
図2に示されたトーションバネ類を説明する透視斜視図である。
図6Aは、
図2に示されたトーションバネ類の作動を説明する斜視図であり、
図6Bは、断面斜視図である。
図5において、第1トーションバネ110a、第2トーションバネ110b、レバーバネ128が見られるようにカートリッジアウトライン部材106を透明処理して図示する。
【0048】
図5、
図6A及び
図6Bを参照すれば、カートリッジボトム部材102上に配されるヒンジサブリング104は、円状のフレーム状を有する。ヒンジサブリング104は、カートリッジカバー124とのヒンジ締結のために、第1リング突起104a及び第2リング突起104bを有する。第1リング突起104a及び第2リング突起104bは、ヒンジ軸を定義する。
【0049】
第1トーションバネ110a及び第2トーションバネ110bは、カートリッジアウトライン部材106の隔壁部に形成された突起に差し込まれる。前記突起に差し込まれた第1トーションバネ110a及び第2トーションバネ110bのそれぞれは、前記突起を基準に上向き、または下向きに回動する。
【0050】
図6Aに示したように、分子診断チップ200がチップ摺動部材108に挿入された後、カートリッジカバー124が使用者によって下向きに加圧されれば、
図6Bに示したように、第1トーションバネ110a及び第2トーションバネ110bは、分子診断チップ200の延長線(NL1)とカートリッジカバー124の延長線(NL2)とが互いに平行な状態で当接するようにする。
【0051】
引き続き、使用者が追加的にカートリッジカバー124を加圧すれば、第1トーションバネ110a及び第2トーションバネ110bは、分子診断チップ200の延長線(NL1)とカートリッジボトム部材102の延長線(NL3)とを互いに平行な状態に変換させる。これにより、分子診断チップ200は、カートリッジアウトライン部材106に載置される。
【0052】
一方、第1トーションバネ110a及び第2トーションバネ110bがカートリッジカバー124が閉まってから開かれても、分子診断チップ200を初期状態(すなわち、
図6Aに示された状態)に持ち上げる。
【0053】
図7Aは、
図2に示されたカートリッジカバー124を加圧する前、分子診断カートリッジを示す斜視図であり、
図7Bは、
図2に示されたカートリッジカバー124を加圧する前、カートリッジカバー124、レバースイッチ126及びレバーバネを抜粋した斜視図である。
【0054】
図7A及び
図7Bを参照すれば、カートリッジカバー124には、第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bが下向きに形成される。第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bのエッジは、レバーバネ128に向けるように屈曲する。
【0055】
レバースイッチ126の両側部には、第1レバー突起126a及び第2レバー突起126bが形成される。第1レバー突起126a及び第2レバー突起126bは、第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bのエッジが下方に押されることによって、レバーバネ128側に移動するように傾いた形状を有する。すなわち、レバースイッチ126の第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bの屈曲されたエッジは、傾いた形状を有し、レバースイッチ126の第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bのエッジも、傾いた形状を有する。第1突起及び第2突起の屈曲されたエッジの傾斜部と第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bのエッジの傾斜部は、互いに対向するように配される。
【0056】
カートリッジカバー124が、使用者によって加圧されてカートリッジカバー124が下方に移動すれば、カートリッジカバー124の第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bは、レバースイッチ126の第1レバー突起126a及び第2レバー突起126bを押す。
【0057】
レバースイッチ126の第1レバー突起126a及び第2レバー突起126bが押されられれば、第1レバー突起126a及び第2レバー突起126bは、レバーバネ128側に移動してカートリッジカバー124が追加的に下方に移動した後、第1カバー突起124a及び第2カバー突起124bのそれぞれと第1レバー突起126a及び第2レバー突起126bのそれぞれは、互いに噛み合って締結される。これにより、カートリッジカバー124は、下向きに押されながらロック処理される。
【0058】
図8Aは、
図2に示されたヒンジサブリング104とカートリッジカバー124とを示す斜視図であり、
図8Bは、
図2に示されたヒンジサブリング104を示す斜視図である。
【0059】
図8A及び
図8Bを参照すれば、ヒンジサブリング104は、円状のフレーム状を有する。ヒンジサブリング104は、カートリッジカバー124とのヒンジ締結のために、第1リング突起104a及び第2リング突起104bを有する。第1リング突起104a及び第2リング突起104bは、ヒンジ軸を定義する。
【0060】
カートリッジカバー124には、ヒンジサブリング104に形成されたヒンジ軸が挿入されるように溝やホールが形成される。組み立て時に、ヒンジサブリング104を開いてカートリッジカバー124に締結する。
【0061】
前述したように、本発明によれば、分子診断チップが傾斜してチップ摺動部材に挿入されて分子診断チップの挿入の容易性を実現することができ、カートリッジカバーが加圧されることによって、前記分子診断チップを収容するチップ摺動部材は、シーソー軸を中心にシーソー運動してカートリッジボトム部材に向けて移動して、前記チップ摺動部材に配された分子診断チップは、分子診断カートリッジに載置される。
【0062】
以上、実施形態を参照して説明したが、当業者は、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができるということを理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の分子診断カートリッジによれば、分子診断チップが傾斜してチップ摺動部材に挿入されて分子診断チップの挿入の容易性を実現することができ、カートリッジカバーが加圧されることによって、前記分子診断チップを収容するチップ摺動部材は、シーソー軸を中心にシーソー運動してカートリッジボトム部材に向けて移動して、前記チップ摺動部材に配された分子診断チップは、分子診断カートリッジに載置される。
【符号の説明】
【0064】
102:カートリッジボトム部材
104:ヒンジサブリング
106:カートリッジアウトライン部材
108:チップ摺動部材
110:トーションバネ類
112:第1チップ摺動クリップ
114:コイルバネ
116:ワイヤバネ
118:第1アップダウン摺動ボス
120:第2チップ摺動クリップ
122:第2アップダウン摺動ボス
124:カートリッジカバー
126:レバースイッチ
128:レバーバネ
130:PCB
132:フォトセンサーチップ
134:ウィンドウ部材
【国際調査報告】