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特表2024-525026フィルター構造、液体貯蔵ケースアセンブリ及び洗濯装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】フィルター構造、液体貯蔵ケースアセンブリ及び洗濯装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20240702BHJP
   D06F 39/10 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
D06F39/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580629
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2022097884
(87)【国際公開番号】W WO2023273825
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110721937.8
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521309570
【氏名又は名称】重慶海爾洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】柳 双竜
(72)【発明者】
【氏名】于 元元
(72)【発明者】
【氏名】邱 峰
(72)【発明者】
【氏名】劉 建設
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA15
3B166AE02
3B166BA56
3B166DB02
3B166DB04
3B166DB08
3B166DB09
3B166DB11
3B166FA12
3B166FB01
(57)【要約】
本発明は、洗浄分野に関し、具体的にはフィルター構造、液体貯蔵ケースアセンブリ及び洗濯装置を提供し、洗剤を注入する時に異物が管路に入り、素子を詰まらせるという問題を解決することを目的とする。そのため、フィルター構造は、一次フィルター体及び二次フィルター体を含み、一次フィルター体は筒状構造であり、筒状構造は底部、液体添加口及び環状側壁を含み、底部及び環状側壁にそれぞれ一次濾過孔が形成され、二次フィルター体は底部と近位端との間に延在し、且つ二次フィルター体に二次濾過孔が形成され、それにより、前記液体添加口から注入された目標液体は一次フィルター体によって濾過された後、二次フィルター体から流出することができ、当該発明は、洗剤に混入した異物を効果的に濾過することができ、異物が管路に入り、素子を詰まらせ、塞ぐことを回避することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的な遠位端と近位端を有するとともに、
底部、前記遠位端に位置する液体添加口、及び前記底部から前記遠位端に延在する環状側壁を有し、前記底部及び環状側壁にそれぞれ一次濾過孔が形成されている筒状構造である一次フィルター体と、
前記底部と前記近位端との間に延在し、二次濾過孔が形成されている二次フィルター体であって、前記液体添加口から注入された目標液体は前記一次フィルター体によって濾過された後二次フィルター体から流出できるようなる二次フィルター体と、を含む、
ことを特徴とするフィルター構造。
【請求項2】
前記フィルター構造は前記近位端に形成された板状網じゃくし式構造をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルター構造。
【請求項3】
前記底部と前記板状網じゃくし式構造との間に互いに仕切られた複数の接続板が設けられて、前記接続板の間に所定空間が形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載のフィルター構造。
【請求項4】
前記フィルター構造は、前記遠位端に位置するハンドルをさらに含み、前記ハンドルは外向きに延在して前記液体添加口の端面から離れる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルター構造。
【請求項5】
前記環状側壁は多段階段状円筒壁を有し、前記多段階段状円筒壁の直径は前記遠位端から前記近位端までの方向に沿って徐々に小さくなる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルター構造。
【請求項6】
前記環状側壁は三段階段状円筒壁を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のフィルター構造。
【請求項7】
前記二次フィルター体は円弧壁であり、前記円弧壁と前記底部との間に開口が形成される、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルター構造。
【請求項8】
前記遠位端に中空液面マークがさらに設けられる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルター構造。
【請求項9】
目標液体注入口と前記目標液体注入口に連通している給液口とが設けられる液体貯蔵ケースと、
請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルター構造であって、前記目標液体注入口内に挿入可能に配置され、前記二次フィルター体は前記給液口に適合し、それにより、前記目標液体は一次フィルター体及び二次フィルター体によって濾過された後、さらに前記給液口に入るフィルター構造と、を含む、
ことを特徴とする液体貯蔵ケースアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載の液体貯蔵ケースアセンブリを含む、
ことを特徴とする洗濯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯分野に関し、具体的にはフィルター構造、液体貯蔵ケースアセンブリ及び洗濯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活レベルの向上に伴い、洗濯装置は既に人々の日常生活に常用される家電機器の1つとなり、洗濯方式の違いにより、洗濯装置はドラム式、撹拌式、パルセータ式等、複数種の洗濯装置に分けられる。パルセータ式洗濯装置を例とし、当該洗濯装置は制御システム、駆動モータ、パルセータ、洗濯槽、給水排水システム、液体貯蔵ケース等の部分を含み、そのうち液体貯蔵ケースは洗剤を貯蔵するために用いられ、具体的には注入口、液体貯蔵槽、給液口等の部材を含む。洗濯時に、ユーザは衣類を洗濯槽内に置き、制御システムによって洗濯コースを設定するだけで、洗濯装置は衣類の量に応じて適切な水、洗剤を自動的に注入し、駆動モータを起動してパルセータの回転を駆動し、衣類の洗濯槽内における自動洗浄を実現することができ、日常の使用とメンテナンスの過程において、ユーザは液体貯蔵ケースに洗剤を定期的に補充すればよい。洗濯効率を効果的に向上させ、家事労働の負担を軽減する。しかし、現在の洗濯装置の液体貯蔵ケースに存在する1つの主要な問題は液体貯蔵ケースの注入口に効果的な濾過構造がないことである。そのため、顧客が洗剤を添加する時に異物が混入しやすく、異物が管路に入った後に内部素子(例えば弁、ポンプ等)を詰まらせやすく、溢水等の販売後の問題を引き起こし、顧客のクレームを引き起こす。
【0003】
上記問題を解決するために、従来技術において濾過構造付きの液体貯蔵ケースが既に開発された。例えば、中国発明特許出願CN106868799Aは洗剤自動投入装置及び洗濯機を開示する。当該洗剤自動投入装置は投入本体を含み、投入本体に投入槽が設けられ、投入槽の添加口に取り外し可能なフィルターが配置され、当該フィルターの添加口から離れた側に添加口と係着される押さえカバーが設けられ、押さえカバーでフィルターが添加口と押さえカバーとの間に固定される。洗剤を添加する時、液体は注入口から流入し、フィルターを経た後に給液口から流出し、その中に混入した異物を効果的に濾過することができ、フィルターを取り外すことによって異物を取り出しやすい。しかし、当該フィルター構造は比較的簡単であるため、濾過効果の向上が望まれる。したがって、当該技術には改良の余地がある。
【0004】
それに対応して、当分野には、上記技術的問題を解決するための新たな技術案が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術において液体貯蔵ケースの注入口に効果的な濾過構造がなく、洗剤を添加する時に異物が混入しやすくて管路の詰まりを引き起こすという技術的問題を解決するために、本発明はフィルター構造を提供する。当該フィルター構造は相対的な遠位端と近位端を有するとともに、底部、前記遠位端に位置する液体添加口、及び前記底部から前記遠位端に延在する環状側壁を有し、前記底部及び環状側壁にそれぞれ一次濾過孔が形成されている筒状構造である一次フィルター体と、前記底部と前記近位端との間に延在し、二次濾過孔が形成されている二次フィルター体であって、前記液体添加口から注入された目標液体は前記一次フィルター体によって濾過された後二次フィルター体から流出できるようなる二次フィルター体と、を含む。
【0006】
本発明のフィルター構造は相対的な遠位端と近位端を有するとともに、一次フィルター体及び二次フィルター体を含む。そのうち、一次フィルター体は筒状構造である。当該筒状構造は底部、遠位端に位置する液体添加口、及び底部から遠位端に延在する環状側壁を有し、底部及び環状側壁にそれぞれ一次濾過孔が形成されている。上記配置により、目標液体は液体添加口から注入された後、一次濾過孔から速やかに浸透することができ、目標液体に混入した異物は一次フィルター体の底部、環状側壁によって一次濾過されることができる。二次フィルター体は底部と前記近位端との間に延在し、二次フィルター体に二次濾過孔が形成されている。上記配置により、目標液体は一次濾過孔から浸透した後、二次濾過孔から速やかに流出できるため、目標液体に混入した異物は二次フィルター体によって二次濾過されることができる。
【0007】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記フィルター構造は前記近位端に形成された板状網じゃくし式構造をさらに含む。上記配置により、液体貯蔵ケースの底部の目標液体が粘稠になった時、本発明のフィルター構造を手で持って繰り返し持ち上げ、押圧することにより、当該板状網じゃくし式構造を利用して、液体貯蔵ケースの底部の粘稠になる目標液体をかき分けて目標液体の流速を保証することができる。
【0008】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記底部と前記板状網じゃくし式構造との間に互いに仕切られた複数の接続板が設けられて、前記接続板の間に所定空間が形成される。前記接続板は一次フィルター体と板状網じゃくし式構造との間の構造強度を向上させることができ、本発明のフィルター構造を繰り返し持ち上げ、押圧する時に、より安定的で効果的に作用力を板状網じゃくし式構造に伝達することができる。一次フィルター体から浸透した目標液体は集まって上記所定空間を満たす。目標液体が液体貯蔵ケースから速やかに流出する時、所定空間内において十分に集まった目標液体はタイムリーに補充することができ、目標液体が流出する時に空気を巻き込むことを回避する。また、本発明のフィルター構造を繰り返し持ち上げ、押圧する時に、液体貯蔵ケースの底部が粘稠になる目標液体がかき分けられた後に当該所定空間に入って再利用されることができる。
【0009】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記フィルター構造は、前記遠位端に位置するハンドルをさらに含み、前記ハンドルは外向きに延在して前記液体添加口の端面から離れる。上記配置により、ハンドルが液体添加口より高くなる。したがって、液体添加口に目標液体を注入する時に、目標液体はハンドルに直接接触することがなく、また、ユーザがフィルター構造を出し入れする時に指が目標液体に直接接触することを回避することができ、それにより両手を効果的に保護する。目標液体がハンドルに触れることなく、ハンドルの乾燥を保持することもでき、手持ちで出し入れしやすい。
【0010】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記ハンドルの前記液体添加口から離れた端は外へ折り返して把持部を形成する。当該把持部はユーザが持ち上げ、押圧する時に力を付勢しやすい。
【0011】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記ハンドルに把持貫通孔が設けられる。ユーザが指でハンドルを把持する時、前記把持貫通孔は指の腹を収容することができ、ユーザが持ち上げやすい。
【0012】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記環状側壁は多段階段状円筒壁を有し、前記多段階段状円筒壁の直径は前記遠位端から前記近位端までの方向に沿って徐々に小さくなる。上記配置により、液体添加口から注入された目標液体は、前記遠位端から多段階段状円筒壁を順次流れ、多段階段状円筒壁の一次濾過孔から浸透し、円筒壁の直径が徐々に小さくなることに伴い、目標液体の流れ方向における貫通断面が徐々に小さくなり、その結果、より多くの目標液体は環状側壁から浸透し、それにより目標液体の速やかな浸透を実現する。
【0013】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記環状側壁は三段階段状円筒壁を有する。上記配置により、目標液体の環状側壁からの浸透速度を保証するとともに、加工プロセスの簡潔、効率を保証することができる。
【0014】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記二次フィルター体は円弧壁であり、前記円弧壁と前記底部との間に開口が形成される。上記配置により、目標液体が液体貯蔵ケースから速やかに流出する時、前記開口は目標液体をより速やかで、効率的に補充し、前記所定空間に集めやすく、それにより所定空間内における流出待ちの目標液体が十分であることを保証し、さらに目標液体が流出する時に空気を巻き込むことを回避する。
【0015】
上記フィルター構造の好ましい技術案では、前記遠位端に中空液面マークがさらに設けられる。上記配置により、目標液体を注入した後、目標液体が添加された後の液面を中空部から容易に目視することができる。
【0016】
本発明は液体貯蔵ケースアセンブリをさらに提供し、当該液体貯蔵ケースアセンブリは、目標液体注入口と前記目標液体注入口に連通している給液口とが設けられる液体貯蔵ケースと、上記のいずれかに記載のフィルター構造であって、前記目標液体注入口内に挿入可能に配置され、前記二次フィルター体は前記給液口に適合し、それにより、前記目標液体は一次フィルター体及び二次フィルター体によって濾過された後、さらに前記給液口に入るフィルター構造と、を含む。上記配置により、液体添加口から注入された目標液体が一次フィルター体、二次フィルター体によって2回濾過された後、目標液体に混入した異物を効果的に濾過することができることを保証する。
【0017】
本発明は洗濯装置をさらに提供し、当該洗濯装置は、上記液体貯蔵ケースアセンブリを含む。上記配置により、洗剤注入時に混入した異物を効果的に濾過することができ、異物がある場合、フィルターを出し入れすることによって異物を取り出しやすく、異物が管路に入った後に内部素子を詰まらせることによる溢水等の販売後の問題を効果的に回避する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1】本発明のフィルター構造の一実施例の背面概略斜視図である。
図2図1に示される本発明のフィルター構造の一実施例の正面概略斜視図である。
図3図1に示される本発明のフィルター構造の一実施例の平面概略斜視図である。
図4】本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの概略斜視図である。
図5図4に示される本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの概略断面図である。
図6図4に示される本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの下蓋の概略底面図である。
図7】本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの下蓋とフィルター構造を組み合わせた後、図6におけるA-A断面線に沿って半分に切断して得られる概略断面図である。
図8図7におけるB箇所の概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。当業者であれば、これらの実施形態は本発明の技術原理を説明するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではないことを理解するであろう。
【0020】
なお、本発明の説明において、用語の「上」、「下」、「内」、「外」等で示される方向又は位置関係は、図面に示される方向又は位置関係に基づくものであり、これは説明を容易にするためのものであり、言われる装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されなければならないことを示したり暗示したりするものではなく、したがって本発明の限定として理解することはできない。さらに、用語の「第1」及び「第2」は、説明のためのみに使用され、相対的な重要性を指示するか又は暗示すると理解することはできない。
【0021】
なお、本発明の説明において、特に明記及び限定されない限り、用語の「取付け」、「設置」、「接続」は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定的に接続してもよいし、着脱可能に接続し、又は一体的に接続してもよく、直接つながってもよいし、中間媒体を介してつながってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0022】
従来技術において液体貯蔵ケースの注入口に効果的な濾過構造がなく、洗剤を添加する時に異物が混入しやすくて管路の詰まりを引き起こすという技術的問題を解決するために、本発明はフィルター構造1を提供する。当該フィルター構造1は相対的な遠位端1と近位端1cを有するとともに、底部13、遠位端1bに位置する液体添加口11、及び底部13から遠位端1bに延在する環状側壁12を有し、底部13及び環状側壁12にそれぞれ一次濾過孔124が形成されている筒状構造である一次フィルター体1aと、底部13と近位端1cとの間に延在し、二次濾過孔22が形成されている二次フィルター体2aであって、液体添加口11から注入された目標液体は一次フィルター体1aによって濾過された後二次フィルター体2aから流出できるようなる二次フィルター体2aと、を含む。本発明のフィルター構造1は、目標液体を二回濾過させることができ、目標液体は液体添加口11から注入された後、一次濾過孔124から速やかに浸透することができ、目標液体に混入した異物は一次フィルター体1aの底部13及び環状側壁12上の一次濾過孔124を流れる時に一次濾過されることができ、目標液体は一次濾過孔124から浸透した後、二次濾過孔22から速やかに流出するため、目標液体に混入した異物は二次フィルター体2aの二次濾過孔22により二次濾過される。
【0023】
特にそうでない旨の明示がない限り、本明細書で言及されたフィルター構造の「遠位端」は使用中にユーザに近い端を意味し、これに対して、本明細書で言及されるフィルター構造の「近位端」とは、使用中に液体貯蔵ケースの内部に挿入された端を意味する。特にそうでない旨の明示がない限り、本明細書で言及された「網じゃくし式構造」とは、複数の貫通孔又は貫通溝を有する構造を意味し、流体を当該構造の一側からこれらの貫通孔又は貫通溝を介して当該構造の相対する他側へ移動できるようにする。特にそうでない旨の明示がない限り、本明細書で言及された「縦方向」とは、フィルター構造の遠位端と近位端との間に延在する方向を意味し、「横方向」とは、縦方向に垂直な方向を意味する。
【0024】
図1は本発明のフィルター構造の一実施例の背面概略斜視図である。図2図1に示される本発明のフィルター構造の一実施例の正面概略斜視図である。図3図1に示される本発明のフィルター構造の一実施例の平面概略斜視図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、1つ又は複数の実施例では、本発明のフィルター構造1は相対的な遠位端1bと近位端1cを有するとともに、一次フィルター体1a、二次フィルター体2a、板状網じゃくし式構造3a及びハンドル4aを含む。1つ又は複数の実施例では、フィルター構造1はポリプロピレン(PPプラスチック)で一次射出成形により形成される。代替的に、フィルター構造1は他の適切な熱可塑性樹脂で製造されてもよく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン又はポリスチレンを含むがこれらに限定されない。一次フィルター体1aは遠位端1bから近位端1cに向かって延在する。板状網じゃくし式構造3aは近位端1cに位置し、ハンドル4aは遠位端1bに位置する。ハンドル4aは一次フィルター体1aと直接つながり、一次フィルター体1aと一体成形される。代替的に、ハンドル4aは、一次フィルター体1aと別体に作製され、そして、溶接等、適切な方式により接合されてもよい。二次フィルター体2aは一次フィルター体1aと板状網じゃくし式構造3aとの間に位置決めされ、両者とそれぞれつながる。フィルター構造1の縦方向に沿って、二次フィルター体2aは一次フィルター体1aと板状網じゃくし式構造3aを仕切る。
【0026】
1つ又は複数の実施例では、板状網じゃくし式構造3aと一次フィルター体1aとの間に互いに仕切られた接続板6が設けられるため、接続板6の間に所定空間が形成される。本明細書では、所定空間は液体補充空間と呼ばれてもよい。当該所定空間は、一方では、一次フィルター体1aから浸透した洗剤を集めて貯蔵するために用いることができる。洗剤が液体貯蔵ケースからポンプによって抽出される時、当該所定空間は十分な洗剤を供給することができ、それにより、洗剤が速やかに流出する時に空気を巻き込むことを回避する。他方では、当該所定空間は、かき分けられた、粘稠になった洗剤を貯蔵して再利用を実現することができる。1つ又は複数の実施例では、接続板6は互いに平行で、互いに同じ距離で仕切られてもよい。代替的に、接続板6は互いに平行でなくてもよく、互いに異なる距離で仕切られてもよい。1つ又は複数の実施例では、接続板6は3つあり、それぞれは1つの中間板61、及び中間板61の両側に位置する2つの側板62である。代替的に、接続板6は、他の適切な数を採用してもよく、例えば、1つの接続板又は2つの接続板である。
【0027】
図1及び図2に示すように、一次フィルター体1aは筒状構造である。1つ又は複数の実施例では、一次フィルター体1aは直筒状構造である。代替的に、一次フィルター体1aは円錐台状又は円錐筒状構造であってもよい。
【0028】
図1図3に示すように、一次フィルター体1aの筒状構造は、底部13と、遠位端1bに位置する液体添加口11と、底部13から遠位端1bまで延在する環状側壁12とを有する。1つ又は複数の実施例では、環状側壁12は順次つながっている三段階段状円筒壁を有し、遠位端1bから近位端1cに向かう方向に沿って、順次第1の階段状円筒壁121、第2の階段状円筒壁122、第3の階段状円筒壁123である。この三段階段状円筒壁の直径は、遠位端1bから近位端1cまでの方向に沿って徐々に小さくなっている。代替的に、環状側壁12は、階段無しの環状壁、又は、1段の階段を有する環状壁、又は、2段の階段を有する環状壁、又は、3段以上の階段を有する環状壁であってもよい。液体添加口11は第1の階段状円筒壁121の遠位端1bに位置する側に位置し、例えば洗剤を注入するために用いられる。1つ又は複数の実施例では、液体添加口11の位置に外向きに突起するストッパリング111が設けられる。1つ又は複数の実施例では、液体添加口11の下部に中空液面マーク112が設けられ、例えば中空MAX文字であり、それにより、目標液体を注入した後、目標液体が添加された後の液面を中空部から目視しやすい。第3の階段状円筒壁123は底部13と直接一体に接続され、底部13は環状側壁12に対して横方向に延在する。
【0029】
図1図3に示すように、環状側壁12及び底部13にそれぞれ複数の一次濾過孔124が形成される。環状側壁12上において、一次濾過孔124は複数の互いに平行に離間し且つ横方向に延在する横方向セパレータ―125と、縦方向に延在し且つ互いに離間する縦方向セパレータ―126とによって仕切られて形成されるため、環状側壁12上の一次濾過孔は洗剤の一次濾過を実現するための濾過グリッドを形成する。1つ又は複数の実施例では、一部の縦方向セパレータ―126は環状側壁12の内壁においてフィルター構造1の縦方向中心へ突出して補強リブ127を形成する。これにより、濾過グリッドの構造的強度を向上させる。同様に、底部13にも複数の一次濾過孔124が形成され、底部横方向セパレータ―125’と底部補強リブ127’によって仕切られて形成され、濾過グリッドを構成する。1つ又は複数の実施例では、第1の階段状円筒壁121に128個の一次濾過孔124が形成され、第2の階段状円筒壁122に90個の一次濾過孔124が形成され、第3の階段状円筒壁123に80個の一次濾過孔124が形成され、底部13に24個の一次濾過孔124が形成される。そのため、一次フィルター体1aは全部で322個の一次濾過孔を有し、したがって、洗剤の速やかな浸透と速やかな排気を実現することができ、洗濯液の堆積による溢出を回避する。代替的に、一次フィルター体1aは322個以上又は以下の一次濾過孔124を有してもよい。1つ又は複数の実施例では、一次濾過孔124の直径は1.8mm~2mm範囲内にあり、そのため直径1.8mm以上の異物を効果的に遮断することができる。
【0030】
図3に示すように、1つ又は複数の実施例では、二次フィルター体2aは板状網じゃくし式構造3aの外縁から底部13に向かって延在する円弧壁21である。代替的に、二次フィルター体2aは直壁又はその他の適切な形状の壁に形成される。円弧壁21に複数の二次濾過孔22が形成される。1つ又は複数の実施例では、二次濾過孔22は縦方向に沿って2列に配列される。選択可能には、円弧壁21の内側に1つ又は複数の補強リブ(図示せず)が形成されてもよい。1つ又は複数の実施例では、一次フィルター体1aの底部13と板状網じゃくし式構造3aとの間に延在する接続板6は横方向にいずれも当該二次フィルター体2aまで延在し、ここで、2つの側板62はそれぞれ円弧壁21側まで延在し、中間板61は2列の二次濾過孔22の中間まで延在する。したがって、接続板6は二次フィルター体2aに対して支持役割をさらに果たす。1つ又は複数の実施例では、円弧壁21の上縁と底部13の外縁との間に第1の液体補充口51が形成され、洗剤が速やかに通過しやすいように当該第1の液体補充口51は接続板6の間の液体補充空間に連通している。
【0031】
図2に示すように、1つ又は複数の実施例では、近位端1cに位置する板状網じゃくし式構造3aは略円盤状の基板31と、基板31に形成された複数の汚水排出溝32と、を有する。汚水排出溝32は複数の互いに平行な仕切りバーによって仕切られて形成され、汚水排出溝32は基板31を貫通し、したがってこれらの汚水排出溝32はかき分けグリッドを形成する。代替的に、基板31は、液体貯蔵ケースに適合した他の形状を採用してもよい。1つ又は複数の実施例では、基板31の上面に(すなわち底部13に向かう表面)に1つ又は複数の補強リブ(図示せず)が設けられる。これらの補強リブは、かき分けグリッドの構造的強度を向上させるために、仕切りバーと互いに垂直であってもよい。図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、洗剤を速やかに通過させるように、板状網じゃくし式構造3aの上方、且つ各側板62と二次フィルター体2aの対応側辺との間に第2の液体補充口52が形成される。
【0032】
図1図3に示すように、遠位端1bに位置するハンドル4aは外向きに延在して液体添加口11の端面から離れ、それにより、ハンドル4aの上端面41は液体添加口11より高い。1つ又は複数の実施例では、ユーザが持ち上げ、押圧する時に力を付勢しやすいために、ハンドル4aの液体添加口11から離れた端は外向きに90度折り返して把持部422を形成する。1つ又は複数の実施例では、ハンドル4aに楕円形の把持貫通孔43が設けられる。ユーザが指でハンドル4aを把持する時、把持貫通孔43は指の腹を収容することができ、ユーザが持ち上げやすい。
【0033】
上記フィルター構造1は、使用中に、洗剤が液体添加口11から注入された後、一次濾過孔124から速やかに浸透し、異物が一次フィルター体1aの環状側壁12及び底部13を通過する時に一次濾過され、浸透して通過した洗剤がさらに二次濾過孔22から浸透し、異物が二次フィルター体2aを通過する時に二次濾過される。
【0034】
代替的な実施例では、本発明のフィルター構造1は一次フィルター体1a、板状網じゃくし式構造3a及びハンドル4aを含むが、二次フィルター体2aが省略される。当該実施例では、一次フィルター体1a、板状網じゃくし式構造3a及びハンドル4aの配置はいずれも前述した実施例と同じ又は類似である。
【0035】
図4は本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの概略斜視図であり、図5図4に示される本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの概略断面図であり、図6図4に示される本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの下蓋の概略底面図であり、図7は本発明の液体貯蔵ケースアセンブリの一実施例における液体貯蔵ケースの下蓋とフィルター構造を組み合わせた後、図6におけるA-A断面線に沿って半分に切断して得られる概略断面図であり、図8図7におけるB箇所の概略拡大図である。
【0036】
図4~8に示すように、本発明は液体貯蔵ケースアセンブリ7をさらに提供し、当該液体貯蔵ケースアセンブリ7は液体貯蔵ケース7aと、上記実施例のいずれかに記載のフィルター構造1と、を含む。
【0037】
図4図6に示すように、液体貯蔵ケース7aは上蓋71及び下蓋72を含む。上蓋71と下蓋72とを相対して組み立てると、上蓋71と下蓋72との間に液体貯蔵槽が形成される。上蓋71に洗剤注入口711が形成される。図5に示すように、下蓋72に液体貯蔵槽の内底721が設けられる。液体貯蔵槽の内底721の側壁に給液口722が設けられる。洗剤注入口711は給液口722に連通している。1つ又は複数の実施例では、給液口722の流れ方向は液体貯蔵槽の軸方向に垂直である。
【0038】
図7及び図8に示すように、フィルター構造1は、洗剤注入口711に挿入可能に配置される。ここで、二次フィルター体2aは給液口722と適合し、給液口722に流入した洗剤がまず二次フィルター体2aを流れることを保証し、それにより、洗剤は一次フィルター体1a及び二次フィルター体2aによって濾過された後に給液口722に入る。図7に矢印付きの破線で示すように、洗剤を洗剤注入口711から注入した後、洗剤は一次フィルター体1aの環状側壁12、底部13から一次濾過孔124を介して浸透し、一次フィルター体1aによって一次濾過された後、洗剤は一次濾過孔124、第1の液体補充口51、第2の液体補充口52から所定空間に速やかに流入し、集まり、その後、二次フィルター体2aによって濾過されてから、給液口722から流出する。二回の濾過は異物が管路に入り、内部素子を詰まらせることを効果的に回避することができる。所定空間は十分な洗剤を供給することができ、洗剤が速やかに流出する時に空気を巻き込むことを回避する。
【0039】
液体貯蔵槽の内底721の上面と板状網じゃくし式構造3aの基板31の下面は貼り合わせられ、それでフィルター構造1が液体貯蔵ケース7aに組み立てられた時、液体貯蔵槽の内底721の上面と板状網じゃくし式構造3aの基板31の下面との間に隙間がなく、又は隙間が非常に小さい。液体貯蔵槽の内底721の上面が平坦面である場合、基板31の下面も平坦面である。液体貯蔵槽の内底721の上面が円弧面である場合、基板31の下面も適合した円弧面である。液体貯蔵槽の内底721上の洗剤が粘稠になった時、本発明のフィルター構造1を手で持って繰り返し持ち上げ、押圧することにより、板状網じゃくし式構造3aを利用して、液体貯蔵槽の内底721上の粘稠になった洗剤をかき分けて目標液体の流速を保証することができる。かき分けられた洗剤はサイズが小さくなるため、所定空間に流入し、又は所定空間における洗剤に伴って給液口722に入り、洗濯に再び参与し、又は二次フィルター体2aに遮断されて濾過され、管路を塞ぐことを回避することができる。
【0040】
1つ又は複数の実施例では、液体貯蔵ケース7a上の洗剤注入口711にストッパ機構(図示せず)が設けられる。当該ストッパ機構は液体添加口11におけるストッパリング111に適合してもよい。フィルター構造1が液体貯蔵ケース7aに組み立てられた時、当該ストップリング111はさらにフィルター構造1を洗剤注入口711に支持固定することに役立つ。
【0041】
本発明は洗濯装置(図示せず)をさらに提供し、当該洗濯装置は、上記液体貯蔵ケースアセンブリ7を含む。1つ又は複数の実施例では、液体貯蔵ケースアセンブリ7は洗濯装置に着脱可能に組み立てることができる。代替的に、液体貯蔵ケースアセンブリ7は、洗濯装置に集積して組み立てられてもよい。
【0042】
ここまで、図面に示される好ましい実施形態を参照しながら本発明の技術案について説明したが、当業者であれば容易に理解するように、本発明の保護範囲は明らかにこれらの具体的な実施形態に限定されるものではない。本発明の原理から逸脱しない前提で、当業者は関連技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の技術案はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…フィルター構造、1a…一次フィルター体、1b…遠位端、1c…近位端、11…液体添加口、111…ストッパリング、112…中空液面マーク、12…環状側壁、121…第1の階段状円筒壁、122…第2の階段状円筒壁、123、第3の階段状円筒壁、124…一次濾過孔、125…横方向セパレータ―、125’…底部横方向セパレータ―、126…縦方向セパレータ―、127…補強リブ、127’…底部補強リブ、13…底部、2a…二次フィルター体、21…円弧壁、22…二次濾過孔、3a…板状網じゃくし式構造、31…基板、32…汚水排出溝、4a…ハンドル、41…上端面、42…把持部、43…把持貫通孔、51…第1の液体補充口、52…第2の液体補充口、6…接続板、61…中間板、62…側板、7…液体貯蔵ケースアセンブリ、7a…液体貯蔵ケース、71…上蓋、711…洗剤注入口、72…下蓋、721…液体貯蔵槽の内底、722…給液口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】