(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】電池パック充電システム、及び充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580697
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2022109121
(87)【国際公開番号】W WO2023006094
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110872964.5
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】郭舒
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503FA06
(57)【要約】
電池パック(4)充電システムを開示し、充電台(1)と、冷却構造とを含み、充電台(1)は、充電所に設けられ、電池パック(4)が充電台(1)に配置されるときに電池パック(4)を充電するように、電池パック(4)に電気的に接続され、冷却構造は、充電台(1)に設けられ、充電所に電池パック(4)を載置可能な充電台(1)を設けて電池パック(4)を充電する充電装置及び充電システムにより、電池パック(4)に対する充電を実現し、車両が長時間待つ必要がなく、充電システムの加熱と放熱のニーズを同時に満たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電台と、冷却構造とを含む電池バック充電システムであって、
前記充電台は充電所に設けられ、電池パックが前記充電台に配置されると、前記充電台が前記電池パックに電気的に接続され、前記電池パックが充電され、
前記冷却構造は、前記充電台に設けられ、前記電池パックを冷却するために用いられる、ことを特徴とする電池バック充電システム。
【請求項2】
前記充電台は、前記冷却構造と一体成形される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック充電システム。
【請求項3】
冷却板をさらに含み、
前記冷却板は、前記充電台に接続され、前記冷却構造を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック充電システム。
【請求項4】
前記冷却板のサイズは、前記電池パックのサイズ以上である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電池パック充電システム。
【請求項5】
前記冷却構造は、溝を含み、前記電池パックの底部は、平板であるか又は突起が設けられ、前記電池パックの底部は、前記溝と組み合わせて流路を形成する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池パック充電システム。
【請求項6】
前記冷却構造は、突起を含み、前記電池パックの底部は、平板であり、前記電池パックの底部は、前記突起と組み合わせて流路を形成する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池パック充電システム。
【請求項7】
加熱板及び保護板のうちの少なくとも1つをさらに含み、前記加熱板のサイズは、前記電池パックのサイズ以上であり、前記保護板のサイズは、前記電池パックのサイズ以上である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池パック充電システム。
【請求項8】
前記加熱板は、加熱膜、直接加熱板のうちの少なくとも一種である、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック充電システム。
【請求項9】
前記充電台のサイズは、前記電池パックのサイズ以上である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池パック充電システム。
【請求項10】
電池パックをさらに含み、前記電池パックは、ケースと、電池ユニットとを含み、前記電池ユニットは、前記ケース内に配置される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電池パック充電システム。
【請求項11】
前記電池ユニットは、少なくとも1つのセルアセンブリを含み、各セルアセンブリは、少なくとも1つの電極体列を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック充電システム。
【請求項12】
前記ケースは、ケース本体を含み、前記ケース本体は、第1方向に沿って対向して設けられた頂板及び底板を含み、前記第1方向は、ケースの高さ方向であり、前記頂板と前記底板との間に複数の構造梁が設けられ、各構造梁は、前記頂板と前記底板とを接続し、前記複数の構造梁は、前記ケースの内部を複数の収容キャビティに分割し、各収容キャビティは、1つのセルアセンブリを収容するために用いられる、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の電池パック充電システム。
【請求項13】
前記ケース本体は、一体成形された部品であり、或いは、前記ケース本体と前記構造梁とは、一体成形される、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック充電システム。
【請求項14】
前記ケースは、肉厚が2mm以上であり、金属材質である、ことを特徴とする請求項10~13のいずれか一項に記載の電池パック充電システム。
【請求項15】
電池パックを充電する充電装置であって、前記充電装置は、充電台を含み、前記充電台は、充電所に設けられ、かつ前記電池パックを充電する充電インタフェースが設けられ、前記電池パックが前記充電台に配置されると、前記充電インタフェースは前記電池パックに電気的に接続され、前記電池パックを充電する、ことを特徴とする充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2021年7月30日に提出した、名称が「電池パック充電システム及び充電装置」の中国特許出願第「202110872964.5」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に、電池パック充電システム及び充電装置に関する。
【背景技術】
【0003】
社会の発展に伴い、省エネルギー及び環境有害物質の排出削減のために、ますます多くの燃料車/ガソリン車が電気自動車に置き換えられ、電気自動車の数が増加している。現在、新エネルギー電気自動車は、固定された充電スタンドを用いて充電することが多い。従来の充電スタンドによる充電は、交流充電であってもよく、直流充電であってもよいが、どのような方式を利用しても、車両を運転するために、充電される車両に対する充電が完了しなければならない。車両を高速充電する必要がある場合、電気自動車は、放熱パワーがより大きい冷却システムを利用する必要があり、一方では、完成車のコストが高くなり、完成車のスペースを占有し、他方では、電池システムの放熱構造がより複雑になり、低温の場合に、電気自動車の高速充電ニーズを満たすために、大幅に増大した電力で電池システムの昇温速度を満たす必要があり、これは、電気自動車のエネルギー消費が大きくなり、航続距離が短くなるリスクを引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決しようとする。
【0005】
そのため、本発明は、電池パックを充電するときに車両が長時間待つ必要がないことを実現することができる電池パック充電システムを提供する。
【0006】
本願は、充電装置をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る電池パック充電システムは、充電台と、冷却構造とを含み、前記充電台は、充電所に設けられ、電池パックが前記充電台に配置されるときに前記電池パックを充電するように、前記電池パックに電気的に接続され、前記冷却構造は、前記充電台に設けられ、前記電池パックを冷却するために用いられる。
【0008】
本願の実施例における電池パック充電システムは、電池パックと車両とを分離し、充電所に電池パックを載置可能な充電台を設けて電池パックを充電する充電装置及び充電システムにより、電池パックに対する充電を実現し、車両が長時間待つ必要がなく、電池パックを充電するときにも車両を自由に運転することができる。さらに、電池システムを高速充電する必要がある場合、充電台は、冷却システムの放熱パワーを制御することにより、電池システムの高速充電放熱ニーズを迅速に満たし、同様に、低温の場合に、大きな加熱パワーを提供することにより、電池システムの加熱昇温ニーズを満たす。
【0009】
本願に係る充電装置は、電池パックを充電し、充電台を含み、前記充電台は、充電所に設けられ、かつ前記電池パックを充電する充電インタフェースが設けられ、前記充電インタフェースは、前記電池パックが前記充電台に配置されるときに前記電池パックを充電するように、前記電池パックに電気的に接続される。
【0010】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願の一実施例に係る電池パック充電システムの概略構成図である。
【
図2】本願の別の実施例に係る電池パック充電システムの概略構成図である。
【
図3】本願のさらに別の実施例に係る電池パック充電システムにおける電池パック冷却板、加熱板の配置方式の概略構成図である。
【
図4】本願のさらに別の実施例に係る電池パック充電システムの概略構成図である。
【
図5】本願のさらに別の実施例に係る電池パック充電システムにおける電池パック冷却板、加熱板の配置方式の概略構成図である。
【
図6】本願の一実施例の電池パックの概略構成図である。
【
図7】本願の一実施例に係る充電装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、或いは同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本願の電池パック充電システムを詳細に説明する。本願の実施例に係る電池パック充電システムは、電池パック4と、充電台1と、冷却構造とを含む。電池パック4は、ケース41と、電池ユニットとを含み、電池ユニットは、ケース41内に配置される。充電台1は、充電所に設けられ、電池パック4が充電台1に配置されるときに電池パック4を充電するように、電池パック4に電気的に接続される。冷却構造は、充電台1に設けられ、電池パック4を冷却するために用いられる。
【0014】
本願の実施例における電池パック充電システムは、電池パック4と車両とを分離し、充電所に電池パック4を載置可能な充電台1を設けて電池パック4を充電する充電装置及び充電システムにより、電池パック4に対する充電を実現し、車両が長時間待つ必要がなく、電池パック4を充電するときにも車両を自由に運転することができ、また、冷却構造を設けることで電池パック4を放熱させることにより、充電の安全を保証する。
【0015】
本願の実施例における冷却構造は、充電台に直接取り付けられてもよく、冷却構造は、熱伝導接着剤又は熱伝導パッドによりケースに接続され、されに電池ケースを冷却又は加熱する。充電台は、流路板が直接成形されてもよく、構造封止剤により電池ケースの平板に接続されて、流路キャビティを形成し、さらに電池システムを冷却又は加熱する。例えば、充電台1に冷却流路の溝21を設ける。
【0016】
充電台が充電所に設けられ、かつ流路板が充電台に設けられる場合、電池パックの充電過程において、冷却システムは、同時に電池パックに作用して、電池パックを冷却し、即ち、電池パックに冷却システムが設けられないか又は電池パックの片面を冷却する。
【0017】
具体的には、充電台1の表面に溝21をプレスして形成することができる。電池パック4の底部は、平板であってもよく、突起が設けられてもよく、このように、電池パック4の底部は、凹溝21と組み合わせて流路を形成することができ、流路によって電池パック4を加熱又は冷却するという目的を達成することができる。
【0018】
また、充電台1は、冷却構造とは別に設けてもよい。例えば、電池パック充電システムは、冷却板2をさらに含み、冷却板2は、冷却構造を含み、充電台1に接続される。この場合、冷却板2に冷却流路を設けてもよい。例えば、冷却構造は、突起を含み、電池パック4の底部は、平板であり、このように、電池パック4の底部は、突起と組み合わせて流路を形成することができ、流路によって電池パック4を加熱又は冷却するという目的を達成することができる。
【0019】
冷却システムは、2種の配置形態を含んでもよい。第1種は、冷却システムが後付けの構造であり、1つの電池パック4、1枚の冷却板2及び1つの充電台1を共に組み合わせて形成され、第2種は、電池パック4上の構造板が冷却板(プレス基板と流路基板を含む)のうちの1枚の基板を用い、他方の基板が充電台1に設けられ、2枚の基板(即ち、プレス基板と流路基板)の組み合わせにより流路を形成する。
【0020】
本願の実施例における冷却構造は、充電台1と一体成形されてもよく、別に設けられてもよく、本願は、これを限定せず、冷却構造が電池パック4を冷却できることを満たすればよい。冷却構造が充電台1と一体成形される場合、冷却構造は、充電所に設けられ、電池パック4自体は、冷却構造を有しなくてもよく、電池パック4の車両における放熱は、電池パック4の具体的な構造設計による冷却によって行うことができる。冷却構造が充電台1とは別に設けられる場合、冷却構造はさらに、車両に取り付けられる電池パック4の一部であってもよく、充電台1に取り付けられる冷却板2の一部であってもよい。本願の実施例における冷却構造の設置は、限定されず、冷却目的を達成できる設計は、いずれも本願の保護範囲内にあり、例えば、冷却構造は、溝21又は突起によって設計形成されてもよい。
【0021】
本願の実施例において充電台1上の冷却構造は、液体冷却、直接冷却又は半導体冷却などのシステムであってもよく、冷却パワー及び熱交換能力は、必要に応じて変換することができるため、電池パック4のケース41の異なる放熱ニーズを満たす。例えば、水出入口の流量を調整するか又は接合される冷却板2の数を変更することで電池パック4の熱交換面積を変更することができる。
【0022】
充電台1と電池パック4とのより良好な固定を実現するために、電池パック4及び充電台1に互いに係合する取り付け部を設けてもよく、例えば、ネジ孔を設けてネジ固定接続を行う。本願の実施例の電池パック4のケース41に冷却板が設けられなくてもよく、電池パック4を充電する必要がある場合、車両から取り外した後に充電台1に配置するか又は充電台1に取り付けて、充電及び冷却を開始し、電池パック4を充電すると同時に冷却を実現することができる。
【0023】
本願の実施例における電池パック充電システムは、冷却構造だけでなく、電池パック4を加熱又は保護する加熱又は保護構造、例えば、加熱板3又は保護板5を含むことができる。具体的には、加熱板3、保護板5は、電池パック4と一体成形されてもよく、別に設計されて固定接続されてもよい。例えば、電池パック充電システムは、加熱板3及び保護板5のうちの少なくとも1つをさらに含む。電池パック4を十分に加熱又は保護するために、加熱板3のサイズを電池パック4のサイズ以上に、保護板5のサイズを電池パック4のサイズ以上に設定することができる。
【0024】
本願の実施例において、電池パック4を十分に放熱させるために、さらに電池パック4のケース41と充電台1との間に加熱板を設けることができ、加熱板は、熱ゲル、熱伝導パッドにより電池ケースに接触することができる。保護板5、加熱板3、冷却板2は、同時に存在し、電池パック4の一側又は両側に設けられてもよく、選択的に設けられてもよく、本願は、これを限定しない。
図3に示すように、冷却板2、加熱板3、保護板5は、電池パック4の充電台1側に設けられてもよく、電池パック4の充電台1とは反対側に設けられてもよく、また、電池パック4の一側に加熱板3が設けられ、他側に保護板5が設けられてもよく、
図5に示すように、電池パック4の両側にいずれも加熱板3が設けられるなどでもよい。
【0025】
電池パックの一側に保護板を設けることにより、電池パックが車両に取り付けられる場合、走行中に刺激物又は故障物などに遭うときに電池パックに損傷を与えることを防止し、電池パックを保護することができる。
【0026】
電池パック4に対して加熱ニーズがある場合、従来の冷却板2による液体加熱方式で電池パック4を加熱することができ、加熱板3は、熱伝導ゲル、熱伝導パッド又は他の耐高温の熱伝導界面材料によって電池パック4に対する加熱を実現することもでき、加熱板3を加熱膜、直接加熱板又はPTCなどの他の材料で置き換えることで電池パック4に対する加熱を実現することもできる。
【0027】
有効充電を実現するために、充電台1のサイズは、電池パック4のサイズ以上である。
【0028】
本願の実施例における冷却板2のサイズは、電池パック4のサイズ以上であり、このように、電池パック4の十分な冷却を実現することができ、異なるサイズの電池パック4の充電及び放熱を実現することもできる。冷却板2は、充電台1に取り付けられてもよく、冷却板2から充電台1のエッジまでの距離は、2mm以上であり、このように、充電される電池パック4に対する十分な冷却放熱を実現することができる。
【0029】
本願の一実施例において、電池ユニットは、少なくとも1つのセルアセンブリ42を含み、各セルアセンブリ42は、少なくとも1つの電極体列を含む。本願の実施例に用いられる電極体列は、従来の電池ケースと端板、側板、締結具などの電池モジュールとの固定構造を省略することにより、電池パック4のスペース利用率を向上させ、電池パック4の重量を軽減し、電池パック4のエネルギー密度を向上させることができる。本願の実施例における電池パック4は、構造が簡単であり、製造コストの削減に有利である。
【0030】
本願の一実施例において、ケース41は、ケース本体を含み、ケース本体は、第1方向に沿って対向して設けられる頂板及び底板43を含み、第1方向は、ケース41の高さ方向であり、頂板と底板43との間に複数の構造梁が設けられ、各構造梁は、頂板と底板43とを接続し、複数の構造梁は、上記ケース41の内部を複数の収容キャビティに分割し、各収容キャビティは、1つのセルアセンブリ42を収容するために用いられる。このように設計すると、構造梁、頂板及び底板43の三者は、「工」字形の構造を構成することができ、このような構造は、軽量であり、剛性が高いため、電池パックのケース41の耐荷重性、耐衝撃性及び耐押圧性などの性能の要件を満たすことができる。
【0031】
電池パックのケース41の単一モジュールは、「口」字形の溝構造に設計されて、セルアセンブリ42配置キャビティを形成することができる。電池パックのケース41の単一モジュールは、アルミニウム型材を用いて一体的に押出成形され、内部に複数の構造梁が設計されることにより、「口」字形の溝キャビティを形成し、キャビティの数は、電池パックにおけるセルアセンブリ42の設計要件に応じて調整することができる。このように設計すると、電池パック4のトレイ及び側板等の構造を省略し、ケース41を直接分割することができる。ケース41の構造は、ロ字形のキャビティであり、各キャビティから冷却構造までの伝熱経路は、ほぼ一致し、これにより冷却構造は、電池パック4全体のすべてのセルに対して均一な熱交換能力を有することができる。
【0032】
本願の一実施例において、ケース本体は、一体成形され、或いは、ケース本体と構造梁とは、一体成形される。一体成形は、電池パックの放熱と加熱の均一性を保証し、即ち、金属構造により電池の熱を迅速かつ均一に伝導又は排出することができる。
【0033】
本願の一実施例において、ケース41は、肉厚が2mm以上であり、金属材質である。例えば、ケース41は、アルミニウム材質であってもよい。ケースの肉厚は、構造強度を保証するだけでなく、温度均一化の役割を果たすことができる。
【0034】
充電台1のサイズは、複数の電池パック4のサイズより大きくてもよく、充電台1には、複数の電池パック4の充電にマッチングする電気接続インタフェース及び複数の冷却構造が直列又は並列に設けられてもよく、これにより1つの充電台1で複数の電池パック4を同時に充電できることを実現する。換言すれば、充電台1自体は、直列又は並列の方式を利用することができ、充電台1と電池パック4は、一対一に対応し、例えば、
図4における5つの充電台1は、直列の方式を利用し、このように充電台1を設計することで充電所のスペースを節約することができる。
【0035】
本願の実施例は、充電装置10を提供し、充電装置10は、充電パックを充電し、充電台1を含み、充電台1は、充電所に設けられ、かつ電池パック4を充電する充電インタフェースが設けられ、充電インタフェースは、電池パック4が充電台1に配置されるときに電池パック4を充電するように、電池パック4に電気的に接続される。本願の実施例の充電装置10における充電台1は、前述の実施例の電池パック充電システムにおける充電台1であってもよく、充電台1の具体的な解決手段については、前述の説明を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0036】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0037】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を示唆するものであると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本願の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0038】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0039】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴の水平高さより高いことだけを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴の水平高さより低いことだけを表してもよい。
【0040】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合するか又は組み合わせることができる。
【0041】
以上、本願の実施例が示され、説明されるが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電台と、冷却構造とを含む電池バック充電システムであって、
前記充電台は充電所に設けられ、電池パックが前記充電台に配置されると、前記充電台が前記電池パックに電気的に接続され、前記電池パックが充電され、
前記冷却構造は、前記充電台に設けられ、前記電池パックを冷却するために用いられる、ことを特徴とする電池バック充電システム。
【請求項2】
前記充電台は、前記冷却構造と一体成形される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック充電システム。
【請求項3】
冷却板をさらに含み、
前記冷却板は、前記充電台に接続され、前記冷却構造を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック充電システム。
【請求項4】
前記冷却板のサイズは、前記電池パックのサイズ以上である、ことを特徴とする請求項
3に記載の電池パック充電システム。
【請求項5】
前記冷却構造は、溝を含み、前記電池パックの底部は、平板であるか又は突起が設けられ、前記電池パックの底部は、前記溝と組み合わせて流路を形成する、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック充電システム。
【請求項6】
前記冷却構造は、突起を含み、前記電池パックの底部は、平板であり、前記電池パックの底部は、前記突起と組み合わせて流路を形成する、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック充電システム。
【請求項7】
加熱板及び保護板のうちの少なくとも1つをさらに含み、前記加熱板のサイズは、前記電池パックのサイズ以上であり、前記保護板のサイズは、前記電池パックのサイズ以上である、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック充電システム。
【請求項8】
前記加熱板は、加熱膜、直接加熱板のうちの少なくとも一種である、ことを特徴とする請求項7に記載の電池パック充電システム。
【請求項9】
前記充電台のサイズは、前記電池パックのサイズ以上である、ことを特徴とする請求項
1に記載の電池パック充電システム。
【請求項10】
電池パックをさらに含み、前記電池パックは、ケースと、電池ユニットとを含み、前記電池ユニットは、前記ケース内に配置される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電池パック充電システム。
【請求項11】
前記電池ユニットは、少なくとも1つのセルアセンブリを含み、各セルアセンブリは、少なくとも1つの電極体列を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の電池パック充電システム。
【請求項12】
前記ケースは、ケース本体を含み、前記ケース本体は、第1方向に沿って対向して設けられた頂板及び底板を含み、前記第1方向は、ケースの高さ方向であり、前記頂板と前記底板との間に複数の構造梁が設けられ、各構造梁は、前記頂板と前記底板とを接続し、前記複数の構造梁は、前記ケースの内部を複数の収容キャビティに分割し、各収容キャビティは、1つのセルアセンブリを収容するために用いられる、ことを特徴とする請求項
10に記載の電池パック充電システム。
【請求項13】
前記ケース本体は、一体成形された部品であり、或いは、前記ケース本体と前記構造梁とは、一体成形される、ことを特徴とする請求項12に記載の電池パック充電システム。
【請求項14】
前記ケースは、肉厚が2mm以上であり、金属材質である、ことを特徴とする請求項
10に記載の電池パック充電システム。
【請求項15】
電池パックを充電する充電装置であって、前記充電装置は、充電台を含み、前記充電台は、充電所に設けられ、かつ前記電池パックを充電する充電インタフェースが設けられ、前記電池パックが前記充電台に配置されると、前記充電インタフェースは前記電池パックに電気的に接続され、前記電池パックを充電する、ことを特徴とする充電装置。
【国際調査報告】