(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】膨張黒鉛を有するエアロゾル形成基体
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20240702BHJP
A24B 15/42 20060101ALI20240702BHJP
A24B 15/14 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/42
A24B15/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580822
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 EP2022068988
(87)【国際公開番号】W WO2023281014
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン ホウシュエ
(72)【発明者】
【氏名】フェデーリ フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BA15
4B043BB01
4B043BB17
4B043BB22
4B043BC03
4B043BC04
4B043BC05
4B043BC18
4B043BC20
(57)【要約】
加熱式エアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル形成基体は、膨張黒鉛粒子を含む。膨張黒鉛粒子は、高熱伝導率および低密度を有し、基体からのエアロゾル送達効率を改善し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル形成基体であって、膨張黒鉛粒子を含む、エアロゾル形成基体。
【請求項2】
前記エアロゾル形成基体が、少なくとも0.12W/(mK)の熱伝導率を有する、請求項1に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項3】
前記膨張黒鉛粒子が、前記エアロゾル形成基体の少なくとも1重量%を占める、請求項1または2のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
乾燥重量基準で、
1~90重量%の膨張黒鉛粒子と、
7~60重量%のエアロゾル形成体と、
2~20重量%の繊維と、
2~10重量%の結合剤と、を含む、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項5】
1~15重量%の膨張黒鉛粒子を含む、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項6】
前記膨張黒鉛粒子が、1~20ミクロンの体積D10粒径を有する粒径分布を有する、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項7】
前記膨張黒鉛粒子が、50~300ミクロンの体積D90粒径を有する粒径分布を有する、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項8】
前記膨張黒鉛粒子が、前記エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項9】
前記エアロゾル形成基体が、たばこを含まないエアロゾル形成基体である、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項10】
たばこ粒子を含む、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生基体。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル形成基体を形成する方法であって、
膨張黒鉛粒子、エアロゾル形成体、繊維、および結合剤を含むスラリーを形成することと、
前記スラリーをキャスティングおよび乾燥して、前記エアロゾル形成基体または前記エアロゾル形成基体の前駆体を形成することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記スラリーを形成することが、
前記エアロゾル形成体と、
前記繊維と、
水と、
任意選択的に、酸と、
任意選択的に、ニコチンと、を含む、第一の混合物を形成することと、
前記膨張黒鉛粒子と、
前記結合剤と、を含む第二の混合物を形成することと、
前記第二の混合物を前記第一の混合物に添加して、組み合わせられた混合物を形成することと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル形成基体、または請求項11~12のいずれかに記載の方法によって形成されたエアロゾル形成基体を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項14】
ラッパー内に組み立てられた前記エアロゾル形成基体を含む複数の要素を備える、請求項13に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
請求項13または14に記載のエアロゾル発生物品と、前記エアロゾル形成基体を加熱するための電気式エアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体に関する。本開示はまた、エアロゾル形成基体を作製する方法、エアロゾル発生物品、およびエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なエアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備える。使用時、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾル形成基体に揮発性化合物を放出させる。次いで、これらの化合物は冷めてエアロゾルを形成し、ユーザーによって吸入される。
【0003】
公知のエアロゾル形成基体は典型的に、比較的低い熱伝導率を有する。これは、エアロゾル形成基体を加熱するために、ブレードがエアロゾル形成基体内に挿入されて加熱されるエアロゾル発生システムにおいて特に望ましくない場合がある。これは、エアロゾル形成基体の熱伝導率が低いことにより、使用中にエアロゾル形成基体に比較的大きな温度勾配がもたらされ得るためである。これは、ブレードから最も遠くに位置するエアロゾル形成基体の部分は高温に達さず、そのため、エアロゾル形成基体がより高い熱伝導率を有する場合ほど多くの揮発性化合物を放出しないことを意味し得る。言い換えれば、低い熱伝導率のエアロゾル形成基体は望ましくないことに、エアロゾル形成基体の低い使用効率につながり得る。
【0004】
さらに、公知のエアロゾル形成基体は典型的に、誘導によって動作温度に加熱可能ではない。これは、誘導加熱のために、典型的に別個のサセプタ要素が必要であることを意味する。このため、コストが増大し得る。さらに、これは、上述するのと同じ問題をもたらし得る。例えば、誘導加熱サセプタ要素が基体の中央位置に配置される場合、サセプタ要素から最も遠くに位置するエアロゾル形成基体の部分が高温に達さず、それ故に多くの揮発性化合物を放出しない場合がある。
【0005】
エアロゾル形成基体の熱伝導率を増大させる試みがなされてきた。しかしながら、今までのところ、これらの試みは、一つ以上の点で不適切である。
【0006】
本発明の目的は、改善されたエアロゾル形成基体、例えば、増大された熱伝導率を有するエアロゾル形成基体を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
本開示によると、膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル形成基体が提供される。エアロゾル形成基体は、膨張黒鉛粒子およびエアロゾル形成体などのエアロゾル形成材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、0.1重量%(wt.%)超の膨張黒鉛粒子を含み得る。膨張黒鉛粒子の体積平均粒径は、5ミクロン超、例えば10ミクロン超であり得る。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ基体の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有し得る。エアロゾル形成基体は、例えば摂氏25度の温度で測定したとき、0.12W/mk超の熱伝導率を少なくとも一方向に有し得る。一部の特定の実施形態では、エアロゾル形成基体は、例えば摂氏25度の温度で測定したとき、0.22W/mk超の熱伝導率を少なくとも一方向に有し得る。
【0008】
例示的なエアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、1~90重量%の膨張黒鉛粒子であって、膨張黒鉛粒子の各膨張黒鉛粒子が、摂氏25度で少なくとも一方向に少なくとも1W/(mK)の熱伝導率を有する、膨張黒鉛粒子、7~60重量%のエアロゾル形成体、2~20重量%の繊維、および2~10重量%の結合剤を含み得、エアロゾル形成基体は、摂氏25度で少なくとも一方向に少なくとも0.12W/(mK)の熱伝導率を有する。例えば、例示的なエアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、1~10重量%の膨張黒鉛粒子であって、膨張黒鉛粒子の各膨張黒鉛粒子が、摂氏25度で少なくとも一方向に少なくとも1W/(mK)の熱伝導率を有する、膨張黒鉛粒子、7~20重量%のエアロゾル形成体、2~20重量%の繊維、および2~10重量%の結合剤を含み得、エアロゾル形成基体は、摂氏25度で少なくとも一方向に少なくとも0.12W/(mK)の熱伝導率を有する。エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。
【0009】
有利なことに、膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体の熱伝導率を増大させ得る。増大した基体の熱伝導率は、使用中に基体全体にわたってさらにより均一な温度分布を提供し得る。これにより、エアロゾル形成基体のより大きな割合が揮発性化合物を放出するのに十分に高い温度に達し、それ故に、エアロゾル形成基体の使用効率が高くなり得る。さらに、基体の熱伝導率の増大により、ヒーター、例えば、基体を加熱するように構成された加熱ブレードが、より低温で動作することが可能になり、それ故に必要な電力が少なくて済み得る。さらに、基体の熱伝導率の増大は、ヒーターが、より短い時間で、基体を揮発性化合物が放出される温度に加熱することを可能にし得る。したがって、熱伝導率の増大は、ユーザーが吸入可能なエアロゾルを形成するのに必要な時間を短縮し得る。
【0010】
膨張黒鉛は、改質黒鉛材料である。膨張黒鉛は、黒鉛と同様に層構造を有するが、層間の間隔が増大または拡張されている。特に有利には、膨張黒鉛は、黒鉛よりも低い密度を有する。したがって、膨張黒鉛粒子からなるエアロゾル形成基体は、通常の、膨張していない、黒鉛または他の導電性粒子の同等の粒径を使用して製造された同様の基体と比較して、より低い密度で形成され得る。低密度基体は、同等のエアロゾル送達をもたらす一方で、より低い総重量でエアロゾル発生物品を製造することを可能にし得る。これは有利なことに、輸送コストを低下させ得る。より低密度のエアロゾル形成基体であっても、同等以上の熱伝導率を有すれば、より低い熱慣性を有し得、それにより予熱時間を短縮することができ、最初の吸煙までの時間を短縮することができる。
【0011】
有利なことに、繊維および結合剤のうちの一方または両方は、エアロゾル形成基体の引張強度を増大させ得る。引張強度の増大は、簡単には裂けない、エアロゾル形成基体のシートの製造を可能にし得る。引張強度の増大により、既存の製造機械を使用したエアロゾル形成基体のシートの製造が可能になり得る。
【0012】
上述の通り、エアロゾル形成基体は、摂氏25度で少なくとも一方向に、少なくとも0.12W/(mK)、例えば少なくとも0.22W/mkなどの熱伝導率を有し得る。この熱伝導率は、基体の含水量が0~20%、または5~15%、例えば約10%である時に測定され得る。この熱伝導率は、基体が0~20重量%、または5~15重量%、例えば約10重量%の水を含む時に測定されてもよい。基体の水分または含水量は、滴定法を使用して測定されてもよい。基体の水分または含水量は、Karl Fisher法を使用して測定されてもよい。
【0013】
膨張黒鉛粒子は、異方性熱伝導率値を有し得る。膨張黒鉛粒子の一部または各々は、例えば、摂氏25度で測定したとき、少なくとも一方向に、2、5、10、20、50、100、200、500、または1000W/mK超の熱伝導率を有し得る。
【0014】
膨張黒鉛は、非膨張黒鉛と比較して、最大100倍~300倍まで膨張され得る。膨張黒鉛は、一立方センチメートル当たり2、1.8、1.5、1.2、1、0.8、または0.5、0.2、0.1、0.05、0.02グラム(g/cm3)未満の密度を有し得る。膨張黒鉛は、一立方センチメートル当たり0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、0.8、1、1.2、1.5、または1.8グラム(g/cm3)よりも大きな密度を有し得る。膨張黒鉛は、0.01~3、0.01~2、0.01~1.8、0.01~1.5、0.01~1.2、0.01~1、0.01~0.8、0.01~0.5、0.02~3、0.02~2、0.02~1.8、0.02~1.5、0.02~1.2、0.02~1、0.02~0.8、0.02~0.5、0.01~3、0.05~2、0.05~1.8、0.05~1.5、0.05~1.2、0.05~1、0.05~0.8、0.05~0.5g/cm3、0.1~3、0.1~2、0.1~1.8、0.1~1.5、0.1~1.2、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.2~3、0.2~2、0.2~1.8、0.2~1.5、0.2~1.2、0.2~1、0.2~0.8、0.2~0.5、0.5~3、0.5~2、0.5~1.8、0.5~1.5、0.5~1.2、0.5~1、0.5~0.8、0.8~3、0.8~2、0.8~1.8、0.8~1.5、0.8~1.2、0.8~1グラム/立方センチメートル(g/cm3)の密度を有し得る。
【0015】
膨張黒鉛粒子は、それぞれある「粒径」を有し得る。「粒径」という用語の意味、および粒径を測定する方法について後に説明する。
【0016】
膨張黒鉛粒子は、粒径分布によって特徴付けられ得る。粒径分布は、数D10、D50、およびD90粒径を有し得る。数D10粒径は、粒子の10%が数D10粒径以下の粒径を有するように定義される。同様に、数D50粒径は、粒子の50%が数D50粒径以下の粒径を有するように定義される。したがって、数D50粒粒径は、中央粒径とも称され得る。数D90粒径は、粒子の90%が数D90粒径以下の粒径を有するように定義される。したがって、分布中に1,000個の粒子があり、粒子が粒径で昇順に並ぶ場合、数D10粒径は、100番目の粒径とほぼ等しく、数D50粒径は、500番目の粒径とほぼ等しく、数D90粒径は、900番目の粒径とほぼ等しいものと予想される。
【0017】
粒径分布は、体積D10、D50、およびD90粒径を有し得る。体積D10粒径は、すべての粒子の体積の合計の10%が、体積D10粒径ズ以下の粒径を有する粒子の体積の合計で占められるように定義される。同様に、体積D50粒径は、すべての粒子の体積の合計の50%が、体積D50粒径以下の粒径を有する粒子の体積の合計で占められるように定義される。また、体積D90粒径は、すべての粒子の体積の合計の90%が、体積D90の粒径以下の粒径を有する粒子の体積の合計で占められるように定義される。
【0018】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、数D10粒径を有する粒径分布を有し、数D10粒径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0019】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D10の粒径を有する粒径分布を有し、数D10粒径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0020】
粒径を決定する際に妥協する必要がある。より大きな膨張黒鉛粒子は、より小さな膨張黒鉛粒子よりもエアロゾル形成基体の熱伝導率を有利に高めることができる。しかしながら、膨張黒鉛粒子が大きいと、エアロゾル形成材料が利用可能な基体内の空間が低減され得る。
【0021】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、数D50粒径を有する粒径分布を有し、数D50粒径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0022】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D50の粒径を有する粒径分布を有し、数D50粒径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0023】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、数D90粒径を有する粒径分布を有し、数D90粒径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0024】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D90の粒径を有する粒径分布を有し、数D90粒径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0025】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、数D10粒径および数D90粒径を有する粒径分布を有し、数D90粒径は、数D10粒径の50、40、30、20、10、または5倍以下である。
【0026】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、数D10粒径および数D90粒径を有する粒径分布を有し、数D90粒径は、数D10粒径の少なくとも1.5、2、3、5、10、または20倍である。
【0027】
粒径分布に関して妥協する必要がある。例えば、D90粒径とD10粒径との間の比が小さいことによって特徴付けられる、より緊密な粒径分布は、有利なことに、エアロゾル形成基体全体にわたってより均一な熱伝導率を提供し得る。これは、基体内の異なる位置における粒径の変動が少ないためである。これは有利なことに、エアロゾル形成基体全体を通してエアロゾル形成材料のより効率的な使用を可能にし得る。しかしながら、緊密な粒径分布は不都合なことに、達成がより困難かつ高価である場合がある。発明者らは、上述した粒径分布が、これらの二つの要因間の最適な折衷案を提供し得ることを見出した。
【0028】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D10粒径を有する粒径分布を有し、体積D10粒径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0029】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D10粒径を有する粒径分布を有し、体積D10粒径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0030】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D50粒径を有する粒径分布を有し、体積D50粒径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0031】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D50粒径を有する粒径分布を有し、体積D50粒径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0032】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D90粒径を有する粒径分布を有し、体積D90粒径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0033】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D90粒径を有する粒径分布を有し、体積D90粒径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0034】
膨張黒鉛粒子は、1~20ミクロンの体積D10粒径を有する粒径分布を有することが特に好ましい場合がある。代替的、または追加的に、膨張黒鉛粒子は、50~300ミクロン、または50~200ミクロンの体積D90粒径を有する粒径分布を有することが特に好ましい場合がある。
【0035】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D10粒径および体積D90粒径を有する粒径分布を有し、体積D90粒径は、体積D10粒径の50、40、30、20、10、または5倍以下である。
【0036】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、体積D10粒径および体積D90粒径を有する粒径分布を有し、体積D90粒径は、体積D10粒径の少なくとも1.5、2、3、5、10、または20倍である。
【0037】
膨張黒鉛は、1、2、3、5、10、20、30、35、50、75、100、150、200、250、500、または900マイクロメートル以上の体積平均粒径を有し得る。
【0038】
膨張黒鉛粒子の体積平均粒径が、10マイクロメートル超であることが特に好ましい場合がある。
【0039】
膨張黒鉛粒子は、1000、900、500、200、100、150、100、75、50、35、30、20、10、5、3、または2マイクロメートル以下の体積平均粒径を有し得る。膨張黒鉛粒子は、1~1000、35~1000、または100~900マイクロメートルの体積平均粒径を有し得る。これらの粒径範囲は、エアロゾル形成材料が、カットフィラー、粉末粒子、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含む、またはそれらの形態である場合、特に好ましい場合がある。
【0040】
膨張黒鉛粒子は、1~1000、10~200、30~150、または50~75マイクロメートルの体積平均粒径を有し得る。これらの体積平均粒径範囲は、エアロゾル形成材料がシートの集合体などのシートを含むか、またはシートの形態である場合に特に好ましい場合がある。
【0041】
膨張黒鉛粒子は、数平均粒径の少なくとも2、3、5、8、10、15、または20倍の体積平均粒径を有し得る。
【0042】
上記で説明したように、粒径分布に関して妥協する必要があり、発明者らは、上記の粒径分布が最適な折衷案を提供し得ることを見出した。
【0043】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子の各々は、少なくとも0.01、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンの粒径を有する。任意選択的に、膨張黒鉛粒子の各々は、1,000、500、300、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下の粒径を有する。膨張黒鉛粒子の各々は、少なくとも1ミクロンの粒径を有することが特に好ましい場合がある。代替的、または追加的に、膨張黒鉛粒子の各々は、300ミクロン以下の粒径を有することが特に好ましい場合がある。1ミクロン未満の粒子は、製造中に取り扱うことが困難である場合がある。300ミクロンよりも大きな粒子は、エアロゾル形成材料に使用され得る基体内のかなり大きな空間を占め得る。したがって、膨張黒鉛粒子の各々が、少なくとも1ミクロンの粒径、または300ミクロン以下の粒径、またはその両方を有することが特に有利であり得る。
【0044】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子の各々は、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法のうちの最大寸法は、三つの寸法のうちの最小寸法の10、8、5、3、または2倍以下である。任意選択的に、膨張黒鉛粒子の各々は、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法のうちの最大寸法は、三つの寸法のうちの第二の最大寸法の10、8、5、3、または2倍以下である。任意選択的に、膨張黒鉛粒子の各々は、実質的に球状である。
【0045】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、少なくとも10、20、50、100、200、500、または1000個の膨張黒鉛粒子を含む。有利なことに、エアロゾル形成基体中の膨張黒鉛粒子の数が大きいほど、基体の熱伝導率をより均一にすることが可能になり得る。
【0046】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体は、膨張黒鉛粒子の割合が比較的低い場合がある。例えば、基体は、0.1~25重量%の膨張黒鉛粒子を含有する均質化したたばこなどのエアロゾル形成材料を含み得る。膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体の80、50、20、10、または5重量%以下を占め得る。膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体の0.1、0.2、0.5、1、2、3、5、10、20、または50重量%以上を占め得る。膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体の0.1~20、0.2~20、0.5~20、1~20、2~20、3~20、5~20、0.1~15、0.2~15、0.5~15、1~15、2~15、3~15、5~15、0.1~10、0.2~10、0.5~10、1~10、2~10、3~10、または5~10重量%を占め得る。膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体の0.1~20、0.2~20、0.5~20、1~20、2~20、3~20、5~20、0.1~15、0.2~15、0.5~15、1~15、2~15、3~15、5~15、0.1~10、0.2~10、0.5~10、1~10、2~10、3~10、または5~10重量%を占め得る。
【0047】
膨張黒鉛粒子が、エアロゾル形成基体の1重量%超を占めることが特に好ましい場合がある。膨張黒鉛粒子が、エアロゾル形成基体の20重量%未満を占めることも好ましい場合がある。有利なことに、発明者らは、こうした重量%が、エアロゾル形成基体の熱伝導率を増加させることと、適切な量のエアロゾルを形成するのに十分なエアロゾル形成材料、例えば均質化したたばこを維持することとの間の最適な妥協点を提供することを見出した。膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体の1~20、2~15、または3~10重量%を占めることが特に好ましい場合がある。これは、本発明者らが、特定のエアロゾル形成基体について、これらの重量%範囲が、おおよそ12回の吸煙にわたってより一貫したグリセロールおよびニコチン送達を提供する場合があることを見出したためである。理論に拘束されることを望むものではないが、これは、1、2、または3重量%未満の膨張黒鉛粒子を有することは、基体の熱伝導率に対して十分に大きい効果を有しないが、10、15、または20重量%超の膨張黒鉛粒子は、局所的な基体温度を過度に高く過度に速く上げ、初期の吸煙で比較的高いグリセロールおよびニコチン送達をもたらすが、その後の吸煙では比較的低いグリセロールおよびニコチン送達をもたらすためであると考えられている。加えて、本発明者らは驚くべきことに、特定のエアロゾル形成基体について、おおよそ12回の吸煙にわたってグリセロールおよびニコチンの総収率が、1~20、2~15、または3~10重量%の膨張黒鉛粒子を有する基体について最大に到達すると思われることを見出した。これは、等しい量のグリセロールおよびニコチンをユーザーに送達するために、より少ない基体しか必要とされない場合があるため、有利である場合がある。
【0048】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体は、比較的高い割合の膨張黒鉛粒子、例えば、膨張黒鉛粒子、結合剤、繊維成分、およびエアロゾル形成体を含み得る。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも20、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85重量%の膨張黒鉛粒子を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20または15重量%の膨張黒鉛粒子を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、10~90、20~90、30~90、40~90、50~90、60~90、70~90、80~90、10~80、20~80、30~80、40~80、50~80、60~80、70~80、10~70、20~70、30~70、40~70、50~70、60~70、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、10~50、20~50、30~50、40~50、10~40、20~40、30~40、10~30、20~30、または10~20重量%の膨張黒鉛粒子を含む。基体は、乾燥重量基準で、50~90、またはより好ましくは60~90、またはさらにより好ましくは65~85重量%の膨張黒鉛粒子を含むことが特に好ましい場合がある。
【0049】
基体内の膨張黒鉛粒子の重量%に関して妥協する必要があり得る。エアロゾル形成基体中の粒子の重量%を増大させることにより、有利なことに、基体の熱伝導率が増大し得る。しかしながら、エアロゾル形成基体中の粒子の重量%を増大させることはまた、エアロゾル形成体、結合剤、および繊維のうちの一つ以上が利用可能な空間を低減する場合があり、そのため、より少ないエアロゾルを形成する、またはより低い引張強度を有する基体がもたらされる可能性がある。
【0050】
任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、または55重量%のエアロゾル形成体を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、55、50、45、40、35、30、25、20、または15重量%以下のエアロゾル形成体を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、7~60、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、7~50、10~50、20~50、30~50、40~50、7~40、10~40、20~40、30~40、7~30、10~30、20~30、7~20、10~20、または7~10重量%のエアロゾル形成体を含む。基体は、乾燥重量基準で、15~25重量%のエアロゾル形成体を含むことが特に好ましい場合がある。
【0051】
任意選択的に、エアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールなど)、モノ、ジ-、またはトリ-アセテート、および脂肪族エステルまたはモノ、ジ-、またはポリカルボン酸(ジメチルドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、グリセリンおよびグリセロールのうちの一方または両方を含む。
【0052】
任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、または18重量%の繊維を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、20、18、16、14、12、10、8、6、または4重量%以下の繊維を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、4~20、6~20、8~20、10~20、12~20、14~20、16~20、18~20、2~18、4~18、6~18、8~18、10~18、12~18、14~18、16~18、2~16、4~16、6~16、8~16、10~16、12~16、14~16、2~14、4~14、6~14、8~14、10~14、12~14、2~12、4~12、6~12、8~12、10~12、2~10、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、または2~4重量%の繊維を含む。基体は、乾燥重量基準で、2.1~9.8重量%の繊維を含むことが特に好ましい場合がある。
【0053】
任意選択的に、繊維は、セルロース繊維である。有利なことに、セルロース繊維は、過度に高価ではなく、かつ基体の引張強度を増大させることができる。
【0054】
任意選択的に、繊維の各々は、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法のうちの最大寸法は、三つの寸法のうちの最小寸法よりも少なくとも1.5、2、3、5、10、または20倍大きい。任意選択的に、繊維の各々は、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法のうちの最大寸法は、三つの寸法のうちの第二の最大寸法よりも少なくとも1.5、2、3、5、10、または20倍大きい。
【0055】
任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも4、6、または8重量%の結合剤を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、8、6、または4重量%以下の結合剤を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、2~4重量%の結合剤を含む。基体は、乾燥重量基準で、2.1~10重量%の結合剤を含むことが特に好ましい場合がある。
【0056】
好ましい結合剤は当技術分野でよく知られており、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーであるか、またはグアーを含むことが特に好ましい場合がある。結合剤は、カルボキシメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロース、またはグアーガムなどのガムのうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成ることが特に好ましい場合がある。
【0057】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。任意選択的に、エアロゾル形成体は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。任意選択的に、繊維は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。任意選択的に、結合剤は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。有利なことに、基体の構成要素の均質な分布により、基体がより空間的に均一な特性を有し得る。例えば、実質的に均質に分布した膨張黒鉛粒子は、実質的に均一な熱伝導率を有する基体をもたらし得る。別の実施例として、実質的に均質に分布した結合剤または繊維は、実質的に均一な引張強度を有する基体をもたらし得る。
【0058】
任意選択的に、基体は、ニコチンを含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、3、または4重量%のニコチンを含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、5、4、3、2、または1重量%以下のニコチンを含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、0.01~5、1~5、2~5、3~5、4~5、0.01~4、1~4、2~4、3~4、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%のニコチンを含む。基体は、乾燥重量基準で、0.5~3重量%のニコチンを含むことが特に好ましい場合がある。
【0059】
任意選択的に、ニコチンは、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。
【0060】
任意選択的に、基体は、酸を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、3、または4重量%の酸を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、5、4、3、2、または1重量%以下の酸を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、0.01~5、1~5、2~5、3~5、4~5、0.01~4、1~4、2~4、3~4、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の酸を含む。基体は、乾燥重量基準で、0.5~3重量%の酸を含むことが特に好ましい場合がある。
【0061】
任意選択的に、酸は、フマル酸、乳酸、安息香酸、およびレブリン酸のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る。
【0062】
任意選択的に、酸は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。
【0063】
任意選択的に、基体は、少なくとも一つの植物を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、5、10、または15重量%の少なくとも一つの植物を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、20、15、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの植物を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、0.01~20、1~20、2~20、5~20、10~20、15~20、0.01~15、1~15、2~15、5~15、10~15、0.01~10、1~10、2~10、5~10、0.01~5、1~5、2~5、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の少なくとも一つの植物を含む。基体は、乾燥重量基準で、5~15重量%の少なくとも一つの植物成分を含むことが特に好ましい場合がある。
【0064】
任意選択的に、少なくとも一つの植物は、クローブおよびロスマリナスのうちの一方または両方を含むか、またはそれらから成る。
【0065】
任意選択的に、少なくとも一つの植物は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。
【0066】
任意選択的に、基体は、少なくとも一つの風味剤を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.1、1、2、または5重量%の少なくとも一つの風味剤を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの風味剤を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、0.1~10、1~10、2~10、5~10、0.1~5、1~5、2~5、0.1~2、1~2、0.1~1重量%の少なくとも一つの風味剤を含む。基体は、乾燥重量基準で、0.5~4.0重量%の少なくとも一つの風味剤を含むことが特に好ましい場合がある。
【0067】
任意選択的に、少なくとも一つの風味剤は、被覆、例えばエアロゾル形成基体の一つ以上の他の構成要素上の被覆として存在する。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの風味剤は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。
【0068】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、たばこなどの少なくとも一つの有機材料を含む。少なくとも一つの有機材料は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含む。任意選択的に、少なくとも一つの有機材料は、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布される。
【0069】
基体は、乾燥重量基準で、10、5、3、2、または1重量%未満のたばこを含んでもよい。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、たばこを含まないエアロゾル形成基体である。
【0070】
エアロゾル形成基体は、ロッドの形態であってもよい。そのため、エアロゾル形成基体のロッドが提供され得る。
【0071】
サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッド内に位置してもよい。サセプタ要素は細長いサセプタ要素であってもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッド内に長軸方向に延び得る。ロッドは、実質的に円筒形状、例えば、直円筒形状であってもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッド内の半径方向中央位置に位置付けられてもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの中央長軸方向軸に沿って延びてもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの下流端まで全面的に延びてもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの上流端まで全面的に延びてもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドと実質的に同じ長さを有してもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの上流端から下流端まで延びてもよい。サセプタ要素は、ピン、ロッド、細片、またはブレードの形態であり得る。サセプタ要素は、5~15ミリメートル、6~12ミリメートル、または8~10ミリメートルの長さを有してもよい。サセプタ要素は、1~5ミリメートルの幅を有してもよい。サセプタ要素は、0.01~2ミリメートル、0.5~2ミリメートル、または0.5~1ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0072】
別の方法として、エアロゾル形成基体内またはエアロゾル形成基体のロッド内にサセプタ材料が存在しない場合がある。
【0073】
任意選択的に、膨張黒鉛粒子の一部または各々は、例えば少なくとも摂氏100度、150度、または200度の温度に誘導加熱可能であってもよい。膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体内またはエアロゾル形成基体のロッド内に存在する唯一のサセプタ材料を含んでもよく、または唯一のサセプタ材料であってもよい。すなわち、膨張黒鉛粒子を除いて、エアロゾル形成基体内またはエアロゾル形成基体のロッド内にサセプタ要素が存在しない場合があり得る。
【0074】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、摂氏25度で0.05、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.75、1、1.25、1.5、2、5、10、20、50、100、200、または500W/(mK)よりも大きな熱伝導率を少なくとも一方向に有する。
【0075】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、1500、1450、1400、1350、1300、1250、1200、1100、1050、1000、950、900、850、800、850、800、750、700、650、または600kg/m3以下の密度を有する。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、600~1400kg/m3、800~1200kg/m3、または900~1100kg/m3の密度を有する。有利なことに、基体の密度を低減することにより、基体の輸送コストが低減し得る。
【0076】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、1~20、または3~15重量%の含水量を有する。この含水量は、相対湿度50%、摂氏20度での48時間の平衡化後に測定され得る。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、1~20、または3~15重量%の水を含む。基体の水分または含水量は、滴定法を使用して測定されてもよい。基体の水分または含水量は、Karl Fisher法を使用して測定されてもよい。
【0077】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、カットフィラー、粉末粒子、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、糸、リボン、またはシートのうちの一つ以上を含むか、またはそれらの形態である。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、一つ以上のシートまたは細片を含むか、またはそれらの形態である。
【0078】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、一つ以上のシート、例えばシートの集合体もしくはシートのロールを含むか、またはそれらの形態である。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、複数の細片を含むか、またはそれらの形態である。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、管の形態であり得る。
【0079】
任意選択的に、シートまたは細片またはその各々は、少なくとも5、10、20、50、100、150、または200ミクロンの厚さを有する。任意選択的に、シートまたは細片またはその各々は、2000、1000、500、400、300、または250ミクロン以下の厚さを有する。任意選択的に、シートまたは細片またはその各々は、100~350ミクロン、または150~300ミクロンの厚さを有する。
【0080】
任意選択的に、シートまたは細片またはその各々は、少なくとも100、200、500、または1000ミクロンの幅を有する。任意選択的に、シートまたは細片またはその各々は、2000、1000、500、400、300、250、または200ミクロン以下の幅を有する。任意選択的に、シートまたは細片またはその各々は、100~2000ミクロン、または500~1000ミクロン、または600~1000ミクロンの幅を有する。
【0081】
任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、少なくとも100、200、500、1000、2000、または3000ミクロンの長さを有する。任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、6000、5000、3000、2000、1000、500、または200ミクロン以下の長さを有する。任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、100~6000ミクロン、または500~5000ミクロン、または1000~4000ミクロンの長さを有する。
【0082】
任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、少なくとも20、50、または100g/m2の坪量を有する。任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、300g/m2以下の坪量を有する。任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、20~300g/m2、50~250g/m2、または100~250g/m2の坪量を有する。
【0083】
任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、少なくとも0.1、0.2、0.3、または0.5g/m3の密度を有する。任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、2、1.5、1.2、または1g/m3以下の密度を有する。任意選択的に、シートまたは細片、またはその各々は、0.1~2g/m3、0.2~2g/m3、0.3~2g/m3、0.3~1.5g/m3、または0.3~1.2g/m3の密度を有する。
【0084】
基体が一つ以上のシートの集合体を含む場合、シートの集合体またはその各々は、少なくとも約1、2、5、10、25、50、または100mmの幅を有し得る。
【0085】
任意選択的に、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体と、乾燥重量基準で、第二の材料の3重量%~90重量%を構成する膨張黒鉛粒子と、を含み、第二の材料は、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成される。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、たばこと、エアロゾル形成体と、乾燥重量基準で、第二の材料の3重量%~90重量%を構成する膨張黒鉛粒子と、を含み、第二の材料は、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成される。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、膨張黒鉛粒子を含む熱伝導性の均質化したたばこ材料であり、繊維および結合剤をさらに含む。
【0086】
任意選択的に、エアロゾル形成基体はたばこを含まず、例えば基体は、膨張黒鉛粒子を含む、熱伝導性のたばこを含まない材料であり、繊維および結合剤をさらに含む。
【0087】
本開示の第二の態様によると、エアロゾル発生物品も提供される。
【0088】
物品は、上述したエアロゾル形成基体、例えば第一の態様によるエアロゾル形成基体を備えてもよい。
【0089】
任意選択的に、物品は、ロッドの形態であり、ラッパーまたはケーシング内に組み立てられたエアロゾル形成基体または組み合わせられたエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備える。
【0090】
任意選択的に、エアロゾル発生物品は、前方プラグを含む。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、第一の中空管、例えば第一の中空アセテート管を備える。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、第二の中空管、例えば第二の中空アセテート管を備える。任意選択的に、第二の中空管は、一つ以上の通気孔を含む。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、口側プラグフィルターを備える。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、ラッパー、例えば紙ラッパーを備える。
【0091】
任意選択的に、前方プラグは、物品の最上流端に配設される。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、前方プラグの下流に配設される。任意選択的に、第一の中空管は、エアロゾル形成基体の下流に配設される。任意選択的に、第二の中空管は、第一の中空管の下流に配設される。任意選択的に、口側プラグフィルターは、第一の中空管および第二の中空管のうちの一方または両方の下流に配設される。任意選択的に、口側プラグフィルターは、物品の最下流端に配設される。任意選択的に、物品の口側端とも呼ばれ得る物品の最下流端は、ユーザーの口の中へ挿入されるように構成されてもよい。ユーザーは、例えば物品の口側端を直接吸入することができる場合がある。
【0092】
任意選択的に、前方プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管および第二の中空管のうちの一方または両方、および口側プラグフィルターは、ラッパー、例えば紙ラッパーによって取り囲まれる。
【0093】
任意選択的に、前方プラグは、2~10mm、3~8mm、または4~6mm、例えば約5mmの長さを有する。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、5~20mm、8~15mm、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する。任意選択的に、第一の中空管は、2~20mm、5~15mm、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する。任意選択的に、第二の中空管は、2~20mm、5~15mm、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する。任意選択的に、口側プラグフィルターは、5~20mm、8~15mm、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する。前方プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管、第二の中空管、および口側プラグフィルターのうちの一つ以上の長さは、長軸方向に延びてもよい。
【0094】
前方プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管、第二の中空管、および口側プラグフィルターのうちの一つ以上は、実質的に円筒形状、例えば、直円筒形状であってもよい。
【0095】
本開示の第三の態様によると、エアロゾル発生システムが提供される。
【0096】
システムは、エアロゾル発生物品と、電気エアロゾル発生装置とを備え得る。物品は、上述した物品、例えば第二の態様による物品であってもよい。
【0097】
任意選択的に、電気エアロゾル発生装置は、使用時にエアロゾル発生物品を抵抗加熱するように構成される。
【0098】
任意選択的に、電気エアロゾル発生装置は、使用時に、エアロゾル発生物品、例えばエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を誘導加熱するように構成される。
【0099】
本開示によると、エアロゾル形成基体、例えば、第一の態様による基体などの上述した基体を形成する方法が提供される。方法は、膨張黒鉛粒子、エアロゾル形成体、繊維、および結合剤のうちの一つ以上またはすべてを含むスラリーを形成することを含み得る。方法は、スラリーをキャスティングおよび乾燥して、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体に形成するための前駆体を形成することを含み得る。
【0100】
したがって、本開示の第四の態様によると、エアロゾル形成基体、例えば、第一の態様による基体などの上述した基体を形成する方法が提供される。方法は、
膨張黒鉛粒子、エアロゾル形成体、繊維、および結合剤を含むスラリーを形成することと、
スラリーをキャスティングおよび乾燥して、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体に形成するための前駆体を形成することと、を含む。
【0101】
任意選択的に、スラリーは、水を含む。任意選択的に、スラリーは、20~90、30~90、40~90、40~85、50~80、60~80、または60~75重量%の水を含む。
【0102】
任意選択的に、スラリーは、酸を含む。任意選択的に、酸は、フマル酸、乳酸、安息香酸、およびレブリン酸のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る。
【0103】
任意選択的に、スラリーは、ニコチンを含む。
【0104】
任意選択的に、スラリーを形成することは、第一の混合物を形成することを含む。第一の混合物は、エアロゾル形成体を含んでもよい。第一の混合物は、繊維を含んでもよい。第一の混合物は、水を含んでもよい。第一の混合物は、酸を含んでもよい。第一の混合物は、ニコチンを含んでもよい。スラリーを形成することは、第二の混合物を形成することを含み得る。第二の混合物は、膨張黒鉛粒子を含み得る。第二の混合物は、結合剤を含み得る。スラリーを形成することは、第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせられた混合物を形成することを含み得る。
【0105】
したがって、スラリーを形成することは、
エアロゾル形成体、繊維、水、任意選択的に酸、および任意選択的にニコチンを含む、第一の混合物を形成することと、
膨張黒鉛粒子および結合剤を含む、第二の混合物を形成することと、
第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせられた混合物を形成することとを含み得る。
【0106】
その後、組み合わせられた混合物は、例えば混合によってスラリーに形成さ得る。
【0107】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、エアロゾル形成体、またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液を提供することを含む。
【0108】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、エアロゾル形成体、またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液に酸を添加して、第一の予混合物を形成することを含む。
【0109】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、エアロゾル形成体、またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液に、または第一の予混合物に水を添加して、第二の予混合物を形成することを含む。
【0110】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、第二の予混合物に繊維を添加することを含む。
【0111】
任意選択的に、第二の混合物を形成することは、膨張黒鉛粒子と結合剤を混合することを含む。
【0112】
任意選択的に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、組み合わせられた混合物の第一の混合を含む。任意選択的に、第一の混合は、500、400、300、250、または200mbar以下の第一の圧力下で行われる。任意選択的に、第一の混合は、1~10分間、2~8分間、または3~6分間、例えば約4分間行われる。
【0113】
任意選択的に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、第一の混合後の第二の混合を含む。任意選択的に、第二の混合は、第一の圧力よりも小さな第二の圧力下で行われる。任意選択的に、第二の圧力は、500、400、300、200、150、または100mbar以下である。任意選択的に、第二の混合は、5~120秒間、5~80秒間、5~40秒間、または10~30秒間、例えば約20秒間行われる。
【0114】
任意選択的に、スラリーをキャスティングすることは、スラリーを平坦な支持体、例えば平坦な鋼支持体上にキャスティングすることを含む。
【0115】
任意選択的に、スラリーをキャスティングした後、かつスラリーを乾燥する前に、方法は、スラリーの厚さを設定すること、例えばスラリーの厚さを100~1200ミクロン、200~1000ミクロン、300~900ミクロン、500~700ミクロン、例えば約600ミクロンに設定することを含む。
【0116】
任意選択的に、スラリーを乾燥することは、空気などの気体の流れをスラリー上に、またはスラリーを通過させて提供することを含む。任意選択的に、気体の流れは加熱される。任意選択的に、気体の流れは、摂氏100~160度、または摂氏120~140度の温度に加熱される。任意選択的に、気体の流れは、1~10分間、または2~5分間提供される。任意選択的に、スラリーを乾燥することは、スラリーが1~20、2~15、2~10、または3~7重量%の含水量を有するまでスラリーを乾燥することを含む。
【0117】
任意選択的に、スラリーを乾燥することにより、エアロゾル形成基体に形成するための前駆体が形成され、前駆体は、エアロゾル形成材料のシートである。任意選択的に、方法は、エアロゾル形成材料のシートを切断することを含む。
【0118】
本開示を読んだ当業者に理解されるように、一態様に関連して本明細書に記載される特徴は、任意の他の態様に適用可能であり得る。例えば、第二の態様の組み合わせられたエアロゾル形成基体に関連して、または第二の態様の組み合わせられたエアロゾル形成基体の第一および第二の材料に関連して記載される特徴は、第一の態様のエアロゾル形成基体に適用可能であってもよく、その逆もまた同様である。
【0119】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができるエアロゾルまたは揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指し得る。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、担体上にまたは支持体上に吸着、被覆、含浸、または別の方法で装填されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0120】
本明細書で使用される場合、「熱伝導性粒子」という用語は、例えば、摂氏25度で全方向になど、摂氏25度で少なくとも一方向に、1W/(MK)超の熱伝導率を有する粒子を指し得る。粒子は、異方性または等方性の熱伝導率を呈し得る。
【0121】
本明細書で使用される場合、「延伸黒鉛」という用語は、黒鉛系材料、または黒鉛様構造を有する材料を指し得る。延伸黒鉛は、炭素層間の間隔が通常の黒鉛の炭素層の間に見られる間隔よりも大きな炭素層(例えば、黒鉛に類似)を有してもよい。延伸黒鉛は、炭素層間の空間内に介在された要素または化合物を有する炭素層を有してもよい。
【0122】
本明細書で使用される場合、「粒径」という用語は、単一の寸法を指す場合があり、所与の粒径を特徴付けるために使用され得る。寸法は、所与の粒子と同じ体積を占める球状粒子の直径であってもよい。本明細書のすべての粒径および粒径分布は、標準レーザー回折技術を使用して取得することができる。本明細書に記載される粒径および粒径分布は、市販のセンサー、例えば、SympatecのHELOSレーザー回折センサーを使用して取得され得る。
【0123】
本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、「密度」という用語は、真密度を指すために使用され得る。したがって、別段の指定がない限り、粉末または複数の粒子の密度は、粉末または複数の粒子の真の密度を指し得る(粉末または複数の粒子の取り扱い方によって大きく異なる可能性のある、粉末または複数の粒子のかさ密度ではなく)。真密度の測定は、多くの標準的な方法を使用して行うことができ、これらの方法はしばしばアルキメデスの原理に基づく。粉末の真密度を測定するために使用される際に最も広く使用されている方法は、粉末が、既知の体積の容器(ピクノメータ)内部に配置されて計量されることを伴う。次いで、ピクノメータに、粉末が可用性ではない、既知の密度の流体が充填される。粉末の体積は、ピクノメータによって示される体積と、液体が添加された体積との間の差(すなわち、変位した空気の体積)によって判定される。
【0124】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、例えば加熱時にエアロゾルを発生、または放出することができる物品を指し得る。
【0125】
本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品などの構成要素の下流端または近位端と上流端または遠位端との間に延びる方向を指し得る。
【0126】
上述の通り、「横断方向」という用語は、長軸方向に対して直角を成す方向を指し得る。
【0127】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾルの発生または放出を可能にするために、エアロゾル発生物品と共に使用される装置を指し得る。
【0128】
本明細書で使用される場合、「シートの集合体」という用語は、エアロゾル形成基体、またはエアロゾル形成基体、またはエアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされる、折り畳まれる、あるいは別の方法で圧縮または収縮されるエアロゾル発生物品のシートを指し得る。
【0129】
本明細書で使用される場合、「シート」という用語は、例えば、その厚さの少なくとも2、3、5、10、20、または50倍よりも実質的に大きな幅および長さを有する、略平面の薄層状の要素を指し得る。
【0130】
本明細書で使用される場合、「細片」という用語は、その厚さよりも実質的に大きな幅および長さを有する、略平面の薄層状の要素を指し得る。細片の幅は、その厚さよりも大きくてもよく、例えばその厚さの少なくとも2、3、5、または10倍であってもよい。細片の長さは、その幅よりも大きくてもよく、例えばその幅の少なくとも2、3、5、または10倍であってもよい。
【0131】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を指し得る。エアロゾルは、高密度かつ安定したエアロゾルであり得る。エアロゾルは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品の動作温度において、熱分解に対して実質的に耐性であってもよい。
【0132】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル冷却要素」という用語は、使用時に、基体によって、またはエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルが、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素を通過し、かつエアロゾル冷却要素によって冷却されるように、エアロゾル形成基体の下流に位置するエアロゾル発生物品の構成要素を指し得る。
【0133】
本明細書で使用される場合、「ロッド」という用語は、概して円筒状、例えば実質的に円形、長円形、または楕円形断面の直円筒形状の要素を指し得る。
【0134】
本明細書で使用される場合、「捲縮」という用語は、一つ以上の隆起または波形を有するシートを指し得る。隆起または波形は、実質的に平行であってもよい。エアロゾル発生物品の構成要素内に存在する場合、隆起または波形は、エアロゾル発生物品に対して長軸方向に延びてもよい。
【0135】
本明細書で使用される場合、「通気レベル」という用語は、通気ゾーン(通気気流)を介してエアロゾル発生物品の中に入る気流と、エアロゾル気流および通気気流の合計との容積比を指し得る。通気レベルが大きいほど、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈が高くなる。
【実施例】
【0136】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0137】
実施例1.
エアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル形成基体であって、膨張黒鉛粒子を含む、エアロゾル形成基体。
実施例2.
例えば、エアロゾル形成体などのエアロゾル形成材料をさらに含む、実施例1によるエアロゾル形成基体。
実施例3.
膨張黒鉛粒子が、エアロゾル形成基体の80、50、20、10、または5重量%以下を占める、実施例1または2によるエアロゾル形成基体。
実施例4.
膨張黒鉛粒子が、エアロゾル形成基体の0.1、0.2、0.5、1、2、3、5、10、20、または50重量%以上を占める、実施例1~3のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例5.
膨張黒鉛粒子が、エアロゾル形成基体の1~20、2~20、3~20、5~20、3~15、5~15、または3~10重量%を占める、実施例1~4のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例6.
乾燥重量基準で、
1~90重量%の膨張黒鉛粒子と、
7~60重量%のエアロゾル形成体と、
2~20重量%の繊維と、
2~10重量%の結合剤と、を含む、実施例1~5のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例7.
乾燥重量基準で、
10~90重量%の膨張黒鉛粒子と、
7~60重量%のエアロゾル形成体と、
2~20重量%の繊維と、
2~10重量%の結合剤と、を含む、実施例1~6のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例8.
膨張黒鉛粒子が、摂氏25度で少なくとも0.3、0.5、1、2、5、または10W/(mK)の熱伝導率を少なくとも一方向に有する、実施例1~7のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例9.
乾燥重量基準で、
1~90重量%の膨張黒鉛粒子と、
7~60重量%のエアロゾル形成体と、
2~20重量%の繊維と、
2~10重量%の結合剤と、を含み、
エアロゾル形成基体が、摂氏25度で少なくとも一方向に少なくとも0.22W/(mK)の熱伝導率を有する、実施例1~8のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例10.
乾燥重量基準で、
10~90重量%の膨張黒鉛粒子と、
7~60重量%のエアロゾル形成体と、
2~20重量%の繊維と、
2~10重量%の結合剤と、を含み、
エアロゾル形成基体が、摂氏25度で少なくとも一方向に少なくとも0.22W/(mK)の熱伝導率を有する、実施例1~9のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例11.
1~15重量%の膨張黒鉛粒子を含む、実施例1~10のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例12.
3~6重量%の膨張黒鉛粒子を含む、実施例1~11のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例13.
膨張黒鉛粒子が、数D10粒径を有する粒径分布を有し、数D10粒径が、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである、実施例1~12のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例14.
膨張黒鉛粒子が、数D10粒径を有する粒径分布を有し、数D10粒径が、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である、実施例1~13のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例15.
膨張黒鉛粒子が、数D50粒径を有する粒径分布を有し、数D50粒径が、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである、実施例1~14のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例16.
膨張黒鉛粒子が、数D50粒径を有する粒径分布を有し、数D50粒径が、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である、実施例1~15のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例17.
膨張黒鉛粒子が、数D90粒径を有する粒径分布を有し、数D90粒径が、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである、実施例1~16のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例18.
膨張黒鉛粒子が、数D90粒径を有する粒径分布を有し、数D90粒径が、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である、実施例1~17のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例19.
膨張黒鉛粒子が、体積D10粒径を有する粒径分布を有し、体積D10粒径が、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである、実施例1~18のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例20.
膨張黒鉛粒子が、体積D10粒径を有する粒径分布を有し、体積D10粒径が、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である、実施例1~19のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例21.
膨張黒鉛粒子が、体積D50粒径を有する粒径分布を有し、体積D50粒径が、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである、実施例1~20のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例22.
膨張黒鉛粒子が、体積D50粒径を有する粒径分布を有し、体積D50粒径が、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である、実施例1~21のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例23.
膨張黒鉛粒子が、体積D90粒径を有する粒径分布を有し、体積D90粒径が、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである、実施例1~22のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例24.
膨張黒鉛粒子が、体積D90粒径を有する粒径分布を有し、体積D90粒径が、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である、実施例1~23のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例25.
膨張黒鉛粒子が、数D10粒径、数D90粒径、体積D10粒径、および体積D90粒径を有する粒径分布を有し、
数D90粒径が、数D10粒径の50、40、30、20、10、または5倍以下である、
または体積D10粒径が、体積D10粒径の50、40、30、20、10、または5倍以下である、
または、数D90粒径が、数D10粒径の50、40、30、20、10、または5倍以下である、および体積D10粒径が、体積D10粒径の50、40、30、20、10、または5倍以下である、の両方である、実施例1~24のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例26.
膨張黒鉛粒子が、粒径分布を有し、数D10粒径および体積D1粒径のうちの一方または両方が、1~20ミクロンである、実施例1~26のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例27.
膨張黒鉛粒子が、粒径分布を有し、数D90粒径および体積D90粒径のうちの一方または両方が、50~300ミクロン、または50~200ミクロンである、実施例1~26のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例28.
膨張黒鉛粒子の各々が、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンの粒径を有する、実施例1~27のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例29.
熱伝導性粒子の各々が、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下の粒径を有する、実施例1~28のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例30.
膨張黒鉛粒子の各々が、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法のうちの最大寸法が、三つの寸法のうちの最小寸法および三つの寸法のうちの第二の最大寸法の一方または両方よりも10、8、5、3、または2倍以下大きい、実施例1~29のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例31.
膨張黒鉛粒子の各々が、実質的に球状である、実施例1~30のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例32.
少なくとも10、20、50、100、200、500、または1000個の膨張黒鉛粒子を含む、実施例1~31のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例33.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも20、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85重量%の膨張黒鉛粒子を含む、実施例1~32のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例34.
基体が、乾燥重量基準で、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、または15重量%以下の膨張黒鉛粒子を含む、実施例1~33のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例35.
基体が、乾燥重量基準で、1~95、4~94、10~90、20~90、30~90、40~90、50~90、60~90、70~90、80~90、10~80、20~80、30~80、40~80、50~80、60~80、70~80、10~70、20~70、30~70、40~70、50~70、60~70、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、10~50、20~50、30~50、40~50、10~40、20~40、30~40、10~30、20~30、または10~20重量%の膨張黒鉛粒子を含む、実施例1~34のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例36.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、または55重量%のエアロゾル形成体を含む、実施例1~35のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例37.
基体が、乾燥重量基準で、55、50、45、40、35、30、25、20、または15重量%以下のエアロゾル形成体を含む、実施例1~36のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例38.
基体が、乾燥重量基準で、7~60、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、7~50、10~50、20~50、30~50、40~50、7~40、10~40、20~40、30~40、7~30、10~30、20~30、7~20、10~20、または7~10重量%のエアロゾル形成体を含み、特に好ましくは15~25重量%のエアロゾル形成体を含む、実施例1~37のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例39.
エアロゾル形成体が、多価アルコール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールなど)、モノ、ジ-、またはトリ-アセテート、および脂肪族エステルまたはモノ、ジ-、またはポリカルボン酸(ジメチルドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る、実施例1~38のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例40.
エアロゾル形成基体が、グリセリンおよびグリセロールのうちの一方または両方を含む、実施例1~39のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例41.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、または18重量%の繊維を含む、実施例1~40のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例42.
基体が、乾燥重量基準で、20、18、16、14、12、10、8、6、または4重量%以下の繊維を含む、実施例1~41のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例43.
基体が、乾燥重量基準で、4~20、6~20、8~20、10~20、12~20、14~20、16~20、18~20、2~18、4~18、6~18、8~18、10~18、12~18、14~18、16~18、2~16、4~16、6~16、8~16、10~16、12~16、14~16、2~14、4~14、6~14、8~14、10~14、12~14、2~12、4~12、6~12、8~12、10~12、2~10、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、または2~4重量%の繊維、好ましくは2~10重量%の繊維を含む、実施例1~42のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例44.
繊維が、セルロース繊維である、実施例1~43のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例45.
繊維の各々が、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法のうちの最大寸法が、三つの寸法のうちの最小寸法よりも少なくとも1.5、2、3、5、10、または20倍大きい、実施例1~44のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例46.
繊維の各々が、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法のうちの最大寸法が、三つの寸法のうちの第二の最大寸法よりも少なくとも1.5、2、3、5、10、または20倍大きい、実施例1~45のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例47.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも4、6、または8重量%の結合剤を含む、実施例1~46のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例48.
基体が、乾燥重量基準で、8、6、または4重量%以下の結合剤を含む、実施例1~47のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例49.
基体が、乾燥重量基準で、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、2~4重量%の結合剤、特に好ましくは2~10重量%の結合剤を含む、実施例1~48のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例50.
結合剤が、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースのうちの一方または両方を含むか、またはそれらから成る、実施例1~49のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例51.
結合剤が、グアーガムなどの一つ以上のガムを含むか、またはそれらから成る、実施例1~50のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例52.
膨張黒鉛粒子が、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例1~51のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例53.
エアロゾル形成体が、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例1~52のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例54.
繊維が、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例1~53のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例55.
結合剤が、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例1~54のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例56.
基体が、ニコチンを含む、実施例1~55のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例57.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、3、または4重量% のニコチンを含む、実施例56によるエアロゾル形成基体。
実施例58.
基体が、乾燥重量基準で、5、4、3、2、または1重量%以下のニコチンを含む、実施例56~57のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例59.
基体が、乾燥重量基準で、0.01~5、1~5、2~5、3~5、4~5、0.01~4、1~4、2~4、3~4、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%のニコチン、特に好ましくは0.5~4重量%のニコチンを含む、実施例1~58のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例60.
ニコチンが、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例56~58のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例61.
基体が、酸を含む、実施例1~60のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例62.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、または2重量%の酸を含む、実施例61によるエアロゾル形成基体。
実施例63.
基体が、乾燥重量基準で、3、2、または1重量%以下の酸を含む、実施例61~62のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例64.
基体が、乾燥重量基準で、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の酸、特に好ましくは0.5~5重量%の酸を含む、実施例61~63のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例65.
酸が、フマル酸、乳酸、安息香酸、およびレブリン酸のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る、実施例61~64のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例66.
酸が、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例61~65のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例67.
基体が、少なくとも一つの植物を含む、実施例1~66のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例68.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、5、10、または1重量%の少なくとも一つの植物を含む、実施例67によるエアロゾル形成基体。
実施例69.
基体が、乾燥重量基準で、20、15、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの植物を含む、実施例67~68のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例70.
基体が、乾燥重量基準で、0.01~20、1~20、2~20、5~20、10~20、15~20、0.01~15、1~15、2~15、5~15、10~15、0.01~10、1~10、2~10、5~10、0.01~5、1~5、2~5、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の少なくとも一つの植物、特に好ましくは1~15重量%の少なくとも一つの植物を含む、実施例67~69のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例71.
少なくとも一つの植物が、クローブおよびロスマヌスのうちの一方または両方を含むか、またはそれらから成る、実施例67~70のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例72.
少なくとも一つの植物が、エアロゾル形成基体全体に実質的に均質に分布している、実施例67~71のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例73.
基体が、少なくとも一つの風味剤を含む、実施例1~72のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例74.
基体が、乾燥重量基準で、少なくとも0.1、1、2、または5重量%の少なくとも一つの風味剤を含む、実施例73によるエアロゾル形成基体。
実施例75.
基体が、乾燥重量基準で、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの風味剤を含む、実施例73~74のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例76.
基体が、乾燥重量基準で、0.1~10、1~10、2~10、5~10、0.1~5、1~5、2~5、0.1~2、1~2、0.1~1重量%の少なくとも一つの風味剤、特に好ましくは0.1~5重量%の少なくとも一つの風味剤を含む、実施例73~75のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例77.
少なくとも一つの風味剤が、被覆、例えば、エアロゾル形成基体の一つ以上の他の構成要素上の被覆として存在する、実施例73~76のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例78.
少なくとも一つの風味剤が、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例73~77のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例79.
エアロゾル形成基体が、たばこなどの一つ以上の有機材料を含む、実施例1~78のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例80.
有機材料は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含む、実施例1~79のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例81.
有機材料が、エアロゾル形成基体全体にわたって実質的に均質に分布している、実施例1~80のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例82.
エアロゾル形成基体が、たばこを含まないエアロゾル形成基体である、実施例1~81のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例83.
膨張黒鉛粒子の一部または各々が、サセプタ材料として作用する、実施例1~82のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例84.
エアロゾル形成基体が、摂氏25度で少なくとも0.15、0.2、0.22、0.3、0.4、0.5、0.75、1、1.25、または1.5W/(mK)の熱伝導率を少なくとも一方向、または全方向に有する、実施例1~83のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例85.
エアロゾル形成基体が、1500、1050、1000、950、900、850、800、850、800、750、700、または650kg/m3未満の密度を有する、実施例1~84のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例86.
エアロゾル形成基体が、500~900kg/m3、または600~800kg/m3の密度を有する、実施例1~85のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例87.
エアロゾル形成基体が、1~20、または3~15重量%の含水量を有する、実施例1~86のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例88.
エアロゾル形成基体が、1~20、または3~15重量%の水を含む、実施例1~87のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例89.
エアロゾル形成基体が、カットフィラー、粉末粒子、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、シート、シートロール、シートの集合体、または管のうちの一つ以上を含むか、またはそれらの形態である、実施例1~88のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例90.
エアロゾル形成基体が、一つ以上のシートまたは細片を含むか、またはそれらの形態である、実施例1~89のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例91.
エアロゾル形成基体が、一つ以上のシートの集合体を含むか、またはそれらの形態である、実施例1~90のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例92.
シートの集合体、またはその各々が、少なくとも約5、10、25、50、または100mmの幅を有する、実施例91によるエアロゾル形成基体。
実施例93.
エアロゾル形成基体が、複数の細片を含むか、またはそれらの形態である、実施例1~92のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例94.
複数の細片の各々が、少なくとも約3、5、または10mmの長さを有する、実施例93のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例95.
複数の細片の各々が、約3、2、または1mm未満の幅を有する、実施例93~94のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例96.
シートまたは細片、またはその各々が、少なくとも100、150、または200ミクロンの厚さを有する、実施例90~95のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例97.
シートまたは細片、またはその各々が、300、または250ミクロン以下の厚さを有する、実施例90~96のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例98.
シートまたは細片、またはその各々が、100~300ミクロン、または150~250ミクロン、または200~250ミクロンの厚さを有する、実施例90~97のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例99.
シートまたは細片、またはその各々が、少なくとも20、50、または100g/m2の坪量を有する、実施例90~98のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例100.
シートまたは細片、またはその各々が、300g/m2以下の坪量を有する、実施例90~99のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例101.
シートまたは細片、またはその各々が、20~300g/m2、50~250g/m2、または100~250g/m2の坪量を有する、実施例90~100のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例102.
シートまたは細片、またはその各々が、少なくとも0.1、0.2、0.3、または0.5g/m3の密度を有する、実施例90~101のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例103.
シートまたは細片、またはその各々が、2、1.5、1.2、または1g/m3以下の密度を有する、実施例90~102のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例104.
シートまたは細片、またはその各々が、0.1~2g/m2、0.2~2g/m2、0.3~2g/m2、0.3~1.5g/m2、または0.3~1.2g/m3の密度を有する、実施例90~103のいずれかによるエアロゾル形成基体。
実施例105.
実施例1~104のいずれかに定義されるエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品。
実施例106.
物品が、ロッドの形態であり、ラッパーまたはケーシング内に組み立てられるエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備える、実施例105によるエアロゾル発生物品。
実施例107.
実施例1~106のいずれかによるエアロゾル形成基体のシートの集合体またはロールを含む、エアロゾル発生物品。
実施例108.
エアロゾル発生物品が、前方プラグを備える、実施例105~107のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例109.
エアロゾル発生物品が、第一の中空管、例えば第一の中空アセテート管を備える、実施例105~108のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例110.
エアロゾル発生物品が、第二の中空管、例えば第二の中空アセテート管を備える、実施例109によるエアロゾル発生物品。
実施例111.
第二の中空管が、一つ以上の通気孔を含む、実施例110によるエアロゾル発生物品。
実施例112.
エアロゾル発生物品が、口側プラグフィルターを備える、実施例105~111のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例113.
エアロゾル発生物品が、ラッパー、例えば紙ラッパーを含む、実施例105~112のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例114.
エアロゾル発生物品が、前方プラグ、前方プラグの下流に配設されたエアロゾル形成基体、エアロゾル形成基体の下流に配設された第一の中空管、第一の中空管の下流に配設された第二の中空管、および第二の中空管の下流に配設された口側プラグフィルターを備える、実施例105~113のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例115.
前方プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管、第二の中空管、および口側プラグフィルターが、ラッパー、例えば紙ラッパーによって取り囲まれている、実施例114によるエアロゾル発生物品。
実施例116.
前方プラグが、2~10、3~8、または4~6mm、例えば約5mmの長さを有する、実施例108~115のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例117.
エアロゾル形成基体が、5~20、8~15、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する、実施例105~116のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例118.
第一の中空管が、2~20、5~15、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する、実施例109に従属する場合の実施例109または110~117によるエアロゾル発生物品。
実施例119.
第二の中空管が、2~20、5~15、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する、実施例110に従属する場合の実施例110または実施例111~118のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例120.
口側プラグフィルターが、5~20、8~15、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する、実施例112に従属する場合の実施例112または113~119のいずれかによるエアロゾル発生物品。
実施例121.
実施例105~120のいずれかによるエアロゾル発生物品と、電気エアロゾル発生装置とを備える、エアロゾル発生システム。
実施例122.
電気エアロゾル発生装置が、使用時にエアロゾル発生物品を抵抗加熱するように構成される、実施例121によるエアロゾル発生システム。
実施例123.
電気エアロゾル発生装置が、使用時に、エアロゾル発生物品、例えば、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を誘導加熱するように構成される、実施例121~122のいずれかによるエアロゾル発生システム。
実施例124.
実施例1~123のいずれか、例えば、実施例1~104のいずれかによるエアロゾル形成基体を形成する方法であって、方法が、
膨張黒鉛粒子、エアロゾル形成体、繊維、および結合剤を含むスラリーを形成することと、
スラリーをキャスティングおよび乾燥して、エアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体に形成するための前駆体を形成することと、を含む、方法。
実施例125.
スラリーが、水を含む、実施例124による方法。
実施例126.
スラリーが、40~90、40~85、50~80、60~80、60~75重量%の水を含む、実施例124~125のいずれかによる方法。
実施例127.
スラリーが、フマル酸などの酸を含む、実施例124~126のいずれかによる方法。
実施例128.
スラリーが、ニコチンを含む、実施例124~127のいずれかによる方法。
実施例129.
スラリーを形成することが、
エアロゾル形成体と、
繊維と、
水と、
任意選択的に酸と、
任意選択的にニコチンと、を含む第一の混合物を形成することと、
膨張黒鉛粒子と、
結合剤と、を含む第二の混合物を形成することと、
第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせられた混合物を形成することとを含む、実施例124~128のいずれかによる方法。
実施例130.
第一の混合物を形成することが、エアロゾル形成体、またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液を提供することを含む、実施例129による方法。
実施例131.
第一の混合物を形成することが、エアロゾル形成体、またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液に酸を添加して、第一の予混合物を形成することを含む、実施例130による方法。
実施例132.
第一の混合物を形成することが、エアロゾル形成体、またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液に、または第一の予混合物に水を添加して、第二の予混合物を形成することを含む、実施例129~131のいずれかによる方法。
実施例133.
第一の混合物を形成することが、第二の予混合物に繊維を添加することを含む、実施例129~132のいずれかによる方法。
実施例134.
第二の混合物を形成することが、膨張黒鉛粒子および結合剤を混合することを含む、実施例129~133のいずれかによる方法。
実施例135.
方法が、組み合わせられた混合物の第一の混合を含む、実施例129~134のいずれかによる方法。
実施例136.
第一の混合が、500、400、300、250、または200mbar以下の第一の圧力下で行われる、実施例135による方法。
実施例137.
第一の混合が、1~10分間、2~8分間、または3~6分間、例えば、約4分間行われる、実施例135または136による方法。
実施例138.
方法が、第一の混合後に、第二の混合を含む、実施例135~137のいずれかによる方法。
実施例139.
第二の混合が、第一の圧力よりも小さな第二の圧力下で行われる、実施例138による方法。
実施例140.
第二の圧力が、500、400、300、200、150、または100mbar以下である、実施例139による方法。
実施例141.
第二の混合が、5~120、5~80、5~40、または10~30秒間、例えば、約20秒間行われる、実施例138または139または140による方法。
実施例142.
スラリーをキャスティングすることが、スラリーを平坦な支持体、例えば平坦な鋼支持体上にキャスティングすることを含む、実施例124~141のいずれかによる方法。
実施例143.
スラリーをキャスティングした後、かつスラリーを乾燥する前に、方法が、スラリーの厚さを設定すること、例えばスラリーの厚さを100~1,000ミクロン、200~900ミクロン、300~800、500~700ミクロン、例えば約600ミクロンに設定することを含む、実施例124~142のいずれかによる方法。
実施例144.
スラリーを乾燥することが、空気などの気体の流れをスラリー上に、またはスラリーを通過させて提供することを含む、実施例124~143のいずれかによる方法。
実施例145.
気体の流れが加熱される、実施例144による方法。
実施例146.
気体の流れが、摂氏100~160度、または摂氏120~140度の温度に加熱される、実施例145による方法。
実施例147.
気体の流れが、1~10分間または2~5分間提供される、実施例144~146のいずれかによる方法。
実施例148.
スラリーを乾燥することが、スラリーが1~20、2~15、2~10、または3~7重量%の含水量を有するまでスラリーを乾燥することを含む、実施例124~147のいずれかによる方法。
実施例149.
スラリーを乾燥することが、エアロゾル形成基体に形成するための前駆体を形成し、前駆体が、エアロゾル形成材料のシートである、実施例124~148のいずれかによる方法。
実施例150.
方法が、エアロゾル形成材料のシートを切断することを含む、実施例149による方法。
【0138】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【
図1】
図1は、エアロゾル発生物品の第一の実施形態の概略断面図を示す。
【
図2】
図2は、第一のエアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システムの第一の実施形態の概略断面図を示す。
【
図3】
図3は、第二のエアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システムの第二の実施形態の概略断面図を示す。
【
図4】
図4は、エアロゾル発生物品の第二の実施形態の概略断面図を示す。
【
図5】
図5は、
図2のエアロゾル発生装置で使用した場合の第一の実施形態のエアロゾル発生物品からのニコチンの収量を、二つの代替的エアロゾル発生物品と比較して示す棒グラフである。
【
図6】
図6は、
図2のエアロゾル発生装置で使用した場合の第一の実施形態のエアロゾル発生物品からのグリセリンの収量を、二つの代替的エアロゾル発生物品と比較して示す棒グラフである。
【
図7】
図7は、
図2のエアロゾル発生装置で使用した場合の第一の実施形態のエアロゾル発生物品からのニコチンとグリセリンの送達効率を、二つの代替的エアロゾル発生物品と比較して示す棒グラフである。
【
図8】
図8は、
図3のエアロゾル発生装置で使用した場合の第一の実施形態のエアロゾル発生物品からのニコチンの収量を、二つの代替的エアロゾル発生物品と比較して示す棒グラフである。
【
図9】
図9は、
図3のエアロゾル発生装置で使用した場合の第一の実施形態のエアロゾル発生物品からのグリセリンの収量を、二つの代替的エアロゾル発生物品と比較して示す棒グラフである。
【
図10】
図10は、
図3のエアロゾル発生装置で使用した場合の第一の実施形態のエアロゾル発生物品からのニコチンとグリセリンの送達効率を、二つの代替的エアロゾル発生物品と比較して示す棒グラフである。
【
図11】
図11は、第一の材料の個別の要素および第二の材料の個別の要素を含む熱強化エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品の代替的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0140】
図1は、エアロゾル発生物品10の第一の実施形態の概略断面図を示す。エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体のロッド12と、エアロゾル形成基体のロッド12の下流の位置にある下流セクション14とを備える。さらに、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体のロッド12の上流の位置に上流セクション16を備える。したがって、エアロゾル発生物品10は、上流または遠位端18から下流または近位または口側端20まで延在する。
【0141】
エアロゾル発生物品は、約45ミリメートルの全長を有する。
【0142】
下流セクション14は、エアロゾル形成基体のロッド12のすぐ下流に位置する支持要素22を備え、支持要素22は、ロッド12と長手方向に整列している。
図1の実施形態では、支持要素22の上流端は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端に当接している。加えて、下流セクション14は、支持要素22のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素24を備え、エアロゾル冷却要素24は、ロッド12および支持要素22と長軸方向の整列の状態にある。
図1の実施形態において、エアロゾル冷却要素24の上流端は、支持要素22の下流端に当接している。
【0143】
以下の記述から明らかになる通り、支持要素22およびエアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の中間中空セクション50を一緒に画定する。全体として、中間中空セクション50は、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与しない。全体としての中間中空セクション26のRTDは、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0144】
支持要素22は、第一の中空管状セグメント26を含んでもよい。第一の中空管状セグメント26は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第一の中空管状セグメント26は、第一の中空管状セグメントの上流端30から第一の中空管状セグメント20の下流端32まで全面的に延在している、内部空洞28を画定する。内部空洞28は実質的に空であり、そのため内部空洞28に沿って、実質的に制限のない気流が可能である。第一の中空管状セグメント26、および結果として、支持要素22は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細には、第一の中空管状セグメント26のRTD(実質的に支持要素22のRTDである)は、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0145】
第一の中空管状セグメント26は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約1.9ミリメートルの内径(DFTS)を有する。したがって、第一の中空管状セグメント26の周辺壁の厚さは、約2.67ミリメートルである。
【0146】
エアロゾル冷却要素24は、第二の中空管状セグメント34を備える。第二の中空管状セグメント34は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第二の中空管状セグメント34は、第二の中空管状セグメントの上流端38から第二の中空管状セグメント34の下流端40まで全面的に延びる内部空洞36を画定する。内部空洞36は実質的に空であり、そのため内部空洞36に沿って、実質的に制限のない気流が可能である。第二の中空管状セグメント28、および結果として、エアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細には、第二の中空管状セグメント34のRTD(本質的にエアロゾル冷却要素24のRTDである)は、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0147】
第二の中空管状セグメント34は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約3.25ミリメートルの内径(DSTS)を有する。したがって、第二の中空管状セグメント34の周辺壁の厚さは、約2ミリメートルである。したがって、第一の中空管状セグメント26の内径(DFTS)と第二の中空管状セグメント34の内径(DSTS)との間の比は、約0.75である。
【0148】
エアロゾル発生物品10は、第二の中空管状セグメント34に沿った場所に提供された通気ゾーン60を備える。より詳細に、通気ゾーンは、第二の中空管状セグメント34の上流端から約2ミリメートルにて提供されている。この実施形態では、通気ゾーン60は、紙ラッパー70を通る円周列の穿孔を備え、エアロゾル発生物品10の通気レベルは約25%である。
【0149】
図1の実施形態では、下流セクション14は、中間中空セクション50の下流の位置にマウスピース要素42をさらに備える。より詳細には、マウスピース要素42は、エアロゾル冷却要素24のすぐ下流に位置付けられる。
図1の図面に示す通り、マウスピース要素42の上流端は、エアロゾル冷却要素24の下流端40に当接する。
【0150】
マウスピース要素42は、低密度セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供されている。
【0151】
マウスピース要素42は、約12ミリメートルの長さ、および約7.25ミリメートルの外径を有する。マウスピース要素42のRTDは、約12ミリメートルH2Oである。マウスピース要素42の長さと中間中空セクション50の長さとの比は約0.6である。
【0152】
エアロゾル形成基体のロッド12は、約7.25ミリメートルの外径、および約12ミリメートルの長さを有する。
【0153】
上流セクション16は、エアロゾル形成基体のロッド12のすぐ上流に位置する上流要素46を備え、上流要素46は、ロッド12と長手方向に整列している。
図1の実施形態では、上流要素46の下流端は、エアロゾル形成基体のロッド12の上流端に当接する。上流要素46は、セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供される。上流要素46は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素46のRTDは、約30ミリメートルH
2Oである。
【0154】
上流要素46、エアロゾル形成基体のロッド12、支持要素22、エアロゾル冷却要素24、およびマウスピース要素42は、紙ラッパー70によって包まれている。
【0155】
エアロゾル形成基体のロッド12は、エアロゾル形成材料および熱伝導性粒子44を備える。エアロゾル形成材料は、たばこ材料およびグリセリンを含む再構成され、かつ集合されたシートを含む。熱伝導性粒子44は、炭素粒子、具体的には、膨張黒鉛粒子であり、6.6マイクロメートルのD10粒径、20マイクロメートルのD50粒径、および56マイクロメートルのD90粒径を有する粒径分布を有する。膨張黒鉛粒子の各々は、2ミクロン超かつ100ミクロン未満の粒径を有する。膨張黒鉛粒子は、約35ミクロンの体積平均粒径を有する。膨張黒鉛粒子の各々は、実質的に球状の形状である。膨張黒鉛粒子は、1000キログラム/立方メートル未満の密度を有する。エアロゾル形成材料および熱伝導性粒子44を含むエアロゾル形成基体は、おおよそ760キログラム毎立方メートルの複合密度を有する。膨張黒鉛粒子は、エアロゾル形成基体のおよそ4.6重量%を占める。グリセリンは、エアロゾル形成基体のおよそ1.7重量%を占める。
【0156】
エアロゾル形成基体のロッド12は、以下の工程を含むプロセスによって形成される:
・結合剤であるグアーガムをエアロゾル形成体であるグリセリンと予混合して、第一の予混合物を形成する工程、
・細かく細断されたたばこ材料と、膨張黒鉛粒子44から成り、かつおおよそ0.065グラム毎立方センチメートルのかさ密度を有する粉末とを予混合して、第二の予混合物を形成する工程、
・第一の予混合物および第二の予混合物を水と混合してスラリーを形成する工程、
・高せん断ミキサーを使用してスラリーを均質化する工程、
・スラリーをコンベヤーベルト上に鋳造する工程、
・スラリーの厚さを制御し、かつスラリーを乾燥させてエアロゾル形成基体の大きいシートを形成する工程、および
・エアロゾル形成基体の大きなシートを集合および切断して、エアロゾル形成基体のロッド12を形成する工程。
【0157】
エアロゾル形成基体のロッド12を形成した後、エアロゾル発生物品10は、物品10の様々な構成要素を位置付け、構成要素をラッパー70内に包装することによって組み立てられる。
【0158】
図2は、エアロゾル発生システム100の第一の実施形態の概略断面図を示す。システム100は、エアロゾル発生装置102および
図1のエアロゾル発生物品10を備える。
【0159】
エアロゾル発生装置102は、電池104、コントローラ106、電池に結合された加熱ブレード108、および吸煙検出機構(図示せず)を備える。コントローラ106は、電池104、加熱ブレード108、および吸煙検出機構に結合される。
【0160】
エアロゾル発生装置102は、物品10の一部分を受容するための実質的に円筒状の空洞を画定するハウジング110をさらに備える。加熱ブレード108は、空洞内の中央に位置付けられ、空洞の基部から長軸方向に延びる。
【0161】
この実施形態では、加熱ブレード108は、基体と、基体上に位置する電気抵抗性トラックとを含む。電池104は、電気抵抗性トラックに電流を流し、電気抵抗性トラックおよび加熱ブレード108を動作温度に加熱することができるように、加熱ブレード108に結合される。
【0162】
使用時、ユーザーは、物品10を空洞内に挿入し、加熱ブレード108を物品10のエアロゾル形成基体の上流要素46およびロッド12に貫通させる。
図3は、装置102の空洞内に挿入された物品10を示す。
【0163】
次いで、ユーザーは、物品10の下流端で吸煙する。これにより、空気が装置102の空気吸込み口(図示せず)を通って流れ、次いで物品10を通って、上流端18から下流端20へと流れ、ユーザーの口の中へと流れる。
【0164】
ユーザーが物品10を吸煙すると、空気が装置の空気吸込み口を通って流れる。吸煙検出機構は、空気吸込み口を通る気流量がゼロでない閾値流量よりも大きく増大したことを検出する。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ106に信号を送信する。次いで、コントローラ106は、電気抵抗性トラックに電流を流し、加熱ブレード108を加熱するように電池104を制御する。これにより、加熱ブレード108と接触しているエアロゾル形成基体のロッド12が加熱される。
【0165】
膨張黒鉛粒子44は、周囲のエアロゾル形成材料より著しく高い熱伝導率を有する。このように、これらの粒子は、局所的なホットスポットとして作用し、エアロゾル形成基体全体にわたって、特に加熱ブレード108から半径方向に、より均一な温度を提供し得るが、先行技術の基体では、著しい温度勾配があり得る。これにより、エアロゾル形成基体のより大きな割合が揮発性化合物を放出するのに十分に高い温度に達し、それ故に、エアロゾル形成基体の使用効率が高くなり得る。
【0166】
エアロゾル形成基体の加熱により、エアロゾル形成基体が揮発性化合物を放出する。これらの化合物は、物品10の上流端18から物品10の下流端20に向かって流れる空気に同伴される。化合物は冷却および凝縮して、支持要素およびエアロゾル冷却要素の内部空洞28、36を通過するにつれてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、次いでマウスピース要素42を通過し、これにより、気流に同伴されてユーザーの口内に入り得る、望ましくない粒子が取り除かれ得る。
【0167】
ユーザーが物品10での吸入を停止すると、装置の空気吸込み口を通る気流量は、ゼロでない閾値流量未満に減少する。これは、吸煙検出機構によって検出される。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ106に信号を送信する。次いで、コントローラ106は、電気抵抗性トラックを通過する電流をゼロに減少させるように、電池104を制御する。
【0168】
物品10をいくつかの回数吸煙した後、ユーザーは、物品10を新たな物品と交換することを選択してもよい。
【0169】
図3は、エアロゾル発生システム200の第二の実施形態の概略断面図を示す。システム200は、エアロゾル発生装置202および
図1のエアロゾル発生物品11を備える。
【0170】
エアロゾル発生装置202は、電池204、コントローラ206、インダクタコイル208、および吸煙検出機構(図示せず)を備える。コントローラ206は、電池204、インダクタコイル208、および吸煙検出機構に結合される。
【0171】
エアロゾル発生装置202は、物品10の一部分を受容するための実質的に円筒状の空洞を画定するハウジング210をさらに備える。インダクタコイル208は、空洞の周りにスパイラル状である。
【0172】
電池204は、インダクタコイル208に交流電流を流すことができるように、インダクタコイル208に結合される。
【0173】
使用時、ユーザーは、物品11を空洞内に挿入する。
図3は、装置202の空洞内に挿入された物品10を示す。
【0174】
次いで、ユーザーは、物品10の下流端で吸煙する。これにより、空気が装置202の空気吸込み口(図示せず)を通って流れ、次いで物品10を通って、上流端18から下流端20へと流れ、ユーザーの口の中へと流入する。
【0175】
ユーザーが物品10を吸煙すると、空気が装置の空気吸込み口を通って流れる。吸煙検出機構は、空気吸込み口を通る気流量がゼロでない閾値流量よりも大きく増大したことを検出する。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ206に信号を送信する。次いで、コントローラ206は、インダクタコイル208に交流電流を流すように、電池204を制御する。これにより、インダクタコイル208が変動電磁場を発生する。エアロゾル形成基体のロッド13は、この変動電磁場内に位置し、粒子44の材料である膨張黒鉛は、サセプタ材料である。したがって、変動電磁場は、粒子44に渦電流を引き起こす。これにより、粒子44が加熱され、それによって近くのエアロゾル形成材料も加熱される。
【0176】
エアロゾル形成材料の加熱により、エアロゾル形成材料が揮発性化合物を放出する。これらの化合物は、物品10の上流端18から物品10の下流端20に向かって流れる空気に同伴される。化合物は冷却および凝縮して、支持要素およびエアロゾル冷却要素の内部空洞28、36を通過するにつれてエアロゾルを形成する。エアロゾルは、次いでマウスピース要素42を通過し、これにより、気流に同伴されてユーザーの口内に入り得る、望ましくない粒子が取り除かれ得る。
【0177】
ユーザーが物品10での吸入を停止すると、装置の空気吸込み口を通る気流量は、ゼロでない閾値流量未満に減少する。これは、吸煙検出機構によって検出される。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ206に信号を送信する。次いで、コントローラ206は、電気抵抗性トラックを通過する電流をゼロに減少させるように、電池204を制御する。
【0178】
物品11をいくつかの回数吸煙した後、ユーザーは、物品11を新たな物品と交換することを選択してもよい。
【0179】
図4は、エアロゾル発生物品510の第二の実施形態の概略断面図を示す。この第二の実施形態は、エアロゾル形成基体のロッド12がエアロゾル形成基体の代替的なロッド512によって置き換えられていることを除いて、
図1の第一の実施形態と同一である。
図1および3の実施形態における同一の構成要素に対して、同一の参照番号が使用されている。
【0180】
図4の第二の実施形態のエアロゾル形成基体のロッド512は、
図4の第三の実施形態のエアロゾル形成基体のロッド512が細長いサセプタ要素580を追加的に含むことを除いて、
図1の第一の実施形態のエアロゾル形成基体のロッド12と同一である。
【0181】
サセプタ要素580は、エアロゾル形成基体のロッド512の長軸方向軸とおよそ平行になるように、エアロゾル形成基体のロッド512内で実質的に長軸方向に配設される。
図4の図面に示されるように、サセプタ要素580は、ロッド内の半径方向中央の位置に位置付けられており、ロッド12の長軸方向軸に沿って延びる。
【0182】
サセプタ要素580は、エアロゾル形成基体のロッド512の上流端から下流端まで全面的に延びる。そのため、サセプタ要素580は、エアロゾル形成基体のロッド512と実質的に同じ長さを有する。
【0183】
図4の実施形態では、サセプタ要素580は、強磁性鋼の細片の形態で提供され、約12ミリメートルの長さ、約60マイクロメートルの厚さ、および約4ミリメートルの幅を有する。
【0184】
図4のエアロゾル発生物品510は、
図1のエアロゾル発生物品10と同じ方法で、
図3のエアロゾル発生装置202とともに使用されてもよい。特に、サセプタ素子580を包含することは、物品510が誘導加熱され得ることを意味する。
図4に示す例では、膨張黒鉛粒子およびサセプタ素子580の両方が誘導加熱可能である。そのため、サセプタ素子580および膨張黒鉛粒子44の両方が、使用中の加熱に寄与する。
【0185】
エアロゾル発生物品10、510のエアロゾル形成基体12、512のロッドは、4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含有するため、熱的に強化されていると言える。本発明者らは、本開示によるこうしたエアロゾル発生物品が、膨張黒鉛粒子を含まないエアロゾル形成基体のロッドを含むエアロゾル発生物品と比較して、ニコチンおよびグリセリンの収率および送達効率が向上したことを見出した。
【0186】
本発明者らは、熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602、エアロゾル発生物品602のたばこの4.6%が黒鉛粒子で置換されたエアロゾル発生物品604、およびエアロゾル発生物品602のたばこの4.6%が膨張黒鉛粒子で置換されたエアロゾル発生物品606からのニコチンおよびグリセリンの収率を測定した。言い換えると、エアロゾル発生物品606は、本開示によるエアロゾル発生物品であり、
図1に示すエアロゾル発生物品であり得る。
【0187】
図5~7は、エアロゾル発生物品602~606が抵抗エアロゾル発生装置(
図2に示す装置など)とともに使用される場合の結果を示す。
【0188】
図5は、エアロゾル発生物品ごとのニコチンの収量をY軸に示した示す棒グラフ600である。収量は、物品当たりのマイクログラムで測定され、使用セッション中に達成された合計収量である。X軸は、エアロゾル発生物品602~606の各々の棒がある。熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのニコチンの収量は、物品当たり1150マイクログラムである。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのニコチンの収量は、物品当たり1190マイクログラムである。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのニコチンの収量は、物品当たり1125マイクログラムである。
【0189】
図6は、エアロゾル発生物品ごとのグリセリンの収量をY軸に示した示す棒グラフ700である。収量は、物品当たりのマイクログラムで測定され、使用セッション中に達成された合計収量である。X軸は、エアロゾル発生物品602~606の各々の棒がある。熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのグリセリンの収量は、物品当たり3640マイクログラムである。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのグリセリンの収量は、物品当たり4150マイクログラムである。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのグリセリンの収量は、物品当たり4540マイクログラムである。
【0190】
図7は、使用セッション中の各エアロゾル発生物品602~608のニコチンおよびグリセリンの送達効率を示す棒グラフ800である。効率はY軸に示され、パーセンテージである。特に、効率は、エアロゾル発生物品中に含有される全初期ニコチンまたはグリセリンのうち、その物品の使用セッションを通じてユーザーまたは喫煙機械に送達される割合である。ニコチン送達効率を示す棒802は、斜めのハッチングが施されている。グリセリン送達効率を示す棒804は、縦方向破線のハッチングが施されている。
【0191】
熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのニコチン送達効率は、29%である。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのニコチン送達効率は、31.5%である。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのニコチン送達効率は、35.4%である。
【0192】
熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのグリセリン送達効率は、9.3%である。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのグリセリン送達効率は、10.6%である。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのニコチン送達効率は、12.1%である。
【0193】
図8~10は、エアロゾル発生物品602~606が誘導エアロゾル発生装置(
図3に示す装置など)とともに使用される場合の結果を示す。
【0194】
図8は、エアロゾル発生物品ごとのニコチンの収量をY軸に示した示す棒グラフ900である。収量は、物品当たりのマイクログラムで測定され、使用セッション中に達成された合計収量である。X軸は、エアロゾル発生物品602~606の各々の棒がある。熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのニコチンの収量は、物品当たり790マイクログラムである。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのニコチンの収量は、物品当たり886マイクログラムである。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのニコチンの収量は、物品当たり1197マイクログラムである。
【0195】
図9は、エアロゾル発生物品ごとのグリセリンの収量をY軸に示した示す棒グラフ1000である。収量は、物品当たりのマイクログラムで測定され、使用セッション中に達成された合計収量である。X軸は、エアロゾル発生物品602~606の各々の棒がある。熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのグリセリンの収量は、物品当たり3100マイクログラムである。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのグリセリンの収量は、物品当たり3840マイクログラムである。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのグリセリンの収量は、物品当たり4800マイクログラムである。
【0196】
図10は、使用セッション中の各エアロゾル発生物品602~608のニコチンおよびグリセリンの送達効率を示す棒グラフ1100である。効率はY軸に示され、パーセンテージである。特に、効率は、エアロゾル発生物品中に含有される全初期ニコチンまたはグリセリンのうち、その物品の使用セッションを通じてユーザーまたは喫煙機械に送達される割合である。ニコチン送達効率を示す棒1102は、斜めのハッチングが施されている。グリセリン送達効率を示す棒1104は、縦方向破線のハッチングが施されている。
【0197】
熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのニコチン送達効率は、19.1%である。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのニコチン送達効率は、23.8%である。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのニコチン送達効率は、31.4%である。
【0198】
熱伝導性粒子を含まないエアロゾル発生物品602からのグリセリン送達効率は、7.6%である。4.6重量%の黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品604からのグリセリン送達効率は、9.9%である。4.6重量%の膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル発生物品606からのニコチン送達効率は、12.1%である。
【0199】
したがって、
図5、6、8および9の棒グラフは、たばこの少量を膨張黒鉛で置き換えることによってエアロゾル形成基体を熱的に強化した時にニコチンおよびグリセリンの両方の収量が増加すること、基体を熱的に強化するために黒鉛粒子ではなく膨張黒鉛粒子を使用した場合、収量の増加がより大きくなることを示す。基体の抵抗加熱または誘導加熱の結果としてエアロゾルが発生されるかどうかにかかわらず、エアロゾルの増加が達成される。
【0200】
同様に、
図7の棒グラフは、たばこの少量を膨張黒鉛で置き換えることによってエアロゾル形成基体を熱的に強化した時にニコチンおよびグリセリンの両方の送達効率が向上すること、基体を熱的に強化するために黒鉛粒子ではなく膨張黒鉛粒子を使用した場合、効率の向上がより大きくなることを示す。基体の抵抗加熱または誘導加熱の結果としてエアロゾルが発生されるかどうかにかかわらず、エアロゾルの増加が達成される。
【0201】
特定の一実施形態による膨張黒鉛粒子を含むエアロゾル形成基体は、上記に説明されている。当然のことながら、エアロゾル形成基体は他の実施形態において異なってもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、上述の特定の実施形態とは異なる量、比率、サイズまたは密度の膨張黒鉛粒子を含む。いずれの場合でも、膨張黒鉛粒子の存在は、基体を熱的に強化し得る。さらに、基体の化学組成の他の特徴など、基体の他の特徴は異なってもよい。
【0202】
図11は、第一の材料1113の個別の要素および第二の材料1114の個別の要素を含む熱強化エアロゾル形成基体1112を含むエアロゾル発生物品1110の代替的実施形態を示す。第二の材料1114の各個別の要素は、第一の材料1113の多くの個別の要素と接触してもよく、従って基体を通る熱経路として作用することができる。第一の材料および第二の材料の比率は、第一の材料および第二の材料の特定の特性、およびエアロゾル形成基体1112の所望の特性に応じて変化し得る。基体自体の違い以外は、エアロゾル発生物品1110は、
図1のエアロゾル発生物品10と同一であり、同様の特徴には相応の番号が付されている。
【0203】
いくつかの特定の熱強化エアロゾル形成基体が、実施例として特定される。実施例は、以下に特定される三つの特定の材料、すなわち材料A、材料B、および材料Cの組み合わせを使用する。
【0204】
材料A
材料Aは標準的な均質化したたばこ材料である。材料Aは、たばこ粉末、約4重量%のセルロース繊維、結合剤として約3重量%のグアー、およびエアロゾル形成体として約15重量%のグリセリンを含む。
【0205】
材料Aは、以下の工程を含むプロセスによって形成される:
・結合剤であるグアーガムをエアロゾル形成体であるグリセリンと予混合して、第一の予混合物を形成する工程、
・たばこ粉末と水を予混合して第二の予混合物を形成する工程、
・第一および第二の予混合物を混合してスラリーを形成する工程、
・高せん断ミキサーを使用してスラリーを均質化する工程、
・スラリーをコンベヤーベルト上に鋳造する工程、
・スラリーの厚さを制御し、スラリーを乾燥させて、再構成された、実質的に均質な、たばこ含有エアロゾル形成材料の大きなシートを形成する工程、および
・再構成されかつ実質的に均質なエアロゾル形成材料の大きなシートを捲縮および細断して、カットフィラーを形成する工程。
【0206】
材料Aは、0.12W/mKの熱伝導率を有する。
【0207】
材料B
材料Bは、熱伝導率が増大した均質化したたばこ材料である。材料Bは、たばこ粉末、約5重量%の膨張黒鉛粒子、約4重量%のセルロース繊維、結合剤として約3重量%のグアー、およびエアロゾル形成体として約15重量%のグリセリンを含む。
【0208】
膨張黒鉛粒子は、6.6ミクロンのD10粒径、20ミクロンのD50粒径、および56ミクロンのD90粒径を有する粒径分布を有する。膨張黒鉛粒子の各々は、2ミクロン超かつ100ミクロン未満の粒径を有する。膨張黒鉛粒子は、約35ミクロンの体積平均粒径を有する。膨張黒鉛粒子の各々は、実質的に球状の形状である。膨張黒鉛粒子は、1000キログラム/立方メートル未満の密度を有する。
【0209】
材料Bは、以下の工程を含むプロセスによって形成される:
・結合剤であるグアーガムをエアロゾル形成体であるグリセリンと予混合して、第一の予混合物を形成する工程、
・たばこ粉末、膨張黒鉛粒子、および水を予混合して、第二の予混合物を形成する工程、
・第一および第二の予混合物を混合してスラリーを形成する工程、
・高せん断ミキサーを使用してスラリーを均質化する工程、
・スラリーをコンベヤーベルト上に鋳造する工程、
・スラリーの厚さを制御し、スラリーを乾燥させて、再構成された、実質的に均質な、たばこ含有エアロゾル形成材料の大きなシートを形成する工程、および
・再構成されかつ実質的に均質なエアロゾル形成材料の大きなシートを捲縮および細断して、カットフィラーを形成する工程。
【0210】
材料Bは、材料Aの熱伝導率よりも少なくとも10%高い、例えば、0.14W/mK~0.25W/mKの熱伝導率を有する。5重量%のたばこ粉末を膨張黒鉛粒子で置き換えることは、全体的なたばこ含有量、したがってニコチン含有量をわずかに減少させる。しかしながら、材料の熱伝導率は増加する。実験では、4.5重量%~10重量%の膨張黒鉛粒子を均質化したたばこ材料に添加すると、熱伝導率が20%~50%増加した。
【0211】
材料C
材料Cは、高い熱伝導率を有する非たばこエアロゾル形成材料である。材料Cは、乾燥重量基準で、約76.1重量%の膨張黒鉛粒子を含む。
【0212】
材料Cは、約17.7重量%のエアロゾル形成体をさらに含む。この実施形態では、エアロゾル形成体はグリセロール、特にICOFヨーロッパ食品グレード(>99.5%純度)グリセロールである。
【0213】
材料Cは、乾燥重量基準で、約3.9重量%の繊維をさらに含む。この実施形態では、繊維は、セルロース繊維であり、特にStora Enso OYJのカバノキセルロース繊維である。
【0214】
材料Cは、乾燥重量基準で、約2.3重量%の結合剤をさらに含む。この実施形態では、結合剤は、グアーガム、特にGumix International Incのグアーガムである。
【0215】
材料Cは、ニコチン、フマル酸などの酸、クローブまたはロスマリナスなどの植物成分、水、および風味剤のうちの一つ以上をさらに含み得る。
【0216】
材料Cは、以下に記載するプロセスによって形成される。
【0217】
スラリーは、粘性液体を混合する能力、液体を通して粉末を分散する能力、および混合物から気体を除去する(例えば、真空またはその他の適切に低い圧力を適用することによって)能力を有するラボディスパーサーを使用して形成される。この実施形態では、PC Laborsystemから市販されるラボディスパーサーを使用した。
【0218】
スラリーを形成するために、第一の混合物を、約7.11グラムのエアロゾル形成体、次いで約157.5グラムの水、次いで約1.57グラムの繊維をラボディスパーサーに添加することによって形成する。次いで、これらの第一の成分を摂氏25度で5分間、600~700rpmで混合して均質な混合物を確保し、繊維を水和する。次いで、約32.95グラムの熱伝導性粒子および約0.92グラムの結合剤を手動で混合することによって、第二の混合物を形成する。第二の混合物のこの混合により、ラボ分散液中に塊が形成されることが回避される。次いで、第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせられた混合物を形成する。次いで、組み合わせられた混合物を、摂氏25度および約200mbarの第一の減圧で、5000rpmで4分間混合する。減圧は、熱伝導性粒子が混合物中に均質に分散されること、および組み合わせられた混合物中に閉じ込められた空気が少なく、かつ塊がほとんどないことを確保するのに役立ち得る。次いで、組み合わせられた混合物を、摂氏25度および約100mbarの第二の減圧で、5000rpmで20秒分間混合する。この第二の減圧は、残りの気泡を除去するのに役立ち得る。これにより、キャスティングするためのスラリーが形成される。
【0219】
スラリーは次いで、適切な装置を使用してキャスティングおよび乾燥される。この実施形態では、市販のLabcoater Mathis装置が使用される。この装置は、ステンレス鋼、平坦な支持体、および平坦な支持体上にキャスティングされたスラリーの厚さを調整するためのコマブレードを含む。
【0220】
スラリーは平坦な支持体上にキャスティングされ、コマブレードと平坦な支持体との間のギャップは、0.6ミリメートルに設定される。これにより、任意の所与の点におけるスラリーの厚さが0.6ミリメートル以下であることが確保される。
【0221】
スラリーは次いで、摂氏120~140度の高温の空気で2~5分間乾燥される。この乾燥の後、エアロゾル形成基体のシートが形成される。このシートは、約159ミクロンの厚さ、約125.7グラム/平方メートルの坪量、および約0.79キログラム/立方メートルの密度を有する。
【0222】
次いで、シートを捲縮し、切断して材料Cを形成する。材料Cの熱伝導率は少なくとも0.28W(mK)である。
【0223】
材料A、B、およびCを異なる比率で組み合わせることによって、幅広い異なるエアロゾル形成基体が単に生成され得ることが分かる。
【0224】
従って、第一の例示的なエアロゾル形成基体12は、材料Aの60重量%の個別の要素と材料Bの40重量%の個別の要素との混合物を含み得る。材料Aおよび材料Bの両方は均質化したたばこ材料であるが、材料Bは膨張黒鉛粒子の存在によって熱伝導率を増大させた。第一の例示的なエアロゾル形成基体中の材料Bの存在は、熱伝導率を増加させ、結果としてエアロゾル送達およびニコチン送達が改善された個別の要素を提供する。
【0225】
第二の例示的なエアロゾル形成基体12は、70重量%の材料Aの個別の要素と30重量%の材料Cの個別の要素との混合物を含み得る。第二の例示的なエアロゾル形成基体中の材料Cの存在は、基体中のたばこの全体的な量を減少させたが、熱伝導率を著しく改善した。材料Cはまた、エアロゾルの発生に寄与する。
【0226】
第三の例示的なエアロゾル形成基体12は、80重量%の材料Bの個別の要素と20重量%の材料Cの個別の要素との混合物を含み得る。この実施例では、第一の材料は材料Bであり、熱伝導率が増大した均質化したたばこ材料であり、第二の材料は材料Cである。
【0227】
これら三つの例示的なエアロゾル形成基体のいずれもが、
図1のエアロゾル発生物品10の基体または
図11のエアロゾル発生物品1110の基体として使用され得る。
【0228】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】