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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】体重免荷式歩行運動用装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/04 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61H3/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581049
(86)(22)【出願日】2022-06-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2022034126
(87)【国際公開番号】W WO2023278186
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】17/362,799
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522219652
【氏名又は名称】バーンズ リチャード エス.
(71)【出願人】
【識別番号】524003781
【氏名又は名称】バーンズ,アンドリュー ジェイ.ディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,リチャード エス.
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,アンドリュー ジェイ.ディー.
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA25
4C046AA43
4C046BB07
4C046CC01
4C046DD06
4C046DD07
4C046DD13
4C046DD26
4C046DD33
4C046DD38
4C046DD39
4C046DD41
4C046DD42
4C046DD43
4C046FF02
4C046FF12
(57)【要約】
体重免荷式歩行運動用装置は、歩行運動の動きを支持するように構成されたフレーム(11)と、フレーム(11)によって担持された免荷アセンブリ(140)と、を含む。免荷アセンブリ(140)は、フレーム(11)に結合された固定端(150)及び対向する自由端(151)を有するばね(141)と、回転運動のためにフレーム(11)に取り付けられたカムアセンブリ(142)と、ばね(141)の自由端(151)からカムアセンブリ(142)まで延在する第1のテザー(143)と、カムアセンブリ(142)から荷重まで延在する第2のテザー(144)と、を含む。免荷アセンブリ(140)は、フレーム(11)に対する荷重に免荷力を及ぼす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体重免荷式歩行運動用装置であって、
歩行運動の動きを支持するように構成されたフレームと、
前記フレームによって担持された免荷アセンブリであって、
前記フレームに結合された固定端及び対向する自由端を有するばねと、
回転運動のために前記フレームに取り付けられたカムアセンブリと、
前記ばねの前記自由端から前記カムアセンブリまで延在する第1のテザーと、
前記カムアセンブリから荷重まで延在する第2のテザーと、を備えている、免荷アセンブリと、を備え、
前記免荷アセンブリが、前記フレームに対する前記荷重に免荷力を及ぼす、体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項2】
前記カムアセンブリが、各々が回転運動のために取り付けられている第1のカム及び第2のカムを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のテザーが前記第1のカムに結合され、前記第2のテザーが前記第2のカムに結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のカム及び前記第2のカムが、互いに同心である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のカム及び前記第2のカムが、偏心回転運動のために取り付けられている、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
プーリを更に備え、前記第2のテザーが、前記カムアセンブリと前記荷重との間で前記プーリの周りを経由する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ばねが、板ばね及び引張ばねのうちの1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
体重免荷式歩行運動用装置であって、
歩行運動の動きを支持するように構成されたフレームと、前記フレームに対する荷重を受容するように構成されたハーネスと、
前記フレームによって担持された免荷アセンブリであって、
ばねと、
回転運動のために前記フレームに取り付けられたカムアセンブリと、
前記ばねから前記カムアセンブリまで延在する第1のテザーと、
前記カムアセンブリから前記ハーネスまで延在する第2のテザーと、を備えている、免荷アセンブリと、を備え、
前記免荷アセンブリが、前記ハーネスの前記荷重に応じて免荷力を及ぼす、体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項9】
前記カムアセンブリが、各々が回転運動のために取り付けられている第1のカム及び第2のカムを備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のテザーが前記第1のカムに結合され、前記第2のテザーが前記第2のカムに結合されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のカム及び前記第2のカムが、互いに同心である、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のカム及び前記第2のカムが、偏心回転運動のために取り付けられている、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
プーリを更に備え、前記第2のテザーが、前記カムアセンブリと前記ハーネスとの間で前記プーリの周りを経由する、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記ばねが、板ばね及び引張ばねのうちの1つである、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
体重免荷式歩行運動用装置であって、
歩行運動の動きを支持するように構成されたフレームと、前記フレームに対する荷重を受容するように構成されたハーネスと、
前記フレームによって担持された免荷アセンブリであって、
前記フレームに結合された固定端及び対向する自由端を有するばねと、
各々が回転運動のために取り付けられた同心の第1及び第2のカムを備えている、前記フレームに取り付けられたカムアセンブリと、
前記ばねの前記自由端から前記第1のカムまで延在する第1のテザーと、
前記第2のカムから前記ハーネスまで延在する第2のテザーと、を備えている、免荷アセンブリと、を備え、
前記免荷アセンブリが、前記フレームに対する前記ハーネスに免荷力を及ぼす、体重免荷式歩行運動用装置。
【請求項16】
前記第1のテザーが前記第1のカムに結合され、前記第2のテザーが前記第2のカムに結合されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1のカム及び前記第2のカムが、偏心回転運動のために取り付けられている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のカム及び前記第2のカムが、異なるサイズである、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
プーリを更に備え、前記第2のテザーが、前記カムアセンブリと前記荷重との間で前記プーリの周りを経由する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
別のプーリを更に備え、前記第1のテザーが、前記ばねと前記カムアセンブリとの間で前記別のプーリの周りを経由する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ばねが、板ばね及び引張ばねのうちの1つである、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月29日に出願された先行米国特許出願第17/362,799号に対する優先権を主張するものであり、これは、2021年1月27日に出願された先行米国特許出願第17/160,221号の一部継続出願であり、その利益を主張するものであり、これは、2020年1月28日に出願された米国仮特許出願第62/967,011号の利益を主張するものであり、これらの出願は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、一般に、歩行運動用機器に関し、より具体的には、歩行運動のリハビリテーション、治療、及び訓練機器に関する。
【背景技術】
【0003】
歩行運動は、人間の生活の基本的な一面である。しかしながら、移動が困難、有害、又は不可能であり得る人もいる。人が部分的な又は完全な移動制限を受け得る理由は、例えば、整形外科的状態、神経障害、運動機能低下、事故、怪我、疾患、及び身体障害など、様々である。動き続けること、又は動こうとすることさえ、不快感又は怪我を引き起こす可能性がある。
【0004】
人によっては、負傷している又は過体重である可能性があるが、より健康になるためには運動が必要である。一部のリハビリテーション施設には、そのような患者の体重を部分的に支持するための精巧なシステムがあるので、患者は、健康に向かって運動することができる。患者は、天井のトラックに掛けられたトロリに繋がれたハーネスを着用する。そのようなシステムは、複雑であり、理学療法士からの支援が必要であり、かつ非常に高価であり、したがって、患者の利用可能性が制限される。これらのシステムのいくつかは、ユーザが動いてばねを変位させると変化するばねによって、持ち上げ力を提供する。他には、高度な検知技術があり、これは、患者の動きを監視し、次いで、患者の一定の抜重を提供するように持ち上げ力を調整する。
【0005】
場合によっては、動くことが可能であり得、実際には容易であり得るが、それにもかかわらず、個人はそのような動きによる怪我のリスクを低下させたいと望む。例えば、運動選手は、多くの場合、かなりの強度で長時間トレーニングする必要がある。運動選手は、多量の訓練の利益と怪我のリスク上昇とのバランスをとる。結局のところ、競技運動選手は、軽度の怪我であっても、深刻な身体的及び精神的な障害を被る可能性がある。運動中の怪我の可能性を低減するための様々な補助装置が存在する。例えば、ランナーは浮力装置を使用して水中を走行し得る。あるいは、ランナーは、トレッドミルデッキからランナーを僅かに持ち上げる加圧バッグに入ってファスナを締めてトレッドミル上を走ることができ、それによって足部接地の衝撃を低減する。
【0006】
理学療法士は、しばしば、ユーザが動いている間、ユーザを上方から吊り下げて支持する他の装置を有する。例えば、トレッドミルの上又は上方に配置することができる装置が存在し、通常、トレッドミル上を歩行又は走行している間、患者を部分的に持ち上げるハーネス、フック、又は特別な衣服を備えている。これらの装置は、動いている間、患者の衝撃を低減するために、患者に上向きの力を加える。
【0007】
当然ながら、これらの解決策は全て、動きの自由度が不十分である。ユーザは、プール、トレッドミル、又は天井のトラックに設定された所定の経路に制限される。例えば、バスルームまで、又は近所を歩くために、これらのいずれを利用することもできない。
【0008】
更に、より深刻なことには、それぞれが、歩行中及び走行中に通常の運動パターンを変化させる。天井のトラックから吊り下げられたハーネスは、一般に、通常は頭部の上方又は背中の中心付近の単一の場所でユーザを支持する。ハーネスは、腰関節の両側でユーザを持ち上げることもある。どちらの配置においても、ハーネスは、歩行運動中の上体の通常の動きを制限する。ユーザは、身体の一方の側で、この身体の他方の側と同じ上向き揚力を経験し得る。換言すれば、ユーザの左側及び右側が、等しくかつ同時に持ち上げられる。しかしながら、通常の歩行及び走行では、身体の左側に沿った力は、身体の右側に沿った力とは異なり、独立している。そのようなシステムは、これらの違いを考慮せず、通常の走行及び歩行で使用されるものとは異なる筋肉を運動させ、それによって不適切な又は長期のリハビリテーション、治療、若しくは訓練につながる可能性がある。
【0009】
更に、これらのシステムは、通常の歩行及び走行で使用されるものとは異なる筋肉を運動させ、それによって不適切な又は長期のリハビリテーション、治療、又は訓練につながる可能性がある。リハビリテーション、治療、又は訓練におけるこれらの装置の使用は、現実の動きを模倣することができず、不適切な回復につながる可能性がある。改善された解決策が必要である。
【発明の概要】
【0010】
一実施形態では、体重免荷式歩行運動用装置は、歩行運動の動きのために車輪に取り付けられたフレームを含む。フレームは、対向する左側及び右側を有し、ハーネスは、それら左側と右側との間でユーザを支持する。免荷アセンブリは、左側及び右側の各々で担持され、免荷アセンブリの各々は、それぞれの左側及び右側に固定された固定端と、対向する自由端と、を有するばね上アームを含む。アセンブリの各々は、ばね上アームの自由端に取り付けられたカムアセンブリと、カムアセンブリを経由し、ハーネスまで延在するテザーと、を更に含む。これにより、免荷アセンブリの各々は、フレームに対するハーネスに独立した免荷力を及ぼし、自然な動きを促進し、そのような自然な動きの間に身体の左側及び右側の独立した免荷を可能にする。
【0011】
別の実施形態では、体重免荷式歩行運動用装置は、歩行運動の動きを支持するためのフレームを含む。フレームは、対向する左側及び右側を有し、ハーネスは、それら左側と右側との間でユーザを支持する。免荷アセンブリは、左側及び右側の各々で担持される。免荷アセンブリの各々は、それぞれの左側及び右側に固定された第1の端及び対向する第2の端を有するばねと、カムアセンブリと、カムアセンブリを経由してハーネスまで延在するテザーと、を含む。ケーブルは、カムアセンブリを経由して、フレーム上のアンカー及びばねの第2の端のうちの一方まで延在する。免荷アセンブリの各々は、フレームに対するハーネスに独立した免荷力を及ぼす。
【0012】
更に別の実施形態では、体重免荷式歩行運動用装置は、歩行運動の動きを支持するように構成されたフレームと、フレームによって担持される免荷アセンブリと、を含む。免荷アセンブリは、フレームに結合された固定端及び対向する自由端を有するばねと、回転運動のためにフレームに取り付けられたカムアセンブリと、ばねの自由端からカムアセンブリまで延在する第1のテザーと、カムアセンブリから荷重まで延在する第2のテザーと、を含む。免荷アセンブリは、フレームに対する荷重に免荷力を及ぼす。
【0013】
上記は、以下に記載されるいくつかの実施形態の非常に簡単な概要を読者に提供する。簡略化及び省略がなされており、概要は、いかなる形であれ本開示を限定又は定義することを意図しない。むしろ、この簡単な概要は、単に、以下の詳細な説明の準備として、いくつかの実施形態のいくつかの態様を読者に紹介するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面を参照すると、
図1】体重免荷式歩行運動用装置の正面斜視図である。
図2】体重免荷式歩行運動用装置の側面図である。
図3A】パネルを取り外して、その上に担持された免荷アセンブリを露出させた、体重免荷式歩行運動用装置の拡大側面図である。
図3B】体重免荷式歩行運動用装置及びその上に担持された免荷アセンブリを僅かに切断した、図1の線3-3に沿った断面図である。
図4A】体重免荷式歩行運動用装置上のプーリカセットを示す、図2の線4-4に沿った断面図である。
図4B】プーリカセットの一方の拡大背面斜視図である。
図4C】プーリカセットの一方の拡大背面斜視図である。
図5】免荷アセンブリの代替的な実施形態を示す、拡大概略図である。
図6】免荷アセンブリの代替的な実施形態を示す、拡大概略図である。
図7】免荷アセンブリの代替的な実施形態を示す、拡大概略図である。
図8】免荷アセンブリの代替的な実施形態を示す、拡大概略図である。
図9】免荷アセンブリの代替的な実施形態を示す、拡大概略図である。
図10A】免荷アセンブリの代替的な実施形態を示す、拡大概略図である。
図10B】免荷アセンブリの代替的な実施形態を示す、拡大概略図である。
図11A】体重免荷式歩行運動用装置で使用するための、ハーネス及びその構成要素の正面図である。
図11B】体重免荷式歩行運動用装置で使用するための、ハーネス及びその構成要素の側面図である。
図11C】体重免荷式歩行運動用装置で使用するための、ハーネス及びその構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで図面を参照するが、図面では、同じ要素を示すために異なる図面を通して同じ参照符号が使用される。手短に言えば、本明細書に提示された実施形態は、好ましい例示的な実施形態であり、全ての可能な実施形態の範囲、適用性、又は構成を限定することを意図するものではなく、むしろ、本明細書の範囲及び趣旨の範囲内の全ての可能な実施形態の可能な説明を提供することを意図している。これらの好ましい実施形態の説明は、一般に、説明が提示された図面を参照して行われるので、「し得る(may、could)」、「含む(includes、comprises)」などではなく、「である(is及びare)」などの動詞を使用して行われる。当業者は、本明細書の範囲及び趣旨から逸脱することなく、要素及び特徴の構造、配置、数、及び機能の変更が行われ得ることを理解するであろう。更に、説明は、実施可能性に必要ではない詳細による説明の混乱を防止するために、当業者に容易に知られている特定の情報を省略することができる。実際、本明細書で使用される語法は、本明細書を描写及び限定するのではなく、読み取り可能かつ情報的であることを意味する。したがって、本明細書の範囲及び趣旨は、以下の説明及びその言語の選択によって限定されるべきではない。
【0016】
図1及び図2は、身体の両側の異なる独立した動きに関係なく、動く間に支持するための、体重免荷式歩行運動用装置10(以下、「装置10」)の、正面斜視図及び右側面図である。装置10は、ユーザの自己推進の歩行運動を支援するために、ユーザの腰関節に近接した、独立した左右両側の支持を提供する。装置10は、組み立てられたフレーム11と、4つの車輪12と、フレーム11に担持された免荷アセンブリ13及び14と、を含む。免荷アセンブリ13及び14は、図1及び図2ではフレーム11上に担持されたパネル15によって隠されているが、図3A及び図3Bでは格段によく見える。免荷アセンブリ13及び14は、図1に示されるようにユーザが着用するハーネスに結合され、ユーザの身体の左側及び右側でユーザの体重の一部を持ち上げるか、又は免荷するように動作する。
【0017】
装置10は、一般に、上部16と、対向する底部17と、前部18と、対向する後部19と、を有する。「一般に」という単語は、ここでは、特定の点、要素、特徴などではなく、装置10の一般的な領域を示すために使用される。更に、本明細書における説明は、上部、底部、前部、後部というこれらの用語に関する相対的な方向又は向きに関して行われ得、説明は、文脈上の参照のために上部16、底部17、前部18、及び後部19という読者の理解に依存して、上方、下方、前、後などの文脈における複数の要素又は特徴の互いに対する配置を示し得る。
【0018】
フレーム11は、上部チューブ22及び底部チューブ23によって互いに堅固に結合された、同一の左側20及び右側21を含む。フレーム11の左側20及び右側21は同一であるため、説明が他方にも等しく適用されるという理解の下で、ここでは一方のみを説明する。左側20及び右側21の両方の構造要素及び特徴には同じ参照符号が使用され、読者は、関連する説明の文脈又は語法が、説明が左側20又は右側21のうちのどちらであるかを伝えることを理解するであろう。
【0019】
右側21は、装置10の上部16と底部17との間のほぼ中間で、装置10の底部17及び後部19から、前部18に近接したフレーム11の底部チューブ23までほぼ斜めに延在するメインチューブ24を含む。メインチューブ24は、長方形断面を有し、中空であり、かつ鋼、アルミニウム、チタン、又は炭素繊維などのそれらの特性を有する材料又は材料の組み合わせから構成された、薄く、強く、耐久性があるが軽量の側壁を有する。他の適切な構成材料及び断面がこの説明の範囲内に含まれる。
【0020】
メインチューブ24は、装置10の後部19の近くでメインチューブ24から立ち上がる垂直チューブ又はハウジング25に結合されている。ハウジング25は、円筒形であるが、メインチューブ24と同様に中空である。ハウジング25は、後述するように免荷アセンブリの一部を保持する。
【0021】
フロントチューブ26は、メインチューブ24とは逆の斜め下向きに延在する。フロントチューブ26は、ほぼ水平であるが完全ではない上部セクションと、斜めの長い中央セクションと、ほぼ垂直な下部セクションと、を有する。フロントチューブ26の上後部はハウジング25の上部に結合され、フロントチューブ26の中央はメインチューブ24の前部に結合されている。フロントチューブ26は、メインチューブ24と同様に、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは長方形断面を有し、中空であり、かつ鋼、アルミニウム、チタン、又は炭素繊維などのそれらの特性を有する材料又は材料の組み合わせから構成された、薄く、強く、耐久性があるが軽量の側壁を有する。
【0022】
メインチューブ24及びフロントチューブ26の底部は、略垂直である。フロントチューブ26の底部は、ポスト30を受容するため開口している。車輪12は、装置10を所望の方向に向けて移動させることができるように、転がり運動及び旋回運動のためにポスト30に取り付けられている。ポスト30には、垂直方向に離間された一連の孔31が形成されており、調整ノブ32が、フロントチューブ26の底部を通して、多数の孔31のうちの1つにねじ込まれている。ノブ32は、ポスト30を垂直方向に調整して、前部18の装置10の高さを変更することを可能にし、ノブ32を緩めるか、又はフロントチューブ26から解放して、ポスト30を上下にスライドさせ、次いで、ノブ32を締め付けるか又はフロントチューブ26に再び係合させ得る。
【0023】
メインチューブ24の底部は、それを貫通して形成された、垂直に離間された一連の孔33を有する。これらの孔33は、装置10の後部19で車輪12の各々のアクスル34を受容する。アクスル34は、後部19における装置10の高さを調整するために、孔33のいずれかに移動させることができる。アクスル34は、メインチューブ24を挟んだ車輪12の反対側にアクスル34を通して配置された、コッタピン又は他の適切な係合物などの、ピン35で固定されている。後部19の車輪12は、必ずしもそうである必要はないが、好ましくは、転がり運動のために取り付けられているが、旋回運動のためには取り付けられていない。
【0024】
フレーム11の左側20及び右側21は、上部チューブ22及び底部チューブ23によって結合されている。上部チューブ22は、直線状の前部セクションと、前部セクションに対しておよそ90度に向けられた2つの側部セクション又は脚部と、を有する、U字形に曲げられた剛性チューブである。これらの脚部は、左側20及び右側21の両方のフロントチューブ26の上部セクションにねじ留め、ボルト留め、溶接、又は別様に確実に係合される。同様に、底部チューブ23は、直線状の前部セクションと、前部セクションに対しておよそ90度に向けられた2つの側部セクション又は脚部と、を有する、U字形に曲げられた剛性チューブである。これらの脚部は、左側20及び右側21の両方のメインチューブ24の上部セクションにねじ留め、ボルト留め、溶接、又は別様に確実に係合される。
【0025】
ユーザが装置10を使用するとき、ユーザは、図1に示されるように、上部チューブ22及び底部チューブ23の後ろに、かつ左側20と右側21との間に立つ、歩く、又は走る。したがって、上部チューブ22は、左側20及び右側21並びに底部チューブ23とともに、装置10の後部19からアクセス可能なユーザ受容領域36を画定する。
【0026】
ハンドルバー40は、装置10の上部16で前方に延在する。円筒形スリーブ41は、フロントチューブ26の上部セクションに沿って取り付けられており、スリーブ41は、中空であり、その後部がハウジング25の上部に固定され、その前部が開口している。スリーブ41の外側には、水平方向に離間された一連の孔42が形成されており、調整ノブ43は、孔42にねじ込まれており、装置10を使用するときに、ハンドルバー40を水平方向に調整して、ユーザの到達範囲を変更することを可能にする。ノブ43を緩めるか、又はスリーブ41から解放して、ハンドルバー40をスリーブの中又は外に摺動させ、次いで、ノブ43を締め付けるか又はスリーブ41に再び係合させ得る。
【0027】
ハンドルバー40は、いくつかの異なる方向に湾曲している。ハンドルバー40の後部は、スリーブ41に嵌合することができるように、直線状である。ハンドルバー40は、図1に示されるように、フロントチューブ26の上部セクションを越えて前方に延在するような長さを有する。次いで、ハンドルバー40は、短いセクションにわたって内向きに曲がり、次いで短いセクションにわたって上向きに曲がる。他のハンドルバー40の構成もまた適切である。
【0028】
ハンドルバー40は、中空であり、かつ鋼、アルミニウム、チタン、又は炭素繊維などのそれらの特性を有する材料又は材料の組み合わせから構成された、薄く、強く、耐久性があるが軽量の側壁を有する。ユーザがユーザ受容領域36に配置されて装置10を操作するとき、ユーザは、容易に手を伸ばしてハンドルバー40を保持し、装置10を安定させ、動き及び操舵を支援することが快適であるように、その任意の部分を把持することができる。
【0029】
図3A及び図3Bは、フレーム11の右側21を示す。図3Aでは、パネル15は、免荷アセンブリ14が見えるように取り外されており、図3Bは、パネル15が見えない、かつフレーム11が部分的に切断されるように、フレーム11の僅かに内側の、図1の線3-3に沿った断面図である。免荷アセンブリ13及び14は、フレーム11上で担持され、部分的にフレーム11内にあり、免荷アセンブリ13は左側20にあり、免荷アセンブリ14は右側21にある。ここでも、左側20及び右側21に関して上述したように、ここに示される免荷アセンブリ13及び14は同一であるため、説明が他方にも等しく適用されるという理解の下で、ここでは右側21の免荷アセンブリ14のみを説明する。同じ参照符号が左側20の免荷アセンブリ14にも適用可能である。しかしながら、免荷アセンブリ13及び14は同一である必要はなく、この説明はそのように限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、いくつかの実施形態では、異なる免荷アセンブリを実際に有することが望ましくなり得る。例えば、ユーザが非対称性脱力を患っている場合、装置10は、異なる曲げ、荷重、及び他の性能特性を有する、意図的に異なる免荷アセンブリ13及び14を装備し得る。例えば、脳卒中から回復している患者の場合、脳卒中によってより激しく影響を受けた患者の身体の側にはより多くの免荷力を提供し、他方の側にはより少ない免荷力を提供することが有利であり得る。それにもかかわらず、図面に関連する説明の目的のために、これらの特定の免荷アセンブリ13及び14は同一である。
【0030】
免荷アセンブリ14は、板ばね50と、板ばね50上の積み重ねカムアセンブリ51と、積み重ねカムアセンブリ51を経由するケーブル又はテザー52と、フレーム11に取り付けられた一連のプーリと、を含む。
【0031】
板ばね50は、ばね上アームであり、第1の固定端53及び第2の自由端54を有する、軽量でコンパクトな弾性の細長い板ばね部材である。固定端53は、傾斜面56を有するブロック55に取り付けられたスリーブ内に固定されている。調整ノブ57は、固定端の孔を貫通してブロック55のねじ孔58に入る。これにより、調整ノブ57は、ブロック55にねじ込み可能に係合され、締め付けて、及び緩めて、板ばね50のばね力を変更することができる。ばね力を小さくする場合は、調整ノブ57を緩めてボア58から後退させて、固定端53がブロック55の傾斜面56から僅かに離れるように上昇することを可能にする。ばね力を大きくする場合は、調整ノブ57をボア58内へ締め付けて、固定端53をブロック55の傾斜面56の近くで保持する。調整ノブ57は、板ばね50のばね力を調整するための手段であり、他の実施形態では、調整ノブ57は、電気的、電気機械的若しくは電磁的な調整装置、又は調整可能ボルト、又はばね力を変更するための何らかの他の手段であり得る。
【0032】
実際、板ばね50は、ばねとして動作する。板ばね50は、水平構成で取り付けられる。この水平構成では、自由端54は、固定端53の上及び後ろにあり、自由端54が固定端53の上方の高い位置にある、図3Aに示されるような第1の「免荷」位置と、自由端54がメインチューブ24に近い低い位置にある、図3Bに示されるような第2の負荷位置との間を移動する。この動きは、図3Bに弓形の両矢印線Aで示されている。自由端54は、ユーザが歩いて、テザー52を介して板ばね50を下に引くなどして、右側21のハーネスに重みがかけられるのに応じて、負荷位置に向かって移動する。これに応じて、板ばね50は、重力の引っ張りとは反対の方向に付勢力を及ぼし、歩行運動中に身体を下向きに垂直並進させ、板ばね50は、テザー52を引き戻すように作用する。上述の構成に対して垂直又は水平に反転された構成を含む、他の水平構成も可能であり、適切であり得る。しかしながら、一般に、水平構成は、ばね(この場合、ばねアーム50)が水平に延在するものとして定義される。
【0033】
このように、板ばね50は、ばねの伸長又は圧縮という変位に対抗する付勢力を及ぼす単なるばねである。そして、この意味で、コイルばね、空気ばね、ねじりばねなどの他のばねが適切であり得る。板ばね50は、変位が増加するにつれて板ばね50を変位させるのに必要な力が増加するように、非線形力-変位曲線を有し、より大きい変位では、自由端54を同じ量だけ変位させるためにより大きい力が必要である。板ばね50は、装置10の前部18に向かって、その湾曲に対する付勢力を生じる。したがって、ユーザが前方に移動しているとき、この順方向の付勢は、装置10を前方に移動させることも支援する。
【0034】
積み重ねカムアセンブリ51は、回転のために自由端54に取り付けられている。積み重ねカムアセンブリ51は、自由端54に並んで配置された外側カム60及び内側カム61を含む。カム60及び61はどちらも、同じ回転軸を中心として互いに対して回転するために取り付けられているが、カム60及び61は、相対回転を防止するために互いに固定されている。
【0035】
外側カム60はより大きく、内側カム61はより小さい。カム60及び61はどちらも、異なる輪郭又は形状を有する偏心体であり、これらのカムが回転するとき、それらのレバーアームが変化し、それらのそれぞれのレバーアームの比が変化するように、これらのカムの回転軸は、それらのそれぞれの幾何学的中心からオフセットされている。このようにして、外側カム61に形成された溝にテザー52が巻き付けられ、内側カム60に形成された溝にテザー62が巻き付けられた状態で、板ばね50及びカムアセンブリ51がともに、定力変位システムを形成する。換言すれば、所定の予荷重による変位を超えると、追加の変位は、継続的な変位に必要な力を大きく変化させない。これは、以下でより詳細に説明する。更に、装置10の他の実施形態では、3つ以上のカムを有するアセンブリ、本明細書に提示されているものとは異なるサイズのカム、同様のサイズのカム、などを含む、異なるカムの組み合わせが使用される。本明細書では、「カム」という単語は、回転ホイール及び偏心して取り付けられた車輪又は偏心車輪を含むことに留意されたい。カムは、回転運動及び並進運動を変換する機械的要素である。この説明の範囲では、カムは、車輪、プーリ、又は必ずしもそうである必要はないが、好ましくは偏心して取り付けられた他の回転要素である。偏心回転とは、要素の幾何学的中心からオフセットされた軸を中心とした要素の回転である。これにより、要素の外周の形状又は輪郭が要素をカムとして画定し得るか、又は回転軸の場所が要素をカムとして画定し得る。これらの全ての定義は、本明細書で説明する全ての実施形態について、例外なく、本開示の範囲内であるとみなされる。
【0036】
別のテザーである非弾性アンカーケーブル62は、内側カム61とタイダウン63との間に結ばれている。このアンカーケーブル62は、免荷アセンブリ14の一部である。タイダウン63は、それに取り付けられたアンカーケーブル62の端が移動するのを防止するアンカーであり、アンカーケーブル62の他端は、内側カム61に固定されている。メインチューブ24の上部には、3つのプーリ64、65、及び66を含む、プーリアセンブリが取り付けられている。アンカーケーブル62の一端は、内側カム61の前部の上部に固定されて、その中の溝内にあり、その後にプーリ64まで下方に延在する。内側カム61の回転によって、アンカーケーブル62が内側カム61の外周に巻き付き、アンカーケーブル62が効果的に短くなり、板ばね50を負荷位置に向けて撓ませる。アンカーケーブル62の長さは、タイダウン63で調整して、板ばね50への予荷重を増加又は減少させることができる。
【0037】
テザー52は、より大きい外側カム60上で反対の向きを有する。テザー52は、2つの端を有する。テザー52の一端は、カム60の正面側に固定されており、この端部がカム60の上部に巻き付けられているが、アンカーケーブル62とは異なる方向であり、よって、テザー52の一端は、カム60の正面側に固定され、次いで、カム60に及びカム60の周囲に延在する。そこから、テザー52が、プーリ65及び66まで下向きに延在する。プーリ66は、ハウジング25の内部に部分的に取り付けられている。テザー52がプーリ65の下を通るとき、テザーはほぼ垂直方向からほぼ水平方向へと向け直され、テザー52がプーリ66の下を通るとき、テザーはほぼ水平方向から中空ハウジング25の内部のほぼ垂直方向へと向け直される。
【0038】
3つのプーリ64、65、及び66は、平行軸を有し、各々が同じ方向に回転する。3つのプーリ64、65、及び66は全て、メインチューブ24に沿って、同じ平面内で互いに近接して取り付けられており、よって、アンカーケーブル62又はテザー52をその平面に沿って新しい方向に向け直すようにのみ作用する。しかしながら、テザー52は、ハウジング25内部のプーリ66から、ハーネスに取り付けるようにテザー52を向ける異なる組のプーリまで上昇する。
【0039】
図4A図4Cは、テザー52を向け直すこれらの他のプーリ71、72、及び73を含むプーリカセット70を示す。プーリカセット70は、免荷アセンブリ13(又は14)の一部であり、フレーム11がハウジング25内で揺動運動するために取り付けられており、かつ内側75及び対向する外側76を有する外側ハウジング74を含む。外側76は、フレーム11から離れて、ユーザ受容領域36内へ内向きに向けられている。内側75は、ハウジング25内で部分的に担持される。上部16に近接して、ハウジング25は、大きい開口窓80を有する。プーリカセット70は、この窓80内を前方及び後方に揺動する。2つのディスク81及び82は、ハウジング25内に固定されており、ディスク81は上部16に近接しており、ディスク82は僅かに下にある。ディスク81と82との間には、ピン83が同軸に延在している。プーリカセット70の内側75には、ナックル84によってリーフが固定されている。ナックル84は、ピン83に緩く取り付けられた垂直ボアを有する。これにより、ナックル84がピン83を中心に枢動し、プーリカセット70が、図4Cの両矢印円弧線Bに沿って、前方位置(図4Cに破線で示す)と後方位置(実線で示す)との間を、ナックルとともに揺動する。図4Cは、広範囲の角運動を示しているが、好ましくは、プーリカセットは、図4A及び図4Bに示される中立位置から前方又は後方に30度を超えて揺動することが制限されている。
【0040】
ハウジング74内には、プーリ71、72、及び73が転がり運動するために取り付けられた3つのアクスルがある。プーリカセット70が図4A及び図4Bの中立位置にあるとき、これらのプーリ71、72、及び73は、プーリ64、65、及び66に対して垂直にオフセットされた様式で取り付けられる。テザー52は、プーリ66からハウジング25の内側を上に延在し、第1のプーリ71の上、次いで第2のプーリ72の下、次いで再び第3のプーリ73の上を経由する。孔85は、ハウジング74の外側76を通して形成されており、孔85の外側に取り付けられた強力ブラケットは、この孔に対応する孔を有する。止め具87は、テザー52がプーリカセット70内に所望よりも更に引き込まれるのを防止するために、テザー52に固定される。
【0041】
動作中、ユーザは、装置10を使用して歩行運動の動きを支援する。装置10は、理学療法、リハビリテーション、及び運動訓練に有用である。図1に戻ると、ユーザ受容領域36内で装置10を使用するユーザ90が示されている。ユーザはハーネス91を着用している。このハーネス91は、調整可能な腰ベルト92と、調整可能な大腿ストラップ93と、調整可能な膝上ストラップ94と、腰ベルト92、大腿ストラップ93、及び膝上ストラップ94を非弾性的に接続する、ハーネス91の両側の外側又は横方向ストラップ95と、を含む。図1では、免荷アセンブリ13及び14の両方からのテザー52が腰ベルト92に直接取り付けられていることが示されている。テザー52は、股関節と腰との間の領域の高さの点に取り付けることが好ましい。他の実施形態では、テザー52は、腰ベルト92上のループに結合するためのカラビナなどのクリップによって終端され得る。テザー52は、股関節の直上の腰ベルト92の両側に取り付けられている。このようにして、各テザー52は、身体のそれぞれの側に独立して作用する。
【0042】
ハーネス91は、ユーザ90を装置10に結合する。ユーザ90が歩くと、ユーザの股関節が上下に動く。通常の歩行運動では、左脚を前方に動かすと、左股関節が僅かに上昇し、右股関節が僅かに下降し、骨盤が僅かに回転する。それを行ったとき、左側20では、カセットプーリ70が僅かに前方に揺動し、(止め具87がブラケット86に遭遇することによって制限されるまで)テザー52が後退し、板ばね50がその免荷位置に向かって小さく撓む。板ばね50によって及ぼされる力は前方方向であり、これは装置10を僅かに前方に移動させるのを支援する。同時に、右側21では、カセットプーリ70が僅かに後方に揺動し、テザー52が延在して、右股関節の下降及び骨盤の回転に対応する。これは、プーリカセット70を通して、並びにプーリ64、65、及び66を通してテザー52を引っ張り、それによって、カムアセンブリ51を回転させて、板ばね50をより大きく撓ませる。左側20及び右側21の板ばね50は、それぞれの側でテザー52に独立して付勢を及ぼし、それに応じて、ユーザ90は、自分の身体の左側及び右側の両方で少なくとも部分的に自分の体重が免荷されていると感じる。更に、免荷アセンブリ13及び14は、各々が独立して、単純なばね力又は指数関数的な力変位システムではなく、定力変位システムであるため、ユーザ90は、いずれかの側の変位の程度にもかかわらず、一定又は一貫した免荷を経験する。換言すれば、ユーザ90が右股関節を上げるか、又は右股関節を小さく又は大きく下降させるかにかかわらず、経験する免荷力は一定である。更に換言すれば、ユーザが右股関節をかなりの距離下降させた場合、ユーザは、比例的に大きな免荷を経験しない。例えば、装置10は、一定の50ポンドの免荷力を提供するように設定することができる。ユーザが股関節を小さく下降させた場合、ユーザは、50ポンドの免荷を感じ、ユーザが股関節を大きく下降させた場合でも、ユーザは、依然として同じ50ポンドの免荷を感じる。
【0043】
更に、免荷アセンブリ13及び14が互いに独立しているため、ユーザの身体の両側は、独立して動き、また、独立して動くことが可能である。より詳細な動作では、ユーザ90の股関節がある距離だけ移動すると、テザー52もこの距離だけ移動し、カム60から巻き出される。アンカーケーブル62は、カム61に巻かれて、その有効長が短くなり、板ばね50を撓ませる。カムアセンブリ51が巻き出すと、板ばね50がより大きく曲がる。しかしながら、板ばね50とカムアセンブリ51とが組み合わさって定力変位を形成するため、患者は、ハーネス91のその側で一定の上向きの免荷力を感じる。テザー52の変位は、それが1インチであるか6インチであるかにかかわらず、上向きの力の比例的な変化を生じさせない。むしろ、変位は、本質的にいかなる免荷力の変化も生じさせない。このようにして、装置10は、互いに独立して、ユーザの身体の各側に一定の免荷を提供する。
【0044】
他の実施形態では、車輪12のうちの1つに近接するセンサ100は、転がり距離を測定する。止め具87の、又はプーリカセット70の、又はテザー52に沿ったある場所のセンサ101は、加速度、したがって力、及び場合によっては傾斜角も測定する。センサ100及び101の各々は、マイクロプロセッサ、ジャイロスコープ、加速度計、メモリチップ、PCB、などの電子部品を含み得る。これらの2つのセンサ100及び101からの読み取り値は、後の分析のために相関され、医師及び理学療法士は、この情報を使用して、歩幅、足の位置及び遊脚期の持続時間、速度、作業エネルギー、並びに歩行運動の他の運動学的及び運動パラメータを決定することができ、この情報は、身体の各側について、並びにリハビリテーションを評価するために経時的に比較することができる。更に、いくつかの実施形態では、これらのセンサ100及び101は、好ましくは上部チューブ22に取り付けられた、スマートフォン又は他の電子デバイスなどのディスプレイヘッドユニットに有線又は無線データ通信で結合され、ユーザ90にそのような情報を表示する。ユーザ90は、物理的なボタンを押下するか、又はヘッドユニットのディスプレイにタッチすることによって、この情報と他の情報とを切り替えることができる。
【0045】
場合によっては、装置10の車輪を取り外すことができる。これは、装置10の可動性を取り除くが、代わりに、トレッドミル上又は周りに配置することができる。フレームの底部17は、孔31及び33を使用してトレッドミル上にボルト止めされ得るか、又は他の方法で固定され得る。代替的に、フレーム11の底部17に適用されたパッド又はクッションは、トレッドミルの周りで装置10を支持することができる。次いで、ユーザは、上述したように体重を支えた状態でトレッドミル上を歩行又は走行することができる。
【0046】
図5は、装置10の免荷アセンブリ13の代替の実施形態を示す。以下の説明は、免荷アセンブリ14の代替の実施形態に等しく適用される。本実施形態では、2つの板ばねが組み合わせて使用される。図5は、自由体の図の形態で様式化されているが、それにもかかわらず、本明細書の説明を理解する読者は、図5を容易に認識しかつ理解するであろう。
【0047】
板ばね50は、図3Aのように取り付けられており、固定端53は、メインチューブ24に固定され、自由端54は、自由である。カムアセンブリ51は、回転のために自由端54に取り付けられ、アンカーケーブル62は、固定されるが、テザー52は、プーリ65の周りを経由してハーネスまで延在する。しかしながら、本実施形態では、第2の板ばね110が使用される。板ばね110はまた、好ましくは、必ずしもそうである必要はないが、構造、特徴、及び構築において板ばね50と同一の、ばね上アームであり、また、固定端111及び自由端112も含む。板ばね110は、板ばね50に平行に取り付けられている。本明細書で使用される場合、「平行」という用語は、電気回路内の2つの要素に類似しており、必ずしも2つの板ばね50と110との間の幾何学的関係又は位置合わせを指すものではない。具体的には、板ばね50及びカムアセンブリ51は第1の位置にあり、第2の板ばね110は第2の位置に担持され、第1の位置及び第2の位置は、異なるが、垂直方向にオフセットされた様式で互いに位置合わせされる。本実施形態では、板ばね50及び110が同一の範囲にわたっているが、必ずしも同一である必要はない。
【0048】
第2の板ばね110は、板ばね50の上方に積み重ねられている。剛性の非弾性ケーブル113は、板ばね110の自由端112を板ばね50の自由端54に結び又は結合し、その結果、自由端54の動きが自由端112に動きを直ちにかつ直接伝える。この結合された配置は、板ばね50のばね力を増加させる。テザー52は、板ばね50上のカムアセンブリ51に巻き付けられたままである。このようにして板ばねをフレーム11に積み重ねることにより、装置10は、動作中にユーザからより多くの重量を免荷することができる。他の実施形態では、3つ以上の板ばねを積み重ねることができるが、これは、最も要求の厳しい重量ニーズを除いて、必要になる可能性は低い。
【0049】
図6は、装置10の別の代替の実施形態を示す。図3A及び図3Bの免荷アセンブリ14は、板ばね50が一般的な方向に後方に延在し、その自由端54がその固定端53の後ろにある水平構成で取り付けられているが、本明細書の図6では、免荷アセンブリ14は、垂直構成で取り付けられている。この免荷アセンブリ14は、メインチューブ24の水平上部ではなく、垂直ハウジング25に取り付けられている。板ばね50は依然としてブロック55に取り付けられているが、ブロック55は、板ばね50が後方ではなく上向きに延在するように、ハウジング25に垂直に固定されている。板ばね50の自由端54は、固定端53の上方にあり、板ばね50が撓むと、自由端54は、ハウジング25に向かって後方に変位する。板ばね50は、装置10の前部18に向かって、その湾曲に対する付勢力を生じる。したがって、ユーザが前方に移動しているとき、この順方向の付勢は、装置10を前方に移動させることも支援する。図6は、免荷位置にある免荷アセンブリ14を実線で示しており、免荷アセンブリ14は、図3Bの水平構成について示される負荷位置への変位と同様に、両矢印円弧線Cに沿ってハウジングに向かって負荷位置まで移動する。上述の構成に対して垂直又は水平に反転された構成を含む、他の垂直構成も可能であり、適切であり得る。しかしながら、一般に、垂直構成は、ばね(この場合、ばねアーム50)が垂直に延在するものとして定義される。プーリ64、65、及び66もまた垂直配置に移動されるが、アンカーケーブル62は、依然としてプーリ64を経由して、ハウジング25上にあるタイダウン63に固定される。テザー52はまた、依然としてプーリ65及び66を経由するが、ここではまた、テザー52をハウジングを経由してプーリカセット70へと上向きに向け直す、追加のプーリ120を通っても延在する。
【0050】
図7は、図5に示されるものにいくらか類似した、装置10の免荷アセンブリ13の更に別の代替の実施形態を示す。以下の説明は、免荷アセンブリ14の代替の実施形態に等しく適用される。本実施形態では、2つの板ばねが組み合わせて使用される。図7は、自由体の図の形態で様式化されているが、本明細書の説明を理解する読者は、図7を容易に認識しかつ理解するであろう。
【0051】
板ばね50は、図3Aのように取り付けられており、固定端53は、メインチューブ24に固定され、自由端54は、自由である。カムアセンブリ51は、回転のために自由端54に取り付けられ、アンカーケーブル62は、固定されるが、テザー52は、プーリ65の周りを経由してハーネスまで延在する。しかしながら、本実施形態では、第2の板ばね130が使用される。板ばね130はまた、好ましくは、必ずしもそうである必要はないが、構造、特徴、及び構築において板ばね50と同一の、ばね上アームであり、また、固定端131及び自由端132も含む。板ばね130は、板ばね50に平行に取り付けられているが、メインチューブ24の下方、又は板ばね50の反対側に取り付けられている。本明細書で使用される場合、「平行」という用語は、電気回路内の2つの要素に類似しており、2つの板ばね50と130との間の幾何学的関係又は位置合わせを指すものではない。具体的には、板ばね50及びカムアセンブリ51は第1の位置にあり、第2の板ばね130は第2の位置に担持され、第1の位置及び第2の位置は、異なるが、垂直方向にオフセットされた様式で互いに位置合わせされる。本実施形態では、板ばね50及び130が同一の範囲にわたっているが、必ずしも同一である必要はない。
【0052】
第2の板ばね130は、板ばね50の下方に積み重ねられ、反転した位置を有しており、板ばね50が荷重を受けて下向きに撓むが、第2の板ばね130は上向きに撓む。非弾性ケーブル133は、板ばね130の自由端132を板ばね50の自由端54で内側カム61に結合し、よって、内側カム61の回転は、板ばね130の自由端132の上向きの動き、並びに板ばね50の自由端54の下向きの動きを直接付与する。ケーブル133は、メインチューブ24のボア134を貫通する。この結合された配置は、免荷アセンブリ13又は14のばね力を超えて、免荷アセンブリのばね力を増加させる。テザー52は、板ばね50上のカムアセンブリ51の外側カム60に巻き付けられたままである。このようにして板ばねをフレーム11上に結合することにより、装置10は、動作中にユーザからより多くの体重を免荷することができる。他の実施形態では、3つ以上の板ばねをメインチューブ24の両側に積み重ねて互いに結合することができるが、これは、最も要求の厳しい重量ニーズを除いて、必要になる可能性は低い。
【0053】
いくつかの実施形態では、カムアセンブリ51は、板ばね50に直接取り付けられる必要はなく、又は、換言すれば、カムアセンブリ51はばねから分離することができる。例えば、図7の板ばね50は、剛性で、非可撓性で、柔軟性のないアーム50であるように修正することができる。本実施形態では、カムアセンブリ51は、単に、メインチューブ24の上方の剛性ポストと同様のアーム50に取り付けられている。したがって、アーム50は、単にフレーム11の一部、又はその剛性延長部とみなされる。したがって、カムアセンブリ51は、非弾性ケーブル133によって湾曲可能な板ばね130の第2の又は自由端132に結合され、また、テザー52によってハーネスに結合される。板ばね130は、この配置で移動する唯一のアームであり、ハーネスが降下すると、テザー52がカムアセンブリ51を引っ張って回転させ、カムアセンブリ51と板ばね130との間のケーブルが板ばね130を引っ張って曲げる。この実施形態は、カムアセンブリと板ばねとが別個の免荷アセンブリである例であり、カムアセンブリを板ばね上に担持する又は取り付ける必要がないことを示している。実際、免荷アセンブリは、ケーブル133(又はアンカーケーブル62)がカムアセンブリをばね(板ばね130など)に一方向に結合し、テザー52が、カムアセンブリのばねへの取り付け又はばねからの取り外しに関係なく、カムアセンブリをハーネスに反対方向に結合するとき、依然として、定力変位システムとして効果的に動作する。図7のこの代替バージョンは、そのような配置を例示的に説明する。他の実施形態では、ばねアーム及びカムアセンブリは分離され得、互いに取り付けられ得ず、カムアセンブリ及びばねアームの配置は、実際には逆であり、カムアセンブリ51がメインチューブ24に取り付けられ、ばねアーム50がカムアセンブリ51から分離されてメインチューブ24に取り付けられて離れる方向に延在し、タイダウン63に結合されたアンカーケーブル62がカムアセンブリ51まで延在し、次いでテザー52がカムアセンブリ51から板ばね50の自由端54を越え、次いでハーネスに向かって(おそらくプーリアセンブリを通って)延在する。
【0054】
図8図10Bは、装置10との使用に適した免荷アセンブリの他の代替の実施形態を示す。以下の説明は、ユーザを装置10内で支持するために、フレーム21の左側若しくは右側20において、又は代替の場所において使用される免荷アセンブリに等しく適用される。図8は、免荷アセンブリ140の様式化された自由体の図を示すが、それでもなおアセンブリ140の構造要素及び特徴を示す。免荷アセンブリ140は、メインチューブ24及び垂直チューブ又はハウジング25に近接したフレーム11内に位置決めされる。
【0055】
免荷アセンブリ140は、板ばね141と、カムアセンブリ142と、板ばね141からカムアセンブリ142まで延在する第1のテザー143と、カムアセンブリ142から延在し、上述したプーリカセット70までハウジング25を(又は場合によってはその内部を)上へ走る第2のテザー144と、を含む。上述のように、免荷アセンブリ140は、ハーネス91に印加されている荷重に応じて、フレーム11に対するハーネス91の免荷力及びその中で担持される荷重を及ぼす。
【0056】
板ばね141は、ばね上アームであり、第1の固定端150及び第2の自由端151を有する軽量でコンパクトな弾性の細長い板ばね部材である。固定端150は、ブロック152に取り付けられたスリーブ内に固定されている。調整ノブ153は、固定端150の孔を貫通してブロック152のねじ孔に入る。これにより、調整ノブ153は、ブロック152にねじ込み可能に係合され、締め付けて、及び緩めて、板ばね141のばね力を変更することができる。ばね力を小さくする場合は、調整ノブ153を緩めてボアから後退させて、固定端150がブロック152から僅かに離れるように上昇することを可能にする。ばね力を大きくする場合は、調整ノブ153をボア内へ締め付けて、固定端150をブロック152の近くで保持する。調整ノブ153は、板ばね141のばね力を調整するための手段であり、他の実施形態では、調整ノブ153は、電気的、電気機械的、若しくは電磁的な調整装置、又は調整可能ボルト、又はばね力を変更するための何らかの他の手段であり得る。
【0057】
板ばね141は、ばねとして動作する。板ばね141は、水平構成で取り付けられる。この水平構成では、自由端151は、固定端150と同じ高さにあり、図8に実線で示すような第1の「免荷」位置と、自由端151がメインチューブ24から離れた固定端150の上方の高い位置にある、図8に破線で示すような第2の「負荷」位置との間を移動する。この動きは、弓形の両矢印線154で示されている。
【0058】
板ばね141は、ユーザ90が歩いて、第2のテザー144を介して板ばね141を上に引くなどして、ハーネス91に荷重がかけられるのに応じて、負荷位置に向かって移動する。この説明を通して、「荷重」は、ハーネス91に及ぼされる何らかの重量又は他の下向きの力を説明するために使用され、そのように理解されるべきである。荷重は、好ましくは、ハーネス内のユーザ90などの活荷重であり、又は荷重は、免荷アセンブリ140に作用する何らかの他の重量又は下向きの力であり得る。荷重の印加に応じて、板ばね141は、重力の引っ張りとは反対の方向に付勢力を及ぼし、歩行運動中にユーザ90を下向きに垂直に並進させ、骨盤の横方向並進によって第2のテザー144を伸長させ、板ばね141は、第2のテザー144を引き戻すように作用する。上述の構成に対して垂直又は水平に反転された構成を含む、他の水平構成も可能であり、適切であり得る。しかしながら、一般に、水平構成は、ばね(この場合、ばねアーム141)が水平に延在するものとして定義される。
【0059】
このようにして、板ばね141は、ばねの撓み、伸長、又は圧縮のいずれを通したものであっても、変位に対抗する付勢力を及ぼす単なるばねである。そして、この意味で、コイルばね、空気ばね、ねじりばねなどの他のばねが適切であり得る。板ばね141は、3つの端部151の変位が増加するにつれて板ばね141によって生成される力が増加するように、非定力-変位曲線を有し、より大きい変位では、ばね力が大きくなる。板ばね141は、ハウジング25に向かって水平に向けられ、自由端151は、カムアセンブリの下方で終端し、よって、板ばね141の撓みは、ばね141をカムアセンブリ142に向かって曲がらせ、かつ上向きに撓ませる。
【0060】
カムアセンブリ142は、回転のためにブラケット161に担持されたアクスル160に取り付けられている。ブラケット161は、ハウジング25に固定されて、前方に延在する。カムアセンブリ142は、外側カム162と、内側カム163と、を含む。積み重ねカムアセンブリ142は、ブラケット161に同軸方向に並んで取り付けられた外側カム162及び内側カム163を含む。カム162及び163はどちらも、同じ回転軸を中心として互いに対して回転するために取り付けられているが、カム162及び163は、互いに対する相対回転を防止するために互いに固定されている。
【0061】
外側カム162はより大きく、内側カム163はより小さい。本図面では、カム162及び163はどちらも、円形の車輪である。これらのカムは互いに同心であるが、それらが取り付けられたアクスル160は同心ではなく、したがって、カム162及び163は偏心回転のために取り付けられている。換言すれば、これらのカムが回転するとき、それらのレバーアームが変化し、それらのそれぞれのレバーアームの比が変化するように、これらのカムの回転軸は、それらのそれぞれの幾何学的中心からオフセットされている。他の実施形態では、アクスル160は、カム162及び163に同心状に取り付けられ、他の実施形態では、カム162及び163は、円以外の形状を有する。
【0062】
第1のテザー143は、非弾性ケーブル、バンド、コード、又は他のテザーである。第1のテザー143の一端は、板ばね141の自由端151に結合され、第1のテザー143の他端は、内側カム163に結合されている。内側カム163は、その周囲に形成された少なくとも単一の溝を有し、内側カム163が回転するとき、第1のテザー143が転がり、この溝から巻き出される。
【0063】
同様に、第2のテザー144は、非弾性ケーブル、バンド、コード、又は他のテザーである。第2のテザー144の一端は、外側カム162に結合されている。そこから、第2のテザー144が、ハウジング25の上に、次いで上方に、そしてプーリカセット70に延び、次いで最終的にハーネス91まで延在する。図8にはプーリカセット90及びハーネス91が示されていないが、読者は、上記の説明からそれらの場所及び配置を理解するであろう。外側カム162は、その周囲に形成された少なくとも単一の溝を有し、外側カム162が回転するとき、第2のテザー144が転がり、この溝から巻き出される。
【0064】
第1のテザー143及び第2のテザー144は、カムアセンブリ142に互いに対向して配置されている。第1のテザー143は、内側カム163の取り付け点164に固定されて、板ばね141まで下向きに延在する。第2のテザー144は、外側カム162の取り付け点165に固定されて、プーリカセットまで上向きに延在する。取り付け点164及び165は、直径方向に互いに対向する。他の実施形態では、取り付け点164及び165は、異なる場所にあり得るが、テザーは、反対方向に外向きに延在する。この対向配置のため、荷重がハーネスに印加されたとき、第2のテザーが外側カム162から巻き出され、(ページに示されるように)第2の162を時計回り方向に回転させ、第1のテザーが内側カム163の上へ転がる。
【0065】
図8では、第2のテザー144は、プーリ166によって向け直されるので、略上向きに延在する。ブラケット161の上部の近くに回転のためにブラケット161に取り付けられた小さいプーリ166は、第2のテザー144を、外側カム162から出るその水平接線から、ハウジング25の外側にちょうど沿ってプーリカセット70へと上向きに向け直す。いくつかの実施形態では、プーリ166は、第2のテザー144をハウジング25の内部へと向ける。
【0066】
内側カム163に形成された溝に第1のテザー143が巻き付けられ、外側カム162に形成された溝に第2のテザー144が巻き付けられた状態で、板ばね141及びカムアセンブリ142がともに、定力変位システムを形成する。換言すれば、所定の変位を超えると、追加の変位は、継続的な変位に必要な第2のテザー144の張力又は力を大きく変化させない。更に、装置10の他の実施形態では、3つ以上のカムを有するアセンブリ、本明細書に提示されているものとは異なるサイズ及び形状のカム、同様のサイズのカム、などを含む、異なるカム組み合わせが使用される。
【0067】
図9は、免荷アセンブリ170の様式化された自由体の図を示すが、それでもなおアセンブリ170の構造要素及び特徴を示す。免荷アセンブリ170は、フロントチューブ26と、メインチューブ24と、垂直チューブ又はハウジング25との間でフレーム11内に位置決めされる。
【0068】
免荷アセンブリ170は、板ばね171と、カムアセンブリ172と、板ばね171からカムアセンブリ172まで延在する第1のテザー173と、カムアセンブリ172から延在して、上述したプーリカセット70までハウジング25の内部を走る第2のテザー174と、を含む。上述のように、免荷アセンブリ170は、フレーム11に対するハーネス91の免荷力及びハーネス内で担持される荷重を及ぼす。
【0069】
板ばね171は、ばね上アームであり、第1の固定端180及び第2の自由端181を有する軽量でコンパクトな弾性の細長い板ばね部材である。固定端180は、ブロック182に取り付けられたスリーブ内に固定されている。免荷アセンブリ140とは異なり、調整ノブが板ばね171に使用されないが、読者は、調整ノブが組み込まれ得るが、それにもかかわらず、本開示の範囲の一部とみなされるべきであることを容易に理解するであろう。更に、他の実施形態では、板ばね171のばね力は、電気的、電気機械的、若しくは電磁的な調整装置又は調整可能なボルト、又はばね力を変更するための何らかの他の手段によって調整され得る。
【0070】
板ばね171は、ばねとして動作する。板ばね171は、対角構成で取り付けられる。固定端180が固定されるブロック182は、その上部の近くでフロントチューブ26に固定される。次いで、板ばね171は、フロントチューブ26の対角長さに沿って、メインチューブ24に向かって延在する。自由端181は、固定端180の下方かつ前方にあり、図9に実線で示すような第1の「免荷」位置と、自由端181がフロントチューブ26から離れてハウジング25に向かって引き戻される、図9の破線に示されるような第2の「負荷」位置との間を移動する。この動きは、弓形の両矢印線183で示されている。
【0071】
他の免荷アセンブリと同様に、板ばね171は、ユーザ90が歩いて、第2のテザー174を介して板ばね171を下に引くなどして、ハーネス91に荷重がかけられるのに応じて、負荷位置に向かって移動する。これに応じて、板ばね171は、重力の引っ張りとは反対の方向に付勢力を及ぼし、歩行運動中にユーザ90を下向きに垂直に並進させ、骨盤の横方向並進によって第2のテザー174を伸長させ、板ばね171は、第2のテザー174を引き戻すように作用する。上述の構成に対して垂直又は水平に反転された構成を含む、他の構成も可能であり、適切であり得る。しかしながら、一般に、対角構成は、ばね(この場合、ばねアーム171)が、特に必ずしもそうである必要はないが、フロントチューブ26に沿って、斜めに延在するものとして定義される。
【0072】
板ばね171は、撓み、伸長、又は圧縮のいずれを通したものであっても、変位に対抗する付勢力を及ぼすばねである。この意味で、コイルばね、空気ばね、ねじりばねなどの他のばねが適切であり得る。板ばね171は、自由端181の変位が増加するにつれて板ばね171によって生成される力が増加するように、非定力-変位曲線を有し、より大きい変位では、ばね力が大きくなる。
【0073】
カムアセンブリ172は、回転のためにブラケット191に担持されたアクスル190に取り付けられている。ブラケット191は、ハウジング25に固定されて、前方に延在する。カムアセンブリ172は、外側カム192と、内側カム193と、を含む。積み重ねカムアセンブリ172は、ブラケット191に同軸方向に並んで取り付けられた外側カム192及び内側カム193を含む。カム192及び193はどちらも、同じ回転軸を中心として互いに対して回転するために取り付けられているが、カム192及び193は、互いに対する相対回転を防止するために互いに固定されている。
【0074】
外側カム192はより大きく、内側カム193はより小さい。本実施形態では、カム192及び193はどちらも、円形の車輪である。これらのカムは互いに同心であるが、それらが取り付けられたアクスル190は同心ではなく、したがって、カム192及び193は回転のために偏心して取り付けられている。換言すれば、これらのカムが回転するとき、それらのレバーアームが変化し、それらのそれぞれのレバーアームの比が変化するように、これらのカムの回転軸は、それらのそれぞれの幾何学的中心からオフセットされている。他の実施形態では、アクスル190は、カム192及び193に同心状に取り付けられ、他の実施形態では、カム192及び193は、円以外の形状を有する。
【0075】
第1のテザー173は、非弾性ケーブル、バンド、コード、又は他のテザーである。第1のテザー173の一端は、板ばね171の自由端181に結合され、第1のテザー173の他端は、内側カム193に結合されている。内側カム193は、その周囲に形成された少なくとも単一の溝を有し、内側カム193が回転するとき、第1のテザー173が転がり、この溝から巻き出される。
【0076】
同様に、第2のテザー174は、非弾性ケーブル、バンド、コード、又は他のテザーである。第2のテザー174の一端は、外側カム192に結合されている。そこから、第2のテザー174が、ハウジング25を通って上方に、そしてプーリカセット70まで延在し、次いで最終的にハーネス91まで延在する。図9にはプーリカセット90及びハーネス91が示されていないが、読者は、上記の説明からそれらの場所及び配置を理解するであろう。外側カム192は、その周囲に形成された少なくとも単一の溝を有し、外側カム192が回転するとき、第2のテザー174が転がり、この溝から巻き出される。
【0077】
第1のテザー173及び第2のテザー174は、カムアセンブリ172に互いに対向して配置されている。第1のテザー173は、内側カム193の取り付け点194に固定されて、板ばね171まで下向きに延在する。第2のテザー174は、外側カム194の取り付け点195で固定されて、次いでプーリカセットまで略上向きに延在する。取り付け点194及び195は、カムアセンブリ172上で直径方向に互いに対向する。他の実施形態では、取り付け点194及び195は、異なる場所にあり得るが、テザーは、反対方向に外向きに延在する。
【0078】
2つのプーリ196及び197は、第1のテザー173及び第2のテザー174の向きを向け直す。第1のプーリ196は、回転のためにメインチューブ24に取り付けられて、第1のテザー173を向け直す。第1のテザー173は、自由端181から斜め下向きに延在して、第1のプーリ196の下に巻き付いて、次いで、内側カム193の取り付け点194まで斜め上向きに延在する。第2のプーリ197は、回転のためにブラケット191の上部の近くにブラケット191に取り付けられている。プーリ197をハウジング25内に部分的に配置することを可能にするために、小さいカット部分がハウジング25に作製されている。プーリ197は、第2のテザー174を、外側カム192から出るその水平接線から、ハウジング25のすぐ内側をプーリカセット70へと上向きに向け直す。いくつかの実施形態では、プーリ197は、ハウジングの外側25に沿って第2のテザー174を向ける。
【0079】
内側カム193に形成された溝に第1のテザー173が巻き付けられ、外側カム192に形成された溝に第2のテザー174が巻き付けられた状態で、板ばね171及びカムアセンブリ172がともに、定力変位システムを形成する。換言すれば、所定の変位を超えると、追加の変位は、継続的な変位に必要な第2のテザー174の張力又は力を大きく変化させない。更に、装置10の他の実施形態では、3つ以上のカムを有するアセンブリ、本明細書に提示されているものとは異なるサイズ及び形状のカム、同様のサイズのカム、などを含む、異なるカム組み合わせが使用される。
【0080】
図10A及び図10Bは、免荷アセンブリ210の別の実施形態の免荷位置及び負荷位置を示す。図面は、様式化された自由体の図を示すが、それでもなおアセンブリ210の構造要素及び特徴を示す。免荷アセンブリ210は、フロントチューブ26(ここでは、垂直に示される)と、メインチューブ24と、垂直チューブ又はハウジング25との間でフレーム11内に位置決めされる。
【0081】
免荷アセンブリ210は、ばね211と、カムアセンブリ212と、ばね211からカムアセンブリ212まで延在する第1のテザー213と、カムアセンブリ212から延在して、上述したプーリカセット70までハウジング25の内部を走る第2のテザー214と、を含む。免荷アセンブリ210は、フレーム11に対するハーネス91の免荷力及びその中で担持される荷重を及ぼす。
【0082】
ばね211は、引張コイルばねである。ばね211は、第1の固定端220と、第2の自由端221と、を有する。固定端220は、フロントチューブ26にねじ込まれるか、又は別様には固定される、アイボルトなどのボルト222に結合されている。ばね211は、水平構成で取り付けられ、メインチューブ24の水平長さに沿って向けられる。ばね211の自由端221は、ハウジング24に配置されている。図10Aは第1の「免荷」位置を示し、図10Bは第2の「負荷」位置を示す。免荷位置では、ばね211は、圧縮されてより短い長さを有する。負荷位置では、ばね211は、延在してより長い長さを有する。ばね211は、荷重がかけられたとき、メインチューブ24の長さに沿って伸びる。
【0083】
他の免荷アセンブリと同様に、ばね211は、ユーザ90が歩いて、第2のテザー214を介してばね211を伸ばすなどして、ハーネス91に荷重がかけられるのに応じて、負荷位置に向かって移動する。これに応じて、ばね211は、重力の引っ張りとは反対の方向に付勢力を及ぼし、歩行運動中にユーザ90を下向き方に垂直に並進させ、骨盤の横方向並進によって第2のテザー214を伸長させ、ばね211は、第2のテザー214を引き戻すように作用する。上述の構成に対して垂直又は水平に反転された構成を含む、ばね211との他の構成も可能であり、適切であり得る。しかしながら、一般に、水平構成は、ばね211が、特に必ずしもそうである必要はないが、メインチューブ24に沿って、水平に延在するものとして定義される。
【0084】
カムアセンブリ212は、回転のためにブラケット231に担持されたアクスル230に取り付けられている。ブラケット231は、ハウジング25に固定されて、前方に延在する。カムアセンブリ212は、外側カム232と、内側カム233と、を含む。積み重ねカムアセンブリ212は、ブラケット231に同軸方向に並んで取り付けられた外側カム232及び内側カム233を含む。カム232及び233はどちらも、同じ回転軸を中心として互いに対して回転するために取り付けられているが、カム232及び233は、互いに対する相対回転を防止するために互いに固定されている。
【0085】
外側カム232はより大きく、内側カム233はより小さい。本実施形態では、カム232及び233はどちらも、円形の車輪である。これらのカムは互いに同心であるが、それらが取り付けられるアクスル230は同心ではなく、したがって、カム232及び233は偏心して取り付けられている。換言すれば、これらのカムが回転するとき、それらのレバーアームが変化し、それらのそれぞれのレバーアームの比が変化するように、これらのカムの回転軸は、それらのそれぞれの幾何学的中心からオフセットされている。他の実施形態では、アクスル230は、カム232及び233に同心状に取り付けられ、他の実施形態では、カム232及び233は、円以外の形状を有する。
【0086】
第1のテザー213は、非弾性ケーブル、バンド、コード、又は他のテザーである。第1のテザー213の一端は、ばね211の自由端221に結合され、第1のテザー213の他端は、内側カム233に結合されている。内側カム233は、その周囲に形成された少なくとも単一の溝を有し、内側カム233が回転するとき、第1のテザー213が転がり、この溝から巻き出される。
【0087】
同様に、第2のテザー214は、非弾性ケーブル、バンド、コード、又は他のテザーである。第2のテザー214の一端は、外側カム232に結合されている。そこから、第2のテザー214が、ハウジング25を通って上方に、そしてプーリカセット70まで延在し、次いで最終的にハーネス91まで延在する。図10A及び図10Bにはプーリカセット90及びハーネス91が示されていないが、読者は、上記の説明からそれらの場所及び配置を理解するであろう。外側カム232は、その周囲に形成された少なくとも単一の溝を有し、外側カム232が回転するとき、第2のテザー214が転がり、この溝から巻き出される。
【0088】
第1のテザー213及び第2のテザー214は、カムアセンブリ212に互いに対向して配置されている。第1のテザー213は、内側カム233の取り付け点234に固定されて、ばね211まで略下向きに延在する。第2のテザー214は、外側カム234の取り付け点235に固定されて、次いでプーリカセットまで略上向きに延在する。取り付け点234及び235は、カムアセンブリ212上で直径方向に互いに対向する。他の実施形態では、取り付け点234及び235は、異なる場所であり得るが、テザーは、反対方向に外向きに延在する。
【0089】
2つのプーリ236及び237は、第1のテザー213及び第2のテザー214の向きを向け直す。第1のプーリ236は、回転のためのメインチューブ24に取り付けられて、第1のテザー213を向け直す。第1のテザー213は、ばね211の自由端221から水平に延在し、第1のプーリ236に巻き付いて、次いで内側カム233の取り付け点234まで垂直上向きに延在する。第2のプーリ237は、回転のためにブラケット231の上部の近くに及び僅かにハウジング25内にブラケット231に取り付けられている。第2のプーリ237は、第2のテザー214を、外側カム232から出るその水平接線から、ハウジング25のすぐ内側をプーリカセット70へと上向きに向け直す。いくつかの実施形態では、プーリ237は、第2のテザー214をハウジングの外側25に沿って向ける。
【0090】
内側カム233に形成された溝に第1のテザー213が巻き付けられ、外側カム232に形成された溝に第2のテザー214が巻き付けられた状態で、ばね211及びカムアセンブリ212がともに、定力変位システムを形成する。換言すれば、所定の変位を超えると、追加の変位は、継続的な変位に必要な第2のテザー214の張力又は力を大きく変化させない。更に、装置10の他の実施形態では、3つ以上のカムを有するアセンブリ、本明細書に提示されているものとは異なるサイズ及び形状のカム、同様のサイズのカム、などを含む、異なるカム組み合わせが使用される。
【0091】
図11A図11Cは、ハーネス240及びその構成要素を示す。好ましくは、ハーネス240が、上述したハーネス91の代わりに使用される。このハーネス240は、調整可能な腰ベルト241と、調整可能な大腿ストラップ242と、大腿ストラップ242を接続する横断部品243と、腰ベルト241を大腿ストラップ242のそれぞれに非弾性的に接続するハーネス240の各側の外側又は横方向ストラップ244と、を含む。
【0092】
腰ベルト241は、ある長さのウェビング又は他の適切な強力で耐久性のある材料であり、ハーネス240の前方でバックル245によってループ状に締結される。同様に、大腿ストラップ242は、ある長さのウェビング又は他の適切な強力で耐久性がある材料であり、バックル246によってループ状に締結される。ウェビングの長さは、バックル245及び246を通して引っ張って、腰ベルト241及び大腿ストラップ242がユーザにぴったりと合うようにそれらをそれぞれ調整し得る。
【0093】
横方向ストラップ244は、大腿ストラップ242を腰ベルト241に結合する。横方向ストラップ244は同じであるので、説明が両方に等しく適用されるという理解の下で、一方だけを本明細書で説明する。図11A及び図11Bの両方に示される横方向ストラップ244は、内側ストラップ250と、外側ストラップ251と、を含む。内側ストラップ250は、ある長さのウェビング又は他の適切な強力で耐久性がある材料であり、腰ベルト241及び大腿ストラップ242に直接縫い付けられている。外側ストラップ251もまた、ある長さのウェビング又は他の適切な強力で耐久性がある材料である。外側ストラップ251は、内側ストラップ250のほぼ上半分に沿って内側ストラップ250に縫い付けられている。次いで、外側ストラップ251は、内側ストラップ250から分離する。リングストラップ252は、内側ストラップ250及び外側ストラップ251の下半分に沿ってそれらの間に配置されている。
【0094】
リングストラップ252は、図11Cに示されるリング253を保持する。リングストラップ252は、ある長さのウェビング又は他の適切な強力で耐久性がある材料であり、それ自体の上に折り畳まれて、内側部分254、外側部分255、及び内側部分254と外側部分255との間の上部の湾曲部256を画定する。ハーネス240の製造中に、リング253は、内側部分254と外側部分255の間に嵌合して、湾曲部256内にかつそれに対して配置される。次いで、内側部分254及び外側部分255は、互いに縫い付けられて、リングストラップ252を閉じて、リング253をその中で固定する。外側ストラップ251は、リングストラップ252の外側部分255上へ更に縫い付けられて、場合によっては、内側部分254及び/又は内側ストラップ250にも縫い付けられて、横方向ストラップ244を固定する。
【0095】
リング253は、横方向ストラップ244に固定されて、テザーのうちの1つを保持する。図11Cでは、図8の免荷アセンブリ140に対応する、参照符号144で識別されるテザーが使用されるが、読者は、第2のテザー144が、免荷アセンブリから通じる本明細書で説明する他の様々なテザー(又は第1若しくは第2のテザー)のうちの1つであり得ることを理解するべきである。第2のテザー144は、図11Cに破線で示される円板形状のパック260において終端する。パック260は、硬質で耐久性があり、かつ第2のテザー144の端部に恒久的に固定されている。パック260は、リング253に滑り込ませて固定して、免荷アセンブリ140にハーネス240を結合及び係合する。
【0096】
リング253は、バッカープレート261と、フロントプレート262と、それらの間に形成された側壁263と、を含む。バッカープレート261は、平坦で三角形であり、縦スロット265が全体的に形成された底部264を有する。スロット265は、図11Cに破線で示されている。フロントプレート262は、平坦で略三角形である。フロントプレート262は、縦スロット271が全体的に形成された底部270を有する。スロット265及び271は、同じ範囲にわたって互いに位置合わせされる。リングストラップ252の湾曲部256は、スロット265及び271の両方を通って、リング253を横方向ストラップ244に固定する。
【0097】
フロントプレート262はまた、開口上部272も有する。スリット273は、開口上部272と円形孔274との間にフロントプレート262を通して中央に形成されている。上部272、スリット273、及び孔274は、協働して第2のテザー144の端部のための通路を画定する。第2のテザー144及びパック260は、その通路を通して適用され、次いで上向きに移動させ、それによって、リング253内で捕捉される。側壁263は、パック260がリング253から緩むことを防止する。側壁263は、背面プレート261とフロントプレート262との間に延在しており、また、フロントプレート262の開口上部272と位置合わせされ、かつその下方にある、開口部280を含む。開口部280から、側壁263は、リング253の外部に沿って、スロット265及び271の真上に位置合わせされる。側壁は、図11Cに破線で示される大きい内部キャビティ281を有する。内部キャビティ281は、必須ではないが、好ましくは円形である。内部キャビティ281は、円形孔274からオフセットされて、リング253の上部に近接する。このようにして、パック260は、円形孔274を通して適用されたとき、内部キャビティ281内へ移動する。ユーザがハーネス240を着用して、免荷アセンブリ140に荷重を印加するとき、パック260は、内部キャビティ281内をリング253の上部に向かって上向きに、不用意に緩むことができない捕捉位置へと摺動する。パック260は、テザー144を免荷して、パック260を引き下げて円形孔274外に出さなければ、リング253から引き抜くことができない。
【0098】
免荷アセンブリ140、170、及び210の実施形態は、免荷アセンブリ13及び14と同じように装置10において使用される。ハーネス240は、ハーネス91と同じように装置10で使用される。上述の説明に基づいて、読者は、免荷アセンブリ140、170、又は210のいずれかと置き換えた、又はハーネス240と置き換えた装置の動作を理解するであろう。
【0099】
好ましい実施形態は、当業者がそれを理解し、作製し、使用することを可能にするように、上記で完全かつ明確に記載されている。当業者は、本明細書の趣旨から逸脱することなく上記の説明に修正を加えることができ、いくつかの実施形態が記載された要素及び特徴のみ、又はそのサブセットを含むことを認識するであろう。修正は、本明細書の趣旨を逸脱しない程度に、その範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
【国際調査報告】