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特表2024-525064プローブの座屈を低減するための血管アクセスデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】プローブの座屈を低減するための血管アクセスデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61M25/09 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500062
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 US2022035403
(87)【国際公開番号】W WO2023278499
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/218,087
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラッキー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA28
4C267AA32
4C267BB04
4C267BB31
4C267BB53
4C267CC08
(57)【要約】
血管アクセスデバイスは、遠位端、近位端、およびスロットを含み得るハウジングを含み得る。前進要素は、スロットを通って延び得、後退位置と前進位置との間でスロットに沿って直線的に移動するように構成され得る。前進要素の後退位置から前進位置への移動に応答して、血管アクセスデバイスのプローブは、遠位端を超えて前進され得る。血管アクセスデバイスは、プローブの座屈を低減し、プローブの変位を制限するための1つまたは複数の特徴を含み得る。例えば、血管アクセスデバイスは、前進要素の遠位のハウジング内に固定された突起を含み得る。別の例として、血管アクセスデバイスは、遠位に延びるアームを受け入れるように構成された遠位に延びるアームおよび/または凹部を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管アクセスデバイスであって、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間のスロットを備えるハウジングと、
前記前進要素の遠位の前記ハウジング内に固定された突起と、
前記スロットを通って延び、後退位置と前進位置との間で前記スロットに沿って直線的に移動するように構成された前進要素であって、前記前進要素の遠位端は、前記前進要素が前記前進位置にあるときに前記突起を受け入れるように構成された凹部を備える、前進要素と、
第1の端部および第2の端部を備えるプローブであって、前記プローブは、前記突起と前記ハウジングの内面との間に配置され、前記前進要素の前記後退位置から前記前進位置への移動に応答して、前記プローブの前記第2の端部は、前記ハウジングの前記遠位端を超えて前進する、プローブと、
を備える、血管アクセスデバイス。
【請求項2】
前記ハウジングの内面は、前記ハウジングの前記近位端と前記ハウジングの前記遠位端との間に前記ハウジング内に配置された溝を含み、前記プローブは、前記前進要素が前記後退位置と前記前進位置との間で前記スロットに沿って直線的に移動することに応答して前記溝内を移動するように構成される、請求項1に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項3】
前記溝が直線である、請求項2に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項4】
前記前進要素が円弧形チャネルを含み、前記プローブが前記円弧形チャネルを通って延び、前記プローブの前記第1の端部が固定され、前記前進要素の第1の距離の移動に応答して、前記プローブの前記第2の端部が第2の距離を遠位に前進するように構成され、前記第2の距離が前記第1の距離の少なくとも2倍であり、前記溝が第1の溝であり、前記ハウジングの前記内面が、前記ハウジングの前記近位端と前記ハウジングの前記遠位端との間に、前記第1の溝に概ね平行な第2の溝を含み、前記プローブが前記第2の溝を通って延びる、請求項1に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項5】
血管アクセスデバイスであって、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間のスロットを備えるハウジングと、
前記スロットを通って延び、後退位置と前進位置との間で前記スロットに沿って直線的に移動するように構成された前進要素であって、前記前進要素は、遠位に延びるアームを備える、前進要素と、
第1の端部および第2の端部を備えるプローブであって、前記プローブは、前記遠位に延びるアームと前記ハウジングの内面との間に配置され、前記前進要素の前記後退位置から前記前進位置への移動に応答して、前記プローブの前記第2の端部は、前記ハウジングの前記遠位端を超えて前進する、プローブと、
を備える、血管アクセスデバイス。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記前進要素が前記前進位置にあるときに前記遠位に延びるアームを受け入れるように構成された凹部を備える、請求項5に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項7】
前記ハウジングの内面は、前記ハウジングの前記近位端と前記ハウジングの前記遠位端との間に前記ハウジング内に配置された溝を含み、前記プローブは、前記前進要素が前記後退位置と前記前進位置との間で前記スロットに沿って直線的に移動することに応答して前記溝内を移動するように構成される、請求項5に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項8】
前記溝が直線である、請求項7に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項9】
前記前進要素が円弧形チャネルを含み、前記プローブが前記円弧形チャネルを通って延び、前記プローブの前記第1の端部が固定され、前記前進要素の第1の距離の移動に応答して、前記プローブの前記第2の端部が第2の距離を遠位に前進するように構成され、前記第2の距離が前記第1の距離の少なくとも2倍であり、前記溝が第1の溝であり、前記ハウジングの前記内面が、前記ハウジングの前記近位端と前記ハウジングの前記遠位端との間に、前記第1の溝に概ね平行な第2の溝を含み、前記プローブが前記第2の溝を通って延びる、請求項7に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項10】
血管アクセスデバイスであって、
前進要素と、
前記前進要素を通って延びる延長チューブであって、前記延長チューブは、第1の管腔および第2の管腔を含み、採血経路は、前記第1の管腔を通って延びる、延長チューブと、
前記前進要素および前記延長チューブの前記第2の管腔内に配置されたくさびと、
前記延長チューブをつまむように構成された対向するピンチ部材の対であって、前記対向するピンチ部材の対が、前記前進要素内に配置され、前記前進要素と共に前記延長チューブに沿って移動するように構成された、対向するピンチ部材の対と、
前記くさびから遠位に延びるプローブであって、前記プローブが前記第2の管腔内に配置され、前記延長チューブに沿って前記前進要素を後退位置から前進位置に遠位に移動させることに応答して、前記対向するピンチ部材の対が前記くさびを遠位に押し、前記プローブが遠位に前進する、プローブと、
前記くさびの遠位の前記第2の管腔内に配置され、前記プローブに接触して支持するように構成された複数の支持体と、
を備える、血管アクセスデバイス。
【請求項11】
前記前進要素の前記後退位置から前記前進位置への移動に応答して、前記前進要素は、前記複数の支持体を遠位に押すように構成される、請求項10に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項12】
前記前進要素に結合されたテザーと、前記複数の支持体のうちの少なくとも1つとをさらに備え、前記前進要素の前記前進位置から前記後退位置への移動に応答して、前記テザーは、前記複数の支持体のうちの前記少なくとも1つを近位に引っ張るように構成される、請求項11に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項13】
前記複数の支持体は、第1の突起および前記第1の突起の反対側の第2の突起を含み、前記第1の突起および前記第2の突起はそれぞれドーム形状を含む、請求項10に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項14】
前記複数の支持体は、第3の突起および前記第3の突起の反対側の第4の突起を含み、前記第3の突起および前記第4の突起はそれぞれドーム形状を含む、請求項13に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項15】
血管アクセスデバイスであって、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間のスロットを備えるハウジングであって、前記ハウジングの内面は、前記ハウジングの前記近位端と前記ハウジングの前記遠位端との間の前記ハウジング内に配置された溝を備える、ハウジングと、
前記スロットを通って延び、後退位置と前進位置との間で前記スロットに沿って直線的に移動するように構成された前進要素と、
第1の端部および第2の端部を含むプローブであって、前記プローブは、前記突起と前記ハウジングの内面との間に配置され、前記前進要素が前記後退位置および前記前進位置から前記スロットに沿って直線的に移動することに応答して、前記プローブは、前記溝内で移動するように構成され、前記プローブの前記第2の端部は、前記ハウジングの前記遠位端を超えて前進するように構成される、プローブと、
前記ハウジングの内面に結合されたポストと、
前記ポスト上に回転可能に取り付けられ、前記溝の上に延びる動き制限器であって、前記前進要素の前記後退位置から前記前進位置への移動に応答して、前記動き制限器は、前記ポスト上で回転するように構成される、動き制限器と、
を備える、血管アクセスデバイス。
【請求項16】
前記前進要素は、前記前進要素が前記ポストおよび前記動き制限器を超えて遠位に移動することを可能にするように構成された切り欠き部分を備える、請求項15に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項17】
前記溝が直線である、請求項15に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項18】
前記前進要素が円弧形チャネルを含み、前記プローブが前記円弧形チャネルを通って延び、前記プローブの前記第1の端部が固定され、前記前進要素の第1の距離の移動に応答して、前記プローブの前記第2の端部が第2の距離を遠位に前進するように構成され、前記第2の距離が前記第1の距離の少なくとも2倍であり、前記溝が第1の溝であり、前記ハウジングの前記内面が、前記ハウジングの前記近位端と前記ハウジングの前記遠位端との間に、前記第1の溝に概ね平行な第2の溝を含み、前記プローブが前記第2の溝を通って延びる、請求項15に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項19】
血管アクセスデバイスであって、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間の直線スロットを備えるハウジングと、
第1の蛇行スロットを含む第1のプローブエンクロージャと、
第2の蛇行スロットを含む第2のプローブエンクロージャと、
第1の端部および第2の端部を備えるプローブと、
前記直線スロットを通って延び、後退位置と前進位置との間で前記直線スロットに沿って直線的に移動するように構成された前進要素であって、前記前進要素が円弧形チャネルを含み、前記プローブが前記円弧形チャネルを通って延び、前記プローブの前記第1の端部が固定され、前記前進要素の第1の距離の遠位移動に応答して、前記プローブの前記第2の端部が第2の距離を遠位に前進するように構成され、前記第2の距離が第1の距離の少なくとも2倍である、前進要素と、
前記前進要素から外向きに延び、前記第1のプローブエンクロージャを通って延びる第1の可撓性アームであって、前記プローブは、前記第1の可撓性アームの一部を通って延びる、第1の可撓性アームと、
前記前進要素から外向きに延び、前記第2のプローブエンクロージャを通って延びる第2の可撓性アームであって、前記プローブは、前記第2の可撓性アームの一部を通って延びる、前記第2の可撓性アームと、
を備える、血管アクセスデバイス。
【請求項20】
前記プローブがガイドワイヤを備える、請求項19に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項21】
記前進要素が前記直線スロットに沿って前記後退位置および前記前進位置から移動することに応答して、前記プローブの前記第2の端部は、前記ハウジングの前記遠位端を超えて前進するように構成される、請求項19に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項22】
血管アクセスデバイスであって、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間の直線スロットを備えるハウジングと、
第1のらせん状スロットを備える第1の回転可能なプローブエンクロージャと、
第2のらせん状スロットを備える第2の回転可能なプローブエンクロージャと、
第1の端部および第2の端部を含み、前記第1のらせん状スロットおよび前記第2のらせん状スロットを通って延びるプローブと、
前記直線スロットを通って延び、前記直線スロットに沿って後退位置と前進位置との間で直線的に移動するように構成された前進要素であって、前記前進要素が円弧形チャネルを備え、前記プローブが前記円弧形チャネルを通って延び、前記プローブの前記第1の端部が固定され、前記前進要素の遠位移動に第1の距離に応答して、前記プローブの前記第2の端部が第2の距離を遠位に前進するように構成され、前記第2の距離が前記第1の距離の少なくとも2倍であり、前記前進要素の前記スロットに沿った移動に応答して、前記第1の回転可能なプローブエンクロージャおよび前記第2の回転可能なプローブエンクロージャが回転するように構成される、前進要素と、
を備える、血管アクセスデバイス。
【請求項23】
前記第1の回転可能なプローブエンクロージャおよび前記第2の回転可能なプローブエンクロージャが管状である、請求項22に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項24】
前記プローブは、ガイドワイヤを備える、請求項22に記載の血管アクセスデバイス。
【請求項25】
前記前進要素が前記後退位置および前記前進位置から前記直線スロットに沿って移動することに応答して、前記プローブは、前記ハウジングの前記遠位端を超えて前進するように構成される、請求項22に記載の血管アクセスデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、血管アクセスデバイスおよび関連するシステムならびに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月2日に出願された「Vascular Access Device to Reduce Buckling of a Probe」と題された米国仮出願第63/218,087号の優先権を主張し、その全体の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
カテーテルは、一般的にさまざまな注入療法に用いられる。例えば、カテーテルは、生理食塩水、さまざまな薬剤、および総合的な非経口栄養のような流体を患者へと注入するために使用し得る。また、カテーテルは、患者から血液を採取するために使用され得る。
【0004】
一般的なタイプのカテーテルデバイスには、「オーバー・ザ・ニードル(over-the-needle)」と呼ばれるカテーテルがある。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードル型カテーテルは、鋭利な遠位先端を持つ導入針の上に取り付け得る。カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタ、カテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテル、およびカテーテルを通って延びる導入針を含み得る。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位先端が、カテーテルの遠位先端を越えて延び、針の斜角(bevel)を患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられ得る。カテーテルと導入針は、通常、皮膚から浅い角度で患者の血管系に挿入される。
【0005】
血管内の導入針および/またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が一度確認されると、臨床医は、血管系内の流れを一時的に塞いで、針を除去し、後の採血または輸液のためにカテーテルを定位置に残し得る。
【0006】
カテーテルを使用した注入および採血は、いくつかの理由により、特にカテーテルの留置時間が増加する場合に困難であり得る。フィブリンシースまたは血栓は、カテーテルアセンブリの内面、カテーテルアセンブリの外面、または、カテーテルの遠位先端近くの血管系内に形成され得る。フィブリンシースまたは血栓は、カテーテルを通る流体経路を遮断または狭める可能性があり、これは、高品質の血液試料の注入、および/または、収集を損なう可能性がある。
【0007】
本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で記載された具体化したもののいくつかを実施し得る技術領域の一例を示すために適用されるにすぎない。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間のスロットを含み得るハウジングを含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、前進要素の遠位のハウジング内に固定された突起を含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、前進要素を含み得、これは、スロットを通って延び得、後退位置と前進位置との間でスロットに沿って直線的に移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、前進要素の遠位端は、前進要素が前進位置にあるときに突起を受け入れるように構成された凹部を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、プローブは、第1の端部および第2の端部を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブは、突起とハウジングの内面との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、前進要素の後退位置から前進位置への移動に応答して、プローブの第2の端部は、ハウジングの遠位端を超えて前進され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハウジングの内面は、ハウジングの近位端とハウジングの遠位端との間にハウジング内に配置された溝を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブは、前進要素が後退位置と前進位置との間のスロットに沿って直線的に移動することに応答して、溝内で移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、溝は直線であり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、前進要素は、円弧形チャネルを含み得る。いくつかの実施形態では、プローブは、円弧形チャネルを通って延び得る。いくつかの実施形態では、プローブの第1の端部は、固定され得る。いくつかの実施形態では、前進要素の第1の距離の移動に応答して、プローブの第2の端部は、第2の距離を遠位に前進するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の少なくとも2倍であり得る。いくつかの実施形態では、溝は、第1の溝であり得、ハウジングの内面は、ハウジングの近位端とハウジングの遠位端との間の第2の溝を含み得、第1の溝に概して平行であり得る。いくつかの実施形態では、プローブは、第2の溝を通って延び得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、前進要素は、遠位に延びるアームを含み得る。いくつかの実施形態では、プローブは、遠位に延びるアームとハウジングの内面との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、前進要素が前進位置にあるときに遠位に延びるアームを受け入れるように構成されたスロットを含み得る。いくつかの実施形態では、溝は、ハウジングの近位端とハウジングの遠位端との間のハウジング内に配置され得、プローブは、前進要素が後退位置と前進位置との間のスロットに沿って直線的に移動することに応答して溝内で移動するように構成され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、ハウジングの内面に結合され得るポスト(post)を含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、ポストに回転可能に取り付けられ、溝の上に延びる動き制限器を含み得る。いくつかの実施形態では、前進要素の後退位置から前進位置への移動に応答して、動き制限器は、ポスト上で回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、前進要素は、前進要素がポストおよび動き制限器を通って遠位に移動することを可能にするように構成された切り欠き部分を含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、第1のプローブエンクロージャ(enclosure)および第2のプローブエンクロージャを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のプローブエンクロージャは、第1の蛇行スロットを含み得、第2のプローブエンクロージャは、第2の蛇行スロットを含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、前進要素から外向きに、および/または第1のプローブエンクロージャを通って延びる第1の可撓性アームを含み得る。いくつかの実施形態では、プローブは、第1の可撓性アームの一部を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、前進要素から外向きに、および/または第2のプローブエンクロージャを通って延びる第2の可撓性アームを含み得る。いくつかの実施形態では、プローブは、第2の可撓性アームの一部を通って延び得る。いくつかの実施形態では、プローブは、ガイドワイヤを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、ハウジングに対して回転するように構成された第1の回転可能なプローブエンクロージャおよび/または第2の回転可能なプローブエンクロージャを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の回転可能なプローブエンクロージャは、第1のらせん状スロットを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の回転可能なプローブエンクロージャは、第2のらせん状スロットを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、プローブは、第1のらせん状スロットおよび第2のらせん状スロットを通って延び得る。いくつかの実施形態では、スロットに沿った前進要素の移動に応答して、第1の回転可能なプローブエンクロージャおよび第2の回転可能なプローブエンクロージャは、回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の回転可能なプローブエンクロージャおよび第2の回転可能なプローブエンクロージャは、管状であり得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、別の血管アクセス器具前進デバイスは、前進要素と、前進要素を通って延びる延長チューブとを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブは、第1の管腔および第2の管腔であり得る。いくつかの実施形態では、採血経路が第1の管腔を通って延び得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、別の血管アクセスデバイスは、前進要素および延長チューブの第2の管腔内に配置されたくさびを含み得る。いくつかの実施形態では、別の血管アクセスデバイスは、延長チューブをピンチするように構成された対向するピンチ部材の対を含み得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材の対は、前進要素内に配置され、前進要素と共に延長チューブに沿って移動するように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、別の血管アクセスデバイスは、くさびから遠位に延び、および/または第2の管腔内に配置されたプローブを含み得る。いくつかの実施形態では、前進要素を延長チューブに沿って後退位置から前進位置に遠位に移動させることに応答して、対向するピンチ部材の対は、くさびを遠位に押し得、プローブは遠位に前進する。いくつかの実施形態では、別の血管アクセスデバイスは、くさびの遠位の第2の管腔内に配置され、プローブに接触して支持するように構成された1つまたは複数の支持体を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、前進要素の後退位置から前進位置への移動に応答して、前進要素は、支持体を遠位に押すように構成され得る。いくつかの実施形態では、別の血管アクセスデバイスは、前進要素および支持体の少なくとも1つに結合され得るテザー(tether)を含み得る。いくつかの実施形態では、前進位置から後退位置への前進要素の移動に応答して、テザーは、支持体のうちの少なくとも1つを近位に引っ張るように構成され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、支持体は、第1の突起および第1の突起の反対側の第2の突起を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の突起および/または第2の突起は、ドーム形状を含み得る。いくつかの実施形態では、支持体は、第3の突起および第3の突起の反対側の第4の突起を含み得る。いくつかの実施形態では、第3の突起および/または第4の突起はそれぞれ、ドーム形状を含み得る。
【0022】
上述の概略の説明、および、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。さまざまな実施形態は、図に示されている配置および手段に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、または、他の実施形態が用いられてよいこと、および、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。それ故に、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的な血管アクセスデバイスの上面斜視図である。
図1B図1Bは、血管アクセスデバイスの断面図である。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、図1Aの線1C-1Cに沿った血管アクセスデバイスの断面図である。
図1D図1Dは、いくつかの実施形態による、図1Cの一部の拡大図である。
図1E図1Eは、いくつかの実施形態による、線1E-1Eに沿った血管アクセスデバイスの断面図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、例示的な突起および例示的な凹部を示す、血管アクセスデバイスの断面図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、例示的な前進位置にある例示的な突起、例示的な凹部、および例示的な前進要素を示す、血管アクセスデバイスの断面図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、遠位に延びるアームの例を示す、血管アクセスデバイスの断面図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、例示的な前進位置にある遠位に延びるアームおよび前進要素を示す、血管アクセスデバイスの断面図である。
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による、例示的な遠位に延びるアームおよび例示的な凹部を示す、血管アクセスデバイスの断面図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的な血管アクセスデバイスの上面斜視図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、別の血管アクセスデバイスの例示的な遠位端の断面上面図である。
図4C図4Cは、いくつかの実施形態による、別の血管アクセスデバイスの例示的な前進要素の断面図であり、そこを通る例示的な延長チューブを示す。
図4D図4Dは、いくつかの実施形態による、例示的な後退位置にある別の血管アクセスデバイスの前進デバイスを示す、別の血管アクセスデバイスの断面図である。
図4E図4Eは、いくつかの実施形態による、例示的な前進位置にある別の血管アクセスデバイスの前進デバイスを示す、別の血管アクセスデバイスの断面図である。
図4F図4Fは、いくつかの実施形態による、例示的な支持体を示す、別の血管アクセスデバイスの断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、例示的な動き制限器を示す、線1E-1Eに沿った血管アクセスデバイスの断面図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、例示的なポスト上で回転可能な動き制限器の上面図である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、蛇行した例示的な溝の上面斜視図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、例示的な第1のプローブエンクロージャおよび例示的な第2のプローブエンクロージャ突起を示す、血管アクセスデバイスの断面図である。
図8図8は、いくつかの実施形態による、例示的な第1の回転可能なプローブエンクロージャおよび例示的な第2の回転可能なプローブエンクロージャ突起を示す、血管アクセスデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで図1A~1Eを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、カテーテルアセンブリのカテーテルを通してプローブ12を送達するように構成され得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、カテーテルまたは血管系内の任意の閉塞(例えば、カテーテルの先端にある血栓またはフィブリンシース、静脈崩壊、弁など)を通って前進させて、流体の流れのための明確な経路を作成し得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、カテーテルの滞留時間中に、閉塞を減少または除去し、薬物および流体送達、ならびに血液取得のためのカテーテルの開存性を改善し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、ガイドワイヤまたはチューブを含み得る。追加的または代替的に、プローブ12は、1つまたは複数のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、センサは、患者またはデバイスの監視に使用され得、圧力、温度、pH、血液化学、酸素飽和度、流量、または別の生理学的特性を測定するセンサを含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈内(IV)カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、または、正中線カテーテルを含むことができる。いくつかの実施形態では、プローブ12が送達され得るカテーテルは、事前に患者の血管系に挿入されていてもよく、プローブ12がカテーテルを通って前進するときに血管系内に留置されていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、ハウジング14内に配置され得、ハウジング14は、プローブ12を周囲の外部環境からの損傷および/または汚染から保護するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング14は、剛性または半剛性であり得る。いくつかの実施形態では、ハウジング14は、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリカーボネート、金属、セラミック、プラスチック、および別の適切な材料のうちの1つまたは複数で作製され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング14は、近位端16、遠位端18、およびスロット20を含み得る。いくつかの実施形態では、スロット20は、ハウジング14の長手方向軸に平行に延びることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、前進要素22を含み得、これは、スロット20を通って延び得、例えば、図1Aに示される後退位置と前進位置との間でスロット20に沿って直線的に移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、後退位置は、前進要素がスロット20の近位端にある完全に後退した位置に対応し得る。いくつかの実施形態では、前進位置は、前進要素がスロット20の遠位端にある完全に前進した位置に対応し得る。いくつかの実施形態では、臨床医は前進要素22をつまんだり把持したりして、後退位置と前進位置との間で前進要素22を移動させ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、ハウジング14の遠位端18は、コネクタ24を含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、対向するレバーアーム26a、26bを含み得る。いくつかの実施形態では、対向レバーアーム26a、26bの遠位端は、対向レバーアーム26a、26bの近位端に加えられる圧力に応答して互いに離れて移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、対向するレバーアーム26a、26bの近位端に加えられる圧力の除去に応答して、遠位端は、互いに近づいて移動し、例えば、無針コネクタ、別のコネクタ、またはカテーテルアダプタの近位端などのカテーテルアセンブリの一部を留めることができる。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、カテーテルアセンブリの一部に挿入するように構成された鈍いカニューレまたは雄ルアーを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、コネクタ24は、任意の適切なコネクタを含み得る。例えば、コネクタ24は、ねじ雄型ルアー、スリップ雄型ルアー、スピンロック付きねじ雄型ルアー、取り外し可能な鈍いカニューレスナップ接続付きねじ雄型ルアー、取り外し可能な鈍いカニューレスナップ接続付きスリップ雄型ルアー、または、他の適切なコネクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、それぞれ延長チューブを受け入れるように構成され得る1つまたは複数の接合ポケットを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、スロット20を含むハウジング14の本体を有する単一のユニットとして一体的に形成され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、第1の端部28および第2の端部30を含み得る。いくつかの実施形態では、前進要素22の後退位置から前進位置への移動は、プローブ12の第2の端部30をハウジング14の遠位端18を超えて前進させることができる。いくつかの実施形態では、前進要素22を前進位置に移動させることは、プローブ12をカテーテルアセンブリ内および/またはカテーテルを通して導入することができる。いくつかの実施形態では、プローブ12がカテーテルアセンブリに導入されることおよび/またはカテーテルを介して導入されることに応答して、プローブ12は、カテーテルアセンブリの流体経路および/または患者の血管系にアクセスし得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、血管系内にかなりの滞留時間を有するカテーテルアセンブリのカテーテルは、狭窄、崩壊、ねじれ、破片(例えば、フィブリンまたは血小板凝固)による閉塞、およびカテーテルの先端の血管系への付着を受けやすい場合がある。したがって、カテーテルを使用した採血は困難であり得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、任意の追加の針刺しなしで患者の血管系へのアクセスを提供するために、カテーテルアセンブリのカテーテルの直径未満の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、血液サンプルを収集するための経路をクリアし得る。したがって、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、無針採血および/または流体注入のために使用され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、延長チューブ32は、血管アクセスデバイス10に結合され得、延長チューブ32は、採血および/または流体注入のために使用され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ32は、ハウジング14のポート34から延び得る。いくつかの実施形態では、流体シール36は、ハウジング14内にあり得、閉じた流体経路を維持しながら、プローブ12が前進および/または後退することを可能にする。いくつかの実施形態では、プローブ12は、隔壁を含み得る流体シール36を通って延びるように構成され得る。いくつかの実施形態では、流体シール36は、前進位置にあるポート34の近位および前進要素22の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、流体シール36は、シリコーン、ゴム、エラストマー、または別の適切な材料を含み得る。いくつかの実施形態では、流体シール36は、それを通るプローブ12を収容するための開口部、スリットなどを含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、延長チューブ32の近位端は、採血デバイス38に結合され得る。例えば、延長チューブ32の近位端は、採血デバイス38に結合され得るコネクタ40と一体化され得る。いくつかの実施形態では、無針コネクタは、コネクタ40と採血デバイス38との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、採血デバイス38は、シリンジ、BD Vacutainer(登録商標)ワンユースホルダ(Becton,Dickinson and Company of Franklin Laks, New Jarseyから入手可能)、BD Vacutainer(登録商標)LUER-LOK(商標)アクセスデバイス(Becton,Dickinson and Company of Franklin Laks,New Jarseyからも入手可能)、または吸引を提供し得る別の適切な採血デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ40および/またはポート34は、IVラインまたは別の流体接続に結合され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、ハウジング14の内面42は、1つまたは複数の溝を含み得る。例えば、内面42は、第1の溝44および/または第2の溝46を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の溝44、および/または、第2の溝46は、近位端16と遠位端18との間のハウジング14内に配置され得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、第1の溝44および/または第2の溝46内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の溝44および/または第2の溝46は、支持壁48、支持壁の反対側の別の支持壁50、および支持壁48と別の支持壁50との間に延びる底部52を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の溝44、および/または、第2の溝46は、底部52とは反対側に開いていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝44および/または第2の溝46は、プローブ12が遠位に前進および/または近位に格納されるときに、プローブ12を誘導するように直線であり得るかおよび/または構成され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、前進要素22は、円弧形チャネル54を含み得、これは、U字型であり得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、円弧形チャネル54を通って延びまた移動し得る。いくつかの実施形態では、プローブ12の第1の端部28は、固定され得る。いくつかの実施形態では、プローブの第1の端部28は、ハウジング14内に固定され得る。いくつかの実施形態では、前進要素22の第1の距離の移動に応答して、プローブ12の第2の端部は、第2の距離を遠位に前進するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の2倍であり得る。これらの実施形態では、前進要素22およびプローブ12は、特定の距離の間、前進要素22がスロット20に沿って移動され、プローブ12の第2の端部28が特定の距離の2倍移動されるように、1:2の前進比を有し得る。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の2倍以上であり得る。これらおよび他の実施形態では、プローブ12は、複数のU字形または他の円弧形を通って延び得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、円弧形チャネル54を含み得ず、プローブ12の第1の端部28は、前進要素22に取り付けられ得ることが理解される。これらの実施形態では、前進要素22およびプローブ12は、特定の距離の間、前進要素22がスロット20に沿って移動され、プローブ12の第2の端部28が特定の距離または同じ量移動されるように、1:1の前進比を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の溝44および/または第2の溝46が底部52の反対側に開いているため、プローブ12は、例えば、図1Bに示されるように、前進要素22が遠位に前進することに応答して座屈する傾向があり得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、図2~8に記載される様々な特徴(feature)を通してプローブ12の座屈を低減するように構成され得る。
【0039】
ここで図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、ハウジング14内に固定された突起56を含み得る。いくつかの実施形態では、突起56は、前進要素22が後退位置にあるとき、前進要素22の遠位にあり得る。いくつかの実施形態では、突起56は、ハウジング14の内面42から延び得、および/または単一のユニットとしてハウジング14と一体的に形成され得る。いくつかの実施形態では、突起56は、ハウジング14の遠位端18内に配置され得る。いくつかの実施形態では、プローブ13は、突起56とハウジング14の内面27との間に配置され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、突起56の遠位端から突起56の近位端までの突起56の長さは、前進要素22の遠位端から円弧形チャネル54までの長さ未満であり得る。いくつかの実施形態では、前進要素22の遠位端は、前進要素22が前進位置にあるときに突起56を受け入れるように構成された凹部58を含み得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、突起56は、遠位近位方向に細長くされ得る。いくつかの実施形態では、凹部58は、突起56に適合するように細長くおよび/またはサイズ設定され得、突起56は、突起56を支持するために凹部58に対応する形状を含み得る。いくつかの実施形態では、突起56は、プローブ13の座屈を制限するように構成された長方形の立方体または別の適切な形状を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の溝44に面する突起56の底面は、前進要素22およびプローブ13の遠位方向への前進中にプローブ13に接触するように構成され得、これは、プローブ13の座屈を低減し得る。
【0042】
ここで図3A~3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、前進要素22は、遠位に延びるアーム60を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブ13は、遠位に延びるアーム60とハウジング14の内面27との間に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の溝44に面する遠位に延びるアーム60の底面は、前進要素22およびプローブ13の遠位方向への前進中にプローブ13に接触するように構成され得、これは、プローブ13の座屈を低減し得る。いくつかの実施形態では、遠位に延びるアーム60は、プローブ13の座屈を制限するように構成された長方形の立方体または別の適切な形状を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位に延びるアーム60は、支持壁48および/または別の支持壁50(例えば、図1C~1Eを参照)に接触して、プローブ12を第1の溝44内に保持し得る。
【0043】
ここで図3Cを参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング14は、前進要素22が前進位置にあるときに遠位に延びるアーム60を受け入れるよう構成された 凹部62を含み得る。いくつかの実施形態では、凹部62は、ハウジング14の遠位端18内に配置され得る。いくつかの実施形態では、凹部62は、ハウジング14を有する単一のユニットとして一体的に形成され得る。いくつかの実施形態では、凹部62は、遠位に延びるアーム60を支持するために凹部62に対応する形状を含み得る、遠位に延びるアーム60に適合するように細長くされてもよく、および/または大きさであってもよい。いくつかの実施形態では、遠位に延びるアーム60は、プローブ12を第1の溝44内に保持するために、支持壁48および/または別の支持壁50(例えば、図1C~1Eを参照)に接触してもよく、凹部62は、支持壁49および/または別の支持壁50の上部と整列して配置されてもよい。
【0044】
ここで図4A~4Cを参照すると、いくつかの実施形態による、別の血管アクセスデバイス64が示されている。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、1つまたは複数の特徴および/または動作の点で、血管アクセスデバイス10と類似または同一であり得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、前進要素66と、前進要素66を通って延びる延長チューブ68とを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ68は、延長チューブ68に剛性を追加するための共押出ガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ68は、多管腔延長チューブを含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、ガイドワイヤ、チューブ、または別の適切な器具を含み得るプローブ12を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、視認性を高めるために着色され得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、ガイドワイヤであり得、ガイドワイヤは、金属または別の適切な材料で構成され得る。これらおよび他の実施形態では、プローブ12は、前進を容易にするために潤滑またはコーティングされ得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、ばねまたはコイルを含み得るガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、ばねまたはコイルは、ばねまたはコイルの長さに沿って変化するピッチを含み得る。例えば、カテーテル先端から上流側または近位側のばねまたはコイルのピッチは、より多くの血流を促進し流量を増加させるために大きくすることができ、カテーテル先端付近のばねまたはコイルのピッチは、血液がカテーテル先端を流れるようにしながらも、血栓がカテーテル先端に入るのを防ぐために小さくすることができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ばねまたはコイルの中心部分を通って延在し得るロッドを含み得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、ロッドを含んでもよく、ばねまたはコイルを含まなくてもよい。
【0047】
上述したように、経時的に、カテーテルは、フィブリンシース、血栓、または静脈壁または弁の存在のために閉塞する可能性がある。いくつかの実施形態では、プローブ12は、カテーテルアセンブリ内および/またはカテーテルアセンブリを通って延び、カテーテルの閉塞を押し通し、および/または破壊するように構成され得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、カテーテルアセンブリ内またはカテーテルアセンブリの周り、または採血を妨げる可能性のある静脈内の血栓およびフィブリンシースを克服し得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、流体送達、採血、患者またはデバイスの監視、または他の臨床的ニーズを容易にしながら、血管系への外傷を軽減し得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、溶血を低減し、血液曝露を低減し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64の遠位端は、コネクタ24または別の適切なコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、カテーテルアセンブリに結合するように構成され得、カテーテルアセンブリは、患者の血管系内に存在し得、またはすでに留まり得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタを含み得、このカテーテルアダプタは遠位端、近位端、および、カテーテルアダプタの遠位端とカテーテルアダプタの近位端を通って延びる管腔を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、カテーテルアダプタの遠位端から延び得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈内カテーテル、正中線カテーテル、または、末梢挿入中心カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルを貫通して延び、カテーテルを患者に挿入するために皮膚や血管系への穿刺を容易にする導入針を含み得る。いくつかの実施形態では、導入針は、血管アクセスデバイス64をカテーテルアセンブリに結合する前に、カテーテルアセンブリから取り外され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは直線状であり得る。他の実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタと一体化された延長チューブを有する一体型であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタのサイドポートから延在し、このサイドポートと一体化された延長チューブを含む延長セットを含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、カテーテルアダプタの近位端および/または無針アクセスコネクタなどのカテーテルアセンブリの一部に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ニードレスアクセスコネクタは、近位端、Tコネクタ、または、延長セットの別の部分に結合され得る。いくつかの実施形態では、無針アクセスコネクタは、例えば、接着剤を介してコネクタ24に恒久的に接続されてもよく、ユーザによる意図的または意図的でない取り外しを防止する。
【0050】
いくつかの実施形態では、延長チューブ68の遠位端は、コネクタ24に結合され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ68の近位端は、例えば、図1に関して説明される採血デバイス38などの採血デバイスに結合するように構成され得る別のコネクタ70に結合され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、注入または採血の前または間に前進され得る。いくつかの実施形態では、採血または注入を完了した後、および血管アクセスデバイス64をカテーテルアセンブリから切り離す前に、ユーザは、前進要素66を後方または近位に移動させることによってプローブ12を後退させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザが血液にさらされる危険性が減少し得る。
【0052】
図4Bに示されるように、いくつかの実施形態では、延長チューブ68は、第1の管腔72および第2の管腔74を含み得、これらは、延長チューブ68の全長に沿って第1の管腔72から分離され得る。いくつかの実施形態では、採血経路が第1の管腔72を通って延び得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、第2の管腔74内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の管腔74の直径は、第1の管腔72の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の管腔72の直径および/または長さは、所望の流速に基づいて、および/または溶血を低減するために選択され得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、前進要素66を延長チューブ68に沿って遠位に移動させることに応答して、プローブ12は、第2の管腔74内で遠位に前進され得る。いくつかの実施形態では、前進要素66を延長チューブ68に沿って近位に移動させることに応答して、プローブ12は、第2の管腔74内で近位に後退され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、コネクタ24内に配置され、第2の管腔74を密封するか、または第2の管腔74への血流を防止するように構成された隔壁76を含み得る。これらおよび他の実施形態では、隔壁76は、血液が血液収集のためにコネクタ24から第1の管腔72を通って流体経路77に沿って近位に流れ得るように、第1の管腔72を密封し得ない。いくつかの実施形態では、隔壁76は、エラストマーであり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、前進要素66が近位方向に完全に後退されるとき、プローブ12の遠位端は、コネクタ24の遠位端の近位に配置され得る。いくつかの実施形態では、前進要素66が近位方向に完全に後退されるとき、および/またはプローブ12が延長チューブ68内に密封され得るとき、プローブ12の遠位端は、隔壁76の近位に配置され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、第1の管腔72の遠位端とコネクタ24とを接続し得るカニューレ78を含み得る。いくつかの実施形態では、カニューレ78は鈍く(blunt)てもよい。いくつかの実施形態では、流体経路77は、血液漏出を防止し得るカニューレ78を通って延び得る。いくつかの実施形態では、カニューレ78は、鋼、プラスチック、金属、または別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、カニューレ78は、コネクタ24に結合され得、または単一のユニットとしてコネクタ24と一体的に形成され得る。いくつかの実施形態では、隔壁76は、適切な壁厚さを得るために、第2の管腔74と同心であってもよく、またはわずかにオフセットであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、隔壁76は、コネクタ24の内腔の幅全体にわたって延在し得る。これらの実施形態では、隔壁76は、第2の管腔74を密封し得、または第2の管腔74への血流を防止し得る。これらの実施形態では、カニューレ78は、第1の管腔72から隔壁76を通って延び、そこを通る流体の流れを可能にし得る。
【0058】
図4Cに示されるように、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、前進要素66および延長チューブ68の第2の管腔74内に配置されたくさび80を含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、延長チューブ68をピンチするように構成された対向するピンチ部材82a、bの対を含み得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材82a、bの対は、くさび80に近接する前進要素66内に配置され得、前進要素66と共に延長チューブ68に沿って移動するように構成され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、くさび80から遠位に延び得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、第2の管腔74内に配置され得る。いくつかの実施形態では、前進要素66を延長チューブ68に沿って遠位に移動させることに応答して、対向するピンチ部材82a、bの対は、くさび80を遠位に押し得、プローブ12は遠位に前進され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、延長チューブ68をピンチするように構成された対向するピンチ部材82c、dの別の対を含み得る。いくつかの実施形態では、別の対向するピンチ部材82c、dは、くさび80の遠位のハウジング内に配置され得、前進要素66と共に延長チューブ68に沿って移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、前進要素66を延長チューブ68に沿って近位に移動させることに応答して、別の対向するピンチ部材82c、dは、くさび80を近位に押し得、プローブ12は、近位に後退され得る。
【0061】
一対の対向するピンチ部材82a、bおよび別の対向するピンチ部材82c、dは、本開示では、「対向するピンチ部材82」と総称され得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ68に沿った前進要素66の移動に応答して、対向するピンチ部材82は、前進要素66および延長チューブ68に対して回転し得る。いくつかの実施形態では、延長チューブ68に沿った前進要素66の移動に応答して、対向するピンチ部材82は、前進要素66および延長チューブ68に対して回転し得る。いくつかの実施形態では、前進要素66の内面は、対向するピンチ部材82と接触する1つまたは複数のバンプ(bump)83を含み得、これは、対向するピンチ部材82が回転するときに摩擦を低減し得る。いくつかの実施形態では、くさび80および/または対向するピンチ部材82は、摩擦を低減し得る潤滑剤で潤滑され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材82は、プラスチック、金属、または別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材82は、前進要素66に対して回転するように構成され得る球形ボール、ボールベアリング、車輪、またはシリンダを含み得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材82は、ホイールを含んでもよく、ホイールは、滑らかであってもよく、またはそれらの端に沿った足部を含んでもよい。これらの実施形態では、摩擦を減らすためにホイールの軸に潤滑剤を塗布し得る。いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材82は、前進要素66に対して固定され得る。例えば、対向するピンチ部材82は、前進要素66内に成形され得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、対向するピンチ部材82の数は、くさび80の形状に基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、例えば、くさび80の形状が円筒形であることに応答して、一対の対向するピンチ部材82a、bおよび別の一対の対向するピンチ部材82c、dを含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、ドッグボーン(dog bone)を含むくさび80に応答して、対向するピンチ部材82a、bの対のような対向するピンチ部材82の単一の対を含んでもよく、単一の対は、ドッグボーン形状の中央または窪みに配置されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、くさび80は、U字形であっても円弧形チャネル84を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、円弧形チャネル84を通って延び、移動し得る。いくつかの実施形態では、プローブ12の第1の端部28は、固定され得る。いくつかの実施形態では、プローブの第1の端部28は、ハウジング14内に固定され得る。いくつかの実施形態では、前進要素66の第1の距離の移動に応答して、プローブ12の第2の端部は、第2の距離を遠位に前進するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の2倍であり得る。いくつかの実施形態では、第2の距離は第1の距離の2倍以上であり得る。これらおよび他の実施形態では、プローブ12は、複数のU字形または他の円弧形を通って延び得る。
【0065】
ここで図4D~4Eを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、くさび80の遠位の第2の管腔74内に配置され、プローブ12に接触して支持するように構成された1つまたは複数の支持体86を含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザによる前進要素66の後退位置から前進位置への移動に応答して、前進要素66は、支持体86を遠位に押すように構成され得る。いくつかの実施形態では、支持体86は、エラストマーまたは別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、支持体86は、特定の管腔にまたがってもよく、それぞれが、プローブ12を受け入れるように構成された開口部を有してもよい。いくつかの実施形態では、開口部の直径は、プローブ12の外径にほぼ等しいか、またはわずかに大きい場合がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、前進要素22を1つまたは複数の支持体86に接続する1つまたは複数のテザー88を含み得る。いくつかの実施形態では、前進要素22の前進位置から後退位置への移動に応答して、テザー88は、支持体86を近位方向に初期位置に引き戻すように構成され得る。いくつかの実施形態では、前進要素22および支持体86の最も遠位の1つに接続された特定のテザー88があり得る。これらの実施形態では、特定のテザー88は、唯一のテザーであってもよく、支持体86の最遠位の1つに近位の任意の支持体86に接触して、支持体86を近位に引っ張ってもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス64は、第1の支持体86aおよび第2の支持体86bに接続された第1のテザー88aと、第2の支持体86bおよび前進要素22に接続された第2のテザー88bとを含み得る。
【0067】
ここで図4Fを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、第1の突起90aおよび第1の突起90aの反対側の第2の突起90bを含み得る複数の支持体を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の突起90aおよび/または第2の突起90bは、ドーム形状を含み得る。いくつかの実施形態では、支持体は、第3の突起90cおよび第3の突起90cの反対側の第4の突起90dを含み得る。いくつかの実施形態では、第3の突起90cおよび/または第4の突起90dはそれぞれ、ドーム形状を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の突起90a、第2の突起90b、第3の突起90c、および第4の突起90dのうちの1つまたは複数は、プローブ12の遠位方向への前進および/またはプローブ12の近位方向への後退の間にプローブ12に接触し、支持するように構成され得る。
【0068】
ここで図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、ハウジング14の内面42に結合され得るポスト91を含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、ポスト91に回転可能に取り付けられた動き制限器92を含み得る。いくつかの実施形態では、動き制限器92は、第1の溝44など、プローブ12が配置されている特定の溝の上に延在し得る。いくつかの実施形態では、前進要素22後退位置から前進位置への移動に応答して、動き制限器92は、ポスト91上で回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、前進要素22は、ポストおよび動き制限器92を回転位置に適合させ、前進要素22がポスト91および動き制限器92を越えて遠位に移動することを可能にするように構成された切り欠き部分94を含み得る。
【0069】
ここで図6を参照すると、いくつかの実施形態では、プローブ12が移動する特定の溝は、湾曲し得る。例えば、第1の溝44は湾曲し得、これは、プローブ12が遠位に移動するときにプローブ12の座屈を低減し得る。例えば、第1の溝44は、プローブ12が遠位に移動するときにプローブ12の座屈を低減するために、蛇行または前後に湾曲し得る。
【0070】
ここで図7を参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、第 1のプローブエンクロージャ96および第2のプローブエンクロージャ98を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のプローブエンクロージャ96および第2のプローブエンクロージャ98は、管状であり得る。いくつかの実施形態では、第1のプローブエンクロージャ96は、第1の蛇行スロット100を含んでもよく、第2のプローブエンクロージャ98は、第2の蛇行スロット102を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の蛇行スロット100および第2の蛇行スロット102はそれぞれ、交互のタブを作成し得、これは、第1のプローブエンクロージャ96および第2のプローブエンクロージャ98内でのプローブ12の配置を容易にし得、プローブ12の座屈を低減し得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、前進要素22から外向きに、および/または第1のプローブエンクロージャ96の第1の蛇行スロット100を通って延びる第1の可撓性アーム104を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、第1の可撓性アーム104の一部を通って延び得る。いくつかの実施形態では、第1の可撓性アーム104の部分は、第1のプローブエンクロージャ96に配置され得、プローブ12が延び得る孔を含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、前進要素22から外向きに、および/または第2のプローブエンクロージャ98の第2の蛇行スロット102を通って延びる第2の可撓性アーム106を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、第2の可撓性アーム106の一部を通って延び得る。いくつかの実施形態では、第2の可撓性アーム106の部分は、第2のプローブエンクロージャ98内に配置され得、プローブ12が延び得る孔を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の可撓性アーム104は、リビングヒンジまたはスプリングを含み得る。同様に、いくつかの実施形態では、第2の可撓性アーム106は、リビングヒンジまたはスプリングを含み得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、ガイドワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、前進タブ22が遠位に前進するとき、プローブ12は、交互のタブの周りに引っ張られてもよく、プローブ12は、遠位に前進してもよい。いくつかの実施形態では、プローブ12、第1のプローブエンクロージャ96、および第2のプローブエンクロージャ98のうちの1つまたは複数は、シリコーンまたは別の適切な材料で潤滑され得、これは、プローブ12が遠位に前進するときの抗力を低減し得る。
【0074】
ここで図8を参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイス10は、ハウジング14に対して回転するように構成された第1の回転可能なプローブエンクロージャ108および/または第2の回転可能なプローブエンクロージャ110を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の回転可能なプローブエンクロージャ108は、 第1のらせん状スロット112を含み得、これは、第1の回転可能なプローブエンクロージャ108の周りに巻かれ得る。いくつかの実施形態では、第2の回転可能なプローブエンクロージャ110は、第2のらせん状スロット114を含み得、これは、第2の回転可能なプローブエンクロージャ110の周りに巻かれ得る。いくつかの実施形態では、支持体115aは、第1のらせん状スロット112を通って延び得、支持体115bは、第2のらせん状スロット114を通って延び得る。いくつかの実施形態では、プローブ12は、支持体115aおよび支持体115bを通って延び得、これは、第1の回転可能なプローブエンクロージャ108および第2の回転可能なプローブエンクロージャ110が回転するにつれて、プローブ12のねじれを低減し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、プローブ12は、第1のらせん状スロット112および第2のらせん状スロット114を通って延び得る。いくつかの実施形態では、スロット20 (例えば、図1A~1Eを参照)に沿った前進要素22の移動に応答して、第1の回転可能なプローブエンクロージャ108および第2の回転可能なプローブエンクロージャ110は、回転または回転するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の回転可能なプローブエンクロージャ108および第2の回転可能なプローブエンクロージャ110は、スロット20および血管アクセスデバイス10の長手方向軸に平行であり得るそれぞれの長手方向軸に沿って回転し得る。いくつかの実施形態では、第1のプローブエンクロージャ108および第2のプローブエンクロージャ110は、管状であり得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のベアリング面がハウジング14内に配置され得、第1の回転可能なプローブエンクロージャ108および第2の回転可能なプローブエンクロージャ110は、ベアリング面上で回転するように構成され得る。
【0076】
本明細書で記載されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】