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特表2024-525065血液収集装置並びに関連するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】血液収集装置並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61M25/06 580
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500063
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 US2022035425
(87)【国際公開番号】W WO2023278507
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/218,101
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA03
4C267BB04
4C267BB19
4C267BB37
4C267CC08
(57)【要約】
血液収集装置は、カテーテル組立体に結合するように構成されてもよい。血液収集装置は、ハウジングを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及びスロットを含んでもよい。血液収集装置は、ハウジング内に配置されたチューブを含んでもよい。血液収集装置は、スロットに沿って移動するように構成された前進要素を含んでもよい。スロットに沿った前進要素の末端移動に応答して、チューブは、ハウジングの末端端部を越えて末端に前進するように構成されてもよい。器具前進装置は、チューブに対して末端に延びるコイルを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル組立体に結合するように構成された血液収集装置であって、前記血液収集装置は、
末端端部、基端端部、及びスロットを備えたハウジング、
前記ハウジング内に配置されたチューブ、
前記スロットに沿って移動するように構成された前進要素であって、前記スロットに沿った前記前進要素の末端移動に応答して、前記チューブが前記ハウジングの前記末端端部を越えて末端に前進するように構成されてもよい、前進要素、及び
チューブに対して末端に延びるコイル、
を備える、血液収集装置。
【請求項2】
前記コイルが前記チューブの末端端部に結合されている、請求項1に記載の血液収集装置。
【請求項3】
前記チューブ内に配置されたコアワイヤをさらに備え、前記コアワイヤが前記コイルに結合されて前記コイルから前記前進要素まで基端に延びている、請求項1に記載の血液収集装置。
【請求項4】
前記コイルが前記チューブ内に延びている、請求項3に記載の血液収集装置。
【請求項5】
前記コイルの前記基端端部が前記チューブの末端端部に対して末端であり、前記コアワイヤの末端端部が前記チューブの前記末端端部に対して末端である、請求項3に記載の血液収集装置。
【請求項6】
前記チューブが複数のセクションを備え、前記複数のセクションが、第1のセクションと、前記第1のセクションに対して基端の第2のセクションとを備え、前記第1のセクションが、前記複数のセクションの最末端のセクションであり、前記第1のセクションが、前記第1のセクションに沿って一定である第1の内径と第1の外径を備え、前記第2のセクションが、前記第2のセクションに沿って一定である第2の内径と第2の外径を備え、前記コイルが、前記第1のセクションに対して末端に延びている、請求項1に記載の血液収集装置。
【請求項7】
前記コイルの基端端部が前記第1のセクションに結合されている、請求項6に記載の血液収集装置。
【請求項8】
前記チューブ内に配置されたコアワイヤをさらに備え、前記コアワイヤが前記コイルに結合されて前記コイルから前記前進要素まで基端に延びている、請求項6に記載の血液収集装置。
【請求項9】
前記コイルが前記チューブ内に延びている、請求項8に記載の血液収集装置。
【請求項10】
前記コイルの基端端部が前記チューブの末端端部に対して末端であり、前記コアワイヤの末端端部が前記チューブの前記末端端部に対して末端である、請求項8に記載の血液収集装置。
【請求項11】
カテーテルシステムが、
血液収集装置であって、
末端端部、基端端部、及びスロットを備えるハウジング、
前記ハウジング内に配置されたチューブ、
後退位置から前進位置まで前記スロットに沿って移動するように構成された前進要素であって、前記後退位置から前記前進位置まで前記スロットに沿った前記前進要素の移動に応答して、前記チューブが前記ハウジングの前記末端端部を越えて末端に前進するように構成されている、前進要素、及び
前記チューブに対して末端に延びるコイル、並びに
カテーテル組立体であって、
末端先端と基端端部を備えたカテーテル、を備えたカテーテル組立体、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項12】
前記チューブが複数のセクションを備え、前記複数のセクションが、第1のセクションと、前記第1のセクションに対して基端の第2のセクションとを備え、前記第1のセクションが、前記複数のセクションの最末端のセクションであり、前記第1のセクションが、前記第1のセクションに沿って一定である第1の内径と第1の外径とを備え、第2のセクションが、第2のセクションに沿って一定である第2の内径と第2の外径を備え、前記コイルが、第1のセクションに対して末端に延びており、前記後退位置から前記前進位置への前記スロットに沿った前記前進要素の移動に応答して、第1のセクションと前記第2のセクションが、前記ハウジングの前記末端端部を越えて末端に前進するように構成されている、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記後退位置から前記前進位置への前記スロットに沿った前記前進要素の移動に応答して、前記第1のセクションが前記末端先端を通って延びており、前記第2のセクションが前記カテーテル内に少なくとも部分的に配置される、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記血液収集装置がセプタムを備え、前記後退位置から前記前進位置への前記スロットに沿った前記前進要素の移動に応答して、前記第1のセクションと前記第2のセクションが前記セプタムを通って移動する、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記カテーテル組立体が、
カテーテルアダプタであって、前記カテーテルアダプタが、末端端部、基端端部、前記末端端部と前記基端端部を通って延びる内腔、及び前記内腔と流体連通する前記末端端部の間の側部ポート、を備える、カテーテルアダプタ、及び
前記側部ポート内に一体化された延長チューブであって、前記スロットに沿って前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記第1のセクションの末端端部が前記カテーテル内に配置される、延長チューブ、
をさらに備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記カテーテル組立体が、
カテーテルアダプタであって、前記カテーテルアダプタが、末端端部、基端端部、前記末端端部と前記基端端部を通って延びる内腔、及び前記内腔と流体連通する前記末端端部の間の側部ポート、を備える、カテーテルアダプタ、及び
前記側部ポート内に一体化された延長チューブであって、前記スロットに沿った前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記第1のセクションの末端端部が、前記カテーテルに対して基端の前記カテーテルアダプタ内に配置される、延長チューブ、
をさらに備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記カテーテル組立体が、前記カテーテルアダプタ内に前記カテーテルを固定するくさびをさらに備え、前記スロットに沿った前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記第1のセクションの前記末端端部が、前記カテーテルに対して基端の前記くさび内に配置される、請求項16に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記カテーテル組立体が、
カテーテルアダプタであって、前記カテーテルアダプタが、末端端部、基端端部、前記末端端部と前記基端端部を通って延びる内腔、及び前記内腔と流体連通する前記末端端部の間の側部ポート、を備える、カテーテルアダプタ、及び
前記側部ポート内に一体化された延長チューブであって、前記スロットに沿った前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記第1のセクションの末端端部が、前記延長チューブ内又は前記延長チューブに対して末端の前記側部ポート内に配置される、延長チューブ、を備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
血液収集装置であって、カテーテル組立体に結合するように構成されており、前記血液収集装置が、
末端端部、基端端部、及びスロットを備えたハウジング、
前記ハウジング内に配置されたチューブ、
コイルを備えたガイドワイヤ、
前記スロットに沿って移動するように構成され前記チューブに結合された末端前進要素であって、前記スロットに沿った前記末端前進要素の末端移動に応答して、前記チューブが前記ハウジングの前記末端端部を越えて末端に前進する、末端前進要素、及び
前記スロットに沿って移動するように構成され前記ガイドワイヤに結合された基端前進要素であって、前記スロットに沿った前記基端前進要素の末端移動に応答して、前記コイルが前記ハウジングの前記末端端部を越えて末端に前進するように構成されている、基端前進要素、
を備える、血液収集装置。
【請求項20】
前記末端前進要素と前記基端前進要素がそれぞれ初期位置にあるとき、前記末端前進要素が末端で前記基端前進要素から離間されている、請求項19に記載の血液収集装置。
【請求項21】
前記基端前進要素が、前記初期位置から第1の距離だけ前記スロットに沿って末端に移動して前記末端前進要素に接触するように構成され、前記初期位置から前記第1の距離よりも大きい第2の距離だけ前記スロットに沿った末端への前記基端前進要素の移動に応答して、前記末端前進要素と前記基端前進要素が一緒に前記スロットに沿って末端に移動する、請求項20に記載の血液収集装置。
【請求項22】
前記チューブが、複数のセクションをさらに備え、前記複数のセクションが、第1のセクションと、前記第1のセクションに対して基端の第2のセクションとを備え、前記第1のセクションが、前記複数のセクションの最末端のセクションであり、前記第1のセクションが、前記第1のセクションに沿って一定である第1の内径と第1の外径とを備え、前記第2のセクションが、前記第2のセクションに沿って一定である第2の内径と第2の外径とを備え、前記スロットに沿った前記末端前進要素の末端移動に応答して、前記第1のセクションと前記第2のセクションが、前記ハウジングの前記末端端部を越えて末端に前進するように構成されている、請求項19に記載の血液収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、「血液収集装置並びに関連するシステム及び方法」と題する米国仮出願シリアル番号第63/218,101号の優先権を主張し、その全体の開示がその全体で参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
カテーテルは、様々な輸液療法に一般的に使用される。例えば、カテーテルは、通常の生理食塩水、種々の医薬品、及び全身非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用されてもよい。カテーテルはまた、患者から血液を抜き取るためにも使用されてもよい。
【0003】
一般的なタイプのカテーテル装置には、オーバー・ザ・ニードルであるカテーテルが含まれる。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードルであるカテーテルは、鋭利な末端先端を有する導入針上に載置されてもよい。カテーテル組立体は、カテーテルアダプタ、カテーテルアダプタから末端に延びるカテーテル、及びカテーテルを通って延びる導入針を含んでもよい。カテーテルと導入針は、導入針の末端先端がカテーテルの末端先端を越えて延びて、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てられてもよい。カテーテルと導入針は一般に、皮膚から患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0004】
導入針及び/又はカテーテルが血管内に適切に配置されていることを確認するため、施術者は一般に、カテーテル組立体のフラッシュバックチャンバ内で血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されると、施術者は血管系の流れを一時的に閉塞して針を抜き取り、カテーテルを将来の血液収集又は輸液のために適所に残すことがある。
【0005】
カテーテルを使用した輸液と血液の抜き取りは、特にカテーテルの留置時間が長くなると、いくつかの理由で困難になることがある。フィブリン鞘又は血栓は、カテーテル組立体の内表面、カテーテル組立体の外表面、又はカテーテルの末端先端付近の血管系内に形成されてもよい。フィブリン鞘又は血栓は、カテーテルを通る流体経路を遮断又は狭窄することがあり、これは高品質の血液サンプルの輸液及び/又は収集を損なうことがある。
【0006】
ここ請求される主題は、いかなる欠点も解決する実施形態に限定されるものではなく、上述のような環境でのみ動作するものでもない。むしろ、この背景は、ここに説明されるいくつかの実施形態が実施されてもよい一例の技術領域を説明するために提供されるに過ぎない。
【0007】
発明の概要
本開示は、一般に、血液収集装置並びに関連するシステム及び方法に関する。いくつかの実施形態において、血液収集装置は、カテーテル組立体に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置は、ハウジングを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及びスロットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置は、ハウジング内に配置されたチューブを含んでもよい。いくつかの実施形態において、血液収集装置は、スロットに沿って移動するように構成された前進要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スロットに沿った前進要素の末端移動に応答して、チューブは、ハウジングの末端端部を越えて末端に前進するように構成されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、血液収集装置は、チューブに対して末端に延びるコイルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コイルはチューブの末端端部に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置は、チューブ内に配置されたコアワイヤを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コアワイヤはコイルに結合されてもよく、コイルから前進要素まで基端に延びてもよい。いくつかの実施形態では、コイルはチューブ内に延びてもよい。いくつかの実施形態では、コイルの基端端部はチューブの末端端部に対して末端であってもよく、コアワイヤの末端端部はチューブの末端端部に対して末端であってもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、チューブは複数のセクションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、セクションは、第1のセクションと、第1のセクションに対して基端の第2のセクションとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のセクションは、セクションの最も末端セクションであってもよい。いくつかの実施形態において、第1のセクションは、第1のセクションに沿って一定であってもよい第1の内径と第1の外径を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2のセクションは、第2のセクションに沿って一定であってもよい第2の内径と第2の外径を含んでもよい。いくつかの実施形態において、コイルは、第1のセクションに対して末端に延びてもよい。いくつかの実施形態において、コイルの基端端部は、第1のセクションに結合されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは血液収集装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテル組立体を含んでもよく、これはカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末端先端と基端端部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退(retracted)位置から前進位置へのスロットに沿った前進要素の移動に応答して、第1のセクションがカテーテルの末端先端を通って延びてもよく、第2のセクションがカテーテル内に少なくとも部分的に配置されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、血液収集装置はセプタムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロットに沿った前進要素の移動に応答して、第1のセクションと第2のセクションがセプタムを通って移動してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、カテーテルアダプタの末端端部とカテーテルアダプタの基端端部を通って延びる内腔、カテーテルアダプタの末端端部とカテーテルアダプタの基端端部との間にあって内腔と流体連通する側部ポートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル組立体は側部ポート内に一体化された延長チューブを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロットに沿った前進要素の移動に応答して、第1のセクションの末端端部が延長チューブ内又は延長チューブに対して末端の側部ポート内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロットに沿った前進要素の移動に応答して、第1のセクションの末端端部がカテーテル内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロットに沿った前進要素の移動に応答して、第1のセクションの末端端部がカテーテルに対して基端のカテーテルアダプタ内に配置されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタ内にカテーテルを固定するくさびを含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロットに沿った前進要素の移動に応答して、第1のセクションの末端端部は、カテーテルに対して基端のくさび内に配置されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、別の血液収集装置が、カテーテル組立体又は別の適切なカテーテル組立体に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、他の血液収集装置がハウジングを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及びスロットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、他の血液収集装置は、ハウジング内に配置されたチューブとコイルを備えたガイドワイヤを含んでもよい。いくつかの実施形態において、末端前進要素は、スロットに沿って移動するように構成されてチューブに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、スロットに沿った末端前進要素の末端移動に応答して、チューブは、ハウジングの末端端部を越えて末端に前進するように構成されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、基端前進要素は、スロットに沿って移動してガイドワイヤに結合されるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、スロットに沿った基端前進要素の末端移動に応答して、コイルはハウジングの末端端部を越えて末端に前進するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、末端前進要素と基端前進要素がそれぞれ初期位置にあるとき、末端前進要素は末端にあり基端前進要素から離間されていてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、基端前進要素は、初期位置から第1の距離だけスロットに沿って末端に移動して末端前進要素に接触するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基端前進要素が初期位置から第1の距離よりも大きい第2の距離だけスロットに沿って末端に移動することに応じて、末端前進要素と基端前進要素とが一緒にスロットに沿って末端に移動する。
【0017】
いくつかの実施形態では、チューブはセクションを含んでもよく、これは第1のセクションと、第1のセクションに対して基端の第2のセクションとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のセクションは、セクションの最末端のセクションであってもよい。いくつかの実施形態において、第1のセクションは、第1のセクションに沿って一定であってもよい第1の内径と第1の外径を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2のセクションは、第2のセクションに沿って一定であってもよい第2の内径と第2の外径を含んでもよい。いくつかの実施形態において、スロットに沿った末端前進要素の末端移動に応答して、第1のセクションと第2のセクションは、ハウジングの末端端部を越えて末端に前進するように構成されてもよい。
【0018】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示及び説明であり、特許請求の範囲に記載の本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置及び器具に限定されないことを理解されたい。また、実施形態が組み合わされてもよく、又は他の実施形態が利用されてもよく、構造的な変更が、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に説明され詳述される。
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的な後退位置にある例示的な前進要素を示す、血液収集装置の上方斜視図である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素を示す、血液収集装置の断面図である。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素を例示する、血液収集装置を含む例示的なカテーテルシステムの上方斜視図である。
図1D図1Dは、いくつかの実施形態による、前進要素が前進位置にあるときのカテーテルシステムの末端部分の断面図である。
図1E図1Eは、いくつかの実施形態による、前進要素が前進位置にあるときのカテーテルシステムの末端部分の拡大断面図であり、例示的な鈍い端部を有する例示的なコイルを示す。
図1F図1Fは、いくつかの実施形態による、前進要素が前進位置にあるときのカテーテルシステムの末端部分の拡大断面図であり、別の例示的な鈍い端部を有する例示的なコイルを示す。
図2図2は、いくつかの実施形態による、血液収集装置の概略図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、前進要素が前進位置にあるときの血液収集装置の例示的なチューブを示す、別のカテーテル組立体の断面図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、前進要素が前進位置にあるときの血液収集装置の別の例示的なチューブを示す、別のカテーテル組立体の断面図である。
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による、他のカテーテル組立体の断面図であり、前進要素が前進位置にあるときの血液収集装置の他の例示的なチューブを示す。
図3D図3Dは、いくつかの実施形態による、他のカテーテル組立体の断面図であり、前進要素が前進位置にあるときの血液収集装置の他の例示的なチューブを示す。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、例示的なコアワイヤを示す、血液収集装置の概略図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、前進要素が前進位置にあるときの例示的なコアワイヤを示す、他のカテーテル組立体に結合された血液収集装置の断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、前進位置にある例示的な末端前進要素と例示的な基端前進要素を示す、別の血液収集装置の上方斜視図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、他の血液収集装置の概略図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による、例示的な第1の構成における末端前進要素と基端前進要素を示す、他の血液収集装置の概略図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施形態による、例示的な第2の構成における末端前進要素を示す、他の血液収集装置の概略図である。
図6C図6Cは、いくつかの実施形態による、例示的な第3の構成における前進位置にある末端前進要素と第2前進要素を示す、他の血液収集装置の概略図である。
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による、第1の構成における末端前進要素と基端前進要素を示す、他の血液収集装置の概略図である。
図7B図7Bは、いくつかの実施形態による、別の例示的な第2の構成における末端前進要素を示す、他の血液収集装置の概略図である。
図7C図7Cは、いくつかの実施形態による、別の例示的な第3の構成における前進位置にある末端前進要素と第2前進要素を示す、他の血液収集装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本開示は、一般に、血液収集装置並びに関連するシステム及び方法に関する。ここで図1A~1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、血液収集装置10は、カテーテルを含むカテーテル組立体に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置10は、ハウジング12を含んでもよく、これは末端端部14、基端端部16、及びスロット18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置10は、ハウジング12内に配置されたチューブ20を含んでもよい。いくつかの実施形態において、血液収集装置10は、スロット18に沿って移動するように構成された前進要素22を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スロット18に沿った前進要素22の末端移動に応答して、チューブ20は、ハウジング12の末端端部14を越えて末端に前進するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、チューブ20は、剛性、半剛性、又は可撓性であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、血液収集装置10は、チューブ20に対して末端に延びるコイル24を含んでもよい。いくつかの実施形態では、チューブ20は、末端端部26と基端端部28を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コイル24は、例えば図1Bに示されるように、チューブ20の末端端部26に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、コイル24は、金属、ニチノール、又は他の適切な材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置10は、セプタム25を含んでもよく、これはハウジング12の末端端部14をシールしてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、チューブ20は複数のセクションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、セクションは、第1のセクション30と、第1のセクション30に対して基端の第2のセクション32とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のセクション30は、セクションの最末端セクションであってもよい。いくつかの実施形態において、第1のセクション30は、第1の内径と第1の外径を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の内径と第1の外径は、第1のセクション30の全体に沿うなど、第1のセクション30に沿って一定であってもよい。いくつかの実施形態において、第2のセクション32は、第2の内径と第2の外径を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第2の内径と第2の外径は、第2のセクション32の全体に沿うなど、第2のセクション32に沿って一定であってもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30、第2のセクション32、及びコイル24のうちの1つ以上が、セプタム25を通って移動してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、セクションは、第1のセクション30と第2のセクション32に対する1つ又は複数の追加のセクションを含んでもよい。例えば、セクションは、第2のセクション32に対して基端の第3のセクション34を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第3のセクション34は、第3のセクション34の全体に沿うなど、第3のセクション34に沿って一定であってもよい第3の内径と第3の外径を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、セクションは、段付き表面又はテーパ部などの移行部分によって直ちに分離されてもよく、これは特定のセクションの1つの内径と外径から別の特定のセクションの別の内径と外径に移行していてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態において、特定の移行部分は、第1のセクション30から第2のセクション32まで延びていてもよく、これらは互いに隣接していてもよい。いくつかの実施形態において、第2のセクション32は、第1のセクション30に、また第3のセクション34にも隣接してもよい。幾つかの実施形態では、別の移行部分が、第2のセクション32から第3のセクション36まで延びていてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、チューブ20は、その長さの全体に沿って均一な内径及び/又は均一な外径を有してもよい。しかしながら、他の実施形態では、セクションの複数を有することにより、カテーテル組立体の内径が許容するところでは、増大した内径と血流を提供することにより、チューブ20を通るより速い血液収集時間を促進してもよい。いくつかの実施形態では、チューブ20は、例えば、カテーテルがカテーテルの末端先端上のデブリ又は血栓の蓄積及び/又はカテーテルの崩壊によりもはや機能しないか又は安全でない場合に、使用者がカテーテルを通して血液サンプルを収集するか又は流体を注入することを可能にしてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、チューブ20は、カテーテルが低い頻度で交換されてもよいため、患者が経験する針刺しの回数を減らしてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体及び/又は患者の血管系へのチューブ20の送達は、血液溶血とカテーテルのキンクのリスクを低減してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、コイル24は、第1のセクション30に対して末端に延びてもよい。いくつかの実施形態では、コイル24の基端端部は、第1のセクション30に結合又は取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、コイル24は、カテーテルの末端先端上にデブリ又は血栓が形成されて血液収集中に流体経路を遮断することを防止してもよく、こうして血液収集能力を向上させてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、延長チューブ35は、前進要素22に結合されてチューブ20と流体連通していてもよい。いくつかの実施形態では、血液収集経路が、チューブ20、前進要素22、及び延長チューブ35を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ35とチューブ20の基端端部28とは、前進要素22内にシールされて、血液がハウジング12内に流入するのを防止してもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ35は、ハウジング12の基端端部16を通って延びてもよく、前進要素22がスロット18に沿って移動されるのに応答して、ハウジング12の基端端部16を通って移動してもよい。
【0028】
ここで図1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム36は血液収集装置10を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム36はまた、カテーテル組立体38を含んでもよく、これはカテーテルアダプタ42から末端に延びるカテーテル40を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル40は末梢静脈カテーテル、正中線カテーテル、又は末梢挿入型中心カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置10はカテーテル組立体38に結合されてもよく、前進要素22は後退位置から末端に前進位置まで移動されてもよく、これによりチューブ20をカテーテル組立体38内及び/又はカテーテル40を通して患者の血管系内に挿入してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、前進要素22の後退位置は初期位置に対応してもよく、又は前進要素22は前進位置に移動された後に後退位置に戻されてもよい。幾つかの実施形態では、前進要素22の後退位置は、前進要素22がスロット18の基端端部にあるか又は接触している完全に後退した位置に対応してもよい。幾つかの実施形態では、前進要素22の前進位置は、前進要素22がスロット18の末端端部にあるか又は末端端部に接触する完全に前進された位置に対応してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、カテーテル40は、末端先端44と、カテーテルアダプタ42内に固定された基端端部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ42は、末端端部46、基端端部48、及び末端端部46と基端端部48を通って延びる内腔を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置10はカテーテルアダプタ42に直接結合されてもよい。他の実施形態では、血液収集装置10は、1つ以上のコネクタを介してカテーテルアダプタ42に結合されてもよい。例えば、カテーテル組立体38は、T-コネクタ50及び/又は針なしコネクタを含んでもよく、これは血液収集装置10とカテーテルアダプタ42との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ52がTコネクタ50のポートと一体化されてもよく、患者への流体の注入に使用されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体38は、例えば、BD NEXIVA(商標)閉鎖型IVカテーテルシステム、BD CATHENA(商標)カテーテルシステム、BD VENFLON(商標)プロ安全シールドIVカテーテルシステム、BD NEOFLON(商標)IVカニューレシステム、BD INSYTE(商標)AUTOGUARD(商標)BCシールドIVカテーテルシステム、又は他の適切なカテーテル組立体などの任意の適切なカテーテル組立体を含むか、又はそれに対応してもよい。一部の実施形態では、延長チューブ35の基端端部は、BD VACUTAINER(登録商標)ワンユースホルダ(ニュージャージー州フランクリンレイクのBecton Dickinson & Companyから入手可能)、注射器、又は試験管などの血液収集容器を受容するように構成された任意の適切なアダプタに結合されてもよい。
【0032】
ここで図1D-1Fを参照すると、いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30が末端先端44を通って延びてもよく、第2のセクション32が少なくとも部分的にカテーテル40内に配置されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ42の内腔54はセプタム56を含んでいてもよく、これを通ってコイル24とチューブ20が、血液収集装置10をカテーテル組立体38に結合して前進要素22をスロットに沿って後退位置から前進位置まで移動させることに応答して、延びてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、カテーテル40の末端先端44は末端テーパ58を含んでいてもよく、これは、血液収集装置10をカテーテル組立体38に結合してスロットに沿って前進要素22を後退位置から前進位置に移動させることに応答して、第2のセクション32に接触してもよい。いくつかの実施形態では、末端先端44の開口部の直径は、第2の外径よりも小さく、第2のセクション32が開口部を通って移動するのを阻止されるようになっていてもよい。
【0035】
図1Eに示されるように、いくつかの実施形態では、コイル24の末端端部は、平坦な先端60を含んでもよい。図1Fに示されるように、いくつかの実施形態では、コイル24の末端端部は、丸みを帯びた先端62を含んでもよい。いくつかの実施形態では、平坦な先端60と丸みを帯びた先端62は、前進要素22が後退位置から前進位置に移動され、チューブ20とコイル24が血管系に進入するときに、コイル24が血管系を損傷する可能性を低下させてもよい。
【0036】
次に図2を参照すると、いくつかの実施形態による血液収集装置10の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、前進要素22が後退位置にあるとき、チューブ20はセプタム25(図1B参照)を通って延びてもよく、コイル24はセプタム25に対して末端に配置されてもよい。これらの実施形態では、セプタム25は、図1Bに図示されたセプタム25の位置に対して基端に配置されて、前進要素22が後退位置にあるときにコイル24が依然としてハウジング12内にあるようになっていてもよい。
【0037】
次に図3A~3Dを参照すると、いくつかの実施形態によるカテーテル組立体63が示されている。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体63は、1つ以上の構成要素及び/又は動作の点で、カテーテル組立体38と類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置10は、カテーテル組立体38と同様の方法でカテーテル組立体63に結合してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、カテーテル組立体63は、カテーテルアダプタ42を含んでもよく、これは末端端部46、基端端部48、及びカテーテルアダプタ42の末端端部46とカテーテルアダプタ42の基端端部48を通って延びる内腔54を含んでもよい。一部の実施形態では、カテーテルアダプタ42は、末端端部46と基端端部48との間に、内腔54と流体連通する側部ポート64を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル組立体63は、延長チューブ66を含んでもよく、これは側部ポート64内に一体化された末端端部を含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、延長チューブ66の基端端部は、Tコネクタ50又は別の適切なコネクタと一体化されるか又はこれに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム70を含む針なしアクセスコネクタ68が、T-コネクタ50又は他の適切なコネクタと血液収集装置10との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、針なしアクセスコネクタ68は、血液収集装置10に直接接続されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、くさび72は、カテーテルアダプタ42内に配置されてもよく、カテーテル40をカテーテルアダプタ42内に固定してもよい。いくつかの実施形態では、くさび72は漏斗形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル40はくさび72と干渉嵌め合いで係合されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、チューブ20は、例えば図3Aに示されているように、第4のセクション74を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第4のセクション74は、第4の内径と第4の外径を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第4の内径と第4の外径は、第4のセクション74の全体に沿うなど、第4のセクション74に沿って一定であってもよい。
【0042】
第1のセクション30の末端端部の位置は、チューブ20が完全に前進されたときに変化して、改善された血流とより速い血液収集を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、第1の外径は、チューブ20が完全に前進されたときに第1のセクション30の末端端部が位置付けられたところでカテーテル組立体38の特定の内径と等しいか、又はそれよりわずかに小さい大きさにしてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、第2の外径は、チューブ20が完全に前進されたときに第2のセクション32の末端端部が位置付けられたところでカテーテル組立体38の特定の内径に等しいか、又はそれよりわずかに小さい大きさにしてもよい。同様に、一部の実施形態では、第3の外径は、チューブ20が完全に前進されたときに第3のセクション34の末端端部が位置付けられたところでカテーテル組立体38の特定の内径に等しいか、それよりわずかに小さい大きさにしてもよい。
【0043】
同様に、いくつかの実施形態では、第4の外径は、チューブ20が完全に前進されたときに第4のセクション74の末端端部が位置付けられたカテーテル組立体38の特定の内径に等しいか、又はそれよりわずかに小さい大きさにしてもよい。第1の外径、第2の外径、第3の外径、及び第4の外径のうちの1つ又は複数を増加又は最大化することによって、第1の内径、第2の内径、第3の内径、及び第4の内径がそれぞれ増加させることを可能にして、それによって血流を増加させてもよい。
【0044】
図3Aに示されているように、いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18(例えば、図1A~1B参照)に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30の末端端部がカテーテル40内に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30が末端テーパ58に接触してもよい。これらの実施形態では、第1の外径は、カテーテル40の内径よりもわずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の外径は、カテーテル40の内径に接触してもよいが、前進要素22が前進位置に移動したときに第1のセクション30がカテーテル40内で移動することを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、第4のセクション74は前進要素22に直接結合されてもよい(例えば図1Bに示される)。
【0045】
図3Bに示されるように、いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30の末端端部が、カテーテル40に対して基端のカテーテルアダプタ42内に位置付けられてもよい。これらの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30の末端端部は、カテーテル40に対して基端のくさび72内に配置されてもよい。これらの実施形態では、第1の外径は、カテーテルアダプタ42又はくさび72の内径よりもわずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の外径はくさび72に接触してもよい。幾つかの実施形態では、第3のセクション34は前進要素22に直接結合されてもよい(例えば図1Bに示される)。
【0046】
図3Cに図示されているように、いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30の末端端部が延長チューブ66内に配置されてもよい。これらの実施形態において、第1の外径は、延長チューブ66の内径よりもわずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の外径は、延長チューブ66の内径に接触してもよいが、前進要素22が前進位置に移動されたときに第1のセクション30が延長チューブ66内に移動することを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、第1のセクション30は前進要素22に直接結合されてもよい(例えば図1Bに示される)。
【0047】
図3Dに示されるように、幾つかの実施形態では、後退位置から前進位置へのスロット18に沿った前進要素22の移動に応答して、第1のセクション30の末端端部は、延長チューブ66に対して末端の側部ポート64内に配置されてもよい。これらの実施形態において、第1の外径は、側部ポート64の内径よりもわずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態において、第1の外径は、側部ポート64の内径に接触してもよいが、前進要素22が前進位置に移動されたときに第1のセクション30が側部ポート64内に移動することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、第2ののセクション32は前進要素22に直接結合されてもよい(例えば図1Bに示される)。
【0048】
ここで図4Aを参照すると、いくつかの実施形態による血液収集装置10の概略図が示されている。いくつかの実施形態では、前進要素22が後退位置にあるとき、チューブ20はセプタム25を通って延びていなくてもよく、及び/又はコイル24はセプタム25に対して末端に配置されてもよい。これらの実施形態では、チューブ20は、大きな直径と短くされた長さを有していてもよく、これが改善された血流と血液収集速度を提供して、輸液と生理食塩水の汚染のリスクを低減してもよい。前進要素22が後退位置にあるとき、第1のセクション30の末端端部は、例えば図3Cに示されるように、これらの実施形態では延長チューブ66内にあってもよい。いくつかの実施形態では、セプタム25は、図1Bに示されたセプタム25の位置に対して基端に配置されて、前進要素22が後退位置にあるときにコイル24が依然としてハウジング12内にあるようになっていてもよい。
【0049】
ここで図4A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、血液収集装置10は、コアワイヤ76を含んでもよく、これは基端端部78と末端端部80を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コアワイヤ76はチューブ20を通って延びてもよい。一部の実施形態では、末端端部80は、前進要素22が後退位置にあるときにセプタム25を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、コアワイヤ76の基端端部78は前進要素22内に固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、コアワイヤ76は、コイル24の基端端部に結合されてもよく、及び/又はコイル24を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、コイル24は、平坦な先端60又は丸みを帯びた先端62(図1E~1F参照)或いは別の非外傷性の先端を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コアワイヤ76は、全体として真っ直ぐ及び/又はシリンダ状であってもよい。コアワイヤ76は、例えば、図3A~3Dのチューブ20のいずれと共に使用されてもよい。
【0050】
次に図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態による血液収集装置82が示されている。いくつかの実施形態において、血液収集装置82は、1つ又は複数の構成要素及び/又は動作の点で、血液収集装置10と類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置82は、カテーテル組立体38(図1C参照)、カテーテル組立体63(図3A~3D参照)、又は別の適切なカテーテル組立体に結合するように構成されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、血液収集装置82は、ハウジング12を含んでもよく、これは末端端部14、基端端部16、及びスロット18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置82は、ハウジング12内に配置されたチューブ20と、コイル24を備えるガイドワイヤ94とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、末端前進要素98は、スロット18に沿って移動するように構成されてもよく、チューブ20に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、スロット18に沿った末端前進要素98の末端への移動に応答して、チューブ20は、ハウジング12の末端端部14を越えて末端に前進するように構成されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、基端前進要素100は、スロット18に沿って移動するように構成されてもよく、ガイドワイヤ94に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、スロット18に沿った基端前進要素100の末端移動に応答して、コイル24はハウジング12の末端端部14を越えて末端に前進するように構成されてもよい。
【0053】
次に図5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、末端前進要素98と基端前進要素100がそれぞれ初期位置にあるとき、末端前進要素98は、基端前進要素100から末端で離間されていてもよい。いくつかの実施形態では、基端前進要素100の高さは、末端前進要素98の高さより小さくてもよく、及び/又は、基端前進要素100は、ハウジング12の内腔にまたがらずに、空間が基端前進要素100とハウジング12との間に生じるようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ35は末端前進要素98から空間を通って延びてもよい。他の実施形態では、延長チューブ35は、末端前進要素98から基端前進要素100を通って延びていてもよく、基端前進要素100に関して移動可能であってもよい。
【0054】
次に図6A~6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、末端前進要素98は、基端前進要素100が移動され又は前進させられる前に、後退位置から前進位置に移動されてもよい。他の実施形態では、末端前進要素98と基端前進要素100は、互いに近接して後退位置から前進位置まで一緒に前進されてもよい。いくつかの実施形態では、末端前進要素98と基端前進要素100は、末端前進要素98と基端前進要素100が互いに接触することに応答して、互いに結合してもよく、これが単一の動作による後退を促進してもよい。
【0055】
図6Aでは、いくつかの実施形態にしたがって、末端前進要素98と基端前進要素100がそれぞれ、初期位置又は後退位置に示されている。いくつかの実施形態では、末端前進要素98は、セプタム104を含んでもよく、これを通ってガイドワイヤ94が延びていてもよい。いくつかの実施形態では、末端前進要素98が初期位置又は後退位置にあるとき、末端前進要素98は、スロットの末端端部と基端端部との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、基端前進要素100が初期位置又は後退位置にあるとき、それはスロット18の基端端部に配置されてもよい。
【0056】
図6Bでは、いくつかの実施形態に従って、末端前進要素98が前進位置にあるように示されており、基端前進要素100が初期位置又は後退位置にあるように示されている。図6Cでは、末端前進要素98と基端前進要素100はそれぞれ前進位置に示されている。いくつかの実施形態では、末端前進要素98と基端前進要素100がそれぞれ前進位置にあるとき、末端前進要素98と基端前進要素100は、スロット18の末端端部に配置されてもよい。
【0057】
次に図7A~7Cを参照すると、いくつかの実施形態では、基端前進要素100は、末端前進要素98よりも前に前進されてもよく、これは基端前進要素100による接触に応答して前進してもよい。いくつかの実施形態では、基端前進要素100は、初期位置又は後退位置から第1の距離だけスロット18に沿って末端に移動して末端前進要素98に接触するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、基端前進要素100が初期位置又は後退位置から第1の距離よりも大きい第2の距離だけスロット18に沿って末端に移動することに応答して、末端前進要素98と基端前進要素100は、一緒にスロット18に沿って末端に移動してもよい。これらの実施形態では、末端前進要素98は、プッシュタブ又はハンドルを含まなくてもよい。
【0058】
図7Aでは、いくつかの実施形態に従って、末端前進要素98と基端前進要素100はそれぞれ、初期位置又は後退位置に示されている。図7Bでは、いくつかの実施形態に従って、基端前進要素100が前進位置に示され、末端前進要素98が初期位置又は後退位置に示されている。図7Cでは、末端前進要素98と基端前進要素100はそれぞれ前進位置に図示されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、チューブ20は、図1~4の1つ以上と同様のセクションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、スロット18に沿った末端前進要素の末端移動に応答して、第1のセクション30、第2のセクション32、及び/又は1つ以上の他のセクションは、ハウジング12の末端端部14を超えて末端方向に前進して、ハウジング12の外側に移動するように構成されてもよい。
【0060】
ここで援用されるすべての例及び条件付き文言は、読者が本発明及び当技術分野をさらに発展させるために本発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的目的のために意図され、そのような具体的に援用された例及び条件に限定されないものとして解釈される。本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされてもよいことを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】