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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】医療機器用保護カバー
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61M5/32 500
A61M5/32 510D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500065
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2022035419
(87)【国際公開番号】W WO2023278503
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/218,167
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ラウアー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン パーカー ホップウッド
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066FF01
4C066NN04
(57)【要約】
医療デバイスは、第1のレバーアームおよび第2のレバーアームを含み得る遠位コネクタを含み得る。第1のレバーアームの遠位端および第2のレバーアームの第1の端部は、それぞれ、第1の突起および第2の突起を含み得る。遠位コネクタは、第1のレバーアームと第2のレバーアームとの間に配置された鈍いカニューレを含み得る。医療デバイスは、遠位コネクタに結合され、鈍いカニューレを取り囲む環状壁を有するカバーを含み得る。第1の突起および第2の突起は、環状壁の外面に配置された少なくとも1つのキャッチに接触し得る。第1のレバーアームの近位端および第2のレバーアームの近位端は、第1の突起および第2の突起を少なくとも1つのキャッチから取り外すために一緒に挟まれるように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位コネクタであって、
遠位端および近位端を含む第1のレバーアームであって、前記第1のレバーアームの前記遠位端が第1の突起を含む第1のレバーアームと、
前記第1のレバーアームに対向する第2のレバーアームであって、前記第2のレバーアームは、遠位端および近位端を含み、前記第2のレバーアームの前記遠位端は、第2の突起を含む、第2のレバーアームと、
前記第1のレバーアームおよび前記第2のレバーアームの間に配置された鈍いカニューレと、
前記遠位コネクタに結合され、前記鈍いカニューレを取り囲む環状壁を備えるカバーであって、前記環状壁の外面は、少なくとも1つのキャッチを含み、前記第1の突起および前記第2の突起は、前記少なくとも1つのキャッチに接触し、前記第1のレバーアームの前記近位端および前記第2のレバーアームの前記近位端は、前記遠位コネクタの長手方向軸に向かって一緒に挟まれて、前記第1の突起および前記第2の突起を前記少なくとも1つのキャッチから取り外しように構成されるカバーと、
を備える前記遠位コネクタを含む、医療デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのキャッチは、環状の段差状の表面を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記鈍いカニューレの外面の全体が、前記カバーから離間される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記環状壁は、近位端および遠位端を含み、前記環状壁の前記近位端は、近位開口部を形成し、管腔は、前記近位開口部から前記環状壁の前記遠位端に延在し、前記カバーは、前記管腔を形成する内面を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記第1の突起および前記第2の突起が少なくとも前記1つのキャッチから取り外されるように、前記鈍いカニューレを地面に対して垂直に配向し、前記第1のレバーアームの前記近位端および前記第2のレバーアームの前記近位端を前記遠位コネクタの前記長手方向軸に向かって一緒につまむことに応答して、前記カバーは、重力の力で前記遠位コネクタから脱落するように構成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記環状壁の前記外面は、前記少なくとも1つのキャッチに近位であり、遠位から近位方向に外向きに延びる傾斜路を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記環状壁の前記外面は、前記少なくとも1つのキャッチの近位にあり、近位から遠位方向に外向きに延びる傾斜路を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記環状壁の前記外面は、前記少なくとも1つのキャッチの遠位にあり、把持するように構成された複数の突起を備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記突起は、前記遠位コネクタの前記長手方向軸と概ね整列した複数のリブを備える、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記複数のリブのそれぞれが、内側に段差状またはテーパー状になる近位端を備える、請求項9に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記カバーは、前記環状壁の前記遠位端から延在し、前記第1のレバーアームおよび前記第2のレバーアームを取り囲むように構成された環状筐体をさらに備え、前記環状筐体は、環状チャネルによって前記環状壁から離間され、前記第1のレバーアームおよび前記第2のレバーアームは、前記環状チャネル内に配置される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記環状筐体の内面を含み、前記環状筐体の前記内面は、前記第1のレバーアームの前記近位端および前記第2のレバーアームの前記近位端を前記遠位コネクタの前記長手方向軸に向かって一緒につまむことに応答して、遠位から近位方向に外側に角度をなす部分を含み、前記第1の突起および前記第2の突起は、前記遠位コネクタからの前記カバーの取り外しを容易にするために、前記部分に接触し、前記部分に対してカム作用する、請求項11に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記筐体は、エラストマー材料で構成される、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記環状筐体および前記環状壁は、単一のユニットとしてモノリシックに形成される、請求項11に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記カバーの近位端は、把持するように構成されたフランジを備える、請求項11に記載の医療デバイス。
【請求項16】
前記フランジが環状である、請求項15に記載の医療デバイス。
【請求項17】
前記環状筐体、前記環状壁および前記フランジは、単一のユニットとしてモノリシックに形成される、請求項15に記載の医療デバイス。
【請求項18】
前記医療デバイスは、血管アクセスデバイスを含み、前記血管アクセスデバイスは、前記カバーが前記遠位コネクタから取り外されたときに前記遠位コネクタを通って遠位に前進するように構成された器具を含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項19】
前記器具は、チューブまたはガイドワイヤを備える、請求項18に記載の医療デバイス。
【請求項20】
前記遠位コネクタは、前記カバーが前記遠位コネクタから取り外されるときにカテーテルアセンブリに結合するように構成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月2日に出願された「医療機器用保護カバー」と題された米国仮出願第63/218,167号の優先権を主張し、その開示全体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、一般的にさまざまな輸液治療に用いられる。例えば、カテーテルは、生理食塩水、さまざまな薬剤、および総合的な非経口栄養のような流体を患者へと注入するために使用し得る。また、カテーテルは、患者から血液を採取するためにも使用し得る。
【0003】
一般的なタイプのカテーテル装置には、「オーバー・ザ・ニードル」と呼ばれるカテーテルがある。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードル型カテーテルは、鋭利な遠位先端を持つ導入針の上に取り付け得る。カテーテルアセンブリは、カテーテルハブと、カテーテルハブから遠位に延びるカテーテルと、カテーテルを通って延びる導入針とを含んでもよい。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位先端が、針の斜面が患者の皮膚から反対側を向く状態でカテーテルの遠位先端を越えて延伸するように、組み立てられることができる。カテーテルと導入針は、一般的に、皮膚を通して患者の血管系へと浅い角度で挿入される。
【0004】
血管内の導入針および/またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が一度確認されると、臨床医は、血管系内の流れを一時的に塞いで、導入針を引き抜くことができ、後の採血または輸血のためにカテーテルを定位置に残しておく。
【0005】
カテーテルを使用した注入および採血は、いくつかの理由により、特にカテーテルの留置時間が増加する場合に困難であり得る。フィブリンシースまたは血栓は、カテーテルアセンブリの内面、カテーテルアセンブリの外面、または、カテーテルの遠位先端近くの血管系内に形成され得る。フィブリンシースまたは血栓は、カテーテルを通る流体経路を遮断または狭める可能性があり、これは、高品質の血液サンプルの注入、および/または、収集を損なう可能性がある。場合によっては、医療デバイスをカテーテルアセンブリに結合し、ガイドワイヤまたはチューブなどの器具をカテーテルアセンブリを通して挿入して、フィブリンシースまたは血栓などの閉塞を軽減または除去し、カテーテルの寿命を延ばすことができる。医療デバイスの使用の直前に、および医療デバイスが包装されている間に、医療デバイスの遠位コネクタが損傷または汚染されるか、または使用者に危険をもたらす可能性がある。
【0006】
本明細書で特許請求される主題は、任意の不利益を解決する実施形態、または上記で説明されるもののような所定の環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で記載された具体化したもののいくつかを実施し得る技術領域の一例を示すために適用されるにすぎない。本開示に記載の保護カバーは、任意の適切な医療デバイスと共に使用することができる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、概して、医療デバイス用のカバーに関する。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、遠位コネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタは、遠位端および近位端を含み得る第1のレバーアームを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のレバーアームの遠位端は、第1の突起(protrusion)を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタは、第1のレバーアームに対向する第2のレバーアームを含み得る。いくつかの実施形態では、第2のレバーアームは、遠位端および近位端を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のレバーアームの遠位端は、第2の突起を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタは、第1のレバーアームと第2のレバーアームとの間に配置された鈍い(blunt)カニューレを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、医療デバイスは、遠位コネクタに結合されたカバーを含み得る。いくつかの実施形態では、カバーは、鈍いカニューレを取り囲む環状壁を含み得る。いくつかの実施形態では、環状壁の外面は、少なくとも1つのキャッチを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の突起および第2の突起は、少なくとも1つのキャッチに接触してもよい。いくつかの実施形態では、第1のレバーアームの近位端および第2のレバーアームの近位端は、遠位コネクタの長手方向軸に向かって一緒に挟まれて、第1の突起および第2の突起を少なくとも1つのキャッチから取り外すように構成され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのキャッチは、環状の段差状の表面を含み得る。いくつかの実施形態では、鈍カニューレの外面全体は、カバーから離間されてもよく、これにより、第1のレバーアームおよび第2のレバーアームが解放されたときにカバーが遠位コネクタからスライドすることが可能になり、遠位コネクタからスライドすることができるカバーの取り外しが容易になる。いくつかの実施形態では、環状壁は、近位端および遠位端を含み得る。いくつかの実施形態では、環状壁の近位端は、近位開口部を形成し得る。いくつかの実施形態では、管腔は、近位開口部から環状壁の遠位端まで、および/または環状壁の遠位端を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、カバーは、管腔を形成する内面を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の突起および第2の突起が少なくとも1つのキャッチから取り外されるように、鈍いカニューレを地面(the ground)に垂直に配向し、第1のレバーアームの近位端および第2のレバーアームの近位端を遠位コネクタの長手方向軸に向かって一緒につまむことに応答して、カバーは、重力の力で遠位コネクタから脱落するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザは、片手で遠位コネクタからカバーを取り外すことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、環状壁の外面は、少なくとも1つのキャッチに近位であり、遠位から近位方向に外向きに延びる傾斜路(ramp)を含み得、これは、医療デバイスからカバーを遠位に引っ張ることを容易にし得る。いくつかの実施形態では、環状壁の外面は、少なくとも1つのキャッチに近位であり、近位から遠位方向に外向きに延びる傾斜路を含み得、これは、カバーが遠位コネクタに結合されたときに、第1のレバーアームおよび第2のレバーアームの少なくとも1つのキャッチへのスナップを容易にし得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、環状壁の外面は、少なくとも1つのキャッチの遠位にあり、把持するように構成された1つまたは複数の突起を含み得る。いくつかの実施形態では、突起は、遠位コネクタの長手方向軸と概して整列した複数のリブを備える。いくつかの実施形態では、突起は、遠位コネクタからカバーを両手で取り外すことを可能にし得る。したがって、いくつかの実施形態では、カバーは、ユーザの好みまたは他の状況に応じて、片手での取り外しおよび両手での取り外しの両方のために構成され得る。いくつかの実施形態では、リブのそれぞれは、内側に段差状またはテーパー状になった近位端を含み得、これは、第1の突起および第2の突起のための空間を作り出し得、第1の突起および第2の突起の少なくとも1つのキャッチへの結合を容易にし得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、カバーは、環状壁の遠位端から延在し得る環状筐体(annular enclosure)を含み得る。いくつかの実施形態では、環状筐体は、第1のレバーアームおよび第2のレバーアームを取り囲むように構成され得る。いくつかの実施形態では、環状筐体は、環状チャネルによって環状壁から離間されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のレバーアームおよび第2のレバーアームは、環状チャネル内に配置され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、環状筐体は、内面を含み得る。いくつかの実施形態では、環状筐体の内面は、第1のレバーアームの近位端および第2のレバーアームの近位端を遠位コネクタの長手方向軸に向かって一緒につまむことに応答して、遠位から近位方向に外側に角度をなす部分を含み得、第1の突起および第2の突起は遠位コネクタからのカバーの取り外しを容易にするために、部分に接触し、その部分に対してカム(cam)することができる。これらおよび他の実施形態では、カバーは、片手でおよび/または任意の向きで遠位コネクタから取り外されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、環状筐体および/またはカバーは、エラストマー材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、環状筐体および/またはカバーは、プラスチックまたは別の適切な材料で構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、環状筐体および環状壁は、単一のユニットとしてモノリシックに形成され得る。いくつかの実施形態では、カバーの近位端は、把持するように構成されたフランジを含み得る。いくつかの実施形態では、フランジは環状であり得る。いくつかの実施形態では、環状筐体、環状壁、およびフランジは、単一のユニットとしてモノリシックに形成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、医療デバイスは、血管アクセスデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、カバーが遠位コネクタから取り外されるときに遠位コネクタを通って遠位に前進するように構成された器具を含み得る。いくつかの実施形態では、器具は、チューブ、ガイドワイヤまたは別の適切な器具を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタは、カバーが遠位コネクタから取り外されるときにカテーテルアセンブリに結合するように構成され得る。
【0017】
上述の概略の説明、および、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。さまざまな実施形態は、図に示されている配置(arrangements)および手段(instrumentality)に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、または、他の実施形態が用いられてよいこと、および、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
例示的な実施形態が、添付の図面を用いて、追加の特性および詳細とともに記載され、説明される。
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、医療デバイスの例示的な遠位端の断面図である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、医療デバイスの遠位端の上面斜視図である。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、医療デバイスの例示的なカバーの上面斜視図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、例示的な環状筐体を有するカバーを示す、医療デバイスの遠位端の上面斜視図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、環状筐体を示す、医療デバイスの遠位端の断面図である。
図2C図2Cは、いくつかの実施形態による、例示的なフランジを示す、医療デバイスの遠位端の断面図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による、医療デバイスの遠位端の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで図1A ~1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、医療デバイス10は、医療デバイス10の遠位端に配置された遠位コネクタ12を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ12は、遠位端16および近位端18を含み得る第1のレバーアーム14aを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aの遠位端16は、第1の突起20aを含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ12は、第1のレバーアーム14aに対向する第2のレバーアーム14bを含み得る。いくつかの実施形態では、第2のレバーアーム14bは、遠位端22および近位端24を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のレバーアーム14bの遠位端22は、第2の突起20bを含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ12は、第1のレバーアーム14aと第2のレバーアーム14bとの間に配置された鈍い(blunt)カニューレ26を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bは、それぞれ可撓性であり、延長部27aおよび延長部27bに対して枢動(pivot)するように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、医療デバイス10は、遠位コネクタ12に結合されたカバー28を含み得る。いくつかの実施形態では、カバー28は、鈍カニューレ26を取り囲む環状壁30を含み得、これは、鈍カニューレ26を完全に取り囲むことを含み得る。いくつかの実施形態では、環状壁30の外面32は、少なくとも1つのキャッチ34を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の突起20aおよび第2の突起20bは、少なくとも1つのキャッチ34に接触し得、これは、カバー28を遠位コネクタ12に固定し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのキャッチ34は、遠位コネクタ12がカバー28に対して近位に移動するのを防ぎ、カバー28が遠位コネクタ12に対して遠位方向に移動するのを防ぐように構成され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aの近位端18および第2のレバーアーム14bの近位端24は、遠位コネクタ12の長手方向軸36に向かって一緒に挟まれて、第1の突起20aおよび第2の突起20bを少なくとも1つのキャッチ34から取り外すように構成され得る。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aの近位端18および第2のレバーアーム14bの近位端24が長手方向軸36に向かって一緒に挟まれることに応答して、第1のレバーアーム14aの遠位端16および第2のレバーアーム14bの遠位端22は、第1の突起20aおよび第2の突起20bが少なくとも1つのキャッチ34から離間し、カバー28が解放されるように外向きに付勢され得る。いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bは、外側に付勢された位置から、第1の突起20aおよび第2の突起20bが少なくとも1つのキャッチ34に接触するように構成される内側の位置に自然に戻るように構成され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのキャッチ34は、第1の突起20aおよび第2の突起20bの両方によって接触され得る単一のキャッチに対応し得る。これらおよび他の実施形態では、少なくとも1つのキャッチ34は、環状段差状の表面または環状溝を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのキャッチ34は、第1のキャッチおよび第2のキャッチを含み得る。これらの実施形態では、第1の突起20aは、第1のキャッチに接触してもよく、第2の突起20bは、第2のキャッチに接触してもよい。いくつかの実施形態では、第1のキャッチおよび第2のキャッチはそれぞれ、段差状の表面または溝を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、鈍カニューレ26の外面38の全体は、鈍カニューレ26の外面38とカバー28との間に干渉がないように、カバー28から離間されてもよい。いくつかの実施形態では、これは、第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bが解放されるときに、カバー28が遠位コネクタ12からスライドすることを可能にし得、カバー28の容易な取り外しを容易にする。
【0024】
いくつかの実施形態では、環状壁30は、近位端40および遠位端42を含み得る。いくつかの実施形態では、環状壁30の近位端40は、鈍いカニューレ26が挿入され得る近位開口部44を形成し得る。いくつかの実施形態では、管腔46は、近位開口部44から環状壁30の遠位端42まで、および/または環状壁30の遠位端42を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、カバー28は、管腔46を形成する内面48を含み得る。いくつかの実施形態では、環状壁30の遠位端42は、遠位開口部50を形成してもよく、または閉じてもよい。いくつかの実施形態では、鈍カニューレ26の外面38は、1つまたは複数の段差状の表面を含み得、内面48は、鈍カニューレ26とカバー28との間の空間が維持されるように、1つまたは複数の対応する段差状の表面を含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の突起20aおよび第2の突起20bが少なくとも1つのキャッチ34から取り外されるように、鈍いカニューレ26を地面に対して垂直に配向し、第1のレバーアーム14aの近位端18および第2のレバーアーム14bの近位端24を遠位コネクタ12の長手方向軸に向かって一緒につまむことに応答して、カバー28は、重力の力で遠位コネクタ12から脱落するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザは、片手で遠位コネクタ12からカバー28を取り外すことができる。いくつかの実施形態では、環状壁30の外面32は、少なくとも1つのキャッチ34に近位であり、遠位から近位方向に外向きに延びる傾斜路52を含み得、これは、医療デバイス10からカバー28を遠位に引っ張ることを容易にし得る。いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bのばね力は、カバー28を所定の位置に保持し得るが、十分な力でカバー28を遠位に引っ張ることに応答して、ランプ42は、第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bを外向きにカム(cam)し得る。したがって、いくつかの実施形態では、カバー28は、第1のレバーアーム14aの近位端18および第2のレバーアーム14bの近位端24をつまむことなく取り外されてもよい。いくつかの実施形態では、傾斜路52は環状であってもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、環状壁30の外面32は、少なくとも1つのキャッチ34の遠位にあり、把持するように構成された1つまたは複数の突起56を含み得る。いくつかの実施形態では、突起56のそれぞれは、遠位コネクタ12の長手方向軸36と概ね整列したリブ58を含んでもよい。いくつかの実施形態では、突起56は、遠位コネクタ12からカバー28を両手で取り外すことを可能にし得る。したがって、いくつかの実施形態では、カバー28は、ユーザの好みまたは他の状況に応じて、片手での取り外しおよび両手での取り外しの両方のために構成され得る。いくつかの実施形態では、外面32は、カバー28が主に遠位コネクタ12から片手で取り外すように構成されるように、滑らかであってもよく、および/または突起56を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、リブ58のそれぞれは、内側に段差状またはテーパー状になった近位端60を含み得、これは、第1の突起20aおよび第2の突起20bのための空間を作り出し得、第1の突起20aおよび第2の突起20bの少なくとも1つのキャッチ34への結合を容易にし得る。
【0027】
ここで図2A ~2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、カバー28は、環状壁30の遠位端42から延在し得る環状筐体62を含み得る。いくつかの実施形態では、環状筐体62は、第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bを取り囲むように構成され得る。いくつかの実施形態では、環状筐体62は、環状チャネル64によって環状壁30から離間されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bは、環状チャネル64内に配置され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、環状筐体62は、内面66を含み得る。いくつかの実施形態では、環状筐体62の内面66は、第1のレバーアーム14aの近位端18および第2のレバーアーム14bの近位端24を遠位コネクタ12の長手方向軸36に向かって一緒につまむことに応答して、遠位方向から近位方向に外向かって傾斜した部分68を含み得、第1の突起20aおよび第2の突起20bが部分68に接触し、部分68に対してカム作用する。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、第1のレバーアーム14aの近位端18および第2のレバーアーム14bの近位端24を遠位コネクタ12の長手方向軸36に向かって一緒につまむことに応答して、第1の突起20aおよび第2の突起20bは、その部分68に接触し、部分68に沿ってスライドし得、これは、カバー28を遠位方向に付勢し得、遠位コネクタ12からのカバー28の取り外しをもたらし得る。これらおよび他の実施形態では、カバー28は、片手でおよび/または任意の向きで遠位コネクタ12から取り外されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、その部分68は、環状筐体(annular enclosure)62の近位端まで延在してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、環状筐体62および/またはカバー28は、エラストマー材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、環状筐体62および/またはカバー28は、プラスチックまたは別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、環状筐体62および環状壁30は、単一のユニットとしてモノリシックに形成され得る。
【0030】
図2Cに示されるように、いくつかの実施形態では、カバー28の近位端は、把持するように構成されたフランジ70を含み得る。いくつかの実施形態では、フランジ70は環状であり得る。いくつかの実施形態では、環状筐体62、環状壁30、およびフランジ70のうちの1つまたは複数は、単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、医療デバイス10は、血管アクセスデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセスデバイスは、カテーテルアセンブリ内に、および/またはカテーテルアセンブリを通って患者の血管系に延在するように構成され得る器具を含み得る。いくつかの実施形態では、カバー28が遠位コネクタ12から取り外されるとき、器具は、遠位コネクタ12を通って延びる管腔72を通って遠位に前進するように構成され得る。いくつかの実施形態では、器具は、採血チューブ、ガイドワイヤまたは別の適切な器具を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位コネクタ12は、カバー28が遠位コネクタ12から取り外されるときにカテーテルアセンブリに結合するように構成され得る。医療デバイス10のいくつかの例は、2022年1月12日に出願された米国特許出願第17/574,127号、および2022年3月22日に出願された米国特許出願第17/701,124号にさらに記載され得、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。言及されたように、いくつかの実施形態によれば、医療デバイス10のタイプは変化し得る。
【0032】
ここで図3を参照すると、いくつかの実施形態では、環状壁30の外面32は、少なくとも1つのキャッチ34に近位であり、近位から遠位方向に外向きに延びるランプ74を含み得、これは、医療デバイスの組み立て中および/または使用後にカバー28を医療デバイス10上に近位に押すこと、および/またはカバー28が遠位コネクタ12に結合されているときに第1のレバーアーム14aおよび第2のレバーアーム14bを少なくとも1つのキャッチ344にスナップすることを容易にし得る。いくつかの実施形態では、傾斜路74は環状であってもよい。
【0033】
本明細書で記載されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているけれども、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
【国際調査報告】