(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】核燃料要素の製造方法および核燃料要素
(51)【国際特許分類】
G21C 21/02 20060101AFI20240702BHJP
G21C 3/28 20060101ALI20240702BHJP
G21C 3/20 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
G21C21/02 100
G21C3/28
G21C3/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500128
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022068676
(87)【国際公開番号】W WO2023280897
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593128105
【氏名又は名称】フラマトム
【氏名又は名称原語表記】FRAMATOME
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ステプニック,ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】グラース,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】モワルー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ジャルース,クリストフ
(57)【要約】
製造方法は、コア(4)を得るステップと、コア(4)を拡散防止層(8)で被覆して被覆コア(10)を得るステップと、被覆コア(10)とクラッディング(6)の間に単数または複数の中間層(12)が配置されている状態で、被覆コア(10)をクラッディング(6)内に挿入するステップと、このように得られた多層アセンブリ(22)をプレスするステップとを含み、各中間層(12)は、延性金属合金で作られかつ/またはクラッディング(6)の材料の降伏強度との差が30%以下である従来の降伏強度、クラッディング(6)の材料の破断点伸びとの差が30%以下である破断点伸びおよび/またはクラッディング(6)の材料の相対伸びとの差が30%以下である分散した相対伸びを有している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料要素(2)の製造方法において、ウラン系核分裂性物質を含有するシートの形状をしたコア(4)を得るステップと、コア(4)を拡散防止層(8)で被覆して被覆コア(10)を得るステップと、被覆コア(10)とクラッディング(6)の間に単数または複数の中間層(12)を配置した状態で、被覆コア(10)をクラッディング(6)内に挿入するステップと、結果として得られた多層アセンブリ(22)をプレスして、封止した形でクラッディング(6)を閉じるステップとを含む製造方法であって、各中間層(12)が、延性金属合金で作られかつ/またはクラッディング(6)の材料の降伏強度との差が30%以下である従来の降伏強度、クラッディング(6)の材料の破断点伸びとの差が30%以下である破断点伸びおよび/またはクラッディング(6)の材料の相対伸びとの差が30%以下である分散した相対伸びを有している、製造方法。
【請求項2】
各中間層(12)が、被覆コア(10)をクラッディング(6)内に包み込む前に被覆コア(10)にまたはクラッディング(6)の内側表面(14A、18A)に適用される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
各中間層(12)が、被覆コア(10)をクラッディング(6)内に包み込む前に溶射によって被覆コア(10)にまたはクラッディング(6)に適用される、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
中間層(12)の材料または中間層(12)のうちの少なくとも1つの材料が、母材および少なくとも1つの添加元素を含む、請求項1から3のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項5】
核分裂性物質が、少なくとも1つのウラン合金および/または少なくとも1つのウラン化合物を含有する、請求項1から4のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項6】
コア(4)が、核分裂性物質で構成されたモノリシックコアまたは母材内に分散した核分裂性物質を含有する分散コアである、請求項1から5のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項7】
拡散防止層(8)が、ジルコニウム系合金、モリブデン系合金、チタン系合金、ケイ素系合金またはこれらの合金のうちの少なくとも2つの合金の混合物の中から選択された材料でできている、請求項1から6のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項8】
各中間層(12)が、拡散防止層(8)の材料の延性以上およびクラッディング(6)の材料の延性以上の延性を有する材料でできている、請求項1から7のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項9】
各中間層(12)が、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできてる、あるいは純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできた母材を含む材料でできている、請求項1から8のいずれか一つに記載の製造方法。
【請求項10】
ウラン系核分裂性物質を含有するシートの形状をしたコア(4)を含み、コア(4)が拡散防止層(8)で被覆され、クラッディング(6)内に包み込まれている核燃料要素において、少なくとも1つの中間層(12)を含み、各中間層(12)が拡散防止層(8)とクラッディング(6)の間に配置されており、各中間層(12)が延性金属合金で作られかつ/またはクラッディング(6)の材料のものに近い従来の降伏強度、破断点伸びおよび/または相対伸びを有している、核燃料要素。
【請求項11】
核分裂性物質が、少なくとも1つのウラン合金および/または少なくとも1つのウラン化合物を含有する、請求項10に記載の核燃料要素。
【請求項12】
コア(4)が、核分裂性物質で構成されたモノリシックコアまたは母材内に分散した核分裂性物質を含有する分散コアである、請求項10または11に記載の核燃料要素。
【請求項13】
拡散防止層(8)が、ジルコニウム系合金、モリブデン系合金、チタン系合金、ケイ素系合金またはこれらの合金のうちの少なくとも2つの合金の混合物の中から選択された材料でできている、請求項10から12のいずれか一つに記載の核燃料要素。
【請求項14】
各中間層(12)が、拡散防止層(8)の材料よりも延性が高くかつクラッディング(6)の材料よりも延性が高い材料でできている、請求項10から13のいずれか一つに記載の核燃料要素。
【請求項15】
各中間層(12)が、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできている、あるいは、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできた母材を含む材料でできている、請求項10から14のいずれか一つに記載の核燃料要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核燃料要素、詳細には、例えば、研究炉内の核燃料としてかまたは一次ターゲットとして使用するように意図された核燃料要素の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ウラン系合金などの核分裂性物質を含有するシートの形状をしたコア、および封止した形でコアを包み込む、例えばアルミニウム系合金で作られたクラッディングを含む核燃料要素を提供することが可能である。
【0003】
このような核燃料要素は、特定の核分裂生成物を得るために照射用原子炉内に、あるいは中性子を生成するために研究炉内に、挿入可能である。
【0004】
このような核燃料要素は例えば、テクネチウム-99の供給源として、特に、医療および生物学において放射性トレーサとして使用できる準安定テクネチウム-99の供給源として後に使用できるモリブデン-99の生産のための一次ターゲットとして使用可能である。
【0005】
核燃料要素を生産するためには、「ピクチャインフレーム(picture-in-frame)」製造方法を使用することができる。
【0006】
この技術によると、核分裂性物質を含有し、矩形シートの形状を有するコアが、矩形フレーム内の開口部に挿入され、コアを格納するフレームは、2つの閉鎖プレート間に挟み込まれる。このアセンブリは次に、共にプレスされて、閉鎖プレートをフレームおよびコアに固着させる。
【0007】
プレス作業は、例えば、ローラ間での圧延、熱間等方圧加圧(HIP)、放電プラズマ焼結(SPS)またはプレスでの冷間圧縮によって、アセンブリに圧力を印加することで実施される。
【0008】
プレス作業中、フレームおよびコアに対して閉鎖プレートをうまく接着させるため、室温または高温で高圧を加えることが好ましいが、温度が過度に高いかまたは圧力が過度に高いと、コアに影響が及ぼされ、ひいては核燃料要素の性能に影響が及ぼされる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的の1つは、満足のいく性能を有する核燃料要素を得ることができるようにする一方で容易に実装可能である核燃料要素の製造方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明は、核燃料要素を製造するための方法において、ウラン系核分裂性物質を含有するシートの形状をしたコアを得るステップと、コアを拡散防止層で被覆して被覆コアを得るステップと、被覆コアとクラッディングの間に単数または複数の中間層を配置した状態で、被覆コアをクラッディング内に挿入するステップと、こうして得られた多層アセンブリをプレスしてクラッディングを封止するステップとを含む方法であって、各中間層が、延性金属合金で作られかつ/またはクラッディングの材料の降伏強度との差が30%以下である従来の降伏強度、クラッディングの材料の破断点伸びとの差が30%以下である破断点伸びおよび/またはクラッディングの材料の相対伸びとの差が30%以下である分散した相対伸びを有している、方法を提案している。
【0011】
拡散防止層は、核燃料要素の最外側層、詳細にはクラッディングへの核分裂性物質の拡散を防止する。
【0012】
延性材料で作られかつ/またはクラッディングのものに近い機械的特性を有し、クラッディングと拡散防止層で被覆されたコアとの間に配置された各々の中間層は、クラッディングと拡散防止層で被覆されたコアとの間の接着を促す。詳細には、この中間層は、アセンブリがプレスされる圧力および該当する場合には温度を制限し、こうして熱的および機械的応力、詳細にはコアに加えられる熱的および機械的応力を制限することを可能にする。
【0013】
各々の中間層は、製造方法中の、特にプレス作業が高温で実施される場合の加熱中の拡散防止層の酸化リスクを制限することも可能にする。
【0014】
究極的には、該方法は、許容可能な温度および圧力で実施される加圧を伴って、優れた性能を示す、詳細には高い核燃料密度を有する核燃料要素を得ることを可能にする。
【0015】
特定の実施形態によると、該製造方法は、個別にまたは技術的に可能な任意の組合せで考慮された以下の任意の特徴の単数または複数を含む:
- 各中間層は、被覆コアをクラッディング内に包み込む前に被覆コアにまたはクラッディングの内側表面に適用される;
- 各中間層は、被覆コアをクラッディング内に包み込む前に溶射によって被覆コアにまたはクラッディングに適用される;
- 中間層の材料または中間層のうちの少なくとも1つの材料は、母材および少なくとも1つの添加元素を含む;
- 中間層の材料または中間層のうちの少なくとも1つの材料は、母材および少なくとも1つの添加元素を含む;
- コアは、核分裂性物質で構成されたモノリシックコアまたは母材内に分散した核分裂性物質を含有する分散コアである;
- 拡散防止層は、ジルコニウム系合金、モリブデン系合金、チタン系合金、ケイ素系合金またはこれらの合金のうちの少なくとも2つの合金の混合物の中から選択された材料でできている;
- 各中間層は、拡散防止層の材料の延性以上およびクラッディングの材料の延性以上の延性を有する材料でできている;
- 各中間層は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできている、あるいは、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできた母材を含む材料でできている。
【0016】
別の実施形態によると、本発明は、ウラン系核分裂性物質を含有するシートの形状をしたコアを含み、コアが拡散防止層で被覆され、クラッディング内に包み込まれている核燃料要素において、少なくとも1つの中間層を含み、各中間層が拡散防止層とクラッディングの間に配置されており、各中間層が延性金属合金で作られかつ/またはクラッディングの材料のものに近い従来の降伏強度、破断点伸びおよび/または相対伸びを有している、核燃料要素に関する。
【0017】
特定の実装様式によると、燃料要素は、個別にまたは技術的に可能な任意の組合せで考慮された以下の任意の特徴の単数または複数を含む:
- 核分裂性物質は、少なくとも1つのウラン合金および/または少なくとも1つのウラン化合物を含有する;
- コアは、核分裂性物質で構成されたモノリシックコアまたは母材内に分散した核分裂性物質を含有する分散コアである;
- 拡散防止層は、ジルコニウム系合金、モリブデン系合金、チタン系合金、ケイ素系合金またはこれらの合金のうちの少なくとも2つの合金の混合物の中から選択された材料でできている;
- 各中間層は、拡散防止層の材料よりも延性が高くかつクラッディングの材料よりも延性が高い材料でできている;
- 各中間層は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできているあるいは、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできた母材を含む材料でできている。
【0018】
本発明およびその利点は、単なる非限定的な例として記された以下の説明を、添付図面を参照しながら読むことによってより良く理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】
図1中のラインII-IIに沿った核燃料要素の概略的断面図である。
【
図3-6】
図1および2の核燃料要素を製造するための方法中の各ステップを例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示された核燃料要素2は、例えば核分裂生成物を得るための原子炉における一次ターゲットとして、または中性子を得るための研究炉における核燃料として使用されるように意図されている。
【0021】
核燃料要素2は、プレート形状、例えば矩形プレートの形状を呈する。
【0022】
図1に示されているように、一実施形態において、核燃料要素2は平らなプレートの形状を呈する。
【0023】
他の実施形態において、核燃料要素2は、湾曲したプレート、または例えばそして非限定的に、円形、楕円形または多角形の断面、詳細には正方形または六角形の断面の管である管状プレートの形状を呈する。
【0024】
矩形プレートの形状をした核燃料要素2は、例えば、「ミニプレート」または一次ターゲットについてはおおよそ80mmの長さL、または原子炉燃料については、600mm~1200mmの長さL、例えばおおよそ800mmの長さL、20~90mmの幅lそして1.2mm~2.6mmの厚みE、特におよそ2mmの厚みEを有する。
【0025】
核燃料要素2の断面図を示す
図2から分かるように、核燃料要素2は、核分裂性物質を含有するコア4、および封止した形でコア4を包み込むクラッディング6を含む。
【0026】
クラッディング6は、コア4内に格納された核分裂性物質が外部に漏出するのを防止する。クラッディング6はまた、核燃料要素2の照射中に生成される核分裂生成物を保定する。
【0027】
クラッディング6は、例えば、アルミニウム合金、詳細にはアルミニウム系合金で作られている。クラッディング6は詳細には、6061シリーズのアルミニウム合金、5754シリーズのアルミニウム合金またはAlFeNiアルミニウム合金で作られている。
【0028】
コア4は、シートの形状をしている。コア4は、2つの相対する面4Aおよび縁部4Bを有する。
【0029】
コア4は好ましくは、核燃料要素2の輪郭に対応する輪郭を有する。
【0030】
核燃料要素2が、(例えば平坦な、湾曲したまたは管状の)矩形プレート形状を呈する場合、
図1および2に示されている例の場合のように、コア4は矩形シートの形状を有する。
【0031】
実施形態の一例において、コア4は、実質的に恒常な厚みを有する。代替的には、コア4は可変的厚みを有する。実施形態の特定の例において、可変的厚みのコア4は、コアの中心からその周辺に向かって減少する厚みを有する。コア4は、その中心においてより厚みがあり、その周辺においてより薄くなる。
【0032】
核分裂性物質は、ウラン系材料、すなわち、ウランを含有する材料である。核分裂性物質中に含有されているウランは、例えば低濃縮ウラン(LEU)である。
【0033】
低濃縮ウランにおいて、ウラン中のウラン235同位体の割合は、20重量%未満、詳細にはおおよそ19.75重量%である。
【0034】
核分裂性物質は例えば、ウラン合金および/またはウラン化合物を含有する。詳細には、核分裂性物質は、ウラン合金で構成されているかまたはウラン化合物で構成されているかまたはウラン合金とウラン化合物の混合物で構成されている。
【0035】
ウラン合金は、ウランおよび少なくとも1つの他の金属化合物、そして任意には単数または複数の非金属化合物を含有する合金である。
【0036】
ウラン合金は、例えば、ウラン系金属合金である。「ウラン系」合金とは、少なくとも60質量%のウランを含有する合金を意味する。ウラン合金は、例えば68.80質量%のウランを含有するUAl4である。
【0037】
実施形態の一例において、核分裂性物質は、二元ウラン合金すなわち厳密にウランおよび別の化合物で構成された合金であるウラン合金、例えば二元ウラン-ケイ素合金、二元ウラン-モリブデン合金、二元ウラン-アルミニウム合金、二元ウラン-ジルコニウム合金などを含有する。
【0038】
代替的には、核分裂性物質は、ウラン三元合金、すなわち厳密にウランおよび2つの他の化合物で構成された合金であるウラン合金、例えばウラン-モリブデン-X三元合金を含有し、ここでXは第3の金属または非金属化学元素である。
【0039】
第3の化学元素Xは、例えば、スズ(Sn)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、バナジウム(V)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、ストロンチウム(Sr)、白金(Pt)、水素(H)、ジルコニウム(Zr)、酸素(O)、窒素(N)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Gr)、ガリウム(Ga)またはアンチモン(Sb)の中から選択される。
【0040】
実施形態の特定の例において、核分裂性物質は、二元ウラン-モリブデン合金である。
【0041】
好ましくは、核分裂性物質の二元ウラン-モリブデン合金は、15重量%未満のモリブデンを含有し、残りはウランと不可避的不純物で構成されている。
【0042】
ウラン化合物は、単数または複数の非金属化合物と結合されたウランを含む化合物である。ウラン化合物は例えば、酸化ウラン(UxOy)、詳細には二酸化ウラン(UO2)、窒化ウラン(UxNy)または水素化ウラン(UxHy)である。
【0043】
コア4は、核分裂性物質で構成される(「モノリシック」コア)か、または、例えば金属材料、詳細にはアルミニウムなどの別の材料製の母材中に分散した核分裂性物質を含有している(「分散」コア)。
【0044】
母材中に分散した核分裂性物質は、例えば、核分裂性物質で構成された粉末および母材材料で構成された粉末、例えばアルミニウム粉末を混合し、好ましくは圧縮することによって得られる。
【0045】
コア4は、拡散防止層8で被覆される。拡散防止層8で、コア4の2つの相対する面4Aの少なくとも各々を覆い、任意にはコア4の縁部4Bを覆う。好ましくは、拡散防止層は、コア4の2つの相対する面4Aおよび縁部4Bの各々を覆う。
【0046】
拡散防止層8で被覆されたコア4は、以下「被覆コア10」とも呼ばれる。それは、シートの形状を呈しており、2つの相対する面10Aおよび縁部10Bを有する。
【0047】
クラッディング6は、拡散防止層8で被覆されたコア4を包み込む。したがって、拡散防止層8は、コア4とクラッディング6の間に配置される。拡散防止層8は、コア4からクラッディング6まで化学種が拡散するのを防止する。
【0048】
拡散防止層8は好ましくは、高い融解温度を有する。実施形態の一例において、拡散防止層8は、コア4の融解温度以上の融解温度を有する。
【0049】
コア4が、二元ウラン-モリブデン合金、例えばU7Mo合金で構成された核分裂性物質を有するモノリシックコアである場合、拡散防止層の融解温度は、二元ウラン-モリブデン合金U7Moの融解温度である1250℃以上である。
【0050】
拡散防止層8は、例えばジルコニウム合金、モリブデン合金またはケイ素合金、あるいは二元金属合金、例えばジルコニウム-アルミニウム合金(Zr/Al)またはモリブデン-アルミニウム合金(Mo/Al)またはケイ素-アルミニウム合金(Si/Al)でできている。
【0051】
核燃料要素2は、単数または複数の中間層12を含み、各中間層12は、拡散防止層8で被覆されたコア4とクラッディング6の間に配置されている。
【0052】
各中間層12は、拡散防止層8とクラッディング6の間に位置設定される。したがって、拡散防止層8は、コア4から各中間層12に向かう化学種の拡散を防止する。
【0053】
実施形態の一例において、核燃料要素2は、被覆コア10とクラッディング6の間に配置された単一の中間層12を含む。
【0054】
代替的には、核燃料要素2は、被覆コア10とクラッディング6の間に配置された複数の重畳中間層12を含む。重畳中間層12はこのとき、中間層12を重畳させることによって形成され被覆コア4とクラッディング6の間に配置された多層ラミネートを形成する。
【0055】
核燃料要素2が複数の中間層12を有する場合、中間層12は、同じ材料でできているか、または中間層12のうちの少なくとも2つが異なる材料でできており、特定の例示的実施形態において、各中間層12は他の中間層12の各々とは異なる材料でできている。
【0056】
各中間層12は、延性でかつ/またはクラッディング6の材料のものに近い従来の降伏強度(Rp0.2)、破断点伸び(A%)および/または分散した相対伸び(A%S)を有する材料でできている。
【0057】
第1の材料の機械的特性は、第1の材料の機械的特性の値が第2の材料の同じ機械的特性の値から30%超異なっていない場合、すなわち第1の材料の機械的特性の値が第2の材料のこの機械的特性の値の70%~130%である場合に、第2の材料の機械的特性に近いとみなされる。
【0058】
したがって、好ましくは:
- 各中間層12の材料は、延性金属合金製の中間層12に対応する60MPa以下の従来の降伏強度を有する、および/または
- 中間層12の材料の従来の降伏強度の値は、クラッディング6の材料の従来の降伏強度の値から30%超異なっていない、および/または
- 中間層12の材料の破断点伸びの値は、クラッディング6の材料の破断点伸びの値から30%超異なっていない、および/または
- 中間層12の材料の分散した相対伸びの値は、クラッディング6の材料の分散した相対伸びの値から30%超異なっていない。
【0059】
好ましくは、各中間層12の材料は、10%~40%の破断点伸びを有し、かつ/またはクラッディング6の材料は、10%~40%の破断点伸びを有する。
【0060】
好ましくは、各中間層12の材料は、10%以上の分散した相対伸び(A%S)を有し、かつ/または、クラッディング6の材料は、10%以上の分散した相対伸び(A%S)を有する。
【0061】
指摘された通り、各中間層12は好ましくは延性材料でできている。有利には、各中間層12は、クラッディング6の材料の延性および/または拡散防止層8の材料の延性以上の延性を有する材料でできている。
【0062】
好ましくは、各中間層12の材料は、クラッディング6および/またはコア4と化学的に相互作用しないように選択される。詳細には、各中間層12の材料は、ウランおよび/またはアルミニウムと化学的に相互作用しないように選択される。
【0063】
「化学的に相互作用する」とは、これらの材料の原子または分子間に引力が存在し、この引力が例えば静電気由来のもの(イオン結合または水素結合)または量子由来のもの(共有結合、金属結合またはファンデルワールス結合)である、というように理解される。
【0064】
実施形態の一例において、単一の中間層12または複数の中間層12のうちの少なくとも1つまたは複数の中間層12のうちの各々の中間層は、純アルミニウムまたはアルミニウム合金、詳細にはアルミニウム系合金でできている。
【0065】
アルミニウム系合金は、少なくとも80重量%のアルミニウムを含有するアルミニウム合金を意味する。
【0066】
実施形態の一例において、アルミニウム合金またはアルミニウム系合金は、銅(Cu)、マンガン(Mn)および/または亜鉛(Zn)を含有する。
【0067】
代替的には、単一の中間層12または複数の中間層12のうちの少なくとも1つまたは複数の中間層12のうちの各々の中間層は、添加元素を含有する母材から形成される。母材は例えば、以上に記した材料の中から選択される。
【0068】
各添加元素は、例えば、母材中に分散されるかまたは母材中に溶解させられている。
【0069】
各添加元素は、中間層12の機械的特性、熱的特性および/または中性子特性を改善するために選択されている。
【0070】
添加元素は、例えばチタン(Ti)またはケイ素(Si)含有物または中性子毒である。
【0071】
各中間層12は、被覆コア10の2つの相対する面10Aの各々とクラッディング6の間、任意には拡散防止層8による被覆コア10の縁部10Bとクラッディング6の間に配置される。
【0072】
好ましくは、各中間層12は、被覆コア10の2つの相対する面10Aの各々とクラッディング6の間、および被覆コア10の縁部10Bとクラッディング6の間に配置される。被覆コア10はこのとき、中間層12により完全に取り囲まれる。
【0073】
単一の中間層12または集合的に取上げた複数の中間層12は、10μm~500μmの厚みe、詳細には20μm~60μmの厚み、さらに一層詳細には30μm~50μmの厚みを好ましくは有する。
【0074】
核燃料要素2を製造するための方法について、ここで、製造方法中の連続的ステップを例示する
図3~6を参照しながら説明する。
【0075】
製造方法は、コア4を得るステップを含む。
【0076】
コア4は、例えば、炉内で粉末を混合することによって公知の方法で得られ、各金属粉末は、コア4を形成する金属合金の化合物の1つに対応する。
【0077】
二元ウラン-金属化合物合金(例えばモリブデン)から形成された核分裂性物質を含有するコア4は例えば、炉内でウランの粉末またはワイヤまたは部片と金属化合物の粉末またはワイヤまたは部片(例えばモリブデン)を混合して、それらを融合プロセスによって組合せることにより得られる。
【0078】
類似の技術を概してウラン合金のために使用することができ、合金の各々の他の化合物は、炉内での混合物の融解の前に、その性質に応じて部片、ワイヤまたは粉末の形態でウランと混合される。
【0079】
実施形態の一例において、製造方法には、コア4を得ることを目的として、厳密に核分裂性物質からシートを形成するステップが含まれる。この場合、コア4は、「モノリシック」コアである。
【0080】
実施形態の別の例において、製造方法には、核分裂性物質からインゴットを形成するステップ、インゴットを例えば粉砕によって粉末にするステップ、核分裂性物質粉末を、母材の形成用に意図された別の材料と混合するステップ、混合物を圧縮して成形体を形成するステップ、その後、成形体を焼結させるかまたは単純に圧縮してコア4を得るステップを含む。この場合、コア4は「分散」コアである。
【0081】
製造方法は、コア4上に拡散防止層8を被着させて被覆コア10を得るステップを含む。
【0082】
拡散防止層8は、例えば同時ラミネート加工によって、コア4に適用される。この場合、コア4は、拡散防止層8の材料でできた2枚のシートの間に挟まれ、こうして形成された積層アセンブリは、ロール間でラミネート加工される。
【0083】
これにより、拡散防止層8は、コア4に接着することができる。このような場合、拡散防止層8は、コア4の縁部4Bを覆うことなくコア4の2つの相対する面4Aを覆う。
【0084】
代替的には、
図3に示されているように、拡散防止層8は、物理気相成長法(PVD)、例えばスパッタリングPVDによってか、または化学気相成長法(CVD)、原子層堆積法(ALD)またはプラズマ励起化学気相成長法(PECVD)によってコア4に適用される。
【0085】
代替的には、拡散防止層8は、溶射、例えば冷間溶射、熱溶射またはプラズマ溶射によってコアに適用される。
【0086】
拡散防止層8が物理気相成長法または溶射によって適用される場合、拡散防止層8は、コア4の縁部4Bを覆うことができる。
【0087】
このとき、該製造方法は、被覆コア10とクラッディング6の間に単数または複数の中間層12を配置した状態で、被覆コア10をクラッディング6内に挿入するステップを含む(
図4および5)。
【0088】
被覆コア10をクラッディング6内に挿入する前に、各中間層12を、被覆コア10上またはクラッディング6上に被着させることができる。
【0089】
核燃料要素2が複数の重畳中間層12を含む場合、これらは、連続して被着させられる。
【0090】
実施形態の一例において、該製造方法は、被覆コア10をクラッディング6内に挿入する前に、各中間層12を被覆コア10上に被着させるステップを含む(
図4)。
【0091】
この場合、各中間層12は、少なくとも被覆コア10の2つの相対する面10Aの各々の上、そして任意には被覆コア10の縁部10B上に被着させられる。好ましくは、各中間層12は、被覆コア10の2つの相対する面10Aの各々の上そして被覆コア10の縁部10B上に被着させられる。
【0092】
代替的には、該製造方法は、クラッディング6内にコア4を挿入する前に、クラッディング6上、より厳密にはコア4に対面するクラッディング6の内側表面上に各中間層12を被着させるステップを含む。
【0093】
代替的には、核燃料要素2が複数の中間層12を含む場合、該製造方法は、被覆コア10上またはクラッディング6上に中間層12のうちの少なくとも1つを被着させるステップ、および中間層12のうちの少なくとも1つをクラッディング6上に被着させるステップを含む。
【0094】
被覆コア10がクラッディング6内に包み込まれている場合、被覆コア10上に被着させられた各中間層12は、クラッディング6上に被着させられた各中間層12と重複して多層ラミネートを形成する。
【0095】
各中間層12は、例えば、溶射によって、詳細には冷間溶射、熱溶射、プラズマ溶射、フレーム溶射、HVOF(高速フレーム溶射)またはAWS(アークワイヤ溶射)によって被着させられる。
【0096】
実施形態の特定の一例において、少なくとも1つの中間層12のうちの中間層12または各中間層12の被着は、フレーム溶射によって実施される。フレーム溶射は、例えば酸素アセチレン炎などの火炎中で材料を融解させることによって実施され、融解した材料は、気体流、好ましくは中性ガス流、詳細にはアルゴン流を用いて基板(コア4またはクラッディング6)上に溶射される。
【0097】
クラッディング6は例えば、クラッディング6をしっかりと密封するように被覆コア4の周囲に併せて組立てられた多くのクラッディング要素から形成されており、クラッディング6はコア4を完全に包み込んでいる。
【0098】
実施形態の一例において、クラッディング6は、コア4を収容するための開口部16を有するフレーム14および、フレーム14のいずれの側にも配設された2つの閉鎖プレート18を含む。コア4を収容するフレーム14は、2つの閉鎖プレート18間に配置されている。2つの閉鎖プレート18は、フレーム14とコア4を挟んでいる。
【0099】
図5中に示されているように、実施形態の特定の一例において、2つの閉鎖プレート18は、折り目20により分離された2つの閉鎖プレート18を形成するように2つに折られた単一の閉鎖シート18から一体で形成されている。
【0100】
代替的には、2つの閉鎖プレート18は、2つの別個の部片である。
【0101】
フレーム14は、開口部16を境界画定する内側縁部14Aを有する。各閉鎖プレート18は、内側表面18Aを有する。
【0102】
中間層12または単数または複数の中間層12のうちの少なくとも1つがクラッディング6の内側表面上に被着される場合、被着は、閉鎖プレート18のうちの1つまたは各々の内側表面16A上、任意にはフレーム14の内側縁部14A上で実施される。好ましくは、被着は、各閉鎖プレート18の内側表面18A上およびフレーム14の内側縁部14A上で実施される。
【0103】
該製造方法は、中間層12が配置された状態でクラッディング6内に挿入された被覆コア10によって形成された多層アセンブリ22をプレスするステップを含む。
【0104】
有利には、プレス作業は、熱間で実施される。この場合、該方法は、プレス作業前および/または作業中に多層アセンブリ22を加熱するステップを含む。
【0105】
実施形態の一例において、プレス作業は、
図5中に矢印Rで例示されているように、ローラ間で多層アセンブリ22を圧延することによって実施される。ラミネート加工は、冷間または熱間のいずれかで実施可能である。
【0106】
ラミネート加工中、多層アセンブリ22の厚みの方向に沿って圧力が加えられる。多層アセンブリ22は、伸びる傾向を有する。
【0107】
実施形態の別の例において、プレス作業は、熱間等方圧加圧(HIP)により行なわれる。
【0108】
このようなプレス作業には、加圧チャンバ内で多層アセンブリ22を流体の圧力に付し、こうして圧力が全ての方向に等しく作用するようにするステップが関与する。流体は例えば、気体、詳細には空気または中性ガスである。
【0109】
このような加圧により、非常に低い伸びを示す結果がもたらされる。
【0110】
いずれにせよ、プレス作業は好ましくは、圧延の終りにおける多層アセンブリ22の伸びまたは縮小率が15%未満、好ましくは10%未満であるような形で実施される。
【0111】
多層アセンブリ22の百分率として表現される伸びは、プレス作業後の多層アセンブリ22の長さとプレス作業前の多層アセンブリ22の長さの間の差に値100を乗じ、プレス作業後の多層アセンブリ22の長さで除したものである。
【0112】
縮小率は、プレス作業後の多層アセンブリ22の厚みとプレス作業前の多層アセンブリ22の厚みの間の差に値100を乗じ、プレス作業後の多層アセンブリ22の厚みで除したものである。
【0113】
実際には、伸びおよび縮小率は、実質的に等しい。
【0114】
本発明は、満足のいく中性子性能を有する核燃料要素2の製造を容易にする。
【0115】
拡散防止層8は、核燃料要素2の最外側層に向かう、詳細にはクラッディング6に向かうそして各中間層12にも向かう核分裂性物質の拡散を防止する。
【0116】
詳細には、高温の融点を有する拡散防止層8は、例えばプレス作業が高温で実施される場合のプレス作業または加熱の結果としてコア4の温度が上昇する場合に、このような拡散を予防する。
【0117】
クラッディング6と拡散防止層8で被覆されたコア4との間に配置された各々の延性中間層12は、クラッディング6と拡散防止層8で被覆されたコア4との間の接着を促し、燃料要素内の品質欠陥を制限する一助となる。
【0118】
詳細には、こうして、アセンブリがプレスされる圧力および該当する場合には温度を制限し、ひいてはコア4に加えられる熱的および機械的応力を制限することが可能になる。
【0119】
各中間層12は、製造方法中、詳細にはプレス作業が高温で実施される場合の加熱中に、拡散防止層8の酸化リスクを制限することも可能にする。
【0120】
結局のところ、該製造方法は、プレス作業を受容可能な温度および圧力で実施しながら、優れた性能、詳細にはわずかな品質欠陥、高い核燃料密度を示す核燃料要素を得ることを可能にする。
【0121】
該製造方法は、公知のタイプの設備、詳細には公知のタイプの被着設備、圧延設備またはプレス設備を用いて実施可能である。
【0122】
本発明は、以上で論述され図面中で示されている実施形態の例に限定されない。実施形態の他の例も同様に構想可能である。
【0123】
核燃料要素2は、例えば研究炉における同位体製造のためのターゲットとしておよび/または発電のための燃料として使用可能である。
【符号の説明】
【0124】
2 核燃料要素
4 コア
6 クラッディング
8 拡散防止層
10 被覆コア
12 中間層
18 閉鎖プレート
22 多層アセンブリ
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料要素(2)の製造方法において、ウラン系核分裂性物質を含有するシートの形状をしたコア(4)を得るステップと、コア(4)を拡散防止層(8)で被覆して被覆コア(10)を得るステップと、被覆コア(10)とクラッディング(6)の間に単数または複数の中間層(12)を配置した状態で、被覆コア(10)をクラッディング(6)内に挿入するステップと、結果として得られた多層アセンブリ(22)をプレスして、封止した形でクラッディング(6)を閉じるステップとを含む製造方法であって、各中間層(12)が、延性金属合金で作られかつ/またはクラッディング(6)の材料の降伏強度との差が30%以下である従来の降伏強度、クラッディング(6)の材料の破断点伸びとの差が30%以下である破断点伸びおよび/またはクラッディング(6)の材料の相対伸びとの差が30%以下である分散した相対伸びを有している、製造方法。
【請求項2】
各中間層(12)が、被覆コア(10)をクラッディング(6)内に包み込む前に被覆コア(10)にまたはクラッディング(6)の内側表面(14A、18A)に適用される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
各中間層(12)が、被覆コア(10)をクラッディング(6)内に包み込む前に溶射によって被覆コア(10)にまたはクラッディング(6)に適用される、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
中間層(12)の材料または中間層(12)のうちの少なくとも1つの材料が、母材および少なくとも1つの添加元素を含む、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項5】
核分裂性物質が、少なくとも1つのウラン合金および/または少なくとも1つのウラン化合物を含有する、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項6】
コア(4)が、核分裂性物質で構成されたモノリシックコアまたは母材内に分散した核分裂性物質を含有する分散コアである、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項7】
拡散防止層(8)が、ジルコニウム系合金、モリブデン系合金、チタン系合金、ケイ素系合金またはこれらの合金のうちの少なくとも2つの合金の混合物の中から選択された材料でできている、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項8】
各中間層(12)が、拡散防止層(8)の材料の延性以上およびクラッディング(6)の材料の延性以上の延性を有する材料でできている、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項9】
各中間層(12)が、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできてる、あるいは純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできた母材を含む材料でできている、請求項
1に記載の製造方法。
【請求項10】
ウラン系核分裂性物質を含有するシートの形状をしたコア(4)を含み、コア(4)が拡散防止層(8)で被覆され、クラッディング(6)内に包み込まれている核燃料要素において、少なくとも1つの中間層(12)を含み、各中間層(12)が拡散防止層(8)とクラッディング(6)の間に配置されており、各中間層(12)が延性金属合金で作られかつ/またはクラッディング(6)の材料のものに近い従来の降伏強度、破断点伸びおよび/または相対伸びを有している、核燃料要素。
【請求項11】
核分裂性物質が、少なくとも1つのウラン合金および/または少なくとも1つのウラン化合物を含有する、請求項10に記載の核燃料要素。
【請求項12】
コア(4)が、核分裂性物質で構成されたモノリシックコアまたは母材内に分散した核分裂性物質を含有する分散コアである、請求項10または11に記載の核燃料要素。
【請求項13】
拡散防止層(8)が、ジルコニウム系合金、モリブデン系合金、チタン系合金、ケイ素系合金またはこれらの合金のうちの少なくとも2つの合金の混合物の中から選択された材料でできている、請求項1
0に記載の核燃料要素。
【請求項14】
各中間層(12)が、拡散防止層(8)の材料よりも延性が高くかつクラッディング(6)の材料よりも延性が高い材料でできている、請求項1
0に記載の核燃料要素。
【請求項15】
各中間層(12)が、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできている、あるいは、純アルミニウムまたはアルミニウム合金でできた母材を含む材料でできている、請求項1
0に記載の核燃料要素。
【国際調査報告】