(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】腸放出が改善された硬質シェルカプセル
(51)【国際特許分類】
A61K 9/48 20060101AFI20240702BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240702BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240702BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240702BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240702BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240702BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240702BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240702BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20240702BHJP
A61K 9/56 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A61K9/48
A61K47/32
A61K47/14
A61K47/10
A61K47/34
A61K47/12
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/42
A61K9/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500154
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2022067846
(87)【国際公開番号】W WO2023280649
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】アスムス,マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ロス,エルナ
(72)【発明者】
【氏名】ブランズ,ジェシカ
【テーマコード(参考)】
4C076
【Fターム(参考)】
4C076AA53
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD46
4C076DD47
4C076EE12
4C076EE23
4C076EE32
4C076EE38
4C076EE42
4C076FF31
(57)【要約】
本発明は、医薬又は栄養補助食品の生物学的活性成分の容器に適するポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法であって、前記硬質シェルカプセルは、本体及びキャップを含み、閉鎖状態において、前記キャップが、予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかで本体に重なり、かつ、前記予備ロック状態で提供され、以下の:
a)5~25質量%のメタクリル酸、及び75~95質量%のメタクリル酸のC1~C4-アルキルエステル及び/又はアクリル酸のC1~C4-アルキルエステルの重合単位を含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a);
b)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)に対して、1~25質量%又は5~18質量%の、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;
c)モノステアリン酸グリセリン及び/又はジステアリン酸グリセリン
d)少なくとも1種の可塑剤;並びに、
e)場合によっては、少なくとも1つの添加剤
を含むか、又はからなる被覆溶液、懸濁液又は分散液により被覆された、又は、外表面のみが被覆された、予備ロック状態の硬質シェルカプセルを得ること、を含む、方法に関する。さらに、本発明は、本発明による方法から得られるポリマー被覆硬質シェルカプセル、及び遅延放出又は持続放出のためのポリマー被覆硬質シェルカプセルの使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬又は栄養補助食品の生物学的活性成分の容器に適するポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法であって、前記硬質シェルカプセルは、本体及びキャップを含み、閉鎖状態において、前記キャップが、予備ロック(プレロック)状態又は最終ロック状態のいずれかで前記本体に重なり、かつ、前記予備ロック状態で提供され、以下の:
a)5~25質量%のメタクリル酸、及び75~95質量%のメタクリル酸のC1~C4-アルキルエステル及び/又はアクリル酸のC1~C4-アルキルエステルの重合単位を含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a);
b)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、1~25質量%又は5~18質量%の、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;
c)モノステアリン酸グリセリン及び/又はジステアリン酸グリセリン;
d)クエン酸アルキル、フタル酸アルキル、セバシン酸アルキル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、グリセロール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリアルキル及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤;並びに、
e)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる被覆溶液、懸濁液又は分散液により被覆された、又は、外表面のみが被覆された、前記予備ロック状態の前記硬質シェルカプセルを得ること、を含む、方法。
【請求項2】
前記本体及び前記キャップの基材が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ゼラチン、プルラン、及び(メタ)アクリル酸のC1~C4アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とのコポリマーから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)が、10~30質量%のメチルメタクリレート、50~70質量%のメチルアクリレート及び5~15質量%のメタクリル酸の重合単位を含むモノマー組成物全体を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が、デカン酸(カプリン酸、C10)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸、C12)、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデセン酸(パルミチン酸、C16)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸、C18)、ノナデカン酸、エイコサン酸(アラキジン酸、C20)、ヘンエイコサン酸(ベヘン酸、C22)、ドコサン酸、トリコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸(セラチン酸)、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸及びトリアコンタン酸(メリシン酸、C30)又はそれらの混合物であり、ここで前記飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ塩は、少なくとも1種のステアリン酸塩、又はステアリン酸ナトリウムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
モノステアリン酸グリセロール及び/又はジステアリン酸グリセロールが、前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して1~10質量%、又は2~7質量%で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
モノステアリン酸グリセロール及び/又はジステアリン酸グリセロールのほかに、少なくとも1種のさらなる流動促進剤が存在し、前記少なくとも1種のさらなる流動促進剤は、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して3~75質量%の量で存在し;かつ/又は
ii)シリカ、粉砕シリカ、ヒュームドシリカ、カオリンケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸亜鉛からなる群から選択されるステアリン酸塩、ステアリルフマル酸ナトリウム、デンプン、並びにステアリン酸、若しくはそれらの混合物から選択される;
、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1種の可塑剤が、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して0.5~40質量%の量で存在し、及び/又は
ii)アルキルシトレート、アルキルフタレート、及びアルキルセバケート、トリエチルシトレート(TEC)、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらの組み合わせ、から選択されるか、又は、数平均分子量が200~20000g/molであるか、又はそれらの混合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、少なくとも1種の添加剤が400質量%まで含まれる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種の添加剤が少なくとも1種の乳化剤を含み、前記少なくとも1種の乳化剤は、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して1.5~40質量%の量で存在し、及び/又は
ii)非イオン性乳化剤、
である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記本体及び前記キャップは、前記キャップが前記本体に重なる領域に、前記硬質シェルカプセルが前記予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかでスナップイン式機構によって閉じるように、包囲するノッチ又はディンプルを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記本体が、テーパ状のリムを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
被覆層が、約0.7~20mg/cm
2の量で塗布される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
クエン酸トリアルキルがクエン酸トリエチルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法から得られる、ポリマー被覆硬質シェルカプセル。
【請求項15】
遅延放出又は持続放出のための、請求項14に記載のポリマー被覆硬質シェルカプセルの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法であって、前記硬質シェルカプセルは、本体及びキャップを含み、閉鎖状態において、前記キャップが、予備ロック(プレロック)状態又は最終ロック状態のいずれかで前記本体に重なり、かつ、前記予備ロック状態で提供され、以下の:
a)5~25質量%のメタクリル酸、及び75~95質量%のメタクリル酸のC1~C4-アルキルエステル及び/又はアクリル酸のC1~C4-アルキルエステルの重合単位を含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a);
b)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、1~25質量%、好ましくは5~18質量%の、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;
c)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、2.5~7.5質量%のモノステアリン酸グリセリン及び/又はジステアリン酸グリセリン;
d)クエン酸アルキル、フタル酸アルキル、セバシン酸アルキル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、グリセロール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤;並びに、
e)場合によっては、少なくとも1つの添加剤
を含むか、又はからなる被覆溶液、懸濁液又は分散液により被覆された、又は、外表面のみが被覆された、前記予備ロック状態の前記硬質シェルカプセルを得ること、を含む、方法に関する。さらに、本発明は、本発明による方法から得られるポリマー被覆硬質シェルカプセル、及び遅延放出又は持続放出のためのポリマー被覆硬質シェルカプセルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達用の硬質シェルカプセルのための基剤は、一般にゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。これらのカプセルが被覆されていない場合は、媒体のpH値とは無関係に、胃又は腸において容易に溶解する。したがって、pH値依存性の標的薬物放出が所望される場合、硬質シェルカプセルには被覆層が必要であり、その多くの場合、(メタ)アクリルポリマーが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、硬質シェルカプセルのための極めて特異的な標的薬物放出、すなわち腸における迅速な放出を提供することであった。従って、薬物の主要部分の放出は、腸に到達した場合、すなわち、7.2のpH値で到達した場合、さらに、7.2のpH値に到達した後約1時間以内にのみ起こる。従って、本発明の目的は、pH7.2で活性成分の放出を促進することができる被覆組成物を提供することである。
【0005】
pH値>6での胃の後の放出に適したポリマー及び被覆は、例えば、商品名EUDRAGUARD(登録商標)biotic及び特許文献1に開示されている。しかしながら、特許文献1では、カプセルが一般的に言及されているにすぎず、カプセルについての具体例は提供されておらず、放出特性は錠剤又はペレットの観点で開示されているだけである(例えば、26頁、第2段落)。さらに、特許文献1の被覆は、6.0以上のpH値で放出を開始する場合に適すると考えられる。pH値7.2のための明示的な被覆は開示されておらず、ペレットのみについて示された全ての実施例は、pH値6.0で既に開始されており、したがって、本発明の目的を解決するためには不適当である。
【0006】
さらに、本発明の発明者らは、驚くべきことに、硬質シェルカプセルのpH値7.2での放出が、本発明による硬質シェルカプセルと組み合わせた特定の被覆組成物によってのみ得られることを見出した。この点に関して、ペレット及びカプセル上の同じ被覆組成物が異なる放出特性をもたらすことは特に驚くべきことであった。したがって、ペレット用の被覆を開示する特許文献1の一般的な教示から出発した当業者は、本発明に到達しなかったであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様では、本発明は、ポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法であって、前記硬質シェルカプセルは、本体及びキャップを含み、閉鎖状態において、前記キャップが、予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかで前記本体に重なり、かつ、前記予備ロック状態で提供され、以下の:
a)5~25質量%のメタクリル酸、及び75~95質量%のメタクリル酸のC1~C4-アルキルエステル及び/又はアクリル酸のC1~C4-アルキルエステルの重合単位を含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a);
b)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、1~25質量%又は5~18質量%の、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;
c)モノステアリン酸グリセリン及び/又はジステアリン酸グリセリン;
d)クエン酸アルキル、フタル酸アルキル、セバシン酸アルキル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、グリセロール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリアルキル及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤;並びに、
e)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる被覆溶液、懸濁液又は分散液により被覆された、前記予備ロック状態の前記硬質シェルカプセルを得ること、を含む、方法を提供する。
【0008】
第2の態様では、本発明は、本発明による方法から得られるポリマー被覆硬質シェルカプセルに関する。
第3の態様では、本発明は、遅延放出又は持続放出のための、本発明によるポリマー被覆硬質シェルカプセルの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
硬質シェルカプセル
医薬又は栄養補助目的のための硬質シェルカプセルは、当業者に周知である。硬質シェルカプセルは、本体及びキャップという2つのカプセル半体を含む2ピースでカプセル化されたカプセルである。カプセル本体及びキャップ材料は、通常、硬質で、時には脆弱な材料から作製される。硬質シェルカプセルは、本体とキャップとを含む。本体及びキャップは、通常、一端は開いた円筒形であり、反対側の端部は閉じた丸い半球形である。キャップと本体の形状と大きさは、本体がその開口端をキャップの開口端に入れ子式に押し込むことができるようなものである。
【0010】
本体及びキャップは、本体の外側及びキャップの内側に、潜在的に重なり合う適合領域(重なり領域)を含み、この領域は、カプセルが予備ロック状態で閉じられたときに部分的に重なり合い、最終ロック状態で完全に重なり合う。キャップが本体の重なり合う適合領域上を部分的に摺動されるとき、カプセルは予備ロック状態にある。キャップが本体の重なり合う適合領域上を完全に摺動すると、カプセルは最終ロック状態になる。予備ロック状態又は最終ロック状態の維持は、通常、本体及びキャップのスナップインロック機構、例えば、適合する包囲ノッチ又はディンプル、好ましくは細長いディンプルによって支持される。
【0011】
通常、本体はキャップよりも長い。本体の外側の重なり合う領域は、カプセルを閉鎖又はロックするためにキャップによって覆うことができる。閉鎖状態では、キャップは、予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかで本体の外側重なり領域を覆う。最終ロック状態では、キャップは、本体の外側重なり領域を全体的に覆い、予備ロック状態では、キャップは、本体の外側重なり領域に部分的にのみ重なる。キャップは、通常、カプセルが予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかで閉じられる2つの異なる位置のうちの1つに固定されるように、本体上を摺動させることができる。
【0012】
硬質シェルカプセルは、様々なサイズで市販されている。硬質シェルカプセルは、通常、本体及びキャップが既に予備ロックの状態に配置された空の容器として、及び場合によっては、別個のカプセル半体、本体及びキャップとして送達される。予備ロック硬質シェルカプセルは、カプセル充填機に供給することができ、カプセル充填機は、カプセルの開放、充填、及び最終ロック状態への閉鎖を行う。通常、硬質シェルカプセルは、乾燥材料、例えば、粉末若しくは顆粒、又は生物学的に活性な成分を含む粘性液体で充填される。
【0013】
キャップ及び本体には、カプセルの予備ロック(一時的)及び/又は最終ロックに有利な閉鎖手段が設けられる。したがって、キャップの内壁に隆起点を設けることができ、本体の外壁には幾分大きい窪み点が設けられ、カプセルが閉じられたときに隆起が窪みに嵌まるように配置される。あるいは、隆起部を本体の外壁に形成し、凹部はキャップの内壁に形成してよい。隆起部又は凹部が壁の周りにリング状又は螺旋状に配置が配置されてよい。隆起部及び窪みの点状の構成の代わりに、これらをキャップ又は本体の壁を環状の構成で取り囲むことができるが、有利には、カプセル内部への及びカプセル内部からガスの交換を行うことができる凹部及び開口部が設けられる。1つ以上の隆起部が、カプセルの最終ロック位置において、キャップ上の隆起部が本体上の隆起部に隣接して位置するように、キャップの内壁及び本体の外壁の周りに環状配置で設けられてよい。時には、本体の外側には開放端に近接して隆起部が形成され、キャップには開放端に近接して窪みが形成され、カプセルの最終ロック位置において本体の隆起部がキャップの窪みにラッチ係合するようになっている。隆起部は、キャップがカプセルに損傷を与えることなくいつでも予備ロック状態で開くことができるようなものであるのが良く、あるいは、変形例として、一度キャップが閉じられると、カプセルを破壊せずには再び開放できないものであってよい。そのようなラッチ機構(ラッチ)が1つ以上ある(例えば、2つの包囲溝)カプセルが好ましい。より好ましいのは、2つのカプセル部分を異なる程度に固定する少なくとも2つのそのようなラッチ手段があるカプセルである。当該部品では、第1のラッチ手段(ディンプル又は周囲を取り囲むノッチ)は、カプセルキャップ及びカプセル本体の開口部の近くに形成され、第2のラッチ手段(周囲を取り囲むノッチ)は、カプセル部品の閉鎖端部に向かってさらに幾分シフトされてよい。第1のラッチ手段は、第2のラッチ手段ほど強くは2つのカプセル部品を固定しない。この変形例には、空のカプセルの製造後に、カプセルキャップとカプセル本体とを、第1のラッチ機構を用いて最初に互いに予備ロック接合することができるという利点がある。カプセルを充填するには、2つのカプセル部分をその後、再び分離する。充填後、2つのカプセル部品は、第2の組のラッチがカプセル部品を最終ロック状態にしっかりと固定するまでともに押される。
【0014】
好ましくは、硬質シェルカプセルの本体及びキャップは、キャップが本体上をスライドすることができる領域に、それぞれ周囲を取り囲むノッチ及び/又はディンプルを含む。本体の周囲を取り囲むノッチとキャップのディンプルとは、互いに適合して、スナップイン式機構又はスナップイン式機構を提供する。ディンプルは、円形であってもよく、長手方向に細長い(楕円形)であってもよい。本体の包囲ノッチとキャップの包囲ノッチ(密接に適合したリング)も互いに適合して、スナップイン又はスナップイン式機構を提供する。これにより、カプセルは、スナップイン式機構によって、予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかで閉鎖されうる。
【0015】
好ましくは、本体の周囲を取り囲むノッチとキャップの細長いディンプルとの適合が、本体とキャップとを互いに予備ロック状態で固定するために用いられる。本体及びキャップの適合する包囲ノッチは、好ましくは、最終ロック状態において本体及びキャップを互いに固定又はロックするために用いられる。
【0016】
キャップが本体上を摺動することができる領域は、本体とキャップとの重なり領域、又は簡単に重なり領域ということができる。キャップが本体と部分的にのみ、おそらくは重なるべき面積の20~90%又は60~85%まで重なり合う場合、硬質シェルカプセルは部分的にのみ閉じられる(予備ロックされる)。好ましくは、本体及びキャップ内の適合する包囲ノッチ及び/又はディンプル等のロック機構の存在下で、部分的に閉じたカプセルは、予備ロックされたという場合がある。カプセルが予備ロック状態でポリマー被覆されると、被覆は、この予備ロック状態でキャップによって覆われていない本体とキャップの重なり領域の部分を含む外面を完全に覆う。カプセルが予備ロック状態でポリマー被覆され、次いで最終ロック状態まで閉じられると、予備ロック状態でキャップによって覆われていなかった本体とキャップとの重なり領域の部分の被覆は、キャップによって覆われる。その後、最終的なロック状態において本体とキャップとの間に封入される被覆の部分の存在により、硬質シェルカプセルがしっかりと密封される。
【0017】
キャップが本体に重なる場合、本体の全重なり領域、硬質シェルカプセルは最終的に閉じられるか、又は最終ロック状態になる。好ましくは、本体及びキャップ内の適合する包囲ノッチ及び/又はディンプル等のロック機構の存在下で、最終的に閉じられたカプセルは、最終ロックされたということができる。
【0018】
通常、本体とキャップを予備ロックの状態に固定するためには、ディンプルが好ましい。非拘束的な規則として、ディンプルの適合面積は、包囲ノッチの適合面積よりも小さい。このようにスナップインされたディンプルは、周囲を囲むノッチを適合させることによってスナップインされた固定をスナップアウトするために必要とされる力よりも小さい力を加えることによって再びスナップアウトされてよい。
【0019】
本体及びキャップのディンプルは、キャップが本体上を摺動することができる領域に位置し、スナップイン又はスナップイン・プレース機構によって、予備ロック状態で互いに適合する。キャップの周囲に円形に分布して配置された、例えば2、4、又は好ましくは6つのノッチ又はディンプルが存在し得る。
【0020】
通常、キャップのディンプルと、キャップが本体上をスライドすることができる領域における本体の周囲ノッチとは、互いに一致し、その結果、それにより、カプセルが、予備ロック状態で、スナップイン式機構によって閉じられうる。予備ロックの状態では、硬質シェルカプセルは、開けるのに必要な力が比較的小さいので、損傷を与えることなく手動で又は機械によって再び開けることができる。したがって、「予備ロック状態」は、「緩くキャップされた」ともいうことがある。
【0021】
通常、キャップが本体上を摺動することができる領域における本体及びキャップの周囲を囲むノッチ又は適合するロックリングは、互いに適合し、その結果、それにより、最終ロック状態では、スナップイン式機構によってカプセルを閉鎖することができる。最終ロック状態では、硬質シェルカプセルは、開けるのに必要な力が比較的大きいので、損傷を与えることなく手動で又は機械によって再び開けることができないか又はほとんど開けることができない。
通常、ディンプル及び包囲ノッチは、カプセル本体又はカプセルキャップに形成される。これらの隆起部及び窪み部を備えたカプセル部品が互いに嵌め合わされると、カプセル本体とその上に配置されたカプセルキャップとの間の接触面に沿って、10ミクロン~150ミクロン、より具体的には20ミクロン~100ミクロンの理想的に画定された均一な間隙が形成される。
好ましくは、硬質シェルカプセルの本体は、テーパ状のリムを含む。テーパ状のリムは、カプセルが手動で又は機械によって閉じられるときに、本体及びキャップのリムが衝突して損傷することを防止する。
【0022】
硬質シェルカプセルとは対照的に、ソフトシェルカプセルは、溶接された一体型カプセル化カプセルである。ソフトゲルカプセルは、しばしば、ブロー成形されたソフトゲル化物質から作製され、通常、注射によって生物学的に活性な成分を含む液体で充填される。本発明は、溶接されたソフトシェルの一体型カプセルには関係しない。
【0023】
硬質シェルカプセルのサイズ
閉じた最終ロックされた硬質シェルカプセルの全長は、約5~40mmの範囲であってよい。キャップの直径は、約1.3~12mmの範囲内であってよい。本体の直径は、約1.2~11mmの範囲であってよい。キャップの長さは約4~20mmの範囲であり、本体の長さは8~30mmの範囲である。充填容積は、約0.004~2mlの間であってよい。予備ロック長さと最終ロック長さとの差は、約1~5mmであってよい。
カプセルは、例えば000~5のサイズの標準化されたサイズに分割することができる。サイズ000の閉じたカプセルは、例えば、キャップの外径が約9.9mm、かつ、本体の外径が約9.5mmであり全長が約28mmである。キャップの長さは約14mmであり、本体の長さは約22mmである。充填容積は約1.4mlである。
サイズ5の閉鎖カプセルは、例えば、全長が約10mm、キャップの外径が約4.8mm、かつ、本体の外径が約4.6mmである。キャップの長さは約5.6mmであり、本体の長さは約9.4mmである。充填容積は約0.13mlである。
サイズ0のカプセルは、予備ロック状態で長さが約23~24mmを示し、最終ロック状態での長さが約20.5~21.5mmと示すことができる。したがって、予備ロックの長さと最終ロック長さとの間の差は、約2~3mmであってよい。
【0024】
被覆硬質シェルカプセル
本発明は、本明細書に記載される方法によって得られるポリマー被覆硬質シェルカプセルに関する。
本体及びキャップの材料
本体及びキャップの基材は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ゼラチン、プルラン、及び(メタ)アクリル酸のC1~C4アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とのコポリマーから選択することができる。本体及びキャップがHPMC又はゼラチンを含むか又はそれらからなる硬質シェルカプセルが好ましく、ポリマー被覆に対するその良好な接着特性のためにHPMCが最も好ましい。
【0025】
成分a):(メタ)アクリレートコポリマー
溶液、懸濁液又は分散液は、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)を含む。
(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、メタクリル酸5~25質量%と、メタクリル酸のC1~C4-アルキルエステル及び/又はアクリル酸のC1~C4-アルキルエステル75~95質量%との重合単位を含む。(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、ポリマー粒子の形態で存在し得る。好ましくは、モノマーは合計で100%であってよい。
アクリル酸又はメタクリル酸のC1~C4-アルキルエステルは、特に、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート及びブチルアクリレートである。
(メタ)アクリレートコポリマー(a)は乳化重合法から得ることができ、全てのモノマーの全量がチャージされ、一段階で同時に重合させてポリマー粒子にする。この方法の結果、ポリマー粒子は、モノマー、特にメタクリル酸の重合単位の独特の分布を示し、粒子の中心(内側)及び表面(外側)から一定であるとみなすことができる。
ポリマー粒子は、水性分散形態で、又はポリマー粒子を含む水性分散液から乾燥することによって得られる再分散性粉末の形態で存在することができる。
【0026】
好ましくは、(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、10~30質量%のメチルメタクリレート、50~70質量%のメチルアクリレート及び5~15質量%のメタクリル酸の重合単位を含むモノマー組成物を含む。好ましくは、モノマーは合計で100%であってよい。
通常の(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、EUDRAGIT(登録商標)FS30Dであってよく、これは、30質量%の水性分散液の形態の、医薬用として周知の市販の(メタ)アクリレートコポリマー製品である。コポリマーは、10質量%のメタクリル酸、65質量%のメチルアクリレート、及び25質量%のメチルメタクリレートから重合される。EUDRAGUARD(登録商標)生物製剤の化学組成は、EUDRAGIT(登録商標)FS30Dと同様である。
(メタ)アクリレートコポリマー(a)、特にEUDRAGIT(登録商標)FS30Dポリマーの比溶解pH値は、約pH7.0~pH7.2である。pH7.0未満、例えばpH6.8では、顕著な溶解はない。
【0027】
(メタ)アクリレートコポリマー(a)の製造方法
(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、例えば、欧州特許出願第0704207号及び同0704208号明細書に記載されているように、モノマーのフリーラジカル重合によって、当業界で公知の方法で調製されてよい。(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、連続的にバッチ法により、例えばラジカル形成開始剤及び場合により分子量を調節するための調節剤の存在下での乳化重合により、希釈せずに、溶液中で、パール重合により又はエマルション中で、ラジカル重合の通常の方法により製造することができる。平均分子量Mw(質量平均、例えば溶液粘度を測定することによって決定される)は、例えば80000g/mol~1000000g/molの範囲であってよい。
水溶性開始剤及び好ましくはアニオン性乳化剤の存在下での水相中での乳化重合が好ましい。得られるポリマー粒子の質量平均サイズ(半径)は、通常、50~500、好ましくは80~300nmの範囲であり、したがって、加工技術に好ましい1000mPa・s未満の粘度が確保される。粒径は、例えばMastersizer2000(Malvern Inc.製)を用いて、レーザー回折によって決定することができる。
塊状重合の場合、コポリマーは、粉砕、押出、造粒又はホットカットによって固体形態で得ることができる。
【0028】
(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、当業界で公知の方法で、フリーラジカルバルク、溶液、ビーズ又は乳化重合によって得ることができる。それは、加工前に、適当な粉砕、乾燥又は噴霧方法によって適当な粒径範囲にすることができる。これは、押出され冷却されたペレットの単純な粉砕又はホットカットによって達成することができる。ポリマー粉末を用いるのは、特に他の粉末又は液体と混合するために有利であってよい。粉末の製造に適した通常装置は、当業者に周知であり、例えば、エアジェットミル、ピン付きディスクミル、コンパートメントミルである。適当な場合には、適当な篩い分け工程を含んでよい。工業的大量生産に適したミルは、例えば、約6バールのゲージ圧で操作される対向ジェットミル(Multi No.4200)である。
【0029】
乳化重合法は、有利には、重合反応器中で、それぞれモノマーエマルション供給法又はモノマー供給法によって実施することができる。このために、水を重合反応器中で反応温度に加熱する。界面活性剤及び/又は開始剤をこの段階で添加してもよい。開始剤を添加する前に、全てのモノマーの全量を反応器に投入してもよい。この方法は、しばしば「バッチエマルション方法」という。
【0030】
用いられうる乳化剤は、特にアニオン性及び非イオン性界面活性剤である。用いられる乳化剤の量は、一般に、モノマーの質量に対して5質量%以下、好ましくは0.1~3質量%である。通常の乳化剤は、例えば、アルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)、アルキルエーテル硫酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、ノニルフェノールエトキシレート(ノノキシノール-9)などである。
乳化重合において従来から用いられてきた重合開始剤(例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)等の過化合物)及び、二亜硫酸ナトリウム-APS-鉄等のレドックス系を適用することができる。また、水溶性アゾ開始剤を適用してもよく、及び/又は開始剤の混合物を用いてよい。開始剤の量は、通常、モノマーの質量に基づいて0.005~0.5質量%、好ましくは0.01~0.3質量%である。
【0031】
連鎖移動剤を添加して、方法安定性及び分子量(Mw)の再現性を改善することができる。連鎖移動剤の通常の量は、モノマー質量に基づいて0.05~1質量%であってよい。通常の連鎖移動剤は、例えば、チオグリコール酸2-エチルヘキシルエステル(TGEH)又はn-ドデシルメルカプタン(nDDM)であってもよい。しかしながら、連鎖移動剤は、本発明による特性に影響を及ぼさず、場合によっては省略されてもよい。
【0032】
通常の乳化重合ブロスは、主成分として約3~7の通常の質量比のモノマー及び水、並びに0.005~0.5質量%の1種以上の重合開始剤、0.05~1質量%の連鎖移動剤、5質量%未満又は0.1~3.0質量%の乳化剤、及び0~0.5質量%の消泡剤を含んでよく、ここで、全ての成分は合計して100%であってもよい。
重合温度は、ある範囲内で開始剤に依存する。例えば、APSを用いる場合、60~90℃の範囲で操作することが有利であり、レドックス系を用いる場合、より低温、例えば30℃で重合することもできる。
方法の終期に、反応器内容物は、通常、例えば20~25℃に冷却され、得られた分散液は、例えば250μmのガーゼを通して濾過されてよい。
【0033】
乳化重合で製造されるポリマー粒子の平均粒径(D50)は、50~500nm、好ましくは80~300nmの範囲であってよい。ポリマー粒子の平均粒径は、当業者に周知の方法、例えばレーザー回折法によって決定することができる。粒径は、Mastersizer 2000(Malvern)を用いて、レーザー回折によって決定することができる。これらの値は、体積基準の粒度分布d(v,50)の中央値の半分である粒子半径rMS[nm]として示すことができる。
分散液は、好ましくは噴霧乾燥、噴霧造粒、凍結乾燥、凝固又は押出によって、粉末又は顆粒に乾燥することもできる。したがって、固体粉末又は顆粒を得ることができ、これは、取り扱い及びロジスティクスに関して特定の利点を提供する。乾燥粉末又は顆粒は、マトリックス剤形のためのポリマー結合剤として用いられうる。
乾燥した重合体はその後、例えば(必要な場合)高剪断ミキサーを用いて、固体を水中に再分散させることによって、被覆懸濁液に移すことができる。
【0034】
(メタ)アクリレートコポリマー(a)の水性分散液
(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、通常、水性分散液の形態で乳化重合法から得られるか、又は例えば約30質量%のポリマー濃度で、そのような分散液(EUDRAGIT(登録商標)FS30D)として市販されている。次いで、成分b)及び(c)及び/又はd))及び場合によっては少なくとも1種の添加剤を、被覆剤又は結合剤としての用途におけるさらなる処理のために水性分散液に添加することができる。
【0035】
粉末又は顆粒
(メタ)アクリレートコポリマー(a)は、水性分散液から乾燥形態、好ましくは粉末又は顆粒に、水性分散液の噴霧乾燥、噴霧造粒、噴霧凝集、凍結乾燥、凝固又は押出によって変換されてよい。得られる顆粒又は粉末の粒径D50は、約0.01~5mmの範囲であってよい。粉末の粒径D50は、約0.01mmから0.5mm未満までの範囲の粒径D50であってよい。顆粒の粒径D50はは、約0.5mm~5mmまでの範囲であってよい。顆粒の平均粒径は、好ましくは、周知のふるい分け法によって決定される。粉末の粒径D50は、好ましくはレーザー回折によって決定される。(メタ)アクリレートコポリマー(a)の乾燥形態は、水性分散液への再分散のために、あるいは成分b)及び(c)及び/又はd))との乾式混合のために用いて、開示されているような乾燥形態の(即時使用できる)組成物を得ることができる。乾燥形態は、再び水性分散液に変換することができ、その後場合によっては、少なくとも1種の添加剤を、被覆剤又は結合剤としての用途におけるさらなる加工のために添加することができる。
【0036】
成分b):モノカルボン酸
組成物は、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、1~25質量%、好ましくは5~15質量%の、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含む。
炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩としては、デカン酸(カプリン酸、C10)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸、C12)、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデセン酸(パルミチン酸、C16)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸、C18)、ノナデカン酸、エイコサン酸(アラキジン酸、C20)、ヘンエイコサン酸(ベヘン酸、C22)、ドコサン酸、トリコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸(セラチン酸)、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンタン酸(メリシン酸、C30)等のモノカルボン酸のアルカリ又はアンモニウムの塩があげられる。
好ましくは、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ塩は、ステアリン酸ナトリウムである。
【0037】
流動促進剤
流動促進剤は、通常、親油性である。これらは、フィルム形成ポリマーのフィルム形成中のコアの凝集を防止する。
被覆溶液、懸濁液又は分散液は、モノステアリン酸グリセロール及び/又はジステアリン酸グリセロールを含む。
被覆溶液、懸濁液又は分散液は、モノステアリン酸グリセロール及びジステアリン酸グリセロールとは異なる少なくとも1種のさらなる流動促進剤を含むことができ、これは、好ましくは、例えばRXCIPIENTS(登録商標)GL100又はRXCIPIENTS(登録商標)GL200の商品名で市販されているシリカ、粉砕シリカ、ヒュームドシリカ、カオリンケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸亜鉛からなる群から選択されるステアリン酸塩、フマル酸ステアリルナトリウム、デンプン、ステアリン酸、好ましくはタルク、ステアリン酸マグネシウム及びコロイド状二酸化ケイ素又はそれらの混合物から選択される。
本発明の被覆中の流動促進剤を全質量で用いるための標準的な比率は、少なくとも1つの(メタ)アクリレートコポリマーの全質量対して、0.5~100質量%、好ましくは3~75質量%、より好ましくは5~50質量%、最も好ましくは5~30質量%の範囲である。
【0038】
可塑剤
硬質シェルカプセルのポリマー被覆は、少なくとも1つの可塑剤を含む。可塑剤は、ポリマーとの物理的相互作用によってガラス転移温度の低下を達成し、添加量に応じてフィルム形成を促進する。適当な物質の分子量は、通常、100~20000g/molであり、分子中に1つ以上の親水性基、例えば、ヒドロキシル、エステル又はアミノ基を含む。
好ましい可塑剤の例は、アルキルシトレート、アルキルフタレート、アルキルセバケート、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される。好ましい可塑剤としては、クエン酸トリエチル(TEC)、グリセロール、クエン酸アセチルトリエチル(ATEC)、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール、又はそれらの混合物があげられる。
他の好ましい実施形態では、上記実施形態のいずれか1つによるクエン酸アルキルは、クエン酸トリエチルである。
配合物への可塑剤の添加は、公知の方法で、直接、水溶液中で、又は混合物の熱前処理後に行うことができる。可塑剤の混合物を用いてよい。硬質シェルカプセルのポリマー被覆は、少なくとも1つの(メタ)アクリレートコポリマーの全質量に対して、好ましくは60質量%まで、30質量%まで、25質量%まで、20質量%まで、15質量%まで、10質量%まで、5質量%まで、又は2質量%までの1つ以上の可塑剤を含んでよい。
【0039】
被覆層
本発明による方法で硬質シェルカプセルを被覆することによって得られる被覆層は、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上又は95質量%以上の少なくとも1つの(メタ)アクリレートコポリマーを含んでよい。被覆層は、10~100、10~90、12~80、15~80、18~80、20~80又は40~80質量%の少なくとも1つの(メタ)アクリレートコポリマーを含んでよい。
【0040】
被覆層の量及び厚さ
硬質シェルカプセルの場合、被覆層の量は多すぎてはならない。塗布される被覆層の量が多すぎる場合は、カプセル充填機において、予備ロックされたポリマー被覆硬質シェルカプセルをその後処理するのが困難になる場合がある。被覆層の量が8mg/cm2未満、例えば1~8mg/cm2又は1~7mg/cm2又は1~7mg/cm2又は1~6mg/cm2又は1~5mg/cm2又は1~4mg/cm2である場合、通常、変更を伴わない標準的なカプセル充填機では問題は生じない。4~約8mg/cm2の範囲では、カプセル充填機を依然として用いることができるが、本体及びキャップの形態は、幾分広くなるように調整されるべきである。当該調整は、機械技術者であれば容易に行うことができる。したがって、カプセル充填機は、被覆層の量が約1~約8mg/cm2の範囲内で有利に用いることができる。
【0041】
サイズ#0の硬質シェルカプセルの被覆層の量は多すぎてはならない。塗布される被覆層の量が多すぎる場合は、カプセル充填機において、予備ロックされたポリマー被覆硬質シェルカプセルをその後処理するのが困難になる場合がある。被覆層の量が5mg/cm2未満、例えば1~4mg/cm2である場合、通常、変更を加えない標準的なカプセル充填機では問題は生じない。4~約8mg/cm2の範囲では、カプセル充填機を依然として用いることができるが、本体及びキャップの形態は、幾分広くなるように調整されるべきである。当該調整は、機械技術者であれば容易に行うことができる。したがって、カプセル充填機は、被覆層の量が約1~約8mg/cm2の範囲内で有利に用いることができる。
【0042】
サイズ#1の硬質シェルカプセルの被覆層の量は多すぎてはならない。塗布される被覆層の量が多すぎる場合は、カプセル充填機において、予備ロックされたポリマー被覆硬質シェルカプセルをその後処理するのが困難になる場合がある。被覆層の量が4mg/cm2未満、例えば1~3.5mg/cm2である場合、通常、標準的なカプセル充填機を変更せずに用いても問題は生じない。3.5~約8mg/cm2の範囲では、カプセル充填機を依然として用いることができるが、本体及びキャップの形状は、幾分広くなるように調整されるべきである。当該調整は、機械技術者であれば容易に行うことができる。したがって、カプセル充填機は、被覆層の量が約1~約8mg/cm2の範囲内で有利に用いることができる。
【0043】
サイズ#3の硬質シェルカプセルの被覆層の量は多すぎてはならない。塗布される被覆層の量が多すぎる場合は、カプセル充填機において、予備ロックされたポリマー被覆硬質シェルカプセルをその後処理するのが困難になる場合がある。被覆層の量が3mg/cm2未満、例えば1~2.5mg/cm2である場合、通常、変更を加えない標準的なカプセル充填機では問題は生じない。2.5~約6mg/cm2までの範囲では、カプセル充填機を依然として用いることができるが、本体及びキャップの形状は、幾分広くなるように調整されるべきである。当該調整は、機械技術者であれば容易に行うことができる。したがって、カプセル充填機は、被覆層の量が約1~約6mg/cm2の範囲内で有利に用いることができる。
【0044】
ポリマー被覆硬質シェルカプセルを注意深く手動で開放、充填、及び予備ロック状態への閉鎖する場合であれば、8mg/cm2を超え、約20mg/cm2までは、ポリマー被覆を損傷させずに依然として可能でありうる。被覆層が、被覆されていない本体とキャップとの間の隙間よりも厚い場合、キャップは、もはや最終ロック状態まで本体上をほとんど摺動することができないので、被覆された予備ロックカプセルは、塗布された被覆を損傷せずに閉鎖することが困難になるかもしれない。
【0045】
塗布される被覆層の量が多すぎる場合、本体とキャップとの間の間隙が予備ロック状態にあるキャップのリムに、被覆層のアセンブリも過多に存在する。これは、予備ロックされたポリマー被覆硬質シェルカプセルが手動で又は機械で開けられるときに、被覆層の亀裂における乾燥後に生じ得る。亀裂は、後にカプセルの漏出をもたらすことがある。最後に、被覆層が本体とキャップとの間の重なり領域の隙間よりも厚いため、被覆が厚すぎると、最終的にロックされた状態になるまで、開けられた被覆硬質シェルカプセルを閉じることが困難になるか、又は不可能になる可能性がある。
【0046】
一般的に、硬質シェルカプセル上の被覆層は、好ましくは、0.7~20、1.0~18、2~10、4~8、1.0~8、1.5~5.5、1.5~4mg/cm2の量(=全質量増加)で塗布することができる。
一般的に、硬質シェルカプセル上の被覆層は、約5~100、10~50、15~75μmの平均厚さを有することができる。
一般に、硬質シェルカプセル上の被覆層は、予備ロックカプセルの質量に対して5~50、好ましくは8~40%乾燥質量の量で塗布することができる。
このガイダンスを用いれば、当業者は、低すぎる量と高すぎる量との間の範囲で被覆層の量を調整することができる。
【0047】
添加剤
本発明による添加剤は、好ましくは、当業者に周知であり、本明細書に開示され、特許請求されるような、被覆硬質シェルカプセルに含有される生物学的活性成分と共に、及び/又は硬質シェルカプセルのポリマー被覆と共に製剤化されることが多い、生物学的活性成分及び賦形剤である。用いられる全ての賦形剤は、毒物学的に安全でなければならず、患者又は消費者に対するリスクなしに医薬品又は栄養補助食品に用いられなければならない。
剤形は、賦形剤、好ましくは、抗酸化剤、光沢剤、結合剤、乳化剤、香味剤、流動助剤、香料、浸透促進剤、顔料、細孔形成剤若しくは安定剤又はそれらの組合せの群から選択される薬学的に又は栄養補助的に許容される賦形剤を含んでもよい。医薬的又は栄養補助的に許容される賦形剤は、開示されるポリマーを含むコア及び/又は被覆層に含まれ得る。薬学的に又は栄養補助的に許容される賦形剤は、薬学的又は栄養補助的分野における用途のために用いられることが許容される賦形剤である。
被覆層は、それぞれ薬学的に又は栄養補助的に許容される賦形剤である添加剤を、90質量%まで、80質量%まで、70質量%まで、50質量%まで、60質量%まで、50質量%まで、40質量%まで、30質量%まで、20質量%まで、10質量%まで、5質量%まで、3質量%まで、1質量%まで含んでもよく、又は全く含まなくてもよい(0%)。
【0048】
乳化剤
さらに、少なくとも1種の乳化剤が存在してよい。一般に、全ての公知の乳化剤が適する。非イオン性乳化剤、特にHLB>10である乳化剤が好ましい。HBL値は、Griffin,William C.(1954),“Calculation of HLB Values of Non-Ionic Surfactants”(PDF),Journal of the Society of Cosmetic Chemists,5(4):249-56に従って決定することができる。
少なくとも1つの乳化剤は、好ましくは、ポリグリコシド、アルコール、糖及び糖誘導体、ポリエーテル、アミン、ポリエチレン誘導体、アルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)、アルキルエーテル硫酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、ノニルフェノールエトキシレート(ノノキシノール-9)及びそれらの混合物から選択される。
【0049】
少なくとも1つの乳化剤は、好ましくは、アルキルポリグリコシド、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、N-オクチルベータ-D-チオグルコピラノシド、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレンセトステアリールアルコール、セチルステアリルアルコール、オレオイルアルコール、ポリグリセリル-6-ジオレエート、クエン酸ステアリン酸グリセリル、3カプリン酸ポリグリセリル、3ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸グリセリル、4-イソステアリン酸ポリグリセリル、モノリノール酸グリセリル、炭酸ジカプリリル、アルコールポリグリコールエーテル、セテアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(n=20)、6ステアリン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸グリコール、32ステアリン酸ポリエチレングリコール、20ステアリン酸ポリエチレングリコール、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、4ラウリン酸ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールイソセチルエーテル(n=20)、ポリエチレングリコール-32(分子量1500g/mol)ラウリン酸(C12)のモノ及びジエステル、ノナエチレングリコール、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールマクロセチルエーテル、パルミチン酸(C16)又はステアリン酸(C18)又はカプリル酸のポリエチレングリコールエステル、BRIJ(登録商標) S2等のステアリルアルコールから誘導されるポリオキシエチレン脂肪エーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンステアレート、マクロゴールステアリルエーテル(20)、ステアリン酸ジエチルアミノエチル、ステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸スクロース、トリステアリン酸スクロース、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸マンニド、モノオレイン酸オクタグリセリル、ジオレイン酸ソルビタン、ポリリシノレイン酸、ポリソルベート20及びモノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80等のポリソルベート)、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ココ酸スクロース、2ココ酸グリセレス、ココ酸エチルヘキシル、3ベンジルエーテルミリスチン酸ポリプロピレングリコール、ミリスチン酸ナトリウム、チオリンゴ酸金ナトリウム、8ラウリン酸ポリエチレングリコール、4ジラウリン酸ポリエチレン、α-ヘキサデシル-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)、コカミドジエタノールアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)ドデカンアミド、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、マルトシド、3-[(3R,6R,9R.12R,15S,22S,25S,30aS)-6,9,15,22-テトラキス(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-(4-ヒドロキシベンジル)-12-(ヒドロキシメチル)-18-(11-メチルトリデシル)-1,4,7,10,13,16,20,23,26-ノナオキソトリアコンタヒドロピロロ[1,2-g][1,4,7,10,13,16,19,22,25]ノナザシクロオクタコシン-25-イル]プロペンアミド、2-{2-[2-(2-{2-[2-(4-ノニルフェノキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エタノール、オキシポリエトキシドデカン、ポロキサマー188(プルロニック(登録商標)F-68)及びポロキサマー407等のポロキサマー、モノカプリル酸プロピレングリコール、I型(カプリオールPGMC)、ポリエトキシル化獣脂アミン、ポリグリセリン、ポリオキシル40水添ヒマシ油、界面活性剤、2-[4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール、カルボマー、カルボマーナトリウム、カルボキシメチルセルロース・カルシウム、カラギーナン、コレステロール、デオキシコール酸、卵リン脂質等のリン脂質、
ジェランガム、ラノリン、カプリン酸、Polawax NF、Polawax A31又はCeral PW等のワックス、エステルガム、脱アセチルリン酸塩、大豆レシチン、スフィンゴミエリン、リン酸ナトリウム、ラウロイルラクチル酸ナトリウム、ラノリン、オキシランモノブチルエーテルがあるオキシランメチルポリマー、1,2-ジエルコイルホスファチジルコリン、平均14モルのプロピレンオキシドで末端をブロックしたジメチコン、ラウリルメチコンコポリオール、ラウログリコール90、アンフォセリンKS等の白色鉱物油、イソヘキサデカン中のアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマーの分散液、ポリアクリル酸ナトリウム又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、マクロゴールステアリルエーテル(20)及びポリソルベート80である。
【0050】
充填剤
標準的な充填剤は、通常、被覆剤及び結合剤への加工の間に本発明の製剤に添加されてよい。医薬被覆又はオーバーレイヤーに導入される量及び標準的な充填剤の使用は、当業者によく知られている。標準的な充填剤の例は、剥離剤、顔料、安定剤、酸化防止剤、細孔形成剤、浸透促進剤、光沢剤、香料又は香味剤である。これらは、加工補助剤として用いられ、信頼できる再現性のある調製方法、並びに良好な長期保存安定性を確実にすることを意図し、又はこれらは、医薬形態においてさらなる有利な特性を達成する。これらは、加工前にポリマー配合物に添加され、被覆の透過性に影響を及ぼすことができる。この特性は、場合によっては、さらなる制御パラメータとして用いることができる。
【0051】
顔料
顔料が可溶性の形態で添加されることは稀である。一般に、酸化アルミニウム又は酸化鉄顔料等の顔料は、分散された形態で用いられる。二酸化チタンは、白色顔料として用いられる。顔料を用いるための標準的な比率は、被覆層中の少なくとも1種のポリマーの全質量に対して10~200質量%、20~200質量%である。少なくとも1種のポリマーの全質量に対して200質量%までの比率は、容易に加工することができる。
特に有利な実施態様では、顔料は、さらなる外層、いわゆるトップコートとして濃縮された形態で直接用いられる。塗布は、粉末の形態で、又は5~35%(w/w)の固形分を有する水性懸濁液から噴霧することによって行われる。必要な濃度は、ポリマー層への組み込む場合よりも低く、医薬形態の質量に対して0.1~2質量%の量である。
【0052】
生物学的活性成分
生物学的活性成分は、好ましくは、薬学的活性成分及び/又は栄養補助活性成分及び/又は美容活性成分である。特定の生物学的活性成分が被覆層に含まれうるとしても、生物学的活性成分がフィルインに含まれることが好ましい。特に、核酸等の生物学的に活性な成分には、送達ビヒクル、例えば、リポソーム、脂質ナノ粒子又は適当なポリマー系の担体が必要であり、この場合、生物学的に活性な成分は、充填物中にのみ含まれる。
【0053】
医薬的又は栄養補助的に活性な成分
本発明は、好ましくは、医薬的又は栄養補助的に活性な成分の充填物がある、遅延放出又は持続放出製剤化された医薬的又は栄養補助的剤形に有用である。
本明細書に開示されたポリマー被覆硬質シェルカプセルのための充填物として用いられうる、医薬的に活性な成分の適当な治療用及び化学的クラスは、例えば、鎮痛剤、抗生物質又は抗感染剤、抗体、抗てんかん剤、植物由来の抗原、抗リウマチ薬、ベンズイミダゾール誘導体、β-遮断薬、心血管薬、化学療法薬、CNS薬、ジギタリス配糖体、胃腸薬、例えばプロトンポンプ阻害剤、酵素、ホルモン、液体又は固体天然抽出物、核酸、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ホルモン、タンパク質及びその対応する(金属)塩、治療用細菌、泌尿器科薬又はワクチンであり、後者は、適当な脂質又はポリマー系の送達ビヒクル、例えば、脂質ナノ粒子、リポソーム又は電荷改変放出可能トランスポーター(CART)を用いてよい。
【0054】
一実施形態では、薬学的活性成分は核酸であり、より好ましくは、核酸薬剤はDNA、RNA、又はそれらの組み合わせであってよい。ある実施形態では、核酸剤は、オリゴヌクレオチド及び/又はポリヌクレオチドであってよい。ある実施形態では、核酸剤は、オリゴヌクレオチド及び/又は修飾オリゴヌクレオチド(リン酸化を介する修飾を含むが、これらに限定されない);アンチセンスオリゴヌクレオチド及び/又は修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(リン酸化を介する修飾を含むが、これらに限定されない)であってよい。ある実施形態では、核酸剤は、cDNA及び/又はゲノムDNAを含んでよい。ある実施形態では、核酸剤は、非ヒトDNA及び/又はRNA(例えば、ウイルス、細菌、又は真菌の核酸配列)を含んでよい。ある実施形態では、核酸剤は、プラスミド、コスミド、遺伝子断片、人工及び/若しくは天然の染色体(例えば、酵母人工染色体)、並びに/又はそれらの一部であってよい。ある実施形態では、核酸剤は、機能的RNA(例えば、mRNA、tRNA、rRNA及び/又はリボザイム)であってよい。ある実施形態では、核酸剤は、RNAi誘導剤、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、及び/又はマイクロRNA(miRNA)であってよい。ある実施形態では、核酸剤は、ペプチド核酸(PNA)であってよい。ある実施形態では、核酸剤は、修飾されていても非修飾でもよい核酸の合成類似体を含むポリヌクレオチドであってよい。ある実施形態では、核酸剤は、一本鎖DNA、二本鎖DNA、スーパーコイルDNA及び/若しくは三重らせんDNA;Z-DNA;並びに/又はそれらの組み合わせを含む、DNAの様々な構造形態を含んでよい。さらなる適当な核酸は、例えば、参照により組み込まれる国際公報第2012/103035号パンフレットに開示されている。
【0055】
本明細書に開示されたポリマー被覆硬質シェルカプセルのための充填物として用いられうる薬物のさらなる例としては、例えば、アカンプロセート、アエスシン、アミラーゼ、アセチルサルチル酸、アドレナリン、5-アミノサルチル酸、アウレオマイシン、バシトラシン、バルサラジン、ベータカロテン、ビカルタミド、ビサコジル、ブロメライン、ブロメライン、ブデゾナイド、カルシトニン、カルバマシピン、カルボプラチン、セファロスポリン、セトロレリクス、クラリスロマイシン、クロロマイセチン、シメチジン、シサプリド、クラドリビン、クロラゼペート、クロマリン、1-デアミノシステイン-8-D-アルギニン-バソプレシン、デラムシクラン、デチレリクス、デクスランソプラゾール、ジクロフェナク、ジダノシン、ジギトキシン及び他のジギタリス配糖体、ジヒドロストレプトマイシン、ジメチコン、ジバルプロエクス、ドロピレノン、デュロキセチン、酵素、エリトロマイシン、エソメプラゾール、エストロゲン、エトポシド、ファモチジン、フッ化物、ニンニク油、グルカゴン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、ヘパリン、ヒドロコルチゾン、ヒト成長ホルモン(hGH)、イブプロフェン、イラプラゾール、インスリン、インターフェロン、インターロイキン、イントロンA、ケトプロフェン、ランソプラゾール、リュープロリダセタットリパーゼ、リポ酸、リチウム、キニン、メマンチン、メサラジン、メテンアミン、ミラメリン、ミネラル、ミノプラゾール、ナプロキセン、ナタマイシン、ニトロフランチオン、ノボビオシン、オルサラジン、オメプラゾール、オロテート、パンクレアチン、パントプラゾール、副甲状腺ホルモン、パロキセチン、ペニシリン、ペルプラゾール、ピンドロール、ポリミキシン、カリウム、プラバスタチン、プレドニゾン、プレグルメタシン、プロガビド、プロソマトスタチン、プロテアーゼ、キナプリル、ラベプラゾール、ラニチジン、ラノラジン、レボキセチン、ルトシド、ソマトスタチン、ストレプトマイシン、サブチリン、スルファサラジン
スルファニルアミド、タムスロシン、テナトプラゾール、トリプシン、スルファサラジン、スルファニルアミド、タムスロシン、テナトプラゾール、thrypsine、バルプロ酸、バソプレシン、ビタミン、亜鉛、それらの塩、誘導体、多形体、同形体、又はそれらのいかなる種類の混合物若しくは組合せがあげられる。
【0056】
用語「医薬的及び栄養補助的に活性な成分、賦形剤及び組成物」は、各々医薬的又は栄養補助的な剤形と広く重複することは当業者には明らかである。栄養補給食品として列挙された多くの物質もまた、薬学的に活性な成分として用いられうる。特定の用途及び地方自治体の法律及び分類に応じて、同じ材料を、それぞれ医薬組成物又は栄養補助組成物、あるいは両方として、医薬活性成分又は栄養補助活性成分として列挙することができる。
栄養補助剤は当業者に周知である。栄養補給食品は、しばしば、ヒトの健康に医学的効果を有すると報告される食品の抽出物として定義される。したがって、栄養補助活性成分は、医薬活性も示すことができる。栄養補助的に活性な成分の例は、抗酸化剤としてのブドウ製品からのレスベラトロール、高コレステロール血症を低減するためのオオバコ種子殻等の可溶性食物繊維製品、がん予防としてのブロッコリー(スルファン)、及び動脈の健康を改善するためのダイズ又はクローバー(イソフラボノイド)であってよい。従って、栄養補給食品として列挙された多くの物質もまた、薬学的活性成分として用いられうることが明らかである。
本明細書に開示されたポリマー被覆硬質シェルカプセルのための充填物として用いられうる通常の栄養補給食品又は栄養補給食品的に活性な成分は、プロバイオティクス及びプレバイオティクスも含んでよい。プロバイオティクスは、消費されたときにヒト又は動物の健康を支援すると考えられる生きた微生物である。プレバイオティクスは、ヒト又は動物の腸において有益な微生物の増殖又は活性を誘導又は促進する栄養補給食品又は栄養補給食品活性成分である。
栄養補給食品の例は、ブドウ製品からのレスベラトロール、抗酸化剤としての、例えばブルーベリー、ビルベリー又はクロフサスグリからのオメガ-3-脂肪酸又は(プロ-)アントシアニジン、高コレステロール血症を減少させるためのオオバコ種子殻等の可溶性食物繊維製品、がん予防としてのブロッコリー(スルファン)、及び動脈の健康を改善するためのダイズ又はクローバー(イソフラボノイド)である。他の栄養補給食品の例は、フラボノイド、亜麻仁由来のα-リノール酸、マリーゴールド花弁由来のβ-カロテン、又は果実由来の、例えば、様々なベリー、野菜及び穀物由来のアントシアニンである。時には、栄養補助剤(nutraceuticals)又は栄養補助剤(nutriceuticals)という表現は、栄養補助剤の同義語として用いられる。
一実施形態では、栄養補助剤は、プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス、アミノ酸、脂肪酸、天然抽出物、ハーブ、酵素、レシチン、ビタミン、ミネラル、酪酸、オメガ3、魚油、藻類油、オキアミ油又はそれらの混合物から選択される。
【0057】
場合によるトップコート及びサブコート
場合によっては、硬質シェルカプセルは、サブコート又はトップコート又は両方でさらに被覆されてよい。
サブコートは、カプセルと、開示されるような少なくとも1つのポリマーを含む被覆層との間に位置してよい。サブコートは、本質的に活性成分放出特性に影響を及ぼさないが、例えば、ポリマー被覆層の接着を改善しうる。サブコートは、好ましくは本質的に水溶性であり、例えば、フィルム形成剤としてのHPMC等の物質からなってもよい。サブコート層の平均厚さは、通常、極めて薄く、例えば、15μm以下、好ましくは10μm以下(0.1~1.0mg/cm2)である。サブコート又はトップコートは、必ずしも、予備ロック状態の硬質シェルカプセル上に塗布されなくてよい。
トップコートは、開示されるような少なくとも1つのポリマーを含む被覆層上に位置してよい。トップコートもまた、好ましくは水溶性又は本質的に水溶性である。トップコートは、医薬形態又は栄養補助食品形態を着色する機能、又は環境の影響から、例えば貯蔵中の水分から保護する機能があってよい。トップコートは、結合剤、例えば、多糖若しくはHPMC等の水溶性ポリマー、又はサッカロース等の糖化合物を含んでよい。トップコートは、顔料、可塑剤、乳化剤又は滑剤等の薬学的又は栄養補助的に許容される賦形剤を多量にさらに含有することができる。トップコートは、本質的に剥離特性に影響を及ぼさない。本明細書に記載されるような最終ロック状態のポリマー被覆硬質シェルカプセルを含む医薬剤形又は栄養補助剤形の上に、トップコートを塗布することができる。トップコート層の平均厚さは、通常、非常に薄く、例えば、15μm以下、好ましくは10μm以下(0.1~1.0mg/cm2)である。
【0058】
被覆硬質シェルカプセルの製造方法
本発明は、生物学的活性成分の容器として好適なポリマー被覆硬質シェルカプセルの製造方法であって、硬質シェルカプセルが本体及びキャップを含み、閉鎖状態でキャップが予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかで本体に重なり、硬質シェルカプセルが予備ロック状態で提供され、本発明による被覆溶液、懸濁液又は分散液で被覆、好ましくはスプレー被覆されて、予備ロック状態で硬質シェルカプセルの外面を覆う被覆層を形成する方法に関する。
さらなる方法工程において、予備ロックされた硬質シェルカプセルに、少なくとも1つの生物学的活性成分を含む充填物を提供することができ、最終ロック状態に閉鎖される。
このようなさらなる方法工程において、予備ロック状態のポリマー被覆硬質シェルカプセルを開放し、生物学的活性成分を含む充填物で充填し、最終ロック状態で閉鎖することができる。このさらなる方法工程は、好ましくは、予備ロック状態の被覆硬質シェルカプセルがカプセル充填機に供給され、カプセル充填機が、ポリマー被覆硬質シェルカプセルの開放、少なくとも1種の生物学的活性成分を含む充填物による充填、及び最終ロック状態への閉鎖を行うことで行われる。
このさらなる方法工程は、少なくとも1つの生物学的に活性な成分のための容器である、最終ロックされたポリマー被覆された硬質シェルカプセルをもたらす。少なくとも1つの生物学的活性成分のための容器としての最終ロックされたポリマー被覆硬質シェルカプセルは、医薬剤形又は栄養補助剤形である。
【0059】
剤形は、好ましくは、少なくとも1つの生物学的活性成分を含む充填物を含有する最終ロック状態のポリマー被覆硬質シェルカプセルを含み、ポリマー被覆硬質シェルカプセルは、本発明による被覆層を含み、被覆層は、予備ロック状態のカプセルの外表面領域を覆うが、予備ロック状態のキャップが本体を覆う重複領域は覆わない。
本発明による被覆懸濁液は、有機溶媒、例えばアセトン、イソプロパノール又はエタノールを含有することができる。有機溶媒中の乾燥質量材料の濃度は、ポリマーの約5~50質量%であってよい。適当な噴霧濃度は、乾燥質量で約5~25%であってよい。
被覆懸濁液は、水性媒体、例えば水、又は80質量%以上の水と20質量%以下の水溶性溶媒、例えばアセトン又はイソプロパノールとの混合物中の本発明による分散液であってよい。水性媒体中の乾燥質量材料の適当な濃度は、約5~50質量%であってよい。適当な噴霧濃度は、乾燥質量で約5~25%であってよい。
スプレー被覆は、好ましくは、ドラムコーター又は流動床被覆装置中で、被覆溶液又は分散液を、予備ロックされたカプセル上にスプレーすることによって行われる。
【0060】
製剤用充填剤の製造方法
医薬又は栄養補助剤形のための充填物を調製するための適当な方法は、当業者に周知である。本明細書に開示される医薬又は栄養補助剤形のための充填物を調製するための適当な方法は、直接圧縮、乾燥、湿潤又は焼結顆粒の圧縮によって、押出及びその後の丸めによって、湿式又は乾式造粒によって、直接ペレット化によって、又は粉末を活性成分を含まないビーズ若しくは中性コア若しくは活性成分含有粒子若しくはペレット上に結合させることによって、及び場合によっては、噴霧方法において水性分散液若しくは有機溶液の形態で被覆層を塗布することによって、又は流動床噴霧造粒によって、ペレットの形態で生物学的活性成分を含むコアを形成することによるものであってよい。
【0061】
カプセル充填機
ポリマー被覆硬質シェルカプセルは、予備ロック状態でカプセル充填機に供給され、カプセル充填機は、本体とキャップとを分離するステップと、本体に充填物を充填するステップと、本体とキャップとを最終ロック状態で再び接合するステップとを実行する。
用いられるカプセル充填機は、1時間当たり1,000個以上の充填され最終的に閉鎖されたカプセルの出力を有する速度で充填され閉鎖されたカプセルを製造することができるカプセル充填機、好ましくは完全に自動化されたカプセル充填機であってもよい。カプセル充填機、好ましくは完全に自動化されたカプセル充填機は、当業界で周知であり、いくつかの会社から市販されている。実施例で用いられる適当なカプセル充填機は、例えば、ACG、モデルAFT Labであってよい。
用いられるカプセル充填機は、好ましくは、1時間当たり1,000個以上、好ましくは10,000個以上、100,000個以上、10,000個から500000個までの充填され最終的に閉鎖されるカプセルの出力を有する速度で動作させることができる。
【0062】
カプセル充填機の一般的な動作
カプセル充填方法の前に、カプセル充填機には、十分な数又は量の予備ロック状態のプレコート硬質シェルカプセルが提供される。カプセル充填機は、動作中に充填されるのに十分な量の充填物も備える。
予備ロック状態の硬質シェルカプセルは、重力によって供給管又はシュート内に落下することができる。カプセルは、キャップと本体との間の直径の差を機械的に測定することによって、均一に整列させることができる。次いで、硬質シェルカプセルは、通常、適当な配向で、2セクションハウジング又はブラシに供給される。
上部ブッシング又はハウジングの直径は、通常、カプセル本体ブッシングの直径よりも大きく、したがって、カプセルキャップは、本体が真空によって下部ブッシング内に引き込まれる間、上部ブッシング内に保持されてよい。カプセルが開かれ/本体とキャップとが分離されると、上側ハウジング及び下側ハウジング又はブッシュが分離されて、充填のためにカプセル本体を位置決めする。
次に、開いたカプセル本体に充填物を充填する。顆粒、粉末、ペレット、又はミニタブレット等の異なる充填物に関して、様々なタイプの充填機構を塗布することができる。カプセル充填機は、一般に、様々な投与成分を取り扱うための様々な機構、並びに様々な数の充填ステーションを用いる。投与システムは、通常、カプセルサイズ及びカプセル本体の容量によって決定される充填物の体積又は量に基づく。空のカプセルの製造業者は、通常、カプセル本体の容積容量と、充填材料の密度に基づく異なるカプセルサイズに対する最大充填質量とを示す参照表を提供する。充填後、本体とキャップは、最終ロック状態又は位置で機械によって再び接合される。
【0063】
使用/使用方法/方法ステップ
本明細書に記載される好適なポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法は、本体及びキャップを含む硬質シェルカプセルの使用方法として理解することができ、ここで、閉鎖状態において、キャップは、予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかで本体に重なり、医薬又は栄養補助食品の生物学的に活性な成分のための容器として好適なポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法であって
a)前記硬質シェルカプセルを提供するステップは、前記予備ロック状態で提供され
b)ポリマー又はポリマーの混合物を含む被覆溶液、懸濁液又は分散液でスプレー被覆して、前記予備ロック状態の前記硬質シェルカプセルの外面を覆う被覆層を作製するステップと
スプレー被覆は、好ましくは、ドラムコーター装置又は流動床被覆装置を用いることによって塗布することができる。スプレー被覆方法中の適当な生成物温度は、約15~40℃、好ましくは約20~35℃の範囲であってよい。適当な噴霧速度は、約0.3~17.0、好ましくは0.5~14[g/分/kg]の範囲であってよい。噴霧被覆後、乾燥工程が含まれる。
予備ロック状態のポリマー被覆硬質シェルカプセルは、工程c)で開封し、工程d)で医薬又は栄養補助生物活性成分を含む充填物を充填し、次いで工程e)で最終ロック状態に閉鎖することができる。
【0064】
工程c)~e)は、手動で、又は好ましくは適当な装置、例えばカプセル充填機によって補助されて実施することができる。好ましくは、予備ロック状態の被覆硬質シェルカプセルは、カプセル充填機に供給され、カプセル充填機は、ステップc)の開放、ステップd)における医薬又は栄養補助の生物学的活性成分を含む充填物による充填、及びステップe)における最終ロック状態へのカプセルの閉鎖を行う。
【0065】
本明細書に開示されるようなそれらの一般的又は具体的な特徴及び実施形態の全てにおける方法の選択は、ポリマー、カプセル材料、カプセルサイズ、被覆厚、生物学的活性成分及び開示されるようないかなる他の実施形態等の、本明細書に開示されるような材料又は数値的特徴及び実施形態のいかなる他の一般的又は具体的な選択と制限なく組み合わせることができる。
【0066】
医薬又は栄養補助用の剤形
医薬又は栄養補助の生物学的に活性な成分を含む充填物を含有する最終ロック状態のポリマー被覆硬質シェルカプセルを含む医薬又は栄養補助の剤形であって、ポリマー被覆硬質シェルカプセルが、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)を含む被覆層を含み、被覆層が、予備ロック状態のカプセルの外表面積を覆う、医薬又は栄養補助の剤形が開示される。予備ロック状態のカプセルの外表面積は、最終ロック状態のカプセルの外表面積よりも大きいので、ポリマー被覆層の一部は、硬質シェルカプセルの本体とキャップとの間に隠されるか又は封入され、これは、効率的なシーリングを提供する。
【0067】
項目
特に、本発明は、以下のものに関する。
1.医薬又は栄養補助食品の生物学的活性成分の容器に適するポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法であって、前記硬質シェルカプセルは、本体及びキャップを含み、閉鎖状態において、前記キャップが、予備ロック(プレロック)状態又は最終ロック状態のいずれかで前記本体に重なり、かつ、前記予備ロック状態で提供され、以下の:
a)5~25質量%のメタクリル酸、及び75~95質量%のメタクリル酸のC1~C4-アルキルエステル及び/又はアクリル酸のC1~C4-アルキルエステルの重合単位を含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a);
b)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、1~25質量%又は5~18質量%の、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;
c)モノステアリン酸グリセリン及び/又はジステアリン酸グリセリン;
d)クエン酸アルキル、フタル酸アルキル、セバシン酸アルキル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、グリセロール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリアルキル及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤;並びに、
e)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる被覆溶液、懸濁液又は分散液により被覆された、好ましくはスプレー被覆された、又は、外表面のみが被覆された、前記予備ロック状態の前記硬質シェルカプセルを得ること、を含む、方法。
2.前記本体及び前記キャップの基材が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ゼラチン、プルラン、及び(メタ)アクリル酸のC1~C4アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とのコポリマーから選択され、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースである、1に記載の方法。
3.前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)が、10~30質量%のメチルメタクリレート、50~70質量%のメチルアクリレート及び5~15質量%のメタクリル酸の重合単位を含むモノマー組成物全体を含む、1又は2に記載の方法。
4.炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が、デカン酸(カプリン酸、C10)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸、C12)、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデセン酸(パルミチン酸、C16)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸、C18)、ノナデカン酸、エイコサン酸(アラキジン酸、C20)、ヘンエイコサン酸(ベヘン酸、C22)、ドコサン酸、トリコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸(セラチン酸)、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸及びトリアコンタン酸(メリシン酸、C30)又はそれらの混合物であり、ここで前記飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ塩は、少なくとも1種のステアリン酸塩、又はステアリン酸ナトリウムである、1~3のいずれか一項に記載の方法。
5.モノステアリン酸グリセロール及び/又はジステアリン酸グリセロールが、前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して1~10質量%、好ましくは2~7質量%で存在する、1~4のいずれか一項に記載の方法。
6.モノステアリン酸グリセロール及び/又はジステアリン酸グリセロールのほかに、少なくとも1種のさらなる流動促進剤が存在し、前記少なくとも1種のさらなる流動促進剤は、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して3~75質量%の量で存在し;かつ/又は
シリカ、粉砕シリカ、ヒュームドシリカ、カオリンケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸亜鉛からなる群から選択されるステアリン酸塩、ステアリルフマル酸ナトリウム、デンプン、並びにステアリン酸、若しくはそれらの混合物から選択され、好ましくはタルク、ステアリン酸マグネシウム、及びコロイド状二酸化ケイ素、又はこれらの混合物である、1~5のいずれか一項に記載の方法。
7.少なくとも1種の可塑剤が、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して0.5~40質量%の量で存在し、及び/又は
ii)アルキルシトレート、アルキルフタレート、及びアルキルセバケート、トリエチルシトレート(TEC)、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらの組み合わせ、から選択されるか、又は、数平均分子量が200~20000g/molであるか、又はそれらの混合物から選択される、1~6のいずれか一項に記載の方法。
8.前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、少なくとも1種の添加剤が400質量%まで、好ましくは200質量%まで、より好ましくは100質量%まで、又は50質量%まで、又は30質量%まで、又は15質量%まで、又は5質量%まで、又は3質量%まで、又は1質量%までの少なくとも1種の添加剤が含まれており、好ましくは、酸化防止剤、光沢剤、乳化剤、香味剤、流動助剤、香料、浸透促進剤、顔料、a)とは異なるポリマー、細孔形成剤若しくは安定剤、又はそれらの組合せから選択される、1から6までのいずれか1項に記載の方法。
9.少なくとも1種の添加剤が少なくとも1種の乳化剤を含み、前記少なくとも1種の乳化剤は、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して1.5~40質量%の量で存在し、及び/又は
ii)非イオン性乳化剤、好ましくはHLB>10である非イオン性乳化剤、
である、8に記載の方法。
10.前記本体及び前記キャップは、前記キャップが前記本体に重なる領域に、前記硬質シェルカプセルが前記予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかでスナップイン式機構によって閉じるように、包囲するノッチ又はディンプルを備える、1~9のいずれか一項に記載の方法。
11.前記本体が、テーパ状のリムを備える、1~10のいずれか一項に記載の方法。
12.被覆層が、約0.7~20mg/cm2、好ましくは2~10、4~8、1.0~8、1.5~5.5、又は1.5~4mg/cm2の量で塗布される、1~6のいずれかに記載の方法。
13.予備ロック状態のポリマー被覆硬質シェルカプセルを開封し、医薬用又は栄養補給用の生物学的活性成分を含む充填物を充填し、最終ロック状態まで閉じる、前記項目のいずれかに記載の方法。
14.予備ロック状態のポリマー被覆硬質シェルカプセルが、カプセル充填機に供給され、カプセル充填機が、開放、医薬又は栄養補助の生物学的に活性な成分を含む充填物による充填、及び最終ロック状態への閉鎖を行う、項目1~10のいずれかに記載の方法。
15.1~14のいずれかに記載の方法から得られる、ポリマー被覆硬質シェルカプセル。
16.遅延放出又は持続放出、好ましくは遅延放出、より好ましくは腸送達のための遅延放出又は持続放出のための、15に記載のポリマー被覆硬質シェルカプセルの使用。
【0068】
実施例
組成物の調製
使用材料:
EUDRAGUARD(登録商標)生物分散液(biotic)は、25質量%のメチルメタクリレート単位、65質量%のメチルアクリレート単位、10質量%のメタクリル酸単位を含有する(メタ)アクリルコポリマーの30質量%水性分散液である(製造業者:Evonik Nutrition&Care GmbH)。ステアリン酸ナトリウムはSigma-Aldrichから購入した。グリセロールモノステアレート(GMS Imwitor 900 K)はCremerから購入した。ポリソルベート80(Tween 80)は、Sigma Aldrichから購入した。ポリエチレングリコール6000(PEG 6000)は、Merckから購入した。クエン酸トリエチル(TEC)は、Merckから購入した。グリセロールはMerckから購入した。
製剤:
表1及び2において、成分は質量%で示される。EUDRAGUARD(登録商標)生物製剤(30質量%のポリマー含有量)を除く全ての成分は、純粋な物質として示される。
【0069】
【0070】
【表2】
水、GMS、ポリソルベート80、ステアリン酸ナトリウム及びそれぞれの可塑剤を混合し、60℃まで加熱し、高剪断ミキサー、例えばUltra Turraxで均質化した。撹拌しながら25℃に冷却した後、混合物をEUDRAGUARD(登録商標)生物製剤に添加した。
【実施例1】
【0071】
本実施例は、本発明とは関連がない。
Huttlin Fluidized Bed Coaterにおいて、製剤2をdiprophylineペレットに塗布した。被覆温度は30~35℃であった。被覆量は14%ポリマーであった。
薬物放出は、媒体のpH値を増加させながら、USP(パドル)に従って決定した。
【実施例2】
【0072】
O’Hara Drumcoater製剤2を、35~40℃で予め密閉したHPMCカプセルに塗布した。塗布したポリマー量は3mg/cm2であった。
カプセルにdiprophylineペレットを充填し、密閉した。
薬物放出は、媒体のpH値を増加させながら、USP(パドル)に従って決定した。
【実施例3】
【0073】
本実施例は、本発明とは関連がない。
O’Hara Drumcoater製剤1を、35~40℃で予め密閉したHPMCカプセルに塗布した。塗布したポリマー量は3mg/cm2であった。
カプセルにdiprophylineペレットを充填し、密閉した。
薬物放出は、媒体のpH値を増加させながら、USP(パドル)に従って決定した。
【実施例4】
【0074】
O’Hara Drumcoater製剤3を、35~40℃で予め密閉したHPMCカプセルに塗布した。塗布したポリマー量は3mg/cm2であった。
カプセルにdiprophylineペレットを充填し、密閉した。
薬物放出は、媒体のpH値を増加させながら、USP(パドル)に従って決定した。
【実施例5】
【0075】
O’Hara Drumcoater製剤4を、35~40℃で予め密閉したHPMCカプセルに塗布した。塗布したポリマー量は3mg/cm2であった。
カプセルにdiprophylineペレットを充填し、閉じた。
薬物放出は、媒体のpH値を増加させながら、USP(パドル)に従って決定した。
【実施例6】
【0076】
O’Hara Drumcoater製剤5を、35~40℃で予め閉じたHPMCカプセルに塗布した。塗布したポリマー量は3mg/cm2であった。
カプセルにdiprophylineペレットを充填し、閉じた。
薬物放出は、媒体のpH値を増加させながら、USP(パドル)に従って決定した。
[比較例7]
O’Hara Drumcoater製剤6を、35~40℃で予め閉じたHPMCカプセルに塗布した。塗布したポリマー量は3mg/cm2であった。
カプセルにdiprophylineペレットを充填し、閉じた。
薬物放出は、媒体のpH値を増加させながら、USP(パドル)に従って決定した。
薬物放出比較カプセル/ペレット
【0077】
【0078】
【0079】
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬又は栄養補助食品の生物学的活性成分の容器に適するポリマー被覆硬質シェルカプセルを調製するための方法であって、前記硬質シェルカプセルは、本体及びキャップを含み、閉鎖状態において、前記キャップが、予備ロック(プレロック)状態又は最終ロック状態のいずれかで前記本体に重なり、かつ、前記予備ロック状態で提供され、以下の:
a)5~25質量%のメタクリル酸、及び75~95質量%のメタクリル酸のC1~C4-アルキルエステル及び/又はアクリル酸のC1~C4-アルキルエステルの重合単位を含む、少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a);
b)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、1~25質量%又は5~18質量%の、炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩;
c)モノステアリン酸グリセリン及び/又はジステアリン酸グリセリン;
d)クエン酸アルキル、フタル酸アルキル、セバシン酸アルキル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、グリセロール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリアルキル及びポリプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種の可塑剤;並びに、
e)場合によっては、少なくとも1つの添加剤;
を含むか、又はからなる被覆溶液、懸濁液又は分散液により被覆された、又は、外表面のみが被覆された、前記予備ロック状態の前記硬質シェルカプセルを得ること、を含む、方法。
【請求項2】
前記本体及び前記キャップの基材が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ゼラチン、プルラン、及び(メタ)アクリル酸のC1~C4アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とのコポリマーから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)が、10~30質量%のメチルメタクリレート、50~70質量%のメチルアクリレート及び5~15質量%のメタクリル酸の重合単位を含むモノマー組成物全体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
炭素原子が10~30個である飽和脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が、デカン酸(カプリン酸、C10)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸、C12)、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデセン酸(パルミチン酸、C16)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸、C18)、ノナデカン酸、エイコサン酸(アラキジン酸、C20)、ヘンエイコサン酸(ベヘン酸、C22)、ドコサン酸、トリコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸(セラチン酸)、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸及びトリアコンタン酸(メリシン酸、C30)又はそれらの混合物であり、ここで前記飽和脂肪族モノカルボン酸のアルカリ塩は、少なくとも1種のステアリン酸塩、又はステアリン酸ナトリウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
モノステアリン酸グリセロール及び/又はジステアリン酸グリセロールが、前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して1~10質量%、又は2~7質量%で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
モノステアリン酸グリセロール及び/又はジステアリン酸グリセロールのほかに、少なくとも1種のさらなる流動促進剤が存在し、前記少なくとも1種のさらなる流動促進剤は、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して3~75質量%の量で存在し;かつ/又は
ii)シリカ、粉砕シリカ、ヒュームドシリカ、カオリンケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸亜鉛からなる群から選択されるステアリン酸塩、ステアリルフマル酸ナトリウム、デンプン、並びにステアリン酸、若しくはそれらの混合物から選択される;
、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1種の可塑剤が、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して0.5~40質量%の量で存在し、及び/又は
ii)アルキルシトレート、アルキルフタレート、及びアルキルセバケート、トリエチルシトレート(TEC)、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらの組み合わせ、から選択されるか、又は、数平均分子量が200~20000g/molであるか、又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して、少なくとも1種の添加剤が400質量%まで含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種の添加剤が少なくとも1種の乳化剤を含み、前記少なくとも1種の乳化剤は、以下の:
i)前記少なくとも1種の(メタ)アクリレートコポリマー(a)の全質量に対して1.5~40質量%の量で存在し、及び/又は
ii)非イオン性乳化剤、
である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記本体及び前記キャップは、前記キャップが前記本体に重なる領域に、前記硬質シェルカプセルが前記予備ロック状態又は最終ロック状態のいずれかでスナップイン式機構によって閉じるように、包囲するノッチ又はディンプルを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記本体が、テーパ状のリムを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
被覆層が、約0.7~20mg/cm
2の量で塗布される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
クエン酸トリアルキルがクエン酸トリエチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法から得られる、ポリマー被覆硬質シェルカプセル。
【請求項15】
遅延放出又は持続放出のための、請求項14に記載のポリマー被覆硬質シェルカプセルの使用。
【国際調査報告】