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特表2024-525129空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法
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  • 特表-空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法 図1
  • 特表-空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法 図2
  • 特表-空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/26 20060101AFI20240703BHJP
   G01K 7/02 20210101ALI20240703BHJP
【FI】
G01L1/26 Z
G01K7/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574814
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 DE2022000060
(87)【国際公開番号】W WO2022258092
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】102021003016.8
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】301051264
【氏名又は名称】ホッティンガー・ブリュエル・ウント・ケアー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】シェック・マルコ・エム
(72)【発明者】
【氏名】デルフェル・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ディ・ナターレ・サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】チェルニャク・ドミトリ
(72)【発明者】
【氏名】シローニ・ジャンマルコ
(57)【要約】
【課題】センサ測定箇所を有する測定アセンブリを取付及び動作を、誤りなく、少ない経済的な手間をもって実行可能な測定技術を提供する。
【解決手段】a.測定対象物にセンサ2を固定するステップ、
b.測定ケーブルをセンサ2に接続するステップ、
c.測定ケーブルを測定増幅器チャンネルへ接続するステップ、
d.測定チャンネルにおける測定器が測定信号を示すかどうかをチェックするステップ、
e.センサ2に属するデータシートのパラメータ化データを検出するステップ、
f.測定ケーブル端部にパラメータ化データを供給するステップ、
g.測定チャンネルの測定増幅器が、確認信号を生成し、センサのパラメータ化を測定技術者に対して確認するステップ、
h.測定増幅器チャンネルがパラメータ化されるまでステップe,f及びgを繰り返すステップ
を有する、センサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法であって、センサ(2)がTEDSを含んでおらず、該方法が以下のステップ:
a.測定対象物(1)にセンサ(2)を固定するステップ、
b.それぞれ1つの測定ケーブル(6)をそれぞれ1つのセンサ(2)に接続するステップ、
c.それぞれ1つの測定ケーブル(6)を少なくとも1つの測定増幅器(5)のそれぞれ1つの測定増幅器チャンネルへ接続するステップ、
d.各測定ケーブル(6)が接続されており、測定器が各測定チャンネルにおいて測定信号を示すかどうかをチェックするステップ、
e.検出装置を用いて、各センサ(2)に属するデータシートのパラメータ化データを検出するステップ、
f.センサ(2)が接続された測定ケーブル端部に、又は直接センサ(2)に、パラメータ化データを供給するステップ、
g.測定増幅器(5)、すなわち各測定チャンネルが該当するセンサ(2)の識別及びパラメータ化に必要な信号を受信した場合に、各測定チャンネルの測定増幅器(5)が、確認信号を生成し、センサの規定どおりのパラメータ化を、センサの場所において測定技術者に対して確認するステップ、
h.全ての測定増幅器チャンネルがパラメータ化されるまでステップe,f及びgを繰り返すステップ
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップgにおける確認信号が、各測定ケーブル(6)を介して送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップgにおける確認信号が、各測定ケーブル(6)を介してではなく、他の情報チャンネルを介して送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
センサ(2)がひずみゲージであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
センサ(2)が熱電対であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間的に広く分散された複数のセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法に関するものである。「空間的に広く分散された」という表現は、以下のように理解され得る:大きな物体(対象物)における例えば力、温度又は他の測定量を測定するために、当該物体には、多くの箇所にセンサが固定される必要がある。このような物体は、例えば、建造物、橋梁、クレーン又は航空機である。複数キロメートルの長さの橋梁における測定は特に複雑である。なぜなら、そこでは、時として数千個のセンサを固定する必要があるためである。各センサは、電気ケーブルに接続されている。ケーブルは、ケーブルハーネスへまとめられ、測定増幅器まで延びている。測定増幅器は、中央の場所に配置されている。
【背景技術】
【0002】
典型的な用途は、いわゆるひずみゲージを用いた力及びひずみの測定又は熱電対(温度測定要素)を用いた温度の測定である。
【0003】
橋梁構造における力を測定するために、力センサ、好ましくはいわゆるひずみゲージが、ひずみを測定すべき箇所に固定される。温度あるいは温度差を測定すべき場合には、同様のことが温度センサにも当てはまる。
【0004】
以下では、センサについてのみ説明するが、これは、様々な測定量についてのセンサ、好ましくはひずみゲージを意図している。
【0005】
本測定タスクにとって特有なことは、各測定箇所が測定器の別々の測定チャンネルに接続される必要があるという要件である。例えば、鉄道橋梁が数千個の測定箇所を有していれば、取付のための全体的な手間は非常に大きい。
【0006】
全てのセンサの取付後、各センサあるいは対応する測定ケーブルは、測定増幅器の正しい測定チャンネルに割り当てられる必要がある。換言すれば、その測定チャンネルがどの測定箇所に属するかが既知である場合にのみ有意義な測定が可能である。
【0007】
測定箇所が少なく、測定ケーブルが短ければ、所定の測定箇所への測定チャンネルの割り当ては取るに足らないものである。このような場合、測定技術者は、測定箇所から測定増幅器の入力部までの経過を視覚的に追うことが可能である。ただし、鉄道橋梁における測定ケーブルが数百キロメートルの長さであれば、手間のかかる電気的な導通チェック又はマーキングを用いてそれぞれ属するケーブル端部を検出する必要がある。このとき、取り違えが起こり得る。すなわち、測定ケーブルは、誤った測定チャンネルに誤って接続され得る。
【0008】
当該問題を解決するために、特許文献1には、識別タグによる解決手段が提案されているが、当該解決手段は、手間がかかるとともにコストがかさむものである。
【0009】
このような測定は、通常、一度きりであるか、又は大きな時間間隔で行われる。多くの場合、各測定後には、センサは再び取り外される。そのため、測定アセンブリの取付のための手間を低減する大きな要求が存在する。しかし、測定増幅器への接続時の測定ケーブルのあり得る取り違えは、第1の誤りの原因でしかない。
【0010】
第2の誤りの原因が更に存在する:
好ましくは一群のひずみゲージ又は温度センサのうちの各センサは、センサごとに異なる所定の電気的な特性を有している。当該特性は、パラメータと呼ばれる。当該パラメータは、既知であり、最適な測定結果を得るために、測定増幅器において設定される必要がある。例えば、ひずみゲージセンサが4つのパラメータを有していれば、当該4つのパラメータは、測定増幅器において手作業で設定される必要がある。パラメータの設定は、測定増幅器における回転つまみ(ダイヤル)を介して、又はキーボードを介して行われる。パラメータが1つでも誤って入力されると、誤った測定結果につながってしまう。したがって、測定箇所が少ないあるいはセンサが少ない場合でも、パラメータの数が多ければ多いほど誤りのおそれが大きくなる。
【0011】
したがって、例えば、500個の測定箇所で4つのパラメータの場合には、測定技術者は、2000のパラメータ設定を手動で行う必要がある。したがって、パラメータ化を行う技術者が最大限精神的に集中していても、測定結果を無用にしてしまう誤った設定となってしまうことがある。5000個の測定箇所の場合には20000のパラメータ設定が必要である。これほど多くの測定箇所の場合には、誤った設定はほぼ不可避である。
【0012】
当該問題は、測定技術において何十年も前から知られており、これまで様々な態様で解決されてきた。基本的には3つの解決手段が存在する:
【0013】
解決手段a.
センサは、個別のセンサパラメータが記憶されたメモリチップを備えている。このいわゆるトランスデューサ電子データシート(TEDS:Transcuder Electronic Data Sheets)は、必要な全てのパラメータデータを含んでいる。測定増幅器は、当該パラメータデータを読み取ることができるとともに、その後、それ自体で最適な測定精度に設定されるように構成されている。センサにおける測定増幅器チャンネルの個別の適合のこの過程は、パラメータ化と呼ばれる。特許文献2に示されているように、TEDSは、センサケーブル若しくはセンサコネクタ又はセンサ支持部に統合されている。TEDSは、世界的に用いられるIEEE 1451.4規格に基づいている。したがって、TEDSを装着したセンサの利点は、センサがその個別の特性によって測定増幅器によって自動的に認識され得ることにある。これにより、測定増幅器における様々なセンサパラメータの手作業での入力が省略される。
【0014】
解決手段b.
センサの製造時に、全てのセンサがほぼ同一のパラメータを有するように製造技術を熟達させるように試みられる。これは、いくつかのセンサタイプにおいては可能であるが、他のセンサタイプでは不可能である。例えばひずみゲージでの力測定時のように測定精度について特に大きな要求が設定される場合には、多くの場合不可能である。
【0015】
解決手段c.
センサは、その製造後、各グループにおいてほぼ同一のパラメータを有するセンサが存在するように異なる試験ステップによって分類され、グループに分けられる。しかしながら、当該解決手段は、2つより多くのパラメータを有するセンサにはあまり適さない。
【0016】
したがって、解決手段b.及びc.では、測定増幅器においてセンサパラメータを個別に入力する必要はない。
【0017】
特に正確な測定について、及びセンサが複数のパラメータを有する場合には、TEDSの使用の価値が認められてきた。
【0018】
ただし、非常に特殊で非常にまれな測定タスクが存在し、当該測定タスクに対しては、実用的な解決手段はまだ存在しない。
【0019】
例えば、ひずみゲージは、以下の理由からTEDSと接続されない安価な大量生産品である:TEDSの製造コストは、ひずみゲージの製造コストよりも大きいことがあり得る。なぜなら、TEDSにおいて個別のセンサパラメータを記憶することが同様にかなりの手間につながるためである。同様のことは、同様にTEDSなしに用いられる所定の熱電対又は他のセンサについても当てはまる。
【0020】
ひずみゲージのグループは、質量センサにおいてある程度の例外を形成している。ひずみゲージは、ほぼ常に正確な測定を実行するために用いられる。しかし、これは、測定増幅器における手作業での各ひずみゲージの個別のパラメータの設定を必要とする。しかし、TEDSを有するひずみゲージを大量生産において製造することができる製造技術は存在しない。なぜなら、多くのひずみゲージではTEDSが不要であるためである。
【0021】
問題のより良好な理解のために、以下に、ひずみゲージがどのように取り付けられ、パラメータ化されるかを具体的に説明する。
【0022】
ひずみゲージは、蛇行状の導体路を有する合成樹脂フィルムであり、例えば10mmのエッジ長さを有している。ひずみゲージは、測定対象物、例えば鋼から成る板バネに接着される。板バネが変形すると、板バネの表面における材料のひずみも変化する。当該ひずみは、ひずみゲージに伝達され、これによりひずみゲージのオーム抵抗が変化する。当該抵抗変化はひずみに比例する。オーム抵抗は、ひずみゲージが測定ケーブルを介して電気的に接続された測定増幅器によって測定される。
【0023】
複数のパラメータのうち1つの例においてひずみゲージのパラメータ化を説明する:ひずみゲージの最も重要なパラメータのうち1つは、そのひずみ感度であり、ひずみファクタと呼ばれる。ひずみファクタは、測定対象物が延びる際に生じる長さ変化に対する抵抗変化の比率である。既に説明したように、絶対的に同一のひずみファクタを有するひずみゲージを製造することは、製造技術的な理由から不可能である。そのため、製造者は、各ひずみゲージについて、製造者が検出したパラメータを含むデータシートを提供する。
【0024】
当該データシートは1枚の紙である。測定技術者は、パラメータ化に際して当該シートからパラメータを読み取り、測定増幅器においてパラメータを手作業で設定する。多くの場合、例えば10個よりも少ない測定箇所しか存在しないため、パラメータの当該手作業での入力は数十年来一般的である。加えて、このように測定ケーブルの数が少ない場合には、取り違えが生じることなく正しい増幅器チャンネルに各測定ケーブルを接続することが可能である。
【0025】
しかし、非常に多くの、かつ、空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定状況では、これまでは十分に解決されることができなかった完全に新たな種類の問題が生じる。換言すれば、この煩雑な方法は、非常に多く、かつ、空間的に広く分散されたセンサ測定箇所においてもこれまで用いられてきた。しばしば、測定箇所は、二人の測定技術者が無線電話を介して通信しなければならないほど互いに離れている。第1の測定技術者は、一方の測定箇所にいて、番号付けされた測定箇所及び該当するひずみゲージのパラメータを含むデータシートを持っている。第1の測定技術者は、無線電話を介して当該情報を第2の測定技術者へ与え、当該第2の測定技術者は、例えば800メートル離れた測定増幅器においてパラメータを手作業で設定する。
【0026】
上述のように、実際に全てのケーブルが正しく接続されているとともに、全ての測定チャンネルが誤りなくパラメータ化されている場合にのみ正確な全体的な測定結果を得ることができる。取り違えられたケーブル又はデータシートから誤って読み取られたパラメータ又は誤って設定されたパラメータが1つでもあれば、全体的な測定結果が無用につながり得る。
【0027】
測定箇所の数が多い場合には、必然的に、多くのデータシートを読み取り、無線電話を介して伝達し、測定増幅器において設定する必要がある。これは、指数関数的に大きな誤り率につながる。したがって、当該誤りを回避するための手間も指数関数的に大きくなる。
【0028】
上述の理由から、TEDSの使用は適当ではないため、これまでは、極端な管理の手間をもってケーブルの取り違え及びパラメータの誤った入力を回避する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】特開2004-294382号公報
【特許文献2】米国特許第7856888号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
この点において、本発明の課題は、空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリの取付及び動作を、絶対的に誤りなく、及び少ない経済的な手間をもって実行可能な測定技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
当該課題は、請求項1による方法によって解決される。
【0032】
空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法は、以下の方法ステップを含む:
a.規定どおりの測定を実行可能であるように、測定対象物にセンサを専門技術的に固定するステップ、
b.センサの電気的な接触箇所に測定ケーブルを接続するステップ、
c.それぞれ1つの測定ケーブルをそれぞれ1つの測定増幅器チャンネルへ接続するステップであって、その際、順序に注意を払わないままでよい、ステップ、
d.全ての測定ケーブルがそれぞれ1つの測定増幅器チャンネルに接続されており、測定器が、各測定チャンネルについて、測定チェーン「センサ-測定チャンネル-測定器」の基本的な機能を確認する所定の測定信号を示しているかどうかをチェックするステップ、
e.検出装置を用いて、各センサに属するデータシートのパラメータ化データを検出するステップであって、その際、パラメータ化データは、データパケットとして検出装置に中間記憶される、ステップ、
f.センサが接続されている測定ケーブル端部へ、又は直接センサへパラメータ化データパケットを供給するステップであって、その際、当該供給は、誘導式又は機械的に行われることが可能である、ステップ、
g.測定増幅器、すなわち各測定チャンネルが、識別及びパラメータ化に必要な情報を全て受信した場合に、測定増幅器が確認信号を生成するステップ。確認信号は、センサへ返信され、そこで受信装置によって受信される。受信装置は、視覚的若しくは聴覚的に、又は例えば振動のような他の態様でセンサの誤りのないパラメータ化を、センサの場所において測定技術者に対して確認する。
【0033】
確認信号は、測定ケーブルを介して返信されることが可能である。しかし、確認信号を他の情報チャンネルを介して送信することも可能である。確認信号は、センサのパラメータ化が正常に終了できたときにのみ送信される。
【0034】
h.全ての測定増幅器チャンネルがパラメータ化されるまでステップe,f及びgを繰り返す。
【0035】
これら方法ステップa~hにより、所望の結果が得られる:
【0036】
TEDSを有さない従来の安価なセンサの使用と、パラメータ化における設定の誤り及び取り違えの誤りとは、任意の数であってよい測定箇所の数とは完全に無関係である。
【0037】
本発明の有利な、又は特別な発展形態は、請求項2~5に記載されている。
【0038】
以下に、本発明を概略的な図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】複数のひずみゲージセンサが装着された、測定対象物としての橋梁を示す図である。
図2】複数の測定ケーブルを有する測定増幅器の一部を示す図である。
図3】測定箇所を拡大した詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1には、複数のひずみゲージ2が装着された鋼橋1が示されている。各ひずみゲージ2が別々のケーブル6を介して測定増幅器5に接続されているとともに、ケーブル6がケーブルハーネス4へ束ねられていることが拡大視図3から分かる。複数のひずみゲージセンサ2により、測定アセンブリのための取付の手間が非常に大きいことが明らかである。したがって、誤った測定が回避されるべきである。
【0041】
図2には、複数の測定ケーブル6を有する測定増幅器5の一部が示されている。各測定ケーブル6の両端が互いに離間しているため、測定ケーブル6の取り違えに気づくことなく、ケーブル6のコネクタが測定増幅器5の誤ったブッシュへ差し込まれることが明らかに起こり得る。測定技術者にとって、これにより全体の測定結果が役に立たなくなることが明らかである。このおそれは、本発明によって解消される。
【0042】
図3には、ひずみゲージセンサ2を有する測定箇所の図示7が示されている。矢印9は、供給装置を用いてパラメータ化のためのパラメータ化データを供給する供給箇所8を示している。そして、パラメータ化データは、測定増幅器チャンネルへ引き渡される。供給装置は、例えば、パラメータ化データを有するデータパケットをセンサの電気的な接続ラインへ供給して測定増幅器チャンネルへ送信する、誘導式に作用する装置であり得る。
【0043】
以下に、空間的に広く分散されたセンサ測定箇所を有する測定アセンブリを取り付け、動作させる方法がどのように実行されるかについて説明する:
【0044】
a.まず、センサ2が測定対象物1に測定技術的に規定どおりに(適切に)設けられる。これは、各センサタイプごとに所定の形式の固定が存在することを意図している。
【0045】
b.測定ケーブル6を固定されたセンサ2に接続する。
【0046】
c.それぞれ1つの測定ケーブル6をそれぞれ1つの測定増幅器チャンネルへ接続し、その際、順序に注意しないままでよい。当該ステップは、当該方法の本質的な改善である。
【0047】
d.全ての測定ケーブル6がそれぞれ1つの測定増幅器チャンネルに接続されているかどうかをチェックする。センサ2の数は既知であるため、測定ケーブル6の数も自動的に既知である。同時に、測定増幅器が各測定チャンネルについて所定の測定信号を示すかどうかがチェックされる。これは、測定技術者は、パラメータ化しなくとも、センサの動作状態において測定信号がどのような平均的な大きさを有するかを知っていることを意図している。
【0048】
e.スキャン装置を用いて、各センサに属する紙データシートのパラメータ化データを有するデータパケットをスキャンする。パラメータ化データは、例えば、QRコードリーダによって読み取られることが可能なQRコードに含まれることが可能である。
【0049】
f.スキャンされたパラメータ化データがデータ検出装置に中間記憶されている場合に、供給装置を用いて、各センサ2に属するデータパケットがセンサ2の測定ケーブルへ供給される。データパケットの供給は、例えば、誘導式に、又は光学的に、又は機械的に行われることが可能である。供給の形式は、センサタイプに依存する。通常、ひずみゲージ又は熱電対(温度測定要素)である場合に、誘導式の供給が行われる。しかし、ひずみゲージを有する測定箇所には、パラメータ化データが変調されている機械的な振動も印加され得る。これは、例えば電磁的に動作する振動器によって可能であり、当該振動器の振動要素は、ひずみゲージに直接設置される。
【0050】
g.測定増幅器、すなわち各測定チャンネルが、識別及びパラメータ化に必要な各データパケットの全ての信号を受信した場合には、測定増幅器は、受信装置によって受信されることが可能な確認信号を生成する。確認信号は、好ましくは測定ケーブルを介して返信され、供給箇所において受信される。確認信号は、センサのパラメータ化が正常に終了したときにのみ送信される。しかし、外部の伝送チャンネルを確認信号の伝送のために用いることも可能である。確認信号は、好ましくは供給装置から発信することができ、すなわち、データ検出装置と、供給装置と、確認信号用の受信装置とは、共通のハウジングに配置されることが可能である。
【0051】
h.全ての測定増幅器チャンネルがパラメータ化されるまでステップe,f及びgを繰り返す。
【0052】
データパケットは、少なくとも以下のデータを含む:
-各センサの紙データシートに、例えばスキャン可能なQRコードとして印刷されているセンサのパラメータ化データ、及び
-測定対象物の場所あるいは位置にセンサを自動的に割り当てることを可能とするオプションの位置に関するデータ。例えば、GPSデータを追加的に用いることで、橋梁のどこにセンサが配置されているかを認識することが可能である。このために、GPS受信器も供給装置のハウジングに統合することが合目的である。
【0053】
本方法により、冒頭に述べた本発明の課題が解決される。
【符号の説明】
【0054】
1 測定対象物
2 センサ
3 測定対象物の部分拡大部
4 ケーブルハーネス
5 測定増幅器
6 測定ケーブル
7 拡大して図示された測定箇所
8 供給箇所
9 パラメータ化信号の供給箇所
図1
図2
図3
【国際調査報告】