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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】細胞培養物の血中血球容積の評価
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/34 20060101AFI20240703BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
C12M1/34 B
C12M1/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575414
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 US2022032308
(87)【国際公開番号】W WO2022260981
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/208,824
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コナー,ジェレミー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ウェットストーン,サラ
(72)【発明者】
【氏名】クマール,ケタン
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA07
4B029AA08
4B029AA09
4B029BB11
4B029CC01
4B029FA02
4B029FA15
4B029HA05
(57)【要約】
(例えば、原薬回収プロセス前に)細胞培養物を評価する方法は、細胞培養物と関連する複数のパラメータを取得することと、血中血球容積を示す値又は分類を推測又は予測することとを含む。血中血球容積を推測又は予測することは、複数のパラメータを入力として非線形機械学習モデルに適用することを含む。方法は、推測又は予測された値又は分類を示す出力を生成することも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞培養物を評価する方法であって、
1つ又は複数のプロセッサにより、細胞培養物と関連する複数のパラメータを取得することと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、少なくとも部分的に前記複数のパラメータを入力として非線形機械学習モデルに適用することにより、血中血球容積を示す値又は分類を推測又は予測することと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記推測又は予測された値又は分類を示す出力を生成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記複数のパラメータは、複数の分析機器測定値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のパラメータは、
前記細胞培養物がバイオリアクタ内にあった時間の長さ、
生細胞密度、又は
生存率
の1つ又は複数を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のパラメータは、
前記細胞培養物が前記バイオリアクタ内にあった時間の長さ、
生細胞密度、及び
生存率
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のパラメータは、
総細胞数、及び
細胞直径
を除外する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記非線形機械学習モデルは、ニューラルネットワークを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記非線形機械学習モデルは、ランダムフォレストモデルを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記非線形機械学習モデルは、XGブーストモデルを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記値又は分類を推測又は予測することは、血中血球容積値を推測又は予測することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記分類を推測又は予測することを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記血中血球容積が閾値を超えるか否かを推測又は予測することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
回収プロセス中のフィルタ性能を推測又は予測することと、
前記回収プロセス中、前記血中血球容積が1つ又は複数の遠心分離機パラメータの変更を必要とするか否かを推測又は予測することと
の一方又は両方を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記出力を生成することは、ユーザに提示するためにユーザインタフェースを生成又は移入することを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記出力を生成することは、前記回収プロセスの少なくとも一部を行うように構成された1つ又は複数のデバイスの制御データを生成することを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記制御データに従って前記1つ又は複数のデバイスを制御することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
システムであって、
1つ又は複数のプロセッサと、
前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに、
細胞培養物と関連する複数のパラメータを取得することと、
少なくとも部分的に前記複数のパラメータを入力として非線形機械学習モデルに適用することにより、血中血球容積を示す値又は分類を推測又は予測することと、
前記推測又は予測された値又は分類を示す出力を生成することと
を行わせる命令を記憶する1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体と
を含むシステム。
【請求項17】
複数の分析機器を更に含み、
前記複数のパラメータは、前記分析機器によって取得される複数の測定値を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
バイオリアクタを更に含み、
前記複数のパラメータは、(i)前記細胞培養物が前記バイオリアクタ内にあった時間の長さ、(ii)生細胞密度、又は(iii)生存率の1つ又は複数を含む、請求項16又は17に記載のシステム。
【請求項19】
前記非線形機械学習モデルは、ニューラルネットワークを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記非線形機械学習モデルは、ランダムフォレストモデルを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記非線形機械学習モデルは、XGブーストモデルを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
回収プロセスの少なくとも一部を行うように構成された1つ又は複数のデバイスを更に含み、
前記出力を生成することは、前記1つ又は複数のデバイスの制御データを生成することを含み、
前記命令は、前記1つ又は複数のプロセッサに、前記制御データに従って前記1つ又は複数のデバイスを制御することを更に行わせる、請求項16~21のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して、(例えば、バイオリアクタ内における)細胞培養物に関し、より詳細には、血中血球容積の明示的又は暗示的な特定に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のバイオ医薬品(例えば、バイオ治療用タンパク質)の製造では、バイオリアクタを使用して細胞を培養した後、所望の原薬を回収する。典型的には、細胞の健康及び実行間の連続性を保証するために、プロセス開発研究所において、そのようなバイオリアクタからの毎日のサンプリングが必要とされる。このサンプリングプロセスは、典型的には、細胞培養物のサンプルをバイオリアクタから手動で取り出し、次いで複数の分析機器、遠心分離機及び手動プロセスを利用して血中血球容積を視覚的に測定することを含む。このサンプリングプロセスの従来の実装形態を図2のサンプリングプロセス200に示す。プロセス200では、サンプルがバイオリアクタから取り出された直後にサンプルが血液ガス分析装置(BGA)にかけられて、pH、pO2及びpCO2を測定する。次いで、細胞含有サンプルは、総細胞数(TCC)、生細胞密度(VCD)及び細胞直径等の細胞測定のために分析器にピペットで移される。血中血球容積(PCV)を特定するための追加の測定は、典型的には、特定の日数のプロセスを必要とする。しかしながら、血中血球容積を測定するプロセスは、サンプルアリコートを使用する、必要とされる他の任意の単一の測定よりも労力集約的である。更に、上記の測定と異なり、血中血球容積測定は、遠心分離機(例えば、特別に設計された遠心分離機回転管)との必要とされる相互作用及び結果の視覚的解釈の性質に起因して、自動サンプリングに向いていない。図2に示される滴定測定等の他の分析測定も遠心分離機の使用を必要とし得る。
【0003】
血中血球容積が測定される日において、サンプルは、典型的には、遠心分離される2つの別個の管に分けられる。第1の管の上澄みが取り出され、分析オスモル濃度及び代謝レベル測定のためのデバイスに移される。第2の管は、血中血球濃度測定専用であり、遠心分離機で遠沈する。次いで、管内の細胞及び液体の総量に関連して、遠心分離機回転管の底に圧縮された固体細胞の割合を視覚的に見積もることにより、血中血球容積を推定する。この毎日のサンプリング/分析プロセスは、非常に時間がかかり得る(例えば、並んだ8台のバイオリアクタからのサンプルを1人で評価する場合に概ね3時間)。更に、主観的な視覚的推定プロセスは、比較的低い血中血球容積の正確性、異なる個人によって行われる視覚的推定間の大きいばらつき及び場合により1人の個人が異なるときに行う視覚的推定間の大きいばらつきに繋がる恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載のシステム及び方法は、非線形機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク)を使用して、血中血球容積を示す値又は分類を推測又は予測する。例えば、モデルは、測定された細胞培養物特性(例えば、実験日、生細胞密度及び生存率)から、細胞培養物が特定の血中血球容積(例えば、パーセントとして表される)を有することを推測し得るか、又はそれらの特性を有する仮説的な細胞培養物が特定の血中血球容積を有することを予測し得る。代替的に、血中血球容積は、暗示的にのみ特定又は推定され得る。例えば、モデルは、回収プロセス中、血中血球容積が高いことに起因して、細胞培養物がフィルタを詰まらせる可能性が高いこと又は細胞培養物により、タイミング、供給速度及び/若しくは回収プロセス中に使用されたデバイス(例えば、遠心分離機若しくはポンプ)と関連する他のパラメータへの変更が必要であることを、測定された細胞培養物特性から予測し得る。幾つかの実施形態では、推測又は予測された値又は分類を使用して、回収プロセスで使用される1つ又は複数のデバイスの制御データを生成する。
【0005】
本明細書に開示される技法は、血中血球容積の手動評価の必要性をなくすか又は減じ得、血中血球容積評価を目的とした細胞培養物サンプリング(自動又は他の方法)の必要性をなくすか又は減じる。更に、開示される技法は、血中血球容積をより正確に推定し得、下流の問題をより確実に予測し得(例えば、回収中に問題が生じる可能性が高いか否か又はそのような問題を回避するために遠心分離機パラメータを変更すべきか否か/どのように変更すべきか等)、且つ/又はよりよい性能(例えば、より高い回収収率)を達成するように下流プロセスを制御し得る。
【0006】
当業者は、本明細書に記載の図面が例証目的のために含まれ、本開示を限定するものではないことを理解するであろう。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに本開示の原理を例証することに重点が置かれている。幾つかの例では、記述される実装形態の理解を促進するために、記述される実装形態の様々な態様が誇張又は拡大された状態で示される場合があることを理解されたい。図面では、様々な図を通して、同様の参照符号は、全般的に、機能的に類似の且つ/又は構造的に類似の構成要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】細胞培養物の血中血球容積を明示的又は暗示的に評価するために使用され得る一例のシステムのブロック図である。
図2】原薬回収に先立つ細胞培養物サンプリングプロセスの従来の実装形態を示す。
図3】細胞培養物パラメータを入力し、推測又は予測された血中血球容積を見るために使用され得る一例のユーザインタフェースである。
図4A】線形回帰モデルでの実際の血中血球容積と推測された血中血球容積とを比較する一例のプロットである。
図4B】ランダムフォレストモデルでの実際の血中血球容積と推測された血中血球容積とを比較する一例のプロットである。
図5】細胞培養物回収プロセスに向けて1つ又は複数のデバイスを制御するために使用され得る一例のシステムのブロック図である。
図6】例えば、原薬回収プロセスに先立って行われ得る細胞培養物評価方法の一例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上記で導入として説明され、以下でより詳細に論じられる様々な概念は、多くの方法のいずれかで実施することができ、記載される概念は、いかなる特定の実装形態の様式にも限定されない。実装形態の例は、例証を目的として提供される。
【0009】
図1は、細胞培養物の血中血球容積を(明示的又は暗示的に)分析するために使用することができる一例のシステム100の簡略化されたブロック図である。細胞培養物は、現実世界/実際の培養物又は仮説的な培養物であり得、分析は、実施形態及び/又は状況に応じて種々の目的のいずれのためのものでもあり得る。例えば、システム100は、バイオリアクタ細胞培養物を評価して、血中血球容積が回収プロセスの特定のフィルタリングステップにとって高すぎるか否かを判断するために使用することができる。別の例として、研究及び開発を目的として、システム100は、血中血球容積に対する特定の細胞培養物属性の影響を、それらの属性を有する任意の細胞培養物が現在存在するか否かを問わずに評価するために使用することができる。しかしながら、説明を容易にするために、システム100は、主に、システム100が回収プロセスに先立ってバイオリアクタ102内の現実世界の細胞培養物を評価する実施形態に関して図示され、説明される。
【0010】
バイオリアクタ102に加えて、システム100は、1つ又は複数の分析機器104、コンピュータシステム106及び回収システム112を含む。バイオリアクタ102は、培地内の生細胞及び/又はそれから得られる物質を含み得る細胞培養物を支持する任意の適した容器、デバイス又はシステムであり得る。バイオリアクタ102は、例えば、研究目的、臨床使用、商業的販売又は他の流通等のために、細胞培養物によって発現する組換えタンパク質を含有し得る。実施されるバイオ医薬品プロセスに応じて、培地は、特定の流体(例えば、「ブロス」)及び特定の栄養素を含み得、目標pHレベル又は範囲、目標温度又は温度範囲などを有し得る。
【0011】
分析機器104は、実施形態に応じてコンピュータシステム106に通信可能に結合されても又はされなくてもよく、バイオリアクタ102内の細胞培養物の1つ又は複数の属性を測定するように構成された任意のインライン、アトライン及び/又はオフライン機器(又は複数の機器)を含み得る。例えば、分析機器104は、生細胞密度(VCD)、生存率、総細胞数(TCC)、細胞直径及び/又はオスモル濃度を測定し得る。追加又は代替として、分析機器104は、代謝レベル(例えば、グルコース、乳酸、ナトリウム、カリウム、グルタミン、アンモニウム等)等の1つ又は複数の培地成分濃度及び/又はバイオリアクタ102の内容物と関連する1つ又は複数の他の細胞培養物属性(例えば、温度、pH等)を測定し得る。幾つかの実施形態では、分析機器104は、破壊分析技法を使用することができるが、他の実施形態では、分析機器104の1つ、数個又は全てが非破壊分析(例えば、「ソフトセンシング」)技法を使用する。
【0012】
回収システム112は、例えば、バイオリアクタ102の細胞培養物から所望の原薬を抽出するために、回収プロセス中に使用される1つ又は複数のデバイスを含む。本明細書で使用される場合、「デバイス」という用語は、自立型デバイス、別のデバイス若しくはシステム内に一体化された構成要素又はそれらの任意の組合せを指し得る。例えば、回収システム112は、1つ又は複数のフィルタ、ポンプ、遠心分離機及び/又は他の適したデバイスを含み得、それらのいずれもバイオリアクタ102から別個であるか又はバイオリアクタ102内に一体化され得る。幾つかの実施形態では、図5を参照して以下で更に詳述するように、回収システム112の1つ又は複数のデバイスは、制御目的でコンピュータシステム106に通信可能に結合され得る。
【0013】
コンピュータシステム106は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットデバイス又は他の任意の適した種類の1つ若しくは複数の計算デバイスであり得る。図1に示す一例の実施形態では、コンピュータシステム106は、処理ユニット120、表示デバイス122、ユーザ入力デバイス124及びメモリ126を含む。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム106は、互いに同じ位置に配置されるか又は互いに離れている2つ以上のコンピュータを含む。例えば、コンピュータシステム106は、ウェブサービスをホストするサーバ及びそのウェブサービスにアクセスするクライアントデバイスの両方を含み得る。分散実施形態では、処理ユニット120及び/若しくはメモリ126に関連して本明細書に記載される動作は、複数の処理ユニット及び/若しくはメモリ間でそれぞれ分割され得、且つ/又は表示デバイス122及び/若しくはユーザ入力デバイス124は、処理ユニット120及び/若しくはメモリ126の少なくとも一部から分離された(例えば、離れた)計算デバイス(例えば、クライアント若しくは端末)に常駐し得る。
【0014】
処理ユニット120は、1つ又は複数のプロセッサを含み、プロセッサの各々は、メモリ126に記憶されたソフトウェア命令を実行して、本明細書に記載のコンピュータシステム106の機能の幾つか又は全てを実行するプログラム可能マイクロプロセッサであり得る。代替的に、処理ユニット120内のプロセッサの幾つかは、他の種類のプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等)であり得、本明細書に記載のコンピュータシステム106の機能の幾つかは、代わりに、部分的又は全体的にそのようなハードウェアで実施され得る。メモリ126は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含む1つ又は複数の物理メモリデバイス又はユニットを含み得る。読み取り専用メモリ(ROM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)等の任意の適した1つ又は複数のタイプのメモリが使用され得る。
【0015】
表示デバイス122は、情報をユーザに提示するために任意の適切な表示技術(例えば、LED、OLED、LCDなど)を使用し得、ユーザ入力デバイス124は、キーボード又は他の適切な入力デバイスであり得る。幾つかの実施形態では、表示デバイス122及びユーザ入力デバイス124は、単一のデバイス(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)内に一体化される。一般に、表示デバイス122及びユーザ入力デバイス124は、共同で、例えば更に詳細に後述するように、バイオリアクタ102内で生じている細胞培養プロセスの血中血球容積の推定を取得する等の目的で、コンピュータシステム106が提供するユーザインタフェース(例えば、グラフィカルユーザインタフェース)とユーザとの対話を可能にすることができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、コンピュータシステム106は、表示デバイス122及び/又はユーザ入力デバイス124を含まない。
【0016】
メモリ126は、血中血球容積(PCV)アプリケーション130を含む1つ又は複数のソフトウェアアプリケーションの命令並びにソフトウェアアプリケーションによって使用及び生成されるデータを記憶する。PCVアプリケーション130は、単一の計算デバイスによって実行される単一のソフトウェアアプリケーションであり得るか、又は複数のソフトウェアアプリケーション間に分散した及び/若しくは複数の計算デバイスによって実行される種々のユニット若しくはモジュールを有し得ることが理解される。PCVアプリケーション130は、処理ユニット120によって実行されると、一般に、現実世界及び/又は仮説的な細胞培養物と関連するパラメータに基づいて、明示的又は暗示的のいずれかで血中血球容積を推測又は予測するように構成される。このために、PCVアプリケーション130は、モデル132を実施し、モデル132もメモリ126に記憶され得る。モデル132は、過去データベース140内のデータを使用して、コンピュータシステム106(又は別の適した計算デバイス若しくはシステム)によってトレーニングされた非線形機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク、ランダムフォレストモデル又はXGブーストモデル)である。
【0017】
過去データベース140は、メモリユニット126に記憶され得、且つ/又は互いからローカル若しくはリモートである1つ若しくは複数の他の永続的なメモリ(例えば、リモートライブラリサーバに結合されたメモリ等)に記憶され得る。一般に、過去データベース140は、実験日(即ち0日目又は1日目から開始される、細胞培養物がバイオリアクタに導入されてからの日数カウント)、生細胞密度(VCD)、生存率、総細胞数(TCC)、細胞直径、オスモル濃度、分子識別子(例えば、特定の抗体識別子)、施設識別子(例えば、細胞培養物が維持された施設の識別子)及び/又は他のパラメータ(例えば、温度、pH、特定の代謝レベル等)等の現実世界の細胞培養物と関連する数値及び/又は分類パラメータを含み得る。幾つかの実施形態では、過去データベース140は、複数の異なる日数の単一の実験に対応するパラメータ(例えば、0日目~8日目の各々におけるVCDに対応する9つのパラメータ)を記憶する。一般に、記憶されるパラメータは、記憶されるパラメータの少なくとも幾つかが細胞培養物の血中血球容積と何らかの方法で相関する(即ち細胞培養物の血中血球容積に対して何らかの推測的又は予測的強みを有する)限り、既知の値(例えば、実験日、分子タイプ)、直接測定値及び/若しくは間接的(例えば、ソフトセンスされた)測定値並びに/又は導出された値の任意の組合せを含み得る。
【0018】
幾つかの実施形態では、特定の実験/細胞培養物と関連する各パラメータセットについて、過去データベース140は、そのパラメータセットに対応する血中血球容積を表すラベルも含む。ラベルは、例えば、測定値又は手動推定値(例えば、熟練した個人によって行われた血中血球容積推定又は複数の個人からのそのような推定の平均)であり得る。他の実施形態では、ラベルは、血中血球容積値ではなく、代わりに血中血球容積を示す値又は分類である。例えば、ラベルは、詰まりを避けるために十分に低い血中血球容積を必要とする回収フィルタの「適切なフィルタ性能」又は「不適切なフィルタ性能」等の分類であり得る。この種類のラベルは、回収中の実際のフィルタ性能(例えば、詰まりが実際に発生したか否か)に基づいて又は測定若しくは推定された血中血球容積及びそれらの既知の対応性(例えば、血中血球容積が、相当なフィルタ詰まりに対応することがわかっている閾値を超えるいずれの場合も「不適切」としてフィルタ性能をラベリングする)に基づいて設定し得る。別の例として、ラベルは、過度の血中血球容積の結果として回収遠心分離機パラメータ(例えば、タイミングパラメータ)の変更が必要であったか否かを示す「変更必要」又は「変更必要なし」等の分類子であり得る。更に別の例として、ラベルは、血中血球容積を示す(例えば、フィルタ圧力が高いほど、高い血中血球容積に対応する)限り、回収中に問題なく使用された特定の遠心分離機(又は他のデバイスの)パラメータであり得る。
【0019】
コンピュータシステム106又は別のデバイス若しくはシステムは、過去データベース140内の細胞培養物パラメータ及び対応するラベルを使用してモデル132をトレーニングする。各パラメータセットについて、例えば、コンピュータシステム106はトレーニングされていない又は部分的にトレーニングされたモデル132を使用して、値又は分類を推測又は予測し、その値又は分類を対応するラベルと比較し、次いで、ラベルが推測又は予測された値又は分類と一致しない場合のみ、モデル132を変更し得る(例えば、特定のニューラルネットワークノードの出力と関連する重みを変更することにより)。異なる計算デバイス又はシステムがモデル132をトレーニングする実施形態では、コンピュータシステム106は、有線又は無線通信ネットワークを介して(例えば、インターネット若しくはイントラネットダウンロードを介して)又は任意の他の適した手段を介して(例えば、モデル132をポータブル記憶媒体からコピーすることにより)モデル132を取得し得る。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム106は、動作中、現実世界の結果(例えば、追加の血中血球容積推定又はフィルタの詰まりが発生したか否かの指示)をモデル入力データの追加セットのラベルとして使用することにより、トレーニングされたモデル132を更新/改良する。
【0020】
図1に示されるものの代わりに、他の構成及び/又は構成要素が使用され得ることが理解される。例えば、異なる計算デバイス又はシステム(図1に示されていない)は、ネットワークを介して、分析機器104によって提供された測定値をコンピュータシステム106に送信し得、1つ又は複数の追加の計算システム及び1つ又は複数のネットワークは、コンピュータシステム106と過去データベース140との間の橋渡し等として機能し得る。
【0021】
動作において、モデル132がトレーニングされた後、PCVアプリケーション130は、現実世界又は仮説的細胞培養物と関連するパラメータを取得する。幾つかの実施形態では、PCVアプリケーション130は、PCVアプリケーション130によって生成されるユーザインタフェースを介してこれらのパラメータの幾つか又は全てを取得する。そのようなユーザインタフェースの一例は、図3のユーザインタフェース300であり、図3のユーザインタフェース300は、ディスプレイ122に提示するために処理ユニット120によって生成され得る(例えば、メモリ126に記憶されたPCVアプリケーション130の命令を実行するとき)。幾つかの実施形態では、ユーザインタフェース300は、コンピュータシステム106のサーバによってホストされ、インターネット又はイントラネットを介してコンピュータシステム106のクライアントコンピュータによってアクセスされる/開かれるウェブページである。他の実施形態では、ユーザインタフェース300は、全体的に、PCVアプリケーション130を記憶し、実行するデバイス又はシステムによって生成される。
【0022】
図3の一例の実施形態では、ユーザは、作用するモデル132に対して3つの入力を入力する:細胞培養物がバイオリアクタに導入された日数をフィールド302Aに入力し、生存率(%)をフィールド302Bに入力し、生細胞密度(×10細胞/ミリリットル)をフィールド302Cに入力する。ユーザは、例えば、ユーザ入力デバイス124を介してこれらの入力を入力し得る。血中血球容積を推測又は予測するために、ユーザは、制御304を選択/アクティブ化する(例えば、ユーザ入力デバイス124を介して)。制御304のユーザアクティブ化に応答して、PCVアプリケーション130は、トレーニングされたモデル132に入力として、フィールド302A~302Cに入力された値を適用する。モデル132は、これらの入力に対して動作して、血中血球容積値を推測又は予測し、PCVアプリケーション130はこれを使用して、ユーザに提示するためにフィールド306に移入する。モデル132が、暗黙的にのみ血中血球容積を示す値又は分類(例えば、回収フィルタが詰まる可能性が高いか否かのインジケータ)を予測する実施形態では、フィールド306は、代わりに、その種類の値又は分類を予測し得る。
【0023】
ユーザは、フィールド306に示された血中血球容積(又は他の値若しくは分類)を観測し、細胞培養物が回収に適しているか否かの判断、値及び/又は分類に基づく回収システム112の種々のパラメータの手動調整(例えば、遠心分離機タイミング及び/又は供給速度の調整)等の1つ又は複数の適切な動作をとり得る。逆に、フィールド302A~302Cにおけるパラメータが純粋に仮説的な細胞培養物を表す場合、ユーザは単にフィールド306に示される結果を考慮し、場合により新しい値を入力又は結果に基づいて現実世界の実験を開始等し得る。
【0024】
他の実施形態では、ユーザインタフェース300は、ユーザインタフェース300を介して入力された各パラメータが、モデル132のトレーニングに使用されたパラメータのタイプである限り、図3に示されるものよりも多い、少ない及び/又は異なるタイプの入力パラメータ(例えば、複数の日の各々における総細胞数、細胞直径、生存率及び/又はVCD等)のフィールドを含む。しかしながら、幾つかの実施形態では、ユーザインタフェース300の1つ又は複数のフィールドは、モデル132のトレーニングに使用されなかったパラメータに関連する。例えば、メモリ126は、各々がモデル132と同様であるが、異なる分子タイプ(例えば、特定の抗体)での血中血球容積(又はそれを示す値若しくは分類)を推測又は予測するようにトレーニングされた複数のモデルを記憶し得る。そのような実施形態では、ユーザインタフェース300は、ユーザが分子識別子を入力する追加のフィールドを含み得、PCVアプリケーション130は、入力された分子識別子に基づいて適切なモデルを選択する。
【0025】
幾つかの実施形態では、PCVアプリケーション130は、ユーザインタフェース以外の手段によってモデル132への入力の1つ、幾つか又は全てを取得する。例えば、図5を参照してより詳細に後述するように、コンピュータシステム106は、分析機器104の1つ、幾つか又は全てに通信可能に結合し得、分析機器104から、モデル132への入力として使用される測定値を自動的に検索し得る。
【0026】
出力をフィールド306と同様のフィールドに提示することに加えて又は代えて、ユーザインタフェース300は、グラフ、テーブル等の表示された出力情報に適した任意の他の1つ又は複数の形式を使用し得る。例えば、コンピュータシステム106は、バイオリアクタ102内の細胞培養物を経時監視し得、その場合、PCVアプリケーション130は、分析機器104から測定値を定期的に取得し、それらの測定値を入力としてモデル132に適用して、血中血球容積値を推測し得る。そのような実施形態では、ユーザインタフェース300は、血中血球容積値が特定/取得されるにつれて、血中血球容積値を示すグラフ又はテーブルを動的に経時更新し得る。
【0027】
上述したように、モデル132は、非線形機械学習モデルである。線形回帰モデルは、同様の実装形態を提供するが、そのようなモデルの性能は、不十分であることがわかった。300を超えるデータ点からの実験日(即ちバイオリアクタ内の細胞培養の持続時間)、総細胞数、生細胞密度、細胞直径、生存率及びオスモル濃度(特徴を欠くサンプル及び/又は2.5標準偏差外の外れ値を除去することによってデータをクリーニングした後)をモデル入力として使用して、線形回帰は図4Aのプロット400に示される性能を提供した。プロット400では、x軸は、現実/実際の血中血球容積を表す一方、y軸は、推測された血中血球容積と現実/実際の血中血球容積との間の差を表す(両方とも%単位)。図4Aに見られるように、結果として、線形回帰の性能は、あまりよくなかった。線形回帰モデルの回帰係数は0.73であった。
【0028】
図4Bのプロット420は、非線形機械学習モデル(この場合には特にランダムフォレストモデル)を使用した性能を示す。プロット400と同様に、プロット420におけるx軸は、現実/実際の血中血球容積を表す一方、y軸は、推測された血中血球容積と現実/実際の血中血球容積との間の差を表す(両方とも%単位)。ランダムフォレスト機械学習に向けて準備するために、過去データは正規化され(大いに異なる特徴範囲に起因して)、次いでテストセット及びトレーニングセットに4:1比で分けられた。ランダムフォレスト回帰モデルを作成し、実験日、総細胞数、生細胞密度、細胞直径、生存率及びオスモル濃度の特徴/予測子/入力と共にこの初期データセットでトレーニングした。しかしながら、特徴重要度分析は、総細胞数、細胞直径及びオスモル濃度が全て無視できる予測子であることを示した。ランダムフォレストモデルは、決定係数0.88を表すプロット420に示される性能に繋がった。図4A図4Bとを比較した場合にわかるように、ランダムフォレストモデルは線形回帰モデルよりも大幅に優れた性能を示す。XGブースト等の特定の他の非線形モデルも実質的に、線形回帰モデルよりも優れた性能を示すことができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、出力を表示する(例えば図3に示されるように)ことに加えて又は代えて、コンピュータシステム106は、出力として、回収システム112の1つ又は複数のデバイス(例えば、構成要素)を制御するための制御データを生成する。図5は、一例のシステム500におけるそのような実施形態を示す。図1及び図5では、同じ参照文字は、機能的に同様及び/又は構造的に同様の構成要素を指す。しかしながら、図5に見られるように、コンピュータシステム106は、分析機器104及び回収システム112の両方に通信可能に結合され、PCVアプリケーション130が制御アプリケーション530で置換される。
【0030】
制御アプリケーション530は、測定ユニット532、推測/予測ユニット534及びコントローラ536を含む。制御アプリケーション530の種々のユニットは、異なる複数のソフトウェアアプリケーション間で分散され得ること及び/又はそのようなユニットのいずれか1つの機能は、異なる複数のソフトウェアアプリケーション間で分割され得ることが理解される。測定ユニット532は、任意の所望の数の時間区間数で1回又は定期的に(例えば、1日に1回、1時間に1回等)、分析機器104によって生成された測定値を取得する(例えば、要求するか又は別の方法で監視する)ことができる。幾つかの実施形態では、制御アプリケーション530は測定ユニット532を省き、制御アプリケーション530は、ユーザ入力を介して(例えば、ユーザインタフェース300を介して)又は他の手段によって細胞培養物パラメータを取得する。
【0031】
幾つかの実施形態では、推測/予測ユニット534は、測定ユニット532(及び/又は他の手段)によって取得された細胞培養物パラメータに基づいて、細胞培養物パラメータをモデル132への入力として適用することにより、血中血球容積値を推測又は予測する。コントローラ536は、推測/予測された血中血球容積値及び場合により他の情報(例えば、ユーザ指定の限度又はデフォルト限度)に対しても動作して、回収システム112の1つ又は複数のデバイスの制御データを生成する。例えば、コンピュータシステム106は、回収システム112の遠心分離機に、ショット周波数(ボウルショット型遠心分離機の場合)又は固/液分離比(連続遠心分離機の場合)等の1つ又は複数のタイミングパラメータを遠心分離機に調整させるコマンドを送信し得る。別の例として、コンピュータシステム106は、回収システム112のポンプに、回収システム112の遠心分離機へのバイオリアクタ102の内容物の供給速度をポンプに調整させるコマンドを送信し得る。回収システム112の被制御デバイスは、比例積分微分(PID)制御器を含み得、例えばPID制御器への入力としてコンピュータシステム106から設定点(例えば、コントローラ536によって生成される設定点)を受信し得る。コントローラ536は、実施形態に応じて、回収プロセスが開始される前及び/又は回収プロセス中に回収デバイスを制御し得る。
【0032】
他の実施形態では、モデル132は、血中血球容積の影響を受けやすい特定のデバイスパラメータを直接予測し、その場合、コントローラ536は、血中血球容積値を特定のデバイス設定に移すか又はマッピングする必要がなくてよい。例えば、モデル132は、遠心分離機の適したタイミングパラメータ値を直接予測し得、その場合、コントローラ536は単に、その値を適した形式で表す制御データを生成する。
【0033】
表示デバイス122及び/又はユーザ入力デバイス124は、制御アプリケーション530の制御動作を監視するようにユーザによって操作され得る。例えば、コントローラ536は、コンピュータシステム106に、ディスプレイ122を介して、生成されたデバイス制御設定をユーザに提示させ得及び/又は回収システム112のデバイスは、設定又は読み取り値をコンピュータシステム106に送信して、ディスプレイ122を介してコンピュータシステム106に設定又は読み取り値をユーザに提示させ得る。
【0034】
図6は、細胞培養物を評価する一例の方法600の流れ図である。方法600は、図1のシステム100又は図5のシステム500等のシステムによって(例えば、処理ユニット120がPCVアプリケーション130の命令又は制御アプリケーション530の命令を実行することによって)実施され得る。方法600は、細胞培養プロセス中に1回行われ得るか、又は1つ若しくは複数の時間区間(例えば、複数日の各々)で(例えば、リアルタイムで)繰り返され得る。
【0035】
ブロック602では、細胞培養物と関連する複数のパラメータが取得される。パラメータは、例えば、分析機器測定値(例えば、図1の分析機器104によって測定された)を含み得る。幾つかの実施形態では、総細胞数及び/又は細胞直径は、特にブロック602で取得されるパラメータから除外し得る。例えば、パラメータは、細胞培養物がバイオリアクタ内にあった時間の長さ、生細胞密度及び生存率から全体的になり得る。しかしながら、一般に、パラメータは、複数の日数の各々での生細胞密度及び/又は生存率、総細胞数、細胞直径、オスモル濃度、分子型、等の任意の適したパラメータを含み得る。
【0036】
ブロック604において、血中血球容積を示す値又は分類が推測又は予測される。ブロック604は、場合により、入力データのクリーニング、正規化及び/又は他の方法による前処理の1つ又は複数のステップ後、ブロック602において取得されたパラメータを非線形機械学習モデルに入力として適用することを含む。モデル(例えば、モデル132)は、例えば、ニューラルネットワーク(例えば、ランダムフォレスト又はXGブーストモデル)であり得る。幾つかの実施形態では、ブロック604は、血中血球容積値を推測又は予測することを含む。他の実施形態では、ブロック604は、血中血球容積を示す異なる値(例えば、回収プロセス中の遠心分離機についての特定のタイミングパラメータ)又は血中血球容積を示す分類(例えば、回収プロセス中、フィルタが詰まることになる可能性が高いか否かの二進数又は回収プロセス中、血中血球容積により、1つ又は複数の遠心分離機パラメータの変更が必要になるか否かを示す二進数)を推測又は予測することを含む。
【0037】
ブロック606において、推測又は予測された値又は分類を示す出力が生成される。例えば、ブロック606は、ユーザに表示する(例えば、ディスプレイ122を介して)ためのユーザインタフェース(例えば、ユーザインタフェース300又はそのフィールド306と同様)を生成又は移入することを含み得る。別の例として、ブロック606は、回収プロセスの少なくとも一部を行うように構成された1つ又は複数のデバイス(例えば、図5を参照して上述したように、回収システム112の1つ又は複数のデバイス)の制御データを生成することを含み得る。
【0038】
幾つかの実施形態では、方法600は、図6に示されない1つ又は複数の追加的ブロックを含む。例えば、方法600は、ブロック606後、制御データが生成された(ブロック606において)1つ又は複数のデバイスが、生成された制御データに従って制御される(例えば、制御データを適切な1つ又は複数のデバイスに送信することにより)追加的ブロックを含み得る。
【0039】
本開示の実施形態は、様々なコンピュータ実施動作を遂行するためのコンピュータコードを有する非一時的なコンピュータ可読格納媒体に関する。「コンピュータ可読格納媒体」という用語は、本明細書に記載される動作、手法及び技法を遂行するための一連の命令又はコンピュータコードを格納又は符号化することができる任意の媒体を含むように本明細書において使用される。媒体及びコンピュータコードは、本開示の実施形態を目的として特別に設計及び構築されたものであり得るか、又はコンピュータソフトウェア技術の当業者に周知且つ利用可能な種類のものであり得る。コンピュータ可読格納媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープ等の磁気媒体、CD-ROM及びホログラフィデバイス等の光媒体、光ディスク等の光磁気媒体並びにASIC、プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)及びROMやRAMデバイス等のプログラムコードを格納及び実行するために特別に構成されたハードウェア装置が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
コンピュータコードの例としては、コンパイラによって生成されるもの等の機械コード及びインタープリタ又はコンパイラを用いて、コンピュータによって実行される相対的に高水準のコードを含むファイルが挙げられる。例えば、本開示の一実施形態は、Java、C++又は他のオブジェクト指向プログラミング言語及び開発ツールを用いて実施され得る。コンピュータコードの更なる例としては、暗号化コード及び圧縮コードが挙げられる。更に、本開示の一実施形態は、コンピュータプログラム製品としてダウンロードされ得、これは、リモートコンピュータ(例えば、サーバコンピュータ)から送信チャネルを介して要求元コンピュータ(例えば、クライアントコンピュータ又は異なるサーバコンピュータ)に転送され得る。本開示の別の実施形態は、機械実行可能なソフトウェア命令の代わりに又はそれと組み合わせてハードワイヤード回路に実装され得る。
【0041】
本開示について特定の実施形態を参照して説明し、図示してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更形態がなされ得、均等物で代替され得ることを理解するはずである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【国際調査報告】