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特表2024-525137ポータブル分光計を使用する生物学的サンプルのマススクリーニング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】ポータブル分光計を使用する生物学的サンプルのマススクリーニング
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3563 20140101AFI20240703BHJP
   G01N 21/359 20140101ALI20240703BHJP
【FI】
G01N21/3563
G01N21/359
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023575787
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 US2022012602
(87)【国際公開番号】W WO2022260714
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/211,507
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/209,366
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/575,591
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】511248294
【氏名又は名称】シーウェア システムズ
【氏名又は名称原語表記】SI-WARE SYSTEMS
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】サベリー,ヤセル,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ドイッチュ,エリック,アール.
(72)【発明者】
【氏名】サーダニー,バッサム
(72)【発明者】
【氏名】モルタダ,バセム,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】アル ハロン,モハメド,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】エルファン,マゼン
(72)【発明者】
【氏名】モハメド,ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】サデック,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】メダハット,モスタファ
(72)【発明者】
【氏名】シェブル,アハメド
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059BB09
2G059BB14
2G059CC16
2G059DD12
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE09
2G059EE12
2G059FF11
2G059GG01
2G059GG03
2G059HH01
2G059JJ01
2G059JJ13
2G059JJ14
2G059LL03
2G059MM05
2G059MM14
2G059PP04
(57)【要約】
態様は、サンプルのマススクリーニングのための機構に関する。試験下の検体を収容するサンプルの分光分析に基づくポータブルラボラトリデバイス(300)は、マススクリーニングを容易にすることができる。ポータブルラボラトリデバイス(300)は、サンプルヘッド(312)へのサンプルの塗布を容易にするように構成された構造を含むサンプルヘッド(312)と、1つまたは複数の光源(306)および分光計(308)を含む光学的測定デバイス(304)とを含む。サンプルに入射した光源(306)からの光(322)は、サンプルのスペクトル(326)を得るために、分光計(308)に向けられ得る。光学的測定デバイス(304)は、スペクトル(326)から結果(328)をもたらすために、分光計(308)によって得られたスペクトル(326)をスペクトル分析器(320)に提供するように構成されたデータ転送デバイス(310)をさらに含むことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルヘッドであって、サンプルを受け取るように構成され、前記サンプルヘッドへの前記サンプルの塗布を容易にするように構成された構造を備える、サンプルヘッドと、
光学的測定デバイスであって、
入力光をもたらすために、前記サンプルのほうへ入射光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記サンプルから前記入力光を受け取るように、および前記入力光に基づいて、前記サンプルのスペクトルを得るように構成された分光計と、
スペクトル分析器に前記スペクトルを転送するように、および前記スペクトル分析器から前記サンプルに関連する結果を受け取るように構成されたデータ転送デバイスと
を備える、光学的測定デバイスと
を備える、ポータブルラボラトリデバイス。
【請求項2】
前記分光計が、微小電気機械システム(MEMS)干渉計を備え、前記少なくとも1つの光源が、少なくとも1つの赤外光源を備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項3】
前記データ転送デバイスが、前記スペクトル分析器と通信するように構成されたワイヤレストランシーバを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項4】
前記スペクトル分析器をさらに備え、前記データ転送デバイスが、前記スペクトル分析器に前記スペクトルを転送するように構成されたバスを備える、
請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項5】
前記スペクトル分析器が、前記スペクトルから前記結果をもたらすように構成された人工知能エンジンを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項6】
前記スペクトルが、測定された吸収スペクトルを備え、前記人工知能モデルが、近赤外周波数範囲における前記測定された吸収スペクトルの吸収信号から1つまたは複数の検体を検出するように構成された、請求項5に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項7】
前記サンプルヘッドが、前記サンプルを収容する媒体を受け取るように構成され、前記人工知能エンジンが、前記媒体に基づいて前記結果をもたらすように構成された、請求項5に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項8】
前記人工知能エンジンは、各々が複数の媒体タイプのうちのそれぞれの媒体タイプについて作成された複数の較正モデルを備え、
前記サンプルを収容する前記媒体に対応する前記複数の媒体タイプのうちの1つの媒体タイプについて前記複数の較正モデルのうちの1つの較正モデルを選択するように構成された入力デバイス
をさらに備える、請求項5に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項9】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記ポータブルラボラトリデバイスのハウジングに結合され前記サンプルヘッドへの前記サンプルの塗布を容易にするように構成されたツールを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項10】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記サンプルを前記光学的測定デバイスの光学的ウィンドウと整合させるように構成されたホールを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項11】
前記サンプルヘッドの前記構造は、前記サンプルがその上に配置されるカバースリップを受け取るように構成されたキャビティをさらに備え、前記キャビティが、前記ホールの上方に位置決めされた、請求項10に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項12】
前記カバースリップは、前記サンプルがその中に配置されるフレームを備える、請求項11に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項13】
前記カバースリップが、前記サンプル中の検体と結び付くように構成されたレセプタをもつ官能化されたカバースリップを備える、請求項11に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項14】
前記キャビティが、第1のカバースリップと第2のカバースリップとの間に前記サンプルを収容するために、前記第1のカバースリップを受け取るように構成された第1のキャビティと、前記第1のキャビティの上方に位置決めされ、前記第2のカバースリップを受け取るように構成された、第2のキャビティとを備える、請求項10に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項15】
前記第2のキャビティが、前記第1のキャビティに関して回転させられる、請求項14に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項16】
前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティが、各々、前記光学的測定デバイスの前記光学的ウィンドウの平面に関して傾斜角度を備える、請求項14に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項17】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記サンプルを受け取るための第1の位置から、前記光学的測定デバイスの前記光学的ウィンドウの上側の第2の位置に移動可能である、請求項10に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項18】
前記サンプルヘッドが、前記サンプルヘッドの前記構造の上方に位置決めされるように構成されたカバーをさらに備え、前記カバーが、上面と、前記構造に対向する底面とを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項19】
前記カバーの前記底面が、反射面または基準物質を備える、請求項18に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項20】
前記カバーが、透過モードにおいて前記サンプルのほうへ前記入射光を向けるように構成された、前記少なくとも1つの光源のうちの透過モード光源を備える、請求項18に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項21】
前記カバーが、前記サンプルのほうへ前記入射光を向けるように構成された少なくとも1つの反射体を備える、請求項20に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項22】
前記少なくとも1つの光源が、前記透過モードと同時にまたは前記透過モードに関して連続的に反射モードにおいて前記サンプルのほうへ前記入射光を向けるように配列された複数の光源をさらに備える、請求項20に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項23】
前記サンプルヘッドの前記構造が、複数のサンプルを受け取るように構成されたウェルプレートアレイを備え、
前記光学的測定デバイスによる前記複数のサンプルの測定を自動化するように構成されたモーター駆動ステージ
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項24】
前記サンプルの下方に位置決めされた第1の反射体と、
前記第1の反射体に対向して前記サンプルの上方に位置決めされた第2の反射体であって、前記第1の反射体および前記第2の反射体が、前記入力光をもたらすために、前記サンプルを通して複数回前記入射光を向けるように構成された、第2の反射体と
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項25】
前記入射光を受け取るように、および前記第2の反射体のほうへ前記入射光を向けるように構成された第3の反射体と、
前記入力光を受け取るように、および前記分光計に前記入力光を向けるように構成された第4の反射体と
をさらに備える、請求項24に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項26】
前記第1の反射体および前記第2の反射体が、それぞれの平坦な反射体、それぞれの湾曲した反射体、またはコーナー反射体のそれぞれのアレイを備える、請求項24に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項27】
前記第1の反射体および前記第2の反射体を備えるマルチパスセル
をさらに備える、請求項24に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項28】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記光学的測定デバイスを備えるハウジングに取り付けられた案内スペーサを備え、前記案内スペーサが、前記サンプルヘッドの中への前記サンプルの挿入を案内するように構成された、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項29】
前記案内スペーサは、前記サンプルがその中に挿入されたキュベットを受け取るように構成された、請求項28に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項30】
前記サンプルがその上に位置決めされる第1のスライドと、
前記第1のスライドの上側で前記案内スペーサ上に位置決めされた第2のスライドと、
前記第2のスライド上に位置決めされた材料スラブと
をさらに備える、請求項28に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項31】
前記第1のスライドは、各々が、前記サンプルを含む複数のサンプルのうちのそれぞれのサンプルを受け取るように構成された、複数のウェルを備える、請求項30に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項32】
前記案内スペーサが、前記第1のスライド上への前記サンプルの塗布を容易にするように構成されたホールを備える、請求項30に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項33】
前記サンプルの前記スペクトルを得るために、前記第1のスライドを平行移動させるように構成されたモーター
をさらに備える、請求項30に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項34】
前記サンプルを乾燥させ、乾燥させられたサンプルをもたらすために、前記少なくとも1つの光源をスイッチオンするために前記少なくとも1つの光源に結合されたスイッチであって、前記分光計が、前記乾燥させられたサンプルの前記スペクトルを得るように構成された、スイッチ
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項35】
前記サンプルの1つまたは複数の物理的性質を制御するように構成された励起素子
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項36】
前記結果を表示するためのディスプレイ
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項37】
前記サンプルヘッドの前記構造は、前記サンプルがその内部に挿入されたキュベットを収容するキュベットホルダーを受け取るように構成された、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項38】
前記サンプルヘッドの前記構造が、キュベットを収容するアダプタを受け取るように構成され、前記アダプタは、毛管力を介して前記キュベットの中に挿入される前記サンプルを収容するバイアルに取り付けられている、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年6月10日に米国特許商標庁に出願された米国仮出願第63/209,366号、2021年6月16日に米国特許商標庁に出願された米国仮出願第63/211,506号、および2022年1月13日に米国特許商標庁に出願された米国実用新案出願第17/575,591号の優先権および利益を主張し、それらの内容全体は、それらの全体が以下に完全に記載されるかのように、またすべての適用可能な目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
以下で論じられる技術は、一般に生物学的サンプル検出のための分光学的ソリューションに関し、とりわけ、スケーラブルなソリューションを使用するマススクリーニングのための機構に関する。
【背景技術】
【0003】
赤外分光法は、異なる材料中の分子の振動および回転エネルギーレベルの特徴づけを提供する。材料が赤外光に曝露されたとき、光子の吸収が、振動レベル間の遷移により特定の波長において起こる。今日、分光計機器が、様々な応用分野において物質の同定および/または定量を行うために、研究室および産業環境において見かけられ得る。フーリエ変換赤外線(FT-IR)を含む、分光測定計装のための様々なトポロジーが存在する。
【0004】
赤外分光法は、概して、生物学的サンプルを、および具体的には、ウイルス感染を診断するための高速で低コストの機構である。その機構は、分子の振動、および赤外光との相互作用に基づく。各ウイルスは、一意の分子構造を有する。これらの分子構造成分の各々は、赤外範囲においてそれ自体のスペクトル吸収信号を有し、指紋中間赤外領域においてより強力な吸収を示す。中間赤外範囲におけるスペクトル吸収信号は、これが基本領域であるので、より強力であり、その一方で、近赤外領域(たとえば、7400cm-1~4000cm-1)における信号は、オーバートーンであり、基本的なものの組合せである。指紋領域における中間赤外スペクトルは、主要なバイオマーカーフラグメントに対応する帯域である。この機構に基づいて、ウイルス感染検出のための様々な赤外吸収ベース機構が利用され得る。
【0005】
たとえば、近赤外ラマン分光法が、インヴィトロで、健康な人の血清とC型肝炎汚染がある血清とをスペクトル的に区別するために使用されてきた。加えて、近赤外分光法は、インフルエンザウイルス感染した鼻液を弁別するために、およびHIV-1感染を診断するためにも使用されてきた。その上、中間赤外分光法および回帰分析を使用する、乾燥させられた人の血液スポット中のマラリア原虫の検出が報告されてきた。
【0006】
また、近赤外分光法が、動物、虫および植物中のウイルスを検出するために使用されてきた。たとえば、近赤外分光法は、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)に対して94.2%~99.3%の予測精度をもって無傷のネッタイシマカの頭および胸部中のZIKVを非侵襲的に検出するための、迅速で、試薬フリーの、費用効果の高いツールとして使用されてきた。加えて、近赤外分光法およびアクアフォトミクスが、ウイルスに感染したダイズの迅速なインビボ診断のための手法として使用されてきた。細胞培養におけるFTIR分光法を使用するポリオウイルス感染の検出および定量化も報告されてきた。
【発明の概要】
【0007】
以下は、本開示の1つまたは複数の態様の概要を、そのような態様の基本的理解を提供するために提示する。この発明の概要は、本開示のすべての企図される特徴の広範囲な概要ではなく、本開示のすべての態様の鍵となるまたは重要な要素を識別することも、本開示のいずれかまたはすべての態様の範囲を定めることも意図していない。それの唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明への前置きとしての形態で、本開示の1つまたは複数の態様のいくつかの概念を提示することである。
【0008】
例では、ポータブルラボラトリデバイスが開示される。ポータブルラボラトリデバイスは、サンプルヘッドであって、サンプルを受け取るように構成され、サンプルヘッドへのサンプルの塗布を容易にするように構成された構造を含む、サンプルヘッドを含む。ポータブルラボラトリデバイスは、光学的測定デバイスであって、入力光をもたらすために、サンプルのほうへ入射光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、サンプルから入力光を受け取るように、および入力光に基づいて、サンプルのスペクトルを得るように構成された分光計と、スペクトル分析器にスペクトルを転送するように、およびスペクトル分析器からサンプルに関連する結果を受け取るように構成されたデータ転送デバイスとを備える、光学的測定デバイスをさらに含む。
【0009】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の発明を実施するための形態を検討すればより十分に理解されるであろう。本発明の他の態様、特徴、および実施形態は、添付図とともに本発明の具体的で例示的な実施形態の以下の説明を検討すれば、当業者に明らかになろう。本発明の特徴が、以下の特定の実施形態および図と関連して論じられ得るが、本発明のすべての実施形態は、本明細書で論じられる有利な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。言い換えれば、1つまたは複数の実施形態は、特定の有利な特徴を有するものとして論じられ得るが、そのような特徴のうちの1つまたは複数は、本明細書で論じられる本発明の様々な実施形態に従って使用されてもよい。同様に、例示的な実施形態は、デバイス、システム、または方法実施形態として以下で論じられ得るが、そのような例示的な実施形態は、様々なデバイス、システム、および方法で実装され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、いくつかの態様による、分光計を示す図である。
図2図2は、いくつかの態様による、AIエンジンを構築するためのワークフローの例を示す図である。
図3図3は、くつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図4図4A図4Cは、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスの例示の動作を示す図である。
図5図5は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスの別の例示的な動作を示す図である。
図6図6は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスの別の例を示す図である。
図7図7は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスの光源構成の例を示す図である。
図8図8は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスを含むボックス中のラボラトリの例を示す図である。
図9図9は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスとともに使用するために構成された構造の例を示す図である。
図10図10は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスとともに使用するために構成された構造の別の例を示す図である。
図11図11Aは、くつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイスの別の例を示す図である。図11Bは、いくつかの態様による、図11Aのポータブルラボラトリデバイスとともに使用するために構成されたバイアルホルダーの例を示す図である。
図12図12Aおよび図12Bは、いくつかの態様による、反射モードおよびトランス反射モードにおいて動作するポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図13図13は、いくつかの態様による、透過モードにおいて動作するポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図14図14は、いくつかの態様による、透過モードにおいて動作するポータブルラボラトリデバイスの別の例を示す図である。
図15図15は、いくつかの態様による、マルチパスアーキテクチャを含むポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図16図16は、いくつかの態様による、マルチパスアーキテクチャを含むポータブルラボラトリデバイスの別の例を示す図である。
図17図17は、いくつかの態様による、マルチパスアーキテクチャを含むポータブルラボラトリデバイスの別の例を示す図である。
図18図18Aおよび図18Bは、いくつかの態様による、案内スペーサに対応するサンプルヘッドの構造を含むポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図19図19Aおよび図19Bは、いくつかの態様による、カバースリップの例を示す図である。
図20図20は、いくつかの態様による、複数のサンプルの測定を実施するためのポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図21図21は、いくつかの態様による、サンプルの測定を実施するためのポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図22図22Aおよび図22Bは、いくつかの態様による、案内スペーサに対応するサンプルヘッドの構造を含むポータブルラボラトリデバイスの他の例を示す図である。
図23図23は、いくつかの態様による、案内スペーサに対応するサンプルヘッドの構造を含むポータブルラボラトリデバイスの別の例を示す図である。
図24図24A図24Dは、いくつかの態様による、サンプルを加熱するように構成されたポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図25図25は、いくつかの態様による、サンプルを加熱するように構成されたポータブルラボラトリデバイスの別の例を示す図である。
図26図26Aおよび図26Bは、いくつかの態様による、官能化されたカバースリップを含むポータブルラボラトリデバイスの例を示す図である。
図27図27は、いくつかの態様による、キュベットを使用する例示の測定動作を示す図である。
図28図28は、いくつかの態様による、キュベットを使用する別の例示の測定動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面とともに以下で記載される発明を実施するための形態は、様々な構成を説明することを意図し、本明細書で説明される概念が実践され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。発明を実施するための形態は、様々な概念の完全な理解を提供する目的で、具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念は、これらの具体的な詳細なしに実践され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、よく知られている構造および構成要素は、そのような概念を不明瞭にしないために、ブロック図の形態で示される。
【0012】
本開示の様々な態様は、特定の病気、あるいはたとえば、ウイルス感染、細菌感染、寄生虫感染、または抗体価など、他のタイプの感染に関連する生物学的検出またはバイオマーカーのためのサンプルのマススクリーニングのための機構に関する。試験下の検体を収容するサンプルの分光分析に基づくポータブルラボラトリデバイスは、マススクリーニングを容易にすることができる。ポータブルラボラトリデバイスは、サンプルヘッドと、赤外または近赤外周波数範囲において動作する1つまたは複数の光源、および分光計を含む光学的測定デバイスとを含むことができる。分光計は、たとえば、微小電気機械システム(MEMS)干渉計を含み得る。
【0013】
収集されたサンプルは、(たとえば、コットンスワブを介して)直接的に、あるいはウイルス輸送媒体または他の輸送媒体(たとえば、食塩水、リン酸緩衝食塩水、最小必須培地、非アクティブ化輸送媒体など)などの媒体を通してのいずれかで、サンプルヘッドに塗布され得る。サンプルヘッドは、サンプルヘッドへのサンプルの塗布を容易にするように構成された構造を含み得る。たとえば、サンプルの塗布は、サンプルヘッド上で、容量およびロケーションに関するサンプルの正確な塗布のための様々なツールを用いて補助され得る。いくつかの例では、構造は、サンプルを収容するカバースリップ(またはガラススリップ)を受け取るためのキャビティを含み得る。いくつかの例では、キャビティは、第1のカバースリップを受け取るための第1のキャビティと、第2のカバースリップを受け取るための、第1のキャビティの上方に位置決めされた第2のキャビティとを含むことができ、サンプルは、第1のカバースリップと第2のカバースリップとの間に収容される。信号増幅が、カバースリップ間の光のマルチバウンディングによって達成され、サンプル塗布のためにおよびサンプルを収容するために使用されるカバースリップの角度、または官能化されたカバースリップの使用を制御し得る。たとえば、キャビティは、カバースリップの正確な挿入のために、およびサンプルと光源からの入射光との間の長さおよび相互作用を制御するために、互いに対して回転させられ、および/または光学的測定デバイスの平面に関して傾斜させられ得る。
【0014】
サンプルに入射した光源からの光は、サンプルのスペクトルを得るために、分光計に向けられ得る。サンプルは、光源および分光計の構成に基づいて、透過モード、反射モード、またはトランス反射モードにおいて測定され得る。ポータブルラボラトリデバイスは、精度を改善し、起こりうる汚染を回避するために、サンプルヘッドの上方に位置決めされ得るカバーをさらに含み得る。カバーはさらに、分光計の較正のための基準スペクトルを得るために利用され得る。いくつかの例では、カバーは、透過モード測定および/またはトランス反射モード測定を容易にするための反射面を含む。いくつかの例では、カバーは、透過モード測定を行うための追加の光源をさらに含み得る。
【0015】
赤外分光測定のために利用される同じ光源が、必要なとき、サンプルを加熱し、乾燥させるためにも使用され得る。熱電加熱および乾燥促進機構など追加の光源または加熱機構も、サンプルを加熱し、乾燥させるために使用され得る。複数のサンプルからの測定値は、サンプルヘッドの自動化された構造を使用して得られ得る。
【0016】
光学的測定デバイスは、スペクトルから結果をもたらすために、人工知能(AI)エンジンなどのスペクトル分析器に、分光計によって得られたスペクトルを提供するように構成されたデータ転送デバイスをさらに含むことができる。たとえば、結果は、感染の存在を指し示す正または負の試験結果であり得る。別の例として、結果は、特定のタイプの感染についての抗体レベルであり得る。AIエンジンは、分析下の生物学的エンティティまたは検体の異なる負荷の存在または不在を示す、いくつかのサンプルからの測定値(たとえば、スペクトル)に基づいて構築された較正モデルを含み得る。たとえば、スペクトルは、試験下の検体の測定された吸収スペクトル(たとえば、吸収信号)を含み得る。いくつかの例では、AIエンジンは、各々が試験下の検体のそれぞれのタイプおよびサンプルのそれぞれの媒体タイプについて作成された、複数の較正モデルを含み得る。いくつかの例では、較正モデルはさらに、ポータブルラボラトリデバイスを使用して構築され得る。いくつかの例では、AIエンジンは、ポータブルラボラトリデバイス内に収容され得る。他の例では、AIエンジンは、クラウドベースAIエンジンであり得る。この例では、データ転送デバイスは、ワイヤレス通信ネットワークを介してAIエンジンにスペクトルを送信するように構成されたワイヤレストランシーバを含み得る。
【0017】
図1は、いくつかの態様による、分光計100を示す図である。分光計100は、たとえば、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計であり得る。図1に示されている例では、分光計100は、マイケルソンFTIR干渉計である。他の例では、分光計は、FTIRファブリーペロー干渉計を含み得る。
【0018】
FTIR分光計は、単一ビームスペクトル(パワースペクトル密度(PSD))を測定し、ここで、単一ビームスペクトルの強度は、検出器に到達する放射のパワーに比例する。サンプルの吸収度を測定するために、最初に、バックグラウンドスペクトル(すなわち、サンプルの不在下での単一ビームスペクトル)が、機器転送機能を補償するために測定され得る。次いで、サンプルから透過または反射された光の単一ビームスペクトルが測定され得る。サンプルの吸収度は、サンプルの透過率、反射率、またはトランス反射率から計算され得る。たとえば、サンプルの吸収度は、サンプルからの透過光、反射光、またはトランス反射光のスペクトルの、バックグラウンドスペクトルに対する比として計算され得る。
【0019】
干渉計100は、固定ミラー104、可動ミラー106、ビームスプリッタ110、および検出器112(たとえば、光検出器)を含む。分光計100に関連する光源102が、入力ビームを放出するように、およびビームスプリッタ110のほうへ入力ビームを向けるように構成される。光源102は、たとえば、レーザー源、1つまたは複数の広帯域熱放射源、または対象となる波長範囲をカバーする発光デバイスのアレイをもつ量子源を含み得る。
【0020】
ビームスプリッタ110は、入力ビームを2つのビームに分割するように構成される。一方のビームは、固定ミラー104でビームスプリッタ110のほうへ反射し戻され、他方のビームは、可動ミラー106でビームスプリッタ110のほうへ反射し戻される。可動ミラー106は、ビームの反射のために所望の位置に可動ミラー106を変位させるためのアクチュエータ108に結合され得る。その場合、ミラー106の変位の2倍に実質的に等しい光路長差(OPD)が、反射されたビーム間に作り出される。いくつかの例では、アクチュエータ108は、微小電気機械システム(MEMS)アクチュエータ、サーマルアクチュエータ、または他のタイプのアクチュエータを含み得る。
【0021】
反射されたビームは、出力光ビームをもたらすために、ビームスプリッタ110において干渉し、光の時間的コヒーレンスが、可動ミラー106によって与えられた各異なる光路差(OPD)において測定されることを可能にする。出力光ビームに対応する信号は、インターフェログラムをもたらすために、可動ミラー106の多くの離散位置において検出器112によって検出および測定され得る。いくつかの例では、検出器112は、検出器アレイまたは単一のピクセル検出器を含み得る。その場合、インターフェログラムデータ対OPDが、プロセッサ(簡略化のために、図示せず)に入力され得る。次いで、スペクトルは、たとえば、プロセッサによって実行されるフーリエ変換を使用して取り出され得る。
【0022】
いくつかの例では、干渉計100は、MEMS干渉計100a(たとえば、MEMSチップ)として実装され得る。その場合、MEMSチップ100aは、たとえば、1つまたは複数のプロセッサ、メモリデバイス、バス、および/または他の構成要素を含み得るプリント回路基板(PCB)116に取り付けられ得る。いくつかの例では、PCB116は、スペクトルを受け取り、処理するように構成された、AIエンジンなど、スペクトル分析器を含み得る。本明細書で使用される、MEMSという用語は、微細加工技術による共通シリコン基板上での機械要素、センサー、アクチュエータおよびエレクトロニクスの統合を指す。たとえば、マイクロエレクトロニクスは、典型的に、集積回路(IC)プロセスを使用して作製され、その一方で、微小機械構成要素は、機械構成要素および電気機械構成要素を形成するために、シリコンウエハの一部を選択的にエッチング除去するかまたは新しい構造層を追加するコンパチブルマイクロマシニングプロセスを使用して作製される。MEMS素子の1つの例は、反射または屈折モードにおいて作動する誘電体または金属化面を有する微小光学構成要素である。MEMS素子の他の例は、アクチュエータ、検出器溝およびファイバー溝を含む。
【0023】
図1に示されている例では、MEMS干渉計100aは、固定ミラー104、可動ミラー106、ビームスプリッタ110、および可動ミラー106を可動に制御するためのMEMSアクチュエータ108を含み得る。加えて、MEMS干渉計100aは、ビームスプリッタ110のほうへ入力ビームを向け、検出器(たとえば、検出器112)のほうへビームスプリッタ110からの出力ビームを向けるためのファイバー114を含み得る。いくつかの例では、MEMS干渉計104は、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板に平行に伝搬する自由空間光ビームを処理することが可能である微小光学構成要素および他のMEMS素子をもたらすために、SOIウエハ上にディープ反応性イオンエッチング(DRIE)プロセスを使用して作製され得る。たとえば、電気機械設計が、マスク上に印刷され得、マスクは、フォトリソグラフィによってシリコンまたはSOIウエハの上に設計をパターン化するために使用され得る。その場合、パターンは、バッチプロセスを使用して(たとえば、DRIEによって)エッチングされ得、得られたチップ(たとえば、MEMSチップ100a)は、ダイシングされ、パッケージングされ(たとえば、PCB116に取り付けられ)得る。
【0024】
たとえば、ビームスプリッタ110は、入力ビームからある角度(たとえば、45度)に位置決めされたシリコン/空気インターフェースビームスプリッタ(たとえば、半平面ビームスプリッタ)であり得る。その場合、入力ビームは、2つのビームL1およびL2に分割され得、ここで、L1は、可動ミラー106のほうへ空気中を伝搬し、L2は、固定ミラー104のほうへシリコン中を伝搬する。ここで、L1は、半平面ビームスプリッタ110からの入力ビームの部分反射から発生し、これにより、ビーム入射角に等しい反射角度を有する。L2は、半平面ビームスプリッタ110を通る入力ビームの部分的な透過から発生し、スネルの法則によって決定された角度でシリコン中を伝搬する。いくつかの例では、固定ミラー104および可動ミラー106は、金属ミラーであり、ここで、(たとえば、金属化ステップ中にシャドーマスクを使用する)選択的金属化が、ビームスプリッタ110を保護するために使用される。他の例では、ミラー104および106は、たとえば、DRIEを使用して実現され得る垂直ブラッグミラーである。
【0025】
いくつかの例では、MEMSアクチュエータ108は、コムドライブおよびばねから形成された静電アクチュエータであり得る。たとえば、コムドライブに電圧を印加することによって、電位差が、アクチュエータ108の両端に生じ、これは、その中にキャパシタンスを誘起し、駆動力が生成されることを引き起こし、ならびにばねによる復元力を引き起こし、それにより、ビームスプリッタ110のほうへビームを反射し戻すための所望の位置への可動ミラー106の変位を引き起こす。
【0026】
分子の振動吸収帯からの一意の情報が、たとえば、図1に示されている分光計100によってもたらされ得る赤外スペクトルにおいて反映される。スペクトルにスペクトル数値処理および統計的分析を適用することによって、スペクトルにおける情報は、識別されるか、または分類され得る。実験データの分析への統計的方法の適用は、旧来は計量化学として知られており、より最近では人工知能として知られている。
【0027】
図2は、いくつかの態様による、AIエンジンを構築するためのワークフロー200の例を図示する。AIエンジンを構築し始めるために、サンプルのグループまたは集合202が、スペクトル204をもたらすための、図1に示されている分光計100など、分光計による測定のために得られる。同時に、これらのサンプル202はまた、従来の方法によって測定され、値が、基準値206として記録され得る。スペクトル204とともにこれらの基準値206は、どのようにスペクトルを解釈し、スペクトルを特定の値(たとえば、結果)に変換すべきかをAIエンジン(たとえば、機械学習)に教えるために使用される、サンプルデータベース208を形成する。たとえば、サンプルデータベース208は、統計的回帰モデル(たとえば、較正モデル)の開発210において使用され得、統計的回帰モデルは、次いで、サンプルに関連する結果(たとえば、正または負の試験結果あるいは抗体レベル)をもたらすために、サンプルのスペクトルに適用され得る。次いで、試験結果の妥当性検査および外れ値検出212が、較正モデルを改良するために実施され得る。
【0028】
赤外(IR)分光法によってもたらされるスペクトルは、即時的であるので、従来の分析方法とは異なり、特定のトランスフォーメーション(たとえば、化学トランスフォーメーション)がサンプル内で起こるのを待つ必要はない。サンプルの異なる物理的および化学的パラメータが、単一のスキャンを用いて分析され得る。それゆえ、IR分光法に基づいてAIエンジンを構築することは、複雑なプロセスであり得るが、材料分析のためにIRを使用して得られる高速で簡潔な結果は、解析モデルを構築するための労力に見合う価値がある。
【0029】
図3は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス300の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス300は、パンデミック状態、たとえば、COVID-19における感染の広がりを封じ込めるための効率的なツールであり得、様々な試験対象(たとえば、人間、動物、または植物対象)による設備へのアクセスを提供するべきであるのか、防止するべきであるのかを決め得る意思決定者のモビリティを容易にすることができる。ボックス中のラボラトリの形態のデバイス300は、コンパクトで、ポータブルで、安価であり、マススクリーニングキャンペーンまたは特定の設備へのアクセスを提供するかまたはゲートを通過するためのスクリーニングのために使用され得る。分析は、極めて迅速で、とても低コストである。これは、作業設備、エンターテインメント設備、社会的設備、および居住設備などを含む。
【0030】
ポータブルラボラトリデバイス300は、光学的測定デバイス304、データ転送デバイス310、プロセッサ330、およびメモリ332を収容するハウジング302を含む。プロセッサ330は、単一の処理デバイスまたは複数の処理デバイスを含み得る。そのような処理デバイスは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、ならびに/あるいは回路のハードコーディングおよび/または動作命令に基づいて信号(アナログおよび/またはデジタル)を操作する任意のデバイスであり得る。メモリ332は、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、および/またはプロセッサ330の埋込み型回路であり得る。そのようなメモリデバイスは、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/またはプロセッサ330によって実行され得る命令(たとえば、コード)を含むデジタル情報を記憶する任意のデバイスであり得る。
【0031】
光学的測定デバイス304は、少なくとも1つの光源306と分光計308とを含む。試験下の検体を収容するサンプルを受け取るように構成されたサンプルヘッド312が、ハウジング302に結合される。サンプルヘッド312は、分光計308とのサンプルの相互作用および整合のために、サンプルヘッド312へのサンプルの塗布を容易にするように構成された構造を含み得る。加えて、構造は、サンプルの汚染またはサンプルからの環境(たとえば、ポータブルラボラトリデバイスおよび周囲環境)の汚染を回避するように構成され得る。たとえば、構造(具体的には示されていない)は、ハウジング302に固定的に取り付けられるか、またはハウジング302に着脱可能に結合され得る。いくつかの例では、構造は、ハウジング302に関して移動可能であり得る。いくつかの例では、サンプルは、対象(たとえば、人間、動物、植物など)から採取され、(たとえば、構造を介して)サンプルヘッド312に直接的に塗布されるか、あるいはウイルス輸送媒体または他の輸送媒体(たとえば、食塩水、リン酸緩衝食塩水、最小必須培地、非アクティブ化輸送媒体など)など、輸送媒体に転送されるのいずれかであり、次いで、(たとえば、構造を介して)サンプルヘッド312に塗布され得る。
【0032】
分光計308は、たとえば、図1に示されているように、MEMS FTIRベースの分光計を含み得る。MEMS干渉計は、移動マイクロミラーがMEMSアクチュエータによって駆動されるので、ミリ秒時間スケールにおいてスペクトルを生成することを可能にする。光源306は、たとえば、レーザー源または広帯域源を含み得る。レーザー源の使用は、サンプルのラマンスペクトルの測定を可能にし得る。いくつかの例では、光源306は、赤外または近赤外光源であり得る。光源306は、入力光324をもたらすために、入射光322を生成するように、およびサンプルヘッド312上のサンプルのほうへ入射光322を向けるように構成され得る。分光計308は、入力光に基づいてサンプルのスペクトル326を得るために、サンプルから入力光324を受け取るように構成され得る。入力光324は、光源306および分光計308の構成に基づいて、透過モード、反射モード、またはトランス反射モードにおいて分光計308によって受け取られ得る。分光計308は、スペクトル326をもたらすために、インターフェログラムのフーリエ変換を実施するように構成されたプロセッサ(図示せず)を含み得るか、または分光計308は、スペクトル326をもたらすために、プロセッサ330にインターフェログラムを出力し得る(前者が、図3に図示されている)。
【0033】
ポータブルラボラトリデバイス300は、ユーザインターフェース314をさらに含み、ユーザインターフェース314は、たとえば、入力デバイス316およびディスプレイ318を含み得る。いくつかの例では、ユーザインターフェース314の入力デバイス316およびディスプレイ318は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)として実装される。GUIは、ハウジング302に取り付けられ得るか、またはワイヤレス通信デバイス(たとえば、携帯電話)など、別個のデバイス上に実装され得る。いくつかの例では、入力デバイス316は、ハウジングの外側302に取り付けられるか、あるいはハウジング302上の外部コネクタ(たとえば、USBポート)またはワイヤレス接続を介して結合されるのいずれかである、キーボード、マウス、選択可能なボタン、および/または他のタイプの入力デバイス316を含み得る。この例では、ディスプレイ316は、入力デバイス314とは別個であり得、ハウジング302に取り付けられるか、あるいは外部コネクタまたはワイヤレス接続を介して結合されるのいずれかであり得る。
【0034】
ポータブルラボラトリデバイス300は、データ転送デバイス310に結合されたスペクトル分析器320をさらに含む。スペクトル分析器320は、たとえば、AIエンジンを含み得る。スペクトル分析器320は、分光計308から受け取られたスペクトル326を処理するための1つまたは複数のプロセッサと、スペクトルを処理する際にプロセッサによって利用される1つまたは複数の較正モデルを記憶するように構成されたメモリとを含み得る。スペクトル分析器320は、ハウジング302内に含まれ得るか、またはクラウドベースデバイスであり得る。たとえば、1つまたは複数の較正モデルは、たとえば、ハウジング302内のメモリ(たとえば、メモリ332)またはクラウド内のメモリに記憶され得る。スペクトル分析器320がハウジング302内に含まれる例では、データ転送デバイス310は、分光計308によってもたらされたスペクトルをスペクトル分析器320に転送するように構成されたバスを含むことができる。スペクトル分析器320が外部デバイス(たとえば、クラウドベースデバイス)である例では、データ転送デバイス310は、ワイヤレス通信ネットワークを介してスペクトル分析器320にスペクトルを伝送するように構成されたワイヤレストランシーバを含むことができる。
【0035】
スペクトル分析器320(たとえば、AIエンジン)は、各々が媒体のそれぞれのタイプについて、および試験下の検体のそれぞれのタイプについて構築された、1つまたは複数の較正モデルを含むことができる。いくつかの例では、特定の媒体および特定の検体についての十分な数の負および正サンプルが、対応する較正モデルをトレーニングするために使用され得る。トレーニングサンプルは、試験サンプルが扱われるのと同じやり方で扱われ得る。較正モデルはさらに、グローバル較正モデルを得るために、デバイスの異なる状態および製造ばらつきをカバーする、ポータブルラボラトリデバイス300の一定数のユニットに基づいて構築され得る。加えて、開発された較正モデルは、モデル転送の技法によってもたらされた任意の新しいユニットについて適応させられ得る。
【0036】
例示の動作では、プロセッサ330は、サンプルヘッド312上のサンプルの測定を始動するように分光計308および光源306を制御するように構成され得る。プロセッサ330は、入射光322を生成し、サンプルヘッド312上のサンプルに向けるように光源306を制御することができる。次いで、(たとえば、入射光322の反射、透過、またはトランス反射を介した)サンプルとの相互作用によって生成された入力光324は、スペクトル326をもたらすために、分光計308に入力される。いくつかの例では、プロセッサ330は、たとえば、入力デバイス316を介して受け取られたサンプル測定開始コマンドに基づいて、サンプル測定を始動し得る。サンプル測定開始コマンドは、サンプルに関連する媒体タイプをさらに指し示し得る。たとえば、ユーザは、サンプル測定を開始することを選択し得、入力デバイス316を介して、分析において利用されるべき媒体タイプをさらに選択し得る。
【0037】
プロセッサ330は、スペクトル分析器320にスペクトル326を伝送するように分光計308およびデータ転送デバイス310を制御するようにさらに構成され得る。スペクトル分析器320は、スペクトル326から結果328をもたらすために、スペクトル326を処理するように構成される。いくつかの例では、スペクトル分析器320における較正モデルは、スペクトル326を分析し、試験下の検体の存在を指し示す正の決定または試験下の検体の不在を指し示す負の決定の形態で試験下の検体を表す結果(たとえば、値)をもたらすことができる。また、正の度合いは、低い、中間、および高いの形態で較正モードによってもたらされ得る。別の例として、結果328は、特定のタイプの感染についての抗体レベルであり得る。いくつかの例では、スペクトル326は、測定された吸収スペクトルを含み、スペクトル分析器320(たとえば、AIエンジン)は、近赤外周波数範囲における測定された吸収スペクトルの吸収信号から1つまたは複数の検体を検出するように構成される。いくつかの例では、近赤外領域(周波数範囲)における吸収信号が、オーバートーンおよび基本振動モードの組合せに基づいて検体を検出するために使用され得る。加えて、近赤外領域では、サンプル調製は必要とされないことがある。
【0038】
いくつかの例では、プロセッサ330は、サンプルの複数のスキャン(たとえば、複数の測定)を実施するように分光計308を制御するように構成され得る。その場合、分光計308またはスペクトル分析器320は、スペクトル分析器320によってもたらされる結果328の感受性を改善するために、複数の測定値(たとえば、複数のインターフェログラムまたは複数のスペクトル)を平均化するように構成され得る。
【0039】
スペクトル分析器320は、次いで、ディスプレイ318上での表示のためにユーザインターフェース314に結果328を伝送するように構成される。いくつかの例では、スペクトル分析器320は、ポータブルラボラトリデバイス300のハウジング302上のディスプレイ318に直接的に結果328を出力するように構成され得る。他の例では、スペクトル分析器320は、ワイヤレス通信ネットワーク(たとえば、セルラーネットワーク、あるいはIEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、Bluetooth、または他のワイヤレスシステムを採用するネットワーク)を介してディスプレイ318を含むワイヤレス通信デバイスに結果328を伝送するように構成され得る。いくつかの例では、結果328は、設備へのまたはゲートを通る試験される対象のアクセスを許可するかまたは防止するための意思決定機構として利用され得る。
【0040】
図4A図4Cは、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス400の例示の動作を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス400は、(たとえば、図3に示されているような)光学的測定デバイスを収容するハウジング450を含む。ポータブルラボラトリデバイス400は、サンプル(図示されていない)を受け取るように構成された、ハウジング450上のサンプルヘッド402をさらに含む。サンプルヘッド402は、光学的測定デバイスの上側の、ハウジング450の表面上に様々な構成要素を含む。たとえば、サンプルヘッド402は、サンプルヘッド402へのサンプルの塗布を容易にするように構成された構造405と、光学的測定デバイスの光学的ウィンドウ406と、カバー408とを含む。ここで、光学的ウィンドウ406は、光学的測定デバイスおよびサンプルヘッド402の一部を形成する。構造405は、ホール404と、第1のキャビティ410と、第2のキャビティ412とを含む。ホール404は、どこにサンプル(たとえば、液滴)を配置するべきかを正確に特定するために利用され得る。
【0041】
図4Aおよび図4Bに示されているように、第1のキャビティ410は、サンプル(たとえば、液滴)がその上に配置され得る、ガラススライドなど、第1のカバースリップ414を受け取るように構成される。第2のキャビティ412は、液滴の媒体タイプおよび対応する粘性に応じて、随意の第2のカバースリップ416を受け取るように構成される。たとえば、第2のカバースリップ416は、液滴を収容する第1のカバースリップ414の上側の第2のキャビティ412の中に挿入され得る。第2のカバースリップ416は、光と液滴との間の相互作用経路長を正確に制御するために、第2のキャビティ412の中に挿入され得る。加えて、第2のカバースリップ416は、サンプルに対応するウイルスの広がりおよび/またはサンプルのスペクトルの変更につながることがある、分析中のサンプルの蒸発を防止し得る。第2のキャビティ412は、繰返し可能なロケーションおよび第1のカバースリップ414からの距離における第2のカバースリップ416の正確な挿入を容易にするために、(たとえば、45度だけ)第1のキャビティに関して回転させられ得る。
【0042】
サンプルヘッド402の構造405は、図4Aに示されているような、サンプルを受け取るための第1の位置418から、図4Bに示されているような、光学的ウィンドウ406の上側の第2の位置420に移動可能である。第2の位置420では、ホール404は、光学的ウィンドウ406と整合させられる。光学的ウィンドウ406は、サンプルから光学的測定デバイスの分光計の中に入力光を向けるために、ハウジング450の表面上に位置決めされる。分光計は、たとえば、図1に示されている分光計に対応し得、たとえば、図3に示されているようにハウジング450内に構成され得る。光学的ウィンドウ406は、さらに、サンプルのほうへハウジング440内に収容された(たとえば、図3に示されているような)少なくとも1つの光源からの入射光を向けるために、ポータブルラボラトリデバイス400のハウジング450の表面上に位置決めされ得る。
【0043】
図4Aおよび図4Cにさらに示されているように、カバー408は、ポータブルラボラトリデバイス400が動作中でない間の第1の位置422から、ポータブルラボラトリデバイス400が動作中である間の第2の位置424に移動させられ得る。ポータブルラボラトリデバイス400の動作中に、光学的測定デバイスの少なくとも1つの光源からの入射光は、反射、半透過、または透過モード構成においてサンプルのほうへ(たとえば、ホール404の容量のほうへ)向けられる。サンプルからの散乱光が、次いで、(たとえば、さらに処理され得るサンプルのスペクトルを得ることによって)サンプルの光学測定を行うための入力光として分光計の中に結合される。カバー408は、外部環境からの干渉光を防止するために、および光学的ウィンドウ406の上部とカバー408の底部との間の空間の中に少なくとも1つの光源からの入射光を閉じ込めるために使用され得る。
【0044】
いくつかの例では、カバー408の底部は、鏡面/拡散トランス反射率測定を可能にするための鏡面または拡散反射様式の反射面であり得る。いくつかの例では、カバー408の底部は、たとえば、波長のx軸および吸収度のy軸の較正を含む、分光計の較正のための基準物質を含み得る。カバー408の底部は、透過測定を行うための追加の光源をさらに含むことができる。
【0045】
図5は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス500の別の例示の動作を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス500は、サンプル504を受け取るように構成されたサンプルヘッド502を含む。サンプルヘッド502は、図4に説明されているように、サンプル504を受け取るための第1の位置から、光学的測定デバイスの光学的ウィンドウ506の上側の第2の位置に移動可能な構造505を含む。加えて、カバー508が、図4に説明されているように、サンプル504の光学測定を行うために、第2の位置において構造505の上方に配置され得る。たとえば、ポータブルラボラトリデバイス500の動作中に、ポータブルラボラトリデバイス500のハウジング550内の分光計は、サンプル504のスペクトル510を得るように構成され得る。
【0046】
スペクトル510は、スペクトル510に関連する結果514をもたらすように構成された人工知能(AI)エンジン512への入力であり得る。結果514は、サンプル504中の試験下の検体の存在または不在を指し示す正または負の決定(値)の形態で試験下の検体を表し得る。いくつかの例では、結果514は、(たとえば、低い、中間、または高いの形態の)正の度合いを含み得る。AIエンジン512は、たとえば、クラウドに、またはポータブルラボラトリデバイス500内にローカルに、またはポータブルラボラトリデバイス500と通信している別のデバイスに記憶され得る。
【0047】
図6は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス600の別の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス600は、光学的測定デバイス602とサンプルヘッド605とを含む。サンプルヘッド605は、図3図5に図示されているものと同様に、カバー604を含む。サンプルヘッド605は、光学的測定デバイス602とカバー604との間に位置決めされた、第1のキャビティ606および第2のキャビティ608をさらに含む。第1のカバースリップ610が、第1のキャビティ606の中に挿入され得、第2のカバースリップ612が、第2のキャビティの中に挿入され得る。サンプル614(たとえば、液滴)が、第1のカバースリップ610と第2のカバースリップ612との間に収容される。加えて、第1のキャビティ606および第2のキャビティ608は、各々、カバースリップ610および612内で、カバースリップ610とカバースリップ612との間で、第1のカバースリップ610と光学的ウィンドウ618との間で、または第2のカバースリップ612とカバー604との間で起こることがある、多重反射またはエタロニングを制御するために、光学的測定デバイス602の光学的ウィンドウ618の平面に関して傾斜角度616を有し得る。2つのカバースリップ610と612との間の多重反射は、入射光と液滴614との間の相互作用を向上させ得る。いくつかの例では、カバー604の底面620は、上記で説明されたように、反射面または基準物質を含み得る。
【0048】
いくつかの例では、キャビティ606および608を傾斜させる代わりに、カバースリップ610および612は、所望の傾斜角度616をもたらすくさび形のカバースリップ610および612であり得る。いくつかの例では、傾斜(または傾き)角度616は、キャビティ606とキャビティ608との間で、またはカバースリップ610とカバースリップ612との間で変動し得る。たとえば、第1のキャビティ606(または第1のカバースリップ610)は、第1の傾斜角度を有し得、第2のキャビティ608(または第2のカバースリップ612)は、第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度を有し得る。いくつかの例では、液滴614の容量は、光学的測定デバイス602の分光計の中に結合される入力光の量、および吸収される光の量にも影響を及ぼすことがある。たとえば、液滴614の容量は、反射スペクトルを最大にするために、5μL以下であり得る。所望の結果に応じて、液滴614のより大きい容量(たとえば、数十μL)が使用されてもよい。
【0049】
図7は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス700の光源構成の例を示す図である。図7に示されている例では、ポータブルラボラトリデバイス700は、分光計(図示せず)の中に入力光を向けるように構成された光学的開口704をもつ光学的ウィンドウ702を含む。光学的開口704は、迷光を低減し、サンプルからの信号を最大にするように構成されたサイズ(たとえば、半径)を有し、これにより、赤外検出器のショットノイズを低減することによって検出感度を改善し得る。
【0050】
ポータブルラボラトリデバイス700は、(たとえば、サンプルヘッドが、光学的ウィンドウ702の上方に位置決めされたとき)サンプルヘッド上のサンプルに光学的ウィンドウを通して入射光を向けるために、光学的ウィンドウ702に隣接してポータブルラボラトリデバイスのハウジング750内に複数の光源706をさらに含む。複数の光源706を使用することによって、ポータブルラボラトリデバイス700の光学スループットおよび検出感受性は増加され得る。光源706は、繰返し可能な様式のサンプルのスキャニングを容易にするために、およびフリンジング効果を防止するためにサンプルおよびカバースリップ上に、ある角度で入射光を放射するために、三角形、円形または星形構成で配列され得る。
【0051】
図8は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス802を含むボックス800中のラボラトリの例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス802は、サンプルヘッド812と、(たとえば、光源および分光計を含む)光学的測定デバイスと、データ転送デバイスとを含み、ローカルスペクトル分析器およびユーザインターフェース(たとえば、ディスプレイおよび入力デバイス)をさらに含み得るか、または図3図7に示されており、説明されているように、ワイヤレス通信ネットワークを介して外部スペクトル分析器(たとえば、1つまたは複数の較正モデルを含むAIエンジン)および/または(たとえば、セルラーデバイス上の)ユーザインターフェースと通信するために構成されたトランシーバおよびアンテナを含み得る。
【0052】
ボックス800中のラボラトリは、たとえば、複数の収集ツール804(たとえば、鼻または唾液スワブ、指スティック、尿または大便サンプル容器、毛髪サンプル収集ツールなど)と、複数のバイアル806と、複数のピペット808と、塗布ツール810(たとえば、スワブホルダーまたはピペットホルダーで、後者が図示されている)とをさらに含み得る。いくつかの例では、塗布ツール810は、サンプルヘッドの構造の一部を形成し得る。いくつかの例では、バイアル806の各々は、生物学的サンプルのためのそれぞれの媒体を含み得るか、またはそれぞれの媒体タイプを含む1つまたは複数の別個の容器が、ボックス800中のラボラトリ中に提供され得る。いくつかの例では、媒体は、生物学的サンプルのためのレセプタ/試薬を含み得る。ボックス800中のラボラトリは、複数のカバースリップ(たとえば、ガラススライド)814をさらに含み得る。いくつかの例では、カバースリップ814は、検出されるべき生物学的サンプルのための官能化されたカバースリップを含み得る。
【0053】
ボックス800中のラボラトリは、サンプル予備濃縮のための、シェーカー(たとえば、ボルテックスミキサー)、フィルタティップ、またはフィルタ処理機構など、他の構成要素をさらに含み得る。たとえば、スワブ804を使用して収集されたサンプルは、媒体を収容するバイアル806に転送され得る。ここで、食塩水、リン酸緩衝食塩水、最小必須培地、非アクティブ化輸送媒体、ユニバーサル輸送媒体、およびウイルス輸送媒体など、様々なタイプの媒体が使用され得る。媒体のpHレベルは、あらかじめ設定された範囲内に保たれ得る。上記で説明されたように、各媒体は、それについて構築された較正モデルを有し得、ユーザは、ユーザインターフェース上で(たとえば、ポータブルラボラトリデバイス702、またはポータブルラボラトリデバイス702を制御する外部デバイス上で)較正モデルを選択することができる。転送は、たとえば、バイアル(チューブ)806中の指定された容量の媒体の中へのスワブ804の浸漬、および媒体へのサンプル(たとえば、ウイルス)の転送を促進するためのチューブの振とうを含み得る。振とうの様々な機構が使用され得る。例は、高い精度でサンプルを攪拌し、反応または均質化を促すための機構を使用して試験管中のラボラトリサンプルを混合するためのボルテックスミキサーである。遠心分離、あるいはウイルス捕捉のための好適な孔サイズをもつメンブランフィルタまたは粒子捕捉フィルタの使用など、予備濃縮ステップが、サンプルに対して適用されてもよい。
【0054】
図9は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス900とともに使用するために構成されたサンプルヘッドの構造の例を示す図である。図9に示されている例では、構造は、スワブホルダー902を含む。いくつかの例では、スワブホルダー902は、ポータブルラボラトリデバイス900に固定的に取り付けられ得る。他の例では、スワブホルダー902は、ポータブルラボラトリデバイス900に着脱可能に取り付けられ得る。スワブホルダー902は、スワブ910がその内部に挿入され得る、上面上のホール906および拡張部分中の溝904を含む。スワブ910は、クラスプ912を使用してスワブホルダー902中に固定され得る。スワブホルダー902は、スワブ910をポータブルラボラトリデバイス900の光学的ウィンドウ908と整合させるように構成され、光学的ウィンドウ908に関するスワブ910の位置の再現性を確実にするために利用される。いくつかの例では、カバースリップが、(たとえば、図4Bに示されているように)光学的ウィンドウ908とスワブ910との間に挿入され得る。カバースリップがない場合、光学的ウィンドウ908は、サンプル試験間に清浄化および乾燥され得る。この例では、サンプルは、光学的ウィンドウ908上に直接塗布され得る。たとえば、サンプルは、サンプルヘッドが光学的ウィンドウ908の上方に位置決めされたとき、簡略化のために図示されていない、サンプルヘッドのホールを通して塗布され得る。別の例として、光学的ウィンドウ908の少なくとも一部分は、サンプルヘッドに対応し得、スワブホルダー902は、スワブ910を光学的ウィンドウ908のその一部分と整合させ得る。
【0055】
例示的な動作では、拡散反射において、スペクトルは、NIRスペクトル範囲において測定され得る。ドライスワブ910の第1のスペクトルが、スワブホルダー902中のホール906を通してスワブ910を挿入すること、およびクラスプ912を用いてスワブを固定することによって、各測定の前のバックグラウンドとしてポータブルラボラトリデバイス900によって捕らえられ得る。次いで、スワブが、(たとえば、概して、唾液、鼻咽頭、口咽頭、または体液から)サンプルを収集するために使用され得る。指穿刺または他の好適な機構を使用する採血も可能である。スワブ910は、次いで、サンプルが付いたスワブの第2のスペクトルを得るために、スワブホルダー902の中に挿入され、固定され得る。
【0056】
図10は、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス1000とともに使用するために構成されたサンプルヘッドの構造の別の例を示す図である。図10に示されている例では、構造は、(たとえば、図4および図5に示されているように)ピペットホルダー1002と可動構成要素1010とを含む。いくつかの例では、ピペットホルダー1002は、ポータブルラボラトリデバイス1000に固定的に取り付けられ得る。他の例では、ピペットホルダー1002は、ポータブルラボラトリデバイス1000に着脱可能に取り付けられ得る。ピペットホルダー1002は、ピペット1006がその内部に挿入され得る上面上のホール1006を含む。ピペットホルダー1002は、ピペット1006を、サンプルヘッドの構造の可動構成要素1010のホール1004と整合させるように構成され、ホール1008に関するピペット1006の位置の再現性を確実にするするために利用される。いくつかの例では、カバースリップは、図4図6に示されているように、サンプルを受け取るために、可動構成要素1010の中に挿入され得る(および、随意の追加のカバースリップが、サンプルを収容するために、サンプルの上側に挿入され得る)。
【0057】
図11Aは、いくつかの態様による、ポータブルラボラトリデバイス1100の別の例を示す図である。図11Aに示されている例では、試験下の媒体1114中のサンプルのスペクトルが、透過モードにおいて測定され得る。サンプルを収容する媒体1114は、バイアル(たとえば、チューブ)1108内に収容され、ポータブルラボラトリデバイス1100のバイアルホルダー1106の中に挿入され得る。この例では、バイアルホルダー1106は、サンプルヘッドの構造に対応し得る。
【0058】
この例では、ポータブルラボラトリデバイス1100は、分光計1102と、媒体1114を通る光源1104からの入射光1110の屈折が、分光計1102の中に入力光1112として屈折光を向けるように入射光1110の放射角および分光計1102の集光角に関して配向されるように配列された光源1104とを含む。光路長Lは、光源1104および分光計1102の光軸に関するチューブ高さの正確な制御によって制御される。
【0059】
いくつかの例では、図11Bに示されているように、バイアルホルダー1106は、複数のバイアル(チューブ)1108がその内部に挿入され得るウェルプレートを含み得る。この例では、モーター駆動ステージ1116が、サンプルのバッチの測定を自動化するために使用され得る。いくつかの例では、バイアル1108のうちの1つまたは複数は、分析結果の精度を制御および検証するために使用される制御サンプルを含み得る。加えて、ある時間期間の間垂直方向にバイアル1108を放置することは、バイアル1108の底部における検体の濃縮につながり得る。これは、サンプルの予備濃縮を生じ、スペクトルの感受性を改善することができる。
【0060】
図12Aおよび図12Bは、いくつかの態様による、反射モードおよびトランス反射モードにおいて動作するポータブルラボラトリデバイス1200aおよび1200bの例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス1200aおよび1200bの各々は、光学的測定デバイス1202を含む。光学的測定デバイス1202は、PCBなどの電子ボード1206に取り付けられた分光計1204と、複数の光源1208と、光学的ウィンドウ1210とを含む。カバースリップ1212が、光学的ウィンドウ1210上に示されており、試験下のサンプル1214が、カバースリップ1212上に含まれている。いくつかの例では、カバースリップ1212は、図3図10に示されているように、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ1212を含み得る。いくつかの例では、光源1208は、レーザー光源を含み得、レーザー光源は、サンプル1214のラマンスペクトルの測定を可能にすることができる。
【0061】
図12Aに示されている例では、ポータブルラボラトリデバイス1200aは、拡散反射モードにおいて動作し得る。拡散反射モードにおいて、光源1208からの入射光1218は、光学的ウィンドウ1210およびカバースリップ1212を通してサンプル1214に向けられる。次いで、サンプル1214から反射された光は、分光計1204の中に光学的開口1205を通して入力光1220として向けられ得る。
【0062】
図12Bに示されている例では、ポータブルラボラトリデバイス1200bは、拡散トランス反射または鏡面トランス反射モードにおいて動作し得る。図12Aにおけるように、光源1208からの入射光1218は、光学的ウィンドウ1210およびカバースリップ1212を通して、光がそこで反射されるサンプル1214に向けられる。加えて、トランス反射モードにおいて、ポータブルラボラトリデバイス1200bは、サンプル1214を透過した透過光1222を受け取るように、およびサンプル1214を通してその光を反射し戻すように構成された反射体1216をさらに含む。サンプル1214から元々反射された光、および反射体1216からの反射の後にサンプル1214を透過した追加の光は、次いで、分光計1204に光学的開口1205を通して入力光1224として向けられ得る。
【0063】
いくつかの例では、反射体1216は、カバーの底面上に反射材料として構成され得る。いくつかの例では、反射体1216は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートなど、拡散反射体材料を含み得る。PTFEシートは、(たとえば、カバーの底部上の)平坦なまたは湾曲した表面上に装着され得る。いくつかの例では、反射体1216は、ポータブルラボラトリデバイス1200bの自己較正のために使用される基準物質を含み得る。
【0064】
図13は、いくつかの態様による、透過モードにおいて動作するポータブルラボラトリデバイス1300の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス1300は、さらに、反射モードで同時に(たとえば、トランス反射モード)または連続的に動作し得る。ポータブルラボラトリデバイス1300は、光学的測定デバイス1302を含む。光学的測定デバイス1302は、PCBなどの電子ボード1306に取り付けられた分光計1304と、複数の反射モード光源1310を含むソースヘッド1308と、光学的ウィンドウ1312とを含む。カバースリップ1314が、光学的ウィンドウ1312上に示されており、試験下のサンプル1320が、カバースリップ1314上に含まれている。いくつかの例では、カバースリップ1312は、図3図10に示されているように、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ1312を含み得る。
【0065】
図13に示されている例では、光学的測定デバイス1302は、(それらのうちの1つが便宜上示されている)1つまたは複数の透過モード光源1318をさらに含む。いくつかの例では、透過モード光源1318は、ポータブルラボラトリデバイス1300のカバー1316内に含まれ得る。透過モード光源1318は、透過モード光源1318をスイッチオンおよびオフすることを制御するために、ケーブル1328を介して(またはワイヤレス接続を介して)光学的測定デバイス1302の電子ボード1304に結合され得る。透過モード光源1318は、ソースヘッド1308およびサンプル1320(たとえば、液滴)の上側に整合され得る。いくつかの例では、透過モード光源1318は、レンズ(図示せず)をさらに含み得る。いくつかの例では、光源1310および1318は、レーザー光源を含み得、レーザー光源は、サンプル1320のラマンスペクトルの測定を可能にすることができる。
【0066】
透過モードにおいて、透過モード光源1318からの透過モード入射光1324が、分光計1304に光学的開口1305を通して向けられた入力光1326をもたらすために、サンプル1314を通して向けられ、屈折させられる。加えて、上記で説明されたように、反射モードにおいて、反射モード光源1310からの反射モード入射光1322が、サンプル1320に光学的ウィンドウ1312およびカバースリップ1314を通して向けられる。次いで、サンプル1320から反射された光が、分光計1304の中に光学的開口1305を通して入力光1326として向けられ得る。トランス反射モードにおいて、透過モード光源1318と反射モード光源1310の両方が、反射光と屈折光の組合せをもたらすために、サンプル1314に入射光1324および1322を向け得、次いで、反射光と屈折光の組合せは、分光計1304に入力光1326として向けられる。
【0067】
図14は、いくつかの態様による、透過モードにおいて動作するポータブルラボラトリデバイス1400の別の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス1400は、さらに、反射モードで同時に(たとえば、トランス反射モード)または連続的に動作し得る。ポータブルラボラトリデバイス1400は、光学的測定デバイス1402を含む。光学的測定デバイス1402は、PCBなどの電子ボード1406に取り付けられた分光計1404と、複数の反射モード光源1410を含むソースヘッド1408と、光学的ウィンドウ1412とを含む。カバースリップ1414が、光学的ウィンドウ1412上に示されており、試験下のサンプル1420が、カバースリップ1414上に含まれている。いくつかの例では、カバースリップ1414は、図3図10に示されているように、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ1414を含み得る。
【0068】
図14に示されている例では、光学的測定デバイス1402は、(それらのうちの1つが便宜上示されている)1つまたは複数の透過モード光源1418、および反射体1430(またはレンズ)をさらに含む。いくつかの例では、透過モード光源1418および反射体1430は、ポータブルラボラトリデバイス1400のカバー1416内に含まれ得る。透過モード光源1418は、透過モード光源1418をスイッチオンおよびオフすることを制御するために、ケーブル1428を介して(またはワイヤレス接続を介して)光学的測定デバイス1402の電子ボード1404に結合され得る。透過モード光源1418は、ソースヘッド1408およびサンプル1420(たとえば、液滴)の上側に整合され得る。いくつかの例では、透過モード光源1418は、レンズ(図示せず)をさらに含み得る。いくつかの例では、光源1410および1418は、レーザー光源を含み得、レーザー光源は、サンプル1420のラマンスペクトルの測定を可能にすることができる。
【0069】
透過モードにおいて、透過モード光源1418からの透過モード入射光1424が、分光計1404に光学的開口1405を通して向けられた入力光1426をもたらすために、サンプル1414を通して向けられ、屈折させられる。図14に示されている例では、反射体1430(またはレンズ)は、分光計1402へのサンプル1420を通した透過モード入射光1424の結合を容易にすることができる。加えて、上記で説明されたように、反射モードにおいて、反射モード光源1410からの反射モード入射光1422が、サンプル1420に光学的ウィンドウ1412およびカバースリップ1414を通して向けられる。次いで、サンプル1420から反射された光が、分光計1404の中に光学的開口1405を通して入力光1426として向けられ得る。トランス反射モードにおいて、透過モード光源1418と反射モード光源1410の両方が、反射光と屈折光の組合せをもたらすために、サンプル1414に入射光1424および1422を向け得、次いで、反射光と屈折光の組合せは、分光計1404に入力光1426として向けられる。
【0070】
生物学的サンプルを用いるいくつかの例では、サンプルの量は少なく、したがって、光とサンプル中の検体との間の相互作用の光路長は、短いことがある。サンプル内のウイルス/化学成分の検出を改善するために、対応するスペクトルバンドの吸収度は、(たとえば、低いウイルス負荷レベルの検出を可能にするために)特定の検出限界を越えて増幅される必要があり得る。これは、サンプルの有効経路長を増加させることによって達成され得る。ベールの法則に従って、吸収度Aは、経路長lに正比例する。いくつかの例では、経路長は、マルチパスアーキテクチャを使用して、光路増幅を通して増加させられ得る。
【0071】
図15は、いくつかの態様による、マルチパスアーキテクチャを含むポータブルラボラトリデバイス1500の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス1500は、PCBなどの電子ボード1504に取り付けられた分光計1502と、光源1508であって、光源1508をスイッチオンおよびオフすることを制御するためにケーブル1530を介して(またはワイヤレス接続を介して)電子ボード1504に結合され得る、光源1508とを含む。分光計1502、電子ボード1504、および光源1508は、光学的測定デバイスの少なくとも一部を形成し得る。加えて、カバースリップ1510が、試験下のサンプル1512を含むように示されている。
【0072】
図15に示されている例では、カバースリップ1510は、2つの反射体の間に(反射体1 1514と反射体2 1516との間に)位置決めされる。図15に示されているように、反射体1514および1516は、平坦な反射体であり得る。他の例では、反射体1514および1516は、湾曲した反射体を含み得る。いくつかの例では、反射体1514は、たとえば、カバー内に含まれ得、反射体1516は、分光計1502を収容するハウジングの表面上に含まれる(またはその表面の一部として形成される)か、あるいはポータブルラボラトリデバイスの光学的ウィンドウの一部として含まれ得る。この例では、カバースリップ1510は、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得、サンプルヘッドは、反射体1516の上方に置かれるか、または反射体1516の上方に位置決めされるように移動可能であり得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ1510、反射体1516、および/または反射体1514と反射体1516の組合せを含み得る。
【0073】
ポータブルラボラトリデバイス1500は、反射体(たとえば、ミラー)1518および1520をさらに含み得る。いくつかの例では、反射体1518および1520はさらに、カバー内に含まれ得る。反射体1518は、光源1508からの入射光1522を受け取るように、および反射光1524として反射体1514のほうへ入射光を反射するように位置決めされる。反射光1524は、次いで、マルチパスアーキテクチャの一例における2つの反射体1514と1516との間でサンプル1512およびカバースリップ1510を通して複数回反射され得る。次いで、得られたマルチパス反射光1526は、反射体1520のほうへ向けられ得、そこで、マルチパス反射光1526は、入力光1528として反射され、分光計1502に光学的開口1506を通して向けられる。
【0074】
他のマルチパスアーキテクチャも可能であり、本開示は、特定のマルチパスアーキテクチャに限定されない。たとえば、平坦な反射体、湾曲した反射体、および反射キャビティという他の構成が、マルチパス反射光1526をもたらすために利用され得る。いくつかの例では、ホワイトセル、プントセル、ヘリオットセル、円形のマルチパスセル、または他の好適なマルチパスセルなど、マルチパスセルが、マルチパス反射光1526をもたらすために利用され得る。
【0075】
図16は、いくつかの態様による、マルチパスアーキテクチャを含むポータブルラボラトリデバイス1600の別の例を示す図である。図15におけるように、ポータブルラボラトリデバイス1600は、分光計1602と、光源1604と、サンプル1608を含むカバースリップ1606とを含む。ポータブルラボラトリデバイス1600は、反射体(たとえば、ミラー)1614および1616とともに、カバースリップ1606の両側に位置決めされた反射体1610および1612をさらに含む。この例では、カバースリップ1606は、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得、サンプルヘッドは、反射体1612の上方に置かれるか、または反射体1612の上方に位置決めされるように移動可能であり得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ1606、反射体1612、および/または反射体1610と反射体1612の組合せを含み得る。
【0076】
反射体1614は、光源1604からの入射光1618を反射するように、および得られた反射光1620を反射体1610のほうへ向けるように位置決めされる。反射光1620は、次いで、2つの反射体1610と1612との間でサンプル1608およびカバースリップ1606を通して複数回反射され得る。次いで、得られたマルチパス反射光1622は、反射体1616のほうへ向けられ得、そこで、マルチパス反射光1622は、入力光1624として反射され、分光計1602の入力のほうへ向けられる。
【0077】
図16に示されている例では、サンプル1608を収容する媒体中の水は除去されており、これにより、カバースリップ1606上にサンプル検体1608が残っている。水は、赤外領域において非常に吸収するものである。加えて、水のスペクトルは、温度など、環境条件に大いに依存する。それゆえ、いくつかの例では、サンプル中の水は除去され得る。図16に示されているように、サンプル検体1608の有効厚さはdと示され、サンプル検体1608を通して反射された光(たとえば、反射光1620)は、角度θにおいて反射される。それゆえ、パスごとの相互作用長は、L=d/sinθによって与えられる。総経路長は、NLによって与えられ、ここで、Nは、パスの数である。
【0078】
図17は、いくつかの態様による、マルチパスアーキテクチャを含むポータブルラボラトリデバイス1700の別の例を示す図である。図15および図16に示されている例におけるように、ポータブルラボラトリデバイス1700は、分光計1702と、光源1704と、サンプル1708を含むカバースリップ1706とを含む。図17に示されている例では、ポータブルラボラトリデバイス1700は、光路長増幅のための複数のコーナー(レトロ)反射体1710をさらに含む。たとえば、光源1704からの入射光1712は、カバースリップ1706およびサンプル1708を通る入射光の多重反射のためにコーナー反射体1710のうちの1つのほうへ向けられ得る。コーナー反射体1710から出力された多重反射光は、分光計1702の中に入力光として向けられ得る。この例では、カバースリップ1706は、サンプルヘッドの中に挿入され得、サンプルヘッドは、コーナー反射体1710の底部セットの上方に置かれるか、またはコーナー反射体1710の底部セットの上方に位置決めされるように移動可能であり得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ1706、コーナー反射体1710の底部セット、および/またはコーナー反射体1710の底部セットと上部セットの組合せを含み得る。
【0079】
図18Aおよび図18Bは、いくつかの態様による、サンプルヘッド1822の構造を含むポータブルラボラトリデバイス1800の例を示す図であって、ここで、その構造が案内スペーサ1814に対応する。図18Aは、ポータブルラボラトリデバイス1800の背面図であり、図18Bは、ポータブルラボラトリデバイス1800の側面図である。ポータブルラボラトリデバイス1800は、分光計1802、光源ヘッド1804、および光学的ウィンドウ1806を含み、これらは、集合的に、光学的測定デバイスを形成し得る。光源ヘッド1804は、たとえば、図3図6、および図11図17に示されており、説明されているように、1つまたは複数の光源を含み得る。
【0080】
ポータブルラボラトリデバイス1800は、サンプルヘッド1822の中に挿入されるカバースリップ(たとえば、ガラススライド)1808および1810をさらに含む。たとえば、サンプルヘッド1822は、ガラススライド1808および1810を受け取るように構成された開口部を含み得る。第1のガラススライド1808は、サンプル1812を受け取るように構成される。第2のガラススライド1810は、光とサンプル1812との間の相互作用経路長を正確に制御するために利用され得る。加えて、第2のガラススライド1810は、分析中のサンプル1812の蒸発を防止し得る。サンプルヘッド1822のカバー1816が、第2のガラススライド1810の上部に含まれ得る。いくつかの例では、カバー1816は、セラミックまたはPTFEシート、反射率スペクトラロン、あるいは基準物質など、材料スラブを含み得る。
【0081】
サンプルヘッド1822の構造を形成する案内スペーサ1814は、ポータブルラボラトリデバイス1800のハウジング1818に取り付けられる。図18に示されている例では、案内スペーサ1814は、光源ヘッド1814の近くでハウジング1818に取り付けられる。ハウジング1818は、分光計1802、光源ヘッド1804、モーター1820を、データ転送デバイス、スペクトル分析器、および/またはユーザインターフェースなど、他の回路および/またはデバイスに加えて含み得る。
【0082】
案内スペーサ1814は、サンプルヘッド1822の中への第1のガラススライド1808の挿入および除去を容易にするように構成される。加えて、案内スペーサ1814は、第1のガラススライド1808の横方向の整合のためのガイドとして動作し、第1のガラススライド1808と第2のガラススライド1810との間のスペーサとして働き得る。いくつかの例では、ガラススライド1808とガラススライド1810との間の間隔は、サンプル1812の液滴高さに好適である。案内スペーサ1814は、さらに、第2のガラススライド1810および材料スラブ1816のためのホルダーとして動作し得る。いくつかの例では、モーター1820は、第1のガラススライド1808を平行移動させるように構成され得る。いくつかの例では、モーター1820は、サンプル1812の測定値(たとえば、スペクトル)の取得のために光源ヘッド1804中の光源をスイッチオンすることと同期して、第1のガラススライド1808を平行移動させ得る。
【0083】
対象から収集されたサンプル1812が媒体に転送されると、サンプル1812を収容する媒体の存在度が、利用可能になり得る。いくつかの例では、大量の塗布されたサンプル1812を一度に測定することは、水吸収など、他の干渉要素の吸収により信号を妨害することがある。この場合、塗布されるサンプルの容量を特定の量に制限し、複数の測定を行うことが重要である。たとえば、塗布されるサンプルは、第1のガラススライド1808上に分散され得、第1のガラススライド1808は、案内スペーサ1814を使用して(たとえば、モーター1820によって)平行移動させられ得る。
【0084】
図19Aおよび図19Bは、いくつかの態様による、カバースリップ(たとえば、ガラススライド)1900の例を示す図である。図19Aおよび図19Bに示されている例では、ガラススライド1900は、複数のウェル1902を含む。ウェル1902の各々は、それぞれのサンプル1904を受け取るように構成され得る。
【0085】
図20は、いくつかの態様による、複数のサンプルの測定を実施するためのポータブルラボラトリデバイス2000の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス2000は、ハウジング2002を含み、ハウジング2002は、たとえば、図18に示されているように、分光計、光源ヘッド、およびモーターを、データ転送デバイス、スペクトル分析器、ユーザインターフェースなど、他の回路および/またはデバイスに加えて含み得る。ポータブルラボラトリデバイス2000は、サンプルヘッド2014をさらに含み、サンプルヘッド2014は、たとえば、第1のガラススライド2004および第2のガラススライド2006を受け取るように構成された開口部と、案内スペーサ2008と、カバー2010(たとえば、材料スラブ)とを含み得る。
【0086】
案内スペーサ2008は、サンプルヘッド2014の中への第1のガラススライド2004の挿入を容易にするように、さらに、第1のガラススライド2004の平行移動を容易にするように構成され得る。図20に示されている例では、第1のガラススライド2004は、各々がそれぞれのサンプル2012を受け取るように構成された、複数のウェル(キャビティ)を含む。ポータブルラボラトリデバイス2000の例示的な動作では、第1のガラススライド2004は、サンプル2012の各々のそれぞれのスペクトルを取得するために平行移動させられ得る。
【0087】
図21は、いくつかの態様による、サンプルの測定を実施するためのポータブルラボラトリデバイス2100の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス2100は、ハウジング2102を含み、ハウジング2102は、たとえば、図18に示されているように、分光計、光源ヘッド、およびモーターを、データ転送デバイス、スペクトル分析器、ユーザインターフェースなど、他の回路および/またはデバイスに加えて含み得る。ポータブルラボラトリデバイス2100は、サンプルヘッド2114をさらに含み、サンプルヘッド2114は、たとえば、第1のガラススライド2104および第2のガラススライド2106を受け取るように構成された開口部と、案内スペーサ2108と、カバー2110(たとえば、材料スラブ)とを含み得る。
【0088】
案内スペーサ2008は、サンプルヘッド2114の中への第1のガラススライド2104の挿入を容易にするように、さらに、第1のガラススライド2104の平行移動を容易にするように構成され得る。いくつかの例では、サンプル2112は、サンプル2112が第1のガラススライド2104の大部分をカバーするように、細長い様式で第1のガラススライド2104上に配置され得る。この例では、サンプル2112全体が、走査され得、対応するスペクトルが、光源がオンである間、(たとえば、図18に示されているモーター1820を使用して)第1のガラススライド2104を平行移動させることによって継続的に取得され得る。
【0089】
図22Aおよび図22Bは、いくつかの態様による、サンプルヘッド2214の構造を含むポータブルラボラトリデバイス2200aおよび2200bの他の例を示す図であって、ここで、その構造がサンプルヘッド2214の中へのガラススライド2202の挿入および除去を案内するための案内スペーサ2204に対応する。図22Aに示されている例では、案内スペーサ2204は、ガラススライド2202上でのサンプルの塗布を容易にするように構成されたホール2208を有する上部部分2206を含む。たとえば、ピペット2210が、ホール2208を通してガラススライド2202上にサンプルの液滴を注入するために利用され得る。
【0090】
図22Bに示されている例では、ガラススライド2202は、サンプルが(たとえば、ピペット2210を介して)その中に注入され得るフレーム2212を含む。この例では、案内スペーサ2204は、フレーム2212を使用するサンプルの注入を容易にするために、上部において開いている(たとえば、上部部分が取り除かれている)。
【0091】
図23は、いくつかの態様による、サンプルヘッド2308の構造を含むポータブルラボラトリデバイス2300の別の例を示す図であって、ここで、その構造が案内スペーサ2306に対応する。ポータブルラボラトリデバイス2300は、ハウジング2310を含み、ハウジング2310は、たとえば、分光計2302および光源ヘッド2304を、データ転送デバイス、スペクトル分析器、ユーザインターフェースなど、他の回路および/またはデバイスに加えて含み得る。ポータブルラボラトリデバイス2300は、サンプルヘッド2308をさらに含み、サンプルヘッド2308は、サンプルがその内部に注入され得る(キュベット2312として示されている)キュベットまたはバイアルを受け取るように構成された開口部と、案内スペーサ2306とを含み得る。
【0092】
案内スペーサ2306は、サンプルヘッド2308の中へのキュベット2312の挿入および除去を容易にするように構成され得る。案内スペーサ2306によって提供される間隔は、キュベット壁厚、および光とキュベット2312内側のサンプルとの間の相互作用のための所望の光路長に対応するのに好適である。いくつかの例では、光源ヘッド2304は、ポータブルラボラトリデバイス2300が拡散反射モードにおいて動作している間、底部からキュベット2312を照明するように構成され得る。他の例では、ポータブルラボラトリデバイス2300は、ポータブルラボラトリデバイス2300が透過モードおよび/またはトランス反射モードにおいて動作している間、上部からキュベット2312を照明するために利用され得る、1つまたは複数の透過モード光源を含み得る。
【0093】
図24A図24Dは、いくつかの態様による、サンプルを加熱するように構成されたポータブルラボラトリデバイスの例を図示する。ポータブルラボラトリデバイス2400は、PCBなどの電子ボード2404に取り付けられた分光計2402と、複数の光源2408と、光学的ウィンドウ2410とを含む。分光計2402、電子ボード2404、光源2408、および光学的ウィンドウ2410は、光学的測定デバイスを形成し得る。光学的測定デバイスは、光源2408に結合されたスイッチ2420と、データ転送デバイス、スペクトル分析器、およびユーザインターフェースなど、他の好適な回路および/またはデバイスとをさらに含み得る。カバースリップ2412が、光学的ウィンドウ2410上に示されており、試験下のサンプル2414が、カバースリップ2412上に含まれている。いくつかの例では、カバースリップ2412は、図3図10に示されているように、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ2412を含み得る。いくつかの例では、光源2408は、レーザー光源を含み得、レーザー光源は、サンプル2414のラマンスペクトルの測定を可能にすることができる。
【0094】
図24Aに示されている例では、サンプル2414は、カバースリップ2412上に配置され得る。図24Bに示されているように、スイッチ2420は、サンプル2414のほうへ光学的ウィンドウ2410およびカバースリップ2412を通して入射光2416を向けるために、光源2408をスイッチオンするように構成され得る。この例では、入射光2416は、図24Cに示されているように、乾燥させられたサンプル2414aをもたらすために、サンプル2414を加熱し、乾燥させるために利用され得る。サンプル2414の乾燥は、サンプル2414の水分のOH基が入射光2416の大部分を吸収することの結果として起こりうる。
【0095】
サンプル2414の温度は、スイッチ2420によってもたらされる光源2408のオンオフ時間によって制御され得る。たとえば、オフ時間は、サンプルが冷えることにつながり得、これにより、サンプル2414の加熱プロセスまたはサンプル2414の温度を循環させることを遅延させる。サンプル2414の温度はさらに、スイッチ2420によってオンにされる電球2408の数、および/またはスイッチ2420によって提供される電球2408の駆動電圧によって制御され得る。たとえば、2つ以上の光源2408が、乾燥プロセスを迅速化するために、サンプル2414を乾燥するために使用され得る。いくつかの例では、追加の乾燥機構が、サンプル2414の乾燥を促進するために利用され得る。たとえば、真空吸引または空気流が、光源2408によってサンプル2414を加熱することと並行して適用され得る。
【0096】
図24Dに示されているように、乾燥させられたサンプル2414aのほうへ向けられた光源2408からの入射光2416はさらに、乾燥させられたサンプル2414aのスペクトルを測定するために使用され得る。この例では、次いで、サンプル2414から反射された光は、分光計2402の中に光学的開口2406を通して入力光2418として向けられ得る。いくつかの例では、サンプル2414は、サンプル2414から収集された入力光2418のスペクトルを継続的に測定することによってモニタされ得る。この例では、複数の光源2408が、サンプル2414の乾燥を迅速化するためだけではなく、分光計2402の検出器に到達する光信号レベルを増加させ、これにより、ポータブルラボラトリデバイス2400の感受性を改善するためにも使用され得る。サンプル2414のスペクトルが安定し、これにより、サンプルが乾燥したことを指し示すと、乾燥させられたサンプル2414aのスペクトルが得られ得る。
【0097】
図24A図24Dに示されている例では、サンプル2414の乾燥は、サンプル2414のスペクトルを測定するために使用される同じ光源2408を使用して達成される。他の例では、サンプル2414の乾燥は、図24A図24Dに示されている反射モード光源2408によって達成され得、その一方で、スペクトルは、(たとえば、図13および図14に示されているように)透過モード光源を使用して得られる。この例では、追加の加熱は、透過モード光源によって実施され得る。
【0098】
図25は、いくつかの態様による、サンプルを加熱するように構成されたポータブルラボラトリデバイス2500の別の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス2500は、PCBなどの電子ボード2504に取り付けられた分光計2502と、複数の光源2508と、光学的ウィンドウ2510とを含む。分光計2502、電子ボード2504、光源2508、および光学的ウィンドウ2510は、光学的測定デバイスを形成し得る。光学的測定デバイスは、光源2508に結合されたスイッチ2524と、データ転送デバイス、スペクトル分析器、およびユーザインターフェースなど、他の好適な回路および/またはデバイスとをさらに含み得る。カバースリップ2512が、光学的ウィンドウ2510上に示されており、試験下のサンプル2514が、カバースリップ2512上に含まれている。いくつかの例では、カバースリップ2512は、図3図10に示されているように、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ2512を含み得る。いくつかの例では、光源2508は、レーザー光源を含み得、レーザー光源は、サンプル2514のラマンスペクトルの測定を可能にすることができる。
【0099】
スイッチ2524は、サンプル2514を加熱し、乾燥させるために、光学的ウィンドウ2510およびカバースリップ2512を通して入射光2516を向けるために、光源2508をスイッチオンするように構成され得る。加えて、入射光2516はさらに、乾燥させられたサンプルのスペクトルを測定するために使用され得る。この例では、次いで、サンプル2514から反射された光は、分光計2502の中に光学的開口2506を通して入力光2518として向けられ得る。
【0100】
図25に示されている例では、PTFEなど、拡散反射体材料2526が、サンプル2514の加熱をさらに促進し、および/またはトランス反射率モードにおける動作を容易にするために、光学的ウィンドウ2510に対向するサンプル2514を通して入射光2516を反射し戻すためにサンプル2514の上側に位置決めされ得る。さらに、サンプル温度は、熱電冷却器(TEC)ペルチェ素子2520によって制御され得る。ペルチェ素子2520の底面は、たとえば、電気的にサンプル2514を加熱/冷却するために、カバースリップ2510に取り付けられ得る。加えて、ヒートシンク2522が、ペルチェ素子2520の上部面に取り付けられ得る。
【0101】
図26Aおよび図26Bは、いくつかの態様による、官能化されたカバースリップを含むポータブルラボラトリデバイス2600の例を示す図である。ポータブルラボラトリデバイス2600は、光学的開口2606を有し、PCBなどの電子ボード2604に取り付けられた分光計2602と、複数の光源2608と、光学的ウィンドウ2610とを含む。分光計2602、電子ボード2604、光源2608、および光学的ウィンドウ2610は、光学的測定デバイスを形成し得る。光学的測定デバイスは、データ転送デバイス、スペクトル分析器、およびユーザインターフェースなど、他の好適な回路および/またはデバイスをさらに含み得る。カバースリップ2612が、光学的ウィンドウ2610上に位置決めされ得る。いくつかの例では、カバースリップ2612は、図3図10に示されているように、サンプルヘッドの構造の中に挿入され得る。他の例では、サンプルヘッドの構造は、カバースリップ2612を含み得る。いくつかの例では、光源2608は、レーザー光源を含み得、レーザー光源は、サンプル2614のラマンスペクトルの測定を可能にすることができる。ポータブルラボラトリデバイス2600は、トランス反射率モードにおける動作のための反射体2618をさらに含み得る。
【0102】
図26Aに示されている例では、カバースリップ2612は、検出されるべき特定の生物学的サンプルのための官能化されたカバースリップである。官能化は、カバースリップ2612の表面上のレセプタ2614の作成を指し示す。図26Aに示されているように、レセプタ2614をもつ官能化されたカバースリップ2612は、最初に、サンプルを塗布することなしに分光計2602を使用して測定され得る。測定されたスペクトルは、バックグラウンドスペクトルとして使用され得る。次いで、図26Bに示されているように、サンプル2616が、カバースリップ2612に塗布される。いくつかの例では、カバースリップ2612上のサンプル2616は、随意に、洗浄され得る。図26Bに見られるように、サンプル2616中の検体は、レセプタに結び付き、これは、カバースリップ2612の吸収スペクトルの変化を引き起こす。次いで、新しいスペクトルが、図26Bに示されているように、分光計2602を使用して測定され得る。新しいスペクトルおよびバックグラウンドスペクトルは、スペクトルの変化を計算するために使用され、この変化は、AIエンジン(たとえば、スペクトル分析器)に入力され得る。
【0103】
図27は、いくつかの態様による、キュベットを使用する例示の測定動作を示す図である。図27に示されている例では、ピペット2702は、カバースリップ2706(たとえば、ガラススライド)に(たとえば、ウイルス輸送媒体(VTM)内の)サンプル2708を塗布するように構成されたピペットティップ2704を含む。次いで、VTMサンプル2708が毛管力によってキュベット2710の中に挿入されることを可能にするために、キュベット2710が、カバースリップ2706上に配置され得る。たとえば、キュベット2710は、2つの側方において開いていてもよく、VTMサンプル2708の表面張力により、キュベット2710内の毛管作用は、VTMサンプル2708がカバースリップ2706からキュベット2710の中に吸い上げられることを引き起こし得る。次いで、キュベット2710は、キュベットホルダー2712の中に挿入され得る。いくつかの例では、カバースリップ2706にサンプル2708を塗布する代わりに、ピペット2702は、キュベットホルダー2712の中に直接的にサンプルを挿入し得る。たとえば、キュベットホルダー2712は、サンプル2708を受け取るように構成されたリザーバ(図示せず)を含み得る。キュベット2710が、キュベットホルダー2712に挿入されると、次いで、サンプル2708は、表面張力によってキュベット2710の中に吸い込まれ得る。
【0104】
次いで、キュベット2710を収容するキュベットホルダー2712は、ポータブルラボラトリデバイス2714上のサンプルヘッド2715の構造2716内に配置され得る。サンプルヘッド2715の構造2716は、サンプル2708のスペクトルを得るためにサンプル2708を照明することを容易にするために、キュベット2710をポータブルラボラトリデバイス2714上の光学的ウィンドウ2718と整合させるように構成され得る。図27に示されている例では、ポータブルラボラトリデバイス2714は、上方からサンプル2702を照明することによって、透過モードにおいて動作し得る。サンプル2708の測定を実施した後、キュベット2710、キュベットホルダー2712、ピペットティップ2704、およびカバースリップ2706は廃棄され得る。
【0105】
図28は、いくつかの態様による、キュベットを使用する別の例示の測定動作を示す図である。図28に示されている例では、キュベット2802が、アダプタ2804の中に挿入され得る。次いで、キュベット2802を収容するアダプタ2804は、サンプル(たとえば、VTMサンプル)を収容するバイアル2806に取り付けられ得る。アダプタ2804は、キュベット2802とバイアル2806との間のインターフェースを提供する開口部を含み得、これにより、毛管力によるキュベット2802の中へのバイアル2806中のVTMサンプルの挿入を容易にする。たとえば、バイアル2806をさかさまにすることによって、VTMサンプルは、キュベット2802の毛管作用に基づいてキュベット2802に移り得る。アダプタ2804はさらに、表面または室内の空気の汚染を防止し得る。
【0106】
次いで、キュベット2802を収容するアダプタ2804は、ポータブルラボラトリデバイス2800のサンプルヘッド2805の構造2808(たとえば、キュベットホルダー)の中に挿入され得る。図28に示されている例では、サンプルヘッド2805の構造2808は、キュベット2802をポータブルラボラトリデバイス2800の光源2810および分光計2812と整合させる。図28中のポータブルラボラトリデバイス2800は、側方からサンプルを照明するための、および分光計2812の中に入力光としてサンプルから屈折光を向けるための透過モードにおいて動作していることが示されている。レンズまたはミラーなど、追加の光デバイスが、サンプルに光源2810からの入射光を向け、分光計2812にサンプルからの屈折光を向けることを容易にするために、ポータブルラボラトリデバイス2800に含まれてもよい。
【0107】
以下は、本開示の例の概要を提供する。
【0108】
実施例1:サンプルヘッドであって、サンプルを受け取るように構成され、サンプルヘッドへのサンプルの塗布を容易にするように構成された構造を備える、サンプルヘッドと、光学的測定デバイスであって、入力光をもたらすために、サンプルのほうへ入射光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、サンプルから入力光を受け取るように、および入力光に基づいて、サンプルのスペクトルを得るように構成された分光計と、スペクトル分析器にスペクトルを転送するように、およびスペクトル分析器からサンプルに関連する結果を受け取るように構成されたデータ転送デバイスとを備える、光学的測定デバイスとを備える、ポータブルラボラトリデバイス。
【0109】
実施例2:分光計が、微小電気機械システム(MEMS)干渉計を備え、少なくとも1つの光源が、少なくとも1つの赤外光源を備える、実施例1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0110】
実施例3:データ転送デバイスが、スペクトル分析器と通信するように構成されたワイヤレストランシーバを備える、実施例1または2に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0111】
実施例4:スペクトル分析器をさらに備え、データ転送デバイスが、スペクトル分析器にスペクトルを転送するように構成されたバスを備える、実施例1または2に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0112】
実施例5:スペクトル分析器が、スペクトルから結果をもたらすように構成された人工知能エンジンを備える、実施例1から4のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0113】
実施例6:スペクトルが、測定された吸収スペクトルを備え、人工知能モデルが、近赤外周波数範囲における測定された吸収スペクトルの吸収信号から1つまたは複数の検体を検出するように構成された、実施例5に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0114】
実施例7:サンプルヘッドが、サンプルを収容する媒体を受け取るように構成され、人工知能エンジンが、媒体に基づいて結果をもたらすように構成された、実施例5または6に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0115】
実施例8:人工知能エンジンは、各々が複数の媒体タイプのうちのそれぞれの媒体タイプについて作成された複数の較正モデルを備え、サンプルを収容する媒体に対応する複数の媒体タイプのうちの1つの媒体タイプについて複数の較正モデルのうちの1つの較正モデルを選択するように構成された入力デバイスをさらに備える、実施例5から7のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0116】
実施例9:サンプルヘッドの構造が、ポータブルラボラトリデバイスのハウジングに結合されサンプルヘッドへのサンプルの塗布を容易にするように構成されたツールを備える、実施例1から8のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0117】
実施例10:サンプルヘッドの構造が、サンプルを光学的測定デバイスの光学的ウィンドウと整合させるように構成されたホールを備える、実施例1から9のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0118】
実施例11:サンプルヘッドの構造は、サンプルがその上に配置されるカバースリップを受け取るように構成されたキャビティをさらに備え、キャビティが、ホールの上方に位置決めされた、実施例10に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0119】
実施例12:カバースリップは、サンプルがその中に配置されるフレームを備える、実施例11に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0120】
実施例13:カバースリップが、サンプル中の検体と結び付くように構成されたレセプタをもつ官能化されたカバースリップを備える、実施例11または12に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0121】
実施例14:キャビティが、第1のカバースリップと第2のカバースリップとの間にサンプルを収容するために、第1のカバースリップを受け取るように構成された第1のキャビティと、第1のキャビティの上方に位置決めされ、第2のカバースリップを受け取るように構成された、第2のキャビティとを備える、実施例10から13のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0122】
実施例15:第2のキャビティが、第1のキャビティに関して回転させられる、実施例14に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0123】
実施例16:第1のキャビティおよび第2のキャビティが、各々、光学的測定デバイスの光学的ウィンドウの平面に関して傾斜角度を備える、実施例14または15に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0124】
実施例17:サンプルヘッドの構造が、サンプルを受け取るための第1の位置から、光学的測定デバイスの光学的ウィンドウの上側の第2の位置に移動可能である、実施例10から16のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0125】
実施例18:サンプルヘッドが、サンプルヘッドの構造の上方に位置決めされるように構成されたカバーをさらに備え、カバーが、上面と、構造に対向する底面とを備える、実施例1から16のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0126】
実施例19:カバーの底面が、反射面または基準物質を備える、実施例18に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0127】
実施例20:カバーが、透過モードにおいてサンプルのほうへ入射光を向けるように構成された、少なくとも1つの光源のうちの透過モード光源を備える、実施例18または19に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0128】
実施例21:カバーが、サンプルのほうへ入射光を向けるように構成された少なくとも1つの反射体を備える、実施例20に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0129】
実施例22:少なくとも1つの光源が、透過モードと同時にまたは透過モードに関して連続的に反射モードにおいてサンプルのほうへ入射光を向けるように配列された複数の光源をさらに備える、実施例20または21に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0130】
実施例23:サンプルヘッドの構造が、複数のサンプルを受け取るように構成されたウェルプレートアレイを備え、光学的測定デバイスによる複数のサンプルの測定を自動化するように構成されたモーター駆動ステージをさらに備える、実施例1から8のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0131】
実施例24:サンプルの下方に位置決めされた第1の反射体と、第1の反射体に対向してサンプルの上方に位置決めされた第2の反射体であって、第1の反射体および第2の反射体が、入力光をもたらすために、サンプルを通して複数回入射光を向けるように構成された、第2の反射体とをさらに備える、実施例1から23のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0132】
実施例25:入射光を受け取るように、および第2の反射体のほうへ入射光を向けるように構成された第3の反射体と、入力光を受け取るように、および分光計に入力光を向けるように構成された第4の反射体とをさらに備える、実施例24に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0133】
実施例26:第1の反射体および第2の反射体が、それぞれの平坦な反射体、それぞれの湾曲した反射体、またはコーナー反射体のそれぞれのアレイを備える、実施例24または25に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0134】
実施例27:第1の反射体および第2の反射体を備えるマルチパスセルをさらに備える、実施例24または25に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0135】
実施例28:サンプルヘッドの構造が、光学的測定デバイスを備えるハウジングに取り付けられた案内スペーサを備え、案内スペーサが、サンプルヘッドの中へのサンプルの挿入を案内するように構成された、実施例1から8のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0136】
実施例29:案内スペーサは、サンプルがその中に挿入されたキュベットを受け取るように構成された、実施例28に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0137】
実施例30:サンプルがその上に位置決めされる第1のスライドと、第1のスライドの上側で案内スペーサ上に位置決めされた第2のスライドと、第2のスライド上に位置決めされた材料スラブとをさらに備える、実施例28に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0138】
実施例31:第1のスライドは、各々が、サンプルを含む複数のサンプルのうちのそれぞれのサンプルを受け取るように構成された、複数のウェルを備える、実施例30に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0139】
実施例32:案内スペーサが、第1のスライド上へのサンプルの塗布を容易にするように構成されたホールを備える、実施例30または31に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0140】
実施例33:サンプルのスペクトルを得るために、第1のスライドを平行移動させるように構成されたモーターをさらに備える、実施例30から32のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0141】
実施例34:サンプルを乾燥させ、乾燥させられたサンプルをもたらすために、少なくとも1つの光源をスイッチオンするために少なくとも1つの光源に結合されたスイッチであって、分光計が、乾燥させられたサンプルのスペクトルを得るように構成された、スイッチをさらに備える、実施例1から33のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0142】
実施例35:サンプルの1つまたは複数の物理的性質を制御するように構成された励起素子をさらに備える、実施例1から33のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0143】
実施例36:結果を表示するためのディスプレイをさらに備える、実施例1から35のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0144】
実施例37:サンプルヘッドの構造は、サンプルがその内部に挿入されたキュベットを収容するキュベットホルダーを受け取るように構成された、実施例1から8または34から36のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0145】
実施例38:サンプルヘッドの構造が、キュベットを収容するアダプタを受け取るように構成され、アダプタは、毛管力を介してキュベットの中に挿入されるサンプルを収容するバイアルに取り付けられている、実施例1から8または34から36のいずれか1つに記載のポータブルラボラトリデバイス。
【0146】
本開示内で、「例示的」という単語は、「例、事例、または実例として働くこと」を意味するために使用される。「例示的」と本明細書で説明されるいかなる実装形態または態様も、本開示の他の態様よりも好ましいまたは有利なものであると必ずしも解されるべきではない。同じように、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、論じられる特徴、利点または動作モードを含むことを必要としない。「結合される/結合された(coupled)」という用語は、2つの物体間の直接的または間接的結合を指すために本明細書で使用される。たとえば、物体Aが物体Bに物理的に接し、物体Bが物体Cに接する場合、物体Aおよび物体Cは、それらが互いに直接的に物理的に接しない場合でも、互いに結合されたと依然として見なされ得る。たとえば、第1の物体が、第2の物体と直接的に物理的に決して接触していない場合であっても、第1の物体は、第2の物体に結合され得る。「回路(circuit/circuitry)」という用語は、広い意味で使用され、電子回路のタイプに関する限定なしに、接続および構成されたとき、本開示で説明される機能の性能を可能にする電気デバイスおよび導体のハードウェア実装形態、ならびにプロセッサによって実行されたとき、本開示で説明される機能の性能を可能にする情報および命令のソフトウェア実装形態の両方を含むものとする。
【0147】
図1図28に図示されている構成要素、ステップ、特徴および/または機能のうちの1つまたは複数は、並べ替えられ、および/あるいは単一の構成要素、ステップ、特徴または機能に組み合わせられるか、あるいは数個の構成要素、ステップ、または機能において具現され得る。追加の要素、構成要素、ステップ、および/または機能が、本明細書で開示される新規の特徴から逸脱することなく加えられてもよい。図1図28に図示されている装置、デバイス、および/または構成要素は、本明細書で説明される方法、特徴、またはステップのうちの1つまたは複数を実施するように構成され得る。本明細書で説明される新規のアルゴリズムは、効率良くソフトウェアで実装され、および/またはハードウェア中に埋め込まれてもよい。
【0148】
開示される方法におけるステップの特定の順序または階層は、例示的なプロセスの実例であることを理解されたい。設計選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層は並べ替えられ得ることを理解されたい。添付の方法は、例示的順序で様々なステップの存在する要素を主張しており、本明細書中で具体的に具陳されない限り、提示される特定の順序または階層に限定されることを意味しない。
【0149】
以上の説明は、当業者が、本明細書で説明される様々な態様を実践することを可能にするために提供された。これらの態様に対する様々な変更が、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、他の態様に適用され得る。これにより、特許請求の範囲は、本明細書で示される態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の語法に従う全範囲を与えられるべきであり、ここにおいて、単数形の要素への言及は、具体的にそのように陳述されない限り、「唯一無二の(one and only one)」を意味するものではなく、むしろ、「1つまたは複数の(one or more)」を意味するものとする。具体的に別段に陳述されない限り、「いくつかの(some)」という用語は、1つまたは複数を指す。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」を指す句は、単一の部材を含む、それらの項目の任意の組合せを指す。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、および「aとbとc」をカバーするものとする。当業者に知られているかまたは後に知られることになる、本開示全体にわたって説明される様々な態様の要素のすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるものとする。その上、本明細書で開示されるいかなることも、そのような開示が明示的に特許請求の範囲において具陳されるかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなる特許請求された要素も、その要素が「ための手段(means for)」という句を使用して明確に具陳されない限り、または方法クレームの場合、その要素が「ためのステップ(step for)」という句を使用して具陳されない限り、米国特許法§112(f)の規定の下で解されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A-4C】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18-1】
図18-2】
図19A
図19B
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図25
図26A
図26B
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルヘッドであって、サンプルを受け取るように構成され、前記サンプルヘッドへの前記サンプルの塗布を容易にするように構成された構造を備える、サンプルヘッドと、
前記サンプルを中に含むように構成された複数の面であって、当該複数の面は透過面または拡散反射面を含み、これらの少なくとも1つが前記サンプルヘッドに関連付けられている、複数の面と、
光学的測定デバイスであって、
入力光をもたらすために、前記サンプルのほうへ入射光を向けるように構成された少なくとも1つの光源と、
前記サンプルから前記入力光を受け取るように、および前記入力光に基づいて、前記サンプルのスペクトルを得るように構成された分光計と、
スペクトル分析器に前記スペクトルを転送するように、および前記スペクトル分析器から前記サンプルに関連する結果を受け取るように構成されたデータ転送デバイスと
を備える、光学的測定デバイスと
を備える、ポータブルラボラトリデバイス。
【請求項2】
前記分光計が、微小電気機械システム(MEMS)干渉計を備え、前記少なくとも1つの光源が、少なくとも1つの赤外光源を備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項3】
前記データ転送デバイスが、前記スペクトル分析器と通信するように構成されたワイヤレストランシーバを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項4】
前記スペクトル分析器をさらに備え、前記データ転送デバイスが、前記スペクトル分析器に前記スペクトルを転送するように構成されたバスを備える、
請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項5】
前記スペクトル分析器が、前記スペクトルから前記結果をもたらすように構成された人工知能エンジンを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項6】
前記スペクトルが、測定された吸収スペクトルを備え、前記人工知能モデルが、近赤外周波数範囲における前記測定された吸収スペクトルの吸収信号から1つまたは複数の検体を検出するように構成された、請求項5に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項7】
前記サンプルヘッドが、前記サンプルを収容する媒体を受け取るように構成され、前記人工知能エンジンが、前記媒体に基づいて前記結果をもたらすように構成された、請求項5に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項8】
前記人工知能エンジンは、各々が複数の媒体タイプのうちのそれぞれの媒体タイプについて作成された複数の較正モデルを備え、
前記サンプルを収容する前記媒体に対応する前記複数の媒体タイプのうちの1つの媒体タイプについて前記複数の較正モデルのうちの1つの較正モデルを選択するように構成された入力デバイス
をさらに備える、請求項5に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項9】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記ポータブルラボラトリデバイスのハウジングに結合され前記サンプルヘッドへの前記サンプルの塗布を容易にするように構成されたツールを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項10】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記サンプルを前記光学的測定デバイスの光学的ウィンドウと整合させるように構成されたホールを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項11】
前記サンプルヘッドの前記構造は、前記サンプルがその上に配置されるカバースリップを受け取るように構成されたキャビティをさらに備え、前記キャビティが、前記ホールの上方に位置決めされた、請求項10に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項12】
前記カバースリップは、前記サンプルがその中に配置されるフレームを備える、請求項11に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項13】
前記カバースリップが、前記サンプル中の検体と結び付くように構成されたレセプタをもつ官能化されたカバースリップを備える、請求項11に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項14】
前記キャビティが、第1のカバースリップと第2のカバースリップとの間に前記サンプルを収容するために、前記第1のカバースリップを受け取るように構成された第1のキャビティと、前記第1のキャビティの上方に位置決めされ、前記第2のカバースリップを受け取るように構成された、第2のキャビティとを備える、請求項10に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項15】
前記第2のキャビティが、前記第1のキャビティに関して回転させられる、請求項14に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項16】
前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティが、各々、前記光学的測定デバイスの前記光学的ウィンドウの平面に関して傾斜角度を備える、請求項14に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項17】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記サンプルを受け取るための第1の位置から、前記光学的測定デバイスの前記光学的ウィンドウの上側の第2の位置に移動可能である、請求項10に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項18】
前記サンプルヘッドが、前記サンプルヘッドの前記構造の上方に位置決めされるように構成されたカバーをさらに備え、前記カバーが、上面と、前記構造に対向する底面とを備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項19】
前記カバーの前記底面が、反射面または基準物質を備える、請求項18に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項20】
前記カバーが、透過モードにおいて前記サンプルのほうへ前記入射光を向けるように構成された、前記少なくとも1つの光源のうちの透過モード光源を備える、請求項18に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項21】
前記カバーが、前記サンプルのほうへ前記入射光を向けるように構成された少なくとも1つの反射体を備える、請求項20に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項22】
前記少なくとも1つの光源が、前記透過モードと同時にまたは前記透過モードに関して連続的に反射モードにおいて前記サンプルのほうへ前記入射光を向けるように配列された複数の光源をさらに備える、請求項20に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項23】
前記サンプルの下方に位置決めされた第1の反射体と、
前記第1の反射体に対向して前記サンプルの上方に位置決めされた第2の反射体であって、前記第1の反射体および前記第2の反射体が、前記入力光をもたらすために、前記サンプルを通して複数回前記入射光を向けるように構成された、第2の反射体と
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項24】
前記入射光を受け取るように、および前記第2の反射体のほうへ前記入射光を向けるように構成された第3の反射体と、
前記入力光を受け取るように、および前記分光計に前記入力光を向けるように構成された第4の反射体と
をさらに備える、請求項23に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項25】
前記第1の反射体および前記第2の反射体が、それぞれの平坦な反射体、それぞれの湾曲した反射体、またはコーナー反射体のそれぞれのアレイを備える、請求項23に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項26】
前記第1の反射体および前記第2の反射体を備えるマルチパスセル
をさらに備える、請求項23に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項27】
前記サンプルヘッドの前記構造が、前記光学的測定デバイスを備えるハウジングに取り付けられた案内スペーサを備え、前記案内スペーサが、前記サンプルヘッドの中への前記サンプルの挿入を案内するように構成された、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項28】
前記サンプルがその上に位置決めされる第1のスライドであって、前記案内スペーサは当該第1のスライドを前記サンプルヘッド内に案内するように構成されている、第1のスライドと、
前記第1のスライドの上側で前記案内スペーサ上に位置決めされた第2のスライドと、
前記第2のスライド上に位置決めされた材料スラブと
をさらに備える、請求項27に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項29】
前記第1のスライドは、各々が、前記サンプルを含む複数のサンプルのうちのそれぞれのサンプルを受け取るように構成された、複数のウェルを備える、請求項28に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項30】
前記案内スペーサが、前記第1のスライド上への前記サンプルの塗布を容易にするように構成されたホールを備える、請求項28に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項31】
前記サンプルの前記スペクトルを得るために、前記第1のスライドを平行移動させるように構成されたモーター
をさらに備える、請求項28に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項32】
前記サンプルを乾燥させ、乾燥させられたサンプルをもたらすために、前記少なくとも1つの光源をスイッチオンするために前記少なくとも1つの光源に結合されたスイッチであって、前記分光計が、前記乾燥させられたサンプルの前記スペクトルを得るように構成された、スイッチ
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項33】
前記サンプルの1つまたは複数の物理的性質を制御するように構成された励起素子
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【請求項34】
前記結果を表示するためのディスプレイ
をさらに備える、請求項1に記載のポータブルラボラトリデバイス。
【国際調査報告】