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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】腎不全の予測及びその使用
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/68 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
G01N33/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576425
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2022033333
(87)【国際公開番号】W WO2022266031
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/210,600
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
2.UNIX
(71)【出願人】
【識別番号】505373306
【氏名又は名称】ソマロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンプソン ローラ
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン ミッシー
(72)【発明者】
【氏名】ハガー ヨランダ
(72)【発明者】
【氏名】オストロフ レイチェル マリー
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045DA36
2G045DA77
2G045FB06
2G045JA03
(57)【要約】
本開示は、特定の時間枠、例えば4年以内の腎不全のリスクを評価するためのバイオマーカー、方法、装置、試薬、システム、及びキットを含む。一態様では、本開示は、4年以内の腎不全のリスクを評価するために、単独で、または様々な組み合わせで使用することができるバイオマーカーを提供する。別の態様では、個体における4年以内の腎不全のリスクの評価方法を提供し、この方法は、個体由来の生体試料において、表8に示すバイオマーカーの群から選択される少なくとも1つのバイオマーカーに対応する少なくとも1つのバイオマーカー値を検出することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ヒト対象由来の試料中のCOL28A1タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b.前記COL28A1のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項2】
a.ヒト対象由来の試料中のUBE2G2タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b.前記UBE2G2のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項3】
a.ヒト対象由来の試料中のREG1Bタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b.前記REG1Bのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項4】
前記方法が、COL28A1及びHAVCR1、COL28A1及びFSTL3、COL28A1及びRGMB、COL28A1及びUBE2G2、COL28A1及びREG1A、COL28A1及びREG1B、COL28A1及びCOL6A3、COL28A1及びCST3、またはCOL28A1及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、COL28A1、HAVCR1、及びFSTL3;COL28A1、HAVCR1、及びRGMB;COL28A1、HAVCR1、及びUBE2G2;COL28A1、HAVCR1、及びREG1A;COL28A1、HAVCR1、及びREG1B;COL28A1、HAVCR1、及びCOL6A3;COL28A1、HAVCR1、及びCST3;COL28A1、HAVCR1、及びTNFRSF1A;COL28A1、FSTL3、及びRGMB;COL28A1、FSTL3、及びUBE2G2;COL28A1、FSTL3、及びREG1A;COL28A1、FSTL3、及びREG1B;COL28A1、FSTL3、及びCOL6A3;COL28A1、FSTL3、及びCST3;COL28A1、FSTL3、及びTNFRSF1A;COL28A1、RGMB、及びUBE2G2;COL28A1、RGMB、及びREG1A;COL28A1、RGMB、及びREG1B;COL28A1、RGMB、及びCOL6A3;COL28A1、RGMB、及びCST3;COL28A1、RGMB、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはCOL28A1、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、UBE2G2及びHAVCR1、UBE2G2及びFSTL3、UBE2G2及びRGMB、UBE2G2及びCOL28A1、UBE2G2及びREG1A、UBE2G2及びREG1B、UBE2G2及びCOL6A3、UBE2G2及びCST3、またはUBE2G2及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、UBE2G2、HAVCR1、及びFSTL3;UBE2G2、HAVCR1、及びRGMB;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL28A1;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1A;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1B;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL6A3;UBE2G2、HAVCR1、及びCST3;UBE2G2、HAVCR1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、FSTL3、及びRGMB;UBE2G2、FSTL3、及びCOL28A1;UBE2G2、FSTL3、及びREG1A;UBE2G2、FSTL3、及びREG1B;UBE2G2、FSTL3、及びCOL6A3;UBE2G2、FSTL3、及びCST3;UBE2G2、FSTL3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、RGMB、及びCOL28A1;UBE2G2、RGMB、及びREG1A;UBE2G2、RGMB、及びREG1B;UBE2G2、RGMB、及びCOL6A3;UBE2G2、RGMB、及びCST3;UBE2G2、RGMB、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1B;UBE2G2、COL28A1、及びCOL6A3;UBE2G2、COL28A1、及びCST3;UBE2G2、COL28A1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはUBE2G2、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、REG1B及びHAVCR1、REG1B及びFSTL3、REG1B及びRGMB、REG1B及びCOL28A1、REG1B及びUBE2G2、REG1B及びREG1A、REG1B及びCOL6A3、REG1B及びCST3、またはREG1B及びTNSF1Aを測定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、REG1B、HAVCR1、及びFSTL3;REG1B、HAVCR1、及びRGMB;REG1B、HAVCR1、及びCOL28A1;REG1B、HAVCR1、及びUBE2G2;REG1B、HAVCR1、及びREG1A;REG1B、HAVCR1、及びCOL6A3;REG1B、HAVCR1、及びCST3;REG1B、HAVCR1、及びTNFRSF1A;REG1B、FSTL3、及びRGMB;REG1B、FSTL3、及びCOL28A1;REG1B、FSTL3、及びUBE2G2;REG1B、FSTL3、及びREG1A;REG1B、FSTL3、及びCOL6A3;REG1B、FSTL3、及びCST3;REG1B、FSTL3、及びTNFRSF1A;REG1B、RGMB、及びCOL28A1;REG1B、RGMB、及びUBE2G2;REG1B、RGMB、及びREG1A;REG1B、RGMB、及びCOL6A3;REG1B、RGMB、及びCST3;REG1B、RGMB、及びTNFRSF1A;REG1B、COL28A1、及びUBE2G2;REG1B、COL28A1、及びREG1A;REG1B、COL28A1、及びCOL6A3;REG1B、COL28A1、及びCST3;REG1B、COL28A1、及びTNFRSF1A;REG1B、UBE2G2、及びREG1A;REG1B、UBE2G2、及びCOL6A3;REG1B、UBE2G2、及びCST3;REG1B、UBE2G2、及びTNFRSF1A;REG1B、REG1A、及びCOL6A3;REG1B、REG1A、及びCST3;REG1B、REG1A、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはREG1B、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、COL28A1及びUBE2G2、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、COL28A1及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、UBE2G2及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
4年の期間以内の進行性慢性腎不全が、推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下、人工透析が必要であるという診断、eGFR<15ml/分/1.73mの発生、末期腎臓病(ESRD)の発症、または腎移植が必要であるという診断のうちの1つ以上の発生を示す、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
a.ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、COL28A1タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b.前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項17】
a.ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、UBE2G2タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b.前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項18】
a.ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、REG1Bタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b.前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項19】
前記方法が、COL28A1及びHAVCR1、COL28A1及びFSTL3、COL28A1及びRGMB、COL28A1及びUBE2G2、COL28A1及びREG1A、COL28A1及びREG1B、COL28A1及びCOL6A3、COL28A1及びCST3、またはCOL28A1及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、COL28A1、HAVCR1、及びFSTL3;COL28A1、HAVCR1、及びRGMB;COL28A1、HAVCR1、及びUBE2G2;COL28A1、HAVCR1、及びREG1A;COL28A1、HAVCR1、及びREG1B;COL28A1、HAVCR1、及びCOL6A3;COL28A1、HAVCR1、及びCST3;COL28A1、HAVCR1、及びTNFRSF1A;COL28A1、FSTL3、及びRGMB;COL28A1、FSTL3、及びUBE2G2;COL28A1、FSTL3、及びREG1A;COL28A1、FSTL3、及びREG1B;COL28A1、FSTL3、及びCOL6A3;COL28A1、FSTL3、及びCST3;COL28A1、FSTL3、及びTNFRSF1A;COL28A1、RGMB、及びUBE2G2;COL28A1、RGMB、及びREG1A;COL28A1、RGMB、及びREG1B;COL28A1、RGMB、及びCOL6A3;COL28A1、RGMB、及びCST3;COL28A1、RGMB、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはCOL28A1、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記方法が、UBE2G2及びHAVCR1、UBE2G2及びFSTL3、UBE2G2及びRGMB、UBE2G2及びCOL28A1、UBE2G2及びREG1A、UBE2G2及びREG1B、UBE2G2及びCOL6A3、UBE2G2及びCST3、またはUBE2G2及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、UBE2G2、HAVCR1、及びFSTL3;UBE2G2、HAVCR1、及びRGMB;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL28A1;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1A;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1B;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL6A3;UBE2G2、HAVCR1、及びCST3;UBE2G2、HAVCR1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、FSTL3、及びRGMB;UBE2G2、FSTL3、及びCOL28A1;UBE2G2、FSTL3、及びREG1A;UBE2G2、FSTL3、及びREG1B;UBE2G2、FSTL3、及びCOL6A3;UBE2G2、FSTL3、及びCST3;UBE2G2、FSTL3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、RGMB、及びCOL28A1;UBE2G2、RGMB、及びREG1A;UBE2G2、RGMB、及びREG1B;UBE2G2、RGMB、及びCOL6A3;UBE2G2、RGMB、及びCST3;UBE2G2、RGMB、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1B;UBE2G2、COL28A1、及びCOL6A3;UBE2G2、COL28A1、及びCST3;UBE2G2、COL28A1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはUBE2G2、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、REG1B及びHAVCR1、REG1B及びFSTL3、REG1B及びRGMB、REG1B及びCOL28A1、REG1B及びUBE2G2、REG1B及びREG1A、REG1B及びCOL6A3、REG1B及びCST3、またはREG1B及びTNSF1Aを測定することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、REG1B、HAVCR1、及びFSTL3;REG1B、HAVCR1、及びRGMB;REG1B、HAVCR1、及びCOL28A1;REG1B、HAVCR1、及びUBE2G2;REG1B、HAVCR1、及びREG1A;REG1B、HAVCR1、及びCOL6A3;REG1B、HAVCR1、及びCST3;REG1B、HAVCR1、及びTNFRSF1A;REG1B、FSTL3、及びRGMB;REG1B、FSTL3、及びCOL28A1;REG1B、FSTL3、及びUBE2G2;REG1B、FSTL3、及びREG1A;REG1B、FSTL3、及びCOL6A3;REG1B、FSTL3、及びCST3;REG1B、FSTL3、及びTNFRSF1A;REG1B、RGMB、及びCOL28A1;REG1B、RGMB、及びUBE2G2;REG1B、RGMB、及びREG1A;REG1B、RGMB、及びCOL6A3;REG1B、RGMB、及びCST3;REG1B、RGMB、及びTNFRSF1A;REG1B、COL28A1、及びUBE2G2;REG1B、COL28A1、及びREG1A;REG1B、COL28A1、及びCOL6A3;REG1B、COL28A1、及びCST3;REG1B、COL28A1、及びTNFRSF1A;REG1B、UBE2G2、及びREG1A;REG1B、UBE2G2、及びCOL6A3;REG1B、UBE2G2、及びCST3;REG1B、UBE2G2、及びTNFRSF1A;REG1B、REG1A、及びCOL6A3;REG1B、REG1A、及びCST3;REG1B、REG1A、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはREG1B、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記方法が、COL28A1及びUBE2G2、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記方法が、COL28A1及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記方法が、UBE2G2及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記タンパク質レベルを、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクが高いとヒト対象を識別するために使用する、請求項16~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
4年の期間以内の進行性慢性腎不全が、推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下、人工透析が必要であるという診断、eGFR<15ml/分/1.73mの発生、末期腎臓病(ESRD)の発症、または腎移植が必要であるという診断のうちの1つ以上の発生を示す、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記捕捉試薬のセットが、アプタマー、抗体、及びアプタマーと抗体の組み合わせから選択される、請求項16~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、請求項16~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
a)ヒト対象由来の試料を2種の捕捉試薬と接触させ、その場合、1種の捕捉試薬が、COL28A1タンパク質に対して親和性を有し、第2の捕捉試薬が、UBE2G2タンパク質に対して親和性を有し、
b)前記2種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項33】
a)ヒト対象由来の試料を2種の捕捉試薬と接触させ、その場合、1種の捕捉試薬が、COL28A1タンパク質に対して親和性を有し、第2の捕捉試薬が、REG1Bタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記2種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項34】
a)ヒト対象由来の試料を2種の捕捉試薬と接触させ、その場合、1種の捕捉試薬が、UBE2G2タンパク質に対して親和性を有し、第2の捕捉試薬が、REG1Bタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記2種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項35】
HAVCR1タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項32~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
FSTL3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項32~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
RGMBタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項32~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
REG1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項32~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
COL6A3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項32~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
CST3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項32~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
TNFRSF1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項32~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
a)ヒト対象由来の試料中のCOL28A1及びUBE2G2のレベルを測定し、
b)前記COL28A1及びUBE2G2のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項43】
a)ヒト対象由来の試料中のCOL28A1及びREG1Bのレベルを測定し、
b)前記COL28A1及びREG1Bのレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項44】
a)ヒト対象由来の試料中のUBE2G2及びREG1Bのレベルを測定し、
b)前記UBE2G2及びREG1Bのレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項45】
HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項42~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項42~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項42~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項42~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項42~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項42~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、請求項42~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
a)ヒト対象由来の試料を3種の捕捉試薬に接触させ、その場合、前記3種の捕捉試薬のそれぞれが、COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bから選択されるタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記3種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項54】
HAVCR1タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
FSTL3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
RGMBタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項53~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
REG1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項53~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
COL6A3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項53~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
CST3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項53~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
TNFRSF1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項53~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
a)ヒト対象由来の試料中のCOL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのレベルを測定し、
b)前記COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項62】
HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項61~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項61~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項61~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項61~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、請求項61~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、請求項61~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
a)ヒト対象由来の試料中のHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項71】
前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、請求項70または71に記載の方法。
【請求項73】
前記方法が、HAVCR1、FSTL3、及びRGMB;HAVCR1、FSTL3、及びCOL28A1;HAVCR1、FSTL3、及びUBE2G2;HAVCR1、FSTL3、及びREG1A;HAVCR1、FSTL3、及びREG1B;HAVCR1、FSTL3、及びCOL6A3;HAVCR1、FSTL3、及びCST3;HAVCR1、FSTL3、及びTNFRSF1;HAVCR1、RGMB、及びCOL28A1;HAVCR1、RGMB、及びUBE2G2;HAVCR1、RGMB、及びREG1A;HAVCR1、RGMB、及びREG1B;HAVCR1、RGMB、及びCOL6A3;HAVCR1、RGMB、及びCST3;HAVCR1、RGMB、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL28A1、及びUBE2G2;HAVCR1、COL28A1、及びREG1A;HAVCR1、COL28A1、及びREG1B;HAVCR1、COL28A1、及びCOL6A3;HAVCR1、COL28A1、及びCST3;HAVCR1、COL28A1、及びTNFRSF1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1B;HAVCR1、UBE2G2、及びCOL6A3;HAVCR1、UBE2G2、及びCST3;HAVCR1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1A、及びREG1B;HAVCR1、REG1A、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1A、及びCST3;HAVCR1、REG1A、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1B、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1B、及びCST3;HAVCR1、REG1B、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL6A3、及びCST3;HAVCR1、COL6A3、及びTNFRSF1A;HAVCR1、CST3、及びTNFRSF1A;FSTL3、RGMB、及びCOL28A1;FSTL3、RGMB、及びUBE2G2;FSTL3、RGMB、及びREG1A;FSTL3、RGMB、及びREG1B;FSTL3、RGMB、及びCOL6A3;FSTL3、RGMB、及びCST3;FSTL3、RGMB、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL28A1、及びUBE2G2;FSTL3、COL28A1、及びREG1A;FSTL3、COL28A1、及びREG1B;FSTL3、COL28A1、及びCOL6A3;FSTL3、COL28A1、及びCST3;FSTL3、COL28A1、及びTNFRSF1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1B;FSTL3、UBE2G2、及びCOL6A3;FSTL3、UBE2G2、及びCST3;FSTL3、UBE2G2、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1A、及びREG1B;FSTL3、REG1A、及びCOL6A3;FSTL3、REG1A、及びCST3;FSTL3、REG1A、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1B、及びCOL6A3;FSTL3、REG1B、及びCST3;FSTL3、REG1B、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL6A3、及びCST3;FSTL3、COL6A3、及びTNFRSF1A;FSTL3、CST3、及びTNFRSF1A;RGMB、COL28A1、及びUBE2G2;RGMB、COL28A1、及びREG1A;RGMB、COL28A1、及びREG1B;RGMB、COL28A1、及びCOL6A3;RGMB、COL28A1、及びCST3;RGMB、COL28A1、及びTNFRSF1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1B;RGMB、UBE2G2、及びCOL6A3;RGMB、UBE2G2、及びCST3;RGMB、UBE2G2、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1A、及びREG1B;RGMB、REG1A、及びCOL6A3;RGMB、REG1A、及びCST3;RGMB、REG1A、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1B、及びCOL6A3;RGMB、REG1B、及びCST3;RGMB、REG1B、及びTNFRSF1A;RGMB、COL6A3、及びCST3;RGMB、COL6A3、及びTNFRSF1A;RGMB、CST3、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;COL28A1、CST3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、CST3、及びTNFRSF1A;REG1A、REG1B、及びCOL6A3;REG1A、REG1B、及びCST3;REG1A、REG1B、及びTNFRSF1A;REG1A、COL6A3、及びCST3;REG1A、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1A、CST3、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1B、CST3、及びTNFRSF1A;またはCOL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項70~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのうちの1種以上を測定することをさらに含む、請求項70~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、対象由来の試料中のHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される3、4、5、6、7、8、9、または10種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項76】
前記捕捉試薬のセットが、アプタマー、抗体、及びアプタマーと抗体の組み合わせから選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記方法が、HAVCR1、FSTL3、及びRGMB;HAVCR1、FSTL3、及びCOL28A1;HAVCR1、FSTL3、及びUBE2G2;HAVCR1、FSTL3、及びREG1A;HAVCR1、FSTL3、及びREG1B;HAVCR1、FSTL3、及びCOL6A3;HAVCR1、FSTL3、及びCST3;HAVCR1、FSTL3、及びTNFRSF1;HAVCR1、RGMB、及びCOL28A1;HAVCR1、RGMB、及びUBE2G2;HAVCR1、RGMB、及びREG1A;HAVCR1、RGMB、及びREG1B;HAVCR1、RGMB、及びCOL6A3;HAVCR1、RGMB、及びCST3;HAVCR1、RGMB、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL28A1、及びUBE2G2;HAVCR1、COL28A1、及びREG1A;HAVCR1、COL28A1、及びREG1B;HAVCR1、COL28A1、及びCOL6A3;HAVCR1、COL28A1、及びCST3;HAVCR1、COL28A1、及びTNFRSF1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1B;HAVCR1、UBE2G2、及びCOL6A3;HAVCR1、UBE2G2、及びCST3;HAVCR1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1A、及びREG1B;HAVCR1、REG1A、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1A、及びCST3;HAVCR1、REG1A、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1B、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1B、及びCST3;HAVCR1、REG1B、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL6A3、及びCST3;HAVCR1、COL6A3、及びTNFRSF1A;HAVCR1、CST3、及びTNFRSF1A;FSTL3、RGMB、及びCOL28A1;FSTL3、RGMB、及びUBE2G2;FSTL3、RGMB、及びREG1A;FSTL3、RGMB、及びREG1B;FSTL3、RGMB、及びCOL6A3;FSTL3、RGMB、及びCST3;FSTL3、RGMB、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL28A1、及びUBE2G2;FSTL3、COL28A1、及びREG1A;FSTL3、COL28A1、及びREG1B;FSTL3、COL28A1、及びCOL6A3;FSTL3、COL28A1、及びCST3;FSTL3、COL28A1、及びTNFRSF1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1B;FSTL3、UBE2G2、及びCOL6A3;FSTL3、UBE2G2、及びCST3;FSTL3、UBE2G2、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1A、及びREG1B;FSTL3、REG1A、及びCOL6A3;FSTL3、REG1A、及びCST3;FSTL3、REG1A、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1B、及びCOL6A3;FSTL3、REG1B、及びCST3;FSTL3、REG1B、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL6A3、及びCST3;FSTL3、COL6A3、及びTNFRSF1A;FSTL3、CST3、及びTNFRSF1A;RGMB、COL28A1、及びUBE2G2;RGMB、COL28A1、及びREG1A;RGMB、COL28A1、及びREG1B;RGMB、COL28A1、及びCOL6A3;RGMB、COL28A1、及びCST3;RGMB、COL28A1、及びTNFRSF1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1B;RGMB、UBE2G2、及びCOL6A3;RGMB、UBE2G2、及びCST3;RGMB、UBE2G2、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1A、及びREG1B;RGMB、REG1A、及びCOL6A3;RGMB、REG1A、及びCST3;RGMB、REG1A、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1B、及びCOL6A3;RGMB、REG1B、及びCST3;RGMB、REG1B、及びTNFRSF1A;RGMB、COL6A3、及びCST3;RGMB、COL6A3、及びTNFRSF1A;RGMB、CST3、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;COL28A1、CST3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、CST3、及びTNFRSF1A;REG1A、REG1B、及びCOL6A3;REG1A、REG1B、及びCST3;REG1A、REG1B、及びTNFRSF1A;REG1A、COL6A3、及びCST3;REG1A、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1A、CST3、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1B、CST3、及びTNFRSF1A;またはCOL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、請求項75~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのうちの1種以上を測定することをさらに含む、請求項75~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
a)ヒト対象由来の試料中のHAVCR1タンパク質のレベル、ならびにFSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記HAVCR1のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項81】
a)ヒト対象由来の試料中のFSTL3タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記FSTL3のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項82】
a)ヒト対象由来の試料中のRGMBタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記RGMBのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項83】
a)ヒト対象由来の試料中のREG1Aタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記REG1Aのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項84】
a)ヒト対象由来の試料中のCOL6A3タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記COL6A3のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項85】
a)ヒト対象由来の試料中のCST3タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記CST3のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項86】
a)ヒト対象由来の試料中のTNFRSF1Aタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びCST3からなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記TNFRSF1Aのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【請求項87】
前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、請求項80~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、請求項80~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、HAVCR1タンパク質、ならびにFSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項90】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、FSTL3タンパク質、ならびにHAVCR1、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項91】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、RGMBタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項92】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、REG1Aタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項93】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、COL6A3タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項94】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、CST3タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項95】
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、TNFRSF1Aタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びCST3からなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【請求項96】
前記捕捉試薬のセットが、アプタマー、抗体、及びアプタマーと抗体の組み合わせから選択される、請求項89~95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、請求項89~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
さらに、測定した前記各タンパク質のレベルに基づいて、前記対象を、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクが高いと識別することを含む、請求項16~27、32~41、53~60、75~79、及び89~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクが、統計モデルにおいて測定された各タンパク質のレベルの入力に基づく、請求項1~15、28~31、42~52、61~74、80~88、及び98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記モデルが線形回帰モデルである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記モデルが、0.65、0.7、0.75、0.77、またはそれ以上から選択される曲線下領域(AUC)を有する、請求項99または100に記載の方法。
【請求項102】
前記モデルが、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症することに関する二項予測及び/または相対リスク予測を提供する、請求項99~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記モデルが、HAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択される各タンパク質のレベルに基づく、請求項99~102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記モデルが、確率カットポイントXによる二項予測を提供し、その場合、X<0.3、0.31、0.32、0.32、0.33、0.34、0.35、または0.3533が、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症するリスクがないものと予測し、X≧0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、または0.3533が、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症するリスクがあるものと予測する、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記進行性慢性腎不全を発症するリスクが、推定糸球体濾過率(eGFR)の50%の低下、人工透析が必要であるという診断、eGFR<15ml/分/1.73m2の発生、末期腎臓病(ESRD)の発症、及び腎移植が必要であるという診断から選択される事象のリスクを示す、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記モデルが、HAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択される各タンパク質のレベルに基づき、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスク予測を提供する、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
測定した前記各タンパク質のレベルを、相対蛍光単位(RFU)またはタンパク質濃度から決定する、請求項98に記載の方法。
【請求項108】
前記モデルが、4年以内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクを提供する、請求項103に記載の方法。
【請求項109】
前記相対リスクが、軽度及び重度から選択される、請求項103に記載の方法。
【請求項110】
前記相対リスクが確率計算である、請求項103に記載の方法。
【請求項111】
前記相対リスクが、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症することを予測するために使用される値の範囲である、請求項103に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月15日に出願された米国仮出願第63/210,600号の優先権の利益を主張するものであり、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、一般に、バイオマーカーの検出及び個体における将来の腎不全のリスクを評価する方法、ならびにより具体的には、4年以内に腎不全を発症するリスクを予測するために、個体を評価するために使用する1つ以上のバイオマーカー、方法、装置、試薬、システム、及びキットに関する。
【背景技術】
【0003】
以下の説明は、本出願に関連する情報の概要を提供するものであり、本明細書で提供される情報または参照される刊行物のいずれかが本出願の先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
慢性腎臓病(CKD)は、3か月超にわたって腎臓の構造または機能の異常を有する疾患として定義されており(第1表)、米国の成人のおよそ13%に影響を及ぼし、その疾患のリスク因子は不均一であり、遺伝的及び人口統計学的な素因ならびに糖尿病が含まれる。腎臓は、血液から代謝副産物を濾過し、尿を生成し、それによって血圧及び体液と電解質のバランスを調節し、ホルモンを分泌するという3つの主要な機能に役立っている。腎臓病の段階(図1)に応じて、高血圧、末梢血管疾患、アテローム性動脈硬化症、慢性貧血、慢性疲労、尿毒症、及び心血管疾患を含む様々な症状及び病態が生じ得る。慢性腎臓病は、疾患の初期段階(ステージ1及び2)では無症候性であることが多く、この時期は、腎機能を依然として維持することができる疾患の進行期にあたるため、疾患初期の患者を特定することは、疾患の進行を遅くしたり予防したりするのに役立ち得る。ステージ3a~ステージ4は中度~重度の腎臓病と考えられ、ステージ5は末期の腎臓病である。腎臓病の各段階の進行は、疾患の根本的な原因、併存疾患の存在、治療、遺伝学、社会経済的要因、及び他の要因によって異なる。
【0005】
現在、腎臓病の予後の標準治療は、現在の臨床検査パラメータ(例えば、eGFR、アルブミン尿、濃縮細胞量)及び併存疾患に基づくか、または腎不全リスク方程式(KFRE、式1)を使用することによって行われる。(Tangri N,Stevens LA,Griffith J,et al.A predictive model for progression of chronic kidney disease to kidney failure.JAMA 2011;305:1553-1559.doi:1510.1001/jama.2011.1451.Epub 2011 Apr 1511.) KFREは、中等度~重度の腎臓病(ステージ3a~ステージ4)の患者を対象に開発されたが、より多くの腎機能を維持する必要がある初期段階の腎臓病は含まれていない。
【0006】
現在の臨床パラメータを予後ツールとして使用することは不正確であり、疾患の進行を予防するためのより積極的な治療の恩恵を受けるであろうすべての患者を特定できない可能性がある。腎臓病の管理に関する推奨としては、表2に示すものが挙げられる(Chapter 2:Definition,identification,and prediction of CKD progression.2011)2013;3:63-72.doi:10.1038/kisup.2012.1065.)
【0007】
慢性腎臓病は、そのような疾患の傾向を正確に判断することができれば、積極的な治療によって予防され得る。既存の複数マーカー検査では、個体からの複数試料の回収を必要とするか、または試料を複数のアッセイの間で分割する必要がある。最適には、単一の血液、尿、または他の試料、及び単回のアッセイのみを必要とする改良された検査が必要である。したがって、指定された時間枠、例えば4年の期間内での腎臓病の発症の予測を可能にするバイオマーカー、方法、装置、試薬、システム、及びキットの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本出願は、4年間などの特定の時間枠内で腎不全を発症するリスクを予測するためのバイオマーカー、方法、試薬、装置、システム、及びキットを含む。特定の態様において、推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下、人工透析が必要であるという診断、eGFR<15ml/分/1.73mの発生、末期腎臓病(ESRD)の発生、または腎移植が必要であるという診断のうちの少なくとも1つが4年以内に発生することを予測する腎臓病の進行度検査を開示する。
【0009】
一態様では、本明細書に開示される腎臓病の進行度検査は、進行性慢性腎不全(PCRI)の4年予後を提供することを意図しており、KFREの生成に使用する集団と比較して初期段階(ステージ1~ステージ2)の腎臓病を有する患者が含まれ、これらの患者は、疾患の進行を予防するための積極的な治療の候補者である(表2)。さらなる態様では、本開示の検査は、eGFRの計算、タンパク尿の測定、または年齢もしくは性別などの患者の特徴への依存を必要としない。
【0010】
本明細書に開示する腎臓病の進行度検査の利点としては、(eGFRによって)現在の腎機能の推定、タンパク尿の測定、または年齢もしくは性別の入力を必要としない診断済み慢性腎臓病の人々の予後検査の利便性、疾患プロセスの早い段階でのPCRIの高リスク患者の特定、及び患者に提供される測定基準(相対リスク)(重度の腎機能低下のリスクを、同じ疾患プロセスを有する「平均的な」または「典型的な」人と比較して理解することができるように、報告される値に関するコンテキストを提供する)が挙げられる。
【0011】
以下の番号付き段落[0012]~[0122]は、本明細書に開示する本発明の技術的特徴の広範な組み合わせの記述を含む:
【0012】
1.
a)ヒト対象由来の試料中のCOL28A1タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記COL28A1のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0013】
2.
a)ヒト対象由来の試料中のUBE2G2タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記UBE2G2のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0014】
3.
a)ヒト対象由来の試料中のREG1Bタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記REG1Bのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0015】
4.前記方法が、COL28A1及びHAVCR1、COL28A1及びFSTL3、COL28A1及びRGMB、COL28A1及びUBE2G2、COL28A1及びREG1A、COL28A1及びREG1B、COL28A1及びCOL6A3、COL28A1及びCST3、またはCOL28A1及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様1に記載の方法。
【0016】
5.前記方法が、COL28A1、HAVCR1、及びFSTL3;COL28A1、HAVCR1、及びRGMB;COL28A1、HAVCR1、及びUBE2G2;COL28A1、HAVCR1、及びREG1A;COL28A1、HAVCR1、及びREG1B;COL28A1、HAVCR1、及びCOL6A3;COL28A1、HAVCR1、及びCST3;COL28A1、HAVCR1、及びTNFRSF1A;COL28A1、FSTL3、及びRGMB;COL28A1、FSTL3、及びUBE2G2;COL28A1、FSTL3、及びREG1A;COL28A1、FSTL3、及びREG1B;COL28A1、FSTL3、及びCOL6A3;COL28A1、FSTL3、及びCST3;COL28A1、FSTL3、及びTNFRSF1A;COL28A1、RGMB、及びUBE2G2;COL28A1、RGMB、及びREG1A;COL28A1、RGMB、及びREG1B;COL28A1、RGMB、及びCOL6A3;COL28A1、RGMB、及びCST3;COL28A1、RGMB、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはCOL28A1、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様1に記載の方法。
【0017】
6.前記方法が、UBE2G2及びHAVCR1、UBE2G2及びFSTL3、UBE2G2及びRGMB、UBE2G2及びCOL28A1、UBE2G2及びREG1A、UBE2G2及びREG1B、UBE2G2及びCOL6A3、UBE2G2及びCST3、またはUBE2G2及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様2に記載の方法。
【0018】
7.前記方法が、UBE2G2、HAVCR1、及びFSTL3;UBE2G2、HAVCR1、及びRGMB;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL28A1;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1A;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1B;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL6A3;UBE2G2、HAVCR1、及びCST3;UBE2G2、HAVCR1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、FSTL3、及びRGMB;UBE2G2、FSTL3、及びCOL28A1;UBE2G2、FSTL3、及びREG1A;UBE2G2、FSTL3、及びREG1B;UBE2G2、FSTL3、及びCOL6A3;UBE2G2、FSTL3、及びCST3;UBE2G2、FSTL3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、RGMB、及びCOL28A1;UBE2G2、RGMB、及びREG1A;UBE2G2、RGMB、及びREG1B;UBE2G2、RGMB、及びCOL6A3;UBE2G2、RGMB、及びCST3;UBE2G2、RGMB、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1B;UBE2G2、COL28A1、及びCOL6A3;UBE2G2、COL28A1、及びCST3;UBE2G2、COL28A1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはUBE2G2、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様2に記載の方法。
【0019】
8.前記方法が、REG1B及びHAVCR1、REG1B及びFSTL3、REG1B及びRGMB、REG1B及びCOL28A1、REG1B及びUBE2G2、REG1B及びREG1A、REG1B及びCOL6A3、REG1B及びCST3、またはREG1B及びTNSF1Aを測定することを含む、態様3に記載の方法。
【0020】
9.前記方法が、REG1B、HAVCR1、及びFSTL3;REG1B、HAVCR1、及びRGMB;REG1B、HAVCR1、及びCOL28A1;REG1B、HAVCR1、及びUBE2G2;REG1B、HAVCR1、及びREG1A;REG1B、HAVCR1、及びCOL6A3;REG1B、HAVCR1、及びCST3;REG1B、HAVCR1、及びTNFRSF1A;REG1B、FSTL3、及びRGMB;REG1B、FSTL3、及びCOL28A1;REG1B、FSTL3、及びUBE2G2;REG1B、FSTL3、及びREG1A;REG1B、FSTL3、及びCOL6A3;REG1B、FSTL3、及びCST3;REG1B、FSTL3、及びTNFRSF1A;REG1B、RGMB、及びCOL28A1;REG1B、RGMB、及びUBE2G2;REG1B、RGMB、及びREG1A;REG1B、RGMB、及びCOL6A3;REG1B、RGMB、及びCST3;REG1B、RGMB、及びTNFRSF1A;REG1B、COL28A1、及びUBE2G2;REG1B、COL28A1、及びREG1A;REG1B、COL28A1、及びCOL6A3;REG1B、COL28A1、及びCST3;REG1B、COL28A1、及びTNFRSF1A;REG1B、UBE2G2、及びREG1A;REG1B、UBE2G2、及びCOL6A3;REG1B、UBE2G2、及びCST3;REG1B、UBE2G2、及びTNFRSF1A;REG1B、REG1A、及びCOL6A3;REG1B、REG1A、及びCST3;REG1B、REG1A、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはREG1B、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様3に記載の方法。
【0021】
10.前記方法が、COL28A1及びUBE2G2、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、態様1に記載の方法。
【0022】
11.前記方法が、COL28A1及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、態様1に記載の方法。
【0023】
12.前記方法が、UBE2G2及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、態様2に記載の方法。
【0024】
13.4年の期間以内の進行性慢性腎不全が、推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下、人工透析が必要であるという診断、eGFR<15ml/分/1.73m2の発生、末期腎臓病(ESRD)の発症、または腎移植が必要であるという診断のうちの1つ以上の発生を示す、態様1~12のいずれか1項に記載の方法。
【0025】
14.前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、態様1~13のいずれか1項に記載の方法。
【0026】
15.前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、態様1~14のいずれか1項に記載の方法。
【0027】
16.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、COL28A1タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0028】
17.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、UBE2G2タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0029】
18.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、REG1Bタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0030】
19.前記方法が、COL28A1及びHAVCR1、COL28A1及びFSTL3、COL28A1及びRGMB、COL28A1及びUBE2G2、COL28A1及びREG1A、COL28A1及びREG1B、COL28A1及びCOL6A3、COL28A1及びCST3、またはCOL28A1及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様16に記載の方法。
【0031】
20.前記方法が、COL28A1、HAVCR1、及びFSTL3;COL28A1、HAVCR1、及びRGMB;COL28A1、HAVCR1、及びUBE2G2;COL28A1、HAVCR1、及びREG1A;COL28A1、HAVCR1、及びREG1B;COL28A1、HAVCR1、及びCOL6A3;COL28A1、HAVCR1、及びCST3;COL28A1、HAVCR1、及びTNFRSF1A;COL28A1、FSTL3、及びRGMB;COL28A1、FSTL3、及びUBE2G2;COL28A1、FSTL3、及びREG1A;COL28A1、FSTL3、及びREG1B;COL28A1、FSTL3、及びCOL6A3;COL28A1、FSTL3、及びCST3;COL28A1、FSTL3、及びTNFRSF1A;COL28A1、RGMB、及びUBE2G2;COL28A1、RGMB、及びREG1A;COL28A1、RGMB、及びREG1B;COL28A1、RGMB、及びCOL6A3;COL28A1、RGMB、及びCST3;COL28A1、RGMB、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはCOL28A1、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様16に記載の方法。
【0032】
21.前記方法が、UBE2G2及びHAVCR1、UBE2G2及びFSTL3、UBE2G2及びRGMB、UBE2G2及びCOL28A1、UBE2G2及びREG1A、UBE2G2及びREG1B、UBE2G2及びCOL6A3、UBE2G2及びCST3、またはUBE2G2及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様17に記載の方法。
【0033】
22.前記方法が、UBE2G2、HAVCR1、及びFSTL3;UBE2G2、HAVCR1、及びRGMB;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL28A1;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1A;UBE2G2、HAVCR1、及びREG1B;UBE2G2、HAVCR1、及びCOL6A3;UBE2G2、HAVCR1、及びCST3;UBE2G2、HAVCR1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、FSTL3、及びRGMB;UBE2G2、FSTL3、及びCOL28A1;UBE2G2、FSTL3、及びREG1A;UBE2G2、FSTL3、及びREG1B;UBE2G2、FSTL3、及びCOL6A3;UBE2G2、FSTL3、及びCST3;UBE2G2、FSTL3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、RGMB、及びCOL28A1;UBE2G2、RGMB、及びREG1A;UBE2G2、RGMB、及びREG1B;UBE2G2、RGMB、及びCOL6A3;UBE2G2、RGMB、及びCST3;UBE2G2、RGMB、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1A;UBE2G2、COL28A1、及びREG1B;UBE2G2、COL28A1、及びCOL6A3;UBE2G2、COL28A1、及びCST3;UBE2G2、COL28A1、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはUBE2G2、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様17に記載の方法。
【0034】
23.前記方法が、REG1B及びHAVCR1、REG1B及びFSTL3、REG1B及びRGMB、REG1B及びCOL28A1、REG1B及びUBE2G2、REG1B及びREG1A、REG1B及びCOL6A3、REG1B及びCST3、またはREG1B及びTNSF1Aを測定することを含む、態様18に記載の方法。
【0035】
24.前記方法が、REG1B、HAVCR1、及びFSTL3;REG1B、HAVCR1、及びRGMB;REG1B、HAVCR1、及びCOL28A1;REG1B、HAVCR1、及びUBE2G2;REG1B、HAVCR1、及びREG1A;REG1B、HAVCR1、及びCOL6A3;REG1B、HAVCR1、及びCST3;REG1B、HAVCR1、及びTNFRSF1A;REG1B、FSTL3、及びRGMB;REG1B、FSTL3、及びCOL28A1;REG1B、FSTL3、及びUBE2G2;REG1B、FSTL3、及びREG1A;REG1B、FSTL3、及びCOL6A3;REG1B、FSTL3、及びCST3;REG1B、FSTL3、及びTNFRSF1A;REG1B、RGMB、及びCOL28A1;REG1B、RGMB、及びUBE2G2;REG1B、RGMB、及びREG1A;REG1B、RGMB、及びCOL6A3;REG1B、RGMB、及びCST3;REG1B、RGMB、及びTNFRSF1A;REG1B、COL28A1、及びUBE2G2;REG1B、COL28A1、及びREG1A;REG1B、COL28A1、及びCOL6A3;REG1B、COL28A1、及びCST3;REG1B、COL28A1、及びTNFRSF1A;REG1B、UBE2G2、及びREG1A;REG1B、UBE2G2、及びCOL6A3;REG1B、UBE2G2、及びCST3;REG1B、UBE2G2、及びTNFRSF1A;REG1B、REG1A、及びCOL6A3;REG1B、REG1A、及びCST3;REG1B、REG1A、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;またはREG1B、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様18に記載の方法。
【0036】
25.前記方法が、COL28A1及びUBE2G2、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、態様16に記載の方法。
【0037】
26.前記方法が、COL28A1及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、UBE2G2、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、態様16に記載の方法。
【0038】
27.前記方法が、UBE2G2及びREG1B、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、REG1A、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択されるタンパク質のうちの少なくとも1種を測定することを含む、態様17に記載の方法。
【0039】
28.前記タンパク質レベルを、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクが高いとヒト対象を識別するために使用する、態様16~27のいずれか1項に記載の方法。
【0040】
29.4年の期間以内の進行性慢性腎不全が、推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下、人工透析が必要であるという診断、eGFR<15ml/分/1.73m2の発生、末期腎臓病(ESRD)の発症、または腎移植が必要であるという診断のうちの1つ以上の発生を示す、態様28に記載の方法。
【0041】
30.前記捕捉試薬のセットが、アプタマー、抗体、及びアプタマーと抗体の組み合わせから選択される、態様16~29のいずれか1項に記載の方法。
【0042】
31.前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、態様16~30のいずれか1項に記載の方法。
【0043】
32.
a)ヒト対象由来の試料を2種の捕捉試薬と接触させ、その場合、1種の捕捉試薬が、COL28A1タンパク質に対して親和性を有し、第2の捕捉試薬が、UBE2G2タンパク質に対して親和性を有し、
b)2種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0044】
33.
a)ヒト対象由来の試料を2種の捕捉試薬と接触させ、その場合、1種の捕捉試薬が、COL28A1タンパク質に対して親和性を有し、第2の捕捉試薬が、REG1Bタンパク質に対して親和性を有し、
b)2種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0045】
34.
a)ヒト対象由来の試料を2種の捕捉試薬と接触させ、その場合、1種の捕捉試薬が、UBE2G2タンパク質に対して親和性を有し、第2の捕捉試薬が、REG1Bタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記2種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0046】
35.HAVCR1タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様32~34のいずれか1項に記載の方法。
【0047】
36.FSTL3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様32~35のいずれか1項に記載の方法。
【0048】
37.RGMBタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様32~36のいずれか1項に記載の方法。
【0049】
38.REG1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様32~37のいずれか1項に記載の方法。
【0050】
39.COL6A3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様32~38のいずれか1項に記載の方法。
【0051】
40.CST3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様32~39のいずれか1項に記載の方法。
【0052】
41.TNFRSF1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様32~40のいずれか1項に記載の方法。
【0053】
42.
a)ヒト対象由来の試料中のCOL28A1及びUBE2G2のレベルを測定し、
b)前記COL28A1及びUBE2G2のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0054】
43.
a)ヒト対象由来の試料中のCOL28A1及びREG1Bのレベルを測定し、
b)前記COL28A1及びREG1Bのレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0055】
44.
a)ヒト対象由来の試料中のUBE2G2及びREG1Bのレベルを測定し、
b)前記UBE2G2及びREG1Bのレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0056】
45.HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様42~44のいずれか1項に記載の方法。
【0057】
46.FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様42~45のいずれか1項に記載の方法。
【0058】
47.RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様42~46のいずれか1項に記載の方法。
【0059】
48.REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様42~47のいずれか1項に記載の方法。
【0060】
49.COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様42~48のいずれか1項に記載の方法。
【0061】
50.CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様42~49のいずれか1項に記載の方法。
【0062】
51.TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様42~50のいずれか1項に記載の方法。
【0063】
52.前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、態様42~51のいずれか1項に記載の方法。
【0064】
53.
a)ヒト対象由来の試料を3種の捕捉試薬に接触させ、その場合、前記3種の捕捉試薬のそれぞれが、COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bから選択されるタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記3種の捕捉試薬を用いて各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0065】
54.HAVCR1タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様53に記載の方法。
【0066】
55.FSTL3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様53または54に記載の方法。
【0067】
56.RGMBタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様53~55のいずれか1項に記載の方法。
【0068】
57.REG1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様53~56のいずれか1項に記載の方法。
【0069】
58.COL6A3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様53~57のいずれか1項に記載の方法。
【0070】
59.CST3タンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様53~58のいずれか1項に記載の方法。
【0071】
60.TNFRSF1Aタンパク質に対する親和性を有する捕捉試薬を用いて前記TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様53~59のいずれか1項に記載の方法。
【0072】
61.
a)ヒト対象由来の試料中のCOL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのレベルを測定し、
b)前記COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対リスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0073】
62.HAVCR1タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様61に記載の方法。
【0074】
63.FSTL3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様61または62に記載の方法。
【0075】
64.RGMBタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様61~63のいずれか1項に記載の方法。
【0076】
65.REG1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様61~64のいずれか1項に記載の方法。
【0077】
66.COL6A3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様61~65のいずれか1項に記載の方法。
【0078】
67.CST3タンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様61~66のいずれか1項に記載の方法。
【0079】
68.TNFRSF1Aタンパク質のレベルを測定することをさらに含む、態様61~67のいずれか1項に記載の方法。
【0080】
69.前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、態様61~68のいずれか1項に記載の方法。
【0081】
70.
a)ヒト対象由来の試料中のHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0082】
71.前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、態様70に記載の方法。
【0083】
72.前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、態様70または71に記載の方法。
【0084】
73.前記方法が、HAVCR1、FSTL3、及びRGMB;HAVCR1、FSTL3、及びCOL28A1;HAVCR1、FSTL3、及びUBE2G2;HAVCR1、FSTL3、及びREG1A;HAVCR1、FSTL3、及びREG1B;HAVCR1、FSTL3、及びCOL6A3;HAVCR1、FSTL3、及びCST3;HAVCR1、FSTL3、及びTNFRSF1;HAVCR1、RGMB、及びCOL28A1;HAVCR1、RGMB、及びUBE2G2;HAVCR1、RGMB、及びREG1A;HAVCR1、RGMB、及びREG1B;HAVCR1、RGMB、及びCOL6A3;HAVCR1、RGMB、及びCST3;HAVCR1、RGMB、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL28A1、及びUBE2G2;HAVCR1、COL28A1、及びREG1A;HAVCR1、COL28A1、及びREG1B;HAVCR1、COL28A1、及びCOL6A3;HAVCR1、COL28A1、及びCST3;HAVCR1、COL28A1、及びTNFRSF1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1B;HAVCR1、UBE2G2、及びCOL6A3;HAVCR1、UBE2G2、及びCST3;HAVCR1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1A、及びREG1B;HAVCR1、REG1A、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1A、及びCST3;HAVCR1、REG1A、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1B、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1B、及びCST3;HAVCR1、REG1B、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL6A3、及びCST3;HAVCR1、COL6A3、及びTNFRSF1A;HAVCR1、CST3、及びTNFRSF1A;FSTL3、RGMB、及びCOL28A1;FSTL3、RGMB、及びUBE2G2;FSTL3、RGMB、及びREG1A;FSTL3、RGMB、及びREG1B;FSTL3、RGMB、及びCOL6A3;FSTL3、RGMB、及びCST3;FSTL3、RGMB、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL28A1、及びUBE2G2;FSTL3、COL28A1、及びREG1A;FSTL3、COL28A1、及びREG1B;FSTL3、COL28A1、及びCOL6A3;FSTL3、COL28A1、及びCST3;FSTL3、COL28A1、及びTNFRSF1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1B;FSTL3、UBE2G2、及びCOL6A3;FSTL3、UBE2G2、及びCST3;FSTL3、UBE2G2、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1A、及びREG1B;FSTL3、REG1A、及びCOL6A3;FSTL3、REG1A、及びCST3;FSTL3、REG1A、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1B、及びCOL6A3;FSTL3、REG1B、及びCST3;FSTL3、REG1B、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL6A3、及びCST3;FSTL3、COL6A3、及びTNFRSF1A;FSTL3、CST3、及びTNFRSF1A;RGMB、COL28A1、及びUBE2G2;RGMB、COL28A1、及びREG1A;RGMB、COL28A1、及びREG1B;RGMB、COL28A1、及びCOL6A3;RGMB、COL28A1、及びCST3;RGMB、COL28A1、及びTNFRSF1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1B;RGMB、UBE2G2、及びCOL6A3;RGMB、UBE2G2、及びCST3;RGMB、UBE2G2、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1A、及びREG1B;RGMB、REG1A、及びCOL6A3;RGMB、REG1A、及びCST3;RGMB、REG1A、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1B、及びCOL6A3;RGMB、REG1B、及びCST3;RGMB、REG1B、及びTNFRSF1A;RGMB、COL6A3、及びCST3;RGMB、COL6A3、及びTNFRSF1A;RGMB、CST3、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;COL28A1、CST3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、CST3、及びTNFRSF1A;REG1A、REG1B、及びCOL6A3;REG1A、REG1B、及びCST3;REG1A、REG1B、及びTNFRSF1A;REG1A、COL6A3、及びCST3;REG1A、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1A、CST3、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1B、CST3、及びTNFRSF1A;またはCOL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様70~72のいずれか1項に記載の方法。
【0085】
74.COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのうちの1種以上を測定することをさらに含む、態様70~73のいずれか1項に記載の方法。
【0086】
75.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、対象由来の試料中のHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される3、4、5、6、7、8、9、または10種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いてタンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0087】
76.前記捕捉試薬のセットが、アプタマー、抗体、及びアプタマーと抗体の組み合わせから選択される、態様75に記載の方法。
【0088】
77.前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、態様75に記載の方法。
【0089】
78.前記方法が、HAVCR1、FSTL3、及びRGMB;HAVCR1、FSTL3、及びCOL28A1;HAVCR1、FSTL3、及びUBE2G2;HAVCR1、FSTL3、及びREG1A;HAVCR1、FSTL3、及びREG1B;HAVCR1、FSTL3、及びCOL6A3;HAVCR1、FSTL3、及びCST3;HAVCR1、FSTL3、及びTNFRSF1;HAVCR1、RGMB、及びCOL28A1;HAVCR1、RGMB、及びUBE2G2;HAVCR1、RGMB、及びREG1A;HAVCR1、RGMB、及びREG1B;HAVCR1、RGMB、及びCOL6A3;HAVCR1、RGMB、及びCST3;HAVCR1、RGMB、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL28A1、及びUBE2G2;HAVCR1、COL28A1、及びREG1A;HAVCR1、COL28A1、及びREG1B;HAVCR1、COL28A1、及びCOL6A3;HAVCR1、COL28A1、及びCST3;HAVCR1、COL28A1、及びTNFRSF1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1A;HAVCR1、UBE2G2、及びREG1B;HAVCR1、UBE2G2、及びCOL6A3;HAVCR1、UBE2G2、及びCST3;HAVCR1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1A、及びREG1B;HAVCR1、REG1A、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1A、及びCST3;HAVCR1、REG1A、及びTNFRSF1A;HAVCR1、REG1B、及びCOL6A3;HAVCR1、REG1B、及びCST3;HAVCR1、REG1B、及びTNFRSF1A;HAVCR1、COL6A3、及びCST3;HAVCR1、COL6A3、及びTNFRSF1A;HAVCR1、CST3、及びTNFRSF1A;FSTL3、RGMB、及びCOL28A1;FSTL3、RGMB、及びUBE2G2;FSTL3、RGMB、及びREG1A;FSTL3、RGMB、及びREG1B;FSTL3、RGMB、及びCOL6A3;FSTL3、RGMB、及びCST3;FSTL3、RGMB、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL28A1、及びUBE2G2;FSTL3、COL28A1、及びREG1A;FSTL3、COL28A1、及びREG1B;FSTL3、COL28A1、及びCOL6A3;FSTL3、COL28A1、及びCST3;FSTL3、COL28A1、及びTNFRSF1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1A;FSTL3、UBE2G2、及びREG1B;FSTL3、UBE2G2、及びCOL6A3;FSTL3、UBE2G2、及びCST3;FSTL3、UBE2G2、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1A、及びREG1B;FSTL3、REG1A、及びCOL6A3;FSTL3、REG1A、及びCST3;FSTL3、REG1A、及びTNFRSF1A;FSTL3、REG1B、及びCOL6A3;FSTL3、REG1B、及びCST3;FSTL3、REG1B、及びTNFRSF1A;FSTL3、COL6A3、及びCST3;FSTL3、COL6A3、及びTNFRSF1A;FSTL3、CST3、及びTNFRSF1A;RGMB、COL28A1、及びUBE2G2;RGMB、COL28A1、及びREG1A;RGMB、COL28A1、及びREG1B;RGMB、COL28A1、及びCOL6A3;RGMB、COL28A1、及びCST3;RGMB、COL28A1、及びTNFRSF1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1A;RGMB、UBE2G2、及びREG1B;RGMB、UBE2G2、及びCOL6A3;RGMB、UBE2G2、及びCST3;RGMB、UBE2G2、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1A、及びREG1B;RGMB、REG1A、及びCOL6A3;RGMB、REG1A、及びCST3;RGMB、REG1A、及びTNFRSF1A;RGMB、REG1B、及びCOL6A3;RGMB、REG1B、及びCST3;RGMB、REG1B、及びTNFRSF1A;RGMB、COL6A3、及びCST3;RGMB、COL6A3、及びTNFRSF1A;RGMB、CST3、及びTNFRSF1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1A;COL28A1、UBE2G2、及びREG1B;COL28A1、UBE2G2、及びCOL6A3;COL28A1、UBE2G2、及びCST3;COL28A1、UBE2G2、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1A、及びREG1B;COL28A1、REG1A、及びCOL6A3;COL28A1、REG1A、及びCST3;COL28A1、REG1A、及びTNFRSF1A;COL28A1、REG1B、及びCOL6A3;COL28A1、REG1B、及びCST3;COL28A1、REG1B、及びTNFRSF1A;COL28A1、COL6A3、及びCST3;COL28A1、COL6A3、及びTNFRSF1A;COL28A1、CST3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1A、及びREG1B;UBE2G2、REG1A、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1A、及びCST3;UBE2G2、REG1A、及びTNFRSF1A;UBE2G2、REG1B、及びCOL6A3;UBE2G2、REG1B、及びCST3;UBE2G2、REG1B、及びTNFRSF1A;UBE2G2、COL6A3、及びCST3;UBE2G2、COL6A3、及びTNFRSF1A;UBE2G2、CST3、及びTNFRSF1A;REG1A、REG1B、及びCOL6A3;REG1A、REG1B、及びCST3;REG1A、REG1B、及びTNFRSF1A;REG1A、COL6A3、及びCST3;REG1A、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1A、CST3、及びTNFRSF1A;REG1B、COL6A3、及びCST3;REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1A;REG1B、CST3、及びTNFRSF1A;またはCOL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aを測定することを含む、態様75~77のいずれか1項に記載の方法。
【0090】
79.COL28A1、UBE2G2、及びREG1Bのうちの1種以上を測定することをさらに含む、態様75~78のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
80.
a)ヒト対象由来の試料中のHAVCR1タンパク質のレベル、ならびにFSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記HAVCR1のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0092】
81.
a)ヒト対象由来の試料中のFSTL3タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記FSTL3のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0093】
82.
a)ヒト対象由来の試料中のRGMBタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記RGMBのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0094】
83.
a)ヒト対象由来の試料中のREG1Aタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記REG1Aのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0095】
84.
a)ヒト対象由来の試料中のCOL6A3タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記COL6A3のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0096】
85.
a)ヒト対象由来の試料中のCST3タンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記CST3のレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0097】
86.
a)ヒト対象由来の試料中のTNFRSF1Aタンパク質のレベル、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びCST3からなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルを測定し、
b)前記TNFRSF1Aのレベル及び前記少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質のレベルに基づいて4年の期間内に進行性の慢性腎不全を発症する相対的なリスクを有するものとして前記ヒト対象を識別することを含む方法。
【0098】
87.前記測定を、質量分析、アプタマーベースのアッセイ、及び/または抗体ベースのアッセイを使用して実施する、態様80~86のいずれか1項に記載の方法。
【0099】
88.前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、態様80~87のいずれか1項に記載の方法。
【0100】
89.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、HAVCR1タンパク質、ならびにFSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0101】
90.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、FSTL3タンパク質、ならびにHAVCR1、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0102】
91.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、RGMBタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0103】
92.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、REG1Aタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0104】
93.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、COL6A3タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、CST3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0105】
94.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、CST3タンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びTNFRSF1Aからなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0106】
95.
a)ヒト対象由来の試料を、捕捉試薬のセットと接触させ、その場合、各捕捉試薬が、TNFRSF1Aタンパク質、ならびにHAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、及びCST3からなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9種のタンパク質を含むタンパク質のセットの様々なタンパク質に対して親和性を有し、
b)前記捕捉試薬のセットを用いて前記タンパク質のセットの各タンパク質のレベルを測定することを含む方法。
【0107】
96.前記捕捉試薬のセットが、アプタマー、抗体、及びアプタマーと抗体の組み合わせから選択される、態様89~95のいずれか1項に記載の方法。
【0108】
97.前記試料が、血液、血漿、血清、または尿から選択される、態様89~96のいずれか1項に記載の方法。
【0109】
98.さらに、測定した前記各タンパク質のレベルに基づいて、前記対象を、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクが高いと識別することを含む、態様16~27、32~41、53~60、75~79、及び89~97のいずれか1項に記載の方法。
【0110】
99.前記4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクが、統計モデルにおいて測定された各タンパク質のレベルの入力に基づく、態様1~15、28~31、42~52、61~74、80~88、及び98のいずれか1項に記載の方法。
【0111】
100.前記モデルが線形回帰モデルである、態様99に記載の方法。
【0112】
101.前記モデルが、0.65、0.7、0.75、0.77、またはそれ以上から選択される曲線下領域(AUC)を有する、態様99または100に記載の方法。
【0113】
102.前記モデルが、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症することに関するバイナリ予測及び/または相対リスク予測を提供する、態様99~101のいずれか1項に記載の方法。
【0114】
103.前記モデルが、HAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択される各タンパク質のレベルに基づく、態様99~102のいずれか1項に記載の方法。
【0115】
104.前記モデルが、確率カットポイントXによるバイナリ予測を提供し、その場合、X<0.3、0.31、0.32、0.32、0.33、0.34、0.35、または0.3533が、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症するリスクがないものと予測し、X≧0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、または0.3533が、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症するリスクがあるものと予測する、態様103に記載の方法。
【0116】
105.前記進行性慢性腎不全を発症するリスクが、推定糸球体濾過率(eGFR)の50%の低下、人工透析が必要であるという診断、eGFR<15ml/分/1.73m2の発生、末期腎臓病(ESRD)の発症、及び腎移植が必要であるという診断から選択される事象のリスクを示す、態様104に記載の方法。
【0117】
106.前記モデルが、HAVCR1、FSTL3、RGMB、COL28A1、UBE2G2、REG1A、REG1B、COL6A3、CST3、及びTNFRSF1Aから選択される各タンパク質のレベルに基づき、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスク予測を提供する、態様103に記載の方法。
【0118】
107.測定した前記各タンパク質のレベルを、相対蛍光単位(RFU)またはタンパク質濃度から決定する、態様98に記載の方法。
【0119】
108.前記モデルが、4年以内に進行性慢性腎不全を発症する相対リスクを提供する、態様103に記載の方法。
【0120】
109.前記相対リスクが、軽度及び重度から選択される、態様103に記載の方法。
【0121】
110.前記相対リスクが確率計算である、態様103に記載の方法。
【0122】
111.前記相対リスクが、4年の期間内に進行性慢性腎不全を発症することを予測するために使用される値の範囲である、態様103に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図1】臨床パラメータに基づくCKD患者の末期腎臓病の発症の予測を示す。G1~G5は、CKDのステージ1~5に対応する。
図2】トレーニングデータにおいて相対リスク五分位点によって観察された事象率の95%CIを示す。
図3】真のPCRIクラスによってソートされた予測される相対リスクの箱ひげ図を示す。リスクビンの境界を破線で示す。
図4】本明細書に記載の様々なコンピュータ実装方法と共に使用するための例示的コンピュータシステムを示す。
図5】一実施形態による腎不全のリスクの評価方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0124】
本発明の代表的な実施形態についてこれから詳細に言及する。本発明を、列挙する実施形態と共に説明するが、これによって本発明がそれらの実施形態に限定されることを意図するものではないことは理解されたい。それとは逆に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に包含され得るすべての代替案、修正、及び均等物を網羅するように意図されている。
【0125】
当業者であれば、本発明の実施に使用することができ、かつその範囲内である本明細書に記載の方法及び材料と同様または同等の多くの方法及び材料を認識するであろう。本発明は、決して記載される方法及び材料に限定されるものではない。
【0126】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載の方法、装置、及び材料と同様または同等のいずれの方法、装置、及び材料も本発明の実施または検査に使用することができるが、好ましい方法、装置、及び材料についてこれから説明する。
【0127】
本出願中に引用されるすべての刊行物、公開特許文献、及び特許出願は、本出願が関係する技術分野(複数可)の技術レベルを示す。本明細書中に引用されるすべての刊行物、公開特許文献、及び特許出願は、あたかも各個別の刊行物、公開特許文献、または特許出願が参照により本明細書に援用されることが具体的かつ個別に示されているかのと同程度に、参照により本明細書に援用される。
【0128】
添付の特許請求の範囲を含む本出願で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数参照を含み、「少なくとも1つ」及び「1つ以上」と同義に使用される。したがって、「SOMAmer」の言及にはSOMAmerの混合物が含まれ、「プローブ」への言及にはプローブの混合物が含まれる、などのようになる。
【0129】
本明細書で使用される場合、用語「約」とは、数値が関連する品目の基本的な機能が変化しないような数値のわずかな変更または変動を表す。
【0130】
本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、及びそれらの任意の変形は、ある要素または要素の一覧を備える、含む、または含有するプロセス、方法、プロセスによる産物、または組成物が、それらの要素のみならず、明確に列記されていないか、またはかかるプロセス、方法、プロセスによる産物、もしくは組成物に内在する他の要素も含み得るように、非排他的な包含を網羅するよう意図されている。
【0131】
本出願には、4年間などの規定の期間内の腎不全のリスクを予測するためのバイオマーカー、方法、装置、試薬、システム、及びキットが含まれる。
【0132】
「進行性慢性腎不全」または「PCRI」または「腎不全」とは、検査結果から時間枠内で以下のうちの少なくとも1つの発生によって定義される分類エンドポイント(所与の時間枠内でのyes/no)として扱われる複合エンドポイントを意味する:
・ 推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下
・ 人工透析が必要であるという診断、
・ eGFR<15ml/分/1.73mの発生、
・ 末期腎臓病(ESRD)の発症、または
・ 腎移植が必要であるという診断。
【0133】
「末期腎臓病」または「ESRD」とは、以下の条件の少なくとも1つが満たされることを意味する:糸球体濾過率が15ml/分/1.73m未満であるか、慢性腎臓透析が必要であるか、または腎移植が必要である。
【0134】
「相対リスク」とは、所与の時間枠内での、参照集団における平均リスクと比較したPCRIの発症リスクを意味する。相対リスクの範囲は0.01~3.24である。一態様では、相対リスクを計算することができる
【数1】
式中、pは、個体が4年以内にPCRIを発症する確率であり、qは、トレーニングコホートにおけるベースライン個体についての確率である。
【0135】
「生体試料」「試料」、及び「検査試料」は、本明細書では同じ意味で使用され、個体から得られた、またはそうでなければ個体に由来する任意の材料、生体体液、組織、または細胞を指す。これには、血液(全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、血漿、及び血清を含む)、乾燥血液スポット(例えば、乳幼児から得られた)、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、呼気、尿、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、膵液、リンパ液、胸水、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、ならびに脳脊髄液が挙げられる。これには、前述のすべての実験的に分離された画分も挙げられる。例えば、血液試料は、血清、血漿、または特定の種類の血液細胞、例えば、赤血球または白血球(leukocyte)を含有する画分に分画され得る。所望により、試料は、個体由来の試料の組み合わせ、例えば、組織及び液体試料の組み合わせであり得る。用語「生体試料」には、例えば、便試料、組織試料、または組織生検などに由来する均質化された固体物質を含有する物質も含まれる。用語「生体試料」には、組織培養物または細胞培養物由来の物質も含まれる。生体試料を採取するための任意の好適な方法を用いることができ、例示的な方法としては、例えば、静脈切開、スワブ(例えば、頬スワブ)、及び穿刺吸引細胞診手順が挙げられる。穿刺吸引が可能な例示的な組織としては、リンパ節、肺、肺洗浄液、BAL(気管支肺胞洗浄液)、甲状腺、乳房、膵臓、及び肝臓が挙げられる。試料を、例えば、顕微解剖(例えば、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)もしくはレーザーマイクロダイセクション(LMD))、膀胱洗浄、塗抹(例えばPAP塗抹)、または管洗浄によっても回収することができる。個体から得られる、または個体に由来する「生体試料」としては、個体から得られた後に任意の好適な方法で処理されている任意のそのような試料が挙げられる。
【0136】
さらに、生体試料は、多数の個体から生体試料を採取してプールすることによって、または各個体の生体試料のアリコートをプールすることによって得ることができることを理解すべきである。プールした試料を、単一の個体由来の試料として処理することができ、プールされた試料において腎不全のリスクの増大または低下が確認された場合には、それぞれの個々の生体試料を再検査して、どの個体で腎不全のリスクが増大または低下したのかを判別することができる。
【0137】
上述のように、生体試料は尿であり得る。尿試料は、血液または血清の試料に比べて一定の利点をもたらす。静脈穿刺による血液または血漿試料の採取は、望ましい以上に複雑であり、可変容量をもたらし得、患者にとって懸念となり得、感染のリスクをいくらか(低く)伴う。また、瀉血には熟練した人材が必要である。尿試料の採取が簡単であるため、本発明の方法をより広範に適用することができる。
【0138】
本明細書の目的上、語句「個体由来の生体試料に帰属するデータ」とは、個体の生体試料に由来するか、または個体の生体試料を使用して生成された何らかの形式のデータを意味することを意図している。データは、生成された後に、再フォーマットされていてもよく、修正されていてもよく、またはある測定系での単位から別の測定系での単位への変換などによりある程度まで数値が変更されていてもよいが、データは、生体試料から得られたか、またはそれを使用して生成されたものと理解される。
【0139】
「標的」、「標的分子」、及び「分析物」は、本明細書中で同じ意味で使用され、生体試料中に存在し得る任意の関心対象の分子を指す。「関心対象の分子」は、特定の分子の任意の軽微な変化、例えば、タンパク質の場合、例えば、アミノ酸配列、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化における軽微な変化、または他の任意の操作もしくは改変、例えば、標識成分とのコンジュゲーションを含み、これらは分子の同一性を実質的に変化させない。「標的分子」、「標的」、または「分析物」とは、1種類または1種の分子または多分子構造の1組の複製物である。「標的分子」、「標的」、及び「分析物」とは、複数のそのような分子のセットを指す。例示的な標的分子としては、タンパク質、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖類、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、アフィボディ、抗体ミメティック、ウイルス、病原体、毒性物質、基質、代謝産物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬物、色素、栄養素、増殖因子、細胞、組織、及び前述のうちのいずれかの任意の断片または部分が挙げられる。
【0140】
本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、本明細書中では同じ意味で使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、直鎖状であっても分岐状であってもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、非アミノ酸によって中断されていてもよい。これらの用語は、自然に、または介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、もしくは任意の他の操作または修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲーションにより修飾されたアミノ酸ポリマーも包含する。例えば、アミノ酸(例えば、非天然アミノ酸等を含む)の1つ以上の類似体を含有するポリペプチド、及び当技術分野で公知の他の修飾もこの定義に含まれる。ポリペプチドは、単鎖、または会合した鎖であり得る。この定義には、タンパク質前駆体及びインタクトな成熟タンパク質、成熟タンパク質に由来するペプチドまたはポリペプチド、タンパク質の断片、スプライスバリアント、組換え型タンパク質、アミノ酸の修飾、欠失、または置換を有するタンパク質バリアント、消化物、ならびにグリコシル化、アセチル化、リン酸化などの翻訳後修飾も含まれる。
【0141】
本明細書で使用される場合、「マーカー」及び「バイオマーカー」及び「特徴」は、同じ意味で使用され、個体における正常もしくは異常なプロセス、または個体における疾患もしくは他の病態を示すか、またはその徴候である標的分子を指す。より具体的には、「マーカー」または「バイオマーカー」または「特徴」とは、正常か異常か、そして異常である場合には慢性か急性かにかかわらず、特定の生理学的状態またはプロセスの存在に関連する解剖学的、生理学的、生化学的、または分子的パラメータである。バイオマーカーは、実験室のアッセイ及び医学画像などの種々の方法により検出及び測定が可能である。バイオマーカーがタンパク質である場合、生体試料中の対応するタンパク質バイオマーカーの量もしくは存在の有無、またはバイオマーカーをコードする遺伝子もしくはバイオマーカーの発現を制御するタンパク質のメチル化状態の代替的尺度として、対応する遺伝子の発現を使用することもできる。特定の態様では、特徴は、統計モデルにおける他の予測因子の分析物/SOMAmer試薬である。
【0142】
本明細書で使用する場合、「バイオマーカー値」、「値」、「バイオマーカーレベル」、「特徴レベル」、及び「レベル」は、同じ意味で使用され、生体試料中のバイオマーカーを検出するための任意の分析法を使用して得られ、生体試料中のバイオマーカーの、生体試料中のバイオマーカーに関する、または生体試料中のバイオマーカーに対応する、存在、非存在、絶対量または濃度、相対量または濃度、力価、レベル、発現レベル、測定レベルの比率などを示す測定値を指す。「値」または「レベル」の正確な性質は、バイオマーカーを検出するために用いられる具体的な設計及び特定の分析法の構成要素に依存する。
【0143】
バイオマーカーが、個体における異常なプロセスまたは疾患もしくは他の病態の徴候を示すか、または徴候である場合、そのバイオマーカーは、一般的に、個体における通常のプロセスまたは疾患もしくは他の病態の欠如の徴候を示すか、または徴候であるバイオマーカーの発現のレベルまたは値と比較して、過剰発現または過小発現のいずれかであると記載される。「上方制御」、「上方制御された」、「過剰発現」、「過剰発現した」、及びこれらの任意の変形形態は、同じ意味で使用され、健康な個体または正常な個体由来の同様の生体試料において通常検出されるバイオマーカーの値もしくはレベル(または値もしくはレベルの範囲)を上回る、生体試料中のバイオマーカーの値またはレベルを指す。この用語はまた、特定の疾患の異なる段階で検出され得るバイオマーカーの値もしくはレベル(または値もしくはレベルの範囲)を上回る、生体試料中のバイオマーカーの値もしくはレベルを指し得る。
【0144】
「下方制御」、「下方制御された」、「過小発現」、「過小発現された」、及びそれらの任意の変化形は、同じ意味で使用され、健常または正常な個体由来の類似の生体試料で通常検出されるバイオマーカーの値もしくはレベル(または値もしくはレベルの範囲)を下回る、生体試料中のバイオマーカーの値またはレベルを指す。この用語はまた、特定の疾患の異なる段階で検出され得るバイオマーカーの値もしくはレベル(または値もしくはレベルの範囲)を下回る、生体試料中のバイオマーカーの値またはレベルを指し得る。
【0145】
さらに、過剰発現しているか、または過小発現しているかのいずれかであるバイオマーカーはまた、個体における正常なプロセスまたは疾患もしくは他の病態の非存在を示すか、またはその徴候であるバイオマーカーの「正常な」発現レベルまたは値と比較して、「示差的に発現している」または「示差的なレベル」もしくは「示差的な値」を有するとも称され得る。したがって、バイオマーカーの「示差的発現」は、バイオマーカーの「正常な」発現レベルからの変動とも称され得る。
【0146】
用語「示差的遺伝子発現」及び「示差的発現」は、同じ意味で使用され、特定の疾患または病態に罹患している対象において、正常または対照の対象におけるその発現と比較して、発現がより高いか、またはより低いレベルまで活性化される遺伝子(またはその対応するタンパク質発現産物)を指す。この用語には、同じ疾患または病態の異なる段階において、その発現がより高いかまたは低いレベルまで活性化される遺伝子(または対応するタンパク質発現産物)も含まれる。示差的に発現する遺伝子はまた、核酸レベルまたはタンパク質レベルで活性化もしくは阻害され得るか、または選択的スプライシングを受けて異なるポリペプチド産物を生じ得ることも理解される。そのような差異は、mRNAレベル、表面発現、分泌、またはポリペプチドの他の分割を含む様々な変化によって示され得る。示差的な遺伝子発現には、2つ以上の遺伝子もしくはその遺伝子産物の間の発現の比較、または2つ以上の遺伝子もしくはその遺伝子産物の間の発現の比の比較、またはさらに、正常な対象と疾患に罹患している対象との間で、もしくは同じ疾患の様々な段階の間で異なる2つの異なったプロセシングを受けた同じ遺伝子産物の比較が含まれ得る。示差的発現には、例えば、正常細胞と罹患細胞、または異なる疾患事象もしくは疾患の段階を経ている細胞の間の、遺伝子またはその発現産物における時間的または細胞の発現パターンにおける定量的及び定性的な差異の両方が含まれる。
【0147】
本明細書中で使用する場合、「個体」とは、被験対象または患者を指す。個体は、哺乳類または非哺乳類であり得る。様々な実施形態において、個体は哺乳類である。哺乳類の個体は、ヒトまたは非ヒトであり得る。様々な実施形態では、個体はヒトである。健康または正常な個体とは、目的の疾患または病態(例えば、腎不全を含む)が従来の診断方法によって検出されない個体である。
【0148】
「診断する」、「診断すること」、「診断」、及びこれらのバリエーションは、個体に関連する1つ以上の徴候、症状、データ、または他の情報に基づいてその個体の健康状態または状態を検出、定量、または認識することを指す。個体の健康状態は、健康/正常(すなわち、疾患もしくは病態の非存在の診断)または病気/異常(すなわち、疾患もしくは状態の存在の診断もしくは特徴の評価)として診断され得る。用語「診断する」、「診断すること」、「診断」などは、特定の疾患または病態に関して、疾患の初期検出、疾患の特徴決定または分類、疾患の進行、寛解、または再発の検出、及び個体に処置または治療を施した後の疾患応答の検出を包含する。腎不全のリスクの予測は、腎不全のリスクが上昇している個体とそうでない個体を区別することを含む。
【0149】
「予後予測する」、「予後予測すること」、「予後予測」、及びそれらの変化形は、疾患または病態を有する個体における疾患または病態の将来の経過の予測(例えば、患者の生存率を予測すること)を指し、そのような用語は、個体に処置または治療を施した後の疾患または病態の応答を評価することを包含する。
【0150】
「評価する」、「評価すること」、「評価」、及びそれらの変化形は、「診断」及び「予後予測」の両方を包含し、疾患を有さない個体における疾患または病態の将来の経過についての決定または予測、及び明らかに疾患が治癒したか、または病態が消退した個体において疾患もしくは病態が再発するリスクに関する決定または予測も包含する。用語「評価する」はまた、治療に対する個体の応答を評価すること、例えば、個体が治療薬に好都合に応答する可能性があるか、または治療薬に応答する可能性がないか(または例えば、毒性もしくは他の望ましくない副作用を受けること)を予測すること、個体に投与するための治療薬を選択すること、または個体に投与している治療薬に対する個体の応答をモニタリングまたは判定することを含む。このため、腎不全リスクの「評価」には、例えば、以下のうちのいずれかが含まれ得る:個体における将来の腎不全リスクの予測、見かけ上、腎不全の問題がないと思われる個体における腎不全リスクの予測、あるいは個体の生体試料に由来するバイオマーカー値の測定に基づいた腎不全治療に対する個体の応答の判定もしくは予測、または個体に投与する腎不全治療の選択。腎不全のリスクの評価は、例えば、連続的尺度での腎不全のリスクの評価、または段階的に上昇する分類での腎不全のリスクの分類などの実施形態を含み得る。リスクの分類としては、例えば、「腎不全のリスク上昇なし」、「腎不全のリスク上昇あり」などの2つ以上の分類に分類することが挙げられる。腎不全のリスクの評価は、所定の期間に対して行われ、そのような期間は、例えば4年間であり得る。
【0151】
本明細書で使用する場合、「追加の生物医学的情報」は、腎不全のリスクに関連する、本明細書に記載されるバイオマーカーのいずれか以外を使用した、個体の1つ以上の評価を指す。「追加の生物医学的情報」には、個体の身長及び/または体重を含む個体の身体的記述、個体の年齢、個体の性別、体重の変化、個体の民族性、職歴、腎不全の家族歴、個体における腎不全のリスクが高い遺伝学的マーカー(複数可)の存在、臨床症状、例えば、腹痛、体重増加、または遺伝子発現値の喪失、放射線画像検査で観察される身体的記述を含む個体の身体的記述、喫煙状況、アルコール飲用歴、職歴、食習慣-塩分、飽和脂肪、及びコレステロール摂取量、カフェイン消費量、ならびに画像検査情報のいずれかが含まれる。バイオマーカーレベルの検査と、他の臨床検査が含まれる任意の追加の生物医学的情報の評価との組み合わせは、例えば、バイオマーカー検査のみまたは追加の生物医学的情報のうちの任意の特定項目の評価のみ(例えば、頸動脈内膜厚のイメージングのみ)と比較して、腎不全予測の感度、特異性、及び/またはAUCを改善し得る。追加の生物医学的情報は、当技術分野で公知の定型的な技術を使用して個体から、例えば、定型的な患者質問表または健康歴質問表などを使用して個体自身から取得され得るか、または医療従事者などから取得され得る。バイオマーカーレベルの検査と任意の追加の生物医学的情報の評価との組み合わせは、例えば、バイオマーカー検査のみまたは追加の生物医学的情報のうちの任意の特定項目の評価のみ(例えば、CTイメージングのみ)と比較して、腎不全の予測について感度、特異性、及び/または閾値を改善し得る。
【0152】
本明細書で使用する場合、バイオマーカー値に関して「検出する」または「決定する」は、バイオマーカー値に対応するシグナルを観察及び記録するために必要とされる機器、ならびにそのシグナルを生成するために必要とされる物質/物質(複数)の両方の使用を含む。様々な実施形態において、バイオマーカー値を、蛍光、化学発光、表面プラズモン共鳴、表面弾性波、質量分析、赤外分光法、ラマン分光法、原子間力顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、電気化学的な検出方法、核磁気共鳴、量子ドットなどが含まれる任意の好適な方法を使用して検出する。
【0153】
本明細書において、「固体支持体」とは、分子が共有結合または非共有結合のいずれかにより直接または間接的に結合され得る表面を有する任意の基質を指す。「固体支持体」は、種々の物理的形態を有し得、これには、例えば、メンブレン;チップ(例えば、タンパク質チップ);スライド(例えば、スライドガラスまたはカバーガラス);カラム;中空の、固体の、半固体の、孔または空洞を有する粒子、例えば、ビーズ;ゲル;光ファイバー材料が含まれるファイバー;マトリックス;及び試料容器が挙げられ得る。例示的な試料容器としては、試料ウェル、チューブ、毛細血管、バイアル、及び他の任意の容器、試料を保持することができる溝またはくぼみが挙げられる。試料容器は、多試料プラットフォーム、例えば、マイクロタイタープレート、スライドガラス、マイクロ流体装置などに含まれ得る。支持体は、天然または合成材料、有機または無機材料から構成され得る。捕捉試薬が結合される固体支持体の組成は、一般的に、結合の方法(例えば、共有結合)に依存する。他の例示的な容器としては、アッセイ及び関連する操作がその中で行われ得る、微小液滴、マイクロ流体制御された、またはバルクの水中油型エマルジョンが挙げられる。好適な固体支持体としては、例えば、プラスチック、樹脂、多糖類、シリカまたはシリカベースの材料、官能化ガラス、変性ケイ素、炭素、金属、無機ガラス、メンブレン、ナイロン、天然繊維(例えば、絹、羊毛、及び綿)、ポリマーなどが挙げられる。固体支持体を構成する材料は、例えば、カルボキシ、アミノ、またはヒドロキシル基などの反応性基を含み得、これらは捕捉試薬の結合に使用される。ポリマー固体支持体としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレングリコールテトラフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデンフルオリド、ポリカーボネート、及びポリメチルペンテンが挙げられる。使用可能な好適な固体支持体粒子としては、例えば、コード化粒子、例えば、Luminex(登録商標)型のコード化粒子、磁気粒子、及びガラス粒子が挙げられる。
【0154】
本明細書で使用される場合、「最尤法による適応正規化」とは、部位の偏りを軽減するために分析物を正規化するプロセスを意味する。
【0155】
本明細書で使用される場合、「分析物」とは、捕捉試薬のタンパク質標的である。特定の態様では、捕捉試薬はアプタマーである。特定のさらなる態様では、捕捉試薬はSOMAmerである。
【0156】
本明細書で使用される場合、「Lin’s CCC」とは、新規の検査と、ゴールドスタンダードとみなされる既存の検査との一致を測定する一致性相関係数を意味する。
【0157】
本明細書で使用される場合、「試験」とは、検査を導出するために分析する試料及び臨床データのセットを意味する。
【0158】
本明細書で使用される場合、「トレーニングデータセット」とは、モデルのフィッティングに使用する試験由来のデータのサブセットを意味する。
【0159】
本明細書で使用される場合、「有効性検証データセット」とは、設計検証データセットに基づいて開発される最終モデルの性能を評価するために使用されるデータの最終サブセットを意味する。
【0160】
本明細書で使用される場合、「設計検証データセット」とは、モデルパラメータを調整する間にトレーニングデータセットへのモデルフィッティングの偏りのない評価を提供するために使用されるデータの別個のサブセットを意味する。
【0161】
本明細書で使用される場合、用語「必要とする」または「必要とされる」とは、患者の治療に関して、患者の健康状態に有益であるとヘルスケア提供者にみなされる、ヘルスケア提供者が下す判断を指す。
【0162】
一態様では、本明細書において、4年以内に以下のうちの少なくとも1つが発症することを予測するモデルを提供する客観的な腎臓病進行度検査を開示する:
(1)推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下
(2)人工透析が必要であるという診断、
(3)eGFR<15ml/分/1.73mの発生、
(4)末期腎臓病(ESRD)の発症、または
(5)腎移植が必要であるという診断。
【0163】
特定の態様では、条件(1)~(5)によって提供される複合エンドポイントは、分類エンドポイントとして扱われ(特定の時間枠内でのyes/no)、本明細書では進行性慢性腎不全(PCRI)と称される。特定の態様では、指定される時間枠は4年間である。
【0164】
特定の態様では、トレーニングデータセット(70%)、設計検証データセット(15%)、及び有効性検証データセット(15%)に分割した慢性腎不全コホート(CRIC)を用いて検査を開発した。
【0165】
CRICの成果は、200を超える査読済み刊行物となり、CKD進行の理解への有意な貢献がもたらされている。(Hannan M,Ansari S,Meza N,et al.Risk Factors for CKD Progression:Overview of Findings from the CRIC Study.Clin J Am Soc Nephrol 2020;11:07830520)。PCRI複合エンドポイントの成分は、慢性腎臓病の進行を説明する最も関連する臨床的特徴を含む。
【0166】
本明細書に開示される腎臓病の進行度検査は、表1に定義されている軽度~重度の慢性腎臓病と診断された成人の検査に有効である。
【0167】
特定の態様では、ロジスティック回帰モデルを10の特徴と共に開示し、PCRIの最適確率カット点は0.3533である(≧0.3533でPCRI=yes、0.3533でPCRI=no)。モデル出力は、参照集団における平均リスクと比較して、4年間でPCRIを発症させる相対リスク(RR)として報告され得る。RRの範囲は0.01~3.24である。
【0168】
特定の態様では、腎臓病進行度検査の最小性能要件は、CRICデータセットに適用される腎不全リスク式(KFRE)と少なくとも同等の曲線下面積(AUC)である(AUC=0.77、95%CI:0.75、0.78)。有効性検証は、AUC≧0.77の性能測定基準を上回る。
【0169】
特定の態様では、腎臓病進行度検査は、任意の段階の診断された慢性腎臓病の個々の患者にとっての医学的必要性に基づいた使用が意図されている。特定のさらなる態様では、結果は、4年以内に平均27%の割合で複合エンドポイントを経験する慢性腎臓病患者の参照集団に対する相対リスクとして報告される。特定の態様では、参照集団の年齢は23~75歳、CKDステージI~V(80%がステージIII~IV)、eGFR範囲は10.6~86.4ml/分/1.73mであり、報告される相対リスクは0.01~3.24の範囲であり得る。
【0170】
特定の態様では、腎臓病進行度検査を研究状況で適用し、4年以内のPCRIの発症を予測する。特定のさらなる態様では、研究状況において、ベネフィット及びリスクは、参加者のモニタリング、層別化、及び濃縮のための研究における意思決定に関連する。
【0171】
特定の態様では、EDTA血漿、慢性腎臓病と診断され、10.6~86.4ml/分/1.73mのeGFR範囲を有する個体由来の試料、及び23~75歳の北米在住の複数の人種/民族の個体由来の試料を使用して有効性検証を実施した。特定の態様では、試料マトリックスはヒトEDTA血漿である。
【0172】
リスク分析特性は、表4のように説明され得る。
【0173】
本明細書に開示する検査方法は、PCRIのリスクの評価及びモニタリングにおいて医療提供者に利便性を提供し、介入が末期腎臓病(ESRD)への進行を遅延または予防し得る場合、そのプロセスの早い段階でPCRIを発症するリスクがある患者を特定するのに役立つ。
【0174】
慢性腎不全コホート(CRIC)は、米国のCKD患者集団(約50%がステージ3a以降)における腎臓病の段階の分布と比較して、後期腎臓病の段階(85%がステージ3a以降)で濃縮される。このため、米国のCKD患者集団と比較すると、CRICではESRDの発症率が高い。精度を向上させるために、糖尿病などの併存症を含む健康状態、臨床病理学、臨床検査(例えば、eGFR及びアルブミン尿)腎画像化、及びESRDのリスクを評価し、誤った検査結果のリスクを軽減するための組織学を含むが、これらに限定されない追加の評価によって、本明細書に開示する検査を補足することができる。
【0175】
性能閾値は、KFREの性能に基づいて設定した。精度、感度、及び特異度を計算するが、性能要件の閾値の一部ではない。感度及び特異度は、カット点が受信者動作曲線上のどこに配置されるかに依存する。
【0176】
KFREは、ESRDへのCKD進行のリスクを予測するために臨床現場で一般的に使用される式である。この式は、CKDのすべての段階(ステージ1~5)の患者のコホートで有効性検証されている(Major RW,Shepherd D,Medcalf JF,et al.The Kidney Failure Risk Equation for prediction of end stage renal disease in UK primary care:An external validation and clinical impact projection cohort study.PLoS Med 2019;16:e1002955.doi:1002910.1001371/journal.pmed.1002955.eCollection 1002019 Nov.)ため、これをコホート全体に適用して、有効な比較を確認した。さらに、KFREの測定成分(eGFR及びタンパク尿)を使用して、CKDのすべての段階で腎機能を評価した(図1)。
【0177】
KFREを、KFREの開発に使用されたものと同等のCRIC集団のサブセットに適用した場合(すなわち、ステージ3a以上であり、結果としてESRDである)、0.83のAUCが得られ、これは、0.83であったKFREの初期開発から公開された有効性検証AUCに合致する。この結果は、検査したコホートにおけるこの式の性能が、公開された性能(他のコホートにおいて)と同等であることを示唆している。
【0178】
モデル性能要件(AUC≧0.77)は、完全なCRICデータセットにおけるKFRE(式1)の性能に基づいており、この性能には、疾患プロセスのより早期の個体、及び医学的介入が腎機能の喪失を遅延させ得る時点での進行のリスクがある個体を識別するための拡張されたエンドポイント定義が含まれる。
【0179】
開発されたKFRE式に対する検査の相互比較性を示すために、プロテオミクスモデルのAUCを分析し、KFREを開発するために最初に使用した集団と同等の集団及び結果のサブセットにおいてKFREを分析した(表6)。この分析は性能要件には関連していないが、本明細書では、腎不全予後検査が、KFRE式の導出に使用される集団内のKFRE、及びこの検査のために増殖させた意図する使用集団と同等であることを示すために提示する。
式1:腎不全リスク式
Pr(ESRD) = 100(1-0.924exp[(0.2694 (男性)-0.2167 (年齢/10)-0.55418 (eGFR/5) + 0.45608 (ln(24時間タンパク尿(mg/g))) + 2.96774]
式中、
Pr(ESRD) = 末期腎臓病の確率
eGFR = 推定糸球体濾過率(ml/分/1.73m
【0180】
一態様では、4年の期間内の腎不全のリスクを評価するために、単独でまたは様々な組み合わせで使用するための1つ以上のバイオマーカーを提供する。以下に詳細に記載するように、例示的な実施形態は、表8に示すバイオマーカーを含み、これらのバイオマーカーは、多重SOMAmerベースのアッセイを使用して同定された。
【0181】
好ましい実施形態では、このモデルは10個の特徴を有し(表8)、4年間のPCRIを予測する。モデルの出力は、CKDを有する平均的な人と比較した、PCRIの相対リスクである。RRの範囲は0.01~3.24である。有効性検証は、AUC≧0.77の性能測定基準を上回る。
【0182】
一実施形態では、バイオマーカーのサブセットまたはパネルに有用なバイオマーカーの数は、バイオマーカー値の特定の組み合わせに対する感度及び特異性の値に基づく。用語「感度」及び「特異性」とは、本明細書では、その生体試料中で検出された1つ以上のバイオマーカー値に基づいて、4年以内に腎不全に罹患するリスクが上昇しているものとして、または同じ期間内に腎不全に罹患する相対リスクが上昇していないものとして、個体を正確に分類する能力に関して使用される。「感度」とは、腎不全のリスクが上昇している個体を正しく分類することに関するバイオマーカー(複数可)の性能を示す。「特異性」とは、腎不全の相対リスクが上昇していない個体を正しく分類することに関するバイオマーカー(複数可)の性能を示す。
【0183】
別の方法では、臨床所見に基づいて決定された、腎不全の高リスク、中リスク、または低リスクの閾値と共に、スコアを連続的な範囲で報告してもよい。
【0184】
バイオマーカーのサブセットまたはパネルに使用されるバイオマーカーの数に影響を与え得る別の要因は、腎不全のリスクについて評価しようとしている個体から生体試料を採取するために使用する手順である。注意深く制御された試料調達環境では、所望の感度及び特異性及び/または閾値を満たすために必要なバイオマーカーの数は、試料の回収、取り扱い、及び保存に多くのバリエーションがあり得る状況よりも少なくなるだろう。
【0185】
バイオマーカーの例示的な使用
様々な例示的実施形態では、本明細書に記載の分析方法のいずれかを含む任意の数の分析方法によって、血清または血漿などの個体の循環中に存在する1種以上のバイオマーカーに対応する1種以上のバイオマーカー値を検出することによって、個体における腎不全のリスクの評価方法を提供する。これらのバイオマーカーは、例えば、腎不全のリスクが上昇している個体において、腎不全のリスクが上昇していない個体と比較して示差的に発現している。個体におけるバイオマーカーの示差的発現の検出は、例えば、4年の期間内での腎不全のリスクの予測を可能にするために使用される。
【0186】
スタンドアローン型の診断検査としてのバイオマーカーレベルの検査に加えて、バイオマーカーレベルは、疾患または病態の感受性のリスクの上昇を示すSNPまたは他の遺伝子損傷もしくは遺伝的変異性の決定と共に決定することができる。(例えば、Amos et al.,Nature Genetics 40,616-622(2009)を参照のこと)。
【0187】
スタンドアローン型の診断検査としてのバイオマーカーレベルの検査に加えて、バイオマーカーレベルは、放射線学的スクリーニングと組み合わせて使用することもできる。バイオマーカーレベルは、関連する症状または遺伝子検査と共に使用することができる。本明細書に記載のバイオマーカーのいずれかの検出は、腎不全のリスクが評価された後に、個体の適切な臨床ケアをガイドするのに有用であり得、例えば、腎不全リスクが決定された後に、高リスクの個体の治療の程度をより積極的なものに上げることが含まれる。関連する症状またはリスク因子と共にバイオマーカーレベルを検査することに加えて、バイオマーカーに関する情報を、他の種類のデータ、特に、個体の腎不全のリスクを示すデータ(例えば、患者の病歴、症状、家族歴、喫煙歴もしくは飲酒歴、リスク因子、例えば、遺伝子マーカー(複数可)の存在、及び/または他のバイオマーカーの状態など)と共に評価することができる。これらの様々なデータは、コンピュータまたは他の装置/デバイスで具体化され得るコンピュータプログラム/ソフトウェアなどの自動化された方法により評価することができる。
【0188】
高リスクの個体において放射線学的スクリーニングと共にバイオマーカーレベルを検査すること(例えば、冠動脈造影図で検出された閉塞と共にバイオマーカーレベルを評価すること)に加えて、バイオマーカーに関する情報を、他の種類のデータ、特に、個体の腎不全発症リスクを示すデータ(例えば、患者の病歴、症状、心血管疾患の家族歴、リスク因子、例えば、個体が喫煙者、アルコール多飲者であるかどうか、及び/または他のバイオマーカーの状態など)と共に評価することができる。これらの様々なデータは、コンピュータまたは他の装置/デバイスで具体化され得るコンピュータプログラム/ソフトウェアなどの自動化された方法により評価することができる。
【0189】
記載されるバイオマーカーのいずれかは、画像検査においても使用され得る。例えば、造影剤は、記載されるバイオマーカーのいずれかに結合することができ、これは、他の用途もあるが特に、腎不全のリスクの予測を補助するため、治療介入への応答をモニタリングするため、臨床試験において標的集団を選択するために使用することができる。
【0190】
バイオマーカー及びバイオマーカー値の検出及び決定
本明細書に記載されるバイオマーカーのバイオマーカー値は、様々な既知の分析方法のいずれかを使用して検出することができる。一実施形態では、捕捉試薬を使用してバイオマーカー値を検出する。本明細書で使用する場合、「捕捉剤」または「捕捉試薬」とは、バイオマーカーに特異的に結合することができる分子を指す。様々な実施形態において、捕捉試薬は、溶液中でバイオマーカーに曝露され得るか、または捕捉試薬が固体支持体に固定された状態でバイオマーカーに曝露され得る。他の実施形態では、捕捉試薬は、固体支持体上の第2の特徴部と反応する特徴部を有する。これらの実施形態では、捕捉試薬が溶液中でバイオマーカーに曝露され得、次いで、捕捉試薬上の特徴部を固体支持体上の第2の特徴部と共に使用して、バイオマーカーを固体支持体上に固定化することができる。捕捉試薬は、実施する分析の種類に基づいて選択される。捕捉試薬としては、限定されるものではないが、SOMAmer、抗体、アドネクチン、アンキリン、他の抗体ミメティック、及び他のタンパク質スキャフォールド、自己抗体、キメラ、低分子、F(ab‘)フラグメント、一本鎖抗体フラグメント、Fvフラグメント、一本鎖Fvフラグメント、核酸、レクチン、リガンド結合受容体、アフィボディ、ナノボディ、インプリントポリマー、アビマー、ペプチドミメティック、ホルモン受容体、サイトカイン受容体、及び合成受容体、ならびにこれらの改変型及び断片が挙げられる。
【0191】
いくつかの実施形態では、バイオマーカー/捕捉試薬複合体を使用してバイオマーカー値を検出する。
【0192】
他の実施形態では、バイオマーカー値は、バイオマーカー/捕捉試薬複合体から得られ、例えば、バイオマーカー/捕捉試薬の相互作用に続く反応の結果として間接的に検出されるが、バイオマーカー/捕捉試薬複合体の形成に依存する。
【0193】
いくつかの実施形態では、生体試料中のバイオマーカーからバイオマーカー値を直接検出する。
【0194】
一実施形態では、生体試料中の2種以上のバイオマーカーの同時検出を可能にする多重化フォーマットを使用してバイオマーカーを検出する。多重化フォーマットの一実施形態では、捕捉試薬を、固体支持体上の別個の位置に、共有結合または非共有結合により、直接的または間接的に固定化する。別の実施形態では、多重化フォーマットは、別個の固体支持体を使用し、各固体支持体は、その固体支持体、例えば、量子ドットと結合したユニークな捕捉試薬を有する。別の実施形態では、生体試料中の検出されるべき複数のバイオマーカーのそれぞれの検出のために、別個の装置を使用する。別個の装置は、生体試料中の各バイオマーカーを同時に処理することが可能になるように構成され得る。例えば、マイクロタイタープレートを使用することができ、それにより、プレート中の各ウェルを使用して、生体試料中の検出されるべき複数のバイオマーカーのうちの1つをユニークに解析する。
【0195】
前述の実施形態のうちの1つ以上では、蛍光タグを使用して、バイオマーカー/捕捉複合体の構成要素を標識して、バイオマーカー値を検出することができる。様々な実施形態において、蛍光標識を、既知の技術を使用して、本明細書に記載されるバイオマーカーのいずれかに特異的な捕捉試薬にコンジュゲートすることができ、次いで、蛍光標識を使用して、対応するバイオマーカー値を検出することができる。好適な蛍光標識としては、希土類キレート、フルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、アロフィコシアニン、PBXL-3、Qdot 605、Lissamine、フィコエリトリン、Texas Red、ならびに他の類似の化合物が挙げられる。
【0196】
一実施形態では、蛍光標識は蛍光色素分子である。いくつかの実施形態では、蛍光色素分子は、インドリウム環の3位の炭素の置換基が化学反応性基またはコンジュゲートされた物質を含有する、少なくとも1つの置換インドリウム環系を含む。いくつかの実施形態では、色素分子としては、AlexFluor分子、例えば、AlexaFluor 488、AlexaFluor 532、AlexaFluor 647、AlexaFluor 680、またはAlexaFluor 700が挙げられる。他の実施形態では、色素分子は、第1の種類の色素分子及び第2の種類の色素分子、例えば、2種の異なるAlexaFluor分子を含む。他の実施形態では、色素分子は、第1の種類の色素分子及び第2の種類の色素分子を含み、この2種の色素分子は、異なる放出スペクトルを有する。
【0197】
蛍光は、広範囲のアッセイフォーマットに適合可能な様々な計測手段で測定することができる。例えば、分光蛍光計は、マイクロタイタープレート、顕微鏡スライド、プリントされたアレイ、キュベットなどを解析するように設計されている。J.R.LakowiczによるPrinciples of Fluorescence Spectroscopy,Springer Science + Business Media,Inc.,2004を参照のこと。Bioluminescence & Chemiluminescence:Progress & Current Applications;Philip E.Stanley and Larry J.Kricka editors,World Scientific Publishing Company,January 2002を参照のこと。
【0198】
1つ以上の前述の実施形態では、化学発光タグを任意選択で使用して、バイオマーカー/捕捉複合体の構成要素を標識することができ、バイオマーカー値を検出することができる。好適な化学発光物質としては、塩化オキサリル、ローダミン6G、Ru(bipy)32+、TMAE(テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン)、ピロガロール(1,2,3-トリヒドロキシベンゼン)、ルシゲニン、ペルオキシオキサレート、アリールオキサレート、アクリジニウムエステル、ジオキセタンなどのいずれかが挙げられる。
【0199】
さらに他の実施形態では、検出方法は、バイオマーカー値に対応する検出可能なシグナルを生成する酵素/基質の組み合わせを含む。一般的に、酵素は、発色基質の化学的変化を触媒し、この化学的変化は、分光光度法、蛍光、及び化学発光が含まれる、様々な技術を使用して測定することができる。好適な酵素としては、例えば、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ウリカーゼ、キサンチンオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどが挙げられる。
【0200】
さらに他の実施形態では、検出方法は、測定可能なシグナルを生成する、蛍光、化学発光、放射性核種、または酵素/基質の組み合わせの組み合わせであり得る。多様式のシグナルの生成は、バイオマーカーアッセイフォーマットにおいてユニークかつ有利な特徴を有し得る。
【0201】
より具体的には、本明細書に記載されるバイオマーカーのバイオマーカー値を、以下に詳述するように、シングルプレックスSOMAmerアッセイ、マルチプレックスSOMAmerアッセイ、シングルプレックスまたはマルチプレックスイムノアッセイ、mRNA発現プロファイリング、miRNA発現プロファイリング、質量分光分析、組織学的/細胞学的方法などを含む、既知の分析方法を使用して検出することができる。
【0202】
SOMAmerベースのアッセイを使用したバイオマーカー値の決定
生体試料及び他の試料中の生理学的に重要な分子の検出及び定量化を目的としたアッセイは、科学研究及びヘルスケア分野における重要なツールである。そのようなアッセイの部類の1つは、固体支持体に固定化された1種以上のアプタマーを含むマイクロアレイの使用を伴う。アプタマーはそれぞれ、高度に特異的な様式で、かつ極めて高親和性で標的分子に結合することができる。例えば、「Nucleic Acid Ligands」という表題の米国特許第5,475,096号を参照のこと。例えば、各々が「Nucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip」という表題の米国特許第6,242,246号、米国特許第6,458,543号、及び米国特許第6,503,715号も参照のこと。マイクロアレイに試料を接触させると、アプタマーは試料中に存在するそれぞれの標的分子に結合し、これにより、バイオマーカーに対応するバイオマーカー値を測定することができる。
【0203】
本明細書で使用される場合、「アプタマー」とは、標的分子に対して特異的な結合親和性を有する核酸を指す。親和性相互作用は程度の問題であることが認識されているが、しかしながら、この点において、アプタマーのその標的に対する「特異的な結合親和性」は、一般的に、アプタマーが、検査試料中の他の成分に結合するよりも非常に高い程度の結合親和性でその標的に結合することを意味する。「アプタマー」は、特定のヌクレオチド配列を有する1つのタイプまたは1種の核酸分子の1組のコピーである。アプタマーは、任意の数の化学修飾されたヌクレオチドが含まれる、任意の好適な数のヌクレオチドを含み得る。「アプタマー」とは、複数のそのような分子のセットを指す。異なるアプタマーは、同じ数または異なる数のいずれかのヌクレオチドを有し得る。アプタマーは、DNAもしくはRNAまたは化学修飾された核酸であり得、一本鎖、二本鎖であり得るか、または二本鎖領域を含有し得、より高次の構造を含み得る。アプタマーはまた、アプタマーがその対応する標的に共有結合的に連結されることを可能にするために、光反応性官能基または化学反応性官能基がアプタマーに含まれている、光アプタマーであり得る。本明細書において開示されるアプタマーの方法のいずれかは、同じ標的分子に特異的に結合する2種以上のアプタマーの使用を含み得る。以下でさらに記載するように、アプタマーは、タグを含み得る。アプタマーがタグを含む場合、全コピーのアプタマーが同じタグを有している必要はない。さらに、異なるアプタマーがそれぞれタグを含む場合、これらの異なるアプタマーは、同じタグまたは異なるタグのいずれかを有し得る。
【0204】
アプタマーは、SELEXプロセスが含まれる、任意の既知の方法を使用して同定することができる。同定後、アプタマーを、化学合成法及び酵素合成法が含まれる任意の既知の方法に従って調製または合成することができる。
【0205】
本明細書で使用される場合、「SOMAmer」または解離速度が遅い修飾アプタマーは、解離速度特性を向上させたアプタマーを指す。SOMAmerは、「Method for Generating Aptamers with Improved Off-Rates」と題した米国公開第2009/0004667号に記載されている改良されたSELEX法を使用して生成することができる。
【0206】
用語「SELEX」及び「SELEXプロセス」は、本明細書において同じ意味で使用され、一般に、(1)所望の様式で標的分子と相互作用する、例えば、タンパク質と高親和性で結合するアプタマーの選択と、(2)それらの選択された核酸の増幅との組み合わせを指す。SELEXプロセスは、特異的な標的またはバイオマーカーに対して高親和性を有するアプタマーを同定するために使用され得る。
【0207】
SELEXは、一般に、候補の核酸混合物を調製すること、候補混合物を所望の標的分子に結合させて、親和性複合体を形成させること、親和性複合体を結合していない候補核酸から分離すること、親和性複合体から核酸を分離及び単離すること、核酸を精製すること、ならびに特異的なアプタマー配列を同定することを含む。選択されたアプタマーの親和性をさらに改良するために、本プロセスは、複数ラウンドを含み得る。このプロセスは、プロセスの1つ以上の時点での増幅ステップを含み得る。例えば、「Nucleic Acid Ligands」という表題の米国特許第5,475,096号を参照のこと。SELEXプロセスは、標的に共有結合するアプタマーだけでなく、標的に非共有結合するアプタマーを生成するためにも使用することができる。例えば、「Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment:Chemi-SELEX」という表題の米国特許第5,705,337号を参照のこと。
【0208】
SELEXプロセスは、例えば、改善されたin vivo安定性または改善された送達特性などの改善された特性をアプタマーに付与する修飾ヌクレオチドを含有する高親和性アプタマーを同定するために使用することができる。そのような修飾の例としては、リボース及び/またはリン酸及び/または塩基の位置での化学的置換が挙げられる。SELEXプロセスにより同定された修飾ヌクレオチドを含有するアプタマーは、ピリミジンの5’位及び2’位で化学修飾されたヌクレオチド誘導体を含有するオリゴヌクレオチドを記載している、「High Affinity Nucleic Acid Ligands Containing Modified Nucleotides」という表題の米国特許第5,660,985号に記載されている。米国特許第5,580,737号(上記を参照のこと)は、2’-アミノ(2’-NH2)、2’-フルオロ(2’-F)、及び/または2’-O-メチル(2’-OMe)で修飾された1つ以上のヌクレオチドを含有する高度に特異的なアプタマーを記載している。物理的及び化学的特性が高められた核酸ライブラリならびにSELEX及びPHOTOSELEXにおけるその使用を記載している、「SELEX and PHOTOSELEX」という表題の米国特許出願公開番号第20090098549号も参照のこと。
【0209】
SELEXは、所望の解離速度特性を有するアプタマーを同定するためにも使用され得る。標的分子に結合することができるアプタマーを作製するための改善されたSELEXプロセスを記載している、「Method for Generating Aptamers with Improved Off-Rates」という表題の米国特許出願公開第20090004667号を参照のこと。上述したように、これらの遅い解離速度のアプタマーは、「SOMAmers」として知られている。それぞれの標的分子からのより遅い解離速度を有するアプタマーまたはSOMAmer及び光アプタマーまたはSOMAmerの作製方法を記載する。本方法は、候補混合物を標的分子と接触させ、核酸-標的複合体を形成させ、かつ遅い解離速度の濃縮するプロセスを実行することを含み、速い解離速度を有する核酸-標的複合体は解離し、再形成しないが、遅い解離速度を有する複合体はインタクトなままである。加えて、この方法は、解離速度性能が改善されたアプタマーまたはSOMAmersを産生するために、候補核酸混合物の生成において修飾ヌクレオチドを使用することを含む。
【0210】
本アッセイの変形は、アプタマーがその標的分子に共有結合するか、またはそれに光架橋することを可能にする光反応性官能基を含むアプタマーを用いる。例えば「Nucleic Acid Ligand Diagnostic Biochip」という表題の米国特許第6,544,776号を参照のこと。これらの光反応性アプタマーは、光アプタマーとも称される。例えば、それぞれ「Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment:Photoselection of Nucleic Acid Ligands and Solution SELEX」という表題の米国特許第5,763,177号、米国特許第6,001,577号、及び米国特許第6,291,184号を参照のこと。例えば「Photoselection of Nucleic Acid Ligands」という表題の米国特許第6,458,539号も参照のこと。マイクロアレイに試料を接触させ、光アプタマーがその標的分子に結合する機会が与えられた後、光アプタマーが光活性化され、固体支持体が洗浄され、任意の非特異的に結合した分子が除去される。光アプタマー上の光活性化された官能基(複数可)により生成された共有結合のために、光アプタマーに結合している標的分子は通常除去されないため、厳格な洗浄条件が使用され得る。このようにして、アッセイは、検査試料中のバイオマーカーに対応するバイオマーカー値の検出を可能にする。
【0211】
これらのアッセイフォーマットの両方において、アプタマーまたはSOMAmerを、試料と接触させる前に固体支持体に固定化する。しかしながら、特定の状況下では、試料と接触させる前にアプタマーまたはSOMAmerを固定化すると、最適なアッセイを提供しない可能性がある。例えば、アプタマーまたはSOMAmerの事前の固定化は、固体支持体表面上でのアプタマーまたはSOMAmerの標的分子との非効率的な混合をもたらし得、反応時間が長期化する可能性があり、したがって、インキュベート時間の延長により、アプタマーまたはSOMAmerのその標的分子との効率的な結合が可能となる。さらに、光アプタマーまたは光SOMAmerをアッセイで使用する場合、また固体支持体として利用される材料に応じて、固体支持体は、光アプタマーまたは光SOMAmerとその標的分子との間に共有結合を形成させるように使用される光を散乱または吸収する傾向があり得る。さらに用いられる方法に応じて、固体支持体の表面が使用する任意の標識薬剤にも曝露され得、影響も受け得るため、アプタマーまたは光SOMAmerに結合したその標的分子の検出は不正確になりやすい。最後に、固体支持体上へのアプタマーまたはSOMAmerの固定化は、一般に、アプタマーまたはSOMAmerの試料への曝露前のアプタマーまたはSOMAmer調製ステップ(すなわち、固定化)を含み、この調製ステップは、アプタマーまたはSOMAmerの活性または官能性に影響を及ぼし得る。
【0212】
SOMAmerが溶液中でその標的を捕捉するのを可能にし、次いで、検出前にSOMAmer-標的混合物の特定の成分を除去するように設計されている分離ステップを用いるSOMAmerアッセイも記載されている(「Multiplexed Analyses of Test Samples」という表題の米国特許出願公開第20090042206号を参照のこと)。記載されるSOMAmerアッセイは、核酸(すなわち、SOMAmer)を検出し、定量化することにより、検査試料中の非核酸標的(例えば、タンパク質標的)の検出及び定量化を可能にする。記載された方法は、非核酸標的を検出及び定量化するための核酸代替物(すなわち、SOMAmer)を作出し、よって、増幅を含む広範な種々の核酸技術が、タンパク質標的を含むより広範な所望の標的に適用されることを可能にする。
【0213】
SOMAmerは、SOMAmerバイオマーカー複合体(または光SOMAmerバイオマーカーの共有結合複合体)からのアッセイ成分の分離を容易にし、検出及び/または定量化のためのSOMAmerの単離を可能にするように構築され得る。一実施形態では、これらの構築物は、SOMAmer配列内に切断可能な要素または遊離可能な要素を含み得る。他の実施形態では、さらなる機能性をSOMAmerに導入することができ、例えば、標識または検出可能成分、スペーサー成分、または特異的結合タグもしくは固定化要素を導入することができる。例えば、SOMAmerは、切断可能な部分を介してSOMAmerに連結されたタグ、標識、標識を隔てるスペーサー構成要素、及び切断可能な部分を含み得る。一実施形態では、切断可能な要素は、光切断性リンカーである。光切断性リンカーは、ビオチン部分及びスペーサー部分に結合することができ、アミンの誘導体化のためのNHS基を含み得、ビオチン基をSOMAmerに導入して、これにより、アッセイ法において後にSOMAmerを放出するために使用することができる。
【0214】
溶液中のすべてのアッセイ成分を用いて行われる均一アッセイは、シグナル検出前の試料及び試薬の分離を必要としない。これらの方法は迅速であり、使いやすい。これらの方法は、分子の捕捉または特異的な標的と反応する結合試薬に基づいてシグナルを生成する。腎不全の予測では、分子捕捉試薬は、SOMAmerまたは抗体などであり、特定の標的は、表8のような腎不全バイオマーカーであろう。
【0215】
一実施形態では、シグナル生成方法は、フルオロフォア標識された捕捉試薬とその特異的なバイオマーカー標的との相互作用に起因する異方性のシグナル変化を利用する。標識された捕捉試薬がその標的と反応すると、分子量の増加により複合体に結合したフルオロフォアの回転運動が非常に遅くなり、異方性値が変化する。異方性変化をモニタリングすることにより、結合事象を使用して、溶液中のバイオマーカーが定量的に測定され得る。他の方法としては、蛍光偏光アッセイ、分子ビーコン法、時間分解蛍光消光、化学発光、蛍光共鳴エネルギー移動などが挙げられる。
【0216】
生体試料中のバイオマーカーに対応するバイオマーカー値を検出するために使用され得る例示的な溶液ベースのSOMAmerアッセイは:(a)生体試料を、第1のタグを含み、バイオマーカーに対して特異的な親和性を有するSOMAmerと接触させることにより混合物を調製し、バイオマーカーが試料中に存在する場合、SOMAmer親和性複合体が形成され、(b)混合物を第1の捕捉要素を含む第1の固体支持体に曝露させ、第1のタグを第1の捕捉要素と会合させ、(c)第1の固体支持体と会合していない混合物の任意の成分を除去し、(d)第2のタグをSOMAmer親和性複合体のバイオマーカー成分に結合させ、(e)第1の固体支持体からSOMAmer親和性複合体を放出させ、(f)放出されたSOMAmer親和性複合体を第2の捕捉要素を含む第2の固体支持体に曝露し、第2のタグを第2の捕捉要素と会合させ、(g)複合体化していない任意のSOMAmerをSOMAmer親和性複合体から分けることにより、任意の複合体化していないSOMAmerを混合物から除去し、(h)固体支持体からSOMAmerを溶出させ、及び(i)SOMAmer親和性複合体のSOMAmer成分を検出することによりバイオマーカーを検出することを含む。
【0217】
SOMAmer親和性複合体のSOMAmer成分を検出することによりバイオマーカー値を検出するために、当技術分野で公知の任意の手段を使用することができる。親和性複合体のSOMAmer成分を検出するための多数の異なる検出方法、例えば、ハイブリダイゼーションアッセイ、質量分析、またはQPCRなどを使用することができる。いくつかの実施形態では、核酸配列決定法を使用して、SOMAmer親和性複合体のSOMAmer成分を検出し、これにより、バイオマーカー値を検出することができる。要約すると、検査試料中に存在する1種以上のSOMAmerの配列または複数の配列を同定及び定量化するために、検査試料を任意の種類の核酸配列決定法に供することができる。いくつかの実施形態では、配列は、SOMAmer分子の全体または分子を一意的に識別するために使用され得る分子の任意の部分を含む。他の実施形態では、識別配列は、SOMAmerに付加された特定の配列であり、そのような配列は、多くの場合、「タグ」、「バーコード」、または「ジップコード」と称される。いくつかの実施形態では、配列決定法は、SOMAmer配列を増幅するため、または任意の位置に化学修飾を含有するRNA及びDNAが含まれる任意の種類の核酸を配列決定に適した任意の他の種類の核酸に変換するための酵素ステップを含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、配列決定法は、1つ以上のクローニングステップを含む。他の実施形態では、配列決定法は、クローニングを用いない直接配列決定法を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、配列決定法は、検査試料中の1種以上のSOMAmerを標的とする特異的プライマーを用いる指向性アプローチを含む。他の実施形態では、配列決定法は、検査試料中のすべてのSOMAmerを標的とするショットガンアプローチを含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、配列決定法は、配列決定の標的とされる分子を増幅するための酵素ステップを含む。他の実施形態では、配列決定法は、単一の分子を直接配列決定する。生体試料中のバイオマーカーに対応するバイオマーカー値を検出するために使用され得る例示的な核酸配列決定ベースの方法は:(a)酵素ステップを用いて化学修飾されたヌクレオチドを含むSOMAmerの混合物を、未修飾の核酸に変換し、(b)大規模並列配列決定プラットフォーム、例えば、454シーケンシングシステム(454 Life Sciences/Roche)、Illuminaシーケンシングシステム(Illumina)、ABI SOLiDシーケンシングシステム(Applied Biosystems)、HeliScope1分子シーケンサー(Helicos Biosciences)もしくはPacific BioSciencesリアルタイム1分子シーケンシングシステム(Pacific BioSciences)、またはPolonator Gシーケンシングシステムズ(Dover Systems)などを用いて得られた未修飾の核酸をショットガン配列決定し、ならびに(c)特異的な配列及び配列カウントにより混合物中に存在するSOMAmerを同定し、定量化することを含む。
【0221】
イムノアッセイを使用したバイオマーカー値の決定
イムノアッセイ法は、対応する標的または分析物に対する抗体の反応に基づいており、特定のアッセイ形式に応じて試料中の分析物を検出することができる。免疫反応性に基づくアッセイ方法の特異性及び感度を改善するために、モノクローナル抗体が、それらの特異的なエピトープ認識のために、頻繁に使用される。ポリクローナル抗体も、モノクローナル抗体と比較して標的に対する親和性が高いために、様々なイムノアッセイにおいて成功裏に使用されている。イムノアッセイは、広範囲の生体試料マトリックスと共に使用するように設計されている。イムノアッセイフォーマットは、定性的、半定量的、及び定量的な結果をもたらすように設計されている。
【0222】
定量的な結果は、既知の濃度の検出されるべき特異的分析物を用いて作成された検量線を使用することにより得られる。未知の試料の反応またはシグナルを検量線にプロットし、未知の試料中の標的に対応する量または値を決定する。
【0223】
多数のイムノアッセイフォーマットが設計されている。ELISAまたはEIAは、分析物の検出について定量的であり得る。この方法は、分析物または抗体のいずれかへの標識の結合に基づいており、標識の構成要素は、直接的または間接的のいずれかで酵素を含む。ELISA検査は、分析物の直接的検出、間接的検出、競合的検出、またはサンドイッチ検出用のフォーマットであり得る。他の方法は、例えば、放射性同位体(I125)または蛍光などの標識に基づく。追加の技術としては、例えば、凝集、ネフェロメトリー、比濁法、ウェスタンブロット、免疫沈降、免疫細胞染色、免疫組織染色、フローサイトメトリー、Luminexアッセイなどが挙げられる(ImmunoAssay:A Practical Guide,edited by Brian Law,published by Taylor & Francis,Ltd.,2005 editionを参照のこと)。
【0224】
例示的なアッセイフォーマットとしては、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、放射免疫測定法、蛍光、化学発光、及び蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)または時間分解FRET(TR-FRET)イムノアッセイが挙げられる。バイオマーカーを検出するための手法の例としては、バイオマーカー免疫沈降、それに続くサイズ及びペプチドレベルの識別を可能にする定量方法、例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、平面電気クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0225】
検出可能な標識またはシグナル生成物質を検出及び/または定量化する方法は、標識の性質に依存する。適切な酵素(この場合、検出可能な標識は酵素である;上記を参照のこと)により触媒される反応の産物は、限定されるものではないが、蛍光、発光、もしくは放射能であり得、またはそれらは、可視光もしくは紫外線を吸収し得る。そのような検出可能な標識の検出に好適な検出器の例としては、限定されるものではないが、X線フィルム、放射能カウンター、シンチレーションカウンター、分光光度計、比色計、蛍光光度計、ルミノメーター、及び濃度計が挙げられる。
【0226】
検出方法のいずれかは、任意の好適な調製、処理、及び反応の解析を可能にする任意のフォーマットで実行することができる。検出方法は、例えば、マルチウェルアッセイプレート(例えば、96ウェルまたは384ウェル)で、または任意の好適なアレイもしくはマイクロアレイを使用して実行することができる。様々な薬剤の貯蔵液を、手作業でまたはロボットにより作成することができ、その後のピペット操作、希釈、混合、分配、洗浄、インキュベーション、試料読み取り、データ収集、及び解析のすべてを、検出可能な標識を検出することができる市販の解析ソフトウェア、ロボット、及び検出機器を使用してロボットにより実行することができる。
【0227】
遺伝子発現特性を使用したバイオマーカー値の決定
生体試料中の対応するタンパク質のレベルを検出するために、生体試料中のmRNA測定を代用として利用してもよい。したがって、適切なRNAを検出することによっても、本明細書に記載のバイオマーカーまたはバイオマーカーパネルを検出することができる。
【0228】
mRNA発現レベルは、逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCRに続くqPCR)により測定される。RT-PCRは、mRNAからcDNAを作製するために使用される。cDNAは、DNA増幅プロセスが進行するにつれて蛍光を発生させるために、qPCRアッセイで使用され得る。qPCRでは、検量線との比較により、細胞あたりのmRNAのコピー数などの絶対測定が得られ得る。ノーザンブロット、マイクロアレイ、インベーダーアッセイ、及びRT-PCRと、キャピラリー電気泳動との組み合わせは、いずれも試料中のmRNA発現レベルを測定するために使用されてきた。Gene Expression Profiling:Methods and Protocols,Richard A.Shimkets,editor,Humana Press,2004を参照のこと。
【0229】
miRNA分子は、非コードであるが、遺伝子の発現を調節することができる小型のRNAである。mRNA発現レベルの測定に適したいずれの方法も、対応するmiRNAに使用することができる。近年、疾患のバイオマーカーとしてmiRNAを使用することが多くの研究所で研究されている。多くの疾患は広範な転写調節を伴い、miRNAにバイオマーカーとしての役割が見出されることに驚きはない。miRNA濃度と疾患との間の関連性は、多くの場合、タンパク質レベルと疾患との間の関連性よりもさらに明らかでないが、miRNAバイオマーカーの値は実質的であり得る。当然のことながら、疾患に罹患している間に示差的に発現する任意のRNAと同様に、in vitro診断産物の開発で直面する問題には、miRNAが疾患細胞において生存し、分析のために容易に抽出されること、またはmiRNAが血液もしくは他のマトリックス中に放出され、そこで測定されるのに十分に長く残留しなければならないことが含まれるであろう。タンパク質バイオマーカーも同様の要件を有するが、多くの潜在的なタンパク質バイオマーカーは、疾患に罹患している間、パラクリン的に、病理部位で意図的に分泌され、機能する。多くの潜在的なタンパク質バイオマーカーは、これらのタンパク質が合成される細胞外で機能するように設計されている。
【0230】
in vivo分子イメージング技術を使用したバイオマーカーの検出
記載されるバイオマーカー(表8)のいずれかは、分子画像検査においても使用され得る。例えば、造影剤は、記載されるバイオマーカーのいずれかに結合することができ、これは、他の用途もあるが特に、4年以内の腎不全のリスクの予測を補助するため、治療介入への応答をモニタリングするため、臨床試験用の集団を選択するために使用することができる。
【0231】
In vivoイメージング技術は、個体の体内の特定の疾患または病態の状態を判定するための非侵襲的な方法を提供する。例えば、身体のすべての部分または身体全体を三次元画像として表示してもよく、これにより、体の形態及び構造に関する有益な情報を提供する。そのような技術を、本明細書に記載されるバイオマーカーの検出と組み合わせて、個体の腎臓の健康状態に関する情報を提供してもよい。
【0232】
様々な技術の進歩により、in vivo分子イメージング技術が発展している。これらの進歩としては、身体内で強いシグナルを発生させ得る放射標識及び/または蛍光標識などの新規のコントラスト剤または標識の開発、ならびに身体外部からこれらのシグナルを十分な感度及び精度で検出及び解析して、有用な情報を提供することができる強力な新規のイメージング技術の開発が挙げられる。コントラスト剤は、適切なイメージングシステムで可視化され、これにより、コントラスト剤が存在する身体の一部または複数部分の画像を提供することができる。コントラスト剤は、例えば、SOMAmerもしくは抗体などの捕捉試薬、及び/またはペプチドもしくはタンパク質またはオリゴヌクレオチド(例えば、遺伝子発現を検出するため)、またはこれらのいずれかを1種以上の巨大分子及び/または他の粒子形態と共に含む複合体と結合し得るか、またはそれらと会合し得る。
【0233】
コントラスト剤は、イメージングにおいて有用な放射性原子を特徴とするものであってもよい。好適な放射性原子としては、シンチグラフィー検査用のテクネチウム99mまたはヨウ素123が挙げられる。他の容易に検出可能な部分としては、例えば、磁気共鳴画像(MRI)用のスピン標識であり、例えば、同様にヨウ素123、ヨウ素131、インジウム111、フッ素19、炭素13、窒素15、酸素17、ガドリニウム、マンガン、または鉄などが挙げられる。そのような標識は、当技術分野で周知であり、当業者によって容易に選択され得る。
【0234】
標準的なイメージング技術としては、限定されるものではないが、磁気共鳴画像、コンピュータ断層撮影(冠動脈カルシウムスコア)、陽電子放出断層撮影(PET)、単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)、コンピュータ断層撮影血管造影検査などが挙げられる。in vivo診断イメージングでは、利用可能な検出機器の種類が、所与のコントラスト剤、例えば、所与の放射性核種及びそれを使用して標的化される特定のバイオマーカー(タンパク質、mRNAなど)の選択において重要な因子となる。通常選択される放射性核種は、所与の種類の機器により検出可能なある種の減衰を示す。また、in vivoでの診断のために放射性核種を選択する場合、その半減期は、標的組織により最大限取り込まれた時に検出を可能にするほど十分に長く、宿主への有害な放射線が最小限にされるほど十分に短いものであるべきである。
【0235】
例示的なイメージング技術としては、限定されるものではないが、PET及びSPECTが挙げられ、これらは、放射性核種を合成的にまたは局所的に個体に投与するイメージング技術である。その後の放射トレーサーの取り込みを経時的に測定し、標的組織及びバイオマーカーに関する情報を得るために使用する。用いられる特定の同位体の高エネルギー(ガンマ線)放出、ならびにそれを検出するために使用する機器の感度及び精度により、放射能の二次元分布が身体外部から推定され得る。
【0236】
PETにおいて一般的に使用される陽電子放出核種としては、例えば、炭素11、窒素13、酸素15、及びフッ素18が挙げられる。SPECTでは、電子捕獲及び/またはガンマ放射により減衰する同位体が使用され、例えば、ヨウ素123及びテクネチウム99mが挙げられる。アミノ酸をテクネチウム99mで標識するための例示的な方法は、キレート前駆体の存在下で過テクネチウム酸イオンを還元して、不安定なテクネチウム99m-前駆体複合体を形成させることであり、次に、これは、二官能性修飾された走化性ペプチドの金属結合基と反応し、テクネチウム99m-走化性ペプチドコンジュゲートを形成する。
【0237】
そのようなin vivoイメージング診断方法のために、抗体を頻繁に使用する。in vivo診断用の抗体の調製及び使用は、当技術分野で周知である。表8のいずれかのバイオマーカーに特異的に結合する標識抗体を、個体の疾患状態または病態を診断または評価するために、使用する特定のバイオマーカーにより検出可能な、腎不全のリスクが上昇していると疑われる個体に注入することができる。使用する標識は、上述したように、使用するイメージング様式に応じて選択される。標識が局在化することにより、腎不全のリスクに関連する組織損傷または他の徴候を判定することができる。器官または組織内の標識の量によっても、その器官または組織における腎不全のリスクに起因する腎不全バイオマーカーの関与を判定することができる。
【0238】
同様に、そのようなイメージング診断法にSOMAmerを使用してもよい。例えば、表8に記載の特定のバイオマーカーを同定するために使用した(したがって、その特定のバイオマーカーに特異的に結合する)SOMAmerを、組織損傷のレベル、動脈硬化プラーク、炎症反応の構成要素、及び個体における腎不全のリスクに関連する他の要因を診断または評価するために、特定のバイオマーカーにより検出可能な、腎不全について評価しようとする個体に適切に標識し、注入することができる。使用する標識は、上述したように、使用するイメージング様式に応じて選択される。標識が局在化することにより、リスクの上昇につながるプロセスの部位を判定することができる。器官または組織内の標識の量により、その器官または組織における病理プロセスの浸潤も決定することができる。SOMAmer指向性造影剤は、組織透過性、生体内分布、動態、除去、効力、及び選択性に関して、他の造影剤と比較してユニークかつ有利な特性を有し得る。
【0239】
そのような技術を、任意選択で、標識されたオリゴヌクレオチドを用いて、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたイメージングにより遺伝子発現を検出するために実施してもよい。これらの方法は、例えば、標識として蛍光分子または放射性核種を用いるin situハイブリダイゼーションのために使用される。遺伝子発現を検出するための他の方法としては、例えば、レポーター遺伝子の活性の検出が挙げられる。
【0240】
別の一般的な種類のイメージング技術は、対象内の蛍光シグナルを対象の外部にある光学装置によって検出する光学イメージングである。これらのシグナルは、実際の蛍光及び/または生物発光に起因し得る。光学検出装置の感度の改善により、in vivoでの診断アッセイのための光学イメージングの有用性が高まっている。
【0241】
臨床試験用を含む、in vivoでの分子バイオマーカー画像法の使用は、例えば、新規の疾患または病態の治療に対する試験における臨床的有効性をより迅速に測定するために、及び/またはそのような長期治療が倫理的に疑わしいと考えられる可能性がある疾患、例えば、多発性硬化症のプラシーボによる長期治療を回避するために、増加している。
【0242】
他の技術の総論については、N.Blow,Nature Methods,6,465-469,2009を参照のこと。
【0243】
質量分析法を使用したバイオマーカー値の決定
様々な構成の質量分析計を使用して、バイオマーカー値を検出することができる。数種類の質量分析計が利用可能であり、または様々な構成で製造することができる。一般的に、質量分析計は、以下の主な構成要素を有する:試料インレット、イオン源、質量分析器、検出器、真空システム、及び機器制御システム、及びデータシステム。試料インレット、イオン源、及び質量分析器における相違は、一般的に計測器のタイプ及びその能力を規定する。例えば、インレットは、キャピラリーカラム液体クロマトグラフィー源であり得、またはマトリックス支援レーザー脱離において使用されるようなダイレクトプローブもしくはステージであり得る。一般的なイオン源は、例えば、ナノスプレー及びマイクロスプレーが含まれるエレクトロスプレー、またはマトリックス支援レーザー脱離である。一般的な質量分析器としては、四重極質量フィルター、イオントラップ質量分析器、及び飛行時間型質量分析器が挙げられる。さらなる質量分析法が当技術分野で周知である(Burlingame et al.,Anal.Chem.70:647R-716R(1998);Kinter and Sherman,New York(2000)を参照のこと)。
【0244】
タンパク質バイオマーカー及びバイオマーカー値は、以下のうちのいずれかによって検出し、測定することができる:エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)、ESI-MS/MS、ESI-MS/(MS)n、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF-MS)、表面増強レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(SELDI-TOF-MS)、シリコンを用いた脱離/イオン化(DIOS)、二次イオン質量分析(SIMS)、四重極飛行時間型(Q-TOF)、UltraFlex III TOF/TOFと呼ばれるタンデム飛行時間型(TOF/TOF)技術、大気圧化学イオン化質量分析(APCI-MS)、APCI-MS/MS、APCI-(MS)N、大気圧光イオン化質量分析(APPI-MS)、APPI-MS/MS、及びAPPI-(MS)N、四重極質量分析、フーリエ変換質量分析(FTMS)、定量的質量分析、ならびにイオントラップ質量分析。
【0245】
質量分析法によってタンパク質バイオマーカーを特徴決定し、バイオマーカー値を測定する前に、試料調製戦略を使用して試料を標識し、濃縮する。標識方法としては、限定されるものではないが、相対または絶対定量用の等質量タグ(iTRAQ)、及び細胞培養液中のアミノ酸による安定同位体標識法(SILAC)が挙げられる。質量分光分析の前に試料中のバイオマーカータンパク質候補を選択的に濃縮するために使用される捕捉試薬としては、限定されるものではないが、SOMAmer、抗体、核酸プローブ、キメラ、低分子物質、F(ab’)2フラグメント、一本鎖抗体フラグメント、Fvフラグメント、一本鎖Fvフラグメント、核酸、レクチン、リガンド結合受容体、アフィボディ、ナノボディ、アンキリン、ドメイン抗体、代替的抗体スキャフォールド(例えば、ダイアボディなど)、インプリントポリマー、アビマー、ペプチドミメティック、ペプトイド、ペプチド核酸、トレオース核酸、ホルモン受容体、サイトカイン受容体、及び合成受容体、ならびにこれらの改変型及び断片が挙げられる。
【0246】
近接ライゲーションアッセイを使用したバイオマーカー値の決定
近接ライゲーションアッセイを使用して、バイオマーカー値を決定することができる。要約すると、一対の各メンバーがオリゴヌクレオチドで延長された、一対の抗体または一対のSOMAmerであり得る一対の親和性プローブに検査試料を接触させる。一対の親和性プローブの標的は、1種のタンパク質上の2つの異なる決定基であり得、またはホモもしくはヘテロ多量体の複合体として存在し得る2種の異なるタンパク質上の各々の1種の決定基であり得る。プローブが標的の決定基に結合すると、オリゴヌクレオチド延長部の自由端が、共にハイブリダイズするほど十分に近接する。オリゴヌクレオチド延長部のハイブリダイゼーションは、オリゴヌクレオチド延長部が十分に近接して配置される場合に、それらを共に架橋するのに役立つ共通のコネクターオリゴヌクレオチドにより促進される。プローブのオリゴヌクレオチド延長部がハイブリダイズしたら、延長部の末端が、酵素によるDNAライゲーションによって共に連結される。
【0247】
各オリゴヌクレオチド延長部は、PCR増幅のためのプライマー部位を含む。オリゴヌクレオチド延長部が共にライゲーションされると、オリゴヌクレオチドは連続したDNA配列を形成し、この配列は、PCR増幅により、標的タンパク質の同一性及び量に関する情報、ならびに標的決定基が2種の異なるタンパク質上に存在する場合、タンパク質-タンパク質相互作用に関する情報が明らかになる。近接ライゲーションは、リアルタイムPCRを使用することによりリアルタイムのタンパク質濃度及び相互作用情報に関する高感度かつ特異的なアッセイを提供し得る。関心対象の決定基に結合しないプローブは、対応するオリゴヌクレオチド延長部を近接させることはなく、ライゲーションまたはPCR増幅は進行できず、シグナルの生成をもたらさない。
【0248】
前述のアッセイは、腎不全の予測方法において有用なバイオマーカー値の検出を可能にし、この方法は、個体由来の生体試料中で、表8に示すバイオマーカーからなる群から選択されるバイオマーカーにそれぞれ対応するバイオマーカー値を検出することを含み、その場合、以下で詳細に記載するように、バイオマーカー値を使用した分類は、個体が4年以内に腎不全を発症するリスクが高いかどうかを示す。記載の腎不全バイオマーカーの一部は、腎不全のリスクを予測するために単独で有用であるが、それぞれが3つ以上のバイオマーカーのパネルとして有用である腎不全バイオマーカーの複数のサブセットをグループ化するための方法も本明細書に記載する。本明細書に記載する方法のいずれかによれば、バイオマーカー値を、個別に検出し、分類することができ、または例えば、多重アッセイフォーマットにおける様に、まとめて検出し、分類することができる。
【0249】
所与の診断または予測検査のバイオマーカー「シグネチャー」には、一連のマーカーが含まれており、各マーカーは関心対象の集団内で異なるレベルを有する。これに関して、異なるレベルとは、2つ以上の群における個体に関するマーカーレベルの異なる平均、または2つ以上の群における異なる分散、またはその両方の組み合わせを指し得る。診断検査の最も簡単な形態では、これらのマーカーを使用して、個体由来の未知の試料を、腎不全のリスクが上昇しているか、そうではないかの2つの群のいずれかに割り当てることができる。試料を2つ以上の群のうちの1つに割り当てることは、分類として公知であり、この割り当てを達成するために使用される手法は分類子または分類法として公知である。分類法は、スコア化法とも称され得る。1組のバイオマーカー値から診断分類子を構築するために使用され得る多数の分類方法が存在する。一般的に、分類法は、区別したい2つ(または多重分類状態の場合はそれより多く)の別個の群の個体から得られた試料を使用してデータセットを収集する、教師あり学習技術を使用して最も容易に実行される。各試料が属するクラス(群または集団)が、予め試料毎に分かっているため、所望の分類応答が得られるように分類法が得られる。教師なし学習技術を使用して、診断分類子を生成することも可能である。
【0250】
診断分類子を開発するための一般的な手法としては、決定木;バギング、ブースティング、フォレスト及びランダムフォレスト;推論規則に基づく学習;パルゼン窓;線形モデル;ロジスティック曲線;ニューラルネットワーク法;教師なしクラスタリング;K平均法;階層的昇順分類/降順分類;半教師あり学習;プロトタイプ法;最近傍法;カーネル密度推定;サポートベクトルマシン;隠れマルコフモデル;ボルツマン学習が挙げられ、分類子は、単純に、または特定の目的関数を最小化する方法で組み合わせてもよい。総論に関して、例えば、Pattern Classification,R.O.Duda,et al.,editors,John Wiley & Sons,2nd edition,2001を参照のこと。The Elements of Statistical Learning-Data Mining,Inference,and Prediction,T.Hastie,et al.,editors,Springer Science+Business Media,LLC,2nd edition,2009も参照のこと(これらのそれぞれは、その全体が参照により援用される)。
【0251】
教師あり学習技術を使用して分類子を生成するために、トレーニングデータと呼ばれる試料のセットを取得する。診断検査に関して、トレーニングデータには、異なる群(クラス)に由来する試料が含まれ、このデータに対して、後に未知の試料を割り当てる。例えば、対照集団の個体及び特定の疾患、病態、または事象の集団の個体から採取した試料は、未知の試料(またはより具体的には試料の取得元の個体)を分類することができる分類器を開発するためのトレーニングデータを、疾患、病態を有するか、もしくは事象のリスクが増加しているか、または疾患、病態に罹患していないか、もしくは事象のリスクが増加していないのかのいずれかとして構成することができる。トレーニングデータからの分類子の開発は、分類子のトレーニングとして公知である。分類器トレーニングの具体的な詳細は、教師あり学習手法の性質によって異なる(例えば、Pattern Classification,R.O.Duda,et al.,editors,John Wiley & Sons,2nd edition,2001を参照のこと;The Elements of Statistical Learning-Data Mining,Inference,and Prediction,T.Hastie,et al.,editors,Springer Science+Business Media,LLC,2nd edition,2009も参照のこと)。
【0252】
通常、トレーニングセットの試料と比べて多数のより高いバイオマーカー値が存在する可能性があるため、過学習を回避するように配慮する必要がある。過学習は、統計モデルが、基礎をなす関係の代わりにランダムエラーまたはノイズを表す場合に起こる。過学習は、例えば、分類子開発の際に使用されたマーカーの数を制限すること、マーカーの応答が互いに独立していると仮定すること、用いられる基礎をなす統計モデルの複雑さを制限すること、及び基礎をなす統計モデルがデータに適合することを確実にすることを含む、様々な方法で回避することができる。
【0253】
事象の発生に関連するバイオマーカーのセットを特定するために、対照及び早期事象試料の組み合わせのセットを、主成分分析(PCA)を使用して解析した。PCAは、事例または対照の結果に関係なく、全試料間の最も強い変動によって定義される軸に関する試料を示し、したがって、事例と対照との間の区別を過学習するリスクを軽減する。重度の血栓症事象の発生には、偶然の要素が強く含まれており、生体の血管において不安定なプラークの破裂の報告が必要とされるため、対照と事象の試料セットとの間には明確な分離が見られることは期待できない。事例と対照との間で観察される分離は大きくないが、これは第2の主成分に生じ、このセットの試料における全変動の約10%に相当し、これは、根底にある生物学的な変動の定量化が比較的シンプルであることを示している。
【0254】
次の分析セットでは、対照試料と早期事象試料との間の分離に特異的であった試料間の差の成分についてバイオマーカーを分析することができる。使用し得る方法の1つは、DSGA(Bair,E.and Tibshirani,R.(2004)Semi-supervised methods to predict patient survival from gene expression data.PLOS Biol.,2,511-522)を使用して、対照セット内の試料間の変動の最初の3つの主な成分方向を除去(収縮)することである。発見するために対照セットに対して次元削減を実行するが、対照中の試料と早期の事象試料由来の試料の両方に対してPCAを実行する。早期事象からの事例の分離が、横軸に沿って観察することができる。
腎不全に関連するタンパク質の選択の交差検証
【0255】
試料の特定の選択の特異体質の特徴に対するタンパク質予測力の過学習を回避するために、交差検証及び次元削減のアプローチを取ることができる。交差検証は、リスクのモデルの作成に使用しなかった試料に適用するための方法の能力をモニタリングするために、試料のセットの複数の選択を含み、選択されなかった試料を使用することと組み合わせて、タンパク質によるリスクの関連性を決定する(The Elements of Statistical Learning-Data Mining,Inference and Prediction,and Prediction,T.,Hastie,et al.,editors,Springer Science+ Business Media,LLC,2nd edition,2009)。Tibshiraniら(Bair,E.and Tibshirani,R.(2004)Semi-supervised methods to predict patient survival from gene expression data.PLOS Biol.,2,511-522.)の教師ありPCA法を適用したが、これは腎不全リスクのモデリングにおける高次元データセットに適用可能である。教師ありPCA(SPCA)法は、データにおいて観察された事象ハザードと統計的に関連付けされたタンパク質のセットの一変量選択、及びこれらのタンパク質のすべてからの情報を組み合わせる相関成分の決定を含む。相関成分のこの決定は、次元削減ステップであり、これはタンパク質間で情報を結合させるだけでなく、1000を超えるタンパク質の完全なタンパク質メニューから少数の主成分まで独立変数の数を減らすことによって、過学習の尤度も緩和する(本研究では、第1の主成分のみを調べる)。
生存時間との個々のタンパク質の関係性の一変量解析及び多変量解析
【0256】
The Cox proportional hazard model(Cox,David R(1972).”Regression Models and Life-Tables”.Journal of the Royal Statistical Society.Series B(Methodological)34(2):187-220.))は、医学統計で広く使用されている。Cox回帰は、累積生存率への特定の時間関数のフィッティングを回避し、代わりに、ベースラインハザード関数(これは時間と共に変化し得る)を参照する相対リスクモデルを用いる。ベースラインハザード関数は、全個体に関する生存時間分布の共通形状を表すのに対して、相対リスクは、(単一の個体または群などの)共変値セットに関するハザードのレベルを、ベースラインハザードの倍数として与える。相対リスクは、Coxモデルにおいて時間と共に一定である。
【0257】
キット
例えば、本明細書において開示される方法を実行する際に使用するための好適なキットを使用して、表8のバイオマーカーの任意の組み合わせを検出することができる。さらに、任意のキットは、本明細書に記載されるような1種以上の検出可能な標識、例えば、蛍光部分などを含み得る。
【0258】
一実施形態では、キットは、(a)生体試料中の1種以上のバイオマーカーを検出するための1種以上の捕捉試薬(例えば、少なくとも1種のSOMAmerまたは抗体)を含み、バイオマーカーは、表8に記載のバイオマーカーのいずれかを含み、任意選択で(b)生体試料を採取した個体を、腎不全のリスクが上昇しているか、もしくはそうでないかのいずれかとして分類するための、またはその個体の腎不全のリスク上昇の尤度を判定するための1種以上のソフトウェアまたはコンピュータプログラム製品を含む。あるいは、1つ以上のコンピュータプログラム製品ではなく、上記のステップを人が手作業で実行するための1つ以上の使用説明書を提供することができる。
【0259】
固体担体とシグナル生成物質を有する対応する捕捉試薬との組み合わせは、本明細書では「検出デバイス」または「キット」と称される。キットはまた、デバイス及び試薬の使用、試料の取り扱い、及びデータの解析のための説明書を含み得る。さらに、キットを、生体試料を解析し、その解析結果を報告するためのコンピュータシステムまたはソフトウェアと共に使用してもよい。
【0260】
キットは、生体試料を処理するための1種以上の試薬(例えば、可溶化緩衝液、界面活性剤、洗浄液、または緩衝液)も含み得る。本明細書に記載されるキットのいずれかは、例えば、緩衝液、遮断薬、質量分析用マトリックス物質、抗体捕捉剤、陽性対照試料、陰性対照試料、ソフトウェア、及び情報、例えば、プロトコル、指針、及び参考データも含み得る。
【0261】
一態様では、本発明は、腎不全のリスク状態の分析用キットを提供する。キットは、表8から選択されるバイオマーカーに特異的な1つ以上のSOMAmer用のPCRプライマーを含む。このキットは、バイオマーカーと腎不全リスクのリスク予測の使用及び相関関係に関する説明書をさらに含み得る。キットはまた、表8から選択されるバイオマーカーに特異的な1つ以上のSomamerの相補体、試料DNAを増幅または単離するための試薬及び/または酵素を含むDNAアレイも含み得る。キットは、リアルタイムPCR用の試薬、例えば、TaqManプローブ及び/またはプライマー、ならびに酵素を含み得る。
【0262】
例えば、キットは、(a)検査試料中の1つ以上のバイオマーカーを定量するための少なくとも捕捉試薬を含み、前記バイオマーカーは、表8に記載のバイオマーカー、または本明細書に記載の任意の他のバイオマーカーもしくはバイオマーカーのパネルを含み、任意選択で(b)検査試料中の各定量バイオマーカーの量を1つ以上の所定のカットオフと比較し、前記比較に基づいて定量化された各バイオマーカーにスコアを割り当て、定量化された各バイオマーカーに割り当てられたスコアを組み合わせて合計スコアを取得し、合計スコアを所定のスコアと比較し、前記比較を使用して、個体の腎不全のリスクが上昇しているかどうかを判定するステップを実施するための1つ以上のアルゴリズムまたはコンピュータプログラムを含む。あるいは、1つ以上のアルゴリズムまたはコンピュータプログラムではなく、上記のステップを人が手作業で実行するための1つ以上の使用説明書を提供することができる。
【0263】
コンピュータ方法及びソフトウェア
バイオマーカーまたはバイオマーカーのパネルを選択した後、個体の診断方法は:1)生体試料を回収または採取し、2)生体試料中のパネル内のバイオマーカーを検出し、測定するための分析方法を実行し、3)バイオマーカー値の収集に使用する方法に必要なデータの正規化または標準化を実行し、4)マーカースコアを計算し、5)マーカースコアを組み合わせて、全診断スコアまたは予測スコアを取得し、6)個体の診断スコアまたは予測スコアを報告することを含み得る。このアプローチにおいて、診断スコアまたは予測スコアは、疾患の有無を示す事前設定された閾値と比較するすべてのマーカー計算の合計から決定される単一の数値であってもよい。あるいは、診断スコアまたは予測スコアは、各々がバイオマーカー値を示す一連のバーであってもよく、その応答パターンを、疾患、病態の存在もしくは非存在、または事象のリスクが上昇している(もしくは上昇していない)ことを判定するための事前設定されたパターンと比較してもよい。
【0264】
本明細書に記載される方法の少なくともいくつかの実施形態は、コンピュータを用いて実施することができる。図4にコンピュータシステム100の例を示す。図4に示すように、システム100は、プロセッサ101、入力装置102、出力装置103、記憶装置104、コンピュータ可読記憶媒体リーダー105a、通信システム106、加速処理装置(例えば、DSPまたは特殊用途のプロセッサ)107、及びメモリ109を含む、バス108を介して電気的に接続されたハードウェア要素から構成されることが示される。コンピュータ可読記憶媒体リーダー105aは、さらにコンピュータ可読記憶媒体105bに接続され、この組み合わせは、包括的に、コンピュータ可読情報を一時的及び/またはより持続的に収容するための、遠隔、局所、固定、及び/または取り外し可能な記憶装置を加えた記憶媒体、メモリなどに相当し、この組み合わせは、記憶装置104、メモリ109、及び/または任意の他のそのようなアクセス可能なシステム100リソースを含む。システム100は、オペレーティングシステム192、及び他のコード193、例えば、プログラム、データなどが含まれるソフトウェア要素(ここでは作業メモリ191内に存在するものとして示される)も含む。
【0265】
図4に示すように、システム100は、幅広い柔軟性及び構成可能性を有する。したがって、例えば、単一のアーキテクチャーを利用して1つ以上のサーバーを実装してもよく、そのようなサーバーは、一般に望ましいプロトコル、プロトコル変更、拡張などに従ってさらに構成され得る。しかしながら、より特定のアプリケーション要求に従って実施形態が利用され得ることが、当業者にとって明らかである。例えば、1つ以上のシステム要素が、システム100の構成要素内の(例えば、通信システム106内の)下位要素として実装され得る。カスタマイズされたハードウェアを利用してもよく、及び/またはハードウェア、ソフトウェア、もしくは両方において特定の要素を実装してもよい。さらに、ネットワーク入力/出力装置(図示せず)などの他のコンピューティングデバイスへの接続を用いてもよいが、他のコンピューティングデバイスへの有線接続、無線接続、モデム接続、及び/または他の接続もまた、利用してよいことを理解されたい。
【0266】
一態様では、システムは、腎不全のリスクの予測特性を示すバイオマーカーの特徴を含むデータベースを含み得る。バイオマーカーデータ(またはバイオマーカー情報)は、コンピュータ実施方法の一部として使用するためのコンピュータへの入力として利用することができる。バイオマーカーデータは、本明細書に記載されるデータを含み得る。
【0267】
一態様では、システムは、入力データを1つ以上のプロセッサに提供するための1つ以上の装置をさらに含む。
【0268】
システムは、順位付けされたデータ要素のデータセットを保存するためのメモリをさらに含む。
【0269】
別の態様では、入力データを提供するための装置は、例えば、質量分析計または遺伝子チップリーダーなどのデータ要素の特徴を検出するための検出器を含む。
【0270】
システムは、追加的にデータベース管理システムを含み得る。ユーザーの要求または問い合わせは、問い合わせを処理してトレーニングセットのデータベースからの関連情報を抽出するデータベース管理システムにより理解される適切な言語でフォーマットされ得る。
【0271】
システムは、ネットワークサーバー及び1つ以上のクライアントが接続されるネットワークに接続可能であってもよい。ネットワークは、当技術分野で周知のように、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域エリアネットワーク(WAN)であってもよい。好ましくは、サーバーは、ユーザーの要求を処理するためにデータベースのデータにアクセスするためのコンピュータプログラム製品(例えば、ソフトウェア)を実行するのに必要なハードウェアを含む。
【0272】
システムは、データベース管理システムからの命令を実行するためのオペレーティングシステム(例えば、UNIXまたはLinux)を含み得る。一態様では、オペレーティングシステムは、インターネットなどのグローバル通信ネットワーク上で動作可能であり、そのようなネットワークに接続するためのグローバル通信ネットワークサーバーを利用することができる。
【0273】
システムは、当技術分野で公知のグラフィカルユーザーインターフェースにおいて通常見出されるようなボタン、プルダウンメニュー、スクロールバー、テキスト入力用フィールドなどインターフェース要素を含むグラフィカルディスプレイインターフェースを含む1つ以上の装置を含み得る。ユーザーインターフェースで入力される要求は、1つ以上のシステムデータベースで関連情報を検索するためにフォーマットするためのシステム中のアプリケーションプログラムに送信され得る。ユーザーにより入力される要求または問い合わせは、任意の好適なデータベース言語で構築されていてもよい。
【0274】
グラフィカルユーザーインターフェースは、オペレーティングシステムの一部としてグラフィカルユーザーインターフェースコードによって生成されていてもよく、データを入力するため、及び/または入力されたデータを表示するために使用され得る。処理されたデータの結果は、インターフェースに表示され得、システムと通信する印刷機で印刷され得、記憶装置に保存され得、及び/またはネットワークを介して送信され得、またはコンピュータ可読媒体の形態で提供され得る。
【0275】
システムは、システムにデータ要素に関するデータ(例えば、発現値)を提供するための入力装置と通信可能である。一態様では、入力装置は、例えば、質量分析計、遺伝子チップ、またはアレイリーダーなどが含まれる、遺伝子発現プロファイリングシステムを含み得る。
【0276】
様々な実施形態に従って、腎不全リスク予測のバイオマーカー情報を解析するための方法及び装置を、任意の好適な方式で、例えば、コンピュータシステムで動作するコンピュータプログラムを使用して実装してもよい。リモートアクセス可能なアプリケーションサーバー、ネットワークサーバー、パーソナルコンピュータ、またはワークステーションなどの、プロセッサ及びランダムアクセスメモリを含む従来のコンピュータシステムを使用してもよい。追加のコンピュータシステム要素としては、記憶装置または情報記憶システム、例えば、大容量記憶システム及びユーザーインターフェース、例えば、従来型のモニター、キーボード、及びトラッキング装置が挙げられ得る。コンピュータシステムは、独立型システム、またはサーバー及び1つ以上のデータベースを含むコンピュータのネットワークの一部であってもよい。
【0277】
腎不全リスク予測バイオマーカー解析システムは、データ収集、処理、解析、報告、及び/または診断などのデータ解析を完了するための機能及び操作を提供し得る。例えば、一実施形態では、コンピュータシステムは、腎不全リスク予測バイオマーカーに関する情報を受信、保存、検索、解析、及び報告し得るコンピュータプログラムを実行し得る。コンピュータプログラムは、様々な機能または操作を実行する複数のモジュール、例えば、生データを処理し、補足データを生成するための処理モジュール、ならびに生データ及び補足データを解析して、腎不全リスクの予測状態及び/または診断またはリスク計算を生成するための解析モジュールを含み得る。腎不全のリスク状態の計算には、任意選択で、疾患、病態、または事象と関連する個体の状態に関する追加の生物医学的情報を含む任意の他の情報を生成もしくは収集するか、さらなる検査が望ましい可能性があるかどうかを識別するか、そうでなければ個体の健康状態を評価することが含まれ得る。
【0278】
図5に示すように、開示される実施形態の原理に従ったコンピュータ利用方法の例を見ることができる。図5にフローチャート3000を示す。ブロック3004では、個体に関してバイオマーカー情報を取得することができる。例えば、個体の生体試料の検査を実施した後に、バイオマーカー情報をコンピュータデータベースから取得することができる。バイオマーカー情報は、それぞれ表8のバイオマーカーの1つ以上に対応するバイオマーカー値を含み得る。ブロック3008では、コンピュータを利用して、各バイオマーカー値を分類することができる。そして、ブロック3012では、複数の分類に基づいて、個体の腎不全のリスク上昇の尤度について判定することができる。この表示を、人が視認できるように、ディスプレイまたは他の表示装置に出力することができる。したがって、これを、例えば、コンピュータまたは他の出力装置の表示画面に表示することができる。
【0279】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、コンピュータプログラム製品を含むように実装され得る。コンピュータプログラム製品は、データベースを有するコンピュータ上でアプリケーションプログラムを実行させるための媒体内に具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0280】
本明細書で使用する場合、「コンピュータプログラム製品」とは、任意の性質(例えば、文書、電子、磁気、光学、または別の様式)の物理媒体に含まれ、コンピュータまたは他の自動データ処理システムで使用され得る、自然またはプログラミング言語ステートメントの形態で組織化された命令セットを指す。そのようなプログラミング言語ステートメントは、コンピュータまたはデータ処理システムで実行される場合、コンピュータまたはデータ処理システムを、特定の内容のステートメントに従って作動させる。コンピュータプログラム製品としては、限定されるものではないが、ソース及びオブジェクトコードでのプログラム、及び/またはコンピュータ可読媒体に記憶されたテストまたはデータライブラリが挙げられる。さらに、コンピュータシステムまたはデータ処理装置を事前に選択された方式で作動させることを可能にするコンピュータプログラム製品が、限定されるものではないが、オリジナルソースコード、アセンブリコード、オブジェクトコード、機械言語、前述の暗号化または圧縮されたバージョン、及び任意の均等物が含まれる、多数の形態で提供され得る。
【0281】
一態様では、腎不全のリスクを評価するためのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピューティングデバイスまたはシステムのプロセッサにより実行可能なプログラムコードを具体化するコンピュータ可読媒体を含み、プログラムコードは:個体由来の生体試料に帰属するデータ(各々が表8の1つ以上のバイオマーカーに対応するバイオマーカー値を含む)を取り出すコード、及び個体の腎不全リスクの状態をバイオマーカー値の関数として示す分類法を実行するコードを含む。
【0282】
さらに別の態様では、腎不全のリスクの尤度を示すためのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピューティングデバイスまたはシステムのプロセッサにより実行可能なプログラムコードを具体化するコンピュータ可読媒体を含み、プログラムコードは:個体由来の生体試料に帰属するデータ(表8の1つ以上のバイオマーカーに対応するバイオマーカー値を含む)を取り出すコード、及び個体の腎不全リスクの状態をバイオマーカー値の関数として示す分類法を実行するコードを含む。
【0283】
様々な実施形態を方法または装置として記載したが、実施形態は、コンピュータと併用するコード、例えば、コンピュータに内在するか、またはコンピュータによりアクセス可能なコードを介して実施され得ることを理解するべきである。例えば、多数の上記の方法を実施するために、ソフトウェア及びデータベースを利用することができる。したがって、ハードウェアにより達成される実施形態に加えて、これらの実施形態が、本明細書で開示された機能の実行可能性をもたらす、コンピュータ可読プログラムコードを具体化したコンピュータ使用可能な媒体から構成される製造物品を使用することより達成され得ることにも留意されたい。したがって、それらのプログラムコード手段においても実施形態が本特許によって同様に保護されるものとみなされることが望ましい。さらに、実施形態は、限定されるものではないが、RAM、ROM、磁気媒体、光学媒体、または磁気光学媒体を含む、実質的に任意の種類のコンピュータ可読メモリに保存されたコードとして具体化され得る。さらにより一般的には、実施形態は、限定されるものではないが、汎用プロセッサで作動するソフトウェア、マイクロコード、PLA、またはASICを含む、ソフトウェアで、またはハードウェアで、またはそれらの任意の組み合わせで実施され得る。
【0284】
さらに実施形態が、搬送波で具体化されるコンピュータシグナル、及び伝送媒体を介して伝搬されるシグナル(例えば、電気及び光学)として達成され得ることも想定される。したがって、上記の様々な種類の情報は、データ構造などの構造でフォーマットされ得、伝送媒体を介して電気信号として送信され得るか、またはコンピュータ可読媒体に保存され得る。
【0285】
本明細書に列挙された多数の構造、材料、及び行為が、機能を実行するための手段または機能を実行するためのステップとして列挙され得ることにも留意されたい。したがって、そのような文言は、参照により援用される事項を含め、本明細書内で開示されるそのようなすべての構造、材料、または行為、及びそれらの均等物を網羅する権利を有することを理解すべきである。
【0286】
本明細書において開示されるバイオマーカー識別プロセス、バイオマーカーの利用、及びバイオマーカー値を決定するための様々な方法が、腎不全リスクの評価に関して上記で詳述されている。しかしながら、プロセスの用途、識別されたバイオマーカーの使用、及びバイオマーカー値を決定するための方法は、他の特定種類の疾患もしくは医学的状態、または補助的な医学的処置により恩恵を受ける可能性があるか、もしくはその可能性がない個体の識別に十分に適用可能である。
【実施例
【0287】
以下の実施例は、単に例示目的で提供されるものであり、添付の特許請求の範囲により定義される本出願の範囲を限定することを意図しない。本明細書に記載されるすべての実施例を、当業者にとって周知かつ日常的な標準的な技術を使用して実施した。以下の実施例に記載される定型的な分子生物学技術は、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd.ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(2001)などの標準的な実験マニュアルに記載されるように実行することができる。
【0288】
実施例1.モデルの仕様
1.1 エンドポイントの説明。血液試料の4年以内のPCRIの発症(yesまたはnoの二項ステータスとして)。PCRIは、(1)推定糸球体濾過率(eGFR)の50%低下、(2)人工透析が必要であるという診断、(3)eGFR<15ml/分/1.73m2の発生、(4)末期腎臓病(ESRD)の発症、または(5)腎移植が必要であるという診断のうちの少なくとも1つの事象と定義される。
【0289】
1.2 モデル情報。このモデルは、非ゼロ係数を有する10種の特徴を含むロジスティック回帰モデルである。エンドポイントとして4年以内のPCRIでモデルをトレーニングした。このモデルは2つの予測を提供する。(1)PCRIをyes/noの2進変数として4年ずつ作成:モデル開発において、後続の4年以内のPCRIについて「yes」と「no」のステータス分類の閾値として、0.3533の最適確率スコアを同定した。(2)相対リスク:これは、より高い予測が後続の4年間にPCRIを発症する尤度がより高いことを示すように、モデル予測を解釈することを可能にする連続値である。このモデルによって、個体がPCRIを発症する確率が生成され、これはp*によって表される。この確率を使用して相対リスク
【数2】
を計算し、式中、pは上記で定義された確率に等しく、qはトレーニングコホートにおけるベースライン個体についての確率に等しい。「ベースライン」個体は、トレーニングセット内でゼロに設定されたモデル特徴値を有する個体として定義される。そのような個体は、本明細書及びモデル解釈において「平均個体」と称され得る。RFU測定値が平均を中心として配置されるため、構築により、ベースライン個体についての分析物はゼロに設定される。このモデルでは、qは0.309に等しく、これはトレーニングコホートを使用して計算されたものである。参照集団はCKDステージ1~5の範囲であり、軽度~重度の慢性腎臓病(ステージ3~5)を有する集団の80%であり、平均eGFRは43ml/分/1.73m2である。次いで、相対リスクを、完全トレーニングデータセットに関する相対リスクに基づいて五分位点に分類する(表7)。トレーニングデータによって規定される相対リスク及び五分位点ビン分割
【0290】
1.3 ビジネスルールの報告
【0291】
1.4 仮想の患者仮想の患者は、プロテオミクスモデルに基づいて0.72に等しい予測確率を有している。この患者の相対リスクは2.33であり、したがってこの患者のビンは第四五分位点である。
【数3】
本実施例におけるこの相対リスクは、以下のように解釈される:この患者は、参照集団における平均的な個体と比較して、2.33倍高いリスクを有しているか、あるいは、この患者はPCRIの発症リスクが133%高い(表7)。
【0292】
選択された表8の特徴及び表8の特徴の組み合わせに関して、さらなるAUC値を表9a~9fに示す。
【0293】
実施例2.検査開発及び有効性検証用のデータセット
2.1 開発及び有効性検証コホート(複数可).CRICは、慢性腎不全と心血管疾患との関係を調べるために開始された複数施設での観察試験であり、その後、認知機能低下及び虚弱などの腎不全に関連すると考えられる多くの転帰を測定するように拡張された。CRICには21~74歳の年齢の患者が登録され、そのうち半数は糖尿病である。参加者は、年に1回、本人による追跡調査での来院(尿及び血漿を採取し、保管する)と、6か月ごとの電話面接を受け、そこで試験の結果と一般的な健康状態が確認された。試験の募集は2003年に開始され、募集は米国の13の臨床現場で約2.5年間続き、治験責任医師はこのコホートを引き続きモニタリングしている。SomaLogic CRICデータセットには、2回目の年1回の来院までに末期腎臓病に至っていなかった3413人の腎臓病患者に関する臨床データ及び2回目の年1回の来院時の試料(2003年7月~2009年12月に採取)が含まれている。
【0294】
2.2 データセットの層別化この検査では、コホートを、独立して、トレーニング(70%)、設計検証(15%)、及び有効性検証(15%)セットに分割し、過学習の問題を軽減する一方でロバストなモデルの識別を可能にした。有効性検証データセットは、POCまたは改良段階では使用しなかった。
【0295】
2.2.1 モデル開発データ
【0296】
2.2.2 モデル有効性検証データ
【0297】
実施例3.開発の結果
3.1 データQC及び事前分析結果以前のデータQC及び実現可能性POCは、このエンドポイントに関してCRICコホートで実施されている。この検査の試料は、2019年1月21日から2019年9月30日まで、アッセイバージョン4.0で実行した。
【0298】
3.2 POCアプローチ及び結果最良に機能したモデルはロジスティック回帰モデルであったが、これはAUC≧0.65、0.7、0.75、または0.77の合格基準を上回っていた。
【0299】
3.3 改良アプローチ及び結果使用した最初の特徴は、ランク別にソートした単変量結果の上位200のアプタマーであった。複数のアッセイバージョンにわたるモデルの柔軟性を高めるために、モデル開発では、アッセイバージョン4.0と4.1との間に0.75を上回る相関性を有する特徴のみを使用した。(モデル内の最後の10個の特徴についての実際の相関値は表13に記載されている)。エラスティックネットロジスティック回帰を繰り返し使用することによって、特徴リストをさらに改良した。エラスティックネット回帰の各ラウンドの後、係数の絶対値が閾値を下回る特徴を削除し、モデルを再フィッティングさせた。この閾値は、最初は0.01に設定し、反復にわたって0.05まで増加させた。最終的な特徴セットが選択されると、ペナルティ適用されていないロジスティック回帰モデルが残りの10種の特徴にフィッティングした。
【0300】
選択された最終的なモデルは、10種の特徴を有するロジスティック回帰モデルであり、これは、トレーニングデータと設計検証データの両方で0.82のAUCを達成した。ロジスティック回帰モデルの式は:
CKDの確率=逆ロジット(切片+合計(係数*特徴レベル))である。
このモデルでは、切片=-0.803923であり、特徴名及び係数を表8に示す。特徴レベルは、プロテオミクスアッセイ、例えばアプタマーベースのアッセイによって試料中で測定されるRFU(相対蛍光単位)である。KFREを使用して比較性能を評価し、CRICコホート全体に対して0.77(95%CI:0.75、0.78)のAUCが達成された。表14は、最終モデルからのトレーニングデータ及び設計検証データについてのAUC及び95%CIを示す。
【0301】
感度及び特異性の調和平均であるF1スコアを最大化することによって最適決定閾値を求め、それはp=0.3533で見出された。この確率を、後続の4年以内にPCRIを開発するための「yes」または「no」の状態を決定するための閾値として使用した。0.3533未満の予測確率は「no」とラベル付けされ、0.3533以上の予測確率は「yes」とラベル付けされる。改良プロセスには、モデルのロバスト性に関する検査も含まれていた。いくつかの実施形態では、p=0.3、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、または0.3533である。
【0302】
実施例4.モデル有効性検証計画及び結果
4.1 臨床有効性検証計画15%ホールドアウト有効性検証データセットに対して、4年間のエンドポイントでのPCRI yes/noのAUCを計算することによって、モデルを有効性検証した。判定基準は、AUCが0.65、0.7、0.75、または0.77以上であったことであった。
有効性検証データに関する臨床結果必要とされる合格基準は、完全有効性検証コホートにおけるこのモデルのAUCが完全CRICコホートにおけるKFREと少なくとも同じAUCを有することであった(AUC≧0.77)。有効性検証結果を表19に示す。図3を参照されたい。
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以下に、または本明細書全体の他の箇所に挙げるすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される:
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図1
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図4
図5
【国際調査報告】