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特表2024-525156超音波電池管理システム(U-BMS)、U-BMSを用いたエネルギー貯蔵システム
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  • 特表-超音波電池管理システム(U-BMS)、U-BMSを用いたエネルギー貯蔵システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】超音波電池管理システム(U-BMS)、U-BMSを用いたエネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20240703BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240703BHJP
   G01R 31/382 20190101ALI20240703BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20240703BHJP
【FI】
H01M10/48 Z
H02J7/00 Q
G01R31/382
G01R31/392
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577345
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022033339
(87)【国際公開番号】W WO2022266035
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/210,413
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】519424951
【氏名又は名称】タイタン・アドバンスト・エナジー・ソリューションズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アップルベリー,モーラ
(72)【発明者】
【氏名】フェリー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パケット,ポール
(72)【発明者】
【氏名】オデイ,シーン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】コワルスキー,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BA01
2G216BA21
2G216CB18
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA05
5G503EA09
5G503GD03
5G503GD06
5G503HA02
5H030AA01
5H030AS20
5H030FF51
(57)【要約】
エネルギー貯蔵システムは、複数の電池モジュールのスタック、複数の超音波エミッタトランスデューサ、複数の超音波受信トランスデューサ、1つ以上の励起モジュール、1つ以上の捕捉モジュール、および超音波電池管理システムを備えることができる。各超音波エミッタトランスデューサおよび各超音波受信トランスデューサは、電池モジュールのそれぞれ1つの表面に音響的に結合することができる。励起モジュール(複数可)は、複数の超音波エミッタトランスデューサと電気的にインターフェース接続することができ、捕捉モジュール(複数可)は、複数の超音波受信トランスデューサと電気的にインターフェース接続することができる。超音波電池管理システムコントローラは、電池モジュールの超音波問い合せシーケンスを開始するように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池モジュールのスタックと、
複数の超音波エミッタトランスデューサであって、各超音波エミッタトランスデューサは、電池モジュールのそれぞれの1つの表面に音響的に結合される、複数の超音波エミッタトランスデューサと、
複数の超音波受信トランスデューサであって、各超音波受信トランスデューサは、電池モジュールのそれぞれの1つの表面に音響的に結合される、複数の超音波受信トランスデューサと、
複数の超音波エミッタトランスデューサと電気的に接続された1つ以上の励起モジュールと、
複数の超音波受信トランスデューサと電気的にインターフェース接続する1つ以上の捕捉モジュールと、
電池モジュールの超音波問い合せシーケンスを開始するように構成された超音波電池管理システムコントローラと、
を含むエネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記複数の電池モジュールのスタックは、電力交換モジュールと直列に接続され、
前記複数の電池モジュールのスタックは、前記超音波質問シーケンス中に充電または放電されるように構成される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記超音波エミッタトランスデューサおよび前記超音波受信トランスデューサは、透過モードのために少なくとも1つの電池モジュールに音響的に結合される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記超音波エミッタトランスデューサおよび前記超音波受信トランスデューサは、エコー送信モードのために少なくとも1つの電池モジュールに音響的に結合される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記複数の電池モジュールのスタックは、電力交換モジュールと直列に接続される、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記電力交換モジュールと複数の電池モジュールのスタックとの間に配置された開閉装置モジュールをさらに含み、
前記開閉装置モジュールは、スタックの充電および放電中の電池充電平衡を管理するように構成される、請求項5に記載のエネルギー貯蔵システム、
【請求項7】
前記超音波電池管理システムコントローラは、
スタックの各電池モジュールの充電状態に基づいて充電平衡化コマンドを生成し、
充電平衡化コマンドを開閉装置モジュールに送信するように構成される、請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記超音波電池管理システムコントローラは、
スタックの各電池モジュールの充電状態および健全状態に基づいて、充電平衡化コマンドを生成し、
前記充電平衡化コマンドを開閉装置モジュールに送信する、請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記スタック電池モジュールの少なくとも一部が、80%以下の健全状態値を有する、請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記充電平衡化は、スタック充電サイクル中には、15%~100%の充電状態値範囲にわたって管理され、スタック放電サイクル中には、100%~15%の充電状態値範囲にわたって管理される、請求項6に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
前記捕捉モジュールは、各電池モジュールに対応する捕捉データを生成する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項12】
各電池モジュールに対応する前記捕捉データは、SoC/SoHモジュールによって処理されて、充電状態(SoC)値を各電池モジュールに関連付ける、請求項11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項13】
各電池モジュールに対応する前記捕捉データは、SoC/SoHモジュールによって処理されて、健全状態(SoH)値を各電池モジュールに関連付ける、請求項11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項14】
各電池モジュールに対応する前記捕捉データは、SoC/SoHモジュールによって処理されて、充電状態(SoC)値および健全状態(SoH)値を各電池モジュールに関連付ける、請求項11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項15】
超音波エミッタトランスデューサおよび超音波受信トランスデューサを複数の電池モジュールのスタックの電池モジュールに音響的に結合すること、
各超音波エミッタトランスデューサと1つ以上の励起モジュールとを電気的にインターフェース接続すること、
各超音波受信トランスデューサを1つ以上の捕捉モジュールと電気的にインターフェース接続すること、
超音波電池管理システムコントローラによって電池超音波問い合せシーケンスを開始すること、
を含む方法。
【請求項16】
スタックを電力交換モジュールと直列に接続すること、
超音波問い合せシーケンス中にスタックを充電または放電すること、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記超音波エミッタトランスデューサおよび前記超音波受信トランスデューサの少なくとも1つの対が、透過モード構成で前記電池モジュールのうちの1つに結合される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記超音波エミッタトランスデューサおよび前記超音波受信トランスデューサの少なくとも1つの対が、エコー送信モード構成で前記電池モジュールのうちの1つに結合される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記超音波問い合せシーケンスは、前記1つ以上の捕捉モジュールによって前記スタックの各電池モジュールに対応する捕捉データを生成すること、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記生成された捕捉データをSoC/SoHモジュールによって処理して、充電状態値を前記スタックの各電池モジュールに関連付けること、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記生成された捕捉データをSoC/SoHモジュールによって処理して、健全状態値を前記スタックの各電池モジュールに関連付けること、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記生成された捕捉データをSoC/SoHモジュールによって処理して、充電状態値および健全状態値を前記スタックの各電池モジュールに関連付けること、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記スタックと電力交換モジュールとの間にスイッチングモジュールを配置すること、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
超音波電池管理システムコントローラによって、スタックの各電池モジュールに関連する充電状態値に基づいて充電平衡化コマンドを生成すること、をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
スタックの充電平衡化は、スタック充電サイクル中に15%~100%の充電状態値範囲にわたって実行されるか、
またはスタックの充電平衡化は、スタック放電サイクル中に100%~15%の充電状態値範囲にわたって実行される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
電池モジュールのスタックを充電平衡するためにエネルギー貯蔵システム(ESS)を動作させる方法であって、
(a) 各電池モジュールの超音波問い合せのためのスタックを構成すること、
(b) 各電池モジュールを通過する超音波エネルギーに対応する超音波信号データを捕捉すること、
(c) SoC/SoHモジュールによる超音波信号データの処理および各電池モジュールへの充電状態値の割り当てを行うこと、
(d) 各電池モジュールに関連する充電状態値に基づいて充電平衡化コマンドを生成すること、
(e) スタック充電サイクル中に15%~100%の割り当てられた充電状態値範囲にわたってスタックを充電平衡化すること、および/またはスタック放電サイクル中に100%~15%の割り当てられた充電状態値範囲にわたってスタックを充電平衡化すること、
を含む方法。
【請求項27】
(f) 前記(a)~(e)を繰り返すこと、をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
複数の電池モジュールのスタックを含むエネルギー貯蔵システムにおける充電平衡化のための方法であって、
(a)スタックの充電サイクル中に、
スタック内の各電池モジュールの充電状態(SoC)を測定うること、
電池モジュールの第1のモジュールについての測定された(SoC)が第1の閾値より1%を超えて高いことに応答して、第1のモジュールを通る電流を制限させる1つ以上の制御信号を生成すること、
スタック内の各電池モジュールについての(SoC)を再測定すること、
電池モジュールの第1のモジュールについての(SoC)の再測定が第1の閾値の1%以内であることに応答して、第1のモジュールを通る電流の制限を除去させる1つ以上の制御信号を生成すること、
を含む方法。
【請求項29】
複数の電池モジュールのスタックを含むエネルギー貯蔵システムにおける充電平衡化のための方法であって、
(b)スタックの放電サイクル中に、
スタック内の各電池モジュールの充電状態(SoC)を測定すること、
電池モジュールの第1のモジュールについて測定されたSoCが第2の閾値よりも1%を超えて小さいことに応答して、第1のモジュールから引き出される電流を制限する1つ以上の制御信号を生成すること、
スタック内の各電池モジュールについてのSoCの再測定を行うこと、
電池モジュールの第1のモジュールについて再測定されたSoCが第2の閾値の1%以内であることに応答して、第1のモジュールから引き出される電流の制限を除去させる1つ以上の制御信号を生成すること、
を含む方法。
【請求項30】
前記第1の閾値、前記第2の閾値、またはその両方が、前記スタック内の前記電池モジュールの残りについての前記測定されたSoCの最小値を含む、請求項28~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のモジュールを通る電流、前記第1のモジュールから引き出される電流、またはその両方が、電流の流れを中断するスイッチによって、または前記第1のモジュールへの電流振幅を漸増的に減少させるように動作可能な電流減衰器によって、制限される、請求項28~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記充電および/または放電サイクルの間、前記電池モジュールのうちの1つ、いくつか、または全てについての前記SoCが、少なくとも15%である、請求項28~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記充電および/または放電サイクルの間、前記電池モジュールのうちの1つ、いくつか、または全てについての前記SoCが、両端を含めて15~80%の範囲内である、請求項28~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記充電および/または放電サイクルの間、前記電池モジュールのうちの1つ、いくつか、または全てについての前記SoCが、少なくとも80%である、請求項28~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
SoCの測定および/またはSoCの再測定が、
電池モジュールに超音波で問い合わせして、1つ以上の超音波信号を生成すること、
1つ以上の超音波信号に少なくとも部分的に基づいて、各電池モジュールのSoCを決定すること、
を含む、請求項28~29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、35 U.S.C. §119(e)に基づく利益および優先権を主張し、2021年6月14日に出願された「Ultrasound-Battery Management Systems(U-BMS)、およびEnergy Storage Systems Employing U-BMS」という名称の米国仮出願第63/210,413号の非仮出願であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(著作権表示)
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含むことができる。著作権者は、米国特許庁のファイルまたは記録に現れる本明細書あるいは特許開示のファクシミリの複製に異存は無いが、ほかの点では、何であれ、全ての著作権を保有する。この文書には、「Copyright (c) <2021 2022>、Titan Advanced Energy Solutions Inc.」という通知が適用される。
【0003】
(分野)
本開示は、一般的には、1つ以上の電池などの1つ以上のエネルギー貯蔵装置の監視に関し、より詳細には、複数のエネルギー貯蔵装置の超音波ベースの管理に関する。
【背景技術】
【0004】
エネルギー貯蔵システム(ESS: Energy storage System)を管理するための既存の方法は、充電および放電サイクル中の各電池モジュールの瞬間的な電圧、電流、および温度を監視することに基づく。電池管理システム(BMS:Battery Management System)は、各電池モジュールに関連付けられたセルインターフェース(CI)モジュールとインターフェース接続し、CI(Cell Interface)に対応するセンサから電圧、電流、および温度測定値のストリームを受信する。ESSは、直列または並列に接続することができる複数の個々の電池モジュールを含む。各電池モジュールは、単一の電池セルまたは複数の電池セルを含むことができる。電池セルは、そこから延在する電池端子を含む密封パウチ内に封入されてもよい。1つ以上の電池セルまたはパウチは、液体電解質で充填され、密封され得る、より剛性の電池モジュール容器またはハウジング内に挿入され得る。電池セルは、直列に、並列に、または直列接続と並列接続との組合せで相互接続することができる。密閉容器(例えば、電池モジュール)は、そこから延びる電池端子を含むことができる。ESS構成は、エネルギー貯蔵容量、エネルギー出力特性、動作電圧、および電流範囲の所望の要件を満たすESSを提供するように選択される。直列に接続された複数の電池モジュールは、電池スタックとして知られている。ESS構成は、直列、並列、またはその両方に相互接続された1つ以上の電池スタックを含むことができる。
【0005】
電池モジュールの充電平衡化は、ESSの全ての電池モジュールを均一に充電および放電するために使用される。ESSの各電池モジュールは、常に同じ充電状態(SoC:State of Charge)を有することが望ましい。さらに、いずれの状態も、電池モジュールを損傷させ、および/または電池の故障、熱暴走、または他の危険な電池状態につながる可能性があるので、充電および放電サイクル中に電池モジュールが過充電または過放電されないことが望ましい。多数の要因が、複数の電池モジュールを充電または放電するときの充電平衡を妨げ、または複雑にする。各電池モジュールが複数の電池セルを含む従来の電池モジュールのスタックでは、全ての電池モジュールが直列に接続され、したがって、理論的には、それらを通って流れる同じ電流を有する。しかしながら、従来の電池スタックの問題は、全ての電池モジュールが同じ量のエネルギーを貯蔵するわけではないことである。この理由の1つは、電池モジュールの内部抵抗が電池モジュールごとに異なることである。内部抵抗の違いは、部分的には、電池構成要素の違い、例えば、化学的な違い、材料層の厚さの変化、および機械的な欠陥に起因し、これは、電池内部抵抗の違いに潜在的に寄与する。その結果、スタックの各電池モジュールは、わずかに異なる量の有用な充電を受け、個々のスタック電池のSoCを不均一または「アンバランス(不平衡)」にし、スタックに接続された電池モジュールが一貫して動作し、所望の電圧限界内にとどまることを保証するために、電池モジュールは、全ての電池モジュールにわたって測定された電池電圧を均一にすることを試みることによって、充電平衡をとる。
【0006】
しかしながら、電池電圧対SoC曲線は、非線形であり、完全放電電池モジュールと完全充電電池モジュールとの間の電圧範囲は、小さいので、測定電圧単独だけでは、実際のSoCの信頼できる指標ではない。例えば、リチウムイオン(Li-ion)電池モジュールの開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)は、SoCに直接関連するが、電池モジュールに送達されるエネルギーを充電するためには、直接関連しない。例示的なLiイオン電池モジュールの全体的な電圧範囲対SoCは、以下の通りである。ゼロSoC(例えば、完全放電)では、OCVは、約5.0Vである。100%SoC(例えば、完全に充電された)では、OCVは、約8.5Vであり、全電圧範囲は、3.5Vである。したがって、電圧対SoC曲線が線形であったとしても、SoCの1%変化は、0.04Vの電圧変化に関連し、これは、確実に測定することができない可能性がある。さらに、電池電圧およびSoCの両方は、電池温度の変化とともに変化する。同じ例示的なLiイオン電池モジュールについて、電圧対SoC曲線の非線形側面は、3つのゾーン、すなわち、0~20%SoC、20~80%SoC、および80~100%SoCに分割することができる。0~20%のSoC範囲は、OCVの最大の変化に対応する。SoC範囲0~20%にわたって、電池電圧範囲は、約5.0V~7.5V、または全電圧範囲の約71.5%である。SoC範囲20~80%にわたって、OCV範囲は、約7.5V~7.8Vまたは全電圧範囲の約8.5%である。SoC範囲80~100%にわたって、7.8V~8.5VのOCV範囲は、全電圧範囲の約20%である。多くの種類の電池の電圧対SoC曲線の非線形性を考慮すると、電池モジュールがほぼ完全に充電されているとき(例えば、電池電圧が約7.8Vまたは約80%充電されているとき)にのみ、変化バランスが適用される。しかしながら、SoC範囲の最終的な20%に対して充電平衡を使用するだけでは、完全な充電平衡を達成するのに十分な充電平衡サイクルを提供しない。結果として、いくつかの電池モジュールは、100%のSoCレベルに達しないことがあり、および/またはいくつかの電池モジュールの充電容量は、変化しないままであることがある。
【0007】
従来のESSは、スタック開閉装置(SG:Switching Gear)モジュールと、従来のBMSに結合されたCIモジュールとを含むことができる。SGモジュールは、電力交換モジュール(例えば、電源または電力負荷インターフェース)とESSスタックとの間に配置される。SG、CI、およびBMSは、スタックの充放電サイクルおよびスタックの充電平衡を管理するために動作する。充電平衡化は、充電および放電サイクル中に1つ以上の電池モジュールを選択的に不均衡に充電または放電して、全ての電池モジュール測定電圧値を電池スタックの平均電池モジュール電圧と一致させるように構成されたモジュールを含む。SGモジュールは、電池スタックの平均電池モジュール電圧と比較して、電池電圧を低減または増加させるために、目標とする電池モジュールからエネルギーを迂回させるように配置された抵抗器を適用することによって、電流振幅を制限する。実際には、従来のBMSおよびSGモジュールは、電池モジュール電圧が約80~85%充電されたときにのみ平衡となり、バランスがとれる。
【0008】
従来のBMSは、機能的エネルギー貯蔵装置パラメータ、例えば、CIによる電流、電圧、温度を監視することができ、電池電圧のみに基づいて、性能メトリック、例えば、SoC、健全状態(SoH:State of Health)、およびエネルギー貯蔵容量を計算または推論することができる。従来のBMSは、各電池モジュールの状態を追跡し、外部システム、例えば、電力交換モジュールに伝達することができる。従来のBMSは、有害な状態、例えば、過充電、過放電、過剰温度、過剰電圧、または電流状態から電池を保護することを試みることができる。電池が安全な電気化学的限界内で動作することを確実にするために、従来のBMSは、電池動作の境界として機能する電圧限界を課す。従来のBMSは、SoCおよびSoHを直接測定することができないので、電圧限界内の利用可能なエネルギー容量を理解するために、電池容量メトリック(例えば、SoC、SoH)を計算するために、各電池モジュールの電圧および電流測定値を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この実践は、いくつかの電池モジュールが決して100% SoCレベルに達することがなく、利用可能なESSスタック充電貯蔵容量を未利用のままにすることができる。
【0010】
開示される主題の実施形態は、とりわけ、上述の問題および欠点のうちの1つ以上に対処し得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示される主題のシステムの実施形態は、スタックおよび/または個々のユニット(例えば、電池)の超音波測定値をその中で使用することによって、複数のエネルギー貯蔵スタック(例えば、電池スタック)を備えるエネルギー貯蔵システム(ESS)を管理するためのシステム、デバイス、および方法を提供する。ESSシステムは、電池スタックを含むことができる。電池スタックの各電池モジュールは、超音波エミッタ(例えば、トランスデューサ)および/または超音波レシーバ(例えば、トランスデューサ)に音響的に結合することができる。いくつかの実施形態では、超音波BMSモジュールが電池スタックを管理し、電池スタックの各電池に対応する周期的な超音波質問データを捕捉するように動作可能であり得る。処理モジュールは、スタックの1つ、いくつか、または全てのユニットの充電状態(SoC)値および/または健全状態(SoH)値を決定することができる。いくつかの実施形態では、スタックに結合された電池充電平衡化モジュールが決定されたSoCおよび/またはSoH値に少なくとも部分的に基づいて、スタックの選択されたユニットへのおよび/またはそれからの電流フローを選択的に制限するように動作することができる。
【0012】
開示される主題の実施形態は例えば、ESSスタック(例えば、電池スタック)の各モジュール(例えば、電池モジュール)の周期的な超音波シグネチャに少なくとも部分的に基づいてSoCおよび/またはSoHを決定することによって、物理ベースの充電容量測定を行うための閉ループソリューションを提供することができる。いくつかの実施形態では、超音波シグネチャが1つ以上の超音波トランスデューサ(例えば、トランシーバ)をスタックの各電池モジュールに結合し、各超音波トランスデューサを超音波ベースの電池管理システム(U-BMS)に電気的に接続することによって生成され得る。超音波トランスデューサは、電池モジュールの表面に音響的に結合され、対応する電池モジュールに超音波エネルギーを放出する超音波エミッタを含むことができる。代替的または追加的に、超音波トランスデューサは、同じ電池モジュールの表面に音響的に結合された超音波受信機を含むことができる。超音波受信機は、電池モジュールを通過した超音波エネルギーを受信することができ、受信した超音波エネルギーを表す電気信号を生成することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、SoCおよびSoHの物理ベースの容量測定値は、U-BMSに関連付けられた1つ以上のSoC/SoHモジュールによって導出される。SoC/SoHモジュールは、超音波シグネチャを特徴付けることによってSoCおよび/またはSoH値を決定することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のSoC/SoHモジュールは、瞬間電池電圧とは無関係にSoCおよび/またはSoH値を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、超音波シグネチャが電池充電または放電サイクル中に生成され得る。そのような物理学に基づく容量測定は、電圧測定からSoCおよびSoHを導出することと比較して、SoHおよび/またはSoC値の分解能および精度を改善することができる。本明細書に記載される超音波誘導測定値を使用することによって、開示される主題の実施形態は、従来の技法で可能であったものよりも大きい電池電圧範囲にわたって電池モジュールのスタックを充電平衡化することが可能である。電池モジュールの充電平衡を生じさせることができる電池電圧範囲を増加させることによって、電池スタックの総充電容量を増加させることができる。
【0014】
代表的な実施形態では、エネルギー貯蔵システムは、複数の電池モジュールのスタックと、複数の超音波エミッタトランスデューサと、複数の超音波受信トランスデューサと、1つ以上の励起モジュールと、1つ以上の捕捉モジュールと、超音波電池管理システムコントローラとを備えることができる。各超音波エミッタトランスデューサは、電池モジュールのそれぞれ1つの表面に音響的に結合することができる。各超音波受信トランスデューサは、電池モジュールのそれぞれ1つの表面に音響的に結合することができる。1つ以上の励起モジュールは、複数の超音波エミッタトランスデューサと電気的に接続することができる。1つ以上の捕捉モジュールは、複数の超音波受信トランスデューサと電気的にインターフェース接続することができる。超音波電池管理システムコントローラは、電池モジュール超音波問い合せシーケンスを開始するように構成することができる。
【0015】
別の代表的な実施形態では、本方法は、超音波エミッタトランスデューサおよび超音波受信トランスデューサを複数の電池モジュールのスタックの電池モジュールに音響的に結合することを含むことができる。本方法は、各超音波エミッタトランスデューサを1つ以上の励起モジュールと電気的にインターフェース接続することと、各超音波受信トランスデューサを1つ以上の捕捉モジュールと電気的にインターフェース接続することと、をさらに含むことができる。本方法は、超音波電池管理システムコントローラによって電池超音波問い合せシーケンスを開始することも含むことができる。
【0016】
別の代表的な実施形態では、電池モジュールのスタックを充電平衡させるためにエネルギー貯蔵システム(ESS)を動作させるための方法が提供される。本方法は、各電池モジュールの超音波問い合せのためにスタックを構成することと、各電池モジュールを通過する超音波エネルギーに対応する超音波信号データを捕捉することと、を含むことができる。本方法はまた、SoC/SoHモジュールによって超音波信号データを処理することと、充電状態値を各電池モジュールに割り当てることと、各電池モジュールに関連する充電状態値に基づいて充電平衡化コマンドを生成することと、を含むことができる。本方法は、スタック充電サイクル中に15%~100%の割り当てられた充電状態値範囲にわたってスタックを充電平衡化すること、および/またはスタック放電サイクル中に100%~15%の割り当てられた充電状態値範囲にわたってスタックを充電平衡化することをさらに含むことができる。
【0017】
本開示の様々な革新のいずれも、組み合わせて、または別々に使用することができる。この概要は、以下の詳細な説明においてさらに説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図するものでもない。開示された技術の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、実施形態について、必ずしも一定の縮尺で描かれていない添付の図面を参照して説明する。適用可能な場合、いくつかの要素は、基礎となる特徴の例示および説明を助けるために、簡略化されるか、またはそうでなければ図示されない場合がある。図面全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を示す。
図1図1は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、超音波電池管理システム(U-BMS)を含むエネルギー貯蔵システム(ESS)の概略図である。
図2図2は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、U-BMSのための例示的な機能のグラフである。
図3図3は、開示される主題の1つ以上の実施形態による、U-BMSのための例示的な機能のグラフである。
図4図4は、電池モジュールスタックのエネルギー貯蔵容量対充放電サイクル数のグラフであり、サイクル数による増加したスタック容量に対するバランス効果を示す。
図5図5は、開示される技術が実装され得るコンピューティング環境の一般化された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一般的な考慮事項
本明細書の目的のために、本開示の実施形態の特定の態様、利点、および新規な特徴が本明細書に記載される。開示された方法およびシステムは、決して限定的であると解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、ならびに互いの様々な組合せおよびサブコンビネーションで、開示される様々な実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴および態様を対象とする。本方法およびシステムは、任意の特定の態様、特徴、またはそれらの組み合わせに限定されず、開示される実施形態は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すること、または問題が解決されることを必要としない。任意の実施形態または実施例からの技術は、他の実施形態または実施例のうちの任意の1つ以上において説明される技術と組み合わせることができる。開示された技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示された実施形態は、例示的なものにすぎず、開示された技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識されたい。
【0020】
開示される方法のうちのいくつかの動作は、便利な提示のために特定の順番で説明されるが、特定の順序付けが、以下で説明される特定の言語によって必要とされない限り、この説明の方式は、並べ替えを包含することを理解されたい。例えば、連続して説明される動作は、場合によっては、並べ替えられるか、または同時に実行され得る。さらに、簡略化のために、添付の図面は、開示された方法が他の方法と併せて使用され得る様々な方法を示していない場合がある。さらに、説明は、開示された方法を説明するために、「提供する(provide)」または「達成する(achieve)」のような用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装形態に応じて異なり得、当業者によって容易に認識可能である。
【0021】
数値範囲の開示は、特に断りのない限り、端点を含む範囲内の各離散点を指すものと理解されるべきである。別段の指示がない限り、本明細書または特許請求の範囲で使用される、成分の量、分子量、百分率、温度、時間などを表す全ての数は、用語「約(about)」によって修飾されると理解されるべきである。したがって、別段の暗示的または明示的な指示がない限り、または文脈がより明確な構成を有すると当業者によって適切に理解されない限り、記載される数値パラメータは、当業者に知られているように、求められる所望の特性および/または標準試験条件/方法下での検出の限界に依存し得る近似値である。議論された先行技術から実施形態を直接的かつ明示的に区別する場合、実施形態番号は、「約」という単語が列挙されない限り、近似ではない。「実質的に(substantially)」、「およそ(approximately)」、「約(about)」、または同様の言語が特定の値と組み合わせて明示的に使用される場合は常に、明示的に別段の定めがない限り、その値の10%までの変動が意図される。
【0022】
方向および他の相対参照は、本明細書における図面および原理の説明を容易にするために使用され得るが、限定することを意図されない。例えば、「内側」、「外側」、「上」、「下」、「頂部」、「底部」、「内部」、「外部」、「左」、「右」、「前」、「後」、「後側」などの特定の用語が使用されてもよい。このような用語は、適用可能な場合、特に例示された実施形態に関して、相対的な関係を扱うときに、いくつかの明確な説明を提供するために使用される。しかしながら、このような用語は、絶対的な関係、位置、および/または向きを暗示することを意図するものではない。例えば、物体に関して、「上」は、単に物体を裏返すことによって「下」になり得る。それにもかかわらず、それは、依然として同じ部分であり、物体は、同じままである。
【0023】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味し、また、単数形「a」または「an」または「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数への言及を含むものである。用語「または」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、言及された代替要素の単一の要素または2つ以上の要素の組合せを指す。本明細書で使用するとき、用語「および/または」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意のおよび全ての組み合わせを含む。用語「含む(includes)」、「含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(including)」、「有する(having)」、および/または「含む(comprising)」は、本明細書で使用される場合、説明された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの追加を排除するものではない。さらに、構成要素またはサブシステムを含む要素が別の要素に接続または結合されるものとして言及および/または示される場合、明示的に別段の定めがない限り、他の要素に直接接続または結合され得るか、または介在する要素が存在し得ることを理解されたい。
【0024】
本明細書に記載される様々な構成要素、パラメータ、動作条件などの代替があるが、それらの代替が必ずしも同等であり、および/または等しく良好に機能することを意味しない。また、特に明記しない限り、選択肢が好ましい順序で列挙されていることも意味しない。特に明記しない限り、以下に定義する基のいずれも、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0025】
別段の説明がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本開示の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。本開示の主題の特徴は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0026】
用語の概要
以下は、開示される主題の様々な態様の説明を容易にし、開示される主題の実施において当業者を案内するために提供される。
【0027】
以下の参照番号は、特に明記しない限り、この説明および添付の図面を通して使用される。
【0028】
【表1】
【0029】
導入部
図1に示されるように、超音波電池管理システム(U-BMS)アーキテクチャは、U-BMS制御パネル0170、U-BMSコーディネータ0175、およびエネルギー貯蔵システム(例えば、電池)に結合されて超音波可能エネルギー貯蔵システム(U-ESS)0100を形成する1つ以上のU-BMSコントローラ0180、0182を含むことができる。図示の例では、U-ESS0100は、2つの電池スタック0105、0110を含むが、1つ以上の企図される実施形態に従って、任意の数の電池スタックを設けることができる。図示の例では、電池スタック0105は、3つの電池モジュール0115、0120、0125を含み、電池スタック0110は、3つの電池モジュール0130、0135、0140を含む。しかしながら、1つ以上の考えられる実施形態によれば、任意の数の電池モジュールを各電池スタックに含めることができる。いくつかの実施形態では、各電池モジュール0115~0140は、少なくとも1つのリチウムイオン電池セルを含むことができる。いくつかの実施形態では、各電池モジュール0115~0140は、長方形の金属ケーシング内に収容された4つのパウチセルを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、各電池モジュールは、2s-2p配置で接続された4つのパウチセルを備える日産リーフ(Nissan Leaf:登録商標)リチウムイオン電池モジュールとすることができる。いくつかの実施形態では、金属ケーシングは、対向する平行な上壁および底壁、対向する平行な側壁、および対向する平行な端壁を含むことができ、これらは、全て、互いに接合されて気密電池モジュール筐体を形成する。
【0030】
いくつかの実施形態では、各電池モジュール0114~0140は、正および負の電気端子を含むことができ、その各々は、対応する電池モジュールをそれぞれの電力回路0150、0152に接続するように構成することができる。いくつかの実施形態では、各電力回路0150、0152は、それぞれの開閉装置(SG)モジュール0145、0147を介して電力交換モジュール0155と電気的に接続することができる。例えば、電力交換モジュール0155は、他の電力デバイス、例えば、電力負荷、電源、他のエネルギー貯蔵装置、電力グリッドインターフェース、光起電力ベースのエネルギー生成システム、タービンベースのエネルギー生成システム、燃料電池エネルギー貯蔵システム、他の外部電力分配機器、他の電力条件付きデバイス、または前述の任意の組合せとインターフェース接続することができるDC電力バスを備えることができる。
【0031】
図示の例では、第1の電池スタック0105の電力回路0150は、第1のスタック0105の複数の電池モジュール0115~0125と直列に第1のSGモジュール0145を電気的に相互接続する。SGモジュール0145はまた、第1の電池スタック0105を電力交換モジュール0155と電気的に接続する。第1のセルインターフェース(CI)モジュール0160は、複数の電池モジュール0115~0125の各々とのセンサインターフェース0165を提供することができる。いくつかの実施形態では、CIモジュール0160は、1つ以上の電圧センサ、1つ以上の電流センサ、および/または電池モジュール0115~0125に接続されてその瞬間電池電圧、電流、および/または温度を測定する1つ以上の温度センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、電圧センサおよび/または電流センサは、電池端子に接続することができる。例えば、CIモジュール0160は、各電池モジュールに対応する寿命充電および放電サイクル情報を追跡するように動作するクーロン計数要素を含むことができる。SGモジュール0145およびCIモジュール0160の各々は、1つ以上の制御モジュール、例えば、BMS制御パネル0170、BMSコーディネータモジュール0175、および/またはU-BMSコントローラ0180、0182に直接または間接的に(例えば、有線または無線接続を介して)接続され得る。第2の電池スタック0110、第2のSGモジュール0147、および/または第2のCIモジュール0160の電力回路0152は、同様の方法で電池モジュール0130~0140に対して構成することができる。
【0032】
図示の例では、BMS制御パネル0170は、SGモジュール0145、0147の各々を制御することができ、電力交換モジュール0155と通信することができ、および/またはCIモジュール0160、0162からセンサデータを受信することができる。いくつかの実施形態では、BMS制御パネル0170は、充電平衡化コマンドに基づいて充電平衡化を管理することもできる。いくつかの実施形態では、BMSコーディネータ0175は、U-BMSモジュール、BMSモジュール、および/またはU-ESS 0100の他のモジュールもしくは構成要素の間でデータおよびコマンドを交換するためのインターフェース通信モジュールとして動作することができる。例えば、図1では、BMSコーディネータ0175とインターフェース接続されたU-BMSモジュールは、U-BMSコントローラホスト0195およびSoC/SoHモジュール0250を含み、BMSコーディネータ0175とインターフェース接続された(例えば、BMSコントロールパネル0170を介して)BMSモジュールは、SGモジュール0145、0147、CIモジュール0160、0162、および電力交換モジュール0155を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、BMSコントロールパネル0170およびBMSコーディネータ0175は、それぞれ、対応するプロセッサ上で動作するプロセッサ、メモリモジュール、通信インターフェース、およびエネルギー管理スキーマ要素を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、SGモジュールのうちの1つ、いくつか、または全ては、充電平衡を管理するように構成された開閉装置モジュール、例えば、カリフォルニア州サニーベールのNuvation Energy社によって販売されているスタック開閉装置を備えることができる。いくつかの実施形態では、BMS制御パネル0170、CIモジュール0160、0162、またはその両方は、従来の充電平衡化プロセスを管理するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、動作モードでは、BMS制御パネル0170が各CIモジュール0160、0162からセンサデータを受信することができ、センサデータをU-BMSコーディネータ0175に送信して、例えば、それぞれのU-BMSコントローラ0180、0182のメモリモジュール0190に記憶することができる。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、BMS制御パネル0170が電力交換モジュール0155から電力交換情報(例えば、充電または放電、スタック電力入力または出力など)を受信することができ、電力交換情報をU-BMSコーディネータ0175に送信することができる。いくつかの実施形態では、U-BMSコーディネータ0175はまた、SoC/SoHモジュール0250からSoCおよびSoH値を受信することができ、対応するスタックU-BMSコントローラ0180、0182に情報を送信することができる。いくつかの実施形態では、U-BMSコーディネータ0175はまた、スタックU-BMSコントローラ0180、0182から充電平衡化コマンドを受信することができ、SGモジュール0145、0147への送達のために、充電平衡化コマンドをBMS制御パネル0170に送信することができる。
【0034】
図1に示す例では、第2の電池スタック0110は、第1の電池スタック0105について上述したものと同様に構成されるが、いくつかの実施形態では、第2の電池スタック(または第3のまたは複数の電池スタック)は、第1の電池スタック(またはU-ESS内の他の電池スタック)とは異なる構成を有することができる。図1の図示の例では、第2の電池スタック0110は、3つの電池モジュール0130、0135、0140と、電力交換モジュール0155に並列に結合された第2のSGモジュール0147と、第2のスタックの各電池とインターフェース接続された第2のCIモジュール0162と、第2のスタック0110に対応する第2のU-BMSコントローラ0182とを含む。第2のスタック0110は、第2のCIモジュール0162からセンサデータを受信し、第2の電池スタックに対応する第2のU-BMSコントローラ0182にセンサデータを送信するように、上述と同様に制御モジュールとインターフェース接続することができる。いくつかの実施形態では、BMS制御パネル0170は、第2のSGモジュール0147および電力交換モジュール0155を介して、第2のスタック0110に関連する電力分配に関連するコマンドおよび制御メッセージを交換するU-BMSコーディネータ0175とインターフェース接続することができる。
【0035】
図1に示す例では、BMSコーディネータ0175は、第1および第2の電池スタック0105、0110に対応するU-BMSコントローラ0180、0182の各々とインターフェース接続する。いくつかの実施形態では、各電池スタックに対応する配電および電池平衡化は、2つのU-BMSコントローラ0180、0182によって別々に管理することができる。例えば、各U-BMSコントローラ0180、0182は、メモリ0190、励起モジュール0235、捕捉モジュール0240、および/またはホストモジュール0195の各々と通信するコントローラプロセッサ0185を備えることができる。いくつかの実施形態では、各ホストモジュール0195は、BMSコーディネータ0175とインターフェース接続することができる。図示の例では、各ホストモジュール0195は、各電池スタックによる電力分配および電池平衡化を管理するために、SGモジュール0145、0147を介して、U-BMSコーディネータ0175、電力交換モジュール0155、およびCIモジュール0160、0162と結合される。
【0036】
超音波信号生成および処理アーキテクチャ
再び図1を参照すると、第1の電池スタック0105の各電池モジュール0115、0120、0125は、対応する電池モジュールの表面(例えば、上面)に音響的に結合されたそれぞれの第1の超音波トランスデューサ0205、0210、0215を含む。第2の超音波トランスデューサ0220、0225、0230は、対応する電池モジュール0115、0120、0125の対向する底面に音響的に結合することができる。いくつかの実施形態では、各第1の超音波トランスデューサ0205~0215は、U-BMSコントローラ0180の励起モジュール0235と電気的にインターフェース接続された超音波放射トランスデューサであり得、各第2の超音波トランスデューサ0220~0230は、U-BMSコントローラ0180の捕捉モジュール0240と電気的にインターフェース接続された受信トランスデューサであり得る。いくつかの実施形態では、励起モジュール0235と電気的に接続された超音波放射トランスデューサ、および捕捉モジュール0240と電気的に接続された超音波受信トランスデューサは、対向する上部および下部の電池モジュール表面上に(例えば、互いに整列またはオフセットして)、または同じ電池モジュール表面上に配置することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、トランスデューサ0205~0230のうちの1つ、いくつか、または全ては、例えば、トランスデューサが励起モジュール0235と電気的にインターフェース接続されるか、またはそれぞれのU-BMSコントローラの捕捉モジュール0240と電気的にインターフェース接続されるかに応じて、超音波放射トランスデューサとして、または超音波受信トランスデューサとして動作することができる。超音波放射トランスデューサおよび超音波受信トランスデューサが対向する構成で配置されるとき、超音波エネルギーは、透過モードで電池モジュール内に送達され得る。透過モードの間、超音波放射トランスデューサによって放出された超音波エネルギーは、電池モジュールの第1の表面から電池モジュールの対向する第2の表面へ通過し、ここで、超音波エネルギーの一部は、超音波受信トランスデューサを励起するために対向する第2の表面を通過する。あるいは、いくつかの実施形態では、一対の超音波トランスデューサの両方を電池モジュールの同じ表面に結合することができる。この構成では、トランスデューサ対のうちの第1のものは、励起モジュール0235と電気的にインターフェース接続されたときに超音波放射トランスデューサとして動作することができ、トランスデューサ対のうちの第2のものは、捕捉モジュール0240と電気的にインターフェース接続されたときに超音波受信トランスデューサとして動作することができる。超音波放射トランスデューサおよび超音波受信トランスデューサの両方が電池モジュールの同じ表面に音響的に結合されるとき、超音波エネルギーは、エコー送信モードで送達され得る。エコー送信モードの間、超音波放射トランスデューサによって放出された超音波エネルギーは、対応する電池モジュールの第1の表面から対応する電池モジュールの対向する第2の表面へ通過し、ここで、超音波エネルギーの一部分は、対向する第2の表面を通過し、超音波エネルギーの一部分は、対向する第2の表面から反射される。対向する第2の表面から反射された超音波エネルギーは、対向する第2の表面から、超音波エネルギーの一部が第1の表面を通過して超音波受信トランスデューサを励起する第1の表面に戻る。したがって、透過モードは、電池モジュールを1回通過させる超音波エネルギーに対応し、エコー透過モードは、電池モジュールを2回通過させる超音波エネルギーに対応する。
【0038】
いくつかの実施形態では、U-BMSコントローラ0180は、超音波放射トランスデューサ0205、0210、0215を制御および/または管理するように構成され得る。例えば、超音波エネルギーを放出するために、U-BMSコントローラプロセッサ0185は、励起モジュール0235に接続された超音波放射トランスデューサのうちの1つ、いくつか、または全てに電気励起信号を送信するように命令することができる。いくつかの実施形態では、励起モジュール0235によって生成される電気励起信号は、ある持続時間にわたって一定の正の電圧を有する方形波であり得る。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、励起モジュール0235によって生成される電気励起信号は、第1の持続時間の間、一定の正の電圧を有し、その後、第2の持続時間の間、一定の負の電圧を有する方形波であり得る(ここで、第2の持続時間は、第1の持続時間と同じであっても、または異なってもよい)。
【0039】
いくつかの実施形態では、励起モジュール0235によって生成された電気励起信号は、励起モジュール0235に結合された超音波放射トランスデューサの固有共振周波数に対応する超音波周波数範囲の中心を有する大きな超音波周波数範囲を有することができる。例えば、電気励起信号は、100kHz~1.10MHzの範囲内の中心周波数、および600~800ナノ秒(ns)の範囲内のパルス持続時間を有することができる。電気励起信号の中心周波数範囲、パルス持続時間、および/またはパルス形態は、放出トランスデューサの特性に依存し得、および/または電池モジュールのサイズ、電池モジュールのタイプ、および/または電池モジュールの幾何学的形状に依存して変化し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、電池問い合せシーケンス中に、励起モジュール0235によって生成される電気励起信号は、単一の電気信号インスタンスまたは時間的に分離された複数の連続する同一の電気信号インスタンスを含み得る。例えば、単一の電気駆動信号を32~64回連続して発することができる。いくつかの実施形態では、同一の電気信号インスタンス間の時間間隔は、以前の電気信号インスタンスに対応する超音波エネルギーが消散するのにかかる時間を超えることができる。いくつかの実施形態では、単一の電気励起信号に応答して、単一の超音波放射トランスデューサは、対応する電池モジュール内に、およびそれを通って超音波エネルギーを放出することができる。電池モジュールを通過する間、超音波エネルギーは、電池モジュールの内部構造および外部構造によって超音波エネルギーが吸収され、反射され、および/または散乱されるにつれて、修正(例えば、減衰)され得る。例えば、超音波エネルギーは、中心周波数の高調波と、電池モジュールを通して1回以上反射される超音波エネルギーのエコーと、を含むことができる。
【0041】
電池モジュールから出ると、超音波エネルギーは、電池壁に取り付けられた対応する超音波受信トランスデューサ(例えば、超音波放射トランスデューサが対向する電池壁)を励起することができる。励起に応答して、超音波受信トランスデューサは、捕捉モジュール0240によって受信される電気応答信号を生成することができる。電気応答信号を受信すると、捕捉モジュール0240は、分析に備えて、電気応答信号を修正する(例えば、電気応答信号を増幅、フィルタリング、デジタル化、クリーニング、および/または他の方法で修正することによって)。いくつかの実施形態では、連続する一連の電気励起信号が超音波放射トランスデューサに送達されるとき、対応する超音波受信トランスデューサは、電池モジュールから出る超音波エネルギーの複数のインスタンスによって励起され得、連続する一連の電気励起信号に対応する一連の電気応答信号を生成し得る。各電気応答信号を受信すると、捕捉モジュール0240は、分析に備えて、電気応答信号を修正する(例えば、電気応答信号を増幅、フィルタリング、デジタル化、クリーニング、および/または他の方法で修正することによって)。
【0042】
いくつかの実施形態では、捕捉モジュールは、各電気応答信号を、信号ID、信号タイムスタンプ、シーケンス番号などと関連付けることができる。代替的または追加的に、捕捉モジュールは、各電気応答信号を、超音波に関連しないデータ、例えば、測定された電池温度、測定された電池電圧、測定された電池電流、電池ID、電池タイプなどに関連付けることができる。いくつかの実施形態では、電池モジュールが複数の電気駆動信号に基づいて評価されるとき(例えば、32または64個の個々の電気応答信号のグループが捕捉モジュール0240によって受信されるとき)、電気応答信号のシーケンスは、単一のデータセットとして扱われ得る。複数の電気応答信号を受信すると、捕捉モジュール0240は、(例えば、個々の電気応答信号を増幅、フィルタリング、デジタル化、クリーニング、および/または別様に修正することによって)各個々の電気応答信号を任意選択で修正することができる。いくつかの実施形態では、次いで、個々の電気応答信号の特性を組み合わせることができる(例えば、32または64個の個々の電気応答信号のグループに対応する、平均化、二乗平均平方根(RMS)値の生成、二次平均の計算などによって)。いくつかの実施形態では、各捕捉データインスタンスは、捕捉データインスタンスを分析し、SoC値および/またはSoH値を捕捉データインスタンスに関連付けることができるSoC/SoHモジュール0250に送信することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、各電池スタック(例えば、スタック0105)は、複数の超音波放射トランスデューサ(例えば、3つの電池モジュール0115、0120、および0125に対応する3つのトランスデューサ0205、0210、0215)、複数の超音波受信トランスデューサ(例えば、3つの電池モジュール0115、0120、および0125に対応する3つのトランスデューサ0220、0225、0230)、および複数の温度感知トランスデューサ(例えば、3つの電池モジュール0115、0120、および0125に対応する熱電対または他の熱測定デバイスなどの3つのセンサ0245)を関連付けることができる。いくつかの実施形態では、超音波発光トランスデューサの1つ、いくつか、または全ては、それぞれのU-BMSコントローラの励起モジュール0235と電気的にインターフェース接続され得、超音波受信トランスデューサの1つ、一部、または全ては、それぞれのU-BMSコントローラの捕捉モジュール0240と電気的にインターフェース接続され得る。いくつかの実施形態では、温度センサ0245の1つ、いくつか、または全ては、それぞれのU-BMSコントローラの温度モジュール0260と通信することができる。いくつかの実施形態では、励起モジュール0235、捕捉モジュール0240、および/または温度モジュール0260は、スタックプロセッサ0185と通信することができ、スタックプロセッサ0185は、スタックホスト0195と通信することができる。いくつかの実施形態では、スタックホスト0195は、SoC/SoHモジュール0250、BMSコーディネータ0175、BMSコントロールパネル0170、電力交換モジュール0155、SGモジュール0145、および/またはCIモジュール0160とインターフェース接続することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、SoC/SoHモジュール0250は、サーバプロセッサ、サーバメモリ、および/またはサーバプロセッサと通信するサーバネットワークインターフェースデバイスを含むことができる。例えば、SoC/SoHモジュールは、訓練された機械学習モデルおよび/または他の分析プロセスを使用して、時間領域、振幅領域、エネルギー領域、および/または周波数領域における捕捉データを分析するように構成され得る。いくつかの実施形態では、捕捉データ処理は、捕捉データインスタンスを、二乗平均平方根(RMS)プロット、ヒルベルト変換プロット、フーリエ変換プロットなどに変換することを含み得、これらのプロットは、その後、分析され、特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、全ての様々な分析およびデータ操作が考慮されるとき、SoC/SoHモジュール0250は、捕捉データに対応するSoC値および/またはSoH値を導出することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、SoC/SoHモジュールは、サーバプロセッサによって動作される1つまたは、複数の機械学習モデル0255を含むことができる。機械学習モジュールは、トレーニングデータに基づいて、捕捉データの特徴および/または特徴抽出を認識および分析するように構成され得る。いくつかの実施形態では、特徴または特徴抽出は、時間データ、例えば、飛行時間、ピーク振幅の時間、高調波の時間、予期せぬ特徴の時間、一次エネルギーピークの時間、二次エネルギーピークの時間、最大周波数の時間などを含み得る。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、特徴または特徴抽出は、周波数データ、例えば、周波数範囲、中心周波数、高調波周波数、予期しない周波数変動などを含み得る。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、特徴または特徴抽出は、ピーク振幅エネルギー、高調波エネルギーピーク、予期しないエネルギーピークなどを含み得る。他の特徴または特徴抽出も、1つ以上の企図される実施形態に従って可能である。
【0046】
捕捉データインスタンスを評価した後、SoC/SoHモジュール0250は、SoC値および/またはSoH値を捕捉データインスタンスに割り当てることができる。単一のスタック電池モジュールに対応するSoCおよび/またはSoH値は、次いで、SoC/SoHモジュール0250によって、例えば、U-BMSコントローラ0180、0182の対応するメモリモジュール0190に記憶するために、対応する電池スタック捕捉モジュール0240に戻され得る。
【0047】
電池の管理方法
図2は、ESSの電池モジュールの超音波問い合せのための方法0300を示す。いくつかの実施形態では、方法0300は、ESSの電池モジュール、例えば、図1のESS構成の超音波問い合せを介して実施することができる。方法0300は、処理工程0305で開始することができ、ここで、1つ以上の電池モジュールの問い合せがトリガされる。例えば、いくつかの実施形態では、U-BMSコントローラのスタックプロセッサが電気励起信号を生成するように励起モジュールに命令することによって、電池モジュール超音波問い合せプロセスをトリガすることができる。方法0300は、超音波エネルギーを生成することができる処理工程0310に進むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、電気励起信号は、(例えば、励起モジュール0235によって)生成され、超音波エミッタトランスデューサ(例えば、トランスデューサ0205~0215)のうちの1つ以上に送信され得る。電気励起信号は、超音波放射トランスデューサを励起することができ、超音波放射トランスデューサは次に、超音波エネルギーをそれぞれの電池モジュールに送る。
【0048】
方法0300は、超音波エネルギーがそれぞれの電池モジュールを通過する(例えば、それぞれの電池モジュール0115~0125の内部を通過する)処理工程0315に進むことができる。方法0300は、超音波エネルギーを受信することができる処理工程0320に進むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、各電池モジュールを出て、対応する超音波受信トランスデューサ(例えば、トランスデューサ0220~0230)を励起することができる。方法0300は、処理工程0325に進むことができ、ここで、応答信号が生成される。例えば、いくつかの実施形態では、超音波受信トランスデューサのうちの1つ、いくつか、または全ては、受信された超音波エネルギーに対応する電気応答信号を生成することができる。方法0300は、処理工程0330に進むことができ、ここで、電気応答信号が捕捉モジュールに通信される。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれのU-BMSコントローラの捕捉モジュール(例えば、コントローラ0180の捕捉モジュール0240)は、接続された受信トランスデューサ(例えば、トランスデューサ0220~0230)のうちの1つ、いくつか、または全てから電気応答信号を受信することができる。
【0049】
方法0300は、処理工程0335に進むことができ、ここで、応答信号を修正することができる。例えば、いくつかの実施形態では、応答信号は、増幅、フィルタリング、デジタル化、クリーニング、信号IDの追加、タイムスタンプの追加、および/または分析に備えた電気応答信号の構造化によって修正することができる。いくつかの実施形態では、応答信号は、捕捉モジュール(例えば、コントローラ0180の捕捉モジュール0240)またはU-BMSコントローラの別のモジュールによって修正され得る。方法0300は、処理工程0340に進むことができ、修正された応答信号を記憶することができる。いくつかの実施形態では、修正された応答信号は、例えば、それぞれのU-BMSコントローラのメモリ(例えば、メモリモジュール0190)にローカルに記憶することができる。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、修正された応答信号は、例えば、インターネットを介して遠隔処理局に送信することによって、遠隔に記憶され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、方法0300は、ESSのすべてのスタック内のすべての電池モジュールに関連することができる。例えば、各U-BMSコントローラ0180、0182(および存在する場合は、他のもの)は、超音波問い合せシーケンスを独立して管理することができる。いくつかの実施形態では、各U-BMSコントローラは、電池モジュールの超音波問い合せを連続的に(例えば、一度に1つずつ)実行するように動作可能であり得る。代替的または追加的に、各U-BMSコントローラは、(例えば、すべてのエミッタトランスデューサを同時にまたは実質的に同時に励起し、全ての電気応答信号を同時にまたは実質的に同時に受信することによって)電池モジュールの複数の超音波問い合せを実行するように動作可能であり得る。
【0051】
図3は、ESSの電池モジュールの超音波ベースの管理のための方法0350を示す。いくつかの実施形態では、方法0350は、例えば、図1のESS構成において方法0300を使用する、ESSの電池モジュールの超音波問い合せに基づくことができる。例えば、方法0350は、電池捕捉データインスタンスに基づいて、電池スタック内の各電池のSoCおよび/またはSoH状態を決定することに関連することができる。いくつかの実施形態では、各捕捉データインスタンスは、1つの電池モジュールに結合された1つのトランスデューサ対から受信された超音波応答信号を含むことができる。例えば、捕捉データインスタンスは、対応する電池モジュールを通過する超音波エネルギーの単一のインスタンスに基づくことができる。代替的または追加的に、捕捉データインスタンスは、対応する電池モジュールを通過する超音波エネルギーの複数の捕捉データインスタンスに基づくことができ、これらの複数の捕捉データインスタンスに基づく捕捉データは、捕捉データの平均、二次平均、または類似の表現を表すことができる。
【0052】
方法0350は、処理工程0355で開始することができ、ここで、捕捉データをSoC/SoHモジュールに送信することができる。いくつかの実施形態では、第1の電池スタックに対応する第1の捕捉データインスタンスは、例えば、スタックプロセッサ(例えば、それぞれのU-BMSコントローラ0180のスタックプロセッサ0185)によって、SoC/SoHモジュール(例えば、SoC/SoHモジュール0250)に送信され得る。方法0350は、処理工程0360に進むことができ、ここで、捕捉データを分析することができる。いくつかの実施形態では、SoC/SoHモジュール(例えば、SoC/SoHモジュール0250)は、例えば、分析および/または機械学習スキーマ(例えば、機械学習0255)を使用して、第1の電池スタックの第1の電池モジュールに対応する第1の捕捉データインスタンスを特徴付けることによって、捕捉データを分析することができる。
【0053】
方法0350は、処理工程0365に進むことができ、そこでSoC値および/またはSoH値を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、SoC/SoHモジュールは、第1の電池モジュールに対応するSoC値および/またはSoH値を決定することができる。方法0350は、処理工程0370に進むことができ、ここで、SoCおよび/またはSoHの決定された値をスタックプロセッサに送ることができる。例えば、いくつかの実施形態では、SoC/SoHモジュールは、SoCおよび/またはSoH値をそれぞれのU-BMSコントローラのスタックプロセッサに送信することができる。方法0350は、決定工程0375に進むことができ、処理工程0355~0370を繰り返すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、各U-BMSコントローラの第1のスタックプロセッサ(例えば、プロセッサ0185)にそれぞれのSoC値およびSoH値が提出されるまで、処理工程0355~0370を電池スタック内の残りの電池モジュールについて繰り返すことができる。同じプロセスは、SoC値および/またはSoH値がESSの各スタックの各電池モジュールに対して割り当てられるまで、他のスタック(例えば、第2のスタック0110)に対して実行され得る。
【0054】
方法0350は、処理工程0380に進むことができ、ここで、平衡化コマンドを生成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれのU-BMSコントローラのスタックプロセッサは、SoC値および/またはSoH値を使用して、平衡化コマンドを生成することができる。これらの平衡化コマンドは例えば、充電サイクル中に最も高いSoC値を有する電池モジュールへの電流を制限するように、および/または放電サイクル中に最も低いSoC値を有する電池モジュールから引き出される電流を制限するように、SGモジュール(例えば、SGモジュール0145)を構成することができる。方法0350は、工程0385において、例えば、所定の時間間隔(例えば、両端を含む0.1分~20分の範囲内の間隔)で繰り返すことに戻ることができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法0350は、ESSの全てのスタック内の全ての電池モジュールに関連することができる。例えば、各U-BMSコントローラ0180、0182(および、存在する場合には、他のもの)は、捕捉データ分析を独立して管理して、SoC値および/またはSoH値を順次または同時に決定することができる。いくつかの実施形態では、追加のSoC/SoHモジュールを追加することができ(例えば、各U-BMSコントローラに対して1つのモジュール0250)、および/または並列処理方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、SoC/SoHモジュールは、サーバ上で動作するクラウドベースのアプリケーションを備えることができる。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、各U-BMSコントローラのローカルサーバまたはプロセッサ(例えば、U-BMSコントローラ0180、0182のスタックプロセッサ0185)は、SoC/SoHモジュールとして構成され得る。
【0056】
方法0300の工程0305~0340および方法0350の工程0355~0385のうちのいくつかは、1回実行されるものとして説明されたが、いくつかの実施形態では、特定の処理工程の複数の繰り返しが、次の決定工程または処理工程に進む前に使用され得る。加えて、方法0300の工程0305~0340および方法0350の工程0355~0385が別々に図示され、説明されているが、いくつかの実施形態では、処理工程は、一緒に(同時に、または連続して)組み合わされ、実行され得る。さらに、図2は、工程0305~0340の特定の順序を示し、図3は、工程0355~0385の特定の順序を示すが、開示される主題の実施形態は、それに限定されない。実際、特定の実施形態では、工程が図示されたものとは異なる順序で、または他の工程と同時に生じてもよい。例えば、データの捕捉工程0355は、平衡化コマンド0380を生成する前に行われるように示されているが、いくつかの実施形態では、処理工程0355、380は、例えば、超音波問い合せおよび平衡化が連続的または継続的に行われるときに、同時にまたは重複して行われ得る。
【0057】
超音波トレーニングモデル
いくつかの実施形態では、各捕捉データシーケンスにSoCおよび/またはSoH値を割り当てるために機械学習モジュールを訓練するために使用されるデータは、複数の試験電池モジュールの充電および/または放電サイクルシーケンスから導出することができる。例えば、いくつかの実施形態では、(例えば、ESSシステムのものと同じまたは類似の電池モジュールタイプの)複数の試験電池モジュールを評価して、超音波問い合せ信号および超音波問い合せ信号の特徴を、複数の充電および放電サイクルにわたって測定された電池モジュールの電圧、電流、および/または温度値と相関させることができる。
【0058】
例示的なSoCおよびSoH超音波信号モデルを作成するために、単一の電池を精密電池サイクラーによって特徴付け、一方、周期的な超音波応答信号を収集し、記憶した。電池の状態に関連するデータは、複数の充放電サイクルにわたって収集され、複数の充放電サイクルは、試験電池の全寿命にわたって行われた。開発を通して、全ての連続動作のタイミングを分析し、最適化した。超音波データは、所定の時間間隔で超音波応答信号を収集するために、超音波トランスデューサとインターフェース接続されたU-BMSコントローラを使用して収集された。電池サイクラーは、所定の時間間隔で試験電池から電池温度、電圧、および電流信号を収集した。超音波応答信号、ならびに電池温度、電圧、および電流信号は、それぞれ、どの超音波信号がどの温度、電圧、および電流信号に対応するかに一致するようにタイムスタンプされた。電池試験は、電池の寿命にわたって継続し、例えば、0%~100%のSoCの間の少なくとも300の完全な充電/放電プロファイル、または少なくともSoH劣化のスパンを含むのに十分なサイクルである。試験中、超音波データは、スタックU-BMSコントローラによって100試験の16.1秒平均で収集され、SoCおよびSoH値は、SoC/SoHモジュールによって100試験の14.4秒平均で決定された。したがって、新しい電池充電平衡化データは、ちょうど30sを超えるセグメントでU-BMSコントローラに提供され得る。サイクル速度のため、捕捉は、毎分について設定された。
【0059】
選択されたマージされたデータを前処理し、各超音波応答信号から超音波応答信号特徴を抽出した。電池モジュールの特徴マトリクスを、SoCおよびSoHの両方を用いた回帰を通して実行して、どの特徴が関連するかを決定した。次いで、これらの回帰をトレーニングし、超音波応答データセット全体について試験して、超音波信号を個々の電池ごとにSoC値およびSoH値にマッピングする超音波特徴アルゴリズムを出力した。超音波特徴アルゴリズムが所望の性能を達成するまで、このプロセスを繰り返した。バランスを決定するためにSoCのみが使用されたので、その性能は、より詳細に研究された。SoCの二乗平均平方根誤差(RMSE)および最大誤差(%)を以下の表1に列挙する。電池のRMSEは全て、SoCの全範囲に対して1%以下である。しかしながら、1つの電池について最大誤差は、7%に達した。説明される超音波機械学習モジュールおよび超音波特徴アルゴリズムは、SoC/SoHモジュール(例えば、図1のモジュール0250)において実装され得る。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
電池スタックの充電平衡化
いくつかの実施形態では、電池スタック全体の充電および放電中の電池スタックの充電平衡化は、少なくとも部分的に、各スタック電池に関連する周期的なSoCおよび/またはSoH値を導出することに基づくことができ、SoCおよび/またはSoH値は、各スタック電池の超音波問い合せから導出することができる。充電平衡化は、スタック電池のうちの1つ以上に対応する導出されたSoC値が15%に達したときに開始することができる。いったん開始されると、充電平衡化は、電池スタックが完全に充電されるまで(例えば、SoC値が100%またはほぼ100%に達するまで)継続することができる。上述のように、測定された電池電圧に基づく従来の電池スタックの充電平衡化は、電池スタックが80~85%充電されたときに開始された。対照的に、本明細書に記載される電池充電平衡化方法は、超音波問い合せ信号(例えば、超音波機械学習モジュールおよび超音波特徴アルゴリズムを介して)から導出されるSoCおよび/またはSoH値に基づく電池スタック充電平衡化が、15%の電池充電レベルで開始され得、充電レベルが100%になるまで電池スタックの充電平衡化を継続し得ることを実証する。したがって、本明細書に開示される電池充電平衡化方法は、従来の技術では利用できなかった通常動作中の15~80%SoCの範囲の間の充電レベルのバランスをとることを含む、各充電および放電サイクル全体にわたって電池スタックをバランスさせる利点を提供する。この充電平衡化の範囲の増大は、従来の管理技術と比較して、エネルギー貯蔵の増大をもたらし得る。さらに、100%の充電と15%の充電との間の放電中に電池スタックの充電平衡を維持することは、エネルギー分布の増加をもたらす可能性がある。
【0063】
さらに、本明細書に開示される電池充電平衡化方法は例えば、実際の監視されたSoC値を、スタックによって貯蔵されたエネルギーの理論的または予想される充電レベルと比較することによって、ESS内の充電差を強調する。別の実験では、コンピュータベースのスタックモデルを生成して、直列に接続された6つの日産リーフ(Nissan Leaf:登録商標)電池モジュールを有する電池スタックを評価した。コンピュータベースのスタックモデルは、6つの電池モジュール全てにわたって固定された内部抵抗およびSoH値で設定され、SoC測定の精度は、表1のモデル結果に従って約1%であると仮定された。電池は、5%SoCの標準偏差で不平衡になったと仮定した。5%の標準偏差は、二次寿命ESSにおける電圧によるSoCの観察された差に基づいて選択された。このモデルは、SoCの中心範囲における充電平衡化を通して、スタック容量がその最大限界に達するまで、複数の電池サイクルにわたって増加することを実証した。具体的には、3サイクルで、単一スタックのスタック容量が約13%増加したことが分かった。
【0064】
図4は、充放電サイクル数に対するスタック容量をAmp-hour(A-hr)で示すグラフプロットである。図4は、直列に接続された6つの日産リーフ(Nissan Leaf:登録商標)電池モジュールを有する電池スタックを評価するために生成されたコンピュータベースのスタックモデルに基づいている。「False」(偽)とラベル付けされた第1の曲線は、100%の充電容量でのスタックを表し、充電平衡を適用しない。図4に示すように、第1の曲線は、8回の充電および放電サイクルにわたってほぼ一定の容量値を有し、平均最大充電容量は、225 A-hr未満である。「True」(真)とラベル付けされた第2の曲線は、100%の充電容量でのスタックを表し、充電平衡を適用する。図4に示されるように、第2の曲線は、最初の3回の充放電サイクルにわたって充電容量が著しく増加し、その後の各充放電サイクルについて約254 A-hrの一定の充電容量を示す。
【0065】
いくつかの実施形態では、充電サイクル中の電池充電平衡のための方法は、充電サイクル中に、電池の超音波導出SoC値が他のスタック電池の最小SoC値よりも1%を超えて大きい場合、U-BMSコントローラがより高いSoCを有する電池を通る電流を制限するようにBMS制御パネルに命令することを含むことができる。いくつかの実施形態では、電流は、例えば、電流の流れを中止するためのスイッチによって、および/または、より高いSoCを有する電池への電流振幅を漸増的に減少させるように動作可能な電流減衰器によって、制限され得る。いくつかの実施形態では、電池充電平衡化のための方法がより高いSoCを有する電池の後続の超音波導出SoC値に基づいて、導出SoC値が他のスタック電池の最小SoC値よりも1%を超えて大きくない場合、U-BMSコントローラは、スイッチを開き、電池を通って電流が制限されずに流れることを可能にするか、または電流減衰器によって電池への電流振幅を増分的に増加させるように、BMS制御パネルに命令することができる。いくつかの実施形態では、電池充電平衡化のための方法は、2つ以上の超音波導出SoC値が他のスタック電池の最小SoC値よりも1%超大きい場合、U-BMSコントローラは、より高いSoCを有する他の電池を通る電流を制限するようにBMS制御パネルに命令することができる。いくつかの実施形態では、電流は、例えば、電流の流れを中止するためのスイッチによって、および/または、より高いSoCを有する他の電池に対して電流振幅を漸増的に減少させるように動作可能な電流減衰器によって、制限され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、放電サイクル中の電池充電平衡化のための方法は、放電サイクル中に、超音波導出SoC値が他のスタックの最小SoCよりも1%を超えて低い場合、U-BMSコントローラがより低いSoCを有する電池から引き出される電流を制限するようにBMS制御パネルに命令することを含むことができる。いくつかの実施形態では、電流引き込みは例えば、電流の流れを中止するためのスイッチによって、および/または、より低いSoCを有する電池からの電流振幅を漸増的に減少させるように動作可能な電流減衰器によって、制限され得る。いくつかの実施形態では、放電サイクル中の電池充電平衡化のための方法は、より高いSoCを有する電池の後続の超音波導出SoC値に基づいて、導出SoC値がSoC値の1%の差内にある場合、SoC差が1%を超える電池についてのみ電流を制限することをさらに含むことができる。
【0067】
使用例
従来のシステムの下では、電気自動車から取り出された電気自動車電池を、「最初の寿命」の適用後に再利用するのではなく、リタイアまたはリサイクルすることが、一般により速く、より安価である。しかしながら、多くの場合、これらの電池は例えば、家庭、データセンター、病院、および学校のためのバックアップシステムとして機能する、据え置き型の貯蔵に使用することができる。開示される主題の実施形態は、SoCおよび/またはSoHのより正確な測定によって、同様のSoHを有するモジュールを経済的に識別および選択することによって、電池の充電および放電のより正確なBMS制御を可能にすることによって、ならびに同じシステム内の異なるSoHの電池スタックをバランスさせることによって、エネルギー貯蔵機能性(例えば、住宅用ソーラーアレイの)を改善するための超音波BMS技術の能力を提供する。これにより、住宅用および産業用のユーザは、より多くのエネルギーを貯蔵し、より多くのエネルギーをそのシステムから取り戻すことができる一方で、二次寿命電池を使用することによって、システムコストをさらに低減することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される超音波技術が容易で、より短い持続時間の診断試験で電池SoHを決定するために電池サイクラーを必要とする、高価で、したがって、ほとんど使用されない8時間~20時間のプロセスに取って代わることができる。例えば、この超音波ベースの診断試験は、電池および試験機器の構成に応じて、10秒~約45分の範囲で完了することができる。これにより、ユーザは、実質的に同様のSoHを有する電池モジュールを経済的に調達することができる。SoCおよびSoHのより正確な値はまた、電池が、それらの最大限に安全に充電および放電されることを可能にし得る。現在のBMSシステムは、SoCにおける不確実性のために充電および放電の範囲を不必要に制限するので、この機能性を許容しない。SoHのリアルタイム知識はまた、異なるSoCおよび/またはSoHを有するモジュール群の最適な同時放電を可能にすることができる。さらに、従来のシステムでは、最も弱いスタックがそのBMSによって決定された下限に達すると、放電が停止される。対照的に、開示された技術によって提供されるより効果的なスタックの「動的平衡化」は、他のものと比較してより低いSoCスタックからの放電または充電を遅くすることができ、その結果、利用可能な総エネルギーが捕捉されるまで放電または充電が継続する。加えて、この動的平衡化は、時間の経過に伴うより多くの容量の追加をサポートすることができる。
【0069】
前述の例および実施形態は、日産リーフ(Nissan Leaf:登録商標)二次寿命EV電池に結合された超音波トランスデューサに関して説明されたが、充電および放電サイクル中のSoCを決定するための、電池内部での超音波発生のための、ならびに信号取得および分析のための関連する電子機器は、BMW、Hyundai、Mercedes-Benzなどによって製造された電池を含むが、これらに限定されない、超音波によって問い合わせることができる任意の新しいまたは使用済みの電池システムに適用可能である。いくつかの実施形態では、開示されたU-ESSの管理構成要素に加えて、異なる電気自動車製造業者の電池を収容するために、汎用エンクロージャを設けることができる。
【0070】
測定精度
従来の電池管理システムは、SoCを10%以内にしか測定することができない。実際、従来のアプリケーションは、テーブルからSoHを単に読み出すことを含むことが多い。したがって、BMSが電池を安全に充電または放電させる充電範囲は、これらの不確実性を考慮するために不必要に制限される。本明細書に記載されるSoCおよびSoHのより正確な測定値を用いて、電池は、その真の安全限界に近づいて動作され得、その完全な化学容量をロック解除し、例えば、より大きい電気自動車の範囲、より長い携帯電話動作などを提供する。二次使用電池がESSにおいて使用可能になるとき、本明細書に記載されるような電池貯蔵システムのバランスの改善のために、電池の耐用寿命も増加し得る(例えば、2X)。
【0071】
【表4】
【0072】
コンピュータの実装
図5は、上述のU-BMSアーキテクチャ、EchOESデバイス、電池制御パネル、コーディネータなどの態様など、説明する革新が実装され得る、適切なコンピューティング環境920の一般化された例を示す。コンピューティング環境920は、様々な汎用または専用コンピューティングシステムにおいて革新が実装され得るので、使用または機能性の範囲に関していかなる限定も示唆することを意図していない。例えば、コンピューティング環境920は、様々なコンピューティングデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータなど)のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、コンピューティング環境が電池管理システムの不可欠な部分である。あるいは、いくつかの実施形態では、コンピューティング環境は、例えば、電池管理システムまたはその構成要素への動作可能な電気的接続(例えば、有線または無線)を行うことによって、電池管理システムに接続された別個のシステムである。
【0073】
図5を参照すると、コンピューティング環境920は、1つ以上の処理装置930、935と、メモリ940、945とを含む。図5において、この基本構成950は、破線内に含まれる。処理装置930、935は、コンピュータ実行可能命令を実行する。処理装置は、汎用中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)内のプロセッサ、または任意の他のタイプのプロセッサであり得る。マルチ処理システムでは、複数の処理装置がコンピュータ実行可能命令を実行して、処理能力を増大させる。例えば、図5は、中央処理装置930と、グラフィック処理装置またはコプロセッシングユニット935とを示す。有形メモリ940、945は、揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、RAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリなど)、または処理装置によってアクセス可能な2つの何らかの組合せであり得る。メモリ940、945は、処理装置(複数可)による実行に適したコンピュータ実行可能命令の形態で、本明細書で説明する1つ以上の革新を実装するソフトウェア925を記憶する。
【0074】
コンピューティングシステムは、追加の特徴を有することができる。例えば、コンピューティング環境920は、ストレージ960、1つ以上の入力デバイス970、1つ以上の出力デバイス980、および1つ以上の通信接続990を含む。バス、コントローラ、またはネットワークなどの相互接続機構(図示せず)が、コンピューティング環境920の構成要素を相互接続する。典型的には、オペレーティングシステムソフトウェア(図示せず)がコンピューティング環境920において実行する他のソフトウェアのためのオペレーティング環境を提供し、コンピューティング環境920の構成要素のアクティビティを調整する。
【0075】
有形ストレージ960は、取り外し可能または取り外し不可能であってもよく、磁気ディスク、磁気テープまたはカセット、CD-ROM、DVD、または非一時的な方法で情報を記憶するために使用することができ、コンピューティング環境920内でアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。ストレージ960は、本明細書で説明する1つ以上の革新を実装するソフトウェア925のための命令を記憶することができる。
【0076】
(1つ以上の)入力デバイス970は、キーボード、マウス、ペン、またはトラックボールなどのタッチ入力デバイス、音声入力デバイス、走査デバイス、またはコンピューティング環境920に入力を与える別のデバイスであり得る。出力デバイス970は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、CDライタ、またはコンピューティング環境920からの出力を提供する別のデバイスとすることができる。
【0077】
(1つ以上の)通信接続990は、通信媒体を介して別のコンピューティングエンティティへの通信を可能にする。通信媒体は、コンピュータ実行可能命令、オーディオもしくはビデオ入力もしくは出力、または変調データ信号内の他のデータなどの情報を伝達する。変調データ信号は、信号内の情報を符号化するように、その特性のうちの1つ以上が設定または変更された信号である。限定ではなく例として、通信媒体は、電気、光、無線周波数(RF)、または他のキャリアを使用することができる。
【0078】
開示された方法のいずれも、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、1つ以上の光媒体ディスク、揮発性メモリ構成要素(DRAMまたはSRAMなど)、または不揮発性メモリ構成要素(フラッシュメモリまたはハードドライブなど))上に記憶され、コンピュータ(例えば、コンピューティングハードウェアを含むスマートフォンまたは他のモバイルデバイスを含む、任意の市販のコンピュータ)上で実行される、コンピュータ実行可能命令として実装され得る。コンピュータ可読記憶媒体という用語は、信号および搬送波などの通信接続を含まない。開示された技術を実施するための任意のコンピュータ実行可能命令、ならびに開示された実施形態の実施中に作成され、使用される任意のデータは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。コンピュータ実行可能命令は、例えば、ウェブブラウザまたは他のソフトウェアアプリケーション(リモートコンピューティングアプリケーションなど)を介してアクセスまたはダウンロードされる専用ソフトウェアアプリケーションまたはソフトウェアアプリケーションの一部であり得る。そのようなソフトウェアは例えば、単一のローカルコンピュータ(例えば、任意の適切な市販のコンピュータ)上で、または1つ以上のネットワークコンピュータを使用してネットワーク環境(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、クライアントサーバネットワーク(クラウドコンピューティングネットワークなど)、または他のそのようなネットワークを介して)で実行され得る。
【0079】
明確にするために、ソフトウェアベースの実装形態のいくつかの選択された態様のみが説明される。当技術分野で周知の他の詳細は、省略する。例えば、開示される技術は、特定のコンピュータ言語またはプログラムに限定されない。例えば、開示される技術の態様は、C++、Java、Perl、任意の他の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアによって実装することができる。同様に、開示される技術は、任意のコンピュータまたはハードウェアのタイプに限定されない。適切なコンピュータおよびハードウェアの特定の詳細は、周知であり、本開示で詳細に説明する必要はない。
【0080】
本明細書で説明される任意の機能は、ソフトウェアの代わりに、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理構成要素によって実行され得ることもまた、十分に理解されるべきである。例えば、限定ではなく、使用することができる例示的なタイプのハードウェア論理構成要素は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SoC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などを含む。
【0081】
さらに、ソフトウェアベースの実施形態のいずれか(例えば、コンピュータに開示された方法のいずれかを実行させるためのコンピュータ実行可能命令を含む)は、適切な通信手段を介してアップロード、ダウンロード、または遠隔アクセスすることができる。そのような好適な通信手段は例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、ケーブル(光ファイバーケーブルを含む)、磁気通信、電磁気通信(高周波、マイクロ波、および赤外線通信を含む)、電子通信、または他のそのような通信手段を含む。上記の例および実施形態のいずれにおいても、システム、構成要素、デバイスなどの間の要求(例えば、データ要求)、指示(例えば、データ信号)、命令(例えば、制御信号)、または任意の他の通信の提供は、有線接続または無線接続による適切な電気信号の生成および送信によるものであり得る。
【0082】
開示された技術の更なる例
開示された主題の上述の実装を考慮して、本出願は、以下に列挙される付記における追加の例を開示する。単独での付記の1つの特徴、または組み合わせて取られた付記の2つ以上の特徴、および任意選択で、1つ以上の更なる付記の1つ以上の特徴と組み合わせた更なる例も、本出願の開示の範囲内に含まれることに留意されたい。
【0083】
付記1.
複数の電池モジュールのスタックと、
複数の超音波エミッタトランスデューサであって、各超音波エミッタトランスデューサは、電池モジュールのそれぞれの1つの表面に音響的に結合される、複数の超音波エミッタトランスデューサと、
複数の超音波受信トランスデューサであって、各超音波受信トランスデューサは、電池モジュールのそれぞれの1つの表面に音響的に結合される、複数の超音波受信トランスデューサと、
複数の超音波エミッタトランスデューサと電気的に接続された1つ以上の励起モジュールと、
複数の超音波受信トランスデューサと電気的にインターフェース接続する1つ以上の捕捉モジュールと、
電池モジュールの超音波問い合せシーケンスを開始するように構成された超音波電池管理システムコントローラと、を含む、エネルギー貯蔵システム。
【0084】
付記2.
複数の電池モジュールのスタックが、電力交換モジュールと直列に接続され、複数の電池モジュールのスタックが超音波問い合せシーケンス中に充電または放電されるように構成される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記1のエネルギー貯蔵システム。
【0085】
付記3.
超音波エミッタトランスデューサおよび超音波受信トランスデューサが透過モードのために少なくとも1つの電池モジュールに音響的に結合される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記1~2のいずれか1つのエネルギー貯蔵システム。
【0086】
付記4.
超音波エミッタトランスデューサおよび超音波受信トランスデューサがエコー送信モードのために少なくとも1つの電池モジュールに音響的に結合される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記1~3のいずれか1つのエネルギー貯蔵システム。
【0087】
付記5.
複数の電池モジュールのスタックは、電力交換モジュールと直列に接続される、本明細書の任意の節または例、特に付記1~4のいずれか1つのエネルギー貯蔵システム。
【0088】
付記6.
電力交換モジュールと複数の電池モジュールのスタックとの間に配置された開閉装置モジュールを含み、
前記開閉装置モジュールは、スタックの充電および放電中の電池充電平衡を管理するように構成される、本明細書の任意の節または例、特に付記5のエネルギー貯蔵システム。
【0089】
付記7.
超音波電池管理システムコントローラが、
スタックの各電池モジュールの充電状態に基づいて充電平衡化コマンドを生成し、
前記充電平衡化コマンドを開閉装置モジュールに送信するように構成される、本明細書の任意の節または例、特に付記6のエネルギー貯蔵システム。
【0090】
付記8.
超音波電池管理システムコントローラが、
スタックの各電池モジュールの充電状態および健全状態に基づいて、充電平衡化コマンドを生成し、
前記充電平衡化コマンドを開閉装置モジュールに送信する、
ように構成される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記6~7のいずれか1つのエネルギー貯蔵システム。
【0091】
付記9.
スタック電池モジュールの少なくとも一部が、80%以下の健全状態値を有する、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記6~8のいずれか1つに記載のエネルギー貯蔵システム。
【0092】
付記10.
充電平衡は、スタック充電サイクル中に15%~100%の充電状態値範囲にわたって、および、スタック放電サイクル中に100%~15%の充電状態値範囲にわたって管理される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記6~9のいずれか1つのエネルギー貯蔵システム。
【0093】
付記11.
捕捉モジュールは、各電池モジュールに対応する捕捉データを生成する、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記1~10のいずれか1つに記載のエネルギー貯蔵システム。
【0094】
付記12.
各電池モジュールに対応する捕捉データが、充電状態(SoC)値を各電池モジュールに関連付けるためにSoC/SoHモジュールによって処理される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記11に記載のエネルギー貯蔵システム。
【0095】
付記13.
各電池モジュールに対応する捕捉データが、SoC/SoHモジュールによって処理されて、健全状態(SoH)値を各電池モジュールに関連付ける、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記11~12のいずれか1つのエネルギー貯蔵システム。
【0096】
付記14.
各電池モジュールに対応する捕捉データが、充電状態(SoC)値および健全状態(SoH)値を各電池モジュールに関連付けるためにSoC/SoHモジュールによって処理される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記11~13のいずれか1つのエネルギー貯蔵システム。
【0097】
付記15.
超音波エミッタトランスデューサおよび超音波受信トランスデューサを複数の電池モジュールのスタックの電池モジュールに音響的に結合すること、
各超音波エミッタトランスデューサと1つ以上の励起モジュールとを電気的にインターフェース接続すること、
各超音波受信トランスデューサを1つ以上の捕捉モジュールと電気的にインターフェース接続すること、
超音波電池管理システムコントローラによって電池超音波問い合せシーケンスを開始すること、
を含む方法。
【0098】
付記16.
スタックを電力交換モジュールと直列に接続すること、
超音波問い合せシーケンス中にスタックを充電または放電すること、
をさらに含む本明細書の任意の節または例、特に、付記15の方法。
【0099】
付記17.
超音波エミッタトランスデューサおよび超音波受信トランスデューサの少なくとも1つの対が、透過モード構成で電池モジュールのうちの1つに結合される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記15~16のいずれか1つの方法。
【0100】
付記18.
超音波エミッタトランスデューサおよび超音波受信トランスデューサの少なくとも1つの対が、エコー送信モード構成で電池モジュールのうちの1つに結合される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記15~17のいずれか1つの方法。
【0101】
付記19.
超音波問い合せシーケンスが、1つ以上の捕捉モジュールによってスタックの各電池モジュールに対応する捕捉データを生成することを含む、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記15~18のいずれか1つの方法。
【0102】
付記20.
SoC/SoHモジュールによって生成された捕捉データを処理して、充電状態値をスタックの各電池モジュールに関連付けることをさらに含む、本明細書の任意の節または例、特に付記19の方法。
【0103】
付記21.
SoC/SoHモジュールによって生成された捕捉データを処理して、健全状態値をスタックの各電池モジュールに関連付けることをさらに含む、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記19~20のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
付記22.
生成された捕捉データをSoC/SoHモジュールによって処理して、充電状態値および健全性状態値をスタックの各電池モジュールに関連付けることをさらに含む、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記19~21のいずれか1つの方法。
【0105】
付記23.
スタックと電力交換モジュールとの間にスイッチングモジュールを配置することをさらに含む、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記15~22のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
付記24.
超音波電池管理システムコントローラによって、スタックの各電池モジュールに関連する充電状態値に基づいて充電平衡化コマンドを生成する、本明細書の任意の節または例、特に付記23の方法。
【0107】
付記25.
スタックの充電平衡化は、スタック充電サイクル中に15%~100%の充電状態値範囲にわたって実行されるか、
またはスタックの充電平衡化は、スタック放電サイクル中に100%~15%の充電状態値範囲にわたって実行される、本明細書の任意の節または例、特に、付記24の方法。
【0108】
付記26.
電池モジュールのスタックを充電平衡するためにエネルギー貯蔵システム(ESS)を動作させるための方法であって、
(a) 各電池モジュールの超音波問い合せのためのスタックを構成すること、
(b) 各電池モジュールを通過する超音波エネルギーに対応する超音波信号データを捕捉すること、
(c) SoC/SoHモジュールによる超音波信号データの処理および各電池モジュールへの充電状態値の割り当てを行うこと、
(d) 各電池モジュールに関連する充電状態値に基づいて充電平衡化コマンドを生成すること、
(e) スタック充電サイクル中に15%~100%の割り当てられた充電状態値範囲にわたってスタックを充電平衡化すること、および/またはスタック放電サイクル中に100%~15%の割り当てられた充電状態値範囲にわたってスタックを充電平衡化すること、
を含む方法。
【0109】
付記27.
(f) 前記(a)~(e)を繰り返すこと、をさらに含む、本明細書の任意の節または例、特に付記26の方法。
【0110】
付記28.
複数の電池モジュールのスタックを含むエネルギー貯蔵システムにおける充電平衡化のための方法であって、
(a)スタックの充電サイクル中に、
前記スタック内の各電池モジュールの充電状態(SoC)を測定すること、
電池モジュールの第1のモジュールについて測定された(SoC)が第1の閾値より1%を超えて高いことに応答して、第1のモジュールを通る電流を制限させる1つ以上の制御信号を生成すること、
前記スタック内の各電池モジュールについて(SoC)を再測定すること、
電池モジュールの第1のモジュールについて再測定された(SoC)が第1の閾値の1%以内であることに応答して、第1のモジュールを通る電流の制限を除去させる1つ以上の制御信号を生成すること、
を含む方法。
【0111】
付記29.
複数の電池モジュールのスタックを含むエネルギー貯蔵システムにおける充電平衡化のための方法であって、
(b)スタックの放電サイクル中に、
スタック内の各電池モジュールの充電状態(SoC)を測定すること、
電池モジュールの第1のモジュールについて測定されたSoCが第2の閾値よりも1%を超えて小さいことに応答して、第1のモジュールから引き出される電流を制限する1つ以上の制御信号を生成すること、
スタック内の各電池モジュールについてのSoCを再測定すること、
電池モジュールの第1のモジュールについての再測定されたSoCが第2の閾値の1%以内であることに応答して、第1のモジュールから引き出される電流の制限を除去させる1つ以上の制御信号を生成すること、
を含む方法。
【0112】
付記30.
第1の閾値、第2の閾値、または両方が、スタック内の残りの電池モジュールのための決定されたSoCの最小値を含む、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記28~29のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
付記31.
第1のモジュールを通る電流、第1のモジュールから引き出される電流、またはその両方が、電流の流れを中断するスイッチによって、または第1のモジュールへの電流振幅を漸増的に減少させるように動作可能な電流減衰器によって制限される、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記28~30のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
付記32.
充電および/または放電サイクルの間、電池モジュールのうちの1つ、いくつか、または全てのためのSoCが、少なくとも15%である、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記28~31のいずれか1つの方法。
【0115】
付記33.
充電および/または放電サイクルの間、電池モジュールのうちの1つ、いくつか、または全てのためのSoCが、両端値を含めて15~80%の範囲内にある、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記28~32のいずれか1つの方法。
【0116】
付記34.
充電および/または放電サイクルの間、電池モジュールのうちの1つ、いくつか、または全てについてのSoCが、少なくとも80%である、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記28~33のいずれか1つの方法。
【0117】
付記35.
SoCを測定することおよび/またはSoCを再測定することは、
1つ以上の超音波信号を生成するために、電池モジュールに超音波を問い合わせること、
1つ以上の超音波信号に少なくとも部分的に基づいて、各電池モジュールのSoCを決定すること、
を含む、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記28~34のいずれか1つの方法。
【0118】
付記36.
超音波ベースの電池管理システム(U-BMS)であって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上の1つ以上のプロセッサによって実行されると、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記15~35のいずれか1つの方法を前記1つ以上の1つ以上のプロセッサに実行させるコンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体と、
を含む超音波ベースの電池管理システム。
【0119】
付記37.
複数の電池モジュールのスタックと、
付記36の超音波ベースの電池管理システムと、
を含むエネルギー貯蔵システム。
【0120】
付記38.
各電池モジュールは、二次使用リチウムイオン電池モジュールを含む、本明細書のいずれかの節または例、特に、付記37に記載のエネルギー貯蔵システム。
【0121】
結論
電池、構成要素、および構成が図面に示され、本明細書で詳細に説明されているが、開示される主題の実施形態は、それらに限定されない。実際、当業者は、異なる電池、構成要素、または構成が同じ効果を提供するために選択および/または追加され得ることを容易に理解されるであろう。実際の実装形態では、実施形態が図示されたものを超える追加の構成要素または他の変形形態を含み得る。したがって、開示される主題の実施形態は、本明細書で具体的に図示および説明される特定の電池、構成要素、および構成に限定されない。
【0122】
例えば、図1~5および付記1~38に関して、本明細書および図面で図示または説明される特徴のいずれかを、例えば、図1~5および付記1~38に関して、本明細書および図面で図示または説明される任意の他の特徴と組み合わせて、本明細書で別段に図示または具体的に説明されないシステム、デバイス、方法、および実施形態を提供することができる。本明細書に記載される全ての特徴は、互いに独立しており、構造的に不可能な場合を除いて、本明細書に記載される任意の他の特徴と組み合わせて使用することができる。
【0123】
開示された技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、図示された実施形態は、例にすぎず、開示された技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが認識されるべきである。むしろ、範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、本発明者らは、これらの特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内に入る全てを権利として主張するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】