(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】複合繊維おむつ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/534 20060101AFI20240703BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20240703BHJP
A61F 13/537 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61F13/534 110
A61F13/496
A61F13/537 200
A61F13/537 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579412
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 KR2022008912
(87)【国際公開番号】W WO2022270930
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082048
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523481067
【氏名又は名称】サムキム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUMKIM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】8F, 55 Munye-ro, Manan-gu, Anyang-si, Gyeonggi-do 14034 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ユ ナ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA01
3B200BA04
3B200BB01
3B200BB17
3B200CA03
3B200DA14
3B200DB01
3B200DB02
3B200DB12
3B200DB18
(57)【要約】
本発明は、複合繊維おむつに関する。本発明に係る複合繊維おむつは、着用者の性器と肛門を覆い、その前後方が腰の前後方に突出するパッド100と、前記パッド100の前後方の両側に備えられ、前記パッド100を腰に固定する腰固定手段200とを含んで構成される。上記の構成により、本発明に係る複合繊維おむつは、高吸水性樹脂及び複合繊維が含まれて構成されることによって、乳幼児や老人達の小便や分泌物又は用便を皮膚に接しないように迅速に吸収し、表面を乾燥させることによって快適性に優れ、衛生的に着用することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の性器と肛門を覆い、その前後方が腰の前後方に突出するパッド(100)と、前記パッド(100)の前後方の両側に備えられ、前記パッド(100)を腰に固定する腰固定手段(200)と、を含んで構成され、
前記パッド(100)は、着用者の性器と肛門が密着し、小便や分泌物又は用便を透過させる上部シート(110)と、前記上部シート(110)の下部に位置し、前記上部シート(110)から透過した小便や分泌物又は用便を通過させる拡散層(120)と、前記拡散層(120)の下部に位置し、前記拡散層(120)を介して透過した小便や分泌物又は用便を吸収・保管する吸水パッド(130)と、前記吸水パッド(130)の下部に備えられ、前記吸水パッド(130)に吸収・保管された小便や分泌物又は用便が外部に漏れ出ることを防止する保護シート(140)と、を含み、
前記吸水パッド(130)は、複合繊維(131)、前記複合繊維(131)の両面に位置する高吸水性樹脂(133a、133b)、及び前記高吸水性樹脂(133a、133b)の両面に位置する不織布(135a、135b)を含むことを特徴とする複合繊維おむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合繊維おむつに関し、より詳細には、高吸水性樹脂(Super absorbent polymer)及び複合繊維を含んでおむつを構成することによって、乳幼児や老人達の小便や分泌物又は用便を皮膚に接しないように迅速に吸収し、表面を乾燥させることによって快適性に優れ、衛生的に着用できる複合繊維おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、おむつは、便を漏らす人(例えば、乳幼児及び認知症患者)や立ち居が不自由な人(例えば、患者及び老弱者)の大小便を受けるために使用される。おむつを着用する人は、排便後に自らおむつを取り替えることができなく、ほとんどの場合、保護者(例えば、親、家族、看護師、保育士など)がおむつを取り替えるようになる。
【0003】
このようなおむつは、乳幼児又は老人や尿失禁患者などが着用し、小便や分泌物又は用便などを吸収する役割をするが、通常知られているおむつは、性器と肛門を覆い、その前後方が腰の前後方に突出するパッドと、前記パッドの前後方の両側に備えられ、パッドを腰に固定する腰固定手段とを含んで構成される。
【0004】
そして、前記パッドは、着用者の性器と肛門が密着し、小便や分泌物又は用便を透過させる上部シートと、パッドの内部に備えられ、小便や分泌物又は用便などを吸収・保管する吸水性材料で構成された吸水パッドと、下部に備えられ、衣服が汚れることを防止する防水シートとを含んで構成される。
【0005】
併せて、前記上部シートは、小便や分泌物を透過できるように合成樹脂、合成繊維、及び天然繊維のうち一つで構成されるものである。
【0006】
また、腰固定手段は、パッドの前方や後方の両側に備えられる付着伸縮帯と、付着伸縮帯が備えられた反対側の両側に備えられ、前記付着伸縮帯が付着する付着部とを含んで構成されるものである。そして、前記付着伸縮帯及び付着部としては、ベルクロテープで構成されたものが最も広く使用されている。
【0007】
上記のように構成されたおむつは、乳幼児又は老人や尿失禁患者などの小便や分泌物又は用便を吸収する用途で使用されるが、このように小便や分泌物又は用便が吸収されたおむつの濡れている面と皮膚との接触によって不快感が誘発され、自信感及び生活の意欲を低下させ、さらに、うつ病及び社会恐怖症を起こし得る。また、持続される湿気による細菌及び臭いは、社会活動を制約したり、他の疾病感染を誘発する結果をもたらす。
【0008】
また、現在、韓国で販売されているおむつの場合は、使い捨て又は大人用おむつ(又は、パンツ)をそのまま使用したり、吸水力を高めたパッドの着用式となっており、ユーザーが使い捨て又は大人用おむつ(又は、パンツ)やパッドを長時間使用したとき、陰部が湿気によってただれて弱くなり、その他の皮膚疾患などを誘発し得るという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、高吸水性樹脂及び複合繊維を含んでおむつを構成することによって、乳幼児や老人達の小便や分泌物又は用便を皮膚に接しないように迅速に吸収し、表面を乾燥させることによって快適性に優れ、衛生的に着用できる複合繊維おむつを提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする多様な課題は、以上で言及した各課題に制限されなく、言及していない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る複合繊維おむつは、着用者の性器と肛門を覆い、その前後方が腰の前後方に突出するパッド100と、前記パッド100の前後方の両側に備えられ、前記パッド100を腰に固定する腰固定手段200とを含んで構成される。
【0012】
前記パッド100は、着用者の性器と肛門が密着し、小便や分泌物又は用便を透過させる上部シート110と、前記上部シート110の下部に位置し、前記上部シート110から透過した小便や分泌物又は用便を通過させる拡散層120と、前記拡散層120の下部に位置し、前記拡散層120を介して透過した小便や分泌物又は用便を吸収・保管する吸水パッド130と、前記吸水パッド130の下部に備えられ、前記吸水パッド130に吸収・保管された小便や分泌物又は用便が外部に漏れ出ることを防止する保護シート140とを含むことができる。
【0013】
前記吸水パッド130は、複合繊維131と、前記複合繊維131の両面に位置する高吸水性樹脂133a、133bと、前記高吸水性樹脂133a、133bの両面に位置する不織布135a、135bとを含むことができる。
【0014】
その他の各実施例の具体的な事項は、詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る複合繊維おむつは、高吸水性樹脂及び複合繊維が含まれて構成されることによって、乳幼児や老人達の小便や分泌物又は用便を皮膚に接しないように迅速に吸収し、表面を乾燥させることによって快適性に優れ、衛生的に着用することができる。
【0016】
本発明の技術的思想の実施例は、具体的に言及していない多様な効果を提供できることが十分に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る複合繊維おむつを概略的に示す図である。
【
図2】本発明に係る複合繊維おむつを構成するパッドを概略的に示す断面図である。
【
図3】本発明に係る複合繊維おむつのパッドを構成する吸水パッドを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、詳細に後述している実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、ここで説明する各実施例に限定されなく、他の形態で具体化されることもある。むしろ、ここで紹介する各実施例は、開示された内容を徹底的且つ完全にするために、そして、当業者に本発明の思想を十分に伝達するために提供されるものである。
【0019】
本出願で使用した用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎなく、本発明を限定するためのものではない。単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0020】
他の方式で定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される、事前に定義されている各用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈しなければならなく、本出願で明らかに定義しない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味に解釈しない。
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る複合繊維おむつに対して好ましい実施例を挙げて詳細に説明する。
【0022】
一方、本発明に係る技術的思想の実施例では、乳幼児や老人達の小便や分泌物又は用便を迅速に吸収するおむつを一例として挙げて説明するが、本発明の技術的思想は、上記のおむつにのみ限定されるものではなく、小便や分泌物又は用便などを吸収するための多様な構成に適用可能である。例えば、本発明に係る複合繊維おむつは、ペットの小便や分泌物又は用便を吸収するためのパッドなどにも同一に使用され得る。
【0023】
図1は、本発明に係る複合繊維おむつを概略的に示す図で、
図2は、本発明に係る複合繊維おむつを構成するパッドを概略的に示す断面図で、
図3は、本発明に係る複合繊維おむつのパッドを構成する吸水パッドを概略的に示す断面図である。
【0024】
図1乃至
図3を参照すると、本発明に係る複合繊維おむつ10は、着用者の性器と肛門を覆い、その前後方が腰の前後方に突出するパッド100と、前記パッド100の前後方の両側に備えられ、前記パッド100を腰に固定する腰固定手段200とを含んで構成される。
【0025】
また、本発明に係る複合繊維おむつ10において、前記パッド100は、着用者の性器と肛門が密着し、小便や分泌物又は用便を透過させる上部シート110と、前記上部シート110の下部に位置し、前記上部シート110から透過した小便や分泌物又は用便を通過させる拡散層120と、前記拡散層120の下部に位置し、前記拡散層120を介して透過した小便や分泌物又は用便を吸収・保管する吸水パッド130と、前記吸水パッド130の下部に備えられ、前記吸水パッド130に吸収・保管された小便や分泌物又は用便が外部に漏れ出ることを防止する保護シート140とを含む。
【0026】
前記上部シート110は、着用者の性器と肛門が密着し、小便や分泌物又は用便を透過できるが、前記上部シート110は、触感が柔らかく、且つ着用者の皮膚に刺激を与えてはならなく、また、液体(例えば、小便や分泌物又は用便)を容易に通過させる液体透過性を有する織物、不織布又は穴が形成された熱可塑性フィルムで製造され得る。
【0027】
例えば、前記上部シート110を形成する織物、不織布又は穴が形成された熱可塑性フィルムは、天然繊維、合成繊維又は天然及び合成繊維の混合からなり得るが、前記上部シート110の構成は公知の技術であるので、説明の便宜及び本発明の技術的思想の明確性のために、これに対する具体的な説明は省略する。
【0028】
前記拡散層120は、前記上部シート110と吸水パッド130との間に位置し、液体(例えば、小便や分泌物又は用便)を容易に通過させる液体透過性であって、熱又は超音波などで前記上部シート110及び拡散層120を形成する各素材を超音波加工を通じて接着させることによって製造され得る。
【0029】
例えば、前記上部シート110及び拡散層120を形成する各素材は、従来のようにホットメルトを用いて付着せず、前記上部シート110及び拡散層120を形成する各素材を超音波加工を通じて付着させることによって、ホットメルトの硬化による透過する液体(例えば、小便や分泌物又は用便)の吸水率の妨害を除去することができ、また、前記拡散層120を通じた迅速な吸収で着用感を向上させ、悪臭物質を容易に捕集することができる。
【0030】
前記拡散層120は、天然繊維、合成繊維又は天然及び合成繊維の混合材料などの当該技術分野で公知の各材料を用いて製造され得る。
【0031】
一方、前記拡散層120には、小便や分泌物又は用便の迅速な吸収で着用感を向上させると同時に、抗菌力及び殺菌力を増進させ、悪臭などを除去するために、拡散コーティング層(図示せず)がさらに形成されることもあるが、前記拡散コーティング層は、拡散コーティング液組成物を前記拡散層120上に塗布した後、乾燥させることによって形成することができる。
【0032】
前記拡散コーティング液組成物は、バイオマスポリウレタン樹脂、TPV(Thermo Plastic Vulcanizate;熱可塑性架橋弾性体)樹脂、アカモク抽出物、トウガラシ茎抽出物、無機抽出物、エチレングリコール(ethylene glycol)及びイソシアネート(isocyanate)を含む。
【0033】
また、前記拡散コーティング液組成物は、バイオマスポリウレタン樹脂20重量部乃至30重量部、TPV樹脂10重量部乃至20重量部、アカモク抽出物3重量部乃至7重量部、トウガラシ茎抽出物5重量部乃至10重量部、無機抽出物1重量部乃至3重量部、エチレングリコール2重量部乃至6重量部及びイソシアネート0.1重量部乃至1重量部の重量比率で含まれ得る。
【0034】
前記バイオマスポリウレタン樹脂としては、下記の方法で製造されたバイオマスポリウレタン樹脂が使用され得る。
【0035】
前記バイオマスポリウレタン樹脂を製造するために、まず、ジカルボン酸(Dicarboxylic Acid)及びポリオール(Polyol)を準備して混合した後、縮合反応を進行することによってポリエステルポリオール(Polyester Polyol)を合成することができる。
【0036】
前記ジカルボン酸としては、アジピン酸(Adipic Acid)又はコハク酸(Succinic Acid)から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0037】
また、前記ポリオールとしては、1,6-ヘキサンジオール(1,6-Hexanediol)、1,3-プロパンジオール(1,3-Propanediol)、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(polytetramethylene ether glycol、PTMG)からなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0038】
具体的には、前記ポリエステルポリオールは、前記ジカルボン酸1モル(mol)及びポリオール1.5モル乃至2.0モルの比率で準備して混合した後、250℃乃至300℃の温度で10時間乃至20時間にわたって縮合反応を進行することによって生成され得る。
【0039】
次に、前記ポリエステルポリオール、有機溶剤、バイオ多官能ポリオール化合物及びイソシアネートにラジカル開始剤を投入し、反応させることによってバイオマスポリウレタン樹脂(Biomass Polyurethane Resin)を製造することができる。
【0040】
前記有機溶剤としては、トルエン(Toluene)、メチルエチルケトン(Methyl ethyl ketone)、エチルアセテート(Ethyl acetate)、アセトン(Acetone)及びジメチルホルムアミド(Dimethylformamide)からなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0041】
また、前記バイオ多官能ポリオール化合物は、水酸基を含有していないバイオマス資源由来の動植物油での合成を通じて、水酸基を含むバイオ多官能ポリオールとして合成する化学的な製造方法で製造され得る。
【0042】
例えば、前記バイオ多官能ポリオール化合物の化学的な製造方法としては、動植物油の不飽和脂肪酸鎖に、炭素-炭素二重結合のエポキシ化(epoxidation)と開環(ring opening)反応を通じて水酸基を導入するエポキシ化製造方法と、エポキシ化と同様に、炭素-炭素二重結合のヒドロホルミル化(hydroformylation)後、水素添加(hydrogenation)反応を通じて水酸基を導入するヒドロホルミル化製造方法と、オゾン(O3)を用いて炭素-炭素二重結合を切断した後、水素添加を通じて水酸基を導入するオゾン分解(ozonolysis)を通じた製造方法などがある。
【0043】
前記エポキシ化製造方法で導入された水酸基は、2次アルコールであって、1次アルコールに比べてイソシアネートとの反応性が低いという短所を有し、ヒドロホルミル化製造方法で導入された水酸基は、エポキシ化製造方法と同様に、脂肪酸鎖の中間に生成されることはあるが、1次アルコールを生成するので、イソシアネートとの反応性が比較的にさらに高くなる。オゾン分解を通じた製造方法で導入された水酸基は、鎖末端に位置し、イソシアネートとの反応性が高いという長所を有する。
【0044】
本発明において、前記バイオ多官能ポリオール化合物は、上記のように製造された公知のバイオ多官能ポリオール化合物を単独で使用したり、又は二つ以上を混合して使用することができる。
【0045】
前記バイオ多官能ポリオール化合物としては、重量平均分子量(weight-average molecular weight;Mw)が3,000g/mol乃至6,000g/molであるバイオ多官能ポリオール化合物が使用され得る。
【0046】
また、前記イソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(Toluene diisocyanate(TDI))、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-Diphenylmethane diisocyanate(MDI))、ヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene diisocyanate(HDI))、イソホロンジイソシアネート(Isophorone diisocyanate(IPDI))、及び4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’-Methylenebis(cyclohexyl isocyanate)(HMDI))からなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0047】
また、前記ラジカル開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド(benzoyl peroxide;BPO)又はアゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile;AIBN)から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0048】
また、前記バイオマスポリウレタン樹脂は、前記ポリエステルポリオール60重量部乃至80重量部、有機溶剤10重量部乃至20重量部、バイオ多官能ポリオール化合物20重量部乃至30重量部、及びイソシアネート5重量部乃至15重量部にラジカル開始剤0.1重量部乃至0.5重量部を投入し、130℃乃至150℃の温度で窒素をパージ(N2 gas purging)しながら5時間乃至7時間にわたって反応させることによって製造され、前記バイオマスポリウレタン樹脂は、重量平均分子量(weight-average molecular weight;Mw)が30,000g/mol乃至50,000g/molであり得る。
【0049】
前記TPV(Thermo Plastic Vulcanizate;熱可塑性架橋弾性体)樹脂は、熱可塑性とゴム弾性を同時に有する樹脂であって、架橋されたエチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)及びポリプロピレンを主成分とする組成物を称する。
【0050】
一般に、TPV(Thermo Plastic Vulcanizate;熱可塑性架橋弾性体)樹脂は、弾性体の架橋度によって、架橋成分が全くない状態でゴム成分が単純に混合された単純ブレンド型熱可塑性弾性体(TPO)と、部分的に架橋が行われた部分架橋型熱可塑性架橋弾性体(TPR)と、完全に架橋が行われた完全架橋型熱可塑性架橋弾性体(TPV)とに分類される。
【0051】
また、このような架橋度は、TPV樹脂中のゴム成分の微細分散性に影響を及ぼし、結局、引張強度や引張永久ひずみ及び圧縮永久ひずみなどの弾性的物性に影響を及ぼす。具体的には、架橋が全く行われていないTPOや架橋度が低いTPRの場合、せん断応力によってゴム相を均一な微細分散相にするのに限界があり、特に、ゴムの含量が多くなるほど微細分散相を得ることがさらに難しくなる。このような理由により、熱可塑性と優れた弾性が要求される素材では、架橋の進行時、せん断応力によってゴム相を微細粒子に物理的に粉砕する動的架橋を行うようになる。
【0052】
前記アカモク抽出物はアカモクから抽出され得るが、前記アカモク(Sargassum horneri)は、生物学的に植物界褐藻植物門褐藻綱ヒバマタ目ホンダワラ科に分類され、主に北太平洋西岸に分布しており、潮下帯で育つ。韓国の沿岸では、潮干時にその一部分が水面に浮標することが容易に観察され、最もありふれた海中林構成種であるが、幼い個体は食用し、春には、岩盤から脱落しながら流れ藻の形態で沿岸に漂う。
【0053】
前記アカモクは黄褐色であって、ボタン形状の根から出た茎は、一本鎖に長くなったり、時には2本に分かれ、上部分で枝を出す。現在、前記アカモクに対して、アトピー抑制効果、抗炎症効果、重金属吸着効果が報告されており、スクリーニング実験を通じて、抗酸化、脂肪細胞生成抑制効果、癌細胞増殖抑制効果、抗血液凝固効果などが報告されている。
【0054】
前記トウガラシ茎抽出物は、トウガラシ茎を抽出し、トウガラシ茎の有用成分が有効的に含まれるように製造され得るが、前記トウガラシ茎は、秋に唐辛子を収穫した後で残った根及び茎を含むことができる。
【0055】
前記トウガラシ茎は、ビタミン、β-カロテン、カルシウムなどの多様な栄養素を含有しており、各種ミネラルも豊富に含有しているので、抗酸化作用、癌予防、心血管疾患抑制効果、人体免疫力強化を促進し、抗ウイルス効能によってウイルス感染に対する抑制効果に優れ、人体への副作用なしに安全に使用することができる。
【0056】
一般に、ウイルスに感染すると発熱、咳などを伴い、咽喉痛、肺炎、呼吸困難などを経験するが、前記トウガラシ茎抽出物は、上記のようなウイルス性疾患に対して効果的である。
【0057】
本発明において、前記アカモク抽出物とトウガラシ茎抽出物は、公知の多様な抽出法を用いて製造され得るが、例えば、前記アカモク抽出物とトウガラシ茎抽出物は、熱水抽出法、有機溶媒抽出法、超音波抽出法、超臨界抽出法などの多様な抽出法を用いて抽出され得る。本発明において、前記アカモクとトウガラシ茎を用いてアカモク抽出物とトウガラシ茎抽出物を製造する構成は、当該技術分野では公知の技術であるので、説明の便宜及び本発明の技術的思想の明確性のために、これに対する具体的な説明は省略する。
【0058】
前記無機抽出物は、抗菌、遠赤外線放射、脱臭効果を有する各物質を用いて抽出することによって製造され得るが、前記無機抽出物としては、黒雲母抽出物、黄土石抽出物及びイライト抽出物からなる無機抽出物が利用され得る。
【0059】
また、前記無機抽出物は、黒雲母抽出物1重量部乃至10重量部、黄土石抽出物5重量部乃至15重量部、及びイライト抽出物10重量部乃至20重量部の重量比率で混合されて製造され得る。
【0060】
前記黒雲母抽出物は黒雲母から抽出され得るが、前記黒雲母(biotite)は、単斜晶系に属する鉱物であって、化学成分は、K(Mg,Fe)3(OH)2AlSi3O12である。前記黒雲母が板状又は鱗状をなすと、多くの場合は六角形又は菱面体を示す。また、底面のへき開が完全であり、薄片は弾性を有するが、金雲母に比べて小さい。前記黒雲母は黒色、褐黒色、緑黒色などを帯び、へき開面は真珠光沢を有し、時には金属光沢を有する。硬さは25~30で、比重は27~31である。分布は非常に広く、多くの火成岩及び変成岩から産出され、しばしば堆積岩からも産出される。ペグマタイトでは、巨大な黒雲母結晶が得られると知られている。
【0061】
前記黒雲母は、土壌を浄化し、イオン交換作用による酸素供給を円滑にしながら作物の生育を活性化させ、土壌の活力増進によって土壌の酸性化を防止し、有害ガスの吸着によって土壌の汚染を防止し、優れた浄化能力によって酸性化された土地を中和させるという特性を有する。
【0062】
前記黄土石抽出物は黄土石から抽出され得るが、前記黄土石は、黄土から出る遠赤外線が一般熱の80倍も深く皮下深層に入り込み、細胞を1分当たりに2,000回ずつ微細に振りながら細胞組織の生命活動をより旺盛にし、血液循環の促進によって体内老廃物及び重金属を排出し、ストレス、成人病、婦人科系疾患を予防する。また、天然黄土石は、多孔性を有して息をするので、湿度調節能力に優れ、抗菌性能にも非常に優れており、夏には凉しく、冬には暖かい性質を有している。
【0063】
黄土原石は、3億年以上の堆積によって高圧で形成された古代原始の自然をそのまま保有した健康石として焼成又は加工された土ではない、重金属などの不純物がほとんどない天然の黄土原石であって、この黄土原石は、遠赤外線放射率に優れるので健康に良く、脱臭効果に優れ、抗菌及び抗カビ性能に優れており、特に多孔質の堆積岩であるので湿度調節能力に優れる。また、一般石材は冷たいので、その底に直接座ると寒気に襲われるが、天然黄土石は、黄土の成分をそのまま有しているので、むしろ寒気を遮断するという効果を有する。
【0064】
前記イライト抽出物は、イライト(illite)から抽出され得るが、前記イライトは、代表的な天然粘土鉱物質であって、多孔性雲母ミネラルと定義され、薄い板状(sheel)の構造をなしながら曲げ性及び弾性を有するので、弾性及び吸着性が他の鉱物より優れるという特性を有している。
【0065】
前記イライト鉱物の主な成分としては、毛穴の中にある老廃物及び過剰皮脂を除去する酸化ケイ素(SiO2)57.5%、血液循環の促進作用をする酸化アルミニウム(Al2O3)23.3%、コラーゲン結合作用をする酸化鉄(Fe2O3)6.76%、解毒作用、ストレス抑制及び解消作用をする酸化カルシウム(C2O)0.1%、浸透圧調節及び水分調節機能を提供する酸化ナトリウム(Na2O)1.21%、酸化マグネシウム(MgO)0.38%、酸化カリウム(K2O)6.43%、二酸化チタン(TiO2)、MnO、Li、Cr、Zn、Srなど4.32%が含まれており、主要機能としては、水中の浮遊物質を吸着し、陰イオンを帯びるので陽イオンの浮遊微粒子との電気的な中和で凝集沈澱を誘発し、水の浄化機能、特定の放射性物質に対する吸着/分解能力に優れ、水/土壌/大気中で各種の重金属及び有毒ガスを吸着、脱臭及び分解し、細胞を活性化させ、免疫を増強させ、水中で多量の溶存酸素を発散し、水分子を活性化させ、イライト自体から多量の陰イオンを発生させ、40℃で93%の遠赤外線を放射し、ウイルス/バクテリア/カビなどの静菌作用、皮膚に付いている各種の重金属/有機物質/毒性物質などを吸着・分解し、弾性が良く、固まらないので付着性に優れることが知られている。
【0066】
前記無機抽出物としては、例えば、下記の方法で製造された無機抽出物が利用され得る。
【0067】
まず、黒雲母、黄土石及びイライトを準備した後、前記黒雲母、黄土石及びイライトを一定の粒度に粉砕することができる。
【0068】
前記段階において、前記黒雲母、黄土石及びイライトは、ボールミリング(ball milling)装置などの公知の粉砕機を用いて粉砕することができる。
【0069】
次に、前記粉砕された黒雲母、黄土石及びイライトを加熱することによって熱処理することができる。
【0070】
前記段階では、前記粉砕された黒雲母、黄土石及びイライトを加熱することによって、前記黒雲母、黄土石及びイライトに含まれている不純物及び残留有機物を除去できるが、前記粉砕された黒雲母、黄土石及びイライトの加熱は、1500℃乃至1700℃の温度で50分乃至100分間行われ得る。
【0071】
その次に、前記加熱された黒雲母、黄土石及びイライトを洗浄し、前記黒雲母、黄土石及びイライトの表面に付着している、熱処理時に生成された燃焼残留物を除去した後、前記洗浄された黒雲母、黄土石及びイライトを精製水に浸漬させて熟成させることができる。
【0072】
前記段階において、前記黒雲母、黄土石及びイライトの洗浄は、50℃乃至60℃の精製水で前記黒雲母、黄土石及びイライトの表面を洗浄することによって行われ得る。また、前記黒雲母、黄土石及びイライトの熟成は、前記洗浄された黒雲母、黄土石及びイライト100重量部に対して30℃乃至50℃の温度の精製水400重量部乃至600重量部を混合した後、3日乃至6日間密封・保管することによって行われ得る。
【0073】
続いて、前記熟成された黒雲母、黄土石、イライト及び精製水の混合物から黒雲母、黄土石及びイライトを分離して除去した後、前記精製水を遠心分離することができる。
【0074】
前記段階において、前記精製水には黒雲母、黄土石及びイライトの各有効成分が浸出しているが、前記精製水を遠心分離することによって、黒雲母、黄土石及びイライトの各微細粒子が位置する下層液と、前記下層液の上部に位置する中層液及び上層液とに位置的に区分して分離することができる。
【0075】
次に、前記遠心分離された精製水の中層液及び上層液を分離した後、前記中層液及び上層液を加熱し、黒雲母抽出物、黄土石抽出物及びイライト抽出物からなる無機抽出物を製造することができる。
【0076】
前記段階では、前記遠心分離された精製水の中層液及び上層液を分離した後、130℃乃至150℃の温度の熱源で加熱し、水分を除去することによって黒雲母抽出物、黄土石抽出物及びイライト抽出物からなる無機抽出物を製造することができる。
【0077】
前記エチレングリコールは、硬化前には流動性及び作業性を向上させ、硬化後には物理的及び化学的性能を向上させるために添加され得る。
【0078】
前記分散剤は、拡散コーティング液組成物の沈澱を防止し、分散特性を持たせるために使用され得るが、例えば、前記分散剤としては、ポリエステルポリジメチルシロキサン共重合体(Polyether-polydimethylsiloxane copolymer)、ジメチロールブタン酸(DMBA)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、メチレンジエタノールアミン及びポリエチレンオキシド誘導体からなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0079】
前記イソシアネートは硬化剤として機能し得るが、例えば、前記イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene Diisocyanate、HDI)、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー(HDT)、イソホロンジイソシアネート(Isophorone Diisocyanate、IPDI)及びシクロヘキシルメタンジイソシアネート(Cyclohexylmethanediisocyanate、H12MDI)から選ばれた1種以上のイソシアネートが使用可能であり、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート(Hexamethylene Diisocyanate、HDI)が使用され得る。
【0080】
前記吸水パッド130は、前記拡散層120の下部に位置し、前記拡散層120を介して透過した小便や分泌物又は用便を吸収・保管するために備えられが、前記吸水パッド130は、液体透過性の上部シート110及び拡散層120を通過する小便や分泌物又は用便を速い速度で吸収し、吸収された小便や分泌物又は用便が再び皮膚に接触することを防止するために前記吸収された小便や分泌物又は用便を保有する機能を行う。
【0081】
前記吸水パッド130は、複合繊維131、前記複合繊維131の両面に位置する高吸水性樹脂133a、133b、及び前記高吸水性樹脂133a、133bの両面に位置する不織布135a、135bを含む。
【0082】
前記複合繊維131は、人体親和型素材で製造されるものであって、例えば、前記複合繊維131は、PET(Polyethyleneterephthalate)、PP(Polypropylene)及びPE(Polyethylene)からなる群から選ばれたいずれか一つ以上の物質を用いて溶融、放射、冷却などの通常の工程を経て製造され得るが、前記PET(Polyethyleneterephthalate)、PP(Polypropylene)及びPE(Polyethylene)などを用いて繊維を製造する構成は公知の技術であるので、説明の便宜及び本発明の技術的思想の明確性のために、これに対する具体的な説明は省略する。
【0083】
前記高吸水性樹脂(Super absorbent polymer;SAP)133a、133bは、前記複合繊維131の両面に位置し、小便や分泌物又は用便を速い速度で吸収及び保有するために備えられ得る。
【0084】
例えば、前記高吸水性樹脂(SAP)133a、133bとしては、下記の方法で製造された高吸水性樹脂が使用され得る。
【0085】
前記高吸水性樹脂を製造するために、まず、水溶性エチレン系不飽和単量体、セルロース系化合物、カルボキシ(C1-C5)アルキルキトサン、グレープフルーツ種子抽出物、親水性添加剤及び架橋剤が一定の重量比率で混合された混合溶液を製造することができる。
【0086】
前記段階において、前記水溶性エチレン系不飽和単量体としては、吸水性重合体に使用される通常の水溶性エチレン系不飽和単量体が使用され得るが、例えば、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2-アクリロイルエタンスルホン酸、2-メタクリロイルエタンスルホン酸、2-メタクリロイルプロパンスルホン酸又は2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の陰イオン性単量体とその塩;メタクリルアミド、N-置換メタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート及びメトキシポリエチレングリコールメタクリレートからなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0087】
前記セルロース系化合物は、完全生分解が可能な環境にやさしい天然繊維であって、人体に無毒性の高吸水性樹脂を製造できるものであって、例えば、前記セルロース系化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース及びエチルヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0088】
前記カルボキシ(C1-C5)アルキルキトサンは、高吸水性樹脂に抗菌性を付与するために添加されるものであって、セルロースと類似するチェーン構造を有しているが、例えば、前記カルボキシ(C1-C5)アルキルキトサンとしては、カルボキシメチルキトサン又はカルボキシエチルキトサンから選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0089】
前記グレープフルーツ種子抽出物(GSE、Grapefruit seed extract)は、抗菌、抗真菌、抗酸化効果を有し、毒性実験では毒性を有さないことが確認された。特に、前記グレープフルーツ種子抽出物の成分のうち、アスコルビン酸(ascorbic acid)、パルミチン酸アスコルビル(ascorbyl palmitate)及びトコフェロール(tocopherol)などは、腐敗性及び病原性微生物の細胞壁及び細胞膜の機能を弱化させ、酵素活性を抑制し、DNA/RNAから始まる細胞増殖メカニズムを防止し、細菌、酵母及びカビなどに対する殺菌効果を示し、カビの生育及び毒素合成の阻害効果を有する。
【0090】
前記親水性添加剤は、高吸水性樹脂で形成された後、前記高吸水性樹脂樹脂内で溶出されることによって、前記高吸水性樹脂の内部に微細空間を形成し、前記吸水性重合体の内部に形成された微細空間によって小便や分泌物又は用便の吸水力及び保管力を増大させ得る。
【0091】
前記親水性添加剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、リン酸塩、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート及びソルビタンモノオレエートからなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0092】
前記架橋剤は、高吸水性樹脂の吸水速度、及び水分の吸収によって膨潤された状態での安定したゲル強度を維持するために添加されるものであって、例えば、前記架橋剤としては、N,N’-メチレンビスメタクリレート、エチレンオキシメタクリレート、ポリエチレンオキシメタクリレート、プロピレンオキシメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールトリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用され得る。
【0093】
本発明において、前記混合溶液は、水溶性エチレン系不飽和単量体80重量部乃至120重量部、セルロース系化合物20重量部乃至40重量部、カルボキシ(C1-C5)アルキルキトサン1重量部乃至10重量部、グレープフルーツ種子抽出物0.5重量部乃至2.5重量部、親水性添加剤5重量部乃至15重量部及び架橋剤1重量部乃至3重量部の重量比率で混合され得る。
【0094】
次に、前記水溶性エチレン系不飽和単量体、セルロース系化合物、カルボキシ(C1-C5)アルキルキトサン、親水性添加剤及び架橋剤が混合された混合溶液に水を添加した後で撹拌することができる。
【0095】
前記段階において、前記水は、前記水溶性エチレン系不飽和単量体、セルロース系化合物、カルボキシ(C1-C5)アルキルキトサン、親水性添加剤及び架橋剤を溶解及び分散するために使用され得るが、前記水溶性エチレン系不飽和単量体、セルロース系化合物、カルボキシ(C1-C5)アルキルキトサン、親水性添加剤及び架橋剤からなる混合溶液に水500重量部乃至700重量部を添加した後で撹拌することができる。
【0096】
その次に、前記水が添加されて撹拌された混合溶液に重合開始剤を添加することによって重合体を形成することができる。
【0097】
前記段階において、前記重合開始剤は、前記水が添加されて撹拌された混合溶液の反応を促進するために添加されるものであって、前記重合開始剤としては、ベンゾインエーテル(benzoin ether)、ジアルキルアセトフェノン(dialkyl acetophenone)、ヒドロキシルアルキルケトン(hydroxyl alkylketone)、フェニルグリオキシレート(phenyl glyoxylate)、ベンジルジメチルケタール(Benzyl Dimethyl Ketal)、アシルホスフィン(acyl phosphine)及びα-アミノケトン(α-aminoketone)からなる群から選ばれたいずれか一つ以上が使用可能であり、好ましくは、2,4,6-トリメチル-ベンゾイル-トリメチルホスフィンオキシド(2,4,6-trimethyl-benzoyl-trimethyl phosphine oxide)が使用され得る。
【0098】
前記段階において、水が添加されて撹拌された混合溶液に前記重合開始剤0.1重量部乃至1重量部を添加することができる。
【0099】
続いて、前記重合体を乾燥させた後、前記乾燥した重合体を粉砕することによって高吸水性樹脂を製造することができる。
【0100】
前記段階において、前記重合体の乾燥は、80℃乃至90℃の温度で行われ得る。また、前記乾燥した重合体は、ピンミル(pin mill)、ハンマーミル(hammer mill)、スクリューミル(screw mill)、ロールミル(roll mill)、ディスクミル(disc mill)又はジョグミル(jog mill)などの公知の粉砕機を用いて10μm乃至300μmの粒径に粉砕することができる。
【0101】
前記不織布135a、135bは、前記高吸水性樹脂133a、133bの両面に位置するが、例えば、前記不織布135a、135bは、ポリプロピレン(PP;polypropylene)樹脂を用いて製造され得る。
【0102】
前記ポリプロピレン(PP;polypropylene)樹脂は、石油化学工場で得られる熱可塑性樹脂であって、一般に、ポリプロピレンは、一般生活用品から産業用部品に至るまで多様に使用され、人体親和型素材と呼ばれる。
【0103】
例えば、前記不織布135a、135bは、ポリプロピレン(PP;polypropylene)チップを準備し、前記ポリプロピレン(PP;polypropylene)チップを押出機に投入した後、溶融、放射、冷却などの通常の工程を経て製造され得るが、このような不織布製造技術は公知の構成であるので、説明の便宜及び本発明の技術的思想の明確性のために、これに対する具体的な説明は省略する。
【0104】
前記保護シート140は、液体に対して不透過性であるので、吸水パッド130に吸収されて含有される小便や分泌物又は用便が着用者の衣服やベッドシートなどのようにおむつ10と直接接触する製品を汚したり濡らすことを防止する。前記保護シート140は、液体に対しては不透過性で、気体に対しては透過性であることが好ましい。このような物性を有するものとして、通常、プラスチックフィルムが使用されており、ポリエチレンフィルムに不織布を接着した素材が使用され得る。
【0105】
前記腰固定手段200は、複合繊維おむつ10を身体に着用し、その着用状態をそのまま維持できる機能を行えるが、例えば、前記腰固定手段200としては、粘着性テープタブ又はフック及びループなどの締結部材が広く使用され得る。
【0106】
前記保護シート140及び腰固定手段200は、上記の構成以外に、多様な種類の材料及び構成からなり得る。また、このような構成は、当該技術分野で公知の構成であるので、説明の便宜及び本発明の技術的思想の明確性のために、これに対する具体的な説明は省略する。
【0107】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る複合繊維おむつに対する実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明する。
【0108】
<実施例>
着用者の性器と肛門を覆い、その前後方が腰の前後方に突出するパッドと、前記パッドの前後方の両側に備えられ、パッドを腰に固定する腰固定手段とを含んで構成され、前記パッドは、着用者の性器と肛門が密着し、小便や分泌物又は用便を透過させる上部シートと、前記上部シートの下部に位置し、前記上部シートから透過した小便や分泌物又は用便を通過させる拡散層と、前記拡散層の下部に位置し、前記拡散層を介して透過した小便や分泌物又は用便を吸収・保管する吸水パッドと、前記吸水パッドの下部に備えられ、前記吸水パッドに吸収・保管された小便や分泌物又は用便が外部に漏れ出ることを防止する保護シートとを含む複合繊維おむつを製造した。
【0109】
このとき、前記拡散層には、拡散コーティング液組成物を塗布した後、乾燥させることによって拡散コーティング層を形成し、前記拡散コーティング液組成物は、バイオマスポリウレタン樹脂25重量部、TPV樹脂15重量部、アカモク抽出物5重量部、トウガラシ茎抽出物8重量部、無機抽出物2重量部、エチレングリコール4重量部及びイソシアネート0.5重量部の重量比率で含まれ、前記無機抽出物は、黒雲母抽出物5重量部、黄土石抽出物10重量部及びイライト抽出物15重量部の重量比率で混合されて製造された。
【0110】
また、前記吸水パッドは、複合繊維と、前記複合繊維の両面に位置する高吸水性樹脂と、前記高吸水性樹脂の両面に位置する不織布とを含んで製造された。
【0111】
<比較例>
実施例と同一の構成のおむつを製造した。
【0112】
このとき、比較例では、拡散層に拡散コーティング層を形成しておらず、また、吸水パッドは、複合繊維、及び前記複合繊維の両側に位置する不織布のみを含んで製造した。
【0113】
1.脱臭試験
前記実施例及び比較例によって製造されたおむつに対して、アンモニアの試験ガス及びFTIRを用いたガス濃度測定によって脱臭試験を行い、その結果を下記の[表1]に示した。
【0114】
【0115】
前記[表1]は、アンモニアの試験ガス及びFTIRを用いたガスの濃度測定によって得られた脱臭試験結果を示し、実施例に係るおむつの場合、時間が経過するほど脱臭率が向上することが分かる。
【0116】
2.抗菌試験
【0117】
前記実施例及び比較例によって製造されたおむつに対して、菌株である大腸菌(Escherichia coil ATCC 25922)及び緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa ATCC 15442)を用いて抗菌試験を行い、その結果を下記の[表2]に示した。
【0118】
【0119】
前記[表2]を参照すると、比較例に係るおむつの場合は、時間が経過するにつれて細菌が増加しているが、実施例に係るおむつの場合は細菌が減少しているので、本発明に係るおむつが抗菌効果を有することが分かる。ここで、濃度の単位のうちCFUは、コロニー形成単位(Colony Forming Unit)を意味し、40pは、0.04mLを意味する。
【0120】
以上では、本発明の好ましい一実施例を説明したが、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施可能であることを理解できるだろう。そのため、以上で記述した一実施例は、全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならない。
【国際調査報告】