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特表2024-525217規定の重量パーセントの酸素を有する化合物を含む水和性濃縮界面活性剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】規定の重量パーセントの酸素を有する化合物を含む水和性濃縮界面活性剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20240703BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240703BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/10 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/18 20060101ALI20240703BHJP
   C11D 1/28 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61K8/46
A61K8/36
A61K8/34
A61Q19/10
A61K8/44
C11D1/10
C11D1/18
C11D1/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023579711
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022068161
(87)【国際公開番号】W WO2023275298
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21183529.3
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ヒバン,ダグラス・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】モアデル,ティーノーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァスデヴァン,ティルチェライ・ヴァラハン
(72)【発明者】
【氏名】クワン,トーマス・アラン
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC151
4C083AC152
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC301
4C083AC311
4C083AC441
4C083AC471
4C083AC532
4C083AC581
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD041
4C083AD531
4C083AD532
4C083AD631
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC24
4C083DD23
4C083EE07
4C083FF04
4H003AB02
4H003AB09
4H003AB23
4H003AD04
4H003BA13
4H003DA02
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB09
4H003EB16
4H003ED02
4H003FA16
4H003FA28
4H003FA30
(57)【要約】
本発明は、水和性濃縮界面活性剤組成物に関するものである。当該組成物は、注ぐことができ、希釈が容易であり、硫酸塩及び油を実質的に含まず、C-C14酸、アルコール、アミド又はそれらの混合物、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤又は両方を含む。当該組成物はラメラ相であり、希釈すると増粘し、等方相に変換する。当該組成物は、ヒドロキシ官能化化合物を含み、小容量の濃縮物として用いることができ、使用及び必要に応じて希釈することができ、又は詰め替えパッケージ中で水で希釈してプラスチック廃棄物を確実に減らすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は双性イオン性界面活性剤;
c)1~16重量%のC-C14酸又はそのアルコール若しくはアミド誘導体、又はそれらの混合物;
d)重量の水、及び
e)0.5~5重量%の、酸素重量パーセントが8~35である少なくとも一つのモノ-、ジ-又はトリ-ヒドロキシ官能化化合物
を含む水和性濃縮界面活性剤組成物であって、
前記水和性濃縮界面活性剤組成物が実質的に油及び硫酸塩を含まず、好ましくは油及び硫酸塩を含まない、水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤がイセチオン酸塩、タウリン酸塩、グリシン酸塩又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤がアシルタウリン酸塩を含む、請求項2に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤がアシルグリシン酸塩を含む、請求項2に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤がイセチオン酸塩を含む、請求項2に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項6】
前記組成物がさらに、レゾルシノール、ナイアシンアミド、12-ヒドロキシステアリン酸又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項7】
洗浄用組成物の製造方法であって、
a)請求項1~6のいずれか1項に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物を水と合わせて、水及び水和性組成物の混合物を製造する段階;
b)前記混合物を攪拌及び/又は剪断する段階;及び
c)洗浄用組成物を製造する段階
を含む方法。
【請求項8】
前記洗浄用組成物が7未満のpH及び1~20PaS(1,000~20,000cps)、好ましくは3~12PaS(3,000~12,000cps)の粘度を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記洗浄用組成物がさらに、ペンタエリスリトールテトラステアレートを含む構造化剤を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記洗浄用組成物が安息香酸ナトリウムで保存されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒドロキシ官能化化合物が2-フェニルエタノール、リナロール、エチルヘキシルグリセリン、1,2ヘキサンジオール、1,2オクタンジオール、プロピレングリコール又はそれらの混合物である、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素重量パーセントが8~35である化合物を含む水和性濃縮界面活性剤組成物に関する。その組成物は注入可能であり、実質的に硫酸塩及びオイルを含まず、C-C14酸若しくはアルコール又はそれのアミド誘導体又はそれの混合物、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤又はその両方を含む。水和性濃縮界面活性剤組成物は、構造化剤を含んでいても良く、規定の重量パーセントの酸素を有する化合物は好ましくはモノ-、ジ-若しくはトリ-ヒドロキシ含有化合物又はそれらの混合物である。
【背景技術】
【0002】
液体ベースのクレンジング組成物、例えばシャンプー及びボディウォッシュは一般的であり、多くの消費者が愛用している。このような組成物は代表的には、主成分として水を含み、多くの場合、プラスチックボトル又はチューブに入れて販売される。その組成物は、従来通り、消費者が使用するのに慣例的であり、販売されているパッケージから容易に排出できる粘度を有するように製剤されている。
【0003】
世界の海には間もなく魚よりもプラスチックの方が多くなるだろうとよく宣伝される。環境への懸念と、消費者や意識の高い企業が地球のためにもっと取り組みたいという願望を考慮すると、消費者向け製品などの製品を販売する際には、プラスチックの使用を減らしたいという強い願望がある。これを考慮して、製品を濃縮物の形で販売し、従って水分の少ない製品を出荷する努力が払われてきた。濃縮物に伴う困難は、消費者が濃縮物にさらに水を加えたり、濃縮物を最終使用可能な製品に変えるための撹拌や振盪などのさらなる作業を好まないことが多いことである。水和製品に関しては、水を加えた後に製品が均一でない、及び/又は望ましくない粘度になるという一般的な苦情がある。
【0004】
注ぐのも水和させるのも簡単で、5分以内にすぐに即時使用でき、粘度などの非常に望ましい特性を備えた消費者製品を与える濃縮物を開発することへの関心が高まっている。また、硫酸塩を実質的に含まず、プラスチック廃棄物を減らすために詰め替えパッケージで使いやすい濃縮物を開発することも望ましい。したがって、本発明は、C-C14酸若しくはアルコール又はそれのアミド誘導体若しくはそれらの混合物、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤又はその両方を含む水和性濃縮組成物に関するものである。その組成物は、特に、使用されるアニオン性界面活性剤が2.0重量%未満のイセチオン酸塩を含む場合には、任意の構造化剤をさらに含んでもよい。組成物はラメラ相であり、予想外に、希釈すると増粘して等方相に変化する。その組成物は、必要に応じて希釈して濃縮物として使用することもでき、又は詰め替え包装で水で希釈してプラスチック廃棄物の削減を確実にすることもできる。さらに、本発明の組成物は、低pHで製剤して、酸性活性物質をより良好に収容することができる。
【0005】
追加情報
洗浄用組成物を製造するための努力が開示されている。米国特許出願公開第2019/0314258A1号には、流動液化(rheofluidifying)濃縮フォーミング組成物が記載されている。
【0006】
洗浄用組成物を製造するためのさらなる努力が開示されている。WO2019/074992A1及びWO2019/074993A1には、低量の無機塩を含む硫酸塩を含まないパーソナルクレンジング組成物が記載されている。
【0007】
洗浄用組成物を製造するためのさらなる他の努力が開示されている。米国特許出願公開第2018/098923A1号には、硫酸化界面活性剤を実質的に含まないパーソナルケア組成物が記載されている。
【0008】
洗浄用組成物を製造するためのさらに他の取り組みが開示されている。米国特許出願第2019/282480A1号には、N-アシル酸性アミノ酸又はそれの塩及び両性界面活性剤を含む自己増粘性クレンジング組成物が記載されている。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様において、本発明は、0.025~10PaS(25~10,000cps)(好ましくは0.025~7.5PaS(25~7,500cps)、より好ましくは0.25~3.5PaS(250~3,500cps))の粘度を有する水和性濃縮界面活性剤組成物であって、組成物対水の重量比1:1~1:10(好ましくは1:1~1:7、より好ましくは1:1.5~1:6、最も好ましくは1:1.75~1:3)で水で希釈すると、当該組成物が濃厚化して粘度上昇して、1~20PaS(1,000~20,000cps)(好ましくは2~15PaS(2,000~15,000cps)、さらにより好ましくは、3~12PaS(3,000~12,000cps)、最も好ましくは、5~9PaS(5,000~9,000cps))の粘度を有する最終使用組成物を生じ、当該組成物が酸素重量パーセントが8~35である0.75~5.0重量%の化合物を含み、好ましくは前記化合物がモノ-、ジ-若しくはトリ-ヒドロキシ官能化化合物又はそれらの混合物である組成物に関する。
【0010】
第2の態様において、本発明は、前記組成物が、希釈するとラメラ型から等方型(すなわち、微細構造)に変換する、本発明の第1の態様の水和性濃縮界面活性剤組成物に関する。
【0011】
第3の態様において、本発明は、粘度0.025~10PaS(25~10,000cps)を有する水和性濃縮界面活性剤組成物であって、前記組成物が、組成物対水重量比1:1~1:10で水で希釈して、1~20PaS(1,000~20,000cps)の粘度を有する最終使用組成物を生じるのに好適であり、さらに、前記水和性組成物が
a)アニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は双性イオン性界面活性剤;
c)C-C14酸、アミド及び/又はアルコール;
d)30~85重量%水;及び
e)0.5~5重量%の、酸素重量パーセントが8~35である少なくとも一つのモノ-、ジ-若しくはトリ-ヒドロキシ官能化化合物を含む組成物、及び前記水和性濃縮界面活性剤組成物の粘度より高い粘度を有する最終使用組成物に関する。
【0012】
第4の態様において、本発明は、
a)アニオン性界面活性剤;
b)両性及び/又は双性イオン性界面活性剤;
c)C-C14酸、アミド及び/又はアルコール;
d)30~85重量%水;及び
e)0.5~5重量%の2-フェニルエタノール、リナロール、エチルヘキシルグリセリン、隣接ジオール(好ましくは1,2ヘキサンジオール、1,2オクタンジオール)、ポリプロピレングリコール又はそれらの混合物
を含む水和性濃縮界面活性剤組成物に関する。
【0013】
第5の態様において、本発明は、本発明の第1~第4の態様の水和性濃縮界面活性剤組成物のうちの少なくとも一つを希釈することによって作られる最終使用組成物であって、製造された前記最終使用組成物が、それを調製する原料である水和性濃縮界面活性剤組成物の粘度より高い粘度を有する最終使用生成物に関する。
【0014】
第6の態様において、本発明は、皮膚を美容的に処置するための本発明の第5の態様の最終使用組成物の使用に関する。
【0015】
第7の態様において、本発明は、水和性濃縮界面活性剤組成物の粘度を低下させるための酸素重量パーセントが8~35であるモノ-、ジ-若しくはトリ-ヒドロキシ官能化化合物の使用に関する。
【0016】
本明細書で使用される場合、修飾語なしでの「組成物」は、本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終用途組成物を意味する。本明細書で使用される場合、水和性とは、例えば最初に水分量が30~85重量%である組成物などの水を含む組成物にも水を加える、及び/又は水を加えて吸収する(すなわち、希釈する)ことを意味する。本明細書で使用される場合、皮膚とは、腕(脇の下を含む)、顔、足、首、胸、手、脚、臀部及び頭皮(毛髪を含む)の皮膚を含むことを意味する。水和性濃縮界面活性剤組成物(「水和性組成物」)は、水を組成物に添加した場合に粘度が増加し、それによって局所適用に適した等方性最終使用組成物を生成するラメラ組成物を意味する。本明細書で使用される場合、「ラメラ」とは、水層によって分離された脂質二重層を有する二次元相、不透明で曇った組成物を意味する。等方性とは、一次元の脂質層と透明な組成物を有することを意味する。ラメラ相から等方相への変換は、水和性組成物が水和された後に透明な最終使用組成物になる不透明濃縮物の目視検査によって確認される。水和性組成物は、任意に0.5~1.5PaS(500~1,500cps)の粘度を有するのに適したものである。(1Pa-sは1000cpsに相当する)。最終使用組成物は、拭き取るか洗い流すのに適したものであり、好ましくは水で洗い流すのに適したものである。最終使用組成物はホームケアクリーニング組成物であることができるが、好ましくはシャンプー、メイクアップウォッシュ、洗顔料、ハンドウォッシュ、又はパーソナルケア液体ボディウォッシュである。本発明の1実施形態において、最終使用組成物は、任意に、ボディウォッシュの場合には6~12PaS(6,000~12,000cps)、ハンドウォッシュの場合には2~5PaS(2,000~5,000cps)の粘度を有することができる。最終使用組成物は、医薬品又は治療薬を含んでもよいが、好ましくは、洗浄剤が水溶性及び水不溶性の汚れを除去するような美容用で非治療用である洗浄剤である。本発明の1実施形態において、最終使用組成物は、卓上又はトイレクリーニング組成物のようなホームケア組成物である。別の実施形態において、最終使用組成物はシャンプー組成物である。さらに別の実施形態において、最終使用組成物はパーソナルウォッシュ組成物であり、従って液体ボディウォッシュである。以下に記載するように、本発明の最終使用組成物は、皮膚軟化剤、ビタミン及び/又はそれの誘導体、レゾルシノール、レチノイン酸前駆体、着色剤、保湿剤、日焼け止め剤、それらの混合物などの皮膚有益成分を添加してもよい。皮膚有益成分(又は薬剤)は、水溶性又は油溶性であり得る。使用される場合、油溶性皮膚有益剤は、代表的には、水和性組成物の最大1.5重量%を構成し、それにより、水溶性皮膚有益剤は、使用される場合、代表的には、本発明の水和性組成物の最大10重量%を構成する。水和性組成物及び最終使用組成物は、代表的には、3.5~10のpHを有する。別断の断りがない限り、粘度は、100ミクロンのギャップ及び4~15s-1のせん断速度を有するサンドブラストプレートを使用するDiscovery HR-2レオメーターで測定される。粘度は25℃で測定する。粘度の増加は、本発明の水和性組成物が、水を添加して、得られる最終使用組成物を製造した後の最終粘度より低い開始粘度を有することを意味する。最終使用組成物は、水と水和性組成物を混合し、それを混和(撹拌、好ましくは振盪のような適度な剪断力を用いて)することによって、原料となる水和性組成物より高い粘度を有する最終使用組成物を生成することによって作られる。別の実施形態では、水和性組成物は、例えば消費者の皮膚に直接適用することができ、水と剪断力(例えば、シンク又はシャワーからの水と手による剪断力)を適用すると、所望の最終使用組成物を得ることができる。本明細書で使用される場合、「硫酸塩を実質的に含まない」とは、最終使用組成物の6.0重量%未満を意味し、「油を実質的に含まない」とは、最終使用組成物の0.3重量%未満を意味する。構造化剤とは、水和組成物で粘度を持たせるのに適したものを意味する。このような構造化剤は、アニオン性界面活性剤が2.0重量%未満のイセチオン酸塩を含む場合に、好ましくは及び任意に使用される。ラメラ相剤とは、水層によって分離された脂質二重層の形成を誘発する薬剤を意味する。酸素重量パーセントが8~35であるヒドロキシ官能化化合物又は複数化合物を用いて製剤した場合の本発明の水和性組成物は、驚くべきことに、ヒドロキシ官能化化合物を含まずに製剤された同じ(すなわち、同じベース)水和性組成物より少ない、少なくとも55%、好ましくは60%、最も好ましくは少なくとも65%の粘度低下を示した。本発明の1実施形態において、水和性組成物の粘度低下は、そのようなヒドロキシ官能化化合物を含まずに製剤された同じ水和性組成物と比較して、62~95%低下であった。本明細書で使用される場合、ヒドロキシ官能化化合物は、化合物がエステルではない、カルボン酸基の一部ではない-OH基を有することを意味する。本明細書で使用される酸素の重量パーセントは、ヒドロキシ官能化化合物の分子量に基づく、ヒドロキシ官能化化合物中の酸素の重量パーセントを意味する。「含む」という用語は、「本質的にからなる」、及び「からなる」という用語を包含することを意味する。疑義を避けるため、そして説明のため、界面活性剤、水及び活性物質を含む本発明の最終使用組成物は、本質的にそれからなる組成物及びそれからなる組成物を含むことを意味する。定義されたすべての範囲は、そこに含まれるすべての範囲を含むことを意味する。操作比較例を除き、又は別途明示的に示されている場合を除き、材料の量又は比率又は条件、及び/又は材料の物理的特性及び/又は使用を示す本明細書中のすべての数字は、「約」という言葉によって修飾されるものと理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
アニオン性界面活性剤に関しては、それは代表的には水和性組成物の1.0~30重量%を構成する。本発明の1実施形態において、アニオン性界面活性剤は、水和性組成物の2.0~25重量%、好ましくは3.0~20重量%、最も好ましくは6~15重量%を構成する。さらに別の実施形態において、アニオン性界面活性剤は水和性組成物の7~14重量%を構成する。別の実施形態において、アニオン性界面活性剤は、組成物で使用されるアニオン性界面活性剤の総重量に対して、1~100重量%、好ましくは30~100重量%、最も好ましくは35~100重量%のイセチオン酸塩、タウリン酸塩及び/又はグリシン酸塩である。さらに別の実施形態において、アニオン性界面活性剤は、100%イセチオン酸塩、タウリン酸塩、グリシン酸塩、又はそれらの混合物である。
【0018】
水和性組成物に使用される両性及び/又は双性イオン性界面活性剤に関しては、それは代表的には水和性組成物の1.0~45重量%、好ましくは2.0~35重量%、最も好ましくは12~25重量%を構成する。
【0019】
例えば、水和性組成物のラメラ相の安定化及び水和を助けるために、C~C14酸又はそのアルコール及び/又はアミド誘導体のようなラメラ相剤が好ましく使用され、代表的には水和性組成物の1.0~16%、好ましくは、1.8~12重量%、最も好ましくは3~8重量%を構成する。使用に好ましい薬剤は、ミリスチン酸、ラウリン酸、及びそれらのアルコール若しくはアミド誘導体である。最も好ましい実施形態において、使用されるラメラ相剤はラウリン酸である。さらに別の好ましい実施形態において、ラメラ相剤は、水和性濃縮組成物の4.2~5.2重量%を構成する。
【0020】
本発明での使用に適したヒドロキシ官能化化合物に関しては、それらが水和性組成物の粘度低下を助け、及び/又は消費者によって安全に適用される及び/又は消費者に局所適用される最終使用組成物での使用に適している程度にのみ限定される。使用されるヒドロキシ官能化化合物は、本発明の水和性組成物に可溶であり、モノ、ジ、又はトリヒドロキシ官能化化合物並びにそれらの混合物であることができる。好ましい実施形態では、本発明の水和性組成物で使用されるヒドロキシ官能化化合物は、8~35、好ましくは9~30、最も好ましくは9~25の酸素重量パーセントを有する。そのようなヒドロキシ官能化化合物は、多くの場合、2-フェニルエタノール、リナロール、エチルヘキシルグリセリン、隣接ジオール(好ましくは1,2ヘキサンジオール、1,2オクタンジオール)、ポリプロピレングリコール、又はそれらの混合物を含む。最も好ましい実施形態では、水和性組成物に使用されるヒドロキシ官能化化合物は、2-フェニルエタノール、リナロール、エチルヘキシルグリセリン、隣接ジオール(好ましくは1,2ヘキサンジオール、1,2オクタンジオール)、ポリプロピレングリコール、又はそれらの混合物である。
【0021】
代表的には、使用に適したヒドロキシ官能化化合物は、水和性組成物の0.5~5.0重量%、好ましくは1.0~4.5重量%、最も好ましくは2.5~3.5重量%を構成する。特に好ましい実施形態において、ヒドロキシ官能化化合物は、水和性組成物の2.75~3.3重量%を構成する。
【0022】
無機塩は任意選択であるが、組成物の安定化を助けるために望ましい場合が多い成分である。NaCl、KCl、MgCl、CaCl、それらの混合物などの代表的な塩を使用することができる。代表的には、無機塩は、水和性濃縮組成物の0~15重量%、好ましくは1~12重量%、最も好ましくは0.75~4.5重量%を構成する。本発明の1実施形態において、塩は水和性濃縮組成物の2.5~3.5重量%を構成する。
【0023】
構造化剤、多くの場合ポリマー性粘度補助剤は、本発明の水和性組成物の成分として任意に使用される。本発明での使用に適した構造化剤の例示的な例としては、ポリアルコキシル化ポリオールと脂肪酸のエステルなどがある。このような構造化剤の例としては、PEG18グリセロレイン酸塩/ココ酸塩、ポリエチレングリコール6000ジステアレート、PEG-150ジステアレートのINCI名;PEG120メチルグルコースジオレート及びPEG120メチルグルコーストリオレート(Lubrizolによって入手可能なGlucomate(商標名)DOE-120及びGlucomate(商標名)VLT);PEG-150テトラステアリン酸ペンタエリスリチル(Crodaにより入手可能なCrothix(商標名)、Crothix(商標名)Liquid、及びVersathix(商標名));PEG-150ポリグリセリル-2トリステレート(Clariantにより入手可能なGenapol(登録商標)LT);PEG/PPG-120/10-トリメチルプロパントリオレエート(BASFによって入手可能なArlypon(登録商標)TT)などがある。親水性ポリアルコキシル化アームの数は、PEG-150ジステアレートでは二つ、Arlypon(登録商標)TTでは三つ、Genapol(登録商標)LT及びCrothix(商標名)、Crothix(商標名)Liquid、及びVersathix(商標名)では四つ、Glucomate(商標名)DOE-120では五つである。
【0024】
好ましい構造化剤(高分子量エトキシル化脂肪酸エステルとして分類される)は、PEG120メチルグルコースジオレート、及びPEG150ペンタエリスリチルテトラステアレートである。使用される構造化剤は、水和性組成物の0.1~1.2重量%、好ましくは0.2~1.0重量%、最も好ましくは0.25~0.8重量%を構成する。本発明の1実施形態において、構造化剤は水和性組成物の0.35~0.65重量%を構成する。やはり、そのような構造化剤は、アニオン性界面活性剤が組成物中のアニオン性界面活性剤の総重量に対して2.0重量%未満のイセチオン酸を含む場合に、好ましくかつ任意に使用される。
【0025】
本発明の別の実施形態において、本発明の最終使用組成物中に存在する硫酸塩は3.0重量%未満、好ましくは1.0重量%未満であり、最も好ましくは硫酸塩は存在しない(0.0重量%)。本発明において、水和性組成物は、希釈時に最終使用組成物中の所望の成分/成分レベル(硫酸塩レベルなど)が達成されるように製剤されるべきである。
【0026】
本発明の水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終使用組成物での使用に適したアニオン性界面活性剤に関して、使用されるアニオン性界面活性剤は、一級アルカン(例えば、C-C22)スルホン酸塩、一級アルカン(例えば、C-C22)ジスルホネート、C-C22アルケンスルホネート、C-C22ヒドロキシアルカンスルホネート、又はアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS);又はアルキルベンゼンスルホネートなどの芳香族スルホネートを含むことができる。言及したように、硫酸塩を使用する場合、それは最終使用組成物の6.0重量%未満を構成する。
【0027】
アニオン性物質には、アルキルスルホコハク酸塩(モノアルキル及びジアルキル、例えば、C-C22スルホコハク酸塩など);アルキルタウレート及びアシルタウレート(多くの場合、メチルタウレート)、アルキルサルコシン酸塩及びアシルサルコシン酸塩、スルホ酢酸塩、C-C22アルキルリン酸塩及びホスホン酸塩、アルキルリン酸エステル及びアルコキシルアルキルリン酸エステル、アシル乳酸塩、C-C22モノアルキルコハク酸塩及びマレイン酸塩、スルホアセテート、アルキルグルコシド及びアシルイセチオン酸なども含まれ得る。
【0028】
スルホコハク酸塩は、下記式を有するモノアルキルスルホコハク酸塩:
CCHCH(SOM)COM;
及び下記式のアミド-MEAスルホコハク酸塩:
CONHCHCHCCHCH(SOM)COM(式中、RはC-C22アルキルの範囲である。)
であってもよい。
【0029】
サルコシネートは一般に下記式によって示される。
【0030】
CON(CH)CHCOM(式中、RはC-C20アルキルの範囲である。)
タウレートは、通常、下記式によって識別される。
【0031】
CONRCHCHSO
式中、RはC-C20アルキルであり、RはC-Cアルキルである。
【0032】
Mは前述のような可溶化性カチオンである。
【0033】
使用に適したイセチオン酸塩には、C-C18アシルイセチオン酸塩(C1-4アルキル置換、好ましくはメチル置換などの置換されたヘッド基を有するものを含む)などがあり得る。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオン酸塩と、6~18個の炭素原子を有し、20未満のヨウ素化を有する混合脂肪族脂肪酸との間の反応によって製造される。多くの場合、その混合脂肪酸の少なくとも75%が12~18個の炭素原子を有し、最大25%が6~10個の炭素原子を有する。
【0034】
使用可能なアシルイセチオン酸塩は、1995年2月28日発行のIlardiらの米国特許第5,393,466号(発明の名称「ポリアルコキシル化イセチオン酸の脂肪酸エステル(Fatty Acid Esters of Polyalkoxylated Isethonic Acid)」)に記載されているようなアルコキシル化イセチオン酸塩であることができる。この化合物は、下記一般式を有する。
【0035】
C-O(O)-C(X)H-C(Y)H-(OCH-CH-SO
式中、Rは8~18個の炭素を有するアルキル基であり、mは1~4の整数であり、X及びYはそれぞれ独立に水素又は1~4個の炭素を有するアルキル基であり、Mは前述のような可溶化性カチオンである。
【0036】
本発明の1実施形態において、使用されるアニオン性界面活性剤は、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、又はそれらの混合物である。そのようなアニオン性界面活性剤は、Galaxy Surfactants、Clariant、Sino Lion、及びInnospecなどの供給業者から市販されている。メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、又はそれらの混合物が、本発明で使用される好ましいアニオン性物質である。本発明の1実施形態において、本発明のアニオン性界面活性剤は、組成物中のアニオン性界面活性剤の総重量に対して、2.0重量%未満のイセチオン酸を有し、別の実施形態において、1.0重量%未満のイセチオン酸を有する。
【0037】
本発明での使用に適した両性界面活性剤(pHに応じて双性イオン性であり得る)には、アシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホプロピオン酸ナトリウム、アシルアンホ二酢酸二ナトリウム及びアシルアンホジプロピオン酸二ナトリウムなどがあり、アシル(すなわち、アルカノイル基)はC-C18アルキル部分を含むことができる。使用に適した両性界面活性剤の例示的な例としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、及びそれらの混合物などがある。存在する場合、そのような界面活性剤は、水和性組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.1~2.5重量%を構成する。
【0038】
本発明で使用できる双性イオン性界面活性剤に関しては、そのような界面活性剤は少なくとも一つの酸基を含む。このような酸基は、カルボン酸基又はスルホン酸基であることができる。それらは多くの場合、四級窒素を含むため、四級アミノ酸である可能性がある。それらは通常、炭素原子7~18個のアルキル又はアルケニル基を含む必要があり、一般に下記全体的構造式に準拠する。
【0039】
-[-C(O)-NH(CH-]-N-(R-)(R)A-B
式中、Rは炭素原子数7~18のアルキル又はアルケニルであり;R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1~3のアルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボキシアルキルであり;qは2~4であり;rは0~1であり;Aは、ヒドロキシルで置換されていてもよい炭素原子数1~3のアルキレンであり;Bは-CO-又は-SO-である。
【0040】
本発明での使用に適した、上記一般式の範囲内の双性イオン性界面活性剤には、下記式の単純ベタイン;
-N-(R)(R)CHCO
及び下記式のアミドベタイン:
-CONH(CH-N--(R)(R)CHCO (tは2又は3である。)が含まれる。
【0041】
両方の式において、R、R及びRは前記で定義の通りである。Rは、特に、基Rの少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3が10~14個の炭素原子を有するように、ヤシ油由来のC12及びC14アルキル基の混合物であってもよい。R及びRは、好ましくはメチルである。
【0042】
別の選択肢は、双性イオン性界面活性剤が下記式:
-N-(R)(R)(CHSO
又は
-CONH(CH-N-(R)(R)(CHSO (uは2又は3である。)
のスルホベタイン又は-(CHSO が-CHC(OH)(H)CHSO によって置き換わっているこれらの変形形態であるものである。
【0043】
これらの式において、R、R及びRは前に定義した通りである。
【0044】
使用に適した双性イオン性界面活性剤の例示的な例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、及びラウリルアミドプロピルベタインのようなベタインなどがある。使用に適した追加の双性イオン性界面活性剤には、コカミドプロピルスルタインなどがある。このような界面活性剤は、Stepan社などの供給業者から市販されており、前述の界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。好ましい実施形態において、本発明の組成物に使用される双性イオン性界面活性剤はコカミドプロピルベタインである。
【0045】
好ましくは双性イオン性界面活性剤が使用され、水和性組成物の2~28重量%、好ましくは6~25重量%、最も好ましくは12~22重量%を構成する。本発明の1実施形態において、双性イオン性界面活性剤は、水和性濃縮物の16~21重量%を構成する。
【0046】
ノニオン性界面活性剤は、本発明の水和性組成物及び最終使用組成物において任意に使用され得る。ノニオン性界面活性剤を使用する場合、それは代表的には、最終使用組成物の0.5、1、1.5又は2重量%という低レベル、及び6、8、10又は12重量%の高レベルで使用される。使用され得るノニオン性物質としては、特に、疎水性基及び反応性水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミド又はアルキルフェノールとアルキレンオキサイド、特にエチレンオキサイド単独又はプロピレンオキサイドとの反応生成物などがある。具体的なノニオン性界面活性剤化合物は、アルキル(C-C22)フェノール・エチレンオキサイド縮合物、脂肪族(C-C18)一級又は二級直鎖若しくは分枝アルコールとエチレンオキサイドとの縮合生成物、及びエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合によって製造される生成物である。他のノニオン性界面活性剤には、長鎖三級アミンオキサイド、長鎖三級ホスフィンオキサイド、ジアルキルスルホキシドなどがある。
【0047】
本発明の1実施形態において、任意に使用されるノニオン性界面活性剤には、以下の構造a)HOCH(CH(CHCHO)H又はb)HOOC(CH(CHCHO)Hを有する脂肪酸/アルコールエトキシレートなどがあり得て、ここで、s及びvはそれぞれ独立に最大18の整数であり;c及びdはそれぞれ独立に1以上の整数である。本発明の1実施形態において、s及びvはそれぞれ独立に6~18であり;c及びdはそれぞれ独立に1~30である。ノニオン性界面活性剤の他の選択肢には、式HOOC(CH-CH=CH-(CH(CHCHO)Hを有するものが挙げられ、i、kはそれぞれ独立に5~15であり;zは5~50である。本発明の別の実施形態において、i及びkはそれぞれ独立に6~12であり;zは15~35である。
【0048】
ノニオン性物質には、多糖アミドなどの糖アミドも含まれ得る。具体的には、その界面活性剤は、1995年2月14日発行の「ノニオン性糖脂質界面活性剤を含む組成物(Compositions Comprising Nonionic Glycolipid Surfactants)」と題するAuらへの米国特許第5,389,279号に記載のラクトビオンアミドの一つであることができ;又はそれは、1991年4月23日発行の「液体水系界面活性剤系のための増粘剤としてのN-ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドの使用(Use of N-Poly Hydroxyalkyl Fatty Acid Amides as Thickening Agents for Liquid Aqueous Surfactant Systems)と題するKelkenbergへの米国特許第5,009,814号に記載の糖アミドの一つであることができる。
【0049】
本発明の1実施形態において、カチオン性界面活性剤を、本発明の水和性組成物及び最終使用組成物に任意に使用することができる。
【0050】
任意のカチオン性界面活性剤の一つのクラスには、塩化セチル又はステアリルピリジニウム、アルキルアミドエチルピロリリノジウムメチル硫酸塩、及び塩化ラピリウムなどの複素環アンモニウム塩などがある。
【0051】
テトラアルキルアンモニウム塩は、任意の使用に適した別の有用な種類のカチオン性界面活性剤である。例には、塩化若しくは臭化セチル又はステアリルトリメチルアンモニウム;水素化ヤシ又は獣脂トリメチルアンモニウムハライド;ベヘニルトリメチルアンモニウムハライド又はメチル硫酸塩;デシルイソノニルジメチルアンモニウムハライド;ジタロー(又はジステアリル)ジメチルアンモニウムハライド、及びベヘニルジメチルアンモニウムクロリドなどがある。
【0052】
使用できるさらなる他の種類のカチオン性界面活性剤は、各種エトキシル化四級アミン及びエステルクワットである。例としては、PEG-5ステアリルアンモニウム乳酸塩(例えば、Clariant製Genamin KSL)、PEG-2ココアンモニウムクロリド、PEG-15水素化獣脂アンモニウムクロリド、PEG15ステアリルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルヒドロキシエチルメチルサルフェート、及びステアリルアミドプロピルジメチルアミン乳酸塩などがある。
【0053】
任意の使用に適したさらに他の有用なカチオン性界面活性剤には、絹、小麦、及びケラチンタンパク質の四級化加水分解物などがあり、前述のカチオン性界面活性剤の混合物を使用することは本発明の範囲内である。
【0054】
使用する場合、カチオン性界面活性剤は水和性組成物の1.0重量%以下を構成するであろう。存在する場合、それらは代表的には最終使用組成物の0.01~0.7重量%、より代表的には0.1~0.5重量%(それに含まれるすべての範囲を含む)を構成する。
【0055】
本発明の1実施形態において、本発明の最終使用組成物は、ポリマー性四級アンモニウム化合物(その塩を含む)を実質的に含まない。別の実施形態において、最終使用組成物は、0.1重量%未満のポリマー性四級アンモニウム化合物を含む。さらに別の実施形態において、最終使用組成物は、0.01重量%未満のポリマー性四級アンモニウム化合物を含む。さらに別の実施形態において、水和性組成物及び最終使用組成物は、ポリマー性四級アンモニウム化合物を含まない(すなわち、0.0%)。
【0056】
水は、水和性組成物の30~85重量%、好ましくは30~78重量%、好ましくは35~75重量%、最も好ましくは水和性組成物の40~70重量%を構成する。
【0057】
水和性組成物及び最終使用組成物のpHは、そこに含まれるすべての範囲を含めて、代表的には3.5~10、好ましくは4.5~9、最も好ましくは4.7~7.5である。pHを変更/緩衝するのに適した調節剤を使用してもよい。このようなpH調節剤としては、トリエチルアミン、NaOH、KOH、HSO、HCl、C(すなわち、クエン酸)又はそれらの混合物などがある。pH調節剤は、所望の最終pHをもたらす量で添加される。pH値は、Thermo Scientific(登録商標)から市販されているpH計などの市販の機器を用いて評価することができる。本発明の1実施形態において、最終使用組成物のpHは4.8~7であり、別の実施形態では4.9~6.5であり、さらに別の実施形態では5.0~6.0である。
【0058】
本発明での使用に適した任意の皮膚有益剤は、局所適用可能であり、所望のpHで水和性組成物及び最終使用組成物に溶解するのに適している程度にのみ限定される。
【0059】
組成物の水部分に含めるのに適した有益剤の例示的な例は、ビタミンB、ナイアシンアミド(ビタミンB)、ビタミンB、ビタミンC、それらの混合物などである。このようなビタミンの水溶性誘導体も使用することができる。例えば、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸マグネシウムアスコルビル、及びアスコルビルグリコシドなどのビタミンC誘導体を単独で用いてもよいし、互いに組み合わせて用いてもよい。使用に適した他の水溶性有益剤としては、4-エチルレゾルシノール、セージ、アロエベラ、緑茶、グレープシード、タイム、カモミール、ノコギリソウ、キュウリ、カンゾウ、ローズマリー抽出物のような抽出物、又はそれらの混合物などがある。エンスリゾールなどの水溶性日焼け止めも使用できる。本発明に存在する場合の任意の水溶性有益剤(混合物を含む)の総量は、最終使用組成物の総重量に対して、0.0~10重量%、好ましくは0.001~8重量%、最も好ましくは0.01~6重量%の範囲であり得る。
【0060】
油溶性(すなわち非水溶性)有益剤を任意に含むことも本発明の範囲内である。最終使用組成物は実質的に油を含まず、好ましくは0.15重量%未満の油を含み、最も好ましくは油を含まず(0.0%)、油は香料由来の油を含むことを意味しない。したがって、油溶性活性物質又は有益剤は、使用される界面活性剤中で可溶化される。このような油溶性有益剤に関する唯一の制限は、それが局所的に適用された場合に有益性を提供するのに適しているということである。その組成物は、好ましくは0.15%未満のペトロラクタム(ワセリン)を含み、より好ましくはペトロラクタムを含まない。
【0061】
本発明の組成物で任意に使用され得る油溶性有益剤の種類の例示的な例としては、ステアリン酸のような成分、ビタミンA、D、E及びKなどのビタミン(及びそれらの油溶性誘導体)、エチルヘキシルメトキシシンナメートなどの日焼け止め剤、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロパン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-ヒドロキシベンゾエート又はそれらの混合物などがある。
【0062】
使用に適した他の任意の油溶性有益剤としては、4-ヘキシルレゾルシノール、4-フェニルエチルレゾルシノール、4-シクロペンチルレゾルシノール、4-シクロヘキシルレゾルシノール、4-イソプロピルレゾルシノール、又はそれらの混合物のようなレゾルシノールなどがある。また、4-シクロヘキシル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、4-イソプロピル-5-メチルベンゼン-1,3-ジオール、それらの混合物などの5-置換レゾルシノールを使用することもできる。5-置換レゾルシノール及びそれらの合成については、同一出願人による米国公開特許出願第2016/0000669A1号に記載されている。
【0063】
使用に適したさらに他の油溶性活性物質には、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、クリンバゾール、ファルネソール、ウルソール酸、ミリスチン酸、ゲラニルゲラニオール、オレイルベタイン、ココイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ヘキサノイルスフィンゴシン、12-ヒドロキシステアリン酸、ペトロセリン酸、共役リノール酸、テルピネオール、それらのチモール混合物などがある。
【0064】
本発明の1実施形態において、使用される任意の油溶性有益剤はレチノイン酸前駆体である。本発明の1実施形態において、レチノイン酸前駆体は、レチノール、レチナール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、又はそれらの混合物である。プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル及びそれらの混合物が代表的に好ましい。さらに、12-ヒドロキシステアリン酸の使用が好ましい場合が多い。
【0065】
任意の油溶性活性物質が本発明の組成物で使用される場合、それは、代表的には、最終使用組成物の0.0~1.5重量%、好ましくは0.001~1.5重量%、最も好ましくは0.05~1.2重量%を構成する。さらに別の実施形態において、油が、最終使用組成物の総重量の0.1~0.5重量%を構成する。
【0066】
潜在的に有害な微生物の増殖を防ぐために、望ましくは、水和性濃縮界面活性剤組成物及び最終使用組成物に防腐剤を組み込むことができる。化粧品化学者は適切な防腐剤に精通しており、日常的にそれを選択して、防腐剤負荷試験を満足させ、製品の安定性を提供する。使用に適した従来の防腐剤には、ヒダントイン誘導体及びプロピオン酸塩などがある。特に好ましい防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシアセトフェノン、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、ジメチルジメチル(DMDM)ヒダントイン及びベンジルアルコール、並びにそれらの混合物である。使用に適した他の防腐剤には、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロフェネシン、デシレングリコールなどがある。防腐剤は、組成物の使用及び防腐剤と乳濁液中の他の成分との間の起こり得る不適合性を考慮して選択されるべきである。防腐剤は、好ましくは、最終使用組成物の総重量の0.01重量%~2.0重量%(水和性濃縮界面活性剤組成物の総重量の7重量%まで)の範囲の量で使用される(そこに含まれるすべての範囲を含む)。ヒドロキシアセトフェノンを単独で、又は他の防腐剤と混合して用いる防腐剤系も好ましい。隣接ジオール(例えば、1,2-ヘキサンジオール及び/又は1,2-オクタンジオール)のような標準的な皮膚軟化剤を防腐剤とともに使用してもよい。本発明の1実施形態において、組成物のpHが7以下、好ましくは6以下の場合、使用される防腐剤は安息香酸ナトリウムである。
【0067】
増粘剤は、任意に、本発明の組成物での使用に適している。特に有用なのは多糖類である。例には、繊維、デンプン、天然/合成ガム、セルロース誘導体などがある。デンプンの代表的なものは、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸ナトリウムやオクテニルコハク酸アルミニウムデンプンなどの化学加工デンプンである。マルトデキストリンと同様に、タピオカデンプンが好ましいことが多い。好適なガムには、キサンタン、スクレロチウム、ペクチン、カラヤ、アラビア、寒天、グアー(アカシアセネガルグアーなど)、カラギーナン、アルギン酸塩、及びそれらの組み合わせなどがある。好適なセルロース誘導体には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セルロースガム/カルボキシメチルセルロース)及びセルロース(例えば、セルロースミクロフィブリル、セルロースナノ結晶又は微結晶セルロース)などがある。セルロースミクロフィブリルの供給源には、二次細胞壁材料(例えば、木材パルプ、綿)、バクテリアセルロース、及び一次細胞壁材料などがある。好ましくは、一次細胞壁材料の供給源は、果実、根、球根、塊茎、種子、葉、及びそれらの組み合わせからの実質組織から選択され;より好ましくは、柑橘類の果実、トマトの果実、桃の果実、カボチャの果実、キウイフルーツ、リンゴの果実、マンゴーの果実、テンサイ、ビートの根、カブ、アメリカボウフウ、トウモロコシ、オート麦、小麦、エンドウ豆、及びそれらの組み合わせから選択され;さらにより好ましくは柑橘類の果実、トマトの果実、及びそれらの組み合わせから選択される。一次細胞壁材料の最も好ましい供給源は、柑橘類の果実からの実質組織である。Herbacel(登録商標)からAQ Plusとして入手可能な柑橘系繊維も、セルロースミクロフィブリルの供給源として利用できる。セルロース源は、Colloidal Polymer Science, Kalia et al., ″Nanofibrillated cellulose: surface modification and potential application″ (2014), Vol 292, Pages 5-31に記載されている方法などの公知の方法のいずれかによって表面修飾することができる。
【0068】
構造化剤に加えて、合成ポリマーも、任意に使用できる増粘剤のさらに別の種類である。このカテゴリには、カルボマーなどの架橋ポリアクリレート、Sepigel(登録商標)305などのポリアクリルアミド、及びSimulgel(登録商標)EG及びAristoflex(登録商標)AVCなどのタウレートコポリマーなどがあり、それらのコポリマーはアクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム及びジメチルタウリン酸アクリロイル/ビニルピロリドンコポリマーとして個々のINCI命名法によって識別される。増粘に好適な別の好ましい合成ポリマーは、Seppicが市販しているアクリレート系ポリマーであり、Simulgel INS100の名で販売されている。炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、及びマグネシウム-アルミニウム-ケイ酸塩も使用できる。
【0069】
任意の増粘剤を使用する場合、その量は組成物の0.001~5重量%の範囲とすることができる。マルトデキストリン、キサンタンガム、及びカルボキシメチルセルロースが、好まれることが多い任意の増粘剤である。
【0070】
本発明の1実施形態において、そして組成物を考慮すると、組成物のpHは酸性範囲にあり、したがって7以下、好ましくは6.4以下である。そのような組成物において、所望の防腐剤は安息香酸ナトリウムであり、最終使用組成物は、0.01~4重量%、好ましくは0.05~1.5重量%、最も好ましくは0.05~0.6重量%の酸性活性物質又は皮膚有益剤で製剤される。多くの場合、好ましい酸性活性物質には、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はそれらの混合物のようなアルファヒドロキシ酸などがある。ベータヒドロキシ酸も使用に適しており、これらには、サリチル酸、サリチル酸塩、サリチル酸ナトリウム、ウィロウ(willow)、ベータヒドロキシブタン酸、トロパ酸トレトカン酸又はそれらの混合物などがある。アミノ酸も使用することが望ましく、これらにはアルギニン、バリン及び/又はヒスチジンなどがある。
【0071】
香料、固定剤、キレート剤(EDTAなど)及びスクラブ剤を本発明の組成物に含めてもよい。これらの物質のそれぞれは、最終使用組成物の総重量の約0.03~約5重量%、好ましくは0.1~3重量%の範囲であってよく、そこに包含されるすべての範囲を含む。スクラブ剤が使用される限り、本発明の組成物を分配するために使用される包装の性能を妨げないように、選択されるスクラブ剤は十分に小さい粒径のものでなければならない。
【0072】
8を超えるHLBを有する従来の乳化剤を使用しても良い。例示的な例には、Tween、40、60、80、ポリソルベート20、及びそれらの混合物などがある。代表的には、水連続システム用の乳化剤は、最終使用組成物の0.3~2.5重量%を構成する。本発明の1実施形態において、使用される乳化剤は、最終使用組成物の0.35~1.25重量%の量のポリソルベート20である。
【0073】
このような最終使用組成物(すなわち、乳濁液)を局所適用する場合、皮膚の保湿を助けるために、本発明における添加剤として従来の保湿剤を使用しても良い。これらは一般に、多価アルコール型の材料である。代表的な多価アルコールには、グリセロール(すなわち、グリセリン(glycerine又はglycerin))、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、PPG-9)、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール及びそれらの混合物などがある。最も好ましいのは、グリセリン、プロピレングリコール、又はそれらの混合物である。使用される保湿剤の量は、組成物の総重量の0.0~15重量%の範囲であることができる。多くの場合、保湿剤は、最終使用組成物の総重量の0.1~10重量%、好ましくは0.1~2.5重量%(最も好ましくは0.2~1.5重量%)を構成する。
【0074】
本発明の最終使用組成物に関しては、それは代表的には、最終使用組成物の総重量に対して1~35重量%、好ましくは2~30重量%、最も好ましくは3~16重量%の全体の界面活性剤を有し、そこに含まれるすべての範囲を含む。本発明の1実施形態において、最終使用組成物は、最終使用組成物の総重量に対して7~10重量%の全界面活性剤を含み、それに含まれるすべての範囲を含む。
【0075】
本発明は、水と混合及び希釈すると増粘し、したがって粘度の増加を示す水和性濃縮界面活性剤組成物に関する。本発明の1実施形態において、組成物中の双性イオン性界面活性剤の重量パーセント対アニオン性界面活性剤の重量パーセントが3:1を超える場合、ラメラ相剤(例えば、ラウリン酸)は、組成物中の界面活性剤の総重量の15重量%を超えて存在すべきである。さらに、本発明の別の実施形態において、双性イオン性界面活性剤対アニオン界面活性剤の重量比が1.5未満である場合、構造化剤が組成物中の界面活性剤の総重量の27重量%以下を構成する。別の実施形態において、組成物中の双性イオン性界面活性剤の重量パーセント対アニオン性界面活性剤の重量パーセントが3:1を超える場合、ラメラ相剤(例えば、ラウリン酸)は、組成物中の界面活性剤の総重量の15重量%を超えて存在すべきであり、双性イオン界面活性剤対アニオン界面活性剤の重量比が1.5未満である場合、構造化剤は、組成物中の界面活性剤の総重量の27重量%以下を構成する。
【0076】
本発明の水和性組成物を製造する場合、所望の成分を、温度35~80℃で、中等度の剪断条件及び大気条件下で従来の装置を用いて混合することができる。水和性組成物に水を添加して、最終使用組成物を製造する。容器内での振盪(又は撹拌)などの中等度の剪断により、5分未満、好ましくは3分未満、最も好ましくは2分未満で最終使用組成物が得られる。本発明の1実施形態において、最終使用組成物は1分未満、さらに好ましくは30秒未満で製造される。
【0077】
したがって、本発明は、さらなる態様において、本発明の水和性組成物を水で希釈する段階を含む、最終使用組成物を調製する方法に関する。好ましくは、組成物は、組成物対水の重量比1:1~1:10で希釈される。水和性濃縮界面活性剤組成物は、0.025~10PaS(25~10,000cps)の粘度を有し、希釈すると粘度が増加し、その結果、1~20PaS(1,000~20,000cps)の粘度を有する最終使用組成物が得られる。粘度は、100ミクロンギャップを有するサンドブラストプレートを用いるDiscovery HR-2レオメーターにより、剪断速度4~15s-1及び25℃の温度で測定する。
【0078】
組成物の包装は、代表的には、水和性組成物を水和させることができ、水を加えることにより最終使用組成物を作製できる限りは限定されない。本発明の1実施形態において、その水和性組成物は、ボトル又はキャニスタとつながり、中に挿入されるパウチ(ポリビニルアルコール小袋を含む)又はカートリッジで販売される。ボトル又はキャニスタは、水で満たされており、水と混合するためにその中に水和性組成物を放出できるようにするものである。代表的には、ボトル又はキャニスタには、小袋又はキャニスタを開けて水和性組成物を水中に放出して最終使用組成物を製造するポンプ付きのキャップが付いている。このような水和性組成物は、予想外にも、消費者に評価される望ましい特性を備えたボディウォッシュなどの最終使用組成物をもたらす。パッケージは無限回詰め替えることができることで、環境中のプラスチック廃棄物が常に削減される。
【0079】
水和性濃縮界面活性剤組成物は、好ましくは詰め替え包装に包装される。好ましくは、水和性濃縮組成物は詰め替え組成物として使用される。多くの場合、使用済み樹脂を含むパッケージが好まれる。
【実施例
【0080】
提供される実施例は、本発明の理解を容易にするためのものである。それらは特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
【0081】
実施例I
最初に、約75℃の温度で中等度のせん断を使用して表Iに示した成分を混和することで、水和性濃縮界面活性剤組成物を作った。酸素重量パーセントが8~35である化合物を、表IIに示す組成物に添加し、残りは水とした。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
各水和性組成物約20mLを、従来の遠心分離機で5000RPMで10分間遠心分離して、調製時に組成物中に捕捉された空気を除去して、粘度測定が正確になるようにした。粘度測定は、作製した各組成物について行い、100ミクロンのギャップ及び4~15s-1の剪断速度を有するサンドブラストプレートを使用して、Discovery HR-2レオメーターで測定した。粘度は25℃で測定する。
【0085】
生成されたデータからわかるように、本発明に従って製造された水和性組成物は、粘度の大幅な低下を示し、したがって、ヒドロキシ官能化化合物や本発明と一致する酸素の重量パーセントを有する化合物を含まない組成物と比較して、驚くほど注入及び希釈がはるかに容易であった。
【0086】
さらに、訓練を受けたパネリストが、本発明に従って製造された水和性組成物に水を加え(水和性組成物1部に対して水3部)、最終使用のボディウォッシュ組成物を製造した。このようなボディウォッシュ組成物は、撹拌しながら1分未満で調製され、水と組み合わせると驚くほど濃厚となった(粘度が増加)。水和性組成物は不透明(ラメラ)であり、最終使用組成物は驚くほど濃厚であったが、まだ透明(等方性)であり、製造後に粒子状物は存在しなかった。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水和性濃縮界面活性剤組成物であって、
a)アニオン性界面活性剤;
)双性イオン性界面活性剤;
c)1~16重量%のC-C14(ただし、アニオン性界面活性剤に対する双性イオン性界面活性剤の重量比が1.5未満である場合、構造化剤は前記組成物中の界面活性剤の合計重量の27重量%以下を構成している)
d)30~85重量の水、及び
e)0.5~5重量%の、酸素重量パーセントが8~35である少なくとも一つのモノ-、ジ-又はトリ-ヒドロキシ官能化化合物
を含む水和性濃縮界面活性剤組成物であって、
前記水和性濃縮界面活性剤組成物中の油の量が最終使用組成物の0.3重量%未満であり、硫酸塩の量が最終使用組成物の6.0重量%未満であり、好ましくは油及び硫酸塩を含まない、水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤がイセチオン酸塩、タウリン酸塩、グリシン酸塩又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤がアシルタウリン酸塩を含む、請求項2に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤がアシルグリシン酸塩を含む、請求項2に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤がイセチオン酸塩を含む、請求項2に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項6】
前記組成物がさらに、レゾルシノール、ナイアシンアミド、12-ヒドロキシステアリン酸又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物。
【請求項7】
洗浄用組成物の製造方法であって、
a)請求項1~6のいずれか1項に記載の水和性濃縮界面活性剤組成物を水と合わせて、水及び水和性組成物の混合物を製造する段階;
b)前記混合物を攪拌及び/又は剪断する段階;及び
c)洗浄用組成物を製造する段階
を含む方法。
【請求項8】
前記洗浄用組成物が7未満のpH及び1~20PaS(1,000~20,000cps)、好ましくは3~12PaS(3,000~12,000cps)の粘度を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記水和性濃縮界面活性剤組成物がさらに、PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレートを含む構造化剤を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記洗浄用組成物又は前記水和性濃縮界面活性剤組成物が安息香酸ナトリウムで保存されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒドロキシ官能化化合物が2-フェニルエタノール、リナロール、エチルヘキシルグリセリン、1,2ヘキサンジオール、1,2オクタンジオール、ポリプロピレングリコール又はそれらの混合物である、請求項8に記載の方法。
【国際調査報告】