(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】医療用画像に注釈を付すためのシステム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579730
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022065808
(87)【国際公開番号】W WO2023274682
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル アナップ
(72)【発明者】
【氏名】フォックス シャノン レニー
(72)【発明者】
【氏名】ピッツ コナー ディヴィッド
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601GA17
4C601JC06
4C601JC11
4C601JC15
4C601KK31
4C601KK47
(57)【要約】
超音波撮像システムが、取得される画像に対して提案される注釈を提供するために、取得された画像、超音波プローブの位置及び向き、並びに使用データを解析する。注釈は、テキスト及びボディマーカアイコンなど、様々な形式を有し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波画像に注釈を付すように構成された超音波撮像システムであって、前記超音波撮像システムは、
超音波信号を取得する超音波プローブと、
前記超音波信号から超音波画像を生成する処理回路と、
命令がエンコードされた非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記超音波画像を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体と、
前記非一時的コンピュータ可読媒体と通信し、前記命令を実行する少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、前記命令が実行されると、前記超音波撮像システムに、
前記超音波画像に存在する解剖学的特徴を決定させ、
撮像平面、前記超音波プローブの位置、又は前記超音波プローブの向きのうちの少なくとも1つを決定させ、
決定された前記解剖学的特徴と、決定された前記撮像平面、前記超音波プローブの決定された前記位置、又は前記超音波プローブの決定された前記向きのうちの少なくとも1つとに少なくとも部分的に基づいて、前記超音波画像に適用される注釈を決定させる、超音波撮像システム。
【請求項2】
前記超音波画像を表示するディスプレイを更に備え、前記少なくとも1つのプロセッサは、更に、前記超音波画像上に表示するために前記注釈を提供する、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサによって提供された前記注釈をユーザが変更することを可能にするユーザインターフェースを更に備える、請求項2に記載の超音波撮像システム。
【請求項4】
ユーザから入力を受け取るユーザインターフェースを更に備え、前記入力は、前記非一時的なコンピュータ可読媒体に使用データとして記憶され、前記注釈は、前記使用データに基づいて決定される、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項5】
前記注釈は、前記使用データの統計解析に基づいて決定される、請求項4に記載の超音波撮像システム。
【請求項6】
前記命令は、前記プロセッサ上での実行に応答して、前記プロセッサに、
前記超音波プローブが動いているという決定に応答して、(i)前記注釈の前記ディスプレイからの除去と、(ii)前記ディスプレイへの注釈の提供の停止との少なくとも一方を命令させ、
前記超音波プローブが静止しているという決定に応答して、(i)前記注釈の前記ディスプレイへの復帰と、(ii)前記ディスプレイへの再提供との少なくとも一方を命令させる、請求項2に記載の超音波撮像システム。
【請求項7】
前記決定された解剖学的特徴、又は第2の決定された解剖学的特徴の識別、の少なくとも一方に対する第2の決定された向き又は第2の決定された位置の少なくとも何れかに前記超音波プローブがあるという決定に応答して、前記注釈の前記提供が変化する、請求項2に記載の超音波撮像システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記注釈、前記解剖学的特徴、前記撮像平面、前記超音波プローブの前記位置、又は前記超音波プローブの前記向きのうちの少なくとも1つを決定するために、1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを実施する、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項9】
前記1つ又は複数のAIモデルはニューラルネットワークを含む、請求項8に記載の超音波撮像システム。
【請求項10】
前記1つ又は複数のAIモデルは決定木を含む、請求項8に記載の超音波撮像システム。
【請求項11】
前記超音波プローブに結合されたプロセス追跡デバイスであって、前記解剖学的特徴、前記撮像平面、前記超音波プローブの前記位置、又は前記超音波プローブの前記向きのうちの少なくとも1つを決定するために、前記少なくとも1つのプロセッサにプロセス追跡データを提供する当該プロセス追跡デバイスを更に備える、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項12】
前記プロセス追跡デバイスは電磁気的プローブ追跡デバイスである、請求項11に記載の超音波撮像システム。
【請求項13】
前記処理回路は前記超音波プローブに含まれる、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項14】
前記注釈は図解的なボディマーカを含む、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項15】
超音波画像に注釈を付すための方法であって、前記方法は、
処理回路に結合された超音波プローブによって取得された超音波画像を受け取るステップと、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記超音波画像に存在する解剖学的特徴を決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、撮像平面、前記超音波プローブの位置、又は前記超音波プローブの向きのうちの少なくとも1つを決定するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、決定された前記解剖学的特徴と、決定された前記撮像平面、前記超音波プローブの決定された前記位置、又は前記超音波プローブの決定された前記向きのうちの少なくとも1つとに少なくとも部分的に基づいて、前記超音波画像に適用する注釈を決定するステップと、
を有する、方法。
【請求項16】
前記超音波プローブに結合されたプローブ追跡デバイスからプローブ追跡データを受け取るステップを更に有し、前記注釈の決定は、前記プローブ追跡データに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記注釈、前記解剖学的特徴、前記撮像平面、前記超音波プローブの前記位置、又は前記超音波プローブの前記向きのうちの少なくとも1つを決定するステップは、1つ又は複数の人工知能(AI)モデルによって行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数のAIモデルは、ニューラルネットワーク、超短期メモリモデル、又は決定木のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ユーザインターフェース又は非一時的なコンピュータ可読媒体の少なくとも一方から使用データを受け取るステップを更に有し、前記注釈の決定は前記使用データに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
超音波に注釈を付すためのコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体は、プロセッサ上で実行されると、前記プロセッサに、
処理回路に結合された超音波プローブによって取得された超音波画像を受け取らせ、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記超音波画像に存在する解剖学的特徴を決定させ、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、撮像平面、前記超音波プローブの位置、又は前記超音波プローブの向きのうちの少なくとも1つを決定させ、
前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、決定された前記解剖学的特徴と、決定された前記撮像平面、前記超音波プローブの決定された前記位置、又は前記超音波プローブの決定された前記向きのうちの少なくとも1つとに少なくとも部分的に基づいて、前記超音波画像に適用する注釈を決定させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本開示は、医療用画像に自動的に又は半自動的に注釈を付すための撮像システム及び方法に関する。特に、超音波画像のために自動的に又は半自動的に注釈を生成するための撮像システム又は方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
[002] 典型的な超音波検査の間、(例えば、超音波検査士などの)ユーザは、関心対象である解剖学的構造の複数の画像を、様々な撮像モード及び向きで取得する。例えば、北アメリカにおける典型的な肝臓超音波検査では、ユーザは、医師による同時の又は後の時点における検討のために、肝臓、腎臓、胆嚢などの複数の画像を取得する。超音波画像の読取りの補助と保存目的とのため、画像には、走査の詳細を検討する者に知らせる目的で、超音波検査士によって注釈が付される。典型的なワークフローでは、超音波検査士は、望まれる画像平面が達成されるまで、超音波プローブを用いて走査を行う。次に、超音波検査士は、その望まれる画像平面で、画像を「フリーズ」させる。ユーザは、そのフリーズされた画像上に、所望の注釈を付す。注釈は、とりわけ、テキストラベル、ボディマーカアイコン、及び/又は測定値を含み得る。いったんユーザが満足すると、注釈が付された画像が、「取得」される。すなわち、画像は、超音波撮像システムのコンピュータ可読なメモリに記憶(保存)され、及び/又は医用画像管理システム(PACS)に提供される。
【0003】
[003]
図1は、超音波画像上の注釈を含む超音波撮像システムからの表示の例である。ディスプレイ100は、肝臓の超音波画像102と、注釈104及び106とを含む。ラベル104は、超音波画像102における解剖学的構造に関する情報と、解剖学的構造の領域と、撮像平面とを提供するテキストによる注釈である。
図1の例に示されている例では、ラベル104は、この画像が肝臓の左(LT)部分の矢状(SAG)面のものであることを示す。ボディマーカ106は、対象者の身体108の部位のグラフィカルな表現と身体108に対する超音波プローブ110の位置及び向きを示すアイコンとを提供する、注釈である。
図1に示されている例では、ボディマーカ106は、ヘソに向けられたビームを伴う胴と胴の上部付近に配置された超音波プローブとの図解を含む。
図1に示されているように、超音波画像102はラベル104とボディマーカ106との両方による注釈を含み得るが、現在では、ラベル104は、北アメリカでより一般的に用いられ、他方で、ボディマーカ106は、ヨーロッパ及びアジアでより一般的に用いられる。
【0004】
[004] ユーザは、ラベルを手動でタイプする、及び/又は(例えば、1つ又は複数のドロップダウンメニュをナビゲートすることによって)予めロードされているリストからラベルを選択する。ボディマーカに関しては、ユーザは、メニュからボディマーカのための適切な図解を選択し、その図解の上に、(例えば、矢印キー及び/又はトラックボールと共に選択ボタンを用いて)超音波プローブの位置及び向きを示すアイコンを手動で配置する。両方のタイプの注釈が、ユーザに対して著しい時間を、多くの画像を取得し注釈を付す必要があるときには特に、要求することになる。例えば、典型的な腹部の検査では、40~50の画像が要求される。
【0005】
[005] いくつかの撮像システムは、ラベル、ボディマーカ、及び/又は他の注釈を用いて超音波画像に自動的に注釈を付す「スマート検査」という特徴を提供している。しかし、「スマート検査」は、典型的には、ユーザが画像を特定の順序で取得することを要求し、ユーザが検査から取得することを望む画像全部を用意してくれない場合がある。したがって、超音波画像に注釈を付す時間を短縮するために、改善された技術が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[006] ラベル及びボディマーカなど、注釈を超音波画像に割り当てる撮像システムのユーザによって、著しい時間が費やされている。ユーザが様々な画像を取得する際に、ラベル及び/若しくはボディマーカを自動的に又は半自動的に適用するためのシステム、方法、並びに装置が、開示される。これが、結果的に、ユーザにとって著しい時間的節約が生じさせ、そして彼らの経験に適合されることが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[007] 本開示の少なくとも1つの例によると、超音波撮像システムは、超音波画像に注釈を付すように構成され、この超音波撮像システムは、超音波信号を取得するように構成された超音波プローブと、命令がエンコードされた非一時的なコンピュータ可読媒体であって、超音波画像を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ可読媒体と、非一時的コンピュータ可読媒体と通信して命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含み、命令が実行されると、超音波撮像システムに、超音波画像に存在する解剖学的特徴を決定させ、撮像平面、超音波プローブの位置、又は超音波プローブの向きのうちの少なくとも1つを決定させ、決定された解剖学的特徴と、決定された撮像平面、超音波プローブの決定された位置、又は超音波プローブの決定された向きのうちの少なくとも1つとに少なくとも部分的に基づいて、超音波画像に適用される注釈を決定させ、超音波画像と注釈とを記憶のために、非一時的コンピュータ可読媒体に提供する。
【0008】
[008] 本開示の少なくとも1つの例によると、超音波画像に注釈を付すための方法は、超音波プローブによって取得された超音波画像を受け取るステップと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、超音波画像に存在する解剖学的特徴を決定するステップと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、撮像平面、超音波プローブの位置、又は超音波プローブの向きのうちの少なくとも1つを決定するステップと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、決定された解剖学的特徴と、決定された撮像平面、超音波プローブの決定された位置、又は超音波プローブの決定された向きのうちの少なくとも1つとに少なくとも部分的に基づいて、超音波画像に適用する注釈を決定するステップと、超音波画像と注釈とを、ディスプレイ又は記憶のための非一時的なコンピュータ可読媒体の少なくとも一方に提供するステップとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[009] 超音波画像上の注釈を含む、超音波撮像システムからの表示の例である。
【
図2】[010] 本開示の原理による超音波システムのブロック図である。
【
図3】[011] 本開示の例による超音波撮像システムにおけるデータフローの概観を提供するブロック図である。
【
図4】[012] 本開示の例による1つ又は複数のログファイルの統計解析の例の図解的表現である。
【
図5】[013] 本開示の例による1つ又は複数のログファイルの統計解析の例の図解的表現である。
【
図6】[014] 本開示の例によるデータに用いられるニューラルネットワークの図解である。
【
図7】[015] 本開示の例によるデータを解析するのに用いられる長短期メモリモデルのセルの図解である。
【
図8】[016] 本開示の例によるデータを解析するのに用いられる決定木の図解である。
【
図9】[017] 本開示の原理によるニューラルネットワークのトレーニング及び展開のためのプロセスのブロック図である。
【
図10】[018] 本開示の原理による方法のフローチャートである。
【
図11】[019] 本開示の原理による例示的なプロセッサを図解するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[020] 特定の実施形態に関する以下の説明は、性質として単に例示的であり、どのような意味でも、本発明又はその適用若しくは利用を限定することは意図されていない。本発明によるシステム及び方法の実施形態に関する以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、添付の図面には、説明されているシステム及び方法が実践されている特定の例が、図解によって示されている。これらの実施形態は、当業者が本明細書に開示されている装置、システム及び方法を実践することを可能にするのに十分な程度に詳細に説明されているが、他の実施形態も用いられ得るということ、そして、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な変更がなされ得るということが、理解されるべきである。更に、明瞭であるため、特定の特徴に関する詳細な説明は、それらが当業者にとって明らかであるときには、本発明の装置、システム、及び方法に関する説明を曖昧にしないために、論じないことにする。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味に解釈されるべきではなく、本発明によるシステムの範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ、定義される。
【0011】
[021] 本開示の例によると、超音波撮像システムは、1つ又は複数の情報源である超音波画像において識別される解剖学的特徴、先に用いられた注釈、先に取得された超音波画像、使用データ、及び/又は超音波プローブ追跡データに基づいて、超音波画像に自動的に注釈を付す(例えば、注釈を適用する)ことができる。
【0012】
[022]
図2は、本開示の原理に従って構築された超音波撮像システム200のブロック図を示している。本開示による超音波撮像システム200は、トランスデューサアレイ214を含み、これは、例えば、経膣的超音波(TVUS)プローブ又は経食道心エコー(TEE)プローブのような外部プローブ又は内部プローブなど、超音波プローブ212に含まれる。トランスデューサアレイ214は、超音波信号(例えば、ビーム、波)を送信し、超音波信号に応答するエコーを受信するように構成されている。例えば、線形アレイ、曲面アレイ、又はフェーズドアレイなど、様々なトランスデューサアレイが、用いられる。トランスデューサアレイ214は、例えば、(示されているように)2D及び/又は3D撮像のために仰角次元と方位角次元との両方での走査が可能なトランスデューサ素子の二次元アレイを含み得る。一般に知られているように、軸方向は、アレイの面に垂直な方向であり(曲面アレイの場合には、軸方向は扇状に広がる)、方位角方向は、アレイの長手方向の次元によって一般に定義され、仰角方向は、方位角方向を横断する方向である。
【0013】
[023] オプションとして、いくつかの例では、超音波プローブ212は、追跡デバイス270を含む。いくつかの例では、追跡デバイス270は、慣性測定ユニット(IMU)を含む。IMUは、加速度計、ジャイロスコープ、磁気計、及び/又はこれらの組合せを含む。IMUは、速度、加速度、回転、角速度、及び/又はプローブ212の向きに関するデータを提供する。いくつかの例では、追跡デバイス270は、追加的に又は代替的に、電磁気追跡デバイスを含む。電磁気追跡デバイスは、プローブ212の位置及び/又は向き情報を独立に提供する、及び/又はプローブ追跡システム272と協働して動作する。プローブ追跡システム272は、電磁気追跡システム270との間で信号を送信及び/又は受信し、プローブ212の位置及び/又は向きに関する情報を、例えばローカルメモリ242になど、超音波撮像システム200に、提供する。適切なプローブ追跡システム272の例は、フィリップスヘルスケアによるPercuNavシステムであるが、他の例では、他の追跡システムも用いられる。追跡デバイス270によって提供されるプローブ212の速度、加速度、回転、角速度、位置、及び/又は向きと関連するデータは、集合的に、プローブ追跡データと称される。
【0014】
[024] いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイ214は、マイクロビームフォーマ116に結合され、マイクロビームフォーマ216は、超音波プローブ212に配置されており、アレイ214におけるトランスデューサ素子によって信号の送受信を制御する。いくつかの実施形態では、マイクロビームフォーマ216は、アレイ214における能動素子(例えば、任意の時点における能動アパーチャを定義するアレイの素子の部分集合)による信号の送受信を制御する。
【0015】
[025] いくつかの実施形態では、マイクロビームフォーマ216が、送信と受信との間で切り替えを行い、メインビームフォーマ222を高エネルギ送信信号から保護する送信/受信(T/R)スイッチ118に、例えばプローブケーブルによって又は無線で、結合される。いくつかの実施形態、例えば携帯型の超音波システムでは、システムにおけるT/Rスイッチ218と他の要素とは、画像処理電子機器を収容している超音波システムベースではなく、超音波プローブ212に含まれ得る。超音波システムベースは、典型的には、信号処理及び画像データ生成のための回路と、ユーザインターフェース(例えば、処理回路250及びユーザインターフェース224)を提供するための実行可能命令とを含むソフトウェア及びハードウェアコンポーネントを含む。
【0016】
[026] マイクロビームフォーマ216の制御下にあるトランスデューサアレイ214からの超音波信号の送信は、T/Rスイッチ218とメインビームフォーマ222とに結合される送信コントローラ220によって指示される。送信コントローラ220は、ビームがステアリングされる方向を制御する。ビームは、トランスデューサアレイ214から直進する(アレイに対して直交する)ようにステアリングされ得るし、又は、より広い視野を求めて複数の異なる角度にもステアリングされ得る。送信コントローラ220は、ユーザインターフェース224に結合され、ユーザ制御のユーザ操作から入力を受け取る。ユーザインターフェース224は、コントロールパネル252など、1つ又は複数の入力デバイスを含むが、これは、1つ又は複数の機械的制御(例えば、ボタン、エンコーダ)、タッチ感知式制御(例えば、トラックパッド、タッチスクリーンなど)、及び/又は他の既知の入力デバイスを含み得る。
【0017】
[027] いくつかの実施形態では、マイクロビームフォーマ216によって生成された部分的にビーム形成された信号が、メインビームフォーマ222に結合され、そこで、トランスデューサ素子の個別的なパッチからの部分的にビーム形成された信号が、完全にビーム形成された信号に合成される。いくつかの実施形態では、マイクロビームフォーマ216は省略され、トランスデューサアレイ214は、信号のすべてのビーム形成を行うメインビームフォーマ122によって、制御される。マイクロビームフォーマ216を有する実施形態でも有しない実施形態でも、メインビームフォーマ222のビーム形成された信号は、処理回路250に結合されるが、この処理回路250は、ビーム形成された信号(例えば、ビーム形成されたRFデータ)から超音波画像を生成するように構成された1つ又は複数のプロセッサ(例えば、信号プロセッサ226、Bモードプロセッサ228、ドップラプロセッサ260、並びに1つ又は複数の画像生成及び処理コンポーネント268)を含む。
【0018】
[028] 信号プロセッサ226は、受信されたビーム形成後のRFデータを、バンドパスフィルタリング、デシメーション、I及びQ成分分離、並びに高調波信号分離など、様々な方法で処理するように構成されている。信号プロセッサ226は、また、スペックル低減、信号合成、及びノイズ除去など、追加的な信号エンハンスメントを実行することができる。処理された信号(I及びQ成分又はIQ信号とも称される)は、画像生成のために、追加的な下流の信号処理回路に結合される。IQ信号は、システム内部の複数の信号経路に結合されるが、各信号経路は、異なるタイプの画像データ(例えば、Bモード画像データ、ドップラ画像データ)を生成するのに適した特定の信号処理コンポーネント構成と関連する。例えば、このシステムは、Bモード画像データを生成するため、信号プロセッサ226からの信号をBモードプロセッサ228に結合するBモード信号経路258を含む。
【0019】
[029] Bモードプロセッサは、身体内部の構造の撮像のために振幅検出を用いる。Bモードプロセッサ228によって生成された信号は、スキャンコンバータ230及び/又は多断面リフォーマッタ232に結合される。スキャンコンバータ230は、エコー信号を、それらのエコー信号が受け取られた空間的関係から、所望の画像フォーマットに配列する。例えば、スキャンコンバータ230は、エコー信号を二次元(2D)扇形フォーマット、又はピラミッド若しくは他の形状の三次元(3D)フォーマットに配列する。多断面リフォーマッタ232は、例えば米国特許第6,443,896号(Detmer)に記載されているように、人体の立体領域における共通平面内の複数の点から受信されたエコーを、その平面の超音波画像(例えば、Bモード画像)に変換することができる。いくつかの実施形態では、スキャンコンバータ230と多断面リフォーマッタ232とは、1つ又は複数のプロセッサとして実施される。
【0020】
[030] ボリュームレンダラ234は、例えば米国特許第6,530,885号(Entrekinら)に記載されているように、所与の基準点から見た3Dデータセットの画像を生成する(投影、レンダ、又はレンダリングとも称される)。いくつかの実施形態において、ボリュームレンダラ234は、1つ又は複数のプロセッサとして実施される。ボリュームレンダラ234は、表面レンダリング及び最大強度レンダリングなど、いずれかの知られている又は将来知られることになる技術によって、ポジティブレンダリング又はネガティブレンダリングなどのレンダリングを、生成することができる。
【0021】
[031] いくつかの実施形態で、このシステムは、信号プロセッサ226からの出力をドップラプロセッサ260に結合するドップラ信号経路262を含み得る。ドップラプロセッサ260は、ドップラシフトを推定し、ドップラ画像データを生成するように構成される。ドップラ画像データは、表示のために、Bモード(すなわち、グレースケール)画像データと重ねられる色データを含む。ドップラプロセッサ260は、例えばウォールフィルタを用いて、望ましくない信号(すなわち、静止している組織と関連するノイズ又はクラッタ)をフィルタリングによって除去するように構成される。ドップラプロセッサ260は更に、既知の技術に従って速度及びパワーを推定するように構成される。例えば、ドップラプロセッサは、自己相関器など、ドップラ推定器を含み得るが、その場合、速度(ドップラ周波数)の推定は、ラグ1自己相関関数の引数に基づき、ドップラパワー推定は、ラグ0自己相関関数の大きさに基づく。動きは、既知の位相ドメイン(例えば、MUSICやESPRITなど、パラメトリック周波数推定器)又は時間ドメイン(例えば、相互相関)信号処理技術によっても、推定することが可能である。速度推定器の代わりに、又は速度推定器に加えて、加速度推定器、又は時間的及び/若しくは空間的速度微分の推定器など、速度の時間又は空間分布に関連する他の推定器が用いられることもある。いくつかの実施形態では、速度及び/又はパワー推定値に対し、ノイズを更に低減するための更なる閾値検出や、セグメンテーション、フィリング及び平滑化などの後処理が行われる場合もある。次いで、速度及び/又は電力推定値は、カラーマップに従って所望の表示色範囲にマッピングされる。次に、ドップラ画像データとも称される色データは、スキャンコンバータ230に結合されるが、そこで、ドップラ画像データは、所望の画像フォーマットに変換され、カラードップラ又はパワードップラ画像を形成するために、組織構造のBモード画像の上に重ねられる。いくつかの例では、パワー推定値(例えば、ラグ0自己相関情報)が、カラードップラ画像をBモード画像の上に重ねる前に、カラードップラ(例えば、速度推定値)におけるフローをマスク又はセグメント化するために用いられる。
【0022】
[032] スキャンコンバータ230、多断面リフォーマッタ232、及び/又はボリュームレンダラ234からの出力は、画像ディスプレイ238上に表示される前に、更なるエンハンスメント、バッファリング、及び一時的保存のために、画像プロセッサ236に結合される。グラフィックスプロセッサ240は、画像と共に表示されるグラフィックオーバーレイを生成する。これらのグラフィックオーバーレイは、例えば、患者の名前、画像の日時、撮像パラメータなど、標準的な識別情報を含み得る。これらの目的のため、グラフィックスプロセッサ240は、タイプされた患者名や他の注釈(例えば、ラベル、ボディマーカ)などの入力を、ユーザインターフェース224から受け取るように構成される。ユーザインターフェース224は、また、複数の多断面再構成(MPR)された画像の表示の選択及び制御のために、多断面リフォーマッタ232に結合される。
【0023】
[033] 超音波撮像システム200は、ローカルメモリ242を含む。ローカルメモリ242は、いずれかの適切な非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、フラッシュドライブ、ディスクドライブ)として実施される。ローカルメモリ242は、超音波画像を含むシステム200によって生成されたデータ、実行可能な命令、撮像パラメータ、使用データを含むログファイル、トレーニングデータセット、又はシステム200の動作に必要などの他の情報も、記憶する。いくつかの例では、ローカルメモリ242は、複数のメモリを含むが、これらは、同じタイプの場合もあるし、異なるタイプの場合もある。例えば、ローカルメモリ242は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)とフラッシュメモリとを含み得る。
【0024】
[034] 上記のように、システム200は、ユーザインターフェース224を含む。ユーザインターフェース224は、ディスプレイ238とコントロールパネル252とを含む。ディスプレイ238は、LCD、LED、OLED、又はプラズマディスプレイ技術など、様々な知られた表示技術を用いて実施される表示デバイスを含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイ238は、複数のディスプレイを含む。コントロールパネル252は、ユーザ入力(例えば、検査のタイプ、撮像パラメータ)を受け取るように構成される。コントロールパネル252は、1つ又は複数のハード制御(例えば、ボタン、ノブ、ダイヤル、エンコーダ、マウス、トラックボールなど)を含む。いくつかの実施形態では、コントロールパネル252は、追加的に又は代替的に、タッチ感知式ディスプレイ上に提供されたソフト制御(例えば、GUI制御要素、又は単純に、GUI制御)を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイ238は、コントロールパネル252の1つ又は複数のソフト制御を含むタッチ感知式ディスプレイである。
【0025】
[035] いくつかの実施形態では、
図2に示されている様々なコンポーネントが、組み合わされる。例えば、画像プロセッサ236とグラフィックスプロセッサ240とは、単一のプロセッサとして実施される。いくつかの実施形態では、
図2に示されている様々なコンポーネントは、別個のコンポーネントとして実施される。例えば、信号プロセッサ226は、それぞれの撮像モード(例えば、Bモード、ドップラ)のために、複数の別個の信号プロセッサとして実施されることがあり得る。他の例では、画像プロセッサ236は、複数の異なるタスクのための及び/又は1つの同じタスクを並列処理するための複数の別個のプロセッサとして、実施される。いくつかの実施形態では、
図2に示されている様々なプロセッサのうちの1つ又は複数は、汎用プロセッサによって、及び/又は特定されたタスクを実行するように構成されたマイクロプロセッサによって、実施される。いくつかの例では、これらのプロセッサは、非一時的なコンピュータ可読な媒体から(例えば、ローカルメモリ242から)、タスクのための命令を提供するように構成される。これらの命令は、次に、プロセッサによって実行される。いくつかの実施形態では、様々なプロセッサのうちの1つ又は複数は、特定用途向け回路として、実施される。いくつかの実施形態では、様々なプロセッサ(例えば、画像プロセッサ236)のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のグラフィカル処理ユニット(GPU)を用いて実施される。
【0026】
[036] 本開示の例によると、画像プロセッサ236及び/又はグラフィックスプロセッサ240など、システム200の1つ又は複数のプロセッサは、システム200によって取得された超音波画像に自動的に又は半自動的に注釈を付す。
【0027】
[037] いくつかの例では、1つ又は複数のプロセッサは、超音波画像に注釈を付すようにトレーニングされている、いずれかの1つ又は複数の機械学習、人工知能(AI)アルゴリズム、及び/又は複数のニューラルネットワーク(集合的に、AIモデル)を含む。いくつかの例では、1つ又は複数のプロセッサは、深層ニューラルネットワーク(DNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、オートエンコーダニューラルネットワーク、及び/又はシングルショット検出器などのうちの1つ又は複数を含む。AIモデルは、ハードウェアコンポーネント(例えば、ニューラルネットワークのニューロンが、物理コンポーネントによって表される)として、及び/又はソフトウェアコンポーネント(例えば、ニューロンと経路とが、ソフトウェアアプリケーションとして実施される)として、実施される。本開示に従って実施されるニューラルネットワークは、所望の出力を生じさせるようにニューラルネットワークをトレーニングするために、様々なトポロジと学習アルゴリズムとを用いる。例えば、ソフトウェアベースのニューラルネットワークは、命令を実行するように構成されたプロセッサ(例えば、シングル若しくはマルチコアCPU、単一のGPU若しくはGPUクラスタ、又は並列処理をするように配置された複数のプロセッサ)を用いて実施されるが、実行される命令は、コンピュータ可読な媒体に記憶されていて、実行されると、トレーニングされたアルゴリズムをプロセッサに行わせる。いくつかの例では、1つ又は複数のプロセッサは、他の画像処理又はデータ解析方法(例えば、セグメント化、ヒストグラム解析、統計分析)との組合せとして、AIを実施する。
【0028】
[038] 様々な例において、AIモデルは、超音波画像、使用データ、プローブ追跡データ、ユーザ入力、測定値、及び/又は統計の形式を有する入力データを解析するように構成されているニューラルネットワーク(例えば、訓練されたアルゴリズム、又はハードウェアベースのノードシステム)を取得するための、現に知られている又は今後開発される様々な学習技術のいずれかを用いて、トレーニングされる。いくつかの実施形態では、AIは、静的にトレーニングされる。すなわち、AIモデルは、データセットを用いてトレーニングされ、システム200において展開され、1つ又は複数のプロセッサによって実施される。いくつかの実施形態では、AIモデルは、動的にトレーニングされる。これらの例では、AIモデルは、初期データセットを用いてトレーニングされ、システム200において展開される。しかし、AIモデルは、システムにおいてAIモデルが展開され1つ又は複数のプロセッサによって実施された後でも、システム200によって取得された超音波画像に基づいてトレーニングされ、修正される。
【0029】
[039] いくつかの実施形態では、超音波撮像システム200は、使用データを受け取り、ローカルメモリ242などのコンピュータ可読媒体に保存する。使用データの例は、これらに限定されることはないが、取得のために選択されたシネバッファ(例えば、ストレージ)からの超音波画像に追加された注釈、キーストローク、ボタン押下、他のハード制御の操作(例えば、ダイヤルを回すこと、スイッチを切り替えること)、スクリーンタッチ、他のソフト制御の操作(例えば、スワイプ、ピンチ)、メニュの選択及びナビゲーション、並びに音声コマンドを含む。いくつかの例では、追加的な使用データとして、超音波システムの地理的位置、用いられる超音波プローブのタイプ(例えば、タイプ、メーカ、モデル)、一意的なユーザ識別子、検査のタイプ、及び/又は超音波撮像システムによってどのような物体が現に撮像されているかなどが、受け取られることがある。いくつかの例では、使用データは、ユーザインターフェース224などのユーザインターフェースを介してユーザによって、画像プロセッサ236及び/若しくはグラフィックスプロセッサ240などのプロセッサによって、超音波プローブ(例えば、超音波プローブ212)によって、提供されることがあり得、並びに/又は超音波撮像システム(例えば、ローカルメモリ242)において予めプログラムされ保存されていることがあり得る。
【0030】
[040] いくつかの例では、後で検索し解析するため、使用データの一部又は全部が、ログファイルなどのコンピュータ可読なファイルに書き込まれ、保存される。いくつかの例では、ログファイルは、ユーザと超音波撮像システムとの対話の一部又は全部の記録を記憶する。ログファイルは、ユーザが超音波撮像システムとの間で有した異なる対話の時間及び/又はシーケンスが決定されるように、時間及び/又はシーケンスデータを含む。時間データは、それぞれの対話(例えば、各キーストローク、超音波画像における各注釈)と関連するタイムスタンプを含む。いくつかの例では、ログファイルにタイムスタンプが保存されていなくても対話のシーケンスを決定できるように、ログファイルは、対話が生じた順序で、対話をリストとして記憶する。いくつかの例では、ログファイルは、ログファイルに記録された対話と関連する特定のユーザを示す。例えば、ユーザが一意的な識別子(例えば、ユーザ名、パスワード)を用いて超音波撮像システムにログインする場合には、その一意的な識別子は、ログファイルに記憶される。ログファイルは、テキストファイル、スプレッドシート、データベース、及び/又は1つ又は複数のプロセッサによって解析可能ないずれかの他の適切なファイル若しくはデータ構造である。いくつかの例では、超音波撮像システムの1つ又は複数のプロセッサは、使用データを収集して、使用データを1つ又は複数のログファイルに書き込み、これが、コンピュータ可読媒体に記憶される。いくつかの例では、ログファイル及び/又は他の使用データが、1つ又は複数の他の撮像システムから、この撮像システムによって受信される。ログファイル及び/又は他の使用データは、ローカルメモリに保存される。ログファイル及び/又は他の使用データは、無線(例えば、BlueTooth(登録商標)、WiFi(登録商標))による方法と有線(例えば、イーサネットケーブル、USBデバイス)による方法とを含むいずれかの適切な方法によって、受信される。いくつかの例では、1人又は複数のユーザと1つ又は複数の撮像システムとからの使用データが、超音波画像に自動的に及び/又は半自動的に注釈を付すために、用いられる。
【0031】
[041]
図3は、本開示の例による超音波撮像システムにおけるデータフローの概観を提供するブロック図である。解剖学的認識AIモデル306は、システム200の画像プロセッサ236など、1つ又は複数のプロセッサによって実施される。解剖学的認識モデル306は、超音波画像300を受け取る。超音波画像300は、プローブ212などのプローブによって、取得されている。いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306は、超音波画像300における1つ又は複数の解剖学的特徴を識別するように、トレーニングされる。解剖学的特徴には、臓器、臓器の小区域(sub-regions)、及び/又は臓器の特徴が含まれる。いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306は、超音波画像300がそこから取得された撮像平面を識別するように、トレーニングされる。いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306は、超音波画像300が取得されたときの超音波プローブの位置及び/又は向きを識別するようにトレーニングされる。いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306は、ユーザがプローブを用いて走査している際に、連続的に超音波画像300における解剖学的特徴を認識するように試みる。いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306は、ユーザが画像をフリーズするまで、待機する。
【0032】
[042] オプションであるが、解剖学的認識AIモデル306は、更に、プローブ追跡データ302を受け取る。プローブ追跡データ302は、少なくとも部分的には、プローブ追跡デバイス270のようなプローブ追跡デバイスによって、及び/又はプローブ追跡システム272のようなプローブ追跡システムによって、提供される。解剖学的認識AIモデル306は、解剖学的特徴、画像平面、超音波プローブの位置、及び/又は超音波プローブの向きを決定することを補助するために、プローブ追跡データ302を解析する。
【0033】
[043] オプションであるが、解剖学的認識AIモデル306は、更に、使用データ304を受け取る。使用データ304は、ユーザインターフェース224などのユーザインターフェース及び/又はログファイルによって、提供される。解剖学的認識AIモデル306は、解剖学的特徴、画像平面、超音波プローブの位置、及び/又は超音波プローブの向きを決定することを補助するために、使用データ304を解析する。例えば、使用データ304は、先に取得された超音波画像及び/又は先に取得された超音波画像に適用された注釈を含む。
【0034】
[044] 解剖学的認識AIモデル306によって決定された解剖学的特徴、画像平面、超音波プローブの位置、及び/又は超音波プローブの向きは、画像注釈AIモデル308に提供される。画像注釈AIモデル308は、少なくとも部分的には解剖学的認識AIモデル306の出力の解析に基づき、1つ又は複数の注釈310を画像300に適用するように、トレーニングされる。
図3に示されている例では、画像注釈AIモデル308は、画像300にラベル310(末梢大動脈経由で(trans aorta distal))を提供する。
【0035】
[045] オプションとして、いくつかの例では、画像注釈AIモデル308は、使用データ304を受け取る。画像注釈AIモデル308は、画像300に適用する注釈の決定を助けるために、使用データ304を解析する。例えば、画像注釈AIモデル308は、注釈において「長い」又は「矢状」を用いることをユーザが好むかどうかを決定するために、使用データ304を解析する。他の例では、画像注釈AIモデル308は、ボディマーカ、ラベル、及び/又はその両方を注釈として用いることをユーザが好むかどうかを決定するために、使用データ304を解析する。更なる例では、画像注釈AIモデル308は、現在の画像に適用する注釈を決定するために、使用データ304に含まれている先に適用された注釈を解析する。
【0036】
[046] いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306は画像認識を行い、画像注釈AIモデル308はどのようなユーザの介入もなく、自動的に注釈を適用する。いくつかの例では、AIモデル306、308は、それらのそれぞれのタスクを、半自動的に行う。これらの例では、ユーザは、当初の超音波画像を取得し、注釈(例えば、ラベル、ボディマーカ、それらの組合せ)を手動で適用する。AIモデル306、308は、ユーザによって注釈が付された画像を、それらのそれぞれの決定を下すための「シード」として用いる。
【0037】
[047] いくつかの例では、ユーザが走査している間に解剖学的認識AIモデル306が決定を行うときには、画像注釈AIモデル308によって、走査の間に、注釈310がディスプレイ238などのディスプレイに提供される。よって、注釈310は、異なる位置及び/又は向きにユーザが走査するのにつれて、変化する。しかし、一部のユーザは、変化する注釈310を不快に感じることがある。したがって、いくつかの例では、注釈310は、プローブが静止していることをプローブ追跡データ302が示すときに、提供される。他の例では、ユーザが現在の画像をフリーズするときに、注釈310が提供される。
【0038】
[048] いったん画像300と注釈310とがディスプレイ上に提供されると、ユーザは、注釈が付された画像300を変更せずに保存することによって、注釈310を受け入れる。ユーザが注釈310は正しくないと信じる及び/又は異なるスタイルの注釈310を好む場合(心房であるか心耳であるか、上位(superior)であるか上方(upper)であるか)には、ユーザは、画像300を保存する前に、ユーザインターフェースを介して注釈310を除去及び/又は変更できる。いくつかの例では、ユーザが308によって提供された注釈310を受け入れるのか又は注釈310を変更するのかは、超音波撮像システムによって保存され、画像注釈AIモデル308及び/又は解剖学的認識AIモデル306をトレーニングするのに用いられる。
【0039】
[049]
図3には2つの別々のAIモデルが示されているが、いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306と画像注釈AIモデル308とが、両方のAIモデル306、308のタスクを行う単一のAIモデルとして実施される。いくつかの例では、解剖学的認識AIモデル306と画像注釈AIモデル308とは、決定を下すために、AIモデルと伝統的にAIモデルとは考えられなかった解析技術(例えば、統計解析)との組合せを実施する。
【0040】
[050] いくつかの例では、(例えば、1つ又は複数のログファイルに記憶されている使用データなどの)使用データが、統計的方法によって解析される。本開示の例による1つ又は複数のログファイルの統計的解析の例のグラフィカルな表現が、
図4に示されている。超音波撮像システム200などの超音波撮像システムのプロセッサ400が、解析のために、1つ又は複数のログファイル402を受け取る。プロセッサ400は、いくつかの例では、画像プロセッサ236及び/又はグラフィックスプロセッサ240によって実施される。いくつかの例では、プロセッサ400は、AIモデル306及び/若しくはAIモデル308など、1つ又は複数のモデルを実施する。プロセッサ400は、ユーザ入力(例えば、注釈、取得された超音波画像)と関係する様々な統計を計算して1つ又は複数の出力404を提供するために、ログファイル402の中の使用データを解析する。
図4に示されている特定の例では、プロセッサ400が、1つ若しくは複数の注釈(例えば、注釈A、注釈B、注釈C)が選択された(例えば、コントロールパネル及び/若しくはメニュ上で選択された)並びに/又は1人若しくは複数のユーザによって受け入れられた(例えば、超音波撮像システムが自動的若しくは半自動的に注釈を適用し、注釈がユーザによって変更されなかった)全回数と、1つ若しくは複数の注釈のそれぞれが選択される及び/又は受け入れられる百分率による蓋然性と、を決定する。いくつかの例では、百分率による蓋然性は、特定の注釈が選択された回数の全体を注釈選択の総数によって除算した結果に基づく。
【0041】
[051] いくつかの例では、プロセッサ400の出力404は、注釈のためのユーザに好まれる言語及び/又はグラフィックスを決定するのに用いられる。例えば、出力404は、右側の腎臓の画像に注釈を付すためのラベルとして「RT」又は「RIGHT」を用いることを好むかどうかを決定するのに用いられる。
【0042】
[052] 本開示の例による1つ又は複数のログファイルの統計解析の他の例のグラフィカルな表現が、
図5に示されている。超音波撮像システム200などの超音波撮像システムのプロセッサ500が、解析のために、1つ又は複数のログファイル502を受け取る。プロセッサ500は、いくつかの例では、画像プロセッサ236及び/又はグラフィックスプロセッサ240によって実施される。いくつかの例では、プロセッサ500は、AIモデル306及び/若しくはAIモデル308など、1つ又は複数のモデルを実施する。プロセッサ500は、1人若しくは複数のユーザに選択された及び/又は受け入れられた注釈と関係する様々な統計を計算して1つ又は複数の出力504、506を提供するために、ログファイル502の中の使用データを解析する。
図5に示されているように、プロセッサ500は、注釈選択/受諾の1つ又は複数のシーケンスを決定するために、ログファイルを解析する。プロセッサ500は、シーケンスのサーチのために移動ウィンドウを用い、(例えば、「フリーズ」、「検査タイプ」などの)シーケンスの開始を示す特定のコマンド及び/又は注釈選択を求めてサーチを行い、及び/又は、他の方法(例えば、注釈選択の間の時間間隔が最大の継続時間を超えるときには、シーケンスが終了するなど)を用いる。シーケンスを開始する1つ又は複数の注釈選択のために、プロセッサ500は、選択される次の注釈の百分率による蓋然性を計算する。例えば、出力504に示されているように、注釈Aがシーケンスの開始において適用されると、プロセッサ500は、1つ又は複数の他の注釈(例えば、注釈B、C、など)がそのシーケンスにおいて次に選択される/受諾される確率(例えば、百分率による蓋然性)を計算する。出力504に示されているように、プロセッサ500は、注釈Aの後に選択される他のコントロールのうちの1つ又は複数の後に1つ又は複数の注釈(例えば、注釈D、注釈E、など)が選択される確率を計算する。確率のこの計算は、任意の所望のシーケンスの長さの間、継続する。
【0043】
[053] 出力504に基づいて、プロセッサ500は、ユーザによって選択され容認された注釈の最も蓋然性の高いシーケンスを計算する。出力506に示されているように、注釈Aがユーザによって超音波画像に適用される後では注釈Bがユーザによって選択される最も高い確率を有し、注釈Bがユーザによって選択された後では注釈Cがユーザによって適用される最も高い確率を有する、ということが決定される。
【0044】
[054] いくつかの例では、プロセッサ500の出力506は、先に適用された注釈に少なくとも部分的に基づいて超音波画像に適用される1つ又は複数の注釈を決定するのに、用いられる。いくつかの適用例では、これにより、自動的及び/又は半自動的な注釈が、臨床及び/又は個別のユーザの特定のプロトコルに適応することが可能になる。
【0045】
[055]
図4及び
図5を参照して説明された統計解析の例を含むログファイルの解析は、使用データが受け取られログファイルに記録されているときに行われる(例えば、ライブキャプチャ)ことがあり得るし、及び/又は、解析が、後の時点で行われる(例えば、ワークフローにおける休止、検査の終了時、ユーザのログオフ)こともあり得る。ログファイルの統計解析が説明されてきたが、いくつかの例では、超音波撮像システムの1つ又は複数のプロセッサ(例えば、画像プロセッサ236、グラフィックスプロセッサ240)が、ログファイルとして又はそれ以外のフォーマット(例えば、ログファイルに記録される前のライブキャプチャ)でも、使用データを解析するための1つ又は複数のトレーニングされたAIモデルを実施する。
【0046】
[056] 使用データ及び/又は超音波画像を解析するのに用いられるAIモデルの例は、これらに限定されることはないが、決定木、畳み込みニューラルネットワーク、及び長短期メモリ(LSTM)ネットワークを含む。いくつかの例では、プローブ追跡データ302などのプローブ追跡データも、1つ又は複数のAIモデルによって解析される。いくつかの例では、1つ又は複数のAIモデルを用いることにより、超音波画像における解剖学的特徴、撮像平面、プローブの位置、プローブの向き、及び/又は超音波画像に適用される注釈を、非AIモデル技術と比較して、より迅速及び/又はより正確に決定することが可能になる。
【0047】
[057]
図6は、本開示の例に従ってデータを解析するのに用いられるニューラルネットワークの図解である。いくつかの例では、ニューラルネットワーク600は、超音波撮像システム200などの超音波撮像システムの1つ又は複数のプロセッサ(例えば、画像プロセッサ236、グラフィックスプロセッサ240)によって、実施される。いくつかの例では、ニューラルネットワーク600は、AIモデル306及び/又はAIモデル08に含まれる。いくつかの例では、ニューラルネットワーク600は、単一及び/又は複数次元の層を有する畳み込みネットワークである。ニューラルネットワーク600は、1つ又は複数の入力ノード602を含む。いくつかの例では、入力ノード602は、ニューラルネットワーク600の層として、編成される。入力ノード602は、重み604によって、隠されたユニット606の1つ又は複数の層608に結合されている。いくつかの例では、隠されたユニット606は、関連する重み604に少なくとも部分的に基づいて、入力ノード602からの1つ又は複数の入力に対して、動作を行う。いくつかの例では、隠されたユニット606は、重み610によって、隠されたユニット612の1つ又は複数の層614に結合されている。隠されたユニット612は、重み610に少なくとも部分的に基づき、隠されたユニット606からの1つ又は複数の出力に対して、動作を行う。隠されたユニット612の出力は、ニューラルネットワーク600の出力(例えば、推論、決定、予測)を提供するために、出力ノード616に提供される。
図6には1つの出力ノード616が示されているが、いくつかの例では、ニューラルネットワークは、複数の出力ノード616を有する。いくつかの例では、出力には、信頼レベルが伴う。この信頼レベルは、それぞれを含む0から1までの値であり、この場合に、信頼レベル0は、出力は正しいという信頼をニューラルネットワーク600が有しないことを示し、信頼レベル1は、出力が正しいという100%の信頼をニューラルネットワークが有していることを示す。
【0048】
[058] いくつかの例では、1つ又は複数の入力ノード602で提供されるニューラルネットワーク600への入力は、ログファイル、ライブキャプチャ使用データ、プローブ追跡データ、及び/又は超音波プローブによって取得された画像を含む。いくつかの例では、出力ノード616で提供される出力は、画像に適用される次の注釈の予測、特定のユーザによって用いられる蓋然性が高い注釈の予測、特定の検査のタイプの間に用いられる蓋然性が高い注釈、及び/又は特定の解剖学的特徴が撮像されているときに用いられる蓋然性が高い注釈を含む。いくつかの例では、出力616で提供される出力は、超音波画像における1つ又は複数の解剖学的特徴(例えば、臓器、臓器の小領域、及び/又は臓器の特徴)の決定、超音波画像がそこから取得された撮像平面、超音波画像が取得されたときの超音波プローブの位置及び/又は向きを含む。
【0049】
[059] ニューラルネットワーク600の出力は、超音波画像に注釈を自動的に又は半自動的に適用するために、超音波撮像システムによって、用いられる。
【0050】
[060]
図7は、本開示の例に従ってデータを解析するのに用いられる長短期メモリ(LSTM)のセルの図解である。いくつかの例では、LSTMモデルは、超音波撮像システム200などの超音波撮像システムの1つ又は複数のプロセッサ(例えば、画像プロセッサ236、グラフィックスプロセッサ240)によって実施される。LSTMモデルは、長期の従属性を学習することができるリカレントニューラルネットワークの1つのタイプである。したがって、LSTMモデルは、適用された注釈、取得された画像、及び/又は超音波プローブの動きのシーケンスなど、シーケンスを解析し予測するのに適している。LSTMモデルは、典型的には、相互に結合された複数のセルを含む。セルの個数は、LSTMによって解析されるシーケンスの長さに、少なくとも部分的に基づく。簡潔にするために、
図7には、ただ1つのセル700だけが、示されている。いくつかの例では、セル700を含むLSTMは、AIモデル306及び/又はAIモデル308に含まれる。
【0051】
[061] セル700の上部を横断して移動する変数Cは、セル状態である。先のLSTMセル状態Ct-1は、入力として、セル700に提供される。データを、セル700によって、セル状態に選択的に追加する、又はセル状態から除去することが可能である。データの追加又は除去は、3つの「ゲート」によって制御され、3つのゲートのそれぞれが、別個のニューラルネットワーク層を含む。セル700の修正された又は修正されていない状態は、セル700によって、次のLSTMセルにCtとして提供される。
【0052】
[062] セル700の底部を横断して移動する変数hは、LSTMモデルの隠された状態ベクトルである。先のセルの隠された状態ベクトルht-1は、入力として、セル700に、提供される。隠された状態ベクトルht-1は、セル700に提供されるLSTMモデルへの現在の入力xtによって修正される得る。隠された状態ベクトルは、また、セル状態700Ctに基づいて、修正される得る。セル700の修正された隠された状態ベクトル700は、出力htとして、提供される。出力htは、隠された状態ベクトルとして次のLSTMセルに提供される、及び/又はLSTMモデルの出力として、提供される。
【0053】
[063] 次に、セル700の内部的な機能に着目するが、セルCの状態を制御するための第1のゲート(例えば、忘却ゲート)は、第1の層702を含む。いくつかの例では、この第1の層は、シグモイド層である。シグモイド層は、隠された状態ベクトルht-1と現在の入力xtとの連結を受け取る。第1の層702は、出力ftを提供するが、この出力ftは、先のセル状態からのどのデータが「忘却」されるべきであり先のセル状態からのどのデータがセル700によって「記憶」されるべきかを示す重みを含む。先のセル状態Ct-1には、第1の層702によって忘却されると決定されたどのデータも除去するために、動作704の地点においてftが乗算される。
【0054】
[064] 第2のゲート(例えば、入力ゲート)は、第2の層706と第3の層710とを含む。第2の層706と第3の層710との両方が、隠された状態ベクトルh
t-1と現在の入力x
tとの連結を受け取る。いくつかの例では、第2の層706は、シグモイド関数である。第2の層706は、どのデータがセル状態Cに追加される必要があるかを示す重みを含む出力i
tを提供する。第3の層710は、いくつかの例では、tanh関数を含む。第3の層710は、h
t-1及びx
tからセル状態に追加されることが可能なすべての可能性があるデータを含むベクトル
【数1】
を生成する。重みi
tとベクトルC
tとは、動作708の地点で、相互に乗算される。動作708の地点は、セル状態Cに加算されるべきデータを含むベクトルを生成する。このデータは、動作712の地点において現在のセル状態C
tを得るために、セル状態Cに加算される。
【0055】
[065] 第3のゲート(例えば、出力ゲート)は、第4の層714を含む。いくつかの例では、第4の層714は、シグモイド関数である。第4の層714は、隠された状態ベクトルh
t-1と現在の入力x
tとの連結を受け取り、セル状態C
tのどのデータがセル700の隠された状態ベクトルh
tとして提供されるべきかを示す重みを含む出力o
tを提供する。セル状態C
tのデータは、動作716の地点におけるtanh関数によってベクトルに変換され、次に、動作718の地点によってo
tが乗算され、隠された状態ベクトル/出力ベクトルh
tを生成する。いくつかの例では、出力ベクトルh
tは、
図6を参照して説明されたものなど、畳み込みニューラルネットワークの出力と同様に、信頼性値に伴われる。
【0056】
[066]
図7に描かれているように、セル700は、「真ん中」のセルである。すなわち、セル700は、LSTMモデルにおける先のセルから、入力C
t-1とh
t-1とを受け取り、出力C
tとh
tとを、LSTMにおける次のセルに提供する。セル700がLSTMにおける第1のセルである場合には、それは、入力x
tを受け取るだけである。セル700がLSTMにおける最後のセルである場合には、出力h
tとC
tとが、他のセルに提供されることはない。
【0057】
[067] 超音波撮像システムのプロセッサ(例えば、画像プロセッサ236、グラフィックスプロセッサ240)がLSTMモデルを実施するいくつかの例では、現在の入力xtは、超音波画像に適用される注釈、超音波画像、及び/又はプローブ追跡データと関係するデータを含む。隠された状態ベクトルht-1は、注釈、超音波画像における解剖学的特徴、超音波プローブの位置及び/若しくは向き、並びに/又は画像平面など、先の予測と関係するデータを含む。セル状態Ct-1は、ユーザによって選択された及び/又は容認された先の注釈と関係するデータを含む。いくつかの例では、LSTMモデルの出力htは、このプロセッサ又は超音波撮像システムの他のプロセッサによって、注釈を超音波画像に適用するのに、用いられる。
【0058】
[068]
図8は、本開示の例に従ってデータを解析するのに用いられる決定木の図解である。いくつかの例では、決定木800は、超音波撮像システム200などの超音波撮像システムの1つ又は複数のプロセッサ(例えば、画像プロセッサ236、グラフィックスプロセッサ240)によって、実施される。いくつかの例では、決定木800は、AIモデル306及び/又はAIモデル308に含まれる。
【0059】
[069] 決定木800は、入力802に関する決定を行うためのテストの複数の層804、806、808を含む。特定の層に適用されるテストは、先の層において行われた決定に少なくとも部分的に基づく。
図8に示されている例では、決定木800は、超音波画像データを解析するために実施され、超音波画像が、入力802として提供されている。しかし、他の例では、決定木800は、他のタイプのデータ(例えば、使用データ、プローブ追跡データ)又は追加的なタイプのデータを解析するために、実施されている。例えば、入力802は、超音波画像とプローブ追跡データとの両方を含む。
【0060】
[070] 第1の決定層804では、入力802として提供されている超音波画像において、ある臓器が識別される。いくつかの例では、第1の決定層804は、画像においてその臓器を決定するために、ニューラルネットワーク600などのAIモデルを含む。第2の決定層806では、決定層804においてどの臓器が識別されたかに応じて、1つ又は複数の追加的な決定が行われる。例えば、肝臓が識別された場合、第2の決定層806では、肝臓の長い(例えば、矢状の)又は横断面に沿って超音波画像が取得されたかどうか、その画像は肝臓の左側から右側に取得されたかどうか、その画像において下大静脈又は大動脈が見えるかどうか、及び/又は門脈圧亢進又は静脈瘤出血が存在するかどうかに関する決定が行われる。いくつかの例では、1つ又は複数の決定が、1つ又は複数のAIモデル(例えば、ニューラルネットワーク、LSTM)を用いて、行われる。いくつかの例では、第1の決定層804で用いられた同じデータ(例えば、超音波画像)が、用いられる。いくつかの例では、異なる及び/又は追加的なデータが、第2の決定層806で決定を行うために、用いられる。例えば、超音波画像に追加して、プローブ追跡データが、用いられる。
【0061】
[071] 第2の決定層806で下された決定に応じて、追加的な決定が、第3の決定層808において下される。例えば、いったん長い又は横断方向の平面が決定されると、それが肝臓の上位、中位、若しくは下位領域なのかどうか、又はそれが肝臓の中位、側面、若しくは中間領域なのかどうかが、決定される。第1及び第2の決定層804、806と同様に、第3の決定層808は、決定のうちの1つ又は複数を行うために、1つ又は複数のAIモデルを用いる。
【0062】
[072] いったんすべての決定が行われると、決定層804、806、808のうちの1つ又は複数の決定のうちの1つ又は複数が、出力として、提供される。いくつかの例では、この出力は、超音波画像に適用される注釈を決定するのに用いられる。
図8に提供されている例では、3つの決定層が示されているが、決定木800は、他の例では、それより多い又はそれより少ない決定層を含む場合がある。
【0063】
[073] 本明細書において説明されているように、(例えば、AIモデル306、AIモデル308、ニューラルネットワーク600、セル700を含むLSTM、及び決定木800などの)AIモデルは、1つ又は複数の出力と関連する信頼レベルを提供する。いくつかの例では、(例えば、画像プロセッサ236、グラフィックスプロセッサ240などの)プロセッサは、出力と関連する信頼レベルが閾値と等しい又は閾値を超える場合(例えば、50%超、70%超、90%超など)にのみ、注釈を超音波画像に提供する。いくつかの例では、信頼レベルが閾値より低い場合には、プロセッサは、注釈を超音波が追うに適用することができない。いくつかの例では、これは、何もしないこと、及び/又は手動で注釈を提供するようにユーザを促すことを意味する。
【0064】
[074] 畳み込みニューラルネットワーク、LSTMモデル、及び決定木について、本明細書で説明してきたが、これらのAIモデルは、単に例として提供されただけであり、本開示の原理は、これらの特定のモデルには限定されない。更に、いくつかの例では、
図4及び5を参照して説明されたような統計解析技術が、データを解析するためのAIモデルのうちの1つ又は複数との組合せで、用いられる。いくつかの例では、AIモデル及び/又は統計解析技術が、コンピュータ可読命令を実行する1つ又は複数のプロセッサによって、少なくとも部分的には、実施される。コンピュータ可読命令は、ローカルメモリ242など、非一時的でコンピュータ可読なメモリによって、1つ又は複数のプロセッサに提供される。
【0065】
[075]
図9は、本開示の原理によるニューラルネットワークのトレーニング及び展開のためのプロセスのブロック図を示している。
図9に示されているプロセスは、
図3に示されているAIモデル306、308など、医療用撮像システムによって実施されるAIモデルをトレーニングするのに用いられる。
図9の左側であるフェーズ1は、Aモデルのトレーニングを図解している。AIモデルのトレーニングを行うためには、入力データと出力分類との複数の例を含むトレーニングセットが、AIモデルのトレーニングアルゴリズムに与えられる(例えば、Krizhevsky,A.、Sutskever,I.及びHinton,G.E.による「ImageNet Classification with Deep Convolutional Neural Networks」、NIPS 2012又はその補足に記載されているようなAlexNetトレーニングアルゴリズム)。トレーニングは、開始アーキテクチャ912の選択と、トレーニングデータ914の準備とを含む。開始アーキテクチャ912は、インセプションネットワークなど、ブランクアーキテクチャ(例えば、定義された層とノードの配列とを有するが、先にトレーニングされた重みを全く有していないアーキテクチャ)又は部分的にトレーニングされたモデルであり、これは、超音波画像、追跡データ、及び/又は使用データの分類のために更に適合される。開始アーキテクチャ912(例えば、ブランク重み)とトレーニングデータ914とが、モデルをトレーニングするために、トレーニングエンジン910(例えば、ADAMオプティマイザ)に提供される。(例えば、モデルが容認可能なエラーの範囲内で首尾一貫して動作するときなどのように)十分な回数の反復がなされると、モデル920は、トレーニングされ展開の準備ができていると称されるのであって、それが、
図9の真ん中にフェーズ2として図解されている。
図9の右側すなわちフェーズ3では、トレーニングされたモデル920が、(推論エンジン930を経由して)新たなデータ932の解析のために適用されるが、この新たなデータとは、(フェーズ1における)初期トレーニングの間にモデルに与えられなかったデータである。例えば、新たなデータ932は、患者の走査の間に取得されるライブ超音波画像などの未知の画像、及び/又はユーザによって未知の画像に手動で適用される注釈を含む。エンジン930を介して実施されるトレーニングされたモデル920は、モデル920のトレーニングに従って未知の画像を分類して出力934(例えば、解剖学的特徴、画像平面、プローブの位置及び/又は向き、注釈)を提供するのに用いられる。出力934は、次に、以後のプロセス940(例えば、注釈の適用、注釈が付された画像の生成)のために、システムによって用いられる。トレーニングされるモデルが動的にトレーニングされる、いくつかの例では、フィールドトレーニング938として示されている追加的なデータが、推論エンジン930に提供される。追加的なデータは、新たなデータ932、提供される注釈をユーザが容認したのか若しくは変更したのかを示すデータ、及び/又は他のデータを含む。
【0066】
[076] 画像プロセッサ236及び/又はグラフィックスプロセッサ240などのプロセッサによって実行されるニューラルネットワークを実施するのにトレーニングされたモデル920が用いられる実施形態では、開始アーキテクチャは、畳み込みニューラルネットワーク又は深層畳み込みニューラルネットワークのアーキテクチャである。トレーニングデータ914は、複数の(数百、しばしば数千、又は更に多く)注釈が付された画像、関連する使用データ、及び/又は関連するプローブ追跡データを含む。
【0067】
[077]
図10は、本開示の例による方法のフローチャートである。方法1000は、自動的に又は半自動的に画像に注釈を付すための方法である。いくつかの例では、方法1000は、超音波撮像システム200などの超音波撮像システムによって、行われる。いくつかの例では、方法1000の全部又は一部が、画像プロセッサ236及び/又はグラフィックスプロセッサ240などの1つ又は複数のプロセッサによって、行われる。いくつかの例では、1つ又は複数のプロセッサが、方法1000の一部又は全部を行うために、
図3及び6~8に示されているような1つ又は複数のAIモデルを実施する。いくつかの例では、1つ又は複数のプロセッサが、方法1000の一部又は全部を行うために、
図4及び5に示されているような1つ又は複数の統計解析技術を実施する。
【0068】
[078] 超音波撮像システムの1つ又は複数のプロセッサは、ブロック1002によって示されているように、超音波プローブによって取得される超音波画像を受け取る。この超音波画像に少なくとも部分的に基づき、1つ又は複数のプロセッサは、ブロック1004に示されているように、超音波画像に存在する解剖学的特徴を決定する。いくつかの例では、1つ又は複数のプロセッサは、ブロック1006によって示されているように、撮像平面、超音波プローブの位置、又は超音波プローブの向きのうちの少なくとも1つを、更に決定する。ブロック1008によって示されているように、1つ又は複数のプロセッサは、超音波画像に適用される注釈を決定する。決定される注釈は、決定された解剖学的特徴と、決定された撮像平面、超音波プローブの決定された位置、又は超音波プローブの決定された向きのうちの少なくとも1つとに少なくとも部分的に基づく。1つ又は複数のプロセッサは、ブロック1010によって示されているように、超音波画像と注釈とを、ディスプレイ又は記憶のための非一時的なコンピュータ可読な媒体の少なくとも1つに提供する。
【0069】
[079] いくつかの例では、1つ又は複数のプロセッサは、ブロック1004、1006、及び/又は1008において決定を行うために、プローブ追跡データ及び/又は使用データを更に受け取る。いくつかの例では、これらの決定のうちの1つ又は複数が、1つ又は複数のAIモデル及び/又は統計解析方法によって、行われる。
【0070】
[080]
図11は、本開示の原理による例示的なプロセッサ1100を図解しているブロック図である。プロセッサ1100は、例えば
図2に示されている画像プロセッサ236及び/又は
図2に示されているいずれかの他のプロセッサなど、本明細書で説明されている1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラを実施するために用いられる。プロセッサ1100は、これらの限定されることはないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルアレイ(FPGA)がプロセッサを形成するようにプログラムされたFPGA、グラフィカル処理ユニット(GPU)、特定用途向け回路(ASIC)がプロセッサを形成するように設計されたASIC、又はこれらの組合せを含む、いずれかの適切なプロセッサのタイプである。
【0071】
[081] プロセッサ1100は、1つ又は複数のコア1102を含む。コア1102は、1つ又は複数の算術論理ユニット(ALU)1104を含む。いくつかの実施形態では、コア1102は、ALU204に加えて又はその代わりに、浮動小数点論理ユニット(FPLU)1106及び/又はデジタル信号処理ユニット(DSPU)1108を含む。
【0072】
[082] プロセッサ1100は、コア202に通信可能に結合された1つ又は複数のレジスタ1112を含む。レジスタ1112は、専用の論理ゲート回路(例えば、フリップフロップ)及び/又はいずれかのメモリ技術を用いて、実施される。いくつかの実施形態では、レジスタ1112は、スタティックメモリを用いて実施される。レジスタは、データ、命令及びアドレスを、コア1102に提供する。
【0073】
[083] いくつかの実施形態では、プロセッサ1100は、コア1102に通信可能に結合された1つ又は複数のレベルのキャッシュメモリ1110を含む。キャッシュメモリ1110は、コンピュータ可読命令を、実行のためにコア1102に提供する。キャッシュメモリ1110は、コア1102による処理のために、データを提供する。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読命令は、例えば外部バス1116に付属するローカルメモリなどのローカルメモリによって、キャッシュメモリ1110に提供される。キャッシュメモリ1110は、いずれかの適切なキャッシュメモリタイプ、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、及び/又はいずれかの他の適切なメモリ技術など、金属酸化膜半導体(MOS)メモリを用いて実施される。上述のようなコンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると本明細書で開示されている技術を展開する命令を、記憶する。
【0074】
[084] プロセッサ1100は、コントローラ1114を含み、このコントローラは、システムに含まれる他のプロセッサ及び/若しくはコンポーネント(例えば、
図2に示されているコントロールパネル252及び走査コンバータ230)からプロセッサ1100への入力、並びに/又はプロセッサ1100からシステムに含まれる他のプロセッサ及び/若しくはコンポーネント(例えば、
図2に示されているディスプレイ238及びボリュームレンダラ234)への出力を制御する。コントローラ1114は、ALU1104、FPLU1106及び/又はDSPU1108におけるデータ経路を制御する。コントローラ1114は、1つ又は複数のステートマシン、データ経路及び/又は専用制御論理として実施される。コントローラ1114のゲートは、スタンドアロンゲート、FPGA、ASIC、又はいずれかの他の適切な技術として実施される。
【0075】
[085] レジスタ1112及びキャッシュメモリ1110は、内部接続1120A、1120B、1120C及び1120Dを介して、コントローラ1114及びコア1102と通信する。内部接続は、バス、マルチプレクサ、クロスバースイッチ、及び/又はいずれかの他の適切な接続技術として実施される。
【0076】
[086] プロセッサ1100のための入力及び出力は、バス1116を介して提供されるが、このバスは、1つ又は複数の導電線路を含む。バス1116は、プロセッサ1100の1つ又は複数のコンポーネント、例えば、コントローラ1114、キャッシュ1110、及び/又はレジスタ1112と、通信可能に結合されている。バス1116は、上述したディスプレイ238及びコントロールパネル252など、システムの1つ又は複数のコンポーネントに結合されている。
【0077】
[087] バス1116は、1つ又は複数の外部メモリに結合されている。外部メモリは、リードオンリメモリ(ROM)1132を含む。ROM1132は、マスクされたROM、電子的にプログラム可能なリードオンリメモリ(EPROM)又はいずれかの他の適切な技術である。外部メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)1133を含む。RAM1133は、スタティックRAM、バッテリでバックアップされたスタティックRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、又はいずれかの他の適切な技術である。外部メモリは、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)1135を含む。外部メモリは、フラッシュメモリ1134を含む。外部メモリは、ディスク1136など、磁気記憶デバイスを含む。いくつかの実施形態では、外部メモリは、例えばローカルメモリ242などのように、
図2に示されている超音波撮像システム200などのシステムに含まれる。
【0078】
[088] 本明細書に開示されているシステム、方法、及び装置は、ラベル及び/又はボディマーカなどの注釈を、自動的に及び/又は半自動的に、超音波画像に適用する。いくつかの実施形態では、これは、ユーザが手動で注釈を適用するのに要求される時間を短縮することによって、検査時間を短縮する。
【0079】
[089] 本明細書に説明されている例は、超音波画像データの処理を論じているが、本開示の原理は超音波に限定されることはなく、磁気共鳴断層撮影及びコンピュータ断層撮影など、他の様式からの画像データにも適用され得る、ということが理解される。
【0080】
[090] コンポーネント、システム、及び/又は方法が、コンピュータベースのシステム若しくはプログラム可能な論理回路など、プログラム可能なデバイスを用いて実施される様々な実施形態では、上述のシステム及び方法は、「C」、「C++」、「C#」、「JAVA(登録商標)」、「Python」など、様々な既知の又は今後開発されるプログラミング言語のうちのいずれかを用いて実施可能であるということが理解されるべきである。したがって、コンピュータなどのデバイスに命令できる情報を含む磁気コンピュータディスク、光ディスク、電子メモリなど様々な記憶媒体が、上述のシステム及び/又は方法を実施するために用意可能である。いったん適切なデバイスが記憶媒体に含まれる情報及びプログラムにアクセスを有すると、その記憶媒体は、情報及びプログラムをデバイスに提供可能となり、したがって、デバイスが、本明細書で説明されているシステム及び/又は方法の機能を行うことが可能になる。例えば、ソースファイル、オブジェクトファイル、実行可能なファイルなどの適切な材料を含むコンピュータディスクがコンピュータに提供される場合には、そのコンピュータは、様々な機能を実施するため、情報を受け取り、それ自体を適切に構成し、上述した図面及びフローチャートで概説された様々なシステム及び方法の機能を行い得る。すなわち、そのコンピュータは、上述のシステム及び/又は方法の異なる要素に関する情報の様々な部分をディスクから受け取り、個々のシステム及び/又は方法を実施し、上述の個別的なシステム及び/又は方法の機能を連携させる。
【0081】
[091] 本開示を鑑みると、本明細書で説明されている様々な方法及びデバイスは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアとして実施可能であることに注意されるべきである。更に、様々な方法及びパラメータは、単なる例として含まれており、どのような限定的な意味でも含まれていない。この開示を鑑みると、当業者は、本発明の範囲内に留まりながら、当業者自身の技術とこれらの技術に影響を与えるために必要とされる機器を決定する際に、本教示を実施できる。本明細書で説明されているプロセッサのうちの1つ又は複数の機能は、より少ない個数の又は単一の処理ユニット(例えば、CPU)に組み込まれることがあり得るし、特定用途向け集積回路(ASIC)又は本明細書で説明されている機能を行うように実行可能な命令に応答してプログラムされている汎用処理回路を用いても、実施され得る。
【0082】
[092] 本システムは、特に超音波撮像システムを参照して説明されてきたが、本システムは、1つ又は複数の画像が体系的に取得される他の医療用撮像システムにも拡張可能であると想定される。したがって、本システムは、これらに限定されることはないが、腎臓、精巣、乳房、卵巣、子宮、甲状腺、肝臓、肺、筋骨格系、脾臓、心臓、動脈及び血管系に関する画像情報を取得及び/又は記録するために、並びに超音波誘導介入に関する他の撮像適用のために用いられる。更に、本システムは、本システムの特徴及び利点を提供するように従来型の撮像システムと共に用いられる1つ又は複数のプログラムも含む。本開示の特定の追加的な利点及び特徴は、本開示を検討することによって、当業者に明らかになり、又は本開示の新規のシステム及び方法を採用する者によって経験され得る。本システム及び方法のもう1つの利点は、従来型の医療用画像システムが、本システム、デバイス、及び方法の特徴及び利点を組み込むように、容易にアップグレード可能なことである。
【0083】
[093] 当然のことながら、本明細書で説明されている例、実施形態、又はプロセスのうちのいずれか1つが、1つ若しくは複数の他の例、実施形態、及び/若しくはプロセスと組み合わされ得ること、又は、本システム、デバイス、及び方法により、別個のデバイス若しくはデバイス部分の間で分離される及び/又は行われることが、理解されるべきである。
【0084】
[094] 最後に、以上の議論は、本システム及び方法の単なる例証であることが意図されており、添付の特許請求の範囲を、どの特定の実施形態又は実施形態のグループに限定するものとして解釈されるべきではない。よって、本システムは、例示的な実施形態を参照して特に詳細に説明されてきたが、以下の特許請求の範囲に記載されている本システムのより広範であり意図されている精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び代替的な実施形態が当業者によって考案されることも認識されるべきである。したがって、本明細書及び図面は例証的なものと見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲を限定することは、意図されていない。
【国際調査報告】