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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】色空間の間でデータを変換する方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/46 20060101AFI20240703BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240703BHJP
   G01J 3/46 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H04N1/46
G06T1/00 510
G01J3/46 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580523
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2022067910
(87)【国際公開番号】W WO2023275150
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】2107117
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】514255523
【氏名又は名称】サントレ ナティオナル ド ラ ルシェルシェ シアンティフィク
(71)【出願人】
【識別番号】516065504
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ グルノーブル アルプ
(71)【出願人】
【識別番号】521502481
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・サヴォワ・モン・ブラン
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレソン,ダヴィド
【テーマコード(参考)】
2G020
5B057
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020DA02
2G020DA03
2G020DA04
2G020DA05
2G020DA12
2G020DA32
2G020DA34
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE18
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
(57)【要約】
本発明は、第1の表色系の色空間(204)と第2の表色系の色空間(206)との間で初期データ(202)を変換する方法(200)に関し、前記初期データ(202)は、色度基準系で表現される少なくとも1つの要素で形成され、前記方法(200)は、第1の表色系の色空間(204)内の少なくとも1つの要素(202)を表現することによって、前記初期データ(202)を射影データ(210)に変換するステップ、第2の表色系の色空間(206)内の少なくとも1つの要素を表現することによって、射影データ(210)を適合させるステップ、を含み、第1の表色系および第2の表色系の色空間(204、206)はそれぞれ双曲計量射影参照系によって規定される双曲線空間(204、206)である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期データ(202)と称される少なくとも1つのデータ(202)を、第1の表色系の色空間(204)と称される少なくとも1つの表色系、第2の表色系の色空間(206)と称される少なくとも1つの表色系、との間で変換するためのコンピュータに実装される方法(200、300、700、900、1000)であって、前記少なくとも1つの初期データ(202)は、初期参照フレームと称される色度参照フレームで表現される少なくとも1つの要素(602)からなり、前記方法(200、300、700、900、1000)は:
- 前記少なくとも1つの初期データ(202)を、少なくとも1つの第1の表色系または少なくとも1つの第2の表色系の色空間(204、206)における少なくとも1つの要素(202)を表現することにより、射影データ(210)と称される少なくとも1つのデータ(210)に変換する変換ステップ(208)と、
- 少なくとも1つの第1の表色系または少なくとも1つの第2の表色系の色空間(204、206)における少なくとも1つの要素(602)を、少なくとも1つの第1の表色系及び少なくとも1つの第2の表色系の色空間(204、206)を関連付ける伝達関数を用いて表現することにより、前記少なくとも1つの射影データ(210)を、適合データ(214)と称される少なくとも1つのデータ(214)に適合させる適合ステップ(212)であって、前記少なくとも1つの適合データ(214)の色空間は、前記少なくとも1つの射影データ(210)の色空間とは異なる、適合ステップ(212)と、を含み、
少なくとも1つの第1の表色系および少なくとも1つの第2の表色系の色空間(204、206)は、それぞれ双曲計量射影参照フレームによって規定される双曲空間(204、206)であることを特徴とする、コンピュータに実装される方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項2】
前記変換ステップ(208)は、前記少なくとも1つの第1の表色系または前記少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間(204、206)における前記少なくとも1つの初期データ(202)の前記少なくとも1つの要素(602)を表現するために、少なくとも1つの数学的演算子を用いて、参照フレームを初期参照フレームから双曲計量射影参照フレームに変更するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの数学的演算子は、
無相関行列Γ、および/または
ユークリッド回転行列P
から構成される少なくとも一つの射影演算子を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の表色系および前記少なくとも1つの第2の表色系の双曲計量射影参照フレームは、共通射影軸を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項5】
双曲色空間(204、206)が、双曲計量射影参照フレームの軸に沿って、好ましくは共通射影軸に沿って、20.5の開口を有する凸円錐(404)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の表色系および/または前記少なくとも1つの第2の表色系の双曲計量射影参照フレームが、Rベースで構成されることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項7】
前記双曲計量射影参照フレームは各々、
- 前記双曲計量射影参照フレームの原点(406)を規定する黒色点、
- 3つの基底ベクトル、好ましくは3つの直交ベースベクトル、及び
- 前記3つの基底ベクトルの合成によって規定される白色点
によって規定されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の表色系および/または前記少なくとも1つの第2の表色系の双曲計量射影参照フレームの少なくとも1つのベクトルは、単位ベクトルであることを特徴とする請求項7に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項9】
各双曲色空間(204、206)が単位双曲面(408)を含み、射影データ(210)および/または適合されたデータ(214)が、単位双曲面(408)で表される少なくとも1つの成分を含むことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項10】
前記適合ステップ(212)で使用される伝達関数が、単位行列を含むことを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項11】
射影ステップ(208)および/または適合ステップ(212)が、双曲線回転行列Ωを用いることによって、少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間(204、206)を補正するステップ(902)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法(900、1000)。
【請求項12】
前記変換ステップ(208)の前に、
- 前記少なくとも1つの第1の表色系のスペクトル関数(401、802)から、前記少なくとも1つの第1の表色系の双曲色空間(204)を設計するステップ(302)、および/または
- 前記少なくとも1つの第2の表色系のスペクトル関数(806)から、前記少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間(206)を設計するステップ(304)、
を含むことを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法(300、700、900、1000)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の表色系および/または前記少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間(204、206)を設計するステップ(302、304)は更に、
- 少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系のスペクトル関数(401、802、806)を正規直交参照フレームに射影するステップ(402)、および
- 前記正規直交参照フレームで表される少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系の前記スペクトル関数(804、808)を、前記双曲計量参照フレームに射影するステップ(404)、
を含むことを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法(300、700、900、1000)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系が、少なくとも1つの取得手段を含む場合、前記方法(700)は、前記少なくとも1つの取得手段の双曲計量射影参照フレームを規定するための、第1の較正段階と称される較正段階(706、708)を含み、前記第1の較正段階(706、708)は、分光光度計および/またはモノクロメーターを用いて、前記少なくとも1つの取得手段のスペクトル関数を測定するステップ(702、704)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法(700、900、1000)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系が少なくとも1つの表示手段を含む場合、前記方法(700)は、前記少なくとも1つの表示手段の双曲計量射影参照フレームを規定するための、第2の較正段階と称される較正段階(706、708)を含み、前記第2の較正段階は、分光光度計を用いて、前記少なくとも1つの表示手段のスペクトル関数を測定するステップ(702、704)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の方法(700、900、1000)。
【請求項16】
前記データの少なくとも1つの初期データ(202)は画像(202)であり、前記少なくとも1つの要素(602)は、前記初期画像(202)の画素(602)であることを特徴とする、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項17】
前記初期データ(202)は、前記少なくとも1つの第1の表色系から、もしくは前記少なくとも1つの第2の表色系から、または任意の由来のものであることを特徴とする、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの射影データ(210)が画像であることを特徴とする、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの射影データ(210)は、
明度成分k、
彩度成分s、及び
色相成分ξ、の3つの成分から構成されることを特徴とする、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、1000)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの適合データ(214)は、
明度成分k’、
彩度成分s’、及び
色相成分ξ’の3つの成分から構成されることを特徴とする、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の方法(200、300、700)。
【請求項21】
コンピュータデバイスによって実行可能な命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の方法(200、300、700)におけるすべてのステップを実行することを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項22】
請求項1から20のいずれか一項に記載の方法(200、300、700、900、100)におけるすべてのステップを実行するように構成された手段を含むコンピュータデバイス。
【請求項23】
少なくとも1つの取得手段と少なくとも1つの表示手段との間で、少なくとも1つのデータを変換する変換装置であって、前記変換装置は、
- 請求項1から20のいずれか一項に記載の方法におけるすべてのステップを実行するように構成された手段を含むコンピュータデバイス、
- 取得データと称される、少なくとも1つのデータを取得するように構成された少なくとも1つの取得部、および/または
- 表示データと称される、少なくとも1つのデータを表示するための少なくとも1つの表示手段、
から構成されることを特徴とする、変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかの表色系の色空間の間で、少なくとも1つのデータを変換する方法に関する。本発明はまた、このような方法を実装するコンピュータプログラムおよびデバイスに関連する。
【0002】
本発明の分野は、異なる色空間間での画像の変換の分野である。
【背景技術】
【0003】
表色系における色視覚は、それの色空間(色度空間とも呼ばれる)に依存する。従来、人間の視覚系に関して定義された3つのパラメータに従って、これらの色空間を表現することが知られている。例えば、人間の視覚に従った色の記述を得るために、国際照明委員会(CIE for “Commission Internationale de l‘eclairage”)は、CIE1931 XYZ空間と呼ばれる参照空間を規定している。これにより、人間の視覚に従った色空間でデータを表現することができる。この表現に基づいて、表色系の色空間を標準化することが決定された。
【0004】
この原理に従い、CIE XYZ空間は各表色系で規定される。これには多くの欠点がある。なぜなら表色系の色空間は最終的にCIE-XYZ表現に適合させないとならないからである。結果として、表色系の色空間は、表色系の固有特性に直接依存するのではなく、標準化された特性に依存することとなる。
【0005】
さらにこの規格に従うと、表色系の1つの色空間から別の表色系の別の色空間に直接切り替えることは不可能である。結果として、1つの表色系から別の表色系へのデータの変換は、精度に欠け、いくつかの誤差を含み、容易に実現することができない。
【0006】
本発明の1つの目的は、前述の欠点のうちの少なくとも1つを改善することである。
【0007】
本発明の別の目的は、すべての変換システムに適用可能なデータ変換方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、実装しやすい、異なる色空間の間でデータを変換する方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、より正確な表色系間でデータを変換する方法を提供することである。
【発明の概要】
【0010】
本願は、初期データ(initial piece of data)と称される少なくとも1つのデータを、第1の表色系の色空間(first colourimetric system)と称される少なくとも1つの表色系(a colour space)、第2の表色系の色空間と称される少なくとも1つの表色系、との間で変換するためのコンピュータに実装される方法であって、前記少なくとも1つの初期データは、初期参照フレーム(initial reference frame)と称される色度参照フレーム(a colourimetric reference frame)で表現される少なくとも1つの要素からなり、前記方法は、:
- 前記少なくとも1つの初期データを、少なくとも1つの第1の表色系または少なくとも1つの第2の表色系の色空間における少なくとも1つの要素を表現することにより、射影データ(projected piece of data)と称される少なくとも1つのデータに変換する変換ステップと、
- 少なくとも1つの第1の表色系または少なくとも1つの第2の表色系の色空間における少なくとも1つの要素を、少なくとも1つの第1の表色系及び少なくとも1つの第2の表色系の色空間を関連付ける伝達関数を用いて表現することにより、前記少なくとも1つの射影データを、適合データと称される少なくとも1つのデータに適合させる適合ステップであって、前記少なくとも1つの適合データの色空間は、前記少なくとも1つの射影データの色空間とは異なる、適合ステップと、を含み、
少なくとも1つの第1の表色系および少なくとも1つの第2の表色系の色空間は、それぞれ双曲計量射影参照フレーム(a hyperbolic metric projective reference frame)によって規定される双曲空間(a hyperbolic space)である。
【0011】
このようにして、本発明に係る方法によると、各表色系の色空間または色度空間は、同じ色表現モデルに従って表現される。このようにして、1つの表色系に関連する色空間から、別の表色系に関連する別の色空間にデータを変換することは非常に容易である。
【0012】
表色系の色空間は、もはやCIE XYZ空間に適合する必要はなく、または可能な限りCIE空間に近づく必要もない。代わりに、使われる方法に従い、各色空間は考察されている表色系に基づいて定義される。
【0013】
このようにして、本発明による方法は、双曲計量射影モデルに基づく色空間を提供する。これらの色空間は、数学的要素を用いて構成またはコード化される。これにより、本質的にこの手法が普遍的であることが保証される。なぜなら、この方法は、色情報を伴った全ての初期データに適用可能であり、また、これは全ての表色系に移植可能である。
【0014】
この方法による色空間は、標準化(例えば、CIE標準)によって規定された従来技術における色空間とは異なり、数学的に概念化されているため、標準に表色系(さらには、表色系の色空間)を適合させる必要はなく、すべての表色系に適用可能なモデルを探求することが可能となる。この方法により、これらの色空間の間で、容易、正確、且つ耐性に優れたデータ交換が実現される。
【0015】
色空間はすべて双曲幾何学的な距離によって定義されるので、1つの空間から別の空間へのデータの変換はより容易になる。
【0016】
特に伝達関数は、第1の表色系と第2の表色系との間の対応を可能にする。結果として、色空間間のデータの変換は、両方向に実行することができる。
【0017】
第1の表色系は、少なくとも1つの取得手段および/または少なくとも1つの表示手段を含み得る。
【0018】
第2の表色系は、少なくとも1つの第1の表色系と異なる少なくとも1つの表示手段および/または少なくとも1つの取得手段を含み得る。
【0019】
取得手段は、ビデオカメラ、および/または写真カメラ、および/またはスマートフォンなどを備えるか、またはこれらから構成され得る。
【0020】
表示手段は、スクリーン、スマートフォンなどを含むか、またはこれらから構成され得る。
【0021】
変換ステップは、少なくとも1つの数学的演算子を用いて、少なくとも1つの第1の表色系または少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間(hyperbolic colour space)における少なくとも1つの初期データの少なくとも1つの要素を表現することにより、参照フレームを初期参照フレームから双曲計量射影参照フレーム(a hyperbolic metric projective reference frame)に変更するステップを含み得る。
【0022】
こうして、本発明に係る方法によれば、考察されている表色系の双曲計量射影参照フレームにおいて初期データの各要素を表現することによって、初期データを変換することが可能である。
【0023】
このように、この変換は、数学的に定義され、これにより、本発明による方法の精度、耐性、および効率を改善することが可能になる。さらに、これにより、任意のデータを簡素化された方法を用いて双曲色空間内で表現することが可能になる。
【0024】
前記少なくとも1つの数学的演算子(mathematical operator)は、少なくとも、無相関行列Γ,および/または、ユークリッド回転行列Pから構成される射影演算子(projection operator)を含む。
【0025】
このようにして、1つの空間から別の空間への切り替えは、数学的フレームワーク(a mathematical framework)に従って定義される。双曲色空間において初期データのピース(an initial piece of data)を表現するための数学的演算子または演算子は、当業者に周知の演算子である。したがって、これは、本発明による方法の単純な実施を有利にする。これらの数学的演算子は、個別にまたは組み合わせて使用することができる。
【0026】
初期参照フレームが双曲参照フレームである場合、少なくとも1つの数学的演算子は、単位行列(an identity matrix)を含み得る。
【0027】
好ましくは、少なくとも1つの第1の表色系および少なくとも1つの第2の表色系の双曲計量射影参照フレームは、共通の射影軸(a common projective axis)を含む。
【0028】
したがって、本発明による双曲計量射影参照フレームは、同じリンクを共有する。従って、これは、第1の(双曲)色空間で表現されたデータを別の(双曲)色空間に、且つ逆に、別の(双曲)色空間で表現されたデータを第1の(双曲)色空間に、より容易にこれらの変換を有利に進める。
【0029】
双曲空間は、双曲計量射影参照フレームの軸に沿って、好ましくは共通射影軸に沿って、20.5の開口を有する凸円錐を含むことができる。
【0030】
このようにして、色空間は、人間の色認識モデルを模した錐体によって規定される。
【0031】
例えば、錐体は、文献「色認識について」、Applied Research Laboratory, Sylvania Electronic Systems, Walham;および「「色の視覚」と「新しい認識」」、Applied Research Laboratory, Sylvan Electronic Systems, A division of Sylvania Electric Products, Inc.等に記載の理論で規定される。
文献「Waltham, Massachusetts」は、人間の視覚に関連する色空間の表現の一例を定義している。この例では、色認識は3次元錐体の観点、即ち、色相、彩度および明度の認識属性を用いて表現することが可能となる。円錐はエンベロープを含み得る。スペクトル関数の空間を基礎付けるディラック分布の像は、Rにおける錐体の包絡線を形成する。コーンのエンベロープは、最大飽和色の軌跡である。各々の正スペクトル関数は、錐体内の点として表すことができる。コーンのエンベロープは、最大の飽和を有する純色相の組を表している。
【0032】
少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系の双曲計量射影参照フレームは、Rベースで構成することができる。
【0033】
この特性により、変換を射影変換として説明することが可能になる。このようにして、Rの変換において射影参照フレームが構成される。
【0034】
双曲計量射影参照フレームは、関連するカノニカルメトリックを有するカノニカル射影参照フレームを含むことができる。カノニカル射影空間とは、双曲面のモデルを意味する。
【0035】
このような空間次元の利点は、視点を変えることができることである。すなわち、アフィン参照フレームの原点を変えることができ、結果的には、アフィン参照フレームに射影の方向を加えることで、その上に構成されるカノニカル射影参照フレームの原点を変えることができることである。従って、変換および/または適合段階はRで行うことができる。
【0036】
それぞれの双曲計量射影参照フレームは、好ましくは、以下によって規定することができる。
‐ 双曲計量射影参照フレームの起点を規定する黒色点、
‐ 3つの基底ベクトル、好ましくは3つの直交基底ベクトル、および
‐ 3つのベースベクトルの合成によって規定される白色点。
【0037】
このようにして、射影参照フレームを規定することにより、異なる射影参照フレーム間の変換を表現することが可能となる。これは、本発明によれば、双曲計量射影参照フレームのことを指す。その結果、投射および適合ステップは、容易になり、より正確にかつより簡便に実行される。
【0038】
したがって、3つのベースベクトルは、ベクトル空間を規定するために使用され得る。白色点は、好ましくは1に対する尺度を規定することができる。
【0039】
白色点は、アフィン変換の平行移動によって黒色点に対してオフセットすることができる。
【0040】
少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系の双曲計量射影参照フレームの少なくとも1つのベクトルは、単位ベクトルであってよい。
【0041】
このようなベクトルは、他の双曲色空間(好ましくは共通射影軸に沿う)の長さを規定するにあたり「標準」の長さとして寄与する。これは、本発明による方法を容易に実施することに寄与し、特に1つの色空間から別の色空間に切り替えるために必要とされる計算の実行をより容易ならしめる。その結果、計算時間の短縮および実装の容易さが改善される。
【0042】
双曲色空間は、等しいエネルギーの光源の下で、理想的な観察者を表すことができる。
【0043】
各双曲色空間は、単位双曲面を含むことができ、射影データおよび/または適合データは、単位双曲面で表される、少なくとも1つの成分、好ましくは少なくとも1つの色成分を含むことができる。
【0044】
このようにすると、本発明に係る方法によれば、射影データおよび適合されたデータは、単位双曲面上で表される少なくとも1つの成分を含むことができ、これにより、1つの色空間から別の色空間へのデータの変換が容易になる。いくつかの成分は、単位双曲面で表すことができる。
【0045】
好ましくは、単位双曲面で表される成分は、色度成分であってよい。
【0046】
このようにして、本発明に係る方法によれば、色情報を担持する成分は、単位双曲面で表される。これにより、射影された、および/または適合されたデータの共通の符号化を得ることが可能になり、これにより、1つの実験条件とは独立しており不変であるデータ(射影および適合された)を得ることが可能になる。このようにして、適合および/または射影されたデータの色成分を、より容易に比較および/またはモデル化および/または変換することができる。特にこれにより、少なくとも1つの射影データと、少なくとも1つの適合データとを、同じ数学的空間内で比較することが可能となる。このとき、人間の視覚を適合させるプロセスは、数学的空間を不変のままで行われる変換である。これにより、初期データを射影データに変換し、射影データを適合データに変換する過程の容易さが向上する。
【0047】
ユニット双曲面は、好ましくは、共通射影軸上にセンタリングすることができる。
【0048】
これにより、データ変換が容易になる。
【0049】
適合ステップで使用される伝達関数は、対角行列とすることができる。このような行列演算は、適合ステップで使用される計算を容易にする。したがって、本発明による方法は、より実装しやすく、計算に時間を要する。
【0050】
適合ステップで使用される伝達関数は、単位行列を含むことができる。
【0051】
したがって、本発明による方法によれば、1つの双曲色空間の点を別の双曲色空間に適合させるために単位行列を使用することができる。本発明による方法の計算時間および実装の容易さは、さらに改善される。
【0052】
射影ステップおよび/または適合ステップは、双曲線回転行列Ωを用いることによって、少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間を補正するステップを含み得る。
【0053】
好ましくは、双曲線射影参照フレーム間の射影軸が同一線上にないとき、双曲的回転行列が使用される。
【0054】
変換ステップの前に、本願による方法は、以下を含み得る。
‐ 少なくとも1つの第1の表色系のスペクトル関数から、少なくとも1つの第1の表色系の双曲色空間を設計するステップ、および/または、
‐ 少なくとも1つの第2の表色系のスペクトル関数に基づいて、少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間を設計するステップ。
【0055】
したがって、本発明による方法によれば、それらのスペクトル関数(スペクトル分布とも呼ばれる)から、各表色系について双曲色空間を構成することが可能である。
【0056】
こうして、本発明に係る方法によれば、任意の表色系に対して双曲色空間を生成することが可能である。
【0057】
好ましくは、設計するステップでは、各々以下のステップを含むことができる。
‐ 少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系のスペクトル関数を正規直交参照フレームに射影するステップ、および
‐ 正規直交参照フレームで表される少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系の前記スペクトル関数を、双曲計量射影参照フレームに射影するステップ。
【0058】
各射影ステップは、参照フレームを変更するステップを含み得る。このようにして、本発明に係る方法によれば、双曲色空間は、参照フレーム変更演算を実行することによって、表色系のスペクトル関数から生成される。これらの演算は、発明の実装を容易ならしめる。
【0059】
考察されている表色系のスペクトル関数は、既知であってもよく、製造者によって与えられてもよく、または較正段階で測定されてもよい。
【0060】
そして、スペクトル関数が知られておらず、問題となる表色系が利用できる場合は、このスペクトル関数を測定することが可能である。
【0061】
表色系のスペクトル関数が測定され得る場合、設計ステップは、以下のステップを含み得る。
【0062】
少なくとも1つの第1の表色系及び/又は少なくとも1つの第2の表色系が、少なくとも1つの取得手段を備える場合、前記方法は、少なくとも1つの取得手段の双曲計量射影参照フレームを規定するための、第1の較正段階と称される較正ステップを備え得て、前記第1の較正段階は、分光光度計及び/又はモノクロメーターを用いて、少なくとも1つの取得手段のスペクトル関数を測定するステップを備え得る。
【0063】
前記少なくとも1つの取得手段のスペクトル関数を測定するステップは、以下のステップを含む。
‐ 基準スペクトル光と称されるスペクトル光を、モノクロメーターにより、少なくとも1つの取得手段及び前記分光光度計に照射するステップ、
‐ 前記分光光度計および前記少なくとも1つの取得手段によって記録された反応同士を比較するステップ。
【0064】
少なくとも1つの第1の表色系び/又は少なくとも1つの第2の表色系が、少なくとも1つの表示手段を含む場合、前記方法は、前記少なくとも1つの表示手段の双曲計量射影参照フレームを規定するための、第2の較正段階と称される較正段階を備え得て、前記第2の較正段階は、分光光度計を用いて、前記少なくとも1つの表示手段のスペクトル関数を測定するステップを含み得る。
【0065】
従って、表色系が表示手段を備える場合、前記表色系のスペクトル関数を測定するために分光光度計が必要とされる。逆に、表色系が取得手段を備える場合は、前記表色系のスペクトル関数を測定するために、分光光度計およびモノクロメーターが必要とされる可能性がある。
【0066】
少なくとも1つの表示手段は、スクリーン(例えば、コンピュータ画面、テレビ画面、スマートフォン画面など)を含み得る。
【0067】
少なくとも1つの取得手段は、例えば、ビデオカメラ、写真カメラ、スマートフォンなどを含み得る。
【0068】
前記少なくとも1つの初期データは、画像であってもよく、また前記少なくとも1つの要素は、初期画像の画素であってもよい。
【0069】
非限定的な例として、前記少なくとも1つのデータは、初期R、G、B、もしくはHSV参照フレーム、または双曲計量射影参照フレームなどを表現した画素を含む画像を含み得る。
【0070】
このようにして、この方法は、異なるタイプの色符号化モデルにおいて機能的である。
【0071】
代替的に、前記少なくとも1つの初期データは、単色光または多色光のパワースペクトル密度であってもよい。射影データ及び適合データは、光のスペクトルとすることができる。
【0072】
したがって、本発明による方法によれば、この初期データが色に関する情報を保持している限り、任意の初期データを使用することが可能である。
【0073】
データの前記初期部分は、前記少なくとも1つの第1の表色系から、もしくは前記少なくとも1つの第2の表色系から、あるいは任意の由来のもの(any origin)であってもよい。
【0074】
このようにして、本発明に係る方法は、初期データが、既知の表色系由来、またはスペクトル関数を測定可能な表色系由来であった場合は、その初期データを用いて実施することができる。さらに、例え、表色系が利用できない、または未知の表色系といった(例えば、初期データが任意のデータベースから抽出されたとき)任意の由来のものであっても、初期データを用いて実施することができる。
【0075】
これは、本発明による方法における、効率性、実施容易性、および汎用性に有利に働く。
【0076】
初期データが未知の由来のものである場合、または少なくとも1つの第1の表色系もしくは少なくとも1つの第2の表色系のスペクトル関数を見出すことが不可能である場合、変換ステップのベース変化は、ユークリッド回転行列Pによって実行することができる。
【0077】
ユークリッド回転行列Pは、ホワイトバランス行列を含むことができる。この行列は、双曲線射影参照フレームの射影軸が共通である場合には、対角行列とすることができる。
【0078】
少なくとも1つの射影データは、画像であり得る。射影された画像は、初期データと同じ特性であり得る。
【0079】
したがって、本発明による方法は、初期データを射影画像に変換するステップ中に情報を失うことはない。このようにして、初期データのすべての要素が保存される。
【0080】
少なくとも1つの射影データは、3つの成分から構成される:
‐ 明度成分k、
‐ 彩度成分s、及び
‐ 色相成分ξ。
【0081】
少なくとも1つの適合データは、3つの成分から構成される:
‐ 明度成分k′、
‐ 彩度成分s′、及び
‐ 色相成分ξ′。
【0082】
このようにして、本発明に係る方法によれば、射影データおよび/または適合データは、光の明度成分と、色相および彩度から構成される2つの色度成分とを含む。このように、本発明に係る方法によれば、データの色情報は、人間の目の色に対する生理学的アプローチに従って記述される。
【0083】
明度成分は、好ましくは可変成分であり得る。これにより、射影データが、関連する表色系の光レベルに適合されることが保証される。このようにして、1つの(双曲)色空間から他の(双曲)色空間への(射影・適合された)データの明度成分は、比例係数によって関連付けられる。これにより、情報を失うことなく、1つの(双曲)色空間から他の(双曲)色空間へのデータの変換がより容易になる。
【0084】
本発明の別の態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、このコンピュータプログラムは、コンピュータプログラムによって実行可能な命令を含み、コンピュータデバイスは、実行されると、本発明による方法のすべてのステップを実行する。
【0085】
コンピュータプログラムは、C、C++、JAVA(登録商標)、Python、マシン言語など、任意のコンピュータ言語であってよい。
【0086】
本発明の別の態様によれば、本発明による方法のすべてのステップを実施するように構成された手段を含むコンピューティングデバイスが提供される。
【0087】
データ処理デバイスは、PC、スマートフォン、タブレット、計算機ユニット、または任意の他のコンピューティングおよび/または電子装置であり得る。
【0088】
特に、データ処理装置は、少なくとも1つのアナログコンポーネントおよび/または少なくとも1つのデジタルコンポーネントを備える電子カードであってよい。
【0089】
特定の実施形態では、データ処理デバイスは、プロセッサ、チップ、計算機などであり得る。
【0090】
データ処理デバイスには、CPUが含まれていても良い。非限定的な方法で、デバイスは、少なくとも1つのインターネットおよび/または外部メモリと、これらのメモリに接続されたデータバスとを備え得る。
【0091】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの取得手段と少なくとも1つのディスプレイ手段との間で少なくとも1つのデータを変換する装置であって、変換装置は、
- 本願による方法のすべてのステップを実行するように構成された手段を含むコンピュータデバイス、
- 取得されたデータと称される、少なくとも1つのデータを取得するように構成された少なくとも1つの取得手段、および/または、
- 表示されたデータと称される、少なくとも1つのデータを表示するための少なくとも1つの表示手段、
から構成される。
【0092】
取得された少なくとも1つのデータは、少なくとも1つの初期データ(例えばrgb画像)に対応してもよい。
【0093】
少なくとも1つの表示されたデータは、少なくとも1つの初期データ(例えばrgb画像)、または、少なくとも1つの射影データに対応してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
本発明のさらなる利点および特徴は、決して限定するものではない実装および実施形態の詳細な説明、および以下の添付図面を読めば明らかになろう。
図1A図1Aは、CIE1931 XYZによるスペクトル関数の一例の概略図である。
図1B図1Bは、図1Aのスペクトル関数に関連する色空間の概略図である。
図2図2は、本発明による方法の第1の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
図3】は、本発明による方法の第2の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
図4図4は、表色系の双曲色空間を設計する本発明によるステップの非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
図5図5は、本発明による方法の変換ステップの第1の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
図6A図6Aは、本発明による方法の変換ステップの第2の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
図6B図6Bは、双曲色空間で表される、図6Aの初期データを構成するすべての要素を表す。
図7図7は、本発明による方法の第3の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
図8図8は、第1の表色系のスペクトル関数から第1の表色系の双曲色空間を設計するステップと、第2の表色系のスペクトル関数から第2の表色系の双曲色空間を設計するステップとを表す概略図である。
図9図9は、本発明による方法の第4の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
図10図10は、本発明による方法の第5の非限定的な例示的な実施形態の概略図である。
図11図11は、本発明による方法のいくつかの反復の一例の概略図である。
図12図12は、本発明によるデバイスの第1の例の概略図である。
図13図13は、本発明によるデバイスの第2の例の概略図である。
図14図14は、本発明による装置の第1の例の概略図である。
図15図15は、本発明による装置の第2の例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
以下に記載される実施形態は決して限定的ではないことが理解される。特に、以下に記載された特徴の中から、他の特徴から独立して選択された特徴が技術的な利点をもたらすか、または先行技術との差別化を図るのに十分であれば、その発明の代替案を想定することが可能である。この選択は、少なくとも1つの特徴を含み、これらの特徴は、好ましくは、構造的な詳細なしで機能的であり、又は、構造的な詳細の一部のみを有する場合は、この部分だけで、技術的利点を与えるために、もしくは、本発明を従来技術から区別するために十分である。
【0096】
特に、技術的にそのような組み合わせと反対のものがない場合、すべての代替形態および記載されたすべての実施形態を互いに組み合わせることができる。
【0097】
図面では、いくつかの図に共通する要素は同じ参照符号を保持する。
【0098】
図1Aは、CIE1931 XYZによって規定される色空間における、3つのスペクトル関数(それぞれ、102、104、および106と表記される)を示している。
【0099】
これらのスペクトル関数102、104、106は、参照CIE観察者の色度関数と呼ばれる。これらのスペクトル関数102、104、106は、「基準となる」人間の目の色度認識反応を表す。換言すると、これらのスペクトル関数102、104、106は、正規化されており、人間の目以外の表色系における特性には関係していないことを意味する。
【0100】
図1Bは、図1Aの部分のスペクトル関数102、104、106から定義された色空間108を示す。色空間108は双曲的ではない。CIE色度図として知られる色度図110は、色空間108から引き出すことができる。色度図110は、2次元である。色度図の各次元は、図1Aで定義されたスペクトル関数102、104、106に依存する。
【0101】
図2は、本発明による方法200の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
【0102】
図2に示す方法200は、コンピュータで実装される方法である。
【0103】
この例では、方法200は、第1の表色系の色空間204と第2の表色系の色空間206との間のデータの少なくとも1つのデータ変換に関係する。
【0104】
少なくとも1つの初期データ202は、初期参照フレームと呼ばれる、比色参照フレームで表される少なくとも1つの要素からなる。
【0105】
手法200は、以下のステップを含む。
‐ 第1の表色系の色空間204内の少なくとも1つの要素を表現することによって、少なくとも1つの初期データ202を、射影データ210と称する少なくとも1つのデータに変換するステップ(208)
‐ 少なくとも1つの射影データ210を、適合データ214と称される少なくとも1つのデータに適合させるステップ(212)。これは、第1の表色系および第2の表色系の色空間204、206に関係する伝達関数を用いて、第2の表色系の色空間206内の少なくとも1つの要素を表現することによって達成される。そのとき前記少なくとも1つの適合データ214の色空間は、少なくとも1つの射影データ210の色空間と異なる。
【0106】
第1の表色系および第2の表色系の色空間204、206はそれぞれ、双曲計量射影参照フレームによって規定される双曲空間である。
【0107】
非限定的な例として、初期データ202は、R、G、Bフォーマットの画像202である。初期データ202の要素は、この例では、R、G、B参照フレームである初期参照フレームで表される座標を含む画素である。
【0108】
もちろん、方法200の他の代替形態では、前記初期データ202は、いくつかの画素(すなわち、要素)を含み得る。この場合、変換および適合ステップは、初期データ202のすべての画素に適用される。
【0109】
好ましくは、変換ステップ208は、初期R、G、Bタイプの参照フレームから双曲計量射影参照フレームに切り替えるための参照フレーム変更ステップに対応する。図2の場合、これは、第1の表色系の双曲計量射影参照フレームに対する参照フレームの変化に対応する。このため、変換ステップ208では、少なくとも1つの数学的演算子が、第1の表色系の双曲色空間における初期データ202の要素を表すために使用される。
【0110】
好ましくは、数学的演算子は射影演算子である。射影演算子は、Γで示される無相関行列、および/または、Pで示されるユークリッド回転行列を含む。
【0111】
変換ステップ208は、射影データ210を与える。
【0112】
伝達関数は、単位行列を含み得る。
【0113】
図2のケースでは、射影データ210は画像であり、初期データ202と同じ数の要素(すなわち、画素)を含む。したがって、変換ステップ208の後では情報は失われない。
【0114】
非限定的な例示として、射影データ210は、以下の3つの成分を含む。
‐ kと表記される明度成分、
‐ sと表記される彩度成分、および
‐ ξと表記される色相成分。
【0115】
適合ステップ212は、適合されたデータ214を提供する。
【0116】
適合されたデータ214は画像であり、初期データ202と同じ数の要素(すなわち、画素)を含む。したがって、適合ステップ210の後では情報は失われない。
【0117】
非限定的な例示として、適合された情報214は、以下の3つの成分を含む。
‐ k′と表記される明度成分
‐ s′と表記される彩度成分
‐ ξ′と表記される色相成分
【0118】
非限定的な例として、第1の表色系はカメラであり、第2の表色系はスクリーンである。この例によれば、初期参照フレームは、カメラのR、G、B参照フレームとすることができる。
【0119】
他の代替形態では、第1の表色系は、第1のスクリーンであり、第2の表色系は、第2のスクリーンである。この例では、初期参照フレームは、第1のスクリーンのR、G、B参照フレームとすることができる。
【0120】
このように、方法200によれば、第1の表色系は、表示手段または取得手段であり得る。第2の表色系は、表示手段または取得手段であり得る。
【0121】
図3は、本発明による方法300の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
【0122】
図3に示される方法は、図2に示される方法200のすべてのステップを含む。
【0123】
変換ステップ208の前に、方法300は、少なくとも1つの第1の表色系のスペクトル関数から、少なくとも1つの第1の表色系の双曲色空間204を設計するステップ302を含む。
【0124】
変換ステップ208の前に、方法300は、少なくとも1つの第2の表色系のスペクトル関数から、少なくとも1つの第2の表色系の双曲色空間206を設計するステップ304を含む。
【0125】
図4は、表色系のスペクトル関数が既知であるか、または測定され得るときに方法300によって実装され得る表色系の双曲色空間を設計するステップ302、304の表現の一例である。この例によれば、これは、第1の表色系の双曲色空間を設計するステップ302および/または第2の表色系の双曲色空間を設計するステップ304であってよい。
【0126】
方法300によれば、少なくとも1つの第1の表色系および/または少なくとも1つの第2の表色系のスペクトル関数401は既知であってよい。これは、例えば、これらの表色系がすでに使用されている場合や、各表色系のスペクトル関数が製造元によって与えられている場合を意味する。
【0127】
したがって、この例示によれば、デザインステップ302、304の各々は、以下のステップを含み得る。
‐ 第1の表色系および第2の表色系のスペクトル関数を正規直交参照フレームに射影するステップ(402)、および
‐ 正規直交参照フレーム内で表される第1の表色系および/または第2の表色系の前記スペクトル関数を双曲計量射影参照フレームに射影するステップ(404)。
【0128】
非限定的な例として、スペクトル関数401は、可視範囲の波長を含む光を記録することができるカメラなどの取得手段のスペクトル関数である。スペクトル関数401は、正の値を含む。
【0129】
このサンプルに従うと、3つの計測ベクトルααおよびαで規定されるスペクトル関数401は、3つのベクトルΦ、Φ、Φで定義される正規直交参照フレームに射影される。正規直交参照フレームの3つのベクトルは、|Φ>と表記される行列を定義する。計測参照フレームの3つのベクトルは、|α>と表記される行列を定義する。
【0130】
この例では、正規直交参照フレームに射影されるスペクトル関数401は、次の式を用いて得ることができる:
【0131】
【数1】
【0132】
ここで、Γは無相関行列に対応し、<Φ|は正規直交参照フレームのベクトル行列に対応し、<α|は計測参照フレームのベクトル行列に対応する。
【0133】
第1の代替形態では、無相関行列Γは既知であり得る。この場合、ある参照フレームから別の参照フレームに切り替えるために式[数1]を適用するだけで十分である。
【0134】
第2の代替形態では、無相関行列Φは未知であり得る。この場合、無相関行列は、検討される前記システムのスペクトル関数を無相関化することによって検討される表色系のスペクトル関数(測定参照フレーム内)から計算することができる。
【0135】
その後、方式300に従うと、正規直交参照フレーム<Φ|で表されるスペクトル関数は、3つのベクトルψ、ψ、ψを含む双曲計量射影参照フレームに再度射影される。双曲計量射影参照フレームの3つのベクトルは、|ψ>と表記される行列を規定する。
【0136】
この例では、双曲計量射影参照フレームに射影されるスペクトル関数401は、次の式を使用して得ることができる。
【0137】
【数2】
【0138】
ここで、Pはユークリッド回転行列に対応し、<ψ|は双曲計量射影参照フレームのベクトル行列に対応し、<Φ|は正規直交参照フレームのベクトル行列に対応する。
【0139】
ユークリッド回転行列Pは、好ましくは既知である。
【0140】
好ましくは、ユークリッド回転行列は下記のように記載する。
【0141】
【数3】
【0142】
このように、正規直交参照フレームから双曲計量射影参照フレームに切り替えるためには、式[数2]を適用するだけで十分である。最後の射影ステップ404は、デザインステップ302、304のアウトプットにおいて、軸ψに対して対称であるコーンおよびユニット双曲面を規定することによって考察される表色系の双曲面色空間204、206を与える。単位双曲面および円錐は、好ましくは4×4行列によって定義される共通メトリックによって、好ましくは対角値(-1/2、-1/2、1、1)を含む対角行列によって、関係付けることができる。第1の表色系が第2の表色系に対応するように、コーンの高さψを軸に沿って適合させることができる。
【0143】
この例によれば、表色系の双曲色空間204、206は、双曲計量射影参照フレームで表される。双曲計量射影参照フレームは、参照フレームの起点を定義する黒色点406と、ψ、ψ、ψと記された3つの基底ベクトルと、Σψと記された3つの基底ベクトルの合成ベクトルへの固定により定義される白色点と、により規定される。
好ましくは、3つの基底ベクトルψ、ψ、ψは、互いに直交している。好ましくは、アフィックスは1である。双曲計量射影参照フレームは、ベクトルψ、ψ、ψおよびψに沿って方向付けられた射影方向によって規定される直交参照フレームから構成することができる。
【0144】
このようにして、双曲計量射影参照フレームは、R上に構成された寸法4のアフィン空間の参照フレームであり、次の式(O,ψ,ψ,ψ,Σ)を用いて書くことができる。ここで、Oは参照フレームの起点406に対応し、Σψは白色点に対応する。
【0145】
双曲色空間は、やはり以下のCで示される凸状のコーン405を含む。コーン405は、双曲計量射影参照フレームの白色点Σψに沿って方向付けられる。図4では、コーン405は、双曲計量射影参照フレームのベクトルψによって運ばれる軸に沿って向けられている。コーン405は、好ましくは20.5の開口を有する。
【0146】
双曲計量射影参照フレームのベクトルψは、好ましくはユニットベクトルである。
【0147】
コーン405は、文献“色認識について”、Applied Research Laboratory, Sylvania Electronic Systems, Walham;および“「色の視覚」と「新しい認識」”、Applied Research Laboratory, Sylvan Electronic Systems, Inc.の区分のSylvan Electronic SystemsにおけるHuseyin Yilmazの説に従って定義することができる。マサチューセッツ州ウォルサムコーン405は、エンベロープを含み得る。コーン405のエンベロープは、可視の単色を表すディラック分布から形成されている。コーン405のエンベロープは、最大彩度の色の軌跡である。各々の正スペクトル関数は、錐体内の点として表すことができる。コーンのエンベロープは、最大の彩度を有する純色相の組を表している。
【0148】
ベクトル|ψ>は、好ましくは単位ベクトルである。
【0149】
図4の表色系の双曲面色空間204、206はまた、単位双曲面408を含む。単位双曲面408は、一定の明度メタメリズム空間を表し得る。
【0150】
図5は、2つの初期データF、Gを、前記色空間のスペクトルデータから定義される表色系(例えば、第1の表色系)の双曲色空間204に変換するステップ208の概略図の一例である。
【0151】
図5は、データFのスペクトル関数502の表現と、データGのスペクトル関数504の表現とを示しており、したがって、表色系のスペクトル関数の3つのベクトル成分ψ,ψ,ψを示している。
【0152】
変換ステップ208に続いて、FまたはGの初期データは、前記表色系のスペクトル関数に基づいて定義された表色系の双曲色空間内で表される。双曲色空間は、双曲計量射影参照フレームにおける行列|ψ>を規定する3つのベクトルψ,ψ,ψに基づいて定義される。ベクトルψは、ユニットベクトルである。
【0153】
この例では、データFおよびGは多色光である。
【0154】
初期データFおよびGのスペクトル関数は、oeで表される線形応用を用いて、双曲計量射影参照フレームで表すことができる。例えば、データFの初期部分について、線形応用は次のように規定される:
【0155】
【数4】
【0156】
【数5】
【0157】
ここで、xは双曲色空間内の点に対応し、Fは光を表すスペクトル関数(波長に依存する)であり、F1、F2、F3は、考察されている表色系の双曲計量射影参照フレームにおいて表される初期データFの成分に対応する。
【0158】
こうして、F(ξ)=|F>と表されるそれぞれの光は、3つの基本機能の線形結合で表される
【0159】
【数6】
【0160】
双曲色空間204、206は、開口20.5を有するコーン405を含む。さらに、この例では、双曲色空間204、206は、いくつかの双曲面を含む。
【0161】
特に、図5の双曲色空間204、206は、同様にHと表記される単位双曲面408、すなわちHと表記される任意の拡大係数kの非単位双曲面505を含む。ユニット双曲面H1は、1に等しい明度係数kを有する。
【0162】
双曲計量射影参照フレーム(0、ψ,ψ,ψ,Σψ)における、Cと表記される錐体405の包絡線の式は、以下によって与えられる:
【0163】
【数7】
【0164】
ここで、xは、双曲計量射影参照フレームとも呼ばれる、カノニカル射影参照フレームのベクトルψ、ψ、ψによって定義される双曲計量射影参照フレームにおける、x、x、xに対応する。そして、その行例Jは以下のように規定される。
【0165】
【数8】
【0166】
これはまた、以下によって規定される行列C(k,ξ)を有するコーン405である:
【0167】
【数9】
【0168】
コーン405は、Hと表記される単位面ではない双曲面505によって表記される双曲計量を規定する。双曲計量Hは、次式で定義される:
【0169】
【数10】
【0170】
ここで、Xは、ベクトルψ,ψ,ψによって定義される射影双曲計量における座標x,x,xを有する非単位双曲面505上の任意の点に対応する。この例では、任意の点Xは、任意の色に対応する。
【0171】
双曲面Hは、次の式に従って書き込まれる:
【0172】
【数11】
【0173】
ここで、kは明度成分に対応し、sは彩度成分であり、ξは任意の色Xの色相成分である。
【0174】
この例に従うと、錐体405内の任意の点X(すなわち、色)は、次式で与えられる明度係数kを有する双曲面に属する:
【0175】
【数12】
【0176】
この点Xは、点xにおいてユニット双曲面408に射影することができる。こうして、係数kの任意の双曲面で表される任意の要素を、ユニット双曲面Hに射影することができる。例えば、非単位双曲面505Hに属する点Fは、点fで単位双曲面408Hに射影される。直線508は、双曲計量射影参照フレームの原点を非単位双曲面H505上の点Fに接続する。この直線508は、射影直線508である。
【0177】
この例では、データFおよびGは、同じ射影直線508上に位置する。したがって、光FおよびGはメタメリックの関係となる。従って、これらの光は、表色系によっても等価な方法で認識される。
【0178】
光FおよびGはメタメリックであり、同じ明度を有するので、次の関係が確認される:
【0179】
【数13】
【0180】
FおよびGも同じ明度であるので、kは1に等しい。
【0181】
光は正のスペクトル関数であるので、光は錐体405内に刻まれる。
【0182】
この例では、光Fの点fは、純色である。射影双曲計量における光Fのスペクトル関数は、スペクトル関数510の観点で表される。双曲計量射影参照フレーム510における光Fのスペクトル関数は、スペクトル光F(ξ)に対応するメタメリズム空間の任意の点Fの射影点Fとして、式f(ξ)=|f〉により規定される。これは、以下の式で規定される、ユニット双曲面Hへの射影として規定される。
【0183】
【数14】
【0184】
このようにして、比例係数は、単位双曲面Hで表されるデータを非単位双曲面Hに関連付ける。
【0185】
従って、任意の光|F>>に関するユニット双曲面408におけるその表現は、ベクトルF=oe(|F>)として関連付けられ、乗算輝度(および色度(s、ξ)におけるその表現は、以下の通り表記される。
【0186】
【数15】
【0187】
ここで、kは明度成分に対応し、sは彩度成分であり、ξは色Fの色相成分である。
明度成分kは、以下によって規定される。
【0188】
【数16】
【0189】
彩度成分sは、以下によって規定される。
【0190】
【数17】
【0191】
色相成分ξは、以下によって規定される。
【0192】
【数18】
【0193】
彩度sは、射影双曲色空間における色の開口を定義することができる。
【0194】
射影データをユニット双曲面Hで表すことにより、前記射影データの色度情報を符号化することができる。
【0195】
図6Aは、表色系の双曲色空間において初期データ202を変換する方法300のステップ208を表す一例である。
【0196】
この例によれば、初期データ202がそこから得られる表色系のスペクトル関数は未知であり、測定することはできない。このように、初期データのみが既知となっている。
【0197】
非限定的な例として、初期データ202は、R、G、B座標で表される画素602を含む画像である。
【0198】
この例によれば、画像202の各画素602は、次の式に従って表される3つの座標を含む。
【0199】
【数19】
【0200】
ここで、pΦは、画像202の画素602に対応し、
【0201】
【数20】
【0202】
は、R、G、B空間(すなわち、最初の参照フレーム)における画素602の座標に対応する。
【0203】
各画素602のスペクトル原点は未知である。
【0204】
この例によれば、変換ステップ208を実行するために、R、G、B空間における画素602の座標は、ベクトル|Φ>のマトリックスによって定義される正規直交参照フレームにおける画素602の座標と同じである。こうして、正規直交参照フレームにおける各画素602の座標は、次の式に従って書き込むことができる。
【0205】
【数21】
【0206】
ここで、r、g、bは、、R,G,B空間内の画素座標に対応し、|Φ>、|Φ>、|Φ>は、正規直交参照フレームのベクトルに対応する。
【0207】
表色系の双曲色空間における初期データ202(画像R、G、B)の表現は、変換ステップ208によって実行される。変換ステップ208は、以下の式に従って、初期データ202の各画素602について実行される。
【0208】
【数22】
【0209】
ここで、Pはユークリッド回転行列に対応し、pは射影双曲計量参照フレーム内の画素602の座標に対応し、そして、pφは正規直交参照フレーム内の画素の座標に対応する。
【0210】
初期データ202の各画素602は、双曲色空間内の座標を含む。
【0211】
変換ステップは、初期データ202のすべての画素602(すなわち、要素602)に対して実行される。
【0212】
図6Bは、図6Aに示される初期データ202の画素602を表しており、未知の起源の初期データ202が規定する双曲色空間204内のものである。
【0213】
初期データ202の明度成分kは、射影直線上の点に対応する。射影直線は、双曲計量射影参照フレームの原点406を通過し、双曲面と交差する線によって規定することができる。初期データ202の彩度sおよび色相ξ成分は、ユニット双曲面408内の座標に対応する。各画素602は、彩度成分、色相成分、および明度係数kに関する座標を有する双曲計量射影参照フレーム内の点として表される。
【0214】
こうして、初期データ202が導出される表色系のスペクトル成分が未知であっても、双曲計量的な色空間204を構成することが可能である。
【0215】
図7は、本発明による方法700の非限定的な例示用の実施形態の概略図である。
【0216】
図7に示される方法は、図3および図4に示される方法300のステップのすべてを含む。以下に、違いのみを説明する。
【0217】
図7のケースでは、少なくとも1つの第1の表色系と少なくとも1つの第2の表色系とのスペクトル関数は未知である。しかし、これらのスペクトル関数は、測定値によって決定することができる。
【0218】
このケースでは、方法700は、第1の表色系の双曲色空間204を設計するステップ302の前に、かつ第2の表色系の双曲色空間206を設計するステップ304の前に、以下のステップを含む:
- 第1の表色系のスペクトル関数を測定するステップ702、および
- 第2の表色系のスペクトル関数を測定するステップ704。
【0219】
第1の表色系の双曲色空間204を測定するステップ702および設計するステップ302は、第1の表色系の双曲計量射影参照フレームを定義するための較正段階706に含まれる。
【0220】
第1の表色系の双曲色空間206を測定するステップ704と設計するステップ304は、第2の表色系の双曲計量射影参照フレーム206を定義するための調整段階708に含まれる。
【0221】
非限定的な例では、第1の表色系および/または第2の表色系は、取得手段を含んでよい。例えば、第1の表色系および第2の表色系は、写真カメラまたはビデオカメラまたはフォトセンサなどの取得手段であり得る。第1の表色系および第2の表色系が取得手段を含む場合、第1の表色系および第2の表色系のスペクトル関数を測定するステップ702、704は、好ましくは、モノクロメーターを備えた分光光度計によって実行され得る。
【0222】
この場合、第1の表色系および第2の表色系を取得するための装置のスペクトル関数を測定するステップ702、704は、以下のステップを含んでよい:
- 第1の表色系または第2の表色系を取得するための手段に向かって、基準光と称されるスペクトル光をモノクロメーターにより照射する、
- 分光光度計によって記録されたスペクトル反応と、第1の表色系または第2の表色系を取得するための手段とを比較するステップ。
【0223】
非限定的な例として、取得手段の場合、モノクロメーターは、可視範囲のディラックに相当するスペクトル光を照射する。この光は、次いで、分光光度計によって測定され、同時に、例えばカメラである取得装置のレンズ内に取り込まれる。取得手段に届けられた各光(ディラック)に関するR、G、Bの値は、取得手段のスペクトル関数を計算するために使用される。
【0224】
別の非限定的な例では、第1の表色系および/または第2の表色系は、表示手段を含んでよい。例えば、第1の表色系および第2の表色系は、スクリーンなどの表示手段であり得る。第1の表色系および/または第2の表色系が表示手段を含む場合、第1の表色系および第2の表色系のスペクトル関数を測定するステップ702、704は、好ましくは分光光度計によって実行され得る。
【0225】
例えば、ディスプレイの場合、デジタル値(DV:Digital Value)がビデオカードに送信されて、スクリーン上に光を生成する。その後、この光が測定される。スクリーンのスペクトル関数の測定は、国際公開第2020/048701号パンフレットの開示に従って実行することができる。
【0226】
このサンプルでは、第1の表色系の測定参照フレーム内のスペクトル関数(この例では|α>と表記される)を測定する段階702、第1の表色系の第1の双曲色空間204を設計するステップ302の入力時に与えられる。同様に、第2の表色系の測定参照フレームは内のスペクトル関数(この例では|α>と表記される)を測定するステップ704、、第2の表色系の第2の双曲色空間206を設計するステップ304の入力で与えられる。
【0227】
図8は、第1の表色系のスペクトル関数から第1の表色系の双曲色空間302を設計するステップと、第2の表色系のスペクトル関数から第2の表色系の双曲色空間304を設計するステップと、の1つの例示的な実施形態である。
【0228】
図8は、測定参照フレームで表現された第1の表色系のスペクトル関数802と、正規直交参照フレームで表現された第1の表色系のスペクトル関数804と、を包含したグラフ801を含む。
【0229】
計測参照フレーム内で表現された第1の表色系のスペクトル関数802は、802、802、および802の3つの色成分をそれぞれ含む。正規直交参照フレームで表現された第1の表色系のスペクトル関数804は、804、804、および804の3つの色成分をそれぞれ含む。
【0230】
図8は、測定参照フレームで表現された第2の表色系のスペクトル関数806と、正規直交参照フレームで表現された第2の表色系のスペクトル関数808と、を包含したグラフ805を含む。
【0231】
計測参照フレームで表される(すなわち、行列|α>)第2の表色系のスペクトル関数806は、806、806、および806の3つの色成分をそれぞれ含む。正規直交参照フレームで表される(すなわち、行列|Φ>)第1の表色系のスペクトル関数804は、808、808、および808の3つの色成分をそれぞれ含む。
【0232】
非限定的な例として、第1の表色系は取得手段であり得、第2の表色系は表示手段であり得る。
【0233】
第1の表色系については、射影ステップ404は、第1の表色系の双曲色空間204を得ることを可能にし、第2の表色系については、射影ステップ404は、第2の表色系の双曲色空間206を得ることを可能にする。
【0234】
このようにして、第1の表色系に関連する双曲計量射影参照フレームは、第2の表色系の双曲計量射影参照フレームと同じ方法で規定される。
【0235】
第1の表色系および第2の表色系の双曲色空間204、206はそれぞれ、単位双曲面408および凸面錐体405を含む。
【0236】
第1の表色系および第2の表色系の双曲計量射影参照フレームは、共通の射影軸を含む。共通の射影軸は、ユニットベクトルψによって規定子される軸に対応する。各コーン405は、共通の射影軸上にセンタリングされる。
【0237】
例えば、行列|α>は、測定参照フレームにおける第1の表色系のスペクトル関数であると考えられ、行列|α>は、測定参照フレームにおける第2の表色系のスペクトル関数であると考えられる。1つの空間から別の空間へデータを表現するために、第1の表色系の双曲色空間は、第2の表色系の色空間と切り替えることができるはずである。
【0238】
この切替を達成するためには、第1の表色系と第2の表色系との間の適合ステップ212を実行できるようにするための、各表色系の双曲計量射影参照フレームで表されるスペクトル関数ψ1、ψ2を特定するだけで十分である。この例では、第1の表色系の双曲面メトリック射影参照フレームと第2の表色系の双曲面メトリック射影参照フレームが共通射影軸を含むとき、例えば双曲計量射影参照フレームの軸が両方の表現間で同様または同一線上にあるとき、これらの特定が可能である。これらの関数は以下で与えられる。
【0239】
【数23】
【0240】
ここで、ψは双曲計量射影参照フレームにおける第1の表色系のスペクトル関数に対応し、Φは正規直交参照フレームにおける第1の表色系のスペクトル関数に対応し、αは測定参照フレームPにおける第1の表色系のスペクトル関数に対応する。このとき、測定参照フレームPはユークリッド回転行列に対応し、また、Γは無相関行列に対応する。
【0241】
【数24】
【0242】
ここで、ψは双曲計量射影参照フレームにおける第2の表色系のスペクトル関数に対応し、Φは正規直交参照フレームにおける第2の表色系のスペクトル関数に対応し、αは測定参照フレームPにおける第2の表色系のスペクトル関数に対応する。このとき、測定参照フレームPはユークリッド回転行列に対応し、また、Γは無相関行列に対応する。
【0243】
【数25】
【0244】
ここで、インデックス1は第1の表色系に対応し、インデックス2は第2の表色系に対応する。また、Γは以下のように計算される。
【0245】
【数26】
【0246】
【数27】
【0247】
【数28】
【0248】
【数29】
【0249】
それぞれの機器に関連する双曲計量射影参照フレームψの軸は、ベクトルΦ、Φ、Φ.の合成ベクトルと同一線上にある。
【0250】
図9は、本発明による方法900の例示的な一実施形態の概略図である。図9に示す方法900は、図2図3、または図7に示す方法200または300または700のすべてのステップを含む。
【0251】
この例では、初期データは既知の起源のものである。従って、初期データが由来する表色系のスペクトル関数が知られている。
【0252】
この例では、表色系のうちの少なくとも1つ(例えば、第1の表色系)は、変形された白色点を含む。例えば、黒色点と白色点との間の直線(Ψに沿う1)が射影の向きと同一線上にないときなどがその場合に当たる。これは、その方法に含まれる表色系のうちの少なくとも1つの双曲色空間(例えば、第1の表色系)が、スペクトル関数ψ(ξ)=1を伴うカノニカル参照フレームに基づいた理想的な観察者の白色モデルとアライメントされないことを意味する。この場合、本発明による方法は、補正を行うことによってこの誤差を補正することができる。この補正は、Ωと記された双曲線回転行列を用いて、欠陥双曲色空間を補正するステップによって実行される。
【0253】
ここで、非限定的な例として、第1の表色系の双曲線射影参照フレームの白色点は欠陥があるとする。その後、変換ステップ208は、第1の表色系の双曲色空間204を補正するステップ902を含む。この例では、補正ステップ902は、適合ステップ212の前に実行される。補正ステップ902は、双曲線回転行列を与える。
【0254】
=<ψ|ψ >を、双曲色空間における白色系iの白の「色」とする。座標[W ]に対するベクトルWiを、別の双曲色空間内に格納する。このようにして、ホワイトバランスマトリックスとしても知られる双曲線回転マトリックスΩを、以下の式で定義することができる。
【0255】
【数30】
【0256】
【数31】
【0257】
【数32】
【0258】
【数33】
【0259】
【数34】
【0260】
ここで、指数iは、考察されている表色系に対応する指数であり、指数1または2は、|ψ>により担持されるベクトル座標に対応する指数である。|ψ>は、他の表色系の双曲色空間により担持される(すなわち、考察されている系とは異なる双曲色空間、例えば、第2の双曲色空間より運ばれる)。
【0261】
図示しないが代替例としては、第2の表色系の白色点に欠陥がある可能性もある。この場合、適合ステップ212は、第2の表色系の双曲色空間206を補正するステップを含んでよい。
【0262】
こうして、白の点が変形したときの、表色系の双曲色空間を補正することが可能である。
【0263】
図10は、本発明による方法1000の一例示用の実施形態の概略図である。図10に示される方法1000は、図2図3、または図7に示される方法200または300または700のすべてのステップを含む。
【0264】
この例では、初期データ202は、未知の起源のものである。したがって、初期データが由来する表色系のスペクトル関数は未知である。さらに、表色系の少なくとも1つは、変形された白色点を含む。白色点の座標は未知である。
【0265】
図10に示される方法1000は、初期データ202における白点を測定するステップ、または第1の表色系および/または第2の表色系の白点を決定するステップを含む予備的な段階を含んでもよい。予備的な段階は、適合ステップ212の前に、および/または、適合ステップ212の後に、実行され得る。
【0266】
第1の表色系および/または第2の表色系が取得手段を含む場合、白色点は、第1の表色系および/または第2の表色系の前に拡散白を提供することによって決定され得る。
【0267】
また、更なる代替案としては、白色点測定ステップの白色点は、例えば、初期データ上の白色物体の位置を特定することにより、初期データから直接決定することができる。選択された白のオブジェクトに対応するピクセルは、白色の点に対応する。
【0268】
例として、上述した方法のうちの1つによって取得され、第2の表色系および/または第1の表色系の双曲色空間に変換された、R、G、B座標における白の座標は、以下のように示される。
【0269】
【数35】
【0270】
ここで、αは測定参照フレームを参照するときの指標であり、[r g b]は考察される表色系の測定参照フレーム内の白色点の値R、G、Bに対応し、Wは考察される表色系の測定参照フレーム内で測定される白色点の座標R、G、Bに対応する。
【0271】
考察されている表色系の測定参照フレーム内の白色点の座標から、双曲計量射影参照フレーム内の白色点の座標は、以下の関係式により与えられる:
【0272】
【数36】
【0273】
ここで、指数iは、考察されている表色系に対応する。Pは、考察されている系の双曲計量射影参照フレームにおける白色点の座標を表すために使用されるユークリッド回転行列である。
【0274】
この例では、非限定的な方法で、第2の表色系は、変形された白色点を含み得る。このようにして、方法1000は、第2の表色系からの白色点を測定するステップ1004を含む予備段階1002を含み得る。このステップは、適合ステップ212の前に実施され得る。このようにして、予備的な段階1002は、第2の表色系の双曲計量射影参照フレームにおける白色点Wの座標だけでなく、第2の色空間206を与えることができる。この例では、適合ステップは、図9で定義されているように、補正ステップ902を含む。第2の表色系の双曲色空間における白色点Wの座標は、数式Math 29に従って双曲線回転行列Ωを計算するために使用される。この例では、双曲線回転行列Ωは、適合ステップ212の伝達関数で使用される。したがって、この例では、適合ステップ212で使用される伝達関数は、双曲線回転行列Ωを含む。
【0275】
例えば、カメラとスクリーンとの間の双曲線回転行列について、両方のシステム間の対応関係は、理想的な観察者と、それに関連する双曲線色度モデルと、の観点から見ることができる。相関は、いくつかの表色系のうちの1つから理想的な観察者の双曲線モデルへの参照フレームの変化として計算することができ、その後、他の表色系への参照フレームの変化が続く。
【0276】
図11は、方法200、または300または700のいくつかの反復の概略図である。
【0277】
図2図3、および図7に示されている方法に対する違いのみが説明される。
【0278】
このサンプルでは、いくつかの初期データ202、202、202が示されている。初期データは、同様にまたは異なる方法で符号化され得る。この場合、すべての初期データ202、202、202は、R、G、B形式の画像である。
【0279】
方法200、方法300、または方法700は、初期データ202について各々反復される。方法200、または方法300、または方法700の反復回数は、初期データ202と同数存在する。
【0280】
この例では、3つの初期データ202が示されている。非限定的な方法では、方法200、または方法300、または方法700は、n、n、およびnで3回反復される。非限定的な例として、初期データはいくつかの要素602(すなわち、いくつかの画素)で構成される。したがって、方法200、または方法300、または方法700の各反復では、初期データ202の各要素602について、変換ステップ208および適合ステップ212が反復される。
【0281】
非限定的な方法で、初期データ202の射影データ210は、第2の表色系と呼ばれるいくつかの表色系に送信される。
【0282】
方法200、方法300、または方法700のそれぞれの反復n、n、およびnで、初期データ202が、射影データ210に射影される。射影データ210は、次いで、いくつかの適合されたデータ214に変換される。この実例では、射影データ210は、3つの適合データ214、214、および214に変換される。第2の表色系と同じ数の適応データ214が存在する。こうして、方法200、または方法300、または方法700の各反復について、本方法は、3つの適合されたデータ214を提供する。214と番号付けされた適合データは、206と記された双曲色空間を構成する第2の表色系に送信される適合データ214に対応する。214と番号付けされた適合データは、206と記された双曲色空間を構成する第2の表色系に送信される適合データ214に対応する。214と番号付けされた適合データは、206と記された双曲色空間を構成する第2の表色系に送信される適合データ214に対応する。
【0283】
非限定的な例として、第2の表色系はスクリーンである。このようにして、方法1100は、R、G、B空間内で符号化された複数の画像を、双曲色空間を有するいくつかのスクリーンに送ることを示す。
【0284】
図12は、本発明によるデバイス1200の第1の例の概略図である。
【0285】
デバイス1200は、例えば、計算機ユニット1200であってもよい。また、デバイス1200は、コンピュータ内に含まれても良い。
【0286】
方法200または方法900を実装するように構成されたデバイス1200は、以下を含む:
- 第1の表色系の色空間において初期データ202のすべての要素602を表現することによって、初期データ202を射影データ210に変換するように構成された変換モジュール1202、および
- ・第1の表色系および第2の表色系の色空間を関連付ける伝達関数を用いることによって、第2の表色系の双曲色空間におけるすべての要素602を表現することによって、射影データ210を、データの適合された部分214に適合させるように構成された適合モジュール1204。
【0287】
デバイス1200は、方法200の1つまたは複数の反復を実装するように構成される。
【0288】
変換モジュール1202は、変換ステップ208の参照フレーム変更ステップを実施するための参照フレーム変更モジュール1206を有していてもよい。
【0289】
装置1200は、双曲線回転マトリックスΩを用いることによって、第1の表色系および/または第2の表色系の双曲色空間を補正するように構成された補正モジュール1208を選択的に備え得る。補正モジュールは、補正ステップ902を実行するように構成され、および/またはプログラムされる。
【0290】
図13は、本発明によるデバイス1300の第2の例の概略図である。デバイス1300は、デバイス1200のすべての要素を含む。
【0291】
デバイス1300は、例えば、計算機ユニット1300であってもよい。デバイス1300は、コンピュータ内に含まれ得る。
【0292】
装置1300は、方法200または方法300または方法700または方法900または方法1000を実現するために配置され、第1の表色系のスペクトル関数|α>から第1の表色系の双曲色空間204を設計するように構成された設計モジュール1302と、第2の表色系のスペクトル関数|α>から第2の表色系の双曲色空間206を設計するように構成された設計モジュール1304をさらに備える。
【0293】
図示されていない1つの代替形態では、本発明による方法に含まれるすべての表色系の双曲色空間を設計するために、単一の設計モジュールが使用される。図示されていない他の代替形態では、デバイス1300は、本発明による方法に含まれる表色系と同じ数の設計モジュールを含んでよい。したがって、各設計モジュールは、どの表色系にも関連付けられ得る。
【0294】
非限定的な例として、各設計モジュールは、較正ステップ706、708を実施するように構成された較正モジュールに含まれてよい。
【0295】
図14は、本発明によるデバイス1400の一例の概略図である。デバイス1400は、図12または13に示されるデバイス1200または1300を含む。
【0296】
デバイス1400は、非限定的な例として、第1の表色系1402を含む。第1の表色系1402は、少なくとも1つの画像を取得するように構成された取得手段1402である。この例では、取得手段1402によって取得された少なくとも1つの画像は、少なくとも1つの初期データ202に関連付けられる。取得手段は、204で示される第1の双曲色空間と称される双曲色空間を含む。
【0297】
デバイス1400は、この例では、第2の表色系1404を含む。第2の表色系1404は、取得手段により取得された画像を表示するように構成された表示手段1404である。表示手段によって表示された画像は、適合データ214に関連付けられる。表示手段は、206で示される第2の双曲色空間と称される双曲色空間を含む。
【0298】
第1の色空間204および第2の色空間206は、図3図4図5図7図8図9図10で説明されているように、既知であるか、または設計および/または測定され得る。
【0299】
図15は、本発明によるデバイス1500の一例の概略図である。デバイス1500は、図12または図13に示されるデバイス1200またはデバイス1300を含む。
【0300】
デバイス1400との違いのみを説明する。この実例では、デバイス1500は、1404、1404、1404と呼ばれるいくつかの第2の色度測定系を備える。非限定的な例として、第2の表色系1404は表示手段1404である。各第2の表色系1404は、それ自体の双曲色空間206を含む。各第2の色空間206は、図3図4図5図7図8図9図10に記載されるように、既知または設計および/または測定され得る。射影データ210は、それぞれの第2の表色系双曲色空間1404、1404、1404に適合される。こうして、デバイス1200またはデバイス1300は、各第2の表色系1404に関する適合データ214を与える。このサンプルでは、適合データ214が、第2の表色系1404に提供される。適合データ214は、第2の色度測定系1404に提供される。適合データ214は、第2の色度測定系1404に提供される。適合された各データ214は、それが表示される第2の表色系のスペクトル特性に依存する。
【0301】
この例では、各表示手段は、それに関連する適合画像214を表示するように構成される。
【0302】
当然ながら、本発明は、上述した数々の例に限定されることはない。上述した本発明の範囲から逸脱することなく、これらの例に多くの変更を加えることができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】