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特表2024-5252322,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む医薬組成物
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  • 特表-2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む医薬組成物 図1
  • 特表-2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む医薬組成物 図2
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  • 特表-2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む医薬組成物 図5b
  • 特表-2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む医薬組成物 図5c
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-10
(54)【発明の名称】2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/122 20060101AFI20240703BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240703BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240703BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20240703BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240703BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61K31/122
A61P25/00
A61P25/28
A61P1/16
A61P9/00
A61P21/00
A61K47/14
A61K47/26
A61K47/44
A61K9/48
A61P9/10
A61P25/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501100
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 US2022036589
(87)【国際公開番号】W WO2023283466
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/219,784
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】524009082
【氏名又は名称】ピーティーシー セラピューティクス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118371
【弁理士】
【氏名又は名称】▲駒▼谷 剛志
(72)【発明者】
【氏名】ピンナマネニ、スワティ
(72)【発明者】
【氏名】ダリ、マンダール ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】パテル、ダヴァル
(72)【発明者】
【氏名】ウディン、アクム ナシル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA14
4C076AA54
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC16
4C076DD09
4C076DD46
4C076EE23
4C076EE51
4C076EE53
4C076FF36
4C076FF63
4C076GG45
4C076GG46
4C206AA01
4C206AA02
4C206CB27
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA36
4C206MA57
4C206MA72
4C206NA03
4C206ZA02
4C206ZA15
4C206ZA16
4C206ZA75
4C206ZA94
(57)【要約】
本明細書において開示するのは、化合物1、および/またはそのヒドロキノン形態の医薬組成物、並びにそのような医薬組成物を使用する対象における、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、および肝損傷などの疾患若しくは障害を治療するまたは抑制するのに有用な方法である。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)約48重量/重量%から約70重量/重量%の薬学的に許容される油、約12重量/重量%から約25重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、および約8重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80;
b)約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1:
【化1】

および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬組成物。
【請求項2】
a)約52重量/重量%から約65重量/重量%の薬学的に許容される油、約17重量/重量%から約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、および約13重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80;
b)約1重量/重量%から約12重量/重量%の化合物1:
【化2】

および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約12重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、請求項1の医薬組成物。
【請求項3】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約55~75重量部の薬学的に許容される油、
約15~25重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約10~20重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が重量で55~75:15~25:10~20であり;および
該薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比における該部が、合計で100となる、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項4】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約60~65重量部の薬学的に許容される油、
約20~25重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約15~20重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が60~65:20~25:15~20であり;および
該薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比における該部が、合計で100となる、請求項1~3のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項5】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約60重量部の薬学的に許容される油、
約20重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約20重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が60:20:20である、請求項1~4のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項6】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約65重量部の薬学的に許容される油、
約20重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約15重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が60:20:15である、請求項1~4のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される油が、
Labrafac様油(Labrafac WL 1349またはLabrafac PG)、ゴマ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、およびコーン油:の1つ以上からなる群から選択されるか;または
Labrafac様油(Labrafac WL 1349またはLabrafac PG)、綿実油、大豆油、およびコーン油:の1つ以上からなる群から選択され;並びに
任意に、1つの薬学的に許容される油が選択される、請求項1~6のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項8】
薬学的に許容される油がLabrafac様油(Labrafac WL 1349またはLabrafac PG)である、請求項1~7のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項9】
薬学的に許容される油がゴマ油である、請求項1~7のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項10】
薬学的に許容される油が大豆油である、請求項1~7のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容される油がLabrafac WL 1349である、請求項1~7のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項12】
薬学的に許容される油がオリーブ油である、請求項1~7のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項13】
薬学的に許容される油がコーン油である、請求項1~7のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項14】
薬学的に許容される油が綿実油である、請求項1~7のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項15】
ラウリン酸プロピレングリコール組成物がLauroglycol 90である、請求項1~14のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項16】
ポリソルベート80がTween 80である、請求項1~15のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項17】
医薬組成物が、約1重量/重量%から約12重量/重量%、約4重量/重量%から約12重量/重量%、または約5重量/重量%から約10重量/重量%の化合物1を含む、請求項1~16のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項18】
医薬組成物が、約5重量/重量%、約6重量/重量%、約7重量/重量%、約8重量/重量%、約9重量/重量%、または約10重量/重量%の化合物1を含む、請求項1~17のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項19】
医薬組成物が約5重量/重量%の化合物1を含む、請求項1~18のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項20】
医薬組成物が約6重量/重量%の化合物1を含む、請求項1~18のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項21】
医薬組成物が約10重量/重量%の化合物1を含む、請求項1~18のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項22】
医薬組成物が、該組成物中に約50mgから約120mgの化合物1を、該組成物中に約50mgから約100mgの化合物1を、該組成物中に約60mgから約100mgの化合物1を、該組成物中に約100mgから約120mgの化合物1を、該組成物中に約50mgの化合物1を、該組成物中に約60mgの化合物1を、または該組成物中に約100mgの化合物1を含有する、請求項1~21のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項23】
医薬組成物が、約15℃から約25℃でまたは約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約3ヶ月、または少なくとも約6ヶ月の期間保存したときに、安定である、請求項1~22の医薬組成物。
【請求項24】
医薬組成物が、約15℃から約25℃でまたは約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない、請求項1~22のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項25】
医薬組成物が、約15℃から約25℃でまたは約25℃および約60%の相対湿度で、少なくとも約1ヶ月または少なくとも約6ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない、請求項1~22のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項26】
医薬組成物が、約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない、請求項1~22のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項27】
約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約3ヶ月間保存したときに、総不純物レベルが初期の総不純物レベルから後の総不純物レベルまで25%以下増加し、任意にここで、該初期の総不純物レベルは、医薬組成物が調製される日に、およびそれが調製されるのと同じ日にそれが保存される前に測定され、並びに、該後の総不純物レベルは、保存約3ヶ月後に試験される、請求項1~26のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項28】
後の総不純物レベルが、約1%以下、約0.5%以下、または約0.4%以下である、請求項1~27のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項29】
医薬組成物が、約15℃から25℃でまたは約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の効力から効力における約2%以下の変化を示し、任意にここで、該初期の効力は、医薬組成物が調製される日に、およびそれが調製されるのと同じ日にそれが保存される前に測定される、請求項27または28の医薬組成物。
【請求項30】
医薬組成物が、約15℃から25℃でまたは約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の分解レベルから約1%以下の分解を示し、任意にここで、該初期の分解レベルは、医薬組成物が調製される日に、およびそれが調製されるのと同じ日にそれが保存される前に測定される、請求項27または28の医薬組成物。
【請求項31】
医薬組成物が、約5℃で少なくとも約4週間の期間保存したときに、安定である、請求項1~22のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項32】
b)が、
【化3】

またはその水和物およびその溶媒和物からなる群から選択される1つ以上のメンバーである、請求項1~31のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項33】
b)が
【化4】

である、請求項1~32のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項34】
b)が、
【化5】

のヒドロキノン形態、またはその水和物、およびその溶媒和物からなる群から選択される1つ以上のメンバーである、請求項1~31のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項35】
b)が
【化6】

のヒドロキノン形態である、請求項1~31、および34のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項36】
医薬組成物が経口医薬組成物である、請求項1~35のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項37】
経口医薬組成物がカプセル中にある、請求項36の医薬組成物。
【請求項38】
カプセルがハードゼラチンカプセルである、請求項37の医薬組成物。
【請求項39】
ハードゼラチンカプセルのゼラチン中の任意の水分含量が、約1ヶ月、約1ヶ月以上、約3ヶ月、または約3ヶ月以上の間保存したときに、約20%以下、約10%から約20%、または約11%から約16%である、請求項40の医薬組成物。
【請求項40】
経口医薬組成物が溶液である、請求項1~36の医薬組成物。
【請求項41】
医薬組成物が、試験用低脂肪食品とともに投与されたときに、試験用中脂肪食品とともに投与されたときのバイオアベイラビリティと約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、または約65%以下のパーセンテージ差で異なるバイオアベイラビリティを有し、任意にここで、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(好ましくは、Labrafac WL 1349)であり、ラウリン酸プロピレングリコール組成物は、Lauroglycol 90であり、ポリソルベート80はTween 80であり、さらに任意にここで、該薬学的に許容される油と該ラウリン酸プロピレングリコール組成物と該ポリソルベート80との重量比は、約65:20:15である、請求項36~40のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項42】
試験用中脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが、約45%から約55%、約40から約50%、約49%であり;任意にここで、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(好ましくは、Labrafac WL 1349)であり、ラウリン酸プロピレングリコール組成物は、Lauroglycol 90であり、ポリソルベート80は、Tween 80であり、さらに任意にここで、該Labrafac様油(好ましくは、Labrafac WL 1349)と該Lauroglycol 90と該ポリソルベート80との重量比は、約60:20:20である、請求項36~40のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項43】
試験用低脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが、約10%から約15%、いくつかの実施態様においては、約13%であり;任意にここで、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(好ましくは、Labrafac WL 1349)であり、ラウリン酸プロピレングリコール組成物は、Lauroglycol 90であり、ポリソルベート80は、Tween 80であり、さらに任意にここで、該薬学的に許容される油と該ラウリン酸プロピレングリコール組成物と該ポリソルベート80との重量比は、約60:20:20である、請求項36~40および42の医薬組成物。
【請求項44】
試験用中脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが、約15%から約40%、25%から約35%、約29%であり;任意にここで、薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との重量比は、約65:20:15であり;およびさらに任意にここで、該薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349またはLabrafac PG)、綿実油、大豆油、オリーブ油、またはコーン油であり;該ラウリン酸プロピレングリコール組成物は、Lauroglycol 90であり;ポリソルベート80は、Tween 80である、請求項36~40のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項45】
試験用低脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが、約10%から約15%、いくつかの実施態様においては、約14%であり;任意にここで、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(好ましくは、Labrafac WL 1349)であり、ラウリン酸プロピレングリコール組成物は、Lauroglycol 90であり、ポリソルベート80はTween 80であり;さらに任意にここで、該薬学的に許容される油と該ラウリン酸プロピレングリコール組成物と該ポリソルベート80との重量比は、約65:20:15である、請求項36~40および44の医薬組成物。
【請求項46】
医薬組成物が香味料を含む、請求項1~45のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項47】
香味料の量が1%重量/重量%未満である、請求項1~46の医薬組成物。
【請求項48】
香味料が、天然香料、天然フルーツ香料、人工香料、人工フルーツ香料、香料増強剤およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項46および47の医薬組成物。
【請求項49】
香味料が油溶性である、請求項46~48のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項50】
香味料が、ラズベリー、パンチ、チェリー、イチゴ、およびブルーベリーからなる群から選択される香料を有する、請求項46~49のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項51】
香味料が、ラズベリー、パンチ、チェリー、イチゴ、およびブルーベリーからなる群から選択される香りを有する、請求項46~50のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項52】
医薬組成物が香味料を含まない、請求項1~45のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項53】
医薬組成物が経皮医薬組成物である、請求項1~35のいずれか一項の医薬組成物。
【請求項54】
工程a)約48重量/重量%から約70重量/重量%の薬学的に許容される油、約12重量/重量%から約25重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、約8重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80、および0重量/重量%から約2%重量/重量%の任意の香味料を混合すること;
工程b)約1重量/重量%から約15%、の化合物1および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1および/またはそのヒドロキノン形態は任意に、その水和物および/または溶媒和物である)を;工程a)からの混合物に添加して混合すること
を含み、
並びにここで、該化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の何らの水の重量もまたは該溶媒和物中の溶媒の重量を含まず、および
化合物1、、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、請求項1~53のいずれか一項の医薬組成物を製造する方法。
【請求項55】
工程b)が室温で起こる、請求項54の方法。
【請求項56】
工程b)における化合物1が2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの無水物の多形体であって、ここで、該多形体についての粉末X線回折パターンは、少なくとも以下の角度位置に特徴的なピークを含み、ここで、該角度位置は、±0.2だけ変動し得:4.10、12.12、および16.14であり、該特徴的なピークは、1.540598Åの波長のCuKα1線源で、および室温でまたは23~25℃の温度で、測定される、請求項54または55の方法。
【請求項57】
混合が、透明な製剤溶液が形成されるまで起こる、請求項54~56のいずれか一項の方法。
【請求項58】
溶液が、化合物1の結晶の不存在について目視でおよび顕微鏡下で評価される、請求項57の方法。
【請求項59】
化合物1が、遮光または黄色光下で添加されおよび混合される、請求項54~58のいずれか一項の方法。
【請求項60】
請求項54~58のいずれか一項の方法により製造される医薬組成物。
【請求項61】
請求項1~53のいずれか一項の医薬組成物または請求項60の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害からなる群から選択される疾患若しくは障害を治療するまたは抑制する方法。
【請求項62】
α-シヌクレイン症が:パーキンソン病(特発性および遺伝性)、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、多系統萎縮症(MSA)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症(DLB)、ゴーシェ病(GD)、脳鉄蓄積を伴う神経変性(NBIA)、および神経軸索ジストロフィー(PLA2G6関連神経変性)からなる群から選択される、請求項61の方法。
【請求項63】
パーキンソン病が、患者が以下の遺伝子:MAPT(微小管関連タンパク質タウ)、PRKN(パーキン)、PINK1(PINK1)、LRRK2(ロイシン-リッチリピートキナーゼ2)、GBA(グルコセレブロシダーゼ)、SNCA(アルファシヌクレイン)、PARK7(DJ-1)、および/またはUCHL1(ユビキチンカルボキシル末端エステラーゼL1)の1つ以上において突然変異を有するものである、請求項62の方法。
【請求項64】
タウオパチーが:アルツハイマー病、拳闘士認知症、グアム筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム-認知症(Guam ALS/PD)、ピック病、好銀性穀物認知症、ニーマンピックC型、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、皮質脳節変性症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、後脳炎性パーキンソニズム(PEP)、および常染色体劣性パーキンソニズムからなる群から選択される、請求項61の方法。
【請求項65】
肝疾患が、NASH/NAFL、小児NAFLD、アルコール性肝炎、胆汁うっ滞性肝疾患、ウイルス性肝炎、薬物誘導性肝毒性、血色素症、ウィルソン病、肝移植再灌流傷害、肝機能不全(ここで、該肝機能不全は、傷害、SIRS、敗血症、または深刻な疾患に起因する);並びにシスプラチン誘導性肝毒性およびアセトアミノフェン誘導性肝毒性などの、薬物誘導性肝毒性からなる群から選択される、請求項61の方法。
【請求項66】
自閉症スペクトラム障害または広汎性発達障害が、自閉症障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、レット症候群(RTT)、特定不能PDD(PDD-NOS)、および注意欠陥/多動性障害(ADHD)からなる群から選択される、請求項61の方法。
【請求項67】
再灌流傷害が、心臓再灌流傷害、腎臓再灌流傷害、および脳卒中からなる群から選択される、請求項61の方法。
【請求項68】
医薬組成物が経口投与される、請求項61~67のいずれか一項の方法。
【請求項69】
医薬組成物が、少なくとも24週間または少なくとも28週間投与される、請求項61~68のいずれか一項の方法。
【請求項70】
医薬組成物が、150mg BIDおよび250mg BIDから選択される用量で投与される、請求項69の方法。
【請求項71】
医薬組成物が1日あたり合計10カプセルの用量で投与され、ここで、各カプセル中の化合物1の重量は、50mgである、請求項70の方法。
【請求項72】
医薬組成物が1日あたり合計6カプセルの用量で投与され、ここで、各カプセル中の化合物1の重量は、50mgである、請求項70の方法。
【請求項73】
患者が、緊急の重篤な有害事象(TEAE)を何ら経験していない、医薬組成物の中止につながるTEAEが何らない、および/または死につながるTEAEが何らない、請求項61~72のいずれか一項の方法。
【請求項74】
医薬組成物が、1日あたり約100mgから約1000mgの範囲の用量で少なくとも14日の期間投与される、請求項61~68のいずれか一項の方法。
【請求項75】
医薬組成物が任意の香味料を含まず、かつ医薬組成物が食品中でまたは食品とともに投与される、請求項61~74のいずれか一項の方法。
【請求項76】
食品が低脂肪食品または中脂肪食品である、請求項75の方法。
【請求項77】
食品が低脂肪食品である、請求項76の方法。
【請求項78】
食品が中脂肪食品である、請求項76の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2021年7月8日に出願された米国仮出願第63/219,784号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本明細書において提供するのは、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(化合物1)、および/またはそのヒドロキノン形態の医薬組成物(ここで、化合物1は任意に、その水和物、および/または溶媒和物として提供される)、並びにそのような医薬組成物を使用する対象における、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害などの疾患若しくは障害を治療するまたは抑制するのに有用な方法である。
【背景技術】
【0003】
背景
米国公開第2007/0072943号は、特定のキノン化合物、医薬組成物、および特定のミトコンドリア障害を治療する方法を記載する。米国公開第2010/0063161号は、化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン、医薬組成物、並びに広汎性発達障害および注意欠陥多動性障害(ADHD)を治療するための方法を記載する。米国公開第米国公開第2020/0121618号は、炎症および/または酸化ストレスによって引き起こされ損傷に対して生体系を治療するまたは保護するのに有用な、化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン、組成物および方法を記載する。米国特許第11,174,212B2号は、α-シヌクレイン症、タウオパチー、ALS、外傷性脳損傷、および再灌流傷害からなる群からから選択される障害を治療するまたは抑制するのに有用な、化合物2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの多形体、組成物および方法を記載する。
【0004】
自己乳化型ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)は、油、界面活性剤、共界面活性剤、および可溶化された化合物の混合物である、脂質ベースの製剤である。SEDDSは、劣った水溶解度を有する高度に親油性の化合物の経口吸収を改善する重要な方法である。経口投与に続いて、SEDDSは、自発的に乳化し、急速に胃腸液中で分散し、可溶化された化合物を含有するマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンを生じる。
【0005】
必要とされているのは、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンを含む医薬組成物、例えば、SEDDS製剤である。本明細書において提供する医薬組成物は、観察される食品によるプラスの効果の良好な緩和、良好なバイオアベイラビリティ、保存したときに複屈折が何らないこと、保存中に2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの分解がほとんどまたは全くないこと、および/または効力における低下がほとんどまたは全くないことを示す。
【発明の概要】
【0006】
概要
第1の態様においては、本明細書において提供するのは、
a)約48重量/重量%から約70重量/重量%の薬学的に許容される油、約12重量/重量%から約25重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、および約8重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80;
b)約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1:
【0007】
【化1】
【0008】
および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬組成物である。
【0009】
第2の態様においては、本明細書において提供するのは、
工程a)約48重量/重量%から約70重量/重量%の薬学的に許容される油、約12重量/重量%から約25重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、約8重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80組成物、および0重量/重量%から約2%重量/重量%の任意の香味料を混合すること;
工程b)約1重量/重量%から約15%、の化合物1および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1および/またはそのヒドロキノン形態は任意に、その水和物および/または溶媒和物である)を;工程a)からの混合物に添加して混合すること
を含み、
並びにここで、該化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の何らの水の重量もまたは該溶媒和物中の溶媒の重量を含まず、および
化合物1、、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬品製剤を製造する方法である。
【0010】
第3の態様においては、本明細書において提供するのは、本明細書において記載する医薬組成物(単数)または医薬組成物(複数)を使用する方法である。いくつかの実施態様においては、該方法は、そのような医薬組成物を使用する対象における、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害などの疾患若しくは障害を治療するまたは抑制するのに有用である。
【0011】
第4の態様においては、本明細書において提供するのは、
a)約85重量/重量%から約99重量/重量%の薬学的に許容される油;
b)約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1:
【0012】
【化2】
【0013】
および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬組成物である。
【0014】
第5の態様においては、本明細書において提供するのは、
a)約48重量/重量%から約70重量/重量%の薬学的に許容される油、約12重量/重量%から約25重量/重量%の共界面活性剤、および約8重量/重量%から約20重量/重量%の界面活性剤;
b)約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1:
【0015】
【化3】
【0016】
および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該界面活性剤、該共界面活性剤、および該任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬組成物である。
【0017】
第6の態様においては、本明細書において提供するのは、
a)約65重量/重量%から約80重量/重量%のGelucire様油、約8重量/重量%から約10重量/重量%のTPGSのような賦形剤、および約8重量/重量%から約10重量/重量%のポリソルベート80;
b)約1重量/重量%から約17重量/重量%若しくは約1重量/重量%から約13重量/重量%若しくは約1重量/重量%から約10重量/重量%の化合物1:
【0018】
【化4】
【0019】
および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該界面活性剤、該共界面活性剤、および該任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施例4において記載する化合物1のGelucire 44/14ベースの製剤についての偏光顕微鏡下での物理的安定性を示す。
図2図2は、実施例4において記載する化合物1のLabrafac WL 1349ベースの製剤についての偏光顕微鏡下での物理的安定性を示す。
図3図3は、実施例10において記載するサルにおける製剤についてのサルのPKプロファイルを示す。
図4a図4aは、実施例10において記載するSEDDS製剤1~6についてのサルのPKプロファイル(全ての製剤 最初の8時間、線形スケール)。
図4b図4bは、実施例10において記載するSEDDS製剤1~6についてのサルのPKプロファイル(全ての製剤、線形スケール)を示す。
図4c図4cは、実施例10において記載するSEDDS製剤1~6についてのサルのPKプロファイルを示す。
図5a図5aは、実施例10において記載するSEDDS製剤1~6のサルのPKパラメータの比較-T1/2を示す。
図5b図5bは、実施例10において記載するSEDDS製剤1~6のサルのPKパラメータの比較-CMaxを示す。
図5c図5cは、実施例10において記載するSEDDS製剤1~6のサルのPKパラメータの比較-AUCLastを示す。
図6図6は、実施例11において記載するハードゼラチンカプセル中の液体製剤またはその成分の吸湿性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
本開示は、化合物1、および/またはそのヒドロキノン形態の医薬組成物、並びにそのような医薬組成物を使用する対象における、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害などの疾患若しくは障害を治療するまたは抑制するのに有用な方法を提供する。
【0022】
定義
本明細書において提供する化合物に言及するとき、以下の用語は、他に示さない限り、以下の意味を有する。他に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書における用語について複数の定義がある事案においては、他に明言しない限り、このセクションにおけるものが優先する。
【0023】
本明細書における単数形の使用は、そうでないことを明示的に述べていない限り、または文脈からそのようなものを意図していないことが明らかでない限り、複数形を含み、逆もまた同様である。すなわち、「a」および「the」は、該単語が修飾するものが何であれその1つ以上を指す。例えば、「治療剤(単数形)」は、1つの治療剤、2つの治療剤等を含む。同様に、「カプセル(単数形)」は、1つ、2つまたはそれ以上のカプセルを指し得、「疾患(単数形)」は、1つの疾患または複数の疾患を意味し得る。さらに、限定なしに、「カプセル(複数形)」および「治療剤(複数形)」などの単語は、再び、明示的に述べていない限りまたは文脈からそのようなものを意図していないことが明らかでない限り、1つのカプセルまたは1つの治療剤並びに複数のカプセルまたは複数の治療剤を指すであろう。
【0024】
本明細書において使用する場合、他に具体的に定義しない限り、温度、用量、量、または組成物若しくは剤形の成分の重量パーセントなどのさまざまな用語に関連して使用するとき、限定なしに、「約」、「本質的に」、「実質的に」などの近似の単語は、例えば、特定の温度用量、量、または重量パーセントから得られる効果と同等の効果を提供すると当業者によって認識される温度、用量、量、または重量パーセントを意味する。具体的には、用語「約」および「おおよそ」は、この文脈において使用するとき、特定の温度、用量、量、または重量パーセント等の15%以内、10%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内、または0.5%以内の温度、用量、量、または重量パーセント等を企図する。さらに、範囲または数が「約」で表される、本明細書における実施態様のいずれも、すなわち「約48重量/重量%から約70重量/重量%」は、「約」を記載しない範囲または数、すなわち「48重量/重量%から70重量/重量%」で置き換えることができる。
【0025】
本明細書において使用する場合、提示するいかなる範囲も、終点を含む。例えば、「10℃と30℃との間の温度」または「10℃から30℃の温度」は、10℃および30℃、並びにその間の任意の特定の温度を含む。同様に、20℃±10℃の温度は、「10℃と30℃との間の温度」と同じ範囲をカバーするであろう。
【0026】
「アルファ-シヌクレイン」および「α-シヌクレイン」は、本明細書においては互換的に使用する。
【0027】
本明細書において使用する場合、「複屈折結晶」は、非立方晶系結晶を指す。
【0028】
「ヒドロキノン形態」は、キノン環の2電子還元がもたらされ、2つのオキソ基の2つのヒドロキシ基への正味変換を提供するときの化合物の形態を示す。例えば、キノン化合物:
【0029】
【化5】
【0030】
のヒドロキノン形態は、以下の:
【0031】
【化6】
【0032】
である。
【0033】
本明細書において使用する「初期の効力」は、医薬組成物を調製する日、およびそれを調製するのと同じ日にそれを保存する前に測定する。
【0034】
本明細書において使用する「初期の総不純物レベル」は、医薬組成物を調製する日、およびそれを調製するのと同じ日に、それを保存する前に測定する。
【0035】
本明細書において使用する「初期の分解レベル」は、医薬組成物を調製する日、およびそれを調製するのと同じ日にそれを保存する前に測定する。
【0036】
本明細書において使用する場合、「Gelucire様油」は、ラウリン酸(C12)の少量のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド並びに主にPEG-32(MW 1500)モノエステルおよびジエステルを含む組成物を指す。いくつかのまたは任意の実施態様においては、Gelucire様油は、ラウリン酸(C12)の少量のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド並びに主にPEG-32(MW 1500)モノエステルおよびジエステルからなる組成物を指す。いくつかのまたは任意の実施態様においては、Gelucire様油は、Gelucire 44/14である。
【0037】
本明細書において使用する「Labrafac様油」は、1のHLBを有する、分画された植物性C脂肪酸およびC10脂肪酸の中鎖トリグリセリドの油(主に分画されたココナッツ油またはパーム核油)を指す。いくつかの実施態様においては、Labrafacブランド油は、中鎖トリグリセリドを含む別の油で置き換えることができる。いくつかのまたは任意の実施態様においては、Labrafac様油は、Labrafac WL 1349(あるいはLabrafac Lipophile WL 1349とも呼ばれる)またはLabrafac PGを意味する。いくつかのまたは任意の実施態様においては、Labrafac様油は、Labrafac WL 1349を意味する。いくつかのまたは任意の実施態様においては、Labrafac様油は、Labrafac PGを意味する。
【0038】
本明細書において使用する「ラウリン酸プロピレングリコール組成物」は、HLB値3を有する、主にモノエステルおよび少量のジエステルから構成される、ラウリン酸(C12)のプロピレングリコールモノエステルおよびジエステルを含む組成物を指し、非イオン性水不溶性共界面活性剤として使用することができる。いくつかの実施態様においては、ラウリン酸プロピレングリコール組成物は、主にモノエステルおよび少量のジエステルから構成される、ラウリン酸(C12)のプロピレングリコールモノエステルおよびジエステルからなる。いくつかの実施態様においては、ラウリン酸プロピレングリコール組成物は、Lauroglycol 90である。他の実施態様においては、当業者は、Lauroglycol 90を、例えばCapmul PG-12を含む、別のラウリン酸プロピレングリコール組成物で置き換えることができることを認識するであろう。
【0039】
本明細書において使用する「ポリソルベート80」は、乳化剤として使用することができる、親水性、吸湿性、非イオン性界面活性剤である、20単位のオキシエチレンを含有するポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを指す。いくつかの実施態様においては、ポリソルベートは、Tween 80である。他の実施態様においては、当業者は、Tween 80を別のポリソルベート80で置き換えることができることを認識するであろう。
【0040】
本明細書において使用する「試験用低脂肪食品」は、いくつかの実施態様においては、11.4%の脂肪(カロリーによる);いくつかの実施態様においては、15%の脂肪(カロリーによる)を有する食品を指す。一つの例を、実施例10において提供する。「試験用低脂肪食品」の調製を、実施例13aにおいて提供する。「試験用低脂肪食品」は、単品の食物として提供し得るかまたは食事の形態で提供し得る。
【0041】
本明細書において使用する「試験用中脂肪食品」は、いくつかの実施態様においては、37.9%の脂肪(カロリーによる);いくつかの実施態様においては、38%の脂肪(カロリーによる)を有する食品を指す。一つの例を、実施例10において提供する。「試験用中脂肪食品」の調製を、実施例13bにおいて提供する。「試験用中脂肪食品」は、単品の食物として提供し得るかまたは食事の形態で提供し得る。
【0042】
本明細書において使用する「低脂肪食品」は、25%以下の脂肪(カロリーによる)、約100~125kcal以下(400~500kcalの総食事に基づく)、いくつかの実施態様においては11.4%の脂肪(カロリーによる);いくつかの実施態様においては、15%の脂肪(カロリーによる)を有する食品を指す。「低脂肪食品」は、単品の食物として提供し得るかまたは食事の形態で提供し得る。
【0043】
本明細書において使用する「中脂肪食品」は、25~50%の脂肪(カロリーによる)、いくつかの実施態様においては、37.9%の脂肪(カロリーによる);いくつかの実施態様においては、38%の脂肪(カロリーによる)を有する食品を指す。一つの例を、表22の直後の段落[00213]において提供する。別の例を、実施例13bにおいて提供する。「中脂肪食品」は、単品の食物として提供し得るかまたは食事の形態で提供し得る。
【0044】
本明細書において使用する「高脂肪食品」は、50%以上の脂肪(カロリーによる)、約500~600kcal以上(800~1000kcalの総食事に基づく)を有する食品を指す。「高脂肪食品」は、単品の食物として提供し得るかまたは食事の形態で提供し得る。
【0045】
本明細書において使用する用語「薬学的に許容される油」は、ヒトによって経口的に消費することができるGMPグレードの油である。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、室温で化合物1を可溶化するものである。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、ゴマ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、およびコーン油からなる群の1つ以上から選択される。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、綿実油、大豆油、オリーブ油、およびコーン油からなる群の1つ以上から選択される。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、ゴマ油、綿実油、大豆油、およびコーン油からなる群の1つ以上から選択される。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、綿実油、大豆油、およびコーン油からなる群の1つ以上から選択される。いくつかのまたは任意の実施態様においては、1つの薬学的に許容される油が、選択される。
【0046】
本明細書において使用する効力=(100%-HPLCによる総不純物)×(100%-水分含量%-総残留溶媒%-強熱時の残留物%)。効力は、以下のように計算し得る(HPLCによる%面積純度/100)*(100-重量/重量%水分含量(KF)-重量/重量%残留溶媒-重量/重量%=強熱時の残留物(ROI))。さまざまな実施態様においては、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力は、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.5%である。
【0047】
本明細書において使用する「溶媒和物」は、非共有結合性分子間力によって結合された化学量論的または非化学量論的量の溶媒をさらに含む、本明細書において記載する化合物を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は、水和物である。
【0048】
本明細書において使用する用語「製剤化する」は、哺乳類患者、いくつかの実施態様においては、ヒトへの経口または経皮投与に適した形態での薬物、例えば、化合物1の調製を指す。すなわち、「製剤」は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体の添加を含み得る。
【0049】
医薬組成物は、単位用量製剤を含み得、ここで、該単位用量は、治療効果を有するのに十分な用量である。
【0050】
「安定な医薬組成物」によって、医薬品としての有用性を有するのに十分な安定性を有する任意の医薬組成物が、意味される。いくつかの実施態様においては、安定な医薬組成物は、使いやすい温度、いくつかの実施態様においては、-20℃と40℃との間、いくつかの実施態様においては、約2℃から約30℃での、合理的な期間、例えば、1ヶ月と短くもあり得るが、典型的には6ヶ月以上、いくつかの実施態様においては、1年以上、いくつかの実施態様においては、24ヶ月以上、およびいくつかの実施態様においては、36ヶ月以上である、製品の保存期間の保存を可能にするのに十分な安定性を有する。保存期間または有効期間は、有効成分が90%の純度未満の点まで分解する時間の長さであり得る。本説明の目的については、安定な医薬組成物は、本明細書において記載する特定の範囲の不純物を有する医薬組成物への言及を含む。いくつかの実施態様においては、安定な医薬組成物は、活性成分の最小限の分解を有するものであり、例えば、それは、2~30℃での2~3年の期間の保存後に、未分解の活性の少なくとも約85%、いくつかの実施態様においては、少なくとも約90%、およびいくつかの実施態様においては、少なくとも約95%を保持する。
【0051】
本明細書において使用する用語「薬学的に許容される」は、薬学的に許容されるもの、例えば、医薬組成物の、容器を含む成分が、許容できない薬理活性の損失または許容できない有害な副作用を引き起こさないことを意味する。薬学的に許容される成分の例は、米国薬局方(USP)、1990年にメリーランド州ロックビルにおいて開催された米国薬局方会議で採択された、国家処方集(NF)、および米国食品医薬品局によって発行されたFDA不活性成分ガイド1990年、1996年(任意の図面を含め、両方とも参照により本明細書に組み込まれる)に提供されている。USP/NFの外である必要な制限および/または仕様を満たす他のグレードの溶液または成分もまた、使用することができる。
【0052】
本明細書において使用する用語「医薬組成物」は、それがヒトへの投与に適する、例えば、それが適正製造基準(GMP)条件下で製造されるような条件下で作製され、薬学的に許容される賦形剤、例えば、限定なしに、安定剤、増量剤、緩衝剤、担体、希釈剤、ビヒクル、可溶化剤、および結合剤を含有する、組成物を意味するものとする。本明細書において使用する「医薬組成物」は、乾燥前溶液(複数可)または分散液(複数可)、並びに乾燥粉末製剤の再構成後にすぐに注射または注入できる液体形態を含むが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書において使用する「医薬剤形」は、カプセル(通常、単回経口固形剤形と呼ばれる)の形態である、または容器に入っていて、かつ再構成、および1回以上の用量、典型的には約1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~10、または約1~20回用量の投与に適した量である、本明細書において開示する医薬組成物を意味する。最終的な剤形は、無菌で流動性があり、製造および保存の条件下で安定であり得る。微生物の増殖の防止は、さまざまな抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によって達成することができる。
【0054】
使用することができる1回または複数回の投与量は、約0.1mg/kg体重から約600mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約500mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約400mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約300mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約200mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約100mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約50mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約30mg/kg体重、または約1.0mg/kg体重から約10mg/kg体重、または約10mg/kg体重から約600mg/kg体重、または約10mg/kg体重から約500mg/kg体重、または約10mg/kg体重から約400mg/kg体重、または約10mg/kg体重から約300mg/kg体重、または約10mg/kg体重から約200mg/kg体重、または約10mg/kg体重から約100mg/kg体重、または約50mg/kg体重から約150mg/kg体重、または約100mg/kg体重から約200mg/kg体重、または約150mg/kg体重から約250mg/kg体重、または約200mg/kg体重から約300mg/kg体重、または約250mg/kg体重から約350mg/kg体重、または約200mg/kg体重から約400mg/kg体重、または約300mg/kg体重から約400mg/kg体重、または約250mg/kg体重から約300mg/kg体重、または約300mg/kg体重から独立して選択される、化合物1の量を含む。いくつかの実施態様においては、化合物1の量は、用量あたり約90mg、約100mg、約110mg、または約120mgである。いくつかの実施態様においては、化合物1の量は、用量あたり約100mgである。いくつかの実施態様においては、最大臨床用量は、1000mg/日である。本開示の化合物は、1日1回の用量で投与し得るか、または1日の総投与量を、1日2回、3回または4回の分割投与量で投与し得る。
【0055】
1回または複数回の用量を、投与することができる。いくつかの実施態様においては、用量は、1回、2回、3回、4回、5回、または6回投与する。いくつかの実施態様においては、用量は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回投与する。いくつかの実施態様においては、用量は、1時間ごと、2時間ごと、3時間ごと、4時間ごと、6時間ごと、12時間ごと、または24時間ごとに投与する。
【0056】
提供するのはまた、本明細書において記載する方法のいずれかにおける使用のための、化合物1および/またはそのヒドロキノン形態を含む医薬組成物を含む製造品およびキットである。
【0057】
本明細書において使用する用語「賦形剤」は、有効医薬品成分(API)を医薬製剤に製剤化するために使用する物質を意味し;一実施態様においては、賦形剤は、APIの主な治療効果を低下させたり妨げたりしない。いくつかの実施態様においては、賦形剤は、治療的に不活性である。用語「賦形剤」は、担体、希釈剤、ビヒクル、可溶化剤、安定剤、増量剤、および結合剤を包含する。賦形剤はまた、製造プロセスの間接的なまたは意図しない結果として医薬製剤中に存在する物質であり得る。いくつかの実施態様においては、賦形剤は、ヒトおよび動物への投与について承認されているか、または安全であると考えられており、例えば、一般に安全とみなされる(GRAS)物質である。GRAS物質は、参照により本明細書に組み込まれる、連邦規則集(C.F.R.)の21C.F.R.§182および21C.F.R.§184において食品医薬品局によってリストされている。いくつかの実施態様においては、賦形剤は、マンニトール等を含む、ヘキシトールを含むが、これらに限定されない。
【0058】
本明細書において使用する用語「対象」および「患者」は、本明細書においては互換的に使用する。用語「対象(単数形)」および「対象(複数形)」は、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス)および霊長類(例えば、カニクイザルなどのサル、チンパンジーおよびヒト)、並びに例えば、ヒトを含む哺乳動物などの、動物を指す。特定の実施態様においては、対象は、ヒトである。
【0059】
本明細書において使用する用語「治療剤(単数形)」および「治療剤(複数形)」は、疾患若しくはその1つ以上の症状の治療または予防において使用することができる任意の薬剤(複数可)を指す。特定の実施態様においては、用語「治療剤」は、本明細書において記載する化合物を含む。特定の実施態様においては、治療剤は、疾患若しくはその1つ以上の症状の治療または予防について有用であることが知られているか、または使用されてきた若しくは現在使用されている薬剤である。
【0060】
本明細書において論じる化合物の「治療的使用」は、本明細書において定義する、障害を治療するまたは抑制するために、本明細書において論じる化合物の1つ以上を使用することとして定義される。A
【0061】
本明細書において使用する、化合物の「治療有効量」は、対象に投与したときに、障害若しくは障害の1つ以上の症状のいずれかを低下させる若しくは除去するか、または障害の若しくは障害の1つ以上の症状の進行を遅らせるか、または障害の若しくは障害の1つ以上の症状の重症度を低下させるか、または障害の臨床兆候を抑制するか、または障害の有害な症状の兆候を抑制するのに十分である、化合物の量である。治療有効量は、1回以上の投与において与えることができる。
【0062】
本明細書において使用する、本明細書において論じる医薬組成物および方法を用いた障害を「治療すること」または「その治療」は、障害若しくは障害の1つ以上の症状のいずれかを低下させる若しくは除去するか、または障害の若しくは障害の1つ以上の症状の進行を遅らせるか、または障害の若しくは障害の1つ以上の症状の重症度を低下させるために、追加の治療剤の有無にかかわらず、本明細書において論じる医薬組成物を投与することとして定義される。本明細書において論じる医薬組成物および方法での障害の「抑制」は、障害の臨床兆候を抑制するか、または障害の有害な症状の兆候を抑制するために、追加の治療剤の有無にかかわらず、本明細書において論じる医薬組成物を投与することとして定義される。治療と抑制との間の区別は、治療は障害の有害な症状が対象において明白である後に起こり、一方、抑制は障害の有害な症状が対象において明白である前に起こることである。抑制は、部分的、実質的に全体、または全体であり得る。いくつかの実施態様においては、遺伝子スクリーニングを使用して、障害のリスクのある患者を同定することができる。本明細書において開示する医薬組成物および方法を次いで、任意の有害な症状の出現を抑制するために、障害の臨床兆候を発症するリスクのある無症候性の患者に投与することができる。
【0063】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、約15℃から約25℃および約60%の相対湿度で、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、または少なくとも6ヶ月の期間保存したときに、安定である。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度で、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、または少なくとも3ヶ月の期間保存したときに、安定である。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、または少なくとも6ヶ月の期間保存したときに、安定である。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、または少なくとも3ヶ月の期間保存したときに、安定である。
【0064】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、経口医薬組成物である。特定の実施態様においては、医薬組成物は、経皮医薬組成物である。
【0065】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、経口医薬組成物であり、低脂肪食品とともに投与したときに、中脂肪食品とともに投与したときのバイオアベイラビリティと約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、または約65%以下のパーセンテージ差で異なるバイオアベイラビリティを有する。
【0066】
特定の実施態様においては、試験用中脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約60重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約20重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、いくつかの実施態様においては、約45から約55%、またはいくつかの実施態様においては約40%から約50%である。特定の実施態様においては、試験用中脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約60重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約20重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、いくつかの実施態様においては、約49%から約50%である。特定の実施態様においては、試験用低脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約60重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約20重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、いくつかの実施態様においては、約10から約15%である。特定の実施態様においては、試験用低脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約60重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約20重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、いくつかの実施態様においては、約13%である。
【0067】
特定の実施態様においては、試験用中脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約65重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約15重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、いくつかの実施態様においては、約25%から約35%である。特定の実施態様においては、試験用中脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約65重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約15重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、約29%である。特定の実施態様においては、試験用低脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約65重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約15重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、約10%から約15%である。特定の実施態様においては、試験用中脂肪食品についての経口医薬組成物のバイオアベイラビリティは、a):約65重量/重量%の薬学的に許容される油(例えばLabrafac WL 1349、ゴマ油、綿実油、大豆油、Labrafac PG、オリーブ油、またはコーン油)、約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(例えばLauroglycol 90)、および約15重量/重量%のポリソルベート80(例えばTween 80)(ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる)を含むビヒクルから作製した医薬製剤について、約14%である。
【0068】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、約15℃から約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約15℃から約25℃および約60%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折を何ら示さなかった。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折を何ら示さなかった。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも約1ヶ月、少なくとも3ヶ月、または少なくとも6ヶ月の期間保存したときに、複屈折を何ら示さなかった。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折を何ら示さなかった。
【0069】
特定の実施態様においては、医薬組成物の総不純物レベルは、初期の総不純物レベルから後の総不純物レベルまで25%以下増加する。いくつかの実施態様においては、医薬組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、または少なくとも約3ヶ月の間保存する。特定の実施態様においては、任意に、初期の総不純物レベルは、医薬組成物を調製する日に、およびそれを保存する前に(それを調製するのと同じ日に)、40℃および約75%の相対湿度で測定する。いくつかのまたは任意の実施態様においては、後の総不純物レベルは、保存約1ヶ月、約2ヶ月、または約3ヶ月後に試験する。特定の実施態様においては、初期の総不純物レベルは、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.4%以下、または約0.3%以下である。いくつかの実施態様においては、医薬組成物の総不純物レベルは、初期の総不純物レベルから後の不純物レベルまで、25%以下、20%以下、15%以下増加する。
【0070】
特定の実施態様においては、医薬組成物中のビヒクルa)は、約60%重量/重量の薬学的に許容される油(例えば、Labrafac様油(Labrafac WL 1349またはLabrafac PG)、ゴマ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、またはコーン油);約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(Lauroglycol 90);および約20重量/重量%のポリソルベート80(Tween 80)を含み;ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる。特定の実施態様においては、医薬組成物中のビヒクルa)は、約65重量/重量%の薬学的に許容される油(例えば、Labrafac様油(Labrafac WL 1349またはLabrafac PG)、ゴマ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、またはコーン油);約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物(Lauroglycol 90);および約15重量/重量%のポリソルベート80(Tween 80)を含み;ここで、a)における成分の重量%は、合計で100%となる。
【0071】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、1gのa)+b)+c)あたり、約100mgから約120mgの化合物1を含む。特定の実施態様においては、医薬組成物は、1gのa)に対して、約100mgの化合物1を含む。特定の実施態様においては、医薬組成物は、1gのa)+b)+c)に対して、約120mgの化合物1を含む。
【0072】
特定の実施態様においては、化合物1は、カプセル中で提供し、該カプセル中の化合物1の重量は、約50mgおよび約60mgからなる群から選択される。特定の実施態様においては、化合物1は、カプセル中で提供し、該カプセル中の化合物1の重量は、約50mgである。特定の実施態様においては、カプセル中の化合物1の重量は、約60mgである。
【0073】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、約15℃から約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の効力から効力における約2%以下の変化を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の効力から効力における約2%以下の変化を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約15℃から約25℃および約60%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の効力から効力における約2%以下の変化を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の効力から効力における約2%以下の変化を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の効力から効力における約2%以下の変化を示す。特定の実施態様においては、任意に、初期の効力は、医薬組成物を調製する日に、およびそれを調製するのと同じ日にそれを保存する前に測定する。
【0074】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、約15℃から約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の分解レベルから約1%以下の分解を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の分解レベルから約1%以下の分解を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約15℃から約25℃および約60%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の分解レベルから約1%以下の分解を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の分解レベルから約1%以下の分解を示す。特定の実施態様においては、医薬組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の分解レベルから約1%以下の分解を示す。特定の実施態様においては、任意に、初期の分解レベルは、医薬組成物を調製する日に、およびそれを調製するのと同じ日にそれを保存する前に測定する。
【0075】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、カプセル中にある。特定の実施態様においては、医薬組成物は、ハードゼラチンカプセルである。特定の実施態様においては、ハードゼラチンカプセルのゼラチン中の任意の水分含量は、約1ヶ月、約1ヶ月以上、約3ヶ月、または約3ヶ月以上の間保存したときに、約20%以下、約10%から約20%、または約11%から約16%である。
【0076】
特定の実施態様においては、経口医薬組成物は、溶液である。特定の実施態様においては、経口医薬組成物は、1gのa)+b)+c)あたり約50mgから約120mgの化合物1を含む。特定の実施態様においては、経口医薬組成物の強度は、約60mg/mLの化合物1および約100mg/mLの化合物1からなる群から選択される。
【0077】
特定の実施態様においては、経口医薬組成物は、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約3ヶ月、または少なくとも約6ヶ月の期間保存したときに、安定である。特定の実施態様においては、経口医薬組成物は、約5℃で少なくとも約4週間の期間保存したときに、安定である。特定の実施態様においては、安定性研究は、ICH安定性ガイドラインに従って実施する。
【0078】
特定の実施態様においては、経口医薬組成物は、任意の香味料を含む。特定の実施態様においては、任意の香味料の量は、約0重量/重量%から約2%重量/重量%である。特定の実施態様においては、任意の香味料の量は、約0重量/重量%から約1重量/重量%である。特定の実施態様においては、任意の香味料は、1%重量/重量%未満である。特定の実施態様においては、香味料は、油溶性香味料である。
【0079】
特定の実施態様においては、香味料は、天然香料、天然フルーツ香料、人工香料、人工フルーツ香料、香味増強剤およびそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施態様においては、香味料は、天然香料の1つ以上から選択される。特定の実施態様においては、香味料は、天然フルーツ香料の1つ以上から選択される。特定の実施態様においては、香味料は、人工香料の1つ以上から選択される。特定の実施態様においては、香味料は、人工フルーツ香料の1つ以上から選択される。特定の実施態様においては、香味料は、香味増強剤の1つ以上から選択される。
【0080】
特定の実施態様においては、香味料は、ラズベリー、パンチ、チェリー、イチゴ、およびブルーベリーからなる群から選択される香料を有する。特定の実施態様においては、香味料は、ラズベリーの香料を有する。特定の実施態様においては、香味料は、パンチの香料を有する。特定の実施態様においては、香味料は、チェリーの香料を有する。特定の実施態様においては、香味料は、イチゴの香料を有する。特定の実施態様においては、香味料は、ブルーベリーの香料を有する。
【0081】
特定の実施態様においては、香味料は、ラズベリー、パンチ、チェリー、イチゴ、およびブルーベリーからなる群から選択される香りを有する。特定の実施態様においては、香味料は、ラズベリーの香りを有する。特定の実施態様においては、香味料は、パンチの香りを有する。特定の実施態様においては、香味料は、チェリーの香りを有する。特定の実施態様においては、香味料は、イチゴの香りを有する。特定の実施態様においては、香味料は、ブルーベリーの香りを有する。
【0082】
特定の実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、ゴマ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、およびコーン油:からなる群の1つ以上(いくつかの実施態様においては、1つ、2つ、または3つ;いくつかの実施態様においては、1つまたは2つ;いくつかの実施態様においては、1つ)から選択される。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、綿実油、大豆油、オリーブ油、およびコーン油:からなる群の1つ以上(いくつかの実施態様においては、1つ、2つ、または3つ;いくつかの実施態様においては、1つまたは2つ;いくつかの実施態様においては、1つ)から選択される。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、ゴマ油、綿実油、大豆油、およびコーン油:からなる群の1つ以上(いくつかの実施態様においては、1つ、2つ、または3つ;いくつかの実施態様においては、1つまたは2つ;いくつかの実施態様においては、1つ)から選択される。いくつかの実施態様においては、薬学的に許容される油は、Labrafac様油(Labrafac WL 1349およびLabrafac PGを含む)、綿実油、大豆油、およびコーン油:からなる群の1つ以上(いくつかの実施態様においては、1つ、2つ、または3つ;いくつかの実施態様においては、1つまたは2つ;いくつかの実施態様においては、1つ)から選択される。
【0083】
いくつかのまたは任意の実施態様においては、薬学的に許容される油は、Gelucire様油でない。
【0084】
第6の態様のいくつかのまたは任意の実施態様においては、Gelucire様油は、Gelucire 44/14である。第6の態様のいくつかのまたは任意の実施態様においては、Gelucire様油と界面活性剤(例えばTPGS)とポリソルベート80との比は、約80:10:10である。
【0085】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、b)
【0086】
【化7】
【0087】
またはその水和物および溶媒和物からなる群から選択される1つ以上のメンバーを含む。
【0088】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、b)
【0089】
【化8】
【0090】
(その溶媒和物の水和物としてではない)を含む。
【0091】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、b)、
【0092】
【化9】
【0093】
のヒドロキノン形態、またはその水和物および溶媒和物からなる群から選択される1つ以上のメンバーを含む。
【0094】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、b)、
【0095】
【化10】
【0096】
のヒドロキノン形態(その水和物または溶媒和物としてではない)を含む。
【0097】
本明細書において開示する医薬組成物を調製するために本明細書において使用することができる多形体の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT出願公開第WO2020/081879号において提供されている。
【0098】
粒子サイズ分布は、Malvern 3000 Mastersizerを使用するレーザー回折によって決定することができる。設定を、表Aに示す。
【0099】
【0100】
【0101】
粒子は一般に、多分散であり、すなわち、全てが同じサイズではない。多分散性の1つの尺度は、比D90/D10である。D10は、10%累積(0から100%)のアンダーサイズ粒子サイズ分布に対応する粒子直径を表す(すなわちD10より小さい粒子のパーセンテージは、10%である)。D90は、90%累積(0から100%)のアンダーサイズ粒子サイズ分布に対応する粒子直径を表す(すなわちD90より小さい粒子のパーセンテージは90%である)。D90およびD10は、他に明示的に述べていない限り、上で論じたレーザー回折によって決定する。
【0102】
いくつかの実施態様においては、本明細書において開示する医薬組成物を調製するために本明細書において使用することができる多形体は、実施態様1~10のいずれか1つによる。
【0103】
実施態様1A.特定の実施態様においては、提供するのは、1gのa)+b)+c)あたり、約1重量/重量%から約12重量/重量%、約4重量/重量%から約12重量/重量%、約5重量/重量%から約10重量/重量%、5重量/重量%、約6重量/重量%、約7重量/重量%、約8重量/重量%、約9重量/重量%、若しくは約10重量/重量%の化合物1および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1および/またはそのヒドロキノン形態は任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物である)を工程a)+b)+c)からの混合物に添加することを含む、概要における第2の態様に従う、本明細書において記載する医薬組成物を調製する方法である。
【0104】
実施態様1B.特定の実施態様においては、提供するのは、1gのa)+b)+c)あたり、約1重量/重量%から約12重量/重量%、約4重量/重量%から約12重量/重量%、約5重量/重量%から約10重量/重量%、5重量/重量%、約6重量/重量%、約7重量/重量%、約8重量/重量%、約9重量/重量%、若しくは約10重量/重量%の化合物1および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1および/またはそのヒドロキノン形態は任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物である)を工程a)+b)+c)からの混合物に添加することを含む、概要における第2の態様に従う、本明細書において記載する医薬組成物を調製する方法である。特定の実施態様においては、提供するのは、概要における第2の態様に従う、工程b)が室温で起こる、本明細書において記載する医薬組成物を調製する方法である。
【0105】
実施態様2.概要における第1の態様、概要における第2の態様、並びに実施態様1Aおよび1Bの実施態様においては、化合物1は、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの無水物の多形体であり、ここで、該多形体についての粉末X線回折パターンは、少なくとも以下の角度位置に特徴的なピークを含み、ここで、該角度位置は、±0.2だけ変動し得:4.10、12.12、および16.14であり、該特徴的なピークは、CuKα1線源、および1.540598Åの波長を使用して測定する。いくつかの実施態様においては、特徴的なピークは、室温で、いくつかの実施態様においては23~25℃の温度で測定する。いくつかの実施態様においては、工程b)における化合物1は、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの無水物の多形体であり、ここで、該多形体についての粉末X線回折パターンは、少なくとも以下の角度位置に特徴的なピークを含み、ここで、該角度位置は、±0.2だけ変動し得:4.10、12.12、および16.14であり、該特徴的なピークは、CuKα1線源、および1.540598Aの波長を使用して測定する。いくつかの実施態様においては、特徴的なピークは、室温で、いくつかの実施態様においては23~25℃の温度で測定する。
【0106】
実施態様2A.少なくとも以下の角度位置に特徴的なピークを含む、実施態様2の多形体であって、ここで、該角度位置は、±0.2だけ変動し得:4.10、11.77、12.12、および16.14である、多形体。
【0107】
実施態様3.少なくとも以下の角度位置に特徴的なピークを含む、実施態様2の多形体であって、ここで、該角度位置は、±0.2だけ変動し得:4.10、11.77、12.12、16.14、および22.41である、多形体。
【0108】
実施態様4.角度位置が±0.1だけ変動し得る、実施態様2~3のいずれか1つの多形体。
【0109】
実施態様5.角度位置が±0.05だけ変動し得る、実施態様2~3のいずれか1つの多形体。
【0110】
実施態様6.多形体が、WO2020/081879において提供される、図5、11、14、および16のいずれか1つに実質的に示される粉末X線回折パターンを有する、実施態様2~5のいずれか1つの多形体。
【0111】
実施態様7.WO2020/081879において提供される図7に実質的に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施態様2~6のいずれか1つの多形体。
【0112】
実施態様8.DSCサーモグラムが、約47℃から約53℃に単一の吸熱ピークを有する、実施態様2~7のいずれか1つの多形体。
【0113】
実施態様9.WO2020/081879において提供される図8に実質的に示される熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、実施態様2~8のいずれか1つの多形体。
【0114】
実施態様10.WO2020/081879において提供される図6に実質的に示されるH NMRスペクトルを有する、実施態様2~9のいずれか1つの多形体。
【0115】
実施態様11.少なくとも約95モル%の2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンが、いかなる溶媒、担体または賦形剤をも含まない多形体である、実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物。
【0116】
実施態様12.少なくとも約99モル%の2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンが、いかなる溶媒、担体または賦形剤をも含まない多形体である、実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物。
【0117】
実施態様13.組成物のHPLCによって測定される少なくとも約95%a/aが、いかなる溶媒、担体または賦形剤をも含まない、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンである、実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11若しくは12の組成物。
【0118】
実施態様14.組成物のHPLCによって測定される少なくとも約99%a/aが、いかなる溶媒、担体または賦形剤をも含まない、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンである、実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11若しくは12の組成物。
【0119】
実施態様15.2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力が、少なくとも約95%である、実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11~14のいずれか1つの組成物。
【0120】
実施態様16.2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの効力が、少なくとも約99%である、実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11~14のいずれか1つの組成物。
【0121】
実施態様17.実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11~16のいずれか1つの組成物であって、ここで、該多形体は、複数の粒子として存在し、ここで、該粒子は、約11:1未満のD90:D10の比を有する、組成物。
【0122】
実施態様18.実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11~16のいずれか1つの組成物であって、ここで、該多形体は、複数の粒子として存在し、ここで、該粒子は、約7:1未満のD90:D10の比を有する、組成物。
【0123】
実施態様19.実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11~18のいずれか1つの組成物であって、ここで、該多形体は、約75~85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された、組成物。
【0124】
実施態様20.実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11~19のいずれか1つの組成物であって、ここで、該多形体は、約80~85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された、組成物。
【0125】
実施態様21.実施態様2~10のいずれか1つの多形体を含む組成物、または実施態様11~19のいずれか1つの組成物であって、ここで、該多形体は、約85%のIPA/水を含む溶媒によって再結晶化された、組成物。
【0126】
追加の実施態様
実施態様21A.本明細書において提供するのは:
a)55~75重量/重量%のLabrafac、15~25重量/重量%のLauroglycol 90、および10~20重量/重量%のTween 80(ここで、Labrafac、Lauroglycol 90、およびTween 80の重量/重量%は、合計で100%となる);並びに
b)1gのa)あたり、約90mgから約120mgの化合物1:
【0127】
【化11】
【0128】
および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、該化合物1、および/または該そのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約90mgから約120mgの重量の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない)を含む医薬組成物である。
【0129】
実施態様22.医薬組成物が、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、安定である、実施態様21Aの医薬組成物。
【0130】
実施態様23.医薬組成物が、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない、実施態様21A~22のいずれか1つの医薬組成物。
【0131】
実施態様24.医薬組成物が、約25℃および約60%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない、実施態様21A~23のいずれか1つの医薬組成物。
【0132】
実施態様25.医薬組成物が、約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約1ヶ月の期間保存したときに、複屈折結晶を何ら示さない、実施態様21A~23のいずれか1つの医薬組成物。
【0133】
実施態様26.約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも約3ヶ月間保存したときに、総不純物レベルが初期の総不純物レベルから後の総不純物レベルまで25%以下増加し、任意にここで、該初期の総不純物レベルは、該医薬組成物を調製する日に、およびそれを調製するのと同じ日に、それを保存する前に、40℃および約75%の相対湿度で測定し、該後の総不純物レベルは、保存約3ヶ月後に試験する、実施態様21A~25のいずれか1つの医薬組成物。
【0134】
実施態様27.後の総不純物レベルが、約1%以下、約0.5%以下、または約0.4%以下である、実施態様26の医薬組成物。
【0135】
実施態様28.a)が、約60重量/重量%のLabrafac;約20重量/重量%のLauroglycol 90;および約20重量/重量%のTween 80を含む、実施態様21A~27のいずれか1つの医薬組成物。
【0136】
実施態様29.a)が、約65重量/重量%のLabrafac;約20重量/重量%のLauroglycol 90;および約15重量/重量%のTween 80を含む、実施態様21A~27のいずれか1つの医薬組成物。
【0137】
実施態様30.医薬組成物が、1gのa)に対して約100mgの化合物1を含む、実施態様21A~29のいずれか1つの医薬組成物。
【0138】
実施態様31.医薬組成物の総重量が、約50mgから約60mgからなる群から選択される、実施態様21A~30のいずれか1つの医薬組成物。
【0139】
実施態様32.医薬組成物の総重量が約50mgである、実施態様21A~31のいずれか1つの医薬組成物。
【0140】
実施態様33.医薬組成物が約60mgである、実施態様21A~31のいずれか1つの医薬組成物。
【0141】
実施態様34.医薬組成物が、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の効力から効力における約2%以下の変化を示し、任意にここで、該初期の効力は、該医薬組成物を調製する日に、およびそれを調製するのと同じ日にそれを保存する前に測定する、実施態様21A~32または21A~33の医薬組成物。
【0142】
実施態様35.医薬組成物が、約25℃および約60%の相対湿度でまたは約40℃および約75%の相対湿度で少なくとも1ヶ月の期間保存した後、初期の分解レベルから約1%以下の分解を示し、任意にここで、該初期の分解レベルは、該医薬組成物を調製する日に、およびそれを調製するのと同じ日にそれを保存する前に測定する、実施態様21A~32または21A~33の医薬組成物。
【0143】
実施態様36.b)が
【0144】
【化12】
【0145】
またはその水和物およびその溶媒和物からなる群から選択される1つ以上のメンバーである、実施態様1~35のいずれか1つの医薬組成物。
【0146】
実施態様37.b)が
【0147】
【化13】
【0148】
である、実施態様1~36のいずれか1つの医薬組成物。
【0149】
実施態様38.b)が
【0150】
【化14】
【0151】
のヒドロキノン形態、またはその水和物、およびその溶媒和物からなる群から選択される1つ以上のメンバーである、実施態様1~35のいずれか1つの医薬組成物。
【0152】
実施態様39.b)が
【0153】
【化15】
【0154】
のヒドロキノン形態である、実施態様1~35および38のいずれか1つの医薬組成物。
【0155】
実施態様40.医薬組成物が経口医薬組成物である、実施態様21A~39のいずれか1つの医薬組成物。
【0156】
実施態様41.経口医薬組成物がカプセル中にある、実施態様40の医薬組成物。
【0157】
実施態様42.カプセルがハードゼラチンカプセルである、実施態様41の医薬組成物。
【0158】
実施態様43.ハードゼラチンカプセルのゼラチン中の任意の水分含量が、約1ヶ月、約1ヶ月以上、約3ヶ月、または約3ヶ月以上の間保存したときに、約20%以下、約10%から約20%、または約11%から約16%である、実施態様42の医薬組成物。
【0159】
実施態様44.医薬組成物が、低脂肪食品とともに投与したときに、中脂肪食品とともに投与したときのバイオアベイラビリティと約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、または約65%以下のパーセンテージ差で異なるバイオアベイラビリティを有する、実施態様40~43のいずれか1つの医薬組成物。
【0160】
実施態様45.中脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが約40から約50%、いくつかの実施態様においては、約49%である、実施態様40~43のいずれか1つの医薬組成物。
【0161】
実施態様46.低脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが約10%から約15%、いくつかの実施態様においては、約13%である、実施態様40~43および45の医薬組成物。
【0162】
実施態様47.中脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが約25%から約35%、いくつかの実施態様においては、約29%である、実施態様20~23のいずれか1つの医薬組成物。
【0163】
実施態様48.低脂肪食品についての経口バイオアベイラビリティが約10%から約15%、いくつかの実施態様においては、約14%である、実施態様40~43および47の医薬組成物。
【0164】
実施態様49.経口医薬組成物が、1gのa)あたり約100mgから約120mgの化合物1を含む、実施態様21A~48のいずれか1つの医薬組成物。
【0165】
実施態様50.医薬組成物が経皮医薬組成物である、実施態様21A~42のいずれか1つの医薬組成物。
【0166】
実施態様51.
工程a)55~75重量/重量%のLabrafac、15~25重量/重量%のLauroglycol 90、および10~20重量/重量%のTween 80を混合すること(ここで、Labrafac、Lauroglycol 90、およびTween 80の重量/重量%は、合計で100%となる);
工程b)1gのa)あたり約90mgから約120mgの化合物1および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1および/またはそのヒドロキノン形態は任意に、その水和物および/または溶媒和物である)を工程a)からの混合物に添加して混合すること
を含み;
およびここで、該化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約90から約120mgの重量の化合物1および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の何らの水の重量もまたは該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない、実施態様21A~50のいずれか1つの医薬組成物を製造する方法。
【0167】
実施態様52.工程b)が室温で起こる、実施態様51の方法。
【0168】
実施態様53.工程b)における化合物1が2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの無水物の多形体であって、ここで、該多形体についての粉末X線回折パターンは、少なくとも以下の角度位置に特徴的なピークを含み、ここで、該角度位置は、±0.2だけ変動し得:4.10、12.12、および16.14であり、並びにデータは、CuKα1線源、1.540598Åの波長を用いて、および23~25℃の温度で得られる、実施態様51または52の方法。
【0169】
実施態様54.化合物1を遮光または黄色光下で添加して混合する、請求項51~53のいずれか一つの方法。
【0170】
実施態様55.実施態様51~54のいずれか1つの方法によって製造される医薬組成物。
【0171】
実施態様56.実施態様1~49のいずれか1つの医薬組成物または実施態様55の医薬組成物を投与することを含む、αシヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害からなる群から選択される疾患若しくは障害を治療するまたは抑制する方法。
【0172】
実施態様57.α-シヌクレイン症が:パーキンソン病(特発性および遺伝性)、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、多系統萎縮症(MSA)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症(DLB)、ゴーシェ病(GD)、脳鉄蓄積を伴う神経変性(NBIA)、および神経軸索ジストロフィー(PLA2G6関連神経変性)からなる群から選択される、実施態様56の方法。
【0173】
実施態様58.パーキンソン病が、患者が以下の遺伝子:MAPT(微小管関連タンパク質タウ)、PRKN(パーキン)、PINK1(PINK1)、LRRK2(ロイシンリッチリピートキナーゼ2)、GBA(グルコセレブロシダーゼ)、SNCA(アルファシヌクレイン)、PARK7(DJ-1)、および/またはUCHL1(ユビキチンカルボキシル末端エステラーゼL1)の1つ以上において突然変異を有するものである、実施態様57の方法。
【0174】
実施態様59.タウオパチーが:アルツハイマー病、拳闘士認知症、グアム筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム-認知症(Guam ALS/PD)、ピック病、好銀性穀物認知症、ニーマンピックC型、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、皮質脳節変性症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、後脳炎性パーキンソニズム(PEP)、および常染色体劣性パーキンソニズムからなる群から選択される、実施態様56の方法。
【0175】
実施態様60.肝疾患が、NASH/NAFL、小児NAFLD、アルコール性肝炎、胆汁うっ滞性肝疾患、ウイルス性肝炎、薬物誘導性肝毒性、血色素症、ウィルソン病、肝移植再灌流傷害、肝機能不全(ここで、該肝機能不全は、傷害、SIRS、敗血症、または深刻な疾患に起因する);並びにシスプラチン誘導性肝毒性およびアセトアミノフェン誘導性肝毒性などの、薬物誘導性肝毒性からなる群から選択される、実施態様56の方法。
【0176】
実施態様61.自閉症スペクトラム障害または広汎性発達障害が、自閉症障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、特定不能PDD(PDD-NOS)、および注意欠陥/多動性障害(ADHD)からなる群から選択される、実施態様56の方法。
【0177】
実施態様62.医薬組成物が経口投与される、実施態様56~61のいずれか1つの方法。
【0178】
特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、本明細書において提供する医薬組成物を投与することを含む、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害からなる群から選択される疾患若しくは障害を治療するまたは抑制する方法である。特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、本明細書において提供する経皮医薬組成物を投与することを含む、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害からなる群から選択される疾患若しくは障害を治療するまたは抑制する方法である。
【0179】
特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、α-シヌクレイン症を治療するまたは抑制するための医薬組成物を使用する方法である。特定の実施態様においては、α-シヌクレイン症は:パーキンソン病(特発性および遺伝性)、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、多系統萎縮症(MSA)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症(DLB)、ゴーシェ病(GD)、脳鉄蓄積を伴う神経変性(NBIA)、および神経軸索ジストロフィー(PLA2G6関連神経変性)からなる群から選択される。
【0180】
特定の実施態様においては、パーキンソン病は、患者が以下の遺伝子:MAPT(微小管関連タンパク質タウ)、PRKN(パーキン)、PINK1(PINK1)、LRRK2(ロイシン-リッチリピートキナーゼ2)、GBA(グルコセレブロシダーゼ)、SNCA(アルファシヌクレイン)、PARK7(DJ-1)、および/またはUCHL1(ユビキチンカルボキシル末端エステラーゼL1)の1つ以上において突然変異を有するものである。
【0181】
特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、タウオパチーを治療するまたは抑制するための医薬組成物を使用する方法である。特定の実施態様においては、タウオパチーは:アルツハイマー病、拳闘士認知症、グアム筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム-認知症(Guam ALS/PD)、ピック病、好銀性穀物認知症、ニーマンピックC型、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、皮質脳節変性症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、後脳炎性パーキンソニズム(PEP)、および常染色体劣性パーキンソニズムからなる群から選択される。
【0182】
特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、肝疾患または肝損傷を治療するまたは抑制するための医薬組成物を使用する方法である。特定の実施態様においては、肝疾患または肝損傷は、NASH/NAFL、小児NAFLD、アルコール性肝炎、胆汁うっ滞性肝疾患、ウイルス性肝炎、薬剤誘導性肝毒性、血色素症、ウィルソン病、肝移植再灌流傷害、肝機能不全(ここで、該肝機能不全は、傷害、SIRS、敗血症、または深刻な疾患に起因する);並びにシスプラチン誘導性肝毒性およびアセトアミノフェン誘導性肝毒性などの、薬物誘導性肝毒性からなる群から選択される。
【0183】
特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、自閉症スペクトラム障害若しくは広汎性発達障害を治療するまたは抑制するための医薬組成物を使用する方法である。特定の実施態様においては、自閉症スペクトラム障害または広汎性発達障害は、自閉症障害、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害(CDD)、レット障害、特定不能PDD(PDD-NOS)、および注意欠陥/多動性障害(ADHD)からなる群から選択される。
【0184】
特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、認知症を治療するまたは抑制する方法である。特定の実施態様においては、認知症は、血管性認知症、ハンチントン病に関連する認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病に関連する認知症、正常圧水頭症に関連する認知症、ウェルニッケ・コルサコフ症候群に関連する認知症、および後頭部皮質萎縮(PCA)に関連する認知症からなる群から選択される。
【0185】
特定の実施態様においては、本明細書において提供するのは、本明細書において提供する医薬組成物を経口投与することを含む、α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害からなる群から選択される疾患若しくは障害を治療するまたは抑制する方法である。
【0186】
化合物1の調製
化合物1およびその多形体は、当技術分野において知られている方法、例えば、全ての目的のために、いかなる図も含む、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/US2019/056836号(WO2020/081879)において記載される実施例1A、1B、2、3A、および3Bによって製造することができる。
【0187】
医薬組成物の製造
典型的な剤形は、第2の態様に従って調製する。特定の実施態様においては、工程b)は、室温で起こる。特定の実施態様においては、工程a)は、重量で約65:20:15の薬学的に許容される油:ラウリン酸プロピレングリコール組成物:ポリソルベート80を混合することである。特定の実施態様においては、工程a)は、重量で約65:20:15のLabrafac様油(Labrafac WL 1349):Lauroglycol 90:Tween 80を混合することである。特定の実施態様においては、工程a)は、重量で約65:20:20の薬学的に許容される油:ラウリン酸プロピレングリコール組成物:ポリソルベート80を混合することである。特定の実施態様においては、工程a)は、重量で約65:20:20のLabrafac様油(Labrafac WL 1349):Lauroglycol 90:Tween 80を混合することである。特定の実施態様においては、工程b)における化合物1は、2,3,5-トリメチル-6-ノニルシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオンの無水物の多形体である。いくつかの実施態様においては、化合物1は、遮光または黄色光下で測定する。いくつかの実施態様においては、製剤は、カプセルに添加する。いくつかの実施態様においては、製剤溶液は、カプセル化の前に、遮光または黄色光下で保存する。いくつかの実施態様においては、製剤は、遮光または黄色光下でカプセルに添加する。
【0188】
投与量および単位剤形
ヒトの治療学においては、医師は、治療に従って、並びに年齢、体重、感染の段階および治療する対象に特有の他の要因に従って、最も適切と考えられる薬量学を決定するであろう。特定の実施態様においては、本開示の医薬組成物は、推奨される最大臨床用量でまたはより低い用量で投与することができる。本開示の組成物中の活性化合物の用量レベルは、障害の重症度および個人の反応に依存して、所望の反応を得るように変化させ得る。
【0189】
特定の実施態様においては、医薬組成物は、少なくとも24週間投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、少なくとも28週間投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、150mg BIDおよび250mg BIDから選択される用量で投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、150mg BIDの用量で投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、250mg BIDの用量で投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、100mg BIDおよび500mg BIDから選択される用量で投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、100mg BIDの用量で投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、500mg BIDの用量で投与する。特定の実施態様においては、医薬組成物は、各日について合計10カプセルの用量で投与し、ここで、各カプセル中の該医薬組成物の重量は、各日について50mgである。特定の実施態様においては、医薬組成物は、各日について合計6カプセルの用量で投与し、ここで、各カプセル中の該医薬組成物の重量は、50mgである。特定の実施態様においては、医薬組成物は、少なくとも14日の期間、約100mgから約1000mgの1日投与量の範囲の用量で投与する。この段落において提供する化合物1の重量は、化合物1の水和物中の何らの水の重量も、または化合物1の溶媒和物中の何らの溶媒の重量も含まない。
【0190】
特定の実施態様においては、医薬組成物の投与量は、治療により発生する重篤な有害事象(TEAE)を何ら示さない。特定の実施態様においては、医薬組成物の投与量は、該医薬組成物の中止につながるTEAEを何ら示さない。特定の実施態様においては、医薬組成物の投与量は、死につながるTEAEを何ら示さない。
【0191】
投与の方法
本明細書において開示する医薬組成物は、用量単位製剤で、腸内に、経口で、舌下に、直腸に、または局所的に投与し得る。いくつかの実施態様においては、適切な投与の様式は、経口、経皮、経粘膜、イオン導入、腹腔内、直腸内、および胃腸内を含む。
【0192】
経口投与は、好ましい投与の経路であり、経口投与に適した製剤は、好ましい製剤である。
【0193】
経口投与は、低脂肪食品中での投与を含み得る。経口投与は、中脂肪食品中での投与を含み得る。経口投与は、柔らかい食品または半固体食品などの食品中での投与を含み得る。柔らかい食品および半固体食品は、アップルソース、プリン(チョコレートを含む)、およびジャムまたはスプレッド(イチゴ味を含む)を含む。
【0194】
栄養チューブは水ですすぐのが難しくあり得るため、SEDDS製剤は、栄養チューブを介した投与に、より受け入れられ得る。本明細書において提供し特許請求するSEDDS製剤の利点は、栄養チューブを、水で効果的にすすぐことができることである。特定の実施態様においては、投与は、100mg/mL溶液の、約0.25mLから約10mL、約0.25mLから約7.5mL、または約2.5mLの用量で、栄養チューブにより得る。特定の実施態様においては、投与は、約36mg/mLから約120mg/mLの濃度の溶液を用いる、栄養チューブにより得る。特定の実施態様においては、用量は、製剤1~6において提供するビヒクル中で投与する。いくつかのまたは任意の実施態様においては、油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比は、約65:20:15である。
【0195】
局所投与は、別の好ましい投与の経路であり、局所投与に適した製剤は、好ましい製剤である。
局所投与用の製剤は、ローション、チンキ、クリーム、エマルジョン、軟膏、スプレー、ジェル等を含み、さらに日焼け止めクリーム、保湿ローションおよびクリーム、顔用ジェルおよびクリームなどの他の適切な製剤に製剤化し得る。局所投与はまた、経皮パッチまたはイオン導入装置などの経皮投与の使用を含み得る。
【実施例
【0196】
以下の実施例においては、略語は、以下の表において提供する意味を有する。
【0197】
特定の密度を、以下に提供し、ここで、それぞれについてのビヒクルは、65:20:15のLabrafac WL 1349、Lauroglycol 90、Tween 80である。
【0198】
密度は、当業者に知られている手順を使用して測定した。
【0199】
実施例1
可溶化剤のスクリーニング
種々の可溶化剤を、化合物1の製剤についてスクリーニングした。表1は、化合物1の製剤についての賦形剤のスクリーニングを示した。エントリー6、9、11、15、および16の化合物は、両方の濃度で可溶性であった。エントリー7(200mg/mL希釈)、8(200mg/mL希釈)、および17(400mg/mL希釈)の化合物は、最初は可溶性であったが、後に(一晩後)クラッシュアウトした。エントリー1~5、10、および12~14の化合物は、不溶性であった。Gelucire 44/14およびLabrafac Lipo WL 1349は、化合物1についての可溶化剤として有望であると思われ、すなわちさらなる実験を、それらで行った(それぞれエントリー16および11)。カプロイルもまた有望に見えたが、それは、サルにおいて有毒であることがわかり、すなわち、追求しなかった。
【0200】
【表1】
【0201】
表1に示す初期のスクリーニングに基づいて、およびFDAによって許可された賦形剤の制限に基づいて、表1Aにおける油中の化合物1の溶解度を、測定した。溶解度データに基づいて、Labrafac WL 1349をさらに、追求した。
【0202】
【表1A】
【0203】
実施例2
Gelucireベースの製剤のスクリーニング
Gelucire 44/14のSolutol HS15、TPGSおよびTween 80との特定の組合せを、表2に示すように、200mg/g濃度の化合物1でスクリーニングした。物理的安定性を、25℃/60%RHでおよび5℃で1週間目に顕微鏡で観察した。生体性能は、FaSSIF中での10倍希釈後に目視観察で評価した。FaSSIFでの10倍希釈で実施した耐衝突性試験に基づき、Gelucire 44/14についての最も有望な製剤組合せは、80重量/重量%のGelucire 44/14、10重量/重量%のTPGSおよび10重量/重量%のTween 80であるように見えた。
【0204】
【表2】
【0205】
上記の表においておよびこの段落において、重量/重量%は、化合物なしのビヒクルの総重量に基づいている。80重量/重量%のGelucire 44/14、10重量/重量%のTPGSおよび10重量/重量%のTween 80製剤ビヒクルをさらに、保存時の結晶化リスクを最小化するために、150mg/g(すなわち1gの化合物1+ビヒクル中の150mgの化合物1)および100mg/g(すなわち1gの化合物1+ビヒクル中の100mgの化合物1)のより低い化合物1濃度で試験した。物理的安定性は、25℃/60%RHでおよび5℃で1週間目に顕微鏡で観察した。生体性能は、FaSSIF中での10倍希釈後に目視観察で評価した。表3に示すように、結晶化は、それぞれ、150mg/g(すなわち1gの化合物1+ビヒクル中の150mgの化合物1)および100mg/g(すなわち1gの化合物1+ビヒクル中の1お0mgの化合物1)の化合物1濃度について、1時間および1.5時間後に観察する。
【0206】
【表3】
【0207】
上記の表において、重量/重量%は、化合物なしのビヒクルの総重量に基づいている。
【0208】
実施例3
Labrafacベースの製剤のスクリーニング
化合物1のSEDDS製剤を開発するために、Labrafac WL 1349の共界面活性剤Lauroglycol 90(低HLB値)および界面活性剤Tween 80(高HLB値)との組合せを、SEDDS製剤を形成するために試験した(表4)。
【0209】
【表4】
【0210】
上記の表において、重量/重量%は、化合物なしのビヒクルの総重量に基づいている。製剤Aは、透明な単一相溶液ビヒクルを形成したが、一方、製剤Bは、Tween 80が別個の相を形成して、単一相を形成しなかった。
【0211】
製剤Aをさらに、化合物1の見込みのあるSEDDS製剤として評価した。
【0212】
実施例4
Gelucireベースの製剤対Labrafacベースの製剤の比較
表5におけるGelucire 44/14製剤は、45℃で溶融し、必要量のTPGS(37℃で溶融)およびTween 80をRTで混合して、45℃で透明な溶液ビヒクルを形成することによって調製した。化合物1を次いで、45℃で混合することによって可溶化して、透明な溶液を形成した。
【0213】
表5におけるLabrafacベースの製剤は、Labrafac WL 1349をLauroglycol 90およびTween 80とRTで混合して透明な溶液ビヒクルを形成することによって調製した。化合物1を次いで、RTで有利に混合することによって可溶化して、透明な溶液を形成した。以下の表において、重量/重量%は、化合物なしのビヒクルの総重量に基づいている。
【0214】
100mg/gの化合物1(すなわち1gの化合物1+ビヒクル中の100mgの化合物1)を有するGelucire 44/14ベースの製剤ビヒクルおよびLabrafac-WL-1349ベースの製剤ビヒクルについて選択した2つの製剤を、表5において、示し、比較する。Gelucire 44/14ベースの製剤は、RTで半固体であるが、一方、Labrafac-WL-1349ベースの製剤は有利に、RTで液体である。Gelucire 44/14ベースの製剤は、FaSSIFで10倍に希釈するとき、透明な溶液を形成する。しかしながら、化合物1の沈殿が、約1.5時間後に観察される。Labrafac-WL-1349ベースの製剤は、水で10倍に希釈するとき、水中油型エマルジョンを形成し、化合物1は、少なくとも約24時間は耐衝突性があり、油相において大部分は可溶化している。
【0215】
【表5】
【0216】
実施例4A
Gelucire 44/14ベースの製剤ビヒクルおよびLabrafac-WL-1349ベースの製剤ビヒクルの両方の物理的安定性評価を、偏光顕微鏡下で行った。図1に示すGelucire 44/14ベースの製剤は、25℃/60%RHで1ヶ月で明らかに結晶化し、液相分離が目視で観察された。それゆえ、Gelucire 44/14ベースの製剤は、1ヶ月間の保存時に物理的に不安定であった。図2に示すLabrafac-WL-1349ベースの製剤は、複屈折結晶が25℃/60%RHおよび40℃/75%RHの両方で1ヶ月間何ら観察されず、依然として透明な溶液であった。従って、Labrafac-WL-1349ベースの製剤は、保存時に物理的に安定であった。
【0217】
実施例4B
化学的安定性評価も、実施した。Gelucire 44/14ベースの製剤およびLabrafac-WL-1349ベースの製剤は両方とも、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHで1ヶ月で化学的に安定であり、それぞれ表6および7に示すように、いずれの製剤においても0.05パーセントポイント未満の分解が観察された。
【0218】
溶解度、および物理的安定性のデータに基づいて、Labrafac-WL-1349ベースの製剤を、さらに追求し、本明細書において論じた。
【0219】
【表6】
【0220】
上記の表において、1Mは、1ヶ月を意味する。
【0221】
【表7】
【0222】
上記の表において、1Mは、1ヶ月を意味する。
【0223】
実施例5
ゴマ油ベースの製剤と比較した、Labrafac-WL-1349ベースの製剤の安定性
ゴマ油製剤は、1gの化合物1およびゴマ油あたり100mgの化合物1を混合することによって、調製した。
【0224】
100mg/gの化合物1のビヒクルC Labrafac-WL-1349ベースの製剤およびゴマ油ベースの製剤の物理的および化学的安定性を、実施した。
【0225】
両方の製剤とも、25℃/60%RH条件および40℃/75%RH条件で最長3ヶ月間、偏光顕微鏡下で複屈折結晶は何ら観察されず(データは示さず)、物理的に安定であった。
【0226】
表8に示すように、製剤は、比較的安定であり、総不純物レベルは、40℃/75%RHで初期の0.31%から3ヶ月時の0.38%までのみ増加した。表10は、使用した製剤ビヒクルを示した。
【0227】
【表8】
【0228】
上記の表において、1M、3M、および6Mは、それぞれ1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月を意味する。
【0229】
【表8a】
【0230】
上記の表において、1Mおよび3Mは、それぞれ1ヶ月および3ヶ月を意味する。
【0231】
実施例6
Labrafac-WL-1349ベースの製剤成分についてのADI制限
Labrafac-WL-1349ベースの製剤C-1の賦形剤または成分のそれぞれについての許容一日摂取量(ADI)値を、表9に示す。化合物1の1000mg/日の最大可能臨床用量で、ビヒクルCについてのADI制限は、Tween 80について超えている(1800mg対1500mg ADI制限)。Labrafac WL 1349およびLauroglycol 90のレベルは、この最高用量レベルで十分に制限内にある。Tween 80レベルを、ADI制限内に保つために、ビヒクル(ビヒクルD)中で20重量/重量%から15重量/重量%に低下させた。最適化されたビヒクルDの組成は、Labrafac WL 1349 65重量/重量%、Lauroglycol 90 20重量/重量%および Tween 80 15重量/重量%である。このビヒクルは依然として、RTで透明な単一相溶液を形成する。
【0232】
【表9】
【0233】
表10のIIG値は、FDAウェブサイト上の賦形剤の制限である。
【0234】
化合物1(100mg/g濃度の、すなわち1gの化合物1+ビヒクル中の100mgの化合物1)の18% Tween 80との(60:20:20 Labrafac-WL-1349:Lauroglycol 90:Tween 80)(製剤C-1)および13.5% Tween 80との(65:20:15 Labrafac-WL-1349:Lauroglycol 90:Tween 80)(製剤D-1)実際の組成物を、それぞれ、表10および表11に示す。
【0235】
【表10】
【0236】
【表11】
【0237】
化合物1(60mg/mL濃度の)の14.07% Tween 80との(65:20:15 Labrafac-WL-1349:Lauroglycol 90:Tween 80)(製剤E-1)、および化合物1(100mg/mL濃度の)の13.44% Tween 80との(65:20:15 Labrafac-WL-1349:Lauroglycol 90:Tween 80)(製剤F-1)実際の組成物を、それぞれ、表12および表13に示す。
【0238】
【表12】
【0239】
【表13】
【0240】
実施例7
それぞれ、100mg/g(製剤D-1)および120mg/g(製剤D-2)濃度から調製した50mg強度のカプセルおよび60mg強度のカプセルの安定性
製剤D-1の50mg強度のカプセル(ビヒクルD中100mg/g濃度、すなわち1gの化合物1+ビヒクルD中の100mgの化合物1)の物理的および化学的安定性を、温度および湿度の加速条件で評価した。化合物1製剤D-2の60mg強度のカプセル(ビヒクルD中120mg/g濃度、すなわち1gの化合物1+ビヒクルD中の100mgの化合物1)の物理的および化学的安定性もまた、温度および湿度の加速条件で評価した。スウェーデンオレンジ色のサイズ00ハードゼラチンカプセルを、研究用に使用した。
【0241】
両方の強度は、5℃、25℃/60%RHおよび40℃/75%RH条件で最長1ヶ月間、偏光顕微鏡下で複屈折結晶は何ら観察されず(データは示さず)、物理的に安定である。
【0242】
実施例8
カプセル中の製剤の化学的安定性
HPLCによって分析した、それぞれ、化合物1のLabrafacベースの製剤D-1およびD-2の50mg強度のカプセルおよび60mg強度のカプセルの化学的安定性を、それぞれ表14および表15に示す。両方の強度について、5℃、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHで、初期から少なくとも1ヶ月の期間までの、効力における約2%以下の変化が、観察された。また、約1パーセントポイント以下の分解が、両方の強度について、初期から試験した全ての条件まで、観察された。
【0243】
【表14】
【0244】
【表15】
【0245】
実施例9
製剤溶液の化学的安定性
HPLCによって分析した、それぞれ、化合物1のLabrafac-WL-1349ベースの製剤E-1およびF-1の60mg/mL強度および100mg/mL強度の化学的安定性を、それぞれ、表16および表17に示す。効力における変化は、2つの試験条件(25℃/60%RHおよび40℃/75%RHのそれぞれについて、初期の測定から2週間時または1ヶ月時の測定まで何ら検出されなかった。さらに、分解も、両方の溶液について、初期から試験した全ての条件まで、何ら観察されなかった。
【0246】
【表16】
【0247】
【表17】
【0248】
実施例10
サルのPK研究
サルのPK研究を、100mg/gの化合物1のゴマ油製剤、100mg/gの化合物1のGelucire 44/14ベースの製剤(Gelucire Form 1)、および100mg/gの化合物1の2つの異なるLabrafac-WL-1349ベースの製剤を用いて行った。この段落においては、100mg/gは、1gの化合物1+ビヒクル中の100mgの化合物1である。125mgの用量で、POで、製剤を、試験用低脂肪食品および試験用中脂肪食品とともに投与し、化合物1のLabrafac-WL-1349ベースの製剤を、試験用低脂肪食品とともに投与した(表18)。表18における製剤のそれぞれは、4カプセル/用量として投与した。以下の表において、重量/重量%は、化合物なしのビヒクルの総重量に基づいている。コホートあたり4匹のサルを、使用した。
【0249】
【表18】
【0250】
表19に示すように、バイオアベイラビリティは、Gelucire 44/14ベースの製剤について優れているように見える(60.0%)。Labrafacベースの製剤P1G2のバイオアベイラビリティ(49.1%)は、ゴマ油ベースの製剤P1G1(約40.8%)に匹敵し、Labrafac製剤P1G2は49.1%でわずかにより高い曝露を有する。別の観察は、ゴマ油ベースの製剤と比較した、化合物1のGelucire 44/14ベースの製剤およびLabrafacベースの製剤のPKプロファイルにおける第2のピークの不存在である。ゴマ油製剤におけるこの第2のピークは、未知の吸収現象を示す。
【0251】
また表19に示すように、観察される食品によるプラスの効果のより良好な緩和(すなわち試験用低脂肪食品との投与と試験用中脂肪食品との投与との間のバイオアベイラビリティにおけるより小さな差)は、ビヒクルCを有するLabrafac-WL-1349ベースの製剤(ここで、該ビヒクルのみは、20重量/重量%のTween 80を含有する)と比較して、ビヒクルDを有するLabrafac-WL-1349ベースの製剤(ここで、該ビヒクルのみは、15重量/重量%のTween 80を含有する)で最善である。低脂肪食では、ビヒクルDを有するLabrafac-WL-1349ベースの製剤(ここで、該ビヒクルのみは、15重量/重量%のTween 80を含有する)は、ビヒクルCを有するLabrafac-WL-1349ベースの製剤(ここで、該ビヒクルのみは、20重量/重量%のTween 80を含有する)と同等のバイオベイラビリティを有する。しかしながら、試験用中脂肪食品では、ビヒクルDを使用する製剤は、ビヒクルCを使用する製剤で得られる49.1%のバイオアベイラビリティと比較して、29.4%のより低いバイオアベイラビリティを有する。すなわち、ビヒクルC(20%のTween 80)と比較したときの、ビヒクルD(15%のTween 80)についての試験用低脂肪食品と試験用中脂肪食品との間のバイオアベイラビリティにおけるより少ない差は、驚くべきことである。これは、ビヒクルD中の化合物1の製剤が、食品の有無にかかわらず有利に投与し得るであろうことを意味する。以下の表において、重量/重量%は、ビヒクル(化合物なし)中のTweenの量を指す。
【0252】
【表19】
【0253】
実施例10a
追加の薬学的に許容される油(「油」)、界面活性剤および共界面活性剤の溶解度スクリーニング
薬学的に許容される油、界面活性剤および共界面活性剤を含む合計36個の種々の賦形剤を、化合物1について評価した。溶解度は、表20に示すとおりである。油中の化合物1のより高い溶解度は、薬物負荷を増加させるために望ましい。
【0254】
【表20-1】
【0255】
【表20-2】
【0256】
SEDDS製剤のスクリーニング:相の透明性および溶解度の研究
表20に示すように、SEDDS製剤は、さまざまな薬学的に許容される油で達成することができる。しかしながら、界面活性剤および共界面活性剤の選択は、いくつかの理由:(a)いくつかの市販の界面活性剤は、本質的に非GMPであり、それゆえヒトについて使用することができない、(b)賦形剤のいくつかの半固体の物理的状態は、それらを経口溶液製剤に不適切なものとする、および/または(c)いくつかの界面活性剤との相混和性の問題は、薬物の沈殿を含む物理的不安定性を引き起こす のため、制限され得る。油、界面活性剤、および共界面活性剤の組合せの最適化されたSEDDS製剤を実現するために、いくつかの製剤設計に関連する側面、例えば、賦形剤についての1日摂取についての安全量、SEDDS製剤中の薬物溶解度、衝突耐性/薬物沈殿、物理的および化学的安定性、生体性能、および薬物動態が、考慮される。これらの前述の基準に基づいて、2つの共界面活性剤(Lauroglycol 90およびCapryol 90)および界面活性剤(Tween 80)を、追加のSEDDS製剤を調製するために選択した。ゴマ油のみの製剤は、図3に示すように第2のピークを示した。
【0257】
合計15個のSEDDS製剤を、表21に示すように、相の透明性および溶解度の研究についてスクリーニングした。以下の表において、重量/重量%は、化合物なしのビヒクルの総重量に基づいている。SEDDS製剤のほとんど(例えば、オリーブ油ベース、Labrafac-WL-1349ベース等)は、透明であり、高い薬物溶解度を提供した。化合物1の最も高い溶解度は、Labrafac PGベースの製剤およびLabrafac WL 1349ベースの製剤で観察された。濁りを示したかまたは著しくより低い薬物溶解度を有したSEDDS製剤は、さらなるスクリーニングから除いた。それゆえ、合計6つの製剤(表21、プロトタイプ#4、6、10、12、14、および15)を、サルのPK研究について選択した。
【0258】
【表21】
【0259】
化合物1について相の透明性および良好から優れた溶解度を示した表21からの6つの製剤を、表22に示すサルのPK研究において評価した。以下の表において、重量/重量%は、ビヒクルおよび化合物の総重量に基づいている。全ての6つの製剤は、耐衝突性があった。表21からのMaisine CCベースの製剤は、これらの製剤中での化合物1の比較的より低い溶解度のため、さらには評価しなかった。Caproylベースの共界面活性剤製剤は、賦形剤で見出された毒性の問題のため除外した。
【0260】
【表22】
【0261】
1群あたり3匹のサルを、評価し、それぞれの製剤で、50mg/kgの化合物1を投与した。サルに、投与の30分前に、0.23g/mLの総脂肪を含有する中脂肪流動食5mL/kgを給餌した。サルのPK研究の結果を、図4a~4cに示す。SEDDS製剤の全てが、サルにおいて経口的にバイオアベイラブルであることが見出され、同様のTmaxを示した(表23)。Labrafac WL 1349ベースの製剤(製剤6)を含む、SEDDS製剤のほとんどが、予期せぬ、第2のピークの不存在を含む、望ましいPKプロファイルを示した。第2のピークが、ゴマ油製剤および製剤4で観察された。最初の4時間においては、大豆ベースの製剤、Labrafac PGベースの製剤、およびオリーブ油ベースの製剤は、Labrafac WL 1349 ベースの製剤と比較して、同様のPKプロファイルを示した(図5a~5c)。綿実油ベースの製剤1は、最も高いCmaxおよびAUCを示した(図5bおよび5c)。
【0262】
Labrafac WL 1349ベースの製剤は、最小のピーク対トラフ比(CmaxとCtroughとの間の差)で、最も低いPK変動性および所望の血漿レベルを示した、表23。ゴマ油のみの製剤および製剤4で観察された排出相におけるピーク(バンプ)は、製剤1~3および、5、および6では観察されなかった。
【0263】
【表23】
【0264】
【表23a】
【0265】
本明細書において提供する特定の製剤は、本明細書において提供する、安定性について試験し、さまざまな条件下で良好な安定性を実証した。本明細書において提供する、製剤1~5などの、他の製剤は、安定性について試験しなかったが、試験したものと同等の安定性を実証することが期待されるであろう。
【0266】
特定の実施態様においては、20重量/重量%のLauroglycol(ビヒクルの総重量に基づく重量/重量%)は、一相溶液を維持することにおいて有利に支援し得る。
【0267】
ゴマ油のみ中の化合物1の製剤と比較した製剤6についての1つの利点は、10重量/重量%および12重量/重量%の化合物1を有する製剤6が、RTで安定であることであり、ここで、ゴマ油のみ中の化合物1の最大推奨配合量は、10重量/重量%である。さらに、ゴマ油のみ中の化合物1の製剤は、RTで良好な化学的安定性を実証したが、一方、製剤6は、加速条件でおよびより長い期間、いくらかより良好な化学的安定性を実証した。ゴマ油のみ中の化合物1の製剤と比較した製剤6のさらに別の利点は、胃腸液におけるミセル化および可溶化に関する。製剤6は、ゴマ油のみの製剤が腸内界面活性剤に頼らなければならない場合に自己乳化するように設計されている。最後に、ゴマ油製剤は、2.7倍の食品効果(低脂肪から中脂肪)を示すが、一方、製剤6は、1.96倍の食品効果(低脂肪から中脂肪)を示す。
【0268】
実施例11
化合物1 Labrafac-WL-1349ベースの製剤カプセルの製造可能性
(i).Labrafacベースの製剤ビヒクルの粘度
CP-51スピンドル(中~高粘度スピンドル)を有するブルックフィールド粘度計を、校正した。最も高い200rpm(CP-51)では、製剤D(15% Tween 80を有するLabrafac-WL-1349ベースの製剤ビヒクル)は、23.56cPの粘度を有する。DP-ビヒクル混合ブレンドのカプセル化についての許容される粘度は、0.222Cpと3000Cpとの間であるべきである。
【0269】
(ii).Labrafac-WL-1349ベースの製剤ビヒクル成分の吸湿性
ハードゼラチンカプセル中の液体製剤成分の吸湿性を、図6に示す。水分平衡は、水分/乾燥履歴に依存して図3における曲線によって説明し得る。ゼラチンの水分含量が11%から16%の範囲中のままである限り、カプセルの脆弱性の可能性に対する著しい効果は何ら予期されない。表25は、吸湿性に対するLabrafac-WL-1349ベースの製剤の個々の成分の分析を示す。
【0270】
Labrafac-WL-1349およびLauroglycol 90は両方とも、湿気を吸収する非常に低い可能性を有する。Tween 80は吸湿性であるが、一方、それは、ビヒクル中では15重量/重量%のみであり、保存時にカプセルシェルの完全性に影響を与えることは予期されない。
【0271】
【表25】
【0272】
実施例12
化合物1の経口溶液についての製造プロセス
油、ラウリン酸プロピレングリコール組成物(Lauroglycol 90)、およびポリソルベート80(Tween 80)のそれぞれを、秤量して容器に添加し、均一な溶液が形成されるまで混合した。この溶液に、化合物1を添加した。結果として生じる混合物を、黄色の溶液が得られるまで撹拌した。溶液を次いで、化合物1の結晶の不存在について目視でおよび顕微鏡下で試験した。溶液を、琥珀色のガラス瓶中で充填し、CRCキャップで閉じ、密閉した。任意の香味料を、化合物1なしの混合物または化合物1を含有する混合物のいずれかに添加することができる。
【0273】
実施例13
半食事の手順についての製造プロセス
実施例13a:低脂肪肉(脂肪からの15%のカロリーを含有する):
均質化食事を、以下のように調製した:
30gの毎日の食事(約6重量%の脂肪)を、容器中で秤量した。90mLの水を容器中に添加し、内容物を均質化した。
【0274】
低ダイエット群については、動物を、一晩絶食させ、投与の約30分前に均質化した通常の食事を37.5mL/動物(おおよそ15mL/kg)で胃管栄養法により与えた。残りの食べ物、おおよそ90gは、投与4時間後に動物に与えた。
【0275】
実施例13b:中脂肪肉(脂肪からの38%のカロリーを含有する):
均質化食事を、以下のように調製した:
80gの食品を、容器中で秤量した。15mLの食用コーン油およびいくらかの水を該容器中に添加し、それを約30分間それらを柔らかくするために置いた。20分間均質化してよく混合し、水で体積を250mLに調整した。
【0276】
中ダイエット群については、動物を、一晩絶食させ、投与の約30分前に均質化した通常の食事を37.5mL/動物(おおよそ15mL/kg)で胃管栄養法により与えた。残りの食べ物(おおよそ103g)は、投与4時間後に動物に与えた。
【0277】
特定する引用により本明細書において参照する全ての刊行物、特許、特許出願および公開特許出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0278】
上記の発明は、理解の明快さの目的で例示および実施例によっていくらか詳細に説明してきたが、特定の小さな変更および修正が実行されるであろうことは当業者には明らかである。従って、説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5a
図5b
図5c
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)約48重量/重量%から約70重量/重量%の薬学的に許容される油、約12重量/重量%から約25重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、および約8重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80;
b)約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1:
【化1】

および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬組成物。
【請求項2】
a)約52重量/重量%から約65重量/重量%の薬学的に許容される油、約17重量/重量%から約20重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、および約13重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80;
b)約1重量/重量%から約12重量/重量%の化合物1:
【化2】

および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約12重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、請求項1の医薬組成物。
【請求項3】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約55~75重量部の薬学的に許容される油、
約15~25重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約10~20重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が重量で55~75:15~25:10~20であり;および
該薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比における該部が、合計で100となる、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項4】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約60~65重量部の薬学的に許容される油、
約20~25重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約15~20重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が重量で60~65:20~25:15~20であり;および
該薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比における該部が、合計で100となる、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項5】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約60重量部の薬学的に許容される油、
約20重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約20重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が重量で60:20:20である、請求項の医薬組成物。
【請求項6】
薬学的に許容される油とラウリン酸プロピレングリコール組成物とポリソルベート80との比が、
約65重量部の薬学的に許容される油、
約20重量部のラウリン酸プロピレングリコール組成物、
約15重量部のポリソルベート80であるか、または
該比が重量で60:20:15である、請求項の医薬組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される油が、
中鎖グリセリドの油、プロピレングリコールジカプロレート/ジカプレート、ゴマ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、およびコーン油:の1つ以上からなる群から選択されるか;または
中鎖グリセリドの油、プロピレングリコールジカプロレート/ジカプレート、綿実油、大豆油、およびコーン油:の1つ以上からなる群から選択され;並びに
任意に、1つの薬学的に許容される油が選択される、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項8】
医薬組成物が、約1重量/重量%から約12重量/重量%、約4重量/重量%から約12重量/重量%、または約5重量/重量%から約10重量/重量%の化合物1を含む、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項9】
医薬組成物が、約5重量/重量%、約6重量/重量%、約7重量/重量%、約8重量/重量%、約9重量/重量%、または約10重量/重量%の化合物1を含む、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項10】
医薬組成物が、該組成物中に約50mgから約120mgの化合物1を、該組成物中に約50mgから約100mgの化合物1を、該組成物中に約60mgから約100mgの化合物1を、該組成物中に約100mgから約120mgの化合物1を、該組成物中に約50mgの化合物1を、該組成物中に約60mgの化合物1を、または該組成物中に約100mgの化合物1を含有する、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項11】
α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害からなる群から選択される疾患若しくは障害を治療するまたは抑制するための請求項1の医薬組成物
【請求項12】
α-シヌクレイン症、タウオパチー、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害、肝疾患、肝損傷、認知症、および再灌流傷害からなる群から選択される疾患若しくは障害を治療するまたは抑制するための医薬組成物であって、該医薬組成物が、
a)約48重量/重量%から約70重量/重量%の薬学的に許容される油、約12重量/重量%から約25重量/重量%のラウリン酸プロピレングリコール組成物、および約8重量/重量%から約20重量/重量%のポリソルベート80;
b)約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1:
【化3】

および/またはそのヒドロキノン形態(ここで、化合物1、および/またはそのヒドロキノンは任意に、その水和物、および/またはその溶媒和物であり;化合物1、および/またはそのヒドロキノンが、水和物および/または溶媒和物の形態であるとき、そのときは、該約1重量/重量%から約15重量/重量%の化合物1、および/またはそのヒドロキノンは、該水和物中の水の重量または該溶媒和物中の溶媒の重量を含まない);並びに
c)0重量/重量%から約2重量/重量%の任意の香味料
を含み;
ここで、化合物1、該薬学的に許容される油、該ラウリン酸プロピレングリコール組成物、該ポリソルベート80、および任意の香味料の重量/重量%は、合計で100%となる、医薬組成物。
【請求項13】
疾患若しくは障害が筋萎縮性側索硬化症である、請求項11または12のいずれかの医薬組成物。
【請求項14】
医薬組成物が、1日あたり約100mgから約1000mgの範囲の用量で少なくとも14日の期間投与される、請求項11または12のいずれかの医薬組成物
【請求項15】
医薬組成物が、150mg BIDおよび250mg BIDから選択される用量で投与される、請求項14の医薬組成物。
【国際調査報告】