(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-11
(54)【発明の名称】マイクロホン保護装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20240704BHJP
G10K 11/04 20060101ALI20240704BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240704BHJP
H04R 1/08 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
H04R1/00 321
G10K11/04
B60R11/02 M
H04R1/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575433
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 KR2022005917
(87)【国際公開番号】W WO2022260274
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0073745
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514118538
【氏名又は名称】ビーエスイー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウォン テク
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ビョン ウク
【テーマコード(参考)】
3D020
5D017
【Fターム(参考)】
3D020BA11
5D017BE03
5D017BE08
(57)【要約】
本発明の実施例は瞬間的な高圧の圧縮空気や高圧噴射された液体などからモバイル機器や車両などに搭載されたマイクロホンの性能低下および破損を防止できるマイクロホン保護装置を開示する。開示されたマイクロホン保護装置は、マイクロホンを支持しながらマイクロホンの音入口に連結される貫通孔と保護装置を実装するための実装空間が形成された器具物と、前記器具物の実装空間に実装され中央に音響ホールが形成された内部プレートと、前記器具物の実装空間に実装されて外周面に複数個の音響ホールが形成された外部プレートと、前記内部プレートと外部プレートの間に配置された複数のスプリングを含み、正常状態では前記スプリングによって前記内部プレートと前記外部プレートが離れて音響通路を形成し、高圧の圧縮空気や噴射物が流入すると前記外部プレートが前記内部プレートと密着して前記音響通路が閉鎖するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンを支持しながらマイクロホンの入口に連結される貫通孔と保護装置を実装するための実装空間が形成された器具物と、
前記器具物の実装空間に実装され中央に音響ホールが形成された内部プレートと、
前記器具物の実装空間に実装され外周面に複数個の音響ホールが形成された外部プレートと、
前記内部プレートと外部プレートの間に配置された複数のスプリングを含み、
正常状態では前記スプリングによって前記内部プレートと前記外部プレートが離れて音響通路を形成し、高圧の圧縮空気や噴射物が流入すると前記外部プレートが前記内部プレートと密着して前記音響通路が閉鎖することを特徴とする、マイクロホン保護装置。
【請求項2】
前記マイクロホン保護装置は、
前記内部プレートの外側にシーリングラバーとメッシュからなる音響フィルタがさらに配置されたことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロホン保護装置。
【請求項3】
前記器具物は、
モバイル機器や車両にマイクロホン組立体を装着するための器具物であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のマイクロホン保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロホン保護装置に関し、さらに詳細には、瞬間的な高圧の圧縮空気や高圧で噴射された液体などからモバイル機器や車両などに搭載されたマイクロホンの性能低下および破損を防止できるマイクロホン保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、マイクロホンは音圧に敏感に反応する振動板の振動によって動作するので、振動板に達する音響通路(sound path)を通じて異物が流入しやすい構造を有している。したがって、通常的に音響通路の入口に異物の流入を防止するためのスクリーンを設置してマイクロホンを保護している。
【0003】
ところで、モバイル機器や車両に搭載されたマイクロホンは瞬間的に発生する高圧の圧縮空気や高圧噴射液体類のような劣悪な外部環境に露出されやすいため従来のスクリーンだけでは保護が不可能であり、そのため、振動板が破損したり性能が低下する問題点がある。すなわち、マイクロホンを使う完成品組立工程、使用者環境、車両走行環境において瞬間的に高圧の圧縮空気が発生したり液体類が噴射される場合、マイクロホンの振動板が影響を受けて性能が低下したり無音のような不良現象が現れることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような問題点を解消するために提案されたもので、本発明の目的は、モバイル機器や車両に搭載されたマイクロホンで瞬間的な圧縮空気や高圧噴射された水、走行中のホコリなどからマイクロホンの性能低下と破損を防止するためのマイクロホン保護装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例はモバイル機器や車両などに搭載されるマイクロホン保護装置を開示する。開示された保護装置は、マイクロホンを支持しながらマイクロホンの音入口に連結される貫通孔と保護装置を実装するための実装空間が形成された器具物と、前記器具物の実装空間に実装され中央に音響ホールが形成された内部プレートと、前記器具物の実装空間に実装されて外周面に複数個の音響ホールが形成された外部プレートと、前記内部プレートと外部プレートの間に配置された複数のスプリングを含み、正常状態では前記スプリングによって前記内部プレートと前記外部プレートが離れて音響通路を形成し、高圧の圧縮空気や噴射物が流入すると前記外部プレートが前記内部プレートと密着して前記音響通路が閉鎖されることを特徴とする。
【0006】
前記マイクロホン保護装置は前記内部プレートの外側にシーリングラバーとメッシュからなる音響フィルタがさらに配置され得、前記器具物はモバイル機器や車両にマイクロホン組立体を装着するための器具物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施例によると、モバイル機器用や車両用マイクロホンモジュールで高圧噴射された水や圧縮空気によって振動板が破損したり性能が低下することを防止し、走行時に流入する粉塵などによって振動板が破損することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置をモバイル機器に適用した例である。
【
図2】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置を車両に適用した例である。
【
図3】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置の分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置の組立斜視図である。
【
図5】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のオープン状態の斜視断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のオープン状態の側断面図である。
【
図7】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のクローズ状態の斜視図である。
【
図8】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のクローズ状態の斜視断面図である。
【
図9】本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のクローズ状態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明と本発明の実施によって達成される技術的課題は、以下で説明する本発明の好ましい実施例によってより明確となるであろう。次の実施例は単に本発明を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0010】
図1は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置をモバイル機器に適用した例であり、
図2は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置を車両に適用した例である。
【0011】
本発明のマイクロホン保護装置100は、
図1及び
図2に示された通り、マイクロホン組立体10が搭載されたモバイル機器や車両の器具物30、40に形成された貫通孔32、42の実装空間32a、42aに配置されて、モバイル機器や車両の外部から貫通孔32、42を通じてマイクロホン側に瞬間的に流入する高圧の圧縮空気および液体類からマイクロホン組立体10を保護する機能をする。本発明の実施例では、マイクロホン保護装置100が搭載される器具物30、40において、マイクロホン側を内側とし、音源側を外側とする。
【0012】
図1および
図2を参照すると、マイクロホン組立体10はPCB基板20に実装されてPCB基板の音孔22を通じて音響の入力を受け、PCB基板の音孔22と器具物30、40の間には異物の流入を防止するためのスクリーン24が設置され得る。マイクロホン組立体10は振動板を含む通常のマイクロホンであって、振動板の振動を電気的な信号に変換する。
【0013】
モバイル機器の器具物30には、直線状の貫通孔32が形成されて器具物30の内側面の実装空間32aに保護装置100が実装されており、車両の器具物40にはL字状の貫通孔42が形成されて外側面の実装空間42aに保護装置100が実装されており、追加的な車両の器具物50により保護装置100の離脱が防止される構造となっている。この時、音響通路の役割をする器具物の貫通孔32、42は直径の小さい円筒状の孔で形成されており、一部が保護装置100を実装できるように直径が拡張されて実装空間32a、42aを形成している。
【0014】
このような構造でモバイル機器に搭載されたマイクロホン組立体10は、正常状態(オープン状態)において外部音源で発生した音圧が器具物30の貫通孔32と保護装置100およびスクリーン24を通じて流入口に伝達され、この音圧によって内部の振動板が振動してオーディオ信号を発生することになる。また、車両に搭載されたマイクロホン組立体10は、正常状態(オープン状態)において外部音源で発生した音圧が2次器具物50の貫通孔52と器具物40の貫通孔42、保護装置100およびスクリーン24を通じて流入口に伝達され、この音圧によって内部の振動板が振動してオーディオ信号を発生することになる。
【0015】
万一、外部から瞬間的に高圧の圧縮空気や噴射液体が貫通孔32、42に流入する場合には、本発明の実施例に係る保護装置100が動作して高圧の圧縮空気や噴射液体の流入を遮断することによってマイクロホン組立体10を保護することができる。
【0016】
このように、本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置100は、直進性が強い圧縮空気や液体類などに反応して開口された音響通路P1を閉じることができる構造であり、開口された音響通路を閉じた以後、圧縮空気や液体類などが消えた時にスプリングの復原力によって再び正常状態(オープン状態)に回復できるようになっている。この時、音響通路P1には粉塵および水分の流入を防ぐメッシュ(Mesh)が適用されて、マイクロホンの破損および性能低下を防止する構造である。
【0017】
図3は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置の分解斜視図であり、
図4は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置の組立斜視図である。
【0018】
本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置100は
図3および
図4に図示された通り、中央が閉塞されており外周面に音響ホールが形成された外部プレート110と、外周面にスプリング実装溝が形成され中央に音響ホールが形成された内部プレート130と、内部プレート130と外部プレート110の間に配置されたスプリング120が器具物の実装空間32a、42aに実装される構造となっている。この時、内部プレート130の外側には、中央に形成された音響ホール134を通じて異物がマイクロホン10側に流入することを防止するための音響フィルタ140をさらに具備することができる。音響フィルタ140は中央に音響ホールが形成されているシーリングのための円板状のラバーと、音響ホールに付着されたメッシュ142からなる。
【0019】
図3および
図4を参照すると、外部プレート110は円板状であって、中央116が閉塞しており外周面に音響ホール114と支持突起112が交互に形成されている。音響ホール114は外部音源の音響を内部側に伝達するための音響通路であり、外側に突出する突起112は外側と空間を確保して外周面に形成された音響ホール114が閉塞することを防止する。
【0020】
スプリング120は外部プレート110と内部プレート130に形成された複数個のスプリング実装溝132にそれぞれ差し込まれて外部プレート110と内部プレート130の間に空間を形成して、外部プレートの音響ホール114を通じて流入した音響が内部プレート130の中央に形成された音響ホール134を通じてマイクロホン組立体10側に伝達されるようにする。このようなスプリング120は、外部から瞬間的に高圧の圧縮空気や液体が噴射される場合、外部プレート110により圧縮されながら外部プレート110と内部プレート130が密着するようにして、外部プレート110の外周面に形成された音響ホール114が内部プレート130により閉塞して高圧の圧縮空気や液体がマイクロホン10側に伝達されることを遮断する。
【0021】
内部プレート130は中央に音響ホール134が形成された円板であって、外周面にスプリング120の一端を固定するための複数の溝132が形成されている。
【0022】
音響フィルタ140は中央に音響ホールが形成されたシリコン系列の材質のシーリング板であって、音響ホールには異物の流入を防止するためにメッシュ142が付着されている。
【0023】
このように構成される本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置100は、正常状態では
図5および
図6に図示された通り、スプリング120により外部プレート110と内部プレート130が離れており、外部から高圧の圧縮空気や噴射物が急速に流入すると、
図7~
図9に図示された通り、外部プレート110が内部プレート130と密着しながら音響通路P2を閉鎖してマイクロホン組立体10を保護できるようになっている。外部から流入する高圧の圧縮空気や噴射物が消えると、スプリング120の弾性力によって外部プレート110が内部プレート130から離れながら音響通路P1が形成される正常状態に回復する。
【0024】
図5は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のオープン状態の斜視断面図であり、
図6は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のオープン状態の側断面図であり、
図7は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のクローズ状態の斜視図であり、
図8は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のクローズ状態の斜視断面図、
図9は本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置のクローズ状態の側断面図である。
【0025】
高圧の圧縮空気や噴射物が発生しない正常状態では
図5および
図6に図示された通り、スプリング120が伸張して外部プレート110と内部プレート130の間に間隔が維持され、これに伴い、外部プレート110の音響ホール114、スプリング120により維持される外部プレート110と内部プレート130の間の空間、内部プレートの中央に形成された音響ホール130に続く音響通路P1が形成されて、外部の音源で発生した音圧が音響通路P1を通じてマイクロホン10の振動板に伝達されるようになっている。
【0026】
外部から瞬間的に高圧の圧縮空気や噴射液体が流入すると、
図7~
図9に図示された通り、外部プレート110の中央部分に瞬間的に高圧が印加されながらスプリング120が圧着されて外部プレート110と内部プレート130が密着し、これに伴い、外部プレート110の外周面に形成された音響ホール114が内部プレート130の外周面によって閉塞して音響通路P2が閉鎖されながら、瞬間的に発生した高圧の圧縮空気や噴射液体が音響通路P2を通じて流入することを遮断してマイクロホン組立体10を保護することになる。以後、外部から流入する高圧の圧縮空気や噴射物が消えると、スプリング120の弾性力によって外部プレート110が本来の位置に回復しながら内部プレート130と空間を維持して音響通路P1が正常に回復される。
【0027】
このように、本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置100は、音響を通過させる音響通路P1をオープン(open)あるいはクローズ(close)させて、使用者または走行環境によって発生し得る性能低下の要因が直接的にマイクロホン10に伝達されないようになっている。すなわち、本発明の実施例に係るマイクロホン保護装置100は、スプリング構造によって正常な音響は器具物に形成された音響通路P1を通じてマイクロホン10の振動板に伝達されるようにし、瞬間的に発生する性能低下の要因は開口された音響通路P2を閉じてこれを遮断させることによって、マイクロホン10をより安定的に使用できるようにする。
【0028】
以上で本発明は図面に図示された一実施例を参照して説明されたが、本技術分野の通常の知識を有する者であればこれから多様な変形および均等な他の実施例が可能であることが理解できるであろう。
【国際調査報告】