(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-11
(54)【発明の名称】新規プロセス
(51)【国際特許分類】
A61K 9/14 20060101AFI20240704BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240704BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240704BHJP
A61P 23/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20240704BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20240704BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240704BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20240704BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240704BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 33/10 20060101ALI20240704BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20240704BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240704BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240704BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20240704BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20240704BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240704BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20240704BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 1/08 20060101ALI20240704BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240704BHJP
A61P 11/14 20060101ALI20240704BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20240704BHJP
A61P 39/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 17/18 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20240704BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240704BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20240704BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20240704BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20240704BHJP
A61P 13/00 20060101ALI20240704BHJP
A61P 11/10 20060101ALI20240704BHJP
A61P 15/08 20060101ALI20240704BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20240704BHJP
A61P 1/12 20060101ALI20240704BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20240704BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240704BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240704BHJP
A61P 15/10 20060101ALI20240704BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20240704BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20240704BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20240704BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240704BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240704BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20240704BHJP
A61K 31/7084 20060101ALI20240704BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20240704BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240704BHJP
A61K 31/706 20060101ALI20240704BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240704BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20240704BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240704BHJP
B01J 2/00 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A61K9/14
A61K47/26
A61K45/00
A61P25/04
A61P23/00
A61P25/14
A61P3/04
A61P25/30
A61P31/04
A61P31/10
A61P31/00
A61P31/12
A61P33/00
A61P33/10
A61P33/14
A61P37/04
A61P35/00
A61P3/00
A61P37/02
A61P37/06
A61P7/02
A61P7/04
A61P25/08
A61P25/28
A61P25/24
A61P3/06
A61P19/06
A61P25/06
A61P29/00
A61P25/16
A61P17/04
A61P17/06
A61P1/08
A61P11/06
A61P3/10
A61P11/14
A61P9/12
A61P39/06
A61P17/18
A61P25/18
A61P25/20
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P9/06
A61P25/22
A61P9/04
A61P5/14
A61P13/00
A61P11/10
A61P15/08
A61P1/10
A61P1/12
A61P21/02
A61P27/02
A61P37/08
A61P15/10
A61P1/14
A61P19/10
A61P13/08
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K48/00
A61K31/7088
A61K31/7084
A61K38/19
A61K47/02
A61K31/706
A61K9/08
A61K9/06
A61P43/00 111
B01J2/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575796
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 GB2022051460
(87)【国際公開番号】W WO2022258984
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515318175
【氏名又は名称】ナネクサ・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ロース,マルテン
(72)【発明者】
【氏名】リンダル,エリク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4G004
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA12
4C076AA29
4C076BB11
4C076CC01
4C076CC04
4C076CC06
4C076CC07
4C076CC10
4C076CC11
4C076CC14
4C076CC15
4C076CC16
4C076CC17
4C076CC18
4C076CC21
4C076CC27
4C076CC29
4C076CC31
4C076CC32
4C076CC34
4C076CC35
4C076CC37
4C076DD29
4C076DD30
4C076DD38
4C076DD67
4C076FF31
4C076GG04
4C076GG16
4C076GG41
4C084AA13
4C084AA17
4C084BA01
4C084DA01
4C084NA05
4C084NA12
4C084NA13
4C084ZA02
4C084ZA04
4C084ZA05
4C084ZA06
4C084ZA08
4C084ZA12
4C084ZA15
4C084ZA16
4C084ZA18
4C084ZA21
4C084ZA23
4C084ZA33
4C084ZA37
4C084ZA38
4C084ZA42
4C084ZA53
4C084ZA54
4C084ZA59
4C084ZA62
4C084ZA63
4C084ZA69
4C084ZA70
4C084ZA71
4C084ZA72
4C084ZA73
4C084ZA81
4C084ZA89
4C084ZA96
4C084ZA97
4C084ZB11
4C084ZB15
4C084ZB26
4C084ZB31
4C084ZB32
4C084ZB33
4C084ZB35
4C084ZB37
4C084ZB39
4C084ZC06
4C084ZC21
4C084ZC31
4C084ZC33
4C084ZC35
4C084ZC37
4C084ZC39
4C085AA03
4C085AA13
4C085AA14
4C085CC22
4C085DD61
4C085EE01
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA11
4C086EA16
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA28
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA12
4C086NA13
4C086ZA02
4C086ZA04
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA21
4C086ZA23
4C086ZA33
4C086ZA37
4C086ZA38
4C086ZA42
4C086ZA53
4C086ZA54
4C086ZA59
4C086ZA62
4C086ZA63
4C086ZA69
4C086ZA70
4C086ZA71
4C086ZA72
4C086ZA73
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB07
4C086ZB08
4C086ZB09
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB31
4C086ZB32
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZB37
4C086ZB39
4C086ZC06
4C086ZC21
4C086ZC31
4C086ZC33
4C086ZC35
4C086ZC37
4C086ZC39
4C086ZC41
4G004BA00
(57)【要約】
重量、数、及び/又は体積に基づく平均直径が10nm~約700μmの量である複数の粒子の形態の組成物を調製するためのプロセスであって、当該粒子が、(a)固体コアであって、好ましくは、生物学的に活性な薬剤を含む、固体コアと、(b)2つ以上の順次塗布された個別の層であって、その各々が、少なくとも1つの別個に塗布されたコーティング材料を含み、当該2つ以上の層が、一緒に、当該コアを取り囲み、囲み、及び/又はカプセル化する、2つ以上の順次塗布された個別の層と、を含み、当該プロセスが、順次ステップ:(1)気相堆積技術によって、少なくとも1つのコーティング材料の最初の層を、当該固体コアに塗布するステップ、(2)コーティングされた粒子を、ふるい分けステップによって、ステップ(1)中に形成された粒子凝集体を脱凝集するための撹拌に供するステップ、(3)少なくとも1つのコーティング材料の更なる層を、脱凝集した粒子に塗布するステップ、並びに(4)任意選択的に、ステップ(2)及び(3)を1回以上繰り返して、当該固体コアを囲む少なくとも1つのコーティング材料の総厚を増加させるステップ、を含み、ふるい分けステップのうちの少なくとも1つが、振動ふるい分け技術を含み、振動ふるい分け技術が、ふるいに結合された振動モータに電力を供給することを含む、プロセスが提供されている。気相堆積技術は、好ましくは、原子層堆積である。コアが生物学的に活性な薬剤を含む場合、組成物は、バースト効果なしに、当該活性剤の遅延放出又は持続放出を提供し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量、数、及び/又は体積に基づく平均直径が10nm~約700μmの量である複数の粒子の形態の組成物を調製するためのプロセスであって、前記粒子が、
(a)固体コアと、
(b)2つ以上の順次塗布された個別の層であって、その各々が、少なくとも1つの別個のコーティング材料を含み、前記2つ以上の層が、一緒に、前記コアを取り囲み、囲み、及び/又はカプセル化する、2つ以上の順次塗布された個別の層と、を含み、
前記プロセスが、順次ステップ:
(1)気相堆積技術によって、少なくとも1つのコーティング材料の最初の層を、前記固体コアに塗布するステップ、
(2)コーティングされた粒子を、ふるい分けステップによって、ステップ(1)中に形成された粒子凝集体を脱凝集する撹拌に供するステップ、
(3)少なくとも1つのコーティング材料の更なる層を、脱凝集した粒子に塗布するステップ、並びに
(4)任意選択的に、ステップ(2)及び(3)を1回以上繰り返して、前記固体コアを囲む前記少なくとも1つのコーティング材料の総厚を増加させるステップ、を含み、
前記ふるい分けステップのうちの少なくとも1つが、振動ふるい分け技術を含み、前記振動ふるい分け技術が、ふるいに結合された振動モータに電力を供給することを含む、プロセス。
【請求項2】
前記振動モータが、圧電振動モータ又は偏心回転質量振動モータである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記振動モータ及び前記ふるいが、懸濁手段を介してマウントから懸濁される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記懸濁手段が、ばね又はベローズを含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記振動ふるい分け技術が、前記ふるいに結合された振動プローブを制御することを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記振動ふるい分け技術が、少なくとも1g/分のスループットでコーティングされた粒子をふるい分けることを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
ふるいが、ステンレス鋼から形成される、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
ステップ(2)が、前記コーティングされた粒子を撹拌に供する前に、前記コーティングされた粒子を気相堆積反応器から排出することを含み、ステップ(3)が、ステップ(2)からの脱凝集したコーティングされた粒子を、前記気相堆積反応器に再導入し、再導入された粒子に少なくとも1つのコーティング材料の更なる層を塗布することを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記コアが、生物学的に活性な薬剤及び/又は薬学的に許容される賦形剤を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
担体/賦形剤材料が、糖若しくは糖アルコール、及び/又はpH修飾剤である、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記コアが、本質的に生物学的に活性な薬剤からなる、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記生物学的に活性な薬剤が、鎮痛剤、麻酔薬、抗ADHD剤、食欲低下剤、抗中毒性剤、抗菌剤、抗微生物剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗原虫剤、駆虫剤(anthelminic)、外部寄生虫駆除剤、ワクチン、抗がん剤、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗腫瘍剤、トポイソメラーゼ、免疫調節剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、同化ステロイド液、抗凝固剤、抗血小板剤、抗けいれん剤、抗認知症剤、抗うつ剤、解毒剤、抗高脂血症剤、抗痛風剤、抗マラリア剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、抗パーキンソン剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、鎮吐剤、抗肥満剤、駆虫剤、抗喘息剤、抗生物質、抗糖尿病剤、抗てんかん薬、抗線維素溶解剤、抗出血剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、降圧薬、抗ムスカリン剤、抗マイコバクテリア剤、抗酸化剤、抗精神病剤、抗発熱剤、抗リウマチ剤、抗不整脈剤、不安緩解剤、媚薬、心臓グリコシド、心臓刺激薬、エンテオゲン、エンタクトゲン、陶酔剤、オレキシジェニック、抗甲状腺剤、抗不安薬、催眠薬、神経弛緩薬、収斂薬、静菌剤、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬、ベータアドレナリン受容体遮断薬、血液製品、代用血液、気管支拡張薬、心臓不整脈薬、化学療法薬、凝固剤、コルチコステロイド、咳抑制剤、利尿剤、デリリアント剤、去痰剤、受精剤、性ホルモン、気分安定剤、粘液溶解剤、神経保護剤、向知性薬、神経毒素、ドーパミン作動薬、抗パーキンソン病薬、フリーラジカル捕捉剤、成長因子、フィブラート、胆汁酸封鎖剤、瘢血除去薬、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、止血剤、幻覚剤、視床下部-下垂体ホルモン、免疫剤、下剤、止瀉剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経刺激薬、副甲状腺カルシトニン、セレニック、スタチン、覚醒剤、覚醒促進剤、充血除去薬、食餌性ミネラル、ビホスホネート、咳止め薬、眼科薬、オントロジー薬、H1拮抗薬、H2拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、プロスタグランジン、放射性医薬品、ホルモン、鎮静薬、抗アレルギー剤、食欲刺激剤、ステロイド、交感神経刺激薬、血栓溶解薬、甲状腺剤、血管拡張薬、キサンチン、勃起不全改善薬、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、角質溶解剤、抗アンギナル剤、非ステロイド性抗炎症剤、COX-2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マクロライド、NSAID、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、オピオイドアンタゴニスト、カリウムチャネル活性化剤、プロテアーゼ阻害剤、抗骨粗鬆症薬、認知増強薬、抗尿失禁剤、栄養油、抗良性前立腺肥大剤、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、サイトカイン、ペプチド模倣薬、ペプチド、タンパク質、放射性医薬品、老人性治療薬、トキソイド、血清、抗体、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ビタミン、遺伝物質の一部分、核酸、又はこれらのいずれかの混合物から選択される、請求項9~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記コアの重量、数、又は体積に基づく平均直径が、1μm~約50μmの量である、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
コーティング材料の3~10層の個別の層が、前記コアに順次塗布される、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
コーティング材料の前記個別の層の総厚が、約0.5nm~約2μmである、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
コーティング材料の個々の個別の層の最大の厚さが、前記コアの重量、数、又は体積に基づく平均直径の約100分の1である(前記個々の個別の層と前記コアの外面との間に位置する、コーティング材料のあらゆる他の以前に塗布された個別の層を含む)、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記1つ以上の個別の層の前記コーティング材料が、1つ以上の無機コーティング材料を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記コーティング材料が、1つ以上の金属含有又はメタロイド含有化合物を含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記化合物が、水酸化物及び/又は酸化物を含む、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記1つ以上のコーティング材料が、酸化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、及び/又は酸化亜鉛を含む、請求項18又は19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記1つ以上のコーティング材料が、酸化亜鉛と、二酸化シリコン及び酸化アルミニウムのうちの一方若しくは他方又はその両方との混合物を含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
原子層堆積によって、コーティング材料の別個の層を、コア及び/又は以前にコーティングされたコアに塗布することを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
1つ以上の薬学的に許容される賦形剤の存在の有無で、分離された粒子を溶媒に再懸濁する更なるステップを含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記生物学的に活性な薬剤が、抗がん剤である、請求項9~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記生物学的に活性な薬剤が、アザシチジンである、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
先行請求項のいずれか一項に記載のプロセスによって得られる、組成物。
【請求項27】
医学又は獣医学の診療で使用するための、(請求項9~24のいずれか一項に従属する)請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
請求項26又は27に記載の組成物と、薬学的に許容される若しくは獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体と、を含む、医薬製剤又は獣医用製剤。
【請求項29】
無菌の注射可能及び/又は注入可能な剤形の形態の、請求項28に記載の製剤。
【請求項30】
デポー製剤を形成する外科的投与装置を介して投与可能な、液体、ゾル、又はゲルの形態の、請求項28又は29に記載の製剤。
【請求項31】
請求項28~30のいずれか一項に記載の製剤を調製するためのプロセスであって、請求項26に記載の組成物を、関連する薬学的に許容される若しくは獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体と混合することを含む、プロセス。
【請求項32】
前記生物学的に活性な薬剤が、請求項24又は25に記載のとおりである、がんの治療に使用するための、請求項26に記載の組成物又は請求項28~30のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項33】
前記生物学的に活性な薬剤が、請求項24又は25に記載のとおりである、がんの治療のための医薬品を製造するための、請求項26に記載の組成物又は請求項28~30のいずれか一項に記載の製剤の使用。
【請求項34】
がんの治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に、請求項26に記載の組成物又は請求項28~30のいずれか一項に記載の製剤を投与することを含み、生物学的に活性な薬剤が、請求項24又は25に記載のとおりである、方法。
【請求項35】
前記生物学的に活性な薬剤が、請求項25に記載のとおりであり、前記がんが、骨髄異形成症候群又はそのサブタイプのうちの1つ以上である、請求項32に記載の使用のための組成物若しくは製剤、請求項33に記載の使用、又は請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達の分野で有用である組成物を製造するための新規プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書における明らかに以前に公開された文書の列挙又は考察は、文書が最新技術又は共通の一般知識の一部であるという承認として必ずしも受け取られるべきではない。
【0003】
薬物送達の分野では、薬物放出のプロファイルを制御する能力が非常に重要である。より最適な薬物動態プロファイルを確実にするために、活性成分が、投与後に、インビボで所望のかつ予測可能な速度で放出されることを確実にすることが望ましい。
【0004】
持続放出組成物の場合、薬物送達組成物が、活性成分の初期の最小の急速放出(投与直後の薬物の血漿中の濃度が高い)を示す放出プロファイルを提供することも非常に重要である。治療ウィンドウが狭い薬物、又は高血漿濃度で毒性のある薬物の場合、そのような「バースト」放出は、危険な場合がある。
【0005】
注射用懸濁液の特定の場合、懸濁された粒径は、それらが針を通して注射され得るように制御されることを確実にすることも重要である。大きい凝集粒子が存在する場合、それら粒子は、針(それを通して懸濁液が注射される)を塞ぐことになるだけでなく、注射液中に安定した懸濁液を形成しないであろう(すなわち、それら粒子は代わりに、注射液の底に沈む傾向があるであろう)。
【0006】
したがって、当該技術分野では、効果的及び/又は改善された薬物の輸送及び送達システムに対する一般的な必要性が存在する。
【0007】
原子層堆積(ALD)は、様々な材料(有機材料、生物学的材料、ポリマー材料、及び、特に、金属酸化物などの無機材料が含まれる)を含む薄膜を固体基板上に堆積させるために用いられる技術である。これは、汎用性の高いアプリケーションにおける材料、構造、デバイス、及びシステムの原子及び近原子スケール製造(ACSM)を可能にする技術である(例えば、Zhang et al.Nanomanuf.Metrol.2022,https://doi.org/10.1007/s41871-022-00136-8を参照されたい)。その自己限定的な特性に基づいて、ALDは、成長サイクルの数を調整することによってのみ制御される原子レベルの厚さを達成することができる。更に、多層を堆積することができ、各層の特性を原子レベルでカスタマイズすることができる。
【0008】
その原子レベルの制御のために、ALDは、例えば、次世代の半導体の製造、又は高度な触媒の原子レベルの合成、並びにナノ構造、ナノクラスター、及び単一原子の正確な製造のための重要な技術として使用される(例えば、上記のZhang et al.を参照されたい)。
【0009】
この技術は通常、低圧及び高温で実行される。膜コーティングは、ALD反応器チャンバー内の固体基板を、気相で気化した反応物に交互にさらすことによって生成される。基板は、シリコンウェハー、粒状材料、又は小さい粒子(例えば、マイクロ粒子又はナノ粒子)であり得る。
【0010】
コーティングされた基板は、固体コーティングによって化学反応(分解)及び物理的変化から保護される。ALDは、溶媒内での基質材料の放出速度を制御するために使用することができる可能性もある。これにより、医薬品活性成分の製剤化に使用する可能性がある。
【0011】
ALDでは、金属含有物であり得る第1の前駆体がALD反応器チャンバーに供給され(いわゆる「前駆体パルス」で)、基板の表面に吸着された原子又は分子の単分子層を形成する。次いで、過剰な第1の前駆体が、反応器からパージされ、次いで、水などの第2の前駆体が反応器にパルス注入される。これが最初の前駆体と反応し、基板表面に、例えば、金属酸化物の単分子層を形成する。その後のパージパルスの後、第1の前駆体の更なるパルスが続き、したがって、同じ事象の新たなサイクル(いわゆる「ALDサイクル」)が開始される。
【0012】
あるいは、「空間ALD」では、別個の反応器チャンバーは各前駆体を含み、コーティングされている基板は、コーティングが形成されるためにある反応器チャンバーから別の反応器チャンバーに移動される。この方法、又はALDの他の方法では、コーティングされる基板への前駆体の導入(又はその逆)は、「前駆体パルス」と同等であるとみなされ得、コーティングされる基板からの前駆体の分離(又はその逆)は、「パージングパルス」と同等であるとみなされ得る。
【0013】
膜コーティングの厚さは、とりわけ、実施されるALDサイクルの数によって制御される。
【0014】
通常のALDプロセスでは、1つのサイクル中で、原子又は分子の単分子層のみが生成されるため、これらの単分子層の間に識別可能な物理的界面は形成されず、本質的に基板の表面で連続帯になる。
【0015】
国際特許出願第2014/187995号では、いくつかのALDサイクルが実行され、その後、得られたコーティングされた基板を反応器から定期的に取り出し、再分散/撹拌ステップを実行して、前駆体の吸着に利用可能な新たな表面を提示するプロセスが記載されている。
【0016】
撹拌ステップは、主にナノ粒子及びマイクロ粒子で観察される問題を解決するために行われる。つまり、ALDコーティングプロセス中に粒子の凝集が起こり、そのような粒子間の接触点によって「ピンホール」が形成される。再分散/撹拌ステップは、コーティングされた基板を水に入れ、超音波処理することによって実行され、その結果、脱凝集が生じ、コーティングされた活性物質の個々の粒子間の接触点が破壊される。
【0017】
次いで、粒子を反応器に装填し直し、粉末のALDコーティング及び粉末の脱凝集のステップを3回繰り返した(合計4回の一連のサイクル)。このプロセスにより、かなりの程度までピンホールのないコーティングされた粒子の形成が可能になることがわかっている(Hellrup et al,Int.J.Pharm.,529,116(2017)も参照されたい)。
【0018】
WO2014/187995に記載されているように、ALDコーティングサイクルの「セット」を実行し、続いて、断続的に分散させるプロセスは、かかるコーティング層間の透明で目に見える物理的界面によって定義される透明で別個のコーティングの層をもたらす。そのような界面は、異なるコーティング材料の層間に見られ得る界面よりも明確である。このような粒子の断続的な分散によって形成される界面は、透過型電子顕微鏡法(TEM)などの技術によって、電子透過性の高い領域としてはっきりと見える。以下で説明するように、同じ材料のコーティングが基板の表面から一度に1つの原子層を構築する場合、同様の界面は見えない。
【0019】
未公開の国際特許出願第PCT/GB2020/053129号に記載されているように、我々は、機械的強制手段とふるい(特に音波ふるい分け装置)の組み合わせを含む乾式プロセスによって、凝集した粒子を反応器の外部で一次粒子に脱凝集することが有利であることを、より最近発見した。これにより、超音波処理などの侵襲的な脱凝集技術を用いる必要性、並びに更なるコーティングのために粒子を反応器に戻す前に粒子を乾燥させる必要性が回避される。このように脱凝集ステップを実施することにより、医薬製剤に容易に加工することができる形態の、本質的に完全にピンホールのないコーティングされた粒子を提示することが可能であることがわかった。
【0020】
国際特許出願第PCT/GB2020/053129号に記載されているプロセスをスケールアップしようとすると、商業的に実行可能なプロセスに必要なコーティングされた粒子の量のスループットが不十分であることを見出した。この問題は、本明細書に記載されたプロセスによって予期せず解決された。
【発明の概要】
【0021】
本発明の第1の態様によれば、重量、数、及び/又は体積に基づく平均直径が10nm~約700μmの量である複数の粒子の形態の組成物を調製するためのプロセスが提供され、粒子が:
(a)固体コアであって、好ましくは、生物学的に活性な薬剤を含む、固体コアと、
(b)2つ以上の順次塗布された個別の層であって、その各々が、少なくとも1つの別個の(すなわち、別個に塗布される)コーティング材料を含み、2つ以上の層が、一緒に、当該コアを取り囲み、囲み、及び/又はカプセル化する、2つ以上の順次塗布された個別の層と、を含み、
当該プロセスが、順次ステップ:
(1)気相堆積技術によって、少なくとも1つのコーティング材料の最初の層を、当該固体コアに塗布するステップ、
(2)コーティングされた粒子を、ふるい分けステップによって、ステップ(1)中に形成された粒子凝集体を解凝集する撹拌に供するステップ、
(3)少なくとも1つのコーティング材料の更なる層を、解凝集した粒子に塗布するステップ、並びに
(4)任意選択的に、ステップ(2)及び(3)を1回以上繰り返して、当該固体コアを囲む上記少なくとも1つのコーティング材料の総厚を増加させるステップ、を含み、
上記ふるい分けステップのうちの少なくとも1つは、振動ふるい分け技術を含み、上記振動ふるい分け技術が、ふるいに結合された振動モータに電力を供給することを含み、
このプロセスは、以下、「本発明のプロセス」と称される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1及び
図2は、それぞれのアザシチジンの放出プロファイル(比較例1及び実施例1によってそれぞれ得られた試料について、Sotax装置におけるサンプリング時間に対する1分間当たりの放出されたアザシチジンのパーセンテージ)を示す。
【
図2】
図1及び
図2は、それぞれのアザシチジンの放出プロファイル(比較例1及び実施例1によってそれぞれ得られた試料について、Sotax装置におけるサンプリング時間に対する1分間当たりの放出されたアザシチジンのパーセンテージ)を示す。
【
図3】
図3及び
図4は、それぞれのインドメタシンの放出プロファイル(比較例3及び実施例4によってそれぞれ得られた試料について、Sotax装置におけるサンプリング時間に対する累積的に放出されたインドメタシンのパーセンテージ)を示す。
【
図4】
図3及び
図4は、それぞれのインドメタシンの放出プロファイル(比較例3及び実施例4によってそれぞれ得られた試料について、Sotax装置におけるサンプリング時間に対する累積的に放出されたインドメタシンのパーセンテージ)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
「固形」という用語は、閉じ込められていないときにその形状及び密度を保持し、及び/又は分子が一般にそれらの間の反発力が許す限り強く圧縮されている物質のあらゆる形態を含むことが当業者によく理解されるであろう。固体コアは、コーティング材料の層を堆積することができる少なくとも固体の外面を有する。固体コアの内部も固体であってもよく、代わりに中空であってもよい。例えば、粒子が反応容器に入れられる前に噴霧乾燥される場合、それらは噴霧乾燥技術のために中空であってもよい。
【0024】
本発明のプロセスは、好ましくは、医薬組成物を作製するために用いられ、その場合、組成物は、薬理学的に有効な量の生物学的に活性な薬剤を含み得る。更に、当該固体コアは、好ましくは、当該生物学的に活性な薬剤を含む。
【0025】
この点で、固体コアは、本質的に生物学的に活性な薬剤からなるか、又はそれを含み得る(この薬剤は、以下、「薬物」、並びに「医薬品活性成分(API)」及び/又は「活性成分」と互換的に称され得る)。生物学的に活性な薬剤には、バイオ医薬品及び/又は生物製剤も含まれる。生物学的に活性な薬剤はまた、異なるAPI粒子又は複数のAPIを含む粒子として、異なるAPIの混合物を含み得る。
【0026】
生物学的に活性な薬剤から「本質的になる」とは、固体コアが本質的に生物学的に活性な薬剤のみを含み、すなわち、賦形剤、担体などの非生物学的活性物質(後述)、及び他の活性物質を含まないことを含む。これは、コアが約5%未満、例えば約3%未満、例えば約2%未満、例えば約1%未満のそのような他の賦形剤及び/又は活性物質を含み得ることを意味する。
【0027】
あるいは、生物学的に活性な薬剤を含むコアは、1つ以上の医薬成分と混合されたそのような薬剤を含み得、これは、アジュバント、希釈剤、若しくは担体などの薬学的に許容される賦形剤を含み得、及び/又は他の生物学的に活性な成分を含み得る。
【0028】
生物学的に活性な薬剤は、結晶性、部分結晶性、及び/又はアモルファス状態で提示され得る。生物学的に活性な薬剤は、物理的形態に関係なく、ほぼ室温(例えば、約18℃)及びほぼ大気圧で、固体状態にあるか、又は固体状態に変換され得る任意の物質を更に含み得る。そのような薬剤(及び任意選択的に、本明細書に記載の他の医薬成分)はまた、例えば、ALD反応器中でコーティングされている間、固体の形態のままであるべきであり、また、コーティングされている間、又はコーティング材料のうちの少なくとも1つによって覆われた後、物理的若しくは化学的にかなりの程度(すなわち、約10%w/w以下)に分解してはならない。生物学的に活性な薬剤は、別の活性物質と組み合わせて(例えば、混合物として、又は複合体として)更に提示され得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「生物学的に活性な薬剤」という用語、又は類似及び/若しくは関連する表現は、一般に、特に哺乳動物及び特にヒトの対象(患者)を含む、生きている対象においてある種の生理学的効果(特定の病状又は状態に対する治療的又は予防的能力があるかどうか)を生み出すことができる任意の薬剤又は薬物を指す。
【0030】
生物学的に活性な薬剤は、例えば、鎮痛剤、麻酔薬、抗ADHD剤、食欲低下剤、抗中毒性剤、抗菌剤、抗微生物剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗原虫剤、駆虫剤、外部寄生虫駆除剤、ワクチン、抗がん剤、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗腫瘍剤、トポイソメラーゼ、免疫調節剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、同化ステロイド液、抗凝固剤、抗血小板剤、抗けいれん剤、抗認知症剤、抗うつ剤、解毒剤、抗高脂血症剤、抗痛風剤、抗マラリア剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、抗パーキンソン剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、鎮吐剤、抗肥満剤、駆虫剤、抗喘息剤、抗生物質、抗糖尿病剤、抗てんかん薬、抗線維素溶解剤、抗出血剤、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、降圧薬、抗ムスカリン剤、抗マイコバクテリア剤、抗酸化剤、抗精神病剤、抗発熱剤、抗リウマチ剤、抗不整脈剤、不安緩解剤、媚薬、心臓グリコシド、心臓刺激薬、エンテオゲン、エンタクトゲン、陶酔剤、オレキシジェニック、抗甲状腺剤、抗不安薬、催眠薬、神経弛緩薬、収斂薬、静菌剤、ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬、ベータアドレナリン受容体遮断薬、血液製品、代用血液、気管支拡張薬、心臓不整脈薬、化学療法薬、凝固剤、コルチコステロイド、咳抑制剤、利尿剤、デリリアント剤、去痰剤、受精剤、性ホルモン、気分安定剤、粘液溶解剤、神経保護剤、向知性薬、神経毒素、ドーパミン作動薬、抗パーキンソン病薬、フリーラジカル捕捉剤、成長因子、フィブラート、胆汁酸封鎖剤、瘢血除去薬、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、止血剤、幻覚剤、視床下部-下垂体ホルモン、免疫剤、下剤、止瀉剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経刺激薬、副甲状腺カルシトニン、セレニック、スタチン、覚醒剤、覚醒促進剤、充血除去薬、食餌性ミネラル、ビホスホネート、咳止め薬、眼科薬、オントロジー薬、H1拮抗薬、H2拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、プロスタグランジン、放射性医薬品、ホルモン、鎮静薬、抗アレルギー剤、食欲刺激剤、ステロイド、交感神経刺激薬、血栓溶解薬、甲状腺剤、ワクチン、血管拡張薬、キサンチン、勃起不全改善薬、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、角質溶解剤、抗アンギナル剤、非ステロイド性抗炎症剤、COX-2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マクロライド、NSAID、栄養剤、オピオイド鎮痛剤、オピオイドアンタゴニスト、カリウムチャネル活性化剤、プロテアーゼ阻害剤、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認知増強薬、抗尿失禁剤、栄養油、抗良性前立腺肥大剤、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、サイトカイン、ペプチド模倣薬、ペプチド、タンパク質、放射性医薬品、老人性治療薬、トキソイド、血清、抗体、ヌクレオシド、ヌクレオチド、ビタミン、遺伝物質の一部、核酸、又はこれらのいずれかの混合物から選択され得る。
【0031】
生物学的に活性な薬剤はまた、サイトカイン、ペプチド模倣物、ペプチド、タンパク質、トキソイド、血清、抗体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、遺伝物質の一部分、核酸、又はそれらの混合物であり得る。治療用ペプチド/タンパク質の非限定的な例は、以下のとおりである:レピルジン、セツキシマブ、ドルナーゼアルファ、デニロイキンジフチトックス、エタネルセプト、ビバリルジン、ロイプロリド、アルテプラーゼ、インターフェロンアルファ-n1、ダルベポエチンアルファ、レテプラーゼ、エポエチンアルファ、サーモンカルシトニン、インターフェロンアルファ-n3、ペグフィルグラスチム、サルグラモスティム、セクレチン、ペグインターフェロンアルファ-2b、アスパラギナーゼ、チロトロピンアルファ、抗血友病因子、アナキンラ、グラミシジンD、静脈内免疫グロブリン、アニストレプラーゼ、インスリン(通常)、テネクテプラーゼ、メノトロピン、インターフェロンガンマ-1b、インターフェロンアルファ-2a(組換え)、凝固因子VIIa、オプレルベキン、パリフェルミン、グルカゴン(組換え)、アルデスロイキン、ボツリヌス毒素B型、オマリズマブ、ルトロピンアルファ、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、コラゲナーゼ、ラスブリカーゼ、アダリムマブ、イミグルセラーゼ、アブシキシマブ、アルファ-1-プロテイナーゼ阻害剤、ペガスパルガーゼ、インターフェロンベータ-1a、ペガデマーゼウシ、ヒト血清アルブミン、エプチフィバチド、ヨウ素化血清アルブミン、インフリキシマブ、フォリトロピンベータ、バソプレシン、インターフェロンベータ-1b、ヒアルロニダーゼ、リツキシマブ、バシリキシマブ、ムロモナブ、ジゴキシン免疫Fab(ヒツジ)、イブリツモマブ、ダプトマイシン、トシツモマブ、ペグビソマント、ボツリヌス毒素A型、パンクレリパーゼ、ストレプトキナーゼ、アレムツズマブ、アルグルセラーゼ、カプロマブ、ラロニダーゼ、ウロフォリトロピン、エファリズマブ、血清アルブミン、コリオゴナドトロピンアルファ、抗胸腺細胞グロブリン、フィルグラスチム、凝固因子IX、ベカプレミン、アガルシダーゼベータ、インターフェロンアルファ-2b、オキシトシン、エンフビルチド、パリビズマブ、ダクリズマブ、ベバシズマブ、アルシツモマブ、エクリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、イデュルスルファーゼ、アルグルコシダーゼアルファ、エクセナチド、メカセルミン、プラムリンチド、ガルスルファーゼ、アバタセプト、コシントロピン、コルチコトロピン、インスリンアスパート、インスリンデテミール、インスリングルリシン、ペガプタニブ、ネシリチド、チマルファシン、デフィブロチド、天然アルファインターフェロン/マルチフェロン、酢酸グラチラマー、ペルオタクト、テイコプラニン、カナキヌマブ、イピリムマブ、スロデキシド、トシリズマブ、テリパラチド、ペルツズマブ、リロナセプト、デノスマブ、リラグルチド、ゴリムマブ、ベラタセプト、ブセレリン、ベラグルセラーゼアルファ、テサモレリン、ブレンツキシマブベドチン、タリグルセラーゼアルファ、ベリムマブ、アフリベルセプト、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ、オクリプラスミン、グルカルピダーゼ、テデュグルチド、ラキシバクマブ、セルトリズマブアスティムリマブペゴル、インスリンイソファン、エポエチンゼータ、オビヌツズマブ、フィブリノリシン、別名プラスミン、フォリトロピンアルファ、ロミプロスチム、ルシナクタント、ナタリズマブ、アリスキレン、ラグウィード花粉抽出物、セクキヌマブ、ソマトトロピン(組換え)、ドロトレコギンアルファ、アレファセプト、OspAリポタンパク質、ウロキナーゼ、アバレリックス、セルモレリン、アプロチニン、ジェムツズマブオゾガマイシン、サツモマブペンデチド、アルビグルチド、アンチトロンビンアルファ、アンチトロンビンIII(ヒト)、アスフォターゼアルファ、アテゾリズマブ、自家培養軟骨細胞、ベラクタント、ブリナツモマブ、C1エステラーゼ阻害剤(ヒト)、凝固因子XIII Aサブユニット(組換え)、コーンスタットアルファ、ダラツムマブ、デシルジン、デュラグルチド、エロスルファーゼアルファ、エボロクマブ、フィブリノーゲン濃縮物(ヒト)、フィルグラスチム-sndz、胃内因性因子、B型肝炎免疫グロブリン、ヒトカルシトニン、ヒトクロストリジウムテタニトキソイド免疫グロブリン、ヒト狂犬病ウイルス免疫グロブリン、ヒトRho(D)免疫グロブリン、ヒトRho(D)免疫グロブリン、ヒアルロニダーゼ(ヒト、組換え)、イダルシズマブ、免疫グロブリン(ヒト)、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、ツロクトコグアルファ、ツベルクリン精製タンパク質誘導体、シモクトコグアルファ、シルツキシマブ、セベリパーゼアルファ、サクロシダーゼ、ラムシルマブ、プロトロンビン複合体濃縮物、ポーラクタントアルファ、ペンブロリズマブ、ペグインターフェロンベータ-1a、オファツムマブ、オビルトキサキシマブ、ニボルマブ、ネシツムマブ、メトレレプチン、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ、メポリズマブ、イキセキズマブ、インスリンデグルデク、インスリン(ブタ)、インスリン(ウシ)、サイログロブリン、炭疽病免疫グロブリン(ヒト)、抗阻害剤凝固複合体、ブロダルマブ、C1エステラーゼ阻害剤(組換え)、絨毛性ゴナドトロピン(ヒト)、絨毛性ゴナドトロピン(組換え)、凝固因子X(ヒト)、ジヌツキシマブ、エフモロクトコグアルファ、第IX因子複合体(ヒト)、A型肝炎ワクチン、ヒトバリセラゾスター免疫グロブリン、イブリツモマブチウキセタン、レノグラスチム、ペグロチカーゼ、プロタミ硫酸塩、プロテインS(ヒト)、シプリューセル-T、ソマトロピン(組換え)、スソクトコグアルファ、及びトロンボモジュリンアルファ。
【0032】
本発明に従って使用され得る薬物の非限定的な例は、オールトランスレチノイン酸(トレチノイン)、アルプラゾラム、アロプリノール、アミオダロン、アムロジピン、アスパラギナーゼ、アステミゾール、アテノロール、アザチオプリン、アゼラチン、ベクロメタゾン、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ブデソニド、ブプレノルフィン、ブタルビタール、カペシタビン、カルバマゼピン、カルビドパ、カルボプラチン、セフォタキシム、セファレキシン、クロランブシル、コレスチラミン、シプロフロキサシン、シサプリド、シスプラチン、クラリスロマイシン、クロナゼパム、クロザピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジアゼパム、ジクロフェナクナトリウム、ジゴキシン、ジピリダモール、ジバルプロエックス、ドブタミン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキサゾシン、エナラプリル、エピルビシン、エルロチニブ、エストラジオール、エトドラック、エトポシド、エベロリムス、ファモチジン、フェロジピン、クエン酸フェンタニル、フェキソフェナジン、フィルグラスチム、フィナステリド、フルコナゾール、フルニソリド、フルオロウラシル、フルルビプロフェン、フルララナー、フルボキサミン、フロセミド、ゲムシタビン、グリピジド、グリブリド、イブプロフェン、イフォスファミド、イマチニブ、インドメタシン、イリノテカン、硝酸イソソルビド、イソトレチノイン、イスラジピン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ラモトリジン、ランソプラゾール、ロペラミド、ロラタジン、ロラゼパム、ロバスタチン、メドロキシプロゲステロン、メフェナム酸、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム、ミトマイシン、ミトキサントロン、モキシデクチン、モメタゾン、ナブメトン、ナプロキセン、ニセルゴリン、ニフェジピン、ノルフロキサシン、オメプラゾール、オキサリプラチン、パクリタキセル、フェニロイン、ピロキシカム、プロカルバジン、キナプリル、ラミプリル、リスペリドン、リツキシマブ、セルトラリン、シンバスタチン、スリンダック、スニチニブ、テムシロリムス、テルビナフィン、テルフェナジン、チオグアニン、トラスツズマブ、トリアムシノロン、バルプロ酸、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ゾルピデム、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩である。
【0033】
本発明のプロセスによって作製される組成物は、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロバザム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩などのベンゾジアジピンを含み得る。
【0034】
本発明のプロセスによって作製される組成物においても用いられ得る麻酔薬は、局所的又は全身的であり得る。言及され得る局部麻酔薬には、アミロカイン、アンブカイン、アルチカイン、ベンゾカイン、ベンゾナテート、ブピバカイン、ブタカイン、ブタニリカイン、クロロプロカイン、シンコカイン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン、ジペロドン、ジメトカイン、ユーカイン、エチドカイン、ヘキシルカイン、フォモカイン、フォトカイン、ヒドロキシプロカイン、イソブカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、ニトラカイン、オルソカイン、オキセタカイン、オキシブプロカイン、パラエトキシカイン、フェナカイン、ピペロカイン、ピリドカイン、プラモカイン、プリロカイン、プリロカイン、プロカイン、プロカインアミド、プロパラカイン、プロポキシカイン、ピロカイン、キニソカイン、ロピバカイン、トリメカイン、トリカイン、トロパコカイン、又はこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0035】
精神科薬も本発明のプロセスによって作製される組成物に用いられ得る。言及され得る精神科薬には、5-HTP、アカンプロセート、アゴメラチン、アリメマジン、アンフェタミン、デキサンフェタミン、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモバルビタール/セコバルビタール、アモキサピン、アンフェタミン、アリピプラゾール、アセナピン、アトモキセチン、バクロフェン、ベンペリドール、ブロムペリドール、ブプロピオン、ブスピロン、ブトバルビタール、カルバマゼピン、抱水クロラール、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、シタロプラム、クロメチアゾール、クロミプラミン、クロニジン、クロザピン、シクロバルビタール/ジアゼパム、シプロヘプタジン、シチシン、デシプラミン、デスベンラファキシン、デキサンフェタミン、デキストロメチルフェニデート、ジフェンヒドラミン、ジスルフィラム、ジバルプロエックスナトリウム、ドキセピン、ドキシラミン、デュロキセチン、エナント酸、エスシタロプラム、エゾピクロン、フルオキセチン、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルスピリレン、フルボキサミン、ガバペンチン、グルテチミド、グアンファシン、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イロペリドン、イミプラミン、ラモトリジン、レベチラセタム、レボメプロマジン、レボミルナシプラン、リスデキサンフェタミン、リチウム塩、ルラシドン、メラトニン、メルペロン、メプロバメート、メタンフェタミン、ネタドン、メチルフェニデート、ミアンセリン、ミルタザピン、モクロベミド、ナルメフェン、ナルトレキソン、ナイアプラジン、ノルトリプチリン、オランザピン、オンダンセトロン、オキシカルバゼピン、パリペリドン、パロキセチン、ペンフルリドール、ペントバルビタール、ペラジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、ピモジド、プレガバリン、プロメタジン、プロチペンジル、プロトリプチリン、クエチアピン、ラメルテオン、レボキセチン、レボキセチン、レセルピン、リスペリドン、塩化ルビジウム、セコバルビタール、セレギリン、セルチンドール、セルトラリン、オキシベートナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、スルピリド、チオリダジン、チオチキセン、チアネプチン、チザニジン、トピラメート、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリフルオペラジン、トリミプラミン、トリプトファン、バレリアン、バルプロ酸(2.3:1の比率)、バレニクリン、ベンラファキシン、ビラゾドン、ボルチオキセチン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾルピデム、ゾピクロン、ゾテピン、ズクロペンチキソール、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0036】
本発明のプロセスによって作製される組成物に用いられ得るオピオイド鎮痛薬には、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ノメタドン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、タペンタドール、トラマドール、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0037】
本発明のプロセスによって作製される組成物に用いられ得るオピオイド拮抗薬には、ナロキソン、ナロルフィン、ニコナロルフィン、ジプレノルフィン、レバロルファン、サミドルファン、ナロデイン、アルビモパン、メチルナルトレキソン、ナロキセゴール、6β-ナルトレキソン、アキセロプラン、ベベノプラン、メチルサミドルファン、ナルデメジン、好ましくはナルメフェン、特にナルトレキソン、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。
【0038】
本発明のプロセスによって作製される組成物に含まれ得る抗がん剤には、以下が含まれる:アクチノマイシン、アファチニブ、オールトランスレチノイン酸、アムサクリン、アナグレリド、アルセニクトリオキシド、アキシチニブ、アザシチジン、アザチオプリン、ベンダムスチン、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブスルファン、カバジタキセル、カペシタビン、カルボプラチン、クロランブシル、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ドセタキセル、ドキシフルウリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エルロチニブ、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲフィチニブ、グアデシタビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イデラリシブ、イフォスファミド、イマチニブ、イリノテカン、イキサゾミブ、カボザンチニブ、カルフィルゾミブ、クリゾチニブ、ラパチニブ、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、ミトタン、ミトキサントロン、ネララビン、ニロチニブ、ニラパリブ、オラパリブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パノビノスタット、パゾパニブ、ペメトレキセド、ピキサントロン、ポナチニブ、プロカルバジン、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソニデギブ、ソラフェニブ、スニチニブ、テガフール、テモゾロミド、テニポシド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トラベクテジン、バルルビシン、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ベネトクラクス、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ビスモデギブ、及びこれらのいずれかの薬学的に許容される塩。好ましい生物学的に活性な薬剤は、アザシチジンである。
【0039】
そのような化合物は、以下のがんのいずれか1つで使用され得る:腺嚢胞がん、副腎腺がん、アミロイドーシス、肛門がん、運動失調-毛細血管拡張症、非定型ほくろ症候群、基底細胞がん、胆管がん、Birt-Hogg Dube、管症候群、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん(男性の乳がんを含む)、がん様腫瘍、頸部がん、結腸直腸がん、乳管がん、子宮内膜がん、食道がん、胃がん、胃腸間質腫瘍、HER2陽性、乳がん、膵島細胞腫瘍、若年性ポリポーシス症候群、腎臓がん、喉頭がん、急性リンパ芽球性白血病、全てのタイプの急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、成人白血病、小児白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、肝がん、小葉がん、肺がん、小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、悪性神経膠腫、黒色腫、髄膜腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻咽頭がん、神経内分泌腫瘍、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、膵臓神経内分泌腫瘍、副甲状腺がん、陰茎がん、腹膜がん、プーツ・イェガース症候群、下垂体腫瘍、多発性赤血球腫、前立腺がん、腎細胞がん、網膜芽細胞腫、唾液腺がん、肉腫、カポシ肉腫、皮膚がん、小腸がん、胃がん、精巣がん、胸腺腫、甲状腺がん、子宮(子宮内膜)がん、膣がん、ウィルムス腫瘍。
【0040】
言及され得るがんには、骨髄異形成症候群及びサブタイプ、例えば、急性骨髄性白血病、不応性貧血又は環状鉄芽球を伴う不応性貧血(好中球減少症又は血小板減少症を伴うか、輸血が必要な場合)、芽球増加を伴う不応性貧血、移行期の芽球増加を伴う不応性貧血、及び慢性骨髄性白血病(骨髄単球性白血病)が含まれる。
【0041】
本発明のプロセスによって作製される組成物での使用について言及され得る他の薬物には、サリドマイドなどの免疫調節イミド薬物、並びにポマリドマイド、レナリドマイド、及びアプレミラストなどのそれらの類似体、並びにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれる。多くが言及される他の薬物には、化合物21(C21;3-[4-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)フェニル]-5-(2-メチルプロピル)チオフェン-2-[(N-ブチルオキシルカルバメート)-スルホンアミド]などのアンジオテンシンII受容体2型アゴニスト及びその薬学的に許容される(例えば、ナトリウム)塩が含まれる。
【0042】
生物学的に活性な薬剤の薬学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。そのような塩は、慣用的手段により、例えば、本発明の化合物の遊離酸又は遊離塩基形態と、1当量以上の適切な酸又は塩基とを、任意選択的に溶媒中で、又は塩が不溶である媒体中で反応させ、次いで、標準的技法を用いて(例えば、真空中、凍結乾燥又は濾過によって)、当該溶媒又は当該媒体を除去することにより、形成されてもよい。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本発明の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することなどによって、当業者に既知の技法を使用して調製され得る。
【0043】
言及され得る特定の塩としては、例えば、塩酸、L-乳酸、酢酸、リン酸、(+)-L-酒石酸、クエン酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、マレイン酸、メタンスルホン酸等の酸付加塩が挙げられる。
【0044】
本発明のプロセスによって作製された組成物は、薬理学的に有効な量の生物学的に活性な薬剤を含み得る。「薬理学的に有効な量」という用語は、単独で又は別の活性成分と組み合わせて投与されるかどうかにかかわらず、治療患者に所望の生理学的変化(治療効果など)を与えることができるそのような活性成分の量を指す。患者におけるそのような生物学的若しくは医学的反応、又はそのような効果は、客観的(すなわち、何らかの試験若しくはマーカーによって測定可能)又は主観的(すなわち、対象が効果の兆候を与える、若しくは感じる)であり得、治療されている疾患若しくは障害の症状の少なくとも部分的な緩和、又は当該疾患若しくは障害の治癒若しくは予防が含まれる。
【0045】
したがって、患者に投与され得る活性成分の用量は、合理的及び/又は関連する時間枠にわたって治療反応に影響を与えるのに十分でなければならない。当業者は、正確な用量及び組成並びに最も好適な送達レジメンの選択が、活性成分の性質だけでなく、とりわけ製剤の薬理学的特性、投与経路、治療される病態の性質及び重症度、レシピエントの体調及び精神状態、並びに治療される患者の年齢、状態、体重、性別、及び反応、疾患の病期/重症度、並びに患者間の遺伝的差異によっても影響されることを認識している。
【0046】
本発明のプロセスによって作製される組成物の投与は、連続的又は断続的であり得る(例えば、ボーラス注入によって)。活性成分の投与量はまた、投与のタイミング及び頻度によって決定され得る。
【0047】
いずれにしても、医師又は他の当業者は、個々の患者に最も好適な任意の特定の活性成分の実際の投与量を日常的に決定することができるであろう。
【0048】
代替的に、本明細書に記載の組成物はまた、生物学的に活性な薬剤の代わりに(又はそれに加えて)、診断剤(すなわち、それ自体は直接的な治療活性を有さないが、バイオイメージング用の造影剤(contrast agents)又は造影剤(contrast media)などの状態の診断に使用され得る薬剤)を含み得る。
【0049】
本発明に従ってコーティングされるコアに用いられ得る非生物学的に活性なアジュバント、希釈剤、及び担体は、炭水化物、例えばラクトース及び/若しくはトレハロースなどの糖、並びにマンニトール、ソルビトール、及びキシリトールなどの糖アルコールなどの水に可溶である薬学的に許容される物質、又は塩化ナトリウムなどの薬学的に許容される無機塩を含み得る。好ましい担体/賦形剤材料には、糖及び糖アルコールが含まれる。そのような担体/賦形剤材料は、生物学的に活性な薬剤が、例えば一般的に記載されるようなペプチド、タンパク質、若しくは遺伝物質の一部などの複雑な高分子である場合、及び/又はワクチンを含む前述の特定のペプチド/タンパク質である場合に特に有用である。このように、高分子複合体を賦形剤に埋め込むと、コーティング用のコアがより大きくなり、したがって、コーティングされた粒子がより大きくなることが多い。
【0050】
本発明のプロセスによって作製された組成物のコアが生物学的に活性な薬剤を含むことは要件ではない。コアが1つ以上の生物学的に活性な薬剤を含むか含まないかにかかわらず、コアは、1つ以上の非生物学的に活性なアジュバント、希釈剤、及び担体(皮膚軟化剤を含む)、並びに/又は機能特性を有する他の賦形剤(例えば、緩衝剤及び/又はpH修飾剤(例えば、クエン酸))を含み得る、かつ/又はそれから本質的になり得る。
【0051】
注入されると、本発明のプロセスによって生成される製剤は、生物学的に活性な薬剤が長期間にわたって放出されるデポー製剤を提供する。その期間は、少なくとも約3日、例えば、約5日、又は約7日、及び最大で約1年、例えば、約3週間(例えば、約2週間又は約4週間)、又は約12週間(例えば、約10週間又は約14週間)であり得る。
【0052】
固体コアは、ナノ粒子、又はより好ましくはマイクロ粒子の形態で提供される。好ましい重量、数、又は体積に基づく平均直径は、約50nm(例えば、約100nm、約250nmなど)~約30μm、例えば、約500nm~約100μm、より具体的には、約1μm~約50μm(約25μmなど、例えば、約20μm)である。
【0053】
本明細書で使用される場合、「重量基準平均直径」という用語は、平均粒径が、重量による粒径分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、ふるい分け(例えば、湿式ふるい分け)によって得られる重量分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者に理解される。本明細書で使用される場合、「数基準平均直径」という用語は、平均粒径が、数による粒径分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、顕微鏡検査によって測定された数分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者に理解される。本明細書で使用される場合、「体積基準平均直径」という用語は、平均粒径が、体積による粒径分布、すなわち、各サイズクラスにおける既存の分率(相対量)が、例えば、レーザー回折によって測定された体積分率として定義される分布から特徴付けられ、かつ定義されることを含むように当業者に理解される。当業者はまた、面積ベースの平均直径などの平均直径を表現する他の好適な方法があり、平均直径のこれらの他の表現は、本明細書で使用されるものと交換可能であることを理解するであろう。例えば、Malvern Instruments、Ltd(ウスターシャー、英国)及びShimadzu(京都、日本)が販売する機器など、この分野でよく知られている他の機器を用いて、粒径を測定し得る。
【0054】
粒子は、球形であり得、すなわち、それらは、約20未満、より好ましくは約10未満、例えば約4未満、特に約2未満のアスペクト比を有し、及び/又は粒子の少なくとも約90%、平均値の約50%以下、例えば、その値の約30%以下、例えば、その値の約20%以下における半径(重心から粒子表面まで測定)の変動を有し得る。
【0055】
それにもかかわらず、本発明によれば、任意の形状への粒子のコーティングも可能である。例えば、不規則な形状(例えば、「レーズン」形状)、針形状、薄片形状又は直方体形状の粒子をコーティングし得る。非球形粒子の場合、サイズは、例えば同じ重量、体積、又は表面積の対応する球形粒径として示され得る。中空粒子、並びに繊維状又は「もつれた」粒子などの細孔、隙間などを有する粒子もまた、本発明に従ってコーティングされ得る。
【0056】
粒子は、それらがコーティングされるのに好適な形態で得ても、その形態で、例えば、粒径縮小プロセス(例えば、特定の重量ベースの平均直径(前述のように)への粉砕、切断、ミリング、又は研削によって、例えば、湿式研削、乾式研削、エアジェットミリング(極低温微粉化を含む)、遊星ボールミリングなどのボールミリング、並びにエンドランナーミル、ローラーミル、振動ミル、ハンマーミル、ローラーミル、流体エネルギーミル、ピンミルなどを利用することによって、得てもよい。代替的に、粒子は、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、噴霧凍結乾燥、真空乾燥、超臨界流体の使用を含む噴霧乾燥、沈殿、若しくは他のトップダウン法(すなわち、例えば、研削などによって、大きい粒径を小さくすること)、又はボトムアップ法(すなわち、例えば、ゾルゲル技術などによって、小さい粒径を大きくすること)によって、好適なサイズ及び形状に直接調製され得る。代替的に、ナノ粒子は、ガス凝縮、摩滅、化学沈殿、イオン注入、熱分解、水熱合成などのようなよく知られた技術によって作製され得る。
【0057】
粒子を、それらの生成に由来し得る不純物を除去するために、洗浄及び/又は綺麗にし、次いで、それらを乾燥させる必要があり得る(コアを含む粒子が最初に提供される方法によって異なる)。乾燥は、蒸発、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、流動床乾燥、マイクロ波乾燥、IR放射、ドラム乾燥などを含む、当業者に知られている多くの技術によって実施され得る。乾燥したら、コアは、次いで、研削、スクリーニング、ミリング、及び/又は乾式超音波処理によって脱凝集され得る。代替的に、コアは、例えば、粒子を真空及び/又は高温に曝露することによって、その表面上に吸収され得る任意の揮発性物質を除去するために処理され得る。
【0058】
コアの表面は、コーティング材料の第1の層を塗布する前に、例えば、過酸化水素、オゾン、フリーラジカル含有反応物で処理することによって、又はコアの表面にフリー酸素ラジカルを創出するためにプラズマ処理を適用することによって、化学的に活性化され得る。これにより、ALD前駆体のコア上に有利な吸着部位/核形成部位が生成され得る。
【0059】
コーティング材料の2つ以上の層がコアに順次塗布される。好ましい気相堆積技術には、ALDなどの気相技術、又は原子層エピタキシー(ALE)、分子層堆積(MLD、ALDと同様の技術であるが、原子の代わりに分子(通常、有機分子)が各パルスで堆積する点で異なる)、分子層エピタキシー(MLE)、化学蒸着(CVD)、原子層CVD、分子層CVD、物理蒸着(PVD)、スパッタリングPVD、反応性スパッタリングPVD、蒸着PVD及び二元反応シーケンス化学などの関連技術が含まれる。ALDは、本発明による好ましいコーティング方法である。
【0060】
ALDが用いられる場合、コーティング材料は、前駆体をALD反応器チャンバーに供給することによって(いわゆる「前駆体パルス」で)調製されて、粒子の表面に吸着された原子又は分子の単分子層を形成し得る。次いで、第2の前駆体を反応器内にパルスし、第1の前駆体と反応させ、基板表面上に化合物の単分子層を形成する。その後のパージパルスの後、第1の前駆体の更なるパルスが続き、したがって、同じ事象の新たなサイクル(いわゆる「ALDサイクル」)が開始される。
【0061】
ほとんどの場合、連続する反応の最初には、コーティングされる表面に、いくつかの官能基又は自由電子対又はラジカルを伴うことになる(例えば、ヒドロキシ基
(-OH)又は一級若しくは二級アミノ基(-NH2又は-NHR、式中、Rは、例えば、アルキル基などの脂肪族基である)。個々の反応は、有利には、次の反応を行う前に、全ての過剰な試薬及び反応生成物が本質的に除去されるような条件下で、別個に実施される。
【0062】
2つ以上の別個の層又はコーティング材料(本明細書では「コーティング」又は「シェル」とも称され、これらの用語は全て、本明細書で互換的に使用される)が、生物学的に活性な薬剤を含む固体コアに塗布される(すなわち、「別個に塗布される」)。「別個の層、コーティング、又はシェル」のかかる「別個の塗布」は、固体コアが、コーティング材料の第1の層でコーティングされ、この層は、本明細書に記載されるように、2つ以上の(例えば、複数の、又は一組の)サイクルによって形成され、各サイクルは、コーティング材料の単分子層を生成し、次いで、得られたコーティングされたコアは、本明細書に記載されるように、振動ふるい分け技術、ステップ、又はプロセス等の、何らかの形態のふるい分けステップに供されることを意味する。
【0063】
言い換えれば、「気相堆積(例えばALD)サイクル」を数回繰り返して、例えば10、25、又は100サイクルからなり得るサイクルの「気相堆積(例えばALD)セット」を提供することができる。しかしながら、このサイクルのセットの後、コーティングされたコアは、本明細書に記載される振動ふるい分け技術、ステップ、又はプロセスなどの何らかの形態のふるい分けステップに供され、次いで、更なるサイクルのセットが続く。
【0064】
このプロセスは、必要に応じて何度も繰り返され得、この点で、本明細書で定義されるコーティング材料の個別の層の数は、これらの断続的なふるい分けステップの数に対応する。但し、これらのふるい分けステップのうちの少なくとも1つは、本発明に従って、振動ふるい分けステップを含むことを条件とする。少なくとも最終的なふるい分けステップは、コーティング材料の最終層(一連のサイクル)の塗布の前に行われる必須の振動ふるい分けステップを含むことが好ましい。しかしながら、ふるい分けステップのうちの2つ以上(各々を含む)は、本明細書に記載される振動ふるい分け技術、ステップ、又はプロセスを含むことが更に好ましい。
【0065】
本発明のプロセスの本質的な部分である振動ふるい分け技術は、ふるいに結合された振動モータを含み、当該コアをコーティングすることによって形成された固体生成物塊を、反応器の内部又は(好ましくは)外部(すなわち、外側)に位置し得るふるいに振動的に通す手段を提供し、任意の粒子凝集体を、コーティング材料の第2の及び/又は更なる層に供する前に、コーティングされたコアを当該振動的に通す際に脱凝集するように構成される。このプロセスは、コーティング材料の最終層を塗布する前に、必要な回数及び/又は適切な回数だけ繰り返される。
【0066】
振動的に通す手段は、ふるいに結合された振動モータを備える。振動モータは、電力が供給されるときに振動及び/又は回転するように構成される。例えば、振動モータは、逆の圧電効果の結果として、電界が印加されるときに形状を変化させる圧電材料を含む圧電振動モータであり得る。圧電材料の形状の変化は、圧電振動モータの音響又は超音波振動を引き起こす。
【0067】
代替的に、振動モータは、電力がモータに供給されるときに回転される質量を含む偏心回転質量(ERM)振動モータであってもよい。質量は回転軸から偏心し、質量の回転によりモータが不均衡になり、振動及び/又は回転する。更に、ERM振動モータは、モータに対して異なる位置に配置された複数の質量を含み得る。例えば、ERM振動モータは、各々がモータの反対側の端部に配置された上部質量及び下部質量を含み得る。各質量及び他の質量に対するその角度を変化させることによって、ERM振動モータの振動及び/又は回転を変化させることができる。
【0068】
振動モータは、電力が供給されるときにモータの振動及び/又は回転がふるいに伝達される様式でふるいに結合される。
【0069】
ふるい及び振動モータは、振動がマウントに実質的に伝達されるか、又はマウントによって減衰されることなく、ふるい及びモータがマウントに対して自由に振動するように、懸濁手段を介してマウント(例えば、床に配置可能なフレームなど)から懸濁され得る。これにより、振動モータ及びふるいは、障害物なしで振動及び/又は回転することができ、また、振動ふるい分けプロセス中に生成されるノイズを低減する。懸濁手段は、ふるい及び/又はモータをマウントに結合する1つ以上のばね又はベローズ(すなわち、エアクッション又は同等のクッション手段)を含み得る。本発明のプロセスを実施するのに適した振動ふるい又はシフターのメーカーとしては、例えば、Russell Finex,SWECO,Filtra Vibracion,VibraScreener,Gough Engineering、及びFarley Greeneが挙げられる。
【0070】
好ましくは、振動ふるい分け技術は、ふるいに結合された振動プローブを制御することを更に含む。振動プローブは、振動モータによって引き起こされる振動の周波数とは別の周波数でふるいを振動させるように制御され得る。好ましくは、振動プローブは、振動モータによって引き起こされる振動よりも高い周波数でふるいを振動させ、より好ましくは、周波数は超音波範囲内にある。
【0071】
振動プローブによってふるいに追加の振動を提供することは、ふるいの目詰まりの発生を減らし、ふるいが過負荷になる可能性を減らし、ふるいのメッシュを清掃するのに必要な時間を減らす。
【0072】
各ふるい分けステップが、本発明による本質的な振動ふるい分け技術、ステップ、又はプロセスを含まない場合、ふるい分けステップは、それにもかかわらず、手動、機械的、及び/又は自動化された方法で、コーティングされた塊をふるいに通す1つ以上の他の手段によって実施することができる。したがって、機械力は、タッピング、振動、圧力勾配の適用(例えばジェット)、水平回転、ふるいの機械化された周期的変位、遠心力、ふるい分け、又はそれらの組み合わせ(例えば、振動とタッピング、回転とタッピングなど)の形をとることができる。
【0073】
そのような代替の強制手段は、好ましくは機械的であり、振動であってもよく、振動力を加える適切な代替の手段(すなわち、ふるいに結合された振動モータを含まないもの)は、コーティングされた粉末の塊をメッシュ又はふるいに通す。平衡点の周りの振動を生成する代替の機械的手段は、音響波(音波及び超音波を含む)を含み得るか、又は機械的(例えば、タッピング)、又はそれらの組み合わせを含む他の方法(例えば、超音波と音波、音波とタッピング、超音波とタッピングなど)であり得る。
【0074】
そのような場合、これらの代替的な機械的ふるい分けステップのうちの少なくとも1つは、以下に記載されるように、音波シフターによって実行されることが好ましい。好適な音波シフターのメーカーとしては、Advantech Manufacturing、Endecott、及びTsutsuiが挙げられる。
【0075】
好ましくは、振動ふるい分け技術は、少なくとも1g/分のスループットでコーティングされた粒子をふるい分けることを含む。より好ましくは、振動ふるい分け技術は、4g/分以上のスループットでコーティングされた粒子をふるい分けることを含む。
【0076】
スループットは、ふるいのメッシュの面積、ふるいのメッシュサイズ、粒子のサイズ、粒子の粘着性、粒子の静的性質に依存する。これらの機能のいくつかを組み合わせることで、はるかに高いスループットが可能になる。したがって、振動ふるい分け技術は、より好ましくは、最大1kg/分又はそれ以上のスループットでコーティングされた粒子をふるい分けることを含み得る。
【0077】
上記のスループットのいずれか1つは、既知の機械的ふるい分け、又はふるい分け技術の使用に対する大幅な改善を表す。例えば、我々は、音波ふるい分けは、装置を保存するために必要な15分間の冷却時間を介して15分間のふるい分けを伴うことを見出した。20gのコーティングされた粒子をふるい分けるためには、9セットの15分の活性ふるい分け時間、すなわち、255分の(冷却を含む)合計時間が必要であった。比較すると、本発明のプロセスに不可欠な振動ふるい分け技術を使用することによって、20gのコーティングされた粒子は、最大で20分間、又はより好ましくはわずか5分間、又はそれ以下で連続的にふるい分けられ得る。
【0078】
適切なふるいメッシュは、穴あきプレート、マイクロプレート、グリッド、ダイアモンド、スレッド、ポリマー又はワイヤー(編まれたワイヤーふるい)を含み得るが、ステンレス鋼などの金属から形成されることが好ましい。
【0079】
驚くべきことに、振動ふるい分け技術内でステンレス鋼メッシュを使用することは、以下の実施例によって実証されるように、音波ふるい分けなどの機械的ふるい分け技術の一部として、より柔らかいポリマーふるい分けを使用することと同様に、粒子コーティングに穏やかである。
【0080】
また、ふるい粉の既知の問題は、潜在的に危険な静電気の発生である。スチールメッシュは、粉末から静電気を除去するという利点があるが、ポリマーメッシュではそうではない。ポリマーメッシュは、音波シフターで使用する必要がある。
【0081】
更に、音波がメッシュを振動させるのではなくメッシュを通って移動するため、既知の音波シフターのメッシュサイズは、約100μmに制限される。その制限は、ふるいで振動を生成するために音波に依存しないため、振動ふるい分け技術のために使用することは存在しない。したがって、本発明のプロセスの本質的な部分である振動ふるい分け技術は、代替の機械的ふるい分け技術が使用された場合よりも大きな粒子をふるい分けることを可能にする。
【0082】
ふるいが反応器の外部(すなわち、反応器の外側)に位置する場合、本発明のプロセスのステップ(2)は、コーティングされた粒子を撹拌に供する前に、コーティングされた粒子を気相堆積反応器から排出することを含み、ステップ(3)は、ステップ(2)からの脱凝集したコーティングされた粒子を、気相堆積反応器に再導入し、再導入された粒子に少なくとも1つのコーティング材料の更なる層を塗布することを含む。
【0083】
あるいは、コーティングされたコアは、連続プロセスによって当該装置から取り出されることなく、内部で前述の振動ふるい分けステップに供され得る。このようなプロセスは、反応器内に配置されたふるいを通して当該コアをコーティングすることによって形成された固体生成物塊を振動的に通す手段を伴い、第2のコーティング及び/又は更なるコーティングに供される前に、当該反応器内で適用された通す手段によってコーティングされたコアの当該振動ふるい分け時に、任意の粒子凝集体を脱凝集するように構成される。このプロセスは、本明細書に記載されているように、最終的なコーティングを塗布する前に、必要な回数及び/又は適切な回数だけ継続される。
【0084】
反応容器内にふるいを置くことは、粒子を反応器から取り出す必要のない連続プロセスによって、コーティングを塗布することができることを意味する。したがって、粒子を手動で取り扱う必要はなく、凝集粒子を脱凝集するために外部の機械も必要ない。これにより、コーティングプロセスが実施される時間が大幅に短縮されるだけでなく、より便利になり、有害な(例えば、有毒な)材料が人員によって取り扱われるリスクが軽減される。また、手作業を制限することでプロセスの再現性を高め、汚染のリスクが軽減される。
【0085】
本発明者らは、外部脱凝集後、コーティング材料の別個の層を塗布すると、可視及び識別可能な界面が生じることを見出した。これは、コーティングされた粒子を、本発明に従って分析することによって観察することができ、例えば、TEMによって、電子透過性の高い領域として観察される。この点で、界面間の層の厚さは、ALD反応器内で、及び個々の外部撹拌ステップ間で実行される各シリーズのサイクル数に直接対応する。
【0086】
ALDコーティングプロセスでは、コーティングが原子レベルで起こるため、そのような明確な物理的界面は、典型的には、観察することがより困難である。
【0087】
理論に制限されることなく、真空条件のALD反応器からコーティングされた粒子を取り出し、新しくコーティングされた表面を大気にさらすと、最も外側の原子層の緩和と再構築による構造の再編成がもたらされると考えられている。このようなプロセスは、表面の自由エネルギーを減少させる熱力学的傾向によって駆動される、表面(及び表面近く)の原子の再編成を伴うと考えられている。
【0088】
更に、種(例えば、空気中に常に存在する炭化水素)の表面吸着は、炭化水素で形成されたコーティングの反応、並びに大気中の酸素などによる表面修飾と同様に、この現象に寄与する可能性がある。したがって、そのような界面を化学的に分析すると、ALDなどのコーティングプロセスに由来しない微量の汚染物質又はコアの一部を形成するAPIなどのコア材料が含まれている可能性がある。
【0089】
したがって、反応器の内部又は外部で実施されるかどうかにかかわらず、粒子凝集体は、それらをふるいに振動的に通す手段によって分解され、したがって、凝集体を所望及び所定のサイズの個々の粒子又は凝集体に分離する(それによって、脱凝集を達成する)。後者に関して、場合によっては、個々の一次粒径が非常に小さい(すなわち、<1μm)ため、「完全な」脱凝集(すなわち、凝集体が個々の粒子に分解される)を達成することは不可能である。代わりに、脱凝集は、ふるいのメッシュのサイズによって決定されるように、より大きい凝集体を所望のサイズの二次粒子のより小さい凝集体に分解することによって達成される。次いで、より小さい凝集体を気相技術でコーティングして、小さい凝集体粒子の形態で完全にコーティングされた「粒子」を形成する。このように、「粒子」という用語は、本発明の文脈で脱凝集及びコーティングされた粒子を指す場合、個々の(一次)粒子及び所望のサイズの凝集(二次)粒子の両方を指す。
【0090】
いずれにせよ、所望の粒径(それが個々の粒子であろうと所望のサイズの凝集体であろうと)は、維持され、更に、振動ふるい分け手段によるそのような脱凝集後の粒子への気相コーティング機構の継続的な適用は、粒子上に完全なコーティングを形成し、したがって、完全にコーティングされた粒子(個々の又は所望のサイズの凝集体)が形成されることを意味する。
【0091】
反応器の内部又は外部で実施されるかどうかにかかわらず、本発明のプロセスは、そのプロセスのステップ(2)及び(3)を、少なくとも1回、好ましくは2回、より好ましくは3回、例えば4回(5回を含む)、より具体的には6回、例えば7回、及び約100回以下、例えば、約50回以下、例えば、約40回以下(約30回以下を含む)、例えば、2~20回、例えば、3~15回、例えば、10回、例えば、9又は8回、より好ましくは6又は7回、特に、4又は5回実施することを伴う様式で、実施され得る。
【0092】
反応器の内部又は外部で実施されるかどうかにかかわらず、少なくとも1つのふるい分けステップが実施されることが好ましく、更に、そのステップは、好ましくは、上記のような振動ふるい分けステップを含む。更に、最終的なふるい分けステップは、コーティング材料の最終的な層(一連のサイクル)の塗布の前に行われる振動的なふるい分けステップを含むことが好ましい。しかしながら、ふるい分けステップのうちの2つ以上(各々を含む)は、本明細書に記載される振動ふるい分け技術、ステップ、又はプロセスを含むことが更に好ましい。
【0093】
コーティング及び脱凝集ステップの好ましい繰り返しは、振動ふるい分け技術の改善されたスループットを更に有益にする。
【0094】
コーティングの総厚(全ての別個の層/コーティング/シェルを意味する)は、平均で約0.5nm~約2μmの範囲にある。
【0095】
各個々の層/コーティング/シェルの最小の厚さは、平均で約0.1nmの範囲にある(例えば、約0.5nm、又は約0.75nm、例えば1nm)。
【0096】
各個々の層/コーティング/シェルの最大の厚さは、コアのサイズ(最初は)、及びその後の以前に塗布されたコーティングを有するコアのサイズに依存することになり、そのコア、又は以前にコーティングが塗布されたコアの平均で平均直径(すなわち、重量、数、又は体積に基づく平均直径)の約100分の1になり得る。
【0097】
好ましくは、平均直径が約100nm~約1μmである粒子の場合、コーティングの総厚は、平均で約1nm~約5nmでなければならず、平均直径が約1μm~約20μmの粒子の場合、コーティングの厚さは、平均で約1nm~約10nmでなければならず、平均直径が約20μm~約700μmの粒子の場合、コーティングの厚さは、平均で約1nm~約100nmでなければならない。
【0098】
コーティング/シェルを塗布した後、超音波処理などの1つ以上の脱凝集ステップを実行すると、コーティングされた粒子が、より厚いコーティングを塗布した直後、本質的に、より緊密に「結合」又は「接着」されるため、層/コーティングにおいて摩耗、ピンホール、破損、間隙、亀裂、及び/又は空隙(以下「亀裂」)が生じることがわかった。これにより、脱凝集が起こると、生物学的に活性な成分を含むコアが元素にさらされる可能性がある。
【0099】
例えば、患者に投与する前に、懸濁液中に試料を提供することが意図される場合、コーティングにピンホール又は亀裂のない脱凝集した一次粒子を提供する必要がある。そのような亀裂により、投与直後の活性成分の血漿中濃度において、望ましくない初期ピーク(バースト)が生じる。
【0100】
本明細書に記載される脱凝集ステップのうちの1つ以上を実施することで、コーティング材料の最終層において、顕著に少ないピンホール、間隙、又は亀裂が生じ、その層/コーティングで完全に被覆されるだけでなく、医薬製剤化前及び/又は中に形成されたコーティング材料の層を破壊しない様式で、粒子が容易に(例えば、ボルテックスなどの非侵襲的な技術を使用して)脱凝集され得る様式で被覆される粒子が生じることを、我々は発見した。
【0101】
この点で、(例えば、無機)材料のコーティングは、典型的には、生物学的活性薬物を含む当該固体コアを完全に取り囲み、囲み、及び/又はカプセル化する。このようにして、関連する活性成分が可溶性である溶媒と薬物が直接接触することに起因する最初の薬物濃度バーストのリスクを最小限に抑える。これは、体液だけでなく、そのようなコーティングされた粒子が注射前に懸濁され得る任意の媒体も含み得る。
【0102】
したがって、本発明の更なる実施形態では、本明細書に開示されるような粒子が提供され、当該コアを取り囲み、囲み、及び/又はカプセル化する当該コーティングは、コアの表面の少なくとも約50%、例えば、少なくとも約65%、例えば、少なくとも約75%、例えば、少なくとも約80%、より具体的には、少なくとも約90%、例えば、少なくとも約91%、例えば、少なくとも約92%、例えば、少なくとも約93%、例えば、少なくとも約94%、例えば、少なくとも約95%、例えば、少なくとも約96%、例えば、少なくとも約97%、例えば、少なくとも約98%、例えば、少なくとも約99%、例えば、おおよそ若しくは約100%をカバーし、コーティングは、本質的に、当該コアを完全に取り囲み、囲み、及び/又はカプセル化する。
【0103】
本明細書で使用される場合、「本質的に完全にコーティングして、当該コアを完全に取り囲み、囲み、及び/又はカプセル化する」という用語は、固体コアの表面の少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の被覆を意味する。
【0104】
非常に驚くべきことに、我々は、本発明による振動ふるい分け技術を使用するとき、コーティング材料における上記の低周波数のピンホール、間隙、又は亀裂を維持することができることも見出された。これは、本明細書に記載される技術が、そのような振動ふるい分け技術に好ましい場合があるように、ステンレス鋼ふるい(国際特許出願第PCT/GB2020/053129号に記載されている機械的ふるい分けプロセスで使用されるより柔らかいポリマーふるいではなく)を使用することを考えると驚くべきことであった。金属ふるいを通して粒子を手動で通す以前の試みは、コーティング材料にピンホール、間隙、又は亀裂の著しい形成を引き起こした。
【0105】
以下に記載されるように、本発明のプロセスは、活性成分が制御されない方法で放出され得る当該亀裂が本質的に存在しない、脱凝集したコーティングされた粒子をもたらす。コーティングに「本質的に当該亀裂がない」とは、コーティングされた粒子の表面の約1%未満が、摩耗、ピンホール、破損、間隙、亀裂及び/又は空隙(それを通して活性成分が潜在的に(例えば、元素に)さらされる)を含むことを意味する。
【0106】
コーティング材料の層は、まとめて、粒子の表面積にわたって本質的に均一な厚さであり得る。「本質的に均一な」厚さはとは、本発明の組成物中に存在するコーティングされた粒子の少なくとも約10%、例えば、約25%、例えば、約50%であるコーティングの厚さの変動の程度が、TEMで測定した場合、平均の厚さの約±20%以下(±50%以下を含む)であることを意味する。
【0107】
コアに塗布され得るコーティング材料は、それらが本質的に無毒でなければならないという点で、薬学的に許容され得る。
【0108】
コーティング材料は、ポリアミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリチオ尿素、ポリエステル、又はポリイミンなどの有機材料又はポリマー材料を含み得る。コーティング材料はまた、金属又は別の元素と、アルコール、カルボン酸、アミン、又はニトリルとの間の組み合わせである材料を含む、ハイブリッド材料(有機材料と無機材料との間のような)を含み得る。しかしながら、コーティング材料は、無機材料を含むことが好ましい。
【0109】
無機コーティング材料は、1つ以上の金属若しくはメタロイドを含み得るか、又は金属若しくはメタロイド、酸化物、窒化物、硫化物、セレン化物、炭酸塩、及び/又は他の三元化合物などのような1つ以上の金属含有又はメタロイド含有化合物を含み得る。金属、及びメタロイド、水酸化物、特に酸化物、特に金属酸化物が好ましい。
【0110】
言及され得る金属には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、貴金属、遷移金属、遷移後金属、ランタニドなどが含まれる。言及され得る金属及びメタロイドには、アルミニウム、チタン、マグネシウム、鉄、ガリウム、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタル、ランタン、及び/又はシリコン、より好ましくは、アルミニウム、チタン、マグネシウム、鉄、ガリウム、亜鉛、ジルコニウム、及び/又はシリコン、特にアルミニウム、シリコン、チタン及び/又は亜鉛が含まれる。
【0111】
上記のように、本発明のプロセスによって作製された組成物は、無機コーティング材料の2つ以上の個別の層を含むので、それらの層の性質及び化学組成は、層ごとに異なる可能性がある。
【0112】
個々の層はまた、金属酸化物若しくはメタロイド酸化物などの2つ以上の無機材料の混合物を含み得、かつ/又は層の特性を改変するために、異なる無機若しくは有機材料の複数の層若しくは複合体を含み得る。
【0113】
言及され得るコーティング材料には、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(FexOy、例えば、FeO及び/若しくはFe2O3及び/若しくはFe3O4)、酸化ガリウム(Ga2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ランタン(La2O3)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、並びに/又は二酸化シリコン(SiO2)を含むものが含まれる。好ましいコーティング材料には、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、及び二酸化シリコンが含まれる。より好ましいコーティング材料には、酸化鉄、二酸化チタン、硫化亜鉛、より好ましくは酸化亜鉛、二酸化シリコン、及び/又は酸化アルミニウムが含まれる。
【0114】
本発明のプロセスによって作製された組成物中の(個別又は集合ベースでの)コーティング材料の層は、本質的に(例えば、約80%超、例えば、約90%超、例えば、約95%、例えば、約98%の)酸化鉄、二酸化チタン、又はより好ましくは酸化亜鉛、酸化シリコン、及び/又は酸化アルミニウムからなり得る。
【0115】
本発明のプロセスは、コアに塗布されるコーティング材料が酸化亜鉛、二酸化シリコン及び/又は酸化アルミニウムを含む場合に、特に有用である。
【0116】
したがって、本発明による複数のコーティングされた粒子を調製する方法が更に提供され、コーティングされた粒子は、気相堆積技術によって、固体コア及び/又は以前にコーティングされた固体コア上に混合された酸化物を形成する少なくとも2つの金属及び/又はメタロイド酸化物の前駆体を塗布することによって作製される。金属酸化物又はメタロイド酸化物を形成するための前駆体は、多くの場合、水、酸素、オゾン、及び/又は過酸化水素などの酸素前駆体、並びに金属及び/又はメタロイド化合物、典型的には有機金属化合物又は有機メタロイド化合物を含む。
【0117】
前駆体の非限定的な例は以下のとおりである:酸化亜鉛の前駆体は、ジエチル亜鉛などの水及びジC1-C5アルキル亜鉛であり得る。酸化アルミニウムの前駆体は、水及びトリメチルアルミニウムなどのトリC1-C5アルキルアルミニウムであってもよい。酸化シリコン(シリカ)の前駆体は、酸素前駆体としての水、並びにシラン、アルキルシラン、アミノシラン、及びオルトケイ酸テトラエチルエステルであり得る。酸化鉄の前駆体としては、酸素、酸素前駆体としてオゾン及び水、並びにジC1-C5アルキル鉄、ジシクロプロピル鉄、及びFeCl3が挙げられる。当業者は、どの前駆体が本明細書に開示される目的に適しているかを認識していることが理解されるであろう。
【0118】
無機コーティング材料は、以下の混合物を含むことが更に好ましい:
(i)酸化亜鉛(ZnO)と、
(ii)1つ以上の他の金属及び/又はメタロイド酸化物。
上記原子比((i):(ii))が、少なくとも約1:6と、最大で約6:1との間である。
【0119】
好ましくは、原子比((i):(ii))は、少なくとも約1:1と、最大で約6:1との間である。
【0120】
酸化亜鉛及び1つ以上の他の金属及び/又はメタロイド酸化物の混合物を含むコーティングは、以下、「混合酸化物」コーティング又はコーティング材料」と称される。
【0121】
したがって、生物学的に活性な薬剤含有コアは、酸化亜鉛、及び1つ以上の他の金属及び/又はメタロイド酸化物の混合物を含むコーティング材料で、酸化亜鉛と他の酸化物との原子比が少なくとも約1:6(例えば、少なくとも約1:4、例えば、少なくとも1:2)、好ましくは少なくとも約1:1(例えば、少なくとも約1.5:1、例えば、少なくとも約2:1)(少なくとも約2.25:1を含む、例えば、少なくとも約2.5:1(例えば、少なくとも約3.25:1又は少なくとも約2.75:1(3:1を含む))、及び最大(すなわち、最大)約6:1まで(最大約5.5:1を含む)、又は最大約5:1、例えば、最大4.5:1(最大約4:1を含む)(例えば、最大約3.75:1)でコーティングされ得る。
【0122】
1つ又は複数の他の金属及び/又はメタロイド酸化物に対する酸化亜鉛の原子比が(例えば)約1:1と、最大で約6:1との間である混合酸化物コーティングを作製するために、当業者は、他の酸化物の1つのALDサイクル(すなわち単分子層)ごとに、約1~約6のALDサイクルの酸化亜鉛も堆積されなければならないことを理解するであろう。例えば、3:1の原子比(亜鉛:他の酸化物)の混合酸化物コーティングが形成される場合、3つの亜鉛含有前駆体パルスの後に、それぞれ第2の前駆体パルスが続き、酸化亜鉛の3つの単分子層が形成され、次いで、他の金属及び/又はメタロイド含有前駆体の1つのパルスが続き、第2の前駆体パルスが続き、他の金属及び/又はメタロイドの酸化物の1つの単分子層が形成される。あるいは、酸化亜鉛の6つの単分子層の後に、約3:1の全体的な原子比を提供するように、他の酸化物の2つの単分子層、又は任意の他の組み合わせが続いてもよい。この点で、関連する酸化物を生成するためのパルスの順序は、結果として生じる原子比が最終的に関連する範囲内にある限り、重要ではない。
【0123】
約50℃~約100℃などの低温でALDを使用して酸化亜鉛を含むコーティングを塗布すると(アモルファス層を形成する酸化アルミニウム及び酸化チタンなどの他のコーティング材料とは異なり)、コーティング材料は、その性質上大部分が結晶性であることを、我々は見出した。
【0124】
理論に制限されることなく、酸化亜鉛は結晶性であるため、酸化亜鉛のみがコーティング材料として採用される場合、ALDによって堆積される酸化亜鉛の隣接する結晶間に界面が形成され得、これによって、酸化亜鉛が部分的に溶解する担体システム、媒体、又は溶媒(例えば、水性溶媒系)が、その中に懸濁後に侵入し得ることが理解される。これは、作製することが意図されるデポー形成組成物には速すぎる溶解を引き起こし得ると考えられる。
【0125】
我々は、これらの問題が、本明細書に記載されているように混合酸化物コーティングを作製することによって緩和され得ることを発見した。特に、これらの問題は、本明細書に記載されているように、2つ以上の金属及び/又はメタロイド酸化物(混合酸化物)コーティングの混合物を作製することによって緩和され得ることがわかった。特に、完全にではないが、主に酸化亜鉛で構成され得る、本明細書に記載されているような混合酸化物コーティングを形成することにより、本質的に非晶質、又は結晶性材料と非晶質材料との間の複合材料であるように見えるコーティング、及び/又は水などの注入ビヒクルの侵入を低減し得るコーティングで活性成分をコーティングすることができた。この点で、前述の知覚された界面の存在は、本発明の混合酸化物態様を、不均一な方法(他の酸化物が界面によって形成された間隙を「充填する」方法)、又は均質な方法(最初に界面が潜在的に回避される方法で、堆積中に混合酸化物材料の真の複合材料が形成される方法)のいずれかで採用することによって、減少又は完全に回避され得るように思われる。
【0126】
本発明の製剤に採用される無機コーティングに加えて、本明細書に記載の別個のコーティングの間(例えば、別個の脱凝集ステップの間)、及び/又はコーティングが塗布されている間のいずれかに、薬学的に許容され、本質的に非毒性のコーティング材料などの他のコーティング材料も加えて塗布され得る。そのような材料は、層の特性を改変するために、当該混合酸化物の複数の層又は複合体、及び1つ以上の異なる無機若しくは有機材料を含み得る。
【0127】
追加のコーティング材料は、ポリアミド、ポリイミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリチオ尿素、ポリエステル、又はポリイミンなどの有機材料又はポリマー材料を含み得る。追加のコーティング材料はまた、金属又は別の元素と、アルコール、カルボン酸、アミン、又はニトリルとの間の組み合わせである材料を含む、ハイブリッド材料(有機材料と無機材料との間のような)を含み得る。しかしながら、コーティング材料は、無機材料を含むことが好ましい。
【0128】
使用される気相堆積反応器チャンバーは、任意選択で、及び/又は好ましくは、固定気相堆積反応器チャンバーであってもよい。用語「静止」は、気相堆積反応器チャンバーの文脈において、例えば、関連する機械によって引き起こされるような無視できる動き及び/又は振動を除外して、気相堆積技術を実行するために使用中に反応器チャンバーが静止したままであることを意味すると理解されるであろう。
【0129】
更に、いわゆる「ストップフロー」プロセスが採用され得る。ストップフロープロセスを使用して、第1の前駆体が反応器チャンバーに供給され、第1の前駆体が反応器チャンバーからパージされる前に、第1の前駆体は、所定の期間(浸漬時間とみなされ得る)、反応器チャンバー内のコアに接触させられ得る。所定の期間の間、好ましくは、気体の流れをもたらし得るポンプの実質的な欠如、及び/又はコアの機械的撹拌の実質的な欠如がある。
【0130】
ストップフロープロセスの採用は、各ガスが粉末などの高いアスペクト比の基板に適合して拡散することを可能にすることによって、コーティングの均一性を高めることができる。前駆体が表面上で反応するのにより多くの時間が与えられるため、反応性が遅い前駆体を使用する場合、利点は更に顕著になり得る。これは、特に、本発明による混合酸化物コーティングを堆積させるときに明らかであり得る。例えば、以下に記載されるように混合された酸化亜鉛/酸化アルミニウムコーティングを堆積させるとき、我々は、ジエチル亜鉛(DEZ)などの亜鉛含有前駆体が、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)などのアルミニウム含有前駆体よりも基板の表面に向かって低い反応確率を有することを見出した。
【0131】
良好なシェル完全性及びより制御された放出プロファイルを有するコーティングを生成することに加えて、そのようなストップフロープロセスの採用は、特定のコーティング組成物を達成する能力を改善し得る。
【0132】
例えば、上記のように、得られたシェル内の亜鉛とアルミニウムとの間の原子比が3:1であるコーティングを製造するために気相技術を採用しようとすると、前駆体の連続的な流れを使用して材料を堆積させる場合よりも、ストップフロープロセスを使用して3:1に非常に近い比率が達成され得ることがわかった。
【0133】
好ましくは、及び/又は任意選択で、「マルチパルス」技術を採用して、第1の前駆体、第2の前駆体、又は両方の前駆体を反応器チャンバーに供給してもよい。
【0134】
そのようなマルチパルス技術を使用して、それぞれの前駆体は、複数の「サブパルス」として反応器チャンバーに供給され得、各々は、1つの連続したパルスとしてではなく、例えば、1秒から約1分(気相堆積反応器のサイズ及び性質に応じて)のような短い期間を持続する。前駆体は、各サブパルスの後、所定の期間、例えば、約1~500秒、約2~250秒、約3~100秒、約4~50秒、又は約5~10秒、例えば9秒、反応器チャンバー内のコアに接触させてもよい。繰り返しになるが、気相堆積反応器のサイズ及び性質に応じて、この時間は、最大数分(例えば、最大約30分)まで延長することができる。サブパルスの導入、続いて一定期間の浸漬時間は、所定の回数、例えば、約5~1000回、約10~250回、又は約20~50回、単一のステップで繰り返され得る。
【0135】
ALDでは、コーティング材料の層は、約20℃~約800℃、又は約40℃~約200℃、例えば、約40℃~約150°、例えば、約50℃~約100℃のプロセス温度で塗布され得る。最適なプロセス温度は、コアに採用される前駆体及び/又は物質(生物学的に活性な薬剤を含む)の反応性、並びに/又はコア物質の融点に依存する。コーティングされるコアが生物学的に活性な成分を含む場合、約30℃~約100℃などのより低い温度が採用されることが好ましい。特に、約20℃~約80℃、例えば、約30℃~約70℃、例えば、約40℃~約60℃、例えば、約50℃の温度が採用される。
【0136】
本発明による複数のコーティングされた粒子は、塗布されたコーティングにおいて、本質的に前述の亀裂がなく、それを通して活性成分が潜在的に(例えば、元素に)露出されるが、それを更なる医薬製剤の処理に供する前に、2つの更なる任意選択的なステップが複数のコーティングされた粒子に適用され得る。
【0137】
第1の任意選択的なステップは、前述の最終的な脱凝集ステップの後に、最終的なオーバーコーティング層の塗布を含み得、その外側の「オーバーコーティング」層/コーティング、又は「シーリングシェル」(これらの用語は、本明細書において互換的に使用される)の厚さは、以前に塗布された別個の層/コーティング/シェル(又は「サブシェル」)よりも薄くなければならない。
【0138】
したがって、厚さは、最も広い以前に塗布されたサブシェルの厚さの平均で約0.7倍以下(例えば、約0.6倍)であり得る。代替的に、厚さは、塗布される最後のサブシェルの厚さの平均で約0.7倍以下(例えば、約0.6倍)であり得、かつ/又は以前に塗布された全てのサブシェルの平均の厚さの平均で約0.7倍以下(例えば、約0.6倍)であり得る。厚さは、最大約20μmの粒子の場合、平均で約0.3nm~約10nmの範囲であり得る。より大きい粒子の場合、厚さは、コーティングされた粒子の重量、数、又は体積に基づく平均直径の平均で約1/1000以下であり得る。
【0139】
シーリングシェルの役割は、粒子に「シーリング」オーバーコーティング層を提供し、それらの亀裂を覆うことであり、そのため、そのシーリングシェルで完全に覆われているだけでなく、医薬製剤化前及び/又は中に下に形成されたサブシェルを破壊しない様式で、粒子が容易に(例えば、ボルテックスなどの非侵襲的な技術を使用して)脱凝集され得る様式で覆われる粒子が生じる。
【0140】
本明細書に記載の理由から、シーリングシェルは、酸化亜鉛を含まないことが好ましい。一方、シールシェルは、二酸化シリコン、又はより好ましくは酸化アルミニウムを含み得る。
【0141】
第2の任意選択的なステップは、壊れた及び/又は亀裂の入ったシェル/コーティングを有する少数の残りの粒子を、全ての粒子が溶媒に懸濁される処理(活性成分は、例えば、少なくとも約1mg/mLの溶解度で可溶性であるが、コーティングの最も溶解度の低い材料は、例えば、約0.1μg/mL以下の溶解度で不溶性である)処理に供し、続いて、例えば、遠心分離、沈降、凝集、及び/又は濾過によって、溶媒から固形物粒子を分離し、その結果、主にインタクトな粒子が残ることを確実にすることを含み得る。
【0142】
上記の任意選択的なステップは、前に考察されたように、活性成分の血漿中濃度における(おそらく)望ましくない初期ピーク(バースト)の可能性を更に潜在的に低減する手段を提供する。
【0143】
プロセスの最後に、コーティングされた粒子は、コアを乾燥させるための前述した技術のうちの1つ以上を使用して、乾燥させることができる。乾燥は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(例えば、糖又は糖アルコール)の不在下又は存在下で起こり得る。
【0144】
代替的に、プロセスの最後に、分離された粒子は、その後の保存及び/又は患者への投与のために、溶媒(例えば、水、本明細書で定義される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤の存在の有無で)に再懸濁され得る。
【0145】
コーティング材料の第1の層を塗布する前に、又は順次のコーティングの間に、コア及び/又は部分的にコーティングされた粒子は、1つ以上の代替的及び/又は予備的な表面処理に供され得る。この点で、異なる材料(すなわち、無機材料以外)を含む1つ以上の中間層を、例えば、コーティングステップ/堆積処理中の前駆体との望ましくない反応からコア又は部分的にコーティングされた粒子を保護するため、コーティング効率を増強するため、又は凝集を低減するために、関連する表面に塗布することができる。
【0146】
中間層は、例えば、コーティングされる粒子の凝集を低減し、その後のコーティングに好適な親水性表面を提供する目的で、1つ以上の界面活性剤を含み得る。この点に関して、好適な界面活性剤としては、Tweenシリーズ(例えば、Tween80)などのよく知られた非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は双性イオン性の界面活性剤が挙げられる。代替的に、コアの一部として(又はコアとして)用いられる活性成分が、コーティング(例えば、ALD)プロセス中に気相に存在し得る1つ以上の前駆体化合物と反応しやすい場合、コアを、予備的な表面処理に供することができる。
【0147】
代替的に、この性質の「中間」層/表面処理の適用は、代替的に、液相非コーティング技術、続いて、凍結乾燥、噴霧乾燥、又は他の乾燥方法によって達成されて、コーティング材料がその後塗布され得る表面層を、粒子に提供し得る。
【0148】
本発明のプロセスによって作製された組成物の粒子の外面はまた、例えば、コーティング材料の最終層の外面に、1つ以上の化学化合物又は部分を付着させることよって、例えば、ナノ粒子が投与される患者内の粒子の標的化送達を増強する化学化合物又は部分を用いて、誘導体化又は官能化され得る。そのような化合物は、有機分子(例えば、PEG)ポリマー、抗体若しくは抗体断片、又は受容体結合タンパク質若しくはペプチドなどであり得る。
【0149】
代替的に、その部分は、シラン官能性を含む部分などのアンカリング基であり得る(例えば、Herrera et al,J.Mater.Chem.,18,3650(2008)及びUS8,097,742を参照されたい)。別の化合物(例えば所望の標的化化合物)は、共有結合若しくは非共有結合(水素結合若しくはファンデルワールス結合を含む)、又はそれらの組み合わせによって、かかるアンカリング基に結合され得る。
【0150】
かかる固定基の存在は、体内の特定の部位への標的化送達のための汎用性ツールを提供し得る。代替的に、PEGなどの化合物を使用すると、粒子が血流内でより長く循環し、肝臓又は脾臓に蓄積されないようにすることができる(身体が粒子を排除する自然な機構で、疾患組織への送達を防止する可能性がある)。
【0151】
本発明のプロセスによって作製された組成物は、それが調製されるときに(すなわち、複数の粒子として)患者への投与に好適であるか、又は、好ましくは、医学又は獣医学の分野で使用するためのアジュバント、希釈剤、又は担体を含む1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と一緒に製剤化される(療法中及び/又はコアが診断材料を含む場合は診断中を含む)。
【0152】
医学、診断、及び/又は獣医学診療で使用するための本発明のプロセスによって作製された組成物、及び本発明の組成物と薬学的に(又は獣医学的に)許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体とを含む医薬(若しくは獣医用)製剤が更に提供される。
【0153】
本発明の組成物は、局部的、局所的、又は全身的、例えば経口(経腸)、注射又は注入、静脈内又は動脈内(血管内若しくは他の血管周囲デバイス/剤形(例えば、ステント)を含む)、筋肉内、骨内、脳内、脳室内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病変内、頭蓋内、腫瘍内、皮膚、皮内、皮下、経粘膜(例えば、舌下若しくは頬側)、直腸、経皮、鼻、肺(例えば、吸入、気管若しくは気管支)、局所的、又は任意の他の非経口経路(例えば、皮下若しくは筋肉内)によって、任意選択的に、薬学的に(若しくは獣医学的に)許容される剤形の化合物を含む医薬(若しくは獣医用)製剤の形態で、投与され得る。
【0154】
本発明のプロセスによって作製された組成物の医薬製剤への組み込みは、意図された投与経路及び標準的な医薬慣行を十分に考慮して達成され得る。担体などの薬学的に許容される賦形剤は、生物学的に活性な薬剤に対して化学的に不活性であってもよく、使用条件下で有害な副作用又は毒性を有さない場合がある。そのような薬学的に許容される担体はまた、本発明のプロセスによって作製された組成物の即時放出又は放出調節を付与し得る。
【0155】
本発明のプロセスによって作製された組成物を含む医薬(又は獣医用)製剤は、異なるタイプの粒子、例えば、異なる機能化(前述のように)を含む異なる活性成分を含む粒子、異なるサイズ、及び/若しくは異なる厚さのコーティングの粒子、又はそれらの組み合わせを含み得る。単一の医薬製剤において、異なるコーティング厚さ及び/又は異なるコアサイズを有する粒子を組み合わせることにより、患者への投与後の薬物放出は、特定の期間にわたって制御(例えば、変動若しくは延長)され得る。
【0156】
経口投与(すなわち、嚥下を伴う経口による胃腸管への投与)のために、本発明のプロセスによって作製された組成物は、種々の剤形で処方され得る。薬学的に許容される担体又は希釈剤は、固体又は液体であり得る。固体製剤には、顆粒(顆粒は、例えば、担体、及び結合剤又はpH調整剤などの他の賦形剤の存在下で本発明の組成物の複数の粒子の一部又は全てを含み得る)、圧縮錠剤、丸薬、ロゼンジ、カプセル、カシェなどが含まれる。担体には、コア内の生物学的に活性な薬剤の処方に関して前述したもの、及び炭酸マグネシウム、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター、ラクトース、微結晶性セルロース、低結晶性セルロースなどを含む、当業者によく知られた材料が含まれる。
【0157】
固体剤形は、香味料、潤滑剤、結合剤、防腐剤、崩壊剤、及び/又は封入材料などの更なる賦形剤を含み得る。例えば、本発明のプロセスによって作製された組成物は、例えば、ソフト又はハードシェルカプセル、例えば、ゼラチンカプセルにカプセル化され得る。
【0158】
直腸投与用に処方された本発明のプロセスによって作製された組成物は、例えば、カカオバター、合成グリセリドエステル、又はポリエチレングリコールなどの好適な非刺激性賦形剤を含有し得る坐剤を含み得、これらは常温で固体であるが、液化し、及び/又は直腸腔に溶解して、本発明のプロセスによって作製された組成物の粒子を放出する。
【0159】
皮下注射及び/又は筋肉内注射などの非経口投与の場合、本発明のプロセスによって作製された組成物は、無菌の注射可能及び/又は注入可能な剤形、例えば、本発明のプロセスによって作製された組成物の無菌の水性又は油性懸濁液の形態で提示され得る。
【0160】
本発明の製剤の粒子の無菌の水性懸濁液は、当該技術分野において既知の技術に従って製剤化され得る。水性媒体は、少なくとも約50%の水を含有すべきであるが、リンゲル溶液などの他の水性賦形剤を含み得、また、極性共溶媒(例えば、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、様々な分子量のポリエチレングリコール、及びテトラグリコール)、粘度増加剤、又は増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、グリコール酸デンプンナトリウム、ポロキサマー、例えば、ポロキサマー407、ポリビニルピロリドン、シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、及び様々な分子量のポリエチレングリコール)、均質懸濁を達成するための界面活性剤/湿潤剤(例えば、ソルビタンエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、モノグリセリド、ポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシルグリセリド、及び好ましくは、Tween(Polysorbate)、例えば、Tween80及びTween20)を含み得る。好ましい成分には、等張性修飾剤(例えば、乳酸ナトリウム、デキストロース、特に塩化ナトリウム)、pH調節剤及び/又は緩衝剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、特にリン酸緩衝剤、例えば、リン酸水素二ナトリウム水和物、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、及びこれらの組み合わせが含まれ、これらは、塩酸及び水酸化ナトリウムなどの標準的な無機酸及び塩基と組み合わせて採用され得る)、並びにマンニトール、クロスカルメロースナトリウム、及びヒアルロン酸などの他の成分が含まれる。
【0161】
油性、又は油性ベースの担体システムは、ミグリオール(例えば、812N)、プロピレングリコールジカプリロカプレート((Miglyol 840,C8/C10エステル)、トリカプリリン((Miglyol油)、ゲルシレ43/01、コリソルブGTA、ラブラフィルを含む、モノ-、ジ-、又はトリグリセリドなどの固定油を含み得る1つ以上の薬学的又は獣医学的に許容される液体脂質を含み得る。担体システムはまた、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80などのポリソルベート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600などのグリコール、並びに/又は天然及び/若しくは精製された医薬的に許容される油、例えば、オリーブ油、ピーナッツ油、大豆油、コーン油、綿実油、ゴマ油、ヒマシ油、オレイン酸、及びそれらのポリオキシエチル化バージョン(例えば、ソルビタントリオレート、lauroglycol 90、capryol PGMC、PEG-60水素化ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油)を含み得る。より好ましい担体システムとしては、モノ-、ジ-、及び/又はトリグリセリドが挙げられ、アルキル鎖トリグリセリド(例えば、C6-C12アルキル鎖トリグリセリド)などの中鎖トリグリセリドが最も好ましい。
【0162】
そのような注射用懸濁液は、好適な分散剤又は湿潤剤(例えば、Tween80などのTween)、及び懸濁剤を採用することにより、当業者によく知られた技術に従って製剤化され得る。
【0163】
注射に好適な本発明のプロセスによって作製された組成物はまた、デポー製剤を形成するために外科的投与装置、例えば、注射用の針、カテーテルなどを備える注射器を介して投与可能な液体、ゾル、ペースト、又はゲルの形態であってもよい。
【0164】
本発明のプロセスによって作製された組成物の使用は、前述のように任意のバースト効果(例えば、投与直後の濃度最大値)を低減することによって、及び/又は血漿中濃度-時間プロファイルにおけるCmaxを低下させ、したがって、その製剤からの生物学的活性成分の放出の長さを増加させることによって、溶解速度及び薬物動態プロファイルを制御することができる。
【0165】
これらの要因は、本発明のプロセスによる製剤が対象に投与される必要がある頻度又はそれ以上の頻度を減少させるだけでなく、対象に外来患者としてより多くの時間を与え、したがって生活の質を向上させる。
【0166】
本発明のプロセスによって作製される組成物はまた、長期間にわたって安定した速度で有効成分の放出を制御することによって、潜在的に毒性のある薬物への低い毎日の曝露が提供され、それが望ましくない副作用を減少させることが期待されるという利点を有する。
【0167】
本発明のプロセスによって作製された組成物は、リザーバー及び注射又は注入手段内に含まれ得、コーティングされた粒子及び担体システムは、別個に収容され、混合は、注射若しくは注入前及び/又は中に起こる。
【0168】
本発明のプロセスによって作製された組成物はまた、例えば、乾燥粉末吸入器で使用するための吸入粉末として吸入用に製剤化され得る(例えば、Kumaresan et al,Pharma Times,44,14(2012)及びMack et al.,Inhalation,6,16(2012)に記載のものを参照されたい。その関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。肺への吸入に使用するための本発明の組成物中の複数の粒子に好適な粒径は、約2~約10μmの範囲である。
【0169】
本発明のプロセスによって作製された組成物はまた、皮膚又は粘膜に局所的に投与するために処方され得る。局所適用のために、医薬製剤は、例えば、ローション、ゲル、ペースト、チンキ剤、経皮パッチ、経粘膜送達用のゲルの形態で提供され得、これらは全て、本発明の組成物を含み得る。組成物はまた、鉱油、液体石油、白色石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、又は水などの担体に懸濁された本発明の組成物を含有する好適な軟膏で処方され得る。ローション又はクリームに好適な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セタリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が含まれる。
【0170】
医薬製剤は、コーティングされた粒子の約10重量%(約20重量%など、例えば、約50重量%)~約90重量%などの約1重量%~約99重量%を含み得、残りは、担体システム及び/又は他の薬学的に許容される賦形剤によって構成されている。
【0171】
注射に適切な本発明の組成物はまた、デポー製剤を形成するために外科的投与装置、例えば針、カテーテルなどを介して投与可能な液体、ゾル、又はゲルの形態の組成物を含み得る。
【0172】
いずれにせよ、本発明のプロセスによって作製された組成物は、医薬製剤の調製のために当該技術分野で使用される従来の医薬添加剤及び/又は賦形剤で製剤化され、その後、標準的な技術を使用して様々な種類の医薬製剤及び/又は剤形に組み込まれ得る(例えば、Lachman et al.,‘The Theory and Practice of Industrial Pharmacy’,Lea & Febiger,3rd edition(1986)、‘Remington:The Science and Practice of Pharmacy’,Troy(ed.),University of the Sciences in Philadelphia,21st edition(2006)、及び/又は‘Aulton’s Pharmaceutics:The Design and Manufacture of Medicines’,Aulton and Taylor(eds.),Elsevier,4th edition,2013を参照されたい)、及びそこで言及されている文書、その全ての関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。そうでなければ、好適な製剤の調製は、日常的な技術を使用して当業者によって非進歩的に達成され得る。
【0173】
本発明の更なる態様によれば、本明細書に記載のように調製されたコーティングされた粒子を、薬学的に許容される又は獣医学的に許容されるアジュバント、希釈剤、又は担体と一緒に混合することを含む、医薬製剤又は獣医用製剤を調製するためのプロセスが提供される。
【0174】
そのような製剤は、注射可能及び/又は注入可能であり、したがって、薬学的に許容される又は獣医学的に許容される水性及び/又は油性担体に懸濁された、本発明のプロセスによって作製された1つ以上の組成物を含むことが好ましい。
【0175】
更に、本発明のプロセスによって作製された製剤を含む注射可能及び/又は注入可能な剤形が提供され、当該製剤は、注射又は注入手段(例えば、注射用の針、カテーテルなどを備える注射器)に接続され、及び/又はそれに関連付けられるリザーバー内に含まれる。
【0176】
あるいは、本発明のプロセスによって作製された組成物は、好適な注射可能及び/又は注入可能な投薬手段(例えば、注射用の針を備える注射器)に装填される前に保存され得るか、又はかかる投薬手段に装填される直前に調製され得る。
【0177】
したがって、無菌の注射用及び/又は注入用剤形は、本発明の製剤が予め装填されていてもよい注射又は注入手段と連通しているレセプタクル又はリザーバーを含んでいてもよいし、使用前の時点で装填されていてもよいし、本発明の製剤及び水性担体システムのコーティングされた粒子が別個に収容されており、注射又は注入の前及び/又は中に混合が起こる1つ以上のリザーバーを含んでいてもよい。
【0178】
したがって、
(a)本発明のプロセスによって作製された組成物と、
(b)薬学的に許容される又は獣医学的に許容される担体システムと、を含む部品のキットが更に提供される。
並びに、部品のキットは、これらの粒子を薬学的に許容される又は獣医学的に許容される水性及び/又は油性担体システムと混合するためのエンドユーザーに対する説明書とともに、本発明のプロセスによって作製された組成物を含む。
【0179】
上記のように事前に装填された注射可能及び/又は注入可能な剤形が更に提供されるが、少なくとも2つのチャンバーを含むことによって改変され、その一方のチャンバー内に、本発明のプロセスによって作製された組成物が配置され、他方のチャンバー内に、薬学的に許容される又は獣医学的に許容される担体システムが配置され、混合することで、注射若しくは注入前及び/又は中に、懸濁液又はその他が生成される。
【0180】
本明細書で「約」という言葉が用いられる場合はいつでも、例えば、量(例えば、濃度、寸法(サイズ及び/若しくは重量)、用量、期間、薬物動態パラメータなど)、相対量(百分率、重量比、原子比、サイズ比、アスペクト比、割合、倍数又は分率など)、相対湿度、ルクス、温度又は圧力の文脈では、そのような変数は、概算であり、したがって、本明細書で指定された数値から±15%、例えば±10%、例えば±5%、好ましくは±2%(例えば±1%)変動し得ることが理解されるであろう。これは、そもそもそのような数値がパーセンテージで表されている場合でも当てはまる(例えば、「約15%」は、数値10の±15%を意味し得、これは8.5%~11.5%のいずれでもある)。
【0181】
本発明のプロセスによって作製された組成物は、多様な薬学的に活性な化合物の処方を可能にする。本発明のプロセスによって作製された組成物は、含まれる生物学的に活性な薬剤に応じて、多種多様な障害を効果的に治療するために使用され得る。
【0182】
本発明のプロセスによって作製された組成物は、均一かつ注射液内で安定な(すなわち、沈降しない)懸濁液を形成することができ、かつ針を通して注射することができるサイズ分布を有するコーティングされた粒子の注射用懸濁液の形態で更に製剤化され得る。この点で、本発明の製剤は、本発明の製剤の早期ゲル化を防止し得る、及び/又は懸濁液が「均質」ではなくなり、したがって活性成分の過少又は過剰投薬のリスクが生じる沈降を防止するのに十分な粘性を有する不活性成分を含む水性媒体を含み得る。
【0183】
更に、本発明のプロセスによって作製された組成物は、通常の保存条件下で保存することができ、それらの物理的及び/又は化学的完全性を維持することができる。
【0184】
「物理的及び化学的完全性を維持する」という表現は、本質的に、化学的安定性及び物理的安定性を意味する。
【0185】
「化学的安定性」とは、本発明のプロセスによって作製された任意の組成物を、通常の保管条件下で、化学的分解(degradation)又は分解(decomposition)の程度がわずかなまま、(適切な医薬品包装の有無にかかわらず)保管することができることを含む。
【0186】
「物理的安定性」とは、本発明のプロセスによって作製された任意の組成物は、物理的変換(例えば、上記のような沈降)の程度がわずかなまま、又はコーティングされた粒子の性質及び/若しくは完全性の変化、例えば、コーティング自体若しくは活性成分の変化(溶解、溶媒和、固相相転移などを含む)がわずかなまま、通常の保管条件下で、(適切な医薬品包装の有無にかかわらず)保管され得ることを含む。
【0187】
本発明のプロセスによって作製された組成物の「通常の保管条件」の例としては、長期間(すなわち、約12か月間以上、例えば、約6か月間)にわたる、約-50℃~約+80℃(好ましくは、約-25℃~約+75℃、例えば、約50℃)の温度、及び/又は約0.1~約2バールの圧力(好ましくは、大気圧)、及び/又は約460ルクスの紫外線/可視光への曝露、及び/又は約5~約95%(好ましくは、約10~約40%)の相対湿度が挙げられる。
【0188】
このような条件下では、本発明のプロセスによって作製された組成物は、必要に応じて、約15%未満、より好ましくは約10%未満、とりわけ約5%未満が、化学的及び/又は物理的に劣化/分解されていることが見出され得る。当業者は、温度及び圧力の上記の上限及び下限が通常の保管条件の極値を表し、これらの極値の特定の組み合わせが通常の保管中に経験されないことを理解する(例えば、50℃の温度及び圧力0.1バール)。
【0189】
更に、本発明のプロセスによって作製された組成物は、投与直後の濃度最大値を特徴とする任意のバースト効果及び/又はCmaxを最小化する放出及び/又は薬物動態プロファイルを提供し得る。
【0190】
本明細書に記載の組成物及びプロセスは、特定の生物学的に活性な薬剤による関連する状態の治療において、医師及び/又は患者にとって、より効果的であり、より毒性が低く、より広い範囲の活性を有し、より強力であり、より少ない副作用をもたらすよりも便利であり得、又は、同じ活性成分について先行技術に記載され得る任意の同様の治療よりも、他の有用な薬理学的特性を有し得るという利点を有し得る。
【0191】
本発明は、
図1~
図4が、実施例に従って得られた試料の時間に対する薬物放出プロファイルを示す添付の図を参照して以下の実施例によって示されているが、決して限定されない。
【実施例】
【0192】
比較例1
コーティングされたアザシチジン微粒子I
アザシチジンの微粒子(Olon SpA,Rodano,Italy)は、ジェットミリング(Catalent,Malvern,PA(USA))によって調製した。ジェットミリングされたアザシチジン粒子の重量に基づく(D50)平均直径は、レーザー回折(Sympatec,Helos(H1672)及びRodos,R3,Clausthal-Zellerfeld,Germany)によって決定した場合、1.2μmであった。
【0193】
粉末をALD反応器(Picosun,SUNALE(商標)R-シリーズ,Espoo,Finland)に装填した。35回のALDサイクルを、50℃の反応器温度で行った。ジエチル亜鉛及び水を前駆体として使用し、酸化亜鉛の第1の層を形成した。第1の層の厚さは、約5nmであった(ALDサイクル数から推定)。
【0194】
粉末を反応器から取り出し、ゴムべらを使用して、粉末をメッシュサイズが20μmの金属ふるいに通すことによって、脱凝集させた。
【0195】
得られた脱凝集した粉末を、ALD反応器に再装填し、酸化亜鉛の第2の層を形成する前と同様に、更に35回のALDサイクルを実施し、反応器から抽出し、上記のように手動ふるい分けによって脱凝集させ、再装填して第3の層を形成し、脱凝集させ、最後の第4の層に再装填した。
【0196】
薬物負荷(すなわち、粉末中のアザシチジンのw/w%)を決定するために、4.6×250mm、3μm粒子、C18カラム(Luna,Phenomenex,USA))を使用して、210nmに設定されたダイオードアレイ検出器(Shimadzu,Japan)を備えたHPLC(Prominence-i(Shimadzu,Japan))を用いた。ナノシェルコーティングを、1Mのリン酸に溶解し、スラリーを希釈して、水中に1g/Lの重亜硫酸ナトリウムで希釈することによって、アザシチジンを溶解した後、濾過し(0.2μm RC,Lab Logistics Group,Germany)、HPLCで更に分析した。(n=2)。薬物負荷は、64.7%と決定された。
【0197】
比較例2
コーティングされたアザシチジン微粒子II
アザシチジンの対応するコーティングされた微粒子は、粉末がMSN Labs(India)から供給されたことを除いて、上記の比較例1に記載のように調製した。粒子は、5.5μmの平均直径を有した(レーザー回折(Shimadzu,SALD-7500nano,Kyoto,Japan)によって決定された)。脱凝集は、ふるいを通して粉末を振盪するためのソニックシフター(Tsutsui Scientific Instruments Co.,Ltd.,SW-20AT,Tokyo,Japan)を使用して、メッシュサイズが20μmのナイロンふるいを通して、ふるい分けすることによって実施した。薬物負荷は、74.5%と決定された。
【0198】
比較例3
コーティングされたインドメタシン微粒子I
上記の比較例2に記載のものと同様のプロセスを用いて、インドメタシンのコーティングされた微粒子を、それぞれ2:1の比率のZnO:Al2O3(すなわち、2つのZnOサイクル、続いて1つのAl2O3サイクルが11回繰り返される)を有する33サイクルの4つのALDセットを使用して調製した。各ALDセットの間に、試料を、ナイロンふるい及び20μmメッシュサイズのふるいを備えた音波シフター(Tsutsui Sonic Agitated Sifting Machine SW-20AT)を使用して、脱凝集させた。粒子は、レーザー回折(Shimadzu SALD-7500nano)によって決定されるように、8μmの平均直径を有した。
【0199】
実施例4
コーティングされたインドメタシン微粒子II
インドメタシンのコーティングされた微粒子は、最終ふるい分けステップのポイントまで、上記の比較例3に記載のように調製した。
【0200】
その時点で、コーティングされたインドメタシン微粒子を、振動モータ、ステンレス鋼ふるい及び25μmメッシュサイズのふるいを備えた振動シフター(Russell Finex Mini Sifter 400)を使用して最後にふるいにかけた後、上記の比較例3に記載されるように、第4のALDサイクルセットでコーティングした。
【0201】
比較例5
インビトロの薬物放出I
比較例1及び2のコーティングされたアザシチジン粒子のインビトロの放出試験は、CP7-35ピストンポンプ(Sotax AG,Switzerland)及びC613フラクションコレクター(Sotax AG,Switzerland)に接続されたSotax CE7スマートUSP4装置(Sotax AG,Switzerland)を使用して実施した。
【0202】
直径22.6mmのフロースルーセルは、セルコーンの先端に5mmのルビービーズを用いて準備し、そこに、懸濁した試料を導入した。
【0203】
試料は、1セル当たり50mgのアザシチジンに対応する試料量で、2回分析した。試料(33.3mgアザシチジン/mL)を、pH7.2の生理食塩水(0.9%NaCl)リン酸緩衝液中の0.1%のTween20+0.25%のCMCナトリウム中でボルテックスすることによって分散させた。
【0204】
この装置を、オープンループセットアップで使用し、新鮮な20mMのPIPES(pH7.2)溶解媒体がシステムに連続的に導入された。ウォーターバスの温度を37℃±0.5℃に設定し、媒体の流量を16mL/分に設定した。2つのWhatmanガラスマイクロファイバーフィルター、GF/F及びGF/D(d=25mm,Sigma-Aldrich/Merck KGaA,Germany)を使用して、フロースルーセルを離れる前に媒体を濾過した。放出された媒体を収集した画分を、上記の薬物負荷分析に使用したものと同じ設定を使用して、HPLCを使用して、アザシチジン含有量について分析した。
【0205】
図1及び
図2は、それぞれのアザシチジンの放出プロファイル(比較例1及び実施例1によってそれぞれ得られた試料について、Sotax装置におけるサンプリング時間に対する1分間当たりの放出されたアザシチジンのパーセンテージ)を示す。
【0206】
比較例1は、比較例2よりも高い初期(バースト)放出を有することがわかる。
【0207】
実施例6
インビトロの薬物放出II
比較例3及び実施例4の粒子のインビトロ放出試験は、上記の比較例5の上記の方法に従って実施した。
【0208】
図3及び
図4は、それぞれのインドメタシンの放出プロファイル(比較例3及び実施例4によってそれぞれ得られた試料について、Sotax装置におけるサンプリング時間に対する累積的に放出されたインドメタシンのパーセンテージ)を示す。
【0209】
2つの試料は、ほぼ同一の放出プロファイルを有し、これは、上記の実施例4のコーティングされたインドメタシン微粒子を調製するために使用される振動ふるい分け技術が、音波シフター単独を使用して調製されたものと比較して、活性成分の放出の初期(バースト)の増加を示さないことを実証した。
【0210】
まとめると、比較例5及び実施例6の結果は、ステンレス鋼ふるいを備えた振動シフターは、比較例1を調製するために使用される手動ふるい分けプロセスよりも、コーティング材料においてより少ないピンホール、間隙又は亀裂を生じることができるだけでなく、ALDセット間の脱凝集のためのツールとしてより柔らかいナイロンふるいを備えた音波シフターよりも、コーティング材料においてピンホール、間隙又は亀裂を生じることができないことを示す。
【国際調査報告】