(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-11
(54)【発明の名称】限定流量カップ
(51)【国際特許分類】
A47G 19/00 20060101AFI20240704BHJP
A47G 19/22 20060101ALI20240704BHJP
【FI】
A47G19/00 Z
A47G19/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578756
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022034069
(87)【国際公開番号】W WO2022266489
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523476845
【氏名又は名称】プロヴァメド
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホッジス,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーセル,トム
(72)【発明者】
【氏名】ピサルンウォングス,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】トマソン,ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ボーンホフト,ケリー
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB04
3B001BB10
3B001CC28
3B001DA02
3B001DB01
3B001DB02
(57)【要約】
飲用位置に傾けられるたびに所定量の液体を繰り返しユーザーに分注するための限定流量飲用カップは、外側カップと、外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、メイン液体リザーバ内に液体の供給物を収容するように構成され、外側カップと流体連通する内側カップと、c)内側カップが外側カップ内に完全に着座したときに形成され、ユーザーへの所定量の液体を計量するように構成された、角度のついた移送リザーバであって、第1の移送スロットを介して、内側カップ内に収容される液体の供給物と流体連通する移送リザーバとを備え、角度のついた移送リザーバは、気泡が上昇してメイン液体リザーバに移動するための傾斜路を提供するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲用位置に傾けられるたびに所定量の液体を繰り返しユーザーに分注するための限定流量飲用カップであって、
a)外側カップと、
b)前記外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、メイン液体リザーバ内に液体の供給物を収容するように構成され、前記外側カップと流体連通する内側カップと、
c)前記内側カップが前記外側カップ内に完全に着座したときに形成され、前記ユーザーへの前記所定量の液体を計量するように構成された、角度のついた移送リザーバであって、第1の移送スロットを介して、前記内側カップ内に収容される前記液体の供給物と流体連通する移送リザーバと
を備え、
角度のついた前記移送リザーバは、気泡が前記移送リザーバに閉じ込められないようにするため、気泡が上昇して前記メイン液体リザーバに移動するための傾斜路を提供するように構成されている、限定流量飲用カップ。
【請求項2】
前記所定量の液体を前記ユーザーに分注するように構成されたストローを備え、前記ストローは、第2の移送スロットを介して、角度のついた前記移送リザーバと流体連通する、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項3】
余分な液体が前記ユーザーに分注されるのを防止する通気システムをさらに備える、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項4】
蓋をさらに備える、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項5】
前記蓋は、蓋取り外しタブを備える、請求項4に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項6】
前記蓋は、前記外側カップ及び前記内側カップの組立体に着座したときに、余分な液体が前記ユーザーに分注されるのを防止する通気システムを備える、請求項4に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項7】
前記通気システムは、チャネル、マウスピース通気孔、ダクト、ダクト通気孔、及び蓋通気孔を備え、前記ユーザーが前記メイン液体リザーバから余分な液体を吸い出すのを防止する、請求項3又は6に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項8】
前記内側カップは、可撓性ゴムポリマーを含む、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項9】
前記内側カップは、シリコーンまたは熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項10】
前記蓋は、前記内側カップのマウスピースのための隙間及び/又は前記内側カップのフランジに対する停止位置を提供する蓋フランジを備える、請求項4に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項11】
角度のついた前記移送リザーバは、気泡が前記移送リザーバから前記メイン液体リザーバへ移動するために、第2の移送スロットから前記第1の移送スロットまで3°より大きい上面角度を有する、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項12】
前記移送リザーバは、前記第1の移送スロットから第2の移送スロットまで約5から20°までの角度で傾斜した側壁を備える、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項13】
前記内側カップは、切り欠きロック/着座機構と嵌合したタブロック/着座機構を介して前記外側カップ内に完全に着座している、請求項1に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項14】
前記メイン液体リザーバは、前記限定流量飲用カップが傾けられたときに、前記ストロー内の液面レベルがマウスピース通気孔に達する前に液面レベルが前記第1の移送スロットの移送リザーバ端より下にあるように構成された充填ラインを備える、請求項2に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項15】
飲用位置に傾けられるたびに所定量の液体をユーザーに分注するための限定流量飲用カップであって、
a)外側カップと、
b)前記外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、メイン液体リザーバ内に液体の供給物を収容するように構成され、前記外側カップと流体連通する内側カップと、
c)前記内側カップが前記外側カップ内に完全に着座したときに形成され、前記ユーザーへの前記所定量の液体を計量するように構成された移送リザーバであって、第1の移送スロットを介して、前記内側カップ内に収容される前記液体の供給物と流体連通する移送リザーバと、
d)前記所定量の液体を前記ユーザーに分注するように構成されたストローであって、第2の移送スロットを介して前記移送リザーバと流体連通するストローと
を備え、
前記移送リザーバは、直立位置にあるときは、計量された前記所定量の液体を供給する液体で満たされ、前記ユーザーに1回の所定量の液体を供給する飲用位置にカップが傾けられたときは、満たされなくなる、限定流量飲用カップ。
【請求項16】
前記移送リザーバは角度がつけられており、空気が前記内側カップ内に移動して前記移送リザーバ又は前記ストロー内に閉じ込められたままにならないようにする傾斜路を提供するように構成されている、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項17】
余分な液体が前記ユーザーに分注されるのを防止する通気システムをさらに備える、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項18】
蓋をさらに備える、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項19】
前記蓋は、蓋取り外しタブを備える、請求項17に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項20】
前記蓋は、前記外側カップ及び前記内側カップの組立体に着座したときに、余分な液体が前記ユーザーに分注されるのを防止する通気システムを備える、請求項17に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項21】
前記通気システムは、チャネル、マウスピース通気孔、ダクト、ダクト通気孔、及び蓋通気孔を備え、前記ユーザーが前記メイン液体リザーバから余分な液体を吸い出すのを防止する、請求項17又は20に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項22】
前記内側カップは、可撓性ゴムポリマーを含む、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項23】
前記内側カップは、シリコーンまたは熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項24】
前記蓋は、前記内側カップのマウスピースのための隙間及び/又は前記内側カップのフランジに対する停止位置を提供する蓋フランジを備える、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項25】
前記移送リザーバは、気泡が前記移送リザーバから前記メイン液体リザーバへ移動するために、前記第2の移送スロットから前記第1の移送スロットまで3°より大きい上面角度を有する、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項26】
前記移送リザーバは、前記第1の移送スロットから前記第2の移送スロットまで約5から20°までの角度で傾斜した側壁を備える、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項27】
前記蓋は、前記内側カップのマウスピースのための隙間を含む、請求項18に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項28】
前記内側カップは、切り欠きロック/着座機構と嵌合したタブロック/着座機構を介して前記外側カップ内に完全に着座している、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項29】
前記メイン液体リザーバは、前記限定流量カップが傾けられたときに、前記ストロー内の液面レベルがマウスピース通気孔に達する前に液面レベルが前記第1の移送スロットの移送リザーバ端より下にあるように構成された充填ラインを備える、請求項15に記載の限定流量飲用カップ。
【請求項30】
外側カップ、内側カップ、及び蓋を備える限定流量カップ(100)であって、
前記外側カップは、開放された上部と閉じた底部(428)とを備え、前記開放された上部は、外側カップ上端、メイン内部空洞(407)、及び外面によって形成され、前記メイン内部空洞は、前記内側カップと嵌合するのに適した断面を有し、前記外側カップ上端は、前記内側カップを受けるための外側カップ切り欠き(306)を有し、前記外面は、任意に取っ手(305)を備え、
前記内側カップは、開放された上部と閉じた底部、内側カップ内部と内側カップ外部の側壁を備え、前記開放された上部は、内側カップフランジ(511)を備えた内側カップ上端と、マウスピースチャネル(610)を備えるマウスピース(609)を提供する隆起部によって形成され、前記内側カップ内部は、流体が流れることができる(610)マウスピース通気孔(621)を備え、前記内側カップ上端は、前記内側カップが前記外側カップ内に着座するために、前記外側カップ切り欠きと組み合うことができ、前記閉じた底部は、内側カップ底部内側部と、内側カップ外部側壁の凹部につながる凹部を備える内側カップ底部外側部とを含み、
前記外側カップ及び前記内側カップは、互いに取り付けられると、前記内側カップの凹部とマウスピース通気孔につながる流体移送リザーバ(815)を提供し、
前記蓋は、蓋外面及び蓋内面を有し、前記蓋外面は、隆起した蓋縁部に囲まれた上凹部を備え、前記蓋内面は、組み立てられた形態の前記内側カップに接触し、前記蓋内面は、前記内側カップの内部に面した内部隆起部と、前記内側カップフランジに対する停止位置を提供するフランジ(1336)と、取り外しタブ(1333)と、内側カップマウスピースを収容するための隙間(1235)と、2つのビーズの間にダクト(1134)が形成されるように前記内部隆起部を取り囲む2つのシールビーズ(1230)と、前記ダクトを前記蓋内面に接続する前記内部隆起部のダクト通気孔(1232)と、前記蓋内面を外部大気に接続する蓋通気孔(1231)と、を備え、
吸引動作によって限定流量カップ100の外側から空気が吸い込まれるので、前記マウスピースチャネル(610)、マウスピース通気孔(621)、ダクト(1134)、ダクト通気孔(1232)、及び蓋通気孔(1231)によって設けられる導管は、ユーザーがメインリザーバ(23)から余分な流体を吸い出すことを防止する、限定流量カップ。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか1項に記載の限定流量カップを使用する方法であって、前記限定流量カップ内に収容される液体を充填及び/又は飲用する工程を含む、方法。
【請求項32】
請求項1~28のいずれか1項に記載の限定流量カップを製造する方法であって、液体をその中に収容することができ、かつ、傾けられた時に放出される収容液体の量が限定されるような組み立て限定流量カップを提供するために、前記外側カップの中に前記内側カップを配置する工程を含む、方法。
【請求項33】
組み立てられた前記内側カップ及び前記外側カップに蓋を配置する工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年6月17日に出願された米国仮出願第63/211,753号の優先権を主張するものであり、その全体が本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、限定流量カップ、ならびにその製造方法及び使用方法に関する。
【0003】
嚥下障害は、食物及び液体を飲み込むことが困難であることを特徴とする症状であり、脳卒中、頭部外傷、神経障害、および他の認知上及び運動上の問題を患う患者に存在し得る。また、加齢や障害の結果として、あるいは手術後の一過性の症状としても起こり得る。嚥下障害の結果、患者は、脱水や栄養不足に悩まされることもある。
【0004】
嚥下障害を患う人が低粘度の液体を飲み込もうとすると、ボーラス(bolus)が気管支を通って肺に入る傾向があり、咳、窒息、さらには肺炎につながる誤嚥を引き起こすことがある。栄養と水分補給を維持するために、このような患者には、典型的にティースプーン1杯程度のごく少量のボーラスが投与される。このような少量のボーラスであれば、誤嚥の問題はなく、容易に処理できることが多い。嚥下障害のある患者を支援するために、以前からさまざまな装置や液体増粘剤、その他の製品が開発されているが、これらは通常、介護者の介助無しに通常の飲用動作で一定量を提供することはできない。
【0005】
限定流量飲用カップは、一定の計量された液体をユーザーに供給するように設計されている。典型的な限定流量カップは、液体が通過できる開口部を画定するカバーを有するカップ本体を含む。計量は、(a)カバー、(b)開口部でカバーに固定され、カップ本体の下方に延びるチューブ、および(c)チューブの下端に取り付けられ、かつカップ自体の中に収容される小型計量カップ、を含む3ピースアセンブリで提供される。計量カップは、一般的に横方向を向いた開口端を有する。飲む前に、カップ本体は、所定の液面レベルまで液体を含み、計量カップは、液体で満杯であり、チューブは、カップ本体内の液面レベルまで液体で満たされている。計量カップと、カップ本体内の液面より下にあるチューブの部分とが一緒になって、限定容積を有する計量チャンバーを画定する。ユーザーが限定流量カップを飲用位置に傾けると、計量チャンバー内の液体は、チューブを通って開口部からユーザーへと流れ出る。カップ本体が飲用位置にあるとき、計量カップの開口端は、通常カップ本体内の液面より上で延在し、それによって液体は、計量カップ内に流入することができない。その結果、1回の飲用動作中に計量チャンバー内の量だけが分注される。
【0006】
米国特許第6,755,318号及び同第7,854,342号には、ある種の限定流量カップが開示されている。それらのカップの設計によれば、ユーザーが1回飲んだ後、計量チャンバー内に空気が閉じ込められ、その後の使用では、所望の液量より少ない液量が分注されるかもしれない。この問題は、本明細書に開示され、以下に詳細に説明される本限定流量カップによって解決されており、再設計されたカップは、空気が閉じ込められるのを防止し、所望の特定の量、例えば5cc(立方センチメートル=ミリリットル)を一貫して、本通気システムを利用してユーザーに分注する。
【0007】
したがって、本開示は、これにより、これらの問題、及び他の技術分野で認識されている、及び認識されていない他の問題に対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、限定流量カップ、並びにその製造方法及び使用方法に関する。特定の実施形態において本明細書に提供されるのは、飲用位置に傾けられるたびに、所定量の液体をユーザーに繰り返し分注するための限定流量飲用カップである。実施形態において、限定流量カップは、所定量の液体をユーザーに分注するように構成された、外側カップと、内側カップと、移送リザーバと、ストローとを備える。特定の実施形態において、限定流量カップは、a)外側カップと、b)外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、メイン液体リザーバ内の液体の供給物を収容するように構成され、外側カップと流体連通する内側カップと、c)内側カップが外側カップ内に完全に着座したときに形成され、ユーザーへの所定量の液体を計量するように構成された角度のついた移送リザーバと、を備え、移送リザーバは、第1の移送スロットを介して内側カップ内に収容される液体の供給物と流体連通し、角度のついた移送リザーバは、気泡が移送リザーバ内に閉じ込められないようにするため、気泡が上昇してメイン液体リザーバ内に移動するための傾斜路を提供するように構成されている。
【0009】
他の特定の実施形態では、限定流量カップは、a)外側カップと、b)外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、液体の供給物を収容するように構成され、外側カップと流体連通する内側カップと、c)内側カップが外側カップ内に完全に着座したときに形成され、ユーザーへの所定量の液体を計量するように構成された移送リザーバであって、第1の移送スロットを介して内側カップ内に収容される液体の供給物と流体連通する移送リザーバと、d)所定量の液体をユーザーに分注するように構成されたストローであって、第2の移送スロットを介して移送リザーバと流体連通するストローと、を備え、移送リザーバは、直立位置にあるときは、計量された所定量の液体を供給するよう液体で満たされ、飲用位置にカップが傾けられたときは、ユーザーに1回の所定量の液体を供給して満たされなくなり、移送リザーバはさらに、空気が内側カップ内に移動して移送リザーバまたはストロー内に閉じ込められたままにならないように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】例示的な限定流量カップ100の正面図である。
【
図2】蓋204、内側カップ203及び外側カップ202を示す、
図1からの例示的な限定流量カップ100の拡大図である。
【
図3】取っ手305、切り欠きロック/着座機構306及び切り欠きロック/着座機構306のリップ機構308を示す例示的な外側カップ202の側面図である。
【
図4】空洞407、空洞407の内側側面425及び空洞407の底部内面428を示す、
図3の外側カップ202の断面図である。
【
図5】内側カップ203のフランジ511、ストロー512、ストロー形成面513、フロントタブロック/着座機構518、内側カップダクト壁522、および外側面524を示す、内側カップ203の直立図である。
【
図6】マウスピース609、マウスピースチャネル610、通気孔621及び外側タブロック/着座機構627を示す内側カップ203の直立図である。
【
図7】第2の移送スロット714、第3の移送スロット716及び外側底面720を示す内側カップ203の倒立図である。
【
図8】第2の移送スロット714、移送リザーバ815、第1の移送スロット817、裏面819及びバックタブロック/着座機構826を示す内側カップ203の倒立図である。
【
図9】移送リザーバ815、マウスピースチャネル610、ストロー512、第2の移送スロット714、第1の移送スロット817、通気孔621及び移送リザーバ815の傾いた上面929を示す内側カップ203の断面図である。
【
図10】移送リザーバ815、マウスピースチャネル610及びメイン流体/液体リザーバ1023を示す
図9の内側カップ203の断面図である。
【
図11】ダクト1134を示す蓋204の拡大図である。
【
図12】ダクト1134を形成する蓋を包囲する2つのシールビーズ(seal beads)1230、蓋の通気孔1231、ダクトの通気孔1232、及び蓋が限定流量カップ100に置かれたときに
図6のマウスピース609に適合する隙間1235を示す蓋204の倒立拡大図である。
【
図13】ダクトの通気孔1232、蓋取り外しタブ1333、ダクト1134及びフランジ1336を示す蓋204の倒立拡大図である。
【
図14】外側カップ202、外側カップ202内に完全に着座した内側カップ203、蓋204、及び液体を供給するための最大充填ライン1440を示す、
図1の組み立て限定流量カップ100の断面図である。
【
図15】
図2の内側カップ203のメイン流体/液体リザーバ1023内の液体1543の供給物とストロー512を示す、
図1の組み立て限定流量カップ100の断面図である。
【
図16】ストロー512、通気孔621、液体の供給物1543及び移送リザーバ端1645を示す、飲む前の傾いた角度位置にある
図1の組み立て限定流量カップ100の断面図である。
【
図17】ストロー512、第2の移送スロット714、移送リザーバ815、第1の移送スロット817、液体の供給物1543、及び所定量の液体の分注1744を示す、傾いた飲用角度位置にある
図1の組み立て限定流量カップ100の断面図である。
【
図18】ストロー512、第2の移送スロット714、移送リザーバ815、第1の移送スロット817、及び液面1846を示す、直立位置にある
図1の組み立て限定流量カップ100の断面図である。
【
図19】内側カップ203、外側カップ202及び蓋204が示された限定流量カップ100の拡大断面図であり、マウスピースチャネル610、通気孔621、蓋通気孔1231、ダクト通気孔1232、ダクト1134及び外側/内側カップシールライン1950も示されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、その中に含まれる流体の限定的な放出を提供するカップに関する。さらに、本限定流量カップは、空気が移送リザーバ内に閉じ込められるような繰り返し使用に関する以前の問題を克服するように構成されている。その構成は、内側カップ内に第1の移送スロットを介して移送リザーバと流体連通するメイン液体リザーバを設け、この移送リザーバの上部は、気泡が上昇してメイン液体リザーバに移動することができる傾斜路を提供するために角度が付けられていることにより達成される。このような構成により、ユーザーにとって、本限定流量カップの改善された使用、特に繰り返しの使用が可能となり、ユーザーが確実に所定量の同じ量の液体を得ることができる。
【0012】
本明細書において提供される特定の実施形態において、飲用位置に傾けられるたびに所定量の液体をユーザーに繰り返し分注するための限定流量カップは、a)外側カップと、b)外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、メイン液体リザーバ内に液体の供給物を収容するように構成され、外側カップと流体連通する内側カップと、c)内側カップが外側カップ内に完全に着座したときに形成され、ユーザーへの所定量の液体を計量するように構成された、角度がついた移送リザーバと、を備え、移送リザーバは、第1の移送スロットを介して内側カップ内に収容される液体の供給物と流体連通し、角度がついた移送リザーバは、気泡が移送リザーバ内に閉じ込められないようにするため、気泡が上昇してメイン液体リザーバに移動するための傾斜路を提供するように構成されている。
【0013】
本明細書で提供される他の特定の実施形態では、飲用位置に傾けられるたびに所定量の液体をユーザーに分注するための限定流量飲用カップは、a)外側カップと、b)外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、液体の供給物を収容するように構成され、外側カップと流体連通する内側カップと、c)内側カップが外側カップ内に完全に着座したときに形成され、ユーザーへの所定量の液体を計量するように構成された移送リザーバであって、第1の移送スロットを介して内側カップ内に収容される液体の供給物と流体連通する移送リザーバと、d)所定量の液体をユーザーに分注するように構成されたストローであって、第2の移送スロットを介して移送リザーバと流体連通するストローと、を備え、移送リザーバは、直立位置にあるときは、計量された所定量の液体を供給する液体で満たされ、ユーザーに1回の所定量の液体を供給する飲用位置でカップが傾けられたときは、液体が満たされなくなり、移送リザーバは、空気が内側カップ内に移動して移送リザーバまたはストロー内に閉じ込められたままにならないようにさらに構成されていることが好ましい。追加の詳細については後述する。
【0014】
例示的な実施形態において、限定流量カップ100は、外側カップ202、内側カップ203及び蓋204を備える。実施形態において、外側カップ202は、液体を収容するための任意の適切な材料、好ましくは硬質プラスチック又はアルミニウムなどの軽量金属で構成することができ、外側カップ202内に内側カップ203を所定位置にロックして完全に着座させるためのロック機構306及び308と、限定流量カップ100を組み立てるために内側カップ203に配置されるメイン空洞407とを備える。実施形態において、外側カップ202のメイン空洞407は、好ましくは円形断面を有するが、当業者であれば、形状は様々であってよく、特定の実施形態において、内側カップ203はロック機構306及び308を介してロックされ、外側カップ202内に着座することが理解できるであろう。実施形態において、外側カップ202は、限定流量カップ100の制御および使用を容易にするための取っ手305をさらに備える。
図1~
図4を参照されたい。特定の実施形態では、限定流量カップ100は、ユーザーに応じて左又は右のいずれか一方に1つの取っ手305を備えていてもよく、また他の特定の実施形態では、限定流量カップ100は、2つの取っ手305を備える。実施形態において、取っ手305の配置は、右利き又は左利きのユーザーに対応するために、内側カップ203を内側202内に入れ、180°回転させて、マウスピース609の位置に対する取っ手305の向きを変えることによって実現される。
【0015】
本明細書で提供される実施形態において、内側カップ203は、フロントタブロック/着座機構518と、バックタブロック/着座機構627とを備え、それぞれの機構は、外側カップ202のロック機構306と嵌合し、リップ機構308を介してリップロック/着座機構627でロックされたまま完全に着座するように構成されている。さらなる実施形態では、内側カップ203は、マウスピース610に接続されたストロー512を備える。特定の実施形態では、内側カップ203は、第1の移送スロット817を介してメイン液体リザーバ1023と流体連通する移送リザーバ815を備え、限定流量カップ100が直立非飲用角度位置にあるときに、移送リザーバ815を所定量の液体で満たすための構成を提供する。内側カップ203の直立図については
図5及び
図6を、内側カップ203の倒立図については
図7及び
図8を、内側カップ203の断面図については
図9及び
図10を参照されたい。実施形態において、移送リザーバ815は、第2の移送スロット714を介してストロー518と流体連通し、限定流量カップ100が傾いた飲用角度位置にあるときに、計量された所定量の液体を分注するための構成を提供する。
図17を参照されたい。
【0016】
特定の実施形態では、内側カップ203は可撓性ゴムで構成されているが、シリコーンや熱可塑性エラストマー(TPE)を含む様々な材料で作ることができる。実施形態では、内側カップ203の表面524は、外側カップ202と内側カップ203との強固な結合を確保するため、外側カップ202の形状に概ね沿っている。フロントタブロック/着座機構518およびバックタブロック/着座機構826は、それぞれが外側カップ202の切り欠きロック/着座機構306にスライドし、ロックタブであるリップロック/着座機構627がロック切り欠きであるリップ機構308に配置されると所定位置にロックされるように配置されている。特定の実施形態では、フロントタブロック/着座機構518は、518の構成要素である、ストロー512、ストロー表面513、およびリップロック/着座機構627を備えるカップの側面に配置され、マウスピース609およびマウスピースチャネル610を備える限定流量カップ100の側面に配置される。所定位置にロックされると、ストロー表面513および裏面819は、ストロー512の一部の周囲に封が形成されるように外側カップ425の内面と密接に嵌合する。実施形態において、内側カップ203はまた、好ましくは、内側カップ203の底面720の外面に配置された移送リザーバ815を備える。移送リザーバ815は、好ましくは、第1の移送スロット817及び第2の移送スロット714と流体連通する。内側カップの底面720が外側カップの底面428に押し付けられると、移送リザーバ815の周囲に同様の密封配置が生じる。内側カップ203のフランジ511は、流体の漏れを最小限にするために、内側カップ203と外側カップ202との嵌合を補助する。
【0017】
実施形態において、第1の移送スロット817は、メイン液体リザーバ1023と移送リザーバ815との間の流体の流れを可能にする。移送リザーバ815のサイズは、ユーザーが得られる各飲み物の量を決定する。特定の実施形態では、限定流量カップ100は、1回の飲用当たり5ml(5cc)の液体をユーザーに提供する。他の特定の実施形態では、限定流量カップ100は、1回の飲用当たり10ml(10cc)の液体をユーザーに提供する。実施形態において、個々の飲用(例えば、所定量の液体の1回の分注)間に閉じ込められる空気を最小限にするため、移送リザーバ815は、ストロー512に近づくにつれて先細り(すなわち、狭くなり)、流速の増加とともに閉じ込められた気泡を除去するのに役立つ。実施形態において、上記先細りの形状には、第1の移送スロット817に向かう傾き、すなわち上向きの角度がついており、それにより、気泡が上方へ移動し、移送リザーバ815から出ることができる。従って、移送リザーバ815は、
図9に示すように、第1の移送スロット817に向かって上方に傾いており(例えば、傾いた上面929)、それにより、飲用後にカップが直立位置に置かれたときに、液体は第1の移送スロット817を通って移送リザーバ815内に移動する一方で、移送リザーバ815内の空気は、第1の移送スロット817を通って滑らかに動くか又は巻き上がる。
【0018】
実施形態では、第2の移送スロット714が、流体移送用の導管として、移送リザーバ815とストロー512との間に存在する。流体は、ストロー512を通って流れ、次いでマウスピースチャネル610を介してマウスピース609を通り、ユーザーの口に入る。マウスピース通気孔621は、マウスピースチャネル610に連通し、蓋204を使って、移送リザーバ815によって計量される所定量の液体のみをユーザーに分注するのを補助する空気流機構の一部となる。
【0019】
本明細書で提供される特定の実施形態では、
図11~
図13に図示されるような蓋204がある。実施形態において、蓋204は、硬質プラスチックを用いて製造されるが、様々な材料で作ることができる。蓋204は、内側カップ203のフランジ511に対する停止位置を提供するフランジ1336を備える。実施形態では、使用後で洗浄のために、内側カップ203から蓋204を取り外すのを補助するため、取り外しタブ1333が含まれる。
【0020】
実施形態では、蓋204には、マウスピース609の周囲にフィットするための隙間1235が含まれる。好ましい実施形態では、2つのシールビーズ1230の間にダクト1134が形成されるように、2つのシールビーズ1230が蓋204全体を包囲する。実施形態では、蓋204は、ダクト1134と蓋204の下側を接続するダクト通気孔1232を備える。蓋通気孔1231は、蓋204の下側を外気と連通させる。マウスピースチャネル610、マウスピース通気孔621、ダクト1134、ダクト通気孔1232、及び蓋通気孔1231によって形成される導管は、どのような吸引動作でも追加の液体は吸引せずに限定流量カップ100の外側から空気を吸引するので、ユーザーがメインリザーバ1023から過剰な液体を吸い出すことを防止する。
【0021】
実施形態では、限定流量カップ100は、余分な液体がユーザーに分注されるのを防止する通気システムを備える。ユーザーがマウスピースを吸う場合(例えば、ユーザーがストローを吸うときに)、通気システムがバイパスとして機能して、ユーザーが流体を一切吸わないように通気システムは構成される。
【0022】
図14及び
図15は、「最大充填」ライン1440(「充填ライン」)より下まで充填されたメイン流体リザーバ1023を備える、組み立て限定流量カップ100の断面を示す。この充填ライン1440は、飲み物を飲むためにカップを傾けたときに、通気孔が詰まったり、連続的な流れが生じたりすることなく、カップが保持できる液体1543の量を示している。この位置では、ストロー512内の液面は、メインリザーバ1023内の液面と同じであることに留意すべきである。
【0023】
内側カップ203が外側カップ202内に完全に着座している組み立てカップ100は、
図16では部分的に傾いた状態で、
図17では傾いた飲用角度の状態で図示されている。限定流量カップ100が傾けられると、ストロー512内の液面レベルが上昇する。最大充填ライン1440は、傾けられると、ストロー512内の液面レベルがマウスピース通気孔621に達する前に、流体レベルが移送リザーバ端1645より下になるように設定される。これは、マウスピース通気孔621を介してカップ100の外部から空気が入る前に、ユーザーが移送リザーバ815とストロー512の中身のみを吸引できるようにするためである。所定量の液体(例えば、飲料)がユーザーに分注された後、限定流量カップ100が再び直立位置に置かれ、液体の一部がメイン液体リザーバ1023から無くなったので、液体が第1の移送スロット817及び第2の移送スロット714を介して移送リザーバ815及びストロー512を、わずかに低いレベル1846まで再充填することができる。
図18を参照されたい。その後、飲用プロセスが繰り返される。
【0024】
図19を用いて、限定流量カップ100の通気プロセスをより詳細に説明する。マウスピースチャネル610は、マウスピース通気孔621を介して、ダクト1134の2つのアームに取り付けられている。ダクト1134は、ダクト通気孔1232及び蓋通気孔1231を通して外気からの空気流を伝達する。蓋通気孔1231は、飲用中に孔が液体で塞がれないように、マウスピース609の反対側に配置されている。この通気システムの目的は、ユーザーが流体を単に口に流し込むのではなく、流体を吸い出そうとする場合、ストロー512及び移送リザーバ815からの流体が空になると、通気システムによって空気を吸い始めることである。
【0025】
特定の実施形態では、3つの部品/構成要素(蓋204、外側カップ202及び内側カップ203)の各々を含む限定流量カップ100は、各々、手洗い及び/又は食器洗浄機での使用に適合する材料で作られている。当業者であれば、これらの材料には、各種プラスチック、シリコーン、軽量金属及び合金(アルミニウム等)、並びに他の周知の食品安全製造材料が含まれることが理解できる。
【0026】
特定の実施形態では、限定流量カップ100、及び3つの構成部品(蓋204、外側カップ202及び内側カップ203)は、3つの構成部品の各々が当該技術分野で周知の工程で別々に成形されることにより製造される。一旦成形されると、3つの構成部品は組み立てられて、限定流量カップ100が提供される。
【0027】
特定の実施形態において、本開示は、限定流量カップの以下の特定の実施形態を提供する。
【0028】
特定の実施形態A:飲用位置に傾けられるたびに所定量の液体をユーザーに分注するための限定流量飲用カップ100は、a)外側カップ202と、b)外側カップ202内に入れ子式に配置される内側カップ203であって、メイン液体リザーバ1023内に液体1543の供給物を収容するように構成され、外側カップ202と流体連通する内側カップ203と、c)内側カップ203が外側カップ202内に完全に着座したときに形成され、ユーザーへの所定量の液体を計量するように構成された移送リザーバ815であって、第1の移送スロット817を介して内側カップ203内に収容される液体1543の供給物と流体連通する移送リザーバ815と、d)所定量の液体をユーザーに分注するように構成されたストロー512であって、第2の移送スロット714を介して移送リザーバ815と流体連通するストロー512と、を備え、移送リザーバ815は、直立位置にあるときには、計量された所定量の液体を供給する液体で満たされ、ユーザーに1回の所定量の液体を供給する飲用位置にカップが傾けられたときは、満たされないように構成されており、移送リザーバ815はさらに、空気が内側カップ203内に移動して移送リザーバ815またはストロー512内に閉じ込められたままにならないように構成されている。
【0029】
特定の実施形態B:蓋204をさらに含む、特定の実施形態Aの限定流量カップ。
【0030】
特定の実施形態C:蓋204は、蓋取り外しタブ1333を備える、特定の実施形態Bの限定流量カップ。
【0031】
特定の実施形態D:蓋204は、外側カップ及び内側カップの組立体に着座したときに、余分な液体がユーザーに分注されるのを防止する通気システム(1230、1134、1231、1232)を備える、特定の実施形態Bの限定流量カップ。
【0032】
特定の実施形態E:内側カップ203は、可撓性ゴムポリマーを含む、特定の実施形態Aの限定流量カップ。
【0033】
特定の実施形態F:内側カップ203は、シリコーンポリマーを含む、特定の実施形態Aの限定流量カップ。
【0034】
特定の実施形態G:移送リザーバ815は、気泡が移送リザーバ815からメイン液体リザーバ1023へ移動するために、3°より大きい、第2の移送スロット714から第1の移送スロット817への上面角度929を有する、特定の実施形態Aの限定流量カップ。
【0035】
特定の実施形態H:移送リザーバ815は、第1の移送スロット714から第2の移送スロット817まで約5°から約20°までの角度で傾斜した側壁を有する、特定の実施形態Aの限定流量カップ。
図7及び
図8を参照されたい。
【0036】
特定の実施形態I:蓋204は、外側カップ202、内側カップ203及び蓋204を位置合わせする、内側カップ203のマウスピース1235のための隙間を含む、特定の実施形態Bの限定流量カップ。
【0037】
特定の実施形態J:内側カップ203は、切り欠きロック/着座機構(306/308)と嵌合するタブロック/着座機構(518/826,627)を介して、外側カップ202内に完全に着座している、特定の実施形態Aの限定流量カップ。
【0038】
特定の実施形態K:先行するいずれかの特定の実施形態の限定流量カップは、液体をさらに含む。
【0039】
特定の実施形態L:先行するいずれかの特定の実施形態の限定流量カップを使用する方法であって、カップ内に収容される液体を充填及び/又は飲むことを含む方法。
【0040】
特定の実施形態M:特定の実施形態A~Kのいずれか1つの限定流量カップの製造方法は、組み立て限定流量カップ100を提供するために、外側カップ202と内側カップ203とを結合する工程を含み、流体は、限定流量カップ100の中に収容することができ、組み立てカップを傾けた時に放出される収容流体の量が制限される。
図17を参照されたい。
【0041】
特定の実施形態AA:飲用位置に傾けられるたびに所定量の液体を繰り返しユーザーに分注する限定流量飲用カップは、a)外側カップと、b)外側カップ内に入れ子式に配置される内側カップであって、メイン液体リザーバ内の液体の供給物を収容するように構成され、外側カップと流体連通する内側カップと、c)内側カップが外側カップ内に完全に着座したときに形成され、ユーザーへの所定量の液体を計量するように構成された角度のついた移送リザーバと、を備え、移送リザーバは、第1の移送スロットを介して内側カップ内に収容される液体の供給物と流体連通し、角度のついた移送リザーバは、気泡が移送リザーバ内に閉じ込められないようにするため、気泡が上昇してメイン液体リザーバに移動するための傾斜路を提供するように構成されている。
【0042】
特定の実施形態BB:所定量の液体をユーザーに分注するように構成されたストローを備え、ストローは、第2の移送スロットを介して、角度の付いた移送リザーバと流体連通する、請求項1に記載の限定流量カップ。
【0043】
特定の実施形態CC:余分な液体がユーザーに分注されるのを防止する通気システムをさらに備える、特定の実施形態AAの限定流量カップ。
【0044】
特定の実施形態DD:蓋をさらに備える、特定の実施形態AAの限定流量カップ。
【0045】
特定の実施形態EE:蓋は、蓋取り外しタブを備える、特定の実施形態DDの限定流量カップ。
【0046】
特定の実施形態FF:蓋は、外側カップ及び内側カップの組立体に着座したときに、余分な液体がユーザーに分注されるのを防止する通気システムを備える、特定の実施形態DDの限定流量カップ。
【0047】
特定の実施形態GG:通気システムは、チャネル、マウスピース通気孔、ダクト、ダクト通気孔、及び蓋通気孔を備え、通気システムは、ユーザーがメインリザーバから余分な液体を吸い出すのを防止する、特定の実施形態CC又はFFの限定流量カップ。
【0048】
特定の実施形態HH:内側カップは、可撓性ゴムポリマーを含む、特定の実施形態AAの限定流量カップ。
【0049】
特定の実施形態II:内側カップは、シリコーンまたは熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、特定の実施形態AAの限定流量カップ。
【0050】
特定の実施形態JJ:蓋は、内側カップのマウスピースのための隙間及び/又は内側カップのフランジに対する停止位置を提供する蓋フランジを備える、特定の実施形態DDの限定流量カップ。
【0051】
特定の実施形態KK:角度の付いた移送リザーバは、気泡が移送リザーバからメイン液体リザーバへ移動するために、3°より大きい、第2の移送スロットから第1の移送スロットへの上面角度を有する、特定の実施形態AAの限定流量カップ。
【0052】
特定の実施形態LL:移送リザーバは、第1の移送スロットから第2の移送スロットまで約5°から約20°までの角度で傾斜した側壁を有する、特定の実施形態AAの限定流量カップ。
【0053】
特定の実施形態MM:内側カップは、切り欠きロック/着座機構と嵌合するタブロック/着座機構を介して、外側カップ内に完全に着座している、特定の実施形態AAの限定流量カップ。
【0054】
特定の実施形態NN:メイン液体リザーバは、限定流量カップが傾けられたときに、ストロー内の液面レベルがマウスピース通気孔に達する前に、液面レベルが第1の移送スロットの移送リザーバ端の下に位置するように構成された充填ラインを含む、特定の実施形態BBの限定流量カップ。
【0055】
本開示の他の特定の実施形態及び態様も、当業者には明らかであろう。
【0056】
「約」、「およそ」などの用語は、数値のリストまたは範囲の前にある場合、リストまたは範囲内の各々の値がその用語の直前にあるかのように、リストまたは範囲内の各々の値を独立して指す。これらの用語は、同じ用語が指す値が、その値と全く同じ、近い、または類似していることを意味する。「任意の」または「任意に」とは、その後に記述される事象または状況が発生する可能性がある、または発生する可能性がないことを意味し、その記述には、事象または状況が発生する例と発生しない例が含まれることを意味する。本明細書において、範囲は、ある特定の値から、及び/又は別の特定の値までとして表現される場合がある。そのような範囲が表現される場合、別の側面には、一方の特定の値から、及び/又は、他方の特定の値までが含まれる。同様に、値が近似値として表現される場合、先行詞「約」または「およそ」の使用により、特定の値が別の側面を形成することが理解されるであろう。さらに、各範囲の端点は、他の端点との関係においても、他の端点から独立した意味においても重要であることが理解されるであろう。範囲(例えば、90~100%)は、範囲それ自体だけでなく、各値が個々に記載されているかのように、範囲内の各独立した値も含むことを意味する。
【0057】
本開示内で引用された全ての文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態は、以下の例においてさらに説明される。これらの実施形態は、例としてのみ提供され、特許請求の範囲をいかなる形でも限定することを意図するものではない。
【0058】
特定の実施形態を好ましい実施形態の観点から説明してきたが、変形および修正が生じることが当業者には理解される。従って、添付の特許請求の範囲は、以下の特許請求の範囲の権利範囲内に入る全ての等価な変形をカバーすることが意図される。
【国際調査報告】