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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】乗客および物品の連携配送システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20240705BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240705BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240705BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240705BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575804
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022034372
(87)【国際公開番号】W WO2022271721
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】17/358,351
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス リオッタ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MA12
5H181MA42
5H181MB01
(57)【要約】
輸送システムは、自律車両群を制御して、乗客の輸送を実施し、別々の車両を使用して荷物または他の関連物品の配送を調整する。この輸送システムは、ユーザーインターフェースを介して乗客データおよび関連の物品データを受信し、自律車両の数および種類を決定して、選択済みの乗車場所から目的地まで乗客および物品を輸送する。種々の実装では、この輸送システムは、乗客および関連の物品のために様々な乗車場所、乗車時刻、および/または配送時間のサポートを行い得る。また、この輸送システムは、様々な配送時間および輸送モードに対する物品の遅延配送オプションを決定し得る。ユーザーインターフェースを介して受信される入力とともに、乗客データおよび物品データに基づいて、この輸送システムは、配備するための車両および配送経路を決定し、命令を自律車両に送信して、乗客輸送を提供し、物品配送を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送システムであって、
一つまたは複数のプロセッサと、
実行されると、前記一つまたは複数のプロセッサに、
前記輸送システムによって、目的地を含む輸送要求を受信することと、
前記輸送システムによって、前記輸送要求に少なくとも部分的に基づいて、乗客データを決定することであって、前記乗客データは、前記輸送要求に関連付けられる乗客を示す、ことと、
前記輸送システムによって、前記輸送要求に少なくとも部分的に基づいて、物品データを決定することであって、前記物品データは、前記輸送要求に関連付けられる物品を示す、ことと、
前記輸送システムによって、第一の命令を第一の車両に送信させて、前記乗客を第一の降車場所まで輸送することと、
前記輸送システムによって、第二の命令を第二の車両に送信させて、前記物品を第二の降車場所まで輸送することと
を含む動作を実行させるコンピュータ実行可能命令を格納する、一つまたは複数のコンピュータ可読媒体と
を備えることを特徴とする、輸送システム。
【請求項2】
前記乗客データは、第一の乗車時刻を含み、前記物品データは、前記第一の乗車時刻とは異なる第二の乗車時刻を含み、
前記第一の命令は、前記第一の乗車時刻と、前記乗客に関連付けられる第一の識別子とを含み、
前記第二の命令は、前記第二の乗車時刻と、前記物品に関連付けられる第二の識別子とを含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の輸送システム。
【請求項3】
前記動作は、
前記輸送要求に関連付けられる乗客乗車時刻を受信することと、
前記乗客乗車時刻に少なくとも部分的に基づいて、第一の物品集荷時刻を含む第一の物品旅程と、第二の物品集荷時刻を含む第二の物品旅程とを決定することと、
前記第一の物品旅程に関連付けられる第一の費用を決定することと、
前記第二の物品旅程に関連付けられる第二の費用を決定することと、
前記第一の物品集荷時刻および前記第一の費用を含む第一の物品旅程と、前記第二の物品集荷時刻および前記第二の費用を含む第二の物品旅程とを、前記輸送要求に関連付けられるユーザー機器に送信することと、
前記ユーザー機器から前記第一の物品旅程または前記第二の物品旅程の選択を受信することと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の輸送システム。
【請求項4】
前記動作は、
前記物品に関連付けられる物品仕様データを決定することであって、前記物品仕様データは、物品重量、物品サイズ、物品種類、または物品番号のうちの少なくとも一つを含む、ことと、
前記乗客データに少なくとも部分的に基づいて、乗客数を決定することと、
前記物品仕様データおよび前記乗客数に少なくとも部分的に基づいて、前記輸送要求に関連付けられる車両数を決定することと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし3の何れか一つに記載の輸送システム。
【請求項5】
前記動作は、
前記第一の車両が前記乗客データと互換性のある乗客室を含むという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記乗客を輸送するための車両群内の前記第一の車両を決定することと、
前記第二の車両が前記物品データと互換性のある保管室を含むという決定に少なくとも部分的に基づいて、物品を輸送する車両群内の前記第二の車両を決定することと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし4の何れか一つに記載の輸送システム。
【請求項6】
前記動作は、
第一の乗車場所および前記第一の降車場所を含む、前記目的地に少なくとも部分的に基づいて、前記第一の車両のための第一の経路を決定することと、
第二の乗車場所および前記第二の降車場所を含む、前記目的地に少なくとも部分的に基づいて、前記第二の車両のための第二の経路を決定することであって、前記第一の降車場所は、前記第二の降車場所と同じであり、前記第一の経路は、前記第二の経路とは異なる、ことと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし5の何れか一つに記載の輸送システム。
【請求項7】
前記第一の経路は、一つまたは複数の運転区間と、第一の飛行に関連付けられる第一の飛行区間とを含み、
前記第二の経路は、一つまたは複数の運転区間と、第一の飛行とは異なる第二の飛行に関連付けられる第二の飛行区間とを含む
ことを特徴とする、請求項6に記載の輸送システム。
【請求項8】
方法であって、
目的地を含む輸送要求を受信するステップと、
前記輸送要求に少なくとも部分的に基づいて、乗客データを決定するステップであって、前記乗客データは、前記輸送要求に関連付けられる乗客を示す、ステップと、
前記輸送要求に少なくとも部分的に基づいて、物品データを決定するステップであって、前記物品データは、前記輸送要求に関連付けられる物品を示す、ステップと、
第一の命令を第一の車両に送信させて、前記乗客を第一の降車場所まで輸送するステップと、
第二の命令を第二の車両に送信させて、前記物品を第二の降車場所まで輸送するステップと
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項9】
前記乗客データは、第一の乗車時刻を含み、前記物品データは、前記第一の乗車時刻とは異なる第二の乗車時刻を含み、
前記第一の命令は、前記第一の乗車時刻と、前記乗客に関連付けられる第一の識別子とを含み、
前記第二の命令は、前記第二の乗車時刻と、前記物品に関連付けられる第二の識別子とを含む
ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記輸送要求に関連付けられる乗客乗車時刻を受信するステップと、
前記乗客乗車時刻に少なくとも部分的に基づいて、第一の物品集荷時刻を含む第一の物品旅程と、第二の物品集荷時刻を含む第二の物品旅程とを決定するステップと、
前記第一の物品旅程に関連付けられる第一の費用を決定するステップと、
前記第二の物品旅程に関連付けられる第二の費用を決定するステップと、
前記第一の物品の集荷時刻および前記第一の費用を含む前記第一の物品旅程と、前記第二の物品集荷時刻および前記第二の費用を含む前記第二の物品旅程とを、前記輸送要求に関連付けられるユーザー機器に送信するステップと、
前記ユーザー機器から前記第一の物品旅程または前記第二の物品旅程の選択を受信するステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記物品に関連付けられる物品仕様データを決定するステップであって、前記物品仕様データは、物品重量、物品サイズ、物品種類、または物品番号のうちの少なくとも一つを含む、ステップと、
前記乗客データに少なくとも部分的に基づいて、乗客数を決定するステップと、
前記物品仕様データおよび前記乗客数に少なくとも部分的に基づいて、前記輸送要求に関連付けられる車両数を決定するステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項8ないし10の何れか一つに記載の方法。
【請求項12】
前記第一の車両が前記乗客データと互換性のある乗客室を含むという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記乗客を輸送する車両群内の前記第一の車両を決定するステップと、
前記第二の車両が前記物品データと互換性のある保管室を含むという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記物品を輸送する車両群内の前記第二の車両を決定するステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項8ないし11の何れか一つに記載の方法。
【請求項13】
第一の乗車場所および前記第一の降車場所を含む、前記目的地に少なくとも部分的に基づいて、前記第一の車両のための第一の経路を決定するステップと、
第二の乗車場所および前記第二の降車場所を含む、前記目的地に少なくとも部分的に基づいて、前記第二の車両のための第二の経路を決定するステップであって、前記第一の降車場所は、前記第二の降車場所と同じであり、前記第一の経路は、前記第二の経路とは異なる、ステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項8ないし12の何れか一つに記載の方法。
【請求項14】
前記乗客に関連付けられる第一のセキュリティ分類を決定するステップであって、前記第一の経路を決定するステップは、前記第一のセキュリティ分類に少なくとも部分的に基づく、ステップと、
前記物品に関連付けられる第二のセキュリティ分類を決定するステップであって、前記第二の経路を決定するステップは、前記第二のセキュリティ分類に少なくとも部分的に基づく、ステップと
をさらに備えることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
一つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記一つまたは複数のプロセッサに、請求項8ないし14の何れか一つに記載の方法を実行させる命令を含むことを特徴とする、一つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客および物品の連携配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2021年6月25日に出願されて「乗客および物品の連携配送システム(PASSENGER AND ITEM COORDINATED DELIVERY SYSTEM)」と題する国特許出願第17/358,351号に対する優先権を主張し、その全内容は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[背景]
車両共有および自動運転技術により、利用者は、交通渋滞の軽減、駐車場必要性の軽減、公害の軽減、および道路摩耗の軽減などの利点も提供しつつ、便利かつ柔軟な方法において輸送ニーズに対処することが可能になる。輸送要求に応えて、多数の利用者をタイムリーな方法において種々の目的地まで輸送するために、車両ベースの輸送サービスは、集中方式によって管理される車両群を維持して、配車の計画および予約、経路の決定、ならびに車両群の監視および保守を行い得る。しかしながら、車両共有は、乗客が大量の荷物、または他の装備を有する場合などの、特定の状況に対処するためには十分に設備されていない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付の図面を参照して、詳細な説明を記述する。図では、参照番号の最左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、類似または同一の構成要素または特徴を示す。
図1】本開示の実施形態による、連携される乗客移動および荷物配送を実行するプロセスの例を例証する図である。
図2】本明細書に説明される種々の技術を実装するためのコンピューティング環境の例を描写するブロック図である。
図3】本開示の実施形態による、ユーザー機器上に表示され、関連の荷物配送を含む乗客移動のための要求を例証するユーザーインターフェース画面の例を示す図である。
図4】本開示の実施形態による、ユーザー機器上に表示され、乗客移動に関連付けられる荷物配送のための要求を例証するユーザーインターフェース画面の例を示す図である。
図5】本開示の実施形態による、連携される乗客移動および別々の車両における荷物配送を実行するプロセス例を例証するフロー図である。
図6】本開示の実施形態による、道路地図を描写し、別々の車両および異なる配送経路を使用する乗客移動および関連物品の間の調整旅程を例証するユーザーインターフェース画面の例を示す図である。
図7】本開示の実施形態による、乗客移動と、別々の車両および異なる配送経路を使用する関連物品の配送との間の調整旅程を例証するユーザーインターフェース画面の例を示す図である。
図8】本明細書に説明される種々の技術を実装するためのアーキテクチャー例を描写するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[詳細な説明]
本明細書に論じられる技術は、別々の自律車両における利用者、およびその荷物または他の関連物品のための輸送手段の提供および調整に関する。幾つかの例では、自律車両群を調整および制御する輸送システムは、ユーザー機器を介して利用者からの輸送要求を受信し得る。輸送システムは、ユーザーインターフェースを提供して、ユーザーインターフェースを介して利用者から乗客データおよび関連物品データを受信し得る。乗客データおよび荷物品データは、例えば、乗客および/もしくは荷物品の数、物品のサイズ、種類、重量、ならびに/または乗客もしくは配送物品に関連付けられる他の特性を含み得る。ユーザー機器から受信される乗客データおよび関連物品データに基づいて、輸送システムは、自律車両の数を決定し得て、連携配送において乗客およびその荷物(または他の関連物品)を輸送するための車両の種類を選択し得る。輸送システムは、乗客を輸送するための自律型乗客車両、および荷物を配送するための自律型貨物車両を含む、様々な車両の種類を使用し得て、具体的な乗客データおよび物品データ(例えば、特大の物品など)に基づいて、様々な車両のモデル、サイズ、および/または特性を選択し得る。
【0006】
輸送システムは、一つまたは複数の別々の車両を選択し、乗客移動に関連付けられる荷物品を配送するための経路を決定し得て、これにより、乗客および荷物は、別々の車両で輸送され得て、自動車、トラック、鉄道、船舶、および航空機の移動を含む、別々の旅程を有し得る。荷物の旅程は、輸送システムによって生成および調整されて、乗客移動の詳細に基づいて、特定の時刻に特定の目的地に関連付けられる荷物品を提供し得る。また、輸送システムは、場合によっては、早期の荷物品の集荷、および/または荷物品の遅延配送のサポートを行い得て、様々な輸送費用を有する様々な配送オプションを決定し得る。例えば、輸送システムは、各物品配送オプションに対応する費用とともに、様々な集荷時刻、配送時間、場所、および/または輸送モードを含む、多数の様様な配送オプションを、ユーザーインターフェースを介して決定および提示し得る。乗客車両および荷物車両を選択し、配送経路を決定した後、輸送システムは、決定済みの乗客輸送および物品配送を実行するように、命令を車両に送信し得る。また、輸送システムは、経路上で乗客車両および荷物車両を追跡および監視して、配送を連携させて、ユーザー通知を提供し、遅延または計画変更に応じて配送旅程を変更し得る。
【0007】
本明細書に論じられる説明および種々の例によって例証されるように、これらの技術は、別々の車両における荷物または他の関連物品を連携させて配送する乗客輸送を提供するための改善および技術的利点を提供する。種々の例において、本明細書に説明される技術は、利用者を輸送する自律車両または別の共有車両が、利用者の荷物、レクリエーション用具(例えば、ゴルフクラブ、スキー板、サーフボード等)、または利用者が同じ場所に配送されることを望む、他の関連物品を搬送することが可能でないことがある場合に、利用され得る。例えば、特定の物品が利用者と同じ車両において輸送するには大き過ぎることがあり、または利用者の同乗者が多過ぎたり、および/または荷物が多過ぎたりして、1台の車両に収まらないことがある。これらのような問題は、個人の移動に自律車両が使用される場合(大きな物品/荷物を運ぶための設備がないことがある)、さらに拡大される可能性がある。他種類の物品は、物品のサイズ、重量、材質、輸送費用、および/または安全上の考慮事項に基づく種々の追加の理由により、利用者と共に乗客車両で輸送したり、利用者と共に民間航空機で輸送したりすることができない。さらに、利用者の荷物または他の関連物品は、利用者とは異なる集荷場所を有することがあり、または異なる時刻に集荷が可能になることがあり、利用者および利用者の荷物を輸送するために、複数回の停車もしくは複数回の移動が必要となる。
【0008】
本明細書に説明される技術は、利用者輸送、および関連の荷物品配送を利用者に要求および計画するための単一のクライアントアプリケーションおよび/または単一の統合ユーザーインターフェースを提供することにより、これらの課題に対処する。この改善により、アプリケーションの所要数が低減され、ユーザー機器上で実行するユーザーインターフェースが簡素化されるとともに、車両数の計算、車両の時間および経路の計画、様々なアプリケーションまたは技術プラットフォームを使用する個別の移動/配送の連携という負担が利用者から取り除かれる。
【0009】
本明細書に説明される技術は、利用者の移動計画に対する分析および調整に基づいて、追加の物品配送オプションおよび費用を利用者に提供することもできる。例えば、従来のシステムにおける利用者が、大量の荷物を持って移動する場合、または移動に関連して他の物品を輸送する必要がある場合、利用者は、配送サービス(例えば、郵便サービス、または種々の商業小包配送サービスなど)を利用して、関連物品を集荷場所から利用者の目的地まで発送し得る。ただし、配送サービスは、費用が掛かり、利用者の荷物配送を利用者自身の移動旅程に連携させることが難しいことがある。さらに、利用者の移動計画に対する何れかの遅延または変更により、利用者の旅程とその荷物との間に乖離を引き起こすことがあり、配送サービスにとって、利用者の更新計画と連携させるために、配送の計画を変更することが困難または不可能になることがある。対照的に、本明細書に説明される技術は、利用者の荷物または他の関連物品が、配送サービスによって運行される異なる車両および/または別々の非商用便で移動することができるシナリオにおいて、発送費用を削減することができる。
【0010】
本明細書に説明される技術には、利用者の移動計画および/またはユーザーインターフェースを介して提供される配送要件に基づいて、様々な時間および/または場所における荷物の集荷および配送のサポートを行うことも含まれ得る。幾つかの例では、輸送システムは、利用者がその移動旅程における各行程でその荷物を個人的に積み込んだり、運んだり、降ろしたりする必要がないように、荷物配送を連携させ得て、物品の集荷および配送は、用者が不在のままに別々の場所で実行され得る(例えば、ホテルの荷物スタンド、空港の荷物降ろしドア等)。さらに、本明細書に説明される技術は、乗客移動または関連物品の配送に関連付けられる遅延または計画変更に対して調整される応答を伴って、配送車両の自動化される追跡および監視を含むことができる。一つの車両の旅程について、遅延または計画変更が検出される場合、輸送システムは、乗客およびその荷物が同じ場所に同じ時刻に配送されるように、調整の維持に関連付けられる車両の旅程を変更することができる。一例として、利用者が乗客移動の経路を変更する場合、輸送システムは、荷物車両、配送時間、目的地、および経路を自動的に変更して、輸送費用を削減し、および/または乗客および荷物品の間の時間および場所の同期を維持し得る。また、輸送システムは、利用者に影響を及ぼす運転または飛行遅延に応じて、荷物配送計画を自動的に調整し得て、利用者が不在のままに荷物が配送されて放置されないようにし得る。同様に、荷物配送の遅延を検出する場合、輸送システムは、自動的に利用者に通知し、利用者がその旅程(例えば、目的地または到着時刻など)を変更して、更新済みの荷物配送計画と連携させることが可能とし得る。
【0011】
図1は、別々の自律車両および/または別々の走行経路を使用して、関連の荷物品配送を伴って調整される乗客移動を決定および実行する、プロセス100の例を例証している。種々の例において、プロセス100の例の一部または全部の動作は、輸送システムを実装するように構成される、コンピューティング機器によって実行され得る。より詳細に後述される輸送システムは、ユーザー機器から輸送要求を受信し、自律車両を選択し、配送の詳細を決定し、次いで、選択済みの自律車両に命令を送信して、同期および調整の方法において、乗客移動および関連の荷物配送を実行し得る。
【0012】
操作102では、輸送システムは、ユーザー機器から乗客の輸送要求を受信し得る。幾つかの例では、輸送システムは、ユーザー機器に導入されるクライアントアプリケーション(例えば、モバイルアプリケーションなど)と関連付けられ得て、自律車両群を使用して、配車サービスおよび/または配送サービスを提供するように構成され得る。配車/配送サービスの登録利用者は、モバイルアプリケーションまたはブラウザベースのユーザーインターフェースを介して、輸送システムへの要求を開始して、利用者の現在位置における配車を迅速に要求したり、将来時刻のための配車を計画したりし得る。ボックス104は、配車(および/または相乗り)アプリケーションの簡略化ユーザーインターフェース画面を例証している。この例に示されるように、ボックス104におけるユーザーインターフェースは、目的地、乗客数、および集荷希望時刻を含む、利用者の乗車要求に対する基本的な乗車詳細を提供するように利用者に促す。さらに、ボックス104は、乗客が乗車要求に関連して輸送される荷物を持っているかどうかを利用者が示すことを可能にするチェックボックスを含む。
【0013】
操作106では、輸送システムは、操作102において受信される乗車要求に基づいて、乗客移動のための時間(例えば、乗車時刻および到着時刻など)ならびに経路を決定し得る。即時の乗車要求の場合、輸送システムは、乗車要求に示される乗客数を輸送することが可能である手近な車両を選択し得る。例えば、一人または二人の乗客に対する乗車は、車両群内の任意数の車両によって提供し得るが、それ以上の乗客(例えば、5、6、7、8人等)のために要求される追加の乗車は、追加の座席を備える車両群において、より大きな車両または追加の車両が必要とされることがある。また、輸送システムは、利用者に対する車両の現在位置、ならびに現在の輸送状況および道路状況に基づいて、乗車時刻を計算し得る。乗車要求が即時の要求ではない場合、輸送システムは、その要求に対応する将来の時間枠のために車両を選択し、予約し得る。輸送システムは、種々の地図データ、輸送データ、天候および道路状況データ、利用者または車両運転の趣向、ならびに/または他の要因とともに、乗車時刻に基づいて、走行経路および/または到着時刻を決定し得る。自律車両群の配車および路指定を調整するための技術の例は、2015年11月4日に出願された米国特許出願第14/756,996号(現在の米国特許第9,958,864号)に見出すことができ、その内容は、全ての目的にのために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ボックス108は、ユーザーインターフェースを介して出力され得る地図を描写して、利用者の現在位置および乗客移動の詳細(例えば、乗車場所および時刻、走行経路、目的地、到着推定時刻等)を表示する。
【0014】
操作110では、輸送システムは、乗客移動に関連付けられる荷物データおよび/または配送要件を受信する。場合によっては、乗車要求に関連して荷物配送が必要とされることを利用者が示す場合、輸送システムは、ボックス112に示されるユーザーインターフェース画面の例などの、追加のユーザーインターフェースを提供し得る。操作110において受信される追加の荷物データには、配送荷物品に関する詳細(例えば、物品の数、サイズ、重量、物品の種類等)、ならびに配送の詳細(例えば、集荷時刻、配送時間、集荷場所、輸送要件等)が含まれ得る。操作110において受信される荷物データおよび配送要件には、ユーザーインターフェースを介して利用者から直接に受信されるデータ、および/または利用者もしくはサービスアカウントの利用者の趣向を示す、輸送システムによって取得されるデータ、以前の移動からの荷物配送データ等が含まれ得る。この例に示されるように、ユーザーインターフェースにより、利用者は、スキー、ゴルフクラブ、スノーボード、サーフボード、ベビーカー、箱、木箱、チェスト、家具物品等のような、特定の荷物品を特大バッグまたは特殊なサイズのバッグとして識別することが可能になり得る。追加または代替として、ユーザーインターフェースは、利用者が種々の特別な配送要件(例えば、壊れやすいもの、危険なもの、腐敗しやすいもの等)を有する特定の荷物品を指定することを可能にし得る。
【0015】
幾つかの例では、輸送システムは、操作110では、この移動に関して荷物品配送の遅延が許可され得ると決定し得る。例えば、利用者は、ボックス112におけるユーザーインターフェースを介して、乗客が目的地に到着する同じ時刻に、関連の荷物品を配送する必要はなく、後の時刻または日に配送してもよいことを示し得る。荷物配送の遅延が許可される場合、輸送システムは、複数の異なる荷物配送オプション(例えば、集荷時刻および配送時間、車両の種類、輸送モード等)を決定し得て、ボックス112におけるユーザーインターフェースを介して、利用者に配送オプションを提示し得る。幾つかの例では、利用者に提示される各荷物配送オプションは、関連付けられる配送費用を有し得て、それにより、費用の効率およびタイムリーな配送に関する所望の組み合わせを提供する、荷物配送オプションを、利用者が選択することを可能にする。
【0016】
操作114では、輸送システムは、乗客乗車に関連付けられる荷物品の配送時間および配送経路を決定し得る。最初に、輸送システムは、移動に関連付けられる荷物品を乗客と同じ車両において運ぶことができるかどうかを判定し得る。例えば、乗客データ(例えば、乗客数など)および荷物データ(例えば、物品の数およびサイズなど)に基づいて、輸送システムは、乗客を輸送するために選択される車両が荷物を運ぶこともできると決定し得る。ただし、もし乗客車両が荷物品を輸送することができなければ、またはもし乗客と共に荷物品を輸送するための費用効率が悪ければ、輸送システムは、車両群内の乗客車両とは別の1台または複数の車両を選択して、荷物品を配送し得る。荷物配送車両の選択は、荷物品の数、サイズ、重量、および種類、ならびに特大または特注形状の物品の存在等を含む、操作110において受信される荷物データに基づき得る。
【0017】
幾つかの例では、輸送システムによって選択される荷物配送車両には、乗客室の代わりに、または乗室に加えて、アクセスロッカーを含む、特殊な物品配送車両が含まれ得る。例えば、輸送システムは、操作110において利用者によって識別される荷物品を保管することが可能であるアクセスロッカーの構成を備える自律型貨物配送車両を選択し得る。荷物配送車両として使用され得る物品配送車両およびロッカー構成の種々の例は、2020年12月22日に出願されて「アクセスロッカー付きモジュラー配送車両(Modular Delivery Vehicle With Access Lockers)」と題する米国特許出願第17/131,268号に見出すことができ、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。荷物品の量およびサイズ、ならびに追加の荷物データ、および/または配送要件に応じて、輸送システムは、1台の荷物配送車両、もしくは複数の荷物配送車両を選択し得るか、または他の乗客移動に関連付けられる荷物品を輸送するために指定される荷物配送車両の一部を指定し得る。
【0018】
車両群(車両群における通常の車両の種類もしくはモデル、または特定の車両を含むことがある)から一つまたは複数の荷物配送車両を選択した後、輸送システムは、各荷物配送車両について、経路および配送詳細を決定し得る。幾つかの例では、荷物配送車両は、関連付けられる乗客車両および/または他の荷物配送車両とは異なる集荷時刻、異なる集荷場所、および/または異なる配送時間を有し得る。上述されるように、利用者は、軽減された低費用の配送オプションに基づいて、ユーザーインターフェースを介して、より早い荷物の集荷時刻、および/または荷物の遅延配送時刻を選択し得る。さらに、荷物品は、関連付けられる移動において、乗客と同じ場所から引き取られる必要はないが、一つまたは複数の異なる場所から引き取られてもよい。ボックス116は、乗客移動に関連付けられる複数の異なる荷物配送車両のための配送経路を、追加の荷物配送の移動詳細(例えば、集荷場所および集荷時刻、走行経路、目的地、到着推定時刻等)とともに表示するために、ユーザーインターフェースを介して出力され得る地図を示している。
【0019】
操作118では、輸送システムは、乗客車両および荷物配送車両に命令を送信して、指定時刻に決定経路を走行するように車両を制御し、操作106および114においてそれぞれ決定される乗客輸送および荷物配送のタスクを実行し得る。輸送システムから乗客車両および荷物配送車両に送信される命令には、希望の乗車場所および乗車時刻、希望の目的地の場所および到着時刻、乗客識別子、移動識別子、および/または荷物品識別子等のようなデータが含まれ得る。ボックス120は、輸送システムのコンピュータサーバが、無線ネットワークを介して、乗客車両として構成される第一の自律車両と、アクセスロッカーを備える貨物車両として構成される第二の自律車両に、移動命令/配送命令を送信することを示している。
【0020】
図2は、本明細書に論じられる種々の技術を実装するように構成される、コンポーネントの構成を含むコンピューティング環境200の例を示している。例えば、コンピューティング環境200は、別々の自律車両を使用する乗客輸送および関連付の荷物品配送に対して、要求、計画設定、実行、および調整を行うシステムおよび方法を例証するために使用され得る。この例に示されるように、乗客移動は、ユーザー機器202を操作する利用者(乗客とも呼ばれる)によって開始されて要求され得る。ユーザー機器202は、携帯電話、ラップトップコンピュータもしくはタブレットコンピュータ、スマートウォッチ、ウェアラブルコンピューティング機器、および/または他の任意のパーソナルコンピューティング機器などの、モバイル機器を含み得る。ユーザー機器202は、第一のネットワーク204を介して輸送システム206と通信し得る。輸送システム206は、自律車両群内の車両の数、種類、および特性を決定するように構成されて、乗客および物品の連携輸送を実行する車両選択コンポーネント208、および経路を決定し、乗客輸送および関連の荷物品の配送を別々の車両において連携させるように構成される経路調整コンポーネント210などの、特殊な機能を実装する一つまたは複数のコンポーネントを含み得る。また、経路調整コンポーネント210は、無線通信ネットワーク212を介して輸送および配送の命令を乗客車両214および配送車両216に送信し、配送を連携させ、利用者に通知を提供し、遅延もしくは計画変更に応じて配送旅程を変更するように構成され得る。
【0021】
乗客車両214および荷物配送車両216は、本明細書に説明される車両の何れかに対応し、そのために、図8に関連して後述される任意の特徴もしくは車両特徴の組み合わせを含み得る。乗客車両214および荷物配送車両216は、完全または部分的に自律車両として実装され得るが、種々の例では、本明細書に説明される技術の一部または全部は、その上、乗客輸送および荷物配送のために非自律車両を使用し得る。輸送システム206は、個別かつ独立して動作する一つもしくは複数のコンピューティング機器またはシステムを使用して実装されてもよく、またはユーザー機器202内に、および/または乗客車両214および配送車両216と完全にもしくは部分的に統合されてもよい。
【0022】
この例では、コンピューティング環境200は、関連の荷物品を伴う乗客の輸送を要求し、別々の車両を展開および調整することによって、乗客の輸送および荷物配送を提供するために、簡略化シナリオを例証している。ユーザー機器202からの要求に応答して、輸送システム206は、車両選択コンポーネント208を使用して、乗客データおよび荷物データを分析し、一つまたは複数の乗客車両214および荷物配送車両216を選択して、乗客輸送および荷物配送を実行し得る。上述されるように、車両選択コンポーネント208は、荷物品の数、物品サイズ、重量、種類、および物品の他の特性、集荷場所、および/または集荷時刻に基づいて、一つまたは複数の荷物配送車両216を選択し得る。
【0023】
経路調整コンポーネント210は、それぞれの乗車場所、目的地の場所、乗車時刻、および/または目標とする到着時刻に基づいて、乗客車両214および荷物配送車両216の両方のための経路を決定するように構成され得る。経路調整コンポーネント210は、各オプションについて、対応する荷物配送費用とともに、集荷時刻、配送時間、および/または輸送車両/輸送モードに関する様々なオプションを含む、ユーザー機器202に提供される荷物配送オプションを生成し得る。輸送システム206が乗客輸送および荷物配送の命令を車両214および216に送信した後、経路調整コンポーネント210は、車両214および216を追跡および監視して、乗客および関連の荷物品の間における連携を維持し得る。例えば、経路調整コンポーネント210は、状況データ、車両位置、到着通知、および/または物品配送通知を受信し得て、更新命令を決定し、これを乗客車両214および/または荷物配送車両214に送信して、車両214および216の間の配送時間および配送場所において同期を維持し得る。
【0024】
種々の例では、乗客車両214および/または荷物配送車両は、状況データ、更新到着推定、および配送通知などを輸送システム206に、ユーザー機器202に直接、および/または同じ乗客移動に関連付けられるその他の車両214および216に送信され得る。車両214および216間の送信は、長距離通信用の携帯電話ネットホークもしくはWLANネットワーク、および/または短距離通信用のBluetooth、WiFi、もしくはNFCなどの、一つまたは複数の無線通信ネットワーク212を介して送信され得る。図2は、上記に概説される単純な乗客および荷物の輸送要求、ならびに実行プロセスを例証するために、一方向の矢印によって描写されているが、この例における各機器およびシステムは、他の任意のまたは全ての機器およびシステムと双方向通信を実行し得ると、理解されるべきである。この例では描写されていない追加のプロセス機能および機器の相互作用は、乗客移動もしくは荷物配送の監視、変更、および/または取止め、経路上物品の追跡、乗客車両および配送車両の追跡、利用者位置の追跡、荷物配送もしくは荷物集荷の通知等のように、他の例において実行され得る。さらに、輸送システム206は、この例に示されるように、乗客車両群および配送車両群と通信して制御するように構成される集中型コンピューティングシステムとして実装され得るが、他の例では、輸送システム206の特徴および機能の任意のまたは全てが、車両214および216に統合され得て、これらは、無線通信ネットワーク212を介した車両間通信を利用して、別々の車両における乗客輸送および荷物配送を計画および調整し得る。
【0025】
図3は、輸送システム206と通信するユーザー機器202上に生成されて、レンダリングが行われ得る、ユーザーインターフェース300の例を描写している。ユーザーインターフェース300は、ユーザー機器202上に実行する配車アプリケーションまたは相乗りアプリケーションによって生成され、利用者が輸送システム206から乗車を要求することを可能にするように構成されるユーザーインターフェースを表し得る。幾つかの例では、ユーザーインターフェース300は、上述されるボックス104に描写されるユーザーインターフェース画面に対応し得る。
【0026】
この例では、ユーザーインターフェース300は、利用者が乗車要求のための基本的詳細を提供することを可能にするための入力コンポーネントのセット302、乗客データ入力ボックス304、荷物データ入力ボックス、ユーザー機器202の現在位置を特定する地図308、および乗客車両のための乗車要求を提出するためのボタン310を含む。入力コンポーネントのセット302は、利用者が移動の目的地、乗車場所、および乗車時刻を入力することを可能にするためのユーザーインターフェース制御を含む。乗客データ入力ボックス304は、利用者が要求される移動の乗客となる大人の数および子供の数を入力することを可能とするためのユーザーインターフェース制御を含む。乗客データ入力ボックス304は任意選択であってもよいが、乗客データ入力ボックス304、または乗客数および/または乗客詳細(例えば、大人および子供など)を受け取るための他のコンポーネントを含む例は、乗客車両214および荷物配送車両216を選択する際に、輸送システム206に利点を提供し得る。例えば、車両選択コンポーネント208は、乗客数を使用して、乗客車両214において配送することができる荷物品の数を決定し得る。場合によっては、乗客数および荷物量に基づいて、車両選択コンポーネント208は、乗客室として構成される車両本体の第一の部分と、荷物品を保管するように構成される第二の部分とを含む、ハイブリッドな乗客/荷物車両を選択し得る。さらに、利用者によって入力される乗客数が単一の乗客車両214によって輸送することができる数を超える場合、車両選択コンポーネント208は、乗客を輸送するために、異なる種類の乗客車両214(例えば、バン、ミニバス等)を選択し得る、または複数の異なる乗客車両214を選択し得る。
【0027】
この例では、荷物データ入力ボックス306は、利用者が乗客の乗車要求に関連付けられる荷物品に関連する、荷物品の数および荷物詳細(例えば、重量、サイズ等)を入力することを可能にするためのユーザーインターフェース制御を含む。さらに、荷物データ入力ボックス306は、荷物品が乗客と同じ受取場所にあるかどうか、および荷物品が乗客と同じ時刻に配送されるべきかどうかを、利用者が示すことを可能にするコントロール(例えば、チェックボックスなど)を含む。後述されるように、これらのコントロールに受け取られるユーザー入力は、ユーザー機器202上にレンダリングが行われる後続のユーザーインターフェース画面およびコントロールを決定し得て、荷物配送車両216を選択および配備するために、車両選択コンポーネント208および/または経路調整コンポーネント210によって使用され得る。例えば、利用者が、荷物品が乗客と同じ集荷場所にないことを示す場合、ユーザーインターフェース300(または後続のユーザーインターフェース)は、荷物集荷の場所および時刻を提供するように利用者に促し得て、経路調整コンポーネント210は、このデータを利用して、荷物配送車両216のための異なる経路を決定し得る。さらに、利用者が、荷物品を乗客と同じ到着時刻に配送する必要がないことを示す場合、経路調整コンポーネント210は、異なる輸送モードおよび/または配送費用の削減を有する、一つまたは複数の異なる遅延配送オプションを決定し得る。
【0028】
図4は、輸送システム206と通信するユーザー機器202上に生成されて、レンダリングが行われ得る、ユーザーインターフェース400の別例を描写している。幾つかの例では、ユーザーインターフェース400は、配車アプリケーションまたは相乗りアプリケーションによって生成される後続のユーザーインターフェースを表して、乗客の乗車に関連して一つまたは複数の荷物品が配送されることを利用者が命令した後に、追加の荷物データを取得し得る。幾つかの例では、ユーザーインターフェース400は、上述されるボックス112に描写されるユーザーインターフェース画面に対応し得る。
【0029】
この例では、ユーザーインターフェース400は、乗客の乗車詳細を表示するボックス402を含む。ボックス402における乗客の乗車詳細は、ユーザーインターフェース300に利用者によって提供される乗車要求の詳細、および/または乗車要求に基づいて輸送システム206によって利用者のために手配される乗車要求の詳細に対応し得る。ユーザーインターフェース400は、利用者が荷物データおよび荷物配送要求の詳細を入力することを可能にするめの多数の入力コントロールも含む。例えば、領域404では、ユーザーインターフェース400は、利用者が荷物の集荷場所を指定することを可能にする入力コントロールと、利用者が荷物の配送時刻を選択することを可能にする入力コントロールとを含む。幾つかの例では、これらの入力コントロールは、前のユーザーインターフェース(例えば、ユーザーインターフェース300)では、荷物品が乗客と同じ集荷場所を有しておらず、かつ、荷物品が乗客と同じ到着時刻に配送される必要がないことを示す利用者に基づいて、ユーザーインターフェース400においてレンダリングが行われ得る。この例に示されているように、領域404には、時間通りの荷物配送または荷物の遅延配送に関する様々なオプションと、各荷物配送オプションに対応する費用とを有するドロップダウンメニューが含まれる。
【0030】
ユーザーインターフェース400内の領域406は、利用者が追加の荷物データを提供することを可能にする追加の入力コントロールを含む。車両選択コンポーネント208は、追加の荷物データを使用して、必要とされる荷物配送車両の数、車両のサイズおよび保管構成、ならびに他の配送車両の特徴もしくは能力などの、荷物品を配送するための車両の選択を決定し得る。この例では、領域406により、利用者は、各荷物品について、物品サイズ、物品の種類/説明(特殊サイズまたは特大サイズの物品の場合)、ならびに物品の輸送および配送に関する安全上の考慮事項もしくは特別な命令を入力することを可能になる。さらに、領域406は、ユーザー機器202のカメラ機能を起動して、利用者が物品の写真を撮影することを可能にするボタンコントロールを含む。幾つかの例では、車両選択コンポーネント208は、荷物品の画像データを使用して、荷物品のサイズ、形状、材質、および他の特性を決定し得て、次いで、荷物品の特性を使用して、荷物配送車両216を選択し得る。荷物配送の詳細および荷物の説明をそれぞれ領域404および406に入力した後、利用者は、ボタン408を選択して、乗客移動に関連付けられる荷物データを輸送システム206に送信し得る。
【0031】
さらに、上述されるように、輸送システムは、場合によっては、様々な集荷時刻、様々な集荷場所、および/または荷物品の遅延配送のサポートを行うことがある。このような場合、輸送システムは、乗客に関連付けられる物品に対する様々な輸送および配送オプションを決定し得て、ユーザーインターフェースを介して、関連付けられる輸送/配送費用を含む様々なオプションを提示し得る。例えば、荷物品一式のための配送オプションは、荷物を郵送/発送する場合か、乗客がその荷物を持って移動する場合かなどの、荷物のための様々な輸送オプションを含むことができる。これらの様々なオプションは、ユーザーインターフェースの領域404に提示され得る。また、輸送システムは、複数区間のうちの異なる区間のための費用を集計し得る。(例えは、第一の運転区間、第二の飛行区間、第三の運転区間等)。ユーザーインターフェース400の領域404は、乗客および関連の荷物品の両方について、個々の区間費用、および集計される移動費用の両方を提示し得る。個々の区間の費用、および集計される移動費用に基づいて、ユーザーインターフェース400は、乗客または荷物の移動旅程、および/または個々の区間を(例えば、様々な時間または輸送モードなどに)変更するための機能を利用者に提供し得て、その後、個々の区間の費用、および集計される移動費用は、ユーザーインターフェース上に更新され得る。
【0032】
図5は、別々の車両における乗客移動および荷物配送を連携させるためのプロセス500の例を例証するフロー図である。後述されるように、プロセス500の少なくとも一部の操作は、車両選択コンポーネント208および経路調整コンポーネント210を含む、輸送システム206のコンポーネントによって実行され得る。これらの構成要素に関連して説明される機能を使用して、輸送システム206は、ユーザー機器から輸送要求を受信し、車両を選択し、別々の専用乗客車両214および荷物配送車両216を使用して、調整方法において乗客輸送および関連の荷物品配送を手配し得る。
【0033】
操作502では、輸送システムは、乗客データおよび荷物データを有する要求を受信し得る。この要求は、輸送システム206が提供する配車サービスまたは相乗りサービスからの乗客の乗車のための要求に対応し得る。この要求は、一つまたは複数のユーザーインターフェース(例えば、ユーザーインターフェース300および400など)を介して、ユーザー機器202から受信され得る。操作502において受信される乗客データには、輸送される乗客数および乗客の種類/特徴(例えば、サイズ、重量、大人または子供等)が含まれ得る。荷物データには、荷物品の数、および/または荷物品のサイズ、重量、種類(例えば、特定の特大サイズまたは特殊サイズの荷物など)などの、各荷物品についての詳細(または全体としての集約される荷物荷物)、および/または乗客の乗車に関連して配送される荷物品の他の特性が含まれ得る。
【0034】
操作504では、輸送システムは、乗客および荷物品が同じ乗客車両において輸送することができるかどうかを判定し得る。例えば、乗客数、荷物データ(例えば、荷物品の数およびサイズなど)、および利用可能な乗客車両214の収容能力に基づいて、輸送システム206は、乗客を輸送するために選択される乗客車両214が、その上、関連の荷物品を配送することが可能である(ステップ504:はい)と判定し得る。このような場合、輸送システム206は、操作506において乗客車両214を選択して配送経路を決定し、操作508において選択される乗客車両214に命令を送信する。操作506において決定される乗客移動の経路は、単一の乗車停留所、または別々の乗車場所において乗客および荷物品を乗車させるための複数の停留所を含み得る。
【0035】
他の例では、輸送システム206が、乗客データおよび荷物データに基づいて、単一の乗客車両では、荷物品を輸送することもできないと判定する場合、または同じ車両において乗客および荷物品を輸送するのは、非効率的であるか、もしくは費用が掛かる可能性があると判定する場合(ステップ504:いいえ)、そのため、輸送システム206は、操作510において、乗客移動に対して荷物品の遅延配送が許可されるか否かを判定する。幾つかの例では、利用者は、移動に関連付けられる荷物品が乗客と同じ到着時刻に配送されるべきかどうか、または荷物品が後で配送されてもよいかどうかを、ユーザーインターフェースを介して指示し得る。
【0036】
利用者が(例えば、ユーザーインターフェースまたは以前に保存されたユーザー趣向を介して)この乗客移動に対して荷物の遅延配送が許可されることを示す場合(ステップ510:はい)、そのため、操作512では、輸送システム206は、多数の異なる荷物配送オプションを決定する。幾つかの例では、各配送オプションには、集荷時刻、配送時間、輸送モードもしくは特性、および対応する荷物配送費用が含まれ得る。上記で論じられるように、荷物を関連付けられる乗客より早く引き取り、および/または遅く配送することができる場合には、荷物配送費用が削減される可能性がある。追加の輸送時間により、経路調整コンポーネント210が、共有の荷物配送車両、配送サービスによって運行される別々の非商用(例えば、貨物)便、または飛行ではなく地上配送オプションなどの、より遅いがより安価な輸送モードを含む、一つまたは複数の配送経路を決定することを可能にし得る。操作512では、輸送システム206は、経路調整コンポーネント210によって決定された荷物配送オプションを、ユーザーインターフェースを介して利用者に提示し得る。操作514では、輸送システム206は、ユーザーインターフェースを介して利用者から、荷物品のための配送オプション(例えば、集荷時刻、推定配送時間、輸送モード等)の選択を受信する。
【0037】
他の例では、利用者が、この乗客移動に対して荷物の遅延配送が許可されないことを指示する場合(ステップ510:いいえ)、そのため、操作516では、輸送システム206は、対応する乗客移動の詳細に基づいて、荷物配送の詳細を決定し得る。場合によっては、荷物の集荷時刻および/または配送時間が対応する乗客乗車時刻および到着推定時刻に基づき得るが、荷物品は、乗客の乗車場所と異なる集荷場所を有し得る。さらに、幾つかの例では、輸送システム206は、複数の荷物配送車両216を選択して配備して、同じ乗客乗車に関連付けられる異なる荷物品一式を輸送し得るが、各荷物品一式は、異なる集荷場所、および/または早期の集荷時刻および配送の遅延時間に関する様々な要件を有し得る。
【0038】
操作518では、使用される乗客車両および荷物配送車両の数、ならびに各車両についての輸送/配送の詳細(例えば、乗車および降車の時刻および場所など)を決定した後、輸送システム206は、乗客データおよび荷物データに基づいて、乗客車両214および荷物配送車両216を選択し得て、関連付けられる各車両についての走行経路を決定し得る。車両は、輸送される乗客および/または荷物品の数および特性、ならびに要求される移動に対応する時間における車両群内の異なる車両の利用可能性および能力に基づいて、車両選択コンポーネント208によって選択され得る。走行経路は、種々の地図データ、交通データ、天候および道路状況データ、利用者もしくは車両の運転趣向、ならびに/または他の要因とともに、乗車時刻および場所、到着所要時刻および目的地の場所に基づいて、各乗客車両214および各荷物配送車両216について経路調整コンポーネント210によって決定され得る。
【0039】
操作520では、輸送システム206は、選択される乗客車両214および荷物配送車両216の各々に命令を送信し、指定時刻に決定される経路を走行するように車両を制御し、その車両に対して決定される乗客輸送および荷物配送の操作を実行し得る。輸送システム206から乗客車両214および荷物配送車両216に送信される命令には、乗車要求の場所および時刻、目的地の要求場所および配送/返却の要求時刻、乗客識別子、移動識別子、および/または荷物品識別子等が含まれ得るが、これらに限定されない。幾つかの例では、輸送システム206は、車両識別子(例えば、車両の説明、ナンバープレートの登録番号等)をユーザー機器202に送信して、利用者が、乗車場所における到着時に乗客車両214および荷物配送車両216を認識してアクセスを行うことも可能にし得る。
【0040】
図6は、調整済みの乗客輸送の旅程と、別々の車両によって実行される二つの関連付けられる荷物配送を示す、地図ユーザーインターフェース600を示している。上述されるように、輸送システム206は、追跡、監視、および経路変更機能を提供して、乗客車両214および荷物配送車両216の間の配送時間および/または配送場所における同期を維持し得る。幾つかの例では、輸送システム206は、地図ユーザーインターフェース600を提供して、乗客移動および関連の荷物配送の時間枠中に、利用者が、関連付けられる乗客車両および荷物配送車両を視覚的に追跡することを可能にし得る。この例では、地図ユーザーインターフェース600は、関連付けられる乗客車両604および走行経路606とともに、乗客アイコン602を用いて乗客の乗車場所を識別する。この例における乗客移動には、それぞれ異なる乗車場所および走行経路を有する、2台の関連付けられる荷物配送車両216が含まれる。荷物の集荷場所を示す第一の荷物アイコン608も、関連付けられる荷物配送車両610および走行経路612とともに、地図ユーザーインターフェース600上で識別される。第二の荷物アイコン614は、第二の荷物配送車両616および走行経路618とともに、地図ユーザーインターフェース600上で識別される第二の荷物集荷場所を示す。この例では、2台の荷物配送車両610および616は、それぞれの物品を集荷しており、アイコン620によって示される乗客移動の目的地までの経路を走行中である。乗客車両604は、乗客を迎えに行く途中であり、その後、アイコン620によって示される同じ目的地に進むことになる。この例における輸送システム206は、乗客輸送車両および別々の荷物配送車両を連携させて、同じ目的地に同じ時刻に(または利用者によって要求される別々の配送時刻に)到着し得る。
【0041】
図7は、別々の車両および異なる配送経路を使用する乗客移動および関連の荷物配送の間の連携旅程を例証するユーザーインターフェース700の別例を示している。この例では、ユーザーインターフェース700は、クライアントアプリケーションの単一ビューを提供して、利用者が別々の車両を使用する関連付けられる荷物配送を有する乗客移動を計画し、追跡し、調整更新を実行することを可能にする。この例に示されるように、経路調整コンポーネント210によって決定される乗客および荷物配送の経路は、運転区間、航空便区間、および/または他の輸送モードの区間の組合せを含む、複数の区間を有する輸送経路(例えば、複数行程および/または複数モードの輸送経路など)を含み得る。この例に示されるように、乗客、および乗客移動に関連付けられる荷物の両方が、空港までの第一の運転区間、目的地の都市までの航空便、その後目的地の都市におけるホテルまでの第二の運転区間を含む、移動経路を有し得る。ただし、この例における経路調整コンポーネント210は、乗客および荷物品に対して全く異なる旅程を選択している。例えば、ユーザーインターフェース300および400を介して受信されるユーザー入力に基づいて、輸送システム206は、
荷物品の集荷時刻および配送時間に適合可能である、荷物品のための早い集荷時刻、配送の遅延時間、およびより安価な航空便を選択している。
【0042】
また、ユーザーインターフェース700は、輸送システム206から(および/または車両214および216から直接に)データ更新を受信し、ユーザー機器202を介して通知を提供するように構成され得る。このような通知には、データ、車両追跡データ、車両状態および位置更新、荷物配送通知、遅延または計画変更、利用者による経路変更等が含まれ得るが、これらに限定されない。乗客移動旅程および/または関連の荷物配送旅程に対する遅延または計画変更に応じて、ユーザーインターフェース700は、自動的に更新して、利用者に警告し得て、更新されるユーザーインターフェースを利用者に提供して、利用者が他の関連車両の時間および/または配送経路を更新することを可能にし得る。
【0043】
図8は、本明細書に説明される技術を実装するためのシステム800の例を示すブロック図を描写している。この例における車両802は、乗客またはその関連物品を輸送するための自律車両に関する種々の構成の何れかを含む、本明細書に説明される車両の何れかに対応し得る。すなわち、図1ないし図7を参照して上述される車両の例の各々、および/または本明細書に説明される他の任意の車両の例は、車両802の特徴の任意の組み合わせを含み得て、同様または同一のコンピューティングシステム内に組み込み得る。この例に示されるように、車両802は、一つまたは複数の車両コンピューティング機器804、一つまたは複数のセンサーシステム806、一つまたは複数のエミッタ808、一つまたは複数の通信接続810、少なくとも一つの直接接続812、および一つまたは複数の駆動アセンブリ814を含み得る。
【0044】
車両802は、自律車両における種々のソフトウェアベースおよび/またはハードウェアベースのコンポーネントを含み得て、物理環境を通行する自律車両を制御するために使用され得る。例えば、車両802は、米国道路交通安全局によって発行されるレベル5分類に従って動作するように構成される自律車両のような無人車両のためのハードウェアベースおよび/またはソフトウェアベースのコントローラとすることができるが、この分類は、運転者(または乗員)が何時でも車両を制御することを期待されていない状態で、移動全体に対する全ての安全上重要な機能を実行することが可能である車両を表す。場合によっては、車両制御システムは、他の任意のレベルまたは分類を有する完全自動車両もしくは部分自律車両などの、実際の関連車両内で動作し得る。場合によっては、本明細書に説明される技術は、非自律車両でよっても同様に使用可能であり得る。追加的または代替的に、車両802は、例えば、車両802のための開発、試験、および検証のプロセス中にコンピューティング環境において実行する模擬車両のためのハードウェアおよびソフトウェアベースのコントローラとして、物理的な車両から独立して動作し得る。
【0045】
車両802は、例えば、バン、スポーツユーティリティビークル、クロスオーバー車両、トラック、バス、農業用車両、および/または建設用車両などの、乗客車両および/または物品郵送車両の任意構成に使用することができる。車両802は、一つまたは複数の内燃機関、一つまたは複数の電気モーター、水素電力、それらの任意の組み合わせ、および/または他の任意の適切な動力源によって、動力を供給することができる。車両802は四輪を有し得るが、本明細書に説明される関連技術は、より少ない数もしくはより多い数の車輪、および/またはタイヤを有する車両に組み込むことができる。車両802は、四輪操舵を有する車両を制御するシステムを含むことができ、例えば、第一の方向に走行する場合には、車両の第一の端部が車両の前端となるように、および反対方向に走行する場合には、第一の端部が車両の後端となるように、全方向において概して同等または同様の性能特性を有して動作し得る。同様に、車両の第二の端部は、第二の方向に走行する場合には、車両の前端となり、逆方向に走行する場合には車両の後端となり、反対方向に走行する場合には、第二の端部が車両の後端になる。これらの特性の例は、例えば、駐車場および/または市街地などの狭いスペースまたは混雑した環境では、より優れた操縦性を促進し得る。
【0046】
車両コンピューティング機器804は、一つまたは複数のプロセッサ816と、一つまたは複数のプロセッサ816と通信可能に結合されるメモリ818とを含むことができる。図示の例では、車両802は、自律車両である。ただし、車両802は、他の任意種類の車両、または一つまたは複数のセンサーシステムを有する他の任意システムとすることができる。図示の例では、車両コンピューティング機器804のメモリ818は、位置特定コンポーネント820、認識コンポーネント822、計画コンポーネント824、一つまたは複数のシステムコントローラ826、および一つまたは複数の地図828を格納する。図8では、例示の目的のためにメモリ818に常駐するように描写されているが、位置特定コンポーネント820、認識コンポーネント822、計画コンポーネント824、一つまたは複数のシステムコントローラ826、および一つまたは複数の地図828が、追加的に、または代替的に、車両802にアクセス可能であり得る(例えば、遠隔に保存される)ことが、企図される
【0047】
少なくとも一つの例では、位置特定コンポーネント820は、センサーシステム806からデータを受信する機能を含み、車両802の位置を決定することができる。例えば、位置特定コンポーネント820は、環境の地図を含める、および/または環境の地図を要求/受信することができ、地図内の自律車両の位置を継続的に決定し得る。場合によっては、位置特定コンポーネント820は、SLAM(同時的な位置特定およびマッピング)、またはCLAMS(較正、位置特定、およびマッピングの同時実行)を利用して、画像データ、LIDARデータ、レーダーデータ、IMUデータ、GPSデータ、およびホイールエンコーダーデータなどを受信して、自律車両の位置を正確に決定することができる。場合によっては、位置特定コンポーネント820は、本明細書に説明されるように、車両802の各種コンポーネントにデータを提供して、候補軌道を生成するために自律車両の初期位置を決定することができる。
【0048】
場合によっては、認識コンポーネント822は、オブジェクトの検出、セグメンテーション、および/または分類を実行する機能を含むことができる。幾つかの例では、認識コンポーネント822は、車両802に近接するエンティティの存在、および/またはエンティティの種類(例えば、自動車、歩行者、自転車乗り、動物、建物、樹木、路面、縁石、歩道、不明等)としてのエンティティの分類を示す、処理済みのセンサーデータを提供することができる。追加例および/または代替例では、認識コンポーネント822は、検出されるエンティティ、および/またはエンティティが位置する環境に関連付けられる一つまたは複数の特性を示す、処理済みのセンサーデータを提供し得る。幾つかの例では、エンティティに関連付けられる特性は、x位置(グローバル位置)、y位置(グローバル位置)、z位置(グローバル位置)、向き、エンティティの種類(例えば、分類など)、エンティティの速度、エンティティの範囲(サイズ)等を含むことができるが、これらに限定されない。環境に関連付けられる特性は、環境内の別のエンティティの存在、環境内の別のエンティティの状態、日の時刻、曜日、季節、気象条件、暗闇/光などの兆候等を含むことができるが、これらに限定されない。
【0049】
通常、計画コンポーネント824は、車両802が環境を通行するために辿るべき経路を決定し得る。例えば、計画コンポーネント824は、各種経路および軌道、ならびに各種詳細レベルを決定することができる。例えば、計画コンポーネント824は、第一の位置(例えば、現在位置など)から第二の位置(例えば、目標位置など)まで移動するべき経路を決定することができる。この検討の目的として、経路は、二つの場所間を移動するための一連の地点情報とすることができる。非限定的な例として、地点情報には、街路、交差点、全地球測位システム(GPS)座標等が含まれる。さらに、計画コンポーネント824は、第一の位置から第二の位置までの経路の少なくとも一部分に沿って、自律車両を誘導するための命令を生成することができる。少なくとも一つの例では、計画コンポーネント824は、一連の地点情報のうちの第一の地点情報から一連の地点情報のうちの第二の地点情報まで、自律車両を如何に誘導するかを決定することができる。幾つかの例では、命令は、軌道、または軌道の一部分とすることができる。幾つかの例では、後退地平線技術に従って、複数の軌道を(例えば、技術的許容範囲内で)実質的に同時に生成することができる。
【0050】
少なくとも一つの例では、車両コンピューティング機器804は、一つまたは複数のシステムコントローラ826を含むことができるが、これは、車両802の操舵、推進、制動、安全、エミッタ、通信、および他のシステムを制御するように構成することができる。これらのシステムコントローラ826は、駆動アセンブリ814、および/または車両802の他のコンポーネントに対応するシステムと通信し、および/または制御することができる。
【0051】
メモリ818は、さらに、環境内を航法するために車両802によって使用することができる、一つまたは複数の地図828をさらに含むことができる。この説明の目的として、地図とは、(交差点のような)トポロジー、街路、山脈、道路、地形、および環境全般などの、これらに限定されない環境に関する情報を提供することが可能である、二次元、三次元、またはN次元においてモデル化される任意数のデータ構造とすることができる。一例では、地図は、本明細書に検討される技術を使用して生成される三次元メッシュを含むことができる。場合によっては、地図の個々のタイルが環境の個別部分を表すように、地図をタイル形式に保存することができ、必要に応じて作業メモリに地図をロードすることができる。少なくとも一つの例では、一つまたは複数の地図828は、本明細書に検討される技術に従って生成される、少なくとも一つの地図(例えば、画像および/またはメッシュなど)を含み得る。幾つかの例では、車両802は、地図828に少なくとも部分的に基づいて制御することができる。すなわち、地図828は、車両802の位置を決定し、環境におけるオブジェクトを識別し、ならびに/または環境内を航法するための経路および/もしくは軌道を生成するために、位置特定コンポーネント820、認識コンポーネント822、および/または計画コンポーネント824と関連して使用することができる。
【0052】
幾つかの例では、一つまたは複数の地図828は、(コンピューティング機器832のような)ネットワーク830を介してアクセス可能な遠隔コンピューティング機器に格納され得る。幾つかの例では、複数の地図828は、例えば、特性(例えば、エンティティの種類、日の時刻、曜日、年の季節等)に基づいて、格納され得る。複数の地図828を保存することは、同様のメモリ要件を有するが、ヒートマップにおけるデータにアクセスを行い得る速度を向上させ得る。
【0053】
場合によっては、本明細書に論じられるコンポーネントの一部または全部の態様には、任意のモデル、アルゴリズム、および/または機械学習アルゴリズムが含まれ得る。例えば、場合によっては、メモリ818(および後述されるメモリ836)におけるコンポーネントは、ニューラルネットワークとして実装され得る。本明細書に説明されるように、例示的なニューラルネットワークは、入力データを一連の接続層に渡して出力を生成する、生物学に着想を得たアルゴリズムである。ニューラルネットワークにおける各層は、別のニューラルネットワークから構成することもよいし、または任意数の層(畳み込みかどうかに関わらず)から構成し得る。本開示の関連で理解され得るように、ニューラルネットワークは、機械学習を利用し得るが、機械学習は、学習済みのパラメータに基づいて出力が生成される、そのようなアルゴリズムの広範なクラスを指し得る。
【0054】
少なくとも一つの例では、センサーシステム806は、LIDARセンサー、レーダーセンサー、超音波トランスデューサ、ソナーセンサー、位置センサー(例えば、GPS、コンパス等)、慣性センサー(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ等)、カメラ(例えば、RGB、IR、強度、深度、飛行時間等)、マイクロフォン、ホイールエンコーダー、環境センサー(例えば、温度センサー、湿度センサー、光センサー、圧力センサー等)などを含むことができる。センサーシステム806は、これらのセンサー、または他種類のセンサーの各々に関する複数のインスタンスを含むことができる。例えば、LIDARセンサーは、車両802の角、前部、後部、側面、および/または上面に配置される個別のLIDARセンサーを含むことができる。別の例として、カメラセンサーは、車両802の外部および/または内部に関する種々の位置に配置される複数のカメラを含むことができる。センサーシステム806は、車両コンピューティング機器804に入力を提供することができる。追加的または代替的に、センサーシステム806は、所定の期間の経過後、ほぼリアルタイム等に、一つまたは複数のネットワーク830を介して、特定の周波数で一つまたは複数のコンピューティング機器にセンサーデータを送信することができる。
【0055】
車両802は、上述されるように、光および/または音を発するための一つまたは複数のエミッタ808を含むこともできる。この例におけるエミッタ808は、車両802の乗客と通信するための内部音声および視覚エミッタを含む。限定ではなく例として、内部エミッタには、スピーカー、照明、標識、表示画面、タッチスクリーン、触覚エミッタ(例えば、振動および/またはフォースフィードバックなど)、および機械的アクチュエータ(例えば、シートベルトテンショナー、シートポジショナー、ヘッドレストポジショナー等)などを含むことができる。この例におけるエミッタ808には、外部エミッタも含まれる。限定ではなく例として、この例における外部エミッタには、進行方向を知らせるライト、または車両アクションの他のインジケーター(例えば、表示灯、標識、ライトアレイ等)、および歩行者もしくは他の手近な車両と聴覚的に通信するための一つまたは複数の音声エミッタ(例えば、スピーカー、スピーカーアレイ、ホーン等)を含むが、これらの一つまたは複数は、音響ビーム操舵技術を備える。
【0056】
また、車両802は、車両802と一つまたは複数の他の局所もしくは遠隔コンピューティング機器との間の通信を可能にする、一つまたは複数の通信接続810を含むこともできる。例えば、通信接続810は、車両802上の他の局所コンピューティング機器、および/または駆動アセンブリ814との通信を容易にすることができる。また、通信接続810は、車両が他の手近なコンピューティング機器(例えば、他の手近な車両、信号機等)と通信することを可能にすることができる。また、通信接続810は、車両802が遠隔遠隔操作コンピューティング機器、または他の遠隔サービスと通信することを可能にする。
【0057】
通信接続810は、車両コンピューティング機器804を別のコンピューティング機器、またはネットワーク830のようなネットワークに接続するための物理的インターフェースおよび/または論理的インターフェースを含むことができる。例えば、通信接続810は、IEEE802.11規格によって規定される周波数、Bluetooth(登録商標)のような近距離無線周波数、携帯電話通信(例えば、2G、3G、4G、4G LET、5G等)、またはそれぞれのコンピューティング機器がその他のコンピューティング機器とインターフェースで接続することを可能にする、任意の適切な有線通信プロトコルもしくは無線通信プロトコルなどの、Wi-Fiベースの通信を可能にすることができる。
【0058】
少なくとも一つの例では、車両802は、一つまたは複数の駆動アセンブリ814を含むことができる。幾つかの例では、車両802は、単一の駆動アセンブリ814を有することができる。少なくとも一つの例では、車両802が複数の駆動アセンブリ814を有する場合、個々の駆動アセンブリ814は、車両802の対向する端部(例えば、前部および後部等)に配置され得る。少なくとも一つの例では、駆動アセンブリ814は、駆動アセンブリ814および/または車両802の周囲の状態を検出するための一つまたは複数のセンサーシステムを含むことができる。限定ではなく例として、センサーシステムは、駆動アセンブリの車輪の回転を感知するための一つまたは複数のホイールエンコーダー(例えば、ロータリーエンコーダーなど)、駆動アセンブリの向きおよび加速度を測定するための慣性センサー(例えば、慣性測定ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計等)、カメラもしくは他の画像センサー、駆動アセンブリの周囲にあるオブジェクトを音響的に検出するための超音波センサー、LIDARセンサー、レーダーセンサー等を含むことができる。ホイールエンコーダーのような幾つかのセンサーは、駆動アセンブリ814に固有とすることができる。場合によっては、駆動アセンブリ814上のセンサーシステムは、車両802の対応するシステム(例えば、センサーシステム806など)と重複または補完することができる。
【0059】
駆動アセンブリ814は、高電圧バッテリ、車両を推進するためのモーター、バッテリからの直流を他の車両システムによって使用される交流に変換するためのインバータ、操舵モーターおよび操舵ラック(電気式とすることができる)を含む操舵システム、油圧アクチュエータもしくは電動アクチュエータを含む制動システム、油圧コンポーネントおよび/または空気圧コンポーネントを含むサスペンションシステム、トラクションの損失を軽減して制御を維持するように制動力を分配するためのスタビリティ・コントロール・システム、HVACシステム、照明(例えば、車両の外部周囲を照らすためのヘッドライト/テールライトのような照明など)、および一つまたは複数の他のシステム(例えば、冷却システム、安全システム、車載充電システム、DC/DCコンバータのような他の電気式コンポーネント、高電圧ジャンクション、高電圧ケーブル、充電システム、充電ポート等)などを含む、多数の車両システムを含むことができる。さらに、駆動アセンブリ814は、センサーシステムからデータを受信して前処理し、各種車両システムの動作を制御することができる、駆動アセンブリコントローラを含むことができる。幾つかの例では、駆動アセンブリコントローラは、一つまたは複数のプロセッサと、一つまたは複数のプロセッサと通信可能に結合されるメモリとを含むことができる。このメモリは、駆動アセンブリ814の各種機能を実行するための一つまたは複数のプログラムまたは命令を格納し得る。さらに、駆動アセンブリ814は、それぞれの駆動アセンブリによる一つまたは複数の他の局所コンピューティング機器もしくは遠隔コンピューティング機器との通信を可能にする、一つまたは複数の通信接続も含む。
【0060】
少なくとも一つの例では、位置特定コンポーネント820、認識コンポーネント822、および/または計画コンポーネント824は、上述されるように、センサーデータを処理することができ、一つまたは複数のネットワーク830を介して、それぞれの出力を一つまたは複数のコンピューティング機器832(および/または一つまたは複数のユーザー機器838)に送信することができる。少なくとも一つの例では、位置特定コンポーネント820、認識コンポーネント822、および/または計画コンポーネント824は、所定の期間の経過後、ほぼリアルタイム等で、それらのそれぞれの出力を、特定の周波数で一つまたは複数のコンピューティング機器832またはユーザー機器838に送信することができる。
【0061】
図1ないし図7を参照して上述されるように、かつ、本開示を通じて論じられるように、車両802は、ネットワーク830を介して、センサーデータをコンピューティング機器832および/またはユーザー機器838に送信することかできる。そこに配置されたコンポーネントを実行し、対応する機能を実行するために、コンピューティング機器832は、一つまたは複数のプロセッサ834と、一つまたは複数のプロセッサ834と通信可能に結合されるメモリ836とを含むことができる。幾つかの例では、車両802は、未処理のセンサーデータをコンピューティング機器832に送信することができ得る。他の例では、車両802は、処理済みのセンサーデータおよび/またはセンサーデータの表現をコンピューティング機器832に送信することができる。幾つかの例では、車両802は、所定の期間の経過後、ほぼリアルタイム等で、特定の周波数でセンサーデータをコンピューティング機器832、ユーザー機器838に送信することができる。場合によっては、車両802は、センサーデータ(未処理または処理済み)を一つまたは複数のログファイルとしてコンピューティング機器832に送信することができる。
【0062】
幾つかの例では、コンピューティング機器832は、上述される輸送システム206と同様または同一であって、別々の車両において乗客の輸送および物品配送を実装および調整するように構成される、輸送システムを実装し得る。このような例では、コンピューティング機器832は、調整済みの乗客および物品の輸送を実行するための自律車両群内の車両の数、種類、および特性を決定するように構成される車両選択コンポーネント208、および/または、経路を決定し、別々の車両における乗客および関連物品の輸送を調整し、輸送および配送の命令を車両802に送信し、車両802による輸送および配送を監視するように構成される経路調整コンポーネント210を含み得る。車両選択コンポーネント208および経路調整コンポーネント210は、上述される対応するコンポーネントと同様または同一であり得て、乗客および物品の輸送を実施および調整するために、本明細書に説明される機能の任意の組み合わせを実装するように構成され得る。
【0063】
少なくとも一つの例では、コンピューティング機器832は、図2における輸送システム206に相当し得て、コンピューティング機器832内に描写されるコンポーネントは、図2に関連して上述される対応するコンポーネントと同様または同一であり得る。さらに、ユーザー機器838は、ユーザー機器202に相当することができ、利用者から乗客乗車データおよび調整済みの物品配送データを収集し、コンピューティング機器832における車両選択コンポーネント208および経路調整コンポーネント210にユーザー入力データを提供するためのユーザーインターフェースを受信し、レンダリングを行うように構成され得る。また、同じもしくは異なるユーザー機器838は、車両802および/またはコンピューティング機器から、ステータス更新、配送通知、経路変更等に関連する通知を受信および出力するように構成され得る。
【0064】
車両802のプロセッサ816、およびコンピューティング機器832のプロセッサ834は、データを処理し、本明細書に説明される操作を実行するための命令を実行することが可能である、任意の適切なプロセッサとすることができる。限定ではなく例として、プロセッサ816および834は、一つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、または電子データを処理して、その電子データを、レジスタおよび/またはメモリに保存することができる他の電子データに変換する、他の任意の機器もしくは機器の一部を備えることができる。幾つかの例では、集積回路(例えば、ASIC等)、ゲートアレイ(例えば、FPGA等)、および他のハードウェア機器も、それらが符号化される命令を実装するように構成されている限り、プロセッサと見做すことができる。
【0065】
メモリ818およびメモリ836は、非一時的コンピュータ可読媒体の例である。メモリ818およびメモリ836は、オペレーティングシステムおよび一つまたは複数のソフトウェアアプリケーション、命令、プログラム、ならびに/またはデータを格納して、本明細書に説明される方法、および各種システムに起因する機能を実装することができる。種々の実装では、メモリは、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期動的RAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ種類メモリ、または情報を保存することが可能である他の任意種類のメモリなどの、任意の適切なメモリ技術を使用して実装することができる。本明細書に説明されるアーキテクチャー、システム、および個々の要素は、他の多くの論理的、プログラム的、および物理的コンポーネントを含むことができ、添付の図に示されるこれらのコンポーネントは、本明細書の検討に関連する、単なる例に過ぎない。
【0066】
図8は、分散システムとして例証されているが、代替例では、車両802のコンポーネントをコンピューティング機器832に関連付けることができ、および/またはコンピューティング機器832のコンポーネントを車両802に関連付けることができることは、留意されるべきである。すなわち、車両802は、コンピューティング機器832に関連付けられる機能のうちの一つまたは複数を実行することができ、またその逆も同様である。さらに、車両選択コンポーネント208および経路調整コンポーネント210などの、輸送システム206に関連付けられるコンポーネントの何れかまたは全ては、ユーザー機器838内に実装され得るが、このユーザー機器838は、仲介コンピューティング機器832を使用することなく、一つまたは複数の車両802と直接通信し得る。
【0067】
[条項の例]
A.システムであって、一つまたは複数のプロセッサと、実行されると、一つまたは複数のプロセッサに以下のことを含む動作を実行させる、コンピュータ実行可能命令を格納する一つまたは複数のコンピュータ可読媒体と備える、システム。すなわち、第一の乗車場所および目的地の場所を示す輸送要求を受信すること、輸送要求に少なくとも部分的に基づいて乗客データを決定することであって、乗客データは、輸送要求に関連付けられる少なくとも一人の乗客を示す、こと、輸送要求に関連付けられる物品データを決定することであって、物品データには、物品の重量、物品のサイズ、物品の種類、または物品の数のうちの少なくとも一つが含まれる、こと、乗客データおよび物品データに少なくとも部分的に基づいて、輸送要求に関連付けられる車両の数を決定することであって、輸送要求に関連付けられる車両の数は、少なくとも二台である、ことと、乗客データに少なくとも部分的に基づいて、車両群内の第一の車両を決定して、少なくとも一人の乗客を輸送すること、物品データに少なくとも部分的に基づいて、車両群内の第二の車両を決定して、一つまたは複数の物品を輸送すること、第一の命令を第一の車両に送信させて、少なくとも一人の乗客を第一の乗車場所から目的地の場所まで輸送すること、および第二の命令を第二の車両に送信させて、一つまたは複数の物品を第二の乗車場所から目的地の場所まで輸送すること。
【0068】
B.段落Aに記載のシステムであって、乗客データは、第一の乗車時刻を含み、物品データは、第一の乗車時刻とは異なる第二の乗車時刻を含み、第一の命令は、第一の乗車場所、第一の乗車時刻、および少なくとも一人の乗客に関連付けられる第一の識別子を含み、第二の命令は、第二の乗車場所、第二の乗車時刻、および一つまたは複数の物品に関連付けられる第二の識別子を含む、システム。
【0069】
C.段落AまたはBに記載のシステムであって、動作は、以下をさらに備える、システム。すなわち、輸送要求に関連付けられる乗客の乗車時刻を受信すること、乗客の乗車時刻に少なくとも部分的に基づいて、第一の物品集荷時刻を含む第一の物品旅程と、第二の物品集荷時刻を含む第二の物品旅程とを決定すること、第一の物品旅程に関連付けられる第一の費用を決定すること、第二の物品旅程に関連付けられる第二の費用を決定すること、輸送要求に関連付けられるユーザー機器に、第一の物品集荷時刻および第一の費用を含む第一の物品旅程と、第二の物品集荷時間および第二の費用を含む第二の物品旅程とを送信すること、およびユーザー機器から第一の物品旅程または第二の物品旅程の選択を受信すること。
【0070】
D.段落AないしCの何れか一つに記載のシステムであって、第一の車両を決定することは、第一の車両が乗客データと互換性のある乗客室を含むという決定に少なくとも部分的に基づき、第二の車両を決定することは、第二の車両が物品データと互換性のある保管室を含むという決定に少なくとも部分的に基づく、システム。
【0071】
E.段落AないしDの何れか一つに記載のシステムであって、動作は、以下をさらに備える、システム。すなわち、第一の乗車場所および目的地の場所を含む、第一の車両のための第一の経路を決定すること、および第二の乗車場所および目的地の場所を含む、第二の車両のための第二の経路を決定することであって、第二の経路は、第一の経路とは異なる、こと。
【0072】
F.以下を備える、方法。すなわち、輸送システムによって、目的地を示す輸送要求を受信するステップ、輸送システムによって、輸送要求に少なくとも部分的に基づいて乗客データを決定するステップであって、乗客データは、輸送要求に関連付けられる乗客を示す、ステップ、輸送システムによって、輸送要求に少なくとも部分的に基づいて物品データを決定するステップであって、物品データは、輸送要求に関連付けられる物品を示す、ステップ、輸送システムによって、第一の車両に第一の命令を送信させて、乗客を第一の降車場所まで輸送するステップ、および輸送システムによって、第二の命令を第二の車両に送信させて、物品を第二の降車場所に輸送するステップ。
【0073】
G.段落Fに記載の方法であって、乗客データは、第一の乗車時刻を含み、物品データは、第一の乗車時刻とは異なる第二の乗車時刻を含み、第一の命令は、第一の乗車時刻と、乗客に関連付けられる第一の識別子とを含み、第二の命令は、第二の乗車時刻と、物品に関連付けられる第二の識別子とを含む、方法。
【0074】
H.段落Fまたは段落Gに記載の方法であって、以下をさらに備える方法。すなわち、輸送要求に関連付けられる乗客の乗車時刻を受信するステップ、乗客の乗車時刻に少なくとも部分的に基づいて、第一の物品集荷時刻を含む第一の物品旅程と、第二の物品集荷時刻を含む第二の物品旅程とを決定するステップ、第一の物品旅程に関連付けられる第一の費用を決定するステップ、第二の物品旅程に関連付けられる第二の費用を決定するステップ、輸送要求に関連付けられるユーザー機器に、第一の物品集荷時刻と第一の費用を含む第一の物品旅程と、第二の物品の集荷時刻および第二の費用を含む第二の物品旅程とを送信するステップ、およびユーザー機器から第一の物品旅程または第二の物品旅程の選択を受信するステップ。
【0075】
I.項目FないしHの何れかに記載の方法であって、以下をさらに備える、方法。すなわち、項目に関連付けられる項目仕様データを決定するステップであって、項目仕様データは、物品の重量、物品のサイズ、物品の種類、または物品の番号のうちの少なくとも一つを含む、ステップ、乗客データに少なくとも部分的に基づいて乗客数を決定するステップ、および物品の仕様データおよび乗客数に少なくとも部分的に基づいて、輸送要求に関連付けられる車両数を決定するステップ。
【0076】
J.項目FないしIの何れかに記載の方法であって、以下をさらに備える、方法。すなわち、車両群内の第一の車両を決定して、第一の車両が乗客データと互換性のある乗客室を含むかという決定に少なくとも部分的に基づいて、乗客を輸送するステップ、および車両群内の第二の車両を決定して、第二の車両が物品データと互換性のある保管室を含むという決定に少なくとも部分的に基づいて、車両群内の物品を輸送するステップ。
【0077】
K.項目FないしJの何れかに記載の方法であって、以下をさらに備える、方法。すなわち、第一の乗車場所および第一の降車場所を含む、目的地に少なくとも部分的に基づいて、第一の車両のための第一の経路を決定するステップ、および第二の乗車場所および第二の降車場所を含む、目的地に少なくとも部分的に基づいて、第二の車両のための第二の経路を決定するステップであって、第一の降車場所は、第二の降車場所と同じであり、第一の経路は、第二の経路とは異なる、ステップ。
【0078】
L.段落Kに記載の方法であって、第一の経路は、一つまたは複数の運転区間と、第一の航空便に関連付けられる第一の飛行区間とを含み、第二の経路は、一つまたは複数の運転区間と、第一の航空便とは異なる第二の航空便に関連付けられる第二の飛行区間とを含む、方法。
【0079】
M.段落Kに記載の方法であって、以下をさらに備える、方法。すなわち、乗客に関連付けられる第一のセキュリティ分類を決定するステップであって、第一の経路を決定するステップは、第一のセキュリティ分類に少なくとも部分的に基づく、ステップ、および物品に関連付けられる第二のセキュリティ分類を決定するステップであって、第二の経路を決定するステップは、第二のセキュリティ分類に少なくとも部分的に基づく、ステップ。
【0080】
N.段落Kに記載の方法であって、第一の乗車場所および第二の乗車場所は、同じ場所である、方法。
【0081】
O.プロセッサによって実行可能な命令を格納する、一つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、実行されると、コンピューティング機器に以下を含む操作を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。すなわち、目的地を示す輸送要求を受信すること、輸送要求に少なくとも部分的に基づいて乗客データを決定することであって、乗客データは、輸送要求に関連付けられる乗客を示す、こと、輸送要求に少なくとも部分的に基づいて物品データを決定することであって、物品データは、輸送要求に関連付けられる物品を示す、こと、第一の命令を第一の車両に送信させて、乗客を第一の降車場所まで輸送すること、および第二の命令を第二の車両に送信させて、物品を第二の降車場所まで輸送すること。
【0082】
P.段落Oに記載の一つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、乗客データは、第一の乗車時刻を含み、物品データは、第一の乗車時刻とは異なる第二の乗車時刻を含み、第一の命令は、第一の乗車時刻と、乗客に関連付けられる第一の識別子とを含み、第二の命令は、第二の乗車時刻と、物品に関連付けられる第二の識別子とを含む、非一時的コンピュータ可読媒。
【0083】
Q.段落Oまたは段落Pに記載の一つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、動作は、以下をさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体。すなわち、輸送要求に関連付けられる乗客乗車時刻を受信すること、乗客乗車時刻に少なくとも部分的に基づいて、第一の物品集荷時刻を含む第一の物品旅程と、第二の物品集荷時刻を含む第二の物品旅程とを決定すること、第一の物品旅程に関連付けられる第一の費用を決定すること、第二の物品旅程に関連付けられる第二の費用を決定すること、輸送要求に関連付けられるユーザー機器に、第一の物品集荷時刻および第一の費用を含む第一の物品旅程と、第二の物品の集荷時刻および第二の費用を含む第二の物品旅程とを、送信すること、およびユーザー機器から第一の物品旅程または第二の物品旅程の選択を受信すること。
【0084】
R.段落OないしQの何れかに記載の一つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、動作は、以下をさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体。すなわち、物品に関連付けられる物品仕様データを決定するステップであって、物品仕様データは、物品の重量、物品のサイズ、物品の種類、または物品の番号のうちの少なくとも一つを含む、こと、乗客データに少なくとも部分的に基づいて乗客数を決定すること、および物品仕様データおよび乗客数に少なくとも部分的に基づいて、輸送要求に関連付けられる車両数を決定すること。
【0085】
S.段落OないしRの何れかに記載の一つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、動作は、以下をさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体。すなわち、車両群内の第一の車両を決定して、第一の車両が乗客データと互換性のある乗客室を含むという決定に少なくとも部分的に基づいて、乗客を輸送すること、および車両群内の第二の車両を決定して、第二の車両が物品データと互換性のある保管室を含むという決定に少なくとも部分的に基づいて、物品を輸送すること。
【0086】
T.段落OないしSの何れかに記載の一つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、動作は、以下をさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体。すなわち、第一の乗車場所および第一の降車場所を含む、目的地に少なくとも部分的に基づいて、第一の車両のための第一の経路を決定すること、および第二の乗車場所および第二の降車場所を含む、目的地に少なくとも部分的に基づいて、第二の車両のための第二の経路を決定することであって、第一の降車場所は、第二の降車場所と同じであり、第一の経路は、第二の経路とは異なる、こと。
【0087】
上述される条項の例は、特定の実装に関して説明されているが、本文書の関連において、条項例の内容は、方法、機器、システム、コンピュータ可読媒体、および/または別の実装を介して実装することができると、理解されるべきである。さらに、例AないしTの何れかを単独で、または例AないしTのうちの他の何れか一つまたは複数と組み合わせて、実装され得る。
【0088】
[結論]
本明細書に説明される技術の一つまたは複数の例が説明されているが、それらの種々の変更、追加、置換、および均等物は、本明細書に説明される技術の範囲内に含まれる。理解することができるように、本明細書に説明される構成要素は、例示の目的のために分割されるものとして説明されている。ただし、各種の構成要素によって実行される操作は、組み合わせたり、他の構成要素において実行したりすることができる。また、一例または実装に関して説明される構成要素または手順が、他の例の構成要素または手順と組み合わせて使用され得ると、理解されるべきである。
【0089】
環境におけるエージェントおよび他のオブジェクトに関する非限定的なリストとしては、歩行者、動物、自転車乗り、トラック、オートバイ、または他の車両などが含まれるが、これらに限定されない。環境におけるそのようなオブジェクトは、基準枠に対するオブジェクト全体の位置および/または向きを含む、「幾何学的姿勢(geometric pose)」(本明細書には単に「姿勢(pose)」とも呼ばれることもある)を有する。幾つかの例では、姿勢は、オブジェクト(例えば、歩行者など)の位置、オブジェクトの向き、またはオブジェクトの相対的な付属物の位置を示し得る。幾何学的姿勢は、二次元(例えば、x-y座標系を使用する)または三次元(例えば、x-y-zまたは極座標系を使用する)において記述され得て、オブジェクトの向き(例えば、ロール、ピッチ、および/またはヨーなど)を含み得る。歩行者および動物などの、一部のオブジェクトも、本明細書では「外観姿勢(appearance pose)」と呼ばれるものを有する。外観姿勢は、身体の一部(例えば、付属器官、頭部、胴体、目、手、足等)の形状および/または位置を含む。本明細書に使用されるように、「姿勢」という用語は、基準枠に対するオブジェクトの「幾何学的姿勢」と、歩行者、動物、および身体の一部の形状および/または位置、すなわち「外観姿勢」を変更することが可能である他のオブジェクトの場合との両方を指す。幾つかの例では、基準枠は、車両に対するオブジェクトの位置を記述する、二次元または三次元の座標系もしくは地図を参照して説明される。しかしながら、他の例では、他の基準枠が使用され得る。
【0090】
例の説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面への参照が行われるが、これらの図面は、例示として、主張される主題の具体的な例を示している。他の例を使用することができること、および構造的変更のような変更もしくは改変を行うことができることは、理解されるべきことである。このような例、変更、または改変は、必ずしも主張される主題として意図されるものに関する範囲から逸脱しない。本明細書における手順は、特定の順序で提示され得るが、場合によっては、説明されるシステムおよび方法の機能を変更することなく、特定の入力が異なる時刻または異なる順序で提供されるように、順序が変更され得る。開示される手順は、異なる順序で実行することもできる。さらに、本明細書に説明される各種計算は、開示される順序で実行される必要はなく、計算の代替順序を使用する他の例も容易に実装することができる。順序を入れ替えるだけでなく、同じ結果を有するサブの計算に計算を分解することもできる。
【0091】
主題は、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の言語において説明されているが、添付の請求項に定義される主題は、必ずしも説明される具体的な特徴もしくは行為に限定されないと、理解されるべきである。むしろ、具体的な特徴および行為は、請求項を実装する形態の例として開示されている。
【0092】
本明細書に説明されるコンポーネントは、任意種類のコンピュータ可読媒体に格納され得る命令を表し、ソフトウェアおよび/またはハードウェアにおいて実装され得る。上述される全ての方法およびプロセスは、一つまたは複数のコンピュータもしくはプロセッサ、ハードウェア、またはそれらの幾つかの組み合わせによって実行されるソフトウェアコードモジュールおよび/またはコンピュータ実行可能命令において具現化され、それらを介して完全に自動化され得る。 方法の一部または全部は、代替的に、特殊なコンピュータハードウェアに具現化され得る。
【0093】
とりわけ、「し得る(may)」、「できた(could)」、「する可能性がある(may)」、または「する可能性があった(might)」などの条件付き文言は、特に別段の記載がない限り、文脈内で、特定の例が特定の特徴、要素、および/または手順を含み、他の例が特定の特徴、要素、および/または手順を含まないことを示すと理解される。そのため、このような条件付き文言は、通常、特定の特徴、要素、および/または手順が、一つまたは複数の例に何らかの形で必要であること、または一つまたは複数の例が、特定の特徴、要素、および/または手順が、任意の特定例に含まれるか、または実行されるかどうかを、ユーザー入力またはプロンプトの有無に関わらず、決定するためのロジックを必ず含むことを意味することが意図されない。
【0094】
「X、Y、もしくはZのうちの少なくとも一つ(at least one of X, Y or Z)」という語句のような接続語は、特に別段の記載がない限り、項目、用語等が、X、Y、もしくはZの何れか、または各要素の倍数を含む、それらの任意の組み合わせであり得ることを示すと理解される。単数形として明示されない限り、「a」は、単数形および複数形を意味する。
【0095】
本明細書に説明され、および/または添付の図に描写されるフロー図における、ルーチンの記述、要素、もしくはブロックは、ルーチンにおける特定の論理機能もしくは要素を実装するための一つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、またはコードの一部分を表す可能性があると理解されるべきである。本明細書に説明される例の範囲内には、当業者によって理解されることになるように、関係する機能に応じて、要素または機能を削除したり、実質的に同期、逆順、追加操作、または操作の省略などを含む、図示または説明される順序とは異なる順序で実行したりする代替的な実装が含まれる。
【0096】
上述される例には、多くの変形および変更が行われ得て、それらの要素は、他の許容可能な例の中に含まれるものとして理解されるべきである。 全てのそのような変更および変形は、本開示の範囲内において本明細書に含まれ、以下の請求項によって保護されることが意図される。
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【国際調査報告】