(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】溝を備えたブロンズ製ダイプレートインサートから押し出すことでパスタを製造する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/109 20160101AFI20240705BHJP
A21C 11/16 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A23L7/109 E
A23L7/109 J
A21C11/16 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023576150
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2022069638
(87)【国際公開番号】W WO2023285551
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021000018494
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516332705
【氏名又は名称】バリラ ジー. イー アール. フラテッリ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】バルバ, フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ピッツァビオッカ, フラビア
(72)【発明者】
【氏名】パント, フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】バルディアーニ, イタロ
【テーマコード(参考)】
4B031
4B046
【Fターム(参考)】
4B031CA06
4B031CG11
4B046LA06
4B046LB03
4B046LB04
4B046LC20
4B046LG29
4B046LP03
4B046LP22
4B046LP34
4B046LP41
(57)【要約】
パスタ、好ましくはデュラム小麦セモリナ粉の乾燥パスタを製造する方法であって、溝を備えたブロンズ製ダイプレートインサートから生地を押し出す工程の後に、所定の水分含有量になるまで乾燥させる工程を有する方法を提供する。本発明はまた、上記方法で得られるパスタにも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つのスルーホールを有するブロンズ製ダイプレートインサートを用意する工程であって、上記スルーホールは、深さが0.05~0.3mmの溝を備えた加工面を有しており、且つ押出し経路に沿って延在している、工程;
(b)水と、パスタを製造するのに適した粗びき粉とを混合して、水含有量が総重量の33.5~38.5重量%である生地を得る工程;
(c)上記生地を混練する工程;
(d)混練した上記生地を、上記ブロンズ製ダイプレートインサートの上記少なくとも1つのスルーホールから押し出す工程;及び
(e)押し出した上記生地を乾燥させて、水分含有量が総重量の12.5重量%以下であるパスタを得る工程
を有する、パスタを製造する方法。
【請求項2】
上記混合工程(b)において、パスタを製造するのに適した上記粗びき粉は、穀粉又はセモリナ粉、好ましくはデュラム小麦のセモリナ粉又はセモラート粉である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記溝は、深さが0.08~0.3mm、好ましくは0.08~0.28mm、より好ましくは0.1~0.2mmである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
上記溝は上記押出し経路の方向に対して横断するように延在している、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
上記溝はねじ山として成形されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記溝は、上記押出し経路の方向に対して横断している複数の切欠きとして成形されており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、好ましくは上記押出し経路の方向に対して垂直に向いている、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
上記少なくとも1つのブロンズ製ダイプレートインサート(1)は、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)が形成されている本体(3)であって、該スルーホール(2)が第1の加工面(4a)を有している、本体(3)と、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)内を縦断するように延在しており、且つ第2の加工面(4b)を有している少なくとも1つの略円柱状センターピン(6)と
を有しており、
上記第1の加工面(4a)は、上記押出し経路の方向に対して横断している複数の切欠きの形態である溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、好ましくは上記押出し経路の方向に対して垂直に向いている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記第2の加工面(4b)は、複数の切欠きとして成形された溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように、好ましくは垂直に向いている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記第2の加工面は、ねじ山として成形された溝を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
上記少なくとも1つのスルーホールの上記加工面の上記溝は、上記押出し経路の方向に対して縦断するように延在している、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
上記溝は、上記押出し経路の方向に対する複数の縦断切欠きとして成形されており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、好ましくは上記押出し経路の方向に対して平行に向いている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記混合工程(b)において、水含有量が総重量の35.5~37重量%である生地が得られる、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
上記混合工程(b)は、20~50℃、好ましくは30~40℃の温度で20~30分間実施する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
上記押出し工程(d)は、上記生地に60~110bar、好ましくは75~100bar、より好ましくは85~100barの圧力を印加して実施する、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
上記乾燥工程(e)において、水分含有量が総重量の10~11.5重量%であるパスタが得られる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
上記乾燥工程(e)は、50~100℃、好ましくは70~85℃の温度で実施する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
上記乾燥工程(e)で得られた上記パスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが25~65μm、好ましくは40~60μm、より好ましくは45~55μmである、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の方法で得られるパスタであって、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが45~65μm、好ましくは45~60μm、より好ましくは45~55μmであり、水分含有量が総重量の12.5重量%以下であるパスタ。
【請求項19】
上記パスタは乾燥パスタ、好ましくはデュラム小麦セモリナ粉の乾燥パスタである、請求項18に記載のパスタ。
【請求項20】
請求項7~9のいずれか1項に記載の方法を実施するよう適合されており、少なくとも1つのスルーホール(2)を有するブロンズ製ダイプレートインサート(1)であって、
上記スルーホール(2)は、深さが0.05~0.3mm、好ましくは0.08~0.3mm、より好ましくは0.08~0.28mm、更に好ましくは0.1~0.2mmの溝(5)を備えた加工面を有しており、且つ押出し経路に沿って延在しており、
上記ブロンズ製ダイプレートインサート(1)は、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)が形成されている本体(3)であって、該スルーホール(2)が第1の加工面(4a)を有している、本体(3)と、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)内を縦断するように延在しており、且つ第2の加工面(4b)を有している少なくとも1つの略円柱状センターピン(6)と
を有しており、
上記第1の加工面(4a)は、複数の切欠きとして成形された溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように、好ましくは垂直に向いている、ブロンズ製ダイプレートインサート(1)。
【請求項21】
上記第2の加工面(4b)は、複数の切欠きとして成形された溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように、好ましくは垂直に向いている、請求項20に記載のブロンズ製ダイプレートインサート(1)。
【請求項22】
上記第2の加工面は、ねじ山として成形された溝を有する、請求項20に記載のブロンズ製ダイプレートインサート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロンズ製のダイプレートインサートから生地を押し出すことで得られるパスタ、例えばデュラム小麦セモリナ粉パスタを製造する方法に関する。
【0002】
より具体的には、上記方法は、溝を備えたブロンズ製のダイプレートインサートから生地を押し出すことで食料品を製造する工程を有する。
【0003】
本発明はまた、上記方法で得られる上述した種類の食料品、例えばデュラム小麦セモリナ粉の乾燥パスタに関する。
【0004】
本発明はまた、本方法を実施するよう適合されたダイプレートインサートに関する。
【背景技術】
【0005】
本分野では、デュラム小麦セモリナ粉パスタ等、パスタ様食料を製造するための様々な種類のダイ及び押出し方法が知られている。
【0006】
イタリアにおいて、「デュラム小麦セモリナ粉パスタ」及び「デュラム小麦セモラート粉パスタ」は、それぞれデュラム小麦のセモリナ粉又はセモラート粉と水とだけで作った生地を引き延ばし又は圧し延ばした後に乾燥させて得られる製品である(Law580/67)。
【0007】
引き延ばしは、押出し工程を指すのに従来から間違って使用されてきた用語であり、パスタの製造において極めて重要な操作を表す。なぜなら、これによって最終製品の形状及び厚さが決まるだけでなく、具体的な表面粗さ特性が与えられるからである。
【0008】
「引き延ばし」及び「押出し」の両用語を使用するが、ここでは「引き延ばし」を「押出し」の同義語として使用しているものと理解されたい。
【0009】
引き延ばし工程は通常、ブロンズ又はポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)という商品名でも知られている)で作製されたインサートに生地を通過させて実施する。
【0010】
国際公開第2021/083990A1号明細書は、パスタ食品を製造する方法であって、ポリオキシメチレン共重合体製のダイプレートインサートから生地を押し出す工程(c)を有する方法に関する。得られたパスタの表面粗さ特性は、ブロンズ押出しパスタとテフロン(登録商標)押出しパスタとの間である。
【0011】
Lucisano M.et al.,“Influence of die material on pasta characteristics”,Food Research International 41(2008)646-652という文献では、従来のブロンズ製ダイプレートインサートを用いて押し出したパスタの製造を開示し、その表面多孔性をテフロン(登録商標)押出しパスタのものと比較している。
【0012】
ブロンズ等の金属で作製された良好な表面粗さを有するインサートを用いて引き延ばした場合、目に見えて多孔質で光沢のない表面により、職人技を感じる外観を有するパスタが製造される。
【0013】
該パスタを調理すると、粗く多孔質な表面が得られるため、心地よくざらざらした口当たりが生じるとともに、ソースがよく絡むようになる。
【0014】
ブロンズ押出しパスタの消費は、ざらざらした特徴的な味わいだけでなく、テフロン(登録商標)押出しパスタ等に比べて明らかに職人技をより感じる外観によって、特にイタリアでは、一般に非常に普及し喜ばれている。実際、これらの両特徴は、消費者により本物らしいという印象をもたらす。
【0015】
しかしながら、市販のほとんどのブロンズ押出しパスタの外観及び味覚体験は、職人技によって伝統的な手法で製造されたブロンズ押出しパスタに匹敵するようなものではない。
【0016】
実際、市販のブロンズ押出しパスタは、多孔質な外観であり、ざらざらした口当たりが特に強いものの、職人技で製造されたブロンズ押出しパスタと比べて粗さはなく、調理した場合に生じるざらざらした味わいもない。
【0017】
本分野では、ダイ用インサートの表面粗さ及び同様にプロセス条件の他、生地の粘度や、引き延ばし操作中に生地へ印加される圧力を調節することで、多孔性及び粗さがいくらか強調されたブロンズ押出しパスタを得ることが知られている。
【0018】
一方で、例えば多孔性及びざらざらした味わいが伝統的なブロンズ押出しパスタと同等で特に強いパスタを産業的にも製造できるような表面粗さを有するダイから特に粘度の高い生地を押し出すことによってパスタの製造が実施されない理由は、この場合の押出し操作で必要とされるであろう圧力が高いことにある。
【0019】
なかでも、例えば特に多孔質で粗いブロンズ押出しパスタが得られるような極めて高い圧力で実施される押出し操作では、スパゲッティ、リングイネ、及びブカティーニ等のロングパスタを製造できそうにないであろう。
【0020】
従って、本分野で知られている技術では、製造業者の要件及び最終製品に望まれる多孔質特性に応じて様々な表面粗さのインサートを用いてブロンズ押出しパスタを製造することが提案されているものの、職人技で製造されたブロンズ押出しパスタに匹敵する粗さを有するパスタ、特にブロンズ押出しパスタの製造方法であって、工業的生産要件に適合するプロセスパラメータに応じて実施される引き延ばし操作を含む方法を提供することが特に早急に求められている。
【0021】
要するに、本発明の基礎となる技術的課題は、伝統的なブロンズ押出しパスタに匹敵する、すなわち市販のブロンズ押出しパスタよりも優れている多孔性及び表面粗さ特性を有する最終製品を得ることができ、さらに、工業的生産要件に適合するプロセス条件に応じて実施される押出し操作を想定しているパスタ製造方法を提供して、上述した従来技術の課題を解決することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、本技術的課題は、
(a)少なくとも1つのスルーホールを有するブロンズ製ダイプレートインサートを用意する工程であって、上記スルーホールは、深さが0.05~0.3mmの溝を備えた加工面を有しており、且つ押出し経路に沿って延在している、工程;
(b)水と、パスタを製造するのに適した粗びき粉とを混合して、水含有量が総重量の33.5~38.5重量%である生地を得る工程;
(c)上記生地を混練する工程;
(d)混練した上記生地を、上記ブロンズ製ダイプレートインサートの上記少なくとも1つのスルーホールから押し出す工程;及び
(e)押し出した上記生地を乾燥させて、水分含有量が総重量の12.5重量%以下であるパスタを得る工程
を有する、パスタを製造する方法によって解決できる。
【0023】
パスタを製造するのに適した上記粗びき粉は、穀粉又はセモリナ粉であることが好ましく、デュラム小麦のセモリナ粉又はセモラート粉であることがより好ましい。
【0024】
具体的に、本発明によれば、「パスタ」という語は、水分含有量、硬さ、及び調理時間の点で、上述した従来技術の規格で定義された「デュラム小麦セモリナ粉パスタ」と全体として類似した製品を指すのに使用されるものであるが、デュラム小麦セモリナ粉を少なくとも50%含む製品にのみこの名称を使用することを想定している当該規格の要件に準拠するものではない。
【0025】
本発明によれば、「混合すること」又は「混合」という語は、所定の温度及び空気湿度の条件下、目的に適した機械的部材の作用で混合を実施する工程であって、上記粗びき粉及び水等の選択した成分を混合した結果、デンプンが水和し、場合によってはグルテンが生成し、最終的に特定の水分含有量を有する均質で弾性のある生地が形成される工程を意味するものと理解される。
【0026】
本発明によれば、「混練」という語は、最適な硬さ及び塑性が得られるまで生地を加工する工程を意味するものと理解される。
【0027】
本発明によれば、混合、混練、及び押出しを含む上記工程(b)、(c)、及び(d)は、同じ押出機内で実施してもよい。
【0028】
本発明に係る方法は、とりわけ特定の表面特性を有する少なくとも1つのスルーホールを備えたブロンズ製ダイプレートインサートを使用する押出し工程(d)によって、表面粗さが特に高いパスタを製造できる点で有利である。
【0029】
具体的には、押出し工程(d)において、上記少なくとも1つのスルーホールに生地を流すと、この加工面との相互作用によって、特定の表面粗さ特性が、まずはこのようにして押し出された生地に、次いで乾燥製品に付与される。
【0030】
より具体的にいうと、これらの表面粗さ特性は、上記押出しインサートを作製する材料、すなわちブロンズと、加工面の構成、すなわちこれらの溝との併用効果によって決定される。
【0031】
詳細な説明を参照して以下で説明する通り、本方法によれば、市販されている様々な形態のブロンズ押出しパスタよりも優れた表面粗さを有するパスタを製造できる。
【0032】
上記工程(e)で得られたパスタは乾燥パスタであることが好ましい。
【0033】
上記工程(e)で得られたパスタはデュラム小麦セモリナ粉の乾燥パスタであることがより好ましい。
【0034】
また、本発明によれば、ブロンズ製ダイプレートインサートが有する少なくとも1つのスルーホールの形状及び寸法を適切に変更して、所望の種類のパスタ、例えばショートパスタ又はロングパスタ、特に筋入りパスタを製造できると理解される。
【0035】
従って、有利な形態において、本方法は、ロングパスタ及びショートパスタのいずれの種類についても特に優れた表面粗さ特性を有するパスタを提供できる。
【0036】
加工面上の上記溝の深さは、0.08~0.3mmであることが好ましく、0.08~0.28mmであることがより好ましく、0.1~0.2mmであることが更に好ましい。
【0037】
上記少なくとも1つのスルーホールの加工面上の溝は、上記押出し経路の方向に対して横断するように延在していることが好ましい。
【0038】
本方法の一実施形態によれば、上記少なくとも1つのスルーホールの加工面上の溝は、ねじ山として成形されていてもよい。
【0039】
本発明によれば、「ねじ山」という語は、上記加工面上に形成されたらせん状に連続する溝又は切欠きであって、上記加工面上で、外側先端(あるいは山頂部)と内側先端(あるいは谷部)とが交互に現れ、隣接する山頂部間は所定の距離(ピッチとしても知られている)を有しており、谷部は同様に所定の大きさの輪郭角度を有していると表されるものを意味するものと理解される。
【0040】
より具体的にいうと、上記ねじ山は、上記押出し経路の方向に対して横断するように延在している溝を有している。すなわち、上記加工面上で、生地が上記少なくとも1つのスルーホールに入る点を起点とし、生地が出る点を終点としているか、あるいはその逆である。
【0041】
上記ねじ山状の溝は、ピッチが0.30~1mmであることが好ましく、0.45~0.70mmであることがより好ましい。
【0042】
同様に好ましい形態において、これらのねじ山状の溝は、谷部の輪郭角度の値が20~90°であり、より好ましくは40~65°であり、更に好ましくは45~60°である。
【0043】
同様に好ましい形態において、これらのねじ山状の溝は、深さが0.08~0.3mmであり、より好ましくは0.08~0.28mmであり、更に好ましくは0.1~0.2mmである。
【0044】
上記少なくとも1つのスルーホールは、略円形状の断面である空洞を有することが好ましい。
【0045】
上記円形状の断面は、直径が1.5~4mmであることがより好ましく、2~3mmであることが更に好ましい。
【0046】
十分に好ましい形態において、上記工程(e)で得られたパスタは、スパゲッティ又はスパゲットーニから選択される種類のデュラム小麦パスタである。
【0047】
本方法の更なる実施形態によれば、上記少なくとも1つのスルーホールの加工面上の溝は、複数の切欠きとして成形されていてもよく、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように向いている。
【0048】
上記横断切欠きは、上記押出し経路の方向に対して垂直に向いていることが好ましい。
【0049】
複数の横断切欠きの形態である上記溝は、ピッチが0.7~1mmであることが好ましい。
【0050】
同様に好ましい形態において、複数の横断切欠きの形態である上記溝は、谷部の輪郭角度の値が20~90°であり、より好ましくは40~65°であり、更に好ましくは45~60°である。
【0051】
同様に好ましい形態において、複数の切欠きの形態である上記溝は、深さが0.08~0.3mmであり、より好ましくは0.08~0.28mmであり、更に好ましくは0.1~0.2mmである。
【0052】
十分に好ましい形態において、上記工程(e)で得られたパスタ様食品は、リングイネ、ペンネ、メッツェペンネ、メッツィリガトーニ、トルティリオーニ、スクエアスパゲッティ、スパゲッティ、スパゲットーニ、フッジローニ、及びフジッリから選択される種類のデュラム小麦パスタである。
【0053】
本実施形態の変形例によれば、上記少なくとも1つのブロンズ製ダイプレートインサートは、上記少なくとも1つのスルーホールが形成されている本体であって、該スルーホールが第1の加工面を有している、本体と、上記少なくとも1つのスルーホール内を縦断するように延在しており、且つ第2の加工面を有している少なくとも1つの略円柱状センターピンとを有しており、上記第1の加工面は、複数の切欠きの形態である溝を有しており、該切欠きは互いに離れて平行である。
【0054】
上記第1の加工面は複数の切欠きの形態である溝を有しており、該切欠きは、上記押出し経路の方向に対して横断するように向いていることが更に好ましく、十分に好ましい形態においては垂直に向いている。
【0055】
より具体的にいうと、上記少なくとも1つのスルーホールは空洞を有しており、該空洞は、外側が上記第1の加工面で、内側が上記第2の加工面で画定されている。
【0056】
より具体的にいうと、上記空洞は略アニュラス状の断面を有している。
【0057】
より詳細に言うと、第1の加工面は上記空洞の断面のアニュラスの最外周を表し、第2の加工面は同空洞の断面のアニュラスの最内周を表す。
【0058】
上記第2の加工面は溝を有することが好ましい。
【0059】
上記第2の加工面上に存在する溝は、複数の切欠きとして成形されていてもよく、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように向いていることがより好ましく、垂直に向いていることが更に好ましい。
【0060】
本実施形態の本変形例によれば、上記工程(e)で得られたパスタ様食品は、ペンネ又はメッツェペンネから選択される種類のデュラム小麦パスタである。
【0061】
上記第2の加工面上の複数の切欠きの形態である溝は、ピッチが0.7~1.5mmであることが好ましい。
【0062】
同様に好ましい形態において、上記第2の加工面上の複数の切欠きの形態である上記溝は、谷部の輪郭角度の値が20~90°であり、より好ましくは40~65°であり、更に好ましくは45~60°である。
【0063】
同様に好ましい形態において、上記第2の加工面上の複数の切欠きの形態である上記溝は、深さが0.08~0.3mmであり、より好ましくは0.08~0.28mmであり、更に好ましくは0.1~0.2mmである。
【0064】
あるいは、本実施形態の変形例によれば、上記第2の加工面上に存在する溝は、上述の通り、らせん状に連続する溝若しくは切欠き又はねじ山として成形されていてもよい。
【0065】
本実施形態の本更なる変形例によれば、上記工程(e)で得られたパスタ様食品は、メッツィリガトーニ又はトルティリオーニから選択される種類のデュラム小麦パスタである。
【0066】
より具体的にいうと、上記ねじ山は、上記押出し経路の方向に対して横断するように延在している溝を有している。すなわち、上記第2の加工面上で、生地が上記少なくとも1つのスルーホールに入る点を起点とし、生地が出る点を終点としているか、あるいはその逆である。
【0067】
本実施形態の本変形例によれば、上記ねじ山状の溝は、ピッチが0.30~1.5mmであり、0.50~1mmであることがより好ましい。
【0068】
同様に好ましい形態において、これらのねじ山状の溝は、谷部の輪郭角度の値が20~90°であり、より好ましくは40~65°であり、更に好ましくは45~60°である。
【0069】
同様に好ましい形態において、これらのねじ山状の溝は、深さが0.08~0.3mmであり、より好ましくは0.08~0.28mmであり、更に好ましくは0.1~0.2mmである。
【0070】
あるいは、上記少なくとも1つのスルーホールの加工面上の溝は、上記押出し経路の方向に対して縦断するように延在していてもよい。
【0071】
本方法の実施形態によれば、上記少なくとも1つのスルーホールの加工面上の溝は、複数の切欠きとして成形されており、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して縦断するように向いている。
【0072】
これらの縦断切欠きは、上記押出し経路の方向に平行に向いていることが好ましい。
【0073】
同様に好ましい形態において、複数の縦断切欠きの形態である上記溝は、谷部の輪郭角度の値が20~90°である。
【0074】
同様に好ましい形態において、複数の縦断切欠きの形態である上記溝は、深さが0.08~0.3mmであり、より好ましくは0.1~0.3mmであり、更に好ましくは0.27mmである。
【0075】
十分に好ましい形態において、上記工程(e)で得られたパスタは、ペンネ、スパゲッティ、及び積層パスタ生地(「パスタスフォリア(pasta sfoglia)」)から選択される種類のデュラム小麦パスタである。
【0076】
工程(e)で得られたデュラム小麦パスタがペンネの種類である場合、本発明に係る方法の後者の実施形態によれば、上記少なくとも1つのブロンズ製ダイプレートインサートは、上記少なくとも1つのスルーホールが形成されている上記本体であって、該スルーホールが第1の加工面を有している、上記本体と、上記少なくとも1つのスルーホール内を縦断するように延在しており、且つ第2の加工面を有している少なくとも1つの略円柱状センターピンとを有しており、上記少なくとも1つのスルーホールの第1の加工面上の溝は、複数の切欠きとして成形されており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して縦断するように向いていると理解される。
【0077】
第1の加工面上に存在するこれらの縦断切欠きは、上記押出し経路の方向に平行に向いていることが好ましい。
【0078】
同様に好ましい形態において、複数の縦断切欠きの形態で第1の加工面上に存在する上記溝は、谷部の輪郭角度の値が20~90°である。
【0079】
同様に好ましい形態において、複数の縦断切欠きの形態で第1の加工面上に存在する上記溝は、深さが0.08~0.3mmであり、より好ましくは0.1~0.3mmであり、更に好ましくは0.27mmである。
【0080】
第2の加工面は溝を有していることが好ましく、上記センターピンの表面に対応する第2の加工面上に存在する溝も複数の切欠きとして成形されており、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して縦断するように向いていることがより好ましい。
【0081】
第2の加工面上に存在するこれらの縦断切欠きは、上記押出し経路の方向に平行に向いていることが好ましい。
【0082】
同様に好ましい形態において、第2の加工面上に存在する上記縦断切欠きは、谷部の輪郭角度の値が20~90°である。
【0083】
同様に好ましい形態において、第2の加工面上に存在する上記縦断切欠きは、深さが0.08~0.3mmであり、好ましくは0.1~0.3mmであり、より好ましくは0.27mmである。
【0084】
好ましくは、また十分に一般的な形態では、混合工程(b)において、水分含有量が総重量の35.5~37重量%である生地が得られる。
【0085】
同様に好ましい形態において、上記混合工程(b)は、20~50℃の温度で、より好ましくは30~40℃の温度で、20~30分間実施する。
【0086】
好ましくは、十分に好ましい実施形態によれば、混合工程(b)は、生地を部分真空条件下、より好ましくは-500~-700mmHgの圧力下、更に好ましくは-600~-670mmHgの圧力下において実施する。
【0087】
生地を部分真空条件下におくと、生地が外気と接触するのが防止されるので、起こり得る酸化が防止されたり、生地の硬さや感覚刺激特性に悪影響が及ぼされるのが回避されたりする点で有利である。
【0088】
好ましくは、押出し工程(d)は、生地に60~110bar、より好ましくは75~100bar、更に好ましくは85~100barの圧力を印加して実施する。
【0089】
十分に好ましい形態において、押出し工程(d)は、生地に85~95barの圧力を印加して実施する。
【0090】
従って、本発明に係る方法によれば、従来のブロンズ押出しパスタ製造方法で必要な圧力(通常は100barを超え、特に105barより大きい圧力)よりも低い圧力で押出し工程(d)を実施できる点で有利である。
【0091】
すなわち、以下で、また詳細な説明及び実施例に関連して更に示される通り、本方法は、表面粗さが特に高いブロンズ押出しパスタを得ることができるだけでなく、当該分野で知られている技術と比較して工業的生産要件により適合するプロセスパラメータに応じて引き延ばし操作、よって押出し工程(d)を実施できる。
【0092】
既に上で部分的に説明した通り、本方法の好ましい実施形態によれば、押出し工程(d)は、押出機を用いて、より具体的には上記生地を上記インサート側へ動かすのに適した少なくとも1つのエンドレススクリューを有している押出機であって、該エンドレススクリューが19~22rpmの速度で回転するよう構成されている押出機を用いて実施してもよい。
【0093】
好ましくは、上記乾燥工程(e)で得られたパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが25~65μmであってもよく、40~60μmであることがより好ましく、45~55μmであることが更に好ましい。
【0094】
とりわけ、上記乾燥工程(e)で得られたパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが45~65μmであってもよく、45~60μmであることがより好ましく、45~55μmであることが更に好ましい。
【0095】
十分に好ましい形態において、ペンネ等のショートパスタの場合、必要に応じて生地に85~100barの圧力を印加して押出し工程(d)を実施すると、上記乾燥工程(e)で得られたパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが45~55μmとなってもよい。
【0096】
十分に好ましい形態において、スパゲッティ又はスパゲットーニ等のロングパスタの場合、必要に応じて生地に85~100barの圧力を印加して押出し工程(d)を実施すると、上記乾燥工程(e)で得られたパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが35~55μmとなってもよい。
【0097】
別のアプローチによれば、また同様に好ましい形態において、上記乾燥工程(e)後に得られうるパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRaが4~11.5μm、より好ましくは6~10μm、更に好ましくは8.5~9.5μmであってもよい。
【0098】
十分に好ましい形態において、ペンネ等のショートパスタの場合、必要に応じて生地に85~100barの圧力を印加して押出し工程(d)を実施すると、上記乾燥工程(e)で得られうるパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRaが8.5~9.5μmとなってもよい。
【0099】
十分に好ましい形態において、スパゲッティ又はスパゲットーニ等のロングパスタの場合、必要に応じて生地に85~100barの圧力を印加して押出し工程(d)を実施すると、上記乾燥工程(e)で得られうるパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRaが6~9.5μmとなってもよい。
【0100】
従って、特に粗さ値Rz及び後述の試験実施例を参照すると、本発明に係る方法によれば、最も広く知られている製造業者による市販の形態のパスタよりも粗さが大きいパスタ、より具体的にはデュラム小麦の乾燥パスタを得ることができる点で有利である。
【0101】
なお、この特に有利な結果は、工業的生産要件に確実に適合するプロセスパラメータに応じて、とりわけ押出し工程(d)で生地に印加する上述の好ましい圧力値に関して得られるものである。
【0102】
更に後述の試験実施例を参照すると、本発明に係る方法によって得られうるパスタを沸騰水で従来のように調理すると、消費者が特に好むよりざらざらした味わいが保持されることが確認できた点で有利である。
【0103】
加えて、本方法に従って得られうるパスタは、従来のやり方で調理すると、パスタにかけたソースとよく絡めることができる。
【0104】
上記乾燥工程(e)において、水分含有量が総重量の10~12重量%、より好ましくは10~11.5重量%であるパスタが得られることが好ましい。
【0105】
有利な形態において、本発明に係る方法によれば、室温で涼しく乾燥した環境において少なくとも6か月、好ましくは少なくとも12か月という長期間保存が可能な水分特性を有するパスタが製造できる。
【0106】
上記乾燥工程(e)は、好ましくは50~100℃、より好ましくは70~85℃の温度で実施する。
【0107】
同様に好ましい形態において、上記乾燥工程(e)の前に少なくとも、押し出した上記生地に熱気流、好ましくは50~100℃の温度の熱気流を当てて表面を部分的に乾燥させる部分表面乾燥工程(「incartamento」)を行ってもよい。
【0108】
同様に好ましい形態では、乾燥工程(e)後、得られたパスタを室温で気流等により冷却する。
【0109】
また、上記技術的課題は、本発明の方法に従って得られうるパスタであって、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが25~65μm、好ましくは40~60μm、より好ましくは45~55μmであり、水分含有量が総重量の12.5重量%以下であるパスタによっても解決される。
【0110】
十分に好ましい形態において、本発明に係るパスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRaが4~11.5μm、好ましくは6~10μm、より好ましくは8.5~9.5μmであってもよい。
【0111】
上記パスタは乾燥パスタであることが好ましい。
【0112】
上記パスタはデュラム小麦セモリナ粉の乾燥パスタであることがより好ましい。
【0113】
同様に好ましい形態において、本発明に係る方法に関して上述したように、本発明に係るパスタは、水分含有量が総重量の10~12重量%、より好ましくは10~11.5重量%である。
【0114】
一貫した形態において、本発明に係るパスタは、その製造方法に関して上述したのと同じ利点を得ることができる。
【0115】
最後に、上記技術的課題はまた、上記方法を実施するよう適合されたブロンズ製ダイプレートインサートであって、少なくとも1つのスルーホールを有しており、該スルーホールは、深さが0.05~0.3mm、好ましくは0.08~0.3mm、より好ましくは0.08~0.28mm、更に好ましくは0.1~0.2mmの溝を備えた加工面を有しており、且つ押出し経路に沿って延在している、ブロンズ製ダイプレートインサートによっても解決できる。該ブロンズ製ダイプレートインサートは、上記少なくとも1つのスルーホールが形成されている中空体であって、該スルーホールが第1の加工面を有している、中空体と、上記少なくとも1つのスルーホール内を縦断するように延在しており、且つ第2の加工面を有している少なくとも1つの略円柱状センターピンとを有している。
【0116】
より具体的にいうと、上記第1の加工面は、複数の切欠きとして成形された溝を有しており、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して好ましくは横断するように、より好ましくは垂直に向いている。
【0117】
好ましくは、上記第2の加工面は、複数の切欠きとして成形された溝を有しており、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように、より好ましくは垂直に向いている。
【0118】
あるいは、上記第2の加工面は、ねじ山として成形された溝を有している。
【0119】
以下、本発明を詳細な説明において、以下に示す実施形態のいくつかの例を参照してさらに説明するが、これらの例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【
図1】本発明に係るブロンズ製ダイプレートインサートの写真を示し、略円形断面の空洞と、ねじ山状の溝を有する加工面とを備えたスルーホールが強調されている。
【
図2】スルーホールが形成されている本体と略円柱状のピンとを有している本発明に係るブロンズ製ダイプレートインサートの写真を示し、加工面が、複数の切欠きとして成形された溝を有しており、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ押出し経路の方向に対して横断するように向いており、センターピンが本体から取り外された状態で示されている。
【
図3】
図2に示すブロンズ製インサートの前端拡大図を示し、センターピンがブロンズ製インサートの本体内に挿入されており、スルーホールの略アニュラス状の断面を有する空洞の円部を強調して示す。
【
図4】2つの異なる種類のパスタ、特にスパゲッティの形態のデュラム小麦の乾燥パスタ、すなわち、本発明に係る方法で得られた第1の種類のパスタ(
図4のA)と、従来のブロンズ押出しで得られた第2の種類のパスタ(
図4のB)とを示す。
【
図5】
図4に示したのと同じ種類のパスタ(
図5のA:本発明に係る方法で得られたパスタ、
図5のB:従来のブロンズ押出しで得られたパスタ)の拡大図を示す。
【
図6】2つの異なる種類のパスタ、特にペンネの形態のデュラム小麦の乾燥パスタ、すなわち、本発明に係る方法で得られた第1の種類のパスタ(
図6のA)と、従来のブロンズ押出しで得られた第2の種類のパスタ(
図6のB)とを示す。
【
図7】
図6に示したのと同じ種類のパスタ(
図7のA:本発明に係る方法で得られたパスタ、
図7のB:従来のブロンズ押出しで得られたパスタ)の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0121】
図1は、スパゲッティ又はスパゲットーニ等のロングパスタを製造するのに適している本発明に係るブロンズ製ダイプレートインサート1の写真を示す。
【0122】
具体的にいうと、
図1は、略円形断面の空洞と、ねじ山状の溝5を有する加工面4とを備えたスルーホール2を示す。
【0123】
このような特定の種類のダイ状インサートの場合、溝5の深さは一般に0.05~0.3mmであり、特に溝5の深さは0.15mmである。
【0124】
図示した矢印Aは押出し方向を示している。
【0125】
図2は、本発明の別の実施形態に係るブロンズ製ダイプレートインサート1の写真を示す。
【0126】
ブロンズ製ダイプレートインサート1は、溝5を備えた加工面を有し且つ押出し経路に沿って延在しているスルーホール2を有している。
【0127】
図示したブロンズ製ダイプレートインサート1は、スルーホール2が内側に形成されている本体3を有し、該スルーホールは第1の加工面4aを有している。
【0128】
より具体的にいうと、スルーホール2は、インサート1の本体3の一端に位置している。
【0129】
また、インサート1は略円柱状センターピン6を有している。センターピン6は、インサート1の本体3から取り外された状態で示されている。
【0130】
他方、加工配置では、次の
図3に示す通り、センターピン6がスルーホール2内を縦断するように延在する。
【0131】
実際、次の
図3に示す通り、加工配置では、センターピン6がスルーホール2の空洞内に収容されるので、スルーホール2の空洞の外側及び内側が、いずれも溝を有している第1の加工面4a及び第2の加工面4bでそれぞれ画定される。
【0132】
第2の加工面4bは、略円柱状ピン6の表面4bに対応する。
【0133】
第1の加工面4a及び第2の加工面4bはいずれも、複数の切欠きとして成形された溝5を有しており、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ押出し経路の方向に対して横断するように、より具体的には垂直に向いていることが明らかである。
【0134】
このような種類のダイプレートインサートの場合も、溝5の深さは一般に0.05~0.3mmである。
【0135】
具体的には、第1の加工面5a及び第2の加工面5bのいずれの場合も、溝5の深さは0.1mmである。
【0136】
押出し経路の方向は矢印Bで示しているが、説明した通り、
図2に示したインサート1は加工配置のものではない。
【0137】
図3は、加工配置での
図2に示したインサート1の前端拡大図を示す。
【0138】
センターピン6がインサート1の本体3内に挿入されている。
【0139】
略アニュラス状の断面を有するスルーホール2の空洞の円部を示していることが明らかである。
【0140】
複数の切欠きとして成形された溝5が、互いに離れて平行であり、且つ押出し経路の方向に対して垂直に向いており、第2の加工面4a上に形成されていることも明らかに示されている。
【0141】
また、スルーホール2から押し出される生地に対して、「ペンネリガーテ(penne rigate)」(筋入りペンネ)等の一部の形態のショートパスタにある典型的な筋を付与するように、第1の加工面4aは波型であることが分かる。
【0142】
一般に、「パスタリガータ(pasta rigata)」(筋入りパスタ)を製造するためのダイプレートインサートの加工面は、「パスタリガータ」を製造するのに適合した筋を有しているが、それらは、深さが0.05~0.3mmであり且つ上記押出し経路の方向に対して縦断するように延在している上述の溝5とは異なるものである。
【0143】
図2及び
図3に示したダイプレートインサートの場合、「パスタリガータ」を製造するのに適合した上記筋の深さは0.48mmである。
【0144】
上述の通り、本発明に係る方法は、市販のブロンズ押出しパスタと比較して特に強調されている特定の表面粗さ特性を有するパスタを製造する上で特に効果的であることが分かった。
【0145】
具体的には、好ましい実施形態によれば、また以下の実施例を参照すれば、本方法は、セモリナ粉の生地と水とを従来のブロンズ製ダイプレートインサートから押し出して通常得られるものよりも表面粗さRzが大きいデュラム小麦セモリナ粉の乾燥パスタを提供することができる。
【0146】
より具体的にいうと、粗さは、十分に一般的な形態において、分析対象のパスタの示強パラメータであると理解され、その実表面を直交平面で切断して理想断面とすることで定義される。ここで、上記平面は「マッピング面」といわれ、パスタの表面と交差し、マッピング面とパスタの実表面との空間の交点として輪郭曲線を定義する。
【0147】
この文脈では、表面粗さRzは、得られた乾燥パスタの平均表面特性を粗さの点で評価するのに特に重要なパラメータである。実際、知られている通り、このパラメータは、この輪郭曲線の平均線に対する2本の平行な直線間の距離として算出される。平均線は、輪郭曲線の各点と上記線との距離の2乗和が最小となる線として定義され、上記2本の直線は、基準長の間隔内で、高い方から5番目までの山の平均距離と、低い方から5番目までの谷の平均距離とに等しい距離で引かれている。
【0148】
すなわち、表面粗さRzは、パスタ表面の形状に関して、この輪郭曲線の山と谷との距離の単なる算術平均のような情報を与えるだけではなく、様々な高さの山と様々な深さの谷との変化も考慮に入れて、粗さの点で表面の状態をより完全に示すものである。
【0149】
表面粗さRzで得られた情報を補足するため、表面粗さRaも用いて、分析したパスタの表面特性を評価した。その代わりに、このパラメータは、輪郭曲線の各点と平均参照線との距離の算術平均である。
【0150】
上述した表面パラメータはいずれも、OGP HOMMEL Italia社製のWaveline W10型粗さ計で算出した。ここで、表面粗さRzは、DIN EN ISO4287:1998の試験方法に従って算出し、表面粗さRaは、DIN EN ISO4287:1998の試験方法に従って算出した。
【実施例】
【0151】
(実施例1a:本発明に係るパスタ(スパゲッティ)の製造方法)
連続実施プロセスにおいて、本方法の混合工程(b)では、水分含有量が約15重量%のデュラム小麦セモリナ粉3400kgと水1224kgとを二軸押出機に供給した。
【0152】
適切に混合した後、生地全体の水含有量は、生地の総重量の36重量%であった。
【0153】
使用した押出機はPavan社製のものであって、
図1に示し、また上で詳述したような本発明の方法に係るブロンズ製ダイプレートインサートを備えており、ねじ山状の溝を有する加工面を備えたスルーホールを有している。
【0154】
より具体的にいうと、本試験で使用したブロンズ製ダイプレートインサートのスルーホールは、略円形断面の空洞を有していた。すなわち、スルーホールは、スパゲッティの形態のパスタを製造するのに適した形状及び寸法を有していた。
【0155】
押出機スクリューの回転により生地を撹拌して第1の混合工程(b)を実施した後、同じ装置で混練工程(c)を実施した。
【0156】
混合工程(b)では、押出機のスクリューを21rpmの速度で約20分間回転させた。
【0157】
混合温度は38℃であった。
【0158】
混合工程(d)では、押出機内に部分真空条件、すなわち-649mm/Hgの圧力を適用した。
【0159】
その後、生地に95barの圧力を印加しつつ、上記インサートから生地を押し出す工程(d)を実施した。
【0160】
スパゲッティを製造するためにこのように押し出した生地の連続したストランドを切断し、堆積したらすぐに熱気流にあてて表面乾燥操作(「incartamento」)を実施した。
【0161】
その後、70~95℃の温度に加熱した複数のゾーンを有する完全に従来の連続乾燥機内で、表面乾燥操作と乾燥操作とを続けて実施した。
【0162】
最後に、本発明の方法に従って得られた乾燥パスタを冷却した。
【0163】
こうして得られた乾燥パスタの水分含有量は、総重量の約11.5重量%であった。
【0164】
こうして得られたスパゲッティは、
図4(A)及び
図5の拡大図(A)に示す通り、強く均一なざらざら感と琥珀色を有している目に見えるほど多孔性の表面を有していた。
【0165】
(実施例1b:本発明に係るものではないパスタ(スパゲッティ)の製造方法)
混合工程(b)、混練工程(c)、及び乾燥工程(e)では、実施例1aで実施した手順を同様に繰り返した。同様に、後者の工程の前に表面乾燥を行い、該後者の工程の後に製品の冷却を行った。
【0166】
使用した押出機は実施例1aで使用したのと同じものであるが、ここでのダイは、従来のブロンズ製ダイプレートインサート、すなわち、スルーホールの加工面に溝がないものを備えていた。
【0167】
ブロンズ製ダイプレートインサートのスルーホールは、スパゲッティの形態のパスタを製造するのに適した形状及び寸法を有していた。
【0168】
押出し工程(d)では、生地に95barの圧力を印加しつつ、上記インサートから生地を押し出した。
【0169】
観察すると、こうして得られたスパゲッティの表面は、
図4(B)及び
図5の拡大図(B)に示す通り、ほとんど目立たないような多孔性で、肉眼で見ても実施例1aで得られたスパゲッティよりかなり低く、くすんだ黄色であった。
【0170】
(実施例2a:本発明に係るパスタ(筋入りペンネ)の製造方法)
混合工程(b)、混練工程(c)、及び乾燥工程(e)では、上述の実施例で実施した手順を同様に繰り返した。同様に、後者の工程の前に表面乾燥を行い、該後者の工程の後に製品の冷却を行った。
【0171】
使用した押出機は上述の実施例と同じものであるが、ここでのダイは、
図3に示し、上で詳述したような本発明の方法に係るブロンズ製ダイプレートインサートを備えており、該インサートは、溝を有する加工面を備えたスルーホールを有しており、溝は、複数の切欠きとして成形されており、互いに離れて平行であり、且つ生地の押出し経路の方向に対して垂直に向いているものであった。
【0172】
より具体的にいうと、本試験で使用したブロンズ製ダイプレートインサートのスルーホールは、略アニュラス状の断面の空洞を有していた。すなわち、ブロンズ製ダイプレートインサートのスルーホールは、筋入りペンネの形態のパスタを製造するのに適した形状及び寸法を有していた。
【0173】
具体的にいうと、使用したブロンズ製ダイプレートインサートは、上述の
図2及び
図3に示したブロンズ製インサートと完全に同等の構造特性を有していた。すなわち、内側に上記スルーホールが形成された本体と、スルーホール内に挿入されたセンターピンとを有しており、該センターピンは、複数の切欠きとして成形された溝を備えた第2の加工面を有しており、該切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ生地の押出し経路の方向に対して垂直に向いているものであった。
【0174】
押出し工程(d)では、生地に100barの圧力を印加しつつ、上記インサートから生地を押し出した。
【0175】
こうして得られたペンネは、
図6(A)及び
図7の拡大図(A)に示す通り、強く均一なざらざら感と琥珀色を有している目に見えるほど多孔性の表面を有していた。
【0176】
(実施例2b:本発明に係るものではないパスタ(筋入りペンネ)の製造方法)
混合工程(b)、混練工程(c)、及び乾燥工程(e)では、上述の実施例で実施した手順を同様に繰り返した。同様に、後者の工程の前に表面乾燥を行い、該後者の工程の後に製品の冷却を行った。
【0177】
使用した押出機は上述の実施例で使用したのと同じものであるが、ここでのダイは、スルーホールの加工面に溝がない従来のブロンズ製ダイプレートインサートを備えていた。
【0178】
ブロンズ製ダイプレートインサートのスルーホールは、筋入りペンネの形態のパスタを製造するのに適した形状及び寸法を有していた。
【0179】
押出し工程(d)では、生地に100barの圧力を印加しつつ、上記インサートから生地を押し出した。
【0180】
観察すると、こうして得られたペンネの表面は、
図6(B)及び
図7の拡大図(B)に示す通り、ほとんど目立たないような多孔性で、肉眼で見ても実施例2aで得られたペンネよりかなり少なく、くすんだ黄色であった。
【0181】
(実施例1a及び1bに係るパスタと実施例2a及び2bに係るパスタとの比較評価)
まず、実施例1a、1b、2a、及び2bで得られた製品の表面粗さ特性を評価した。
【0182】
次いで、上記実施例に従って得られた各種パスタの調理後の表面粗さ特性を算出した。
【0183】
上記実施例で得られた乾燥パスタの表面粗さをDIN EN ISO4287:1998の試験方法に従って算出し、表面粗さRa及び表面粗さRzを評価した。
【0184】
得られた試験結果を以下の表1にまとめた。
【0185】
【0186】
本方法、すなわち実施例1aに従って得られたロングパスタは、表面粗さRzが52.12μmであり、すなわち、同じ特性の生地を用いて溝のないスルーホールを備えたブロンズ製インサートから押し出したパスタ(実施例1b)の粗さ値Rzより大きかったことは明らかである。
【0187】
また、本発明に係るロングパスタは、粗さ値Raが特に高く、標準のブロンズ製ダイプレートインサートから押し出したパスタ(実施例1b)よりも大きかった。
【0188】
本方法、すなわち実施例2aに従って得られたショートパスタは、表面粗さRzが46.65μmであり、すなわち、同じ特性の生地を用いて溝のないスルーホールを有するブロンズ製インサートから押し出したパスタ(実施例2b)の粗さ値Rzより高かったことは明らかである。
【0189】
また、本発明に係るショートパスタは、粗さ値Raが特に高く、標準のブロンズ製ダイプレートインサートから押し出したパスタ(実施例2b)よりも大きかった。
【0190】
続いて、こうして得られた乾燥パスタを無塩の沸騰水で調理した後、製品の表面粗さを算出した。
【0191】
乾燥パスタを沸騰水で調理する時間は、スパゲッティでは11分、ペンネでは12分とした。
【0192】
調理した製品の表面粗さの分析は、3DデジタルマイクロスコープHIROX RH-2000を用いてISO4287:1997の手順で実施した。
【0193】
得られた試験結果を以下の表2にまとめた。
【0194】
【0195】
調理後、こうして実施例1aの乾燥パスタを調理して得られた調理済みパスタは、粗さ値が特に高く、実施例1bの乾燥パスタを同じ調理条件下、沸騰水で調理して得られた調理済みパスタよりも大きかった。
【0196】
実施例2aの乾燥パスタを調理して得られた調理済みパスタは、粗さ値が特に高く、実施例2bの乾燥パスタから得られた調理済み製品よりも大きかった。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つのスルーホールを有するブロンズ製ダイプレートインサートを用意する工程であって、上記スルーホールは、深さが0.05~0.3mmの溝を備えた加工面を有しており、且つ押出し経路に沿って延在している、工程;
(b)水と、パスタを製造するのに適した粗びき粉とを混合して、水含有量が総重量の33.5~38.5重量%である生地を得る工程;
(c)上記生地を混練する工程;
(d)混練した上記生地を、上記ブロンズ製ダイプレートインサートの上記少なくとも1つのスルーホールから押し出す工程;及び
(e)押し出した上記生地を乾燥させて、水分含有量が総重量の12.5重量%以下であるパスタを得る工程
を有する、パスタを製造する方法。
【請求項2】
上記混合工程(b)において、パスタを製造するのに適した上記粗びき粉は、穀粉又はセモリナ粉、好ましくはデュラム小麦のセモリナ粉又はセモラート粉である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記溝は、深さが0.08~0.3mm、好ましくは0.08~0.28mm、より好ましくは0.1~0.2mmである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
上記溝は上記押出し経路の方向に対して横断するように延在している、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項5】
上記溝はねじ山として成形されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記溝は、上記押出し経路の方向に対して横断している複数の切欠きとして成形されており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、好ましくは上記押出し経路の方向に対して垂直に向いている、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
上記少なくとも1つのブロンズ製ダイプレートインサート(1)は、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)が形成されている本体(3)であって、該スルーホール(2)が第1の加工面(4a)を有している、本体(3)と、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)内を縦断するように延在しており、且つ第2の加工面(4b)を有している少なくとも1つの略円柱状センターピン(6)と
を有しており、
上記第1の加工面(4a)は、上記押出し経路の方向に対して横断している複数の切欠きの形態である溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、好ましくは上記押出し経路の方向に対して垂直に向いている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記第2の加工面(4b)は、複数の切欠きとして成形された溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように、好ましくは垂直に向いている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記第2の加工面は、ねじ山として成形された溝を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
上記少なくとも1つのスルーホールの上記加工面の上記溝は、上記押出し経路の方向に対して縦断するように延在している、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項11】
上記溝は、上記押出し経路の方向に対する複数の縦断切欠きとして成形されており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、好ましくは上記押出し経路の方向に対して平行に向いている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記混合工程(b)において、水含有量が総重量の35.5~37重量%である生地が得られる、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項13】
上記混合工程(b)は、20~50℃、好ましくは30~40℃の温度で20~30分間実施する、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項14】
上記押出し工程(d)は、上記生地に60~110bar、好ましくは75~100bar、より好ましくは85~100barの圧力を印加して実施する、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項15】
上記乾燥工程(e)において、水分含有量が総重量の10~11.5重量%であるパスタが得られる、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項16】
上記乾燥工程(e)は、50~100℃、好ましくは70~85℃の温度で実施する、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項17】
上記乾燥工程(e)で得られた上記パスタは、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが
45~65μm、好ましくは
45~60μm、より好ましくは45~55μmである、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項18】
請求項1
又は2に記載の方法で得られるパスタであって、DIN EN ISO4287:1998の方法に従って算出した表面粗さRzが45~65μm、好ましくは45~60μm、より好ましくは45~55μmであり、水分含有量が総重量の12.5重量%以下であるパスタ。
【請求項19】
上記パスタは乾燥パスタ、好ましくはデュラム小麦セモリナ粉の乾燥パスタである、請求項18に記載のパスタ。
【請求項20】
請求項
7に記載の方法を実施するよう適合されており、少なくとも1つのスルーホール(2)を有するブロンズ製ダイプレートインサート(1)であって、
上記スルーホール(2)は、深さが0.05~0.3mm、好ましくは0.08~0.3mm、より好ましくは0.08~0.28mm、更に好ましくは0.1~0.2mmの溝(5)を備えた加工面を有しており、且つ押出し経路に沿って延在しており、
上記ブロンズ製ダイプレートインサート(1)は、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)が形成されている本体(3)であって、該スルーホール(2)が第1の加工面(4a)を有している、本体(3)と、
上記少なくとも1つのスルーホール(2)内を縦断するように延在しており、且つ第2の加工面(4b)を有している少なくとも1つの略円柱状センターピン(6)と
を有しており、
上記第1の加工面(4a)は、複数の切欠きとして成形された溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように、好ましくは垂直に向いている、ブロンズ製ダイプレートインサート(1)。
【請求項21】
上記第2の加工面(4b)は、複数の切欠きとして成形された溝(5)を有しており、上記切欠きは、互いに離れて平行であり、且つ上記押出し経路の方向に対して横断するように、好ましくは垂直に向いている、請求項20に記載のブロンズ製ダイプレートインサート(1)。
【請求項22】
上記第2の加工面は、ねじ山として成形された溝を有する、請求項20に記載のブロンズ製ダイプレートインサート(1)。
【国際調査報告】