(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】自律型水分析ステーション用のポリマー粒子ならびに植物プランクトンのUV分光光度検出モジュール、及び検出プロセス
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20240705BHJP
G01N 15/1409 20240101ALI20240705BHJP
G01N 15/01 20240101ALI20240705BHJP
G01N 15/1429 20240101ALI20240705BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G01N15/1409 100
G01N15/01
G01N15/1429 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577113
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2022066117
(87)【国際公開番号】W WO2022263414
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518008275
【氏名又は名称】ルクセンブルク インスティトゥート オブ サイエンス アンド テクノロジー(リスト)
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ポレセル,ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ブトン,オリヴィエ
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA17
2G043CA04
2G043CA06
2G043EA01
2G043KA02
2G043KA03
2G043KA09
2G043LA02
2G043NA01
(57)【要約】
本発明は、現場での、海水(4)の中の浮遊ポリマー粒子(8)及び植物プランクトンを監視するための自律型検出システム(2)の検出モジュール(14)を提供する。検出モジュール(14)は、浮体(10)と、アンテナを伴う通信モジュール(22)と組み合わされ、ポリマー粒子(8)及び藻類等の植物プランクトンを検出するように構成される。検出モジュール(14)は、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを伴う水表面で、特に塩水流で水を収集するように構成された検出エリア(16)を収容する半透明管状貫流要素(38)と、検出エリア内で紫外光を放射するように構成された紫外線発光手段(30)と、シアノバクテリア等のポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するために、検出エリアからの光を検知するように構成された光検知手段(40)と、該検出モジュール(14)を給電するように構成されたエネルギー生成モジュール(20)と、を備える。UV放射手段(30)は、低消費電力のUV LEDを備える。本発明は、さらに、検出プロセスを提供し、検出エリア(16)内の生体層を除去するために紫外線源の使用も提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水(4)の中のポリマー粒子(8)及び/または植物プランクトンを検出するように構成された検出モジュール(14)であって、
-ポリマー粒子(8)及び/または植物プランクトンを伴う水表面で水(4)を収集するように構成された検出エリア(16)を収容する半透明管状貫流要素(38)と、
-前記検出エリア(16)内で紫外光を放射するように構成された紫外線発光手段(30)と、
-前記検出エリア(16)内でポリマー粒子(8)及び/または植物プランクトンを検出するために、前記検出エリア(16)の光を検知するように構成された光検知手段(40)と、
を備える、検出モジュール(14)。
【請求項2】
前記紫外線発光手段(30)及び前記光検知手段(40)を給電するように構成されたエネルギー生成モジュール(20)をさらに含む、請求項1に記載の検出モジュール(14)。
【請求項3】
前記半透明管状貫流要素の両端は、前記管状要素に入る前記水表面エリアを拡大するための漏斗状開口部を含む、請求項1または2のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項4】
前記光検知手段(40)は、410nm~940nmの範囲にわたる波長を検知するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項5】
前記紫外線発光手段(30)は、紫外線Aバンド光源、紫外線Bバンド光源、及び/または紫外線Cバンド光源を備え、前記光源は、好ましくは、発光ダイオードである、請求項1~4のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項6】
前記検出モジュール(14)は、前記光検知手段(40)が第1の波長範囲内の波長を検知するように構成され、前記第1の波長範囲は、前記紫外線発光手段(30)によって放射された前記光の第2の波長範囲とは別である、請求項1~5のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項7】
前記光検知手段(40)は、前記検出エリア(16)の異なる波長を検知するように構成された少なくとも6個または12個または18個の検知セルを備え、前記異なる波長は、随意に、一定の波長ギャップを含む、請求項1~5のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項8】
前記検出モジュール(14)は機械学習デバイスを備え、前記機械学習デバイスは、前記光検知手段(40)に結合され、前記光検知手段(40)の検知信号に応じて、ポリマー粒子(8)及び/または植物プランクトンを識別するように構成される、請求項1~7のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項9】
前記機械学習デバイスは、前記光検知手段(40)によって検知された少なくとも波長に応じて、少なくとも、ポリプロピレン粒子、ポリエチレン粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリウレタン粒子、ポリメチルメタクリレー粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレンテレフタレート粒子、ポリアミド6粒子、ポリアミド66粒子、シアノバクテリア、藍藻、珪藻、渦鞭毛藻、植物プランクトンのバイオフィルムを伴うポリマー粒子を識別するように構成される、請求項8に記載の検出モジュール(14)。
【請求項10】
前記検出モジュール(14)は、前記紫外線発光手段(30)と前記光検知手段(40)との間に光学フィルター(44)を備える、請求項1~9のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項11】
前記検出モジュール(14)は光反射手段(46)を備え、前記検出エリア(16)は前記光反射手段(46)と前記光検知手段(40)との間にある、請求項1~10のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項12】
前記紫外線発光手段(30)は前記透明管状要素で紫外線光を放射するように構成され、前記透明管状要素(38)は好ましくはクオーツまたは溶融水晶を含む、請求項1~11のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項13】
前記検出エリア(16)は、酸化チタンコーティング(38C)を伴う防水表面(38S)を含み、前記紫外線発光手段(30)は、前記酸化チタンコーティング(38C)を通して紫外線光を放射するように構成される、請求項1~12のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項14】
前記防水表面(38S)は、最大5μmまたは1μmのRaの粗度等の粗度を含む、請求項13に記載の検出モジュール(14)。
【請求項15】
前記エネルギー生成モジュール(20)は、ソーラーパネルデバイス、風力タービン、水力タービン、発電機に結合された旋回アーム、及び任意のそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、請求項2~14のいずれかに記載の検出モジュール(14)。
【請求項16】
検出モジュール(14)を含む検出システム(2)であって、前記検出モジュールは、請求項1~15のいずれかに記載のものであり、前記検出システム(2)は、前記検出エリア(16)と好ましくは実質的に同じ高さの浮遊ラインを伴う本体(10)を含む、検出システム(2)。
【請求項17】
前記半透明管状貫流要素の前記開口部は、フィルター用メッシュ(50)を備える、請求項15に記載の検出システム(2)。
【請求項18】
前記検出システムは、随意に、同様の検出システム(2)と通信するように構成されたアンテナ(24)を伴う通信モジュール(22)と、及び/または通信トランシーバーならびに/もしくは無線ゲートウェイと、を備える、請求項16~17のいずれかに記載の前記検出システム(2)。
【請求項19】
前記本体(10)は防水筐体(12)を備える浮体であり、前記防水筐体(12)では、エネルギー生成モジュール(20)及び/または前記紫外線発光手段(30)ならびに前記光検知手段(40)が配置される、請求項15~18のいずれかに記載の前記検出システム(2)。
【請求項20】
検出エリア(16)を含む請求項1~15のいずれかに記載の検出モジュール(14)を用いて水(4)の中のポリマー粒子(8)及び/または植物プランクトンの検出プロセスであって、
-ある環境の水(4)の中に前記検出モジュール(14)を設置するステップ(100)であって、随意に、水(4)は、浮遊ポリマー粒子(8)及び/または植物プランクトンを含む、設置するステップ(100)と、
-前記検出エリア(16)で分析された水を取得するステップ(102)と、
-前記環境からのエネルギーを、電気エネルギーに変換するステップ(104)と、
-紫外線光を前記分析された水中に放射するステップ(106)と、
-前記分析された水中のポリマー粒子(8)及び/または植物プランクトンを検出するために、前記分析された水の光を検知するステップ(108)であって、前記植物プランクトンは随意に微細藻類を含む、検知するステップ(108)と、
を含む、検出プロセス。
【請求項21】
前記光を検知するステップ(108)は、前記分析された水からの光のいくつかの波長を検知することを含む、請求項20に記載の検出プロセス。
【請求項22】
前記検出プロセスは、前記検知するステップ(108)で検知された光に応じて、以下の材料カテゴリー、すなわち、ポリプロピレン材料、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン材料、ポリカーボネート材料、ポリウレタン材料、ポリメチルメタクリレート材料、ポリスチレン材料、ポリエチレンテレフタレート材料、ポリアミド6材料、ポリアミド66材料、植物プランクトンのバイオフィルムを伴うポリマー粒子(8)のうちの1つに、ポリマー粒子(8)を分類するステップ(110)を含む、請求項20~21に記載の検出プロセス。
【請求項23】
前記検出プロセスは、前記検知するステップ(108)で検知された光に応じて、以下のカテゴリー、すなわち、シアノバクテリア、藍藻、珪藻、渦鞭毛藻のうちの1つに、植物プランクトンを分類するステップ(110)を含む、請求項20~22のいずれかに記載の検出プロセス。
【請求項24】
前記プロセスは、前記紫外線発光手段(30)を用いて、植物プランクトンの生体層等の生体層を除去するステップ(114)を含み、前記放射するステップ(106)において、前記紫外線放射手段(30)には第1の電力が給電され、前記除去するステップ(114)において、前記紫外線放射手段(30)には、前記第1の電力よりも大きい第2の電力が給電される、請求項20~23のいずれかに記載の検出プロセス。
【請求項25】
前記プロセスは、さらに、最大400nmの波長を含む光をブロックするために、前記分析された水から光をフィルタリングするステップ(116)を含む、請求項20~24のいずれかに記載の検出プロセス。
【請求項26】
前記放射するステップ(106)は最大で1秒または0.7秒持続する、請求項20~25のいずれかに記載の検出プロセス。
【請求項27】
前記プロセスは、さらに、前記分析された水中のポリマー粒子(8)をカウントするステップ(118)を含む、請求項20~26のいずれかに記載の検出プロセス。
【請求項28】
前記プロセスは、さらに、物質サブカテゴリーにおいて検出されたポリマー粒子(8)の分類を改良するステップ(112)を含む、請求項20~27のいずれかに記載の検出プロセス。
【請求項29】
水(4)の中でポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するように構成される前記検出モジュール(14)において生体層を除去するために検出モジュール(14)の紫外線発光手段(30)の使用法であって、前記検出モジュール(14)は、前記紫外線発光手段(30)に機能的に結合される光検知手段(40)を含み、前記検出モジュール(14)は、請求項1~15のいずれかに記載のものである、紫外線発光手段(30)の使用法。
【請求項30】
前記紫外線発光手段(30)は、紫外線Cバンド光源である紫外線発光ダイオードを備える、請求項29に記載の使用法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律的な水監視の分野に存在し、例えば、水質評価に関する。具体的には、本発明は、水表面にある、または水表面の真下にある、ポリマー及び微細藻類等の植物プランクトンの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、海中のマイクロプラスチックの存在が増加することは、海洋動植物の多くの生態系のバランスを破壊する、生態的ニッチに対する汚染の主要問題を表す。問題は、環境への悪影響を減らすために、グローバルレベルで注目されており、緊急の対策が必要になってきている。2008年に施行されたEU Marine Strategy Framework Directive(MSFD,2008/56/EC)には、環境を監視するときに、測定するべき最適パラメーターのリストに「マイクロプラスチック」が含まれている。
【0003】
海洋環境での環境モニタリングは重要であり、課題がたくさんある。海岸及び大海原は、洞察力のある研究データを提供するが、より詳細な情報の必要性も明らかにするいくつかの衛星システムによって監視される。大海原の海水で、マイクロプラスチックを検出するための現在の研究技術及び実験的研究は、主に、地球観測(EO)のデータに依存している。そのような技術は、ポリマー粒子としても表されるマイクロプラスチックのサイズに関して、EOデータの空間分解能によって制限される。
【0004】
Blair Crawford et al.[Elsevier,2016,ISBN978-0-12-809406-8,Blair Crawford,2017]の書籍に報告されているマイクロプラスチック分析方法に関するたくさんの文献が存在する。その書籍には、サイズ、形状、及び材料に関するマイクロプラスチックの定義が定れられている。また、この書籍の第10章「Microplastic identification techniques」では、これらのマイクロプラスチックを分析するための異なる技術の包括的な概要も与えられている。それらのほとんどは、現場でのサンプリングに続いて、実験施設内での研究室分析に基づいている。その分析は、光学顕微鏡法または電子顕微鏡法、熱分解-ガスクロマトグラフィー-質量分析法、核磁気共鳴(NMR)分光法、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法、ラマン分光法、及び蛍光分光法によって行われる。
【0005】
しかし、これらの技術のうちの少数のものは、低消費電力、ロバスト性、高速収集、及び高感度が実現する実地試験またはポータブルシステムの統合の観点から、良い見通しを表す。既知のシステムを使用すると、モニタリングコストは膨大に高くなる。いくつかの解決策は、信号/雑音比レベルを満足することが提供できなく、そして、リアルタイムで、水流で取得された少数のマイクロプラスチック粒子の信号の高速収集が不可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】EU Marine Strategy Framework Directive(MSFD,2008/56/EC)
【非特許文献2】Blair Crawford et al.[Elsevier,2016,ISBN978-0-12-809406-8,Blair Crawford,2017]
【発明の概要】
【0007】
解決するべき技術的問題
本発明の目的は、先行技術の不利点の少なくとも一部を克服するデバイスを提示することである。具体的には、本発明の目的は、検出システムを改善することである。
【0008】
本発明の第1の態様によると、水中でポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するように構成された検出モジュールが提供される。検出モジュールは、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを伴う水流等の水表面で水を収集するように構成された検出エリアを収容する半透明管状貫流要素を含む。検出モジュールは、さらに、検出エリア内で紫外光を放射するように構成された紫外線発光手段と、検出エリア内でポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するために、該検出エリアの光を検知するように構成された光検知手段と、を備える。
【0009】
好ましくは、検出モジュールは、水表面で、または水表面の真下で、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するように構成され得る。
【0010】
好ましくは、紫外線発光手段及び光検知手段は、蛍光及び/またはフォトルミネセンスによって、浮遊粒子及び/または植物プランクトンを検出するためのシステムを実装するように構成される。
【0011】
検出モジュールは、好ましくは、紫外線発光手段及び光検知手段を給電するように構成されたエネルギー生成モジュールを含む。
【0012】
半透明管状貫流要素の両端は、好ましくは、管状要素に入る水表面エリアを拡大するための漏斗状開口部を含み得る。
【0013】
本発明の別の態様によると、水中でポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するように構成された検出モジュールが提供され、検出モジュールは、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを伴う水流等の水用の検出エリアと、検出エリア内で紫外光を放射するように構成された紫外線発光手段と、該検出エリア内でポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するために、検出エリアの光を検知するように構成された光検知手段と、紫外線発光手段及び光検知手段を給電するように構成されたエネルギー生成モジュールと、を備える。
【0014】
好ましくは、検出モジュールは、紫外線発光手段、光検知手段を給電するように構成されたエネルギー生成モジュールを含み得る。
【0015】
好ましくは、光検知手段は、410nm~940nmの範囲にわたる波長を検知するように構成され得る。
【0016】
好ましくは、紫外線発光手段は、紫外線Aバンド光源、紫外線Bバンド光源、及び/または紫外線Cバンド光源を備え得、該光源(複数可)は、好ましくは、発光ダイオード(複数可)である。
【0017】
好ましくは、検出モジュールは、光検知手段が第1の波長範囲内の波長を検知するように構成され得、第1の波長範囲は、紫外線発光手段によって放射された光の第2の波長範囲とは別である。
【0018】
好ましくは、光検知手段は、少なくとも、検出エリアの異なる波長を検知するように構成された少なくとも6個または12個または18個の検知セルを備え得、該異なる波長は、随意に、一定の波長ギャップを含む。
【0019】
好ましくは、検出モジュールは機械学習デバイスを備え得、機械学習デバイスは、光検知手段に結合され、そして、光検知手段の検知信号に応じて、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを識別するように構成される。
【0020】
好ましくは、機械学習デバイスは、光検知手段によって検知された少なくとも1つの波長に応じて、少なくとも、ポリプロピレン粒子、ポリエチレン粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリウレタン粒子、ポリメチルメタクリレー粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレンテレフタレート粒子、ポリアミド6粒子、ポリアミド66粒子、シアノバクテリア、藍藻、珪藻、渦鞭毛藻、植物プランクトンのバイオフィルムを伴うポリマー粒子を識別するように構成され得る。
【0021】
好ましくは、検出モジュールは、紫外線発光手段と光検知手段との間に配置された光学フィルターを備え得る。
【0022】
好ましくは、検出モジュールは光反射手段を備え得、検出エリアは光反射手段と光検知手段との間に配置される。
【0023】
好ましくは、検出モジュールは検出エリアを収容する半透明管状要素を含み得、紫外線発光手段は該透明管状要素で紫外線光を放射するように構成され、透明管状要素は好ましくはクオーツまたは溶融水晶を含み得る。
【0024】
好ましくは、検出エリアは、随意に酸化チタンコーティングを伴う防水表面または筐体を備え得、紫外線発光手段は、該酸化チタンコーティングを通って紫外線光を放射するように構成される。
【0025】
好ましくは、防水表面は、最大5μmまたは1μmのRaの粗度等の粗度を含み得る。
【0026】
好ましくは、エネルギー生成モジュールは、ソーラーパネルデバイス、風力タービン、水力タービン、発電機に結合された旋回アーム、及び任意のそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備え得る。
【0027】
好ましくは、防水表面は、最大5μmまたは1μmのRaの粗度等の粗度を含み得る。
【0028】
好ましくは、植物プランクトンは、随意に、最大70μm、または15μm、または5μm、または2μmのサイズを伴う微細藻類であり得る。
【0029】
好ましくは、紫外線発光手段及び光検知手段は、別々ならびに/もしくは個々の波長範囲を含み得る、及び/または別々ならびに/もしくは個々の波長範囲で動作し得る。
【0030】
好ましくは、光検知手段は電子シャッターを含み得る。
【0031】
好ましくは、光検知手段は、紫外線発光手段によって放射された紫外線光に比べて、異なる波長を検知するように構成され得る。
【0032】
好ましくは、検出システムは、水表面で浮遊するように構成された浮遊検出システム、または水中動作可能検出システムであり得る。
【0033】
好ましくは、発光手段は、最大340nmまたは315nmまたは280nmの放射波長を含み得る。
【0034】
好ましくは、発光手段は、少なくとも255nmの最小放射波長を含み得る。
【0035】
好ましくは、光検知手段は、少なくとも400nmまたは410nmの波長を検知するように構成され得る。
【0036】
本発明の別の態様では、検出モジュールを含む検出システムを提供し、検出モジュールは、本発明の態様に従うものであり、検出システムは、検出エリアと好ましくは実質的に同じ高さの浮遊ラインを伴う浮体を含み、該本体は、随意に、浮体である。
【0037】
好ましくは、検出エリアは検出システムを通る水路を含み得、水路は入口及び出口を含み、入口及び出口のそれぞれはフィルター用メッシュを含む。好ましくは、水路は、水が検出エリアに入ることを可能にし得る。
【0038】
好ましくは、該検出システムは、随意に、同様の検出システムと通信するように構成されたアンテナを伴う通信モジュールと、及び/または通信トランシーバーならびに/もしくは無線ゲートウェイと、を備え得る。
【0039】
好ましくは、本体は防水筐体を備える浮体であり得、防水筐体では、エネルギー生成モジュール及び/または紫外線発光手段ならびに光検知手段が配置される。
【0040】
好ましくは、検出システムは水線を含み得、検出エリアは、実質的に、水線に、または水線の下に、好ましくは、該水線から一定距離に配置される。
【0041】
本発明の別の態様では、海水もしくは川水もしくは湖水、または水処理工場の水等の水用の汚染検出システムを提供し、検出システムは、
・検出システムの環境のエネルギーを電力に変換するように構成されたエネルギー生成モジュールと、
・エネルギー生成モジュールによって給電されるように適応する汚染検出モジュールと、を備え、汚染検出モジュールは、
○汚染水を受けるように適応する分析ゾーンと、
○分析ゾーン内で汚染水を照らすように、好ましくは、汚染粒子及び/または汚染植物プランクトンを照らすように構成された紫外線源等の紫外線光放射手段と、
○分析ゾーンからの光を検知するように構成された光検知手段と、
○光検知手段から信号を受信して、該信号に応じて、汚染存在スコアを算出するように構成された分析ユニットと、
を備える。
【0042】
分析ゾーンは、検出エリアであり得る。
【0043】
本発明の別の態様では、水中のポリマー粒子及び/または植物プランクトン等の粒子検出システムを提供し、検出システムは、
・本体と、
・検出モジュールであって、
○粒子を伴う水流等の水用の検出エリアと、
○検出エリア内で紫外光を放射するように構成された紫外線発光手段と、
○光検知手段と、を備える、検出モジュールと、
・検出エリア内で光検知手段によって検知された少なくとも1つの波長に応じて、以下のカテゴリーのうちの少なくとも1つに粒子(複数可)を分類するように構成された分類手段であって、及び/または、少なくとも、ポリプロピレン材料、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン材料、ポリカーボネート材料、ポリメチルメタクリレート材料、ポリスチレン材料、ポリエチレンテレフタレート材料、ポリアミド6材料、ポリアミド66材料、植物プランクトンを識別するよう構成された、分類手段と、
・検出モジュール、特に、紫外線発光手段、光検知手段、及び分類手段を給電するように構成されたエネルギー生成モジュールと、
を含む。
【0044】
エネルギー生成モジュールは、本発明の必須の態様ではない。
【0045】
本発明の別の態様では、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するように構成された検出モジュールを提供し、検出モジュールは、
○ポリマー粒子ならびに/もしくは植物プランクトン、及び/または植物プランクトンバイオフィルムでコーティングされたポリマー粒子を伴う水流等の水用の検出エリアと、
○検出エリア内で紫外光を放射するように構成された紫外線発光手段と、
○所定の波長範囲にわたって、水、各々水流から光を分析するように構成された光検知手段と、
を備える。
【0046】
本発明の別の態様では、検出エリアを伴う検出モジュールを用いて、水中のポリマー粒子及び/または植物プランクトンの検出プロセスを提供し、検出プロセスは、ある環境の水分中に検出モジュールを設置するステップであって、随意に、水は、浮遊ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを含む、設置するステップと、検出エリアで分析された水を取得するステップと、該環境からのエネルギーを、電気エネルギーに変換するステップと、紫外線光を分析された水中に放射するステップと、該分析された水中のポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するために、分析された水の光を検知するステップであって、検出モジュールは、随意に、本発明に従うものであり、植物プランクトンは微細藻類を含み、及び/または検出モジュールは、本発明に従った検出システムの一部である、検知するステップと、を含む。
【0047】
好ましくは、光を検知するステップは、分析された水からの光のいくつかの波長を検知することを含み得る。
【0048】
好ましくは、検出プロセスは、さらに、検知するステップで検知された光に応じて、以下の材料カテゴリー、すなわち、ポリプロピレン材料、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン材料、ポリカーボネート材料、ポリウレタン材料、ポリメチルメタクリレート材料、ポリスチレン材料、ポリエチレンテレフタレート材料、ポリアミド6材料、ポリアミド66材料、植物プランクトンのバイオフィルムを伴うポリマー粒子のうちの1つに、検出されたポリマー粒子を分類するステップを含み得る。
【0049】
好ましくは、検出プロセスは、検知するステップで検知された光に応じて、以下のカテゴリー、すなわち、シアノバクテリア、藍藻、珪藻、渦鞭毛藻のうちの1つに、植物プランクトンを分類するステップを含み得る。
【0050】
好ましくは、本プロセスは、該紫外線発光手段を用いて、植物プランクトンの生体層等の生体層を除去するステップを含み得、放射するステップにおいて、紫外線放射手段には第1の電力が給電され、除去するステップにおいて、紫外線放射手段には、第1の電力よりも大きい第2の電力が給電される。
【0051】
好ましくは、本プロセスは、さらに、最大400nmの波長を含む光をブロックするために、分析された水から光をフィルタリングするステップを含み得る。
【0052】
好ましくは、放射するステップは最大で1秒または0.7秒持続し得る。
【0053】
好ましくは、本プロセスは、さらに、分析された水の検出エリア内のポリマー粒子をカウントするステップを含み得る。
【0054】
好ましくは、本プロセスは、さらに、物質サブカテゴリーにおいて検出されたポリマー粒子の分類を改良するステップを含み得る。
【0055】
好ましくは、生体層及び/または藻類を除去するステップは、少なくとも1時間持続し得る。
【0056】
好ましくは、ポリマー粒子は、浮遊ポリマー粒子であり得る。
【0057】
好ましくは、検出プロセスは、さらに、検出されたポリマー粒子(複数可)のシグネチャーを算出するステップを含み得る。
【0058】
好ましくは、本プロセスは、放射するステップにおいて、放射された紫外線光をフィルタリングするステップと、フィルタリングするステップ後に結果として生じる光を分析するステップと、を含み得る。
【0059】
好ましくは、本プロセスは、さらに、検出信号を送信するステップを含み得る。
【0060】
好ましくは、本体は、検出エリアを画定し得る。
【0061】
好ましくは、放射するステップにおいて、紫外線放射手段は第1の光度を発生させ得、除去するステップにおいて、紫外線放射手段は第1の光度よりも大きい第2の光度を発生させ得る。
【0062】
本発明の別の態様では、粒子及び/または植物プランクトン検出システムを用いる水監視プロセスを提供し、該検出システムは、検出エリア等の監視エリアと、エネルギー生成手段とを含み、検出プロセスは、
・随意にポリマー粒子及び/または植物プランクトンを含む、検出システムを水中に設置するステップと、
・監視エリア内で水を受けるステップ、好ましくは、監視エリア内のポリマー粒子及び/または植物プランクトンを伴う水試料を受けるステップ、または検出システムを通して水を流すステップと、
・検出システムのエネルギー生成手段を用いて電気エネルギーを生成するステップであって、生成された電力は随意に電力閾値を上回る、生成するステップと、
・検出エリア内で水を通して紫外線光を放射するステップと、
・検出エリア内の水から光を検出するステップと、
・検出エリア内の水から光を分析するステップと、
・分析及び/または検出された光が所定の基準を満たす場合、粒子信号を生成するステップと、を含み、
・検出システムは、随意に、本発明に従っている。
【0063】
好ましくは、本プロセスは、参照光と、検出された光との差を把握するステップを含み得る。
【0064】
本発明の別の態様では、検出モジュール、好ましくは検出システムを用いて、水中のポリマー粒子及び/または植物プランクトン等の粒子の検出プロセスを提供し、検出プロセスは、
・随意に水がある環境で、検出モジュール、好ましくは検出システムを設置するステップであって、該検出モジュール、好ましくは、検出システムはエネルギー生成手段及び水ターゲット用の検出エリアを含む、設置するステップと、
・環境エネルギーを用いて、エネルギー生成手段を用いて電気エネルギーを生成するステップと、
・電気エネルギーを生成するステップで生成された電気エネルギーを用いて、水ターゲットで紫外線光を放射するステップと、
・水ターゲットの光を分析するステップであって、検出システムは随意に本発明に従っている、及び/または検出モジュールは随意に本発明に従っている、分析するステップと、
を含む。
【0065】
本発明の別の態様では、水中で、ポリマー粒子及び/または植物プランクトン検出モジュールで生体層を除去するための検出モジュールの紫外線発光手段の使用を提供し、該検出モジュールは、該紫外線発光手段に機能的に結合される光検知手段及びエネルギー生成モジュールを含み、検出モジュールは随意に本発明に従っている。
【0066】
好ましくは、紫外線発光手段は、随意に紫外線Cバンド光源である紫外線発光ダイオードを含み得る。
【0067】
本発明の別の態様では、該検出モジュールで生体層を除去するために、ポリマー粒子及び/または植物プランクトン検出モジュール、好ましくは自律型浮遊検出システムの紫外線発光手段の使用を提供し、該検出モジュールは、さらに、該紫外線発光手段に機能的に結合された光検知手段と、該紫外線光源及び光検知手段を給電するエネルギー生成モジュールとを含む。
【0068】
好ましくは、紫外線発光手段は、該検出モジュールの透明要素の生体層を除去するために使用され得る。
【0069】
本発明の別の態様では、検出モジュールで、ポリマー粒子及び/または植物プランクトン、随意に浮遊しているポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するための紫外線光源の使用を提供し、該検出モジュールは、特に、本発明に従っている。
【0070】
本発明の別の態様では、コンピューター上で起動するとき、コンピューターに、本発明に従った検出プロセスを起動させるコンピューター可読コード手段を含むコンピュータープログラムを提供する。
【0071】
本発明の別の態様では、本発明に従ったコンピュータープログラムが記憶されるコンピューター可読媒体を含むコンピュータープログラム製品を提供する。
【0072】
本発明の別の態様では、本発明に従って、監視プロセスを実行するように構成されたコンピューターを提供する。
【0073】
本発明の異なる態様は相互に組み合わされ得る。さらに、本発明の各態様の好ましい特徴は、逆の内容が明確に言及されない限り、本発明の他の態様と組み合わされ得る。
【0074】
本発明の技術的な利点
プラスチックの大部分は、通常、水よりも低い密度を有する。これは、例えば、水生環境で見られる最も豊富なプラスチックであるポリエチレンの場合が当てはまる。良質な撥水特徴を持つポリエチレンマイクロプラスチックは、通常、表面水上に浮遊していることが見られる。加えて、発泡ポリスチレン、または発泡スチロール、様々なポリスチレンは、多くの場合、水生環境の表面上に浮遊していることが見られる。マイクロプラスチックの密度は、水生環境でのその空間分布に影響を与える主要な要因である。北大西洋からニューストンネットを用いるマイクロプラスチックの収集に関わる研究では、海水よりも大きい密度を伴うマイクロプラスチックは、表面水上に浮遊していることが見られる。同様に、表面水上のプラスチックくずの別の研究では、北大西洋西部でニューストンネットによって回収されたマイクロプラスチックの99%は、海水よりも小さい平均密度を有し、マイクロプラスチックの密度は0.808~1.238g/cm3の範囲にわたる。ついでに、海水の密度は1.025g/cm3であると考えられている。これらの結果は驚くべきことになり得る。その理由として、直観的に、通常、海水よりも大きい密度を伴う表面上に浮遊している物質が見つかることが予想しないだろう。したがって、海水よりも有意に大きい密度を伴うマイクロプラスチックは、小さな量であるが、表面水上で見ることができる可能性があり、底質にあるとは限らない。これが発生する可能性があることに関する2つの主な理由がある。第1の理由として、異なる深さで温度差が生じる結果(垂直混合)として、表面水のそのような高密度マイクロプラスチックの発生は、水の強力な上昇運動及び下降運動から生じる可能性があることが挙げられ、第2の理由として、海水よりも高密度なマイクロプラスチックは、その内部にエアポケットまたは気泡を含有し得ることによって、その浮力を増加させ、表面上で浮遊することを可能にすることが挙げられる。
【0075】
藻類、植物プランクトン等の浮遊している生体を分析するための解決策を提供することは重要性を持つ。その理由として、光合成に基づく代謝(例えば、シアノバクテリア、藍藻類)を伴うこれらの生きている微生物のより大きい部分が、残存物の液体媒質にあることと、最大の光密度に曝されること、との両方の状態で水表面を探すためである。したがって、微生物により、その密度によって及び/またはその表面エネルギーによって、浮力が発生する。
【0076】
本発明は、水表面で、または水表面の真下に浮遊ポリマー粒子及び植物プランクトンを検出するように構成されるような検出モジュールを提供する。検出エリアの特定の装置は、関連の粒子が浮遊しているその表面で水を収集することを可能にする。本発明は、また、ポリマー粒子及び植物プランクトンの検出プロセスを提供する。本発明は、特に、フォトルミネセンス分析及び蛍光分析のための可視近赤外(NIR)センサーに結合された紫外線光源の使用を提供する。本発明の全体的なメリットとして、低消費電力検出モジュールシステムを提供する能力が挙げられ、その能力により、電力が不足している自律システムでそのモジュールを使用することを可能にする。本発明は、測定サイクルごとに低消費電力に基づいて正確な結果を提供する検出手段を用いて、現場で解決策を提供する。データ収集、データ処理、及び処置されたデータの無線伝送は、低エネルギーレベルだけが必要である。
【0077】
この態様は、特に、他のエネルギー消費モジュールに電力を供給する独自のエネルギー生成モジュールが装備された自律検出システムと関連して最も関連性がある。結果として、監視モジュールは、1ケ月または年間を通して、自律的な状態のままである。
【0078】
本発明は、ポリマー粒子及び植物プランクトンの両方に適応する。したがって、本発明は、健康に対して有害である異なる種類の汚染の正確な観測を提供する。このメリットは、フォトルミネセンス分析及び蛍光分析によって取得され得る。それによって、本発明について、各々、検出システムの検出モジュールの技術的能力まで範囲が広がる。特別に設計された水収集管を使用することによって、浮遊粒子または微生物を運ぶ表面にある水を効率的に分析する。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態は、図を用いて示され、本発明の範囲を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】本発明の好ましい実施形態による、検出システムの概略図を提供する。
【
図2】本発明の好ましい実施形態による、検出モジュールの概略図を提供する。
【
図3】本発明の好ましい実施形態による、検出モジュールの概略図を提供する。
【
図4】本発明の好ましい実施形態による、検出プロセスの概略図を提供する。
【
図5】薄箔透明袋の粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図6】透明青色プラスチックPMMAの粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図7】PUダークブルーフォームの粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図8】PUダークホワイトフォームの粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図9】PUオレンジフォームの粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図10】厚箔透明袋の粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図11】ポリスチレンビーズの粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図12】PUベージュフォームの粒子が検出エリア内にあるとき、本発明の好ましい実施形態に従って検出モジュールによって測定された波長の概略図を提供する。
【
図13】本発明の好ましい実施形態による、検出モジュールによって測定された波長に応じて光強度を示すグラフの概略図を提供する。
【
図14】本発明の好ましい実施形態による、検出モジュールによって測定された波長に応じて光強度を示すグラフの概略図を提供する。
【
図15】本発明の好ましい実施形態による、検出モジュールによって測定された波長に応じて光強度を示すグラフの概略図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0081】
このセクションでは、好ましい実施形態及び図に基づいて、さらに詳細に本発明が説明される。同様の参照符号を使用して、本発明の異なる実施形態の全体にわたって同様の概念または同じ概念を説明する。
【0082】
本明細書に説明される特有の実施形態について説明される特徴は、逆の内容が明確に言及されない限り、他の実施形態の特徴と組み合わされ得ることに留意されたい。本発明に特有の特徴に注目するために、当技術分野で一般的に知られている特徴は明確に言及されない。
【0083】
粒子が浮遊する能力について、いくつかの特性、すなわち、水密度、粒子密度、粒子気孔率、及び粒子物質の疎水性を定義する表面エネルギーによって影響が及ぼされることを理解されたい。真水と海水との密度差は小さく、浮遊度だけに対して影響があることを言及する。浮遊度に対する主な影響は、水の表面エネルギーの変化を誘発する塩濃度に関し、例えば、海水に関して60~65dynes/cm2、真水に関して72dynes/cm2である。水表面にある汚染物質は、ポリマー粒子のより高い表面エネルギー及び湿潤性を誘発し得る。汚染物質は、特に、油または石鹸を含む。したがって、水及び海水の両方の場合を考えると、プラスチック粒子は、浮遊度の大幅な変化を誘発する外部パラメーター(油、石鹸、バイオフィルムコーティング)だけに依存して浮遊度に近い挙動をもたらす。
【0084】
浮遊ポリマー粒子は、水表面に触れる粒子に限定されないことを理解されたい。波の荒い海では、浮遊粒子は、水表面の下に、水中の奥深くに向かい得る。したがって、検出システムは、水表面から一定距離にある浮遊粒子を検知できる。
【0085】
本発明の全体にわたって、「植物プランクトン」という用語は、塩水及び真水の両方の水生環境で、生存及び/または発達している微細な微生物を指し得る。
【0086】
「微細藻類」という用語は、例えば水中で漂う単細胞生物を指し得る。微細藻類はクロロフィルを含むことが理解され得る。
【0087】
現在の説明では、紫外線光は、可視光とX線との間で電磁放射線の形態に対応する。
【0088】
逆の内容が明確に提供されるときを除いて、粒子は、裸粒子を指し、すなわち、生体コーティングまたは植物プランクトンコーティング等の外層がない粒子を指す。
【0089】
図1は、本発明の好ましい実施形態による、検出システム2を示す。現在の説明図では、検出システム2は、水4の中で、特に開放水域で浮遊している。検出システム2は、海水、川、湖、池、または水処理工場に配置され得る。他の水エリアを考えてみる。水4は、本質的に、液体状態である。それは水性である。風が流れることに起因して、検出システム2は、水表面6で波4に曝される。
【0090】
水には、浮遊粒子8等の粒子8、及び/または植物プランクトンがぶつかる。微細藻類等の植物プランクトンは水中で混合され得る。粒子は、表面6で浮遊するポリマー粒子8であり得る。ポリマー粒子8は、プラスチック粒子8として表され得る。
【0091】
システム2は浮揚体10を示す。本体10は浮体である。浮揚体10は筐体12を画定し得る。筐体12は防水性であり、システム2の容量が水表面6にあるままの状態であることを確実にする。波により、浮揚体は平衡方位を中心に振動する。
【0092】
筐体12は、検出システム2の異なるモジュールを収容し、それを受ける。筐体12は検出モジュール14を保護する。本体10は、検出モジュール14を保護するケーシングを形成し得る。検出モジュール14は、蛍光及び/またはフォトルミネセンスの方法によって、粒子、特にポリマー粒子8及び/または微細藻類等の植物プランクトンを識別及び検出するように構造的かつ機能的に構成される。ポリマー粒子8は水4に浮いている。その密度/複数の密度に起因して、ポリマー粒子8は、水表面6で水4に浸かっている。ポリマー粒子8は1mm~5mmの範囲にわたるサイズを含み得る。ポリマー粒子8のサイズは、該ポリマー粒子8の最大寸法に対応し得る。最大幅または最大直径であり得る。本体10は水線15を画定し、水線15は浮遊ラインとしても表されている。水線15は架空ラインと考えられ得る。静止時において、水線15は、本体10を切断するような水平面によって描かれ得る。検出モジュール14は、水線15と垂直に同じ高さであり得る。その結果、表面にある水は検出モジュールを通って流れ得、そのため、検出モジュールは、実質的に水平に配置された貫流管状要素を備える。
【0093】
植物プランクトンは、水4で混合され得る。植物プランクトンは、そのサイズのため、そのように表されていない。植物プランクトンは、マイクロメートルのスケールで測定されたサイズを伴う微細藻類であり得る。サイズに関して、0.5μm~60μm、または0.8μm~1.2μmの範囲にわたり得る。植物プランクトンは、シアノバクテリア胞子及びバクテリア胞子を含み得る。
【0094】
検出システム2は、検出モジュール14と関連付けられた検出エリア16を含む。検出モジュール14は、水路18等の通路18であり得る。通路18は、半透明壁を有し、好ましくは円形または長方形断面を有する貫流管状要素によって提供される。通路18は、検出システム2、特に本体10を横断し得る。通路18は、筐体12を通る通路を形成し得る。通路18は防水内面を含み得る。通路18は防水壁によって形成され得、本体10を横断して延在する。水路18は、分析された水の体積または水ターゲットを収集、取得するように適応する浮揚体10にチャネルを形成し得る。水路18は全体的に浸され、波によって、また本体10の傾斜運動によって浮上し得る。好ましくは、水路は、水線15と実質的に同じ高さである。
【0095】
検出エリア16は、全体的に、一定水位にあり得る、または全体的に、表面6の下にあり得る。結果として、水4は、検出エリア16に入り、該通路18を通って流れる。次に、対象の粒子、及び植物プランクトンは、分析の目的のために検出エリア16に運ばれる。オプションとして、検出エリア16は、水線15の下にある。本体10は、検出エリア16と水線15との間に垂直分離を含み得る。したがって、より多くの水が検出エリア16に入り、その中に空気が入ることを回避し得る。この設備により、検出精度が増加する。
【0096】
検出システム2は、さらに、エネルギー生成モジュール20等の電力モジュールを備える。代替案として、電力を提供するために、充電バッテリーを使用し得る。エネルギー生成モジュール20は、少なくとも、検出モジュール14に電気を供給するように構成される。エネルギー生成モジュール20は、ある環境からのエネルギーを変換し得、そして使用可能な電力を生成する。エネルギー生成モジュール20は、調整された出力電圧に対するスマート電力管理手段を伴う内蔵型パワーハーベスターであり得る。したがって、検出システム2はエネルギー自律型である。生成されたエネルギーは自給されたものであり、そのエネルギーは、その耐用年数の全期間にわたるシステムのニーズを対象とする。必要に応じて、本システムは、エネルギーが不足しているとき、スタンバイモードになり得る。エネルギー蓄電池のエネルギーレベルが閾値に到達するとき、本システムは再度アクティブになる。例証として、スマート電力管理手段は、スーパーキャパシタ、バッテリー等のタンクに貯蔵されたAC/DCエネルギーを調整するために構成され得る。次に、電力は、DC/DCコンバーターによって送達され、調整された電圧レベル、通常3.3Vまたは5Vを検出モジュール14に提供する。
【0097】
エネルギー生成モジュール20は、水力エネルギー、太陽エネルギー、及び/または風力エネルギーを一次電源装置として使用し得る。水力エネルギーは、潮流等からの波エネルギー、流動エネルギーを利用する。エネルギー生成モジュール20は、電力を蓄積する電池パック、及び/もしくはスーパーキャパシタを含み得る、またはそれらと交換され得る。外部電力供給装置は、エネルギー生成モジュールと交換され得る。
【0098】
エネルギー生成モジュール20は、単振子または複振り子を含み得る。エネルギー生成モジュール20は風力タービン(図示されない)を含み得る。システム2は、風力タービンの浮遊基台を形成し得る。オプションとして、システム2は、少なくとも2つのエネルギー生成の解決策を組み合わせる。さらに別のオプションとして、本システムは、ソーラーパネル(図示されない)に電気的に接続される。システム2は、風力タービンの浮遊ベースを形成し得る。10cm×10cmのソーラーパネルで十分である。波エネルギー源及び太陽エネルギー源は、同じ電力レベル、約100mWを提供する。これらのエネルギー源は、大体同じ大きさのエネルギーレベルを提供し、波の運動が連続するため、振子の電磁発電機が1日中にわたり動作する、特に、夜間中にわたり動作する利点をもたらす。また、本体10の内側に保護された複振り子の電磁発電機は、腐食及び生体層の形成に対してロバスト性がある。生体層の形成は、マスキング生体層の存在によって劣化するため、太陽光からの光伝送に応じて、外部ソーラーパネルの解決策に関して制限があり得る。
【0099】
オプションとして、検出システム2は、さらに、通信モジュール22を備える。通信モジュール22は、概して、例えば、水路18で分析された水4に関連するデータ、水表面6の運動の状態(穏やかな海または波の荒い海)及び/またはシステム2のジオロケーションを発信するための通信手段を形成し得る。水状態は、内蔵型の加速度計モジュール及び/またはジャイロスコープモジュール及び/または磁力計モジュール(図示されない)によって提供され得る。通信モジュール22はアンテナ24を含み得る。アンテナ24は、本体10の上部にあり得る、または本体10に包囲され得る。アンテナ24はシステム2の頂上を形成し得る。通信手段は、アンテナ24と関連付けられた、無線通信モジュールと、マイクロコントローラーとを含み得る。
【0100】
通信モジュール22は、無線通信するように構成され得る。通信モジュール22は、リモート通信インフラストラクチャ(図示されない)に、例えば、空中及び/または地面ベースのインフラストラクチャ(図示されない)に信号を伝送し得る。通信モジュール22は、同様または同一の検出システム(図示されない)と通信するように構成され得る。同様または同一の検出システムは、通信ネットワークを定義し得る。
【0101】
さらなるオプションとして、検出システム2は、所定の方位を維持するように適応するバラスト26を含み得る。バラスト26は、検出システム2の底部にブロックを備え得る。バラスト26は、概して、システム2が浮遊しているとき、所定かつ特別に許可された方位に、該システム2を方向付けるための手段であり得る。また、バラスト26は、水表面6に対して特定の方位に検出エリア16を維持する。
【0102】
代替案として、検出システム2は、係留部(図示されない)を備える。該係留手段は固定手段であり得る。固定手段は固定穴を含み得る。これらの解決策は、海洋潮汐を考慮すると、便利である。
【0103】
本発明に従ったシステムは、水分析用の浮遊ステーション2と考えられ得る。ステーション2は、自律型浮遊分析ステーションであり得る。ステーションは、水中の汚染物体の検出、海の波の状態等、異なる種類の分析に適応する。ステーション2は、さらに、海中の浮揚体の場所信号を提供するために、場所モジュール(図示されない)を含み得る。以下のもの、すなわち、磁力計モジュール、コンパスモジュール、GPS信号、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを用いて、場所信号を算出し得る。水汚染は検出及び位置され得る。特定の粒子を観察し得る。いくつかの生物学的種を観察し得る。関連のマップを確立し得る。
【0104】
図2は、本発明の好ましい実施形態による、検出モジュール14の説明図を示す。検出モジュール14は、ポリマー粒子8及び/または植物プランクトンを伴う水流等の水表面で水4を収集するように構成された検出エリア16を収容する半透明管状貫流要素38を含む。水中で浮遊する及び/または
図1に示されるもの等の検出システムに配置されるとき(しかし、それに限定されない)、貫流管38は実質的に水平であり、水4の表面と同じ高さである。これにより、水表面に浮遊する、または水表面の真下ある粒子の薄膜が、管状要素を通って流れることが可能になる。検出モジュールは、さらに、検出エリア16内で紫外光を放射するように構成された紫外線発光手段30と、蛍光及び/またはフォトルミネセンスのプロセスによって、該検出エリア16内でポリマー粒子8及び/または植物プランクトンを検出するために、検出エリア16の光を検知するように構成された光検知手段40と、を備える。本装置は、好ましくは、紫外線発光手段30から放射された光が最初に検出エリア内の粒子8に到達するように動作する。これは、光検知手段40の方向に光の放射をトリガーする。放射光の経路に続いて、光検知手段は、好ましくは、粒子8及び検出エリア16の下流に配置される。放射及び検知手段は、好ましくは、適切にプログラムされたマイクロコントローラー要素を使用することによって、結合及び連係され得、マイクロコントローラー要素は、光放射をアクティブにすることが可能になり、そして、収集データをメモリエレメントに記憶するために、光検知手段を読み取ることも可能であり、そのデータはさらに処理及び分析され得る。管状要素38の長さは、それが装備される浮遊検出システム(
図1に示されるもの等)の本体を全体的に貫通し得るように選ばれる。好ましくは、管状要素38の長さは10~20cmの範囲内である。好ましくは、その長さは約15cmである一方、管の直径は少なくとも1cmであり、好ましくは15~20mmである。好ましくは、その直径は約16mmである。
【0105】
図3は、本発明の別の好ましい実施形態による、検出システム2(部分的に表される)の検出モジュール14の説明図を示す。検出システム2は、
図1に関連して説明されるものと同様または同一であり得る。検出モジュール14は、検出システム2の環境を形成する水4と流体流連通する。本体及び筐体は、分かりやすくするために省略される。水は、随意に、塩水であり、例えば、1.03g/cm3以上の密度を伴う。
【0106】
検出モジュール14は、液体、特に水4を受けるように適応する。水は分析された水28を形成し、これは水分量または水流としても考えられる。分析された水28は、検出エリア16内で流れ得る。検出エリア16は、移動中の分析された水28を受け得る。検出エリア16では、調査する水の流量または水流が横断する。
【0107】
分析された水28は、特に、ポリマー粒子8等の粒子8を輸送する。分かりやすくする理由のために、1つだけの粒子8は、現在、表されている。しかしながら、検出エリア16は、同時にいくつかのポリマー粒子8を受け得る。ポリマー粒子8は、分割されているポリマー部分の断片であり得る。
【0108】
さらに、検出エリア16、各々、分析された水28は、植物プランクトンを含み得る。植物プランクトンは微細藻類であり得、マイクロメーター単位のスケールである。これらの植物プランクトンは、例証として、バクテリア胞子を含み、そのサイズは0.8μm~1.2μmの範囲にわたる。微細藻類は水の濁度を調整する。検出モジュール14は、随意に、水の濁度を測定するように構成される。植物プランクトン及び/またはポリマー粒子(複数可)8は、分析された水28中で混合され得る。ポリマー粒子8は、植物プランクトンコーティングで密閉され得る。
【0109】
システム2は、水4のポリマー粒子8及び/または植物プランクトンを検出するように構成される。システム2は、水環境に適応するように、分析システム及び/または監視システムであり得る。したがって、システム2は防水であり、腐食性液体に対して抵抗するように構成される。
【0110】
検出モジュール14は、さらに、紫外線光源としても表される紫外線(紫外線放射手段30)を備える。UV放射手段30は、検出エリア16内で紫外光を放射するように構成される。それらは、検出エリア16内に、そして検出エリア16を通って、第1のUV光線32を粒子8及び/または植物プランクトンに向けて放射するように適応する。第1のUV光線32は粒子8に触れる。また、第1のUV光線32は、放射ビーム32、一次ビーム32、または光源ビーム32としても考えられる。第1のUV光線32は、100nm~400nmの範囲にわたる第1の波長の範囲を有する。第1のUV光線32は、UV-A光線、及び/またはUV-B光線、及び/またはUV-C光線を含み得、それらの波長は、各々、100nm~280nm、280nm~315nm、315nm~400nmの範囲にわたる。紫外線発光手段30は、紫外線Aバンド光源、紫外線Bバンド光源、及び/または紫外線Cバンド光源を備え、該光源(複数可)は、好ましくは、UV発光ダイオード(複数可)(LED)である。UV LEDについて、低消費電力が要求されるため便利である。別の解決策として、UVレーザーを使用し得る。
【0111】
第1の光線32がポリマー粒子8に当たるとき、第2の光線34が放射される。また、第2の光線34は、二次ビーム34、または応答ビーム34としても考えられる。第2の光線34は、第1の光線32と異なる波長を有し得る。第2の光線34は、第1の波長範囲と異なる第2の波長範囲を有し得る。第2の波長範囲は、第1の波長範囲に対してシフトされ得る。その範囲は、より広くなり得る。第2の光線34は、少なくとも410nm~940nmの範囲で変わる波長を有する。検出モジュール2は、光検知手段40がいわゆる第2の波長範囲内の波長を検知するように構成され得、いわゆる第2の波長範囲は、紫外線発光手段30によって放射された光のいわゆる第1の波長範囲とは別であり、随意に、はっきり異なる。同様に、第1の光線32が植物プランクトンに触れるとき、第2の光線34が放射され、検知手段40によって検知される。光検知手段40は波長測定手段であり得る。システム2は、日光からの検知手段40を保護するように構成される。実際に、日光はバックグラウンド信号を生成する。
【0112】
オプションとして、第3の光線36は、同様に、ポリマー粒子8及び/または植物プランクトンによって放射される。第3の光線36は、第1の光線及び第2のUV光線34と異なる波長を有し得る。
【0113】
検出エリア16は、管状要素または管38によって形成され得る。管38は、透明管38であり得る。また、管38は、透明管状要素38としても表される。管38は、概して、検出エリア16を収容/画定する透明要素であり得る。チャネルとして、管38は、検出エリア16を収容して、取り囲む。管38は、分析された水を物理的に誘導する。紫外線発光手段30は、水ターゲットを横断して、該透明管状要素38内で、それを通って、紫外線光を放射するように構成される。
【0114】
オプションとして、透明管状要素38は、クオーツまたは溶融水晶を含む。紫外線に曝されるこれらの物質は、生体層の蓄積を防止する。したがって、透明管状要素38は、経時的に、その光透過性を維持する。したがって、ポリマー粒子及び植物プランクトンの観測は経時的に保護される。
【0115】
さらなるオプションとして、管38はコーティング38Cを含む。コーティングは内部コーティング38Cである。検出エリア16、特に管38は防水表面38Sを含む。また、防水表面38は、内面38としても表される。防水表面38は防水である。表面38はコーティング38Cを含む。コーティング38は、酸化チタンコーティング(TiO2)であり得る。コーティング38Cは、有機バイオフィルムを妨げる光分解を加速する。コーティングの性質により、検出エリア16内で生物付着を制限及び回避する。生物付着は、自然の生長物、特に藻の繁殖と考えられる。紫外線発光手段30は、該酸化チタンコーティング38Cを通って紫外線ビーム32を放射するように構成される。酸化チタンコーティング38Cは透明コーティング38Cであり得る。二次ビーム34は、また、コーティング38Cを横断する。
【0116】
さらなるオプションとして、透明管状要素38は、最大で10μm、または3μm、または1μmの内部粗度Raを含む。Ra粗度は、評価されたプロファイルの算術平均偏差と理解され得る。粗度を減らすことで、内面38Sで生体層の蓄積を回避して及び減らせる。内面38S上の粘着力、把持力は減る。これは、検出エリア16が汚れがないままの状態であることと、メンテナンスフリー特徴2はシステムに与えられることと、をもたらすという事実に貢献する。
【0117】
検出モジュール14は光検知手段40を備える。光検知手段40は、該検出エリア16内でポリマー粒子8及び/または植物プランクトンを検出するために、検出エリア16内の光を検知するように構成される。エネルギー生成モジュール20は、検出モジュール14を給電するように適応する。エネルギー生成モジュール20は、同様に、光検知手段40及び発光手段30に電力を提供する。
【0118】
光検知手段40は、410nm~940nmの範囲にわたる波長を検知するように構成される。一方で、UV放射光との重なりを回避するために、410nm(青色/バイオレットカラー)の下限は定義される。さらには、UV LEDは、バイオレットカラーで小さな放射線を伴う広範囲の放射スペクトルを有する。システム2は、第1の波長範囲と第2の波長範囲との間に波長分離を含むように構成され得る。他方では、本発明では、940nm(近赤外線=NIR)の上限をシフトすることを検討する。その上限は、少なくとも1500nmまたは2000nmにシフトされ得る。上限は、信号の高損失をもたらす水による光吸収に起因して選択され得る。410nm~940nmの範囲は、水分析及び光透過率と、対象の化合物とに関連して、良好な妥協点を表すものである。
【0119】
検知手段40は、少なくとも1つの検知ユニット、好ましくは、少なくとも3つの検知ユニット(40.1;40.2;40.3)を含み得る。検知ユニット(40.1;40.2;40.3)のそれぞれは、いくつかの検知セル(図示されない)、例えば少なくとも6個の検知セル(図示されない)を含み得る。光検知手段40は、検出エリア16の異なる波長を検知するように構成された少なくとも6個または12個または18個の検知セルを備える。いくつかの検知セルは、精度、感度、高速データ処理、及びエネルギー消費量の間の妥協点を提供する。エネルギー消費量は、エネルギー自律システム2に関連して、重要な要素である。
【0120】
より多くのセンサーを用いて、UV可視NIRスペクトルを調べるほど、マイクロプラスチックの認識に関して、ピークの定義が良好になる。しかし、より多くのセンサーを用いることは、電力消費量が高くなり、信号処理が多くなり、これらにより、エネルギーの消費も増えることが示唆される。3×6=18個のセルを伴う構成は、解像度、電力消費量、データ処理、収集速度の間の良好な妥協点を表す。解像度は、ポリマー粒子及び植物プランクトンの両方に合わせて調整される。非限定例として、AMS AG社のAS7265xスマート分光センサーを使用し得る。
【0121】
各検知セルは、1つの所定の波長と関連付けられる。光検知手段40は、所定の波長の間に一定ギャップを含み得る。光検知手段40は、検出エリア16の前方に、検知ユニット(40.1;40.2;40.3)を受ける支持物40Sを含み得る。
【0122】
オプションとして、検出モジュール14は機械学習デバイス42を備え、機械学習デバイス42は、光検知手段に結合され、そして、光検知手段40によって発信された検知信号に応じて、ポリマー粒子8及び/または植物プランクトンを識別するように構成される。検知信号は検知シグネチャーを形成し得る。検知シグネチャーは、基準シグネチャーと比較される。機械学習デバイス42は、光センサー40からのデータフローを処理するために、ニューロンネットワークマトリクスを含有するマイクロコントローラーであり得る。
【0123】
機械学習デバイス42は、ポリマー粒子、植物プランクトン、植物プランクトン層によって覆われたポリマー粒子を検出、識別するために、トレーニングされた機械学習アルゴリズムを実施し得る。機械学習アルゴリズムまたは機械学習モデルは、学習データを用いてトレーニングされ、試験データを用いて試験される。損失またはエラーが所定の基準を満たすとき、機械学習アルゴリズムが選択される。
【0124】
機械学習デバイスはニューラルネットワークを含み得る。ニューラルネットワークはフィードフォワードネットワークであり得る。オプションとして、ニューラルネットワークは、入力層、出力層、及び入力層を出力層に接続する隠れ層を含み得る。隠れ層は、全体に接続され得る、またはまばらに接続され得る。入力層は、いくつかの入力ニューロンを含み得る。オプションとして、光検知セルの各検知セルは、1つの入力ニューロンと関連付けられる。したがって、入力層は、6~18個の入力ニューロンを含み得る。機械学習アルゴリズムを実施する本発明に関連して、6~18個の検知セルは、精度、感度、高速データ処理、及びエネルギー消費量の間の適切な妥協点である。エネルギー消費量は手段及び信号処理に起因する。出力層は、いくつかの出力ニューロンを含み得、特に、少なくとも、ポリマー粒子の種類ごとに1つ、及び微細藻類の種類ごとに1つを含む。各出力ニューロンは、検出確率または識別確率等の確率を提供し得る。隠れ層は、隠れニューロンの行を含み得る。オプションとして、ニューラルネットワークは畳み込みニューラルネットワークであり、畳み込みカーネルを実施する。
【0125】
機械学習デバイス42は、以下の粒子カテゴリーのうちの少なくとも1つに、ポリマー粒子8を分類するように構成され得る。粒子カテゴリーとして、ポリプロピレン粒子、ポリエチレン粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレンテレフタレート粒子、ポリアミド6粒子、ポリアミド66粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子が挙げられる。他のポリマーカテゴリーも考えてみる。機械学習デバイス42は、さらに、検出エリア16内のシアノバクテリア等の植物プランクトンを識別するように構成され得る。識別は、本質的に、光検知手段40によって検知された二次波長に依存し得る。
【0126】
検出モジュール14は、紫外線発光手段30と光検知手段40との間に光学フィルター44を備え得る。光学フィルター44は、検出エリア16と光検知手段40との間にあり得る。光学フィルター44は、第2の可視NIR光線34の通過を可能にする。光学フィルター44は、マスクとして、第3のUV光線36をブロックし得る。光学フィルター44は、所定の波長、例えば410nmよりも低い光をブロックするように構成される。光学フィルター44は、対象の波長の範囲外または範囲内にあるビームから検知ユニット(40.1;40.2;40.3)を保護する。光学フィルター44は、第3のUV光線36を吸収または反射し得る。第3の紫外線ビーム36は、システム2の環境から生じ得る。
【0127】
検出モジュール14は、ミラー等の光反射手段46を含み得る。検出エリア16は、光反射手段46と光検知手段40との間に延在する。紫外線発光手段30は、光反射手段46と検出エリア16との間に配置される。したがって、光検知手段40は、粒子8及び検出された植物プランクトンから、より多くの二次ビーム34を受ける。検出はより正確である。測定の信号/雑音比が改善され、収集期間が短くなることを可能にする。システム2は、粒子8の高速運動に適応する。
【0128】
検出システム16は、検出システム2を通る水路18を含む。水路18は、管38によって形成され得る。水路18は、入口18I及び出口18Oを含む。管の端は、示されるように、好ましくは漏斗状であり得る。これにより、管開口部のアパーチャが増加し、水の大きい表面積上に浮遊する粒子を貫流管38によって収集することを可能にする。水が水路18を通って両方向に流れ得るため、水路18は可逆的である。入口18I及び出口18Oのそれぞれは、フィルター用メッシュ50を備える。フィルター用メッシュ50は、詰まりを回避する。フィルター用メッシュ50は、大きい物体がシステム2に入ることを物理的に防止する。そのような大きい物体は、通路18を封鎖及び切断し得る。その結果、水の循環が発生するだろう。検出が行われないだろう。フィルター用メッシュ50は最大6mmの穴を含み得る。フィルター用メッシュ50は、分析を受けるポリマー粒子8の選択を実行する。
【0129】
モニターデバイスは、コンピューター可読媒体52等のデータストレージ52を含み得る。データストレージ52は、本発明に従って、検出プロセスを実行するように適応するコンピュータープログラムを記憶し得る。データストレージ52は、マイクロコントローラーユニット(MCU)54に組み込まれ得る。マイクロコントローラーユニット54は、好ましくは、コンピューティングデバイスの中央処理ユニット(CPU)等のデータプロセッサを含む。データプロセッサは、好ましくは、方法のステップを実施するために、適切に考案されたソフトウェアコードによってプログラムされ得る。
【0130】
コンピューター可読媒体52は、ランダムアクセスメモリ、RAMモジュール、またはEEPROM(電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ)等の永続ストレージデバイス、ハードディスクドライブ(HDD)、またはソリッドステートドライブ(SSD)を含み得る。
【0131】
図4は、検出プロセスの図の概略図を提供する。検出プロセスにより、一般に藍藻と表されるシアノバクテリア等のポリマー粒子及び植物プランクトンの検出を可能にする。植物プランクトンは珪藻を含み得る。植物プランクトンは、単細胞生物または多細胞生物を含み得る。植物プランクトンは、真水または塩水の中で、発達または生息し得る。植物プランクトンは地下水で観察され得る。検出プロセスは、随意に、
図1及び/または
図2に定義した検出モジュールを用いて実行され得る。そのプロセスは、特に
図1及び/または
図2に説明した検出モジュールを用いて、随意に、検出システムを用いて実行され得る。
【0132】
検出プロセスは、特に、以下の順序で実行されるステップ、すなわち、
浮遊ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを含む、海水等の環境の水中に検出モジュール、随意に検出システムを設置するステップ100であって、設置するステップ100と、
検出エリアで、分析された水、もしくは取得された水を取得する、または水を受けるステップ102と、
モジュール環境からエネルギー、各々システム環境からのエネルギーを、使用可能な電気エネルギーに変換するステップ104と、
紫外線光を、水ターゲットとしても表される分析された水中に放射するステップ106と、
該水ターゲット中のポリマー粒子及び/または微細藻類等の植物プランクトンを検出するために、水試料の光を検知するステップ108と、
検知するステップ108で検知された光に応じて、以下のカテゴリー、すなわち、ポリプロピレン(PP)粒子、ポリエチレン(PE)粒子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)粒子、ポリカーボネート(PC)粒子、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、ポリスチレン(PS)粒子、ポリエチレンテレフタレート(PET)粒子、ポリアミド粒子、ポリウレタン(PU)粒子のうちの少なくとも1つに、ポリマー粒子を分類するステップ110と、を含む。代替案として、微細藻類を検出した後、分類される。
【0133】
設置するステップ100において、本システムは、海または海洋に配置され得る。本システムは、川、湖、池に配置され得る。本システムは植物内にあり得、水を生成または処理する。本システムは自由に漂流し得る。オプションとして、本システムは支持物に固定される。検出システムが自由ブイとして漂流し得るため、そのステップは、異なる場所で実行され得る。
【0134】
放射するステップ106は、最大で1秒または0.7秒持続する。したがって、電力消費量が制限される。放射するステップ106において、紫外線光、UV-A光、UV-B光、及び/またはUV-C光は分析された水を通って、水中の仮説ポリマー粒子に向かって放射される。これらの紫外線は同時に放射できる。
【0135】
検知するステップ108は、ポリマー粒子及び/または植物プランクトン(図示されない)を検出するサブステップを含み得る。
【0136】
光を検知するステップ108は、水試料からの光のいくつかの波長を検知することを含む。同時に、波長は検知される。
【0137】
分類するステップ110は、微細藻類等の植物プランクトンの検出を含み得る。本プロセスは、検知するステップ108と、分類するステップ110との間で、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンを検出するステップを含み得る。検出するステップは中間ステップであり得る。
【0138】
本プロセスは、さらに、ポリマー粒子及び/または植物プランクトンの分類を改良するステップ112を含み得る。改良するステップ112は、検知するステップ108を交換し得る。改良するステップ112は、以下のサブカテゴリー、すなわち、ポリウレタンダークブルーフォーム、ポリウレタンホワイトフォーム、ポリウレタンオレンジフォーム、ポリウレタンベージュフォームのうちの1つにおけるPU粒子の下位分類を含み得る。ポリマー粒子に含有された異なる色の染料は区別され得る。改良するステップ112は色検出のステップであり得る。
【0139】
改良するステップ112は、以下のサブカテゴリー、すなわち、ポリアミド6(PA-6)またはポリアミド66(PA-66)のうちの1つに検出されたポリアミド粒子PAの下位分類を含み得る。
【0140】
分類するステップ110において、特定物質は、例えば、バッグのポリマー粒子で検出され得る。改良するステップ112において、粒子は、さらに、その厚さに応じて分類され得る。粒子は、第1の厚さのカテゴリーで、または第1の厚さよりも厚い第2の厚さカテゴリーで分類され得る。
【0141】
本プロセスは、紫外線発光手段を用いて、検出エリア16内で、藻類層等の生体層を除去するステップ114を含む。この目的のために、放射するステップ106において、紫外線放射手段には第1の電力が給電され、除去するステップ114において、紫外線放射手段には、第1の電力よりも大きい第2の電力が給電される。第1の電力は第1の光強度を発生させ得、第2の電力は第2の光強度を発生させ得る。光強度は、照明フラックスまたはUVビーム濃度に対応し得る。除去するステップ114は、放射するステップ106よりも長くなり得、例えば、少なくとも10倍または100倍長くなる。そのステップは1時間持続し得る。
【0142】
本プロセスは、最大400nmの波長を含む光をブロックするために、水分量から光をフィルタリングするステップ116を含み得る。
【0143】
検出プロセスは、さらに、検出エリア内のポリマー粒子をカウントするステップ118を含み得る。粒子の数は、データストレージデバイスに記憶され得る。
【0144】
本プロセスは、信号を送信するステップ120を含み得る。信号は、検出またはカウントされたポリマー粒子、システムの場所、観察されたポリマー粒子の数及び種類に関連するデータを含み得る。この信号は、また、動植物の有毒種を検出した場合、警告フラグを含有し得る。
【0145】
現在のプロセスは、水質監視プロセス等の監視プロセスに対応し得る。
【0146】
検出システムに関連して定義された特徴は、具体的には、検出モジュールに適用され得る。
【0147】
図5は、特に検出システムの検出モジュールによる波長(λ)の試験の測定値の概略図を提供する。波長の測定は、例えば、後続の測定点の間に固定の時間間隔がある所定の持続時間にわたって実行される。検出モジュールは前述の図で説明され得る。波長(λ)はナノメートル(nm)の単位で表される。現在の説明図及び以下の説明図では、検出システムのプロトタイプは波のプールに設置され、ポリマー粒子試料は該プロトタイプに導入される。検出システムのプロトタイプは、前述の図に説明したシステム(複数可)と同様または同一であり得る。人工波は、検出システムによって水を動かし、その検出中にポリマー粒子を運ぶのに貢献する。したがって、試験はより現実的になる。
【0148】
光強度は、波長(λ)から410nm~940nmの異なるハッチング線で表される。説明図では、大きい強度に対して濃いハッチング線が提供される。低強度は、密接ではないハッチング線で表される。実際には、光強度は滑らかなグラデーションを示すことが理解される。
【0149】
測定中、波は、波のプールで生成され得る。ポリマー粒子は、検出エリア、特に水路を通って水によって輸送される。ポリマー粒子は、0.5mm~10mm、または1mm~5mmのサイズを含み、これらの値が含まれる。ポリマー粒子運動は表面流動から生じ得、例えば波によって活発になる。
【0150】
さらに、システムを試験するために、ポリマー粒子は、光学的に中性なもの、または検出エリアを横断するストリングに固定される。検出モジュールを通ってロープを引き込むことは、粒子運動を活発にする。さらに、それは横断時間を設定する。検出モジュールの感度が証明される。さらに、試験の目的のために、ポリマー粒子は、340nmの波長を伴う同じUV一次光で照らされる。オプションとして、ポリマー粒子は、各々、UV-A光線、UV-B光線、及びUV-C光線を放射する、いくつかのLEDで照らされる。データ収集を含む検出時間は数分間持続し得、例えば、0.7秒/試料のサンプリングデータレートで、5分または20分持続する。同じプロトコルは、以下の図に関連して適用される。
【0151】
実際の条件では、本質的に、ポリマー粒子は、異なる速度で検出エリア内で移動する。したがって、検出期間または存在期間は変わり得る。現在の図から、いくつかの粒子が分析期間にわたって検出されることが理解され得る。代替案として、同じポリマー粒子は、逆流に起因して、または流れが停止するとき、数回検出され得る。
【0152】
現在のグラフから明らかであるように、薄箔透明袋のポリマー粒子は、紫外線源によって照らされるとき、異なる波長を伴う光を生成し、その光は第2の波長範囲に広がる。
【0153】
薄箔透明袋のポリマー粒子が検出エリア内にあるとき、動いている波長を取得する。検出システムは、光検知手段を用いて、435nmでピークを検出する。放射光は、本質的に、410nm~460nmの範囲にわたる。補助的なピークは510nmで検知される。
【0154】
図6は、特に検出システムの検出モジュールによって測定された波長の時系列の概略図を提供する。検出モジュールは前述の図で説明され得る。検出システムは、前述の図に説明した少なくとも1つのもの、または複数のものと同様または同一であり得る。透明青色PMMA(ポリ(メチルメタクリレート))のポリマー粒子が検出エリア内にあるとき、動いている波長(λ)を取得する。
【0155】
検出モジュールは、435nmでメインピークを検出する。薄箔透明袋の粒子と関連付けられた前述のグラフと対比すると、メインピークは低くなり、つまり、強度が低くなる。また、検出モジュールは、560nmで二次ピーク及び645nmで第3のピークを検出する。
【0156】
したがって、透明青色PMMAのポリマー粒子によって放射された二次光は、同じ主要な紫外線に曝されるにもかかわらず、薄箔透明袋のポリマー粒子によって放射された光と異なる。検出の目的のために、また、分類するためにも、この差を使用する。
【0157】
図7は、特に検出システムの検出モジュールによって測定された波長(λ)の時間的な概略図を提供する。検出モジュールは前述の図で説明され得る。検出システムは、前述の図(複数可)に説明したシステム(複数可)と同様または同一であり得る。動いている波長は、PU(ポリウレタン)ダークブルーフォームのポリマー粒子に関して取得されたものである。
【0158】
検出モジュールは、その光検知セルを用いて、異なる波長を測定する。検出モジュールは、460nmでメイン強度ピークを識別する。他の低強度はすぐ近くで観察される。これらのデータは、大体低強度レベルによって、以前のデータから逸脱する。時間(s)が経つについて、強度の変動が検出される。
【0159】
図8は、特に検出システムの検出モジュールによる検出期間中に測定された波長(λ)の概略図を提供する。検出モジュールは前述の図で説明され得る。検出システムは、前述の図(複数可)に説明したシステム(複数可)と同様または同一であり得る。動いている波長は、PUホワイトフォームのポリマー粒子に関して取得されたものである。
【0160】
検出モジュールは、435nmで高ピークを検出する。このメインピークは435nmで最高点を含み、410nm~460nmの範囲にわたる。このピークは、薄箔透明袋に関連して検出されたピークよりも高くなる。二次ピークは、510nm~535nmで観察され、585nmまでわずかに減少する。
【0161】
波長は、低強度レベルにおいて705nmで検出される。
【0162】
図9は、特に検出システムの検出モジュールによって測定された波長(λ)の概略図を提供する。検出モジュールは前述の図で説明され得る。検出システムは、前述の図(複数可)に説明したシステム(複数可)と同様または同一であり得る。動いている波長は、PUオレンジフォームのポリマー粒子に関して取得されたものである。
【0163】
検出モジュールにより、435nmでメインピークが証明される。しかしながら、その強度は、薄箔透明袋の粒子と、PUホワイトフォームの粒子との間の値になる。現在のメインピークは435nm~460nmで変わる。二次メインピークは510nm~535nmに広がる。
【0164】
現在の粒子は
図6及び
図7のようにPU粒子である。さらに、色は異なる。本発明は、この差を検出することが可能であり、その色に応じた分類を改良する。本発明は、サブカテゴリーにおける分類を可能にする。本発明は、粒子の色に応じた分類を可能にする。
【0165】
図10は、特に検出システムの検出モジュールによって測定された波長(λ)の概略図を提供する。検出モジュールは前述の図で説明され得る。検出システムは、前述の図(複数可)に説明したシステム(複数可)と同様または同一であり得る。厚箔透明袋のポリマー粒子が検出エリア内にあるとき、動いている波長を取得する。
【0166】
厚箔透明袋のポリマー粒子は、
図4に関連して提示された薄箔透明袋のポリマー粒子よりも厚くなる。それらの粒子は同じ色であり得る。それらの粒子は、少なくとも、2倍、または4倍、厚くなり得る。第1の粒子としても表される薄箔透明袋のポリマー粒子は、20μm~40μm、または30μm~40μmの範囲にわたる厚さを含み得る。それらの粒子は、35μmの厚さ、随意に最大35μmの厚さを有し得る。第2の粒子としても表される厚箔透明袋のポリマー粒子は、50μm~90μm、または60μm~80μm、または50μm~70μmの範囲にわたる厚さを含み得る。第2の粒子は、少なくとも70μmの厚さを含み得る。
【0167】
検出モジュールは、経時的に、異なる波長(λ)の光強度を追跡する。435nmでメインピークが強調される。その強度は、PMMAよりも高く、薄箔透明袋に比べて低くなる。したがって、本発明は、個々の粒子厚さに応じて区別を行う。この区別は、再び、下位分類の基礎となる。本発明は、ソートするステップを改良することを可能にする。
【0168】
図11は、特に検出システムの検出モジュールによって測定された波長(λ)の概略図を提供する。検出モジュールは前述の図で説明され得る。検出システムは、前述の図(複数可)に説明したシステム(複数可)と同様または同一であり得る。動いている波長(λ)は、ポリスチレンビーズのポリマー粒子に関して取得されたものである。
【0169】
粒子は異なる形状を有し得る。粒子はフレークまたはビードを形成し得る。粒子は本質的に平坦または球状であり得る。
【0170】
検出モジュールにより、435nmでメインピークが得られる。このメインピークは435nmで最高点を含み、435nm~460nmの範囲にわたる。PUホワイトフォームと比較することによって、最高点はシフトする。
【0171】
二次ピークは、510nm~535nmで観察される。PUホワイトフォームで取得された二次ピークに対して、より高く、狭くなる。
【0172】
また、小さな光信号は680nm~705nmで検知される。
【0173】
図12は、特に検出システムの検出モジュールによって測定された波長(λ)の概略図を提供する。検出モジュールは前述の図で説明され得る。検出システムは、前述の図(複数可)に説明したシステム(複数可)と同様または同一であり得る。動いている波長は、PUベージュフォームのポリマー粒子に関して取得されたものである。
【0174】
検出信号は波長データを含む。波長データは、410nm~460nmの範囲にわたるメインピークと、435nmに最高点とを含む。二次ピークは510nm~535nmの範囲にわたる。強度の到達範囲は、PUオレンジフォームと同様のプロファイルを有する。それにもかかわらず、強度は低くなる。この説明図では、異なる色のポリマー粒子は、本発明に従って、検出モジュールによって検知される異なる波長を生成することが確認される。前述の色は限定的なリストを形成しない。逆に、本発明は、他の色を識別、認識、分類するように適応する。
【0175】
同様の曲線は、綿棒に関して取得され得る。次に、高い及び狭いメインピークは、435nmで観察される。そして、隣接ピークは485nmで検出される。小さい第3のピークは705nmで現れる。
【0176】
前述のグラフは時系列データに対応する。そのデータは同じ時間長で取得され得る。上記のポリマー材料に関して、波長は730nmよりも低く、好ましくは最大705nmであることを観察し得る。対象の波長は、ポリマー粒子に関連して、410nm~705nmの範囲にわたる。その波長は、光検知セル、例えば6~18個のセルによって監視され得る。
【0177】
図5~
図13では、波長は、植物プランクトンコーティングがないポリマー粒子に関する測定値に対応し得る。それは裸粒子であり得る。
【0178】
図13は、本発明に従って検出モジュールによって、微細藻類等の植物プランクトン(点線)の測定光のグラフの概略図を提供する。現在のグラフは、ナノメートル(nm)の単位で測定された波長(λ)に応じて、例えば、ルーメンの単位で、光強度を表す。検出モジュールは、前述の図の少なくとも1つで説明したシステム(複数可)に対応する検出システムの一部であり得る。
【0179】
グラフは、検出エリア内の水試料の測定値から生じる。試料を調製して分析するために、藍藻としても表されるリムノスピラシアノバクテリアは、57ug/mlの濃度で水道水で希釈される。試料は、紫外線で照らされ、例えば355nmの波長で照らされる。他の試験試料は、調査するために他の植物プランクトン種で調製され得る。搭載される光電子センサーの積分時間は、収集点ごとに280ミリ秒の期間を含む。この収集時間は、ポリマー粒子の収集時間よりも長くなり得る。例証として、ポリマー粒子の収集時間は42ミリ秒であり得る。植物プランクトンに関連して収集時間が増加すると、信号/雑音比が増加する。したがって、検出はより正確である。
【0180】
現在のグラフから明らかになるように、一次紫外線と有意に異なる600nm~750nmの有意な光放射線が存在する。この光放射線は、近赤外線(NIR)光に対応し得る。それは蛍光灯であり得る。破線の形状は、シアノバクテリアに対応する。実際には、破線は山及び谷を示し、こちらは、試験試料中のリムノスピラシアノバクテリアの割合を示す。
【0181】
同様の曲線は、水濁度に影響を与える微細藻類等の他の植物プランクトンに関して取得され得る。また、いくつかのシアノバクテリア種は、特異タンパク質の存在により、青光に光放射線も提示できる。600nm~850nmの範囲(赤からNIR)の光放射線は、フィコシアニン分子及びクロロフィル分子の存在に起因する。
【0182】
植物プランクトンと関連付けられた破線は、18個の点によって定義されることが観察され得る。各点は、18個の検知セルのうちの1つと関連付けられ得る。それから、線は、検出モジュールによって、より正確には光検知手段によって測定される光線に対応することが導出され得る。したがって、ポリマー粒子及び植物プランクトンを特徴付けるために、制限された量のデータを使用する。しかしながら、このデータの量は、ポリマー粒子及び植物プランクトンを検出、分類、識別するのに十分である。検知セルはそれぞれ波長と関連付けられ、通常、一定の波長ギャップを伴って増加することが観察され得る。
【0183】
現在の図は、また、ポリマー粒子を含む試料によって放射された光を示す実線を含む。ポリマー粒子は、ベージュフォームポリウレタンの粒子等のポリウレタン(PU)粒子である。この実線は、藻類に関して測定されたものに重ね合わせられる。現在の図は、本発明の検出モジュールによって可能になる植物プランクトンとポリマー粒子との明らかな差異を強調する。
【0184】
さらに、例証の目的で、本発明の図は、ダッシュ記号及び点を伴う破線を含み、木材粒子、例えば裸木材粒子の測定値を示す。現在のグラフでは、木材が検出モジュールに有意な信号を生成しないことが確認される。したがって、それはシステムの測定を妨げず、本体が乱れるもかかわらず、その能力を維持する。砂に関しても、同じ結論が導かれ得る。ポリマー粒子は、木材粒子または砂の傍に検出され得る。
【0185】
したがって、紫外線光源の使用により、ポリマー粒子及び/または藻類を伴う水を検出、監視、分析するために、関心を引くメリットが提供される。微細藻類等の植物プランクトンの波長は、本質的に、2つの範囲、すなわち、410nm~535nm、及び610nm~760nmであることが観察され得る。610nm~760nmの範囲について、ポリマー粒子との有意差を示す。860nmにおけるピークでは、差が深まる。
【0186】
現在のグラフでは、異なる破線が組み合わされ、重なる。そのグラフでは、同じ紫外線への露光量にもかかわらず、微細藻類及びPUベージュフォームによって伝送された光の差が確認される。
【0187】
ポリマー粒子が植物プランクトンコーティングによって覆われ、例えば、該植物プランクトンコーティングによって部分的または全体的に覆われるとき、検出モジュールは、植物プランクトン及びポリマー再放射光の波長の組み合わせに対応する光放射線を検知し、それらの波長は、以下の3つの場合を分析することを可能にする個々の値を有する。3つの場合として、植物プランクトンコーティングによって完全に覆われたポリマー粒子、植物プランクトンコーティングによって部分的に覆われたポリマー粒子、植物プランクトンコーティングがないポリマー粒子、が挙げられる。
【0188】
図14は、波長(λ)に応じて、光強度のグラフの概略図を提供する。分析された波長は、検知手段の波長、すなわち、第2の波長範囲に一致する410nm~940nmの範囲にわたる。現在の範囲は可視光を含み、それを越えて延在する。検出システムは、前述の図の少なくとも1つで説明したシステム(複数可)に対応する。
【0189】
現在のグラフは、異なるPU発泡材料の波長と、透明青色プラスチック、特にPMMAの波長とを含む。光強度は、分かりやすくするために、専用のスケールで表される。現在のスケールは、いくつかの波長に対する大きさを表す。各波長は、センサーの1つと関連付けられ得る。グラフでは、検出モジュールによって検知された異なるPUフォームの差が知らされる。
【0190】
図15は、波長に応じて、光強度の概略図を提供する。破線はポリマー粒子からの光を表す。ポリマー粒子は異なる形状を有し得る。波長(λ)は、検出システムによる測定値である。検出システムは、前述の図の少なくとも1つで説明したシステム(複数可)に対応する。
【0191】
図15は、好ましくは同じポリマー材料の薄箔透明袋の粒子と厚箔透明袋の粒子との差に注目している。複数の破線がいくつかのセグメントに沿って互いに近い場合でも、差分が観察される。
【0192】
また、破線は、綿棒試料とポリスチレンビーズ試料との間の変分を明示する。また、ポリスチレンビーズ試料は、山と谷との差を識別するために、
図13のPUホワイトフォームに対して比較され得る。
【0193】
図13~
図15は同じスケールを有し得る。したがって、その破線は、比較のために重複され得る。
【0194】
図5~
図12は時系列データを含む。測定強度は、検知手段に対して粒子速度に応じて変わり得る。
【0195】
図5~
図12では、少なくとも6個の強度レベルを表す6個のハッチング線のグラデーションが示される。異なる光強度は、1種類のハッチング線で統合され得る。
【0196】
図13~
図15は、
図5~
図12のデータに対応し得る。
図13~
図15のデータは、波長強度の測定値によって取得された平均データに依存し得る。代替案として、それらのデータは最大光強度に依存し得る。各ラインは、粒子または植物プランクトンのシグネチャーに対応する。
【0197】
図5~
図15のいずれかから抽出されたデータは、機械学習アルゴリズムのために、トレーニングデータ、試験データ、及び検証データとして使用され得る。これらのデータは、ラベル付けされたトレーニングデータを形成する。ラベル付きの学習インスタンスを作成するために、各ポリマー材料の異なる測定値を使用する。各トレーニングインスタンスは、410nm~940nmの波長の異なる光強度を含む。光強度は、少なくとも6個または12個または18個の光強度の数値を含む。
【0198】
同じことが、様々な藍藻またはシアノバクテリアとしても知られている植物プランクトン、特にリムノスピラに対して実行される。
【0199】
植物プランクトンに関連して定義された特徴は、微細藻類または藻類に適用され得、逆の場合も同様である。ただし、逆の内容が明確に言及されない場合を除く。
【0200】
特有の好ましい実施形態詳細な説明は、本発明の範囲内の様々な変化及び修正が当業者には明らかであるため、例証だけとして与えられていることを理解されたい。保護範囲は、以下の一連の請求項によって定義される。
【国際調査報告】