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特表2024-525336生理学的測定デバイス、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】生理学的測定デバイス、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/276 20210101AFI20240705BHJP
【FI】
A61B5/276
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577275
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022067505
(87)【国際公開番号】W WO2023274921
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21182420.6
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】フランク クリストフ フロリアン
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127AA03
4C127CC10
4C127FF02
4C127GG11
4C127GG13
4C127LL11
(57)【要約】
本発明は、生理学的測定デバイスのフロントエンド回路から少なくとも1つのデジタル信号を入力するように構成されるプロセッサを有する生理学的測定デバイスに関し、デジタル信号は、フロントエンド回路の入力部に存在するアナログ信号と、少なくとも1つのフィルタリングされたデジタル信号とを表し、フィルタリングされたデジタル信号は、少なくとも1つのデジタルフィルタによって、デジタル信号からフィルタ係数の組に基づいて生成される。同じ患者に適用される他の測定デバイスとの干渉が最小限に抑えられるように、コスト及び電力消費に関してアラームに関するモニタリングを効率的に実施することを可能にするために、前記測定デバイスが、デジタル信号及びフィルタリングされたデジタル信号に基づいて適応演算を行うように構成される係数計算機と、適応演算の結果からアラーム情報を決定するように構成されるチェッカーとを有することが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的測定デバイスにおいて、
前記生理学的測定デバイスのフロントエンド回路から少なくとも1つのデジタル信号を入力するように構成されるプロセッサであって、前記デジタル信号は、前記フロントエンド回路の入力部に存在するアナログ信号と、少なくとも1つのフィルタリングされたデジタル信号とを表し、前記フィルタリングされたデジタル信号は、少なくとも1つのデジタルフィルタによって、前記デジタル信号からフィルタ係数の組に基づいて生成される、プロセッサ、
前記デジタル信号及び前記フィルタリングされたデジタル信号に基づいて、適応演算を行うように構成される係数計算機、並びに
前記適応演算の結果から、アラーム情報を決定するように構成されるチェッカー
を有する、生理学的測定デバイス。
【請求項2】
前記適応演算の結果は、更新されたフィルタ係数の組を含み、前記アラーム情報を決定することは、前記更新されたフィルタ係数の組に基づいている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記アラーム情報を決定することは、前記フィルタ係数の組の中の少なくとも1つのフィルタ係数に適用可能な少なくとも1つのアラーム制約に基づいている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記適応演算は、フィルタ係数に関する少なくとも1つの値制約を受け、前記アラーム制約は、前記値制約の下位セットである、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記アラーム情報は、異なるアラームの種類に関する複数のアラーム情報要素を有し、特定のアラーム制約は、これらのアラーム情報要素の各々に割り当てられている、請求項1乃至4の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記アラームの種類は、テクニカルアラーム及び/又はアプリケーション特有のアラームを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記アラーム情報を決定することは、アラーム制約の少なくとも1つのグループに基づいており、前記アラーム制約のグループの中のアラーム制約は、特定の種類のアラームの異なる重大度レベルに関連付けられている、請求項1乃至6の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記アラーム制約のグループの中のアラーム制約は、前記グループの第1のアラーム制約から始まり、前記グループの特定のアラーム制約の各々の後続するアラーム制約は、前記特定のアラーム制約の上位セットであり、前記後続するアラーム制約は、前記特定のアラーム制約よりも高い重大度レベルに対応するようにソートされる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記適応演算の結果は、複数のデジタルフィルタに関する複数のフィルタ係数の組、及び複数のアラーム制約を有し、前記アラーム制約の各々は、前記複数のフィルタ係数の組の異なる組に適用可能である、請求項1乃至8の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記適応演算を行うことは、最適化問題を解くことを有する、請求項1乃至9の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
生理学的測定デバイスを動作させるための方法において、前記方法は、
前記生理学的測定デバイスのフロントエンド回路から、前記フロントエンド回路の入力部に存在するアナログ信号を表す少なくとも1つのデジタル信号を入力するステップ、
少なくとも1つのデジタルフィルタによって、前記デジタル信号からフィルタ係数の組に基づいて生成される少なくとも1つのフィルタリングされたデジタル信号を入力するステップ、
前記デジタル信号及び前記フィルタリングされたデジタル信号に基づいて適応演算を行うステップ、及び
前記適応演算の結果からアラーム情報を決定するステップ
を有する、方法。
【請求項12】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、請求項11に記載の方法のステップを前記コンピュータに実行させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理学的測定デバイスに関し、前記生理学的測定デバイスは、この生理学的測定デバイスのフロントエンド回路から少なくとも1つのデジタル信号を入力するように構成されるプロセッサを有する。前記デジタル信号は、フロントエンド回路の入力部に存在するアナログ信号と、少なくとも1つのフィルタリングされたデジタル信号とを表し、前記フィルタリングされたデジタル信号は、少なくとも1つのデジタルフィルタによって前記デジタル信号からフィルタ係数の組に基づいて生成される。
【背景技術】
【0002】
デジタルフィルタを含むフロントエンドを持つ上述した種類の測定デバイスの一例は、国際公開第2018/162365A1号に記載されている。この公報に記載される測定デバイスは、その測定デバイスの入力チャネルに印加されるアナログテスト信号に基づいてデジタルフィルタのフィルタ係数の組を決定することによって較正されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
動作中、生理学的測定デバイスは、測定処理の特定の技術的側面をモニタリングし、特定の問題、例えば、デバイス、ケーブル或いはセンサ/トランスデューサの不良、重大な干渉の存在が発生した場合、又はセンサ/トランスデューサと患者との間の接続が低品質である若しくは喪失された場合、ユーザに警告すべきである。
【0004】
さらに、アラーム検出及び処理のためのこのモニタリングをコスト効率の良い方法で、すなわち、モニタリングを実施するのに必要とされる追加の回路及び計算能力の観点から、低オーバーヘッドで提供することが望ましい。
【0005】
最後に、前記モニタリングは、適用可能な技術規格に従って補助電流を制限している場合でも、(例えば、接着電極の接触品質を決定するための能動インピーダンス測定のために)患者身体への補助電流の注入を伴うべきではない。測定デバイスがその規格に準拠している場合でも、異なるデバイスが同じ患者を同時にモニタリングするために使用される場合、これらデバイス間に望ましくない相互作用の危険性がある。前記補助電流の生成は、デバイスの電力消費も増大させ、これは、バッテリー給電型の測定デバイスにおける1つの要因であり得る。
【0006】
従って、本発明の目的は、同じ患者に適用される他の測定デバイスとの干渉を最小限に抑えながら、コスト及び電力消費の観点からアラーム関連のモニタリングを効率的に実施することを可能にする測定デバイス、方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様において、生理学的測定デバイスが提示され、この生理学的測定デバイスは、当該生理学的測定デバイスのフロントエンド回路から少なくとも1つのデジタル信号を入力するように構成されるプロセッサであって、前記デジタル信号は、前記フロントエンド回路の入力部に存在するアナログ信号と、少なくとも1つのフィルタリングされたデジタル信号とを表し、前記フィルタリングされたデジタル信号は、少なくとも1つのデジタルフィルタによって前記デジタル信号からフィルタ係数の組に基づいて生成される、プロセッサ、前記デジタル信号及び前記フィルタリングされたデジタル信号に基づいて適応演算(adaptation operation)を行うように構成される係数計算機、並びに前記適応演算の結果からアラーム情報を決定するように構成されるチェッカーを有する。
【0008】
本願の発明者は、適応フィルタを実装するために必要とされる前記適応演算の結果が、アラーム関連のモニタリングのために活用され得ることを認識した。結果として、このアラーム関連のモニタリングを提供するために、僅かな追加の努力しか必要とされない。さらに、例えば、補助電流を注入することによるインピーダンス測定のための特別なアナログモニタリング回路が省かれる。結果として、前記測定デバイスのコスト及び電力消費が低くなる。注入される補助電流がないため、他の測定デバイスとの干渉が最小限に抑えられる。
【0009】
前記適応演算の結果は、更新されたフィルタ係数の組を含み、アラーム情報を決定することは、この更新されたフィルタ係数の組に基づいている。適応演算の結果に含まれる如何なる情報も使用されることができるが、前記フィルタ係数の使用は、適応フィルタ係数が測定デバイスに印加されるアナログ信号の特性を反映しているので、アラーム状態を効果的に検出することを可能にする。
【0010】
好ましくは、前記チェッカーは、前記適応演算の結果の少なくとも1つの変数に対して定義される少なくとも1つの制約に基づいて動作する制約チェッカーである。すなわち、アラーム情報を決定することは、前記フィルタ係数の組の中の少なくとも1つのフィルタ係数に適用可能な少なくとも1つのアラーム制約に基づいている。
【0011】
一例において、前記適応演算は、フィルタ係数に関する少なくとも1つの値制約を受け、アラーム制約は、この値制約の下位セット(subset)である。制約は、特定の変数、例えば、フィルタ係数が到達することができる値の組を定義する。簡潔にするため、制約及びこの制約によって定義される夫々の組は、本明細書において同義語と見なされる。例えば、デジタルフィルタが適切に機能することを保証するために、特定の変数、例えば、フィルタ係数が妥当な範囲内にあることを確信するため、値制約が前記適応演算で検討される。アラーム情報を決定することは、前記適応演算の結果に対して少なくとも1つのアラーム制約をチェックすることを有する。
【0012】
様々な種類のアラームが存在する。アラームの種類は、“電極の品質が低い”、“電極オフ”、“干渉”、“不良ケーブル”及び/又は“不良デバイス”を含む。複数の異なる種類のアラームを検出及び処理することを可能にするために、アラーム情報は、異なるアラームの種類に関する複数のアラーム情報要素を有し、特定のアラーム制約は、これらのアラーム情報要素の各々に割り当てられていると提案される。
【0013】
アラームの種類は、予め定義されたクラスでもよい。あるクラスは、テクニカルアラーム(technical alarm)に対応する。テクニカルアラームは、測定デバイスが実行する測定処理の技術的又は物理的側面に関するアラーム又は故障状態を含み、例えば、測定デバイスの内部欠陥、入力部に接続される不良ケーブル、不良電極センサ或いはトランスデューサ、重大な干渉の存在、又は入力部と夫々の電極センサ/トランスデューサとの間の不良接続或いは接続の喪失のような問題が発生した場合に作動する。別のクラスは、アプリケーション特有のアラームに対応する。アプリケーション特有のアラームは、測定デバイスによって測定される生理学的パラメタ又は処理の予め定義される状態を指す。従って、特定の実装形態において、アラームの種類は、テクニカルアラーム及び/又はアプリケーション特有のアラームを含む。
【0014】
別の実施形態において、アラーム情報を決定することは、アラーム制約の少なくとも1つのグループに基づき、このアラーム制約のグループの中のアラーム制約は、特定の種類のアラームの異なる重大度レベルと関連付けられている。特定のアラームの種類に対し、2つ以上のアラーム制約からなるグループを定義するとき、夫々のアラーム情報要素は、そのアラームの種類に関する前記異なる重大度レベルに対応する3つ以上の異なる離散値を有する。
【0015】
例示的な実装形態において、簡単で信頼できる前記重大度レベルの決定を可能にするために、アラーム制約のグループの中のアラーム制約は、前記グループの第1のアラーム制約から始まり、前記グループの特定のアラーム制約の各々の後続するアラーム制約が、当該特定のアラーム制約の上位セット(superset)であるように、後続するアラーム制約が前記特定のアラーム制約よりも高い重大度レベルに対応するようにソート可能である。
【0016】
本開示の原理は、1つのアナログ信号を処理するように構成される単一チャネルの測定デバイスに有利に適用されることができるが、多くの実用的な応用、特にECG又はEEGは、(例えば、ECG又はEEG電極から生じる)複数のアナログ信号を処理するように構成されるマルチチャネルデバイスに基づいている。そのようなマルチチャネルの応用において、前記適応演算の結果は、複数のデジタルフィルタ及び複数のアラーム制約に関する複数のフィルタ係数の組を有し、これらアラーム制約の各々は、前記複数のフィルタ係数の組の中の異なる組に適用可能である。前記適応演算の複数の異なる結果に関する複数の制約を同時にチェックすることは、ジョイント制約チェック(joint constraint check)とも呼ばれる。
【0017】
本開示は、適応演算を実行するために使用される特定の種類の方法ではないが、適応演算を行うことが、最適化問題を解くことを有することが好ましい。このとき、デジタルフィルタの特性は、最大化又は最小化されるべきメトリック、並びに値制約に基づいて定義される。
【0018】
本発明のさらなる態様において、生理学的測定デバイスを動作させるための方法が提示され、前記方法は、測定デバイスのフロントエンド回路から、このフロントエンド回路の入力部に存在するアナログ信号を表す少なくとも1つのデジタル信号を入力するステップ、少なくとも1つのデジタルフィルタによって前記デジタル信号からフィルタ係数の組に基づいて生成される少なくとも1つのフィルタリングされたデジタル信号を入力するステップ、前記デジタル信号及び前記フィルタリングされたデジタル信号に基づいて適応演算を行うステップ、並びに前記適応演算の結果からアラーム情報を決定するステップを有する。
【0019】
本発明のさらに別の態様において、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、本明細書に開示される方法、特に生理学的測定デバイスを動作させるための方法のステップを前記コンピュータに行わせるためのプログラムコード手段を有する対応するコンピュータプログラム、及びプロセッサによって実行されるとき、本明細書に開示される方法を行う、コンピュータプログラム製品を記憶する非一時的なコンピュータ可読な記録媒体を提供する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に定義される。請求される方法、システム、コンピュータプログラム及び媒体は、請求されるシステム、特に従属請求項に定義される及び本明細書に開示されるのと同様の及び/又は同一の好ましい実施形態を持つことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、これを参照して説明される。
図1図1は、生理学的測定デバイスのブロック図を示す。
図2図2は、図1の生理学的測定デバイスを動作させるための方法のフローチャートを示す。
図3図3は、例示的なアラーム制約を示す。
図4図4は、異なる種類のアラームに関するアラーム制約の組を示す。
図5図5は、あるアラームの種類であるが、このアラームの種類に関する異なる重大度レベルに関するアラーム制約のグループを示す。
図6図6は、異なるチャネルと関連付けられる複数のデジタルフィルタを有する生理学的測定デバイスの信号フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、生理学的測定デバイス11のブロック図を示す。本開示は、特定の種類の生理学的又は医学的測定デバイスに限定されない。デバイス11は、患者モニタ、母親/胎児モニタ、電気解剖学的イメージングシステムでもよい。さらに、前記測定デバイスは、スマートウォッチ又は例えば心電図(ECG)曲線のような生理学的パラメタをモニタリングする能力を備えるフィットネストラッカーのような消費者向けのデバイスでもよい。
【0023】
基本的に、測定デバイス11は、このデバイス11によって測定される生理学的パラメタを表すアナログ電気信号sを入力するための入力部13を有する。このデバイス11を動作させているとき、入力部13は通例、人間又は患者の身体に当てられる電極、センサ又はトランスデューサなど(図示せず)に接続される。さらに、デバイス11は、アナログフロントエンド回路17及びデジタルセクション19を有するフロントエンド15を含む。フロントエンド15は、デバイス11のバックエンドユニット21に接続される。
【0024】
フロントエンド回路17は、その入力部が前記入力部13に結合され、その出力部がフロントエンド回路17のアナログ-デジタル変換器(ADC)25に接続されるアナログフィルタ23を有する。示される例において、アナログフィルタ23は、アンチエイリアシングフィルタとして機能するように設計される。しかしながら、アナログフィルタは、異なる及び/又はさらなる目的のために設計されてもよいし、或いは完全に省略されてもよい。アナログ-デジタル変換器25は、入力部13に印加され、アナログフィルタ23によってフィルタリングされるアナログ信号sを、夫々のデジタル入力信号xに変換するように構成される。フロントエンド回路17は、前記入力信号xが適応デジタルフィルタ27によって処理されるように、フロントエンド15のデジタルセクション19の適応デジタルフィルタ27の入力部に接続される。
【0025】
適応デジタルフィルタ27は、入力信号xを処理(例えば、フィルタリング)し、それによって、入力信号xからフィルタ係数の組f,...,f,...,fに基づいて出力信号yを生成するように構成される。ここで、Kはフィルタ係数の数を示す。この目的のために、適応デジタルフィルタ27は、有限インパルス応答(FIR)トポロジーに従ってデジタルフィルタを実装するフィルタブロック29を含む。異なる種類のフィルタトポロジーも同様に適用することができる。従って、デジタル出力信号yは、デジタル入力信号xをフィルタリングすることによって生成されるフィルタリングされた信号に対応する。
【0026】
デジタルセクション19の適応デジタルフィルタ27の出力部は、測定デバイス11を動作させているとき、前記出力信号yがバックエンドユニット21に転送されるように、測定デバイス11のバックエンドユニット21に接続される。バックエンドユニット21は、考慮される応用(例えば、ECG又はEEG)が必要とするような、生理学的パラメタを表す出力信号yを処理及び/又は分析する機能を含む。測定デバイスの種類に応じて、バックエンドユニット21は、人間のユーザと対話するための(特に、出力信号yによって表されるパラメタを視覚化するための)ユーザインターフェースデバイス、及び/又は出力信号yによって表されるパラメタに関するデータをコンピュータシステムに転送するための通信回路を含む。
【0027】
適応デジタルフィルタ27は、フィルタ係数fを計算するように構成される係数計算機31を有する。示される例において、係数計算機31は、測定デバイス11の動作中、前記係数fの組を繰り返し計算するように適応する。例えば、係数計算機31は、定期的に又は測定デバイス11内で事象が発生したことに応じて、フィルタ係数fの組を再計算することができる。
【0028】
そのような適応演算を行うための任意の適切なアルゴリズムが係数計算機31に実装されてもよい。例えば、入力信号x、出力信号y及び現在のフィルタ係数fの組に基づいて、フィルタ係数fの組を再計算する更新アルゴリズムを実装することができる。示される例において、ブロック31に実装される更新アルゴリズムは、最適化方法を適用し、出力信号yのメトリック、例えば、基準信号からの偏差、時間領域或いは周波数領域特性、又は例えば、全変動、歪度、尖度或いはエントロピーのような出力信号yの統計的メトリックを最小化又は最大化する。このメトリック(又は他の任意の種類のターゲット関数)は、様々な態様に基づいて最適化される出力信号の信号品質を測定するために定義されてもよい。例えば、一態様は、最小化されるべき信号のコモンモード成分である。信号品質のさらなる態様は、信号内の周波数帯域の有無、信号のDC部分、又は飽和/オーバーフローを防止するための数値範囲制限に関する。
【0029】
従って、係数計算機31によって行われる演算は、新しいフィルタ係数fの組、特に現在のフィルタ係数fの組を更新したバージョンを生成するための適応演算である。この適応演算の結果は、新たに計算されたフィルタ係数fの組を含む。
【0030】
フロントエンド15のデジタルセクション19は、前記適応演算の結果からアラーム情報を決定するように構成されるアラーム制約チェッカー33をさらに含む。この目的のために、アラーム制約チェッカー33は、前記アラーム情報を決定するために、前記適応演算の結果にアラーム制約を適用する。図1に示されるように、アラーム情報Aは、異なるアラームの種類に関する複数のアラーム情報要素a,...,aを含む。個々のアラーム制約は、予め定義されてもよい。例えば、前記フィルタ係数の組に基づくアラーム制約C(f,...,f)が、第1のアラーム情報要素aを決定するために定義されてもよい。従って、他の制約C,...,Cが他のアラーム情報要素及びアラームの種類に関し定義されることができる。アラーム制約は、適応演算の結果の少なくとも一部の値の組を定義する。例えば、アラーム制約は、前記フィルタ係数の組f,...,kの中の値の組を定義することができる。以下に説明されるように、前記制約は、前記適応演算の結果に属する変数を含むベクトルx、例えば、x=(f,...,f)に関する不等式を用いて定義されることができる。
【0031】
デジタルセクション9のアラーム発生器35は、アラーム情報Aを入力し、このアラーム情報Aに基づいて少なくとも1つのアラームを発生するように構成される。アラーム発生器35は、アラーム情報Aに基づいて、テクニカルアラームCTと呼ばれる第1のクラスのアラームを発生するように構成される。テクニカルアラームは、測定処理の技術的又は物理的側面に関するアラーム又は破損状態を含み、測定デバイス11の内部欠陥、入力部13に接続される不良ケーブル、不良電極、センサ若しくはトランスデューサ、重大な干渉の存在、又は入力部13と夫々の電極/センサ、トランスデューサとの間の接続の品質が低い又は接続の喪失のような問題が発生した場合に作動する。アラーム発生器35は、テクニカルアラームCTをバックエンドユニット21に転送するように適応する。
【0032】
図1に示される例の拡張によれば、アプリケーション特有のアラームCAは、テクニカルアラームCTに加えて又はテクニカルアラームCTの代わりに、アラーム発生器35によって生成されることができる。アプリケーション特有のアラームCAのクラスは、測定デバイス11によって測定される生理学的パラメタ又は処理の予め定義された状態、例えば、ECGにおける“心室細動”を指す。
【0033】
示される例の制約チェッカー33は、係数計算機31によって繰り返し計算される前記フィルタ係数fの組に対して動作しているが、このフィルタ係数fに加えて又はこのフィルタ係数fの代わりに、係数計算機31の他の状態情報を使用することが可能である。この内部の状態情報は、図1においてgのラベルが付いた破線の矢印として示され、例えば、ブロック31における最適化手法を利用するとき、少なくとも1つのスラック(slack)変数を含むことができる。
【0034】
フロントエンド15のデジタルセクション19によって行われる動作は、少なくとも部分的にソフトウェアで行われる。一般的に、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せを使用して、デジタルセクション19の本明細書に説明される機能を実装することができる。従って、測定デバイス11、好ましくは、デジタルセクション19は、例えば処理ユニット37のようなプログラム可能なコンピュータを含む。処理ユニット37は、この処理ユニット37のメモリデバイス41に記憶されるコンピュータプログラムを実行するように動作可能である少なくとも1つのプロセッサ39を含む。前記コンピュータプログラムは、測定デバイス11によって行われる少なくとも幾つかの動作を実行するようにプログラムされる。さらに、このプログラムは、測定デバイス11を動作させるための方法を実行するようにプログラムされてもよく、この方法は、以下により詳細に説明される。処理ユニット37は、汎用コンピュータでもよく、そのI/O回路は、本明細書に説明される動作が実行されるように、測定デバイスの残りの部分と結合される。
【0035】
図2は、生理学的測定デバイス11を動作させるための方法43を示す。前記方法43のスタート45の後、フロントエンド回路17から入力信号xを入力するためのステップ47が行われ、この入力信号xは、フロントエンド回路17の入力部に存在するアナログ信号sを表す。
【0036】
後続するステップ49において、出力信号yが入力され、この出力信号yは、適応デジタルフィルタ27のデジタルフィルタブロック29によって生成されるフィルタリングされたデジタル信号に対応する。
【0037】
信号x及び/又はyを入力した後、前記方法43は、入力信号x、出力信号y及び/又は現在のフィルタ係数fの組に基づいて、新しいフィルタ係数fの組を計算するために、適応演算51を行う。他の例において、適応演算51が入力信号x又は出力信号yを必要としない場合、夫々の入力動作47又は49は省略されることができる。
【0038】
計算されるフィルタ係数fの組は、ステップ51で行われた適応演算の結果に属する。ステップ51の後に実行されるステップ53は、適応演算51の結果に基づいてアラーム情報Aを決定する。
【0039】
最後に、前記方法43のステップ55は、前記アラーム情報Aに基づいて少なくとも1つのアラームを生成する。上に説明されるように、具体的な実装に応じて、テクニカルクラスのアラームCT及び/又はアプリケーション特有クラスのアラームCAがサポートされる。
【0040】
次いで、ステップ47に戻ることによって、前記方法43の次の繰り返しが行われるまで待機するためのステップ57が実行される。ステップ57は、予め定義された遅延に基づいて及び/又は測定デバイス11内で発生する予め定義された事象に基づいて、前記次の繰り返しを作動させることができる。具体的には、ステップ57は、入力信号x及び/又は出力信号yの十分な数のサンプルが測定デバイス11の動作中に生成され、入力する準備が整うまで待機することができる。
【0041】
ステップ47、49、51及び57は、フロントエンド15によって出力される信号yの品質を改善するために、適応フィルタ技術を使用する測定デバイス11に関連して使用される。主に前記制約に対する前記適応動作の結果をチェックすることを含むステップ53及び55は、アラームの生成及び処理に関する測定デバイス11の機能に専念する。結果として、アラームを検出及び生成する回路全体が信号処理回路と並列に構築される他の手法と比較して、アラームの生成に起因するオーバーヘッドは低い。さらに、アラームは、例えばテスト信号が入力部13に印加されることを必要とするインピーダンス測定処理のような、特定の測定処理から独立して検出及び生成されることができる。テスト信号が無いことは、測定デバイス11の設計を簡単にするだけでなく、本測定デバイス11と同じ人/患者に接続される他の医療デバイス(図示せず)との望ましくない相互作用の可能性も減らす。
【0042】
図3に示されるように、ステップ53及びステップ33において評価されるアラーム制約は、例えばフィルタ係数f、fに対する前記適応演算の結果の様々な変数によって定義される空間における幾何学的範囲として解釈されることができる。例えば、デジタル適応フィルタ27は、例えばフィルタ係数のようなパラメタを値制約の組に制約してもよい。次いで、夫々の前記値制約の下位セットとしてアラーム制約が定義される。係数計算機31によって考慮される値制約は、矩形61として示される。フィルタ係数f、fの有効解(valid solution)は、この矩形61内にある。アラーム制約は、円63によって制限される。より具体的には、アラーム制約63は、フィルタ係数f、fが円63の外側にある地点に対応しなければならないことを必要とする。従って、ドット状の領域65は、アラーム情報Aがアラームを示さない“良好な領域”と呼ばれる。しかしながら、円65の外側の斜線領域67は、アラーム制約に対応し、従って、ブロック33及びステップ53によって行われる制約のチェックが、アラーム発生器35によってその後処理されるアラームを示すアラーム情報Aを生成する“アラーム領域”に対応する。図3は、単に一例を示すだけである。一般的に、アラーム制約63は、係数計算機31によって適用される値制約61の下位セットであるように選択されるべきである。
【0043】
図4は、異なるアラーム制約63a、63bが、異なる種類のアラームに関して定義される例を示す。第1のアラーム制約は、格子柄領域63a内にある地点を示すフィルタ係数f、fに対応する。図4に斜線領域63bとして示される別の領域は、第2のアラーム制約に対応する。この斜線領域63b内にある地点に対応するフィルタ係数f、fは、第2のアラーム制約に対応する。これら2つのアラーム制約63a、63bの外側であるが、値制約61内にある領域65は、“良好な領域”に対応する。示される例において、第1のアラーム制約は、(電極との接続が不十分である)“電極オフ”アラームを定義し、領域63aに対応する。第2のアラーム制約は、(測定デバイス11及び/又は電極、トランスデューサ、センサなどが過度の干渉を受けている)“干渉アラーム”、並びに斜線領域63bに対応する。
【0044】
他のアラームは、“電極の品質が低い”、“電極オフ”、“不良ケーブル”及び/又は“不良デバイス”などを含むことができる。
【0045】
図5は、夫々のアラーム情報要素aが3つ以上の異なる離散値を持つ一方、図3の例に従って生成されるアラーム情報は、ブール(Boolean)型(2つの異なる離散値)である、図3の例の拡張を示す。図5に示されるように、アラーム制約のグループは、前記夫々のアラーム情報を決定するために使用される。異なるアラーム制約は、特定の種類のアラームの異なる重大度レベルに関連付けられる。示される例において、2つのアラーム制約63は、アラーム制約のグループ69に属する。夫々の領域は、“イエロー領域”(ドット状のリング状領域)及び“レッド領域”(実線の破線)に対応する。良好な領域65は、図5の中心にある白色円板に対応する。この文脈において、良好な領域65は、“グリーン領域”とも呼ばれる。“グリーン”、“イエロー”、“レッド”は、アラームの重大度レベルの増大に関連する。3つ以上の離散値を持つことができるアラーム情報要素を有するアラームを使用して、電極品質を示すので、3つ以上のレベルの電極品質を決定することができる。
【0046】
複数の種類のアラームを示す図4の例は、アラーム制約のグループを少なくとも1つのアラームの種類に割り当てることによって、同じ方法で拡張することができる。
【0047】
一般的に、アラーム制約の1つのグループの中のアラーム制約は、そのグループの第1のアラーム制約(例えば、イエロー領域)から始まり、そのグループの特定のアラーム制約の各々の後続するアラーム制約が、そのアラーム制約の上位セットであるように定義されるべきである。この各々の後続するアラーム制約は、より高い重大度レベルに対応する。図5に示されるように、最高の重大度レベルに対応するアラーム制約は、値制約61と同一である。
【0048】
図6に示されるように、本開示の原理は、複数のチャネルを持つ測定デバイス11に関連して適用されることもできる。示される例は、2つのチャネルを持つ。従って、2つのアナログ信号s、s(図示せず)、2つの夫々のデジタル入力信号x、x、及びフィルタリングされた2つの夫々の出力信号y、yが存在する。デジタルセクション19の減算器71は、減算器71によって差分測定を行い、夫々のベクトル信号vを出力するように、第1の出力信号y1から第2の出力信号yを減算するように構成される。さらに、複数のデジタルフィルタ27が実装され、これらフィルタの各々は、特有の入力信号x、xに割り当てられる。アラーム制約チェッカー33によって考慮される適応演算の結果は、個々の適応デジタルフィルタの係数計算機31によって行われる適応演算の結果を含む。アラーム制約チェッカー33は、ジョイントアラーム制約チェックを行うように、すなわち、夫々のアラーム制約に対し、別々の適応デジタルフィルタ27の一部である複数の係数計算機31の適応演算の結果(例えば、フィルタ係数fk,1、fk,2の組)をチェックするように構成される。
【0049】
上記の例において、2次元の図面の形状で示されているが、実際の実施において、前記値制約及びアラーム制約は、行列方程式の不等式又は行列方程式のベクトルのノルムとして表すことができる。これらの数式(例えば、行列方程式の不等式)に基づく計算は、制約チェッカー33及び夫々の方法ステップ53において実施することができる。前記方程式は、線形方程式、多項式又は他の種類の非線形方程式でもよい。前記方程式に基づく公式化が不適切である場合、前記値の及び/又はアラーム制約をアルゴリズム形成で表し、このアルゴリズム形成に基づいて、制約チェッカー33及び夫々の方法ステップ53を実施することも可能である。
【0050】
線形方程式を使用する場合、適応フィルタのパラメタ、例えばフィルタ係数の組を含むベクトルxの一般的な形式は、
x+d≦0
||Ax+b||+d≦0
||Ax+b||+d≧0
である。行列A、ベクトルb及びc、スカラーd、並びにベクトルのノルム||・||(例えばユークリッド(l2)ノルム、マンハッタン(l1)ノルム、最大値(l∞)ノルム)の選択に応じて、多種多様な制約の種類を公式化することができる。
【0051】
制約の上記形式の仕様は、更新されたフィルタ係数の組を計算するために使用される値制約を定義すること、並びに制約チェッカー33及び方法ステップ53によって適用されるアラーム制約を定義することの両方に適用されることができる。しかしながら、各々のアラーム制約は、値制約の下位セット、言い換えれば、各々のアラーム制約に従って許容される値xの組は、値制約に従って許容される値xの下位セットである。この下位セットの関係は、図3図5にも図示されている。全てのアラーム制約は、夫々の値制約に対応する矩形61によって囲まれる領域内にある領域として示される。
【0052】
幾つかの例を以下に示す。
x-d≦0:(f=0Hzでの利得である)係数の合計をd未満に制限
-1x+d≦0:f=0Hzでの利得をdより上に制限
||x-x||-d≦0:基準点、初期点又はデフォルト点xからの距離xを最大でdに制限
【0053】
最後の例は、理想的な場合のxの値は分かっていて、それをフィルタ係数の初期値xとして使用する場合に特に有用である。スカラーcは、適応フィルタ係数がアラームを作動させることなく到達し得る、理想的な場合からの最大距離として解釈される。
【0054】
要約すると、本明細書に説明される測定デバイス11は、その信号処理チェーンの一部として適応フィルタを含む、前記測定デバイスにおいてテクニカルアラームを生成するための手段又はアプリケーション特有のアラームを生成するための手段を含む。言い換えると、アラームの生成及び処理を専門とする部分33及び35、並びにステップ53及び55は、例えば、ブロック31及びステップ51においてフィルタ係数を更新するような、いずれにしても測定される信号を処理するために必要とされる機能に依存する。結果として、エラーの生成及び取扱いを簡単で効率的に実施することができる。
【0055】
本発明が、図面及び上記の説明において詳細に例示及び説明されているが、そのような例示及び説明は、例示的又は説明的であって、限定的ではなく、本発明は開示される実施形態に限定されないと考えられるべきである。開示される実施形態に対する他の変形例は、図面、本開示及び添付の請求項の検討から、請求される発明を実施する際に当業者によって理解及び実施されることができる。
【0056】
請求項において、“有する”という言葉は、他の要素又はステップを排除するものではなく、複数あることを述べていたくても、それらが複数あることを排除しない。単一の要素又は他のユニットが、請求項に列挙される幾つかの項目の機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用することができないことを示すものではない。
【0057】
コンピュータプログラムは、適切な一時的な媒体、例えば他のハードウェアと一緒に或いはその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体上に記憶/配布されてもよいが、他の形式、例えばインターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介して配布されてもよい。
【0058】
請求項における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】