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特表2024-525358吸着剤及びその調製方法、ヘキサメチレンジアミンの純化方法、有機ジアミンの調製方法及び使用される装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】吸着剤及びその調製方法、ヘキサメチレンジアミンの純化方法、有機ジアミンの調製方法及び使用される装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/22 20060101AFI20240705BHJP
   B01J 29/85 20060101ALI20240705BHJP
   B01J 27/14 20060101ALI20240705BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B01J20/22 C
B01J29/85 Z
B01J27/14 Z
B01J20/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577930
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 CN2022104898
(87)【国際公開番号】W WO2023011117
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110881293.9
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110882630.6
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523472962
【氏名又は名称】チャンスー ヤンノン ケミカル グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ゲンリン
(72)【発明者】
【氏名】ディン,ケホン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ツェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ガン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ユエ
(72)【発明者】
【氏名】メイ,シュエゲン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ニー,キンチャオ
【テーマコード(参考)】
4G066
4G169
【Fターム(参考)】
4G066AA05C
4G066AA20C
4G066AA22C
4G066AA61C
4G066AA63C
4G066AB10C
4G066AB30B
4G066AC16D
4G066AC17C
4G066AC17D
4G066AC33C
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA21
4G066BA26
4G066CA27
4G066DA10
4G066EA13
4G066EA20
4G066FA03
4G066FA07
4G066FA11
4G066FA33
4G066FA34
4G066FA38
4G169AA02
4G169AA03
4G169BA07
4G169BA08A
4G169BA08B
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169BD07A
4G169BD07B
4G169CB06
4G169CB77
4G169EA04Y
4G169EA06
4G169EA30
4G169EC03Y
4G169EC07Y
4G169EC15Y
4G169FA02
4G169FB14
4G169FB34
4G169FB55
4G169GA06
4G169ZA43
4G169ZC04
(57)【要約】
本発明は、吸着剤及びその調製方法、ヘキサメチレンジアミンの純化方法、有機ジアミンの調製方法及び使用される装置を提供する。吸着剤は、担体と、担体上に担持された表面分子とを含み、表面分子の間に印影キャビティが形成され、印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングする。吸着剤の調製プロセスが短く、工業化生産に適しており、しかも吸着剤はアゼピン系化合物に対して特異的な吸着効果があり、ヘキサメチレンジアミン中の痕跡量不純物の吸着分離に好適に適用でき、ヘキサメチレンジアミンの製品純度が著しく向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体と、担体上に担持された表面分子を含み、前記表面分子が分子インプリントポリマーであり、
前記表面分子の間に印影キャビティが形成されており、前記印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングすることを特徴とする吸着剤。
【請求項2】
前記担体は、三酸化二アルミニウム、シリカ、活性炭、ZSM-5モレキュラーシーブ又はモンモリロナイトのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記吸着剤の粒子径は50nm~5μmであり、
好ましくは、前記吸着剤の比表面積は100m/g~1000m/gであり、
好ましくは、前記アゼピン系化合物は3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンから選択され、
好ましくは、前記担体は、アミノ基が担持された担体であり;
好ましくは、前記表面分子は、機能性単体と、架橋剤と、アゼピン系化合物とで重合した後、アゼピン系化合物を除去した重合分子を含み、
好ましくは、前記機能性単体は、アミン類物質及び/又はピリジン類から選択され、好ましくはアクリルアミド、o-フェニレンジアミン又は2-ビニルピリジンのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート又はN,N-メチレンビスアクリルアミドのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸着剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法であって、
(1)機能性単体及びアゼピン系化合物テンプレートとを予備重合させ、予備重合反応材料を得るステップと、
(2)前記予備重合反応材料と、担体と、架橋剤と、開始剤とを重合反応させ、ポリマー粒子を得るステップと、
(3)前記ポリマー粒子は、アゼピン系化合物テンプレートを除去した後、前記表面分子インプリント機能化された吸着剤を得るステップと、
を含むことを特徴とする調製方法。
【請求項4】
前記ステップ(1)において、前記アゼピン系化合物テンプレートは、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンから選択され、
好ましくは、前記機能性単体は、アミン類物質及び/又はピリジン類であり、好ましくはアクリルアミド、o-フェニレンジアミン又は2-ビニルピリジンのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記機能性単体とアゼピン系化合物テンプレートとのモル比は1~6:1であり、
好ましくは、前記予備重合は、第1有機溶剤に行われ、
好ましくは、前記アゼピン系化合物テンプレートと前記第1有機溶剤との配比は0.5g:1L~10g:1Lであり、
好ましくは、前記第1有機溶剤はアルコール類溶媒であり、好ましくはメタノール、エタノール又はプロパノール中の1種又は2種であり、さらに好ましくはエタノールであり、
好ましくは、前記予備重合の反応温度は10℃~40℃であり、前記予備重合の反応時間は1h~20hであり、
好ましくは、前記予備重合は撹拌条件で行われることを特徴とする請求項3に記載の調製方法。
【請求項5】
前記ステップ(2)において、前記担体と第1有機溶剤との配比は5g:1L~30g:1Lであり、
好ましくは、前記架橋剤とアゼピン系化合物テンプレートとのモル比は18~22:1であり、
好ましくは、前記開始剤と前記第1有機溶剤との配比は0.1g:1L~1g:1Lであり、
好ましくは、前記開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル及び/又は過硫酸アンモニウムを含み、
好ましくは、前記架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート又はN,N-メチレンビスアクリルアミドのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記重合反応の温度は40℃~80℃であり、
好ましくは、前記重合反応の時間は10h~48hであり、
好ましくは、前記重合反応は、まず、第1分散で予備重合反応材料と担体を混合し、前記第1分散した後、前記架橋剤と前記開始剤をさらに加え、前記重合反応を行うことを含み、
好ましくは、前記第1分散した後、第1保護雰囲気に架橋剤と開始剤をさらに加え、
好ましくは、前記第1保護雰囲気は、窒素ガス、ヘリウムガス又はアルゴンガスのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の調製方法。
【請求項6】
前記ステップ(3)において、前記アゼピン系化合物テンプレートを除去するステップは、混合酸液を採用して前記ポリマー粒子中のアゼピン系化合物テンプレートを抽出することを含み、
好ましくは、前記混合酸液は、ギ酸と酢酸を含有し、
好ましくは、前記ギ酸と酢酸との体積比は5~10:1であり、
好ましくは、前記抽出はソックスレー抽出であることを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項7】
前記担体は、改質されて前記ステップ(2)に加え、
好ましくは、前記担体の改質方法は、出発担体と、第2有機溶剤と、アミノ基含有有機物とを混合し、改質反応を行い、得られた改質反応物を、順次に固液分離、洗浄及び第2乾燥を経て、改質担体を獲得し、
好ましくは、前記出発担体は、三酸化二アルミニウム、シリカ、活性炭、ZSM-5モレキュラーシーブ又はモンモリロナイトのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記第2有機溶剤はトルエンを含み、
好ましくは、前記アミノ基含有有機物はアミノシラン、好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランであり、
好ましくは、前記改質反応の温度は80℃~100℃であり、
好ましくは、前記アミノ基含有有機物と出発担体との質量比は1~10:1であり、
好ましくは、前記出発担体と第2有機溶剤との配比は15g:1L~30g:1Lであり、
好ましくは、出発担体、第2有機溶剤及びアミノ基含有有機物を混合する順序は、まず、第2分散で出発担体と第2有機溶剤を混合した後、前記第2分散の後、アミノ基含有有機物をさらに加えることを含み、
好ましくは、前記第2分散の後、第2保護雰囲気下でアミノ基含有有機物を加え、
好ましくは、前記第2保護雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス又はヘリウムガスのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記洗浄は、順次行われるトルエン洗浄とメタノール洗浄を含むことを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項8】
前記吸着剤がアゼピン系化合物の分離、好ましくはアゼピン系化合物不純物の除去に適用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤の使用。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用して不純物の吸着分離を行うことを特徴とするヘキサメチレンジアミンの純化方法。
【請求項10】
前記純化方法は、前記吸着剤を利用して粗ヘキサメチレンジアミン中のアゼピン系化合物不純物を吸着することを含み、
好ましくは、前記粗ヘキサメチレンジアミンと吸着剤の質量比は300~600:1であることを特徴とする請求項9に記載の純化方法。
【請求項11】

アミノニトリル系有機物と水素ガスが水素化触媒の作用下で水素化反応を行い、有機ジアミンを含む反応後材料を得るステップと、
前記反応後材料は、第2精製及び第2吸着を経て、前記有機ジアミンを獲得し、前記第2吸着が請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用し、前記第2精製は第2精留処理であるステップと、
を含むことを特徴とする有機ジアミンの調製方法。
【請求項12】
前記水素化触媒は、γ-Fe/SiO、Rh/SiO、Pt-Rh/Al、Fe-SiO-Ag、Ru-Fe-Al、ラネーニッケル、アモルファスニッケル又は炭素ベースコバルト触媒中の1種又は複種を含み、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒は窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒であり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒の成分は、活性成分と主体成分とを含み、前記活性成分は、コバルト、リン、窒素を含み、前記主体成分は炭素を含み、前記炭素ベースコバルト触媒中の前記コバルトの含有量は0.5%~15%であり、前記リンの含有量は0.1%~5%、前記窒素の含有量は1%~10%であり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒の比表面積は50m/g~1000m/gであり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒中のリンと窒素との質量比は1:0.5~20であり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒に被覆構造の炭素層を有することを特徴とする請求項11に記載の調製方法。
【請求項13】
前記水素化反応は磁気安定化反応装置に行われ、好ましくは前記水素化反応の圧力は0.1MPa~5MPaであり、好ましくは前記水素化反応の温度は25℃~200℃であり、好ましくは前記水素化反応における磁場強度は1000A・m-1~8000A・m-1であり、好ましくは前記アミノニトリル系有機物の空間速度は0.01h-1~20h-1であり、好ましくは前記水素ガスとアミノニトリル系有機物とのモル比は2~100:1であることを特徴とする請求項11又は12に記載の調製方法。
【請求項14】
前記第2吸着は、第2精製された粗有機ジアミンを第2吸着剤で不純物を吸着し、前記有機ジアミンを得ることを含み、好ましくは前記粗有機ジアミンと前記表面分子インプリント機能化された吸着剤との質量比は300~600:1であり、好ましくは前記有機ジアミンの炭素原子数は3~18の自然数であり、好ましくは3~10の自然数であり、さらに好ましくはヘキサメチレンジアミンであることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項15】
前記調製方法は、アミノニトリル系有機物の調製過程を含み、前記調製過程は、
アンモニアガスを有機アミドとが混合気化され、気化物料を獲得し、前記気化物料がアンモニア化触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第1反応物を得るステップAと、
前記第1反応物は、第1精製及び第1吸着を経て、アミノニトリル系有機物を得るステップBと、
を含むことを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項16】
前記第1吸着は第1吸着剤を採用し、前記第1吸着剤は金属元素が担持された吸着剤であり、好ましくは、前記第1吸着剤は、モンモリロナイト、ZSM-5沸石モレキュラーシーブ、SiO、Al又は活性炭中の1種又は複種から選択され、前記金属元素は遷移金属元素を含み、好ましくは前記遷移金属元素はAg、Cu、Cd、Cr、Fe、Zn、Ni、Zr又はMn中の1種又は多種から選択されることを特徴とする請求項15に記載の調製方法。
【請求項17】
前記第1吸着の不純物は、炭素-炭素二重結合及び/又は炭素-炭素三重結合を含み、好ましくは、前記第1吸着剤の空間速度は0.5h-1~3h-1であり、好ましくは、前記第1吸着の温度は20℃~60℃であり、好ましくは、前記第1吸着の圧力は0.1MPa~1MPaであり、好ましくは、前記アンモニア化反応及び/又は第1精製で生成されたポリマー残渣は、順次に解重合反応、負圧脱水及び負圧蒸留を経て、それぞれアミノニトリル系有機物及び有機アミドを得ることを特徴とする請求項15又は16に記載の調製方法。
【請求項18】
前記ステップAに助剤をさらに加え、前記助剤にアンモニア化触媒に相応する元素のうちの1種又は複種を含み、前記相応する元素は、アルミニウム元素、ケイ素元素、硼元素、窒素元素、アルカリ土類元素、遷移金属元素、リン元素を含み、
好ましくは、前記助剤の添加量は、アンモニアガス重量の0.1ppm~100ppmであり、
好ましくは、前記助剤とアンモニアガスとを混合して予熱処理を行い、混合ガスを得た後、前記有機アミドと混合し、
好ましくは、前記有機アミドは有機ラクタムであり、好ましくは前記有機アミドの炭素原子数は3~18の自然数であり、さらに好ましくは3~10の自然数であり、さらに好ましくは前記有機アミドはカプロラクタムを含むことを特徴とする請求項15~17のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項19】
前記ステップAは、アンモニアガスと第1部分の有機アミドとを混合気化した後、第1セグメント固定床反応器に導入され、第1反応温度、第1反応圧力及び第1アンモニア化触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第1反応排出試料を獲得し、
第i反応排出試料及び第i+1部分の有機アミドは、第i+1セグメント固定床反応器に導入され、iの値の範囲は1≦i≦n-1であり、且つiは自然数であり、nはn≧2の自然数から選択され、第i+1反応温度、第i+1反応圧力及び第i+1アンモニア化触媒の作用でアンモニア化反応を行い、第i+1反応排出試料を獲得し、ここで、前記第i+1反応排出試料を循環して次のステップの第i反応輸入試料としてi+1=nまでアンモニア化を行い、
好ましくは、前記第i+1反応温度>第i反応温度であり、
好ましくは、前記第i+1反応圧力>第i反応圧力であり、
好ましくは、前記第i+1アンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比>第iアンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比であり、好ましくは、前記活性成分はリン元素を含有し、好ましくは、前記担体元素はケイ素を含み、
好ましくは、前記第i+1アンモニア化触媒中の活性成分与ケイ素とのモル比は(0.1~2):1であり、
好ましくは、前記第iアンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比をTとし、第i+1アンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比をSとし、前記T与前記S的比値は1:1.2~3であり、
好ましくは、前記第1アンモニア化触媒からn触媒は、それぞれ独立して、第1類孔道を含有し、前記触媒内にさらに第2類孔道を含有し、及び/又は前記触媒がさらに突出部を含み、
好ましくは、同じ次元で、前記第2類孔道の孔長さは、前記アンモニア化触媒の長さの0.15倍~0.6倍であり、及び/又は前記突出部の突出長さは、前記アンモニア化触媒の長さの0.1倍~0.6倍であり、
好ましくは、前記第i+1反応温度は、第i反応温度よりも10℃~50℃高く、
好ましくは、前記第i+1反応圧力は、第i反応圧力よりも0.1MPa~0.5MPa高く、
好ましくは、第i部分の前記有機アミドは、第i+1部分有機アミドの量と同じであり、
好ましくは、第1の前記触媒乃至第n触媒の再生方法は、それぞれ独立して、酸素含有ガスを失活アンモニア化触媒が入った再生装置に導入し、前記再生装置はm個の均一に分布した入口を設置し、又はm個の直列した再生器を含み、且つ2番目乃至m番目の入口から又は2番目の入口から又は2番目乃至m番目の再生器内から補充的酸素含有ガスを導入し、失活触媒の再生を行い、ここで、mは≧2の自然数であり、
好ましくは、前記再生の過程における酸素含有ガスの酸素含有量は再生時間に伴って勾配向上し、前記再生の温度は再生時間に伴って勾配向上することを特徴とする請求項15~18のいずれか1項に記載の調製方法
【請求項20】
前記ステップAにおいて、前記混合気化は、ベンチュリ気化装置に行われ、好ましくは、前記混合気化の前に、液相状態の有機アミドの温度は0℃~300℃であり、好ましくは、前記気化後の温度は300℃~500℃であることを特徴とする請求項15~19のいずれか1項に記載の調製方法。
【請求項21】
順次に接続された気化ユニットと、アンモニア化反応ユニットと、第1精製ユニットと、第1吸着ユニットと、水素化反応ユニットと、第2精製ユニットと、第2吸着ユニットとを含むことを特徴とする請求項11~20のいずれか1項に記載の有機ジアミンの調製方法に使用される装置。
【請求項22】
前記気化ユニットはベンチュリ気化装置を含み、好ましくは、前記アンモニア化反応ユニットは固定床反応装置を含み、好ましくは、前記水素化反応ユニットは磁気安定化反応装置を含むことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、CN出願番号202110881293.9、申請日2021年08月02日の中国出願と、CN出願番号202110882630.6、申請日2021年08月02日の中国出願とを基礎とし、その優先権を主張し、当該CN出願の開示内容は再び全体として本願に導入される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、有機化学分野に関し、具体的には、吸着剤及びその調製方法、ヘキサメチレンジアミンの純化方法、有機ジアミンの調製方法及び使用される装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ナイロン66は5大エンジニアリングプラスチックの頭上として、機械及び電器分野において極めて幅広い応用があり、主に歯車、軸受、電子電器、自動車部品などに応用される。ナイロン66は、他の汎用プラスチックと比較して、機械的強度が高く、靭性が高く、耐摩耗性に優れているという特徴を有するだけでなく、自己潤滑性、難燃性、非毒性で環境友好などの優れた性能を有する。ナイロン66は、熱可塑性ポリマーで、多結晶型半結晶ポリマーであり、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとが縮重合したポリアミドの一種である。
【0004】
ヘキサメチレンジアミンはナイロン66を生産する重要な中間体で、重要な化学原料であり、ヘキサメチレンジアミンの純度がナイロン66の製品品質に大きく影響し、高分子の重縮合反応が原料の純度に対する要求が高い。ヘキサメチレンジアミンの合成方法は、主にカプロラクタム法、アジポニトリル法、ヘキシレングリコール法があり、これらの方法はいずれも精留によりヘキサメチレンジアミンを精製することを回避できず、精留過程においてヘキサメチレンジアミンが副反応して3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを生成し、精留プロセスによっては該不純物を徹底的に除去することが困難である。
【0005】
CN103936595Aには、粗ヘキサメチレンジアミンの精製方法が開示されており、精製方法は塔精留分離を採用し、含有量99.99%ヘキサメチレンジアミンを得るが、該方法は分離効率が低く、エネルギー消費が高い。
【0006】
CN101939286Aには、ヘキサメチレンジアミンの精製方法が開示されており、精製方法は、蒸留によってヘキサメチレンジアミンに存在するテトラヒドロジンヘプタンを分離するが、該方法は、精留プロセスにおける3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンの分離に関するものではなく、また、該方法の分離効率が低下する。
【0007】
CN106810455Aには、高品質の仕上げヘキサメチレンジアミンの生産方法が開示されており、該方法は、半製品のヘキサメチレンジアミンを複数回蒸留純化して、高品質の仕上げヘキサメチレンジアミンを得ることができ、真空精留技術を採用することにより、半製品のヘキサメチレンジアミンにおける不純物の沸点によって、真空条件下で脱水し、軽成分を除去し、重質分を除去し、最後に、純度≧99.9%のヘキサメチレンジアミンを得ることができるが、該方法は、依然として純度が低く、エネルギー消費が高い場合がある。
【0008】
したがって、ヘキサメチレンジアミン粗生成物における3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを除去し、下流の縮重合によってナイロン66を生成する要求を満たす、温和な製造方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、従来のカプロラクタムを生産する従来技術における副生成物が多く、経済効果が悪い問題を解決するために、吸着剤及びその調製方法、ヘキサメチレンジアミンの純化方法、有機ジアミンの調製方法及び使用される装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を実現するために、本発明の一態様によれば、担体と、担体上に担持された表面分子とを含み、該表面分子は分子インプリントポリマーであり、表面分子の間に印影キャビティが形成され、印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングする表面分子インプリント機能化された吸着剤が提供される。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、上記表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、該調製方法は、(1)機能性単体とアゼピン系化合物テンプレートとを予備重合させ、予備重合反応材料を得るステップと、(2)予備重合反応材料が、担体と、架橋剤と、開始剤とを重合反応させ、ポリマー粒子を得るステップと、(3)ポリマー粒子はアゼピン系化合物テンプレートを除去した後、表面分子インプリント機能化された吸着剤を得るステップとを含む。
【0012】
本発明の他の態様によれば、上記表面分子インプリント機能化された吸着剤の使用を提供し、吸着剤は、アゼピン系化合物の分離に適用され、好ましくは、アゼピン系化合物不純物の除去に適用される。
【0013】
本発明のもう一つの態様によれば、上記表面分子インプリント機能化された吸着剤を用いて不純物の吸着分離を行う、ヘキサメチレンジアミンの純化方法が提供される。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、有機ジアミンの製造方法であって、アミノニトリル系有機物と水素ガスとが水素化触媒の作用下で水素化反応を行い、有機ジアミンを含有する反応後材料を得るステップと、反応後材料は第2精製及び第2吸着を経て、有機ジアミンを獲得し、第2吸着が上記表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用し、第2精製が第2精留処理であるステップと、を含む有機ジアミンの調製方法が提供される。
【0015】
本発明のさらなる態様によれば、上記有機ジアミンの調製方法に使用される装置であって、順次に接続された気化ユニットと、アンモニア化反応ユニットと、第1精製ユニットと、第1吸着ユニットと、水素化反応ユニットと、第2精製ユニットと、第2吸着ユニットとを含む装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の技術案を応用して、本発明に提供される吸着剤は、アゼピン系化合物とマッチングする印影キャビティを有するため、アゼピン系化合物を特異的に吸着することができ、アゼピン系化合物の分離過程において、優れた選択的な分離効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部をなす明細書図面は、本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面は、下記の通りである。
図1】本発明の実施例1に提供された表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法のフロー概略図である。
図2】本発明の実施例1で得られた表面分子インプリント機能化された吸着剤のSEM図である。
図3】本発明の実施例1で得られた表面分子インプリント機能化された吸着剤のBET吸着及び脱着グラフである。
図4】本発明の触媒B1の概略図である。
図5】本発明の触媒C1の概略図である。
図6】本発明の触媒Iの窒素吸脱着グラフである。
図7】本発明の触媒Iの元素分布図である。
図8】本発明の触媒Iの透過型電子顕微鏡図である。
図9】本発明の実施例12に提供されたカプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法に採用された装置の概略図である。
図10図9における気化ユニットの装置概略図である。
図11図9における水素化反応ユニットの装置概略図である。
【0018】
図中:1-主体;2-突出部;3-第2類孔道;10-気化ユニット;101-漸縮部;102-スロート部;103-漸拡部;104-第1入口;105-第1ガス出口;106-物料搬送装置;20-アンモニア化反応ユニット;30-第1精製ユニット;40-第1吸着ユニット;50-水素化反応ユニット;501-第1加熱装置;502-管型反応器;503-加熱部材;504-第3入口;505-第1出口;506-第4入口;507-水素ガス入口;508-触媒入口;509-ヘルムホルツコイル;5010-排気ガス出口;5011-製品出口;5012-触媒出口;60-第2精製ユニット;70-第2吸着ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0019】
なお、矛盾しない場合、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下、本発明を実施例により図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
第1の態様によれば、本発明は、表面分子インプリント機能化された吸着剤を提供し、吸着剤は、担体と、担体上に担持された表面分子とを含み、該表面分子は分子インプリントポリマーであり、表面分子の間に印影キャビティが形成され、印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングする。
【0021】
本発明に提供される吸着剤は、アゼピン系化合物とマッチングする印影キャビティを有するため、アゼピン系化合物を特異的に吸着することができ、アゼピン系化合物の分離過程において、優れた選択的な分離効果を有する。
【0022】
好ましくは、表面分子は、アゼピン系化合物と弱い化学結合を形成することができる。好ましくは、弱化学結合は水素結合を含む。本発明の表面分子は、アゼピン系化合物と水素結合などの弱い化学結合を形成することができるため、アゼピン系化合物に対して特異的に吸着することができ、他の物質との分離の困難さを低減する。
【0023】
好ましくは、印影キャビティは、アゼピン系化合物の分子空間、形状及び基とマッチングする。これにより、抗体-抗原に類似する生物特異的吸着を実現し、微量又は痕跡量のアゼピン系化合物の選択的な吸着を実現する。
【0024】
好ましくは、担体は、三酸化二アルミニウム、シリカ、活性炭、ZSM-5モレキュラーシーブ又はモンモリロナイトのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、三酸化二アルミニウムと活性炭との組合せ、シリカとZSM-5モレキュラーシーブとの組合せ、三酸化二アルミニウムとシリカとの組合せ、活性炭とZSM-5モレキュラーシーブとの組合せであり、好ましくは三酸化二アルミニウムである。上記担体は多孔質構造であり、比表面積が大きいため、表面分子の担持に十分な担持部位を提供し、その担持量を向上させることができる。
【0025】
好ましくは、吸着剤の粒子径は50nm~5μmであり、例えば50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、500nm、1μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm又は5μmなどであってもよい。
【0026】
好ましくは、吸着剤の比表面積は100~1000m/gであり、例えば100m/g、200m/g、300m/g、400m/g、500m/g、600m/g、700m/g、800m/g、900m/g又は1000m/gなどであってもよい。
【0027】
好ましくは、アゼピン系化合物は3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンから選択される。
【0028】
好ましくは、担体はアミノ基が担持された担体、即ちアミノで改質された担体であり、該アミノで改質された担体は、従来技術における既知担体又は従来技術における既知の改質方法により得られた担体であってもよく、本出願の以下に記載の方法により得られた担体であってもよい。
【0029】
本発明は、さらに、アミノ基が担持された担体であることが好ましく、担体表面のアミノ基が架橋剤とうまく結合して表面分子を連結することができ、吸着剤の性能をより安定させる。
【0030】
好ましくは、表面分子は、機能性単体と、架橋剤と、アゼピン系化合物とを重合させた後、アゼピン系化合物の重合分子を除去し、いわゆる分子インプリントポリマーを含む。
【0031】
本発明の表面分子は、1種の表面分子インプリンティングによって実現され、まずアゼピン系化合物を重合した後に除去し、表面分子間の印影キャビティを空にし、吸着の特異性を向上させる。
【0032】
本出願のいくつかの実施例において、機能性単体は、アミン類物質及び/又はピリジン類から選択され、アクリルアミド、o-フェニレンジアミン又は2-ビニルピリジンのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、アクリルアミドとo-フェニレンジアミンとの組合せ、2-ビニルピリジンとo-フェニレンジアミンとの組合せ、アクリルアミドと2-ビニルピリジンとの組合せ、アクリルアミドと、o-フェニレンジアミンと2-ビニルピリジンと3者の組合せである。上記機能性単体及びアゼピン系化合物は、いずれもN原子を含み、N原子は孤立電子対を有し、予備重合過程において、機能性単体及びアゼピン化合物におけるN個の原子は、相手のH原子と分子間の水素結合を形成することができ、水素結合による接続の特徴に基づいて、後続で、アゼピン系化合物を除去することに便利である。
【0033】
本出願のいくつかの実施例において、架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート又はN,N-メチレンビスアクリルアミドのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、エチレングリコールジグリシジルエーテルとエチレングリコールジメタクリレートとの組合せ、エチレングリコールジメタクリレートとN,N-メチレンビスアクリルアミドとの組合せ、エチレングリコールジグリシジルエーテルとN,N-メチレンビスアクリルアミドとの組合せである。
【0034】
第2の態様によれば、本発明は、第1の態様に係る表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は、
【0035】
(1)機能性単体とアゼピン系化合物テンプレートを予備重合させ、予備重合反応材料を得るステップと、
【0036】
(2)予備重合反応材料が、担体と、架橋剤と、開始剤と重合反応させ、ポリマー粒子を得るステップと、
【0037】
(3)ポリマー粒子はアゼピン系化合物テンプレートを除去した後、表面分子インプリント機能化された吸着剤を得るステップと、を含む。
【0038】
本発明の第2の態様に提供される吸着剤の製造方法によれば、まず、アゼピン系化合物テンプレートと機能性単体とを予備重合させた後、架橋剤及び担体と反応させて担体に担持させ、最後にその中のテンプレート分子を除去することにより、担体の表面に担持された表面分子の間にアゼピン系化合物テンプレートとマッチングする印影キャビティを残し、吸着剤を使用する時にアゼピン系化合物に対して特異的な吸着性能を持たせ、アゼピン系化合物テンプレートの分離による優れた吸着剤を提供する。そして、本発明は、アゼピン系化合物テンプレートと機能性単体とを、先ず水素結合などの弱い化学結合で予備重合してから重合する方式により、アゼピン系化合物テンプレートと機能性単体との結合をより良好に確保することができ、アゼピン系化合物テンプレートと架橋剤との不利な反応を回避し、印影キャビティとアゼピン系化合物の分子とのマッチング性を確保することができる。
【0039】
好ましくは、ステップ(1)のアゼピン系化合物テンプレートは3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンから選択される。本発明は、ヘキサメチレンジアミン製品における特異的な不純物についてテンプレートの選択を行うことが好ましく、この中の窒素を含む基は機能性単体と水素結合などの弱い化学結合を形成することができ、その後、比較的温和な方式で該3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートを除去することができ、それにより、それと一致する印影キャビティを有する吸着剤を得ることができる。
【0040】
好ましくは、機能性単体とアゼピン系化合物テンプレートとのモル比は1~6:1であり、例えば1:1、1.6:1、2.2:1、2.7:1、3.3:1、3.8:1、4.4:1、4.9:1、5.5:1又は6:1などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0041】
いくつかの実施例において、上記予備重合は、第1有機溶剤の中に行われる。好ましくは、第1有機溶剤は、アルコール類、例えばメタノール、エタノール又はプロパノールなどであり、好ましくはエタノールを含む。機能性単体とアゼピン系化合物に対する十分な分散を実現し、両者の物質移動効率を向上させ、さらに予備重合効率を向上させる。
【0042】
好ましくは、アゼピン系化合物テンプレートと第1有機溶剤との配比は0.5~10g:1Lであり、例えば0.5g:1L、1.0g:1L、2.0g:1L、3.0g:1L、4.0g:1L、5.0g:1L、6.5g:1L、7.0g:1L、9.0g:1L又は10g:1Lなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0043】
好ましくは、予備重合の反応温度は10~40℃であり、例えば10℃、14℃、17℃、20℃、24℃、27℃、30℃、34℃、37℃又は40℃などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能であり、好ましくは室温である。
【0044】
好ましくは、予備重は、撹拌の条件下で行われる。本発明における撹拌の方式は特に制限されず、当業者によく知られている撹拌に用いることができる任意の方式を採用することができ、実際のプロセスに応じて調整してもよく、例えば、磁気撹拌又は撹拌パドル撹拌などであってもよい。
【0045】
好ましくは、予備重合の反応時間は1~20hであり、例えば1h、4h、6h、8h、10h、12h、14h、16h、18h又は20hなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0046】
好ましくは、ステップ(2)において、担体と第1有機溶剤との配比は5~30g:1Lであり、例えば5g:1L、8g:1L、11g:1L、14g:1L、17g:1L、19g:1L、22g:1L、25g:1L、28g:1L又は30g:1Lなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。担体と第1有機溶媒との比率を制御することにより、担体の予備重合反応材料における十分な分散を実現し、且つ予備重合に十分な担持空間を提供する。
【0047】
好ましくは、架橋剤とアゼピン系化合物テンプレートとのモル比は18~22:1であり、例えば18.0:1、18.5:1、19.0:1、19.4:1、19.8:1、20.0:1、20.5:1、21.0:1、21.5:1又は22:1などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0048】
好ましくは、開始剤と第1有機溶剤との配比は0.1~1g:1Lであり、例えば0.1g:1L、0.2g:1L、0.3g:1L、0.4g:1L、0.5g:1L、0.6g:1L、0.7g:1L、0.8g:1L、0.9g:1L又は1g:1Lなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0049】
好ましくは、開始剤はアゾビスイソブチロニトリル及び/又は過硫酸アンモニウムを含む。
【0050】
好ましくは、重合反応の温度は40~80℃であり、例えば40℃、45℃、49℃、54℃、58℃、63℃、67℃、72℃、76℃又は80℃などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0051】
好ましくは、重合反応の時間は10~48hであり、例えば10h、15h、19h、23h、27h、32h、36h、40h、44h又は48hなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0052】
好ましくは、重合反応は、まず、予備重合反応材料と担体とを混合し、第1分散した後、架橋剤と開始剤を加えて、重合反応を行うことを含む。
【0053】
好ましくは、第1分散は超音波分散を含む。好ましくは、第1分散の時間は10~60minであり、例えば10min、16min、22min、27min、33min、38min、44min、49min、55min又は60minなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0054】
好ましくは、第1分散した後、第1保護雰囲気に架橋剤と開始剤をさらに加える。
【0055】
好ましくは、第1保護雰囲気は、窒素ガス、ヘリウムガス又はアルゴンガスのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、窒素ガスとヘリウムガスとの組合せ、アルゴンガスとヘリウムガスとの組合せ、窒素ガスとアルゴンガスとの組合である。
【0056】
好ましくは、アゼピン系化合物テンプレートを除去する方式は、溶媒洗浄抽出、固相抽出、超臨界抽出、ガスパージ又はソックスレー抽出のいずれか1種を含む。
【0057】
好ましくは、ステップ(3)において、アゼピン系化合物テンプレートを除去するステップは、混合酸液を採用してポリマー粒子中のアゼピン系化合物テンプレートを抽出することを含む。好ましくは、抽出は、ソックスレー抽出を含む。
【0058】
好ましくは、混合酸液には、ギ酸と酢酸を含有する。好ましくは、ギ酸と酢酸との体積比は5~10:1であり、例えば5.0:1、5.5:1、6.0:1、7.0:1、7.3:1、7.5:1、8.0:1、8.5:1、9.5:1又は10:1などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能であり、好ましくは8:1である。より良い溶媒除去効果を有する。
【0059】
好ましくは、アゼピン系化合物テンプレートを除去した後に第1乾燥を含む。好ましくは、第1乾燥の温度は40~100℃であり、例えば40℃、47℃、54℃、60℃、67℃、74℃、80℃、87℃、94℃又は100℃などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0060】
好ましくは、担体は改質された後、ステップ(2)に加える。好ましくは、担体の改質方法は、出発担体と、第2有機溶媒と、アミノ基含有有機物とを混合し、改質反応を行い、得られた改質反応物を、順次に固液分離、洗浄及び第2乾燥を経て、改質担体を得ることを含む。
【0061】
本発明における固液分離の方式は特に制限されず、当業者によく知られている固液分離に用いることができる任意の方式を採用することができ、例えば濾過、沈降分離又は遠心分離などであってもよい。
【0062】
好ましくは、出発担体は、三酸化二アルミニウム、シリカ、活性炭、ZSM-5モレキュラーシーブ又はモンモリロナイト、アルミニウム又はケイ素のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、三酸化二アルミニウムとアルミニウムとの組合せ、シリカとアルミニウムとの組合せ、三酸化二アルミニウムとシリカとの組合せ、ケイ素とアルミニウムとの組合せ、三酸化二アルミニウムとケイ素との組合せであり、好ましくは三酸化二アルミニウムである。
【0063】
好ましくは、第2有機溶剤はトルエンを含む。
【0064】
好ましくは、アミノ基含有有機物は、アミノシランを含み、好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0065】
好ましくは、改質反応の温度は80~100℃であり、例えば80℃、83℃、85℃、87℃、89℃、92℃、94℃、96℃、98℃又は100℃などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0066】
好ましくは、アミノ基含有有機物と出発担体との質量比は1~10:1であり、例えば1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1又は10:1などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0067】
好ましくは、出発担体と第2有機溶剤との配比は15~30g:1Lであり、例えば15g:1L、17g:1L、19g:1L、20g:1L、22g:1L、24g:1L、25g:1L、27g:1L、29g:1L又は30g:1Lなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0068】
いくつかの実施例において、出発担体と、第2有機溶剤と、アミノ基含有有機物とを混合する上記順序は、まず、出発担体と第2有機溶剤を混合し、第2分散した後、アミノ基含有有機物をさらに加えることを含む。
【0069】
好ましくは、アミノ基含有有機物の加入方式は滴下である。滴下の方式を採用することが好ましく、改質の均一性をより良く向上させ、最終的な吸着剤の吸着効果を向上させることができる。
【0070】
好ましくは、第2分散は超音波分散である。
【0071】
本発明は、第1分散と第2分散に対する超音波分散のパワーに特別な要求がなく、実際のプロセスに応じて調整することができ、例えば200W、300W、400W、500W、550W、600W又は700Wなどであってもよい。
【0072】
好ましくは、第2分散の時間は10~60minであり、例えば10min、16min、20min、27min、30min、38min、40min、45min、55min又は60minなどであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0073】
好ましくは、第2分散の後、第2保護雰囲気下でアミノ基含有有機物を加える。
【0074】
好ましくは、第2保護雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス又はヘリウムガスのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、窒素ガスとアルゴンガスとの組合せ、ヘリウムガスとアルゴンガスとの組合せ、窒素ガスとヘリウムガスとの組合せである。
【0075】
好ましくは、洗浄は、順次行われるトルエン洗浄とメタノール洗浄を含み、改質過程において接ぎ木に成功しなかったアミノ基含有有機物又は他の小分子を除去する。好ましくは、トルエン洗浄の回数は、少なくとも三回であり、例えば3回、4回、5回、6回又は8回などであってもよい。
【0076】
好ましくは、メタノール洗浄の回数は、少なくとも三回であり、例えば3回、4回、5回、6回又は8回などであってもよい。
【0077】
好ましくは、第2乾燥の温度は40~100℃であり、例えば40℃、47℃、54℃、60℃、67℃、74℃、80℃、87℃、94℃又は100℃などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。
【0078】
本発明における第1乾燥と第2乾燥の方式は特に制限されず、当業者によく知られている乾燥に用いることができる任意の方式を採用することができ、例えば真空乾燥又は送風乾燥などであってもよく、好ましくは真空乾燥である。
【0079】
本発明の好ましい技術案として、調製方法は、
(1)1~6:1のモル比で機能性単体とアゼピン系化合物テンプレートとを第1有機溶剤中に10~40℃で予備重合を1~20h行い、アゼピン系化合物テンプレートと第1有機溶剤との配比は0.5~10g:1Lであり、予備重合反応材料を得るステップと、
(2)まず、予備重合反応材料と改質担体とを混合し、改質担体と第1有機溶剤との配比は5~30g:1Lであり、第1分散した後、第1保護雰囲気で架橋剤と開始剤をさらに加え、架橋剤とアゼピン系化合物テンプレートとのモル比は18~22:1であり、開始剤と第1有機溶剤との配比は0.1~1g:1Lであり、40~80℃で10~48h重合反応を行い、ポリマー粒子をえるステップと、
【0080】
(3)体積比が5~10:1であるギ酸と酢酸との混合酸液を採用してポリマー粒子中のアゼピン系化合物テンプレートを抽出し、表面分子インプリント機能化された吸着剤を得るステップと、を含む。
【0081】
第3の態様によれば、本発明は、第1の態様による表面分子インプリント機能化された吸着剤の使用を提供し、吸着剤は、アゼピン系化合物を分離するために使用され、好ましくは、アゼピン系化合物の不純物の除去に使用される。
【0082】
本発明の第1の態様に係る吸着剤は、アゼピン系化合物に対して特異的に吸着することができ、吸着の選択性が強く、他の非類似物質と比較的明らかな性質の区別を有するため、痕跡量のアゼピン系化合物の不純物及び微量のアゼピン系化合物の不純物の除去に特に適しており、他の方法よりもエネルギー消費が低く、除去効率が高いという利点がある。
【0083】
本発明における痕跡量とは、アゼピン系化合物の含有量<0.01%であり、微量とは、アゼピン系化合物の含有量が0.01~1%である。
【0084】
第4の態様によれば、本発明は、第1の態様の表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用して不純物の吸着分離を行う、ヘキサメチレンジアミンの純化方法を提供する。
【0085】
本発明の第4の態様に提供されるヘキサメチレンジアミンの純化方法は、従来のヘキサメチレンジアミン純化と生産過程において、アゼピン系化合物のような副生成物が生成されるが、アゼピン系化合物を精留によって除去することが困難であり、且つ予備的に純化された後、依然としてアゼピン系化合物の不純物が残留していることを鑑みて、発明者は、多方面の探索によって、ヘキサメチレンジアミンを吸着分離によって純化する方法を開発したが、本発明の方法は、以下の2つの発明の点を有する。(1)ヘキサメチレンジアミン及びアゼピン系化合物がいずれも有機物質であるにもかかわらず、いずれも極性基を有するが、本発明者らは、依然として、精留、吸着、濾過、抽出及び膜分離などの従来の分離方法から、該不純物とヘキサメチレンジアミンを吸着により分離することができる。(2)従来の吸着剤は、ヘキサメチレンジアミンに対しても高い吸着効果を有するので、アゼピン系化合物の選択的な吸着を実現することは困難であることを発見し、第1の態様の表面分子インプリント機能化された吸着剤を選択し、これは、アゼピン系化合物を特異的に吸着するだけでなく、ヘキサメチレンジアミンに対する吸着量が比較的低く、高収率の条件でのヘキサメチレンジアミン中の不純物の除去を実現することができる。
【0086】
また、吸着分離の純化方法は、吸着剤がリサイクル可能であり、エネルギー消費が低いという利点を有し、工業的に生産コストを著しく低減することができる。
【0087】
いくつかの実施例において、純化方法は、吸着剤を利用して粗ヘキサメチレンジアミン中のアゼピン系化合物不純物を吸着することを含む。
【0088】
好ましくは、粗ヘキサメチレンジアミンと吸着剤の質量比は300~600:1であり、例えば300:1、334:1、367:1、400:1、434:1、467:1、500:1、534:1、567:1又は600:1などであってもよいが、挙げられた値に限定されるものではなく、この範囲に挙げられない他の値も同様に適用可能である。上記質量比から、本発明の吸着剤は、処理量が大きく、処理効率が高いことがわかる。
【0089】
本発明における具体的な吸着方式は特に制限されず、当業者によく知られている吸着に用いることができる任意の方式を採用することができ、例えば釜式、固定床式、塔式又は移動床式などであってもよい。実際のプロセスに応じて吸着方式を調整してもよい。
【0090】
好ましくは、吸着剤は、吸着飽和された後、再生処理されてリサイクルされる。
【0091】
本発明における再生処理の方式は特に制限されず、当業者によく知られている吸着剤の再生処理に用いることができる任意の方式を採用することができ、例えば溶媒洗浄、ソックスレー抽出、ガスパージ、固相抽出又は超臨界抽出のいずれか1種であることができる。
【0092】
第5の態様によれば、本発明は、アミノニトリル系有機物と水素ガスが水素化触媒の作用下で水素化反応を行い、有機ジアミンを含む反応後材料を得るステップと、反応後材料が第2の精製と第2の吸着を経て、有機ジアミンを得るステップと、第2吸着は本出願の第1態様に提供された表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用し、第2精製は第2精留処理であるステップと、を含む有機ジアミンの調製方法を提供する。
【0093】
本発明に提供される製造方法によれば、本出願の表面分子インプリント機能化された吸着剤を利用して精製された反応後材料を吸着するが、該吸着剤は、アゼピン系化合物に適合する印影キャビティを有するため、その中のアゼピン系化合物の不純物を特異的に吸着することができ、有機ジアミンへの吸着を大幅に低減し、優れたアゼピン系化合物の選択的な分離効果を実現し、高純度有機ジアミン製品の工業化生産を実現し、原料から低エネルギー消費、高選択性及び高転化率で高純度の有機ジアミン製品を得ることができ、工業生産の価値が高い。
【0094】
本発明は、精製と吸着とを組む合わせる純化方法を採用し、精製後に残った少量の不純物をさらに純化することができ、これにより、反応中の副生成物の発生を減少させるとともに、得られた有機ジアミン製品の純度が高く、下流ナイロンなどの製品への影響を低減することにより有利であることがわかる。
【0095】
好ましくは、上記調製方法は、アミノニトリル系有機物の調製過程をさらに含み、該調製過程は、アンモニアガスと有機アミドとを混合気化して気化材料を獲得し、気化材料がアンモニア化触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第1反応材料を得るステップAと、第1反応材料が第1精製及び第1吸着を経て、アミノニトリル系有機物を得るステップBとを含む。
【0096】
好ましくは、ステップAに助剤をさらに加え、助剤にはアンモニア化触媒に相応する元素のうちのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含有する。相応する元素は、アルミニウム元素、ケイ素元素、ホウ素元素、窒素元素、アルカリ土類元素、遷移金属元素、リン元素を含む。
【0097】
本発明は、好ましくは、アンモニア化反応過程において、アンモニア化触媒成分に相応する元素を含む助剤を添加することにより、反応過程において、アンモニア化触媒において元素が損失する場合を減少することができ、ソースからアンモニア化触媒活性を維持し、アンモニア化触媒の使用寿命を著しく延長した。具体的には、アンモニア化触媒は、反応過程において、反応物/生成物との間の物理的作用(材料フラッシング、特に生成水フラッシングなどを含む。)又は化学的作用(錯化反応などを含む。)により、有益な元素の流失を生じやすく、さらに、アンモニア化触媒の失活を引き起こし、本発明は、アンモニア化触媒中の有益な元素に相応する元素を導入し、化学平衡の角度から有益な元素の流失を減少させ、アンモニア化触媒の性能を安定化させ、アンモニア化触媒の有益な成分の流失による不活性化及び更なるコーキング(coking)、カーボン蓄積などの現象を減少させ、ソース、インサイチュからのアンモニア化触媒の失活を実現する。
【0098】
好ましくは、助剤は、ステップAにおいて、アンモニアガスと混合してから、有機アミドと混合する。
【0099】
本発明における助剤は、アンモニア化触媒における担体、助元素など他の元素を含有しても同様に、従来技術よりも良好なアンモニア化触媒の使用寿命を得ることができるが、本発明は、助剤に含有される元素が、アンモニア化触媒における活性成分の元素に対応していることがさらに好ましく、活性成分の流失を適時に補い、アンモニア化触媒の使用寿命がより長い。
【0100】
好ましくは、助剤におけるアルミニウム元素の存在形態は、三塩化アルミニウム及び/又はイソプロポキシジステアロイルアルミン酸エステルを含む。
【0101】
好ましくは、助剤におけるケイ素元素の存在形態は、テトラアルキルシリケートを含む。
【0102】
好ましくは、助剤における硼素元素の存在形態は、ホウ酸アルキルエステルを含む。
【0103】
好ましくは、助剤における窒素元素の存在形態は、窒素含有有機物、アンモニウム塩又は窒素含有錯体のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、窒素含有有機物とアンモニウム塩との組合せ、窒素含有錯体とアンモニウム塩との組合せ、窒素含有有機物と窒素含有錯体との組合せである。
【0104】
好ましくは、窒素含有有機物は、N,N-硝酸アルキルジメチルホルミル及び/又はN-アセトアセチル芳香族アミド銅を含む。
【0105】
好ましくは、アンモニウム塩は、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム又はポリリン酸アンモニウムのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、リン酸二水素アンモニウムとリン酸水素アンモニウムとの組合せ、リン酸アンモニウムとリン酸水素アンモニウムとの組合せ、リン酸二水素アンモニウムとポリリン酸アンモニウムとの組合せ、ポリリン酸アンモニウムとリン酸水素アンモニウムとの組合せである。
【0106】
好ましくは、錯体は、臭化ニッケル六アミン錯体及び/又は塩化コバルト六アミン錯体を含む。
【0107】
好ましくは、助剤におけるアルカリ土類金属元素の存在形態は、アルキルマグネシウムブロミドを含む。
【0108】
好ましくは、助剤における遷移金属元素の存在形態は、臭化ニッケル六アミン錯体、塩化コバルト六アミン錯体、N-アセトアセチル芳香族アミド銅又はチタン酸テトラアルキルのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、臭化ニッケル六アミン錯体と塩化コバルト六アミン錯体との組合せ、塩化コバルト六アミン錯体とN-アセトアセチル芳香族アミド銅との組合せ、N-アセトアセチル芳香族アミド銅とチタン酸テトラアルキルとの組合せである。
【0109】
好ましくは、助剤におけるリン元素の存在形態は、リン酸、次亜リン酸、リン酸塩、リン酸水素塩、次亜リン酸塩、ポリリン酸、ポリリン酸塩又はリン酸エステルのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、リン酸と次亜リン酸との組合せ、リン酸塩と次亜リン酸との組合せ、リン酸水素塩とリン酸エステルとの組合せ、次亜リン酸塩と次亜リン酸との組合せ、次亜リン酸塩とポリリン酸との組合せ、ポリリン酸塩とリン酸エステルとの組合せである。好ましくは、リン酸塩はリン酸アンモニウムを含む。
【0110】
好ましくは、リン酸水素塩は、リン酸水素アンモニウムを含む。好ましくは、リン酸二水素塩は、リン酸二水素アンモニウムを含む。
【0111】
好ましくは、ポリリン酸塩は、ポリリン酸アンモニウムを含む。好ましくは、リン酸エステルは、リン酸モノアルキルエステル、リン酸ジアルキルエステル又はリン酸トリアルキルエステルのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、リン酸モノアルキルエステルとリン酸ジアルキルエステルとの組合せ、リン酸トリアルキルエステルとリン酸ジアルキルエステルとの組合せ、リン酸モノアルキルエステルとリン酸トリアルキルエステルとの組合せである。
【0112】
好ましくは、助剤的添加量は、アンモニアガス重量の0.1~100ppmであり、例えば0.1ppm、0.5ppm、1ppm、5ppm、10ppm、20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、80ppm、90ppm又は100ppmなどであってもよい。
【0113】
助剤は、アンモニア化反応のいずれの過程において加入されても触媒の使用寿命をある程度改善することができるが、本発明は、助剤をアンモニアガスと混合して反応過程に加えることがさらに好ましく、気化過程における助剤の重合をさらに回避したり、有機アミドの重合に対する助剤の影響を回避したりすることができ、アンモニアガスと混合してから反応中に入り、アンモニアガスが助剤と有機アミドの分圧を低下させ、それによって有機アミドの気化に必要な温度及びそのコーキング、炭化量などの状況を低下させ、従って、助剤とアンモニアガスとを混合して触媒の使用寿命を延ばすという助剤効果をより効果的に確保することができる。
【0114】
そして、このように助剤が物料とともに反応過程に添加され、床層の入口においてより失活しやすい触媒に対して、その成分の流失及びその誘発効果を低下させることがより顕著であり、反応効果の維持に有利であり、触媒床層内の有機アミド濃度の安定化を維持し、触媒の失活による有機アミド濃度の上昇による重合及びそれにより生成されるポリマー、コールタール及びカーボン蓄積の発生を抑制し、触媒の活性サイトの保持に有利であり、触媒の使用寿命をさらに延長する。
【0115】
好ましくは、予熱処理の温度は300~600℃であり、例えば300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃又は600℃などであってもよい。
【0116】
好ましくは、有機アミドは、有機ラクタムである。好ましくは、有機アミドの炭素原子数は3~18の自然数であり、例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18であってもよく、好ましくは3~10の自然数である。好ましくは、有機アミドは、カプロラクタムである。
【0117】
好ましくは、ステップAは、具体的には、アンモニアガスと第1部分の有機アミドとを混合気化した後、第iセグメント固定床反応器に導入され、第1反応温度、第1反応圧力及び第1触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第1反応排出試料を得る。
【0118】
第i反応排出試料及び第i+1の部分の有機アミドは、第i+1セグメント固定床反応器に導入され、iの値の範囲は1≦i≦n-1であり、且つiは自然数であり、nは≧2の自然数であり、第i+1反応温度、第i+1反応圧力及び第i+1触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第i+1反応排出試料を獲得し、ここで、第i+1反応排出試料を循環して次のステップの第i反応排出試料としてi+1=nまでアンモニア化反応を行う。
【0119】
本発明は、好ましくは、有機アミドを分級して導入することにより、有機アミド重合及びそれに起因する触媒表面のコーキングの問題を効果的に低減し、副生成物の発生を低減し、反応の転化率及び選択性を向上させることができ、そして、本発明は、精製と吸着純化とを組み合わせる製品の純化方式を組み合わせて採用し、吸着の方式により粗アミノニトリル系有機物をさらに純化し、全体のプロセスの経済効果を向上させる。
【0120】
好ましくは、第i+1反応温度>第i反応温度である。好ましくは、第i+1反応圧力>第i反応圧力である。好ましくは、第i+1触媒における活性成分と担体元素とのモル比>第i触媒における活性成分と担体元素とのモル比である。
【0121】
上記の好ましい特徴により、材料が固定床反応器内に導入されるにつれて反応の温度と圧力及び反応触媒活性成分の含有量を徐々に高め、前部分では、有機アミドとアンモニアガスとのモル比が高く、反応圧力が低く、有機アミド、特に有機ラクタムの重合又は分解、コーキング及びそれによる触媒表面のコーキングの問題を効果的に減少させることができ、この場合、反応の選択性が高く、副生成物の発生が少なく、反応の進行に伴い、温度及び圧力を段階的に高め、アンモニアガスの利用率を効果的に向上させ、アンモニアガスの循環量を低減させ、プロセス全体の経済性を向上させ、低アンモニアガスと有機アミドのモル比である場合の反応の選択性及び転化率がいずれも高いという効果を実現することができる。
【0122】
本発明は、独自の特性により、各セグメントの触媒における活性成分の含有量を調整することが好ましく、これにより、前期において活性成分と担体元素とのモル比が低いが、高いアンモニア/有機アミドのモル比により高いアミノニトリル系有機物の選択性が得られるとともに、前期に比較的低い反応圧力を合わせ、有機アミドの分圧を小さくし、有機アミドの重合、分解又はコーキングが少なく、触媒表面のコーキングの低減、触媒寿命の延長に有利であり;後期において活性成分と担体元素とのモル比が高く、有機アミドの転化率が高く、アンモニアガスの利用率を大幅に向上させ、多級式に有機アミドを補充する方式に合わせて、系内の有機アミド分圧がいずれも比較的低い状態に制御され、後続の反応過程における有機アミドの重合、分解又はコーキングを減少させ、触媒表面のコーキングの低減、触媒寿命の延長に有利である。
【0123】
好ましくは、活性成分には、リン元素を含有する。好ましくは、担体元素はケイ素を含む。好ましくは、第i触媒における活性成分とケイ素とのモル比は(0.1~2):1であり、例えば0.1:1、0.2:1、0.4:1、0.5:1、0.8:1、1:1、1.2:1、1.5:1、1.8:1又は2:1などであってもよい。
【0124】
好ましくは、第1触媒乃至第n触媒の担体は、それぞれ独立して、ケイ素とアルミニウムを含有する。好ましくは、第1触媒乃至第n触媒におけるケイ素、アルミニウムとリンとのモル比は、それぞれ独立して、1:(0.01~1):(0.1~2)であり、例えば1:0.01:0.1、1:0.01:0.2、1:0.01:0.5、1:0.01:0.8、1:0.01:1、1:0.01:1.5、1:0.01:2、1:0.05:0.1、1:0.08:0.1、1:0.1:0.2、1:0.2:0.8、1:0.8:0.1、1:1:0.1、1:0.01:0.5、1:0.5:0.1又は1:0.8:2などであってもよい。
【0125】
本発明における活性成分のリン源は特に制限されず、当業者によく使用されるリン源を採用することができるが、本出願の好ましいリン源を採用すると、より優れた触媒効果を有する。
【0126】
好ましくは、活性成分のリン源は、リン酸、リン酸塩又はメタリン酸塩のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、リン酸とリン酸塩との組合せ、リン酸塩とメタリン酸塩との組合せ、リン酸とメタリン酸塩との組合せである。
【0127】
好ましくは、リン酸塩は、リン酸硼、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸チタン、リン酸銅又はリン酸ニッケルのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、リン酸硼とリン酸カルシウムとの組合せ、リン酸マグネシウムとリン酸カルシウムとの組合せ、リン酸硼とリン酸マグネシウムとの組合せ、リン酸アルミニウムとリン酸アンモニウムとの組合せ、リン酸アルミニウムとリン酸チタンとの組合せ、リン酸アンモニウムとリン酸カルシウムとの組合せ、リン酸ニッケルとリン酸アンモニウムとの組合せ、リン酸アルミニウムとリン酸銅との組合せである。好ましくは、メタリン酸塩は、メタリン酸カルシウム、メタリン酸アルミニウム又はメタリン酸マグネシウムのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、メタリン酸カルシウムとメタリン酸アルミニウムとの組合せ、メタリン酸アルミニウムとメタリン酸マグネシウムとの組合せ、メタリン酸カルシウムとメタリン酸マグネシウムとの組合せである。
【0128】
好ましくは、第1触媒乃至第n触媒の担体は、それぞれ独立して、ケイ素アルミニウムモレキュラーシーブである。
【0129】
好ましくは、第1触媒乃至第n触媒は、ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブである。
【0130】
従来の気相法によりアミノニトリル系有機物を調製する触媒は、本発明の調製方法により触媒の使用寿命を向上させることができるが、例えば、純シリコンモレキュラーシーブ、チタンシリコンモレキュラーシーブ、純アルミニウムモレキュラーシーブ、燐アルミニウムモレキュラーシーブ、硼素燐アルミニウム触媒などに適用し、アミノニトリル系有機物の収率及び有機アミドの転化率を向上させるが、ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブを採用するのは他の通常触媒よりも優れた変換効果を有する。
【0131】
本発明において、ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブは、反応過程においてコールタール、カーボン蓄積、さらには失活することが避けられず、本発明の分級の製造方法により、触媒の使用寿命を効果的に向上させることができる。
【0132】
本発明ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブの調製方法は、CN111659463Aを参照して行う。
【0133】
本発明におけるアルミニウム源及びケイ素源は特に制限されず、当業者によく使用されるアルミニウム源及びケイ素源を採用することができるが、本出願の好ましいアルミニウム源及びケイ素源を採用すると、より良い触媒効果を有する。好ましくは、ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブにおけるアルミニウム源は、アルミナ、アルミニウムイソプロポキシド又は擬ベーマイトのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、アルミナとアルミニウムイソプロポキシドとの組合せ、アルミニウムイソプロポキシドと擬ベーマイトとの組合せ、アルミナと擬ベーマイトとの組合せである。好ましくは、ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブにおけるケイ素源はシリカヒドロゲルを含む。
【0134】
好ましくは、第i触媒における活性成分と担体元素とのモル比と、第i+1触媒における活性成分と担体元素とのモル比との比は、1:1.2~3であり、例えば1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.8、1:2、1:2.2、1:2.5、1:2.8又は1:3などであってもよい。
【0135】
本発明は、触媒の活性成分と担体元素とのモル比は、上記の割合で構成されることがさらに好ましく、反応の選択性、転化率及びアンモニアガスの利用率をより良く向上させ、触媒の使用寿命を延ばすことができる。好ましくは、第i触媒における活性成分とケイ素とのモル比と、第i+1触媒における活性成分とケイ素とのモル比との比は、1:1.2~3であり、例えば1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.8、1:2、1:2.2、1:2.5、1:2.8又は1:3などであってもよい。好ましくは、第i部分のカプロラクタムは第i+1部分のカプロラクタムの量と同じである。
【0136】
ましくは、第1触媒乃至第n触媒は、それぞれ独立して、第1類孔道を含む。触媒内にさらに第2類孔道を含有し、及び/又は触媒は、突出部をさらに含み、突出部は、触媒の外側寄りにある。
【0137】
好ましくは、第2類孔道の孔のうち少なくとも1つの次元の長さは、触媒対応次元長さの0.15~0.6倍を占め、及び/又は突出部の突出長さが触媒対応次元長さの0.1~0.6倍を占める。本発明は、さらに、第2類孔道及び/又は突出部構造を含む触媒であることが好ましく、従来の構造の触媒と比較して、ベッド積層の低下をより良く低減し、触媒の使用寿命を延ばすことができる。
【0138】
好ましくは、第i+1反応温度は、第i反応温度よりも10~50℃高く、例えば10℃、12℃、15℃、18℃、20℃、25℃、28℃、30℃、35℃、40℃、45℃又は50℃などであってもよい。好ましくは、第i+1反応圧力は、第i反応圧力よりも0.1~0.5MPa高く、例えば0.1MPa、0.15MPa、0.2MPa、0.25MPa、0.3MPa、0.35MPa、0.4MPa、0.45MPa又は0.5MPaなどであってもよい。
【0139】
本発明におけるさらに好ましい反応温度及び反応圧力の上昇程度は、反応の選択性及び転化率をより良く向上させることができる。
【0140】
好ましくは、第i部分の有機アミドは第i+1部分の有機アミドの量と同じである。
【0141】
好ましくは、第1触媒乃至第n触媒の再生方法は、それぞれ独立して、酸素含有ガスを失活触媒が入った再生装置に導入し、再生装置は、m個の均一に分布した入口を設置し、又はm個の直列した再生器を含み、2番目乃至m番目の入口から又は2番目乃至m番目の再生器内から補充的酸素含有ガスを導入し、失活触媒の再生を行うことを含み、ここで、mは≧2の自然数である。
【0142】
本発明の好ましい触媒の再生方法は、反応装置において失活触媒をそのままインサイチュで再生することができ、再生器は、そのまま元々反応する固定床反応装置に適用することができ、触媒のin-situ再生を実現し、複雑な触媒解体過程及びその過程における環境汚染を回避し、排出された触媒を装置内に装入して再生することもでき、触媒再生過程における安全性及び信頼性を向上させる。本発明の失活触媒に炭素含有有害物質が含有され、炭素含有有害物質とは、触媒において触媒の表面に吸着、接着、堆積又は被覆され、触媒の孔道を塞ぐ、触媒活性部位を覆う、又はその他の方式で触媒を不活性化させる炭素含有物質をいう。これらの炭素含有有害物質は、再生装置の前段で酸素と反応して二酸化炭素を生成し、二酸化炭素が高温で継続的に失活触媒との蓄積カーボンなどの炭素含有有害物質と反応して爆発事故になりやすい一酸化炭素を生成し、本発明の再生方法は、多段式に酸素含有ガスを補充することにより、全再生装置における安定した酸素含有量を維持し、二酸化炭素と炭素含有有害物質との更なる反応による一酸化炭素の生成を減少させ、系における一酸化炭素の含有量を顕著に低下させ、さらに再生過程及び排気ガス処理における爆発のリスクを低下させ、勾配昇温及び勾配上昇酸素含有量の方式を採用することにより、再生過程を穏やかに、緩やかにし、床層のホットスポットの温度上昇を低下させ、触媒構造の維持、粉化の低減に有利で、再生終点を高温、高酸素で保持し、さらにモレキュラーシーブ触媒内部の孔道内のカーボン蓄積、コールタールなどの炭素含有有害物質を除去し、触媒の活性位点を十分に放出し、触媒活性を十分回復させる。発明者は、本発明の好ましい再生方法を採用した後、再生後の触媒の触媒活性がほとんど低下せず、使用寿命が著しく延長することを発見した。
【0143】
好ましくは、失活触媒には、炭素含有有害物質が含まれる。好ましくは、再生装置は、オリジナルの反応装置である。好ましくは、再生の過程における酸素含有ガスの酸素含有量は、再生時間に伴って勾配向上し、再生する温度は、再生時間に伴って勾配向上する。好ましくは、酸素含有ガスの酸素含有量は0.5~21v/v%であり、例えば0.5v/v%、2.8v/v%、5.1v/v%、7.4v/v%、9.7v/v%、11.9v/v%、14.2v/v%、16.5v/v%、18.8v/v%又は21v/v%などであってもよい。
【0144】
好ましくは、酸素含有ガスには、窒素をさらに含む。好ましくは、酸素含有ガスの酸素含有量の向上速度は0.001~5v/v%/hであり、例えば0.001v/v%/h、0.1v/v%/h、0.7v/v%/h、1.2v/v%/h、1.8v/v%/h、2.3v/v%/h、2.9v/v%/h、3.4v/v%/h、4v/v%/h、4.5v/v%/h又は5v/v%/hなどであってもよく、好ましくは0.001~1v/v%/hである。
【0145】
本発明は、さらに、酸素含有量の向上速度が上記範囲内であることが好ましく、より良く酸素の使用量を節約しながら触媒の再生を実現することができる。
【0146】
好ましくは、酸素含有ガスにおける初期酸素含有量は0.5~2v/v%であり、例えば0.5v/v%、0.7v/v%、0.9v/v%、1v/v%、1.2v/v%、1.4v/v%、1.5v/v%、1.7v/v%、1.9v/v%又は2v/v%などであってもよい。好ましくは、酸素含有ガスにおける最終酸素含有量は10~21v/v%であり、例えば10v/v%、12v/v%、13v/v%、14v/v%、15v/v%、17v/v%、18v/v%、19v/v%、20v/v%又は21v/v%などであってもよい。
【0147】
本発明は、さらに初期酸素含有量と最終酸素含有量を総合的に制御し、触媒の再生効果をより効果的に向上させ、触媒の使用寿命を延ばす。
【0148】
好ましくは、再生は、最終酸素含有量の下で1~200hを保持し、例えば1h、5h、10h、15h、20h、30h、50h、80h、100h、110h、150h、180h又は200hなどであってもよく、好ましくは50~150hである。
【0149】
好ましくは、酸素含有ガスは、第1の入口又は第1の再生器入口から導入される。
【0150】
好ましくは、補充的酸素含有ガスは、空気、酸素富化空気及び/又は酸素を含む。
【0151】
好ましくは、各固定床反応器内に導入された酸素含有ガスの酸素含有量は相当し、又は補充的酸素含有ガスを導入する入口における固定床反応装置内の酸素含有量は、第1の入口に導入された酸素含有ガスの酸素含有量に相当する。
【0152】
本発明は、補充的酸素含有ガスの導入により、前の再生器に導入された酸素含有ガスの酸素含有量に相当させるか、又は第1の入口から導入された酸素含有ガスの酸素含有量に相当させ、再生各セグメントの酸素含有量の均一性を向上させ、再生の効果を向上させる。
【0153】
好ましくは、再生の温度は250~800℃であり、例えば250℃、312℃、373℃、434℃、495℃、556℃、617℃、678℃、739℃又は800℃などであってもよい。
【0154】
好ましくは、再生の昇温速度は0.01~20℃/hであり、例えば0.01℃/h、2.4℃/h、5℃/h、6.8℃/h、8.9℃/h、11.2℃/h、13.0℃/h、15.0℃/h、17.0℃/h又は20℃/hなどであってもよく、好ましくは0.01~5℃/hである。
【0155】
本発明は、さらに、再生の昇温速度が上記範囲内にあることをさらに制御し、再生過程におけるホットスポット温度上昇及び局部過熱状況を減少させ、触媒の開裂状況を著しく低下させ、触媒の機械的強度が良好に確保され、且つ触媒の再生効果がより優れ、使用寿命がより長い。
【0156】
好ましくは、再生の初期温度は100~500℃であり、例えば100℃、120℃、150℃、180℃、200℃、250℃、260℃、270℃、300℃、320℃、330℃、350℃、400℃、450℃又は500℃などであってもよく、好ましくは250~350℃である。
【0157】
好ましくは、再生の最終温度は300~1200℃であり、例えば300℃、400℃、500℃、700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、970℃、1000℃又は1200℃などであってもよく、好ましくは700~800℃である。
【0158】
好ましくは、再生は、最終温度で1~200hを保持し、例えば1h、6h、24h、50h、100h、150h及び200hなどであってもよく、好ましくは50~150hである。
【0159】
再生は、順次に行われる再生前期と再生後期とを含み、
【0160】
好ましくは、再生前期は、酸素含有ガスの酸素含有量を初期酸素含有量として固定し、再生の温度が初期温度から最終温度まで昇温することを含み、再生後期は、再生の温度を最終温度として固定し、酸素含有ガスの酸素含有量が最終酸素含有量まで向上し、最終酸素含有量と最終温度で再生を継続することを含む。
【0161】
本発明は、昇温と酸素含有量向上のステップに順序がなく、両者は同時に行ってもよく、昇温を先に行ってから酸素含有量の向上を行ってもよく、又は酸素含有量の向上を先に行ってから昇温を行ってもよく、好ましくは昇温を先に行ってから酸素含有量の向上を行い、ホットスポット温度上昇をよりよく減少させ、一酸化炭素の最高含有量を低下させ、触媒の寿命を延ばすことができる。
【0162】
即ち、好ましくは、再生過程は、順次に行われる再生前期と再生後期とを含み、再生前期は、酸素含有ガスの酸素含有量を初期酸素含有量として固定し、再生の温度が初期温度から最終温度まで昇温することを含み、再生後期は、再生の温度を最終温度として固定し、酸素含有ガスの酸素含有量が最終酸素含有量まで向上し、最終酸素含有量と最終温度で再生を継続することを含む。
【0163】
好ましくは、mは、2~6の自然数から選択され、例えば2、3、4、5又は6であってもよい。
【0164】
本発明の好ましい技術案として、再生方法は以下のステップを含み、
【0165】
初期酸素含有量が0.5~2v/v%である酸素含有ガスを、失活触媒が入った再生装置に導入し、再生装置は、m個の均一に分布した入口を設置し、又はm個の直列した再生器を含み、2番目乃至m番目の入口又は再生器内から補充的酸素含有ガスを導入し、失活触媒の再生を行う。
【0166】
再生過程において、酸素含有ガスの酸素含有量が0.001~5v/v%/hで最終酸素含有量10~21v/v%まで向上し、再生の初期温度が250~350℃であり、0.01~20℃/hで最終温度700~800℃まで昇温し、最終温度と最終酸素含有量で1~200h保持して再生を続け、ここで、mは≧2の自然数である。
【0167】
本発明の好ましい触媒の再生方法は、再生過程による触媒への損害が小さいため、部分的な副反応中心(例えば強酸中心)を効果的に除去することができ、触媒の使用寿命を延長させ、失活触媒の再生に広く適用でき、生産コストを低減する。
【0168】
好ましくは、ステップAにおける混合気化は、ベンチュリ気化装置に行われる。
【0169】
有機アミド部分は感熱性物質であり、気化過程において重合、分解又は焦げやすく、気化効率が低下し、気化器が焦げやすくなり、ベンチュリー式アトマイザを用いて有機アミドの気化を促進し、有機アミドの気化効率を減少させることが好ましい。
【0170】
好ましくは、ベンチュリ気化装置において加熱媒体にプリセットされる。好ましくは、加熱媒体は溶融塩を含む。
【0171】
好ましくは、混合気化の前に、液相状態の有機アミドの温度は0~300℃であり、例えば0℃、10℃、20℃、50℃、69℃、70℃、100℃、120℃、140℃、150℃、180℃、200℃、220℃、250℃、280℃又は300℃などであってもよく、カプロラクタムの場合、69~220℃が好ましい。
【0172】
好ましくは、気化後の温度は300~500℃であり、例えば300℃、320℃、350℃、370℃、400℃、420℃、450℃、480℃、490℃又は500℃等。
【0173】
好ましくは、有機アミドがアンモニア化触媒を通過する再時空間速度が、それぞれ独立して、0.1~10h-1であり、例えば0.1h-1、0.5h-1、1h-1、1.2h-1、1.5h-1、2h-1、2.5h-1、3h-1、4h-1、5h-1、6h-1、7h-1、8h-1、9h-1又は10h-1などであってもよく、好ましくは0.5~5h-1である。
【0174】
好ましくは、アンモニア化反応の温度の範囲は300~500℃であり、例えば300℃、320℃、350℃、380℃、400℃、420℃、450℃、480℃又は500℃などであってもよい。
【0175】
好ましくは、アンモニア化反応の圧力は0~2MPaGであり、例えば0MPaG、0.5MPaG、1MPaG、1.2MPaG、1.3MPaG、1.5MPaG、1.8MPaG又は2MPaGなどであってもよく、好ましくは0.2~1MpaGである。
【0176】
本発明において、MPaG中のGは、ゲージ圧を意味する。
【0177】
好ましくは、アンモニアガスと有機アミドとの総モル比は2~50:1であり、例えば2:1、4:1、5:1、10:1、12:1、15:1、18:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1又は50:1などであってもよい。
【0178】
好ましくは、第1吸着は、第1吸着剤を採用し、該第1吸着剤は、金属元素を担持している吸着剤を含む。
【0179】
従来の不純物を含むアミノニトリル系有機物に対して、金属元素を担持した吸着剤を選択して吸着し、金属元素により、アミノニトリル系有機物中の不純物と結合させ、アミノニトリル系有機物と不純物との分離を実現することにより、アミノニトリル系有機物の純度を向上させ、アミノニトリル系有機物の純度を従来の精製純化に加えてより一層向上させる。
【0180】
好ましくは、第1吸着剤は、モンモリロナイト、ZSM-5沸石モレキュラーシーブ、SiO、Al又は活性炭のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、モンモリロナイトとZSM-5沸石モレキュラーシーブとの組合せ、SiOとZSM-5沸石モレキュラーシーブとの組合せ、モンモリロナイトとSiOとの組合せ、Alと活性炭との組合せである。
【0181】
好ましくは、金属元素は、遷移金属元素を含む。
【0182】
本発明は、さらに、遷移金属元素を担持することを好ましく、遷移金属イオンが不純物中の不飽和炭化水素と弱い化学反応のπ結合手を形成するため、吸着の選択性を向上させ、純度を向上させた上で6-アミノヘキシルニトリル系有機物の損失率を減少させる。
【0183】
好ましくは、遷移金属元素は、Ag、Cu、Cd、Cr、Fe、Zn、Ni、Zr又はMnのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、AgとCuとの組合せ、AgとCdとの組合せ、CdとCrとの組合せ、FeとCuとの組合せ、FeとZnとの組合せ、ZnとCuとの組合せ、NiとMnとの組合せ、NiとZrとの組合せである。
【0184】
好ましくは、第1吸着の不純物は、不飽和結合を含む。
【0185】
好ましくは、第1吸着の不純物は、炭素-炭素二重結合及び/又は炭素-炭素三重結合を含む。
【0186】
好ましくは、第1吸着の空間速度は0.5~3h-1であり、例えば0.5h-1、0.8h-1、1.1h-1、1.4h-1、1.7h-1、1.9h-1、2.2h-1、2.5h-1、2.8h-1又は3h-1などであってもよい。好ましくは、第1吸着の温度は20~60℃であり、例えば20℃、25℃、29℃、34℃、38℃、43℃、47℃、52℃、56℃又は60℃などであってもよい。好ましくは、第1吸着の圧力は0.1~1MPaであり、例えば0.1MPa、0.2MPa、0.3MPa、0.4MPa、0.5MPa、0.6MPa、0.7MPa、0.8MPa、0.9MPa又は1MPaなどであってもよい。
【0187】
好ましくは、第1吸着により飽和まで吸着した金属酸化物をパージガスでパージして再生した後、引き続き第1吸着を行う。
【0188】
本発明の第1吸着剤は、熱Nパージにより再生することができるため、リサイクル使用価値があり、低コストで経済性が高い。好ましくは、パージガスは、窒素ガスを含む。好ましくは、パージの温度は300~400℃であり、例えば300℃、312℃、323℃、334℃、345℃、356℃、367℃、378℃、389℃又は400℃などであってもよい。好ましくは、パージの時間は2~8hであり、例えば2h、2.7h、3.4h、4h、4.7h、5.4h、6h、6.7h、7.4h又は8hなどであってもよい。
【0189】
好ましくは、アンモニア化反応及び/又は第1精製で生成したポリマー残渣は、順次に解重合反応、負圧脱水及び負圧蒸留を経て、それぞれアミノニトリル系有機物及び有機アミドを得る。本発明は、さらに好ましくは、反応過程で生成したポリマー残渣固体廃棄物を原料とし、解重合、分離などの過程で反応残渣の資源化利用を行い、アミノニトリル系有機物と有機アミドを回収し、固体廃棄物の量を低下させ、回収した有機アミドを再びアミノニトリル系有機物を合成する原料とすることができ、原料の生産コストの低減に有利であり、経済的利益を向上させる。アミノニトリル類は、ラクタムが開環重合反応してポリアミド類物質を生成することを引き起こすことができ、分子量が増大し、ポリマー残渣を生じる。解重合後、アミノニトリル系製品とラクタム原料を獲得し、蒸留により分離し、アミノニトリル系物質を次のステップの水素化反応に用いることができる。
【0190】
好ましくは、解重合反応に水を加える。
【0191】
好ましくは、ポリマー残渣と水との質量比は1:0.5~20であり、例えば1:1、1:2、1:4、1:5、1:8、1:10、1:12、1:15、1:18又は1:20などであってもよい。好ましくは、解重合反応の温度は100~400℃であり、例えば100℃、120℃、150℃、180℃、200℃、220℃、250℃、300℃、340℃又は400℃などであってもよい。好ましくは、解重合反応の圧力は0~10MPaであり、例えば0MPa、1MPa、2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPa又は10MPaなどであってもよい。好ましくは、解重合反応の時間は10s~10hであり、例えば10s、30s、1h、2h、3h、4h、5h、6h、7h、8h、9h又は10hなどであってもよい。
【0192】
好ましくは、解重合反応は触媒作用で行われる。好ましくは、ポリマー残渣と触媒との質量比は1:0.01~0.5であり、例えば1:0.01、1:0.02、1:0.05、1:0.08、1:0.1、1:0.12、1:0.15、1:0.2、1:0.25、1:0.3、1:0.35、1:0.4、1:0.45又は1:0.5などであってもよい。好ましくは、触媒は、チタンケイ素モレキュラーシーブ、固体酸触媒又は固体塩基触媒を含み、ここで、固体酸触媒はAl、TiO、ZrO、SiO、B、SiO-Al、ZrO-SiO、NiSOとZr(SOのいずれか1種又はいずれか2種以上の組合せであり、固体塩基触媒はKOH、NaOH、Ba(OH)、Cu(OH)、Fe(OH)、CaO-MgO、MgO-ZrOとKF-ZrOのいずれか1種又はいずれか2種以上の組合せである。
【0193】
好ましくは、水素化触媒は、γ-Fe/SiO、Rh/SiO、Pt-Rh/Al、Fe-SiO-Ag、Ru-Fe-Al、ラネーニッケル、アモルファスニッケル又は炭素ベースコバルト触媒のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、γ-Fe/SiOとRh/SiOとの組合せ、Pt-Rh/Alと炭素ベースコバルト触媒との組合せ、γ-Fe/SiOとPt-Rh/Alとの組合せ、Fe-SiO-AgとRh/SiOとの組合せ、炭素ベースコバルト触媒とRu-Fe-Alとの組合せであり、好ましくは炭素ベースコバルト触媒であり、好ましくは炭素ベースコバルト触媒である。
【0194】
本発明は、上記触媒を採用することが好ましく、磁気安定化ベッドへの適用性と高い触媒活性という二重の利点を兼ね備えることができる。
【0195】
好ましくは、炭素ベースコバルト触媒は、窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒である。好ましくは、炭素ベースコバルト触媒の成分は、活性成分と主体成分とを含み、活性成分は、コバルト:0.5~15%、リン:0.1~5%、窒素:1~10%を含み、主体成分は炭素を含む。
【0196】
本発明において好ましく採用される窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒は、上記成分の組成を有し、アミノニトリル類を有機ジアミン反応に転化する選択性が高く、有機ジアミンの生産に優れた触媒選択を提供し、本発明は、窒素元素とリン元素の含有量を上記範囲に制御することにより、触媒活性を調節し、転化率及び選択性を顕著に向上させる効果を達成した。
【0197】
好ましくは、触媒の粒子径は10~1000μmであり、例えば10μm、120μm、230μm、340μm、450μm、560μm、670μm、780μm、890μm又は1000μmなどであってもよい。
【0198】
本発明において、炭素ベースコバルト触媒におけるコバルト含有量は0.5~15%であり、例えば0.5%、2.0%、3.0%、5.0%、7.0%、8.0%、10.0%、11.0%、13.0%又は15.0%などであってもよい。炭素ベースコバルト触媒におけるリン含有量は0.1~5%であり、例えば0.1%、0.7%、1.2%、1.8%、2.3%、2.9%、3.4%、4%、4.5%又は5%などであってもよい。炭素ベースコバルト触媒における窒素含有量は1~10%であり、例えば1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%又は10%などであってもよい。本発明において、炭素ベースコバルト触媒は、酸素元素をさらに含有する。
【0199】
好ましくは、炭素ベースコバルト触媒の比表面積は50~1000m/gであり、例えば50m/g、156m/g、262m/g、367m/g、473m/g、578m/g、684m/g、789m/g、895m/g又は1000m/gなどであってもよい。
【0200】
好ましくは、炭素ベースコバルト触媒におけるリンと窒素との質量比は1:0.5~20であり、例えば1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:5、1:6、1:7、1:10、1:12、1:15、1:18又は1:20などであってもよい。
【0201】
好ましくは、炭素ベースコバルト触媒に被覆構造の炭素層を有し、コバルトを中心として被覆炭素層が形成されていることが好ましい。被覆構造の炭素層は、コバルトナノ粒子に被覆された黒鉛化炭素層であり、本体成分の炭素の黒鉛化程度が相対的に低く、部分的にアモルファス状であり、担体として機能し、窒素ドープ被覆炭素層と活性成分であるコバルトナノ粒子とが配位結合により強い相互作用を形成し、その活性及び安定性を向上させることができる。
【0202】
本発明は、好ましくは、炭素ベースコバルト触媒が、好ましくは活性中心コバルトを中心として、周囲に炭素層を被覆した構造を形成しており、触媒のサイクル安定性が著しく向上し、しかも、該被覆炭素層が、リン窒素共ドープの被覆炭素層であり、触媒の選択性が著しく向上する。
【0203】
好ましくは、水素化反応は磁気安定化反応装置に行われる。
【0204】
好ましくは、アミノニトリル系有機物と水素化触媒との質量比は1:0.001~1であり、例えば1:0.001、1:0.01、1:0.02、1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9又は1:1などであってもよい。
【0205】
好ましくは、水素化反応の温度は25~200℃であり、例えば25℃、45℃、64℃、84℃、103℃、123℃、142℃、162℃、181℃又は200℃などであってもよい。好ましくは、水素化反応の圧力は0.1~5MPaであり、例えば0.1MPa、0.7MPa、1.2MPa、1.8MPa、2.3MPa、2.9MPa、3.4MPa、4MPa、4.5MPa又は5MPaなどであってもよい。好ましくは、水素化反応における磁場強度は1000~8000A・m-1であり、例えば1000A・m-1、2000A・m-1、3000A・m-1、4000A・m-1、5000A・m-1、6000A・m-1、7000A・m-1、8000A・m-1などであってもよい。好ましくは、アミノニトリル系有機物の空間速度は0.01~20h-1であり、例えば0.01h-1、2.24h-1、4.46h-1、6.68h-1、8.9h-1、11.12h-1、13.34h-1、15.56h-1、17.78h-1、20h-1などであってもよい。好ましくは、水素ガスとアミノニトリル系有機物とのモル比は2~100:1であり、例えば2:1、13:1、24:1、35:1、46:1、57:1、68:1、79:1、90:1又は100:1などであってもよい。
【0206】
好ましくは、水素化反応は溶媒条件で行われる。好ましくは、溶媒は、アルコール溶媒を含み、好ましくはエタノール、メタノール、tert-ブタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、イソブタノール又はn-ブタノールのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、エタノールとメタノールとの組合せ、tert-ブタノールとn-プロパノールとの組合せ、エタノールとtert-ブタノールとの組合せ、tert-ブタノールとイソプロパノールとの組合せ、イソプロパノールとイソブタノールとの組合せ、n-プロパノールとメタノールとの組合せ、n-ブタノールとメタノールとの組合せである。
【0207】
好ましくは、アミノニトリル系有機物の炭素原子数は3~18の自然数であり、例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18であってもよく、好ましくは3~10の自然数であり、さらに好ましくは6-アミノヘキサンニトリルである。
【0208】
好ましくは、水素化反応を行う前に、上記調製方法は、さらに、アミノニトリル系有機物と溶媒を混合し、25~200℃に加熱し、さらに触媒が入った磁気安定化反応装置に導入することを含む。好ましくは、混合に助触媒をさらに加える。好ましくは、助触媒はアルカリ及び/又はアルカリ金属の有机塩を含み、好ましくはNaOH、KOH、Ba(OH)、CHCHONa又はCHONaのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、その典型的だが非限定的な組合せは、NaOHとKOHとの組合せ、Ba(OH)とCHCHONaとの組合せ、Ba(OH)とCHONaとの組合せ、CHCHONaとKOHとの組合せである。
【0209】
好ましくは、アミノニトリル系有機物と助触媒との質量比は1:0.001~0.1であり、例えば1:0.001、1:0.01、1:0.02、1:0.03、1:0.04、1:0.05、1:0.06、1:0.07、1:0.08、1:0.09又は1:0.1などであってもよい。
【0210】
好ましくは、上記第2精製は精留及び/又は蒸留を含み、粗有機ジアミンを得る。
【0211】
好ましくは、粗有機ジアミン中の有機ジアミンの純度は≧99%である。
【0212】
好ましくは、粗有機ジアミンは、アゼピン系化合物不純物、好ましくは3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを含有する。
【0213】
好ましくは、上記第2吸着は、第2精製された粗有機ジアミンが第2吸着剤で不純物を吸着し、有機ジアミンを得ることを含む。好ましくは、粗有機ジアミンと表面分子インプリント機能化された吸着剤の質量比は300~600:1であり、好ましくは、有機ジアミンの炭素原子数は3~18の自然数、好ましくは3~10の自然数であり、さらに好ましくはヘキサメチレンジアミンである。
【0214】
従来の有機ジアミン純化と生産過程において、アゼピン系化合物のような副生成物が生成されるが、アゼピン系化合物は精留によって除去することが困難であり、且つ予備的に純化された後、依然としてアゼピン系化合物の不純物が残留し、通常の吸着方式によって同様に一定の吸着効果を有するが、吸着の選択性が相対的に悪い。本発明は、表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用することが好ましく、これはアゼピン系化合物を特異的に吸着するだけでなく、有機ジアミンに対する吸着量が比較的低く、高収率の条件での有機ジアミンにおける不純物の除去を実現することができる。また、吸着分離の純化方法は、吸着剤がリサイクル可能であり、エネルギー消費が低いという利点を有し、工業的に応用される場合に、生産コストを著しく低減することができる。
【0215】
好ましくは、第2吸着は、第2精製された粗有機ジアミンを第2吸着剤で不純物を吸着し、有機ジアミン製品を得る。
【0216】
好ましくは、粗有機ジアミンと吸着剤の質量比は300~600:1であり、例えば300:1、334:1、367:1、400:1、434:1、467:1、500:1、534:1、567:1又は600:1などであってもよい。
【0217】
本発明の具体的な吸着方式は特に限定されず、当業者に周知の任意の吸着に使用できる任意の方式を採用することができ、例えば、釜式、固定床式、塔式又は移動床式などであってもよい。実際のプロセスに応じて吸着方式を調整してもよい。
【0218】
好ましくは、吸着剤は、吸着飽和された後、再生処理されてリサイクルされる。
【0219】
本発明の再生処理の方式は特に限定されず、当業者によく知られている吸着剤の再生処理に用いられる任意の方式で行うことができ、例えば、溶媒洗浄、ソックスレー抽出、ガスパージ、固相抽出又は超臨界抽出のいずれか1種であってもよい。
【0220】
好ましくは、有機ジアミンの炭素原子数は3~18の自然数であり、例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18であってもよく、好ましくは3~10の自然数であり、さらに好ましくはヘキサメチレンジアミンである。
【0221】
なお、本発明において特別に説明されていないステップ及びパラメータについて、本発明は特に限定されず、当業者に周知のステップ又はパラメータによって行われてもよく、プロセス条件に応じて調整されてもよく、紙面の都合上、本発明は一々説明しない。
【0222】
第6の態様によれば、本発明は、第5の態様に係る有機ジアミンを調製する方法を実行する装置を提供し、装置は、順次接続された気化ユニットと、アンモニア化反応ユニットと、第1精製ユニットと、第1吸着ユニットと、水素化反応ユニットと、第2精製ユニットと、第2吸着ユニットとを含む。
【0223】
好ましくは、気化ユニットは、ベンチュリ気化装置を含む。
【0224】
好ましくは、ベンチュリ気化装置は、漸縮部と、スロート部と、漸拡部とを含み、漸縮部に第1入口が設置され、漸拡部に第1ガス出口が設置され、スロート部に第2入口が設置される。
【0225】
本発明は、好ましくは、有機アミドが霧化して噴出し、熱アンモニアとの接触面積が大きく、スロート部の流速が速く、せん断力が強く、(漸縮部及び漸拡部に対して)局部的な微小負圧を形成して気化を加速し、気化効率を向上させ、装置の安定運転及び反応効果の向上に有利である。
【0226】
好ましくは、ベンチュリ気化装置は、漸拡部とスロート部とを接続する外部循環管路をさらに含む。
【0227】
好ましくは、外部循環管路に物料搬送装置が設置される。
【0228】
好ましくは、外部循環管路は、漸拡部の最低点位置に設置される。
【0229】
好ましくは、漸拡部の内部に乱流部材が設置される。
【0230】
本発明の好ましい乱流部材は、さらに気化過程を強化し、有機アミドの重合とコーキングを低減する。
【0231】
好ましくは、第2入口に霧化ノズルが設置される。
【0232】
好ましくは、アンモニア化反応ユニットは、固定床反応装置を含む。
【0233】
好ましくは、水素化反応ユニットは、磁気安定化反応装置を含む。好ましくは、磁気安定化反応装置は、管型反応器と、管型反応器の外側に設置され、軸方向に配列された少なくとも2つのヘルムホルツコイルとを含む。
【0234】
本発明の好ましい磁気安定化反応装置は、少なくとも2つのヘルムホルツコイルを設置して磁場を提供することにより、管型反応器を磁気安定化床反応器に変換し、磁性を有する触媒を磁場下で均一に分布させ、且つ触媒の摩耗と反応材料の混流を減少させ、触媒の損失及び反応過程における溝流の発生を回避することができる。
【0235】
好ましくは、ヘルムホルツコイルは、それぞれ独立して、変圧装置に接続される。好ましくは、各ヘルムホルツコイルの巻き数は1~500であり、例えば1、2、4、10、50、100、200、300、400又は500などであってもよい。
【0236】
好ましくは、磁気安定化反応装置は、管型反応器の前に設置され、管型反応器に接続された第1加熱装置をさらに含む。本発明は、さらに、第2管型反応器の前に第1加熱装置を設置し、反応物料の反応前の予熱を実現し、反応効果がより良い。
【0237】
好ましくは、第1加熱装置の外に加熱部材が設置される。好ましくは、第1加熱装置内に不活性フィラーが設置され、例えば石英フィラー、ガラスフィラー又はセラミックボールフィラーなどであってもよい。本発明は、さらに不活性フィラーを添加することにより、伝熱と予熱効率を向上させる。
【0238】
好ましくは、第1加熱装置の底部及び/又は下部側に第3入口が設置され、頂部に第1出口が設置される。好ましくは、管型反応器の底部及び/又は下部側に第4入口が設置される。好ましくは、第4入口は、第1出口に接続される。
【0239】
好ましくは、管型反応器の底部及び/又は下部側に水素ガス入口がさらに設置される。
【0240】
好ましくは、管型反応器の下部側に触媒入口が設置される。好ましくは、触媒入口の設置位置は、ヘルムホルツコイルの下面にある。
【0241】
好ましくは、管型反応器の上部側に触媒出口が設置される。好ましくは、触媒出口は、ヘルムホルツコイルの上面に設置される。好ましくは、管型反応器の上部側に製品出口が設置される。好ましくは、管型反応器の頂部に排気ガス出口が設置される。本発明における管型反応器の内径と長さは特に制限されず、生産規模に応じて調整することができる。
【0242】
従来技術と比較して、本発明は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0243】
(1)本発明に提供された表面分子インプリント機能化された吸着剤は、複数回リサイクルすることができ、繰り返して5回再生した後、ヘキサメチレンジアミンを99.98%以上に純化することができ、コストが低く、操作が簡単で、選択性が高く、環境にやさしいなどの特徴を有する。
【0244】
(2)本発明に提供された表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法は、表面分子インプリント技術を採用し、アゼピン系化合物に対して特異的認識部位を有し、特異的に吸着する分子インプリントポリマーを調製し、製造プロセスが簡単で、実行しやすい。
【0245】
(3)本発明に提供されたヘキサメチレンジアミンの純化方法は、精留によって得られたヘキサメチレンジアミンをさらに純化することができ、ヘキサメチレンジアミンの純度をナイロン66の重合要求に達し、ヘキサメチレンジアミンの純度を99.98wt%以上に向上させ、且つヘキサメチレンジアミンの収率が98wt%以上であり、損失率が低く、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンの含有量が0.011wt%以下に低減され、好ましい条件で0.008wt%以下に低減され、しかもアゼピン系化合物に対する吸着剤の選択的な吸着効果が良く、ヘキサメチレンジアミンの収率が高い。
【0246】
(4)本発明に提供された有機ジアミンを調製する方法は、気相アンモニア化反応、中間生成物の吸着純化、水素化反応及び製品の吸着純化プロセスが一体化され、純化されたアミノニトリル系有機物不純物の含有量が低く、アミノニトリル系有機物中間体の純度が99.999wt%以上であり、その後、有機ジアミン製品を調製する際に副生成物が少なく、製品の純化が容易で、得られた有機ジアミン製品の純度が高く、最終的に有機ジアミンの純度が99.980wt%以上、好ましくは99.99wt%以上である。
【0247】
(5)本発明に提供された有機ジアミンを調製する方法において、アミノ化反応及び水素化反応の熱分布が均一であり、反応の程度を制御し、触媒寿命を延長することに有利であり、且つアンモニア化反応段階において助剤の添加をさらに好ましく、触媒の有益な元素損失を減少させ、アンモニア化触媒の使用寿命を7000h以上に延長し、優れた条件下で10000h以上に達することができ、同時に高いアンモニアガス利用率、高い有機アミド転化率及び高アミノニトリル系有機物選択性の利点を兼ね備えることができ、アミノニトリル系有機物の選択性は88%以上、好ましくは98wt%以上であり、且つ有機アミドの転化率は86%以上であり、好ましい条件においては98%以上に転化する。
【0248】
(6)本発明に提供された有機ジアミンを製造する方法において、水素化セグメントの有機ジアミンの選択性は92wt%以上と高く、好ましくは99wt%以上であり、アミノニトリル系有機物の転化率は96wt%以上、好ましくは99wt%以上であり、水素化触媒の摩耗率≦3.25wt%、好ましくは≦1.1wt%である。
【0249】
(7)本発明に提供された有機ジアミンを調製する方法の流れは、連続的に生産することができ、プロセス制御が容易で、優れた工業化応用の将来性を有する。
【0250】
以下、具体的な実施例を参照して本出願をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は、本出願により要求される保護の範囲を制限するものと理解できない。
【0251】
表面分子インプリント機能化された吸着剤の実施例
実施例1
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法のフローは図1に示され、具体的に以下のステップを含む。
【0252】
まず、50g担体Alと2L無水トルエンを混合し、超音波分散30min後、窒素雰囲気で0.1L 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、90℃で改質反応を18h行い、得られた改質反応材料を、順次トルエンで3回洗浄し、メタノールで3回洗浄し、真空乾燥オーブンで60℃乾燥させることを経って、改質担体を得た。
(1)機能性単体である3g アクリルアミドと、アゼピン系化合物テンプレートである2gの3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンとを、2Lエタノールで室温(25℃)で予備重合を10h行い、予備重合ポリマーを含む予備重合反応材料を得た。
(2)まず、ステップ(1)の予備重合反応材料と20g改質担体を混合し、超音波で30min分散した後に、窒素雰囲気で架橋剤である71.5gエチレングリコールジメタクリレートと開始剤である0.8gアゾビスイソブチロニトリルを加え、60℃で24h重合反応し、ポリマー粒子を得た。
(3)ソックスレー抽出器において、体積比が8:1であるギ酸と酢酸との混合酸液を採用して、抽出液において3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを検出できなくなるまで、ポリマー粒子中の2,3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートを抽出し、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートが除去されたポリマー粒子を60℃の真空乾燥に置き、恒量になるまで乾燥させ、表面分子インプリント機能化された吸着剤を得る。
【0253】
本実施例で得られた表面分子インプリント機能化された吸着剤は、担体Alと、担体Al上に担持された表面分子とを含み、表面分子の間に印影キャビティが形成され、印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングする。吸着剤のSEM画像は、図2に示す。図2から明らかなように、不規則な微球状担体の表面に分子インプリントポリマーが被覆され、その中、不規則な微小球状担体は、図における円形の枠内に示され、ポリマーは、その中の白い方形状枠内に示されるように、若干の団集があり、分子インプリント複合体の製造に成功したことを示し、担体の外に被覆されたポリマーは多孔性を有し、比面積及び吸着性能を向上させる。BET吸着/脱着曲線は、図3に示すように、方形状枠は、脱着曲線を表し、丸は、吸着曲線を表し、これにより、吸着剤は、第IV型等温吸着線に属し、H3ヒステリシスループの種類にも属し、これは、典型的な多孔質特徴であり、表面積は、100.2m/gであったと測定され、大きい比表面積を有し、より多くの吸着位置を提供でき、SEMのミクロな特徴を裏付ける。
【0254】
実施例2
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は改質反応に0.15L 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、ステップ(1)で5.7gアクリルアミドを機能性単体として加えて、ステップ(2)で79.3gエチレングリコールジメタクリレートを架橋剤として加えた以外は、実施例1と同様である。
【0255】
実施例3
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は改質反応に0.15L 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、ステップ(1)で8.4gの2-ビニルピリジンを機能性単体として加えて、ステップ(2)中加入61.7g N,N-メチレンビスアクリルアミドを架橋剤として加えた以外は、実施例1と同様である。
【0256】
実施例4
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は改質反応に0.15L 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、ステップ(1)で8.53gのアクリルアミドを機能性単体として加えて、ステップ(2)で87.2gエチレングリコールジメタクリレートを架橋剤として加えた以外は、実施例1と同様である。
【0257】
実施例5
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は改質反応に0.15L 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、ステップ(1)で1.42gのアクリルアミドを機能性単体として加えて、ステップ(2)で87.1gエチレングリコールジメタクリレートを架橋剤として加えた以外は、実施例1と同様である。
【0258】
実施例6
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は改質反応に0.15L 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、ステップ(1)で7.1gのアクリルアミドを機能性単体として加えて、ステップ(2)で71.3gエチレングリコールジメタクリレートを架橋剤として加えた以外は、実施例1と同様である。
【0259】
実施例7
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は担体Alを改質しない以外は、実施例1と同様である。
【0260】
実施例8
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は担体Alを担体シリカと置き換えた以外は、実施例1と同様である。
【0261】
実施例9
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法はステップ(1)の予備重合を行わず、機能性単体、アゼピン系化合物テンプレート、架橋剤と開始剤を直接一緒に重合する以外は、実施例1と同様である。
【0262】
具体的なステップは以下の通りである。
(1)機能性単体である3gアクリルアミドと、アゼピン系化合物テンプレートである2gの3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンと、20g改質担体とを、2Lエタノール中で、超音波で30min分散した後に、窒素雰囲気中で架橋剤である71.5gエチレングリコールジメタクリレートと、開始剤である0.8gアゾビスイソブチロニトリルとを加え、60℃で重合反応を24h行い、ポリマー粒子を得た。
(2)ソックスレー抽出器において、体積比が8:1であるギ酸と酢酸との混合酸液を採用して、抽出液において3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを検出できなくなるまで、ポリマー粒子中の2,3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートを抽出し、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートが除去されたポリマー粒子を60℃の真空乾燥中に置き、恒量になるまで乾燥させ、得到表面分子インプリント機能化された吸着剤を得た。
【0263】
実施例10
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は以下のステップを含む。
【0264】
まず、15g担体Alと1L無水トルエンを混合し、超音波で45min分散した後に、窒素雰囲気下で15mL 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、80℃で改質反応を10h行い、得られた改質反応物を順次濾過し、トルエンで4回洗浄し、メタノールで3回洗浄し、真空乾燥オーブンで40℃乾燥させて、改質担体を得た。
【0265】
(1)機能性単体である3.2gのアクリルアミドと、アゼピン系化合物テンプレートである1gの3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンとを、1Lエタノール中で15℃で20h撹拌して予備重合させ、予備重合ポリマーを含有する予備重合反応材料を得た。
【0266】
(2)まず、ステップ(1)予備重合反応材料と30g改質担体を混合し、超音波で60min分散した後に、窒素雰囲気で架橋剤である78.6gエチレングリコールジメタクリレートと、開始剤である1gアゾビスイソブチロニトリルとを加え、40℃で重合反応を48h行い、ポリマー粒子を得た。
【0267】
(3)ソックスレー抽出器において、体積比が10:1であるギ酸と酢酸との混合酸液を採用して、抽出液において3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを検出できなくなるまで、ポリマー粒子中の2,3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートを抽出し、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートが除去されたポリマー粒子を100℃の真空乾燥中に置き、恒量になるまで乾燥させ、表面分子インプリント機能化された吸着剤を得た。
【0268】
実施例11
本実施例は、表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法を提供し、調製方法は以下のステップを含む。
【0269】
まず、60g担体Alと2L無水トルエンを混合し、超音波分散60min後、窒素雰囲気下で0.1L 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、100℃で25h改質反応させ、得られた改質反応物料を順次濾過し、トルエンで3回洗浄し、メタノールで4回洗浄し、真空乾燥オーブンで100℃乾燥させて、改質担体を得た。
【0270】
(1)機能性単体である5.7gのアクリルアミドと、アゼピン系化合物テンプレートである2gの3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンとを、0.5Lエタノールで室温(25℃)で撹拌して予備重合を10h行い、予備重合ポリマーを含有する予備重合反応材料を得た。
【0271】
(2)まず、ステップ(1)の予備重合反応材料と2.5g改質担体とを混合し、超音波で20min分散した後、窒素雰囲気で架橋剤である79.0gエチレングリコールジメタクリレートと、開始剤である0.05gアゾビスイソブチロニトリルとを加え、60℃で24h重合反応し、ポリマー粒子を得た。
【0272】
(3)ソックスレー抽出器において、体積比が5:1であるギ酸と酢酸との混合酸液を採用して、抽出液において3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを検出できなくなるまで、ポリマー粒子中の2,3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートを抽出し、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートが除去されたポリマー粒子を40℃の真空乾燥中に置き、恒量になるまで乾燥させ、表面分子インプリント機能化された吸着剤を得た。
【0273】
比較例1
本比較例は、吸着剤の調製方法を提供し、調製方法はアゼピン系化合物テンプレートである3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを加えなかった以外は、実施例1と同様である。
【0274】
応用例1
本応用例は、ヘキサメチレンジアミンの純化方法を提供し、純化方法は、1kgの実施例1で得られた吸着剤を1mの反応釜に加え、さらに500kg精留処理したヘキサメチレンジアミンを加え、撹拌して均一に分散させ、室温(25℃)で20h撹拌して吸着させた後、濾過して吸着剤を分離し、濾液をガスクロマトグラフィーにより含有量を分析することを含む。
【0275】
応用例2~9
応用例2~9は、それぞれヘキサメチレンジアミンの純化方法を提供し、純化方法は、それぞれ実施例2~9に提供された吸着剤を採用して再生した以外、応用例1と同様である。
【0276】
応用例10
本応用例は、ヘキサメチレンジアミンの純化方法を提供し、純化方法は、1kgの実施例10で得られた吸着剤を、直列した4つの吸着カラムに充填し、さらに0.5h-1の速度で、精留処理されたヘキサメチレンジアミンを導入させ、35℃で吸着し、吸着してから液相をガスクロマトグラフィーにより含有量を分析することを含む。
【0277】
応用例11
本応用例は、ヘキサメチレンジアミンの純化方法を提供し、純化方法は、2.5kgの実施例11で得られた吸着剤を2mの反応釜に加え、さらに500kgヘキサメチレンジアミンを加え、撹拌して均一に分散させ、室温(25℃)で35h振とうして吸着した後、濾過して吸着剤を分離し、濾液をガスクロマトグラフィーにより含有量を分析したことを含む。
【0278】
応用比較例1
本応用比較例は、ヘキサメチレンジアミンの純化方法を提供し、純化方法は比較例1に提供された吸着剤を採用した以外は、応用例1と同様である。
【0279】
応用比較例2
本応用比較例は、ヘキサメチレンジアミンの純化方法を提供し、純化方法は、CN103936595Aにおける実施例1に提供された純化方法を採用した。
以上の応用例と応用比較例の測定結果を表1に示す。
【0280】
【表1】
【0281】
表1から分かるように、まず応用例1~6及び応用例10~11を総合して分かるように、異なる不純物含有量のヘキサメチレンジアミンに対して、本発明に係る純化方法は、いずれもヘキサメチレンジアミンの純度を99.99wt%以上に向上させることができ、且つヘキサメチレンジアミンの収率が98wt%以上であり、損失率が低く、吸着後の3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンの含有量≦0.011wt%である。
【0282】
次に、応用例1と応用比較例1を総合すると、本発明は、表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用して吸着純化を行うことにより、ヘキサメチレンジアミンンの純度を99.98wt%以上に向上させることができ、微量不純物のさらなる除去に対して優れた効果を有する。
【0283】
再び、応用例1及び応用例7~8から分かるように、応用例1において改質三酸化二アルミニウム担体を採用し、応用例7における未改質の三酸化二アルミニウム担体及び応用例8におけるシリカ担体を採用する場合に比べて、応用例1における吸着後の純度は99.992wt%であるが、応用例7~8におけるヘキサメチレンジアミン吸着後の純度はそれぞれ99.989wt%及び99.990wt%のみであり、これにより、本発明は、改質後の三酸化二アルミニウムを好ましく担体とすることにより、不純物除去性能をより一層向上させることができることが示される。
【0284】
最後に、応用例1及び応用例9から分かるように、応用例1において予備重合の方式を採用して吸着剤を調製し、応用例9における直接全部重合に比べて、応用例1における吸着後のヘキサメチレンジアミンの純度は99.992wt%であり、吸着後の3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンの含有量は0.005wt%のみであるが、応用例9において吸着後のヘキサメチレンジアミンの純度は99.988wt%であり、吸着後の3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンの含有量は0.011wt%と高いことから、本発明はより好ましくは先に予備重合する方式により吸着剤を調製することにより、ヘキサメチレンジアミンの純化効果を顕著に向上させ、吸着後の3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンの含有量を低減した。
【0285】
実施例2で提供された吸着剤を例として、応用例2で提供された方法でヘキサメチレンジアミンの吸着純化を行い、触媒が複数回再生された後の吸着効果を考察し、ここで、再生処理の方法は、回収された吸着剤をソックスレー抽出器に置き、抽出液中でテンプレート分子が検出できなくなるまで、8:1のメタノールと酢酸との混合液で吸着剤中のテンプレート分子を連続して抽出し、吸着剤を真空乾燥箱に入れて恒量になるまで乾燥させ、再生された吸着剤を得る。再生された吸着剤を応用例2における方法に用いられ吸着を行い、このようにして5回繰り返し、吸着剤の再生性能を考察する。具体的な考察結果を表2に示す。
【0286】
【表2】
【0287】
表2から分かるように、再生を4回繰り返した後、吸着剤はいずれもヘキサメチレンジアミンを99.99%以上に純化することができ、良好な再生性能を示し、再生を5回繰り返した後、吸着剤の性能がやや低下するが、依然としてヘキサメチレンジアミンを99.98%以上に純化することができるため、本発明の吸着剤は複数回繰り返して利用することができ、使用コストを低減する。
【0288】
以上のように、本発明に提供された表面分子インプリント機能化された吸着剤は、複数回リサイクルすることができ、コストが低く、操作が簡単で、選択性が高く、環境にやさしいなどの特徴を有し、これは、ヘキサメチレンジアミン純化過程に応用され、好ましい条件下で、ヘキサメチレンジアミンの純度を99.99wt%以上に向上させ、且つヘキサメチレンジアミンの収率が98wt%以上であるという技術的効果を実現することができ、且つ3、4、5、6-テトラヒドロ-2H-アゼピンの含有量が0.011wt%以下に低減され、後期のナイロン製品への影響を低減させる。
【0289】
アンモニア化触媒の実施例
触媒A1
触媒A1は中空円筒形触媒であり、触媒には第1類孔道が含まれ、触媒の本体には第2類孔道がさらに含まれ、第2類孔道は円柱形の孔道であり、円柱形の孔道は、直径が1mmであり、高さが5mmであり、触媒の本体は円柱形であり、本体の直径は4.2mmであり、高さは5mmであった。
【0290】
第1類孔道の孔径は、ナノスケールであり、第1類孔道の孔径は12.61nmであった。
【0291】
触媒の孔道容積は0.694cm/gであり、触媒の比表面積は178.23m/gであり、ケイ素と、アルミニウムと、リンとのモル比は1:0.8:0.2であった。
【0292】
触媒A1の調製方法はCN111659463Aを参照して行い、成形ステップにおいて触媒A1とマッチングする金型を用いて成形し、特定構造の触媒A1を形成した以外は、調製方法はCN111659463Aを参照して行った。
【0293】
触媒A2~触媒A4は、触媒A1の構造及び製造方法と同じであり、違いはケイ素と、アルミニウムと、リンのモル比が1:0.8:0.5、1:0.8:0.8及び1:0.8:1.6であった。
【0294】
触媒B1
触媒B1は、高さ5mmの円柱状の本体1と、突出部2とを有するクローバー型柱状触媒であり、クローバー円の交差以外の葉弁を突出部2とし、図4に示すように、破線の内部を触媒の本体部分とし、点線の円以外の部分を突出部2とし、点線の円の直径が3mmであり、一点鎖線で標記されたaは突出部2の長さであり、1.6mmであった。
【0295】
第1類孔道の孔径は、ナノスケールであり、第1類孔道の孔径は16.29nmであった。
【0296】
触媒の孔道容積は0.719cm/gであり、触媒の比表面積は151.89m/gであり、ケイ素と、アルミニウムと、リンとのモル比は1:0.8:0.2であった。
【0297】
触媒B1の調製方法はCN111659463Aを参照して行い、成形ステップにおいて触媒B1とマッチングする金型を用いて成形し、特定構造の触媒B1を形成した以外は、調製方法はCN111659463Aを参照して行った。
【0298】
触媒B2~触媒B4は、触媒B1の構造及び製造方法と同じであり、違いはケイ素と、アルミニウムと、リンのモル比が1:0.8:0.3、1:0.8:0.5及び1:0.8:1.5であった。
【0299】
触媒C1
触媒C1は三孔ボール型触媒であり、図5に示すように、三孔ボール型触媒は、球状の本体1と内部の第2種の孔道3を含み、第2種の孔道3は本体1を貫通する単孔であり、三つ設けられ、単孔の直径は1.0mmであり、三つの単孔は正三角型分布を呈し、球状本体1の直径は4.5mmであった。
【0300】
第1類孔道の孔径は、ナノスケールであり、第1類孔道の孔径は18.43nmであった。
【0301】
触媒の孔道容積は0.781cm/gであり、触媒の比表面積は201.77m/gであり、ケイ素と、アルミニウムと、リンとのモル比は1:0.6:0.3であった。
【0302】
触媒C1の調製方法はCN111659463Aを参照して行い、成形ステップにおいて触媒C1とマッチングする金型を用いて成形し、特定構造の触媒C1を形成した以外は、調製方法はCN111659463Aを参照して行った。
【0303】
触媒C2~触媒C3は、触媒C1の構造及び製造方法と同じであり、違いはケイ素と、アルミニウムと、リンのモル比が1:0.6:0.7、1:0.6:0.9及び1:0.6:1.3であった。
【0304】
触媒D1~触媒D4は、中実筒状触媒である以外は、それぞれ触媒A1~触媒A4と同様である。
【0305】
第1吸着剤の実施例
第1吸着剤a
第1吸着剤aの調製方法は以下のステップを含む。
【0306】
(1)混合1.2kgモンモリロナイト及び濃度21%の塩酸溶液を混合し、予備処理を行い、順次室温で2.5h第1浸漬し、次に85℃に加熱し、熱いうちに濾過し、濾過過程で純水でモンモリロナイトを複数回洗浄し、モンモリロナイトを恒量になるまで乾燥し、前駆体を得た。
【0307】
(2)250g前駆体を0.8L金属塩溶液に加え、金属塩溶液は総濃度0.1mol/L AgNO/Cd(NOの水溶液(nAg/nCd=1:1)であり、これを回転速度50rpmの振動シェーカーに置いて4h第2浸漬し、恒量になるまで乾燥し、乾燥した吸着剤をマッフル炉で焼成し、昇温速度6℃/min、終点温度550℃、終点温度で焼成する時間は、3hで、第1吸着剤aを得た。
【0308】
第1吸着剤b
第1吸着剤bの調製方法は以下のステップを含む。
【0309】
(1)1kgZSM-5沸石モレキュラーシーブ及び濃度50%の硝酸溶液を混合し、予備処理を行い、順次室温で10h第1浸漬し、次に50℃に加熱し、熱いうちに濾過し、濾過過程で純水でZSM-5沸石モレキュラーシーブを複数回洗浄し、ZSM-5沸石モレキュラーシーブを恒量になるまで乾燥し、前駆体を得た。
【0310】
(2)250g前駆体を0.3L総濃度が0.5mol/L AgNO/Cd(NOの水溶液(nAg/nCd=1:1)に加え、回転速度50rpmの振動シェーカーに置いて0.5h第2浸漬し、恒量になるまで乾燥し、乾燥した吸着剤をマッフル炉で焼成し、昇温速度が5.5℃/minで、終点温度が300℃で、終点温度で焼成する時間が8hで、第1吸着剤bを得た。
【0311】
第1吸着剤c
第1吸着剤cの調製方法は以下のステップを含む。
【0312】
(1)1kgZSM-5沸石モレキュラーシーブ及び濃度12%の過酸化水素水を混合し、予備処理を行い、順次室温で15h第1浸漬し、次に65℃に加熱し、熱いうちに濾過し、濾過過程で純水でZSM-5沸石モレキュラーシーブを複数回洗浄し、ZSM-5沸石モレキュラーシーブを恒量になるまで乾燥し、前駆体を得た。
【0313】
(2)500g前駆体を1.2L総濃度が0.08mol/L AgNOの水溶液に加え、回転速度20rpmの振動シェーカーに置いて5h第2浸漬し、恒量になるまで乾燥し、乾燥した吸着剤をマッフル炉で焼成し、昇温速度が5.5℃/minで、終点温度が250℃で、終点温度で焼成する時間が3.6hで、第1吸着剤cを得た。
【0314】
水素化触媒の実施例
触媒I
触媒Iは窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒であり、その調製方法は以下のステップを含む。
【0315】
(I)100.84g活性炭(炭素含有量84.5%、孔道容積9.6cm/g、比表面積273m/g)、30.72g硝酸コバルト六水和物、51.03g尿素、9.79gトリフェニルホスフィン及び溶媒(100.66g水及び101.29gエタノール)を混合し、撹拌混合の時間は12hであり、混合後の材料を得た。
【0316】
(II)混合後の材料を55℃で24hゆっくりと乾燥させて溶媒を除去し、溶媒除去材料を得た。
【0317】
(III)溶媒除去材料を研磨して均一にした後、管状炉に置き、アルゴンガス雰囲気中で熱分解し、アルゴンガスの質量空間速度は1h-1であり、5℃/minで600℃まで昇温し、熱分解時間は2hであり、窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒を得た。
【0318】
触媒Iの窒素吸着脱着曲線は図6に示し、図6から分かるように、触媒Iは優れた吸着性能を有し、比表面積は271m/gであり、図7から分かるように、触媒IにはN、P、Co及びO元素が含まれ、且つ分析から分かるように、触媒には3.11%のCo、4.10%のN及び0.81%のPが含有され、図8の透過型電子顕微鏡図から分かるように、窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒は、コバルトを中心として形成された窒素・リンドープの被覆炭素層を有し、且つコバルト中心の分布が均一である。
【0319】
触媒II
触媒IIは窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒であり、その調製方法は以下のステップを含む。
【0320】
(I)100.56g活性炭(炭素含有量91.5%、孔道容積5.6cm/g、比表面積355m/g)、38.59gシュウ酸コバルト、27.05gエチレンジアミン、83.02gジエチルフェニルホスフィン及び溶媒(250.25g水及び49.98gエタノール)を混合し、撹拌混合の時間は6hであり、混合後の材料を得た。
【0321】
(II)混合後の材料を45℃で48hゆっくりと乾燥させて溶媒を除去し、溶媒除去材料を得た。
【0322】
(III)溶媒除去材料を研磨して均一にした後、管状炉に置き、アルゴンガス雰囲気中で熱分解し、アルゴンガスの質量空間速度は0.2h-1であり、4℃/minで800℃まで昇温し、熱分解時間は1.5hであり、窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒を得た。
【0323】
触媒III
触媒IIIは窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒であり、その調製方法は以下のステップを含む。
【0324】
(I)100.93g活性炭(炭素含有量78.7%、孔道容積11.7cm/g、比表面積486m/g)、7.29g酢酸コバルト四水和物、78.23gエチレンジアミン/ピペラジン(質量比1:1)、10.02gトリエチルホスフィン及び溶媒(30.36g水及び150.14gエタノール)を混合し、撹拌混合の時間は8hであり、混合後の材料を得た。
【0325】
(II)混合後の材料を60℃で6hゆっくりと乾燥させて溶媒を除去し、溶媒除去材料を得た。
【0326】
(III)溶媒除去材料を研磨して均一にした後、管状炉に置き、アルゴンガス雰囲気中で熱分解し、アルゴンガスの質量空間速度は3h-1であり、10℃/minで700℃まで昇温し、熱分解時間は3.5hであり、窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒を得た。
【0327】
触媒IV
触媒IVは窒素ドープ炭素ベースコバルト触媒であり、その調製方法は、ステップ(I)においてトリフェニルホスフィンを加えなかった以外は、触媒Iと同様である。
【0328】
触媒V
触媒Vは、リンドープ炭素ベースコバルト触媒であり、その調製方法は、ステップ(I)において尿素を加えなかった以外は、触媒Iと同様である。
【0329】
第2吸着剤α
第2吸着剤αの調製方法は実施例1の調製方法と同様である。
【0330】
第2吸着剤β
第2吸着剤βは、表面分子インプリント機能化された第2吸着剤を提供し、第2吸着剤は、担体Alと、担体Al上に担持された表面分子とを含み、表面分子の間に印影キャビティが形成され、印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングする。
【0331】
第2吸着剤βの調製方法は以下のステップを含む。
【0332】
まず、15g担体Alと1L無水トルエンを混合し、超音波で45min分散した後に、窒素雰囲気で15mL 3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、80℃で10h改質反応させ、得られた改質反応物を順次濾過し、トルエンで4回洗浄し、メタノールで3回洗浄し、真空乾燥オーブンで40℃乾燥させて、改質担体を得た。
【0333】
(1)機能性単体である3.2gのアクリルアミドと、アゼピン系化合物テンプレートである1gの3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンとを、1Lエタノール中で15℃撹拌して予備重合を20h行い、予備重合ポリマーを含有する予備重合反応材料を得た。
【0334】
(2)まず、ステップ(1)予備重合反応材料と30g改質担体を混合し、超音波で60min分散した後後に、窒素雰囲気で架橋剤である78.6g エチレングリコールジメタクリレートと、開始剤である1g アゾビスイソブチロニトリルとを加え、40℃で48h重合反応させ、ポリマー粒子を得た。
【0335】
(3)ソックスレー抽出器において、体積比が10:1であるギ酸と酢酸との混合酸液を採用して、抽出液において3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを検出できなくなるまで、ポリマー粒子中の2,3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートを抽出し、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートが除去されたポリマー粒子を100℃の真空乾燥中に置き、恒量になるまで乾燥させ、表面分子インプリント機能化された第2吸着剤βを得た。
【0336】
第2吸着剤γ
第2吸着剤γは、表面分子インプリント機能化された第2吸着剤を提供し、第2吸着剤は、担体Al及び担体Al上に担持された表面分子を含み、表面分子の間に印影キャビティが形成され、印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングする。
【0337】
第2吸着剤γの調製方法は以下のステップを含む。
【0338】
まず、60g担体Alと2L無水トルエンを混合し、超音波で60min分散した後に、窒素雰囲気で0.1L3-アミノプロピルトリエトキシシランを滴下し、100℃で25h改質反応し、得られた改質反応物を順次濾過し、トルエンで3回洗浄し、メタノールで4回洗浄し、真空乾燥オーブンで100℃乾燥させて、改質担体を得た。
【0339】
(1)機能性単体である5.7gのアクリルアミドと、アゼピン系化合物テンプレートである2gの3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンとを、0.5Lエタノールで室温(25℃)撹拌して予備重合を10h行い、予備重合ポリマーを含有する予備重合反応材料を得た。
【0340】
(2)まず、ステップ(1)予備重合反応材料と2.5g改質担体を混合し、20min超音波で分散した後に、窒素雰囲気で架橋剤である79.0gエチレングリコールジメタクリレートと、開始剤である0.05gアゾビスイソブチロニトリルとを加え、60℃で24h重合反応し、ポリマー粒子を得た。
【0341】
(3)ソックスレー抽出器において、采用体積比は5:1的ギ酸和酢酸の混合酸液を採用し、抽出液において3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンを検出できなくなるまで、ポリマー粒子中の2,3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートを抽出し、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンテンプレートが除去されたポリマー粒子を40℃の真空乾燥に置き、恒量になるまで乾燥させ、表面分子インプリント機能化された第2吸着剤γを得た。
【0342】
第2吸着剤δ 即ち比較例1で調製した吸着剤である。
ヘキサメチレンジアミンを調製する実施例
【0343】
実施例12
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、図9~11に示すように、前記方法に採用された装置は、順次接続された気化ユニット10、アンモニア化反応ユニット20、第1精製ユニット30、第1吸着ユニット40、水素化反応ユニット50、第2精製ユニット60及び第2吸着ユニット70を含む。
【0344】
前記気化ユニット10は、ベンチュリ気化装置を含む。前記ベンチュリ気化装置は、漸縮部101、スロート部102及び漸拡部103を含み、前記漸縮部101に第1入口104が設置され、前記漸拡部103に第1ガス出口105が設置され、前記スロート部102に第2入口が設置される。前記ベンチュリ気化装置は、前記漸拡部103とスロート部102とを接続する外部循環管路をさらに含む。前記外部循環管路に物料搬送装置106が設置される。前記外部循環管路は、漸拡部103の最低点位置に設置される。前記漸拡部103の内部に乱流部材が設置される。前記第2入口に霧化ノズルが設置される。
【0345】
前記アンモニア化反応ユニット20は固定床反応装置を含み、前記固定床反応装置は直列した4つの固定床反応器を含む。
【0346】
前記水素化反応ユニット50は磁気安定化反応装置を含む。前記磁気安定化反応装置は、管型反応器502と、前記管型反応器502の外側に設置され、軸方向に配列された少なくとも2つのヘルムホルツコイル509を含む。前記ヘルムホルツコイル509はそれぞれ独立して変圧装置に接続される。各前記ヘルムホルツコイル509の巻き数は20である。前記磁気安定化反応装置は、前記管型反応器502の前に設置され、前記管型反応器502に接続された第1加熱装置501をさらに含む。前記第1加熱装置501の外に加熱部材503が設置される。前記第1加熱装置501内に石英フィラーが設置される。前記第1加熱装置501の下部側に第3入口504が設置され、頂部に第1出口505が設置される。前記管型反応器502の底部に第4入口506が設置される。前記第4入口506は第1出口505に接続される。前記管型反応器502の底部及び/又は下部側に水素ガス入口507がさらに設置される。前記管型反応器502の下部側に触媒入口508が設置される。前記触媒入口508の設置位置は、ヘルムホルツコイル509の下面にある。前記管型反応器502の上部側に触媒出口5012が設置される。前記触媒出口5012はヘルムホルツコイル509の上面に設置される。前記管型反応器502の上部側に製品出口5011が設置される。前記管型反応器502の頂部に排気ガス出口5010が設置される。
【0347】
前記方法は、具体的に、以下のステップを含む。
【0348】
(1)リン酸トリメチル(アンモニアガス重量の10ppmを占める。)とアンモニアガスを混合した後、500℃で予熱処理してアンモニアガスを過熱させ、混合ガスを得た。
混合ガスを温度が120℃である液相状態の第i部分有機アミドとベンチュリ気化装置中に350℃で混合気化した後、第1セグメント固定床反応器(合計直列した4つの固定床反応器、4セグメント固定床反応器とし、各セグメント固定床反応器内に同じ重量の触媒を充填する。)に導入し、第1反応温度、第1反応圧力及び第1触媒の作用下で反応させ、第1反応排出試料を得た。
【0349】
第i反応排出試料を第i+1部分有機アミドと第i+1セグメント固定床反応器に導入し、iの値の範囲は1≦i≦3であり、且つiは自然数であり、第i+1反応温度、第i+1反応圧力及び第i+1触媒の作用下で反応を行い、第i+1反応排出試料を獲得し、ここで、第i+1反応排出試料を循環して次のステップの第i反応排出試料としてi+1=n(n=4)までアンモニア化反応を行い、第1反応排出試料を得た。
【0350】
前記第1反応温度乃至第4反応温度は、それぞれ350℃、375℃、400℃及び425℃であり、前記第1反応圧力乃至第4反応圧力は、それぞれ0MPa、0.3MPa、0.6MPa及び0.9MPaであり、前記第1触媒乃至第4触媒は、それぞれ触媒A1~触媒A4であり、前記第i部分のカプロラクタムは、第i+1部分のカプロラクタムの量と同じであり、総カプロラクタムの再時空間速度は5h-1であり、前記アンモニアガスと有機アミドとの総モル比は5:1であった。
【0351】
(2)前記第1反応排出試料は、精留されて粗6-アミノヘキサンニトリルを獲得し、前記粗6-アミノヘキサンニトリルを空間速度1h-1で第1吸着剤aを介して35℃、0.5MPaの条件下で吸着純化し、6-アミノヘキサンニトリル製品を得た。
【0352】
ステップ(1)とステップ(2)で生成されたポリマー残渣は水と混合され、ポリマー残渣と水との質量比は1:4であり、200℃、5MPa及びAl固体酸触媒の作用下で解重合反応を3h行い、ポリマー残渣と触媒との質量比は1:0.4であり、次に負圧脱水及び負圧蒸留を経て、それぞれ6-アミノヘキサンニトリルとカプロラクタムを得た。
【0353】
(3)50g粒子径D50=20μmの触媒Iを磁気安定化床反応装置における第2管型反応器に装填し、6-アミノヘキサンニトリル、溶媒メタノール及び助剤NaOHを混合し、第1加熱装置に導入して100℃まで予熱し、そして第2管型反応器に導入し、圧力2.0MP、磁場強度1000A・m-1の条件下で6-アミノヘキサンニトリルと水素とを反応させ、ヘキサメチレンジアミンを調製し、反応後材料を獲得し、但し、6-アミノヘキサンニトリルの空間速度は20h-1であり、水素ガスと6-アミノヘキサンニトリルとのモル比は5:1であり、6-アミノヘキサンニトリルと溶媒との質量比は1:3であり、6-アミノヘキサンニトリルと助剤との質量比は1:0.001であった。
【0354】
(4)前記反応後材料を、120℃、-0.095MPaGで精留し、粗ヘキサメチレンジアミンを獲得し、1kgの第2吸着剤αを1mの反応釜に加え、そして500kg粗ヘキサメチレンジアミンを加え、撹拌して均一に分散させ、室温(25℃)下で20h撹拌して吸着し、ヘキサメチレンジアミンを得た。
【0355】
本実施例におけるアンモニア化反応の触媒の再生方法は、以下のステップを含む。
【0356】
初期酸素含有量が1v/v%である酸素含有ガスが、上記固定床反応器の第1の入口からポンピングされ、失活ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブが入った4つの直列した固定床反応器に順次に導入され、1番目の側口から3番目の側口内に補充的酸素含有ガス(空気)を導入し、各固定床反応器入口における酸素含有量が1番目の固定床反応器入口における酸素含有ガスの酸素含有量と一致するように制御し、失活触媒の再生を行った。
【0357】
前記再生過程は、再生前期及び再生後期を含み、再生前期は、酸素含有ガスの酸素含有量を1v/v%に固定し、再生の初期温度は300℃であり、2℃/hで最終温度800℃まで昇温し;再生後期に入り、再生の温度を800℃に固定し、酸素含有ガスの酸素含有量が0.1v/v%/hで最終酸素含有量10v/v%/hまで向上し、最終酸素含有量及び最終温度で180h保持して再生を継続し、再生触媒を得た。
【0358】
実施例13
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は以下のステップを含む。
【0359】
(1)イソプロポキシジステアロイルアルミン酸エステル(アンモニアガス重量の20ppmを占める。)とアンモニアガスを混合した後、600℃で予熱処理してアンモニアガスを過熱させ、混合ガスを得た。
【0360】
混合ガスを、温度が220℃である液相状態の第1部分有機アミドとベンチュリ気化装置中に500℃で混合気化した後、第1セグメント固定床反応器(合計直列した4つの固定床反応器、4セグメント固定床反応器とし、各セグメント固定床反応器内に同じ重量の触媒を充填する。)に導入され、第1反応温度、第1反応圧力及び第1触媒の作用で反応を行い、第1反応排出試料を得た。
【0361】
第i反応排出試料を第i+1部分の有機アミドと第i+1セグメント固定床反応器に導入し、iの値の範囲は1≦i≦3であり、且つiは自然数であり、第i+1反応温度、第i+1反応圧力及び第i+1触媒の作用下で反応を行い、第i+1反応排出試料を獲得し、前記第i+1反応排出試料をi+1=n(n=4)まで循環して次のステップの第i反応排出試料とし、前記第1反応温度から第4反応温度は、それぞれ300℃、375℃、450℃及び500℃であり、前記第1反応圧力から第4反応圧力は、それぞれ0.2MPa、0.5MPa、0.7MPa及び1.0MPaであり、前記第1触媒から第4触媒は、それぞれ触媒B1~触媒B4であり、前記第i部分のカプロラクタムは、第i+1部分のカプロラクタムの量と同じであり、総カプロラクタムの再時空間速度は10h-1であり、前記アンモニアガスと有機アミドとの総モル比は50:1であった。
【0362】
(2)前記反応排出試料を、精留されて粗6-アミノヘキサンニトリルを獲得し、前記粗6-アミノヘキサンニトリルを空間速度3h-1で第1吸着剤bを介して60℃、1MPaの条件下で吸着純化し、6-アミノヘキサンニトリル製品を得た。
【0363】
ステップ(1)とステップ(2)で生成されたポリマー残渣は水と混合され、ポリマー残渣と水との質量比は1:20であり、100℃、10MPa及びCu(OH)固体塩基触媒の作用下で解重合反応10hを行い、ポリマー残渣と触媒との質量比は1:0.5であり、次に負圧脱水及び負圧蒸留を経て、それぞれ6-アミノヘキサンニトリルとカプロラクタムを得た。
【0364】
(3)60g粒子径D50=300μmの触媒IIを磁気安定化床反応装置における第2管型反応器に装填し、6-アミノヘキサンニトリル、溶媒であるイソプロパノール及び助剤Ba(OH)を混合し、第1加熱装置に導入して200℃まで予熱し、そして第2管型反応器に導入し、圧力5.0MPa、磁場強度8000A・m-1の条件下で6-アミノヘキサンニトリルと水素ガスと反応を行い、ヘキサメチレンジアミンを調製し、反応後材料を獲得し、但し、6-アミノヘキサンニトリルの空間速度は15h-1であり、水素ガスと6-アミノヘキサンニトリルとのモル比は100:1であり、6-アミノヘキサンニトリルと溶媒との質量比は1:50であり、6-アミノヘキサンニトリルと助剤との質量比は1:0.001であった。
【0365】
(4)前記反応後材料を、120℃、-0.095MPaGで精留し、粗ヘキサメチレンジアミンを獲得し、1kgの第2吸着剤βを直列した4つの吸着コラムに填充し、そして0.3h-1の速度で粗ヘキサメチレンジアミンを導入し、35℃で吸着し、ヘキサメチレンジアミンを得た。
【0366】
本実施例におけるアンモニア化反応の触媒の再生方法は、以下のステップを含む。
【0367】
初期酸素含有量が2v/v%である酸素含有ガスは、前記固定床反応器の第1の入口からポンピングされ、失活化ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブが入った4つの直列した固定床反応器に順次に導入され、1番目の側口から3番目の側口に補充的酸素含有ガス(空気)を導入し、各固定床反応器入口における酸素含有量が1番目の固定床反応器入口における酸素含有ガスの酸素含有量と一致するように制御し、失活触媒の再生を行った。
【0368】
前記再生過程は、再生前期及び再生後期を含み、再生前期において、酸素含有ガスの酸素含有量を2v/v%に固定し、再生の初期温度は250℃であり、20℃/hで最終温度800℃まで昇温し;再生後期に入り、再生の温度を800℃に固定し、酸素含有ガスの酸素含有量が2v/v%/hで最終酸素含有量21v/v%/hまで上昇し、最終酸素含有量及び最終温度で100h保持して再生を継続し、再生触媒を得た。
【0369】
実施例14
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、以下のステップを含む。
【0370】
(1)アンモニアガスを有機アミドと混合気化され、気化物料を獲得し、前記気化物料がアンモニア化触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第1反応物料を得た。
【0371】
(2)前記第1反応物料は、第1精製及び第1吸着を経って、アミノニトリル系有機物を得た。
【0372】
(3)前記アミノニトリル系有機物が水素ガスと水素化触媒の作用下で水素化反応を行い、有機ジアミンを含む反応後材料を得た。
【0373】
(4)前記反応後材料は、順次に第2精製及び第2吸着を経って、有機ジアミン製品を得た。
【0374】
(5)臭化ニッケル六アミン錯体(アンモニアガス重量の100ppmを占める。)とアンモニアガスを混合した後、300℃で予熱処理してアンモニアガスを過熱させ、混合ガスを得た。
【0375】
混合ガスが温度が69℃である液相状態の第1部分有機アミドとベンチュリ気化装置に300℃で混合気化した後に、第1セグメント固定床反応器(合計直列した3つの固定床反応器、3セグメント固定床反応器とし、各セグメント固定床反応器内に同じ重量の触媒を充填する。)に導入され、第1反応温度、第1反応圧力及び第1触媒の作用下で反応させ、第1反応排出試料を得た。
【0376】
第i反応排出試料を第i+1部分の有機アミドと第i+1セグメント固定床反応器に導入し、iの値の範囲は1≦i≦2であり、且つiは自然数であり、第i+1反応温度、第i+1反応圧力及び第i+1触媒の作用下で反応を行い、第i+1反応排出試料を獲得し、ここで、前記第i+1反応排出試料を循環して次のステップの第i反応排出試料としてi+1=n(n=3)までアンモニア化反応を行った
【0377】
前記第1反応温度乃至第3反応温度は、それぞれ360℃、400℃、460℃であり、前記第1反応圧力乃至第3反応圧力は、それぞれ0.3MPa、0.7MPa及び0.9MPaであり、前記第1触媒乃至第4触媒は、それぞれ触媒C1~触媒C3であり、前記第i部分カプロラクタムは、第i+1部分カプロラクタムの量と同じであり、総カプロラクタムの再時空間速度は1h-1であり、前記アンモニアガスと有機アミドとの総モル比は15:1であった。
【0378】
(2)前記第1反応排出試料は、精留されて粗6-アミノヘキサンニトリルを獲得し、前記粗6-アミノヘキサンニトリルを空間速度0.5h-1で改質吸着剤cを介して20℃、1MPaの条件下で吸着純化し、6-アミノヘキサンニトリル製品を得た。
【0379】
ステップ(1)とステップ(2)で生成されたポリマー残渣は水と混合され、ポリマー残渣と水との質量比は1:0.5であり、400℃、0.2MPa及びAl固体酸触媒の作用下で解重合反応を0.5h行い、ポリマー残渣と触媒との質量比は1:0.01であり、次に負圧脱水及び負圧蒸留を経て、それぞれ6-アミノヘキサンニトリルとカプロラクタムを得た。
【0380】
(3)30g粒子径D50=900μmの触媒IIIを磁気安定化床反応装置における第2管型反応器に装填し、6-アミノヘキサンニトリル、溶媒であるn-ブタノール及び助剤KOHを混合し、第1加熱装置に導入して50℃まで予熱し、そして第2管型反応器に導入し、圧力1.0MPa、磁場強度2000A・m-1の条件下で6-アミノヘキサンニトリルと水素ガスとを反応させ、ヘキサメチレンジアミンを調製し、ここで、6-アミノヘキサンニトリルの空間速度は1h-1であり、水素ガスと6-アミノヘキサンニトリルとのモル比は2:1であり、6-アミノヘキサンニトリルと溶媒との質量比は1:1であり、6-アミノヘキサンニトリルと助剤との質量比は1:0.1であった。
(4)前記反応後材料を、130℃、-0.090MPaGで精留し、粗ヘキサメチレンジアミンを獲得し、1kgの第2吸着剤γを直列した5つの吸着コラムに填充し、そして0.5h-1空間速度で粗ヘキサメチレンジアミンを導入し、25℃で吸着し、ヘキサメチレンジアミンを得た。
【0381】
本実施例におけるアンモニア化反応の触媒の再生方法は、以下のステップを含む。
【0382】
初期酸素含有量が0.5v/v%である酸素含有ガスが、上記固定床反応器の第1の入口からポンピングされ、失活ケイ素・アルミニウム・リンモレキュラーシーブが入った3つの直列した固定床反応器に順次に導入され、1番目の側口から2番目の側口内に補充的酸素含有ガス(空気)を導入し、各固定床反応器入口における酸素含有量が1番目の固定床反応器入口における酸素含有ガスの酸素含有量と一致するように制御し、失活触媒の再生を行った。
【0383】
前記再生過程は、再生前期と再生後期を含み、再生前期において、酸素含有ガスの酸素含有量を5v/v%に固定し、再生の初期温度は350℃であり、酸素含有ガスの酸素含有量は0.05v/v%/hで最終酸素含有量10v/v%/hまで上昇し;再生後期に入り、最終酸素含有量を10v/v%/hに固定し、1℃/hで最終温度700℃まで昇温し、最終酸素含有量と最終温度で200hを保持して再生を継続し、再生触媒を得た。
【0384】
実施例12~14について、アンモニア化反応の触媒の再生過程における一酸化炭素の最高含有量を調べ、再生過程における触媒床層のホットスポット温度上昇を測定し、再生過程における一酸化炭素の最高含有量が顕著に低下し、且つホットスポット温度上昇が勾配昇温及び酸素含有量上昇を行っていない場合に比べて顕著に低下し、再生後の触媒寿命がほとんど変化しないことを発見した。
【0385】
実施例15
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(1)において、助剤としてリン酸トリメチルを加えなかった以外は、実施例12と同様である。
【0386】
実施例16
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(1)において、「リン酸トリメチル」を「三塩化アルミニウム」と置き換えた以外は、実施例12と同様である。
【0387】
実施例17
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(1)において、「触媒A1~触媒A4」を「触媒D1~触媒D4」と置き換えた以外は、実施例12と同様である。
【0388】
実施例18
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(1)において、ベンチュリ気化装置を気化釜と置き換えた以外は、実施例12と同様である。
【0389】
実施例19
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(1)において、各セグメント固定反応器の温度と圧力がいずれも第1セグメント固定床反応器と同じいものを保持した以外は、実施例12と同様である。
【0390】
実施例20
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(1)において、各セグメント固定反応器内の触媒成分がいずれも第1セグメント固定床反応器と同じいものを保持した以外は、実施例12と同様である。
【0391】
実施例21
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(3)において、磁場強度が0であった以外は、実施例12と同様である。
【0392】
実施例22
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(3)において、触媒IをRu-Fe-Al触媒(Ru:5%;Fe:40%;Al:55%)と置き換えた以外は、実施例12と同様である。
【0393】
実施例23
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(3)において、触媒Iを触媒IVと置き換えた以外は、実施例12と同様である。
【0394】
実施例24
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(3)において、触媒Iを触媒Vと置き換えた以外は、実施例12と同様である。
【0395】
実施例25
本実施例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(4)において、第2吸着剤αを第2吸着剤δと置き換えた以外は、実施例12と同様である。
【0396】
比較例2
本比較例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(2)において、吸着純化を行わかった以外は、実施例12と同様である。
【0397】
比較例3
本比較例は、カプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(4)の吸着ステップを行わなかった以外は、実施例12と同様である。
【0398】
測定方法:ガスクロマトグラフィーで定量分析する方法を採用して製品と原料の純度を測定し、6-アミノヘキサンニトリル選択性が98%を下回らないように触媒の使用寿命を計算し、ヘキサメチレンジアミンの選択性が97%を下回らないように触媒の使用寿命を計算し、その結果を表3に示す。
【0399】
【表3】
【0400】
表1から以下の点がわかる。
【0401】
(1)実施例12~25から分かるように、本発明に提供されたカプロラクタムからヘキサメチレンジアミンを調製する方法は、アンモニア化触媒の寿命を7000h以上に延長し、優れた条件で10000h以上で、6-アミノヘキサンニトリル中間体の純度が99.999wt%以上で、6-アミノヘキサンニトリルの選択性が88%以上であり、且つカプロラクタムの転化率が86%以上で、好ましくは96%以上であり、且つ優れた条件下で最終的にヘキサメチレンジアミンの純度が99.980wt%以上であり、好ましい条件で99.99wt%以上であり、ヘキサメチレンジアミンの選択性が93wt%以上であり、優れた条件でヘキサメチレンジアミンの選択性が99.2wt%以上であり、水素化触媒の損失率≦3.25wt%であり、磁反応装置において好ましくは水素化触媒の損失率≦1.1wt%であり、そのうち、水素化セグメントにおける6-アミノヘキサンニトリルの転化率が96wt%以上であり、好ましは99wt%以上である。
【0402】
(2)実施例12と比較例2~3から分かるように、本発明は、吸着と精製を組み合せる純化方式により、6-アミノヘキサンニトリルとヘキサメチレンジアミンの微量不純物の除去を実現し、得られた製品の純度がより高い。
【0403】
実施例26
本実施例は、12-アミノ-n-ドデシルニトリルからn-ドデシルジアミンを調製する方法を提供し、前記方法は、ステップ(1)において、カプロラクタムが12-アミノ-n-ドデシルニトリルと置き換えされた以外は、実施例1と同様である。実施例26において、原料の転化率は99.9wt%であり、製品のn-ドデシルジアミンの選択性は98.7wt%であり、製品のn-ドデシルジアミンの純度は99.99wt%である。
【0404】
以上のように、本発明に提供される有機アミドから有機ジアミンを調製する方法は、気相アンモニア化反応、中間生成物吸着純化、水素化反応及び製品吸着純化プロセスが一体化され、純化されたアミノニトリル系有機物不純物の含有量が低く、その後、有機ジアミン製品を調製する際に副生成物が少なく、製品の純化が容易で、得られた有機ジアミン製品の純度が高く、該プロセスの触媒の使用寿命が長く、再生方式が合理的であり、工業化生産のコストが低減される。
【0405】
以上の説明から分かるように、本発明の上記実施例は、下記の技術効果を実現した:本発明に提供される吸着剤は、アゼピン系化合物とマッチングする印影キャビティを有するため、アゼピン系化合物を特異的に吸着することができ、アゼピン系化合物の分離過程に応用され、優れた選択的な分離効果を有する。
【0406】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は、様々な変更及び変化が可能である。本発明の精神と原則内で行われた任意の修正、等価置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体と、担体上に担持された表面分子を含み、前記表面分子が分子インプリントポリマーであり、
前記表面分子の間に印影キャビティが形成されており、前記印影キャビティがアゼピン系化合物とマッチングすることを特徴とする吸着剤。
【請求項2】
前記担体は、三酸化二アルミニウム、シリカ、活性炭、ZSM-5モレキュラーシーブ又はモンモリロナイトのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記吸着剤の粒子径は50nm~5μmであり、
好ましくは、前記吸着剤の比表面積は100m/g~1000m/gであり、
好ましくは、前記アゼピン系化合物は3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンから選択され、
好ましくは、前記担体は、アミノ基が担持された担体であり;
好ましくは、前記表面分子は、機能性単体と、架橋剤と、アゼピン系化合物とで重合した後、アゼピン系化合物を除去した重合分子を含み、
好ましくは、前記機能性単体は、アミン類物質及び/又はピリジン類から選択され、好ましくはアクリルアミド、o-フェニレンジアミン又は2-ビニルピリジンのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート又はN,N-メチレンビスアクリルアミドのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸着剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤の調製方法であって、
(1)機能性単体及びアゼピン系化合物テンプレートとを予備重合させ、予備重合反応材料を得るステップと、
(2)前記予備重合反応材料と、担体と、架橋剤と、開始剤とを重合反応させ、ポリマー粒子を得るステップと、
(3)前記ポリマー粒子は、アゼピン系化合物テンプレートを除去した後、前記表面分子インプリント機能化された吸着剤を得るステップと、
を含むことを特徴とする調製方法。
【請求項4】
前記ステップ(1)において、前記アゼピン系化合物テンプレートは、3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-アゼピンから選択され、
好ましくは、前記機能性単体は、アミン類物質及び/又はピリジン類であり、好ましくはアクリルアミド、o-フェニレンジアミン又は2-ビニルピリジンのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記機能性単体とアゼピン系化合物テンプレートとのモル比は1~6:1であり、
好ましくは、前記予備重合は、第1有機溶剤に行われ、
好ましくは、前記アゼピン系化合物テンプレートと前記第1有機溶剤との配比は0.5g:1L~10g:1Lであり、
好ましくは、前記第1有機溶剤はアルコール類溶媒であり、好ましくはメタノール、エタノール又はプロパノール中の1種又は2種であり、さらに好ましくはエタノールであり、
好ましくは、前記予備重合の反応温度は10℃~40℃であり、前記予備重合の反応時間は1h~20hであり、
好ましくは、前記予備重合は撹拌条件で行われることを特徴とする請求項3に記載の調製方法。
【請求項5】
前記ステップ(2)において、前記担体と第1有機溶剤との配比は5g:1L~30g:1Lであり、
好ましくは、前記架橋剤とアゼピン系化合物テンプレートとのモル比は18~22:1であり、
好ましくは、前記開始剤と前記第1有機溶剤との配比は0.1g:1L~1g:1Lであり、
好ましくは、前記開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル及び/又は過硫酸アンモニウムを含み、
好ましくは、前記架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート又はN,N-メチレンビスアクリルアミドのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記重合反応の温度は40℃~80℃であり、
好ましくは、前記重合反応の時間は10h~48hであり、
好ましくは、前記重合反応は、まず、第1分散で予備重合反応材料と担体を混合し、前記第1分散した後、前記架橋剤と前記開始剤をさらに加え、前記重合反応を行うことを含み、
好ましくは、前記第1分散した後、第1保護雰囲気に架橋剤と開始剤をさらに加え、
好ましくは、前記第1保護雰囲気は、窒素ガス、ヘリウムガス又はアルゴンガスのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含むことを特徴とする請求項3に記載の調製方法。
【請求項6】
前記ステップ(3)において、前記アゼピン系化合物テンプレートを除去するステップは、混合酸液を採用して前記ポリマー粒子中のアゼピン系化合物テンプレートを抽出することを含み、
好ましくは、前記混合酸液は、ギ酸と酢酸を含有し、
好ましくは、前記ギ酸と酢酸との体積比は5~10:1であり、
好ましくは、前記抽出はソックスレー抽出であることを特徴とする請求項3に記載の調製方法。
【請求項7】
前記担体は、改質されて前記ステップ(2)に加え、
好ましくは、前記担体の改質方法は、出発担体と、第2有機溶剤と、アミノ基含有有機物とを混合し、改質反応を行い、得られた改質反応物を、順次に固液分離、洗浄及び第2乾燥を経て、改質担体を獲得し、
好ましくは、前記出発担体は、三酸化二アルミニウム、シリカ、活性炭、ZSM-5モレキュラーシーブ又はモンモリロナイトのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記第2有機溶剤はトルエンを含み、
好ましくは、前記アミノ基含有有機物はアミノシラン、好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランであり、
好ましくは、前記改質反応の温度は80℃~100℃であり、
好ましくは、前記アミノ基含有有機物と出発担体との質量比は1~10:1であり、
好ましくは、前記出発担体と第2有機溶剤との配比は15g:1L~30g:1Lであり、
好ましくは、出発担体、第2有機溶剤及びアミノ基含有有機物を混合する順序は、まず、第2分散で出発担体と第2有機溶剤を混合した後、前記第2分散の後、アミノ基含有有機物をさらに加えることを含み、
好ましくは、前記第2分散の後、第2保護雰囲気下でアミノ基含有有機物を加え、
好ましくは、前記第2保護雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス又はヘリウムガスのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、
好ましくは、前記洗浄は、順次行われるトルエン洗浄とメタノール洗浄を含むことを特徴とする請求項3に記載の調製方法。
【請求項8】
前記吸着剤がアゼピン系化合物の分離、好ましくはアゼピン系化合物不純物の除去に適用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤の使用。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用して不純物の吸着分離を行うことを特徴とするヘキサメチレンジアミンの純化方法。
【請求項10】
前記純化方法は、前記吸着剤を利用して粗ヘキサメチレンジアミン中のアゼピン系化合物不純物を吸着することを含み、
好ましくは、前記粗ヘキサメチレンジアミンと吸着剤の質量比は300~600:1であることを特徴とする請求項9に記載の純化方法。
【請求項11】
アミノニトリル系有機物と水素ガスが水素化触媒の作用下で水素化反応を行い、有機ジアミンを含む反応後材料を得るステップと、
前記反応後材料は、第2精製及び第2吸着を経て、前記有機ジアミンを獲得し、前記第2吸着が請求項1又は2に記載の表面分子インプリント機能化された吸着剤を採用し、前記第2精製は第2精留処理であるステップと、
を含むことを特徴とする有機ジアミンの調製方法。
【請求項12】
前記水素化触媒は、γ-Fe/SiO、Rh/SiO、Pt-Rh/Al、Fe-SiO-Ag、Ru-Fe-Al、ラネーニッケル、アモルファスニッケル又は炭素ベースコバルト触媒中の1種又は複種を含み、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒は窒素・リン共ドープ炭素ベースコバルト触媒であり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒の成分は、活性成分と主体成分とを含み、前記活性成分は、コバルト、リン、窒素を含み、前記主体成分は炭素を含み、前記炭素ベースコバルト触媒中の前記コバルトの含有量は0.5%~15%であり、前記リンの含有量は0.1%~5%、前記窒素の含有量は1%~10%であり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒の比表面積は50m/g~1000m/gであり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒中のリンと窒素との質量比は1:0.5~20であり、好ましくは前記炭素ベースコバルト触媒に被覆構造の炭素層を有することを特徴とする請求項11に記載の調製方法。
【請求項13】
前記水素化反応は磁気安定化反応装置に行われ、好ましくは前記水素化反応の圧力は0.1MPa~5MPaであり、好ましくは前記水素化反応の温度は25℃~200℃であり、好ましくは前記水素化反応における磁場強度は1000A・m-1~8000A・m-1であり、好ましくは前記アミノニトリル系有機物の空間速度は0.01h-1~20h-1であり、好ましくは前記水素ガスとアミノニトリル系有機物とのモル比は2~100:1であることを特徴とする請求項11に記載の調製方法。
【請求項14】
前記第2吸着は、第2精製された粗有機ジアミンを第2吸着剤で不純物を吸着し、前記有機ジアミンを得ることを含み、好ましくは前記粗有機ジアミンと前記表面分子インプリント機能化された吸着剤との質量比は300~600:1であり、好ましくは前記有機ジアミンの炭素原子数は3~18の自然数であり、好ましくは3~10の自然数であり、さらに好ましくはヘキサメチレンジアミンであることを特徴とする請求項11に記載の調製方法。
【請求項15】
前記調製方法は、アミノニトリル系有機物の調製過程を含み、前記調製過程は、
アンモニアガスを有機アミドとが混合気化され、気化物料を獲得し、前記気化物料がアンモニア化触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第1反応物を得るステップAと、
前記第1反応物は、第1精製及び第1吸着を経て、アミノニトリル系有機物を得るステップBと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の調製方法。
【請求項16】
前記第1吸着は第1吸着剤を採用し、前記第1吸着剤は金属元素が担持された吸着剤であり、好ましくは、前記第1吸着剤は、モンモリロナイト、ZSM-5沸石モレキュラーシーブ、SiO、Al又は活性炭中の1種又は複種から選択され、前記金属元素は遷移金属元素を含み、好ましくは前記遷移金属元素はAg、Cu、Cd、Cr、Fe、Zn、Ni、Zr又はMn中の1種又は多種から選択されることを特徴とする請求項15に記載の調製方法。
【請求項17】
前記第1吸着の不純物は、炭素-炭素二重結合及び/又は炭素-炭素三重結合を含み、好ましくは、前記第1吸着剤の空間速度は0.5h-1~3h-1であり、好ましくは、前記第1吸着の温度は20℃~60℃であり、好ましくは、前記第1吸着の圧力は0.1MPa~1MPaであり、好ましくは、前記アンモニア化反応及び/又は第1精製で生成されたポリマー残渣は、順次に解重合反応、負圧脱水及び負圧蒸留を経て、それぞれアミノニトリル系有機物及び有機アミドを得ることを特徴とする請求項16に記載の調製方法。
【請求項18】
前記ステップAに助剤をさらに加え、前記助剤にアンモニア化触媒に相応する元素のうちの1種又は複種を含み、前記相応する元素は、アルミニウム元素、ケイ素元素、硼元素、窒素元素、アルカリ土類元素、遷移金属元素、リン元素を含み、
好ましくは、前記助剤の添加量は、アンモニアガス重量の0.1ppm~100ppmであり、
好ましくは、前記助剤とアンモニアガスとを混合して予熱処理を行い、混合ガスを得た後、前記有機アミドと混合し、
好ましくは、前記有機アミドは有機ラクタムであり、好ましくは前記有機アミドの炭素原子数は3~18の自然数であり、さらに好ましくは3~10の自然数であり、さらに好ましくは前記有機アミドはカプロラクタムを含むことを特徴とする請求項15に記載の調製方法。
【請求項19】
前記ステップAは、アンモニアガスと第1部分の有機アミドとを混合気化した後、第1セグメント固定床反応器に導入され、第1反応温度、第1反応圧力及び第1アンモニア化触媒の作用下でアンモニア化反応を行い、第1反応排出試料を獲得し、
第i反応排出試料及び第i+1部分の有機アミドは、第i+1セグメント固定床反応器に導入され、iの値の範囲は1≦i≦n-1であり、且つiは自然数であり、nはn≧2の自然数から選択され、第i+1反応温度、第i+1反応圧力及び第i+1アンモニア化触媒の作用でアンモニア化反応を行い、第i+1反応排出試料を獲得し、ここで、前記第i+1反応排出試料を循環して次のステップの第i反応輸入試料としてi+1=nまでアンモニア化を行い、
好ましくは、前記第i+1反応温度>第i反応温度であり、
好ましくは、前記第i+1反応圧力>第i反応圧力であり、
好ましくは、前記第i+1アンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比>第iアンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比であり、好ましくは、前記活性成分はリン元素を含有し、好ましくは、前記担体元素はケイ素を含み、
好ましくは、前記第i+1アンモニア化触媒中の活性成分与ケイ素とのモル比は(0.1~2):1であり、
好ましくは、前記第iアンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比をTとし、第i+1アンモニア化触媒における活性成分と担体元素とのモル比をSとし、前記T与前記S的比値は1:1.2~3であり、
好ましくは、前記第1アンモニア化触媒からn触媒は、それぞれ独立して、第1類孔道を含有し、前記触媒内にさらに第2類孔道を含有し、及び/又は前記触媒がさらに突出部を含み、
好ましくは、同じ次元で、前記第2類孔道の孔長さは、前記アンモニア化触媒の長さの0.15倍~0.6倍であり、及び/又は前記突出部の突出長さは、前記アンモニア化触媒の長さの0.1倍~0.6倍であり、
好ましくは、前記第i+1反応温度は、第i反応温度よりも10℃~50℃高く、
好ましくは、前記第i+1反応圧力は、第i反応圧力よりも0.1MPa~0.5MPa高く、
好ましくは、第i部分の前記有機アミドは、第i+1部分有機アミドの量と同じであり、
好ましくは、第1の前記触媒乃至第n触媒の再生方法は、それぞれ独立して、酸素含有ガスを失活アンモニア化触媒が入った再生装置に導入し、前記再生装置はm個の均一に分布した入口を設置し、又はm個の直列した再生器を含み、且つ2番目乃至m番目の入口から又は2番目の入口から又は2番目乃至m番目の再生器内から補充的酸素含有ガスを導入し、失活触媒の再生を行い、ここで、mは≧2の自然数であり、
好ましくは、前記再生の過程における酸素含有ガスの酸素含有量は再生時間に伴って勾配向上し、前記再生の温度は再生時間に伴って勾配向上することを特徴とする請求項15に記載の調製方法
【請求項20】
前記ステップAにおいて、前記混合気化は、ベンチュリ気化装置に行われ、好ましくは、前記混合気化の前に、液相状態の有機アミドの温度は0℃~300℃であり、好ましくは、前記気化後の温度は300℃~500℃であることを特徴とする請求項15に記載の調製方法。
【請求項21】
順次に接続された気化ユニットと、アンモニア化反応ユニットと、第1精製ユニットと、第1吸着ユニットと、水素化反応ユニットと、第2精製ユニットと、第2吸着ユニットとを含むことを特徴とする請求項11に記載の有機ジアミンの調製方法に使用される装置。
【請求項22】
前記気化ユニットはベンチュリ気化装置を含み、好ましくは、前記アンモニア化反応ユニットは固定床反応装置を含み、好ましくは、前記水素化反応ユニットは磁気安定化反応装置を含むことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【国際調査報告】