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特表2024-525364流体コンディション感知システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】流体コンディション感知システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F01M 11/10 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
F01M11/10 B
F01M11/10 F
F01M11/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578025
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022035302
(87)【国際公開番号】W WO2023278434
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,153
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザンボン, ネイサン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ダニー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴルツマン, チャド エム.
(72)【発明者】
【氏名】イッズィ, ジャンカルロ エム.
(72)【発明者】
【氏名】モラヴェク, デイヴィス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】クロニン, マイケル ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015AA13
3G015BG22
3G015EA29
3G015FC08
3G015FC09
(57)【要約】
本明細書の実施形態は、オイルコンディション感知システム及び関連する方法に関する。第1の態様において、制御回路と、温度センサと、流体特性センサとを有するオイルコンディション感知システムが含まれ、流体特性センサは、少なくとも誘電率を含む流体特性を測定し、オイルコンディション感知システムは、オイル交換イベントが発生した時を自動的に検出し、オイル交換イベントが発生した後に流体特性センサデータを新たなベースライン流体特性データとして記録し、ベースライン流体特性データとの比較に基づいてエンジンオイルのコンディションを評価するように構成される。オイルコンディション感知システムは、流体特性センサからの信号を評価することによってオイル交換イベントを自動的に検出し、閾値を超える誘電率及び/又は粘度の変化をオイル交換イベントとして解釈するように構成され得る。他の実施形態も本明細書に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体コンディション感知システムであって、
制御回路と、
前記制御回路と信号通信する温度センサと、
流体特性センサであって、
前記制御回路と信号通信し、
少なくとも誘電率を含む流体特性を測定する、
流体特性センサとを備え、
前記流体コンディション感知システムは、
流体交換イベントが発生した時を自動的に検出し、
流体交換イベントが発生した後に流体特性センサデータを新たなベースライン流体特性データとして記録し、
前記ベースライン流体特性データとの比較に基づいて流体のコンディションを評価するように構成される、
流体コンディション感知システム。
【請求項2】
前記流体コンディション感知システムが、前記流体特性センサからの信号を評価することによって前記流体交換イベントを自動的に検出し、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量としての閾値を超える誘電率の変化を、流体交換イベントとして解釈するように構成される、請求項1及び3~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項3】
前記流体特性センサが流体の粘度も測定する、請求項1~2及び4~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項4】
排液プラグセンサをさらに備え、前記排液プラグセンサは前記制御回路と信号通信する、請求項1~3及び5~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項5】
前記流体コンディション感知システムが、前記流体特性センサ及び前記排液プラグセンサからの信号を評価することによって流体交換イベントを自動的に検出し、前記排液プラグ取り外しイベントと相関する閾値を超える誘電率の変化を流体交換イベントとして解釈するように構成される、請求項1~4及び6~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項6】
前記流体コンディション感知システムが、現在の誘電率値が記録された誘電率値と閾値を超える量だけ異なる場合に、アラートを発するように構成される、請求項1~5及び7~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項7】
前記流体コンディション感知システムが、ベースライン誘電率値に対する測定された誘電率値の変化率に基づいて、流体交換が必要とされる時間を推定するように構成される、請求項1~6及び8~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項8】
前記流体コンディション感知システムが、流体交換イベントが発生した後の新たなベースライン流体特性データが、所定の予想値と閾値量だけ異なる場合に、アラートを送信するように構成される、請求項1~7及び9~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項9】
前記流体コンディション感知システムが、粘度及び誘電率値から選択される前記流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、存在する流体の種類を示すアラートを送信するように構成される、請求項1~8及び10~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項10】
前記流体コンディション感知システムが、前記流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、前記流体の種類が規格外である場合に、車隊管理者にアラートを送信するように構成される、請求項1~9及び11~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項11】
前記流体特性センサが、流体の粘度、密度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率を測定する、請求項1~10及び12~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項12】
前記流体コンディション感知システムが、前記流体特性センサからのデータに基づいて流体の汚染状態を判定するように構成される、請求項1~11及び13~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項13】
前記流体汚染状態が、侵入した汚染物質及び生成された汚染物質の少なくとも一方の存在及び/又は量を含む、請求項1~12及び14~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項14】
前記流体汚染状態が、酸化状態、水汚染、冷却液汚染、燃料汚染、煤汚染、金属汚染、総塩基価、総酸価、及び不適切な流体の存在のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~13及び15~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項15】
前記流体コンディション感知システムが、前記流体の測定温度が、前記流体コンディション感知システムによって評価される前記流体の位置における水の沸騰温度未満である場合に、流体の水汚染及び冷却液汚染を判定するように構成される、請求項1~14及び16~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項16】
前記流体コンディション感知システムが、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率を反映する現在のデータを、同じものについてのベースラインデータとの比較において使用して、前記流体汚染状態を分類するように構成される、請求項1~15及び17~18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項17】
前記流体コンディション感知システムが、前記流体交換イベントが発生した時を自動的に検出する際に、地理位置データを評価するように構成される、請求項1~16及び18のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項18】
前記流体コンディション感知システムが、温度データに基づいて誘電率データを正規化するように構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項19】
流体コンディション感知システムであって、
制御回路と、
前記制御回路と信号通信する温度センサと、
流体特性センサであって、
前記制御回路と信号通信し、
少なくとも流体酸価を含む流体特性を測定する、
流体特性センサとを備え、
前記流体コンディション感知システムは、
流体交換イベントが発生した時を自動的に検出し、
流体交換イベントが発生した後に流体特性センサデータを新たなベースライン流体特性データとして記録し、
前記ベースライン流体特性データとの比較に基づいて流体のコンディションを評価するように構成される、
流体コンディション感知システム。
【請求項20】
前記流体コンディション感知システムが、前記流体特性センサからの信号を評価することによって前記流体交換イベントを自動的に検出し、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量としての閾値を超える粘度の変化を、流体交換イベントとして解釈するように構成される、請求項19に記載の流体コンディション感知システム。
【請求項21】
流体のコンディションを監視する方法であって、
流体特性センサを用いて流体特性を測定することと、
前記測定された流体特性に基づいて流体交換イベントが発生した時を検出することと、
検出されたオイル交換イベント後に流体特性センサデータを新たなベースラインデータとして記録することと、
現在の流体特性センサデータと前記新たなベースラインデータとの比較に基づいて流体のコンディションを評価することと
を含む方法。
【請求項22】
油圧流体コンディション感知システムであって、
制御回路と、
前記制御回路と信号通信する温度センサと、
流体特性センサであって、
前記制御回路と信号通信し、
少なくとも酸価を含む流体特性を測定する、
流体特性センサとを備え、
前記油圧流体コンディション感知システムは、
流体交換イベントが発生した時を自動的に検出し、
流体交換イベントが発生した後に流体特性センサデータを新たなベースライン流体特性データとして記録し、
前記ベースライン流体特性データとの比較に基づいて流体のコンディションを評価するように構成される、
油圧流体コンディション感知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、PCT国際特許出願として、2022年6月28日に、すべての国の指定の出願人である米国国内企業のDonaldson Company Inc.の名前で、及び、すべての国の指定の発明者である米国市民のNathan D.Zambon、米国市民のDanny W.Miller、米国市民のChad M.Goltzman、米国市民のGiancarlo M.Izzi、米国市民のDavis B.Moravec、米国市民のMichael J.Croninの名前で提出され、2021年6月29日に提出された米国仮特許出願第63/216,153号の優先権を主張し、その内容は参照により完全な形で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書の実施形態は、流体状態感知システム及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エンジン潤滑システムは、潤滑、冷却、洗浄等を提供することを含め、様々なタイプのエンジンの動作において重要な役割を果たす。しかしながら、エンジンオイルは、時間の経過とともに分解して効果を失う傾向がある。さらに、エンジンオイルは、水、燃料、冷却液、煤、金属、酸/塩基等を含むがこれらに限定されない様々な他の成分で時間の経過とともに汚染される可能性がある。
【0004】
エンジンオイルの他にも、潤滑、動力伝達(油圧作動油の場合など)、又は他の目的で多くの他の流体が使用され、これらもまた時間の経過とともに分解したり又は汚染されたりする可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の実施形態は、流体コンディション感知システム及び関連する方法に関する。第1の態様では、制御回路と、制御回路と信号通信する温度センサと、制御回路と信号通信する流体特性センサとを有する流体コンディション感知システムが含まれる。流体特性センサは、少なくとも誘電率を含む流体特性を測定する。流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した時を自動的に検出し、流体交換イベントが発生した後に流体特性センサデータを新たなベースライン流体特性データとして記録し、ベースライン流体特性データとの比較に基づいて流体のコンディションを評価するように構成され得る。
【0006】
第2の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサからの信号を評価することによって流体交換イベントを自動的に検出し、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量としての閾値を超える誘電率の変化を、流体交換イベントとして解釈するように構成され得る。
【0007】
第3の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体特性センサは流体の粘度も測定する。
【0008】
第4の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、排液プラグセンサをさらに含むことができ、排液プラグセンサは、制御回路と信号通信することができる。
【0009】
第5の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサ及び排液プラグセンサからの信号を評価することによって流体交換イベントを自動的に検出し、排液プラグ取り外しイベントと相関する閾値を超える誘電率の変化を流体交換イベントとして解釈するように構成され得る。
【0010】
第6の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、排液プラグセンサは、排液パンに固定された関係で取り付けられるように構成可能な短距離無線トランシーバと、排液プラグに取り付けられるように構成可能な短距離無線アンテナとを含むことができる。
【0011】
第7の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、現在の誘電率値が記録された誘電率値と閾値を超える量だけ異なる場合に、アラートを発するように構成され得る。
【0012】
第8の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、ベースライン誘電率値に対する測定された誘電率値の変化率に基づいて、流体交換が必要とされ得る時間を推定するように構成され得る。
【0013】
第9の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、新たなベースライン流体特性データは、制御回路と電子的に通信するメモリに保存することができる。
【0014】
第10の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、新たなベースライン流体特性データは、クラウドに保存するために通信ネットワークを介して送信することができる。
【0015】
第11の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した後の新たなベースライン流体特性データが、所定の予想値と閾値量だけ異なる場合に、アラートを送信するように構成され得る。
【0016】
第12の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度及び誘電率値から選択される流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、存在する流体の種類を示すアラートを送信するように構成され得る。
【0017】
第13の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、流体の種類が規格外であり得る場合に、車隊管理者にアラートを送信するように構成され得る。
【0018】
第14の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体特性センサは、流体の粘度、密度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率を測定する。
【0019】
第15の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサからのデータに基づいて流体の汚染状態を決定するように構成され得る。
【0020】
第16の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体汚染状態は、侵入した汚染物質及び生成された汚染物質のうちの少なくとも一方の存在及び/又は量を含む。
【0021】
第17の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体汚染状態は、酸化状態、水汚染、冷却液汚染、燃料汚染、煤汚染、金属汚染、総塩基価、総酸価、及び不適切な流体の存在のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
第18の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体の測定温度が、流体コンディション感知システムによって評価される流体の位置における水の沸騰温度未満である場合に、流体の水汚染及び冷却液汚染を判定するように構成され得る。
【0023】
第19の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体の測定温度が100℃未満である場合に、流体の水汚染及び冷却液汚染を判定するように構成され得る。
【0024】
第20の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体の測定温度が110℃未満である場合に、流体の燃料汚染を判定するように構成され得る。
【0025】
第21の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体の測定温度が90℃~125℃であり得る場合に、流体の酸化及び煤汚染を判定するように構成され得る。
【0026】
第22の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体汚染状態を、遅い進化速度又は速い進化速度を有するものとして分類するように構成され得る。
【0027】
第23の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率を反映する現在のデータを、同じものについてのベースラインデータとの比較において使用して、流体汚染状態を分類するように構成され得る。
【0028】
第24の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、誘電率が増加し、粘度が安定し得、抵抗率が減少する場合、流体汚染状態を冷却液又は水の汚染であると分類するように構成され得る。
【0029】
第25の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度が上昇し、他のパラメータが安定し得る場合、流体汚染状態を燃料希釈であると分類するように構成され得る。
【0030】
第26の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度が上昇し、誘電率が上昇する場合、流体汚染状態を煤汚染であると分類するように構成され得る。
【0031】
第27の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した時を自動的に検出する際に、地理位置データを評価するように構成され得る。
【0032】
第28の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、温度データに基づいて誘電率データを正規化するように構成され得る。
【0033】
第29の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は炭化水素流体を含み得る。
【0034】
第30の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は潤滑油を含み得る。
【0035】
第31の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は油圧流体を含み得る。
【0036】
第32の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は、エンジンオイル、トランスミッションオイル、コンプレッサオイル又は流体、及びポンプオイル又は流体からなる群から選択される少なくとも1つを含み得る。
【0037】
第33の態様では、制御回路と、制御回路と信号通信する温度センサと、制御回路と信号通信する流体特性センサとを有する流体コンディション感知システムを含むことができ、流体特性センサは、少なくとも流体酸価を含む流体特性を測定する。流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した時を自動的に検出し、流体交換イベントが発生した後に流体特性センサデータを新たなベースライン流体特性データとして記録し、ベースライン流体特性データとの比較に基づいて流体のコンディションを評価するように構成され得る。
【0038】
第34の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサからの信号を評価することによって流体交換イベントを自動的に検出し、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量としての閾値を超える粘度の変化を、流体交換イベントとして解釈するように構成され得る。
【0039】
第35の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、温度データに基づいて粘度データを正規化するように構成され得る。
【0040】
第36の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体特性センサは、エンジン流体の誘電率を測定する。
【0041】
第37の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、排液プラグセンサをさらに含むことができ、排液プラグセンサは、制御回路と信号通信することができる。
【0042】
第38の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサ及び排液プラグセンサからの信号を評価することによって流体交換イベントを自動的に検出し、排液プラグ取り外しイベントと相関する閾値を超える粘度の変化を流体交換イベントとして解釈するように構成され得る。
【0043】
第39の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、排液プラグセンサは、排液パンに固定された関係で取り付けられるように構成可能な短距離無線トランシーバと、排液プラグに取り付けられるように構成可能な短距離無線アンテナとを含むことができる。
【0044】
第40の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、測定された温度が所定の温度範囲内に入る場合にのみ粘度センサデータを利用するように構成され得る。
【0045】
第41の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、所定の温度範囲は30℃~140℃を含むことができる。
【0046】
第42の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、所定の温度範囲は90℃~125℃を含むことができる。
【0047】
第43の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、現在の粘度値が記録された粘度値と閾値を超える量だけ異なる場合に、アラートを発するように構成され得る。
【0048】
第44の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、測定された粘度値のベースライン粘度値に対する変化率に基づいて、流体交換が必要とされる時を推定するように構成され得る。
【0049】
第45の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、新たなベースライン流体特性データは、制御回路と電子的に通信するメモリに保存することができる。
【0050】
第46の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、新たなベースライン流体特性データは、クラウドに保存するために通信ネットワークを介して送信することができる。
【0051】
第47の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した後の新たなベースライン流体特性データが、所定の予想値と閾値量だけ異なる場合に、アラートを送信するように構成され得る。
【0052】
第48の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度及び誘電特性から選択される流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、存在する流体の種類を示すアラートを送信するように構成され得る。
【0053】
第49の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベントの後に存在する流体の種類を特定し、流体の種類が規格外である場合に車隊管理者にアラートを送信するように構成され得る。
【0054】
第50の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体特性センサは、エンジン流体の粘度、密度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率を測定する。
【0055】
第51の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体特性センサからのデータに基づいて流体の汚染状態を判定するように構成され得る。
【0056】
第52の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体汚染状態は、侵入した汚染物質及び生成された汚染物質の少なくとも一方の存在及び/又は量を含む。
【0057】
第53の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体汚染状態は、酸化状態、水汚染、冷却液汚染、燃料汚染、煤汚染、金属汚染、総塩基価、総酸価、及び不適切な流体の存在のうちの少なくとも1つを含む。
【0058】
第54の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体の測定温度が100℃未満である場合に、エンジン流体の水汚染及び冷却液汚染を判定するように構成され得る。
【0059】
第55の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体の測定温度が110℃未満である場合に、エンジン流体の燃料汚染を判定するように構成され得る。
【0060】
第56の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体の測定温度が90℃~125℃である場合に、エンジン流体の酸化及び煤汚染を判定するように構成され得る。
【0061】
第57の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、エンジン流体の汚染状態を、遅い進化速度又は速い進化速度を有するものとして分類するように構成され得る。
【0062】
第58の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率を反映する現在のデータを、同じもののベースラインデータとの比較において使用してエンジン流体の汚染状態を分類するように構成され得る。
【0063】
第59の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、誘電率が上昇し、粘度が安定し得、抵抗率が低下する場合、エンジン流体の汚染状態を冷却液又は水の汚染であると分類するように構成され得る。
【0064】
第60の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度が上昇し、他のパラメータが安定している場合、エンジン流体の汚染状態を燃料希釈であると分類するように構成され得る。
【0065】
第61の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、粘度が上昇し、誘電率が上昇した場合、エンジン流体の汚染状態を煤汚染であると分類するように構成され得る。
【0066】
第62の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した時を自動的に検出する際に、地理位置データを評価するように構成され得る。
【0067】
第63の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は炭化水素流体を含み得る。
【0068】
第64の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は潤滑油を含み得る。
【0069】
第65の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は油圧流体を含み得る。
【0070】
第66の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は、エンジンオイル、トランスミッションオイル、コンプレッサオイル又は流体、及びポンプオイル又は流体からなる群から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0071】
第67の態様では、流体のコンディションを監視する方法を含むことができる。この方法は、流体特性センサを用いて流体特性を測定することと、測定された流体特性に基づいて流体交換イベントが発生した時を検出することと、検出されたオイル交換イベントの後に流体特性センサデータを新たなベースラインデータとして記録することと、現在の流体特性センサデータと新たなベースラインデータとの比較に基づいて流体のコンディションを評価することとを含み得る。
【0072】
第68の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率の少なくとも1つを含む現在の流体特性センサデータが、現在の流体特性センサデータと新たなベースラインデータとの間の比較に基づいて流体のコンディションを評価する動作の前に、所定の範囲内に入るかどうかを評価することをさらに含み得る。
【0073】
第69の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体交換イベントが発生した時を検出することは、流体特性センサからの信号を評価することと、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量としての閾値を超える誘電率の変化を、流体交換イベントとして解釈することとを含む。
【0074】
第70の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体交換イベントが発生した時を検出することは、流体特性センサからの信号を評価することと、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量としての閾値を超える粘度の変化を、流体交換イベントとして流体交換イベントとして解釈することとを含む。
【0075】
第71の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、粘度データが移動平均として利用され得る。
【0076】
第72の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、温度データに基づいて粘度データを正規化することをさらに含み得る。
【0077】
第73の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体特性センサは流体の誘電率を測定する。
【0078】
第74の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、排液プラグセンサからのデータを評価することをさらに含み得る。
【0079】
第75の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、流体特性センサ及び排液プラグセンサからの信号を評価することによってオイル交換イベントを自動的に検出することと、排液プラグ取り外しイベントと相関させることができる閾値を超える粘度の変化を流体交換イベントとして解釈することとをさらに含み得る。
【0080】
第76の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、流体特性センサ及び排液プラグセンサからの信号を評価し、排液プラグ取り外しイベントと相関させることができる閾値を超える誘電率の変化を流体交換イベントとして解釈することによって、オイル変化イベントを自動的に検出することをさらに含み得る。
【0081】
第77の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、現在の測定温度が所定の温度範囲内に入る場合にのみ、現在の流体特性センサデータと新たなベースラインデータとの比較に基づいて流体のコンディションを評価することをさらに含み得る。
【0082】
第78の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、所定の温度範囲は、90℃~125℃を含み得る。
【0083】
第79の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、現在の流体特性値が記録された流体特性値と閾値を超える量だけ異なる場合に、アラートを発することをさらに含み得る。
【0084】
第80の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、ベースライン流体特性値に対する測定された流体特性値の変化率に基づいて、流体交換が必要とされ得る時間を推定することをさらに含み得る。
【0085】
第81の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、流体交換イベントが発生した後の新たなベースライン流体特性データが所定の予想値と閾値量だけ異なる場合に、アラートを送信することをさらに含み得る。
【0086】
第82の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、粘度及び誘電特性から選択される流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出されたオイル交換イベント後に存在するオイルの種類を特定することをさらに含むことができ、また存在するオイルの種類を示すアラートを送信することができる。
【0087】
第83の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、オイルの種類が規格外であり得る場合、車隊管理者にアラートを送信することをさらに含み得る。
【0088】
第84の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体特性センサは、流体の粘度、密度、温度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率を測定する。
【0089】
第85の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、流体特性センサからのデータに基づいて流体の汚染状態を決定することをさらに含み得る。
【0090】
第86の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体汚染状態は、侵入した汚染物質及び生成された汚染物質の少なくとも一方の存在及び/又は量を含む。
【0091】
第87の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、流体汚染状態を、遅い進化速度又は速い進化速度を有するものとして分類することをさらに含み得る。
【0092】
第88の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、各流体汚染状態パラメータの値を3つのカテゴリのうちの1つに分類することをさらに含み得る。
【0093】
第89の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率を反映する現在のデータを、同じものについてのベースラインデータとの比較において使用して流体汚染状態を分類することをさらに含み得る。
【0094】
第90の態様において、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、誘電率が上昇し、粘度が安定し得、抵抗率が低下する場合、流体汚染状態を冷却液又は水の汚染であると分類することをさらに含み得る。
【0095】
第91の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、粘度が低下し、他のパラメータが安定し得る場合、流体汚染状態を燃料希釈であると分類することをさらに含み得る。
【0096】
第92の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、粘度が上昇し、誘電率が上昇する場合、流体汚染状態を煤汚染であると分類することをさらに含み得る。
【0097】
第93の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、オイル交換イベントが発生した時を自動的に検出する際に、地理位置データを評価することをさらに含み得る。
【0098】
第94の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、本方法は、ある温度範囲にわたって、検出されたオイル交換イベント後の新たなベースラインデータとして流体特性センサデータを記録することをさらに含み得る。
【0099】
第95の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、ある温度範囲にわたって、検出されたオイル交換イベント後の新たなベースラインデータとして流体特性センサデータを記録することは、新たなベースラインデータをローカルメモリに保存することを含む。
【0100】
第96の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、ある温度範囲にわたって、検出されたオイル交換イベント後の新たなベースラインデータとして流体特性センサデータを記録することは、クラウドに保存するために新たなベースラインデータを伝送することを含む。
【0101】
第97の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は炭化水素流体を含み得る。
【0102】
第98の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は潤滑油を含み得る。
【0103】
第99の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は油圧流体を含み得る。
【0104】
第100の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体は、エンジンオイル、トランスミッションオイル、コンプレッサオイル又は流体、及びポンプオイル又は流体からなる群から選択される少なくとも1つを含み得る。
【0105】
第101の態様では、制御回路と、制御回路と信号通信する温度センサと、制御回路と信号通信する流体特性センサとを有する油圧流体コンディション感知システムを含むことができる。流体特性センサは、少なくとも酸価を含む流体特性を測定する。油圧流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した時を自動的に検出し、流体交換イベントが発生した後に流体特性センサデータを新たなベースライン流体特性データとして記録し、ベースライン流体特性データとの比較に基づいて流体のコンディションを評価するように構成され得る。
【0106】
第102の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、流体特性センサからの信号を評価することによって流体交換イベントを自動的に検出し、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量としての閾値を超える酸価の変化を、流体交換イベントとして解釈するように構成され得る。
【0107】
第103の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、感知システムは、排液プラグセンサをさらに含むことができ、排液プラグセンサは、制御回路と信号通信することができる。
【0108】
第104の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、排液プラグセンサは、排液パンに固定された関係で取り付けられるように構成することができる短距離無線トランシーバと、排液プラグに取り付けられるように構成することができる短距離無線アンテナとを含み得る。
【0109】
第105の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、現在の酸価値が記録された酸価値と閾値を超える量だけ異なる場合にアラートを発するように構成され得る。
【0110】
第106の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、測定された酸価値のベースライン酸価値に対する変化率に基づいて、流体交換が必要とされ得る時間を推定するように構成され得る。
【0111】
第107の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、新たなベースライン流体特性データは、制御回路と電子的に通信するメモリに保存することができる。
【0112】
第108の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、新たなベースライン流体特性データは、クラウドに保存するために通信ネットワークを介して送信することができる。
【0113】
第109の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した後の新たなベースライン流体特性データが所定の予想値と閾値量だけ異なる場合に、アラートを送信するように構成され得る。
【0114】
第110の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、酸価及び粘度から選択される流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、存在する流体の種類を示すアラートを送信するように構成され得る。
【0115】
第111の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、流体特性センサからの少なくとも1つのタイプのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、流体の種類が規格外であり得る場合に、車隊管理者にアラートを送信するように構成され得る。
【0116】
第112の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、流体特性センサからのデータに基づいて流体の汚染状態を決定するように構成され得る。
【0117】
第113の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、流体の汚染状態は、侵入した汚染物質及び生成された汚染物質の少なくとも一方の存在及び/又は量を含む。
【0118】
第114の態様では、先行又は後続の態様の1つ又は複数に加えて、或いはいくつかの態様の代替において、油圧流体コンディション感知システムは、流体交換イベントが発生した時を自動的に検出する際に、地理位置データを評価するように構成され得る。
【0119】
本概要は、本出願の教示の一部の概観であり、本主題の排他的又は網羅的な取り扱いを意図するものではない。さらなる詳細は、詳細な記載及び添付の特許請求の範囲に見い出される。他の態様は、以下の詳細な記載を読み、理解し、その一部を構成する図面を見れば、当業者には明らかであろうが、これらのそれぞれは、限定的な意味で捉えられるものではない。本明細書における範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物によって定義される。
【0120】
態様は、以下の図に関連してより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0121】
図1】本明細書における様々な実施形態による車両の概略図である。
図2】本明細書における様々な実施形態による潤滑システムの概略図である。
図3】本明細書における様々な実施形態によるオイルコンディション感知システムの概略図である。
図4】本明細書における様々な実施形態によるオイル汚染状態の図である。
図5】本明細書の様々な実施形態によるオイル粘度及び誘電率の経時的なグラフである。
図6】本明細書における様々な実施形態による測定された粘度及び温度に関して補正された粘度のグラフである。
図7】本明細書における様々な実施形態によるオイルパン及びオイルプラグセンサシステムの概略図である。
図8】本明細書における様々な実施形態によるオイルコンディション感知システムの構成要素の概略図である。
図9】本明細書における様々な実施形態によるデータ交換ネットワークの概略図である。
図10】本明細書における様々な実施形態によるデータ交換ネットワークの概略図である。
図11】本明細書における様々な実施形態による地理位置システムの概略図である。
図12】本明細書における様々な実施形態による方法の動作の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0122】
実施形態は様々な変更及び代替形態の影響を受けやすいが、その具体的な態様を例及び図面によって示し、詳細に記載する。しかしながら、本明細書における範囲は、記載された特定の態様に限定されないことが理解されるべきである。それどころか、その意図は、本明細書における趣旨及び範囲内に入る修正、等価物、及び代替物をカバーすることである。
【0123】
流体の汚染状態又はコンディションを特定することは、流体及び/又はフィルタの交換時期を検討する際に、最適なコスト効率を達成するために重要であり得る。流体及び流体フィルタの交換に関連する直接的なコストだけでなく、流体の分解及び/又は汚染がエンジン構成要素及び部品の動作及び寿命に及ぼす影響などの要因により、流体及び流体フィルタを交換しないことに関連する長期的なコストも存在する。流体の汚染状態又はコンディションを特定することは、システムの運転を継続すると重大でコストのかかる損傷を招く危険性があるほど十分なレベルに汚染状態が達した時を判断するためにも重要であり得る。
【0124】
車両外の環境でのみ流体のコンディションを分析できるシステムの価値は限られている。第1の問題点として、そのようなシステムは、車両運転中にリアルタイムで車両運転者及び/又は車隊管理者にフィードバックを提供することができない。第2の問題として、データが限られた数の間隔を空けた離散時点でのみ収集される場合、傾向を特定することは本質的に困難である。
【0125】
しかしながら、本明細書の実施形態は、車両運転中にリアルタイムでそのような情報を提供するために、車両によって使用される流体の汚染状態又はコンディションを正確に検出するために使用することができる、車載流体コンディション感知システム及び関連する方法を含む。
【0126】
さらに、本明細書の様々な実施形態は、流体交換イベントが発生した時を自動的に検出し、その後すぐに収集されたデータをベースライン基準点として使用して、それが車両の継続的な運転中に使用されるので流体のコンディション又は汚染状態の変化を正確に評価することができる。
【0127】
さらに、本明細書の様々な実施形態は、酸化状態、水汚染状態、冷却液汚染状態、燃料汚染状態、煤汚染状態、金属汚染状態、総塩基価、総酸価、及び不正流体の存在を特徴付けることを含むがこれらに限定されない、流体のコンディション又は汚染状態を特徴付けることもできる。
【0128】
いくつかの実施形態において、エンジンオイルは、本明細書の流体コンディション感知システムを使用して監視することができる。ここで図1を参照すると、本明細書の様々な実施形態による車両100の概略図が示されている。車両100は、エンジン102を含む。エンジン102は潤滑システムを含む。ここで図2を参照すると、本明細書における様々な実施形態による例示的なエンジン潤滑システム200の概略図が示されている。図2のエンジン潤滑システム200は、図示を容易にするために、通常であれば実際の潤滑システムの一部であり得る様々な構成要素を省略していることが理解されよう。この図において、エンジン潤滑システム200は、オイルパン202と、オイルパン202からオイルを引き出すためのオイルポンプ204とを含む。この具体例では、エンジン潤滑システム200は、第1のオイルフィルタ206と第2のオイルフィルタ208も含むが、他の数のフィルタ(より多い又は少ない)を使用することもできる。オイルは、汚染物質除去のためにオイルフィルタ206、208を通過することができる。いくつかの実施形態において、オイルフィルタは、スピンオンタイプのオイルフィルタとすることができる。しかしながら、オイルフィルタを他のタイプにすることもできる。エンジン潤滑システム200は、オイルクーラ212も含む。オイルはオイルクーラ212を通過し、そこから熱を除去することができる。この例では、エンジン潤滑システム200は、潤滑、冷却、洗浄等の目的で、ターボチャージャ210及びエンジン構成要素214にオイルを通すことも示されている。オイルは一般に、その後オイルパン202又はリザーバに戻る。
【0129】
次に図3を参照すると、本明細書の様々な実施形態による流体コンディション感知システム310の概略図が示されている。この図では、オイルライン302が、第1のオイルフィルタ206につながり、第1のオイルフィルタ206から離れるように示されている。第1のオイルフィルタ206は、フィルタヘッド304又はフィルタハウジングに適合する。この例では、流体コンディション感知システム310は、フィルタヘッド304に適合可能な流体特性センサ312を含む。また、流体コンディション感知システム310は、ハウジング314と流体特性センサ312との間の接続ライン316とともに、様々な構成要素が適合するハウジング314を含むことができる。図3は、流体コンディション感知システム310が、第1のオイルフィルタ206用のフィルタヘッド304と特にインターフェースする様子を示しているが、本明細書におけるオイルコンディション感知システムは、追加的に又は代わりに、他のオイルフィルタ及び/又はエンジン潤滑システムの他の構成要素と関連付けることができることが理解されよう。いくつかの実施形態において、流体特性センサ312は、エンジン潤滑システムの別の部分でエンジンオイルとインターフェースする。
【0130】
流体特性センサ312は、エンジンオイルの多数の異なる特性を測定することができる。様々な実施形態において、流体特性センサ312は、エンジン102オイルの粘度、密度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率のうちの1つ又は複数を測定することができる。いくつかの実施形態において、流体特性センサは、少なくとも部分的に、機械的、電気機械的、電気的、音響波ベース、共振器、音叉、分光学(IR又は近IR光分光学など)、光学、又は他の動作測定原理に基づくことができる。場合によっては、流体特性センサ312は、複数の流体特性を測定又は導出するために使用できる測定原理を利用する単一の感知素子を含むことができる。例えば、音叉ベースのセンサは、複数の流体特性を測定することができる。しかしながら、他の場合、流体特性センサ312は、他の感知素子と同じ又は異なる感知特性を利用する複数の離散感知素子をその中に含むことができる。例えば、場合によっては、流体特性センサ312は、電気機械的な粘度感知素子と、別個の電気的ベースの温度感知素子とを含む一体型モジュールとすることができる。粘度感知素子は、回転粘度センサ、直線運動粘度センサ、音叉振動センサ、共振器粘度センサ、水晶波共振器センサ、音響波粘度センサ、圧電センサ、分光センサ等などの構成要素を含むことができる。誘電率感知素子は、静電容量センサ、時間領域反射率(TDR)センサ、共振周波数センサ、マイクロ波(及び他の電磁波)センサ等の構成要素を含むことができる。抵抗率感知素子は、トロイダル(誘導)抵抗率セル、接触(電極)抵抗率センサ等などの構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、流体特性センサ312は、(熱測定センサなどを用いて)流体の酸価を測定することができる。
【0131】
いくつかの例示的なセンサは、米国特許第6,957,565号明細書、同第7,043,969号明細書;及び同第9,267,872号明細書に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。TE Connectivity社から市販されているFPS2800B12C4流体特性センサ;TE Connectivity社から市販されているOPS3 C4-A流体特性センサ;HYDAC International,GmbH社から市販されているHYDACLab(登録商標)HLB 1400;及びPoseidon Systems社から市販されているTrident QW3100オイルコンディションセンサを含むことができる例示的なセンサ。温度センサを含めることもできる。温度センサは、サーミスタ、熱電対、抵抗温度検知器(RTD)、又はその他の熱電センサ等などの構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、温度測定センサを含めることができる。いくつかの実施形態において、ISFETベースのセンサを含めることができる。
【0132】
様々な実施形態において、流体特性センサ312は、以下でより詳細に記載される制御回路と信号通信することができる。制御回路は、単独で、又は他の様々な構成要素と組み合わせて、本明細書に記載されるような計算/動作を実行することができる。
【0133】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイル交換イベントが発生した時を自動的に検出するように構成することができる。例えば、様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からの信号を評価することによってオイル交換イベントを自動的に検出し、粘度及び/又は誘電率などの流体特性の変化をオイル交換イベントとして解釈するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からの信号を評価することによってオイル交換イベントを自動的に検出し、粘度及び/又は誘電率などの流体特性の変化が閾値を超えることをオイル交換イベントとして解釈するように構成することができる。閾値は、絶対値、絶対値としての変化量、相対値、又は相対値としての変化量とすることができる。
【0134】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からの信号を評価することによってオイル交換イベントを自動的に検出し、具体的には、粘度及び/又は誘電率などの流体特性の段階的変化をオイル交換イベントとして解釈するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からの信号を評価することによってオイル交換イベントを自動的に検出し、粘度、誘電率、又は粘度と誘電率などの1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の異なる流体特性の段階的変化をオイル交換イベントとして同時に解釈するように構成することができる。本明細書における「段階的変化」は、一定期間又は車両運転時間の一定期間(10分、8分、5分、3分、2分、又は1分以下など)未満における閾値を超える特性変化(5、10、15、20、25、30、40、又は50パーセントを超える変化、又は絶対値としての量を超える変化、その他など)を含むことができる。
【0135】
いくつかの実施形態において、システムは、パターンマッチング又は分類操作を実行することによって、オイル交換イベントが発生したことを認識することができる。例えば、システムは、流体特性センサからの現在のデータを一連の記憶されたパターンと照合して、どれが最も近い一致であるかを決定することができる。記憶されたパターンは、オイル交換イベントが発生したシナリオと、オイル交換イベントが発生していないシナリオを反映することができる。現在のデータに対して最も近い一致が、オイル交換イベントが発生したシナリオを反映するパターンである場合、システムは、観察された現在のデータを、オイル交換イベントが実際に発生したことを反映するものとして扱うことができる。パターン照合の操作/技術に関するさらなる詳細については、以下でさらに詳しく記載する。
【0136】
いくつかの実施形態において、システムは、オイル交換イベントが発生したかどうかを決定及び/又は確認するために、個人又は別のシステムに問い合わせることができる。例えば、システムは、オイル交換イベントが発生したかどうかを確認するために、車両運転、車両メンテナンス専門家、又は車隊管理者等に提示される問い合わせを開始することができる。本明細書のいくつかの実施形態において、システムがオイル交換イベントであると考えられるものを自動的に検出した後、確認のために個人又はシステムに対する問い合わせが生成される。
【0137】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイル交換イベントが検出された後、新たなベースラインデータとしてデータを記録するように構成することができる。例えば、様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイル交換イベントが発生した後に、流体特性センサ312データを新たなベースライン流体特性データとして記録するように構成することができる。ベースラインデータは、その後、比較によってオイルの現在の状態を特徴付けるために使用することができる。例えば、様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、ベースライン流体特性データとの比較に基づいてエンジンオイルのコンディションを評価するように構成することができる。
【0138】
温度は、粘度を含む様々な流体特性に影響を与え得ることが理解されよう。さらに、車両は様々な温度でオイルによって動作する可能性があるため、測定された特性及び/又はそこから導き出される結論に対する温度の影響を制御することが重要になる場合がある。例えば、車両が最初に始動した時、周囲と熱的に平衡するのに十分な時間停止していたと仮定すると、オイルの温度は一般的に、エンジンが完全に暖まり、車両運転中に使用された後よりもはるかに低くなる。しかしながら、温度は運転中にも変化し得る。例えば、温度はエンジン負荷だけでなく、他の要因にも影響される可能性がある。
【0139】
しかしながら、本明細書のシステムは、様々な方法で、温度変化に基づく流体特性の変化の影響を軽減することができる。いくつかの実施形態において、流体コンディション感知システム310は、測定された温度が所定の温度範囲内に収まる場合にのみ粘度センサデータを利用するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、温度データに基づいて粘度データを正規化するように構成することができる。エンジンオイル粘度データを正規化する例示的な手法については、以下でさらに詳しく記載する。
【0140】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、それが観察する流体特性に関する情報を個人(運転者、又は車隊管理者等など)及び/又は他のシステムに提供するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、具体的には、流体特性値が所定の値から閾値を超える量だけ異なる場合にアラートを発するように構成され得る。具体例として、様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、現在の粘度値が所定の粘度値から閾値を超える量だけ異なる場合にアラートを発するように構成することができる。本明細書における閾値は、絶対値又は相対値として存在することができる。いくつかの実施形態において、閾値は、例えば、粘度又は本明細書で考察される他のパラメータのいずれかの絶対値、粘度又は本明細書で考察される別のパラメータの特定の変化量(変化の絶対値又はパーセンテージ変化などの変化の相対値として)、又は別のタイプの閾値とすることができる。いくつかの実施形態において、閾値は予め決定し固定することができ、他の実施形態では動的に決定することができる。いくつかの実施形態において、閾値は、具体的には、確立されたベースライン値に対するパーセンテージ変化とすることができる。例えば、いくつかの実施形態において、閾値は、ベースライン値に対して5パーセント、10パーセント、15パーセント、20パーセント、25パーセント、30パーセント、35パーセント、40パーセント、45パーセント、又は50パーセント以上とすることができ、或いは前述のいずれかの間の範囲内に入る量とすることができる。
【0141】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、測定された粘度値のベースライン粘度値に対する変化率に基づいて、オイル交換が必要な時間を推定するように構成することができる。いくつかの実施形態において、システムは、1つ又は複数の流体特性の観察された傾向に基づいて外挿し、そのような値が、オイル交換が推奨される指標として使用できる閾値(これは予め決定し、システムユーザ等によって入力することができる)に達する時間を推定することができる。いくつかの実施形態において、推定値は、オイル交換が推奨されるまでの運転の時間数(又は他の時間単位数)で提供され得る。いくつかの実施形態において、オイル交換が推奨されるまでの走行マイル数で推定値を提供することができる。いくつかの実施形態において、全体的なコストを最小化するためにどの時点でオイルを交換すべきかを示すコスト曲線の観点から推定値を提供することができる。
【0142】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイル交換イベントが発生した後に収集された新たなベースライン流体特性データが、所定の予想値と閾値だけ異なる場合に、アラートを送信するように構成することができる。ベースライン流体特性データが、予想され得る値と異なる場合、これは、誤った種類のオイル(及び/又は誤った種類の流体)が添加されているなどの問題を示すことができる。
【0143】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、粘度及び誘電特性から選択される少なくとも1種類の流体特性センサ312からのデータに基づいて、検出されたオイル交換イベント後に存在するオイルの種類を特定し、存在するオイルの種類を示すアラートを送信するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からの少なくとも1種類のデータに基づいて、検出されたオイル交換イベント後に存在するオイルの種類を特定し、オイルの種類が規格外である場合に車隊管理者にアラートを送信するように構成することができる。
【0144】
オイル又は流体の種類は、測定された流体特性に基づいて特定することができる。例えば、粘度や誘電率は、オイルの特定の種類によって異なり得る特性である。この具体例として、未使用のSAE 15W-40オイルは、未使用のSAE 5W-30オイルよりも100℃における粘度が高い。様々な実施形態において、オイル交換イベント後に確立された新たなベースライン流体特性値が、予想される流体特性値と一致しない場合、規格外オイルの存在に関するアラートを発することができる。同様に、オイル交換イベント後に確立された新たなベースライン流体特性値が、以前のベースライン流体特性値のセット(例えば、以前のオイル交換イベント後に確立されたもの)と異なる場合、システムによってアラートを発することができる。
【0145】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体状態パラメータを絶対瞬時値として利用する。しかしながら、いくつかの実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体状態パラメータを移動平均として利用する。例えば、いくつかの実施形態において、流体コンディション感知システム310は、絶対瞬時値として誘電率値を利用する。しかしながら、いくつかの実施形態において、流体コンディション感知システム310は、移動平均として粘度データを使用する。
【0146】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からのデータに基づいてエンジンオイル汚染状態を判定するように構成することができる。例えば、エンジンオイル汚染状態は、酸化状態、水の汚染、冷却液の汚染、燃料の汚染、煤の汚染、金属の汚染、総塩基価、総酸価、及び不適切な流体の存在のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態において、流体汚染状態は、侵入汚染物質及び生成汚染物質の少なくとも1つの存在及び/又は量を含む。侵入汚染物質は、水汚染、空気汚染、化学汚染、微粒子、生物学的汚染物質、油熱汚染物質等のうちの少なくとも1つを含み得る。発生汚染物質は、酸化生成物、摩耗汚染物質(ゴムや金属の汚染物質など)等を含み得る。
【0147】
ここで図4を参照すると、本明細書の様々な実施形態によるオイル汚染状態の図が示されている。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率を反映する現在のデータを、同じものについてのベースラインデータと比較して使用して、エンジンオイルの汚染状態を分類するように構成することができる。
【0148】
図4は、エンジンオイルの汚染状態が異なる場合の、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率のベースライン値に対する予想される変化を示している。本明細書で粘度について言及する場合、別段の定めがない限り、又は文脈上別段の定めがない限り、動的粘度(cP)を指すものとする。エンジンオイルの汚染状態の分類は、これらのパラメータの1つ又は複数のベースライン値に対する変化に基づくものであり得る。例えば、様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、誘電率が増加し、粘度が安定し、抵抗率が低下した場合、エンジン102のオイルの汚染状態を冷却液又は水の汚染であると分類するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、粘度が低下し、他のパラメータが安定している場合、エンジン102のオイルの汚染状態を燃料希釈と分類するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、粘度が上昇し誘電率が上昇した場合、エンジン102のオイルの汚染状態を煤の汚染であると分類するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、粘度が上昇し、誘電率が安定し、抵抗率が安定している場合、エンジン102のオイルの汚染状態を酸化であると分類するように構成することができる。
【0149】
オイルの汚染状態の分類は、広い温度範囲にわたって行うことができる。いくつかの実施形態において、オイル状態の分類は、例えば90℃~125℃の、より限定された範囲内で行われる。しかしながら、特定の汚染タイプを考慮する場合、特定の温度又は温度範囲で評価する利点が存在し得る。例えば、水が沸騰しないように、100℃未満(圧力、高度等の影響を受ける可能性があるため、オイルを備えたシステムの場所における水の沸騰温度未満)の温度で水又は冷却液の汚染を評価することにおいて利点が存在し得る。このように、様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイルの測定温度が100℃未満、例えば0℃~99℃、又は10℃~99℃、又は評価されるオイルの位置における水の沸騰温度未満の温度等である場合に、水汚染及び冷却液汚染のエンジンオイル汚染状態を評価するように構成することができる。対照的に、いくつかの実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイルの測定温度が90℃~125℃である場合に、エンジンオイルの酸化状態又は煤の汚染を判定するように構成することができる。別の例として、燃料汚染は、オイルと燃料の粘度の絶対差が大きくなる温度、例えば110℃、100℃、90℃、80℃、70℃、60℃、又は50℃以下の温度で有益に測定することができる。
【0150】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、エンジン102のオイルの汚染状態を、遅い進化速度又は速い進化速度を有するものとして分類するように構成することができる。例えば、システムは、汚染状態がどの程度急速に進行したかを評価し、それに応じて汚染状態を分類することができる。この情報は、他のシステム及び/又は運転者や車隊管理者などの個人に提供されるアラート又は他の情報などの出力に含めることができる。例えば、特定の汚染状態が急速に悪化していることが観察された場合、これは継続的な運転によって車両により大きなリスクをもたらし、車両点検のより緊急な必要性をもたらす可能性がある。具体的な例として、急速に進行する冷却液の汚染は、シリンダヘッドのひび割れ、ヒートガスケットの破裂、シール不良、又はマニホールドのひび割れ等に起因する可能性があり、点検の緊急の必要性を提示する可能性がある。本明細書の様々な実施形態において、システムは、急速に進行する冷却液汚染(又は別の急速に進行する汚染状態)が検出された場合、点検の緊急の必要性又は車両運転の停止を通知するアラートを、車両運転者、車隊管理者、又は別の個人に送信することができる。
【0151】
図4は、エンジンオイルなどのオイルの汚染状態を例示しているが、本明細書の流体コンディション感知システムを使用して、多くの異なる種類のオイル/流体を監視できることが理解されよう。例として、本明細書の流体コンディション感知システムは、様々な種類の炭化水素流体を評価/監視するために使用することができる。例として、本明細書の流体コンディション感知システムは、様々な種類の潤滑油を評価/監視するために使用することができる。本明細書における流体コンディション感知システムはまた、様々な油圧流体/オイルを評価/監視するために使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書のシステムは、エンジンオイル、トランスミッション流体、コンプレッサオイル又は流体、ポンプオイル又は流体等からなる群から選択される少なくとも1つの流体を監視するために使用することができる。
【0152】
いくつかの実施形態において、流体汚染状態は、侵入汚染物質及び発生汚染物質の少なくとも一方の存在及び/又は量を含む。侵入汚染物質は、水汚染、空気汚染、化学汚染、微粒子、生物学的汚染物質、油熱汚染物質等のうちの少なくとも1つを含み得る。発生汚染物質は、酸化生成物、摩耗汚染物質(ゴムや金属の汚染物質など)等を含み得る。
【0153】
場合によっては、評価されるパラメータは、評価又は監視されるオイル又は流体の種類によって変わることがある。例えば、新しい油圧流体又は油は約0.2mg KOH/gの酸価(AN)を有し得る。しかしながら、これは一般に時間の経過とともに増加する(酸化反応やその他のメカニズムに起因して)。オイルが1.2、1.4、1.6、1.8、又は2mg KOH/g又はそれ以上の値を有すると、流体の交換が推奨され得る。流体交換後、測定された酸価は新しい油圧流体又は油のレベルまで低下する。このように、本明細書のシステムは、油圧流体又は油という状況下においてなど、流体の交換を検出するために酸価を使用することができる。同様に、本明細書のシステムは、酸価を油圧流体又は油のコンディション及び/又は汚染状態に対して使用することができる。
【0154】
流体特性のベースライン値を確立することは、流体の汚染状態を検出するために重要であり得る。次に図5を参照すると、本明細書の様々な実施形態による、経時的なオイル粘度と誘電率のグラフ500が示されている。グラフ500は、粘度曲線502及び誘電率曲線504を含む。粘度と誘電率の両方が、オイル交換イベント506の時に段階的変化を示す。新たなベースライン値は、オイル交換イベント506の直後の時508に収集することができる。
【0155】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からの信号を評価することによってオイル交換イベント506を自動的に検出し、閾値を超える粘度の変化をオイル交換イベント506として解釈するように構成することができる。
【0156】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ312からの信号を評価することによってオイル交換イベント506を自動的に検出し、閾値を超える誘電率値の変化をオイル交換イベント506として解釈するように構成することができる。
【0157】
上記で言及したように、いくつかの流体特性値は、温度によって実質的に影響を受けることが理解されよう。したがって、温度の変化に対応することは、観察された流体特性値を解釈する上で重要であり、そうでなければ、粘度などの特定の特性の変化が誤って解釈される可能性がある。様々な実施形態において、本明細書のオイルコンディション感知システムは、粘度データ及び/又は他のタイプの流体特性データを温度データに基づいて正規化するように構成することができる。これは、本明細書のシステムによって様々な方法で行うことができる。
【0158】
いくつかの実施形態において、システムは(各データポイントについて)まず、密度で割ることによって、粘度データを動的粘度(cP)から動粘度(cSt)に変換することができる。システムは、以下の方法により、動粘度を所望の温度、例えば100℃に正規化することができる。しかしながら、他の温度への正規化も、本明細書の実施形態に従って、同じ方法を用いて実施できることが理解されよう。次に、システムは、Walther粘度をlog10(log10(μ+0.7))として計算することができる。次に、システムは、以下の式(式1)に従ってWalther粘度補正を計算することができる:
Walther粘度補正=
傾き(log10(100℃+273.15)-log10(T+273.15))
式中、傾きは、補正前粘度対温度データを、log10(log10(μ+0.7))のY軸及びlog10(T)のX軸を有する両対数プロットにプロットした時の線形フィットから計算され、Tは℃の温度である。
【0159】
次に、システムは以下の式(式2)に従ってWalther粘度補正を適用することができる:
温度補正後のWalther粘度=
Walther粘度+Walther粘度補正。
【0160】
次に、システムは、以下の式(式3)に従って、温度補正後のWalther粘度から温度補正後の粘度を計算することができる:
温度補正後の粘度=
10^(10^温度補正後のWalther粘度)-0.7。
【0161】
粘度及び他の流体特性値の温度ベースの正規化のための他のアプローチを使用することもできる。いくつかの実施形態において、温度範囲にわたる所与の流体特性の値のセットをシステムに格納することができ、その後、制御回路は、格納された値のセットを参照する補間手順を使用して、現在の測定値に対する温度補正値を推定することができる。
【0162】
いくつかの実施形態において、誘電率値の温度ベースの正規化は、本明細書のシステムによって実行することができる。いくつかの実施形態において、システムは、線形又は単純な多項式フィットに基づく温度補正を用いて、温度に対して誘電率値を正規化するように構成される。
【0163】
ここで図6を参照すると、本明細書における様々な実施形態による、測定された粘度及び温度に対して補正された粘度のグラフが示されている。図6は、粘度などの流体特性値が正しく解釈されるように、システムが温度の変動をどのように考慮できるかを示している。特に、図6は、一連の補正されていない粘度値を示す。見てわかるように、これらは、予想され得るように、温度の上昇とともに粘度が低下する傾向を示している。図6はまた、上述の手法で計算された一連の補正後の粘度値も示している。これらのデータポイントは、95℃未満~110℃の温度範囲にわたって実質的に一定の粘度値を示している。
【0164】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、測定温度が所定の温度範囲内に入る場合にのみ粘度センサデータを利用するように構成することができる。様々な実施形態において、所定の温度範囲は90℃~125℃を含むことができる。
【0165】
いくつかの実施形態において、オイルプラグセンサを利用して、オイル交換イベントを検出するか、又はその自動検出を確認することができる。ここで図7を参照すると、本明細書における様々な実施形態によるオイルパン202及びオイルプラグセンサ706システムの概略図が示されている。図7は、オイルパン202内のオイル702を示す。オイル排液プラグ704は、オイルパン202の底部のアパーチャ内に嵌合する。エンジン潤滑システムは、オイルプラグセンサ706も含む。
【0166】
排液プラグセンサは、様々な方法で動作するように構成することができる。いくつかの実施形態において、排液プラグセンサは、オイルパン202に固定された関係で取り付けることができる短距離無線リーダを含むことができる。オイル排液プラグ704自体には、短距離無線タグを取り付けることができる。
【0167】
短距離無線リーダは、短距離無線リーダと短距離無線タグとが最大通信距離以下の距離にある時に、短距離無線タグにデータを無線式に送信し、短距離無線タグからデータを無線式に受信するように構成することができる。したがって、短距離無線リーダと短距離無線タグとが互いに通信できる場合、オイル排液プラグ704がオイルパン202の排液アパーチャに取り付けられていると判断できる。
【0168】
しかしながら、オイルパン202から排液プラグを取り外すと、短距離無線タグと短距離無線リーダとの間の距離が最大通信距離を超える量だけ、短距離無線リーダから離れる方向に短距離無線タグが移動する可能性がある。したがって、オイルプラグセンサ706は、車両のオイル交換のプロセス中に、オイル排液プラグ704の短距離無線タグが短距離無線リーダの固定された最大通信範囲外に移動されると、オイル排液プラグ704の短距離無線タグとの通信の喪失に気付くことによって、オイル排液プラグ704の取り外しを検出することができる。
【0169】
いくつかの実施形態において、本明細書の近距離無線通信構成要素は、具体的には、近距離無線通信(NFC)構成要素である。例えば、近距離無線通信タグは、近距離無線通信(NFC)タグであり得る。近距離無線通信リーダは、近距離無線通信(NFC)リーダであり得る。
【0170】
近距離無線通信は、NFC対応デバイス又は構成要素が情報を交換する際に、2つのループアンテナ間の電磁誘導を用いる。一般に、NFCデバイスはISO/IEC18000-3エア・インターフェース上の13.56MHzの世界的に利用可能な免許不要無線周波数ISM帯域内で、106~424Kbit/sの範囲のレートで動作する。
【0171】
NFCデバイスは、NFCカードエミュレーション、NFCリーダ/ライタ、及びNFCピアツーピアを含む様々なモードで動作し得る。様々な実施形態において、本明細書のNFCデバイスはリーダ/ライタモードで動作し、このNFC対応デバイスはフィルタ要素に埋め込まれた、又はフィルタ要素上に配置されたNFCタグ上に記憶された情報を読み取ることができる。
【0172】
本明細書の様々な実施形態によれば、タグは、リーダデバイスなどのデバイスによって読み取られ、場合によっては書き込まれる受動的データ記憶装置であり得る。これらは通常、データ(場合によっては96~8,192バイト)を含む。いくつかの実施形態においてタグは読み取り専用であるが、いくつかの実施形態においては書き換え可能である。いくつかの実施形態において、本明細書の実施形態によるタグは、ワイヤのコイルからなるアンテナと、データ記憶用のメモリ回路を含むことができる集積回路(IC)とを含むことができる。様々な実施形態において、タグはキャパシタも含むことができる。リーダは通常それ自身のアンテナを有し、短距離無線周波数フィールドを連続的又は断続的に送信することができる。
【0173】
タグがリーダの範囲内に置かれると、同調回路を形成するアンテナコイルとコンデンサは、音叉の電気版のように共振しながら、フィールドからエネルギーを吸収・蓄積する。このエネルギーは、集積回路に電力を供給する直流電流に整流することができる。集積回路はデータをアンテナコイルに送信することができ、アンテナコイルは無線周波数信号によってデータをリーダユニットに戻す。タグに電力を供給するエネルギーはすべてリーダユニットから供給されるため、タグはリーダの近くになければ機能しない。そのため、タグとリーダ間の通信は限られた範囲でしか行われない。
【0174】
本明細書の実施形態における近距離無線通信の距離は様々であり得る。いくつかの実施形態において、アンテナコイルのサイズを変化させること、無線周波数フィールドの放出に関連する電力を制限すること等を含むがこれらに限定されない短距離無線通信の距離を意図的に制限するためのステップをとることができる。いくつかの実施形態において、最大近距離無線通信距離は、12、10、8、7、6、5、4、3、又は2インチ未満である。いくつかの実施形態において、最大近距離無線通信距離は、前述のいずれかが範囲の上限又は下限として機能し得る範囲内にある。いくつかの実施形態において、最大近距離無線通信距離は、30、25、20、18、16、14、12、10、8、又は6センチメートル未満である。
【0175】
しかしながら、図7に関して示されたそのシステムは、オイルプラグセンサ706がどのように機能し得るかの単なる一例であることが理解されよう。いくつかの実施形態において、導電性ループがオイル排液プラグ704を含み、それが取り外されると回路が開き、それがオイルプラグセンサ706によって検出され得るように、センサを構成することができる。したがって、いくつかの実施形態において、オイルプラグセンサ706は、無線技術を使用して機能することができ、他の実施形態において、有線アプローチを使用して機能することができる。オイルプラグセンサ706は、システムの制御回路と信号通信することができる。
【0176】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサ及び排液プラグセンサからの信号を評価することによってオイル交換イベントを自動的に検出し、排液プラグ取り外しイベントと相関する閾値を超える粘度の変化をオイル交換イベントとして解釈するように構成することができる。
【0177】
次に図8を参照すると、本明細書の様々な実施形態による流体コンディション感知システム310の構成要素の概略図が示されている。しかしながら、様々な実施形態において、より多くの又はより少ない数の構成要素を含めることができ、この概略図は単なる例示であることが理解されよう。
【0178】
この例では、コンディション感知システム310は、流体特性センサ312及びハウジング314を含み得る。流体特性センサ312は、粘度、密度、誘電率、及び任意選択的に抵抗率を測定するための音叉ベースの感知素子であり得る第1の感知素子894を含み得る。この例では、流体特性センサ312は、温度センサであり得る第2の感知素子896も含み得る。より多い又はより少ない数の感知素子を使用できることが理解されよう。感知要素は、本明細書の他の箇所に記載されるもののいずれかを含み得る。
【0179】
制御回路890は、ハウジング314内に配置され得る。制御回路890は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)チップ、又は特定用途向け集積回路(ASIC)等を含むがこれらに限定されない様々な電子構成要素を含むことができる。制御回路890及びその構成要素の処理能力は、平均化、時間平均化、統計分析、正規化、集計、並べ替え、削除、横行、変換、凝縮(選択されたデータの除去、及び/又は、より粒度の小さいデータへの変換など)、圧縮(圧縮アルゴリズムの使用など)、マージ、挿入、タイムスタンプ、フィルタリング、異常値の除去、トレンド及びトレンドラインの計算(線形、対数、多項式、べき乗、指数、移動平均等)、オイル及び/又はフィルタのEOL(寿命末期)の予測、EOL状態の特定、パフォーマンスの予測、オイル及び/又はフィルタエレメントの交換とオイル及び/又はフィルタエレメントの非交換に関連するコストの予測等を含むがこれらに限定されない、センサからのデータに対する様々な操作を含む様々な操作を実行するのに十分であり得る。
【0180】
制御回路890によって実行される正規化操作は、別の値又は値の集合に基づいて1つ又は複数の値を調整することを含み得るが、これに限定されない。ほんの一例として、粘度データは、本明細書の他の箇所に記載されているように、温度を考慮して正規化することができる。
【0181】
様々な実施形態において、制御回路890は、オイル及び/又はオイルフィルタエレメントの交換時間を計算し、交換時間に関する信号を生成することができる。様々な実施形態において、制御回路は、オイル及び/又はオイルフィルタエレメントの交換時間を計算し、ユーザ出力装置を介して交換時間に関する通知を発することができる。様々な実施形態において、制御回路は、所定のアラート又はアラーム条件が満たされた場合にアラートを発する。
【0182】
様々な実施形態において、流体特性センサ312は、ハウジング314内に配置された電源回路802を含むことができる。いくつかの実施形態において、電源回路802は、整流器804、コンデンサ、無線電力受信機などの電力受信機、変圧器、バッテリなどを含むがこれらに限定されない様々な構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、電源回路802は、電力源820と電気的に通信することができる。電力源820は、交流電源又は直流電源のいずれかとすることができ、これは電源回路802の他の構成要素に影響を与える(電力源820が直流である場合、整流器804は通常不要であるなど)。
【0183】
いくつかの実施形態において、コンディション感知システム310は、ハウジング314上に配置された出力デバイス806を含むことができる。出力デバイス806は、ライト(LEDライトなど)、ディスプレイ画面、スピーカ等を含むがこれらに限定されない、視覚及び/又は音声出力用の様々な構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、出力デバイスは、現在のシステム状態、問題の兆候、必要なユーザ介入、又はメンテナンス動作を実行する適切な時間等などの通知又はアラートをシステムユーザに提供するために使用することができる。しかしながら、様々な実施形態において、通知及び/又はアラートは、車両システム、遠隔システム、又は運転者デバイス等などの別のデバイス又は構成要素に電子的に提供され得ることが理解されよう。
【0184】
様々な実施形態において、コンディション感知システム310は、ハウジング314内に配置されたメモリ808及び/又はメモリコントローラを含むことができる。メモリは、ダイナミックRAM(D-RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、スタティックRAM(S-RAM)、ディスクストレージ、フラッシュメモリ、EEPROM、S-RAM又はD-RAMなどのバッテリバックアップRAM、及び任意の他のタイプのデジタルデータストレージ構成要素を含む様々なタイプのメモリ構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、電子回路又は電子構成要素は、揮発性メモリを含む。いくつかの実施形態において、電子回路又は電子構成要素は不揮発性メモリを含む。いくつかの実施形態において、電子回路又は電子構成要素は、ラッチ又はフリップフロップとして動作する正帰還を提供するように相互接続されたトランジスタを含むことができ、2つ以上の準安定状態を有し、外部入力によって変更されるまでこれらの状態のうちの1つに留まる回路を提供する。データストレージは、このようなフリップフロップを含む回路に基づくことができる。データストレージはまた、コンデンサへの電荷の蓄積、又は他の原理に基づくこともできる。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリ808を制御回路890と一体化することができる。
【0185】
様々な実施形態において、コンディション感知システム310は、ハウジング314内に配置されたクロック回路810を含むことができる。いくつかの実施形態において、クロック回路810は制御回路890と一体化することができる。図8には示されていないが、本明細書の様々な実施形態は、構成要素間のデータの移動を提供するためのデータ/通信バスを含み得ることが理解されよう。いくつかの実施形態において、アナログ信号インターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態において、デジタル信号インターフェースを含むことができる。
【0186】
様々な実施形態において、コンディション感知システム310は、通信回路812を含むことができる。様々な実施形態において、通信回路は、アンテナ814、増幅器、フィルタ、デジタル-アナログ変換器及び/又はアナログ-デジタル変換器等などの構成要素を含むことができる。
【0187】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、地理位置チップ又は回路822を含むこともできる。地理位置データは、緯度/経度座標、又は最も近い住所、最も近いランドマーク等などの他の位置特定情報を含むことができる。本明細書で使用する場合、「地理位置データ」という用語は、文脈上別段の指示がない限り、すべての位置特定データへの言及を含むものとする。
【0188】
場合によっては、地理位置データは、衛星ベースの地理位置システムから導出することができる。このようなシステムは、GPS L1/L2、GLONASS G1/G2、BeiDou B1/B2、Galileo E1/E5b、又はSBAS等を含み得るがこれらに限定されない。様々な実施形態において、地理位置回路822は、衛星とインターフェースするための適切な信号受信機又はトランシーバを含むことができ、及び/又は地理位置回路は、地理位置データを提供するか、又は衛星若しくは他のデバイスから地理位置データを導出する別個のデバイス若しくはシステムとインターフェースすることができ、及び/又はそのような別個のデバイス若しくはシステムからデータを受信することができる。しかしながら、本明細書の地理位置データは、衛星とのインターフェースから受信できるもの、又は衛星とのインターフェースから導出できるものだけに限定されないことが理解されよう。地理位置データは、住所、ビーコン、ランドマーク、様々な参照技術、IPアドレス評価等から導出することもできる。
【0189】
次に図9を参照すると、本明細書の様々な実施形態によるデータ交換ネットワーク900の概略図が示されている。図9は車両100を示す。車両100はエンジン102を含み、その中に潤滑システム及びコンディション感知システム(この図には示されていない)を有することができる。この図では、車両は局所的環境916内にある。いくつかの実施形態において、局所的環境は、クラウド922との通信を提供することができる通信リピータ910又はルータ(車上又は車外であり得る)を含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、コンディション感知システム又はそれと通信する別のシステムは、セルタワー920と直接通信することができ、このセルタワー920は、今度はクラウド922との通信を提供することができる。
【0190】
データ交換ネットワーク900はまた、リモートサーバ924又はクラウドサーバを含むことができ、これは現実のものであっても又は仮想のものであってもよい。データ交換ネットワーク900はまた、リモートデータベース926又はクラウドデータベースを含むことができ、これもまた現実のものであっても又は仮想のものであってもよい。いくつかの実施形態において、リモートユーザインターフェース928を含むことができ、これは、車隊管理者又は別の個人によって使用され得る。場合によっては、本明細書で言及されるアラート又は他の通信は、クラウド922又は他の通信ネットワークを介して、リモートユーザインターフェース928に届けることができる。
【0191】
本明細書では、データ交換のための多くの異なるオプションが企図されている。ここで図10を参照すると、本明細書の様々な実施形態によるデータ交換ネットワーク1000の概略図が示されている。図10は、流体コンディション感知システム310を示す。流体コンディション感知システム310は、データ通信装置1002と通信することができる。このシナリオでは、データ通信装置1002は、外部ネットワーク及び他のシステム(車載又は車外)にデータを伝えるためのリンクとして機能することができる。
【0192】
この例では、データ交換ネットワーク1000は、個人データデバイス1006も含むことができる。個人データデバイス1006は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピューティングデバイス、又は他のコンピューティングデバイスとすることができる。個人データデバイス1006は、データ通信装置1002及び/又は流体コンディション感知システム310とデータを交換することができる。個人データデバイス1006は、アラート又は他の情報を車両運転者1012に伝えるために使用することができる。
【0193】
この例では、データ交換ネットワーク1000はまた、車両データディスプレイ1008を含むように示されている。車両データディスプレイ1008は、車両運転者1012に情報を伝えるためのビデオディスプレイ1010を含むことができる。
【0194】
いくつかの実施形態において、システムは、CANBusネットワーク1018などの車両データネットワークからデータを受信し、及び/又は車両データネットワークにデータを送信することができる。「CANBus」は、デバイス及び電子制御ユニットが互いに通信できるように設計された車両データバス規格を指す。多くの車両にはCANBusネットワークが搭載されており、CANBusネットワークとの通信により、様々な種類のデータを提供することができる。例えば、CANBusネットワークとのインターフェースにより、燃料レベルデータ、エンジンRPMデータ、エンジン作動時間データ、走行距離計データ、エンジン/車両温度データ、燃料消費データ、燃料システムデータ、周囲温度データ、地理位置データ、燃料流量等のうちの1つ又は複数を提供することができる。
【0195】
様々な実施形態において、システムは、CANBusネットワークから受信したデータを使用して、エンジンがオフにされたか否か、及び/又はオフにされた後に始動したか否かを判断することができる。この情報は、オイル交換イベントが発生したか否かを評価する際に、本明細書のシステムによって利用することができる。エンジンがオフにされたこと及び/又は始動されたことは、他の方法で判定することもできる。いくつかの実施形態において、システムは加速度計又は他の振動センサを含むことができ、エンジンが停止されたか否か、又は始動されて現在運転中であるか否かを判断するために、エンジンの運転に関連する特徴的な振動の有無を検出することができる。
【0196】
したがって、いくつかの実施形態において、システムは、オイル交換イベントが発生したか否かを判断する際に、車両のエンジンが停止された後に始動されたかどうかに関する情報を評価することができる。例えば、車両の連続運転中に流体特性値の段階的変化が発生する可能性はあるが(一例として、構成要素が故障して突然冷却液が汚染されるなど)、車両の連続運転中に発生する流体特性値の段階的変化は一般に、オイル交換イベントが発生したことを示さない。そのため、いくつかの実施形態において、システムは、流体特性値の変化がエンジン始動イベントと一致するか、又はエンジン始動イベントの直後に続くか否かを評価することができる。いくつかの実施形態において、先行時間のウィンドウ内にエンジン始動イベントが発生していない場合、システムは、観察された流体特性の変化をオイル交換イベントとして特徴付けず、したがって、新たに観察された流体特性を新たなベースライン値として設定するなどの他のアクションを実行しない。先行時間のウィンドウは様々であり得る。いくつかの実施形態において、先行時間のウィンドウは、エンジンの暖機運転を行うのに十分な長さであり得る。いくつかの実施形態において、先行時間のウィンドウは、0.5、3、5、7、又は10分以上とすることができる。いくつかの実施形態において、先行時間のウィンドウは30、15、12、又は10分以下である。いくつかの実施形態において、先行時間のウィンドウは、先行する値のいずれかの間の範囲内に入ることができる。
【0197】
いくつかの実施形態において、流体コンディション感知システム310を使用して、CANBusネットワーク1018と直接データを交換することができる。しかしながら、他の実施形態では、データは、データ通信装置1002又は仲介的存在としての別の構成要素を通過させるなどして、間接的に交換することができる。
【0198】
様々な実施形態において、データ通信装置1002及び/又は流体コンディション感知システム310は、クラウド922又は別のデータネットワークにデータを送信し、クラウド922又は別のデータネットワークからデータを受信することができる。車隊管理者1004は、今度は、クラウド922又は別のデータネットワークからデータを受信し、及び/又はクラウド922又は別のデータネットワークにデータを送信することができる。
【0199】
本明細書における様々な実施形態において、システムは、他のシステム及び/又は車隊管理者1004及び/又は車両運転者1012などの個人にアラートを発し、及び/又は他の情報を提供することができる。例として、様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、現在の粘度値などの流体特性が、記録された流体特性値と閾値を超える量だけ異なる場合に、アラートを発するように構成することができる。本明細書の他の箇所に記載されているように、閾値は、パーセンテージ値、又は予め決定された若しくは動的に決定された絶対値とすることができる。
【0200】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、測定された粘度値のベースライン粘度値に対する変化率に基づいて、オイル交換が必要な時間を推定するように構成することができる。これは様々な方法で行うことができる。いくつかの実施形態において、システムは、測定された特性値の観察された変化率に適合する曲線の方程式を計算し、次にこの方程式を使用して、そのような特性値がオイル交換が必要であることを示す点に達する予想時間を導出することができる。曲線の方程式は、1次、2次、3次多項式、又はn次多項式をもたらす標準的な数学的曲線フィッティング技法を使用して決定し、最小二乗法又はその他の技法を使用して評価することができる。また、流体コンディション感知システム310は、オイル交換が必要となる推定時間を含む情報を含むアラート又は他の通信を送信するように構成することもできる。
【0201】
様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイル交換イベント後の新たなベースライン流体特性データが、所定の予想値と閾値だけ異なる場合に、アラートを送信するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、粘度及び誘電特性から選択される少なくとも1種類の流体特性センサからのデータに基づいて、検出されたオイル交換イベント後に存在するオイルの種類を特定し、存在するオイルの種類を示すアラートを送信するように構成することができる。様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、流体特性センサからの少なくとも1種類のデータに基づいて、検出されたオイル交換イベント後に存在するオイルの種類を特定し、オイルの種類が規格外である場合に車隊管理者1004にアラートを送信するように構成することができる。
【0202】
いくつかの実施形態において、オイル交換イベントが発生した時をより正確に判定するために、他の種類のデータを利用することができる。例えば、いくつかの実施形態において、地理位置データを使用して、流体特性の変化が観察された時の車両の位置を、オイル交換又は他のサービスイベントが行われた可能性が高いサービス位置と照合することができる。システムは、地理位置データを評価することによって決定されるサービスロケーションで、観察された変化が発生した場合、オイル交換イベントが発生したことを示すために使用される基準の閾値を変更する(閾値を下げるなど)ことができる。逆に、システムは、地理位置データを評価することによって決定されるサービスロケーションでない場所で、観察された変化が発生した場合、オイル交換イベントが発生したことを示すために使用される基準の閾値を変更する(閾値を上げるなど)ことができる。このようにして、オイル交換イベントが発生したかどうかの判定をより正確に行うことができる。
【0203】
次に図11を参照すると、本明細書における様々な実施形態による地理位置システムの概略図が示されている。図11は、車両100及び地理位置グリッド1102を示す。図11には、地理位置衛星1106も示されている。この図では、車両100とサービス施設1104の両方が、地理位置グリッド1102内の第1の位置1108に位置している。車両100が(サービス施設1104とともに)第1の位置1108にある間に流体特性の変化が観察された場合、システムは、オイル交換イベントが発生したと判断する可能性が高くなるように構成することができる(例えば、オイル交換イベントが発生したと宣言するのに必要な閾値を低減するなどして、オイル交換イベントの検出の感度を高めることができる)。図11はまた、第2の位置1110における車両100を示している。第2の位置1110は、サービス施設1104を含まない。車両が第2の位置1110にある間に流体特性の変化が観察された場合、システムは、オイル交換イベントが発生したと判断する可能性が低くなるように構成することができる(例えば、オイル交換イベントが発生したと宣言するのに必要な閾値を増加させるなどして、オイル交換イベントの検出の感度を下げることができる)。このように、本明細書の様々な実施形態において、流体コンディション感知システム310は、オイル交換イベント506が発生した時を自動的に検出する際に、地理位置データを評価するように構成することができる。
【0204】
いくつかの実施形態において、本明細書において、地理位置データを記録し、アラート及び/又は他のデータ送信とともに提供することができる。例えば、いくつかの実施形態において、車隊管理者に送信されるアラート又は他の通信は、地理位置情報も含むことができる。いくつかの実施形態において、システムがオイル交換イベントを検出すると、地理位置データを記録し、データベース(車両にローカルに、又はクラウドにリモートで配置される)に保存することができる。いくつかの実施形態において、特定の汚染状態又はシナリオ(規格外のオイルが検出されたなど)を検出すると、システムはイベントに関連する地理位置データを記録し、及び/又はそのような地理位置データを、同じものに関して生成される任意のアラート又は通信とともに含むことができる。
【0205】
流体交換イベントの識別のためのパターン/テンプレート生成及びパターンマッチング
本明細書の様々な実施形態において、システムは、オイル交換イベントを示すデータの1つ又は複数のパターンを検出するために使用できることが理解されよう。このようなパターンは、様々な方法で検出することができる。いくつかの技法は本明細書の他の箇所に記載されているが、ここでいくつかのさらなる例を記載する。
【0206】
いくつかの実施形態において、流体交換イベントは、流体特性センサ及び/又は他のセンサからのデータ中の特徴的なパターンを識別又は照合することに基づいて識別することができる。例えば、オイル交換イベントに関連するセンサデータの「正」パターンをシステムによって記憶することができ、現在のデータをそのようなパターンと定期的に照合することができる。閾値を超える照合が見つかった場合、流体交換イベントが発生したとみなすことができる。別の例として、流体交換イベントに関連するセンサデータの「負」パターンをシステムによって記憶することができ、現在のデータをそのようなパターンに対して周期的に照合することができる。
【0207】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のセンサ(流体特性センサなど)は、コントローラ(図8に記載される制御回路890など)又は別の処理リソース(別のデバイスのプロセッサ又はクラウド内の処理リソースなど)に動作可能に接続され得る。制御回路890又は他の処理リソースは、1つ又は複数のセンサからオイル交換イベントを代表するデータを受信し、及び/又はセンサから受信されたデータに基づいて監視期間にわたってシステムの統計を決定するように適合され得る。本明細書で使用する場合、「データ」という用語は、単一のデータ値又は複数のデータ値又は統計値を含むことができる。「統計値」という用語は、データの解釈に関連する任意の適切な数学的計算又はメトリック、例えば、確率、信頼区間、分布、又は範囲等などを含むことができる。さらに、本明細書で使用される場合、「監視期間」という用語は、ろ過システムの特性が測定され、統計値が決定される期間を意味する。監視期間は、任意の適切な長さの時間、例えば、1秒、10秒、30秒、1分、10分、30分、1時間、1日、1週間、1ヶ月等、又は前述の期間のいずれかの間の時間範囲とすることができる。
【0208】
センサからの様々なデータの統計量を決定するために、例えば、センサからの時系列データの直接的な統計分析、差分統計、類似データのベースライン又は統計モデルとの比較等、任意の適切な1つ又は複数の技法を利用することができる。このような技術は、一般的なものであっても、又はシステム固有のものであってもよく、長期的又は短期的な動作挙動を表すものであってもよい。これらの技法は、ガウス混合モデル、クラスタリング及びベイズアプローチなどの標準的なパターン分類法、ニューラルネットワークモデル及びディープラーニングなどの機械学習アプローチ等を含み得る。
【0209】
さらに、いくつかの実施形態において、制御回路890、又はシステムの別の構成要素は、データ、データ特徴、及び/又は統計量を、エンジン、車両、潤滑システム、オイル又はオイルフィルタ等のタイプ又はモデルに基づく所定のパターン又は開始パターン(ベースラインパターン)、オイル交換イベントの発生を示すパターンとして機能する1つ又は複数の所定のパターン(正の例示的パターン)、又はオイル交換イベントがないことを示すパターンとして機能する1つ又は複数の所定のパターン(負の例示的パターン)等であり得る様々な他のパターンと比較するように適合させることができる。単に1つのシナリオとして、特定の正の例示的パターンに対し閾値を超える類似性を示すパターン、又はそのパターンと実質的な類似性を示すパターンがシステムによって検出され、そのパターンがオイル交換イベントに対して特異的である場合、それはオイル交換イベントが発生したことをシステムが示すものとみなすことができる。
【0210】
類似性及び非類似性は、正規化Zスコアなどの標準的な統計的測定基準、又は類似の多次元距離測定基準(例えば、マハラノビス距離測定基準又はバタチャリヤ距離測定基準)を介して直接測定することができ、又はモデル化されたデータの類似性及び機械学習を介して測定することができる。これらの技法には、ガウス混合モデル、クラスタリング、及びベイズアプローチなどの標準的なパターン分類法、ニューラルネットワークモデル、並びにディープラーニングが含まれ得る。
【0211】
本明細書で使用される際「実質的に類似している」という用語は、比較の結果、センサデータが一致するか、又は同じ統計モデルに適合する統計量を有し、それぞれが許容可能な程度の信頼性を有することを意味する。信頼統計量の許容可能性の閾値は、車両、エンジン、潤滑システム、オイルコンディション感知システム、センサ、センサの配置、データの種類、コンテキスト、コンディション等に依存して異なる場合がある。
【0212】
監視期間にわたるろ過システムの動作状態に関連する統計量は、任意の適切な1つ又は複数の技法、例えば、ガウス混合モデル、クラスタリング、隠れマルコフモデル及びベイズアプローチなどの標準的なパターン分類法、ニューラルネットワークモデル、並びにディープラーニングを利用することによって決定することができる。
【0213】
本明細書の様々な実施形態は、機械学習分類モデルの適用を特に含む。様々な実施形態において、オイルコンディション感知システムは、オイル交換イベントの指標に基づいて機械学習分類モデルを定期的に更新するように構成することができる。いくつかの実施形態において、オイル交換イベントを肯定的に識別するためにユーザ入力を使用することができ、その後、オイル交換イベントに関連するパターンを肯定的に特徴付けるために、教師あり機械学習アプローチの一部としてこの情報を使用することができる。
【0214】
いくつかの実施形態において、機械学習分類モデルを生成するために、データの訓練セットを使用することができる。入力データは、オイル交換イベントの二値分類及び/又は非二値分類でタグ付け/ラベル付けされた、本明細書に記載のセンサデータを含むことができる。二値分類アプローチは、ロジスティック回帰、k-最近傍、決定木、サポートベクターマシンアプローチ、ナイーブベイズ技術等を含むがこれらに限定されない技術を利用することができる。多クラス分類アプローチ(例えば、ストレスの非二値分類の場合)は、とりわけ、k-最近傍、決定木、ナイーブベイズアプローチ、ランダムフォレストアプローチ、及び勾配ブースティング(gradient boosting)アプローチなどを含み得る。
【0215】
方法
本明細書では、製造方法、使用方法などを含むがこれらに限定されない様々な方法が想定される。本明細書の他の箇所に記載されるシステム/デバイス動作の態様は、本明細書の様々な実施形態による1つ又は複数の方法の動作として実行され得る。
【0216】
ここで図12を参照すると、本明細書の様々な実施形態による例示的な方法の動作の概略図が示されている。流体コンディションを監視する方法は、流体特性センサを用いて流体特性を測定する動作1202を含み得る。流体コンディションを監視する方法はまた、測定された流体特性に基づいて、流体交換イベントが発生した時を検出する動作1204を含む。流体コンディションを監視する方法はまた、検出された流体交換イベントの後に、流体特性センサデータを新たなベースラインデータとして記録する動作1206を含み得る。流体コンディションを監視する方法はまた、現在の流体特性センサデータと新たなベースラインデータとの比較に基づいてエンジン流体のコンディションを評価する動作1208を含み得る。
【0217】
一実施形態において、本方法は、現在の流体特性センサデータと新たなベースラインデータとの間の比較に基づいて、エンジン流体のコンディションを評価する動作の前に、粘度、密度、温度、誘電率、及び抵抗率のうちの1つ又は複数を含む現在の流体特性センサデータが所定の範囲内に入るかどうかを評価することをさらに含むことができる。
【0218】
一実施形態において、本方法は、現在の流体特性センサデータと新たなベースラインデータとの間の比較に基づいて、エンジン流体のコンディションを評価する動作の前に、新たなベースラインデータが記録された時の温度と現在の温度が閾値を超えて異なるかどうかを評価することをさらに含むことができる。
【0219】
本方法の一実施形態において、流体交換イベントが発生した時を検出することは、流体特性センサからの信号を評価することと、閾値を超える粘度の変化を流体交換イベントとして解釈することとをさらに含む。本方法の一実施形態において、粘度データは移動平均として利用される。一実施形態において、本方法は、温度データに基づいて粘度データを正規化することをさらに含むことができる。
【0220】
本方法の一実施形態において、流体交換イベントが発生した時を検出することは、流体特性センサからの信号を評価することと、閾値を超える誘電率の変化を流体交換イベントとして解釈することとをさらに含む。
【0221】
一実施形態において、本方法は、排液プラグセンサからのデータを評価することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、流体特性センサ及び排液プラグセンサからの信号を評価することによって流体交換イベントを自動的に検出することと、排液プラグ取り外しイベントと相関する、又は排液プラグ取り外しイベントと一致する、閾値を超える粘度の変化を流体交換イベントとして解釈することとをさらに含むことができる。
【0222】
一実施形態において、本方法は、測定温度が所定の温度範囲内にある場合にのみ粘度センサデータを利用することをさらに含むことができる。一実施形態において、所定の温度範囲は、90℃~125℃を含むことができる。しかしながら、本明細書の他の箇所に記載されているように、最適な温度範囲は、検出/測定される汚染の種類に応じて変化し得ることが理解されよう。
【0223】
一実施形態において、本方法は、現在の粘度値が記録された粘度値と閾値を超える量だけ異なる場合にアラートを発することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、測定された粘度値のベースライン粘度値に対する変化率に基づいて、流体交換が必要とされる時間を推定することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、現在の誘電率値が記録された誘電率値と閾値を超える量だけ異なる場合にアラートを発することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、ベースライン誘電率値に対する測定された誘電率値の変化率に基づいて、流体交換が必要とされる時間を推定することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、流体交換イベントが発生した後の新たなベースライン流体特性データが所定の予想値と閾値だけ異なる場合に、アラートを送信することをさらに含むことができる。
【0224】
一実施形態において、本方法は、粘度及び誘電特性から選択される少なくとも1つのタイプの流体特性センサからのデータに基づいて、検出された流体交換イベント後に存在する流体の種類を特定し、存在する流体の種類を示すアラートを送信することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、流体の種類が規格外である場合に、車隊管理者にアラートを送信することをさらに含むことができる。
【0225】
本方法の一実施形態において、流体特性センサは、エンジンオイルの粘度、密度、温度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率のうち少なくとも2つを測定する。本方法の一実施形態において、流体特性センサは、エンジンオイルの粘度、密度、温度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率のうち少なくとも3つを測定する。本方法の一実施形態において、流体特性センサは、エンジンオイルの粘度、密度、温度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率のうち少なくとも4つを測定する。本方法の一実施形態において、流体特性センサは、エンジンオイルの粘度、密度、温度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率のうち少なくとも5つを測定する。本方法の一実施形態において、流体特性センサは、エンジンオイルの粘度、密度、温度、インピーダンス、誘電率、及び抵抗率のすべてを測定する。
【0226】
一実施形態において、本方法は、流体特性センサからのデータに基づいてエンジンオイルの汚染状態を判定することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、エンジンオイルの汚染状態を、遅い進化速度又は高い進化速度を有するものとして分類することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、各エンジンオイル汚染状態パラメータの値を3つのカテゴリのうちの1つに分類することをさらに含むことができる。一例として、3つのカテゴリは、正常カテゴリ、上昇カテゴリ、及び緊急措置の必要性を表す高カテゴリを含むことができる。カテゴリに関する情報は、車両運転者、車隊管理者、又は別の個人に伝えることができる。
【0227】
一実施形態において、本方法は、粘度、密度、誘電率、及び抵抗率のうちの1つ又は複数を反映する現在のデータを使用して、エンジンオイルの汚染状態を、同じものに関するベースラインデータと比較して分類することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、誘電率が増加し、粘度が安定し、抵抗率が低下した場合、エンジンオイルの汚染状態を冷却液又は水の汚染であると分類することをさらに含むことができる。一実施形態において、粘度が低下し、他のパラメータが安定している場合、エンジンオイルの汚染状態を燃料希釈と分類することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、粘度が上昇し、誘電率が上昇した場合に、エンジンオイルの汚染状態を煤汚染であると分類することをさらに含むことができる。一実施形態において、本方法は、粘度が上昇し、誘電率が安定し、抵抗率が低下した場合、エンジンオイルの汚染状態を酸化であると分類することをさらに含むことができる。
【0228】
一実施形態において、本明細書の方法は、(温度及び/又は他のパラメータに基づいて正規化され得る)誘電率の増加に基づいて、(エンジンオイルの有用な耐用年数に関して)エンジンオイルの年齢を分類することを含むことができる。
【0229】
一実施形態において、本方法は、オイル交換イベントが発生した時を自動的に検出する際に、地理位置データを評価することをさらに含むことができる。
【0230】
一実施形態において、本方法は、ある温度範囲にわたって、検出されたオイル交換イベント後の新たなベースラインデータとして流体特性センサデータを記録することをさらに含むことができる。
【0231】
本明細書のオイルコンディション感知システムは、車載実装に関して実証されているが、同様のシステムが、車載外の実装において、及び/又は車両に代わる定置装置の一部であるエンジンとの関連で使用され得ることも企図されていることが理解されよう。例えば、定置発電機に関連するエンジンもまた、オイルベースの潤滑システムを利用する。このように、いくつかの実施形態において、本明細書のシステムは、車両、別のタイプの装置、装置の移動部品、又は装置の定置部品等のいずれであっても、エンジン及びオイルベース潤滑システムを含む任意の装置と組み合わせて使用することができる。
【0232】
本明細書及び添付の請求項で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明確に指示しない限り、複数の参照語を含むことに留意すべきである。また、「又は」という用語は、内容が明確に指示しない限り、一般に「及び/又は」を含む意味で使用されることに留意すべきである。
【0233】
また、本明細書及び添付の請求項で使用される場合、「構成された」という語句は、特定のタスクを実行するように、又は特定の構成を採用するように構築又は構成されたシステム、装置、又は他の構造を表すことに留意すべきである。「構成された」という語句は、配置され構成された、構築され配置された、構築された、製造され配置された等などの他の類似の語句と互換的に使用することができる。
【0234】
本明細書におけるすべての刊行物及び特許出願は、本発明が属する技術分野における通常の技術レベルを示すものである。すべての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により具体的且つ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0235】
本明細書で使用される場合、端点による数値範囲の記載は、その範囲に包含されるすべての数値を含むものとする(例えば、2~8は、2.1、2.8、5.3、7等を含む)。
【0236】
本明細書で使用する見出しは、37 CFR 1.77との整合性を図るため、又は組織的な手がかりを提供するために付したものである。これらの見出しは、本開示から発行される可能性のあるいずれかの請求項に記載される発明を限定又は特徴付けるものとみなしてはならない。一例として、見出しは「分野」に言及しているが、そのような請求項は、いわゆる技術分野を記載するためにこの見出しの下で選択された言語によって限定されるべきではない。さらに、「背景」における技術の記載は、その技術が本開示の発明の先行技術であることを認めるものではない。また、「概要」は、発行された請求項に記載された発明を特徴付けるものとはみなされない。
【0237】
本明細書に記載される実施形態は、網羅的であること、又は以下の詳細な記載に開示される正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。むしろ、実施形態は、当業者が原理及び実施態様を認識し、理解できるように選択され、記載されている。そのため、様々な具体的且つ好ましい実施形態及び技術を参照して態様を記載してきた。しかしながら、本明細書の趣旨及び範囲内に留まりつつ、多くの変形及び修正がなされ得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】