(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】分散型光ファイバセンシングを用いた、配備されたファイバケーブルの位置決定
(51)【国際特許分類】
G01H 9/00 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
G01H9/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578028
(86)(22)【出願日】2022-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 US2022038106
(87)【国際公開番号】W WO2023004182
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504080663
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ アメリカ インク
【氏名又は名称原語表記】NEC Laboratories America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、 ミン-ファン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、 シャオボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ティン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ユハン
(72)【発明者】
【氏名】ディン、 ヤンミン
(72)【発明者】
【氏名】ティアン、 ユエ
(72)【発明者】
【氏名】オズハラー、 サーパー
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB16
2G064BA02
2G064BC12
2G064BD02
(57)【要約】
分散型光ファイバーセンシング(DFOS)とセンサファイバに印加される振動励起信号のシーケンスパターンマッチングを使用して、光ファイバ設備(ケーブル)の位置を決定するためのシステムおよび方法。固有のパターンコードを用いたシーケンスパターンマッチングを使用することで、ファイバに近接した環境振動に対する耐性を示しながら、配備されたファイバケーブルの位置と長さを正確に決定することができる。その結果、測定の改善が実現され、誤警報が排除される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型光ファイバセンシング(DFOS)を用いて配備されたファイバケーブルの位置を特定するための方法であって、該方法は、
分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)を準備するステップであって、前記システムは、
光センサファイバと、
前記光ファイバと光通信するDFOSインテロゲータおよびアナライザであって、前記DFOSインテロゲータは、レーザ光から光パルスを生成し、該パルスを前記光ファイバに入射させ、前記光ファイバからレイリー反射信号を検出/受信するように構成され、前記アナライザは、前記レイリー反射信号を分析し、前記分析したレイリー反射信号から位置/時間のウォーターフォールプロットを生成するように構成されている、DFOSインテロゲータおよびアナライザと、
シーケンスパターンを作成し、該作成したシーケンスパターンを機械式振動機に提供するように構成されたシーケンサ・パターン監視装置と、を含むステップと、
前記光ファイバに沿った位置で機械式振動機を動作させるステップであって、前記機械式振動機は、前記作成したシーケンスパターンを受信し、該受信したシーケンスパターンに従って機械的振動を発生し、該発生した機械的振動を前記光ファイバに加え、動作中に前記機械式振動機の全地球測位位置(GPS)の位置を決定して、GPS座標とタイムスタンプ情報を前記DFOSインタロゲータおよびアナライザに送信するように構成されるステップと、
前記発生した機械的振動を前記光ファイバに加えながら前記DFOSシステムを動作させ、それによって前記光ファイバに振動事象を発生させ、光ファイバの位置を前記機械式振動機から受信したGPS座標およびタイムスタンプ情報に関連付けながら、動作中に受信したDFOS信号を記録するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記DFOSシステム/アナライザは、受信したGPS座標を光ファイバ長とペアリングし、前記ペアリングに従って作成されたシーケンスパターンを調整するようにさらに構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DFOSシステム/アナライザは、GPS座標および光ファイバ長を用いてターゲット位置を報告するようにさらに構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記DFOSシステム/アナライザは、GPS座標と光ファイバ長が特定された前記ターゲット位置を有する地図を生成するようにさらに構成されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記光ファイバの少なくとも一部が地中に埋設されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記機械式振動機は、4G信号および5G信号を含む携帯電話信号を介してシーケンスパターンを受信するように構成されている、請求項5に記載の方法。
【請求項5】
前記自動決定が、前記ウォーターフォールプロットを検査する機械可視システムを操作することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記DFOSシステム/アナライザは、前記受信したGPS座標、時間情報、および光ファイバ長を、生成されたシーケンスパターンに関連付けるように構成されている、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記シーケンスパターンは、前記機械式振動機を操作する個々のサービス技術者に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
分散型光ファイバセンシング(DFOS)を用いて配備されたファイバケーブルの位置を特定するための方法であって、該方法は、
分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)を準備するステップであって、前記システムは、
光センサファイバと、
前記光ファイバと光通信するDFOSインテロゲータおよびアナライザであって、前記DFOSインテロゲータは、レーザ光から光パルスを生成し、該パルスを前記光ファイバに入射させ、前記光ファイバからレイリー反射信号を検出/受信するように構成され、前記アナライザは、前記レイリー反射信号を分析し、前記分析したレイリー反射信号から位置/時間のウォーターフォールプロットを生成するように構成されている、DFOSインテロゲータおよびアナライザと、
モバイル装置からGPS座標、タイムスタンプ情報、および記録された音響信号を受信するように構成された受信およびペアリング回路と、を含むステップと、
前記光ファイバに沿った位置で前記機械式振動機を動作させるステップであって、前記機械式振動機は、機械的振動を発生し、該発生した機械的振動を前記光ファイバに加えるように構成されているステップと、
前記モバイル装置を前記機械式振動機の近くで動作させるステップであって、前記モバイル装置は、音響信号を記録し、前記GPS座標、前記タイムスタンプ情報、および前記記録された音響信号を前記受信およびペアリング回路に送信するように構成されているステップと、
前記発生した機械的振動を前記光ファイバに加えながら前記DFOSシステムを動作させ、それによって前記光ファイバに振動事象を発生させ、光ファイバの位置を前記機械式振動機から受信したGPS座標、タイムスタンプ情報、および記録された音響信号に関連付けながら、動作中に受信したDFOS信号を記録するステップと、を含む方法。
【請求項9】
前記DFOSシステムによって生成されたウォーターフォールトレースと前記モバイル装置から受信した音響信号との相関をとるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記相関をとるステップは、前記受信した音響信号の二乗平均平方根強度をダウンサンプリングすることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、光ファイバ通信設備に関する。より具体的には、本開示は、分散型光ファイバセンシング(DFOS)を用いて、配備されたファイバケーブルの位置を決定するためのシステムおよび方法について説明する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、現代の電気通信は、増大し続ける需要に対して通信帯域幅およびサービスを有利に提供する光ファイバ設備を広範囲に利用している。現代社会におけるその重要性は、どれだけ強調しても過言ではない。その結果、このような設備への損傷とそれに伴うサービス停止は、大変な混乱を招く。
【0003】
配備された光ファイバケーブルまたは他の設備に障害(例えば、ファイバ切断)が発生した場合、サービスチームの1人以上のメンバーが障害を修正するために配置されることがある。このような障害を修正するには、サービスチームが障害の場所を特定する必要がある。その結果、光ファイバ設備の位置を迅速に決定することは非常に重要であり、そのような位置決定を容易にするシステムおよび方法は、当技術分野にとって歓迎されるものである。
【発明の概要】
【0004】
光ファイバ設備(ケーブル)の位置を決定するためのシステムおよび方法を対象とする本開示の態様に従って、当技術分野における進歩がもたらされる。したがって、本開示による例示的な方法は、分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)を準備するステップであって、前記システムは、光センサファイバと、該光センサファイバと光通信するDFOSインタロゲータおよびアナライザであって、前記DFOSインタロゲータは、レーザ光から光パルスを生成し、そのパルスを光ファイバに入射させ、光ファイバからのレイリー反射信号を検出/受信するように構成され、前記アナライザは、レイリー反射信号を分析し、分析されたレイリー反射信号から位置/時間ウォーターフォールプロットを生成するように構成された、DFOSインタロゲータおよびアナライザと、シーケンスパターンを作成し、作成されたシーケンスパターンを機械式振動機に提供するように構成されたシーケンサ・パターン監視装置と、を含むステップと、光ファイバに沿った位置で機械式振動機を動作させるステップであって、機械式振動機は、作成されたシーケンスパターンを受信し、受信したシーケンスパターンに従って機械的振動を発生し、発生した機械的振動を光ファイバに加え、動作中に機械式振動機の全地球測位位置(GPS)の位置を決定して、GPS座標とタイムスタンプ情報をDFOSインタロゲータおよびアナライザに送信するように構成されるステップと、発生した機械的振動を光ファイバに加えながらDFOSシステムを動作させ、それによって光ファイバに振動事象を発生させ、光ファイバの位置を機械式振動機から受信したGPS座標およびタイムスタンプ情報に関連付けながら、動作中に受信したDFOS信号を記録するステップとによって、分散型光ファイバセンシング(DFOS)を用いて、配備されたファイバケーブルの位置を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示のより完全な理解は、添付図面を参照することによって実現され得る。
【0006】
【
図1】本開示の態様による例示的な分散型光ファイバセンシングシステムの概略図である。
【0007】
【
図2】本開示の態様による、既存の配備された光ファイバ上に重ねられたセンシング層の例示的なシステムレイアウトを示す概略図である。
【0008】
【
図3】本開示の態様による、パターン監視装置によって生成され、フィールド振動機に送信される例示的なシーケンスパターンを示す模式図である。
【0009】
【
図4】本開示の態様による、フィールドノイズパターンの例示的な例を示す一連のプロットを示す図である。
【0010】
【
図5】本開示の態様による、
図4のシーケンスパターン#1の例示的な例を示すプロットである。
【0011】
【
図6】本開示の態様による例示的なパターン認識装置を示す概略フロー図である。
【0012】
【
図7(A)】本開示の態様によるウォーターフォールデータからの一連の検出パターンであって、6つのターゲットパターンを含む図である。
【
図7(B)】本開示の態様によるウォーターフォールデータからの一連の検出パターンであって、切り捨ての前後の時系列を示す図である。
【
図7(C)】本開示の態様によるウォーターフォールデータからの一連の検出パターンであって、遅延(lag)=200までの相互相関を示す図である。
【
図7(D)】本開示の態様によるウォーターフォールデータからの一連の検出パターンであって、遅延=200までの相互相関を示す図である。
【
図7(E)】本開示の態様によるウォーターフォールデータからの一連の検出パターンであって、遅延=200までの相互相関を示す図である。
【
図7(F)】本開示の態様によるウォーターフォールデータからの一連の検出パターンであって、遅延=200までの相互相関を示す図である。
【0013】
【
図8】本開示の態様による例示的なプロセスを示す概略フロー図である。
【0014】
【
図9】本開示の態様による、既存の配備された光ファイバ上に重ねられたセンシング層の例示的なシステムレイアウトを示す概略図である。
【0015】
【
図10】本開示の態様による方法を示す概略図である。
【0016】
【
図11(A)】本開示の態様による現場試験の結果を示すプロットである。
【
図11(B)】本開示の態様による現場試験の結果を示すプロットである。
【
図11(C)】本開示の態様による現場試験の結果を示すプロットである。
【
図11(D)】本開示の態様による現場試験の結果を示すプロットである。
【0017】
【
図12(A)】本開示の態様によるシステム動作を示す模式図である。
【0018】
【
図12(B)】本開示の態様による音響振動相関ケーブル位置特定方法を示す概略図である。
【0019】
【
図13】本開示の態様による例示的なプロセスを示す概略フロー図である。
【0020】
【
図14】本開示の態様による方法の例示的な特徴を示す概略ブロック図である。
【0021】
【
図15】本開示の態様によるプロセスの例示的な特徴および関係を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
例示的な実施形態は、図面および詳細な説明によってより完全に説明される。しかしながら、本開示による実施形態は様々な形態で実施することができ、図面および詳細な説明に記載された特定のまたは例示的な実施形態に限定されない。
【0023】
以下は、単に本開示の原理を例示するものである。したがって、当業者は本明細書に明示的に記載または図示されていないが、本開示の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。
【0024】
さらに、本明細書に記載されているすべての実施例および条件付き用語は、本開示の原理および技術を促進するために発明者によって寄与された概念を読者が理解するのを助けるための教育目的のためだけのものであることを意図しており、そのような具体的に列挙された実施例および条件に限定されないと解釈されるべきである。
【0025】
さらに、本開示の原理、態様、および実施形態を記載する本明細書のすべての記述、ならびにその具体例は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような等価物は、現在知られている等価物と、将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行する開発された要素との両方を含むことが意図されている。
【0026】
したがって、たとえば、本明細書の任意のブロック図が、本開示の原理を実施する例示的な回路の概念図を表すことは、当業者には理解されるであろう。
【0027】
本明細書で特に明記しない限り、図面を構成する図は、縮尺通りに描かれていない。
【0028】
いくつかの追加の背景として、分散型光ファイバセンシングシステムは、光電子インテグレータを光ファイバ(またはケーブル)に相互接続し、ファイバをファイバの長さに沿って分散されたセンサの配列に変換することに留意する。実際には、ファイバはセンサになり、インタロゲータはファイバ内にレーザ光エネルギーを生成/注入し、ファイバ長に沿った事象を感知/検出する。
【0029】
当業者が理解し、認識するように、DFOS技術は、車両の動き、人間の往来、掘削活動、地震活動、温度、構造的完全性、液体および気体の漏れ、ならびにその他多くの条件および活動を連続的に監視するために展開することができる。これは、発電所、通信ネットワーク、鉄道、道路、橋、国境、重要なインフラ、地上および海底の電力およびパイプライン、ならびに、石油、ガスおよび強化された地熱発電におけるダウンホール用途を監視するために世界中で使用されている。有利には、分散型光ファイバセンシングは、見通し線(line of sight)または遠隔電力アクセスによって制約されることがなく、システム構成によっては、30マイルを超える連続的な長さで展開することができ、その長さに沿ったすべてのポイントで感知/検出が可能である。したがって、長距離にわたるセンシングポイント当たりのコストは、通常、競合する技術とは比較にならない。
【0030】
光ファイバセンシングは、センシングファイバが振動、歪み、または温度変化の事象に遭遇したときに、光センシングファイバで発生する光の「後方散乱」の変化を測定する。上述のように、センシングファイバは全長にわたってセンサとして機能し、物理的/環境的な周囲の状況、およびファイバの保全/セキュリティに関するリアルタイム情報を提供する。さらに、分散型光ファイバセンシングデータは、センシングファイバまたはその近傍で発生する事象および状態の正確な位置を特定する。
【0031】
図1には、人工知能分析およびクラウドストレージ/サービスを含む分散型光ファイバセンシングシステムの一般化された構成および動作を示す概略図が示されている。
図1を参照すると、インタロゲータに接続された光センシングファイバを観察することができる。知られているように、現代のインタロゲータは、ファイバへの入力信号を生成し、反射/散乱された後に受信された信号を検出/分析するシステムである。信号が分析され、ファイバに沿って遭遇する環境条件を示す出力が生成される。このように受信された信号は、ラマン後方散乱、レイリー後方散乱、およびブリリオン後方散乱などのファイバ内の反射から生じ得る。また、複数のモードの速度差を利用した順方向の信号であってもよい。一般性を失うことなく、以下の説明では、反射信号を想定しているが、同じアプローチを転送信号にも適用することができる。
【0032】
理解されるように、現代のDFOSシステムは、周期的に光パルス(または任意の符号化信号)を生成し、それらを光ファイバに注入するインタロゲータを含む。注入された光パルス信号は、光ファイバに沿って伝送される。
【0033】
ファイバに沿った位置では、信号のごく一部が散乱/反射され、インタロゲータに戻される。散乱/反射信号は、インタロゲータが検出するために使用する情報、例えば、機械的な振動を示す電力レベルの変化を伝送する。
【0034】
反射信号は、電気領域に変換され、インタロゲータの内部で処理される。パルス注入時間と信号が検出された時間とに基づいて、インタロゲータは信号がファイバに沿ったどの位置から来ているかを決定し、したがって、ファイバに沿った各位置の活動を感知することができる。
【0035】
分散型音響センシング(DAS)/分散型振動センシング(DVS)システムは、振動を検出し、光センシングファイバに沿って音響エネルギーを捕捉する。有利には、既存の、トラフィックを運ぶ光ファイバネットワークを利用して、分散型音響センサに変換し、実時間データを捕捉することができる。さらに、分類アルゴリズムを使用して、漏洩、ケーブル障害、侵入活動、または音響および/または振動の両方を含む他の異常な事象などの事象を検出および位置特定することができる。
【0036】
現在、様々なDAS/DVS技術が使用されており、最も一般的なものはコヒーレント光時間領域反射率測定(C-OTDR)に基づくものである。C-OTDRは、レイリー後方散乱を利用し、音響周波数信号を長距離にわたって検出することができる。インタロゲータは、光センサファイバ(ケーブル)に沿ってコヒーレントレーザパルスを送信する。ファイバ内の散乱サイトにより、ファイバはパルス長と同じゲージ長(例えば、10メートル)を有する分散型干渉計として機能する。センサファイバに作用する音響/機械的擾乱(Acoustic/Mechanical Disturbance)は、ファイバの微視的な伸び又は圧縮(微小歪み)を発生させ、その結果、ファイバ内を通る光パルスの位相関係及び/又は振幅の変化を引き起こす。
【0037】
次のレーザパルスが送信される前に、前のパルスがセンシングファイバの全長を移動し、その散乱/反射が戻る時間がなければならない。よって、最大パルスレートはファイバの長さによって決定される。したがって、通常はパルスレートの半分であるナイキスト周波数までの周波数で変化する音響信号を測定することができる。より高い周波数は非常に速く減衰するため、事象の検出と分類に関連する周波数のほとんどは、2kHzの範囲の低い範囲にある。
【0038】
これから示し、説明するように、また、すでに述べたように、本発明のシステムおよび方法は、配備された光ファイバセンサケーブルを用いてDFOS動作から生じる振動信号を自動的に検出/解釈して、ケーブルの振動を検出/位置特定し、そこからケーブルの位置を決定する。
【0039】
当業者であれば理解および認識するように、光ファイバケーブルの位置を特定するために、光ファイバ技術者およびサービス担当者は、一般に、光時間領域反射率計(OTDR)システムおよび方法を使用して、ファイバ長および損失を測定する。ただし、OTDR測定では、ケーブルの長さに沿ったケーブルのたるみなどにより、地理的地図上の位置が得られないため、これらの方法では、技術者が配備されたファイバケーブルの位置を正確に特定することはできない。
【0040】
光ファイバケーブルの位置決定を容易にするために、本明細書では、配備された光ファイバケーブルの位置を特定するための新規なパターンベースの方法について説明する。本発明の方法は、分散型光ファイバセンシング技術を有利に採用する。動作上、固有のオン/オフ振動パターンが振動機によって生成され、この振動パターンは、有利なことに、DFOSシステムによってリアルタイムで収集されたセンシングデータから自動的に検出され、GPS座標と組み合わせられる。これから図示し説明するように、本開示の態様による本発明の方法は、道路交通、現場建設、信号機用の電気変換器、および他の周囲および/または環境のノイズ/振動によって引き起こされる誤った決定を有利に低減する。
【0041】
図2は、本開示の態様による、既存の配備された光ファイバ上に重ねられたセンシング層の例示的なシステムレイアウトを示す概略図である。この図に示されているように、分散型音響センシング(DAS)および/または分散型振動センシング(DVS)システムとすることができる分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)(101)が、光ファイバケーブルの経路全体を遠隔監視する制御/中央局(100)に配置されている。DFOSシステムは、連続センサとして機能するフィールド光ファイバケーブルに接続され、センシング機能を提供する。有利には、センサファイバは、多くの可能なサービスプロバイダの1つによって提供および保守される、ダークファイバ(電気通信トラフィックなし)または運用(電気通信搬送)光ファイバとすることができる。
【0042】
光ファイバケーブルの正確な位置を決定するために、現場技術者は、パターン認識装置(104)およびGPS装置(202)に接続された振動機(201)を使用する。理解されるように、光ファイバケーブル経路に沿った任意の位置、例えば、ファイバケーブル(301)に近い位置、マンホール/ハンドホール/アクセスホール(302)に近い位置、および電柱に近い位置(303)を調査することができる。通常、マンホール(302)および/または電柱(303)の位置を決定することは、多くの場合、地中に埋設されている光ファイバーケーブル(301)の位置を決定することよりも容易である。
【0043】
GPS装置(202)は、振動機(201)と連携して使用され、振動が発生している間、CO内に位置するように示されたペアリングシステム(103)にGPS座標を送信する。GPS装置の座標とDFOSシステムデータとのタイムスタンプを照合/関連付けることにより、ターゲット位置の正確な地理的位置を、ウォーターフォールデータとGPS座標とから決定されるファイバ距離とペアリングすることができる。しかしながら、前述したように、フィールド振動機(201)によって発生した振動機パターンと混乱を招くほど類似した、フィールドで遭遇する多くの周囲振動が存在する。本開示の態様によれば、振動調査信号を環境ノイズ振動と区別するために、振動機によって生成される固有の振動パターンが使用される。したがって、COに配置することが可能なパターン監視装置(102)は、デジタルセルラー(例えば、4G/5G)または他の機構によってフィールド振動機(201)と通信し、調査試験で使用されたパターンをフィールド振動機に送信する。このように使用されるパターンを、シーケンスパターンと呼ぶ。
【0044】
図3は、本開示の態様による、パターン監視装置によって生成され、フィールド振動機に送信される例示的なシーケンスパターンを示す模式図である。この図から分かるように、本発明の方法は、フィールド振動機の異なるオン/オフ持続時間を使用して、センサファイバに加える異なる振動機パターンを作成する。たとえば、(A)パターン-1(均等に2秒):2秒間振動機オンと2秒間振動機オフ、(B)パターン-2(均等に5秒):5秒間振動機オンと5秒間振動機オフ、(C)パターン-3(1-ショート/1-ロング):2秒間振動機オン、2秒間振動機オフ、5秒間振動機オン、および2秒間振動機オフ、(D)パターン-4(1-ロング/2-ショート):5秒間振動機オン、1秒間振動機オフ、2秒間振動機オン、および1秒間振動機オフなど。シーケンスパターンは、長期の周囲データ収集に基づいてAI分析プラットホーム(104)によって生成される。シーケンスパターンは、遭遇する環境ノイズとは異なるように選択されるため、現場調査中に識別および区別しやすくなる。
【0045】
図4は、本開示の態様による、フィールドノイズパターンの例示的な例を示す一連のプロットを示す。当業者であれば理解できるように、また前述したように、このようなフィールドノイズパターンは、圧延機、掘削機、空気圧縮機、乗用車および/または輸送車両を含む道路建設、および他の周囲ノイズまたはセンサファイバを励振する振動源から生じる可能性がある。
【0046】
図5は、本開示の態様による、
図4のシーケンスパターン#1の例示的な例を示すプロットである。調査振動と環境ノイズを識別することの有効性を評価するために、シーケンスパターン(パターン-1(均等に2秒))を現場で試験し、その結果をこの図に示した。このシナリオでは、本発明のAIアルゴリズムが、現場調査中にシーケンスパターンを容易に検出し、誤ったデータを除去した。フィールド振動機のオンオフパターン(104)を認識するために使用される例示的なAIアルゴリズムを、
図6に詳細に示す。
図6は、本開示の態様による例示的なパターン認識装置を示す概略フロー図である。
【0047】
この図を参照すると、ファイバ経路に沿った各位置xで、時系列データがまず0.95分位数統計で切り捨てられることがわかる。このステップにより、時折発生するスパイクノイズの影響を軽減し、信号パターンの上部を平坦にすることができる。処理された時系列は、2つのコピーに分割され、オフセットタウ(tau)でシフトされる(tau=1,....,T)。2つの間の類似性は相互相関によって測定される。
【0048】
特に、相互相関のサンプルベースの推定は以下の通りである。
【数1】
【0049】
すべてのタウ値の相互相関が計算されると、ピーク探索アルゴリズムは、相互相関の1次元配列を入力として受け取り、隣接する値と比較することによってすべての極大値を求める。ピークのサブセットは、最小高さ0.1、最小水平距離10で選択される。
【0050】
図7(A)~
図7(H)はウォーターフォールデータからの一連の検出パターンであり、
図7(A)は6つのターゲットパターンを含み、
図7(B)は切り捨ての前後の時系列を示し、遅延(lag)=200までの相互相関が
図7(C)~
図7(H)に示されている。
【0051】
ケーブルの位置は、ピークのパターンを分析することによって見つけることができる。タイムラップの変動により、隣接するピーク間の平均時間差は28.8~37.75で、標準偏差は0~1.46である。ピークの数は、5~8の範囲である。この手順は、周波数ピークが相互相関のピークほど重要ではないため、時系列でFFTを行うよりも効果的であることがわかっている。さらに、教師あり学習手法と比較して、この手法は、データのラベル付けやモデルの訓練を必要としない。本質的に振動機パターンの自己相似性に依存しているため、従来技術の方法よりもロバストである。
【0052】
図8は、本開示の態様による例示的なプロセスを示す概略フロー図である。
【0053】
この時点で、訓練データを収集する手間を軽減し、DFOSシステムの調整を容易にし、光ファイバケーブルの位置特定手順を簡素化し、位置特定の精度を向上させる新しい方法およびシステムを含む本発明のプロセスの変形例について説明する。
【0054】
前述したように、開示された本発明の既存の方法は、依然として現場技術者/サービス担当者を現場に配備し、光ファイバケーブルに対してその長さに沿った位置で振動信号を発生/印加することに依存する。さらに述べたように、光ファイバケーブルの位置をDFOSで決定する際の1つの大きな課題は、技術者が現場で作成した発生/印加振動信号が周囲ノイズ(例えば、近くの空気圧縮機、隣接する道路建設工事など)と区別できる必要があるということである。さらに述べたように、このような信号は、フィールド振動機によって生成されたものと同様のパターンを示す可能性がある。振動の位置特定のための機械学習手法は、非常に効果的であるが、距離の誤った/不正確な推定を減らすためには、使用する機械学習モデルを訓練するために大量のセンサデータを生成する必要がある。
【0055】
したがって、本開示の一態様は、モバイル装置によって収集されたフィールド振動機生成信号とDFOSシステムによって収集された振動信号とからの相関を適用する。後述するように、本発明の技術は、振動機位置の地理的位置をセンサファイバに沿ってより正確に、かつ、繰り返し決定するための高い相関位置を提供する。
【0056】
理解されるように、これらの測定に関連するいくつかの問題には以下が含まれる。
【0057】
フィールド音響信号:モバイルデバイスから地面を突き固める振動機の音響信号を記録し、それをCOに送り返す。
【0058】
フィールド振動信号:DFOSシステムから振動信号を収集する。
【0059】
データペアリング:音響信号と振動信号との高い相関関係を見つけ出して、ファイバ経路に沿った振動機の位置を決定する。
【0060】
マッピング:モバイル装置のGPS座標(振動機の位置)とケーブル長を地図上でペアリングする。
【0061】
図9は、本開示の態様による、既存の配備された光ファイバ上に重ねられたセンシング層の例示的なシステムレイアウトを示す概略図である。
【0062】
観察されるように、このような例示的なシステムは、以前に提示されたシステムと類似している。分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)(101)は、分散型音響センシング(DAS)システムおよび/または分散型振動センシング(DVS)システムとすることができ、ケーブル経路全体の遠隔監視を行うための制御局/中央局(100)に配置されている。DFOSシステムは、光センサファイバ(301)に接続され、センシング機能を提供する。このようなファイバは、サービスプロバイダによって提供される、ダークファイバまたは運用ファイバであってもよい。
【0063】
光ファイバケーブルの正確な位置を決定するために、現場技術者は、削岩機(201)または他の振動誘発装置と、5G/LETサービスおよび音声録音機能(203)を備えた携帯電話機などのモバイル装置(202)を利用する。
【0064】
ファイバケーブル(302)、マンホール/ハンドホール/アクセスホール(303)および電柱(304)の近くなど、ファイバ経路に沿った任意の場所が調査を行う場所となり得る。技術者が削岩機(201)を操作して地面を突き固めると、モバイル装置(202)は、現在のGPSと削岩機によって発生したノイズの記録とをCO(100)内にあるペアリングシステム(102)に送信する。操作中、技術者は、削岩機を断続的かつランダムに操作し、それによってランダムなノイズパターンを発生させる。モバイル装置からの音響信号とDFOSによって収集された振動信号との間の相関を調べることにより、センサファイバに沿ったターゲットとなる場所の位置を、ウォーターフォールからのファイバ距離およびモバイル装置から取得したGPS座標とペアリングすることができる。
【0065】
図10は、音響振動相関ケーブル位置特定を使用する本開示の態様による方法を示す概略図である。図からわかるように、技術者が現場で削岩機を使用して振動を発生させた後、COで2つの信号、すなわち、DFOSシステムによって収集されたウォーターフォールトレースとモバイル装置によって収集された音響波形が受信される。ウォーターフォールトレースを振動時系列パターンで処理し、波形の二乗平均平方根をダウンサンプリングすることで、経路全体と拡大区間で示したように相関係数が最も高い位置を見つけることができる。高い相関関係に基づいて、削岩機の位置をDFOSシステムからのケーブル長情報とペアリングすることができる。モバイル装置からのGPS座標を使用すると、地理的位置も知ることができ、グラフィック情報システム(GIS)上にマッピングすることができる。
【0066】
図11(A)~
図11(D)は、本開示の態様による現場試験の結果を示すプロットである。これらの図を参照すると、
図1は次のことを示す。
図11(A)は、道路交通などの周囲ノイズが低い静かな場所での削岩機の振動のプロット結果である。
図11(B)は、弱い信号領域を有する場所のプロット結果である。
図11(C)は、道路交通が密集した交通量の多い場所のプロット結果である。
図11(D)は、電柱に衝突し、光ファイバケーブルの空中ケーブル部分から振動信号を受信した結果をプロットしたものである。
【0067】
これらのプロットから、提案した技術は、交通の密集した区間や応答が弱い領域であっても、埋設ケーブルの位置特定が可能であることが分かる。
図11(D)において、削岩機が電柱や空中ケーブルに強い振動を発生させ、より広い領域に影響を与えるため、相関係数の高い領域は広くなる。電柱の位置は特定できるが、正確ではない。これは、より軽い振動源を使用するか、ゴムハンマーを使用して、位置特定試験中に電柱に振動励起を与えることで改善できる。
【0068】
ここで理解されるように、本発明の方法のいくつかの利点には以下が含まれる。
【0069】
AIリソースの削減:AI訓練のために事前に収集されたデータを用意する必要はない。処理リソースを削減できる事前訓練されたAIモデルはもう必要ない。
【0070】
簡単な現場作業:現場技術者は、削岩機をランダムにオン/オフにして、長さ/持続時間がわずか数秒の振動周期を有する未定義のパターンを作成することができる。
【0071】
ロバスト性:この方法は、現場からの交通ノイズ、または吊り下げ/空中ケーブルに関連する強いバックグラウンドなどのような強いバックグラウンドノイズがあっても、非常にロバストな結果をもたらす。
【0072】
高精度:極めて低い偽陽性率で高精度を達成することができる。
【0073】
図12(A)は、本開示の態様によるシステム動作を示す模式図である。
【0074】
図12(B)は、本開示の態様による音響振動相関ケーブル位置特定方法を示す概略図である。
【0075】
図13は、本開示の態様による例示的なプロセスを示す概略フロー図である。
【0076】
この時点で、当業者は、本発明のシステムおよび方法が、DASシステムを有利に使用して、光ファイバ上の許可された事象と許可されていない事象を区別し、誤った警告を低減しながら修理事象のログをとることができることを理解および認識するであろう。
【0077】
本発明のシステムおよび方法の一態様は、ハンドルおよび振動部分を有する電動歯ブラシに類似した携帯用装置を含む。技術者は、光ファイバネットワークのメンテナンスを行う前に、装置にコードを入力し、装置の振動部分をファイバと接触させる。電源を入れると、装置は、(許可された)技術者に固有の振動パターンを発生する。ファイバに加えられた装置の特定の振動は、DASシステムによって遠隔で検出され、位置が特定される。この事象は、指定修理作業として適切に登録される(振動コードのログもとるため、技術者のID、時間、場所も記録される)。また、DASは、その場所を「工事中」として登録し、この時間以降にその場所で発生した振動は侵害事象として登録されず、誤警報が排除される。
【0078】
修理が完了すると、技術者は再び振動コードを生成して、修理が完了し、修理場所を離れることを通知できる。再度、DASは修理の終了を登録し、その場所の「工事中」モードを終了し、この場所の通常の動作を継続できる。理解されるように、本発明の動作は、許可された技術者が修理を実行しようとしていることをDASシステムに通知し、1-許可された技術者を確認し、2-修理中の誤警報を防止し、3-修理に関するすべての詳細(誰が、いつ、どこで、何を)を記録する。
【0079】
知られているように、DASシステムは、長い光ファイバをリアルタイムで監視し、ファイバと通信するインタロゲータ/アナライザによって検出される、ファイバを励振する振動を記録し、分析することができる非常に高感度のセンサである。本発明のコード化された振動装置は、固有の識別振動パターンを発生し、制御された固有の識別振動を通じて、許可されたメンテナンス作業およびユーザー/技術者の識別を可能にする。
【0080】
理解されるように、本発明の技術には以下が含まれる。各技術者と作業の種類に固有のコードを生成する。固有のコードを振動パターンに変換する。無線やその他のRFネットワークではなく、ファイバケーブルを介して(振動経由)DASと通信する。光センサファイバに沿って、「工事中」のように励振された場所を特定し、修理中は異常事象を無視して誤警報を減らす。このような許可された作業が完了すると、振動「作業完了/終了」コードがセンサファイバに適用され、センサファイバの影響を受けた部分が現在動作していることをDASに示すことができる。当業者であれば、光センサファイバの特定の長さの様々な状態を示す任意の数の振動コードを適用できることを理解し、認識するであろう。
【0081】
図14は、本開示の態様による方法の例示的な特徴を示す概略ブロック図である。
【0082】
図15は、本開示の態様によるプロセスの例示的な特徴および関係を示す概略ブロック図である。
【0083】
この時点で、いくつかの特定の例を使用して本開示を提示したが、当業者であれば、本発明の教示がそれに限定されないことを認識するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【図】
【図】
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【図】
【図】
【図】
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【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型光ファイバセンシング(DFOS)を用いて配備されたファイバケーブルの位置を特定するための方法であって、該方法は、
分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)を準備するステップであって、前記
DFOSシステムは、
光センサファイバと、
前記光ファイバと光通信するDFOSインテロゲータおよびアナライザであって、前記DFOSインテロゲータは、レーザ光から光パルスを生成し、該パルスを前記光ファイバに入射させ、前記光ファイバからレイリー反射信号を検出/受信するように構成され、前記アナライザは、前記レイリー反射信号を分析し、前記分析したレイリー反射信号から位置/時間のウォーターフォールプロットを生成するように構成されている、DFOSインテロゲータおよびアナライザと、
シーケンスパターンを作成し、該作成したシーケンスパターンを機械式振動機に提供するように構成されたシーケンサ・パターン監視装置と、を含むステップと、
前記光ファイバに沿った位置で機械式振動機を動作させるステップであって、前記機械式振動機は、前記作成したシーケンスパターンを受信し、該受信したシーケンスパターンに従って機械的振動を発生し、該発生した機械的振動を前記光ファイバに加え、動作中に前記機械式振動機の全地球測位位置(GPS)の位置を決定して、GPS座標とタイムスタンプ情報を前記DFOSインタロゲータおよびアナライザに送信するように構成されるステップと、
前記発生した機械的振動を前記光ファイバに加えながら前記DFOSシステムを動作させ、それによって前記光ファイバに振動事象を発生させ、光ファイバの位置を前記機械式振動機から受信したGPS座標およびタイムスタンプ情報に関連付けながら、動作中に受信したDFOS信号を記録するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記DFOSシステム/アナライザは、受信したGPS座標を光ファイバ長とペアリングし、前記ペアリングに従って作成されたシーケンスパターンを調整するようにさらに構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DFOSシステム/アナライザは、GPS座標および光ファイバ長を用いてターゲット位置を報告するようにさらに構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記DFOSシステム/アナライザは、GPS座標と光ファイバ長が特定された前記ターゲット位置を有する地図を生成するようにさらに構成されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記光ファイバの少なくとも一部が地中に埋設されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記機械式振動機は、4G信号および5G信号を含む携帯電話信号を介してシーケンスパターンを受信するように構成されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記DFOSシステム/アナライザは、前記受信したGPS座標、時間情報、および光ファイバ長を、生成されたシーケンスパターンに関連付けるように構成されている、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記シーケンスパターンは、前記機械式振動機を操作する個々のサービス技術者に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
分散型光ファイバセンシング(DFOS)を用いて配備されたファイバケーブルの位置を特定するための方法であって、該方法は、
分散型光ファイバセンシングシステム(DFOS)を準備するステップであって、前記システムは、
光センサファイバと、
前記光ファイバと光通信するDFOSインテロゲータおよびアナライザであって、前記DFOSインテロゲータは、レーザ光から光パルスを生成し、該パルスを前記光ファイバに入射させ、前記光ファイバからレイリー反射信号を検出/受信するように構成され、前記アナライザは、前記レイリー反射信号を分析し、前記分析したレイリー反射信号から位置/時間のウォーターフォールプロットを生成するように構成されている、DFOSインテロゲータおよびアナライザと、
モバイル装置からGPS座標、タイムスタンプ情報、および記録された音響信号を受信するように構成された受信およびペアリング回路と、を含むステップと、
前記光ファイバに沿った位置で前記機械式振動機を動作させるステップであって、前記機械式振動機は、機械的振動を発生し、該発生した機械的振動を前記光ファイバに加えるように構成されているステップと、
前記モバイル装置を前記機械式振動機の近くで動作させるステップであって、前記モバイル装置は、音響信号を記録し、前記GPS座標、前記タイムスタンプ情報、および前記記録された音響信号を前記受信およびペアリング回路に送信するように構成されているステップと、
前記発生した機械的振動を前記光ファイバに加えながら前記DFOSシステムを動作させ、それによって前記光ファイバに振動事象を発生させ、光ファイバの位置を前記機械式振動機から受信したGPS座標、タイムスタンプ情報、および記録された音響信号に関連付けながら、動作中に受信したDFOS信号を記録するステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記DFOSシステムによって生成されたウォーターフォールトレースと前記モバイル装置から受信した音響信号との相関をとるステップをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記相関をとるステップは、前記受信した音響信号の二乗平均平方根強度をダウンサンプリングすることをさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【国際調査報告】