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特表2024-525380軌道の垂直方向位置狂いを整正する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】軌道の垂直方向位置狂いを整正する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   E01B 35/06 20060101AFI20240705BHJP
   E01B 27/17 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
E01B35/06
E01B27/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578870
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2022066110
(87)【国際公開番号】W WO2022268566
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】A50502/2021
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ダクスベルガー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス プレール
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン アウアー
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057AA03
2D057AB06
2D057AB25
(57)【要約】
動的軌道安定化機(1)を用いて行われる安定化過程により、持上げ・タンピング過程後の軌道(4)の垂直方向位置狂いを整正する方法であって、スタビライジングユニット(23)が、作業方向(7)で見て前進する作業箇所(22)において軌道(4)に作用し、持上げ・タンピング過程の前に、未処理の軌道(4)の軌道位置データを検出し、持上げタンピング過程の後、作業方向(7)で見てスタビライジングユニット(23)の前に位置する検測箇所(10)において、タンピングされた軌道(4)の軌道位置データを検出する。この際に、作業方向(7)で見てスタビライジングユニット(23)の後に位置する再検測箇所(21)において、安定化された軌道(4)の付加的な軌道位置データを検出し、安定化過程中、作業箇所(22)における未処理の軌道(4)およびタンピングされた軌道(4)の軌道位置データと、再検測箇所(21)における安定化された軌道(4)の軌道位置データとに依存して、動的軌道安定化機(1)を駆動制御する。安定化過程後に軌道位置を付加的に再検測することにより、動的軌道安定化機(1)の正確な閉ループ制御が可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的軌道安定化機(1)を用いて行われる安定化過程により、持上げ・タンピング過程後の軌道(4)の垂直方向位置狂いを整正する方法であって、スタビライジングユニット(23)が、作業方向(7)で見て前進する作業箇所(22)において前記軌道(4)に作用し、前記持上げ・タンピング過程の前に、未処理の前記軌道(4)の軌道位置データを検出し、前記持上げ・タンピング過程の後、作業方向(7)で見て前記スタビライジングユニット(23)の前に位置する検測箇所(10)において、タンピングされた前記軌道(4)の軌道位置データを検出する、方法において、
作業方向(7)で見て前記スタビライジングユニット(23)の後に位置する再検測箇所(21)において、安定化された前記軌道(4)の付加的な軌道位置データを検出し、前記安定化過程中に、前記作業箇所(22)における未処理の前記軌道(4)およびタンピングされた前記軌道(4)の軌道位置データと、前記再検測箇所(21)における安定化された前記軌道(4)の軌道位置データとに依存して、前記動的軌道安定化機(1)を駆動制御することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記軌道(4)の目標位置(20)の軌道位置データをあらかじめ設定し、安定化過程中に付加的に、前記作業箇所(22)について、前記目標位置(20)の前記データと、未処理の前記軌道(4)の前記軌道位置データとから導出した整正データに依存して、前記動的軌道安定化機(1)を駆動制御することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
それぞれの前記検測箇所(10,21)における前記軌道位置データを検出するために、前記軌道(4)のそれぞれの長手方向勾配または長手方向高さと、横方向勾配またはカントとを検測することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記安定化過程中、検出した前記軌道位置データに依存して、前記動的軌道安定化機(1)の次の作動パラメータ、すなわち、
-振動周波数、
-走行速度(vdgs)、
-左側レールに作用する荷重(aldgs)、
-右側レールに作用する荷重(ardgs)、
-全荷重
の少なくとも1つを変更することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
それぞれの前記作動パラメータの初期値で前記安定化過程を開始し、それぞれの作動パラメータについて、安定化過程中、計算ユニットに設けられたアルゴリズムを用い、適合化された値を連続して算出することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
それぞれの前記作動パラメータについて、前記アルゴリズムに重み係数が格納されており、閉ループ制御を用いて、重み係数を連続して適合させることを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記動的軌道安定化機(1)により、複数の検測装置(8)を含む軌道位置検測システム(9)を連行し、それぞれの前記検測箇所(10,21)において、対応付けられた前記検測装置(8)により、共通の参照系に関して、対応する前記軌道位置を検出することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記検測装置(8)の1つに取り付けられたカメラ(29)と、別の検測装置(8)に取り付けられ、前記カメラ(29)の撮影領域(32)に位置決めされた基準マーク(30)とによって前記参照系を形成し、前記軌道位置データを検出するために、前記カメラ(29)を用いて、残り前記検測装置(8)に取り付けられた前記検測マーク(30)を撮影することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法を実施するためのシステムであって、軌道位置検測システム(9)と、軌道(4)の前進する作業箇所(22)における、垂直方向の位置狂いを整正するための動的軌道安定化機(1)とを備えたシステムにおいて、前記軌道位置検測システム(9)は、作業方向(7)で見て前記動的軌道安定化機(1)に前置された検測箇所(10)において、また作業方向(7)で見て前記動的軌道安定化機(1)に後置された再検測箇所(21)において、前記軌道位置を検出するように構成されており、前記動的軌道安定化機(1)には、前記軌道位置検測システム(9)によって検出した軌道位置データが供給される制御装置(12)が含まれており、前記制御装置(12)は、前記作業箇所(22)および前記再検測箇所(21)に対応付けられた軌道位置データに依存して、前記動的軌道安定化機(1)を駆動制御するように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項10】
前記作業箇所(22)と前記再検測箇所(21)との間の間隔(a)は、3m~10m、特に5m~8mの間の範囲内にある、ことを特徴とする、請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記制御装置(12)には計算ユニットが含まれており、該計算ユニットには、連続して更新される軌道位置データに基づいて、前記動的軌道安定化機(1)の少なくとも1つの作動パラメータを再計算するためのアルゴリズムが実装されていることを特徴とする、請求項9または10記載のシステム。
【請求項12】
スタビライジングユニット(23)は、振動生成器(25)と、前記軌道(4)のレール(14)に締め付け可能なローラグリッパ(24)とを含んでおり、別々に駆動制御可能な荷重駆動部(26)によって機械フレーム(2)に支えられていることを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
作業方向(7)で見て前記動的軌道安定化機(1)の直前に突固め機(5)が配置されており、前記軌道位置検測システム(9)には、前記突固め機(5)に対応付けられている少なくとも1つの検測装置(8)が含まれていることを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
第1検測装置(8)にカメラ(29)が取り付けられており、第2検測装置(8)に基準マーク(30)が取り付けられており、第1検測装置(8)と第2検測装置(8)との間に、検測マーク(30)を備えた少なくとも1つの別の検測装置(8)が取り付けられていることを特徴とする、請求項9から13までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項15】
前記軌道位置検測システム(9)には、前記カメラ(29)と一緒に駆動制御可能なフラッシュライト(33)が含まれていることを特徴とする、請求項14記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的軌道安定化機を用いて行われる安定化過程により、持上げ・タンピング過程後の軌道の垂直方向位置狂いを整正する方法に関し、スタビライジングユニットは、作業方向に前進する作業箇所において軌道に作用し、持上げ・タンピング過程の前に、未処理の軌道の軌道位置データを検出し、持上げ・タンピング過程の後、作業方向で見てスタビライジングユニットの前に位置する検測箇所において、タンピングされた軌道の軌道位置データを検出する。本発明はさらに、本方法を実施するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2006/056215号からは、バラスト道床を有する軌道の垂直方向位置狂い(高低狂い)を整正するための方法が公知であり、軌道は、仮の目標位置に持ち上げられてタンピングされ、その後、軌道安定化の枠内において、横方向の振動と一緒に静的な荷重を加えることにより、制御されて、最終的な目標位置に沈降させられる。
【0003】
ここでは、持上げおよびタンピングの際に、高低狂いに関係した所期の軌道のカントがあらかじめ設定され、これによって後続の軌道安定化により、比較的大きな高低狂いを有する軌道区間がより強く締め固められる。これにより、狂いがある旧い軌道位置への、交通の負荷による急激な降下に対抗しようするものである。
【0004】
この公知の方法は一般に、「デザインオーバーリフト(Design Overlift)」と称され、都度の過剰持上げ値は、経験的なデータに基づいてあらかじめ設定される。これによって、個々の狂いを持続的に整正することができる。しかしながら、このやり方では、多くの処理区域において、不必要に大きなカントが発生し、それに伴って必要なバラストも増えてしまう。
【0005】
オーストリア国特許出願公開第519317号明細書には、修正された方法が開示されており、この方法では、持上げ・タンピング過程の前に、未処理の軌道の実際位置の経過から、平滑化された実際位置経過が形成される。都度の過剰持上げ値は、引き続き、近似的に平滑化された実際位置経過に関し、実際軌道位置のこの経過に依存してあらかじめ設定される。この方法では、波長の短い軌道位置狂いだけが、過剰持上げ値によって処理される。波長の長い沈下は、過剰持上げ値をあらかじめ設定する際には無視されたままである。
【0006】
動的軌道安定化機を用いた別の軌道整正方法は、欧州特許出願公開第0952254号明細書に記載されている。ここでは、軌道安定化機は、可変の静的な荷重によって作動され、これにより、持上げ・タンピング過程後に波長の長い軌道位置狂いが除去される。タンピングされた軌道の測量を出発点として、軌道の新たな目標位置が計算され、そこから導出された整正値により、静的な荷重の変更が決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の根底にある課題は、冒頭に述べた形式方法を従来技術に対して改善し、これにより、安定化過程の後、存在する軌道狂いの種類および程度とは無関係に、最適な軌道位置が実現するようにすることである。本発明の課題はさらに、対応するシステムを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、これらの課題は、独立請求項1および9の特徴的構成によって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項から得られる。
【0009】
本発明では、作業方向で見てスタビライジングユニットの後に位置する再検測箇所において、安定化された軌道の付加的な軌道位置データを検出し、安定化過程中に、作業箇所における未処理の軌道およびタンピングされた軌道の軌道位置データと、再検測箇所における安定化された軌道の軌道位置データとに依存して、動的軌道安定化機を駆動制御する。持上げ・タンピング過程の前後の検測と共に、安定化過程後に軌道位置を付加的に再検測することにより、動的軌道安定化機の正確な閉ループ制御が可能になる。具体的には、動的軌道安定化機の閉ループ制御される駆動制御のためのベースとして、安定化過程の後に検測した軌道位置と一緒に、持上げ・タンピング過程の前後で検測した軌道位置を使用する。これにより、はじめの整定フェーズの後に残存する残余誤差はゼロになり、結果的に最適な軌道位置が得られる。特に、持上げ・タンピング過程後に検出した残余誤差は、動的軌道安定化機の閉ループ制御される駆動制御によって除去される。
【0010】
本方法の発展形態では、軌道の最終的な目標位置の軌道位置データがあらかじめ設定され、安定化過程中に付加的に、作業箇所について、目標位置のデータと、未処理の軌道の軌道位置データとから導出した整正データに依存して、動的軌道安定化機を駆動制御する。したがって、未処理の軌道の個別の狂いおよびその他の特徴的な位置狂いの検測データが、動的軌道安定化機の駆動制御に直接に取り込まれ、これにより、制御偏差が、先見的に最小化される。このように方法を拡張することによって特に、デザインオーバーリフトを伴う、前に位置する持上げ・タンピング過程による不均一な過剰持上げが能動的に補償される。
【0011】
有利には、それぞれの検測箇所における軌道位置データを検出するために、軌道のそれぞれの長手方向勾配または長手方向高さと、横方向勾配またはカントとを検測する。曲線部では好ましくは、内側レールの長手方向勾配または長手方向高さを検出する。これに対して、横方向勾配またはカントにより、外側レールの位置が示される。これにより、軌道位置データとして、軌道の2つのレールの垂直方向位置(高さ位置)が、異なる処理状態において検出される。
【0012】
本方法の有利な具体化では、安定化過程中、検出した軌道位置データに依存して、動的軌道安定化機の次の作動パラメータ、すなわち、スタビライジングユニットの振動周波数と、動的軌道安定化機の走行速度と、軌道の左側レールに作用する、スタビライジングユニットの荷重と、軌道の右側レールに作用する、スタビライジングユニットの荷重と、スタビライジングユニットから軌道に作用する全荷重と、の1つを変更する。
【0013】
有効であるのは、それぞれの作動パラメータのあらかじめ設定された初期値で安定化過程を開始し、それぞれの作動パラメータについて、安定化過程中、計算ユニットに設けられたアルゴリズムを用いて、適合化された値を連続して算出する。それぞれ可変の作動パラメータを連続して再計算することにより、様々なシステム固有の影響または外的影響に、安定化過程を直接的に適合させることができる。
【0014】
好ましくは、それぞれの作動パラメータについて、アルゴリズムに重み係数を格納する。閉ループ制御を用いて、重み係数を連続して適合させる。例えば、計算ユニットには、それぞれの可変の作動パラメータについて、固有の重み係数を備えた式が実装されている。さらに、重み係数の連続した適合化だけにより、動的軌道安定化機の閉ループ制御された駆動制御を行う。このようなアルゴリズムにより、閉ループ制御の高い品質が可能になる。というのは、この閉ループ制御システム(Regelstrecke)の特性と、閉ループ制御(Regelung)の動特性とが別々にあらかじめ設定されるからである。それぞれの作動パラメータの式において、それぞれの作動パラメータと、検出された軌道位置データとの間の具体的な相互作用がマッピングされる。重み係数の格納された適合ロジックにより、閉ループ制御動特性が決定される。
【0015】
本方法の別の改善では、動的軌道安定化機により、複数の検測装置を含む軌道位置検測システムが連行され、それぞれの検測箇所において、対応付けられた検測装置により、共通の参照系に関して、対応する軌道位置を検出する。このようにして、動的軌道安定化機が前進走行する間に、処理中に変化する軌道位置の軌道位置データを収集する。観察される軌道箇所はまず、スタビライジングユニットの前に位置し、ここで持上げ・タンピング過程後の軌道位置を検出する。動的軌道安定化機の前進運動により、スタビライジングユニットによって軌道が閉ループ制御されて沈降する間に、同じ軌道箇所が目下の作業箇所になり、直後に検測箇所が位置する。ダブルユニットでは、この検測箇所は好適には、2つのスタビライジングユニットの間に位置する。スタビライジングユニットの影響領域外では、再検測箇所において、沈降された軌道位置の軌道位置データを検出する。これにより、それぞれ検測箇所は、作業前進中に時間順序において、観察される軌道位置に対応する。
【0016】
この改善の発展形態では、参照系は、検測装置の1つに取り付けられたカメラと、別の検測装置に取り付けられ、カメラの撮影領域に位置決めされた基準マークとによって形成され、軌道位置データを検出するために、カメラを用いて、残りの検測装置に取り付けられた検測マークを撮影する。このような光学検測システムにより、複数の検測箇所について正確な検測結果が提供され、共通の参照系により、得られた軌道位置データの後続処理が容易になる。目的にかなう発展形態では、基準マークは、スタビライジングユニットに直接に取り付けられている。これによって、対応する検測箇所と、作業箇所とが一致する。この場合、カメラを用いてスタビライジングユニットの振動振幅も検出する。この付加的な検測量は、安定化過程を閉ループ制御するための別のパラメータとして利用可能である。
【0017】
説明した方法の1つを実施するための本発明によるシステムには、軌道位置検測システムと、軌道の前進する作業箇所における垂直方向の位置狂いを整正するための動的軌道安定化機とが含まれており、軌道位置検測システムは、作業方向で見て動的軌道安定化機に前置された検測箇所において、また作業方向で見て動的軌道安定化機に後置された再検測箇所において、軌道位置を検出するように構成されており、動的軌道安定化機には、軌道位置検測システムによって検出した軌道位置データが供給される制御装置が含まれており、制御装置は、作業箇所および再検測箇所に対応付けられた軌道位置データに依存して、動的軌道安定化機を駆動制御するように構成されている。
【0018】
制御装置には有利には計算ユニットが含まれており、この計算ユニットには、連続して更新される軌道位置データに基づいて、動的軌道安定化機の少なくとも1つの作動パラメータを再計算するためのアルゴリズムが実装されている。これにより、検出した軌道位置狂いによって、ほぼリアルタイムで動的軌道安定化機の制御の適合化が行われることになる。反応時間が短いことにより、整正された軌道位置はさらに品質改善される。
【0019】
有利には、作業箇所と再検測箇所との間の間隔は、3m~10m、特に5m~8mの間の範囲内にある。これによって保証されるのは、再検測箇所における安定化過程後に、問題のない実際軌道位置が決定されることである。このようにして、再検測により、動的軌道安定化機を駆動制御するための閉ループ制御ループに対して特に正確なデータが供給される。ここでは、再検測箇所は、十分に小さな間隔で作業ユニットに続いており、これにより、必要があれば、迅速な閉ループ制御適合化を行うことができる。
【0020】
本システムの発展形態では、スタビライジングユニットに振動生成器と、軌道のレールに締め付け可能なローラグリッパとが含まれており、スタビライジングユニットは、別々に駆動制御可能な荷重駆動部によって機械フレームに支えられている。この改善により、軌道の左側レールと右側レールとに異なる荷重を加えることができる。これにより、スタビライジングユニットによって実現される沈下の正確な調整が可能になり、ひいては軌道のあらかじめ設定された横方向勾配またはカントが正確に達成される。
【0021】
本システムの有利な拡張は、作業方向で見て動的軌道安定化機の直前に突固め機が配置されている機械連結体に関し、軌道位置検測システムには、突固め機に対応付けられている少なくとも1つの検測装置が含まれている。連続して作業するバラストタンパーでは、動的軌道安定化機に永続的に連結可能である。周期的に作業する突固め機と、その後で走行する動的軌道安定化機とは、機械的な連結なしに作動される。拡張型の軌道位置検測システムは、2つの変形形態において、突固め機の検測箇所にも延在しており、これにより、動的軌道安定化機を制御するために、付加的な軌道位置データが直接に利用可能である。
【0022】
有利には、軌道位置検測システムには、カメラが取り付けられた第1検測装置が含まれており、第2検測装置には基準マークが取り付けられており、第1検測装置と第2検測装置との間には、検測マークを備えた少なくとも1つの別の検測装置が取り付けられている。このような光学検測装置により、長い距離にわたって正確な検測結果も提供され、振動による障害は所期のようにフィルタで除去可能である。
【0023】
この軌道位置検測システムのさらなる改善には、カメラと一緒に駆動制御可能なフラッシュライトが含まれている。これにより、基準マークおよび検測マークの照明をカメラの露光時間に合わせることができ、ひいては、太陽光または別の光源による障害的な影響が抑止される。
【0024】
以下では、添付した図面を参照して、本発明を例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】突固め機の後の動的軌道安定化機を示す図である。
図2】5つの検測装置を備えた軌道位置検測システムを示す平面図である。
図3】機械フレームおよび軌道を有するスタビライジングユニットを示す断面図である。
図4】受動型マーカを備えた光学検測装置を示す図である。
図5】能動型のマーカを備えた光学検測装置を示す図である。
図6】冗長なマーカを備えた光学検測装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に示した動的軌道安定化機(DGS:dynamischer Gleisstabilisator)1は、レール走行装置3に支持されて軌道4上を走行可能な機械フレーム2を備えた、自立型の軌道工事機械である。記載したこの実施例では、この動的軌道安定化機1は、突固め機5と一緒に作動される。しかしながら、本発明は、突固め機5とは時間的に無関係に、動的軌道安定化機1が使用される方法にも関係している。
【0027】
図示しない変形形態では、突固め機5と動的軌道安定化機1とが、組み合わせ式の軌道工事機械を形成する。ここでは、タンピングユニット6の周期的な前進運動が、例えば、長手方向に変位可能な補助フレーム(サテライト)を介して、動的軌道安定化機1の連続的な前進運動に適合されている。
【0028】
図1に図示した周期的に作業を行う突固め機5は、作業方向7に関して、動的軌道安定化機1に前置されている。作業プロセスにおいて変化する軌道位置を誇張して描画した経過が、より良好に示すために使用される。突固め機5の前のレール走行装置3は、未処理の軌道4上を走行する。その前では、この未処理の軌道区間の実際位置を検出するために検測装置8がガイドされる。この検測装置8は、様々な検測箇所10において軌道位置データを検出するための、軌道位置検測システム9の要素である。補足的には、または本方法の代替的な形態では、別の軌道検測車両を用いて、未処理の軌道4の軌道位置データを検出する。
【0029】
図1に示した実施例では、突固め機5には、参照系としての検測弦を備えた検測システム9が対応付けられている。動的軌道安定化機1には、それ専用の検測弦を備えた別の検測システムが含まれている。連結されて作動される機械1,5では、これら2つの検測システム9は、共通の軌道位置検測システム9にまとめられる。好適には、検出した全ての軌道位置データが、共通の評価装置11によって処理される。場合によっては、突固め機5と動的軌道安定化機1との間でエアインタフェースを介するデータ伝送が行われる。
【0030】
さらに続いて、軌道位置データが、動的軌道安定化機1の適応型駆動制御のために、制御装置12に供給される。場合によっては、別の軌道検測車両によって検出された、未処理の軌道4または既に突き固められた軌道4の軌道位置データが、制御装置12に前もって伝送されるか、または無線接続を介して送信される。
【0031】
持上げ・突固め過程中、まくらぎ13とその上に取り付けられたレール14とから形成される軌きょうが、バラスト道床15から持ち上げられる。このために突固め機5には、タンピングユニット6の前に配置されている持上げユニット16が含まれている。これらの間には、行われた持上げ17を検出するための別の検測装置8が位置している。持ち上げられた軌道位置では、タンピングユニット6のタンピングツールがバラスト道床15内に入り込む。振動を加えながら、持ち上げられたまくらぎ13の下でバラストが押されて締め固められるスクイーズ運動が行われる。このようにして、軌道4は、過剰に持ち上げられた軌道位置に一時的に固定される。
【0032】
図示した変形形態では、それぞれの検測装置8は、レールをガイドされる装置として形成されている。それぞれの装置8には、拡開軸によってレール14の内側に押し付けられているフランジローラが含まれている。それぞれの検測装置8の非接触式の変形形態には、レール14に向けられた検測センサ(例えばレーザスキャナ)が配置されている支持体が含まれている。これらのセンサにより、レール14に対する検測装置8の位置が検出される。
【0033】
突固め機5の軌道位置検測システム9の、作業方向7において最後の検測箇所10には、例えば、慣性検測ユニット(IMU:inertiale Messeinheit)18を備えた検測装置8が位置している。この検測装置8は、4つのフランジローラによってレール14上でガイドされる検測フレーム19に配置されている。この検測装置8により、突き固められた軌道4の軌道位置データが、公知のように検出される。同時に、検測装置8は、突固め機5に形成された弦検測システムの後側の基準ユニットとして使用される。
【0034】
過剰に持ち上げられた軌道位置は、引き続きの安定化過程において、最終的な目標軌道位置20へ沈降させられる。この際に、動的軌道安定化機1が使用される。動的軌道安定化機1の駆動制御は、再検測箇所21を含めた複数の検測箇所10において検出される検測データに依存して行われる。具体的には、動的軌道安定化機1を用いて、動的軌道安定化機1と共に作業方向7に前進する作業箇所22において、軌道4が閉ループ制御されて沈降される。
【0035】
この作業箇所22では、スタビライジングユニット23が、ローラグリッパ24によってレール14上にクランプされている(図3)。あらかじめ設定された周波数で、スタビライジングユニット23に配置された振動生成器25により、作業箇所22の領域において、軌きょうが水平方向に振動させられる。機械フレーム2に対するスタビライジングユニット23の支持は、それぞれ下に位置するレール14に対応付けられている荷重駆動部26を介して行われる。これらの荷重駆動部26は、例えば別々に制御可能な液圧シリンダとして実施されている。スタビライジングユニット23のフランジ付きローラ27を介して、対応付けられたレール14に作用する静的な荷重を、加える圧力の変化を介して変更可能である。作業箇所22の直後には、目下行われた軌道の沈降を検出するために、検測装置8が配置されている。
【0036】
弦検測システムとして形成された軌道位置検測システム9では、この検測装置8は、一方では軌道4の沈降の閉ループ制御に、他方ではスタビライジング後の、問題のない実際軌道位置28の再検測に使用される。図示した実施例では、動的軌道安定化機1には全部で4つの検測装置8が配置されている。前方から見ると、第1検測装置8は、軌道位置が過剰に持ち上げられた軌道区間においてガイドされる。第2検測装置8は、スタビライジングユニット23の直後に位置している。その後にはさらに、第3検測装置8および第4検測装置8が、互い定められた間隔で配置されている。
【0037】
4つの検測装置8は、対応する検測弦と共に2つの3点検測系を形成している。沈降を閉ループ制御するために、それぞれのレール14の上では、第1検測装置8と第3検測装置8との間に弦が張られている。問題のない軌道4の再検測のための参照系により、第2検測装置8と第4検測装置8との間に、張られた検測弦が形成される。これらの間に位置決めされたそれぞれの検測装置8では、対応付けられた検測弦との間隔(蹴上げ)が検測され、ここから、公知の移動弦・検測方式に対応して軌道位置が導出される。この際に、第3検測装置8の位置により、再検測箇所21が定められる。影響を受けていない軌道4の位置を正確に検出するために、再検測箇所21と作業箇所22との間の間隔aは、例えば6mである。これとは代替的に、第3検測装置8は、検測フレーム19に配置された慣性検測ユニット18を備えた検測車として形成されている。この場合、再検測は、適合化されたこの検測装置8だけによって行われる。
【0038】
スタビライジングユニット23は、シングルユニットまたはダブルユニットとして形成されている。ダブルユニットには、ほぼ同一に構成され、軌道4において相前後してガイドされる2つの集合体ユニットが含まれている。図1には、このような第2集合体ユニットが点線で書き込まれている。ダブルユニットにより、軌道4に同時に向きの異なる振動を引き起こすことができ、これにより、シングルユニットに比べて、より多くの変更可能な作動パラメータが得られる。
【0039】
本発明によると、動的軌道安定化機1の少なくとも1つの作動パラメータは、安定化過程中に検出された軌道位置データに依存して変更される。この際に重要であるのは、複数の検測箇所10,21における軌道位置データ、すなわちスタビライジングユニット23の前に位置する検測箇所10において、またスタビライジングユニット23の後の再検測箇所21において軌道位置データを検出することである。図1に示した実施例では、対応する検測は、説明した3点検測システムおよび慣性検測ユニット18を用いて行われる。
【0040】
改善された変形形態では、作業プロセスにおいて変化する軌道位置の検測は、図2に示したように、光学検測システム9によって行われる。この変形形態の利点は、行われる全ての検測に共通の参照系である。作業方向7に関し、後の検測装置8にはカメラ29が含まれており、このカメラ29は、その前に位置する全ての検測装置8に向けられている。その前に位置するこれらのそれぞれの検測装置8には検測マーク30が配置されており、1つは、検測マークは基準マーク30として定められている。基準マーク30とカメラ29との間には仮想の光学弦31が張られており、この光学弦31は、残りの検測マーク30の位置に対する参照ベースとして使用される。検測システム9の全てのマーク30は、カメラ29の撮影領域32に位置している。それぞれの検測マークあるいは基準マーク30には、例えば、反射表面における十字線が含まれている。
【0041】
軌道位置検測システム9の評価装置11では、カメラ29の撮影画像が連続して評価される。この際には、検測装置8の互いの距離およびカメラ29の画像スケールが既知である。これらの既知の寸法比を用い、評価装置11により、画像センサに結像された検測マーク30の変位から、光学弦31に関する検測マーク30の実際の位置変化が計算される。あらかじめ設定された座標系x,y,zにおいて、対応する変位値Δx,Δyが得られる(図4)。算出したこれらの変位値Δx,Δyは、従来の弦検測システムによって検出される、蹴上げ値に対応する。
【0042】
有利には、カメラ29は、評価を最適化するために単色撮影画像を検出するように構成されている。画像センサの解像度は、例えば5メガピクセルである。これにより、ミリメートルでの検測マーク30の変位が識別可能である。約200Hzの撮影周波数により、位置変化が直ちに識別されることが保証される。したがって、1秒あたりに約200回の検測が行われる。
【0043】
有利な発展形態では、カメラ29はフラッシュライト33に結合されている。例えば、カメラ29のトリガと同期して検測マーク30の方向にフラッシュさせるために、カメラ29の対物レンズの周りには複数の高出力LEDが配置されている。この形態では、検測マーク30は、軌道位置検測システム9の受動型要素として形成されている(図4)。例えば、それぞれの検測マーク30は、レトロリフレクタフィルムとして、対応付けられた検測装置8の適切な表面に接着されている。
【0044】
図5には、能動型検測マーク30が示されている。これらは、カメラ29と一緒に駆動制御され、カメラ29の方向に発光する。好ましくは、ここでもカメラ29のトリガと同期してフラッシュする高出力LEDが使用される。それぞれの検測マーク30には、LEDフラッシュライト33により、拡散光で背景照明される透明フィルムが含まれている。受動型検測マークと比較して、より大きな光強度が実現可能であり、これにより、特に埃っぽい環境において、また天候が悪い場合により良好な結果が得られる。
【0045】
本発明において使用される軌道位置検測システム9の別の改善が、図6に示されている。ここで考慮されるのは、例外的なケースにおいて、カメラ29と検測マーク30との間に障害物34が存在し得ることである。例えば、軌道曲線が大きく変位すると、個々のユニット部分によって一時的に、それぞれの視軸が覆われてしまうことがある。この実施例では、1つの検測装置8に複数の冗長的な検測マーク30が対応付けられており、これにより、検測マーク30の1つがカメラ29の撮影画像において現れなかった場合、それでもなお検測装置8の位置が確実に検出可能である。
【0046】
検出した軌道位置データから出発して、例えば、動的軌道安定化機1の次の作動パラメータ、すなわち、
dgs … 振動生成器25の振動周波数
aldgs … 左側レール14に加わるスタビライジングユニット23の荷重
ardgs … 右側レール14に加わるスタビライジングユニット23の荷重
agdgs … 全荷重
dgs … スタビライジングユニット23の通過速度(前進速度)
が連続して適合される。
【0047】
作業方向7においてスタビライジングユニット23の前で検出された軌道位置データは、目下の作業箇所22に対応付けられる。すなわち、安定化過程の前に、全ての軌道位置データは、軌道4に対する位置的な対応付けと共に検出される。例えば、軌道位置データは、ナビゲーション衛星システムの位置データ(GNSSデータ)によって補足される。検測箇所10と作業箇所22との間の既知の間隔により、検出した距離を介して簡単な関係を形成することができる。
【0048】
具体的には、次の検測データが事前に検出され、それぞれの検測箇所10が目下の作業箇所22に対応する場合には、作動パラメータ、すなわち、
ivs … 未処理の軌道4の実際長手方向高さ
ivs … 未処理の軌道4の実際横方向勾配(実際カント)
ins … タンピングされた軌道4の実際長手方向高さ
ins … タンピングされた軌道4の実際横方向勾配(実際カント)
の適合化に利用される。
【0049】
付加的には、最終的な目標軌道位置についてのあらかじめ定めた値が、作動パラメータ、すなわち、
… 処理されて完成した軌道4の目標長手方向高さ
… 処理されて完成した軌道4の目標横方向勾配(目標カント)
の適合化に利用される。
【0050】
作動パラメータの連続した適合化についての例示的な式には、次の重み係数、すなわち、
f1 … 振動周波数用の第1重み係数
f2 … 振動周波数用の第2重み係数
a1 … 荷重についての第1重み係数
a2 … 荷重についての第2重み係数
a3 … 荷重についての第3重み係数
a4 … 荷重についての第4重み係数
v1 … 通過速度についての第1重み係数
v2 … 通過速度についての第2重み係数
が利用される。
【0051】
作業配備の開始時に、作動パラメータに次の初期値、すなわち、
… 振動周波数について初期値
… 左右の荷重についての初期値
… 通過速度についての初期値
を使用する。
【0052】
安定化過程中に目下の作業箇所22について、動的軌道安定化機1の作動パラメータを適合させるために、制御装置12に次の式、すなわち、
dgs:=f+gf1・(h-hivs)+gf2・(hins-h
aldgs:=a+ga1・(q-qivs)+ga2・(qins-q)+ga3・(h-hivs)+ga4・(hins-h
ardgs:=a-ga1・(q-qivs)-ga2・(qins-q)+ga3・(h-hivs)+ga4・(hins-h
dgs:=v+gv1・(h-hivs)+gv2・(hins-h
agdgs:=aldgs+ardgs
を格納する。
【0053】
動的軌道安定化機1の作用により、通過時に、軌道4の沈降と、長手方向高さおよび/またはカントとが変更される。これらの変化は、軌道位置の再検測によって検出される。したがって、軌道位置および作動パラメータの整正を適合させるために、次の軌道位置データ、すなわち、
ind … スタビライジングされた軌道4の実際長手方向高さ
ind … スタビライジングされた軌道4の実際横方向勾配(実際カント)
が使用される。
【0054】
例えば、作動パラメータの繰り返しの適合化は、制御装置12に格納された次の式、すなわち、
Δh:=(h-hind
Δq:=(q-qind
f1(n+1):=gf1(n)+kgf1・Δh
f2(n+1):=gf2(n)+kgf2・Δh
a1(n+1):=ga1(n)+kga1・Δq
a2(n+1):=ga2(n)+kga2・Δq
a3(n+1):=ga3(n)+kga3・Δh
a4(n+1):=ga4(n)+kga4・Δh
v1(n+1):=gv1(n)+kgv1・Δh
v2(n+1):=gv1(n)+kgv2・Δh
によって行われる。
【0055】
この繰り返しの適合化により、重み係数の元の値が、新たな値に置き換えられる。横方向勾配も長手方向高さも、安定化過程後、それぞれの目標値に対応する場合、動的軌道安定化機1は完全に調整されており、重み係数の適合化は行われない。
【0056】
使用される係数kgf1,kgf2,kga1,kga2,kga3,kga4,kgv1,kgv2は、閉ループ制御ゲインを決定し、例えば、実験またはシミュレーションによって特定される。同じことが、作動パラメータの初期値f,a,vと、重み係数の初期値gf1(0),gf2(0),ga1(0),ga2(0),ga3(0),ga4(0),gv1(0),gv2(0)とに当てはまる。この方法を何度も実施すると、経験値が得られ、これにより、作業配備の開始時に適切な値が使用可能である。
【0057】
突固め機5を取り入れた拡張型の方法では、これに、次の過剰持上げ値(整正値)、すなわち、
ks:=(h-hivs)・F
ks:=(q-qivs)・F
があらかじめ設定される。簡単な実施形態では、過剰持上げ値を決定するために、それぞれ1つの不変の係数F,Fをあらかじめ設定する。しかしながら、可変の軌道条件に過剰持上げを連続して適合させる公知の方法を使用することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】