(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】相変化冷媒を使用するガス駆動式発電機の性能を向上させるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F03B 17/06 20060101AFI20240705BHJP
F24S 20/00 20180101ALI20240705BHJP
F24S 10/00 20180101ALI20240705BHJP
【FI】
F03B17/06
F24S20/00
F24S10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579065
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022034421
(87)【国際公開番号】W WO2022271758
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520067655
【氏名又は名称】マーク ジェイ. メイナード
【氏名又は名称原語表記】Mark J. Maynard
【住所又は居所原語表記】16 Fairfield Avenue, Easthampton, MA 01027, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジェイ. メイナード
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA12
3H074CC08
3H074CC50
(57)【要約】
作動液の移動から電力を発生させるガス駆動式発電機システム。当該システムは、ガス駆動式発電機を含み、このガス駆動式発電機は、細長い重力分配導管の下端部と複数の細長い浮力導管の下端部との間に流体的に介在させられた液体タービンシステムを含む。重たい作動液は、浮力導管の上端部から流れ、細長い重力分配導管の上端部に供給される。作動液は、細長い重力分配導管を下方に向かって流れて、液体タービンシステムを作動させる。複数の細長い浮力導管内の作動液内への冷媒ガスの噴射は、作動液の上向きの流れを誘発する。当該システムは、熱交換器に流体連通された太陽熱加熱システムを含み、この熱交換器は、太陽熱加熱システムによって捕集された熱を、熱伝達流体回路を通る作動液へと伝達する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動液1016の移動から電力を発生させるガス駆動式発電機システム1010であって、前記ガス駆動式発電機システム1010は、
上端部と下端部1014とを有する細長い重力分配導管1020と、
それぞれ上端部と下端部1012とを有する複数の細長い浮力導管1011と、
を備え、
前記細長い浮力導管1011の前記上端部は、前記細長い重力分配導管1020の前記上端部に流体連通しており、
前記細長い重力分配導管1020の前記下端部1014は、前記複数の細長い浮力導管1011の前記下端部1012に流体連通しており、これにより、前記複数の細長い浮力導管1011と前記細長い重力分配導管1020との間に、前記浮力導管1011の前記上端部から流れる前記作動液1016が前記細長い重力分配導管1020の前記上端部内へ供給され、前記細長い重力分配導管1020を通って下向きに流れる前記作動液1016が前記細長い重力分配導管1020の前記下端部1014から前記複数の細長い浮力導管1011の前記下端部1012内へと供給される流体閉ループが形成されており、
前記ガス駆動式発電機システム1010は、
前記細長い重力分配導管1020の前記下端部1014と前記複数の細長い浮力導管1011の前記下端部1012との間に流体的に介在させられた液体タービンシステム1040と、
前記複数の細長い浮力導管1011のそれぞれの前記下端部1012内にガスを噴射するように動作可能なガス噴射システム1030と、
前記複数の細長い浮力導管1011のそれぞれに流体連通している、第1の熱交換流体1415を備えた第1の熱交換器1405と、
上部チャンバ1026に流体連通していて、かつ貯蔵タンク1203に流体連通している第2の熱交換器1202と、
外部の供給源からの熱エネルギを捕捉するように構成され、前記第1の熱交換器1405と流体連通している温熱加熱システム1500と、を有し、
前記複数の細長い浮力導管1011内に位置する前記作動液1016内への前記ガスの噴射は、前記複数の細長い浮力導管1011内で前記作動液1016の上向きの流れを誘発する傾向があり、これにより、前記細長い重力分配導管1020の前記上端部に供給される前記作動液1016が、前記細長い重力分配導管1020内で下向きの流れを有し、これにより前記液体タービンシステム1040を作動させる、ガス駆動式発電機システム1010。
【請求項2】
前記温熱加熱システム1500は、太陽放射からの熱エネルギを捕捉するように構成された太陽熱パネル1510を有している、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記温熱加熱システム1500は、前記太陽熱パネル1510から前記第1の熱交換器1405へと熱エネルギを移動させるための、第1の熱交換流体を含む流体ループ1501を有している、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記上部チャンバ1026を出るガスから前記第1の熱交換器1405へと熱を移動させるように構成された第3の熱交換器1202をさらに有している、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記ガスは、第1の冷媒を有し、
前記ガス噴射システム1030は、第3の熱交換器を有し、前記第3の熱交換器は、
液体の形態の前記冷媒を加圧し、
前記冷媒を蒸発させて加圧冷媒ガスにしてから、前記浮力導管1011内に噴射する、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、蓄熱システム1600をさらに有している、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記蓄熱システム1600は、前記温熱加熱システム1500に流体連通されていて、前記蓄熱システムは、前記ガス駆動式発電機システム1010から捕捉された熱エネルギを蓄えるように構成されており、
前記蓄熱システム1600は、第2の冷媒である第2の熱交換流体を有している、
請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記貯蔵タンク1203は、前記ガス噴射システム1030に流体連通している、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の冷媒と前記第2の冷媒とは、同じ材料である、請求項7記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の冷媒と前記第2の冷媒とは、異なる材料である、請求項7記載のシステム。
【請求項11】
作動液の移動から電力を発生させるガス駆動式発電機システム1010であって、前記ガス駆動式発電機システム1010は、
ガス駆動式発電機を有し、前記ガス駆動式発電機は、
上端部と下端部1014とを有する細長い重力分配導管1020と、
それぞれ上端部と下端部1012とを有する複数の細長い浮力導管1011と、を有し、
前記細長い浮力導管1011の前記上端部は、前記細長い重力分配導管1020の前記上端部に流体連通しており、前記細長い重力分配導管1020の前記下端部1014は、前記複数の細長い浮力導管1011の前記下端部1012に流体連通しており、これにより、前記複数の細長い浮力導管1011と前記細長い重力分配導管1020との間に、前記浮力導管1011の前記上端部から流れる前記作動液1016が前記細長い重力分配導管1020の前記上端部内へ供給され、前記細長い重力分配導管1020を通って下向きに流れる前記作動液1016が前記細長い重力分配導管1020の前記下端部1014から前記複数の細長い浮力導管1011の前記下端部1012内へと供給される流体閉ループが形成されており、
前記ガス駆動式発電機システム1010は、
前記細長い重力分配導管1020の前記下端部1014と前記複数の細長い浮力導管1011の前記下端部1012との間に流体的に介在させられた液体タービンシステム1040と、
第1の流体熱伝達回路
を有し、前記第1の流体熱伝達回路は、
前記複数の細長い浮力導管1011のそれぞれに流体連通している、第1の熱交換流体1415を備えた第1の熱交換器1405と、を有し、
前記複数の細長い浮力導管1011内の作動液1016の一部は、前記複数の細長い浮力導管1011のうちの少なくとも1つから取り出されて、
前記作動液1016の前記一部は、前記第1の流体熱伝達回路を循環し、
前記作動液1016の前記一部は、前記複数の細長い浮力導管1011に戻され、
前記ガス駆動式発電機システム1010は、
第2の流体熱伝達回路を有し、前記第2の流体熱伝達回路は、
上部チャンバ1026に流体連通していて、かつ貯蔵タンク1203に流体連通している第2の熱交換器1202と、を有し、
前記ガス駆動式発電機システム1010は、
前記複数の細長い浮力導管1011のそれぞれに流体連通していて、かつ前記第2の熱交換器1202に流体連通しているガス噴射システム1030を有し、
前記ガス噴射システム1030は、前記複数の細長い浮力導管1011のそれぞれにガスを噴射するように動作可能であって、
前記ガス噴射システム1030は、
前記第2の熱交換器1202から冷媒ガス1018を受け取り、
前記冷媒ガス1018に熱を伝達し、
気化した前記冷媒ガス1018を、前記複数の細長い浮力導管1011のそれぞれに噴射する
ように構成されており、
前記ガス駆動式発電機システム1010は、
前記第1の熱交換器1405と流体連通している太陽熱加熱システム1500を有し、前記太陽熱加熱システムは、前記太陽熱加熱システム1500によって捕集した熱を前記第1の熱交換器1405に伝達するように構成されており、
前記複数の細長い浮力導管1011内に位置する前記作動液1016内への圧縮ガス1018の噴射は、前記複数の細長い浮力導管1011内で前記作動液1016の上向きの流れを誘発する傾向となり、これにより前記細長い重力分配導管1020の前記上端部に供給される前記作動液1016が、前記細長い重力分配導管1020内で下向きの流れを有することになり、これにより前記液体タービンシステム1040を作動させ、
前記圧縮ガス1018は、第1の冷媒を有し、
前記熱伝達回路を通る前記作動液1016の前記一部の循環は、前記複数の細長い浮力導管1011内の前記作動液1016の温度を上昇させる傾向となる、
ガス駆動式発電機システム1010。
【請求項12】
前記太陽熱加熱システム1500に流体連通された蓄熱システム1600をさらに有し、前記蓄熱システムは、前記ガス駆動式発電機システム1010から捕捉された熱エネルギを蓄えるように構成されている、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記蓄熱システムは、蓄熱媒体を有している、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記蓄熱媒体1610と熱連通している第3の熱交換器1620をさらに有し、前記第3の熱交換器1620は、前記第1の熱交換器1405と流体連通していて、前記太陽熱加熱システム1500と流体連通しており、前記第3の熱交換器は、前記第1の熱交換器1405から前記蓄熱媒体1610へと熱を伝達するように構成されている、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
コンデンサ1630と流体連通している第1のヒートポンプ1700をさらに有し、前記コンデンサ1630は、前記蓄熱媒体1610と熱連通していて、前記第1のヒートポンプ1700は、ラジエータ1055と流体連通しており、前記コンデンサ1630から前記ラジエータ1055へと熱が伝達される、請求項13記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のヒートポンプ1700は、
前記コンデンサ1630および前記ラジエータ1055と流体連通しているコンプレッサ1705をさらに有し、
前記冷媒コンプレッサ1705によって、前記コンデンサ1630から前記ラジエータ1055へと熱交換流体が伝達され、
前記熱交換流体は第2の冷媒である、請求項13記載のシステム。
【請求項17】
淡水捕集システム1800をさらに有し、前記淡水捕集システム1800は、塩水から淡水を分離するように構成されている、請求項13記載のシステム。
【請求項18】
前記淡水捕集システムは、
前記蓄熱媒体1610と熱連通している塩水のための容器と、
水蒸気を凝縮させて液体の水を形成するように構成された凝縮面1808と、
凝縮した液体の水を収容する捕集容器
をさらに有し、前記凝縮面1808は、前記捕集容器に液体の水を方向付けるように構成されている、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記流体噴射システム1030は、チューブ・シェル式熱交換器を有している、請求項11記載のシステム。
【請求項20】
前記流体噴射システム1030は、カスケード状の一連のヒートポンプインタークーラを有している、請求項11記載のシステム。
【請求項21】
前記蓄熱媒体は、相変化材料を有している、請求項13記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年6月21日に出願された、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR IMPROVING THE PERFORMANCE OF AN AIR-DRIVEN GENERATOR USING REFRIGERANT」、発明者名マーク ジェイ. メイナード(Mark J. Maynard)の米国仮特許出願第63/212,914号明細書から優先権を主張するものである。
【0002】
関連出願に関する相互参照
この特許の主題は、2017年8月28日に出願された米国仮特許出願第62/550,836号明細書の利益を主張し、その優先権を主張する、米国特許第10,683,839号明細書として発行され、2018年8月28日に出願された米国特許出願第16/115,531号明細書の続きである、「AIR-DRIVEN GENERATOR」の名称で米国特許第10,968,883号明細書として発行され、2020年4月29日に出願された米国特許出願第16/861,987号明細書の主題に関していてもよく、これらの関連出願の各内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
この特許の主題は、2018年1月18日に出願された米国仮特許出願第62/618,720号明細書の利益を主張し、その優先権を主張する、米国特許第10,989,110号明細書として発行され、2019年1月17日に出願された米国特許出願第16/250,736号明細書の続きである、「GASEOUS FLUID COMPRESSION WITH ALTERNATING REFRIGERATION AND MECHANICAL COMPRESSION」の名称で2021年4月13日に出願された米国特許出願第17/229,477号明細書の主題に関していてもよく、これらの関連出願の各内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0004】
背景技術
何十年にもわたって、ガス状流体圧縮の効率向上を実現する必要性が十分に認識されてきた。ガス状流体を圧縮するためのシステムおよび方法を提供するにあたり、熱力学的性能の改善および構造における簡潔さの改善を達成する多くの試みがあった。見識のある科学者および熟練した発明者は、熱力学の原理を利用して、効率が改善され、それによりエネルギの節約および技術の全体的な進歩が可能な、空気などのガスの圧縮を提供するために努めてきた。
【0005】
様々な実施形態の概要
本発明の実施形態によると、作動液の移動から電力を発生させるガス駆動式発電機システムは、所定のガス駆動式発電機システムを含む。このガス駆動式発電機システムは、上端部と下端部とを有する細長い重力分配導管、および複数の細長い浮力導管を含んでいる。各浮力導管は、上端部と下端部とを有している。細長い浮力導管の上端部は、細長い重力分配導管の上端部に流体連通している。細長い重力分配導管の下端部は、複数の細長い浮力導管の下端部に流体連通している。複数の細長い浮力導管と細長い重力分配導管との間には、流体閉ループが形成されている。作動液は、浮力導管の上端部から流れ、細長い重力分配導管の上端部内に供給される。作動液は、細長い重力分配導管を通って下方に向かって流れ、細長い重力分配導管の下端部から、複数の細長い浮力導管の下端部内に供給される。細長い重力分配導管の下端部と複数の細長い浮力導管1011の下端部との間には、液体タービンシステムが、流体的に介挿されている。
【0006】
ガス噴射システムは、複数の細長い浮力導管のそれぞれの下端部内にガスを噴射するように動作可能である。
【0007】
複数の細長い浮力導管のそれぞれには、第1の熱交換器が流体連通している。第1の熱交換器は、第1の熱交換流体を含む。第2の熱交換器が、上部チャンバに流体連通していて、かつ貯蔵タンクに流体連通している。ガス駆動式発電機システムは、上部チャンバを出たガスから第1の熱交換器へと熱を移動させるように構成された第3の熱交換器を含んでいてもよい。貯蔵タンクは、ガス噴射システムに流体連通していてもよい。
【0008】
温熱加熱システムは、外部の供給源からの熱エネルギを捕捉するように構成されている。温熱加熱システムは、第1の熱交換器と流体連通している。温熱加熱システムは、太陽放射からの熱エネルギを捕捉するように構成された太陽熱パネルを含んでいてもよい。温熱加熱システムは、太陽熱パネルから第1の熱交換器へと熱エネルギを移動させるための流体を含む流体ループを含んでいてもよい。
【0009】
複数の細長い浮力導管内に位置する作動液内への冷媒ガスの噴射は、複数の細長い浮力導管内の作動液の上向きの流れを誘発する傾向となる。細長い重力分配導管の上端部に供給された作動液は、細長い重力分配導管内で下向きの流れを有することになり、これにより液体タービンシステムを作動させる。
【0010】
ガスは、第1の冷媒であってもよい。ガス噴射システムは、第3の熱交換器を有しよく、第3の熱交換器は、液体の形態の第1の冷媒を加圧し、第1の冷媒を蒸発させて加圧冷媒ガスにしてから、浮力導管内に噴射する。
【0011】
ガス駆動式発電機システムは、蓄熱システムをさらに含んでいてもよい。蓄熱システムは、温熱加熱システムに熱連通していてもよい。蓄熱システムは、ガス駆動式発電機システムから捕捉された熱エネルギを蓄えるように構成されていてもよい。蓄熱システムは、第2の冷媒である第2の熱交換流体を含んでいてもよい。第1の冷媒と第2の冷媒とは、同じ材料であってもよい。第1の冷媒と第2の冷媒とは、異なる材料であってもよい。
【0012】
別の実施形態によると、作動液の移動から電力を発生させるガス駆動式発電機システムは、所定のガス駆動式発電機システムを含む。ガス駆動式発電機は、上端部と下端部とを有する細長い重力分配導管、および複数の細長い浮力導管を含んでいる。各浮力導管は、上端部と下端部とを有している。
【0013】
細長い浮力導管の上端部は、細長い重力分配導管の上端部に流体連通しており、細長い重力分配導管の下端部は、複数の細長い浮力導管の下端部に流体連通している。複数の細長い浮力導管と細長い重力分配導管との間には、流体閉ループが形成されている。作動液は、浮力導管の上端部から、細長い重力分配導管の上端部内へと流れる。作動液は、細長い重力分配導管を通って下方に向かって流れる。作動液は、細長い重力分配導管の下端部から、複数の細長い浮力導管の下端部内に供給される。
【0014】
ガス駆動式発電機システムは、細長い重力分配導管の下端部と複数の細長い浮力導管の下端部との間に流体的に介在させられた液体タービンシステムを含む。
【0015】
ガス駆動式発電機システムは、複数の細長い浮力導管のそれぞれに流体連通している第1の熱交換器を含む第1の流体熱伝達回路を含む。第1の熱交換器は、第1の熱交換流体を含む。複数の細長い浮力導管内の作動流体の一部は、複数の細長い浮力導管のうちの少なくとも1つから取り出される。作動流体のこの一部は、第1の流体熱伝達回路を循環する。作動流体のこの一部は、複数の細長い浮力導管に戻される。
【0016】
ガス駆動式発電機システムは、上部チャンバに流体連通していて、かつ貯蔵タンクに流体連通している第2の熱交換器を含む第2の流体熱伝達回路を含む。
【0017】
ガス駆動式発電機システムは、複数の細長い浮力導管のそれぞれに流体連通していて、かつ前記第2の熱交換器に流体連通しているガス噴射システムを含む。このガス噴射システムは、複数の細長い浮力導管のそれぞれにガスを噴射するように動作可能である。このガス噴射システムは、第2の熱交換器から冷媒ガスを受け取り、この冷媒ガスに熱を伝達し、気化した冷媒ガスを、複数の細長い浮力導管のそれぞれに噴射するように構成されている。
【0018】
ガス駆動式発電機システムは、第1の熱交換器に流体連通された太陽熱加熱システムを含み、この熱交換器は、太陽熱加熱システムによって捕集された熱を、第1の熱交換器へと伝達するように構成されている。
【0019】
複数の細長い浮力導管内にある作動液内への圧縮ガスの噴射は、複数の細長い浮力導管内の作動液の上向きの流れを誘発する傾向となる。細長い重力分配導管の上端部に供給された作動液は、細長い重力分配導管内で下向きの流れを有することになり、これにより液体タービンシステムを作動させる。熱伝達回路を通る作動流体の一部の循環は、複数の細長い浮力導管内の作動流体の温度を上昇させる傾向となる。圧縮ガスは、第1の冷媒であってもよい。
【0020】
ガス駆動式発電機システムは、温熱加熱システムに熱連通している蓄熱システムを含んでいてもよい。この蓄熱システムは、ガス駆動式発電機システムによって発生した熱エネルギを蓄えるように構成されていてもよい。この蓄熱システムは、蓄熱媒体を有している。
【0021】
ガス駆動式発電機システムは、蓄熱媒体に熱連通している第3の熱交換器をさらに含んでいてもよい。第3の熱交換器は、第1の熱交換器と流体連通していてもよく、かつ太陽加熱システムと流体連通していてもよい。第3の熱交換器は、第1の熱交換器から蓄熱媒体へと熱を伝達するように構成されていてもよい。
【0022】
ガス駆動式発電機システムは、コンデンサと流体連通している第1のヒートポンプをさらに含んでいてもよい。コンデンサは、蓄熱媒体に熱連通していてもよい。第1のヒートポンプは、ラジエータと流体連通していてもよい。熱は、コンデンサからラジエータへと伝達されてもよい。第1のヒートポンプは、コンデンサおよびラジエータと流体連通している冷媒コンプレッサをさらに含んでいてもよい。熱交換流体は、コンプレッサによって、コンデンサからラジエータへと伝達されてもよい。熱交換流体は、第2の冷媒であってもよい。
【0023】
ガス駆動式発電機システムは、塩水から淡水を分離するように構成された淡水捕集システムをさらに含んでいてもよい。この淡水捕集システムは、蓄熱媒体と熱連通している塩水のための容器をさらに含んでいてもよい。淡水捕集システムは、水蒸気を凝縮させて液体の水を形成するように構成された凝縮面をさらに含んでいてもよい。淡水捕集システムは、凝縮した液体の水を収容する捕集容器をさらに含んでいてもよい。凝縮面は、捕集容器に液体の水を方向付けるように構成されていてもよい。
【0024】
当業者は、この後、簡単に要約する図面を参照して説明される後続の「図示した実施形態の説明」により、本発明の様々な実施形態の利点をより十分に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】図示した実施形態による、ガス駆動式発電機システムの1つの実施形態を概略的に示す図である。
【
図1B】図示した実施形態による、ガス駆動式発電機システムの1つの実施形態を概略的に示す図である。
【
図2】図示した実施形態による、ガス駆動式発電機システムとしての本開示の種々の実施形態を概略的に示す図である。
【0026】
図示した実施形態の説明
ガス駆動式発電機システム
基本的なレベルでは、米国特許出願第16/861,987号明細書に記載されているガス駆動式発電機は、タービンによって接続された2種の液体カラムを有している。これらのカラム内には重たい(例えば、水よりも2.6倍重たい)作動液が入っている。液体のカラムは、導管内にある。この作動液は、非ニュートン特性を有していてもよい。一方のカラム、浮力導管では、米国特許出願第16/250,736号明細書に記載されたような空気圧縮システムにより空気を導入するのと同様の方法で、ガス噴射システムにより、加圧ガスがカラムの底部内に導入される。動作中、加圧ガスは、この浮力カラム内の作動液の一部を変位させ、液体の変位により、浮力カラムの重量は、重力カラム全体と比較して低下し、これにより、変位させられた流体の重量に等しい力が2つのカラム間に生じる。2つのカラムは、タービンを介して接続されているので、液体は、動力流として、重たいカラムから軽いカラムへと流れる。浮力カラム内の作動液の変位は、流体の有効上部圧力であり、すなわち、2つのカラム間のレベルの差が、重力カラムからタービンを介して浮力カラム内への動きを誘発する。作動液がタービンを通って移動するときに電力が発生する。タワーの設計は、変位した流体が浮力カラムの上部から、重力カラムの上部内に流入し、これにより、重力カラム内ではほぼ一定のレベルが維持されるようになっている。ガスの定常的な導入は、流体の定常状態の変位および定常状態の動力流を生み出す。実施形態では、ガスは、気体の冷媒(例えば、冷媒ガス)または好ましい特性を有するその他の物質であってもよい。
【0027】
このシステムに対する入力は、圧縮ガス、および圧縮システムから捕捉され、熱交換器を介して作動液に移動させられた熱である。ガスは、減圧され、作動液中で膨張するとき、作動液から熱を吸収する。冷媒ガス(例えば、変位ガス)と熱とは、作動液に常に加えられ、加えられた熱は、作動液を熱平衡状態に維持することができる。なぜならば、定常状態運転では、膨張中に冷媒ガスによって吸収される熱の量は、定常状態温度で作動液に加えられる熱に正確に等しくできるからである。
【0028】
冷媒ガスは、貯蔵タンク、および液体の冷媒を噴射のために必要な圧力まで加圧するポンプを介して、熱交換器(すなわち、コンデンサ)から液体の冷媒を受け取るように構成されたガス噴射システムによって、浮力導管内に噴射することができる。この場合、ガス噴射システムは、加圧された液体の冷媒を気化させるための熱交換器(例えば、エバポレータ)を含んでいてもよい。この場合、ガス噴射システムは、加圧された気体の冷媒を細長い浮力導管内に噴射することになる。
【0029】
作動液内のガスの膨張は、作動液に作用し、作動液は、全体として、浮力カラム内の作動液の体積変位を維持する。この変位により、重力カラムに対して相対的に浮力カラムの全体の密度が低下し、その結果、重力カラムから浮力カラムへの作動液の誘導された流れが生じる。この動きは、重力カラムの上部チャンバに戻される作動液によって維持される。浮力カラム内で減圧し、膨張する冷媒ガスにより行われる仕事は、2つのカラム間での作動液の有効な変位を生じさせるために必要な仕事に等しい。この仕事は、カラム間のタービンによって抽出可能な最大の仕事に相当する。浮力カラム内のガスによる作動液の変位の割合は、流体の有効上部圧力である。2つのカラムは、タービンを介して接続されているので、流体は、動力流として、重たいカラムから軽いカラムへと流れる。この動力流がタービンを通過するときに、電力が発生する。ガスの定常的な導入は、流体の定常状態の変位および定常状態の動力流を生み出す。
【0030】
これにより、このシステムは、米国特許出願第16/861,987号明細書に記載された空気駆動式発電機と同様に、熱交換器を介して加えられた低位熱を有効利用して、ガスの膨張の仕事を駆動し、この仕事を、タービンを介して電力に変換することができる。温熱源から捕捉された熱は、加圧ガスの噴射と同時に、作動液に伝達することができ、これにより、ガスの膨張が、周囲の作動液から熱を吸収する間に、付加された熱が、作動液において熱平衡を維持することを可能にする。このような動作により、低位熱を加えて冷媒ガスの膨張を支援し、これにより2つのカラム間の重量差を維持して、これにより、タービンの電力出力を維持することができる。本明細書で説明されているように、作動液に加えられる付加的な低位熱は、冷媒ガスの付加的な膨張のために提供することができ、浮力カラム内のガスの付加的な膨張により、2つのカラム間の重量差が増加するほど、タービンからの出力を増大させることができる。
【0031】
低位熱の付加によるガス駆動式発電機の性能の向上
本明細書で説明されているように、作動液に加えられる付加的な低位熱は、冷媒ガスの付加的な膨張のために提供することができ、浮力カラム内の冷媒ガスの付加的な膨張により、2つのカラム間の重量差が増加するほど、タービンからの出力を増大させることができる。このような低位熱の1つの供給源は、太陽熱エネルギからのものであり、太陽熱エネルギは、より以前の電力システムでは、高位熱を生成するために収集および集中させる必要があった。本開示の態様は、低位熱の太陽エネルギを捕捉して、この熱を、ガス駆動式発電機の作動液へと伝達し、タービンの電力出力を増大させている、または所与の電力出力目標を生成するために必要な冷媒の質量流を減じている。
【0032】
本開示の例には、米国特許出願第16/861,987号明細書に記載されているような、低位熱の付加によってガス駆動式発電機システムの電力出力を増大させることができる、または電力出力を維持しながら、タワーを駆動するために必要な冷媒の量を著しく減じることができる、したがってシステムを動作させるために必要な電力を減じることができる方法を利用するためのシステムおよび方法が含まれている。
【0033】
本開示の例には、付加的な熱を捕捉し、作動液へと(例えば、熱交換器を介して)加えるシステムおよび方法が含まれている。作動液に熱を追加的に加えることにより、作動液を、より高温に加熱することができ、作動液中のガスをより膨張させることができる。
【0034】
本開示の例は、極めて少ないエネルギコストで熱を捕集する太陽熱パネルの使用を可能にし、捕捉された熱エネルギを使用して、タワー内の液体温度をより高くする。これは、例えば、熱交換器と、太陽熱システムおよび/または太陽熱システムにより加熱される蓄熱システムとの間に流体ループを設けることにより、熱交換器を介して作動液に熱を加えることにより行われる。その結果生じるより高温の作動液温度によって、浮力導管内で膨張するガスは、より膨張させられ、タービンをまたぐ重量差は増大し、この重量差は次いで、正味の電力出力を増大させかつ/またはシステム全体を動作させるために必要な冷媒の量を減じる。これにより、入力電力と比較して、出力電力の比は増大することになる。
【0035】
概して、本開示の態様により、上述したように、熱交換器を介して、ガス駆動式発電機の作動液に低位熱を加えることにより、低位熱を電力に変換することができる。本明細書で説明したように、太陽熱パネルは、低位熱の1つの供給源であるが、当業者には、いくつかの一般的な工業プロセスからの廃熱(例えば、HVACユニットからのコンデンサ熱)を含む複数の他の供給源が可能であることがわかるだろう。
【0036】
平均して、1つのソーラーパネルは、1平方フィートあたり1時間に442BTUの集熱をするだろう。40平方フィートのパネルを使用した場合、これは、1つのパネルにつき17600BTU/時または294BTU/分に等しい。8エーカーの土地には約8000のパネルが収まるが、これは2357328BTU/分をシステムに入力することができることを意味する。エネルギの半分強が、夜間および曇った日の運転中に低位貯蔵部(約190F°)に入力されたとしても、冷媒のフラッシュ沸騰およびプラントの電力出力を増加させるためのガスの膨張を支援するために、942931BTU/分が依然として利用可能である。
【0037】
つまり、ガス駆動式発電機のいくつかの実施形態の閉ループ特性により、ガス駆動式発電機はガス回収システムを有していてもよい。適切であるならば、このガス回収システムは、逃げるガスを冷却する、かつ/または凝縮させる熱交換器またはコンデンサであってもよい。実施形態では、この熱交換器/コンデンサ内のガスからの熱を、場合によってはヒートポンプの使用により、場合によってはヒートポンプの使用なしで、回収することもできる。別の実施形態では、この熱交換器/コンデンサ内のガスからの熱を受け取らず、適切なヒートシンクに逃がすことになる。
【0038】
相変化冷媒を使用した空気駆動式発電機の性能の向上
本開示の例には、作動液内に噴射され、作動液中で膨張する流体として、空気の代わりに冷媒を使用する空気駆動式発電機が含まれる。すなわち、冷媒は、作動液に入るとき冷媒は液体から気体への相変化を経て、タワーから取り出される際に、気体から凝縮されて液体へ戻る。この例では、空気は運転から完全に排除されて、冷媒に置き換えられており、冷媒は、冷媒に熱を加えるために使用される太陽熱加熱システムのためには十分に低いフラッシュ沸騰温度を有するが、気体の冷媒が作動液中で膨張し、作動液から熱を吸収する際には、タワー内の作動液の必要な変位を達成するのに十分に高い蒸気圧を有する。この開示では、いくつかのヒートポンプが開示されているので、ガスパワー式発電機のための変位ガスとして使用される冷媒は、第1の冷媒として特定されるだろう。
【0039】
これらの例では、発電機は、ガス駆動式発電機と称されてもよい。典型的には、作動液の動力は、第1の加圧冷媒ガスの気化および膨張により生成される。第1の冷媒の慎重な選択が重要である。なぜならば、温度が適切であれば、発電機による機械的な力の電気への変換に使用されない熱の再利用を、回収システムにおいて100%の冷媒と同様に回収することができるからである。したがって、ガス駆動式発電機においてガスとして使用すべき冷媒は、この用途に望ましいいくつかの特性を有していなければならない。冷媒に望ましい特性には、高い蒸気圧、低い潜熱、および動作温度の範囲内で相変化を有することが含まれる。ガス駆動式発電機システム用の冷媒の非排他的な例は、ペンタン(C5H12)およびイソペンタン(C5H12)を含む。ペンタンの沸点は96.98°F(36.1℃)であり、イソペンタンの沸点は82.04°F(27.8℃)である。可能性のあるその他の冷媒は、他の炭化水素ならびにフッ素化炭化水素を含む。第1の冷媒として利用されてもよい材料の別の一例は、冷媒C318である。冷媒C318(オクタフルオロシクロブタン、R C318、フロン C318、ペルフルオロシクロブタン、MackFri-318C、ハロカーボン-C318、RC318、FC C318)は、無臭の無色ガスであり、圧力下で液化することができる。これは、-5.8℃(21.6°F)の沸点を有する。
【0040】
ガス駆動式発電機という用語は、空気によって駆動される発電機を排除するものではない。実際に、ガス駆動式発電機は、発電機の動作温度および動作圧力を考慮して好都合な特性を有する任意のガスを含むことができる。
【0041】
本開示の例には、冷媒の相変化動作を完全に支援するために十分に大型の太陽熱パネルが含まれる。典型的な太陽熱システムは、太陽熱パネルから大量の熱を集めるために、循環ポンプに電力を供給するのに十分な電気エネルギしか必要としない。したがって、太陽熱システムは、極めて僅かな付加的なエネルギコストで、液体の冷媒の温度を、液体の冷媒のフラッシュ沸騰を支援するために十分な高温に上昇させ、これにより液体の冷媒が浮力導管内の作動液中で気体となることを可能にする十分な熱エネルギを提供することができる。
【0042】
この冷媒駆動式発電機システムの例は、赤道から緯度30度以内で、1日の日照時間が12時間以上の場所での運転に最適であり得る。これは、雨天事象の間および夜間に動作するためにシステムに必要な貯蔵を最小限に抑えるであろう。
【0043】
本開示の別の例は、ガス駆動式発電機システムに淡水生成システム(例えば、脱塩システム)を追加するオプションを含むことができる。ガス発電システムから伝達された余剰な熱によって駆動力を与えることができる脱塩システムの例には、塩水を蒸発させ、淡水を凝縮させて収集するシステムが含まれる。オプションとして、ガス駆動式発電機システムは、太陽熱を利用して、最初に塩水を蒸発させて淡水にし、次いでヒートポンプを使用して水と熱との両方を捕捉して、熱を熱交換器に送ることができ、熱交換器は、冷媒の膨張を支援するためにこの熱を浮力導管へと噴射することができる。実施形態では、熱貯蔵用の塊状のコンクリート基材、または(例えば、相変化材料を含む)他の適切な蓄熱材が、水蒸発タンクと熱連通していてもよい。脱塩システムから捕集された余剰熱は、蓄熱用の大型のヒートシンクに伝達されてもよい。ヒートシンクに蓄えられた熱は、脱塩システムに動力を与えるために使用されてもよく、浮力導管へ送るために熱交換器へ伝達されてもよく、またはその両方であってもよい。これらの例では、淡水および電力の両方が生成される。
【0044】
さらに、例には、空気および冷媒を使用して動作することができ、作動液内に噴射される空気と冷媒とを動作条件および環境により必要に応じて切り替えることができるガス駆動式発電機システムが含まれる。これらの例は、より大型の太陽熱フィールドシステムを使用して、赤道からより遠い緯度で動作することができ、条件が合ったときには、はるかに効率的な冷媒システムに切り替えることができる。例には、デュアルユース熱再利用システムが含まれ、これは、上部チャンバ内の作動液から解放されたガスから熱を奪ってから、このガスを排気し、また空気から冷媒への切換時または冷媒から空気への切換時に空気と混合され得る冷媒を再利用するために冷媒回収システムとして動作する。
【0045】
図1Aには、図示の実施形態による、ガス駆動式発電機システム1010としての本開示の種々の実施形態が概略的に示されている。
図1Aのガス駆動式発電機システム1010は、ガス駆動発電機1100を含み、このガス駆動式発電機は、浮力導管1011、重力分配導管1020、流体(例えば冷媒)噴射システム1030、および重力分配導管の下端部1014と浮力導管の下端部1012との間に位置しかつこれらの下端部を流体接続するタービン1040を含んでいる。重い作動液1016は、
図1Aのガス駆動式発電機システム1010を通って循環させられる。作動液1016が重力カラム1020からタービン1040を介して浮力カラム1011内へと移動することにより、電気が発生する。すなわち、ガス駆動式発電機システム1010からの電気出力は、作動液1016がタービン1040を通って移動するときに発生する。タービンにおける発電は、「仕事アウト」1041と記された矢印によって示されているように、ガス駆動式発電機システム1010によって実施される仕事を表す。
【0046】
流体噴射システム1030は、第1のライン1035を介して浮力導管の下端部1012内に第1の冷媒を噴射する。実施形態では、流体噴射システム1030は、冷媒を蒸発させて加圧ガスにする熱交換器である。実施形態では、流体噴射システムは、チューブ・シェル式熱交換器である。実施形態では、第1の冷媒は、液体として作動液1016中に高圧で噴射され、フラッシュ蒸発されて、浮力導管1011内で作動液1016の一部を変位させる加圧変位ガス1018(例えば、冷媒の気相)を形成する。実施形態では、第1の冷媒は、加圧ガス1018として作動液1016中に噴射され、この加圧ガスは、浮力導管内で作動液1016を変位させる。いずれの実施形態においても、変位させられた作動液1016は、浮力カラムの重量を全重力カラムに相対的に低下させる。2つのカラム間の重量差により、変位させられた流体の重量に等しい、2つのカラム間の力が生成され、その結果、タービン1040を回転させる力が生じる。
【0047】
作動液1016の一部は、熱交換回路1301を循環し、そこで作動液は、第1の熱交換器1405から熱を得る。ガス駆動式発電機システム1010は、浮力導管1011から作動液1016を受け取るために、第1の流体回路1301によって浮力導管1011に流体接続された第1の熱交換器1405を有している。第1の熱交換器1405は、第1の熱交換流体(例えば、交換流体)の浴を含む。第1の熱交換器1405は、流体タービン1040から浮力導管1011内へ通過する作動液1016に温熱を加えるように構成されている。作動液1016は、浮力導管1011と流体連通した第1のポンプ1300によって第1のラジエータ1045内へと推進される。作動液1016は、第1のラジエータ1045を通って流れ、第1の熱交換流体1415から成る浴内で熱交換により加熱される。
【0048】
第1の熱交換器1405内の第1の熱交換流体1415自体は、3つの異なる熱源によって加熱される。すなわち、(1)副産物1200としての熱を有する冷媒再利用システム;(2)蓄熱システム1600;および(3)太陽熱加熱システム1500である。
【0049】
冷媒熱再利用システムは、ガス駆動式発電機システム1010内で発生した熱の一部を、それが周囲へと失われる前に再利用する。加圧膨張ガス1018が浮力導管1011の熱内で上昇して膨張するときに、この加圧膨張ガス1018に吸収される熱の一部は、第1のヒートポンプサイクル1200において、その熱をライン1204に沿って伝達することによって再利用することができる。ガス駆動式発電機システム1010内では、第1の冷媒1018ガスは、上部チャンバ1026から放出される。その後、熱交換器1202を通して循環させられ、この熱交換器は、第1の冷媒1018のコンデンサとして機能し、同時に、ヒートポンプサイクル1200における冷媒のエバポレータとして機能する。熱交換器1202では、第1の冷媒1018のすべての潜熱が取り出されて、ヒートポンプサイクル1200を介して、冷媒サイクルコンデンサ1050によって第1の熱交換器流体1415へと伝達される。
【0050】
コンデンサ1202において膨張ガス1018から取り出された潜熱は、第2の流体回路1204に沿って第1の熱交換器1405へ熱を移送する第2の冷媒によって移動される。第2の流体回路1204と称される回路は、ヒートポンプサイクル1200である。ヒートポンプサイクル1200は、第1の冷媒コンプレッサ1205、(第1の熱交換器1405内の第1の交換流体1415に浸漬した)第2のラジエータ1050、第1のスロットルバルブ1206、および第1のエバポレータ1202を含む。第2の冷媒によって移送された熱は、第2のラジエータ1050を通って循環することによって、第1の熱交換器1405において第1の交換流体1415に伝達される。
【0051】
冷媒再利用システムに戻るが、第1のコンデンサ1202における第1の冷媒ガス1018の液体への凝縮に続いて、液体の冷媒は貯蔵タンク1203に搬送される。次いで、液体の第1の冷媒は圧縮されて、ポンプ1210によって流体噴射システム1030へと送られる。流体噴射システム1030は、第1の冷媒1018のサイクルを完了するために、浮力導管1011内に噴射するために、液体の第1の冷媒を蒸発させて圧縮ガスにする熱交換器である。
【0052】
ガス駆動式発電機システム1010は、さらに、ガス駆動式発電機システム1010に熱を加える太陽熱加熱システム1500を含んでいる。太陽熱加熱システム1500は、最終的には、第1の熱交換器1405に流体的に連結されている。太陽熱加熱システム1500は、太陽放射1515を吸収するように構成された複数の太陽熱パネル1510と、第1の交換流体1415を介して流体噴射システム1030に熱エネルギ(熱)を搬送する流体ループ1501とを含む。流体噴射システム1030は、太陽加熱システム1500から戻される最高温度の伝熱流体1415を利用し、加圧された液体の冷媒1018をフラッシュ沸騰させるために、その熱を使用する。
【0053】
ライン1602,1608,1603,1501および1502のすべては、加熱されているまたは他のものを加熱している第1の伝熱流体を含んでいる。ソーラーシステム1500が太陽放射を吸収している日中は、第1の伝熱液体1415は、太陽熱加熱システム1500を使用して、第1の熱交換器からの熱を蓄熱部内に伝達し蓄熱部を補充するように、ライン1602、1603、1501および1502を通って移動する。夜間は、ヒートポンプ回路1700が、蓄熱部から第1の浴を加熱し、3方向弁1607および1609は、伝熱流体1415が流体ライン1602から流体ライン1608に移動し、次いで流体ライン1502に移動するように切り替えられ、これにより、伝熱流体1415は、流体噴射システム1030において液体の冷媒をフラッシュ沸騰させることができる。
【0054】
ガス駆動式発電機システム1010はさらに、熱エネルギの貯蔵および回収のための蓄熱システム1600を含む。蓄熱システムは、熱交換流体が流れることができる熱交換構成要素1620,1630を有する大きな熱容量を有する蓄熱媒体1610を含む。実施形態では、蓄熱媒体は、相変化材料と接触してもよい。熱(例えば、熱エネルギ)は、蓄熱媒体1610内に伝達されてもよく、そして熱は、蓄熱媒体1610の外に伝達されてもよい。蓄熱媒体1610は、太陽放射によって直接加熱されてもよい。したがって、蓄熱媒体1610は、太陽放射によって直接加熱されてもよく、太陽熱加熱システム1500からの熱伝達によって、およびガス駆動式発電機システム1010の他の構成要素からの熱伝達によって加熱されてもよい。さらに、作動液1016に伝達するために、熱は、蓄熱システム1600から、第1の熱交換器1405へと伝達されてもよい。
【0055】
代えて、第1の熱交換器1405から流体ライン1602を通って搬送される第1の熱交換流体1415は、蓄熱システム1600を迂回して、流体噴射システム1030へと向かうことができる。蓄熱システム1600を迂回するために、弁1607は、第1の熱交換流体1415を、蓄熱部迂回ライン1608に沿って、蓄熱媒体1610にではなく、流体噴射システム1030に向かって方向付けるように構成されている。
【0056】
図1Aに示されたように、蓄熱システム1600は、蓄熱材料である蓄熱媒体1610を含む。ここには図示されていないが、実施形態では、蓄熱媒体は、相変化材料と接触してもよい。蓄熱材料は、天然石、成型コンクリートブロック、レンガ構造等のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。蓄熱媒体1610は、蓄熱材料の表面上の直射の太陽放射(例えば、太陽からの熱)によって加熱されてもよい。熱交換器1620を循環させるために、第1の熱交換流体1415を、第1の熱交換器1405から流体ライン1602を通して搬送することによって、熱を蓄熱媒体1610へと伝達することもできる。第1の熱交換流体1415が、熱交換器1620を通して循環させられると、ライン1603に沿って太陽熱加熱システム1500まで搬送されて、そこで、太陽熱パネル1510を通して再循環させられるようになり、これにより太陽放射1515によって再加熱されて、熱交換器1405に戻すために集められる。
【0057】
蓄熱媒体1610に蓄えられた熱は、蓄熱媒体1610と第1の熱交換器1405との間の熱の流れの一部を調整する第2のヒートポンプサイクル1700によって第1の熱交換器1405へと伝達することができる。熱は、蓄熱媒体1610から第1の熱交換器1405へと、第2の冷媒コンプレッサ1705によって流体ライン1701を介して伝達することができる。ヒートポンプサイクル1700は、第3の冷媒を利用する。実施形態においては、第3の冷媒は、第2の冷媒と同じであってもよく、また、実施形態においては、第3の冷媒は、第2の冷媒と異なっていてもよい。第3の冷媒ならびに第1および第2の冷媒の選択は、ガス駆動式発電機システム1010の運転温度およびこのシステムを構成する様々な要素に基づいている。周囲を取りまく環境の温度も、第1の冷媒、第2の冷媒、および第3の冷媒の選択の要素である。
【0058】
第3の冷媒は、ラジエータ1055に搬送され、そこで温熱は、第1の熱交換器1405において第1の交換流体1415に伝達される。次いで、第3の冷媒は、ライン1601に沿って、第2のスロットル弁1703へと搬送され、そこで減圧されて、エバポレータ1630へと搬送され、そこでこの冷媒は、蒸発されてガスとなってから第2の冷媒コンプレッサ1705に搬送される。
【0059】
実施形態では、蓄熱システム1600は、
図1Bに示されているように、塩水から淡水を捕集するための装置と組み合わせることができる。蓄熱システムに淡水捕集システムを組み合わせることにより、蓄熱媒体に蓄えられた熱を、第1の熱交換器1405において第1の交換流体1415をもっぱら加熱することに加えて追加的に、またはオプションとして、第1の熱交換器1405において第1の交換流体1415をもっぱら加熱することに代えて、付加的な目的のために利用することができる。
【0060】
図1Bに示されたように、淡水捕集システム(例えば、脱塩システム)1800は、ガス駆動式発電機システム1010の一部として、蓄熱システム1600に組み込まれてもよい。
図1Bは、
図1Bのすべての特徴を示していて、さらに淡水捕集システム1800も含んでいる。したがって、
図1Aに存在するガス駆動式発電機システム1010の構成要素の詳細な説明は前述の通りとなり、以下の開示は、淡水捕集システム1800の様々な実施形態に関するものとなる。
【0061】
淡水捕集システム1800は、蓄熱媒体1610に熱的に接続されている。蓄熱媒体1610に熱連通するように、塩水のプール1811を設けることができる。実施形態では、塩水のプール1811は、蓄熱媒体の上面に形成された凹部に収容されてもよく、または、蓄熱媒体1610に熱連通された別個の容器内に収容されてもよい。塩水は、供給源を介して導管1806から塩水のプールへと供給される。
【0062】
蓄熱媒体1610内に存在する熱は、塩水のプール1811から水を蒸発させて、凝縮面1808に凝縮させる。凝縮面1808に凝縮した水は、淡水アウト1804として捕集される。このようにして、淡水捕集システム1800は、蓄熱媒体1610に蓄えられた熱を使用して、淡水(例えば、淡水アウト1804)を、塩水の供給源(例えば、塩水イン1806)から分離することができる。
【0063】
図2には、図示の実施形態による、ガス駆動式発電機システム2010としての本開示の種々の実施形態が概略的に示されている。
図2には、当該システムを通るエネルギの流れを記述するための熱動力学的構成要素として、ガス駆動式発電機システム1010の多くの構成要素が表されている。したがって、いくつかの物理的な構成要素、例えば流体ラインまたはガスラインは、エネルギ流の説明を概略的に単純化するために
図2から省略されている。
【0064】
図2のガス駆動式発電機システム2010は、ガス駆動式発電機2100を含み、このガス駆動式発電機は、浮力導管2011、重力分配導管2020、流体噴射システム2030、および重力分配導管2020の下端部2014と浮力導管2011の下端部2012との間に位置しかつこれらの下端部を流体接続するタービン2040を含んでいる。重い作動液2016は、
図2のガス駆動式発電機システム2010を矢印で示した方向で通して循環させられる。
【0065】
循環する作動液2016は、タービン2040を回し、「仕事アウト」と記載された、タービンから出る大きな矢印で表されたように、電気エネルギを生成する仕事を実施する。タービンによって生成されるエネルギの量(例えば、電力)は、重力導管2020と浮力導管2011との頭部差、作動液2016の重量(例えば密度)、および作動液2016の下降速度に比例する。
【0066】
作動液の実際の密度は、その成分によって決定されるが、浮力導管2011内の作動液2016の「有効」密度は、作動液2016と膨張加圧ガス2018との密度の加重平均を取ることによって決定され、この場合、重み付け係数は、浮力導管2011の内側で各物質が占める体積の割合である。浮力導管2011内の加圧ガス2018の存在により、等しい体積の重たい作動液2016が変位させられる。すなわち、2つのカラム間の重量差は、浮力導管2011内の膨張加圧ガス2018の存在により生じる。これにより、変位させられた作動液2016の重量に等しい力が2つのカラム間に生じる。したがって、ガス駆動式発電機により生成される電力は、加圧ガス2018の体積流量を増大させることによって、かつ/またはシステムの加熱により浮力カラム2011内で膨張中の加圧ガス2018の比体積を増大させることによって増大される。
【0067】
電力の形態のエネルギおよび低位の温熱が、ガス駆動式発電機システムへと伝達される。電力は、流体を圧縮し循環させるためにポンプとコンプレッサとに供給される。低位熱出力は、システムの上部チャンバに存在するガスおよび太陽熱パネルから捕捉される。熱出力は、熱交換器における熱交換を介してシステムに伝達され、この場合、作動液は、熱伝達液中にあるラジエータを通して循環させられる。最後に、熱浴中に蓄えられた低位熱出力が、熱浴中のラジエータを通る作動液を循環させることにより浮力導管中の作動液に伝達される。
【0068】
図1Aおよび
図2の両方を参照すると、流体噴射システム2030が、加圧ガス2018を(例えば、ガスライン2035を介して)浮力導管の下端部2012内へと噴射している。加圧ガス2018は、浮力導管2012内の作動液2016の一部を変位させ、作動液2016の変位により、浮力カラム2011内の作動液2016の総重量は、重力カラム2020内の作動液2016の全重量と比較して低下させられる。圧縮ガス2018の気泡は、浮力導管2012内で上昇するにつれて成長していることが示されている。圧縮ガス2018の成長気泡は、空気がポリトロピック膨張を受けていることを示しており、つまり加熱が膨張と同時に行われることを意味する。すなわち、加圧ガス2018は、作動液が減圧し、膨張し、浮力導管2011の上部に向かって移動するときに、作動液2016から熱を受け取っている。すなわち、作動液2016から熱を受け取ることにより、加圧ガス2018が膨張させられる間に、加圧ガス2018は、作動液2016の表面に近付くにつれて静圧が低くなることによっても膨張する。これは、空気泡を指す「Q」の矢印によって図示されており、熱(例えば、エネルギ)が、作動液2016から膨張圧縮空気2018へと伝達されていることが示されている。圧縮ガス2018中に蓄えられた熱の一部は、冷媒熱利用システム内で再利用される。冷媒ガス2018は、上部チャンバ2026からライン2201を通してガス駆動式発電機2100から出されて、第1のコンデンサ2022(例えば、熱交換器)を通って循環させられて、この場合、潜熱は取り出されて、冷媒ガス2018は凝縮して、第1の冷媒の液相となる。凝縮した第1の冷媒は、貯蔵タンク2203へと搬送される。第1の冷媒は圧縮されて、ポンプ2210によってエバポレータ2030(例えば、流体噴射システム2030)内へと送られる。「W」と記された矢印によって示されるように、凝縮した第1の冷媒に対してポンプ2210によって仕事が行われる。
【0069】
噴射システム2030は、「Q」と記された矢印によって示されているように、太陽熱加熱システム2500から出ているライン2501からの熱を交換するものとして示されている。この熱エネルギが、エバポレータ2030で冷媒ガスへと伝達されてから、浮力導管2011内へと噴射される。エバポレータでは、圧縮された第1の冷媒が、蒸発させられて、次いで、流体噴射システム2030によってガス駆動式発電機2100内へと噴射される。
【0070】
別のヒートポンプサイクルでは、熱交換器2202から伝達された熱エネルギ(例えば熱)が、ヒートポンプ2200(例えば、ヒートポンプサイクル1200)によって、第1の熱交換器2400内の第1の熱交換流体1415(例えば、熱交換器浴)へと伝達される。
【0071】
付加的な熱は、流体噴射システム2030を通過した後、太陽熱加熱システム2500からライン2501および2502に沿って、第1の熱交換器2405内の第1の交換流体1415(例えば、熱交換器浴)へと伝達される。
【0072】
第1の交換流体1415(例えば、熱交換器浴)内に蓄えられた熱は、流体回路2301を通して作動液2016の一部を循環させることにより、ガス駆動式発電機2100内へと伝達される。作動液2016は、ポンプ2300によってラジエータ2045内へと送られ、熱交換器浴に蓄えられた熱は、作動液が流体回路2301を通して循環させられる間に、作動液2016へと伝達される。
【0073】
蓄熱システム2600は、太陽(例えば、太陽放射)から直接、およびガス駆動式発電機システム2010内の別の熱源から、熱エネルギを蓄えることができる。
図2は、オプションとしての淡水捕集システム2800を含む蓄熱システム2600の実施形態を示している。
【0074】
熱エネルギは、第1の熱交換流体2415を、ライン2602を介して、蓄熱媒体2611に位置するラジエータ2620へとポンピングすることによって、蓄熱システム2600の蓄熱媒体2611に蓄えられてもよい。熱伝達は、熱交換流体2415からラジエータ2620を介して蓄熱媒体2611へ到る熱伝達を示す、「Q」で記された矢印により示されている。
【0075】
熱エネルギは、蓄熱媒体2611から第1の熱交換流体2415へと、ポンプ2700(例えば、第2のヒートポンプサイクル1700)によって伝達されてもよい。電気エネルギの形態の仕事は、ヒートポンプ2700を指す「W」と記された矢印によって示されているように、ヒートポンプ2700へと入力される。ヒートポンプ2700を指す「Q」と記された矢印2601によって示されているように、熱は、蓄熱システム2600からヒートポンプに向かって移動させられる。さらに、ヒートポンプ2700を指す「Q」と記された矢印2701によって示されているように、熱は、ヒートポンプ2700から第1の熱交換流体2415に向かって移動している。
【0076】
オプションとしての淡水捕集システム2800は、蓄熱媒体2611に蓄えられた熱を利用して、塩水プール2811から水を蒸発させて、これにより淡水を凝縮させて捕集することができる。
【0077】
ヒートポンプ1700および1200内の冷媒は、同じ材料であってもよく、または異なる材料であってもよい。
【0078】
上述した本発明の実施形態は、単なる例であることを意図しており、当業者には多数の変化態様および修正が可能であろう。このような変化態様および修正は、添付の特許請求項のいずれかによって定義される本発明の範囲内にあることが意図されている。
【国際調査報告】