(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ナノ粒子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C01G 23/053 20060101AFI20240705BHJP
C01B 32/921 20170101ALI20240705BHJP
C01B 35/04 20060101ALI20240705BHJP
C01B 33/18 20060101ALI20240705BHJP
C01F 5/16 20060101ALI20240705BHJP
C01B 21/076 20060101ALI20240705BHJP
C01B 21/068 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
C01G23/053
C01B32/921
C01B35/04 B
C01B33/18 Z
C01F5/16
C01B21/076 Z
C01B21/068 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579069
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022073121
(87)【国際公開番号】W WO2022272288
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515015252
【氏名又は名称】ドレクセル ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】バルスーム、ミシェル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】バドル、フセイン オサマ
(72)【発明者】
【氏名】エルメリジー、タレク アリー
【テーマコード(参考)】
4G047
4G072
4G076
4G146
【Fターム(参考)】
4G047CA02
4G047CB05
4G047CD04
4G047CD07
4G072AA25
4G072BB05
4G072DD07
4G072GG01
4G072HH17
4G072JJ42
4G072LL06
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4G072MM23
4G072RR12
4G076AA10
4G076AB02
4G076BA11
4G076BB08
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4G076BD02
4G076CA02
4G146MA09
4G146MB02
4G146NA04
4G146NB10
4G146NB18
(57)【要約】
固相前駆体非ナノ粒子からナノ粒子を製造するプロセス。金属および半金属の酸化物、金属および半金属の炭化物、金属および半金属の窒化物、金属および半金属のホウ化物、金属および半金属のケイ化物、および金属および半金属のリン化物、ならびにそれらの混合物から選択される固相前駆体非ナノ粒子を、容器中の水中で1つ以上のオニウムイオンと接触させる。プロセスによってはワンポットプロセスになり得る。容器は、XRDおよび/またはTEMによって決定される固相前駆体非ナノ粒子と同じ結晶構造を有するナノ粒子を形成するのに十分な時間、温度で撹拌および保持される。このプロセスによって製造されたナノ粒子。このナノ粒子の使用のプロセス。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスであって、前記プロセスは、
金属の酸化物、半金属の酸化物、金属の炭化物、半金属の炭化物、金属の窒化物、半金属の窒化物、金属のホウ化物、半金属のホウ化物、金属のケイ化物、半金属のケイ化物、金属の硫化物、半金属の硫化物、金属のリン化物、半金属のリン化物、およびそれらの混合物のいずれか1つ以上を含む固相前駆体非ナノ粒子を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと、水中、容器内で十分に撹拌しながら、ナノ粒子を形成するのに十分な温度および時間、接触させる工程を含み、前記温度は約0℃~約100℃の範囲であり、前記時間は少なくとも10分間である、
プロセス。
【請求項2】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記金属が、遷移金属(周期表の第3族~第12族の元素)ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項3】
請求項2記載のプロセスにおいて、前記遷移金属が、Fe、Mn、CoおよびTi、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項4】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記金属が、1つ以上のアルカリ土類金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項5】
請求項4記載のプロセスにおいて、前記アルカリ土類金属がMgである、プロセス。
【請求項6】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記半金属が、Si、B、As、Ge、Sb、P、およびTe、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項7】
組成物であって、XRDおよび/またはTEMによって決定される固相前駆体非ナノ粒子と同じ結晶構造を有する、請求項1記載のプロセスによって製造されたナノ粒子を含む、組成物。
【請求項8】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、Tiを含む材料を前記1つ以上のオニウム塩に由来する1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項9】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、二次元材料を前記1つ以上のオニウム塩に由来する1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項10】
請求項9記載のプロセスにおいて、前記二次元材料を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、TiC、TiB
2、TiN、TiC、Si
3N
4、MgO、Ti
5S
3、TiAl
3、TiO
2、MnB、Mn
3O
4、Mn
2O
3、FeB、Fe
2O
3、ZrC、Si
3N
4、Co(OH)
2、およびSiC、またはそれらの混合物もしくは組み合わせの1つ以上を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項11】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、M-三次元材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項12】
請求項11記載のプロセスにおいて、前記M-三次元材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、Ti
3AlC
2、Ti
3SiC
2、Ti
3GaC
2、Ti
2SbP、Mn
5SiB
2、Mn
2AlB
2、Fe
5SiB
2、Fe
2AlB
2、Zr
3AlC
5、V
2AlC、およびNb
2AlC、またはそれらの混合物もしくは組み合わせの1つ以上を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項13】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、MD-二次元またはMD-三次元材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項14】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、1つ以上の金属元素を含む第四級M含有材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項15】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、
a)TMAOH、TEAOH、TPAOH、TBAOH、NH
4OH、またはTHAOHの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせ、
b)TMAOH、TEAOH、TPAOH、TBAOH、NH
4OH、またはTHAOHのうちの1つ以上のアミン誘導体、またはそれらの任意の組み合わせ、または、
c)a)とb)の任意の組み合わせ
と接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項16】
請求項15記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、TMAOHに由来のアンモニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項17】
請求項15記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、TBAOHに由来のアンモニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項18】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、TMAOHに由来のアンモニウムイオンを含む組成物と接触させる工程を含む、プロセス。
【請求項19】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記温度が約35℃~約80℃の範囲である、プロセス。
【請求項20】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記金属が、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、および第12族の金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項21】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第4族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項22】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第5族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項23】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第6族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項24】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第7族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項25】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第8族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項26】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第9族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項27】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が第10族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項28】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第11族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項29】
請求項20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第12族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項30】
請求項15記載のプロセスにおいて、前記半金属が、Si、B、As、Ge、Sb、P、およびTe、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項31】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記プロセスがワンポットプロセスである、プロセス。
【請求項32】
組成物であって、請求項20~31のいずれか一項に記載のプロセスに従って調製されたナノ粒子を含む、組成物。
【請求項33】
組成物であって、実質的にアナターゼまたは実質的にルチル構造を含む、請求項20~31のいずれか一項に記載のプロセスに従って調製されたナノ粒子を含む、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第63/214,660号「Nanoparticles and Process of Producing Same」(2021年6月24日出願)の優先権およびその利益を主張するものであり、その出願の全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の権利
この発明は、全米科学財団から授与された契約番号1740795の下、政府の支援を受けて行われたものである。政府は本発明に対して一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本開示は、一般にナノ材料の分野に関し、より具体的には、ナノ粒子およびそれを製造および使用するプロセスに関する。
【0004】
背景
様々なナノ粒子、コーティング、分散液、または複合体を製造するために、特定の合成プロセスが採用されている。ナノ粒子の製造には、2つの基本的な戦略:「トップダウン」と「ボトムアップ」が用いられる。
【0005】
「ボトムアップ」戦略では、構造は化学的プロセスによって構築される。ボトムアップ法は、分子または原子の自己組織化という物理化学的な原理に基づいている。気相プロセス(エアロゾルプロセス)は通常、火炎炉、プラズマ炉、レーザー炉、ホットウォール炉を必要とし、フラーレンやカーボンナノチューブなどの生成物が得られる。これらのプロセスは、高温(1200~2200℃)および/または非常に低い圧力(真空)を必要とする。ナノ材料の湿式化学合成は通常、気相合成よりも低温で行われるが、それでも複雑なプロセスである。金属イオン含有溶液からの固体の沈殿では、金属酸化物だけでなく、非酸化物や金属ナノ粒子も生成することができる。このプロセスは、溶媒中の塩の反応に基づいている。所望の粒子沈殿が得られるように沈殿剤を添加し、沈殿物を濾過して熱的に後処理する。温度、溶液のpH値、原料を加える順序、および混合プロセスが反応速度論に影響を与え得る。
【0006】
マイクロエマルション、気泡、ミセル、および、リポソームなどのナノリアクターが知られている。これらは極性基と非極性炭化水素鎖から構成されている。マイクロエマルションは、少なくとも1つの界面活性剤(液体の表面張力を低下させる物質)を必要とし、同時に粒子の凝集を防ぐことが難しい。ゼオライト(微多孔性アルミニウム-ケイ素化合物)は、オートクレーブ(気密圧力室)で過熱水溶液から製造される。溶媒の部分的な気化によってオートクレーブ内に圧力(数バール)が発生し、溶解度が変化するなど、標準的な条件下とは異なる化学反応が引き起こされる。
【0007】
ゾル-ゲルプロセスでは、液体のゾル状態から、ゾル-ゲル変換によって固体のゲル状態に変換される複雑な一連の工程を経て、材料の製造や堆積が行われる。ゾル-ゲル変換は、溶媒中のナノ粒子の三次元架橋を含み、それによってゲルはバルク特性を持つようになる。空気中で制御された熱処理を行うことで、ゲルをセラミック酸化物材料に変化させることができる。まず始めに、ゾル-ゲルプロセスで有機物質を加えると、アルコキシド(アルコールと例えばケイ素、チタン、アルミニウムなどの金属化合物)を含む溶液から有機金属化合物が生成する。溶液のpH値は、触媒としてアルコキシドの変換を誘発する酸または塩基で調整される。
【0008】
それに続く反応は、加水分解(水による化学結合の分解)、縮合、重合である。加水分解と重縮合反応の経過は、初期溶液の組成、触媒の種類と量、温度、反応器と混合の形状など、多くの要因に左右される。すべての場合において、ゲル形成の後に乾燥工程が続く。ゾル-ゲル法の欠点のひとつは、制御が難しい合成工程と乾燥工程にあり、これがプロセスのスケールアップを複雑にしている。さらに、有機汚染物質がゲル中に残ることもある。その結果、必要な洗浄工程、乾燥、熱的後処理により、この製造プロセスは気相合成よりも複雑になる。
【0009】
ナノ材料の湿式化学合成の欠点の一つは、所望の結晶形状を生成できないことが多く、生成粉末の熱安定性が低く、熱による後処理が必要になることである。利点は、気相反応器では高温のため通常不可能な高多孔質材料が液相では製造できることである。
【0010】
特に比較的低コストの、通常は固体の化学組成物からナノ粒子を製造するための、エネルギー効率、出発材料、またはその両方において、コストに関連する改善を示すプロセスを開発でき、および、潜在的に安全でない温度および圧力条件を回避できれば、ナノ粒子製造における進歩となる。
【発明の概要】
【0011】
本開示に従って、ナノ粒子、およびそれを製造するプロセスについて説明するが、これは従来知られているプロセスの欠点の多くを低減または克服するものである。
【0012】
本開示の第1の態様は、以下を含む(または実質的に以下からなる、または以下からなる)プロセスであって、
【0013】
a)金属の酸化物、金属酸化物、金属の炭化物、金属酸化物の炭化物、金属の窒化物、金属酸化物の窒化物、金属のホウ化物、金属酸化物のホウ化物、金属のリン化物、金属酸化物のリン化物、金属のケイ化物、金属酸化物のケイ化物、およびそれらの混合物から選択される、任意で非ナノ粒子である固相前駆体を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン)と、水(特定の実施形態では脱イオン水)中で、ナノ粒子を形成するのに十分な温度と時間で容器内で十分な撹拌を行いながら、接触させる工程であって、前記温度は、約0℃~約100℃(または約25℃~約95℃、または約30℃~約90℃、または約35℃~約80℃)の範囲で、前記時間は少なくとも10分間(または約1~約200時間、または約10~約190時間、または約12~約192時間、または約24~約144時間、または約48~約96時間の範囲)である、接触させる工程と、
【0014】
b)任意に、部分(a)の前記ナノ粒子を、有機溶媒(例えば、アルコール、エーテル、またはそれらの混合物)と接触させて、過剰な水を除去する工程と、
【0015】
c)任意に、部分(b)の前記ナノ粒子を、無機塩溶液(例えば1MのLiCl)と接触させて、さらに浄化されたナノ粒子を形成する工程と、および
d)任意に、部分(c)のナノ粒子を濾過し、乾燥させて、乾燥ナノ粒子を形成する工程と、を含む。
【0016】
特定の理論または実施形態に拘束されることなく、本開示によるナノ粒子は、1Da(すなわち、一次元アナターゼ材料)を含むことができる。1Daはまた、クアット(quat)由来ナノ材料(QDN)と称され得る。
【0017】
1Daは、酸化物ベースのナノフィラメントおよび/またはサブナノフィラメントを含むことができ、任意に炭素の量を含むことができる。(本明細書に記載されるように、ナノフィラメントは、例えば、チタンを含むことができる。)組成物は、粉末微粒子が酸化物ベースのナノフィラメントおよび/またはサブナノフィラメントを含むメソポーラス粉末として存在することができる。1Da組成物は、フレーク、例えば、1Daフィラメントから(例えば、自己組織化を介して)形成された2D体の形態で存在することができる。1Da組成物はまた、3D体、例えばナノ粒子として存在することもできる。
【0018】
1Daは、ナノまたはバルクアナターゼのXRDパターンと比較すると、約38°および約55°の2θ(2θ)において減少した(104)および(105)ピークを示すXRDパターンを示すことができる。1Daナノフィラメントおよび/またはサブナノフィラメントは、いくつかの実施形態において、バルクアナターゼのラマンスペクトルに非常に類似したラマンスペクトルを示し得るが、本明細書に記載されるように、XRDスペクトルに関してはバルクアナターゼとは異なり得る。
【0019】
1Daは、出発材料(例えば、MAX相材料、炭化物、窒化物、ホウ化物、硫化物、金属など)をオニウム塩(アンモニウム塩、TMAOH、TBAOH、TPAOHなど)と、例えば、常圧下で室温から100℃の温度で反応させることによって得ることができる。混合物は、任意にアンモニウム塩を含むことができる。1Daは、前述のように、2D材料として存在し得るが、1Daはまた、ナノ粒子、ナノリボン、ナノウィスカー、ナノチューブ、1D材料(例えば、繊維)、または他の形態で存在し得るので、これは要件ではない。
【0020】
特定のプロセスにおいて、酸化物、窒化物、炭化物、ケイ化物、ホウ化物、およびリン化物の金属は、1つ以上の遷移金属、周期表の第3族~第12族の元素、またはそれらの混合物および組み合わせから選択することができる。特定の実施形態において、遷移金属は、V、Nb、Mn、およびTiの1つ以上、ならびにそれらの混合物および組み合わせから選択され得る。特定の実施形態において、金属は、1つ以上のアルカリ土類金属、およびそれらの混合物および組み合わせから選択され得、例えば、Mgが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、半金属はSiであり得るが、他の半金属(B、As、Ge、Sb、P、およびTe)も本開示内で考慮される。場合によっては、半金属と非金属、例えばSi3N4も使用される。
【0021】
本開示の第2の態様は、本開示の第1の態様のプロセスから生成されるナノ粒子である。第1の態様のプロセスの特定の生成物は、固相前駆体と同じ化学式を含む。ナノ粒子の最終組成は、固相前駆体の非ナノ粒子の組成と同じである。
【0022】
本明細書で使用する「組成」とは、固相前駆体非ナノ粒子と生成ナノ粒子の構成原子の種類を指す。しかし、これは、固相前駆体非ナノ粒子とナノ粒子を比較したときに、原子の比率が一定であることを意味するものではなく、実際には、変化するという証拠がある。さらに、すべての実施形態において、ナノ粒子の結晶構造(X線回折またはXRDおよび/または透過型電子顕微鏡またはTEMによって決定される)は、固相前駆体非ナノ粒子の結晶構造と同じままである。
【0023】
ただし、固相前駆体非ナノ粒子のXRDピークとナノ粒子のXRDピークが必ずしも同じ形状であることを意味するものではない。例えば、ナノ粒子のXRDピークは、固相前駆体非ナノ粒子の対応するXRDピークよりも広いことがある。固相前駆体非ナノ粒子は、単にナノ粒子スケールまでサイズが縮小するものである。
【0024】
「ナノ粒子」は、XRDによって決定されるのと同じ構造のナノ粒子を含むか、実質的にそれらからなるか、またはそれらからなることができる。例えば、ナノ粒子は、非ナノ材料のごく一部(例えば、50%未満)を含むことができる、ナノ粒子は、実質的にナノ粒子と、微量(最大5%、または最大2%、または最大0.1%)の非ナノ物質、例えば、水、有機溶媒、またはナノ粒子の特性を損なわない他の固体非ナノ物質、またはそれらの混合物および組合せから構成され得、および、ナノ粒子は、ナノ粒子(およびナノ粒子のみ)から構成され得る。特定のプロセス実施形態では、HClなどの弱酸でナノ粒子を洗浄することにより、ナノ粒子と同時に生成することがある金属炭化物酸化物(MCO)などの他の反応生成物を除去することができる。我々は、例えばHClはMCOを溶解するがナノ粒子は溶解しないことを発見したため、本開示のプロセスを用いて実質的に純粋なナノ粒子の製造が可能である。
【0025】
本開示の第3の態様は、本開示の第1の態様の工程を実施するための装置である。
【0026】
本開示の1つ以上のナノ粒子を使用するプロセスも提示されており、例えば、ポリマー材料における特性向上フィラー、および生物医学的応用、例えば、がん治療が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本開示のナノ粒子、装置、システム、およびナノ粒子を製造および使用するプロセスは、図面の簡単な説明、本開示の詳細な説明、および後に続く特許請求の範囲を検討すれば、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
必ずしも縮尺通りに描かれていない図面において、同様の数字は、異なる図において同様の構成要素を表すことができる。異なる文字の接尾辞を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表すことができる。図面は、本明細書で議論される様々な態様を、限定ではなく例として一般的に示す。図面において:
【
図1】
図1は、本開示に従ったプロセスおよびシステム実施形態の概略プロセスフロー図である。
【
図2】
図2は、本開示に従った別のプロセスおよびシステム実施形態のより詳細な概略プロセスフロー図である。
【
図3】
図3は、本開示に従ったプロセスの例示図である。
【
図4】
図4は、本開示に従ったプロセスの例示図である。
【
図5】
図5Aは、例示的で非限定的な実験室実験と、本開示に従って製造された例示的で非限定的なナノ粒子の写真である。
図5Bは、例示的で非限定的な実験室実験と、本開示に従って製造された例示的で非限定的なナノ粒子の写真である。
【
図6】
図6Aは、例示的で非限定的な実験室実験と、本開示に従って製造された例示的で非限定的なナノ粒子の写真である。
図6Nは、例示的で非限定的な実験室実験と、本開示に従って製造された例示的で非限定的なナノ粒子の写真である。
【
図7】
図7Aは、例示的で非限定的な実験室実験と、本開示に従って製造された例示的で非限定的なナノ粒子の写真である。
図7Bは、例示的で非限定的な実験室実験と、本開示に従って製造された例示的で非限定的なナノ粒子の写真である。
【
図8】
図8は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図9】
図9は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図10】
図10は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図11】
図11は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図12】
図12は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図13】
図13は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図14】
図14は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図15】
図15は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図16】
図16は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図17】
図17は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図18】
図18は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【
図19】
図19は、本開示に従って製造されたナノ粒子試料の粉末XRDグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、所望の実施形態の以下の詳細な説明およびそこに含まれる例を参照することにより、より容易に理解され得る。
【0030】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優先する。好ましい方法および材料は以下に記載されているが、本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を、実施または試験において使用することができる。本明細書に記載された全ての刊行物、特許出願、特許およびその他の文献は、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書に開示された材料、方法、および実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
【0031】
単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数形の指示対象を含む。
【0032】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、実施形態「からなる(consisting of)」および「実質的に~からなる(consisting essentially of)」を含み得る。本明細書で使用される用語「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含む(contain(s))」、およびそれらの変形は、列挙された成分/工程の存在を必要とし、他の成分/工程の存在を許容する、オープンエンドの移行句、用語、または単語であることが意図される。しかしながら、このような記載は、組成物またはプロセスを、列挙された成分/工程「からなる」及び「実質的にからなる」とも記載しているものと解釈されるべきであり、これは、列挙された成分/工程の存在のみを、そこから生じる可能性のある不純物とともに許容し、他の成分/工程を除外するものである。
【0033】
本明細書で使用する場合、「約」及び「~、または約~(at or about)」という用語は、問題の量又は値が、ほぼ又はほぼ同じ他の値を指定した値であり得ることを意味する。本明細書で使用される場合、別段の指示または推論がない限り、それは公称値±10%の変動であると一般的に理解される。この用語は、類似の値が特許請求の範囲に記載された同等の結果または効果を促進することを伝えることを意図している。すなわち、量、サイズ、配合物、パラメータ、および他の量および特性は、正確ではなく、正確である必要はないが、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、所望に応じて近似値および/またはより大きくまたはより小さくすることができると理解される。一般に、量、サイズ、処方、パラメータ、または他の量もしくは特性は、そのように明示されているか否かにかかわらず、「約」または「おおよそ(approximate)」である。定量的な値の前に「約」が使用される場合、特に別段の記載がない限り、パラメータには特定の定量的な値自体も含まれると理解される。
【0034】
反対の指示がない限り、数値は、同じ有効数字に減じたときに同じである数値、および数値を決定するために本願明細書に記載されているタイプの従来の測定技術の実験誤差未満だけ記載値と異なる数値を含むと理解されるべきである。
【0035】
本明細書に開示されるすべての範囲は、言及される終点を包含し、終点とは独立である。本明細書に開示される範囲の終点および任意の値は、正確な範囲または値に限定されず、これらの範囲および/または値に近似する値を含むように十分に不正確である。
【0036】
本明細書で使用されるように、近似的な表現は、それが関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」や「実質的に」などの用語によって修正される値は、場合によっては、指定された正確な値に限定されないことがある。少なくともいくつかの例では、近似的な表現は、値を測定する機器の精度に対応することができる。また、修飾語「約」は、2つの端点の絶対値によって定義される範囲を開示するものと考えるべきである。例えば、「約2~約4」という表現は、「2~4」の範囲も開示する。用語「約」は、示された数値のプラスマイナス10%を指すことができる。例えば、「約10%」は9%から11%の範囲を示すことができ、「約1」は0.9から1.1を意味することができる。「約」の他の意味は、四捨五入など文脈から明らかであるため、例えば「約1」は0.5~1.4を意味することもできる。さらに、用語「含む(comprising)」は、用語「含む(including)」のオープンエンドな意味を有すると理解されるべきであるが、用語「含む(comprising)」は、用語「からなる(consisting)」のクローズドな意味も含む。例えば、成分AおよびBを含む組成物は、A、Bおよび他の成分を含む組成物であり得るが、AおよびBのみからなる組成物であり得る。本明細書で引用されるあらゆる文書は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0037】
さらに、否定的制限の使用が特に企図される;例えば、特定の組成物、装置、システム、およびプロセスは、多数の物理的要素および特徴を含むことができるが、特定の任意の化学種、ハードウェア、および/または他の特徴を欠くことができる。例えば、特定のナノ粒子の実施形態は、ナノ粒子と適合しない成分を欠くことができる。特定のナノ粒子組成物は、MCOを含まないことができる。特定の装置の実施形態は、ガスケットもしくはOリング、または溶接もしくはねじ付き継手を含まない容器を含むことができる。特定の実施形態では、固体前駆体非ナノ粒子材料は、金属酸化物以外のものを欠くことができる。
【0038】
本明細書の他の箇所で説明したように、ナノ粒子を製造するボトムアッププロセスのほとんどは、気相または液相のいずれかであり、気相プロセスは一般的に高温および低圧を必要とし、液相プロセスは多くの工程を伴う複雑な処理を必要とする。これらすべての要因により、資本コストと運転コストが大幅に増加し、特に高温と低圧では事故の可能性が高くなる。
【0039】
以下の態様および実施形態は単なる例示であり、本開示の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0040】
本開示の第一の態様は、以下を含む(または実質的に以下からなる、または以下からなる)プロセスであって、
【0041】
a)金属の酸化物、半金属の酸化物、金属の炭化物、半金属の炭化物、金属の窒化物、半金属の窒化物、金属のホウ化物、半金属のホウ化物、金属の硫化物、半金属の硫化物、金属のリン化物、半金属のリン化物、金属のケイ化物、半金属のケイ化物、およびそれらの混合物および組み合わせから選択される固相前駆体非ナノ粒子を、1つ以上のオニウム塩(例えば、アンモニウム塩)に由来の1つ以上のオニウムイオンと、水中、容器内で十分に撹拌しながら、ナノ粒子を形成するのに十分な温度および時間、接触させる工程であって、前記温度は約0℃~約100℃(または約25℃~約95℃、または約30℃~約90℃、または約35℃~約80℃)の範囲で、前記時間は少なくとも10分(または約1~約200時間、または約10~約190時間、または約12~約192時間、または約24~約144時間、または約48~約96時間)の範囲である、接触させる工程と、
【0042】
b)任意に、(a)の前記ナノ粒子を、有機溶媒(例えば、アルコール、エーテル、またはそれらの混合物)と接触させて過剰の水を除去する工程と、
【0043】
c)任意に、(b)の前記ナノ粒子を、無機塩沈殿溶液(例えば1MのLiCl)と接触させる工程と、および
【0044】
d)任意に、(c)の前記ナノ粒子を濾過し、乾燥させて、乾燥ナノ粒子を形成する工程と、を含む。
【0045】
特定の実施形態において、「金属」(本明細書において、単に「M」と呼ばれることもある)は、第2族(アルカリ土類金属)、第3族~第12族(遷移金属)、およびそれらの組み合わせおよび混合物からなる群から選択される少なくとも1つの金属であり得る。特定の実施形態において、金属は、Ti、Mn、Ni、Fe、およびMg、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物からなる群から選択される少なくとも1つの金属である。特定の実施形態において、金属は、TiおよびMg、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物からなる群から選択される少なくとも1つの金属である。
【0046】
特定の実施形態において、金属は、少なくとも1つの第4族金属、例えば、Ti、ZrおよびHf、およびそれらの組み合わせおよび混合物であり得る。特定のプロセスおよび組成物の実施形態において、金属は、少なくとも1つの第5~12族金属であり、例えば、これらに限定されないが、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、およびAu、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物である。特定のプロセスおよび組成物の実施形態において、金属は、少なくとも1つの第8族金属であり得る。特定のプロセス実施形態において、Mは少なくとも1つの第8族金属である。特定のプロセス実施形態において、Mは少なくとも1つの第4族金属であり得る。特定のプロセス実施形態において、Mは少なくとも1つの第4族金属である。特定のプロセスの実施形態において、Mは、少なくとも1つの第2族アルカリ土類金属であり得る。特定のプロセス実施形態において、Mは少なくとも1つの第2族アルカリ土類金属である。
【0047】
特定の実施形態において、半金属(本明細書において単に(「MD」)と呼ばれることもある)は、B、Si、Ge、As、Sb、Te、P、およびS、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物からなる群から選択される1つ以上のMDを含むことができる。特定の実施形態において、MDは、SiおよびGe、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物からなる群より選択される1つ以上の半金属である。特定の実施形態において、MDは、Siと、B、Ge、As、Sb、Te、SおよびPのうちの1つ以上と、それらの組み合わせおよび混合物と、を含むことができる。特定の実施形態において、MDは、Siと、B、Ge、As、Sb、Te、PおよびSのうちの1つ以上、ならびにそれらの組み合わせおよび混合物との混合物または組み合わせである。特定の実施形態において、MDは、Siと、BおよびGeのいずれか1つ以上と、それらの組み合わせおよび混合物と、を含むことができる。特定の実施形態において、金属は、任意の1つ以上の反応性非金属(C、O、N、F、P、S、Cl、Se、Br、およびI)に結合され得る。特定の実施形態において、半金属は、任意の1つ以上の反応性非金属(C、O、N、F、P、S、Cl、Se、Br、およびI)に結合することができる。
【0048】
本開示の別の態様は、本開示のプロセスに従って調製されるナノ粒子である。特定のプロセスの実施形態は、アナターゼ構造を有する少なくとも一部の前駆体非ナノ材料を使用することができる。特定のプロセス実施形態は、アナターゼ様またはルチル様構造を有するナノ粒子の少なくとも一部をもたらすことができる。特定のプロセス実施形態は、アナターゼ様またはルチル様構造を有する少なくとも一部の固相前駆体非ナノ材料を使用することができ、その結果、ナノ粒子の形成がもたらされ、ナノ粒子の少なくとも一部はアナターゼ様またはルチル様構造を有する。
【0049】
特定のプロセスは、約0℃~約100℃、または約25℃~約95℃、または約30℃~約90℃、または約35℃~約80℃の範囲の温度で、少なくとも10分間、または約1~約200時間、または約10~約190時間、または約12~約192時間、または約24~約144時間、または約48~約96時間の範囲の時間にわたって実施することができる。特定のプロセス実施形態において、ナノ粒子は、いわゆる「ワンポット」プロセス(単一の反応容器または容器内で実施される合成)を使用して製造される;換言すれば、固相前駆体非ナノ粒子を、水中で、本明細書で示される時間、温度、および圧力で、1つ以上のオニウム塩に由来する1つ以上のオニウムイオンと接触させることにより、先行技術によって教示されるさらなる変更および/または工程なしに、1つの容器内で直接ナノ粒子が製造される。
【0050】
特定のプロセスは、大気圧以下から大気圧以上、または、真空もしくは真空に近い圧力から数バール、または大気圧から10バール、または約1バール~約5バールの範囲の圧力で実施することができる。
【0051】
本開示のナノ粒子は、導電性、非導電性、半導体性、多孔性、メソポーラス(米国特許第9,562,005号に記載されているような)、または非多孔性であることができ、ここで、「多孔性」は、メソポーラス多孔性およびメソポーラス以上の多孔性を含み、「非多孔性」は、メソポーラス未満の多孔性を意味し、「メソポーラス」は、約2~約50ナノメートル(nm)の範囲の平均孔径を有する多孔性材料を指す。
【0052】
固相前駆体非ナノ粒子
【0053】
固相前駆体非ナノ粒子は、ナノ粒子を生成するために、金属(M)または半金属(MD)および、これらに限定されないが、例えばO、C、B、S、P、Si、N原子、およびそれらの組み合わせなどの1つ以上の反応性非金属の供給源として機能する。適切な固相前駆体非ナノ粒子は、二次元、三次元、四次元またはそれ以上の材料であり得る。二次元材料としては、これらに限定されないが、例えば、TiC、TiB2、TiN、Ti5S3、TiAl3、TiO2、MnB、MgO、Si3N4、CoO、これらに限定されないがFe2O3などの鉄酸化物、Mn3O4、MnO2、FeB、ZrC、Si3N4、SiC、およびそれらの組み合わせや混合物であり得る。適切な他の固相前駆体非ナノ粒子は、三次元M含有材料または三次元MD含有材料であり得る。三次元M含有および/またはMD含有材料は、例えば、これらに限定されないが、Ti3AlC2、Ti3SiC2、Ti3GaC2、Ti2SbP、Mn5SiB2、Mn2AlB2、Fe5SiB2、Fe2AlB2、Zr3AlC5、V2AlC、Nb2AlC、およびこれらの組み合わせおよび混合物であり得る。
【0054】
オニウムカチオンとその塩
【0055】
特定の理論に束縛されることなく、オニウム塩(またはそのカチオンおよび/またはアニオン)は、固相前駆体の非ナノ粒子の少なくとも一部と化学的に反応してナノ粒子の形成を誘導するように機能する。オニウムという名称は、イオン中の水素原子が有機ラジカルやハロゲンなどの他の基で置換されることによって生じるカチオンにも使用される。例えば、テトラフェニルホスホニウム、(C6H5)4P+などである。置換基は2価でも3価でもよく、イミニウムやニトリリウムなどのイオンが得られる。オニウム塩のオニウムイオンは、+1、+2(二重オニウム)、+3(三重オニウム)、さらにそれ以上の電荷を有することができる。
【0056】
オニウムカチオンは、一価置換または多価置換を有することができる。一価置換オニウムカチオンの好適な例としては、これらに限定されないが、式RH3N+(NH3OH+など)内の第一級オニウムカチオン、式R2NH2+((CH3)2NH2+など)内の第二級オニウムカチオン、式中R3NH+((CH3)3NH+など)内の第三級オニウムカチオン、および式中R4N+内の第四級オニウムカチオンが挙げられ、これらの式中のRは有機または無機部分であり得る。エニウムカチオン、置換エニウムカチオン、およびイニウムカチオンも本開示で考慮され、置換は有機または無機である。
【0057】
特定の実施形態において、オニウムイオンは、1つ以上のオニウム塩、例えばアンモニウム塩から誘導され得る。適切なアンモニウム塩としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAOH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAOH)、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化テトラヘキシルアンモニウム(THAOH)、それらのアミン誘導体、およびそれらの組み合わせおよび混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
他の実施形態において、オニウム塩は、プロトン化プニクトゲン、プロトン化カルコゲン、またはプロトン化ハロゲンに基づくことができる。プニクトゲンオニウムカチオンの例は、NH4
+(アンモニウム)、PH4
+(ホスホニウム)、AsH4
+(アルソニウム)、SbH4
+(スチボニウム)、およびBiH4
+(ビスムソニウム)を含む。カルコゲンオニウムカチオンの例は、(H3O+(オキソニウム)、H3S+(スルホニウム)、H3Se+(セレノニウム)、およびH3Te+(テルロニウム)を含む。ハロゲンオニウムカチオンの例は、H2F+(フルオロニウム)、H2Cl+(クロロニウム)、H2Br+(ブロモニウム)、およびH2I+(ヨードニウム)を含む。擬ハロゲンオニウムカチオンの例は、H2N3
+(アミノジアゾニウム)およびHCNH+(HC≡CH+異性体、またはC≡CH2
+異性体のいずれか、または両方)を含む。好適な炭素基オニウムカチオンは、カルボニウムイオン、例えば、アルカニウムカチオン、CnH2n+3
+(例えば、CH5
+(メタニウム)、C2H7
+(エタニウム)、C3H9
+(プロパニウム、プロパン-1-イリウム異性体、またはプロパン-2-イリウム異性体のいずれか、またはその両方)、C4H11
+(ブタニウム、1つ以上の異性体、または2つ以上の異性体の組み合わせ)、C8H19
+(オクトニウム、1つ以上の異性体、または2つ以上の異性体の組み合わせ)が挙げられるがこれに限定されない、SinH2n+3
+(シラニウム)、GeH5
+などのゲルマニウム、SnH3
+などのスタノニウム、PbH3
+などのプルンポニウムを含む。他の好適なオニウムカチオンは、BH4
+(ボロニウムカチオン)および式BxHy
+のプロトン化ボラン、HeH+(ヘロニウム)、NeH+(ネオニウム)、ArH+(アルゴニウム)、KrH+(クリプトニウム)、XeH+(キセノニウム)などの希ガスオニウムカチオン、およびH3
+(ヒドロゲノニウム、または三水素カチオン)を含む。
【0059】
特定の実施形態において、オニウムイオンは、ジクワット、アリクワット、ポリクワット、および他の形態から選択され得る。ジクワットの例としては、ジドデシルジメチル-ガンマ-ジクオタニウム塩、N-ドデシルプロピレンジアミンガンマ-ジクオタニウムブロミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリクワットの例としては、N-メチル-N,N,N-トリオクチルアンモニウムクロリド(アリクワット336として知られている)、テトラブチルアンモニウムブロミド(アリクワット100として知られている)、メチルトリ-n-ブチルアンモニウムクロリド(アリクワット175として知られている)などが挙げられるが、これらに限定されない。ポリクワットの例としては、エタノール、2,2’,2’’-ニトリロトリス-、1,4-ジクロロ-2-ブテンとN,N,N’,N’’-テトラメチル-2-ブテン-1,4-ジアミンとのポリマー(ポリクオタニウム-1としても知られている)、ポリ[ビス(2-クロロエチル)エーテル-alt-1,3-ビス[3-(ジメチルアミノ)プロピル]尿素](ポリクオタニウム-2として知られている、)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない(ポリクオタニウム-X、ここでXは1以上47以下であり、米国パーソナルケア製品評議会(PCPC)の定める規則に従って割り当てられた化粧品成分の国際命名法における登録順を示す番号である)。
【0060】
特定のプロセス実施形態において、オニウム塩は、1つ以上の酸化剤、例えば、H2O2、フッ素(F2)、塩素(Cl2)、および臭素(Br2)などのハロゲン、ならびに過マンガン酸イオン(MnO4
-)および重クロム酸イオン(Cr2O7
2-)などの特定のオキシアニオン、ならびにそれらの混合物および組合せを伴うことができるが、これらに限定されない。
【0061】
1つ以上の酸化剤を用いる実施形態では、オニウム塩と酸化剤のモル比は、約5:1~約1:5、または約4:1~約1:4、または約3:1~約1:3、または約2:1~約1:2の範囲であり得る。
【0062】
特定の実施形態では、オニウムカチオンは水中に存在し、アニオンはヒドロキシルアニオンOH-であるが、オニウム塩のアニオンはヒドロキシルアニオンに限定されず、任意の有機または無機部分であり得、例えば、ハロゲンアニオン(Fl-、Cl-など)、錯ハロゲンアニオン(例えば、[FeBr4]-など)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
有機溶媒
【0064】
有機溶媒は、使用される場合、ナノ粒子を洗浄または浄化し、過剰な水を除去する機能を果たす。有機溶媒は、例えば、未反応固相前駆体、未反応アンモニウムカチオンおよびアニオン、非溶解アンモニウム塩などの一部または全部を除去することができるが、これらに限定されない。好適な有機溶媒としては、アルコール、グリコールエーテル、およびケトンなどの液体酸素化炭化水素が含まれるが、これらに限定されない。好適なアルコールの例としては、エチルアルコール(またはエタノール)、プロピルアルコール(またはプロパノール)、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコールなどの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切なグリコールエーテルとしては、エチレングリコールエーテルおよびプロピレングリコールエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。適切な炭化水素溶媒には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、およびそれらの混合物および組み合わせが含まれる。これらの例には、通常のもの、分岐したもの、および環状のものが含まれる。クロロベンゼン、ヨードベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒も好適であり得る。ジメチルホルムアミド(DMF)のような極性非プロトン性溶媒も、単独で、他の極性非プロトン性溶媒と組み合わせて、または上記のいずれかと混合物および組み合わせで使用することができる。
【0065】
無機塩溶液
【0066】
無機塩溶液は、使用される場合、ナノ粒子を洗浄または清浄化し、過剰な水分を除去し、および/または他の反応生成物(ナノ粒子ではない)を溶解する機能も果たす。適切な無機塩溶液は、アルカリ金属とハロゲンの塩の溶液、例えばLiCl、NaCl、LiBr、およびこれらの2つ以上の混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、モル量は0.001から最大で10Mの範囲である。HClおよびクエン酸などの他の弱酸も同様のモル濃度範囲で使用できる。
【0067】
遠心分離および濾過装置
【0068】
一旦容器内で形成されると、特定の実施形態では、ナノ粒子は、透明な上清が形成されるまで1回以上遠心分離(および/または超遠心分離)され、次いで濾過される。適切な遠心分離技術はよく知られており、ほとんど説明は必要ない。Fisher Scientific、Eppendorf、Beckman Coulterなどから、卓上型や床置き型の遠心分離機が販売されている。ディスクスタック遠心分離機などの商業規模の遠心分離機はAlfa Lavalなどから入手可能である。適切な濾過技術には、重力濾過および真空濾過が含まれる。適切な商業規模の濾過ユニットには、回転式真空フィルター、冷媒に基づく冷却フィルターなどが含まれ得る。
【0069】
容器
【0070】
本開示のプロセスで使用するのに適した容器は、連続反応器、半連続反応器、バッチ反応器、または半バッチ反応器であり得る。オニウムイオンがTMAOHから誘導される場合、ポリエチレン容器(ポリエチレン、またはポリエチレンライニング容器)が有効であるが、ガラスまたはガラスライニング金属容器は有効でないことが分かった。ガラスまたはガラスライニングスチール(またはPTFE、PFA、タンタル)容器は、特定の実施形態(例えばTMAOH以外のオニウム塩を使用する場合)で使用可能である。容器の容量は、実験室スケール(50mL)から商業スケール(10,000L以上)までの範囲とすることができ、例えば、圧力および温度測定装置、撹拌装置、撹拌機を動かすためのモーター、不活性ガスパージ用の1つ以上の入口および出口、加熱および冷却設備、タイマー、ならびに1つ以上のヒト/機械インターフェース(HMI)などの付属品を含むことができるが、これらに限定されない。特定の容器は、1つ以上のプロセスコントローラー、圧力逃し弁、ヒトまたは非ヒトの検査用アクセスウェイ、サンプリングポート、pHプローブなどを含むことができる。適切な容器は、最大200℃の温度と最大2barの圧力に最大250時間以上耐える能力を備えている必要がある。
【0071】
不活性ガス
【0072】
一般に、容器に不活性ガスブランケットを使用する必要はないが、特定の実施形態では、それが望ましい場合もある。適切な不活性ガスの例としては、窒素、アルゴン、水素、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。不活性ガスの供給源は、1つ以上の導管、パイプライン、貯蔵設備、またはシリンダーであり得る。不活性ガスは、パイプライン、シリンダー、貯蔵設備、極低温分離ユニット、膜透過分離器、または真空スイング吸着ユニットなどの吸着ユニットから供給することができる。
【0073】
ここで図面を参照すると、
図1は、容器2、任意の有機溶媒洗浄器4、任意の無機塩溶液洗浄器6、水洗浄容器8、任意の遠心分離機またはシェーカー10、および任意のフィルター12を含む、本開示に従った1つのプロセスおよびシステム実施形態100の高レベルの概略プロセスフロー図である。特定の実施形態では、これらの容器または段階の一部(またはすべて)を組み合わせることができる。固相前駆体非ナノ粒子材料18(例えば、本明細書の実施例に記載されているような固体のTiO
2、TiN、TiC、Si
3N
4、およびMgO)が容器2に送られ、同様にオニウム塩溶液20が送られる。実施例に記載されているように温度を上げ、一定時間保持した後、容器2はナノ粒子組成物22を生成し、これは有機溶媒24と同様に、任意の有機溶媒洗浄機4に送られる。任意の有機溶媒洗浄機4から、還元水26を含むナノ粒子組成物が生成され、これは任意の無機塩溶液28(例えばLiClの1M水溶液)とともに任意の容器6に送られ得る。任意の容器6および任意の無機塩を使用して、ナノ粒子をさらに洗浄することができる。ナノ粒子30は、その後、水32で満たすために容器8に送られ、導管33を通って遠心分離機またはシェーカー10に送られ、そこで廃液および固体が除去される(34で)。上清液35は、人間または機械の視覚、あるいはその両方によって観察され(14)、透明であれば(Y)、それ以上の遠心分離または振とうは必要ないが、上清液が透明でなければ(N)、上澄み液が透明になるまで遠心分離または振とうが繰り返される。ナノ粒子の最終的な水で満たされた懸濁液は、次にフィルター12に送られ、ナノ粒子36の「濾過フィルム」と廃棄物流38を形成する。
【0074】
図2は、本開示に従った別のプロセスおよびシステムの実施形態200のより詳細な概略プロセスフロー図である。実施形態200は、撹拌機または撹拌器64、66が、容器2および任意の有機溶媒洗浄機4にそれぞれ含まれる点、ならびに様々なポンプおよび制御弁、ならびに固相前駆体非ナノ粒子材料を容器2に移送するためのシュート19が含まれる点で、実施形態100と異なる。ポンプ68は、オニウム水溶液20を容器2に移送し、ポンプ70は、ナノ粒子を容器2から任意の有機溶媒洗浄機4に移送し、ポンプ72は、ナノ粒子を任意の有機溶媒洗浄機4から任意の容器6に移送し、無機塩溶液28と任意に接触させ、ポンプ74は、ナノ粒子を水充填容器8に移送し、ここで遠心分離または振とうのために追加の水が加えられ、材料はポンプ82によって遠心分離器またはシェーカー10に送られる。上清液が、14でヒトまたは機械の視覚によって観察されるように透明になった後、ナノ粒子はフィルター12に送られる。一連の制御弁76、78、80、84、86、88、および90(そのうちのいくつかは任意である)は、それぞれポンプ68、70、72、74、および82からの流れを制御し、制御弁、ポンプ、撹拌機、および他の装置を作動させるために有線または無線の制御信号を介して作動することができる1つ以上の監視コントローラ92(監視コンピュータなど)によって制御される。化学処理技術の当業者には、実施形態200の多くの変形が可能であることが理解されよう。さらに、質量流量センサーまたはメーター、温度センサー、圧力センサー、pHセンサー、重量センサーなど、特定の工業的実施形態に含まれるであろう多くのセンサーは表示されていない。これらのセンサーまたはメーターの1つ以上は、温度指示コントローラ、圧力指示コントローラなどのようなコントローラでもあり得る。これらのセンサーは、簡潔にするため、
図2には図示されていない。
【0075】
図3および
図4は、本開示に従った2つのプロセス実施形態300、400の論理図である。プロセス実施形態300は、固相前駆体非ナノ粒子材料を、脱イオン水中のアンモニウム塩に由来のオニウムイオンと、容器内で、大気圧で、十分な撹拌を行い、ナノ粒子組成物を形成するのに十分な温度および時間で接触させる工程を含み、温度は約0℃~約100℃の範囲であり、時間は10分以上である、ボックス302。プロセス実施形態300は、任意で、ナノ粒子組成物を有機溶媒と接触させて還元水ナノ粒子組成物を形成する工程、ボックス304、次いで任意で、還元水ナノ粒子組成物を無機塩溶液と接触させる工程、ボックス306をさらに含む。プロセス実施形態300は、遠心分離、ボックス308、およびナノ粒子組成物の濾過、ボックス310へと続く。
【0076】
プロセス実施形態400は、固相前駆体非ナノ粒子TiO2、TiN、またはTiCを、大気圧の容器中で、脱イオン水中の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)と、十分な撹拌を行いながら、TiO2、TiN、またはTiCナノ粒子を形成するのに十分な温度および時間で接触させる工程を含み、温度は約35℃~約80℃の範囲であり、時間は約12時間~約192時間の範囲である、ボックス402。プロセス実施形態400はさらに任意で、TiO2、TiN、またはTiCナノ粒子組成物を任意の有機溶媒と接触させて、還元水TiO2、TiN、またはTiCナノ粒子組成物を形成する工程、ボックス404、続いて任意で、還元水TiO2、TiN、またはTiCナノ粒子組成物をLiCl溶液と接触させて、TiO2、TiN、またはTiCナノ粒子組成物を形成する工程、ボックス406を含む。プロセス実施形態400は、遠心分離する工程、ボックス408、および、TiO2、TiN、またはTiCナノ粒子組成物を濾過する工程、ボックス410に続く。
【0077】
したがって、本明細書に記載されるシステムおよびプロセス、ならびにその等価物は、非ナノ原料物質からナノ粒子を安全かつ経済的に製造する方法を提供する。以下の実施例は、本開示のシステムおよびプロセスの特定の態様を理解するのにさらに役立つ可能性がある。
【0078】
実施例
【0079】
実験の詳細
【0080】
表1に、本研究で使用したすべての前駆体と化学物質を示す。表2は、すべての実行で使用した処理条件をまとめたものである。「TMAOH」は水酸化テトラメチルアンモニウムを指す。「TBAOH」は水酸化テトラブチルアンモニウムを指す。
【0081】
固相前駆体とオニウム塩の反応後、黒色(前駆体がTiO2の場合を除く)の暗泥が得られ、これを回収してエタノールですすぎ、振とうした後、透明な上清が得られるまで3500rpmで複数サイクル遠心分離した。上清が透明になったら、40mLの脱イオンDI水を洗浄した生成物に加え、5分間振とうした。超音波処理を行わず、3500rpmで0.5時間遠心分離した後、安定した暗色(ほとんどの場合)のナノ粒子組成物が得られた。未反応の粉末は沈殿した。その後、ナノ粒子組成物を真空濾過して濾過フィルムFFを作製し、その一部を特性評価した。
【0082】
本明細書でさらに説明する理由により、特性評価のほとんどはLiCl洗浄フィルムで実施した。5MのLiCl溶液を黒色ナノ粒子組成物に添加した。その結果、懸濁液が脱凝集した。沈殿物を振とうし、5000rpmの遠心分離を3サイクル行い、脱イオン水で洗浄した。LiCl/DI水による洗浄をpHが約7になるまで繰り返した。次に、洗浄した沈殿物を、Arを流した状態で冷浴中で1時間超音波処理し、5分間振とうした後、3500rpmで0.5時間遠心分離した。ナノ粒子組成物を濾過してFF(濾過フィルム)を作製した。なお、NaOH、KOHまたはKFの希釈溶液を用いても脱凝集が起こったことに留意する。その後、FFを真空チャンバー内で一晩放置して脱水させた後、さらに特性評価を行った。
【0083】
X線回折、XRD
【0084】
湿潤および乾燥試料のXRDパターンは、粉末回折装置(Rigaku SmartLab)を用いて、0.02°のステップサイズと1秒/ステップの滞留時間を用いた2~65°2θの範囲のCu Kα放射線を使用して、Bragg-Brentano配置でセットアップして取得した。
【0085】
X線光電子分光法、XPS
【0086】
XPSは分光器(VersaProbe 5000,Physical Electronics,チャンハッセン、ミネソタ州)を用いて行った。分析にはスポットサイズ200μmの単色Al-KαX線を用いた。すべてのスキャンに23.5eVの通過エネルギーを用い、0.05eVのエネルギーステップで、0.5秒のステップタイムで高分解能スペクトルを収集した。スキャンごとの繰り返し回数は10回に設定された。XPSスペクトルは、C-Cピークを285.0eVに設定して校正された。ピークは非対称ガウス/ローレンツ線形状を用いてフィッティングされた。バックグラウンドはShirleyアルゴリズムを用いて決定された。すべての試料はカーボンテープでXPSステージにマウントされた。
【0087】
走査型電子顕微鏡、SEM
【0088】
エネルギー分散型X線分光器(EDS,Oxford EDS,オックスフォードシャー、英国)を備えたSEM(Zeiss Supra 50VP,Carl Zeiss SMT AG、オーバーコッヘン、ドイツ)を用いて、顕微鏡写真と元素組成を得た。
【表1】
【表2】
【0089】
図5A、
図5B、
図6A、
図6B、
図7A、および
図7Bは、本開示に従った実施例の実験室実験およびナノ粒子組成物の写真である。
図5Aは、ナノ粒子TiO
2の懸濁液を示し、
図5Bは、非ナノ粒子TiO
2をTMAOHと35℃で144時間反応させ、エタノールで洗浄し、脱イオン水で満たし、遠心分離した後、濾過して形成したナノ粒子TiO
2の濾過フィルムを示す。
図6Aは、ナノ粒子TiCの懸濁液を示し、
図6Bは、ナノ粒子TiCの懸濁液を示し、
図6Cは、固相非ナノ粒子状TiCをTMAOHと80℃で120時間反応させ、エタノール、LiClで洗浄し、振とうし、次いで濾過することによって形成されたナノ粒子TiCの濾過フィルムを示す。
図7Aは、FeBナノ粒子の懸濁液を示し、
図7Bは、固相非ナノ粒子FeBとTMAOHとを50℃で48時間反応させ、エタノールで洗浄し、脱イオン水で満たし、遠心分離し、次いで濾過することによって形成されたナノ粒子FeBの濾過フィルムを示す。
【0090】
【0091】
我々は、固相前駆体の非ナノ粒子からナノ粒子を製造する、シンプルで安価、比較的高収率、周囲に近く、拡張可能なボトムアップ・アプローチを発見した。出発固相非ナノ材料が比較的安価な商品であることは、この新しいナノ粒子に対する科学界の関心をさらに高めるだろう。
【0092】
本開示の特定の装置およびプロセスの実施形態は、1つ以上のコントローラによって制御され得る。例えば、反応温度は、反応物の温度、質量および/または体積流量、反応生成物の温度、質量および/または体積流量、ならびに、それらの組み合わせから選択される1つ以上のパラメータを監視することによって制御され得る。本開示の特定の装置およびプロセスはまた、前駆体材料、オニウム、および水などの供給材料の供給速度を測定および/または監視し、制御目的のためにこれらの測定値を使用することもできる。分流器の位置を調整または制御して、熱伝達基礎構造内の熱伝達を高めることができる。
【0093】
本開示の容器と同様に、原料供給導管、不活性ガス導管、熱伝達流体供給および戻り導管のような種々の導管は、ポリマー(例えばポリエチレン)または、ポリマーライニングされた金属もしくはガラス、またはそれらの組み合わせから構成されることができる。
【0094】
特定の容器または他の構成材料の選択は、使用される反応物の化学的性質、圧力、温度、および特定の原料を用いて製造されるナノ粒子の種類、製造されるナノ粒子の量などによって、他のパラメータの中で決定される。特定の用途、圧力、温度、および利用可能な材料に関する知識を有する当業者であれば、過度な実験を行うことなく、各特定の用途に対して最も費用対効果が高く、安全で、操作可能な容器、原料および製品の導管を設計することができるであろう。
【0095】
態様
【0096】
以下の態様は例示であり、本開示または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。本技術は、以下の態様のいずれか1つの一部または全部を任意の組み合わせで含み得ることが理解されるべきである。
【0097】
態様1.プロセスであって、金属の酸化物、半金属の酸化物、金属の炭化物、半金属の炭化物、金属の窒化物、半金属の窒化物、金属のホウ化物、半金属のホウ化物、金属のケイ化物、半金属のケイ化物、金属の硫化物、半金属の硫化物、金属のリン化物、半金属のリン化物、およびそれらの混合物のいずれか1つ以上を含む固相前駆体(任意に非ナノ粒子であり得る)を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと、水中、容器内で十分に撹拌しながら、ナノ粒子を形成するのに十分な温度および時間、接触させる工程を含み、前記温度は約0℃~約100℃、前記時間は少なくとも約10分間、例えば、約10分~約144時間、およびすべての中間値および部分範囲である、プロセス。
【0098】
態様2.態様1記載のプロセスにおいて、前記金属が、遷移金属(周期表の第3族~第12族の元素)ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0099】
態様3.態様2記載のプロセスにおいて、前記遷移金属が、Fe、Mn、CoおよびTi、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0100】
態様4.態様1記載のプロセスにおいて、前記金属が、1つ以上のアルカリ土類金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0101】
態様5.態様4記載のプロセスにおいて、前記アルカリ土類金属がMgである、プロセス。
【0102】
態様6.態様1記載のプロセスにおいて、前記半金属が、Si、B、As、Ge、Sb、P、およびTe、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0103】
態様7.組成物であって、XRDおよび/またはTEMによって決定される固相前駆体非ナノ粒子と同じ結晶構造を有する、請求項1記載のプロセスによって製造されたナノ粒子を含む、組成物。
【0104】
態様8.態様1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、Tiを含む材料を前記1つ以上のオニウム塩に由来する1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0105】
態様9.態様1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、二次元材料を前記1つ以上のオニウム塩に由来する1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0106】
態様10.態様9記載のプロセスにおいて、前記二次元材料を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、TiC、TiB2、TiN、TiC、Si3N4、MgO、Ti5S3、TiAl3、TiO2、MnB、Mn3O4、Mn2O3、FeB、Fe2O3、ZrC、Si3N4、Co(OH)2、およびSiC、またはそれらの混合物もしくは組み合わせの1つ以上を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0107】
態様11.態様1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、M-三次元材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0108】
態様12.態様11記載のプロセスにおいて、前記M-三次元材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、Ti3AlC2、Ti3SiC2、Ti3GaC2、Ti2SbP、Mn5SiB2、Mn2AlB2、Fe5SiB2、Fe2AlB2、Zr3AlC5、V2AlC、およびNb2AlC、またはそれらの混合物もしくは組み合わせの1つ以上を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0109】
態様13.態様1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、MD-二次元またはMD-三次元材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0110】
態様14.態様1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、1つ以上の金属元素を含む第四級M含有材料を、前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0111】
態様15.態様1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、
【0112】
a)TMAOH、TEAOH、TPAOH、TBAOH、NH4OH、またはTHAOHの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせ、
【0113】
b)TMAOH、TEAOH、TPAOH、TBAOH、NH4OH、またはTHAOHのうちの1つ以上のアミン誘導体、またはそれらの任意の組み合わせ、または、
【0114】
c)a)とb)の任意の組み合わせ
と接触させる工程を含む、プロセス。
【0115】
態様16.態様15記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、TMAOHに由来のアンモニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0116】
態様17.態様15記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、TBAOHに由来のアンモニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0117】
態様18.態様1記載のプロセスにおいて、前記固相前駆体非ナノ粒子を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、TMAOHに由来のアンモニウムイオンを含む組成物と接触させる工程を含む、プロセス。
【0118】
態様19.態様1記載のプロセスにおいて、前記温度が約35℃~約80℃の範囲である、プロセス。
【0119】
態様20.態様1記載のプロセスにおいて、前記金属が、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、および第12族の金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0120】
態様21.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第4族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0121】
態様22.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第5族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0122】
態様23.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第6族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0123】
態様24.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第7族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0124】
態様25.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第8族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0125】
態様26.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第9族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0126】
態様27.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が第10族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0127】
態様28.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第11族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0128】
態様29.態様20記載のプロセスにおいて、前記金属が、第12族金属、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0129】
態様30.態様15記載のプロセスにおいて、前記半金属が、Si、B、As、Ge、Sb、P、およびTe、ならびにそれらの混合物および組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【0130】
態様31.態様1記載のプロセスにおいて、前記プロセスがワンポットプロセス、すなわち単一の容器で実施されるプロセスである、プロセス。
【0131】
態様32.組成物であって、態様20~31のいずれか一項に記載のプロセスに従って調製されたナノ粒子を含む、組成物。
【0132】
態様33.組成物であって、実質的にアナターゼまたは実質的にルチル構造を含む、態様20~31のいずれか一項に記載のプロセスに従って調製されたナノ粒子を含む、組成物。
【0133】
開示された技術はまた、以下の要素の任意の1つ以上を包含することができる。
【0134】
要素1:金属が遷移金属、周期表の第3族から第12族の元素である、プロセス。
【0135】
要素2:遷移金属がMnおよびTi、Fe、Cr、Niから選択される、プロセス。
【0136】
要素3:金属が1つ以上のアルカリ土類金属である、プロセス。
【0137】
要素4:アルカリ土類金属がMgである、プロセス。
【0138】
要素5:半金属がSi、B、As、Ge、Sb、P、Te、およびそれらの混合物から選択される、プロセス。
【0139】
要素6:固相前駆体非ナノ粒子を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、Tiを含む材料を1つ以上のオニウム塩に由来する1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0140】
要素7:固相前駆体非ナノ粒子を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、二次元材料を1つ以上のオニウム塩に由来する1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0141】
要素8:二次元材料を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、TiC、TiB2、TiN、TiC、Si3N4、MgO、Ti5S3、TiAl3、TiO2、MnB、Mn3O4、Mn2O3、FeB、Fe2O3、ZrC、Si3N4、Co(OH)2、およびSiC、またはそれらの混合物もしくは組み合わせの1つ以上を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0142】
要素9:固相前駆体非ナノ粒子を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、M-三次元材料を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0143】
要素10:M-三次元材料を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、Ti3AlC2、Ti3SiC2、Ti3GaC2、Ti2SbP、Mn5SiB2、Mn2AlB2、Fe5SiB2、Fe2AlB2、Zr3AlC5、V2AlC、およびNb2AlC、またはそれらの混合物もしくは組み合わせの1つ以上を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0144】
要素11:固相前駆体非ナノ粒子を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、MD-二次元またはMD-三次元材料を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0145】
要素12:固相前駆体非ナノ粒子を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、1つ以上の金属元素を含む第四級M含有材料を、1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程を含む、プロセス。
【0146】
要素13:固相前駆体非ナノ粒子材料を前記1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子を、(a)TMAOH、TEAOH、TPAOH、TBAOH、NH4OH、またはTHAOHの1つ以上、またはそれらの任意の組み合わせ、(b)TMAOH、TEAOH、TPAOH、TBAOH、NH4OH、またはTHAOHのうちの1つ以上のアミン誘導体、またはそれらの任意の組み合わせ、または、または、(c)(a)および(b)の任意の組み合わせ、と接触させる工程を含む、プロセス。
【0147】
要素14:固相前駆体非ナノ粒子材料を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子材料を、TMAOHと接触させる工程を含む、プロセス。
【0148】
要素15:固相前駆体非ナノ粒子材料を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子材料を、TBAOHと接触させる工程を含む、プロセス。
【0149】
要素16:固相前駆体非ナノ粒子材料を1つ以上のオニウム塩に由来の1つ以上のオニウムイオンと接触させる工程が、前記固相前駆体非ナノ粒子材料を、TMAOHを含むオニウム塩組成物と接触させる工程を含む、プロセス。
【0150】
要素17:温度が約35℃~約80℃の範囲である、プロセス。
【0151】
要素18:金属が少なくとも1つの第4族、第5族、第6族、第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、または第12族の金属である、プロセス。
【0152】
要素19:金属が少なくとも1つの第4族金属である、プロセス。
【0153】
要素20:金属が少なくとも1つの第5族金属である、プロセス。
【0154】
要素21:金属が少なくとも1つの第6族金属である、プロセス。
【0155】
要素22:金属が少なくとも1つの第7族金属である、プロセス。
【0156】
要素23:金属が少なくとも1つの第8族金属である、プロセス。
【0157】
要素24:金属が少なくとも1つの第9族金属である、プロセス。
【0158】
要素25:金属が少なくとも1つの第10族金属である、プロセス。
【0159】
要素26:金属が少なくとも1つの第11族金属である、プロセス。
【0160】
要素27:金属が少なくとも1つの第12族金属である、プロセス。
【0161】
要素28:要素1~27のいずれか1つの工程に従って調製された組成物。
【0162】
要素29:アナターゼ様および/またはルチル様構造を有する、要素1~27のいずれか1つのプロセスに従って調製された組成物。
【0163】
要素30:ナノ粒子の製造がワンポットプロセスである、プロセス。
【0164】
以上、本開示のいくつかの例示的な実施形態のみを詳細に説明したが、当業者であれば、本開示の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの改変が可能であることを容易に理解することができ、これらの改変は、他のすべての実施形態と組み合わせることができる前項によるさらなる要素とみなされる。
【0165】
例えば、本明細書に記載される容器およびプロセスは、任意の特定の実施形態において、バッチ式、半バッチ式、連続式、またはそれらの組み合わせとすることができる(例えば、ナノ粒子の第1バッチが製造される第1バッチ容器、続いて、第2ナノ粒子組成物を製造するために連続的に操作される第2容器)。1つ、2つ、またはそれ以上の異なる固相非ナノ粒子前駆体を第1の容器で使用することができる(例えば、第1容器では二次元前駆体、第2容器では三次元前駆体)。2つまたは2つより多くの異なる容器を並列または直列に配置することができる。したがって、このような改変はすべて、以下の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0166】
特許請求の範囲において、「means for」が関連する機能とともに明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条F項で許容されるミーンズ・プラス・ファンクション(means-plus-function)形式の条項は意図されていない。「Means for」句は、本明細書に記載された構造、材料、および/または行為が、言及された機能を実行するものであり、構造上の等価物だけでなく、等価構造も含むことを意図している。
【国際調査報告】