(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】光変調器、電極を備える基板、およびスマートグレージング
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1676 20190101AFI20240705BHJP
G02F 1/167 20190101ALI20240705BHJP
G02F 1/16761 20190101ALI20240705BHJP
【FI】
G02F1/1676
G02F1/167
G02F1/16761
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579224
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2022066713
(87)【国際公開番号】W WO2022268708
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521345408
【氏名又は名称】エルスター・ダイナミクス・パテンツ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マサール,ロマリック・マチュー
(72)【発明者】
【氏名】スラック,アントニー・ジョン
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101BA03
2K101BB05
2K101BB23
2K101BB35
2K101BB42
2K101BB94
2K101BC02
2K101BC13
2K101BC19
2K101EC02
2K101EC12
2K101EC14
2K101EC72
2K101ED01
2K101EE02
2K101EF22
2K101EG27
2K101EG52
2K101EG54
2K101EG62
2K101EK05
(57)【要約】
いくつかの実施形態は、透過性または反射性の基板を備える光変調器に関し、複数の電極は、基板にわたるパターンで基板に適用される。コントローラは、電極に向かってまたは電極からの粒子の電気泳動の動きをもたらす、電極間の電磁場を得るために電極に電位を適用し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調器であって、
- 第1の基板および第2の基板であって、内側が互いに対向して配置される、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板および第2の基板のそれぞれの内側に適用されている複数の電極であって、第1の基板および第2の基板のそれぞれは内面エリアを有し、
- 複数の電極のそれぞれは、基板にわたるパターンで配置され、複数の電極はそれぞれ、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、複数の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置されている、および
- 第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内面エリアの少なくとも一部は、保護コーティングが設けられている、複数の電極、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電している、または帯電可能である、光学層、
- 複数の電極のうちの1つに向かうまたは複数の電極のうちの1つからの粒子の電気泳動の動きをもたらす、複数の電極間の電磁場を得るために複数の電極に電位を適用し、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されているコントローラ
を備える、光変調器。
【請求項2】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の一方の内面エリアの少なくとも一部に設けられており、対向する基板の内面には保護コーティングが設けられない、請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の両方の内面エリアの少なくとも一部に設けられている、請求項1または2に記載の光変調器。
【請求項4】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の全内面エリアの少なくとも1%を被覆する、請求項1から3のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項5】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の両方の全内面エリアの少なくとも1%を被覆する、請求項1から4のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項6】
実質的に、内側に適用された複数の電極の全表面、および実質的に、電極が設けられていない基板の内側が、保護コーティングで被覆されるように、第1の基板および第2の基板の一方の内側は、保護コーティングが全体的に設けられており、対向する基板は保護コーティングが設けられない、請求項1から5のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項7】
実質的に、内側に適用された複数の電極の全表面、および電極が設けられていない基板の内側が、保護コーティングで被覆されるように、第1の基板および第2の基板の両方の内側は、保護コーティングが全体的に設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項8】
保護コーティングがパターンが付けられたコーティングとして設けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項9】
第1の基板上の第1の主線は保護コーティングが設けられており、第1の主線に対向する第2の基板上の第2の主線は保護コーティングが設けられておらず、第2の主線が、流体と流体接触しており、またはその逆も同様である、請求項8に記載の光変調器。
【請求項10】
第1の基板および第2の基板上の複数の主線は、保護コーティングが、交互に設けられおよび設けられない、請求項9に記載の光変調器。
【請求項11】
パターンが付けられたコーティングが、電極の少なくとも一部と、任意選択で第1の基板および第2の基板の一方の内側とに設けられており、対向する基板には設けられていない、請求項8から10のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項12】
内側に適用された複数の電極の少なくとも一部、および/または電極が設けられていない基板の内側は、コーティングが設けられており、内側に適用された複数の電極の少なくとも一部、および電極が設けられていない基板の内側は、コーティングが設けられていないように、コーティングが、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内側に無作為のパターンで設けられている、請求項8から11のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項13】
保護コーティングが透過性または半透過性コーティングである、請求項1から12のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項14】
保護コーティングが反射性コーティングである、請求項1から13のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項15】
保護コーティングが変調器に追加の光学機能を提供する、請求項1から14のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項16】
保護コーティングが、1nmから100μmの範囲、好ましくは10nmから50μmの範囲、好ましくは100nmから10μmの範囲の厚さを有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項17】
- 少なくとも3つの電極が第1の基板および第2の基板の少なくとも一方に適用される、または
- 少なくとも3つの電極が第1の基板および第2の基板の両方に適用される、請求項1から16のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項18】
第1の基板における複数の電極の引き続く主線間の距離が、第2の基板における複数の電極の引き続く主線間の距離よりも大きい、請求項1から17のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項19】
透過状態および非透過状態を有する、または反射状態および非反射状態を有する光変調器であって、
- 第1の基板および第2の基板の少なくとも一方上で交流電圧を創出し、第1の基板上の少なくとも第1の電極と第2の電極との間および/または第2の基板上の第1の電極と第2の電極との間に交流を適用することによって、非透過状態または非反射状態へ切り換え、
- 第1の基板と第2の基板との間に交流電圧を創出し、第1の基板上の第1の電極と第2の基板上の第1の電極との間、および/または第1の基板上の第2の電極と第2の基板上の第2の電極との間に交流を適用することによって、透過状態または反射状態へ切り換える
ように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項20】
各基板のうちの少なくとも1枚の基板の複数の電極が、少なくとも第1の電極と第2の電極とを備えており、第1の電極および第2の電極がそれぞれ:
- 基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線であって、第1および第2の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置される、複数の主線、
- 主線から主線間のエリア内まで延在する複数の支線であって、第1の電極の、および第2の電極の、第1の主線と、第2の主線との間のエリア内まで延在する支線が、第1および第2の主線から交互に延在し、同一のエリア内まで延在する、2本の引き続く支線のうちの少なくとも一方が、第1の方向に直交する第2の方向に沿って測定された、エリアにわたって少なくとも半分延在する、複数の支線
を備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項21】
第1の主線と第2の主線との間の同一のエリア内まで延在する2本の引き続く支線が、第1の方向に投影されたときに第2の方向で重なる、請求項20に記載の光変調器。
【請求項22】
第1の主線と第2の主線との間の同一のエリア内まで延在する2本の引き続く支線が、異なる長さを有し、より長い方の支線が、より短い方の支線より少なくとも5%長い、請求項20および21のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項23】
第1の電極および第2の電極の基板上の主線と引き続く主線との間の距離が、第2の方向および/または第1の方向において変化する、請求項20から22のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項24】
主線間の距離が、
- 最大距離に向かう増加と、最小距離に向かう減少とが交互になっている、および/または
- 最大距離および最小距離内の無作為の量で増加または減少する、および/または
- 基板にわたる主線間の第2の方向における一連の距離が無作為に変化し、距離の和が、最小総距離と最大総距離との間である、請求項23に記載の光変調器。
【請求項25】
主線と、主線から延在する支線とが、支線が延在する副主線の接続された連続として作り上げられ、その連続の中の副主線が、主線を形成するために接続し、
- 副主線の同一の側に延在する支線が等しい長さを有する、および/または
- 副主線の同一の側に延在する支線が平行である、および/または
- 副主線の両側から延在する支線の数が等しい、請求項20から24のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項26】
副主線の同一の側に延在する支線、および同一の主線の引き続く副主線から延在する支線が、
- 異なる長さを有する、および/または
- 第1の方向と異なる角度を形成する、および/または
- 副主線の側から延在する異なる数の支線を有する、請求項25に記載の光変調器。
【請求項27】
支線と、副主線における第1の方向との間の角度が、45度と90度との間で無作為に選択される、請求項25および26のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項28】
同一の主線における、副主線と、引き続く接続された副主線とが、第1の方向と第2の方向との両方において互いに対してシフトされる、請求項25から27のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項29】
第1および第2の電極が配置されるパターンが、基板にわたって第1および第2の方向に延在するブロックのセットに細分され、各ブロックが、第1の電極の複数の主線の一部分の複数の副線と、第2の電極の複数の主線の一部分の複数の副線とを備えており、ブロックのうちの少なくとも1つが基板上で複数回繰り返される、請求項20から28のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項30】
- ブロックの一部分において副主線の電極が複数の支線を備えており、ブロックの一部分において電極が複数の支線を備えていない、および/または
- ブロックの一部分において副主線が直線的であり、ブロックの一部分において副主線が波状である、請求項29に記載の光変調器。
【請求項31】
電極が配置されるパターンが複数の部分に細分され、電極線間隔、電極線厚さ、電極線幅、電極材料、電極線形状、および電極線方向のうちの少なくとも1つが、複数の部分において異なり、光学的効果を引き起こす、請求項1から30のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項32】
厚さ、幅、形状、面積および体積からなるグループから選択された電極ジオメトリが、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方にわたって異なる、請求項1から31のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項33】
一次電極が、一次電極に平行に走るさらなる二次電極に少なくとも一部分において接続され、
- 二次電極が半導体層を通して一次電極に接続され、二次電極が半導体層によって一次電極線と電気的に接続され、これによって一次電極上で閾値電圧を上回る透過電流のみが可能となる、および/または
- 二次電極が透過性である、および/または
- 二次電極が、局所的に電荷を保持するように構成されるコンデンサを備えている、および/または
- 二次電極が、光起電性半導体材料を含み、二次電極が一次電極線に電力を提供する、請求項1から32のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項34】
複数の電極が基板にわたって2次元で延在し、第3の次元で、複数の電極のうちの少なくとも第1の電極が、複数の電極のうちの少なくとも第2の電極から離れて置かれている、請求項1から33のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項35】
第1の基板上の電極が、第2の基板上の第2の電極と少なくとも部分的に同一のパターンで配置され、第1の電極および第2の電極のパターンが互いに対してシフトされる、請求項1から34のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項36】
光変調器方法であって、
光変調器を提供することであって、光変調器は、
- 第1の基板および第2の基板であって、内側が互いに対向して配置される、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板および第2の基板のそれぞれの内側に適用される複数の電極(110、120)であって、複数の電極が対向する基板に向かい合う表面エリアを有し、
- 複数の電極のそれぞれは、基板にわたるパターンで配置され、複数の電極はそれぞれ、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、複数の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置されている、および
- 複数の電極の表面エリアの少なくとも一部は、保護コーティングが設けられている、複数の電極、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電している、または帯電可能である、光学層と
を備える、こと、
光変調器における透過性または反射性の複数のレベルのうちの1つに対応する複数の最大振幅のうちの1つの交流電流または交流電圧を選択すること、
電極に向かってまたは電極からの粒子の電気泳動の動きをもたらす、電極間の電磁場を得るために電極に交流を適用して、光変調器の光学特性の変調を引き起こすこと
を含む、光変調器方法。
【請求項37】
プロセッサシステムによって実行されると、プロセッサシステムに、請求項36に記載の方法を行わせる命令を表すデータを含む、一時的または非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、光変調器、基板、光変調器方法、およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術では、光学的アクティブグレージングが知られている。典型的には、光学的アクティブグレージングシステムは、ガラスまたはプラスチック材料などの透過性の誘電材料からなる2枚の平行板を備える。板間に定められる内部体積は、誘電性流体が充満された独立した複数の小体積または個別のセルに細分される。この流体は、誘電性の帯電している、または帯電可能な材料の粒子の浮遊物を含む。2枚の板の向かい合う面は、相互に向かい合う電極を担う。これらの電極は、制御手段と関連付けられた電源に接続される。
【0003】
各板の電極は、対をなして相互に交互配置される櫛形状により形成される。2つの相互に交互配置された櫛の電極は、同じ極性または逆の極性の電圧をとることができる。電極上に適切な電圧がある場合、透過または不透過のいずれかの外観をシステムに与えるために、粒子は、電極間の様々な場所に集められることが可能である。
【0004】
この知られているシステムに関連した様々な欠点が存在する。知られているグレージングがその透過構成にあるとき、板に対して適用される電極は、回折効果を引き起こす。回折効果は、グレージングに対しては望ましくない。状況によっては、回折効果の存在も安全性に対して害となる場合もある。例えば、光学的アクティブグレージングが自動車などの車両に適用される場合、回折の存在は、車両の操作者にとって紛らわしい、または注意を逸らす場合がある。
【0005】
さらに、この知られているシステムの駆動が改善され得る。
【0006】
知られているシステムの他の欠点は、不透過構成において、グレージングが均一に見えることが望ましいことである。この態様は、安全性にも影響を及ぼし得る。例えば、グレージングが不透過と透過の中間で構成される場合、均一性が欠如して、紛らわしい、または注意を逸らすことになる場合がある。遷移がグレージングにわたって均一な速度で進行することがさらに望まれる。
【0007】
この知られているシステムの別の欠点は、物理的汚染物質の存在がデバイス性能に悪影響を及ぼし得ることである。例えば、流体中の微粒、繊維、石、塊、粒などの存在は、電極に対する物理的損傷を引き起こし得る。さらに、これらの汚染物質は導電性の場合があり、またはそれらの表面上で流体から電荷を引き付けて導電性になる場合があり、それにより同じ基板上もしくは異なる基板上の電極間で電場を破壊もしくは短絡させ得る。様々な容量におけるこれらの汚染物質は全て、システムの光電性能に対して悪影響をもたらす。さらに、デバイスにおける所望の電流バランスの擾乱を引き起こし、結果としてデバイスの寿命を短くする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2020/052379号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「Numerical comparison of grid pattern diffraction effects through measurement and modeling with OptiScan software」、Murray等、2011年5月20日出版、SPIE journal (doi:10.1117/12.883422)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記および他の問題に対処する、電極が設けられた改善された基板と、そのような改善された基板を備える光変調器とを提供することが有益であろう。本発明者は、知られているシステムにおける電極設計が回折をもたらし、また完全には均一でない電場をももたらすことを発見した。第1の課題に対処することは、より低い回折と、基板にわたるより均一な不透過状態と、より均一な遷移速度とを伴って適用され得る基板につながる。第2の課題に対処することは、基板間の物理的汚染物質の存在の有害な影響を受けにくい基板につながる。
【0011】
光学的アクティブグレージング、特にいわゆるスマートグレージングは、電極が適用される透過性または反射性の基板の重要な用途である。例えばこれらのスマートグレージングなどの用途のための透過性または反射性の基板は、それぞれが複数の主線を有する2つの電極を有し得る。これらの線は、基板上で交互に配置され、したがって、電位差を電極に提供することによって、引き続く線または隣り合った線の間で電場が確立され得る。
【0012】
これらの主線から、複数の支線が延在し得る。2つの主線間の距離にわたり少なくとも半分だけ支線を延在させることによって、より良い均質性および/またはより低い回折効果が得られ得る。さらに、第1の主線と第2の主線との間の同一のエリア内まで延在する2本の引き続く支線は、第1の方向に投影されたときに第2の方向で重なり得る。これらの支線は、基板にみられる角度の数を増加させ、それに伴って回折効果を低減する。例えば、垂直とは異なる角度が選ばれてもよく、および/またはさらに回折を減少させるために変化させてもよい。回折は、また、基板上の主線と引き続く主線との間の距離を変化させることによって減少させることが可能である。
【0013】
実施形態による基板は、光学変調器としても知られる光変調器で使用され得る。例えば、2つのそのような基板は、互いに対向して配置されてもよく、したがって、電極へ電圧を適用することによって、基板間の流体に浮遊する帯電粒子が移動可能となる。典型的には、下部基板および上部基板のための電極設計は同一であるが、これは必須ではない。同様に、2つの設計は、典型的に互いに整列されているが、これも必須ではない。粒子は、光を吸収してもよく、または反射してもよい。反射は、鏡面反射、拡散性、またはその中間でもよい。粒子は、例えばりん光または蛍光を有する光を発してもよい。
【0014】
光変調器は、透過率または反射率が修正可能なパネルを提供する。実施形態では、色または色の強さなどが変更されてもよい。光変調器は、カバー、例えばクローゼット、キャビネットなどのコンテナの例えばカバーとして使用され得る。光変調器は、特定用途に応じて、周囲光変調器、ダイナミック光変調器、光学変調器、カラー変調器、IR変調器、UV変調器、IRアクティブフィルタ、UVアクティブフィルタ、もしくはダイナミックカラーフィルタとも呼ばれる。
【0015】
特に有益な用途は、光学的アクティブグレージングにおけるものであり、本分野では、スマートグレージング、スマートウィンドウ、制御可能グレージング、光学パネル、電子サイネージ、ダイナミック光パネル、ダイナミックカラーパネル、アクティブカラーパネル、アクティブ光パネル、アクティブ光面(active light surface)、アクティブカラー面(active color surface)、ダイナミック光面(dynamic light surface)、もしくはダイナミックカラー面(dynamic color surface)とも呼ばれる。
【0016】
実施形態では、コントローラは、電極間の電磁場を得るために、光変調器の基板上で電極へ電位を適用するように構成される。この電磁場は、電極に向かってまたは電極からの粒子の電気泳動の動きをもたらす。粒子が位置を変えると、パネルの光学特性、例えばその透過率または反射率が変化する。粒子が色付きの場合、パネルの色も変化し得る。間で電場が確立される電極対を変更することによって、粒子が所望の方向に移動されることが可能となる。本発明者は、光変調器の制御が間に電場が適用される電極を変更することのみに限定される必要はなく、最大振幅を変更することも含むことができることを発見した。留意すべきは、有益なことに、交流が使用されることである。例えば、より低い最大振幅を用いて駆動することによって光変調器における変化率が変更される。これは、例えば所望の目標透過率または反射率を目指して駆動するときに、オーバーシュートを避けるために最大振幅が低減され得るため、有益である。最大振幅は、また、または代わりとして、目標透過率または反射率に向かって駆動を開始するときに増加され得る。例えば、複数の最大振幅のうちの1つの最大振幅の交流または交流電圧を使用することによって、コントローラは、光変調器における透過性または反射性の複数のレベルのうちの1つのレベルを得るように構成され得る。この関係は、アルゴリズムなどによって示され得る。透過性または反射性のレベルと最大振幅との関係は、例えば透過率または反射率に向けて駆動する一連の最大振幅を示すルックアップテーブルによって管理可能である。留意すべきは、交流電圧も可能なことである。
【0017】
間に信号が適用される電極を変更することに加えて駆動信号の最大振幅を変化させることも、バランスのとれた駆動を改善するために使用され得る。例えば、いくつかの電極上で適用される電力、例えば最大振幅は、他の電極に適用されるものとは異なってもよい。例えば、コントローラは、同一の基板上の引き続く電極間に電位差を適用し、同時に、対向する基板上の対向電極間に電位差を適用するように構成されてもよい。
【0018】
実施形態では、各基板上に少なくとも2つの電極が存在するが、2つより多い電極が存在してもよい。例えば、少なくとも3つの電極が第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方に適用されてもよい。例えば、実施形態では、2つの電極が第1の基板に適用され、3つの電極が第2の基板に適用されてもよい。
【0019】
一方の基板が少なくとも2つの電極を有し、他方の基板が少なくとも3つの電極を有するシステムは、様々な利点を有する。例えば、そのような光変調器は、いわゆるカーテン効果が低減されるように駆動されてもよい。このカーテン効果は、窓を閉めている間に生起し、カーテンが電極間で引かれるように見える。このカーテン効果は、それ自体、視覚的に気を散らすもので、また回折を増加させるので、欠点である。3電極を有する側で、電極は2電極側よりも近づけることができ、例えば50ミクロン未満、より好ましくは40ミクロン未満、例えば35ミクロン共に近づけることができる。これは、電場がより強いことを意味する。それに応じて、閉めるのがより速く、カーテン効果が低減される。2+2パネルが電極を共に近づけるように移動させると、最大透過率または反射率の低減につながり得る。ただし、追加の電極が利用可能であれば、これは回避される。開いているとき、追加電極のうちのいくつかは未使用な場合があり、したがって最大透過率または反射率の損失はわずかである。基板上の追加の電極、例えば2つより多い電極は、パネルを開いたときには粒子を引き付けないが、パネルを閉じたときには粒子を引き付けるように構成され得る。例えば、各基板が少なくとも2つの電極を有するパネルは、合計で少なくとも4つの電極を有し得る。パネルにおける基板は、少なくとも5つの電極を、例えば2+3設計で;または少なくとも6つの電極を、例えば2+4もしくは3+3設計で;または少なくとも8つの電極を、例えば4+4設計で、もしくは、3枚の基板を使用して共に積み重ねた2つの2+2設計として有することができ、その中間の基板はそれぞれの側に2つの電極を有する。
【0020】
第1の基板および第2の基板は、内側が互いに対向するように配置され、複数の電極は、第1の基板および第2の基板のそれぞれの内側に適用される。そのため、第1の基板および第2の基板はそれぞれが内面を有し、それによって、各基板の内面の一部は複数の電極が設けられ、およびこの面の一部は、電極が設けられないが粒子を含む流体と流体接触している。したがって、第1の基板および第2の基板のそれぞれの内側は、特定の内面エリア、すなわち、電極によって占められる全表面エリアと、電極によって占められていない内面の表面エリアとを有する。第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内面エリアの少なくとも一部は、保護コーティングが設けられている。この保護コーティングは、液体中に存在する微粒、繊維、石、塊、粒などの汚染物質と電極との間の直接の接触を防止する。これらの汚染物質は、より小さい粒子の凝集、静電気、電極間の取り込みによる、などの様々なやり方で形成され得る。前記汚染物質は、対向する基板上の電極間、同じ基板上の隣り合った電極間において短絡を引き起こす場合があるとともに、電極自体、もしくはこれらの任意の組合せに対する物理的損傷を引き起こす場合がある。
【0021】
そのため、実施形態では、保護コーティングは、少なくとも部分的または完全に、そのような汚染物質が電極に対する物理的損傷を引き起こすことを防ぐ。実施形態では、保護コーティングは、少なくとも部分的または完全に、そのような汚染物質が電極間の短絡を引き起こすことを防ぐ。一実施形態では、保護コーティングは、電極に対する物理的損傷および電極間の短絡の両方を防ぐ。
【0022】
保護コーティングは、本技術の基本動作に本質的に寄与せず、したがって本明細書で説明するような電極設計およびデバイス動作に特にリンクした電気特性もしくは光学特性を必要としない。電極間の短絡を防ぐために、保護コーティングは大部分電荷を伝導せず、または電気的に絶縁している。したがって、実施形態では、保護コーティングが、電極の少なくとも一部間に電気絶縁層を形成する。実施形態では、保護コーティングは、少なくとも107Ωm、好ましくは少なくとも109Ωm、より好ましくは少なくとも1010Ωm、さらに好ましくは少なくとも1011Ωmの電気抵抗率を有する。本明細書で使用される場合、「電気絶縁」という用語は、「電気伝導がない」、または単に「非導電性」もしくは「非導電」と同義と考えられるべきである。
【0023】
そのような電気絶縁層は、典型的には、近くに機械的障壁層も形成し得る、および/または、電極のために、電極に対する物理的損傷も低減し得る。したがって、実施形態では、保護コーティングは、光学層に存在する汚染物質と電極の少なくとも一部との間に電気絶縁層および機械的障壁層を形成する。しかしながら、保護コーティングが、電極への機械的損傷に対する保護を提供するのみであることも可能である。したがって、実施形態では、保護コーティングが機械的障壁層のみを形成する。保護コーティングは、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方、または第1の基板および第2の基板の一方のみ、または両方の内面エリアの少なくとも一部に設けられてもよい。コーティングは、実質的もしくは単に電極が設けられた1つ以上のエリア、実質的もしくは単に電極が設けられていない1つ以上のエリア、もしくはそれらの組合せに対して適用され得る。典型的には、電極が適用されている第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内面エリアの少なくとも一部は、保護コーティングが設けられている。しかしながら、いくつかの実施形態では、保護コーティングは、電極が設けられていない基板の少なくとも一方の内面のそれらの部分にほぼ限定して設けられている。
【0024】
コーティングは、複数の電極の表面エリアの少なくとも一部に設けられてもよく、および、一方の基板のみ上の、もしくは両方の基板上の電極の少なくとも一部に設けられてもよい。例えば、1方の基板のみは、前記基板に適用された電極の少なくとも一部を被覆する保護コーティングが設けられてもよいが、対向する基板は、電極を被覆する保護コーティングも含まないし、電極が適用されていない基板部分を被覆する保護コーティングも含まない。したがって、実施形態では、保護コーティングは、第1の基板および第2の基板の一方の複数の電極の表面エリアの少なくとも一部に設けられており、対向する基板に対しては保護コーティングが設けられない。
【0025】
別の例では、両方の基板は、前記基板の内面の少なくとも一部を被覆する保護コーティングが設けられてもよい。それによって、実施形態では、保護コーティングは、第1の基板および第2の基板の両方の内面の表面エリアの少なくとも一部に設けられる。
【0026】
保護コーティングは、例えば、実質的に、基板の内側の全体、および基板の内側に適用されている複数の電極を被覆する、連続した好ましくは均質のコーティングによって、基板の内側上の電極の全表面エリアの一部を被覆し得、電極によって被覆されていない基板の内側の全表面エリアの一部を被覆し得、または基板の内面エリアのほぼ全てを被覆し得る。実施形態では、保護コーティングは、基板の全内面エリアの少なくとも合計1%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%を被覆する。実施形態では、保護コーティングは、基板上の複数の電極の全表面エリアの少なくとも合計1%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20、30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%を被覆する。この合計のコーティングされたエリアは、電極によって占められた表面エリア全体にわたって分布されてもよい。保護コーティングは、電極によって被覆された基板のエリア上に主として、もしくは電極によって被覆された基板のエリア上のみに、または電極によって被覆されていないエリア上に主として、もしくは電極によって被覆されていないエリア上のみに、設けられてもよい。
【0027】
保護コーティングは、基板上に適用される電極と、電極が適用されていない基板の内面との両方に保護コーティングが設けられるように、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方のほぼ全てもしくは表面エリア全体を被覆してもよい。例えば、保護コーティングは、基板の内側に適用されるほぼ全てもしくは全ての電極を、物理的損傷および/または短絡から保護する、連続した、好ましくは均質のコーティングであってもよい。そのような全体的保護コーティングは、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内側に設けられ得る。そのような全体的保護コーティングはまた、第1の基板および第2の基板の一方のみの内側に設けられてもよいが、対向する基板およびそこに適用される電極は、保護コーティングが設けられない。したがって、実施形態では、実質的に、内側に適用された複数の電極の全表面、および電極が設けられていない基板の内側が、保護コーティングで被覆されるように、第1の基板および第2の基板の一方の内側は、保護コーティングが全体的に設けられており、対向する基板は保護コーティングが設けられない。そのような全体的保護コーティングはまた、第1の基板および第2の基板の両方の内側に設けられ得る。したがって、実施形態では、実質的に、内側に適用された複数の電極の全表面、および電極が設けられていない基板の内側が、保護コーティングで被覆されるように、第1の基板および第2の基板の両方の内側、すなわち内面エリア全体は、保護コーティングが全体的に設けられている。
【0028】
保護コーティングの厚さは、大幅に変わり得る。典型的には、保護コーティングは、1nmから100μmの範囲、好ましくは10nmから50μmの範囲、好ましくは100nmから10μmの範囲の厚さを有する。保護コーティングの厚さの適切な下限は、とりわけ、求められる電気絶縁の程度によって決定され、その結果として、電極に適用される電位差および汚染物質の予想されっる伝導率に依存する。保護コーティングの厚さの好適な上限は、対向する基板上の電極間の最小距離によって主に決定され、典型的には、30μm未満など、500ミクロン未満であり、好ましくは200μm未満、好ましくは100μm未満、さらには、より好ましくは50μm未満である。
【0029】
好適な保護層の厚さの選定は、第1および/または第2の基板に適用される被覆範囲の程度によってさらに決定される。より具体的には、連続した、好ましくは均質の保護コーティングが適用されているか、または以下で説明するような断続的な不連続のコーティングかは、短絡および/または電極の物理的損傷を防止する所望の効果を達成するために必要な最小厚さの決定に寄与する。
【0030】
保護コーティングは、電極の全表面および基板の内部の全表面が保護コーティングによって被覆されているわけではない中断した形態で適用されてもよい。コーティングのこの不連続形態は、無作為のパターンを有してもよく、または規則的なパターンを形成してもよく、これらは、デバイスの光電子性能に対する特定の所定の効果のために選択され得る。
【0031】
実施形態では、保護コーティングは、パターンが付けられたコーティングとして設けられる。そのようなパターンが付けられたコーティングは、本技術で知られているマスクを使用して、電極を有する基板側部に対して適用され得る。
【0032】
このパターンは、いくつかの電極が保護コーティングを設けられ、他の電極が保護コーティングを設けられず流体と流体接触しているように適用され得る。実施形態では、第1の基板上の第1の主線は保護コーティングが設けられており、第1の主線に対向する第2の基板上の第2の主線は被覆されておらず、第2の主線は、流体と流体接触しており、またはその逆も同様である。パターンは、電極表面が交互に保護コーティングで被覆される規則的なパターンであり得る。実施形態では、第1の基板および第2の基板上の複数の主線は、保護コーティングが、交互に設けられおよび設けられない。
【0033】
パターンは、一次元パターンに限定されない。例えば、保護層は、メッシュもしくはウェブの形態をとり得、任意選択で無作為のウェブもしくは無作為のメッシュの形態を有し得る。ウェブもしくはメッシュの形態のそのような保護コーティングは、両方の基板に対して類似していてもよく、および/または方向および位置において整列していてもよいが、これは必須ではない。
【0034】
上述したパターンの組合せは、同じ基板内で、および対向する基板に対して、の両方で可能である。例えば、第1の基板の内側は、全ての電極、および電極が設けられていない基板の内側を、実質的に被覆する全体的保護コーティングが設けられてもよく、対向する基板は、コーティングが設けられていなくてもよい。実施形態では、パターンが付けられたコーティングは、第1の基板および第2の基板の一方の内側の少なくとも一部に設けられる(したがって電極の一部と、任意選択で電極が設けられていない基板の一部を被覆する)が、対向する基板には設けられていない。実施形態では、内側に適用された複数の電極の少なくとも一部、および/または電極が設けられていない基板の内側の少なくとも一部は、コーティングが設けられており、内側に適用された複数の電極の少なくとも一部、および電極が設けられていない基板の内側は、コーティングが設けられていないように、コーティングは、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内側に無作為のパターンで設けられている。
【0035】
基板上の保護コーティングが互いに対して整列していることは必要ではない。しかしながら、例えばメッシュなどの不連続の保護コーティングは、例えば、15度、30度、もしくは45度の角度など、それらのメッシュの主線が互いに対して角度を形成する両方の基板上に適用され得る。別の例では、保護コーティングは、両方の基板上に平行線の形態で適用され、それによって2枚の基板の一方上の平行線が対向する基板上の平行線に対して90度回転している。このように、保護コーティングのメッシュタイプのパターンは、対向する基板上の線パターンの組合せによって作られ得る。
【0036】
例示的な実施形態では、基板のうちの少なくとも一方が保護コーティングを全体的に設けられているとき、すなわち実質的に、複数の電極の全表面および電極が設けられていない基板の内側が、好ましくはほぼ均質に、保護コーティングで被覆されるとき、10nm未満の範囲の厚さを有する保護コーティングが用いられる。例示的な実施形態では、1ミクロン以上の厚さを有する保護コーティングは、特定のパターンか否かに関わらず、電極のみの少なくとも一部、電極が設けられていない基板の内面のみの少なくとも一部、もしくはそれらの組合せに対して不連続層として適用されるコーティングに適している。例示的な実施形態では、中程度の厚さ、すなわち10nm-1ミクロンの範囲の厚さを有する保護コーティングは、全体的な連続的コーティングとして、および不連続コーティングとしての両方で用いられ得る。
【0037】
上記で言及したように、保護コーティングは、基板の内面エリアにわたって均一に設けられてもよく、または特定のエリアに対してパターンが付けられてもよい。換言すれば、この保護コーティングは、必ずしも完全に連続的ではなく、固有の間隙、微小穴、空洞などは、それらのサイズおよび分布が、より大きい物理的汚染物質のものよりも著しく小さい限り許容され得る。したがって、コーティングが意図される保護効果を有するように間隙の最大寸法が基板上の2つの電極間の最小距離を超えない限り、そのような間隙は、保護コーティングにおいて許容され得る。
【0038】
同様に、依然として許容される汚染物質のサイズは、電極設計もしくはパターンによって、同一基板上の電極間の距離によって、および対向する基板上の電極間の距離によって決定される。したがって、保護層の品質および連続性は、デバイスの外観および性能に対するそれらの汚染物質の影響を統計的に制限または除去する必要性によって定められる。一例として、保護層が、同じ基板もしくは対向する基板上の別個の電極間の最小距離、すなわち同じ基板の電極とデバイスのセルギャップとの間の最小距離の最大90%延在する保護コーティングにおいて間隙を許容し得ることが求められ得る。
【0039】
この保護コーティングは、多種多様な材料と材料の組合せから作製され得、当業者は、物理的損傷および短絡に対する保護、ならびに、コーティングの厚さ、均質性、デバイス駆動方法などに関して上述した要件を満たす好適な材料を選ぶことができる。好適な材料は、例えば、無機材料および窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、ポリシリコン、アモルファスシリコン、酸化アルミニウム、五酸化タンタル、および酸化ジルコニウム、およびそれらの組合せなどの組成物、ならびに、ポリイミド、フッ化ポリマー、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド樹脂、フォトレジスト、エポキシ樹脂、およびベンゾシクロブテン系ポリマー、およびそれらの組合せを含むがそれらに限定されない有機もしくはポリマー材料である。これらの無機材料および組成物、ならびに有機および/またはポリマー材料の組合せも可能である。保護コーティング材料は、硬質または非硬質でもよい。例示的な実施形態では、保護コーティング材料は非硬質である。
【0040】
選定された用途およびコーティングの厚さに応じて、保護コーティングは、特定の色のため、または広波長範囲に対して透過性、半透過性、もしくは反射性であり得る。いくつかの実施形態では、保護コーティングは、透過性または半透過性コーティングである。いくつかの実施形態では、保護コーティングは、反射性コーティングである。同じ基板上もしくは対向する基板上におけるコーティングの、透過性、半透過性および/または反射性部分の組合せも可能である。いくつかの実施形態では、保護コーティングは、デバイスに対して追加の光学機能を提供する。いくつかの実施形態では、これは、独立した光学機能である。いくつかの実施形態では、これは、デバイスの電気光学効果と協働する光学機能である。これらは、例えば、全ての光波長に対する、またはUV、可視、および/またはIRなどの電磁スペクトルの一部に対する反射効果、反射防止効果、拡散効果、および/または回析防止効果であり得る。
【0041】
保護コーティング材料は、顕著な光屈折を生成するために、流体溶媒屈折率とは十分に異なる屈折率を有するように選択され得る。例えば、3の光屈折率を有する窒化ケイ素からなる保護コーティングは、2未満の光屈折率を有する流体溶媒と組み合わされ得る。屈折率の差は、入射光屈折、スネルの法則にしたがう光方向の変化を誘起する。したがって、光変調器は、入射光を、設計された特定の方向に導くことができる。この効果は、複数の方向における光を屈折させる、したがって光拡散もしくはヘーズを増加させるために、パターンが付けられた保護コーティングの特定の形状およびトポグラフィと組み合わされ得る。同様に、特定の光路もしくは拡散を強化するための、同じ基板からのもしくは異なる基板からの異なる保護コーティングが可能である。
【0042】
基板の屈折率と粒子を含む流体の屈折率との差は、光反射を生成する。パターンが付けられている、もしくはパターンが付けられていない、中間の光屈折率を呈する材料からなる保護コーティングを導入することは、後方反射を制限し、したがって反射防止コーティングを生成する。同様に、1つの基板もしくは全基板上における様々な保護コーティングの組合せは、入射光の後方反射の最小化または内部反射の向上につながり得る。ここで、光は、紫外線、可視もしくは赤外スペクトル、またはそれらの組合せなど、全光スペクトルもしくはその一部が考慮されるべきである。
【0043】
保護コーティング材料は、また、全可視光を吸収して黒色に見えるなど、可視範囲の光を吸収し得る。1つ以上の基板上での保護コーティングの形状および位置は、光の回折を誘起し得る。そのような保護コーティングの追加は、基板設計もしくはデバイス設計によって既に誘起された回折パターンを強化する一方、散乱効果およびぼやけの増加を引き起こす光に新しい回折方向を追加できる。ここで、黒色の保護コーティング層が例示されているが、紫外線または赤外線波長範囲を含むがそれらに限定されない特定の回折系(diffracted system)に専用の他の種類の光吸収に対して適用され得る。さらに、1つ以上の基板上における保護コーティングの特定のパターン、形状、および光特性の追加は、入射光をその元の方向に再集束させるために、基板もしくはデバイスによって最初に誘起された光の回折を弱め得る。そのようなコーティング層をデバイスに組み込むことは、光回折をリカバーし、したがって回折防止効果を実証する能力を強化する。
【0044】
選定された材料もしくは材料の組合せに応じて、保護コーティングは、スパッタリング、分子線エピタキ―、パルスレーザ堆積、電子ビーム蒸着、化学蒸着、原子層堆積、スピンコーティング、フレキソ印刷コーティング、浸漬被覆、スプレーコーティング(spray-coating)、インクジェット印刷、スリットコーティング(slit coating)、およびそれらの組合せなど、本技術で知られている多種多様な技術を使用して適用され得る。
【0045】
保護コーティングは、電極と、電極によって被覆されていない基板の残りの内面との両方における保護コーティングのより均質な形成を可能にするリフロープロセスステップを使用して適用され得る。例えば、リフロープロセスは、コーティングの堆積、任意選択でパターニング後に追加可能であり、結果として、保護コーティングの均質化および基板のトポグラフィとの改善された適合性がもたらされる。典型的には、リフロー処理は、オーブン加熱、ホットプレート、赤外線照射、レーザ照射、マイクロ波照射、赤外線コンベア、およびそれらの組合せを含む様々なやり方で遂行可能な熱プロセスである。化学的リフロー処理もまた、例えば溶媒蒸気もしくは液浸を使用してコーティングを膨張させることによって、有機材料からなる保護コーティングもしくは有機材料を含む保護コーティングの場合に行われ得る。
【0046】
実施形態では、この保護コーティングは単一の層である。実施形態では、保護コーティングは多層保護コーティングである。いくつかの実施形態では、多層保護コーティングは、異なる材料組成の交互の層を含み得る。例えば、無機層上に堆積されたポリマー層を含む保護コーティングの組合せが可能である。単一の基板はまた、異なる材料、組成、および寸法の複数の保護層を含み得る。
【0047】
保護コーティングのために使用される材料は、基板間で異なってもよく、または異なる材料からなる複数の保護コーティングが同じ基板上に設けられてもよい。
【0048】
本発明のさらなる態様は、実施形態による光変調器を備えるビルである。本発明のさらなる態様は、実施形態による光変調器を備える自動車である。例えば、自動車および/またはビルは、光変調器と、光変調器の電極上の電圧を制御することによって光変調器の透過率または反射率を制御するように構成されるコントローラとを備えてもよく、コントローラは、光変調器に、電気的に接続されるか、または接続可能である。
【0049】
スマートグレージングは電子デバイスであり、例えばコントローラによる制御の下で電源によって駆動され得る。例えば、コントローラは、様々な透過もしくは反射効果、またはそれらの欠如を達成するために、特定の電極に特定の波形を適用するように、電源に命令し得る。
【0050】
この方法の実施形態は、コンピュータ実施方法としてコンピュータ上で実施されてもよく、または専用ハードウェア、またはその両方の組合せにおいて実施されてもよい。この方法の実施形態の実行可能コードは、コンピュータプログラム製品に記憶され得る。コンピュータプログラム製品の例は、メモリデバイス、光学記憶デバイス、集積回路、サーバ、オンラインソフトウェアなどを含む。好ましくは、コンピュータプログラム製品は、前記のプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに本方法の実施形態を行うためにコンピュータ可読媒体上に記憶される非一時的プログラムコードを含む。
【0051】
実施形態では、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがコンピュータ上で走らされるときに本方法の実施形態のステップの全部または部分を行うように構成されるコンピュータプログラムコードを含む。好ましくは、コンピュータプログラムはコンピュータ可読媒体上で具現化される。
【0052】
さらなる詳細、態様、および実施形態が、図面を参照して例としてのみ説明される。図中の要素は簡略化および明確化するように図示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。図において、既に説明された要素に対応する要素は、同一の参照符号を有する場合がある。図面は以下を含む。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1c】支線の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図1d】基板にわたるパターンで配置された第1の電極および第2の電極の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図2a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図2b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図2c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図3】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4a】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図4c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図5a】基板の実施形態の複数の例を概略的に示す図である。
【
図5b】2つまたは3つの電極のために構成された基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図6c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図6d】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図7a】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図7b】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図7c】自動車の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図8a】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図8b】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図8c】光変調器の実施形態を概略的に示す図である。
【
図9a】ロゴおよび格子の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図9b】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図9c】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図9d】基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図10】光変調器を制御するための光変調器方法の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図11a】実施形態によるコンピュータプログラムを備える書き込み可能部分を有するコンピュータ可読媒体を概略的に示す図である。
【
図11b】実施形態によるプロセッサシステムの表現を概略的に示す図である。
【
図12】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図13】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図14】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図15】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図16】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図17】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図18】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図19】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図20】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図21】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図22】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図23】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図24】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図25】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図26】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図27】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図28】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図29】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図30】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図31】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図32】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図33】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図34】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図35】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図36】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図37】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図38】先行技術の光変調器における対向する基板上の電極間の短絡を引き起こす物理的汚染物質の例を概略的に示す図である。
【
図39】先行技術の光変調器における単一基板上の相対する電極間の短絡を引き起こす物理的汚染物質の例を概略的に示す図である。
【
図40】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図41】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図42】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図43】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図44】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図45】光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図46】光変調器の使用のための基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図47】光変調器の使用のための基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【
図48】光変調器の使用のための基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
参照数字のリスト
以下の参照記号と略語のリストは図の解釈を容易にするために提供され、特許請求の範囲を限定すると解釈されるものではない。
10 光変調器
11 第1の基板
12 第2の基板
13、13a、13b 電極
14、14a、14b 電極
15 流体
16 コントローラ
30 粒子
20 車
21 光変調器
40 光変調器
41 第1の基板
42 第2の基板
43 第3の基板
46 コントローラ
100 基板
101 第1の方向
102 第2の方向
110 第1の電極
120 第2の電極
111-113 主線
121-123 主線
131-134 支線
141-144 支線
150 エリア
151 2本の引き続く主線間の距離の半分
152 2本の引き続く支線間の距離
153 2本の引き続く主線間の距離
161 投影
162 仮想線
171-174 基板
200 基板
201-206 主線
251-253 引き続く主線間の距離
221 第1の部分
222 接続部分
223 第2の部分
231 線間隔
232 距離
300 基板
301 主線
310、320 副主線
311 接続
321、322 副主線
400 基板
410、420 主線
411、412 支線
421,422 支線
450 基板
451-454 ブロック
【0055】
本開示の主題は、多くの異なる形態の実施形態が可能であり、1つ以上の特定の実施形態が図面に示され本明細書で詳細に説明され、本開示は、本開示の主題の原理の例として考慮されるものであり、図示および説明される特定の実施形態に限定することが意図されない旨の理解を伴う。
【0056】
以下において、理解のために、実施形態の要素が動作に関して説明される。ただし、明白ながら、それぞれの要素が、それらによって行われるとして説明される機能を行うように構成される。さらに、ここで開示されている主題は、実施形態だけに限定されるのではなく、本明細書で説明される、または互いに異なる従属請求項に記載の特徴のそれぞれの他の組合せも含む。
【0057】
図1aは、基板100の実施形態の例を概略的に示す図である。基板100の表面にわたるパターンで配置される少なくとも2つの電極が存在する。
図1aには、同一表面上の2つの電極:第1の電極110および第2の電極120が示される。例えばよりきめ細かい制御を容易にするために、基板の同じ側に2つより多い電極が存在し得る。例えば、複数の電極は、例えばセグメント化された光変調器用に、セグメント化された基板を容易にするために使用され得る。例えば、セグメント化された光変調器において、いくつかのゾーンが異なる光学特性、例えば異なる透過率または反射率を有し得る。以下で、2つの電極を有する実施形態が示されるが、例えば互いに隣り合った類似構造を複製することによって、この2つの電極に追加の電極が追加され得る。
【0058】
第1の電極110および第2の電極120は、基板の同一の側部に対して適用される。これらの2つの電極は、基板にわたるパターンで配置される。例えば、3つ以上の基板の積み重ねを容易にするために、1つ、2つ、またはそれより多い電極が基板100の他方の表面上に存在してもよい。電極を基板に適用することは、例えば電極パターンを表すマスクを使用してリソグラフィによって行われ得る。電極は、基板にそれらを埋め込むことによって適用され得る。
【0059】
第1の電極110および第2の電極120はそれぞれ、複数の主線を含む。
図1aに示すように、第1の電極110は主線111、112、および113を備えており、第2の電極120は主線121、122、および123を備える。典型的には、各電極は、3つより多い線を備える。主線は、基板にわたって延在する。第1および第2の電極の複数の主線は、基板上に互いに対して交互に配置される。主線は、第1の方向101において基板にわたって延在する。第2の方向102でみると、主線は、異なる複数のものから、例えば第1および第2の電極における第1および第2の複数のものからそれぞれ交互に遭遇される。第1および第2の方向は、互いと角度をなし、典型的には、その角度はほぼ垂直である。第1および第2の方向はそれぞれ、基板の側部に平行でもよいが、これは必須ではない。
【0060】
基板100などの基板のための意欲的な用途は、例えば光変調器など、スマートグレージングにおけるものであり、家庭、オフィス、温室、自動車などで適用され得る。スマートグレージングの透過性または反射性のレベルは、電気的に構成され得る。例えば、スマートグレージングでは、基板100などの2枚の基板が積層される場合があり、それによって、2つの電極が適用される側部が互いに対向する。粒子を有する流体は、2枚の基板間に囲まれる。スマートグレージングの実施形態が以下でさらに説明される。実施形態では、電極、例えば、2つ以上の電極が各基板の1つの表面に対して適用される。例えば、3つ以上の基板の積み重ねを容易にするために、1つ、2つ、またはそれより多い電極が基板100の他方の表面上に存在してもよい。
【0061】
以下のいくつかの実施形態は、透過性レベルまたは反射性レベルを変調する例を示す。光変調器は、他の光学的効果のために構成され得る。例えば、必要に応じて、実施形態は、異なる透過性レベルではなく、異なる透光性レベルに修正され得る。必要に応じて、実施形態で使用可能な粒子の種類は、例えば、吸収または反射する波長が異なる粒子に、およびその反射がどのくらいの鏡面反射または乱反射であるかに応じて変更可能である。例えば、実施形態では、光変調器が異なる反射レベルを変調できる。粒子は、光を発する場合もある。複数の光学層を積層すると、可能性がさらに高まる。
【0062】
交互の主線の2つのセットを有することは、電気的に適合可能なグレージングを提供するのに十分であり;その交互の2つのセットのため、基板の任意の部分の電場は、2つの対向電極が2つの対向する側からの部分に境界をつけるように制御可能である。
【0063】
図1bは、基板100の実施形態の例を概略的に示す図である。基板100の主線のうちの2本が
図1bにおいて示される。主線121および主線112が示される。これらの主線は、基板の主要部分にわたって走っており、例えば、基板のほぼ全体にわたっていてもよい。
【0064】
電極の形状を適合することによって、望ましくない回折効果を変化させることができる。例えば電子書籍リーダーに適用され得るような反射性のディスプレイの場合、その効果は顕著ではないため、回折効果を減少させることは、透過性の基板の場合に特に重要である。本発明者は、回折を空間的に広げるために、電極の線形状を複数の異なる角度に配向することによって光回折が減少する場合があり、したがって大部分の集中的な回折スポットの輝度を減少させることを発見した。
【0065】
図1bに示すように、複数の支線は、主線に取り付けられ、そこから延在する。
図1bに、電極121に含まれる支線131-134、電極112に含まれる支線141-144が示される。これらの支線は、主線に取り付けられ、主線間のエリア内まで延在する。
図1bは、そのような1つのエリア:電極121と電極112との間のエリア150を示す。電極121の支線131および132、ならびに電極112の支線141および142は、電極121と電極112との間のエリア150内まで延在する。主線同様、支線も交互になっている。特に、2つの異なる電極から同一のエリア内まで延在する支線は、例えば第1の方向でみると、交互になっている。この例では、支線142、132、141および131が、電極112および121に交互に属する。このため、実施形態では、第2の方向でみると主線が交互になっており、第1の方向でみると支線が交互になっている。支線は、第1の電極または第2の電極のいずれかに含まれる。典型的には、それらの主線および支線を含む第1および第2の電極は、直接電気的に接続されず、したがって電場がそれらの主線と支線とを間に含む、第1の電極と第2の電極との間に確立させられ得る。
【0066】
例えば、2つの引き続く主線に平行な重複領域において仮想線を引いた場合に、この仮想線は、第1の主線からの支線および第2の主線からの支線などと交互に交差し得る。
【0067】
主線から支線を延ばすことは、いくつかの利点がある。これらの支線は、直線的な主線の場合でも基板の回折に影響を与える。一方、支線は、電場の均質性を妨げるリスクを増加する。特に、ホットスポットは、支線の先端が近い場所に創出され、弱いスポットが他の場所に創出され得る。実施形態では、同一のエリア内まで延在する2本の引き続く支線のうちの少なくとも一方は、そのエリアにわたって少なくとも半分延在する。結果として、非透過状態がより均質となる場合があり、状態間の遷移がより速く、および/またはより均質となり得る。
【0068】
それらの支線が主線に垂直であり、一方、1つの主線上の支線が発生する点が隣の主線上の発生点と真逆である場合(第2の方向で見た場合)、支線は重なることができない。この場合、1つの主線から発生した支線は対向する主線からの支線と同一線上にあり、それによって、例えば支線を延在させると対向する主線からの支線と重なる。このような場合、ホットスポットが支線の先端が近い場所に創出され、弱いスポットが他の場所に創出されるリスクがある。これは、例えば適切な重なり合いが存在するような適切な角度によって回避できる。例えば、この角度は、例えば、線幅および線間隔に依存し得る。
【0069】
例えば同一線上にある支線、例えば垂直な支線によるホットスポットを回避することは、実施形態では、支線を相互嵌合することによって回避され得る。例えば、支線が発生する主線上の点は、互いにオフセットしており、または互い違いになり得る。この角度は、支線が次の支線と交差しないように選ばれ得る。支線が同一線上にあることを回避するために、互い違いが使用され得る。実施形態では、支線がそれらの主線に垂直であり、引き続く主線の支線と互い違いである。実施形態では、支線は非垂直ではなく、互い違いでも、互い違いでなくてもよい。実施形態では、例えば、支線の角度は、例えば約5度から約85度の範囲から選択され得る。線間隔が非常に大きい場合、角度は垂直に近くなり得る。
【0070】
図1bでは、電極121と電極112との中間に破線が示される。電極121と中間線との間の距離151は、2本の引き続く主線153間の距離の半分である。この破線は仮想のものであり、実施形態では実際には可視でない。
図1bには、支線131および132が破線を越えて延在しており、すなわちエリア150にわたって少なくとも半分延在することが示される。例えば、仮想線162上で第2の方向102に支線131または132を投影させ得る。投影された支線131および132の長さは、電極121と112との間の距離の半分より長い。対向する主線上の支線は、主線間の距離の半分を超えても、超えなくてもよい;
図1bに示すように、支線141および142は半分を超えていないが、支線141および142は破線の中線を通過するように延在されてもよい。
【0071】
実施形態では、これらの支線は、直交とは大きく異なる角度、例えば(180度のうちの)少なくとも5度異なる角度、例えば直角の少なくとも5%などの角度をそれらの電極と形成する。異なる値を有することによって回折効果を低減する。
【0072】
実施形態では、第1の主線と第2の主線との間の同一のエリア内まで延在する2本の引き続く支線は、第1の方向に投影されたときに第2の方向で重なる。例えば、
図1bは、2本の引き続く支線:支線141および131を示す。これらの2本の支線が重なる領域を、
図1bにおいて破線の楕円で示す。これらの2本の引き続く支線が第2の方向に延びる仮想線162上で第1の方向に投影されたとき、支線131および141は投影161で重なる。
図5aは、重なりがより小さい場合と、重なりがより大きい場合の両方の例を示す。
【0073】
例えば、以下の量:60-50;63-46;64-45;60-46、65-61;83-78;95-95だけエリア内に進入する支線を有する実施形態に対するシミュレーションを成功裏に行った。
図1bは、線間隔のパーセンテージにおいて80-40の進入および重なり20を有する支線を示す。これらの数字は、支線が進入する線間隔のパーセンテージを指す。支線の長さは、ここでは、例えば第1の方向に投影後に第2の方向のみに沿って測定される。いくつかの実施形態における第2の方向での重なりの長さは、例えば:10;9;9;6;26;61;95などでもよい。後者は、線間隔のパーセンテージとして表される。
【0074】
実施形態では、支線、例えば支線131の先端から引き続く主線、例えば主線112への距離は、支線と引き続く支線との間の距離、例えば支線131と141との間の距離にほぼ等しい。例えば、これらの2つの距離の大きい方の距離は、これらの距離の小さい方の距離の110%未満であり得る。
【0075】
実施形態では、第1の主線と第2の主線との間の同一のエリア内に延在する同一の主線からの2本の引き続く支線の互いに対する距離を第1の方向で測定すると、線間隔よりも大幅に小さい場合がある。例えば、前記の支線距離は、線間隔の5%以下に過ぎない場合がある。ただし、他の実施形態は、例えば線間隔の30%以上の大きい距離を有する。例えば、支線131および132は、主線121と112との間の同一のエリア内まで延在する。
【0076】
一般的に言えば、支線が設計にわたって適用される場合、例えば支線を適用する有益な効果が高まる。例えば、支線が基板の全部分に適用される必要はないが、それを行うことによって、支線の好ましい効果が全部分において認められ得る。ただし、例えば、例えばその部分を視覚的に判別するために、光学的な差が望まれ得る部分、または、例えば波など、回折を回避する異なる方法を使用する部分などの部分によっては支線を使用しない様々な理由が存在し得る。
【0077】
図1cは、基板における支線の実施形態の例を概略的に示す図である。
図1cは、一定の縮尺で描かれている。基板171において、2本の引き続く支線が重なっておらず;図示するように-5%の間隔が存在する例を示す。基板172において、2本の引き続く支線が重なっていないが2本の主線間のエリアの同一点まで達し;図示するように0%の間隔が存在する例を示す。基板173において、2本の引き続く支線が5%の重なりを有する実施形態の例を示す。基板174において、2本の引き続く支線が20%の重なりを有する実施形態の例を示す。基板174は、両側部から同一のエリア内まで延在する支線が線間隔の半分を超えて延在し得ることを示す。支線を重ねることによって、ホットスポットの傾向が低減する。
【0078】
異なる主線の2本の引き続く支線は、同一の長さを有してもよく、または異なる長さを有してもよい。これによって、2本の支線が重なる領域をオフセットする。
【0079】
例えば、実施形態では、より長い支線は、より短い支線よりも少なくとも5%長くなり得る。例えば、より長い支線は、より短い支線よりも最大で50%長くなり得る。例えば、例えば支線に沿って測定されたより長い支線の長さは、例えば支線に沿って測定されたより短い支線の長さの1.05倍となり得る。実施形態では、より長い支線は、より短い支線よりも4%と40%との間で長くなり得る。
【0080】
例えば、実施形態では、異なる主線の2本の引き続く支線は、同一の長さを有する。
【0081】
実施形態では、電極は、複数の直線的な主線を含み、そこから支線が延在する。中心線とも呼ばれる主線は、互いに平行でもよい。2本の支線間の距離は、支線間隔と呼ばれ、例えば距離152である。2本の主線間の距離は、線間隔である。ピッチは、1線間隔+1線幅、すなわち繰り返され得る1エンティティの幅でもよい。
【0082】
例えば、主線上で支線が発生する点間の距離は、支線間隔と呼ばれる場合がある。この支線間隔は、同一のエリア内まで延在する支線の場合一定であり得る。支線間隔は、主線に沿っても変化する場合がある。支線は交互または互い違いの場合があり、例えば、それらの支線間の支線間隔の半分ずれてもよい。支線の利点は、電極間の距離を均質にでき、したがって電場を電極間で確立させることができることである。同時に、例えば設計の反復性を乱すことによって、回折効果を低減できる。
【0083】
実施形態では、電極線は、約1から50マイクロメートルの範囲から選択される幅を有する。この線間隔は、約50から100000マイクロメートルの範囲から選択され得る。例えば、線間隔は800マイクロメートルでもよく、例えば50-1000マイクロメートルの範囲内でよいが、さらにより大きい線間隔も可能である。支線を有することによって、大きい線間隔を有しながらも均質な電場を維持できる。線間隔を増加させることによって、主線と関連する回折効果を低減する。実施形態では、線間隔は、少なくとも500マイクロメートルである。
【0084】
実施形態では、支線の長さは変わり得る。例えば、支線の長さは、主線に沿って交互になってもよく、または一連の繰り返される支線の長さなどにしたがってもよい。これが、最大電場の点を互い違いにする利点を有する。これは、特に、大きい線間隔、例えば500マイクロメートルなどの場合に有益である。例えば、引き続く支線の長さは、実施形態では例えば60%程度異なってもよい。
【0085】
実施形態では、第1および第2の電極の複数の主線は、基板上に互いに対して交互に配置される。それを実現する一方法は、第1および第2の電極を櫛形状に成形することによるものであり、この櫛の歯が主線である。2つの櫛の歯を相互嵌合することによって、相互嵌合パターンが得られる。2つの櫛形状を使用する必要はない。例えば、
図1dは、基板にわたるパターンで配置された第1の電極および第2の電極の実施形態の例を概略的に示す図である。簡潔にするために、
図1aおよび
図1dは、主線のみを示し、支線は示さない。このパターンは、2つの電極間に直接電気接点が存在しないように創出される。2つの電極間の最小距離が実施されてもよい。
【0086】
支線を有する設計は基板上の角度数を増加させるため、回折を低減することに寄与する。さらに、この効果を増加させるために、多くのパラメータが変更可能である。例えば、支線の長さ、支線の角度、主線に沿った支線間距離、線間隔などが変更可能である。好ましくは、同一のエリア内の支線は少なくとも局所的に平行であり、したがって主線の右側の支線角度は、次の主線の左側の支線角度と同一である。線間隔が変更された場合、支線距離も、例えば線間隔に依存して比例的に変化する場合があり;例えば電場における最小強度を実施するために、例えば、2本の引き続く支線間の最大電極距離を維持し得る。
【0087】
図2aは、基板200の実施形態の例を概略的に示す図である。主線のうちの4本:主線201-204が
図2aに示される。例えば、主線201および203は、第1の電極、例えば電極110に含まれてもよく、主線202および204は、第2の電極、例えば電極120に含まれ得る。線間隔251、例えば主線201と202との間の距離が示されている。また、主線202と203との間の線間隔252と、主線203と204との間の線間隔254が示されている。この例において、線間隔は第2の方向に変化する。例えば、線間隔251は線間隔252とは異なり、線間隔252は線間隔253とは異なる。線間隔を変更することは、回折効果の低減に寄与する。
【0088】
図2bは、基板の実施形態の例を概略的に示す図である。主線201-206が示されている。これらの主線は、線間隔が異なって変化し得る異なる部分を有する。例えば、主線の部分または領域は、基板にわたって第2の方向で延在し得る。
図2bにおいて、2つの部分:部分221および部分223が示されている。
図2bに図示されるように、部分221において、線間隔は:11、9、7、9、11に比例するが、部分223では、線間隔は7、11、9、9、11に比例する。2本の引き続く主線間の線間隔は、したがって、この例では、第2の方向のように、第1の方向でも同様に変化する。第1の部分221と第2の部分223との間には、2つの部分の主線が接続される接続部分222が存在する。部分221における線間隔は、線間隔の交互の増減パターンに従って選択される。部分223における線間隔は、無作為に選択されたものである。
【0089】
例えば、実施形態では、線間隔は、最大距離への増加と最小距離への減少とが交互になっている。例えば、最大距離に達するまで例えば所定量または無作為化された量で増加してもよく、その後、線間隔は、例えば最小線間隔に達するまで同様にして減少されてもよい。以下で、線間隔が全体的に変化することを確実にする様々な方略を与える。
【0090】
例えば、実施形態では、最大値に達するまで、例えば初期値と比較して例えば最大20%の追加となるまで、線間隔が3%増加される。例えば、xiが線間隔、x0が初期線間隔の場合、xi>1.2*x0となるまでxi+1=xi*1.03を有し得る。その点の後、線間隔は同一のパターンもしくは同一のパーセンテージで減少してもよくまたは値はリセットされてもよく、パターンが再度開始される、などである。
【0091】
例えば、実施形態では、線間隔が前の値のあるパーセンテージ、例えば7%だけ交互に増加および減少される。スペーシングが初期値未満、例えば10マイクロメートル未満の何らかの値未満である場合に、スペーシングはリセットされ得る。例えば、xi<x0-10の点に達するまで規則xi+1=1.07*xiと規則xi+1=0.93*xiとを交互にしてもよい。その点の後、線間隔は、同一のパターンまたは同一のパーセンテージで減少されてもよい。これらの値は修正され得る。
【0092】
さらに他のオプションは、増減を交互にすることであるが、その量が初期値との差に依存する。例えば、xi+1=α(xi-x0)を設定してもよい。この場合も、最大値または最小値を超過した場合に線間隔がリセットされ得る。1より大きいまたは1より小さいαの値が交互になっていてもよく;例えば、xi+1=αi(xi-x0)を使用してもよく、偶数のインデックスiがαi>1を使用し、奇数のインデックスがαi<1を使用する。
【0093】
さらに他のオプションは、線間隔の高い値と低い値とを交互にすることである。例えば、高い値は高い範囲から無作為に選択されてもよく、低い値は低い範囲から選択されてもよい。高い範囲と低い範囲とは、別個でもよく、または部分的に重なっていてもよい。
【0094】
線間隔は、無作為に変更されてもよい。例えば、完全に無作為、または例えば大きい線間隔と小さい線間隔とを交互にするなど追加の基準を用いた無作為でもよい。例えば、奇数の線間隔は、偶数の線間隔とは異なる確率分布から導かれてもよい。異なる高期待値と低期待値とを有する2つの分布では、例えば、より高い期待値は、より低い期待値よりも少なくとも10%または20%など高くてもよい。
【0095】
線間隔が無作為に選択または修正されるとき、依然として追加の基準が満たされ得る。上記では、最大線間隔および最小線間隔を実施することを述べた。実施され得る他の有益な基準は、線間隔の和が最小総距離と最大総距離との間に存在することである。これは、接続部分222が制御されたままであるという利点を有する。これは、所望の基準を条件とした結合分布から引き出すことによって得られ得る。これは、また、例えば、最初に無作為に選択し、その後制約が満たされるまで、その無作為選択を修正することによって得られ得る。
【0096】
例えば、実施形態では、minx≦xi≦maxxおよびmins≦Σxi≦maxsで、minx、maxx、mins、maxsが線間隔と線間隔の和とに関する限界である場合、線間隔xiを選択してもよい。これらの線間隔は、例えば上記で提案したような所定のパターンで、または例えば1つ以上の分布から導かれて無作為に変化させてもよい。
【0097】
線間隔は、第1の方向と共に第2の方向において変化させてもよい。この場合、その変化は、接続部分の形状を制御するために制御され得る。例えば、
図2cは、基板の実施形態の例を概略的に示す図である。2本の主線201および202が示されている。
図2cの上部には、線間隔231がある。この線間隔は、
図2cの下部で変化している。主線201は、シフトが発生しなかった場合にどのように続くかが破線で示される。距離232は、図の下部でのシフト後の破線で示された主線201と主線202との間の距離である。閾値未満の線間隔231と比較して距離232のパーセンテージ増加または減少を維持することによって、接続部分は例えば急になり過ぎることを防ぐように制御される。例えば、実施形態では、距離232は、線間隔231の1.35倍未満である。この線間隔の変化も同様に制御され得る。線間隔のサイズを制御する代わりに(またはそれに加えて)、主線における接続部分がなす角度、例えば線201および202などにおける接続部分がなす角度は制御可能であり、例えば、線が非常に急になることを避けるために、その角度が閾値未満であるべきとして制御可能である。これを制御する他の方法は、引き続く接続部分が互いに近づきすぎないことを検証することである。
【0098】
シミュレーション実験によれば、線間隔を変化させることが、一定の線間隔と比較して回折を低減する上で有益であることが確認される。線間隔の無作為性が回折効果低減に良好に作用することも明らかになってきている。線間隔内の勾配パターンが回折を低減し得るが、線間隔における、より無作為化された変化ほど良好には作用しない。例えば、線間隔が無作為の低い値と無作為の高い値とを交互にした場合に、回折は最も低減される。回折効果は、支線によってさらに抑制され得る。
【0099】
有効な電極パターンを選択することは、コンピュータによって実施され得る。例えば、多数の電極パターンを自動的に生成し、それらのパターンに対して、回折効果の重大度を示す回折パラメータを計算することが可能である。場合によっては、例えば電場の均質性を示す均質性パラメータなど、他のパラメータも計算可能である。生成された電極パターンから、このコンピュータパラメータに基づいて有効なパターンを選択してもよい。
【0100】
図3は、基板300の実施形態の例を概略的に示す図である。
図3において、副主線の接続された連続として作り上げられる主線が示され、支線が副主線から延在する。この副主線は、
図2bを参照して述べられた部分に対応し得るが、必須ではない。例えば、
図2bにあるような部分は、複数の副主線を備え得る。
【0101】
図3において、2本の副主線322および312と、接続部分311とを備える主線301が示される。破線によるボックス320および310は、いくつかの支線と共に副主線を示す。このようなボックスは、ユニットとして選択されてもよく、例えば、ユニットとして繰り返され得る、または例えば無作為などで複数のユニットから選択され得る。
【0102】
図3のモジュール設計の利点は、支線の多くのパラメータが同時に選択可能であるということである。例えば、副主線の同一の側で延在する支線は、等しい長さを有してもよく、副主線の同一の側で延在する支線は平行でもよい。さらに、副主線の両側から延在する支線の数は等しくてもよい。これらの選択は、制御が必要なパラメータが少なくなるため、より効果的な設計の選択を容易にする。例えば、ある位置で選択された副主線とその支線は、他の位置でも繰り返され得る。
【0103】
一方、
図3の設計は、依然として大幅な変化を可能とする。例えば、副主線の同一の側で延在する支線と、同一の主線の引き続く副主線から延在する支線とは、異なる長さを有してもよく、第1の方向と異なる角度を形成してもよい。両方のオプションを
図3に示す。異なる副主線は、また、異なる数の支線が副主線の側から延在してもよく;これは
図3には図示しない。主線または副主線における支線と第1の方向とでなす角度は、最小角度と最大角度との間、例えば45度と90度との間などで無作為に選択され得る。ここで留意すべきは、副主線322および副主線312が、第1の方向と第2の方向との両方で互いに対してシフトされることである。破線のボックス内にいくつかのパラメータを固定することは、到達可能な結果に対して大きく影響せずに選択労力を大幅に低減する。
【0104】
実施形態では、線幅は、約1-50マイクロメートルの範囲から選択され得る。この線間隔は、約40-100000マイクロメートルの範囲から選択され得る。例えば
図3の副主線または例えば
図2bの部分の長さは、線間隔に関係し得る。例えば、例えば第1の方向で測定されたそれらの長さを、線間隔の5倍と10倍との間で選択してもよい。一般に、異なる値が可能であるが、これらの選定が効率的であることがわかっている。
図2a-
図2cは、支線を示していないが、実施形態にあるように支線が存在し得る。副主線または部分における支線数も例えば3から10へ同様に変更してもよい。
【0105】
支線なしで線間隔を変更することも回折効果を低減するが、これらのオプションを組み合わせる方がよい。実際には、支線を使用せずに基板を創出することが可能である。このような基板の一例は、スマートグレージングで使用される基板(100)であり、第1の電極(110)および第2の電極(120)は、基板の同一の側に適用され、第1および第2の電極のそれぞれは、基板にわたるパターンで配置され、第1の電極および第2の電極はそれぞれ、基板にわたって第1の方向(101)で延在する第1および第2の複数の主線(111-113、121-123)を備えており、第1および第2の電極の第1および第2の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、第1の電極(201、203)および第2の電極(202、204)の基板上での主線(201、202、203)と隣または引き続く主線(202、203、204)との間の距離は、第2の方向および/または第1の方向で変化する。この基板は、線間隔の変化のため、回折が低減する。基板は、本明細書で説明される特徴、特に変化する線間隔に関係する特徴と組み合わされてもよい。
【0106】
大部分の図は、直線的な主線または直線的な副主線の組合せである主線を示す。ただし、これは必須ではない。例えば、主線は、例えばPCT/EP2020/052379に示すような例えば正弦波形状など、波状でもよい。
図4aは、複数の主線を備える基板の例を概略的に示す図であるが、その主線は波状である。主線は、例えば
図1aまたは
図1dに示すように、2つ以上の電極に接続される。
図4aの例は支線を含まないが、支線が波状主線と共に同様に組み込まれ得る。この状況において、支線の位置、角度、および長さを管理することは、主線間の距離が線に沿って固定されないので大きな問題となる。設計を変更する能力が向上することによって、回折のさらなる減少が可能となる。
図4bは、支線が、直線的でない主線、例えば波状の主線と組み合わされる基板の概略的模様を示す。支線も、直線的である必要はない。
【0107】
波状の主線を使用すると、均質性が増加する場合があり、支線を重ねなくてもホットスポットが減少し得る。このような基板の一例は、スマートグレージングで使用される基板(100)であり、第1の電極(110)および第2の電極(120)は、基板の同一の側に適用され、第1および第2の電極のそれぞれは、基板にわたるパターンで配置され、第1の電極および第2の電極はそれぞれ、基板にわたって第1の方向(101)で延在する複数の主線(111-113、121-123)を備えており、第1および第2の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置され、複数の支線(131-134、141-144)は主線から主線間のエリア内まで延在し、第1の電極の、および第2の電極の、第1の主線(121)と、第2の主線(112)との間のエリア(150)内まで延在する支線(142、132、141、131)は第1および第2の主線から交互に延在し、主線のうちの1本以上、または全部が波状である。
【0108】
図4cは、基板450の実施形態の例を概略的に示す図であり、第1および第2の電極が配置されるパターンが第1および第2の方向で基板にわたって延在するブロックのセットに細分される。これらのブロックは、電極パターンの部分を含み、したがってそれらのブロックを結合することによってより大きなパターンが作り上げられる。例えば、各ブロックは、第1の電極の複数の主線の一部分の複数の副線と、第2の電極の複数の主線の一部分の複数の副線とを備え得る。ブロックの側部は、例えば1mmと10mmとの間でもよい。例えば、ブロックは、8mm×8mmでもよい。
【0109】
ブロックは、何らかの規則的なパターン、例えば市松模様パターンに配置されてもよいが、例えば
図4cに示すような不規則パターンも可能である。ブロックは、矩形でもよい。ブロックを使用する利点は、例えば特に低い回折効果および/または特に良好な均質電場を有する有益なブロックが基板上で複数回反復可能なことである。
【0110】
ブロックのうちの1つ以上は、実施形態によるパターンを含むが、いくつかのブロックは、例えば
図4aに示すようなパターンなどの支線がないパターンなどの他のパターンも同様に含むことができる。ブロックにおける主線のうちのいくつかは直線的でもよく、いくつかは波状でもよい。いくつかは支線を有してもよく、いくつかは有さなくてもよい、などである。
【0111】
興味深いことに、例えば本明細書の様々な例で示すように、ミクロレベルで線形状を扱うと、回折および均質性などのパラメータに影響する場合があるが、より大規模での設計のジオメトリを妨げる可能性もあり、依然として顕著な光学的影響を有する。したがって、異なるレベルでブロックとして作られる様々な電極形状を組み合わせることが可能である。ブロック構造の観点から、ブロックは、パターンサイズを増加しながら、異なるレベル、例えば様々な無作為化のレベルで創出可能である。実用上、ブロックにおける線の数は2の倍数であると便利だが、必須ではない。
【0112】
実施形態では、電極は、限定数の電圧源、例えば4つの電圧源をサポートする電気回路で駆動される。実施形態では、電圧源の数は、所与の基板上では2つより多い場合がある電極の数に等しい。実施形態では、基板上の複数の線は、2つより多い電極、またはさらに4つより多い電極、またはさらにそれよりも多い電極にわたって分割される。電極毎の主線の数がほぼ等しいことが好ましい。例えば、実施形態では、複数のセグメントが基板上に配置され、各セグメントが、基板に対して少なくとも2つの電極と、少なくとも2枚の基板の組立における少なくとも4つの電極とによって制御される。対応電極を駆動することによって、異なる光学的効果が異なるセグメント上に構成され得る。可能ではあるが、流体は1つのセグメントに制約される必要はない。セグメントが互いに分離している場合、異なる流体がそれらに提供され得る。
【0113】
図5aは、実施形態による、電極パターンを有する基板の実施形態の複数の例を概略的に示す図である。
図5aに示される実施形態は全て一定の縮尺であり、全電極パターン、例えば以下の相互嵌合パターンまで拡大され得る。
【0114】
図5bは、2つまたは3つの電極のために構成された基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図5bの左は、「a」および「b」という文字が付された主線が同一の電極に属することを示す。「a」が印付けされた全ての線は電気的に接続されているが、これは
図5aまたは
図5bに示される電極パターンの詳細には示されておらず;主線「b」も同様である。
図5bの右は、「a」、「b」、および「c」という文字が付された主線が同一の電極に属することを示す。同じ文字が印付けされた全ての線が電気的に接続されている。
【0115】
図6aおよび
図6bは、2枚の基板の比較例を概略的に示す図である。
図6c-
図6dは、2つの実施形態の例を示す図である。回折パターンがシミュレーションされた。回折パターンをシミュレーションすることは、本質的に、本技術で知られている。
【0116】
回折レベルは、「Numerical comparison of grid pattern diffraction effects through measurement and modeling with OptiScan software」、Murray等、2011年5月20日公開、SPIE journal (doi:10.1117/12.883422)に記載の方法に従って算出された。この方法は、電極が白い背景の上に黒で描かれる、電極パターンを表す画像のパワースペクトルを算出することからなる。この生のパワースペクトルから、回折レベルは、より高次の回折の最大強度をゼロ次回折の強度で割った比として算出される。
【0117】
【0118】
図6aは、左側において、複数の直線的主線のみからなる単純パターンを示す。これらの主線は、電極で、例えば相互嵌合パターンの2つの電極で、共に接続される。
図6bのパターンは、直交する追加の直線を有する。ここで留意すべきは、このパターンを回転しても、回折パターンを回転するのみであるので、助けにならない。
図6cおよび
図6dは、基板の実施形態の例を概略的に示す図である。
図6cは、変化する線間隔および変化する角度、ならびにシフトする副主線を使用する。
図6dは、線に沿って、より高密度のブロック変化、すなわち、より多数の垂直ブロックを使用する。
図6cは、3個のブロックを示し、主線が方向を3回変更する。
図6dは、10個のブロックを有し、その主線が方向を10回変更する。留意すべきは、値6cおよび6dのための最大回折値は、
図6aおよび
図6bなどの直線的な設計よりも大幅に低いことである。
【0119】
図6bのパターンは好ましくない回折値を有するだけでなく、対向する支線間において、ホットスポットが発生する傾向がある。対向する支線の先端間の領域では、電場が他よりも非常に高い。その結果、不透過状態の不均質な外観と不均一な遷移速度となる。
【0120】
図4aの波状線設計は、
図6cの設計と類似の値を与えるが、支線を有する設計は、有益な選択を行うのがより迅速でより容易であることがわかった。さらに、支線を有する設計は、波状線設計よりも均質な電場を提供する。
【0121】
実施形態による2枚の基板は、光変調器を形成するために結合され得る。この光変調器は、特にグレージングに適している。光変調器の例示的な実施形態を以下に示す。
【0122】
図7aは、スマートグレージングで適用され得る光変調器10の実施形態を概略的に示す図である。
【0123】
参照によって本明細書に含まれる特許出願PCT/EP2020/052379を参照すると;この出願は、光変調器のための有益な設計を含み、この設計は、例えば本明細書で説明するように電極および/または支線を含むことによってさらに改善され得る。
【0124】
光変調器10は、透過状態と非透過状態との間、およびその逆、または反射状態と非反射状態との間、およびその逆において電子的に切り換えられ得る。光変調器10は、互いに対向するように配置される、第1の基板11と、第2の基板12とを備える。第1の基板11の内側において、少なくとも2つの電極が適用され;電極13a、13bが示される。これらの少なくとも2つの電極は、まとめて電極13と呼ばれる。第2の基板12の内側において、少なくとも2つの電極が適用され;電極14a、14bが示される。これらの少なくとも2つの電極は、まとめて電極14と呼ばれる。
【0125】
流体15が前記基板間に設けられる。この流体は、例えばナノ粒子および/またはマイクロ粒子である粒子30を含み、粒子は帯電している、または帯電可能である。例えば、粒子は、本来、それらの表面に電荷を担い得る。例えば、この粒子は、荷電した分子によって囲まれ得る。
【0126】
電極は、粒子30を駆動するように構成され、適用された電場に応じて電極に向かって移動させる、または電極から遠ざかるように移動させる。光学特性、特に、光変調器の透過率または反射率は、流体における粒子30の場所に依存する。例えば、電磁場を電極に適用するために接続が設けられ得る。
【0127】
一例では、基板11および基板12は、電極の外側は光透過性でもよく、典型的に関連する波長では>95%の透過性、例えば>99%の透過性でもよい。電極を考慮に入れると、透過率は、例えば70%など、非常に低くなる場合がある。「光学的」という用語は、該当する場合は、人間の目によって可視の波長(約380nm-約750nm)に関係する場合があり、赤外線(約750nm-1μm)および紫外線(約10nm-380nm)を含む、より広い範囲の波長、ならびに、該当する場合は、そのサブ選択に関係し得る。光変調器の例示的な実施形態では、基板材料が、ガラスおよびポリマーから選択される。
【0128】
他の例では、下部基板12などの1つの基板は、反射性でもよく、または部分的に反射性でもよく、上部基板11は透過性である。光学特性、特に、光変調器の反射率は、流体における粒子30の場所に依存する。パネルが開状態(垂直駆動)のとき、入射光が透過性の上部基板および光学層を比較的妨げなく通過できて下部基板上で反射または部分的に反射されるように、粒子は大部分が2枚の基板の対向電極間に配置される。
【0129】
第1の基板と第2の基板との間の距離は、典型的には、15μmなど、30μm未満である。光変調器の例示的な実施形態では、第1の基板と第2の基板との間の距離は、500μm未満であり、好ましくは200μm未満であり、好ましくは100μm未満であり、さらにより好ましくは、30μm未満など、50μm未満である。
【0130】
一例では、変調器は可撓性ポリマーで提供されてもよく、このデバイスの残りはガラスで提供されてもよい。ガラスは、硬質ガラスまたは可撓性ガラスでもよい。必要に応じて、保護層が基板上に設けられてもよい。1色より多い色が設けられる場合、可撓性ポリマーの1層より多い層が設けられ得る。ポリマーは、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)(任意選択で、SiN層を有する)、ポリエチレン(PE)などでもよい。さらなる例では、本デバイスは少なくとも1つの可撓性ポリマーで設けられてもよい。したがって、変調器は、接着剤を使用してなど、任意の表面に取り付けられ得る。
【0131】
粒子30は、光を吸収し、それによって特定の波長が通過するのを防ぐように構成され得る。粒子30は、光を反射する場合があり;例えば、この反射は、鏡面反射性、拡散性、またはその中間でもよい。粒子は、いくつかの波長を吸収し、それ以外を反射する場合がある。粒子は、また、または代わりとして、例えば、りん光、蛍光、または同様のものを使用して発光し得る。流体も発光し得るが、その放射率は粒子の場所を変更することによって変調される。
【0132】
光変調器の例示的な実施形態では、ナノ粒子のサイズは20-1000nmであり、好ましくは20-300nmであり、より好ましくは200nmより小さい。光変調器の例示的な実施形態では、ナノ粒子/マイクロ粒子は、色素上に被膜を含む場合があり、好ましくは芯を含む。光変調器の例示的な実施形態では、粒子の被膜は、導体材料および半導体材料から選択された材料から形成される。
【0133】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、400-800nm、700nm-1μm、および10-400nmなど、10nm-1mmの波長を有する光を吸収するように構成され、および/または10nm-1mm(フィルタ)内にある波長範囲を有する光の一部分を吸収するように構成され、ならびにその組合せで構成される。
【0134】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、帯電している、または帯電可能である。例えば、粒子上の電荷は、粒子毎に0.1eから10e(5*10-7-0.1C/m2)の場合がある。
【0135】
光変調器の例示的な実施形態では、流体が、1-1000g/m2、好ましくは2-75g/m2、より好ましくは、30-40g/m2など、20-50g/m2の量で存在する。本レイアウトを用いると、非常に少ない流体で、非常に少ない粒子が使用可能であるという大きな利点がある。
【0136】
光変調器の例示的な実施形態では、この粒子が、0.01-70g/m2、好ましくは、0.1-3g/m2など、0.02-10g/m2の量で存在する。
【0137】
光変調器の例示的な実施形態では、粒子は、シアン、マゼンタ、およびイエロー、黒および白、ならびにその組合せから選択された色を有する。
【0138】
光変調器の例示的な実施形態では、流体は、界面活性剤、乳化剤、極性化合物、および水素結合を形成可能な化合物のうちの1つ以上を含む。
【0139】
流体15は、15未満の比誘電率を有する無極の流体でもよい。光変調器の例示的な実施形態では、流体は、100未満、好ましくは、5未満など、10未満の相対誘電率εrを有する。光変調器の例示的な実施形態では、流体15は、10mPa.sを上回る動粘度を有する。
【0140】
電極13a、13bおよび電極14a、14bは、流体と流体接触している。この流体は、電極と直接または間接的に接触していてもよく、例えば流体は、多孔質層を通るなどして電極を有する第2の媒体に接触し得る。実施形態では、電極は、基板表面の約1-30%を覆う。実施形態では、電極は、100nΩm未満の抵抗率を有する(273Kで;比較のため、使用されたITOは典型的に105nΩmを有する)導電材料を含み、これは20℃で導電率>1*107S/mに類似する)。光変調器の実施形態では、電極は、銅、銀、金、アルミニウム、グラフェン、チタン、インジウム、およびその組合せを含み、好ましくは銅を含む。電極は、ポリマー系基板に埋め込まれた微細ワイヤの形態を有してもよく;例えば、銅微細ワイヤの形態を有する。
【0141】
電磁場を電極に適用するための接続において、この電極への適用電磁場は、ナノ粒子およびマイクロ粒子の第1の電極から第2の電極への移動をもたらし、逆の場合も同じである。電磁場を電極に適用するための接続が設けられてもよい。例えば、光変調器の例示的な実施形態では、電流が-100-+100μAの間、好ましくは-30-+30μAの間、より好ましくは-25-+25μAの間である。例えば、電力提供器は、少なくとも2つの電極と電気接続していてもよい。この電力提供器は、波形電力を提供するように構成され得る。振幅、周波数、および位相のうちの少なくとも1つは、光変調器において異なる状態をもたらすように構成可能でもよい。例えば、電力の態様は、コントローラによって構成され得る。
【0142】
光変調器10は、1つ以上のセグメントを含んでもよく、セグメントは、サイズが変わる場合がある光学的に切換可能な単一のエンティティである。基板は、セグメントであり得る体積を少なくとも部分的に密閉する。
【0143】
本デバイスは、電磁場を適用することによって(個別の)セグメントの外観を変更するための駆動回路を備え得る。したがって、光変調器の外観、またはその1つ以上の部分の外観も変更され得る。例えば、セグメントは、少なくとも1mm2の面積を有し得る。本設計は、より多くの色を可能にするように積層を可能にし;例えば、フルカラーの用途のために、2つまたは3つの変調器のスタックがそれぞれ大部分または全部の色を提供し得る。
【0144】
1つ以上のセグメントを有することで、光変調器は局所的に制御可能となり;これは用途によっては有益であるが、必須ではない。スマートグレージングのために、光変調器は、セグメントを用いて、またはセグメントを用いずに使用され得る。例えば、スマートグレージングで適用される場合、例えば窓全体における透過率または反射率を低減させずにサンパッチ(sun-patch)をブロックするために、透過率または反射率は局所的に制御され得る。セグメントは、相対的に大きくてもよく、例えば少なくとも1mm、または少なくとも1cmなどの直径を有してもよい。
【0145】
光変調器の例示的な実施形態では、基板(11、12)が整列され、および/または電極(13、14)が整列される。例えば、電極13a、13bおよび電極14a、14bは、互いに対向するように整列され得る。整列された基板において、異なる基板上の電極は、基板に直交する方向でみると互いの背後に存在する。光変調器が取り外され、電極が上向きになるように基板の両方が配置されると、電極パターンが互いの鏡像となる。
【0146】
基板を整列することによって、光変調器の最大透過率または反射率が増加し得る一方、透過率または反射率などの範囲よりも多い基準のために光変調器を選択するとき、2枚の基板を整列しない、または完全には整列しない方がよい場合がある。光変調器は、積み重ねられることが可能である。例えば、2つの積み重ねられた光変調器は、3枚の基板から形成可能であり、中間の基板はその両面に電極を有する。光変調器の実施形態では、任意選択で、第1の光変調器の少なくとも1枚の基板11、12が、少なくとも1つの第2の光変調器の基板11、12と同一である。また、積み重ねられた変調器の場合、整列は最大透過率または反射率を増加させ得るが、例えば回折などの他の考慮すべき事柄にとっては有害である場合がある。
【0147】
図7bは、光変調器40の実施形態の例を概略的に示す図である。2層の光学層を示す例のように、複数の光学層を備えることを除いて、光変調器40は光変調器10と同様である。2層より多い光学層が存在してもよい。各光学層は、2枚の基板間に配置される。光変調器40は、
図7aのように2枚の基板の光変調器のスタックとみなされ得る。図示するように、光変調器40は、3枚の基板:第1の基板41、第2の基板42、および第3の基板43を備える。基板41と42との間には光学層が存在し、基板42と43との間には光学層が存在する。これらの光学層は、光変調器10における光学層と同様であり得る。コントローラ46は、基板の電極上で電流を制御するように構成される。例えば、
図7bにおいて、コントローラ46は、少なくとも4×2=8個の電極に電気的に接続され得る。
【0148】
興味深いことに、複数の光学層における粒子は異なる場合があり、したがって複数の層が光変調器のより多くの光学特性を制御するために使用され得る。例えば、異なる光学層における粒子は、異なる波長で吸収または反射することができ、例えば異なる色を有し得る。これは、コントローラ46のパネル上に異なる色および/または異なる色の強さを創出するために使用可能である。例えば、4基板パネルは、異なる色粒子、例えば、それぞれシアン、イエロー、マゼンタの粒子を有する3層の光学層を有し得る。それらの異なる色の透過率または反射率を制御することによって、幅広い色のスペクトルが創出され得る。
【0149】
他の基板に面する基板の表面は、例えば実施形態にあるように2つ以上のパターンを有し得る。例えば、外部の基板41および43は、内側でのみ電極を受けることが可能であるが、内部の基板、例えば基板42は両側に電極を有し得る。
【0150】
基板41および42は、共に、光変調器の実施形態としてみなされ得る。同様に、基板42および43は、共に、光変調器の実施形態としてみなされ得る。
【0151】
図7cは、窓21用にスマートグレージングを有する自動車20の実施形態の例を概略的に示す図である。運転中は、入射光のレベルが頻繁で急激に変化する場合があるため、これは特に有益な実施形態である。自動車でスマートグレージングを使用することは、車窓の透過率を調節することによって、光レベルが一定のレベルとして維持され得るという利点がある。さらに、回折効果の低減が運転手の注意散漫を減らすため、安全性を改善する。自動車20は、窓21の透過率または反射率を制御するために構成されたコントローラを備え得る。
【0152】
スマートグレージングは、また、例えば、ビル、オフィス、住宅、温室、天窓など、特に入射光の量が可変である、グレージングの他の用途でも使用され得る。天窓は、日光が部屋に入ることができるように天井に配置された窓である。
【0153】
図8a-
図8bは、光変調器使用時の実施形態の側面図を概略的に示す。基板上で電極へ電場を適用すると、粒子に対して電気力が発生する。この効果を使用して、粒子は動き回ることができ、したがって光変調器において異なる透過または反射状態が引き起こされ得る。コントローラは、電場、例えば、その振幅、周波数、および位相などを制御し得る。実施形態では、コントローラは少なくとも4つの電極:基板毎に2つの電極に接続される。ただし、より多くの電極が使用されコントローラに接続されてもよく;グレースケールをより良好に微調整し、非透過または非反射の状態に駆動するために1枚の基板につき例えば2つより多い電極が使用され得る。複数の電極が、また、基板上の複数のセグメントをサポートするために使用され得る。
【0154】
図8aは、電場が適用されていない光変調器を示す図である。
図8aでは、流体15に浮遊する粒子30に対して電気力はまだ適用されていない。
【0155】
図8aに示される構成において、上部基板に配置された導電電極パターンは、下部基板上の導電電極パターンと完全に整列、またはほぼ整列している。導電電極パターンは、透過性または(部分的に)反射性のガラス基板上に堆積されてもよく、またはプラスチック基板などに埋め込まれてもよい。
【0156】
上部電極パターンと下部電極パターンとの間の整列は、透過性または反射性の達成可能なレベルのより広い範囲に寄与する。ただし、同様の効果が整列なしで得られるため、整列は必要ではない。整列がない場合でも、透過率または反射率の範囲が同様に得られる。
【0157】
留意すべきは、これらの例において、頁上で上方、または下方の基板を指すために上部基板と下部基板と呼ばれていることである。グレージング用途において、基板が水平ではなく垂直に整列される場合があるため、同じ基板が、例えば前方基板および後方基板と呼ばれる場合もある。
【0158】
図8bは、光変調器を示す図であり、例えばインスタンスP1において、電位+V1が上部基板上の各微細ワイヤ電極に適用され、一方で負電圧、例えば-V1が下部基板の各微細ワイヤ電極に適用される。それによって、この場合、同じ正の電位が全電極13に適用され、同じ負の電位が電極14に適用される。この電位差によって、負に帯電した粒子が上部基板の電極付近に流され、そこで粒子が上部電極とほぼ整列する。結果として、上部基板と下部基板との両方が透過性である場合、光変調器10の透過率が増加する。同様に、例えば上部基板が透過性であり、下部基板が反射性の場合、光変調器10の反射率が増加する。溶液が正に帯電した粒子を含む場合、正に帯電した粒子が下部基板の電極付近に流れ、それらの粒子が下部電極とほぼ整列する。
【0159】
ON状態の第2のインスタンスP2において、インスタンスP1とは対照的に、上部電極および下部電極の電圧が反転すると、同様の透過率または反射率が達成できる。インスタンスP2において、上部基板上の各電極の電圧が、そこで、負電位-V1を供給し、下部基板の整列した電極の電圧が正の電位を供給する。この状態は、
図8bに示す状態と類似しているが、上部基板と下部基板とが逆になっている。またこの構成では、光変調器10の透過率または反射率が高い。
【0160】
興味深いことに、例えば
図8bの電極13として示されるような上部基板の電極の正の電位(および電極14における負の電位)と、例えば
図8bの電極14として示されるような下部基板の電極における正の電位とを切り換えることによって、透過率または反射率は維持可能でありながら、電極に対する腐食損傷を減らすことができる。この交流電場は、交流電位を上部電極および下部電極に適用することによって達成可能である。
【0161】
波形を適用することは任意選択であるが、腐食を低減することによって光変調器の寿命を増加させる有効な手段である。銅イオンが1つの基板においてイオン流体に溶けて、対向する基板の電極に流れ、そこで堆積するため、腐食は、例えば銅電極を使用したときに生じ得る。波形を適用することによって、銅イオン輸送方向が頻繁に反転し、したがって腐食損傷を低減する。2つのインスタンスP1とP2との間で、2枚の基板間の腐食電流がバランスがとれ、またはほぼ、例えば>95%バランスがとれ、例えば上部板の電極の腐食率が発生すると、各時間インスタンスP1間で下部電極において銅の均衡した堆積が存在し、インスタンスP2で逆の場合も同じである。したがって、上部電極と下部電極との間で粒子が連続的に遷移または移行し、光変調器またはスマートウィンドウが常にON状態となる一方、上部電極と下部電極との間の動的電解電流が一定となり、したがって上部基板および下部基板上の電極材料の正味の損失が全くない、または無視できる。
【0162】
図8cは、どのように透過率または反射率減少状態を得られるかを示す図である。同一の基板上で、交流電圧が適用される。例えば、実施形態では、
図8cに示すように、電位+V2が第1の電極に適用され、次のすぐ隣の電極が逆の電位-V2を有するなどである。これは、電位+V2を電極13aに適用し、逆電位-V2を電極13bに適用することによって得ることができる。対向する基板では、電位+V2が電極14aに適用され、逆電位-V2が電極14bに適用されてもよい。例えば、これらの電極は、基板上の電極が整列されるように配置されてもよく;上部基板上の電極が、下部基板上に対向する電極を有し、逆の場合も同じである。例えば透過率または反射率を減少させるために、対向電極は同電位を受けてもよく、一方隣り合う電極が逆電位を受ける。4つの電極が参照符号13a、13b、14a、および14bで示され、電極の残りが連続して交互になっている実施形態を
図8cに示す。
【0163】
上部基板と下部基板との間のこのAC駆動サイクルを使用することによって、斜め方向の電場および横方向の電場が2枚の基板間で生成され、それにより、粒子の偶発的拡散を引き起こし、それにより光変調器の閉状態を創出する。この構成の結果として、粒子が上部基板と下部基板との間で斜め方向および横方向に移行し、光変調器の可視のアパーチャへの粒子の拡散が光変調器の閉じられた不透過状態に寄与する。
【0164】
図8bに示す透過状態については、例えば正の電位を有する
図8bに示された電極が負となり、逆の場合も同じであるように、波形が電極に適用され得る。
図8bにあるように、例えば電極13aと13bとの間、および電極14aと14bとの間に波形を適用すると、電極への腐食損傷が低減する。
【0165】
AC駆動サイクルは、
図5、
図6a-
図6dなどの平面図に示される上部電極および下部電極の構成を組み合わせた相互嵌合線構成を使用することによって実施され得る。
【0166】
図8bおよび
図8cにおける透過率または反射率が増加または減少する程度は、電圧および周波数の差に依存する。電圧差を変化させることによって、透過率または反射率が増加し、それぞれ減少する量が制御される。例えば、光透過率対電圧を表す曲線が決定されてもよく、例えば測定されてもよい。特定レベルの光透過率を得るために、例えば特定の透過率、例えば特定のグレースケールレベルを得るために、対応電圧、例えばAC電圧が適用され得る。透過状態または非透過状態の信号を補間することによって、透過と非透過との間のレベルを得ることができる。同様に、光反射率対電圧を表す曲線が決定されてもよく、例えば測定されてもよい。特定レベルの反射率を得るために、対応電圧、例えばAC電圧が適用され得る。反射状態または非反射状態の信号を補間することによって、反射と非反射との間のレベルを得ることができる。
【0167】
光変調器のために、異なる電極パターンが使用され得る。電極パターンはそれぞれ、光変調器が得ることができるグレースケール、例えば透過性または反射性のレベルの範囲を提供し得る。ただし、任意の特定の電極パターンのためのグレースケールの特定の範囲は、他の電極パターンとは異なり得る。すなわち、異なるパターンが透過率または反射率の増加または不透過度の増加を与えるが、駆動信号に対する正確な反応は、使用される特定のパターンを含む多くのファクタに依存する。光変調器の光学特性における変化は、例えば1mm未満の微細な分解能を有し得る。留意すべきは、例えば光変調器において可視のロゴなど異なる光学パターンを達成するために、光変調器のピクシレーションは必要ない。
【0168】
この効果は、光変調器の基板上の電極パターンを局所的に変更することによって光変調器に可視画像を埋め込むために使用され得る。例えば、異なる電極パターンのため、相互に関してグレースケールの永久的なオフセットを有するグレースケールを局所的に有してもよい。例えば、電極パターンまたはそのピッチを局所的に変更することによって、最大透過率または反射率が変更可能である。
【0169】
この結果、光変調器上のエリアが、グレースケール、例えば異なるグレースケールの異なる強度、または着色の異なる強度を有する。ただし、このエリアは、同一のカラーポイントを有し得る。実施形態では、異なる比率ではあるが、ウィンドウの残りと共に切り換え得る。例えば、同電圧が2つの異なるエリアにおける電極に適用された場合でも、異なる電極パターンに起因して異なる透過状態、例えば異なる透過率レベルを引き起こす。例えば、透過率対電圧を表す曲線がシフトされてもよい。例えば、電圧制御が両方のエリアにおいて同じやり方で変更された場合、両方のエリアにおいて、光透過率が変化する場合があるが、異なる量だけ変化する。エリアは、さらに、電極の密度を低減することによって駆動信号への反応を少なくすることができ;特に、例えばエリアで電極を適用しないことによって、全く切り換えないようにエリアが形成され得る。
【0170】
この効果は、光変調器にロゴを埋め込むために使用され得る。例えば、
図9aは、ロゴおよび格子の実施形態の例を概略的に示す図である。
図9aに示すように、格子正方形の第1のセットがロゴと交差し、格子正方形の第2のセットはロゴと交差しない。交差している第1のセットのために、格子正方形の第2のセットとは異なる電極パターンが使用され得る。
図9bは、基板の実施形態の例を概略的に示す図である。第1の格子正方形によって示されたエリアにおいて、第2の格子正方形で示されるエリアとは異なる電極パターンが、例えば
図7aにあるような基板など、第1および第2の基板に埋め込まれてもよい。
図9bに示されるように、2つのエリアが異なる透過率を有する。
【0171】
図9c-
図9dは、光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
図9cにおいて、基板は非透過構成であり、ロゴによって示されるエリアで、電極パターンが光変調器を低効率で暗くすることを実現するように構成されることが示される。
図9dにおいて、同じ基板がより透過構成であることが示される。留意すべきは、異なる比率ではあるが、ロゴエリアとロゴ以外のエリアとの両方で透過率が増加している。それらのエリアの透過率がここでは互いに近いとしても、ロゴによって示されるエリアは
図9dでは依然として可視である。
【0172】
興味深いことに、この効果は、異なるパターニングによって、例えば電極のピッチおよび/または設計を変更することによって達成されるに過ぎない場合がある。このエリアへの波形/電流/電圧/電力の変更は、他のエリアと比較すると、必要はない。
【0173】
特にスマートグレージングにおいて、画像を光変調器に埋め込むことは、多くの用途がある。例えば、ロゴ、ブランドなどのコンテンツが埋め込まれてもよい。テクスチャがグレージングに埋め込まれてもよい。コントラスト勾配がグレージングに埋め込まれてもよい。他のオプションは、矢印などのような非常口信号を含む。
【0174】
例えば、店舗/飲食店の窓において:完全に黒の窓は、その店舗が営業時間外であることを示す場合がある一方、ロゴまたは任意の他の指定デザインは、その店舗が営業中であるときに可視である。このパターンは、ロゴなどでよいが、これは必須ではない。埋め込まれる画像は、通行人が窓の内側を見ることを防ぎながら、依然として内部で十分な光を提供するパターンでもよい。特に、埋め込まれた画像は、可読メッセージを含む必要はない。車窓において、自動車がOFF状態に切り換えられると、例えば駐車されると、グレージングは完全に暗くなってもよく、一方自動車がON状態に切り換えられると、ロゴ、例えば、製造業者のロゴが現れる。
【0175】
設計パラメータを調節することによって、電気的駆動力の変化なく、背景と比較して定の局所的な光学差が可視となる。光学性能に影響する電極パターンのパラメータは:
- 電極線間隔
- 電極線厚さ
- 電極線形状
- 電極線方向
- 例えば基板間の距離など、セルギャップの局所的変化
- 支線長さの分布
を含む。
【0176】
例えば、電極線間隔、厚さ、形状、方向は、局所的な透過性レベルおよび応答時間に作用し;電極線間隔/幅は、特定の局所的光学差も可能とし得る回折レベルに局所的に影響する。セルギャップの変化は、暗状態レベルを変化させ、結果として最大透過率または反射率および応答時間も変化させる。他のオプションは、2つのエリア間の回折効果を変化させることである。例えば、1つのエリア、例えばグレージングの大部分が低回折効果の電極パターンを有する場合がある一方、埋め込まれた画像が計画的な高回折効果を有する電極パターンを有する場合がある。
【0177】
透過率または反射率を含む光学性能は、また、電極材料を変更することによって;例えば、異なる光学特性および/または伝導特性を有する電極材料を選ぶことによって変更され得る。電極材料は、追加の光学的効果につながり得る光の拡散、反射、および回折に影響を与え得る。局所的に変更された場合の電極材料の伝導性は、この場所における電位に影響し、したがって電場、結果的には透過性レベルまたは反射性レベルに影響する。
【0178】
例えば、電極材料は、銅、アルミニウム、金、酸化インジウムスズ(ITO)などでもよい。Cu/Alが反射性であるが、ITOは透過性であり、したがって異なる電極材料を使用すると、電圧駆動に関わらず異なる外観が得られ得る。同様に、異なる抵抗を有する異なる材料は、異なる電場を生じさせる。例えば、ITOは、同一の電圧で駆動されても、より小さい電場を有する。
【0179】
透過率または反射率の変化を得るための他の方法は、第1の基板と第2の基板との間に適用され得るスペーサを局所的に変化させることによるものである。例えば、異なるスペーサは、異なる光学特性および密度を有し得る。例えば、異なる透過率、異なるサイズを有するスペーサを用いてもよい。スペーサの密度は異なってもよい。実施形態では、スペーサの密度は、1000倍でも増加されてもよく、顕著に異なる外観を与える。1000倍未満の増加も可能である。スペーサはまた、基板間の距離を意図的に変化させ、したがってその外観を変化させるように構成され得る。
【0180】
光変調器のあるエリアの外観を、そのエリアにおける駆動を変更せずに、局所的に変化させる様々なオプションは、単一の層、例えば1層の流体層、例えば2枚の基板を有する光変調器に適用されてもよいが;複数の流体層および2枚より多い基板を有する複数の層の光変調器に適用されてもよい。後者は、複数の色を生成するために使用され得る。
【0181】
第1および第2の電極が配置されるパターンは、複数の部分に細分される。例えば異なる電極パターンに起因して、それぞれが異なる光学特性を有する2つの部分が存在してもよく;複数の部分が存在してもよい。例えば、これは、白黒のみではなく、複数のレベルのグレーを有する画像を適用するために使用され得る。
【0182】
ロゴを埋め込むために、実施形態による基板を使用する必要はない。例えば、スマートグレージングで使用され得る有益な基板は、基板の同一の側に適用される第1の電極および第2の電極を備える。第1および第2の電極のそれぞれは、基板にわたるパターンで配置され、第1の電極および第2の電極はそれぞれ、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、第1および第2の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置されている。第1および第2の電極が配置されるパターンは、複数の部分に細分され、電極線間隔、電極線厚さ、電極材料、電極線形状、電極線方向のうちの少なくとも1つは、その複数の部分において異なり、異なる最大透過率または反射率、または彩度を生じさせる。
【0183】
支線の有無を問わず、このようなロゴが埋め込まれた基板、またはそのような基板を含む光変調器は、本明細書で説明する他の特徴と組み合わされ得る。
【0184】
図10は、実施形態による光変調器を制御するための方法の実施形態の例を概略的に示す図である。方法500は、コンピュータによって実施され得る。方法500は、
- 光変調器における透過性の複数のレベルのうちの1つに対応する複数の最大振幅のうちの1つの交流を選択すること(510)、
- 電極に向かってまたは電極からの粒子の電気泳動の動きをもたらす、電極間の電磁場を得るために電極に交流を適用すること(520)を含む。
【0185】
当業者には明らかなように、本方法を実行する多くの異なる方法が可能である。例えば、ステップの順序は示された順序で行われ得るが、ステップの順序は変更可能であり、いくつかのステップが並列で実行されてもよい。さらに、ステップ間に、他の方法ステップが挿入されてもよい。挿入されたステップは、本明細書で説明したような方法の改良点を表し得るか、または本方法と無関係でもよい。例えば、いくつかのステップは、少なくとも部分的に並列で実行され得る。さらに、所与のステップは、次のステップが開始される前に完全に終了していなくてもよい。
【0186】
電極を駆動することは、光変調器における透過性または反射性の複数のレベルのうちの1つに対応する選択された最大振幅を有する信号を使用してもよい。この信号は、交流電流または交流電圧でもよい。
【0187】
本方法の実施形態は、プロセッサシステムに方法500を行わせるための命令を含む、ソフトウェアを使用して実行され得る。ソフトウェアは、システムの特定のサブエンティティによって行われるこれらのステップのみを含み得る。このソフトウェアは、ハードディスク、フロッピー、メモリ、光ディスクなどの適した記憶媒体に記憶されてもよい。このソフトウェアは、配線に沿って、ワイヤレスで、またはデータネットワーク、例えばインターネットを使用して、信号として送信され得る。ソフトウェアは、ダウンロードのため、および/またはサーバ上でのリモート使用のために利用可能となり得る。本方法の実施形態は、プログラマブルロジック、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を、本方法を行うように構成するように構成されるビットストリームを使用して実行され得る。
【0188】
本開示の主題は、また、コンピュータプログラム、特に本開示の主題を実践に移すために構成された、キャリア上、またはそのキャリア中のコンピュータプログラムに拡大することが了解されよう。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、コード中間ソース、および部分的にコンパイルされた形態などのオブジェクトコード、または本方法の実施形態の実施で使用される適切な任意の他の形態であり得る。コンピュータプログラム製品に関係する実施形態は、記載される方法のうちの少なくとも1つの処理ステップのそれぞれに対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分されてもよく、および/または静的もしくは動的にリンクされ得る1つ以上のファイルに記憶され得る。コンピュータプログラム製品に関係する他の実施形態は、記載されるシステムあるいは/または製品のうちの少なくとも1つのデバイス、ユニット、および/もしくは部分のそれぞれに対応するコンピュータ実行可能命令を含む。
【0189】
図11aは、コンピュータプログラム1020を含む書き込み可能部分1010を有するコンピュータ可読媒体1000を示す図であり、コンピュータプログラム1020は、実施形態により、プロセッサシステムに、光変調器方法を行わせる命令を含む。例えば、プロセッサシステムは、光変調器パネルに接続され得る。コンピュータプログラム1020は、物理的なマークとして、またはコンピュータ可読媒体1000の磁化によって、コンピュータ可読媒体1000上で具現化され得る。ただし、任意の他の適切な実施形態も同様に考えられる。さらに、ここではコンピュータ可読媒体1000が光ディスクとして示されるが、コンピュータ可読媒体1000はハードディスク、ソリッドステートメモリ、フラッシュメモリなどの任意の適切なコンピュータ可読媒体でもよく、記録不可または記録可能でもよいことが了解されよう。コンピュータプログラム1020は、プロセッサシステムに、前記光変調器方法を行わせる命令を含む。
【0190】
図11bは、光変調器のためのコントローラの実施形態によるプロセッサシステム1140の概略表現である。このプロセッサシステムは、1つ以上の集積回路1110を備える。1つ以上の集積回路1110のアーキテクチャが
図11bに概略的に示される。回路1110は、実施形態による方法を実行する、および/またはそのモジュールもしくはユニットを実施するコンピュータプログラムコンポーネントを走らせるために、例えばCPUなどの処理ユニット1120を備える。回路1110は、プログラミングコード、データなどを記憶するためのメモリ1122を備える。メモリ1122の一部分は、読み出し専用でもよい。回路1110は、通信素子1126、例えば、アンテナ、コネクタ、またはその両方などを含み得る。回路1110は、本方法で定義された処理の一部または全部を行うために専用集積回路1124を備え得る。プロセッサ1120、メモリ1122、専用IC1124、および通信素子1126は、インターコネクト1130、例えばバスを介して互いに接続され得る。プロセッサシステム1110は、アンテナおよび/またはコネクタをそれぞれ使用して、接触型および/または非接触型通信のために構成され得る。
【0191】
例えば、実施形態では、プロセッサシステム1140、例えば本デバイスは、プロセッサ回路とメモリ回路とを備えてもよく、プロセッサがメモリ回路に記憶されたソフトウェアを実行するように構成される。例えば、プロセッサ回路は、Intel Core i7プロセッサ、ARM Cortex-R8などでもよい。実施形態では、プロセッサ回路は、ARM Cortex M0でもよい。メモリ回路は、ROM回路、または例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリでもよい。メモリ回路は、例えばSRAMメモリなどの揮発性メモリでもよい。後者の場合、デバイスは、例えば、ソフトウェアを提供するように構成されるハードドライブ、ネットワークインターフェースなどの不揮発性ソフトウェアインターフェースを備え得る。
【0192】
例えば電極に適用される電圧を制御する光変調器用のコントローラは、プロセッサ回路を備え得るが、またはその代わりとして、状態機械をも備え得る。
【0193】
図12-
図37は、光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。これらの図中において、電極に適用され得る電圧は、電圧がその電極に適用され得ることを示すために、電圧リファレンスV1、V2、…を用いて示される。異なる電圧リファレンスによって示される電圧は、典型的には異なるが、それらは等しくてもよい。電極の駆動は、選択された最大振幅を有する信号を使用し得る。1つの電極、またはいくつかの電極、または全電極に対して異なる電圧を使用すると、結果として、パネルにおける視覚的違いが得られ、特に、結果として、特定の、例えば異なる透過率に応じて異なる光学特性が得られ得る。例えば、信号振幅は、複数の透過率のうちの1つを達成するために、複数の最大振幅から選択され得る。これらの信号は、交流電流または交流電圧でもよい。
【0194】
正または負の符号は、電圧がゼロ電圧を基準として正か負かを示す。同実施形態の他の例は、全ての正の符号を負の符号で置き換えることによって得られることができ、また逆も同様である。
【0195】
一例として、様々な電圧リファレンスは、製造上のばらつき、例えばわずかに異なる電極、平坦でない基板などに対処するために適用される修正を除いて、等しくてもよい(符号以外)。一例として、様々な電圧リファレンスは、例えば様々なグレー、または様々な色、または色の強さなど、中間透過率を創出するために異なってもよい。一例として、中間電圧は、粒子の分散または収集を容易にするために使用され得る。異なる電圧リファレンスの使用は有益であるが、全部またはいくつかの電圧リファレンスを等しい(符号以外)として選択することによって有益な光変調器の例を依然として得る。
【0196】
典型的には、電極は、例えばAC信号をそれらの電極に適用することによって、DCニュートラルに駆動される。その点において、電圧リファレンスは、AC信号の最大振幅としてみなされることが可能であるが、正および負符号は、信号の位相を示す。
【0197】
電圧符号(正/負インディケーション)は、したがって、特定の期間のためのものに過ぎず;各電極のための電圧符号は、次の期間のために反転可能である。図は、完全に一定の縮尺ではなく、例えば、基板の電極は、必ずしも等距離ではない。図中の矢印は、主な電場線を示す。
【0198】
図は、第1の基板と第2の基板とを備える、その間に光学層が存在する光変調器を示す。複数の電極がそれらの内側で適用され、そのそれぞれが複数の主線を備える。図において、第1および第2の基板は、明確にするために、上部および下部とも呼ばれる。記されてはいないが、基板は任意の位置に存在してもよく、上部および下部が、例えば前部および後部となり得る。拡張機能が適用され得るが、これらの図の電極は支線などの拡張機能を示さない。
【0199】
コントローラは、例えば電圧リファレンスによって示されるように、電極上で創出される電圧を制御するために、示された光変調器に接続され得る。
【0200】
なお、例えば、支線、基板上に2つより多い電極を有することなど、本明細書で説明される改善点の多くは、特に組み合わせることによって有益であり;例えば、支線は回折を低減するが、この効果は、複数の電極がカーテン効果を低減するときに増加されることに留意されたい。ただし、本明細書において以下または他の箇所で説明されるようなこれらの拡張機能も、例えば、複数の最大振幅のうちの1つの交流を使用することによって、光変調器における透過性または反射性の複数のレベルのうちの1つのレベルを得るように構成されたコントローラがなくても不適切に(indecently)有益である。以下の実施形態は、電圧リファレンスによって等しいと示される電圧を選ぶことによって、異なる最大振幅の交流を用いて駆動できないコントローラに対して構成され得る。
【0201】
図12-
図15は、各基板で適用される2つの電極を有する光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【0202】
少なくとも4つの独立した電極を有し、例えば、デバイスにおいて、各基板上に少なくとも2つの電極を配線している場合、電場方向を図に示すように変調することが可能である。上述したように、電極毎に電位レベルを変調可能である。単一の電位リファレンスを使用することによって、簡略化された光変調器が得られる。
【0203】
図12は、透過率を増加させるために光変調器を駆動する例を示す図である。
【0204】
図13は、透過率を減少させるために光変調器を駆動する例を示す図である。留意すべきは、斜めの力線は、粒子の分散速度を増加させるために創出される。さらに、粒子は、光変調器の中間部に向かってより多く分散し、これがカーテン効果を低減する。
【0205】
図13および
図14は、より暗い状態に向かって駆動する2つの異なる方法を示す図である。
図14は、光変調器を駆動して、垂直電場および水平電場の両方が増加される例を示す図である。色素を駆動するために垂直電場および水平電場のうちのいずれがより強力であるかは、設計、例えばセル間隔および線間隔の寸法に依存する。電極間の距離が削減されて、電場が最も強くなる電場領域に向かって粒子が移動する場合に、電場が強くなる。この場合の垂直電場と水平電場との間の電場の差が、十分に強力ではないとすると、光変調器は、設計が基板にわたって均質である場合に中間の開放状態を実証する。
【0206】
設計が光変調器を変更し、同一の基板内の電極間の距離および基板間の距離は、光変調器にわたって一定ではない場合、局所的に、帯電粒子がそれに沿って集約する最も高い電場領域が変化し、結果として光学差が得られる。いくつかのエリアでは、光変調器の透過性が高くなり得る一方、他のエリアでは、均一な電気駆動であっても光変調器の透過性がより低くなり得る。この効果は、他の駆動方法、例えば
図13に示すような方法では、達成可能性がより低い。この効果は、例えば、光変調器にロゴを埋め込むために使用され得る。
【0207】
図15は、複数の最大振幅のうちの1つの最大振幅の交流を使用する例を概略的に示す図である。上部基板上の第1の電極は、基準電圧+Vを用いて駆動され、一方上部基板上の第2の電極は基準電圧+V/2を用いて駆動される。下部電極上の対向電極は、それぞれ-V/2および-Vを用いて駆動される。留意すべきは、対向電極間の電圧差は+/-1.5Vである一方、隣り合った電極間の電圧差は+/-0.5Vであることである。その結果、粒子は、大部分が垂直電場に対して反応し、透過率を増加するように落ち着くが、効果は小さくなる。
【0208】
図16および
図17は、一方の基板が2つの電極を有し、他方が3つの電極を有する実施形態の例を概略的に示す図である。実施形態では、少なくとも3つの電極が第1の基板および第2の基板のうちの少なくとも一方に適用され、少なくとも2つの電極が他方の基板に適用される。
【0209】
追加の電極が利用可能なとき、電圧の追加の組合せが得られ得る。これは、例えばグレースケールに対してより多くの制御をもたらす。例えば、4つの電極の代わりに5つの電極の場合、4つの電極のシステムでは実現可能でないアドレス指定モードが可能となる。
【0210】
基板上に少なくとも3つの電極を有していることは、カーテン効果を低減可能とし;例えば、透過率の均質な段階的増加または減少の代わりに、電極間でカーテンを閉めるという視覚的な外観というカーテン効果が低減可能とする。例えば、基板のうちの1つにおける追加の電極の1つもしくは複数、または全部は、開ける(透過率増加)ために使用されない場合でも、閉める(透過率減少)ために使用可能である。このカーテン効果は、本質的に視覚的に注意散漫にするものであり、また回折を増加させる。
【0211】
少なくとも3つの電極を基板に有する利点は、最大透過率または反射率を減少させずに、それらの電極を近づけることが可能なことである。例えば、実施形態では、少なくとも3つの電極を有する基板上の電極は、35ミクロン離れてスペースを置かれ得るが、一方例えば2つの電極を有する対向する基板上の電極は、70ミクロン離れてスペースを置かれ得る。これらは例示的な数字であり;適用の要件によって、実際の数字を変更し得る。
【0212】
近づけてスペースを置かれた電極は、より強力な電場をもたらし、したがってより速い閉じが得られ、したがってカーテン効果が低減される。一方、開いているとき、追加の電極が粒子を引き寄せないように構成される場合、最大透過率または反射率の損失がわずかである。
【0213】
実施形態では、その追加の電極が、例えば透過性の材料など、他の電極とは異なる材料から形成され得る。例えば、4つの電極が銅で形成されてもよく、一方追加の第5の電極がITOで形成される。
【0214】
図16および
図17は、第1の基板における複数の電極の引き続く主線間の距離が、第2の基板における複数の電極の引き続く主線間の距離よりも大きい例を示す。例えば、この距離は、図示される距離の2倍でもよい。例えば、この距離は、少なくとも2倍、1.5倍、または1.2倍などでもよい。
【0215】
図16および
図17は、透過率を減少させることを促進する例を示す。
【0216】
図18-
図19は、各基板上に3つの電極を有する光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【0217】
それぞれの側に少なくとも3つの電極を有することは、5つの電極を有する利点を増加する。全電極がデバイスを開けるために必要ではないため、透過率を減少させずに両側で電極がより近くなることが可能である。さらに、各基板上に3つの電極を有して、6つの電極が対称的に配置可能である。
【0218】
図20-
図23は、一方の基板上に4つの電極、他方の基板上に2つの電極を有する光変調器の実施形態の例を概略的に示す。電極の数が多くなると、透過率のさらなる変調が可能となり、粒子運動のみによるのではなく、設計によって制御される。
図20に示すように、光学変調器エリアは、可視エリアに粒子を広げるように設定可能である一方、他の部分は、垂直電場内で粒子を集約するように設定可能である。これは、設計制御によるグレースケールを可能とする。
図21、
図22、および
図23は、グレースケールを変調するために2つの電極および4つの電極にわたる電位の関連の他の例を示している。
【0219】
図24-
図29は、各基板上に4つの電極を有する光変調器の実施形態の例を概略的に示す。これらの例によって、グレースケールに対するさらなる制御さえも可能となる。
【0220】
図30は、光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
図30の光変調器は、それぞれの側に2つの電極を有するが、2つより多い電極を用いて実施され得る。
【0221】
図30に示される光変調器は、一次電極に平行に走る、さらなる二次電極を有する。例えば、一次電極は、主線または支線などでもよい。
図30では、1つの一次電極が参照符号3001で示されており、1つの二次電極が参照符号3002で示される。図に示すように、二次電極は一次電極のそれぞれに沿って走るが、これは必須ではない。
【0222】
実施形態では、二次電極が半導体層を通して一次電極に接続され、二次電極が半導体層によって一次電極線と電気的に接続され、これによって一次電極上で閾値電圧を上回る透過電流(transmission current)のみが可能となる。したがって、電圧スイッチが、電位によって扱われることが可能である。
【0223】
それに応じて、一次電極またはそれらの一部分は、二次電極へ局所的に相互接続可能となる。半導体材料層とインターフェースすることによって、最小電位が電極上で適用された場合に、透過性電極は電位のみを見る。これによって、電位によって扱われる電圧スイッチを表面上に創出可能である。二次電極は、透過性でもよい。第2の電極は、一次電極と同サイズまたは類似サイズでもよく、またはずっと大きくてもよい。
【0224】
実施形態では、二次電極は、局所的に電荷を保持するように構成されるコンデンサを備える。これは、電力におけるゲインのために使用可能である。コンデンサとして拡張された電極を構成するために、半導体層は必要ない。
【0225】
実施形態では、二次電極は、光起電性半導体材料を含み、二次電極は一次電極線に電力を提供する。
【0226】
図31-
図33は、2次元で延在するが第3の次元でオフセットされる2つの電極を有する基板の実施形態の例を概略的に示す図である。これらの図は上面図を示す。2つの電極は、それぞれ平面に配置されるが、それらの平面は互いに対してオフセットされる。例えば、電極はエッチングされてもよい。
【0227】
各基板上の電極の相互嵌合パターンは、光変調器を粒子分散状態(典型的には、暗状態になる)に設定できるようにする。基板に平行な電場は、高レベルの均質性をもたらす。垂直軸、すなわち基板から基板へ向かう軸に沿った電場の分布は、力線による粒子の濃縮を促進し、あまり均質でないと考えることができ、その物理的な不均質性を利用してグレースケールをより容易に創出し得る。
【0228】
同一の基板上での電極間のオフセットは、相互嵌合された主線間の角度が回折レベルを低減可能にする。回折問題をさらに低減するため、および/または視差を減少させるために、補足線を創出可能である。実施形態では、パッシブマトリクス設計が使用される。
【0229】
ある角度で2つの電極パターンをオフセットすることは、対向する基板対基板内に適用されてもよいが、異なる基板上のパターン間に適用されてもよい。例えば、異なる基板上の電極パターンは、ある角度を有してオフセットされてもよい。例えば、実施形態では、2つ以上の相互嵌合電極が2枚の平行基板に対して適用されてもよく、この場合、2枚の基板における主線は平行ではないが、互いに対してある角度をなす。
【0230】
図34は、光変調器の実施形態の例を概略的に示す図であり、第1の基板上の電極は第2の基板上の第2の電極と少なくとも部分的に同一のパターンで配置され、第1の電極および第2の電極のパターンは互いに対してシフトされる。
【0231】
この例では、6電極システムに基づく整列不良が示される。整列不良は、製造整列許容誤差に起因して視差効果を減少させる。システムを駆動する特定の1つの方法が図に示される。
【0232】
特定の整列不良は、デバイスに対して全体的に、または局所的にのみ適用され得る。例えば、特定の整列不良は、色素移動効果としても知られる、縁部に向かう望ましくない粒子運動を防ぐために縁部に対して作用させることが可能である。実施形態では、光変調器の将来的な屈曲に対してより良く適合するために、特定の場所における整列が修正可能である。基板間で整列されていないパターンと整列されたパターンとを組み合わせることによって、回折および/または視差などの光学的効果を改善できる。
【0233】
例えば、実施形態では、2つ以上の相互嵌合電極が2枚の平行基板に対して適用されてもよく、この場合、2枚の基板における主線は平行であるが、互いに対してシフトされる。
【0234】
図35は、各基板上に4つの電極を有する光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。実施形態では、視差を減少させるために、電極用として異なる材料が組み合わされ得る。
【0235】
例えば、各基板上で、2つの電極のうちの1つの電極が金属または透過性(例えばITO)で形成可能であり、または異なる光学指数を有することも可能である。対向する基板上の電極は、他の種類の材料から形成され;例えば、透過性材料が逆の非透過性材料でもよい。
【0236】
例えば、
図35に示す8電極システムでは、丸で囲まれた電極は、透過性(例えばITO)で形成されてもよく、他の電極は金属(例えば銅)および非透過性で形成されてもよい。これは、水平方向の電極形状設計が下部基板と上部基板との間の完全な整列を必要とする場合でも、視差に関する整列許容の影響を減少させる。製造上のばらつきも、それほど影響がない。
【0237】
図36-
図37は、基板にわたる異なるジオメトリを有する光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。例えば、電極ジオメトリは、第1および第2の基板のうちの少なくとも一方にわたって異なってもよく、例えば電極の厚さ、幅、形状、面積、および体積のうちの1つ以上が異なり得る。
【0238】
異なる電極ジオメトリを使用することは、任意の種類の電極構造と組み合わされ得る。
【0239】
実施形態では、電極は同一の電極の高さを有さない。電極の高さを修正することは、電場分布と液体の流れとの両方に影響する。同様に、基板と平行の電極形状は、任意の形態からのものでよい。基板と比較した場合の垂直面における電極形状は、異なって成形することも可能であり、例として、角が丸い矩形または角が丸くない矩形、三角形、台形などであり得る。
【0240】
図36は、異なる高さを有する基板上の電極の例を示す。
図36は、また、異なる高さを有する異なる基板上の対向電極の例を示す。
【0241】
図37は、異なる形状を有する基板上の電極の例を示す。
図37は、また、異なる形状を有する異なる基板上の対向電極の例を示す。
【0242】
電極における、より大きい高さの利点は、腐食にあまり影響されにくいことである。
【0243】
図38-
図39は、先行技術の光変調器における電極間の短絡を引き起こす物理的汚染物質の例を概略的に示す図である。
【0244】
図38は、先行技術の光変調器における対向する基板上の電極間の短絡を引き起こす物理的汚染物質の例を概略的に示す図である。
【0245】
図39は、先行技術の光変調器における単一基板上の隣り合った電極間の短絡を引き起こす物理的汚染物質の例を概略的に示す図である。
【0246】
図40-
図44は、光変調器の実施形態の例を概略的に示す図である。
【0247】
図40-
図45は、光変調器の実施形態の例を概略的に示す図であり、保護コーティングの様々な構成が概略的に表され、どのようにこれらが物理的汚染物質(実施形態の一部ではない)による電極間の短絡の形成を防ぎ得るかをさらに示す。
【0248】
図40は、電極と電極で被覆されていない基板部分との両方が保護コーティングで被覆されるように、基板全体を被覆する保護コーティングが設けられている基板上の電極の例を示す。
図40は、さらに、保護コーティングが設けられていない異なる基板上の対向電極の例を示す。
【0249】
図41は、電極と電極で被覆されていない(および流体と流体接触している)基板部分との両方が保護コーティングで被覆されるように、基板全体を被覆する保護コーティングが設けられている両方の基板上の電極の例を示す。
【0250】
図42は、規則的なパターンもしくは無作為のパターンの保護コーティングが設けられている電極の例を示し、必ずしも全ての電極が被覆されない。この例では、第1の基板および第2の基板の両方における電極の一部は保護コーティングで被覆される。
【0251】
図43は、規則的なパターンもしくは無作為のパターンの保護コーティングが設けられている電極の例を示し、必ずしも全ての電極が保護コーティングで被覆されない。この例では、電極のうちの全てではなくいくつかと、電極が設けられていない基板の内側の表面の全てではなく一部との両方が、保護コーティングで被覆されるように、保護コーティングが設けられている。この例では、保護コーティングは、両方の基板の電極の一部と、両方の基板の内側の一部に設けられている。
【0252】
図44は、規則的なパターンもしくは無作為のパターンの保護コーティングが設けられている電極の例を示し、必ずしも全ての電極が保護コーティングで被覆されない。この例では、電極のうちの全てではなくいくつかと、電極が設けられていない基板の内側の表面の全てではなく一部との両方が、保護コーティングで被覆されるように、保護コーティングが設けられている。この例では、保護コーティングは、一方の基板のみの電極の一部と、一方の基板のみの基板の内側の一部に設けられているが、対向する基板に保護コーティングが設けられていない。
【0253】
図45は、規則的なパターンもしくは無作為のパターンの保護コーティングが設けられている電極の例を示し、必ずしも全ての電極が保護コーティングで被覆されない。この例では、電極のうちの全てではなくいくつかと、電極が設けられていない基板の内側の表面の全てではなく一部との両方が、保護コーティングで被覆されるように、保護コーティングが設けられている。この例では、保護コーティングは、両方の基板の電極の一部と、両方の基板の基板の内側の一部に設けられている。
図45もまた、保護コーティングのいくつかの部分が、コーティングの他の部分と比較すると、異なる厚さを有し得ることを示す。
【0254】
図46-
図48は、電極および基板の残りの部分にわたって保護コーティングの異なるジオメトリを有する光変調器の使用のための基板の実施形態の例を概略的に示す図である。例えば、例えば、形状(線、メッシュ、網)、コーティング幅、コーティング長、コーティング厚さ、対向する基板上の保護コーティングの存否、および対向する基板上のコーティングに対する整列のうちの1つ以上などの、保護コーティングのジオメトリは、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方にわたって異なり得る。
【0255】
図46は、電極(灰色線)が適用される単一の基板(点で描いてある)の上面図の例を示し、保護コーティング(黒線)が、電極の表面と、電極が設けられていない基板とに適用される。この例では、保護コーティングは、電極の主線と角度を形成する平行なストリップのパターンで適用される。
【0256】
図47は、電極(灰色線)が適用される単一の基板(点で描いてある)の上面図の例を示し、保護コーティング(黒線)が、電極の表面と、電極が設けられていない基板とに適用される。この例では、保護コーティングがメッシュの形をしたパターンで適用され、メッシュの形をしたパターンの主線が、電極の主線に対してシフトされる。
【0257】
図48は、電極(灰色線)が適用される下部基板(点で描いてある)の上面図の例を示し、保護コーティング(黒線)が、電極の表面と、電極が設けられていない基板とに適用される。また、この例で示されているのは、上部基板(図示せず)上に適用されている電極の表面と、この上部基板の電極が設けられていない基板の表面とに設けられている保護コーティング(黒線)である。この例では、上部基板および下部基板にともに適用された平行線の形状の保護コーティングが、主線が電極の主線に対して傾斜しているメッシュの形をしたパターンを形成している。
【0258】
なお、上述した実施形態は、本開示の主題を限定するのではなく例示しており、当業者が多くの代替実施形態を設計できることに留意されたい。
【0259】
特許請求の範囲において、括弧で囲まれた参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「備える」、「含む」という動詞とその語形変化の使用は、請求項で述べられる要素またはステップ以外の要素またはステップの存在を排除しない。要素の前の「1つの(a)」または「1つの(an)」という冠詞は、複数のそのような要素の存在を排除しない。「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素のリストの後にあるとき、そのリストからの要素の全部または任意のサブセットの選択を表す。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、またはA、B、およびCの全部を含むとして理解されるべきである。本開示の主題は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって、および適切にプログラムされたコンピュータによって実施され得る。いくつかの部分を列挙する、デバイスの請求項において、それらの部分のいくつかは、ハードウェアの1つの同じ項目によって具現化され得る。特定の手段が互いに異なる従属項に記載されているという事実のみで、それらの手段の組合せが有益に使用されることができないことを示すものではない。
【0260】
特許請求の範囲において、括弧内の参照は、例示する実施形態の図面における参照符号または実施形態の式を指し、したがって特許請求の範囲がより理解しやすいようにする。これらの参照は、特許請求の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調器であって、
- 第1の基板および第2の基板であって、内側が互いに対向して配置される、第1の基板および第2の基板、
- 第1の基板および第2の基板のそれぞれの内側に適用されている複数の電極であって、第1の基板および第2の基板のそれぞれは内面エリアを有し、
- 複数の電極のそれぞれは、基板にわたるパターンで配置され、複数の電極はそれぞれ、基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線を備えており、複数の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置されている、および
- 第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内面エリアの少なくとも一部は、電極を保護するために保護コーティングが設けられている、複数の電極、
- 第1の基板と第2の基板との間の光学層であって、光学層は、粒子を含む流体を含んでおり、粒子は、帯電している、または帯電可能である、光学層、
- 複数の電極のうちの1つに向かうまたは複数の電極のうちの1つからの粒子の電気泳動の動きをもたらす、複数の電極間の電磁場を得るために複数の電極に電位を適用し、光変調器の光学特性の変調を引き起こすように構成されているコントローラ
を備え、
各基板のうちの少なくとも1枚の基板の複数の電極が、少なくとも第1の電極と第2の電極とを備えており、第1の電極および第2の電極がそれぞれ:
- 基板にわたって第1の方向に延在する複数の主線であって、第1および第2の電極の複数の主線は、基板上で互いに対して交互に配置される、複数の主線、
- 主線から主線間のエリア内まで延在する複数の支線であって、第1の電極の、および第2の電極の、第1の主線と、第2の主線との間のエリア内まで延在する支線が、第1および第2の主線から交互に延在し、同一のエリア内まで延在する、2本の引き続く支線のうちの少なくとも一方が、第1の方向に直交する第2の方向に沿って測定された、エリアにわたって少なくとも半分延在する、複数の支線 を備え、第1の主線と第2の主線との間の同一のエリア内まで延在する2本の引き続く支線が、第1の方向に投影されたときに第2の方向で重なる、光変調器。
【請求項2】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の一方の内面エリアの少なくとも一部に設けられており、対向する基板の内面には保護コーティングが設けられない、請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の両方の内面エリアの少なくとも一部に設けられている、請求項1に記載の光変調器。
【請求項4】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の全内面エリアの少なくとも1%を被覆する、請求項1に記載の光変調器。
【請求項5】
保護コーティングが、第1の基板および第2の基板の両方の全内面エリアの少なくとも1%を被覆する、請求項3に記載の光変調器。
【請求項6】
実質的に、内側に適用された複数の電極の全表面、および実質的に、電極が設けられていない基板の内側が、保護コーティングで被覆されるように、第1の基板および第2の基板の一方の内側は、保護コーティングが全体的に設けられており、対向する基板は保護コーティングが設けられない、請求項1に記載の光変調器。
【請求項7】
実質的に、内側に適用された複数の電極の全表面、および電極が設けられていない基板の内側が、保護コーティングで被覆されるように、第1の基板および第2の基板の両方の内側は、保護コーティングが全体的に設けられている、請求項1に記載の光変調器。
【請求項8】
保護コーティングがパターンが付けられたコーティングとして設けられている、請求項1に記載の光変調器。
【請求項9】
保護コーティングがパターンが付けられたコーティングとして設けられ、第1の基板上の第1の主線は保護コーティングが設けられており、第1の主線に対向する第2の基板上の第2の主線は保護コーティングが設けられておらず、第2の主線が、流体と流体接触しており、またはその逆も同様である、請求項1に記載の光変調器。
【請求項10】
第1の基板および第2の基板上の複数の主線は、保護コーティングが、交互に設けられおよび設けられない、請求項9に記載の光変調器。
【請求項11】
パターンが付けられたコーティングが、電極の少なくとも一部と、任意選択で第1の基板および第2の基板の一方の内側とに設けられており、対向する基板には設けられていない、請求項9に記載の光変調器。
【請求項12】
保護コーティングがパターンが付けられたコーティングとして設けられ、内側に適用された複数の電極の少なくとも一部、および/または電極が設けられていない基板の内側は、コーティングが設けられており、内側に適用された複数の電極の少なくとも一部、および電極が設けられていない基板の内側は、コーティングが設けられていないように、コーティングが、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の内側に無作為のパターンで設けられている、請求項1に記載の光変調器。
【請求項13】
保護コーティングが透過性または半透過性コーティングである、請求項1に記載の光変調器。
【請求項14】
保護コーティングが反射性コーティングである、請求項1に記載の光変調器。
【請求項15】
保護コーティングが変調器に追加の光学機能を提供する、請求項1に記載の光変調器。
【請求項16】
保護コーティングが、1nmから100μmの範囲、好ましくは10nmから50μmの範囲、好ましくは100nmから10μmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の光変調器。
【請求項17】
- 少なくとも3つの電極が第1の基板および第2の基板の少なくとも一方に適用される、または
- 少なくとも3つの電極が第1の基板および第2の基板の両方に適用される、請求項1に記載の光変調器。
【請求項18】
第1の基板における複数の電極の引き続く主線間の距離が、第2の基板における複数の電極の引き続く主線間の距離よりも大きい、請求項1に記載の光変調器。
【請求項19】
透過状態および非透過状態を有する、または反射状態および非反射状態を有する光変調器であって、
- 第1の基板および第2の基板の少なくとも一方上で交流電圧を創出し、第1の基板上の少なくとも第1の電極と第2の電極との間および/または第2の基板上の第1の電極と第2の電極との間に交流を適用することによって、非透過状態または非反射状態へ切り換え、
- 第1の基板と第2の基板との間に交流電圧を創出し、第1の基板上の第1の電極と第2の基板上の第1の電極との間、および/または第1の基板上の第2の電極と第2の基板上の第2の電極との間に交流を適用することによって、透過状態または反射状態へ切り換える
ように構成される、請求項1に記載の光変調器。
【請求項20】
第1の主線と第2の主線との間の同一のエリア内まで延在する2本の引き続く支線が、異なる長さを有し、より長い方の支線が、より短い方の支線より少なくとも5%長い、請求項1に記載の光変調器。
【請求項21】
第1の電極および第2の電極の基板上の主線と引き続く主線との間の距離が、第2の方向および/または第1の方向において変化する、請求項1に記載の光変調器。
【請求項22】
主線間の距離が、
- 最大距離に向かう増加と、最小距離に向かう減少とが交互になっている、および/または
- 最大距離および最小距離内の無作為の量で増加または減少する、および/または
- 基板にわたる主線間の第2の方向における一連の距離が無作為に変化し、距離の和が、最小総距離と最大総距離との間である、請求項21に記載の光変調器。
【請求項23】
主線と、主線から延在する支線とが、支線が延在する副主線の接続された連続として作り上げられ、その連続の中の副主線が、主線を形成するために接続し、
- 副主線の同一の側に延在する支線が等しい長さを有する、および/または
- 副主線の同一の側に延在する支線が平行である、および/または
- 副主線の両側から延在する支線の数が等しい、請求項1に記載の光変調器。
【請求項24】
副主線の同一の側に延在する支線、および同一の主線の引き続く副主線から延在する支線が、
- 異なる長さを有する、および/または
- 第1の方向と異なる角度を形成する、および/または
- 副主線の側から延在する異なる数の支線を有する、請求項23に記載の光変調器。
【請求項25】
支線と、副主線における第1の方向との間の角度が、45度と90度との間で無作為に選択される、請求項23に記載の光変調器。
【請求項26】
同一の主線における、副主線と、引き続く接続された副主線とが、第1の方向と第2の方向との両方において互いに対してシフトされる、請求項23に記載の光変調器。
【請求項27】
第1および第2の電極が配置されるパターンが、基板にわたって第1および第2の方向に延在するブロックのセットに細分され、各ブロックが、第1の電極の複数の主線の一部分の複数の副線と、第2の電極の複数の主線の一部分の複数の副線とを備えており、ブロックのうちの少なくとも1つが基板上で複数回繰り返される、請求項1に記載の光変調器。
【請求項28】
- ブロックの一部分において副主線の電極が複数の支線を備えており、ブロックの一部分において電極が複数の支線を備えていない、および/または
- ブロックの一部分において副主線が直線的であり、ブロックの一部分において副主線が波状である、請求項27に記載の光変調器。
【請求項29】
電極が配置されるパターンが複数の部分に細分され、電極線間隔、電極線厚さ、電極線幅、電極材料、電極線形状、および電極線方向のうちの少なくとも1つが、複数の部分において異なり、光学的効果を引き起こす、請求項1に記載の光変調器。
【請求項30】
厚さ、幅、形状、面積および体積からなるグループから選択された電極ジオメトリが、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方にわたって異なる、請求項1に記載の光変調器。
【請求項31】
一次電極が、一次電極に平行に走るさらなる二次電極に少なくとも一部分において接続され、
- 二次電極が半導体層を通して一次電極に接続され、二次電極が半導体層によって一次電極線と電気的に接続され、これによって一次電極上で閾値電圧を上回る透過電流のみが可能となる、および/または
- 二次電極が透過性である、および/または
- 二次電極が、局所的に電荷を保持するように構成されるコンデンサを備えている、および/または
- 二次電極が、光起電性半導体材料を含み、二次電極が一次電極線に電力を提供する、請求項1に記載の光変調器。
【請求項32】
複数の電極が基板にわたって2次元で延在し、第3の次元で、複数の電極のうちの少なくとも第1の電極が、複数の電極のうちの少なくとも第2の電極から離れて置かれている、請求項1に記載の光変調器。
【請求項33】
第1の基板上の電極が、第2の基板上の第2の電極と少なくとも部分的に同一のパターンで配置され、第1の電極および第2の電極のパターンが互いに対してシフトされる、請求項1に記載の光変調器。
【国際調査報告】