(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】シリンジ、アセンブリ、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/31 20060101AFI20240705BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61M5/31 530
A61M5/32 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579231
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022034424
(87)【国際公開番号】W WO2022271760
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーレンシュレーガー,ラスムス
(72)【発明者】
【氏名】オリバス,ジェローム
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066EE06
4C066EE14
4C066FF05
4C066HH13
4C066NN04
(57)【要約】
シリンジ、充填プロセスでの使用のためのアセンブリ、及び関連する製造方法が、開示されている。シリンジは、薬物の予め選択された容量(例えば、薬物3mL又は薬物約3mLである予め選択された容量)が充填されているか又は充填されるように構成されているリザーバを含み得る。このシリンジは、円筒部分を含む壁をさらに含み得る。この壁の円筒部分は、(a)5mLシリンジの標準内径、又は予め選択された容量若しくは3mLと等しくない任意の他のシリンジ容量の標準外径と等しいか又はほぼ等しい内径;及び/又は(b)5mLシリンジの標準外径、又は予め選択された容量若しくは3mLと等しくない任意の他のシリンジ容量の標準外径と等しいか又はほぼ等しい外径を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジにおいて:
薬物3mL又は前記薬物約3mLである予め選択された容量が充填されているか又は充填されるように構成されているリザーバ;並びに
円筒部分を含む壁であって、前記円筒部分は、
5mLシリンジの標準内径と等しいか又はほぼ等しい内径、及び
5mLシリンジの標準外径と等しいか又はほぼ等しい外径
の少なくとも一方を含む、壁
を含むシリンジ。
【請求項2】
ISO 11040-4は、前記5mLシリンジの標準内径、及び/又は前記5mLシリンジの標準外径を示す、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項3】
前記壁の前記円筒部分の前記内径は、11.85mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項1又は2に記載のシリンジ。
【請求項4】
前記壁の前記円筒部分の前記外径は、14.45mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項1~3のいずれか一項に記載のシリンジ。
【請求項5】
前記シリンジは、前記壁の近位側の内面と、前記壁の近位側の外面との間で測定される第1の長さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシリンジ。
【請求項6】
前記シリンジの前記第1の長さは、3mLシリンジの標準長さ未満であるか、又は72.2mm未満である、請求項5に記載のシリンジ。
【請求項7】
ISO 11040-4は、前記3mLシリンジの標準長さを示す、請求項6に記載のシリンジ。
【請求項8】
前記シリンジの前記第1の長さは、1mLシリンジの標準長さ又は54mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項5に記載のシリンジ。
【請求項9】
ISO 11040-4は、前記1mLシリンジの標準長さを示す、請求項8に記載のシリンジ。
【請求項10】
前記シリンジは、前記壁の遠位側の外面と、前記壁の近位側の外面との間で測定される第2の長さを有しており、前記第2の長さは、62.3mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項1~9のいずれか一項に記載のシリンジ。
【請求項11】
ニードルを含む請求項1~10のいずれか一項に記載のシリンジ。
【請求項12】
前記シリンジは、前記ニードルの遠位側の外面と、前記壁の近位側の外面との間で測定される第3の長さを有しており、前記第3の長さは、75mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項11に記載のシリンジ。
【請求項13】
前記ニードルの少なくとも一部を覆う取り外し可能な無菌バリアを含む請求項11又は12に記載のシリンジ。
【請求項14】
前記取り外し可能な無菌バリアは、硬質ニードルシールド(RNS)を含む、請求項13に記載のシリンジ。
【請求項15】
前記シリンジは、前記取り外し可能な無菌バリアの遠位側の外面と、前記壁の近位側の外面との間で測定される第4の長さを有しており、前記第4の長さは、80mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項13又は14に記載のシリンジ。
【請求項16】
前記シリンジは、前記取り外し可能な無菌バリアの遠位側の外面と、前記取り外し可能な無菌バリアの近位側の外面との間で測定される第5の長さを有しており、前記第5の長さは、25.1mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項13~15のいずれか一項に記載のシリンジ。
【請求項17】
前記壁の前記円筒部分内に少なくとも部分的に配置されているストッパを含む請求項1~16のいずれか一項に記載のシリンジ。
【請求項18】
前記リザーバは、前記ストッパと、前記壁の前記円筒部分とで少なくとも部分的に画定されている、請求項17に記載のシリンジ。
【請求項19】
前記ストッパの少なくとも一部は、12.4mmと等しいか又はほぼ等しい外径を有する、請求項17又は18に記載のシリンジ。
【請求項20】
前記ストッパの前記少なくとも一部は、半径方向外向きに延びるリブを含む、請求項19に記載のシリンジ。
【請求項21】
第6の長さは、前記ストッパの遠位側の表面と、前記ストッパの近位側の表面との間で測定され、前記第6の長さは、10mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項17~20のいずれか一項に記載のシリンジ。
【請求項22】
容量が予め選択されているシリンジを製造する方法であって、
標準的なシリンジ寸法の仕様を準備するか又は得ることであって、前記仕様は、複数のシリンジ容量のそれぞれに関して、少なくとも(a)複数の標準直径の内の1つ、及び(b)複数の標準長さの内の1つを示す、準備するか又は得ること;並びに
前記仕様に含まれる前記複数の標準直径の中から標準直径を選択することであって、前記選択された標準直径に関して前記仕様により示された前記シリンジ容量は、前記予め選択された容量と等しくない、選択すること
を含む方法。
【請求項23】
前記予め選択された容量は、3mLである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記選択された標準直径に関して前記仕様により示された前記シリンジ容量は、5mLである、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記選択された標準直径に関して前記仕様により示された前記シリンジ容量は、前記予め選択された容量と比べて大きい、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記シリンジに関する長さを選択することであって、前記選択された長さは、前記予め選択された容量に関して前記仕様により示された前記標準長さと等しくない、選択することを含む請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記選択された長さは、前記予め選択された容量に関して前記仕様により示された前記標準長さと比べて短い、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記選択された長さは、1mLシリンジに関して前記仕様により示された前記標準長さと等しいか、又はほぼ等しい、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記選択された長さは、数式に従って算出されており、前記選択された長さは、
【数1】
と等しいか、又はほぼ等しい、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記標準シリンジ寸法の仕様は、ISO 11040-4を含む、請求項22~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記シリンジの長さは、予め選択されている、請求項22~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の標準直径は、前記シリンジの複数の標準外径に対応している、請求項22~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記複数の標準直径は、前記シリンジの複数の標準内径に対応している、請求項22~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも充填プロセスでの使用のためのアセンブリであって、
タブ型容器;並びに
前記タブ型容器中に少なくとも部分的にそれぞれ配置されている複数のシリンジであって、前記シリンジの内の1つ又は複数は、
薬物3mL又は前記薬物約3mLの予め選択された容量が充填されているか又は充填されるように構成されているリザーバと、
3mLシリンジに関する標準長さと比べて短い長さと
を含む、複数のシリンジ、
を含むアセンブリ。
【請求項35】
前記タブ型容器は、高さが、3インチ又は76.2mmと等しいか、又はほぼ等しい、請求項34に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記シリンジの内の1つ又は複数は、外径が、5mLシリンジの標準外径と等しいか、又はほぼ等しい、請求項34又は35に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記シリンジの内の1つ又は複数は、内径が、5mLシリンジの標準内径と等しいか、又はほぼ等しい、請求項34~36のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記シリンジの内の1つ又は複数は、長さが、1mLシリンジの標準長さと等しいか、又はほぼ等しい、請求項34~37のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記シリンジの内の1つ又は複数は、請求項1~21のいずれか一項に記載のシリンジである、請求項34又は35に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2021年6月23日に出願された米国仮特許出願第63/214,218号明細書に対する優先権が主張され、この明細書の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、全体として薬物送達デバイスに関し、より具体的には、患者に薬物を注射するためのデバイス、及びそのようなデバイスの製造に関する。
【背景技術】
【0003】
シリンジは、注射により患者に薬物を投与するために医療分野で一般に使用されており、且つ他の用途及び目的も有する。シリンジは、大量に生産されることが多く、複数の供給業者が関与しており、それぞれが、シリンジの異なる部品又は構成要素の製造又は組立てを専門としている。例えば、ある供給業者は、シリンジのバレル及び/又はストッパを製造し得、別の供給業者は、薬物を製造し得、及び/又はプレフィルドシリンジの場合には、例えば無菌条件下で、バレルに薬物を充填し得る。
【0004】
産業界は、数ある理由の中でも、様々な供給業者間の調整を容易にするために、シリンジの標準寸法を採用している。この標準化により、シリンジの生産がより効率的となり、その結果、患者のコストが低下した。例えば、ある特定の標準シリンジ寸法は、国際標準化機構(ISO)11040-4で規定されている。この標準化の結果、様々なシリンジ構成要素は、ある特定の寸法でのみ容易に入手可能である。このことは、同様に、例えば、シリンジを組み込むことが意図されたデバイスの製造業者及び設計に制約を課す可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、既存のシリンジ、アセンブリ、及び製造方法に対する有利な代替案を具体化し、且つ本明細書で言及される1つ又は複数の課題又はニーズに対処し得、他の利益及び利点も提供し得るシリンジ、アセンブリ、及び関連する製造方法を示す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、少なくともリザーバ及び壁を含むシリンジを提供する。この壁は、少なくとも円筒部分を含み得る。このリザーバは、予め選択された容量の薬物(例えば、薬物3mL又は薬物約3mLである予め選択された容量)が充填され得るか、又は充填されるように構成され得る。この円筒部分は、下記を含み得る:(a)5mLシリンジの標準内径に等しいか若しくはほぼ等しい内径、又は予め選択された容量若しくは3mLに等しくない任意の他のシリンジ容量の標準外径;並びに/又は(b)5mLシリンジの標準外径に等しいか若しくはほぼ等しい外径、又は予め選択された容量若しくは3mLに等しくない任意の他のシリンジ容量の標準外径。いくつかの実施形態では、ISO 11040-4は、5mLシリンジの標準内径、及び/又は5mLシリンジの標準外径を示す場合がある。
【0007】
このシリンジは、壁の近位側の内面と、壁の近位側の外面との間で測定される第1の長さを有し得る。このシリンジの第1の長さは、3mLシリンジの標準長さ若しくは72.2mm未満であり得、及び/又はこのシリンジの第1の長さは、1mLシリンジの標準長さ若しくは54mmに等しくてもよいし、又はほぼ等しくてもよい。いくつかの実施形態では、ISO 11040-4は、3mLシリンジの標準長さ、及び/又は1mLシリンジの標準長さを示し得る。
【0008】
本開示の別の態様は、予め選択された容量(例えば、3mLである予め選択された容量)を有するシリンジを製造する方法を提供する。この方法は、標準シリンジ寸法の仕様を準備するか又は得ることであって、この仕様は、複数のシリンジ容量のそれぞれに関して、少なくとも(a)複数の標準直径の内の1つ、及び(b)複数の標準長さの内の1つを示す、準備するか又は得ることを含み得る。標準シリンジ寸法の仕様は、例えばISO 11040-4に含まれ得る。この方法は、仕様に含まれる複数の標準直径の中から標準直径を選択することであって、選択された標準直径に関して仕様により示されるシリンジ容量は、予め選択された容量と等しくない、選択することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、選択された標準直径に関して仕様により示されるシリンジ容量は、5mLであり得る。
【0009】
本開示のさらなる態様は、少なくとも充填プロセスでの使用のためのアセンブリを提供する。このアセンブリは、タブ型容器と、このタブ型容器中に少なくとも部分的にそれぞれ配置されている複数のシリンジとを含み得る。これらのシリンジの内の1つ又は複数は、薬物3mLである予め選択された容量、又は薬物約3mLが充填されているか又は充填されるように構成されているリザーバを含み得る。さらに、これらのシリンジの内の1つ又は複数は、3mLシリンジに関する標準長さと比べて短い長さを有し得る。いくつかの実施形態では、タブ型容器は、3インチ又は76.2mmと等しいか又はほぼ等しい高さを有し得る。
【0010】
本開示は、添付の図面と併せて下記の説明からより完全に理解されると考えられる。図面のいくつかは、他の要素をより明確に示すために、選択された要素を省略することにより簡略化されている場合がある。いくつかの図面におけるそのような要素の省略は、対応する記載による説明で明示的に描出されている場合を除き、例示的実施形態のいずれかにおける特定の要素の存在又は不在を必ずしも示すものではない。さらに、いずれの図面も、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ISO 11040-4で規定されているシリンジの標準寸法のチャートである。
【
図2】様々な実施形態による例示的なシリンジの斜視図である。
【
図4】
図3のシリンジの長軸Aに沿った断面図である。
【
図5】
図4のシリンジのフランジの上面図であり、ストッパが省略されている。
【
図6】
図2~5のシリンジのストッパの斜視図である。
【
図8】
図7のストッパの長軸Aに沿った断面図である。
【
図9】少なくとも充填プロセスでの使用のための例示的なアセンブリの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、全体として、シリンジの設計及び製造に関する。本明細書で開示されているシリンジは、例えば、所望のシリンジ設計を達成するために、既存の製造プロセスに適合するために、並びに/又は自動注射器及び/若しくは体内注射器等の自動化薬物送達デバイスにシリンジを組み込むのに必要な容量及び/若しくは長さの要件等の外部から課される設計上の制約、並びに/又は人間工学的配慮を満たすために、シリンジの製造に使用される標準寸法(例えば、ISO 11040-4で規定されたもの)から少なくともいくつかの点で逸脱し得る。現在開示されているシリンジが標準寸法から逸脱する方法は、現在開示されているシリンジの製造で採用される標準的な製造装置又は慣行に対するあらゆる潜在的なカスタマイズ又は変更を最小限に抑えるか又は排除するために、戦略的に選択される。これにより、現在開示されているシリンジの製造プロセスが合理化され、且つ現在開示されているシリンジの製造に必要な部品を調達可能な供給業者群が潜在的に広がる。例えば、所望の容量及び/又は所望の長さを有するシリンジを実現するために、本開示は、ISO 11040-4等の標準的なシリンジ寸法の仕様が所望の容量及び/又は所望の長さと関連していない標準寸法を選択することを説明する。これにより、例えば、標準直径で様々な供給業者から容易に入手可能であり得る標準的なチュービングケーン(tubing cane)を利用して、所望の容量及び/又は所望の長さのシリンジを製造することが可能であり得る。これらの及び他の利点及び利益は、本開示を検討する当業者に明らかであるだろう。
【0013】
図1は、ISO 11040-4で規定されているシリンジに関する標準寸法のチャートを示す。ISO 11040-4の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
図1のチャートは、シリンジの複数の公称容量(ミリリットル(mL)で測定)のそれぞれに関する様々な標準寸法(ミリメートル(mm)で測定)を規定する。このチャートにおいて、D1は、シリンジのバレル(例えばガラスバレル)の外径に対応しており、D2は、シリンジのバレルの内径に対応しており、L1は、シリンジのバレルの長さに対応している。このチャートは、例えば、公称容量が5mLであるシリンジ(「5mLシリンジ」と称されることがある)を、標準外径D1 14.45mm±0.1mm、標準内径D2 11.85mm±0.2mm、及び長さL1 66.7mm±0.75mmであるバレル(例えばガラスバレル)で製造すべきであることを示す。別の例として、このチャートは、公称容量が3mLであるシリンジ(「3mLシリンジ」と称されることがある)を、標準外径D1 10.85mm±0.1mm、標準内径D2 8.65mm±0.2mm、及び長さL1 72.2±0.5mmであるバレル(例えばガラスバレル)で製造すべきであるか又は製造しなければならないことを示す。さらなる例として、このチャートは、公称容量が1mLであるシリンジ(「1mLシリンジ」と一般に称される)の「ロングバーション」を、標準外径D1 8.15mm±0.1mm、標準内径D2 6.35mm±0.1mm、及び長さL1 54mm±0.5mmであるバレル(例えばガラスバレル)で製造すべきであることを示す。
【0014】
本開示の発明者らは、例えばISO 11040-4で規定されている標準バレル長は、ある特定の用途には望ましくない場合があり、及び/又は受け入れられない場合があることを発見している。例えば、ある特定の薬物を3mL用量で注射することが医学的に必要な場合があるが、3mL用量が入っているシリンジと共に使用される薬物送達デバイス(例えば、自動注射器又は体内注射器)は、3mLシリンジに関してISO 11040-4で規定されているバレル長L1である72.2±0.5mmと等しいか又はより長いバレル長L1を有するシリンジを収納するか又は他の方法で収容するように構成されない場合がある。より具体的な例として、1mLシリンジに関してISO 11040-4で規定されたバレル長L1と等しいか又はほぼ等しいバレル長は、3mLシリンジを必要とする特定の用途に(例えば工学的観点から)適切な場合がある。3mLシリンジに関してISO 11040-4で規定されたバレル長L1に適合するように薬物送達デバイスを再設計するか、或いはISO 11040-4で規定された標準寸法を完全に無視するカスタマイズされたシリンジを設計するよりはむしろ、本出願の発明者らは、特定の用途(例えば、自動注射器、又は体内注射器、又は製造プロセスでのシリンジの使用)の寸法要件を有利に満たす標準シリンジ寸法及び/又は非標準シリンジ寸法の新規の組み合わせに達するために、様々な標準シリンジ寸法を選択しており、さらに、それにもかかわらず、シリンジの製造で採用される標準的な又は既存の製造装置又は慣行に対するあらゆる潜在的なカスタマイズ又は変更が最小限に抑えられているか、又は排除されている。一例として、本開示の一実施形態に係る3mLシリンジを、5mLシリンジに関してISO 11040-4(又は標準シリンジ寸法の別の仕様)で規定された標準外径D1及び/又は標準内径D2、並びに3mLシリンジに関してISO 11040-4(又は標準シリンジ寸法の別の仕様)で規定された標準バレル長L1と比べて短いバレル長L1(例えば、1mLシリンジに関してISO 11040-4(又は標準シリンジ寸法の別の仕様)で規定された標準バレル長L1と等しいか又はほぼ等しいバレル長L1)で製造し得る。
【0015】
図2~5は、本開示の原理に従って構築されたシリンジ10の一実施形態を示す。一般に、シリンジ10は、例えば患者に薬物(本明細書では、薬品又は製剤とも称され得る)を送達する(例えば注射する)ように構成され得る。この薬物は、ペプチド、ペプチボディ、及び/又は抗体等の様々な生物学的製剤であってもよいが、これらに限定されない。本開示は、この薬物の特定の形態又は状態に限定されないが、この薬物は、流体若しくは流体形態、ゼラチン形態、及び/又は粉末形態であり得る。
【0016】
シリンジ10は、長軸Aと、この長軸Aに沿ってそれぞれの位置で配置された近位端12及び遠位端14とを含み得る。シリンジ10の近位端12は、例えば、バレル16(例えば本体部分)及び/又はフランジ18を含み得る。シリンジ10の遠位端14は、例えば、ネック20、ニードル22、及び/又は取り外し可能な無菌バリア24を含み得る。シリンジ10は、バレル16、フランジ18、及びネック20の内のいずれか1つ又は任意の組み合わせを画定する壁26を含み得る。一例として、壁26は、バレル16の少なくとも一部又は全体を画定する円筒部分28を含み得る。シリンジ10は、バレル16内に部分的に又は全体的に配置されたストッパ32(文脈によっては「プランジャ」又は「プランジャストッパ」とも称される)をさらに含み得る。
【0017】
図4に示すように、バレル16の内部空間は、少なくとも第1の部分P1、第2の部分P2、第3の部分P3、及び/又は第4の部分P4を含み得る。これらの部分P1~P4のそれぞれは、長軸Aに沿って測定される予め選択された長さを有する三次元空間、及び/又は所望の機能を実施するのに必要な三次元空間に対応し得る。一例として、第1の部分P1は、バレル16の内部空間の内、ストッパ32に近位である部分に対応し得;第2の部分P2は、バレル16の内部空間の内、シリンジ10の使用前にストッパ32により占有される部分に対応し得;第3の部分P3は、バレル16の内部空間の内、ストッパ32から遠位であり且つシリンジ10が使用前に直立方向で配置された場合にストッパ32と薬剤との間に隙間(例えば、エアギャップ)を提供する部分に対応し得;及び/又は第4の部分P4は、バレル16の内部空間の内、シリンジ10が使用前に直立方向で配置された場合に、部分的に又は完全に薬剤が充填されている部分に対応し得る。
【0018】
シリンジ10は、予め選択された容量(例えば、所定の容量、意図された容量、及び/又は意図された最大容量)の薬物が部分的に又な完全に充填されているか又は充填されるように構成されているリザーバ30をさらに含み得る。一例として、リザーバ30は、バレル16の内部空間の少なくとも一部、及び/又はネック20の内部空間の少なくとも一部に対応し得る。より具体的な例として、リザーバ30は、バレル16の内部空間の第4の部分P4に対応し得る。さらにより具体的な例として、リザーバ30の予め選択された容量、及び/又はリザーバ30内の薬物の予め選択された容量は、バレル16の内部空間の少なくとも第4の部分P4の容量に対応し得る。別例として、リザーバ30の予め選択された容量、及び/又はリザーバ30内の薬物の予め選択された容量は、バレル16の内部空間の第4の部分P4の容量とネック20の内部空間の容量との合計に対応し得る。
【0019】
シリンジ10のリザーバ30は、ストッパ32の遠位側の表面、バレル16の内面(例えば、壁26の円筒部分28の内面)、及び/又はネック20により、部分的に又は全体的に画定され得る。
【0020】
リザーバ30には、薬物が部分的に又は完全に充填され得る。いくつかの実施形態では、リザーバ30は、例えば製造業者により、薬物が予め充填され得るが、他の実施形態では、リザーバ30は、空で提供され得、そのため、下流の製造業者又は使用者が薬物をリザーバ30に充填する必要がある。リザーバ30の予め選択された容量、及び/又はリザーバ30内の薬物の予め選択された容量は、
図1のチャートに含まれる「公称容量」の内のいずれかと等しくてもよいし、又はほぼ(例えば、±10%又は±5%)等しくてもよい。一例として、リザーバ30及び/又はその中の薬物は、3mLに等しいか又はほぼ(例えば、±10%若しくは±5%)等しい予め選択された容量を有し得る。
【0021】
シリンジ10の壁26を、例えば、ガラス、プラスチック(例えばポリプロピレン)、及び/又は任意の他の適切な材料若しくは材料の組み合わせを含む剛性材料又は半剛性材料で、部分的に又は全体的に製造し得る。
【0022】
ストッパ32は、バレル16の近位端に隣接する初期位置からバレル16の遠位端に隣接する少なくとも投与終了位置又は送達終了位置まで、長軸Aに沿って少なくとも遠位方向に移動可能となるように、バレル16内に移動可能に配置され得る。ストッパ32の遠位側への移動により、ニードル22を介してシリンジ10から薬物が排出され得る。長軸Aに沿ったストッパ32の近位側への移動も、少なくともいくつかの実施形態では可能であり得る。ストッパ32を、ゴム等のエラストマー材料、又は任意の他の適切な材料で構成し得る。いくつかの実施形態では、ストッパ32を、フッ素重合体フィルム(例えば、FluroTec(登録商標)バリアフィルム)で部分的に又は全体的にコーティングし得る。ストッパ32は、例えば、ストッパ32が遠位方向に移動する場合に、リザーバ30内の薬物がストッパ32を越えて漏れることを防止されるか又は抑制されるように、バレル16の内面に摺動可能に及び/又は密封可能に接触し得る。一例として、ストッパ32は、壁26の円筒28の内面と液密性及び/又は気密性のシールを形成し得る。
【0023】
ストッパ32は、
図6~8に示すように、概して円柱状の本体部分38と、この本体部分38から半径方向外向きに延びる1つ又は複数のリブ40a~dとを含み得る。リブ40a~dの1つ又は複数の少なくとも外向き側の表面は、バレル16の内面に接触し得る。リブ40a~dのそれぞれは、ストッパ32の本体部分38を部分的に又は全体的に取り囲み得る。リブ40a~dは、長軸Aに対して平行な方向に沿って互いに離間し得る。円柱状の本体部分38は、ストッパ32を、例えばプランジャロッドに連結しやすくするための空洞又は開口を含み得る。
図8に示すように、この空洞は、ストッパ32のねじ切りされた内面42に取り囲まれ得る。一例として、ねじ切りされた内面42は、プランジャロッドのねじ切りされた外面に螺着可能に連結されるように構成され得る。
【0024】
バレル16の近位端は、プランジャロッド又は他の駆動要素がバレル16内にまで及んでおり、ストッパ32と連結すること及び/又は壁26に対してストッパ32を移動させることを可能にする近位軸の開口34を含み得る。ネック20は、リザーバ30内の薬物との流体連結を提供するように構成された遠位軸の開口36を含み得る。一例として、ニードル22は、ネック20の遠位端と連結され得、及び/又は遠位軸の開口36を介してリザーバ30と流体連結し得る。より具体的な例として、ニードル22が壁26に対して移動し得ないように、ニードル22は、壁26の内のネック20を画定する部分に固定され得る(例えば、接着され得る、及び/又は杭打ちされ得る)。ニードル22の遠位端は、ニードル22の遠位端が患者の皮膚、皮下組織、及び/又は他の組織を貫通する(pierce)及び/又は貫通する(penetrate)ことを可能にする、鋭利な先端又は他の鋭い形状を含み得る。ニードル22は、中空であり得、並びに/又はシリンジ10の長軸Aと平行な及び/若しくは同軸の軸通路を含み得る。ニードル22の遠位端では、シリンジ10の使用中に薬物がニードル22から患者へと流出することを可能にするために、1つ又は複数の開口が形成され得る。ニードル22を、金属、及び/又は任意の他の適切な剛性材料で製造し得る。代替実施形態では、ニードル22は、(シリンジ10が、例えばニードルレスシリンジとみなされるように)省略され得るか、又はシリンジ10の壁26に少なくとも直接連結され得ない。ある特定のそのような代替実施形態では、ネック20は、ノズル又は他の流体管路部材(例えばルアーロック継手)と連結され得、及び/又はこれらを形成し得る。ニードル22が省略されている実施形態では、ネック20もまた省略され得、バレル16の遠位軸の開口は、リザーバ30との選択的な流体連通を提供し得る隔壁又は他の構造で覆われ得る。
【0025】
図4に示すように、取り外し可能な無菌バリア24は、ネック20と連結され得、及び/又はニードル22の遠位端を覆い得る。取り外し可能な無菌バリア24は、シリンジ10の使用前にニードル22を保管するための無菌環境又はその他の方法による清浄な環境を提供するためにネック20と気密性及び/又は液密性のシールを形成するように構成され得る。シリンジ10の使用の直前又は実質的に直前に、取り外し可能な無菌バリア24を(例えば使用者により)ネック20から取り外して、ニードル22の遠位端を露出させ得る。一例として、取り外し可能な無菌バリア24は、剛性ニードルシールド(RNS)又は非剛性ニードルシールド(nRNS)であり得る。
【0026】
図4~8を参照して、これよりシリンジ10の寸法を説明する。シリンジ10の壁26の円筒部分28は、外径D1及び内径D2を有し得る。一例として、壁26の円筒部分28の外径D1及び/又は内径D2は、長軸Aに沿って一定であってもよいし、又は実質的に一定であってもよい。バレル16の一部又は全体も、外径D1及び/又は内径D2を有し得る。測定するものに関して、外径D1及び内径D2は、それぞれ、ISO 11040-4(
図1に関連して上述した)で規定された外径D1及び内径D2に対応し得る。フランジ18は、外径D3を有し得る。
【0027】
シリンジ10は、様々な長さをさらに含み得、これらの一部又は全ては、長軸Aに対して平行な方向又は実質的に平行な方向で測定され得る。
図4に示すように、シリンジ10は、壁26の近位側の外面と、壁26の内面の近位側の部分との間で測定される長さL1(文脈によっては「バレル長」と称される)を有し得る。いくつかの実施形態では、長さL1は、壁26の円筒部分28の長さ及び/又はバレル16の長さに対応し得る。長さL1により測定されるものに関して、長さL1は、ISO 11040-4(
図1に関連して上述した)により規定された長さL1に対応し得る。加えて、シリンジ10は、壁26の近位側の外面と、壁26の遠位側の外面との間で測定される長さL2を有し得る。後者は、いくつかの実施形態では、シリンジ10のネック20の遠位側の外面に対応し得る。シリンジ10は、壁26の近位側の外面と、ニードル22の遠位側の表面との間で測定される長さL3をさらに含み得る。加えて、シリンジ10は、壁26の近位側の外面と、取り外し可能な無菌バリア24の遠位側の外面との間で測定される長さL4を含み得る。シリンジ10はまた、取り外し可能な無菌バリア24の近位側の外面と、取り外し可能な無菌バリア24の遠位側の外面との間で測定される長さL5も含み得る。
【0028】
図7に示すように、ストッパ32は、外径D4を含み得る。一例として、外径D4は、ストッパ32のリブ40a~dの内の1つ又は複数の外径に対応し得る。さらに、ストッパ32は、長さL6を有し得る。
図8に示すように、長さL6は、ストッパ32の遠位側の外面と、ストッパ32の近位側の外面との間で測定され得る。
【0029】
シリンジ10の直径D1~D4の内の1つ若しくは複数、長さL1~L6の内の1つ若しくは複数、及び/又は他の寸法の値を、複数の目的を達成し且つ/又は競合するニーズのバランスをとる寸法の新規の組み合わせを提供するように選択し得る。例えば、この寸法を、下記の設計を有するシリンジを提供するために選択し得る:(a)予め選択された(例えば、所定の、目標となる、所望の等)容量の薬物を貯蔵するように構成されていること;(b)人間工学的な利点を有していること;(c)標準的な(若しくはほぼ標準的な)製造方法及び/若しくは設備を使用して製造され得ること;(d)標準的なチュービングケーン(例えば、標準的なガラス製チュービングケーン)から製造され得ること;(e)標準的なシリンジ用タブ型容器(syringe tub)で輸送され得ること;(f)例えば自動注射器又は体内注射器等の薬物送達デバイスの構造的な及び/又は機能的な要件に適合すること;並びに/又は(g)例えばISO 11040-4で規定されたもの等の標準的なシリンジ寸法からの逸脱を最小限に抑えること。
【0030】
一例として、シリンジ10が、(例えば、シリンジ10により投与される薬物の必要な投与量に起因して)予め選択されている容量を有するシナリオでは、本開示の実施形態に係るシリンジ10の製造方法は、下記の工程の内の1つ又は複数を含み得る。最初に、複数のシリンジ容量のそれぞれに関して、下記の内の任意の1つ又は任意の組み合わせを示す標準的なシリンジ寸法の仕様を準備するか又は得ることができる:標準外径D1、標準内径D2、及び標準長さL1。標準的なシリンジ寸法の仕様は、例えば、ISO 11040-4で挙げられ得る。次に、標準外径D1、標準内径D2、標準長さL1、及び/又は仕様が、予め選択された容量と関連付けていないが、例えば、予め選択された容量と等しくないシリンジ容量と関連付ける別の標準寸法を選択し得る。例えば、予め選択された容量が3mLである場合には、仕様が5mLシリンジと関連付けている標準外径D1及び/又は標準内径D2を選択し得る。そうすることにより、例えば、標準的なチュービングケーン(例えば、5mLシリンジの製造に従来使用される標準的なチュービングケーン)からシリンジ10を製造する能力を損なうことなく、仕様が3mLシリンジと関連付けている標準長さL1と比べて短いか又は長いシリンジ10の長さL1を選択する柔軟性を有し得る。例えば、仕様が1mLシリンジに関連付けている標準長さL1に等しいか又はほぼ(例えば、±10%若しくは±5%)等しい長さL1を選択し得る。別の例として、数式に従って、選択された長さL1を算出し得、この選択された長さL1は、
【数1】
と等しいか、又はほぼ(例えば、±10%若しくは±5%)等しい。
【0031】
別の例として、シリンジ10を、下記の内の任意の1つ又は任意の組み合わせを含むように設計し得る:(a)リザーバ30は、3mLの薬物又はほぼ(例えば、±10%若しくは±5%)3mLの薬物を含んでいるか又は含むように構成されており、そのため、少なくともいくつかの文脈において、シリンジ10は、「3mLシリンジ」であるとみなされる;(b)壁26及び/又はバレル16の円筒部分28は、外径D1が14.45mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.1mm)等しい;(c)壁26及び/又はバレル16の円筒部分28は、内径D2が11.85mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.1mm)等しい;(d)フランジ18は、外径D3が18mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.35mm)等しい;(e)壁26及び/又はバレル16の円筒部分28は、長さL1が54mm又は35.7mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.5mm)等しい;(f)壁26は、長さL2が62.3mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.5mm)等しい;(g)長さL3は、75mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±1mm)等しい;(h)長さL4は、80mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±1mm)等しい;(i)長さL5は、25.1mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.3mm)等しい;(j)ストッパ32は、長さL6が10mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.3mm)等しい;並びに/又は(k)ストッパ32は、外径D4が12.4mmと等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、若しくは±0.1mm)等しく、ストッパ32の外側に、任意のコーティングが施されているか、又は施されていない。前文で述べた寸法(a)~(k)の内の任意の1つ又は任意の組み合わせを、予め選択し得る。
【0032】
所与の容量に関して、例えばISO 11040-4で規定されているものと比べて大きい外径D1及び/又は内径D2を有するシリンジ10を製造することで、シリンジ10は、所与の容量に関して、例えばISO 11040-4で規定されているものと比べて短い長さL1を有することが可能となり得る。結果として、例えば、高さHが3インチ(即ち、76.2mm)と等しいか又はほぼ(例えば、±10%若しくは±5%)等しいシリンジ用タブ型容器等の標準的なシリンジ用タブ型容器との使用に適したシリンジ10の長さL1を選択することが可能であり得る。このことにより、多くの又はほとんどの既存の充填現場又は他の既存の製造施設でのシリンジ10の処理が可能となり得るか、又は容易となり得、なぜならば、例えば、そのような施設で使用される標準的な充填機及び/又は他の標準的な製造装置が、例えば、高さHが3インチであるシリンジ用タブ型容器等の標準的なシリンジ用タブ型容器を取り扱うために装備され得るからである。一例として、3mLバージョンのシリンジ10は、上記で論じたように、例えば5mLシリンジに関してISO 11040-4で規定されている標準外径D1及び/又は標準内径D2を含むように設計されている場合には、54mmに等しいか又はほぼ(例えば、±10%、±5%、又は±0.5mm)等しい長さL1を有し得、この長さL1の結果として、高さHが3インチであるシリンジ用タブ型容器中で、他の同様の寸法のシリンジと共に輸送され得、保管され得、及び/又は処理され得る。
【0033】
図9~10は、複数のシリンジ10及びシリンジ用タブ型容器52を含むアセンブリ50の一例を示す。シリンジ用タブ型容器52は、それぞれのシリンジ10を受け入れる複数のウェルを有し得、及び/又はシリンジ10の長軸A1が互いに平行であるか若しくは実質的に平行であり且つ/又は垂直方向であるようにシリンジを配向させ得る。一例として、アセンブリ50は、トレイ54を含み得、このトレイ54の外周は、シリンジ用タブ型容器52の上端に位置する棚上に載っており、且つこのトレイ54は、ウェルを画定する複数の開口を含む。各シリンジ10の遠位端14の少なくとも一部を、
図9~10に示すように、ウェルのそれぞれの1つに挿入し得る。各シリンジ10の近位端16の少なくとも一部(例えば、フランジ18)は、
図10に示すように、トレイ54の上方及び/又はシリンジ用タブ型容器52の上部の開口の上方に配置され得る。結果として、各シリンジ10の近位軸の開口34は、上方からアクセス可能であり得、それにより、例えば、充填機の流体ディスペンサーが上方からシリンジ10のバレル16に薬物を充填することが可能となる。
図9~10に示されるシリンジ用タブ型容器52は、36本のシリンジ10を収容するように構成されているが、シリンジ用タブ型容器52の他の構成は、任意の適切な数のシリンジ10を収容するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アセンブリ50全体又はその少なくとも一部を、医療グレード(例えば、無菌)の包装内に封入し得る。
【0034】
シリンジ用タブ型容器52は、上方から見た場合には、概ね矩形状、正方形状、又は任意の他の適切な形状を有し得る。さらに、シリンジ用タブ型容器52は、例えば、シリンジ用タブ型容器52の最下部表面と最上部表面との間で測定される高さHを有し得る。一例として、高さHは、3インチと等しいか、又はほぼ(例えば、±10%若しくは±5%)等しい。上述したように、そのような高さHは、シリンジの製造に使用される多種多様な標準充填機、及び/又は他の標準機器に適合し得る。
【0035】
本開示のシリンジ、及びシリンジを製造する方法は、本明細書で明示的に説明されている寸法の特定の組み合わせを選択することに限定されない。本開示に係るシリンジを、標準シリンジ寸法(例えば、ISO 11040-4で規定された標準シリンジ寸法を含む)、及び/又は非標準シリンジ寸法の任意の所望の組み合わせを含むように設計し得、及び/又は製造し得る。
【0036】
本開示に係るシリンジを、任意の好適な用途に使用し得、及び/又は任意の好適なデバイスに組み込み得る(例えば、デバイス内に設置し得る)。一例として、シリンジ10を、例えば自動注射器又は体内注射器等の薬物送達デバイスに組み込み得る。より具体的な例として、シリンジ10を、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,690号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/035,851号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/035,927号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,129号明細書、2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,217号明細書、2021年3月10日に出願された米国仮出願第63/159,317号明細書、及び2021年3月10日に出願された米国仮出願第63/159,356号明細書で説明されている自動注射器及び他の薬物送達デバイスの内のいずれかに組み込み得、それぞれの明細書の内容全体が、参照により組み込まれる。
【0037】
本明細書、特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む本願で説明されている全ての特徴、並びに本願で説明されている任意の方法又はプロセスにおける全ての工程を、これらの特徴及び/又は工程の内の1つ又は複数が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせ得る。
【0038】
上記の説明では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイスを、下記で特定される薬物並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー均等品を含むがそれらに限定されない薬物をさらに含み得、又はそれらと共に使用し得る。薬物という用語は、本明細書で使用される場合、他の類似の用語と交換可能に使用され得、伝統的及び非伝統的な薬剤、栄養補助食品、サプリメント、生物製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的均等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子、及びジェネリック薬剤を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用され得る。非治療的な注入可能材料も包含される。薬物は、液体形態であってもよいし、凍結乾燥形態であってもよいし、又は凍結乾燥形態から再構成されたものであってもよい。下記の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0039】
薬物はリザーバ内に収容されることになる。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填されるか又は予め充填されるかのいずれかである一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジであり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)等のコロニー刺激因子が充填されてもよく、又はそれらと共にデバイスを使用し得る。そのようなG-CSF製剤として、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容し得るか、又はこれと共に使用され得る。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用される場合、「赤血球造血刺激タンパク質」は、例えば、受容体に結合して受容体の二量化を引き起こすことにより、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質として、エリスロポエチン受容体に結合して活性化させるエリスロポエチン、及びその変異体、類似体若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合して活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質として、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにこれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、下記で説明する特定のタンパク質がある:完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質等;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体等のヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のその天然の受容体であるICOSとの相互作用を阻害するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(「B7RP-1」並びにB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される);例えば145c7等のHuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体等のIL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;ヒトIFNガンマ特異抗体を含むがそれに限定されない、且つ完全ヒト抗IFNガンマ抗体を含むがそれに限定されないIFNガンマ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質等;TGF-ベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;アミロイド-ベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むが、それに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-スレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-スレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新しい赤血球造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー又は乳癌若しくは胃癌治療用のトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照されたい);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;及び抗ZP3 mAb
(HuMax-ZP3)。
【0043】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の処置のためのロモソズマブを含有する別の製品等が挙げられるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。そのようなPCSK9特異抗体として、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブニリン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがこれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の処置用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填され得るか、又はこれらと共にデバイスを使用し得る。いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、TIMP-3等が挙げられるがこれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容してもよいし、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)、又は片頭痛の処置のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれと共に使用されてもよい。エレヌマブ、並びにヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子等が挙げられるがこれらに限定されないCGRP受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)等が挙げられるがこれらに限定されない二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子を、本開示の薬物送達デバイスで使用し得るか、又はこれと共に使用し得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体が挙げられるがこれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容してもよいし、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が、本開示の薬物送達デバイスで使用されるか、又はこれと共に使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNF αモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)のバイオシミラー(Janssen Biotech,Inc.)若しくは自己免疫疾患の処置のためのインフリキシマブを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、又は多発性骨髄腫の処置のためのカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、又は様々な炎症性疾患の処置のためのアプレミラストを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)、又は血液透析中の慢性腎疾患(KD)を有する患者等における二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の処置のためのエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、又は抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬等のVEGF拮抗薬、及び/又はアフリベルセプト等のVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに融合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、又は補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新しい二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(旧AMG 570)を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子若しくはミオトロープ、又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(旧AMG 510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するヒトモノクローナル抗体であるテゼペルマブ、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体であるAMG 714、又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)であるAMG 890、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有し並びに/若しくはヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)若しくはAmgevita(商標)(旧ABP 501)(mab抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトmab抗TNFヒトIgG1を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160、又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330、又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404、又は固形腫瘍を有する患者の処置として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427、又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430、又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506、又は固形腫瘍の処置として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509、又は二価T細胞エンゲージャーを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計されている別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態で
は、薬物送達デバイスは、AMG 562、又は半減期延長(HLE)CD19×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(旧AMG 592)、又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596、又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673、又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701、又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757、又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910、又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよいし、又はこれらと共に使用されてもよい。
【0044】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。詳細な説明は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現行の技術又は本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、様々な代替的実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、本明細書に開示される本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0045】
当業者であれば、本明細書で開示される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変更形態、及び組み合わせがなされ得、そうした修正形態、変更形態、及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
【国際調査報告】