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特表2024-525414量子ドット複合体、三次元表示素子及びその加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】量子ドット複合体、三次元表示素子及びその加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/04 20100101AFI20240705BHJP
【FI】
H01L33/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579312
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 CN2022100379
(87)【国際公開番号】W WO2022268109
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110701334.1
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521009979
【氏名又は名称】安徽省東超科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI EASPEED TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Level 1, Building A3, Chuanggu Technology Park, No. 900 Wangjiang West Road, High-Tech District, Hefei, Anhui 230088, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張亮亮
(72)【発明者】
【氏名】韓成飛
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA31
5F241CA08
5F241CA67
5F241CA77
5F241CA88
5F241FF06
(57)【要約】
本開示は量子ドット複合体、三次元表示素子及びその加工方法を開示し、量子ドット複合体の加工方法は、透明基板の片側に順次第1の透明導電層を設け、量子ドット層を塗布し、第2の透明導電層を設けて、量子ドットユニットを形成するステップと、複数の量子ドットユニットを接着するステップと、接着後の量子ドットユニットをトリミングし、量子ドット複合体を得るステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子ドット複合体の加工方法であって、
透明基板の片側に順次第1の透明導電層を設け、量子ドット層を塗布し、第2の透明導電層を設けて、量子ドットユニットを形成するステップと、
複数の量子ドットユニットを接着するステップと、
接着後の量子ドットユニットをトリミングし、量子ドット複合体を得るステップと、を含む、ことを特徴とする量子ドット複合体の加工方法。
【請求項2】
複数の量子ドットユニットを接着するステップは、
各量子ドットユニットの少なくとも一側に、透明な高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材であるスペーサを設けるステップと、
複数の量子ドットユニットを積層して積層体を形成し、隣接する量子ドットユニットの間はスペーサによって仕切られて接着剤を収納するための隙間を形成するステップと、
積層体の2つの互いに対向する側面をシールし、他の2つの互いに対向する側面を接着剤注入面と接着剤排出面として形成するステップと、
灌流して接着剤を接着剤注入面から入り込んで、隙間を充填し、硬化後にスペーサを含む接着剤層を隣接する量子ドットユニットの間に形成するようにするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項3】
前記スペーサの高さは1μm~500μmであり、隣接するスペーサの間の距離は0.1mm~5mmであり、複数のスペーサの高さ誤差≦2μmとする、ことを特徴とする請求項2に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項4】
隣接する前記スペーサの間の距離は5μm~20mmであり、前記スペーサはシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球の中のいずれかであり、前記スペーサの球形直径は1μm~200μmであり、直径の均一性誤差<10%とする、ことを特徴とする請求項2または3に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項5】
シール前または接着剤の硬化前に、誤差を±5μm以内に制御するように、前記積層体の平行度と平面度を調整するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項6】
積層体のシールには液体シール剤または固体シール剤を採用し、前記液体シール剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記固体シール剤はゴム板またはシリコーンゴムであり、
前記液体シール剤の粘度>20000cpsとし、前記液体シール剤の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化であり、
前記液体シール剤硬化後のショア硬度は20A~70Aである、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項7】
灌流前に前記接着剤に脱泡処理を行い、前記接着剤の粘度<500cpsとし、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%とし、前記接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、前記接着剤硬化後の屈折率は前記透明基板と一致する、ことを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項8】
灌流は、
第1の重力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を接着剤注入装置とともに真空室に入れ、接着剤は自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用の下で隙間を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第1の重力灌流方法と、
第2の重力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第2の重力灌流方法と、
第1の圧力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第1の圧力灌流方法と、
第2の圧力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第2の圧力灌流方法と、
真空灌流方法であって、接着剤注入面全体を接着剤で液体シールするように、積層体の接着剤注入面を接着剤を収納した接着剤タンクに浸し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する真空灌流方法とのいずれかの方式を採用する、ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項9】
複数の量子ドットユニットを接着するステップは、
第1の量子ドットユニットに接着剤を塗布した後、第2の量子ドットユニットを取って接着剤に置いて接着し、これに応じて類推し、積層構造を形成するステップと、
硬化前に積層構造の平行度と平面度を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項10】
前記接着剤は粘度<1000cpsであることが好ましく、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤の硬化後の体積収縮率<1.1%とし、前記接着剤の硬化後のショア硬度は60D~80Dである、ことを特徴とする請求項9に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項11】
前記量子ドットユニットの加工ステップは、
透明基板の片側に第1のフォトレジスト層を塗布するステップと、
露光して現像し、第1のフォトレジスト層の一部を残して第1の残留部を形成するステップと、
透明基板の露光現像側に第1の透明導電層をめっきするステップと、
第1の残留部を剥離し、前記第1の透明導電層に剥離領域の片側にある第1の突出部を形成し、前記第1の突出部は第1の電極に接続するためのものであるステップと、
第1の透明導電層が位置する側に量子ドット層を塗布するステップと、
第2のフォトレジスト層を塗布するステップと、
露光して現像し、第2のフォトレジスト層の一部を残して第2の残留部を形成し、前記第2の残留部と前記第1の残留部を前記透明基板の同一稜線に近く設けるステップと、
透明基板の露光現像側に第2の透明導電層をめっきするステップと、
第2の残留部を剥離し、前記第2の透明導電層に第2の残留部の片側にある第2の突出部を形成し、前記第2の突出部は第2の電極に接続するためのものであり、前記第2の突出部が前記第2の突出部にずれて分布される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の量子ドット複合体の加工方法と、
量子ドット複合体外に各量子ドットユニットの第1の透明導電層に電気的に接続される第1の電極、各量子ドットユニットの第2の透明導電層に電気的に接続される第2の電極を設けるステップと、
量子ドット複合体の片側に回路基板を貼り付け、回路基板を電極に接続するステップと、を含む、ことを特徴とする三次元表示素子の加工方法。
【請求項13】
複数の厚さ方向に順次積層して設けられて接着された量子ドットユニットを備え、各前記量子ドットユニットは、透明基板、第1の透明導電層、第2の透明導電層、及び量子ドット層を備え、前記第1の透明導電層と前記量子ドット層は前記透明基板の片側に位置し、且つ前記透明基板から順次離れて設けられ、前記第2の透明導電層は前記透明基板の他側または前記量子ドット層の外側に位置し、前記第1の透明導電層と前記第2の透明導電層の一方はP型半導体であり、他方はN型半導体であり、前記量子ドット層は前記第1の透明導電層、同一の量子ドットユニットまたは隣接する量子ドットユニットの前記第2の透明導電層とともにPN接合を形成する、量子ドット複合体。
【請求項14】
前記量子ドット複合体の一方の表面はレーザ入射面として形成し、前記量子ドットユニットの積層方向に沿って、レーザ入射面から離れるほど、前記量子ドットユニットの厚みが大きくなる、ことを特徴とする請求項13に記載の量子ドット複合体。
【請求項15】
前記量子ドット層の厚みは0.05μm~10μmであり、
前記透明基板の厚みは0.1mm~0.5mmであり、前記透明基板の上下光面の平行度と平面度の誤差は2μmを超えなく、前記透明基板の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmを満たす、ことを特徴とする請求項13または14に記載の量子ドット複合体。
【請求項16】
各量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときに同じ色の光を発光し、または
各3つの隣接する量子ドットユニットは1つの色調整グループに分割され、各グループ内の3つの量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときにそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を発光する、ことを特徴とする請求項13~15のいずれか1項に記載の量子ドット複合体。
【請求項17】
請求項14~16のいずれか1項に記載の量子ドット複合体と、
第1の電極、第2の電極によってそれぞれ各量子ドットユニットの第1の透明導電層、第2の透明導電層に対応的に電気的に接続される回路基板と、を備える、ことを特徴とする三次元表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示技術の分野に関し、特に量子ドット複合体、三次元表示素子及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固体体積式三次元表示技術、例えばアップコンバート材料による三次元表示技術と液晶積層による三次元表示技術にはそれぞれの問題があり、前者は輝度が低くてコントラストが低く、後者は、縦方向の解像度が低くて視角が単一である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来の技術に存在している技術的問題の一つを少なくとも解決することを目的とする。このため、本開示の一目的は、量子ドット複合体、三次元表示素子及びその加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様の実施例による量子ドット複合体の加工方法は、透明基板の片側に順次第1の透明導電層を設け、量子ドット層を塗布し、第2の透明導電層を設けて、量子ドットユニットを形成するステップと、複数の量子ドットユニットを接着するステップと、接着後の量子ドットユニットをトリミングし、量子ドット複合体を得るステップとを含む。
【0005】
本開示で提案された加工プロセスは、三次元表示に用いられるバルク材料の各層の発光面の均一性を顕著に向上させ、発光コントラストを高め、材料の透明度を高め、奥行き解像度を高め、三次元画像の視角を拡大させるなどができる。
【0006】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着するステップは、各量子ドットユニットの少なくとも一側に、透明な高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材であるスペーサを設けるステップと、複数の量子ドットユニットを積層して積層体を形成し、隣接する量子ドットユニットの間はスペーサによって仕切られて接着剤を収納するための隙間を形成するステップと、積層体の2つの互いに対向する側面をシールし、他の2つの互いに対向する側面を接着剤注入面と接着剤排出面として形成するステップと、灌流して接着剤を接着剤注入面から入り込んで、隙間を充填し、硬化後にスペーサを含む接着剤層を隣接する量子ドットユニットの間に形成するようにするステップとを含む。
【0007】
幾つかの実施例において、前記スペーサの高さは1μm~500μmであり、隣接するスペーサの間の距離は0.1mm~5mmであり、複数のスペーサの高さ誤差≦2μmである。
【0008】
幾つかの実施例において、隣接する前記スペーサの間の距離は5μm~20mmであり、前記スペーサはシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球の中のいずれかであってもよく、前記スペーサの球形直径は1μm~200μmであり、直径の均一性誤差<10%とする。
【0009】
幾つかの実施例において、シール前または接着剤の硬化前に、誤差を±5μm以内に制御するように、前記積層体の平行度と平面度を調整するステップをさらに含む。
【0010】
幾つかの実施例において、積層体のシールには液体シール剤または固体シール剤を採用し、前記液体シール剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記固体シール剤はゴム板またはシリコーンゴムであり、前記液体シール剤の粘度>20000cpsであり、前記液体シール剤の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化であり、前記液体シール剤硬化後のショア硬度は20A~70Aである。
【0011】
幾つかの実施例において、灌流前に前記接着剤に脱泡処理を行い、前記接着剤の粘度<500cpsとし、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、前記接着剤硬化後の屈折率は前記透明基板と一致する。
【0012】
幾つかの実施例において、灌流は以下のようないずれかの方式を採用する。
【0013】
第1の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を接着剤注入装置とともに真空室に入れ、接着剤は自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用の下で隙間を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0014】
第2の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0015】
第1の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0016】
第2の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0017】
真空灌流方法:接着剤注入面全体を接着剤で液体シールするように、積層体の接着剤注入面を、接着剤を収納した接着剤タンクに浸し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0018】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着するステップは、第1の量子ドットユニットに接着剤を塗布した後、第2の量子ドットユニットを取って接着剤に置いて接着し、これに応じて類推し、積層構造を形成するステップと、硬化前に積層構造の平行度と平面度を調整するステップと、を含む。
【0019】
幾つかの実施例において、前記接着剤は粘度<1000cpsであることが好ましく、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤の硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤の硬化後のショア硬度は60D~80Dである。
【0020】
幾つかの実施例において、前記量子ドットユニットの加工ステップは、透明基板の片側に第1のフォトレジスト層を塗布するステップと、露光して現像し、第1のフォトレジスト層の一部を残して第1の残留部を形成するステップと、透明基板の露光現像側に第1の透明導電層をめっきするステップと、第1の残留部を剥離し、前記第1の透明導電層に剥離領域の片側にある第1の突出部を形成し、前記第1の突出部は第1の電極に接続するためのものであるステップと、第1の透明導電層が位置する側に量子ドット層を塗布するステップと、第2のフォトレジスト層を塗布するステップと、露光して現像し、第2のフォトレジスト層の一部を残して第2の残留部を形成し、前記第2の残留部と前記第1の残留部を前記透明基板の同一稜線に近く設けるステップと、透明基板の露光現像側に第2の透明導電層をめっきするステップと、第2の残留部を剥離し、前記第2の透明導電層に第2の残留部の片側にある第2の突出部を形成し、前記第2の突出部は第2の電極に接続するためのものであり、前記第2の突出部が前記第2の突出部にずれて分布される。
【0021】
本開示の第2の態様の実施例による三次元表示素子の加工方法は、前記量子ドット複合体の加工方法と、量子ドット複合体外に各量子ドットユニットの第1の透明導電層に電気的に接続される第1の電極、各量子ドットユニットの第2の透明導電層に電気的に接続される第2の電極を設けるステップと、量子ドット複合体の片側に回路基板を貼り付け、回路基板を電極に接続するステップと、を含む。
【0022】
本開示の第3の態様の実施例による量子ドット複合体は、複数の厚さ方向に順次積層して設けられて接着された量子ドットユニットを備え、各前記量子ドットユニットは、透明基板、第1の透明導電層、第2の透明導電層、及び量子ドット層を備え、前記第1の透明導電層と前記量子ドット層は前記透明基板の片側に位置し、且つ前記透明基板から順次離れて設けられ、前記第2の透明導電層は前記透明基板の他側または前記量子ドット層の外側に位置し、前記第1の透明導電層はP型半導体であり、前記第2の透明導電層はN型半導体であり、前記量子ドット層は前記第1の透明導電層、同一の量子ドットユニットまたは隣接する量子ドットユニットの前記第2の透明導電層とともにPN接合を形成する。
【0023】
幾つかの実施例において、前記量子ドット複合体の一方の表面はレーザ入射面として形成し、前記量子ドットユニットの積層方向に沿って、レーザ入射面から離れるほど、前記量子ドットユニットの厚みが大きくなる。
【0024】
幾つかの実施例において、前記量子ドット層の厚みは0.05μm~10μmであり、前記透明基板の厚みは0.1mm~0.5mmであり、前記透明基板の上下光面の平行度と平面度の誤差は2μmを超えなく、前記透明基板の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmを満たす。
【0025】
幾つかの実施例において、各量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときに同じ色の光を発光し、または各3つの隣接する量子ドットユニットは1つの色調整グループに分割され、各グループ内の3つの量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときにそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を発光する。
【0026】
本開示の第4の態様の実施例による三次元表示素子は、前記量子ドット複合体及び回路基板を備え、前記回路基板は第1の電極、第2の電極によってそれぞれ各量子ドットユニットの第1の透明導電層、第2の透明導電層に対応的に電気的に接続される。
【0027】
従来の固体体積式三次元表示技術に存在している問題に対して、本特許は、発光面の均一性、材料の高い透明度、高い奥行き解像度、360°の画像の表示、フルカラーの大画面三次元表示という5つの問題を重点的に解決する。
【0028】
本開示の付加的な態様と利点を以下の説明では部分的に示し、部分的に以下の説明から明らかになり、または本開示の実践を通じて了解することができる。
【0029】
本開示の上記および/または付加的な態様と利点は、以下の図面を組み合わせた実施例の説明から明らかになり、理解しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本開示の実施例による量子ドット複合体の加工方法を示す模式図である。
図2】本開示の実施例による三次元表示素子の加工方法を示す模式図である。
図3】本開示の一具体的な実施例による三次元表示素子の加工方法を示す模式図である。
図4】本開示の実施例による積層方式で量子ドット複合体を加工するプロセスフローチャートである。
図5】本開示の実施例による量子ドット複合体を示す模式図である。
図6】本開示の実施例による量子ドット複合体を示す分解模式図である。
図7】本開示の一実施例による量子ドット複合体のスペーサ設置を示す模式図である。
図8】本開示の他の実施例による量子ドット複合体のスペーサ設置を示す模式図である。
図9】本開示のさらなる実施例による量子ドット複合体のスペーサ設置を示す模式図である。
図10】本開示の実施例による量子ドット複合体の量子ドットユニットとスペーサ設置を示す模式図である。
図11】本開示の実施例による量子ドット複合体の量子ドットユニットとスペーサが付勢される模式図である。
図12】本開示の実施例による量子ドット複合体のシール剤設置を示す模式図である。
図13】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図14】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図15】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図16】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図17】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図18】表示素子の模式図である。
図19】本開示の実施例による積層方式で接着する量子ドット複合体の模式図である。
図20】本開示の実施例による積層方式で接着する量子ドット複合体の模式図である。
図21】本開示の実施例による積層方式で接着する量子ドット複合体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明した実施例は例示的なものであり、以下、本開示の実施例を詳細に説明する。
【0032】
以下、図1図21を参照して本開示の実施例による量子ドット複合体の加工方法を説明する。
【0033】
図1に示すように、本開示の第1の態様の実施例による量子ドット複合体の加工方法は、S1~S3を含む。
S1において、透明基板の片側に順次第1の透明導電層を設け、量子ドット層を塗布し、第2の透明導電層を設け、量子ドットユニットを形成する。具体的に、透明基板の準備時に、フロート法、オーバーフロー延伸法、スリット延伸法及び二次延伸法などのプロセスで製作した超薄ガラス平板を選択することができ、基材の厚さが0.1~5mmで、ガラス平板に対して面型検出を行い、上下の光面の平行度と平面度の誤差が±2μmを超えないようにする。ガラスユニットの長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmであることが好ましい。なお、樹脂系透明平板を基材として選択することができる。
【0034】
透明ガラスは透明基板として、具体的に、透明導電層にはITO材料または他の透明導電材料を採用することができる。ITO層を透明導電層として採用する際に、透明基板上に一層の第1のITO層をめっきし、第1のITO層上に一層の発光量子ドットをスピンコートし、最後に発光量子ドット層に一層の第2のITO層をめっきし、第1のITO層と第2のITO層の多数のキャリアが異なり、即ち一方がn型ITOであり、他方がp型ITOであり、このように、単一の透明基板11上にITO-量子ドット-ITOのPN接合構造を形成し、ITO屈折率は透明ガラス平板の屈折率に近く、誤差が0.01を超えなく、ITOのめっき方式はマグネトロンスパッタリング、真空反応蒸発、化学気相成長法、ゾルゲル法及びパルスレーザー堆積法であってもよく、好ましくは、マグネトロンスパッタリングであり、マグネトロンスパッタリングは、ITOめっき速度が速く、膜層が緻密で均一性が高い。ITOをめっきした透明基板11の1つの面に量子ドットを溶解した溶液をスピンコートし、量子ドットは油溶性でも、水溶性でもよく、スピンコートした量子ドット層の厚さ範囲は0.05μm~10μmであり、スピンコートの回転数は必要な厚さと溶液粘度によって決まる。この方法に従って、それぞれ異なる基板に3種の発光色の量子ドットをスピンコートし、それぞれ赤色発光量子ドット、緑色発光量子ドット、青色発光量子ドットである。
【0035】
S2において、複数の量子ドットユニットを接着する。
【0036】
S3において、接着後の量子ドットユニットをトリミングして、量子ドット複合体を取得する。
【0037】
接着後の量子ドットユニットに対するトリミングはレベリング、硬化、エッジトリミング、研磨などを含んでよい。
【0038】
本開示で提案された加工プロセスは、三次元表示に用いられるバルク材料の各層の発光面の均一性を顕著に向上させ、発光コントラストを高め、材料の透明度を高め、奥行き解像度を高め、三次元画像の視角を拡大させるなどができる。
【0039】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着し、接着方法は、以下のステップを含む。
【0040】
S21では、各量子ドットユニットの少なくとも一側にスペーサを設け、スペーサは透明な高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材である。
【0041】
具体的に、スペーサは円台形、円筒形、楕円柱形、長円筒形、直方体形、角柱形、球形、楕円球形の中のいずれかである。
【0042】
S22では、複数の量子ドットユニットを積層して積層体を形成し、隣接する量子ドットユニットの間はスペーサによって仕切られて接着剤を収納するための隙間を形成する。
【0043】
S23では、積層体の2つの互いに対向する側面をシールし、他の2つの互いに対向する側面を接着剤注入面と接着剤排出面として形成する。
【0044】
S24では、灌流して接着剤を接着剤注入面から入り込んで、隙間を充填し、硬化後にスペーサを含む接着剤層を隣接する量子ドットユニットの間に形成するようにする。
【0045】
幾つかの実施例において、スペーサの高さは1μm~500μmであり、隣接するスペーサの間の距離は0.1mm~5mmであり、複数のスペーサの高さの誤差≦2μmとし、スペーサ分布はマトリックス式分布であることが好ましい。積層後に、隣接するコーティングユニットがスペーサによって持ち上げられ、等厚の隙間を形成するために、等厚のスペーサを規則的な配列で離散的に形成しておく。
【0046】
これにより、各量子ドットユニットの平行度を確保し、最終的に加工された量子ドット複合体の平行度と平整度がより良い。
【0047】
スペーサの設置方法は以下のいずれかを採用することができる。
【0048】
1)、透明UV接着剤スプレーによる印刷またはスクリーン印刷、スペーサに高速硬化樹脂を配合した材料を採用する。液滴成形後にUV光により急速に硬化することができ、スペーサの高さが一致することを確保することができる。スペーサの外形は平面視で円形、方形、線またはその他のパターンであってもよく、円形点状パターンが好ましく、ドットの直径は0.05~2mmである。
【0049】
2)、フォトリソグラフィまたはエッチング法によって、塗布対象面にフォトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングし、残りのフォトレジストを除去し、フォトレジストはポジまたはネガである。フォトリソグラフィまたはエッチング法によってスペーサを作製するのは、塗布対象面にフォトレジスト直接塗布→露光→現像→エッチング→残りのフォトレジスト除去などのプロセスによってスペーサを作製することであり、用いられるフォトレジストはポジまたはネガであってもよく、前記エッチングにはウェットエッチングまたはドライエッチングを採用することができ、フォトリソグラフィ-エッチング法を使用してスペーサを作製する場合、エッチングが不要な面にフォトレジストをスピンコートして保護する必要がある。
【0050】
3)、ナノインプリント、ナノ転写。
【0051】
幾つかの実施例において、隣接するスペーサの間の距離は5μm~20mmであり、スペーサはシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球の中のいずれかであってもよく、スペーサの球形直径は1μm~200μmであり、直径の均一性誤差<10%である。
【0052】
これにより、上記スペーサのサイズを採用すると、スペーサ層が接着剤で浸潤被覆され、スペーサは光路に干渉しない。
【0053】
さらに、シール前または接着剤の硬化前に、誤差を±5μm以内に制御するように、積層体の平行度と平面度を調整するステップをさらに含む。これにより、積層体の加工精度を確保する。
【0054】
幾つかの実施例において、積層体のシールには液体シール剤または固体シール剤を採用し、液体シール剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、固体シール剤はゴム板またはシリコーンゴムであり、液体シール剤の粘度>20000cpsであり、液体シール剤の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化である。液体シール剤硬化後のショア硬度は20A~70Aである。これにより、積層体のシール効果がより良く、且つ積層体のシール剤領域の硬度と強度を確保する。
【0055】
さらに、灌流前に接着剤を脱泡処理し、接着剤60の粘度<500cpsであり、接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%であり、接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、接着剤硬化後の屈折率は透明基板に一致する。このように、上記接着剤を採用すると、接着効果がより良い。
【0056】
幾つかの実施例において、灌流には以下のいずれかの方式を採用する。
【0057】
1)第1の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を接着剤注入装置とともに真空室内に入れ、接着剤は自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用下で隙間を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0058】
2)第2の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaであり、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0059】
3)第1の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0060】
4)第2の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0061】
5)真空灌流方法:接着剤注入面全体を接着剤で液体シールするように、積層体の接着剤注入面を接着剤を収納した接着剤タンクに浸し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaであり、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0062】
これにより、上記方式を採用して灌流することにより、接着効率がより高い。
【0063】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着し、接着方法はS25~S26を含む。
【0064】
S25では、第1の量子ドットユニットに接着剤を塗布した後、第2の量子ドットユニットを取って接着剤60に置いて接着し、これに応じて類推し、積層構造を形成する。
【0065】
S26では、硬化前に積層構造の平行度と平面度を調整する。
【0066】
このように、スペーサを設置する必要せずに、スピンコート積層の方式により、隣接する量子ドットユニット間の間隔がより小さく、光路に与える影響がより小さい。
【0067】
幾つかの実施例において、接着剤は、好ましくは粘度<1000cpsであり、接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%であり、接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dである。これにより、上記積層接着方式には上記接着剤を採用すると、接着効果がより良い。
【0068】
具体的に、量子ドットユニットの加工ステップは、
透明基板の片側に第1のフォトレジスト層を塗布するS11と、
露光して現像し、第1のフォトレジスト層の一部を残して第1の残留部を形成するS12と、
透明基板の露光現像側に第1の透明導電層をめっきするS13と、
第1の残留部を剥離し、第1の透明導電層に剥離領域の片側にある第1の突出部を形成し、第1の突出部は第1の電極に接続するためのものであるS14と、
第1の透明導電層が位置する側に量子ドット層を塗布するS15と、
第2のフォトレジスト層を塗布するS16と、
露光して現像し、第2のフォトレジスト層の一部を残して第2の残留部を形成し、第2の残留部と第1の残留部を透明基板の同一稜線に近く設けるS17と、
透明基板の露光現像側に第2の透明導電層をめっきするS18と、
第2の残留部を剥離し、第2の透明導電層に第2の残留部の片側にある第2の突出部を形成し、第2の突出部は第2の電極に接続するためのものであり、第2の突出部が第2の突出部にずれて分布されるS19と、を含む。
【0069】
これにより、量子体ユニット層は、第1の透明導電層と第2の透明導電層をめっきするように透明導電層を形成し、各量子体ユニット層の電界の独立した印加を実現し、これにより、各量子体ユニット層の独立した表示を実現することができる。
【0070】
本開示の第2の態様の実施例による三次元表示素子の加工方法は、上記実施例の量子ドット複合体の加工方法と、量子ドット複合体外に各量子ドットユニットの第1の透明導電層に電気的に接続される第1の電極、各量子ドットユニットの第2の透明導電層に電気的に接続される第2の電極を設けるステップと、量子ドット複合体の片側に回路基板を貼り付け、回路基板を電極に接続するステップと、を含む。
【0071】
このように、第1の電極、第2の電極を回路に接続することにより、最終的に電界を印加せずに量子ドットが高いフォトルミネッセンス光量子効率を有し、一定の電界を印加した後にフォトルミネッセンス光量子効率が低下し、ひいてはゼロに近くなり、量子ドットに吸収された光子はほとんど非放射緩和の方式で放出され、電界を除去した後、量子ドットの発光効率はまた初期状態に戻ることができる。
【0072】
本開示の第3の態様の実施例による量子ドット複合体100は、複数の厚さ方向に順次積層して設けられて接着された量子ドットユニット10を備え、各量子ドットユニット10は、透明基板11、第1の透明導電層、第2の透明導電層、及び量子ドット層13を含み、第1の透明導電層と量子ドット層13は透明基板11の片側に位置し、且つ順次透明基板11から離れて設けられ、第2の透明導電層は透明基板11の他側または量子ドット層13の外側に位置し、第1の透明導電層12はP型半導体であり、第2の透明導電層14はN型半導体であり、量子ドット層13は第1の透明導電層、同一の量子ドットユニット10または隣接する量子ドットユニット10の第2の透明導電層とともにPN接合を形成する。
【0073】
本開示は新型量子ドット複合体100を提案し、具体的に、フォトルミネッセンス光量子ドットの電界変調による発光効率低下の効果を利用して、量子ドット、透明導電材料及びその他透明材料を複合化する技術により、多層の多色発光量子ドットユニット10を有するバルク構造を作製し、次に、レーザ走査システムと電界変調システムを使用してバルク構造内で三次元パターンを走査する。
【0074】
電界を印加せずに量子ドットが高いフォトルミネッセンス光量子効率を有し、一定の電界を印加した後にフォトルミネッセンス光量子効率が低下し、ひいてはゼロに近くなり、量子ドットに吸収された光子はほとんど非放射緩和の方式で放出され、電界を除去した後、量子ドットの発光効率はまた初期状態に戻ることができる。量子ドットのこの特性は量子ドット電界変調のスイッチング効果と呼ばれ、励起光パラメータを一定に保ったまま、電界を印加しない場合と電界を印加した場合の量子ドット発光強度の比はスイッチング比である。スイッチング比は20より大きいことが好ましい。
【0075】
同じ条件下で、バルク材料のレーザ入射面前後の発光点の輝度が同じであることを確保し、レーザの量子ドットユニット10を介したエネルギー損失問題を相殺するために、バルク材料のレーザ入射面は、量子ドットユニット10の厚みを前から後に逓増する。換言すれば、量子ドット複合体100の一方の表面はレーザ入射面として形成し、量子ドットユニット10の積層方向に沿って、レーザ入射面量子ドットユニット10から離れるほど、厚さが大きくなる。
【0076】
幾つかの実施例において、量子ドット層13の厚みは0.05μm~10μmであり、及び/又は透明基板11の厚みは0.1mm~0.5mmであり、透明基板11の上下光面の平行度と平面度の誤差は±2μmを超えなく、透明基板11の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmを満たす。これにより、量子ドット層13は上記サイズを採用し、作製した量子ドット複合体100は構造がよりコンパクトである。
【0077】
選択可能に、各量子ドットユニット10の量子ドット層13が照射されると、同色の光を発光する。単色で示される量子ドット複合体100の構造は、単一色発光量子ドット発光層ユニットが周期的に配列され、層ユニットと層ユニットの間が透明接着剤で接着され、各層量子ドット層13の両面に電極が作製されており、電極の役割は量子ドットに大きさと方向を制御できる電界を印加することである。
【0078】
選択可能に、各3つの隣接する量子ドットユニット10を1つの色調整グループに分割し、各グループ内の3つの量子ドットユニット10の量子ドット層13が照射されると、それぞれ赤色光、緑色光、青色光を発光する。例えば、ユニット層の配布規則は、赤色発光量子ドットユニット10、緑色発光量子ドットユニット10、青色発光量子ドットユニット10である。3色の量子ドットユニット10が周期的に配列され、ユニット層とユニット層の間が透明接着剤で接着され、各量子ドットユニット10の両面に透明電極が作製されており、電極の役割は量子ドットに大きさと方向を制御できる電界を印加することである。
【0079】
本開示の第4の態様の実施例による三次元表示素子は、上記実施例の量子ドット複合体100及び回路基板を備え、回路基板は第1の電極と第2の電極によってそれぞれ各量子ドットユニット10の第1の透明導電層12と第2の透明導電層14に対応的に電気的に接続される。
【0080】
電界は光場変調による三次元表示素子と比べて液晶積層の三次元表示の優位性:
1.より高い画像フレームレート、単層電界変調量子ドットスクリーンの変調時間は10μs未満であるが、液晶層の一回のリフレッシュ時間はmsオーダーである。
2.より高い三次元イメージングの縦方向の解像度、液晶層のリフレッシュ速度が遅いため、液晶層の三次元表示の深さ方向の解像度例えば液晶層のリフレッシュ速度1msを制限し、人間の目の視覚的滞在効果225Hzで計算すると、液晶層は最も多く40層まで積層し、より多く積層するにはフレームレートを犠牲にしなければならない。単層電界変調の量子ドットスクリーン変調時間は10μs未満であり、10μs、25Hzで計算すると、4000層積層することができる。
3.より大きい視角、液晶パネルの枠の制限により、液晶積層三次元表示の視角は正面の小さい角度に制限され、側面及び裏面は見ることができなく、光場と電界の2変調に基づく三次元表示システムは、電極が配布された1つの面の小さな領域が画像を見ることができない以外、他の方向がすべて画像を見ることができる。
4.より高い色域、液晶積層三次元表示システムの光源にはLEDバックライトが用いられ、光場と電界の2変調に基づく三次元表示システムはフォトルミネッセンス光量子ドットが用いられ、量子ドットはLEDと比べてより高い色域を有することが知られている。
【0081】
以下、2つの具体的な実施例の量子ドット複合体100の製造プロセスフローを簡単に説明する。
【0082】
実施例1:サイフォン法による量子ドット複合体100の作製
【0083】
図2は実施例の量子ドット複合体100の作製プロセスフローである。
1)透明基板11の準備:図3は透明基材であり、フロート法、オーバーフロー延伸法、スリット延伸法及び二次延伸法等のプロセスで作製される超薄ガラス平板を選択し、基材の厚さは0.1~5mmであり、ガラス平板に面型検出を行い、上下の光面の平行度と平面度の誤差が±2μmを超えないようにする。透明基板11の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmであることが好ましい。なお、樹脂系透明平板を基材として選択してもよい。
【0084】
2)量子ドット印加プロセス
【0085】
図4は単層量子ドットユニット10構造の加工プロセスである。図5は各層構造の形状特徴であり、透明基板11は透明ガラスであり、透明基板11上に一層の第1のITO層12をめっきし、第1のITO層12上に一層の量子ドット13をスピンコートし、最後に量子ドット層13にさらに一層の第2のITO層14をめっきし、第1のITO層と第2のITO層の多数のキャリアが異なり、即ち一方がn型ITOであり、他方がp型ITOであり、このように、単一の透明基板11上にITO-量子ドット-ITOのPN接合構造を形成し、ITO屈折率は透明ガラス平板の屈折率に近く、誤差が0.01を超えなく、ITOのめっき方式はマグネトロンスパッタリング、真空反応蒸発、化学気相成長法、ゾルゲル法及びパルスレーザー堆積法であってもよく、好ましくは、マグネトロンスパッタリングであり、マグネトロンスパッタリングは、ITOめっき速度が速く、膜層が緻密で均一性が高い。ITOをめっきした透明基板11の1つの面に量子ドットを溶解した溶液をスピンコートし、量子ドットは油溶性でも、水溶性でもよく、スピンコートした量子ドット層の厚さ範囲は0.05μm~10μmであり、スピンコートの回転数は必要な厚さと溶液粘度によって決まる。この方法に従って、それぞれ異なる基板に3種の発光色の量子ドットをスピンコートし、それぞれ赤色発光量子ドット、緑色発光量子ドット、青色発光量子ドットである。
【0086】
なお、N型ITOはその他のN型透明半導体材料を選択してもよく、P型ITOはその他のP型透明半導体材料を選択してもよい。
【0087】
同じ条件下で、バルク材料のレーザ入射面前後の発光点の輝度が同じであることを確保し、レーザの量子ドットユニット10を介したエネルギー損失問題を相殺するために、バルク材料のレーザ入射面は、量子ドット層13の厚みを前から後に逓増する。
【0088】
3)スペーサ20の作製:スペーサ20形成工程:積層後に、隣接するコーティングユニットがスペーサ20によって持ち上げられ、等厚の隙間を形成するために、等厚のスペーサ20を規則的な配列で離散的に形成しておく。
【0089】
スペーサ20形成の方式は、透明UV接着剤スプレーによる印刷(図7)、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ-エッチング法(図8)、ナノインプリント、ナノ転写等を採用することができる。スペーサ20の高さは1~500μmであり、隣接するスペーサ20の間の距離は0.1~5mmであり、スペーサ20の高さ誤差≦2μmであり、スペーサ20の分布は、マトリックス式分布であることが好ましい。
【0090】
透明UV接着剤スプレーによる印刷(図7)、スクリーン印刷等のプロセスでスペーサ20を作製する場合、スペーサ20の材料は好ましく高速硬化樹脂を配合した材料を採用する。液滴成形後にUV光により急速に硬化することができ、スペーサ20の高さが一致することを確保することができる。スペーサ20の外形は平面視で円形、方形、線またはその他のパターンであってもよく、円形点状パターンが好ましく、ドットの直径は0.05~2mmである。
【0091】
フォトリソグラフィまたはエッチング法(図8)によってスペーサ20を作製するのは、塗布対象面にフォトレジスト直接塗布→露光→現像→エッチング→残りのフォトレジスト除去などのプロセスによってスペーサ20を作製することであり、用いられるフォトレジストはポジまたはネガであってもよく、前記エッチングにはウェットエッチングまたはドライエッチングを採用することができ、フォトリソグラフィ-エッチング法を使用してスペーサ20を作製する場合、エッチングが不要な面にフォトレジストをスピンコートして保護する必要がある。
【0092】
なお、スペーサ20として、他の大きさの均一な粒子状材料を用いて、2層の発光量子ドットをスピンコートした基板ユニット間に均一に分布させてもよく、隣接する2つの前記粒子の間の距離はDであり、前記Dは、5μm≦D≦20mmを満たす。スペーサ20の外形寸法は、円台形、円筒形、楕円柱形、長円柱形、直方体形、角柱形、球形または楕円球形を満たすことができる。好ましくは、球形であり、直径が1μm~200μmであり、直径の均一性の誤差<10%であり、スペーサ20の塗布方式は、微小球スプレースペーサ法(図9)であってもよく、微小球スペーサ20はシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球であってもよく、なお、粒子状スペーサ20は高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材であってもよい。
【0093】
4)スペーサ20を作製した透明基板11を積層し、図10に示す。
フルカラーイメージングに用いられる場合:積層規則は、各層の量子ドットユニット10の方向が同じであり、配布規則は、赤色発光量子ドットユニット10、緑色発光量子ドットユニット10、青色発光量子ドットユニット10の3色の量子ドット発光層ユニットが周期的に配列される。
【0094】
単色イメージングに用いられる場合:積層規則は、1種の色の量子ドット発光層を使用して積層し、各層の量子ドットユニット10の方向が同じである。
【0095】
5)積層体の平行度と平面度を調整し、図11に示すように、剛性板体40またはエアバッグで積層後の積層体を挟持し、平行度調整装置によって最上層ユニットと最下層ユニットの平行度と平面度を調整し、誤差を±5μm以内に制御することによって、各層ユニットは、スペーサ20の厚さ、透明基板11の厚さ及びスピンコートした量子ドット層13厚さのばらつきによる累積平行度と平面度の誤差を補正する。この工程は、灌流後、接着剤60が硬化する前に行ってもよい。
【0096】
6)シール工程:積層体が積層方向に垂直な4つの面の中の2つの対向面をシール面として採用し、シール剤30を採用してシールし、図12に示すように、前記シール剤30は固体シール材でも、液体シール材でもよく、液体シール材であると、粘度は>20000cpsの液体シール剤30であることが好ましく、液体シール剤30の材料の種類はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記液体シール剤30の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化であり、前記液体シール剤30の硬化後のショア硬度は20A~70Aである。固体シール材であれば、延性の良いゴム板またはシリコーンゴムを選択することができ、工具を介してシール面に緊密に押圧して密着され、シール効果を発揮することもできる。
【0097】
7)灌流工程
積層体が積層方向に平行な4つの面の中のもう2つの対向面の一方を接着剤注入面として選択し、他方を接着剤排出面として用いる。硬化接着剤60は接着剤注入面から基板ユニットの中央のスペーサ層に入り込み、接着剤排出面から引き出され、接着剤60を均一に各スペーサ層に充填させ、灌流を完了する。前記灌流の接着剤60は、粘度<500cpsであることが好ましく、硬化方式は加熱硬化または常温自然硬化であり、前記接着剤60はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、好ましい接着剤60の硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤60の硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、接着剤60の灌流前に接着剤60を脱泡処理し、接着剤60の色は透明であることが好ましく、硬化後の屈折率が透明基板11に近い誤差は0.01未満である。
【0098】
接着剤の灌流方法は重力灌流、圧力灌流及び真空灌流がある。
【0099】
重力灌流方法1:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図13に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を重力接着剤注入装置とともに真空室52に入れ、接着剤a自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用下でスペーサ層を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に圧力印加装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0100】
重力灌流方法2:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図14に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空引き時に空気漏れが発生しないことを確保する。真空装置の絶対真空度<10kpaであることが好ましい。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0101】
圧力灌流方法1:積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図15に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加することで接着剤をスペーサ層に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられる。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に圧力印加装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0102】
圧力灌流方法2:積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図16に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧力を印加することで接着剤をスペーサ層に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられる。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に圧力印加装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0103】
真空灌流方法:積層体の接着剤注入面を接着剤60を収納した接着剤タンク51内に浸し、図17に示すように、接着剤注入面全体が接着剤60によって液体シールされる。次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空引き時に空気漏れが発生しないことを確保する。真空装置の絶対真空度<10kpaであることが好ましい。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0104】
8)硬化及び熱処理工程。
接着剤60の灌流を完了した後に加熱または一定の温度で一定の時間放置することにより硬化させ、必要な熱処理方式を用いて内部応力を除去し、積層ブロックを取得することができる。硬化前に平行度調整装置によって積層ブロックの最上層と最下層のコーティングユニットの平行度と平面度を補正することができ、例えば、精密油圧装置で積層ブロックを圧着し、圧着力が20kpa以下であり、圧着機の作動面の平行度と平面度によって積層ブロックを補正することができ、接着剤60が硬化するまで保持し続けることができる。
【0105】
9)エッジトリミング研磨工程、硬化を完了した後の積層ブロックに順次エッジトリミングと研磨工程を行い、エッジトリミングの目的は、積層ブロックをほぼ標準的な立方体に加工し、次に、その各面に研磨処理を施すことで、積層体の透過性を高く保ち、次の工程に準備することである。
【0106】
10)電極20の作製、電極20の作製には、積層体が積層方向に垂直な4つの面の中の1つの面をフォトリソグラフィ+コーティングするように電極20を作製し、各層ITOごとに電極20を引き上げ、図18に示すように、ITO層と層との間が短絡しなくようにし、電極20の材料は金または銀であってもよく、好ましくは、材料が金である。
【0107】
11)プリント回路基板及びボンディングワイヤーを貼り付け、電極20を作製した一面に仕様で作製する回路基板を貼り付け、超音波溶接機を使用して積層体上の電極20をプリント回路基板に接続し、より広い視角を実現するために、1つの面に電極20を作製することが好ましい。制御システムによって量子ドット層13の両側のITO層に電圧を印加し、電界中にある量子ドットは電界の作用下で、発光効率が低下し、ひいてはゼロに近くなり、印加電界の大きさと赤・緑・青の三色の量子ドットを制御することでフルカラーの三次元表示を実現することができる。
【0108】
実施例2:積層法による積層材料の作製
【0109】
図5の工程を完了したユニット層に積層工程を行う
【0110】
積層工程は、図19図20図21に示すように、図5の工程を完了した1枚の平板を取って、平板工具に置き、上向きの一面に「工」字形の接着剤60を塗り、また、図5の工程を完了した1枚の平板を取って、接着剤60に置き、1枚目の平板上の量子ドットユニット10と方向が一致し、即ち量子ドットユニット10が共に上を向くか、或いは共に下を向くように置き、前記接着剤60は、粘度<1000cpsであることが好ましく、硬化方式は加熱硬化または常温自然硬化であり、前記接着剤60はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、好ましい接着剤60の硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤60の硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、接着剤60の灌流前に接着剤60を脱泡処理し、接着剤60の色は透明であり、硬化後の屈折率は透明基板11に近く、誤差が0.01より小さい。
【0111】
フルカラーイメージングに用いられる場合:積層規則は、各層の量子ドットユニット10の方向が同じであり、配布規則は、赤色発光量子ドットユニット10、緑色発光量子ドットユニット10、青色発光量子ドットユニット10の3色の量子ドット発光層ユニットが周期的に配列される。
【0112】
単色イメージングに用いられる場合:積層規則は、1種の色の量子ドット発光層を使用して積層し、各層の量子ドットユニット10の方向が同じである。
【0113】
5)積層体の平行度と平面度を調整し、積層後の積層体を平行度調整装置によって最上層ユニットと最下層ユニットの平行度と平面度を調整し、誤差を±5μm以内に制御することによって、各層ユニットは、スペーサ20の厚さ、透明基板11の厚さ及びスピンコートした量子ドットユニット10の厚さのばらつきによる累積平行度と平面度の誤差を補正する。
【0114】
6)硬化と熱処理工程。
接着剤60の灌流を完了した後に加熱または一定の温度で一定の時間放置することにより硬化させ、必要な熱処理方式を用いて内部応力を除去し、積層ブロックを取得することができる。
【0115】
7)エッジトリミング研磨工程、硬化を完了した後の積層ブロックに順次エッジトリミングと研磨工程を行い、エッジトリミングの目的は、積層ブロックをほぼ標準的な立方体に加工し、次に、その各面に研磨処理を施すことで、積層体の透過性を高く保ち、次の工程に準備することである。
【0116】
8)電極20の作製、電極20の作製には、積層体が積層方向に垂直な4つの面の中の1つの面をフォトリソグラフィ+コーティングするように電極20を作製し、各層ITOごとに電極20を引き上げ、ITO層と層との間が短絡しなくようにし、電極20の材料は金または銀であってもよく、好ましくは、材料が金である。
【0117】
9)プリント回路基板及びボンディングワイヤーを貼り付け、電極20を作製した一面に仕様で作製する回路基板を貼り付け、超音波溶接機を使用して積層体上の電極20をプリント回路基板に接続し、より広い視角を実現するために、好ましくは、電極20をバルク材料に近い1本の稜線に作製する。
【0118】
本開示の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」など方向および位置関係を示す用語は図面に示す方向または位置関係に基づき、本開示の説明をしやすくするとともに記述を簡素化するためのものにすぎず、指している装置または素子が特定の方向、特定の方向での構成および操作を有しなければならないことを示すまたは暗に示すものではなく、本開示を限定するものとみなすことはできないということを理解できる。
【0119】
本開示の説明では、「第1の特徴」、「第2の特徴」は、1つまたは複数の該特徴を含むことができる。本開示の説明では、「複数」の意味は、2つのまたは2つ以上である。本開示の説明では、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」ということは第1および第2の特徴が直接接触することを含んでよく、第1および第2の特徴が直接接触せず、第1および第2の特徴の間の別の特徴を介して接触することを含んでもよい。本開示の説明では、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」および「上面」ということは第1の特徴が第2の特徴の直上方および斜め上方であることを含む、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを示すに過ぎない。
【0120】
本明細書の説明では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」という参考用語などの説明は、該実施例または例を組み合わせて説明する具体的な特徴、構造、材料または特点は本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれる。本明細書では、上記用語の例示的な叙述は必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要がない。
【0121】
本開示の実施例を提示し記述したが、当業者にとって、本願の原理と趣旨から逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変化、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は請求の範囲及びその同等物によって限定されることを理解できる。
【0122】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年06月23日に中国国家知識産権局に提案された、特許出願番号が202110701334.1の特許出願の優先権と権益を主張し、且つその全内容は、参照によりここに組み込まれる。
【符号の説明】
【0123】
量子ドット複合体100、電極20、量子ドットユニット10、透明基板11、第1の透明導電層12、量子ドット層13、第2の透明導電層14、スペーサ20、シール剤30、剛性板体40、接着剤タンク51、粘接接着剤a、真空室52、接着剤60、シール部材70。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示技術の分野に関し、特に量子ドット複合体、三次元表示素子及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固体体積式三次元表示技術、例えばアップコンバート材料による三次元表示技術と液晶積層による三次元表示技術にはそれぞれの問題があり、前者は輝度が低くてコントラストが低く、後者は、縦方向の解像度が低くて視角が単一である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来の技術に存在している技術的問題の一つを少なくとも解決することを目的とする。このため、本開示の一目的は、量子ドット複合体、三次元表示素子及びその加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様の実施例による量子ドット複合体の加工方法は、透明基板の片側に順次第1の透明導電層を設け、量子ドット層を塗布し、第2の透明導電層を設けて、量子ドットユニットを形成するステップと、複数の量子ドットユニットを接着するステップと、接着後の量子ドットユニットをトリミングし、量子ドット複合体を得るステップとを含む。
【0005】
本開示で提案された加工プロセスは、三次元表示に用いられるバルク材料の各層の発光面の均一性を顕著に向上させ、発光コントラストを高め、材料の透明度を高め、奥行き解像度を高め、三次元画像の視角を拡大させるなどができる。
【0006】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着するステップは、各量子ドットユニットの少なくとも一側に、透明な高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材であるスペーサを設けるステップと、複数の量子ドットユニットを積層して積層体を形成し、隣接する量子ドットユニットの間はスペーサによって仕切られて接着剤を収納するための隙間を形成するステップと、積層体の2つの互いに対向する側面をシールし、他の2つの互いに対向する側面を接着剤注入面と接着剤排出面として形成するステップと、灌流して接着剤を接着剤注入面から入り込んで、隙間を充填し、硬化後にスペーサを含む接着剤層を隣接する量子ドットユニットの間に形成するようにするステップとを含む。
【0007】
幾つかの実施例において、前記スペーサの高さは1μm~500μmであり、隣接するスペーサの間の距離は0.1mm~5mmであり、複数のスペーサの高さ誤差≦2μmである。
【0008】
幾つかの実施例において、隣接する前記スペーサの間の距離は5μm~20mmであり、前記スペーサはシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球の中のいずれかであってもよく、前記スペーサの球形直径は1μm~200μmであり、直径の均一性誤差<10%とする。
【0009】
幾つかの実施例において、シール前または接着剤の硬化前に、誤差を±5μm以内に制御するように、前記積層体の平行度と平面度を調整するステップをさらに含む。
【0010】
幾つかの実施例において、積層体のシールには液体シール剤または固体シール剤を採用し、前記液体シール剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記固体シール剤はゴム板またはシリコーンゴムであり、前記液体シール剤の粘度>20000cpsであり、前記液体シール剤の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化であり、前記液体シール剤硬化後のショア硬度は20A~70Aである。
【0011】
幾つかの実施例において、灌流前に前記接着剤に脱泡処理を行い、前記接着剤の粘度<500cpsとし、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、前記接着剤硬化後の屈折率は前記透明基板と一致する。
【0012】
幾つかの実施例において、灌流は以下のようないずれかの方式を採用する。
【0013】
第1の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を接着剤注入装置とともに真空室に入れ、接着剤は自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用の下で隙間を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0014】
第2の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0015】
第1の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0016】
第2の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0017】
真空灌流方法:接着剤注入面全体を接着剤で液体シールするように、積層体の接着剤注入面を、接着剤を収納した接着剤タンクに浸し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0018】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着するステップは、第1の量子ドットユニットに接着剤を塗布した後、第2の量子ドットユニットを取って接着剤に置いて接着し、これに応じて類推し、積層構造を形成するステップと、硬化前に積層構造の平行度と平面度を調整するステップと、を含む。
【0019】
幾つかの実施例において、前記接着剤は粘度<1000cpsであることが好ましく、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤の硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤の硬化後のショア硬度は60D~80Dである。
【0020】
幾つかの実施例において、前記量子ドットユニットの加工ステップは、透明基板の片側に第1のフォトレジスト層を塗布するステップと、露光して現像し、第1のフォトレジスト層の一部を残して第1の残留部を形成するステップと、透明基板の露光現像側に第1の透明導電層をめっきするステップと、第1の残留部を剥離し、前記第1の透明導電層に剥離領域の片側にある第1の突出部を形成し、前記第1の突出部は第1の電極に接続するためのものであるステップと、第1の透明導電層が位置する側に量子ドット層を塗布するステップと、第2のフォトレジスト層を塗布するステップと、露光して現像し、第2のフォトレジスト層の一部を残して第2の残留部を形成し、前記第2の残留部と前記第1の残留部を前記透明基板の同一稜線に近く設けるステップと、透明基板の露光現像側に第2の透明導電層をめっきするステップと、第2の残留部を剥離し、前記第2の透明導電層に第2の残留部の片側にある第2の突出部を形成し、前記第2の突出部は第2の電極に接続するためのものであり、前記第の突出部が前記第2の突出部にずれて分布される。
【0021】
本開示の第2の態様の実施例による三次元表示素子の加工方法は、前記量子ドット複合体の加工方法と、量子ドット複合体外に各量子ドットユニットの第1の透明導電層に電気的に接続される第1の電極、各量子ドットユニットの第2の透明導電層に電気的に接続される第2の電極を設けるステップと、量子ドット複合体の片側に回路基板を貼り付け、回路基板を電極に接続するステップと、を含む。
【0022】
本開示の第3の態様の実施例による量子ドット複合体は、複数の厚さ方向に順次積層して設けられて接着された量子ドットユニットを備え、各前記量子ドットユニットは、透明基板、第1の透明導電層、第2の透明導電層、及び量子ドット層を備え、前記第1の透明導電層と前記量子ドット層は前記透明基板の片側に位置し、且つ前記透明基板から順次離れて設けられ、前記第2の透明導電層は前記透明基板の他側または前記量子ドット層の外側に位置し、前記第1の透明導電層はP型半導体であり、前記第2の透明導電層はN型半導体であり、前記量子ドット層は前記第1の透明導電層、同一の量子ドットユニットまたは隣接する量子ドットユニットの前記第2の透明導電層とともにPN接合を形成する。
【0023】
幾つかの実施例において、前記量子ドット複合体の一方の表面はレーザ入射面として形成し、前記量子ドットユニットの積層方向に沿って、レーザ入射面から離れるほど、前記量子ドットユニットの厚みが大きくなる。
【0024】
幾つかの実施例において、前記量子ドット層の厚みは0.05μm~10μmであり、前記透明基板の厚みは0.1mm~0.5mmであり、前記透明基板の上下光面の平行度と平面度の誤差は2μmを超えなく、前記透明基板の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmを満たす。
【0025】
幾つかの実施例において、各量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときに同じ色の光を発光し、または各3つの隣接する量子ドットユニットは1つの色調整グループに分割され、各グループ内の3つの量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときにそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を発光する。
【0026】
本開示の第4の態様の実施例による三次元表示素子は、前記量子ドット複合体及び回路基板を備え、前記回路基板は第1の電極、第2の電極によってそれぞれ各量子ドットユニットの第1の透明導電層、第2の透明導電層に対応的に電気的に接続される。
【0027】
従来の固体体積式三次元表示技術に存在している問題に対して、本特許は、発光面の均一性、材料の高い透明度、高い奥行き解像度、360°の画像の表示、フルカラーの大画面三次元表示という5つの問題を重点的に解決する。
【0028】
本開示の付加的な態様と利点を以下の説明では部分的に示し、部分的に以下の説明から明らかになり、または本開示の実践を通じて了解することができる。
【0029】
本開示の上記および/または付加的な態様と利点は、以下の図面を組み合わせた実施例の説明から明らかになり、理解しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本開示の実施例による量子ドット複合体の加工方法を示す模式図である。
図2】本開示の実施例による三次元表示素子の加工方法を示す模式図である。
図3】本開示の一具体的な実施例による三次元表示素子の加工方法を示す模式図である。
図4】本開示の実施例による積層方式で量子ドット複合体を加工するプロセスフローチャートである。
図5】本開示の実施例による量子ドット複合体を示す模式図である。
図6】本開示の実施例による量子ドット複合体を示す分解模式図である。
図7】本開示の一実施例による量子ドット複合体のスペーサ設置を示す模式図である。
図8】本開示の他の実施例による量子ドット複合体のスペーサ設置を示す模式図である。
図9】本開示のさらなる実施例による量子ドット複合体のスペーサ設置を示す模式図である。
図10】本開示の実施例による量子ドット複合体の量子ドットユニットとスペーサ設置を示す模式図である。
図11】本開示の実施例による量子ドット複合体の量子ドットユニットとスペーサが付勢される模式図である。
図12】本開示の実施例による量子ドット複合体のシール剤設置を示す模式図である。
図13】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図14】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図15】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図16】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図17】本開示の複数の実施例による灌流方式の模式図である。
図18】表示素子の模式図である。
図19】本開示の実施例による積層方式で接着する量子ドット複合体の模式図である。
図20】本開示の実施例による積層方式で接着する量子ドット複合体の模式図である。
図21】本開示の実施例による積層方式で接着する量子ドット複合体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明した実施例は例示的なものであり、以下、本開示の実施例を詳細に説明する。
【0032】
以下、図1図21を参照して本開示の実施例による量子ドット複合体の加工方法を説明する。
【0033】
図1に示すように、本開示の第1の態様の実施例による量子ドット複合体の加工方法は、S1~S3を含む。
S1において、透明基板の片側に順次第1の透明導電層を設け、量子ドット層を塗布し、第2の透明導電層を設け、量子ドットユニットを形成する。具体的に、透明基板の準備時に、フロート法、オーバーフロー延伸法、スリット延伸法及び二次延伸法などのプロセスで製作した超薄ガラス平板を選択することができ、基材の厚さが0.1~5mmで、ガラス平板に対して面型検出を行い、上下の光面の平行度と平面度の誤差が±2μmを超えないようにする。ガラスユニットの長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmであることが好ましい。なお、樹脂系透明平板を基材として選択することができる。
【0034】
透明ガラスは透明基板として、具体的に、透明導電層にはITO材料または他の透明導電材料を採用することができる。ITO層を透明導電層として採用する際に、透明基板上に一層の第1のITO層をめっきし、第1のITO層上に一層の発光量子ドットをスピンコートし、最後に発光量子ドット層に一層の第2のITO層をめっきし、第1のITO層と第2のITO層の多数のキャリアが異なり、即ち一方がn型ITOであり、他方がp型ITOであり、このように、単一の透明基板11上にITO-量子ドット-ITOのPN接合構造を形成し、ITO屈折率は透明ガラス平板の屈折率に近く、誤差が0.01を超えなく、ITOのめっき方式はマグネトロンスパッタリング、真空反応蒸発、化学気相成長法、ゾルゲル法及びパルスレーザー堆積法であってもよく、好ましくは、マグネトロンスパッタリングであり、マグネトロンスパッタリングは、ITOめっき速度が速く、膜層が緻密で均一性が高い。ITOをめっきした透明基板11の1つの面に量子ドットを溶解した溶液をスピンコートし、量子ドットは油溶性でも、水溶性でもよく、スピンコートした量子ドット層の厚さ範囲は0.05μm~10μmであり、スピンコートの回転数は必要な厚さと溶液粘度によって決まる。この方法に従って、それぞれ異なる基板に3種の発光色の量子ドットをスピンコートし、それぞれ赤色発光量子ドット、緑色発光量子ドット、青色発光量子ドットである。
【0035】
S2において、複数の量子ドットユニットを接着する。
【0036】
S3において、接着後の量子ドットユニットをトリミングして、量子ドット複合体を取得する。
【0037】
接着後の量子ドットユニットに対するトリミングはレベリング、硬化、エッジトリミング、研磨などを含んでよい。
【0038】
本開示で提案された加工プロセスは、三次元表示に用いられるバルク材料の各層の発光面の均一性を顕著に向上させ、発光コントラストを高め、材料の透明度を高め、奥行き解像度を高め、三次元画像の視角を拡大させるなどができる。
【0039】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着し、接着方法は、以下のステップを含む。
【0040】
S21では、各量子ドットユニットの少なくとも一側にスペーサを設け、スペーサは透明な高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材である。
【0041】
具体的に、スペーサは円台形、円筒形、楕円柱形、長円筒形、直方体形、角柱形、球形、楕円球形の中のいずれかである。
【0042】
S22では、複数の量子ドットユニットを積層して積層体を形成し、隣接する量子ドットユニットの間はスペーサによって仕切られて接着剤を収納するための隙間を形成する。
【0043】
S23では、積層体の2つの互いに対向する側面をシールし、他の2つの互いに対向する側面を接着剤注入面と接着剤排出面として形成する。
【0044】
S24では、灌流して接着剤を接着剤注入面から入り込んで、隙間を充填し、硬化後にスペーサを含む接着剤層を隣接する量子ドットユニットの間に形成するようにする。
【0045】
幾つかの実施例において、スペーサの高さは1μm~500μmであり、隣接するスペーサの間の距離は0.1mm~5mmであり、複数のスペーサの高さの誤差≦2μmとし、スペーサ分布はマトリックス式分布であることが好ましい。積層後に、隣接するコーティングユニットがスペーサによって持ち上げられ、等厚の隙間を形成するために、等厚のスペーサを規則的な配列で離散的に形成しておく。
【0046】
これにより、各量子ドットユニットの平行度を確保し、最終的に加工された量子ドット複合体の平行度と平整度がより良い。
【0047】
スペーサの設置方法は以下のいずれかを採用することができる。
【0048】
1)、透明UV接着剤スプレーによる印刷またはスクリーン印刷、スペーサに高速硬化樹脂を配合した材料を採用する。液滴成形後にUV光により急速に硬化することができ、スペーサの高さが一致することを確保することができる。スペーサの外形は平面視で円形、方形、線またはその他のパターンであってもよく、円形点状パターンが好ましく、ドットの直径は0.05~2mmである。
【0049】
2)、フォトリソグラフィまたはエッチング法によって、塗布対象面にフォトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングし、残りのフォトレジストを除去し、フォトレジストはポジまたはネガである。フォトリソグラフィまたはエッチング法によってスペーサを作製するのは、塗布対象面にフォトレジスト直接塗布→露光→現像→エッチング→残りのフォトレジスト除去などのプロセスによってスペーサを作製することであり、用いられるフォトレジストはポジまたはネガであってもよく、前記エッチングにはウェットエッチングまたはドライエッチングを採用することができ、フォトリソグラフィ-エッチング法を使用してスペーサを作製する場合、エッチングが不要な面にフォトレジストをスピンコートして保護する必要がある。
【0050】
3)、ナノインプリント、ナノ転写。
【0051】
幾つかの実施例において、隣接するスペーサの間の距離は5μm~20mmであり、スペーサはシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球の中のいずれかであってもよく、スペーサの球形直径は1μm~200μmであり、直径の均一性誤差<10%である。
【0052】
これにより、上記スペーサのサイズを採用すると、スペーサ層が接着剤で浸潤被覆され、スペーサは光路に干渉しない。
【0053】
さらに、シール前または接着剤の硬化前に、誤差を±5μm以内に制御するように、積層体の平行度と平面度を調整するステップをさらに含む。これにより、積層体の加工精度を確保する。
【0054】
幾つかの実施例において、積層体のシールには液体シール剤または固体シール剤を採用し、液体シール剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、固体シール剤はゴム板またはシリコーンゴムであり、液体シール剤の粘度>20000cpsであり、液体シール剤の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化である。液体シール剤硬化後のショア硬度は20A~70Aである。これにより、積層体のシール効果がより良く、且つ積層体のシール剤領域の硬度と強度を確保する。
【0055】
さらに、灌流前に接着剤を脱泡処理し、接着剤60の粘度<500cpsであり、接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%であり、接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、接着剤硬化後の屈折率は透明基板に一致する。このように、上記接着剤を採用すると、接着効果がより良い。
【0056】
幾つかの実施例において、灌流には以下のいずれかの方式を採用する。
【0057】
1)第1の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を接着剤注入装置とともに真空室内に入れ、接着剤は自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用下で隙間を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0058】
2)第2の重力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaであり、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0059】
3)第1の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0060】
4)第2の圧力灌流方法:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0061】
5)真空灌流方法:接着剤注入面全体を接着剤で液体シールするように、積層体の接着剤注入面を接着剤を収納した接着剤タンクに浸し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaであり、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する。
【0062】
これにより、上記方式を採用して灌流することにより、接着効率がより高い。
【0063】
幾つかの実施例において、複数の量子ドットユニットを接着し、接着方法はS25~S26を含む。
【0064】
S25では、第1の量子ドットユニットに接着剤を塗布した後、第2の量子ドットユニットを取って接着剤60に置いて接着し、これに応じて類推し、積層構造を形成する。
【0065】
S26では、硬化前に積層構造の平行度と平面度を調整する。
【0066】
このように、スペーサを設置する必要せずに、スピンコート積層の方式により、隣接する量子ドットユニット間の間隔がより小さく、光路に与える影響がより小さい。
【0067】
幾つかの実施例において、接着剤は、好ましくは粘度<1000cpsであり、接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%であり、接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dである。これにより、上記積層接着方式には上記接着剤を採用すると、接着効果がより良い。
【0068】
具体的に、量子ドットユニットの加工ステップは、
透明基板の片側に第1のフォトレジスト層を塗布するS11と、
露光して現像し、第1のフォトレジスト層の一部を残して第1の残留部を形成するS12と、
透明基板の露光現像側に第1の透明導電層をめっきするS13と、
第1の残留部を剥離し、第1の透明導電層に剥離領域の片側にある第1の突出部を形成し、第1の突出部は第1の電極に接続するためのものであるS14と、
第1の透明導電層が位置する側に量子ドット層を塗布するS15と、
第2のフォトレジスト層を塗布するS16と、
露光して現像し、第2のフォトレジスト層の一部を残して第2の残留部を形成し、第2の残留部と第1の残留部を透明基板の同一稜線に近く設けるS17と、
透明基板の露光現像側に第2の透明導電層をめっきするS18と、
第2の残留部を剥離し、第2の透明導電層に第2の残留部の片側にある第2の突出部を形成し、第2の突出部は第2の電極に接続するためのものであり、第の突出部が第2の突出部にずれて分布されるS19と、を含む。
【0069】
これにより、量子体ユニット層は、第1の透明導電層と第2の透明導電層をめっきするように透明導電層を形成し、各量子体ユニット層の電界の独立した印加を実現し、これにより、各量子体ユニット層の独立した表示を実現することができる。
【0070】
本開示の第2の態様の実施例による三次元表示素子の加工方法は、上記実施例の量子ドット複合体の加工方法と、量子ドット複合体外に各量子ドットユニットの第1の透明導電層に電気的に接続される第1の電極、各量子ドットユニットの第2の透明導電層に電気的に接続される第2の電極を設けるステップと、量子ドット複合体の片側に回路基板を貼り付け、回路基板を電極に接続するステップと、を含む。
【0071】
このように、第1の電極、第2の電極を回路に接続することにより、最終的に電界を印加せずに量子ドットが高いフォトルミネッセンス光量子効率を有し、一定の電界を印加した後にフォトルミネッセンス光量子効率が低下し、ひいてはゼロに近くなり、量子ドットに吸収された光子はほとんど非放射緩和の方式で放出され、電界を除去した後、量子ドットの発光効率はまた初期状態に戻ることができる。
【0072】
本開示の第3の態様の実施例による量子ドット複合体100は、複数の厚さ方向に順次積層して設けられて接着された量子ドットユニット10を備え、各量子ドットユニット10は、透明基板11、第1の透明導電層、第2の透明導電層、及び量子ドット層13を含み、第1の透明導電層と量子ドット層13は透明基板11の片側に位置し、且つ順次透明基板11から離れて設けられ、第2の透明導電層は透明基板11の他側または量子ドット層13の外側に位置し、第1の透明導電層12はP型半導体であり、第2の透明導電層14はN型半導体であり、量子ドット層13は第1の透明導電層、同一の量子ドットユニット10または隣接する量子ドットユニット10の第2の透明導電層とともにPN接合を形成する。
【0073】
本開示は新型量子ドット複合体100を提案し、具体的に、フォトルミネッセンス光量子ドットの電界変調による発光効率低下の効果を利用して、量子ドット、透明導電材料及びその他透明材料を複合化する技術により、多層の多色発光量子ドットユニット10を有するバルク構造を作製し、次に、レーザ走査システムと電界変調システムを使用してバルク構造内で三次元パターンを走査する。
【0074】
電界を印加せずに量子ドットが高いフォトルミネッセンス光量子効率を有し、一定の電界を印加した後にフォトルミネッセンス光量子効率が低下し、ひいてはゼロに近くなり、量子ドットに吸収された光子はほとんど非放射緩和の方式で放出され、電界を除去した後、量子ドットの発光効率はまた初期状態に戻ることができる。量子ドットのこの特性は量子ドット電界変調のスイッチング効果と呼ばれ、励起光パラメータを一定に保ったまま、電界を印加しない場合と電界を印加した場合の量子ドット発光強度の比はスイッチング比である。スイッチング比は20より大きいことが好ましい。
【0075】
同じ条件下で、バルク材料のレーザ入射面前後の発光点の輝度が同じであることを確保し、レーザの量子ドットユニット10を介したエネルギー損失問題を相殺するために、バルク材料のレーザ入射面は、量子ドットユニット10の厚みを前から後に逓増する。換言すれば、量子ドット複合体100の一方の表面はレーザ入射面として形成し、量子ドットユニット10の積層方向に沿って、レーザ入射面量子ドットユニット10から離れるほど、厚さが大きくなる。
【0076】
幾つかの実施例において、量子ドット層13の厚みは0.05μm~10μmであり、及び/又は透明基板11の厚みは0.1mm~0.5mmであり、透明基板11の上下光面の平行度と平面度の誤差は±2μmを超えなく、透明基板11の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmを満たす。これにより、量子ドット層13は上記サイズを採用し、作製した量子ドット複合体100は構造がよりコンパクトである。
【0077】
選択可能に、各量子ドットユニット10の量子ドット層13が照射されると、同色の光を発光する。単色で示される量子ドット複合体100の構造は、単一色発光量子ドット発光層ユニットが周期的に配列され、層ユニットと層ユニットの間が透明接着剤で接着され、各層量子ドット層13の両面に電極が作製されており、電極の役割は量子ドットに大きさと方向を制御できる電界を印加することである。
【0078】
選択可能に、各3つの隣接する量子ドットユニット10を1つの色調整グループに分割し、各グループ内の3つの量子ドットユニット10の量子ドット層13が照射されると、それぞれ赤色光、緑色光、青色光を発光する。例えば、ユニット層の配布規則は、赤色発光量子ドットユニット10、緑色発光量子ドットユニット10、青色発光量子ドットユニット10である。3色の量子ドットユニット10が周期的に配列され、ユニット層とユニット層の間が透明接着剤で接着され、各量子ドットユニット10の両面に透明電極が作製されており、電極の役割は量子ドットに大きさと方向を制御できる電界を印加することである。
【0079】
本開示の第4の態様の実施例による三次元表示素子は、上記実施例の量子ドット複合体100及び回路基板を備え、回路基板は第1の電極と第2の電極によってそれぞれ各量子ドットユニット10の第1の透明導電層12と第2の透明導電層14に対応的に電気的に接続される。
【0080】
電界は光場変調による三次元表示素子と比べて液晶積層の三次元表示の優位性:
1.より高い画像フレームレート、単層電界変調量子ドットスクリーンの変調時間は10μs未満であるが、液晶層の一回のリフレッシュ時間はmsオーダーである。
2.より高い三次元イメージングの縦方向の解像度、液晶層のリフレッシュ速度が遅いため、液晶層の三次元表示の深さ方向の解像度例えば液晶層のリフレッシュ速度1msを制限し、人間の目の視覚的滞在効果225Hzで計算すると、液晶層は最も多く40層まで積層し、より多く積層するにはフレームレートを犠牲にしなければならない。単層電界変調の量子ドットスクリーン変調時間は10μs未満であり、10μs、25Hzで計算すると、4000層積層することができる。
3.より大きい視角、液晶パネルの枠の制限により、液晶積層三次元表示の視角は正面の小さい角度に制限され、側面及び裏面は見ることができなく、光場と電界の2変調に基づく三次元表示システムは、電極が配布された1つの面の小さな領域が画像を見ることができない以外、他の方向がすべて画像を見ることができる。
4.より高い色域、液晶積層三次元表示システムの光源にはLEDバックライトが用いられ、光場と電界の2変調に基づく三次元表示システムはフォトルミネッセンス光量子ドットが用いられ、量子ドットはLEDと比べてより高い色域を有することが知られている。
【0081】
以下、2つの具体的な実施例の量子ドット複合体100の製造プロセスフローを簡単に説明する。
【0082】
実施例1:サイフォン法による量子ドット複合体100の作製
【0083】
図2は実施例の量子ドット複合体100の作製プロセスフローである。
1)透明基板11の準備:図3は透明基材であり、フロート法、オーバーフロー延伸法、スリット延伸法及び二次延伸法等のプロセスで作製される超薄ガラス平板を選択し、基材の厚さは0.1~5mmであり、ガラス平板に面型検出を行い、上下の光面の平行度と平面度の誤差が±2μmを超えないようにする。透明基板11の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmであることが好ましい。なお、樹脂系透明平板を基材として選択してもよい。
【0084】
2)量子ドット印加プロセス
【0085】
図4は単層量子ドットユニット10構造の加工プロセスである。図5は各層構造の形状特徴であり、透明基板11は透明ガラスであり、透明基板11上に一層の第1のITO層12をめっきし、第1のITO層12上に一層の量子ドット13をスピンコートし、最後に量子ドット層13にさらに一層の第2のITO層14をめっきし、第1のITO層と第2のITO層の多数のキャリアが異なり、即ち一方がn型ITOであり、他方がp型ITOであり、このように、単一の透明基板11上にITO-量子ドット-ITOのPN接合構造を形成し、ITO屈折率は透明ガラス平板の屈折率に近く、誤差が0.01を超えなく、ITOのめっき方式はマグネトロンスパッタリング、真空反応蒸発、化学気相成長法、ゾルゲル法及びパルスレーザー堆積法であってもよく、好ましくは、マグネトロンスパッタリングであり、マグネトロンスパッタリングは、ITOめっき速度が速く、膜層が緻密で均一性が高い。ITOをめっきした透明基板11の1つの面に量子ドットを溶解した溶液をスピンコートし、量子ドットは油溶性でも、水溶性でもよく、スピンコートした量子ドット層の厚さ範囲は0.05μm~10μmであり、スピンコートの回転数は必要な厚さと溶液粘度によって決まる。この方法に従って、それぞれ異なる基板に3種の発光色の量子ドットをスピンコートし、それぞれ赤色発光量子ドット、緑色発光量子ドット、青色発光量子ドットである。
【0086】
なお、N型ITOはその他のN型透明半導体材料を選択してもよく、P型ITOはその他のP型透明半導体材料を選択してもよい。
【0087】
同じ条件下で、バルク材料のレーザ入射面前後の発光点の輝度が同じであることを確保し、レーザの量子ドットユニット10を介したエネルギー損失問題を相殺するために、バルク材料のレーザ入射面は、量子ドット層13の厚みを前から後に逓増する。
【0088】
3)スペーサ20の作製:スペーサ20形成工程:積層後に、隣接するコーティングユニットがスペーサ20によって持ち上げられ、等厚の隙間を形成するために、等厚のスペーサ20を規則的な配列で離散的に形成しておく。
【0089】
スペーサ20形成の方式は、透明UV接着剤スプレーによる印刷(図7)、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ-エッチング法(図8)、ナノインプリント、ナノ転写等を採用することができる。スペーサ20の高さは1~500μmであり、隣接するスペーサ20の間の距離は0.1~5mmであり、スペーサ20の高さ誤差≦2μmであり、スペーサ20の分布は、マトリックス式分布であることが好ましい。
【0090】
透明UV接着剤スプレーによる印刷(図7)、スクリーン印刷等のプロセスでスペーサ20を作製する場合、スペーサ20の材料は好ましく高速硬化樹脂を配合した材料を採用する。液滴成形後にUV光により急速に硬化することができ、スペーサ20の高さが一致することを確保することができる。スペーサ20の外形は平面視で円形、方形、線またはその他のパターンであってもよく、円形点状パターンが好ましく、ドットの直径は0.05~2mmである。
【0091】
フォトリソグラフィまたはエッチング法(図8)によってスペーサ20を作製するのは、塗布対象面にフォトレジスト直接塗布→露光→現像→エッチング→残りのフォトレジスト除去などのプロセスによってスペーサ20を作製することであり、用いられるフォトレジストはポジまたはネガであってもよく、前記エッチングにはウェットエッチングまたはドライエッチングを採用することができ、フォトリソグラフィ-エッチング法を使用してスペーサ20を作製する場合、エッチングが不要な面にフォトレジストをスピンコートして保護する必要がある。
【0092】
なお、スペーサ20として、他の大きさの均一な粒子状材料を用いて、2層の発光量子ドットをスピンコートした基板ユニット間に均一に分布させてもよく、隣接する2つの前記粒子の間の距離はDであり、前記Dは、5μm≦D≦20mmを満たす。スペーサ20の外形寸法は、円台形、円筒形、楕円柱形、長円柱形、直方体形、角柱形、球形または楕円球形を満たすことができる。好ましくは、球形であり、直径が1μm~200μmであり、直径の均一性の誤差<10%であり、スペーサ20の塗布方式は、微小球スプレースペーサ法(図9)であってもよく、微小球スペーサ20はシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球であってもよく、なお、粒子状スペーサ20は高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材であってもよい。
【0093】
4)スペーサ20を作製した透明基板11を積層し、図10に示す。
フルカラーイメージングに用いられる場合:積層規則は、各層の量子ドットユニット10の方向が同じであり、配布規則は、赤色発光量子ドットユニット10、緑色発光量子ドットユニット10、青色発光量子ドットユニット10の3色の量子ドット発光層ユニットが周期的に配列される。
【0094】
単色イメージングに用いられる場合:積層規則は、1種の色の量子ドット発光層を使用して積層し、各層の量子ドットユニット10の方向が同じである。
【0095】
5)積層体の平行度と平面度を調整し、図11に示すように、剛性板体40またはエアバッグで積層後の積層体を挟持し、平行度調整装置によって最上層ユニットと最下層ユニットの平行度と平面度を調整し、誤差を±5μm以内に制御することによって、各層ユニットは、スペーサ20の厚さ、透明基板11の厚さ及びスピンコートした量子ドット層13厚さのばらつきによる累積平行度と平面度の誤差を補正する。この工程は、灌流後、接着剤60が硬化する前に行ってもよい。
【0096】
6)シール工程:積層体が積層方向に垂直な4つの面の中の2つの対向面をシール面として採用し、シール剤30を採用してシールし、図12に示すように、前記シール剤30は固体シール材でも、液体シール材でもよく、液体シール材であると、粘度は>20000cpsの液体シール剤30であることが好ましく、液体シール剤30の材料の種類はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記液体シール剤30の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化であり、前記液体シール剤30の硬化後のショア硬度は20A~70Aである。固体シール材であれば、延性の良いゴム板またはシリコーンゴムを選択することができ、工具を介してシール面に緊密に押圧して密着され、シール効果を発揮することもできる。
【0097】
7)灌流工程
積層体が積層方向に平行な4つの面の中のもう2つの対向面の一方を接着剤注入面として選択し、他方を接着剤排出面として用いる。硬化接着剤60は接着剤注入面から基板ユニットの中央のスペーサ層に入り込み、接着剤排出面から引き出され、接着剤60を均一に各スペーサ層に充填させ、灌流を完了する。前記灌流の接着剤60は、粘度<500cpsであることが好ましく、硬化方式は加熱硬化または常温自然硬化であり、前記接着剤60はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、好ましい接着剤60の硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤60の硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、接着剤60の灌流前に接着剤60を脱泡処理し、接着剤60の色は透明であることが好ましく、硬化後の屈折率が透明基板11に近い誤差は0.01未満である。
【0098】
接着剤の灌流方法は重力灌流、圧力灌流及び真空灌流がある。
【0099】
重力灌流方法1:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図13に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を重力接着剤注入装置とともに真空室52に入れ、接着剤a自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用下でスペーサ層を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に圧力印加装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0100】
重力灌流方法2:積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図14に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空引き時に空気漏れが発生しないことを確保する。真空装置の絶対真空度<10kpaであることが好ましい。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0101】
圧力灌流方法1:積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図15に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加することで接着剤をスペーサ層に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられる。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に圧力印加装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0102】
圧力灌流方法2:積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置内の接着剤に入れ、図16に示すように、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧力を印加することで接着剤をスペーサ層に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられる。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に圧力印加装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0103】
真空灌流方法:積層体の接着剤注入面を接着剤60を収納した接着剤タンク51内に浸し、図17に示すように、接着剤注入面全体が接着剤60によって液体シールされる。次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空引き時に空気漏れが発生しないことを確保する。真空装置の絶対真空度<10kpaであることが好ましい。接着剤排出面の各箇所に接着剤60が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤60の灌流を完了する。
【0104】
8)硬化及び熱処理工程。
接着剤60の灌流を完了した後に加熱または一定の温度で一定の時間放置することにより硬化させ、必要な熱処理方式を用いて内部応力を除去し、積層ブロックを取得することができる。硬化前に平行度調整装置によって積層ブロックの最上層と最下層のコーティングユニットの平行度と平面度を補正することができ、例えば、精密油圧装置で積層ブロックを圧着し、圧着力が20kpa以下であり、圧着機の作動面の平行度と平面度によって積層ブロックを補正することができ、接着剤60が硬化するまで保持し続けることができる。
【0105】
9)エッジトリミング研磨工程、硬化を完了した後の積層ブロックに順次エッジトリミングと研磨工程を行い、エッジトリミングの目的は、積層ブロックをほぼ標準的な立方体に加工し、次に、その各面に研磨処理を施すことで、積層体の透過性を高く保ち、次の工程に準備することである。
【0106】
10)電極20の作製、電極20の作製には、積層体が積層方向に垂直な4つの面の中の1つの面をフォトリソグラフィ+コーティングするように電極20を作製し、各層ITOごとに電極20を引き上げ、図18に示すように、ITO層と層との間が短絡しなくようにし、電極20の材料は金または銀であってもよく、好ましくは、材料が金である。
【0107】
11)プリント回路基板及びボンディングワイヤーを貼り付け、電極20を作製した一面に仕様で作製する回路基板を貼り付け、超音波溶接機を使用して積層体上の電極20をプリント回路基板に接続し、より広い視角を実現するために、1つの面に電極20を作製することが好ましい。制御システムによって量子ドット層13の両側のITO層に電圧を印加し、電界中にある量子ドットは電界の作用下で、発光効率が低下し、ひいてはゼロに近くなり、印加電界の大きさと赤・緑・青の三色の量子ドットを制御することでフルカラーの三次元表示を実現することができる。
【0108】
実施例2:積層法による積層材料の作製
【0109】
図5の工程を完了したユニット層に積層工程を行う
【0110】
積層工程は、図19図20図21に示すように、図5の工程を完了した1枚の平板を取って、平板工具に置き、上向きの一面に「工」字形の接着剤60を塗り、また、図5の工程を完了した1枚の平板を取って、接着剤60に置き、1枚目の平板上の量子ドットユニット10と方向が一致し、即ち量子ドットユニット10が共に上を向くか、或いは共に下を向くように置き、前記接着剤60は、粘度<1000cpsであることが好ましく、硬化方式は加熱硬化または常温自然硬化であり、前記接着剤60はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、好ましい接着剤60の硬化後の体積収縮率<1.1%であり、前記接着剤60の硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、接着剤60の灌流前に接着剤60を脱泡処理し、接着剤60の色は透明であり、硬化後の屈折率は透明基板11に近く、誤差が0.01より小さい。
【0111】
フルカラーイメージングに用いられる場合:積層規則は、各層の量子ドットユニット10の方向が同じであり、配布規則は、赤色発光量子ドットユニット10、緑色発光量子ドットユニット10、青色発光量子ドットユニット10の3色の量子ドット発光層ユニットが周期的に配列される。
【0112】
単色イメージングに用いられる場合:積層規則は、1種の色の量子ドット発光層を使用して積層し、各層の量子ドットユニット10の方向が同じである。
【0113】
5)積層体の平行度と平面度を調整し、積層後の積層体を平行度調整装置によって最上層ユニットと最下層ユニットの平行度と平面度を調整し、誤差を±5μm以内に制御することによって、各層ユニットは、スペーサ20の厚さ、透明基板11の厚さ及びスピンコートした量子ドットユニット10の厚さのばらつきによる累積平行度と平面度の誤差を補正する。
【0114】
6)硬化と熱処理工程。
接着剤60の灌流を完了した後に加熱または一定の温度で一定の時間放置することにより硬化させ、必要な熱処理方式を用いて内部応力を除去し、積層ブロックを取得することができる。
【0115】
7)エッジトリミング研磨工程、硬化を完了した後の積層ブロックに順次エッジトリミングと研磨工程を行い、エッジトリミングの目的は、積層ブロックをほぼ標準的な立方体に加工し、次に、その各面に研磨処理を施すことで、積層体の透過性を高く保ち、次の工程に準備することである。
【0116】
8)電極20の作製、電極20の作製には、積層体が積層方向に垂直な4つの面の中の1つの面をフォトリソグラフィ+コーティングするように電極20を作製し、各層ITOごとに電極20を引き上げ、ITO層と層との間が短絡しなくようにし、電極20の材料は金または銀であってもよく、好ましくは、材料が金である。
【0117】
9)プリント回路基板及びボンディングワイヤーを貼り付け、電極20を作製した一面に仕様で作製する回路基板を貼り付け、超音波溶接機を使用して積層体上の電極20をプリント回路基板に接続し、より広い視角を実現するために、好ましくは、電極20をバルク材料に近い1本の稜線に作製する。
【0118】
本開示の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」など方向および位置関係を示す用語は図面に示す方向または位置関係に基づき、本開示の説明をしやすくするとともに記述を簡素化するためのものにすぎず、指している装置または素子が特定の方向、特定の方向での構成および操作を有しなければならないことを示すまたは暗に示すものではなく、本開示を限定するものとみなすことはできないということを理解できる。
【0119】
本開示の説明では、「第1の特徴」、「第2の特徴」は、1つまたは複数の該特徴を含むことができる。本開示の説明では、「複数」の意味は、2つのまたは2つ以上である。本開示の説明では、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」ということは第1および第2の特徴が直接接触することを含んでよく、第1および第2の特徴が直接接触せず、第1および第2の特徴の間の別の特徴を介して接触することを含んでもよい。本開示の説明では、第1の特徴が第2の特徴「の上」、「上方」および「上面」ということは第1の特徴が第2の特徴の直上方および斜め上方であることを含む、または第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことを示すに過ぎない。
【0120】
本明細書の説明では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」という参考用語などの説明は、該実施例または例を組み合わせて説明する具体的な特徴、構造、材料または特点は本発明の少なくとも1つの実施例または例に含まれる。本明細書では、上記用語の例示的な叙述は必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要がない。
【0121】
本開示の実施例を提示し記述したが、当業者にとって、本願の原理と趣旨から逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変化、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は請求の範囲及びその同等物によって限定されることを理解できる。
【0122】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年06月23日に中国国家知識産権局に提案された、特許出願番号が202110701334.1の特許出願の優先権と権益を主張し、且つその全内容は、参照によりここに組み込まれる。
【符号の説明】
【0123】
量子ドット複合体100、電極20、量子ドットユニット10、透明基板11、第1の透明導電層12、量子ドット層13、第2の透明導電層14、スペーサ20、シール剤30、剛性板体40、接着剤タンク51、粘接接着剤a、真空室52、接着剤60、シール部材70。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子ドット複合体の加工方法であって、
透明基板の片側に順次第1の透明導電層を設け、量子ドット層を塗布し、第2の透明導電層を設けて、量子ドットユニットを形成するステップと、
複数の量子ドットユニットを接着するステップと、
接着後の量子ドットユニットをトリミングし、量子ドット複合体を得るステップと、を含む、ことを特徴とする量子ドット複合体の加工方法。
【請求項2】
複数の量子ドットユニットを接着するステップは、
各量子ドットユニットの少なくとも一側に、透明な高分子材料部材、樹脂部材、光学ガラス部材または光学結晶部材であるスペーサを設けるステップと、
複数の量子ドットユニットを積層して積層体を形成し、隣接する量子ドットユニットの間はスペーサによって仕切られて接着剤を収納するための隙間を形成するステップと、
積層体の2つの互いに対向する側面をシールし、他の2つの互いに対向する側面を接着剤注入面と接着剤排出面として形成するステップと、
灌流して接着剤を接着剤注入面から入り込んで、隙間を充填し、硬化後にスペーサを含む接着剤層を隣接する量子ドットユニットの間に形成するようにするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項3】
前記スペーサの高さは1μm~500μmであり、隣接するスペーサの間の距離は0.1mm~5mmであり、複数のスペーサの高さ誤差≦2μmとする、ことを特徴とする請求項2に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項4】
隣接する前記スペーサの間の距離は5μm~20mmであり、前記スペーサはシリカ微小球、ポリスチレン微小球、ポリメチルメタクリレート微小球の中のいずれかであり、前記スペーサの球形直径は1μm~200μmであり、直径の均一性誤差<10%とする、ことを特徴とする請求項2または3に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項5】
シール前または接着剤の硬化前に、誤差を±5μm以内に制御するように、前記積層体の平行度と平面度を調整するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項6】
積層体のシールには液体シール剤または固体シール剤を採用し、前記液体シール剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記固体シール剤はゴム板またはシリコーンゴムであり、
前記液体シール剤の粘度>20000cpsとし、前記液体シール剤の硬化方式は常温自然硬化、加熱硬化または紫外光照射硬化であり、
前記液体シール剤硬化後のショア硬度は20A~70Aである、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項7】
灌流前に前記接着剤に脱泡処理を行い、前記接着剤の粘度<500cpsとし、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤硬化後の体積収縮率<1.1%とし、前記接着剤硬化後のショア硬度は60D~80Dであり、前記接着剤硬化後の屈折率は前記透明基板と一致する、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項8】
灌流は、
第1の重力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、積層体を接着剤注入装置とともに真空室に入れ、接着剤は自体が受ける重力と毛細管現象の共同作用の下で隙間を満たし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第1の重力灌流方法と、
第2の重力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤タンクに入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第2の重力灌流方法と、
第1の圧力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を圧力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に機械圧力を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置に圧力の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するための圧力センサーが取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第1の圧力灌流方法と、
第2の圧力灌流方法であって、積層体の接着剤注入面を重力接着剤注入装置の接着剤に入れ、接着剤注入装置と接着剤注入面の間をシール材または工具によってシール接続を実現し、接着剤に大気圧を印加して接着剤を隙間に満たし、圧力接着剤注入装置にガス圧の大きさを監視して調整し、接着剤注入速度を制御するためのガス流量弁が取り付けられ、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に圧力付加装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する第2の圧力灌流方法と、
真空灌流方法であって、接着剤注入面全体を接着剤で液体シールするように、積層体の接着剤注入面を接着剤を収納した接着剤タンクに浸し、次に、接着剤排出面に真空装置が接続され、真空装置は積層体の接着剤排出面全体を包み、シール材または工具によって接着剤排出面を外部から隔離し、真空装置の絶対真空度<10kpaとし、接着剤排出面の各箇所に接着剤が均一に滲出していることが観察された場合に真空装置を閉じ、接着剤の灌流を完了する真空灌流方法とのいずれかの方式を採用する、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項9】
複数の量子ドットユニットを接着するステップは、
第1の量子ドットユニットに接着剤を塗布した後、第2の量子ドットユニットを取って接着剤に置いて接着し、これに応じて類推し、積層構造を形成するステップと、
硬化前に積層構造の平行度と平面度を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項10】
前記接着剤は粘度<1000cpsであることが好ましく、前記接着剤はエポキシ樹脂系またはアクリル樹脂系であり、前記接着剤の硬化後の体積収縮率<1.1%とし、前記接着剤の硬化後のショア硬度は60D~80Dである、ことを特徴とする請求項9に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項11】
前記量子ドットユニットの加工ステップは、
透明基板の片側に第1のフォトレジスト層を塗布するステップと、
露光して現像し、第1のフォトレジスト層の一部を残して第1の残留部を形成するステップと、
透明基板の露光現像側に第1の透明導電層をめっきするステップと、
第1の残留部を剥離し、前記第1の透明導電層に剥離領域の片側にある第1の突出部を形成し、前記第1の突出部は第1の電極に接続するためのものであるステップと、
第1の透明導電層が位置する側に量子ドット層を塗布するステップと、
第2のフォトレジスト層を塗布するステップと、
露光して現像し、第2のフォトレジスト層の一部を残して第2の残留部を形成し、前記第2の残留部と前記第1の残留部を前記透明基板の同一稜線に近く設けるステップと、
透明基板の露光現像側に第2の透明導電層をめっきするステップと、
第2の残留部を剥離し、前記第2の透明導電層に第2の残留部の片側にある第2の突出部を形成し、前記第2の突出部は第2の電極に接続するためのものであり、前記第の突出部が前記第2の突出部にずれて分布される、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の量子ドット複合体の加工方法。
【請求項12】
請求項1または請求項2に記載の量子ドット複合体の加工方法と、
量子ドット複合体外に各量子ドットユニットの第1の透明導電層に電気的に接続される第1の電極、各量子ドットユニットの第2の透明導電層に電気的に接続される第2の電極を設けるステップと、
量子ドット複合体の片側に回路基板を貼り付け、回路基板を電極に接続するステップと、を含む、ことを特徴とする三次元表示素子の加工方法。
【請求項13】
複数の厚さ方向に順次積層して設けられて接着された量子ドットユニットを備え、各前記量子ドットユニットは、透明基板、第1の透明導電層、第2の透明導電層、及び量子ドット層を備え、前記第1の透明導電層と前記量子ドット層は前記透明基板の片側に位置し、且つ前記透明基板から順次離れて設けられ、前記第2の透明導電層は前記透明基板の他側または前記量子ドット層の外側に位置し、前記第1の透明導電層と前記第2の透明導電層の一方はP型半導体であり、他方はN型半導体であり、前記量子ドット層は前記第1の透明導電層、同一の量子ドットユニットまたは隣接する量子ドットユニットの前記第2の透明導電層とともにPN接合を形成する、量子ドット複合体。
【請求項14】
前記量子ドット複合体の一方の表面はレーザ入射面として形成し、前記量子ドットユニットの積層方向に沿って、レーザ入射面から離れるほど、前記量子ドットユニットの厚みが大きくなる、ことを特徴とする請求項13に記載の量子ドット複合体。
【請求項15】
前記量子ドット層の厚みは0.05μm~10μmであり、
前記透明基板の厚みは0.1mm~0.5mmであり、前記透明基板の上下光面の平行度と平面度の誤差は2μmを超えなく、前記透明基板の長さaと幅bは、1mm≦a≦500mm、1mm≦b≦500mmを満たす、ことを特徴とする請求項13または14に記載の量子ドット複合体。
【請求項16】
各量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときに同じ色の光を発光し、または
各3つの隣接する量子ドットユニットは1つの色調整グループに分割され、各グループ内の3つの量子ドットユニットの量子ドット層が照射されるときにそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を発光する、ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の量子ドット複合体。
【請求項17】
請求項14に記載の量子ドット複合体と、
第1の電極、第2の電極によってそれぞれ各量子ドットユニットの第1の透明導電層、第2の透明導電層に対応的に電気的に接続される回路基板と、を備える、ことを特徴とする三次元表示素子。
【国際調査報告】