(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】風力タービン翼の金型のためのクイック調整根板アタッチメント
(51)【国際特許分類】
F03D 1/06 20060101AFI20240705BHJP
F03D 13/10 20160101ALI20240705BHJP
F16B 39/02 20060101ALI20240705BHJP
F16B 39/10 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
F03D1/06 A
F03D13/10
F16B39/02 P
F16B39/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579397
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022034666
(87)【国際公開番号】W WO2022271911
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523480831
【氏名又は名称】ティーピーアイ テクノロジー,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セガラ,アレクサンダー,エル.
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB35
3H178CC02
(57)【要約】
本開示は、根板組立システムのために、風力タービン翼の金型の金属(例えば、鋼)製の根板と複合材の根フランジとの間で軸方向に調整可能な硬質の接続部を提供する。システムは、その中に配置された少なくとも一つの開口を有するフランジ部分を含む根板を含む。システムは、根板の開口内に配置された密封カラーを含む。システムは、根板の開口よりも大きい直径を有する少なくとも一つのワッシャを含む。システムは、長手方向に延在するチャネルおよびその外面にねじ山を有するねじ込み式カラーを含む。システムは、ねじ込み式カラーの長手方向に延在するチャネル内に少なくとも部分的に配置された締め具を含む。システムは、締め具の上方に配置され、締め具に当接するロックナットと、ロックナットの上に配置され、カラーに当接するボルトカバーと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン翼のための根板組立システムであって、
根板の中に配置された少なくとも一つの開口を有するフランジ部分を含む根板と、
前記根板の前記開口内に配置された密封カラーと、
前記根板の前記開口よりも大きい直径を含む少なくとも一つのワッシャと、
長手方向に延在するチャネルおよびその外面にねじ山を含むねじ込み式カラーと、
前記ねじ込み式カラーの前記長手方向に延在するチャネル内に少なくとも部分的に配置された締め具と、
前記締め具の上方に配置され、前記締め具に当接するロックナットと、
前記ロックナットの上に配置され、前記カラーに当接するボルトカバーと、を備える、風力タービン翼のための根板組立システム。
【請求項2】
前記ねじ込み式カラーは、第一の直径を含む第一の部分および第二の直径を含む第二の部分を備え、それらの間に内側棚部を画定する、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項3】
前記締め具は、ヘッド部分およびステム部分を備え、前記ヘッド部分が、前記ねじ込み式カラーの棚部に当接する、請求項2に記載の根板組立システム。
【請求項4】
前記根板に隣接して配置された根フランジをさらに備える、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項5】
前記根フランジに隣接して配置された注入根板をさらに備える、請求項4に記載の根板組立システム。
【請求項6】
前記締め具の遠位端は、ねじ山を備え、前記締め具のねじ山が、前記注入根板の雌ねじに係合するように構成される、請求項5に記載の根板組立システム。
【請求項7】
前記ロックナットは、前記ねじ込み式カラーと前記根板との間の相対運動を妨げる、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項8】
前記ロックナットは、前記締め具の前記ヘッドよりも大きい直径を含む、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項9】
前記ロックナットは、前記ねじ込み式カラーの直径と同等の直径を含む、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項10】
前記密封カラーは、前記ねじ込み式カラーの前記外径よりも大きい内径を含む、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項11】
前記締め具、前記ねじ込み式カラー、前記密封カラーおよび前記少なくとも一つのワッシャの各々は、同心構成で軸方向に整列される、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項12】
前記ねじ込み式カラーの遠位端は、ねじ込み式ではないスカート部分を含む、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項13】
前記ねじ込み式カラーの遠位端は、ねじ込み式ではない円錐部分を含む、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項14】
前記ねじ込み式カラーと前記根フランジとの間に配置された球面ワッシャをさらに含む、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項15】
前記球面ワッシャは、前記ねじ込み式カラーの前記外径よりも小さい外径を含む、請求項14に記載の根板組立システム。
【請求項16】
前記ねじ込み式カラーは、前記注入根板に固定される、請求項1に記載の根板組立システム。
【請求項17】
根板組立システムの軸方向調整のための方法であって、
根板の中に配置された少なくとも一つの開口を含む根板を提供することと、
長手方向に延在するチャネルおよびその外面にねじ山を含むねじ込み式カラーを提供することと、
注入根板の中に配置された少なくとも一つの開口を含む注入板を提供することと、
前記ねじ込み式カラーの前記長手方向に延在するチャネルおよび前記根板内に少なくとも部分的に配置された締め具を提供することと、
前記根板と前記注入板との間に配置され、前記ねじ込み式カラーおよび前記締め具をさらに囲む根フランジを形成するために、注入複合材を提供することと、
前記締め具を前記根フランジに対して長手方向に移動させるために、前記ねじ込み式カラーを調整することと、
前記根板および前記注入板を、それらの間に配置された前記ねじ込み式カラーの前記長手方向に延在するチャネルを通って配置された前記締め具を介して、調整可能に結合することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記ねじ込み式カラーは、前記注入根板に固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記締め具を長手方向に移動させるために、前記ねじ込み式カラーを調整することは、前記ねじ込み式カラーを回転することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記根板および前記注入板を調整可能に結合することは、前記根板を前記注入板に対して、変更可能な距離で結合することを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条に基づき、2021年6月23日に出願された米国仮特許出願第63/213,982号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示された主題は、風力タービン翼を製造するためのシステムに関する。詳細には、本開示の主題は、風力タービン翼根のアタッチメントを製造するシステムおよび方法を対象とする。本開示は、風力タービン翼の金型の金属(例えば、鋼)製の根板と複合材の根フランジとの間の軸方向に調整可能な硬質の接続部を提供する。
【背景技術】
【0003】
風力タービン翼は、一般に、その後、閉じた金型/翼にクラムシェル様式で回転させ得るハーフシェル金型(例えば、圧迫側金型、および吸込側金型)で形成された、ガラスまたは炭素繊維強化プラスチック等の複合材料で形成された中空翼シェルを備える。翼シェルの根端部は、一般に、使用する翼の静的および動的な荷重を支持するために、シェルの残部よりも有意に厚い。
【0004】
既存の翼製造技術において、根端部のシェル厚さの増加は、多数の繊維層を、ハーフ部分の金型の根端部で構築することで達成される。根板は、複合材構造に取り付けられるが、タービン翼(したがって、根板)の大きさがますます増加していることを鑑みると、この組立プロセスは、労働集約型であり、風力タービン翼とロータハブとの間の接合部が高応力を受けるため、根板全体を支持するための重機を必要とする。さらに、根板を任意に調整するには、根板を完全に取り外し、その後、調整を完了するために、追加の機械加工または部品交換が必要となる。したがって、任意の専門的な機器またはツールを必要とせずに、風力タービン翼の金型の根板と複合材の根フランジとの間で軸方向に調整可能で硬質な接続部を提供するための効率的かつ安全な方法および装置へのニーズが、引き続き存在する。
【発明の概要】
【0005】
開示された主題の目的および利点は、後続の説明に記載され、それから明らかであって、同様に、開示された主題を実施することで認識されるであろう。開示された主題の追加の利点は、明細書書面および特許請求の範囲内で特に指摘された方法およびシステムによって、さらには添付の図面から認識および達成されるであろう。
【0006】
これらのおよび他の利点を達成するために、また、具体的かつ広範囲に記載された、開示された主題の目的に従って、開示された主題は、その中に配置された少なくとも一つの開口を有するフランジ部分を含む根板と、根板の開口内に配置された密封カラーと、根板の開口よりも大きい直径を有する少なくとも一つのワッシャと、長手方向に延在するチャネルおよびその内面と外面にねじ山を有するねじ込み式カラーと、ねじ込み式カラーの長手方向に延在するチャネル内に少なくとも部分的に配置された締め具と、締め具の上方に配置され、締め具に当接するロックナットと、ロックナットの上に配置され、カラーに当接するボルトカバーと、を備える、風力タービン翼のための根板組立システムを含む。
【0007】
さらに、ねじ込み式カラーは、第一の直径を有する第一の部分および第二の直径を有する第二の部分を含み得、その間に内側棚部を画定する。
【0008】
一部の実施形態では、締め具は、ヘッド部分およびステム部分を含み得、ヘッド部分が、ねじ込み式カラーの棚部に当接する。
【0009】
また、根フランジは、根板に隣接して含まれ、配置され得る。
【0010】
一部の実施形態では、注入根板は、根フランジに隣接して配置される。
【0011】
一部の実施形態では、締め具の遠位端は、ねじ山を含み、締め具のねじ山が、注入根板の雌ねじに係合する。
【0012】
一部の実施形態では、ロックナットは、ねじ込み式カラーと根板との間の相対運動を妨げる。
【0013】
一部の実施形態では、ロックナットは、締め具のヘッドよりも大きい直径を有する。
【0014】
一部の実施形態では、ロックナットは、ねじ込み式カラーの直径と同等の直径を有する。
【0015】
一部の実施形態では、密封カラーは、ねじ込み式カラーの外径よりも大きい内径を有する。
【0016】
一部の実施形態では、締め具、ねじ込み式カラー、密封カラー、および密封ワッシャは、同心構成で軸方向に整列される。
【0017】
一部の実施形態では、ねじ込み式カラーの遠位端は、ねじ込み式ではないスカート部分を含む。
【0018】
一部の実施形態では、ねじ込み式カラーの遠位端は、ねじ込み式ではない円錐部分を含む。
【0019】
一部の実施形態では、球面ワッシャは、ねじ込み式カラーと根フランジとの間に配置される。
【0020】
一部の実施形態では、球面ワッシャは、ねじ込み式カラーの外径よりも小さい外径を有する。
【0021】
これらのおよび他の利点を達成するために、また具体的かつ広範囲に記載された、開示された主題の目的に従って、開示された主題は、根板の中に配置された少なくとも一つの開口を含む根板を提供することを含む、根板組立システムの軸方向調整のための方法を含む。方法は、長手方向に延在するチャネルおよびその外面にねじ山を含むねじ込み式カラーを提供することを含む。方法は、注入根板の中に配置された少なくとも一つの開口を含む注入根板を提供することを含む。方法は、ねじ込み式カラーの長手方向に延在するチャネルおよび根板内に少なくとも部分的に配置された締め具を提供することを含む。方法は、根板と注入板との間に配置され、ねじ込み式カラーおよび締め具をさらに囲む根フランジを形成するための注入複合材を提供することを含む。方法は、締め具を根フランジに対して長手方向に移動させるために、ねじ込み式カラーを調整することを含む。方法は、根板および注入板を、その間に配置されたねじ込み式カラーの長手方向に延在するチャネルを通って配置された締め具を介して、調整可能に結合することを含む。
【0022】
一部の実施形態では、ねじ込み式カラーは、注入根板に固定される。
【0023】
一部の実施形態では、締め具を長手方向に移動させるために、ねじ込み式カラーを調整することは、ねじ込み式カラーを回転することを含む。
【0024】
一部の実施形態では、根板および注入板を調整可能に結合することは、根板を注入板に対して、変更可能な距離で結合することを含む。
【0025】
上述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が例示的であり、特許請求される開示された主題のさらなる説明を提供することが意図されることは理解されるであろう。
【0026】
添付図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、開示された主題の方法およびシステムのさらなる理解を例示し提供するために含まれる。本図面は、明細書と共に、開示された主題の原理を説明するための役割を果たす。
【0027】
本明細書に記載の主題の様々な態様、特徴、および実施形態の詳細な説明は、添付図面を参照して提供され、以下に簡潔に記載される。図面は、例示的であって、必ずしも原寸通りの表示ではなく、一部の構成要素および特徴は、明確化のために誇張して表示する。図面は、本主題の様々な態様および特徴を示し、本主題の一つ以上の実施形態または実施例を、全体としてまたは部分として示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】開示された主題に従った、例示的な風力タービンの概略図である。
【
図2】風力タービン翼の例示的な根板と根フランジとの接続部の前方斜視図である。
【
図3】
図2に示す例示的な根板と根フランジとの接続部の後方斜視図である。
【
図4】
図2に示す例示的な根板と根フランジとの接続部の別の後方斜視図である。
【
図5】軸方向に延在する締め具(例えば、M20ボルト)を備えた、例示的な根板と根フランジとの接続部の断面図である。
【
図6】風力タービン翼の例示的な根板と根フランジとの接続部の前方斜視図であり、本開示の締結システムを分解図で示す。
【
図7】風力タービン翼の例示的な根板と根フランジとの接続部の別の前方斜視図であり、本開示の締結システムを分解図で示す。
【
図8】相対的な軸方向調整のための、軸方向に延在する締め具(例えば、M20ボルト)およびカラーを備えた、別の例示的な根板と根フランジとの接続部の断面図である。
【
図9】球面ワッシャを使用する、別の例示的な根板と根フランジとの接続部の別の断面図である。
【
図12A】クラムシェルの形態および二つのハーフ部分の金型で風力タービン翼を製造するように構成された金型の斜視図である。
【
図12B】クラムシェルの形態および二つのハーフ部分の金型で風力タービン翼を製造するように構成された金型の斜視図である。
【
図12C】クラムシェルの形態および二つのハーフ部分の金型で風力タービン翼を製造するように構成された金型の斜視図である。
【
図13】開示された主題の実施形態による、調整可能な根板組立のための例示的な方法を表す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで開示された主題の例示的な実施形態を詳細に参照すると、その実施例が添付図面に示されている。開示された主題の方法および対応するステップは、システムの詳細な説明と併せて、記載される。
【0030】
限定ではなく、説明および例示を目的として、開示された主題に従ったシステムの例示的な実施形態を
図113に示す。同様の参照番号(先頭の数字で区別される)は、機能の面で対応するが、必ずしも同一の構造ではないものを示すために、本明細書で提示する様々な図面および図において提供され得る。
【0031】
図1は、例示的な風力タービンを示し、その例示的な風力タービンは、塔30、ナセル20、塔の先端に配置されたナセル20、およびナセル内部に収容された発電機(図示せず)に動作可能に結合された複数の動翼10を含む。発電機に加えて、ナセルは、風力エネルギーを電気エネルギーに変換するために必要な種々の構成要素および風力タービンの性能を操作、制御、および最適化するのに必要な様々な構成要素を収容する。
【0032】
各動翼10は、(ナセルに接続するための)根部分および先端部を備えた複合材構造として形成される。複合材の根フランジは、例えば、真空樹脂含浸工法(VARTM)により、樹脂注入される繊維セグメントの層(または「プライ」もしくは「レイアップ」)から形成される。樹脂注入プロセスは、真空フィルムを金型の上に配列すること、およびレイアップを封入する密封領域を画定するために、真空フィルムを、金型のフランジ等の表面に対して密封することを含み得る。真空ポンプは、空気を密封領域から除去するために使用され得る。同時に、樹脂は、密封領域に注入される。樹脂は、繊維層を通して、根挿入物と繊維層との間に注入される。各動翼は、翼の長さに沿って、一つ以上の翼形を含み得る。例えば、限定しないが、動翼10は、翼の長さに沿って、一つの翼形を含み得る。別の実施例では、翼形は、動翼10の長さに沿って、変化し得る。各動翼10は、進入風の方向および該風からのエネルギー伝達の最適化に従って、変化するように構成された翼形を含み得る。
【0033】
図2は、単一の金型ハーフ部分(明確さのためモールド(mold)は省略する)の斜視図で示す、根板100と複合材樹脂で注入された根フランジ150との間の例示的な結合を示す。根板100は、一つ以上の金属および/またはそれらの一つ以上の合金から製造され得る。例えば、限定しないが、根板100は、一つ以上の鋼およびそれらの合金を含み得る。根板100は、炭素鋼を含み得る。
【0034】
鋼の炭素含有量は、普通炭素鋼(鉄-炭素合金)では、0.002~2.14重量パーセントである。炭素含有量があまりにも少ないと、(純)鉄は、かなり軟らかく、延性があり、脆い。炭素含有量が鋼のものよりも多い場合、一般的に銑鉄と称される脆性合金となる。合金鋼は、鋼の特性を変えるために、他の合金化元素が意図的に添加された鋼である。一般的な合金化元素には、マンガン、ニッケル、クロム、モリブデン、ホウ素、チタン、バナジウム、タングステン、コバルト、およびニオブが含まれる。最も頻繁に所望でないと考えられている追加の元素も鋼においては重要であり、リン、硫黄、シリコン、および微量の酸素、窒素、および銅が該当する。
【0035】
炭素含有量が2.1%超の普通炭素鉄合金は、鋳鉄として公知である。粉末金属成形等の現代の製鋼技術により、非常に高炭素(および他の合金材料)の鋼を製造するのは可能であるが、このような鋼は一般的ではない。鋳鉄は、高温時でも可鍛ではないが、鋼より低い融点および良好な可鋳性の特性を有するため、鋳造により成形可能であり得る。鋳鉄の特定の組成物は、溶解および鋳造の経済性を保持しつつ、鋳造後に熱処理して、可鍛鉄または延性鉄の対象物を製造することができる。鋼は、少量の炭素であるが大量のスラグを含み得る錬鉄と区別可能である。根板100は、S355を含有する一つ以上の鋼を含み得る。
【0036】
根板100は、金型製の動翼10の根を、ロータまたはナセルに固定するように構成され得る。根板100は、金型製の動翼10の根を、金型500または金型のハーフ部分504および508等の金型の一つ以上の構成要素に固定するように構成され得、本明細書では以下により詳しく記載する。根板100は、一つ以上の複合材そのものから構成され得る。根板100は、本明細書で記載するように、動翼10に類似の一つ以上の構成要素から構成され得る。根板100は、その中に配置された一つ以上の開口を含み得る。本開示の目的のため、「開口」は、構成要素内の開口部である。根板100は、製造プロセス中の根板100等の構成要素にマッチ穿孔または鋳造された、弧状の円形パターン、長方形パターンで構成された複数の開口を含み得る。例えば、限定しないが、開口は、一つ以上の貫通孔を含み得る。例えば、限定しないが、一つ以上の開口は、一つ以上のねじ山の基準に従って、一般的または独自のねじ山を各々利用して、一つ以上のねじ孔を含み得る。開口は、生産後に機械加工または根板100の製造中に鋳造、鍛造、成型、成形、またはそれ以外の方法で製造され得る。一つ以上の開口は、さらなる加工のためのパイロット孔を含み得る。
【0037】
図3を参照すると、根板組立システムは、注入板110等の硬質な金属板を含み得る。注入板110は、動翼10の複合構成要素内に部分的または完全に注入され得る。注入板110は、圧入、共成形または機械加工され得、根フランジ150に取り付けられ得る。注入板110は、根板100と共に、下の根フランジ150を挟持するように構成され得る。根板100および注入板110は、根フランジ150を挟持し得、一つ以上の締め具を利用して共に挟着し、これにより、根フランジ150を固定し得る。
【0038】
根フランジ150は、仕上げられた動翼10の重量ならびに風および回転から生ずる力を支持し、またロータとの嵌合構成要素として機能するように構成された動翼10の根に配置された一つ以上の複合構成要素であり得る。根フランジ150は、動翼150の成型プロセスで成型および/または成型前に製造され得、動翼10が完成する前に金型500により配置され得る。成型プロセス中に金型500内に配置された一つ、二つ、またはそれ以上の根フランジ150が存在し得る。例えば、限定しないが、根フランジ150は、二つの金型のハーフ部分の各々に配置され得、一つ以上のクランプおよびヒンジによって金型に共に保持され得る。根フランジ150は、本明細書の開口の記載に一致する、一つ以上の開口を含み得る。根フランジ150に配置された一つ以上の開口は、実施形態による、根板100および/または注入板110に配置された一つ以上の開口パターンに対応し得る。
【0039】
図3および
図4の後方斜視図に示すように、硬質な金属(例えば、鋼)製の板110は、注入複合材の根フランジ150に組み込まれ得る。したがって、二つの金属板100、110は、複合材の根フランジ150をその間に「挟持」するために、対向する側に位置決めされる。
【0040】
図4を参照すると、根板組立システムは、根フランジ150のビューア側の注入板110を示す後方斜視図に示される。隠れた金型ハーフ部分(504/508)は、注入板110により作製され、取り付けられた円弧の面に垂直に延在し得、または連続して根フランジ150の一部であり得る。
図4には示さないが、注入板110は、一つ以上の孔、貫通孔、ねじ孔、または根板100に配置された一つ以上の開口パターンに適合する他の種類の開口を含み得る。注入板110の一つ以上の開口は、根板100の開口とマッチ穿孔され得る。一つ以上の開口は、根板100の対応する開口のねじ山に適合するねじ山を含み得る。根板100、注入板110および根フランジ150のいずれかは、同一の締め具を、対応する開口内に受けるために、ねじ切りされ得る。本開示の目的として、「対応する開口」は、軸方向に整列され、締め具をそれを通って受けるように構成された嵌合部分の開口部である。
図4は、本明細書で以下に詳しく記載される締結組立品を示す。
【0041】
図5は、根板100と複合材の根フランジ(明確さのため省略する)との間の例示的な結合部の断面図を示し、前部根板100および後部(注入された)板110が、複合材の根フランジを挟持し、三つの構成要素すべてが、締結組立品により取り外し可能に結合される。締結組立品は、スペーサ200を通って延在する締め具300を含み得、締め具300の遠位端が、注入板110(複合材のフランジの後面に位置する)の開口内に受けられる。図示された例示的な実施形態では、スペーサ200は、根板100の後面に当接し、複合材のフランジの幅よりも小さい幅を有する(明確さのため省略するが、
図9に示すように、
図5の間隙をふさぐ)。根フランジ150は、まだ注入されていないため、
図5では顕著に存在しない。例えば、限定しないが、スペーサ200、根板100、注入板110との間で、かつ締め具300によって横断された間隙は、注入複合材で充填され、根フランジ150を形成する。したがって、スペーサ200、根板100、注入板110と締め具300の組立品との間のネガティブスペースは、根フランジ150の形状および形態を少なくとも部分的に画定する。この非限定的な実施形態では、
図5の締結組立品が、根フランジ150およびそれに対して動翼10の成型が完了し、または実施形態では、さらに開始される前に、設置されることは留意されるべきである。したがって、締結組立品は、根フランジ150に取り外し可能にかつ調整可能に設置され得、したがって、動翼10、具体的には、根フランジ150の成型の後に調整され得る。
【0042】
図6および
図7を参照すると、複合材の根フランジ150は、その後面に注入された注入板110による真空樹脂含浸工法を利用して、成形され得る。その後、根板100は、根フランジ150の前面に隣接して位置決めされ、対応する開口101、111が整列して設けられる。対応する開口は、整列のみのために、または整列および根板110を根フランジ150に、さらには注入板110への固定のために利用され得、またはさらに、根板100、根フランジ150および注入板110を固定するためにのみ使用され得る。
【0043】
図8は、相対的な軸方向調整のための、軸方向に延在する締め具(例えば、M20ボルト)およびカラーを備えた、例示的な根板100と根フランジ150の接続部の断面図である。接続部は、図の左手側に配置された根板100を含み得る。根板100は、貫通孔を含み、ねじ込み式カラー250は、少なくとも部分的にそれを通って配置される。ねじ込み式カラー250は、ねじ込み式カラー250の円筒外面に配置された第一の組のねじ山を含み得る。ねじ込み式カラー250の雄ねじは、例えば、限定しないが、開口101の円筒内面のねじ山と嵌合するように構成され得る。ねじ込み式カラー250は、該ねじ山に沿って回転し、開口101内に軸方向に移動するように構成され得、すなわち、ねじ込み式カラー250を回転することで、ねじ込み式カラー250は、開口101、またはそこに配置された任意の開口部の内または外に軸方向に移動するであろう。ねじ込み式カラー250は、その上に第二の組のねじ山を含む内部開口部を含む。第二の組のねじ山は、その中の締め具300等の一つ以上の締め具を嵌合および固定するように構成され得る。締め具300は、M20植え込みボルトを含み得る。ねじ込み式カラー250は、根板100内のねじ込み式カラー250および/またはねじ込み式カラー250内の締め具300の回転を容易にするように構成された一つ以上の潤滑剤を含み得る。ねじ込み式カラーは、実施形態によれば、注入板110に固定され得る。ねじ込み式カラー250は、実施形態によれば、根板100に固定され得る。ねじ込み式カラー250は、実施形態によれば、根フランジ150に固定され得る。
【0044】
引き続き、
図8を参照すると、接続部の組立品は、密封カラー401および少なくとも一つの密封ワッシャ402を含む。密封カラー401は、注入複合材が、締結組立品の内部に到達し、その中に見られる一つ以上のねじ山を被覆するのを防止するように構成され得る。密封カラー401は、上述のように、複合材の注入の前に、設置され得る。接続部の組立品は、密封ワッシャ402等の少なくとも一つのワッシャを含む。一つまたは複数の密封ワッシャ402は、ねじ込み式カラー250の外周を注入複合材から密封するように構成され得る。すなわち、密封は、注入複合材またはその中で使用する樹脂の粘度で、液密用に構成され得る。密封ワッシャ402等の少なくとも一つのワッシャは、動翼10の製造で使用する樹脂等の液状または半液状の材料の種類に対応するように構成され得る。
図8の接続部の組立品は、ロックナット202および軸方向ロックボルト212を含む。ロックナット202は、開口101またはその他の雌ねじと嵌合するように構成された円筒外面に配置されたねじ山を含み得る。ロックナット202は、ねじ込み式カラー250、したがって締め具300の軸方向移動を抑えるように構成され得る。ロックナット2020は、移動の軸方向に直交して配置されたねじ込み式カラー250の平坦面に当接するように含まれ得る。ロックナットは、一つ以上の軸方向ロックボルト212によって該ねじ込み式カラー250に固定されるように構成され得る。軸方向ロックボルト212は、全シャフト長に沿って、その部分に対してねじ切りされ得る。軸方向ロックボルト212は、ロックナット202のねじ込み式ではない貫通孔を通過し、ねじ込み式カラー250の平坦面の一つ以上の孔にねじ切りされるように構成され得る。例えば、限定しないが、軸方向ロックボルト212は、全シャフト部分に沿ってねじ切りされ得、ロックナット202およびねじ込み式カラー250を通ってねじ切りされ得る。
図8の接続部の組立品は、開口部を閉めるように構成されたボルトカバー203を含み得、締め具300、ねじ込み式カラー250、ロックナット202および軸方向ロックボルト212は、その中に配置される。ボルトカバー203は、根板100に結合され、締結組立品によって残された開口部を覆うように構成された金属、複合材、プラスチックまたはゴム製の一つ以上のシートであり得る。
【0045】
図9を参照すると、
図8の接続部の組立品を断面図で示す。根フランジ150は、注入板110と根板100との間に確認され得る(参照文字を表示せず)。根フランジ150は、注入板110の内部の注入板110を通過して右側に延在することが確認され得る。
【0046】
図10および
図11の分解図および拡大図を参照すると、ねじ込み式カラー250は、金型の根板100に係合し、根フランジ150を通って、後部注入板110に延在するように提供され、その例示的な実施形態を、
図8および
図9の断面図で示す。ねじ込み式カラー250は、穴付きボルト-ねじ込み式カラー組立品により、金型のフランジ内の注入板110に固定して(例えば、溶接または接着される)または取り外し可能に結合され得、根フランジおよび根板(例えば、軸方向にまたは全長の移動)の相対的調整が可能である。
【0047】
動作中、ねじ込み式カラー250を回転すると、軸方向移動が生じる。例えば、限定しないが、時計回りに回転すると、根板100に向けて、または
図8および
図9に示す左から右への軸方向または全長に移動が生じる。この移動により、風力タービンの金型の根フランジ150に対して、根板100が有効に調整される。所望の配向(例えば、挿入および軸方向整列の深さ)が一旦達成されると、調整可能なねじ込み式カラー250は、一つまたは複数の軸方向ロックボルト212を通って係合され得、その後、ボルト212の所望でない緩みを防止するために、ボルトカバー203により覆われ得る、ロックナット202により所定位置にロックされる。したがって、ねじ込み式カラー250のロック位置、したがって、根板100の配向は、金型内の所望の配向に固定されたままであり、所望の配向には、いかなる所望でない逸脱または変更もない。ねじ込み式カラー250は、締め具300のねじ山と噛み合うために、雌ねじを備えた第一の部分を有する内側チャネルを含み得る。カラー250の内側チャネルの第二の部分は、カウンタボアまたは皿穴等の締め具300のヘッドを受けるようにサイズ設定され得る。また、ねじ込み式カラー250は、第一の直径「D」(例えば、締め具300のヘッド部分を受ける)およびより小さい直径「d」(例えば、締め具300のねじ部分を受ける)によりサイズ設定される。
【0048】
密封カラー401は、締め具300およびねじ込み式カラー250の周囲を囲むように設けられ、密封カラー401は、根フランジ150の外面から横方向外側に延在する。密封カラー401は、密封ワッシャ402の位置を越えて外側の距離に延在し、締め具300のねじ部分の上部に一致する位置(例えば、締め具300のヘッド部分が位置する位置)を終端とする。一部の実施形態では、密封カラー401は、根フランジ150内の開口の内径とのシールを作成するために、変形し得る。例えば、密封カラー401は、軸方向/全長部分が圧縮される際に、半径方向に拡大するベローズを形成する。
【0049】
一部の実施形態では、球面ワッシャ404は、
図9の断面図で示すように、組立品に組み込まれ得る。球面ワッシャ404は、ねじ込み式カラー250と根フランジ150との間で(軸方向に)位置決めされ得る。球面ワッシャは、自動位置合わせワッシャまたは均等化ワッシャ、とも称され、平坦でない表面への締結用途用に構成され得る。一組のワッシャは、凸状の「上部」ハーフ部分と凹状の「下部」ハーフ部分からなる。上部ワッシャが、下部ワッシャよりもやや狭い内径を有する一方、両方は、同一の半径を有する。これにより、ボルトまたはねじは、両方のワッシャを通過し、「自動位置合わせ」をすることができ、平坦な挟着ワッシャ面が可能である。複数組の球面ワッシャは、補正角が3~4度で設計される。さらに、球面ワッシャ404は、ねじ込み式カラー250の外径よりも小さい(同様に、密封カラー401および密封ワッシャ402の内径よりも小さい)外径でサイズ設定され得る。密封および/または緩衝ワッシャにより、締め具と表面との間に気密/水密/液密シールが生成される。ゴムワッシャまたは密封ワッシャとも称される該ワッシャは、配管工器具、ブレーキシステム、油圧用途、樹脂金型等の周りの漏れを防止する。ねじ込み式カラーの遠位端は、
図9に示すように、球面ワッシャ404の開口に突出する円錐(および任意選択で、ねじ込み式ではない)部分を含み得る。ねじ込み式カラー230の外径は、同様に、密封カラー401および密封ワッシャ402によって同心円状に受けられるように、サイズ設定され得る。
【0050】
図10は、
図8に示す様々な構成要素の分解図を示す。根フランジ150は、密封カラー401をその中に受ける開口を含む。複数の(例えば、三つの)密封ワッシャ402は、根フランジ150に隣接して、かつそれに接して位置決めされ、密封カラー401をその中に含有する開口よりも大きい直径によりサイズ設定される。これにより、密封ワッシャ402が、開口内に位置決めされ、密封カラー401をふさぎその挿入を妨げるのが防止される。ワッシャ402は、同様に、対向面の根板100に隣接して、それに接して位置決めされる。
【0051】
(外部から)ねじ切りされたカラー250は、根板100の相補的にねじ切りされた開口内に挿入され、カラー250の遠位/下部端が、ワッシャ402を通って、複合材のフランジ150の開口内の密封カラー401内に通過する。密封ワッシャ402および密封カラー401が存在することで、樹脂がカラー250と締め具300の相互作用の調整機構に到達するのが防止される。さらに、本開示により、密封されたアクセスカバーの取り外しによって、かつ完全な根板組立品を取り外すことなく、すべての軸方向調整を金型の外側から実施可能である。
【0052】
締め具300は、カラー250のボア/チャネルを通ってかつそれを越えて挿入される場合、注入根板110の内面の相補ねじに係合する雄ねじを有する。締め具300が回転する際に、注入板110とのねじ込み式での係合により、締め具はさらに注入板110に引き込まれ、締め具300の部分が、締まりばめでの係合を有するねじ込み式カラー250内に配置され、したがって、締め具300のねじ山は、注入根板110の相補ねじとのねじ込み式結合を確立するのみである。ロックナット202は、その後、ねじ込み式カラー250と根板100との間の相対運動(例えば、緩み/後退)を抑制または防止するために、締め具の上部に当てられる。さらに、ロックナット202は、それ自体、ロックナット202の上部から、締め具300のヘッドを越えて延在する複数の(例えば、四つの等距離で間隔を置いて配置された)ねじ212により、ロック位置に保持され、
図6に示すように、カラー250の側壁に形成された開口内に受けられる。次に、ボルト被覆板203は、根板100の上/外面に取り付けられ、ボルト被覆板が、ロックナット202およびねじ212の外/上面から間隔を置いて配置される。したがって、被覆板203は、ねじ込み式カラー250を囲み、ねじ214によりロック位置に保持される。
【0053】
限定ではなく、例示目的で、締め具300は、注入根板110の内面に形成されたねじ山と噛み合うように構成されたねじ山を有するボルトとして形成され得る。上述のように、締め具300は、ねじ込み式カラー250内に締まりばめを確立するのに十分である、ヘッドに近接する外径でサイズ設定される。一部の実施形態では、締め具は、M20~M50でねじ切りされた植え込みボルトとして構成され得る。その他の長さも可能であり得、本発明は、上記の範囲に限定されない。本明細書に表示された例示的な図は、明瞭化のために単一の締結組立品に焦点を当てるが、複数の締結組立品を組み込むことができ、根板/フランジの外周の周りに配置され得る。例えば、締結組立品は、互いに等距離に間隔を置いて配置され得る。
【0054】
図12Aを参照すると、金型500は、斜視図で示される。
図12Aから、金型500が、共に挟着されるように構成された第一の金型ハーフ部分504および第二の金型ハーフ部分508を含み、二つのハーフ部分の間に空隙を作成し、該空隙が動翼10の外側金型線を画定することが確認され得る。根板100は、円形の根板を作成するように接合された二つのハーフ部分として確認され得、根板100の各ハーフ部分が、金型ハーフ部分504および金型ハーフ部分508と関連する。金型500は、二つの金型ハーフ部分が合体し、その二つの部分の間にシールを作成する場合に確認され得る一つ以上のクランプを含み得る。該クランプは、多少の圧力が、金型ハーフ部分504、508を密封するのに必要な戦略的な点で、等間隔で配置または間隔を置いて配置され得る。一つの金型ハーフ部分は、真空樹脂含浸工法プロセスの金型の圧迫側であるように設計され得、もう一つの金型ハーフ部分は、真空樹脂含浸工法プロセスの真空側であるように設計され得る。金型500は、開閉プロセス中に金型500を操作・支持するように構成された一つ以上のヒンジおよび/またはリンク装置を含み得る。金型500は、一つ以上のアクチュエータにより自動的に、または手動で、開および/または閉操作され得る。ヒンジおよび/またはリンク装置は、金型500の挟着を補助するのがさらに可能であり得る。例えば、金型500等の高速生産ツールは、繰り返しのサイクルに耐え、良好な表面仕上げおよび寸法の正確性を維持し得る頑丈な金属から作製され得る。金型500は、炭素繊維/エポキシ、モニリシック黒鉛、キャスタブル黒鉛、セラミックまたは金属(典型的には、アルミニウム、鋼およびその合金)から形成され得、それから作製され得る高性能の複合材部品である、動翼10を生産するように構成され得る。実施形態によれば、各材料は、独自の能力および欠点を備えている。
【0055】
図12Bおよび
図12Cを参照すると、金型ハーフ部分504、508は、斜視図で示される。金型ハーフ部分504は、動翼10の一つのハーフ部分を画定するように構成され得る。金型ハーフ部分504は、翼形の翼弦に対する動翼10の長さに沿って、一つ以上の翼形の上部または下部のハーフ部分であり得る。金型ハーフ部分504、508は、金型の内部を真空状態に曝す前および間に、金型500の形状を支持するための、一つ以上の支柱、支持部材または超構造により支持されるように構成され得る。
【0056】
図13を参照すると、根板組立品の調整可能な結合のための方法は、流れ図の形態で示される。方法1300は、ステップ1305で、根板100等の根板を提供することを含む。根板100は、本明細書に記載の任意の根板であり得る。根板100は、金型500等の金型、具体的には、金型ハーフ部分504および/または508の根部分を支持およびそれに取り付けられるように構成され得る。根板100は、一つ以上のパターンを含む本明細書に記載の開口101/111等の一つ以上の開口を含み得る。
【0057】
引き続き、
図13を参照すると、方法1300は、ステップ1310で、ねじ込み式カラー250等のねじ込み式カラーを提供することを含む。ねじ込み式カラー250は、それを通って長手方向に延在するチャネルを含み、該チャネルが、少なくとも一つの開口と軸方向にかつ同心円状に整列される。ねじ込み式カラー250は、ねじ込み式カラー250が配置される開口の円筒内面に配置されたねじ山と噛み合うように構成された円筒外面に配置されたねじ山を含む。ねじ込み式カラー250は、ねじ山を通って回転するように構成され得、それによって、開口のねじ込み式カラー250の部分を軸方向に調整する。ねじ込み式カラー250は、締め具300等の締め具と噛み合うように構成されたねじ込み式カラー250の円筒内面に配置されたねじ山を含む。
【0058】
引き続き、
図13を参照すると、方法1300は、ステップ1315で、注入板110等の注入板を提供することを含む。注入板110は、本明細書に記載の任意の注入板であり得る。注入板110は、根フランジ150に機械加工され得、根フランジ150は、本明細書に記載の任意の根フランジであり得る。注入板110は、開口部、根板100に配置された開口に対応する孔の開口を含み得る。注入板110は、接着剤、締め具、またはそれらの組み合わせにより、根フランジ150に部分的または完全に注入され得る。
【0059】
引き続き、
図13を参照すると、方法1300は、ステップ1320で、ねじ込み式カラーの長手方向に延在するチャネルを通って配置された締め具を提供することを含む。締め具は、締め具300または任意の好適な締め具であり得る。締め具300は、ねじ込み式カラー250の雌ねじと噛み合うように構成された締め具の少なくとも一部に配置されたねじ山を含む。締め具300は、ねじ込み式カラー250と部分的に固定され得、根板100内に少なくとも部分的に固定され得、注入板110を少なくとも部分的に通り得る。
【0060】
引き続き、
図13を参照すると、方法1300は、ステップ1325で、根フランジ150等の根フランジを形成するために、注入複合材を提供することを含む。注入複合材は、実施形態では、本明細書に上述した組立品の締結の前に、記載があり得る。注入複合材は、上述の構成要素の締結後に適用され得る。根フランジ150は、金型ハーフ部分504/508の各々と連続した構成要素であり得る。根フランジ150は、一つ以上の金型ハーフ部分504/508の別のまたは複数の構成要素に結合され得る。
図13に記載はないが、構成要素は、本明細書に記載の密封カラー等の一つ以上の密封構成要素および密封ワッシャ等の少なくとも一つのワッシャによって、成型プロセスにより、注入複合材および/または樹脂から密封され得る。締め具300は、根板100、根フランジ150および注入板110、またはそれらの一部分を通って部分的にねじ切りされ得る。締め具300は、根板100に配置されたねじ込み式カラー250を通って部分的に配置される。
【0061】
引き続き、
図13を参照すると、方法1300は、ステップ1330で、ねじ込み式カラー250を調整することを含む。ねじ込み式カラー250は、根板100のねじ山に沿って、ねじ込み式カラー250を回転することによって調整され、それによって、ねじ込み式カラー250を、それが配置される開口内で上下に軸方向に移動する。ねじ込み式カラー250は、調整され、それによって、上述の構成要素内の締め具のねじ部分を調整する。
【0062】
引き続き、
図13を参照すると、方法1300は、ステップ1335で、根板を注入板に調整可能に結合することを含む。根板は、根板100であり得、注入板は、注入板110であり得る。根板100と注入板110との間の距離、したがって、根フランジ150と根板100との間の距離は、ねじ込み式カラー250および締め具300の位置によって可変である。
【0063】
したがって、本開示は、ねじ切りされた構成要素により容易にされる翼の金型の根フランジに対する根板の調整用の構造配置および方法を提供し、組立段階でサイズ設定を余儀なくされる複雑な特別適合のワッシャ等の必要性を回避する。本開示が、根板および根フランジの軸方向調整を主に提供する一方、一部の側方/垂直の調整はまた、締結システム(例えば、ボルト300をカラー250内に挿入/引き離す)の操作により、実施され得る。本明細書で開示する技術は、半永久的な意図を持って、複合材金型に付加されたすべての根板で使用され得る。頻繁に取り外される根板(プロセスのニーズにより駆動される)の場合で、修正され得る一方、調整用の構成要素は、一部の実施形態では、板の内側と異なり、接続する金型フレームに移動可能である。
【0064】
開示された主題が、特定の好ましい実施形態に関して本明細書で記載される一方、当業者は、様々な修正および改良が、その範囲から逸脱することなく、開示された主題に対して実施され得ることを認識するであろう。さらに、開示された主題の一つの実施形態の個々の特徴が、本明細書に記載され得、または一つの実施形態であって、他の実施形態ではない図面に示され得るものの、一つの実施形態の個々の特徴は、別の実施形態の一つ以上の特徴または複数の実施形態からの特徴と組み合わせられ得ることは明らかであるべきである。
【0065】
以下で請求項に記載される特定の実施形態に加えて、開示された主題はまた、以下で請求項に記載される従属的な特徴および上記で開示された特徴の他の任意の可能な組み合わせを有する他の実施形態を対象とする。このため、従属請求項に記載され、上記で開示された特定の特徴は、開示された主題が、他の任意の可能な組み合わせを有する他の実施形態を同様に具体的に対象とするものと認識されるべきであるように、開示された主題の範囲内で他の様式で互いに組み合わせられ得る。したがって、開示された主題の特定の実施形態の上述の記載は、例示および説明を目的として提示されている。開示された主題が網羅的であること、または開示された主題を開示された実施形態に限定することは意図されていない。
【0066】
様々な修正および変形が、開示された主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された主題の方法およびシステムで実施可能であることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、開示された主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある修正および変形を含むことが意図される。
【国際調査報告】