(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】窒素発生及び殺菌システム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20240705BHJP
F17C 5/06 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61L2/18
F17C5/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579440
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 US2022034731
(87)【国際公開番号】W WO2022271953
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523481104
【氏名又は名称】バイオミスト,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BIOMIST, INC.
【住所又は居所原語表記】573 North Wolf Road, Wheeling, IL 60090-3027, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】シューラー、ジェイ, エル.
(72)【発明者】
【氏名】クック、セカンド、ロバート エル.
【テーマコード(参考)】
3E172
4C058
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB11
3E172AB20
3E172BA01
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD05
3E172EA02
3E172EA51
4C058AA01
4C058BB07
4C058DD16
4C058JJ08
4C058JJ24
(57)【要約】
殺菌噴霧システムは、もらい火なくアルコールベースの消毒及び殺菌組成物を噴霧するためのキャリアガス源として使用される窒素を生じさせる窒素発生システムを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールベースの消毒組成物用の容器と、
噴霧器と、
前記噴霧器が前記アルコールベースの消毒組成物を分配するためのキャリアガスとして99.5%の純度の窒素を生じさせる窒素発生器とを備える殺菌システムであって、
前記容器、噴霧器、及び窒素発生器は、流体連通しており、前記アルコールベースの消毒組成物及び窒素キャリアガスを分配するように構成されている、殺菌システム。
【請求項2】
前記窒素発生器は、乾燥機と、空気圧縮機と、圧縮空気タンクと、メンブレンフィルタと、圧縮窒素貯蔵タンクとを備える、請求項1に記載の殺菌システム。
【請求項3】
前記窒素発生器は、コントローラを更に備える、請求項2に記載の殺菌システム。
【請求項4】
前記窒素発生器は、少なくとも10psiの圧力で前記圧縮窒素貯蔵タンク内に貯蔵するための窒素を発生させる、請求項2に記載の殺菌システム。
【請求項5】
前記発生した窒素及びアルコールベースの消毒組成物は、少なくとも750対1である窒素対アルコールベースの消毒組成物の比である、請求項2に記載の殺菌システム。
【請求項6】
少なくとも1つの0.01ミクロンコアレッシングフィルタを更に備える、請求項2に記載の殺菌システム。
【請求項7】
前記窒素は、少なくとも99.9%の純度の窒素である、請求項1に記載の殺菌システム。
【請求項8】
前記アルコールベースの消毒組成物は、少なくとも60%のアルコールを含む、請求項1に記載の殺菌システム。
【請求項9】
前記アルコールベースの消毒組成物は、少なくとも70%のエチルアルコール又はイソプロピルアルコールを含む、請求項1に記載の殺菌システム。
【請求項10】
カートを更に備え、前記殺菌システムは、前記カートに取り付けられる、請求項1に記載の殺菌システム。
【請求項11】
窒素発生器は、ハウジング内に配置され、前記ハウジングは、1つ以上のストラップ又はハンドルを備える、請求項1に記載の殺菌システム。
【請求項12】
アルコールベースの消毒組成物で表面殺菌をするための方法であって、
窒素発生器で周囲空気から窒素を発生させるステップと、
前記発生した窒素で、噴霧ノズルを有する前記アルコールベースの消毒組成物の容器を加圧するステップであって、前記窒素及びアルコールベースの消毒組成物を噴霧ノズルから分配するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
前記周囲空気を圧縮機で圧縮するステップと、
前記圧縮空気をメンブレンフィルタで濾過するステップであって、少なくとも99.5%の窒素を得るステップと、
を更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記濾過するステップの前に、前記圧縮空気を貯蔵タンクに貯蔵するステップ
を更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記容器を加圧するステップの前に、前記窒素を貯蔵タンクに貯蔵するステップ
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記周囲空気を少なくとも約5%の相対湿度まで乾燥させるステップ
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも750:1の窒素対アルコールベースの消毒組成物の比を維持するステップ
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記周囲空気を濾過して0.01ミクロンを超える粒子を除去するステップ
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
本開示は、窒素発生及び殺菌システムを提供する。より詳細には、本開示は、キャリアガスとして発生した窒素によって動作可能な非発火性アルコール霧化殺菌及び消毒システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]
噴霧器からアルコールを噴霧する殺菌及び消毒システムは、二酸化炭素又は窒素をキャリアガスとして使用するが、これは、これらのガスがアルコールと反応せず、よって噴霧中又は噴霧直後の発火のリスクを回避するためである。二酸化炭素ガス又は窒素ガスは、ガスボンベから圧縮液化形態で供給される。
【0003】
[0003]
これらのシステムは、一般的に、ボンベを出る際のガスの温度変化及び体積変化によりキャリアガスの流れが制限されるために、1つの噴霧器に限定される。さらに、噴霧器の着霜が起こり、長期間の使用後に焼き付く可能性がある。
【0004】
[0004]
圧縮ガスボンベの交換には、中断時間が必要である。ボンベは、保管スペース及びメンテナンスを必要とする。重要なことに、ボンベは、常に補充されなければならない。配送に伴う中断は、動作を中断する可能性がある。それだけでなく、圧縮ガスを取り扱うために特別な注意を払わなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]
したがって、本開示によって、従来のデバイスの前述の及び他の有害な影響の1つ以上を克服する、緩和する、及び/又は軽減する殺菌及び消毒システムの継続的な必要性があると判断された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]
本開示は、非発火性アルコール霧化スプレーを噴霧するためのシステム及び方法を提供する。
【0007】
[0007]
本開示は、液化圧縮ガスを必要としないシステム及び方法を提供する。
【0008】
[0008]
本開示は、もらい火(flashing)なくアルコールベースの消毒組成物を噴霧するためのキャリアガス源として使用される窒素を生み出す窒素発生システムを含む殺菌噴霧システムを提供する。
【0009】
[0009]
殺菌システムは、アルコールベースの消毒組成物用の容器と、噴霧器と、噴霧器がアルコールベースの消毒組成物を分配するためのキャリアガスとして99.5%の純度の窒素を生じさせる窒素発生器とを含む。容器、噴霧器、及び窒素発生器は流体連通しており、アルコールベースの消毒組成物及び窒素キャリアガスを分配するように構成されている。
【0010】
[0010]
本開示に係る例では、窒素発生器は、乾燥機、空気圧縮機、圧縮空気タンク、メンブレンフィルタ、及び圧縮窒素貯蔵タンクを含む。窒素発生器はまた、殺菌システムを制御するためのコントローラを含むことができる。
【0011】
[0011]
本開示に係る例では、窒素発生器は、窒素貯蔵タンク内に貯蔵するための窒素を少なくとも10psiの圧力で発生させるように構成され得る。
【0012】
[0012]
本開示に係る例では、発生した窒素及びアルコールベースの消毒組成物は、少なくとも750対1である窒素対アルコールベースの消毒組成物の比で噴霧又は分配される。
【0013】
[0013]
本開示に係る例では、殺菌システムは、周囲空気を濾過するための少なくとも1つの0.01ミクロンコアレッシングフィルタを有する。周囲空気及び/又は発生した窒素は、少なくとも99.9%の純度の窒素まで精製され得る。
【0014】
[0014]
本開示に係る例では、アルコールベースの消毒組成物は、少なくとも60%のアルコールを含む。アルコールベースの消毒組成物は、少なくとも70%のエチルアルコール又はイソプロピルアルコールであり得る。
【0015】
[0015]
特定の例では、本開示に係る殺菌システムは、カートに取り付けることができる。
【0016】
[0016]
他の例では、本システムは、ハウジング内に配置することができ、ハウジングは1つ以上のストラップ又はハンドルを有することができる。
【0017】
[0017]
本開示はまた、アルコールベースの消毒組成物で表面殺菌をするための方法を提供する。
【0018】
[0018]
この方法は、窒素発生器で周囲空気から窒素を発生させるステップと、発生させた窒素で、噴霧ノズルを有しアルコールベースの消毒組成物を収容している容器を加圧するステップであって、窒素及びアルコールベースの消毒組成物をノズルから分配させるステップとを含む。
【0019】
[0019]
この方法は、周囲空気を圧縮機で圧縮するステップ、圧縮空気をメンブレンフィルタで濾過するステップであって、少なくとも99.5%の窒素を得るステップ、濾過するステップの前に、圧縮空気を貯蔵タンクに貯蔵するステップ、容器を加圧するステップの前に、窒素を貯蔵タンクに貯蔵するステップ、周囲空気を少なくとも約5%の相対湿度まで乾燥させるステップ、少なくとも750:1の窒素対アルコールベースの消毒組成物の比を維持するステップ、及び/又は周囲空気を濾過して0.01ミクロンを超える粒子を除去するステップを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】[0020]本開示に係る噴霧システムを示す図である。
【
図2】[0021]
図1に示される噴霧システムのための窒素システムの左側面図である。
【
図3】[0022]
図1に示される噴霧システムのための窒素システムの正面図である。
【
図4】[0023]
図1に示される噴霧システムのための窒素システムの右側面図である。
【
図5】[0024]
図1に示される噴霧システムのための窒素システムの後面図である。
【
図6】[0025]
図1に示される噴霧システムを有するカートを示す図である。
【
図7】[0026]
図1に示される噴霧システムを有するバックパックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0027]
図面、特に
図1を参照すると、本開示に係るアルコールベースの消毒組成物を噴霧するための噴霧システムが示されており、全体的には符号100で示され、以下、噴霧システム100とする。
【0022】
[0028]
噴霧システム100は、アルコールベースの消毒組成物を噴霧するためのキャリアガス源として使用される窒素を生じさせる又は発生させる窒素発生システムである、窒素システム200を含む。システムは、例えば、噴霧器から表面上にアルコールベースの消毒組成物を分配することによって表面殺菌をするために使用され得る。
【0023】
[0029]
本明細書で使用される場合、窒素発生という用語は、空気-窒素発生複合体を指す。
【0024】
[0030]
本明細書で使用される場合、「噴霧器」という用語は、液体を霧化し、液体を作業面に送達するためのデバイス又は装置を指す。そのようなデバイス又は装置は、一般的に「噴霧ガン」と呼ばれる。噴霧器は、その構成、サイズ、重量及び内部組成が異なる。様々なノズル及びノズル構成は、異なる噴霧パターンをもたらすことになる。非限定的な例としては、サイフォン供給噴霧ガン、圧力供給噴霧ガン、及び重力供給噴霧ガンが挙げられる。
【0025】
[0031]
窒素システム200は、ハウジング202内に配置され得る。
【0026】
[0032]
噴霧システム100はまた、アルコールベースの消毒組成物用の容器120と流体連通する噴霧器110を含む。ホース112は、容器120と窒素システム200の出口204との間の流体連通を提供する。
【0027】
[0033]
動作中、噴霧器110が作動すると、窒素システム200によって送り出された窒素は、ホース112を通って容器120に流れ込む。負圧の機能により、アルコールベースの消毒組成物は、キャリアガスとして窒素システム200によって発生した窒素ガスと共に噴霧器110から放出される。
【0028】
[0034]
アルコールベースの消毒組成物は、50%~99%、好ましくは60%~80%、最も好ましくは65~80%のアルコールを含有することができる。例えば、アルコールベースの消毒組成物は、70%のエチルアルコール又はイソプロピルアルコールを含有することができる。
【0029】
[0035]
組成物は、病院グレードのアルコールベースの食品接触殺菌剤及び非食品接触表面殺菌剤であり得る。
【0030】
[0036]
アルコールベースの消毒組成物は、エチルアルコール又はイソプロピルアルコールを含むことができる。アルコールベースの消毒組成物は、エチルアルコール又はイソプロピルアルコール及び第4級アンモニウム又は他の殺菌化学物質若しくは殺菌化合物を含むことができる。
【0031】
[0037]
ここで
図2~
図5を参照すると、窒素システム200は、動作可能な流体接続において、プレフィルタ210と、空気乾燥器220と、空気圧縮機230と、圧縮空気タンク240と、メンブレンフィルタ250と、フィルタ260と、圧縮窒素貯蔵タンク270と、コントローラ280とを含む。
【0032】
[0038]
窒素システム200は、噴霧システム100などの噴霧システムにおいてキャリアガスとして動作可能な精製窒素(99.5%)を発生させる。
【0033】
[0039]
動作中、空気圧縮機230は、空気乾燥器220を介し一方向弁(図示せず)を介して圧縮空気タンク240内に周囲空気を引き込む。一方向弁は、空気圧縮機230が圧送していないときの逆流漏れを防止する。
【0034】
[0040]
コントローラ280の一部であるか、又はコントローラ280と動作可能に通信する圧力スイッチは、圧縮空気タンク240及び圧縮窒素貯蔵タンク270の圧力を監視するように構成される。これらのスイッチは、高圧及び低圧を検出する。
【0035】
[0041]
高圧スイッチ282は、圧縮空気タンク240内の圧力が90psigに達すると閉じる。コントローラ280は、高圧スイッチ282が閉じたときに、空気圧縮機230を動力源から遮断された状態にする又は停止させる。低圧スイッチ284は、圧縮空気タンク240内の圧力が約30psig~50psig、好ましくは約30psig~50psigを下回ると閉じる。有利には、これらの圧力は、圧縮機の効率的な使用をもたらすことが分かっている。コントローラ280は、低圧スイッチ284が閉じると、空気圧縮機230を作動させる又は動力源と接続した状態にする。
【0036】
[0042]
コントローラ280は、低圧スイッチ284が所定時間、例えば10、15、20、又は30秒以上閉じたときに電磁弁242を開くように構成されている。また、コントローラ280は、低圧スイッチ284が開いているときに電磁弁242を開くようにも構成されている。
【0037】
[0043]
電磁弁242が開くと、圧縮空気タンク240に貯蔵された圧縮空気は、約100ミクロンを超える粒子を濾過するプレフィルタ210を通過する。その後、圧縮空気は、空気乾燥器220を通過する。
【0038】
[0044]
空気乾燥器220は、水分を除去する。水分離器は、例えば、乾燥剤乾燥器であり得る。空気乾燥器220は、最大で約5%、好ましくは最大で約3%、より好ましくは最大で約1%、最も好ましくは最大で約0.5%の相対湿度まで水を除去する。
【0039】
[0045]
圧縮空気タンク240は、周囲よりも高い圧力で周囲空気を貯蔵するための圧力容器である。例えば、圧縮空気タンクは、例えば、50psi~90psi、40~100psi、30~120psi、又はこれらの範囲の組み合わせで空気を貯蔵することができる。
【0040】
[0046]
圧縮空気タンク240からの空気は、フィルタ260を通って流れる。次いで、空気は、メンブレンフィルタ250を通って圧縮窒素貯蔵タンク270に流れ込む。
【0041】
[0047]
フィルタ260は、少なくとも0.01ミクロンフィルタである、プレフィルタ210を含む。実施形態では、フィルタ260はまた、プレフィルタ210の上流に1つ以上のフィルタ264を含むことができる。フィルタ264は、フィルタ262よりも大きな粒子を濾過する。フィルタ262は、例えば、0.03ミクロンフィルタであり得る。
【0042】
[0048]
メンブレンフィルタ250は、空気を濾過して、噴霧システム100用のキャリアガスとして動作可能にし、すなわち少なくとも約99.5%の純度の窒素にする。この純度は、燃焼を防止するために重要である。例えば、メンブレンフィルタ250は、少なくとも約99.5%の純度の窒素、より好ましくは少なくとも約99.9%の純度の窒素、最も好ましくは少なくとも約99.99%の純度の窒素となるように空気を濾過する。
【0043】
[0049]
メンブレンフィルタは、少なくとも750:1のガス対溶液スプレーを維持する噴霧ノズル(複数可)に40psiで80LPMの最小流量又は一定の流量及び一定の圧力を提供する中空糸膜であり得る。
【0044】
[0050]
実施形態では、メンブレンフィルタ250を圧力スイング吸着フィルタで置き換えることができる。圧力スイング吸着フィルタは、酸素分子を吸着するために分子篩炭素を使用する。有利には、圧力スイング吸着フィルタは、少なくとも約99.99%の窒素になるまで空気を濾過することができる。
【0045】
[0051]
圧縮窒素貯蔵タンク270は、噴霧システム100の使用前及び使用中に、メンブレンフィルタ250を介して送り出された窒素を貯蔵するための圧力容器である。
【0046】
[0052]
メンブレンフィルタ250と圧縮窒素貯蔵タンク270との間の一方向弁(図示せず)は、メンブレンを損傷する可能性があるメンブレンフィルタ内を通る逆流を防止する。
【0047】
[0053]
上記で考察したように、コントローラ280は、圧縮窒素貯蔵タンク270の圧力を監視するように構成される。圧縮窒素貯蔵タンク270の圧力が少なくとも25、30、40psi以上に達すると、窒素貯蔵圧力スイッチ286が閉じる。コントローラ280は、窒素貯蔵圧力スイッチ286が最低10、15、20、又は30秒以上閉じられたときに、窒素の流れを可能にするために電磁弁272を開く。
【0048】
[0054]
電磁弁272は、圧縮窒素貯蔵タンク270及び出口204と流体連通している。
【0049】
[0055]
窒素は、ホース112に流入して容器120に流れ込む。上記で論じたように、負圧の機能によって、アルコールベースの消毒組成物は、窒素システム200によってキャリアガスとして発生した窒素ガスと共に、噴霧器110から放出される。
【0050】
[0056]
コントローラ280は、噴霧システム100を動作させるように構成された論理及び回路から構成される。
【0051】
[0057]
図6を参照すると、噴霧システム100は、カート600に組み込まれている。カート600は、使用中にシステムを順次移動させることを可能にする。
【0052】
[0058]
ここで
図7を参照すると、ハウジング202は、1つ以上のハンドル又はストラップ、部材700を含むことができる。部材700は、ハウジング202をバッグ又はバックパックのように運ぶことを可能にする。
【0053】
(実験)
[0059]
各種ノズルを用いて火炎によるもらい火(flame flash)試験が行われた。噴霧ノズルから約3インチのトーチ火炎を噴霧流の中に移動させる。試験に合格するためには、噴霧流は、火炎を消火しなければならない。逆に、火炎によるもらい火が発生する場合、試験は失敗する。結果が表1にまとめられている。二酸化炭素との比較データが表2に示される。本開示は、窒素発生システム及び噴霧器が、従来の二酸化炭素タンクベースのシステムに匹敵する性能を有することを見出した。
【0054】
[0060]
1番目の列は、試験された様々なノズルを列挙している。2番目の列は、本開示に係る窒素発生システムからの窒素圧力を示す。3番目の列及び5番目の列は、それぞれ、リットル/分及び立方フィート/分の窒素流量を示す。4番目の列及び6番目の列は、それぞれ、リットル/分及び立方フィート/分の消毒組成物の流量を示す。7番目かつ最終の列は、消毒組成物の1部の溶液に対する二酸化炭素及び窒素の割合である。下線付きの太字で示された行は、稼働中の連続的な窒素発生を示す。
【0055】
[0061]
本開示は、30psi未満の窒素圧力がハンフリー弁溶液の流れに影響を与えることを見出した。
【表1】
【表2】
【0056】
[0062]
表3は、99%のアルコール溶液を使用した試験データを示す。
【表3】
【0057】
[0063]
本開示は、窒素が、周囲温度で発生し得て、火炎によるもらい火を回避するために750を超える窒素対溶液の比でアルコールベースの消毒組成物を噴霧するためのキャリアガスとして使用され得ることを見出した。
【0058】
[0064]
有利には、周囲温度で窒素を噴霧システム100に供給することにより、着霜を排除する。
【0059】
[0065]
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、動作、特徴、特性、状態、構造、項目又は結果の完全な又は略完全な程度又は度合いを意味する。例えば、「実質的に」囲まれている物体は、物体が完全に囲まれているか、又は略完全に囲まれていることを意味する。絶対的完全性からの正確な許容可能な逸脱度は、場合によっては特定の状況に依存する場合がある。しかしながら、一般的に、完全に近いということは、あたかも絶対的且つ総体的完全が得られたかのように、全体的に同じ結果を有することになる。
【0060】
[0066]
本明細書で使用される場合、「(具体的に列挙されたステップ又は構成要素を全て)備える/含む」という用語は、「(非限定的に)備える/含む」という意味に限定されず、当該用語が意味するところは、方法、構造又は組成物が、具体的に列挙されたステップ又は構成要素を備え/含み、方法、構造又は組成物の基本的な新規な特徴又は特性に実質的に影響を及ぼさないものも備え/含み得ることを意味する用語「基本的に~からなる」と、方法、構造又は組成物が、具体的に列挙されたそのようなステップ又は構成要素のみを備える/含むことを意味する用語「からなる」とにも及ぶ。
【0061】
[0067]
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、所与の値が終点の「少し上」又は「少し下」であり得ることを提供することによって、数値範囲の終点に柔軟性を提供するために使用される。さらに、数値範囲が提供される場合、その範囲は、範囲の終点を含む数値範囲内のすべての数を含むことが意図される。
【0062】
[0068]
1つ以上の例示的な実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素を等価物で置き換えることができることが当業者には理解されよう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本開示の教示に適合させるために多くの修正が行われ得る。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されず、本開示は、添付の特許請求の範囲の公正な解釈の範囲内にあるすべての態様を含むことが意図される。
【国際調査報告】