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特表2024-525426電子部品およびチップアセンブリへの電気接続を確立するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電子部品およびチップアセンブリへの電気接続を確立するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240705BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H01L21/60 311Z
H01R4/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579614
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2022067392
(87)【国際公開番号】W WO2023280602
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021117573.9
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300002160
【氏名又は名称】ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TDK ELECTRONICS AG
【住所又は居所原語表記】Rosenheimer Strasse 141e, 81671 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オハス, ゲーアハルト
(72)【発明者】
【氏名】ランプル, ジークフリート
(72)【発明者】
【氏名】アルファロ サモン メイソン, ラマブラワ マリオ ヴァレンティーノ
【テーマコード(参考)】
5E085
5F044
【Fターム(参考)】
5E085BB08
5E085BB28
5E085DD03
5E085HH13
5E085JJ06
5F044LL00
(57)【要約】
本出願は、電子部品およびチップアセンブリへの電子接続を確立するための方法を対象とする。本方法は、以下のステップを含む。まず、第1の溶接部を有する電子部品が提供される。また、第1の電気接触部分も提供される。第1の溶接部と第1の電気接触部分とは、互いに機械的に接触する。続いて、機械的接触が維持されている間に、電気接触部分と溶接部とを共に溶接することができる溶接電流が印加される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続を確立するための方法であって、
第1の溶接部を有する電子部品(4)を提供するステップと、
第1の電気接触部分を設けるステップと、
前記第1の溶接部と前記第1の電気接触部分とを機械的に接触させるステップと、
前記機械的接触を維持している間に、前記第1の電気接触部分と前記第1の溶接部とを共に溶接することができる溶接電流を印加するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の溶接部が、前記電子部品(4)の第1の端子電極(5)の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の電気接触部分が、キャリア基板(2)上に配置された第1のコンタクトパッド(3)またはコンタクトパッドの一部である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶接中に前記機械的接触を維持することが、前記溶接部と前記電気接触部分とを共に押圧することによって支持される、請求項1から3の一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の電気接触部分および/または前記第1の溶接部が、溶接バンプ(7)を備え、溶接バンプ(7)が、溶接電流を溶接バンプ(7)を通じて流して局所的な溶接スポット(8)を形成することができる、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項6】
第1および第2の溶接スポット(8)が、同じ溶接電流によって同時に形成される、請求項1から5の一項に記載の方法。
【請求項7】
2つの端子電極(5,6)が同じキャリア基板上の2つの分離したコンタクトパッド(3,9)に溶接されることに、前記方法が続いてまたは同時に適用される、請求項2および3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記溶接部と前記電気接触部分の最外金属が同じである、請求項1から7の一項に記載の方法。
【請求項9】
前記電気接触部分または前記溶接部が、銀、金、銅、ニッケル、モリブデンまたはタングステンを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
キャリア基板(2)上に組み立てられた電子部品(4)を備えるチップアセンブリ(11)であって、
前記基板の第1のコンタクトパッド(3)が、前記電子部品(4)の第1の端子電極(5)に溶接されて電気接続を形成する、チップアセンブリ(11)。
【請求項11】
前記第1のコンタクトパッド(3)が、2つの分離したサブパッド(31,32)を含み、前記第1の端子電極(5)が、両方のサブパッド(31,32)に溶接される、請求項10に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項12】
前記電子部品(4)が、前記キャリア基板上の第2のコンタクトパッド(9)に溶接される第2の端子電極(6)を備える、請求項10または11に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項13】
前記第1のコンタクトパッド(3)が、チップアセンブリ(11)を電子回路に組み込むための接続手段に接続される、請求項10から12の一項に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項14】
溶接スポット(8)が、前記第1の端子電極(5)と前記第1のコンタクトパッド(3)とを接続する、請求項10から13の一項に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項15】
前記第1の端子電極(5)と前記第1のコンタクトパッド(3)の最外金属が同じである、請求項10から14の一項に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項16】
前記第1の端子電極(5)および前記第1のコンタクトパッド(3)が、銀、金、銅、ニッケル、モリブデンまたはタングステンを備える、請求項15に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項17】
前記第1のコンタクトパッド(3)が、前記電子部品(5)の1つの端子電極によって電気的に橋絡された2つのサブパッド(31,32)を備え、前記2つのサブパッド(31,32)が、前記端子電極(5)による前記電気的橋絡を除いて電気的および空間的に分離されている、請求項10から16の一項に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項18】
前記チップアセンブリ(11)を電子回路に組み込むための接続が、前記第1のコンタクトパッド(3)の1つのサブパッドのみによって行われる、請求項11または17に記載の前記チップアセンブリ(11)を使用すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電子部品およびチップアセンブリへの電子接続を確立するための方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
半導体部品、電子チップ、バリスタまたはサーミスタなどの電子部品を電気的に接続することは、エレクトロニクスの技術分野全体に関連する。
【0003】
特に、この分野では、電子部品への信頼性の高い電気接続を可能な限り簡単なプロセスで提供することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、特許発明の目的は、請求項1に特徴付けられるように、上述の問題を少なくとも部分的に解決する方法を提供することである。さらに、チップアセンブリが提供される。有利な実施形態は、他の請求項に見出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様として、電気接続を確立するための方法が提供され、その方法は以下のステップを含む。まず、第1の溶接部を有する電子部品が提供される。また、第1の電気接触部分も提供される。第1の溶接部と第1の電気接触部分とは、互いに機械的に接触する。続いて、機械的接触が維持されている間に、電気接触部分と溶接部とを共に溶接することができる溶接電流が印加される。
【0006】
電流を用いて第1の電気部分と第1の溶接部とを共に溶接するため、本発明による溶接方法は、抵抗溶接であることが好ましい。
【0007】
本明細書では、第1の溶接部は、電子部品上に組み立てることができる任意の抵抗溶接可能部とすることができる。好ましくは、溶接部は、抵抗性の溶接によって溶融することができる材料からなる。好ましくは、第1の溶接部は金属を含む。
【0008】
第1の電気接触部分は、電子部品に電気的に接触することができ、第1の溶接部に溶接されるのに適した任意の種類の電気接触するものであってもよい。第1の電気接触部分の例は、第1の溶接部と機械的に接触させることができるワイヤ形状、ブロック形状、またはプレートレット形状の接触部分であってもよい。
【0009】
第1の溶接部と第1の接触部分とが共に抵抗性の溶接によって互いに溶接されるのに適しているため、それらは導電性であることが好ましい。好ましくは、機械的接触中に、導電性接触も確立される。本発明による抵抗性の溶接では、溶接回路における最高抵抗箇所は、第1の溶接部と第1の接触部分との間の界面にある。したがって、界面または界面内の地点は、電気回路の最大電圧降下がそこで発生するときに最も高温になる。したがって、界面で材料は溶融して互いに融合することができる。
【0010】
好ましくは、電子部品は、マイクロチップサイズの電子部品である。例えば、0.09mm2~9mm2の範囲のサイズを有することができる。好ましくは、電子部品は、任意のバリスタであってもよく、またはさらにより好ましくはNTCサーミスタであってもよい。
【0011】
本方法は、第1の電気接触部分と第1の溶接部との間で電気接続を容易に確立することができるという利点を有する。
【0012】
溶接ステップは、第1の溶接部および第1の電気接触部分と電気的に接続された部品に溶接電極を取り付けるようにして行ってもよい。電子部品の溶接電流は、10A~200Aの範囲内にあってもよい。電圧は、0.1V~10Vの範囲内にあってもよい。さらに、このプロセスは、第1の電気接触部分と第1の溶接部との間の界面に追加の材料を必要としない。したがって、このプロセスは、例えば、追加の材料または構成要素を加えて電気接合部を形成するはんだ付けまたはワイヤボンディングなどの他の技術と比べ利点を有する。
【0013】
好ましくは、第1の溶接部は、電子部品の端子電極の一部である。
【0014】
換言すれば、これは、好ましくは、溶接部が電子部品の端子電極の一領域であってもよいことを意味する。
【0015】
例えば、端子電極は、例えば、内部電極に接続することができる。しかし、端子電極は、これに限定されるものではなく、電子部品の外面に付けられ、電子デバイスを電子回路に組み込むのに適した任意の電極を指す。
【0016】
好ましくは、電子部品は、2つの端子電極を有してもよい。この場合、第1の溶接部が第1の端子電極上に存在することができ、第2の溶接部が第2の端子電極上に存在することができる。この場合、上記の方法に従って接触部分を両方の端子電極に適用することができる。
【0017】
第1の電気接触部分は、キャリア基板上に配置された第1のコンタクトパッドまたは第1のコンタクトパッドの一部であることがさらに好ましい。
【0018】
好ましくは、電子部品は、キャリア基板に付けられるかまたは固定されてもよい。キャリア基板は、好ましくは、ポリマーまたはセラミックを含む、またはそれらからなり得る絶縁基板である。セラミックの場合、例えば、高絶縁性アルミナまたは窒化アルミニウム板を使用することができる。
【0019】
これは、上述したような方法が、溶接部を有する電子部品をキャリア基板上のコンタクトパッドに溶接するのに適用できることを意味する。
【0020】
このため、溶接電流を端子電極とコンタクトパッドとの間で流す必要がある。原則として、本出願によれば、溶接電流を印加する方法は限定されない。例えば、溶接電流は、電子部品を通って外部電極に流れ、次いでコンタクトパッドに流れ、次いで溶接コンタクトを介してコンタクトパッドから流れ出ることが一般に可能である。これにより、電子部品の溶接界面とは反対側からの簡単なアクセスが可能になる。しかし、この手法は、電子部品が溶接電流および電圧に耐えることができる場合にのみ適している。しかし、多くの場合、この手法は、溶接電流が電子部品を損傷する可能性があり、または熱を発生させ、それによって電子部品を損傷する可能性があるため、好ましくない。したがって、コンタクトパッドと機械的かつ導電的に接触する端子電極にのみ直接的または間接的に溶接コンタクトをさせることがより好ましい。
【0021】
コンタクトパッドを有するキャリア基板上にこの方法を適用することは、コンタクトパッドが、溶接のために容易に接触することを可能にするサイズを有することができるため、特に好ましい。上面が、電子部品が組み立てられる基板の面として定義される場合、好ましい構成では、電子部品は、上面に対して見たときにコンタクトパッドと部分的にのみオーバーラップする。これにより、コンタクトパッドのうち電子部品とオーバーラップしていない部分を、上面からの立体障害を低減させて接触させることができる。
【0022】
さらに、溶接部と電気接触部分とを共に押圧することによって、溶接中に機械的接触が支持されることが好ましい。
【0023】
好ましくは、これは、電子部品が基板上に少なくとも軽く押圧され、それによって端子電極が基板上のコンタクトパッドに押圧されることを意味する。ここおよび以下では、この押圧は、「加圧力」という用語で呼ばれてもよい。加圧力は、接触部分と溶接部とを接触状態に保つことができる任意の圧力または力である。これは、例えば、電子部品の重量も含み得る。しかし、加圧力として付加的な力または圧力を印加することが好ましい。この追加の押圧力は、0.1N~50Nの範囲内であることが好ましい。
【0024】
加圧力を印加することにより、溶接中に電流が効率的に流れることを確実にする良好な電気的接触を確保することができる。さらに、それにより、第1の接触部分および第1の溶接部の材料が、高い機械的耐久性をも有する溶接スポットが可能になる互いのしっかりとした機械的接触にあることを支持または保証することができる。これにより、電気的に接続するだけでなく、接触要素を溶接部に効率的に機械的に接続することもできる。
【0025】
さらに、第1の電気接触部分および/または第1の溶接部が、少なくとも1つの溶接バンプまたはいくつかの溶接バンプを備え、少なくとも1つの溶接バンプまたはいくつかの溶接バンプが、溶接電流をそれまたはそれらを通じて流して局所的な溶接スポットを形成することができることが好ましい。
【0026】
溶接バンプは、最も好ましくは接触部分上に設けられる。これは、コンタクトパッドが溶接バンプを形成することもできるエッチング技術によって形成され得るため、接触部分がコンタクトパッドの一部であるかまたはコンタクトパッドである場合に特に好ましい。したがって、溶接バンプは、追加のプロセスステップを必要とせず、コンタクトパッドの構造化中に形成され得る。
【0027】
本発明の文脈において、「溶接バンプ」は、溶接電流を流して、溶接スポットとなる熱スポットを生成することができる、溶接される表面の任意の押し出し成形品である。
【0028】
本出願の意味において、「溶接電流の流れ」とは、比較的狭いスポット、特に非常に小さい断面直径を有する領域を通って流れる必要がある溶接電流を指す。溶接電流を溶接スポットに流すことにより、電気的に接触している界面の面積は、表面が溶接バンプを有しない場合よりもかなり小さい。これには、溶接熱が非常に局所化されるだけである一方で、溶融され、したがって効率的に溶接される金属の効率的な加熱を確実にし、他方では、電子部品の熱応力が低減されることを確実にすることができるという利点がある。大きな面積が接触している場合、高溶接電流が必要となる場合があり、それにより、電子部品に伝達される全体的な熱が増加する。
【0029】
好ましくは、溶接バンプは、その平均直径として最大1/10ミリメートルのサイズを有する。
【0030】
さらにより好ましくは、溶接バンプは尖った形状であり、すなわち、溶接される表面から外方に向いた円錐形状または角錐形状を有してもよい。そのような形状は、接触面積を減少させ、したがって溶接電流の効率的な流れを可能にする。
【0031】
さらに、好ましい実施形態によれば、第1および第2の溶接スポットは、同じ溶接電流によって同時に形成される。「同じ溶接電流によって形成される」とは、具体的には、第1および第2の溶接スポットが溶接電流に関して直列接続されていることを意味し得る。
【0032】
この構成は、溶接電流が溶接部に伝導され、溶接部に溶接される接触部分によって溶接部から再び離れることを可能にするため、特に好ましい。このような構成では、プロセス中に溶接電流を印加するだけの溶接電極は、接触部分に面し、直接アクセスすることが困難な場合がある端子電極に直接アクセスする必要がない。代わりに、第1の接触部分を用いて第1の溶接スポットを生成し、第2の接触部分を用いて第2の溶接スポットを生成することができる。
【0033】
これは、特に、第1のコンタクトパッドが2つの電気的に分離したサブパッドを備えるか、またはそれらからなり、これらを第1の溶接部および第2の溶接部と同時に接触させることができる場合に、好ましく達成することができる。第1の溶接部と第2の溶接部とは、互いに電気的に接続されていることが好ましい。両方が同じ端子電極の一部であることが好ましい。第1のサブパッドと第2のサブパッドとの間に溶接電流が印加されると、各サブパッドおよび各溶接部に溶接スポットが形成される。この構成では、電流を端子電極によって一方のサブパッドから他方のサブパッドに導くことができる。言い換えれば、そうでなければ電気的および空間的に分離される2つのサブパッドは、電子部品の1つの端子電極によって橋絡することができる。
【0034】
好ましくは、溶接ステップは、溶接機の溶接コンタクトがサブパッドのみに付けられ得るように実行することができる。最も好ましくは、溶接コンタクトは、電子部品とオーバーラップしないサブパッドの領域に付けられる。こうして、サブパッドへの溶接コンタクトの立体的に簡単なアクセスが可能になる。さらに、これにより、端子電極に直接接触する立体的に困難な手順を回避することが可能になる。
【0035】
さらに、サブパッドのオーバーラップしない領域は、ワイヤボンディングまたは他の方法によって電子部品に接触するために使用されてもよい。
【0036】
一実施形態によれば、特にフリップチップ電子部品をキャリア基板に溶接する間に、同じキャリア基板上の2つの分離したコンタクトパッドに2つの端子電極が溶接されることに上述の方法を続けてまたは同時に適用することができる。2つの端子電極は、電子部品の端子電極であることが好ましい。
【0037】
ここおよび以下で、「チップ」は、端子電極が電子部品の両側に配置される構成を指す。したがって、「チップ構成」は、端子電極の1つでキャリア基板に溶接または接続されたチップを指す。「フリップチップ」という用語は、2つの別個の端子電極が電子部品の片側に配置されている電子部品を指す。これにより、両方の端子電極を有する電子部品を、それに応じて配置されたコンタクトパッドを有する基板に溶接することが可能になる。したがって、「フリップチップ構成」という用語は、フリップチップが、キャリア基板上のコンタクトパッドにフリップチップの同じ側の少なくとも2つの端子電極で溶接される構成を指す。
【0038】
溶接部および電気接触の材料は異なっていてもよい。具体的には、溶接部および電気接触部分のそれぞれの外層の材料は異なっていてもよい。
【0039】
しかし、溶接部と電気接触部分の最外金属は同じであることが好ましい。
【0040】
これは、好ましくは、溶接部および電気接触部分のそれぞれの全体の材料が同じであるか、あるいは、層状端子電極または層状コンタクトパッドなどの層状電極の場合には、最外層が同じ材料であることを意味する。
【0041】
同じ材料を有することの利点は、両方の材料が等しく加熱および溶融し、均質な接続、したがって良好な電気接続および機械的接続が、確立され得ることである。
【0042】
好ましくは、接触部分および/または溶接部は、銀、金、銅、ニッケル、モリブデンまたはタングステンを備える。これらの中でも、特に、銀、金、銅およびニッケルが好ましい。銅層がキャリア基板と直接接触し、ニッケル層が銅層の上にあり、金の終端層とを有する層状コンタクトパッドが特に好ましい。電子部品に関しては、金終端端子電極が好ましい。あるいは、銀もしくは銀-金合金またはこれらの材料を備えた層状電極も好ましい。
【0043】
上記の方法は、絶縁キャリア基板を提供することと、絶縁キャリア基板の上に金属層を付けることとをさらに含むことができる。金属層を付ける方法は、金属層を基材上に印刷または積層することを含む任意の適切な方法から選択することができる。あるいは、金属層は、基板と共に焼結されてもよく、または物理蒸着、スパッタリング、ガルバニック堆積、または化学電気めっきによって付けられてもよい。次に、金属層を構造化するエッチングステップが適用される。エッチング方法としては、ドライエッチングまたはウェットエッチングを適用することができる。具体的には、エッチングステップ中に、いくつかのコンタクトパッドまたはサブパッドを基板上に形成することができる。さらに、そのエッチング中、または好ましくは別のエッチングステップにおいて、サブパッドごとに少なくとも1つの溶接バンプが形成される。
【0044】
さらなる態様として、上述の方法によって形成することができるチップアセンブリが提供される。したがって、本方法について開示されたすべての特徴および利点は、チップアセンブリにも適用され、逆もまた同様である。
【0045】
チップアセンブリは、キャリア基板上に組み立てられた電子部品を備え、基板の第1のコンタクトパッドは、部品の第1の端子電極に溶接されて電気接続を形成する。
【0046】
これは、好ましくは、抵抗性の溶接によって生成された、端子電極とコンタクトパッドとを電気的に、好ましくは機械的にも接続している溶接スポットをアセンブリにおいて特定することができることを意味する。このような接続は、有利な方法によって形成されるため、特に有利である。
【0047】
アセンブリのさらなる態様によれば、コンタクトパッドは2つの分離したサブパッドを含み、端子電極は両方のサブパッドに溶接される。
【0048】
いくつかの場合では、端子電極によって電気的に橋絡された2つのサブパッドを有することが、アセンブリ内の電子部品をより大きな電子回路に組み込むのに本質的に必要とはされない。いくつかの場合では、サブパッドのうちの1つに対する1つの接触のみが、アセンブリ内の電子部品に電気的にアクセスするのに十分である。これは、サブパッドのうちの1つが、電子部品を電子回路に組み込むために冗長となる場合があることを意味する。しかし、本発明者らは、2つの分離したサブパッドを有することが溶接方法に特に有利であることを見出した。
【0049】
さらに、電子部品は、キャリア基板上の第2のコンタクトパッドに溶接される第2の端子電極を備えてもよい。
【0050】
この構成は、好ましくはフリップチップ構成で実現される。これにより、例えば、キャリア基板を介して完全に接触させることができるような2つの端子電極を有する電子部品が可能となる。
【0051】
もちろん、第2のコンタクトパッドも2つの分離したサブパッドからなることが好ましい。
【0052】
好ましくは、第1のコンタクトパッドは、チップアセンブリを電子回路に組み込むための接続手段に接続される。
【0053】
本出願の意味における「接続手段」は、チップアセンブリ、または、具体的には電子部品を電子回路に組み込むことができる任意の電気接続または電子接続を指す。例えば、接続手段は、基板上の任意の内部または外部接続を含む。これは、例えば、基板表面に印刷または他の方法で付けられた導電性経路を含むことができる。さらに、これはまた、基板を貫通して、例えば対向する表面に至るビアを含む。これはまた、直接的または間接的に接続され得る基板内の任意の内部電極を含む。接続手段としてのボンディング配線は、本願にとって特に好ましい。サブパッドの好ましいサイズは、1~0.5mm2の範囲であってもよい。このような寸法では、ボンディング配線による接触が特に適している。
【0054】
また、上記の理由から、第1の端子電極と第1のコンタクトパッドとの最外金属は同じであることが好ましい。
【0055】
また、上述したように、このプロセスの場合、端子電極と第1のコンタクトパッドの両方は、銀、金、銅、ニッケル、モリブデンまたはタングステンを含むことができるが、これらのうちから、銀、金、銅またはニッケルが好ましい。
【0056】
さらに、別の態様として、電子部品の使用または電子部品の電子回路への組み込みが説明される。好ましくは、チップアセンブリまたは電子部品を電子回路に組み込むための接続は、第1のコンタクトパッドの1つのサブパッドのみによって行われる。
【0057】
より詳細に上述したように、これは、電子接続のためではなく、溶接方法を適用するために特定の利点を有する。
【0058】
本発明は、例示的な実施形態を使用して以下により詳細に説明される。これらの例示的な実施形態は、縮尺通りではない以下の図に示されている。したがって、長さならびに相対および絶対寸法を、図から得ることができない。また、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】溶接アセンブリの第1の実施形態を上面図で示す。
図2】溶接アセンブリの第1の実施形態を側面図で示す。
図3】接触溶接アセンブリの第1の実施形態を上面図で示す。
図4】接触溶接アセンブリの第1の実施形態を側面図で示す。
図5】溶接アセンブリの第2の実施形態を側面図で示す。
図6】溶接アセンブリの第3の実施形態を側面図で示す。
図7】溶接アセンブリの第4の実施形態を上面図で示す。
図8】溶接アセンブリの第4の実施形態を側面図で示す。
図9】接触溶接アセンブリの第2の実施形態を上面図で示す。
図10】接触溶接アセンブリの第2の実施形態を側面図で示す。
図11】チップアセンブリの第1の実施形態を側面図で示す。
図12】チップアセンブリの第1の実施形態を上面図で示す。
図13】第3の接触溶接アセンブリを上面図で示す。
図14】チップアセンブリの第2の実施形態を側面図で示す。
図15】コンタクトパッドを形成するためのプロセスステップを示す。
図16】コンタクトパッドを形成するためのプロセスステップを示す。
図17】コンタクトパッドを形成するためのプロセスステップを示す。
図18】コンタクトパッドを形成するためのプロセスステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1には、溶接アセンブリ1の第1の実施形態が上面図で示されている。図2は、溶接アセンブリ1の第1の実施形態の側面図を示す。
【0061】
溶接アセンブリ1のこの第1の実施形態は、電気接続を確立するプロセスの一実施形態の中間ステップを示す。
【0062】
溶接アセンブリ1には、キャリア基板2が設けられ、その上に第1のコンタクトパッド3が配置される。さらに、第1の端子電極5および第2の端子電極6を有する電子部品4も設けられる。電子部品4は、第1の端子電極5が第1のコンタクトパッド3に機械的に接触した状態で、コンタクトパッド3上に組み立てられる。
【0063】
通例、電子部品4は、任意の電子部品でよい。好ましくは、それはNTCサーミスタである。
【0064】
キャリア基板2は、任意の適切な絶縁基板でよい。好ましくは、キャリア基板2の材料はアルミナを含むか、またはアルミナからなる。
【0065】
第1のコンタクトパッド3は、金属製であり、溶接に適している。好ましくは、銀、金、銅、ニッケル、モリブデンまたはタングステンを含む。特に、銅層がキャリア基板2と直接接触した層状の第1のコンタクトパッド3が好ましい。ニッケル層を銅層の上に組み立ててもよい。さらに、ニッケル層の上に終端金層が組み立てられる。
【0066】
第1の端子電極5には金終端電極が好ましく、第2の端子電極5にも金終端電極が好ましい。例えば、電極は、最外層が金である層状電極であってもよい。
【0067】
第1の端子電極5は、第1のコンタクトパッド3に機械的に接触されている。これにより、電気接触を確立することもできる。したがって、第1のコンタクトパッド3と接触する第1の端子電極5の領域は、溶接部の一例である。
【0068】
好ましくは、機械的接触をもたらし維持することは、第1の端子電極5と第1のコンタクトパッド3とを共に押圧することも含むか、またはそれによって支持される。これは、好ましくは、力または圧力により電子部品4が固定したキャリア基板2に押し付けられることによって実行することができる。
【0069】
第1のコンタクトパッド3が第1の端子電極5と接触している領域は、接触部分とみなすことができる。
【0070】
図1に見られるように、電子部品4は、第1のコンタクトパッド3の一部のみとオーバーラップする。オーバーラップしていないことが確定された領域は、非オーバーラップと呼ぶことができる。これにより、第1のコンタクトパッド3を、非オーバーラップ領域で上面とは異なる手段用に接触させることが可能となる。ここで、上面は、電子部品4が組み立てられるキャリア基板2の面である。
【0071】
図3および図4には、接触溶接アセンブリ1’の第1の実施形態が示されている。接触溶接アセンブリ1’の第1の実施形態の構成は、図1および図2に示す溶接アセンブリ1の第1の実施形態と基本的に同一である。
【0072】
電子部品4がコンタクトパッド3の一部のみとオーバーラップするため、第1のコンタクトパッド3の非オーバーラップ部分に第1の溶接コンタクト101を適用することができる。また、第2の溶接コンタクト102は、端子電極5と電気的に接触する。両方とも溶接機100に接続されている。
【0073】
これにより、溶接回路が確立される。溶接回路によって、第1のコンタクトパッド3と第1の端子電極5との間の機械的接触を維持しながら、溶接電流を溶接機100によって印加することができる。溶接電流は、一般的に限定されないが、第1の端子電極5を第1のコンタクトパッド3に溶接することができる。好ましくは、0.1V~10Vの範囲の溶接電圧および10A~200Aの範囲の溶接電流が使用される。
【0074】
これらの溶接条件は、本方法によって製造され得るアセンブリまたはチップアセンブリの好ましいサイズに適している。好ましくは、コンタクトパッドは、0.05~3mm2の範囲のサイズを有する。電子部品は、0.05~1mm2の範囲のサイズを有することができる。溶接コンタクトのサイズは、0.05~1mm2の範囲とすることができる。
【0075】
溶接ステップ、すなわち溶接電流を印加した後、溶接コンタクト101および102は溶接アセンブリの構成要素から取り外される。
【0076】
図4に見られるように、概略的で一定の縮尺ではない図面であっても、第2の溶接コンタクト102を第1の端子電極5に取り付けることは、立体障害のために困難な場合がある。電子部品が溶接電流に耐えることができる場合、第2の溶接コンタクト102を第2の端子電極に取り付けることができる。
【0077】
図5は、溶接アセンブリ1の第2の実施形態を示す。溶接アセンブリ1の第2の実施形態は、溶接バンプ7がコンタクトパッド3上にまたはその一部として設けられることを除いて、図1および図2に示す溶接アセンブリの第1の実施形態に概して等しい。溶接バンプ7は、コンタクトパッド3から離れる方向に向けられている。また、溶接バンプ7は、第1の端子電極5に接触している。溶接バンプ7の平均直径は0.1mm以下である。
【0078】
図5図2とを比較したときに概略図においても分かるように、溶接バンプは、第1の端子電極と第1のコンタクトパッドとの間の接触面積を大幅に低減することができる。これにより、溶接バンプ7は、溶接電流を流すことができる。これにより、この小さな接触面積内だけで、第1のコンタクトパッド3の材料および第1の端子電極5の材料も加熱することができる。これにより、溶接コンタクト点の材料が効率的に溶融され、こうして機械的、電気的溶接接続を確立することができる。
【0079】
溶接バンプ7は、第1のコンタクトパッド3の一部であることが好ましい。溶接バンプ7は、一般に、溶接電流を流すことができるコンタクトパッドの任意の押し出し成形品を指す。好ましくは、溶接バンプ7は、角錐形状または円錐形状を有する。これにより、狭く、溶接電流を流すことができる先端部が設けられる。好ましくは、先端部は、溶接バンプ7の平均直径よりもかなり小さい。先端部は、溶接バンプ7の平均直径の少なくとも半分を有する。
【0080】
この実施形態の変形形態が、溶接アセンブリ1の第3の実施形態として図6に示されている。図6は、第1のコンタクトパッド3上に複数の溶接バンプ7が設けられ得ることを示す。これを表したものとして、2つの溶接バンプ7の図が示されている。両方とも第1の端子電極5に接触している。同等に、粗面を使用することもできる。第1のコンタクトパッドの表面を粗面化することにより、溶接電流が流れることができるいくつかの溶接バンプ7を形成することができる。図6に示すような構成では、溶接バンプ7によって溶接電流用に並列接合が形成されることに留意されたい。
【0081】
図7は、溶接アセンブリ1の第4の実施形態を上面図で示す。さらに、溶接アセンブリ1の第4の実施形態は、図8では側面図で見ることができる。
【0082】
溶接アセンブリ1の第4の実施形態の構成要素は、第1のコンタクトパッド3が2つのサブパッド、第1のサブパッド31と第2のサブパッド32からなることを除いて、溶接アセンブリの第1の実施形態の構成要素と概して等しい。サブパッドの各々は、少なくとも1つの溶接バンプ7によって修正されるが、それは、このアセンブリの原理にとって有利であるが必須ではない。溶接アセンブリ1の第4の実施形態では、第1のサブパッド31および第2のサブパッド32は、第1の端子電極5によって電気的に橋絡されることを除いて、互いに空間的かつ電気的に分離される。
【0083】
この利点は、図9および図10に最もよく見られ、図9の上面図および図10の側面図に接触溶接アセンブリ1’の第2の実施形態が示されている。ここで、図7および図8に示す溶接アセンブリ1の第4の実施形態は、図3および図4に示すものと部分的に同様の方法で溶接コンタクト101および102によって接触する。
【0084】
この構成では、第1の溶接コンタクト101は第1のサブパッド31と接触している。第2の溶接コンタクト102は、第2のサブパッド32に接触している。両方の溶接コンタクトは、各サブパッドの非オーバーラップ部分に組み立てられ、各サブパッドは、上面からの溶接アクセスに好ましい。
【0085】
両方の溶接コンタクトが接続された溶接機100によってDC溶接電流が印加されると仮定すると、溶接電流は、第1の溶接コンタクト101から第1のサブパッド31を通って第1の端子電極5に流れることができる。そこから、溶接電流は、第2のサブパッド32に流れ、次いで第2の溶接コンタクト102を介して溶接機に戻ることができる。こうして、溶接回路が確立される。当然ながら、電流の種類、すなわちACまたはDCに依存するため、電流方向は定義することはできないが、この例示的な説明では、第1の端子電極がそうでなければ接続されていないサブパッド31と32とを橋絡するため、接触点、すなわち溶接バンプ7が直列接続であることが強調されている。
【0086】
この構成では、溶接コンタクトを第1の端子電極5に直接付ける必要がないという利点がある。一方、電子部品4が上面視でオーバーラップしていないサブパッドの領域である非オーバーラップ領域に溶接コンタクトを付けることができる。こうして、溶接プロセスステップのための上面からの簡単なアクセスを達成することができる。
【0087】
図11は、チップアセンブリ11の第1の実施形態を側面図で示す。チップアセンブリ11の第1の実施形態では、電子部品4は、対向する2つの面に第1の端子電極5および第2の端子電極6があるチップ構成を有する。チップアセンブリ11のこの第1の実施形態は、好ましいことに、図7および図8ならびに図9および図10に示すような構成を含む方法によって製造することができる。溶接バンプから、溶接によって溶接スポット8が形成される。溶接スポット8は、端子電極5をサブパッド31と32に電気的および機械的に接続する。
【0088】
さらに、サブパッドのうちの一方、この場合は第1のサブパッド31は、チップアセンブリ11を電子回路に組み込むためのさらなる電気接続のための手段として機能することができる。図11に示すように、これはワイヤボンディングによって達成することができ、ボンディングワイヤ10が図11に示されている。図示されていない代替手段には、序論で論じた手段が含まれる。
【0089】
チップアセンブリの第1の実施形態の上面図を図12に見ることができる。図12は、ワイヤボンディングもまた、第1のコンタクトパッド3の非オーバーラップ領域上で実施することができることを示している。
【0090】
図11に見られるように、第2のサブパッド32は、電子部品4を電子回路に組み込む際に寄与し得ない。第2のサブパッド32は、電子部品4を電子回路に組み込むためには冗長となる場合がある。第2のサブパッド32は、好ましい溶接プロセスを適用するという唯一の目的であってもよい。
【0091】
図13は、上面視で、接触溶接アセンブリ1’の第3の実施形態を示す。図から分かるように、この溶接接触は、基本的には、図9の実施形態の接触と同様である。しかし、簡単にするために、図13では溶接機の概略図は省略されている。
【0092】
図13のこの実施形態の場合に分かるように、2つのコンタクトパッド、第1のコンタクトパッド3および第2のコンタクトパッド9が、設けられたように基板2上に実現される。図7図10に関連して説明した方法により、基板に面する電子部品5上の2つの別々の端子電極への接触が可能となる。
【0093】
コンタクトパッド3および9の各々について、溶接コンタクト101および102が、一方は第1のサブパッド31または91上に、他方は第2のサブパッド32または92上に付けられる。
【0094】
第1のコンタクトパッドおよび第2のコンタクトパッドに対して行われる溶接は、同時にまたは別のものの後に行うことができる。
【0095】
図14は、図13に示すステップを組み込む方法によって製造することができる、ここではフリップチップ構成のチップアセンブリ11の第2の実施形態を示す。
【0096】
図14の電子部品4は、両方の端子電極5および6が電子部品4の同じ側に配置されているため、フリップチップ構成を有する。
【0097】
電子部品4は、基板2上に組み立てられる。キャリア基板2は、それ自体が2つの空間的に分離されたサブパッド、すなわち第1のサブパッド31および第2のサブパッド32からなる第1のコンタクトパッド3を備える。同様に、キャリア基板2上には、第1のサブパッド91および第2のサブパッド92からなる第2のコンタクトパッド9が設けられている。第1のサブパッド31と第2のサブパッド32とは、電子部品4の橋絡する第1の端子電極5のみによって電気的に接続されている。第1の端子電極5とサブパッド31および32の各々との間には両方とも、簡略化のためにここでは明示的にラベル付けされていない溶接スポットが形成される。同様に、サブパッド91と92とは、同じく基板に面する第2の端子電極6によって橋絡されている。溶接スポットが同様に設けられる。
【0098】
また、第1のサブパッド31ともう1つの第1のサブパッド91とは、電子部品5を含むチップアセンブリ11を電子回路に組み込むために、このアセンブリでは、ボンディングワイヤ10によってそれぞれ接触されている。
【0099】
最後に、コンタクトパッド、すなわち具体的には2つのサブパッドを備える第1のコンタクトパッドを設けるプロセスの一部が、図15図18に示されている。
【0100】
図15に示すように、最初に、好ましくは、例えばアルミナからなるまたはアルミナを含む絶縁基板であるキャリア基板2が提供される。
【0101】
続いて、図16に示すように、金属層301が基板2に堆積または付着される。金属層を付着させるために、任意の適切な方法を使用することができる。方法は、物理蒸着、焼き付け電極を使用する方法、金属箔の付着、スパッタリング、ガルバニック堆積、または化学電気めっきを含むことができる。
【0102】
続いて、図17に示すように、金属層301は、構造化方法によって、または好ましくはウェットエッチングもしくはドライエッチングなどのエッチング方法によって構造化される。これにより、構造化金属層302が形成される。図示のように、そのようなステップでは、各々がサブパッドを備えることができるコンタクトパッドは、既にあらかじめ設けられる。
【0103】
さらに、前のエッチングステップのサブステップとすることもできる次のステップでは、溶接バンプ7が構造化金属層302からエッチングされる。図18に示すステップは、前のエッチングステップのサブステップであることが好ましく、それは、そうすることでプロセスステップの数を最小限に抑えることができ、より効率的となり得るためである。
【符号の説明】
【0104】
1 溶接アセンブリ
1’ 接触溶接アセンブリ
2 キャリア基板
3 第1のコンタクトパッド
4 電子部品
5 第1の端子電極
6 第2の端子電極
7 溶接バンプ
8 溶接スポット
9 第2のコンタクトパッド
10 ボンディングビア
11 チップアセンブリ
31 第1のコンタクトパッドの第1のサブパッド
32 第1のコンタクトパッドの第2のサブパッド
91 第2のコンタクトパッドの第1のサブパッド
92 第2のコンタクトパッドの第2のサブパッド
100 溶接機
101 第1の溶接コンタクト
102 第2の溶接コンタクト
301 金属層
302 構造化金属層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続を確立するための方法であって、
第1の溶接部を有する電子部品(4)を提供するステップと、
第1の電気接触部分を設けるステップと、
前記第1の溶接部と前記第1の電気接触部分とを機械的に接触させるステップと、
前記機械的接触を維持している間に、前記第1の電気接触部分と前記第1の溶接部とを共に溶接することができる溶接電流を印加するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の溶接部が、前記電子部品(4)の第1の端子電極(5)の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の電気接触部分が、キャリア基板(2)上に配置された第1のコンタクトパッド(3)またはコンタクトパッドの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶接中に前記機械的接触を維持することが、前記溶接部と前記電気接触部分とを共に押圧することによって支持される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の電気接触部分および/または前記第1の溶接部が、溶接バンプ(7)を備え、溶接バンプ(7)が、溶接電流を溶接バンプ(7)を通じて流して局所的な溶接スポット(8)を形成することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1および第2の溶接スポット(8)が、同じ溶接電流によって同時に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
2つの端子電極(5,6)が同じキャリア基板上の2つの分離したコンタクトパッド(3,9)に溶接されることに、前記方法が続いてまたは同時に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶接部と前記電気接触部分の最外金属が同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記電気接触部分または前記溶接部が、銀、金、銅、ニッケル、モリブデンまたはタングステンを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
キャリア基板(2)上に組み立てられた電子部品(4)を備えるチップアセンブリ(11)であって、
前記基板の第1のコンタクトパッド(3)が、前記電子部品(4)の第1の端子電極(5)に溶接されて電気接続を形成する、チップアセンブリ(11)。
【請求項11】
前記第1のコンタクトパッド(3)が、2つの分離したサブパッド(31,32)を含み、前記第1の端子電極(5)が、両方のサブパッド(31,32)に溶接される、請求項10に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項12】
前記電子部品(4)が、前記キャリア基板上の第2のコンタクトパッド(9)に溶接される第2の端子電極(6)を備える、請求項10に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項13】
前記第1のコンタクトパッド(3)が、チップアセンブリ(11)を電子回路に組み込むための接続手段に接続される、請求項10に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項14】
溶接スポット(8)が、前記第1の端子電極(5)と前記第1のコンタクトパッド(3)とを接続する、請求項10に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項15】
前記第1の端子電極(5)と前記第1のコンタクトパッド(3)の最外金属が同じである、請求項10に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項16】
前記第1の端子電極(5)および前記第1のコンタクトパッド(3)が、銀、金、銅、ニッケル、モリブデンまたはタングステンを備える、請求項15に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項17】
前記第1のコンタクトパッド(3)が、前記電子部品(5)の1つの端子電極によって電気的に橋絡された2つのサブパッド(31,32)を備え、前記2つのサブパッド(31,32)が、前記端子電極(5)による前記電気的橋絡を除いて電気的および空間的に分離されている、請求項10に記載のチップアセンブリ(11)。
【請求項18】
前記チップアセンブリ(11)を電子回路に組み込むための接続が、前記第1のコンタクトパッド(3)の1つのサブパッドのみによって行われる、請求項11または17に記載の前記チップアセンブリ(11)を使用すること。

【国際調査報告】