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特表2024-525431半導体デバイス及びモノリシックサージ保護抵抗器を形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】半導体デバイス及びモノリシックサージ保護抵抗器を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L27/04 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579701
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 US2022075355
(87)【国際公開番号】W WO2023056140
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/449,600
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516132747
【氏名又は名称】メイコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ブローグル,ジェームス・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ボールズ,ティモシー・イー
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AC03
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC10
5F038AC15
5F038AC16
5F038BE07
5F038BH02
5F038BH13
5F038EZ02
5F038EZ13
5F038EZ14
5F038EZ15
5F038EZ19
(57)【要約】
半導体デバイスが、基板と、基板の上に形成された3000~5000オーム/cm2の範囲の抵抗率を有するエピタキシャル層の様な高抵抗率の第1の半導体層と、を有する。第1の半導体層内に少なくとも部分的に第2の半導体層が形成される。第1の半導体層の上に少なくとも部分的にコンデンサが形成される。コンデンサは、第1の半導体層を貫いて基板の中まで延びる複数のトレンチと、トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を有する。トレンチは、平行、蛇行、又は他の幾何学形状であり得る。コンデンサは、更に、第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を有する。コンデンサの上に導電層が形成される。高抵抗率を有する第1の半導体層は、コンデンサに起こりがちな高電圧事象を解消するための垂直方向の経路を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に形成された高抵抗率を備える第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に少なくとも部分的に形成された回路要素と、を備える半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスにおいて、
前記第1の半導体層の前記高抵抗率は3000~5000オーム/cm2の範囲にある、半導体デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素は容量性構造を含んでいる、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びている、半導体デバイス。
【請求項5】
請求項3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は、
前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びるトレンチと、
前記トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を含んでいる、半導体デバイス。
【請求項6】
請求項3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は、
前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を更に含んでいる、半導体デバイス。
【請求項7】
半導体材料と、
前記半導体材料の上に形成された、抵抗率を備えるエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層の上に少なくとも部分的に形成された回路要素と、を備える半導体デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体デバイスにおいて、
前記エピタキシャル層の前記抵抗率は3000~5000オーム/cm2の範囲である、半導体デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素はコンデンサを含んでいる、半導体デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは前記エピタキシャル層を貫いて前記半導体材料の中まで延びている、半導体デバイス。
【請求項11】
請求項9に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは、
前記エピタキシャル層を貫いて前記半導体材料の中まで延びるトレンチと、
前記トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を含んでいる、半導体デバイス。
【請求項12】
請求項19に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは、
前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を更に含んでいる、半導体デバイス。
【請求項13】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、
前記エピタキシャル層内に少なくとも部分的に形成された半導体層、を更に含む半導体デバイス。
【請求項14】
半導体デバイスを作る方法であって、
基板を提供する工程と、
前記基板の上に高抵抗率を備えた第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に少なくとも部分的に回路要素を形成する工程と、を備える方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記第1の半導体層の前記高抵抗率は3000~5000オーム/cm2の範囲にある、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素はコンデンサを含んでいる、半導体デバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記コンデンサは前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びている、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記コンデンサを形成する工程は、
前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びるトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内に第1の絶縁層を形成する工程と、を含んでいる、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記コンデンサを形成する工程は、
前記第1の絶縁層の上に第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層の上にポリシリコン層を形成する工程と、を更に含んでいる、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であって、
前記第1の半導体層内に少なくとも部分的に第2の半導体層を形成する工程、を更に含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概括的には、半導体デバイスに関するものであり、より詳細には、半導体デバイス、及び高電圧コンデンサ又は他の半導体デバイスのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0001]現代の電子製品には一般的に半導体デバイスが見受けられる。それら半導体デバイスは電気的素子の数と密度が様々である。離散半導体デバイスは、概して、例えば発光ダイオード(LED)、小型信号トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)など、1種類の電気的素子を包含している。集積半導体デバイスは、典型的に、数百乃至数百万の電気的素子を包含している。集積半導体デバイスの例には、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、及び各種アナログ及びデジタル回路が挙げられる。
【0003】
[0002]半導体デバイスは、信号処理、高速計算、電磁信号の送受信、電子デバイスの制御、太陽光の電気変換、及びテレビディスプレイのための視覚投影の作成など、広範な機能を遂行する。半導体デバイスは、通信、パワー変換、ネットワーク、コンピュータ、及び消費者製品の分野に見受けられる。半導体デバイスは、軍事用途、航空宇宙、航空、自動車、産業用コントローラ、及びオフィス機器にも見受けられる。
【0004】
[0003]1つの知られている半導体デバイスが、モノリシック半導体パッケージ内の高電圧コンデンサである。高電圧コンデンサは、数百ボルト又は更には数千ボルトの正常動作範囲を有する。コンデンサは、一般的には、2つの導電端子間に配置された誘電層を有する。万一、コンデンサの定格を超える高電圧のサージが発生した場合、漏れ電流が誘導されてコンデンサを損傷させかねない。過剰な漏れ電流は、コンデンサの高電圧端子から横方向に誘電層を通って誘電層の直下の半導体パッケージの面から外へ流れ出る可能性がある。一般的な解決策は、コンデンサ半導体パッケージに外付けの抵抗器を追加して、過剰な漏れ電流を散逸させることである。外付け抵抗器は、限られたプリント回路基板(PCB)面積へもう1つデバイスを追加することになり、製造コストを増加させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
半導体デバイスが、基板と、基板の上に形成された3000~5000オーム/cm2の範囲の抵抗率を有するエピタキシャル層の様な高抵抗率の第1の半導体層と、を有する。第1の半導体層内に少なくとも部分的に第2の半導体層が形成される。第1の半導体層の上に少なくとも部分的にコンデンサが形成される。コンデンサは、第1の半導体層を貫いて基板の中まで延びる複数のトレンチと、トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を有する。トレンチは、平行、蛇行、又は他の幾何学形状であり得る。コンデンサは、更に、第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を有する。コンデンサの上に導電層が形成される。高抵抗率を有する第1の半導体層は、コンデンサに起こりがちな高電圧事象を解消するための垂直方向の経路を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1a】複数の半導体ダイを有する半導体ウェーハを例示する。
図1b図1aと共に、複数の半導体ダイを有する半導体ウェーハを例示する。
図2a】複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2b図2aと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2c図2a-図2bと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2d図2a-図2cと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2e図2a-図2dと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2f図2a-図2eと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2g図2a-図2fと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2h図2a-図2gと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2i図2a-図2hと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2j図2a-図2iと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2k図2a-図2jと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2l図2a-図2kと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2m図2a-図2lと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2n図2a-図2mと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図2o図2a-図2nと共に、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図3図2a-図2oからの複数のトレンチを有する高電圧コンデンサを例示する。
図4a】横方向誘電体を有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成する別のプロセスを例示する。
図4b図4aと共に、横方向誘電体を有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図4c図4a-図4bと共に、横方向誘電体を有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図4d図4a-図4cと共に、横方向誘電体を有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図4e図4a-図4dと共に、横方向誘電体を有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器を形成するプロセスを例示する。
図5図4a-図4eからの横方向誘電体を有する高電圧コンデンサを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0005]以下の説明では図を参照しながら1つ又はそれ以上の実施形態の中で本発明が記述されており、図中、同様の符号は同じか又は同様の要素を表す。発明は、発明の目的を達成するための最良の形態の観点から説明されているが、当業者には理解される様に、付随の特許請求の範囲並びに以下の開示及び図面によって裏付けられるところのそれらの等価物によって定義される本発明の精神及び範囲の内に含まれ得る代替物、修正物、及び同等物をカバーするものとする。本明細書での使用に際し「半導体ダイ」という用語は、単語の単数形と複数形の両方を指し、したがって単一の半導体デバイスと複数の半導体デバイスのどちらも指し得る。
【0008】
[0006]図1aは、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、ゲルマニウム、リン化アルミニウム、ヒ化アルミニウム、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、リン化インジウム、及び構造支持体向けのすべてのIII-V族及びII-VI族半導体材料などのベース基板材料102を有する半導体ウェーハ又は基板100を示している。複数の半導体ダイ又は素子104が、非アクティブなダイ間ウェーハ区域又はソーストリート106によって分離されてウェーハ100上に形成されている。ソーストリート106は、半導体ウェーハ100を個別の半導体ダイ104へと個片化するための切削区域を提供している。1つの実施形態では、半導体ウェーハ100は、100~300ミリメートル(mm)の幅又は直径を有する。
【0009】
[0007]図1bは、半導体ウェーハ100の一部分の断面図を示している。各半導体ダイ104は、裏表面又は非アクティブ表面108と、ダイ内に形成され且つダイの電気的設計及び機能に従って電気的に相互接続される能動デバイス、受動デバイス、導電層、及び誘電層として実装されたアナログ回路又はデジタル回路を包含するアクティブ表面110と、を含んでいる。例えば、回路は、アナログ回路又はデジタル回路を実装するように又はそれら回路と共に使用されるようにアクティブ表面110内に形成された1つ又はそれ以上の高電圧のトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、及び他の回路要素を含み得る。本実施形態では、半導体ダイ104は、200v~3000vの範囲のモノリシック高電圧コンデンサを包含している。別の実施形態では、半導体ダイ104は、ダイオード、トランジスタ、又は、他の回路又は回路要素などのモノリシック高電圧半導体デバイスを包含している。
【0010】
[0008]物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、低圧化学気相成長法(LPCVD)、電解めっき、無電解めっきプロセス、又は他の適切な金属堆積プロセスを用いて、アクティブ表面110の上に導電層112が形成される。導電層112は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、又は他の適切な導電性材料の1つ又はそれ以上の層であるとしてもよい。導電層112は、アクティブ表面110上の回路へ電気的に接続された接点パッドとして動作する。
【0011】
[0009]図2a-図2oは、複数のトレンチを有する高電圧コンデンサのためのモノリシックサージ保護抵抗器の形成を例示している。図2aは、ベース半導体材料102を包含する図1a-図1bからの基板100の一部分を例示している。基板100は、約250マイクロメートル(μm)の厚さを有する。1つの実施形態では、基板100は、5e18原子/cm3未満の濃度でN+不純物をドープされたSi基板である。ドーパントは、作られる半導体デバイスの種類に応じて、n型材料又はp型材料とすることができる。p型材料は正キャリア型(正孔)を表し、n型材料は負キャリア型(電子)を表す。本実施形態はN+基板の観点で説明されているが、P+基板を形成するには反対の型の半導体材料が使用されることになる。
【0012】
[0010]ここに説明されている種々な注入工程では、ドーピングは、イオン注入、固体拡散、液体拡散、スピンオン堆積物、プラズマドーピング、気相ドーピング、レーザドーピングなどによって遂行される。ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、又はガリウム(Ga)をドープする工程はp型領域をもたらし、リン(P)、アンチモン(Sb)、又はヒ素(As)不純物をドープする工程はn型領域をもたらす。基板の材料及びドーピングの所望される強さに依っては、ビスマス(Bi)及びインジウム(In)などの他のドーパントが利用されてもよい。
【0013】
[0011]図2bでは、基板100の表面122上に半導体層120をエピタキシャル成長させている。図2a-図2o及び図4a-図4eに示されている半導体層は、縮尺を合わせて描かれていない。エピタキシャル成長又は堆積は、反応チャンバ内で約980~1230℃の温度で大凡20~110分間に亘って起こる。1つの実施形態では、半導体層120は意図的にP型又はN型不純物をドープされず、その結果、5e13原子/cm3未満のドーピング濃度がもたらされ、厚さ25~50μm及び抵抗率3000~5000オーム/cm2の高抵抗率シリコンエピ層が形成される。
【0014】
[0012]図2cでは、表面128からエピ層120を貫いてトレンチ又は開口部124が形成され、表面122を過ぎてベース基板材料102の中まで延びている。トレンチ124は、エッチング又はレーザ130を用いたレーザ直接アブレーション(LDA)によって形成することができる。1つの実施形態では、トレンチ124は、幅3~12μm及び深さ25~200μmで深部反応性イオンエッチング(DRIE)によって形成される。DRIEは、ウェーハ/基板に、典型的には高アスペクト比で、深部貫入、急斜面の孔、キャビティ、及びトレンチを作成するために使用される異方性の高いエッチングプロセスである。DRIEは半導体層102及び120から材料を除去するために六フッ化硫黄(SF6)などのイオン化ガス又はプラズマを利用する。DRIE技術は、より直線的な側壁を有するより深いトレンチ124を可能にする。シリコンの深部異方性エッチングを作成するために、エッチングプロセスを、異なるプラズマ化学の間で切り替えて、成長中のフィーチャの側壁をフルオロカーボン層で保護しながらシリコンのフッ素ベースのエッチングを提供する。C48プラズマが、フルオロポリマーの不動態化層をマスク上へ及びエッチングされたフィーチャの中へ堆積させる。プラテンからのバイアスが、指向性イオン衝撃を生じさせ、フィーチャのベース及びマスクからのフルオロポリマーの除去をもたらす。SF6プラズマ中のフッ素フリーラジカルは、エッチフィーチャのベースの露出したシリコンを等方的にエッチングする。DRIEプロセスは、トレンチ124の垂直方向エッチプロファイルを実現するために複数回繰り返される。代替的には、トレンチ124は、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、気相エッチング、及び化学エッチングによって形成することができる。エッチングプロセス中にトレンチ124を絶縁するために、表面128の上にマスク(図示せず)が形成されるのが典型的である。
【0015】
[0013]各トレンチ124の側壁132は、等方性プラズマエッチングを用いて平滑化することができ、それを用いてトレンチ側壁からシリコンの薄層、例えば0.1~1.0μmが除去されてもよい。代替的には、図2dに示されている様に、犠牲的熱酸化物又は二酸化ケイ素層134をトレンチ124の側壁表面132上に成長させることができる。その後、図2eに示されている様に内壁を平滑化するために、犠牲的熱酸化物134は、緩衝酸化物エッチング又は希フッ化水素(HF)酸エッチングなどのエッチングを用いて又は他のウェット化学とそれに続くHF気相発煙を用いて除去される。図2dと同様に、トレンチ124の側壁132上に別の犠牲的熱酸化物層134を再度成長させる。犠牲的熱酸化物層134は、図2eと同様に内壁を平滑化するために、ウェット化学とそれに続くHF気相発煙によって再び除去される。反復的な熱酸化物の成長と除去のプロセスは、図2d-図2eに従って、トレンチ124の側壁132が平滑になるまで複数回継続される。DRIEエッチングからのスキャロッピングを排除することによって及び犠牲的熱酸化物層134とそれに続くHF発煙又は任意の酸化物とシリコンエッチングを使用することによって、側壁132はテーパ状の形態へ平滑化されることができる。平滑化技法の使用は、残留応力及び不要な汚染物質を除去しながら丸い角を有する平滑なトレンチ表面を現出させることができる。
【0016】
[0014]図2eでは、領域136aは、図1a-図1bからの第1の半導体ダイ104a内に包含される可能性のある、基板100内の第1の高電圧容量性構造のための区域を表現している。領域136bは、図1a-図1bからの第2の半導体ダイ104b内に包含される可能性のある、基板100内の第2の高電圧容量性構造のための区域を表現している。図2fは、表面128に形成されたトレンチ124の上面図を示している。この実施形態では、トレンチ124は平行であり、表面128の直線状開口部がエピ層120を貫いてベース基板材料102の中まで延びている。図2gは、表面128に形成されたトレンチ124の別の実施形態の上面図を示している。この実施形態では、トレンチ124は交互に入り込んでいて、表面128の蛇行状開口部がエピ層120を貫いてベース基板材料102の中まで延びている。トレンチ124は、容量性機能を提供する誘電層の表面積を増加させるのに役立つ矩形、円形、楕円形などの任意の幾何学形状を有することができる。図2f及び図2gには、例示を目的として、限定された数のトレンチ124が示されている。実際には、領域136a又は領域136bには1~450又はそれ以上のトレンチ124が形成され、1つの離散高電圧コンデンサを構成することになるだろう。図2eに戻って、トレンチ124は、表面128近くでは3.5~12.5μmの幅W1を有し、トレンチの底表面138近くでは3.0~12.0μmの幅W2を有するテーパ状とすることができる。トレンチ124の深さは、25~200μmであり、1つの実施形態では150μmである。
【0017】
[0015]図2hでは、トレンチ124の側壁132はN+ドーパントを拡散又は注入されてN+半導体層140を形成する。トレンチ124の深さを考えると、拡散がより現実的な堆積方法であるだろう。拡散をマスクし及びパターン化するために、表面128の上に絶縁層142が形成されてもよい。拡散は、リン不純物を用いて950~1100℃の温度で20~120分間に亘って行われ、2~3e19原子/cm3の不純物分布を有するN+半導体層140が形成される。拡散に続いて、ドライブイン工程が950~1100℃の温度で20~120分間に亘って遂行されてもよい。
【0018】
[0016]図2iでは、絶縁層148が、表面128の上に領域136a及び136b内のトレンチ124の中まで共形的に形成されている。絶縁層148は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層148は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層148は、コンデンサとして動作する高電界強度誘電層を形成するために、0.5~7.5μmの厚さを有するシリコンの局所酸化(LOCOS)酸化物層である。絶縁層148は、コンデンサの表面積を増加させるために表面128とトレンチ124の側壁132及び底表面138の上に共形的に形成される。
【0019】
[0017]図2jでは、絶縁層148の上に絶縁層150が共形的に形成されている。絶縁層150は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層150は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層150は、0.5~0.30μmの厚さを有する第1のSi3N4層及び0.1~1.0μmの厚さを有するSiO2の様な第2の低温酸化物(TLO)層であり、絶縁層148の上に水分及び他の汚染物質に対する保護層を形成する。
【0020】
[0018]CVDを用いて絶縁層150の上にポリシリコン層152が形成される。ポリシリコン層152は、トレンチ124を完全に充填するために1つ又はそれ以上の薄膜層として形成される。1つの実施形態では、ポリシリコンの第1の層152aが、絶縁層150を覆ってトレンチ124の中まで厚さ0.5~2.5μmで形成される。ポリシリコン152aは、950~1100℃で拡散堆積を用いてオキシ塩化リン(POCl3)不純物をドープされる。ポリシリコンの第2の層152bが、ポリシリコン層152aを覆ってトレンチ124の中まで厚さ0.5~2.5μmで形成される。ポリシリコン152bは、950~1100℃で拡散堆積を用いてPOCl3不純物をドープされる。ポリシリコンの第3の層152cが、ポリシリコン層152bを覆ってトレンチ124の中まで厚さ0.5~2.5μmで形成される。ポリシリコン152cは、950~1100℃で拡散堆積を用いてPOCl3不純物をドープされる。拡散に続いて、ドライブイン工程が950~1100℃の温度で0.5~2.0時間に亘って遂行されてもよい。
【0021】
[0019]図2kは、層140-152を有する1つのトレンチ124の更なる詳細を示している。絶縁層140-152の組合せは、主に絶縁層148-150の誘電特性から1つの高電圧コンデンサ156を構成する。例えば、高電圧コンデンサ156は、定格200v~3000vである。
【0022】
[0020]図2lでは、領域136a内のポリシリコン層152の上に、及び領域136b内のポリシリコン層152の上に、導電層160が形成されている。領域136a内の導電層160の上に、及び領域136b内の導電層160の上に、導電層162が形成されている。導電層160-162は、PVD、CVD、PECVD、スパッタリング、電解めっき、無電解めっきプロセス、又は他の適切な金属堆積プロセスを用いたパターニングを使用して形成されるAl、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、又は他の適切な導電性材料の1つ又はそれ以上の層とすることができる。1つの実施形態では、導電層160はパラジウムである。導電層160は、ポリシリコン層152への良好なオーミック接触のためのパラジウムシリサイドを形成するために、250~450℃の間で熱サイクルされてもよい。他の実施形態では、白金を使用し、ポリシリコン層への良好なオーミック接触のための白金シリサイドを形成してもよい。コバルトも低抵抗オーミック接触を形成するのに使用できる。導電層162は、チタン-白金-金又はチタン-白金-アルミニウムであり、チタンが接着層を提供し、白金はバリア層として、また金又はアルミニウムは外部接点として提供されている。
【0023】
[0021]図2mでは、ポリシリコン層152と絶縁層148及び150の一部分を、例えばドライエッチングの使用とそれに続くより高い選択性のためのウェットディップによって、下方へ表面128まで除去するためのマスクとして導電層160-162が使用されている。表面128と導電層160-162の側壁168及び上表面169の上から絶縁層166が形成されている。絶縁層166は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層166は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層166は、1.0μmの厚さを有するSi3N4層である。絶縁層166を覆って絶縁層170が形成されている。絶縁層170は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層170は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層170は、導電層162の縁を覆うために8.0~20.0μmの厚さを有する、BCB又はポリイミドなどの高電界強度ポリマーである。絶縁層170は、250~400℃で1~4時間に亘って硬化される。
【0024】
[0022]基板100の表面178を覆って導電層176が形成されている。導電層176は、PVD、CVD、PECVD、スパッタリング、電解めっき、無電解めっきプロセス、又は他の適切な金属堆積プロセスを用いたパターニングを使用して形成されるAl、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、又は他の適切な導電性材料の1つ又はそれ以上の層とすることができる。
【0025】
[0023]図2nでは、導電層162の表面169を露出するために絶縁層166及び絶縁層170の一部分が除去されている。図2oでは、基板100は、領域136aの高電圧コンデンサ156aを領域136bの高電圧コンデンサ156bから分離するために、ソーブレード又は切削工具180を使用して個片化されている。絶縁層148-150を高電圧コンデンサ156a-156bの中間誘電体として、導電層162と導電層176は互いに反対側の金属端子を提供している。
【0026】
[0024]図3は、高電圧コンデンサ156を包含する半導体パッケージ182を例示している。導電層162及び176ならびに絶縁層148及び150が、一次的な容量性機能を提供する。高抵抗率半導体層120は、過剰な漏れ電流のスパイクを生じさせる高電圧のサージからコンデンサ156を保護する。高電圧インシデントの事象時には、過剰な漏れ電流は、絶縁層148-15の縁から離れて垂直方向の経路184に沿って半導体層120を通って経路決めされる。半導体層120は、高電圧が起こっている間の漏れ電流の方向と大きさを制御する能力を提供する。半導体層120は、高電圧コンデンサ156のためのサージ保護抵抗器として動作する。半導体層120は、ダイオード、トランジスタ、又は他の回路もしくは回路要素など、他の半導体デバイスのためのサージ保護抵抗器として動作することもできる。半導体層120は、設計プロセスを簡素化し製造費用を低減するように、半導体パッケージ182及び高電圧コンデンサ156の中へモノリシックに集積されている。
【0027】
[0025]別の実施形態では、図2bから続けて、基板100の表面128が図4aに示されている様にN+ドーパントを拡散又は注入されてN+半導体層200を形成する。拡散をマスクし及びパターン化するために、表面128の上に絶縁層202が形成されてもよい。拡散は、リン不純物を用いて950~1100℃の温度で0.25~1.5時間に亘って行われ、2~3eE19原子/cm3の不純物分布を有するN+半導体層200が形成される。拡散に続いて、ドライブイン工程が950~1100℃の温度で0.5~2.5時間に亘って遂行されてもよい。
【0028】
[0026]図4bでは、表面128の上に絶縁層208が形成されている。絶縁層208は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層208は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層208は、コンデンサとして動作する高電界強度誘電層を形成するために、0.5~7.5μmの厚さを有するLOCOS酸化物層である。
【0029】
[0027]絶縁層208の上に絶縁層210が形成されている。絶縁層210は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層210は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層210は、0.5μmの厚さを有する第1のSi3N4層及び1.0μmの厚さを有するSiO2などの第2のTLO層であり、絶縁層208の上に水分及び他の汚染物質に対する保護層を形成する。
【0030】
[0028]CVDを用いて絶縁層210の上にポリシリコン層212が形成される。ポリシリコン層212は、1つ又はそれ以上の薄膜層として形成される。1つの実施形態では、ポリシリコンの第1の層212aが、絶縁層210の上に厚さ0.5~2.5μmで形成される。ポリシリコン212aは、950~1100℃で拡散堆積を用いてPOCl3不純物をドープされる。ポリシリコンの第2の層212bが、ポリシリコン層212aの上に厚さ0.5~2.5μmで形成される。ポリシリコン212bは、950~1100℃で拡散堆積を用いてPOCl3不純物をドープされる。ポリシリコンの第3の層212cが、ポリシリコン層212bの上に厚さ0.5~2.5μmで形成される。ポリシリコン212cは、950~1100℃で拡散堆積を用いてPOCl3不純物をドープされる。拡散に続いて、ドライブイン工程が950~1100℃の温度で0.5~2.5時間に亘って遂行されてもよい。
【0031】
[0029]領域216aは、図1a-図1bからの第1の半導体ダイ104a内に包含される可能性のある、基板100内の第1の高電圧容量性構造のための区域を表現している。領域216bは、図1a-図1bからの第2の半導体ダイ104b内に包含される可能性のある、基板100内の第2の高電圧容量性構造のための区域を表現している。
【0032】
[0030]図4cは、層200-212を有する領域216の一部分の更なる詳細を示している。絶縁層200-212の組合せは、主に絶縁層208-210の誘電特性から、1つの高電圧コンデンサ218を構成する。例えば、高電圧コンデンサ218は、定格200v~3000vである。
【0033】
[0031]図4dでは、領域216a内のポリシリコン層212の上に、及び領域216b内のポリシリコン層212の上に、導電層220が形成されている。領域216a内の導電層220の上に、及び領域216b内の導電層220の上に、導電層222が形成されている。導電層220-222は、PVD、CVD、PECVD、スパッタリング、電解めっき、無電解めっきプロセス、又は他の適切な金属堆積プロセスを用いたパターニングを使用して形成されるAl、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、又は他の適切な導電性材料の1つ又はそれ以上の層とすることができる。1つの実施形態では、導電層220はパラジウムである。導電層220は、ポリシリコン層212への良好なオーミック接触のためのパラジウムシリサイドを形成するために、250~450℃の間で熱サイクルされてもよい。他の実施形態では、白金が、ポリシリコン層への良好なオーミック接触のための白金シリサイドを形成するために使用されてもよい。コバルトも低抵抗オーミック接触を形成するのに使用できる。導電層222は、チタン-白金-金又はチタン-白金-アルミニウムであり、チタンが接着層を提供し、白金はバリア層として、また金又はアルミニウムは外部接点として提供されている。
【0034】
[0032]ポリシリコン層152と絶縁層148及び150の一部分を、例えばドライエッチングの使用とそれに続くより高い選択性のためのウェットディップによって除去するためのマスクとして導電層220-220が使用されている。図2mと同様に、表面128及び導電層220-222の側壁228及び上表面270の上から絶縁層226が形成されている。絶縁層226は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層226は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層226は、0.5~1.5μmの厚さを有するSi3N4層である。図2mと同様に、絶縁層226を覆って絶縁層232が形成されている。絶縁層232は、SiO2、Si3N4、SiON、Ta2O5、Al2O3、ポリイミド、BCB、PBO、又は他の適切な誘電性材料の1つ又はそれ以上の層を包含している。絶縁層232は、PVD、CVD、PECVD、又はLPCVDを用いて形成される。1つの実施形態では、絶縁層232は、導電層222の縁を覆うために8.0~20.0μmの厚さを有する、BCB又はポリイミドなどの高電界強度ポリマーである。絶縁層232は、250~400℃で1~4時間に亘って硬化される。
【0035】
[0033]基板100の表面238を覆って導電層236が形成されている。導電層236は、PVD、CVD、PECVD、スパッタリング、電解めっき、無電解めっきプロセス、又は他の適切な金属堆積プロセスを用いたパターニングを使用して形成されるAl、Cu、Sn、Ni、Au、Ag、又は他の適切な導電性材料の1つ又はそれ以上の層とすることができる。
【0036】
[0034]導電層222の表面270を露出するために絶縁層226及び絶縁層232の一部分が除去されている。図2oと同様に、基板100は、領域216aの高電圧コンデンサ218aを領域216bの高電圧コンデンサ218bから分離するためソーブレード又は切削工具240を使用して個片化されている。絶縁層208-210を高電圧コンデンサ218a-218bの中間誘電体として、導電層222と導電層236は互いに反対側の金属端子を提供している。
【0037】
[0035]図5は、高電圧コンデンサ218を包含する半導体パッケージ242を例示している。導電層222及び236ならびに絶縁層208及び210が、一次的な容量性機能を提供する。高抵抗率半導体層120は、過剰な漏れ電流のスパイクを生じさせる高電圧のサージからコンデンサ218を保護する。高電圧インシデントの事象時には、過剰な漏れ電流は、絶縁層208-210の縁から離れて垂直方向の経路244に沿って半導体層120を通って経路決めされる。半導体層120は、高電圧が起こっている間の漏れ電流の方向と大きさを制御する能力を提供する。半導体層120は、高電圧コンデンサ218のためのサージ保護抵抗器として動作する。半導体層120は、ダイオード、トランジスタ、又は他の回路もしくは回路要素など、他の半導体デバイスのためのサージ保護抵抗器として動作することもできる。半導体層120は、設計プロセスを簡素化し製造費用を低減するように、半導体パッケージ242及び高電圧コンデンサ218の中へモノリシックに集積されている。
【0038】
[0036]本発明の1つ又はそれ以上の実施形態を詳細に例示してきたが、それらの実施形態への修正及び適合が、付随の特許請求の範囲に示されている本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることが当業者には理解されるであろう。
【符号の説明】
【0039】
100 半導体ウェーハ又は基板
102 ベース基板材料
104 半導体ダイ又は素子
106 ソーストリート
108 裏表面又は非アクティブ表面
110 アクティブ表面
112 導電層
120 エピ層
122 基板の表面
124 トレンチ又は開口部
128 表面
132 トレンチの側壁
134 犠牲的熱酸化物又は二酸化ケイ素層
136a 第1の高電圧容量性構造のための区域
136b 第2の高電圧容量性構造のための区域
138 トレンチの底表面
140 N+半導体層
142 絶縁層
148 絶縁層
150 絶縁層
152、152a、152b、152c ポリシリコン層
156、156a、156b 高電圧コンデンサ
160 導電層
162 導電層
166 絶縁層
168 導電層160-162の側壁
169 上表面
170 絶縁層
176 導電層
178 基板の表面
180 ソーブレード又は切削工具
182 半導体パッケージ
184 垂直方向の経路
200 N+半導体層
202 絶縁層
208 絶縁層
210 絶縁層
212、212a、212b、212c ポリシリコン層
216a 第1の高電圧容量性構造のための区域
216b 第2の高電圧容量性構造のための区域
218、218a、218b 高電圧コンデンサ
220 導電層
222 導電層
226 絶縁層
228 導電層220-222の側壁
232 絶縁層
236 導電層
238 基板の表面
240 ソーブレード又は切削工具
242 半導体パッケージ
244 垂直方向の経路
270 上表面
W1 表面128近くのトレンチの幅
W2 トレンチの底表面近くの幅
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図2i
図2j
図2k
図2l
図2m
図2n
図2o
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に形成された高抵抗率を備える第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に少なくとも部分的に形成された回路要素と、を備える半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスにおいて、
前記第1の半導体層の前記高抵抗率は3000~5000オーム/cm2の範囲にある、半導体デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素は容量性構造を含んでいる、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びている、半導体デバイス。
【請求項5】
請求項3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は、
前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びるトレンチと、
前記トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を含んでいる、半導体デバイス。
【請求項6】
請求項に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は、
前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を更に含んでいる、半導体デバイス。
【請求項7】
半導体材料と、
前記半導体材料の上に形成された、抵抗率を備えるエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層の上に少なくとも部分的に形成された回路要素と、を備える半導体デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体デバイスにおいて、
前記エピタキシャル層の前記抵抗率は3000~5000オーム/cm2の範囲である、半導体デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素はコンデンサを含んでいる、半導体デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは前記エピタキシャル層を貫いて前記半導体材料の中まで延びている、半導体デバイス。
【請求項11】
請求項9に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは、
前記エピタキシャル層を貫いて前記半導体材料の中まで延びるトレンチと、
前記トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を含んでいる、半導体デバイス。
【請求項12】
請求項に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは、
前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を更に含んでいる、半導体デバイス。
【請求項13】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、
前記エピタキシャル層内に少なくとも部分的に形成された半導体層、を更に含む半導体デバイス。
【請求項14】
半導体デバイスを作る方法であって、
基板を提供する工程と、
前記基板の上に高抵抗率を備えた第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に少なくとも部分的に回路要素を形成する工程と、を備える方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記第1の半導体層の前記高抵抗率は3000~5000オーム/cm2の範囲にある、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素はコンデンサを含んでいる、半導体デバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記コンデンサは前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びている、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記コンデンサを形成する工程は、
前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びるトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内に第1の絶縁層を形成する工程と、を含んでいる、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記コンデンサを形成する工程は、
前記第1の絶縁層の上に第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層の上にポリシリコン層を形成する工程と、を更に含んでいる、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であって、
前記第1の半導体層内に少なくとも部分的に第2の半導体層を形成する工程、を更に含む方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
[0036]本発明の1つ又はそれ以上の実施形態を詳細に例示してきたが、それらの実施形態への修正及び適合が、付随の特許請求の範囲に示されている本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることが当業者には理解されるであろう。
〔態様1〕
基板と、
前記基板の上に形成された高抵抗率を備える第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に少なくとも部分的に形成された回路要素と、を備える半導体デバイス。
〔態様2〕
態様1に記載の半導体デバイスにおいて、
前記第1の半導体層の前記高抵抗率は3000~5000オーム/cm 2 の範囲にある、半導体デバイス。
〔態様3〕
態様1に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素は容量性構造を含んでいる、半導体デバイス。
〔態様4〕
態様3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びている、半導体デバイス。
〔態様5〕
態様3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は、
前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びるトレンチと、
前記トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を含んでいる、半導体デバイス。
〔態様6〕
態様3に記載の半導体デバイスにおいて、
前記容量性構造は、
前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を更に含んでいる、半導体デバイス。
〔態様7〕
半導体材料と、
前記半導体材料の上に形成された、抵抗率を備えるエピタキシャル層と、
前記エピタキシャル層の上に少なくとも部分的に形成された回路要素と、を備える半導体デバイス。
〔態様8〕
態様7に記載の半導体デバイスにおいて、
前記エピタキシャル層の前記抵抗率は3000~5000オーム/cm 2 の範囲である、半導体デバイス。
〔態様9〕
態様7に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素はコンデンサを含んでいる、半導体デバイス。
〔態様10〕
態様9に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは前記エピタキシャル層を貫いて前記半導体材料の中まで延びている、半導体デバイス。
〔態様11〕
態様9に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは、
前記エピタキシャル層を貫いて前記半導体材料の中まで延びるトレンチと、
前記トレンチ内に形成された第1の絶縁層と、を含んでいる、半導体デバイス。
〔態様12〕
態様19に記載の半導体デバイスにおいて、
前記コンデンサは、
前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上に形成されたポリシリコン層と、を更に含んでいる、半導体デバイス。
〔態様13〕
態様7に記載の半導体デバイスであって、
前記エピタキシャル層内に少なくとも部分的に形成された半導体層、を更に含む半導体デバイス。
〔態様14〕
半導体デバイスを作る方法であって、
基板を提供する工程と、
前記基板の上に高抵抗率を備えた第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に少なくとも部分的に回路要素を形成する工程と、を備える方法。
〔態様15〕
態様14に記載の方法において、
前記第1の半導体層の前記高抵抗率は3000~5000オーム/cm 2 の範囲にある、方法。
〔態様16〕
態様14に記載の半導体デバイスにおいて、
前記回路要素はコンデンサを含んでいる、半導体デバイス。
〔態様17〕
態様16に記載の方法において、
前記コンデンサは前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びている、方法。
〔態様18〕
態様16に記載の方法において、
前記コンデンサを形成する工程は、
前記第1の半導体層を貫いて前記基板の中まで延びるトレンチを形成する工程と、
前記トレンチ内に第1の絶縁層を形成する工程と、を含んでいる、方法。
〔態様19〕
態様16に記載の方法において、
前記コンデンサを形成する工程は、
前記第1の絶縁層の上に第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層の上にポリシリコン層を形成する工程と、を更に含んでいる、方法。
〔態様20〕
態様14に記載の方法であって、
前記第1の半導体層内に少なくとも部分的に第2の半導体層を形成する工程、を更に含む方法。
【国際調査報告】