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特表2024-525432多目的タイルシステム、タイルカバー材、およびタイル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】多目的タイルシステム、タイルカバー材、およびタイル
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
E04F15/02 B
E04F15/02 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023579720
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2022070234
(87)【国際公開番号】W WO2023001834
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】2028776
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブーケ,エディ・アルベリック
(72)【発明者】
【氏名】デヴォス,ピーター・レナート・カレル
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA39
2E220AA51
2E220AB12
2E220AB14
2E220AC01
2E220DB03
2E220GB01X
2E220GB05X
2E220GB12X
2E220GB25X
2E220GB33X
2E220GB34X
2E220GB35X
2E220GB37X
2E220GB42X
(57)【要約】
本発明は、複数の多目的タイル、特に床タイル、壁タイル、または天井タイルを含む、多目的タイルシステム、特に床タイルシステムに関する。また、本発明は、相互に連結した、本発明に係るタイルからなる、タイルカバー材、特に床カバー材、天井カバー材、または壁カバー材に関する。本発明は、さらに、本発明に係る多目的タイルシステムで使用するためのタイルに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多目的タイルシステム、特に床タイルシステムであって、
複数の多目的タイル、特に床タイルを含み、
前記タイル、好ましくは各タイルは、
第1連結外形を有する少なくとも1つの第1辺であって、前記第1連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
前記側方舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第1下向きフランクと、
前記側方舌部と前記第1下向きフランクとの間に形成された第1下向き凹部と、を含む第1辺と、
第2連結外形を有する少なくとも1つの第2辺であって、前記第2連結外形は、
前記タイルにおける前記上側部と実質的に垂直の方向に延在する下向き舌部と、
前記下向き舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第2下向きフランクと、
前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された第2下向き凹部と、
少なくとも1つの第2ロック要素であって、前記第2連結外形の前記第2下向きフランクに設けられた、前記第2ロック要素と、を含む第2辺と、
第3連結外形を有する、少なくとも1つの第3辺、好ましくは少なくとも2つの第3辺であって、前記第3連結外形は、
更なるタイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部と、前記更なるタイルにおける前記下向き舌部の少なくとも一部と、を収容するために構成されており、上唇部と下唇部とによって画定される第3凹部であって、前記下唇部には上向きロック要素が設けられている、第3凹部と、
少なくとも1つの第3ロック要素であって、前記第3凹部とは反対側を向く、前記下唇部の遠位側部に、および/または、前記第3凹部とは反対側を向く、前記上向きロック要素の遠位側部に設けられた、第3ロック要素と、を含む第3辺と、を含み、
前記第3凹部と対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の近位側部は、前記上唇部とは反対側の方向に、全体的に上向きに傾斜しており、前記上向きロック要素の近位側部は、第1方向に延在する第3下側接触部分と、前記第1方向からそれる第2方向に延在する第3上側接触部分と、を含み、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、回転する動きによって前記第1辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記タイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部が、隣接するタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第1連結外形の前記第1下向き凹部に挿入されており、
前記第1下向きフランクと対向する、前記側方舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3上側接触部分と共作用し、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、好ましくは倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって、前記第2辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記第2連結外形の前記下向き舌部の少なくとも一部が、隣接するタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第2連結外形の前記第2下向き凹部に挿入されており、
少なくとも1つの前記第2ロック要素が、少なくとも1つの前記第3ロック要素に対向して、好ましくは少なくとも1つの前記第3ロック要素と共作用して、垂直方向のロック効果を実現し、
前記第2連結外形における、前記第2下向きフランクと対向する、前記下向き舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3下側接触部分と共作用する、タイルシステム。
【請求項2】
好ましくは請求項1に記載の、多目的タイルシステム、特に床タイルシステムであって、
複数の多目的タイル、特に床タイルを含み、
少なくとも1つの第1のタイルは、第1連結外形を有する少なくとも1つの第1辺を含み、前記第1連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
前記側方舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第1下向きフランクと、
前記側方舌部と前記第1下向きフランクとの間に形成された第1下向き凹部と、を含み、
少なくとも1つの第2のタイルは、第2連結外形を有する少なくとも1つの第2辺を含み、前記第2連結外形は、
前記タイルにおける前記上側部と実質的に垂直の方向に延在する下向き舌部と、
前記下向き舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第2下向きフランクと、
前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された第2下向き凹部と、
少なくとも1つの第2ロック要素であって、前記第2連結外形の前記第2下向きフランクに設けられた、第2ロック要素と、を含み、
少なくとも1つの第3のタイルは、第3連結外形を有する、少なくとも1つの第3辺を含み、前記第3連結外形は、
更なるタイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部を収容するために構成されており、上唇部と下唇部とによって画定される第3凹部であって、前記下唇部には上向きロック要素が設けられている、第3凹部と、
少なくとも1つの第3ロック要素であって、前記第3凹部とは反対側を向く、前記下唇部の遠位側部に、および/または、前記第3凹部とは反対側を向く、前記上向きロック要素の遠位側部に設けられた、第3ロック要素と、を含み、
前記第3凹部と対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の近位側部は、前記上唇部とは反対側の方向に、全体的に上向きに傾斜しており、前記上向きロック要素の近位側部は、第1方向に延在する第3下側接触部分と、任意に前記第1方向からそれる、第2方向に延在する第3上側接触部分と、を含み、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、回転する動きによって前記第1辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記第1のタイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部が、前記第3のタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第1連結外形の前記第1下向き凹部に挿入されており、
前記第1下向きフランクと対向する、前記側方舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3上側接触部分と共作用し、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、好ましくは倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって、前記第2辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記第2のタイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第3のタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第2連結外形の前記第2下向き凹部に挿入されており、
少なくとも1つの前記第2ロック要素が、少なくとも1つの前記第3ロック要素に対向して、好ましくは少なくとも1つの前記第3ロック要素と共作用して、垂直方向のロック効果を実現し、
前記第2連結外形における、前記第2下向きフランクと対向する、前記下向き舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3下側接触部分と共作用し、
前記第1のタイル、および/または、前記第2のタイル、および/または、前記第3のタイルは、同じタイルによって形成されていてもよい、タイルシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分は、前記第3上側接触部分と接続しており、
前記第3下側接触部分は、前記第1方向に延在し、前記第3上側接触部分は、前記第1方向からそれる前記第2方向に延在する、タイルシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分は、少なくとも1つの中間湾曲区画、好ましくは凸状区画を介して前記第3上側接触部分と接続しており、
前記第3下側接触部分は、前記第1方向に延在し、前記第3上側接触部分は、前記第1方向からそれる前記第2方向に延在する、タイルシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分が延在する前記第1方向と、前記タイルによって画定される面と、によって囲われる第1角度は、前記第3上側接触部分が延在する前記第2方向と、前記タイルによって画定され面と、によって囲われる第2角度よりも大きい、タイルシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分が延在する前記第1方向が、前記タイルによって画定される面とともに囲っている角度は、50°~85°、好ましくは60°と75°との間、より好ましくは63°と67°との間、特におよそ65°である、タイルシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3上側接触部分が延在する前記第2方向が、前記タイルによって画定される面とともに囲っている角度は、30°~65°、好ましくは40°と55°との間、より好ましくは47°と53°との間、特におよそ50°である、タイルシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接する前記タイルの前記第1連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第1下向きフランクと対向する、前記側方舌部の近位側部は、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3上側接触部分とのみ共作用する、タイルシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接する前記タイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第2下向きフランクと対向する、前記下向き舌部の近位側部は、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3下側接触部分とのみ共作用する、タイルシステム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下向き舌部の底側部と前記下向き舌部の近位側部とによって画定される、前記下向き舌部のかかと部には、前記第2連結外形および前記第3連結外形の非連結化を容易にするための切抜き部分が設けられている、タイルシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のタイルシステムであって、
前記切抜き部分の最大高さは、少なくとも0.2mmである、タイルシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1辺と前記第3辺とは、連結状態において、第1閉じ表面を画定し、前記第1閉じ表面は、連結した各タイルの前記上側辺、または、少なくとも、各タイルの上側部において各タイルが互いに接触する箇所を通る第1垂直面を画定する、タイルシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、前記側方舌部と前記第3凹部とのそれぞれが、前記第1垂直面を通って延在するように構成されている、タイルシステム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2辺と前記第3辺とは、連結状態において、第2閉じ表面を画定し、前記第2閉じ表面は、連結した各タイルの上側辺、または、少なくとも、各タイルの前記上側部において各タイルが互いに接触する箇所を通る第2垂直面を画定する、タイルシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、前記下向き舌部が、前記第2垂直面の一方の側に位置し、前記第3凹部が、前記第2垂直面を通って延在するように構成されている、タイルシステム。
【請求項16】
上記請求項1から15のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向きフランクとは反対側を向く、前記下向き舌部の遠位側部には、第4ロック要素が設けられており、
前記第3連結外形の前記上唇部には、第5ロック要素が設けられており、前記第5ロック要素は、前記第4ロック要素と対向して、好ましくは、前記第4ロック要素と共作用して、互いに隣接する前記タイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、垂直方向のロック効果を達成するように構成されている、タイルシステム。
【請求項17】
請求項14または15および請求項16に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接するタイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第4ロック要素と前記下向き舌部の残りの部分とは、前記第2垂直面の両側に位置する、タイルシステム。
【請求項18】
請求項14または15および請求項16または17に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接するタイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第5ロック要素と前記上唇部の残りの部分とは、前記第2垂直面の両側に位置する、タイルシステム。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第4ロック要素は、第3方向に延在する上側部を有する膨らみを含み、
前記上側部は、前記第2下向きフランクとは反対側の方向に、下向きに傾斜し、
前記第3方向と前記タイルによって画定される面とによって囲われる第3角度は、25°と35°との間、好ましくは28°と32°との間、特におよそ30°である、タイルシステム。
【請求項20】
請求項14または15および請求項16から19のうちの1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2垂直面における前記第4ロック要素の最大幅は、0.06mmから0.16mm、好ましくは0.08mmから0.12mmである、タイルシステム。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記上側部は、隣接する前記タイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部と、隣接する前記タイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部と、の両方のための支持面を画定する、タイルシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記支持面は、隣接する前記タイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部を支持するための第2支持部分と、隣接する前記タイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部を支持するための第1支持部分と、を含み、
前記第2支持部分と前記第1支持部分とは、互いから離れて位置する、タイルシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のタイルシステムであって、
前記第2支持部分は、前記第1支持部分よりも前記上向きロック要素の近くに位置する、タイルシステム。
【請求項24】
請求項21から23のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記支持面は、実質的に平らである、タイルシステム。
【請求項25】
請求項21から24のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記支持面は、前記上向きロック要素の方に向かって下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項26】
請求項25に記載のタイルシステムであって、
傾斜した前記支持面が延在する方向と、前記タイルによって画定される面とが相互に囲む角度は、1°と4°との間、特に2°~3°である、タイルシステム。
【請求項27】
請求項22から26のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の断面図において、前記第1支持部分の幅は、前記第2支持部分の幅よりも小さい、タイルシステム。
【請求項28】
請求項22から27のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の断面図において、前記第1支持部分は、点接触を画定しており、前記第2支持部分は、線接触を画定している、タイルシステム。
【請求項29】
請求項22から28のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2支持部分と前記第1支持部分との間に位置する、前記下唇部の前記支持面の中間部分は、案内面として作用するように構成されており、前記案内面は、互いに隣接するタイルの前記第1連結外形と前記第3連結外形とを連結する際、前記第1連結外形の前記側方舌部を案内するためのものである、タイルシステム。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記側方舌部は、前記第1下向きフランクとは反対側を向く先端と、前記第1下向きフランクの方を向くかかと部と、を含み、
前記先端と前記かかと部との間に位置する、前記側方舌部の底側部は、前記第1下向きフランクの方に向かう方向において上向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項31】
請求項30に記載のタイルシステムであって、
前記側方舌部の前記底側部が延在する方向と、前記タイルによって画定される面と、が相互に囲む角度は、2°と10°との間、好ましくは4°と6°との間、特におよそ5°である、タイルシステム。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、これらの連結外形が、連結状態において、上方へ回転する動きによって非連結化するように構成されている、タイルシステム。
【請求項33】
請求項1から32のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、これらの連結外形が、連結状態において、上方へ回転する動きによって非連結化するように構成されている、タイルシステム。
【請求項34】
請求項1から33のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向きフランクは、いかなるロック要素をも有していない、タイルシステム。
【請求項35】
請求項1から34のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、前記第1辺と前記第3辺とからなる対向辺の第1対を含んでいる、タイルシステム。
【請求項36】
請求項1から35のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、前記第2辺と前記第3辺とからなる対向辺の第1対を含んでいる、タイルシステム。
【請求項37】
請求項1から36のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、垂直方向と水平方向との両方でタイルを一緒にロックするために構成されている、タイルシステム。
【請求項38】
請求項1から37のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、垂直方向と水平方向との両方でタイル一緒にロックするために構成されている、タイルシステム。
【請求項39】
請求項1から38のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3ロック要素は、少なくとも1つの外向きの膨らみを含み、
前記第2ロック要素は、少なくとも1つの第2ロック凹部を含み、
前記膨らみと前記凹部とは、実質的に相補的な形状を有している、タイルシステム。
【請求項40】
請求項1から39のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形の少なくとも1つの第2ロック要素は、前記第2下向き凹部とは反対側を向く、前記下向き舌部の遠位側部に設けられ、
前記第3連結外形の少なくとも1つの第3ロック要素は、前記上唇部の側部であって、連結状態において、隣接するタイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部の遠位側部と対向する側部に設けられる、タイルシステム。
【請求項41】
請求項1から40のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向き凹部と対向する、前記第2連結外形の前記下向き舌部の近位側部の少なくとも一部は、前記第2下向きフランクとは反対側に向かう方向において下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0°と60°との間、特に0°と45°との間である、タイルシステム。
【請求項42】
請求項1から41のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向き凹部と対向する、前記第1連結外形の前記側方舌部の近位側部の少なくとも一部は、前記第1下向きフランクとは反対側に向かう方向において下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0°と60°との間、特に0°と45°との間である、タイルシステム。
【請求項43】
請求項1から42のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3ロック要素は、好ましくは下方を向く、第3接触部分を含み、
前記第2ロック要素は、好ましくは上方を向く、第2接触部分を含み、
隣接するタイル同士の連結状態において、前記第2接触部分は、前記第3接触部分と対向し、好ましくは、前記第3接触部分と共作用し、
好ましくは上方を向く前記第2接触部分の上方に位置する、前記第2ロック要素の上側第2部の全体と、好ましくは下方を向く前記第3接触部分の上方に位置する、前記第3ロック要素の上側第3部の全体とは、互いから離れて位置して、空隙(509)を形成しており、前記空隙は、好ましくは、前記下向き舌部の近位側部と前記第3連結外形との間の接触区画に延在する、タイルシステム。
【請求項44】
請求項1から43のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向き凹部と対向する、前記第1連結外形の前記側方舌部の近位側部の少なくとも一部は、前記第1下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0°と60°との間、特に0°と45°との間である、タイルシステム。
【請求項45】
請求項1から44のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形の前記側方舌部の近位側部と、前記第1連結外形の前記側方舌部の底側部と、の間の第1遷移区画は、湾曲している、タイルシステム。
【請求項46】
請求項1から45のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形の前記下向き舌部の近位側部と、前記第2連結外形の前記下向き舌部の底側部と、の間の第2遷移区画は、湾曲している、タイルシステム。
【請求項47】
請求項1から46のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の近位側部と、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の上側部と、の間の第3遷移区画は、湾曲している、タイルシステム。
【請求項48】
請求項1から47のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の前記下唇部の下側部は、前記上唇部の遠位端の方に向かう方向において上向きに傾斜しており、
前記下唇部における傾斜する下側部の下に凹部が存在しており、前記凹部は、特に連結する際、前記下唇部が下方に曲がることを可能にしている、タイルシステム。
【請求項49】
請求項1から48のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、前記第1連結外形が前記第3連結外形によって締め付けられるように構成されている、タイルシステム。
【請求項50】
請求項1から49のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、連結において、前記第2連結外形が前記第3連結外形によって締め付けられるように構成されている、タイルシステム。
【請求項51】
請求項1から50のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、前記第1連結外形と前記第3連結外形との間の連結状態には、予張力が実質的に存在しないように構成されている、タイルシステム。
【請求項52】
請求項1から51のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、前記第2連結外形と前記第3連結外形との間の連結状態には、予張力が実質的に存在しないように構成されている、タイルシステム。
【請求項53】
請求項1から52のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、複数の、好ましくは少なくとも3つの、遠位の接触区画が存在し、隣接する接触区画の各対の間に空間が残るように構成されている、タイルシステム。
【請求項54】
請求項1から53のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、複数の、好ましくは少なくとも3つの、遠位の接触区画が存在し、隣接する接触区画の各対の間に空間が残るように構成されている、タイルシステム。
【請求項55】
請求項1から54のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向き凹部とは反対側を向く、前記下向き舌部の遠位側部は、前記タイルにおける前記上側部に隣接する垂直上側壁部と、垂直壁部の下方に隣接する角度付き壁部であって、前記下向き舌部の遠位側部の、面取りした、および/または、湾曲した前記下側壁部の方に向かって内向きに角度が付いている角度付き壁部と、を少なくとも含む、タイルシステム。
【請求項56】
請求項1から55のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
タイル同士の連結状態において、前記第1連結外形の前記第1下向きフランクと、前記第1下向きフランクと対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素および/または前記下唇部の遠位側部と、は互いから離れて位置する、タイルシステム。
【請求項57】
請求項1から56のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
タイル同士の連結状態において、前記第2連結外形の前記第2下向きフランクと、前記第2下向きフランクと対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素および/または前記下唇部の遠位側部と、は少なくとも部分的に互いから離れて位置する、タイルシステム。
【請求項58】
請求項1から57のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記上向きロック要素の上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、前記第3連結外形の前記上唇部とは反対側に向かう方向において下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項59】
請求項1から58のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向き凹部の上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、前記第1下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項60】
請求項58および59に記載のタイルシステムであって、
両方の傾斜が相互に囲む角度が、0°と5°との間である、タイルシステム。
【請求項61】
請求項1から60のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向き凹部の前記上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、前記第2下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項62】
請求項58および61に記載のタイルシステムであって、
両方の傾斜が相互に囲む角度が、0°と5°との間である、タイルシステム。
【請求項63】
請求項1から62のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
2つのタイルの連結状態において、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記上側部は、前記第1連結外形の前記第1下向き凹部の前記上側部から離れて位置し、
2つのタイルの連結状態において、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記上側部は、前記第2連結外形の前記第2下向き凹部の前記上側部から離れて位置する、タイルシステム。
【請求項64】
請求項1から63のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3ロック要素は、傾斜する、実質的に平らな第3ロック面を有する膨らみを含み、
前記第2ロック要素は、傾斜する、実質的に平らな第2ロック面によって部分的に画定される凹部を含み、
前記凹部は、膨らみの少なくとも一部を収容するように構成されており、
前記第2ロック面は、前記第3ロック面と対向する、好ましくは、前記第3ロック面と共作用するように構成されている、タイルシステム。
【請求項65】
請求項64に記載のタイルシステムであって、
前記第2ロック面と前記第3ロック面とのそれぞれが前記タイルによって画定される面とともに囲む角度は、30°~40°、好ましくは33°~38°の間、より好ましくは35°~37°、特におよそ36°である、タイルシステム。
【請求項66】
請求項1から65のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、少なくとも2つの前記第3連結外形を含む、タイルシステム。
【請求項67】
請求項1から66のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記上向きロック要素の前記上側部は、前記第3連結外形の前記上唇部よりも低いレベルに位置する、タイルシステム。
【請求項68】
請求項1から67のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1辺および/または前記第2辺および/または前記第3辺には、タイルの上側部に、またはその近くに、斜角部またはグラウト部等の面取り部が設けられている、タイルシステム。
【請求項69】
請求項1から68のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記タイルシステムは、2つの異なる種類のタイル(それぞれ、AとB)を含み、
一方の種類のタイルの各連結外形のみが、他方の種類のタイルの対応する各連結外形に対して鏡反転して配置され、
好ましくは、少なくとも1つのタイル(A)は、各辺が、上から見た場合に、時計回りに、第1辺、第3辺、他の第3辺、第2辺の順に配置される構成を有し、
好ましくは、少なくとも1つのタイル(B)は、各辺が、上から見た場合に、時計回りに、第1辺、第2辺、第3辺、他の第3辺の順に配置される構成を有する、タイルシステム。
【請求項70】
請求項1から69のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
タイルの各対向辺の長さは、実質的に同一である、タイルシステム。
【請求項71】
請求項1から70のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、少なくとも1つの前記第1連結外形と、少なくとも1つの前記第2連結外形と、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの前記第3連結外形と、の他にはいかなる連結外形をも有していない、タイルシステム。
【請求項72】
請求項1から71のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
複数のタイルが、正方形および/または矩形の形状を有する、タイルシステム。
【請求項73】
請求項1から72のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
複数のタイルが、平行四辺形の形状を有し、
前記タイルは、シュブロン形状のパターンで接合するように構成されており、
隣接する辺の2つの対は、鋭角を囲んでおり、
他の隣接する辺の2つの対は、鈍角を囲んでいる、タイルシステム。
【請求項74】
請求項73に記載のタイルシステムであって、
前記鋭角は、30°と60°との間であり、好ましくは実質的に45°である、タイルシステム。
【請求項75】
請求項73または74に記載のタイルシステムであって、
前記鈍角は、120°と150°との間であり、好ましくは実質的に135°である、タイルシステム。
【請求項76】
請求項1から75のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくとも1つのタイルは、コア層と、前記コア層の上側部に固定された少なくとも1つの上側基材と、を含み、
前記上側基材は、装飾層、好ましくは装飾用のプリント層を好ましくは含む、タイルシステム。
【請求項77】
請求項76に記載のタイルシステムであって、
少なくとも1つの前記上側基材は、
装飾層と、
少なくとも1つの、少なくとも部分的に透明、または半透明の、前記装飾層を覆う摩耗層であって、前記摩耗層の頂面が、前記タイルの頂面である摩耗層と、
任意に、前記装飾層と前記摩耗層との間に位置する、透明な仕上げ層と、
を含む、タイルシステム。
【請求項78】
請求項76から77のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記上側基材は、以下からなる群から選択される少なくとも1つの材料から少なくとも部分的になっている、タイルシステム。
金属、合金、自然石、大理石、花崗岩、スレート、ガラス、セラミックス、ビニルモノマー共重合体および/またはホモポリマー等の高分子材料
ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂等の縮合重合体
植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、および炭素繊維等の天然高分子材料またはその改質誘導体。
【請求項79】
請求項78に記載のタイルシステムであって、
前記ビニルモノマー共重合体および/または前記ホモポリマーは、以下からなる群から選択される、タイルシステム。
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)共重合体、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびスチレン-無水マレイン酸共重合体。
【請求項80】
請求項76から79のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくとも1つの前記上側基材は、接着剤および/または融着によって前記コア層の上側部に固定されている、タイルシステム。
【請求項81】
請求項1から80のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、少なくとも1つの前記コア層を含む、タイルシステム。
【請求項82】
請求項81に記載のタイルシステムであって、
前記コア層の少なくとも一部は、発泡している、タイルシステム。
【請求項83】
請求項82に記載のタイルシステムであって、
発泡した前記コア層は、ポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリウレタン(PU)から少なくとも部分的になっている、タイルシステム。
【請求項84】
請求項81から83のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記コア層は、以下からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含む、タイルシステム。
エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイソシアヌレート(PIR)、またはこれらの混合物。
【請求項85】
請求項81から84のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記コア層は、少なくとも1つの高分子材料と少なくとも1つの非高分子材料との、少なくとも1つの複合材を含む、タイルシステム。
【請求項86】
請求項81から85のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、前記コア層の底側部に固定された、少なくとも1つの支持層を含み、
少なくとも1つの前記支持層は、軟質材料、好ましくはエラストマーまたはコルクから少なくとも部分的になっている、タイルシステム。
【請求項87】
請求項1から86のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルにおける、前記第1連結外形の少なくとも一部、および/または、前記第2連結外形の少なくとも一部、および/または、前記第3連結外形の少なくとも一部は、前記コア層と一体的に接続している、タイルシステム。
【請求項88】
請求項1から87のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形および/または前記第2連結外形および/または前記第3連結外形は、タイルを連結する際、および、非連結化する際、変形を可能とする、タイルシステム。
【請求項89】
請求項1から88のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくともいくつかのタイルは同一である、タイルシステム。
【請求項90】
請求項1から89のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくともいくつかのタイルは、大きさおよび/または形状が異なっている、タイルシステム。
【請求項91】
請求項1から90のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記タイルシステムは、異なる種類のタイル(それぞれ、AとB)を含み、
第1の種類のタイル(A)は、大きさが、第2の種類のタイル(B)と異なっている、タイルシステム。
【請求項92】
請求項90または91に記載のタイルシステムであって、
特有の視覚的な模様が、好ましくは設置の目的で、異なるタイルの種類に適用されている、タイルシステム。
【請求項93】
請求項92に記載のタイルシステムであって、
前記特有の視覚的な模様が、各タイルにおける前記第3連結外形の上側部に、好ましくは各タイルにおける前記第3連結外形の前記上向きロック要素の上側部に、適用されている、タイルシステム。
【請求項94】
タイルカバー材、特に床カバー材、天井カバー材、または壁カバー材であって、
請求項1から93のいずれかに記載のタイルシステムにおける相互に連結したタイルからなっている、タイルカバー材。
【請求項95】
請求項1から93のいずれか1項に記載の多目的タイルシステムに用いるためのタイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の多目的タイル、特に床タイル、壁タイル、または天井タイルを含む、多目的タイルシステム、特に床タイルシステムに関する。また、本発明は、相互に連結した、本発明に係るタイルからなる、タイルカバー材、特に床カバー材、天井カバー材、または壁カバー材に関する。本発明は、さらに、本発明に係る多目的タイルシステムで使用するためのタイルに関する。本発明は、さらに、本発明に係るシステムを設置してタイルカバー材を作成するための設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この十年で、硬質の床カバー材のための積層物の市場で非常に大きな進歩が見られた。下地の床に床パネルを設置する様々な方法が知られている。例えば、接着または釘打ちによって床パネルを下地の床に貼り付けることが知られている。この技術の欠点には、かなり複雑であることと、後で変更を加えるためには、床パネルを分解する必要があることと、がある。代替的な設置方法では、床パネルを下地床の上に緩く設置して、床パネルをさねはぎ連結によって互いに相互に合致させ、ほとんどの場合、床パネルをさねはぎにおいてやはり一緒に接着させる。このようにして得られた床は、フローティングパーケットフローリング(floating parquet flooring)とも呼ばれ、利点としては、設置が容易であることと、床面全体を動かすことができることと、があり、後者は、起こり得る膨張および収縮現象を受けるためにしばしば便利となる。上で言及した種類の床カバー材の、とりわけ、床パネルを下地床の上に緩く設置した場合の欠点は、床の膨張およびそれに続く収縮の際、床パネル自体が動いてしまう可能性があり、その結果、例えば、接着剤による接続が破損した場合、望ましくない間隙が形成されてしまうことにある。この欠点を克服するために、金属からなる接続要素を個々の床パネル同士の間に設けることで、床パネルを一緒に保つ技術がすでに考えられている。しかしながら、そのような接続要素は、作製するのにかなり高価であり、そのうえ、それを設けることまたは設置することは、時間のかかる作業である。また、対向するパネル辺に相補的な形状の連結部を有する床パネルが知られている。これらの公知のパネルは、典型的には矩形であり、対向するパネルの長辺に、相補的な形状の、下向きに角度を付ける(angling-down)連結部を有し、対向するパネルの短辺に、相補的な形状の、折り畳み(fold-down)の連結部を有している。これらの公知の床パネルは、いわゆる折り畳み技術に基づいて設置する。この技術では、設置する第1パネルの長辺を、まず、すでに設置してある、第1の列の第2パネルの長辺と連結し、またはこの長辺に挿入し、その後、第1パネルの短辺を、第1パネルを下げる(下向きに折り畳む)際に、すでに設置してある、第2の列の第3パネルの短辺と連結する。このような設置により、設置を簡便なものとするという、目標とする要件を満たす。これによって、相互に連結した床パネルの、複数の平行な列からなる床カバー材を実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1の目的は、改良された方法でタイル同士を相互に連結することができる多目的タイルシステムを提供することである。
【0004】
本発明の第2の目的は、改良された方法でタイル同士を相互に連結および非連結化することができる多目的タイルシステムを提供することである。
【0005】
本発明の第3の目的は、タイルを設置する際の自由度を高めることができる多目的タイルシステムを提供することである。
【0006】
本発明の第4の目的は、改良された方法で矢筈状のパターン等の特別な設置パターンを実現することができる多目的タイルシステムを提供することである。
【0007】
本発明の第5の目的は、コスト面で比較的効率的な方法でタイルを製造することができる多目的タイルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的の少なくとも1つは、前置きに係る多目的のシステムを提供することによって達成することができる。すなわち、
前記タイル、好ましくは各タイルは、
第1連結外形を有する少なくとも1つの第1辺であって、第1連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
側方舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第1下向きフランクと、
側方舌部と第1下向きフランクとの間に形成された第1下向き凹部と、を含む第1連結外形を含む第1辺と、
第2連結外形を有する少なくとも1つの第2辺であって、第2連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に垂直の方向に延在する下向き舌部と、
下向き舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第2下向きフランクと、
下向き舌部と下向きフランクとの間に形成された第2下向き凹部と、
好ましくは、少なくとも1つの第2ロック要素であって、より好ましくは、第2連結外形の第2下向きフランクに設けられた、第2ロック要素と、を含む第2連結外形を含む第2辺と、
第3連結外形を有する、少なくとも1つの第3辺、好ましくは少なくとも2つの第3辺であって、第3連結外形は、
更なるタイルにおける第1連結外形の側方舌部の少なくとも一部と、更なるタイルにおける下向き舌部の少なくとも一部と、を収容するために構成されており、上唇部と下唇部とによって画定される第3凹部であって、下唇部には上向きロック要素が設けられている、第3凹部と、
好ましくは、少なくとも1つの第3ロック要素であって、より好ましくは、第3凹部とは反対側を向く、下唇部の遠位側部に、および/または、第3凹部とは反対側を向く、上向きロック要素の遠位側部に設けられた、第3ロック要素と、を含む第3連結外形を含む第3辺と、を含み、
第3凹部と対向する、第3連結外形の上向きロック要素の近位側部は、上唇部とは反対側の方向に、少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、上向きに傾斜しており、上向きロック要素の近位側部は、第1方向に延在する第3下側接触部分と、任意に第1方向からそれる第2方向に延在する第3上側接触部分と、を含み、
第1連結外形と第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、回転する動きによって第1および第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
タイルにおける第1連結外形の側方舌部の少なくとも一部が、隣接するタイルにおける第3連結外形の第3凹部に挿入されており、
第3連結外形の上向きロック要素の少なくとも一部が、第1連結外形の第1下向き凹部に挿入されており、
第1下向きフランクと対向する、側方舌部の近位側部が、第3連結外形の上向きロック要素の第3上側接触部分および/または第3下側接触部分と共作用し、
第2連結外形と第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、好ましくは折り畳み動きおよび/または垂直方向および/または実質的に水平方向の動きによって、第2および第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
第2連結外形の下向き舌部の少なくとも一部が、隣接するタイルにおける第3連結外形の第3凹部に挿入されており、
第3連結外形の上向きロック要素の少なくとも一部が、第2連結外形の第2下向き凹部に挿入されており、
少なくとも1つの第2ロック要素が、少なくとも1つの第3ロック要素に対向して、好ましくは少なくとも1つの第3ロック要素と共作用して、垂直方向のロック効果を実現し、
第2連結外形における、第2下向きフランクと対向する、下向き舌部の近位側部が、第3連結外形の上向きロック要素の第3下側接触部分および/または第3上側接触部分と共作用する、タイルシステムである。
【0009】
好ましくは第2下向きフランクに設けられる第2ロック要素と、好ましくは第3凹部とは反対側を向く、下唇部の遠位側部に、および/または、第3凹部とは反対側を向く、上向きロック要素の遠位側部に設けられる第3ロック要素と、が(任意に)存在する。その一方で、第3凹部と対向する、第3連結外形の上向きロック要素の近位側部の少なくとも一部が、上唇部とは反対側に向かう方向において上向きに傾斜している。これらの構成の組み合わせの1つの利点は、隣接するパネル同士の連結をかなり簡便にしつつ、パネル同士の間の十分な相互の(垂直方向の)ロックを確実なものにできることである。前記位置にロック要素が存在しないことと、いわゆる開溝構造と、の組み合わせによって、隣接するパネル同士のオスとメスとの連結部の間、特に、第2連結外形と第3連結外形との間の連結において、ロック状況が不安定になる可能性がある。ここで記載する第2および第3ロック要素が存在することで、使用中、第2連結外形のオスの連結部が、例えば第3凹部の開いた空間の方に(わずかに)変位する、特に(わずかに)傾くことを追加的に妨げることができる。それゆえ、連結する状態において隣接するパネル同士の間の摩擦を妨げることができる。
【0010】
典型的には、本発明に係るタイルシステムの各タイルは、少なくとも1つの第1連結外形と、少なくとも1つの第2連結外形と、少なくとも1つの第3連結外形、好ましくは複数、例えば2つの第3連結外形と、を含む。しかしながら、少なくとも第1のタイル(第1のタイルの種類)が、少なくとも1つの第1連結外形と、少なくとも1つの第3連結外形と、を含み、第2連結外形を有さず、第2のタイル(第2のタイルの種類)が、少なくとも1つの第2連結外形と、少なくとも1つの第3連結外形と、含み、第1連結外形を有さないことが考えられる。代替的に、例えば、少なくとも第1のタイル(第1のタイルの種類)が、少なくとも1つの第1連結外形と、少なくとも1つの第2連結外形と、を含み、第3連結外形を有さず、第2のタイル(第2のタイルの種類)が、少なくとも1つの第3連結外形を含み、第1連結外形および/または第2連結外形を有さないことが考えられる。それゆえ、本発明に係るタイルシステムの各タイルは、少なくとも1つの第1連結外形、および/または、少なくとも1つの第2連結外形、および/または、少なくとも1つの第3連結外形、を有していてもよい。本発明に係るシステムのあるタイルに、第1連結外形と、第2連結外形と、第3連結外形と、からなる群から選ばれる連結外形が設けられていない場合、このタイルに欠けている連結外形は、本発明に係るシステムの他のタイルに含まれる。
【0011】
それゆえ、本発明の他の態様では、本発明は、多目的タイルシステム、特に床タイルシステムに関し、
複数の多目的タイル、特に床タイルを含み、
少なくとも1つの第1のタイル(の種類)は、第1連結外形を有する少なくとも1つの第1辺を含み、第1連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
側方舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第1下向きフランクと、
側方舌部と第1下向きフランクとの間に形成された第1下向き凹部と、を含み、
少なくとも1つの第2のタイル(の種類)は、第2連結外形を有する少なくとも1つの第2辺を含み、第2連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に垂直の方向に延在する下向き舌部と、
下向き舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第2下向きフランクと、
下向き舌部と下向きフランクとの間に形成された第2下向き凹部と、
好ましくは、少なくとも1つの第2ロック要素であって、好ましくは、第2連結外形の第2下向きフランクに設けられた、第2ロック要素と、を含み、
少なくとも1つの第3のタイル(の種類)は、第3連結外形を有する、少なくとも1つの第3辺を含み、第3連結外形は、
更なるタイルにおける第1連結外形の側方舌部の少なくとも一部を収容するために構成されており、上唇部と下唇部とによって画定される第3凹部であって、下唇部には上向きロック要素が設けられている、第3凹部と、
好ましくは、少なくとも1つの第3ロック要素であって、好ましくは、第3凹部とは反対側を向く、下唇部の遠位側部に、および/または、第3凹部とは反対側を向く、上向きロック要素の遠位側部に設けられた、第3ロック要素と、を含み、
第3凹部と対向する、第3連結外形の上向きロック要素の近位側部は、上唇部とは反対側の方向に、少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、上向きに傾斜しており、上向きロック要素の近位側部は、第1方向に延在する第3下側接触部分と、任意に第1方向からそれる第2方向に延在する第3上側接触部分と、を含み、
第1連結外形と第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、好ましくは、回転する動きによって第1および第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
第1のタイルにおける第1連結外形の側方舌部の少なくとも一部が、第3のタイルにおける第3連結外形の第3凹部に挿入されており、
第3連結外形の上向きロック要素の少なくとも一部が、第1連結外形の第1下向き凹部に挿入されており、
第1下向きフランクと対向する、側方舌部の近位側部が、第3連結外形の上向きロック要素の第3上側接触部分および/または第3下側接触部分と共作用し、
第2連結外形と第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、好ましくは折り畳み動きおよび/または垂直方向の動きおよび/または水平方向の動きによって、第2および第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
第2のタイルにおける第2連結外形の下向き舌部の少なくとも一部が、第3のタイルにおける第3連結外形の第3凹部に挿入されており、
第3連結外形の上向きロック要素の少なくとも一部が、第2連結外形の第2下向き凹部に挿入されており、
適用される場合、少なくとも1つの第2ロック要素が、少なくとも1つの第3ロック要素に対向して、好ましくは少なくとも1つの第3ロック要素と共作用して、垂直方向の効果を実現する。
第1のタイルおよび/または第2のタイルおよび/または第3のタイルは、同じタイルによって形成されていてもよい。第1のタイルは、少なくとも1つの第2連結外形および/または少なくとも1つの第3連結外形を含んでいてもよい。第2のタイルは、少なくとも1つの第1連結外形および/または少なくとも1つの第3連結外形を含んでいてもよい。第3のタイルは、少なくとも1つの第1連結外形および/または少なくとも1つの第2連結外形を含んでいてもよい。
【0012】
本発明に係るタイルシステムには、複数の大きな利点がある。第1の主な利点は、第3連結外形(メスの外形)が、第1連結外形(第1のオスの外形)と第2連結外形(第2のオスの外形)との両方と共作用するように構成されていることである。これにより、全てのタイルが、実現するタイルカバー材において、どのように相互に方向づけられるか、を大きく増大させる。古典的な、列に並べるタイルの設置も可能ではあるが、第3連結外形が、第1連結外形と第2連結外形との両方と適合することで、単一のタイルの種類のみを必要とし、これを使用しつつ、様々な代替的な設置パターンによる設置も可能となっている。代替的な設置パターンには、例えば、矢筈状のパターンが含まれるが、これには限定されない。長方形の(矩形の)タイルの場合、タイルの短辺を、例えば、隣接するタイルの短辺または長辺と連結することができる。そのうえ、タイルシステムの各タイルは、コスト面で比較的効率的な方法で製造することができる。これは、製造プロセスにおいて、通常は4つの異なる連結外形が求められるところを、3つの異なる連結外形のみで済ませられるからである。これにより、少なくとも、機械類、特に、製造プロセスにおいて使用する各種フライス工具のコスト削減に繋がる。
【0013】
本発明に係るタイルシステムのさらなる主要な利点は、異なるオスの連結外形(すなわち、第1連結外形および第2連結外形)が、第3連結外形の異なる第3接触部分と共作用するように構成されていることである。これにより、各連結外形を容易に最適化することができる。その結果、オスの連結外形とメスの連結外形との間の連結を容易にして、2つのタイルの連結状態において、十分な(水平方向および/または垂直方向の)ロックを保ちつつ、連結外形同士を比較的滑らかに連結することができ、および/または、好ましくは、上方へ回転する動き(角度を付けて外す動き)によって、2つの連結したタイルを比較的滑らかに非連結化することができる。第3下側接触部分と第3上側接触部分とは、少なくとも部分的に重なっていてもよい。しかしながら、好ましくは、第3下側接触部分と第3上側接触部分とは、重ならない接触部分であり、互いに接続していてもよく、互いから離れて位置していてもよい。好ましくは、第1連結外形は、第3上側接触部分と、好ましくは第3上側接触部分とのみ、共作用するように構成されており、これにより、第1連結外形を、第3連結外形に対して、角度を付けて入れる(angling in)、および、角度を付けて外す(angling out)ことが容易になる。好ましくは、第2連結外形は、第3下側接触部分と、好ましくは第3上側接触部分とのみ、共作用するように構成されており、これにより、第2連結外形と第3連結外形との間に安定した接続を実現しやすくなる。
【0014】
好ましくは、第3下側接触部分は、第3上側接触部分と接続しており、第3下側接触部分は、第1方向に延在し、第3上側接触部分は、第1方向からそれる第2方向に延在する。より好ましくは、第3上側接触部分と第3下側接触部分との両方が、上唇部とは反対側の方向において上向きに傾斜している。この結果、第3上側接触部分と第3下側接触部分とが、(タイルによって画定される面に対して)異なる傾斜を有する状況となる。第3下側接触部分は、少なくとも1つの中間湾曲区画、好ましくは凸状区画を介して第3上側接触部分と接続しており、第3下側接触部分は、第1方向に延在し、第3上側接触部分は、第1方向からそれる第2方向に延在する、ことが考えられる。任意の湾曲した区画が、連結(非連結化)の際に、各連結外形が破損するのを防止する。任意の凸状の湾曲した区画により、第3下側接触部分が、第3上側接触部分よりも急傾斜となることが容易になる。すなわち、第3下側接触部分が延在する第1方向と、前記タイルによって画定される面と、によって囲われる第1角度は、第3上側接触部分が延在する第2方向と、前記タイルによって画定され面と、によって囲われる第2角度よりも、好ましくは大きい。傾斜がより緩やかな第3上側接触部分により、例えば、第1連結外形と第3連結外形との連結および非連結化が容易となる。傾斜がより急な第3下側接触部分により、例えば、第2連結外形と第3連結外形との間の安定した接続が、水平方向のロック効果により、容易となる。好ましくは、第3下側接触部分が延在する第1方向が、前記タイルによって画定される面とともに囲っている角度は、50°~85°、好ましくは60°と75°との間、より好ましくは63°と67°との間、特におよそ65°である。好ましくは、第3上側接触部分が延在する第2方向が、前記タイルによって画定される面とともに囲っている角度は、30°~65°、好ましくは40°と55°との間、より好ましくは47°と53°との間、特におよそ50°である。
【0015】
好ましくは、すでに簡潔に上述したように、互いに隣接するタイルの第1連結外形と第3連結外形との連結状態において、第1下向きフランクと対向する、側方舌部の近位側部は、第3連結外形の上向きロック要素の第3上側接触部分とのみ共作用する。第3上側接触部分と共作用するように構成された、側方舌部の近位側部の少なくとも一部は、好ましくは、第3上側接触部分と実質的に平行に延在している。この実質的に平行な向きにより、2つのタイルの連結状態に対して、各タイルの断面において、線接触が得られる。これは、線接触よりも安定している。
【0016】
好ましくは、すでに簡潔に上述したように、互いに隣接するタイルの第2連結外形と第3連結外形との連結状態において、第2下向きフランクと対向する、下向き舌部の近位側部は、第3連結外形の上向きロック要素の第3下側接触部分とのみ共作用する。第3下側接触部分と共作用するように構成された、下向き舌部の近位側部の少なくとも一部は、好ましくは、第3下側接触部分と実質的に平行に延在している。この実質的に平行な向きにより、2つのタイルの連結状態に対して、各タイルの断面において、線接触が得られる。これは、線接触よりも安定している。
【0017】
好ましくは、下向き舌部の底側部と下向き舌部の近位側部とによって画定される、下向き舌部のかかと部には、第2連結および第3連結外形の非連結化を容易にするための切抜き部分が設けられている。この切抜き部分により、第2連結外形を、角度を付けて外す動き(回転する動き)によって、第3連結外形に対して非連結化するための、より大きな空間が得られる。好ましくは、切抜き部分の最大高さは、少なくとも0.2mmである。好ましくは、切抜き部分の最大高さは、連結状態において、下向き舌部と上向きロック要素との間に十分な接触を確保するために、0.4mm未満である。
【0018】
好ましくは、第1辺と第3辺とは、連結状態において、第1閉じ表面を画定し、第1閉じ表面は、連結した各タイルの上側辺、または、少なくとも、各タイルの上側部において各タイルが互いに接触する箇所を通る第1垂直面として画定される。好ましくは、第1連結外形と第3連結外形とは、連結状態において、側方舌部と第3凹部とのそれぞれが、第1垂直面(接合面)を通って延在するように構成されている。これにより、垂直方向のロック効果を実現するのが容易となる。「~を通って延在する」とは、側方舌部の一部が、第1垂直面の一方の側に位置し、側方舌部の他の一部が、第1垂直面の対向する側に位置することを意味する。第3凹部についても同様である。第3凹部の下側部を制限する下唇部は、典型的には、上唇部を越えて延在する。好ましくは、上唇部は、連結状態における2つのタイルの垂直面(接合面)を画定する。好ましくは、上向きロック要素は、垂直面から離れて位置する。ここで、上向きロック要素と上唇部とは、典型的には、接合面の対向する両側に位置する。ここで、タイルの面において測定される、第3凹部と境を接する上唇部と下唇部との間にあり得る差は、好ましくは、タイルの総厚さの1倍よりも小さい。これにより、タイルを製造する際、材料の損失をなくすことができる。しかしながら、他の好ましい実施形態において、タイルの面において測定される、上唇部と下唇部との間の差は、タイルの厚さの1.0倍よりも大きく、好ましくは、少なくとも1.25倍である。この実施形態において、下唇部は比較的長く、第3凹部と、適合する側方舌部および下向き舌部と、の寸法を、(比較的短い下唇部を適用する状況と対比して)比較的大きくすることができるという利点がある。これは、隣接するタイル同士の連結外形によって達成する連結の頑強性、安定性、および耐久性の面で有益である。第2垂直面は、通常、上述の第1垂直面と重なる。第2連結外形と第3連結外形とは、好ましくは、連結状態において、下向き舌部が、第2垂直面の一方の側に位置し、第3凹部が、第2垂直面を通って延在するように構成されている。好ましい実施形態において、第2下向きフランクとは反対側を向く、下向き舌部の遠位側部には、第4ロック要素が設けられており、第3連結外形の上唇部には、第5ロック要素が設けられており、第5ロック要素は、第4ロック要素と対向して、好ましくは、第4ロック要素と共作用して、互いに隣接するタイルの第2連結外形と第3連結外形との連結状態において、垂直方向のロック効果を達成するように構成されており、互いに隣接するタイルの第2連結外形と第3連結外形との連結状態において、第4ロック要素と下向き舌部の残りの部分とは、好ましくは、第2垂直面の両側に位置し、互いに隣接するタイルの第2連結外形と第3連結外形との連結状態において、第5ロック要素と上唇部の残りの部分とは、好ましくは、第2垂直面の両側に位置する。好ましくは、第4ロック要素は、第3方向に延在する上側部を有する膨らみを含み、上側部は、第2下向きフランクとは反対側の方向に、下向きに傾斜し、好ましくは、第3方向と前記タイルによって画定される面とによって囲われる第3角度は、25°と35°との間、好ましくは28°と32°との間、特におよそ30°である。好ましくは、第2垂直面における(突出する)第4ロック要素の最大幅は、0.06mmから0.16mm、好ましくは0.08mmから0.12mmである。幅が0.08mmを下回ると、特に0.06mmを下回ると、典型的には、垂直方向のロック効果が弱まるか、なくなってしまう。幅が0.12mmを超えると、特に0.16mmを超えると、典型的には、第2連結外形を、角度を付けて外す動き(上方へ回転する動き)によって、第3連結外形に対して非連結化することがかなり困難となり、そのような非連結化を不可能にしてしまう可能性もある。
【0019】
好ましくは、下唇部の上側部は、隣接するタイルにおける第2連結外形の下向き舌部と、隣接するタイルにおける第1連結外形の側方舌部と、の両方のための支持面を画定する。より好ましくは、下唇部の支持面は、隣接するタイルにおける第2連結外形の下向き舌部を支持するための第2支持部分と、隣接するタイルにおける第1連結外形の側方舌部を支持するための第1支持部分と、を含み、第2支持部分と第1支持部分とは、部分的に重なる部分であり、または、典型的には、より好ましくは、重ならない部分であり、第2支持部分と第1支持部分とは、互いと接続しており、または、これがさらにより好ましいのだが、互いから離れて位置する。好ましくは、第2支持部分は、第1支持部分よりも上向きロック要素の近くに位置する。第1支持部分と第2支持部分との少なくとも一部は、好ましくは、上述にように画定される(第1または第2)垂直面の異なる側に位置する。好ましくは、下唇部の支持面は、実質的に平らである。これにより、この支持面は、側方舌部を第3凹部に挿入する際、側方舌部のためのスライド面(案内面)として作用するのに好適となる。好ましくは、下唇部の支持面は、上向きロック要素の方に向かって下向きに傾斜している。この傾斜により、側方舌部の挿入のための空間がより大きくなり、第1連結外形と第3連結外形との間の連結プロセスが容易となる。さらに、前記傾斜により、下向き舌部を収容するための空間がより大きくなり、下向き舌部をより大型に設計することができる。これにより、下向き舌部の強度が高まり、それゆえ、第2連結外形と第3連結外形との間の連結接続の強度が高まる。好ましくは、傾斜した支持面と前記タイルによって画定される面とが相互に囲む角度は、1°と4°との間、特に2°~3°である。
【0020】
第3連結外形(ならびに第1および第2連結外形)の断面図において、第1支持部分の幅は、第2支持部分の幅よりも、好ましくは小さい。好ましくは、第3連結外形の断面図において、第1支持部分は、点接触(または第1線接触)を画定しており、第2支持部分は、(第2)線接触(これは、第1線接触よりも大きい)を画定している。
【0021】
好ましくは、側方舌部は、第1下向きフランクとは反対側を向く先端と、第1下向きフランクの方を向くかかと部と、を含み、先端とかかと部との間に位置する、側方舌部の底側部は、第1下向きフランクの方に向かう方向において上向きに傾斜している。これにより、典型的には、連結状態における第1連結外形と第3連結外形の間に、実質的に三角形の空間が形成される。側方舌部の底側部におけるこの傾斜が好都合であるのは、これにより、第1連結外形を、第3連結外形に対して、角度を付けて入れる、および、角度を付けて外すための空間が幾分かより大きくなるからである。好ましくは、側方舌部の底側部が延在する方向と、前記タイルによって画定される面と、が相互に囲む角度は、2°と10°との間、好ましくは4°と6°との間、特におよそ5°である。側方舌部の底側部における最も低い部分が、通常、第3連結外形の下唇部の第1支持部分と共作用するように構成される接触面を画定する。第1連結外形と第3連結外形との連結状態において、側方舌部の先端は、好ましくは、下唇部と上唇部との間において、より具体的には、第1支持部分と上唇部の下側部との間において、締め付けられる。
【0022】
第1下向きフランクに、第3連結外形の第3ロック要素と共作用するように構成される第1ロック要素を設けることが考えられるが、第1下向きフランクは、いかなるロック要素をも有していないことが一般には好ましい。これにより、第1連結外形と第3連結外形との間の空間がより大きくなり、その結果、連結と非連結化との両方が容易となる。
【0023】
好ましくは、各タイルは、第1辺と第3辺とからなる対向辺の第1対を含む。各タイルは、好ましくは、第2辺と第3辺とからなる対向辺の第2対を含む。相互に協働するように構成されている連結外形を、対向辺において配置することによって、タイルシステムのタイルの設置が容易となる。タイルシステムのタイルは、典型的には、正方形、矩形、三角形、六角形、八角形等の多角形の形状を有する。しかしながら、さらに下記で解明されるように、平行四辺形等の他の形状も考えられる。好ましくは、辺の数が偶数であるタイルの場合、タイルの第3連結外形の数は、第1連結外形の数と第2連結外形の数との合計に対応する。典型的には、タイルの第1連結外形の数は、第2連結外形の数に対応するが、そうでない場合も考えられ、タイルは、例えば、第1連結外形よりも多くの第2連結外形を含んでいてもよく、その逆であってもよい。
【0024】
本発明に係るタイルシステムにおける少なくともいくつかのタイルは、剛性であってもよく、柔軟(弾力的)であってもよく、わずかに柔軟(半剛性)であってもよい。各タイルは、典型的には、以下の種類のうちの1つとして形成されている。すなわち、積層床パネル;いわゆる「弾力的な床パネル」(resilient floor panel);「LVT」(高級ビニールタイル)パネル、または「VCTパネル」(ビニール複合タイル)、またはビニール以外の他の合成材料に基づく同等のパネル;第1の合成材料に基づく、好ましくは発泡した、基板層(コア層)を有する床パネルであって、基板層上に、ビニールもしくは他の合成材料からなる、またはビニールもしくは他の合成材料に基づく、好ましくはより薄い第2の基板層(第2のコア層)を有する、床パネル;硬質の、合成材料に基づく基材を有する床パネル。
【0025】
タイルは、一体型の連結外形を含み、特に、連結外形における一定の構造的な特徴および/または材料の特性および/または設計を適用することによって、一体型の、垂直方向にアクティブな連結外形を有することが好ましい。連結外形は、好ましくは、各タイルにおける一体的な部分であり、典型的には、タイルの本体を構成する1つまたは複数の材料層からなっている。好ましくは、第1連結外形と第3連結外形とは、垂直方向と水平方向との両方でタイルを一緒にロックするために構成されている。好ましくは、第2連結外形と第3連結外形とは、垂直方向と水平方向との両方でタイル一緒にロックするために構成されている。第1連結外形が、回転性の動きまたは角度を付けるような下向きの動きとも呼ぶ、回転する動きによって第3連結外形に連結されるように構成されており、第2連結外形が、はさみのような動きまたはジッパーのような動きとも呼ぶ、倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって第3連結外形に連結されるように構成されているので、本発明に係るタイルシステムのタイルは、使用者にとってやさしい、折り畳み式の設置技術を使用することによって設置することもできる。よって、連結により達成される利点は、一般に、改良した連結外形を有する改良したタイルにあり、以下の各利点を組み合わせている。すなわち、製造が簡便であるという利点であり、これは、製造が容易な連結外形を利用するものであり、つまり、連結外形が別個の接続部分を必ずしも利用しないものであるという理由である。また、タイルが、好ましくは、使用者にとってやさしい、折り畳み式の原理によって設置することができるという利点である。また、比較的信頼でき、耐久性のある連結が得られるという利点である。
【0026】
好ましい実施形態において、第2連結外形の少なくとも1つの第2ロック要素は、第2連結外形の第2下向きフランクに設けられ、第3連結外形の少なくとも1つの第3ロック要素は、第3凹部とは反対側を向く、下唇部の遠位側部に、および/または、第3凹部とは反対側を向く、上向きロック要素の遠位側部に設けられる。一般に、少なくとも1つの第2ロック要素と少なくとも1つの第3ロック要素とを所定の場所に配置することが好都合であるが、これは、これらの場所には比較的大きな空間があるからである。これにより、各ロック要素の設計がより頑強となり、垂直方向のロック効果を実現しやすくなる。
【0027】
好ましい実施形態において、第2連結外形の少なくとも1つの第2ロック要素は、第2下向き凹部とは反対側を向く、下向き舌部の遠位側部に設けられ、第3連結外形の少なくとも1つの第3ロック要素は、上唇部の側部であって、連結状態において、隣接するタイルにおける第2連結外形の下向き舌部の遠位側部と対向する側部に設けられる。ロック要素のこの代替的な位置決めには、ロック要素が、隣接するタイル同士の間に形成される上側の継ぎ目の近くに位置するという利点がある。これにより、継ぎ目が安定しやすくなり、タイル同士が継ぎ目の近くで互いに対して垂直方向にずれることを妨げる。ロック要素のこの代替的な位置決めは、複数の第2ロック要素および複数の第3ロック要素を適用する場合、上の段落で記載したロック要素の位置決めと組み合わせてもよいことが示される。より好ましくは、2つのタイルの連結状態において垂直方向のロック効果を実現するための、第2ロック要素と第3ロック要素との間の共作用により、タイルによって画定される面とともに角度A1を囲う接線T1が画定される。角度A1は、タイルによって画定される面と、接線T2と、によって囲われる角度A2よりも小さい。接線T2は、第3凹部の方を向く、上向きロック要素の近位側部の傾斜部と、第2下向きフランクの方を向く、下向き舌部の近位側部の傾斜部と、の間の共作用によって画定される。ここで、好ましくは、角度A1と角度A2との間の最大の差は、で5度と20度との間である。第2ロック要素と第3ロック要素とは、上向きロック要素の上側部と比較して、タイルの上側部のより近くに位置することが好ましい。これにより、1つまたは複数の連結外形の最大の変形が低減し、接続プロセスと変形プロセスとを連続的な工程で実施することができる。変形が少ないと、材料に対する応力も少なくなり、連結外形の、それゆえタイルの寿命にとって有利である。
【0028】
第1連結外形は、好ましくは、連結状態における隣接するタイルの第3連結外形の第3ロック要素と対向する、好ましくは、共作用するように構成される少なくとも1つの第1ロック要素を含む。この少なくとも1つの第1ロック要素が存在し、連結状態において第3ロック要素と共作用することで、第1連結外形と第3連結外形との間の連結がさらに安定する。好ましくは、第1連結外形の少なくとも1つの第1ロック要素は、第1連結外形の第1下向きフランクに設けられ、第3連結外形の少なくとも1つの第3ロック要素は、第3凹部とは反対側を向く、下唇部の遠位側部に、および/または、第3凹部とは反対側を向く、上向きロック要素の遠位側部に設けられる。しかしながら、任意に、第1ロック要素の上述の位置決めに加えて、第1連結外形の少なくとも1つの第1ロック要素は、側方舌部の少なくとも一部の上方に位置する、第1連結外形の遠位側部に設けられ、第3連結外形の少なくとも1つの第3ロック要素は、連結状態において、隣接するタイルにおける第1連結外形の遠位側部と対向する、上唇部の側部に設けられることも考えられる。
【0029】
好ましくは、第3ロック要素は、好ましくは下方を向く、第3接触部分を含み、第2ロック要素は、好ましくは上方を向く、第2接触部分を含み、隣接するタイル同士の連結状態において、第2接触部分は、第3接触部分と対向し、好ましくは、第3接触部分と共作用する。好ましくは、第2接触部分と第3接触部分とは、第2ロック要素と第3ロック要素との唯一の接触部分を画定する。好ましくは、好ましくは上方を向く第2接触部分の上方に位置する、第2ロック要素の上側第2部の全体と、好ましくは下方を向く第3接触部分の上方に位置する、第3ロック要素の上側第3部の全体とは、互いから離れて位置して、空隙(または空間)を形成している。この空隙は、下向き舌部の近位側部と第3連結外形との間の接触区画に延在していてもよく、これは、上向きロック要素の上側部と第1下向き凹部の上側部とが、全体的に、互いから離れて位置することを意味する。このように、第2連結外形と第3連結外形との間の接触区画を確実に画定することができる。これにより、連結外形同士の間に安定したロックを確立しやすくなる。
【0030】
好ましい実施形態において、第3凹部と対向する、第3連結外形の上向きロック要素の近位側部の少なくとも一部は、上唇部とは反対側の方向に上向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0度と60度との間、特に0度と45度との間である。この傾斜により、第3凹部が開き、側方舌部と下向き舌部との両方の挿入が容易となる。
【0031】
好ましくは、第2下向き凹部と対向する、第2連結外形の下向き舌部の近位側部の少なくとも一部は、第2下向きフランクとは反対側に向かう方向において下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0度と60度との間、特に0度と45度との間である。好ましくは、第1下向き凹部と対向する、第1連結外形の側方舌部の近位側部の少なくとも一部は、第1下向きフランクとは反対側に向かう方向において下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0度と60度との間、特に0度と45度との間である。対応する傾斜を適用することによって、より相補的な形状が第1連結外形および/または第2連結外形に与えられ、この結果、通常、第1および第3連結外形の間、ならびに第2および第3連結外形の間の連結がより安定する。
【0032】
代替的な実施形態において、第3凹部と対向する、第3連結外形の上向きロック要素の近位側部の少なくとも一部は、上唇部の方に向かう方向において上向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0度と60度との間、特に0度と45度との間である。この内向きの傾斜により、第3凹部が(わずかに)閉じ、上向きロック要素を、第3凹部に挿入して、側方舌部および/または下向き舌部の周囲に引っ掛けて、または周囲から締め付けて使用することができる。これが特に可能であるのは、以下の場合である。すなわち、第2下向き凹部と対向する、第2連結外形の下向き舌部の近位側部の少なくとも一部は、第2下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0度と60度との間、特に0度と45度との間である。上述の、上向きロック要素による、周囲からの把持効果および/または締め付け効果は、例えば、以下の場合にも達成することができる。すなわち、第1下向き凹部と対向する、第1連結外形の側方舌部の近位側部の少なくとも一部は、第1下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0度と60度との間、特に0度と45度との間である。
【0033】
好ましくは、第1連結外形の側方舌部の近位側部と、第1連結外形の側方舌部の下側部と、の間の第1遷移区画は、湾曲している。この湾曲した第1遷移区画を使用して、隣接するタイル同士を連結する際、側方舌部を第3凹部内に案内することができる。第2連結外形の下向き舌部の近位側部と、第2連結外形の下向き舌部の下側部と、の間の第2遷移区画は、湾曲していることも考えられる。この湾曲した第2遷移区画を使用して、隣接するタイル同士を連結する際、下向き舌部を第3凹部内に案内することができる。第3連結外形の上向きロック要素の近位側部と、第3連結外形の上向きロック要素の上側部と、の間の第3遷移区画は、好ましくは、(これも)湾曲している。これにより、下向き舌部と側方舌部とを第3凹部内に挿入しやすくなる。
【0034】
好ましくは、第3連結外形の下唇部の下側部に凹部が存在し、凹部は、下唇部の遠位端まで延在し、下唇部が下方に曲がることを可能にしている。下唇部が下方に曲がることにより、連結する際、第3凹部を広くすることができる。これにより、側方舌部と下向き舌部とを第3凹部内に挿入しやすくなる。連結外形の具体的な設計に応じて、下唇部は、隣接するタイル同士の連結状態において、曲がった状態のままであってもよい。この目的のために、第1連結外形と第3連結外形とは、連結状態において、第1連結外形が第3連結外形によって締め付けられるように構成されていてもよい。また、この目的のために、第2連結外形と第3連結外形とは、(これらも、)連結状態において、第2連結外形が第3連結外形によって締め付けられるように構成されていてもよい。この締め付け効果は、一般に、弾性屈曲もしくは弾性圧縮(圧迫)、または両方の組み合わせとしての変形の結果である。締め付け効果により、典型的には、協働する連結外形同士の相互のロックおよび連結が向上する。
【0035】
予張力は、好ましくは、適合する連結外形同士の重なる輪郭、特に、下向き舌部と第3凹部との重なる輪郭、および/または、上向きロック要素と第1および/または第2下向き凹部との重なる輪郭を使用することによって実現する。重なる輪郭とは、輪郭が完全に重なるべきであることを意味せず、第1および/または第2連結外形の(外側の)輪郭の少なくとも一部が、第3の連結部の(外側の)輪郭の少なくとも一部と重なればよい。輪郭は、典型的には、側面から見た場合の(または断面の)第1連結部と第2連結部との輪郭を考慮して比較する。重なる輪郭を適用することによって、第1および/または第2連結外形および/または第3連結外形は、典型的には、連結した状態において、(弾力的に)変形したまま、特に圧迫されたまま、および/または屈曲したままとなり、連結に対する所望の安定性が得られる。通常、輪郭が重なると、下向き舌部は、第3凹部に対して(わずかに)過大となり、および/または、上向きロック要素は、第1および/または第2下向き凹部に対して(わずかに)過大となる。しかしながら、重なる輪郭は、他の方法、例えば、(第1、第2、および/または、第3)ロック要素を重ねることによって、実現してもよいことが理解される必要がある。
【0036】
好ましい実施形態において、第3連結外形の上向きロック要素を囲むように構成された第1連結外形部の輪郭は、第3連結外形の上向きロック要素を囲むように構成された第2連結外形部の(対応する)輪郭と実質的に同一である。第1連結外形の残りの部分の輪郭と、第2連結外形の残りの部分の輪郭と、は典型的には、相互に特有である。連結状態における第1連結外形と第3連結外形との間の接触面は、好ましくは、連結状態における第2連結外形と第3連結外形との間の接触面よりも大きい。好ましくは、第1連結外形と第3連結外形との間の接続(連結)により、第3凹部の長手方向の、および、タイルの面に平行な方向の、単位辺長さごとの係合が、第2連結外形と第3連結外形との間の接続(連結)と比較して、より堅固になる。
【0037】
タイル同士を連結する際、上向きロック要素は、(弾力的に)変形し、特に圧迫され、および/または曲がってもよい。屈曲は、初期位置から、上唇部から離れて(わずかに)外向きの方向に起こる。上向きロック要素が曲がった状態は、2つのタイルが連結した状態において、残っていてもよい。上向きフランクと対向する、上向きロック要素の近位側部の曲がる角度は、一般に、制限されており、0度と2度との間である。
【0038】
第2連結外形と第3連結外形とは、連結状態において、いわゆる予張力が存在するように構成され、第1連結外形と第3連結外形とは、そのような連結状態において、予張力は実質的に存在しないように構成されることが考えられ、また、それが好ましい。この(混在型の)実施形態により、タイル同士の連結が容易になる可能性がある。
【0039】
代替的な実施形態において、第1連結外形と第3連結外形とは、第1連結外形と第3連結外形との間の連結状態には、予張力が実質的に存在しないように構成されている。同じことは、第2連結外形と第3連結外形との間にも適用することができ、第2連結外形と第3連結外形とは、第2連結外形と第3連結外形との間の連結状態には、予張力が実質的に存在しないように構成されていてもよい。これは、典型的には、第1連結外形および/または第2連結外形の輪郭が、好ましくは、遊びをなくして、きしむ音が発生する可能性を抑制しつつ、第3連結外形の輪郭内に嵌入する、または第3連結外形の輪郭と嵌合する場合に達成することができる。
【0040】
好ましい実施形態において、第1連結外形と第3連結外形とは、連結状態において、複数の、好ましくは少なくとも3つの、遠位の接触区画が存在し、隣接する接触区画の各対の間に空間が残るように構成されている。好ましくは、第2連結外形と第3連結外形とは、連結状態において、複数の、好ましくは少なくとも3つの、遠位の接触区画が存在し、隣接する接触区画の各対の間に空間が残るように構成されている。連結状態における連結外形同士の間の、1または複数の意図的な(空気の)間隙を適用することによって。これらの、形成された隙間または間隙は、例えば、環境の温度変化に起因する、タイルの膨張を吸収する目的で、および/または、粉塵、特に、環境の粉塵またはタイルを製造する際に発生する粉塵を蓄積するために、有利である。
【0041】
典型的には、第2辺と第3辺とは、(これらも、)連結状態において、第2閉じ表面を画定し、第2閉じ表面は、連結した各タイルの上側辺、または、少なくとも、各タイルの上側部において各タイルが互いに接触する箇所を通る第2垂直面を画定する。好ましくは、第2連結外形と第3連結外形とは、連結状態において、下向き舌部が、第2垂直面の一方の側に位置し、第3凹部が、第2垂直面を通って延在するように構成されている。これは、第2連結外形と第3連結外形とが相互に連結している時に、典型的には、第3凹部の先端とも呼ぶ、第3凹部の一方の外端は空のままであることを意味する。
【0042】
第2下向き凹部とは反対側を向く、下向き舌部の遠位側部は、好ましくは、前記タイルにおける上側部に隣接する垂直上側壁部と、垂直壁部の下方に隣接する角度付き壁部であって、下向き舌部の遠位側部の、面取りした、および/または、湾曲した下側壁部の方に向かって内向きに角度が付いている角度付き壁部と、を少なくとも含む。遠位側部の下側壁部は、好ましくは、下向き舌部の下側部と接続している。好ましくは、角度付き壁部と下側壁部との間に、中間の垂直壁部が位置している。この中間の垂直壁部により、下向き舌部をより頑強に設計することができる。この具体的な形状は、一般に、製造の際、最も好ましい形状であり、これにより、下向き舌部の遠位側部は、下向き舌部を第3凹部内に案内するための(下側壁部によって画定される)案内機能と、(上側壁部によって画定される)隣接するパネル同士の各上側辺の間に閉じた継ぎ目を形成するための閉じ機能と、の両方を実現することができる。上述の各壁部のうちの1つ、好ましくは下向き舌部の遠位側部の上側壁部には、連結したタイル同士の間の垂直方向のロックを実現および/または向上させるための第2ロック要素が設けられていてもよい。
【0043】
好ましい実施形態において、2つのタイルの連結状態において、第1連結外形の側方舌部の下側部は、第3連結外形の上向きの第3凹部の下面によって支持されている。第3凹部の下面は、下唇部の上側部によって画定されている。この支持接触により、好ましくは、第1連結外形と第3連結外形との相互の位置が固定化する。第2連結外形と第3連結外形とは、好ましくは、張力下、この支持接触区画または支持接触点において協働する。同じことは、好ましくは、第2連結外形と第3連結外形とについても適用される。この目的のために、2つのタイルの連結状態において、第2連結外形の下向き舌部の下側部は、第3連結外形の(上向きの)第3凹部の下面によって支持されている。この支持接触により、好ましくは、第2連結外形と第3連結外形との相互の位置が固定化する。第2連結外形と第3連結外形とは、好ましくは、張力下、この支持接触区画または支持接触点において協働する。連結状態において、下唇部が側方舌部と下向き舌部とを安定して支持することにより、連結外形同士の間の連結をさらに安定させることができ、きしむ音(きしり)が発生する可能性を抑制することも可能となる。
【0044】
好ましい実施形態において、タイル同士の連結状態において、第1連結外形の第1下向きフランクと、第1下向きフランクと対向する、第3連結外形の上向きロック要素および/または下唇部の遠位側部と、は互いから離れて位置する。好ましくは、タイル同士の連結状態において、第2連結外形の第2下向きフランクと、第2下向きフランクと対向する、第3連結外形の上向きロック要素および/または下唇部の遠位側部と、は互いから離れて位置する。隣接するタイル同士の間のこの中間の(垂直方向の)空間により、下唇部と上向きロック要素とが、連結する際、(わずかに)変形し、任意に、タイル同士の連結状態において、(わずかに)変形したままとなるための空間が形成される。この技術的な効果により、典型的には、連結が容易となり、また、連結の安定性を向上させる可能性がある。
【0045】
上向きロック要素の上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、第3連結外形の上唇部とは反対側に向かう方向において下向きに傾斜している。好ましくは、第1下向き凹部の上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、第1下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜している。好ましくは、両方の傾斜が相互に囲む角度が、0度と5度との間(0度と5度とを含む)である。上向きロック要素の上側部の傾斜は、(タイルによって画定される面である)水平面に対して、好ましくは15度と45度との間、より好ましくは25度と35度との間、最も好ましくは約30度である。上向きロック要素の上側部の傾斜は、好ましくは一定であり、これは、上側部が、実質的に平らな向きを有していることを意味する。好ましくは、第1下向き凹部の上側部、および/または、第2下向き凹部は、(上向きロック要素の上側部の傾斜と比較して)好ましくは同様の、傾斜の向きを有している。傾斜の向きは、より好ましくは、側方舌部の方向および/または下向き舌部の方向に上向きである。下向き舌部をタイルのコア(本体)と接続する第1ブリッジの第1下面が、第1下向き凹部の上側部(または万力)によって画定されている。下向き舌部をタイルのコア(本体)と接続する第2ブリッジの第2下面が、第2下向き凹部の上側部(または万力)によって画定されている。第1下向き凹部の傾斜した上側部を適用することにより、コアから下向き舌部の方向を見たときに、第1および/または第2ブリッジの厚さが異なることになる。この位置に応じたブリッジの厚さによると、ブリッジの厚さは、好ましくは、コアの近くでは比較的大きく、下向き舌部の近くでは比較的小さいが、ブリッジの厚さには複数の利点がある。コアの近くの、第1および/または第2ブリッジのより厚い部分により、ブリッジは、より大きく、十分な強度および頑強性を有することになり、側方舌部および/または下向き舌部の近くの、ブリッジの薄い部分により、ブリッジの最も弱い点が形成され、したがって、連結する際、第1変形(旋回点)の場所にとって決定的となる。この変形点が、側方舌部および/または下向き舌部の近くに位置することで、側方舌部および/または下向き舌部を第3凹部内に挿入することができるように変形する材料の量を、最小限に保つことができる。変形が少ないと、材料に対する応力も少なくなり、連結外形の、それゆえタイルの寿命にとって有利である。隣接するタイル同士が連結した状態において、第1下向き凹部または第2下向き凹部の上側部は、少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に、上向きロック要素の上側部によって支持することが可能であり、これにより、連結自体の強度を追加的に高めることができる。この目的のために、第1下向き凹部および/または第2下向き凹部の上側部の傾斜は、上向きロック要素の上側部の傾斜と実質的に対応することが有利である。これは、第1下向き凹部および/または第2下向き凹部の上側部の傾斜が、水平面に対して、好ましくは15度と45度との間、より好ましくは25度と35度との間、最も好ましくは約30度であることを意味する。この傾斜は、平らであってもよく、丸みがあってもよく、最終的にかぎ形であってもよい。
【0046】
2つのタイルの連結状態において、第3連結外形の上向きロック要素の(傾斜した、または水平方向の)上側部は、好ましくは、第1連結外形の第1下向き凹部の(傾斜した、または水平方向の)上側部から離れて位置しており、これにより、連結を容易にし、上向きロック要素の真上に形成される空間内に粉塵を蓄積することができるようにする。
【0047】
好ましい実施形態において、上向きロック要素の上側部は、第3連結外形の上唇部よりも低いレベルに位置する。これにより、第1連結外形と第2連結外形とを比較的頑強な寸法とするのに十分な空間が得られる。これは、第1連結外形と第2連結外形との強度にとって有利である。さらに、この構成により、側方舌部と下向き舌部とを第3凹部内に挿入することが容易となる。
【0048】
第3ロック要素は、好ましくは、少なくとも1つの外向きの膨らみを含み、第2ロック要素と(適用される場合は)第1ロック要素とは、少なくとも1つの第1ロック溝または第2ロック溝をそれぞれ含む。外向きの膨らみは、隣接して連結したタイルにおける第1ロック溝および第2ロック溝において少なくとも部分的に受けられるように適応されており、これにより、ロックした連結、好ましくは垂直方向にロックした連結を実現する。第3ロック要素と第2ロック要素とは、好ましくは、実質的に相補的な形状を有する。代替的に、第3ロック要素は、少なくとも1つの第3ロック溝を含み、第2ロック要素と(適用される場合は)第1ロック要素とは、少なくとも1つの外向きの膨らみ(隆起部)を含む。外向きの膨らみは、隣接して連結したタイルにおけるロック溝において少なくとも部分的に受けられるように適応されており、これにより、ロックした連結を実現する。(適用される場合は)第1ロック要素と第2ロック要素と第3ロック要素とは、膨らみと溝との組み合わせによってではなく、共作用する外形を有する面、および/または、高摩擦接触面の組み合わせによって形成することも考えられる。この後者の実施形態において、第1、第2、または第3ロック要素のうちの少なくとも1つのロック要素は、係合(結合)状態において他のタイルの他のロック要素と摩擦を発生させるように構成される、任意に別体の、プラスチック材料からなる(平らまたはその他の形状を有する)接触面によって形成されていてもよい。摩擦を発生させるのに好適なプラスチックの例としては、下記のものが挙げられる。
‐良好な耐クリープ性を有する剛性かつ強度のある、アセタール(POM)。アセタールは、低摩擦係数を有し、高温で安定したままであり、かつ温水に対して良好な耐性を示す。
‐水分を吸収するとともに衝撃強度および全体的なエネルギーの吸収性が実際に向上する、大抵のポリマーよりも多くの水分を吸収する、ナイロン(PA)。ナイロンは、低摩擦係数、良好な電気特性、および良好な耐化学性を有する。
‐ポリフタルアミド(PPA)。この高性能のナイロンは、十分に向上した耐温度性およびより低い水分吸収性を有する。ポリフタルアミドは、良好な耐化学性も有する。
‐高強度と組み合わされた良好な耐化学性および耐火性を有する高温熱可塑性プラスチックである、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。PEEKは、航空宇宙産業で好まれている。
‐耐化学性および耐高温性、難燃性、流動性、寸法安定性、および良好な電気特性を含む、バランスの取れた特性を示す、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、
‐寸法安定的であり、かつ良好な電気特性とともに高い耐熱性および耐化学性を有する、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
‐良好な物理的特性、化学的特性、および耐摩耗性を有する本質的に難燃性である熱可塑性ポリイミド(TPI)
‐良好な衝撃強度、高耐熱性、および良好な寸法安定性を有する、ポリカーボネート(PC)。PCは、良好な電気特性も有し、かつ水および鉱物または有機酸の中において安定的である。
‐高温で強度および剛性を維持する、ポリエーテルイミド(PEI)。ポリエーテルイミドは、良好な長期耐熱性、寸法安定性、本質的な難燃性、および炭化水素、アルコールおよびハロゲン化溶媒に対する耐性も有する。
【0049】
典型的には、(必ずしもそうではないが、)第3ロック要素は、下唇部および/または上向きロック要素の遠位側部に位置しており、下唇部の下側部と、上向きロック要素の上側部と、の両方から離れている。これにより、第3ロック要素は、相補的な第1ロック要素および/または第2ロック要素と、比較的大きな表面積において、したがって集中的に、共作用することができる。
【0050】
典型的には、上向きロック要素は、下唇部に対して、垂直方向に(すなわち、パネルによって画定される面に垂直な方向に)突出する。好ましくは、上向きロック要素の(垂直方向における)実効高さは、上向きロック要素の最も高い場所と、下唇部の最も低い場所と、の間の最大の(垂直方向の)距離として画定される。好ましくは、上向きロック要素の実効高さは、パネルの厚さの、少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%である。好ましくは、下唇部と上向きロック要素との厚さの合計は、パネルの厚さの少なくとも50%である。これらの好ましい特徴は、全て、連結状態における2つのパネル同士の間の、水平方向のロック効果を向上させる目的のものである。
【0051】
各連結外形は、好ましくは、面ファスナーおよび/または接着剤接続を有さない。各タイルは、好ましくは、少なくとも1つの第1連結外形と、少なくとも1つの第2連結外形と、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの第3連結外形と、の他にはいかなる連結外形をも有していない。好ましくは、各連結外形には、タイルの上側部に、またはその近くに、斜角部等の面取り部が設けられている。斜角部等の面取り部が存在することにより、典型的には、継ぎ目の間隙が目立ちにくくなる。面取り部が存在することにより、2つのタイルを一緒にして取り付けた時、谷部、すなわちV字型の凹部が形成されるという状況になる。好ましくは、テーパ状の、すなわち斜角を有する各辺は、約15°~約55°、より好ましくは約17°の角度を有している。また、斜角を有する、すなわちテーパ状の辺の幅は、約1.0mmから約7.0mmである。
【0052】
シュブロン形状のパターンを形成する時、システムは、2つの異なる種類のタイル(それぞれ、AとB)を含み、一方の種類のタイルの各連結外形のみが、他方の種類のタイルの対応する各連結外形に対して鏡反転して配置されると有利である。この目的のために、システムは、複数のタイルを含み、複数のタイルが、平行四辺形の形状を有し、前記タイルは、シュブロン形状のパターンで接合するように構成されており、隣接する辺の2つの対は、鋭角を囲んでおり、他の隣接する辺の2つの対は、鈍角を囲んでいると好ましい。鋭角は、典型的には、30度と60度との間であり、好ましくは実質的に45度である。鈍角は、典型的には、120度と150度との間であり、好ましくは実質的に135度である。好ましくは、少なくとも1つの平行四辺形のタイル(A)は、辺が、上から見た場合に、時計回りに、第1辺、第3辺、他の第3辺、第2辺の順に配置される構成を有し、少なくとも1つの平行四辺形のタイル(B)は、辺が、上から見た場合に、時計回りに、第1辺、第2辺、第3辺、他の第3辺の順に配置される構成を有する。特有の視覚的な模様、例えば、色の付いたラベル、記号的なラベル、(予め取り付けた)様々な色の付いた支持層、および/または文字ラベルを、異なるタイルの種類に適用して、使用者が、設置の際、異なるタイルの種類を容易に認識することができるようにしてもよい。好ましくは、視覚的な模様は、タイル同士の連結状態において、(上から)見えない。視覚的な模様は、例えば、上向きロック要素の上側部に、および/または、第3凹部内に、および/または、第1もしくは第2下向き凹部内に適用してもよい。本発明に係るシステムは、2つを超える数の異なる種類のタイルを含むことが考えられる。
【0053】
少なくとも1つのタイル、好ましくは各タイルは、好ましくは、コア層と、コア層の上側部に直接的または間接的に固定された少なくとも1つの上側基材と、を含み、上側基材は、好ましくは、装飾層を含む。上側基材は、好ましくは、以下からなる群から選択される少なくとも1つの材料から少なくとも部分的になっている。
金属、合金、ビニルモノマー共重合体および/またはホモポリマー等の高分子材料
ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂等の縮合重合体
植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、および炭素繊維等の天然高分子材料またはその改質誘導体。
ここで、ビニルモノマー共重合体および/またはホモポリマーは、好ましくは、以下からなる群から選択される。
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)共重合体、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびスチレン-無水マレイン酸共重合体、ならびにこれらの誘導体。
上側基材は、最も好ましくは、ポリエチレン、ポリウレタン(PU)、またはポリ塩化ビニル(PVC)を含む。ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、または超高密度ポリエチレンとすることができる。上側基材層は、充填材料、ならびに、製品の物理的な性質および/または化学的な性質および/または加工性を向上させる他の添加剤をさらに含むことができる。これらの添加剤には、公知の靭化剤、可塑剤、補強剤、防白かび(防腐)剤、難燃剤等が含まれる。上側基材は、典型的には、装飾層と、少なくとも部分的に透明な、または、半透明の、装飾層を覆う摩耗層とを含み、摩耗層の頂面が、前記タイルの頂面であり、装飾層が、透明な摩耗層を通して見えるようになっている。
【0054】
好ましくは、少なくとも1つのタイル、好ましくは各タイルは、少なくとも1つのコア層の上側部に直接的または間接的に固定された上側基材を含み、上側基材は、好ましくは、化粧層を含む。化粧層は、好ましくは、モース硬度が3を超える。化粧層は、好ましくは、厚さが2mmと8mmとの間である。化粧層の寸法は、支持コア層および/または少なくとも1または複数の適用される連結外形を覆わない寸法である。化粧層は、好ましくは、以下からなる群から選択される材料からなる。すなわち、自然石、大理石、花崗岩、スレート、ガラス、およびセラミックスである。より好ましくは、化粧層は、Monocutturaセラミック、Monoporosaセラミック、磁器セラミック、または多重鋳込みセラミック(multi-casted ceramic)からなる群から選択される種類のセラミックである。好ましくは、化粧層は、破壊係数が、10N/mmよりも大きく、より好ましくは、30N/mmよりも大きい。上側基材の厚さは、典型的には、約0.1mmから3.5mm、好ましくは約0.5mmから3.2mm、より好ましくは約1mmから3mm、最も好ましくは約2mmから2.5mmである。上側基材に対するコア層の厚さ比率は、一般に、それぞれ、約1~15:0.1~3.5、好ましくは約1.5~10:0.5~3.2、より好ましくは約1.5~8:1~3、最も好ましくは約2~8:2~2.5である。
【0055】
各タイルは、上側基材を直接的または間接的にコア層に固定する接着剤層を含んでいてもよい。接着剤層は、上側基材とコア層とを一緒に結合することが可能な、任意の周知の接合剤または結合剤とすることができ、例えば、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体等である。好ましくは、接着剤層は、ホットメルト結合剤である。
【0056】
上述したように、上側基材の一部であってもよい装飾層またはデザイン層は、PVC樹脂、安定剤、可塑剤、および関連技術分野においてよく知られている他の添加剤の公知の調合物等の、任意の好適な公知のプラスチック材料を含むことができる。デザイン層は、木目調、金属または石のデザインおよび線維状パターン、または3次元の図等の印刷パターンによって形成または印刷することができる。よって、デザイン層は、花崗岩、石、または金属等のより重い製品に似た3次元の外観をタイルに持たせることができる。デザイン層の厚さは、典型的には、約0.01mmから0.1mm、好ましくは約0.015mmから0.08mm、より好ましくは約0.2mmから0.7mm、最も好ましくは約0.02mmから0.5mmである。典型的にはタイルの上面を形成する摩耗層は、下の層上に被覆された耐摩耗性の高分子材料、または公知のセラミックビーズ被膜等の、任意の好適な公知の耐摩耗性材料を含むことができる。摩耗層が層状に設けられる場合、その下の層と接合させることができる。摩耗層は、UVコーティング、または、他の有機ポリマー層とUVコーティングとの組み合わせ等の、有機ポリマー層および/または無機性材料層をさらに含むことができる。例えば、製品の表面の耐引掻性、光沢度、抗菌性の耐性、および他の性質を向上させることが可能なUVペイント。ポリ塩化ビニル樹脂またはビニル樹脂等の他のポリマーを含む他の有機ポリマーと、好適な量の可塑剤および他の加工用添加剤と、を必要に応じて含むことができる。
【0057】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのタイルは、コア層の上側部に直接的または間接的に固定された、複数の条片形状の上側基材を含み、上側基材は、好ましくは互いに平行に、同一面上に並んで配置される。ここで、複数の上側基材は、好ましくは、実質的に完全にコア層の上面を覆い、より好ましくは、タイルの第1辺から第2辺まで延在する。複数の上側基材のそれぞれは、装飾層を含み、少なくとも2つの隣接して配置される上側基材の装飾層は、好ましくは、外観が異なる。複数の条片形状の上側基材が、同一面上に並んで配置され、コア層に直接的または間接的に固定されることで、タイルが条片形状の上側基材自体によって画定されているという魅力的で美的な効果が発揮され、さらに、設置の際、条片形状の上側基材ではなくタイル自体のみを連結すればよいという利点がある。条片形状の上側基材を連結する場合、時間がかかり、高価となる。
【0058】
好ましくは、コア層は、少なくとも1種の発泡剤を含む。少なくとも1種の発泡剤は、コア層を発泡させることで、コア層の密度を低下させる。これにより、寸法が同様のタイルであって、発泡していないコア層を有するタイルと比較して重量の軽い、軽量なタイルが得られる。好ましい発泡剤は、コア層に使用する(熱)可塑性材料に加えて、所望の発泡比率および発泡構造、ならびに、好ましくは、さらに、所望の発泡比率および/または発泡構造を実現するための所望の(または、必要とする)発泡温度によって異なる。この目的のために、様々な温度のそれぞれにおいてコア層を発泡させるように構成された複数の発泡剤を適用することが有利となる可能性がある。これにより、発泡したコア層を、より漸進的に、および、より制御する方法で形成することができる。コア層に(同時に)存在してもよい2種の異なる発泡剤の例としては、アゾジカルボンアミドと重炭酸ナトリウムとがある。この点において、メタクリル酸メチル(MMA)等の少なくとも1種の改質剤を適用して、コア層全体の発泡構造を比較的均一に保つことがしばしばさらに有利となる。
【0059】
コア層を形成するのに好適な高分子物質には、以下が含まれていてもよい。すなわち、ポリウレタン(PUR)、ポリアミド共重合体、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイソシアヌレート(PIR)、およびポリエチレン(PE)プラスチックであり、これらは全て、成形加工性が良好である。コア層に含まれる少なくとも1種のポリマーは、固体であってもよく、発泡(膨張)していてもよい。好ましくは、塩素付加したPVC(CPVC)および/または塩素付加したポリエチレン(CPE)および/または他の塩素付加した熱可塑性材料を使用して、コア層の、すなわちタイル自体の硬度と剛性とをさらに向上させることで、各タイルの尖った頂点部分の脆弱性を低減させる。これにより、シュブロン形状のパターンを形成するための平行四辺形/菱形のタイルとして使用するのに、タイルがより一層好適となる。ポリ塩化ビニル(PVC)材料とポリウレタン(PU)材料とは、コア層を形成するのに特に好適である。これは、これらの材料が、化学的に安定しており、腐蝕抵抗性を有しており、優秀な難燃性を有しているからである。コア層のプラスチック材料として使用するプラスチック材料は、好ましくは、コア層の所望の剛性を向上させるために、いかなる可塑剤をも含まない。これは、環境の観点からも望ましい。
【0060】
コア層は、好ましくはPVCを含まない、熱可塑性材料を含む組成物から少なくとも部分的になっていてもよい。この熱可塑性の組成物は、(a)少なくとも1種のイオノマー、および/または、少なくとも1種の酸共重合体、ならびに、(b)少なくとも1種のスチレン系熱可塑性ポリマー、および、任意に、少なくとも1種の充填剤、を含む高分子マトリックスを含んでいてもよい。イオノマーは、電気的に中立な単位とイオン化した単位との反復単位を含む共重合体であると理解される。イオノマーのイオン化した単位は、特に、金属カチオンによって部分的に中和したカルボン酸基であってもよい。イオン基は、通常、存在する量は少ない(典型的には、構成単位の15mol%未満)が、連続的な高分子相からのイオン性ドメインの微小な相分離を生じさせ、物理的な架橋として作用する。この結果、従来のプラスチックと比較して向上した物理的な物性を有する、イオンによって強化された熱可塑性材料が得られる。
【0061】
上側基材および/またはコア層に使用するポリマーは、未使用のポリマーであってもよいが、未使用の高分子材料と(同種の)リサイクルした高分子材料との混合物を使用することがしばしば好ましい。ここで、例えば、コア層の少なくとも一部が、未使用のPUとリサイクルしたPUとの混合物からなっていることが考えられる。この点において、PUの代わりに、PVC、PP、および/または、PET等の他のポリマーを使用してもよい。
【0062】
コア層は、少なくとも1種のポリマーと少なくとも1種の非高分子材料との複合物からなっていてもよい。コア層の複合物は、好ましくは、1種または複数種の充填材を含み、少なくとも1種の充填剤は、以下からなる群から選択される。すなわち、タルク、チョーク、木材、炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成クレー、磁器材、(他の)無機充填剤、米、もみ殻、米粉、および(他の)天然充填剤である。充填剤は、繊維によって形成されていてもよく、および/または、ダスト状の粒子によって形成されていてもよい。ここで、「ダスト」という表現は、木材粉塵、粉状コルク、または鉱塵、石粉、特にセメントのような非木材粉塵のような小さなダスト状の粒子(粉末)であると理解される。粉塵の平均粒径は、好ましくは14ミクロンと20ミクロンとの間、より好ましくは16ミクロンと18ミクロンとの間である。この種類の充填剤の主要な役割は、コア層に、すなわち平行四辺形/菱形のタイル自体に、十分な硬度を持たせることである。これにより、タイルは、一般に比較的脆弱な尖った頂点部分を含めて、信頼できる、耐久性のある方法で、シュブロン形状のパターンを形成することができる。さらに、この種類の充填剤は、典型的には、コア層の、すなわちタイル自体の衝撃強度を向上させる。この種類の充填剤の、複合物における重量ベースの含有量は、好ましくは35%と75%との間であり、複合物が発泡複合物である場合は、より好ましくは40%と48%との間、複合物が非発泡(固体)複合物である場合は、より好ましくは65%と70%との間である。
【0063】
コア層(および/または他の層)は、少なくとも1種のポリマーと米との複合物を含むことが考えられる。好ましくは、米は、もみ殻によって形成されており、より好ましくは、分離もみ殻、粉砕もみ殻、およびもみ殻粉末の混合物によって形成されている。好ましくは、異なる種類のもみ殻は、平均粒径が異なる。ポリマーは、ポリマー結合剤として作用し、好ましくは、少なくとも部分的にリサイクルした、TPU、PP、PE、PET、および/またはPVC等の可塑性ポリマーを使用する。未粉砕もみ殻は、例えば、もみ殻混合物の重量に対して、1重量%~98重量%存在させることができる。同様に、粉砕もみ殻と粉末状もみ殻とは、もみ殻混合物の重量に対して、1重量%~98重量%存在させることができる。好ましくは、一実施形態において、もみ殻混合物は、未粉砕もみ殻と、粉砕もみ殻と、もみ殻粉末と、のそれぞれを20重量%~50重量%含む。特に好ましい実施形態において、もみ殻混合物は、未粉砕もみ殻と、粉砕もみ殻と、もみ殻粉末と、のそれぞれを約33重量%含む。もみ殻混合物に存在するポリマー結合剤の量は様々であり、例えば、もみ殻混合物の1重量%~30重量%、好ましくは10重量%~25重量%、より好ましくは12重量%~20重量%であってもよい。もみ殻粉末は、好ましくは、平均粒径が0.175ミリメートル~1.20ミリメートルである。
【0064】
本発明に係るタイルシステムの代替的な構成において、各タイルは、少なくとも1種のプラスチック材料と少なくとも1種の充填剤とを含む非発泡(固体)複合物から少なくとも部分的になる、実質的に剛性のコア層を含む。固体のコア層により、タイルの強度を向上させ、それゆえ、尖った頂点部分の脆弱性を低減することができ、タイルによってシュブロン形状のパターンを形成するための適合性をさらに向上させることができる。コア層に、発泡複合物の代わりに、固体の複合物を適用する際の欠点としては、(同じ厚さのコア層を適用した場合に)タイルの重量が増加して、取扱費と材料費とが高くなる可能性があることがある。
【0065】
好ましくは、コア層の複合物は、以下からなる群から選択される、コア層の少なくとも1種の充填剤を含む。すなわち、塩、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸亜鉛である。ステアリン酸には、安定剤としての機能があり、より有益な加工温度が得られ、加工中および加工後に、複合物の成分の分解を妨げる可能性がある。これにより、長期の安定性が得られる。ステアリン酸の代わりに、またはステアリン酸に加えて、例えば、カルシウム亜鉛を安定剤としてさらに使用してもよい。安定剤の、複合物における重量ベースの含有量は、好ましくは1%と5%との間、より好ましくは1.5%と4%との間である。
【0066】
コア層の複合物は、好ましくは、少なくとも1種のメタクリル酸アルキルを含む、少なくとも1種の衝撃改質剤を含み、メタクリル酸アルキルは、好ましくは、以下からなる群から選ぶ。すなわち、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t-ブチル、およびメタクリル酸イソブチルである。衝撃改質剤は、典型的には、製品の性能、特に衝撃抵抗を向上させる。さらに、衝撃改質剤は、典型的には、コア層を頑丈にし、したがって、靭化剤と見なすこともできる。これにより、破損の可能性がさらに低減される。しばしば、改質剤はまた、製造プロセスを容易なものとし、例えば、すでに上述したように、気泡の形成を制御して比較的均一な(一定の)発泡構造を実現する。衝撃改質剤の、複合物における重量ベースの含有量は、好ましくは1%と9%との間、より好ましくは3%と6%との間である。好ましくは、実質的に完全なコア層が、発泡複合物または非発泡(固体)複合物によって形成される。コア層に使用する少なくとも1種のプラスチック材料は、好ましくは、コア層の所望の剛性を向上させるために、いかなる可塑剤をも含まない。これは、環境の観点からも望ましい。
【0067】
タイルにおけるコア層および/または他の層は、例えば、MDF、HDF、木材粉塵、予め製造した木材、より具体的には、いわゆる人工木材等の、木材に基づく材料を含んでいてもよい。木材に基づく材料は、コア層の複合材の一部であってもよい。
【0068】
コア層の密度は、典型的には、約0.1グラム/cm3から1.5グラム/cm3であり、好ましくは約0.2グラム/cm3から1.4グラム/cm3であり、より好ましくは約0.3グラム/cm3から1.3グラム/cm3であり、さらにより好ましくは約0.4グラム/cm3から1.2グラム/cm3であり、さらにより好ましくは約0.5グラム/cm3から1.2グラム/cm3であり、最も好ましくは約0.6グラム/cm3から1.2グラム/cm3である。
【0069】
コア層に使用するポリマーおよび/またはコア層自体は、好ましくは、弾性率が、(温度が摂氏23度、相対湿度が50%で)700MPaを超える。これにより、一般に、コア層には、それゆえ平行四辺形/菱形のタイル自体には、十分な剛性が得られる。コア層は、好ましくは、厚さが、少なくとも3mmであり、好ましくは少なくとも4mmであり、さらにより好ましくは少なくとも5mmである。各タイルは、複数のコア層を含むことが考えられる。異なるコア層は、組成が同一であってもよく、異なっていても良い。
【0070】
コア層の密度は、好ましくは、コア層の高さ方向で異なっている。これにより、タイル自体の音響の(音を低減させる)性質に良い影響がある可能性がある。好ましくは、発泡したコア層の頂部および/または底部に、クラスト層が形成されていてもよい。この少なくとも1つのクラスト層は、コア層と一体化した部分を形成していてもよい。より好ましくは、コア層の頂部と底部との両方が、発泡構造を囲うクラスト層を形成する。クラスト層は、比較的閉じた(空隙率の低い、好ましくは気泡(セル)のない)層であり、それゆえ、より多孔質の発泡構造と比較して、比較的剛性の(副)層を形成する。一般に、(そうである必要はないが、)クラスト層は、コア層の底面と頂面とを封止(焼灼)することによって形成される。好ましくは、各クラスト層は、厚さが0.01mmと1mmとの間、好ましくは0.1mmと0.8mmとの間である。クラストが過度に厚いと、コア層の平均密度が高くなり、その結果、コア層のコストが上がり、剛性が増大する。コア層(コア層)自体の厚さは、好ましくは、2mmと10mmとの間、より好ましくは3mmと8mmとの間、典型的にはおよそ4mmまたは5mmである。好ましくは、(複合)コア層の頂部および/または底部が形成するクラスト層の空隙率は、コア層の独立気泡発泡性プラスチック材料の空隙率よりも低く、各クラスト層の厚さは、好ましくは、0.01mmと1mmとの間、好ましくは0.1mmと0.8mmとの間である。
【0071】
好ましくは、各タイルは、コア層の底側部に固定された、少なくとも1つの支持層を含み、少なくとも1つの支持層は、軟質材料、好ましくはエラストマーから少なくとも部分的になっている。支持層の厚さは、典型的には、約0.1mmから2.5mmである。支持層の考えられる材料の非限定的な例は、ポリエチレン、コルク、ポリウレタン、およびエチレン-酢酸ビニルである。ポリエチレン支持層の厚さは、例えば、典型的には、2mm以下である。支持層により、一般に、各タイル自体の頑強性と衝撃抵抗とが向上して、タイルの耐久性が向上する。さらに、(柔軟な)支持層により、タイルの音響の(音を低減させる)性質が向上する可能性がある。具体的な実施形態において、コア層は、少なくとも1つの支持層に固定された、複数の別個のコア層部分からなり、好ましくは、コア層部分は、相互にヒンジ移動可能(hingeable)となっている。タイルが軽量であるという特徴は、タイルを垂直な壁面に設置する際、安定して接合するのに有利である。タイルは、さらに、互いに交差する壁、家具同士の内角、および入口の通路の外角等の垂直な角に設置するのが特に容易である。内角または外角における設置は、タイルのコア層に溝を形成して、タイルを曲げやすく、または折り畳みやすくすることによって、達成することができる。
【0072】
各タイルは、少なくとも1つの補強層を含んでいてもよい。少なくとも1つの補強層は、コア層と上側基材との間に位置していてもよい。少なくとも1つの補強層は、2つのコア層の間に位置していてもよい。補強層を適用することにより、タイル自体の剛性をさらに向上させる可能性がある。これにより、さらに、タイルの音響の(音を低減させる)性質を向上させる可能性がある。補強層は、例えば、ガラス繊維材料等の、織られた、または不織の繊維材料を含んでいてもよい。これらは、厚さが0.2mm~0.4mmであってもよい。各タイルは、互いに積層された複数の(一般により薄い)コア層を含み、少なくとも1つの補強層は、2つの隣接するコア層の間に位置することも考えられる。好ましくは、補強層の密度は、好ましくは1,000kg/m3と2,000kg/m3との間、好ましくは1,400kg/m3と1,900kg/m3との間、より好ましくは1,400kg/m3と1,700kg/m3との間である。
【0073】
好ましくは、各タイルにおける、第1連結外形の少なくとも一部、および/または、第2連結外形の少なくとも一部、および/または、第3連結外形の少なくとも一部は、コア層と一体的に接続している。この場合、一体型のタイルが形成され、これらは、生産が比較的容易であり、コスト面で効率的である。
【0074】
第1連結外形および/または第2連結外形および/または第3連結外形は、好ましくは、タイルを連結する際、および、非連結化する際、変形を可能とする。少なくともいくつかのタイルは同一である。少なくともいくつかのタイルは、大きさおよび/または形状が異なっていることも考えられる。すでに説明した、シュブロン形状のパターンを形成するための、平行四辺形のタイル以外に、タイルシステムは、異なる種類のタイル(それぞれ、AとB)を含み、第1の種類のタイル(A)は、大きさが、第2の種類のタイル(B)と異なっていることも考えられる。これらのAとBのパネルは、例えば、矩形および/または正方形の形状を有していてもよい。特有の視覚的な模様が、好ましくは設置の目的で、異なるタイルの種類に適用されていてもよい。この目的のために、特有の視覚的な模様は、好ましくは、各タイルの種類における第3連結外形の、第3凹部の上側部および/または上向きロック要素の上側部に適用される。
【0075】
本発明は、さらに、相互に連結した、本発明に係るタイルからなる、タイルカバー材、特に床カバー材、壁カバー材、天井カバー材、および/または家具カバー材に関する。本発明は、さらに、本発明に係る多目的タイルシステムで使用するためのタイルに関する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明は、以下の図面に示す非限定的かつ例示的な実施形態に基づいて解明されるであろう。
図1a】本発明に係る多目的タイルシステムに用いるための多目的タイルの概略図を示している。
図1b図1aに示すような複数の多目的タイルを含む多目的タイルシステムの概略図を示している。
図2a】本発明に係る多目的タイルシステムの他の実施形態に用いるための、2つの異なる種類の多目的タイルの概略図を示している。
図2b図2aに示すような複数の多目的タイルを含む多目的タイルシステムの概略図を示している。
図3a】本発明に係る多目的タイルシステムのさらに他の実施形態に用いるための多目的タイルの概略図を示している。
図3b図3aに示すような複数の多目的タイルを含む多目的タイルシステムの概略図を示している。
図4a図1a、図2a、または図3aに示すような多目的タイルの線A-Aに沿う断面を示している。
図4b図1a、図2a、または図3aに示すような多目的タイルの線B-Bに沿う断面を示している。
図5a】それぞれ、第1、第2および第3連結状態における、図1a、図2a、または図3aに示すような2つの多目的タイルの断面を示している。
図5b】それぞれ、第1、第2および第3連結状態における、図1a、図2a、または図3aに示すような2つの多目的タイルの断面を示している。
図5c】それぞれ、第1、第2および第3連結状態における、図1a、図2a、または図3aに示すような2つの多目的タイルの断面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1aは、本発明に係る多目的タイルシステム(110)に用いるための多目的タイル(100)の概略図を示している。同図は、第1辺(101)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第1対と、第2辺(102)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第2対と、を含むタイル(100)を示している。第1、第2、および第3辺(101,102,103)には、第1、第2、および第3連結外形(104,105,106)がそれぞれ設けられている。第1連結外形(104)と第3連結外形(106)とは、2つのこのようなタイル(100)が、回転する動きによって第1および第3辺(101,103)において互いに連結することができるように構成されている。さらに、第2連結外形(105)と第3連結外形(106)とは、2つのこのようなタイル(100)が、倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって、第2および第3辺(102,103)において互いに連結することができるように構成されている。タイル(100)の幅と長さとの比率は、自由に選ぶことができる。図1aは、数多くの可能性のうちの1つだけを示しており、タイルは、矩形の外形(108)を有する上側部(107)を有している。しかしながら、タイル(100)の幅と長さとを同じにして、タイル(100)が正方形の輪郭を有する上側部(107)を有するようにすることも可能である。
【0078】
図1bは、図1aに示すような複数の多目的タイル(100)を含む多目的タイルシステム(110)の概略図を示している。個々のタイル(100)は同等であり、第1辺(101)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第1対と、第2辺(102)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第2対と、を有しているが、タイル(100)は、第1および第2辺(101,102)の両方の連結外形に対する第3辺(103)の連結外形の適合性によって、様々な方法で接合することで、1つの多目的タイルシステム(110)内において異なるタイルパターン(111,112)を形成することができる。図示する多目的タイルシステム(110)では、個々のタイル(110)が、矩形の外形(108)を有する上側部(107)を有しており、タイル(100)は、長辺(113)と短辺(114)とを有している。これにより、異なるタイルパターン(111,112)は、第1のタイルパターン(111)を第2のタイルパターン(112)と連結することによって創出される。第1のタイルパターン(111)は、相互に接続されたタイル(100)のパターンであり、長辺(113)が、隣接するタイル(100)の長辺(113)と接続されている。第2のタイルパターン(112)は、相互に接続されたタイル(100)のパターンであり、長辺(113)が、隣接するタイル(100)の長辺(113)と接続されており、短辺(114)が、他の隣接するタイル(100)の短辺(114)と接続されている。これにより、第1および第2のタイルパターン(111,112)を互いに対して回転しており、第1のタイルパターン(111)のタイル(100)の長辺(113)の角度が、第2のタイルパターン(112)のタイル(100)の長辺(113)に対して90度となっている。異なるタイルパターン(111,112)同士をこのように連結することが可能であるのは、第1のタイルパターン(111)のタイル(100)の短辺(114)を、第2のタイルパターン(112)のタイル(100)の長辺(113)と接続することができるためである。タイルシステム(110)の設置は、すでに設置してあるタイル(100)の第3辺(103)に対して、設置するタイル(100)の第1辺(101)を、角度を付けるように下向きに動かすことによって実現することができる。これによって、一般に、垂直方向と水平方向との両方で、これらのタイル(100)を相互にロックすることができる。すでに設置してあるタイル(100)に対して、設置するタイル(100)を、このように、角度を付けて、すなわち、回転させて動かす際に、設置するタイル(100)の第2辺(102)は、(同時に)他のすでに設置してあるタイル(100)の第3辺(103)と接続される。これは、典型的には、他のすでに設置してあるタイル(100)に対して、設置するタイル(100)を下げる、すなわち、下向きに折り畳むことによって実現する。この際、設置するタイル(100)の第2辺(102)と、他のすでに設置してあるタイル(100)の第3辺(103)とは、互いに対してはさみのように(scissored)(すなわち、ジッパーのように(zipped))接続される。これによって、垂直方向と水平方向との両方で、他のすでに設置してあるタイル(100)に対して、設置するタイル(100)をロックする。
【0079】
図2aは、本発明に係る多目的タイルシステム(200)の他の実施形態に用いるための、2つの異なる種類の多目的タイル(201,202)の概略図を示している。ちょうど図1aに示す多目的タイル(100)のように、これらのタイル(201,202)のそれぞれは、第1辺(101)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第1対と、第2辺(102)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第2対と、を含んでいる。ここでも、第1、第2、および第3辺(101,102,103)には、第1、第2、および第3連結外形(104,105,106)がそれぞれ設けられている。第1連結外形(104)と第3連結外形(106)とは、2つのタイル(201,202)が、回転する動きによって第1および第3辺(101,103)において互いに連結することができるように構成されている。第2連結外形(105)と第3連結外形(106)とは、2つのタイル(201,202)が、倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって、第2および第3辺(102,103)において互いに連結することができるように構成されている。しかしながら、ここでは、2つの異なる種類のタイル(201,202)が設けられており、第1の種類のタイル(201)における1対の対向辺(102,103)の連結外形(105,106)は、第2の種類のタイル(202)における対応する対の対向辺(102,103)の連結外形(105,106)に対して、鏡反転して配置されている。図中では、異なる種類のタイル(201,202)における、鏡反転する辺の各対は、第2および第3辺(102,103)によって形成されている。しかしながら、鏡反転する辺の各対を第1および第3辺(101,103)によって形成することも、同様に可能である。さらに、この多目的タイルシステム(200)に用いるための多目的タイル(201,202)は、平行四辺形の輪郭(208)を有する上側部(107)を有している。これに関して、これらのタイル(201,202)における2つの隣り合う辺(101,102,103)は、鋭角(203)または鈍角(204)を囲んでいる。この具体的な実施形態において、第1および第2辺(101,102)と、第3辺(103)のそれぞれと、は同じ大きさの鈍角(204)を囲んでおり、第1および第3辺(101,103)と、第2および第3辺(102,103)のそれぞれと、は同じ大きさの鋭角(203)を囲んでいる。このように、タイルの構成が異なっており、上側部(107)が平行四辺形の輪郭(208)を有していることで、これらのタイル(201,202)は、接合した状態において、シュブロン形状のパターン(205)を形成する。
【0080】
図2bは、図2aに示すような複数の多目的タイル(201,202)を含む多目的タイルシステム(200)の概略図を示している。すでに上述したように、この多目的タイルシステム(200)の一部を形成する多目的タイル(201,202)は、2つの異なる(鏡反転した)種類/構成で存在する。タイルの構成が異なっており、頂面(107)が平行四辺形であることで、これらのタイル(201,202)は、接合した状態において、シュブロン形状のパターン(205)を形成するが、第1辺(101)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第1対と、第2辺(102)および対向する第3辺(103)からなる対向辺の第2対と、を有し、第3辺(103)の連結外形(106)が、第1および第2辺(101,102)の両方の連結外形(104,105)と適合することで、タイル(201,202)は、様々な方法で接合することもできる。これによって、1つの相互に接続された多目的タイルシステム(200)内において異なるタイルパターン(206,207)を形成することができる。図1bに示す多目的タイルシステム(110)のように、異なるタイルパターン(206,207)は、相互に接続されたタイル(201,202)の第1のタイルパターン(206)を、相互に接続されたタイル(201,202)の第2のタイルパターン(207)と連結することによって創出される。これらの別々のタイルパターン(206,207)内において、各タイル(201,202)は、対向辺の各対(101,103;102,103)が、隣接するタイル(201,202)の辺(101,102,103)に接続されており、隣接するタイル(201,202)における対応する対の対向辺(101,103;102,103)の一部となっている。しかしながら、第1および第2のタイルパターン(206,207)の連結は、対向辺(101,103)の1対の一部を形成する辺(101,103)を有する第1のタイルパターン(206)のタイル(201,202)を、対向辺(102,103)の他の対応しない対の一部を形成する辺(102,103)を有する第2のタイルパターン(207)のタイル(201,202)と接続することによって実現する。この結果、2つの異なるタイルパターン(206,207)を含む、相互に接続された、多目的タイルシステム(200)であって、隣接するタイル(201,202)同士の辺(101,102,103)が互いに対して70度回転した、多目的タイルシステム(200)が得られる。図2bに示すタイルシステム(200)の設置は、図1bに示すタイルシステム(110)の設置と、典型的には類似する。
【0081】
図3aは、本発明に係る多目的タイルシステム(300)のさらに他の実施形態に用いるための多目的タイル(301)の概略図を示している。図1aおよび図2aに示す多目的タイル(100,201,202)とは異なり、これらのタイル(301)のそれぞれは、3対の対向辺を含んでおり、上側部(107)が正六角形の輪郭(302)を有している。対向辺の第1対は、第1辺(101)と、対向する第3辺(103)と、からなっている。対向辺の第2および第3対は、第2辺(102)と、対向する第3辺(103)と、からなっている。これにより、第1、第2、および第3辺(101,102,103)は、第3辺(103)同士が、互い直接的に隣接し、第2辺(102)が、第1辺(101)の両方の辺で隣接するように位置している。その結果、第2辺(102)同士は、互いに隣接しない。しかしながら、これらの多目的タイル(301)と、図1aおよび図2aに示す多目的タイル(100,201,202)と、の間の共通点は、以下のとおりである。すなわち、第1、第2、および第3辺(101,102,103)には、第1、第2、および第3連結外形(104,105,106)がそれぞれ設けられており、第1連結外形(104)と第3連結外形(106)とは、2つのタイル(301)が、回転する動きによって第1および第3辺(101,103)において互いに連結することができるように構成されており、第2連結外形(105)と第3連結外形(106)とは、2つのタイル(301)が、倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって、第2および第3辺(102,103)において互いに連結することができるように構成されている。
【0082】
図3bは、図3aに示すような複数の多目的タイル(301)を含む多目的タイルシステム(300)の概略図を示している。図示するタイル構造において、タイル(301)はすべて、向きが同じである。タイルシステム(300)の設置は、図1bおよび図2bのタイルシステム(110,200)と同様の方法で実現することができる。すでに設置してあるタイル(301)の第3辺(103)に対して、設置するタイル(301)の第1辺(101)を、角度を付けるように下向きに動かすことによって、一般に、垂直方向と水平方向との両方で、これらのタイル(301)を相互にロックすることができる。このように、すでに設置してあるタイル(301)に対して、設置するタイル(301)を、角度を付けて、すなわち、回転させて動かす際に、設置するタイル(300)における1または複数の第2辺(102)は、(同時に)1または複数の他のすでに設置してある、隣接するタイル(301)の第3辺(103)と接続される。これは、典型的には、他のすでに設置してあるタイル(301)に対して、設置するタイル(301)を下げる、すなわち、下向きに折り畳むことによって実現する。この際、設置するタイル(301)の第2辺(102)と、他のすでに設置してあるタイル(301)の第3辺(103)とは、互いに対してはさみのように(scissored)(すなわち、ジッパーのように(zipped))接続される。これによって、垂直方向と水平方向との両方で、他のすでに設置してあるタイル(301)に対して、設置するタイル(301)をロックする。
【0083】
図4aは、図1a、図2a、または図3aに示すような多目的タイル(100,201,202,301)の線A-Aに沿う断面を示している。同図において、タイル(100,201,202,301)における第1辺(101)と対向する第3辺(103)とを示しており、第1連結外形(104)と第3連結外形(106)とをそれぞれ有している。第1連結外形(104)は、タイル(100,201,202,301)の上側部(107)と実質的に平行な方向に延在する側方舌部(400)と、側方舌部(400)から離れて設けられた、少なくとも1つの第1下向きフランク(401)と、側方舌部(400)と第1下向きフランク(401)との間に形成された第1下向き凹部(402)と、を含んでいる。第1下向きフランク(401)は、特に、いかなるロック要素をも有していない。これにより、第1下向き凹部(402)と対向する、第1連結外形(104)の側方舌部(400)の近位側部(403)は、第1下向きフランク(401)とは反対側の方向に、下向きに傾斜している。側方舌部(400)の近位側部(403)は、第1近位側部接触部分(403’)を含んでいてもよく、第1近位側部接触部分(403’)は、第3連結外形(106)の上向きロック要素(433)の第3上側接触部分(434a)と共作用する。第1および第3連結外形(103,106)を効率的にロックするために、第1近位側部接触部分(403’)は、タイル(100,201,202,301)の上側部(107)に対して角度(β)となっており、この角度(β)は、好ましくは、20度から最大で50度までの間である。この絶対値によって、連結および連結解除が容易になる。第1遷移区画(404)は、かかと部と呼称することもできるが、第1連結外形(104)の側方舌部(400)の近位側部(403)と、第1連結外形(104)の側方舌部(400)の底側部(405)と、の間に画定することができ、第1遷移区画(404)は、本例では湾曲している。側方舌部(400)の底側部(405)は、側方舌部(400)における先端(444)とかかと部(404)との間に位置している。側方舌部(400)の底側部(405)は、第1下向きフランク(401)の方に向かう方向において上向きに傾斜しており、この傾斜した底側部(405)は、タイル(100,201,202,301)の上側部(107)に対して角度(α)となっている。角度(α)は、比較的小さいかも知れないが、本発明の独創的な概念に大きく寄与する。というのも、この角度(α)により、タイル(100,201,202,301)を配置する段階で、接触面が減少することによって、角度を付けるような下向きの動きをより容易になるからである。第1下向き凹部(402)の上側部(406)は、図示するタイル(100,201,202,301)においては、第1下向きフランク(401)の方に向かって下向きに傾斜している。第1連結外形(104)は、第1底側部接触部分(405’)をさらに含んでいてもよく、第1底側部接触部分(405’)は、連結のための移動の際に、第3連結外形(106)の下唇部(432)の上側部によって形成される支持面(500)上を部分的に摺動してもよい。さらに、側方舌部(400)は、側方舌部接触部分(409)を含んでおり、側方舌部接触部分(409)は、第3連結外形(106)の一部と共作用する。タイル(100,201,202,301)における側方舌部接触部分(409)と上側部(107)との間に、第1閉じ表面(425)が設けられていてもよい。
【0084】
第3連結外形(106)は、更なるタイル(100,201,202,301)における第1連結外形(104)の側方舌部(400)の少なくとも一部を収容するために構成された第3凹部(430)を含んでいる。第3凹部(430)は、上唇部(431)と下唇部(432)とによって画定されており、下唇部(432)には、上向きロック要素(433)が設けられている。上唇部(431)は、第3閉じ表面(420)と上唇部接触部分(424)とをさらに含んでおり、第3閉じ表面(420)と上唇部接触部分(424)とは、第5ロック要素(407)の両側に位置している。第5ロック要素(407)は、本例では、切抜き部分(408)によって形成されている。第3凹部(430)と対向する、第3連結外形(106)の上向きロック要素(433)の近位側部(434)は、上唇部(431)とは反対側の方向に、上向きに傾斜している。上向きロック要素(433)の近位側部(434)は、第3上側および第3下側接触部分(434a,434b)を含んでいる。第3上側および第3下側接触部分(434a,434b)は、第1方向および第2方向に延在しており、第2方向は、第1方向からそれる方向である。第3下側および第3上側接触部分(434a,434b)は、少なくとも1つの中間湾曲区画を介して接続されている。中間湾曲区画は、本例では、凸状区画である。好ましくは、第1方向に延在する第3上側接触部分(434a)は、下唇部(432)の下側部(437)に対して第2角度(γ)で傾斜している。第2方向に延在する第3下側接触部分(434b)は、下唇部(432)の下側部(437)に対して第1角度(φ)で傾斜している。第2角度(γ)は、第2のタイル(100,201,202,301)における側方舌部(400)の第1近位側部接触部分(403’)の角度(β)と実質的に同様であり、これらの接触部分(434a,403’)が、ロックした構成において、相互に共作用するようになっていてもよい。第2角度(γ)は、第1角度(φ)よりも小さいことが好ましい。上向きロック要素(433)の近位側部(434)、特にその第3上側接触部分(434a)と、上向きロック要素(433)の上側部(436)と、の間に、第3遷移区画(435)を画定することができる。第3遷移区画(435)は、本例では、湾曲した第1遷移区画(404)から部分的にそれている。上向きロック要素(433)の上側部(436)は、図示するタイル(100,201,202,301)においては、第3連結外形(106)の上唇部(431)とは反対側に向かう方向において下向きに傾斜している。第3連結外形(106)の下唇部(432)の下側部(437)に、凹部(438)が存在する。この凹部(438)によって、特に連結の際に、下唇部(432)は下方向に曲がることができる。第3連結外形(106)は、第3ロック要素(440)をさらに含んでいてもよく、第3ロック要素(440)は、隣接するタイル(100,201,202,301)における第2連結外形(105)の第2ロック要素(422)と共作用して、連結したタイル(100,201,202,301)同士の間の垂直方向のロックを確立してもよい。これに関して、第3ロック要素(440)は、第3凹部(430)とは反対側を向く、下唇部(432)の遠位側部(441)に、および/または、第3凹部(430)とは反対側を向く、上向きロック要素(433)の遠位側部(442)に設けられていてもよい。第3ロック要素(440)は、ここで図示するように、具体的に、下唇部(432)の下側部(437)と、上向きロック要素(433)の上側部(436)と、の両方から一定の距離を置いて位置していてもよい。図示するタイルにおいて、第3ロック要素(440)は、少なくとも1つの外向きの膨らみ(443)を含んでいる。外向きの膨らみ(443)には、第3ロック要素接触部分(440’)が設けられていてもよい。第3ロック要素接触部分(440’)は、隣接する連結したタイル(100,201,202,301)における第2連結外形(105)の少なくとも1つの第2ロック要素(422)、特にその第2ロック要素接触部分(422’)と共作用するように構成されており、その目的は、(垂直方向に)ロックした連結を実現することである。
【0085】
図4bは、図1a、図2a、または図3aに示すような多目的タイル(100,201,202,301)の線B-Bに沿う断面を示している。同図において、タイル(100,201,202,301)における第2辺(102)と他の対向する第3辺(103)とを示しており、第2連結外形(105)と第3連結外形(106)とをそれぞれ有している。第3連結外形(106)は、タイル(100,201,202,301)における隣接する第3辺(103)に設けられた第3連結外形(106)に対応し、その特徴は、多目的タイル(100,201,202,301)の線A-Aに沿う断面についての前記記載において示されている。第2連結外形(105)は、タイル(100,201,202,301)における上側部(107)に実質的に垂直の方向に延在する下向き舌部(410)と、下向き舌部(410)から離れて設けられた、少なくとも1つの第2下向きフランク(411)と、下向き舌部(410)と第2下向きフランク(411)との間に形成された第2下向き凹部(412)と、を含んでいる。これにより、第2下向き凹部(412)と対向する、第2連結外形(105)の下向き舌部(410)の近位側部(413)は、第2下向きフランク(411)とは反対側の方向に、下向きに傾斜している。下向き舌部(410)の近位側部(413)は、少なくとも1つの第2近位接触部分(413’)を含んでおり、第2近位接触部分(413’)は、タイル(100,201,202,301)における上側部(107)に対して角度(δ)となっている。好ましくは、角度(δ)は、第2のタイル(100,201,202,301)における第3連結外形(106)の第3下側接触部分(434b)の第1角度(φ)と実質的に同様であり、これらの接触部分(413’,434b)が、ロックした構成において、相互に共作用するようになっていてもよい。第2遷移区画(414)は、かかと部と呼称することもできるが、第2連結外形(105)の下向き舌部(410)の近位側部(413)と、第2連結外形(105)の下向き舌部(410)の底側部(415)と、の間に画定することができる。かかと部(414)には、本例では、切抜き部分(414’)が設けられている。切抜き部分(414’)は、第2連結および第3連結外形(105,106)の非連結化を容易にするために設けられている。切抜き部分(414’)は、下向き舌部(410)が、第3ロック要素(433)の第3上側および下側接触部分(434a,434b)を接続する凸状部分を回避することができるように構成されている。第2下向き凹部(412)とは反対側を向く、下向き舌部(410)の遠位側部(416)は、タイル(100,201,202,301)における上側部(107)と隣接する垂直上側壁部(417)と、垂直上側壁部(417)の下方に隣接する第4ロック要素(418)と、を少なくとも含んでいる。第4ロック要素(418)は、特に、垂直上側壁部(417)を越えて、距離(D)だけ延在している。第4ロック要素(418)は、第5ロック要素(407)と共作用するように構成されている。第5ロック要素(407)は、本例では、第3連結外形(106)の上唇部(431)の切抜き部(408)によって形成されている。第5ロック要素(407)の切抜き部(408)は、第4ロック要素(418)の突出部分を受けるように構成されている。下向き舌部(410)の遠位側部(416)の下側壁部(419)は、さらに、下向き舌部(410)の底側部(415)に接続されていてもよい。底側部(415)は、底側部接触部分(415’)を含んでいてもよく、底側部接触部分(415’)は、第3連結外形(106)の支持面(500)の一部に載せてもよい。底側部接触部分(415’)は、特に、下向き舌部(410)における、上面(107)から最も遠く離れて延在する部分によって形成されている。第2下向き凹部(412)の上側部(421)は、図示するタイル(100,201,202,301)において、第2下向きフランク(411)の方に向かって下向きに傾斜している。第2連結外形(105)は、そのうえ、少なくとも1つの第2ロック要素(422)を含んでいてもよく、第2ロック要素(422)は、連結した位置において、隣接するタイル(100,201,202,301)における第3連結外形(106)の第3ロック要素(440)と共作用して、タイル(100,201,202,301)同士の間の垂直方向のロックを確立してもよい。これに関して、第2ロック要素(422)は、第2連結外形(105)の第2下向きフランク(411)に設けられていてもよい。図示するタイル(100,201,202,301)において、第2ロック要素(422)は、少なくとも1つの第2ロック凹部(423)を含んでいる。第2ロック凹部(423)は、隣接する連結したタイル(100,201,202,301)における第3ロック要素(440)の外向きの膨らみ(443)を少なくとも部分的に受けるように適応されており、その目的は、(垂直方向に)ロックした連結を実現することである。特に、第2ロック要素(422)の第2ロック要素接触部分(422’)は、連結した位置において、隣接する連結したタイル(100,201,202,301)における第3ロック要素(440)の第3ロック要素接触部分(440’)に当接して、第2および第3連結外形(105,106)が、垂直方向と水平方向との両方でロックするように構成されている。
【0086】
図4bに示す多目的タイル(100,201,202,301)の連結外形(105,106)には、任意に、タイル(100,201,202,301)の上側部(107)に、またはその近くに、面取り部(斜角部)(450)が設けられていてもよい。図4aに示す多目的タイル(100,201,202,301)の連結外形(104,106)は、任意に、タイル(100,201,202,301)の上側部(107)に、またはその近くに、グラウト部(451)が設けられていてもよい。グラウト部(451)は、いずれも、第1連結外形(104)の上側部(107)に、またはその近くに見られるように、実質的に矩形であってもよい。矩形のグラウト部(451)は、図4aの1つのタイル(100,201,202,301)における第1連結外形(104)の全体に位置していてもよく、2つの隣接するタイル(100,201,202,301)における第1および第3連結外形(104,106)の両方に位置していてもよい。しかしながら、図4aの第3連結外形(106)の上側部(107)に、またはその近くに示すように、丸みのあるグラウト部(451)を適用することも考えられる。これらの丸みのあるグラウト部(451)の1つの利点としては、以下がある。すなわち、タイル(100,201,202,301)の上側部(107)にこぼれた水が、丸みのあるグラウト部の最も低い部分に向かって自然に流れることによって、2つの隣接するタイル(100,201,202,301)の間に水がたまってしまうのを防ぐことができる。当業者は、グラウト部(451)および/または斜角部(450)の任意の組み合わせが適用可能であることを直ちに理解するであろう。
【0087】
図5a~図5cは、図1a、図2a、または図3aに示すような、それぞれ第1、第2および第3連結状態の、2つの多目的タイル(100,201,202,301)の断面を示している。図5aおよび図5bは、第1および第3連結外形(104,106)の相互の連結をそれぞれ示している。図5aは、右側の第1のタイル(100,201,202,301)と、左側の第2のタイル(100,201,202,301)と、の連結を示しており、第1のタイル(100,201,202,301)は、線A-Aに沿う断面であり、第2のタイル(100,201,202,301)は、線B-Bに沿う断面である。図5bは、右側の第1のタイル(100,201,202,301)と、左側の第2のタイル(100,201,202,301)と、の連結を示しており、第1のタイル(100,201,202,301)は、線A-Aに沿う断面であり、第2のタイル(100,201,202,301)も線A-Aに沿う断面である。図5cは、第2および第3連結外形(105,106)の相互の連結を示している。図5cは、右側の第1のタイル(100,201,202,301)と、左側の第2のタイル(100,201,202,301)と、の連結を示しており、第1のタイル(100,201,202,301)は、線B-Bに沿う断面であり、第2のタイル(100,201,202,301)も線B-Bに沿う断面である。
【0088】
図5aおよび図5bに見られるように、連結状態において、タイル(100,201,202,301)における第1連結外形(104)の側方舌部(400)の少なくとも一部が、隣接するタイル(100,201,202,301)における第3連結外形(106)の第3凹部(430)に挿入されており、第3連結外形(106)の上向きロック要素(433)の少なくとも一部が、第1連結外形(104)の第1下向き凹部(402)に挿入されている。第1連結外形(104)と第3連結外形(106)との相互の位置の固定化を確立するために、側方舌部(400)の底側部(405)の一部、特に第1連結外形(104)の第1底側部接触部分(405’)は、これにより、第3連結外形(106)の第3凹部(430)の支持面(500)によって、特に支持面(500)の第2支持部分(500a)によって、支持されていてもよい。連結状態において、第1辺(101)と第3辺(103)とは、第1閉じ表面(501)を画定している。第1閉じ表面(501)は、連結した各タイル(100,201,202,301)の上側辺(503)を通る第1垂直面(502)として画定されている。特に、第3辺(103)の第3閉じ表面(430)は、第1辺(101)の第1閉じ表面(425)に当接している。よって、第1垂直面(502)によって画定される第1閉じ表面(501)は、第3閉じ表面(430)と第1閉じ表面(425)との間に位置している。これにより、側方舌部(400)と第3凹部(430)とのそれぞれが、第1垂直面(502)を通って延在している。
【0089】
側方舌部(400)の少なくとも一部、特に遠位部分は、第1垂直面(502)の左側を越えて延在しており、支持面(500)の一部、特に第1支持部分(500a)と、上唇部接触部分(424)の一部と、の間で締め付けられている。この締め付けは、様々な方法で実現することができる。特に、底側部接触部分(405’)から側方舌部接触部分(409)の方に向かって実質的に垂直方向に延在する垂直方向の線および/または部分によって画定される、側方舌部(400)の厚さを、第3支持部分(500a)から上唇部接触部分(424)の一部、特に上唇部接触部分(424)における第3支持部分(500a)の垂直方向の上方に位置する部分に延在する垂直方向の線および/または部分よりも大きくすることが考えられる。この異なる厚さは、第1および第2角度の間のわずかな角度の差(すなわち、1度程度の角度の差)の結果であってもよく、第1角度は、上側部(107)と側方舌部接触部分(409)とによって画定されていてもよく、第2角度は、上側部(107)と上唇部接触部分(424)とによって画定されていてもよい。この厚さの差によって、側方舌部(400)を締め付けて、タイル(100,201,202,301)同士を垂直方向にロックすることができる。また、側方舌部(400)の形状を第3凹部(430)の内方部分の輪郭に沿うものとして、ロックした位置において、側方舌部(400)が第3凹部(430)の内方部分に厳密に嵌合することによって、2つのタイル(100,201,202,301)を相互に垂直方向にロックするようにすることも考えられる。ロックした構成において、側方舌部(400)の先端(444)の左側に、第1空隙(506)が存在する。この空隙(506)によって、2つのタイル(100,201,202,301)の連結および連結解除がより容易となる。これは、特に、第1および第3連結外形(104,106)の連結および連結解除が、側方舌部(400)を角度を付けて第3凹部(430)に挿入する、または角度を付けて第3凹部(430)から取り出す、角度を付ける動きの下で起こるからである。この角度を付ける動きの際、空隙(506)によって、側方舌部(506)の先端(444)は動くことができ、側方舌部(400)の先端(444)と第3凹部(430)との間の摩擦の結果、側方舌部(400)が動かないままになってしまうことを防止する。さらに、第1および第3連結外形(104,106)を連結または連結解除する、この角度を付ける動きの際、底側部接触部分(405’)は、滑走線接触として機能する。この線接触によって、底側部接触部分(405’)は、第3連結外形(106)の支持面(500)上を容易に摺動することができる。連結した位置において、底側部接触部分(405’)は、第3支持部分(500a)によって支持されている。側方舌部(400)のかかと部(404)の方に向かって、第1および第3連結外形(104,106)が連結した構成において、(三角形の)第2空隙(507)が存在していてもよい。この第2空隙(507)によって、角度を付ける動きの際、側方舌部(400)にとっての利用可能な空間が広がり、それゆえ、その結果、第1および第3連結外形(104,106)の連結がより容易となる。連結した構成において、第1近位側部接触部分(403’)は、上向きロック要素(433)の上側接触部分(434a)に当接しており、これによって、2つのタイル(100,201,202,301)を水平方向にロックする。この水平方向のロックは、第1近位側部接触部分(403’)と、上向きロック要素(433)の上側接触部分(434a)と、の間の摩擦によって実現してもよい。第3凹部(430)とは反対側を向く、上向きロック要素(433)の遠位側部(442)の右側に、第1および第3連結外形(104,106)が連結した構成において、第3空隙(508)が存在していてもよい。第3空隙(508)は、第1下向きフランク(401)と、下唇部(432)、特に上向きロック要素(433)と、の間に開いた空間(508)を画定している。この開いた空間(508)によって、パネルの下方への移動がより容易となる。これは、第1下向きフランク(401)と、第3凹部(430)とは反対側を向く、上向きロック要素(433)の遠位側部(442)と、の間の摩擦が、実質的に少なくなり、好ましくは全くなくなるからである。
【0090】
図5cは、連結状態において、第2連結外形(105)の下向き舌部(410)の少なくとも一部が、第3連結外形(106)の第3凹部(430)に挿入されており、第3連結外形(106)の上向きロック要素(433)の少なくとも一部が、第2連結外形(105)の第2下向き凹部(412)に挿入されている状態をさらに示している。第2連結外形(105)と第3連結外形(106)との相互の位置の固定化を確立するために、下向き舌部(410)の底側部(415)の一部、特に第2連結外形(105)の底側部接触部分(415’)は、これにより、第3連結外形(106)の第3凹部(430)の支持面(500)によって、特に支持面(500)の第2支持部分(500b)によって、支持されていてもよい。連結状態において、第2辺(102)と第3辺(103)とは、第2閉じ表面(504)を画定している。第2閉じ表面(504)は、連結した各タイル(100,201,202,301)の上側辺(503)を通る第2垂直面(505)を画定している。第4ロック要素(418)、または少なくともその一部と、下向き舌部(410)の残りの部分とは、第2垂直面(505)の両側に位置しており、第3凹部(430)は、第2垂直面(505)を通って延在している。第2および第3連結外形(105,106)の連結は、第2連結外形(105)、特に下向き舌部(410)を、隣接するタイル(100,201,202,301)における第3連結外形(106)内に、特に第3凹部(430)内に下げる、すなわち、下向きに折り畳むことによって実現することができる。本例において、頂側部(107)の、第2垂直面(505)の近くにおいて、第2連結外形(105)と第3連結外形(106)との両方の頂側部(107)に面取り部(斜角部)が設けられている。これらの2つの面取り部は、垂直面(505)において相互に斜角部を形成している。タイル(100,201,202,301)における、垂直面の両側の、頂側部(107)の近くで、第3連結外形(106)の第3閉じ表面(420)が、第2連結外形(105)の垂直上側壁部(417)に当接している。垂直壁部(417)の底部の近くに、切抜き部(408)が存在しており、切抜き部(408)は、第2垂直面(505)とは反対側の方向に延在する凹部を形成している。切抜き部(408)は、下向きに折り畳む動きの際、第4ロック要素(418)を受けて、垂直方向のロックを実現するように特に構成されている。連結状態において、第4ロック要素(418)の少なくとも一部は、下向き舌部(410)とは反対側の、第2垂直面(505)の側に位置している。第4ロック要素(418)の全体が切抜き部(408)によって確実に受けられるようにするために、切抜き部(408)は、第4ロック要素(418)よりも大きくなっている。垂直上側壁部(417)に対して垂直方向に、垂直上側壁部(417)から測定する、第4ロック要素(418)の最大幅は、好ましくは、0.008mmから0.12mmの間である。第2連結外形(105)の底側部接触部分(415’)は、第3連結外形(106)の支持面(500)の一部によって支持されている。特に、底側部接触部分(415’)は、第2支持部分(500b)によって支持されている。底側部接触部分(415’)の右側に、切抜き部分(414’)が位置している。切抜き部分(414’)は、連結解除の動きをより容易なものとする。切抜き部分(414’)によって、特に、下向き舌部(410)は、上向きロック要素(433)の近位側部(434)上を、特にその第3上側および第3下側接触部分(434a,434b)上を、移動することができる。第3下側接触部分(434b)は、第2近位接触部分(413’)との組み合わせにおいて、下向き舌部(410)の水平方向のロックを達成するために機能する。この水平方向のロックは、第3下側接触部分(434b)と、第2近位接触部分(413’)と、の間の摩擦の結果であってもよい。第2近位接触部分(413’)は、上側部(107)とともに特定の角度を囲んでいてもよく、この角度は、最大で70度であってもよいが、好ましくは、65度を下回る状態を保つ。前記角度をこのレベルを下回る状態に保つことによって、第2および第3連結外形(105,106)の連結解除をより容易なものとすることができる。さらに、下向き舌部(410)の形状は、連結した構成において、第3連結外形(106)で、特にその第3閉じ表面(420)と第3下側接触部分(434b)との間で、締め付けられるようになっていてもよい。上向きロック要素(433)の遠位側部(442)の近くに、連結状態において、第4空隙(509)が残っている。下向きに折り畳む動きの際、首部、すなわち、第2連結外形(105)における最も薄い部分が最小限で弾性変形する。これによって、第2ロック要素(422)は、外向きの膨らみ(443)によって形成される第3ロック要素(440)上を動くことができる。最終的な位置、すなわち、2つのタイル(100,201,202,301)が面一の状態において、第3ロック要素(440)は、傾斜した、実質的に平らな第3ロック面(440’)を有する膨らみ(443)を含んでおり、第2ロック要素(422)は、傾斜した、実質的に平らな第2ロック面(422’)によって部分的に画定される凹部(423)を含んでいる。凹部(423)は、膨らみ(443)の少なくとも一部を収容するように構成されており、第2ロック面(422’)は、第3ロック面(440’)に対向し、好ましくは第3ロック面(440’)と共作用するように構成されている。
【0091】
本文書で使用される「第1」,「第2」,「第3」等のような序数は、識別の目的でのみ使用されている。それゆえ、「第3ロック要素」および「第2ロック要素」という表現の使用は、したがって、「第1ロック要素」が共に存在することを必ずしも必要としない。
【0092】
本発明に係るタイルシステムのタイルは、パネルと呼称することもできる。コア層は、基層と呼称することもでき、複数の副層からなっていてもよく、副層は、例えばガラス繊維層等の補強層を含んでいてもよい。連結外形は、連結部または接続外形と呼称することもできる。「相補的な」連結外形とは、それらの連結外形が互いに協働できることを意味する。しかしながら、この目的のために、相補的な連結外形は、相補的な形態を必ずしも有さない。「垂直方向」にロックすることは、タイルの面に対して直交する方向にロックすることを意味し、「水平方向」にロックすることは、2つのタイルのそれぞれの連結した縁端部に直交する方向であって、タイルによって画定された面と平行または一致する方向にロックすることを意味する。この文書において、「床タイル」または「床パネル」に言及する場合、これらの表現は、「タイル」、「壁タイル」、「天井タイル」、「カバー材タイル」、「パネル」、「壁パネル」、「天井パネル」、「カバー材パネル」のような表現と言い替えることができる。この文書の文脈において、「発泡複合物」および「発泡プラスチック材料」(または「発泡性プラスチック材料」)は、相互に置き換え可能であり、実際に、発泡複合物は、少なくとも1種の(熱)可塑性材料と少なくとも1種の充填剤(非高分子材料)とを含む発泡混合物を含む。
【0093】
上述の発明の概念は、いくつかの例示的な実施形態によって示されている。実施形態の個々の発明の概念は、適用の際、当該実施形態の他の細部まで適用しなくても、適用されうることが想定される。当業者は、具体的な用途に到達するために数多くの発明の概念を組み合わせる(組み換える)ことができることが分かるので、説明した発明の概念の全ての想定される組み合わせの例を詳述する必要はない。上で言及する、および、出願時の請求項で参照する各特徴のうち、数学的な組み合わせは、矛盾する特性を含まない限り、あらゆる組み合わせが可能であることを、ここで明示的に強調する。このように、この出願は、よって、特許請求の範囲に記載の対象の可能性を貯蔵したものをも形成している。
【0094】
本発明は、ここに図示および説明した実施例に限定されず、当業者にとって明らかになる添付の請求項の範囲内の数多くの変形が可能であることが明らかになろう。
【0095】
本特許公報において使用される「comprise」(含む)という動詞およびその活用形は、「comprise」(含む)を意味するだけでなく、「contain」(含有する)、「substantially consist of」(から実質的になる)、「formed by」(によって形成される)およびそれらの活用形も意味すると理解される。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
【手続補正書】
【提出日】2023-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多目的タイルシステム、特に床タイルシステムであって、
複数の多目的タイル、特に床タイルを含み、
前記タイル、好ましくは各タイルは、
第1連結外形を有する少なくとも1つの第1辺であって、前記第1連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
前記側方舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第1下向きフランクと、
前記側方舌部と前記第1下向きフランクとの間に形成された第1下向き凹部と、を含む第1辺と、
第2連結外形を有する少なくとも1つの第2辺であって、前記第2連結外形は、
前記タイルにおける前記上側部と実質的に垂直の方向に延在する下向き舌部と、
前記下向き舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第2下向きフランクと、
前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された第2下向き凹部と、
少なくとも1つの第2ロック要素であって、前記第2連結外形の前記第2下向きフランクに設けられた、前記第2ロック要素と、を含む第2辺と、
第3連結外形を有する、少なくとも1つの第3辺、好ましくは少なくとも2つの第3辺であって、前記第3連結外形は、
更なるタイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部と、前記更なるタイルにおける前記下向き舌部の少なくとも一部と、を収容するために構成されており、上唇部と下唇部とによって画定される第3凹部であって、前記下唇部には上向きロック要素が設けられている、第3凹部と、
少なくとも1つの第3ロック要素であって、前記第3凹部とは反対側を向く、前記下唇部の遠位側部に、および/または、前記第3凹部とは反対側を向く、前記上向きロック要素の遠位側部に設けられた、第3ロック要素と、を含む第3辺と、を含み、
前記第3凹部と対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の近位側部は、前記上唇部とは反対側の方向に、全体的に上向きに傾斜しており、前記上向きロック要素の近位側部は、第1方向に延在する第3下側接触部分と、前記第1方向からそれる第2方向に延在する第3上側接触部分と、を含み、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、回転する動きによって前記第1辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記タイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部が、隣接するタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第1連結外形の前記第1下向き凹部に挿入されており、
前記第1下向きフランクと対向する、前記側方舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3上側接触部分と共作用し、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、好ましくは倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって、前記第2辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記第2連結外形の前記下向き舌部の少なくとも一部が、隣接するタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第2連結外形の前記第2下向き凹部に挿入されており、
少なくとも1つの前記第2ロック要素が、少なくとも1つの前記第3ロック要素に対向して、好ましくは少なくとも1つの前記第3ロック要素と共作用して、垂直方向のロック効果を実現し、
前記第2連結外形における、前記第2下向きフランクと対向する、前記下向き舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3下側接触部分と共作用し、
前記側方舌部は、前記第1下向きフランクとは反対側を向く先端と、前記第1下向きフランクの方を向くかかと部と、を含み、
前記先端と前記かかと部との間に位置する、前記側方舌部の底側部は、前記第1下向きフランクの方に向かう方向において上向きに傾斜し、
前記側方舌部の前記底側部が延在する方向と、前記タイルによって画定される面と、が相互に囲む角度は、2°と10°との間、好ましくは4°と6°との間、特におよそ5°である、タイルシステム。
【請求項2】
好ましくは請求項1に記載の、多目的タイルシステム、特に床タイルシステムであって、
複数の多目的タイル、特に床タイルを含み、
少なくとも1つの第1のタイルは、第1連結外形を有する少なくとも1つの第1辺を含み、前記第1連結外形は、
前記タイルにおける上側部と実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
前記側方舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第1下向きフランクと、
前記側方舌部と前記第1下向きフランクとの間に形成された第1下向き凹部と、を含み、
少なくとも1つの第2のタイルは、第2連結外形を有する少なくとも1つの第2辺を含み、前記第2連結外形は、
前記タイルにおける前記上側部と実質的に垂直の方向に延在する下向き舌部と、
前記下向き舌部から離れて設けられた少なくとも1つの第2下向きフランクと、
前記下向き舌部と前記下向きフランクとの間に形成された第2下向き凹部と、
少なくとも1つの第2ロック要素であって、前記第2連結外形の前記第2下向きフランクに設けられた、第2ロック要素と、を含み、
少なくとも1つの第3のタイルは、第3連結外形を有する、少なくとも1つの第3辺を含み、前記第3連結外形は、
更なるタイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部を収容するために構成されており、上唇部と下唇部とによって画定される第3凹部であって、前記下唇部には上向きロック要素が設けられている、第3凹部と、
少なくとも1つの第3ロック要素であって、前記第3凹部とは反対側を向く、前記下唇部の遠位側部に、および/または、前記第3凹部とは反対側を向く、前記上向きロック要素の遠位側部に設けられた、第3ロック要素と、を含み、
前記第3凹部と対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の近位側部は、前記上唇部とは反対側の方向に、全体的に上向きに傾斜しており、前記上向きロック要素の近位側部は、第1方向に延在する第3下側接触部分と、任意に前記第1方向からそれる、第2方向に延在する第3上側接触部分と、を含み、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、回転する動きによって前記第1辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記第1のタイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部の少なくとも一部が、前記第3のタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第1連結外形の前記第1下向き凹部に挿入されており、
前記第1下向きフランクと対向する、前記側方舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3上側接触部分と共作用し、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、2つのこのようなタイルが、好ましくは倒す動きおよび/または垂直方向の動きによって、前記第2辺および前記第3辺において互いに連結することができるように構成されており、連結状態において、
前記第2のタイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第3のタイルにおける前記第3連結外形の前記第3凹部に挿入されており、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第2連結外形の前記第2下向き凹部に挿入されており、
少なくとも1つの前記第2ロック要素が、少なくとも1つの前記第3ロック要素に対向して、好ましくは少なくとも1つの前記第3ロック要素と共作用して、垂直方向のロック効果を実現し、
前記第2連結外形における、前記第2下向きフランクと対向する、前記下向き舌部の近位側部が、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3下側接触部分と共作用し、
前記第1のタイル、および/または、前記第2のタイル、および/または、前記第3のタイルは、同じタイルによって形成されていてもよく、
前記側方舌部は、前記第1下向きフランクとは反対側を向く先端と、前記第1下向きフランクの方を向くかかと部と、を含み、
前記先端と前記かかと部との間に位置する、前記側方舌部の底側部は、前記第1下向きフランクの方に向かう方向において上向きに傾斜し、
前記側方舌部の前記底側部が延在する方向と、前記タイルによって画定される面と、が相互に囲む角度は、2°と10°との間、好ましくは4°と6°との間、特におよそ5°である、タイルシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分は、前記第3上側接触部分と接続しており、
前記第3下側接触部分は、前記第1方向に延在し、前記第3上側接触部分は、前記第1方向からそれる前記第2方向に延在する、タイルシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分は、少なくとも1つの中間湾曲区画、好ましくは凸状区画を介して前記第3上側接触部分と接続しており、
前記第3下側接触部分は、前記第1方向に延在し、前記第3上側接触部分は、前記第1方向からそれる前記第2方向に延在する、タイルシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分が延在する前記第1方向と、前記タイルによって画定される面と、によって囲われる第1角度は、前記第3上側接触部分が延在する前記第2方向と、前記タイルによって画定され面と、によって囲われる第2角度よりも大きい、タイルシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3下側接触部分が延在する前記第1方向が、前記タイルによって画定される面とともに囲っている角度は、50°~85°、好ましくは60°と75°との間、より好ましくは63°と67°との間、特におよそ65°である、タイルシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3上側接触部分が延在する前記第2方向が、前記タイルによって画定される面とともに囲っている角度は、30°~65°、好ましくは40°と55°との間、より好ましくは47°と53°との間、特におよそ50°である、タイルシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接する前記タイルの前記第1連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第1下向きフランクと対向する、前記側方舌部の近位側部は、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3上側接触部分とのみ共作用する、タイルシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接する前記タイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第2下向きフランクと対向する、前記下向き舌部の近位側部は、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記第3下側接触部分とのみ共作用する、タイルシステム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下向き舌部の底側部と前記下向き舌部の近位側部とによって画定される、前記下向き舌部のかかと部には、前記第2連結外形および前記第3連結外形の非連結化を容易にするための切抜き部分が設けられている、タイルシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のタイルシステムであって、
前記切抜き部分の最大高さは、少なくとも0.2mmである、タイルシステム。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1辺と前記第3辺とは、連結状態において、第1閉じ表面を画定し、前記第1閉じ表面は、連結した各タイルの前記上側辺、または、少なくとも、各タイルの上側部において各タイルが互いに接触する箇所を通る第1垂直面を画定する、タイルシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、前記側方舌部と前記第3凹部とのそれぞれが、前記第1垂直面を通って延在するように構成されている、タイルシステム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2辺と前記第3辺とは、連結状態において、第2閉じ表面を画定し、前記第2閉じ表面は、連結した各タイルの上側辺、または、少なくとも、各タイルの前記上側部において各タイルが互いに接触する箇所を通る第2垂直面を画定する、タイルシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、前記下向き舌部が、前記第2垂直面の一方の側に位置し、前記第3凹部が、前記第2垂直面を通って延在するように構成されている、タイルシステム。
【請求項16】
上記請求項1から15のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向きフランクとは反対側を向く、前記下向き舌部の遠位側部には、第4ロック要素が設けられており、
前記第3連結外形の前記上唇部には、第5ロック要素が設けられており、前記第5ロック要素は、前記第4ロック要素と対向して、好ましくは、前記第4ロック要素と共作用して、互いに隣接する前記タイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、垂直方向のロック効果を達成するように構成されている、タイルシステム。
【請求項17】
請求項14または15および請求項16に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接するタイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第4ロック要素と前記下向き舌部の残りの部分とは、前記第2垂直面の両側に位置する、タイルシステム。
【請求項18】
請求項14または15および請求項16または17に記載のタイルシステムであって、
互いに隣接するタイルの前記第2連結外形と前記第3連結外形との連結状態において、前記第5ロック要素と前記上唇部の残りの部分とは、前記第2垂直面の両側に位置する、タイルシステム。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第4ロック要素は、第3方向に延在する上側部を有する膨らみを含み、
前記上側部は、前記第2下向きフランクとは反対側の方向に、下向きに傾斜し、
前記第3方向と前記タイルによって画定される面とによって囲われる第3角度は、25°と35°との間、好ましくは28°と32°との間、特におよそ30°である、タイルシステム。
【請求項20】
請求項14または15および請求項16から19のうちの1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2垂直面における前記第4ロック要素の最大幅は、0.06mmから0.16mm、好ましくは0.08mmから0.12mmである、タイルシステム。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記上側部は、隣接する前記タイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部と、隣接する前記タイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部と、の両方のための支持面を画定する、タイルシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記支持面は、隣接する前記タイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部を支持するための第2支持部分と、隣接する前記タイルにおける前記第1連結外形の前記側方舌部を支持するための第1支持部分と、を含み、
前記第2支持部分と前記第1支持部分とは、互いから離れて位置する、タイルシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のタイルシステムであって、
前記第2支持部分は、前記第1支持部分よりも前記上向きロック要素の近くに位置する、タイルシステム。
【請求項24】
請求項21から23のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記支持面は、実質的に平らである、タイルシステム。
【請求項25】
請求項21から24のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記下唇部の前記支持面は、前記上向きロック要素の方に向かって下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項26】
請求項25に記載のタイルシステムであって、
傾斜した前記支持面が延在する方向と、前記タイルによって画定される面とが相互に囲む角度は、1°と4°との間、特に2°~3°である、タイルシステム。
【請求項27】
請求項22から26のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の断面図において、前記第1支持部分の幅は、前記第2支持部分の幅よりも小さい、タイルシステム。
【請求項28】
請求項22から27のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の断面図において、前記第1支持部分は、点接触を画定しており、前記第2支持部分は、線接触を画定している、タイルシステム。
【請求項29】
請求項22から28のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2支持部分と前記第1支持部分との間に位置する、前記下唇部の前記支持面の中間部分は、案内面として作用するように構成されており、前記案内面は、互いに隣接するタイルの前記第1連結外形と前記第3連結外形とを連結する際、前記第1連結外形の前記側方舌部を案内するためのものである、タイルシステム。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、これらの連結外形が、連結状態において、上方へ回転する動きによって非連結化するように構成されている、タイルシステム。
【請求項31】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、これらの連結外形が、連結状態において、上方へ回転する動きによって非連結化するように構成されている、タイルシステム。
【請求項32】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向きフランクは、いかなるロック要素をも有していない、タイルシステム。
【請求項33】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、前記第1辺と前記第3辺とからなる対向辺の第1対を含んでいる、タイルシステム。
【請求項34】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、前記第2辺と前記第3辺とからなる対向辺の第1対を含んでいる、タイルシステム。
【請求項35】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、垂直方向と水平方向との両方でタイルを一緒にロックするために構成されている、タイルシステム。
【請求項36】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、垂直方向と水平方向との両方でタイル一緒にロックするために構成されている、タイルシステム。
【請求項37】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3ロック要素は、少なくとも1つの外向きの膨らみを含み、
前記第2ロック要素は、少なくとも1つの第2ロック凹部を含み、
前記膨らみと前記凹部とは、実質的に相補的な形状を有している、タイルシステム。
【請求項38】
請求項1から3のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形の少なくとも1つの第2ロック要素は、前記第2下向き凹部とは反対側を向く、前記下向き舌部の遠位側部に設けられ、
前記第3連結外形の少なくとも1つの第3ロック要素は、前記上唇部の側部であって、連結状態において、隣接するタイルにおける前記第2連結外形の前記下向き舌部の遠位側部と対向する側部に設けられる、タイルシステム。
【請求項39】
請求項1から38のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向き凹部と対向する、前記第2連結外形の前記下向き舌部の近位側部の少なくとも一部は、前記第2下向きフランクとは反対側に向かう方向において下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0°と60°との間、特に0°と45°との間である、タイルシステム。
【請求項40】
請求項1から39のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向き凹部と対向する、前記第1連結外形の前記側方舌部の近位側部の少なくとも一部は、前記第1下向きフランクとは反対側に向かう方向において下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0°と60°との間、特に0°と45°との間である、タイルシステム。
【請求項41】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3ロック要素は、好ましくは下方を向く、第3接触部分を含み、
前記第2ロック要素は、好ましくは上方を向く、第2接触部分を含み、
隣接するタイル同士の連結状態において、前記第2接触部分は、前記第3接触部分と対向し、好ましくは、前記第3接触部分と共作用し、
好ましくは上方を向く前記第2接触部分の上方に位置する、前記第2ロック要素の上側第2部の全体と、好ましくは下方を向く前記第3接触部分の上方に位置する、前記第3ロック要素の上側第3部の全体とは、互いから離れて位置して、空隙(509)を形成しており、前記空隙は、好ましくは、前記下向き舌部の近位側部と前記第3連結外形との間の接触区画に延在する、タイルシステム。
【請求項42】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向き凹部と対向する、前記第1連結外形の前記側方舌部の近位側部の少なくとも一部は、前記第1下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜しており、好ましくは、各タイルによって画定される面に垂直な法線とともに囲う角度は、0°と60°との間、特に0°と45°との間である、タイルシステム。
【請求項43】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形の前記側方舌部の近位側部と、前記第1連結外形の前記側方舌部の底側部と、の間の第1遷移区画は、湾曲している、タイルシステム。
【請求項44】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形の前記下向き舌部の近位側部と、前記第2連結外形の前記下向き舌部の底側部と、の間の第2遷移区画は、湾曲している、タイルシステム。
【請求項45】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の前記上向きロック要素の近位側部と、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の上側部と、の間の第3遷移区画は、湾曲している、タイルシステム。
【請求項46】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3連結外形の前記下唇部の下側部は、前記上唇部の遠位端の方に向かう方向において上向きに傾斜しており、
前記下唇部における傾斜する下側部の下に凹部が存在しており、前記凹部は、特に連結する際、前記下唇部が下方に曲がることを可能にしている、タイルシステム。
【請求項47】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、前記第1連結外形が前記第3連結外形によって締め付けられるように構成されている、タイルシステム。
【請求項48】
請求項1から4のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、連結において、前記第2連結外形が前記第3連結外形によって締め付けられるように構成されている、タイルシステム。
【請求項49】
請求項1から48のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、前記第1連結外形と前記第3連結外形との間の連結状態には、予張力が実質的に存在しないように構成されている、タイルシステム。
【請求項50】
請求項1から49のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、前記第2連結外形と前記第3連結外形との間の連結状態には、予張力が実質的に存在しないように構成されている、タイルシステム。
【請求項51】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、複数の、好ましくは少なくとも3つの、遠位の接触区画が存在し、隣接する接触区画の各対の間に空間が残るように構成されている、タイルシステム。
【請求項52】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2連結外形と前記第3連結外形とは、連結状態において、複数の、好ましくは少なくとも3つの、遠位の接触区画が存在し、隣接する接触区画の各対の間に空間が残るように構成されている、タイルシステム。
【請求項53】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向き凹部とは反対側を向く、前記下向き舌部の遠位側部は、前記タイルにおける前記上側部に隣接する垂直上側壁部と、垂直壁部の下方に隣接する角度付き壁部であって、前記下向き舌部の遠位側部の、面取りした、および/または、湾曲した前記下側壁部の方に向かって内向きに角度が付いている角度付き壁部と、を少なくとも含む、タイルシステム。
【請求項54】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
タイル同士の連結状態において、前記第1連結外形の前記第1下向きフランクと、前記第1下向きフランクと対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素および/または前記下唇部の遠位側部と、は互いから離れて位置する、タイルシステム。
【請求項55】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
タイル同士の連結状態において、前記第2連結外形の前記第2下向きフランクと、前記第2下向きフランクと対向する、前記第3連結外形の前記上向きロック要素および/または前記下唇部の遠位側部と、は少なくとも部分的に互いから離れて位置する、タイルシステム。
【請求項56】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記上向きロック要素の上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、前記第3連結外形の前記上唇部とは反対側に向かう方向において下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項57】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1下向き凹部の上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、前記第1下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項58】
請求項5および5に記載のタイルシステムであって、
両方の傾斜が相互に囲む角度が、0°と5°との間である、タイルシステム。
【請求項59】
請求項1から5のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第2下向き凹部の前記上側部の少なくとも一部、好ましくはその全体が、前記第2下向きフランクの方に向かって下向きに傾斜している、タイルシステム。
【請求項60】
請求項5および59に記載のタイルシステムであって、
両方の傾斜が相互に囲む角度が、0°と5°との間である、タイルシステム。
【請求項61】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
2つのタイルの連結状態において、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記上側部は、前記第1連結外形の前記第1下向き凹部の前記上側部から離れて位置し、
2つのタイルの連結状態において、前記第3連結外形の前記上向きロック要素の前記上側部は、前記第2連結外形の前記第2下向き凹部の前記上側部から離れて位置する、タイルシステム。
【請求項62】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第3ロック要素は、傾斜する、実質的に平らな第3ロック面を有する膨らみを含み、
前記第2ロック要素は、傾斜する、実質的に平らな第2ロック面によって部分的に画定される凹部を含み、
前記凹部は、膨らみの少なくとも一部を収容するように構成されており、
前記第2ロック面は、前記第3ロック面と対向する、好ましくは、前記第3ロック面と共作用するように構成されている、タイルシステム。
【請求項63】
請求項6に記載のタイルシステムであって、
前記第2ロック面と前記第3ロック面とのそれぞれが前記タイルによって画定される面とともに囲む角度は、30°~40°、好ましくは33°~38°の間、より好ましくは35°~37°、特におよそ36°である、タイルシステム。
【請求項64】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、少なくとも2つの前記第3連結外形を含む、タイルシステム。
【請求項65】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記上向きロック要素の前記上側部は、前記第3連結外形の前記上唇部よりも低いレベルに位置する、タイルシステム。
【請求項66】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1辺および/または前記第2辺および/または前記第3辺には、タイルの上側部に、またはその近くに、斜角部またはグラウト部等の面取り部が設けられている、タイルシステム。
【請求項67】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記タイルシステムは、2つの異なる種類のタイル(それぞれ、AとB)を含み、
一方の種類のタイルの各連結外形のみが、他方の種類のタイルの対応する各連結外形に対して鏡反転して配置され、
好ましくは、少なくとも1つのタイル(A)は、各辺が、上から見た場合に、時計回りに、第1辺、第3辺、他の第3辺、第2辺の順に配置される構成を有し、
好ましくは、少なくとも1つのタイル(B)は、各辺が、上から見た場合に、時計回りに、第1辺、第2辺、第3辺、他の第3辺の順に配置される構成を有する、タイルシステム。
【請求項68】
請求項1から6のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
タイルの各対向辺の長さは、実質的に同一である、タイルシステム。
【請求項69】
請求項1から68のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、少なくとも1つの前記第1連結外形と、少なくとも1つの前記第2連結外形と、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの前記第3連結外形と、の他にはいかなる連結外形をも有していない、タイルシステム。
【請求項70】
請求項1から69のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
複数のタイルが、正方形および/または矩形の形状を有する、タイルシステム。
【請求項71】
請求項1から7のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
複数のタイルが、平行四辺形の形状を有し、
前記タイルは、シュブロン形状のパターンで接合するように構成されており、
隣接する辺の2つの対は、鋭角を囲んでおり、
他の隣接する辺の2つの対は、鈍角を囲んでいる、タイルシステム。
【請求項72】
請求項7に記載のタイルシステムであって、
前記鋭角は、30°と60°との間であり、好ましくは実質的に45°である、タイルシステム。
【請求項73】
請求項7または7に記載のタイルシステムであって、
前記鈍角は、120°と150°との間であり、好ましくは実質的に135°である、タイルシステム。
【請求項74】
請求項1から7のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくとも1つのタイルは、コア層と、前記コア層の上側部に固定された少なくとも1つの上側基材と、を含み、
前記上側基材は、装飾層、好ましくは装飾用のプリント層を好ましくは含む、タイルシステム。
【請求項75】
請求項7に記載のタイルシステムであって、
少なくとも1つの前記上側基材は、
装飾層と、
少なくとも1つの、少なくとも部分的に透明、または半透明の、前記装飾層を覆う摩耗層であって、前記摩耗層の頂面が、前記タイルの頂面である摩耗層と、
任意に、前記装飾層と前記摩耗層との間に位置する、透明な仕上げ層と、
を含む、タイルシステム。
【請求項76】
請求項7から7のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記上側基材は、以下からなる群から選択される少なくとも1つの材料から少なくとも部分的になっている、タイルシステム。
金属、合金、自然石、大理石、花崗岩、スレート、ガラス、セラミックス、ビニルモノマー共重合体および/またはホモポリマー等の高分子材料
ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂等の縮合重合体
植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、セラミック繊維、および炭素繊維等の天然高分子材料またはその改質誘導体。
【請求項77】
請求項7に記載のタイルシステムであって、
前記ビニルモノマー共重合体および/または前記ホモポリマーは、以下からなる群から選択される、タイルシステム。
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)共重合体、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、およびスチレン-無水マレイン酸共重合体。
【請求項78】
請求項7から7のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくとも1つの前記上側基材は、接着剤および/または融着によって前記コア層の上側部に固定されている、タイルシステム。
【請求項79】
請求項1から78のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、少なくとも1つの前記コア層を含む、タイルシステム。
【請求項80】
請求項79に記載のタイルシステムであって、
前記コア層の少なくとも一部は、発泡している、タイルシステム。
【請求項81】
請求項8に記載のタイルシステムであって、
発泡した前記コア層は、ポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリウレタン(PU)から少なくとも部分的になっている、タイルシステム。
【請求項82】
請求項79から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記コア層は、以下からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含む、タイルシステム。
エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイソシアヌレート(PIR)、またはこれらの混合物。
【請求項83】
請求項79から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記コア層は、少なくとも1つの高分子材料と少なくとも1つの非高分子材料との、少なくとも1つの複合材を含む、タイルシステム。
【請求項84】
請求項79から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルは、前記コア層の底側部に固定された、少なくとも1つの支持層を含み、
少なくとも1つの前記支持層は、軟質材料、好ましくはエラストマーまたはコルクから少なくとも部分的になっている、タイルシステム。
【請求項85】
請求項1から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
各タイルにおける、前記第1連結外形の少なくとも一部、および/または、前記第2連結外形の少なくとも一部、および/または、前記第3連結外形の少なくとも一部は、前記コア層と一体的に接続している、タイルシステム。
【請求項86】
請求項1から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記第1連結外形および/または前記第2連結外形および/または前記第3連結外形は、タイルを連結する際、および、非連結化する際、変形を可能とする、タイルシステム。
【請求項87】
請求項1から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくともいくつかのタイルは同一である、タイルシステム。
【請求項88】
請求項1から8のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
少なくともいくつかのタイルは、大きさおよび/または形状が異なっている、タイルシステム。
【請求項89】
請求項1から88のいずれか1項に記載のタイルシステムであって、
前記タイルシステムは、異なる種類のタイル(それぞれ、AとB)を含み、
第1の種類のタイル(A)は、大きさが、第2の種類のタイル(B)と異なっている、タイルシステム。
【請求項90】
請求項88または89に記載のタイルシステムであって、
特有の視覚的な模様が、好ましくは設置の目的で、異なるタイルの種類に適用されている、タイルシステム。
【請求項91】
請求項9に記載のタイルシステムであって、
前記特有の視覚的な模様が、各タイルにおける前記第3連結外形の上側部に、好ましくは各タイルにおける前記第3連結外形の前記上向きロック要素の上側部に、適用されている、タイルシステム。
【請求項92】
タイルカバー材、特に床カバー材、天井カバー材、または壁カバー材であって、
請求項1から9のいずれかに記載のタイルシステムにおける相互に連結したタイルからなっている、タイルカバー材。
【請求項93】
請求項1から9のいずれか1項に記載の多目的タイルシステムに用いるためのタイル。
【国際調査報告】