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特表2024-525438フェノール系化合物のポリカチオン塩およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】フェノール系化合物のポリカチオン塩およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20240705BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/00 E
A23L27/00 101A
A23L27/00 101Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579850
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022035243
(87)【国際公開番号】W WO2023278394
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/215,798
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】21187831.9
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519321867
【氏名又は名称】フィルメニッヒ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Firmenich Incorporated
【住所又は居所原語表記】250 Plainsboro Road, Plainsboro, NJ 08536, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ アール. フォチング
(72)【発明者】
【氏名】チン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ダッタトレヤ バナヴァラ
【テーマコード(参考)】
4B047
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LB09
4B047LF01
4B047LF02
4B047LF03
4B047LF04
4B047LF05
4B047LF06
4B047LF07
4B047LF08
4B047LF09
4B047LG04
4B047LG06
4B047LG18
4B047LG32
4B047LP02
(57)【要約】
本開示は、総じて、フラバノン類、ジヒドロカルコン類および関連するポリフェノール系化合物のポリアルカリ金属塩を提供する。いくつかの態様において、本開示は、該フラバノン類、ジヒドロカルコン類および関連するポリフェノール系化合物のポリアルカリ金属塩を含む特定の組成物、例えば、該フラバノン類、ジヒドロカルコン類および関連するポリフェノール系化合物のポリアルカリ金属塩と、1つ以上の甘味料とを含む組成物を提供する。いくつかの他の態様において、本開示は、甘味飲食料品などの甘味物品のカロリー含有量を低減する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、R、RおよびRは、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R、RおよびRの少なくとも1つは、-OHであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせであり;点線は、任意の炭素-炭素二重結合を表す]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩である、フレーバー変調化合物。
【請求項2】
式(I)の化合物の二ナトリウム塩または二カリウム塩である、請求項1記載のフレーバー変調化合物。
【請求項3】
前記式(I)の化合物が、ナリンゲニンであり、前記ナリンゲニンが、その純粋な(S)形態である、請求項1または2記載のフレーバー変調化合物。
【請求項4】
前記式(I)の化合物が、ナリンゲニンであり、前記ナリンゲニンが、その(R)形態とその(S)形態とのラセミ混合物である、請求項1または2記載のフレーバー変調化合物。
【請求項5】
式(II):
【化2】
[式中、R11、R12、R13およびR14は、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つは、-OHであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせである]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩である、フレーバー変調化合物。
【請求項6】
式(II)の化合物の二ナトリウム塩または二カリウム塩である、請求項5記載のフレーバー変調化合物。
【請求項7】
11が、-OHまたは-OCHであり、R12が、水素原子または-OHであり、R13が、-OHであり、R14が、水素原子または-OHである、請求項5または6記載のフレーバー変調化合物。
【請求項8】
前記式(II)の化合物が、フロレチンである、請求項7記載のフレーバー変調化合物。
【請求項9】
式(III):
【化3】
[式中、R21およびR22は、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R21およびR22の少なくとも1つは、-OHであり;R23は、C1~6アルキルまたは-CH-R24であり;R24は、-OH、-OCHまたはそれらの組み合わせによって1~3回任意に置換されたフェニルであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせである]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩である、フレーバー変調化合物。
【請求項10】
式(III)の化合物の二ナトリウム塩または二カリウム塩である、請求項9記載のフレーバー変調化合物。
【請求項11】
摂取可能な組成物の甘味を増強するための、請求項1から10までのいずれか1項記載のフレーバー変調化合物の使用。
【請求項12】
摂取可能な組成物の苦味を低減するための、請求項1から10までのいずれか1項記載のフレーバー変調化合物の使用。
【請求項13】
摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減するための、請求項1から10までのいずれか1項記載のフレーバー変調化合物の使用。
【請求項14】
前記摂取可能な組成物が、甘味料、苦味呈味物質またはそれらの組み合わせを含む、請求項11から13までのいずれか1項記載の使用。
【請求項15】
請求項1から10までのいずれか1項記載のフレーバー変調化合物と甘味料とを含む摂取可能な組成物であって、前記甘味料が、ステビオール配糖体、モグロシドまたはそれらの組み合わせである、摂取可能な組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、総じて、フラバノン類、ジヒドロカルコン類および関連するポリフェノール系化合物のポリアルカリ金属塩を提供する。いくつかの態様において、本開示は、該フラバノン類、ジヒドロカルコン類および関連するポリフェノール系化合物のポリアルカリ金属塩を含む特定の組成物、例えば、該フラバノン類、ジヒドロカルコン類および関連するポリフェノール系化合物のポリアルカリ金属塩と、1つ以上の甘味料とを含む組成物を提供する。いくつかの他の態様において、本開示は、甘味飲食料品などの甘味物品のカロリー含有量を低減する方法を提供する。
【0002】
関連技術の説明
味覚システムは、外界の化学組成に関する感覚情報を提供する。味覚の伝達は、動物における化学的トリガーによる感覚のより洗練された形態のひとつである。味覚のシグナル伝達は、単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物まで、動物界全体に見られる。哺乳類には、甘味、苦味、酸味、塩味、うま味の5つの基本的な味覚様式があると考えられている。
【0003】
甘味は、糖分を多く含む食品を食べたときに最もよく知覚する味である。哺乳類は総じて、過剰な場合を除き、甘味を快感として知覚する。スクロースやフルクトースなどの有カロリー甘味料は、甘味物質の典型例である。ノンカロリーや低カロリーの様々な代用品が存在するが、これらの有カロリー甘味料は依然として、可食性製品が消費時に甘味の知覚を誘発する主要な手段である。
【0004】
代謝異常および関連疾患、例えば肥満、糖尿病および心血管疾患は、世界中で公衆衛生上の大きな問題となっている。そしてその有病率は、ほとんどすべての先進国で憂慮すべき割合で増加している。有カロリー甘味料はこの傾向の主な原因であり、消費者がよりおいしく感じられるよう、様々な加工飲食料品に含まれている。多くの場合、スクロースやフルクトースの代わりにノンカロリーまたは低カロリーの代用品を食品や飲料に使用することができる。それでも、これらの化合物は有カロリー甘味料とは異なる甘味を付与するため、多くの消費者は、これらを適切な代替品として見なすことができない。さらに、このような化合物は、特定の製品に組み込むのが難しい場合がある。場合によっては、これらは有カロリー甘味料の部分的な代替品として使用されることもあるが、その存在だけで、多くの消費者は、渋味、苦味、金属味、カンゾウ味などの不快な異味を知覚することがある。このように、低カロリー甘味料は、その採用において一定の課題に直面している。
【0005】
甘味増強は、低カロリー甘味料が直面する採用上の課題のいくつかを克服するための代替的なアプローチを提供する。このような化合物は、甘味を増強するためにスクロースやフルクトースと組み合わせて使用することができ、それによって様々な飲食料品におけるこのような有カロリー甘味料の使用量を低減することができる。しかし、このような化合物は、主たる甘味料の知覚される甘味を増強するだけでなく、甘味料の知覚される味を変化させる。したがって、多くの消費者は、高カロリーの甘味増強されていない代替品と比較して、このような甘味増強された製品を摂取することはあまり喜ばしいことではないと感じる。したがって、消費者がそのような甘味料を含む製品を飲食する際に経験する喜びを損なうような形で知覚される味を変化させることなく、有カロリー甘味料の甘味を増強する化合物を発見する必要性が依然として存在する。
【0006】
概要
本開示は、ラクターゼ酵素を特定の甘味増強剤と併用することで、スクロースやフルクトースなどの有カロリー甘味料を大量に添加する必要なく、乳製品の甘味を改善できるという発見に関する。
【0007】
第1の態様において、本開示は、式(I):
【化1】
[式中、R、RおよびRは、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R、RおよびRの少なくとも1つは、-OHであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせであり;点線は、任意の炭素-炭素二重結合を表す]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であるフレーバー変調化合物を提供する。
【0008】
第2の態様において、本開示は、式(II):
【化2】
[式中、R11、R12、R13およびR14は、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つは、-OHであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせである]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であるフレーバー変調化合物を提供する。
【0009】
第3の態様において、本開示は、式(III):
【化3】
[式中、R21およびR22は、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R21およびR22の少なくとも1つは、-OHであり;R23は、C1~6アルキルまたは-CH-R24であり;R24は、-OH、-OCHまたはそれらの組み合わせによって1~3回任意に置換されたフェニルであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせである]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であるフレーバー変調化合物を提供する。
【0010】
第4の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘味を増強するための、第1、第2または第3の態様のいずれかのフレーバー変調化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、有カロリー甘味料を含む。そのいくつかの他の実施形態において、摂取可能な組成物は、ノンカロリー甘味料を含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、高強度甘味料である。特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘味を増強する方法であって、該方法は、第1、第2または第3の態様のいずれかのフレーバー変調化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。
【0011】
第5の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減するための、第1、第2または第3の態様のいずれかのフレーバー変調化合物の使用を提供する。そのいくつかの他の実施形態において、摂取可能な組成物は、苦味または不快な後味を有するノンカロリー甘味料などのノンカロリー甘味料を含む。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、ノメリン、リモニン、カフェイン、植物性タンパク質などの苦味化合物を含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、高強度甘味料である。特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減する方法であって、該方法は、第1、第2または第3の態様のいずれかのフレーバー変調化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。
【0012】
第6の態様において、本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減するための、第1、第2または第3の態様のいずれかのフレーバー変調化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、有カロリー甘味料を、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を含まない等甘味の組成物の濃度よりも低い濃度で含む。特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減する方法であって、該方法は、第1、第2または第3の態様のいずれかのフレーバー変調化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。
【0013】
第7の態様において、本開示は、第1、第2または第3の態様のいずれかのフレーバー変調化合物を含む摂取可能な組成物を提供する。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、天然に存在する組成物ではない。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、甘味料を含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、キシリトール、エリスリトールまたはそれらの組み合わせなどの有カロリー甘味料である。いくつかの実施形態において、甘味料は、ステビオール配糖体、モグロシド、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、サッカリンまたはそれらのいずれかの組み合わせなどのノンカロリー甘味料である。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、1つ以上の高強度甘味料を含む。
【0014】
第8の態様において、本開示は、第7の態様のいずれかの摂取可能な組成物を含むフレーバー付与された製品を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー付与された製品は、ソーダ、フレーバー水、茶などの飲料品である。いくつかの他の実施形態において、フレーバー付与された製品は、ヨーグルトなどの食品である。
【0015】
さらなる態様およびその実施形態は、以下の詳細な説明、図面、要約、および特許請求の範囲に記載されている。
【0016】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、本明細書で提供される様々な態様および実施形態を説明している。この説明は、関連技術の当業者の観点から読まれるべきである。したがって、そのような当業者に周知の情報は、必ず含まれるとは限らない。
【0017】
定義
以下の用語および語句は、本明細書で別途示されていない限り、以下に示す意味を有する。本開示は、本明細書で明示的に定義されていない別の用語および語句を使用する場合がある。そのような他の用語および語句は、本開示の文脈内で当業者に対してそれらが持つ意味を有する。場合によっては、用語または語句は単数形または複数形で定義されることがある。そのような場合、そうではないとの明示的な指示がない限り、単数形の用語がその複数形の対応するものを含む場合があり、その逆の場合もあることが理解される。
【0018】
本明細書で使用される場合、「甘味料」とは、被験者に検出可能な甘味フレーバーを誘発する化合物またはその食用として許容される塩を指し、例えば、イン・ビトロスクリーニングの過程でヒトT1R2またはT1R3受容体を活性化する化合物や、ヒト被験者による官能試験で甘味があると報告された化合物が挙げられる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「C~C」または「Ca~b」(「a」および「b」は整数である)は、指定された基中の炭素原子の数を指す。すなわち、基は、「a」~「b」個の炭素原子を含むことができる。したがって、例えば、「C~Cアルキル」または「C1~4アルキル」基は、1~4個の炭素を有するすべてのアルキル基、すなわち、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CH(CH)CHCHおよび-C(CHを指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「アルキル」とは、完全に飽和している(すなわち、二重結合も三重結合も含まない)直鎖状または分岐状炭化水素鎖を意味する。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~20個の炭素原子を有する(本明細書において出現するときはいつでも、「1~20」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指し;例えば、「1~20個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などから20個以下の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現も対象とする)。アルキル基はまた、1~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキルであってもよい。アルキル基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、「C1~4アルキル」または同様の呼称で指定することができる。あくまで例として、「C1~4アルキル」は、アルキル鎖中に1~4個の炭素原子が存在すること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルからなる群から選択されることを示す。代表的なアルキル基としては、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。反対の指示がない限り、「アルキル」という用語は、さらには置換されていない基を指す。
【0021】
特定の基の命名規則は、文脈に応じて一価の基または二価の基のいずれかを含み得ることが理解されるべきである。例えば、置換基が分子の残りの部分に対して2つの結合点を必要とする場合、その置換基は二価の基であると理解される。例えば、アルキルとして特定される置換基であって2つの結合点を必要とするものには、-CH-、-CHCH-、-CHCH(CH)CH-などの二価の基が含まれる。
【0022】
置換基が二価の基として示されている(すなわち、分子の残りの部分に対して2つの結合点を有する)場合、特に指示がない限り、置換基はどのような方向構成でも結合し得ることが理解されるべきである。したがって、例えば、-AE-または
【化4】
と示されている置換基は、Aが分子の左端の結合点に結合している向きや、Aが分子の右端の結合点に結合している向きの置換基を含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないとの明示的な指示がない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「ある置換基(a substituent)」への言及は、単一の置換基だけでなく、2つ以上の置換基なども包含する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「例えば(for example、for instance)」、「など(such as)」、または「含む(including)」は、より一般的な主題をさらに明確にする例を紹介することを意図している。別段の明示的な指示がない限り、そのような例は、本開示に示される実施形態を理解するための補助としてのみ提供されており、いかなる形でも限定することを意図するものではない。また、これらの語句は、開示の実施形態に対するいかなる種類の選択も示さない。
【0025】
本明細書で使用される場合、「含む(compriseまたはcomprisesまたはcomprisingまたはcomprised of)」は、開放された集団を指す。これは、その集団が、明示的に列挙されたものに加えて追加の要素を含み得ることを意味する。例えば、「Aを含む」という語句は、Aが存在しなければならないが、他の要素も存在し得ることを意味する。「~を含む」、「~を有する」、「~から構成される」という用語およびそれらの文法上の変形形態は、同じ意味を有する。対照的に、「からなる(consist ofまたはconsists ofまたはconsisting of)」は閉じられた集団を指す。例えば、「Aからなる」という語句は、AおよびAのみが存在することを意味する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「任意に」とは、その後に記載される事象が生じても生じなくてもよいことを意味する。いくつかの実施形態において、任意の事象は生じない。別のいくつかの実施形態において、任意の事象は1回以上生じる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「または」は、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、いずれか/または構成に限定されるべきではない。したがって、「AまたはBを含む」という語句は、Aが存在することができ、かつBが存在することができないこと、またはBが存在し、かつAが存在しないこと、またはAとBの両方が存在することを意味する。さらに、例えばAが複数の要素、例えばAおよびAを有することができる分類を定義する場合には、分類の1つ以上の要素が同時に存在することができる。
【0028】
基の結合点は、総じて末尾のダッシュ(-)またはアスタリスク()で示される。例えば、-CH-CHまたは-CH-CHなどの基は、どちらもエチル基を表す。
【0029】
化学構造は、多くの場合炭素原子が明示的に表されず炭素原子に結合している水素原子が完全に省略される「骨格」形式を使用して示される。例えば、構造
【化5】
はブタン(すなわちn-ブタン)を表す。さらに、ベンゼンなどの芳香族基は、寄与している共鳴構造の1つを示すことによって表される。例えば、構造
【化6】
はトルエンを表す。
【0030】
他の用語は、このサブセクションには含まれていないものの、本明細書の他の部分で定義される。
【0031】
フレーバー変調化合物
特定の態様において、本開示は、式(I):
【化7】
[式中、R、RおよびRは、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R、RおよびRの少なくとも1つは、-OHであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせであり;点線は、任意の炭素-炭素二重結合を表す]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であるフレーバー変調化合物を提供する。
【0032】
、RおよびRは、上記の選択肢にしたがって任意の適切な値を有することができる。いくつかの実施態様において、Rは、-OHである。いくつかの実施態様において、RおよびRの一方は、-OHであり、他方は水素原子、-OHまたは-OCHである。
【0033】
場合によっては、RおよびRの値は、任意の炭素-炭素二重結合が存在するかまたは存在しないかに依存し得る。いくつかの実施形態において、任意の炭素-炭素二重結合が存在しない場合、Rは、水素原子または-OCHである。いくつかのさらなるそのような実施形態において、任意の炭素-炭素二重結合が存在しない場合、Rは、水素原子である。いくつかの代替実施形態において、任意の炭素-炭素二重結合が存在しない場合、Rは-OCHである。
【0034】
任意の炭素-炭素二重結合は、存在してもしなくてもよい。いくつかの実施形態において、任意の炭素-炭素二重結合は存在し、環は任意の炭素-炭素二重結合を含む。他の実施形態において、任意の炭素-炭素二重結合は存在せず、環は任意の炭素-炭素二重結合を含まない。
【0035】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物はナリンゲニンであり、ここで、RおよびRは、-OHであり、Rは、水素原子であり、任意の炭素-炭素二重結合は存在しない。
【0036】
フレーバー変調化合物は、ジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩である。「塩」という用語は、以下の両方を指す:(a)固体状態の形態、ここで、式(I)の化合物のジアニオンまたはトリアニオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオンまたはそれらの組み合わせを有する固体状態のマトリックス中に配置される(いくつかの実施形態において、そのような固体は、水性マトリックスなどの液体マトリックス中に懸濁される)、および(b)溶媒和、ここで、式(I)の化合物のジアニオンまたはトリアニオンは、十分な数のナトリウムカチオン、カリウムカチオンまたはそれらの組み合わせが存在する液体媒体(水性媒体など)中に配置され、それにより電荷中性の収支が確立される。カチオンとアニオンとのモル比は正確でない場合があることに留意すべきである。例えば、「ジアルカリ金属塩」とは、アニオンの有効電荷が約-2であり、このアニオンの負電荷と釣り合うように約2モルのナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンが存在することを意味する。同様に、「トリアルカリ金属塩」とは、アニオンの有効電荷が約-3であり、このアニオンの負電荷と釣り合うように約3モルのナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンが存在することを意味する。
【0037】
フレーバー変調化合物は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせの任意の適切なジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であり得る。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、三ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、二カリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、三カリウム塩である。
【0038】
特定の態様において、本開示は、式(II):
【化8】
[式中、R11、R12、R13およびR14は、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つは、-OHであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせである]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であるフレーバー変調化合物を提供する。
【0039】
11およびR12は、上記のパラメータの範囲内で任意の適切な値を有することができる。いくつかの実施形態において、R11およびR12の両方は、水素原子である。いくつかの他の実施形態において、R11は、-OHである。いくつかのそのような実施形態において、R11は、-OHであり、R12は、水素原子である。いくつかの実施形態において、R11は、-OCHである。いくつかのそのような実施形態において、R11は、-OCHであり、R12は、水素原子または-OHである。
【0040】
13は、上記のパラメータの範囲内で任意の適切な値を有することができる。いくつかの実施形態において、R13は、水素原子である。いくつかの実施形態において、R13は、-OHである。いくつかの実施形態において、R13は、-OCHである。
【0041】
14は、上記のパラメータ内で任意の適切な値を有することができる。いくつかの実施形態において、R14は、水素原子である。いくつかの実施形態において、R14は、-OHである。いくつかの実施形態において、R14は、-OCHである。
【0042】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、フロレチンである。
【0043】
フレーバー変調化合物は、ジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩である。「塩」という用語は、以下の両方を指す:(a)固体状態の形態、ここで、式(I)の化合物のジアニオンまたはトリアニオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオンまたはそれらの組み合わせを有する固体状態のマトリックス中に配置される(いくつかの実施形態において、そのような固体は、水性マトリックスのような液体マトリックス中に懸濁される)、および(b)溶媒和、ここで、式(I)の化合物のジアニオンまたはトリアニオンは、十分な数のナトリウムカチオン、カリウムカチオンまたはそれらの組み合わせが存在する液体媒体(水性媒体など)中に配置され、それにより電荷中性の収支が確立される。カチオンとアニオンとのモル比は正確でない場合があることに留意すべきである。例えば、「ジアルカリ金属塩」とは、アニオンの有効電荷が約-2であり、このアニオンの負電荷と釣り合うように約2モルのナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンが存在することを意味する。同様に、「トリアルカリ金属塩」とは、アニオンの有効電荷が約-3であり、このアニオンの負電荷と釣り合うように約3モルのナトリウムカチオンまたはカリウムカチオンが存在することを意味する。
【0044】
フレーバー変調化合物は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせの任意の適切なジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であり得る。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、三ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、二カリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、三カリウム塩である。
【0045】
特定の態様において、本開示は、式(III):
【化9】
[式中、R21およびR22は、独立して、水素原子、-OHまたは-OCHであり、R21およびR22の少なくとも1つは、-OHであり;R23は、C1~6アルキルまたは-CH-R24であり;R24は、-OH、-OCHまたはそれらの組み合わせによって1~3回任意に置換されたフェニルであり;ジアルカリ金属塩およびトリアルカリ金属塩のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムまたはそれらの組み合わせである]の化合物のジアルカリ金属塩またはトリアルカリ金属塩であるフレーバー変調化合物を提供する。
【0046】
21およびR22は、上記のパラメータの範囲内で任意の適切な値を有することができるが、ただし、少なくとも1つは-OHである。いくつかの実施形態において、R21は、水素原子である。いくつかの実施形態において、R21は、-OHである。いくつかのそのような実施形態において、R21は、-CHである。いくつかの実施形態において、R22は、水素原子である。いくつかの実施形態において、R22は、-OHである。いくつかのそのような実施形態において、R22は、-CHである。
【0047】
23は、上記のパラメータの範囲内で任意の適切な値を有することができる。いくつかの実施形態において、R23は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2-メチルプロピルまたは3-メチルブチルなどのC1~6アルキルである。いくつかの実施形態において、R23は、-CH-R24であり;R24は、-OH、-OCHまたはそれらの組み合わせによって1~3回任意に置換されたフェニルである。R24は、非置換のフェニル基や、-OH、-OCHまたはそれらの組み合わせによって3位、4位、または3位と4位との両方で置換されたフェニル基など、任意の適切な値を有することができる。
【0048】
表1は、ジ-またはトリアルカリ金属塩を形成し得る式(I)の化合物、式(II)の化合物、および式(III)の化合物の非限定的な例を示している。
【0049】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【0050】
表1の化合物の中には立体化学を示すものがあることに留意すべきである。立体化学が構造中に明示されていない場合、構造には、純粋な(R)形態、純粋な(S)形態、および2つの形態のラセミ混合物が含まれる。
【0051】
記載されている化合物には同位体が存在し得る。化合物構造で表される各化学元素には、前記元素の任意の同位体が含まれ得る。例えば、化合物構造において、水素原子が明示的に開示されているか、または化合物中に存在すると理解される場合がある。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、限定するものではないが水素-1(プロチウム)や水素-2(重水素)などの水素の任意の同位体であってよい。したがって、本明細書における化合物への言及は、文脈から明らかにそうでないとの指示がない限り、すべての潜在的な同位体形態を包含する。
【0052】
使用および方法
特定の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘味を増強するための、先行する態様のいずれかのフレーバー変調化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、有カロリー甘味料を含む。そのいくつかの他の実施形態において、摂取可能な組成物は、ノンカロリー甘味料を含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、高強度甘味料である。特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘味を増強する方法であって、該方法は、先行する態様のいずれかのフレーバー変調化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、摂取可能な組成物の総重量に対して1ppm~1000ppm、または5ppm~1000ppm、または10ppm~1000ppm、または20ppm~1000ppm、または50ppm~1000ppm、または100ppm~1000ppm、または200ppm~800ppmの範囲の濃度で、使用または摂取可能な組成物に導入される。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、ナリンゲニンの二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、ナリンゲニンの二カリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、フロレチンの二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、フロレチンの二カリウム塩である。
【0053】
特定の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減するための、先行する態様のいずれかのフレーバー変調化合物の使用を提供する。そのいくつかの他の実施形態において、摂取可能な組成物は、苦味または不快な後味を有するノンカロリー甘味料などのノンカロリー甘味料を含む。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、ノメリン、リモニン、カフェイン、非動物性タンパク質、医薬品原薬などの苦味化合物を含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、高強度甘味料である。特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減する方法であって、該方法は、先行する態様のいずれかのフレーバー変調化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、摂取可能な組成物の総重量に対して1ppm~1000ppm、または5ppm~1000ppm、または10ppm~1000ppm、または20ppm~1000ppm、または50ppm~1000ppm、または100ppm~1000ppm、または200ppm~800ppmの範囲の濃度で、使用または摂取可能な組成物に導入される。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、ナリンゲニンの二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、ナリンゲニンの二カリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、フロレチンの二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、フロレチンの二カリウム塩である。
【0054】
特定の態様において、本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減するための、先行する態様のいずれかのフレーバー変調化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、有カロリー甘味料を、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を含まない等甘味の組成物の濃度よりも低い濃度で含む。特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減する方法であって、該方法は、先行する態様のいずれかのフレーバー変調化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、摂取可能な組成物の総重量に対して1ppm~1000ppm、または5ppm~1000ppm、または10ppm~1000ppm、または20ppm~1000ppm、または50ppm~1000ppm、または100ppm~1000ppm、または200ppm~800ppmの範囲の濃度で、使用または摂取可能な組成物に導入される。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、ナリンゲニンの二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、ナリンゲニンの二カリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、フロレチンの二ナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、フロレチンの二カリウム塩である。
【0055】
摂取可能な組成物
前述の使用および方法は、総じて、1つ以上の追加の成分を含む組成物におけるフレーバー変調化合物の使用を含む。例えば、少なくとも1つの態様において、本開示は、上記のいずれかの実施形態またはその組み合わせを含む前述の態様のいずれかのフレーバー変調化合物を含む組成物であって、該フレーバー変調化合物は、乾燥重量ベースで(例えば、任意の液体キャリアの重量を除いた組成物の総重量に対して)該組成物の少なくとも50重量%を占める、組成物を提供する。関連する態様において、本開示は、上記のいずれかの実施形態またはその組み合わせを含む前述の態様のいずれかのフレーバー変調化合物を含む固体状組成物であって、該フレーバー変調化合物は、組成物の総重量に対して該固体状組成物の少なくとも50重量%を占める、組成物を提供する。別の関連する態様において、本開示は、上記のいずれかの実施形態またはその組み合わせを含む前述の態様のいずれかのフレーバー変調化合物を含む摂取可能な組成物であって、該摂取可能な組成物は甘味料を含む、摂取可能な組成物を提供する。いくつかのそのような実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース(例えば、高フルクトースコーンシロップ)、グルコースまたはそれらの組み合わせなどの有カロリー甘味料である。
【0056】
摂取可能な組成物に言及する本明細書に記載されるいずれかの態様および実施形態の特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、フレーバー付与された飲食料品やフレーバー付与された医薬品などのフレーバー付与された製品の製造のために特別に製造された組成物などの、天然に存在しない生成物である。
【0057】
総じて、本明細書に開示および記載されるフレーバー変調化合物は、個別にまたは組み合わせて、摂取可能な組成物などの組成物において提供することができる。一実施形態において、本明細書に開示および記載されるフレーバー変調化合物は、個別にまたは組み合わせて、本明細書に開示および記載される1つ以上の化合物を甘味料組成物中の1つ以上の甘味料と組み合わせることによって、より砂糖に似た時間的プロファイルまたはフレーバープロファイルを甘味料組成物に付与することができる。別の実施形態において、本明細書に開示および記載されるフレーバー変調化合物は、個別にまたは組み合わせて、その組成物を本明細書に開示および記載される化合物と接触させて変調組成物を形成することによって、組成物の甘味を増加または増強することができる。
【0058】
したがって、いくつかの実施形態において、(すべての使用または方法を含む)前述の態様のいずれかに記載される組成物は、フレーバー変調化合物および甘味料を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ビヒクルをさらに含む。いくつかの実施形態において、ビヒクルは、水である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、その甘味認識閾値以下の濃度で存在する。
【0059】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物が甘味料を含む場合、甘味料は、0.1重量%~12重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.2重量%~10重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.3重量%~8重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.4重量%~6重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.5重量%~5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、1重量%~2重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.1重量%~5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.1重量%~4重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.1重量%~3重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.1重量%~2重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.1重量%~1重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.1重量%~0.5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、0.5重量%~10重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、2重量%~8重量%の範囲の量で存在する。本項に記載の実施形態のいくつかのさらなる実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、キシリトール、エリスリトール、アルロースまたはそれらの組み合わせである。
【0060】
いくつかの他の実施形態において、甘味料は、10ppm~1000ppmの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、20ppm~800ppmの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、30ppm~600ppmの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、40ppm~500ppmの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~400ppmの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~300ppmの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~200ppmの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~150ppmの範囲の量で存在する。本項に記載の実施形態のいくつかのさらなる実施形態において、甘味料は、ステビオール配糖体、例えば、レナウジオシド(renaudioside)A、レバウジオシドD、レバウジオシドM、レバウジオシドEまたはそれらのいずれかの組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料は、モグロシド、例えば、モグロシドIII、モグロシドIV、モグロシドV、シアメノシドI、イソモグロシドV、モグロシドIV、イソモグロシドIV、モグロシドIII、11-オキソモグロシドV、シアメノシドIの1,6-α異性体、およびそれらのいずれかの組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクラロースである。
【0061】
上記で規定したことに加えて、組成物は、任意の適切な甘味料または甘味料の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコースなどの一般的なサッカリド甘味料、ならびにコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)または天然の果物系原料および野菜系原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物などの天然糖を含む甘味料組成物である。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトースまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロースである。いくつかの他の実施形態において、甘味料は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノースおよびD-ロイクロースを含む希少天然糖から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリンなどの半合成「糖アルコール」甘味料から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラメート、スクラロースおよびアリテームなどの人工甘味料から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテームおよび他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水添グルコースシロップ(HGS)、水添デンプン加水分解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA、他の甘いステビアベースの配糖体、化学修飾ステビオール配糖体(グルコシル化ステビオール配糖体など)、モグロシド、化学修飾モグロシド(グルコシル化モグロシドなど)、カレラメおよび他のグアニジンベースの甘味料からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、本項に記載の甘味料の2つ以上の組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料は、本明細書に開示される2、3、4、または5つの甘味料の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、糖であってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、1つ以上の糖と他の天然甘味料および人工甘味料との組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、糖である。いくつかの実施形態において、糖は、サトウキビ糖である。いくつかの実施形態において、糖は、甜菜糖である。いくつかの実施形態において、糖は、スクロース、フルクトース、グルコースまたはそれらの組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、糖は、スクロースであってよい。いくつかの実施形態において、糖は、フルクトースとグルコースとの組み合わせであってよい。
【0062】
甘味料には、例えば、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、高マルトースコーンシロップ、グルコースシロップ、スクラロースシロップ、水添グルコースシロップ(HGS)、水添デンプン加水分解物(HSH)または天然の果物系原料および野菜系原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物、またはポリオールなどの半合成「糖アルコール」甘味料のような、1つ以上の天然または合成の炭水化物を含有する甘味料組成物も含まれ得る。いくつかの実施形態におけるポリオールの非限定的な例としては、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、イソマルツロース、マルトデキストリンなど、および糖アルコール、または味に悪影響を及ぼさない還元可能な任意の他の炭水化物もしくはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
甘味料は、限定するものではないが、アガベイヌリン、アガベネクター、アガベシロップ、アマザケ、ブラゼイン、玄米シロップ、ココナッツ結晶、ココナッツ糖、ココナッツシロップ、デーツ糖、フルクタン(イヌリン繊維、フルクトオリゴ糖またはオリゴフルクトースとも呼ばれる)、グリーンステビア粉末、ステビアレバウジアナ、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドM、およびその他の甘いステビアベースの配糖体、ステビオシド、ステビオシド抽出物、ハチミツ、キクイモシロップ、カンゾウの根、ラカンカ(果実、粉末または抽出物)、ルクマ(果実、粉末または抽出物)、カエデの樹液(例えばサトウカエデ(Acer saccharum)、クロカエデ(Acer nigrum)、アメリカハナノキ(Acer rubrum)、ギンヨウカエデ(Acer saccharinum)、ノルウェーカエデ(Acer platanoides)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、オオキレハカエデ(Acer grandidentatum)、ロッキーマウンテンメープル(Acer glabrum)、イタヤカエデ(Acer mono)から抽出された樹液など)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミの樹液(例えばバタグルミ(Juglans cinerea)、クロクルミ(Juglans nigra)、オニグルミ(Juglans ailatifolia)、ペルシャグルミ(Juglans regia)から抽出された樹液など)、シラカバの樹液(例えばアメリカシラカバ(Betula papyrifera)、キハダカンバ(Betula alleghaniensis)、スウィートビーチ(Betula lenta)、リバーバーチ(Betula nigra)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、ヨーロッパシラカンバ(Betula pendula)から抽出された樹液など)、シカモアの樹液(例えばアメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)から抽出された樹液など)、アイアンウッドの樹液(例えばアメリカアサダ(Ostrya virginiana)から抽出された樹液など)、マスコバド、モラセス(例えばブラックストラップモラセスなど)、モラセス糖、モナチン、モネリン、サトウキビ糖(天然糖、未精製サトウキビ糖またはスクロースとも呼ばれる)、パーム糖、パノチャ、ピロンチーロ、ラパドゥラ、粗糖、ライスシロップ、ソルガム、ソルガムシロップ、キャッサバシロップ(タピオカシロップとも呼ばれる)、ソーマチン、ヤーコンの根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉末、ビーツ糖、サトウキビ糖、結晶性果汁結晶、カラメル、カルビトール、イナゴマメシロップ、上白糖、水添デンプン加水分解物、加水分解缶ジュース、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アロープ、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムKまたはace-Kとも呼ばれる)、アリテーム(アクラメとも呼ばれる)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナデーム(bernadame)、キャンデレル、カレラメ、および他のグアニジンベースの甘味料、植物繊維、コーンシュガー、カップリングシュガー、クルクリン、シクラメート、シクロカリオシドI、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化モルト、ズルチン、スクロール、バルジン、ズルコシドA、ズルコシドB、エムリン、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルコロン酸、グリセロール、グリシン、グリシフィリン、グリシルリチン、グリシルレチン酸モノグルクロニド、ゴールデンシュガー、イエローシュガー、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンドゥルシン、異性化液糖、ジャラブ、チコリルート食物繊維、キヌレニン誘導体(N’-ホルミル-キヌレニン、N’-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンなど)、ガラクチトール、リテッセ、リジカン(ligicane)、リカシン、ラグドゥネーム、グアニジン、ファレルナム、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、マルチソルブ、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えばモグロシドIV、モグロシドV、およびネオモグロシドなど)、ムクロジオシド、ナノシュガー、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ、オルゲートシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペトフィラム(petphyllum)、フェニルアラニン、フロミソシド(phlomisoside)I、フロロジジン(phlorodizin)、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、レビアナ、リファイナーシロップ、ラブシロップ、ルブソシド、セリグエアインA、シアメノシドI、ラカンカ(siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、スプレンダ、SRIオキシムV、ステビオール配糖体、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2、および4、スクロン酸、スクロノネート、糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖、トレイトール、糖蜜、トリロバチン、D-トリプトファンおよび誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラシュガー、ボレミトール、バーチシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、アスグリン、アロマデンドリン-3-O-アセテート、ジヒドロタマリキセチン-3-O-アセテートならびにそれらのいずれかの2つ以上の組み合わせまたはブレンドを含む天然または合成の甘味料であってよい。
【0064】
さらに別の実施形態において、甘味料は、化学的にまたは酵素により変性された天然の高強度甘味料であってよい。変性された天然の高強度甘味料には、1~50個の配糖体残基を含むグルコシル-、ガラクトシル-またはフルクトシル-誘導体などのグリコシル化された天然の高強度甘味料が含まれる。グリコシル化された天然の高強度甘味料は、トランスグリコシル化活性を有する様々な酵素によって触媒される酵素的トランスグリコシル化反応によって製造することができる。いくつかの実施形態において、変性された甘味料は、置換されていても非置換であってもよい。
【0065】
追加の甘味料には、前述した任意の甘味料のいずれか2つ以上の組み合わせも含まれる。いくつかの実施形態において、甘味料は、2、3、4または5つの本明細書に開示の甘味料の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、甘味料は、糖であってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、1つ以上の糖と他の天然および人工の甘味料との組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、キシリトール、エリスリトールまたはそれらの組み合わせなどの有カロリー甘味料である。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、ステビオール配糖体、グルコシル化ステビオール配糖体またはレバウジオシドなどのステビア由来の甘味料を含まないか、(またはいくつかの実施形態では)実質的に含まない。例えば、いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、ステビア由来の甘味料を含まないか、1000ppm以下、または500ppm以下、または200ppm以下、または100ppm以下、または50ppm以下、または20ppm以下、または10ppm以下、または5ppm以下、または3ppm以下、または1ppm以下の濃度でステビア由来の甘味料を含む。
【0066】
フレーバー変調化合物は、任意の適切な量で摂取可能な組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、組成物の味を増強する(例えば、甘味を増強する、酸味を低減する、または苦味を低減する)のに十分な量で存在する。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、摂取可能な組成物の総重量に対して1ppm~1000ppm、または5ppm~1000ppm、または、10ppm~1000ppm、または20ppm~1000ppm、または50ppm~1000ppm、または、100ppm~1000ppm、または200ppm~800ppmの範囲の濃度のフレーバー変調化合物を含む。スクロース、グルコースまたはフルクトースなどの甘味料が存在する実施形態において、摂取可能な組成物中の甘味料対フレーバー変調化合物の重量対重量比は、10:1~1000:1、または10:1~500:1、または10:1~100:1の範囲である。
【0067】
フレーバー変調化合物は、任意の適切な方法で組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物または甘味料濃縮物は、化合物1~51のいずれか1つの二ナトリウム塩、または化合物1~51のいずれか1つの二カリウム塩、または化合物1~51のいずれか1つの三ナトリウム塩、または化合物1~51のいずれか1つの三カリウム塩のような、上記の実施形態の単一のフレーバー変調化合物を含む。いくつかの他の実施形態において、摂取可能な組成物または甘味料濃縮物は、上記の実施形態の2つ以上のフレーバー変調化合物の混合物を含む。例えば、いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、化合物6の二ナトリウム塩および化合物11の二ナトリウム塩を含む。2つのフレーバー変調化合物は、互いに任意の適切な重量比、例えば1:10~10:1を有することができる。
【0068】
特定の実施形態において、摂取可能な組成物はまた、飲食料品で総じて使用されている任意の追加の成分または成分の組み合わせを含むことができ、限定するものではないが、以下:
例えばクエン酸、リン酸、アスコルビン酸、硫酸ナトリウム、乳酸、または酒石酸などの酸;
例えばカフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、塩化カリウム、メントール、非動物性タンパク質(植物、藻類、または真菌に由来するタンパク質およびタンパク質単離物など)または医薬品原薬などの苦味成分;
例えばカラメル色、赤色#40、黄色#5、黄色#6、青色#1、赤色#3、ムラサキニンジン、クロニンジン果汁、ムラサキサツマイモ、野菜汁、果汁、ベータカロテン、ターメリッククルクミン、または二酸化チタンなどの着色剤;
例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、または安息香酸などの防腐剤;
例えばアスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、アルファトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、レスベラトロール、またはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの酸化防止剤;
例えばレスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン)、ファイバーゾル、イヌリン(チコリルート)、タウリン、オタネニンジン抽出物、グアナナ抽出物、ジンジャー抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルコロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア、イチョウ、イェルバ・マテ、亜麻仁油、ガルシニアカンボジア外皮抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ抽出物、ブドウ種子抽出物、ピリドキシンHCl(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸第二銅、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、チアミン一硝酸塩、ビタミンD3、パルミチン酸ビタミンA、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、または硫酸亜鉛などのビタミンまたは機能性成分;
例えばエステルガン(ester gun)、臭素化植物油(BVO)、またはイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)などの混濁剤;
例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、または塩などの緩衝液;
例えばプロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアガム(アカシアガム)、マルトデキストリン、変性コーンスターチ、デキストロース、天然フレーバー、他の天然フレーバーを含む天然フレーバー(天然フレーバーWONF)、天然および人工のフレーバー、人工フレーバー、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、またはリン酸三カルシウムなどのフレーバー;または
例えばペクチン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼインナトリウム、変性食品デンプン、アラビアガム(アカシアガム)、イヌリン、またはカラギーナンなどのデンプンおよび安定剤
を含むことができる。
【0069】
摂取可能な組成物は、任意の適切なpHを有することができる。いくつかの実施形態において、フレーバー変調化合物は、広範囲のpHで、例えば低いpHから中性のpHまでにおいて甘味料の甘味を増強する。低いおよび中性のpHには、限定するものではないが、約2.5~約8.5、約3.0~約8.0、約3.5~約7.5、および約4.0~約7のpHが含まれる。特定の実施形態において、本明細書に開示され記載される化合物は、個別にまたは組み合わせで、低いpH値から中性のpH値の両方で、約50μM、40μM、30μM、20μMまたは10μMの化合物濃度における味覚試験で、固定濃度の甘味料の知覚される甘味を増強することができる。特定の実施形態において、本明細書に開示および記載される化合物の、個別でのまたは組み合わせでの低いpHにおける増強因子は、中性のpHにおける化合物の増強因子と実質的に同様である。広範囲のpHでのそのような一貫した甘味増強特性のため、本明細書に開示および記載される化合物を、多様な飲食料品において個別にまたは組み合わせて広範に使用することができる。
【0070】
前述の実施形態のいずれかにしたがって記載される摂取可能な組成物は、特定の実施形態において、甘味増強化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオール配糖体など)、苦味遮断化合物、うま味増強化合物、酸味、カンゾウ味もしくは渋味低減化合物、塩味増強化合物、清涼化作用増強化合物、口当たり増強化合物、または前述したもののいずれかの組み合わせなどの1つ以上の追加のフレーバー変調化合物も含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、甘味増強剤を含む。本明細書に開示されるフレーバー変調組成物には、合成甘味増強剤、天然甘味増強剤またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、任意の適切な甘味増強剤を使用することができる。
【0072】
適切な合成甘味増強剤の例としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドもしくはその食用として許容される塩のいずれか、または米国特許第8,541,421号明細書;同第8,815,956号明細書;同第9,834,544号明細書;同第8,592,592号明細書;同第8,877,922号明細書;同第9,000,054号明細書;および同第9,000,051号明細書、ならびに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている任意の化合物。
【0073】
天然甘味増強剤の適切な例としては、限定するものではないが、ヘスペリチンジヒドロカルコン、ヘスペリチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペリチンジヒドロカルコン、ブラゼイン、ヘスペリジン、フィロドゥルシン、ナリンゲニン、ナリンジン、フロレチン、グルコシル化ステビオール配糖体、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、タウマチン、モネリン、ミラクリン、グリチルリチンおよびその食品として許容される塩(モノアンモニウム塩など)、ナリンジンジヒドロカルコン、ミリセチン、ノビレチン、ポリメトキシフラボン、混合型メトキシおよびヒドロキシフラボン、ケルセチン、特定のアミノ酸などが挙げられる。本明細書で使用される場合、「グルコシル化ステビオール配糖体」という用語は、天然のステビオール配糖体化合物を酵素的にグルコシル化した生成物を指す。グルコシル化は総じて、α-1,2結合、α-1,4結合、α-1.6結合、β-1,2結合、β-1,4結合、β-1,6結合などの配糖体結合により起こる。
【0074】
先行する実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、可食性組成物は、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピルプロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドまたはその食用として許容される塩である。いくつかの実施形態において、フレーバー変調組成物は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドまたはその食用として許容される塩を含む。いくつかの実施形態において、フレーバー変調組成物は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドを含む。
【0075】
甘味増強剤は、1:1~500:1、または2:1~500:1、または5:1~500:1、または10:1~500:1、または1:1~300:1、または2:1~300:1、または5:1~300:1、または10:1~300:1など、フレーバー変調組成物に対して任意の適切な量でフレーバー変調組成物中に存在し得る。
【0076】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、上記の実施形態または実施形態の組み合わせのいずれかにしたがって本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を、1つ以上のうま味増強化合物と組み合わせて含む。このようなうま味増強化合物としては、限定するものではないが、天然由来の化合物、例えば(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-エン、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-イン、[8]-ジンジャージオールジアセテート、[10]-ジンジャージオールジアセテート、エリカミド(FEMA4877)、ルベマミン(FEMA4310)、ルベセナミン(FEMA4773)、または合成化合物、例えば米国特許第8,735,081号明細書;同第8,124,121号明細書;および同第8,968,708号明細書に記載の化合物、例えばN-(ヘプタン-4-イル)ベンゾ-[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドが挙げられる。
【0077】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、上記の実施形態または実施形態の組み合わせのいずれかにしたがって本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を、1つ以上の清涼化作用増強化合物と組み合わせて含む。このような清涼化作用増強化合物としては、限定するものではないが、天然由来の化合物、例えば、メントールもしくはその類似体、または合成化合物、例えば、米国特許第9,394,287号明細書および同第10,421,727号明細書に記載の化合物が挙げられる。
【0078】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、上記の実施形態または実施形態の組み合わせのいずれかにしたがって本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を、1つ以上の苦味遮断化合物と組み合わせて含む。このような苦味遮断化合物としては、限定するものではないが、天然由来の化合物、例えば、メントールもしくはその類似体、または合成化合物、例えば、米国特許第8,076,491号明細書;同第8,445,692号明細書;および同第9,247,759号明細書に記載の化合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、苦味遮断化合物は、3-(1-((3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシベンジル)-イミダゾリジン-2,4-ジオンである。
【0079】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、上記の実施形態または実施形態の組み合わせのいずれかにしたがって本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を、酸味の1つ以上の味覚修飾化合物と組み合わせて含む。
【0080】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、上記の実施形態または実施形態の組み合わせのいずれかにしたがって本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を、ポリメトキシフラボンまたは混合型ヒドロキシおよびメトキシフラボンなどの1つ以上の口当たり改変化合物と組み合わせて含む。
【0081】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、上記の実施形態または実施形態の組み合わせのいずれかにしたがって本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を、1つ以上のフレーバーマスキング化合物と組み合わせて含む。このようなフレーバーマスキング化合物としては、限定するものではないが、セルロース系材料、菌類から抽出された材料、植物から抽出された材料、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)などが挙げられる。
【0082】
いくつかのさらなる実施形態において、フレーバー変調組成物は、1つ以上の口当たり改変化合物を含む。このような口当たり改変化合物としては、限定するものではないが、タンニン、セルロース系材料、竹粉などが挙げられる。
【0083】
いくつかのさらなる実施形態において、フレーバー変調組成物は、1つ以上のフレーバーマスキング化合物を含む。このようなフレーバーマスキング化合物としては、限定するものではないが、セルロース系材料、菌類から抽出された材料、植物から抽出された材料、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)などが挙げられる。
【0084】
いくつかの実施形態において、上述のフレーバー変調化合物は、可食性組成物内自体に存在し得る、またはそのような組成物を使用したフレーバー付与された製品内に含まれ得る他の呈味物質を改善するために含まれる。このような呈味物質としては、甘味料、うま味呈味物質、こく味呈味物質、苦味呈味物質、酸味呈味物質などが挙げられる。
【0085】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、酵母溶解物などの酵母抽出物を含む。このような抽出物は、任意の適切な酵母株から得ることができ、ここで、このような抽出物は、ヒトの飲食に適している。このような酵母の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)またはサッカロミセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)などのサッカロミケス(Saccharomyces)属酵母;カンジダ・ユチリス(Candida utilis)などのカンジダ(Candida)属酵母;クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)またはクルイベロマイセス・マルシアナス(Kluyveromyces marxianus)などのクルイベロマイセス(Kluyveromyces)属酵母;ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などのピキア(Pichia)属酵母;デバリオミセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)などのデバリオミセス(Debaryomyces)属酵母;およびチゴサッカロミセス・メーリス(Zygosaccharomyces mellis)などのチゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属酵母が挙げられる。いくつかの実施形態において、酵母は、ビール、日本酒などの醸造後に採取された酵母である。いくつかの実施形態において、酵母は、採取後に乾燥処理を施された酵母(乾燥酵母)である。
【0086】
このような抽出物は、任意の適切な手段によって製造することができる。総じて、酵母抽出物または溶解物は、酵母細胞の内容物を細胞壁物質から抽出することにより製造される。多くの場合、細胞中の消化酵素(または組成物に添加される追加の酵素)は、酵母中のタンパク質およびポリヌクレオチドをアミノ酸、オリゴペプチド(例えば、2~10ペプチド)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド(2~10ヌクレオチド)およびそれらの混合物に分解する。酵母溶解物は、酵母を溶解することによって製造することができる。例えば、いくつかの実施形態において、培養後の酵母を、酵素分解法、自己消化法、アルカリ抽出法、熱水抽出法、酸分解法、超音波破砕法、ホモジナイザーによる破砕法、凍結融解法など(これらの2つ以上を併用してもよい)によって破砕または溶解させ、酵母溶解物を得る。酵母は、常法により培養することができる。いくつかの実施形態において、培養後の酵母を熱処理し、次いで溶菌酵素で処理して酵素溶解物を得る。熱処理の条件は、例えば80℃~90℃で5分~30分間である。酵素分解法に用いる溶菌酵素としては、酵母の細胞壁を溶菌できるものであれば、種々の酵素を用いることができる。反応条件は、使用する溶菌酵素に最適または適するように設定すればよく、その具体例としては、温度50℃~60℃、pH7.0~8.0を挙げることができる。反応時間も特に限定されず、例えば3時間~5時間とすることができる。
【0087】
酵母溶解物を含む組成物は、様々な市販の供給源から得ることができる。例えば、いくつかの実施形態において、酵母溶解物は、MODUMAX(DSM Food Specialties BV、オランダ、デルフト)の名称で販売されているフレーバリング添加剤によって提供される。
【0088】
フレーバー付与された製品および濃縮物
特定の態様において、本開示は、先行する態様のいずれかの摂取可能な組成物を含むフレーバー付与された製品を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー付与された製品は、ソーダ、フレーバー水、茶などの飲料品である。いくつかの他の実施形態において、フレーバー付与された製品は、ヨーグルトなどの食品である。
【0089】
フレーバー付与された製品が飲料である実施形態において、飲料は、強化スパークリング飲料、コーラ、レモンライムフレーバースパークリング飲料、オレンジフレーバースパークリング飲料、グレープフレーバースパークリング飲料、ストロベリーフレーバースパークリング飲料、パイナップルフレーバースパークリング飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツフレーバージュース、果汁飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバージュース、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化ウォーター飲料、ビタミン強化水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、茶タイプの飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含む飲料、穀物抽出物を含む飲料、およびスムージーからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、飲料は、ソフトドリンクであってよい。
【0090】
フレーバー付与された製品に関する本明細書に記載のいずれかの態様および実施形態の特定の実施形態において、フレーバー付与された製品は、加工飲食料品などの天然に存在しない製品である。
【0091】
飲食料品または配合物のさらなる非限定的な例としては、スープのカテゴリー、乾燥加工食品のカテゴリー、飲料のカテゴリー、レディミールのカテゴリー、缶詰または保存食品のカテゴリー、冷凍加工食品のカテゴリー、冷蔵加工食品のカテゴリー、スナック食品のカテゴリー、焼き菓子のカテゴリー、菓子のカテゴリー、乳製品のカテゴリー、アイスクリームのカテゴリー、食事代替品のカテゴリー、パスタおよび麺のカテゴリー、ソース、ドレッシング、調味料のカテゴリー、ベビーフードのカテゴリー、ならびに/またはスプレッドのカテゴリーに含まれるそのような製品または任意のもののための、甘いコーティング、フロスティング、またはグレーズが挙げられる。
【0092】
総じて、スープのカテゴリーは、缶詰/保存、脱水、インスタント、冷蔵、UHT、および冷凍のスープを指す。この定義の目的のためには、スープとは、肉、家禽、魚、野菜、穀物、果物、およびその他の原料から調製され、これらの原料の一部またはすべての目に見える一部を含み得る液体の調理された食品を意味する。これは、透明な(ブロスとして)ものであっても濃い(チャウダーとして)ものであってもよく、滑らかであっても、ピューレ状であっても、具入りのものであってもよく、そのまま飲める状態のものであっても、半濃縮状であっても、濃縮状のものであってもよく、また食事の最初の一品としてもしくはメインの一品として、または食事の合間の軽食(飲料のようにすする)として、熱い状態でもしくは冷たい状態で供することができる。スープは、他の食事構成要素を準備するための成分として使用することができ、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)まで様々であってよい。
【0093】
脱水食品および料理用食品のカテゴリーは、通常、以下のものを意味する:(i)プレスキューブ、タブレット、粉末、または顆粒形態の濃縮ブイヨン、ブイヨン、およびブイヨン様製品を含む粉末、顆粒、ペースト、濃縮液体製品などの調理補助製品、これらは完成品として、または製品、ソース、およびレシピミックス(技術を問わず)内の成分として、個別に販売される;(ii)脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水調理済スープ、既製料理の脱水または常温調理品を含む脱水および凍結乾燥スープ、ならびにパスタ、ジャガイモ、および米料理を含む食事および一人前の食事などのミールソリューション製品;ならびに(iii)脱水、液体、または冷凍を問わず、完成品または製品中の成分として販売されている、調味料、マリネ、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉、バッターミックス、常温保存可能なスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、サラダ用のレシピミックスを含むソースまたはソースミックスなどの食事装飾製品。
【0094】
飲料のカテゴリーは、通常、限定するものではないが、炭酸飲料および非炭酸飲料、アルコール飲料および非アルコール飲料、そのまま飲める状態の飲料、ソーダなどの飲料を調製するための液体濃縮配合物、および乾燥粉末飲料前駆体ミックスを含む飲料、飲料ミックス、および濃縮物を意味する。飲料カテゴリーには、アルコール飲料、ソフトドリンク、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、およびホットドリンクも含まれる。アルコール飲料としては、限定するものではないが、ビール、サイダー/ペリー、FAB、ワイン、およびスピリッツが挙げられる。ソフトドリンクとしては、限定するものではないが、コーラやコーラではない炭酸飲料などの炭酸飲料;果汁、ネクター、果汁飲料、およびフルーツフレーバー飲料などのフルーツジュース;スパークリングウォーター、スプリングウォーター、および精製/テーブルウォーターなどのボトル入りの水;炭酸入りであっても無炭酸であってもよい、スポーツ飲料、エネルギー飲料、またはエリキシル飲料などの機能性飲料;そのまま飲める程度の液体濃縮物および粉末濃縮物などの濃縮物;が挙げられる。ホットまたはコールドのドリンクとしては、限定するものではないが、フレッシュコーヒー、インスタントコーヒー、および混合コーヒーなどのコーヒーまたはアイスコーヒー;紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶、およびフレーバーティーなどの茶またはアイスティー;ならびに牛乳または水と混合されたフレーバー、モルト、または植物ベースの粉末、顆粒、ブロック、またはタブレットなどのその他の飲料が挙げられる。
【0095】
スナック食品のカテゴリーは、総じて、限定するものではないが、甘いおよび塩味のきいたスナックやスナックバーなどの、軽い正式ではない食事であってよいあらゆる食品を指す。スナック食品の例としては、限定するものではないが、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、およびその他の甘いおよび塩味のきいたスナックが挙げられる。スナックバーの例としては、限定するものではないが、グラノーラ/ミューズリーバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、およびその他のスナックバーが挙げられる。
【0096】
焼き菓子のカテゴリーは、総じて、熱または過度の日光への暴露を伴う製造プロセスのあらゆる食用の製品を指す。焼き菓子の例としては、限定するものではないが、パン、ロールパン、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、任意の焼き菓子、およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0097】
アイスクリームのカテゴリーは、総じて、クリームと砂糖とフレーバーとを含む冷菓を指す。アイスクリームの例としては、限定するものではないが、店頭消費用アイスクリーム;持ち帰り用アリスクリーム;フローズンヨーグルトおよび専門店のアイスクリーム;大豆、オーツ麦、豆(例えば小豆および緑豆)、ならびに米をベースとしたアイスクリームが挙げられる。
【0098】
菓子のカテゴリーは、総じて、甘い味の食用の製品を指す。菓子の例としては、限定するものではないが、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子、砂糖菓子、ガムなど、およびいずれかの組み合わせの製品が挙げられる。
【0099】
食事代替品のカテゴリーは、総じて、特に健康やフィットネスに懸念がある人々のための、通常の食事を置き換えることを目的とした任意の食品を指す。食事代替品の例としては、限定するものではないが、痩身製品や回復期製品が挙げられる。
【0100】
レディミールのカテゴリーは、総じて大がかりな準備や処理なしで食事として提供できる任意の食品を指す。レディミールは、メーカーがレシピの「スキル」を加えた製品を含んでいることから、迅速性、完成度、および利便性が高い。レディミールの例としては、限定するものではないが、缶詰/保存、冷凍、乾燥、冷蔵のレディミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;冷蔵ピザ;および調理済サラダが挙げられる。
【0101】
パスタおよび麺のカテゴリーには、限定するものではないが、缶詰、乾燥、および冷蔵/生パスタ;ならびにプレーン、インスタント、冷蔵、冷凍、および軽食用の麺などの任意のパスタおよび/または麺が含まれる。
【0102】
缶詰/保存食品のカテゴリーには、限定するものではないが、缶詰/保存食肉および肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、豆、果物、レディミール、スープ、パスタ、およびその他の缶詰/保存食品が含まれる。
【0103】
冷凍加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、冷凍処理済赤肉、処理済家禽、処理済魚/シーフード、処理済野菜、肉代用品、処理済ジャガイモ、ベーカリー製品、デザート、レディミール、ピザ、スープ、麺、およびその他の冷凍食品が含まれる。
【0104】
乾燥加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、米、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、およびインスタント麺が含まれる。冷蔵加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、冷蔵処理済肉、処理済魚/シーフード製品、ランチキット、新鮮なカットフルーツ、レディミール、ピザ、調理済サラダ、スープ、生パスタ、および麺が含まれる。
【0105】
ソース、ドレッシング、および調味料のカテゴリーには、限定するものではないが、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ハーブおよびスパイス、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、テーブルソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェット/クッキングソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、ならびにその他のソース、ドレッシング、および調味料が含まれる。
【0106】
ベビーフードのカテゴリーには、限定するものではないが、牛乳ベースまたは大豆ベースの調合乳;ならびに調理済、乾燥、およびその他のベビーフードが含まれる。
【0107】
スプレッドのカテゴリーには、限定するものではないが、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドが含まれる。
【0108】
乳製品のカテゴリーは、総じて、哺乳類の乳から製造された食用の製品を指す。乳製品の例には、限定するものではないが、飲用乳製品、チーズ、ヨーグルト、およびサワーミルク飲料、ならびにその他の乳製品が含まれる。
【0109】
フレーバー付与された製品、特に飲食料品または配合物の追加の例を以下に示す。例示的な摂取可能な組成物としては、1つ以上の菓子、チョコレート菓子、タブレット、カウントライン、袋入りセルフライン/ソフトライン、箱入りの詰め合わせ、標準箱入りの詰め合わせ、ひねり包装のミニチュア、季節物のチョコレート、玩具付きチョコレート、アルフォーレス、その他のチョコレート菓子、ミント、標準的なミント、強力ミント、ハードキャンディー、トローチ、ガム、ゼリーおよびチューイング菓子、トフィー、キャラメルおよびヌガー、薬用菓子、ロリポップ、リコリス、その他の砂糖菓子、パン、袋詰めされた/工業的に生産されたパン、袋詰めされていない/専門店のパン、菓子パン、ケーキ、袋詰めされた/工業的に生産されたケーキ、袋詰めされていない/専門店のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングされたビスケット、サンドウィッチビスケット、フィリング入りビスケット、セイボリービスケットおよびクラッカー、パンの代用品、朝食用シリアル、rteシリアル、家庭の朝食用シリアル、フレーク、ミューズリー、他のシリアル、子供の朝食用シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、店頭消費用アイスクリーム、個包装の乳製品アイスクリーム、個包装の氷菓、マルチパックの乳製品アイスクリーム、マルチパックの氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、専門店のアイスクリーム、乳製品、牛乳、生/低温殺菌牛乳、生/低温殺菌全脂肪乳、生/低温殺菌半脱脂乳、ロングライフ/uht乳、ロングライフ/uht全脂肪乳、ロングライフ/uht半脱脂乳、ロングライフ/uht無脂肪乳、山羊乳、コンデンスミルク/エバミルク、プレーンなコンデンスミルク/エバミルク、フレーバー付与された、機能性の、および他のコンデンスミルク、フレーバー付与された乳飲料、乳製品のみのフレーバー付与された乳飲料、果汁入りのフレーバー付与された乳飲料、豆乳、サワーミルク飲料、発酵乳飲料、コーヒーホワイトナー、粉ミルク、フレーバー付与された粉状乳飲料、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、塗り広げ可能なプロセスチーズ、塗り広げられないプロセスチーズ、非加工チーズ、塗り広げ可能な非加工チーズ、ハードチーズ、包装されたハードチーズ、包装されていないハードチーズ、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバー付与されたヨーグルト、フルーツ入りヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、常飲用ヨーグルト、プロバイオティックの飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品ベースのデザート、大豆ベースのデザート、チルドスナック、フロマージュフレおよびクワルク、プレーンのフロマージュフレおよびクワルク、フレーバー付与されたフロマージュフレおよびクワルク、塩味のきいたフロマージュフレおよびクワルク、甘いおよび塩味のきいたスナック、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、その他の甘いおよび塩味のきいたスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、その他のスナックバー、食事代替製品、痩身製品、回復期飲料、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、チルドレディミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶入りスープ、脱水スープ、インスタントスープ、チルドスープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶入りパスタ、乾燥パスタ、冷蔵/生パスタ、麺、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、チルド麺、軽食用の麺、缶詰食品、缶詰肉および肉製品、缶詰魚/シーフード、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰フルーツ、缶詰レディミール、缶詰スープ、缶詰パスタ、他の缶詰の食品、冷凍食品、冷凍処理済赤肉、冷凍処理済家禽、冷凍処理済魚/シーフード、冷凍処理済野菜、冷凍肉代用品、冷凍ジャガイモ、オーブン焼成ポテトチップス、他のオーブン焼成ジャガイモ製品、非オーブン冷凍ジャガイモ、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵食品、冷蔵処理済肉、冷蔵魚/シーフード製品、冷蔵処理済魚、冷蔵の衣付けされた魚、冷蔵の燻製された魚、冷蔵ランチキット、冷蔵レディミール、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵/生パスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブ油、植物および種子油、調理用脂肪、バター、マーガリン、塗り広げ可能な油脂、機能性の塗り広げ可能な油脂、ソース、ドレッシング、および調味料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレイビー顆粒、液体ストックおよびフォン、ハーブおよびスパイス、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、レギュラーサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、その他のソース、ドレッシングおよび調味料、ベビーフード、調合乳、標準調合乳、フォローアップ調合乳、幼児用調合乳、低アレルゲン調合乳、調理済ベビーフード、乾燥ベビーフード、他のベビーフード、スプレッド、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドが挙げられる。例示的な摂取可能な組成物には、菓子、ベーカリー製品、アイスクリーム、乳製品、甘いおよび塩味のきいたスナック、スナックバー、食事代替製品、レディミール、スープ、パスタ、麺、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、冷蔵食品、油脂、ベビーフード、もしくはスプレッド、またはこれらの混合物も含まれる。例示的な摂取可能な組成物には、理想的には既知の糖甘味料または人工甘味料の濃度を低減できるようにするための、朝食シリアル、甘い飲み物、または飲料を調製するための固体もしくは液体の濃縮組成物も含まれる。
【0110】
いくつかの実施形態は、飲み込むことが意図されていても意図されていなくてもよいチュアブル組成物を提供する。いくつかの実施形態において、チュアブル組成物は、本明細書に開示および記載の化合物を個別にまたは組み合わせて含む、ガム、チューインガム、加糖ガム、無糖ガム、機能性ガム、風船ガムであってよい。
【0111】
典型的には、少なくとも甘味受容体修飾量、甘味受容体リガンド修飾量、甘味フレーバー変調量、甘味フレーバー付与剤量、甘味フレーバー増強量、または治療有効量の1つ以上の本化合物が、任意には甘味料の存在下で、摂取可能な組成物に添加され、その結果、甘味フレーバーが変調された摂取可能な組成物は、通常人間または動物によって判定されたときに、または配合物試験の場合には当該分野で総じて知られている手順によって少なくとも8人の人間の味覚試験者のパネルの過半数によって判定されたときに、本発明の化合物なしで製造された摂取可能な組成物と比較して増加した甘味を有する。
【0112】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、他の天然または合成の甘味物質、およびそれらから製造される摂取可能な組成物の甘味または他の味覚特性を修飾する。一実施形態において、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、そのリガンドを増強する濃度で使用または提供され得る。例えば、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、0.001ppm~100ppmの量で存在していてもよく、あるいは0.1ppm~50ppm、0.01ppm~40ppm、0.05ppm~30ppm、0.01ppm~25ppm、または0.1ppm~30ppm、または0.1ppm~25ppm、または1ppm~30ppm、または1ppm~25ppmのより狭い代替の範囲の量で存在していてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示および記載されるフレーバー変調化合物は、個別にまたは組み合わせて、例えばそのまま使用できる(すなわちそのまま供することができる)製品を製造するための後続の処理に適したフレーバー付与された濃縮配合物で提供することができる。「フレーバー付与された濃縮配合物」とは、そのまま使用できる組成物になるために1つ以上の希釈媒体で戻される必要がある配合物を意味する。「そのまま使用できる組成物」という用語は、本明細書では「摂取可能な組成物」と交換可能に使用され、これは、単独で、または他の物質と一緒に、摂取を意図するか否かにかかわらず経口摂取可能な任意の物質を意味する。一実施形態において、そのまま使用できる組成物には、ヒトまたは動物が直接摂取することが可能な組成物が含まれる。フレーバー付与された濃縮配合物は、1つ以上のフレーバーを希釈媒体に付与するためにまたは1つ以上のフレーバーを変調するために、典型的には例えば任意の消費可能なもしくは摂取可能な成分または製品などの1つ以上の希釈媒体と混合するかこれらで希釈することによって、使用される。そのような使用プロセスは、多くの場合再構成と呼ばれる。再構成は、家庭環境または産業環境で行うことができる。例えば、冷凍果汁濃縮物を、消費者が台所で水または他の水性媒体で再構成することで、そのまま飲める状態の果汁飲料を得ることができる。別の例では、ソフトドリンクシロップ濃縮物を、大規模な商業スケールの製造業者が水または他の水性媒体で再構成することで、そのまま飲める状態のソフトドリンクを製造することができる。フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物よりも高い濃度でフレーバー付与剤またはフレーバー変調剤を有しているため、フレーバー付与された濃縮配合物は、典型的には再構成しないままでの直接摂取には適していない。フレーバー付与された濃縮配合物の使用および製造には多くの利点が存在する。例えば、1つの利点は、フレーバー付与された濃縮配合物が、適切な溶媒、固体、または液体の添加によって使用時に再構成されることができるため、輸送のための重量および体積が減ることである。
【0114】
前述した実施形態のいずれかにしたがって記載されるフレーバー付与された製品は、特定の実施形態において、甘味増強化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオール配糖体など)、苦味遮断化合物、うま味増強化合物、酸味低減化合物塩味増強化合物、清涼化作用増強化合物、または前述したもののいずれかの組み合わせなどの1つ以上の追加のフレーバー変調化合物も含む。
【0115】
甘味付与またフレーバー付与された濃縮物に言及する本明細書に記載のいずれかの態様および実施形態の特定の実施形態において、甘味付与またはフレーバー付与された濃縮物は、食品または飲料品などのフレーバー付与された製品の製造のために特別に製造された組成物などの天然に存在しない製品である。
【0116】
一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、i)個別のまたは組み合わせでの本明細書に開示および記載の化合物;ii)担体;およびiii)任意に少なくとも1つの補助剤;を含む。「担体」という用語は、溶媒、バインダー、または他の不活性媒体などの通常は不活性な補助的な物質を意味し、本化合物および1つ以上の任意の補助剤と組み合わせて使用されて配合物を形成する。例えば、フレーバー付与された濃縮配合物のために、水またはデンプンを担体にすることができる。いくつかの実施形態において、担体は、フレーバー付与された濃縮配合物を再構成するための希釈媒体と同じであり;別の実施形態において、担体は希釈媒体とは異なる。本明細書で使用される「担体」という用語は、限定するものではないが、摂取が許容される担体を含む。
【0117】
「補助剤」という用語は、本発明の化合物などの有効成分の意図された機能または有効性を補足、安定化、維持、または強化する添加物を意味する。一実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上のフレーバー付与剤を含む。フレーバー付与剤は、チョコレート、コーヒー、茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイ、またはそれらの組み合わせのフレーバーなど、当業者または消費者に知られている任意のフレーバーであってよい。別の実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上の甘味料を含む。1つ以上の甘味料は、本出願に記載の任意の甘味料であってよい。別の実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、ならびに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、この内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
一実施形態において、本フレーバー付与された濃縮配合物は、溶液および懸濁液を含む液体、固体、泡状材料、ペースト、ゲル、クリーム、および特定の量の固形分を含む液体などのそれらの組み合わせからなる群から選択される形態であってよい。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、水系および非水系などの液体の形態である。いくつかの実施形態において、本フレーバー付与された濃縮配合物は、炭酸入りであっても炭酸入りでなくてもよい。
【0119】
フレーバー付与された濃縮配合物は、少なくとも1つの補助剤として、凝固点降下剤、造核剤、またはその両方をさらに含み得る。凝固点降下剤は、化合物または薬剤が添加される液体または溶媒の凝固点を低下させることができる、摂取が許容される化合物または薬剤である。すなわち、凝固点降下剤を含む液体または溶液は、凝固点降下剤を含まない液体または溶媒よりも低い凝固点を有する。開始凝固点を低下させることに加えて、凝固点降下剤は、フレーバー付与された濃縮配合物の水分活性を低下させることもできる。凝固点降下剤の例としては、限定するものではないが、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。造核剤は、核形成を促進することができる摂取が許容される化合物または薬剤を意味する。フレーバー付与された濃縮配合物中に造核剤が存在すると、望ましい氷結晶化中心の数を増やすことにより、凍結スラッシュの凍結ブラッシュの口当たりを改善し、凍結温度におけるスラッシュの物理的特性および性能の維持を補助することができる。造核剤の例としては、限定するものではないが、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0120】
一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、保存寿命を延ばすために低い水分活性を持つように配合される。水分活性は、同じ温度における純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は約0.85未満の水分活性を有する。別の実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は約0.80未満の水分活性を有する。別の実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は約0.75未満の水分活性を有する。
【0121】
一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも2倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも5倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも10倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも15倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも20倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも30倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも40倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも50倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも60倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の最大100倍の濃度で本化合物を含む。
【0122】
前述した実施形態のいずれかにしたがって記載される甘味付与またはフレーバー付与された濃縮物は、特定の実施形態において、甘味増強化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオール配糖体など)、苦味遮断化合物(例えばエリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ステルビン、およびこれらの塩またはグリコシド誘導体、ならびにバニリルリグナン、例えばマタイレシノールおよび国際公開第2012/146584号に記載されている他の化合物)、うま味増強化合物(例えばルベマミン、ルベセナミン、(E)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェネチル)アクリルアミドなど)、酸味および/またはカンゾウ味低減化合物、塩味増強化合物、清涼化作用増強化合物、または前述したもののいずれかの組み合わせなどの1つ以上の追加のフレーバー変調化合物も含む。
【0123】
製造方法
本明細書で開示されるフレーバー変調化合物は、以下に記載する方法、またはこれらの方法の修正形態によって合成することができる。方法論の修正方法としては、特に、当業者に公知の温度、溶媒、試薬などが挙げられる。総じて、本明細書に開示される化合物の製造方法のいずれにおいても、関連する分子上の感受性基または反応性基を保護することが必要または望ましい場合がある。
【0124】
非動物性タンパク質材料およびそれから製造される製品
肉や乳製品の代替または置換を目的とした製品は、肉や乳製品の食感やフレーバーを模倣するために、植物、藻類、菌類、またはそれらの組み合わせに由来するデンプンやタンパク質などの、様々な非動物性の材料に依存することが多い。非動物性タンパク質の非限定的な例は、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、豆タンパク質、穀物タンパク質などの植物性タンパク質である。このような植物性材料と動物由来の材料との組成上の相違、例えばグルタミン酸含有タンパク質およびグルタチオンの欠如などのため、これらの製品は、消費者が伝統的に肉や乳製品から連想するうま味および/またはこく味を欠くことがある。
【0125】
そのため、特定の態様において、本開示は、植物ベースの材料(植物ベースのデンプン、植物ベースのタンパク質、またはそれらの組み合わせなど)と、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物とを含むフレーバー付与された製品を提供する。いくつかのさらなる実施形態において、フレーバー付与された製品は、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を含む摂取可能な組成物について上で説明した特徴の組み合わせのいずれかの特徴を含み得る。いくつかの実施形態において、フレーバー付与された製品は、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、オーツ麦ミルク、プロテイン飲料、食事代替飲料、または他の同様の製品などの飲料である。いくつかの別の実施形態において、フレーバー付与された製品は、植物ベースの鶏肉製品(植物ベースのチキンナゲットなど)、植物ベースの牛肉製品(植物ベースのハンバーガーなど)などのような肉代替製品である。いくつかの別の実施形態において、フレーバー付与された製品は、プロテイン粉末、食事代替粉末、コーヒーまたは茶用の植物ベースのクリームなどである。特定のさらなる実施形態において、そのような製品はいずれも、そのような製品の調製および/または製造において典型的に使用されているような追加の成分を含み、また追加の特徴を有する。例えば、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物は、他のフレーバーおよび味覚修飾剤と組み合わせることができ、関連技術分野の公知の技術にしたがって、特定の材料の中に封入することもできる。本明細書に開示されるフレーバー変調化合物の適切な濃度は、上に記載されている。
【0126】
いくつかの実施形態において、フレーバー付与された製品は、製品中での本明細書に開示されるフレーバー変調化合物の使用によって少なくとも部分的に低減される苦味を与える1つ以上の植物ベースのタンパク質を含む。そのような植物ベースのタンパク質としては、限定するものではないが、エンドウマメタンパク質、大豆タンパク質、キャノーラ(ナタネ)タンパク質、大麦タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、マイコプロテイン、藻類タンパク質、ソラマメタンパク質、ヒマワリタンパク質、小麦タンパク質が挙げられる。
【0127】
上記実施形態と類似したいくつかの代替実施形態において、藻類もしくは真菌のタンパク質またはデンプンが、オーツ麦タンパク質やジャガイモタンパク質などの代わりに使用される。いくつかの実施形態において、これらのフレーバー付与された製品には、製品に食感を与える繊維も含まれる。使用に適した繊維としては、限定するものではないが、オオバコ繊維、エンドウマメ繊維、ジャガイモ繊維、カードラン、可溶性トウモロコシ繊維(デキストランおよび/またはマルトデキストリン)、柑橘類繊維、大麦繊維およびそれらの組み合わせが挙げられる。そのような製品に、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を任意の適切な方法で導入することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物は、他のフレーバー付与成分と共に、油中水型エマルションなどのフレーバー付与エマルションに組み込まれる。
【0128】
肉ではないタンパク質材料およびそれから製造される製品
乳タンパク質や骨ブロス由来のタンパク質などの特定の肉ではない動物性タンパク質は、食品で一般的に使用されており、また特定のタンパク質粉末の主成分としても販売されている。そのようなタンパク質は、消費者が望み得ない苦いフレーバーを与える場合がある。これは、タンパク質単離物、例えばホエイタンパク質、コラーゲンタンパク質、カゼインタンパク質などのタンパク質単離物に特に当てはまる。したがって、本開示は、肉ではない動物性タンパク質と本明細書に開示されるフレーバー変調化合物とを含む摂取可能な組成物を提供する。本明細書に開示されるフレーバー変調化合物は、本開示の先行するセクションに記載されている実施形態にしたがって、任意の適切な組み合わせで存在することができる。いくつかの実施形態において、肉ではない動物性タンパク質は、ウシ、ブタ、ロバ、ウマ、ニワトリ、アヒル、ヤギ、ガチョウ、ウサギ、子羊、ヒツジ、水牛、ダチョウ、ラクダなどのような動物の骨に由来するコラーゲンタンパク質などの骨タンパク質である。いくつかの実施形態において、肉ではない動物性タンパク質は、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、またはそれらのいずれかの組み合わせなどの乳タンパク質である。乳は、ウシ、ロバ、ウマ、ヒツジ、水牛、ラクダなどのような任意の適切な動物の乳であってよい。
【0129】
本明細書に開示されるフレーバー変調化合物は、畜乳または畜乳由来の材料を含む特定の食品または飲料品に入れることもできる。そのような製品としては、チーズ、チーズスプレッド、ヨーグルト、ケフィア、牛乳、加工乳製品、カッテージチーズ、サワークリーム、バターなどが挙げられる。
【0130】
医薬品原薬の苦味の遮断
多くの薬物化合物は苦味を与えるため、それらを処方および投与できる方法が限定される。したがって、特定の態様において、本開示は、苦味のある医薬有効成分と、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物とを含む医薬組成物を提供する。そのような医薬組成物は、錠剤、トローチ、カプセル、粉末、溶液、懸濁液などの経口投与に適した任意の形態とすることができる。そのような医薬組成物は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されているものなどのような、任意の適切な医薬賦形剤や結合剤などを含むことができる。いくつかの実施形態において、苦味のある医薬有効成分は、プロトンチャネル阻害剤などのイオンチャネル阻害剤である。本明細書に開示されるフレーバー変調化合物によって苦味が低減される医薬品原薬の他の例としては、限定するものではないが、アトロピン、ブリンゾラミド、クロラムフェニコール、クロロキン、クリンダマイシン、デキサメタゾン、ジゴキシン、ジルチアゼム、ジフェンヒドラミン、ドクサート、ドルゾラミド、ドキセピン、ドキシラミン、エナラプリル、エリスロマイシン、エソメプラゾール、ファモチジン、ガバペンチン、ギンコライドA、グアイフェネシン、L-ヒスチジン、ロメフロキサシン、メチルプレドニゾロン、オフロキサシン、オレウロペイン、オキシフェノニウム、ピレンゼピン、プレドニゾン、ラニチジン、トラピジル、トリメトプリムおよびセチリジンが挙げられる。
【0131】
口腔ケア製品における使用
口腔ケア製品には、しばしば渋いまたは苦い異味を与える成分が含まれている。このような成分としては、メントール、メントール類似体、ミント抽出物、炭酸水素ナトリウム、ペルオキシ一硫酸のアルカリ金属塩(ペルオキシ一硫酸カリウム)、塩化セチルピリジニウム、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、アルギニン、過酸化水素、グルコン酸クロルヘキシジン、リン酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、硝酸カリウム、三リン酸五ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、フッ化スズ、チモール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。適切な口腔ケア製品としては、歯磨き粉、マウスウォッシュ、ホワイトニング剤、歯磨剤などが挙げられる。したがって、このような口腔ケア製品は、特定の実施形態において、一般的に使用されるこのような化合物の苦味や異味を遮断するために、本明細書に開示されるフレーバー変調化合物を含むことができる。
【0132】
実施例
本発明をさらに説明するために、以下の実施例が含まれる。当然、実施例は、本発明を具体的に限定すると解釈されるべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例の変形は、当業者の理解の範囲内であり、それらは本明細書に記載され特許請求される本発明の範囲内にあると考えられる。読み手は、本開示を理解した熟練した技術者および当業者が、網羅的な実施例なしで本発明を準備および使用できることを認識するであろう。
【0133】
実施例1 - ナリンゲニンの二ナトリウム塩(約10%水溶液)
ナリンゲニン(500mg、1.84mmol)を水(2mL)に懸濁させ、撹拌しながらNaOH(2当量)の水(3mL)溶液を滴下した。添加が完了した後、反応を窒素でバブリングし、溶液が均質になるまで撹拌を続けた。この溶液を、大きな変化なく、窒素雰囲気下、室温で数日間保存することができた。
【化10】
【0134】
実施例2:ナリンゲニンの二カリウム塩(約10%水溶液)
ナリンゲニン(500mg、1.84mmol)を水(2mL)に懸濁させ、撹拌しながらKOH(2当量)の水(3mL)溶液を滴下した。添加が完了した後、反応を窒素でバブリングし、溶液が均質になるまで撹拌を続けた。この溶液を、大きな変化なく、窒素雰囲気下、室温で数日間保存することができた。
【化11】
【0135】
実施例3:フロテリンの二ナトリウム塩(約10%水溶液)
フロテリン(500mg、1.82mmol)を水(2mL)に懸濁させ、撹拌しながらNaOH(2当量)の水(3mL)溶液を滴下した。添加が完了した後、反応を窒素でバブリングし、溶液が均質になるまで撹拌を続けた。この溶液を、大きな変化なく、窒素雰囲気下、室温で数日間保存することができた。
【化12】
【0136】
実施例4:フロテリンの二カリウム塩(約10%水溶液)
フロテリン(500mg、1.82mmol)を水(2mL)に懸濁させ、撹拌しながらKOH(2当量)の水(3mL)溶液を滴下した。添加が完了した後、反応を窒素でバブリングし、溶液が均質になるまで撹拌を続けた。この溶液を、大きな変化なく、窒素雰囲気下、室温で数日間保存することができた。
【化13】
【国際調査報告】