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特表2024-525447エアロゾル送出デバイスのための複数のエアロゾル形成材料を有する基材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】エアロゾル送出デバイスのための複数のエアロゾル形成材料を有する基材
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/167 20200101AFI20240705BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20240705BHJP
   A24B 15/32 20060101ALI20240705BHJP
   A24B 15/36 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A24B15/167
A24B15/30
A24B15/32
A24B15/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580471
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2022056074
(87)【国際公開番号】W WO2023275798
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】17/363,818
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンサルード,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】フリン,スティーブン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ジョン・ポール
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BC02
4B043BC18
4B043BC19
4B043BC26
(57)【要約】
本開示は、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料を含む、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸させた基材を含むエアロゾル発生部材であって、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料はそれぞれ、異なる沸点、異なる蒸気圧又はその両方を有する、エアロゾル発生部材を提供する。開示されたエアロゾル発生部材は、エアロゾル送出デバイス、例えば非燃焼加熱(HNB)又は電気的に加熱されるエアロゾル送出デバイスにおいて利用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第1のエアロゾル形成材料と、
第1のエアロゾル形成材料とは異なり、かつポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、ワックス、カンナビノイド、テルペン、及び糖アルコールからなる群から選択される、第2のエアロゾル形成材料と
を含む、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸された基材を含む、エアロゾル発生部材であって、
第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料がそれぞれ、異なる沸点、異なる蒸気圧、又は両方を有し、
基材が、含浸基材の総重量に対して約5~約60重量%の装填量で2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、
エアロゾル発生部材。
【請求項2】
基材が、含浸基材の総重量に対して約15~約30重量%の装填量で2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、請求項1に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項3】
第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比が、約100:1~約1:100である、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項4】
第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比が、約3:1~約1:3である、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項5】
第2のエアロゾル形成材料が、パルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、ポリソルベート80、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項6】
第1のエアロゾル形成材料がグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、パルミチン酸、又はトリアセチンである、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項7】
第1のエアロゾル形成材料がグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料がパルミチン酸である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項8】
第1のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、又はトリアセチンであり、
第2のエアロゾル形成材料がパルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、又はポリソルベート80である、
請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項9】
基材が、グリセロール、パルミチン酸、並びに1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、及びポリソルベート80からなる群から選択される第3のエアロゾル形成材料を含浸されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項10】
基材が、
グリセロール及びパルミチン酸、
グリセロール及び1,3-プロパンジオール、
グリセロール及びトリエチレングリコール、
グリセロール及びトリアセチン、
1,3-プロパンジオール及びパルミチン酸、
1,3-プロパンジオール及びポリエチレングリコール、
1,3-プロパンジオール及びポリソルベート80、
トリエチレングリコール及びパルミチン酸、
トリエチレングリコール及びポリエチレングリコール、
トリエチレングリコール及びポリソルベート80、
トリアセチン及びパルミチン酸、
トリアセチン及びポリエチレングリコール、
トリアセチン及びポリソルベート80、
プロピレングリコール及びパルミチン酸、
プロピレングリコール及びポリエチレングリコール、並びに
プロピレングリコール及びポリソルベート80
からなる群から選択される混合物を含浸されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項11】
それぞれ列挙された混合物中、エアロゾル形成材料の比が約3:1~約1:3である、請求項10に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項12】
基材が、グリセロール、パルミチン酸、及びプロピレングリコールを含む混合物を含浸されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項13】
トリアセチンをさらに含む、請求項12に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項14】
基材が、含浸基材の総乾燥重量に対して約10重量%までの量で水をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項15】
基材が、タバコ由来繊維、木材由来繊維、植物若しくは植物由来繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせ、及び1つ以上の結合剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項16】
1つ以上の結合剤が、アルギン酸塩、セルロース誘導体、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、炭酸カルシウム、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項17】
基材が、
タバコ由来繊維を約40~約70重量%、
セルロース誘導体を約10~約15重量%、及び
木材パルプを約5~約10重量%
含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項18】
基材が、風味剤、有効成分、又はこれらの組み合わせをさらに含浸されている、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項19】
有効成分が、タバコ成分、非タバコ植物性物質、ニコチン成分、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項20】
有効成分が、ニコチン成分を含む、請求項18に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項21】
基材が、粒子状形態、細断形態、フィルム形態、紙プロセスシート形態、キャストシート形態、ビーズ形態、顆粒形態、ロッド形態又は押出品形態をとる、請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項22】
基材が、実質的に円筒形状に形成されている、請求項21に記載のエアロゾル発生部材。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載のエアロゾル発生部材、
含浸基材を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源、及び
エアロゾル発生部材からエアロゾル送出デバイスのマウスエンドまで延びたエアロゾル経路
を含む、エアロゾル送出デバイス。
【請求項24】
熱源が、電気式発熱体又は可燃性着火源のいずれかを含む、請求項23に記載のエアロゾル送出デバイス。
【請求項25】
熱源が、炭素系材料を含む可燃性着火源である、請求項24に記載のエアロゾル送出デバイス。
【請求項26】
熱源が、電気式発熱体である、請求項24に記載のエアロゾル送出デバイス。
【請求項27】
発熱体に電気的に接続された電源をさらに含む、請求項26に記載のエアロゾル送出デバイス。
【請求項28】
発熱体まで電源により送信される電力を制御するように構成された制御器をさらに含む、請求項27に記載のエアロゾル送出デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒト消費のためのエアロゾルの形態で吸入物質を提供するために、電気的に発生した熱又は可燃性着火源を利用してエアロゾル形成材料を加熱し、好ましくは著しい燃焼を伴わない、エアロゾル発生部材、エアロゾル送出デバイス及びエアロゾル送出システム、例えば喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの喫煙物品が、使用のためのタバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品又は代替品として、長年にわたって提案されてきた。いくつかの代替例としては、固体燃料若しくは液体燃料を燃焼させてタバコに熱を伝達するデバイス又はこのような熱源を提供するために化学反応が使用されるデバイスが挙げられている。追加的な代替例において、電気エネルギーを使用してタバコ及び/又は他のエアロゾル発生基材材料を加熱しており、例えば、Wormらの米国特許第9,078,473号に記載されており、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0003】
喫煙物品の改良品又は代替品の要点は、典型的には、相当量の不完全燃焼及び熱分解生成物を送出することなく、シガレット、葉巻又はパイプ喫煙に伴う感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化若しくは加熱する又はタバコを顕著に燃やすことなくシガレット、葉巻若しくはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多数の喫煙製品、香味発生器及び薬用吸入器が提案されてきた。例えば、それぞれ参照によりその全体を本明細書に組み込む、Robinsonらの米国特許第7,726,320号及びGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号及びSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号に記載の背景技術に記述されている種々の代替喫煙物品、エアロゾル送出デバイス及び発熱源を参照されたい。
【0004】
タバコ、タバコ由来の材料又は他の植物若しくは植物由来の材料を電気的に加熱することによって喫煙の味及び感覚を生じさせる物品は、一貫性のない性能特性に悩まされてきた。例えば、一部の物品は、香味又は他の吸入材料の一貫性のない放出及び基材へのエアロゾル形成材料の不適切な装填量に悩まされてきた。したがって、基材材料を燃焼させることなく有利な性能特性を有し、シガレット、葉巻又はパイプ喫煙の感覚を提供することができる喫煙物品を提供することが望ましい。
【0005】
炭素などの固体燃料を燃焼させてタバコに熱を伝達するエアロゾル送出デバイスと同様に電気的に生成された熱を利用するエアロゾル送出デバイスは、エアロゾル発生部材の一部としてエアロゾル形成基材を有する。典型的には、エアロゾル形成基材には1つのエアロゾル形成剤のみが使用される。したがって、基材が加熱される場合のエアロゾル形成の傾向は、エアロゾル形成剤の沸点又は蒸気圧に依存する。両方の種類のデバイスにおいて、基材が加熱される際に経時的にエアロゾルの制御された放出を可能にするために、複数のエアロゾル形成剤を含む基材を提供することが有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書
【特許文献2】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、ヒトによる消費のためにエアロゾルの形態の吸引可能物質を提供することを目的として、電気発熱又は可燃性着火源を利用して2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸された基材を加熱する、エアロゾル発生部材及びエアロゾル送出デバイスに関する。
【0008】
したがって、一態様において、本開示は、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料を含む2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸させた基材を含むエアロゾル発生部材であって、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料はそれぞれ、異なる沸点、異なる蒸気圧又はその両方を有する、エアロゾル発生部材を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料は、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、トリアセチン、及び糖アルコールからなる群から独立して選択される。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料のうちの少なくとも1つは、多価アルコールである。いくつかの実施形態において、2つ以上のエアロゾル形成材料は、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比約3:1~約1:3で存在する。
【0010】
いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料の両方が、多価アルコールである。いくつかの実施形態において、多価アルコールは、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、多価アルコールは、グリセロール及びプロピレングリコールである。いくつかの実施形態において、グリセロール及びプロピレングリコールは、約3:1~約1:3の重量比で存在する。いくつかの実施形態において、グリセロール及びプロピレングリコールは、約1:1の重量比で存在する。
【0011】
いくつかの実施形態において、基材は、少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤をさらに含浸されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤は、水、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、トリアセチン、糖アルコール、カンナビノイド、テルペン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0012】
いくつかの実施形態において、基材は、風味剤、有効成分、又はこれらの組み合わせをさらに含浸されている。いくつかの実施形態において、有効成分は、タバコ成分、非タバコ植物性物質、ニコチン成分、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、有効成分は、ニコチン成分を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、基材は、粒子状形態、細断形態、フィルム形態、紙プロセスシート形態、キャストシート形態、ビーズ形態、顆粒ロッド形態、又は押出品形態をとる。
【0014】
いくつかの実施形態において、基材は、実質的に円筒形状に形成される。
【0015】
いくつかの実施形態において、基材は、タバコ由来繊維、木材由来繊維、又はこれらの組み合わせを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、基材は、1つ以上の結合剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、アルギン酸塩、セルロース誘導体、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、炭酸カルシウム、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、基材は、炭酸カルシウム、アルギン酸塩、1つ以上のセルロース誘導体、デンプン、木材パルプ、又はタバコ由来繊維のうちの1つ以上を含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、2つ以上のエアロゾル形成材料は、約3:1~約1:3の重量比で存在する。いくつかの実施形態において、2つ以上のエアロゾル形成材料は、グリセロール及びプロピレングリコールである。
【0018】
いくつかの実施形態において、基材は、約0~約60重量%の炭酸カルシウム、約0~約10重量%のアルギン酸塩、約0~約5重量%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約30重量%のデンプン、約0~約5重量%の木材パルプ、約0~約80重量%のタバコ由来繊維を含み、基材は、含浸基材の総重量を基準として、約15~約55重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0019】
いくつかの実施形態において、基材は、約0~約5重量%の炭酸カルシウム、約1重量%~約5重量%の木材パルプ、約70~約80重量%のタバコ由来繊維を含み、基材は、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0020】
いくつかの実施形態において、基材は、約45~約60重量%の炭酸カルシウム、約0~約10重量%のアルギン酸塩、約0~約5重量%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約15重量%のデンプン、約0~約5重量%の木材パルプ、約0~約40重量%のタバコ由来繊維を含み、基材は、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、基材は、約40~約60重量%の炭酸カルシウム、約0~約10重量%のアルギン酸塩、約0~約5重量%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約15重量%のデンプン、約0~約5重量%の木材パルプ、約0~約40重量%のタバコ由来繊維を含み、基材は、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0022】
いくつかの実施形態において、基材は、約5~約15重量%の炭酸カルシウム、約1~約5重量%の1つ以上のセルロース誘導体、約20~約40重量%のデンプン、約20~約40重量%のタバコ由来繊維を含み、基材は、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0023】
別の態様において:グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第1のエアロゾル形成材料と;ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、ワックス、カンナビノイド、テルペン、及び糖アルコールからなる群から選択される第2のエアロゾル形成材料とを含む、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸された基材を含む、エアロゾル発生部材であって;第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料がそれぞれ異なる沸点、異なる蒸気圧、又は両方を有し;基材が、含浸基材の総重量に対して約5~約60重量%の装填量で2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、エアロゾル発生部材が提供される。
【0024】
いくつかの実施形態において、基材は、含浸基材の総重量に対して約15~約30重量%の装填量で2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比が、約100:1~約1:100である。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比が、約3:1~約1:3である。
【0026】
いくつかの実施形態において、第2のエアロゾル形成材料は、パルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、ポリソルベート80、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料がグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、パルミチン酸、又はトリアセチンである。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料がグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料がパルミチン酸である。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料は、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、又はトリアセチンであり;第2のエアロゾル形成材料は、パルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、又はポリソルベート80である。
【0029】
いくつかの実施形態において、基材は、グリセロール、パルミチン酸、並びに1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、及びポリソルベート80からなる群から選択される第3のエアロゾル形成材料を、含浸されている。
【0030】
いくつかの実施形態において、基材は:グリセロール及びパルミチン酸;グリセロール及び1,3-プロパンジオール;グリセロール及びトリエチレングリコール;グリセロール及びトリアセチン;1,3-プロパンジオール及びパルミチン酸;1,3-プロパンジオール及びポリエチレングリコール;1,3-プロパンジオール及びポリソルベート80;トリエチレングリコール及びパルミチン酸;トリエチレングリコール及びポリエチレングリコール;トリエチレングリコール及びポリソルベート80;トリアセチン及びパルミチン酸;トリアセチン及びポリエチレングリコール;トリアセチン及びポリソルベート80;プロピレングリコール及びパルミチン酸;プロピレングリコール及びポリエチレングリコール;並びにプロピレングリコール及びポリソルベート80からなる群から選択される混合物を含浸されている。いくつかの実施形態では、それぞれ列挙された混合物において、エアロゾル形成材料の比は約3:1~約1:3である。
【0031】
いくつかの実施形態において、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びプロピレングリコールを含む混合物を含浸されている。
【0032】
いくつかの実施形態において、エアロゾル発生部材は、トリアセチンをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、基材は、含浸基材の総乾燥重量に対して重量で約10%までの量で水をさらに含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、基材は、タバコ由来の繊維、木材由来の繊維、植物又は植物由来の繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせ、及び1つ以上の結合剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の結合剤は、アルギン酸塩、セルロース誘導体、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、炭酸カルシウム、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0035】
いくつかの実施形態において、基材は:タバコ由来繊維を約40~約70重量%;セルロース誘導体を約10~約15重量%;及び木材パルプを約5~約10重量%含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、基材は、風味剤、有効成分、又はこれらの組み合わせをさらに含浸されている。いくつかの実施形態において、有効成分は、タバコ成分、非タバコ植物性材料、ニコチン成分、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、有効成分はニコチン成分を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、基材は、粒状形態、細断形態、フィルム形態、紙プロセスシート形態、キャストシート形態、ビーズ形態、顆粒形態、ロッド形態、又は押出品形態をとる。いくつかの実施形態において、基材は、実質的に円筒形状に形成されている。
【0038】
別の態様では、本明細書に記載のエアロゾル発生部材;エアロゾルを形成するために基材部分に含浸したエアロゾル形成材料を加熱するように構成された熱源;及びエアロゾル発生部材からエアロゾル送出デバイスのマウスエンドまで延びたエアロゾル経路を含む、エアロゾル送出デバイスが提供される。
【0039】
いくつかの実施形態において、熱源は、電気式発熱体又は可燃性着火源のいずれかを含む。いくつかの実施形態において、熱源は、炭素系材料を含む可燃性着火源である。いくつかの実施形態において、熱源は、電気式発熱体である。いくつかの実施形態において、エアロゾル送出デバイスは、発熱体に電気的に接続された電源をさらに含む。いくつかの実施形態において、エアロゾル送出デバイスは、発熱体まで電源により送信される電力を制御するように構成された制御器をさらに含む。
【0040】
本開示には、以下の実施形態が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
実施形態1:第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料を含む2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸させた基材を含むエアロゾル発生部材であって、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料はそれぞれ、異なる沸点、異なる蒸気圧又はその両方を有する、エアロゾル発生部材。
【0042】
実施形態2:第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料が、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、トリアセチン、及び糖アルコールからなる群から独立して選択される、実施形態1に記載のエアロゾル発生部材。
【0043】
実施形態3:2つ以上のエアロゾル形成材料が、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比約3:1~約1:3で存在する、実施形態1又は2に記載のエアロゾル発生部材。
【0044】
実施形態4:第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料のうちの少なくとも1つが、多価アルコールである 、実施形態1~3のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0045】
実施形態5:第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料の両方が、多価アルコールである、実施形態1~4のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0046】
実施形態6:多価アルコールが、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0047】
実施形態7:多価アルコールが、グリセロール及びプロピレングリコールである、実施形態1~6のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0048】
実施形態8:グリセロール及びプロピレングリコールが、約3:1~約1:3の重量比で存在する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0049】
実施形態9:グリセロール及びプロピレングリコールが、約1:1の重量比で存在する、実施形態1~8のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0050】
実施形態10:基材が、少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤をさらに含浸された、実施形態1~9のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0051】
実施形態11:少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤が、水、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、トリアセチン、糖アルコール、カンナビノイド、テルペン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~10のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0052】
実施形態12:基材が、風味剤、有効成分又はこれらの組み合わせをさらに含浸された、実施形態1~11のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0053】
実施形態13:有効成分が、非タバコ植物性物質、タバコ成分、ニコチン成分、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0054】
実施形態14:有効成分が、ニコチン成分を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0055】
実施形態15:基材が、含浸基材の総重量を基準として、約15~約55重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸された、実施形態1~14のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0056】
実施形態16:基材が、粒子状形態、細断形態、フィルム形態、紙プロセスシート形態、キャストシート形態、ビーズ形態、顆粒ロッド形態、又は押出品形態である、実施形態1~15のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0057】
実施形態17:基材が、実質的に円筒形状に形成される、実施形態1~16のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0058】
実施形態18:基材が、タバコ由来繊維、木材由来繊維、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0059】
実施形態19:基材が、1つ以上の結合剤をさらに含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0060】
実施形態20:1つ以上の結合剤が、アルギン酸塩、セルロース誘導体、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、炭酸カルシウム、又はこれらの組み合わせから選択される、実施形態1~19のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0061】
実施形態21:基材が、炭酸カルシウム、アルギン酸塩、1つ以上のセルロース誘導体、デンプン、木材パルプ、又はタバコ由来繊維のうちの1つ以上を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0062】
実施形態22:2つ以上のエアロゾル形成材料が、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比約3:1~約1:3で存在する、実施形態1~21のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0063】
実施形態23:2つ以上のエアロゾル形成材料が、グリセロール及びプロピレングリコールである、実施形態1~22のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0064】
実施形態24:基材が、約0~約5重量%の炭酸カルシウム、約1重量%~約5重量%の木材パルプ、約70~約80重量%のタバコ由来繊維を含み、基材は、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、実施形態1~23のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0065】
実施形態25:基材が、約45~約60重量%の炭酸カルシウム、約0~約10重量%のアルギン酸塩、約0~約5重量%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約15重量%のデンプン、約0~約5重量%の木材パルプ、約0~約40重量%のタバコ由来繊維を含み、基材は、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、実施形態1~24のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0066】
実施形態26:基材が、約40~約60重量%の炭酸カルシウム、約0~約10重量%のアルギン酸塩、約0~約5重量%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約15重量%のデンプン、約0~約5重量%の木材パルプ、約0~約40重量%のタバコ由来繊維を含み、基材が、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、実施形態1~25のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0067】
実施形態27:基材が、約5~約15重量%の炭酸カルシウム、約1~約5重量%の1つ以上のセルロース誘導体、約20~約40重量%のデンプン、約20~約40重量%のタバコ由来繊維を含み、基材が、含浸基材の総重量を基準として、約15~約25重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、実施形態1~26のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0068】
実施形態28:グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第1のエアロゾル形成材料と;第1のエアロゾル形成材料とは異なりかつポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、ワックス、カンナビノイド、テルペン、及び糖アルコールからなる群から選択される第2のエアロゾル形成材料とを含む、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸された基材を含む、エアロゾル発生部材であって;第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料がそれぞれ、異なる沸点、異なる蒸気圧、又は両方を有し;基材が、含浸基材の総重量を基準として、約5~約60重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、エアロゾル発生部材。
【0069】
実施形態29:基材が、含浸基材の総重量を基準として、約15~約30重量%の装填量にて、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている、実施形態28に記載のエアロゾル発生部材。
【0070】
実施形態30:第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比が、約100:1~約1:100である、実施形態28又は29に記載のエアロゾル発生部材。
【0071】
実施形態31:第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比が、約3:1~約1:3である、実施形態28~30のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0072】
実施形態32:第2のエアロゾル形成材料が、パルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、ポリソルベート80、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態28~31のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0073】
実施形態33:第1のエアロゾル形成材料がグリコールであり、第2のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、パルミチン酸、又はトリアセチンである、実施形態28~31のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0074】
実施形態34:第1のエアロゾル形成材料がグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料がパルミチン酸である、実施形態28~31のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0075】
実施形態35:第1のエアロゾル形成材料が、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、又はトリアセチンであり;第2のエアロゾル形成材料が、パルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、又はポリソルベート80である、実施形態28~31のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0076】
実施形態36:基材が、グリセロール、パルミチン酸、並びに1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、及びポリソルベート80からなる群から選択される第3のエアロゾル形成材料を含浸されている、実施形態28~31のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0077】
実施形態37:基材が、グリセロール及びパルミチン酸;グリセロール及び1,3-プロパンジオール;グリセロール及びトリエチレングリコール;グリセロール及びトリアセチン;1,3-プロパンジオール及びパルミチン酸;1,3-プロパンジオール及びポリエチレングリコール;1,3-プロパンジオール及びポリソルベート80;トリエチレングリコール及びパルミチン酸;トリエチレングリコール及びポリエチレングリコール;トリエチレングリコール及びポリソルベート80;トリアセチン及びパルミチン酸;トリアセチン及びポリエチレングリコール;トリアセチン及びポリソルベート80;プロピレングリコール及びパルミチン酸;プロピレングリコール及びポリエチレングリコール;並びにプロピレングリコール及びポリソルベート80からなる群から選択される混合物を含浸されている、実施形態28~31のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0078】
実施形態38:それぞれ列挙された混合物において、エアロゾル形成材料の比が約3:1~約1:3である、実施形態37に記載のエアロゾル発生部材。
【0079】
実施形態39:基材が、グリセロール、パルミチン酸、及びプロピレングリコールを含む混合物を含浸されている、実施形態28~31のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0080】
実施形態40:トリアセチンをさらに含む、実施形態39に記載のエアロゾル発生部材。
【0081】
実施形態41:基材がさらに、含浸基材の総乾燥重量を基準として、約10重量%までの量で水を含む、実施形態28~40のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0082】
実施形態42:基材が、タバコ由来繊維、木材由来繊維、植物又は植物由来繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせ、及び1つ以上の結合剤を含む、実施形態28~41のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0083】
実施形態43:1つ以上の結合剤が、アルギン酸塩、セルロース誘導体、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、炭酸カルシウム、又はこれらの組み合わせから選択される、実施形態42に記載のエアロゾル発生部材。
【0084】
実施形態44:基材が:タバコ由来繊維を約40~約70重量%;セルロース誘導体を約10~約15重量%;及び木材パルプを約5~約10重量%含む、実施形態28~43のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0085】
実施形態45:基材、風味剤、有効成分、又はこれらの組み合わせをさらに含浸されている、実施形態28~44のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0086】
実施形態46:有効成分が、タバコ成分、非タバコ植物性材料、ニコチン成分、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態45に記載のエアロゾル発生部材。
【0087】
実施形態47:有効成分がニコチン成分を含む、実施形態45に記載のエアロゾル発生部材。
【0088】
実施形態48:基材が、粒状形態、細断形態、フィルム形態、紙プロセスシート形態、キャストシート形態、ビーズ形態、顆粒形態、ロッド形態、又は押出品形態をとる、実施形態28~47のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0089】
実施形態49:基材が、実質的に円筒形状に形成されている、実施形態28~48のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材。
【0090】
実施形態50:実施形態1~49のいずれか1つに記載のエアロゾル発生部材、エアロゾルを形成するために含浸基材を加熱するように構成された熱源、及びエアロゾル発生部材からエアロゾル送出デバイスのマウスエンドまで延びたエアロゾル経路を含む、エアロゾル送出デバイス。
【0091】
実施形態51:熱源が、電気式発熱体又は可燃性着火源のいずれかを含む、実施形態50に記載のエアロゾル送出デバイス。
【0092】
実施形態52:熱源が、炭素系材料を含む可燃性着火源である、実施形態50又は51に記載のエアロゾル送出デバイス。
【0093】
実施形態53:熱源が、電気式発熱体である、実施形態50又は51に記載のエアロゾル送出デバイス。
【0094】
実施形態54:発熱体に電気的に接続された電源をさらに含む、実施形態53に記載のエアロゾル送出デバイス。
【0095】
実施形態55:発熱体まで電源により送信される電力を制御するように構成された制御器をさらに含む、実施形態54に記載のエアロゾル送出デバイス。
【0096】
本開示の上記及びその他の特徴、態様、及び利点は、以下で簡単に説明する添付図面と併せて、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、上記の実施形態の2つ、3つ、4つ又はそれ以上の任意の組み合わせ、及び本開示に記述された任意の2つ、3つ、4つ又はそれ以上の特徴又は要素の任意の組み合わせを含み、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられているか否かを問わない。本開示は、全体論的に読まれることが意図されており、文脈上明らかな別途の指示がない限り、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素は、その各種態様及び実施形態のいずれかにおいて、意図されたとおり組み合わせ可能であると解釈されるべきである。
【0097】
前述の一般的な用語で本開示の態様を上記のとおり説明したので、以下で添付図面を参照するが、これらの図面は必ずしも一定の縮尺で描かれてない。図面は単なる例示であり、開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0098】
図1】制御体及びエアロゾル発生部材を含む、エアロゾル送出デバイスの斜視図を示し、発生部材及び制御体は、本開示の例示的実施形態により、互いに連結されている。
図2図1のエアロゾル送出デバイスの斜視図を示し、エアロゾル発生部材及び制御体は、本開示の例示的実施形態により、互いに分離されている。
図3】本開示の例示的実施形態による、エアロゾル発生部材の概略斜視図を示す。
図4】本開示の例示的実施形態による、エアロゾル発生部材の基材部分の模式的断面図を示す。
図5】本開示の例示的実施形態による、エアロゾル発生部材の斜視図を示す。
図6】本開示の一実施形態による、外側ラップを除去した図5のエアロゾル発生部材の斜視図を示す。
図7】示差走査熱量計(DSC)により測定した、グリセロール、プロピレングリコール、及びこれらの混合物を気化するために必要な熱エネルギーを示す棒グラフである。
図8】さまざまなグリセロール-プロピレングリコール装填量を有する紙加工再構成試料に関する、グリセロールのイオン電流曲線を重ね合わせたグラフ表示である。
図9】さまざまなグリセロール-プロピレングリコール装填量を有するビーズ状タバコ試料に関する、グリセロールのイオン電流曲線を重ね合わせたグラフ表示である。
図10】エアロゾル形成材料混合物に関する熱重量分析サーモグラムを重ね合わせたグラフ表示である。
図11】エアロゾル形成材料混合物を含浸されたハンドシート基材に関する、熱重量分析サーモグラムを重ね合わせたグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
本開示は、これよりその例示的な実施形態を参照して、以下により完全に記載される。これらの例示的な実施形態は、この開示が徹底的かつ完全であり、当業者に本開示の範囲を完全に伝達するように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具現されてもよく、本明細書に記述されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、適用される法的要件を本開示が満たすように提供される。
【0100】
この明細書及び特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象が含まれる。
【0101】
本明細書全体を通して使用される「約」という用語は、小さい変動を示しかつ説明するのに使用される。例えば「約」という用語は、±10%未満若しくはそれに等しい、例えば±5%未満若しくはそれに等しい、±2%未満若しくはそれに等しい、±1%未満若しくはそれに等しい、±0.5%未満若しくはそれに等しい、±0.2%未満若しくはそれに等しい、±0.1%未満若しくはそれに等しい、又は±0.05%未満若しくはそれに等しい値を指すことができる。本明細書の全ての数値は、明示されていてもそうでなくても、「約」という用語により修飾される。「約」という用語により修飾された値は、当然ながら、指定された値を含む。例えば「約5.0」は、5.0を含まなければならない。
【0102】
「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」への言及は、乾燥成分(すなわち、水を除くすべての成分)に基づく重量を指す。本明細書の全ての重量パーセント値は、他に示されない限り、乾燥重量パーセントである。
【0103】
以下に記載するように、本開示の例示的な実施形態は、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料を含む2つ以上のエアロゾル形成材料の基材を備えるエアロゾル発生部材であって、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料は、それぞれ異なる沸点、異なる蒸気圧又はその両方を有する、エアロゾル発生部材に関する。本開示のさらなる例示的な実施形態は、本明細書に開示されるエアロゾル発生部材、基材部分に含浸されたエアロゾル形成材料を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源、及びエアロゾル送出デバイスのエアロゾル発生部材からマウスエンドまで延びたエアロゾル経路を含む、エアロゾル送出デバイスに関する。
【0104】
エアロゾル発生部材及びエアロゾル送出デバイス
本開示によるエアロゾル発生部材のいくつかの実施形態は、材料を加熱して吸入物質を形成するために、電気エネルギーを使用する(例えば、電気的に加熱されたタバコ製品)。本開示によるエアロゾル発生部材の他の実施形態は、材料を加熱して(好ましくは材料をいかなる顕著な程度まで燃焼させることなく)吸入物質を形成するために、発火性熱源を使用する(例えば、炭素加熱タバコ製品)。好ましくは、材料をいかなる顕著な程度まで燃焼させることなく、材料が加熱される。このようなシステムの部材は、手持ち式デバイスと見なすのに十分コンパクトな物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアロゾル送出デバイスの部材の使用は、エアロゾルが主にタバコの燃焼又は熱分解の副産物から生じるという意味での煙の生成をもたらさず、むしろ、それらの好ましいシステムの使用は、そこに組み込まれたある特定の成分の揮発又は気化から生じる蒸気の生成をもたらす。いくつかの例示的な実施形態において、エアロゾル送出デバイスの部材は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコ及び/又はタバコ由来の成分を組み込み、したがってタバコ由来の成分をエアロゾル形態で送出する。
【0105】
ある特定の好ましいエアロゾル送出デバイスのエアロゾル発生部材は、そのいかなる成分もいかなる実質的な程度にも燃焼させず、タバコに火をつけて燃やすこと(及びしたがってタバコの煙を吸入すること)によって使用されるシガレット、葉巻又はパイプを喫煙する感覚(例えば、吸入及び呼息の形式、味又は香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるものなどの視覚的な刺激など)の多くを提供し得る。例えば、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送出デバイスのユーザは、喫煙者が従来の種類の喫煙物品を使用するように、その部材を保持及び使用し、その部品によって生成されるエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸入し、選択された時間間隔でふかす又は吸入することなどができる。
【0106】
本システムは概して、エアロゾル送出デバイス及び/又はエアロゾル発生部材、例えばいわゆる「電子タバコ」又は「タバコ加熱製品」に関連する実施形態に関して本明細書に記載されているが、機構、部材、特徴及び方法は、多くの異なる形態で具現され、さまざまな部品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙物品(例えば、シガレット、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱式シガレット及び本明細書に開示されている製品のいずれかのための関連する包装の実施形態と共に使用されてもよい。したがって、本明細書に開示される機構、部材、特徴及び方法の説明は、例としてのみエアロゾル送出デバイスに関する実施形態に関して説明され、他の種々の製品及び方法において具現され使用され得ることを理解されたい。
【0107】
本開示のエアロゾル送出デバイス及び/又はエアロゾル発生部材はまた、蒸気生成物品又は薬剤送出物品であるとして特徴付けられてもよい。したがって、そのような物品又はデバイスは、吸入可能な形態又は状態で1つ以上の物質(例えば、香味及び/又は医薬有効成分)を提供するように適合され得る。例えば、吸入物質は、実質的に蒸気(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)の形態であってもよい。代替として、吸入物質は、エアロゾル(すなわち、気体中の微細な固体粒子の又は液滴の懸濁体)の形態であってもよい。平易にするために、本明細書で使用される場合、「エアロゾル」という用語は、目に見えるか否か及び煙状であると考えられ得る形態であるかどうかにかかわらず、ヒトの吸入に適切な形態又は種類の蒸気、気体及びエアロゾルを含むことが意味される。吸入物質の物理的形態は、本発明のデバイスの性質によって必ずしも制限されるものではなく、むしろ蒸気状態又はエアロゾル状態のどちらで存在するかに関して、媒体の及び吸入物質の性質自体に依存し得る。いくつかの実施形態において、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語は交換可能であり得る。したがって、平易にするために、本開示の態様を説明するために使用される「蒸気」及び「エアロゾル」という用語は、特に明記されていない限り、交換可能であると理解される。
【0108】
いくつかの実施形態において、本開示のエアロゾル送出デバイスは、電源(例えば、電力源)、少なくとも1つの制御部材(例えば、電源から物品の他の部材への電流の流れを制御することなどによって、熱発生のために電力を起動、制御、調整及び停止するための手段、例えば、個別に又はマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、熱源(例えば、電気抵抗加熱体若しくは他の部材及び/又は誘導コイル若しくは他の関連する部材及び/又は1つ以上の放射発熱体)並びに十分な熱を加えた際にエアロゾルを生成することができる基材部分を含むエアロゾル発生部材のいくつかの組み合わせを備えてもよい。上記の部材のうちの1つ以上を物理的に組み合わせることが可能であることに留意されたい。例えば、ある特定の実施形態において、導電性ヒータトレースは、導電性インクを使用して、本明細書に記載の基材材料(例えば、ナノセルロース基材フィルム)の表面に印刷され、ヒータトレースが電源によって給電され、抵抗加熱体として使用され得るようにすることができる。導電性インクの例としては、グラフェンインク並びに種々の金属を含むインク、例えば銀、金、パラジウム、白金及び合金又はそれらの他の組み合わせ(例えば、銀-パラジウム又は銀-プラチナインク)を含むインクが挙げられ、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷又は他の適切な印刷方法などのプロセスを使用して表面に印刷され得る。
【0109】
種々の実施形態において、これらの部材の多くは、いくつかの実施形態でハウジングと称されることがある、外側本体又はシェル内に設けられてもよい。外側本体又はシェルの全体的な設計は異なってもよく、エアロゾル送出デバイスの全体的なサイズ及び形状を定義し得る外側本体の形又は構成は異なってもよい。他の構成が可能であるが、いくつかの実施形態において、シガレット若しくは葉巻の形状に類似した細長い本体は、単一の一体型ハウジングから形成されてもよく、又は細長いハウジングは、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送出デバイスは、実質的に管状の形状であり得、したがって、従来のシガレット又は葉巻の形状に類似する細長いシェル又は本体を備えることができる。一例において、エアロゾル送出デバイスのすべての部材は、1つのハウジング又は本体内に含有される。他の実施形態において、エアロゾル送出デバイスは、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを備えてもよい。例えば、エアロゾル送出デバイスは、一端に1つ以上の再利用可能な部材(例えば、充電式電池及び/又は充電式スーパーキャパシタなどのアキュムレータ及びその物品の動作を制御するための種々の電子機器)を含有するハウジングを備える制御体並びに他端に取り外し可能に連結可能な、使い捨て部分(例えば、使い捨ての香味含有エアロゾル発生部材)を含有する外側本体又はシェルを有してもよい。
【0110】
他の実施形態において、本開示のエアロゾル発生部材は、概して基材材料を加熱するように構成された発火性熱源を備えてもよい。基材材料及び/又は熱源の少なくとも一部は、外側ラップ又はラッピング、ケーシング、部材、モジュール、要素などで覆われていてもよい。筐体の全体的な設計は可変であり、エアロゾル発生部材の全体的なサイズ及び形状を定義する筐体の形又は構成も可変である。他の構成が可能であるが、いくつかの態様において、これらの実施形態の全体的な設計、サイズ及び/又は形状が、従来のシガレット又は葉巻のそれに類似していることが望ましい場合がある。種々の態様において、熱源は、例えば、エアロゾル形成材料に関連する基材材料、押出された構造体及び/又は基材、タバコ及び/又はタバコ関連材料、例えば、タバコから直接分離された又は合成的に調製された、固体又は液体の形態(例えば、ビーズ、シート、細断片、ラップ)などのタバコに自然に見出せる材料を含む基材材料をエアロゾル化するために、熱を発生することが可能であり得る。
【0111】
本開示の種々の基材材料、エアロゾル発生部材及びエアロゾル送出デバイス内の部材のより具体的な形、構成及び配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになる。追加的に、種々のエアロゾル送出デバイス部材の選択は、市販の電子エアロゾル送出デバイスを考慮した上で理解され得る。さらに、エアロゾル送出デバイス内の部材の配置は、市販の電子エアロゾル送出デバイスを考慮した上で理解され得る。
【0112】
この点で、図1は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送出デバイス100を示す。エアロゾル送出デバイス100は、制御体102及びエアロゾル発生部材104を備えてもよい。種々の実施形態において、エアロゾル発生部材104及び制御体102は、機能的関係において恒久的又は着脱可能に整列され得る。この点で、図1は、連結された構成におけるエアロゾル送出デバイス100を示すが、図2は、分離された構成におけるエアロゾル送出デバイス100を示す。種々の機構が、エアロゾル発生部材104を制御体102に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まりばめ、滑りばめ、磁気係合などをもたらすことができる。
【0113】
種々の実施形態において、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送出デバイス100は、さまざまな全体形状を有することができ、それらに限定されないが、実質的に棒状又は実質的に管状形状又は実質的に円筒形状であると定義され得る全体的な形状を含む。図1~2の実施形態において、デバイス100は、実質的に円形の断面を有するが、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形など)も本開示によって包含される。例えば、いくつかの実施形態において、制御体102又はエアロゾル発生部材104(及び/又は任意の副部材)の一方又は両方が、実質的に長方形の形状、例えば、実質的に長方形直方体形状(例えば、USBフラッシュドライブに類似)を有してもよい。他の実施形態において、制御体102又はエアロゾル発生部材104(及び/又は任意の副部材)の一方又は両方が、他の手持ち式形状を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、制御体102は、小さなボックス形状、種々のポッドモッド形状又はフォブ形状(fob-shape)を有してもよい。したがって、物品の物理的形状を説明するそのような言語は、制御体102及びエアロゾル発生部材104を備える、その個々の部材にも適用され得る。
【0114】
本開示のエアロゾル送出デバイス内の部材の配列は、種々の実施形態にわたって変化し得る。いくつかの実施形態において、基材部分は、ユーザへのエアロゾルの送出を最大にするように、熱源に近接して配置されてもよい。しかしながら、他の構成は除外されない。概して、熱源は、熱源からの熱が基材部分(及びいくつかの実施形態において、ユーザへの送出のために同様に提供され得る1種以上の香味料、医薬品など)を揮発させ、ユーザに送出するためのエアロゾルを形成することができるように、基材部分の十分近傍に配置されてもよい。熱源が基材部分を加熱する場合、エアロゾルは、消費者による吸入に適切な物理的形態で形成、放出又は発生される。前述の用語は、放出する(release)、放出すること(releasing)、放出する(releases)又は放出された(released)へ言及が、形成する(form)又は発生する(generate)、形成すること(forming)又は発生すること(generating)、形成する(forms)又は発生する(generates)及び形成された(formed)又は発生された(generated)を含むように、交換可能であることを意味することに留意されたい。具体的には、吸入物質は、蒸気若しくはエアロゾル又はそれらの混合物の形態で放出され、このような用語はまた、特に明記されている場合を除き、本明細書において交換可能に使用される。
【0115】
上述したように、種々の実施形態のエアロゾル送出デバイス100は、電池及び/又は他の電力源を組み込み、エアロゾル送出デバイスに種々の機能性を提供するのに十分な電流を提供することができ、例えば、熱源への給電、制御システムへの給電、インジケータへの給電などが挙げられる。以下でより詳細に説明するように、電源は種々の実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、エアロゾル形成のために提供すべき熱源を迅速に活性化させるのに十分な電力を送出して、所望の持続時間の使用を通じてエアロゾル送出デバイスに給電することが可能であり得る。いくつかの実施形態において、電源は、エアロゾル送出デバイスが容易に取り扱われ得るように、エアロゾル送出デバイス内に都合よく収まるようにサイズ調整される。有用な電源の例としては、好ましくは充電式のリチウムイオン電池(例えば、充電式リチウム二酸化マンガン電池)が挙げられる。特に、このような電池として使用され得るリチウムポリマー電池は、安全性を高めることができる。他の種類の電池、例えばN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池がまた使用され得る。追加的に、好ましい電源は、望ましい喫煙体験を損なわないほど十分に軽量である。可能な電源のいくつかの例は、Peckerarらの米国特許第9,484,155号及び2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号に記載されており、その開示を、参照によりそれぞれの全体を本明細書に組み込む。
【0116】
特定の実施形態において、制御体102及びエアロゾル発生部材104の一方又は両方は、使い捨て又は再利用可能であるとして言及されてもよい。例えば、制御体102は、交換可能な電池又は充電式電池、全固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有することができ、したがって、壁面充電器への接続、車の充電器(例えば、シガレットライターコンセント)への接続及びユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル又はコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USB Type-C)を介したコンピュータへの接続、光電池(太陽電池と称される場合もある)又は太陽電池のソーラーパネルへの接続、無線充電器、例えば誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)のQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器又は無線高周波(RF)ベースの充電器を含む任意の種類の充電技術と組み合わせることができる。誘導無線充電システムの例は、Surらの米国特許出願公開第2017/0112196号に記載されており、参照により全体を本明細書に組み込む。さらに、いくつかの実施形態において、エアロゾル発生部材104は、単回使用デバイスを備えてもよい。制御体と共に使用するための単回使用部材は、Changらの米国特許第8,910,639号に開示されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0117】
さらなる実施形態において、電源はまた、キャパシタを備えてもよい。キャパシタは電池よりも速く放電でき、パフの間に充電できるため、電池は熱源に直接給電する場合よりも低い速度でキャパシタに放電できる。例えば、電気二重層キャパシタ(EDLC)などのスーパーキャパシタは、電池とは別に又は電池と組み合わせて使用できる。単独で使用される場合、スーパーキャパシタは物品の各使用前に再充電されてもよい。したがって、デバイスはまた、スーパーキャパシタを補充するために使用の間に喫煙物品に取り付けることができる充電器部材を備えてもよい。
【0118】
本開示のエアロゾル送出デバイスにおいて、さらなる部材を利用することができる。例えば、エアロゾル送出デバイスは、消費者が物品(例えば、パフ作動式スイッチ)を吸入する際の圧力変化又は空気流変化のいずれかに高感度である流量センサを備えてもよい。他の可能な電流作動/非作動機構は、温度作動式オン/オフスイッチ又は口唇圧力作動式スイッチを含んでもよい。このようなパフ作動式機能を提供できる機構の例としては、イリノイ州、FreeportのMicroSwitch division of Honeywell、Inc.によって製造されたModel 163PC01D36シリコンセンサが挙げられる。代表的な流量センサ、電流調整部材及びエアロゾル送出デバイス用の種々のマイクロコントローラ、センサ及びスイッチを含む他の電流制御部材は、Gerthらの米国特許第4,735,217号、すべてBrooksらの米国特許第4,922,901号、第4,947,874号及び第4,947,875号、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号、Nguyenらの米国特許第7,040,314号及びPanの米国特許第8,205,622号に記載されており、それらはすべてその全体を参照により本明細書に組み込む。また、Ampoliniらの米国特許第9,423,152号に記載されている制御スキームが参照され、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0119】
別の例において、エアロゾル送出デバイスは、デバイスを保持するユーザの第1の身体部分に接触するように構成された第1の導電性表面及び第1の導電性表面から導電的に隔離され、ユーザの第2の身体部分に接触するように構成された第2の導電性表面を備えてもよい。したがって、エアロゾル送出デバイスが第1の導電性表面と第2の導電性表面の間の導電性の変化を検出する場合、気化器が作動されて物質を気化させ、蒸気がユニットを保持するユーザによって吸入されるようにする。第1の身体部分及び第2の身体部分は、口唇又は手の部分であってもよい。2つの導電性表面はまた、個人用気化器ユニットに含有された電池を充電するために使用され得る。2つの導電性表面はまた、メモリに記憶されたデータを出力するために使用され得るコネクタを形成する又はコネクタの一部であってもよい。Terryらの米国特許第9,861,773号が参照され、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0120】
さらに、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号は、喫煙物品用のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号は、デバイスのマウスエンドに関連付けて、吸入に伴うユーザの口唇動作を検出し、加熱デバイスの加熱を引き起こすことができる圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号は、マウスピースを通る圧力降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するためのパフセンサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号は、挿入された部材の赤外線透過率の不均一性を検出する識別子及び部材がコンセントに挿入された際に検出ルーチンを実行する制御器を含む喫煙デバイス内のコンセントを開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号は、複数の差動位相を持つ規定された実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号は、フォトニックオプトロニック(photonic-optronic)部材を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号は、喫煙デバイスを通る引き込み抵抗を変更する手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号は、喫煙デバイスで使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号は、喫煙デバイスと共に使用するための種々の充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号は、充電を容易にし、デバイスのコンピュータ制御を可能にするための喫煙デバイス用コンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号は、喫煙デバイスの識別システムを開示しており、FlickによるPCT国際公開第WO2010/003480号は、エアロゾル発生システムでのパフを示す流体流センシングシステムを開示しており、前述の開示のすべては、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0121】
本デバイスで使用され得る電子エアロゾル送出物品及び開示されている材料又は部材に関連する部材のさらなる例としては、Gerthらの米国特許第4,735,217号、Morganらの米国特許第5,249,586号、Higginsらの米国特許第5,666,977号、Adamsらの米国特許第6,053,176号、Whiteの米国特許第6,164,287号、Vogesの米国特許第6,196,218号、Felterらの米国特許第6,810,883号、Nicholsの米国特許第6,854,461号、Honの米国特許第7,832,410号、小林の米国特許第7,513,253号、浜野の米国特許第7,896,006号、Shayanの米国特許第6,772,756号、Honの米国特許第8,156,944号及び第8,375,957号、Thorensらの米国特許第8,794,231号、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号、Monseesらの米国特許第8,915,254号及び第8,925,555号、DePianoらの米国特許第9,220,302号、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号及び第2009/0188490号、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号、HonのPCT国際公開第WO2010/091593号、FooのPCT国際公開第WO2013/089551号が挙げられ、それぞれが参照によりその全体を本明細書に組み込む。さらに、2015年10月13日に出願されたWormらの米国特許出願公開第2017/0099877号は、エアロゾル送出デバイスに含まれ得るカプセル及びエアロゾル送出デバイスのためのフォブ形状構成を開示しており、参照によりその全体を本明細書に組み込む。前述の文書によって開示されたさまざまな材料は、種々の実施形態において本デバイスに組み込まれてもよく、前述の開示のすべては、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0122】
図2を参照すると、描写された実施形態において、エアロゾル発生部材104は、制御体102内に挿入されるように構成された加熱端部106及びユーザが吸入してエアロゾルを作製するマウスエンド108を備える。加熱端部106の少なくとも一部は、基材部分110を含んでもよい。以下でより詳細に説明されるように、種々の実施形態において、基材部分110は、エアロゾル形成材料を含浸させた種々の材料を含んでもよい。種々の実施形態において、エアロゾル発生部材104又はその一部は、外側オーバーラップ材料112で包まれていてもよい。種々の実施形態において、エアロゾル発生部材104のマウスエンド108は、例えば、酢酸セルロース又はポリプロピレン材料からなるフィルタ114を含んでもよい。フィルタ114は、例えば、参照によりその全体を本明細書に組み込む、Rakerらの米国特許第5,025,814号に記載の、タバコ含有材料のストランドを追加的に又は代替的に含有してもよい。種々の実施形態において、フィルタ114は、エアロゾル源要素のマウスエンドの構造的完全性を増大させ及び/又は所望であれば濾過能力を提供し及び/又は引き込みに対する抵抗性を提供してもよい。いくつかの実施形態において、フィルタは、個別のセグメントを備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態は、濾過を提供するセグメント、引き込み抵抗を提供するセグメント、エアロゾルを冷却するための空間を提供する中空セグメント、増大した構造的完全性を提供するセグメント、他のフィルタセグメント及び上記のいずれか1つ又は任意の組み合わせを含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、外側オーバーラップ112の材料は、熱の伝達に抵抗する材料を含んでもよく、この材料は、紙又は他の繊維質材料、例えばセルロース材料を含んでもよい。外側オーバーラップ材料はまた、繊維質材料内に埋め込まれた又は分散された少なくとも1種の充填剤材料を含んでもよい。さまざまな実施形態において、充填剤材料は、水不溶性粒子の形態を有してもよい。追加的に、充填剤材料は、無機部材を組み込んでもよい。種々の実施形態において、外側オーバーラップは、複数の層、例えば、下に重なるバルク層及び上に重なる層、例えばシガレットにおける典型的な包装紙から形成され得る。このような材料は、例えば、軽量な「ラグ繊維(rag fiber)」、例えばアマ、タイマ、サイザル、稲わら及び/又はアフリカハネガヤを含んでもよい。外側オーバーラップはまた、酢酸セルロースなど、従来のシガレットのフィルタエレメントに典型的に使用される材料を含んでもよい。さらに、エアロゾル発生部材のマウスエンド108における外側オーバーラップの過剰な長さは、以下に説明するように、基材部分110を消費者の口から単純に分離するように又はフィルタ材料の配置のための空間を提供するように又は物品に対する吸引に影響を与えるように又は吸引中にデバイスから出る蒸気若しくはエアロゾルの流動特性に影響を与えるように機能することができる。本開示と共に使用される可能性のある外側オーバーラップ材料の構成に関するさらなる説明は、Wormらの米国特許第9,078,473号に見出され得、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0124】
種々の実施形態において、他の部材は、エアロゾル発生部材104の基材部分110とマウスエンド108の間に存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、以下:エアギャップ、中空管構造、冷却空気用の相変化材料、香味放出媒体、選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維、フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子及び他の適切な材料のうちの1つ又は任意の組み合わせが、エアロゾル発生部材104の基材部分110とマウスエンド108の間に配置されてもよい。可能な相変化材料のいくつかの例としては、それらに限定されないが、塩、例えばAgNO、AlCl、TaCl、InCl、SnCl、AlI及びTiI、金属及び金属合金、例えばセレン、スズ、インジウム、スズ亜鉛、インジウム亜鉛又はインジウムビスマス並びに有機化合物、例えばD-マンニトール、コハク酸、p-ニトロ安息香酸、ハイドロキノン及びアジピン酸が挙げられる。他の例は、Potterらの米国特許第8,430,106号に記載されており、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0125】
以下でより詳細に説明されるように、現在開示されているエアロゾル発生部材は、基材材料を加熱してエアロゾルを形成するために、導電性及び/又は誘導性の熱源と共に使用するように構成される。種々の実施形態において、導電性熱源は、抵抗性加熱要素を含む加熱アセンブリを備えてもよい。抵抗性加熱要素は、電流がそこを通って導かれる場合に、熱を生成するように構成され得る。抵抗性加熱要素として有用な導電性材料は、低質量、低密度及び中程度の抵抗性を有するものであり、使用中に体験される温度において熱的に安定であるものであり得る。有用な加熱要素は、急速に加熱及び冷却するため、エネルギーの効率的な使用を提供する。この要素の急速な加熱は、その近接するエアロゾル形成材料のほぼ即時の揮発を提供するのに有益であり得る。急速な冷却は、エアロゾルの形成が望ましくない期間中のエアロゾル形成材料の実質的な揮発(したがって無駄)を防止する。このような加熱要素はまた、特に時間ベースの電流制御が採用されている場合に、エアロゾル形成材料によって体験される温度範囲の比較的正確な制御を可能にし得る。有用な導電性材料は、生成されるエアロゾル又は蒸気の香味又は含有量に悪影響を及ぼさないように、好ましくは、加熱される材料(例えば、エアロゾル形成材料及び他の吸入物質材料)と化学的に非反応性である。導電性材料として使用され得るいくつかの例示的で非限定的な材料としては、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属、セラミック、例えば、金属及び非金属炭化物、窒化物、酸化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金並びに金属箔が挙げられる。特に、耐火材料が有用である場合がある。種々の異なる材料を混合して、抵抗性、質量及び熱伝導性の望ましい特性を実現できる。特定の実施形態において、利用され得る金属としては、例えば、ニッケル、クロム、ニッケル及びクロムの合金(例えば、ニクロム)並びに鋼が挙げられる。抵抗性加熱を提供するのに有用であり得る材料は、Countsらの米国特許第5,060,671号、Deeviらの米国特許第5,093,894号、Deeviらの第5,224,498号、Sprinkel Jr.らの第5,228,460号、Deeviらの第5,322,075号、Deeviらの米国特許第5,353,813号、Deeviらの第5,468,936号、Dasの米国特許第5,498,850号、Dasの米国特許第5,659,656号、Deeviら米国特許第5,498,855号、Hajaligolの米国特許第5,530,225号、Hajaligolの米国特許第5,665,262号、Dasらの米国特許第5,573,692号及びFleischhauerらの米国特許第5,591,368号に記載されており、その開示は、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0126】
種々の実施形態において、加熱要素は、さまざまな形態、例えば箔、発泡体、メッシュ、中空ボール、ハーフボール、ディスク、らせん、繊維、ワイヤ、フィルム、ヤーン、ストリップ、リボン又はシリンダの形態で提供され得る。このような加熱要素は、多くの場合金属材料を含み、そこに電流を流すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。このような抵抗性加熱要素は、基材部分に近接して及び/又は直接接触して配置されてもよい。例えば、一実施形態において、加熱要素は、制御体102内に配置されたシリンダ又は他の加熱デバイスを備えてもよく、このシリンダは、それらに限定されないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、炭素(例えばグラファイト)又はそれらの任意の組み合わせを含む1つ以上の導電性材料で構成される。種々の実施形態において、加熱要素はまた、これら又は他の導電性材料のいずれかで被覆されてもよい。加熱要素は、制御体102の係合端部に近接して配置されてもよく、基材部分110を含むエアロゾル発生部材104の加熱端部106の一部を実質的に取り囲むように構成されてもよい。このようにして、エアロゾル源要素が制御体102内に挿入される場合、加熱要素は、エアロゾル発生部材104の基材部分110に近接して配置されてもよい。他の例において、エアロゾル発生部材が制御体内に挿入される場合、加熱要素の少なくとも一部が、エアロゾル発生部材の少なくとも一部を貫通してもよい(例えば、エアロゾル発生部材を貫通する1つ以上のプロング及び/又はスパイクなど)。いくつかの実施形態において、加熱要素はシリンダを含んでもよいが、他の実施形態において、加熱要素は、さまざまな形態をとり、いくつかの実施形態において、基材部分に直接接触する及び/又は貫通してもよいことに留意されたい。
【0127】
上述したように、導電性熱源と共に使用するように構成されることに加えて、本開示はまた、基材部分を加熱してエアロゾルを形成する誘導性熱源と共に使用するように構成されてもよい。種々の実施形態において、誘導性熱源は、共振送信機及び共振受信機(例えばサセプタ)を備え得る共振変圧器を備えてもよい。いくつかの実施形態において、共振送信機及び共振受信機は、制御体102に配置されてもよい。他の実施形態において、共振受信機又はその一部は、エアロゾル源要素104に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、制御体102は、例えば、箔材料、コイル、シリンダ又は振動磁場を発生させるように構成された他の構造を備えることができる共振送信機及び共振受信機を含んでもよく、共振受信機は、基材部分に延びる又は基材部分によって囲まれている1つ以上のプロングを備えてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル発生部材は、共振受信機と密接に接触している。
【0128】
他の実施形態において、共振送信機は、エアロゾル発生部材、特に、エアロゾル発生部材の基材部分が受け入れられる空洞を囲むように構成されたらせんコイルを備えてもよい。いくつかの実施形態において、らせんコイルは、デバイスの外壁と受け入れ空洞の間に配置されてもよい。一実施形態において、コイル巻線は、円形の断面形状を有していてもよいが、他の実施形態において、コイル巻線は、それらに限定されないが、楕円形、長方形、L字形、T字形、三角形及びこれらの組み合わせを含む他のさまざまな断面形状を有してもよい。別の実施形態において、ピンは、受け入れ空洞の一部に延びてもよく、このピンは、例えば、ピンの周囲又は内部にコイル構造を含むことによって、共振送信機を備えることができる。種々の実施形態において、エアロゾル源要素は、受け入れ空洞内に受け入れられてもよく、エアロゾル源要素の1つ以上の部材は、共振受信機として機能し得る。いくつかの実施形態において、エアロゾル発生部材は、共振受信機を備える。共振送信機及び共振受信機を含む他の可能な共振変圧器部材は、2017年10月31日に出願され、「Induction Heated Aerosol Delivery Device」と題された米国特許出願公開第15/799,365号に記載されており、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0129】
基材
上記のとおり、各種実施形態において、基材部分110は、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸させたさまざまな基材材料を含み得る。いくつかの実施形態において、基材は、タバコ由来繊維、タイマ、木材若しくは木材由来繊維、又はこれらの組み合わせを含む。
【0130】
各種実装形態において、タバコ由来繊維は、粉砕タバコ材料を含み得る。本開示において有用であり得るタバコ材料は、さまざまであり得、例えば、黄色種タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコ又はメリーランドタバコ、ダーク(dark)タバコ、ダーク-ファイヤード(dark-fired)タバコ及びルスティカ(Rustica)タバコ、並びに他の希少又は特殊なタバコ、又はこれらのブレンドを含み得る。タバコ材料は、いわゆる「ブレンド」形態及び加工形態、例えば、加工タバコ幹(例えば、カットロール(cut-rolled)又はカットパフ(cut-puffed)茎)、容量膨張たばこ(例えば、パフ(puffed)タバコ、例えばドライアイス膨張(dry ice expanded)タバコ(DIET)、好ましくはカットフィラー(cut filler)形態のもの)、再構成タバコ(例えば、製紙型又はキャストシート型プロセスを使用して製造された再構成タバコ)も含み得る。種々の代表的なタバコ型、タバコの加工型、タバコブレンドの型は、参照により本明細書に組み込まれる、Lawsonらの米国特許第4,836,224号、Perfettiらの米国特許第4,924,888号、Brownらの米国特許第5,056,537号、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号、Gentryの米国特許第5,220,930号、Blakleyらの米国特許第5,360,023号、Shaferらの米国特許第6,701,936号、Liらの米国特許第7,011,096号、及びLiらの米国特許第7,017,585号、Lawsonらの米国特許第7,025,066号、Perfettの米国特許出願公開第2004-0255965号、BeremanらのWO02/37990、並びにBombickら、Fund.Appl.Toxicol.、39巻、11~17頁(1997)に記載されている。有用であり得るタバコ組成物のさらなる例は、参照により全内容が本明細書に組み込まれる、Robinsonらの米国特許第7,726,320号である。いくつかの実装形態において、粉砕タバコ材料は、風味豊かで芳香のあるタバコのブレンドを含み得る。別の実装形態において、タバコ材料は、再構成タバコ材料例えば、参照により全内容が本明細書に組み込まれる、Pryorらの米国特許第4,807,809号、Pryorらの米国特許第4,889,143号、及びRakerの米国特許第5,025,814号に記載されているものを含み得る。さらに、再構成タバコ材料は、参照により全内容が本明細書に組み込まれる、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R. J. Reynolds、Tobacco Company Monograph (1988)に記載された、シガレット形態用の再構成タバコ紙を含み得る。
【0131】
特定の実施形態において、基材は、例えば当技術分野において既知である種々の注型及び製紙技術を使用する再構成タバコ材料を含む。再構成タバコ材料は、木材パルプ、タバコ繊維、植物性物質、又は他のセルロース成分を含み得る。いくつかの実施形態において、ナノセルロース材料の再構成タバコ材料への添加は、得られる材料の吸収力及び機械的強度の両方を強化することに役立ち得る。再構成タバコ材料、及びそのような材料を提供する方法は、参照により全内容が本明細書に組み込まれる、Keritsisらの米国特許第4,674,519号、Pryorらの米国特許第4,807,809号、Pryorらの米国特許第4,889,143号、Clappらの米国特許第4,941,484、Kiernanらの米国特許第4,972,854号、Youngらの米国特許第4,987,906、Rakerの米国特許第5,025,814号、Youngらの米国特許第5,099,864号、Sohnらの米国特許第5,143,097号、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号、Brinkleyらの米国特許第5,322,076号、Youngらの米国特許第5,339,838号、Litzingerらの米国特許第5,377,698号、Youngの米国特許第5,501,237号、及びKumarの米国特許第6,216,707号に記載されている。
【0132】
いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~80%のタバコ由来繊維、約0~約40%のタバコ由来繊維、又は約20~約40%のタバコ由来繊維を含む。いくつかの実施形態において、基材は、例えば、約0%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、又は約80%のタバコ由来繊維を含む。
【0133】
いくつかの実装形態において、基材は、植物由来非タバコ材料、例えば、限定されないが、タイマ、アマ、サイザル、稲わら、アフリカハネガヤ、及び/又はセルロースパルプ材料を含む。他の各種実装形態において、基材材料は、再構成タバコ自体又は他の繊維状材料との組み合わせを含み得る。注型及び製紙技術を含む、再構成タバコシートを提供するためのいくつかの例示的態様及び方法は、全体が本明細書に参照として組み込まれる、Keritsisらの米国特許第4,674,519号、Clappらの米国特許第4,941,484号、Youngらの米国特許第4,987,906号、Kiernanらの米国特許第4,972,854号、Youngらの米国特許第5,099,864号、Sohnらの米国特許第5,143,097号、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号、Brinkleyらの米国特許第5,322,076号、Youngらの米国特許第5,339,838号、Litzingerらの米国特許第5,377,698号、Youngの米国特許第5,501,237号、及びKumarの米国特許第6,216,707号に記載されている。場合によっては、加工タバコ、例えば特定の型の再構成タバコは、長手方向に延びるストランドとして用いられ得る。例えば、全体が本明細書に参照として組み込まれる、Rakerの米国特許第5,025,814号に記載された構成の型を参照されたい。さらに、特定の型の再構成タバコシート、所望の構成に形成され、巻かれ、又は寄せ集められてよい。さらに他の実装形態において、基材材料は、さまざまな型の無機繊維(例えば、繊維ガラス、金属ワイヤ/スクリーン等)及び/又は(有機)合成ポリマー)を含んでよい。各種実装形態において、これらの「繊維状」材料は、非構造化されていても(例えば、タバコキャストシート中のセルロール繊維のようにランダムに分散していても)よく、構造化されていてもよい(例えば、金網)。
【0134】
いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~約5%の木材繊維又は木材由来繊維、例えば、0%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%の木材繊維又は木材由来繊維を含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、基材部分110は、耐火性材料、熱伝導/誘導のための伝導性繊維若しくは粒子、又はこれらの任意の組み合わせをさらに含んでよい。耐火性材料の一例は、リン酸アンモニウムである。いくつかの実施形態において、他の難燃性/耐火性(flame/burn retardant)材料及び添加剤は、基材部分110に含まれてよく、有機リン化合物、ホウ砂、アルミナ三水化物、グラファイト、カリウム、シリカ、トリポリホスフェート、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、及びポリオールを含んでよい。他の耐火性材料、例えば、窒素含有ホスホン酸塩、リン酸モノアンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素、及び酸化アンチモンも使用されてよい。基材材料中で及び/又は他の部材中で(単独で又は互いに及び/若しくは他の材料と組み合わせて)使用される難燃性、耐火性及び/又は焦げ遅延性材料の各態様において、望ましい特性は、望ましくないガス発生又は溶融挙動に依存せず、それらに対する耐性を有するものである。タバコを喫煙物品に組み込むための種々の態様及び方法、及び特に、これらの喫煙物品内でタバコの実質的全体を意図的に燃焼させないように設計された喫煙物品が、参照により開示全体が本明細書に組み込まれる、Brooksらの米国特許第4,947,874号、Cantrellらの米国特許第7,647,932号、Robinsonらの米国特許第8,079,371号、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号、及びCrooksらの米国特許出願公開第US2007/0215167号に記載されている。
【0136】
上記のとおり、基材部分110はまた、熱伝導又は誘導による加熱のための伝導性繊維又は粒子を含み得る。いくつかの実施形態において、伝導性繊維又は粒子は、実質的な直列及び平行パターンで配置され得る。いくつかの実施形態において、伝導性繊維又は粒子は、実質的にランダムに配置され得る。いくつかの実施形態において、伝導性繊維又は粒子は、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料、及びグラファイト材料等で構成され得る。いくつかの実施形態において、異なるキュリー温度を有する1つ以上の伝導性繊維又は粒子が、さまざまな温度にて誘導による加熱を促進するために基材材料に含まれ得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、基材は、1つ以上の結合剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、アルギン酸塩、セルロース誘導体、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、炭酸カルシウム、又はこれらの組み合わせから選択される。結合剤材料のその他の例は、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Jakobらの米国特許第5,101,839号、及びRakerらの米国特許第4,924,887号に記載されている。
【0138】
いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、アルギン酸塩、例えばアルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウム、及びアルギン酸ナトリウムである。アルギン酸塩、特に高粘度のアルギン酸塩は、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて用いられてよい。いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~約10%のアルギン酸塩、例えば、約0%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%のアルギン酸塩を含む。
【0139】
いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、1つ以上のセルロース誘導体(例えば、単一のセルロース誘導体又は複数のセルロース誘導体、例えば2つ又は3つのセルロース誘導体の組み合わせ)である又はそれを含む。いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~約5%の1つ以上のセルロース誘導体、例えば、約0%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%の1つ以上のセルロース誘導体を含む。基材が1つより大きいセルロース誘導体を含む実施形態において、約0~約5%の1つ以上のセルロース誘導体について定められた重量基準は、セルロース誘導体の組み合わせの総重量を反映していることを理解すべきである。
【0140】
いくつかの実施形態において、セルロース誘導体は、ナノセルロース材料を含む。本明細書で使用するとき、「ナノセルロース材料」は、約1nm~約100nmの範囲にある少なくとも1つの平均粒径寸法を有するセルロース材料を指す。より大きなセルロース材料サイズが使用されてもよいが、エアロゾル形成材料装填量の低下が起こる可能性が高い。非限定的例として、好適なナノセルロース材料は、任意の多様なセルロース含有材料、例えば、木材(例えば、ユーカリプタス(eucalyptus)樹木)、草(例えば、竹)、綿、タバコ、藻類、及び他の植物系材料から調製された繊維材料であってよく、ここで、繊維はさらに精製されて、ナノフィブリル化セルロース繊維が製造される。各種実施形態において、ナノセルロース材料は、タバコ由来ナノセルロース繊維及び/又は非タバコ由来ナノセルロース繊維のうちの1つ以上を、任意選択的に1つ以上の追加のセルロース材料、例えば、タバコ由来セルロース系パルプ及び/又は木材パルプ系セルロース繊維と組み合わせて含有し得る。いくつかの実施形態において、結合剤材料は、タバコ又は他のバイオマスから誘導されたナノセルロースを含み得る。
【0141】
いくつかの実施形態において、1つ以上のセルロース誘導体は、化学修飾セルロース誘導体である。好適な化学修飾セルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルセルロース、例えばAqualon社製Klucel H;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばDow Chemical社製Methocel K4MS;ヒドロキシエチルセルロース、例えばAqualon社製Natrosol 250 MRCS;微結晶セルロース、例えばFMC製Avicel;メチルセルロース、例えばDow Chemical社製Methocel A4M;及びカルボキシルメチルセルロースナトリウム、例えばHercules社製CMC 7HF及びCMC 7H4Fを含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、デンプンである。いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~30%のデンプン、約0~約15%のデンプン、又は約20~約40%のデンプンを含む。いくつかの実施形態において、基材は、例えば、約0%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、又は約40%のデンプンを含む。好適なデンプンは、トウモロコシデンプン、米デンプン、及び変性食品デンプンを含む。いくつかの他の実施形態において、結合剤は、米デンプンである。いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、デキストランである。いくつかの他の実施形態において、結合剤は、シクロデキストリンを含んでよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、ガムである。好適なガムは、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、及びトラガカントガムを含む。
【0144】
いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、カラギーナンである。
【0145】
いくつかの実施形態において、1つ以上の結合剤は、炭酸カルシウムである。いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~60%の炭酸カルシウム、約45~約60%の炭酸カルシウム、約40~約60%の炭酸カルシウム、又は約5~約15%の炭酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態において、基材は、例えば、約0%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、又は約60%の炭酸カルシウムを含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~約60%の炭酸カルシウム、約0~約10%のアルギン酸塩、約0~約5%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約30%のデンプン、約0~約5%の木材パルプ、及び約0~約80%のタバコ由来繊維を含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約0~5%の炭酸カルシウム、約1~約5%の木材パルプ、及び約70~約80%のタバコ由来繊維を含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約45~約60%の炭酸カルシウム、約0~約10%のアルギン酸塩、約0~約5%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約15%のデンプン、約0~約5%の木材パルプ、及び約0~約40%のタバコ由来繊維を含む。
【0149】
いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約40~約60%の炭酸カルシウム、約0~約10%のアルギン酸塩、約0~約5%の1つ以上のセルロース誘導体、約0~約15%のデンプン、約0~約5%の木材パルプ、及び約0~約40%のタバコ由来繊維を含む。
【0150】
いくつかの実施形態において、基材は、重量基準で、約5~15%の炭酸カルシウム、約1~約5%の1つ以上のセルロース誘導体、約20~約40%のデンプン、及び約20~約40%のタバコ由来繊維を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、基材は、タバコ由来繊維、木材由来繊維、又はこれらの組み合わせ、及び1つ以上の結合剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の結合剤は、アルギン酸塩、セルロース誘導体、デンプン、ガム、デキストラン、カラギーナン、炭酸カルシウム、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0152】
いくつかの実施形態では、基材は、重量ベースで、タバコ由来繊維を約40~約70重量%;セルロース誘導体を約10~約15重量%;及び木材パルプを約5~約10重量%含む。いくつかの実施形態では、セルロース誘導体はカルボキシメチルセルロースである。
【0153】
基材の水分(例えば、水)含量は様々であってもよい。いくつかの実施形態では、基材は、含浸基材の総乾燥重量に対して約10重量%までの量で水を含む(例えば、加工中に添加された過剰な水を除去するための乾燥後にエアロゾル形成材料を含む基材)。
【0154】
いくつかの実施形態において、基材は、粒子状形態、細断形態、フィルム形態、紙プロセスシート形態、キャストシート形態、ビーズ形態、顆粒ロッド形態、又は押出品形態をとる。各種実施形態において、基材部分110の形態は、ゲル、裁断片、フィルム、懸濁液、押出品、削り屑、カプセル、及び/又は粒子(例えば、ペレット、ビーズ、細長片、又はさまざまなサイズの任意の所望する粒子形状)、及びこれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、基材は、実質的に円筒形状に形成される。
【0155】
いくつかの実施形態において、基材は、紙加工技術を使用して調製され、得られたシートは、エアロゾル送出デバイスの基材含有セグメントに挿入するために、切断ラグ又は細長片へとさらに分割され得る。調製方法は、一般に、タバコ葉片、茎、小片、又は粉じんの一定時間の熱水抽出(60~90℃)を含む。これに続いて、可溶物を含有する薄い(weak)抽出物及び未精製繊維を含有する固体部分への分離(遠心及び/又はフィルター分離)が行われる。次に、薄い抽出物は、例えば真空蒸着又はその他の手段によって、>20%の固体(重量/容積)抽出物に濃縮される。任意選択的に、本明細書に記載された2つ以上のエアロゾル形成剤のうちの1つ以上は、均一の混合物を得るために、添加され、完全に混合されてよい。タバコ固体には、水及び予備パルプ化(pre-pulped)木繊維が添加され、タバコ繊維をフィブリル化するために、材料が再精製されてよい。次に、精製タバコパルプは、不織ウェブ又は紙を製造するために、長網抄紙スクリーンに通されてよい。ウェブは、45~55%の含水率になるまで乾燥させられてよい。次に、任意のエアロゾル形成材料を含有する濃縮抽出物は、ウェブに戻されて添加され、8~10%の水分になるまで乾燥させられてよい。任意選択的に、不活性濾過助剤が、長網抄紙スクリーン上でのウェブ形成前に、パルプに添加されてもよい。
【0156】
第2の実施形態において、フラットシートを作製するために、キャストシート技術が使用されてよい。キャストシートは、一般に、それぞれ本明細書に記載された、結合剤材料、不活性充填剤、任意選択的に2つ以上のエアロゾル形成剤のうちの1つ以上、木材由来繊維、及び任意選択的に植物性物質、有効成分、並びに/又はタバコ若しくはタバコ由来材料を含む。例えば、いくつかの実施形態において、繊維材料、本明細書に開示された2つ以上のエアロゾル形成材料のうちの1つ以上、及び結合剤は、スラリーを形成するために、一緒にブレンドされてよく、このスラリーは、表面(例えば、移動ベルト)上にキャストされてもよい。次いで、キャストスラリーは、結果が比較的一定の厚さのキャストシートであるように、1つ以上の乾燥及び/又は修繕工程を経てよい。注型及び製紙技術の他の例は、その開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、Keritsisらの米国特許第4,674,519号、clappらの米国特許第4,941,484号、youngらの米国特許第44,987,906号、Kiernanらの米国特許第4,972,854号、Youngらの米国特許第5,099,864号、Sohnらの米国特許第5,143,097号、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号、Brinkleyらの米国特許第5,322,076号、Youngらの米国特許第5,339,838号、Litzingerらの米国特許第5,377,698号、Youngらの米国特許第5,501,237号、Kumarらの米国特許第6,216,706号に記載されている。いくつかの実施形態において、フラットシートは、エアロゾル送出デバイスの基材含有セグメントに挿入するために、切断ラグ又は細長片へとさらに分割され得る。キャストシートはまた、エアロゾル送出デバイスの基材含有セグメントに挿入するために、ロッド内に集められ又はロール状に巻かれてもよい。
【0157】
第3の実施形態において、基材は、丸又は卵形のビーズ又は毛様のロッドを製造するために、顆粒押出し、続いてスフェロナイゼーション(spheronization)又はマルメライゼーション(marumerization)によって調製され得る。顆粒押出し製剤は、代替又は追加の結合剤(例えば、セルロース誘導体)が使用されることを除いて、キャストシート製剤のものと同様である。
【0158】
第4の実施形態において、基材は、複数の大きさ及び/又は形状の基材片を提供するために、押出し、続いて切断又はサイジングによって調製され得る。押出し製剤は、顆粒押出し製剤のものと同様であるが、さらに別の結合剤の組み合わせ(例えば、セルロース誘導体の組み合わせ)を使用している。
【0159】
先行の実施形態のいずれにおいても、エアロゾル形成材料の全量は、本明細書に開示されたエアロゾル発生部材を形成するために、注型、押出し等の前に添加されてよい。代替的又は追加的に、エアロゾル形成材料の一部又は全部が、形成後の基材に含浸させられてもよい(例えば、1つ以上のエアロゾル形成材料が、本明細書に開示されたエアロゾル発生部材を形成するために、噴霧され、又は基材材料の中若しくは上に配置されてもよい)。
【0160】
図3は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル発生部材の斜視概略図を示す。特に、図3は、シート形態の基材120の一連の重複層130を含む基材部分110を有するエアロゾル発生部材104を示す。上記に関して、図示された実施形態において、基材シート120は、本明細書に開示されたフィルム又は層を含む。各種実施形態において、「重複層」という用語はまた、個々の層が明確ではない場合もある、束ねられ、しわを付けられ、折り曲げられ、及び/又は他の方法で収集された層を含み得る。
【0161】
例えば、図4は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル発生部材の基材部分の概略断面図を示す。特に、図4は、基材シート120の一連の重複層130を含む、基材部分110を示す。図示された実施形態において、重複層130の少なくとも一部は、第1のカバー層132によって、その外面の周りを実質的に取り囲まれている。各種実施形態において、第1のカバー層132の組成物はさまざまであり得るが、図示された実施形態においては、第1のカバー層132は、繊維材料、エアロゾル形成材料、及び結合剤材料の組み合わせを含む。本明細書では、可能なエアロゾル形成材料及び結合剤材料に関する議論を参照する。
【0162】
各種実施形態において、第1のカバー層132は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Seymourらの米国特許第5,697,385号に記載された注型プロセスにより構成され得る。
【0163】
図示された実施形態において、重複層130の少なくとも一部及び第1のカバー層132は、第2のカバー層134により外面の周りを実質的に取り囲まれている。第2のカバー層134の組成はさまざまであり得るが、図示された実施形態において、第2のカバー層134は、金属箔材料、例えばアルミニウム箔材料を含む。他の実施形態において、第2のカバー層は、他の材料、例えば、限定されないが、銅材料、スズ材料、金材料、合金材料、セラミック材料、若しくは他の熱伝導性非晶質炭素系材料、及び/又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。図示された実施形態はさらに、重複層130、第1のカバー層132、及び第2のカバー層134を外面の周囲に沿って実質的に取り囲む、第3のカバー層136を含む。図示された実施形態において、第3のカバー層136は、従来のシガレット巻紙などの紙材料を含む。各種実施形態において、紙材料は、非木材植物繊維などのラグ繊維を含んでいてもよく、アマ、タイマ、サイザル、稲わら、及び/又はアフリカハネガヤ繊維を含んでいてもよい。
【0164】
エアロゾル形成材料
本明細書に開示されたエアロゾル発生部材は、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料を含む2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸させた基材を含み、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料はそれぞれ、異なる沸点、異なる蒸気圧又はその両方を有する。本明細書で使用されるとき、「沸点」への言及は、液体の蒸気圧が液体の周囲の圧力に等しく、液体が蒸気に変化する温度を意味する。本明細書において沸点に言及するとき、液体の周囲の圧力は、標準大気圧(すなわち、760mmHg)である。
【0165】
理論に拘束されることを望むものではないが、それぞれ異なる揮発性(例えば、沸点)を有する2つ以上の別個のエアロゾル形成材料の存在は、エアロゾル発生デバイスに使用されたときにエアロゾル形成に対するより広範囲な制御を可能にすると考えられる。エアロゾルの体積及び密度を制御し、2つ以上のエアロゾル形成材料を利用することによる熱の適用に対するエアロゾル発生デバイスからのエアロゾル形成のタイミングを最適化することにより、単一のエアロゾル形成材料の使用に対して、消費者の体験を強化することができる。例えば、異なる揮発性を有する2つ又はさらに3つ以上の異なるエアロゾル形成材料の組み合わせは、エアロゾル発生材料のそのような混合物を含むデバイス又は物品の利用全体を通して、エアロゾルのより一貫した送達をもたらし得る。特にそのような組み合わせは、本明細書に記述される物品又はデバイスの使用中の1回のパフから次のパフまでに生成されたエアロゾルの、それほどばらつきのない量を提供し得る。
【0166】
さらに、本開示によれば、基材の物理的性質は、内部に装填されたエアロゾル形成材料の性質により影響を受けることが見出された。例えば、ある特定の多価アルコール、又は多価アルコールを含むエアロゾル形成材料の混合物は、基材の柔軟性を増大させることが見出された。対照的に、ある特定のその他のエアロゾル形成材料、例えばパルミチン酸は、多価アルコールが存在しない状態で、脆くかつ処理するのが難しい基材を提供した。したがって、エアロゾル形成材料又はその適切な組み合わせの選択は、本明細書に開示されるエアロゾル発生デバイスにおけるように、基材に装填されかつ加熱に供されたときに、一貫して長く続くエアロゾル形成を提供しながら脆さを回避するのに利用され得る。
【0167】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、それぞれ異なる沸点を有し、沸点は、約100℃~約1000℃の範囲、例えば、約100℃、約150℃、約200℃、約250℃、約300℃又は約350℃~約400℃、約500℃、約600℃、約700℃、約800℃、約900℃又は約1000℃である。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料は、約100℃、約125℃、約150℃、又は約175℃~約200℃、約225℃、又は約250℃の沸点を有し、第2のエアロゾル形成材料は、約250℃、約275℃、約300℃、約325℃、又は約350℃の沸点を有する。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料と第2のエアロゾル形成材料との間の沸点の差は、少なくとも50℃又は少なくとも100℃である。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料と第2のエアロゾル形成材料との間の沸点の差は、約50℃~約300℃の範囲にあり、例えば、約50℃、約100℃、約150℃、約200℃、約250℃、又は約300℃である。
【0168】
第1及び第2のエアロゾル形成材料は種々の比率で存在してよく、意図する用途に応じて、どちらかの成分が優勢になる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料が、約100:1~約1:100、例えば約100:1、約95:5、約90:10、約80:20、約70:30、約60:40、約50:50、約40:60、約30:70、約20:80、約10:90、5:95、又は約1:100の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料が、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:2~約2:8、約7:3~約3:7、約6:4~約4:6、又は約1:1の重量比で存在する。いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比約3:1~約1:3で存在する。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比は、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、又は約1:3である。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料対第2のエアロゾル形成材料の重量比は、約1:1である。
【0169】
いくつかの実施形態において、基材は、少なくとも1つの追加のエアロゾル形成材料をさらに含浸されている。追加のエアロゾル形成材料は、第1のエアロゾル形成材料又は第2のエアロゾル形成材料と同じ範囲の沸点を有していてもよく、異なる沸点範囲を有していてもよい。例えば、1つの非限定的な実施形態において、第1及び第2のエアロゾル形成材料は、350℃未満の沸点を有してよく、追加のエアロゾル形成材料の沸点は、約350℃を超えていてもよい。別の非限定的な実施形態において、第1及び第2のエアロゾル形成材料は、約175℃を超える沸点を有してよく、追加のエアロゾル形成材料の沸点は、約175℃未満であってもよい。さらに別の非限定的な実施形態において、第1及び第2のエアロゾル形成材料は、約175℃~約300℃の沸点を有してよく、追加のエアロゾル形成材料の沸点は、約175℃未満、又は約300℃超であってよい。
【0170】
いくつかの実施形態において、第1及び第2のエアロゾル形成材料のそれぞれ、及び存在し得る任意の追加のエアロゾル形成材料は、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、トリアセチン、ワックス、カンナビノイド、テルペン、及び糖アルコールからなる群から独立して選択される。
【0171】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上の多価アルコールを含む。多価アルコールの例には、グリセロール、プロピレングリコール、及びその他のグリコール、例えば1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール(例えば、重量平均分子量範囲が約200~約2,000DaであるPEG分子)が含まれる。
【0172】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上のポリソルベートを含む。ポリソルベートの例には、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、Tween 60)及びポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、Tween 80)が含まれる。使用されるポリソルベートのタイプ又は使用されるポリソルベートの組み合わせは、意図された所望の効果に依存し、異なるポリソルベートは、分子サイズのために、異なる属性をもたらす。例えば、ポリソルベート分子は、ポリソルベート20からポリソルベート80までサイズが大きくなる。より小さいサイズのポリソルベート分子を使用すると、より少ない蒸気量が生じるが、より深い肺浸透が可能になる。これは使用者が公共の場にいて「煙」(例えば、蒸気)の大きな柱を作りたくない場合に望ましいことであり得る。逆に、タバコの芳香性成分を運ぶことができる緻密な蒸気が望まれる場合には、より大きなポリソルベート分子が使用されてよい。ポリソルベート群の化合物を使用することのさらなる利点は、ポリソルベートが、それらが存在する混合物の気化熱を低下させることである。
【0173】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上のソルビタンエステルを含む。ソルビタンエステルの例には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート(Span 60)、ソルビタンモノオレエート(Span 20)、及びソルビタントリステアレート(Span 65)が含まれる。
【0174】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上の脂肪酸を含む。脂肪酸は、短鎖、長鎖、飽和、不飽和、直鎖又は分枝鎖カルボン酸を含み得る。脂肪酸は、一般に、C~C28脂肪族カルボン酸を含む。短鎖又は長鎖脂肪酸の非限定的な例には、酪酸、プロピオン酸、吉草酸、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸が含まれる。いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、パルミチン酸を含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1種以上の脂肪酸エステルを含む。脂肪酸エステルの例には、アルキルエステル、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが含まれる。モノグリセリドの例には、モノラウリン及びグリセロールモノステアレートが含まれる。トリグリセリドの例には、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアレート、グリセロールトリチレート、及びグリセロールトリヘキサノエートが含まれる。
【0176】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上のワックスを含む。ワックスの例には、カルナウバ、蜜蝋、キャンデリラが含まれ、これらは、エアロゾル粒子を安定化させ、嗜好性を高め、又は喉刺激を減少させることが知られている。
【0177】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上のカンナビノイドを含む。いくつかの実施形態において、カンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、又はこれらの組み合わせを含む。
【0178】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上のテルペンを含む。本明細書で使用されるとき、「テルペン」という用語は、イソペンテニルピロホスフェートから生合成的に植物によって産生される炭化水素化合物を意味する。テルペンの非限定的な例には、リモネン、ピネン、ファルネセン、及びセンブレンが含まれる。
【0179】
いくつかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1つ以上の糖アルコールを含む。糖アルコールの例には、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、及びキシリトールが含まれる。糖アルコールはまた、特定の香味化合物、例えば、メントール及び他の揮発物に対する香味増強剤として作用し、一般に、得られるエアロゾルの口当たり、触感、喉刺激、及び他の感覚特性を改善することができる。
【0180】
いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料のうちの少なくとも1つは、多価アルコールである。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料の両方が、多価アルコールである。いくつかの実施形態において、多価アルコールは、グリセロール及びプロピレングリコールである。グリセロール及びプロピレングリコールは種々の比率で存在してよく、本明細書中上記で開示されたとおり、意図されたる用途に応じて、どちらかの成分が優勢になる。例えば、いくつかの実施形態において、グリセロール及びプロピレングリコールは、約3:1~約1:3の重量比で存在する。いくつかの実施形態において、グリセロール及びプロピレングリコールは、約3:1、約2:1、約 1:1、約1:2、又は約1:3の重量比で存在する。いくつかの実施形態において、グリセロール及びプロピレングリコールは、約1:1の重量比で存在する。
【0181】
いくつかの実施形態において、基材は、少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤をさらに含浸されている。いくつかの実施形態において、さらなる少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤は、それぞれ本明細書に記載された、水、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、トリアセチン、糖アルコール、カンナビノイド、テルペン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料はグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料はプロピレングリコールであり、さらなる少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤は水である。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料はグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料は1,3-プロパンジオールであり、さらなる少なくとも1つの追加のエアロゾル形成材料は水である。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料はグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料はプロピレングリコールであり、さらなる少なくとも1つの追加のエアロゾル形成材料はポリソルベートである。いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料はグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料は糖アルコールであり、さらなる少なくとも1つの追加のエアロゾル形成剤は水である。
【0182】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される第1のエアロゾル形成材料と;ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリアセチン、ワックス、カンナビノイド、テルペン、及び糖アルコールからなる群から選択される第2のエアロゾル形成材料とを含み;第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料がそれぞれ異なる沸点、異なる蒸気圧、又は両方を有する、2つ以上のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0183】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料がグリセロールである。いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、又はトリアセチンである。
【0184】
いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、パルミチン酸、又はトリアセチンである。いくつかの実施形態では、第2のエアロゾル形成材料は、パルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、ポリソルベート80、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0185】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料がグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、パルミチン酸、又はトリアセチンである。
【0186】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料が1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、又はトリアセチンであり、第2のエアロゾル形成材料がパルミチン酸、ポリエチレングリコール400、ソルビタンステアレート、又はポリソルベート80である。
【0187】
いくつかの実施形態では、第1のエアロゾル形成材料がグリセロールであり、第2のエアロゾル形成材料がパルミチン酸である。いくつかの実施形態では、グリセロール及びパルミチン酸は、約100:1~約1:100、例えば約100:1、約95:5、約90:10;約80:20、約70:30、約60:40、約50:50;約40:60、約30:70、約20:80、約10:90;5:95、又は約1:100の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロール及びパルミチン酸は、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、又は約1:3の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、パルミチン酸は、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール、又はポリソルベート60を含むがこれらに限定されない列挙されたエアロゾル形成剤の1つによって置き換えられる。
【0188】
いくつかの実施形態では、基材は、3つのエアロゾル形成剤を含浸されている。3つのエアロゾル形成材料の比は、様々であってもよい。したがって3つのエアロゾル形成剤のいずれか1つは、その他2つのエアロゾル形成材料のそれぞれに対して任意の比で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、3つのエアロゾル形成剤は、ほぼ等しい量で存在する。いくつかの実施形態では、1つのエアロゾル形成剤が、他の2つのエアロゾル形成剤に対して多く存在する。特定の実施形態では、3つのエアロゾル形成剤は、1:1.5:1.5の重量比で存在する。
【0189】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、並びに1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール400、ソルビタントリステアレート、及びポリソルベート80からなる群から選択される第3のエアロゾル形成材料を含浸されている。
【0190】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及び1,3-プロパンジオールを含浸されている。いくつかの実施形態では、グリセロール、パルミチン酸、及び1,3-プロパンジオールが、1:1.5:1.5の重量比で存在する。
【0191】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びトリエチレングリコールを含浸されている。いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びトリエチレングリコールを1:1.5:1.5の重量比で含浸されている。
【0192】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びプロピレングリコールを含浸されている。いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びプロピレングリコールを1:1.5:1.5の重量比で含浸されている。
【0193】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びトリアセチンを含浸されている。いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びトリアセチンを1:1.5:1.5の重量比で含浸されている。
【0194】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びポリエチレングリコール400を含浸されている。いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びポリエチレングリコール400を1:1.5:1.5の重量比で含浸されている。
【0195】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びソルビタントリステアレートを含浸されている。いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びソルビタントリステアレートを1:1.5:1.5の重量比で含浸されている。
【0196】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びポリソルベート80を含浸されている。いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、及びポリソルベート80を1:1.5:1.5の重量比で含浸されている。
【0197】
いくつかの実施形態では、基材は、4つのエアロゾル形成剤を含浸されている。4つのエアロゾル形成材料の比は、様々であってもよい。特定の実施形態では、4つのエアロゾル形成剤は、2:1:1:0.5の重量比で存在する。
【0198】
いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、1,3プロパンジオール、及びトリアセチンを含浸されている。いくつかの実施形態では、基材は、グリセロール、パルミチン酸、1,3プロパンジオール、及びトリアセチンを、1:0.5:2:1の重量比で含浸されている。
【0199】
いくつかの実施形態において、基材は、本明細書に記載されたエアロゾル形成材料を装填される(例えば、組み込まれる又は含浸させられる)。基材内に組み込まれる(装填される)エアロゾル形成材料の量は、エアロゾル発生部材が許容可能な官能特性及び望ましい性能特性をもたらすような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の外観に似た、目に見える主流エアロゾルを発生させるために十分な量のエアロゾル形成材料が用いられることが非常に好ましい。エアロゾル発生部材(例えば、含浸基材)内の形成材料の量は、エアロゾル発生部材ごとの所望されるパフの数などの因子に応じたものであってよい。
【0200】
いくつかの実施形態において、基材は、含浸基材の総重量を基準として、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60重量%のエアロゾル形成材料を含浸されている。総エアロゾル形成材料の範囲の例は、含浸基材の総重量を基準にして、約5~約60%、約10~約50%、又は約20~約40%、例えば約15%~約55%、約15%~約30%又は約15%~約25%を含む。基材部分上にエアロゾル形成材料を装填する方法は、Doolyらの米国特許第9,974,334号及びCollettらの米国特許出願公開第2015/0313283号及びSebastianらの米国特許出願公開第2018/0279673号に記載されており、これらの開示は、その全体が本明細書へ参考として組み込まれる。
【0201】
各種実施形態において、エアロゾル形成材料を基材に装填することは、基材材料の調製中、形成後、又はその両方において、基材にエアロゾル形成材料を含浸させることによって達成される。例えば、いくつかの実施形態において、第1のエアロゾル形成材料(例えば、プロピレングリコール)が、例えばシート作製中に、基材形成スラリーに添加され、第2の形成材料(例えば、グリコール)が、トップドレッシングとしてシートに(例えば、噴霧により)添加されて、含浸基材(すなわち、エアロゾル発生部材)が形成される。他の実施形態において、第1のエアロゾル形成材料及び第2のエアロゾル形成材料は、両方とも、基材形成スラリーに添加される。いくつかの実施形態において、さらなるエアロゾル形成材料が、基材形成スラリーに、又はトップドレッシングとして、基材に含浸されられてよい。当業者には理解されるように、特定の基材材料、形態等に応じて、エアロゾル形成材料を基材に装填するための方法の複数の順列が可能である。したがって、このような改変が本明細書において考えられている。
【0202】
いくつかの実施形態において、基材は、有効成分、風味剤、又はこれらの組み合わせをさらに含浸させられる。これらの成分のそれぞれは、本明細書において以下にさらに記載される。
【0203】
有効成分
特定の実施形態において、基材にさらに1つ以上の有効成分を含浸させられる。有効成分は、エアロゾル形成材料の成分であってもよく、別々に含浸されられてもよい。含浸は、基材材料の調製中、基材形成後、又はその両方に行われ得る。
【0204】
本明細書で使用される場合、「有効成分」は、以下のカテゴリ:API(医薬品有効成分(active pharmaceutical substances))、食品添加剤、天然薬剤、及びヒトに影響を及ぼし得る天然起源の物質のいずれかに属する1つ以上の物質を指す。有効成分の例には、体内の1つ以上の生物学的機能に影響を与えることが知られている任意の成分、例えば、薬理活性若しくは疾患の診断、治癒、緩和、処置、若しくは予防における他の直接的な効果をもたらす成分、又は人体の構造若しくは任意の機能に影響を与える(例えば、中枢神経系に刺激作用をもたらし、エネルギー付与効果、解熱若しくは鎮痛作用、又は他の方法で体に有用な効果をもたらす)成分が含まれる。くつかの実施形態において、有効成分は、一般に栄養補助食品、栄養補強食品、「植物化合物」又は「機能性食品」と呼ばれるタイプのものであってよい。これらのタイプの添加剤は、1つ以上の有利な生物学的効果(例えば、健康増進、疾病予防、又は他の薬効特性)をもたらす、典型的に天然由来の供給源(例えば、植物材料)から入手可能な物質を包含するものとして当技術分野で定義されることがあるが、薬物として分類又は規制されていない。
【0205】
有効成分の非限定的な例には、治療、予防、又は診断上の有効性を有する、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及び他の糖、脂質、無機化合物、及び核酸配列のカテゴリに属するものが含まれる。有効成分の非限定的な例には、植物性成分、刺激剤(例えば、カフェイン及びガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン)及び/又は医薬品、栄養補助剤、及び医薬成分(例えば、ビタミン、例えば、B6、B12、及びC)、及びカンナビノイド、例えばテトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD))、酸化防止剤、並びにニコチン成分のカテゴリに属するものが含まれる。有効成分の特定の選択は、特定の製品の所望の香味、質感、及び所望の特性に応じて変わってくる。
【0206】
存在する有効成分の特定の百分率は、特定の製品の所望の特性に応じて変わる。典型的には、有効成分又はそれらの組み合わせは、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば約0.001%~約20%の範囲の総濃度で存在する。いくつかの実施形態において、有効成分又は有効成分の組み合わせは、組成物の総重量を基準として、約0.1%(重量/重量)~約10重量%、例えば、約0.5%(重量/重量)~約10重量%、1重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、有効成分又は有効成分の組み合わせは、組成物の総重量を基準として、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%、又は約1重量%~最大約20重量%、例えば、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、又は約0.9%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%の濃度で存在する。特定の有効成分のさらなる好適な範囲を本明細書で以下に提供する。
【0207】
植物性物質
いくつかの実施形態において、有効成分は、1つ以上の非タバコ植物性物質を含む。本明細書で使用される場合、「植物性成分」又は「植物性物質」という用語は、天然形態の植物材料及び天然植物材料に由来する植物材料、例えば、植物材料からの抽出物若しくは単離物又は処理された植物材料(例えば、熱処理、発酵、若しくは材料の化学的性質を変えることができる他の処理プロセスに供された植物材料)を含む、任意の植物材料又は真菌由来材料を指す。本開示の目的に照らして、「植物性材料」には、「ハーブ材料」が含まれるが、これらに限定されない。「ハーブ材料」は、宿存性の木質組織を発達させず、それらの薬効又は感覚特性が評価されることが多い種子産生植物(例えば、茶又はチザン)を指す。「非タバコ」としての植物材料への言及は、タバコ材料を除外する(すなわち、ニコチアナ(Nicotiana)種を含まない)ことを意図している。本開示において有用な植物性材料は、限定されないが、本明細書に記載された化合物及び供給源のいずれか、並びにこれらの混合物を含んでよい。このタイプの特定の植物性材料は、栄養補助食品、栄養補強食品、「植物化合物」又は「機能性食品」と呼ばれることもある。
【0208】
その多くが抗酸化特性に関連する植物性材料の非限定的な例には、限定するものではないがアサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトー種子、アプリコット油、アシュワガンダ、バコパ・モニエラ(bacopa monniera)、バオバブ、バジル、ビーバーム、ビートルート、ワイルドベルガモット、ブラックペッパー、ブルーベリー、ボラージシード油、キランソウ、カカオ、ショウブ根、キャットニップ、カツアバ、カイエンペッパー、センテラ・アシアチカ(Centella asiatica)、チャガマッシュルーム、柴胡、カモミール、桜の花、チャービル、クロロフィル、シナモン、ダークチョコレート、シトラス、ココア、コンフリーの葉及び根、ギンコ・ビロバ(gingko biloba)、ニンジン、クコの実、グレープシード、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココアパウダー、ノムシタケ属(cordyceps)、クランベリー、クルクミン、ダミアナ、タンポポ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラタ(Dorstenia odorata)、エキナセア、ユーカリ、ウイキョウ、ナツシロギク、ガルフィミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ニンニク、ショウガ、ニンジン(例えば、パナックス・ジンセン(Panax ginseng))、ゴールデンシール、緑茶、グレープフルーツ、グリッフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、ツボクサ、サンザシ、タイマ、ハイビスカスの花、ハニーブッシュ、ホップ、ジャスミン、アマチャヅル、ケンプフェリア・パルビフローラ(Kaempferia parviflora)(タイニンジン)、カヴァ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、リコリス、ヤマブシタケ、ルテイン、マカ、抹茶、ナルドスタキス・キネンシス(Nardostachys chinensis)、マジョラム、マリアアザミ、ミント(マント)、ウーロン茶、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ポテトピール、プリムローズ、ケルセチン、ムラサキツメクサ、レスベラトロール、リゾマ・ガストロジエ(Rhizoma gastrodiae)、イワベンケイ、ルイボス、ルイボス(レッド又はグリーン)、バラ精油、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリセージ、セイボリー、ノコギリパルメット、セケレチウム・トルツオスム(Sceletium tortuosum)、チョウセンゴミシ、シリブム・マリアナム(silybum marianum)、スカルキャップ、スペアミント、カンショウ、スピルリナ、アカニレの樹皮、ソルガムブラン高タンニン、ソルガムグレイン高タンニン、セントジョーンスワート、スマックブラン、テルペン、タイム、チザン、ターメリック、ツルネラ・アフロジシアカ(Turnera aphrodisiaca)、クマコケモモ、バレリアン、ビオラ・オドラタ(Viola odorata)、ホワイトマルベリー、ワイルドヤムの根、ウィンターグリーン、ウィサニア・ソムニフェラ(withania somnifera)、ヤーコンの根、イエロードック、イェルバマテ、及びイェルバサンタが含まれ、
存在するとき、植物性材料は典型的には、組成物の総重量に対して約0.01%w/w~約10重量%、例えば約0.01%w/w、約0.05%、約0.1%、又は約0.5%~約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、又は約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、又は約15重量%などの濃度にある。
【0209】
ニコチン成分
いくつかの実施形態において、有効成分は、ニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部の全身吸収を提供するための任意の好適な形態のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。ニコチンの供給源は様々であってもよく、天然であっても合成であってもよい。最も好ましくは、ニコチンは天然に生じ、ニコチアナ(Nicotiana)種の抽出物(例えば、タバコ)として得られる。ニコチンは、エナンチオマー形S(-)-ニコチン、R(+)-ニコチン、又はS(-)-ニコチンとR(+)-ニコチンとの混合物を有することができる。最も好ましくは、ニコチンは、S(-)-ニコチン(例えば、事実上、全てS(-)-ニコチンである形をとる)、又は主に若しくは大部分がS(-)-ニコチンから構成されるラセミ混合物(例えば、約95重量部のS(-)-ニコチン及び約5重量部のR(+)-ニコチンから構成される混合物)の形をとる。最も好ましくは、ニコチンは、事実上、純粋な形で又は本質的に純粋な形で用いられる。用いられる非常に好ましいニコチンは、重量ベースで約95パーセントよりも高い、より好ましくは約98パーセントよりも高い、最も好ましくは約99パーセントよりも高い純度を有する。
【0210】
典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ニコチンは、遊離塩基形態をとる。ニコチンは、タバコ由来(例えば、タバコ抽出物)又は非タバコ由来(例えば、合成又は別の手段で入手されたもの)であり得る。各種実施形態において、含浸基材は、ニコチン成分を含み得る。各種実施形態において、含浸基材は、ニコチン成分を含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、含浸基材は、非タバコ由来のニコチン成分を含み得る。
【0211】
典型的には、ニコチン成分(遊離塩基として計算される)は、存在する場合、含浸基材の少なくとも約0.001重量%、例えば約0.001重量%~約10重量%の範囲の濃度である。いくつかの実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算したとき、含浸基材の総重量を基準として、約0.1重量/重量%~約10重量%、例えば、約0.1重量/重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、ニコチン成分は、遊離塩基として計算したとき、含浸基材の総重量を基準として、約0.1重量/重量%~約3重量%、例えば約0.1重量%~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約1重量%の濃度で存在する。これらの範囲は、本明細書に記載されている他の有効成分にも適用することができる。
【0212】
いくつかの実施形態において、本開示の基材は、ニコチン成分を全く含まない、又は実質的に含まないことを特徴とし得る。「ニコチン成分を実質的に含まない」とは、例えば植物性材料中に天然に存在し得る極微量を除き、ニコチンが意図的に一切添加されていないことを意味する。例えば、特定の実施形態は、遊離塩基として計算された、0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001重量%未満、又はさらには0重量%のニコチンを有することを特徴とし得る。
【0213】
カンナビノイド
いくつかの実施形態では、有効成分は、1つ以上のカンナビノイドを含む。本明細書で使用される「カンナビノイド」という用語は、脳内の神経伝達物質の放出を変化させる細胞内のカンナビノイド受容体(例えば、CB1及びCB2)に作用する、多様な天然の又は合成の化合物の種類を指す。カンナビノイドは、血液脳関門を容易に横断する能力などの特定の性質を示す、環状分子である。カンナビノイドは、カンナビスなどの植物から(フィトカンナビノイド)、動物から(エンドカンナビノイド)、天然に生じていてもよく、又は人工的に製造されてもよい(合成カンナビノイド)。カンナビス種は、少なくとも85種の異なるフィトカンナビノイドを発現し、これらは、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、及びその他のカンナビノイド、例えばカンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変種(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含む下位クラスに分けられる。
【0214】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変種(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、少なくともテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。いくつかの実施形態では、カンナビノイドはテトラヒドロカンナビノール(THC)である。いくつかの実施形態では、カンナビノイドは少なくともカンナビジオール(CBD)を含む。いくつかの実施形態では、カンナビノイドはカンナビジオール(CBD)である。いくつかの実施形態では、CBDが合成CBDである。特に、CBDは約6.5のlogP値を有し、水性環境(例えば、唾液)で不溶性にする。
【0215】
いくつかの実施形態では、カンナビノイド(例えば、CBD)は、単離体の形で基材に添加される。単離体は、カンナビスなどの植物からの抽出物であり、問題となっている活性材料(この場合はカンナビノイド、例えばCBD)は、高純度で存在し、例えば95%超、96%超、97%超、98%超、又は約99%の純度で存在する。
【0216】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、高純度のCBDの単離体であり、基材中の任意のその他のカンナビノイドの量は、基材の約1重量%以下であり、例えば基材の約0.5重量%以下であり、例えば基材の約0.1重量%以下であり、例えば基材の約0.01重量%以下である。
【0217】
開示される基材中に存在し得るカンナビノイドの選択及びその特定のパーセンテージは、基材の所望の特性に応じて様々になる。
【0218】
いくつかの実施形態では、カンナビノイド(CBDなど)は、基材の少なくとも約0.001重量%の濃度で、例えば基材の約0.001%~約2重量%の範囲の濃度で基材中に存在する。いくつかの実施形態では、カンナビノイド(CBDなど)は、基材の総重量に対して約0.1%~約1.5重量%の濃度で基材中に存在する。いくつかの実施形態では、カンナビノイド(CBDなど)は、基材の総重量に対して約0.4%~約1.5重量%の濃度で存在する。
【0219】
あるいは、又はカンナビノイドに加えて、有効成分はカンナビミメティックを含んでいてもよく、これはカンナビノイドに類似したエンドカンナビノイド系に対して生物学的効果を発揮するカンナビス以外の植物から誘導された化合物の種類のものである。例には、ヤンゴニン、アルファ-アミリン又はベータ-アミリン(テルペンとしても分類される)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン、及びN-アルキルアミド脂質が含まれる。そのような化合物は、カンナビノイドに関して本明細書で述べたものと同じ量及び比で使用することができる。
【0220】
テルペン
本開示での使用に適した有効成分は、その多くが沈静効果などの生物学的効果に関連したテルペンとして分類することもできる。テルペンは、一般式(Cを有すると理解され、モノテルペン、セスキテルペン、及びジテルペンを含む。テルペンは、構造を非環式、単環式、又は二環式とすることができる。一部のテルペンは、カンナビノイド又はカンナビミメティックと組み合わせて使用したときに、アントラージュ効果をもたらす。例には、単独で又は組み合わせて使用され得るベータ-カリオフィレン、リナロール、リモネン、ベータ-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(アルファ又はベータ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン、及びゲルマクレンが含まれる。
【0221】
いくつかの実施形態では、テルペンは、タイマなどのカンナビス・サティバ(cannabis sativa)種からの植物などのフィトカンナビノイド生成植物から誘導可能である。この点について適切なテルペンは、10個の炭素原子を含むようなテルペンであるいわゆる「C10」テルペンと、15個の炭素原子を含むようなテルペンであるいわゆる「C15」テルペンとを含む。いくつかの実施形態では、有効成分は、複数のテルペンを含む。例えば有効成分は、本明細書で定義される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種、又はそれよりも多くのテルペンを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、テルペンは、ピネン(アルファ及びベータ)、ゲラニオール、リナロール、リモネン、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン、ゲルマクレン、及びこれらの混合物から選択される。
【0222】
タバコ成分
いくつかの実施形態において、有効成分は、タバコ成分(例えば、タバコ抽出物)を含む。各種実施形態において、タバコ材料は、タバコ材料の可溶性成分を抽出するために処理され得る。本明細書で使用される「タバコ抽出物」とは、抽出プロセスにおいてタバコ材料と接触する溶媒によって固体タバコパルプから抽出されるタバコ材料の単離された成分を指す。タバコ抽出物及びタバコ固体材料を提供するために、タバコ材料の種々の抽出技術が使用されてよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640号に記載された抽出プロセスを参照されたい。タバコの成分を抽出するための他の例示的な技術は、すべて参照により本明細書に組み込まれる、Fioreの米国特許第4,144,895号、Osborne,Jrらの同第4,150,677号、Reidの同第4,267,847号、Wildmanらの同第4,289,147号、Brummerらの同第4,351,346号、Brummerらの同第4,359,059号、Mullerらの同第4,506,682号、Keritsisの同第4,589,428号、Sogaらの同第4,605,016号、Pouloseらの同第4,716,911号、Niven,Jrらの同第4,727,889号、Bernasekらの同第4,887,618号、Clappらの同第4,941,484号、Faggらの同第4,967,771号、Robertsらの同第4,986,286号、Faggらの同第5,005,593号、Grubbsらの同第5,018,540号、Whiteらの同第5,060,669号、Faggの同第5,065,775号; Whiteらの同第5,074,319号、Whiteらの同第5,099,862号、Whiteらの同第5,121,757号、Faggの同第5,131,414号; Munozらの同第5,131,415号、Faggの同第5,148,819号; Kramerの同第5,197,494号、Smithらの同第5,230,354号、Faggの同第5,234,008号、Smithの同第5,243,999号、Raymondらの同第5,301,694号、Gonzalez-Parraらの同第5,318,050号、Teagueの同第5,343,879号、Newtonの同第5,360,022号、Clappらの同第5,435,325号、Brinkleyらの同第5,445,169号、Lauterbachの同第6,131,584号、Kierulffらの同第6,298,859号、Muaらの同第6,772,767号、及びThompsonの同第7,337,782号に記載されている。
【0223】
タバコ成分の典型的な包含範囲は、タバコ材料の性質及びタイプ及びエアロゾル発生成分の意図された用途に応じて変わり得る。いくつかの実施形態において、本開示の製品は、(有効成分として精製されたニコチン以外の)タバコ成分を全く含まない又は実質的に含まないことを特徴とし得る。例えば、特定の実施形態は、1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満、0.01重量%未満のタバコ成分、さらには0重量%のタバコ成分を有することを特徴とし得る。
【0224】
風味剤
前述のように、含浸基材はまた、風味剤を含んでもよい。有効成分は、エアロゾル形成材料の部材であってもよく又は別々に含浸されてもよい。含浸は、基材材料の調製中、基材形成後又はその両方で実施することができる。本明細書で使用される場合、「風味剤」への言及は、エアロゾル化してユーザに送出されることができ、味及び/又は香りに関して感覚的な体験を与える化合物又は部材を指す。風味剤は、天然でも合成でもよく、それによって付与される香味の特徴は、限定されることなく、爽やかな、甘い、薬草の、菓子の、花の、果物の又はスパイシーなとして記載され得る。風味剤のいくつかの例としては、それらに限定されないが、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果物(例えば、リンゴ、サクランボ、イチゴ、モモ並びにライム、オレンジ及びレモンを含む柑橘類の香味)、メープル、メントール、ユーカリ、ミント、ペパーミント、スペアミント、ヒメコウジ、カスカリラ、ナツメグ、チョウジ、ラベンダー、カルダモン、ショウガ、蜂蜜、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イエルバマテ、グアユサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバサンタ、バコパ・モンニエリ、ギンコ・ビローバ、ウィタニア・ソムニフェラ、シナモン、白檀、ジャスミン、カスカリラ、ココア、カンゾウ、三叉神経感覚剤(trigeminal sensate)、テルペン及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書で使用される場合、「三叉神経感覚剤」とは、三叉神経に作用し、加熱、冷却、ピリピリ感などの感覚を生じさせる香味剤を指す。三叉神経感覚剤香味剤の非限定的な例としては、カプサイシン、クエン酸、メントール、オランダセンニチ、エリスリトール及びクベボールが挙げられる。さらなる非限定的な例としては、シガレット、葉巻及びパイプタバコの香味料に従来使用されている種類及び特性の香味料及び香味パッケージが挙げられる。また、参照により本明細書に組み込む、Leffingwellら、「Tobacco Flavoring for Smoking Products、R. J.Reynolds Tobacco Company(1972)」を参照されたい。香味剤は、テルペン、テルペノイド、アルデヒド、ケトン、エステルなどの部材を含んでもよい。高果糖コーンシロップなどのシロップも使用され得る。適切な場合がある植物由来組成物のいくつかの例は、双方ともDubeらの米国特許第9,107,453号及び米国特許出願公開第2012/0152265号に記載されており、その開示は参照によりその全体を本明細書に組み込む。そのようなさらなる部材の選択は、喫煙物品に望まれる感覚特性、基材材料に対するそれらの親和性、それらの溶解性及び他の物理化学的特性などの要因に基づいて可変である。本開示は、タバコ及びタバコ関連又はタバコ由来製品の当業者に容易に明らかである任意のそのようなさらなる部材を包含することを意図している。例えば、これらの開示が、参照によりその全体を本明細書に組み込む、Gutcho、「Tobacco Flavoring Substances and Methods、Noyes Data Corp.(1972)」及びLeffingwellら、「Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)」を参照されたい。風味剤への言及は、上記のいかなる単一の風味剤にも限定されるべきではなく、実際には、1つ以上の風味剤の組み合わせを表す場合があることに留意されたい。追加的な風味剤、香味剤、添加剤及び他の可能な増強成分は、Phillipsらの米国特許出願公開第15/707,461号に記載されており、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0225】
存在する風味剤の量は異なってもよく、存在する場合、概して含浸基材の約30重量%未満又は約20重量%未満である。例えば、風味剤は、含浸基材の約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%又は約5重量%~約10重量%、約20重量%又は約30重量%の量で存在してもよい。
【0226】
エアロゾル送出デバイス
本明細書に記載のとおり、別の態様において、本明細書に記載のエアロゾル発生部材;エアロゾルを形成するために基材部分に含浸したエアロゾル形成材料を加熱するように構成された熱源;及びエアロゾル発生部材からエアロゾル送出デバイスのマウスエンドまで延びたエアロゾル経路を含む、エアロゾル送出デバイスが提供される。
【0227】
いくつかの実施形態において、エアロゾル発生部材及び制御体は、完全な喫煙物品又は薬剤送出物品として一緒に提供され得るが、これらの部材は、別個に提供されてもよい。例えば、本開示は、再使用可能な喫煙物品又は再使用可能な薬剤送達物品と共に使用するための使い捨てユニットをも包含する。特定の実施形態において、このような使い捨てユニット(添付図面に示されたエアロゾル発生部材であってもよい)は、再使用可能な喫煙物品又は薬剤送出物品と係合するように構成された加熱端部を有する実質的に管状形状の胴体、消費者への吸入可能な物質の通過を可能にするように構成された対向する口端部、及び内部空間を画定する外面及び内面を有する壁を備え得る。エアロゾル発生部材(又はカートリッジ)の各種実施形態は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Wormらの米国特許第9,078,473号に記載されている。
【0228】
本明細書に記載されたいくつかの図は、制御体及びエアロゾル発生部材を作用関係に示しているが、制御体及びエアロゾル発生部材は、個々のデバイスとして存在し得ることが理解される。したがって、組み合わせられる部材に関して、本明細書において他の態様で提供される任意の議論は、個々の部材及び別個の部材としての制御体及びエアロゾル発生部材に適用されると理解されるべきである。
【0229】
別の態様において、本開示は、本明細書に記載された種々の部材を提供するキットに関する。例えば、キットは、1つ以上のエアロゾル発生部材を有する制御体を含み得る。キットは、1つ以上の充電部材を有する制御体をさらに含み得る。キットは、1つ以上の電池を備えた制御体をさらに含み得る。キットは、1つ以上のエアロゾル発生部材及び1つ以上の充電部材並びに/又は1つ以上の電池を有する制御体をさらに含み得る。さらなる実施形態において、キットは、複数のエアロゾル発生部材を含み得る。キットは、複数のエアロゾル発生部材及び1つ以上の電池並びに/又は1つ以上の充電部材をさらに含み得る。上記実施形態において、エアロゾル発生部材又は制御体には、そこに包括される加熱要素が設けられていてもよい。本発明のキットは、1つ以上のさらなるキット部材を収容するケース(又は他のパッケージング、運搬、又は貯蔵部材)をさらに含み得る。ケースは、再使用可能な硬質又は軟質容器であってもよい。さらに、ケースは、単に箱又は他のパッケージング構造であってもよい。
【0230】
図5は、本開示の別の例示的実施形態による、エアロゾル発生部材の斜視図を示し、図6は、外側ラップを除去した図5のエアロゾル発生部材の斜視図を示す。特に、図5は、外側ラップ202を含むエアロゾル発生部材200を示し、図6は、エアロゾル発生部材200の他方の部材を明らかにするために外側ラップ202が除去された、エアロゾル発生部材200を示す。図示された実施形態において、図示された実施形態のエアロゾル発生部材200は、熱源204、基材部分210と、中間部材208と、及びフィルタ212を備える。図示された実施形態において、中間部材208及びフィルタ212は共に、マウスピース214を備えている。
【0231】
本開示によるエアロゾル送出デバイス及び/又はエアロゾル発生部材は、以下に詳細に説明するように、各種実施形態をとることができるが、消費者によるエアロゾル送出デバイス及び/又はエアロゾル発生部材の使用は、本発明の範囲内で同様である。エアロゾル送出デバイス及び/又はエアロゾル発生部材の前述の説明は、本明細書に提供されたさらなる開示に照らして、当業者には明らかである、小さな修正によって記載された各種実施形態に適用可能である。しかしながら、使用の説明は、本開示の物品の使用を制限することを意図するものではなく、本明細書の開示のすべての必要な要件に適合するように提供される。
【0232】
各種実施形態において、熱源204は、点火時に熱を発生するように構成され得る。図示された実施形態において、熱源204は、全体として円筒形状を有し、可燃性炭素材料を組み込んだ可燃性燃料要素を含む。他の実施形態において、熱源204は、異なる形状、例えば、三角形、立方体又は六角形の断面を有するプリズム形状を有していてもよい。炭素質材料は、一般に、高い炭素含有量を有する。好ましい炭素質材料は、主として炭素から構成されていてもよく、及び/又は典型的には、乾燥重量基準で、約60%超、一般的には約70%超、多くの場合に約80%超、しばしば約90%超の炭素含量を有していてもよい。
【0233】
いくつかの例では、熱源204は、可燃性炭素質材料以外の要素(例えば、タバコ成分、例えば粉末トバコス又はタバコ抽出物;着香剤;塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸ナトリウム;熱安定性グラファイト繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア源、例えばアンモニア塩;結合剤、例えばグアーガム、アルギン酸アンモニウム及びアルギン酸ナトリウム;及び/又は上記の熱源の温度を低下させるための相変化材料)を組み込んでもよい。適用可能な熱源の特定の寸法はさまざまであり得るが、いくつかの実施形態では、熱源204は、約7mm~約20mmの包括的範囲の長さを有してもよく、いくつかの実施形態では、約17mmであってもよく、全体の直径は、約3mm~約8mmの包括的範囲であり、いくつかの実施形態では、約4.8mm(及びいくつかの実施形態では、約7mm)であってもよい。他の実施形態において、熱源は種々の方法で構成することができるが、図示された実施形態では、熱源204は、磨砕された又は粉末にした炭素質材料を使用して押出され又は配合され、乾燥重量基準で、約0.5g/cmより大きい、多くの場合に約0.7g/cm、しばしば約1g/cmより大きい密度を有する。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Riggsらの米国特許第5,551,451号及びBorschkeらの米国特許第7,836,897号に記載されている燃源部材、配合物及び設計のタイプを参照されたい。各種実施形態において、熱源は、例えば、実質的に固体の円筒形状又は中空円筒(例えば、管)形状を含む種々の形態を有することができ、図示された実施形態の熱源204は、ほぼ円筒形であるが、押出されたモノリシック炭素質材料の第1の端部から押出されたモノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延びる複数の溝216を有する押出モノリシック炭素質材料を含む。いくつかの実施形態において、エアロゾル送出デバイス、特に熱源は、熱伝達部材を含み得る。各種実施形態において、伝熱構成要素は熱源に近接していてもよく、いくつかの実施形態において、熱伝達部材が熱源中又は熱源内に配置されてもよい。熱伝達部材のいくつかの例は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、2018年3月16日に出願され、Smoking Article with Heat Transfer Componentという表題が付された米国特許出願第15/923,735号に記載されている。
【0234】
図示された実施形態において、熱源204の溝216は、幅及び深さが実質的に等しく、熱源(204)の円周の周りに実質的に均等に分布しているが、他の実施形態は、2つの溝を含むことができ、さらに他の実施形態は、単一の溝を含み得る。さらに他の実施形態は、溝を全く含まない。追加の実施形態は、幅及び/又は深さが不均等であり得る溝を含んでいてもよく、熱源の円周の周りに不均等に間隔を置いていてもよい。さらに他の実施形態において、熱源は、押出されたモノリシック炭素質材料の第1の端部から対向する第2の端部まで長手方向に延びる溝及び/又はスリットを含み得る。いくつかの実施形態において、熱源は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Lobovskyの米国特許第7,615,184号に開示されたタイプの発泡プロセス中に形成された発泡炭素モノリスを含んでいてもよい。このように、いくつかの実施形態は、熱源を点火するのに要する時間の短縮に関する利点を提供することができる。他のいくつかの実施形態において、熱源は絶縁層(図示せず)と共押出され、それによって製造時間及び費用を低減することができる。燃料要素の他の実施形態は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Brooksらの米国特許第4,922,901号に記載されたタイプの炭素繊維、又はTakeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号に開示された他の熱源実施形態を含む。
【0235】
一般に、熱源は、1つ以上のエアロゾル化可能要素を有するエアロゾル発生部材(例えば、基材部分)の十分に近くに配置され、熱源からエアロゾル化可能要素に熱を加えることによって形成/揮発されるエアロゾル(及び、使用者への送出のために同様に提供される任意の香味料、薬剤等)が、マウスピースを介してユーザに送出可能となる。すなわち、熱源が基材部分を加熱すると、エアロゾルが消費者による吸入に適した物理的形態で形成され、放出され、又は発生される。前述の用語は、放出する(release)、放出すること(releasing)、放出する(releases)、又は放出された(released)への言及が、形成する(form)又は発生する(generate)、形成すること(forming)又は発生すること(generating)、形成する(forms)又は発生する(generates)、及び形成された(formed)又は発生された(generated)を含むように交換可能であることを意味することに留意されたい。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気又はエアロゾル又はそれらの混合物の形態で放出される。さらに、種々のエアロゾル送出デバイス要素の選択は、商業的に入手可能な電子エアロゾル送出デバイス、例えば、本開示の背景技術セクションに列挙された代表的な製品を考慮して認識される。
【0236】
図5及び図6を参照すると、外側ラップ202は、熱源204の少なくとも一部分を、基材部分210と、マウスピース214の少なくとも一部と係合又は他の態様で接合するように設けられてもよい。各種実施形態において、外側ラップ202は、外側ラップ202が包装位置に留まることを可能にするために、接着剤、又はファスナーなどを介して、任意の態様でラップされた位置に保持されるように構成されている。そうでなければ、いくつかの他の態様では、外側ラップ202は、所望に応じて取り外し可能に構成されてもよい。例えば、外側ラップ202をラップされた位置に保持すると、外側ラップ202は、熱源204、基材部分210、及び/又はマウスピース214から取り外すことができる。
【0237】
いくつかの実施形態において、外側ラップ202に加えて、エアロゾル送出デバイスはまた、基材部分210と熱源204の少なくとも一部を外接するように構成されたライナーを含み得る。他の実施形態において、ライナーは、基材部分210の長さの一部だけに外接してもよいが、いくつかの実施形態において、ライナーは、基材部分210の実質的に全長に外接してもよい。いくつかの実施形態において、外側ラップ材料202は、ライナーを含み得る。このように、いくつかの実施形態において、外側ラップ材料202及びライナーは、一緒に提供される(例えば、接着され、融合され、さもなければ積層体として一緒に接合される)別個の材料であってもよい。他の実施形態において、外側ラップ202及びライナーは同じ材料であってもよい。いずれにしても、ライナーは、点火された熱源204によって発生した熱のライナーの半径方向外方への伝導を熱的に調節するように構成されてもよい。このように、いくつかの実施形態において、ライナーは、金属箔材料、合金材料、セラミック材料、又は他の熱伝導性非晶質炭素系材料、及び/又はアルミニウム材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態において、積層体を含み得る。いくつかの実施形態において、外側ラップ202及び/又はライナーの材料に応じて、ライナーの半径方向外側に薄い絶縁層を設けることができる。したがって、ライナーは、いくつかの態様において、エアロゾル発生部材200の2つ以上の別個の部材(例えば、熱源204、基材部分210、及び/又はマウスピース214の一部)を係合させる方法を有利に提供することができる一方、軸方向に沿って軸方向に熱伝達を容易にするが、半径方向外方の熱伝導を制限する方法を提供する。
【0238】
図5を参照すると、外側ラップ202(並びに、必要な場合、ライナー及び基材部分210)は、マウスピース214での吸い込み時に空気の取り込みを可能にする1つ以上の開口部を含んでもよい。各種実施形態において、これらの開口部の大きさ及び数は、特定の設計要件に基づいて変わり得る。図示された実施形態において、複数の開口部220は、熱源204に最も近い基材部分210の端部に近接して配置され、複数の別個の冷却開口部221は、マウスピース214のフィルタ212に近接する領域内の外側ラップ202(いくつかの実施形態では、ライナー)に形成される。他の実施形態は、図示された実施形態において異なるが、開口部220は、エアロゾル発生部材200の外面の周りに実質的に均等に離間した複数の開口部を備え、開口部221はまた、エアロゾル発生部材200の外面の周りに実質的に均等に間隔を置いて配置された複数の開口部を備える。各種実施形態において、複数の開口部が、外側ラップ202(及びいくつかの実施形態では、ライナー)を介して形成され得るが、図示された実施形態では、複数の開口部220及び複数の別個の冷却開口部221は、レーザ穿孔を介して形成される。
【0239】
図6を参照すると、図示された実施形態のエアロゾル発生部材200は、中間部材208及び少なくとも1つのフィルタ212を含む。各種実施形態において、中間部材208又はフィルタ212は、個別に又は一緒に、エアロゾル発生部材200のマウスピース214と考えることができることに留意されたい。各種実施形態において、中間部材もフィルタも含まれる必要はないが、図示された実施形態では、中間部材208は、その長手方向軸に沿って実質的に可撓性である実質的に剛性の部材を含む。図示の実施形態において、中間部材208は、中空管構造を含み、エアロゾル発生部材200に構造的一体性を付加し、生成されたエアロゾルを冷却するために含まれる。いくつかの実施形態において、中間部材208は、エアロゾルを収集するための容器として使用され得る。各種実施形態において、このような構成要素は、さまざまな材料のいずれから構成されてもよく、1つ以上の接着剤を含み得る。例示的な材料には、紙、紙層、板紙、プラスチック、厚紙、及び/又は複合材料が含まれるが、これらに限定されない。図示された実施形態において、中間部材208は、紙又はプラスチック材料(例えば、酢酸エチル(EVA)、又は他のポリマー材料、例えばポリエチレン、ポリエステル、シリコーン等、又はセラミックス(例えば、炭化ケイ素、アルミナ等)、又は他のアセテート繊維)から構成された中空円筒状要素を含み、フィルタは、気体透過性材料(例えば、セルロースアセテート又は繊維、例えば、紙若しくはレーヨン、又はポリエステル繊維)から構成されたパックロッド又は円筒状ディスクを含む。
【0240】
上述したように、いくつかの実施形態において、マウスピース214は、マウスピース214に加えられた吸い込みに応答してエアロゾルを通過させるように構成されたフィルタ212を含み得る。各種実施形態において、フィルタ212は、いくつかの態様において、中間部材208の第2の端部に近接して半径方向及び/又は長手方向に配置された円形ディスクとして提供される。このようにして、マウスピース214での吸い込み時に、フィルタ212はエアロゾル発生部材200の中間部材208を通って流れるエアロゾルを受け取る。いくつかの実施形態において、フィルタ212は、別個のセグメントを含み得る。例えば、いくつかの実施形態は、フィルタリングを提供するセグメント、吸い込み抵抗を提供するセグメント、エアロゾルが冷却される空間を提供する中空セグメント、増大した構造的一体性を提供するセグメント、他のフィルタセグメント、及び上記の任意の1つ又は任意の組み合わせを提供する。いくつかの実施形態において、フィルタ212は、タバコ含有材料のストランド、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Rakerらの米国特許第5,025,814号に記載されたものを追加的又は代替的に含み得る。
【0241】
各種実施形態において、中間部材208及び/又はフィルタ212の大きさ及び形状はさまざまであってよく、例えば、中間部材208の長さは、約10mm~約30mmの包括的範囲内であってもよく、中間部材208の直径は、約3mm~約8mmの包括的範囲であってもよく、フィルタ212の長さは、約10mm~約20mmの包括的範囲内であってもよく、フィルタ212の直径は、約3mm~約8mmの包括的範囲であってもよい。図示の実施形態において、中間部材208は、約20mmの長さ、及び約4.8mmの直径(及びいくつかの実施形態では、約7mm)を有し、フィルタ212は、約15mmの長さ及び約4.8mmの直径(又はいくつかの実施形態では、約7mm)を有する。
【0242】
各種実施形態において、熱源204の点火は、基材部分210に関連するエアロゾル形成材料のエアロゾル化をもたらす。好ましくは、基材部分210の要素には、任意の有意な程度には熱分解(例えば、チャリング、スコーチ、又は燃焼)が生じず、エアロゾル化された成分は、フィルタ212を含むエアロゾル発生部材200を通ってユーザの口に引き込まれる空気の流れに乗って運ばれる。各種実施形態において、マウスピース214(例えば、中間部材208及び/又はフィルタ212)は、使用者によってマウスピース214に加えられる吸い込みに応答して、発生されたエアロゾルを通過させるように構成される。いくつかの実施形態において、マウスピース214は、基材部分210に固定的に係合することができる。例えば、接着剤、ボンド、溶接などが、マウスピース214を基材部分210に固定的に係合させるのに適していてもよい。一例では、マウスピース214は、超音波溶接され、基材部分210の端部においてシールされる。
【0243】
本開示が関係する技術分野の当業者は、本開示の多くの改変及び他の実施形態を想定し、上記の記載及び対応図面に示された教示の利益を得ることができる。したがって、本開示は本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内には、改変及び他の実施形態が含まれることが意図されると理解すべきである。本明細書では特定の用語を用いているが、それらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。
【実施例
【0244】
本発明の態様は、以下の実施例によって、より十分に例示される。これらの実施例は本開示の特定の態様を例示するために記載されており、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0245】
実施例1:非燃焼加熱(HNB)エアロゾル形成剤基材の製紙プロセス調製
エアロゾル形成剤基材1A(参照基材)
タバコ(薄片及び茎、400lb)をその重量の10倍の水と混合し、カウンター抽出器内で70℃にて1時間抽出した。次いで、抽出器の内容物を、遠心分離により、薄いタバコ抽出液(3~4重量/体積%)と非溶解性タバコ固形分とに分離した。薄い抽出液を真空気化器に移し、23%固形分(重量/体積)に濃縮した。グリセロール(75lb)を添加し、混合物を完全に混合して最終液体組成物を得た。予備精製された木材パルプ(25lb)をタバコ固形物と混合し、混合物を1%固形分(重量/体積)にするのに十分な水を添加した。全バッチ重量は500lbであった。ディスクリファイナーを用いて、木材パルプ-タバコ固形物混合物を精製してフィブリル化タバコパルプを得た。フィブリル化したタバコパルプをヘッドボックスに搬送し、長網抄紙ワイヤマシン上で排出して湿潤ウェブ又はベースシートを得た。ベースシートを40~55%の水分含量まで乾燥させた。最終液組成物を湿潤ウェブ(スプレー法)に戻し、湿潤ウェブを8~10%(重量/重量)の含水率に乾燥させた。得られたシートをその後、リーフレット片に切り出した。
【0246】
エアロゾル形成剤基材1Bi及び1Bii(本発明の基材)
木材パルプを除去し、グリセロールをグリセロールとプロピレングリコールの重量基準での75/25混合物で置き換えた以外は、基材1Aと同様にエアロゾル形成基材1Biを調製した。エアロゾル形成基材1Biiについては、湿潤ウェブを形成する前に、炭酸カルシウム(充填材及び排水助剤として存在する)をフィブリル化タバコパルプの半分と混合した。全バッチ重量は300lb(各基材について150lb)であった。
【0247】
エアロゾル形成剤基材1C(本発明の基材)
グリセロールをグリセロール及びプロピレングリコールの重量基準での50/50混合物で置き換えた以外は、基材1Aと同様にエアロゾル形成基材1Cを調製した。全バッチ重量は300lbであった。
【0248】
エアロゾル形成剤基材1D(本発明の基材)
グリセロールをグリセロールとプロピレングリコールの重量基準での25/75混合物で置き換えた以外は、基材1Aと同様にエアロゾル形成剤基材1Dを調製した。全バッチ重量は300lbであった。表1を参照されたい。
【0249】
エアロゾル形成剤基材1E(参照基材)
グリセロールをプロピレングリコールで置き換えた以外は、基材1Bと同様にエアロゾル形成基材1Eを調製した。全バッチ重量は300lbであった。表1を参照されたい。
【0250】
【表1】
【0251】
実施例2:HNBエアロゾル形成剤基材のキャストシート調製
エアロゾル形成剤基材2A(参照基材)
アルギン酸ナトリウム(50lb)を水(1650lb)にゆっくりと添加し、高せん断混合タンク中で30分間真空下で水和した。別の混合タンク内で、炭酸カルシウム(250lb)をグリセロール(100lb)及びタバコ抽出物粉末(100lb)にゆっくりと添加し、次いで30分間穏やかに混合してスラリーを形成した。次いで、水和アルギン酸塩を、ゼロフリーネスの予め精製された木材パルプと混合し、次いで炭酸カルシウムスラリーに移し、次いで、中程度の混合速度及び真空下でさらに30分間混合して最終スラリーを得た。次いで、1~3mm間隙開口部にセットしたキャスティングナイフを用いて、最終スラリーを22インチ幅のステンレス鋼製コンベヤベルト上にキャストした。次に、複数の加熱区域(80~100℃)を含む200フィート対流トンネル乾燥機を介してフィルムを搬送することにより、キャスト材料又はフィルムを平らなシートに乾燥させた。全バッチ重量は500lbであった。平らなシートをボビンに巻いて、輸送中の水分吸着及びブロッキングを防止するためにポリエチレンバッグに真空密封した。その後、ボビンを巻き戻し、シートをストリップ(25~20カット/平方インチ)に切り出した。
【0252】
エアロゾル形成剤基材2B(本発明の基材)
グリセロールをグリセロールとプロピレングリコールの重量基準での75/25混合物で置き換え、水和アルギン酸塩にゼロフリーネスの予備精製された木材パルプを添加し、炭酸カルシウムスラリーに添加する前に30分間混合した以外は、基材2Aと同様にエアロゾル形成基材2Bを調製した。全バッチ重量は500lbであった。(表2参照)。
【0253】
エアロゾル形成剤基材2C(本発明の基材)
グリセロールをグリセロール及びプロピレングリコールの重量基準での50/50混合物で置き換えた以外は、基材2Aと同様にエアロゾル形成基材2Cを調製した。全バッチ重量は300lbであった。
【0254】
エアロゾル形成剤基材2D(本発明の基材)
グリセロールをグリセロールとプロピレングリコールの重量基準での25/75混合物で置き換えたことを除いて、基材2Aと同様にエアロゾル形成基材2Dを調製した。全バッチ重量は300lbであった。
【0255】
エアロゾル形成剤基材2E(参照基材)
グリセロールをプロピレングリコールで置き換えた以外は、基材2Aと同様にエアロゾル形成基材2Eを調製した。全バッチ重量は300lbであった。
【0256】
エアロゾル形成剤基材2F(参照基材)
アルギン酸ナトリウムを結合剤としてアルギン酸アンモニウムで置き換えた以外は、基材2Aと同様にエアロゾル形成基材2Fを調製した。
【0257】
【表2】
【0258】
実施例3:ビーズ及び顆粒ロッドHNBエアロゾル形成基材の調製
エアロゾル形成剤基材3A(参照基材)
測定された量の炭酸カルシウム(35lb)及び予備糊化された米デンプン(5lb)をFM 130 D Littlefordモデル精密プラウミキサーに添加した。内容物を100rpmで10分間混合し、次いでグリセロール(20lb)を添加し、さらに100rpmで10分間混合した。ミキサーを停止し、予備調製したカルボキシメチルセルロース((CMC)、ピッチフォークプロペラを30分間用いて、容器内でカルボキシメチルセルロース(5lb)を水(17lb)で水和して調製したもの)のスラリーを添加し、次いで100rpmで20分間混合した。プラウミキサーの内容物を分配し、MG-55-1 Fuji Paudelモデルマルチグレイン押出機に移した。この塊を2~3mmドーム型スクリーンダイを通して押出し、マルチグレイン(毛様)形ロッドを得た。次いで、ロッドをQJ-230T-2 Fuji Paudalモデル実験室用マルメライザーに移した。マルメライザー回転ボウルを使用してロッドを丸まった又は球形化されたビーズに再成形した。その後、ビーズを流動床凝集器(Flo-Coater、Vector社)に移し、最後に60~70℃の加熱空気で10%の水分に乾燥させた。押出されたロッドの一部も移送し、次いで流動床凝集デバイスを使用して乾燥させた。全バッチ重量は50lbであった。
【0259】
エアロゾル形成剤基材3B(本発明の基材)
グリセロールをグリセロール及びプロピレングリコールの重量基準での75/25混合物で置き換えた以外は、基材3Aと同様にエアロゾル形成基材3Bを調製した。全バッチ重量は50lbであった。表3を参照されたい。
【0260】
エアロゾル形成剤基材3C(本発明の基材)
グリセロールをグリセロール及びプロピレングリコールの重量基準での50/50混合物で置き換えた以外は、基材3Aと同様にエアロゾル形成基材3Cを調製した。全バッチ重量は50lbであった。
【0261】
エアロゾル形成剤基材3D(本発明の基材)
グリセロール/プロピレングリコール比が重量基準での25/75混合物であることを除いて、基材3Aと同様にエアロゾル形成基材3Dを調製した。全バッチ重量は50lbであった。
【0262】
エアロゾル形成剤基材3E(参照基材)
グリセロールをプロピレングリコールで置き換えた以外は、基材3Aと同様にエアロゾル形成基材3Eを調製した。全バッチ重量は50lbであった。表3を参照されたい。
【0263】
エアロゾル形成剤基材3F(参照基材)
米デンプンがより粉砕されたタバコで置換されたことを除いて、基材3Aと同様にエアロゾル形成剤基材3Fを調製した。全バッチ重量は50lbであった。
【0264】
【表3】
【0265】
実施例4:押出されたHNBエアロゾル形成剤基材の調製
エアロゾル形成剤基材4A(参照基材)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;2.5lb)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC;2.5lb)とグリセロール(25lb)をHobartミキサー内で20分間混合した。次いで、FM 130 D Littlefordモデル精密プラウミキサー内で、混合物を、炭酸カルシウム(10lb)、予備糊化米デンプン(30lb)及びタバコ粉末(30lb)に添加し、100rpmで30分間混合した。30分後、プラウミキサーの内容物を、ZSK-25 Coperion二軸スクリューモデル押出機によりインラインでK-Tronホッパーに移した。その後、ホッパー内容物を、75rpmのスクリュー速度で動作する11個のバレルセクション(27-100℃)を含む押出機に供給した。水(35lb)を押出機の第2バレルに供給して、生地の混練、混合、可塑化を促進した。成形されたダイ(平坦なシート、中実ロッド、中心孔又は内部開口を有するロッド、溝付き外縁を有するロッド)を使用し、さまざまな形状の押出物を作製した。平坦なシート押出物を除いて、得られた押出物をダイから出して切断し、赤外線トンネル乾燥機(モデルProj 0115 Glenroe Integrated Energy Delivery Systems)を用いて直ちに10~12%の水分に乾燥させた。全バッチ重量は100lbであった。
【0266】
エアロゾル形成剤基材4B(本発明の基材)
グリセロールをグリセロール及びプロピレングリコールの重量基準での50/50混合物で置き換えた以外は、基材4Aと同様にエアロゾル形成基材4Bを調製した。全バッチ重量は50lbであった。
【0267】
エアロゾル形成剤基材4C(本発明の基材)
グリセロール/プロピレングリコール比が重量基準での25/75混合物であり、米デンプン、HPMC及びHPCが量が減少し、液体ミント香味がグリセロール/プロピレングリコール混合物に添加されて調合物に香味を付与したことを除いて、基材4Bと同様にエアロゾル形成剤基材4Cを調製した。全バッチ重量は50lbであった。
【0268】
【表4】
【0269】
実施例5:エアロゾル形成材料のDSC
グリセロール又はプロピレングリコール(参照)、及び異なる比率を有するそれらの混合物(本発明)を含有する、液体エアロゾル形成材料及び混合物のいくつかの実施形態を調製した。これらの実施形態の熱特性を、示差走査熱量測定(DSC)によって測定した。DSCは、エアロゾル形成剤が加熱中に相(液体から蒸気)を変化させるときの吸収されるエネルギー(エンタルピー)又は必要な熱(気化の熱)及び放出されるエネルギーの量(発熱量)を測定する。これらの実験の結果(表5及び図7)は、プロピレングリコール(PG)をグリセロール(VG)とレベル>50%のレベルで混合したときに、液体からエアロゾルへのエアロゾル形成材料を変化させるために、少ない熱又はエネルギーが必要であること(吸熱)を示した。後者は、種々の沸点又は蒸気圧を有するエアロゾル形成器を組み合わせることにより、個々の部品のそれぞれと比較して広い温度範囲にわたってエアロゾル形成を導くことができることを示している。
【0270】
【表5】
【0271】
実施例6:エアロゾル発生部材のDSC
基材マトリックス内のエアロゾル発生部材の実施形態の熱的プロファイルをDSCにより測定した。液体混合物中のPG含有量を増加させることによる吸熱エンタルピーの減少における同様の傾向が、評価した実施例全体で観察された(表6)。一般に、PGのグリセロールに対する比(>50%)は、いずれかのマトリックス(紙再上、キャストシート又はビーズ生成物)において、気化のエンタルピー又は熱を低下させる。表6のデータはまた、エアロゾル形成が、マトリックス形式、例えば、ビーズ生成物のためのより低いエンタルピーによって影響されたことも明らかにした。
【0272】
【表6】
【0273】
実施例7:基材マトリックス内のエアロゾル発生部材に関する熱重量分析-質量分光法(TGA/MS)イオン曲線
基材マトリックス内のエアロゾル発生部材の実施形態のイオン曲線プロファイルをTGA/MSにより測定した。基材試料を周囲温度から250℃に(1分間)加熱し、次いで250℃で4分間保持した。図8(グリセロール(M/Z 43)のイオン電流曲線のオーバーレイ(M/Z 43);用紙再構成処理基材)及び図9(グリセロール(M/Z 43のイオン電流曲線のオーバーレイ;ビーズ基材)は、グリセロール又はPGのみの対応物と比較した場合、混合されたグリセロール-PG試料について、より広い経時的なエアロゾル化グリセロールイオン曲線分布を示した。これらの観察結果は、2種以上のエアロゾル形成材料と1種のエアロゾル形成材料との混合物をエアロゾル形成のために一定期間にわたって使用することの利点を証明した。
【0274】
実施例8:エアロゾル形成材料に関する熱重量分析。
室温から260℃に加熱したときの、9つのエアロゾル形成材料試料の重量変化を、熱重量分析(TGA)を使用して研究した。各試料約5~10mgを、TGAの適用のために計量した。TGA試験は、TA Instruments TGA 5500で行った。この研究で使用される方法は、500℃/分の上昇で210℃に到達させ、その後、260℃への温度ジャンプを行う温度プログラムを適用して、オーバーシュートなしで260℃まで最も効率的に温度を上昇させた。加熱手順により、試料は、1分で室温から260℃まで加熱可能になり、次いでさらに4分間、など等温状態で保持された。重量変化を、0~1分の間並びに1~5分の間モニターした。試験を、3回繰り返して行った。3回繰返した重量損失平均を計算し、それを表7に提示する。1分及び5分での試料の温度も、表7で報告する。
【0275】
示されるように、いくつかの試験材料は、最初の1分間での比較的低い重量損失により示されるように、加熱の最初の1分間で揮発に抵抗した。特にグリセロール、パルミチン酸、PEG400、ソルビタントリステアレート、及びポリソルベート80は全て、最初に1分間で50%未満の重量損失を示した。このことは、これら化合物が、より素早く揮発するもう1つの追加のエアロゾル形成材料との混合物において、有用である可能性があることを示唆する。逆に、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、及びトリアセチンは全て、最初の1分間で著しく高い揮発性を示した。したがってこれらの化合物は、上述のそれほど揮発性のない化合物と混合するための良好な候補とすることができる。そのような組み合わせは、一連のパフ中、一貫したエアロゾル体積をもたらすことができ、より高い揮発性のエアロゾル形成化合物は、初期のパフのより大きいパーセンテージを形成し、それほど揮発性のない化合物は、後半のパフでより大きいパーセンテージを形成した。
【0276】
さらに、PEG400、ソルビタントリステアレート、及びポリソルベート80の試料に関して試料の50%未満が5分後にエアロゾル化され、これらの化合物は、より高い温度(例えば、約280~300℃)で動作するエアロゾルデバイスに十分適していることを示唆している。
【0277】
【表7】
【0278】
実施例9:エアロゾル形成材料混合物に関する熱重量分析-質量分光法(TGA/MS)
表8による8つのエアロゾル形成材料混合物試料の放出プロファイルを、TGA-MSを使用して研究した。全ての試験を、Discovery質量分光計に接続されたTA Instrument Discovery TGA 5500機器で行った。全ての試験は、高純度窒素中で実施した。試験は、確認の目的で、2回繰り返して行った。
【0279】
2つのエアロゾル形成材料を含有する各試料を、1:1の重量比で表8に示した。各試料の約2~4mgを、分析のため、風袋計量済みのアルミニウムパンに計量した。試料を、50℃/分の上昇で210℃まで、その後、260℃に温度ジャンプする、温度プログラムを使用して加熱した。加熱手順により、試料は、1分で室温から260℃に加熱可能になり、次いでさらに4分間、等温状態で保持された。各試料ごとのイオンフラグメント(アメリカ国立標準技術研究所 MSスペクトルリファレンスによる)を表8に列挙し、質量分光計に関するピークジャンプレシピでファラデー7の設定で、各混合物試料ごとにモニターした。
【0280】
【表8】
【0281】
8つ全ての試料に関するTGAサーモグラムの重なりを図10に提示し、そこから、グリセロールとの混合物は、それらの重量全てを0.75分前に失い、パルミチン酸との混合物は、ある量の重量を0.75分後に失い続けたことが観察された。TGA曲線から、試験された全ての試料は1分以内に気化したことも観察された。
【0282】
8つの試料に関するイオン電流は、Triosソフトウェアでの15の設定で平滑であった。エアロゾル形成混合物試料のほとんどは、グリセロール/プロピレングリコール、グリセロール/トリエチレングリコール、及びグリセロール/1,3-プロパンジオールの混合物以外、1分程度で又は1分未満で発生することが観察された。それら3つの混合物試料は、約2分で検出することができた。初期のTGA重量損失結果から、全ての重量損失は1分以内で完了した。
【0283】
前述のデータは、パルミチン酸を含むエアロゾル形成材料混合物が、時間と共により一貫したエアロゾル体積送達を提供するのに有用となり得、そのような混合物を含む喫煙用具のパフごとのばらつきの減少に至ることを示唆する。
【0284】
実施例10:基材マトリックスでのエアロゾル発生材料に関する熱重量分析-質量分光法(TGA/MS)のイオン曲線
エアロゾル形成剤の様々な混合物を含有する10枚のハンドシート基材試料を、表9で提供される配合に従い調製した。各試料におけるエアロゾル形成材料を、表10に提供する。
【0285】
【表9】
【0286】
10個のハンドシート試料の放出プロファイルを、TGA-MSを使用して研究した。全ての試験を、Discovery質量分光計に接続されたTA Instrument Discovery TGA 5500機器で行った。全ての試験は、高純度窒素中で実施した。試験は、確認の目的で2回繰り返して行った。
【0287】
各試料の約2~4mgを、分析用に風袋計量済みアルミニウムパンに計量した。試料を、50℃/分の上昇で210℃まで、その後、260℃の温度ジャンプによる温度プログラムを使用して加熱した。加熱手順では、1分で試料を室温から260℃に加熱可能にし、次いでさらに4分間、等温状態で保持した。各試料ごとのイオンフラグメント(アメリカ国立標準技術研究所 MSスペクトルリファレンスによる)を表10に列挙し、質量分光計に関するピークジャンプレシピでファラデー7の設定で、各混合物試料ごとにモニターした。
【0288】
【表10】
【0289】
10個全ての試料に関するTGAサーモグラムの重なりを、図11に示す。TGA重なり曲線から、試料は、その揮発性部分を1分以内でほとんどを失ったことが観察された。
【0290】
質量分光分析に関し、試験された試料A、B、C、F、I、及びJではイオン電流シグナルは観察されず、小さいシグナルのみが試料D、E、G、及びHで観察された。代替エアロゾル形成剤試料のシグナルの欠如又は小さいシグナルは、ハンドシート試料作製プロセスの乾燥プロセス中又は試料試験前の、エアロゾル形成材料の損失に起因する可能性がある。試料D、E、G、及びFは、表10に示されるその他の候補よりも長いエアロゾル寿命を実証する。
【0291】
実施例11:基材マトリックスでのエアロゾル発生材料に関する熱重量分析-質量分光法(TGA/MS)イオン曲線
エアロゾル形成剤の様々な混合物を含有する8つのハンドシート基材試料を、表11に提示される配合に従うマトリックスフォーマットで調製し、全ての重量パーセンテージは乾燥重量である。
【0292】
カルボキシメチルセルロース(CMC2500)を水にゆっくり添加し、高剪断混合タンクで30分間、真空下で水和する。別の混合タンクで、微細にミリングされたタバコをゆっくりエアロゾル形成材料(複数可)及び水に添加し、次いで30分間、穏やかに混合して、タバコ-水のスラリーを形成する。次いで水和CMC2500を、予め精製されたゼロフリーネスの木材パルプと混合し、タバコ-水のスラリータンクに移し、その後、さらに30分間、適度な混合速度の下でかつ真空下で混合して、最終スラリーを得る。
【0293】
次いで最終スラリーを、1~3mmの隙間開口に設定されたキャスティングナイフを使用して、22インチ幅のステンレス鋼コンベヤベルト上に流延する。流延材料(フィルム)は、多数の加熱ゾーン(80~100℃)を含む200フィートの対流トンネル乾燥機に通してフィルムを搬送することにより、実質的に平らなシートに乾燥する。平らなシートをボビンに巻き付け、ポリエチレンバッグに真空密封して、輸送中の水分吸着及びブロッキングを防止する。ボビンをその後、巻き戻して、シートを細片にカットする(平方インチ当たり25~20カット)。
【0294】
8つのハンドシート試料の放出プロファイルを、実施例10の手順に従い研究した。
【0295】
【表11】
【0296】
実施例12:エアロゾル発生材料の組み合わせに関する熱重量分析
16のエアロゾル形成材料の組み合わせの組を調製し、実施例9の手順を使用してTGAにより研究した。マトリックスを表12に提示する。明らかにされたエアロゾル形成材料のそれぞれは、1:1の重量比で示される二成分混合物で存在する。16個の試料の放出プロファイルを、実施例8の手順に従い研究する。
【0297】
【表12】
【0298】
実施例13:基材マトリックス中のエアロゾル発生材料に関する熱重量分析
エアロゾル形成剤の様々な混合物を含有する6つのハンドシート基材試料を、表9に提示される配合に従い調製した。各試料中のエアロゾル形成材料を表13に提示し、全ての重量パーセンテージは乾燥重量である。6つのハンドシート試料の放出プロファイルを、TGAを使用して研究した。全ての試験を、TA Instrument Discovery TGA 5500機器で行った。試験は、確認の目的で3回繰り返した。3回の繰返しの重量損失平均を表13に提示する。
【0299】
各試料の約3~5mgを、分析用に風袋計量済みのアルミニウムパンに計量した。試料を、500℃/分の上昇で210℃まで、その後260℃までの温度ジャンプによる温度プログラムを使用して加熱した。加熱手順では、試料を室温から260℃まで1分で加熱し、次いでさらに4分間、等温状態で保持することが可能になった。重量変化を0~5分、モニターした。
【0300】
結果は、ほとんどの重量損失が、高速加熱プロセス中、最初の1分以内に生じることを示した。最初の1分間で、重量損失のほとんどの量が対照試料17Aで生じ(グリセリン;35.4%)、一方、重量損失の最も少ない量が試料41Aで生じた(グリセリン-パルミチン酸;27.8%)。このデータは、特に、経時的な基材からのエアロゾルのより持続した放出に関し、グリセリンとパルミチン酸、トリエチレングリコール、又はトリアセチンの組み合わせを裏付けており、パフごとの少ないばらつきをもたらすのに有用となり得る。対照的に、グリセリンと1,3-プロパンジオール、又はグリセリンとプロピレングリコールの組み合わせは、グリセリン対照とほぼ区別できなかった。
【0301】
【表13】
【0302】
実施例14:HNBエアロゾル形成剤基材のキャストシートの調製
様々なエアロゾル形成材料を含有する一連の6つの基材を、表14に示される成分及び量を使用して調製した。
【0303】
エアロゾル形成剤基材14A(参照基材)
カルボキシメチルセルロース(CMC2500;2.5 lbs)を、ゆっくりと水(100 lbs)に添加し、高剪断混合タンク内で30分間、真空下で水和した。別の混合タンクで、微細にミリングされたタバコ(12 lbs)をゆっくりとグリセロール(4 lbs)及び水(5 lbs)に添加し、次いで穏やかに30分間混合して、タバコ-水のスラリーを形成した。次いで水和したCMC2500を、ゼロフリーネスの予め精製された木材パルプと混合し、タバコ-水のスラリータンクに移し、その後、さらに30分間、適度な混合速度及び真空の下で混合して、最終的なスラリーを得た。次いで最終的なスラリーを、1~3mmの隙間開口に設定されたキャスティングナイフを使用して22インチ幅のステンレス鋼コンベヤベルト上に流延した。キャスト材料(フィルム)を引き続き、多数の加熱ゾーン(80~100℃)を含む200フィートの対流トンネル乾燥機に通して搬送することによって、このフィルムを平らなシートに乾燥した。総乾燥バッチ重量は、20 lbsであった。平らなシートをボビンに巻き付け、ポリエチレンバッグに真空密封して、輸送中の水分の吸着及び遮断を防止した。ボビンを、その後、巻き戻して、シートを細片にカットした(平方インチ当たり25~20カット)。
【0304】
エアロゾル形成剤基材14B
エアロゾル形成剤基材14Bを、グリセロールを重量で1:1のグリセロール及びパルミチン酸の混合物で置き換えたこと以外、基材14Aと同様に調製した。総バッチ重量は20 lbsであった。
【0305】
エアロゾル形成剤基材14C
エアロゾル形成剤基材14Cを、グリセロールを重量で1:1のグリセロール及びトリエチレングリコールの混合物で置き換えたこと以外、基材14Aと同様に調製した。総バッチ重量は20 lbsであった。
【0306】
エアロゾル形成剤基材14D
エアロゾル形成剤基材14Dを、グリセロールを重量で1:1のグリセロール及びトリアセチンの混合物で置き換えたこと以外、基材14Aと同様に調製した。総バッチ重量は20 lbsであった。
【0307】
エアロゾル形成剤基材14E(参照)
エアロゾル形成剤基材14Eを、グリセロールをグリセロール及びポリエチレングリコールの混合物(重量比1:1)で置き換えたこと以外、基材14Aと同様に調製した。総バッチ重量は20 lbsであった。
【0308】
エアロゾル形成剤基材14F
エアロゾル形成剤基材14Fを、グリセロールを重量で1:1.5:1.5のグリセロール、パルミチン酸、及び1,3-プロパンジオールの混合物で置き換えたこと以外、基材14Aと同様に調製した。総バッチ重量は20 lbsであった。
【0309】
【表14】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】