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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ポンプ組立体
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/14 20060101AFI20240705BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
F04B9/14 B
B65D83/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580604
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 KR2022010692
(87)【国際公開番号】W WO2023003387
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095638
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0141652
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518079909
【氏名又は名称】ヨンウ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン ウン
【テーマコード(参考)】
3E014
3H075
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PD11
3E014PE02
3E014PE04
3E014PE05
3E014PE06
3E014PE08
3E014PE09
3E014PE11
3E014PF03
3H075AA09
3H075AA10
3H075BB03
3H075BB22
3H075CC33
3H075DA03
3H075DA04
3H075DA05
3H075DA06
3H075DA20
3H075DB13
3H075DB40
(57)【要約】
本発明の実施形態によってポンプ組立体が提供される。前記ポンプ組立体は、下端に吸込口が形成されるシリンダーと、前記シリンダーの内部で昇降し、一側に流入口が形成されるピストンと、前記シリンダーの内壁に密着した状態で前記シリンダーの内部で昇降し、前記流入口を開閉するシールキャップと、前記ピストンに結合されて前記ピストンとともに昇降し、上端に排出口が形成されるステムと、前記ステムの外側を取り囲むように前記シリンダーの上側に結合されるシリンダーキャップと、前記シリンダーの内部で前記シールキャップと前記ステムとの間に配設される第1弾性部材と、前記シリンダーの外部で前記シリンダーキャップと前記ステムとの間に配設される第2弾性部材と、を含むことができる。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ組立体であって、
下端に吸込口が形成されるシリンダーと、
前記シリンダーの内部で昇降し、一側に流入口が形成されるピストンと、
前記シリンダーの内壁に密着した状態で前記シリンダーの内部で昇降し、前記流入口を開閉するシールキャップと、
前記ピストンに結合されて前記ピストンとともに昇降し、上端に排出口が形成されるステムと、
前記ステムの外側を取り囲むように前記シリンダーの上側に結合されるシリンダーキャップと、
前記シリンダーの内部で前記シールキャップと前記ステムとの間に配設される第1弾性部材と、
前記シリンダーの外部で前記シリンダーキャップと前記ステムとの間に配設される第2弾性部材と、
を含むポンプ組立体。
【請求項2】
前記第1弾性部材は、中空が形成されており、前記ピストン及び前記ステムのうちの少なくとも一つを外側で取り囲む柱状の弾性体である、請求項1に記載のポンプ組立体。
【請求項3】
前記ポンプ組立体への押圧時、前記第2弾性部材が圧縮されながら前記ピストンおよび前記ステムが下降し、前記第1弾性部材が圧縮されながら前記シールキャップが前記ピストンに対して上昇することで、前記流入口が露出する、請求項2に記載のポンプ組立体。
【請求項4】
前記第1弾性部材は、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)及び熱可塑性エラストマ(TPE)のうちの少なくとも一つの材質で構成される、請求項2に記載のポンプ組立体。
【請求項5】
第2弾性部材は、射出成形によって形成されるプラスチック材質のばねである、請求項1に記載のポンプ組立体。
【請求項6】
前記第2弾性部材は、上部支持体と、前記上部支持体の下側に設けられる下部支持体と、前記上部支持体と前記下部支持体とを所定の傾斜を持って連結し、前記上部支持体への押圧時に屈曲変形される少なくとも一つの弾性部と、を含む、請求項5に記載のポンプ組立体。
【請求項7】
前記第2弾性部材は、長手方向に沿って山部と谷部が繰り返し形成されるベローズ(bellows)型である、請求項5に記載のポンプ組立体。
【請求項8】
前記ステムは、前記シリンダーに結合され、上端に前記排出口が形成されるステム本体と、前記ステム本体の外側に結合され、前記第2弾性部材の上端を支持するように外側にステム羽部が延びる支持体と、を含む、請求項7に記載のポンプ組立体。
【請求項9】
前記ステム羽部には前記第2弾性部材の圧縮及び圧縮解除時に空気が通過できるように少なくとも一つの空気出入口が形成される、請求項8に記載のポンプ組立体。
【請求項10】
前記ステム羽部の下面の周りに沿って前記第2弾性部材の上端を支持する第1支持溝が形成されており、前記シリンダーキャップの上面の周りに沿って前記第1弾性部材の下端を支持する第2支持溝が形成されている、請求項8に記載のポンプ組立体。
【請求項11】
前記吸込口に配設されて前記吸込口を外部と選択的に連通させる遮蔽ボールを含むバルブ部をさらに含む、請求項1に記載のポンプ組立体。
【請求項12】
前記バルブ部は、前記遮蔽ボールから上側に延びるバルブシャフトをさらに含み、
前記ピストンの下端には、前記ピストンまたは前記バルブ部の昇降時に前記バルブシャフトが挿入されるように少なくとも一部が長手方向に貫通されたガイド部が下側に延びる、請求項11に記載のポンプ組立体。
【請求項13】
前記バルブ部は、前記バルブシャフトの外側に突出して前記シリンダーの内壁に接しながら前記バルブ部の側面を支持する少なくとも一つのバルブ羽部をさらに含む、請求項12に記載のポンプ組立体。
【請求項14】
前記バルブ羽部は、前記バルブシャフトの周りに沿って複数個が離れて配設され、複数の前記バルブ羽部の間の空間を介して内容物が移動する、請求項13に記載のポンプ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スプレー容器は、ユーザが噴射ボタンを押圧すると、容器内に貯留された液相の内容物を噴霧状態で噴射するものであって、液状の化粧品または医薬品などで広く使われている。
【0003】
従来のスプレー容器の場合、スプレー噴射のためのポンプ組立体とオリフィスとを含む。このような従来のポンプ組立体の場合、シリンダー、ピストン、シールキャップ、およびステムを含み、シールキャップとシリンダーとの間に弾性部材を配設し、シールキャップとステムとの間に弾性部材を配設することで、シリンダーの内部に二つの弾性部材が配設されるように構成して、二つの弾性部材の弾性力によってシールキャップをピストンの流入口を選択的に開閉させるのが一般的であった。しかし、この場合、シリンダーの内部に複数個の弾性部材を配設しなければならないので、ポンプ構造の設計及び組み立てが難しいという問題があったし、シリンダーの内部で弾性部材がまともに支持されないという問題があった。
【0004】
また、ポンプ組立体は、通常、PP、PEなどのプラスチックで製造され、ポンプ組立体内のばねは、金属材質からなることが一般的なので、非常に分離廃棄しにくいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点を解決するためのポンプ組立体を提供することをその目的とする。
【0006】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されなく、言及されていないまた他の技術的課題は下記記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によってポンプ組立体が提供される。前記ポンプ組立体は、下端に吸込口が形成されるシリンダーと、前記シリンダーの内部で昇降し、一側に流入口が形成されるピストンと、前記シリンダーの内壁に密着した状態で前記シリンダーの内部で昇降し、前記流入口を開閉するシールキャップと、前記ピストンに結合されて前記ピストンとともに昇降し、上端に排出口が形成されるステムと、前記ステムの外側を取り囲むように前記シリンダーの上側に結合されるシリンダーキャップと、前記シリンダーの内部で前記シールキャップと前記ステムとの間に配設される第1弾性部材と、前記シリンダーの外部で前記シリンダーキャップと前記ステムとの間に配設される第2弾性部材と、を含むことができる。
【0008】
また、前記第1弾性部材は、中空が形成されており、前記ピストン及び前記ステムのうちの少なくとも一つを外側で取り囲む柱状の弾性体であってもよい。
【0009】
また、前記ポンプ組立体への押圧時、前記第2弾性部材が圧縮されながら前記ピストンおよび前記ステムが下降し、前記第1弾性部材が圧縮されながら前記シールキャップが前記ピストンに対して上昇することで、前記流入口が露出することができる。
【0010】
また、前記第1弾性部材は、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)及び熱可塑性エラストマ(TPE)のうちの少なくとも一つの材質で構成されることができる。
【0011】
また、第2弾性部材は、射出成形によって形成されるプラスチック材質のばねであってもよい。
【0012】
また、前記第2弾性部材は、上部支持体と、前記上部支持体の下側に設けられる下部支持体と、前記上部支持体と前記下部支持体とを所定の傾斜を持って連結し、前記上部支持体への押圧時に屈曲変形される少なくとも一つの弾性部と、を含むことができる。
【0013】
また、前記第2弾性部材は、長手方向に沿って山部と谷部が繰り返し形成されるベローズ(bellows)型であってもよい。
【0014】
また、前記ステムは、前記シリンダーに結合され、上端に前記排出口が形成されるステム本体と、前記ステム本体の外側に結合され、前記第2弾性部材の上端を支持するように外側にステム羽部が延びる支持体と、を含むことができる。
【0015】
また、前記ステム羽部には前記第2弾性部材の圧縮及び圧縮解除時に空気が通過できるように少なくとも一つの空気出入口が形成されることができる。
【0016】
また、前記ステム羽部の下面の周りに沿って前記第2弾性部材の上端を支持する第1支持溝が形成されており、前記シリンダーキャップの上面の周りに沿って前記第1弾性部材の下端を支持する第2支持溝が形成されていることができる。
【0017】
また、前記吸込口に配設されて前記吸込口を外部と選択的に連通させる遮蔽ボールを含むバルブ部をさらに含むことができる。
【0018】
また、前記バルブ部は、前記遮蔽ボールから上側に延びるバルブシャフトをさらに含み、前記ピストンの下端には、前記ピストンまたは前記バルブ部の昇降時に前記バルブシャフトが挿入されるように少なくとも一部が長手方向に貫通されたガイド部が下側に延びることができる。
【0019】
また、前記バルブ部は、前記バルブシャフトの外側に突出して前記シリンダーの内壁に接しながら前記バルブ部の側面を支持する少なくとも一つのバルブ羽部をさらに含むことができる。
【0020】
また、前記バルブ羽部は、前記バルブシャフトの周りに沿って複数個が離れて配設され、複数の前記バルブ羽部の間の空間を介して内容物が移動することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シリンダーの内部に一つの弾性部材のみを配設させるとともにポンプ組立体のスプレー噴射のための動作が容易に行われるようにして、ポンプ組立体の組み立て構造を単純化し、かつ分解及びリサイクルが容易に行われるようにすることができる。
【0022】
また、本発明によれば、シリンダーの内部に配設される弾性部材の材質を熱可塑性ポリオレフィン(TPO)及び熱可塑性エラストマ(TPE)のうちの少なくとも一つとすることで、変形し易くするための別途の物理的構造を付け加えることなく、容易に変形されながら弾性力を容易に発生させることができ、また、金属材質を有さないので、他の構成との分離廃棄の問題を解決するため環境にやさしい。
【0023】
また、本発明によれば、ガイド部によってピストンまたはバルブ部の昇降をガイドすることで、ポンプ組立体の動作構造を改善することができる。
【0024】
また、本発明によれば、バルブ部にバルブ羽部を形成することで、バルブ部の姿勢を一定に維持し、バルブ部の昇降をガイドすることにより、バルブ部の動作構造を改善することができる。
【0025】
また、本発明によれば、ステムをステム本体と支持体との組み立て構造とすることで、ポンプ組立体の組み立てを容易に行うことができる。
本発明の詳細な説明にて引用される図面をより十分に理解するために各図面の簡単な説明が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態によるポンプ組立体の斜視図である。
図2】本発明の実施形態によるポンプ組立体の断面図である。
図3】本発明の実施形態によるポンプ組立体の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態によるバルブ部の斜視図である。
図5】本発明の実施形態によるステムの分解断面図である。
図6】本発明の実施形態によるポンプ組立体の動作を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態によるピストンおよびシールキャップの動作を説明するための図である。
図8】本発明の他の実施形態によるポンプ組立体の断面図である。
図9】本発明の他の実施形態によるポンプ組立体の断面図である。
図10】本発明の他の実施形態による第2弾性部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面に記載の内容を参照して本発明による例示的な実施形態を詳細に説明する。また、添付の図面に記載の内容を参照して本発明の実施形態による装置を構成して使用する方法を詳しく説明する。各図面で提示された同一の参照番号または符号は、実質的に等しい機能を遂行する部品または構成要素を示す。以下に記載される上下左右の方向は、便宜上図面を基準としたものであり、当該方向に本発明の権利範囲が必ず限定されるものではない。
【0028】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使われることがあるが、構成要素はこれらの用語によって限定されない。これら用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使われる。例えば、本発明の権利範囲を外れない範囲内で第1構成要素は第2構成要素と命名されることができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素と命名されることができる。「及び/または」という用語は、複数の関連する項目の組み合わせまたは複数の関連する項目中のいずれか一つの項目を含む。
【0029】
本明細書で使用した用語は、実施形態を説明するために使われたもので、本発明を制限及び/または限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0030】
明細書の全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されているというとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の構成を介在して間接的に連結されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を含むとするとき、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を排除するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
本発明は、ポンプ組立体に関する。ポンプ組立体は、内容物が収容される容器本体の一側に結合され、押圧時、内容物を吸い込んだ後に外部へ排出することができる。実施形態において、ポンプ組立体の動作によって内容物の排出されるとき、内容物はスプレー噴射されることができる。ただし、これに限定するものではない。
【0032】
図1は、本発明の実施形態によるポンプ組立体の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態によるポンプ組立体の断面図であり、図3は、本発明の実施形態によるポンプ組立体の分解斜視図であり、図4は、本発明の実施形態によるバルブ部の斜視図であり、図5は本発明の実施形態によるステムの分解断面図である。
【0033】
図1図5を参照すれば、ポンプ組立体1000は、シリンダー100、ピストン200、シールキャップ300、ステム400、シリンダーキャップ500、第1弾性部材600、第2弾性部材700、及びバルブ部800を含むことができる。
【0034】
シリンダー100は、上下が開口した円筒状に形成されることができる。シリンダー100の下端には吸込口110が形成されることができる。このような吸込口110を介してシリンダー100の内部が、内容物の収容されている容器本体と連通されることができる。ポンプ組立体1000の動作時、吸込口110を介して内容物がシリンダー100の内部に吸入されることができる。
【0035】
実施形態で、シリンダー100は、上側から下側に行くほど内径が段階的に減少することができる。内径が大きいシリンダー100の上部では、シールキャップ300とステム400が昇降することができ、内径が小さいシリンダー100の下部では、ピストン200が昇降することができる。この時、例えば、シリンダー100内で内径が段階的に減少する地点にはそれぞれ段差が形成されており、該段差はピストン200、シールキャップ300及び/またはステム400の昇降範囲を制限することができる。ただし、これに限定するものではない。
【0036】
実施形態において、シリンダー100の一側には、第1気孔120及び第2気孔130が形成されることができる。第1気孔120は、シリンダー100の側面の上側を貫通することができ、第2気孔130は、第1気孔120の下側でシリンダー100の側面を貫通することができる。第1気孔120及び第2気孔130は、ピストン200、シールキャップ300及び/またはステム400の下降時、シリンダー100の内部圧力の過度な変化を相殺させることができる。ただし、これに限定するものではない。
【0037】
実施形態で、吸込口110の下端には、チューブが結合されることができる。チューブは、吸込口110から下方に延びて、容器本体の底に貯留された内容物を吸い込むことができる。ただし、これに限定するものではない。
【0038】
ピストン200は、長手方向に形成されており、一側に流入口210が形成されることができる。例えば、流入口210は、ピストン200の側面が貫通されてなることができる。流入口210を介してシリンダー100の内部の内容物がピストン200に流入することができる。ピストン200は、少なくとも一部が長手方向に貫通されて流入口210を介してピストン200の内部に流入した内容物を上側へ排出することができる。
【0039】
ピストン200は、シリンダー100の内部で昇降することができる。この時、ピストン200は、上側がステム400と結合されてステム400と一体に昇降することができる。すなわち、ステム400が下側に押圧される場合、ステム400とピストン200が一緒に下側に移動し、ステム400が(特に、第2弾性部材700によって)上側に押圧される場合、ステム400とピストン200が一緒に上側に移動することができる。ピストン200の昇降によって、シリンダー100の内部空間の体積が変わり、シリンダー100の内部体積の変化に応じてシリンダー100の内部圧力が変わることができる。
【0040】
実施形態において、ピストン200の下端にはガイド部220が下側に延びることができる。ガイド部220は、少なくとも一部が長手方向に貫通されることができる。ピストン200及び/またはバルブ部800の昇降時、ガイド部220にバルブ部800(特に、バルブシャフト820)が挿入されることができる。すなわち、ガイド部220がバルブ部800(特に、バルブシャフト820)の側面を支持するので、バルブ部800の姿勢が維持されることができ、バルブ部800の昇降経路がガイドされることができる。ただし、これに限定するものではない。
【0041】
シールキャップ300は、シリンダー100の内壁に密着した状態でシリンダー100の内部で昇降することができる。具体的に、ステム400が下側に押圧されて下側に移動すると、シールキャップ300も下側に移動することができる。また、ステム400が(第2弾性部材700によって)上側に押圧されて上側に移動すると、シールキャップ300も上側に移動することができる。シールキャップ300の昇降によってシリンダー100の内部空間の体積が変わり、シリンダー100の内部体積の変化に応じてシリンダー100の内部圧力が変わることができる。
【0042】
シールキャップ300の上端は、第1弾性部材600の下端を支持することができる。ステム400が下側に移動する時、第1弾性部材600がステム400と一緒に下側に移動し、第1弾性部材600によってシールキャップ300が下側に移動することができる。この時、シールキャップ300は、ステム400が下側に移動する時、第1弾性部材600によって間接的に押圧力が伝達されるので、ステム400と異なる距離だけ下側に移動することができる。例えば、ステム400が下側に移動するとき、第1弾性部材600が圧縮されることによって、シールキャップ300はステム400よりも短い距離だけ下側に移動することができる。
【0043】
シールキャップ300は、シリンダー100内壁に密着して昇降するために、周りに仕切り膜が設けられることができる。ただし、これに限定するものではない。
【0044】
シールキャップ300は、ステム400が上側に移動する時、ステム400と一緒に上昇するために下端の少なくとも一部がピストン200の少なくとも一部によって支持されることができる。これによって、ステム400が第2弾性部材700によって上側に移動する時、ステム400と結合されたピストン200が上側に移動し、ピストン200の上昇によってシールキャップ300が上側に移動することができる。
【0045】
実施形態において、ピストン200の下側の周りには、周縁部230が外側に突出することができる。周縁部230によってシールキャップ300の下端が支持され、ピストン200が上側に移動するとき、周縁部230がシールキャップ300を上側に移動させることができる。ただし、これに限定するものではない。
【0046】
実施形態において、周縁部230はピストン200の下側の周りから外側に延びる基底部231と、基底部231から上側に延びてシールキャップ300(特に、シールキャップ300の仕切り膜の内側)にはめられる押圧突起232を含むことができる。この時、押圧突起232は、シールキャップ300と構造的に結合されなくて、ピストン200の上昇時シールキャップ300を上側に押圧してシールキャップ300を上昇させることはできるが、ピストン200の下降時にシールキャップ300と一体に下降しないことがある。ただし、これに限定するものではない。
【0047】
シールキャップ300は、ピストン200の流入口210を開閉することができる。具体的に、シールキャップ300は初期状態でピストン200の外壁の少なくとも一部に密着して、流入口210を密閉することができる。ステム400が下側に押圧されて下側に移動すれば、ステム400によってシールキャップ300とピストン200も下側に移動するようになるが、この時、第1弾性部材600の圧縮によってシールキャップ300の移動距離がピストン200の移動距離に比べて短くなることができる。すなわち、シールキャップ300がピストン200に比べて相対的に上昇することができる。シールキャップ300の相対的上昇に伴い、流入口210が外部に露出することができる。流入口210が外部に露出すると、ピストン200及び/またはシールキャップ300の下降によって上昇したシリンダー100の内部圧力に起因して、シリンダー100からピストン200の内部へ内容物が流入することができる。
【0048】
ステム400は、長手方向に形成され、少なくとも一部がシリンダー100の内部に挿入され、上側に延びて少なくとも一部がシリンダー100の外部に配設されることができる。シリンダー100の外部に配設されたステム400とシリンダー100との間の空間に第2弾性部材700が配設されることができる。
【0049】
ステム400は、下端がピストン200に結合されてピストン200とともに前記シリンダーの内部で昇降することができる。具体的に、ステム400は、押圧時に下側に移動し、ピストン200を下側に移動させることができ、この時、第2弾性部材700がシリンダー100とステム400との間で圧縮されることができる。ステム400の押圧を解除すると、第2弾性部材700によってステム400が上側に移動し、この時、ピストン200も上側に移動することができる。
【0050】
ステム400は、上下部が開放されて長手方向に貫通されて内側に中空が形成されることができる。この時、ステム400の上端には排出口411が形成されることができる。ステム400における開放された下端を介してピストン200から排出された内容物が流入することができ、流入した内容物は、ステム400の内部を通って排出口411へ排出されることができる。
【0051】
ステム400は、シリンダー100の内壁に密着した状態で昇降することができる。このためにステム400の外面には仕切り膜が設けられ、このような仕切り膜がシリンダー100の内壁に密着することができる。例えば、仕切り膜はステム400の下端外周面から端部が下向きに傾くように突出して形成されることができる。仕切り膜の内側(すなわち、仕切り膜とステム400の外面との間の空間)で第1弾性部材600の上端が支持されることができる。
【0052】
実施形態によって、ステム400は、シリンダー100に結合され、上端に排出口411が形成されるステム本体410と、ステム本体410の外側に結合され、第2弾性部材700の上端を支持するように外側にステム羽部421が延びる支持体420と、を含むことができる。これはポンプ組立体1000の組み立ての便宜性のためのことである。具体的に、シリンダー100の内部にピストン200、シールキャップ300、第1弾性部材600、及びステム本体410をそれぞれ組み立てて配設させた後、シリンダーキャップ500をシリンダー100に結合させた後、シリンダーキャップ500の上端に第2弾性部材700を配設してステム本体410の外側に支持体420を結合させることで、ポンプ組立体1000の組み立てが行われることができる。すなわち、ステム本体410と支持体420が一体に形成されている場合、ステム羽部421とシリンダーキャップ500との間に第2弾性部材700を配設しにくくなることができるが、ステム本体410と支持体420が組み立てられる構造を持つことで前記問題を解決することができる。この際、ステム本体410と支持体420の結合には、ねじ結合、篏合などの公知の多様な結合構造が適用され得る。
【0053】
実施形態において、ステム羽部421には第2弾性部材700の圧縮及び圧縮解除時に空気が通過するように少なくとも一つの空気出入口422が形成されることができる。第2弾性部材700の圧縮時に空気出入口422を介して空気が外部へ排出され、第2弾性部材700の圧縮解除時に空気出入口422を介して空気が内部に流入することができる。これによって、(特に、第2弾性部材700が側面が密閉したベローズ型のばねである場合)第2弾性部材700内部の圧力が一定に維持されることができる。
【0054】
シリンダーキャップ500は、ステム400の外側を取り囲むようにシリンダー100の上側に結合されることができる。シリンダーキャップ500は、ステム400とシリンダー100との間で異物が流入することを防止し得る。また、シリンダーキャップ500は上端で第2弾性部材700を支持することができる。
【0055】
第1弾性部材600は、シリンダー100の内部において、シールキャップ300とステム400との間に配設されることができる。第1弾性部材600は、ステム400への押圧時に圧縮され、元の状態に回復するための弾性回復力を発生させることができる。ステム400が押圧によって下側に移動すると、第1弾性部材600はステム400の下端を基準として上側に圧縮され、これによって、下側に回復するための弾性力をシールキャップ300に印加することができる。
【0056】
実施形態において、第1弾性部材600は、柱状の弾性体であってもよい。具体的に、第1弾性部材600は内側に中空が形成されるように長手方向に貫通されてピストン200及び/またはステム400を外側で取り囲むことができる。この場合、第1弾性部材600が圧縮されることによって、第1弾性部材600の上段と下段の内径は一定に維持され、中段の内径が増加するように変形されることができ、中段の内径が減少する方向に弾性回復力が発生することができる。この場合、第1弾性部材600がシリンダー100の内部で占める空間が減少して製品設計及び組み立てが容易になり、構造が単純であるため射出成形を比較的容易に行うことができ、他の弾性部材の形状に比べて比較的高い弾性回復力を発揮することができる。ただし、これに限定するものではない。
【0057】
実施形態で、第1弾性部材600は、弾性プラスチック材質からなることができる。例えば、第1弾性部材600の材質は、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)及び熱可塑性エラストマ(TPE)の少なくとも一つであることができる。この場合、第1弾性部材600に変形を容易にするための別途の物理的構造を付け加えなくても、容易に変形されながら弾性力を容易に発生させることができ、金属材質を持たないから他の構成との分離廃棄の問題を解決して環境にやさしい。
【0058】
第2弾性部材700は、シリンダー100の外部において、シリンダーキャップ500とステム400との間に配設されることができる。第2弾性部材700は、押圧時に圧縮され、元の状態に回復するための弾性回復力を発生させることができる。ステム400が押圧によって下側に移動すると、第2弾性部材700はシリンダーキャップ500を基準として下側に圧縮され、これによって、上側に回復するための弾性力をステム400に印加することができる。
【0059】
ポンプ組立体1000への押圧時、第2弾性部材700が圧縮されながらステム400、シールキャップ300及び/またはピストン200が下降することができる。ステム400、シールキャップ300及び/またはピストン200の下降によってシリンダー100の内部空間の圧力が上昇することができる。
【0060】
実施形態において、第2弾性部材700は長手方向に山部と谷部が繰り返し形成されるベローズ型ばねであってもよい。また、例えば、第2弾性部材700は側面が密閉されていることができる。第2弾性部材700が圧縮されれば、山部と山部の間の間隔と谷部と谷部の間の間隔が減少するように変形でき、間隔が元の状態に戻るための方向に弾性回復力が発生することができる。ただし、これに限定するものではない。
【0061】
実施形態で、第2弾性部材700は軟質のプラスチック材質で構成され、射出成形によって製造されることができる。例えば、第2弾性部材700の材質は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシプロピレン(POP)、ポリオレフィンエラストマー(POE)、エチレンオクテン/ブテンコポリマー(Ethylene Octene/Butene Copolymers)などを含むことができる。ただし、これらに限定されるものではない。このように、第2弾性部材700を軟質のプラスチック材質で構成することで、製作しやすくするとともに、従来の金属材質のばねよりも製造コストを節減することができる。また、従来の金属材質のばねよりも重さが軽くて、第2弾性部材700を具備するポンプ組立体及び容器の重さを減少させることができることから、携帯が容易であり、優れた使い勝手を提供することができる。また、ポンプ組立体1000の他の構成との分離廃棄の問題を解決して環境にやさしい。
【0062】
実施形態で、ステム羽部421の下面の周りに沿って第1支持溝423が形成されることができ、シリンダーキャップ500の上面の周りに沿って第2支持溝510が形成されることができる。第1支持溝423によって第2弾性部材700の上端が支持され、第2支持溝510によって第2弾性部材700の下端が支持されることで、第2弾性部材700がステム羽部421とシリンダーキャップ500との間で安定に配設されることができる。
【0063】
本発明によれば、第2弾性部材700をシリンダー100の外部に配設させ、シリンダー100の内部に第1弾性部材600一つだけを配設させるとともに、ポンプ組立体1000のスプレー噴射のための動作が容易に行われるようにすることで、ポンプ組立体1000の組み立て構造を単純化し、かつ分解及びリサイクルが容易に行われるようにすることができる。
【0064】
ポンプ組立体1000への押圧時、第2弾性部材700が圧縮されながらステム400、シールキャップ300及び/またはピストン200が下降することができる。この時、第1弾性部材600も圧縮されながらシールキャップ300の下降距離とピストン200の下降距離との差が発生することができる。シールキャップ300の下降距離とピストン200の下降距離との差の発生によって、ピストン200の流入口が露出することができる。
【0065】
本発明では第2弾性部材700および第1弾性部材600の動作によって、内容物がスプレー噴射されることができる程度の速い流速で上側へ排出可能である。具体的に、ステム400の押圧と同時に内容物がピストン200に流入したら、内容物の流速が遅くてスプレー噴射されにくいことがある。これに対し、本発明では、ステム400の押圧時、ピストン200の流入口210が密閉した状態なので直ちに内容物がピストン200に流入せず、第2弾性部材700の圧縮によってシリンダー100の内部圧力が十分に上昇した状態で第1弾性部材600の圧縮によって流入口210が露出しながらピストン200へ内容物が流入するから、シリンダー100の内部圧力によって速い流速で内容物がピストン200に流入することができる。
【0066】
バルブ部800は、吸込口110を外部と選択的に連通させることができる。具体的に、バルブ部800は、吸込口110と外部との連通を遮断していて、シリンダー100に負圧が形成されると、吸込口110を外部と連通させることができる。吸込口110が外部と連通される場合、容器本体に貯留された内容物が吸込口110に流入することができる。
【0067】
実施形態において、バルブ部800は、吸込口110に配設される遮蔽ボール810と、遮蔽ボール810から上側に延びるバルブシャフト820と、を含むことができる。
【0068】
遮蔽ボール810は、シリンダー100の内部の圧力によって上下に移動可能である。遮蔽ボール810が上昇するとシリンダー100の内部と外部とが連通され、遮蔽ボール810が下降すると、シリンダー100の内部と外部との連通が遮断されることができる。
【0069】
実施形態で、遮蔽ボール810の材質は、ポリプロピレン(PP)からなることができる。ただし、これに限定するものではない。
【0070】
実施形態において、遮蔽ボール810は、内部に中空が形成されるように少なくとも一部が上下に貫通されることができる。遮蔽ボール810の内部に中空が形成されている場合、遮蔽ボール810の直径が所定寸法以上になっても、遮蔽ボール810の厚さは所定寸法以下に維持されることができる。ポリプロピレン(PP)は、所定厚さ以上に射出される時、収縮現象が発生することができるが、中空によって遮蔽ボール810の厚さを所定寸法以下に維持することで、射出時の収縮現象を抑制することができる。
【0071】
実施形態において、遮蔽ボール810は、1mm以下の厚さを持つことができ、望ましくは、0.8mm~1mmの厚さを持つことができる。遮蔽ボール810の厚さが1mmを超える場合、射出時の収縮現象が発生することができるが、本発明では遮蔽ボール810の厚さを1mm未満にすることで収縮現象を抑制することができる。特に、本発明では遮蔽ボール810直径が1mmを超えても、中空によって遮蔽ボール810の厚さは1mm以下に維持することができる。ただし、これに限定するものではない。
【0072】
バルブシャフト820は、遮蔽ボール810から上側に延び、少なくとも一部がガイド部220に挿入されることができる。ガイド部220がバルブシャフト820の側面を支持することができ、これによってバルブ部800の姿勢が一定に維持されることができる。
【0073】
遮蔽ボール810の昇降時及び/またはピストン200の昇降時、バルブシャフト820はガイド部220の内側で昇降することができる。すなわち、ガイド部220によってピストン200及び/またはバルブ部800の昇降経路がガイドされることができる。
【0074】
実施形態で、バルブ部800は、バルブシャフト820の外側に突出するバルブ羽部830をさらに含むことができる。バルブ羽部830は、シリンダー100の内壁に接しながらバルブ部800の側面を支持することができる。また、バルブ羽部830は、バルブ部800の昇降時、シリンダー100の内壁に沿って昇降しながらバルブ部800の昇降経路をガイドすることができる。
【0075】
実施形態において、バルブ羽部830は、バルブシャフト820の周りに沿って複数個が離れて配設されることができる。複数のバルブ羽部830の間の空間を介して内容物が移動することができる。
【0076】
実施形態で、バルブ羽部830は少なくとも一部が下側に行くほど厚さが減少して所定の傾斜を形成することができる。これによって、バルブ羽部830の下端と吸込口110の上端とが接触しない可能性があり、バルブ部800の昇降時、バルブ羽部830がシリンダー100の吸込口110に係止することなく昇降が容易に行われることができる。
【0077】
図1図5によるポンプ組立体1000は例示的なもので、本発明が適用される実施形態によって多様な構成が適用され得る。
【0078】
図6は、本発明の実施形態によるポンプ組立体の動作を説明するための図であり、図7は、本発明の実施形態によるピストンとシールキャップの動作を説明するための図である。具体的に、図6a~eは、ポンプ組立体が押圧された後、押圧解除されるまでのポンプ組立体の断面図を順次に示したものであり、図7aは流入口が密閉された状態でのピストンとシールキャップの正面図であり、図7bは、流入口が露出した状態でのピストンおよびシールキャップの正面図である。
【0079】
図6及び図7を参照すれば、ポンプ組立体1000を押圧すればステム400が下側に移動することができる。ステム400の下側に移動することによって、ステム400と結合されたピストン200と、ステム400の下端によって支持される第1弾性部材600も下側に移動することができる。この時、ステム400とシリンダーキャップ500との間で第2弾性部材700が圧縮されて上側方向に弾性力を印加し始めることができる。
【0080】
また、第1弾性部材600が下側に移動しながら、第1弾性部材600の下端に位置するシールキャップ300を下側に押圧することができる。これによって、シールキャップ300も下側に移動することができる。この際、第1弾性部材600は、シールキャップ300を下側に押圧することによる反発力、シリンダー100の内部の圧力増加及び/またはシールキャップ300とシリンダー100の内壁との間の摩擦力によって圧縮されることができる。
【0081】
ステム400の下降によって、ピストン200、シールキャップ300、第1弾性部材600が一緒に下降し、これによって、シリンダー100の内部空間の体積が減少してシリンダー100内部の圧力が上昇することができる。
【0082】
この時、ステム400とピストン200は、構造的に結合されるので一体に移動するが、ステム400とシールキャップ300は、構造的に結合されないので一体に移動しないこともある。すなわち、ピストン200はステム400が移動した距離と等しい距離分だけ下降するが、シールキャップ300は第1弾性部材600の圧縮によってステム400が移動した距離よりも少ない距離だけ下降することができる。このようなピストン200とシールキャップ300との下降距離の差によって、シールキャップ300がピストン200に対して相対的に上昇することができる。
【0083】
シールキャップ300は、初期状態では流入口210を密閉していて、シールキャップ300がピストン200に対して相対的に上昇することによって流入口210を露出させることができる。流入口210が露出すると、上昇したシリンダー100の内部圧力によってシリンダー100内部の内容物が流入口210を介してピストン200に流入した後、ピストン200とステム400の内部をそれぞれ通過してステム400の排出口411へ排出されることができる。
【0084】
その後、第1弾性部材600がシールキャップ300に下向きに弾性回復力を印加して、シールキャップ300がステム400に対して下降するようになり、流入口210が再度密閉されることができる。
【0085】
その後、ポンプ組立体1000への押圧を解除すると、第2弾性部材700がステム400に上向きに弾性回復力を印加してステム400が上昇することができる。ステム400の上昇によってピストン200、シールキャップ300及び第1弾性部材600も一緒に上昇することができる。
【0086】
ピストン200、シールキャップ300、ステム400、及び第1弾性部材600が上昇すれば、シリンダー100の内部空間の体積が増加し、これによって、シリンダー100の内部に負圧が発生してバルブ部800が上昇しながら容器本体からシリンダー100の内部へ内容物が流入することができる。
【0087】
図6及び図7によるポンプ組立体1000の動作は例示的なもので、本発明が適用される実施形態によって多様な動作方式が適用され得る。
【0088】
図8及び図9は、本発明の他の実施形態によるポンプ組立体の断面図である。
【0089】
図8を参照すれば、ポンプ組立体2000のバルブ部800-1は、球形の遮蔽ボールで構成されることができる。この場合、バルブ部800-1は、遮蔽ボールから延びて形成されるバルブシャフト及びバルブ羽部を含まなくてもよい。遮蔽ボールは、シリンダー100の吸込口110に配設され、シリンダー100の内部の圧力変化に応じて昇降することで、吸込口110を選択的に外部と連通または遮断させることができる。
【0090】
一方、実施形態において、遮蔽ボールはポリプロピレン(PP)などのプラスチック材質で構成されることができ、射出成形によって球形に製造されることができる。ただし、これは例示的なもので、これに限定されず、遮蔽ボールが金属材質で構成されるなど遮蔽ボールの材質及び製造方法は多様に変形可能である。
【0091】
次いで、図9を参照すれば、ポンプ組立体3000の第2弾性部材700-1は、金属材質に置換して構成されることができる。例えば、第2弾性部材700-1は、ステンレス(stainless steel)材質で構成されることができるが、これに限定するものではなく、種々の金属材質が適用されることができる。
【0092】
図10は、本発明の他の実施形態による第2弾性部材の斜視図である。
図10を参照すれば、第2弾性部材700-2は、上部支持体710、下部支持体720、及び弾性部730を含むことができる。
【0093】
上部支持体710は、弾性部730の上端を支持することができる。第2弾性部材700-2への押圧時に上部支持体710が下降しながら圧力を弾性部730に伝達することができ、押圧が解除されれば、弾性部730の弾性力によって上部支持体710は昇降しながら復元されることができる。
【0094】
上部支持体710の下側には下部支持体720が具備されることができる。下部支持体720は、弾性部730の下端を支持することができる。下部支持体720は、シリンダーキャップ500の上部に安着されて昇降することなく、弾性部730を支持することで、弾性部730の弾性力が上部支持体710に向けるようにすることができる。
【0095】
上部支持体710及び下部支持体720には内側に中空が形成されており、ポンプ組立体のステム400などのような構成を、上部支持体710及び下部支持体720の内側に位置させることができる。例えば、上部支持体710及び下部支持体720は、円形のリング状を有することができる。
【0096】
弾性部730は、上部支持体710と下部支持体720とを連結することができる。弾性部材100への押圧時に弾性部730は屈曲変形されながら弾性力を発生させることができる(つまり、弾性圧縮)。弾性部材100への押圧解除時に、屈曲変形も解除されながら弾性部730が元の状態に回復することができる。実施形態で、弾性部730は少なくとも一つで構成されることができる。
【0097】
実施形態において、第2弾性部材700-2は軟質のプラスチック材質からなることができる。例えば、前記材質にはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが含むことができる。また、実施形態によって第2弾性部材700-2の上部支持体710、下部支持体720及び弾性部730は、射出成形によって一体に形成されるか、複数の構成が組み立てられて形成されることができる。
【0098】
実施形態において、第2弾性部材700-2には、連結部740がさらに含まれることができる。連結部740は、上部支持体710の内側の周りから下側に所定の長さだけ延びて形成され、内部に中空が形成されるように上部と下部が貫通されることができる。この場合、ステム400は、支持体420を具備しておらず、このような連結部740がステム本体410と直接結合されることができる。例えば、シリンダーキャップ500の外側に露出したステム本体410の端部を連結部740の内側に挿入すれば、ステム本体410が連結部740とは篏合されながら下部支持体720はシリンダーキャップ500の上部に安着され、弾性部730は、ステム本体410を外側で取り囲むことができる。
【0099】
また、実施形態で、連結部740は上部支持体710、下部支持体720、及び弾性部730と同一材質で構成されることができ、射出成形によって一体に形成されることができる。
【0100】
以上のように、図面と明細書で好適な実施形態が開示された。ここで特定の用語が使用されたが、これは単に本発明を説明するための目的で使用されたものであり、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから種々の変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解できるはずである。それゆえ、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0101】
100 シリンダー
110 吸込口
120 第1気孔
130 第2気孔
200 ピストン
210 流入口
220 ガイド部
230 周縁部
231 基底部
232 押圧突起
300 シールキャップ
400 ステム
410 ステム本体
411 排出口
420 支持体
421 ステム羽部
422 空気出入口
423 第1支持溝
500 シリンダーキャップ
510 第2支持溝
600 第1弾性部材
700 第2弾性部材
710 上部支持体
720 下部支持体
730 弾性部
740 連結部
800 バルブ部
810 遮蔽ボール
820 バルブシャフト
830 バルブ羽部
1000 ポンプ組立体
2000 ポンプ組立体
3000 ポンプ組立体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】