(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】モグロシド化合物およびその食用利用
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20240705BHJP
A23L 27/20 20160101ALI20240705BHJP
【FI】
A23L27/00 F
A23L27/00 101Z
A23L27/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580624
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022034628
(87)【国際公開番号】W WO2023278226
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519321867
【氏名又は名称】フィルメニッヒ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Firmenich Incorporated
【住所又は居所原語表記】250 Plainsboro Road, Plainsboro, NJ 08536, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリス エダノ ノリエガ
(72)【発明者】
【氏名】ラマ ラオ マナム
(72)【発明者】
【氏名】マーク ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】ターニャ ディッチャン
【テーマコード(参考)】
4B047
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LG20
4B047LG38
4B047LP16
(57)【要約】
本開示は、総じて、特定のモグロシド化合物、および甘味料としての、または他の甘味料との併用時に甘味を増強するための該化合物の使用に関する。特定の態様において、本開示は、該モグロシド化合物を含む、摂取可能な組成物を提供する。いくつかの実施形態において、該摂取可能な組成物は、モンクフルーツ果汁、モンクフルーツ抽出物またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの関連する態様において、摂取可能な組成物は、食料品、飲料品または口腔ケア製品などの様々なフレーバー付与された製品であるかまたはその中に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘味化合物であって、前記甘味化合物は、式(I)
【化1】
の化合物またはその食用として許容される塩である、甘味化合物。
【請求項2】
前記甘味化合物が、式(I)の化合物である、請求項1記載の甘味化合物。
【請求項3】
摂取可能な組成物を甘くするための化合物の使用であって、前記化合物が、請求項1または2記載の甘味化合物である、使用。
【請求項4】
前記摂取可能な組成物に使用される前記甘味化合物の濃度が、0.1ppm~1000ppmの範囲である、請求項3記載の使用。
【請求項5】
前記摂取可能な組成物が、モンクフルーツ果汁、モンクフルーツ抽出物またはそれらのいずれかの組み合わせをさらに含む、請求項3または4記載の使用。
【請求項6】
前記摂取可能な組成物が、1つ以上の苦味呈味物質を含む、請求項3から5までのいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
請求項1または2記載の甘味化合物を含む、摂取可能な組成物。
【請求項8】
前記甘味化合物が、前記摂取可能な組成物中に0.1ppm~1000ppmの範囲の濃度で存在する、請求項7記載の摂取可能な組成物。
【請求項9】
請求項7または8記載の摂取可能な組成物を含む、フレーバー付与された製品。
【請求項10】
飲料品、食料品または口腔ケア製品である、請求項9記載のフレーバー付与された製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、総じて、特定のモグロシド化合物、および甘味料としての、または他の甘味料との併用時に甘味を増強するための該化合物の使用に関する。特定の態様において、本開示は、該モグロシド化合物を含む、摂取可能な組成物を提供する。いくつかの実施形態において、該摂取可能な組成物は、モンクフルーツ果汁、モンクフルーツ抽出物またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの関連する態様において、摂取可能な組成物は、食料品、飲料品または口腔ケア製品などの様々なフレーバー付与された製品であるかまたはその中に含まれる。
【0002】
関連技術の説明
味覚システムは、外界の化学組成に関する感覚情報を提供する。味覚の伝達は、動物における化学的トリガーによる感覚のより洗練された形態のひとつである。味覚のシグナル伝達は、単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物まで、動物界全体に見られる。哺乳類には、甘味、苦味、酸味、塩味、うま味の5つの基本的な味覚様式があると考えられている。
【0003】
甘味は、糖分を多く含む食品を食べたときに最もよく知覚する味である。哺乳類は総じて、過剰な場合を除き、甘味を快感として知覚する。スクロースやフルクトースなどの有カロリー甘味料は、甘味物質の典型例である。ノンカロリーや低カロリーの様々な代用品が存在するが、これらの有カロリー甘味料は依然として、可食性製品が消費時に甘味の知覚を誘発する主要な手段である。
【0004】
代謝異常および関連疾患、例えば肥満、糖尿病および心血管疾患は、世界中で公衆衛生上の大きな問題となっている。そしてその有病率は、ほとんどすべての先進国で憂慮すべき割合で増加している。有カロリー甘味料はこの傾向の主な原因であり、消費者がよりおいしく感じられるよう、様々な加工飲食料品に含まれている。多くの場合、スクロースやフルクトースの代わりにノンカロリーまたは低カロリーの代用品を食品や飲料に使用することができる。それでも、これらの化合物は有カロリー甘味料とは異なる甘味を付与するため、多くの消費者は、これらを適切な代替品として見なすことができない。さらに、このような化合物は、特定の製品に組み込むのが難しい場合がある。場合によっては、これらは有カロリー甘味料の部分的な代替品として使用されることもあるが、その存在だけで、多くの消費者は、渋味、苦味、金属味、カンゾウ味などの不快な異味を知覚することがある。このように、現在入手可能な低カロリー甘味料は、その採用において一定の課題に直面している。そのため、消費者により受け入れられ易いノンカロリーまたは低カロリーの甘味料の発見および開発が依然として必要とされている。
【0005】
概要
本開示は、
【化1】
の化学構造で表される特定のモグロシド化合物が、単独でまたは他の甘味料やフレーバー変調化合物と組み合わせて使用した際に、摂取可能な組成物に例えばすっきりとした自然な甘味を付与するなど、摂取可能な組成物に特定の有益な味覚特性を付与するという発見に関する。本明細書で使用される場合、この化合物を「MC1化合物」と称する。
【0006】
第1の態様において、本開示は、MC1化合物またはその食用として許容される塩である甘味化合物を提供する。
【0007】
第2の態様において、本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを変調するためまたは摂取可能な組成物に甘味を付与するなどのフレーバーを付与するための、第1の態様の甘味化合物の使用を提供する。本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを変調するまたは摂取可能な組成物に甘味を付与するなどのフレーバーを付与する関連する方法であって、該方法は、第1の態様の甘味化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、甘味化合物は、0.01ppm~1000ppmの範囲の濃度で、摂取可能な組成物中で使用されるかまたは摂取可能な組成物に導入される。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、モンクフルーツの抽出物の果汁を含む。
【0008】
第3の態様において、本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減するための、第1の態様の甘味化合物の使用を提供する。本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減する関連する方法であって、該方法は、摂取可能な組成物に第1の態様の甘味化合物を導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、そのようなカロリー低減は、スクロース、フルクトースまたはグルコースなどの有カロリー甘味料の使用の低減を可能にすることによって生じる。いくつかの実施形態において、甘味化合物は、0.01ppm~1000ppmの範囲の濃度で、摂取可能な組成物中で使用されるかまたは摂取可能な組成物に導入される。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、モンクフルーツの抽出物の果汁を含む。
【0009】
第4の態様において、本開示は、第1の態様の甘味化合物を含む摂取可能な組成物を提供する。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、0.01ppm~1000ppmの範囲の濃度の甘味化合物を含む。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、モンクフルーツの抽出物の果汁を含む。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、他の甘味料、フレーバー変調剤、口当たり増強剤などを含む。
【0010】
第5の態様において、本開示は、第3の態様の摂取可能な組成物を含むかまたはそれからなる、フレーバー付与された製品を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー付与された製品は、食料品、飲料品または口腔ケア製品である。
【0011】
さらなる態様およびその実施形態は、以下の詳細な説明、図面、要約および特許請求の範囲に記載されている。
【0012】
図面の簡単な説明
以下の図面は、本明細書に開示される組成物および方法の種々の実施形態を例示する目的で提供される。図面は、例示のみを目的として提供され、好ましい組成物または好ましい方法をすべて記載することを意図するものではなく、また特許請求される本発明の範囲に関する限定の根拠として機能することを何ら意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【0014】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、本明細書で提供される様々な態様および実施形態を説明している。この説明は、関連技術の当業者の観点から読まれるべきである。したがって、そのような当業者に周知の情報は、必ず含まれるとは限らない。
【0015】
定義
以下の用語および語句は、本明細書で別途示されていない限り、以下に示す意味を有する。本開示は、本明細書で明示的に定義されていない別の用語および語句を使用する場合がある。そのような他の用語および語句は、本開示の文脈内で当業者に対してそれらが持つ意味を有する。場合によっては、用語または語句は単数形または複数形で定義されることがある。そのような場合、そうではないとの明示的な指示がない限り、単数形の用語がその複数形の対応するものを含む場合があり、その逆の場合もあることが理解される。
【0016】
本明細書で使用される場合、「溶媒和物」とは、1つ以上の溶媒分子と本明細書に記載される1つ以上の化合物との相互作用によって形成される化合物を意味する。いくつかの実施形態において、溶媒和物は、水和物などの、食用として許容される溶媒和物である。
【0017】
本明細書で使用される場合、「ppm」とは、組成物の総重量に対するmg/kgの濃度を意味する。
【0018】
「甘味料」とは、被験者に検出可能な甘味を誘発する化合物またはその摂取が許容される塩を指し、例えば、イン・ビボまたはイン・ビトロでT1R2およびT1R3味覚受容体を活性化する化合物である。
【0019】
「苦味呈味物質」とは、被験者に検出可能な苦味を誘発する化合物またはその摂取が許容される塩を指し、例えば、イン・ビボまたはイン・ビトロで1つ以上のT2R味覚受容体を活性化する化合物である。
【0020】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないとの明示的な指示がない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「ある置換基(a substituent)」への言及は、単一の置換基だけでなく、2つ以上の置換基なども包含する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「例えば(for example、for instance)」、「など(such as)」、または「含む(including)」は、より一般的な主題をさらに明確にする例を紹介することを意図している。別段の明示的な指示がない限り、そのような例は、本開示に示される実施形態を理解するための補助としてのみ提供されており、いかなる形でも限定することを意図するものではない。また、これらの語句は、開示の実施形態に対するいかなる種類の選択も示さない。
【0022】
本明細書で使用される場合、「含む(compriseまたはcomprisesまたはcomprisingまたはcomprised of)」は、開放された集団を指す。これは、その集団が、明示的に列挙されたものに加えて追加の要素を含み得ることを意味する。例えば、「Aを含む」という語句は、Aが存在しなければならないが、他の要素も存在し得ることを意味する。「~を含む」、「~を有する」、「~から構成される」という用語およびそれらの文法上の変形形態は、同じ意味を有する。対照的に、「からなる(consist ofまたはconsists ofまたはconsisting of)」は閉じられた集団を指す。例えば、「Aからなる」という語句は、AおよびAのみが存在することを意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「任意に」とは、その後に記載される事象が生じても生じなくてもよいことを意味する。いくつかの実施形態において、任意の事象は生じない。別のいくつかの実施形態において、任意の事象は1回以上生じる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「または」は、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、いずれか/または構成に限定されるべきではない。したがって、「AまたはBを含む」という語句は、Aが存在することができ、かつBが存在することができないこと、またはBが存在し、かつAが存在しないこと、またはAとBの両方が存在することを意味する。さらに、例えばAが複数の要素、例えばA1およびA2を有することができる分類を定義する場合には、分類の1つ以上の要素が同時に存在することができる。
【0025】
化学構造は、多くの場合炭素原子が明示的に表されず炭素原子に結合している水素原子が完全に省略される「骨格」形式を使用して示される。例えば、構造
【化2】
はブタン(すなわちn-ブタン)を表す。さらに、ベンゼンなどの芳香族基は、寄与している共鳴構造の1つを示すことによって表される。例えば、構造
【化3】
はトルエンを表す。
【0026】
他の用語は、このサブセクションには含まれていないものの、本明細書の他の部分で定義される。
【0027】
モグロシド化合物
特定の態様において、本開示は、甘味化合物を提供し、前記甘味化合物は、下記式:
【化4】
の化合物またはその食用として許容される塩である。
【0028】
上記式の化合物はまた、本明細書において、(2S,3R,4S,5S,6R)-2-(((2R,3S,4R,5R,6R)-6-(((3S,9R,10R,11R,13R,14S,17R)-17-((2R,5R)-5-(((2S,3R,4S,5S,6R)-4,5-ジヒドロキシ-3-(((2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-((((2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-ヒドロキシ-6-メチルヘプタン-2-イル)-11-ヒドロキシ-4,4,9,13,14-ペンタメチル-2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)-4,5-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールまたは略称「MC1」で記述される。
【0029】
上記の構造に示されている糖部分は、閉じた環状形態で示されている。この構造には、示されている糖部分が開いた非環状形態である形態も含まれる。
【0030】
記載されている化合物には同位体が存在し得る。化合物構造で表される各化学元素には、前記元素の任意の同位体が含まれ得る。例えば、化合物構造において、水素原子が明示的に開示されているか、または化合物中に存在すると理解される場合がある。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、限定するものではないが水素-1(プロチウム)や水素-2(重水素)などの水素の任意の同位体であってよい。したがって、本明細書における化合物への言及は、文脈から明らかにそうでないとの指示がない限り、すべての潜在的な同位体形態を包含する。
【0031】
いくつかの実施形態において、MC1化合物は、アミノ基もしくはカルボキシル基またはこれらに類似した基の存在により、酸塩または塩基塩を形成することができる。食用として許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸により形成することができる。塩を誘導できる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。塩を誘導できる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。無機塩基および有機塩基を用いて、食用として許容される塩を形成することができる。塩を誘導できる無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む塩基が挙げられ;特に好ましいのは、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物を無機塩基で処理すると、化合物から不安定な水素が失われ、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+などの無機カチオンを含む塩の形態が得られる。塩を誘導できる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが挙げられ、特に、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、塩は、食料品や飲料品のような摂取可能な組成物中に含めるのに適した塩である、食用として許容される塩である。
【0032】
いくつかの実施形態において、甘味化合物は、遊離(塩でない)形態のMC1化合物である。他の実施形態において、甘味化合物は、MC1化合物の食用として許容される塩である。
【0033】
いくつかの実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、実質的に純粋な形態でまたは以下に規定されるような配合物のいずれかで、結晶性固体として存在する。結晶性固体は、任意の適切な多形形態を有することができ、例えば、多形スクリーニングの技術分野において一般的に使用される技術にしたがって、任意の適切な溶媒系における再結晶により得られる任意の多形形態が挙げられる。
【0034】
いくつかの他の実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、非晶質固体または半非晶質固体として存在し、これは規則的な結晶構造を欠いていることを意味する。このような固体は、噴霧乾燥などの標準的な技術を用いて生成することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、溶媒和物として存在し、これは、1つ以上の溶媒分子(水分子など)が結晶構造に取り込まれた化合物の擬似形態である。水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコールなどを含むが、これらに限定されない、任意の適切な溶媒または溶媒の組み合わせを使用することができる。いくつかの実施形態において、本開示は、MC1化合物の水和物を提供する。このような溶媒和物は、多形および溶媒和物スクリーニングの分野の熟練工によって典型的に使用される技術などの任意の適切な手段によって生成することができる。
【0036】
いくつかの他の実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、1つ以上の他の化合物、例えば1つ以上の他の甘味化合物との共結晶として存在する。MC1化合物またはその食用として許容される塩は、任意の適切な化合物と共結晶を形成することができる。このような適切な化合物の非限定的な例としては、フルクトース、グルコース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、アルロース、糖アルコール(エリスリトール、ソルビトール、キシリトールなど)、スクラロース、ステビオール配糖体(レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドMなど、天然ステビオシド化合物など)、他のモグロシド(モグロシドV、イソモグロシドV、シアメノシドI、イソモグロシドIIIE、シアメノシドIの1,6-α異性体など)、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、シクラメート、イヌリン、イソマルトおよびマルチトールが挙げられる。このような共結晶は、米国特許出願公開第2018/0363074号明細書に記載されているものなど、任意の適切な手段によって生成することができ、ここで、該文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
いくつかの実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、乾燥粒子の形態である。このような乾燥粒子は、乾式造粒、湿式造粒などの当技術分野における標準的な技術によって形成することができる。このような粒子はまた、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;デンプン、セルロース系材料、アルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;ゼラチン、グアーガム、アカシアなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルクなどの滑沢剤など、多数の賦形剤を含むことができる。典型的な食材などの、飲食料品に一般的に使用される他の賦形剤も含めることができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、液体溶液または液体懸濁液の形態である。そのような組成物はまた、以下のものを含み得る:カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガムおよびアカシアガム;分散剤または湿潤剤は、レシチンなどの天然に存在するリン脂質、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチルエネオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合物、例えばポリチレンソルビトールモノオレート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレートであってよい。このような組成物はまた、1つ以上の着色剤、1つ以上のフレーバリング剤などを含むことができる。このような液体懸濁液および溶液は、液体担体を有する。総じて、液体担体は、水を含む。いくつかのそのような場合には、液体組成物は、水中油型または油中水型エマルションなどのエマルションである。さらに、場合によっては、水は極性が高すぎて、MC1化合物を所望の濃度に溶解できないことがある。このような場合、MC1化合物の可溶化を促進するために、アルコール、グリコール、ポリオールなどの水混和性溶媒を溶媒に導入することが望ましいことがある。
【0039】
いくつかの実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、溶液の形態であり、すなわち液体担体内に溶媒和されている。いくつかの実施形態において、液体担体は、水性担体である。このような溶液は、任意の適切な濃度に希釈することができる。
【0040】
使用および方法
特定の態様において、本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを変調するためまたは摂取可能な組成物に甘味を付与する(すなわち、甘くする)などのフレーバーを付与するための、MC1化合物またはその食品として許容される塩の使用を提供する。本開示は、摂取可能な組成物のフレーバーを変調するまたは摂取可能な組成物に甘味を付与するなどのフレーバーを付与する関連の方法であって、該方法は、第1の態様の甘味化合物を摂取可能な組成物に導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、甘味化合物は、0.01ppm~1000ppmの範囲の濃度で、摂取可能な組成物中で使用されるかまたは摂取可能な組成物に導入される。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、モンクフルーツの抽出物の果汁を含む。
【0041】
特定の態様において、本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減するための、MC1化合物またはその食品として許容される塩の使用を提供する。本開示は、摂取可能な組成物のカロリー含有量を低減する関連する方法であって、該方法は、摂取可能な組成物に第1の態様の甘味化合物を導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、そのようなカロリー低減は、スクロース、フルクトースまたはグルコースなどの有カロリー甘味料の使用の低減を可能にすることによって生じる。いくつかの実施形態において、甘味化合物は、0.01ppm~1000ppmの範囲の濃度で、摂取可能な組成物中で使用されるかまたは摂取可能な組成物に導入される。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、モンクフルーツの抽出物の果汁を含む。
【0042】
前述の使用および方法は、摂取可能な組成物を含む。上記の摂取可能な組成物の特徴に加えて、摂取可能な組成物は、以下に規定される特徴の任意の特徴または特徴の組み合わせを組み込むことができる。
【0043】
摂取可能な組成物
特定の態様において、本開示は、上記の実施形態によるMC1化合物またはその食用として許容される塩を含む摂取可能な組成物を提供する。摂取可能な組成物に導入されるかまたは摂取可能な組成物中で使用される場合、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、0.01ppm~1000ppm、または0.01ppm~900ppm、または0.01ppm~800ppm、または0.01ppm~700ppm、または0.01ppm~600ppm、または0.1ppm~500ppm、または0.1ppm~400ppm、または0.1ppm~300ppm、または0.1ppm~200ppm、または1ppm~1000ppm、または1ppm~900ppm、または1ppm~800ppm、または1ppm~700ppm、または1ppm~600ppm、または1ppm~500ppm、または50ppm~300ppmの範囲の濃度で、摂取可能な組成物中で使用されるかまたは摂取可能な組成物に導入される。
【0044】
場合によっては、摂取可能な組成物は、MC1化合物の実質的に純粋で単離された組成物を表す。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、摂取可能な組成物であって、該組成物の総乾燥重量に対して少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも97重量%、または少なくとも99重量%のMC1化合物を含む摂取可能な組成物を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、1つ以上の苦味呈味物質を含む。いくつかの実施形態において、苦味呈味物質は、高強度甘味料、例えば、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、シクラメート、サッカリン、スクラロース、ステビオール配糖体(レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドM、レバウジオシドDまたはレバウジオシドEなど)、およびモグロシド(モグロシドIII、モグロシドIV、モグロシドV、シアメノシドI、イソモグロシドV、モグロシドIVE、イソモグロシドIV、モグロシドIIIE、11-オキソモグロシドV、またはシアメノシドIの1,6-α異性体)である。このように、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、このような低カロリーまたはゼロカロリー甘味料の使用によって付与される苦味または後味(例えば、カンゾウの後味)の余韻を相殺するために、低糖分または糖分ゼロの製品に好適に使用することができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、苦味呈味物質は、塩化カリウムなどのカリウム塩であり、これは、特定の低ナトリウムまたはゼロナトリウム食品において、塩化ナトリウムの部分的または完全な代替品としてしばしば使用される。したがって、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、カリウム塩によって付与される苦味を相殺するために、そのような製品に好適に使用することができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、苦味呈味物質は、植物性タンパク質、藻類タンパク質またはマイコプロテインなどの非動物性タンパク質である。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、植物性タンパク質を含む。植物性タンパク質の非限定的な例としては、エンドウマメタンパク質、大豆タンパク質、アーモンドタンパク質、カシューナッツタンパク質、キャノーラ(ナタネ)タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、ソラマメタンパク質、ヒマワリタンパク質、小麦タンパク質、オート麦タンパク質、大麦タンパク質、およびジャガイモタンパク質が挙げられる。このような非動物性タンパク質は、乳製品類似物や肉類類似物において、動物性タンパク質の部分的または完全な代替品として使用されることが多い。したがって、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、非動物性タンパク質によって付与される苦味を相殺するために、そのような製品に好適に使用することができる。このようなタンパク質の苦味を相殺することにより、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、消費者が経験する知覚されるシリアルノートやグリーンノートを低減することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、苦味呈味物質は、カフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール(ポリフェノール酸化防止剤など)、タンニン、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、メントールなどである。このような化合物は、茶やコーヒーなどの様々な天然の食料品、およびインスタント茶、インスタントコーヒー、加工飲料などの加工食料品に一般的に含まれている。このような苦味呈味物質が1つ以上存在する場合、このような化合物の苦味を相殺し、消費者に知覚される製品の味を改善するために、MC1化合物またはその食用として許容される塩を好適に使用することができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、苦味呈味物質は、医薬化合物である。苦味を有する医薬化合物の非限定的な例としては、アトロピン、ブリンゾラミド、クロラムフェニコール、クロロキン、クリンダマイシン、デキサメタゾン、ジゴキシン、ジルチアゼム、ジフェンヒドラミン、ドクサート、ドルゾラミド、ドキセピン、ドキシラミン、エナラプリル、エリスロマイシン、エソメプラゾール、ファモチジン、ガバペンチン、ギンコライドA、グアイフェネシン、L-ヒスチジン、ロメフロキサシン、メチルプレドニゾロン、オフロキサシン、オレウロペイン、オキシフェノニウム、ピレンゼピン、プレドニゾン、ラニチジン、トラピジル、トリメトプリムおよびセチリジンが挙げられる。このような医薬化合物が経口医薬配合物において1つ以上使用される場合、このような化合物の苦味を相殺し、消費者に知覚される医薬品の味を改善するために、MC1化合物またはその食用として許容される塩を好適に使用することができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、苦味呈味物質は、口腔ケア成分である。多くの口腔ケア成分は、苦い異味を与え、これは、消費者の製品受容性を向上させるためにマスクまたは遮断されなければならない。このような口腔ケア成分の非限定的な例としては、メントール、メントール類似体、ミント抽出物、炭酸水素ナトリウム、ペルオキシ一硫酸のアルカリ金属塩(ペルオキシ一硫酸カリウム)、塩化セチルピリジニウム、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、アルギニン、過酸化水素、グルコン酸クロルヘキシジン、硝酸カリウム、三リン酸五ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、フッ化スズ、チモール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、チモール、クベボール、およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。このような口腔ケア化合物が口腔ケア製品において1つ以上使用される場合、このような化合物の苦味を相殺し、消費者に知覚される口腔ケア製品の味を改善するために、MC1化合物またはその食用として許容される塩を好適に使用することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、苦味呈味物質は、リモニン、ノメリンまたはナリンギンなどの柑橘類において認められる苦味剤である。多くの柑橘類含有調製物は、苦い異味を与え、これは、消費者の製品受容性を向上させるためにマスクまたは遮断されなければならない。この苦い異味は、場合によっては、柑橘類が完熟する前に緑色に変色する柑橘類緑化病に起因することもある。このような柑橘類の苦味剤が製品中に1つ以上存在する場合、このような化合物の苦味を相殺し、消費者に知覚される柑橘類品の味を改善するために、MC1化合物またはその食用として許容される塩を好適に使用することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、モンクフルーツの果汁または抽出物を含む。「モンクフルーツ」という用語は、「羅漢果」または「LHG」とも呼ばれる植物シライティア・グロスヴェノリイ(Siraitia grosvenorii)の果実を指す。「モンクフルーツ果汁」とは、果実を破砕し、その繊維質の少なくとも一部を除去して得られる組成物を指す。「モンクフルーツ抽出物」という用語は、モンクフルーツ果汁を、組成物中のモグロシドVなどのモグロシド化合物の濃度を果汁中のその濃度に比べて高めるのに適した処理に供して得られる組成物を指す。このようなモグロシド果汁および抽出物は、任意の適切な手段によって脱色に供することができる。モンクフルーツ果汁またはモンクフルーツ抽出物を含む実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、モグロシドVに対して任意の適切な比率で存在することができる。例えば、いくつかのそのような実施形態において、摂取可能な組成物は、1:100~100:1、または1:50~50:1、または1:25~25:1、または1:10~10:1、または1:5~5:1、または1:3~3:1、または1:2~2:1の範囲の量のモグロシドVに対する重量比で、MC1化合物またはその食用として許容される塩を含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、他の甘味料または他の甘味料の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、他の甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコースなどの一般的なサッカリド甘味料、ならびにコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)または天然の果物系原料および野菜系原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物などの天然糖を含む甘味料組成物である。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトースまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロースである。いくつかの他の実施形態において、甘味料は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノースおよびD-ロイクロースを含む希少天然糖から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリンなどの半合成「糖アルコール」甘味料から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラメート、スクラロースおよびアリテームなどの人工甘味料から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、アルロース、ネオテームおよび他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水添グルコースシロップ(HGS)、水添デンプン加水分解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA、他の甘いステビアベースの配糖体、化学修飾ステビオール配糖体(グルコシル化ステビオール配糖体など)、モグロシド、化学修飾モグロシド(グルコシル化モグロシドなど)、カレラメおよび他のグアニジンベースの甘味料からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、本項に記載の甘味料の2つ以上の組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料は、本明細書に開示される2、3、4、または5つの甘味料の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、糖であってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、1つ以上の糖と他の天然甘味料および人工甘味料との組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、糖である。いくつかの実施形態において、糖は、サトウキビ糖である。いくつかの実施形態において、糖は、甜菜糖である。いくつかの実施形態において、糖は、スクロース、フルクトース、グルコースまたはそれらの組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、糖は、スクロースであってよい。いくつかの実施形態において、糖は、フルクトースとグルコースとの組み合わせであってよい。
【0054】
他の甘味料には、例えば、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、高マルトースコーンシロップ、グルコースシロップ、スクラロースシロップ、水添グルコースシロップ(HGS)、水添デンプン加水分解物(HSH)、または天然の果物系原料および野菜系原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物、またはポリオールなどの半合成「糖アルコール」甘味料のような、1つ以上の天然または合成の炭水化物を含有する甘味料組成物も含まれ得る。いくつかの実施形態におけるポリオールの非限定的な例としては、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、イソマルツロース、マルトデキストリンなど、および糖アルコール、または味に悪影響を及ぼさない還元可能な任意の他の炭水化物もしくはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0055】
他の甘味料は、限定するものではないが、アガベイヌリン、アガベネクター、アガベシロップ、アマザケ、ブラゼイン、玄米シロップ、ココナッツ結晶、ココナッツ糖、ココナッツシロップ、デーツ糖、フルクタン(イヌリン繊維、フルクトオリゴ糖またはオリゴフルクトースとも呼ばれる)、グリーンステビア粉末、ステビアレバウジアナ、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドM、およびその他の甘いステビアベースの配糖体、ステビオシド、ステビオシド抽出物、ハチミツ、キクイモシロップ、カンゾウの根、ラカンカ(果実、粉末または抽出物)、ルクマ(果実、粉末または抽出物)、カエデの樹液(例えばサトウカエデ(Acer saccharum)、クロカエデ(Acer nigrum)、アメリカハナノキ(Acer rubrum)、ギンヨウカエデ(Acer saccharinum)、ノルウェーカエデ(Acer platanoides)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、オオキレハカエデ(Acer grandidentatum)、ロッキーマウンテンメープル(Acer glabrum)、イタヤカエデ(Acer mono)から抽出された樹液など)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミの樹液(例えばバタグルミ(Juglans cinerea)、クロクルミ(Juglans nigra)、オニグルミ(Juglans ailatifolia)、ペルシャグルミ(Juglans regia)から抽出された樹液など)、シラカバの樹液(例えばアメリカシラカバ(Betula papyrifera)、キハダカンバ(Betula alleghaniensis)、スウィートビーチ(Betula lenta)、リバーバーチ(Betula nigra)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、ヨーロッパシラカンバ(Betula pendula)から抽出された樹液など)、シカモアの樹液(例えばアメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)から抽出された樹液など)、アイアンウッドの樹液(例えばアメリカアサダ(Ostrya virginiana)から抽出された樹液など)、マスコバド、モラセス(例えばブラックストラップモラセスなど)、モラセス糖、モナチン、モネリン、サトウキビ糖(天然糖、未精製サトウキビ糖またはスクロースとも呼ばれる)、パーム糖、パノチャ、ピロンチーロ、ラパドゥラ、粗糖、ライスシロップ、ソルガム、ソルガムシロップ、キャッサバシロップ(タピオカシロップとも呼ばれる)、ソーマチン、ヤーコンの根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉末、ビーツ糖、サトウキビ糖、結晶性果汁結晶、カラメル、カルビトール、イナゴマメシロップ、上白糖、水添デンプン加水分解物、加水分解缶ジュース、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アロープ、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムKまたはace-Kとも呼ばれる)、アリテーム(アクラメとも呼ばれる)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナデーム(bernadame)、キャンデレル、カレラメ、および他のグアニジンベースの甘味料、植物繊維、コーンシュガー、カップリングシュガー、クルクリン、シクラメート、シクロカリオシドI、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化モルト、ズルチン、スクロール、バルジン、ズルコシドA、ズルコシドB、エムリン、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルコロン酸、グリセロール、グリシン、グリシフィリン、グリシルリチン、グリシルレチン酸モノグルクロニド、ゴールデンシュガー、イエローシュガー、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンドゥルシン、異性化液糖、ジャラブ、チコリルート食物繊維、キヌレニン誘導体(N’-ホルミル-キヌレニン、N’-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンなど)、ガラクチトール、リテッセ、リジカン(ligicane)、リカシン、ラグドゥネーム、グアニジン、ファレルナム、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、マルチソルブ、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えばモグロシドIV、モグロシドV、およびネオモグロシドなど)、ムクロジオシド、ナノシュガー、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ、オルゲートシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペトフィラム(petphyllum)、フェニルアラニン、フロミソシド(phlomisoside)I、フロロジジン(phlorodizin)、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、レビアナ、リファイナーシロップ、ラブシロップ、ルブソシド、セリグエアインA、シュグル(shugr)、シアメノシドI、ラカンカ(siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、スプレンダ、SRIオキシムV、ステビオール配糖体、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2、および4、スクロン酸、スクロノネート、糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖、トレイトール、糖蜜、トリロブタイン(trilobtain)、トリプトファンおよび誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラシュガー、ボレミトール、バーチシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、アスグリンならびにこれらのいずれかの2つ以上の組み合わせまたはブレンドを含む天然または合成の甘味料であってよい。
【0056】
他の甘味料には、前述した任意の甘味料のいずれか2つ以上の組み合わせも含まれる。いくつかの実施形態において、甘味料は、2、3、4または5つの本明細書に開示の甘味料の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、甘味料は、糖であってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、1つ以上の糖と他の天然および人工の甘味料との組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、キシリトール、エリスリトールまたはそれらの組み合わせなどの有カロリー甘味料である。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、ステビオール配糖体、グルコシル化ステビオール配糖体またはレバウジオシドなどのステビア由来の甘味料を含まないか、(またはいくつかの実施形態では)実質的に含まない。
【0057】
いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコースまたはそれらのいずれかの組み合わせである。いくつかの他の実施形態において、甘味料は、レバウジオシドA、レバウジオシドMなどのステビオール配糖体である。
【0058】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、有機酸などの酸味呈味物質を含む。このような有機酸の非限定的な例としては、酢酸、マロン酸、クエン酸、乳酸などが挙げられる。
【0059】
特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲食料品で総じて使用されている任意の追加の成分または成分の組み合わせを含むことができ、限定するものではないが、以下:
例えばクエン酸、リン酸、アスコルビン酸、硫酸ナトリウム、乳酸、または酒石酸などの酸;
例えばカフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、塩化カリウム、メントール、またはタンパク質(植物、藻類、または真菌に由来するタンパク質およびタンパク質単離物など)などの苦味成分;
例えばカラメル色、赤色#40、黄色#5、黄色#6、青色#1、赤色#3、ムラサキニンジン、クロニンジン果汁、ムラサキサツマイモ、野菜汁、果汁、ベータカロテン、ターメリッククルクミン、または二酸化チタンなどの着色剤;
例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、または安息香酸などの防腐剤;
例えばアスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、アルファトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、レスベラトロール、またはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの酸化防止剤;
例えばレスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン)、ファイバーゾル、イヌリン(チコリルート)、タウリン、オタネニンジン抽出物、グアナナ抽出物、ジンジャー抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルコロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア、イチョウ、イェルバ・マテ、亜麻仁油、ガルシニアカンボジア外皮抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ抽出物、ブドウ種子抽出物、ピリドキシンHCl(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸第二銅、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、チアミン一硝酸塩、ビタミンD3、パルミチン酸ビタミンA、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、または硫酸亜鉛などのビタミンまたは機能性成分;
例えばエステルガン(ester gun)、臭素化植物油(BVO)、またはイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)などの混濁剤;
例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、または塩などの緩衝液;
例えばプロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアガム(アカシアガム)、マルトデキストリン、変性コーンスターチ、デキストロース、天然フレーバー、他の天然フレーバーを含む天然フレーバー(天然フレーバーWONF)、天然および人工のフレーバー、人工フレーバー、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、またはリン酸三カルシウムなどのフレーバー;または
例えばペクチン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼインナトリウム、変性食品デンプン、アラビアガム(アカシアガム)、イヌリン、またはカラギーナンなどのデンプンおよび安定剤
を含むことができる。
【0060】
摂取可能な組成物は、任意の適切なpHを有することができる。いくつかの実施形態において、MC1化合物またはその食用として許容される塩は、広範囲のpHで、例えば低いpHから中性のpHまでにおいて甘味料の甘味を増強する。低いおよび中性のpHには、限定するものではないが、1.5~9.0、または2.5~8.5、3.0~8.0、3.5~7.5、および4.0~7のpHが含まれる。特定の実施形態において、本明細書に開示され記載される化合物は、個別にまたは組み合わせで、低いpH値から中性のpH値の両方で、50μM、40μM、30μM、20μMまたは10μMの化合物濃度における味覚試験で、固定濃度の甘味料の知覚される甘味を増強することができる。特定の実施形態において、本明細書に開示および記載される化合物の、個別でのまたは組み合わせでの低いpHにおける増強因子は、中性のpHにおける化合物の増強因子と実質的に同様である。広範囲のpHでのそのような一貫した甘味増強特性のため、本明細書に開示および記載される化合物を、多様な飲食料品において個別にまたは組み合わせて広範に使用することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、フレーバー剤を含む。任意の適切なフレーバー剤を使用することができる。いくつかの実施形態において、フレーバー剤は、植物、葉、花、果実などに由来する合成フレーバー油およびフレーバー芳香剤もしくは油、オレオレジンおよび抽出物、またはそれらの組み合わせを含む。フレーバー油の非限定的な例としては、スペアミント油、シナモン油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ハッカ油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、シダーリーフ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メース、ビターアーモンド油、カシア油などが挙げられる。その他のフレーバーの非限定的な例としては、バニラなどの天然および合成果実フレーバー、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ヤズ、スダチなどの柑橘系油、リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、ストロベリー、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、スイカ、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、梅、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどの果実抽出物が挙げられる。その他の可能なフレーバーとしては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、ヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバーなどの茶やコーヒーのフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、ハッカフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、ペッパーフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、シソフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、ホースラディッシュフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ローリエフレーバー、ワサビフレーバーなどのスパイシーフレーバー;ワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、リキュールフレーバーなどのアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、トマトフレーバーなどの野菜フレーバーが挙げられる。これらのフレーバリング剤は、液体または固体の形態で使用することができ、単独でまたは混合して使用することができる。乳製品または乳製品類似製品の文脈において、最も一般的に使用されるフレーバー剤は、バニラ、フレンチバニラ、チョコレート、バナナ、レモン、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、アーモンド、ストロベリー、モカ、コーヒー、紅茶、チャイ、シナモン、キャラメル、クリーム、ブラウンシュガー、トフィー、ピーカン、バターピーカン、トフィー、アイリッシュクリーム、ホワイトチョコレート、ラズベリー、パンプキンパイスパイス、ペパーミントまたはそれらのいずれかの組み合わせなどのフレーバーを付与する薬剤である。
【0062】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、バニリンまたはバニリン類似体を含み、これらはフレーバー剤にバニラフレーバーを付与する。いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、組成物にクリーミーなフレーバーを付与する1つ以上のラクトンを含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、酵母溶解物などの酵母抽出物を含む。このような抽出物は、任意の適切な酵母株から得ることができ、ここで、このような抽出物は、ヒトの飲食に適している。このような酵母の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)またはサッカロミセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)などのサッカロミケス(Saccharomyces)属酵母;カンジダ・ユチリス(Candida utilis)などのカンジダ(Candida)属酵母;クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)またはクルイベロマイセス・マルシアナス(Kluyveromyces marxianus)などのクルイベロマイセス(Kluyveromyces)属酵母;ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などのピキア(Pichia)属酵母;デバリオミセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)などのデバリオミセス(Debaryomyces)属酵母;およびチゴサッカロミセス・メーリス(Zygosaccharomyces mellis)などのチゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属酵母が挙げられる。いくつかの実施形態において、酵母は、ビール、日本酒などの醸造後に採取された酵母である。いくつかの実施形態において、酵母は、採取後に乾燥処理を施された酵母(乾燥酵母)である。
【0064】
このような抽出物は、任意の適切な手段によって製造することができる。総じて、酵母抽出物または溶解物は、酵母細胞の内容物を細胞壁物質から抽出することにより製造される。多くの場合、細胞中の消化酵素(または組成物に添加される追加の酵素)は、酵母中のタンパク質およびポリヌクレオチドをアミノ酸、オリゴペプチド(例えば、2~10ペプチド)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド(2~10ヌクレオチド)およびそれらの混合物に分解する。酵母溶解物は、酵母を溶解することによって製造することができる。例えば、いくつかの実施形態において、培養後の酵母を、酵素分解法、自己消化法、アルカリ抽出法、熱水抽出法、酸分解法、超音波破砕法、ホモジナイザーによる破砕法、凍結融解法など(これらの2つ以上を併用してもよい)によって破砕または溶解させ、酵母溶解物を得る。酵母は、常法により培養することができる。いくつかの実施形態において、培養後の酵母を熱処理し、次いで溶菌酵素で処理して酵素溶解物を得る。熱処理の条件は、例えば80℃~90℃で5分~30分間である。酵素分解法に用いる溶菌酵素としては、酵母の細胞壁を溶菌できるものであれば、種々の酵素を用いることができる。反応条件は、使用する溶菌酵素に最適または適するように設定すればよく、その具体例としては、温度50℃~60℃、pH7.0~8.0を挙げることができる。反応時間も特に限定されず、例えば3時間~5時間とすることができる。
【0065】
酵母溶解物を含む組成物は、様々な市販の供給源から得ることができる。例えば、いくつかの実施形態において、酵母溶解物は、MODUMAX(DSM Food Specialties BV、オランダ、デルフト)の名称で販売されているフレーバリング添加剤によって提供される。
【0066】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、甘味増強剤を含む。本明細書に開示される摂取可能な組成物には、合成甘味増強剤、天然甘味増強剤またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、任意の適切な甘味増強剤を使用することができる。
【0067】
適切な合成甘味増強剤の例としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドもしくはその食用として許容される塩のいずれか、3-ヒドロキシ安息香酸、または米国特許第8,541,421号明細書;同第8,815,956号明細書;同第9,834,544号明細書;同第8,592,592号明細書;同第8,877,922号明細書;同第9,000,054号明細書;および同第9,000,051号明細書、ならびに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている任意の化合物。
【0068】
天然甘味増強剤の適切な例としては、限定するものではないが、ヘスペレチンジヒドロカルコン、ヘスペレチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペレチンジヒドロカルコン、ブラゼイン、ヘスペリジン、フィロドゥルシン、ナリンゲニン、ナリンジン、フロレチン、グルコシル化ステビオール配糖体、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、タウマチン、モネリン、ミラクリン、グリチルリチンおよびその食品として許容される塩(モノアンモニウム塩など)、ナリンジンジヒドロカルコン、ミリセチン、ノビレチン、ポリメトキシフラボン、混合型メトキシおよびヒドロキシフラボン、ケルセチン、特定のアミノ酸などが挙げられる。本明細書で使用される場合、「グルコシル化ステビオール配糖体」という用語は、天然のステビオール配糖体化合物を酵素的にグルコシル化した生成物を指す。グルコシル化は総じて、α-1,2結合、α-1,4結合、α-1.6結合、β-1,2結合、β-1,4結合、β-1,6結合などの配糖体結合により起こる。
【0069】
先行する実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピルプロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]-チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドまたはその食用として許容される塩を含む。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドまたはその食用として許容される塩を含む。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドを含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、1つ以上のうま味増強化合物を含む。このようなうま味増強化合物としては、限定するものではないが、天然由来の化合物または合成化合物、例えば米国特許第8,735,081号明細書;同第8,124,121号明細書;および同第8,968,708号明細書に記載の任意の化合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、うま味増強化合物は、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデク-16-エン、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデカ-16-イン、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態において、うま味増強化合物は、(3R,5S)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)デカン-3,5-ジオールジアセテートである。いくつかの実施形態において、うま味増強化合物は、N-(ヘプタン-4-イル)ベンゾ-[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドである。
【0071】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、1つ以上の清涼化作用増強化合物を含む。このような清涼化作用増強化合物としては、限定するものではないが、天然由来の化合物、例えば、メントールもしくはその類似体、または合成化合物、例えば、米国特許第9,394,287号明細書および同第10,421,727号明細書に記載の化合物が挙げられる。非限定的な例としては、N-エチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チアゾール-5-イルメチル)-アセトアミド、2-((5-メトキシベンゾフラン-2-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、(E/Z)-2-メチル-2-ブテナール、(E/Z)-2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセナール、フロレチン、ナリンゲニン、およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0072】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、1つ以上の苦味遮断または苦味マスキング化合物を含む。このような苦味遮断化合物または苦味マスキング化合物としては、限定するものではないが、天然由来の化合物または合成化合物、例えば、米国特許第8,076,491号明細書;同第8,445,692号明細書;および同第9,247,759号明細書に記載の化合物が挙げられる。非限定的な例としては、3-(1-((3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシベンジル)-イミダゾリジン-2,4-ジオン、4-(2,2,3-トリメチルシクロペンチル)酪酸、3β-ヒドロキシジヒドロコスツノリド、3β-ヒドロキシペレノリド、プロベネシド、サクラネチン、6-メトキシサクラネチン、ジャセオシジン、4’-フルオロ-6-メトキシフラボノン、6,3’-ジメトキシフラボノン、6-メトキシフラボノン、γ-アミノ酪酸、Nα,Nα-ビス(カルボメチル)-L-リジン、(+/-)アブシジン酸、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸一ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホモエリオジクチオール、ステルビン、エリオジクチオール、2,4,ジヒドロ安息香酸、ネオジオスミン、1-カルボキシメチル-5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチルピリジニウム、フラバン-3-スピロ-C-グリコシド、ポリ-γ-グルタミン酸、α,α-トレハロース、タウリン、(2)-ジンジャージオン、2,4,-ジヒドロキシ安息香酸、L-テアニン、エンテロジオール、ラリシレシノール、エンテロラクトン、マタイレシノール、およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0073】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、酸味の1つ以上の味覚修飾化合物を含む。
【0074】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、1つ以上の口当たり改変化合物を含む。このような口当たり改変化合物としては、限定するものではないが、タンニン、セルロース系材料、竹粉などが挙げられる。
【0075】
いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、1つ以上のフレーバーマスキング化合物を含む。このようなフレーバーマスキング化合物としては、限定するものではないが、セルロース系材料、菌類から抽出された材料、植物から抽出された材料、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)などが挙げられる。
【0076】
フレーバー付与された製品
特定の態様において、本開示は、先行する態様のいずれかの摂取可能な組成物を含むフレーバー付与された製品を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー付与された製品は、ソーダ、フレーバー水、茶などの飲料品である。いくつかの他の実施形態において、フレーバー付与された製品は、ヨーグルトなどの食品である。いくつかの実施形態において、フレーバー付与された製品は、歯磨き粉、マウスウォッシュ、歯磨剤、ホワイトニング剤などの口腔ケア製品である。
【0077】
フレーバー付与された製品が飲料である実施形態において、飲料は、強化スパークリング飲料、コーラ、レモンライムフレーバースパークリング飲料、オレンジフレーバースパークリング飲料、グレープフレーバースパークリング飲料、ストロベリーフレーバースパークリング飲料、パイナップルフレーバースパークリング飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツフレーバージュース、果汁飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバージュース、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化ウォーター飲料、ビタミン強化水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、茶タイプの飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含む飲料、穀物抽出物を含む飲料、およびスムージーからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、飲料は、ソフトドリンクであってよい。
【0078】
フレーバー付与された製品に関する本明細書に記載のいずれかの態様および実施形態の特定の実施形態において、フレーバー付与された製品は、加工飲食料品などの天然に存在しない製品である。
【0079】
飲食料品または配合物のさらなる非限定的な例としては、スープのカテゴリー、乾燥加工食品のカテゴリー、飲料のカテゴリー、レディミールのカテゴリー、缶詰または保存食品のカテゴリー、冷凍加工食品のカテゴリー、冷蔵加工食品のカテゴリー、スナック食品のカテゴリー、焼き菓子のカテゴリー、菓子のカテゴリー、乳製品のカテゴリー、アイスクリームのカテゴリー、食事代替品のカテゴリー、パスタおよび麺のカテゴリー、ソース、ドレッシング、調味料のカテゴリー、ベビーフードのカテゴリー、ならびに/またはスプレッドのカテゴリーに含まれるそのような製品または任意のもののための、甘いコーティング、フロスティング、またはグレーズが挙げられる。
【0080】
総じて、スープのカテゴリーは、缶詰/保存、脱水、インスタント、冷蔵、UHT、および冷凍のスープを指す。この定義の目的のためには、スープとは、肉、家禽、魚、野菜、穀物、果物、およびその他の原料から調製され、これらの原料の一部またはすべての目に見える一部を含み得る液体の調理された食品を意味する。これは、透明な(ブロスとして)ものであっても濃い(チャウダーとして)ものであってもよく、滑らかであっても、ピューレ状であっても、具入りのものであってもよく、そのまま飲める状態のものであっても、半濃縮状であっても、濃縮状のものであってもよく、また食事の最初の一品としてもしくはメインの一品として、または食事の合間の軽食(飲料のようにすする)として、熱い状態でもしくは冷たい状態で供することができる。スープは、他の食事構成要素を準備するための成分として使用することができ、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)まで様々であってよい。
【0081】
脱水食品および料理用食品のカテゴリーは、通常、以下のものを意味する:(i)プレスキューブ、タブレット、粉末、または顆粒形態の濃縮ブイヨン、ブイヨン、およびブイヨン様製品を含む粉末、顆粒、ペースト、濃縮液体製品などの調理補助製品、これらは完成品として、または製品、ソース、およびレシピミックス(技術を問わず)内の成分として、個別に販売される;(ii)脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水調理済スープ、既製料理の脱水または常温調理品を含む脱水および凍結乾燥スープ、ならびにパスタ、ジャガイモ、および米料理を含む食事および一人前の食事などのミールソリューション製品;ならびに(iii)脱水、液体、または冷凍を問わず、完成品または製品中の成分として販売されている、調味料、マリネ、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン粉、バッターミックス、常温保存可能なスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、サラダ用のレシピミックスを含むソースまたはソースミックスなどの食事装飾製品。
【0082】
飲料のカテゴリーは、通常、限定するものではないが、炭酸飲料および非炭酸飲料、アルコール飲料および非アルコール飲料、そのまま飲める状態の飲料、ソーダなどの飲料を調製するための液体濃縮配合物、および乾燥粉末飲料前駆体ミックスを含む飲料、飲料ミックス、および濃縮物を意味する。飲料カテゴリーには、アルコール飲料、ソフトドリンク、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、およびホットドリンクも含まれる。アルコール飲料としては、限定するものではないが、ビール、サイダー/ペリー、FAB、ワイン、およびスピリッツが挙げられる。ソフトドリンクとしては、限定するものではないが、コーラやコーラではない炭酸飲料などの炭酸飲料;果汁、ネクター、果汁飲料、およびフルーツフレーバー飲料などのフルーツジュース;スパークリングウォーター、スプリングウォーター、および精製/テーブルウォーターなどのボトル入りの水;炭酸入りであっても無炭酸であってもよい、スポーツ飲料、エネルギー飲料、またはエリキシル飲料などの機能性飲料;そのまま飲める程度の液体濃縮物および粉末濃縮物などの濃縮物;が挙げられる。ホットまたはコールドのドリンクとしては、限定するものではないが、フレッシュコーヒー、インスタントコーヒー、および混合コーヒーなどのコーヒーまたはアイスコーヒー;紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶、およびフレーバーティーなどの茶またはアイスティー;ならびに牛乳または水と混合されたフレーバー、モルト、または植物ベースの粉末、顆粒、ブロック、またはタブレットなどのその他の飲料が挙げられる。
【0083】
スナック食品のカテゴリーは、総じて、限定するものではないが、甘いおよび塩味のきいたスナックやスナックバーなどの、軽い正式ではない食事であってよいあらゆる食品を指す。スナック食品の例としては、限定するものではないが、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、およびその他の甘いおよび塩味のきいたスナックが挙げられる。スナックバーの例としては、限定するものではないが、グラノーラ/ミューズリーバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、およびその他のスナックバーが挙げられる。
【0084】
焼き菓子のカテゴリーは、総じて、熱または過度の日光への暴露を伴う製造プロセスのあらゆる食用の製品を指す。焼き菓子の例としては、限定するものではないが、パン、ロールパン、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、任意の焼き菓子、およびそれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0085】
アイスクリームのカテゴリーは、総じて、クリームと砂糖とフレーバーとを含む冷菓を指す。アイスクリームの例としては、限定するものではないが、店頭消費用アイスクリーム;持ち帰り用アリスクリーム;フローズンヨーグルトおよび専門店のアイスクリーム;大豆、オーツ麦、豆(例えば小豆および緑豆)、ならびに米をベースとしたアイスクリームが挙げられる。
【0086】
菓子のカテゴリーは、総じて、甘い味の食用の製品を指す。菓子の例としては、限定するものではないが、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子、砂糖菓子、ガムなど、およびいずれかの組み合わせの製品が挙げられる。
【0087】
食事代替品のカテゴリーは、総じて、特に健康やフィットネスに懸念がある人々のための、通常の食事を置き換えることを目的とした任意の食品を指す。食事代替品の例としては、限定するものではないが、痩身製品や回復期製品が挙げられる。
【0088】
レディミールのカテゴリーは、総じて大がかりな準備や処理なしで食事として提供できる任意の食品を指す。レディミールは、メーカーがレシピの「スキル」を加えた製品を含んでいることから、迅速性、完成度、および利便性が高い。レディミールの例としては、限定するものではないが、缶詰/保存、冷凍、乾燥、冷蔵のレディミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;冷蔵ピザ;および調理済サラダが挙げられる。
【0089】
パスタおよび麺のカテゴリーには、限定するものではないが、缶詰、乾燥、および冷蔵/生パスタ;ならびにプレーン、インスタント、冷蔵、冷凍、および軽食用の麺などの任意のパスタおよび/または麺が含まれる。
【0090】
缶詰/保存食品のカテゴリーには、限定するものではないが、缶詰/保存食肉および肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、豆、果物、レディミール、スープ、パスタ、およびその他の缶詰/保存食品が含まれる。
【0091】
冷凍加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、冷凍処理済赤肉、処理済家禽、処理済魚/シーフード、処理済野菜、肉代用品、処理済ジャガイモ、ベーカリー製品、デザート、レディミール、ピザ、スープ、麺、およびその他の冷凍食品が含まれる。
【0092】
乾燥加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、米、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、およびインスタント麺が含まれる。冷蔵加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、冷蔵処理済肉、処理済魚/シーフード製品、ランチキット、新鮮なカットフルーツ、レディミール、ピザ、調理済サラダ、スープ、生パスタ、および麺が含まれる。
【0093】
ソース、ドレッシング、および調味料のカテゴリーには、限定するものではないが、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ハーブおよびスパイス、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、テーブルソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェット/クッキングソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、ならびにその他のソース、ドレッシング、および調味料が含まれる。
【0094】
ベビーフードのカテゴリーには、限定するものではないが、牛乳ベースまたは大豆ベースの調合乳;ならびに調理済、乾燥、およびその他のベビーフードが含まれる。
【0095】
スプレッドのカテゴリーには、限定するものではないが、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドが含まれる。
【0096】
乳製品のカテゴリーは、総じて、哺乳類の乳から製造された食用の製品を指す。乳製品の例には、限定するものではないが、飲用乳製品、チーズ、ヨーグルト、およびサワーミルク飲料、ならびにその他の乳製品が含まれる。
【0097】
フレーバー付与された製品、特に飲食料品または配合物の追加の例を以下に示す。例示的な摂取可能な組成物としては、1つ以上の菓子、チョコレート菓子、タブレット、カウントライン、袋入りセルフライン/ソフトライン、箱入りの詰め合わせ、標準箱入りの詰め合わせ、ひねり包装のミニチュア、季節物のチョコレート、玩具付きチョコレート、アルフォーレス、その他のチョコレート菓子、ミント、標準的なミント、強力ミント、ハードキャンディー、トローチ、ガム、ゼリーおよびチューイング菓子、トフィー、キャラメルおよびヌガー、薬用菓子、ロリポップ、リコリス、その他の砂糖菓子、パン、袋詰めされた/工業的に生産されたパン、袋詰めされていない/専門店のパン、菓子パン、ケーキ、袋詰めされた/工業的に生産されたケーキ、袋詰めされていない/専門店のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングされたビスケット、サンドウィッチビスケット、フィリング入りビスケット、セイボリービスケットおよびクラッカー、パンの代用品、朝食用シリアル、rteシリアル、家庭の朝食用シリアル、フレーク、ミューズリー、他のシリアル、子供の朝食用シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、店頭消費用アイスクリーム、個包装の乳製品アイスクリーム、個包装の氷菓、マルチパックの乳製品アイスクリーム、マルチパックの氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、専門店のアイスクリーム、乳製品、牛乳、生/低温殺菌牛乳、生/低温殺菌全脂肪乳、生/低温殺菌半脱脂乳、ロングライフ/uht乳、ロングライフ/uht全脂肪乳、ロングライフ/uht半脱脂乳、ロングライフ/uht無脂肪乳、山羊乳、コンデンスミルク/エバミルク、プレーンなコンデンスミルク/エバミルク、フレーバー付与された、機能性の、および他のコンデンスミルク、フレーバー付与された乳飲料、乳製品のみのフレーバー付与された乳飲料、果汁入りのフレーバー付与された乳飲料、豆乳、サワーミルク飲料、発酵乳飲料、コーヒーホワイトナー、粉ミルク、フレーバー付与された粉状乳飲料、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、塗り広げ可能なプロセスチーズ、塗り広げられないプロセスチーズ、非加工チーズ、塗り広げ可能な非加工チーズ、ハードチーズ、包装されたハードチーズ、包装されていないハードチーズ、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバー付与されたヨーグルト、フルーツ入りヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、常飲用ヨーグルト、プロバイオティックの飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品ベースのデザート、大豆ベースのデザート、チルドスナック、フロマージュフレおよびクワルク、プレーンのフロマージュフレおよびクワルク、フレーバー付与されたフロマージュフレおよびクワルク、塩味のきいたフロマージュフレおよびクワルク、甘いおよび塩味のきいたスナック、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、その他の甘いおよび塩味のきいたスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、その他のスナックバー、食事代替製品、痩身製品、回復期飲料、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、チルドレディミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶入りスープ、脱水スープ、インスタントスープ、チルドスープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶入りパスタ、乾燥パスタ、冷蔵/生パスタ、麺、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、チルド麺、軽食用の麺、缶詰食品、缶詰肉および肉製品、缶詰魚/シーフード、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰フルーツ、缶詰レディミール、缶詰スープ、缶詰パスタ、他の缶詰の食品、冷凍食品、冷凍処理済赤肉、冷凍処理済家禽、冷凍処理済魚/シーフード、冷凍処理済野菜、冷凍肉代用品、冷凍ジャガイモ、オーブン焼成ポテトチップス、他のオーブン焼成ジャガイモ製品、非オーブン冷凍ジャガイモ、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵食品、冷蔵処理済肉、冷蔵魚/シーフード製品、冷蔵処理済魚、冷蔵の衣付けされた魚、冷蔵の燻製された魚、冷蔵ランチキット、冷蔵レディミール、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵/生パスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブ油、植物および種子油、調理用脂肪、バター、マーガリン、塗り広げ可能な油脂、機能性の塗り広げ可能な油脂、ソース、ドレッシング、および調味料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレイビー顆粒、液体ストックおよびフォン、ハーブおよびスパイス、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、レギュラーサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、その他のソース、ドレッシングおよび調味料、ベビーフード、調合乳、標準調合乳、フォローアップ調合乳、幼児用調合乳、低アレルゲン調合乳、調理済ベビーフード、乾燥ベビーフード、他のベビーフード、スプレッド、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドが挙げられる。例示的な摂取可能な組成物には、菓子、ベーカリー製品、アイスクリーム、乳製品、甘いおよび塩味のきいたスナック、スナックバー、食事代替製品、レディミール、スープ、パスタ、麺、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、冷蔵食品、油脂、ベビーフード、もしくはスプレッド、またはこれらの混合物も含まれる。例示的な摂取可能な組成物には、理想的には既知の糖甘味料または人工甘味料の濃度を低減できるようにするための、朝食シリアル、甘い飲み物、または飲料を調製するための固体もしくは液体の濃縮組成物も含まれる。
【0098】
いくつかの実施形態は、飲み込むことが意図されていても意図されていなくてもよいチュアブル組成物を提供する。いくつかの実施形態において、チュアブル組成物は、本明細書に開示および記載の化合物を個別にまたは組み合わせて含む、ガム、チューインガム、加糖ガム、無糖ガム、機能性ガム、風船ガムであってよい。
【0099】
典型的には、少なくとも甘味受容体修飾量、甘味受容体リガンド修飾量、甘味フレーバー変調量、甘味フレーバー付与剤量、甘味フレーバー増強量、または治療有効量の1つ以上の本化合物が、任意には甘味料の存在下で、摂取可能な組成物に添加され、その結果、甘味フレーバーが変調された摂取可能な組成物は、通常人間または動物によって判定されたときに、または配合物試験の場合には当該分野で総じて知られている手順によって少なくとも8人の人間の味覚試験者のパネルの過半数によって判定されたときに、本発明の化合物なしで製造された摂取可能な組成物と比較して増加した甘味を有する。
【0100】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、他の天然または合成の甘味物質、およびそれらから製造される摂取可能な組成物の甘味または他の味覚特性を修飾する。一実施形態において、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、そのリガンドを増強する濃度で使用または提供され得る。例えば、本明細書に開示および記載される化合物は、個別にまたは組み合わせて、0.001ppm~100ppmの量で存在していてもよく、あるいは0.1ppm~50ppm、0.01ppm~40ppm、0.05ppm~30ppm、0.01ppm~25ppm、または0.1ppm~30ppm、または0.1ppm~25ppm、または1ppm~30ppm、または1ppm~25ppmのより狭い代替の範囲の量で存在していてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される摂取可能な組成物は、個別にまたは組み合わせて、例えばそのまま使用できる(すなわちそのまま供することができる)製品を製造するための後続の処理に適したフレーバー付与された濃縮配合物で提供することができる。「フレーバー付与された濃縮配合物」とは、そのまま使用できる組成物になるために1つ以上の希釈媒体で戻される必要がある配合物を意味する。「そのまま使用できる組成物」という用語は、本明細書では「摂取可能な組成物」と交換可能に使用され、これは、単独で、または他の物質と一緒に、摂取を意図するか否かにかかわらず経口摂取可能な任意の物質を意味する。一実施形態において、そのまま使用できる組成物には、ヒトまたは動物が直接摂取することが可能な組成物が含まれる。フレーバー付与された濃縮配合物は、1つ以上のフレーバーを希釈媒体に付与するためにまたは1つ以上のフレーバーを変調するために、典型的には例えば任意の消費可能なもしくは摂取可能な成分または製品などの1つ以上の希釈媒体と混合するかこれらで希釈することによって、使用される。そのような使用プロセスは、多くの場合再構成と呼ばれる。再構成は、家庭環境または産業環境で行うことができる。例えば、冷凍果汁濃縮物を、消費者が台所で水または他の水性媒体で再構成することで、そのまま飲める状態の果汁飲料を得ることができる。別の例では、ソフトドリンクシロップ濃縮物を、大規模な商業スケールの製造業者が水または他の水性媒体で再構成することで、そのまま飲める状態のソフトドリンクを製造することができる。フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物よりも高い濃度でフレーバー付与剤またはフレーバー変調剤を有しているため、フレーバー付与された濃縮配合物は、典型的には再構成しないままでの直接摂取には適していない。フレーバー付与された濃縮配合物の使用および製造には多くの利点が存在する。例えば、1つの利点は、フレーバー付与された濃縮配合物が、適切な溶媒、固体、または液体の添加によって使用時に再構成されることができるため、輸送のための重量および体積が減ることである。
【0102】
前述した実施形態のいずれかにしたがって記載されるフレーバー付与された製品は、特定の実施形態において、甘味増強化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオール配糖体など)、苦味遮断化合物、うま味増強化合物、酸味低減化合物、塩味増強化合物、清涼化作用増強化合物、または前述したもののいずれかの組み合わせなどの1つ以上の追加のフレーバー変調化合物も含む。
【0103】
甘味付与またフレーバー付与された濃縮物に言及する本明細書に記載のいずれかの態様および実施形態の特定の実施形態において、甘味付与またはフレーバー付与された濃縮物は、食品または飲料品などのフレーバー付与された製品の製造のために特別に製造された組成物などの天然に存在しない製品である。
【0104】
一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、i)個別のまたは組み合わせでの本明細書に開示および記載の化合物;ii)担体;およびiii)任意に少なくとも1つの補助剤;を含む。「担体」という用語は、溶媒、バインダー、または他の不活性媒体などの通常は不活性な補助的な物質を意味し、本化合物および1つ以上の任意の補助剤と組み合わせて使用されて配合物を形成する。例えば、フレーバー付与された濃縮配合物のために、水またはデンプンを担体にすることができる。いくつかの実施形態において、担体は、フレーバー付与された濃縮配合物を再構成するための希釈媒体と同じであり;別の実施形態において、担体は希釈媒体とは異なる。本明細書で使用される「担体」という用語は、限定するものではないが、摂取が許容される担体を含む。
【0105】
「補助剤」という用語は、本発明の化合物などの有効成分の意図された機能または有効性を補足、安定化、維持、または強化する添加物を意味する。一実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上のフレーバー付与剤を含む。フレーバー付与剤は、チョコレート、コーヒー、茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイ、またはそれらの組み合わせのフレーバーなど、当業者または消費者に知られている任意のフレーバーであってよい。別の実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上の甘味料を含む。1つ以上の甘味料は、本出願に記載の任意の甘味料であってよい。別の実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、ならびに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、この内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
一実施形態において、本フレーバー付与された濃縮配合物は、溶液および懸濁液を含む液体、固体、泡状材料、ペースト、ゲル、クリーム、および特定の量の固形分を含む液体などのそれらの組み合わせからなる群から選択される形態であってよい。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、水系および非水系などの液体の形態である。いくつかの実施形態において、本フレーバー付与された濃縮配合物は、炭酸入りであっても炭酸入りでなくてもよい。
【0107】
フレーバー付与された濃縮配合物は、少なくとも1つの補助剤として、凝固点降下剤、造核剤、またはその両方をさらに含み得る。凝固点降下剤は、化合物または薬剤が添加される液体または溶媒の凝固点を低下させることができる、摂取が許容される化合物または薬剤である。すなわち、凝固点降下剤を含む液体または溶液は、凝固点降下剤を含まない液体または溶媒よりも低い凝固点を有する。開始凝固点を低下させることに加えて、凝固点降下剤は、フレーバー付与された濃縮配合物の水分活性を低下させることもできる。凝固点降下剤の例としては、限定するものではないが、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。造核剤は、核形成を促進することができる摂取が許容される化合物または薬剤を意味する。フレーバー付与された濃縮配合物中に造核剤が存在すると、望ましい氷結晶化中心の数を増やすことにより、凍結スラッシュの凍結ブラッシュの口当たりを改善し、凍結温度におけるスラッシュの物理的特性および性能の維持を補助することができる。造核剤の例としては、限定するものではないが、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0108】
一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、保存寿命を延ばすために低い水分活性を持つように配合される。水分活性は、同じ温度における純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は約0.85未満の水分活性を有する。別の実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は約0.80未満の水分活性を有する。別の実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は約0.75未満の水分活性を有する。
【0109】
一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも2倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも5倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも10倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも15倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも20倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも30倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも40倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも50倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも60倍の濃度で本化合物を含む。一実施形態において、フレーバー付与された濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物中の化合物の濃度の最大100倍の濃度で本化合物を含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、フレーバー剤は、フレーバーの初期バーストおよび/またはフレーバーの長時間の知覚を提供するために、当該技術分野において周知の多くの明確な物理的形態で使用することができる。限定するものではないが、このような物理的形態としては、噴霧乾燥形態、粉末形態、ビーズ状形態、封入形態、およびそれらの混合物などの自由な形態が挙げられる。
【0111】
適切な増量剤としては、限定するものではないが、マルトデキストリン(10DE、18DEまたは5DE)、コーンシロップ固形分(20DEまたは36DE)、スクロース、フルクトース、グルコース、転化糖、ソルビトール、キシロース、リブロース、マンノース、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトース、タガトース、ラクトース、イヌリン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリオール、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、セルロースおよびセルロース誘導体など、およびそれらの混合物が挙げられる。さらに、グラニュー糖(スクロース)、または結晶フルクトースなどの他の有カロリー甘味料、他の炭水化物、または糖アルコールは、有意なカロリーを加えることなく良好な含量均一性を提供することから、増量剤として使用することができる。
【0112】
一実施形態において、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第8,993,027号明細書に記載されている増量剤であってよい。
【0113】
一実施形態において、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第6,607,771号明細書に記載されている増量剤であってよい。
【0114】
一実施形態において、少なくとも1つの増量剤は、米国特許第6,932,982号明細書に記載されている増量剤であってよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、卓上甘味料組成物は、少なくとも1つの固結防止剤をさらに含むことができる。本明細書で使用される場合、「固結防止剤」および「流動剤」という語句は、少なくとも1つの甘味料が別の甘味料分子に付着、結合または接触するのを防止、低減、阻害または抑制する任意の組成物を指す。あるいは、固結防止剤は、内容物の均一性および均一な溶解を補助する任意の組成物を指すこともある。固結防止剤の非限定的な例としては、酒石酸クリーム、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、微結晶セルロース(Avicel、FMC BioPolymer、ペンシルベニア州フィラデルフィア)、およびリン酸三カルシウムが挙げられる。一実施形態において、固結防止剤は、卓上甘味料組成物の約0.001~約3重量%の量で卓上甘味料組成物中に存在する。
【0116】
いくつかの実施形態において、先行する態様およびその実施形態のいずれかの甘味料組成物は、フレーバーまたはフレグランス化合物を封入するための典型的な手段を使用して封入される。そのような技術の非限定的な例は、米国特許出願公開第2016/0235102号明細書、同2019/0082727号明細書、同2018/0369777号明細書、同2018/0103667号明細書、同2016/0346752号明細書、同2015/0164117号明細書、同2014/0056836号明細書、同2012/0027866号明細書、同2010/0172945号明細書および同2007/0128234号明細書、ならびに米国特許第7,488,503号明細書、同6,416,799号明細書、同5,897,897号明細書、同5,786,017号明細書、同5,603,971号明細書、同4,689,235号明細書、同4,610,890号明細書、同3,704,137号明細書、同3,041,180号明細書および同2,809,895号明細書に記載されている。先の特許公報および特許はすべて、その内容全体が本明細書に記載されているものとして参照により本明細書に組み込まれる。
【0117】
実施例
本発明をさらに説明するために、以下の実施例が含まれる。当然、実施例は、本発明を具体的に限定すると解釈されるべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例の変形は、当業者の理解の範囲内であり、それらは本明細書に記載され特許請求される本発明の範囲内にあると考えられる。読み手は、本開示を理解した熟練した技術者および当業者が、網羅的な実施例なしで本発明を準備および使用できることを認識するであろう。
【0118】
実施例1 - MC1化合物の合成
シアメノシドIのα-1,6異性体(シラトース)からのMC1化合物の製造に、UDPグリコトランスフェラーゼ85(UGT85)を使用する。UGT85の配列は、Itkin et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA, vol. 113(47), pp. E7619-E7628 (2016)に記載されている。すなわち、単一のβ-D-グルコース単位が、ククルビタン骨格の3位に結合した単独のグルコース部分の4位に付加される。追加のグルコース単位は、その1位のβ結合により付加される。ラカンカ(siraitia grosvenorii)の遺伝子を、pFastBac1ベクターを用いて昆虫細胞株SF9で過剰発現させた。反応のために、シラトース1g(最終濃度500mg/L)を、UGT85粗抽出物70mL、スクロース合成酵素を含む粗抽出物10mL、UDPグルコース1.7g、100倍プロテアーゼ阻害剤1ml、スクロース103g、G418抗生物質0.2g、5mMのMgCl、5mMのKClと、0.1MのTris-HCl中でpH8.0で反応させ、撹拌(450rpm)しながら30℃で24時間インキュベートした。80℃に加熱し、等体積のエタノールを加えて反応を停止させた。遠心分離(15000xg、10分)により上清を回収し、真空ろ過(0.2um)した。このサンプルをUPLC(C18カラム、10~50、6分)で分析した。タンパクおよびDNAの配列を以下に示す。
【0119】
酵素反応を、さらに2回繰り返して1.5gにスケールアップした。3回の別個の反応から得られた3つのろ液をそれぞれ約100mLのサイズに濃縮し、60gのC18 SPEカートリッジおよび10gのサンプルトカートリッジにロードし、5%、15%、95%および100%のメタノール/水のステップグラジエントを用いてSPEで分別した。目的の化合物を、95%、100%のメタノールのステップで溶出させた。3回のランから得られ、合一されたフラクションをロケットおよびRotovapで乾燥させた後、3×10cmのC18カラムで2~20%のアセトニトリル/水溶液の方法を用い、流量40mL/分で31分間HPLC精製を行った。目的の化合物を溶出させて、フラクション13および14を得た。13および14のフラクションを合一したものをGenevacで乾燥させ、純度約80%の438mgを得た。このフラクションをさらに、3×10cmのHILIC Amideカラムで75~55%のB(移動相、A=3:1メタノール:水、B=アセトニトリル)を用いて流量30mL/分で約42分間精製した。所望の純度の目的の化合物を含む溶出フラクションをプールし、清浄なGenevacで乾燥させ、5mLの水に再懸濁させ、約一週間にわたって凍結乾燥させて、純度95%超の化合物80mgを得た。
【0120】
生成物の同定を、NMRおよび質量分析データにより確認した。
【0121】
【0122】
また、質量を質量分析で確認した:ESI-MS 1287.9(MH)+,1285.5(M-H)-。
【0123】
実施例2 - 甘味受容体アッセイを用いたアッセイ試験
組換え型ヒト甘味受容体およびキメラGタンパク質G16g25を安定的に発現する細胞を、384ウェルクリアボトムプレート(Fisher)に分注し、37℃、6%のCO2で一晩インキュベートした。実験当日、細胞にD-PBS中4μMのカルシウム指示薬Fluo-4 AM(Invitrogen)を室温で1時間ロードし、余分な色素をD-PBSで洗い流し、25μL/ウェルの残体積を残した。30分間の静置時間後、細胞プレートおよび化合物プレートを蛍光イメージングプレートリーダー(Molecular Devices)に移した。力価を測定するため、D-PBSで最終アッセイ濃度の2倍で化合物を連続希釈し、化合物プレートを調製した。イメージングおよびデータ解析は、Servant et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA, vol. 107(10), pp. 4746-51 (2010)に記載された手順にしたがって行った。甘味アッセイで試験したところ、MC1化合物は甘味料としての有用性を示す用量反応効果を示し、用量反応曲線は8.0μMのEC50を示した。
【国際調査報告】