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特表2024-525467分割装置および分割装置を備えたブラシ製造機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】分割装置および分割装置を備えたブラシ製造機
(51)【国際特許分類】
   A46D 1/08 20060101AFI20240705BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20240705BHJP
   F16H 37/12 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A46D1/08
F16H25/20 B
F16H37/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023580625
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022058329
(87)【国際公開番号】W WO2023280450
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021117793.6
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】311013421
【氏名又は名称】ツァホランスキー アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Zahoransky AG
【住所又は居所原語表記】Anton-Zahoransky-Strasse 1,D-79674 Todtnau,
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン グラーフ
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト レンツ
【テーマコード(参考)】
3B202
3J062
【Fターム(参考)】
3B202HA03
3J062AA21
3J062AB21
3J062AB27
3J062BA01
3J062CD02
3J062CD22
(57)【要約】
本発明は、ブラシ製造の技術分野における改善に関する。このために、とりわけ、周囲に形成された少なくとも2つの分割凹部(6)を備えた分割ディスク(5)を有している分割装置(1)が提案される。分割凹部(6)の有効凹部容積を所望のように適合させることができるように、分割装置(1)は、ブリッスル束(2)の分割のために利用可能な、分割凹部(6)の有効凹部容積を調節するように構成されている調節装置(8)を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッスルストック(3)からブリッスル束(2)を分割するための分割装置(1)であって、前記分割装置(1)は、
前記ブリッスルストック(3)を収容するためのブリッスルマガジン(4)と、
分割ディスク(5)と
を有し、
前記分割ディスク(5)は、その周囲に少なくとも2つの分割凹部(6)を有し、前記ブリッスルマガジン(4)内にあるブリッスルストック(3)からブリッスル束(2)を分割するために、前記分割凹部(6)で、前記ブリッスルマガジン(4)の取出し開口(7)の近くを通過することができる、分割装置(1)において、
前記分割装置(1)は、ブリッスル束(2)の分割のために利用可能な、前記分割凹部(6)の有効凹部容積を調節するように構成されている調節装置(8)を有していることを特徴とする、分割装置(1)。
【請求項2】
前記調節装置(8)は、前記分割凹部(6)の前記有効凹部容積を調節するために、前記少なくとも2つの分割凹部(6)のうちの少なくとも1つに対して相対的に可動の少なくとも1つの調節手段(9)を有している、請求項1記載の分割装置(1)。
【請求項3】
前記調節装置(8)は各分割凹部のために、前記分割凹部(6)それぞれの前記有効凹部容積を、好ましくは個別に、調節するために、前記分割凹部(6)それぞれに対して相対的に可動のそれぞれ1つの調節手段(9)、特にスライダ(10)を有している、請求項1または2記載の分割装置(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの調節手段(9)は、少なくとも1つの分割凹部(6)の前記有効凹部容積を調節するために、前記分割凹部(6)のうちの少なくとも1つの分割凹部に対して相対的に移動可能なスライダ(10)であって、好ましくは、前記スライダ(10)は、前記少なくとも1つの分割凹部(6)の前記有効凹部容積を調節するために、特に前記分割ディスク(5)の中心点(11)を起点として半径方向外側に向かって、前記分割凹部(6)のうちの前記少なくとも1つの分割凹部内にかつ/または前記分割凹部(6)のうちの前記少なくとも1つの分割凹部に沿って移動可能である、請求項2または3記載の分割装置(1)。
【請求項5】
前記分割ディスク(5)は、少なくとも1つの前記スライダ(10)のための少なくとも1つのスライドガイド(12)を有し、特に前記スライドガイド(12)は、前記分割ディスク(5)の表面にまたは前記分割ディスク(5)の内側に形成されている、請求項4記載の分割装置(1)。
【請求項6】
前記調節装置(8)は、少なくとも1つの戻し手段(13)、例えば引っ張りばねを有し、前記戻し手段の、特に半径方向で前記分割ディスク(5)の前記中心点(11)に向けられる戻し力に抗して、前記少なくとも1つのスライダ(10)は、前記有効凹部容積の調節のために、特に縮小のために、前記分割凹部(6)に対して相対的に移動可能である、請求項4または5記載の分割装置(1)。
【請求項7】
前記調節装置(8)は、前記少なくとも1つの調節手段(9)を、特にスライダ(10)を、前記分割凹部(6)に対して相対的に移動させるように構成された少なくとも1つのシフト機構(14)を有している、請求項2から6までのいずれか1項記載の分割装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのシフト機構(14)は、回転可能なスピンドル(16)とスピンドルナット(17)とを備えたスピンドル駆動装置(15)を含み、前記スピンドル(16)の回転により、そしてこれにより生じる、前記スピンドル(16)に関する前記スピンドルナット(17)の軸方向運動により、前記分割凹部(6)のうちの少なくとも1つの分割凹部に対して相対的に前記調節手段(9)を移動させるために、前記スピンドルナット(17)は、レバー(18)を介して前記少なくとも1つの調節手段(9)に、特に、前記少なくとも1つのスライダ(10)に接続されている、請求項7記載の分割装置(1)。
【請求項9】
前記スピンドル駆動装置(15)は、前記スピンドル(16)を駆動するためのアクチュエータ(19)を、特にモータおよび/または回転グリップおよび/またはハンドホイールを有している、請求項8記載の分割装置(1)。
【請求項10】
前記調節装置(8)は、前記少なくとも1つの調節手段(9)を、その調節された位置でロックするように構成されたロック機構(20)を有し、特に前記ロック機構(20)は、1つのまたは前記スピンドル駆動装置(15)の1つのまたは前記スピンドル(16)の回転位置をロックするように構成されている、請求項2から9までのいずれか1項記載の分割装置(1)。
【請求項11】
前記調節装置(8)は、少なくとも1つの調節手段(9)として調節ディスク(21)を有し、前記調節ディスクは、複数の調節凹部(22)を、特に少なくとも2つの調節凹部(22)を有し、前記調節凹部の数および/または配置および/またはジオメトリおよび/または寸法は、前記分割ディスク(5)の前記分割凹部(6)の数および/または配置および/またはジオメトリおよび/または寸法に一致している、請求項2から10までのいずれか1項記載の分割装置(1)。
【請求項12】
前記調節ディスク(21)は、前記分割ディスク(5)の前記分割凹部(6)に対する前記調節凹部(22)の相対位置を変化させ、これにより前記分割凹部(6)の有効凹部容積を調節するために、前記分割ディスク(5)に対して相対的に回転可能である、請求項11記載の分割装置(1)。
【請求項13】
前記調節ディスク(21)に対する前記分割ディスク(5)の相対回転位置を変更するために、前記調節装置(8)は作動手段(23)、特に偏心体を有し、特に前記作動手段(23)は、1つのまたは前記シフト機構(14)の部分である、請求項11または12記載の分割装置(1)。
【請求項14】
前記作動手段(23)、特に前記偏心体は、前記分割ディスク(5)に回転可能に支持されていて、前記作動手段(23)の偏心カム(24)は、前記作動手段(23)の回転運動を、前記分割ディスク(5)に対する前記調節ディスク(21)の相対回転運動に変換するために、好ましくは前記調節ディスク(21)において半径方向に向けられた、前記調節ディスク(21)の長孔(25)内でガイドされている、請求項13記載の分割装置(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの調節手段(9)は、無段階式に可動である、請求項2から14までのいずれか1項記載の分割装置(1)。
【請求項16】
前記調節装置(8)は、少なくとも1つの調節手段(9)の位置を表示するように、かつ/または少なくとも1つの分割凹部(6)の調節された有効凹部容積を表示するように構成された少なくとも1つの作動表示部(26)を有している、請求項1から15までのいずれか1項記載の分割装置(1)。
【請求項17】
前記分割ディスク(5)は、異なるサイズの、特に異なる幅のかつ/または異なるジオメトリの少なくとも2つの分割凹部(6)を有している、請求項1から16までのいずれか1項記載の分割装置(1)。
【請求項18】
前記分割凹部(6)内に既に保持されたブリッスル束(2)を、ブラシ製造機(28)の後続の処理ステーション(29)に搬送するように構成されている搬送装置(27)を有し、特に、前記搬送装置(27)は、負圧によって前記ブリッスル束(2)を搬送するように構成されている、請求項1から17までのいずれか1項記載の分割装置(1)。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの分割装置(1)を備えたブラシ製造機(28)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリッスルストックからブリッスル束を分割するための分割装置であって、分割装置は、ブリッスルストックを収容するためのブリッスルマガジンと、分割ディスクとを有しており、分割ディスクは、その周囲に少なくとも2つの分割凹部を有していて、ブリッスルマガジン内にあるブリッスルストックからブリッスル束を分割するために、少なくとも2つの分割凹部で、ブリッスルマガジンの取出し開口の近くを通過することができる、分割装置に関する。さらに、本発明は、少なくとも1つのこのような分割装置を備えたブラシ製造機にも関する。
【0002】
冒頭で述べた形式の分割装置は、実地において種々様々な実施形態で既に公知である。分割装置は、ばらばらのブリッスルフィラメントのストックからブリッスル束を分割し、このブリッスル束を、ブラシ、特に歯ブラシ製造のさらなる処理のために提供するために使用される。
【0003】
この場合、分割装置の分割ディスクの少なくとも2つの分割凹部のいわゆる有効凹部容積は、ばらばらのブリッスルフィラメントのストックから、分割凹部によって、その都度1つのブリッスル束として分割することができる個々のブリッスルフィラメントの数がどの程度であるかを規定する。
【0004】
使用分野によっては、分割される、またはブリッスルストックから取り出される1つのブリッスル束における個々のブリッスルフィラメントの数は、程度の差はあっても大きな許容誤差範囲を含む。大きな許容誤差範囲とは、例えば、1つのブリッスル束が、20±5のブリッスルフィラメントを有している場合に、このブリッスル束は要求に適合していることであると想定することができる。小さな許容誤差範囲とは、ブリッスル束が20±1の個々のブリッスルフィラメントを有している場合しか、このブリッスル束は適正であると分類され得ないことであると想定することができる。
【0005】
分割ディスクおよびその分割凹部の設計時には、分割ディスクの分割凹部のサイズを規定するために、経験値が利用される。しかしながらこのような規定は、分割された1つのブリッスル束内のブリッスルフィラメントの数に関する要求に適合させるためは必ずしも十分に正確ではない。したがって、分割ディスクによって分割されたブリッスル束が要件に適合していない場合には、分割ディスクを後処理する、または新規に製造する必要があり得る。1つの分割凹部によって取り出すことができる、ブリッスル束の内側の個々のブリッスルフィラメントの数に影響を与える要因は、例えば、個々のブリッスルフィラメントの構造、ブリッスルフィラメントを成す材料、ブリッスルフィラメントの材料特性、例えばその弾性であり得る。分割凹部によって取り出し可能なブリッスルフィラメントの数に影響を与えるさらなる影響要因は、温度、空気圧、または空気湿度でもあり得る。
【0006】
分割装置の使用時に初めて、許容誤差規定を満たすことができないことがわかると、場合によっては、分割装置の分割ディスクの交換または新規製造が必要となり、このことは、時間がかかるだけでなく、不要なコストもまねく。
【0007】
そこで本発明の課題は、これらの欠点を回避することができる、冒頭で述べた形式の分割装置を提供することである。
【0008】
この課題を解決するために、分割装置を対象とする独立請求項の手段および特徴を有する冒頭で述べた形式の分割装置が提案される。課題を解決するために、冒頭で述べた分割装置では特に、分割装置が、ブリッスル束の分割のために利用可能な、少なくとも2つの分割凹部の有効凹部容積を調節するように構成されている調節装置を有していることが提案される。
【0009】
この場合、有効凹部容積は、ばらばらのブリッスルフィラメントのストックからブリッスル束を分割する際に利用され、最終的には、分割の際に分割凹部内に位置するブリッスルフィラメントの数も規定する、分割凹部の容積であってもよい。
【0010】
調節装置によって、分割ディスクの分割凹部の有効凹部容積を、分割された1つのブリッスル束内に実際に有効なものとして含まれるブリッスルフィラメントの数に応じて調節することができる。分割されたブリッスル束が含むブリッスルフィラメントの数が少なすぎることが確認されると、分割凹部の有効凹部容積を、調節装置によって相応に適合させる、特に拡大することができる。逆の場合には、すなわち分割凹部によって分割された1つのブリッスル束が含む個々のブリッスルフィラメントの数が多すぎる場合には、同様に、分割凹部の有効凹部容積を調節装置によって減じることができる。
【0011】
したがって、本発明による分割装置の調節装置によって、分割ディスクの分割凹部の有効凹部容積を変更することにより、分割されたブリッスル束内の個々のブリッスルフィラメントの数に影響を与えることができる。このようにして、分割されたブリッスル束ごとの、取り出されるブリッスルフィラメントの数に関する規定を満たしていない分割ディスクを新規に製造し直すことを回避することができる。
【0012】
分割装置の1つの実施形態では、調節装置は、少なくとも2つの分割凹部の有効凹部容積を調節するために、分割凹部に対して相対的に可動の少なくとも1つの調節手段を有していることが想定されている。調節手段は、少なくとも2つの分割凹部に対する調節手段の相対位置により、分割凹部の有効利用可能な凹部容積を所望のように変更させるように、分割凹部に対して相対的に動かすことができる。
【0013】
分割装置の1つの実施形態では、調節装置は各分割凹部のために、分割凹部それぞれの有効凹部容積を調節するために、分割凹部それぞれに対して相対的に可動のそれぞれ1つの調節手段を有していることが想定されている。好ましくは、場合によってはより多数の調節手段が、各分割凹部の有効凹部容積の個別の調節のために構成されている。このために、調節手段は、個別に、互いに無関係に、各分割凹部に対して相対的に可動であってもよい。
【0014】
このような調節装置により、分割装置の分割ディスクの複数の、好ましくはすべての分割凹部を、有効凹部容積に関して所望のように、特に互いに独立して適合させることができる。分割装置を、1つの分割工程で、異なる数の個々のブリッスルフィラメントを含むブリッスル束を分割するために使用すべき場合には、調節装置が、複数の調節手段によって、異なる分割凹部の有効凹部容積を個々に設定するように構成されているならば有利であり得る。これにより、分割ディスクのより多数の分割凹部の、好ましくはすべての分割凹部の有効凹部容積の個別の適合が可能である。
【0015】
分割装置の1つの実施形態では、調節装置の少なくとも1つの調節手段は、分割凹部のうちの少なくとも1つの分割凹部の有効凹部容積を調節するために、少なくとも1つの分割凹部に対して相対的に移動可能なスライダであることが想定されている。この場合、少なくとも1つのスライダは、少なくとも1つの分割凹部の有効凹部容積を変更するために、分割凹部のうちの少なくとも1つの分割凹部内に、かつ/または分割凹部のうちの少なくとも1つの分割凹部に沿って移動可能であってもよい。スライダは、この場合、分割凹部の有効凹部容積を相応に変化させるように、分割凹部表面にまたは分割凹部内に位置決めされてもよい。この場合、少なくとも1つのスライダは、特に分割ディスクの中心点を起点として半径方向外側に向かって、少なくとも1つの分割凹部内にかつ/または少なくとも1つの分割凹部に沿って移動されるように構成されていてもよい。
【0016】
少なくとも1つのスライダをガイドするために、分割ディスクは、少なくとも1つのスライダのための少なくとも1つのスライドガイドを有してもよい。この場合、スライドガイドは、分割ディスクの表面に、または場合によっては分割ディスクの内側にも形成されていてもよい。スライドガイドが、分割ディスクの内側に、例えば、内側のスライダ通路として形成されている場合には、スライドガイドを、汚染および/または損傷に対して良好に保護することができる。
【0017】
スライドガイドは、特に、分割ディスクの中心点を起点として、半径方向外側に向かって方向付けられていてもよく、かつ/または線形のスライドガイドとして形成されていてもよい。
【0018】
調節装置は、少なくとも1つの戻し手段、例えば引っ張りばねを有していてもよく、この戻し手段の戻し力に抗して、少なくとも1つのスライダは、少なくとも2つの分割凹部の有効凹部容積の調節のために、特に縮小のために、分割凹部に対して相対的に移動可能である。戻し手段は、その戻し力により、分割凹部の有効凹部容積の不正確な調節につながるおそれのある、スライダの遊びを回避することができる。
【0019】
戻し手段の1つの実施形態では、戻し手段が、半径方向で分割ディスクの中心点に向けられた戻し力を加えることが想定されている。
【0020】
少なくとも1つの調節手段が、少なくとも2つの分割凹部の有効凹部容積を調節するために無段階式に可動であるならば特に有利である。これにより、分割凹部の有効凹部容積の無段階式の、少なくとも極めて微細な調節が可能である。
【0021】
調節装置は、少なくとも2つの分割凹部の有効凹部容積を所望のように調節するために、少なくとも1つの調節手段を、特に少なくとも1つの既に上述したスライダを、少なくとも2つの分割凹部に対して相対的に移動させるように構成されている少なくとも1つのシフト機構を有していてもよい。個々の分割凹部の凹部容積の個別の調節のためには、シフト機構が、それぞれ分割凹部に割り当てられた調節手段を個別に移動させるように構成されていると有利であり得る。
【0022】
少なくとも1つのシフト機構の1つの実施形態では、シフト機構が、回転可能なスピンドルとスピンドルナットとを備えた少なくとも1つのスピンドル駆動装置を有している。スピンドルの回転により、そしてこれにより生じる、スピンドルに関するスピンドルナットの、スピンドルに沿った軸方向に向けられた運動により、少なくとも1つの分割凹部に対して相対的に調節手段を移動させるために、そして分割凹部の有効凹部容積を変化させ、所望のように調節するために、スピンドルナットは、レバーを介して少なくとも1つの調節手段に、特に、少なくとも1つのスライダに接続されていてもよい。
【0023】
スピンドル駆動装置は、スピンドルを駆動するためのアクチュエータを有していてもよい。これにより、少なくとも1つの調節手段の位置を、少なくとも1つの分割凹部に対して相対的に簡単に変化させることができる。アクチュエータとして、例えば、スピンドルに駆動接続されるモータおよび/または手動操作可能な回転グリップおよび/またはハンドホイールを用いることができる。
【0024】
分割ディスクの運動の際に少なくとも1つの調節手段の調節された位置が変化することを阻止するために、調節装置は、少なくとも1つの調節手段を、調節された位置でロックするように構成されているロック機構を有していてもよい。この関連で、ロック機構が、シフト機構の、例えば上述したスピンドル駆動装置の、例えば上述したスピンドルの回転位置をロックするように構成されているならば、特に有利であり得る。ロック機構としては、ねじ山付きスピンドルの意図しない変位、ひいては調節手段の意図しない変位を阻止する解除可能な係止部を使用することができる。
【0025】
スピンドル駆動装置の回転可能なスピンドルは、例えば、細目ねじまたは並目ねじを有していてもよく、これにより、ねじ山に応じて、少なくとも2つの分割凹部のうちの少なくとも1つの分割凹部に対して相対的な、少なくとも1つの調節手段の位置の様々な微調節が可能である。
【0026】
分割装置の1つの実施形態では、調節装置が、少なくとも1つの調節手段として調節ディスクを有していることが想定されている。調節ディスクは、複数の調節凹部を、特に少なくとも2つの調節凹部を有していてもよく、調節凹部の数および/または配置および/またはジオメトリおよび/または寸法は、分割ディスクの少なくとも2つの分割凹部の数および/または配置および/またはジオメトリおよび/または寸法に一致している。したがって、調節ディスクは、特に少なくとも2つの調節凹部を有していてもよい。分割装置の1つの実施形態では、分割装置の調節ディスクと分割ディスクとが、少なくとも2つの分割凹部と少なくとも2つの調節凹部とに関して同一に形成されていることが想定されている。この場合、分割ディスクと調節ディスクとは円形ディスクであってもよく、かつ/または同じ直径を有していてもよい。
【0027】
出発位置では、調節ディスクの調節凹部と分割ディスクの分割凹部とは重ね合わされていてもよい。分割ディスクに対する調節ディスクのこのような相対位置では、分割凹部の最大に調節可能な有効凹部容積を設定することができる。
【0028】
調節ディスクが分割ディスクに対して相対的に動かされると、特に、両ディスクの1つの共通の回転軸線を中心として、分割ディスクに対して相対的に回転させられると、分割凹部と調節凹部とはまず、部分的な重なり状態となり、この状態により分割凹部の有効凹部容積は縮小する。これにより、分割ディスクの分割凹部の有効凹部容積の、好ましくは無段階式の調節が可能である。
【0029】
既に上述したように、分割装置の1つの実施形態では、調節ディスクは、分割ディスクに対して相対的に回転可能であってもよい。これは特に、調節ディスクと分割ディスクとの1つの共通の回転軸線を中心としている。この場合、この共通の回転軸線は、分割ディスクの中心点および調節ディスクの中心点の両方を通って延在することができる。調節ディスクおよび/または分割ディスクは、円形の横断面を有していてもよく、この場合、調節ディスクおよび分割ディスクの横断面は好ましくは同一である。
【0030】
分割ディスクの分割凹部に対して相対的に、調節ディスクの調節凹部の相対位置を変化させ、これにより分割凹部の有効凹部容積を調節するために、調節ディスクは、分割ディスクに対して相対的に回転可能であってもよい。
【0031】
最大の有効凹部容積は、分割ディスクの分割凹部と、調節ディスクの調節凹部とが互いに完全に重なって配置されている場合に生じ得る。分割凹部に対する調節凹部の相対的な移動により、分割凹部の有効凹部容積は変更されて、これにより所望のように調節される。
【0032】
調節装置は、調節ディスクに対する分割ディスクの相対回転位置を変化させるために、調節手段、例えば偏心体を有していてもよい。調節手段は、調節装置のシフト機構の一部であってもよい。
【0033】
この場合、作動手段は、回転可能に分割ディスクに支持されていてもよく、偏心カムを有していてもよい。偏心カムは、好ましくは調節ディスクにおいて半径方向に向けられた、調節ディスクの長孔内でガイドされていてもよい。偏心カムと長孔とによって、作動手段の回転運動を、分割ディスクと調節ディスクとの間の相対回転運動に変換することができ、これにより、分割凹部の有効凹部容積を調節することができる。
【0034】
調節装置は、少なくとも1つの作動表示部を有していてもよい。作動表示部は、少なくとも1つの調節手段の位置を表示するように、かつ/または少なくとも2つの分割凹部のうちの少なくとも1つの分割凹部の有効凹部容積を表示するように構成されていてもよい。これにより、場合によっては遠隔からも、分割装置の分割ディスクの分割凹部のそれぞれ調節された凹部容積を認識することができる。
【0035】
分割装置の1つの実施形態では、分割ディスクは、異なるサイズの、特に異なる幅のかつ/または異なるジオメトリの少なくとも2つの分割凹部を有していてもよい。このような分割装置によって、ばらばらのブリッスルフィラメントのストックから様々なジオメトリおよび/またはサイズのブリッスル束を分割することができる。
【0036】
分割装置は、少なくとも2つの分割凹部内に既に保持されたブリッスル束を、ブラシ製造機の後続の処理ステーションへと搬送するように構成されている搬送装置を有していてもよい。この場合、搬送装置は、負圧によってブリッスル束を搬送するように構成されていてもよい。この関連で、搬送装置が、分割ディスクに設けられた各分割凹部のために、それぞれ1つのブリッスル束を負圧によって各分割凹部から取り出し、ブラシ製造機の後続の処理ステーションに搬送することができるそれぞれ1つの搬送管路を有しているならば有利であり得る。処理ステーションは、例えば、ブリッスル束を後加工する、例えば、フライス加工および/もしくは研削加工する、かつ/または支持体プレートおよび/もしくはブラシ本体に接続する処理ステーションであってもよい。
【0037】
分割ディスクは、好ましくは円形ディスクとして形成されていてもよい。重量を削減するために、分割ディスクは、少なくとも1つの材料のない領域を有することができる。
【0038】
課題を解決するために、最後に、このようなブラシ製造機を対象とする独立請求項の特徴を備えたブラシ製造機も提案される。これにより特に、課題を解決するために、分割装置を対象とする請求項のうちのいずれか1項記載の少なくとも1つの分割装置を備えたブラシ製造機が提案される。
【0039】
本発明は、以下のようにまとめられる。
【0040】
本発明は、ブラシ製造の技術分野における改善に関する。このために、とりわけ、周囲に形成された少なくとも2つの分割凹部を備えた分割ディスクを有している分割装置が提案される。分割凹部の有効凹部容積を所望のように適合させることができるように、分割装置は、ブリッスル束の分割のために利用可能な、分割凹部の有効凹部容積を調節するように構成されている調節装置を有している。
【0041】
以下に、本発明を実施例につき詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。個々の請求項または複数の請求項の特徴を互いに組み合わせることにより、かつ/または実施例の個々の特徴または複数の特徴を組み合わせることで、さらなる実施例が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】周囲に形成された全部で9個の分割凹部を備えた分割ディスクを有する分割装置の斜視図であって、この分割装置は、分割凹部の有効凹部容積を調節するための調節装置を備えている。
図2図1において円K1でマークされた細部を示す拡大図であって、調節装置の、各分割凹部にそれぞれ割り当てられた調節手段が、様々な大きさで各分割凹部内に挿入され、これにより各分割凹部が異なる有効凹部容積を有していることが認められる。
図3図1に示された分割装置を示す図であって、この場合、個々のブリッスル束は、分割装置の搬送装置によって、分割ディスクの分割凹部から既に取り出されている。
図4図3において円K2でマークされた細部を示す拡大図である。
図5】先行する図面に示した分割装置の分割ディスクの、縁部側の領域を部分的に切り取って示す部分図であり、分割ディスクの上側の平坦面には、調節装置の機能エレメントを認識することができる。
図6】分割装置の、図5に示した機能エレメントを断面して示す側面図である。
図7】先行する図面に示した分割装置に装着することができる別の分割ディスクを示す平面図である。
図8図7に示した分割ディスクに対する、図9に示す調節ディスクの相対位置を変化させることができる、偏心体の形態の作動手段を示す下面図である。
図9】調節凹部に関して、図7に示した分割ディスクの分割凹部と同一に形成された、本発明の意味において分割装置の調節装置の調節手段として機能する調節ディスクを示す平面図である。
図10】完全に重ね合わされて配置された図7の分割ディスクと図9の調節ディスクとを示す平面図であり、この場合、図8の偏心体は、分割ディスクに回転可能に支持されていて、調節凹部と分割凹部とが互いに相対的に完全に重なるように配置され、これにより分割凹部の最大の有効凹部容積が提供される位置に配置されるように、調節ディスクを、分割ディスクに対して相対的に保持する位置に配置されている。
図11】分割ディスクの分割凹部の有効凹部容積を調節する可能性を明確に示すために、図10に示された両ディスクを1つの相対回転位置で示す図である。
図12】分割ディスクの分割凹部の有効凹部容積を調節する可能性を明確に示すために、図10に示された両ディスクを異なる相対回転位置で示す図である。
図13】分割ディスクの分割凹部の有効凹部容積を調節する可能性を明確に示すために、図10に示された両ディスクを異なる相対回転位置で示す図である。
図14】処理ステーションと分割装置とを含むブラシ製造機を概略的に示す図である。
【0043】
本発明の様々な実施形態の以下の説明では、機能が一致するエレメントには、構成および形状が異なっていても同一の参照番号が付されている。
【0044】
図1図14には、全体を符号1で示された分割装置の少なくとも一部が示されており、この分割装置は、ブリッスルストック3からブリッスル束2を分割するために構成されている。
【0045】
分割装置1は、ばらばらのブリッスルフィラメントのブリッスルストック3を収容するためのブリッスルマガジン4と、分割ディスク5とを有している。分割ディスク5は、その周囲に複数の分割凹部6を有しており、図示した実施例では全部で9個の分割凹部6を有している。分割ディスク5は、全部で9個の分割凹部6で、ブリッスルマガジン4内にあるブリッスルストック3からブリッスル束7を分割するために、ブリッスルマガジン4の取出し開口7の近くを通過することができる。
【0046】
分割装置1は、ブリッスル束2の分割のために利用可能な、分割凹部6の有効凹部容積を調節するように構成されている調節装置8を有している。
【0047】
調節装置8は、分割凹部6の有効凹部容積を調節するために、分割凹部6のうちの少なくとも1つに対して相対的に可動の少なくとも1つの調節手段9を有している。
【0048】
この場合、図1図6は、調節手段9を第1の実施形態で示しており、他方、図9図13は、調節手段9を第2の実施形態で示している。図1図6に示された調節手段によって、個々の分割凹部6の凹部容積を個別に設定することができる。図9図13に示された調節手段9によっては、分割凹部の凹部容積を同時に均一に調節することができる。
【0049】
分割装置1の、図1図6に示された実施例では、全部で9個の分割凹部6の有効凹部容積を調節するための調節装置8は、スライダ10の形態の、各分割凹部6に対して可動のそれぞれ1つの調節手段9を有している。
【0050】
図1図6に示された分割装置1における調節装置8は、全部で9個の分割凹部6それぞれの有効凹部容積を個々に調節するように構成されている。
【0051】
分割凹部6の凹部容積を調節するために、スライダ10を、各分割凹部6に対して相対的に移動させることができる。個々の分割凹部6の各凹部容積の調節のために、各スライダは、分割ディスク5の中心点11を起点として半径方向外側に向かって各分割凹部6内へとスライドすることができる。
【0052】
分割ディスク5は、各スライダ10のために、図6の分割ディスク5の断面図に示したように、分割ディスク5の内側に形成されているそれぞれ1つのスライドガイド12を有している。図1図6に示された分割装置1の調節装置8は、各スライダ10のために、引っ張りばねの形態のそれぞれ1つの戻し手段13を有している。各戻し手段13の、半径方向で分割ディスク5の中心点11に向けられる戻し力に抗して、スライダ10を、各分割凹部6の有効凹部容積の調節のために、特に縮小のために、これらの各分割凹部に対して相対的に移動させることができる。戻し手段13は、各スライダ10を遊びなしに位置決めするように保持するために働き、これにより、分割ディスク5が、ブリッスル束2の分割のために動かされたとしても、各分割凹部6のその都度調節された有効凹部容積を一定に保持することができる。
【0053】
図面に示された調節手段9すべては、また、図9図13に示された調節手段9も、分割凹部6の有効凹部容積を無段階式に調節するために無段階式に可動である。
【0054】
調節装置8は、各調節手段9を、これがスライダ10として形成されている場合には特に、個々の分割凹部6に対して相対的に移動させるように構成されたシフト機構14を有している。
【0055】
分割装置1の、図1図6に示された実施例では、シフト機構14は、スピンドル駆動装置15を有している。スピンドル駆動装置15は、ねじ山付きスピンドルとして形成されている回転可能なスピンドル16と、スピンドルナット17とを含む。スピンドル16の回転により、そしてこれにより生じる、スピンドル16に関するスピンドルナット17の軸方向運動により、各分割凹部6に対して相対的に調節手段9を移動させるために、スピンドルナット17は、レバー18を介して調節手段9に、この場合、各スライダ10に接続されている。
【0056】
レバー18は、この場合、一方ではスピンドルナット17に、他方では調節手段9、特にスライダ10に枢着的に接続されている。このようにして、スピンドル駆動装置15の回転可能なスピンドル16に沿ったスピンドルナット17の軸方向運動は、調節手段9のスライド運動に変換され、これにより、各分割凹部6の有効凹部容積は所望のように設定され、必要に応じて各分割凹部6に対して個別にも設定される。
【0057】
スピンドル駆動装置15は、スピンドル16を駆動するためのアクチュエータ19を含む。アクチュエータ19は、モータとしてかつ/または手動操作可能な回転グリップとして、かつ/または手動操作可能なハンドホイールとして形成されていてもよい。スピンドル16は、ねじ山付きスピンドルとして形成されていて、調節手段9の調節範囲に応じてピッチが選択されているねじ山を有していてもよい。
【0058】
スピンドル16に、例えば、並目ねじを、または細目ねじも設けることが可能である。調節装置8はさらに、ロック機構20を有している。ロック機構20は、分割ディスク5が動いた場合に調節手段9の位置が変化することを阻止するために、各調節手段9を調節された位置でロックするように構成されている。図面に示されたロック機構20は、スピンドル駆動装置15の各スピンドル16のその都度調節された回転位置をロックするように構成されている。このために、ロック機構20は、スピンドル16の意図しないさらなる回動を阻止するロックつめ40を有している。
【0059】
図1図6に示された各調節手段9には、それぞれ1つの固有のロック機構20が割り当てられている。これは、個々の分割凹部6の有効凹部容積を個別に設定するために、各調節手段9を各分割凹部6に対して相対的に個別に動かすことができるので、有利であり、有意義である。
【0060】
重量削減のために、図1図6による分割ディスク5は、材料のない領域38を有している。
【0061】
調節装置8の別の実施形態を説明するために、図7図13を用いる。図面に示された調節装置8は、少なくとも1つの調節手段9として、調節ディスク21を有している。調節ディスク21を示す図9図13は、調節ディスク21が複数の、すなわち9個の調節凹部22を有していることを示しており、調節凹部の個数、配置、ジオメトリおよび寸法は、分割ディスク5の分割凹部6に一致している。
【0062】
調節ディスク21は、分割ディスク5と同じ直径を有していて、分割ディスクとまったく同じように円形に形成されている。調節ディスク21は、分割ディスク5に対して相対的に回転可能であり、すなわち、分割ディスク5の中心点11を中心としてかつ調節ディスク21の中心点39も通って延在する同じ回転軸線を中心として、回転可能である。分割ディスク5に対する調節ディスク21の相対回転により、分割ディスク5の分割凹部6に対する調節凹部22の相対位置を変化させることができ、これにより分割凹部6の有効凹部容積を調節することができる。このことは、調節ディスク21を、分割ディスク5の下方において分割ディスク5に対する様々な相対回転位置で示す図10図13の比較により明らかである。
【0063】
調節ディスク21に対する分割ディスク5の相対回転位置を変更するために、調節装置8は作動手段23を有していて、作動手段はこの場合、偏心体として形成されていて、この実施例の調節装置8のシフト機構14の部分である。
【0064】
作動手段23は、図8に示されていて、分割ディスク5に回転可能に支持されている。作動手段23は偏心カム24を有しており、この偏心カムは、作動手段23の回転運動を、分割ディスク5に対する調節ディスク21の相対回転運動に変換するために、調節ディスク21において半径方向に向けられた、調節ディスク21の長孔25内でガイドされている。
【0065】
この場合、図10図13の図示において作動手段23にそれぞれ記入された矢印は、偏心カム24の位置と、その結果生じる、分割ディスク5に対して相対的な調節ディスク21の回転位置とを明らかにしている。図10は、最大の有効凹部容積を有する分割凹部6を示している。分割ディスク5に対して相対的に、調節ディスク21の相対位置が変化することにより、図11および図12に示した状態による分割凹部6のその都度の有効凹部容積は、図13に示された最小にまで減少する。
【0066】
図1図6からわかるように、ここに示された分割装置1の調節装置8は、各調節手段9のためにそれぞれ1つの作動表示部26を有していて、この作動表示部は、各調節手段9の各位置を表示するために、そしてこれにより各分割凹部6のその都度調節された有効凹部容積を表示するように構成されている。
【0067】
図1図6に示された分割装置1の分割ディスク5は、そのサイズ、すなわち幅が、かつ/またはジオメトリが互いに異なる分割凹部6を有している。このことは特に図2から明らかである。この図では、部分図で最も上方の分割凹部6が、図2の部分図に示したその他の分割凹部6よりも大きな幅を有していることがわかる。
【0068】
図1図6に示された分割装置1は、さらに搬送装置27を有していて、この搬送装置は、分割凹部6内に既に保持された、分割されたブリッスル束2を、ブラシ製造機28の後続の処理ステーション29に搬送するように構成されている。搬送装置27は、図14によれば、ブリッスル束2を、ブラシ製造機28の後続の処理ステーション29に負圧によって搬送するように構成されている。このために、搬送装置27は、全部で9個の搬送管路30を有しており、この搬送管路によって、ブリッスル束2を分割凹部6から取り出し、ブラシ製造機28の処理ステーション29に搬送することができる。
【0069】
処理ステーション29は、例えば、ブリッスル束2を後加工する、例えば、フライス加工および/もしくは研削加工する、かつ/または支持体プレートおよび/もしくはブラシ本体に、製造するブラシを接続する処理ステーションであってもよい。
【0070】
図1図6によれば、分割装置1はさらに、分割ディスク5に割り当てられた可動の対応ホルダ32を有する対応ホルダ装置31を含む。
【0071】
対応ホルダ32は、図1および図2に示された、分割ディスク5に接近した位置から、図3および図4に示された、分割ディスク5から離間した位置へと移動させることができ、離間した位置では、分割凹部6と、この分割凹部内に位置するブリッスル束2とは、搬送装置27によって搬送するために解放されている。図1図6に示された分割装置1の全部で9個の分割凹部6のそれぞれには、押圧装置34のそれぞれ1つの束押圧体33が割り当てられていて、この束押圧体によって、分割凹部6内に位置するブリッスル束2を、搬送装置27による搬送のために分割凹部6から半径方向外側に向かって押すことができる。
【0072】
分割装置1は、さらに、ブリッスル束2をブリッスルマガジン4から分割するために、分割ディスク5を回転させることができる回転駆動装置35を有している。分割されたブリッスル束2を、ブリッスルマガジン4から、搬送装置27に位置する引き渡し位置までの経路で固定するために、分割装置1は、分割ディスク5の外側輪郭に係合する、分割ディスク5に割り当てられた対応部材36をさらに有している。対応部材36は、分割ディスク5に割り当てられた側縁に、それぞれ1つの円弧状の輪郭を有していて、輪郭は、対応部材36に対して相対的に分割ディスクが運動する場合に、分割凹部内にブリッスル束2を固定するために役立つ。
【0073】
ブリッスルマガジン4内に位置するブリッスルストック3を分割ディスク5に押し付けることができるように、分割装置1は、相応の材料押圧体37を有しており、この材料押圧体によって、ブリッスルマガジン4内に配置されたブリッスルストック3を、相応の圧力で負荷することができる。これは、ブリッスルマガジン4のブリッスルストック3からの、分割ディスク5によるブリッスル束2の確実かつ均一な取り出しを支援する。
【符号の説明】
【0074】
1 分割装置
2 ブリッスル束
3 ブリッスルストック
4 ブリッスルマガジン
5 分割ディスク
6 分割凹部
7 取出し開口
8 調節装置
9 調節手段
10 スライダ
11 5の中心点
12 スライドガイド
13 戻し手段
14 シフト機構
15 スピンドル駆動装置
16 スピンドル
17 スピンドルナット
18 レバー
19 アクチュエータ
20 ロック機構
21 調節ディスク
22 調節凹部
23 作動手段
24 偏心カム
25 長孔
26 作動表示部
27 搬送装置
28 ブラシ製造機
29 処理ステーション
30 搬送管路
31 対応ホルダ装置
32 対応ホルダ
33 束押圧体
34 押圧装置
35 回転駆動装置
36 対応部材
37 材料押圧体
38 5における材料のない領域
39 21の中心点
40 ロックつめ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】