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特表2024-525505三次元スキャンシステム、補助部品、処理方法、装置、機器及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】三次元スキャンシステム、補助部品、処理方法、装置、機器及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/24 20060101AFI20240705BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20240705BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240705BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61B1/24
A61C19/04 Z
A61B1/00 650
G01B11/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580916
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2022103441
(87)【国際公開番号】W WO2023274413
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202110745765.8
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518283252
【氏名又は名称】先臨三維科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHINING 3D TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1398 Xiangbin Road,Wenyan Street,Xiaoshan District,Hangzhou,Zhejiang 311258 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】馬 超
(72)【発明者】
【氏名】趙 暁波
(72)【発明者】
【氏名】江 騰飛
(72)【発明者】
【氏名】陳 暁軍
(72)【発明者】
【氏名】賈 顔銘
【テーマコード(参考)】
2F065
4C052
4C161
【Fターム(参考)】
2F065AA53
2F065BB05
2F065CC16
2F065FF01
2F065FF09
2F065FF42
2F065HH07
2F065HH12
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ08
2F065JJ26
2F065LL47
4C052NN02
4C052NN03
4C052NN04
4C052NN15
4C161AA08
4C161CC06
4C161GG11
4C161HH53
4C161LL01
(57)【要約】
本開示は三次元スキャンシステム、スキャンデータ処理方法、装置及び記憶媒体に関する。該システムは三次元スキャン機器及び補助部品を含み、補助部品は口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられ、三次元スキャン機器は口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所三次元データを得て、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、最終的に口腔内の歯と歯肉の全体三次元データを最適化して決定する。最適化のコストを削減し、歯列弓全体の精度を向上させるという目的を達成でき、複数の欠損位置又は無歯顎インプラントブリッジの精度要件を満たし、普及及び適用に有利である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元スキャンシステムであって、
三次元スキャン機器及び補助部品を含み、
前記補助部品は口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられ、
前記三次元スキャン機器は、前記口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所三次元データを得て、前記口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する、ことを特徴とする三次元スキャンシステム。
【請求項2】
前記三次元スキャン機器は、口腔内スキャナー及びスキャンデータ処理デバイスを含み、
前記口腔内スキャナーは、前記口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所二次元データを得、
前記スキャンデータ処理デバイスは、前記口腔のマルチフレーム局所二次元データを三次元再構築し、前記口腔のマルチフレーム局所三次元データを得、
前記スキャンデータ処理デバイスは、更に、前記口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び前記補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の三次元スキャンシステム。
【請求項3】
前記スキャンデータ処理デバイスが前記口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び前記補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定するステップは、
前記スキャンデータ処理デバイスが前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の三次元スキャンシステム。
【請求項4】
口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられる補助部品であって、
前記補助部品には、インプラントに適合する取付部が設けられ、
前記補助部品は複数の不規則な多角形からなる多面体であり、同じ前記補助部品上の各多角形の辺長値が異なる、ことを特徴とする補助部品。
【請求項5】
前記補助部品の表面に反射層がない、ことを特徴とする請求項4に記載の補助部品。
【請求項6】
請求項1~3に記載の三次元スキャンシステムの三次元スキャン機器に適用されるスキャンデータ処理方法であって、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するステップと、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップとを含む、ことを特徴とするスキャンデータ処理方法。
【請求項7】
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得る前記ステップは、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値及び現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値を得るステップと、
前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築するステップと、
前記大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たす場合に、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とするステップと、
前記相対運動目標値に基づき前記口腔のマルチフレーム局所三次元データをつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項6に記載のスキャンデータ処理方法。
【請求項8】
前記前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は相対運動初期値を含み、
前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築する前記ステップの前に、前記スキャンデータ処理方法は、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを全てつなぎ合わせ、相対運動初期値を決定するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項7に記載のスキャンデータ処理方法。
【請求項9】
前記反復停止条件は予め設定された閾値を含み、前記視角制約条件は予め設定された相対運動関係を含み、
現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とする前記ステップの前に、前記スキャンデータ処理方法は、
前記大域的最適化エネルギー関数の値が前記予め設定された閾値以下であるか否かを判断するステップと、
前記相対運動値が前記予め設定された相対運動関係を満たすか否かを判断するステップと、
前記大域的最適化エネルギー関数の値が前記予め設定された閾値以下であり且つ相対運動値が前記予め設定された相対運動関係を満たす場合に、前記大域的最適化エネルギー関数が前記反復停止条件を満たし且つ前記現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が前記視角制約条件を満たすと決定するステップと、を更に含む、ことを特徴とする請求項7に記載のスキャンデータ処理方法。
【請求項10】
請求項1~3に記載の三次元スキャンシステムの三次元スキャン機器に配置されるスキャンデータ処理装置であって、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するためのデータ取得モジュールと、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るための全体三次元データ決定モジュールとを含む、ことを特徴とするスキャンデータ処理装置。
【請求項11】
プロセッサと、
実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリから前記実行可能な命令を読み取り、前記実行可能な命令を実行して請求項6~9のいずれか1項に記載のスキャンデータ処理方法を実現する、ことを特徴とする三次元スキャン機器。
【請求項12】
プロセッサに実行されると、プロセッサに請求項6~9のいずれか1項に記載のスキャンデータ処理方法を実現させるコンピュータプログラムが記憶されている、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本開示は、2021年7月1日に中国特許庁に提出された、出願番号が2021107457658、発明の名称が「三次元スキャンシステム、補助部品、処理方法、装置、機器及び媒体」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は援用により本開示に組み込まれている。
【0002】
本開示の実施例は三次元スキャンの技術分野に関し、特に三次元スキャンシステム、補助部品、処理方法、装置、機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、国際的に、歯科診断治療の分野における歯科模型データの取得手段は、三次元印象スキャンから口腔内三次元スキャンに徐々に移行しつつある。口腔内スキャン技術は、主に、口腔デジタル印象機とも呼ばれる口腔内スキャナーを使用し、挿入式光学スキャンヘッドを用いて、患者の口腔を直接スキャンし、口腔内の歯、歯肉、粘膜等の軟組織及び硬組織の表面の三次元形態及びカラーテクスチャ情報を取得する機器である。口腔内スキャナーが通常スキャン可能な症例は、修復、歯列矯正及びインプラントを含む。症例が成功するか否かを評価することは、修復した歯冠、インプラントした歯の位置、歯列矯正ブレース等の精確度によって決められる。
【0004】
三次元スキャンの精確度を向上させるために、現在、ほとんどの解決方法は、口腔内スキャナーによるスキャンを補助する補助デバイスを用いることである。例えば、識別可能な特徴を持つスキャンロッド等の広い視野角の補助デバイスをインプラントする。しかしながら、このような補助デバイスは口腔内スキャナーに比べてコストが高く、一般的な診療所への普及は困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題を解決し又は上記課題を少なくとも部分的に解決するために、本開示の実施例は、三次元スキャンシステム、補助部品、処理方法、装置、機器及び媒体を提供し、三次元スキャンの精度を向上させ、スキャンのコストを削減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
三次元スキャン機器及び補助部品を含み、
補助部品は、口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられ、
三次元スキャン機器は、口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所三次元データを得て、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する三次元スキャンシステムを提供する。
【0007】
選択的に、三次元スキャン機器は、口腔内スキャナー及びスキャンデータ処理デバイスを含み、
口腔内スキャナーは、口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所二次元データを得、
スキャンデータ処理デバイスは、口腔のマルチフレーム局所二次元データを三次元再構築し、口腔のマルチフレーム局所三次元データを得、
スキャンデータ処理デバイスは、更に、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する。
【0008】
選択的に、スキャンデータ処理デバイスが口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定するステップは、
スキャンデータ処理デバイスが口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップを含む。
【0009】
本開示は、口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられる補助部品を提供し、補助部品には、インプラントに適合する取付部が設けられ、
補助部品は複数の不規則な多角形からなる多面体であり、同じ補助部品上の各多角形の辺長値が異なる。
【0010】
選択的に、補助部品の表面に反射層がない。
【0011】
本開示の実施例は、
三次元スキャンシステムの三次元スキャン機器に適用され、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するステップと、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップと、を含む、補助部品の適用方法を提供する。
【0012】
選択的に、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップは、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値及び現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値を得るステップと、
現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築するステップと、
大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たす場合に、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とするステップと、
相対運動目標値に基づき口腔のマルチフレーム局所三次元データをつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを決定するステップと、を含む。
【0013】
選択的に、前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は相対運動初期値を含み、
現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築するステップの前に、方法は、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを全てつなぎ合わせ、相対運動初期値を決定するステップを更に含む。
【0014】
選択的に、反復停止条件は予め設定された閾値を含み、視角制約条件は予め設定された相対運動値を含み、
現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とするステップの前に、該方法は、
大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値以下であるか否かを判断するステップと、
相対運動値が予め設定された運動値以下であるか否かを判断するステップと、
大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値以下であり且つ相対運動値が予め設定された運動値以下である場合に、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たすと決定するステップと、を更に含む。
【0015】
本開示は、
三次元スキャンシステムの三次元スキャン機器に配置されるスキャンデータ処理装置であって、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するためのデータ取得モジュールと、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るための全体三次元データ決定モジュールと、を含むスキャンデータ処理装置を提供する。
【0016】
本開示は、
プロセッサと、
実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
プロセッサは、メモリから実行可能な命令を読み取り、実行可能な命令を実行して上記いずれか1項に記載のスキャンデータ処理方法を実現するスキャンデータ処理デバイスを提供する。
【0017】
本開示は、プロセッサに実行されると、プロセッサに上記いずれか1項に記載のスキャンデータ処理方法を実現させるコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本開示の実施例により提供される上記技術的解決手段は、従来技術に比べて、以下の利点を有する。
【0019】
補助部品を口腔内の歯列弓のインプラントに取り付け、三次元スキャン機器でスキャンして口腔のマルチフレーム局所三次元データを得た後に、スキャンデータ処理デバイスは補助部品の標準的な三次元データに基づいて口腔のマルチフレーム局所三次元データを最適化処理することができ、広い視野角の補助デバイスで取得されたフレームデータに基づいて三次元スキャンデータを最適化する方法に比べて、スキャンデータの精度を向上させると同時に、最適化のコストを削減し、歯列弓全体を正確にシミュレートするという目的を達成することができる。
【0020】
上記の一般的な説明及び以下の詳細の説明は例示的及び解釈的なものに過ぎず、本開示を制限するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
添付の図面は、明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示と一致する実施例を示し、明細書とともに本開示の原理を解釈することに用いられる。
【0022】
本開示の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用される必要のある図面を簡単に説明し、明らかなように、当業者であれば、創造的な労働を必要とせずにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
図1】本開示の実施例により提供される三次元スキャンシステムの概略構造図である。
図2】本開示の実施例により提供される口腔内スキャナーの概略構造図である。
図3】本開示の実施例により提供される補助部品の概略構造図である。
図4】本開示の実施例により提供されるスキャンデータ処理方法のフローチャートである。
図5】本開示の実施例により提供されるスキャンデータ処理装置の概略構造図である。
図6】本開示の実施例により提供されるスキャンデータ処理デバイスの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本開示の実施例における技術的解決手段を明瞭で完全に説明し、勿論、説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに取得した全ての他の実施例は本開示の保護範囲に属する。
【0024】
関連技術では、口腔内スキャナーを利用して口腔内の画像を収集する場合、三次元スキャン技術で口腔内スキャナーの挿入式光学スキャンヘッドを口腔に挿入して、患者の口腔を直接スキャンし、口腔内の歯、歯肉、粘膜等の軟組織及び硬組織の表面の三次元形態及びカラーテクスチャ情報を取得する。口腔が狭いため、挿入式光学スキャンヘッドの体積に制限があり、一般的に、挿入式スキャンヘッドの寸法が30mm以内に制御され、挿入式光学スキャンヘッドは一度に最大2歯以内の歯の画像しか取得できない。しかしながら、歯科業界は、歯を設計し製作する過程で、ほとんど口腔内の全ての歯と歯肉のデータを取得する必要があり、一回で取得した歯の画像をつなぎ合わせて口全体の歯に一致する三次元空間データを作成する必要がある。
【0025】
口腔内スキャナーが通常スキャン可能な症例は、修復、歯列矯正及びインプラントを含む。症例が成功するか否かを評価することは、修復した歯冠、インプラントした歯の位置、歯列矯正ブレース等の精確度によって決められる。
【0026】
修復した歯冠、インプラントした歯の位置、歯列矯正ブレース等の精確度を向上させるために、円錐台、四角形ブロック等の規則的なものを標準部品として、口腔内スキャナーでスキャンして得られた三次元スキャンデータの最適化を補助する。しかしながら、円錐台、四角形ブロック等の規則的なものにより、つなぎ合わせにエラーが発生することがよくあり、また、円錐台、四角形ブロックの体積は、歯列弓全体の全顎の歯のデータの精度を完全にシミュレートし表現することができない。すなわち、上記標準部品は、1歯又は少数歯の修復症例の精度を評価できるが、全顎の歯の歯列矯正症例の精度を評価できない。
【0027】
更に、全顎の歯の歯列矯正症例の精度を向上させるために、関連技術では、補助デバイスを用いて歯列弓全体等の歯列弓をフレームワークスキャンし、歯列弓全体のフレームワーク精度を取得した後に、口腔内スキャナーで歯列弓全体を細かく再スキャンする。このような方法は、歯列弓全体のスキャン精度を確保すると同時に、データの細部を求める。例えば、口腔内にマークポインを貼り且つマークポインを持つスキャンロッドをインプラントするか、識別可能な特徴を持つスキャンロッドをインプラントし、広い視野角の補助デバイスで高精度の各マークポイン又は特徴の位置を取得し、フレームワークデータとする。次に、口腔内スキャナーを利用して歯、歯肉、及び各マークポインと特徴をスキャンし、フレームワークデータを参照データとして、口腔内スキャナーで得られた三次元スキャンデータを最適化してつなぎ合わせ、歯列弓全体の高精度の目標スキャンデータを得て、全顎の歯の歯列矯正症例の精度を向上させる。しかし、実際の適用において、上記補助デバイスのコストは口腔内スキャナーよりも高く、全顎の歯の歯列矯正症例の精度要件を満たすことができるが、一般的な診療所への普及が困難であり、一般的な患者に利益をもたらすことができない。
【0028】
以上のように、円錐台、四角形ブロック等の規則的なものを標準部品として、口腔内スキャナーでスキャンして得られた三次元スキャンデータの最適化を補助する方法は、全顎の歯の歯列矯正症例の精度を評価できず、広い視野角の補助デバイスを利用して口腔内スキャナーでスキャンして得られた三次元スキャンデータの最適化を補助する方法の場合、補助デバイスのコストが高く、普及及び適用が不可能である。
【0029】
上記問題を解決するために、本開示の実施例は、三次元スキャンシステム、補助部品、処理方法、装置、機器及び媒体を提供する。補助部品の標準的な三次元データに基づき口腔のマルチフレーム局所三次元データを最適化処理することは、広い視野角の補助デバイスで取得されたフレームワークデータに基づいて三次元スキャンデータを最適化する方法に比べて、スキャンデータの精度を向上させると同時に、最適化のコストを削減し、歯列弓全体を正確にシミュレートするという目的を達成し、修復した歯冠、歯列矯正の歯の位置及び歯列矯正ブレースの精度要件を満たすことができ、普及及び適用に有利である。
以下、先ず、本開示の実施例により提供される三次元スキャンシステムを説明する。
【0030】
図1は本開示の実施例により提供される三次元スキャンシステムの概略構造図を示す。該三次元スキャンシステムは三次元スキャン機器10及び補助部品20を含む。
【0031】
補助部品20は口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられ、
三次元スキャン機器10は口腔を三次元スキャンし、口腔のマルチフレーム局所三次元データを得て、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する。
【0032】
本開示の実施例では、補助部品は、歯列弓のインプラントに取り付けられる多面体であり、補助部品は、スキャンデータ処理デバイスを介して、口腔内の罹患歯の構造的特徴及び罹患歯の周囲の歯の構造的特徴に基づいて予め設計することができる。歯の構造的特徴は、歯の形態、体積等の特徴データを含んでもよい。選択的に、補助部品は四角柱、六角柱等の構造であってもよいが、これらに限定されない。
【0033】
補助部品の間のつなぎ合わせの滑らかさを向上させるために、補助部品上の多角形平面の間の対称や重複を減少する必要がある。本開示の実施例では、歯列弓の構造的特徴に基づき、コンピュータ支援設計(Computer Aided Design、CAD)ソフトウェアによって補助部品の各表面を不規則な多角形として設計することができ、且つ同じ補助部品上の各多角形の辺長値が異なる。このように、補助部品上の各多角形の形状は異なり、各多角形の辺長値も異なる。補助部品を不規則な多面体に設計することにより、補助部品は歯列弓の構造的特徴に適応することができ、補助部品の間のつなぎ合わせの滑らかさが向上し、つなぎ合わせた後の補助部品は歯列弓全体に非常に良好にフィットでき、加工が容易になり、検出しやすい特徴が改善される。
【0034】
本開示の実施例では、口腔内の歯列弓のインプラントに補助部品を取り付ける前に、口腔内の歯の罹患状況に応じて歯列弓のインプラントの位置を予め決定し、罹患歯の大きさ及び罹患歯と周囲の歯との間の距離に基づき、適切な寸法の補助部品を選択することができる。更に、インプラントの周囲のねじ山及び補助部品のねじ山に基づき、補助部品を図1に示される対応する位置のインプラントに取り付け、口腔内に補助部品を取り付ける操作を完了する。
【0035】
本開示の実施例では、三次元スキャン機器10は、口腔内スキャナー101及びスキャンデータ処理デバイス102を含む。
【0036】
口腔内スキャナー101は、口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所二次元データを得る。
【0037】
スキャンデータ処理デバイス102は、口腔のマルチフレーム局所二次元データを三次元再構築し、口腔のマルチフレーム局所三次元データを得る。
【0038】
スキャンデータ処理デバイス102は、更に、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する。
【0039】
口腔の全体三次元データの最適化の精度を向上させるために、本開示の実施例では、スキャンデータ処理デバイスが口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定するステップは、
スキャンデータ処理デバイスが口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップを含んでもよい。
【0040】
具体的に、口腔内の歯列弓のインプラントに補助部品を取り付けた後に、口腔内スキャナーの挿入式光学スキャンヘッドを口腔内に挿入し、口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所二次元データを得る。マルチフレーム局所二次元データとは、スキャンされた点群データを指し、口腔内の歯のマルチフレーム局所二次元データを含んでもよい。更に、口腔内スキャナーは口腔のマルチフレーム局所二次元データをスキャンデータ処理デバイスに送信し、スキャンデータ処理デバイスはマルチフレーム局所二次元データを三次元再構築し、口腔のマルチフレーム局所二次元データに対応する口腔のマルチフレーム局所三次元データを得て、更に口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得る。
【0041】
本開示の実施例では、補助部品の標準的な三次元データとは、スキャンデータ処理デバイスが補助部品を設計する際に決定した補助部品上の各多角形の特徴点データを指す。スキャンデータ処理デバイスは全体三次元データを決定する際に、補助部品の標準的な三次元データを点群空間にシミュレートし、口腔のマルチフレーム局所三次元データと組み合わせて口腔の全体三次元データを決定することができる。
【0042】
本開示の実施例では、スキャンデータ処理デバイスは口腔のマルチフレーム局所三次元データをつなぎ合わせ、そして、補助部品の標準的な三次元データに基づき、つなぎ合わせた後の口腔のマルチフレーム局所三次元データを最適化し、口腔の全体三次元データを得ることができる。
【0043】
具体的に、スキャンデータ処理デバイスは、口腔のマルチフレーム局所三次元データをレジストレーションするとともに、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データをレジストレーションして、局所三次元データで構成されたレジストレーション点ペア及び補助部品の標準的な三次元データと局所三次元データで構成されたレジストレーション点ペアを得ることができる。更に、口腔のマルチフレーム局所三次元データのレジストレーション点ペアと補助部品の標準的な三次元データのレジストレーション点ペアをつなぎ合わせて、口腔全体のつなぎ合わせた後のマルチフレーム局所三次元データを得て、つなぎ合わせた後のマルチフレーム局所三次元データは、歯列弓の三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを含み、補助部品の標準的な三次元データに基づいて、つなぎ合わせた後のマルチフレーム局所三次元データを最適化し、口腔の全体三次元データを決定することができ、すなわち、最適化処理された口腔のスキャンデータを得ることができる。
【0044】
図2は口腔内スキャナーの一実施形態の概略構造図を示す。該口腔内スキャナー101は、投影装置11、画像収集装置12及び光路調整装置13を含む。
【0045】
そのうちの1つの実施形態として、投影装置11は放出装置110、光コリメート装置120及びパターン成形装置130を含み、
放出装置110は、少なくとも2種の単色光を含むプリセット光線を放出し、
光コリメート装置120は、前記プリセット光線に対して覆い焼き処理を行い、
パターン成形装置130は、覆い焼き処理された後のプリセット光線を構造化光パターンとして投影し、
光路調整装置13は、構造化光パターンの伝送経路を変更し、構造化光パターンを歯列弓に投影し、歯列弓によって変調された構造化光パターンを画像収集装置に投影し、
画像収集装置12は、歯列弓によって変調された構造化光パターンを分光し、分光後の複数の構造化光パターンを異なるカメラで収集し、歯列弓の二次元スキャンデータを得る。
【0046】
放出装置110は、レーザ放出装置、シリンドリカルレンズ及び色合成装置からなる放出装置を用いることができる。本開示の実施例では、光コリメート装置120は、少なくとも1つの複眼レンズを含んでもよく、複眼レンズは、プリセット光線を覆い焼き処理し、覆い焼き処理された後のプリセット光線をパターン成形装置に投影する。
【0047】
本開示の実施例では、パターン成形装置130はカラーグレーティングシートであってもよい。カラーグレーティングシートは、覆い焼き処理された後のプリセット光線を透過し、ストライプの形式で投影された構造化光パターンを生成する。
【0048】
本開示の実施例では、光路調整装置13は反射装置を含み、構造化光パターンの伝送経路を変更し、前記構造化光パターンを歯列弓に投影し、歯列弓によって変調された構造化光パターンを画像収集装置に投影してよい。反射装置は反射鏡であってもよく、反射機能を有する他の装置であってもよい。
【0049】
本開示の実施例では、画像収集装置12はダイクロイックプリズム及び2つのカメラを含んでもよい。ダイクロイックプリズムは構造化光パターンを分光し、一方のカメラは分光後の一方の光線を収集し、他方のカメラは分光後の他方の光線を収集し、収集された両方の光線は歯列弓の二次元スキャンデータとされる。これにより、本開示の実施例では、上記口腔内スキャナーを利用して口腔をスキャンする際に、光コリメート装置によってプリセット光線を覆い焼き処理することにより、プリセット光線をエネルギーレベルで均一化して、高い光エネルギー利用率及び広い面積の均一な照明を得ることができ、均一なプリセット光線の投影に有利であり、回折スポットの発生を回避して、光線の利用率を向上させる。また、分光後の複数の構造化光パターンが異なるカメラで収集されるため、分光後の構造化光パターンを区別して、異なる構造化光パターンの間の相互干渉を回避し、スキャンデータの精度を向上させることができる。
【0050】
勿論、投影装置11は更にデジタル光処理(Digital Light Processing、DLPと略称)又はシリコン上の液晶(Liquid Crystal on Silicon、LCOSと略称)であってもよい。
【0051】
本開示の実施例により提供される技術的解決手段によれば、補助部品を口腔内の歯列弓のインプラントに取り付け、三次元スキャン機器でスキャンして口腔のマルチフレーム局所三次元データを得た後に、スキャンデータ処理デバイスは補助部品の標準的な三次元データに基づいて口腔のマルチフレーム局所三次元データを最適化処理することができ、広い視野角の補助デバイスで取得されたフレームワークデータに基づいて三次元スキャンデータを最適化する方法に比べて、スキャンデータの精度を向上させると同時に、最適化のコストを削減し、歯列弓全体を正確にシミュレートするという目的を達成することができる。
【0052】
図3は本開示の実施例により提供される補助部品の概略構造図を示す。図3を参照すると、該補助部品は、口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられ、補助部品には、インプラントに適合する取付部が設けられ、補助部品は複数の不規則な多角形からなる多面体であり、同じ前記補助部品上の各多角形の辺長値が異なる。
【0053】
具体的に、補助部品の構造的特徴は歯列弓全体の構造的特徴に適応し、補助部品は図3に示される六角柱であってもよく、単一の補助部品は歯列弓全体に非常に良好にフィットすることができ、また、該補助部品には対称的な重複した多角形平面が少なく、補助部品の間のつなぎ合わせの滑らかさを向上させることができ、つなぎ合わせた後の補助部品は歯列弓全体に非常に良好にフィットすることができる。歯列弓全体の異なる位置に固定される補助部品については、補助部品の辺長の大きさを変更し補助部品の構造的特徴を変更することで、補助部品上の複数の平面の同じ特徴を減少する。
【0054】
本開示の実施例では、歯列弓の構造的特徴に基づき、コンピュータ支援設計(Computer Aided Design、CAD)ソフトウェアによって補助部品の各表面を不規則な多角形として設計することができ、また、同じ補助部品上の各多角形の辺長値が異なる。このように、補助部品上の各多角形の形状は異なり、各多角形の辺長値も異なり、補助部品の間のつなぎ合わせの滑らかさを向上させることができ、補助部品上の多角形平面の間の対称や重複を減少する必要がある。
【0055】
本開示の実施例では、補助部品の表面に反射層がない。例えば、補助部品の表面にサンドブラスト処理等が実施されない。補助部品の表面に反射層がないため、補助部品の表面の反射を減少させ、スキャン効率及びスキャン精度を更に向上させることができる。
【0056】
本開示の実施例により提供される技術的解決手段では、補助部品は複数の不規則な多角形からなる多面体であり、円錐台状や四角形ブロックの形状の標準部品に比べて、歯列弓の構造的特徴に基づいて、複数の補助部品を非常に良好につなぎ合わせることができ、つなぎ合わせにエラーが発生せず、製造が容易であり、そして、補助部品の表面に反射層がないため、補助部品の表面の反射を減少させ、スキャン効率及びスキャン精度を更に向上させることができ、また、コストが低く、普及及び適用に有利である。
【0057】
図4は本開示の実施例により提供されるスキャンデータ処理方法のフローチャートを示す。
【0058】
図4に示されるように、該スキャンデータ処理方法は上記スキャンデータ処理デバイスに適用され、該方法は具体的に下記のステップを含む。
【0059】
S410、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得する。
【0060】
本開示の実施例では、口腔のマルチフレーム局所三次元データは、三次元スキャン機器のスキャンデータ処理デバイスが、口腔内スキャナーでスキャンされた口腔のマルチフレーム局所二次元データを再構築することにより取得できる。口腔のマルチフレーム局所三次元データは口腔内の歯のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品のマルチフレーム局所三次元データを含んでもよい。補助部品の標準的な三次元データは、スキャンデータ処理デバイスが補助部品を設計する際に決定した補助部品上の各多角形の特徴点データであってもよい。
【0061】
本開示の実施例では、補助部品は口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられ、補助部品は複数の不規則な多角形からなる多面体であり、同じ補助部品上の各多角形の辺長値が異なり、異なるインプラントに取り付けられる異なる補助部品上の各多角形の辺長値が異なる。
【0062】
S420、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得る。
【0063】
上述したように、口腔の全体三次元データとは、最適化処理された口腔のスキャンデータを指す。
【0064】
本開示のいくつかの実施例では、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップは、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値及び現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値を得るステップ1と、
現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築するステップ2と、
大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たす場合に、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とするステップ3と、
相対運動目標値に基づき口腔のマルチフレーム局所三次元データをつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを決定するステップ4と、を含んでもよい。
【0065】
ステップ1に対して、具体的に、三次元スキャン機器のスキャンデータ処理デバイスは、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データの任意のサンプリング点ペアを選択し、サンプリング点ペアをサンプリングしてつなぎ合わせ、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値及び現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値を得ることができる。
【0066】
本開示の実施例では、相対運動値は、局所三次元データで構成されたレジストレーション点ペアの間の相対位置・姿勢、及び局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データで構成されたレジストレーション点ペアの間の相対位置・姿勢であってもよい。
【0067】
本開示の実施例では、距離平均値は、局所三次元データで構成されたレジストレーション点ペアの間の距離、及び局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データで構成されたレジストレーション点ペアの間の距離を含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施例では、ステップ1の具体的なステップは、
局所三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、第1相対運動値を得て、局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、第2相対運動値を得て、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値を第1相対運動値と第2相対運動値とで構成するステップ11と、
サンプリングしてつなぎ合わせたマルチフレーム局所三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の第1距離値を計算し、サンプリングしてつなぎ合わせたマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の第2距離値を計算し、距離平均値を第1距離値と第2距離値の平均和で構成するステップ12と、を含んでもよい。
【0069】
いくつかの実施例では、サンプリングしてつなぎ合わせた局所三次元データの空間関係に基づき、サンプリングされた局所三次元データの回転・平行移動行列を計算し、第1相対運動値を得るとともに、サンプリングしてつなぎ合わせた局所三次元データとサンプリングされた補助部品の標準的な三次元データの回転・平行移動行列を計算し、第2相対運動値を得て、相対運動値を第1相対運動値と第2相対運動値とで構成してもよい。
【0070】
選択的に、回転・平行移動行列は、回転行列(Rxn,Ryn,Rzn)及び平行移動行列(xm,ym,zm)を含んでもよい。Rxn、Ryn、Rznはそれぞれx、y、z方向の回転軸である。xm、ym、zmはそれぞれx、y、z方向のベクトルである。
【0071】
いくつかの実施例では、反復方式の剛体レジストレーションアルゴリズム、アニーリング及びソフト対応法を使用するレジストレーションアルゴリズム、類似性測定方法等の方法に基づきレジストレーションを行い、上記レジストレーション点ペアを得ることができる。更に、サンプリングしてつなぎ合わせたマルチフレーム局所三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間のユークリッド距離を計算し、該ユークリッド距離を第1距離とするとともに、サンプリングしてつなぎ合わせたマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間のユークリッド距離を計算し、該ユークリッド距離を第2距離とし、距離平均値を第1距離値と第2距離値の平均和で構成する。
【0072】
本開示の実施例では、局所三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、及び局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせる過程で、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データの前の視角から現在の視角への回転角及び回転軸に基づき、視覚制約条件表現方程式を生成し、任意の2つの視角でのレジストレーション点ペアの相対運動初期値に基づき構築された低ランクの疎行列、及び任意の2つの視角でのレジストレーション点ペアの回転・平行移動行列における並進ベクトルとコーシー重み関数に基づいて、重み行列を構築し、また、視覚制約条件表現方程式、低ランクの疎行列及び重み行列に従って、大域的運動最適化問題の数学的モデルを構築し、更に、大域的運動最適化問題の数学的モデルを処理し、最適化問題表現式を得て、最適化問題表現式を解いて、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値を得ることができる。選択的に、大域的運動最適化問題の数学的モデルに対して凸緩和処理を行い、最適化問題表現式を得て、ラグランジュ乗数法を利用して最適化問題表現式を解いて、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値を得てもよい。
【0073】
ステップ2に対して、具体的に、三次元スキャン機器のスキャンデータ処理デバイスは、距離平均値及び現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値を取得した後に、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築することができる。そのうち、前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は、サンプリングしてつなぎ合わせることが完了した最後のつなぎ合わせにより得られる相対運動値であってもよい。
【0074】
本開示のいくつかの実施例では、前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は、初回でつなぎ合わせて得られた相対運動値であってもよく、初回でつなぎ合わせて得られた相対運動値が相対運動初期値として使用される。
【0075】
いくつかの実施例では、前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は相対運動初期値を含み、
それ相応に、ステップ2の前に、該方法は、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを全てつなぎ合わせ、相対運動初期値を決定するステップを更に含む。
【0076】
それ相応に、ステップ2のステップは、
現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び相対運動初期値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築するステップを含んでもよい。
【0077】
本開示の実施例では、相対運動初期値は、局所三次元データで構成されたレジストレーション点ペアの間の初期相対位置・姿勢、及び局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データで構成されたレジストレーション点ペアの間の初期相対位置・姿勢であってもよい。
【0078】
いくつかの実施例では、三次元スキャン機器のスキャンデータ処理デバイスは、スキャンされた局所二次元データに対応する局所三次元データを全てつなぎ合わせ、第1相対運動初期値を得るとともに、局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを全てつなぎ合わせ、第2相対運動初期値を得て、相対運動初期値を第1相対運動初期値と第2相対運動初期値とで構成してもよい。
【0079】
本開示の別のいくつかの実施例では、前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は、前回でサンプリングしてつなぎ合わせて得られた第1相対運動値と第2相対運動値で構成されてもよい。つまり、前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値については、前回のつなぎ合わせの回数で、局所三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、第1相対運動値を得るとともに、局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、第2相対運動値を得て、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値を前回のつなぎ合わせの回数での第1相対運動値と第2相対運動値で構成してもよい。
【0080】
上記の説明に基づき、大域的最適化エネルギー関数の表現式は、
E=▽E(i,j)+ΣD(u,v)であり、
ただし、Eは大域的最適化エネルギー関数であり、▽E(i,j)はレジストレーション点ペアの現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値と前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値との差であり、i及びjはそれぞれ2つの視角であり、ΣD(u,v)は現在でつなぎ合わせて得られた距離平均値であり、u、vはそれぞれ歯列弓の全てのレジストレーション点ペアのシーケンス位置表現である。
【0081】
ステップ3に対して、具体的に、三次元スキャン機器のスキャンデータ処理デバイスは、大域的最適化エネルギー関数を構築した後に、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たすか否か及び現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たすか否かを決定することができ、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たすと、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とする。
【0082】
いくつかの実施例では、反復停止条件は予め設定された閾値を含み、視角制約条件は予め設定された相対運動値を含み、
それ相応に、ステップ3の前に、該方法は、
大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値以下であるか否かを判断するステップ31と、
相対運動値が予め設定された相対運動関係を満たすか否かを判断するステップ32と、
大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値以下であり且つ相対運動値が予め設定された相対運動関係を満たす場合に、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たすと決定するステップ33と、を更に含む。
【0083】
予め設定された閾値は、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たすか否かを判断するための予め設定された値であってもよい。選択的に、予め設定された閾値は0.01や、0.02等の値であってもよく、ここで限定されない。
【0084】
予め設定された相対運動関係は、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が安定しているか否かを判断するための関係であってもよい。具体的に、予め設定された相対運動関係は、隣接するフレームの局所三次元データの間の回転・平行移動行列が予め設定された値以下であること、及び現在でつなぎ合わせたマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データの間の回転・平行移動行列が予め設定された値以下であることを表すことができる。選択的に、予め設定された相対運動関係は、前回でつなぎ合わせた視角から現在でつなぎ合わせた視角に変換した回転角及び回転軸に基づいて決定されてもよい。
【0085】
具体的に、三次元スキャン機器のスキャンデータ処理デバイスは、大域的最適化エネルギー関数を構築した後に、大域的最適化エネルギー関数の値と予め設定された閾値とを比較するとともに、相対運動値と予め設定された相対運動関係とを比較し、大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値以下であり且つ相対運動値が予め設定された相対運動関係を満たすと、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たすと決定し、更に、スキャンデータ処理デバイスは現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とする。
【0086】
本開示の実施例では、大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値よりも大きいと、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たさず、又は、相対運動値が予め設定された相対運動関係を満たさないと、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値は視角制約条件を満たさず、そして、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たすまで、大域的最適化エネルギー関数の反復を継続し、大域的最適化エネルギー関数における相対運動初期値を更新し、視覚制約条件表現方程式の重み行列を更新して反復し、相対運動値及び距離平均値を更新し、相対運動目標値を得る。
【0087】
ステップ4に対して、具体的に、三次元スキャン機器のスキャンデータ処理デバイスは、相対運動目標値を得た後に、相対運動目標値に基づき各視角点群の大域的運動目標値を決定し、大域的運動目標値に基づき全てのマルチフレーム局所三次元データをつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得ることができる。
【0088】
これにより、ステップ1~4により、大域的最適化エネルギー関数を構築し、且つ大域的最適化エネルギー関数に基づいて、口腔の全体三次元データを正確に計算することができる。
【0089】
本開示の実施例により提供される技術的解決手段では、三次元スキャン機器は、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得し、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得て、口腔の全体三次元データを決定する。上記の方法により、口腔の全体三次元データを正確で効率的に算出することができ、口腔の全体三次元データは高精度の三次元データであり、歯列弓全体を正確にシミュレートするという目的を達成し、修復した歯冠、歯列矯正の歯の位置及び歯列矯正ブレースの精度要件を満たし、普及及び適用に有利である。
【0090】
図5は本開示の実施例により提供されるスキャンデータ処理装置の概略構造図を示しており、該装置はスキャンデータ処理デバイスに配置される。図5を参照すると、該装置は、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するためのデータ取得モジュール510と、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るための全体三次元データ決定モジュール520と、を含む。
【0091】
本開示の実施例により提供される技術的解決手段では、三次元スキャン機器は、口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得し、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得て、口腔の全体三次元データを決定する。上記の方法により、口腔の全体三次元データを正確で効率的に算出することができ、口腔の全体三次元データは高精度の三次元データであり、歯列弓全体を正確にシミュレートするという目的を達成し、修復した歯冠、歯列矯正の歯の位置及び歯列矯正ブレースの精度要件を満たし、普及及び適用に有利である。
【0092】
選択的に、全体三次元データ決定モジュール520は、具体的に、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値及び現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値を得、
現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築し、
大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たす場合に、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とし、
相対運動目標値に基づき口腔のマルチフレーム局所三次元データをつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを決定する。
【0093】
選択的に、前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は相対運動初期値を含み、
それ相応に、全体三次元データ決定モジュール520は、更に、口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを全てつなぎ合わせ、相対運動初期値を決定する。
【0094】
選択的に、反復停止条件は予め設定された閾値を含み、視角制約条件は予め設定された相対運動値を含み、
それ相応に、全体三次元データ決定モジュール520は、更に、大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値以下であるか否かを判断し、
相対運動値が予め設定された相対運動関係を満たすか否かを判断し、
大域的最適化エネルギー関数の値が予め設定された閾値以下であり且つ相対運動値が予め設定された相対運動関係を満たす場合に、大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たすと決定する。
【0095】
図6を参照すると、本実施例はスキャンデータ処理デバイス600を提供し、1つ又は複数のプロセッサ620と、1つ又は複数のプロセッサ620に実行されると、1つ又は複数のプロセッサ620に本発明の実施例により提供されるスキャンデータ処理方法を実現させる1つ又は複数のプログラムを記憶するための記憶装置610と、を含み、上記スキャンデータ処理方法は、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するステップと、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップと、を含む。
【0096】
勿論、当業者は、プロセッサ620が更に本発明の任意の実施例により提供されるスキャンデータ処理方法の技術的解決手段を実現できることを理解できる。
【0097】
図6に示されるスキャンデータ処理デバイス600は一例に過ぎず、本発明の実施例の機能及び使用範囲を限定するものではない。
【0098】
図6に示されるように、該スキャンデータ処理デバイス600はプロセッサ620、記憶装置610、入力装置630及び出力装置640を含み、デバイス内のプロセッサ620の数は1つ又は複数であってもよく、図6において、一例として1つのプロセッサ620が挙げられ、デバイス内のプロセッサ620、記憶装置610、入力装置630及び出力装置640は、バス又は他の方式で接続されてもよく、図6において、一例としてバス650を介した接続が挙げられる。
【0099】
記憶装置610は、コンピュータ可読記憶媒体として、本発明の実施例におけるスキャンデータ処理方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、スキャンデータ処理装置のデータ取得モジュール及び全体三次元データ決定モジュール)等の、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶することができる。
【0100】
記憶装置610は、主にプログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含み、プログラム記憶領域はオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶領域は、端末の使用に基づいて作成されたデータ等を記憶することができる。この他、記憶装置610は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又はその他の不揮発性固体記憶デバイス等の不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実例では、記憶装置610は、プロセッサ620に対して遠隔に設置されたメモリを更に含んでもよく、これらの遠隔メモリはネットワークを介してデバイスに接続することができる。上記ネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0101】
入力装置630は、入力された数字又は文字情報を受信し、及びデバイスのユーザー設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、例えば、マウス、キーボード及びタッチパネルのうちの少なくとも1つを含む。出力装置640は、ディスプレイ等の表示装置を含む。
【0102】
本実施例は、コンピュータ実行可能な命令を含む記憶媒体を提供し、コンピュータ実行可能な命令はコンピュータプロセッサに実行されると、上記スキャンデータ処理デバイスに適用されるスキャンデータ処理方法を実行させ、該方法は、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するステップと、
口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップと、を含む。
【0103】
勿論、本発明の実施例により提供されるコンピュータ実行可能な命令を含む記憶媒体については、そのコンピュータ実行可能な命令は、上述の方法操作に限定されず、本発明の任意の実施例により提供されるスキャンデータ処理方法の関連する操作を実行することもできる。
【0104】
上記の実施形態についての説明により、当業者は、本発明がソフトウェア及び必要な汎用ハードウェアにより実現でき、勿論ハードウェアにより実現されてもよいが、多くの場合に、前者がより好ましい実施形態であることを明瞭に理解することができる。このような理解を踏まえて、本発明の技術的解決手段が実質的に又は従来技術に対して貢献している部分がソフトウェア製品の形式で実現することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータのフロッピーディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ(FLASH)、ハードディスク又は光ディスク等の、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、コンピュータ関連機器(パソコン、サーバ、又はネットワーク機器等が挙げられる)に本発明の各実施例により提供されるスキャンデータ処理方法を実行させる複数の命令を含む。
【0105】
なお、上記の内容は本開示の好ましい実施例及び用いられる技術原理に過ぎない。当業者は、本開示が本明細書に記載される特定の実施例に限定されず、当業者にとって、本開示の保護範囲から離脱することなく、様々な明らかな変更、再調整及び置換を行うことができることを理解できる。従って、上記の実施例を通じて本開示を詳細に説明したが、本開示は上記の実施例に限定されるものではなく、本開示の精神から離脱することなく、より多くの他の等価実施例を更に含むことができ、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示により提供される三次元スキャンシステムは、最適化のコストを削減し、歯列弓全体の精度を向上させるという目的を達成でき、複数の欠損位置又は無歯顎インプラントブリッジの精度要件を満たし、普及及び適用に有利であり、産業上の実用性が高い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元スキャンシステムであって、
三次元スキャン機器及び補助部品を含み、
前記補助部品は口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられ、
前記三次元スキャン機器は、前記口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所三次元データを得て、前記口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する、ことを特徴とする三次元スキャンシステム。
【請求項2】
前記三次元スキャン機器は、口腔内スキャナー及びスキャンデータ処理デバイスを含み、
前記口腔内スキャナーは、前記口腔をスキャンし、口腔のマルチフレーム局所二次元データを得、
前記スキャンデータ処理デバイスは、前記口腔のマルチフレーム局所二次元データを三次元再構築し、前記口腔のマルチフレーム局所三次元データを得、
前記スキャンデータ処理デバイスは、更に、前記口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び前記補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の三次元スキャンシステム。
【請求項3】
前記スキャンデータ処理デバイスが前記口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び前記補助部品の標準的な三次元データに基づき、口腔の全体三次元データを決定するステップは、
前記スキャンデータ処理デバイスが前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の三次元スキャンシステム。
【請求項4】
口腔内の歯列弓のインプラントに取り付けられる補助部品であって、
前記補助部品には、インプラントに適合する取付部が設けられ、
前記補助部品は複数の不規則な多角形からなる多面体であり、同じ前記補助部品上の各多角形の辺長値が異なる、ことを特徴とする補助部品。
【請求項5】
前記補助部品の表面に反射層がない、ことを特徴とする請求項4に記載の補助部品。
【請求項6】
請求項に記載の三次元スキャンシステムの三次元スキャン機器に適用されるスキャンデータ処理方法であって、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するステップと、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るステップとを含む、ことを特徴とするスキャンデータ処理方法。
【請求項7】
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得る前記ステップは、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データをサンプリングしてつなぎ合わせ、現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値及び現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値を得るステップと、
前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築するステップと、
前記大域的最適化エネルギー関数が反復停止条件を満たし且つ現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が視角制約条件を満たす場合に、現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とするステップと、
前記相対運動目標値に基づき前記口腔のマルチフレーム局所三次元データをつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項6に記載のスキャンデータ処理方法。
【請求項8】
前記前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値は相対運動初期値を含み、
前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた相対運動値、前記現在でサンプリングしてつなぎ合わせた三次元データにおけるレジストレーション点ペアの間の距離平均値、及び前回でつなぎ合わせて得られた相対運動値に基づいて、大域的最適化エネルギー関数を構築する前記ステップの前に、前記スキャンデータ処理方法は、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを全てつなぎ合わせ、相対運動初期値を決定するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項7に記載のスキャンデータ処理方法。
【請求項9】
前記反復停止条件は予め設定された閾値を含み、前記視角制約条件は予め設定された相対運動関係を含み、
現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値を相対運動目標値とする前記ステップの前に、前記スキャンデータ処理方法は、
前記大域的最適化エネルギー関数の値が前記予め設定された閾値以下であるか否かを判断するステップと、
前記相対運動値が前記予め設定された相対運動関係を満たすか否かを判断するステップと、
前記大域的最適化エネルギー関数の値が前記予め設定された閾値以下であり且つ相対運動値が前記予め設定された相対運動関係を満たす場合に、前記大域的最適化エネルギー関数が前記反復停止条件を満たし且つ前記現在でつなぎ合わせて得られた相対運動値が前記視角制約条件を満たすと決定するステップと、を更に含む、ことを特徴とする請求項7に記載のスキャンデータ処理方法。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載の三次元スキャンシステムの三次元スキャン機器に配置されるスキャンデータ処理装置であって、
口腔のマルチフレーム局所三次元データ及び補助部品の標準的な三次元データを取得するためのデータ取得モジュールと、
前記口腔のマルチフレーム局所三次元データと前記補助部品の標準的な三次元データを最適化してつなぎ合わせ、口腔の全体三次元データを得るための全体三次元データ決定モジュールとを含む、ことを特徴とするスキャンデータ処理装置。
【請求項11】
プロセッサと、
実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリから前記実行可能な命令を読み取り、前記実行可能な命令を実行して請求項6~9のいずれか1項に記載のスキャンデータ処理方法を実現する、ことを特徴とするスキャンデータ処理機器
【請求項12】
プロセッサに実行されると、プロセッサに請求項6~9のいずれか1項に記載のスキャンデータ処理方法を実現させる、ことを特徴とするコンピュータプログラ
【国際調査報告】