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特表2024-525525気流経路内の障害物を検出するための空気圧力測定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】気流経路内の障害物を検出するための空気圧力測定
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20240705BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240705BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240705BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/51
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024500031
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2022069642
(87)【国際公開番号】W WO2023285554
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21185651.3
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ハン ワンジアン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AC17
4B162AC34
4B162AC41
4B162AC50
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル発生システムの気流経路内の障害物の存在を検出する方法。システム(100)は、エアロゾル形成基体(210)を加熱するためのヒーター組立品(202)と、電源(302)と、空気吸込み口(218)と空気出口(306)との間に画定され、ヒーター組立品(202)を通過する気流経路と、気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも一つのセンサー(216)とを備える。方法は、a)少なくとも一つのセンサーからの信号に基づいて、ユーザー吸煙の過程中に気流特性に関連付けられた値を測定することと、b)この測定値を所定の値と比較することと、c)比較に基づいて気流経路内の障害物を検出することと、ヒーター組立品に供給される電力を制限することと、障害物が検出された場合に表示を提供することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムの気流経路内の障害物の存在を検出する方法であって、前記システムが、エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーター組立品と、電源と、空気吸込み口と空気出口との間に画定され、かつ前記ヒーター組立品を通過する気流経路と、前記気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも一つのセンサーとを備え、前記方法が、
前記少なくとも一つのセンサーからの信号に基づいて、ユーザー吸煙の過程中に前記気流特性に関連付けられた値を測定することと、
この測定値を所定の値と比較することと、
前記比較に基づいて前記気流経路内の障害物を検出することと、
前記ヒーター組立品に供給される電力を制限する、または障害物が検出された場合に表示を提供することと、を含み、
前記測定値が、複数の吸煙中に測定された前記気流特性の値の平均である、方法。
【請求項2】
前記障害物が、前記ヒーター組立品を通過する前記気流経路の一部分の障害物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
障害物が検出された後、前記障害物が除去されるまで前記ヒーター組立品に供給される電力を制限する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記気流特性が圧力であり、前記少なくとも一つのセンサーが圧力センサーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記システムが、前記ヒーター組立品の下流の少なくとも第一のセンサーと、前記ヒーター組立品の上流の第二のセンサーとを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記気流特性に関連付けられた前記値を測定する前記工程が、前記第一のセンサーからの信号と前記第二のセンサーからの信号との間の差を計算することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一つ以上のユーザー吸煙を含む閾値決定段階中に前記所定の値を決定する前記工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記閾値決定段階の第一の吸煙が、ユーザーが前記エアロゾル発生システムを初めて吸煙する時にトリガされる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の値を決定する前記工程が、
前記閾値決定段階中の各ユーザー吸煙の過程中の空気の前記特性に関連付けられた値を測定することと、
前記一つ以上の測定値に基づいて前記所定の値を決定することと、を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値決定段階が、二回以上の吸煙を含み、前記所定の値が、前記閾値決定段階の各吸煙からの前記測定値の平均に基づいて決定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記障害物を除去する工程をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記障害物を除去する前記工程が、前記ヒーター組立品が前記エアロゾル発生装置に接続されたままである間に、前記ヒーター組立品を交換すること、または前記ヒーター組立品をクリーニングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーター組立品と、
電源と、
空気吸込み口と空気出口の間に画定された気流経路であって、前記ヒーター組立品を通過する、気流経路と、
前記気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも一つのセンサーと、
メモリを備え、前記ヒーター組立品および前記電源に接続された電気回路であって、前記少なくとも一つのセンサーからの信号に基づいて、ユーザー吸煙の過程中に前記気流特性に関連付けられた値を測定し、この測定値を所定の値と比較するように構成されている、電気回路と、を備え、
前記電気回路が、前記比較に基づいて前記気流経路内の障害物を検出するように構成され、障害物が除去されるまで前記障害物が検出された場合に前記ヒーター組立品に供給される電力を制限するように構成され、
前記測定値が、複数の吸煙中に測定された前記気流特性の値の平均である、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記ヒーター組立品が通気性セラミック芯を備え、前記気流経路が前記芯を通過する、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記システムがカートリッジおよびエアロゾル発生装置を備え、前記カートリッジが前記装置で使用されるように構成され、前記カートリッジが前記ヒーター組立品の少なくとも一部分を備え、前記装置が電源および前記電気回路を備える、請求項13または14に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システムの気流経路内の障害物の存在を検出する方法に関する。特に、本開示は、エアロゾル発生システムのヒーター組立品内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされる障害物の存在を検出する方法に関する。本開示はまた、気流経路内の障害物の存在を検出するように構成された電気回路を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置は、当業界で知られている。多くの既知のエアロゾル発生装置は、ヒーター組立品による基体への熱の印加によってエアロゾルを発生する。ヒーター組立品は、エアロゾル発生装置の電源から電力が供給される時に加熱される。次いで、発生されたエアロゾルは、装置のユーザーによって吸入され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル発生装置の長期にわたる使用により、エアロゾル形成基体の残留物がヒーター組立品内で凝集しうる。これは、詰まったヒーター組立品が交換または洗浄されていない場合、装置の継続的な使用中に凝集した残留物が加熱および燃焼されうるため、望ましくない。燃焼した凝集した残留物は、装置によって発生したエアロゾルに焦げた風味を与えることがある。これは、装置のユーザー体験に悪影響を及ぼす。
【0004】
エアロゾル発生装置は典型的に、空気吸込み口と空気出口との間の気流経路を画定する。気流経路は、使用時に発生したエアロゾルが気流経路の中へと通るように構成されている。ユーザーは、空気出口を吸って、発生したエアロゾルを吸入しうる。
【0005】
しばしば、気流経路はヒーター組立品を通過するように構成されている。こうした場合、エアロゾル形成基体の凝集した残留物によるヒーター組立品の詰まりは、ユーザーが使用時にエアロゾル発生装置を吸う時に気流経路を通過する空気の引き出し抵抗を増加させる。これは、凝集した残留物が気流経路内に障害物を作り出すためである。引き出し抵抗の増加は、不十分なユーザー体験と関連付けられ得る。
【0006】
エアロゾル発生装置のヒーター組立品が詰まった時を検出する方法を提供することが望ましい。装置のユーザー体験に影響を与えず、かつ単純かつ低コストであるこうした方法を提供することが望ましい。また、装置のユーザーに関係なく、ヒーター組立品の詰まりを正確に検出できる方法を提供することが望ましい。方法を実施するためのエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に記載のエアロゾル発生システムの第一の実施例の断面の概略図である。
図2図1のエアロゾル発生システムのセラミック芯の断面の概略図であり、図2aは遮られていない芯を示し、図2bは障害物を有する同一の芯を示す。
図3】芯が遮られていない時および芯が遮られている時に、芯の下流で測定された吸煙の圧力プロファイルを表すグラフである。
図4】障害物を検出する方法の流れ図である。
図5図4の方法に対する所定の値を決定する方法の流れ図である。
図6】本発明によるエアロゾル発生システムの第二の実施例の断面の概略図である。
図7】ヒーター組立品の下流の第一のセンサーおよびヒーター組立品の上流の第二のセンサーによって測定された吸煙の差圧プロファイルの表示を示すグラフである。
図8】本発明によるエアロゾル発生システムの第三の実施例の断面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の第一の態様によると、エアロゾル発生システムの気流経路内の障害物の存在を検出する方法が提供されている。システムは、エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーター組立品を備えてもよい。システムは、電源をさらに備えてもよい。システムは、空気吸込み口と空気出口との間に画定された気流経路をさらに含み得る。気流経路は、ヒーター組立品を通過してもよい。システムは、気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも一つのセンサーを備えてもよい。
【0009】
方法は、少なくとも一つのセンサーからの信号に基づいて、気流特性に関連付けられた値を測定することを含んでもよい。値は、ユーザー吸煙の過程中に測定されてもよい。方法は、測定値を所定の値と比較することを含み得る。方法は、比較に基づいて気流経路内の障害物を検出することを含み得る。方法は、障害物が検出された場合にヒーター組立品に供給される電力を制限することを含みうる。別の方法として、方法は、障害物が検出された場合の表示を提供することを含みうる。
【0010】
障害物を検出し、ヒーター組立品に供給される電力を制限するか、または表示を提供することによって、ユーザーは有利なことに障害物を認識する。障害物を検出し、その存在をユーザーに知らせることによって、ユーザーは有利なことに、エアロゾル発生システムの使用を停止し、障害物を除去するために適切な措置を講じることができる。
【0011】
電力を制限することは、電力がヒーター組立品に供給されるのを防止することを含み得る。
【0012】
表示は、好ましくは、エアロゾル発生システムのLEDに電力を供給する形態であってもよい。しかしながら、表示を提供するための他の手段も可能である。これには、例えば触覚フィードバックが含まれる。別の方法として、エアロゾル発生システムは、スマートフォンまたは他の電子装置と通信するように構成されてもよく、そのスマートフォンまたは電子装置上に表示を提供するように構成されてもよい。
【0013】
本明細書で使用される場合、障害物は、気流経路の全体的または部分的な閉塞を意味する。
【0014】
上述のように、障害物は、気流特性の測定値に基づいて検出されてもよい。例えば、気流特性は圧力であってもよい。障害物は気流経路内の圧力降下を引き起こす。気流がユーザーの吸入によって駆動されるように、ユーザーが空気出口から気流経路を通して空気を吸うと仮定すると、圧力は障害物が存在しない場合よりも障害物の下流で低くなりうる。圧力は、障害物のすぐ下流の領域において最も低くてもよい。使用できる気流特性の別の例は、流量である。流量は、障害物が存在しない場合よりも、障害物の下流で高くなることがある。流速は、障害物のすぐ下流の領域で最高であってもよい。
【0015】
方法は、気流特性を測定するために一つ以上のセンサーの存在のみを必要とするため、方法は、エアロゾル発生システム内での実装が単純かつ低コストであるという利点がある。さらに、方法は吸煙中に実施することができるため、有利なことに、エアロゾル発生システムのユーザーに影響を与えない。
【0016】
障害物は、ヒーター組立品を通過する気流経路の一部分内にあってもよい。障害物は、ヒーター組立品内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされうる。残留物は、ヒーター組立品を通過する気流経路の一部分に効果的に制限を引き起こしうる。
【0017】
障害物をユーザーに知らせることによって、ユーザーは有利なことに、エアロゾル発生システムの使用を停止し、そうでなければエアロゾル発生システムによって発生されるエアロゾルの味に悪影響を与える残留物の加熱または燃焼を回避することができる。
【0018】
エアロゾル形成基体の残留物の凝集によって遮られたヒーター組立品は、「詰まっている」と呼ばれうる。
【0019】
所定の値は、気流経路内に障害物が存在しない、通常の使用における気流特性の値であってもよい。所定の値は、エアロゾル発生システムの最初の使用中の気流特性の値を表しうる。これは、値が残留物の蓄積が最小限に抑えられた気流特性を表すため、障害物がエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされる時に特に有利でありうる。
【0020】
所定の値が、気流経路内に障害物が存在しない、通常の使用における気流特性の値である場合、所定の値との比較は、所定の値と測定値との間の差を計算することを含み得る。理解されるように、差が正または負のどちらであるかは、気流特性、少なくとも一つのセンサーのセットアップ、および計算の順序に依存する。
【0021】
障害物は、所定の値と測定値との間の差の大きさが所定の限度を超える時に検出され得る。所定の限度は、60~160Paの圧力差に対応してもよい。所定の限度は、80~150Paの圧力差に対応しうることが好ましい。
【0022】
所定の値は、所定の閾値であってもよい。所定の閾値は、気流経路が遮られていることを表す気流特性の値を表しうる。測定値と所定の閾値との比較は、直接的な比較を含んでもよい。測定値が所定の閾値と同じ場合、障害物が検出されうる。障害物に応じて減少する気流特性については、測定値が所定の閾値よりも小さい場合、障害物が検出されうる。障害物に応じて増大する気流特性については、測定値が所定の閾値よりも大きい場合、障害物が検出されうる。
【0023】
所定の値または閾値との比較で使用される測定値は、一回の吸煙の過程で測定された値であってもよい。測定値は、一回の吸煙の過程中の異なる時点で得られたいくつかの測定値の平均であってもよい。
【0024】
測定値は、複数の吸煙中に測定された気流特性の値の平均であってもよい。平均値は、連続的な吸煙、例えば2回、3回、4回、または5回の連続的な吸煙の過程にわたって測定されてもよい。平均は有利なことに、一回の吸煙中の異常なユーザー挙動の結果としての障害物の誤検出を回避しうる。
【0025】
障害物を検出する工程は、最初の吸煙後の装置の所定の吸煙回数の後にのみ実施されてもよい。障害物を検出する工程は、最初の吸煙後の所定の期間後にのみ実施されてもよい。障害物を検出する工程は、装置の使用の所定の持続時間後にのみ実行されうる。上記の場合の各々において、装置は、使用を監視するように構成されてもよい。所定の吸煙回数、所定の期間、または所定の使用期間は、その後障害物が予想される装置の使用量に対応するものとして選択され得る。これは、検出される障害物が、装置の使用の延長によって引き起こされるエアロゾル形成基体の残留物の凝集である場合に特に有利でありうる。このようにして、方法は、有利なことに、障害物が存在する可能性が非常に低い場合は実施されないことがある。
【0026】
方法は、障害物が検出された後、障害物が除去されるまでヒーター組立品に供給される電力を制限する工程をさらに含みうる。これは有利なことに、障害物が除去されるまで、ユーザーがエアロゾル発生システムを使用することを防止する。
【0027】
方法は、障害物を除去する工程をさらに含みうる。障害物を除去する工程は、ヒーター組立品を交換することを含みうる。
【0028】
ヒーター組立品を交換する工程は、ヒーター組立品を取り外すこと、およびヒーター組立品を新しいヒーター組立品と交換することを含んでもよい。上述のように、障害物は、ヒーター組立品を通過する気流経路の一部分内にあることがある。障害物は、ヒーター組立品自体におけるエアロゾル形成基体の残留物の蓄積によって引き起こされうる。新しいヒーター組立品は障害物を含まない場合がある。特に、新しいヒーター組立品は、エアロゾル形成基体の残留物を全く含まないことがある。それ故に、ヒーター組立品を新しいヒーター組立品と交換することは有利なことに、気流経路内の障害物を除去することがある。
【0029】
別の方法として、ヒーター組立品を交換する工程は、ヒーター組立品を取り外すこと、クリーニングすること、および次いで交換することを含んでもよい。ヒーター組立品をクリーニングする工程は、障害物を除去することを含んでもよい。
【0030】
エアロゾル発生システムは、カートリッジおよびエアロゾル発生装置を備えうる。カートリッジは、装置と共に使用されるように構成されてもよい。例えば、装置は、使用時にカートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されたくぼみを画定する装置ハウジングを備え得る。こうした配置では、カートリッジは有利には使い捨てであってもよく、装置は再使用可能であってもよい。
【0031】
カートリッジはヒーター組立品を備えうる。その場合、上述の通り、ヒーター組立品を取り外す工程は、カートリッジを装置のくぼみから取り外すことを含みうる。上述の通り、ヒーター組立品を新しいヒーター組立品と交換することは、カートリッジ全体を新しいカートリッジと交換することを含んでもよい。
【0032】
カートリッジのヒーター組立品は、カートリッジがくぼみ内に受容された時にアクセスできないように位置付けられうる。ヒーター組立品は、カートリッジをくぼみから取り外すことによりヒーター組立品へアクセスできるように位置付けられうる。そのため、くぼみからカートリッジを取り外した後、有利なことに、ヒーター組立品をクリーニングして、いかなる障害物も除去することが可能である。次いで、クリーニングされたヒーター組立品を有するカートリッジは、くぼみの中へと再挿入されてもよい。
【0033】
ヒーター組立品を交換する代わりに、障害物を除去する工程は、ヒーター組立品がエアロゾル発生装置に接続されたままである間にヒーター組立品をクリーニングすることを含みうる。ヒーター組立品をクリーニングする工程は、ユーザー吸煙とユーザー吸煙の間にヒーター組立品に電力を供給することを含んでもよい。これは、ヒーター組立品の加熱をもたらす。ヒーター組立品のこの加熱は有利なことに、障害物を除去しうる。特に、障害物がエアロゾル形成基体の残留物によって引き起こされる時、残留物はヒーター組立品によって加熱されてもよい。これは有利なことに、残留物の熱分解をもたらしうる。この加熱は吸煙の間に行われるので、ユーザーがエアロゾルを吸入しないため、このように残留物を加熱すると焦げた味のするエアロゾルを発生し得るが、問題ではない。ユーザー吸煙とユーザー吸煙の間にヒーター組立品に供給される電力は、ユーザー吸煙の過程の間にヒーター組立品に供給される電力よりも大きくてもよい。
【0034】
エアロゾル形成基体は液体エアロゾル形成基体であってもよい。
【0035】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを発生するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成材料から成る、またはそれを含む基体を意味する。
【0036】
本明細書で使用される「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱されると揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生させる能力を持つ材料を示す。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含むか、またはそれによって構成されうる。
【0037】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル形成体」は、使用時に、エアロゾル、例えばシステムの動作温度での熱劣化に対して実質的に耐性のある安定したエアロゾルの形成を容易にする任意の適切な化合物または化合物の混合物を指す。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含み得る。エアロゾル形成基体は水を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンよりも高い沸点を有する、グリセリンとも呼ばれるグリセロールを含んでもよい。エアロゾル形成基体はプロピレングリコールを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含んでもよい。たばこ含有材料は、揮発性たばこ風味化合物を含有してもよい。これらの化合物は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および、風味剤などの成分を含んでもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「液体エアロゾル形成基体」は、凝縮された形態のエアロゾル形成基体を指すために使用される。したがって、「液体エアロゾル形成基体」は、液体、ゲル、またはペーストのうちの一つ以上であってもよいか、またはこれを含み得る。液体エアロゾル形成基体がゲルまたはペーストであるか、またはゲルまたはペーストを含む場合、ゲルまたはペーストは加熱時に液体化し得る。例えば、ゲルまたはペーストは、摂氏50、75、100、150、または200度未満の温度に加熱すると液化し得る。
【0040】
液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵部分内に含有されてもよい。液体貯蔵部分は、エアロゾル発生システムのハウジングによって画定されてもよい。液体貯蔵部分は、ハウジングの内壁と外壁との間に画定されてもよい。エアロゾル形成基体は、内壁と外壁の間に画定された環状空間の中に収容されてもよいことが好ましい。内壁は、液体貯蔵部分を通る内部通路を画定しうる。気流経路は液体貯蔵部分の内部通路を通過してもよい。
【0041】
ヒーター組立品は、芯を含んでもよい。芯は、液体エアロゾル形成基体をヒーター組立品のヒーター要素に向かって引き出すように構成されてもよい。芯は、液体貯蔵部分内に貯蔵されている液体エアロゾル形成基体と流体連通してもよい。
【0042】
気流経路は芯を通過してもよい。芯は内部通路を横切って延びてもよい。芯は、内部通路への入口を横切って延びてもよい。
【0043】
障害物は、芯を通過する気流経路の部分内にあってもよい。障害物は芯自体の中にあってもよい。障害物は、芯内の液体エアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされうる。
【0044】
芯はセラミック芯であってもよい。芯は、通気性セラミック芯であってもよい。芯を通過する気流経路の一部分を通る気流は、通気性セラミック芯の空孔を通過してもよい。
【0045】
障害物は、通気性セラミック芯の空孔内にあってもよい。障害物は、ヒーター組立品内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされうる。残留物は芯の空孔内で凝集しうる。
【0046】
方法は有利なことに、エアロゾル発生装置が通気性セラミック芯を備える時に特に感度が高くなり得る。上述の通り、空気は芯の空孔を通過してもよい。空孔は比較的小さい場合があるため、空孔の各々における残留物の蓄積は、気流を制限するのに比較的大きな影響を及ぼすことになる。したがって、気流特性の変化は、遮られていない芯を通る気流と、残留物の蓄積を含む遮られた芯とを比較する時に特に顕著でありうる。
【0047】
ヒーター組立品は、電力がヒーター組立品に供給される時に加熱されるように構成された発熱体を備えてもよい。気流経路は、発熱体を通過してもよい。障害物は、発熱体を通過する気流経路の一部分内にあってもよい。障害物は、発熱体自体上のエアロゾル形成基体の凝集によって引き起こされうる。こうした残留物は、加熱中に過熱または燃焼する可能性が特に高い場合がある。そのため、第一の態様の方法は、気流経路がヒーター組立品を通過する時に特に有利でありうる。
【0048】
発熱体はメッシュヒーターの形態であってもよい。メッシュヒーターは、複数の導電性フィラメントを備え得る。導電性フィラメントは160~600メッシュUS(±10%)(すなわち、1インチ当たりフィラメントが160~600本(±10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は75μm~25μmであることが好ましい場合がある。障害物は、メッシュヒーター内の障害物であってもよい。メッシュヒーターのフィラメントは、エアロゾル形成基体の残留物が形成されうる比較的高い表面積を提供しうる。それ故に、エアロゾル形成基体の残留物の凝集は、メッシュヒーターにとって特定の問題である場合がある。そのため、第一の態様の方法は、気流経路がヒーター組立品のメッシュヒーターを通過する時に特に有利でありうる。
【0049】
方法は有利なことに、エアロゾル発生装置がメッシュヒーターを備える時に特に感度が高くなりうる。メッシュヒーターを通過する空気は、フィラメント間の隙間を通過してもよい。隙間は比較的小さい場合があるため、フィラメントの各々上の残留物の蓄積は、気流を制限するのに比較的大きな影響を及ぼすことになる。それ故に、気流特性の変化は、遮られていないメッシュヒーターを通る気流と、残留物の蓄積を含む遮られているメッシュヒーターとを比較する時に、特に顕著でありうる。
【0050】
少なくとも一つのセンサーによって測定される気流特性は、気流経路内の制限の存在に応じて変化する任意の気流特性であってもよい。気流特性は、流体機械的特性であってもよいことが好ましい。より好ましくは、気流特性は、圧力、流速、または体積流量であってもよい。気流特性はまた、差動気流特性であってもよい。気流特性は、差圧であってもよいことが好ましい。その他の適切な気流特性には、環境特性が含まれる。例えば、気流経路を通って流れる空気の温度または湿度も、障害物によって影響を受ける。
【0051】
少なくとも一つのセンサーは、流体機械的特性を測定するためのセンサーを備えてもよい。好ましくは、少なくとも一つのセンサーは、圧力センサー、流速センサー、または体積センサーを備えてもよい。一つ以上のセンサーは、温度センサーまたは湿度センサーを含んでもよい。センサーはMEMSセンサーとしうる。
【0052】
エアロゾル発生システムは、少なくとも第一のセンサーを備えてもよい。第一のセンサーは、ヒーター組立品の下流にあってもよい。気流特性に対する障害物の影響は障害物の上流よりも障害物の下流で大きくなりうるため、ヒーター組立品の下流に第一のセンサーを位置付けることが有利でありうる。これは有利なことに、障害物をより正確に検出することができることを意味する場合がある。第一のセンサーがヒーター組立品の下流にある一方で、ヒーター組立品に近いほど、気流特性がヒーター組立品内の障害物によって影響を受ける場合がある。この場合も、これは有利なことに、障害物をより正確に検出できることを意味する場合がある。第一のセンサーは、ヒーター組立品から5センチメートル未満、好ましくはヒーター組立品から4センチメートル未満、好ましくはヒーター組立品から3センチメートル未満、好ましくはヒーター組立品から2センチメートル未満であってもよい。
【0053】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、ユーザーがエアロゾル発生システムまたはカートリッジの使用中に、エアロゾル発生システムまたはカートリッジを吸う方向に関してエアロゾル発生システムまたはカートリッジの要素または要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0054】
第一のセンサーは唯一のセンサーであってもよい。
【0055】
エアロゾル発生システムは、ヒーター組立品の下流の少なくとも第一のセンサーと、ヒーター組立品の上流の第二のセンサーとを備えうることが好ましい。この場合、ユーザー吸煙の過程で測定された値は有利なことに、差分値であってもよい。例えば、第一および第二のセンサーが圧力センサーである場合、ユーザー吸煙の過程で測定された値は、差圧測定値であってもよい。差圧測定値は、有利なことに、単一の圧力測定よりも信頼性が高いことがある。差圧測定値は、第一および第二のセンサーの両方の測定値に影響を与える要因を排除することができるため、障害物をより正確に特定しうる。例えば、吸煙強度の変動およびノイズなどの要因は、第一の第二のセンサーの両方によって検出され得るが、これらのセンサーの測定値間の差が決定される時に除去され得る。
【0056】
差圧の大きさは、気流経路が障害物を含まない時と比較して、気流経路がヒーター組立品内に障害物を含む時に増大しうる。これは、障害物がヒーター組立品を通過する気流経路の部分に圧力降下を引き起こしうるためであり、ヒーター組立品の両側に配置された第一および第二のセンサーによって検出されうる。
【0057】
気流特性に関連付けられた値を測定する工程は、第一のセンサーからの信号と第二の信号からの信号との間の差を計算することを含みうる。これにより、差分値が計算され得る。
【0058】
方法は、一つ以上のユーザー吸煙を含む閾値決定段階中に所定の値を決定する工程をさらに含みうる。閾値決定段階中に所定の値を決定することは、有利なことに、所定の値が、製造中に設定される値ではなく、ユーザー固有であり得ることを意味する場合がある。異なるユーザーは、エアロゾル発生システムを使用する時に異なる吸煙特性を有し得る。例えば、第一のユーザーは典型的に、第二のユーザーよりも強い吸煙強度を有し得る。これは、第一のユーザーに対する同じ所定の値が、第二のユーザーに対しては適さない場合があることを意味する。気流特性に不適切な所定の値を使用することにより、障害物が実際に存在しない時に障害物を不正確に検出する、または障害物が実際に存在する時に障害物を検出できないという結果をもたらしうる。閾値決定段階中に所定の値を決定することによって、所定の値は有利なことに、ユーザーを補完するように選択されてもよく、そのため有利なことに、方法の精度を改善し得る。
【0059】
所定の値を決定する工程は、閾値決定段階中の各ユーザー吸煙の過程中の空気の特性に関連付けられた値を測定することを含み得る。所定の値は、一つ以上の測定値に基づいて決定されてもよい。
【0060】
閾値決定段階は、二回以上の吸煙を含んでもよい。所定の値は、閾値決定段階の各吸煙からの測定値の平均に基づいて決定されてもよい。
【0061】
閾値決定段階は、二回、三回、または四回の吸煙を含んでもよい。閾値決定段階は、五回の吸煙を含むことが好ましい。
【0062】
閾値決定段階の第一の吸煙は、ユーザーがエアロゾル発生システムを初めて吸煙する時にトリガされてもよい。言い換えれば、閾値決定段階の第一の吸煙は、ヒーター組立品の最初の使用を表しうる。これは、閾値決定段階の各吸煙中の測定値が、気流経路が遮られておらず、かつ最小限のエアロゾル形成基体の残留物を含む時の気流特性の値を表すことを意味するため、障害物がエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされる場合に有利でありうる。
【0063】
別の方法として、または追加的に、ユーザーは、後で閾値決定段階をトリガしてもよい。エアロゾル発生システムは、ユーザーが閾値決定段階をトリガするために使用しうるユーザーインターフェースを備えてもよいことが好ましい。これは有利なことに、エアロゾル発生システムの使用中に所定の値を修正することを可能にする場合がある。これは、例えば、エアロゾル発生が、典型的な吸煙プロファイルが以前のユーザーとは異なる、異なるユーザーによって使用されている場合に有利であり得る。閾値決定段階は、次の一回以上の吸煙を含んでもよい。
【0064】
別の方法として、閾値決定段階は、最後の一回以上の吸煙を含んでもよい。この場合、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生システムの電気回路のメモリに保存された各吸煙中に、気流特性の測定値の記録を維持してもよい。所定の値は、保存された値に基づいて決定されてもよい。
【0065】
気流経路内の障害物を検出することに関連する方法の工程は、閾値決定段階中に実行されない場合がある。
【0066】
上述の通り、所定の値は、気流経路内に障害物がない、通常の使用における気流特性の値であってもよい。その場合、所定の値は、閾値決定段階中の気流特性の測定値から直接決定されてもよい。例えば、所定の値が閾値決定段階の各吸煙からの測定値の平均に基づく場合、所定の値は平均と等しくてもよい。
【0067】
別の方法として、上述の通り、所定の値は所定の閾値であってもよい。この場合、所定の値を所定の閾値として判定する工程は、二回以上の吸煙にわたって計算された測定値または平均測定値を所定の閾値に変換することをさらに含みうる。
【0068】
変換は、測定値または平均測定値を所定の量だけ増加または減少させることを含み得る。所定の量は、60~160Paの圧力に対応してもよい。所定の量は、80~150Paの圧力に対応しうることが好ましい。変換は、測定値が圧力を表す場合、測定値の平均を減少させることを含み得る。変換は、測定値が差圧または流速を表す場合、測定値の平均を増加させることを含み得る。
【0069】
変換は、平均値をスケール係数だけ増加または減少させることを含み得る。スケール係数は、予め決定されてもよい。スケール係数は、中間値が乗算されて所定の閾値に到達する係数であってもよい。スケール係数は、有利なことに、気流特性が、障害物のない気流特性と比較して、障害物の結果として典型的に増加または減少する量を表すものとして選択されうる。
【0070】
第二の態様において、エアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーター組立品を備え得る。エアロゾル発生システムは、電源を備え得る。エアロゾル発生システムは気流経路を備えうる。気流経路は、空気吸込み口と空気出口の間に画定されてもよい。気流経路は、ヒーター組立品を通過してもよい。エアロゾル発生システムは、気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも一つのセンサーを備えてもよい。
【0071】
エアロゾル発生システムは電気回路を備えうる。電気回路はメモリを備えてもよい。電気回路はヒーター組立品および電源へ接続されてもよい。電気回路は、ユーザー吸煙の過程中に気流特性に関連付けられた値を測定するように構成されてもよい。電気回路は、少なくとも一つのセンサーからの信号に基づいて測定値に基づくように構成されうる。電気回路は、この測定値を所定の値と比較するように構成されうる。
【0072】
電気回路は、比較に基づいて気流経路内の障害物を検出するように構成されてもよい。電気回路は、障害物が除去されるまで障害物が検出された場合、ヒーター組立品に供給される電力を制限するように構成されうる。
【0073】
気流特性に関連付けられた測定値と所定の値との比較に基づいて障害物を検出する利点は、第一の態様に関して既に考察されている。同じ利点が第二の態様に適用される。
【0074】
さらに、本方法に関連して第一の態様に関連して説明したその他の特徴は、システムに関連して第二の態様にも適用される。
【0075】
電気回路は、第一の態様の方法を実施するように構成されてもよい。
【0076】
電源は電池であってもよい。電池は再充電可能電池であってもよい。電源は、電力をヒーター組立品に供給するように構成され得る。
【0077】
エアロゾル発生システムはエアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル形成基体は液体エアロゾル形成基体であってもよい。液体エアロゾル形成基体は液体貯蔵部分内に含有されてもよい。液体貯蔵部分は、エアロゾル発生システムのハウジングによって画定されてもよい。液体貯蔵部分は、ハウジングの内壁と外壁との間に画定されてもよい。エアロゾル形成基体は、内壁と外壁の間に画定された環状空間の中に収容されてもよいことが好ましい。内壁は、液体貯蔵部分を通る内部通路を画定しうる。気流経路は液体貯蔵部分の内部通路を通過してもよい。
【0078】
エアロゾル形成基体は、担体または支持体に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填される場合がある。一つの実施例において、エアロゾル形成基体は毛細管材料内に保持された液体基体である。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は概して、液体をヒーターに運ぶように整列されてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって移動することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は、毛細管作用によって液体が毛細管材料を通して移動されることを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管材料はエアロゾル形成基体をヒーター組立品に運ぶように構成されてもよい。
【0079】
毛細管材料は、液体貯蔵部分に含有されてもよい。毛細管材料は、液体貯蔵部分を充填してもよい。
【0080】
ヒーター組立品は、芯を含んでもよい。芯は、液体エアロゾル形成基体をヒーター組立品のヒーター要素に向かって引き出すように構成されてもよい。芯は、液体貯蔵部分内に貯蔵されている液体エアロゾル形成基体と流体連通してもよい。
【0081】
気流経路は芯を通過してもよい。芯は内部通路を横切って延びてもよい。芯は、内部通路への入口を横切って延びてもよい。
【0082】
障害物は、芯を通過する気流経路の部分内にあってもよい。障害物は芯自体の中にあってもよい。障害物は、芯内の液体エアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされうる。
【0083】
芯は、通気性セラミック芯であってもよい。芯を通過する気流経路の一部分を通る気流は、通気性セラミック芯の空孔を通過してもよい。
【0084】
障害物は、通気性セラミック芯の空孔内にあってもよい。障害物は、ヒーター組立品内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされうる。残留物は芯の空孔内で凝集しうる。
【0085】
ヒーター組立品は、電力がヒーター組立品に供給される時に加熱されるように構成された発熱体を備えてもよい。
【0086】
気流経路は、発熱体を通過してもよい。障害物は、発熱体を通過する気流経路の一部分内にあってもよい。障害物は、発熱体自体上のエアロゾル形成基体の凝集によって引き起こされうる。
【0087】
発熱体は、使用時にセラミック芯を加熱するように構成されてもよい。これは、セラミック芯内に含有されたエアロゾル形成基体の加熱および気化をもたらし得る。発熱体は、セラミック芯と接触していてもよい。熱は発熱体からセラミック芯に伝導されうる。別の方法として、または追加的に、発熱体は、芯からエアロゾル形成基体を引き出すように構成されてもよい。発熱体は次いでエアロゾル形成基体を直接加熱するように構成されてもよい。発熱体は、芯上の導電性トラックの形態であってもよい。発熱体のトラックは、芯上に印刷されてもよい。
【0088】
発熱体はメッシュの形態であってもよいことが好ましいい。メッシュは、エアロゾル形成基体がメッシュのフィラメント間の隙間の中に引き出されるように構成されてもよい。これにより、発熱体によってエアロゾル形成基体のより効率的な加熱を有利に提供し得る。
【0089】
ヒーター組立品のヒーター要素は、抵抗加熱可能な発熱体であってもよい。電源は、発熱体に電力を供給して発熱体を抵抗加熱するように構成され得る。発熱体は、適切な電気特性および機械特性を有する任意の材料を含むか、またはそれから形成されてもよい。好適な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が含まれる。適切な合金の例には、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が含まれる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。ワイヤーは、一つ以上の電気絶縁体で被覆されてもよい。好ましい材料は、304、316、304L、316Lステンレス鋼、および黒鉛であってもよい。
【0090】
ヒーター要素はサセプタ素子であってもよい。本明細書で使用される「サセプタ素子」は、変動磁界に供された時に加熱する導電性素子を意味する。これはサセプタ素子に誘起された渦電流および/またはヒステリシス損失の結果でありうる。サセプタ素子のための可能性がある材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、および事実上あらゆる他の導電性元素が挙げられる。有利なことに、サセプタ素子はフェライト素子である。サセプタ要素のための材料および幾何学的形状は、望ましい電気抵抗および発熱を提供するように選ぶことができる。
【0091】
発熱体としてサセプタ素子を備えるヒーター組立品は、インダクタコイルをさらに備えてもよい。サセプタ素子は、高周波振動電流がインダクタコイルを通過する時にサセプタ素子が加熱されるように、インダクタコイルに対して位置付けられてもよい。エアロゾル発生システムの電源は、交流電流をインダクタコイルに提供するように構成されてもよい。
【0092】
エアロゾル発生システムは、気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも第一のセンサーを備えてもよい。第一のセンサーは、ヒーター組立品の下流にあってもよい。
【0093】
第一のセンサーは唯一のセンサーであってもよい。
【0094】
エアロゾル発生システムは、ヒーター組立品の下流の少なくとも第一のセンサーと、ヒーター組立品の上流の第二のセンサーとを備えうることが好ましい。この場合、電気回路は、気流特性に関連付けられた値を測定することの一部として、第一のセンサーおよび第二のセンサーからの信号間の差を計算するように構成されてもよい。これにより、差分値が計算され得る。
【0095】
障害物は、ヒーター組立品を通過する気流経路の一部分内にあってもよい。障害物は、ヒーター組立品内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされうる。
【0096】
所定の値は、気流経路内に障害物が存在しない、通常の使用における気流特性の値であってもよい。所定の値は、エアロゾル発生システムの最初の使用における気流特性の値を表しうる。所定の値との比較は、所定の値と測定値との間の差を計算するように構成される電気回路を含みうる。理解されるように、差が正または負のどちらであるかは、気流特性、少なくとも一つのセンサーのセットアップ、および計算の順序に依存する。
【0097】
電気回路は、差の大きさが所定の限度を超えた時に障害物を検出するように構成され得る。障害物は、所定の値と測定された値との間の差の大きさが所定の限度を超える時に検出され得る。所定の限度は、60~160Paの圧力に対応してもよい。所定の限度は、80~150Paの圧力に対応しうることが好ましい。
【0098】
別の方法として、所定の値は所定の閾値であってもよい。所定の閾値は、気流経路が遮られていることを表す気流特性の値を表しうる。電気回路は、測定値を所定の閾値と直接比較するように構成されうる。
【0099】
電気回路は、一つ以上のユーザー吸煙を含む閾値決定段階中に所定の値を決定するようにさらに構成されてもよい。電気回路は、閾値決定段階中の各ユーザー吸煙の過程中の空気の特性に関連付けられた値を測定するように構成されてもよい。所定の値は、一つ以上の測定値に基づいて決定されてもよい。
【0100】
閾値決定段階は、二回以上の吸煙を含んでもよい。所定の値は、閾値決定段階の各吸煙からの測定値の平均に基づいて決定されてもよい。
【0101】
閾値決定段階は、二回、三回、または四回の吸煙を含んでもよい。閾値決定段階は、五回の吸煙を含むことが好ましい。
【0102】
電気回路は、ユーザーがエアロゾル発生システムを初めて吸煙した時に閾値決定段階が開始するように構成されてもよい。言い換えれば、閾値決定段階の第一の吸煙は、ヒーター組立品の最初の使用を表しうる。
【0103】
別の方法としてまたは追加的に、電気回路は、ユーザーが後で閾値決定段階を開始できるように構成されてもよい。エアロゾル発生システムは、ユーザーが閾値決定段階をトリガするために使用しうるユーザーインターフェースを備えてもよいことが好ましい。
【0104】
閾値決定段階は、次の一回以上の吸煙を含んでもよい。別の方法として、閾値決定段階は、最後の一回以上の吸煙を含んでもよい。この場合、電気回路は、エアロゾル発生システムの電気回路のメモリに保存された各吸煙中に気流特性の測定値の記録を維持するように構成されうる。所定の値は、保存された値に基づいて決定されてもよい。
【0105】
上述の通り、所定の値は、気流経路内に障害物のない、通常の使用における気流特性の値であってもよい。その場合、電気回路は、閾値決定段階中に気流特性の測定値から直接所定の値を決定するように構成されてもよい。例えば、所定の値が閾値決定段階の各吸煙からの測定値の平均に基づく場合、所定の値は平均と等しくてもよい。
【0106】
別の方法として、上述の通り、所定の値は所定の閾値であってもよい。この場合、電気回路は、閾値決定段階の各々からの測定値の平均を閾値に変換するように構成されてもよい。
【0107】
変換は、測定値の平均を所定の量だけ増加または減少させることを含み得る。所定の量は、60~160Paの圧力に対応し得る。所定の量は、80~150Paの圧力に対応しうることが好ましい。変換は、測定値が圧力を表す場合、測定値の平均を減少させることを含み得る。変換は、測定値が差圧または流速を表す場合、測定値の平均を増加させることを含み得る。
【0108】
変換は、平均値をスケール係数だけ増加または減少させることを含み得る。スケール係数は、予め決定されてもよい。スケール係数は、中間値が乗算されて所定の閾値に到達する係数であってもよい。スケール係数は、有利なことに、気流特性が、障害物のない気流特性と比較して、障害物の結果として典型的に増加または減少する量を表すものとして選択されうる。
【0109】
障害物は、ヒーター組立品を交換することによって除去されてもよい。ヒーター組立品を交換することは、ヒーター組立品を取り外すこと、およびヒーター組立品を新しいヒーター組立品と交換することを含み得る。別の方法として、ヒーター組立品を交換することは、ヒーター組立品を取り外すこと、クリーニングすること、および次いで交換することを含んでもよい。
【0110】
別の方法として、障害物を除去する工程は、ヒーター組立品がエアロゾル発生装置に接続されたままである間にヒーター組立品をクリーニングすることを含みうる。こうした場合、電気回路は、ユーザー吸煙とユーザー吸煙の間にヒーター組立品に電力を供給するように構成されうる。ユーザー吸煙とユーザー吸煙の間にヒーター組立品に供給される電力は、ユーザー吸煙の過程の間にヒーター組立品に供給される電力よりも大きくてもよい。障害物は、エアロゾル形成基体の残留物によって引き起こされうる。供給される電力は、残留物の熱分解をもたらすのに十分に高いヒーター組立品を加熱するのに十分でありうる。
【0111】
エアロゾル発生システムは、カートリッジおよびエアロゾル発生装置を備えうる。カートリッジは、装置と共に使用されるように構成されてもよい。例えば、装置は、使用時にカートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されたくぼみを画定する装置ハウジングを備え得る。こうした配置では、カートリッジは有利には使い捨てであってもよく、装置は再使用可能であってもよい。電源は、カートリッジがエアロゾル発生装置と係合する時にのみ、ヒーター組立品に電力を供給するように構成され得る。
【0112】
カートリッジは、ヒーター組立品の少なくとも一部分を備えてもよい。好ましくは、カートリッジは、ヒーター組立品のヒーター要素を含み得る。ヒーター組立品がサセプタ素子およびインダクタコイルの両方を備える時、カートリッジは少なくともサセプタ素子を備えてもよい。カートリッジはさらに、インダクタコイルを含んでもよい。
【0113】
あるいは、エアロゾル発生装置は、インダクタコイルを備えてもよい。カートリッジおよびエアロゾル発生装置は、カートリッジが装置によって受容された時に、サセプタがインダクタコイルによって加熱されてエアロゾルを発生するように位置付けられるように構成されてもよい。
【0114】
カートリッジは、エアロゾル形成基体を備え得る。エアロゾル形成基体が液体貯蔵部分に含有された液体エアロゾル形成基体である時、カートリッジは、液体貯蔵部分を含みうる。液体貯蔵部分に画定されるハウジングは、カートリッジハウジングであってもよい。
【0115】
エアロゾル発生装置は、電源を備えうる。
【0116】
気流経路の空気出口は、エアロゾル発生システムのマウスピース部分に画定されてもよい。カートリッジはマウスピースを備えてもよい。使用時、カートリッジがエアロゾル発生装置と係合すると、ユーザーは、カートリッジのマウスピースで吸煙しうる。これにより、空気は、空気吸込み口を通って流れ、次いで、ヒーター組立品または発熱体を横切り、渡り、通過して、または通った後、空気出口を通り得る。
【0117】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0118】
[実施例]
実施例1.
エアロゾル発生システムの気流経路内の障害物の存在を検出する方法であって、システムが、エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーター組立品と、電源と、空気吸込み口と空気出口との間に画定され、かつヒーター組立品を通過する気流経路と、気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも一つのセンサーとを備え、方法が、
少なくとも一つのセンサーからの信号に基づいて、ユーザー吸煙の過程中に気流特性に関連付けられた値を測定することと、
この測定値を所定の値と比較することと、
比較に基づいて気流経路内の障害物を検出することと、
ヒーター組立品に供給される電力を制限すること、または障害物が検出された場合に表示を提供することと、を含む、方法。
実施例2.
障害物が、ヒーター組立品を通過する気流経路の一部分内にある、実施例1に記載の方法。
実施例3.
障害物が、ヒーター組立品内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって引き起こされる、実施例1または2に記載の方法。
実施例4.
所定の値が、気流経路内に障害物が存在しない、通常の使用における気流特性の値である、実施例1~3のいずれか一つに記載の方法。
実施例5.
所定の値が、エアロゾル発生システムの最初の使用における気流特性の値を表す、実施例1~4のいずれか一つに記載の方法。
実施例6.
所定の値との比較が、所定の値と測定値との間の差を計算することを含む、実施例1~5のいずれか一つに記載の方法。
実施例7.
所定の値と測定された値との間の差の大きさが所定の限度を超えると、障害物が検出される、実施例6に記載の方法。
実施例8.
所定の限度が、60~160Paの圧力に対応する、実施例7に記載の方法。
実施例9.
所定の値が、気流経路が遮られた時の気流特性の値を表す所定の閾値である、実施例1~3のいずれか一つに記載の方法。
実施例10.
測定値と所定の閾値との比較が、直接比較である、実施例9に記載の方法。
実施例11.
測定値が所定の閾値と同じである場合、障害物が検出されるか、または測定値が所定の閾値よりも小さい場合、障害物に応じて減少する気流特性が検出されるか、または測定値が所定の閾値よりも大きい場合、障害物に応じて増加する気流特性が検出される、実施例19に記載の方法。
実施例12.
障害物が検出された後、障害物が除去されるまでヒーター組立品に供給される電力を制限する工程をさらに含む、実施例1~11のいずれか一つに記載の方法。
実施例13.
障害物を除去する工程をさらに含む、実施例1~12のいずれか一つに記載の方法。
実施例14.
障害物を除去することが、ヒーター組立品を交換することを含む、実施例13に記載の方法。
実施例15.
ヒーター組立品を交換する工程が、ヒーター組立品を取り外し、それを新しいヒーター組立品と交換することを含む、実施例14に記載の方法。
実施例16.
ヒーター組立品を交換する工程が、ヒーター組立品を取り外し、クリーニングし、次いで交換することを含む、実施例14に記載の方法。
実施例17.
ヒーター組立品をクリーニングする工程が、障害物を除去することを含む、実施例16に記載の方法。
実施例18.
エアロゾル発生システムが、カートリッジおよびエアロゾル発生装置を備え、カートリッジが、装置とともに使用されるように構成され、ヒーター組立品を備え、ヒーター組立品を取り外す工程が、カートリッジを装置のくぼみから取り外すことを含む、実施例13~17のいずれか一つに記載の方法。
実施例19.
障害物を除去することが、ヒーター組立品がエアロゾル発生装置に接続されたままである間に、ヒーター組立品をクリーニングすることを含む、実施例12または13に記載の方法。
実施例20.
ユーザー吸煙とユーザー吸煙の間にヒーター組立品に電力を供給する、実施例19に記載の方法。
実施例21.
ユーザー吸煙とユーザー吸煙の間にヒーター組立品に供給される電力が、ユーザー吸煙の過程の間にヒーター組立品に供給される電力よりも大きい、実施例20に記載の方法。
実施例22.
エアロゾル形成基体が、液体エアロゾル形成基体である、実施例1~21のいずれか一つに記載の方法。
実施例23.
液体エアロゾル形成基体が、エアロゾル発生システムのハウジングによって画定される液体貯蔵部分内に含有される、実施例22に記載の方法。
実施例24.
液体貯蔵部分が、ハウジングの内壁と外壁との間に画定される、実施例23に記載の方法。
実施例25.
内壁が、液体貯蔵部分を通る内部通路を画定し、気流経路が内部通路を通過する、実施例24に記載の方法。
実施例26.
ヒーター組立品が、液体エアロゾル形成基体をヒーター組立品のヒーター要素に向かって引き出すように構成された芯を備える、実施例1~25のいずれか一つに記載の方法。
実施例27.
気流経路が、芯を通過する、実施例26に記載の方法。
実施例28.
液体エアロゾル形成基体が、エアロゾル発生システムのハウジングの内壁と外壁との間に画定される液体貯蔵部分内に含有され、内壁が、気流経路が通過する液体貯蔵部分を通る内部通路を画定し、芯が内部通路を横切って延びる、実施例27に記載の方法。
実施例29.
芯が、内部通路への入口を横切って延びる、実施例28に記載の方法。
実施例30.
ヒーター組立品が、電力がヒーター組立品に供給された時に加熱するように構成された発熱体を備え、気流経路が発熱体を通過してもよい、実施例1~29のいずれか一つに記載の方法。
実施例31.
発熱体がメッシュヒーターの形態である、実施例30に記載の方法。
実施例32.
気流特性が、圧力、流速、または体積などの流体機械的特性である、実施例1~31のいずれか一つに記載の方法。
実施例33.
少なくとも一つのセンサーが、圧力センサー、流速センサー、または体積センサーなどの流体機械的特性を測定するためのセンサーを備える、実施例1~32のいずれか一つに記載の方法。
実施例34.
エアロゾル発生システムが、ヒーター組立品の下流に少なくとも第一のセンサーを備える、実施例1~33のいずれか一つに記載の方法。
実施例35.
第一のセンサーが、ヒーター組立品から5センチメートル未満、好ましくはヒーター組立品から4センチメートル未満、好ましくはヒーター組立品から3センチメートル未満、好ましくはヒーター組立品から2センチメートル未満である、実施例34に記載の方法。
実施例36.
第一のセンサーが唯一のセンサーである、実施例34または35に記載の方法。
実施例37.
エアロゾル発生システムが、ヒーター組立品の下流の少なくとも第一のセンサーと、ヒーター組立品の上流の第二のセンサーとを備える、実施例1~35のいずれか一つに記載の方法。
実施例38.
気流特性に関連付けられた値を測定する工程が、第一のセンサーからの信号と第二のセンサーからの信号との間の差を計算することを含む、実施例37に記載の方法。
実施例39.
方法が、一つ以上のユーザー吸煙を含む閾値決定段階の間に所定の値を決定する工程をさらに含む、実施例1~38のいずれか一つに記載の方法。
実施例40.
所定の値を決定する工程が、閾値決定段階中の各ユーザー吸煙の過程中の空気の特性に関連付けられた値を測定することを含む、実施例39に記載の方法。
実施例41.
閾値決定段階が、二回以上の吸煙を含む、実施例39または40に記載の方法。
実施例42.
所定の値が、閾値決定段階中の各吸煙からの測定値の平均に基づいて決定される、実施例41に記載の方法。
実施例43.
閾値決定段階の第一の吸煙が、ユーザーがエアロゾル発生システムを初めて吸煙する時にトリガされる、実施例39~42のいずれか一つに記載の方法。
実施例44.
閾値決定段階の第一の吸煙が、任意の時点でユーザーによってトリガされる、実施例39~43のいずれか一つに記載の方法。
実施例45.
エアロゾル発生システムが、ユーザーが閾値決定段階をトリガするために使用することができるユーザーインターフェースを備える、実施例44に記載の方法。
実施例46.
閾値決定段階が、次の一回以上の吸煙を含む、実施例44または45に記載の方法。
実施例47.
閾値決定段階が、最後の一回以上の吸煙を含む、実施例44または45に記載の方法。
実施例48.
所定の値が、閾値決定段階中の気流特性の測定値から直接決定される、実施例39~47のいずれか一つに記載の方法。
実施例49.
所定の値が所定の閾値であり、所定の値を所定の閾値として決定する工程が、二回以上の吸煙にわたって計算された測定値または平均測定値を所定の閾値に変換することをさらに含む、実施例39~47のいずれか一つに記載の方法。
実施例50.
変換が、測定値または平均測定値を所定の量だけ増加または減少させることを含む、実施例49に記載の方法。
実施例51.
所定の量が、60~160Paの圧力に対応する、実施例50に記載の方法。
実施例52.
所定の量が、80~150Paの圧力に対応する、実施例51に記載の方法。
実施例53.
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体を加熱するためのヒーター組立品と、
電源と、
空気吸込み口と空気出口の間に画定された気流経路であって、ヒーター組立品を通過する気流経路と、
気流経路内の空気の気流特性を感知するための少なくとも一つのセンサーと、
メモリを備え、ヒーター組立品および電源に接続された電気回路であって、少なくとも一つのセンサーからの信号に基づいて、ユーザー吸煙の過程中に気流特性に関連付けられた値を測定し、この測定値を所定の値と比較するように構成されている、電気回路と、を備え、
電気回路が、比較に基づいて気流経路内の障害物を検出するように構成され、障害物が除去されるまで障害物が検出された場合にヒーター組立品に供給される電力を制限するように構成される、エアロゾル発生システム。
実施例54.
電気回路が、実施例1~52のいずれか一つに記載の方法を実行するように構成される、実施例53に記載のエアロゾル発生システム。
実施例55.
エアロゾル形成基体をさらに備える、実施例53または54に記載のエアロゾル発生システム。
実施例56.
エアロゾル形成基体が液体エアロゾル形成基体である、実施例55に記載のエアロゾル発生システム。
実施例57.
液体エアロゾル形成基体が、液体貯蔵部分を含有する、実施例56に記載のエアロゾル発生システム。
実施例58.
液体貯蔵部分が、エアロゾル発生システムのハウジングの内壁と外壁との間に画定される、実施例57に記載のエアロゾル発生システム。
実施例59.
エアロゾル形成基体が、内壁と外壁との間に画定される環状空間内に含有される、実施例58に記載のエアロゾル発生システム。
実施例60.
内壁が、液体貯蔵部分を通る内部通路を画定する、実施例58または59に記載のエアロゾル発生システム。
実施例61.
液体貯蔵部分を充填する毛細管材料をさらに含む、実施例57~60のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例62.
ヒーター組立品が、液体エアロゾル形成基体をヒーター組立品のヒーター要素に向かって引き出すように構成された芯を含む、実施例53~61のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例63.
気流経路が、芯を通過する、実施例62に記載のエアロゾル発生システム。
実施例64.
障害物が、芯を通過する気流経路の一部分内にある、実施例63に記載のエアロゾル発生システム。
実施例65.
芯が通気性セラミック芯である、実施例62~64のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例66.
ヒーター組立品が、電力がヒーター組立品に供給される時に加熱するように構成された発熱体を備える、実施例53~65のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例67.
ヒーター組立品のヒーター要素が、抵抗加熱可能な発熱体であってもよい、実施例66に記載のエアロゾル発生システム。
実施例68.
ヒーター要素が、サセプタ素子である、実施例66に記載のエアロゾル発生システム。
実施例69.
インダクタコイルをさらに含む、実施例68に記載のエアロゾル発生システム。
実施例70.
ヒーター組立品の下流に第一のセンサーを備える、実施例53~69のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例71.
ヒーター組立品の下流の第一のセンサーおよびヒーター組立品の上流の第二のセンサーを備える、実施例53~70のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例72.
電気回路が、気流特性に関連付けられた値を測定する一部として、第一のセンサーおよび第二のセンサーからの信号間の差を計算するように構成される、実施例71に記載のエアロゾル発生システム。
実施例73.
所定の値が、気流経路内に障害物が存在しない、通常の使用における気流特性の値である、実施例53~72のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例74.
所定の値との比較が、所定の値と測定値との間の差を計算するように構成される電気回路を含む、実施例53~73のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例75.
電気回路が、差の大きさが所定の限度を超えた時に障害物を検出するように構成される、実施例74に記載のエアロゾル発生システム。
実施例76.
所定の限度が、60~160Paの圧力に対応する、実施例75に記載のエアロゾル発生システム。
実施例77.
所定の限度が、80~150Paの圧力に対応する、実施例76に記載のエアロゾル発生システム。
実施例78.
所定の値が、気流経路が遮られた時の気流特性の値を表す所定の閾値である、実施例53~72のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例79.
電気回路が、測定値を所定の閾値と直接比較するように構成される、実施例78に記載のエアロゾル発生システム。
実施例80.
電気回路が、一つ以上のユーザー吸煙を含む閾値決定段階中に所定の値を決定するように構成される、実施例53~79のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例81.
電気回路が、閾値決定段階中の各ユーザー吸煙の過程中の空気の特性に関連付けられた値を測定するように構成される、実施例80に記載の実施例に記載のエアロゾル発生システム。
実施例82.
閾値決定段階が、二回以上の吸煙を含み、所定の値が、閾値決定段階中の各吸煙からの測定値の平均に基づいて決定される、実施例81に記載のエアロゾル発生システム。
実施例83.
閾値決定段階が、二回、三回、または四回の吸煙を含む、実施例82に記載のエアロゾル発生システム。
実施例84.
閾値決定段階が、五回の吸煙を含む、実施例82に記載のエアロゾル発生システム。
実施例85.
電気回路が、ユーザーがエアロゾル発生システムを最初に吸煙した時に閾値決定段階が開始するように構成される、実施例80~84のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例86.
電気回路が、ユーザーが後で閾値決定段階を開始することができるように構成される、実施例80~85のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例87.
電気回路が、閾値決定段階中に気流特性の測定値から直接所定の値を決定するように構成される、実施例80~86のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例88.
所定の値が、所定の閾値であり、電気回路が、閾値決定段階の吸煙の一回の吸煙または各々の吸煙からの測定値を閾値に変換するように構成される、実施例80~86のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例89.
変換が、測定値の平均を所定の量だけ増加または減少させることを含む、実施例88に記載のエアロゾル発生システム。
実施例90.
所定の量が、60~160Paの圧力に対応する、実施例89に記載のエアロゾル発生システム。
実施例91.
所定の量が、80~150Paの圧力に対応する、実施例90に記載のエアロゾル発生システム。
実施例92.
エアロゾル発生システムが、カートリッジおよびエアロゾル発生装置を備え、カートリッジが、装置とともに使用されるように構成される、実施例53~91のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
実施例93.
カートリッジが、ヒーター組立品の少なくとも一部分を含む、実施例92に記載のエアロゾル発生システム。
実施例94.
カートリッジが、ヒーター組立品のヒーター要素を備える、実施例93に記載のエアロゾル発生システム。
実施例95.
ヒーター組立品が、ヒーター要素としてのサセプタ素子およびインダクタコイルを備え、カートリッジがサセプタ素子を備える、実施例93または94に記載のエアロゾル発生システム。
実施例96.
カートリッジがインダクタコイルさらに備える、実施例95に記載のエアロゾル発生システム。
実施例97.
エアロゾル発生装置がインダクタコイルを含む、実施例95に記載のエアロゾル発生システム。
実施例98.
エアロゾル発生装置が電源を備える、実施例92~97のいずれか一つに記載のエアロゾル発生システム。
【0119】
一実施例または一実施形態に関して説明される特徴はまた、その他の実施例および実施形態にも適用可能であり得る。
【0120】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0121】
図1は、本開示の第一の実施例によるエアロゾル発生システム100の断面の概略図を示す。システムは、カートリッジ200およびエアロゾル発生装置300を備える。図1に示すように、カートリッジ200の部分は、装置300のくぼみに受容されている。カートリッジ200は、装置300のくぼみから取り外し可能である。
【0122】
カートリッジ200は、抵抗ヒーター要素204およびセラミック芯206を備えるヒーター組立品202を備える。抵抗ヒーター要素204は、セラミック芯206上に印刷された導電性トラックの形態である。抵抗ヒーター要素204は、電流がそれを通過する時に加熱するように構成された導電性材料で形成されている。セラミック芯206は通気性である。
【0123】
カートリッジ200は、液体エアロゾル形成基体210を含有する液体貯蔵部分208をさらに備える。液体貯蔵部分208は、カートリッジハウジングによって画定される。カートリッジハウジングは、内壁211および外壁212を備え、液体貯蔵部分208は内壁211と外壁212との間に画定される。液体貯蔵部分208は、環状である。内壁211は、液体エアロゾル形成基体210に対して内壁211の反対側に内部通路214をさらに画定する。
【0124】
ヒーター組立品202は、ヒーター組立品202のセラミック芯206が内部通路214を横切って延びるように、カートリッジ200の端に位置付けられる。セラミック芯206はまた、液体貯蔵部分208の端部分内に延びる。
【0125】
セラミック芯206は、液体貯蔵部分208から液体エアロゾル形成基体210を引き出すように構成される。これは、液体エアロゾル形成基体210をヒーター要素204に向かって引き出す効果を有する。
【0126】
エアロゾル発生装置300は、再充電可能電池302の形態の電源と、図に示されていないマイクロコントローラを備える電気回路304とを備える。
【0127】
カートリッジ200およびエアロゾル発生装置300の両方は、図に示されていない電気接点を備える。エアロゾル発生装置300の電気接点は、電池302に電気的に接続可能である。カートリッジ200の電気接点は、ヒーター要素204に電気的に接続されている。カートリッジ200の電気接点は、図1に示すように、カートリッジ200が装置300のくぼみ内に受容された時に、エアロゾル発生装置300の電気接点と接触するように構成される。このようにして、電池302からの電力は、ヒーター要素304が加熱されるように、ヒーター要素304に供給されうる。電池302からヒーター要素304への電力の供給は、電気回路304によって制御される。特に、電気回路304は通常、吸煙中にヒーター要素304に電力を供給するように構成されるが、以下に説明するように、障害物が検出された場合に電力供給を防止する。
【0128】
カートリッジ200がエアロゾル発生装置300のくぼみ内に受容された時、気流経路は、空気吸込み口218から空気出口306へとエアロゾル発生システムを介して画定される。空気吸込み口218は、エアロゾル発生装置のハウジング内に画定される。空気出口306は、カートリッジ200のハウジング内に画定される。気流経路は、空気吸込み口218からエアロゾル発生装置300内に画定されたチャネルの中へ入り、次いでくぼみの中へ入る。そこから、気流経路はヒーター組立品202を通過する。特に、気流経路は、ヒーター要素204のトラックの間を通過し、次いで、通気性セラミック芯206を通過する。ヒーター組立品202の後、気流経路は、空気出口306で終わる前に、カートリッジ200の内部通路214を通過する。空気出口306を備えるカートリッジの一部分は、マウスピースと呼ばれてもよい。
【0129】
気流経路を通る空気の経路は、図1に示す矢印によって示されている。これは、システムのユーザーがカートリッジ200のマウスピースを吸う時に、空気がエアロゾル発生システム100を通って流れる経路である。
【0130】
カートリッジ200は、その一部分がヒーター組立品202の下流の気流経路内に位置付けられた第一のセンサー216をさらに備える。第一のセンサー216は圧力センサーであり、気流経路のその部分の空気の圧力を測定するのに適している。第一のセンサー216とヒーター組立品との間の距離は、2センチメートル未満である。第一のセンサー216は、Digi-key electronics(https://www.digikey.com/)から入手可能な低電圧バロメトリック圧力センサー(MS5637-02BA03)である。
【0131】
ユーザーがエアロゾル発生システムを吸煙する時、電気回路304は、ヒーター要素204が加熱されるように、ヒーター要素204に電力を供給するように構成される。ヒーター要素204はセラミック芯206と接触し、そのためヒーター要素204からの熱はセラミック芯206に伝導され、その後セラミック芯206に含有されるエアロゾル形成基体に伝導される。次に、このエアロゾル形成基体は気化され、ユーザーがマウスピースを吸う際にセラミック芯206を通過する空気中に引き出される。気化した基体は冷却および凝縮して内部通路214内にエアロゾルを形成し、これがその後ユーザーによって吸入されうる。セラミック芯206は、ヒーター組立品によって気化される基体の連続的な供給を提供する液体貯蔵部分から新鮮なエアロゾル形成基体を連続的に引き出す。
【0132】
セラミック芯206内のエアロゾル形成基体は、必ずしも完全に気化されるわけではない。吸煙後、少量のエアロゾル形成基体の残留物がヒーター組立品202内に残ることがある。経時的に、この残留物は凝集して気流経路内に障害物を作り出す。特に、残留物は、セラミック芯206内およびヒーター要素204内で凝集して、ヒーター組立品202を通過する気流経路の一部分に障害物を作り出す。
【0133】
図2は、システムの残りの部分とは別個に、エアロゾル発生システム100のセラミック芯206を単独で示した断面の概略図である。図2aは、残留物が凝集していないセラミック芯206を示す。セラミック芯206は、複数の空孔207を含む。空気は空孔207を通過することができ、そのためセラミック芯206は通気性である。さらに、エアロゾル形成基体は空孔を通して搬送されうる。空孔のサイズは図2で誇張されている。
【0134】
図2bは、空孔207内に残留物が凝集したセラミック芯206を示す。図2bに示すように、この凝集は、本質的に空孔207のそれぞれに制限を引き起こし、空気がセラミック芯206を通過する能力を低減する。言い換えれば、セラミック芯206内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集により、エアロゾル形成基体を通過する気流経路に障害物を生じさせている。
【0135】
エアロゾル発生システム100の気流経路におけるこうした障害物は問題である。残留物の過熱または燃焼は、エアロゾル発生システム100によって発生されるエアロゾルに焦げた風味を与えることがある。さらに、遮られたセラミック芯206は、望ましくないエアロゾル発生システム100の引き出し抵抗を増加させる。このように、エアロゾル発生システム100の電気回路は、第一の圧力センサー216によってなされる圧力測定値に基づいて、凝集したエアロゾル形成基体の残留物によって引き起こされる障害物を検出するように構成される。これは、気流経路内の障害物の有無が、使用中に気流経路内の圧力に影響を与えることになるため、可能である。この差は図3で表されている。
【0136】
図3は、障害物がある場合とない場合の両方において、第一の圧力センサー216によって測定されるヒーター組立品202の下流の圧力を表すグラフ400を示す。グラフ400のx軸405は時間を表し、y軸406は圧力を表す。グラフは、第一の吸煙402および第二の吸煙404を示す。第一の吸煙402は、エアロゾル形成基体の残留物が実質的に凝集する前の、エアロゾル発生システム100の初期の吸煙を表す。第二の吸煙404は、ヒーター組立品202内に実質的な凝集エアロゾル形成基体の残留物があった後の、後の時点での吸煙を表す。x軸は、これらの時間的に分離された吸煙が連続的であることを示すために切り取られている。
【0137】
第一の吸煙402の開始時に、圧力はほぼ瞬間的に一定の圧力まで増加し、吸煙の持続時間全体を通して維持される。吸煙の終了時に、圧力はほぼ瞬間的にゼロまで低下する。
【0138】
第二の吸煙404は、第一の吸煙402と類似のパターンに従う。しかし、第二の吸煙404中の一定の圧力は、第一の吸煙402の圧力よりも低い。これは、第二の吸煙404中に、セラミック芯206内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって生じる障害物が、気流経路の制限を作り出すためである。制限により、流速は増加し、圧力は減少する。第一のセンサー216は、この圧力減少が顕著になるようにヒーター組立品202に十分に近い。
【0139】
図4は、気流経路内の障害物を検出する方法を示す。方法の工程502は、第一のセンサー216を使用して圧力を測定することを含む。これは、電気回路304が第一のセンサー216から、および圧力を決定するそれらの信号から信号を受信することを含む。
【0140】
工程504で、測定された圧力値は、電気回路304のメモリに保存された所定の値と比較される。この場合、所定の値は、気流経路内に障害物が存在しない時の圧力値を表す。所定の値と測定値との間の差が100Pa以上である場合、障害物が検出される。これは、障害物により障害物の下流で圧力降下が生じるためである。
【0141】
障害物が検出された場合、方法は工程506に進む。工程506で、電気回路304は、電源からヒーター組立品202への電力供給を制限する。これは、エアロゾル発生システム100の使用を防止する。障害物が除去されるまで電力は制限される。これは、ユーザーがカートリッジ200を未使用のカートリッジと交換することによって、またはカートリッジ200をクリーニングすることによって達成されうる。カートリッジをクリーニングすることは、カートリッジ200を取り外すことと、ヒーター組立品202を物理的にクリーニングして凝集した残留物を除去することと、またはエアロゾル発生装置内に受容されている間にカートリッジをクリーニングすることのいずれかを含み得、残留物の熱分解を引き起こす加熱手順が開始される。
【0142】
所定の値は、閾値決定段階中に決定される。閾値決定段階の工程を図5に示す。
【0143】
工程602で、エアロゾル発生の最初のユーザー吸煙の過程で圧力が測定される。これは、電気回路304が第一のセンサー316から、および圧力を決定するそれらの信号から信号を受信することを含む。測定された圧力は、電気回路304のメモリに保存される。
【0144】
工程604で、工程602は、連続的な吸煙に対して四回繰り返される。したがって、電気回路304のメモリに保存された五つの圧力測定値である。
【0145】
工程606で、電気回路は、五つの圧力測定値の平均を決定するように構成される。この平均圧力値は、気流経路内に障害物が存在しない時の圧力値を表す。所定の値は平均と等しい。
【0146】
上述の閾値決定段階は、エアロゾル発生システム100の最初の使用で始まる。エアロゾル発生システム100は、電気回路304に接続されたユーザーインターフェース(図に示さず)をさらに備える。装置のユーザーは、例えば、ユーザーインターフェース上のボタンを押すことによって、ユーザーインターフェースに入力することによって、最初の使用よりも後の時点で閾値決定段階を開始することができる。これにより、図5の方法を繰り返し、新しい閾値が決定される。これは、例えば、吸煙挙動が異なるエアロゾル発生システム100の新しいユーザーがいる場合に有用である。
【0147】
図5の方法は実施されるが、図4の方法は実施されない。言い換えれば、エアロゾル発生システム100は、閾値決定段階にある間、障害物の存在を決定しない。
【0148】
図4および図5に関連して説明した所定の値は、気流経路内に障害物が存在しない時の圧力値を表す値である。別の実施例では、所定の値は所定の閾値である。すなわち、所定の値は、障害物が存在する時の圧力を表す値である。この場合、工程504の比較は、所定の閾値を測定値と比較して、測定値が所定の閾値以下であるかどうかを確認することを含む。測定値が所定の閾値以下である場合、障害物が検出される。
【0149】
障害物が存在する時の圧力値を表す所定の閾値は、図6に示す方法と同様の方法に従って決定される。しかしながら、方法の工程606で決定される平均圧力は、障害物がある場合ではなく、障害物のない場合の圧力を表す。したがって、方法は、平均圧力を閾値圧力値に変換する追加の工程を含む。これは、平均圧力から所定の量を差し引くことを含む。この例では、所定の量は100Paである。
【0150】
エアロゾル発生システム100は、単一のセンサー216を備えるシステムに関連して説明されている。図6は、ヒーター組立品202の上流に第二の圧力センサー702をさらに備えるエアロゾル発生システム700の第二の実施例を示す。そうでなければ、図6の第二の実施例は、図1の第一の特徴と同じ特徴を有し、同様の特徴はそれに応じて番号付けされる。
【0151】
第一の圧力センサー216および第二の圧力センサー702の両方を備えるエアロゾル発生システム700は、障害物検出方法および閾値決定段階の両方における差圧測定を決定するように構成される。第二のセンサー702は、Digi-key electronics(http://www.digikey.com/)から入手可能な低電圧バロメトリック圧力センサー(MS5637-02BA03)である。
【0152】
電気回路304は、第一の圧力センサー216によって測定された圧力を第二の圧力センサー702によって測定された圧力から減算することによって、差圧測定値を計算するように構成される。上述のように、第一の圧力センサー216によって測定されるヒーター組立品202の下流の圧力は、第二の圧力センサー702によって測定されるヒーター組立品202の上流の圧力よりも低くなる。測定された圧力を減算すると、ヒーター組立品202、および重要なことにヒーター組立品202内の障害物によって引き起こされる圧力降下を表す値が残る。
【0153】
図7は、ヒーター組立品202内に障害物がある場合、およびない場合の両方の差圧を表すグラフ800を示す。図3と同様に、グラフ800のx軸805は時間を表す。しかしながら、y軸806は、単に圧力ではなく、差圧を表す。グラフは、第一の吸煙802および第二の吸煙804を示す。第一の吸煙802は、エアロゾル形成基体の残留物が実質的に凝集する前の、エアロゾル発生システム700の初期の吸煙を表す。第二の吸煙804は、ヒーター組立品202内に実質的な凝集エアロゾル形成基体の残留物が存在した後の、ずっと後の吸煙を表す。x軸は、これらの時間的に分離された吸煙が連続的であることを示すために切り取られている。
【0154】
第一の吸煙802の開始時に、圧力は一定の差圧までほぼ瞬間的に増加し、吸煙の持続時間全体を通して維持される。吸煙の終了時に、圧力はほぼ瞬間的にゼロまで低下する。吸煙の主要部分中の一定の差圧はゼロではない。これは、第一の吸煙においてヒーター組立品内に残留物がないにもかかわらず、ヒーター組立品202自体が依然として気流経路の制限を表すためである。そのため、吸煙の主要部分中の一定の差圧は、清浄なヒーター組立品202の存在によって引き起こされる圧力降下を表す。
【0155】
第二の吸煙804は、第一の吸煙802と類似のパターンに従う。しかし、第二の吸煙804の主要部分の間の一定の差圧は、第一の吸煙802の差圧よりも大きい。これは、第二の吸煙404中に、セラミック芯206内のエアロゾル形成基体の残留物の凝集によって生じる障害物が、気流経路の制限を作り出すためである。これにより、ヒーター組立品202にわたる圧力降下を増加させ、したがって第二の吸煙804の主要部分中に測定された差圧を増加させる。
【0156】
第二の実施例のエアロゾル発生システム700は、第一の実施例のエアロゾル発生システム100と同様に動作する。しかしながら、代わりに圧力を測定することを含む、第一の実施例のエアロゾル発生システム100の方法の任意の工程は、第二の実施例のエアロゾル発生システム700における差圧を測定することを含む。エアロゾル発生システム700では、工程504の所定の値は、差圧の閾値を表す。この閾値以上の差圧測定値は、ヒーター組立品202内で凝集したエアロゾル形成基体の残留物によって気流経路が塞がれていることを示す。さらに、閾値差圧値は、工程602~606で五つの差圧測定値の平均を決定することによって計算される。
【0157】
図8は、エアロゾル発生システム900の第三の実施例を示す。エアロゾル発生システム900は、第二の実施例のエアロゾル発生システム700とは異なるヒーター組立品を有する。そうでなければ、エアロゾル発生システム700および900は同一であり、同様の特徴はそれに応じて番号付けされる。
【0158】
第三の組立品のエアロゾル発生システム900は、誘導ヒーター組立品902を備える。誘導ヒーター組立品902は、抵抗ヒーター要素の代わりにサセプタ素子904を備える。サセプタ素子904は、セラミック芯206上に印刷されたトラックとして再び提供される。
【0159】
ヒーター組立品902は、フラットスパイラルインダクタコイル906をさらに備える。第三の実施例におけるエアロゾル発生装置のフラットスパイラルインダクタコイル906部品。そのため、この実施例では、ヒーター組立品902の一部分のみがカートリッジ内に収容される。
【0160】
インダクタコイル906は、カートリッジ200がくぼみ内に受容された時に、サセプタ素子904がインダクタコイル906に近接して効率的な加熱を促進するように、くぼみの基部の近くに位置付けられる。電気回路304および電池302は、エアロゾル発生システム900の使用中に高周波交流電流をインダクタコイルに供給するように構成されている。これにより、サセプタ素子904が加熱され、したがってエアロゾル形成基体も加熱される。
【0161】
エアロゾル発生システム700および900は、気流経路内の障害物を検出し、第一の実施例のエアロゾル発生システム100に関連して説明したのと同じ方法で障害物検出方法の所定の値を決定するために使用され得る。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】