IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイエル・アクチエンゲゼルシヤフトの特許一覧

特表2024-525526除草剤としてのN-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニルカルボキサミド
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-12
(54)【発明の名称】除草剤としてのN-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニルカルボキサミド
(51)【国際特許分類】
   C07D 271/10 20060101AFI20240705BHJP
   C07D 215/28 20060101ALI20240705BHJP
   C07D 265/36 20060101ALI20240705BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20240705BHJP
   A01N 43/824 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
C07D271/10 CSP
C07D215/28
C07D265/36
A01P13/00
A01N43/824 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500033
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 EP2022068441
(87)【国際公開番号】W WO2023280772
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】21184513.6
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】アーレンス,ハルトムート
(72)【発明者】
【氏名】コーン,アルニム
(72)【発明者】
【氏名】ヤコビ,ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルドラフ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】アスムス,エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ボーレンバッハ-ヴァール,ビルギット
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA03
4H011BA06
4H011BB10
(57)【要約】
本発明は、除草剤としての、一般式(I)で表される安息香酸アミドに関する。この式(I)において、X、R及びZは、アルキル及びハロゲンなどの基を表す。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
Xは、ハロゲン、(C-C)-アルキル、ハロ-(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルコキシ、ハロ-(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルキル-(O)Sであり;
Zは、ハロ-(C-C)-アルコキシであり;
Rは、(C-C)-アルキル、ハロ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-シクロアルキルであり;
nは、0、1又は2である〕
で表されるベンズアミド又はその塩。
【請求項2】
Xは、ハロゲン、(C-C)-アルキル、CF、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルキルチオであり;
Zは、ハロ-(C-C)-アルコキシであり;
Rは、(C-C)-アルキル又はシクロプロピルであり;
nは、0、1又は2である;
請求項1に記載のベンズアミド。
【請求項3】
Xは、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルキルチオであり;
Zは、ハロ-(C-C)-アルコキシであり;
Rは、(C-C)-アルキルであり
nは、0、1又は2である;
請求項1又は2に記載のベンズアミド。
【請求項4】
Xは、F、Cl、Br、Me、Et、MeO、EtO、MeOCH又はMeSであり;
Zは、HFCO又はFCOであり;
Rは、Me又はEtであり;
nは、0、1又は2である;
請求項1~3のいずれかに記載のベンズアミド。
【請求項5】
除草剤組成物又は植物成長調節剤組成物であって、請求項1~4のいずれかに記載の一般式(I)で表される1種類以上のベンズアミド又はその塩を含むことを特徴とする、前記除草剤組成物又は植物成長調節剤組成物。
【請求項6】
さらに製剤助剤を含む、請求項5に記載の除草剤組成物。
【請求項7】
殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤及び/又は成長調節剤の群から選択される少なくとも1種類のさらなる活性成分を含む、請求項5又は6に記載の除草剤組成物。
【請求項8】
薬害軽減剤を含む、請求項5又は6に記載の除草剤組成物。
【請求項9】
前記薬害軽減剤が、メフェンピル-ジエチル、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシル、ベノキサコル及びジクロルミドからなる群から選択される、請求項8に記載の除草剤組成物。
【請求項10】
望ましくない植物を防除する方法であって、有効量の請求項1~4のいずれかに記載の式(I)で表される少なくとも1種類のベンズアミド又は請求項5~9のいずれかに記載の除草剤組成物を、当該植物に施用すること又は当該望ましくない植生の生育環境に施用することを特徴とする、前記方法。
【請求項11】
望ましくない植物を防除するための、請求項1~4のいずれかに記載の式(I)で表されるベンズアミド又は請求項5~9のいずれかに記載の除草剤組成物の使用。
【請求項12】
式(I)で表されるベンズアミドを有用な植物の作物の中の望ましくない植物を防除するために使用することを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記有用な植物が有用なトランスジェニック植物であることを特徴とする、請求項12に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草剤の技術分野に関し、特に、有用植物における広葉雑草及びイネ科雑草を選択的に防除するための除草剤の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2012/126932A1、WO2017/144402A1及びWO2018/177871A1に記載されている対象の中には、置換されていてもよい1,3,4-オキサジアゾールをアミド基の窒素原子上に有する、除草作用を有するベンズアミドがある。WO2021094505A1には、フェニル環の4位にハロアルコキシ基を有する、除草活性を示すベンズアミドが記載されており、そして、置換されている1,3,4-オキサジアゾールは、そのアミド基の窒素原子が有する置換基のうちの1つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2012/126932A1
【特許文献2】WO2017/144402A1
【特許文献3】WO2018/177871A1
【特許文献4】WO2021094505A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの文献から知られているベンズアミド類は、必ずしも充分な除草効力及び/又は作物植物との適合性を有しているわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ベンズアミドにおいて、
・ アミド基の窒素原子上に非置換1,3,4-オキサジアゾールを有し;
・ フェニル環の4位にハロアルコキシ基を有し;及び、
・ フェニル環の5位及び6位は置換されていない;
前記ベンズアミド類が、従来技術から知られているベンズアミド類よりも優れた特性を有しているということが分かった。
【0006】
従って、本発明は、式(I)
【化1】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
Xは、ハロゲン、(C-C)-アルキル、ハロ-(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルコキシ、ハロ-(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルキル-(O)Sであり;
Zは、ハロ-(C-C)-アルコキシであり;
Rは、(C-C)-アルキル、ハロ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-シクロアルキルであり;
nは、0、1又は2である〕
で表されるベンズアミド又はその塩を提供する。
【0007】
式(I)及び以下の全ての式において、3個以上の炭素原子を有しているアルキルラジカルは、直鎖又は分枝鎖であることができる。アルキルラジカルは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル又は2-ブチル、ペンチル類、ヘキシル類、例えば、n-ヘキシル、イソヘキシル及び1,3-ジメチルブチルなどである。同様に、アルケニルは、例えば、アリル、1-メチルプロパ-2-エン-1-イル、2-メチルプロパ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-3-エン-1-イル、1-メチルブタ-3-エン-1-イル及び1-メチルブタ-2-エン-1-イルなどである。アルキニルは、例えば、プロパルギル、ブタ-2-イン-1-イル、ブタ-3-イン-1-イル、1-メチルブタ-3-イン-1-イルなどである。多重結合は、それぞれの不飽和ラジカルの任意の位置に存在し得る。シクロアルキルは、3~6個の炭素原子を有する炭素環式飽和環系、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。ハロゲンで置換されているアルキルは、直鎖又は分枝鎖のアルキル基において、それらの基内の水素原子の一部又は全てがハロゲン原子で置き換えられ得るもの、例えば、C-C-ハロアルキル、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル及び1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イルなどを意味する。
【0008】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。
【0009】
ヘテロ環式ラジカル(ヘテロシクリル)は、炭素原子に加えて、N、O、Sの群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員又は6員の環式ラジカルであり、ここで、該環式ラジカルは、飽和、不飽和、部分的飽和又はヘテロ芳香族であり、そして、置換されていなくても又は置換されていてもよく、その場合、結合部位は、環原子上にある。ヘテロ環式ラジカルの例は、以下のものである:1-又は2-又は3-ピロリジニル、3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-又は3-イル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロール-1-又は2-又は3-又は4-又は5-イル;2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-又は2-又は3-イル、1-又は2-又は3-又は4-ピペリジニル;2,3,4,5-テトラヒドロピリジン-2-又は3-又は4-又は5-イル又は6-イル;1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-1-又は2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピリジン-1-又は2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;1,4-ジヒドロピリジン-1-又は2-又は3-又は4-イル;2,3-ジヒドロピリジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;2,5-ジヒドロピリジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル、1-又は2-又は3-又は4-アゼパニル、2-又は3-オキソラニル(=2-又は3-テトラヒドロフランyl);2,3-ジヒドロフラン-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,5-ジヒドロフラン-2-又は3-イル、2-又は3-又は4-オキサニル(=2-又は3-又は4-テトラヒドロピラニル);3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;2H-ピラン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;4H-ピラン-2-又は3-又は4-イル、2-又は3-又は4-オキセパニル;2-又は3-テトラヒドロチオフェニル;2,3-ジヒドロチオフェン-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,5-ジヒドロチオフェン-2-又は3-イル;テトラヒドロ-2H-チオピラン-2-又は3-又は4-イル;3,4-ジヒドロ-2H-チオピラン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-チオピラン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;2H-チオピラン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;4H-チオピラン-2-又は3-又は4-イル;1-又は2-又は3-又は4-ピラゾリジニル;4,5-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-又は3-又は4-又は5-イル;2,3-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-又は2-又は3-又は4-又は5-イル;1-又は2-又は3-又は4-イミダゾリジニル;2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-又は2-又は3-又は4-イル;2,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-又は2-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-又は2-又は4-又は5-イル;ヘキサヒドロピリダジン-1-又は2-又は3-又は4-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピリダジン-1-又は2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;1,2,3,6-テトラヒドロピリダジン-1-又は2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;1,4,5,6-テトラヒドロピリダジン-1-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,4,5,6-テトラヒドロピリダジン-3-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロピリダジン-3-又は4-イル;3,4-ジヒドロピリダジン-3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロピリダジン-3-又は4-イル;1,6-ジヒドロピリダジン-1-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;ヘキサヒドロピリミジン-1-又は2-又は3-又は4-イル;1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-1-又は2-又は4-又は5-又は6-イル;1,2,5,6-テトラヒドロピリミジン-1-又は2-又は4-又は5-又は6-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-1-又は2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;1,6-ジヒドロピリミジン-1-又は2-又は4-又は5-又は6-イル;1,2-ジヒドロピリミジン-1-又は2-又は4-又は5-又は6-イル;2,5-ジヒドロピリミジン-2-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロピリミジン-4-又は5-又は6-イル;1,4-ジヒドロピリミジン-1-又は2-又は4-又は5-又は6-イル;1-又は2-又は3-ピペラジニル;1,2,3,6-テトラヒドロピラジン-1-又は2-又は3-又は5-又は6-イル;1,2,3,4-テトラヒドロピラジン-1-又は2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;1,2-ジヒドロピラジン-1-又は2-又は3-又は5-又は6-イル;1,4-ジヒドロピラジン-1-又は2-又は3-イル;2,3-ジヒドロピラジン-2-又は3-又は5-又は6-イル;2,5-ジヒドロピラジン-2-又は3-イル;1,3-ジオキソラン-2-又は4-又は5-イル;1,3-ジオキソール-2-又は4-イル;1,3-ジオキサン-2-又は4-又は5-イル;4H-1,3-ジオキシン-2-又は4-又は5-又は6-イル;1,4-ジオキサン-2-又は3-又は5-又は6-イル;2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキシン-2-又は3-又は5-又は6-イル;1,4-ジオキシン-2-又は3-イル;1,2-ジチオラン-3-又は4-イル;3H-1,2-ジチオール-3-又は4-又は5-イル;1,3-ジチオラン-2-又は4-イル;1,3-ジチオール-2-又は4-イル;1,2-ジチアン-3-又は4-イル;3,4-ジヒドロ-1,2-ジチイン-3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロ-1,2-ジチイン-3-又は4-イル;1,2-ジチイン-3-又は4-イル;1,3-ジチアン-2-又は4-又は5-イル;4H-1,3-ジチイン-2-又は4-又は5-又は6-イル;イソオキサゾリジン-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,3-ジヒドロイソオキサゾール-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,5-ジヒドロイソオキサゾール-2-又は3-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-又は4-又は5-イル;1,3-オキサゾリジン-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,3-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾール-2-又は4-又は5-イル;1,2-オキサジナン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,2-オキサジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,2-オキサジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;5,6-ジヒドロ-2H-1,2-オキサジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;5,6-ジヒドロ-4H-1,2-オキサジン-3-又は4-又は5-又は6-イル;2H-1,2-オキサジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;6H-1,2-オキサジン-3-又は4-又は5-又は6-イル;4H-1,2-オキサジン-3-又は4-又は5-又は6-イル;1,3-オキサジナン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,3-オキサジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,3-オキサジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;5,6-ジヒドロ-2H-1,3-オキサジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;2H-1,3-オキサジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;6H-1,3-オキサジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;4H-1,3-オキサジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;モルホリン-2-又は3-又は4-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,4-オキサジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,4-オキサジン-2-又は3-又は5-又は6-イル;2H-1,4-オキサジン-2-又は3-又は5-又は6-イル;4H-1,4-オキサジン-2-又は3-イル;イソチアゾリジン-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,3-ジヒドロイソチアゾール-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,5-ジヒドロイソチアゾール-2-又は3-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロイソチアゾール-3-又は4-又は5-イル;1,3-チアゾリジン-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,3-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-又は3-又は4-又は5-イル;2,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-又は4-又は5-イル;4,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-2-又は4-又は5-イル;1,3-チアジナン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,4-ジヒドロ-2H-1,3-チアジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;3,6-ジヒドロ-2H-1,3-チアジン-2-又は3-又は4-又は5-又は6-イル;5,6-ジヒドロ-2H-1,3-チアジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;5,6-ジヒドロ-4H-1,3-チアジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;2H-1,3-チアジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;6H-1,3-チアジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;4H-1,3-チアジン-2-又は4-又は5-又は6-イル;4,2-ジオキサゾリジン-2-又は3-又は5-イル;1,4,2-ジオキサゾール-3-又は5-イル;1,4,2-ジオキサジナン-2-又は-3-又は5-又は6-イル;5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-又は5-又は6-イル;1,4,2-ジオキサジン-3-又は5-又は6-イル。
【0010】
置換基の種類及びそれらの結合の仕方に応じて、一般式(I)で表される化合物は、立体異性体として存在し得る。例えば、1個以上の不斉に置換された炭素原子が存在している場合、エナンチオマー及びジアステレオマーが存在し得る。nが1である場合(スルホキシド)にも立体異性体が存在し得る。立体異性体は、その調製において得られた混合物から慣習的な分離方法によって、例えば、クロマトグラフ分離プロセスによって得ることができる。さらにまた、光学的に活性な出発物質及び/又は補助剤を使用する立体選択的反応を用いることによって、立体異性体を選択的に調製することも可能である。本発明は、一般式(I)には包含されるが具体的には定義されていない全ての立体異性体及びその混合物にも関する。
【0011】
式(I)で表される化合物は、塩を形成し得る。適切な塩基は、例えば、以下のものである:有機アミン類、例えば、トリアルキルアミン類、モルホリン、ピペリジン又はピリジン、及び、さらに、アンモニウム、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及び炭酸水素塩、特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム。これらの塩は、当該酸性水素が農業上適切なカチオンで置き換えられている化合物、例えば、金属塩、特に、アルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、特に、ナトリウム塩及びカリウム塩、又は、アンモニウム塩、有機アミンとの塩、又は、第4球アンモニウム塩、例えば、式[NRR’R’’R’’’]〔式中、R~R’’’は、それぞれ独立して、有機ラジカル、特に、アルキル、アリール、アラルキル又はアルキルアリールである〕で表されるカチオンとの塩である。同様に、有用なものは、アルキルスルホニウム塩及びアルキルスルホキソニウム塩、例えば、(C-C)-トリアルキルスルホニウム塩及び(C-C)-トリアルキルスルホキソニウム塩である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましいのは、一般式(I)〔式中、記号及び添え字は、以下の意味を有する:
Xは、ハロゲン、(C-C)-アルキル、CF、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルキルチオであり;
Zは、ハロ-(C-C)-アルコキシであり;
Rは、(C-C)-アルキル又はシクロプロピルであり;
nは、0、1又は2である〕
で表される化合物である。
【0013】
特に好ましいのは、一般式(I)〔式中、記号及び添え字は、以下の意味を有する:
Xは、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル又は(C-C)-アルキルチオであり;
Zは、ハロ-(C-C)-アルコキシであり;
Rは、(C-C)-アルキルであり
nは、0、1又は2である〕
で表される化合物である。
【0014】
極めて特に好ましいのは、一般式(I)〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
Xは、F、Cl、Br、Me、Et、MeO、EtO、MeOCH又はMeSであり;
Zは、HFCO又はFCOであり;
Rは、Me又はEtであり;
nは、0、1又は2である〕
で表される化合物である。
【0015】
本発明の化合物は、例えば、WO2012/126932A1、WO2017/144402A1、WO2018/177871A1及びWO2021094505A1において特定されている方法によって調製することができる。対応する塩化ベンゾイル、安息香酸エステル又はそれらの親の安息香酸は、原則的に知られており、そして、例えば、WO2021094505A1に記載の方法によって調製することができる。以下に記載する実施例によって、本発明の化合物の調製方法についてさらに説明する。
【0016】
それぞれの反応混合物の後処理は、一般に、既知方法によって、例えば、結晶化、水性-抽出後処理によって、クロマトグラフィー法によって、又は、これらの方法の組み合わせによって実施する。
【0017】
上記反応によって合成することが可能な式(I)で表される化合物及び/又はそれらの塩の収集物は、並行的に調製することも可能であり、その場合、これは、手動で、部分的に自動化で、又は、完全に自動化で、実施することが可能である。例えば、生成物及び/若しくは中間体の反応、後処理又は精製の実施を自動化することが可能である。概して、これは、例えば、「Combinatorial Chemistry - Synthesis, Analysis, Screening (editor: Gunther Jung), Wiley, 1999」の第1~34頁においてD.Tiebesによって記載された方法を意味するものと理解される。
【0018】
式(I)で表される本発明化合物(及び/又はそれらの塩)〔以下では、集合的に、「本発明の化合物」と称される〕は、広範囲の経済的に重要な単子葉及び双子葉の一年生有害植物に対して優れた除草効力を示す。
【0019】
本発明は、従って、望ましくない植物を防除する方法又は植物の成長を調節する方法、好ましくは作物植物内において、望ましくない植物を防除する方法又は植物の成長を調節する方法も提供し、ここで、該方法においては、本発明による1種類以上の化合物を、該植物(例えば、有害植物、例えば、単子葉雑草若しくは双子葉雑草、又は、望ましくない作物植物)に施用するか、又は、種子(例えば、穀粒、種子、又は、栄養繁殖器官、例えば、塊茎、若しくは、芽を有する苗条部分)に施用するか、又は、当該植物がそこで成長している区域(例えば、耕作地)に施用する。本発明の化合物は、例えば、植え付け前(適切な場合には、さらに、土壌に混和することによって)、発生前又は発生後に使用することができる。本発明の化合物によって防除することが可能な何種類かの代表的な単子葉雑草植物相及び双子葉雑草植物相の具体的な例は以下のとおりであるが、そのような列挙されたものは特定の種に限定することを意図するものではない。
【0020】
以下の属の単子葉有害植物: アエギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、ヌカボ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、セイヨウヌカボ属(Apera)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ属(Eleusine)、スズメガヤ属(Eragrostis)、ナルコビエ属(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、テンツキ属(Fimbristylis)、アメリカコナギ属(Heteranthera)、チガヤ属(Imperata)、カモノハシ属(Ischaemum)、アゼガヤ属(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、エノコログサ属(Setaria)、モロコシ属(Sorghum)。
【0021】
以下の属の双子葉雑草: イチビ属(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アノダ属(Anoda)、カミツレ属(Anthemis)、アファネス属(Aphanes)、ヨモギ属(Artemisia)、ハマアカザ属(Atriplex)、ヒナギク属(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、カワラケツメイ属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、ヌスビトハギ属(Desmodium)、エメキス属(Emex)、エゾスズシロ属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、チシマオドリコソウ属(Galeopsis)、コゴメギク属(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホウキギ属(Kochia)、オドリコソウ属(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、アゼトウガラシ属(Lindernia)、シカギク属(Matricaria)、ハッカ属(Mentha)、ヤマアイ属(Mercurialis)、ザクロソウ属(Mullugo)、ワスレナグサ属(Myosotis)、ケシ属(Papaver)、アサガオ属(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、ギシギシ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、セスバニア属(Sesbania)、キンゴジカ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ノゲシ属(Sonchus)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、シャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ属(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、オナモミ属(Xanthium)。
【0022】
本発明の化合物が発芽前に土壌表面に施用される場合、雑草の実生の出芽が完全に防止されるか、又は、雑草は、子葉期に達するまで成長するが、その後成長を停止する。
【0023】
該活性成分が植物の緑色の部分に発生後施用される場合は、その処理の後で成長は停止し、そして、当該有害植物は、施用時点における成長段階にとどまるか、又は、一定期間の後、完全に枯死し、その結果、このようにして、作物植物にとって有害である雑草との競合が、極めて早期に持続的に排除される。
【0024】
本発明の化合物は、有用な植物の作物の中で選択的であることができ、そして、非選択的除草剤として使用することも可能である。
【0025】
該活性成分は、それらの除草特性及び植物成長調節特性によって、既知遺伝子組換え植物又は今後開発される遺伝子組換え植物の作物の中の有害な植物を防除するために用いることもできる。一般に、トランスジェニック植物は、特定の有利な特性によって、例えば、農薬産業において使用される特定の活性成分(特に、特定の除草剤)に対する抵抗性、植物病害又は植物病害の病原体(例えば、特定の昆虫類又は微生物、例えば、菌類、細菌類若しくはウイルス類)に対する抵抗性などよって、特徴付けられる。別の特定の特性は、例えば、収穫物の、量、質、貯蔵性、組成及び特定の成分などに関する。例えば、デンプン含有量が増大されているか若しくはデンプンの質が変性されている既知トランスジェニック植物、又は、収穫物内の脂肪酸組成が異なっている既知トランスジェニック植物が存在している。特定のさらなる特性は、非生物的ストレス因子、例えば、熱、低温、渇水、塩分及び紫外線などに対する耐性又は抵抗性である。
【0026】
好ましくは、有用な植物及び観賞植物の経済的に重要なトランスジェニック作物において、式(I)で表される本発明化合物又はその塩を使用する。
【0027】
式(I)で表される化合物は、除草剤として、当該除草剤の植物毒性効果に対して抵抗性であるか又は遺伝子工学によって抵抗性にされた有用な植物の作物において、使用することができる。
【0028】
既存の植物と比較して改質された特性を有する新規植物を生成させる慣習的な方法は、例えば、従来の栽培法及び突然変異体の生成である。別法として、変更された特性を有する新規植物は、組換え法を用いて生成させることができる(例えば、EP 0221044、EP 0131624を参照されたい)。例えば、記載されているのは、以下のことに関するいくつかの場合である: 植物体内で合成されるデンプンを改質することを目的とする作物植物の遺伝子組換え(例えば、WO 92/011376A、WO 92/014827A、WO 91/019806A); グルホシネートタイプ(cf. 例えば、EP 0242236A、EP 0242246A)若しくはグリホセートタイプ(WO 92/000377A)若しくはスルホニル尿素タイプ(EP 0257993A、US 5,013,659)の特定の除草剤に対して抵抗性を示す、又は、「遺伝子スタッキング(gene stacking)」によってそれら除草剤の組合せ若しくは混合物に対して抵抗性を示す、トランスジェニック作物植物、例えば、OptimumTM GATTM(グリホセートALS耐性)の商品名又は名称を有するトランスジェニック作物植物、例えば、トウモロコシ又はダイズ;
・ 植物を特定の害虫に対して抵抗性を示すようにするバシルス・ツリンギエンシス毒素(Bt毒素)を産生することができるトランスジェニック作物植物(例えば、ワタ)(EP 0142924A、EP 0193259A);
・ 改変された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物植物(WO 91/013972A);
・ 新規成分又は二次代謝産物(例えば、耐病性を向上させる新規フィトアレキシンなど)を有する遺伝子組換えされた作物植物(EP 0309862A、EP 0464461A);
・ より多い収穫量及びより高いストレス耐性を有する、光呼吸が低下した遺伝子組換え植物(EP 0305398A);
・ 薬学的に又は診断的に重要なタンパク質を産生するトランスジェニック作物植物(「分子ファーミング(molecular pharming)」);
・ より多い収穫量又はより優れた品質を特徴とするトランスジェニック作物植物;
・ 例えば上記で記載した新規特性の組み合わせによって区別される、トランスジェニック作物植物(「遺伝子スタッキング」)。
【0029】
改質された特性を有する新規トランスジェニック植物を産生させために使用することが可能な多くの分子生物学的技術が、原則として知られている;例えば,以下のものを参照されたい:「I.Potrykus and G.Spangenberg (eds), Gene Transfer to Plants, Springer Lab Manual (1995), Springer Verlag Berlin, Heidelberg or Christou, “Trends in Plant Science” 1 (1996) 423-431」。
【0030】
そのような遺伝子操作に関して、突然変異誘発又はDNA配列の組換えによる配列変更を可能にする核酸分子をプラスミドの中に導入することができる。標準的な方法を用いて、例えば、塩基交換を実施することが可能であり、部分配列を除去することが可能であり、又は、天然配列若しくは合成配列を加えることが可能である。DNA断片を互いに連結させるために、その断片にアダプター又はリンカーを加えることができる;例えば、以下のものを参照されたい:「Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY」、又は、「Winnacker “Gene und Klone” [Genes and Clones], VCH Weinheim, 2nd edition, 1996」。
【0031】
例えば、遺伝子産物の活性が低下した植物細胞の生成は、少なくとも1の対応するアンチセンスRNAを発現させることによって、又は、コサプレッション効果を達成するためのセンスRNAを発現させることによって、又は、前記遺伝子産物の転写産物を特異的に切断する少なくとも1の適切に構築されたリボザイムを発現させることによって、達成することができる。この目的のために、最初に、存在し得る全てのフランキング配列を含む遺伝子産物の全コード配列を含むDNA分子を使用することが可能であり、さらにまた、コード配列の一部分だけを含むDNA分子(この場合、これらの部分は、細胞内においてアンチセンス効果を有するのに充分なほど長いことが必要である)を使用することも可能である。さらにまた、遺伝子産物のコード配列と高度に相同性を有するが、それらと完全に同一であるわけではないDNA配列を用いることもできる。
【0032】
植物体内で核酸分子を発現させる場合、合成されたタンパク質は、植物細胞の任意の望ましい区画内に局在化させ得る。しかしながら、特定の区画内に局在化させるためには、例えば、特定の区画内に局在化することを保証するDNA配列にコード領域を連結させることが可能である。そのような配列は、当業者には知られている(例えば、以下のものを参照されたい:「Braun et al., EMBO J. 11 (1992), 3219-3227」、「Wolter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988), 846-850」、「Sonnewald et al., Plant J. 1 (1991), 95-106」)。さらにまた、そのような核酸分子は、植物細胞の細胞小器官内で発現させることも可能である。
【0033】
トランスジェニック植物細胞は、完全な植物を生じさせるための既知技術によって再生させることができる。原則として、トランスジェニック植物は、任意の望ましい植物種の植物であり得る、即ち、単子葉植物であり得るのみではなく、双子葉植物でもあり得る。
【0034】
このようにして、相同性の(=天然の)遺伝子若しくは遺伝子配列の過剰発現、抑制若しくは阻害又は非相同性の(=外来の)遺伝子若しくは遺伝子配列の発現によって変更された特性を有するトランスジェニック植物を得ることができる。
【0035】
本発明の化合物(I)は、好ましくは、成長調節剤(例えば、2,4-D、ジカンバ)に対して抵抗性を示すトランスジェニック作物の中で、又は、必須植物酵素(例えば、アセト乳酸シンターゼ(ALS)、EPSPシンターゼ、グルタミンシンターゼ(GS)又はヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD))を阻害する除草剤に対して抵抗性を示すトランスジェニック作物の中で、又は、スルホニル尿素類、グリホセート類、グルホシネート類若しくはベンゾイルイソオキサゾール類及び類似した活性成分の群から選択される除草剤に対して抵抗性を示すトランスジェニック作物の中で、又は、これらの活性成分の任意の望ましい組合せに対して抵抗性を示すトランスジェニック植物の中で使用することができる。
【0036】
本発明の化合物は、特に好ましくは、グリホセート類とグルホシネート類の組合せ、グリホセート類とスルホニル尿素類又はイミダゾリノン類の組合せに対して抵抗性を示すトランスジェニック作物植物において使用することができる。最も好ましくは、本発明の化合物は、例えば、OptimumTM GATTM(グリホセートALS耐性)の商品名又は名称を有するトランスジェニック作物植物(例えば、トウモロコシ又はダイズ)において使用することができる。
【0037】
トランスジェニック作物の中で本発明の活性成分を使用する場合、別の作物の中で観察される有害な植物に対する効果が生じるのみではなく、多くの場合、特定のトランスジェニック作物の中における施用に特異的な効果、例えば、防除可能な雑草の改変されたスペクトル又は特に拡大されたスペクトル、当該施用に使用し得る改変された施用量、好ましくは、そのトランスジェニック作物が抵抗性を示す除草剤との良好な組合せ可能性、並びに、そのトランスジェニック作物植物の成長及び収穫量に対する影響なども生じる。
【0038】
従って、本発明は、さらにまた、トランスジェニック作物植物の中で有害な植物を防除するための除草剤としての、式(I)で表される本発明化合物の使用にも関する。
【0039】
本発明の化合物は、慣習的な製剤における水和剤、乳剤、散布可能溶液剤、散粉性製品(dusting product)又は顆粒剤の形態で施用することができる。従って、本発明は、さらにまた、本発明の化合物を含む除草剤組成物及び植物成長調節性組成物も提供する。
【0040】
本発明の化合物は、必要とされる生物学的及び/又は物理化学的パラメータに応じて、さまざまな方法で製剤することができる。可能な製剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる:水和剤(WP)、水溶剤(water-soluble powders)(SP)、水溶性濃厚剤(water-soluble concentrates)、乳剤(EC)、エマルション剤(EW)、例えば、水中油型エマルション剤及び油中水型エマルション剤、散布可能溶液剤(sprayable solutions)、懸濁製剤(SC)、油又は水に基づく分散液剤、油混和性溶液剤、カプセル懸濁製剤(capsule suspensions)(CS)、散粉性製品(dusting products)(DP)、粉衣剤(dressings)、ばらまき用顆粒剤及び土壌施用用顆粒剤、微粒剤の形態にある顆粒剤(GR)、噴霧粒剤(spray granules)、吸収粒剤(absorption granules)及び含浸粒剤(adsorption granules)、顆粒水和剤(WG)、水溶性粒剤(SG)、微量散布製剤、マイクロカプセル剤、並びに、蝋剤(waxes)。これらの個々の製剤の型は原則として知られており、そして、例えば、以下のものに記載されている:「Winnacker-Kuchler, “Chemische Technologie” [Chemical Technology], Volume 7, C. Hanser Verlag Munich, 4th ed. 1986」、「Wade van Valkenburg, “Pesticide Formulations”, Marcel Dekker, N.Y., 1973」、「K. Martens, “Spray Drying” Handbook, 3rd ed. 1979, G. Goodwin Ltd. London」。
【0041】
不活性物質、界面活性剤、溶媒及びさらなる添加剤などの必要な製剤助剤も同様に知られており、そして、例えば、以下のものに記載されている:「Watkins, “Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers”, 2nd ed., Darland Books, Caldwell N.J.」、「H.v. Olphen, “Introduction to Clay Colloid Chemistry”, 2nd ed., J. Wiley & Sons, N.Y.」、「C. Marsden, “Solvents Guide”, 2nd ed., Interscience, N.Y. 1963」、「McCutcheon’s “Detergents and Emulsifiers Annual”, MC Publ. Corp., Ridgewood N.J.」、「Sisley and Wood, “Encyclopedia of Surface Active Agents”, Chem. Publ. Co. Inc., N.Y. 1964」、「Schonfeldt, “Grenzflachenaktive Athylenoxidaddukte” [Interface-active Ethylene Oxide Adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart 1976」、「Winnacker-Kuchler, “Chemische Technologie”, Volume 7, C. Hanser Verlag Munich, 4th ed. 1986」。
【0042】
これらの製剤に基づいて、別の活性成分(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤)との組合せ物や、さらにまた、薬害軽減剤、肥料及び/若しくは成長調節剤との組合せ物を、例えば、完成した製剤の形態で又はタンクミックスとして、製造することも可能である。
【0043】
混合製剤中で又はタンクミックスの中で一般式(I)で表される化合物に対して使用することが可能な組み合わせ相手剤は、例えば、「Weed Research 26 (1986) 441-445」又は「“The Pesticide Manual”, 14th edition, The British Crop Protection Council and the Royal Soc. of Chemistry, 2006」及びそれらの中で引用されている文献から知られている、例えば、アセト乳酸シンターゼ、アセチル-CoAカルボキシラーゼ、セルロースシンターゼ、エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ、グルタミンシンターゼ、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、フィトエンデサチュラーゼ、光化学系I、光化学系II若しくはプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼなどを阻害することに基づく、又は、植物成長調節剤として作用する、例えば、既知活性成分である。
【0044】
一般式(I)で表される化合物と組み合わせることが可能な既知除草剤又は既知植物成長調節剤の例としては、以下の活性成分(ここで、該化合物は、国際標準化機構(ISO)に従う「一般名」で示されているか、又は、化学名で示されているか、又は、コード番号で示されている)などがあり、そして、それらは、常に、全ての使用形態(例えば、酸、塩、エステル)及び全ての異性体(例えば、立体異性体及び光学異性体)を包含する。これらには、例として、単一の使用形態が含まれるが、場合によっては、複数の使用形態が含まれる:
アセトクロル、アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-メチル、アシフルオルフェン-ナトリウム、アクロニフェン、アラクロール、アリドクロール、アロキシジム、アロキシジム-ナトリウム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドクロル、アミドスルフロン、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メチルフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、アミノシクロピラクロル、アミノシクロピラクロル-カリウム、アミノシクロピラクロル-メチル、アミノピラリド、アミノピラリド-ジメチルアンモニウム、アミノピラリド-トリプロミン、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アスラム、アスラム-カリウム、アスラム-ナトリウム、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、(S)-(-)-ベフルブタミド、ベフルブタミド-M、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベナゾリン-ジメチルアンモニウム、ベナゾリン-カリウム、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンタゾン-ナトリウム、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビラナホス-ナトリウム、ビピラゾン、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム、ビクスロゾン、ブロマシル、ブロマシル-リチウム、ブロマシル-ナトリウム、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロモキシニル-ブチレート、ブロモキシニル-カリウム、ブロモキシニル-ヘプタノエート及びブロモキシニル-オクタノエート、ブソキシノン(busoxinon)、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カムベンジクロル、カルベタミド、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロランベン、クロランベン-アンモニウム、クロランベン-ジオラミン、クロランベン-メチル、クロランベン-メチルアンモニウム、クロランベン-ナトリウム、クロルブロムロン、クロルフェナク、クロルフェナク-アンモニウム、クロルフェナク-ナトリウム、クロルフェンプロップ、クロルフェンプロップ-メチル、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロロフタリム、クロロトルロン、クロルスルフロン、クロルタール、クロルタール-ジメチル、クロルタール-モノメチル、シニドン、シニドン-エチル、シンメトリン、エキソ-(+)-シンメトリン、即ち、(1R,2S,4S)-4-イソプロピル-1-メチル-2-[(2-メチルベンジル)オキシ]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、エキソ-(-)-シンメトリン、即ち、(1R,2S,4S)-4-イソプロピル-1-メチル-2-[(2-メチルベンジル)オキシ]-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、シノスルフロン、クラシホス、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-エチル、クロジナホップ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロピラリド-メチル、クロピラリド-オラミン、クロピラリド-カリウム、クロピラリド-トリポミン、クロランスラム、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナミド、シアナジン、シクロエート、シクロピラニル、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、シプラジン、2,4-D(並びに、そのアンモニウム塩、ブトチル塩、ブチル塩、コリン塩、ジエチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジオラミン塩、ドボキシル塩、ドデシルアンモニウム塩、エテキシル塩、エチル塩、2-エチルヘキシル塩、ヘプチルアンモニウム塩、イソブチル塩、イソオクチル塩、イソプロピル塩、イソプロピルアンモニウム塩、リチウム塩、メプチル塩、メチル塩、カリウム塩、テトラデシルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリイソプロパノールアンモニウム塩、トリプロミン塩及びトロラミン塩)、2,4-DB、2,4-DB-ブチル、2,4-DB-ジメチルアンモニウム、2,4-DB-イソオクチル、2,4-DB-カリウム及び2,4-DB-ナトリウム、ダイムロン(daimuron)(dymron)、ダラポン、ダラポン-カルシウム、ダラポン-マグネシウム、ダラポン-ナトリウム、ダゾメット、ダゾメット-ナトリウム、n-デカノール、7-デオキシ-D-セドヘプツロース、デスメジファム、デトシル ピラゾレート(DTP)、ジカンバ及びその塩(例えば、ジカンバ ビプロアミン、ジカンバ N,N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミン、ジカンバ-ブトチル、ジカンバ-コリン、ジカンバ-ジグリコールアミン、ジカンバ-ジメチルアンモニウム、ジカンバ-ジエタノールアミンアンモニウム、ジカンバ-ジエチルアンモニウム、ジカンバ-イソプロピルアンモニウム、ジカンバ-メチル、ジカンバ-モノエタノールアミン、ジカンバ-オラミン、ジカンバ-カリウム、ジカンバ-ナトリウム、ジカンバ-トリエタノールアミン)、ジクロベニル、2-(2,4-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、2-(2,5-ジクロロベンジル)-4,4-ジメチル-1,2-オキサゾリジン-3-オン、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-ブトチル、ジクロルプロップ-ジメチルアンモニウム、ジクロルプロップ-エテキシル、ジクロルプロップ-エチルアンモニウム、ジクロルプロップ-イソオクチル、ジクロルプロップ-メチル、ジクロルプロップ-カリウム、ジクロルプロップ-ナトリウム、ジクロルプロップ-P、ジクロルプロップ-P-ジメチルアンモニウム、ジクロルプロップ-P-エテキシル、ジクロルプロップ-P-カリウム、ジクロルプロップ-ナトリウム、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、ジクロホップ-P、ジクロホップ-P-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾコート、ジフェンゾコート-メチル硫酸塩、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム、ジメフロン、ジメピペレート、ジメスルファゼット、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメトラスルフロン、ジニトラミン、ジノテルブ、ジノテルブ-酢酸塩、ジフェナミド、ジクワット、ジクワット-ジブロミド、ジクワット-ジクロリド、ジチオピル、ジウロン、DNOC、DNOC-アンモニウム、DNOC-カリウム、DNOC-ナトリウム、エンドタール、エンドタール-ジアンモニウム、エンドタール-ジカリウム、エンドタール-ジナトリウム、エピリフェナシル(S-3100)、EPTC、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン、エタメトスルフロン-メチル、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシフェン-エチル、エトキシスルフロン、エトベンザニド、F-5231、即ち、N-[2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1イル]フェニル]エタンスルホンアミド、F-7967、即ち、3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルホン、フェンピラゾン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フラムプロップ、フラムプロップ-イソプロピル、フラムプロップ-メチル、フラムプロップ-M-イソプロピル、フラムプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フロルピラウキシフェン、フロルピラウキシフェン-ベンジル、フルアジホップ、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-メチル、フルアジホップ-P、フルアジホップ-P-ブチル、フルカルバゾン、フルカルバゾン-ナトリウム、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルメツラム、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルレノール、フルレノール-ブチル、-ジメチルアンモニウム及び-メチル、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルプロパネート、フルプロパネート-ナトリウム、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルロキシピル-ブトメチル、フルロキシピル-メプチル、フルルタモン、フルチアセット、フルチアセット-メチル、ホメサフェン、ホメサフェン-ナトリウム、ホラムスルフロン、ホラムスルフロン-ナトリウム、ホサミン、ホサミン-アンモニウム、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-ナトリウム、L-グルホシネート-アンモニウム、L-グルホシネート-ナトリウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グルホシネート-P-アンモニウム、グリホセート、グリホセート-アンモニウム、グリホセート-イソプロピルアンモニウム、グリホセート-ジアンモニウム、グリホセート-ジメチルアンモニウム、グリホセート-カリウム、グリホセート-ナトリウム、グリホセート-セスキナトリウム及びグリホセート-トリメシウム、H-9201、即ち、O-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)O-エチル イソプロピルホスホルアミドチオエート、ハラウキシフェン、ハラウキシフェン-メチル、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、ハロキシホップ-ナトリウム、ヘキサジノン、HNPC-A8169、即ち、プロパ-2-イン-1-イル(2S)-2-{3-[(5-tert-ブチルピリジン-2-イル)オキシ]フェノキシ}プロパノエート、HW-02、即ち、1-(ジメトキシホスホリル)エチル(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート、ヒダントシジン(hydantocidin)、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザモックス-アンモニウム、イマザピック、イマザピック-アンモニウム、イマザピル、イマザピル-イソプロピルアンモニウム、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマザキン-メチル、イマゼタピル、イマゼタピル-アンモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、アイオキシニル、アイオキシニル-リチウム、-オクタノエート、-カリウム及び-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、カルブチレート、KUH-043、即ち、3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール、ケトスピラドックス(ketospiradox)、ケトスピラドックス-カリウム、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MCPA、MCPA-ブトチル、-ブチル、-ジメチルアンモニウム、-ジオラミン、-2-エチルヘキシル、-エチル、-イソブチル、イソオクチル、-イソプロピル、-イソプロピルアンモニウム、-メチル、-オラミン、-カリウム、-ナトリウム及び-トロラミン、MCPB、MCPB-メチル、-エチル及び-ナトリウム、メコプロップ、メコプロップ-ブトチル、メコプロップ-ジメチルアンモニウム、メコプロップ-ジオラミン、メコプロップ-エテキシル、メコプロップ-エタジル、メコプロップ-イソオクチル、メコプロップ-メチル、メコプロップ-カリウム、メコプロップ-ナトリウム及びメコプロップ-トロラミン、メコプロップ-P、メコプロップ-P-ブトチル、-ジメチルアンモニウム、-2-エチルヘキシル及び-カリウ
ム、メフェナセット、メフルイジド、メフルイジド-ジオラミン、メフルイジド-カリウム、メソスルフロン、メソスルフロン-メチル、メソスルフロン-ナトリウム、メソトリオン、メタベンズチアズロン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メタベンズチアズロン、メチオピルスルフロン(methiopyrsulfuron)、メチオゾリン、イソチオシアン酸メチル、メトブロムロン、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン、メトスルフロン-メチル、モリネート、モノリニュロン、モノスルフロン、モノスルフロン-メチル、MT-5950、即ち、N-[3-クロロ-4-(1-メチルエチル)-フェニル]-2-メチルペンタンアミド、NGGC-011、ナプロパミド、NC-310、即ち、4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール、NC-656、即ち、3-[(イソプロピルスルホニル)メチル]-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)[1,2,4]トリアゾロ-[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド、ネブロン、ニコスルフロン、ノナン酸(ペラルゴン酸)、ノルフルラゾン、オレイン酸(脂肪酸)、オルベンカルブ、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、パラコート、パラコート-ジクロリド、パラコート-ジメチル硫酸塩、ペブレート、ペンジメタリン、ペノキススラム、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、ペトキサミド、石油、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、ピクロラム、ピクロラム-ジメチルアンモニウム、ピクロラム-エテキシル、ピクロラム-イソオクチル、ピクロラム-メチル、ピクロラム-オラミン、ピクロラム-カリウム、ピクロラム-トリエチルアンモニウム、ピクロラム-トリプロミン、ピクロラム-トロラミン、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロジアミン、プロホキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルホカルブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン-エチル、ピラスルホトール、ピラゾリネート(ピラゾレート)、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピラゾキシフェン、ピリバムベンズ(pyribambenz)、ピリバムベンズ-イソプロピル、ピリバムベンズ-プロピル、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリダフォル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンクロラック-ジメチルアンモニウム、キンクロラック-メチル、キンメラック、キノクラミン、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、QYM201、即ち、1-{2-クロロ-3-[(3-シクロプロピル-5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)カルボニル]-6-(トリフルオロメチル)フェニル}ピペリジン-2-オン、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、SL-261、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、SYP-249、即ち、1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブタ-3-エン-2-イル 5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート、SYP-300、即ち、1-[7-フルオロ-3-オキソ-4-(プロパ-2-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-6-イル]-3-プロピル-2-チオキソイミダゾリジン-4,5-ジオン、2,3,6-TBA、TCA(トリクロロ酢酸)及びその塩、例えば、TCA-アンモニウム、TCA-カルシウム、TCA-エチル、TCA-マグネシウム、TCA-ナトリウム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブカルブ、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テトフルピロリメット、タクストミン、テニルクロール、チアゾピル、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカルブ、チアフェナシル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリクロピル、トリクロピル-ブトチル、トリクロピル-コリン、トリクロピル-エチル、トリクロピル-トリエチルアンモニウム、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフロキシスルフロン-ナトリウム、トリフルジモキサジン(trifludimoxazin)、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、尿素硫酸塩(urea sulfate)、ベルノレート、XDE-848、ZJ-0862、即ち、3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリン、3-(2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)フェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-カルボン酸エチルエステル、[(3-{2-クロロ-4-フルオロ-5-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル]フェノキシ}ピリジン-2-イル)オキシ]酢酸エチル、3-クロロ-2-[3-(ジフルオロメチル)イソオキサゾリル-5-イル]フェニル 5-クロロピリミジン-2-イルエーテル、2-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-[(2-ヒドロキシ-6-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-イル)カルボニル]-6-メチルピリダジン-3(2H)-オン、2-({2-[(2-メトキシエトキシ)メチル]-6-メチルピリジン-3-イル}カルボニル)シクロヘキサン-1,3-ジオン、(5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)(3,3,4-トリメチル-1,1-ジオキシド-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾチオフェン-5-イル)メタノン、1-メチル-4-[(3,3,4-トリメチル-1,1-ジオキシド-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾチオフェン-5-イル)カルボニル]-1H-ピラゾール-5-イル プロパン-1-スルホネート、4-{2-クロロ-3-[(3,5-ジメチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル]-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル}-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル 1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸シアノメチル、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸プロパ-2-イン-1-イル、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸メチル、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸ベンジル、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸エチル、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1-イソブチリル-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸メチル、6-(1-アセチル-7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)-4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸メチル、4-アミノ-3-クロロ-6-[1-(2,2-ジメチルプロパノイル)-7-フルオロ-1H-インドール-6-イル]-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸メチル、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-[7-フルオロ-1-(メトキシアセチル)-1H-インドール-6-イル]ピリジン-2-カルボン酸メチル、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸カリウム、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸ナトリウム、4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸ブチル、4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]イミダゾリジン-2-オン、3-(5-tert-ブチル-1,2-オキサゾール-3-イル)-4-ヒドロキシ-1-メチルイミダゾリジン-2-オン、3-[5-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-4-ヒドロキシ-1-メチルイミダゾリジン-2-オン、4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]イミダゾリジン-2-オン、6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-イル)カルボニル]-1,5-ジメチル-3-(2-メチルフェニル)キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオン、3-(2,6-ジメチルフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-イル)カルボニル]-1-メチルキナゾリン-2,4(1H,3H)-ジオン、2-[2-クロロ-4-(メチルスルホニル)-3-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾイル]-3-ヒドロキシシクロヘキサ-2-エン-1-オン、1-(2-カルボキシエチル)-4-(ピリミジン-2-イル)ピリダジン-1-イウム塩(適切なアニオン(例えば、クロリド、アセテート又はトリフルオロアセテート)との塩)、1-(2-カルボキシエチル)-4-(ピリダジン-3-イル)ピリダジン-1-イウム塩(適切なアニオン(例えば、クロリド、アセテート又はトリフルオロアセテート)との塩)、4-(ピリミジン-2-イル)-1-(2-スルホエチル)ピリダジン-1-イウム塩(適切なアニオン(例えば、クロリド、アセテート又はトリフルオロアセテート)との塩)、4-(ピリダジン-3-イル)-1-(2-スルホエチル)ピリダジン-1-イウム塩(適切なアニオン(例えば、クロリド、アセテート又はトリフルオロアセテート)との塩)、1-(2-カルボキシエチル)-4-(1,3-チアゾール-2-イル)ピリダジン-1-イウム塩(適切なアニオン(例えば、クロリド、アセテート又はトリフルオロアセテート)との塩)、1-(2-カルボキシエチル)-4-(1,3-チアゾール-2-イル)ピリダジン-1-イウム塩(適切なアニオン(例えば、クロリド、アセテート又はトリフルオロアセテート)との塩)、メチル (2R)-2-{[(E)-({2-クロロ-4-フルオロ-5-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル]フェニル}メチリデン)アミノ]オキシ}プロパノエート、(E)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド O-{2,6-ビス[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンゾイル}オキシム、2-フルオロ-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-3-[(R)-プロピルスルフィニル]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、(2R)-2-[(4-アミノ
-3,5-ジクロロ-6-フルオロ-2-ピリジル)オキシ]プロパンカルボン酸。
【0045】
可能な混合相手剤としての植物成長調節剤の例は、以下のものである:
アブシジン酸及び関連する類似体[例えば、(2Z,4E)-5-[6-エチニル-1-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-イル]-3-メチルペンタ-2,4-ジエン酸、メチル (2Z,4E)-5-[6-エチニル-1-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-イル]-3-メチルペンタ-2,4-ジエノエート、(2Z,4E)-3-エチル-5-(1-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエン酸、(2E,4E)-5-(1-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)ペンタ-2,4-ジエン酸、メチル(2E,4E)-5-(1-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)ペンタ-2,4-ジエノエート、(2Z,4E)-5-(2-ヒドロキシ-1,3-ジメチル-5-オキソビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エン-2-イル)-3-メチルペンタ-2,4-ジエン酸]、アシベンゾラル、アシベンゾラル-S-メチル、S-アデノシルホモシステイン、アラントイン、2-アミノエトキシビニルグリシン(AVG)、アミノオキシ酢酸及び関連するエステル[例えば、(イソプロピリデン)アミノオキシ酢酸 2-(メトキシ)-2-オキソエチルエステル、(イソプロピリデン)アミノオキシ酢酸 2-(ヘキシルオキシ)-2-オキソエチルエステル、(シクロヘキシリデン)アミノオキシ酢酸-2-(イソプロピルオキシ)-2-オキソエチルエステル]、1-アミノシクロプロパ-1-イルカルボン酸 N-メチル-1-アミノシクロプロピル-1-カルボン酸、1-アミノシクロプロピル-1-カルボキサミド、置換1-アミノシクロプロピル-1-カルボン酸誘導体(DE3335514、EP30287、DE2906507又はUS5123951に記載されている)、1-アミノシクロプロピル-1-ヒドロキサム酸、5-アミノレブリン酸、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ビキニン、ブラシノリド、ブラシノリド-エチル、L-カナリン、カテコール及びカテコール類(例えば、(2S,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオール)、キトオリゴ糖(CO;CO類は、LCO類の特徴である脂肪酸側鎖を有していない点で、LCO類と異なっている。CO類は、場合により、N-アセチルキトオリゴ糖とも称され、同様にGlcNAc単位で構成されているが、それら自身をキチン分子[(C13NO、CAS No.1398-61-4]及びキトサン分子[(C11NO、CAS-No.9012-76-4]と区別する側鎖を有している)、キチン様化合物、クロルメコート-クロリド、クロプロップ、シクラニリド、3-(シクロプロパ-1-エニル)プロピオン酸、1-[2-(4-シアノ-3,5-ジシクロプロピルフェニル)アセトアミド]シクロヘキサンカルボン酸、1-[2-(4-シアノ-3-シクロプロピルフェニル)アセトアミド]シクロヘキサンカルボン酸、1-シクロプロペニルメタノール、ダミノジド、ダゾメット、ダゾメット-ナトリウム、n-デカノール、ジケグラック、ジケグラック-ナトリウム、エンドタール、エンドタール-二カリウム(dipotassum)、-二ナトリウム及びモノ(N,N-ジメチルアルキルアンモニウム)、エテホン、1-エチルシクロプロペン、フルメトラリン、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルレノール-メチル、フルルプリミドール、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸(IAA)、4-インドール-3-イル酪酸、イソプロチオラン、プロベナゾール、ジャスモン酸、ジャスモン酸エステル又は他の誘導体(例えば、ジャスモン酸メチルエステル、ジャスモン酸エチルエステル)、リポキトオリゴ糖(LCOは、場合により、共生根粒形成シグナル(symbiotic nodulation signal)(Nod又はNod因子)又はMyc因子とも称され、そして、非還元末端において縮合したN-結合脂肪酸側鎖を有するβ-1,4-結合N-アセチル-D-グルコサミン残基(「GlcNAc」)からなるオリゴ糖骨格で構成されている。文献から推測可能なように、LCO類は、その骨格構造内のGlcNAc単位の数において、脂肪酸鎖の長さ及び飽和度において、並びに、還元糖単位及び非還元糖単位における置換において、異なっている)、リノール酸又はその誘導体、リノレン酸又はその誘導体、マレイン酸ヒドラジド、メピコートクロリド、メピコートペンタボレート、1-メチルシクロプロペン、3-メチルシクロプロペン、メトキシビニルグリシン(MVG)、3’-メチルアブシジン酸、1-(4-メチルフェニル)-N-(2-オキソ-1-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)メタンスルホンアミド及び関連する置換(テトラヒドロキノリン-6-イル)メタンスルホンアミド類、(3E,3aR,8bS)-3-({[(2R)-4-メチル-5-オキソ-2,5-ジヒドロフラン-2-イル]オキシ}メチレン)-3,3a,4,8b-テトラヒドロ-2H-インデノ[1,2-b]フラン-2-オン及び関連するラクトン類(EP2248421に記載されている)、2-(1-ナフチル)アセトアミド、1-ナフチル酢酸、2-ナフチルオキシ酢酸、ニトロフェノキシド混合物、4-オキソ-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]酪酸、パクロブトラゾール、4-フェニル酪酸及びその塩(例えば、4-フェニルブタン酸ナトリウム、4-フェニルブタン酸カリウム)、フェニルアラニン、N-フェニルフタルアミド酸、プロヘキサジオン、プロヘキサジオン-カルシウム、1-n-プロピルシクロプロペン、プトレシン、プロヒドロジャスモン、リゾビトキシン(rhizobitoxin)、サリチル酸及びサリチル酸メチル、サルコシン、ナトリウム シクロプロパ-1-エン-1-イルアセテート、ナトリウム シクロプロパ-2-エン-1-イルアセテート、ナトリウム 3-(シクロプロパ-2-エン-1-イル)プロパノエート、ナトリウム 3-(シクロプロパ-1-エン-1-イル)プロパノエート、シデフンギン(sidefungin)、スペルミジン、スペルミン、ストリゴラクトン、テクナゼン、チジアズロン、トリアコンタノール、トリネキサパック、トリネキサパック-エチル、トリプトファン、チトデフ(tsitodef)、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、2-フルオロ-N-(3-メトキシフェニル)-9H-プリン-6-アミン。
【0046】
式(I)で表される本発明化合物と組み合わせて使用することが可能な、及び、場合により、さらなる活性成分(例えば、上記で挙げられている殺菌剤、除草剤、殺ダニ剤、殺虫剤)と組み合わせて使用することが可能な、薬害軽減剤は、好ましくは、以下のものからなる群から選択される。
【0047】
(S1) 式(S1)
【化2】
〔式中、記号及び添え字は、以下の意味を有する:
は、0~5の自然数、好ましくは、0~3の自然数であり;
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、ニトロ又は(C-C)-ハロアルキルであり;
は、N及びOの群から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する部分的不飽和又は芳香族の5員ヘテロ環の群から選択される置換されていないか又は置換されている二価ヘテロ環式ラジカル(ここで、該環中には、少なくとも1個の窒素原子及び最大で1個の酸素原子が存在している)であり、好ましくは、(W )~(W
【化3】
の群から選択されるラジカルであり;
は、0又は1であり;
は、OR 、SR 若しくはNR であるか、又は、少なくとも1個の窒素原子と最大で3個までのヘテロ原子(好ましくは、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子)を有する飽和若しくは不飽和の3~7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、窒素原子を介して(S1)内のカルボニル基に結合しており、そして、該ヘテロ環は、置換されていないか、又は、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ若しくは置換されていてもよいフェニルからなる群から選択されるラジカルで置換されている)であり、好ましくは、式OR 、式NHR 又は式N(CHで表されるラジカルであり、特に、式OR で表されるラジカルであり;
は、水素であるか、又は、置換されていないか若しくは置換されている(好ましくは、合計で1~18個の炭素原子を有する)脂肪族炭化水素ラジカルであり;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシであるか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルであり;
は、H、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル、シアノ又はCOOR (ここで、R は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル、(C-C)-ヒドロキシアルキル、(C-C12)-シクロアルキル又はトリ-(C-C)-アルキルシリルである)であり;
、R 、R は、同一であるか又は異なっており、そして、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C12)-シクロアルキルであるか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルである〕
で表される化合物;
好ましくは:
(a) ジクロロフェニルピラゾリン-3-カルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-5-メチル-2-ピラゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-1)(「メフェンピル-ジエチル」)及び関連化合物(これらは、WO-A-91/07874に記載されている);
(b) ジクロロフェニルピラゾールカルボン酸の誘導体(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-メチルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-2)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-3)、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-(1,1-ジメチルエチル)ピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-4)及び関連化合物(これらは、EP-A-333131及びEP-A-269806に記載されている);
(c) 1,5-ジフェニルピラゾール-3-カルボン酸の誘導体(S1)、好ましくは、以下のような化合物:1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸エチル(S1-5)、1-(2-クロロフェニル)-5-フェニルピラゾール-3-カルボン酸メチル(S1-6)及び関連化合物(これらは、例えば、EP-A-268554に記載されている);
(d) トリアゾールカルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:フェンクロラゾール(-エチルエステル)、即ち、1-(2,4-ジクロロフェニル)-5-トリクロロメチル-(1H)-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸エチル(S1-7)及び関連化合物(これらは、EP-A-174562及びEP-A-346620に記載されている);
(e) 5-ベンジル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸若しくは5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸のタイプ又は5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸のタイプの化合物(S1)、好ましくは、以下のような化合物:5-(2,4-ジクロロベンジル)-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-8)若しくは5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-9)及び関連化合物(これらは、WO-A-91/08202に記載されている)、又は、5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸(S1-10)若しくは5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-11)(「イソキサジフェン-エチル」)若しくは5,5-ジフェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸n-プロピル(S1-12)若しくは5-(4-フルオロフェニル)-5-フェニル-2-イソオキサゾリン-3-カルボン酸エチル(S1-13)(これらは、特許出願WO-A-95/07897に記載されている)。
【0048】
(S2) 式(S2)
【化4】
〔式中、記号及び添え字は、下記意味を有する:
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、ニトロ又は(C-C)-ハロアルキルであり;
は、0~5の自然数、好ましくは、0~3の自然数であり;
は、OR 、SR 若しくはNR であるか、又は、少なくとも1個の窒素原子と最大で3個までのヘテロ原子(好ましくは、O及びSの群から選択されるヘテロ原子)を有する飽和又は不飽和の3~7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、窒素原子を介して(S2)内のカルボニル基に結合しており、そして、該ヘテロ環は、置換されていないか、又は、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ若しくは置換されていてもよいフェニルの群から選択されるラジカルで置換されている)であり、好ましくは、式OR 、式NHR 又は式N(CHで表されるラジカルであり、特に、式OR で表されるラジカルであり;
は、水素であるか、又は、置換されていないか若しくは置換されている(好ましくは、合計で1~18個の炭素原子を有する)脂肪族炭化水素ラジカルであり;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシであるか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルであり;
は、(C、又は、C)-アルカンジイル鎖(ここで、該アルカンジイル鎖は、置換されていないか、又は、1若しくは2の(C-C)-アルキルラジカルで置換されているか、又は、[(C-C)-アルコキシ]カルボニルで置換されている)である〕
で表されるキノリン誘導体;
好ましくは:
(a) 8-キノリンオキシ酢酸のタイプの化合物(S2)、好ましくは、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸1-メチルヘキシル(「クロキントセット-メキシル」)(S2-1)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸(1,3-ジメチル-ブタ-1-イル)(S2-2)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸4-アリルオキシブチル(S2-3)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸1-アリルオキシプロパ-2-イル(S2-4)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸エチル(S2-5)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸メチル(S2-6)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸アリル(S2-7)、
(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸2-(2-プロピリデンイミノオキシ)-1-エチル(S2-8)、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸2-オキソプロパ-1-イル(S2-9)及び関連化合物(これらは、EP-A-86750、EP-A-94349及びEP-A-191736又はEP-A-0492366に記載されている)、並びに、さらに、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)酢酸(S2-10)、その水和物及び塩、例えば、そのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、スルホニウム塩又はホスホニウム塩(これらは、WO-A-2002/34048記載されている);
(b) (5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸のタイプの化合物(S2)、好ましくは、以下のような化合物:(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸ジエチル、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸ジアリル、(5-クロロ-8-キノリンオキシ)マロン酸メチルエチル及び関連化合物(これらは、EP-A-0582198に記載されている)。
【0049】
(S3) 式(S3)
【化5】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
は、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-ハロアルケニル、(C-C)-シクロアルキルであり、好ましくは、ジクロロメチルであり;
、R は、同一であるか若しくは異なっており、そして、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-ハロアルケニル、(C-C)-アルキルカルバモイル-(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニルカルバモイル-(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ-(C-C)-アルキル、ジオキソラニル-(C-C)-アルキル、チアゾリル、フリル、フリルアルキル、チエニル、ピペリジルであるか、又は、置換されているか若しくは置換されていないフェニルであるか、又は、R とR は一緒に、置換されているか若しくは置換されていないヘテロ環式環(好ましくは、オキサゾリジン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ヘキサヒドロピリミジン環又はベンゾオキサジン環)を形成している〕
で表される化合物;
好ましくは:
発生前薬害軽減剤(土壌作用性薬害軽減剤)としてしばしば使用されるジクロロアセトアミドのタイプの活性成分、例えば、
「ジクロルミド」(N,N-ジアリル-2,2-ジクロロアセトアミド)(S3-1)、「R-29148」(3-ジクロロアセチル-2,2,5-トリメチル-1,3-オキサゾリジン)〔供給元:Stauffer〕(S3-2)、
「R-28725」(3-ジクロロアセチル-2,2-ジメチル-1,3-オキサゾリジン)〔供給元:Stauffer〕(S3-3)、
「ベノキサコル」(4-ジクロロアセチル-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2H-1,4-ベンゾオキサジン)(S3-4)、
「PPG-1292」(N-アリル-N-[(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル]ジクロロアセトアミド)〔供給元:PPG Industries〕(S3-5)、
「DKA-24」(N-アリル-N-[(アリルアミノカルボニル)メチル]ジクロロアセトアミド)〔供給元:Sagro-Chem〕(S3-6)、
「AD-67」又は「MON 4660」(3-ジクロロアセチル-1-オキサ-3-アザスピロ[4.5]デカン)〔供給元:Nitrokemia、又は、Monsanto〕(S3-7)、
「TI-35」(1-ジクロロアセチルアゼパン)〔供給元:TRI-Chemical RT〕(S3-8)、
「ジクロノン(diclonon)」(ジシクロノン)又は「BAS 145138」又は「LAB 145138」(S3-9)、
((RS)-1-ジクロロアセチル-3,3,8a-トリメチルペルヒドロピロロ[1,2-a]ピリミジン-6-オン)〔供給元:BASF〕、
「フリラゾール」又は「MON 13900」((RS)-3-ジクロロアセチル-5-(2-フリル)-2,2-ジメチルオキサゾリジン)(S3-10)及びその(R)-異性体(S3-11)。
【0050】
(S4) 式(S4)
【化6】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
は、SO-NR -CO又はCO-NR -SOであり;
は、CH又はNであり;
は、CO-NR 又はNHCO-R であり;
は、ハロゲン、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-ハロアルコキシ、ニトロ、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-アルコキシカルボニル又は(C-C)-アルキルカルボニルであり;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニルであり;
は、ハロゲン、ニトロ、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-シクロアルキル、フェニル、(C-C)-アルコキシ、シアノ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルスルフィニル、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-アルコキシカルボニル又は(C-C)-アルキルカルボニルであり;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、(C-C)-シクロアルケニル、フェニル又は3~6員のヘテロシクリル(ここで、該ヘテロシクリルは、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択されるv個のヘテロ原子を含む)であり(ここで、最後に挙げられている7つのラジカルは、ハロゲン、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-アルキルスルフィニル、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルコキシカルボニル、(C-C)-アルキルカルボニル及びフェニルからなる群から選択される、また、環式ラジカルの場合には、さらに、(C-C)-アルキル及び(C-C)-ハロアルキルからなる群からも選択される、vの置換基で置換されている);
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニルであり(ここで、最後に挙げられている3つのラジカルは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ及び(C-C)-アルキルチオからなる群から選択されるvのラジカルで置換されている);又は、
とR は、それらを有している窒素原子と一緒に、ピロリジニルラジカル又はピペリジニルラジカルを形成しており;
は、水素、(C-C)-アルキルアミノ、ジ-(C-C)-アルキルアミノ、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキルであり(ここで、最後に挙げられている2つのラジカルは、ハロゲン、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ及び(C-C)-アルキルチオからなる群から選択される、また、環式ラジカルの場合には、さらに、(C-C)-アルキル及び(C-C)-ハロアルキルからなる群からも選択される、vの置換基で置換されている);
は、0、1又は2であり;
は、1又は2であり;
は、0、1、2又は3である〕
で表されるN-アシルスルホンアミド及びそれらの塩;
これらの中で、例えば、WO-A-97/45016から知られている、例えば、下記式(S4
【化7】
〔式中、
は、(C-C)-アルキル又は(C-C)-シクロアルキルであり(ここで、最後に挙げられている2つのラジカルは、ハロゲン、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ及び(C-C)-アルキルチオからなる群から選択される、また、環式ラジカルの場合には、さらに、(C-C)-アルキル及び(C-C)-ハロアルキルからなる群からも選択される、vの置換基で置換されている);
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ又はCFであり;
は、1又は2であり;
は、0、1、2又は3である〕
で表されるN-アシルスルホンアミドのタイプの化合物が好ましく、
及び、さらに、
例えば、WO-A-99/16744から知られている、例えば、下記式(S4
【化8】
で表されるアシルスルファモイルベンズアミド、例えば、上記式において、
=シクロプロピル、且つ、(R )=2-OMe(「シプロスルファミド」、S4-1);
=シクロプロピル、且つ、(R )=5-Cl-2-OMe(S4-2);
=エチル、且つ、(R )=2-OMe(S4-3);
=イソプロピル、且つ、(R )=5-Cl-2-OMe(S4-4);及び、
=イソプロピル、且つ、(R )=2-OMe(S4-5);
であるものなども好ましく、
及び、さらに、
例えば、EP-A-365484から知られている、下記式(S4
【化9】
〔式中、
及びR は、独立して、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル又は(C-C)-アルキニルであり;
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、CFであり;
は、1又は2である〕
で表されるN-アシルスルファモイルフェニル尿素のタイプの化合物、例えば、
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素(「メトカミフェン」、S4-6);
1-[4-(N-2-メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3,3-ジメチル尿素;
1-[4-(N-4,5-ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]-3-メチル尿素;
なども好ましく、
及び、さらに、
例えば、CN 101838227から知られている、式(S4
【化10】
で表されるN-フェニルスルホニルテレフタルアミド、例えば、上記式中、
が、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、CFであり;
が、1又は2であり;
が、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、(C-C)-シクロアルケニルである;
N-フェニルスルホニルテレフタルアミドなども好ましい。
【0051】
(S5) ヒドロキシ芳香族化合物及び芳香族-脂肪族カルボン酸誘導体の類から選択される活性成分(S5)、例えば、3,4,5-トリアセトキシ安息香酸エチル、3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシサリチル酸、4-フルオロサリチル酸、2-ヒドロキシケイ皮酸、2,4-ジクロロケイ皮酸(これらは、WO-A-2004/084631、WO-A-2005/015994、WO-A-2005/016001に記載されている)。
【0052】
(S6) 1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン類の類から選択される活性成分(S6)、例えば、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン、1-メチル-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-チオン、1-(2-アミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン塩酸塩、1-(2-メチルスルホニルアミノエチル)-3-(2-チエニル)-1,2-ジヒドロキノキサリン-2-オン(これらは、WO-A-2005/112630に記載されている)。
【0053】
(S7) 式(S7)(これは、WO-A-1998/38856に記載されている)
【化11】
〔式中、記号及び添え字は、以下のように定義される:
、R は、独立して、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルキルアミノ、ジ-(C-C)-アルキルアミノ、ニトロであり;
は、COOR 又はCOSR であり;
、R は、独立して、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル、シアノアルキル、(C-C)-ハロアルキル、フェニル、ニトロフェニル、ベンジル、ハロベンジル、ピリジニルアルキル及びアルキルアンモニウムであり;
は、0又は1であり;
、n は、独立して、0、1又は2である〕
で表される化合物;
好ましくは:
ジフェニルメトキシ酢酸、
ジフェニルメトキシ酢酸エチル、
ジフェニルメトキシ酢酸メチル(CAS Reg. No.41858-19-9)(S7-1)。
【0054】
(S8) 式(S8)(これは、WO-A-98/27049に記載されている)
【化12】
〔式中、
は、CH又はNであり;
は、X=Nである場合、0~4の整数であり;及び、
は、X=CHである場合、0~5の整数であり;
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、ニトロ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルスルホニル、(C-C)-アルコキシカルボニル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいフェノキシであり;
は、水素又は(C-C)-アルキルであり;
は、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル又はアリール(ここで、上記炭素含有ラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン及びアルコキシからなる群から選択される1以上の(好ましくは、最大で3までの)同一であるか若しくは異なっているラジカルで置換されている)である〕
で表される化合物又はその塩;
好ましくは、上記式中、
が、CHであり;
が、0~2の整数であり;
が、ハロゲン、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシであり;
が、水素又は(C-C)-アルキルであり;
が、水素、(C-C)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-アルキニル又はアリール(ここで、上記炭素含有ラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン及びアルコキシからなる群から選択される1以上の(好ましくは、最大で3までの)同一であるか若しくは異なっているラジカルで置換されている)である;
化合物又はその塩。
【0055】
(S9) 3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン類の類から選択される活性成分(S9)、例えば、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-エチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS Reg. No.219479-18-2)、1,2-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-(5-テトラゾリルカルボニル)-2-キノロン(CAS Reg. No.95855-00-8)(これらは、WO-A-1999/000020に記載されている)。
【0056】
(S10) 式(S10)又は式(S10)(これらは、WO-A-2007/0237190及びWO-A-2007/023764に記載されている)
【化13】
〔式中、
は、ハロゲン、(C-C)-アルキル、メトキシ、ニトロ、シアノ、CF、OCFであり;
、Zは、互いに独立して、O又はSを表し;
は、0~4の整数であり;
は、(C-C16)-アルキル、(C-C)-アルケニル、(C-C)-シクロアルキル、アリール、ベンジル、ハロベンジルであり;
は、水素又は(C-C)-アルキルである〕
で表される化合物。
【0057】
(S11) オキシイミノ化合物のタイプの活性成分(S11)(これらは、種子粉衣剤として知られている)、例えば、
「オキサベトリニル」((Z)-1,3-ジオキソラン-2-イルメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-1)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「フルキソフェニム」(1-(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリフルオロ-1-エタノン O-(1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)オキシム)(S11-2)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);及び、
「シオメトリニル」又は「CGA-43089」((Z)-シアノメトキシイミノ(フェニル)アセトニトリル)(S11-3)(これは、メトラクロールによる損傷に対するアワ/モロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている)。
【0058】
(S12) イソチオクロマノン類の類から選択される活性成分(S12)、例えば、[(3-オキソ-1H-2-ベンゾチオピラン-4(3H)-イリデン)メトキシ]酢酸メチル(CAS Reg. No.205121-04-6)(S12-1)及び関連化合物(WO-A-1998/13361)。
【0059】
(S13) 以下の群から選択される1種類以上の化合物(S13):
「ナフタル酸無水物」(1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物)(S13-1)(これは、チオカーバメート系除草剤による損傷に対するトウモロコシ用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「フェンクロリム」(4,6-ジクロロ-2-フェニルピリミジン)(S13-2)(これは、播種されたイネにおいてプレチラクロールに対する薬害軽減剤として知られている);
「フルラゾール」(2-クロロ-4-トリフルオロメチル-1,3-チアゾール-5-カルボン酸ベンジル)(S13-3)(これは、アラクロール及びメトラクロールによる損傷に対するアワ、ソルガム用の種子粉衣薬害軽減剤として知られている);
「CL 304415」(CAS Reg. No.31541-57-8)(4-カルボキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-酢酸)(S13-4)〔供給元:American Cyanamid〕(これは、イミダゾリノン類による損傷に対するトウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている);
「MG 191」(CAS Reg. No.96420-72-3)(2-ジクロロメチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン)(S13-5)〔供給元:Nitrokemia〕(これは、トウモロコシ用の薬害軽減剤として知られている);
「MG 838」(CAS Reg. No.133993-74-5)(2-プロペニル 1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン-4-カルボジチオエート)(S13-6)〔供給元:Nitrokemia〕;
「ジスルホトン」(O,O-ジエチル S-2-エチルチオエチル ホスホロジチオエート)(S13-7);
「ジエトレート(dietholate)」(O,O-ジエチル O-フェニルホスホロチオエート)(S13-8);
「メフェネート(mephenate)」(メチルカルバミン酸4-クロロフェニル)(S13-9)。
【0060】
(S14) 有害な植物に対する除草効果に加えてイネなどの作物植物に対する薬害軽減効果も有している活性成分、例えば、
「ジメピレート」又は「MY 93」(S-1-メチル 1-フェニルエチルピペリジン-1-カルボチオエート)(これは、除草剤モリネートによる損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「ダイムロン」又は「SK 23」(1-(1-メチル-1-フェニルエチル)-3-p-トリル尿素)(これは、除草剤イマゾスルフロンによる損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「クミルロン」=「JC 940」(3-(2-クロロフェニルメチル)-1-(1-メチル-1-フェニルエチル)尿素;JP-A-60087254を参照されたい)(これは、一部の除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「メトキシフェノン」又は「NK 049」(3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン)(これは、一部の除草剤による損傷に対するイネ用の薬害軽減剤として知られている);
「CSB」(1-ブロモ-4-(クロロメチルスルホニル)ベンゼン)〔供給元:Kumiai〕(CAS Reg. No. 54091-06-4)(これは、イネにおける一部の除草剤による損傷に対する薬害軽減剤として知られている)。
【0061】
(S15) 式(S15)(これは、WO-A-2008/131861及びWO-A-2008/131860に記載されている)
【化14】
〔式中、
は、(C-C)-ハロアルキルラジカルであり;及び、
は、水素又はハロゲンであり;及び
、R は、独立して、水素、(C-C16)-アルキル、(C-C16)-アルケニル若しくは(C-C16)-アルキニルである(ここで、最後に挙げられている3つのラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルアミノ、ジ[(C-C)-アルキル]アミノ、[(C-C)-アルコキシ]カルボニル、[(C-C)-ハロアルコキシ]カルボニル、置換されていないか若しくは置換されている(C-C)-シクロアルキル、置換されていないか若しくは置換されているフェニル及び置換されていないか若しくは置換されているヘテロシクリルの群から選択される1以上のラジカルで置換されている)か、又は、(C-C)-シクロアルキル、(C-C)-シクロアルケニル、(C-C)-シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、当該環の1辺において4~6員の飽和又は不飽和の炭素環式環に縮合している)若しくは(C-C)-シクロアルケニル(ここで、該シクロアルケニルは、当該環の1辺において4~6員の飽和又は不飽和の炭素環式環に縮合している)を表し(ここで、最後に挙げられている4つのラジカルは、それぞれ、置換されていないか、又は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ、(C-C)-アルキルチオ、(C-C)-アルキルアミノ、ジ[(C-C)-アルキル]アミノ、[(C-C)-アルコキシ]カルボニル、[(C-C)-ハロアルコキシ]カルボニル、置換されていないか若しくは置換されている(C-C)-シクロアルキル、置換されていないか若しくは置換されているフェニル及び置換されていないか若しくは置換されているヘテロシクリルからなる群から選択される1以上のラジカルで置換されている);
又は、
は、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-アルケニルオキシ、(C-C)-アルキニルオキシ又は(C-C)-ハロアルコキシであり;及び、
は、水素又は(C-C)-アルキルであり;又は、
とR は、直接結合している窒素原子と一緒に、4~8員のヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、当該窒素原子に加えて、さらなる環ヘテロ原子(好ましくは、N、O及びSの群から選択される最大で2個までのさらなる環ヘテロ原子)も含むことができ、また、該ヘテロ環式環は、置換されていないか、又は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C-C)-アルキル、(C-C)-ハロアルキル、(C-C)-アルコキシ、(C-C)-ハロアルコキシ及び(C-C)-アルキルチオの群から選択される1以上のラジカルで置換されている)である〕
で表される化合物又はその互変異性体。
【0062】
(S16) 主に除草剤として使用されるが作物植物に対する薬害軽減効果も有している活性成分、例えば、
(2,4-ジクロロフェノキシ)酢酸(2,4-D);
(4-クロロフェノキシ)酢酸;
(R,S)-2-(4-クロロ-o-トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ);
4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4-DB);
(4-クロロ-o-トリルオキシ)酢酸(MCPA);
4-(4-クロロ-o-トリルオキシ)酪酸;
4-(4-クロロフェノキシ)酪酸;
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸(ジカンバ);
3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸1-(エトキシカルボニル)エチル(ラクチジクロル-エチル(lactidichlor-ethyl))。
【0063】
特に好ましい薬害軽減剤は、メフェンピル-ジエチル、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシル、ベノキサコル、ジクロルミド及びメトカミフェン(metcamifen)である。
【0064】
水和剤は、活性成分に加えて、そして、希釈剤又は不活性物質とは別に、さらに、イオン性及び/又は非イオン性のタイプの界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えば、ポリエトキシ化アルキルフェノール、ポリエトキシ化脂肪族アルコール、ポリエトキシ化脂肪族アミン、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、リグノスルホン酸ナトリウム、2,2’-ジナフチルメタン-6,6’-ジスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム又はナトリウムオレオイルメチルタウレートなども含む、水中で均質に分散することが可能な調製物である。水和剤を製造するためには、例えば、ハンマーミル、ブロワミル及びエアージェットミルなどの慣習的な装置の中で、該除草活性成分を微粉砕し、そして、同時に又はその後で、製剤補助剤と混合させる。
【0065】
乳剤は、該活性成分を有機溶媒(例えば、ブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン又は比較的沸点が高い芳香族物質若しくは炭化水素)又はそのような有機溶媒の混合物の中に溶解させ、イオン性及び/又は非イオン性の1種類以上の界面活性剤(乳化剤)を添加することによって製造する。使用し得る乳化剤の例は、以下のとおりである:アルキルアリールスルホン酸カルシウム塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、又は、非イオン性乳化剤、例えば、脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド/エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、又は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
【0066】
散粉性製品(dusting products)は、該活性成分を微粉砕された(finely distributed)固形物(例えば、タルク、自然粘土、例えば、カオリン、ベントナイト及び葉ろう石、又は、珪藻土)と一緒に粉砕することによって得られる。
【0067】
懸濁製剤は、水性又は油性であることができる。それらは、例えば、商業用ビーズミルを用いて、そして、場合により界面活性剤(例えば、別の製剤型に関して、既に上記で挙げられている界面活性剤)を添加して、湿式粉砕することによって製造することができる。
【0068】
エマルション剤、例えば、水中油型エマルション剤(EW)は、例えば、水性有機溶媒を使用し、そして、場合により界面活性剤(例えば、別の製剤型に関して既に上記で挙げられている界面活性剤)を使用して、撹拌機、コロイドミル及び/又はスタティックミキサーを用いて製造することができる。
【0069】
顆粒剤は、吸着性の顆粒状不活性物質の表面上に該活性成分を噴霧することによって、又は、担体物質(例えば、砂、カオリナイト又は顆粒状の不活性物質)の表面上に接着剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム又は鉱油)を用いて活性成分濃厚物を塗布することによって、製造することができる。さらにまた、肥料顆粒を製造するための慣習的な方法で(必用に応じて、肥料との混合物として)、適切な活性成分を造粒することも可能である。
【0070】
顆粒水和剤は、一般に、噴霧乾燥、流動床造粒、パン造粒、高速ミキサーを用いた混合、及び、固形不活性物質を用いない押出などの、慣習的な方法によって製造する。
【0071】
パン粒剤、流動床粒剤、押出粒剤及び噴霧粒剤の製造に関しては、例えば、「“Spray-Drying Handbook” 3rd ed. 1979, G. Goodwin Ltd., London」、「J.E. Browning, “Agglomeration”, Chemical and Engineering 1967, pages 147 ff.」、「“Perry’s Chemical Engineer’s Handbook”, 5th Ed., McGraw-Hill, New York 1973, pp. 8-57」に記載されている方法を参照されたい。
【0072】
作物保護組成物の製剤に関するさらなる詳細については、例えば、「G.C. Klingman, “Weed Control as a Science”, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961, pages 81-96」及び「J.D. Freyer, S.A. Evans, “Weed Control Handbook”, 5th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1968, pages 101-103」を参照されたい。
【0073】
該農薬調製物は、一般に、0.1重量%~99重量%、特に、0.1重量%~95重量%の、本発明の化合物を含む。水和剤では、該活性成分の濃度は、例えば、約10重量%~90重量%であり、100重量%までの残余は、慣習的な製剤成分からなる。乳剤の場合は、該活性成分の濃度は、約1重量%~90重量%、好ましくは、5重量%~80重量%であり得る。粉末の形態にある製剤は、1重量%~30重量%の活性成分、好ましくは、通常、5重量%~20重量%の活性成分を含み;散布可能溶液剤は、約0.05重量%~80重量%、好ましくは、2重量%~50重量%の活性成分を含む。顆粒水和剤の場合は、該活性成分の含有量は、その活性化合物が液体形態で存在しているか又は固体形態で存在しているかに部分的に依存し、及び、どのような造粒助剤、増量剤などが使用されるかに部分的に左右される。顆粒水和剤では、活性成分の含有量は、例えば、1重量%~95重量%、好ましくは、10重量%~80重量%である。
【0074】
さらに、活性成分の上記製剤は、場合により、それぞれの慣習的な粘着剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、防腐剤、不凍剤、並びに、溶媒、増量剤、担体、並びに、色素、消泡剤、蒸発抑制剤、並びに、pH及び粘度に影響を及ぼす作用剤を含有する。
【0075】
これらの製剤に基づいて、別の殺有害生物活性物質(例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤)との組合せ物や、さらにまた、薬害軽減剤、肥料及び/又は成長調節剤との組合せ物を、例えば、完成された製剤の形態で又はタンクミックスとして、製造することも可能である。
【0076】
施用するために、商業用の形態にある製剤は、適切な場合には、慣習的な方法で希釈し、例えば、水和剤、乳剤、分散液剤及び顆粒水和剤の場合には、水で希釈する。粉剤のタイプの調製物、土壌施用用顆粒剤又はばらまき用顆粒剤及び散布可能溶液剤は、通常、施用前に別の不活性物質でさらに希釈することはない。
【0077】
式(I)で表される化合物及びそれらの塩の必要とされる施用量は、外部条件(例えば、とりわけ、温度、湿度及び使用する除草剤の種類など)に応じて変わる。それは、広い範囲内で、例えば、0.001~10.0kg/ha又はそれ以上の活性物質の範囲内で、変わり得る。しかしながら、それは、好ましくは、0.005~5kg/haであり、さらに好ましくは、0.01~1.5kg/haの範囲内であり、さらに好ましくは、0.05~1kg/haの範囲内である。これは、発生前施用及び発生後施用の両方に当てはまる。
【0078】
担体は、特に植物又は植物の部分又は種子への施用に関して、適用性を良好にするために、当該活性成分と混合させるか又は合する天然又は合成の有機物質又は無機物質である。このような担体は、固体又は液体であり得るが、一般に、不活性であり、そして、農業において使用するのに適しているべきである。
【0079】
有用な固体又は液体の担体としては、以下のものなどがある:例えば、アンモニウム塩、並びに、天然岩粉、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、並びに、合成岩粉、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及び天然又は合成のシリケート、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール、特に、ブタノール、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体。そのような担体の混合物も使用し得る。粒剤に有用な固体担体としては、以下のものなどがある:例えば、粉砕して分別した天然岩石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、苦灰岩、並びに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒、並びに、さらに、有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒。
【0080】
適切な液化ガス増量剤又は担体は、標準温度及び大気圧下では気体である液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロゲン化炭化水素類、又は、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などである。
【0081】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。さらなる添加剤は、鉱油及び植物油であり得る。
【0082】
使用する増量剤が水である場合、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。有用な液体溶媒は、本質的に以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又はジクロロメタン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、鉱油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、及び、さらに、水。
【0083】
本発明の組成物には、付加的に、さらなる成分(例えば、界面活性剤など)も含有させることができる。有用な界面活性剤は、イオン特性若しくは非イオン特性を有する乳化剤及び/若しくは泡形成剤、分散剤又は湿潤剤であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物である。これらの例は、以下のものである:ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸若しくはナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(好ましくは、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(好ましくは、アルキルタウレート)、ポリエトキシ化アルコールのリン酸エステル若しくはポリエトキシ化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン及びリン酸アニオンを含む該化合物の誘導体、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、タンパク質加水分解物、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなど。該活性成分のうちの1種類及び/又は該不活性担体のうちの1種類が水不溶性であり且つ施用が水で行われる場合は、界面活性剤を存在させることが必要である。界面活性剤の割合は、本発明組成物の5~40重量%である。着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0084】
適切な場合には、付加的な別の成分、例えば、保護コロイド、結合剤、粘着剤、増粘剤、揺変性物質、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、錯化剤なども存在させることができる。一般に、該活性成分は、製剤目的で一般的に使用される固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。一般に、本発明の組成物及び製剤は、0.05重量%~99重量%、0.01重量%~98%重量%、好ましくは、0.1重量%~95重量%、さらに好ましくは、0.5重量%~90重量%の活性成分を含有し、最も好ましくは、10重量%~70重量%の活性成分を含有する。本発明の活性成分又は組成物は、そのままで使用することが可能であるか、又は、それらの個々の物理的及び/若しくは化学的特性に応じて、以下のようなそれらの製剤の形態若しくはその製剤から調製される使用形態で使用することが可能である:例えば、エーロゾル剤、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold-fogging concentrate)、温煙霧濃厚剤(warm-fogging concentrate)、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、即時使用可能な溶液剤(ready-to-use solution)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、泡剤(foam)、ペースト剤、農薬粉衣種子、懸濁製剤(suspension concentrate)、サスポエマルション製剤、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、懸濁液剤(suspension)、散布可能粉末剤、可溶性粉剤(soluble powder)、粉剤及び粒剤、水溶性顆粒剤又は錠剤、種子処理用水溶性粉剤、水和剤、活性成分が含浸されている天然生成物及び合成物質、並びに、さらに、ポリマー物質中にマイクロカプセル化されているもの及び種子用のコーティング物質中にマイクロカプセル化されているもの、並びに、さらに、ULV冷煙霧製剤(ULV cold-fogging formulation)及びULV温煙霧製剤(ULV warm-fogging formulation)。
【0085】
上記製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性成分を少なくとも1種類の慣習的な増量剤、溶媒又は希釈剤、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固着剤、湿潤剤、撥水剤、場合により、乾燥剤及び紫外線安定剤、並びに、場合により、染料及び顔料、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着性付与剤、ジベレリン類、並びに、さらに、別の加工助剤と混合させることによって製造することができる。
【0086】
本発明の組成物には、既に使用し得る状態にあって適切な装置を用いて植物又は種子に対して使用可能な製剤のみではなく、使用前に水で希釈することが必要な商業的な濃厚物も包含される。
【0087】
本発明の活性成分は、それだけで存在し得るか、又は、その(商業用の標準的な)製剤中に、若しくは、そのような製剤から調製された使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤若しくは情報化学物質などの別の(既知)活性成分との混合物として、存在し得る。
【0088】
上記活性成分又は組成物を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、噴霧、潅漑、気化、散粉、煙霧、ばらまき、泡状化、塗布、拡散(spreading-on)、潅水(潅注(drenching))、点滴潅漑などによって、直接的に行うか、又は、該活性成分又は組成物を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合には、さらに、乾式種子処理によって、湿式種子処理によって、スラリー処理によって、外被化(incrustation)によって、1層以上の被膜をコーティングすることによって、行う。さらに、該活性成分を微量散布法(ultra-low volume method)によって施用する(deploy)ことも可能であり、又は、該活性成分調製物若しくは該活性成分自体を土壌中に注入することも可能である。
【0089】
本発明の活性成分は、植物が良好な適合性を示し、恒温動物に対する毒性が望ましい程度であり且つ環境との適合性が良好である場合、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、及び、収穫された作物の質を向上させるのに適している。それらは、好ましくは、作物保護組成物として使用することができる。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して活性を示し、また、全ての発育段階又は特定の発育段階に対して活性を示す。
【0090】
本発明に従って処理することが可能な植物としては、以下の主要な作物植物などを挙げることができる:トウモロコシ、ダイズ、ワタ、アブラナ属油料種子(Brassica oil seeds)、例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、カノラ)、カブ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、(フィールド)マスタード)及びアビシニアガラシ(Brassica carinata)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ及びソルガム、ライコムギ、アマ、ブドウの木、並びに、種々の植物学的分類群に属するさまざまな果実及び野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果類、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果類、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド及びモモ、並びに、液果類、例えば、イチゴ)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテーション)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ナス)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Compositae sp.)(例えば、レタス、チョウセンアザミ及びチコリー(これは、ルートチコリー(root chicory)、エンダイブ又はキクニガナ(common chicory)を包含する))、セリ科各種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリ及びセルリアック)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ(これは、ガーキンを包含する)、カボチャ、スイカ、ヒョウタン及びメロン)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ及びタマネギ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、コショウソウ及びハクサイ)、マメ科各種(Leguminosae sp.)(例えば、ラッカセイ、エンドウ及びインゲンマメ属(例えば、インゲンマメ(common bean)及びソラマメ))、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、アオイ科(Malvaceae)(例えば、オクラ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);庭園及び森林における有用な植物及び観賞植物;及び、いずれの場合にも、これら植物の遺伝子組み換えが行われたタイプのもの。
【0091】
上記で述べたように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種方法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらなる実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた遺伝子工学的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、上記で説明した。本発明に従って特に好ましいのは、商業上慣習的なそれぞれの植物品種の植物又は使用されているそれぞれの植物品種の植物を処理することである。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって栽培された、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。それらは、品種、変種、生物型及び遺伝子型であることができる。
【0092】
本発明の処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)、例えば、植物又は種子などを処理するのにも使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。用語「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、その遺伝子が興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物体内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子がダウンレギュレート若しくはスイッチオフされることにより〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術又はRNAi技術[RNA干渉]などを使用する〕、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の形質を付与する遺伝子を意味する。ゲノム内に存在している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な存在によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0093】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。例えば、実際に予期される効果を超える以下の効果などが可能である:本発明に従って使用し得る活性成分及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は効力の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上。
【0094】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含む植物を選抜することによって得ることができる。
【0095】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。植物は、種々の方法によって、グリホセートに対して耐性にすることができる。かくして、例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Comai et al., 1983, Science 221, 370-371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barry et al., 1992, Curr. Topics Plant Physiol. 7, 139-145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al., 1986, Science 233, 478-481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(Gasser et al., 1988, J. Biol. Chem. 263, 4280-4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO 01/66704)。それは、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、上記遺伝子の自然発生突然変異を含む植物を選抜することによって得ることもできる。グリホセート耐性を付与するEPSPS遺伝子を発現する植物は、既に記述されている。グリホセート耐性を付与する別の遺伝子(例えば、デカルボキシラーゼ遺伝子)を発現する植物は、既に記述されている。
【0096】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる。そのような有効な解毒酵素の1つの例は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトミセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、記述されている。
【0097】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ類は、パラ-ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、WO 96/38567、WO 99/24585、WO 99/24586、WO 2009/144079、WO 2002/046387又はUS 6,768,044に記述されているように、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素若しくはキメラHPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物は、WO 99/34008及びWO 02/36787に記述されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO 2004/024928に記述されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えてプレフェナートデヒドロゲナーゼ酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。さらに、植物は、そのゲノムの中にHPPD阻害薬を代謝又は分解する酵素(例えば、CYP450酵素)をコードする遺伝子を挿入することによって、HPPD阻害薬に対してさらに耐性にすることができる(WO 2007/103567及びWO 2008/150473を参照されたい)。
【0098】
別の除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright (Weed Science 2002, 50:700-712)」などに記述されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、既に記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物についても、既に記述されている。
【0099】
イミダゾリノン系及び/又はスルホニル尿素系に対して耐性を示すさらなる植物は、誘導された突然変異誘発によって得ることができるか、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜によって得ることができるか、又は、突然変異育種によって得ることができる(cf. 例えば、ダイズに関しては、US 5,084,082、イネに関しては、WO 97/41218、テンサイに関しては、US 5,773,702及びWO 99/057965、レタスに関しては、US 5,198,599、又は、ヒマワリに関しては、WO 01/065922)。
【0100】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含む植物を選抜することによって得ることができる。
【0101】
本発明に関連して、用語「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含む少なくとも1の導入遺伝子を含む任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、クリックモアら「Crickmore et al. (Microbiology and Molecular Biology Reviews 1998, 62, 807-813)」によって編集され、クリックモアら「Crickmore et al. (2005)」によって、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」上で「バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法」において更新された殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質又はその殺虫活性を示す一部分(例えば、EP-A 1999141、及び、WO 2007/107302)、又は、例えば米国特許出願第12/249,016に記載されている合成遺伝子によってコードされているタンパク質;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)以外の第2の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cy34結晶タンパク質とCy35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン(Nat. Biotechnol. 2001, 19, 668-72; Applied Environm. Microbiol. 2006, 71, 1765-1774)、又は、Cry1A若しくはCry1Fタンパク質とCry2Aa若しくはCry2Ab若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する2種類の異なる殺虫性結晶タンパク質の一部分を含む殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON89034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記(1)~(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1~10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質、又は、トウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1Aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン(WO 94/21795);又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する異なる分泌タンパク質の一部分を含む殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記項目(5)~(7)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNAにおいて誘発された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1~10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質;又は、
(9) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、タンパク質VIP3とCry1A若しくはCry1Fで構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第61/126083号、及び、米国特許出願第61/195019号)、又は、VIP3タンパク質とCry2Aaタンパク質若しくはCry2Abタンパク質若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP 08010791.5);又は、
(10) 上記項目(9)のタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中において誘発された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1~10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの。
【0102】
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)~(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含む任意の植物も包含する。一実施形態では、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫体内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)~(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含む。
【0103】
本発明に関連して、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、さらに、害虫が食物を摂取した後で、その害虫の成長を防止する二本鎖RNAを産生する配列を含む少なくとも1の導入遺伝子を含む任意の植物も包含する。
【0104】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレス因子に対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含む植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(a) 植物細胞内又は植物体内におけるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含む植物;
(b) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含む植物;
(c) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能性酵素(plant-functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含む植物。
【0105】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的特性〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度(gelling strength)、澱粉粒子サイズ及び/又は澱粉粒子形態〕が改変されていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか、又は、遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成する、トランスジェニック植物〔その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物、α-1,4-グルカン類を産生する植物、α-1,6-分枝 α-1,4-グルカン類を産生する植物、及び、アルテルナンを産生する植物である〕;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物;
(4) 「可溶性固形物高含有量」、「低辛味」(LP)及び/又は「長期保存」(LS)などの特性を有するトランスジェニック植物又はハイブリッド植物、例えば、タマネギ。
【0106】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含む植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) セルロースシンターゼ遺伝子の改変された形態を含む植物(例えば、ワタ植物);
(b) rsw2相同核酸又はrsw3相同核酸の改変された形態を含む植物(例えば、ワタ植物)、例えば、スクロースリン酸シンターゼの発現が増大しているワタ植物;
(c) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物);
(d) 繊維細胞に基づいた形質膜ゲート制御のタイミングが(例えば、繊維選択的β-1,3-グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物);
(e) 反応性が(例えば、nodCを包含するN-アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)。
【0107】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含む植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)。
【0108】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることが可能なもの)は、ウイルス抵抗性を示す〔例えば、ジャガイモウイルスYに対してウイルス抵抗性を示す(SY230イベント及びSY233イベント、Tecnoplant,Argentina)〕ジャガイモ又は病害(例えば、ジャガイモ疫病)に対して抵抗性を示すジャガイモ(例えば、RB遺伝子)又は低減された低温誘発甘味を示すジャガイモ(これは、遺伝子Nt-Inh、遺伝子II-INVを有している)又は矮性表現型を示すジャガイモ(A-20オキシダーゼ遺伝子)などの植物である。
【0109】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、改変された種子脱粒特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された特性を付与する突然変異を含む植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、種子の脱粒が遅延されているか又は低減されている植物(例えば、ナタネ植物)などがある。
【0110】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、アメリカ合衆国内における規制除外(non-regulated status)についてのアメリカ合衆国農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)に対する認可申請又は継続申請の対象である、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含む植物である。これに関連する情報は、APHIS(4700 River Road Riverdale, MD 20737,USA)から、例えば、ウェブサイト「http://www.aphis.usda.gov/brs/not_reg.html」を介して、いつ何時でも入手することができる。本出願の出願日において、下記情報を有する申請は、APHISによって許可されたか又はAPHISが審理中である:
- 申請: 当該申請の識別番号。形質転換イベントについての技術的な記述は、APHISからそのウェブサイトにおいて入手可能な特定の申請書類の中に、当該申請番号を介して見いだすことができる。それらの記述は、参照によって本明細書中に開示される。
- 申請の拡張: 範囲又は期間の拡張が請求されている、先の申請についての言及。
- 会社: 当該申請を提出している個人の名称。
- 規制物: 当該植物種。
- トランスジェニック表現型: 形質転換イベントによって植物に付与された形質。
- 形質転換イベント又はライン: 規制除外が請求されている1つ又は複数のイベント(場合により、ラインとも称される)の名称。
- APHIS文書: 申請に関連してAPHISによって刊行されているか、又は、請求することでAPHISから入手することが可能な、種々の文書。
【0111】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、1種類以上の毒素をコードする1種類以上の遺伝子を含む植物、例えば、以下の商品名で販売されているトランスジェニック植物である:YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BiteGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、BT-Xtra(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、Nucotn 33B(登録商標)(ワタ)、NatureGard(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Protecta(登録商標)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)。挙げることができる除草剤耐性植物の例としては、以下の商品名で入手可能なトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種などがある:Roundup Ready(登録商標)(グリホセート類に対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)及びSCS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)で販売されている品種などがある。
【0112】
本発明に従って処理することができる特に有用なトランスジェニック植物は、形質転換イベント又は質転換イベントの組合せを含んでおり、例えば、様々な国又は地域の規制機関のデータベースに記載されている植物である(例えば、以下のものを参照されたい:「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」、及び、「http://cera-gmc.org/index.php?evidcode=&hstIDXCode=&gType=&AbbrCode=&atCode=&stCode=&coIDCode=&action=gm_crop_database&mode=Submit」)。
【実施例
【0113】
A. 化学実施例
以下の実施例は、本発明について例証している。
【0114】
2-クロロ-3-(メチルスルファニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例No.1-31)の合成
【化15】
50mLのアセトニトリル中の653mg(7.68mmol)の1,3,4-オキサジアゾール-2-アミンと2.00g(6.98mmol)の2-クロロ-3-(メチルスルファニル)-4-(トリフルオロメトキシ)安息香酸に、2.67mL(33.49mmol)の1-メチル-1H-イミダゾールを添加した。その混合物を0℃~5℃の温度まで冷却した。0.91mL(10.47mmol)の塩化オキサリルを少量ずつ添加した。次いで、その反応混合物を室温まで昇温させ、その温度で3.5時間撹拌した。後処理のために、その反応混合物からロータリーエバポレーター上で溶媒を除去し、その残渣を、ジクロロメタンと水の中に溶解した。相分離後、その有機相を濃縮し、その残渣を、水中に溶解した。6M水酸化ナトリウム溶液を添加し、次いで、その混合物をジクロロメタンで繰り返し洗浄した。その後、その水相を6M塩酸で酸性化した。得られた固体を濾去し、乾燥させた。その後、その固体を再度ジクロロメタンと炭酸水素ナトリウム水溶液中に溶解した。相分離後、その有機相からロータリーエバポレーター上で溶媒を除去した。910mgの所望の生成物が85重量%の純度で単離された。
【0115】
2-クロロ-3-(メチルスルフィニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例No.1-32)及び2-クロロ-3-(メチルスルホニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(実施例No.1-35)の合成
【化16】
25mLのジクロロメタンの中の750mg(85重量%;1.80mmol)の2-クロロ-3-(メチルスルファニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドに、室温で、713mg(77重量%;3.18mmol)の3-クロロペルオキシ安息香酸を添加した。その混合物を室温で6日間撹拌した。次いで、追加の119mg(77重量%;0.53mmol)の3-クロロペルオキシ安息香酸を添加し、その混合物を、当該反応のモニタリングがかなりの量のスルホン及びスルホキシドを示すまで室温で撹拌した。後処理のために、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を添加した。その混合物を数分間撹拌し、相分離後、その有機相からロータリーエバポレーター上で溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィーで精製して、112mgの2-クロロ-3-(メチルスルフィニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(純度90重量%)及び68mgの2-クロロ-3-(メチルスルホニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド(純度90重量%)が得られた。
【0116】
2-クロロ-4-(ジフルオロメトキシ)-3-(メチルスルファニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンズアミド(実施例No.1-21)の合成
【化17】
50mLのアセトニトリル中の697mg(8.19mmol)の1,3,4-オキサジアゾール-2-アミンと2.00g(7.44mmol)の2-クロロ-4-(ジフルオロメトキシ)-3-(メチルスルファニル)安息香酸に、2.85mL(35.73mmol)の1-メチル-1H-イミダゾールを添加した。その混合物を0℃~5℃の温度まで冷却した。0.97mL(11.17mmol)の塩化オキサリルを少量ずつ添加した。次いで、その反応混合物を室温まで昇温させ、その温度で16時間撹拌した。後処理のために、その反応混合物からロータリーエバポレーター上で溶媒を除去し、その残渣をジクロロメタンと水の中に溶解した。相分離後、その有機相を濃縮し、その残渣を水中に溶解した。6M水酸化ナトリウム溶液を添加し、次いで、その混合物をジクロロメタンで繰り返し洗浄した。その後、その水相を6M塩酸で酸性化した。その混合物を濾過し、得られた固体を乾燥させた。その後、その固体を再度ジクロロメタンと炭酸水素ナトリウム水溶液の中に溶解した。相分離後、その有機相からロータリーエバポレーター上で溶媒を除去した。残渣を少量のジクロロメタンと一緒に撹拌し、次いで、その混合物を濾過した。その固体を乾燥させ、605mgの所望の生成物(純度80重量%)が単離された。
【0117】
2-クロロ-4-(ジフルオロメトキシ)-3-(メチルスルホニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンズアミド(実施例No.1-25)の合成
【化18】
36mLのジクロロメタン中の600mg(80重量%;1.43mmol)の2-クロロ-4-(ジフルオロメトキシ)-3-(メチルスルファニル)-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンズアミドに、室温で、1001mg(77重量%;4.47mmol)の3-クロロペルオキシ安息香酸を添加した。その混合物を室温で7日間撹拌した。次いで、反応を完了させるために、123mg(77重量%;0.55mmol)の3-クロロペルオキシ安息香酸及び5mLのアセトニトリルのそれぞれを2回添加した。その混合物を、当該反応のモニタリングがスルホンへの完全な変換を示すまで室温で撹拌した。後処理のために、メタ重亜硫酸ナトリウムの水溶液を添加した。その混合物を数分間撹拌し、相分離後、その有機相からロータリーエバポレーター上で溶媒を除去した。残渣をtert-ブチルメチルエーテルの中に溶解し、次いで、その混合物を濾過し、単離された固体を乾燥させた。その単離された固体は、427mgの所望の生成物(純度90重量%)であった。
【0118】
下記表に記載されている実施例は、上記で記載した方法と同様にして調製したか、又は、上記で記載した方法と同様にして得ることができる。これらの化合物は、極めて特に好ましい。
【0119】
使用した略号は、以下の意味を有する:
【表1】
【表2】
【0120】
選択された実施例のNMRデータ
NMRピークリスト法
選択された実施例の1H NMRデータは、1H NMRピークリストの形態で示される。各シグナルピークに対して、最初にδ値(ppm)が記載され、次に、丸括弧内にシグナル強度が記載されている。種々のシグナルピークに関するδ値/シグナル強度数の対が、セミコロンで互いに区切られて記載されている。
【0121】
従って、1つの例に対するピークリストは、以下の形態をとる:
δ(強度);δ(強度);...;δ(強度);...;δ(強度)。
【0122】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の比率を示している。幅が広いシグナルの場合、数個のピーク又は該シグナルの中央及びそれらの相対的強度が、当該スペクトルの中の最も強いシグナルとの比較で示され得る。
【0123】
1H NMRスペクトルの化学シフトを較正するために、テトラメチルシランを使用するか、及び/又は、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、その溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストの中には、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在する必要はない。
【0124】
1H NMRピークのリストは、従来の1H NMRのプリントアウトと類似しており、従って、通常、NMRの慣習的な解釈で記載される全てのピークを含む。
【0125】
さらに、それらは、従来の1H NMRのプリントアウトのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、同様に、本発明の対象の一部を形成する)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
【0126】
溶媒及び/又は水のデルタ範囲内における化合物シグナルの記録において、1H NMRピークの本発明者らによるリストは、通常の溶媒のピーク、例えば、DMSO-D中のDMSOのピーク及び水のピーク(これらは、通常、平均して高い強度を有している)を示している。
【0127】
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、90%を超える純度を有する目標化合物)のピークよりも低い強度を有している。
【0128】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、この場合、「副産物の指紋(by-product fingerprints)」に関して、本発明者らの調製方法の再現性を確認するのに役立ち得る。
【0129】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACDシミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H NMRの慣習的な解釈における関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0130】
1H NMRピークリストに関するさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の中に見いだすことができる。
【0131】
【表3】
【0132】
B. 製剤実施例
(a) 散粉性製品(dusting product)は、10重量部の式(I)で表される化合物及び/又はその塩と90重量部の不活性物質としてのタルクを混合させ、そして、その混合物をハンマーミルの中で粉砕することによって得られる。
【0133】
(b) 水に容易に分散する水和剤は、25重量部の式(I)で表される化合物及び/又はその塩と64重量部の不活性物質としてのカオリン含有石英と10重量部のリグノスルホン酸カリウムと1重量部の湿潤剤及び分散剤としてのオレオイルメチルタウリンナトリウム(sodium oleoylmethyltaurate)を混合させ、そして、ピンディスクミルの中で摩砕することによって得られる。
【0134】
(c) 水に容易に分散する分散製剤(dispersion concentrate)は、20重量部の式(I)で表される化合物及び/又はその塩を6重量部のアルキルフェノールポリグリコールエーテル((登録商標)Triton X 207)と3重量部のイソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)と71重量部のパラフィン系鉱油(沸点範囲:例えば、約255℃~約277℃を超える)と混合させ、そして、アトリションボールミルの中で5ミクロン未満の粉末度になるまで摩砕することによって得られる。
【0135】
(d) 乳剤は、15重量部の式(I)で表される化合物及び/又はその塩と75重量部の溶媒としてのシクロヘキサノンと10重量部の乳化剤としてのオキシエチル化(oxethylated)ノニルフェノールから得られる。
【0136】
(e) 顆粒水和剤は、
75重量部の式(I)で表される化合物及び/又はその塩、
10重量部のリグノスルホン酸カルシウム、
5重量部のラウリル硫酸ナトリウム、
3重量部のポリビニルアルコール、及び、
7重量部のカオリン
を混合させ、その混合物をピンディスクミルの中で摩砕し、そして、得られた粉末を流動床の中で造粒液(granulating liquid)としての水を噴霧することにより造粒することによって得られる。
【0137】
(f) 顆粒水和剤は、さらにまた、コロイドミルの中で、
25重量部の式(I)で表される化合物及び/又はその塩、
5重量部の2,2’-ジナフチルメタン-6,6’-ジスルホン酸ナトリウム、
2重量部のオレオイルメチルタウリンナトリウム(sodium oleoylmethyltaurate)、
1重量部のポリビニルアルコール、
17重量部の炭酸カルシウム、及び、
50重量部の水
を均質化及び前粉砕し、次いで、その混合物をビーズミルの中で摩砕し、そして、得られた懸濁液を噴霧塔の中で単一相ノズル(one-phase nozzle)を用いて噴霧及び乾燥させることによっても得られる。
【0138】
C. 生物学的データ
以下で使用される略語は、下記意味を有する。
【表4】
【0139】
1. 有害な植物に対する発生後除草作用
木質繊維製ポット内の砂壌土に単子葉及び双子葉の雑草植物及び作物植物の種子を配置し、土壌で被覆し、温室内で良好な成育条件下で栽培する。播種後2~3週間経過した後、被験植物を1葉期で処理する。当該植物の緑色の部分に、水和剤(WP)の形態に又は乳剤(EC)として製剤された本発明の化合物を、0.2%の湿潤剤が添加された600~800L/haに相当する散布水量の水性懸濁液又は水性エマルションとして噴霧する。被験植物を温室内で最適な成育条件下に約3週間静置した後、当該調製物の効果について、処理されていない対照と比較して視覚的に評価する(除草効果(%):100%の活性=植物の枯死、0%の活性=対照植物と同様)。
【0140】
【表5】
【0141】
【表6】
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】
【表9】
【0145】
【表10】
【0146】
【表11】
【0147】
【表12】
【0148】
【表13】
【0149】
【表14】
【0150】
【表15】
【0151】
【表16】
【0152】
【表17】
【0153】
【表18】
【0154】
【表19】
【0155】
【表20】
【0156】
【表21】
【0157】
【表22】
【0158】
【表23】
【0159】
【表24】
【0160】
【表25】
【0161】
【表26】
【0162】
【表27】
【0163】
【表28】
【0164】
【表29】
【0165】
【表30】
【0166】
【表31】
【0167】
表1a/b、表2a/b、表3a/b、表4a/b、表5、表6a/b、表7a/b、表8a/b、表9a/b、表10a/b、表11a/b、表12a/b、表13a/b及び表14a/bの結果が示しているように、本発明の化合物は、広範なイネ科雑草及び広葉雑草に対して良好な発生後除草効力を有している。例えば、記載されている実施例は、80/20g/haの施用量で、とりわけ、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、エノコログサ(Setaria viridis)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)及びサンシキスミレ(Viola tricolor)に対して、80-100%の活性を示す。従って、本発明の化合物は、望ましくない植物の成長を発生後法で防除するのに適している。
【0168】
2. 発生前除草効果及び作物植物適合性
木質繊維製ポット内の砂壌土に単子葉及び双子葉の雑草植物及び作物植物の種子を配置し、土壌で被覆する。次いで、その被覆土壌の表面に、水和剤(WP)の形態に又は乳剤(EC)として製剤された本発明の化合物を、0.2%の湿潤剤が添加された600~800L/haに相当するの散布水量の水性懸濁液又は水性エマルションとして施用する。処理後、ポットを温室内に置き、その被験植物にとって良好な成育条件下に維持する。3週間の試験期間の後、処理されていない対照と比較することにより、該被験植物に対する損傷を視覚的に評価する(除草活性(%):100%の活性=植物の枯死、0%の活性=対照植物と同様)。
【0169】
【表32】
【0170】
【表33】
【0171】
【表34】
【0172】
【表35】
【0173】
【表36】
【0174】
【表37】
【0175】
【表38】
【0176】
【表39】
【0177】
【表40】
【0178】
【表41】
【0179】
【表42】
【0180】
【表43】
【0181】
【表44】
【0182】
【表45】
【0183】
【表46】
【0184】
【表47】
【0185】
【表48】
【0186】
【表49】
【0187】
【表50】
【0188】
【表51】
【0189】
【表52】
【0190】
【表53】
【0191】
【表54】
【0192】
【表55】
【0193】
【表56】
【0194】
【表57】
【0195】
【表58】
【0196】
【表59】
【0197】
表1a/b、表2a/b、表3a/b、表4a/b、表5a/b、表6a/b、表7a/b、表8a/b、表9a/b、表10a/b、表11a/b、表12a/b、表13a/b及び表14a/bの結果が示しているように、本発明の化合物は、広範なイネ科雑草及び広葉雑草に対して良好な発生前除草効力を有している。例えば、当該化合物は、80/20g/haの施用量で、とりわけ、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ボウムギ(Lolium rigidum)、エノコログサ(Setaria viridis)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、サンシキスミレ(Viola tricolor)及びオオイヌノフグリ(Veronica persica)に対して、80-100%の活性を示す。従って、本発明の化合物は、望ましくない植物の成長を発生前法で防除するのに適している。
【国際調査報告】